2015年1月16日

「散骨場計画報道への申立て」事案の通知・公表

放送人権委員会は1月16日、上記事案に関する「委員会決定第53号」の通知・公表を行い、本件放送について「放送倫理上問題あり」との「見解」を示した。

[通知]
通知は、被申立人には午後1時からBPO会議室で行われ、三宅弘委員長と起草を担当した坂井眞委員長代行、大石芳野委員が出席し、被申立人の静岡放送(SBS)からは取締役編成業務局長ら3人が出席した。申立人へは、被申立人への通知と同時刻に熱海市内の申立人の会社事務所にBPO専務理事と調査役がおもむき、通知した。
被申立人への通知では、まず、三宅委員長が「決定の概要」「委員会の判断」をポイントに沿って読み上げる形で、「肖像権侵害にはならないが、放送倫理上問題あり」という決定内容を伝えた。
続いて、坂井委員長代行は、「付言だが、本来、実名・顔出しでできることを記者会が足並み揃えて顔出しをやめようとするのは、報道の自由の観点から問題がある」と述べ、大石委員は「今の社会は、長いものに巻かれるという流れの中にあるような気がする。そのことが報道にも出てきたのではないか」と述べた。また、委員長は「放送は映像が伴い、記者会合意として活字メディアとひとつにまとめることには問題がある場合がある。十分議論してほしい」とした。
決定について、被申立人は「今回の決定を真摯に受け止め、今後の取材と放送活動に生かしていく所存です。本件を取材対象者との信頼関係を損なう行為と重く見ており、すでに実効性のあるマニュアルを作成し再発防止に取り組んでいます。今後は公共性・社会性のある事案に対する取材・報道への議論を深め、規制することなく真実を伝えることで、視聴者・取材対象者の信頼を得るよう努力します」と述べた。
最後に委員長が、「意見交換など積極的に行っていきたい」と今後、SBSの研修会等に協力する旨を伝えた。
申立人への通知では、専務理事から、「放送倫理上問題あり」とする「見解」で、放送局にとって厳しいものになっているが、一方、「肖像権については侵害していない」という決定内容であると伝えた。その後、「委員会の判断」に沿ってポイントを説明し、担当調査役が、「決定の概要」を読み上げる形で通知した。通知を受けた申立人は、「『放送倫理上問題あり』となっていることは当然のことだが、肖像権侵害はなかったという放送人権委員会の結論に対しては不満だ。今後は裁判所の判断を仰ぎたい」と述べた。

[公表]
午後2時から千代田放送会館の2階ホールで記者会見を行い、「委員会決定」を公表した。22社46人が取材し、テレビカメラ6台が入った。
会見では、まず、三宅委員長が「委員会の判断」と「結論」の要所要所を紹介しながら委員会決定の説明をした。
続いて、坂井委員長代行は「3つのポイントがある。第1点は、SBSに非があった点は争いがないということ。2点目は肖像権侵害になるのか、放送倫理上の問題はあるのかということで、今回の場合正当な社会の関心事なので、その報道で顔の映像を放送することは、肖像権侵害となる『みだりにその容貌・姿態を撮影・公表』の『みだりに』にはあたらない。公共的な事項について、そういう立場にある人の映像を放送することはできたのではないか、ということだ。3点目は付言の部分になるが、この事案は各社の判断で報道してもいい事案だと考えるので、足並み揃えて匿名・顔なしを約束することには、報道の自由の観点から問題をはらんでいるということだ」と述べた。
また、大石委員は「今の日本の社会状況は『長いものに巻かれて行こう』という流れの中にある。個々の判断に任せればいいものをみんな一緒になってしまったことが、そのことを象徴している」と述べた。
このあと、出席者から質問を受けて委員が答えた。主なやり取りは以下のとおりである。

(質問)
委員会決定の通知を受けた後の申立人と被申立人の反応を伺いたい。
(三宅委員長)
被申立人のSBSは、「決定を真摯に受け止め、今後の取材・報道に生かして行く」というものだったが、申立人は「放送倫理上問題があるということは納得するが、肖像権侵害はないということについては不満である」ということだった。
(事務局)
申立人は最初から、裁判のことは委員会に対してもSBSに対しても言っていた。今日もそのような趣旨のことはおっしゃったようだ。

(質問)
今回の決定は、放送人権委員会の「判断のグラデーション」の中で、もう少し厳しいとか、逆に「問題なし」との意見はなかったのか。
(三宅委員長)
比較的議論が一本化できた案件だった。

(質問)
話し合いを促し、当事者間に任せるというようなことはなかったのか。
(事務局)
申立書が来た段階で事務局から話し合いをお願いしている。しかし申立人は、終始一貫SBSとは話さないという態度だった。

(質問)
「顔を出さない」「匿名」という条件で記者会見を開いているということは、これまでにもあったのか。
(三宅委員長)
今回についての条件として判断している。以前どういうことがあったかは判断からはずしている。

(質問)
匿名、顔出しNGの申し入れがあった時に、記者会として受け入れず、記者会見の開催自体を断念するべきだったのか。
(三宅委員長)
いろいろな場合があると思うが、「きびしい条件が付いたので共同記者会見に至らなかった」ということで、独自取材で映像を流すこともあると思う。それは当該現場の記者の判断だから、こうすべきだということは決定文では控えている。

(質問)
SBSの内部では、合意の情報は担当記者だけのものだったのか、局として共通認識として持っていたのか。
(坂井委員長代行)
社として合意を受け入れるとしているので、担当記者だけが知っていたわけではない。しかし、ミスをしてしまった。関係者・スタッフは顔を出さない処理をするつもりだったということだ。

(質問)
今回以前の報道でも、顔・名前は一切出ていないのか。
(三宅委員長)
新聞では名前は出ていない。
(大石委員)
顔は今まで出していないと言っていた。申立人は「狭い社会なのでいやだ」と顔出しを拒否している。企業名は出ていたが、顔・個人名は出ていない。

(質問)
一旦合意すると、決定文では「報道各社が一旦受け入れたその条件を以後まったく無視して新たに取材・報道できるかどうか、大きな疑問がある」としているが、この記者会見だけ顔を出さない、個人名を出さないという合意だったのではないかと思うのだが。
(坂井委員長代行)
合意としては、理論的にはその時だけの制限といえるが、例えば翌日に独自取材で顔を映し、実名を出して、記者会の合意には縛られないからと、報道できるのだろうかということだ。顔や実名を出せるかもしれない時に、皆で出さないで行こうと合意することが、本当にいいのかどうか危惧して付言した。
(三宅委員長)
例えば事態が変わっても合意が重くなり、それに縛られてしまうのではないかということがある。そうだとしたら、条件を付けた記者会見をやるべきだったのかどうか、という議論になった。

以上

第216回放送と人権等権利に関する委員会

第216回 – 2015年1月

散骨場計画報道事案の通知・公表の報告
大阪府議事案2件の審理
大喜利・バラエティー番組への申立て事案の審理…など

「散骨場計画報道への申立て」事案の通知・公表について事務局から報告した。「大阪府議からの申立て」事案2件のうち、日本テレビに対する申立ては、前日取下げ書が提出されたため、以後審理しないことを決め、TBSラジオ&コミュニケーションズに対する申立ての審理を継続した。このほか、佐村河内守氏から提出された申立て事案2件を審理した

議事の詳細

日時
2015年1月20日(火)午後3時30分~5時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、
小山委員、曽我部委員、林委員 (田中委員は欠席)

1.「散骨場計画報道への申立て」事案の通知・公表の報告

1月16日に行われた本事案に関する「委員会決定」の通知・公表について、事務局がまとめた資料をもとに報告した。また、当該局である静岡放送が決定について報じた番組の同録DVDを視聴した。【詳細はこちら

2.「大阪府議からの申立て」(日本テレビ)事案の審理

対象となったのは、日本テレビが2014年8月11日に放送した情報番組『スッキリ!!』で、大阪維新の会(当時)の山本景・大阪府議会議員が無料通話アプリ「LINE(ライン)」で地元中学生らとトラブルになった問題を取り上げた特集企画。この中で、コメンテーターのテリー伊藤氏が「今ずっとVTR見てても、こいつキモイもん」と述べたことについて、山本府議がこの発言は侮辱罪にあたるとして「番組内での謝罪、訂正」を求めて放送人権委員会に申し立てたもの。
今回委員会前日の2015年1月19日に、山本府議から委員会宛てに申立て取下げ書が提出されたため、この日の委員会ではその書面を確認し、この事案については以後、審理しないことを決めた。
委員会は11月の委員会で審理入りを決定し、双方から提出された書面等をもとに審理を続けていた。

3.「大阪府議からの申立て」(TBSラジオ)事案の審理

対象となったのは、TBSラジオ&コミュニケーションズが2014年8月22日に放送した深夜トーク・バラエティー番組『JUNK おぎやはぎのメガネびいき』。お笑いタレント「おぎやはぎ」によるオープニングトークで、大阪維新の会(当時)の山本景・大阪府議会議員が無料アプリ「LINE(ライン)」で地元中学生らとトラブルになった経緯など一連の事態について語られた。
これに対し、山本府議が番組での「思いついたことはキモイだね。完全に」などの発言は「全人格を否定し侮辱罪にあたる可能性が高い」として申し立てたもの。
この日の委員会では、第1回起草委員会を経てまとめられた「委員会決定」案が提出され、起草担当委員が説明したうえで、意見を交わした。また、ヒアリングに向けて起草委員が作成した論点と質問事項案について検討した。
次回委員会で申立人、被申立人双方にヒアリングを実施する。

4.「大喜利・バラエティー番組への申立て」事案の審理

本件事案は前回12月の委員会で審理入りが決まり、その後被申立人のフジテレビから答弁書が提出された。
審理の対象はフジテレビが2014年5月24日に放送した大喜利形式のバラエティー番組『IPPONグランプリ』で、「幻想音楽家 田村河内さんの隠し事を教えてください」という「お題」を出してお笑い芸人たちが回答する模様を放送した。
申立書で佐村河内守氏は、「一音楽家であったにすぎない申立人を『お笑いのネタ』として一般視聴者を巻き込んで笑い物にするもので、申立人の名誉感情を侵害する侮辱に当たることが明らかである」とし、さらに「現代社会に蔓延する『児童・青少年に対する集団いじめ』を容認・助長するおそれがある点で、非常に重大な放送倫理上の問題点を含んでいる」としている。
これに対し、フジテレビは答弁書で「本件番組は、社会的に非難されるべき行為をした申立人を大喜利の形式で正当に批判したものであり、不当に申立人の名誉感情を侵害するものでなく、いじめを容認・助長するおそれがあるとして児童青少年の人格形成に有害なものではない」と主張している。
今月の委員会では事務局が双方の主張を取りまとめた資料を説明し、議論を交わした。次回委員会では、申立人の「反論書」、被申立人の「再答弁書」の提出を受けて審理を進める予定。

5.「謝罪会見報道に対する申立て」事案の審理

審理の対象は2014年3月9日放送のTBSテレビの情報バラエティー番組『アッコにおまかせ!』。佐村河内守氏が楽曲の代作問題で謝罪した記者会見を取り上げ、会見のVTRと出演者によるスタジオトークを生放送した。
この放送に対し、佐村河内氏が「申立人の聴力に関して事実に反する放送であり、聴覚障害者を装って記者会見に臨んだかのような印象を与えた。申立人の名誉を著しく侵害するとともに同じ程度の聴覚障害を持つ人にも社会生活上深刻な悪影響を与えた」と申し立てた。
TBSテレビは「放送は聴覚障害者に対する誹謗や中傷も生んだ申立人の聴覚障害についての検証と論評で、申立人に聴覚障害がないと断定したものではない。放送に申立書が指摘するような誤りはなく、申立人の名誉を傷つけたものではない」と主張している。
今月の委員会では今後の審理の進め方等について、同じ佐村河内氏が申し立てた上記「大喜利・バラエティー番組への申立て」事案の審理を勘案しながら検討した。

6.その他

  • 1月15日に行った東海テレビ放送への講師派遣について、事務局から報告した。
  • 次回委員会は2月17日に開かれる。

以上

2014年11月28日

系列を持たない「独立局」と意見交換会

BPO放送倫理検証委員会と「独立局」との意見交換会が、2014年11月28日に東京・千代田放送会館で行われた。検証委員会はこれまで、地域や系列ごとの意見交換会を開催してきたが、今回は初めての試みとして、系列を持たない独立局を対象に実施した。独立局の会合と同じ日に設定することにより、関東・東海・近畿の13のテレビ局から27人が参加した。
概要は以下のとおり。

冒頭、BPOの飽戸弘理事長が、検証委員会だけではなく、人権委員会や青少年委員会も含めたBPOの三委員会について、その目的や活動内容などを説明した。飽戸理事長は「各委員会からの問題提起はすべての放送局に共通するものなので、『わが社でなくて良かった』ではなく、他山の石として今後の改革・改善につなげてほしい。放送事業者と視聴者を結ぶBPOの役割を、ぜひ理解してほしい」と述べた。
続いて、升味佐江子委員が「BPOというと怖いイメージを放送局は持っているようだが、放送に対する信頼を高め、視聴者と放送局の間の『愛情のある関係』を維持する手助けができることを委員会は望んでいる」と述べたあと、「2013年度の検証委員会決定から」と題して、3つの意見書の論点を詳細に説明した。
委員会決定第16号の「関西テレビ『スーパーニュースアンカー』インタビュー映像偽装」事案について、升味委員は「『モザイクを取ったら別人』という事態は深刻ではないかと委員会では考えた。視聴者からの信頼を維持するためにも、テレビだからという特権意識ではなく、市民の『知る権利』に奉仕する気持ちを忘れないでほしい」と述べた。
決定第17号の「2013年参院選にかかわる2番組」事案については、「番組意図がいかなるものであっても、特定候補者の人となりや肯定的評価を紹介した結果、選挙の公平・公正を損なうと判断した。今回の衆院選のように急に選挙になることがあるので、各局は報道セクションだけでなく全局体制で、十二分に事前の準備をすることが大切だ」と指摘した。
さらに決定第19号の「日本テレビ『スッキリ!!』ニセ被害者」事案をめぐっては、「いわゆるネット詐欺の問題で弁護士がニセ被害者を紹介すること自体が想定外で、局が信じて放送したことに相応の理由や根拠はあったと思う。専門家に過度に依存しないことを念頭に置きながら、こうした新しい形の社会的な問題に、果敢にアプローチやチャレンジをしてほしい」と強調した。
これに対して独立局側からは、「系列局を持っていないので、困った時に相談する相手がいない。日々いろいろ悩みながら判断しているのが現状だ」という切実な意見や、「独立局は購入番組が多いので、購入元との情報共有が重要だと改めて感じた」などの意見が出された。
最後にBPOの三好晴海専務理事が「BPOは放送後に問題があったかどうかを判断するところで、事前の相談は受けづらい。しかし、講師派遣やこうした意見交換会の場で、事例を共有することはできる。今後もこうした機会を設けたいし、また放送局側も活用してほしい」と述べて、独立局との初めての意見交換会を締めくくった。

終了後、参加者からは、「選挙前と言うこともあり、特に選挙にまつわる事例は今後の放送に参考になった。直接様々な意見を伺いながら事例を知ると、理解の深まりが違うと改めて感じた」「初めての意見交換会ということもあってか、お互いが接点を探り合うような印象を受けた。これをきっかけに、更にBPOとの良い接点が深まればと思う」という感想が寄せられた。

以上

第89回 放送倫理検証委員会

第89回–2015年1月

佐村河内守氏が"別人に作曲依頼"を審理

川内原発報道で事実誤認と不適切な編集
テレビ朝日の『報道ステーション』を審議…など

第89回放送倫理検証委員会は1月9日に開催された。
“全聾の作曲家”と多くの番組で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案について、担当委員から委員会決定の原案が提出された。内容や方向性をめぐってさまざまな意見が出され、次回に修正案を提出して、意見の集約をめざすことになった。
テレビ朝日の『報道ステーション』が放送した九州電力川内原子力発電所に関するニュースに、事実誤認と不適切な編集があった事案については、委員会決定の修正案が、担当委員から提出された。意見交換の結果、大筋で了解が得られたため、表現の一部手直しをして2月上旬にも当該局に通知・公表をすることとなった。

議事の詳細

日時
2015年1月9日(金)午後5時~8時20分
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、小町谷委員長代行、香山委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、藤田委員、升味委員、森委員

1.「全聾の作曲家」と称していた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案を審理

全聾でありながら『交響曲第1番HIROSHIMA』などを作曲したとして、多くのドキュメンタリー番組等で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案について、委員会決定(見解)の原案が、担当委員から提出された。
原案は、
△各局が佐村河内氏の虚偽を信じて放送したことに問題はなかったか
△問題発覚後の各局の対応は十分であったか
の2つを論点に、約1年間にわたる委員会の調査活動をもとに、委員会としての判断を示すものとなっている。
意見交換では、問題発覚後の各局の自己検証作業が、実効性のある再発防止につながる土台となっているのか、ほとんどの局がその内容を公表していないのは視聴者に対する十分な説明と言えるのかなど、さまざまな議論が展開された。
その結果、委員会での議論を踏まえて担当委員が修正案を作成し、次回委員会で意見の集約をめざすことになった。

2.川内原発をめぐる原子力規制委員会の報道に事実誤認と不適切な編集があったテレビ朝日の『報道ステーション』を審議

テレビ朝日の『報道ステーション』で、原子力規制委員会が九州電力川内原発について新規制基準に適合していると正式に認めたニュースを伝えた際に、事実誤認や不適切な編集があった事案について、前回までの議論などを踏まえた委員会決定(意見)の修正案が、担当委員から提出された。
意見交換では、事実誤認や不適切な編集がなされた経緯や原因、背後に潜む問題点などについて、修正案の構成や細部の表現を含めた議論が交わされた。その結果、大筋で了解が得られたため、一部手直しをしたうえで、2月上旬にも当該局への通知と公表の記者会見が行われることになった。

以上

2014年度 第53号

「散骨場計画報道への申立て」に関する委員会決定

2015年1月16日 放送局:静岡放送株式会社

見解:放送倫理上問題あり
静岡放送は2014年6月11日放送のローカルニュース番組『イブアイしずおか・ニュース』において、静岡県熱海市で民間業者が進める「散骨場」建設計画について民間業者の社長が市役所に計画の修正案を提出したうえで記者会見する模様を取材し、社長の映像を使用して放送した。この放送に対し社長が、熱海記者会との間で個人名と顔の映像は出さない条件で記者会見に応じたのに、顔出し映像が放送されたとして人権侵害・肖像権侵害を訴え、「謝罪と誠意ある対応」を求めて申し立てた事案。
放送人権委員会は審理の結果、1月16日に「委員会決定」を通知・公表し、「見解」として本件放送には放送倫理上問題があるとの判断を示した。

【決定の概要】

静岡放送(SBS)は2014年6月11日放送のローカルニュース番組『イブアイしずおか・ニュース』において、静岡県熱海市で民間業者(以下、「本件会社」という)が進める「散骨場」建設計画について本件会社の社長(申立人)が市役所に計画の修正案を提出したうえで記者会見する模様を取材し、申立人の顔の分かる映像を使用して放送した。この放送に対し申立人は、熱海記者会との間で個人名と顔の映像は出さない条件で記者会見に応じたのに、顔出し映像が放送されたとして人権侵害・肖像権侵害を訴え、委員会に申し立てた。
委員会は申立てを受けて審理し、決定に至った。決定の概要は以下のとおりである。
「個人名と顔の映像は露出しないとの合意」は申立人と熱海記者会との間でなされた。SBSは、熱海記者会所属の同社記者が会見に参加するにあたり、記者会の合意事項を受け入れることとしたのであるから、この合意事項に拘束される。
SBSが合意事項に反して申立人の顔の映像を放送した点は、明らかにSBSに非がある。しかし、肖像権侵害の判断との関係においては、「合意事項に反して放送がなされた」ことは、結局、承諾なく肖像が放送された場合の一態様と評価されるため、肖像権侵害の有無は、報道の公共性との比較考量によって判断される。
本件放送当時、本件会社が建設・運営を計画していた散骨場施設は、亡くなった方を慰霊する施設であることから、墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)の適用の有無が問題とされており、墓地類似という施設の性格から近隣住民による反対運動が起きていた。記者会見前、報道各社は「熱海の山林に『散骨場』計画 周辺に保養所、マンション 地元住民が反発」などと報道し、また、熱海市は散骨場に対して墓埋法が適用されるかを厚労省と協議していることについて会見を開いていた。そして、本件会社も修正案提出後のホームページ上で「心の"お墓"熱海『大地の里』—海洋散骨園—」と記していた。これらの事実から、本件当時、散骨場建設計画について報道することには相当高い公共性が認められる。
SBSの取材・報道の内容も、散骨場建設を計画している本件会社の社長である申立人が、市役所に計画の修正案を提出する場面と、熱海記者会との会見の状況を取材し、適切な範囲で報道したものであるから、特に問題があったということはできない。
以上から、本件放送は、公共性のある事項に関し、公益目的をもって、申立人の映像を相当性の認められる態様において放送したものであるから、肖像権侵害があったとは認められない。
しかし、取材対象者との信頼を確保し、その信頼を裏切らないことは、放送倫理上報道機関にとって当然のことである。日本民間放送連盟の報道指針の趣旨からすると、SBSが、合意事項に反した放送をしたことは放送倫理上の問題がある。
既にSBSが申立人に対し謝罪の意向を示し、また、今後同様の事態が生じないための措置をとっていることを委員会は評価するが、今回の事態が生じた原因は日々の放送業務の性格上当然に予見されるべき基本的な問題であった。委員会はSBSに対し本決定の主旨を放送するとともに、再発防止のため更なる社内体制の充実を要望する。
なお、本件事案の特殊性に鑑み、以下付言する。
公共性のある事項について、公益目的のもとで、適確な報道を行うことは、報道機関に課せられた重要な使命である。そのような役割を果たすために取材・報道の自由が認められている。その観点から、取材・報道規制につながる申し入れに応じるようなことがあってはならず、また、同様の結果を生じさせるような過度の自主規制的対応があってはならないことを指摘しておきたい。

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2015年1月16日 第53号委員会決定

放送と人権等権利に関する委員会決定 第53号

申立人
株式会社 A社社長
被申立人
静岡放送株式会社(SBS)
苦情の対象となった番組
『イブアイしずおか・ニュース』(月~金 午後6時15分~7時)
放送日時
2014年6月11日(水)の上記番組内の4分30秒のニュース

【本決定の構成】

I.事案の内容と経緯

  • 1.本件放送内容と申立てに至る経緯
  • 2.論点

II.委員会の判断

  • 1. 「個人名と顔の映像は露出しないとの合意」に関する事実関係
  • 2. SBSが申立人と熱海記者会との合意事項に反し申立人の顔の映像を放送したことは肖像権侵害にあたるか
  • 3. SBSが申立人と熱海記者会との合意事項に反し顔の映像を放送したことに放送倫理上の問題があったといえるか
  • 4. 熱海記者会による申立人との合意と報道の自由の問題(付言)

III.結論

IV.放送概要

V.申立人の主張と被申立人の答弁

VI.申立ての経緯および審理経過

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2015年1月16日 決定の通知と公表の記者会見

通知は、放送局側(被申立人)には1月16日午後1時からBPO会議室で行われ、申立人へは、放送局への通知と同時刻に熱海市内の申立人の会社事務所で行われた。
その後、午後2時から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、「委員会決定」を公表した。報道関係者は22社46人が出席した。
詳細はこちら。

2015年4月22日 委員会決定に対する静岡放送の対応と取り組み

「散骨場計画報道への申立て」事案で、2015年1月16日に通知・公表された委員会決定第53号に対し、静岡放送から局としての対応と取り組みをまとめた報告書が4月10日付で提出された。
4月21日に開催された第219回委員会で報告書の内容が検討され、了承された。

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目 次

  • 委員会決定の放送
  • 再発防止についての取り組み
  • 委員会決定に伴う取り組みについて
  • 現場の変化
  • 終わりに

第165回 放送と青少年に関する委員会

第165回–2014年12月16日

"深夜帯番組の性的表現"に関する「委員長コメント」を公表
…など

第165回青少年委員会を、12月16日に7人の委員全員が出席してBPO第2会議室で開催しました。11月16日から11月30日までに寄せられた視聴者意見について話し合い、前回から継続の1案件について討論しました。その他、12月の中高生モニター報告、調査研究の現状報告、2015年2月の山梨での意見交換会などについて話し合いました。
次回は1月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2014年12月16日(火) 午後4時30分~午後6時30分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

  • 「若手男性芸人が裸で抱き合ったりわいせつな行為を繰り返していた。深夜番組とはいえ"限度"を超えている」などの視聴者意見があった関東圏の独立局などで深夜に放送している音楽バラエティー番組について、前回の2回分に続き新たに3回分の放送を視聴した上で、前回に引き続き討論しました。委員から "ロックな入浴"のコーナーについて、「画面上で修正は入っていたが、男同士で性器への直接的な行為を行っていた。男女で同じ行為をした場合でも放送に問題はないと考えるのだろうか。男同士ならばおふざけで済むのではないかという制作者の考えは問題だ」「男同士の性的行為を笑いのネタにしている。民放連・放送基準には"性的少数者を取り上げる場合は、その人権に十分配慮する"となっているが、今の社会的な流れを理解しないで安易に制作しているのではないか」「別の番組で女性アイドル同士が胸を触り合うといった表現があったが、性的マイノリティーや視聴している青少年への配慮が必要だ」「別の部屋で女性二人がモニターで修正のない男性の裸の映像を見ていて、その女性の反応を見て楽しむというのはハラスメント的要素がある」「男性目線で作られていて、女性が見て嫌悪を感じる表現が多い」などの意見がありました。今回は審議入りしないものの、当該番組や、最近の深夜帯番組における過剰な性的表現に対して、汐見稔幸委員長のコメントを公表することにしました。

2015年1月8日

"深夜帯番組の性的表現"に関する
「委員長コメント」
~深夜の音楽バラエティー番組の討論をふまえて~

放送と青少年に関する委員会 委員長 汐見 稔幸

BPO青少年委員会は、関東圏の独立局などで深夜に放送された音楽バラエティー番組について、2014年11月から12月にかけて、問題とされた回を含め5回分の放送内容を視聴し討論を行った。
この番組は、放送基準に背馳すると思われる内容を含んでおり、特に性的に刺激の強いシーンが目立つものであった。委員からは厳しい批判意見も出て、深夜の放送であれば性的に多少過激な表現であっても許されるだろうという姿勢がみえるという点で意見が一致した。深夜であるからある程度の大胆な性的表現も許されるという規定は、実はない。民放連・放送基準の第18条には「放送時間帯に応じ、児童および青少年の視聴に十分、配慮する」とあり、解説に"テレビでは、午後5時~9時に放送する番組について、とりわけ児童の視聴に十分配慮する"とあるが、これは、午後5時~9時以外は大胆な性的表現は許されるということを意味していない。要するに深夜帯の番組での性的表現については、制作者がこれまでの慣行で、それ以外の時間帯よりも基準を緩和してもよいと理解し放送していると思われる。
私自身は、そうした形で、深夜帯の番組は、それ以外の時間帯よりも性的表現の基準を緩めて適用することすべてをダメだと考えているわけではない。多くの国でそうした基準緩和が行われていることも了解している。しかし、慣行で基準を緩めているだけで積極的な基準がないため、ときに視聴者が嫌悪するような行き過ぎた内容になっていたり、人権侵害や公序良俗にもとる内容になっているのに、そのことに番組制作者が気付かないでいるのではないか、との危惧は持っている。今回の討論でもそのことが議論になった。
こうした批判や疑念が生まれるのは、深夜帯の番組における性的表現についての基準が明確な形では存在しないことが背景にある。しかし、だからといってそうした基準を多様な関係者の議論を経ることなく拙速に作成しても、それがわが国のテレビ番組の内容を向上させる方策になるとは考えにくい。そうした局面で、委員会が当該番組を審議しその内容がBPOの深夜帯番組の性的表現の基準となることには慎重でありたいと思う。
そこで、委員会は、今回は当該番組を個別に審議するのではなく、最近の深夜帯番組の性的表現に対して視聴者からも委員会からも強い批判や懸念があることを受けとめていただくことを前提に、放送の公共的責任についての自覚を持った上で、該当局だけでなく、各局においても、深夜帯番組における性的表現のあり方について速やかに議論を行っていただくようお願いすることにした。それがこうした批判や懸念をより生産的に番組内容の向上に繋げる方策になると考えるからである。

中高生モニター報告について

12月の中高生モニターは、「日本民間放送連盟賞 特別表彰部門(青少年向け番組)で最優秀とされた番組の感想」というテーマでリポートを書いてもらいました。今回は29人から報告がありました。
今回受賞した番組は、福岡放送が制作し、2014年3月10日(月)午前1:45~2:45に放送した『目撃者f 「震災のこと、忘れない~14歳のメッセージ」』です。これは、福岡放送が福岡県田川市立中央中学校の放送部員とともに制作した、東日本大震災をテーマにしたドキュメンタリーです。放送部員たちは、被災地の中学生や仮設住宅で暮らす人たちを取材し、震災や被災地とどう向き合うべきか悩み、取材や放送の難しさに気付いていきます。番組は、放送部員が撮影した映像やインタビューも使って構成されています。
今回は、熱心に長いリポートを書いてくれたモニターがたくさんいました。番組を見て、自分も被災地の復興のために、何かやらなければ、と思ったという報告が数多く寄せられました。「私は被災地に近い同じ東北に住んでいるのに、九州の福岡の人があそこまで頑張って現状を知ろうとしたり、思いを伝えたりしているのに比べて、自分が情けなくなりました。同じ14歳として負けていると思いました」(秋田・中学2年女子)。「この番組の子どもたちは私と同じ中学生なのに、ここまで違うのかと悔しく思いました。3年たった今、私に行動しなければという意志を作ってくれた番組でした」(広島・中学2年女子)。自分たちがいかに恵まれているかを認識させられ、生活を大切にしたいと思うようになった、というモニターもいました。「私はこれを見て一日一日を大切にしたいと思うと同時に、今生きていられることに感謝したい」(静岡・中学1年女子)。「この番組の視聴を機に自分には何ができるんだろう、口先だけではなく行動を伴ってできることは何だろうということを考えています。ああ、今私が生きていることって幸せなんだなと思います」(神奈川・高校2年女子)。番組の具体的な構成内容を褒める意見も寄せられました。「放送部が作った作品に私は感動しました。アニメーションにしてあって、被災者の気持ちが伝わってきて良かったです」(佐賀・中学1年女子)。「中央中学校放送部のビデオが良かった。イラストをつなげて作ったアニメも良かった。自分だけではできないけれど、力を合わせればできることってあるのだなと感じた」(東京・中学2年男子)。
放送時間の問題を指摘する意見も寄せられました。「この番組は深夜に放送していて、正直、誰も見ていないと思います。ゴールデンタイムにこのような震災関連の現実的な番組を放送してはどうでしょうか」(宮城・中学2年男子)。「昔、日本で戦争があったという事実を伝えるのと同じようにこの番組も後世に伝えるべき番組だ。こういう番組は深夜ではなく、土日の夕方に放送すべきだ」(愛媛・高校2年男子)。
"がれき撤去"という言葉のもたらす被災者の心理への影響を、しっかり感じとったモニターもいました。「がれき撤去は、私たちにとってはただ壊れたものを取り壊す作業に過ぎないが、被災地の人にとっては、自分たちの思い出を取り壊しているようなものだと知り、とても胸が痛みました」(愛知・高校2年女子)。「被災者の大切なものを"がれき"と呼び、それを"整理"ではなく、"処理"と名付けたことをはじめとして、震災に関する様々なことに当事者でない私たちは無関心すぎたと反省した」(大阪・中学3年女子)。
番組の内容に疑問を感じるという報告も寄せられました。「なぜ生徒たちが被災地を訪問することになったのかが番組中で具体的に示されず、もやもや感が残った。また、番組の作りにおいて、被災地で取材する少女たちを、放送局が取材する二重構造になっていたので、どちらが撮影した映像なのか曖昧だった。改善が必要だと思う」(宮城・高校1年女子)。「中学生が仮に被災地に行ってビデオを作ろうとしても、その費用はどこから出たのでしょうか。福岡放送が出したのでしょうか。被災地から遠く離れた福岡の中学生が被災地を取材しようと思った動機が詳しく説明されていれば良かったのに、と思いました」(広島・中学2年女子)。「『先生から震災に関するビデオ製作を依頼された』という出発点は外発的動機であり不純に感じた。また、中学生が取材した映像と放送局が取材した映像が、かわるがわる出てくる構成は、視聴者を混乱させ、どちらを見せたいのか、何を見てほしいのか、テーマがはっきりしない。私の理解力の無さに起因するのかもしれないが、伝えたいことを明確に提示してほしいと思った」(東京・高校2年女子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

●【委員の感想】番組を制作する側が気付かない見る側の感情がある、ということを指摘した報告が目立った。よかれと思って作っても人を傷つけることがあるということをいつも意識しておく必要があることをモニターたちも感じとったようだ。テレビ番組制作者も常に肝に銘じていてほしい。

  • (滋賀・中学1年女子)仮設住宅で『おもかげを、胸に』(福岡県田川市立中央中学校放送部制作)を上映したところ、一人のおばあさんが抜け出しました。そのおばあさんは、震災で、5人の家族を亡くしてしまっていて、放送部の人たちは、傷つけたんじゃないのか…と泣いてしまいました。私も同じ立場になったら、たぶん泣いたと思います。
  • (佐賀・中学1年女子)泣き出す人や途中席を離れる人がいて、放送で傷つく人の様子が映されていました。その後、生徒みんなで「作品を見せてよかったのかな…」と後悔していました。自分たちの作品が人を傷つけてしまったことに気付けて良かったと思います。

●【委員の感想】震災という一つの事象に関して最初は三人称の認識しかなかったモニターたちが、この番組を見ることによって、二人称の認識から一人称の認識へとだんだんと認識を深め、当事者性を身につけていった。その意味でこの番組は大変価値がある。

  • (東京・中学2年男子)大事な気持ちを思い出させてくれた番組だった。今の自分は日常に精いっぱいで震災の悲劇を忘れていないか。被災地の人にとっては終わってなく、ずっと続いていくことなんだと改めて知った気がする。自分がたった今できることは?大人になったらできることは?いろいろ考えてしまった。

●【委員の感想】同年代が主役なので、感情の移入がしやすかったという報告がいくつか
見られた。

  • (大分・中学3年女子)一人一人の言葉が心にぐっと来て、本当に考えさせられる番組だったと思います。このように、大人ではなく、中学生くらいの年代の人を主役にしているのは、私たちからしてみれば、見方・考え方が同じなので共感しやすく、見やすかったです。

●【委員の感想】テレビ番組に対する不信感があるのか、「作為的ではないか」など番組制作の裏事情を探るような報告があった。

  • (広島・中学2年女子)悪く言えば中学生の取材ビデオが良く出来過ぎており、放送局サイドの作為的な要素「ビデオを見ている老人が途中退席した」り、「中学生がお詫びの手紙を書く」なども怪しいと思います。最初に福岡放送がこの番組を作りたいために中学生サイドに話を持ってきたのではないのか?という疑問が湧いてきます。

●【委員の感想】率直な感想を述べてくれたモニターたちには、共感を覚えたし、一生懸命番組を見てくれたことに対して感動した。

  • (神奈川・高校2年女子)この番組に出会えてよかった。ありふれた言葉ですが、心からそう思いました。私よりも年下の女の子たちが、真剣に悩み、行動して、考えている姿を見て心が、ざわざわしました。焦燥感、もどかしさ、苦しさ、感動、自己嫌悪…色々な感情が渦巻いています。
  • (宮崎・高校2年女子)家に帰ってテレビをつけて私は言葉が出ませんでした。たった一日のたった一瞬のことだったけれど、今でもあの時の気持ち、あの時の映像は鮮明に残っています。私たちのように震災の被害のなかった福岡県の中学生がこんなにも深く震災のことについて調べ、考え、行動するのは本当にすごいことだと思いました。私たちの将来が被災地の方々の力になれるように、今は震災のことを忘れずに、一生懸命生きようと思いました。

調査研究について

  • 「中高生の生活とテレビに関する調査」について、発表の時期や方法についての話し合いがありました。

今後の予定について

  • 2015年2月の山梨での意見交換会の準備状況について事務局から報告がありました。
  • 石川テレビ制作の青少年向け番組『8ッピーLiveいしかわキッズ!』視察に小田桐委員が行くことに関しての報告がありました。

その他

  • 「青少年へのおすすめ番組」から、関西テレビ制作『狩猟雪姫』を加藤副委員長が視聴し、感想を送ったとの報告がありました。

2014年12月に視聴者から寄せられた意見

2014年12月に視聴者から寄せられた意見

衆議院選挙について、"民意を反映しない選挙結果"との印象を与える報道内容に疑問の声や、スポーツ新聞を巻き込んだドッキリ企画に対して、視聴率稼ぎの悪質なものだといった批判意見など。

2014年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,197件で、先月と比較して76件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話27%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性73%、女性24%、不明3%で、世代別では30歳代29%、40歳代24%、20歳代20%、50歳代15%、60歳以上10%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は509件【41局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

第47回衆議院選挙で与党が圧勝し、第3次安倍内閣が発足したが、民意を反映していないといった報道などに対し、様々な意見が寄せられた。
アベノミクスの功罪を論じたニュース番組で、賃金の伸び率をグラフで示していたが、その誤謬に多くの批判が寄せられた。
スポーツ新聞を巻き込んだ大がかりなドッキリ企画に対して、視聴率稼ぎの悪質なものだといった批判意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は48件、CMについては40件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は75件で、前月から7件減少した。
今月は、「性的表現」に関する意見が15件と最も多かった。次に「暴力・殺人・残虐シーン」が10件、「いじめ・虐待」「低俗・モラルに反する」がそれぞれ8件と続いた。「その他」は8件あった。
「性的表現」については、夕方のアニメ番組における主人公のヒロインに対する言動や、女性キャラクターの下着が見えるシーンがあることなどについての意見が複数寄せられた。また、バラエティー番組で不倫を話題にした際の性描写についても複数の意見があった。
「暴力・殺人・残虐シーン」については、バラエティー番組で動物や魚を捕えた際の映像、アニメ番組での戦いのシーン、報道番組での事件・事故現場の映像など、放送における血の表現についての意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局で衆議院選の各党獲得議席数の予測を立てている。これらの報道により若い人達は「決まっているならいかない」と投票意欲がなくなるかも知れない。予想によって投票率が下がるのであれば、そのような報道は控えるべきではないのか。まずは「投票に行くこと」が大切であることを全面に押し出すべきだ。

  • 衆議院選が始まっているが、政治に関するものをほとんど放送していないように感じる。放送局に圧力をかけているという記事を読んだが、その影響をうけているかのようにも思える。また、任期が残っているのに、700億円もかけて解散選挙をする理由が分からない。国民がきちんとした判断ができるように、各党の主張などを報道してほしい。政権に遠慮しているかのような放送は如何なものか。

  • 明日は投票日であるにもかかわらず、政権批判に偏っていた。マイナス面ばかりでなくプラス面も示すべきだ。また12月に選挙をするのは悪いといわんばかりのコメントは、如何なものか。

  • 全局で夜19時から朝方まで同じ選挙の内容で、テレビがつまらない。普通の番組が見たいのに、どこの局も"選挙"だ。何のための民放局なのか。視聴率争いをするなら普通の番組を流した方が何倍も視聴率かせげるはずだ。皆が皆、選挙に関心があると思ったら間違いで、大半は普通の番組が見たいのだ。

  • 特定秘密保護法案や集団的自衛権の解釈変更があり、マスコミは「国民の声を無視している」「政権の暴走」などと散々糾弾してきた。ところが、いざ解散となったら、途端に「大義なき解散」と言い出したのは一体どういうことか。自らの言論に責任を持てない、ジャーナリスト失格の発言だ。何より、拉致事件の解決が遅れていることを、なぜ誰も問わないのか。

  • 解散までの政府の功罪の検証や、複数の争点の提示など出来ることはあったはずなのに、選挙期間中の報道が極端に少なかった。これでは選挙があることを知らない人が出てくるのではないか。報道ではアベノミクスがことさら取り上げられ、秘密保護法や集団的自衛権といった国の根幹にかかわることの報道が極端に少なかった。メディアは政府を監視する役割があるはずなのに、全く果たしていない。

  • キャスターと3人の解説委員が出演し、アベノミクス叩きに終始した。特にひどかったのは、名目賃金と実質賃金の伸び率だ。グラフでは実質賃金が急降下したようになっていた。嘘を平気で流したことが許せない。番組の最後に訂正したが、どうにも釈然としない。

  • 折れ線グラフが映されたが、実質賃金のところが著しく下がっていた。同時期の名目賃金から大きく離れていた。番組が終わる直前に訂正して正しいグラフを出したが、先のグラフを出してから時間も経過しており、遅すぎた。今回の選挙で一部の野党が実質賃金の低下の件で政権与党を批判しているが、野党を支援するために実質賃金が落ち込んだと見せる印象操作をしたのではないか。

  • 選挙特番の画面の下で流れる視聴者のツイッターでの意見だが、まったく選挙と関係ないアニメに関する内容もあった。わざとやっているのか知らないが、もっとTPOをわきまえたツイートを取捨選択してほしい。何のためのツイッター意見なのか。

  • 選挙期間中にもかかわらず、元首相を父に持つ人物に密着取材し、持ち上げる報道をしていた。忘れてはならないことは彼も候補者の1人ということだ。党の代表でもなければ党の要職にもない、現役閣僚でもない、非改選の参議院議員でもない。従って、彼1人を詳細に報道してはいけないはずで、明らかな偏向報道に当たるのではないのか。

  • 男性俳優が亡くなったことを伝えていたが、「晩年は反戦争・反原発を訴えていた」などと紹介していた。偉大な俳優ではあったが、決して思想家でも政治家でもなかったので、違和感を覚えた。今日から衆議院議員選挙公示なので、ある政党の後押しでもしているかのように感じた。

  • 総選挙の結果について、過去最低となった投票率と関連付けて述べた上で、"民意を反映しない選挙結果"との印象を与える報道内容に疑問を感じた。数値を用いた説明については、数値の確かさ、正当な比較対象の明記などを各局では周知徹底していただきたい。送される情報によって視聴者が誤解することがないよう求める。

  • 衆議院選挙における現与党政権の大勝に伴う、海外メディアの反応を紹介していたが、与党に否定的な記事を引用していた。何故、あえて否定的な記事のみを紹介するのか。また、投票率が低いので民意を反映したと言い難い旨のコメントをしているが、投票しない者は現政権維持の意思表示とも考えられる。真に政権を代えたいのなら、投票に出向くはずだ。

  • 衆議院選の投票率が大変低かったが、テレビにも責任があるような気がする。選挙関連の番組が非常に少なく、普段通りのバラエティーを垂れ流すなどしていた。"中立"を意識するあまり、通り一遍のことしか伝えず面白みがなかった。これでは選挙に行きたいと思わせることはできない。若者の政治離れを改善するためにも、各局には頑張ってもらいたい。

  • 「はやぶさ2」の打ち上げの解説・中継をしっかり放送していた。前回の小惑星探査機「はやぶさ」の時は、打ち上げや小惑星「イトカワ」への着陸などテレビ報道が少なく、帰還の時に少し盛り上がった程度だった。科学は難しい話が多いので理解しづらいが、じっくりとした解説は良かった。今後も、小惑星への着陸、また帰還のときも良い解説を期待している。

  • 種子島から発射した「はやぶさ2」に多くの税金を費やしたそうだ。そのはやぶさの話題から、突然司会者が「今回の総選挙は700億円かかる」と言いだした。選挙に多額のお金を投入すべきでないという発想らしい。これは民主主義の否定だ。この司会者は個人的で、勝手なコメントが多い。思いつきの発言は慎んでほしい。

  • アメリカでエアバックを製造する日本の企業が訴えられている。事実は事実として報道されるべきだが、報道機関の中に、もう少し日本の企業を守るという姿勢がないものか。何が問題になっていてどのように展開するのか、これまでのアメリカの裁判はどうであったかなど、報道はできないのか。アメリカ側の論理で垂れ流されている気がする。

  • 大雪で孤立した徳島について、「"IP電話"が不通のため連絡できずに死亡した」と報じている。いまどきのほとんどの電話は電源がないと通話ができなくなることを知らないのだろうか。他局では「停電で連絡が取れない」としている。まるで"IP電話"だから連絡が取れず死亡者が出たかのような報じ方だった。

  • 自民党の幹部の発言について問題視していたが、文脈をとらえず言葉尻だけをとって非難するのはおかしい。この時期にそういう報道をするのは、印象操作による選挙妨害にもとれる。それだけでも不適切なのに、他の党の不適切な発言には全く触れていない。不公平だ。

  • ボーリング場の従業員に土下座を強要したことを報道する際、ツイッターに個人が投稿した画像を、モザイク処理をしているとはいえ、流していた。知っている人が見れば分かるのではないのか。イメージイラストで十分だ。映っている人に配慮するべきだ。

  • 南海地震についての報道がしつこい。いざというときのための心構えが必要であることは分かるが、それにしても頻度が高すぎる。不安を煽っているだけだ。地域のニュースをメインとするなら、もっと明るい話題にしてほしい。東日本大震災のトラウマが抜けきっていないのに、毎日のように南海地震と言われてつらい。

  • 即席麺にゴキブリが混入していた食品会社の対応を取り上げていた。この会社は商品の自主回収をしている。私は誠意をもって対応していると思うが、番組では批判的だった。いたずらに食品会社を貶め、誤解を与える発言は慎むべきだ。

  • メディアは批判することが仕事と思っているようだが、一番の仕事は真実を伝えることだと思う。例えば株が下落すると「経済政策は失敗だ」と批判し、株が上がると「株高など庶民には関係ない。円安が問題だ」という。株高と円安は基本的にセットである。また、「増税する」と言うと「国民の生活に影響が」と批判し、増税先送りを決めると「社会保障が」と非を鳴らす。どちらを選んでも批判するのは「批判のための批判」だ。世論に与える影響を熟慮し、責任の重さを自覚すべきだ。

  • 東京駅で100周年記念スイカを販売したニュースで、現場では販売中止に大混乱し罵声や暴動が起こっていたのに、「完売した」と何事もなかったかのように報道していた。また、徹夜は禁止されていたのに、徹夜して購入した人にインタビューしていた。

【番組全般・その他】

  • スポーツ紙がタレントの熱愛をスクープとして報じたが、しかし番組内のドッキリ企画だということが後で判明した。番組視聴率を獲得するために大掛かりにでっちあげるのは、放送局としてのモラルが欠落しているのではないのか。番組の中だけで驚かせるならまだしも、新聞に"スクープ記事"として掲載するということは笑って済ませられない。

  • ヘリコプターと新幹線がスピード対決するという企画だった。ヘリを飛ばすにもかなりの金額になると聞いたことがある。それを東京から仙台までの距離を、ヘリコプターがスピードを出して飛んでいた。周囲の住民にも騒音被害があったはずだ。

  • 今回のフィギュアNHK杯関係の放送には不満を感じる。特定の選手の話題があまりにも多すぎる。中国杯での怪我があって云々ということは分かるが、それにしても他の選手の話題はほとんどなかった。特に優勝した選手はあまり知られていないので、彼のことをもっと知りたかった。それなのにほとんど報じず、いかに話題の選手が大変な怪我を乗り越えて出場したかという、みんな知っていることばかりだった。

  • ロボットをバトルさせるという内容だったが、実際に相手ロボットを破壊し合っていた。ロボット兵器をも想起させ、バーチャルな殺戮兵器の問題が深刻化している現実の社会を見るようだ。競技のように見えるが、予算や重量、操作などの条件が不統一で公正さに欠け、単にロボットの激しい破壊攻撃を楽しんでいるにすぎない。ロボットのバトルを面白がる人間は、やがてロボット兵器に自らが脅かされることになるであろう。

  • 恋愛観を語る時、いままでつきあった人数や聞かれてもいない性的な話までぶっちゃけすぎるようなトークをしていた。不快だった。他人の性に関しての話や恋愛観などは聞きたいとは思わない。司会者に質問されなくても自らしゃべりだす人もいた。スポーツ選手は本来のスポーツを頑張り、その姿を視聴者や応援している人に見せることが本業ではないのか。最近のバラエティー番組は私生活の切り売りや暴露するような番組ばかりで低俗だ。

  • ブラジルの都市を紹介するにあたり、人口の多くが黒人である理由として「主な特産品はサトウキビであり、1970年代に収穫の労働力を確保するためにアフリカ人を奴隷として雇用した」というナレーションとともに、「1970年代、サトウキビ畑で働く労働力の為に多くのアフリカ人を奴隷として雇用」というテロップが表示されていた。疑問に思い調べたところ、ブラジルの奴隷制ははるか昔に廃止されている。番組で挿入された黒人労働者の姿も写真ではなく絵であることから、1970年代ではなく、1870年代の間違いだと思われる。単純な数字の間違いだと思うが、人権に関わる重要なものである。番組が放送されるまでに多くの人物が関わっていたと思うが、この問題に気づく人がいなかったのか。

  • 世界で特殊な障害を持っている人々を紹介するものだった。特殊な障害を負った人を、現代の医療技術で救済することを謳った番組だが、障害者を見世物のように扱う極悪番組だった。

  • 地震予測や対策の研究を紹介していたが、一部不安を煽る内容になっていた。科学的根拠や専門家の調査、研究結果を十分に踏まえている事は分かるが、煽る伝え方は良くないだろう。制作側は防災意識や災害対策の大切さをしっかりと伝えたいという意図があったのだと思うが、この内容ではかえって混乱を生じ、被害を拡大させるおそれがある。また、災害時にどのような行動を取ればよいかなども伝えるべきだ。しかし、災害対策などの研究を事細かに詳しく紹介している点は評価できる。防災意識の向上という観点でも、このような特集は今後も続けてほしい。

  • 大阪のおばちゃん風な姿をしてタレントであることを隠し、お店や露店でどこまで値切れるかをためす企画だった。店内で騒いだ結果、商品を安くしてもらったり、とにかくひどかった。若者であれば、その姿や近くにカメラの存在を感じたらテレビと気が付くかもしれないが、そうではない年配の方たちにも無茶と思われる値切り方をしていた。人の優しさに付け込んだ暴力に近い企画だ。同じテレビマンとしてとても残念でいらだちさえ感じた。

  • 年末のスペシャル番組で、男性タレントが巨大イノシシを捕獲するという企画を放送していた。しかし捕まえたのはあきらかにどう見ても家畜のブタのようだった。テロップでもイノシシと出ていた。スタジオトークでも一言も言及していなかったが、なぜ説明がなかったのか知りたい。

  • 不倫スキャンダルで世間を賑わせた女性タレントが出演していた。謹慎中に不倫ドラマにはまっていたそうで、「応援して見ていた」と発言していた。自分がしでかしたことの重大性がわからないのか。この発言を聞いた高校生の娘は「不倫って良いものなんだね」と言っていた。高校生にこのような感想を持たせてしまうことに、親として怒りを覚える。

  • 最近のドラマでの殺人や惨殺シーンは目を覆いたくなる残酷な表現が多い。いくら演出とはいえ、度が過ぎている。凶悪犯罪が相次いでいる今日、そういったドラマでの殺人や惨殺シーンに規制がないことは問題ではないのか。凶悪犯罪が相次いでいることを考えても、ドラマでの残酷な表現は規制されて然るべきだ。

  • 豪華アーティストが共演するクリスマスの音楽特別番組である。テレビのスポットやHPでの事前の宣伝では例年と同様とのことで、期待していた。ところが冒頭から番組を振り返る映像が流され、2時間の番組はほとんど過去の総集編で終わった。もし事前宣伝で「今年は総集編」となっていたらそのつもりで見たことであろう。騙されたような気分で不愉快であった。この番組は10年以上続く人気の番組で、固定ファンも多い。楽しみにしていた視聴者の気持ちを大事にして真摯に反省してほしい。

  • お笑い芸人が司会の番組で、お財布を竹藪に埋めて、1年後そのお財布の中身を回答者側の芸人さんたちに賞金として配るというものだった。竹藪からお財布を出してみたらお財布を包んでいた唐草模様の風呂敷は溶けていて、お財布も泥まみれ、お財布の中身の紙幣はぼろぼろ、貨幣も泥まみれといった状況だった。法律に抵触する恐れもあるし、何より大切な金銭を粗末に扱う神経に呆れた。

【ラジオ】

  • ラジオショッピングの、宣伝販売のやり口が汚い。『松前漬け3種』を購入したが、番組では「全てに相当な量数の子が入っており、お値打ちだ」と言っていた。確かに2種類はまともに入っていたが、あと1種類はほとんど入っていなかった。1万円近くも払ってしまった。1種類だけ返してやろうとしたが、それはダメとのこと。苦情は言ったが、「以後気をつけます」といわれた。明らかに誇大広告だと思う。

  • クライアントの商品を紹介をしているが、DJのトークがつまったり、ぎこちなくて品物のよさが伝わらない。聞いていると商品の魅力が半減する。プロのDJではないのかもしれないが残念でならない。大事な企業の紹介の時には、違う人に読んでもらうなどの対策をとってほしい。

  • 今回だけでなく非常に下劣だ。性に関する過激な内容が多い。小・中学生が聞ける時間帯なのでやめてほしい。ラジオなら許されると思っているのか。今日も「フェラ」や「死ね!」との発言もあり、毒舌で笑い飛ばしていることはいかがなものか。子をもつ母として悪影響どころではないと心配している。

  • メインパーソナリティーやリスナーまでも女子アナのバストの事を執拗に取り上げ、大喜利のコーナーでも、イジメに近いネタに終始していた。ヘラヘラ笑っている共演者や、ネタを選んでいるスタッフに悪意を感じる。下手すればパワハラやセクハラに抵触する、あるまじき行為だ。

【CM】

  • 「R15+」の映画の宣伝を突然見せられる。年齢制限のある映画だそうだ。映画やテレビドラマの宣伝は、どれも過激で全く見たくないが、時間帯も構わず流している。視聴者の心情も考えず何でも流すというのは、如何なものか。

  • 「パから始まる楽しい遊び」と言っているが完全にふざけている。パチンコはギャンブルであり、このような内容のCMでは、ギャンブルに興味をもつ子どもが出てもおかしくない。

  • 過払い金請求のCMが頻繁にながれているが、如何なものか。そのせいなのかどうか分からないが、ニセ司法書士が暗躍し、過払い金請求のセールス電話の被害に遭う人もいるようだ。CMが適切なのかどうか、疑問に思う。

青少年に関する意見

【「性的表現」に関する意見】

  • 夕方の時間帯での放送にもかかわらず、主人公がヒロインのスカートをめくって下着が見えたり、女性キャラクターが胸を強調した服を着るなど、性的なシーンが多いアニメ番組がある。子どもの健全な成長に悪影響を及ぼすと思われるので自重してほしい。

  • 昼間の時間帯に放送されたバラエティー番組のテーマが不倫だったのだが、出演者たちが、性行為を思わせるような身振り手振りを交えてトークしていた。学校が冬休み期間中であり、子どもと一緒に見ていたので驚いた。子どもたちに言葉や身振り手振りの意味を聞かれても答えられない。昼間の時間帯に放送する番組は子どもと安心して見られる内容にしてほしい。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 様々な変わった動物などを捕獲する番組を見て心が痛んだ。巨大なイノシシが犬に噛みつかれて血を流したり、変わった魚を捕獲するために、その他のたくさんの魚が釣りあげられて、暴れているシーンがあった。意味のない殺生を子どもに見せるべきではない。

  • 殺人事件などのニュースで被害者の生々しい血痕を映すことがあるが、やめてほしい。食事中だったり、子どもと見ていることもある。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、アイドルグループが解散するかのような"どっきり企画"があった。「解散する」と騙されたメンバーの中には未成年者も多くおり、人間不信に陥らないか心配である。

【「編成」に関する意見】

  • 素人の歌唱力を競う歌番組で、夜9時以降に未成年者が生出演していた。出演者について労働基準法上の問題がないことは承知しているが、番組を見ていた子どもたちが、夜の時間帯に出歩いてもいいと思ってしまうことも考えられるので、夜の遅い時間帯には未成年者を生出演させるべきではない。