第119回 放送倫理検証委員会

第119回–2017年10月

沖縄基地反対運動の特集を放送したTOKYO MXの『ニュース女子』を審議など

10月5日に当該局への通知と公表の記者会見を行った、TBSテレビの『白熱ライブ ビビット』「多摩川リバーサイドヒルズ族 エピソード7」に関する意見について、出席した委員長や担当委員から当日の様子が報告され、意見交換が行われた。
フジテレビの情報バラエティー番組『ワイドナショー』と同局の情報番組『ノンストップ!』で、ネット情報の真偽を確認しないまま放送が行われたことを受け、9月に委員長談話「インターネット上の情報にたよった番組制作について」が公表されたが、この談話に関する当該局の放送を視聴し、意見交換が行われた。
沖縄の基地反対運動の特集で、情報や事実についての裏付けが十分であったのか、放送局の考査が機能していたのかなどを検証する必要があるとして審議入りしている東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』について、担当委員から意見書の原案が示された。委員会では構成や表現を含めて意見交換が行われ、次回委員会で今回の議論をふまえた意見書の修正案が担当委員から提出されることになった。
フジテレビの情報番組『とくダネ!』は、7月に医師法違反事件で逮捕された容疑者の映像を取り違え、別人の映像をインタビューを含めて放送したのに続いて、翌8月の放送でも、放送時点では書類送検されていなかった京都府議会議員について、十分な確認をしないで「書類送検された」などと放送し、いずれも次の日の放送で謝罪した。委員会は、刑事事件の容疑者と処分内容という最もセンシティブな情報についての間違いが2件続いたことは問題だとして、審議入りすることを決めた。

1. TBSテレビの『白熱ライブ ビビット』「多摩川リバーサイドヒルズ族 エピソード7」に関する意見の通知・公表

TBSテレビの『白熱ライブ ビビット』「多摩川リバーサイドヒルズ族 エピソード7」に関する意見(委員会決定第26号)の通知と公表の記者会見が、10月5日に実施された。1月31日放送の「犬17匹飼うホームレス直撃」という企画内容に、取材対象者に対する明らかな偏見と名誉毀損的な表現があり、ホームレスの人たちを「迷惑モノ」として扱っている姿勢も看過できないとして、4月の委員会で審議入りしていた。
委員会ではTBSテレビのニュースと当該番組を視聴したあと、委員長や担当委員から、通知の際のやり取りや記者会見での質疑応答の内容などが報告され、意見交換が行われた。

2. インターネット上の情報にたよった番組制作についての委員長談話

フジテレビの情報バラエティー番組『ワイドナショー』および同局の情報番組『ノンストップ!』で、ネット情報の真偽を確認しないまま放送が行われたことを受け、9月に「インターネット上の情報にたよった番組制作について」と題する委員長談話が公表された。
委員会では、当該局のニュースや『ノンストップ!』などを視聴したあと、意見交換が行われた。

3. 沖縄基地反対運動の特集を放送した東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』を審議

TOKYO MXの『ニュース女子』は、2017年1月2日に「マスコミが報道しない真実」と題し、沖縄の基地反対運動を現地リポートとスタジオトークで特集し、「反対派が救急車を止めた?」「反対派の人達は何らかの組織に雇われているのか」などの話題も取り上げた。委員会は2月、情報や事実についての裏付けが十分であったのか、放送局の考査が機能していたのかなどを検証する必要があるとして審議入りを決めた。
この番組は、TOKYO MXは制作に関与していない「持ち込み番組」であるため、検証を深める必要があるとして制作会社にも文書によるヒアリングを行うとともに、担当委員が沖縄の現地に赴くなど委員会として独自の調査も行ってきた。
委員会では、これまでの調査と検証に基づいて担当委員が作成した意見書の原案が示され、各委員から構成をはじめ表現など具体的な内容についてもさまざまな意見が出された。今回の議論を受けて担当委員がさらに検討を加えて意見書の修正案を作成し、次回の委員会で意見の集約を目指すことになった。

4. 刑事事件を扱った際の情報確認が不十分で2件続いて謝罪したフジテレビの『とくダネ!』について討議(審議入り)

フジテレビの情報番組『とくダネ!』は、7月27日に「医療プロジェクト・違法なさい帯血投与の実態」と題する企画の中で、医師法違反事件で逮捕された容疑者として、道路でインタビューに応じている男性の映像を放送した。しかし翌日、この男性は別人だったと訂正し、謝罪した。また8月28日の放送でも、京都府議会議員の夫婦間トラブルを扱った際、府議が「書類送検された」、妻が「ストーカー登録された」と放送し、翌日、いずれも事実の確認がとれていない報道だったと謝罪した。
委員会は、なぜ同じ番組で問題が続いたのかなど、当該局から追加の報告を求めて討議した結果、「刑事事件の容疑者と処分内容という最もセンシティブな情報なのに、同じ番組で間違いが2件続いたことは大きな問題だ」として、審議入りすることを決めた。

[委員の主な意見]

  • 医師法違反事案の映像の取り違えは、制作の過程でディレクターらが疑問を感じたにもかかわらず、結果的に放送されてしまっていて、相当深刻だ。この時に反省したというのに、また1カ月後に事実確認が不十分なまま放送したことも問題だ。
  • 放送現場で事実の重み、特に刑事事件の容疑者についての情報の重みについての認識が軽くなっているから、不十分な確認しかしないという同種のミスが続くのではないか。キー局でこのような間違いが起こるのは、ジャーナリズムの現場が下から揺らいでいるといえる。
  • フジテレビの報告書では「系列局に問題はない。自分たちが悪い」となっているが、なぜ系列局との連携がうまくいかなかったのか。
  • それなりに社内調査を尽くし、事実関係を調べているのではないか。

以上

2017年10月13日

フジテレビの『とくダネ!』審議入り

放送倫理検証委員会は10月13日の第119回委員会で、フジテレビの『とくダネ!』について当該放送局に追加の報告書を求めたうえで討議し、審議入りすることを決めた。
対象となったのは、7月27日の医師法違反事件関連企画で、容疑者としてまったく別人の映像をインタビューを含めて放送したことと、8月28日の放送で、確認できていないにもかかわらず京都府議会議員が妻とのトラブルで「書類送検された」などと放送したことのあわせて2件。いずれも翌日の放送で謝罪・訂正したが、川端和治委員長は審議入りした理由について、「刑事事件の容疑者と処分内容という事実として最も慎重に扱わなければならない情報で、間違いが2件続いたことは大きな問題だ」と述べた。
委員会は今後、当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判など。

2017年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,649件で、先月と比較して385件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性33%、不明2%で、世代別では30歳代29%、40歳代25%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は884件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は51件、CMについては32件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は122件で、前月から81件減少した。
今月は「表現・演出」が30件と最も多く、次に「差別・偏見」が22件、「報道・情報」が14件、「いじめ・虐待」が12件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で、タレントの新築祝いでカレーパーティーを開く企画について意見が寄せられた。「差別・偏見」では、バラエティー番組で、タレントが同性愛者を思わせるキャラクターに扮した演出について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局で、不倫騒動にある女優と、秘書に暴言を吐いた女性議員の報道を朝から晩まで放送している。女優の不倫問題は、徹底解析と題してまで報じる必要があるのか疑問だ。他に放送することがないのだろうか。各局とも異常過ぎる。

  • 女優の不倫報道を取り上げ、不倫相手が女性の下着をかぶっている写真があったと騒いでいた。どのような趣味があるのか知らないが、少なくとも相手は一般人である。テレビで“変態扱い”して許されるのか。影響力を少しは考えたらどうだ。騒ぎ過ぎだ。

  • 国会議員の不倫で大騒ぎするのはもううんざりだが、それよりも気になるのは、人によってメディアの報じ方に差があることだ。人格攻撃をし、辞任を迫っていたメディアが、他党の議員の不倫だと「私生活と仕事は別」と大声で言い出す。今までメディアが「国会議員の不倫は倫理観がない、議員失格だ」と言っていたのは何だったのか。自分達の基準で対応に差をつけるのは、あまりに不自然で理不尽だ。

  • ニュースで、視聴者提供映像が使用されているのをよく見かける。事件や事故の現場において「やばいやばい」「早く逃げた方がいいよ」など、はしゃぎながら撮影していて不快だ。また、偶然居合わせた一般の人たちも勝手に撮影され、それを放送で流されてしまうこともあり気の毒だ。最近、人身事故に遭遇したが、鉄道会社や救急隊員の方が、懸命に人命救助のために作業している中で、笑いながらスマホで事故現場を撮影しようとしている乗客が数多くいて驚いた。視聴者提供映像に対するガイドラインを制定し、意識啓発を図る必要があると思う。同じルールで制限しなければ、視聴者の撮影がエスカレートし、大きな事故につながりかねない。

  • テレビ各局は、ミサイル発射時のJアラートの不備を散々批判しているが、日本がいつ標的にされるかも分からない状況で、政府の対応を批判する前に、まずは、有事の際に身を守る方法をもっと伝えるべきではないか。どんな行動をすべきか、どのような場所に避難するのが一番安全なのかといった、視聴者に有益な情報を優先して報道する必要があると思う。

【番組全般・その他】

  • 毎週楽しみにしていたドラマ。最終回でワクワクドキドキしながら見ていた。最後はどうなるのか、どんな結末か、誰が黒幕なのか。最終的には黒幕が多重人格者で逮捕され、最後の一言が「バラの匂いがする」で番組が終了した。本当の完結編は有料サイトで配信するとのこと。有料サイトへの勧誘か。これに登録しないと完結編が見られないのはおかしい。テレビであるのにテレビでない。

  • 最終回に、続きを匂わすようなエンディングをし、続きは動画配信で有料放送するというやり方は如何なものか。「番外編」と言えば許されるようなことであれば、今後もこのような形でドラマの事実上の最終回が有料ネット放送になりかねない。これから先、インターネットが得意でない40歳以上の世代は、コンテンツを最後まで見られない可能性がある。テレビのコンテンツが、インターネットと繋がることは時代の流れなのかもしれないが、テレビを楽しみに見ている人々にとって、非常に理解しがたいやり方だった。

  • 中部地方の旅番組で、一般の人たちを取材していたが、あまりにも馬鹿にした態度で出会い頭の人たちを無理矢理に番組に参加させていた。人をけなす出演者もひどいが、スタッフもそれをあおっていた。田舎の素朴な人たちを終始小馬鹿にした制作者の姿勢は、非難されるべきだと思う。ローカル番組だと思って好き勝手にやっていたのではないか。取材された人たちの困惑具合から、これはいわゆる仕込みではないように思う。ここまで不愉快な番組は久しぶりだ。

  • 昼の番組で、四国の県議会議員の海外視察を取り上げていた。ゲストとコメンテーターが、視察内容や議員の報告に対し意見を述べるものだが、私たち一般の有権者には知り得ない内容をテレビで放送してもらうと、議員の活動がきちんとなされているか監視することができる。また、これにより議員の観光旅行のような無駄な視察も減り、私たちの税金が有効に使われるようになると思う。「番組はこれからも、このような監視を続けていく」と、司会者が明言していたので期待して見ていきたい。番組をきっかけに、社会がよい方向に変わっていくことを望みたい。

  • 夜のニュースで、国連での演説で北朝鮮を強く批判したトランプ大統領のことを、北朝鮮の外相が「犬の遠吠えだ」と揶揄した。そのことを伝える際、犬を抱いたトランプ大統領の映像と犬の鳴き声の効果音を流した。まるで北朝鮮の言い分に呼応してふざけているようなもので、演出として不適切だった。

  • 私は看護大学で専任講師をしている。学生には性の多様性を踏まえた看護の大切さを教える日々だ。そんな中、男性への性的指向をもつと思われる人物を嘲笑するキャラクターが復活したことを大変危惧している。周囲の無理解が差別的な発言を産み、それによってカミングアウトできない当事者が多くいて、その結果、日本では性的マイノリティーが周囲から見える存在にならず、差別も是正されない悪循環が起こっている。性的指向への差別をなくそうと国全体が動こうとする中、影響力の大きなメディアが、特定の性的指向を嘲笑することによって、性的指向はバカにしてよいものだというメッセージが発せられたことになる。このようなキャラクターを二度と使わないことを望む。

【ラジオ】

  • 東北地方のラジオは、高校生向けの進路情報番組と題しているが、原発反対、政権批判、総理批判がひどすぎる。これでは高校生の進路指導向けではなく、選挙権を得た高校生へのプロパガンダではないか。このような番組を聞くことは、思想の偏りにつながりかねない。

【CM】

  • 旅行、ホテルなどの海外オンライン予約会社のCMが増えている。消費者庁からは、トラブル増加の注意喚起がされているが、公共性の高いテレビCMで流された企業が、実は日本の法律が適用されないことを、どれだけの人が知っているのだろうか。トラブル増加の背景には、テレビCMを信用し、日本の旅行会社と勘違いしてしまった人もいるのではないか。日本の法律が適用されない、このような会社についてのガイドラインを設ける必要があると思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、タレントの新築祝いの企画で、新居に押し掛け、カレーパーティーを開き、置物や時計をカレーにつけていた。食べ物で遊んでいる時点で気分が悪い。子どもの教育にも悪い。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • バラエティー番組で、同性愛者を思わせるキャラクターが描かれていた。子どもにとっては、LGBT当事者への差別や偏見を助長させることになるのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 埼玉県で、未成年の男女が、少年に死傷させられた事件で、死亡した男子生徒の顔・実名が報道されている。加害者が秘匿されているのにもかかわらす、被害者がさらし者にされている。報道各社には被害者とご家族への配慮、温情が欠けている。

  • 議員、有名人などの不倫・浮気に関する報道をやめてもらいたい。報道された人の子どもが間接的に社会的制裁を受けているからである。不倫報道がいじめの原因になる可能性を、放送局は考えないのだろうか。

第195回 放送と青少年に関する委員会

第195回-2017年9月26日

視聴者からの意見について…など

2017年9月26日、第195回青少年委員会をBPO会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず7月16日から9月15日までの2か月間に寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
視聴者意見に関しては、「暴力を助長する」などの視聴者意見を受けて前回委員会で討論した結果、「連続ドラマの初回であり、今後の放送も見守りたい」と判断したドラマについて今回の委員会で確認したところ、改めて検討し直す必要はないと結論し、これ以上討論しないこととなりました。
また、小学生が伝統行事の遠泳に挑むにあたって厳しい指導を受ける姿を追った情報バラエティー番組の企画に対して「虐待以外の何ものでもない」などの視聴者意見が寄せられましたが、委員からは「虐待という指摘は当てはまらないと思う」などの意見が出されました。ただ、その番組宣伝に対しては、「激しいシーンばかりを切り取っており、制作者が番組自体に込めた思いとの間にずれを感じた」と、工夫を求める声も上がりました。
中高生モニターについては7月に開催された中高生モニター会議の模様を紹介したNHKの番組を視聴した後、モニターから寄せられた8月9月の2か月分のリポートについて意見が交わされました。
調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」の調査票を全国50地点から抽出した2000人に対して発送したことが報告されました。
次回は10月24日に静岡市で定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年9月26日(火) 午後4時30分~午後7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

高校を舞台にした連続ドラマで、高校生同士の「殴り合い」のシーンなどが放送されたことに対し、「暴力を助長しているようで、不愉快だ」「子どものいじめを助長するような残酷シーンがあり、気分が悪くなった」「高校生が起きている時間帯に放送することは考え直してほしい」などの視聴者意見が多数寄せられ、前回の委員会では、委員がこの番組を視聴したうえで討論しました。その結果、委員会としては、連続ドラマの初回であり、今後の放送を見守りたいということになりました。それを受けて、今回の委員会では、討論が継続されましたが、委員からは「その後の放送では、暴力的なシーンもあったが、演出上の工夫ができていたと思う」「視聴者意見の件数も収束している」などの意見が出され、これ以上、討論する必要はないということになりました。
情報バラエティー番組で、ある小学校の遠泳の伝統行事に挑む子どもたちと指導する教師を描いたドキュメント企画について、「体罰やパワハラともとれるような行為を美化している」「小学生への度を超えた暴力的な指導を放送していた」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「全体として一つひとつの行動に対して教育的配慮が行き届いていたので、虐待という指摘は全く当てはまらないと思う。むしろ感動的なドキュメンタリーであった」「番組宣伝では、断片的に厳しいシーンだけが切り取られていて、番組とは、ちょっとずれているかなという感じもした」などの意見が出されました。この番組については、これ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

今回は8月分と9月分の中高生モニター報告が議論されました。

【8月分】
まず8月分ですが、34人の中高生モニターにお願いしたテーマは、「夏休みに見た番組の感想」です。他に「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄にも多くの意見が寄せられました。8月には全部で32人から報告がありました。
『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)、『コード・ブルー』(フジテレビ)にそれぞれ3人から、戦争関連の『NHKスペシャル』(NHK総合)に4人から報告がありました。
戦争関連の番組について「戦争の醜さと恐ろしさを感じた」「事実を知ることが大事だと思った」「過去・歴史を忘れぬよう、このような特集・ドキュメンタリーを増やしてほしい」という感想や意見が寄せられました。
あるバラエティー番組について「『色白VS色黒SP』と題し、出演者たちが肌の色をネタに笑っていました。私はその光景を見て本当に2017年なのか?と感じました」などと指摘したリポートに対し、委員からは「鋭い視点だと思った。知らないうちに差別してしまっていることがあるかもしれないという気づきを与えてくれている」という感想が述べられました。
また自由記述では、低視聴率がインターネットなどで話題になっているドラマについて「(このドラマを)毎週楽しみに見ている。今は何でもすぐネットで騒がれるので、出演者や制作者も大変だと思う」との考察がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『1942年のプレイボール』(NHK総合)について「戦争や当時の日本兵、国民の様子について改めて考えさせられた」「"お国のために"という考えがよく分からない」など、3人が取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【夏休みに見た番組の感想】について

    • 戦争をテーマにした番組を視聴したモニターが複数いた。番組を見たモニターたちが、戦争について深く考えていることが分かり、よかった。

    • 『ココがズレてる健常者2 障害者100人がモノ申す』(NHK Eテレ)を見て、とても高い評価をしている報告があった。障害者を取り上げるということに関しては、誤解や偏見が生じる可能性もあって、制作者も悩んでいると思う。このリポートを寄せたモニターは、障害のある人について、新しい物の見方とか考え方を身につけることができたようでよかったと思う。

    • 『NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン』(NHK総合)を見て「地学っておもしろい!と感じた」というモニターがいた。知的好奇心を刺激してくれる番組の良さを伝えてくれている。

    • 『真夏のお笑い夜通しフェスどぅっかん!どぅっかん!』(NHK総合)について「長い休みの時にこんな放送をやってもらえると嬉しい。夜更かしをしても寝坊をしても、あまり罪の意識がないから」という感想があった。夏休みならではの楽しみだと感じた。

    • 『昭和vs平成 アニメ&特撮&マンガ ヒーロー・ヒロイントップ20』(フジテレビ)を家族みんなで一緒に見て、「一家団欒!」を楽しんだという報告は、家族で話題を共有できる番組の良さを述べてくれていると思う。

    • 『部活応援プロジェクト しゃかりき』(テレビ神奈川)を旅先の神奈川で偶然見て、「自分が住んでいる県のテレビ局にも、部活動を応援する番組を制作してほしい」という感想を述べた報告があった。さりげない意見ではあるが、中高生の関心事が番組のテーマになることが、実は少なかったということに気づかせてくれる。ちょっと考えさせられる視点があるような気がする。

  • 【自由記述】について

    • 「山の日に県内の2つの放送局が同じように立山から中継をしていた。どちらも同じような作りで、(立山の魅力を放送するのならば)もっと他県に向けて放送できる方がよいと思う」という意見を「確かにそうだな」と思いながら読んだ。ローカル局は地域に暮らす人のために放送しているわけだが、外に向けての放送という役割を考えると、できることはまだまだあるのかもしれないという気もして、ローカル局の役割の可能性を指摘した良い視点だったと思った。

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)について「24時間通しの生放送はブラック労働ではないか?」という意見があった。番組が始まった当初は、24時間通しで放送することがひとつの感動だったが、今の時代は「ブラック」と言われてしまう。しかしこれが今の子どもたちの感覚なのかなということを感じた。

    • バラエティー番組で「色白VS色黒SP」ということで肌の色をネタに笑っていたことに怒りを覚えたという報告を読んで、今の社会の中で外見の違いなどをネタに安易に笑いあうことへの疑問を呈した鋭い視点だと思った。知らないうちに差別してしまっていることがあるかもしれないという気づきを与えてくれている。

◆モニターからの報告◆

  • 【夏休みに見た番組の感想】について

    • 『NHKスペシャル 戦慄の記録インパール』(NHK総合) 戦争の残酷さ、悲惨さがよく分かりました。実際にインパール作戦に従事した人が答える生々しいインタビューにショックを受けました。(兵庫・中学2年・男子)

    • 『ココがズレてる健常者2 障害者100人がモノ申す』(NHK総合) この番組はたまたま見た番組だったが、見て良かったと思える番組でした。聴覚障害者の方がもっと話したい!と手話で訴えていたり、視覚障害者の方がやっぱりイケメンがいい!と楽しそうに話していたり、障害者も健常者も本音で話していてとても興味深かったです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 『NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン』(NHK総合) この番組を見て地学っておもしろい!と感じた。地学はこんなにワクワクする教科だったのだと嬉しくなった。今までどちらかというと地学は退屈で苦手だったので、この番組を見ることができてよかった。いつか自分で和歌山の一枚岩を見に行きたいと思った。(千葉・中学2年・女子)

    • 『真夏のお笑い夜通しフェスどぅっかん!どぅっかん!』(NHK総合) 長い休みの時に、こんな生放送のお笑いの番組をやってもらえると嬉しい。夜更かしをしても寝坊をしても、あんまり罪の意識がないから。登場している芸人さんたちも、僕が名前を聞いたことのないような若手の人から安心して見られるベテランの人まで幅広くて良かった。NHKは固い番組のイメージがどうしても強かったけれど、この番組はスタジオの雰囲気もタイトルも、POPな色とデザインだった。(富山・中学2年・男子)

    • 『コード・ブルー ドクターヘリ救命救急』(フジテレビ) 若いフェローが成長していく姿や治療・手術のシーンのリアルな描写がこのドラマらしさだと思います。今作から脚本家が変わったこともあってか、要らない恋愛要素が増えた気がします。またずいぶん前の話の患者をだらだらと登場させている所も、らしくないと思いました。感情面や恋愛面の主張が強すぎると、本来のコード・ブルーらしさが消えてしまうのではないかと思います。(東京・中学3年・女子)

    • 『NHKスペシャル 731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』(NHK総合) 戦争の醜さと恐ろしさを感じた。人体実験の証言を聞いていて、正直気持ち悪くなった。戦争により、人々は人間らしさ、思いやりを忘れて、同じ人間をなんとも惨い方法で傷つけることを知り、おぞましいと思った。また、人の命を救うためにいる医者が人を苦しめ、殺していたことに驚いた。(東京・高校1年・女子)

    • 『昭和vs平成 アニメ&特撮&マンガ ヒーロー・ヒロイントップ20』(東海テレビ/フジテレビ) 番組の進行は昭和、平成世代別に統計をとったヒーローとヒロインのランキングが交互に発表されていくものでした。この番組を家族みんなで見ながら楽しくおしゃべりをしました。まさに一家団欒!の言葉がふさわしいなと思いました。テレビは番組を見て面白いと感じたり、新しい発見をして楽しむ娯楽や情報収集の手段として活躍するだけではないのだと思います。テレビが提供する話題をもとに交流が深まり、人と人との絆を深めてくれるものだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 『部活応援プロジェクト しゃかりき』(テレビ神奈川) この番組は旅行先で見ました。部活動をしている神奈川県の中高生を応援する番組です。今回は、テレビをつけてEPG(電子番組表)を見ていた時に偶然この番組を見つけ、興味を持ったので見ました。高校のアーチェリー部を取材していました。自分の学校にはアーチェリー部が無いので「どんな活動をするのだろう」と思いながら見ました。所々で解説が入っているので、その部活動を知らない人でも分かりやすいと思いました。取材をするスタッフさんの質問が上手く、取材される高校生の自然な感じを引き出していると思い、お互い良い関係が築けているとも思いました。自分が住んでいる県ではこのような番組を毎週放送しているテレビ局はないので「自分が住んでいる県のテレビ局にも、部活動生を応援する番組を制作してほしい」と思いました。(愛媛・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 『セシルのもくろみ』(鹿児島テレビ/フジテレビ)を毎週楽しみに見ています。キャストも良いし、ストーリーも面白いし、カメラアングルやファッションやエンディングもいいなと思います。でも「視聴率が悪い」というネットニュースが出ていて、今は何でもすぐにネットで騒がれるので、出演者や制作スタッフさんも大変だろうなぁと思います。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 富山県では、「山の日」に2つのテレビ局が同じように立山から中継をしていた。山の日だし、富山には素晴らしい立山連峰があるので放送するのは分かるけれど、どちらも似たような作りで、また、富山県民に向けてだけじゃなくて、もっと他県に向けて放送できる方が良いと思った。(富山・中学2年・男子)

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ) 過労死とか、ライフワークバランスなどが今、真剣に論議されている中で、24時間ぶっ通しの放送というのは、まさに過労ではないかと思いますが、24時間ぶっ通す必要性はあるのでしょうか。12時間ずつ2日連続での合計24時間とか、あるいは、24時間というフレーズは、合言葉的に残すとしても、実際24時間という時間数をずっと放送にあてる必要性がいまいち分かりません。休み時間というか、バイタルタイムを置くことで、視聴者も休めるし、番組内容について 視聴者各自が自分の中の課題などと照らしあわせる時間、そして睡眠時間にあてたらどうでしょうか。(石川・中学3年・男子)

    • 『ナカイの窓』で「色白VS色黒SP」と題し出演者たちが肌の色をネタに笑っていました。私はその光景を見て本当に2017年なのか?と感じ、呆れと怒りを覚えました。もしかしたら、テレビ制作者は、純粋に面白いと思って作り、視聴者は日本に住む人だから肌の色を笑いにしても大丈夫と思ったのかもしれません。彼らは、この放送を見て傷ついたり不愉快になったりする視聴者のことを考える力はなかったのでしょうか。彼らの考える視聴者とは誰でしょうか。確かに日本は他国に比べ移民も少なく、社会の多様性という観点では認識が足りないと言えます。しかし、その固定化された価値観を変えていくことがマスメディアの一つの役割だと考えます。グローバル化の流れの中で、オリンピックも控えているのに、テレビがこの状況であることが残念です。視野を広げて、想像力を働かせて、思いやる心を持ってほしいです。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『池上彰の戦争を考えるSP第9弾「特攻」とはなんだったのか』(テレビ東京) 特攻で戦死していった若い人たちの個人名と笑顔の写真とともに手紙を紹介していました。検閲された手紙にはお国の為に喜んでと書いてありましたが、実際は、軍人である前に一人の人間として家族を愛しながら死を覚悟していく様子を感じました。戦争がいかに悲惨であるか、戦争を知らない僕たちはもっと知って、後世に伝えていかなくてはならないと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『第72回全国花火大会実況中継』(岐阜放送) 花火師さんの思いを知ることができて、また岐阜の歴史を伝えてくれていて良かった。毎年、身近に見ている花火がこんなにも多くの人が思いを込めて作ってくれている大きな花火大会だと知ることができて良かった(岐阜・中学2年・男子)

    • 『1942年のプレイボール』(NHK総合) 「お国のために」という考え方がよく分かりません。戦争のない今の時代が、ずっと続いてほしいです。(宮城・中学3年・男子)

【9月分】
9月分として34人の中高生モニターにお願いしたテーマは、「最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」です。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄にも多くのリポートが寄せられました。9月には全部で27人から報告がありました。
「報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」では、複数の番組についてリポートを書いてくれたモニターがいたこともあり、報道番組について13人、情報番組については4人、ドキュメンタリー番組について11人から報告がありました。北朝鮮のミサイル発射やJアラートについて5人が報告しています。また『グッド!モーニング』(テレビ朝日)について報告してくれたモニターが2人いましたが、ともに林修先生の「ことば検定」のコーナーにふれています。『NNNドキュメント"なぜアメリカ人はヒロシマに?核の脅威高まる中で"』(日本テレビ)についての報告も2件あり「戦争の悲惨さや恐ろしさが後世に伝わるのはとてもよいこと」「番組を見て、真珠湾と広島をしっかり見たいと思った」という感想が寄せられました。その他、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)を3人、『ドキュメント72時間』(NHK総合)を2人が報告しています。
また自由記述では、生放送のバラエティー番組でインタビューの内容が取り違えられていた原因を「制作側の連係ミス」と後日謝罪したことについて、「(制作側の連係ミスによる誤放送が)テレビ局の信頼を失うことにつながる」と指摘したモニターがいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち~』(NHK Eテレ)について3人が、『第37回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)と『サザエさん』(フジテレビ)については2人が取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】について

    • 津波の教訓を伝える石碑についての番組を見た感想があった。モニターが、番組から教訓を得ている様子が伝わった。番組が防災意識の向上に非常に大きな役割を果たしている。折々に警鐘を鳴らす、このような番組の必要性が分かる。

    • 報道番組を見て「ひとつひとつのことを簡単に説明して、大事なことは後で詳しく解説するのがいい」と評価しているモニターは、情報が多すぎる現代社会の中で、情報に踊らせられないことの大切さに気付いていると感じた。

    • ニュース番組でのテロップやナレーションなどの演出について「先導するようなやり方はやめてほしい」という意見があった。テロップなどでの演出の好き嫌いは彼らにもあり、ワイドショー的なものへの嫌悪感があるようだと感じる。

    • ヒロシマについてのドキュメンタリーを見て「真珠湾と広島をしっかり見てみたくなった」との思いを報告してくれたモニターがいた。行動につながるような知識や感動を、番組から得ることができたのだと思った。

    • 海外を取材したドキュメンタリーについての報告が目に付いたように思う。中高生の国際的な事柄への関心の高さを伺うことができた。また、海外への興味を持っているので、自分が暮らす日本を相対的に見る視点も育っているようだ。

    • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)を見て、「このような深く追求する番組があることをこれまで知らなかった」という報告があったが、オーソドックスなニュースを見てモニターが驚いていることに、衝撃を受けた。このモニターにとっては朝の情報番組などの方がスタンダードになっていて、こんなふうにニュースを取り上げる番組があることに驚いているわけだ。世の中が本当に変わってきているのかもしれないという気がして、時代の変化やニュースの役割の変化というものに自分が無自覚だったことを思い知らされた。

  • 【自由記述】について

    • 鹿児島のモニターが紹介してくれているラジオ番組『椋鳩十の世界』は、ちょっと聴いてみたくなった。

    • 不倫報道の多さを指摘するリポートがいくつかあった。「もっと他に報道することがあるだろう」という意見は、全くその通りとしか言いようがない。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】について

    • 『ナビゲーション 石碑は警告する~南海トラフ大津波 先人たちの記録~』(NHK名古屋) この番組を見て、津波の恐ろしさを改めて感じました。三重県には津波について書かれた石碑が300もあるそうです。それは過去の津波被害の教訓が込められた石碑です。いろいろな災害に備えて、日頃から意識し、防災グッズなどを用意しておきたいです。(富山・中学1年・女子)

    • 『みんなのニュースONE』(東海テレビ)ひとつひとつのことを簡単に説明して、大事なことは後で詳しく解説するのがいい。(岐阜・中学2年・男子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日) テニスの伊達公子選手の引退報道についてです。いつもは溢れるほどの熱量でリポートする松岡修造さんが、気持ちを抑えたトーンでコメントするのが印象的で、感動しました。「僕は人をうらやましいと思ったことはなかったが、伊達さんだけには嫉妬していた。(2度の現役生活を終えたことに)あらためてうらやましいと心の底から思います。」と話していた。これほど伊達選手のすごさを伝え、その偉大さを感じさせてくれるコメントはないのではないだろうか。最近よく耳にするありがちで通り一遍の上滑りしがちなコメントではなく、松岡さんだけにしか言えない言葉だなと感じました。報道番組ではたくさんの解説者やコメンテーターがいますが、その人にしか言えないコメント、その人の考えが見えてくるようなコメントには、ハッとさせられます。番組の奥行きを深くするし、視聴者に疑問を投げかけたり、考えさせたり、感動させたりするのでその役割は大きいと思います。(千葉・中学2年・女子)

    • 『ニュース7』(NHK総合) 一日に起きた日本と世界の出来事を知る時に、夜9時のニュースは塾で見られないことが多いので、7時のニュースを見ることが多い。(ニュースだから当然だと思うけれど)過大な表現をしたりしないのでNHKのニュースが一番好きだ。この日のニュースで、大切な部分だけ赤い文字になっていた。学校のノートも、たくさんの蛍光ペンを使って線を引いたり文字を書いたりすると、何が大事な部分か分かりづらくなる。同じように、テロップやナレーションで事件や事故、政治のニュースを演出するのは、ワイドショーみたいなので苦手だ。見にくい。起きていることをどう考えるかは僕たちが決めればいいと思うので、先導するようなやり方はやめてほしいといつも思う。(富山・中学2年・男子)

    • 『NNNドキュメント"なぜアメリカ人はヒロシマに?核の脅威高まる中で"』(秋田放送/日本テレビ) 1945年におこった悲劇は、私たちにとって忘れてはいけないものだと幼いころから教わってきました。自分が見る原爆と、外国の人が見る原爆は違って見えるだろうと思っていましたが、平和を願う人々の考えは国が違っても同じなのだと思いました。この番組を見て私は、真珠湾と広島をしっかり見てみたくなりました。(秋田・中学3年・女子)

    • 『BS世界のドキュメンタリー 死の海からの脱出』(NHK BS1) ヨーロッパに押し寄せる難民についてのドキュメンタリーだった。日本に住んでいると難民問題を身近に感じることはないし、他人事にしか感じていなかった。しかし、ヨーロッパの放送局が制作したこの番組では、真剣にこの番組を考えている人々を追い、実際に難民にインタビューしているので、事の重大さが分かった気がする。日本でも多くの人に考えて欲しい問題だと感じた。(長野・高校1年・男子)

    • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)およそ1時間という構成の夜の報道番組を見るのは初めてでした。私が朝、登校前に見る民放の報道番組は、扱うニュースの数は多いですが、この番組は数よりも内容追及に重点を置いているように感じました。また特集する内容も多岐に渡っていて、今まで興味がなかった分野にも関心が持てました。このような深く追求する番組があることを今まで知らなかったので、それぞれの報道番組の形態や種類や特色を知ることができればいいと感じました。(青森・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 父の運転する車で出かけるときに、車内ではよくラジオを聴いています。『ラジオ朗読劇 椋鳩十の世界』(南日本放送)というラジオ番組があって、椋鳩十のお話を朗読しています。15分くらいの短い番組ですが「早く続きが聞きたい!」と次回が楽しみになる番組です。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 最近は北朝鮮のICBMや水爆実験の話題が多く、つい先日もミサイルが早朝に発射されるなど、私自身も恐怖を感じることが多くなりました。学校でもそのような話題が出るようになり、ニュース番組の影響を感じました。(秋田・中学3年・女子)

    • 生放送の番組で、インタビューの内容が組み替えられておりアナウンサーが謝罪する場面を見ました。その時にアナウンサーが間違えた理由を制作側の連携ミスだと言うふうにしましたがその理由はどうなのだろうかと思います。制作側の連携ミスや連絡ミスで間違った内容を放送する事は、そのテレビ局に対する視聴者の信頼を失うことにつながります。(埼玉・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『第37回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ) 最近、東大生が超難問に答える番組が多かったので、それと比べて、知識だけでなく、チームメートと力を合わせてクリアしていく姿は親近感がわいたし、僕が答えることが出来る問題もあったりしたので、家族で楽しめました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち~』(NHK Eテレ) 監督と一緒にやってきたロシア人の女の子の身体能力の高さに驚いた。「思い切りの良さ、図々しさ、強気なところに欠ける日本人」と言っていたが、同感だ。(宮城・中学3年・男子)

調査研究について

調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」の調査票を9月19日に全国50地点から抽出した2000人に対して発送したことや、BPOのホームページに調査の概要を掲示したことなどが報告されました。
また、調査結果に関して放送局の関係者から意見聴取する会を開くことを決定し、日程を調整しました。

今後の予定について

今後の日程を次のとおり確認しました。10月24日、静岡市にて意見交換会(静岡地区)及び10月度の委員会。2018年2月24日、BPO会議室にて教師たちとの意見交換会。

その他

8月8日、東海テレビ(名古屋市)が開催したメディアリテラシー企画『夏休み!みんなのテレビスクール』に講師として参加した中橋雄委員からその模様が報告されました。

第26号

TBSテレビ『白熱ライブ ビビット』
「多摩川リバーサイドヒルズ族 エピソード7」に関する意見

2017年10月5日 放送局:TBSテレビ

TBSテレビの情報番組『白熱ライブ ビビット』(2017年1月31日放送)の「犬17匹飼うホームレス直撃」という企画内容に、多摩川の河川敷で生活している男性に対する明らかな偏見と名誉毀損的な表現があり、ホームレスの人たちを「迷惑モノ」として扱っている姿勢も看過できないとして、4月の委員会で審議入りした事案。
委員会は、男性の人間性を否定するような強烈な言葉を使ったこと、視聴者に「すぐに怒鳴り散らす粗暴な人物」という印象を与えたことなどの編集や表現方法について、男性の人格を傷つけるだけでなく、ホームレスの人々への偏見を助長する恐れがあり不適切だったとして、放送倫理違反は明らかであるとした。さらに、別のホームレス男性の話を断りなく撮影し放送した点も、取材対象者との信頼関係を損ねる行為であり、これも放送倫理違反と判断した。そのうえで、番組制作スタッフにホームレス問題に対する認識の希薄さがあったことを指摘した。

2017年10月5日 第26号委員会決定

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目 次

2017年10月5日 決定の通知と公表の記者会見

通知は、10月5日午後1時30分から、千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。また、午後2時30分から記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には21社37人が出席した。
詳細はこちら。

2018年1月12日【委員会決定を受けてのTBSテレビの対応】

標記事案の委員会決定(2017年10月5日)を受けて、当該のTBSテレビは、対応と取り組み状況をまとめた報告書を当委員会に提出した。
1月12日に開催された委員会において、報告書の内容が検討され、了承された。

TBSテレビの対応

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目 次

  • 1 委員会決定に伴う放送対応
  • 2 委員会決定の社内周知
  • 3 貴委員会との「研修・意見交換会」の実施
  • 4 総括