青少年委員会

青少年委員会

2024年3月26日

2023年度「中高生モニター会議」

◆TBSテレビオンライン見学会概要◆

BPO中高生モニター18人がTBSテレビオンライン見学会に参加しました。TBSからの生放送スタイルで、スタジオのセットや水素中継車の説明があり、報道局、コンテンツ制作局の仕事や、番組がどのように作られているかについて学びました。

①スタジオ見学と報道局の仕事について

TBSの赤荻歩アナウンサーが、「ラヴィット!」や全国に向けてのニュース番組を放送するNスタジオに参加者を(オンラインで)案内し、セットの裏側やサブ(副調整室)の説明、画像を切り取るクロマキーの実演などを披露してくれました。

次にニュースを担当するTBS報道局員2名から報道局の仕事についての説明がありました。能登半島地震を体験した福井県の中高生モニターとのやりとりでは、その時の様子を語ってもらう場面があり、「(テレビがみんな)報道特番に切り替わったことが嬉しかった」との感想がありました。これに対して報道局員の2人からは「一番大切なのはニュースへの信頼です」「地震などの情報をきちんと正確に早く伝えていく役割をこれからもテレビが果たしていかれるように頑張りたい」との返答がありました。

②水素中継車について

新人のTBS南後杏子アナウンサーがTBS放送センター駐車場から、SDGs活動に貢献する世界初の水素で動く放送中継車「HR-ZERO」を車内の隅々まで紹介してくれました。

この中継車は水素ガスを燃料にしており、燃料電池との化学反応により生み出された電気を使って、車自体と放送機器の両方を動かしているため、排気ガスはゼロであること。また、駅伝中継で活躍するこの中継車は、①走っているランナーにやさしい②低騒音・低振動でとても静か③青色の車体がランナーのいやしになる。そして、水素燃料満タンで走行可能距離は380kmであることなどの説明がありました。

③バラエティー番組作りの舞台裏について

再び赤荻歩アナウンサーがTBSテレビで多くの人気バラエティー番組を手掛ける現役のプロデューサー2人と座談会形式で中高生モニターにバラエティー番組作りの舞台裏について説明があった後、質疑応答の時間がありました。

(中高生モニターからの主な質問とその回答)

Q.「レギュラー番組はどれくらいの準備期間をかけて作られるのですか?」
A.「情報番組は1~2か月掛けて作っているものが多いです」

Q.「ドラマは放送開始のどれくらい前から準備しているのですか?」
A.「早いと1年以上前から作業をして撮り始めているものもあります」
     「海外ロケの大型ドラマは2~3年前から準備します」

Q.「グルメ紹介のバラエティー番組で訪れる地域はどうやって決めますか?」
A.「季節的に視聴者が行きたくなるような場所を放送時期に合わせて逆算して決めます」

Q.「番組の企画はどういうきっかけで思いつくのですか?」
     「面白い番組を作るコツを教えてください」
A.「好きな事や興味のあることを自分の中にストックして(寝かせて)いくと”発酵”して、
        ある時にアイデアとして立ちあがるのではないかと思っています。自分が面白いと思った
        ことを素直に感じることが大事だと思います」
     「自分で見たいやりたい行きたいことを頭をひねって考えて実現させます」

反対にTBS側から「どういうタレントさんを番組で起用しやすいと思うか?」と聞かれた中高生モニターは「自分が見ている番組はお笑い芸人さんが出演していることが多く、お笑い芸人さんが起用しやすいのではないか思っています」と返答しました。

最後に赤荻アナウンサーから「皆さんの想像を超える多くの人たちがたった数秒のために、そして一つの番組のために日々全力でこだわっております。どうしたら難しいニュースを少しでも分かりやすくお伝えできるか、どうしたらワクワク楽しんでもらえるか日々考えております。みなさん、是非ともテレビをたくさん楽しんでいただきたいと思います。これからもテレビをよろしくお願いします」と締めくくりました。

活発な質疑応答があり、あっという間に1時間のオンライン見学会は終了しました。この日の見学会は、参加した中高生モニターたちがテレビ局のプロの仕事に触れる貴重な機会となったと同時に、1年間のモニター活動の最後を飾る素敵な思い出になったことだと思います。

◆中高生モニター会議(意見交換会)概要◆

3月26日にオンラインで中高生モニター会議を開催しました。中高生モニターと委員が交流を深め、この1年間のモニター活動を振り返る意義のある会となりました。会議には全国の中高生モニター18人と、青少年委員会からは榊原洋一委員長以下、8人の委員全員が出席しました。

各自の自己紹介のあと、この1年間をBPOモニターとして活動した中高生からの質問を中心に委員との意見交換がありました。

まず、中高生モニターから「この1年間にさまざまなニュースや報道がありましたが、その中でもいちばん印象的だったものは何ですか」との質問があり、山縣委員から「戦争でいろいろなものを奪われていくウクライナの子どもたちの映像です。これを世界がどう支援していくのか、またその映像を見て間接的に心を痛めている世界の子どもたちへの影響や今後について考え続けたいと思います」と、また髙橋委員からは「私は東日本大震災を仙台で経験しているので、1月に起きた能登のような地震がいつどこで起きるかわからないと強く感じていて、あらためて報道の在り方を考えたところでした」との回答がありました。

また「委員の皆さんが興味を持って見ている番組、好きな番組は何ですか」との質問に対して、吉永委員から「ドラマが面白いと思います。ドラマは昔と比べて撮り方もテーマも変わってきています。毎クール、ドラマの初回放送を全部録画して見ます。2話目まで見るのは半分くらいです。どのドラマが最後まで残るのかなと楽しんでいます。今クールのドラマでは、昭和世代としてあの時代は何だったのだろうという思いも含めて『不適切にもほどがある!』が一番面白いです」との返答が、佐々木委員からは「妻と元気に幸せに暮らせるような番組を録画して一緒に見ながら、コメントが入った時にはそこでいったん止めて喧嘩せずに番組を見ています。それから外国のスパイが日本の状況を知りたいときに真っ先に見るのは昼のバラエティー番組だということを聞いたことがあり、私は毎週、『ひるおび』を録画して全部見ています。若者の考え方もわかるし、今流行っていることもわかるし、とても役に立っています」との回答がありました。この質問をしたモニターからは「世代の違うみなさんの違った視点を知ることができて、とても興味深かったです」との感想がありました。

「委員の皆さんが最近、テレビやラジオを視聴して感じているマスメディアの課題は何だと思いますか?」との質問に、沢井委員は「私は子供向け番組を作っていますが、伝えたい真実にどれだけ正直になれるかだと思います。今起きているマスメディアの問題は、ウソついちゃいましたとか、大げさに言ってしまいました、ということがたくさん起きています。視聴者に嘘だと見透かされやすいテレビというメディアでは、正直に誠実に報道する、真実を見せていくことが大事だと思います」との回答が、また飯田委員からは「今月のモニターレポートに、“視聴者の意見が放送局に届くというのはクレーマーのイメージしかなかったが、モニターをやってみて、それとは違うあり方に気づくことができた一方で、SNSのつぶやきも視聴者の意見ではないのか”、“そのほうが圧倒的に多くて、モニターの意見はすごく少ないというのはどう考えればよいのか”と書いていた方がいました。たしかに、ネットの声をどう評価するか、どう受け止めるかがマスメディアの課題のひとつとして非常に大きいと思います。放送局が大事なニュースだと思っていてもネットではほとんど話題にならなかったり、その逆の場合もあったりします。何をニュースとして取り上げるかの判断基準はSNSの出現によってずいぶん揺らいできていると思います。BPOにも多数、SNSで #BPO案件 として拡散された意見が送られてきます。BPOのあり方も、こうした変化をしっかりフィードバックしながら考えていかねばならないと考えています」との回答があり、質問したモニターからは「第一人者の意見には重みがあるなと感じました」との感想がありました。

続いて「テレビ・ラジオで伝えるニュースと、ネット・週刊誌で伝えるニュースはどう違うのか?」との質問には、BPO事務局から「ネットのニュースは一般的にテレビ局や新聞社が取材したニュースをネット向けにわかりやすく並べ直しているケースが多いと思います。自分でネットのニュースとテレビのニュースを見比べてみてください」との説明がありました。

最後に「テレビと週刊誌は棲み分けをしているのでしょうか?」との質問には吉永委員が「結果的に棲み分けになっている面はあるのかもしれませんね。テレビや新聞ではできないことを週刊誌でやっている。テレビや新聞と週刊誌を合わせて見ることで、表と裏で何が起きているのかがわかると思います。信憑性ということで言うと、ネットや週刊誌はテレビや新聞よりも緩いというか自由というか、許されてしまう幅があるのかなと思います」との説明があり、榊原委員長からは「テレビや新聞の記事にはたくさんの人の手が入っています。それに対してSNSは個人でも自由に書けます。たくさんの人の手が入ることで、良くも悪くも全体的に平準化しますが、比較的安定化するのではないかと個人的に思います。メディア・リテラシーがきっちりしていれば、報道する側が好きなことを言っても聞く側で取捨選択できます。最終的には一人ひとりが判断していくことだと思います」と述べて質疑応答が終わりました。

会議の最後に、榊原委員長と緑川副委員長から以下の一言がありました。

(榊原委員長)
これからの長い人生、間口を広くしてたくさんの情報を取り入れ、生きていっていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

(緑川副委員長)
本日は長時間にわたってモニター会議に参加していただき、お疲れさまでした。私たちもいろいろと勉強になり刺激を受けて、大変良い時間が持てたことに感謝しています。BPOはテレビとラジオに対する第三者機関として活動しています。みなさんはこれから大人になっていきますが、その時にどういう社会になっていくのかは重要なことです。憲法では表現の自由が保障されています。これは私たちがどういう社会を作っていくかについて、みんなで意見を出し合って考えていくために重要な権利として保障されているものです。テレビやラジオは、社会について考えたり、自分の意見をまとめるときに、今、社会がどうなっているのかを伝えてくれる役割を果たすものです。そういう意味でテレビやラジオは私たちが社会について考えていくために必要な情報を得るための大切な基盤であり、信頼できる情報源のひとつです。テレビ離れと言われていますが、ネットやSNSだけでなく、テレビや新聞など様々なチャンネルから、自分に興味がないと思えるようなものでも見てみることを心にとどめて、これからもたくさんテレビを見ていただきたいと思います。

以上