第142回 放送と人権等権利に関する委員会

第142回 – 2008年12月

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の通知・公表についての報告

「徳島・土地改良区横領事件報道」事案の審理開始 ……など

12月3日に行われた「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の通知・公表に関する報告が事務局よりあった。また、野中広務氏が名誉権の侵害等を訴えた「徳島・土地改良区横領事件報道」事案の審理が始まった。

議事の詳細

日時
2008 (平成) 年12 月16 日(火) 午後4時~6時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
竹田委員長、堀野委員長代行、五代委員長代行、右崎委員、崔委員、武田委員、三宅委員、山田委員

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の通知・公表についての報告

放送人権委員会が、委員会発足後初めて、「放送と通信」をテーマに審理を行い、また、公人の疑惑追及報道についても検討した上記事案の「委員会決定」の通知・公表が12月3日(水)に行われ、事務局より以下のような報告があった。(委員会決定の内容はこちら)

「委員会決定」の通知は12月3日午後、申立人と被申立人が同席して行われた。申立人である元広島県議会議員3名のうち2名が広島より上京し、一方の被申立人側も中国放送報道センター長ら2名が出席した。
本事案では、中国放送によるテレビ実名報道のインターネット配信を「放送と同視できるか、どうか」について審理が行われたが、竹田委員長は、「本件報道の動画・音声配信が停止され、文字情報のみの配信となった時点において放送と同視できる状態ではなくなった。したがって、名誉権の侵害を訴えた本事案の実質審理には入らない」とする決定内容を通知した。

通知を受けて申立人は「事実上の門前払いで残念だ。実質審理に入ってほしかった。局は文字情報による配信についても責任を負うべきだ」とする感想を述べた。一方、被申立人は「弊社の主張が認められたものと思う。今後とも国民の知る権利のために尽力していきたい」とするコメントを出した。

通知終了後、午後3時から竹田委員長のほか、起草委員を務めた堀野委員長代行と三宅委員、及び多数意見と同じ結論ながら、理由が異なるとして「意見」を執筆した山田委員の4名が出席して記者会見を行い、「委員会決定」の内容を公表した。会見には27社・53名の記者が集まり、テレビカメラ6台が入った。
記者との質疑では、「文字だから同視しないとのことだが、本件ネット配信で伝えている事実はテレビ放送と同じではないのか」、「放送がネットに掲載された場合、BPOとしては今後も個別にやっていくのか」等の質問が出た。これに対し各委員は、「本件においてはもともと動画と音声を伴うテレビ放送が、文字のみの配信となったことから同視できないという結論になった。あくまでもオリジナルであるかどうか、その違いがポイントだ」、「今回の事案は、問題提起のケースだった。当委員会としては、放送と通信の現状を踏まえながら運営規則の弾力的な運用を具体的な事案によって判断していきたい。BPO全体としてどう対応するかは今後の課題だ」等と答えた。

会見を受け、当該局である中国放送は、当日夕方のローカルニュース番組「イブニングニュース広島」内で、決定内容と双方の当事者のコメントを伝えた。在京民放テレビキー局は、いずれも当日夕方から翌朝にかけてのニュース番組や情報番組内で全国ニュースとして伝えた。
また、新聞各紙は地元・広島を含め、翌日の朝刊社会面等で一斉に報じた。

「徳島・土地改良区横領事件報道」事案の審理開始

徳島県で起きた土地改良区の横領事件を伝えた今年7月23日のテレビ朝日「報道ステーション」の放送により、名誉・信用を毀損されたと、全国土地改良事業団体連合会の会長、野中広務氏が申し立てた事案の審理を開始した。

「申立書」で野中氏は「申立人が政治力で膨大かつ不要の事業を持ってきて、その投入された莫大な補助金が犯罪発生の原因となったかのような作為的な構成の報道内容である」などとして、テレビ朝日に対し訂正と謝罪の放送を求めている。これに対し、テレビ朝日は「見解」で「報道内容に基本的な間違いはなく、報道内容は野中会長の名誉・信用を毀損したとまで言えるものではない」としている。

前回の委員会後、テレビ朝日の「答弁書」、野中氏の「反論書」とこれに対するテレビ朝日の「再答弁書」が提出された。

この日の委員会では事務局が双方の主張の概要を説明した後、補助金の実態が正確に取材・報道されているかどうかや、放送によって申立人の社会的評価が低下したかどうかを中心に意見を出し合った。
次回1月20日(火)の委員会では、双方からヒアリングを実施することになった。

11月の苦情概要

11月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・5件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・61件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

次回委員会は2009年1月20日(火)に開かれることとなった。

以上

第96回 放送と青少年に関する委員会

第96回 – 2008年12月

日本テレビとの意見交換について

視聴者意見について …など

12月15日に開催した今年度第8回青少年委員会(通算96回)では、日本テレビとの意見交換について検討したほか、11月19日~12月3日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー1本のVTRを視聴のうえ審議した。またR指定映画やホラー映画のCMなどについて審議したほか、調査研究について報告があった。

議事の詳細

日時
2008年12月15日(月) 午後4時30分~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

日本テレビとの意見交換について

バラエティー番組について、日本テレビと意見交換を行うという前回委員会の決定を受け、今回委員会で意見交換を予定していたが、日程の調整がつかず、次回1月の委員会で行うことになった。

視聴者意見について

1.日本テレビ『踊るさんま御殿!!』

血液型に関する話題について「青少年委員会が出している『「血液型を扱う番組」に対する要望』をどう考えているのか」や「B型の男性タレントを貶めている」といった批判意見が視聴者から多数寄せられ、VTRを視聴のうえ審議した結果、委員から次のような意見が出された。

<委員の主な意見>

  • 血液型について一般的に言われている話であって、差別やいじめといった印象ではなかった。
  • 委員会がかつての「要望」の中で指摘しているのは、あたかも科学的に血液型で子どもたちを判別するといった番組についてであって、この番組は大人同士のトークショーで、バラエティーの範囲ではないかと感じた。
  • 視聴者意見の中には、”息子の人格を全否定された思いだ”とあるが、判断がつかない子どもたちがどう捉えてしまうか気になるところもある。
  • 内容的には大人のたわいない話だが、子どもが見た場合いじめの対象になる可能性は排除できないし、委員会が血液型を扱う番組について要望を出していることを知ってほしい。
  • この番組は科学的装いをした番組ではないが、これをきっかけになし崩し的に子ども達に影響を及ぼすような番組が出てくることがないように注視していく必要がある。

以上の審議の結果、血液型を扱う番組の制作に際しては、改めて2004年に青少年委員会が出した「要望」の再確認を議事録に留めることになった。

2.R指定映画のCMについて

「R15指定映画のCMが流れていたが、15歳以下の子どもも見る可能性があるのでテレビで流すのはおかしい」といった視聴者意見が寄せられ、委員から次のような意見が述べられた。

<委員の主な意見>

  • テレビは映画館とは違い誰でも見ることができる。R指定映画のCMがだめということではなく、CMの内容、時間帯などを考えていけばいいのではないか。
  • ホラー映画などのCMも、突然目に入ってくるとかなり衝撃を受ける。家庭のテレビで流されることを考査的にもっと考えてほしい。
  • 映画のCMは一番印象に残る部分を放送するため、過激なものもあるので、年齢制限のある映画やホラー映画については放送時間に配慮してほしい。

以上の結果、R指定映画やホラー映画のCMについては、今後も懸案事項として議論していくことになった。

3.バラエティー番組について

県民性を扱ったバラエティーについて「子どもに誤解させ、偏見を植え付ける」といった視聴者意見が寄せられ、委員から「血液型を扱った番組と同じように、県民性をステレオタイプに取り上げる番組は青少年に誤った認識を与えるおそれがあるため、今後、注意深く見ていく必要がある」という発言があった。

調査研究について

橋元副委員長から調査研究の進捗状況について、「11月末に東京都の6つの区の住民基本台帳から抽出した16歳から24歳までの対象者に実施したアンケート調査が終了した。300サンプルを超える回収があり、今後、分析を行い報告書にまとめる予定である」との報告があった。
また、是永委員から「来年3月ごろを目途に、映像メディア(DVR、VOD、ワンセグ)別に10代、20代のユーザー各5人ずつ計30人に対し、メディア利用状況、利用の影響、地上放送の考え方の変化などについてのグループインタビューを行う」との報告があった。

その他

視聴者意見の審議のほか、民放連が作成した『「青少年に見てもらいたい番組」一覧(2008年秋)』について、委員から次のような発言があった。

<委員の主な意見>

  • 一覧表に載っている番組は、局を代表するものかもしれないが、民放連の取り決めで週3時間となっているためレギュラー番組に限定されてしまっている。地方局が制作している単発のドキュメンタリーには青少年が見て感動を受ける番組があるので、そういったものが選べるよう考えてほしい。
  • 委員会では2004年3月に出した『子ども向け番組』についての提言』の中で、「青少年に見てもらいたい番組」の再検討について要望しているが、生かされていないのが残念だ。
  • 委員会も番組を批判するだけでなく、子どもに見せたい番組があれば委員会で推奨するなど放送局の後押しをしてもいいのではないか。

    * 「青少年に見てもらいたい番組」一覧へ

■中学生モニター報告

12月は、このひと月ほどの間に見た番組について自由に書いてもらったが、中学生フォーラムに参加するメンバーには先月に引き続き今月もニュースなどの報道系番組について意見を募集した。報告は31人のモニター全員から、40件(1人で複数件の報告あり)寄せられた。
分野別に分けると、報道系番組(情報番組、ドキュメンタリーを含む)が19件、バラエティー13件、ドラマと音楽番組が3件ずつだった。局別では、フジテレビ系が10件、日本テレビ系が8件、TBS系が5件、NHKとテレビ朝日系が2件ずつ、テレビ東京系が1件、1放送局に限らない報道系番組全般への意見などが12件だった。

・報道系番組

2件意見が寄せられた番組は『めざましテレビ』だけで、「私の年代でも見やすい番組作りをしていて、とてもいいと思います」という意見と「報道よりもバラエティー要素の方を多く含んでいて、あまり政治のこととかは分かりません」という意見に分かれた。
他には、NHKニュースに「定時のニュースには全くと言っていい程、無駄がない」、『NEWS ZERO』に「その日にあった事件を朝から夜まで順を追って紹介してくれ、とても分かりやすい。またニュースの後に社会問題を取り上げているのでとても勉強になる」、『夢の扉~鳥インフルエンザ最前線~』に「何でもきれいにしすぎて体の抵抗力が弱くなったからこういうウイルスの病気がたくさん出てきたのではないでしょうか。今の快適な生活が本当にいい生活なのか、この番組を見てとても疑問に思えてきました」、『報道特集NEXT』に「私はVTRと語りだけの番組が気に入っています。まじめな報道は少しでも多くVTRを見て、報道の内容を深く知りたいし、見た事について自分でよく考えたりしたいからです」、などの好評意見が寄せられた。

・報道系番組全般

報道系番組全般への意見は、今月も批判的な内容がほとんどだった。4人の意見を列挙する。
「殺人事件などをドラマ仕立てや声を作ったりして、報道するのはやめて欲しいです。とても被害者の遺族などに迷惑だと思います」、「学校に行く準備をしながらニュースを見ています。たったの1時間しか見ていないのに、必ず同じニュースを2回ずつ見ます。正直しつこいです」、「報道番組が報道しきれていない問題はたくさんあると思う。例えば地球の環境問題。今や未来に生きる人々にとって、政治家とか殺人事件とかを追っていることよりも、関係があり重要なんじゃないだろうか」、「僕はニュースショーになって様々なコーナーができ、ニュースが面白くなるのはいいと思います。しかしこのごろは視聴率を気にしすぎて、”報道”よりも”あった事を面白く伝える番組”になってきていると思います」。

・バラエティー番組

バラエティーには1件ずつ13番組に意見があった。
好評だったのは3番組で、『ガキの使いやあらへんで!!』は「この番組の良いところは、自分達も思いっきり番組を楽しんでいるところです。しかもダウンタウンも罰ゲームの餌食になったりと、平等なのも良いです」、『SMAP×SMAP』は「ビストロにいろんなゲストが出てきて、毎回どんなゲストが出てくるか楽しみで毎週見てしまいます。料理の作り方もちっちゃくだけど出てるし、見ていたらなんか作りたくなります」、『みのもんた緊急特番 通帳を守る100の方法』は「年金や遺産相続、生命保険についての事をいろいろと詳しく知る事ができました。堅苦しい番組内容のはずなのについつい最後まで見てしまいました。そして、なんだか知ることが出来て得したと感じました」、という意見だった。
批判意見は4番組に寄せられた。『ぴったんこカン・カン』には「映画”私は貝になりたい”の宣伝のツアーをしている回で泉ピン子がコスプレ姿で”私は貝になりたい!!”と陽気に叫んでいた。戦犯として逮捕された兵士が手記につづったとても重みのある言葉なのである。もっとメディアの責任というものを感じて欲しい」という内容、『はねるのトびら』には「前々から危険なことをやっていましたが、先日レギュラーメンバーが全治2~3カ月の骨折をしました(放送はしていません)。それだけならまだしも、公表後の最初の放送でケガをネタにして笑いをとっていました。これはよくないと思います」というもの、『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ』と『ひみつのアラシちゃん!』には、「巨大な天丼を作るために巨大マグロと巨大イカをわざわざ漁船をチャーターして取りに行くのと、巨大イカをつかまえてその墨で書初めをする、という内容のものがありました。そんなことをして、だから何?って感じの番組が最近多くなったと思います」という批判意見だった。

・その他の番組

ドラマでは『しゃばけシリーズ第2弾 うそうそ』に2件意見が寄せられた。いずれも好評で「このドラマの魅力は、昔のはずなのだけれど現代とどこか通じている印象を受けるところと、一太郎と妖達の絆の深さにあると思います」、「家族愛、兄弟愛など、たくさんの愛があふれている。すごく心があったかくなり、優しい気持ちになれる。最後、見ていたら自然に笑顔がこぼれていました」という内容だった。
音楽番組では『HEY!HEY!HEY!』に批判意見があった。「この番組はちょっとはずしすぎていると思う。心理占いだとかそのようなたぐいのコーナーばかりをしている。そういったコーナーは音楽番組ではなく、他の番組でやってほしい」というものだった。

1月のモニター報告は、年末・年始の特集番組についての意見を募集する。

第20回 放送倫理検証委員会

第20回 – 2008年12月

歴史上の人物の扱いに問題があった深夜のバラエティー番組

事実誤認があり訂正放送したニュースバラエティー番組 …など

第20回放送倫理検証委員会は12月12日に開催され、まずヒトラーを偉人として扱ったバラエティー番組について討議した。他愛ない深夜のミニ番組といえども、制作・放送には十分な注意を払うべきだとの認識で一致した。
続いて、保育園の土地が行政代執行されたことを伝えた放送に事実誤認があり、後日、訂正放送が行われたニュースバラエティー番組については、当該局に出した質問書の回答をもとに2回目の検討を行った。
以上2つの事案は、第17回の委員会で出した方針に従い、バラエティー番組の質あるいは制作のあり方の問題として、事例が集まった段階でまとめて議論する対象に加えるべきであるとの結論になった。
次に7年前に放送された戦時性暴力を扱ったノンフィクション番組について、4回目の討議が行われたが、結論は次回以降に持ち越された。

議事の詳細

日時
2008(平成20) 年12 月12 日(金) 午後5時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、上滝委員長代行、小町谷委員長代行、石井委員、市川委員、里中委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

歴史上の人物の扱いに問題があった深夜のバラエティー番組

女性アイドルタレントが世界の「偉人」について、学校形式で簡単な紹介をした後に、似顔絵や物真似を披露する深夜の短いバラエティー番組。若いタレントによる軽いタッチの番組とはいえ、偉人としてヒトラーを取り上げたことは一般常識に照らしても問題がある。また、制作会社や当該局側のチェック体制が機能していなかった。しかし、ミスを認めて自主的にお詫び放送をしているので、個別には取り上げないことにした。

委員の主な意見は次の通り

  • タレントは台本通りに演じただけということで許されるのか。多額の出演料がタレント会社に流れているのだから、責任の一端があるのではないか。
  • タレントが台本を見て「私にはできません」と拒否することは現実的には難しい。
  • 相当な人数が番組制作にかかわっているのに、ヒトラーをあのように表現して誰も何も言わないことが怖い。
  • この放送は確かに問題であるが、ただし、強引に封じ込めると逆に思想を統制する危険を感じる。
  • 思想ではなく無知の問題。思想以前の問題だ。
  • 外国から、日本にはタレントはいるがアーティストはいないといわれてしまう。文化の質として低い。
  • 外部からの問題指摘ばかりで、局内から「おかしいよ」という声が上がらない。パッケージ番組をそのまま放送する体制に問題がある。

事実誤認があり訂正放送したニュースバラエティー番組

保育園が園児用のイモ畑に使用している土地に対して、道路建設用地としての買収に応じなかったので、強制収用の行政代執行が行われたことを伝えた番組について前回に続いて討議した。
この事案についてはいくつかの疑問点があったため、前回の討議の後、委員会が当該局に対して質問書を送り、回答を得て再度討議した。

<委員会から当該局への質問(骨子)>

  • 放送の冒頭で、当該番組のジャーナリストと称する人物が、高速道路を背景に、「高速道路建設をめぐってある騒動が巻き起こりました」と述べる映像がありますが、背景となっている高速道路は、全く別な場所の高速道路の映像であるとお聞きしております。
    視聴者はその現場の映像であると認識して視聴するものと思われますが、問題はないとお考えになったのでしょうか。なぜ、全く別の高速道路を背景とした映像を放送したのか、その理由をお聞かせ下さい。
  • 10月19日の放送で、保護者と思われる人々と行政代執行を行う人々がもみ合う映像の後、「騒動となったのは保育園の野菜畑」というナレーションとともに、園児たちが畑の中に並んで立っている映像が使用されています。
    その後の場面で園児が泣いている映像が使用されており、視聴者は、行政代執行の日に園児たちが畑に並び、園児たちの見ている中で行政代執行が行われたかのように認識するのではないかと思われます。また、保育園が園児たちをことさらに行政代執行の現場に連れて行ったかのような誤解を生じさせる可能性も否定できません。
    実際にスタジオでのトークは、そうした誤解に基づいて進められています。貴局が、このようなつなぎ方をした理由、またその結果、上記のような誤解を生じさせたと思われることについてのご意見をお聞かせ下さい。
  • 2に関連して、貴局は、訂正放送で、「保育園側が園児たちを現場に連れて行き並ばせたかのような表現がありましたが、そのような事実はありませんでした。」と訂正をされています。この訂正放送により、保育園が園児を現場に連れて行っていないという事実は明らかになったということになるかもしれませんが、園児たちが畑に並んでいた映像はいつの映像で、なぜ代執行の現場の映像と関連づけられて放送されたのか、スタジオのコメンテーター達の発言については訂正の必要がないのかは明らかにされておりません。
    これらの点について、訂正放送で詳しく説明されなかったのは、どのような理由によるものでしょうか。
  • 行政代執行が実施された経緯として、収用委員会が今年3月に収用裁決をしたことに対し、テロップで、保育園側が収用取消しを求め裁判を起こしたが、地裁で棄却されたため控訴し、今月末に高裁で予定されている決定を待つことなく、行政側が行政代執行を実施したなどの説明がなされ、同様のナレーションが流されています。一方、このVTRを受けてスタジオでは、法律家のコメンテーターが、保育園は行政代執行を止めるための仮処分をしていたが、地裁で棄却される決定が出たため即時抗告をしていること、即時抗告には執行停止を止める効力はないことなどをコメントしています。
    強制収用の裁決の取消しを求める裁判(取消訴訟)と土地の明渡しの執行停止を求める裁判(執行停止の申立)とは、別の裁判であり、手続きも全く異なります。番組制作者には、これら2つの裁判についての混同ないし誤解があるように思われます。なぜこのような混同が生じる結果となったのでしょうか。
  • 4と関連しますが、地裁の判断と高裁の判決予定について、訂正放送をするような誤りが生じた理由、訂正放送をするに至った経緯についてご説明下さい。
    また、訂正放送では、「強制収用の取消しを求めた裁判が地裁で棄却されたとお伝えしましたが、収用裁決の取消しの裁判に関しては、まだ裁判所の判断が下されていません」というだけの訂正がなされています。なぜ2週間後に高裁の判決が予定されていると放送したのか、この収用裁決に関する法的な争いは正しくはどのように進められているのかについて、視聴者に与えた誤解はこれだけの訂正放送で解消したとお考えなのでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい。

<当該局の回答(骨子)>

  • 当該番組では、問題となった菜園の状況が既に収まっていたことなどから現場の取材は行なわず、VTRの冒頭に問題の象徴として高速道路を背景とした番組リポーターの導入コメントを都内で撮影し紹介しました。
  • また、園児が多数並んでいる映像は前日の映像と認識した上で当日の映像と組み合わせて経緯を紹介しました。いずれも初めて見る人には誤解を招く余地があり、映像の収録場所や日時の字幕表示をより詳しくすべきだったと考えています。
  • また、土地の収容をめぐる2つの裁判を原稿作成者が不注意にも混同してしまったことは事実で、これをチェックすべき番組デスクやプロデューサーも見逃してしまったことについては深く反省しています。
  • 訂正放送については保育園側との話し合いに沿って行ったものですが、貴委員会から指摘されたように、一般の視聴者にとっては説明不足の感は否めず、特に2つの裁判はそれぞれの進行状況を区別して紹介した方がより良かったと考えています。それらも含め、訂正放送の在り方については、今後社内であらためて検討することにいたしました。
  • 今回の事案は今後各部局が研修事例として共有し、会社全体で再発防止と意識の啓発に努めてまいります。

<委員の主な意見は以下の通り>

  • ある新聞報道では当該局の経営者は他の局に比べるとバラエティーについて真剣に考えているように伝えられている。にもかかわらず、回答書には番組の出演者を守るという意識があると感じた。それがある限り議論し難い。
  • テレビ界全体が制作費カットの中で、主体的な取材ではない映像や情報を2時間のワイド番組の中で何度も使い、コメンテーターが面白おかしく見せるカタチで制作費を安く上げる傾向がある。これからはどんどん起きてくる問題だ。
  • 今から考えればこうすべきだった、と回答しているのでそこで議論が止まってしまうが、訂正の仕方がおざなりすぎることが気になる。本当に認識しているのか疑問を感じる。
  • 問題が起きたときの局の対応がマニュアル化し、BPOを意識して直ぐにお詫び放送をし、回答書はこう書けば大体スルーされるだろうというパターンができつつあるのではないか。そうすると本質的な問題がいつも置き去りにされてしまうことになる。
  • 子供たちが並んでいるカットは意図的ではないのか。回答書には、なぜこういうつなぎ方をしたのか、何を狙ったかの肝心な説明がない。
  • 情報バラエティー番組でニュース素材を扱う場合は、報道の人とは別のマインドで制作するのだろうから、正確性において報道局とは意識の上で差が生じるのではないか。
  • キャッチーなものを優先するのは、この番組特有のことではなくもっと根本的なこと。それを否定的に捉えて、キャッチをとることを仕事にしている制作現場の人たちに対して意見を求めてもかみ合わない。BPOとの距離感を広げるだけになる。
  • 取材して直ぐに放送するのではなく、そのプロセスに慎重さがあればどれも防げる問題なのに、慎重さを発揮できないのは個々人の能力を越えた何かがベースにあるからではないか。その結果として言い訳的な回答書になってしまう。

討議の結果、事実誤認については不十分ながらも訂正放送がされており、委員会の質問に対して制作現場にヒアリングをした上で回答し、改善の方向がみられるので、個別の事案としては取り上げないこととした。
ただし、継続議題としているバラエティー番組に関する事例のひとつとして蓄積し、改めて議論する対象にすることとした。

戦時性暴力を扱ったノンフィクション番組

戦争と裁判をメインテーマに、戦時下における性暴力を扱った7年前に放送されたノンフィクション番組について4回目の討議が行われた。制作過程において政治的な圧力により内容が不当に改変されたと関係者が主張している事案。 主に、委員会の役割や権限との関係でどういう形で取上げられるかについて検討した。担当委員が合議のうえ作成した原案が出され、かなり議論は具体化してきたが、委員間の考え方の温度差を埋めるにはまだ不十分であったので次回に持ち越すことにした。

以上

2008年11月に視聴者から寄せられた意見

2008年11月に視聴者から寄せられた意見

麻生首相に関連した話題を取り上げた際、多くの番組で首相の読み間違いに焦点を当てて、あたかも人格攻撃をするかのような「麻生叩き」に終始した各出演者の不適切な発言に意見が集中した。この他にも、元厚生次官ら殺傷事件の報道について、コメンテーターなどの憶測による不適切な発言や、取材のあり方への批判意見が多かった。

2008年11月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのホームページ経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,001件で、10月と比較し88件減少した。意見のアクセス方法の内訳はEメール62%、電話34%、ファクシミリ3%、郵送ほか1%。男女別は男71%、女25%、不明4%で世代別では30歳代27%、20歳代22%、40歳代18%、60歳以上11%、50歳代8%、10歳代2%の順となっている。

2008年11月に視聴者から寄せられた意見 1,001件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年11月件数 年度累計
人権等に関する意見 5 件 49 件
放送と青少年に関する意見 64 件 [ 意見内容 ] 1,059 件
放送番組全般にわたる意見 602 件 [ 意見内容 ] 4,798 件
BPOに関する意見・問い合わせ 43 件 492 件
その他(放送関連以外) 287 件 2,820 件
意見件数 計 1,001 件 9,218 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月通知数は429件(36局)であった。
またこの他に、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し37件を全加盟社・局に送信している。。

意見概要

人権等に関する苦情

11月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 5件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 61件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【情報ワイド・バラエティー番組】関連 1,523件(全体の152%)前月比331件の増加

  • “不適切な内容、発言・表現”など (864件:86%)
  • “不適格な出演者”(95件:9%)
  • “低俗・下品な番組” (350件:35%)
  • “倫理観欠如、局の責任”など (170件:17%)

【報道・情報番組】関連 896件(全体の90%)前月比251件の増加

  • “取材・報道のあり方・批判” (604件:60%)
  • “放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など (165件:16%)
  • “報道の公平・公正性と内容批判” (127件:13%)

※【情報ワイド・バラエティー番組】【報道・情報番組】 の意見合計数が意見総数を超えているが、これは1件の 意見に複数の指摘項目が含まれているためである。

11月は情報・ワイド番組を中心に「不適切な番組、不適切な内容」との批判や「報道のあり方」についての意見が前月から大幅に増加した。これは、麻生首相に関連した話題を取り上げた際、多くの番組で首相の読み間違いに焦点を当てて、あたかも人格攻撃をするかのような”麻生叩き”に終始した各出演者の不適切な発言を批判したもので、「報道や番組のあり方」や「番組のあり方」をはじめ「出演者の品格」「放送局の姿勢」などについて厳しく指摘している(84件)。この他にも、”元厚生次官ら殺傷事件”報道についてコメンテーターなどの憶測による不適切な発言や、取材のあり方への批判意見が多い(32件)。
また、「国民の知る権利」や「放送局の役割」として、田母神前航空幕僚長の論文や発言について放送での検証を期待する意見なども寄せられた(22件)。
一方、国籍法一部改正案審議に関して報道の不足を指摘した意見も多い(34件)が、ネット上でのBPOへの投稿呼びかけに呼応したものが目立った。

青少年に関する意見

11月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは64件と先月の約3分の2に減った。
個別番組に対する意見でも、2件以上意見のあった番組は2番組だった。
テーマ別ではパチンコCMに対する意見が7件と目立った。

BPOに関する意見

BPOへの意見23件、問合せ20件となっている。
「意見・問合せ」以外にBPOについてふれた意見は135件であった。

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局のワイドショーや情報番組では、何かテーマを決めて一つの事象を叩くような放送をしている。つい先週までは各局で公務員叩きを放送していたのに、元厚生次官ら殺傷事件が起きると、今度は一斉に「テロではないか?」と憶測での報道をする。そして、元警察関係者という人がコメンテーターとして出演し、事件の概要が明らかになっていない時点で、世間を不安に陥れるような憶測発言をして世論を扇動する。今はテレビから情報を得る人が多いと思うが、各局で同様の内容で報道することで、本当はまだ憶測なのにそれが事実だと捉える人も少なくないだろう。メディアは人に与える影響を考えて、発言にはもっと気を付けるべきではない。
  • 「元厚生次官ら連続殺傷事件」で、民放各局のコメンテーターが不適切な発言を繰り返している。特にワイドショーでは2人の元次官が「基礎年金制度設立」の立役者だったことが強調され「年金問題で国民を苦しめている」「厚生省の役人が悪い」とコメントしている。確かに基礎年金番号に統合されていない”宙に浮いた”年金記録が5000万件以上に上がることが昨年発覚したが「年金テロ」だと断言するのは時期尚早である。コメンテーターはニュースの解説者であり、自論を展開する立場の人間ではないことを自覚するべきである。
  • 民放の朝の番組の新聞コーナーで、某新聞の「元厚生次官ら連続殺傷事件で、インターネット上の百科事典に犯行予告ととられる書き込みがあった」という記事を紹介していたが、これは、新聞社の記者がネット上の時刻表示が「協定世界時」で表示されているのに日本時間だと思い込み、「書き込みが事件前にされた」と勘違いして誤って書かれた記事のことである。しかし、各局の番組ではそれを疑うこともなく鵜呑みにして、さも書き込んだ人が犯人であるかのように報道していた。そもそも取材記者が何十人もいるテレビ局なのに、新聞の記事を鵜呑みにして報道する「新聞コーナー」は必要なのか。
  • 日曜日午前の報道番組で「元厚生次官ら連続殺傷事件」の容疑者について扱っていましたが、司会者とコメンテーターとのやり取りの中で、「現在、ニート・フリーターの問題が大問題になっているが、彼もその一人だ」といった発言がありました。私は現在33歳ですが、手の変形を伴う障害があるためアルバイトの仕事をしていてもいつ契約解除をされるかと不安な状況で働いています。その私からしますと、この発言はただ単に殺人事件とニート・フリーターの問題を短絡的に結び付けているだけという印象が強く、聞いていて憤らずにはいられませんでした。また、容疑者の動機も確定的ではない段階であるのに、この犯行をネット社会に結びつけるコメントをしていた部分がありましたが、両氏はどれだけの取材をした上で発言しているのかと分かりかねるものを感じました。評論家・ジャーナリストとしての品格に疑いを持ちました。
  • 昨日、元厚生次官の妻が刺されるという事件が起きたが、取材のあり方に疑問を持つ。私は東京・中野区に隣接する練馬区に住んでいるが、昨夜は21時から23時過ぎまで、今朝は6時から10時現在、上空を2~3機のヘリコプターが入れ替わり立ち代り飛んでいる。テレビで報道するのはほんの数十秒の映像なのに、こんな取材方法こそ「エネルギーの無駄」ではないのか?災害事故ではなく事件なのだから、長時間ヘリを飛ばすなどして取材をする必要があるのか?近隣の住民にとっては、ある種の報道被害にも当たるのではないか?もう少し周囲への影響を考えた取材をするべきだ。
  • 政治に関する報道で、政府与党の上っ面をただ叩くだけの報道しかしていないように感じる。麻生総理の漢字の読み間違えなどは、大きく報道するようなことだろうか?国会での質疑や法案の内容に一切触れないのはどうしてか?記者のぶら下がり取材では、もう少し実のある質問や掘り下げた内容の質問を期待する。最近では「田母神論文問題」を取り上げているが、彼の人格否定をするより、論文内容の是非の方がはるかに気になる。何事も、悪い面ばかり報道するのは、いたずらに不安しか生み出さない。良い点や改善点もしっかりと報道してもらいたい。「定額給付金」についても、肝心な要点も放送しないうちに、さも「国民は怒っている」といったコメントをするのはやめてほしい。また、人によって見方は様々なのだから、一様な意見ばかりのキャスターやコメンテーターで出演者を構成するのは控えていただきたい。両論の意見がなければ、視聴者は自分で判断ができなくなる。私は現在、テレビ報道を見ながらネットで詳細情報を探し検証しているが何でこんなことをしなければならないのかと思う。テレビ離れが進むと言われているが、テレビ局は「自分が撒いた種」という自覚を持ってほしい。
  • マスメディアとして公正・中立が守られていない報道が目に余る。安倍元首相の時も酷かったが、麻生首相に対して人格攻撃をするかのような放送内容が多すぎる。現在では、インターネットで首相会見や討論をノーカットで見ることが出来るが、テレビ報道で流れる会見は意図的に編集され、それに沿ってコメンテーターが意見を述べ、見ている視聴者に一定方向の感情を植え付けるものが多い。明らかに「公正・中立」が守られていない。首相の動向を報道するにあたっては、仕事と個人の生活は明確に区別し線引きして報道すべきである。小学生低学年の子供までもが「日本の総理は仕事もしないで夜飲み歩いている」と言う。学校では政党の事など教えない。子ども達はテレビを見てそのように感じているのだ。政治家の本来の仕事内容が子ども達にもわかるように報道するのも放送の努めではないか?
  • 民放のほとんど全てのニュース番組について言えることだが、あまりに印象操作的な報道が多すぎる。特に麻生総理に関する報道が群を抜いている。最初から総理を叩くことを前提に悪意的に映像を準備し、さらにテロップを準備し、全く吹き替える必要などないのに総理の発言をナレーションに吹き替えるなどしている。映像が終わってスタジオに戻ると、司会者の罵詈雑言が待っている。更にはコメンテーターや政治についてはほとんど何も知らないであろう芸能人らが一斉に悪口大会を繰り広げる。この、あまりの薄気味の悪さと品のなさに、テレビを消してしまうことも多々ある。ニュースというものは、起こった出来事の映像をなるべく多く見せて、その事実に沿った解説をするものではないだろうか。司会者や局の考えを視聴者に押し付けるものではない。
  • 最近の報道系番組の麻生総理に対するバッシングがひどすぎる。政策についてなら批判や意見は当然だが、最近はただのバッシングや言いがかり、一部分の発言を切り抜いての見当違いの批判ばかりが目に付く。もはや批判にすらなっていない。司会者とコメンテーターらが、ただのいじめや誹謗・中傷を嬉々としながらやっているような番組すらある。それでいて一番大切なはずの政策や法案の中身にはほとんど触れず、触れたとしても、一部分や一方向からの見解しか伝えない。マスコミは偏向報道で世論を操作しているとしか思えない。放送法に違反していないかBPOで徹底的に調査していただきたい。
  • 麻生首相が3年後に消費税を引き上げる意向を表明したことについて「3年後に消費税を上げる」と伝えていたが、コメンテーターは「『2年後とか3年後ではなく、景気の状況に応じて対応する』と仰れば良かった」とコメントしていた。しかし、首相は9日に行われた水戸市の街頭演説で「向う3年間くらい景気対策をやらない限り、今の不景気を抜け出すことが出来ない。景気対策をまずやって、そこそこ景気をよくして、介護・福祉・医療に使わせてもらうため、ぜひ消費税を上げさせて下さい」と、景気回復後の消費税の増税に理解を求めていた。麻生首相を特段支持するつもりはないが、このコメンテーターの発言は視聴者を偏った方向に誘導する恐れがあると思う。報道機関は事実を伝えるべきである。
  • 「広がる大麻汚染」として、大麻取締法違反(栽培)の現行犯で大学生が逮捕されたニュースを伝えていたが、栽培の様子を余りにも詳細に伝えすぎていた。男子学生は東京豊島区のマンションの自室で大麻草4本を栽培していたが、ダンボール箱の中に発泡スチロールを敷き、その上に鉢を乗せ温風器などを設置してていたのが映っていた。また、種はネットを通じて10粒を1万1500円で購入した事などを伝えていたが、硫化水素による自殺や無差別殺人事件からも推測されるように、このような報道の伝え方をすると必ず真似をする人間が出てくることは確かである。「報道の自由」を否定するつもりはないが、情報をここまで詳細に伝える必要が何処にあるのかと疑問に思う。
  • ニュース番組では、連日、麻生総理を批判しているが、国籍改正法案や外国人参政権など、日本を揺るがす本当に大きな法案は全く報道されていない。11月14~18日までの間、新聞でしか情報がなかったのはどうしてか。テレビは国民の知る権利を無視しているのではないか。また、ニュース番組の報道の仕方にも偏向があると感じている。28日に自民・民主の党首討論があったが、内容はとてもテレビで言われている「小沢勝利」のようなものではなかった。それなのに、何の根拠もなく「小沢勝利」と言われているのは、国民を欺いている行為と受け取れる。全てのニュース番組の倫理観を今一度問い直したい。
  • 「国籍法改正法案」と「二重国籍取得の容認」については11月18日に衆院本会議で可決し参院に送られているが、この重要法案については一部のメディアが報じただけでテレビでは報道されていない。現行国籍法で出生後の認知のための要件となっている「父母の婚姻」は最高裁で6月4日に違憲とされたために、政府は改正法案を閣議決定したが、改正法案に反対の議連の会合では代表が「男性が証拠もなく認知すると日本国籍が取得できる。歯止めのない法律だ」と、偽装認知による国籍売買など闇ビジネスを誘発する懸念を指摘し、DNA鑑定の義務化や偽装認知の罰則強化を求める意見が相次いだ。しかし、何故かテレビでは報道されていない。この「国籍法改正法案」はネット検索でも中国国内からのアクセスが最も多いことも承知するべきである。
  • 夕方の番組で大阪府知事と高校生のやりとりを報道した際に、男女2人のキャスターが「憲法第89条と私学助成」について偏向した発言をした。女性キャスターは憲法第89条の条文を示し、その中にある「公の支配に属さない」という文言を指して、「これは私学を指しているのですね」と発言し、男性は「そうだ、公立以外の学校を指している」と応じ、「私学助成は憲法違反だ」と断定した。これは政府見解と異なる偏向した内容だといえる。この問題は昭和54年3月の参議院予算委員会での内閣法制局長官見解で国の見解が確立し、最近では平成16年3月に当時の文部科学大臣が同様の発言をし、平成18年に成立した教育基本法でも第8条「私立学校」に盛り込まれている。それ故、番組での両キャスターの「『公の支配に属しない』というのは私学のことを指している」という発言は、「現在のスタンダードというべき政府見解とは異なる一方的な見解を、その解釈だけが事実であるかのように強調した偏向したものである」と言わざるを得ない。報道機関としての公正を確保する意味からも、その誤りを認めて謝罪し、政府見解の紹介も含め正しいものに訂正するよう強く要請します。
  • 東京のテレビ局の朝のワイドショーで兵庫県知事が近畿ブロック知事会議で「関東大震災が起きればチャンスだ」と発言したと伝えていた。私は両親が関東大震災で甚大な被害を被ったので、この発言を聞いて憤りを覚え直接県庁に苦情を伝えたところ、担当者から「会議では、地方分権や近畿地方の経済について発言し、政治機能が東京に一極集中している問題や金融、マスコミの機能も東京に集中している現状に触れ、企業を関西に呼び戻す必要性や、防災の首都機能を関西が引き受ける準備をしていかなければならないという主旨であった」と説明され納得することが出来た。知事は「言葉遣いが適切でなかったとしたら反省しなければならない」と釈明しているが、テレビ報道は知事の発言の一部をエキセントリックに伝えただけで、発言全体の主旨を伝えていないことが判明した。事実を伝えることこそが報道の使命ではないのか。
  • 神奈川の県立高校で2004、05、07年度に行われた入学試験で、総合的な成績順位は合格圏内に入っていたのに、願書受け付け時の服装・態度などが悪く入学後の生徒指導が困難と判断した受験者22人を不合格にしていたと発表したというニュースを見た。もちろん、校長の独断で行ったことはよくないが、受験には受験に相応しい格好というものがある。不合格になった生徒は、この基準を満たしていなかったのだ。私は、この校長の判断を支持するが、私が怒っていることは、校長の判断を”悪”だと捕らえて、視聴者をその方向に誘導していると思われる報道についてだ。今回の事は校長の判断に反対の声もあるが、賛成の声もあるのは確かだ。いつもニュースを見て思うことだが、日本の報道機関は中立に物事を見ない。必ず己が正義だと思う方向に報道する。これは危険な行為だ。間違った事柄を正義だと発信・報道されれば、それが”正義”として受けとられかねない。今回の報道は正しい報道なのだろうか?
  • 最近の重大事件の報道で、非常に辛い状況にありながら容疑者の親がインタビューに応じ、質問に答えたり謝罪したりする様子が放送されることが多い。事件直後のことで心の整理もできておらず、顔は見えないが恐らく憔悴しきった姿の親御さんたちがやっとの思いで言葉を振り絞っている姿を見ると、自分までがやるせない気持でいっぱいになる。多くは成人した子どもが起こした事件で親には責任はないのに、もしかすると「道義的責任を感じないのか」という言葉を突きつけられインタビューに応じざるを得ないのだろうか?とにかく見ていて辛い。これを報道する必要はあるのだろうか。
  • 民放各局のワイドショーが揃って音楽プロデューサーで容疑者の奥さんの父親の一周忌の法要を中継していたが、詐欺事件とは直接関係のない奥さんに、わざわざ追い討ちをかけるようなことを何でするのか。法要の場で奥さんにインタビューしたって答えるわけがない。各局とも、揃いも揃って何でこんな非常識なことをするのか。芸能関係のニュース取材でも

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • アメリカの大統領候補オバマ氏にアポなしで会いに行き、警備員に何度も止められている様子が放送されていたが、あまりにも馬鹿げている。日本の恥を晒すような事はして欲しくない。オバマ氏にアポなしで会いに行けばどういう事態になるかくらいは予測ができるはずだ。厳戒態勢の中、何度も銃を向けられるなど危険極まりなかった。出演した芸人は仕事だから徹底してやるだろうが、状況を判断してスタッフはそれを現場で止めるべきだ。オバマ氏を含め、先方のスタッフに対して無礼すぎる。この様な危険で馬鹿げた企画そのものに、何故事前にストップがかからないのか?芸人に何かあったら放送局は責任を取れるのか?このテレビ局のせいで警備に不備が出て、もしオバマ氏を危険に晒すような事があれば国際問題になる。そこまでして視聴率をとりたいのか。東京のこの局はどうしようもない放送局だ。
  • 日本の大学に留学しているスリランカ人だが、今年の5月に関西の局のこの番組が放送されたことで、私の国に対するイメージが大きく損なわれた。私はスタジオでの番組収録に参加したのだが、その際、スリランカを誹謗中傷した取材に驚いた。タレントがリポーターとして取材していたが、街中の一般的なホテルに泊まり、「臭い!汚い!」「前の宿泊者が使ったタオルや石鹸がそのまま使われている」「イギリスの植民地だったのにスリランカ語しか話せない」とリポートしていた。しかし、大半の国民は英語が話せるのだ。スタジオでの番組収録の際、制作協力会社のプロデューサーに「国の現実と余りにかけ離れているので放送しないで欲しい」と伝えた。彼は「スリランカを馬鹿にするつもりはない」「収録が10分位オーバーしているのでこの部分はカットする」と約束してくれたが、実際にはそのまま放送された。番組内容を不審に思い、先日一時帰国した際に取材されたホテルを尋ねてみた。すると、このホテルは街中でも格安のホテルであった。しかも、取材は1時間位で終わり、リポーターをはじめ番組スタッフは同じ街の高級ホテルに宿泊していたことが判明した。今の番組内で謝罪するか、再度スリランカを取材して正しい現状を伝えることを要望する。番組は現在タイトルを変更して放送されているが、前の番組と同様の企画なので、他の国の人達がスリランカと同じ報道被害を受けないためにBPOに連絡した。
  • 男性DJの、一緒にラジオに出演している女性への「局部に毛が生えているか?」という質問は、たとえ冗談にしても度が過ぎている。これが会社ならセクハラで訴えられるだろう。
  • 各局のクイズ番組だが、いつまでこんな無意味で無価値で無能な番組を垂れ流すのだろうか?また、これに出演するタレントについてだが、解答からボケ発言まで打ち合わせ通りに進行していくヤラセ番組に出演してギャラをもらうことなのか?タレントの本業はこんなことではないのではないか?視聴者もいい加減に目を覚ましてもらいたい。こんな時間の浪費はない!
  • 朝8時からのワイドショーに出演のジャーナリストの発言は最低だった。仮にもジャーナリストと呼ばれる人が、自国の麻生首相に対して「馬鹿」発言はないと思う。氏は「『馬鹿』ではなく『バー、か』と言った」とミエミエの弁明をするかも知れないが、普通に聞いていればどう考えても「ばーか」と言っているしか聞こえない。しかもその後にスタジオで下品な笑いが起き、見ていて本当に不愉快だった。しかも「外出を控えた」という記事に対して「行く所はBarだったに違いない」との憶測を、さも事実のように印象操作している点も悪質だ。こんなものは批判ではなく、ただの大多数による一方的ないじめだ。本当に批判されるべき理由があって批判されるのであれば納得出来るが、ただ自分の感情にまかせ安直に発言して他人を中傷するのは、仮にも報道を預かる人物・番組として不適切である。「ただ批判し中傷すればいい」という形に走りがちな昨今のテレビ報道全般については本当に辟易としている。低年齢層の子供へも悪影響を与えるのではないか。事実に基づいた情報を感情を交えず客観的に放送する番組作りをお願いしたい。
  • 東京の某大学を紹介する公共放送の番組で、司会で漫才コンビの一人が激動の平成の20年を振り返り「地下鉄サリン事件や9.11は面白かった。ネタにした」などと発言していた。しかし、実際に被害に遭われた方やご遺族、関係者の方に対し配慮することもなく、公共放送が発信する番組で放送されたことに強い憤りと不快感を覚えた。話の前後関係からすれば、「この変化多様な時代を楽しめ」と学生たちに語りたかったのかも知れないが、それを考慮したとしても不快感はぬぐえない。この放送は録画であり、番組担当者もこの発言を確認していたはずだと考えるが、凶悪犯罪を「面白い」という言葉で片づけてしまうことは、劇場型犯罪の防止に役立つどころかそれを助長するような印象を受け、極めて深刻な発言であったと思う。公共放送局ならびにこの芸人は、被害に遭われた方やご遺族、関係者の方々に対してお詫びの意を表明し、今後、放送での発言について、その重さを感じるよう願って止まない。
  • 東京キー局の夜の番組で女性タレントを1週間で10キロ太らせる企画らしいが、それでなくても太っているこのタレントをさらに太らせることは、体への悪影響が明らかに予想され問題だと思う。しかも、この番組をゴールデンタイムに放送するとは非常識にもほどがある。この局には常識がないとしか思えない。テレビ局としては、「タレントの体調が悪くなったらその人を捨てて、次のタレントを採用すればよい」くらいに思っているのではないか。仕事が欲しいタレントの足元を見た、非常に汚いやり方である。このような、体への悪影響を度外視した人体実験的な番組は即刻廃止すべきである。タレント事務所と契約し、了解をもらっているからよいというものではない。今のままでは、終いにはタレントを使った新薬開発の実験台企画までテレビ番組に登場するのではないかと心配だ。
  • 司会の女性歌手が未成年の頃の喫煙や現在の麻雀賭博を番組内で告白した。それが問題があると判断され、その後、お詫びのようなコメントをアナウンサーが述べていたが、本人が「時効という事で・・・」と反省していない態度をしたばかりか「さっそくどなたかが文句言ってきたの?」と逆切れをしていた。自分の犯罪を告白し反省もせず、筋違いな態度で怒っている様を見せ付けられた。あまりに反社会的な態度に怒りを覚えた。テレビに出る人間はモラルを持って欲しい。
  • 東京の放送局の夜のスポーツ番組で不適切な発言があった。準レギュラー男が「アナルパールを・・・」と発言し、他の出演者も同様の言葉を発していた。文字の表示もあったが、モザイクがかけられていた。他の出演者から「やめろよ!」と言われていたが、謝罪はしなかった。深夜の番組と言えども、一部の人が使う「性具」などについて話題にすべきではない。本人たちは番組を盛り上げようと発言したのだと思うが、編集でカットすべきだったと思う。
  • 家族でラジオの深夜放送を聴いていたら、下ネタばかりの過激な内容だったのでお母さんが怒り出した。「番組の打ち切りをBPOにお願いしろ」と言うので電話した。よろしくお願いします。
  • 放送で日本語の使い方が乱れているのではないか。天気予報で「夜早く」と言っていた。「朝早く」とは言うが、「夜早く」という言い方はしないのではないか。また漢字検定をテーマにした番組で「給料日に貸借を清算した」と言っていたが、この使い方にも大変違和感を覚えた。給料日に清算するのは「貸借」ではなくて「借金」だろう。シッカリした日本語を使って欲しい。

【番組全般、その他】

  • 最近、いろいろな番組で、特に政治家や官僚に対する行き過ぎた発言や誹謗・中傷ともとれる発言が多いと感じている。「表現の自由」があるのかも知れないが、それなら発言の責任も取るべきではないのか?一般企業は、不祥事を起こすと営業停止や廃業という厳しい処分が下される事が多々あるのに、放送局は不祥事を起こしても営業停止ということがない。ちょっと謝罪して終わりだ。これはおかしい。総務省もBPOも、放送局に対しもっと厳しい処分が出来るような制度を作ってほしい。
  • 各テレビ局のニュースはもとよりモーニングショーなどで取り上げる話題が、元厚生次官ら殺傷事件に重点を置き過ぎている。特に民放は視聴率をとるためなのだろうが、取り上げ方が興味本位で視点が低すぎるとしか言いようがない。私は農業関係の中小企業を経営しているが、この不況で、業績は大変厳しい。テレビ報道では、直近の「補正予算問題」や「定額給付金問題」などの経済問題について、重点的に放送時間を取って貰いたい。放送は国民を置き去りにせず、我々の味方になって貰いたい。
  • 麻生総理の漢字の読み間違いの話を、面白おかしくあげつらうようにニュースにしていて不快だった。漢字の読み間違いなど、人間なら誰しもあるのではないか?公共の電波で人の間違いを面白おかしく報道してよいのか?非常に不快だ。国会開催中で重要な法案の話などもあるはずなのに、これらには全く触れていない。これで「ニュース番組」とは聞いて呆れる。子供にも「どうしていつもテレビの人は悪口ばかり言ってるの?『人の悪口はいけません』だよね」と言われた。
  • 東京キー局の夜の番組で定額給付金についてのアンケートを行っていた。「給付金の支給はやめるべきか」というアンケートの結果で、「やってほしい」という24%の意見について、「弱者の意見は・・・」という発言があった。自分も「やってほしい」という意見を送ったが、「やって欲しい」という意見を持つ人たちのことを”弱者”というのはどういうことなのか。決して弱者だけが給付金を欲しいと言っているわけではない。給付賛成者を「弱者」として切り捨てたこのテレビのアナウンサーの見識を疑う。
  • 今年6月30日頃、東京キー局の早朝からの番組で当社に関連して誤った情報を放送した。内容は「7月に酒造会社が商品の値上げを行う」というものだった。当社は昨年の7月に値上げを行っており、今年はそのような予定は全くなかった。テレビ局には抗議をし、翌日の番組中で間違いであったことの訂正とお詫びをして頂いた。しかし、テレビ局が誤った情報を流した原因は、いずれも初歩的なものだった。インターネットで7月1日に値上される商品の情報を検索した際に、酒類関係の業界紙に掲載された、去年(平成19年)の情報の日付を確認せずに放送したとのことだった。放送された件については、当社に対してはテレビ局からは取材も内容の確認も一切なく、ネットで調べた業界紙の内容をそのままニュースソースとして使用していたのだ。日頃テレビでニュースを見ているが、放送局が自ら取材もせず、このように安易な形で入手した情報を放送しているということに驚いた。また、報道人としての誇りはないのかと腹立たしくもなった。私たちが通常目にしているニュースにも、同じような不確実なものがあるのだと思う。
  • 難聴手術の”天才”としてクリニックの医師が紹介された。この番組を見た難聴の母はその医師の手術に期待してクリニックを訪ねた。診断の結果、「高齢のため手術は無理だから治療と補聴器で難聴解消をしよう」ということになった。ところがその直後から、片耳40万円もする高額補聴器の購入を迫る複数の業者からの電話や訪問が相次いだ。そのしつこさに警察を呼ぶ騒ぎになり、母は精神的にも参ってしまった。調べてみると、この医師は業者から補聴器売却代金の1割をリベートとして受取っているという噂があった。つまりこの医師は、患者を集めて金儲けをするためにテレビを利用していたのである。また、患者の個人情報を補聴器業者に漏らすという不法行為も働いているのである。母にとっては、これは明らかな報道被害である。モラルに反したこんな医師を「スーパードクター」として紹介した放送局の見識を疑う。
  • 昼過ぎの番組で高齢運転者の問題を扱った企画で疑問に思うことがあった。「もみじマーク」は日本独特の交通事情を踏まえ高齢者を守ろうというのが目的であり、タクシードライバーの件など改善の余地はあるとはいえ、真っ向から「反対」の声を上げているのが気になった。「海外ではこんな法律は無い」と言っていたが、日本と海外とでは明らかに事情が違う。確かにこのマークが目印となり高齢者相手の詐欺商法の標的となっているのも事実だが、本当に撲滅すべきはこういう悪徳業者であり、そこをもっと追究してほしかった。私も仕事上で詐欺まがいの営業行為を受けることがあるが、徹底して調査をし、警察や各省庁へ通報したり、ブログなどで注意喚起をするようにしている。一般人の私でもここまで出来るのに、いざとなると逃げ腰になり根本的な問題から目をそらすのは情けなくないか?番組として反対の声をあげるなら、「海外」にこだわらず徹底的に「日本」という国にこだわって反対する意見を聞きたい。
  • 雪の季節になると、その影響で受信電波の減衰が発生し、衛星放送が見られなくなることがよくある。衛星放送でしか放送されていない番組も少なくないので、地方に住んでいると衛星放送に依存することも多くなる。そのため、降雨・降雪による受信電波減衰を少しでも無くすために、何らかの対策をとっていただきたい。せめて電波の減衰で見られなかった番組を再放送するなどをしていただけると嬉しい。
  • 11月3日、芸術祭参加番組として地球温暖化問題に視点を置きアフリカの貧困国でトウモロコシの配給を受けながら生活している孤児を紹介していました。耕したばかりの10坪もない畑を前に、「毎日畑を耕しているが植える作物の種が買えない」と嘆いていた。畑をクワとスコップで耕している二人の少年を紹介していたが、19歳の少年はクワを頭の後ろまで振りかぶって使い、もう一人の10歳くらいの少年はスコップの背中で畑を叩いていた。二人ともクワとスコップの使い方を知らないのだ。とても毎日畑を耕している人がるやることではない。申し訳ないが、このようなテーマの番組で少しでも「やらせ」と思われるものがあるのは我慢できない。
  • この番組は歴史上で意見の分かれる学説を「新説」と称し、あたかもそれが真実の如く放送している。学会などで「通説」とされているものは、多くの文献や証拠から有識者の合理的な判断のもとに「通説」となっているにも拘らず、断定的な表現で「新説」だと言って、歴史上の人物を「○○は存在しなかった」とか歴史上の出来事を「○○はなかった」等と決め付けて放送している。番組の最後で「信じるか信じないかは個人で判断してください」と言っているが、歴史の知識の乏しい視聴者はこれを真実だと信じ込んでしまう可能性が高いと思う。さらに、出演者に「新説を信じるか信じないか」を聞き、「信じる」と返答すると、歴史的な出来事が書かれた巻物からその出来事が消されるという演出描写があるが、この表現方法も不適切だと思う。学校で習う歴史を完全に覆すような新説を取扱う場合には、肯定する意見だけでなく、否定する意見や、なぜ教科書ではこれまでそう判断されていたかなどをきちんと放送してもらいたい。通説を肯定する意見も少なからず放送されているが、最近は新説に偏った意見ばかりを取り上げている感じがしている。公正な番組作りを心がけてほしい。

【CM】

  • 飲酒運転で人を轢いた上、そのまま数キロ引きずって死なせるという、とんでもなく悪質な事件が続発している。飲酒運転絡みのこうした事件や事故のニュースを見聞きする度に、テレビ・ラジオでは何故「酒」のコマーシャルを止めないのかと疑問に思う。タバコに関しては喫煙を肯定するCMは現在放送されていないが、ビールや日本酒等の酒類にも同様の規制を適用できないものか?
  • 朝から流れる派手なパチンコのCMによって一日中不快な気分になり、特に家族が居る時には家の中が重い空気になる。パチンコ依存症で苦しんでいる方が沢山いる中で、このギャンブルのCMに何の意味が有るのかを問いたい。不況の中、スポンサーを付けるのは大変かも知れないが、各局ともCMの影響を深刻に考えてもらいたい。特に子ども達に「パチンコは楽しい物」という印象を与えるCMはやめていただきたい。パチンコ依存症は病気だ。その病気の治癒の邪魔をするCMは害悪だ。
  • 11月19日放送の関西の放送局の番組の中で見た包丁研ぎ器のCMについて苦情を言いたい。その内容は―まず包丁で果物を切ろうとするが切れない。そこで、これを使えば簡単に切れるようになると言ってその包丁を研ぎ器で2、3回こすり同じ果物を切ると、今度はスパッと切れ、同製品の効果を証明して見せたのである。ところがよく見ていたら、最初と2回目では包丁の切り方が違っていたのである。最初は包丁を上から押さえていたのに2度目は包丁を前後に動かして切っていたのだ。どんな包丁でも上から押さえたのでは物が切れず、前後に動かせば切れるのだ。このように切り方を変えて見せるなんて詐欺みたいなものじゃないか。
  • 夜に女性が仕事を終えて帰ろうとすると、上司が「今日中に完成して欲しい」と言って大量の書類をデスクの上に乱暴に置き、「今からですか?」と嫌がり反論する女性に対し、その上司が「あなたの為だから!」「あなたの為だから!」というものがある。このシーンは、まさに誰が見てもパワーハラスメントの代表例だと思う。特に、最近のFXや外貨取引で主婦を初めとして多くの投資者が膨大な損失に苦慮しているこの時期に、このような人の気持ちを逆なでするような外為のCMを放送するのはいかがなものか。然もパワハラは刑事告発が出来る行為である。それにも拘らず、放送を許可している局の無責任さに激しい憤りを感じる。如何に不景気でスポンサーが減少しているからといって、パワハラを推奨するようなCMは即刻中止すべきだ。

【BPOへの意見】

  • BPOは番組での地方の描き方、地方への偏見、ステレオタイプな紹介の仕方についてもっと考えるべきだ。特に大阪や大阪中年女性に対して「何を言ってもよい」「笑いになるならどんなことを言ってもよい」という風潮がまかり通っていることについてだ。これら大阪芸人の発言の中には人権侵害と思える発言も多いので、大阪人・関西人の視聴者にとっては不快でしかないのだ。大阪の中年女性だけが「大阪のおばちゃんが…」と、先入観や偏見でしかないことを言われているが、女性差別も甚だしい。民放のみならずNHKですら同様の状況で絶望的になる。BPOはもっと敏感になっていただきたい。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • ドラマ番組。教師・学園もののドラマ番組だが、言葉遣いは悪いし、色恋沙汰を派手に扱うし、暴力場面が多いうえに、学校はそこらじゅうが落書きだらけといった内容である。小学生の孫が喜んで見ているのだが、いつもハラハラしている。せめて「神聖な学校」で落書きするのだけはやめて欲しい。
  • 最近のバラエティー番組は青少年に与える悪影響について全く配慮がなされていない。放送日時は記憶していないが、メイン司会者が若手芸人の家に泊まりに行き、部屋の中でダーツをして壁に穴を開け、その家の奥さんに苦情を言われていた。これが演出であったとしても、ただ本人が偶然にやってしまったことであっても、このような行為は刑法261条で定められた「器物損壊罪」に相当すると思う。たとえバラエティー番組でも許される行為ではない。放送局がそういうことを知らないはずがないと思う。
  • BS放送。この番組は、毎回、ネットに出回っている訳のわからない事を、さも楽しい話題であるかのように紹介している。しかも、その内容が児童に興味を抱かせる内容だったりするし、オープニングも児童向け漫画のキャラっぽくしたりしている。MCを担当している女性声優も性的興奮を促すようなセリフを言い、時には訳のわからない擬音語を使っている。現代は異常者による犯罪で多くの子供が犠牲になっている時代であり、ネットでも犯罪めいた事を楽しむ輩が多い時代であるのに、公共放送でこの様な番組を放送しても良いのだろうか?まったく理解出来ない!!即刻、番組内容を大幅に改めるべきだと思う!
  • ラジオ番組。芸人がパーソナリティーをつとめるラジオ番組だが、ゲストとのトークにしろその日のテーマに応募して紹介される聴取者からのメールの内容にしろ、とにかく性的な話が多く、その描写や表現が露骨で過激で生々しくて聴くに堪えない。実に不快だ。友人の何人かにも聞いてみたが、皆同感だと言っている。聴取者への募集テーマは、例えば「私がしたエロい体験」などというものだが、この番組は10代・20代の若者も聴いていると思う。青少年への悪影響を考えて、番組内容の行き過ぎを戒めてもらいたい。
  • 最近の漫才は頭をポカポカ叩くなど身体的な苦痛を伴う芸が多すぎる。これらを日常的に見て育った子どもたちが何かのきっかけでそうした行為に走り、いじめの加害者・被害者になってしまうのも当然の結果だ。テレビは社会や子どもに与える影響の大きさを常に自覚した上で番組作りをして欲しい。特に暴力を肯定するようなものはたとえお笑いのネタであっても即刻排除すべきだ。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • パチンコ台や消費者金融業のコマーシャルは禁止すべきだ。賭博罪の可能性のあるパチンコ産業のコマーシャルを堂々と昼間から流すのは教育上問題である。
  • BPOにはパチンコやサラ金のCMの自粛・中止を求める意見が多く寄せられている。しかし、パチンコやサラ金の会社だって立派に株式上場し、経済活動している大手企業なのだから、当然CMを流してもよいのではないか。さすがにヤミ金や風俗のCMを流す訳には行かないが、パチンコやサラ金各社も普通の会社と同じように利益を追求する企業であり、今の日本が自由主義社会である以上、どんな業界・企業であれ、CMを放送する自由と権利があるはずだ。パチンコやサラ金が子供に良くないというのなら、親が子供にその問題点を教えてあげれば良いではないか。子供に良くないのは、むしろ親としての責任と義務を棚上げし、テレビのCMに全ての責任をなすりつけようとする大人たちではないのか。
  • 今夜放送するスリラー映画の番組宣伝スポットを見て、子どもが怖がっていた。宣伝スポットだから一瞬のことだが、それでも子どもには強いインパクトがある。こうした内容のスポットは、放送時間に配慮して放送して欲しい。

【いじめや虐待を助長する】

  • お笑い番組の罰ゲーム等の場面で、沢山の芸人が一人の芸人に罰を与えていじめていることがある。色々なやり方で芸人をいじめて笑っているが、テレビを見ている子供や精神的に未熟な人がそれを見て「芸」だと思う人は少ないと思う。それを見た子ども達は「それが当たり前だ」と思い、真似をして学校などで「いじめ」が起きているのだと思う。芸人たちは、そういうことをしてお金をもらっているプロであり、仕事としてそういういじめ役をやっているのだが、子供たちにはそんなことは理解できない。一刻も早く、日本のお笑い番組・バラエティー番組のこういう風潮をなくしていかないといけない。
  • いじめについて討論してほしいです。最近のテレビは作る人の感覚が麻痺してきておかしくなってきている。中学生や高校生をスタジオに呼んで、テレビの内容で何が嫌かを言ってもらったり、どう変えて行けばいいか意見を言ってもらうことが必要ではないか。

【編成に関する意見】

  • 相変わらずタイトルに「殺人」と付く番組や、新聞のラ・テ欄にも「連続殺人」や「完全犯罪」と掲載する番組が非常に多いと感じている。放送時間もちょうど子ども達が学校から帰ってくる時間帯に放送される番組だ。誰でもが気軽に見ることが出来るテレビで、このような内容のドラマを放送するのはいい加減やめていただきたい。もっと健全な番組制作をするべきだ。もしくは、どうしても放送したいのなら、せめて常識の範囲で子ども達が見ない時間帯にするべきではないのか?

【報道・情報に関する意見】

  • 無差別殺人事件の報道で、犯人が供述した犯行に至った動機について放送しているが、このような報道に刺激され同じような事件が起きていると感じている。「秋葉原通り魔殺人事件」に続き、八王子駅ビルで書店の従業員が刺殺された事件で逮捕された犯人は「無差別に殺そうと思った」と供述したと報道されていた。また、男性がJR岡山駅でホームに突き落とされ電車にはねられて死亡した事件では、容疑者の18歳の少年は「誰でもよかった」と供述している。最近では千葉県で歩行中の男性を軽トラックで轢いた19歳の少年が「誰でもいいから、人を轢いて殺したかった」と供述していると伝えられている。これら、一連の殺人事件の報道では、「無差別」「誰でもよかった」などの表現が頻繁に使われているが、こうした報道に感化された若者が類似の犯行に及ぶ危険性が考えられる。配慮した報道を行うべきである。
  • 報道番組。特集で「児童ポルノ問題」を取り上げ、単純所持に対する罰則を主張していたが、単純所持規制には遡及処罰や冤罪、プライバシーや著作物規制に繋がるなど多くの問題を孕んでいる。番組ではそれらの問題には全く触れず、単純所持規制を安易に主張していた。弊害の大きい単純所持規制を主張するのは筋が通らず、飛躍し過ぎだ。また番組では、欧米で単純所持規制により多くの弊害を招いている事には触れず、日本で取り締まられる児童ポルノのほとんどの被写体が低年齢児であるかの様に取上げていたが、実際は中高生の売春映像がほとんどだ。同系列の別番組では弁護士が改正案に対し懐疑的意見を述べると、その後スタジオのコメンテーターたちがそれに同調する構成になっていた。この様に双方の意見を取り上げる事が報道では重要だ。

【表現・演出に関する意見】

  • いつの頃からか、いわゆる”ピー音”が必要以上に頻繁に使用されるようになったと思う。隠す程のものでもないことに”ピー音”を入れることにより、不必要な興味を抱かせることもある。以前は心おきなく笑えた番組が、今では過剰な”ピー音”使用のせいでなんだか楽しくないということもある。おそらく”敏感な視聴者”の苦情を避けるために放送局が自ら「表現の自由」に規制をかけているのだと思うが、そんな番組は楽しめない。なぜバラエティー番組をバラエティーとして楽しめない人が増えたのだろうか?少しでも悪影響があると感じた番組を子供にまったく見せない場合、冗談も知らない子供に育つのではないかと恐ろしく感じる。
  • バラエティー番組などの放送規制が叫ばれているが、向ける矛先が違うと思う。放送規制云々よりも、まず番組制作の手法自体を見直すべきではないかと思っている。昨今のバラエティー番組では、番組冒頭でこれから始まる番組内容を先にダイジェストで紹介しているものが多い。視聴率の為には仕方ないのだろうが、それによって視聴者はある程度番組内容を把握してしまうので、たとえ面白い番組だったとしてもつまらなく感じてしまう。この手法では感受性や創造性が養われない。人間、初見が一番感動するのだと思う。何が起こるか分からないから面白いのだと思う。番組の内容も勿論大事だが、それよりもまずこういった番組作りの手法を改善することの方が重要だと思う。