第267回放送と人権等権利に関する委員会

第267回 – 2019年3月

委員会決定、通知公表の報告…など

議事の詳細

日時
2019年3月19日(火)午後4時~5時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「芸能ニュースに対する申立て」委員会決定、通知公表の報告

本件事案の委員会決定(見解:放送倫理上問題あり)の通知・公表を3月11日に行った。事務局がその概要を報告し、当該局のTBSテレビが放送した決定を伝えるニュース番組と当該番組(通常編成)の同録DVDを視聴した。

2. その他

  • 委員退任の件
     白波瀬佐和子委員が3月末で退任する。

  • 講師派遣の報告

  • 申立ての状況

  • 2019年度の委員会予定

以上

第266回放送と人権等権利に関する委員会

第266回 – 2019年2月

「芸能ニュースに対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2019年2月19日(火)午後4時~6時40分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。 番組の中ほどで、「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張に理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。これに対してTBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明することを提案し、できる限りの対応をしようとしてきたとしている。
今月の委員会では、前回の委員会後に開かれた第3回起草委員会で修正された「委員会決定」案が提案され、了承された。その結果、3月11日午後に「委員会決定」を通知・公表することになった。

2. その他

  • 講師派遣の件、年次報告会の開催について事務局から報告があった。

  • 次回委員会は3月19日に開かれる。

以上

第265回放送と人権等権利に関する委員会

第265回 – 2019年1月

「芸能ニュースに対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2019年1月15日(火)午後4時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。 番組の中ほどで、「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張に理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。これに対してTBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明することを提案し、できる限りの対応をしようとしてきたとしている。
今月の委員会では、12月の審理を踏まえ開かれた第2回起草委員会で起草した「委員会決定」案の修正案が示され、担当委員より説明の後、審理が行われた。審理では、各論点に対する評価や表現等について意見が交わされ、さらに第3回起草委員会を開いて修正を行い、次回2月の委員会に提案することになった。

2. その他

  • 1月29日に大阪で開く近畿地区での意見交換会について事務局より説明が行われた。

  • 次回委員会は2月19日に開かれる。

以上

第264回放送と人権等権利に関する委員会

第264回 – 2018年12月

「芸能ニュースに対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2018年12月18日(火)午後4時~6時20分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。番組の中ほどで、「14位 俳優・細川茂樹
事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張に理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。これに対してTBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明することを提案し、できる限りの対応をしようとしてきたとしている。
前回委員会でのヒアリング後の審理で結論の方向が固まり、起草委員会が開かれ「委員会決定」案が起草された。今月の委員会では、担当委員が決定案を説明して審理した。審理の結果を踏まえ、第2回起草委員会で決定案を修正し、次回1月の委員会に提案することになった。

2. その他

  • 事務局の山田瞳法律専門調査役(非常勤 弁護士)が今月限りで退任し、後任に當舎修弁護士が就任することになった。

  • 次回委員会は1月15日に開かれる。

以上

第263回放送と人権等権利に関する委員会

第263回 – 2018年11月

「芸能ニュースに対する申立て」事案のヒアリングと審理など

議事の詳細

日時
2018年11月20日(火)午後3時~8時5分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。番組の中ほどで、「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張に理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。これに対してTBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明することを提案し、できる限りの対応をしようとしてきたとしている。
今月の委員会では、申立人とTBSテレビにヒアリングを実施した。
申立人側は細川茂樹氏本人と代理人弁護士2人が出席し、「この問題を取り上げたいくつかの局のワイドショーは、正しい裏付け取材もせずに契約解除の理由をでっち上げた内容を放送したため、謝罪コメントを番組ホームページに出してもらったが、本件放送はある局の謝罪コメントが出された10日後に放送された。TBSテレビは裏付け取材をしておきながら、申立人が契約書の条項にしたがって契約期間満了を理由に契約関係を終了したのに、裁判所で否定された前事務所側の契約解除通知を事実と称して報道した。この悪質性に鑑み、他局が行った謝罪レベルのコメントでなく、どうしてあの時期に、あのような放送を行ったのか、踏み込んだ謝罪と反省を求めたが、為されなかった。話し合いや書面でも、故意、意図的な放送ではないとする客観的証拠は示されなかった。放送の影響による被害はインターネットでまだ拡散しており、申立人の社会的地位を奪い、裁判所決定を否定した放送の責任は重い」等と述べた。
TBSテレビからは番組の責任者ら3人が出席し、「申立人の件は年末時点では視聴者の関心も薄れていると予想したが、2017年は他のタレントのトラブルも話題になっていたので、申立人の件を導入部として『タレントと事務所とのトラブル』という括りで伝えることにした。導入部という限られた時間の中で『細川さんは事務所側からパワハラを理由に契約解除を突き付けられ、これを認めずにトラブルになったけれども、別の形で契約終了の道を選び、芸能界の一線から退くことになった』ということを、どう分かりやすく伝えるか腐心した。放送時点では表現に問題はないと考えたが、申立てを受けて再検討すると、『細川さんが事務所の主張を認めていない』という点が明確でなく、視聴者の誤解を招きかねない表現だったと反省し、申立人に大変なご心痛をおかけしたことは本当に申し訳ないと思っている。ただ、『判断ガイド2018』に記載されているような『誰の目にも明らかな権利侵害』に当たるとは考えていない」等と述べた。

ヒアリング終了後、本件事案の論点を踏まえて審理を続け、その結果、担当委員が決定文の起草に入ることになった。

2.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案 決定の通知・公表の報告

本件事案の委員会決定(見解:要望あり)の通知・公表が11月7日に行われた。事務局がその概要を報告し、当該局のCBCテレビが放送した決定を伝えるニュース番組の同録DVDを視聴した。

3. その他

  • 次回委員会は12月18日に開かれる。

以上

第262回放送と人権等権利に関する委員会

第262回 – 2018年10月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2018年10月16日(火)午後4時~7時50分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案

対象となったのは、外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などをユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や千畝の出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが「手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させる」と名誉毀損を訴え申し立てた。これに対しCBCテレビは、「一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えない」と主張している。
前回の委員会後に開かれた第3回起草委員会で修正された「委員会決定」案が今月の委員会に提案され、了承された。その結果、来月上旬に「委員会決定」を通知・公表することになった。

2.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。
番組の中ほどで「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張に理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。これに対してTBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明することを提案し、出来る限りの対応をしようとしてきたとしている。
委員会ではヒアリングに向けて起草担当委員が作成した論点と質問項目の案について検討した。次回11月の委員会で、申立人、被申立人双方にヒアリングを実施することを決めた。

3. 審理要請案件「夫婦間トラブル報道に対する申立て」~ 審理せず

2017年8月28日に放送された朝の情報番組で、ある地方議会議員が妻とトラブルになり、けがをさせた傷害の疑いで書類送検されたという報道が約12分間行われた(以下、「本件放送」という)。議員は、事実に反する報道によって名誉を毀損されたなどと訴える申立書を2018年8月26日付で委員会に提出した(以下、「本件申立て」という)。
委員会運営規則第5条1項の苦情の取り扱い基準は、審理の対象となる苦情について「苦情申立人と放送事業者との間の話し合いが相容れない状況になっているもので、原則として、放送のあった日から3か月以内に放送事業者に対し申し立てられ、かつ、1年以内に委員会に申し立てられたものとする」としている。
委員会は、この規定に照らして本件申立てを審理するかどうか検討し、審理対象外と判断した。理由は以下のとおりである。
本件放送の直後、申立人は、代理人の弁護士を通じて局に対して「書類送検された」、「ストーカー登録をされた」との2点の報道は誤報だと指摘して訂正を申し入れている。これに対して局は2点が誤報だったことを認め、同日の深夜、局の担当者と同弁護士が面談した結果、合意が成立し、局はこの合意に沿うかたちで、翌日の同じ番組内で2点の誤報を訂正し申立人の実名を出してお詫びをする放送を行っている。これ以降、本件申立てまでの間に、申立人側から局に対してお詫び放送に不満を示したり、さらなる対応を求めたりした事実はない。
以上の事実経過から、本件放送直後の局に対する申立人の苦情申し入れは、局がお詫び放送をしたことによって解決したと判断される。苦情の取り扱い基準にある「苦情申立人と放送事業者との間の話し合いが相容れない状況になっているもの」にも該当しない。お詫び放送から本件申立てに至る約1年もの間、申立人が局に対して何らの苦情を伝えてこなかったことは、この点を裏付けている。
なお、本件申立てが、上記の本件放送直後の苦情申し入れに含まれない権利侵害などを新たに申し立てる趣旨であるならば、それらは本件申立てで初めて主張することになり、苦情の取り扱い基準にある「3か月以内に放送事業者に対して申し立てられ」た苦情に当たらない。
以上のように、委員会は本件申立てを審理対象外と判断した。

4. その他

  • 近畿地区2府4県の民放、NHKとの意見交換会を来年1月29日に大阪で開催することになった。

  • 次回委員会は11月20日に開かれる。

以上

第261回放送と人権等権利に関する委員会

第261回 – 2018年9月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2018年9月18日(火)午後4時~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案

対象となったのは、外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などをユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や千畝の出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが「手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させる」と名誉毀損を訴え申し立てた。これに対しCBCテレビは、「一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えない」と主張している。
今月の委員会では、第2回起草委員会を経て提出された「委員会決定」修正案を審理し、次回委員会でさらに検討することになった。

2.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。番組の中ほどで「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張に理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。これに対してTBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明することを提案し、出来る限りの対応をしようとしてきたとしている。
前回の委員会後、申立人から「反論書」が、被申立人から「再答弁書」が提出され、所定の書面が出揃った。
今月の委員会では事務局が双方から提出された資料と主な主張について説明し、委員が意見を交わした。今後、担当委員が事案の論点とヒアリングに向けた質問事項を整理し、次回委員会に提案することとなった。

3. その他

  • 長崎県の民放、NHKとの意見交換会を11月28日に長崎市で開催することになった。

  • 次回の委員会は10月16日に開かれる。

以上

第260回放送と人権等権利に関する委員会

第260回 – 2018年7月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2018年7月17日(火)午後4時~6時40分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案

対象となったのは、外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などをユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や千畝の出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが「手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させる」と名誉毀損を訴え申し立てた。これに対しCBCテレビは、「一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えない」と主張している。
前回の委員会でのヒアリング、審理を受けて、起草委員会が開かれて「委員会決定」案が起草され、今月の委員会では担当委員が決定案を説明して審理した。審理の結果を踏まえ、第2回起草委員会で決定案を修正し、次回委員会に提案することになった。

2.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。 番組の中程で「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張には理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。
前回の委員会で審理入りが決定したのを受けて、TBSテレビから答弁書が提出された。答弁書の中で、TBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明する提案し、出来る限りの対応をしようとしてきたとしている。
今後、申立人から反論書、TBSテレビから再答弁書が提出される見込みで、次回委員会でさらに審理を進める。

3. その他

  • 放送人権委員会は7月4日に東京・台場のフジテレビを訪問した。テレビ局の報道現場について理解を深める目的で、奥委員長ら委員7人が参加した。
    委員会では事務局より報告した後、委員が感想を述べた。
    当日は、まずフジテレビの報道の体制や取材から放送に至る業務の流れ、危機管理態勢の取り組みについて説明を聞いた。このあと報道センターへ移動し、夕方のニュース番組の放送直前のスタジオを見学したり、字幕スーパーのチェック体制や速報を出す仕組みの解説を聞いた。また、放送本番を迎えても作業が続く映像の編集現場(NV室)やサブ(副調整室)での送出の様子をリアルタイムで見学した。
    委員からは、「大人数が時間に合わせて動き回ってニュースを毎日放送しているのは、まさに職人の世界だと思った」、「インターネット上の情報等の真偽の見極め方といった最前線の話が聞けて参考になった」、「ニュース素材の編集において、委員会決定(第50号「大津いじめ事件報道に対する申立て」)を踏まえて改善している点の説明があり、私たちの存在意義を感じた」などの感想が出された。

  • 新潟県内の民放、NHKとの意見交換会を9月27日(木)に新潟市で開催することになった。

  • 8月の委員会は休会とし、次回の委員会は9月18日に開かれる。

以上

第259回放送と人権等権利に関する委員会

第259回 – 2018年6月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案のヒアリングと審理…など

議事の詳細

日時
2018年6月19日(火)午後3時~8時50分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案 ヒアリング、審理

対象となったのは、外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などをユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や千畝の出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが「手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させる」と名誉毀損を訴え申し立てた。
今月の委員会では、申立人と被申立人のCBCテレビにヒアリングを実施し、詳しい話を聴いた。
申立人側は、NPOの副理事長2人が代理人の弁護士とともに出席し、「鑑定結果について、『完全に違う』という鑑定員の発言や『千畝の文字ではない可能性が極めて高いという結果が出ました』というナレーションがあり、現在、NPOが手記を保管していることからすれば、改ざんに申立人らが関与しているとほぼ特定する結論になっている。一連の放送の中では、『改ざん』、『偽造』、『偽物』という言葉が使われているし、アナウンサーの表情や態度からも、視聴者に改ざんの印象を与えていると理解する。取材のときには偽造や改ざんの可能性に関する指摘や質問等は一切なく、納得して帰られたので、放送を見て非常に驚いた」等と述べた。
CBCテレビからは報道の責任者ら3人と代理人弁護士が出席し、「手記の清書前の原稿で出生地が書き換えられていて、千畝本人が行ったのか、その可能性を探る方法として筆跡鑑定を行った。その結果、千畝の筆跡とは違う可能性が高いと伝えただけであり、いつ、誰が書き換えたかについては言及しておらず、手記が偽造や改ざんされたと断定するような放送はしていないし、視聴者もそう受け取ることは無いと考える。報道の意図は、手記が真正なものか偽造されたものかを確かめるものではなかったので、わざわざ申立人に筆跡鑑定の結果は問わなかったが、『手記は誰が書いたものですか』という質問はしている」等と述べた。
ヒアリング終了後、本件事案の論点を踏まえ審理を続け、その結果、担当委員が決定文の起草に向けて準備に入ることになった。

2.「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」委員会決定についての対応報告の検討

本年3月8日に通知・公表が行われた委員会決定第67号「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」(勧告 人権侵害)に対して、東京メトロポリタンテレビジョンから対応報告が提出され、委員会はこれを了承した。

3. 審理要請案件「芸能ニュースに対する申立て」

委員会は、本件申立ての審理入りを決定した。
番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。
番組の中程で「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。今年は、芸能人と事務所をめぐるトラブルが目立った」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張には理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。
これに対してTBSテレビは、委員会に提出した「経緯と見解」において、申立人を意図的に貶めようと放送したという主張はまったくの誤解だとする一方、放送に「言葉足らずであって誤解を与えかねない部分があった」として、申立人に謝罪するとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明する意向を示したが、当事者間での話し合いでは解決に至らなかった。
委員会は、本件申立ては委員会運営規則第5条の苦情の取り扱い基準を満たしているとして審理入りすることを決めた。

4. その他

  • 次回委員会は7月17日に開かれる。

以上

第258回放送と人権等権利に関する委員会

第258回 – 2018年5月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2018年5月15日(火)午後4時~6時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理

対象となったのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人を救った外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などいわゆる「杉原リスト」をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが委員会に申立書を提出し、番組は、手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させると名誉毀損を訴えた。これに対し、CBCテレビは委員会に提出した「経緯と見解」書面において、一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えないと主張した。
今月の委員会では、起草担当委員から本件事案の論点とヒアリングの質問項目の案が示され審理した。その結果、次回6月の委員会で申立人と被申立人のCBCテレビにヒアリングを実施し詳しい話を聴くことを決めた。

2.その他

  • 委員会決定第67号「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」で人権侵害の「勧告」を受けた東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で4月27日に研修会が開催された。委員会から奥武則委員長と事案の担当だった白波瀬佐和子委員、それに決定の取りまとめに当たった坂井眞前委員長が出席、TOKYO MXは社員140人余りが出席した。番組のDVDを視聴してから坂井前委員長が決定のポイントを説明し、放送と人権などをめぐって質疑応答を行った。

  • 次回委員会は6月19日に開かれる。

以上

第257回放送と人権等権利に関する委員会

第257回 – 2018年4月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

奥委員長が就任して初めての委員会で、まず、奥委員長が2名の委員長代行に市川委員と曽我部委員を指名した。このあと、報道機関による撮影が行われた。

議事の詳細

日時
2018年4月17日(火)午後3時~5時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理

対象となったのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人を救った外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などいわゆる「杉原リスト」をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが委員会に申立書を提出し、番組は、手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させると名誉毀損を訴えた。これに対し、CBCテレビは委員会に提出した「経緯と見解」書面において、一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えないと主張した。
前回の委員会後、申立人から「反論書」が、被申立人からそれに対する「再答弁書」が提出され、所定の書面が出揃った。今回の委員会では、事務局がそれら双方の主張を取りまとめた資料を説明し、それを基に委員が意見を交わした。今後、論点を整理するため起草担当委員が集まって協議することとなった。

2.『判断ガイド2018』の検討

新しい『判断ガイド2018』をこの夏をめどに刊行することになり、内容や構成を検討した。版型は、掲載する決定件数が大きく増えることなどから、現行の『判断ガイド2014』のA5版よりひと回り大きいB5版とすることになった。

3.その他

  • 次回委員会は5月15日に開かれる。

以上