第214回

第214回–2026年1月

12月の視聴者・聴取者意見などを報告

第214回放送倫理検証委員会は、1月9日に千代田放送会館で開催された。
12月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
2026年度の放送倫理検証委員会の開催日程について調整をした。

議事の詳細

日時
2026年1月9日(金)午後4時~午後4時40分
場所
千代田放送会館BPO会議室
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 12月の視聴者・聴取者意見を報告

12月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、高市政権の幹部の1人がオフレコで話した核保有に関する意見を報道したことについて、倫理に反した行為ではないかなどの声が多数寄せられたことなどが事務局から報告された。

2. その他

2026年度の放送倫理検証委員会の開催日程案について検討がなされ、原則毎月第2金曜日とするが、5月度に関しては大型連休明けとなるため第3金曜日にする方向で調整された。正式には次回の委員会で確定する。

以上

第285回

第285回-2025年12月23日

視聴者からの意見について…など

2025年12月23日、第285回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事では、11月後半から12月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
12月の中高生モニター報告のテーマは「最近『この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!』と思った番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年12月23日(火)午後4時00分~午後6時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

11月後半から12月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
週末の大型報道番組で、都内の保育園で園長が保育中の園児たちに暴言を浴びせている実情を告発する内容を特集。その際、不適切な保育実態を証明するため行政当局に提出したものと同じ、園長の暴言を隠しどりした音声を、個人が特定されないよう加工して放送したところ、視聴者から「その音声(の一部)には私の子どもが関わっている。告発の際使用することは承知していたが、放送に使用されるとは聞いていない。放送局に問い合わせたが、『個人が特定されないよう編集した』との説明だけだった。子どもの音声が無断使用されることが許されるとは思えない」などと訴える意見がありました。
担当の委員は「行政当局に対して使用することは了解していたが、放送に利用されたことが不愉快だったのだろう」と報告しました。
ある委員は「隠しどりすることを周囲の保護者すべてに知らせると、露見して隠しどりできなくなってしまう。この視聴者は事後承諾を求められたようだから、ボイスレコーダーを仕込んだ告発側の人との関係性の問題があったのかもしれない」との見方を示しました。
ほかの委員は「あの音声(隠しどりされた園長の暴言)があるから、もし自分の子どもがこんな暴言を浴びせられたらと思うとすごくつらくなる。私なら園長に怒鳴り込んでしまうと思う。したがって、(この告発を取り上げた)番組に問題はない。放送局としてこの視聴者には、何もできることはなかっただろう」と述べました。
さらに別の委員は「まず、このような不適切な保育実態が社会にあることを報じたのはとても意義があった。報道内容に公共性、公益性がある。隠しどりの音声を放送使用することにも必要性はあった。加えて音声は個人が特定されないよう加工されていて、人権上の配慮もあった。よって、この報道自体に問題はないと考える」と議論をまとめたうえで、「個人の声については、その精神的価値が人格権による保護の対象として認められていないが、AI技術の進歩にともなう社会の変化を受けて、今後、人格権として『声の権利』が認められるようになれば問題をはらむことになるかもしれない」と指摘しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

12月のテーマは「最近『この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!』と思った番組について」で、25人から合わせて23番組の報告がありました。視聴方法は、リアルタイム視聴が10人、アプリ(TVer、NHKoneなど)やオンデマンドを利用したタイムフリー視聴が4人、録画・録音が9人、回答ナシが1人、視聴なしが1人でした。
複数のモニターが取り上げたテレビ番組は『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)で、ほかにもトーク番組、ドラマ、特撮、ラジオなど、様々なジャンルの番組の演出の工夫について感想が届いています。
「自由記述」にはテーマに関する意見のほか、放送内容全般に関する意見や特定の番組に対する要望・意見、放送局への要望などが複数寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『ザ・タイムショックZ~雑学だらけの最強クイズ王決定戦SP~』(テレビ朝日)に5人から、『弾丸!空港トンボがえりツアー』(NHK BS)に4人から、『秘密のケンミンSHOW極&見取り図の間取り図ミステリー合体2時間SP!』(読売テレビ)に3人から、『火星の女王』と『実証科学バラエティー 百聞はジッケンに如(し)かず』(いずれもNHK総合)にそれぞれ2人から感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近「この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!」と思った番組について】

  • 『映像の世紀バタフライエフェクト「銀座 百年の記憶」』(NHK総合)
    銀座は地震や戦争で大きなダメージを受けても何度も立ち直ってきた街だということがよくわかりました。夜の銀座を支えたマダムたちの話や、そこで働く人たちの人間関係など、裏側のエピソードも紹介されていて面白かったです。(中学3年・男子・東京)

  • 『火星の女王』(NHK総合)
    繰り返し視聴すると、最初は気づけなかった細かい演出に気づいて面白さが増します。例えば火星の民間人居住地「コロニー0」では太い鉄骨パイプから白い煙が出ていたり、透明でとても大きなエレベーターが建っていたり、鉄骨むき出しの空間に突然植物が茂る庭があったりして、異質な雰囲気から未来の火星という未知の空間イメージを感じました。CGやVFXによる細かな演出で、未来の火星に没入しながら純粋にドラマを楽しめているのだと気づきました。(中学3年・男子・東京)

  • 『ドキュメント72時間「秋葉原 メイドカフェに“ただいま”」』(NHK総合)
    登場人物の表情の変化を丁寧に捉えるためにアップの映像を使用する場面が多くありましたが、同時に店全体の空気を感じさせる引きの映像も使われており、空間としての“居心地”がわかりやすく表現されていました。「ここに来ると元気になれる」と語る人や何気ない会話を楽しむ様子が見られ、小さなやり取りが誰かの支えになっていることがわかりました。(高校1年・女子・熊本)

  • 『魔改造の夜』(NHK総合)
    軟な発想力と技術力を目の当たりできるだけでなく、「チーム一丸となる」「失敗しても構わない」「成功も失敗もお互いの健闘を称えあう」ところがスポーツを見ているようで応援してしまいます。(中学3年・男子・大分)

  • 『小学校 ~それは小さな社会~』(NHK Eテレ)
    アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門ノミネートの映画です。一番印象に残ったのは6年生のきはら君で、家の前でひたすら二重跳びの自主練をする様子に凄く心が惹きつけられ、やっと連続して飛べるようになった彼の表情が最高でした。こういう何気ない風景を切り取るのがとても素敵な映画だと思いました。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)
    人形と内容(“中の人”のトーク)のギャップがあり、とても面白いです。毎回重めなテーマですが、かわいらしい人形が話すことで、子どもでも分かりやすく見やすいと思います。人形も凝っていて、ゲストのブタさんは本人?のイメージに合わせてピアスをつけたり表情やリアクションをつけたりしてすばらしいです。モグラの山里亮太さんとYOUさんは相手に対して否定的なことを言わず、名言が多くあり、笑えるとともに勉強にもなります。(中学1年・女子・東京)

  • 『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)
    30分という短い時間にまとめていて毎回テンポがよく、ちょっとかん高い声の掛け合いのようなナレーションも魅力です。企業紹介が終わるとスタジオでの試食や豆知識の紹介があり、視聴者を飽きさせません。チャンネルを他局に変えさせない工夫やどんどん惹きつける演出が随所に見られ、それが長寿番組につながっているのだと思います。(高校2年・女子・熊本)

  • 『火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」』(TBSテレビ)
    勝男(竹内涼真)の兄の娘・真鳥(鷲尾心陽)の好きな色はピンクや赤ではなく青や黒ですが、その気持ちが分からない祖父母が真鳥へのプレゼントとして赤いランドセルを買っているため、会わせづらいといった話がありました。最終話では真鳥が茶色のランドセルを持って祖父母と笑っていて、そのシーンが印象に残りました。「女だから、男だから」という心の壁がなくなったことがその一瞬で伝わり感動しました。(中学2年・男子・群馬)

  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)
    • 「名探偵津田」の企画で、1週間前・1か月前から伏線を張るスタッフがとてもすごいと思う。また津田篤弘(ダイアン)さんが物語からそれた行動をした時、不自然にならないように修正する「1の住人」たちの技術とアドリブ力が心に残っている。(中学1年・男子・福島)
    • 「サイレントクロちゃん」の企画は10個の仕掛けを絶妙な順番で構成していた。アイドルグループの喧嘩をプロデューサーのクロちゃんが泣きながら筆談で仲裁する場面では、MC浜田雅功さんの「後ろから殴りたいわ」というつぶやきをはさむことで感動からバラエティーに転換していて、とても面白かった。声が出せないと困るであろう場面(仕掛け)の選出が絶妙で、最高のバラエティー演出だと思った。(高校1年・女子・秋田)
  • 『タミ様のお告げ』(TBSテレビ)
    日常の小さな疑問を全力で調査していて面白いです。出演者が質問の答えを2択で選ぶ際に、おりてくるバーを挟んで左右に分かれる仕掛けがありましたが、視覚的に分かりやすい演出で、また出演者も楽しんでいる様子にとても心が温まりました。楽しそうにしていると見続けたくなります。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『ラヴィット!』(TBSテレビ)
    もっともすごい演出だと思ったのは巨大トランプを使ったジャイアントスピード対決です。トランプは一人で持つのが大変なサイズで、日常にあるものを巨大化してゲームを行うと、いつもとは違った面白さがあると感じました。ペアで声を掛け合いながらの対決は見ていて盛り上がり、朝から元気になりました。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『金曜ロードショー「ズートピア」』(日本テレビ)
    ウサギのジュディは買ったニンジンが小さすぎたとき、ショックを受けてそれを食べずに捨ててしまいますが、この描写は見た目で判断してしまうジュディの性格を表現していて、さりげなく表現しているのが面白いと思いました。またズートピアに暮らすたくさんの動物の歩き方が完全に再現されているのも、物語を楽しむにあたって重要な工夫だと思います。(高校2年・女子・東京)

  • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)
    新企画「100人食堂」を視聴しました。料理を作る過程を細かく映し、失敗やトラブルも隠さずに放送していて、一緒に挑戦しているような気持ちで見ることができました。また地元の人たちがメインとして映し出されていて、地域の魅力や人の温かさがより伝わる演出でした。工夫次第で地域の魅力を多くの人に伝えられるのだと思い、自分が住む地域について考えるきっかけにもなりました。(高校3年・女子・広島)

  • 『ベストアーティスト2025』(日本テレビ)
    第2部オープニングの歌舞伎×HIPHOPの演出が斬新だと思った。市川團十郎が歌舞伎の型を披露する一方、髙橋海人(King & Prince)たちが同じ舞台で踊っていて、動きは違えども不思議と違和感がなかった。RIEHATA振り付けのダンスはエネルギッシュで音によく乗っていてとても気持ちよかった。またラッパー・Blumioのリリックにはユーモアがあり、歌舞伎の厳かな雰囲気とうまく調和していた。伝統は守るだけではなく、少しずつ進化させていくことも重要だと思った。(中学2年・男子・東京)

  • 『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日)
    中学生の弟が大の特撮ファンで毎週視聴しているため、私もしばしば一緒に見ている。一河角乃を演じていた俳優の不祥事によってキャスト変更があり、第40話は代理の俳優が出演する最初の回だったが、一河角乃が探偵だという設定を逆手にとり、「潜入捜査のため顔を変えたところ、元に戻らなくなった」というセリフを追加することで出演者交代を説明するという演出だった。ヒーローに憧れる子どもたちにも納得してもらいながら、キャストの不祥事という事態をユーモラスに収めようとする制作者の思いを感じ、その機転がすごいと思った。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)
    スタジオトークが分かりづらい内容の場合、丁寧に画像で補足したり、スタジオの2人に画像を合成したりする演出がすごいと思います。ただ福島から視聴しているのですが、TVerと比較すると一部放送されていないトークがあり、好きな番組なだけに残念です。(高校3年・男子・福島)

  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)
    ブータンの空港全体を仕掛人だけにする、ブータン政府にも協力を依頼するなど、スケールの大きい企画だと思った。現地警察役から追われ、ブータン脱出をめざす過程は、ドッキリと分かっていても映画を見ているようなスリル感がすごかった。(中学2年・女子・千葉)

  • 『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ)
    猫の首にカメラをつけて普段の行動をモニターしていました。狭い隙間や側溝、猫目線で見る世界が新鮮で、猫の行動がカメラを通して視聴者に分かりやすく届けられていました。(高校3年・女子・長崎)

  • 『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ)
    「サビだけカラオケ」は、挑戦者が油断したタイミングで音を外して失敗するのがとてもドキッとするし、完唱してほしいと思いながらいつ失敗するかとハラハラする展開がとても好きです。(高校2年・女子・東京)

  • 『ネプリーグ20周年SP★』(フジテレビ)
    クイズだけでなく豆知識を紹介するコーナーがあり、視聴者が出演者と一緒に学べる番組にしようという意図を感じる。(高校3年・女子・徳島)

  • 『プレバト!!』(毎日放送)
    この番組は日常で触れることのない芸術の面白さを教えてくれます。先生たちの講評がとても分かりやすく「こうすればもっと作品がよくなる」とお手本も見せてアドバイスするのでとても参考になるし、勉強にもなります。(中学1年・男子・大分)

  • 『名探偵コナン』(読売テレビ)
    私が良いと思う演出は、コナンたちが次の放送回での事件解決の糸口になるヒント(キーワード)をくれるところです。ヒントをどのように使うかは放送回によって全然ちがいます。今回視聴した「取調室3」のヒントは「メイド」でしたが、それを見つけるにも工夫しなければたどり着けなかったので、いい出し方をしていると思いました。(中学3年・女子・山梨)

  • 『気分上昇ワイド ナルミッツ!!!』(北海道放送)
    月~金曜のあさ9時~ひる12時に放送しているラジオの生ワイド番組。スタジオにライブカメラがあると知り、映像を見ながら聴きました。パーソナリティーはほぼ平服でデスクも雑然としていて、ペットボトルを飲みながら話したり天気予報の原稿をバタバタと探したりする姿に、自分とあまり変わらないという安心感がありました。森結有花アナウンサーのハンドベル演奏は背中しか映っていませんでしたが一生懸命さが伝わり、ラジオ現場のリアルに素直に感動しました。(中学3年・男子・北海道)

【自由記述】

<テーマに関する意見>

  • モニター活動を通してテレビを見る機会が増え、自分にもハマる番組があることを知りました。コンプライアンスに引っかかったり苦情がきたりするような番組も実際にありますが全てではないし、きちんと考えながら視聴できる子どももたくさんいます。「子どもに悪影響だから見せない」というのは違うのではないかと思います。(中学1年・女子・東京)

  • テレビ離れは「SNSの影響だ」と言われることが多いですが、むしろどの放送局も似たような内容を放送していることの影響のほうが大きいのではないでしょうか。実際に、同じ時間帯に3つの放送局がそろって衝撃映像の番組を放送していたことがあり、驚きました。(高校1年・女子・熊本)

<放送内容全般に関する意見>

  • 『月曜から夜ふかし』『Golden SixTONES』『しゃべくり007』(いずれも日本テレビ)など、スタジオセットが豪華な番組は面白いイメージがあります。特に『VS嵐』(フジテレビ・~2020年)のセットが一番好きでした。セットが豪華な番組をもっと増やしてほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 音楽番組全般で、よく画面の右上に「このあと〇〇!」と人気アーティストの企画が書いてありますが、もうすぐだと思って楽しみにしていても、結局トリまで待たされるケースがあります。「〇時〇分ころ」や「トリは〇〇」とあれば無駄な期待を抱かずに済むと思います。(中学2年・女子・東京)

  • AIがニュースを読むことが増えましたが、息継ぎがなく無機質で、発音がスムーズすぎて違和感があります。一生懸命ニュースを読んでいる感じがせず、立て板に水、心にも記憶にも残りません。なんだか人間味がなくなっていくような気がして寂しいです。(中学3年・男子・北海道)

  • 最近は何か作業をしながら片手間にテレビを見ることが多いので、時々目をやるくらいでも見続けられるような、ラジオのような番組がもっとあっても良いと思う。(高校2年・女子・東京)

<特定の番組に関する意見>

  • 『ファミリーヒストリー』(NHK総合)を視聴したときにあった「最初から見たい方はこちら」というQRコードは非常に良いと思います。民放でももっと普及すればいいなと思います。(中学3年・男子・東京)

  • 『魔改造の夜』(NHK総合)は不規則で放送されるので、次回いつ放送するのか分からず見逃すことが多いです。偶数月や4か月に1回放送するなど、期間を決めてほしいです。(中学3年・男子・大分)

  • 部活から帰ってきて時間があるときに『#バズ英語〜SNSで世界をみよう〜』(NHK Eテレ)をよく見ます。英単語を分かりやすく学んだり、発音を意識するゲームをしたりととても楽しく、言語を学べるバラエティー番組があったら良いなと思います。あるいは語学番組が講習会を開いて視聴者も参加できると良いと思います。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)で、リニア建設現場の立ち入り禁止エリアに潜入していました。立ち入り禁止エリアの潜入企画は知らない世界への視野が広がります。そこで紹介されている仕事の裏側は普段見ることができないため面白いです。今の時期だと、福袋の企画・福袋詰め・出荷・販売などを番組で紹介すれば興味がわきます。(高校3年・女子・長崎)

  • 「『サン!シャイン』(フジテレビ)3月で打ち切り」という文字をスマホに流れてくるニュースで見ました。あと3か月で終わると分かっている番組を、私たち視聴者はどのような気持ちで見ればいいのでしょうか。発表が少し早いのではないかと思いました。(高校2年・女子・熊本)

  • スーパー戦隊シリーズは50年の歴史に幕を下ろすというニュースが話題になったが、制作会社である東映が公式に発表する前にネットニュースやテレビのニュース番組で大きく報じられたことは個人的に好ましくないと感じた。明確な情報源がないのに報道していることがあるとわかり、テレビも含めたニュースメディアへの信頼感が少し下がった。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『プレバト!!』(毎日放送)の作品を生で見てみたいです。大分ではテレビ番組のイベントや公開番組はあまり行われないので、体験できる機会がありません。47都道府県でぜひ開催してほしいです。(中学1年・男子・大分)

<放送局への要望や意見>

  • 「ライオンが檻から脱走した」などというAIを使ったフェイクニュ―スが最近出回ったが、テレビ局関係者といった情報を伝える人はフェイクニュースを見分けられるようになってほしい。(中学1年・男子・福島)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『火星の女王』(NHK総合)
    現代に通ずる社会問題が描かれていてリアリティーがあり、とてもおもしろかったです。俳優の演技もとても良く、没入できました。親が「CGが分かりやすすぎる」と言っていて、たしかに煙や爆発シーンは現実味がないようにも感じました。(中学3年・男子・東京)

  • 『実証科学バラエティー 百聞はジッケンに如(し)かず』(NHK総合)
    顔を覚えて「平均顔を高める」ことは社会とのつながりを持つきっかけになり、人生にも深みが出ることが分かった。これからもいろいろな人と出会っていきたいと感じた。(高校3年・女子・徳島)

  • 『弾丸!空港トンボがえりツアー』(NHK BS)
    世界の空港を紹介してくれたので興奮が止まらない番組でした。ジブラルタル空港は映像で見るのは初めてで、将来行ってみたいという気持ちが強まりました。世界にある絶景の空港から不思議な空港、飛行機の墓場など、旅行で訪れるには難しい場所をぜひ紹介してほしいです。(中学3年・男子・大分)

  • 『ザ・タイムショックZ~雑学だらけの最強クイズ王決定戦SP~』(テレビ朝日)
    • 1問につき5秒で回答しなければならず、挑戦者の冷静さと知識が試されていてすごくスリリングだった。学歴を前に出すのはちょっとどうかなあ、と思っていたけれど、学歴の高い人に勝つ場面があると「よっしゃー!」という気持ちになる。やはりQuizKnockの2人の知識量は膨大で圧倒された。番組が復活して大変うれしい。また特番で放送してほしい。(中学2年・男子・東京)
    • 自分でも答えられそうな問題が多く、見ていて楽しいと思えました。時計のようなセットも斬新で新鮮に感じました。(高校1年・男子・神奈川)
  • 『秘密のケンミンSHOW極&見取り図の間取り図ミステリー合体2時間SP!』(読売テレビ)
    見取り図が好きなので初めて番組を見ました。怖い要素や不思議な要素があるのかなと思い楽しみにしていましたが、ミステリーというほどの印象はなくあまり面白いとも思いませんでした。(中学1年・女子・東京)

  • 『1×8いこうよ!』(札幌テレビ放送)
    アナウンサー2人が前に出ず、ヤマザキマリと大泉洋の会話を盛り上げる進行に好感が持てました。「油絵じゃ食べていけないから漫画を描いた」というヤマザキマリの現実的な生き方が心に響きました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『ABS news every.+どすこい青春相撲道~陽希とゆかいな仲間たち~』(秋田放送)
    30分のドキュメンタリーだったが、最初から最後まで陽希さんの良さがたくさん出ていておもしろかった。陽希さんの素直でコミカルな一面に思わず笑ったし、秋田西中の仲間たちの仲の良さも伝わってきた。仲間たちの話、特に幼稚園の頃から共に練習を続けてきた和琴さんからみた陽希さんの素顔も聞いてみたかった。(高校1年・女子・秋田)

  • 『子育て日記「乳幼児期から“おうち性教育”」』(山梨放送)
    子どもとかかわる仕事に将来就きたいので視聴しました。絵本と聞いて、身近なもので性教育ができることを知りました。性教育を始めるのは赤ちゃんの頃からという先生の意見にも驚きました。「性教育は権利を守ること」というポジティブなイメージが広がってほしいなと思いました。(中学3年・女子・山梨)

  • 『高校生のじかん』(九州朝日放送)
    他県の高校生もハマっていることや悩み事(恋愛)は同じなんだなと思いました。特に良かったのは「推し活」をしている人たちで、すごくいきいきとして映りました。推しの存在は偉大だなと改めて思いました。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『若っ人ランド』(テレビ熊本)
    どの高校生にも必ず小さな願い事はあると思いますが、その夢を番組が本気で叶えてくれるドリーマー企画が好きです。夢を語るキラキラした高校生の目も印象的です。(高校1年・女子・熊本)

  • 『東野山里のインプット』(BSよしもと)
    作家「中島らも」と代表作「ガダラのブタ」についてゲストがプレゼンしていたが、ペンで文字のみを書いたスケッチブックを捲りながら話すだけという点が印象的だった。ひたすらにプレゼンターとMC二人の会話に耳を傾ける番組は、まるでラジオのようで新鮮だった。情報量を絞って、端的で気軽に新たな知を得られる番組は良いと思った。(高校2年・女子・神奈川)

◆委員のコメント◆

【最近「この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!」と思った番組について】

  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)を視聴した中学1年生の報告に「伏線を張るスタッフがとてもすごいと思う」とあった。番組制作の裏側に興味がある中高生は多いようだが、中高生らしい意見だと思う。

  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)を視聴した中学2年生の報告に「映画を見ているようなスリル感」とあった。制作費は厳しいかもしれないが、こういったスケール感も中高生には刺さるのだと分かり興味深い。

  • 『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日)について高校2年生から報告があったが、どういう形でキャストを入れ替えるのか私も気になっていたので「よく考えたな」と思った。子どもの頃に見ていた『超電子バイオマン』(テレビ朝日・1984年放送)でも出演者の急な交代があったが、怪人に殺されて変身後の姿のまま葬式が行われたのは子ども心にトラウマで、そのことが頭をよぎりながら視聴していた。ただハプニングはテレビの面白さの本質でもあるので、ここを面白がる視点は良いと思う。

【自由記述について】

  • 『#バズ英語〜SNSで世界をみよう〜』(NHK Eテレ)について高校2年生から報告があったが、ネットでは海外のコンテンツを見ることはできても、日本と海外との橋渡しをするようなコンテンツはなかなかないので、そういった分野はテレビやラジオに頑張って制作してほしい。

  • 高校2年生の報告に「時々目をやるくらいでも見続けられるような、ラジオのようなテレビ番組がもっとあっても良い」とあったが、「詰め込み過ぎではない、抜けがある番組」が求められているのだと思う。情報を詰め込むテレビの編集技術が今ではネットにあふれ返っていて、逆に若い人はテレビに違うものを求めているのかもしれない。

  • 高校2年生の報告に「あと3か月で終わると分かっている番組を、私たち視聴者はどのような気持ちで見ればいいのでしょうか」とあった。大人は「そういうものだ」と思って番組終了の報道に接しているが、よくよく考えたら確かにそうだなと、大人の常識を揺さぶるような意見だと思う。また別の高校2年生のモニターも、スーパー戦隊シリーズの終了について制作会社の公式発表前にネットやテレビが大きく報じたことを「個人的に好ましくない」と報告していた。元放送作家の鈴木おさむ氏は年末に自身のXアカウントで「悲しく終わるような番組がないことを願いたい」と投稿していたが、“番組の終わらせ方”は制作者たちが今後真剣に向き合うテーマになると思う。

今後の予定について

次回は2026年1月27日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

2025年11月28日

静岡・山梨地区のテレビ・ラジオ各局との意見交換会を開催

放送倫理検証委員会は11月28日、静岡・山梨地区のテレビ・ラジオ局9局24人と意見交換会を開催した。委員会からは小町谷育子委員長、岸本葉子委員長代行、高田昌幸委員長代行、水谷瑛嗣郎委員が出席した。大日向雅美理事長は「ソーシャルメディアと選挙報道」「番組と広告の識別」という2つのテーマについて「放送が信頼されるメディアであり続けるための重要課題だ」と位置付けた。小町谷委員長は、静岡放送制作『無限の檻~袴田巖さんと再審~』が日本民間放送連盟賞のテレビ・グランプリを受賞したことに触れ、死刑冤罪問題を広く問いかけた意義を評価。そして今回のテーマを通じて現場の悩みや疑問を共有し、解決の糸口を探る場にしたいと期待を述べた。

第1部は「ソーシャルメディアと選挙報道~DPFの正体を知ること」をテーマに水谷委員(慶應義塾大学准教授)が基調講演した。現在、報道はソーシャルメディア上で消費されることが増加し、情報流通の経路を握るDPF(デジタルプラットフォーム)事業者は、アルゴリズムによるレコメンドやコンテンツモデレーションで情報を選別・削除する。これは国家に匹敵する力とも言われている。アメリカの法学者ケイト・クロニックは彼らを「ニューガバナー=新たな統治者」と指摘した。
日本の最高裁の判決でも、グーグル検索は「情報流通の基盤として大きな役割を果たしている」と認められる一方、ツイッター(現X)は「情報入手の手段を提供する」としか位置付けられていない。「国民の知る権利に奉仕する」という言葉は報道機関には使われても、プラットフォームには使っていない。つまり最高裁が両者を区別していると話した。
プラットフォームの第一義的役割はユーザーの「知りたい」を満たすこと。検索エンジンやソーシャルメディアはユーザーの好みを予測して表示順を決めるが、報道機関が民主主義に必要な情報を提供するのとは性質が異なるという。ソーシャルメディアは「歪んだ鏡」とも言われ、少数の極端な声が炎上やトレンドを通じて大きく可視化され、社会の実像のように見えてしまう。アテンション・エコノミーの構造により、誤情報や陰謀論が拡散しやすく、怒りなど負の感情が注目を集めやすい。結果として誤情報から利益を得る構造が生まれ、正確な情報を出すインセンティブが失われている。真面目な調査報道よりも、誤情報や陰謀論を流す方が「いいね」を稼ぎやすいという現状が課題だと指摘した。

選挙とアテンション・エコノミー
兵庫県知事選で、立花孝志氏の動画や切り抜きがYouTubeで圧倒的な再生数を稼ぎ、他のニュースチャンネルを凌駕した点を例示。報道の空白や極端な主張が再生数を稼ぐアテンション・エコノミーの構造が背景にある。また東京大学の研究によれば、ショート動画より長尺動画の方が選挙関連で再生数を伸ばしており、伝統メディアの公式チャンネルが苦戦しているのは単なるショート動画不足ではないことも示しているという。
アテンション・エコノミーの起源は新聞で、その後ラジオやテレビの視聴率競争へ広がり、現在はインターネットへ。「参入障壁が低いため誰でもコンテンツを作れるようになり、生成AIの登場で刺激的なコンテンツはさらに増え競争は激化した」という。ネットにはガバナンスなどの十分な仕組みがなく、思想の自由や熟考の機会が失われる危険があり、「静寂や熟考の機会がなければ思想の自由は空虚なものに成り下がる」とするアメリカの判例を紹介した。
放送局や新聞社はアテンション・エコノミーから距離を取り、信頼性の高い情報をどう維持・流通させるかが使命となる。具体的には、信頼性の高い情報を目立たせる施策(プロミネンス)や、広告主に対して「自分の広告がどんなコンテンツに出ているかをもっと気にせよ」と促すガイダンスが重要。広告主がソーシャルメディア上の誤情報やヘイトスピーチに無関心である状況は改善されるべきだとした。

基調講演を受けて参加局との間で「切り抜き動画の拡散と誤情報への対応」や「SNS規制の必要性」をめぐる意見交換が行われた。参加者からは「切り抜き動画が拡散され、選挙報道のアプローチが難しい。結局は地上波とネットで正確な情報を発信し、誤情報があれば訂正するしかないのでは」や「公職選挙法は形骸化し、正直者が馬鹿を見る状況。SNS規制を政治家が真剣に考えないと解決しない」などの質問があった。
水谷委員は「規制は内容次第。公平性原則の義務付けは表現の自由の観点から難しい。実名制も万能ではなく、必要なのは情報の成分表示や偽情報に広告収益が流れる環境の是正。広告主や教育も含めた取り組みが不可欠」と応じた。また高田委員長代行は「ネット上の表現はプラットフォームやSNS事業者が一方的に規制すべきではない。匿名性は重大な権利。規制は国家に利用される危険がある」と規制論については反対。一方で「安易なSNS言論との差別化を図るため、なぜ報道するのかといった理由説明と取材プロセスの可視化が重要」とオープンでフェアな報道が必要だと提言した。

また、小町谷委員長から、参院選の選挙報道で注目された「量的公平性から質的公平性」への転換について説明があった。2017年2月にBPOが公表した「2016年の選挙をめぐるテレビ報道についての意見」では、2016年参院選で放送局が量的公平性に過度に配慮していたことや公職選挙法が「事実に基づき編集する自由」を保障しているにもかかわらず、放送局の認識が不十分である点を懸念。そこで①編集準則は倫理規定であることの再確認、②公職選挙法に基づく編集の自由の周知、③量的公平性と質的公平性の整理、の3点を提示した。小町谷委員長は、「この立場は現在も有効であり、選挙報道の充実に資するものと考えている」と述べた。

続いて、第2部は「番組と広告~『熱狂マニアさん!』から見えた考査と識別の重要性」をテーマに高田委員長代行(東京都市大学教授)が解説。BPOは2025年7月、TBSテレビ『熱狂マニアさん!』に対し、放送倫理違反があったとする意見書を公表した。この事例は、番組と広告をどのように考査し、識別していくべきかという課題を投げかけ、視聴者の信頼を守るためには、番組と広告の境界を明確にすることが不可欠であるとしている。担当した高田委員長代行が意見書を解説する。
『熱狂マニアさん!』は「熱狂的なマニアを発掘し、その愛を語ってもらうバラエティー番組」。事案は2024年10月19日放送の2時間特番『X社マニア集結!1万点からベスト3…名もなき家事が今夜消滅!』の放送回。番組全編がX社特集となり、7人のマニアが登場し、中心となった4人が47点の商品を紹介した。
テロップには商品名、税込価格、配送料、在庫状況まで表示され、出演者は「即買いに行きたい」「絶対X社に行きたい」と発言。冒頭でX社を含む3社の企業名が提供スポンサーとしてテロップで表示された際には、スタジオのマニアたちが「X社」と連呼する映像が使われ、画面には常時X社のロゴが表示された。さらに本編直後にはX社のCMが続けて放送され、番組内には「X社にひと言」や「買う/買わない判定」コーナーも設けられ、ほとんどが「買う」と判定された。結果として、番組全体が企業宣伝のような構成となっていた。委員会は「スポンサーの意向に沿って制作されていると受け取られれば、放送局への信頼は低下する」と結論づけた。スポンサーの意向を優先した番組だと視聴者に思われること自体が危険であり、放送に携わる者はその点を再考すべきだとした。

意見書で指摘した3点

  1. 識別の甘さとして、番組は価格や注文情報まで表示し、番組と広告の境界認識が不十分であったこと。

  2. X社がスポンサーであることが営業から制作に正しく伝わっておらず、本編直後にCMが流れる事態となった。

  3. 考査は2回行われたが、完パケ全体を精査する仕組みがなく、ロゴ常時表示や詳細テロップが見逃され、考査が「最後の砦」として機能しなかった、などをあげた。民放連の留意事項(2017年公表)は「意図がなくても誤解されてはいけない」と強調している。広告と誤解されないためには、①番組で取り扱う理由が明確であるか、②一方的なPRになっていないか、③企業側の協力を得ている場合はその旨を説明しているかなどが判断基準となると説明した。そのうえで「民放には公共性があり、広告と誤解されれば番組価値も広告価値も下がる。スポンサーの意向に左右されていると受け取られたら、放送局への信頼は失われる。だからこそ識別を徹底し、誤解されない番組を制作する必要がある」と話した。

参加者からは、営業から持ち込まれるテレショップ的番組を拒否した事例やスポンサー提供のインフォマーシャルを「広告」と判断し放送不可にしたこと。スポンサー要望を取り入れつつ番組価値を高める工夫を意識していることなど、広告と番組の境目を意識しながら、時に持ち込み番組を謝絶した事例などが報告された。
高田委員長代行は「テレビが金銭で動くと思われるのは危険。視聴者に説明できるかが全て」と答えた。
また2つのテーマとは別にそのほかのテーマとして「記者の安全と誹謗中傷問題」について参加者から発言。報道現場の記者がSNSで個人情報や写真をさらされ、中傷や差別に苦しみ辞職や休職に追い込まれる実態を説明。公共性と公平性を担う報道が匿名攻撃にさらされ、若手記者が委縮し志望者も減少している現状をBPOに理解してほしいと訴えた。

これを受けて岸本委員長代行は「被害に遭った人がすぐ相談できる局内の仕組みづくりと、局単独の経験値では限界があるため横断的な対応体制を強化すべきだ」とする意見を紹介。小町谷委員長は「記者を守る姿勢がなければ人材が辞める。弁護士を組み込んだ体制づくりが有効。こういった問題自体を報道すべき」と話した。また高田委員長代行は、新聞社時代の経験から「現場を守る姿勢を上層部が日常的に示すことが重要」。水谷委員は「誹謗中傷対策は慎重な制度設計が必要。プラットフォームの免責見直しも検討すべき」とそれぞれ語った。
小町谷委員長は「地域局ならではの独自制作の可能性」を示唆し、意見書が番組作りの参考になればと述べた。幹事社から「BPOをよき相談相手と感じた」との挨拶があった。
最後に地元局の幹事社を務めた静岡放送の編成業務局・アナウンスマイスターの野路毅彦さんから閉会の挨拶。山梨県からの参加局に対し、時間をかけての出席に謝意を表した後「皆さまのお話を伺い、私たちの職場は優先順位があらかじめ決まっている単純な場ではなく、迷ったり悩んだり、ときにははみ出すこともあるのだと改めて感じました。これまではBPOを『生徒指導の先生のように叱る存在』と思っていましたが、こうして直接意見交換をすると『よき相談相手』という印象を強く持ちました。」と結んだ。

以上

2025年12月に視聴者から寄せられた意見

2025年12月に視聴者から寄せられた意見

年末に各社がスペシャル編成した番組に対してさまざまな意見が寄せられました。

2025年12月にBPOに寄せられた意見の総数は、1,827件で、先月から1,494件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 85.8% 電話 13.3% 郵便・FAX 0.9%
男女別は、男性 55.9% 女性 22.8% 無回答 21.3%で、世代別では10代 1.6% 20代 9.1% 30代 16.4% 40代 22.0% 50代 34.2% 60代 14.1% 70歳以上 4.0%
視聴者意見のうち個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。12月の個別送付先は31局で意見数は437件でした。放送全般に対する意見は115件でその中から15件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

年末各社のスペシャル編成の番組に対してさまざまな意見が寄せられました。ラジオに関する意見は67件、CMについては12件でした。

青少年に関する意見

2025年12月中に青少年委員会に寄せられた意見は42件で、前月から34件減少しました。
今月は「表現・演出」が16件と最も多く、次いで「要望・提言」の15件、「報道・情報」の4件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 大みそか恒例の歌番組の出演者選定をめぐりネット上で抗議の声があふれていた。2025年は原爆、終戦から80年の節目の年であり放送局が関連する番組を多数放送してきたということも抗議の声の背景にあるのだろう。出演者選定の判断についてもう少し詳しく丁寧な説明があってもよかったかもしれないと思った。

  • 年末政治家が出演するトークバラエティーが多かったと思う。バラエティーなので厳密な政治的公平性は求められないのかもしれないが出演者選びには配慮が必要なのだろうと感じた。

  • 元首相を銃撃した被告の裁判が続く。犯行動機に迫ろうとする報道は重要だが被告の供述や家庭環境について同情的に伝える番組が多く疑問を感じている。殺害という行為の重大性が薄らいでしまわないだろうか。

  • 昨年は高温の影響で米は不作になると各社報道していたが収穫が終わってみれば前年を上回る高水準だった。米だけでなくほかの作物についても言えることだが不作のおそれがあると喧伝することによって価格の高騰に拍車をかける結果となっていないか。昨年の米についての報道を題材に伝え方を検証してほしいと思う。

  • サウナに閉じ込められ2人が死亡した事件。必死に脱出を試みながら力尽きた2人の、生前の幸せそうな写真を何度も繰り返し使うことに違和感を覚える。

  • 反戦報道、ドキュメンタリーの数が少ないと感じる。子ども達や若者が軽い気持ちで戦争を支持することのないよう、反戦メッセージを伝える放送を繰り返すべきだと思う。日本の報道は海外と違ってバラエティーや芸能人の話題が多すぎる。

  • 核武装をめぐるオフレコ発言問題。オフレコを破る際の判断基準や発言の一部切り取りによる印象操作を防ぐ編集方針、報道による影響をどのように考えるかなどについて、メディア各社から説明を聞きたいと思う。

  • 街頭インタビューをはじめ外国語を話す人の音声を完全に消して日本語訳の字幕だけにしている番組があるが、実際に話していることと日本語訳とが一致していることを確認できるように音声は残して放送した方が良いのではないか。

  • ネットで簡単に見られる衝撃動画をVTRとして流してスタジオの出演者がコメントをつけるというスタイルの番組が目立つ。ネット動画を見せるだけの番組に存在意義があるのか疑問。

  • 一般の人が番組に出るときに氏名や学校名などをそのまま出すことに不安を感じる。SNSなどによって個人の特定は可能だし誹謗中傷の的になるかもしれないからだ。

  • 高学歴の芸能人を揃えて競わせるクイズ番組が多いが、学歴にとらわれない多様な出演者によるクイズ番組、難問ばかりでなく子どもも楽しめるような問題を出すクイズ番組を見たいと思う。

  • バラエティー番組などでよく使われる観客の効果音に違和感。実際にはその場に観客がいないにもかかわらず歓声が上がっているかのように演出するのは不自然だと思う。

  • クリスマスが近づくとラジオから流れる曲はクリスマスソングばかりでそれ以外の歌をリクエストしても採用してくれない。トークの話題もクリスマスにまつわることばかり。クリスマスとは無関係だと思っている人間にとっては本当につまらない。腹が立つ。

  • 障がい者に対する人権侵害がなくなるように啓蒙する番組の制作を一層推進してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のバラエティー番組のVTRのなかで、父親に髪を三つ編みにしてもらうため椅子に腰かけた9歳女児の膝頭に、リポーター役のベテラン芸人が臀部を擦り付けた。女児は「怖かった」と言ったが、芸人は「ギャグやねん」と笑いをさそう演出にされた。放送の倫理観が相当低いと思う。

【「要望・提言」】

  • 週末の情報バラエティー番組に学歴詐称疑惑で市長職を失った女性がVTR出演した。市長になるのに学歴は問わないと思うが、番組でまるでスターのように取り上げるのは不快だ。報道として伝えるのは仕方ないが、このような扱いはやめてほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 若者の犯罪や違法行為を報じることが多いが、いまの10代は新型コロナの流行で学校に行けず、社会性を十分学べなかった世代だ。社会性が劣っていると指摘する教員もいる。若者の犯罪報道はその背景にまで踏み込んだものにすべきだ。

【「推奨番組」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ドラマ。19歳の女性俳優が降板し、代役の俳優が初登場するシーンで、作品の世界観に照らして違和感のない理由で顔と声が変わったことを説明した。メインの視聴者である子どもたちに俳優が交代した理由をうやむやにしない制作側の対応に好感を持てた。

【「言葉」に関する意見】

  • 特定の番組ではないが、出演する芸人が「殺すぞ」という言葉を安易に使うことがある。命を軽んずる発言だと憂いている。「殺す」を軽々しく使う風潮には警鐘を鳴らす必要があるのではないだろうか。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組のドッキリ企画で、殺陣の最中に男性の急所を突く行為が笑いの演出としてあった。安全性を確認した上での番組収録だったとしても、深刻な損傷を生みかねない危険なものだ。子どもが模倣するリスクもある。実害防止の観点からも、同様の演出には慎重な判断を願いたい。

2025年12月26日

2025年12月26日

年末年始のBPOの業務について

BPOでは、2025年度年末年始の業務対応を次のとおりといたします。

  • 業務は、年内は12月26日(金)まで、新年は1月5日(月)からです。
  • 電話でのご意見は、12月26日(金)~1月5日(月)録音により受け付けます。
    投稿フォーム・ファクス等の受信は行いますが、対応は1月5日(月)の業務再開後となります。
  • 放送人権委員会のお問い合わせ電話は、年内は12月26日(金)まで、新年は1月5日(月)からです。

第346回

第346回 – 2025年12月

「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理…など

議事の詳細

日時
2025年12月16日(火)午後4時~午後7時15分
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1.「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理

申立ての対象となったのは、福岡放送が2025年4月13日と20日に放送したバラエティー番組『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』の「命の危機…ゴミ屋敷大掃除!」で、視聴者からの依頼を受けて、高齢の親族が住む民家の大がかりな清掃を行い、その模様を放送した。
これに対し、当該民家の住人が、番組は臭いや不衛生な状態が過度に強調される形で顔出し・実名・モザイク処理なしで放送され、尊厳が著しく損なわれ人権を侵害されたと申し立てた。さらに、番組の収録過程において、住人にとって重要な物品がなくなったと主張している。
また、他の親族2名は、番組内で幼少期の写真が承諾なく使用されたり、プライベートな事実が本人の同意なく放送されたことなども権利侵害にあたると訴えている。
放送局は一部配慮が足りなかったことなどを認め謝罪したが、これら3名の申立人は納得せず、双方の交渉が不調に終わったため、9月の委員会で審理入りするか否かを検討した結果、審理入りすることを決めた。
今回の委員会では、起草委員作成の論点と申立人・被申立人双方への質問項目案について議論し、次回委員会でヒアリングを行うことを決定した。

以上

第213回

第213回–2025年12月

静岡・山梨地区意見交換会の報告

第213回放送倫理検証委員会は、12月12日に千代田放送会館で開催された。
11月28日に静岡・山梨地区の放送局を対象に開催した意見交換会の様子と事後アンケートの集計結果などが報告された。
11月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
来年の2月27日に「BPO事例研究会」を開催することが決まり、対象事案の担当委員に準備をするよう伝えられた。

議事の詳細

日時
2025年12月12日(金)午後4時~午後5時
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 静岡・山梨地区意見交換会の報告

放送倫理検証委員会は、2025年11月28日に静岡・山梨両県のテレビ・ラジオ局を対象に静岡市で意見交換会を実施し、9局24人が参加した。委員からは「生で現場のみなさんのお話を聞いたのが新鮮であり、考えさせられたことも多かった」などの感想が報告され、事務局から事後アンケートの集計結果などが説明された。意見交換会の詳細はこちら。

2. 11月の視聴者・聴取者意見を報告

11月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、複数の情報番組において出演者の言動に関して不適切と批判するものが多数あった。20代のタレントが“一発ギャグ”と称し、高齢者に暴力を振るうような動作をともなって替え歌を歌ったことを批判する意見が数多く寄せられた。また国会での高市総理に対する野党議員の質問に絡んで、番組司会者らが「いま政権をたたくのは相手の思うつぼ」「いま高市総理を批判する言動をするのは日本人ではないのではないかという気すらする」などと語ったことについて、「報道を委縮させ、健全な民主主義を阻害する」「戦時中にあった『非国民』という言葉を思い出させる」などと批判する意見が多数あった。

3. その他

2025年度下期の第22回「BPO事例研究会」は、2026年2月27日(金)に千代田放送会館で開催することになった。今回対象となる事案は委員会決定第47~49号で、それらの担当委員は準備を進めることなどを確認した。

以上

2025年10月14日

2025年10月14日

BPO3委員会合同意見交換会を初開催

BPOでは初の試みとなる、3つの委員会合同の意見交換会を10月14日に東京で開催、会場・リモート合わせて約370人が参加した。「ソーシャルメディア時代の新選挙報道」と「放送現場からの人権意識改革」をテーマに放送局やBPO委員による報告や提言をもとに活発な意見交換が行われた。詳細はこちら。

2025年10月14日

BPO3委員会合同意見交換会を初開催

放送界が直面する課題について議論を深めることを目的に、放送倫理検証委員会・放送人権委員会・青少年委員会の3つの委員会の合同意見交換会を10月14日に千代田放送会館で開催した。テーマは「ソーシャルメディア時代の新選挙報道」と「放送現場からの人権意識改革」の2つで、会場・リモート合わせて約370人が参加し、放送局からの報告とBPO委員による提言をもとに、3委員会の委員長と会場の放送局からの参加者等の間で活発な意見交換が行われた。BPOでは毎年、各委員会が全国各地で意見交換会を行っているが、3委員会が合同で意見交換会を開くのは今回が初めて。

【大日向雅美理事長あいさつ】
BPOの3委員会合同意見交換会の開会にあたりましてひと言ご挨拶申し上げます。BPOの3つの委員会、放送倫理検証委員会、放送人権委員会、青少年委員会はそれぞれが個別に加盟社のみなさまと毎年意見交換会を行っておりますが、今年は新しい試みといたしまして、3つの委員会が合同で加盟社のみなさまと放送界共通の課題について意見交換を行うことといたしました。本日の合同意見交換会は2部構成で行います。第1部は「ソーシャルメディア時代の新選挙報道」をテーマに今年夏の参議院選挙の報道を振り返り今後の選挙報道のあり方、放送の役割・課題について意見交換を行います。第2部では「放送現場からの人権意識改革」をテーマに放送現場での人権尊重について議論します。3委員会合同意見交換会が放送界にとって有意義な場となりますことを願います。

【第1部「ソーシャルメディア時代の新選挙報道」】

第1部では「ソーシャルメディア時代の新選挙報道」をテーマに、放送現場からの基調報告、委員による提言、そして質疑応答へと議論が展開された。冒頭、TBSテレビ報道局政治部の岩田夏弥部長が先の参議院選挙での「質と量の選挙報道改革」について報告。続いてNHK報道局選挙プロジェクトの坂本直樹副部長からは、ネット上の誤情報対策として、事前に検証・解説記事を発信する「プレバンキング」などが報告された。放送倫理検証委員会の水谷瑛嗣郎委員は、ネット空間に広がる「アテンションエコノミー」との距離の取り方がメディアの経営的課題であると提言。青少年委員会の池田雅子委員は、記者への誹謗中傷対策として「組織的支援と業界横断の取り組み」の重要性を強調した。これらの報告・提言を受け、参加者からは具体的な事例を踏まえた多様な質問が寄せられ、活発な議論が行われた。

<基調報告1:質と量の選挙報道改革 TBSテレビ 政治部長 岩田夏弥氏>
私は1998年に入社し、小渕政権以降の政治を取材してきました。印象深かったのは2つ。1つは2015年の安保法制の国会審議。官邸キャップとして、毎日委員会を見てニュースを書き、濃密な時間を過ごしました。もう1つは2020年の米大統領選。ワシントン支局長として、トランプ氏が選挙の正当性を否定し、翌年には議会乱入事件が起きるという、「本当にここが民主主義の最先端の国なのか」と疑う場面を目の当たりにして、本当に驚きでした。そうした中で、政治とメディアの関係とか、選挙と民主主義とかを常々考えながら仕事をしてきました。今回の参議院選挙は、全国の放送局が「あるべき選挙報道とは何か」を考え、従来とは違う放送や取り組みをされたと理解しています。TBSとしての事例を紹介しますが、他局の皆さんの取り組みもぜひ共有していただければと思います。

▼過去の選挙報道の反省点
私たちが反省したのは、昨年の都知事選と兵庫県知事選。都知事選では、報道が小池百合子氏と蓮舫氏の構図に偏り、結果的に石丸伸二氏や安野貴博氏の躍進を十分に伝えられなかった。兵庫県知事選では、告示後に報道量が激減し、SNS上の真偽不明な情報が拡散。放送局としての役割を果たせたか、深く考えさせられました。そうした中、SNSで起きている「言説」を無視するのではなく、対話していく必要性があるのではと考えました。そこで、BPOが2017年に発表した「2016年の選挙をめぐるテレビ放送についての意見」が非常に参考になりました。選挙報道に求められるのは量的公平性ではなく質的公平性、つまり、候補者の政策や資質を偏りなく伝え、明確な論拠に基づく評論をすることだと。8年前のものですが、衝撃というか感銘を受けました。意見書の最後には、憲法が保障する表現の自由、番組編集の自由を活かし、量と質の両面で豊かな選挙報道をとあり、質的公平性を担保するには量も必要だと痛感しました。限られた情報だけでなく、多様な視点を伝えることで、質的公平性が実現する。だからこそ、告示後も報道量を確保することが大切だと考えました。

▼事前報道の量の充実
TBSでは、事前報道の充実に力を入れました。報道番組だけでなく情報番組とも連携し、「選挙の日その前に」という企画で、投票日前日まで選挙を扱いました。特番は組めませんでしたが、投票1週間前の『Nスタ』では、ほぼ全編を選挙特集に。さらに、各党幹部へのインタビューを地上波では一部放送し、YouTubeや『NEWS DIG』(TBS系JNN28局のニュースサイト)ではノーカットで配信しました。私自身も見て驚いたのですが、30分じっくり話を聞くと、ニュースでは見えない表情や人柄が伝わってきて、政治家への理解が深まりました。どの党の幹部も魅力的で、それぞれの立場で政治を担っていることがよくわかりました。今回の参院選を振り返ると、各局が事前報道に力を入れ、BPOの理念にある「視聴者との信頼関係」「自律的取り組み」を実践したと思います。業界にとって分岐点だったのではないでしょうか。今後の衆院選・参院選にも引き継がれ、さらに進化していくはずです。

▼自由と権利を守るため、不断の努力を
最後に少しだけ憲法の話を。私は第12条が好きです。「自由と権利は、国民の不断の努力によって保持されなければならない」。つまり、自由や権利は当たり前にあるものではなく、日々の努力で守るもの。選挙報道に取り組むことも、その不断の努力の一つだと思います。謙虚に、誇りを持って、民主主義の発展に貢献していきたいと思っています。

<基調報告2:ネット空間に信頼できる情報を ~2025参院選での取り組み~ NHK 報道局選挙プロジェクト副部長 坂本直樹氏>
私たちの部署は国政から地方選まで選挙報道のレギュレーションづくりや管理を担い、政治部だけでなく全社的に関わる選挙報道のハブのような役割を果たしています。私は1994年入局で東京と地方を行き来しながら、2005年の郵政解散以降の国政選挙に多く関わってきました。ここ数年、選挙報道は大きく変化しています。ネットやSNSの影響が拡大し、私たちも報じ方を見直す必要があると感じ、改革に取り組み始めました。今日は参院選でのネットを中心とした新たな取り組みをご紹介します。

▼第一声のノーカット配信とテキスト化
まず重視したのは、事前報道の「質と量」の充実です。これは兵庫県知事選の反省やBPOの「量的公平から質的公平へ」という考え方を踏まえたものです。ネットの特性を活かし、政党や候補者の訴えをできるだけ余さず伝えることを目指しました。具体的には、候補者の「第一声」街頭演説をノーカット動画と全文テキストで掲載。話し方や表情も含め、有権者が自分で判断できるようにしました。演説の長さに関係なく全体を伝えることで公平性を担保し、テキストマイニングや構成分析も併せて掲載しました。さらに、全候補者と政党にアンケートを実施し、政策への考えを可視化。党派別の集計も紹介し、第一声と合わせて候補者情報を多角的に伝えました。選挙の争点についても、物価高やコメ価格高騰、防衛力強化、憲法改正、皇位継承など17のテーマを選び、ファクトに基づいた解説記事や動画を掲載しました。SNS選挙の実態にも注目し、政党や候補者の活用状況、フィルターバブルの影響、注意点などを分析。発信側と受け手側、両方の視点から課題を伝えるよう努めました。

▼プレバンキングによる誤情報対策
ネット上の誤情報対策としては「プレバンキング」に取り組みました。拡散が予想されるテーマについて、事前にファクトベースの記事を出してある意味“免疫”をつけてもらう狙いです。例えば外国人の生活保護やこども家庭庁の予算などを取り上げました。加えて「選挙の前に確かめて」と題し、ネット情報と向き合う5つのポイントを専門家が解説する記事や動画も公開しました。選挙期間中には、外国人に関する真偽不明な情報が多く出回りました。例えば「留学生が非常に優遇されている」「外国人の国民保険未納」「外国人の生活保護は憲法違反」といった主張について、検証する記事を掲載しました。後半には埼玉県川口市のクルド人問題や治安悪化、不法残留、不起訴率の話題も増えたため、それらも検証し、支援団体の声も紹介しました。また、毎回出てくる「不正選挙」説、「期日前投票の用紙が書き換えられる」といった話にも対応し、検証記事を出しました。ファクトチェックは記事だけでなく、第一声の全文テキストにも注釈や参考リンクを付けて対応。例えば「選択的夫婦別姓」については、事前に用意した解説記事に誘導する形で、正確な理解を促しました。こうした事前準備が、実際の選挙期間中に大いに役立ちました。

▼透明性の高い報道を
最後に、ネット空間で正しい情報を届けることの難しさについて。NHKの世論調査では、投票で重視するテーマは物価高や社会保障でしたが、ネット上では外国人問題が終盤にかけて急上昇。ネットの声と実際の世論の乖離をどう扱うかは、今後の大きな課題です。ファクトチェックで誤りを指摘すればするほど、発信側の養分、ガソリンになってしまう。だからこそ根拠を明確に示し、「わかっていること」と「わからないこと」を区別した透明性の高い報道が、これからますます求められると感じています。

<委員提言1:デジタルメディア環境における放送局とニュースの役割 放送倫理検証委員会 水谷瑛嗣郎委員(慶應義塾大学准教授)>
私は憲法が専門で報道の自由や表現の自由を中心に研究してまいりました。日本でもソーシャルメディアにおけるコンテンツの影響は無視できない大きな力を持ち、プラットフォームを管理している事業者の影響力も非常に重要な論点です。情報流通プラットフォーム対処法ができましたが、その前提となった違法有害、誹謗中傷の対策のワーキンググループや、最近のデジタル広告のワーキンググループでも議論をさせていただいています。

▼報道機関とプラットフォームの機能の違い
表現の自由と、報道や放送の自由は、判例を見ると違いがあります。表現の自由は、個人の発信あるいは知る自由、いろんな情報を摂取する自由と憲法上認められています。報道の自由は国民の知る権利に奉仕するという機能を核にして、一種の手段として位置付けられてきたと思います。
放送にせよ新聞にせよ、今はもう媒体としての優位性が残念ながらなく、ソーシャルメディア事業者がその流通を担っています。ソーシャルメディア事業者は「情報環境形成力」を持っています。ソーシャルメディアのフィードの形をデザインし、フィードに何が上がってくるかを決めるアルゴリズムにおいてどんな要素を優先するかのデザインもしています。アメリカの法学者のケイト・クロニックは、プラットフォーム事業者は「ニューガバナー」、国家に匹敵するような情報環境の管理をしていると指摘しています。では日本の最高裁はどうみてきたか。グーグルやツイッター(現X)に関して、最高裁の判例があります。グーグルはインターネット上の情報流通の基盤だと指摘し、ツイッターは、利用者に対して情報発信の場やツイートの中から必要な情報を入手する手段を提供していると指摘しています。ただ、これら最高裁判決には、報道の自由のために議論されてきた国民の知る権利に奉仕するという言葉がありません。検索エンジンで情報を調べる人は多いわけですから、グーグルも国民の知る権利に奉仕していると考えるのが自然ですが、判例の中には出て来ない。報道機関とプラットフォームは憲法上、違う機能を担っているのだと思います。

▼「アテンションエコノミー」がもたらす情報環境の変化
ソーシャルメディアを運営しているプラットフォームには「アテンションエコノミー」と呼ばれる経済原理があります。経済学者のマシュー・ハインドマンが指摘したもので、デジタル社会での生き残りは「粘着性」、くり返しサイトを見続けたりクリックしたりする性質に左右されるというものです。アテンション=注目という資源は希少です。睡眠を取ったりご飯を食べたりという時間を割いていくと自由にできる時間というのは多くない。それをデジタル社会は取り合っています。注目を引くことで広告収入を得てプラットフォームは成り立っています。
注目は外部からの刺激に弱いということも指摘されています。「アテンションエコノミー」の世界では、残念ながら、コンテンツの中身の正確性とか社会的価値とか、情報源が確かなものかという点は重視されません。いかにページビュー(PV)を稼ぐか、クリック率を上げるか、インプレッション数を上げるかが重要になっていきます。中身が偽情報であろうと、刺激を与えてPVを稼げるならばそれでいいと考える人たちが出てきます。受け取るほうが真偽をちゃんと確認し、騙された場合の責任はあなたが負ってくださいという世界観が加速していると指摘されています。そうしたプラットフォームの機能と、国民の知る権利に奉仕する報道機関の機能には距離があると思っております。

▼信頼される報道の条件とこれからの仕組みづくり
報道もアテンションを手段としなければならない部分もあります。クリックを誘うために大げさなタイトルを付ける「釣りタイトル」が問題になったのも「アテンションエコノミー」的な問題で、報道機関も注意してやっていかなきゃいけない。しっかりしたニュースや報道とは何かを政府が決めることになると、恐ろしいことになる。報道機関が自律的かつ大学なども含めたマルチステークホルダーで決めていくことが、今後、必要になるかもしれません。プロとしてのジャーナリズム倫理をどうやって客観的に評価するか非常に難しい。そこで最近、注目している仕組みをご紹介します。国境なき記者団(RSF)が取り組んでいる「ジャーナリズム・トラスト・イニシアティブ」です。一種の認証の仕組みになっていて、18個の評価項目に関してメディア事業者が自己評価し、それを第三者機関が認証するものです。放送局のアカウンタビリティ、訂正放送の仕組みといった説明責任を果たすことが挙げられています。こういう仕組みを参考にしながら、指標作りに取り組んでいただくことが重要なのではないかと思います。
最後に、現場の編集部門だけではなく、経営層も含めて放送局一体となって、「アテンションエコノミー」との距離の取り方を議論すること、情報番組やワイドショーといった報道番組以外のものもアテンションを重視して、事実を過度に軽視するようなものになってないか、自制的に制作プロセスを再確認していただくことが必要と思います。

<委員提言2:局員等への誹謗中傷対策 青少年委員会 池田雅子委員(弁護士)>
▼ネット攻撃の現実と報道の使命
報道や番組制作に関わる人たちへの誹謗中傷や人権侵害が頻発しているとして、民放連が今年7月に声明を出しました。不当な攻撃を受けた場合は法的措置を含めて組織的に対応すること、個人の尊厳を守るためにあらゆる手段を講じることが明記されています。NHKも放送ガイドライン等で同様の原則を掲げ、新聞協会も6月に声明を出しました。メディア全体が「局員を守る」という姿勢を打ち出しています。
取材の現場で理不尽な言葉を浴びた経験は皆さんもあると思います。「記者なんだから耐えろ」と言われたこともあるかもしれません。報道で人の名誉やプライバシーを傷つけることもあるから自分たちも我慢しなければならないと思ったこともあるかもしれません。でも、ネットやSNSでの攻撃は「点」ではなく「面」で押し寄せています。受けるダメージは従来の経験では測れないほど大きい。組織として局員の尊厳を守ることは当然であり、人権尊重、安全配慮の観点からも欠かせません。
ここで強調したいのは「報道の使命」です。ネットで誹謗中傷を受けて拡散されるのを見れば、誰だって気持ちは弱ります。特にヘイト問題や従軍慰安婦問題を取り上げたときの反応はすさまじい。そうなると「もう取材はやめよう」となりかねない。他社が攻撃されているのを見て「うちは報道しないでおこう」となることもあるかもしれない。でも、事実が報道されなくなれば、不利益をこうむるのは市民です。正確な情報が届かなくなるからです。ネットには偽情報や誤情報があふれています。市民が民主主義の主体として自治を行うためには、正しい情報が不可欠です。誤った情報に基づいて投票すれば民主主義の基盤が崩れます。だからこそ、メディアは質、量ともに豊かな情報を適時に届ける役割を担っている。厳しい事実確認が求められるのは当然ですが萎縮してはいけない。情報を届ける人を守ることが、市民の自由と自治を守ることにつながるのです。

▼法的対応の可能性、限界
ネット上の誹謗中傷にどう対応するか、弁護士の視点から説明します。まずはプラットフォーム事業者に対して削除を求める方法です。メールやフォームででき、弁護士に頼まなくても可能です。削除理由は映像が使われているなら「著作権侵害」とするのが良いでしょう。名誉毀損やプライバシー侵害が本筋ですが、実際に取り組まれた局の方から「著作権侵害を理由にしたほうが即効性が高い」と聞きました。効果はありますが、再び映像がアップされたり、いたちごっこになったりすることも多いです。
次に裁判所での手続きについて。削除の仮処分命令申立てや訴訟提起があります。仮処分なら訴訟に比べ時間を短縮できますが、それでも証拠集めや違法性の判断は厳しく、負担は大きい。即効性ではやはりサイト管理者への削除請求が優先されます。投稿者が誰なのかわからないときには、投稿者を特定するための発信者情報開示請求を行う必要があります。法改正で新しい手続きが導入され、東京地裁のサイトにはフォーマットも公開されています。ただ、ログの保存期間が短い、スマホのスクショではURLが出ないなど注意点も多い。IPアドレスからたどってもマンションやネットカフェまでしかたどり着けない場合などには、アカウント情報の開示請求も検討すべきです。投稿者を特定できれば損害賠償請求が可能になり、場合によっては脅迫罪などの刑事告訴も考えられます。ただし警察が動くかは別問題です。

▼組織的支援と業界横断の取り組み
法的手続きは時間がかかり、面で押し寄せる攻撃に一件一件対応するのは限界があります。そこで、局や会社としての備えが重要です。まずはサポート体制を作ること。現場を孤立させてはいけません。炎上しても「あなたが悪いのではない」と会社が言ってくれることがどれほど心強いか、当事者の声を聞いて実感しました。事前に支えるチームを作り、複数人で早期に対応する必要があります。OBやOGの協力も考えられるでしょう。メンタルケアも欠かせませんし、法務部や著作権部門との連携も必要です。予算も確保してほしい。
次に弁護士との協力関係。必要なときに相談できる関係を日頃から築いておくことが大切です。誹謗中傷への対応は各社が試行錯誤していますが、放送業界全体で共有し合うことが必要です。新聞や雑誌も同じ課題を抱えています。業界横断で立ち向かうことが社会へのメッセージになり、ネットリテラシーの向上にもつながります。アメリカにはメディアを支える弁護士団体がありますが、日本にはまだありません。弁護士と協働できる仕組みが求められています。これも今後の課題です。
局員を守ることは市民の自由と自治を守ることと表裏一体です。情報を裏取りして公共に広く発信し、その発信に対して責任をもつコストのかかる活動は“オールドメディア”しか担えない。私たち市民が支えなければ、この活動は縮小し、やがて停止してしまう。報道は時間も労力もお金もかかります。でも、マスメディアだからこそできる取材がある。質的にも量的にも豊かな情報を社会に伝え続けてほしい。心からそう願っています。

<質疑と意見交換>
▼選挙報道の質と量について
○九州朝日放送
今年の参院選、期日前投票者が25%に達しました。つまり、選挙報道をすべて見終わらないうちに投票した人が4分の1以上いたわけです。岩田さん、坂本さん、社内でそういうことを意識した議論はありましたか?また、委員の先生方は、期日前投票を踏まえた報道の工夫についてどうお考えですか?

○TBSテレビ 岩田氏
期日前投票の視点は確かに新しいですね。日頃から政治報道を厚くしておくことが大事だと思っています。選挙が終わっても政治ニュースは続いていて、社会全体の関心も途切れていない。だから、日々の政治の動きを丁寧に伝えることが、結局は一番の責任の果たし方かなと思っています。

○NHK 坂本氏
私たちも日ごろの政治ニュースの出し方が重要だと思っています。参院選では、立候補予定者を公示前から特設サイトで紹介し毎日更新しました。さらにSNS選挙をテーマに大規模調査をして、公示前に放送しました。候補者アンケートも公示翌日には掲載開始して、期日前投票の人にも参考になるようにしました。

○放送倫理検証委員会 水谷委員
選挙期間だけでなく普段から政治報道を充実させるのは必須です。加えて、SNSの仕組みや現実の争点を定期的に調査して提示することも大事。ソーシャルメディアの特徴を理解したうえで、選挙前から情報を流しておく必要があると思います。

▼公平性と「感情」への向き合い方
○毎日放送
兵庫県知事選では『テレビに騙された』など厳しい声を受けました。参院選では事前報道に力を入れ、自分たちが変わる姿を収めようとドキュメンタリーも作りました。ただ、質的公平性の答えは見つからず、組織全体に浸透させる難しさも痛感しました。今年2月のBPO人権委員会の意見交換会では、委員から『感情的な公平性みたいなものもお考えになったらどうか』という指摘も受けました。視聴者の感情的欲求にどう応えるべきか、委員の方はどうお考えですか?

○水谷委員
これは本当に悩ましいですね。「アテンションエコノミー」では怒りや悲しみなど負の感情が注目を集めると言われています。でも、国民の知る権利は“知りたいことを満たす自由”ではなく、民主制に必要な情報を提供することに奉仕するものだと思います。だから感情に直接応えるよりも、声を上げられていない世代や地域に取材を広げることが必要ではないでしょうか。SNSのトレンドが必ずしも世論ではないので、争点になりにくいところにも手当していくことも質的公平性の観点からも今後、必要なのではないかと思います。

○放送倫理検証委員会 小町谷育子委員長
基調報告で2017年の委員会決定に触れていただきありがとうございます。実は最初の選挙報道に関する決定は参院選の比例代表制をめぐるものでした。その後、放送局から『報道がしにくくなった』という声もあり、初代理事長の清水英夫先生からも批判が出ました。私自身、起案者として舌足らずだったかなと感じています。ただ、当時から量的公平性を厳密に見ることはしていませんでした。例えば、BS11の事案では、1カ月分約50時間を見て全体でバランスが取れているなら問題なしと判断しました。
今回の参議院選挙でも、ネット上では外国人問題が大きく見えるけれど、若い世代の関心はむしろ経済や氷河期世代の支援だったと思います。ファクトチェックをしても事実を信じない人には響かない。事実そのものがどうでもいいとされてしまう時代に報道はどう向き合うかが問われています。既存メディアは裏付けを重視し、事実を大切にする姿勢を示し続けることが信頼につながると思います。是非、工夫を凝らして頑張って報道していただきたい。

○日本テレビ
弊社では候補者を呼んで長時間の討論番組をネット配信しました。一定の効果はあったと思いますが、ネット空間ではポピュリズムの空気が強まり、私たちが“エリート”“人民の敵”という構図で見られてしまう。市民の自由や自治のために熱意を持って報道しているつもりでも思いが伝わらない。皆さんはどう見ていますか?

○水谷委員
アメリカでも同じ問題が起きています。ニューヨークタイムズやCNNがエリート扱い、人民の敵だと言われる。そこで重要なのは、なぜマスメディアの報道が必要なのかを説明すること。報道の効用やベネフィットを社会に伝える努力です。だからこそ、指標を作って可視化する試みが大事だと思います。

▼信頼・誹謗中傷への対応
○青少年委員会 吉永みち子委員長
若い世代はSNSを主体的に選んで使うので、ニュースは“流れてくるもの”と捉えられがち。メディアの信頼度も世代が下がるほどネットとは拮抗してしまう。偏向報道と批判されたり、誹謗中傷にさらされたりしたときに局員やフリーの人をどう守るか。信頼や人材確保にも関わる大きな課題だと思います。

○朝日放送テレビ
兵庫県知事選の取材で記者が誹謗中傷にさらされました。記者の年代によって反応が違い、40代はネットに上がることで自分たちのニュースが無視されていないと確認する。30代はネットにさらされるので質問はやめておこう。20代は質問するが叩かれて怖がってしまう。局としてどう対応すべきかご意見を伺いたいです。

○青少年委員会 池田委員
具体的な状況によりますが、人身攻撃に及ぶ場合は対応が必要です。局の法務や弁護士と知恵を絞り、ケースごとに判断するしかない。各局が試行錯誤しているので、業界全体で悩みを共有し、取り組みを高め合うことが大事だと思います。

○放送人権委員会 廣田智子委員長
誹謗中傷対策は喫緊の課題ですが、一方でネット上での匿名言論は表現の自由に非常に重要で、誹謗中傷との線引きは難しい。この点からも業界横断的な窓口を作り、基準を公表して判断する仕組みをつくることは考える価値があるのでないか。弁護士や研究者を含むチームで対応すれば、局ごとの負担も減り、説得力も増す。事例を公表すればネット上の言説の倫理向上に役立つ。放送業界として、伝えることの倫理、作法みたいなものを伝えていく必要はあるのではないでしょうか。

【第2部「放送現場からの人権意識改革」】

第2部では「放送現場からの人権意識改革」をテーマに、3つの異なる視点から議論を深めた。フジテレビ・コンプライアンス推進局の吉田優子局長が「人権・コンプライアンスのいま」と題してフジテレビの「再生・改革」と人権尊重への取り組みについて基調報告を行った。続いてBPO放送人権委員会委員で俳優の斉藤とも子氏が「出演者からみた放送現場のあり方」について、BPO青少年委員会副委員長で立命館大学教授の飯田豊氏が「若者の人権意識と放送現場のあり方」について、それぞれ委員提言を行った。

<基調報告3:人権・コンプライアンスのいま ~フジテレビの「再生・改革」と人権尊重への取り組み~フジテレビ コンプライアンス推進局長 吉田優子氏>
一連の事案で視聴者をはじめ多くのみなさま方にご迷惑をおかけしていることを深くお詫びいたします。フジテレビは信頼回復への道半ばではありますが、「人権・コンプライアンスのいま」と題して報告します。

▼社員などステークホルダーとの「対話」からスタート
2025年1月17日、取材カメラを入れない「クローズド会見」など対応の失敗で多くのスポンサーが撤退し、10時間以上に及ぶ記者会見でも事態の収拾は不可能でした。2月6日、清水社長を本部長とする「再生・改革」プロジェクトを設置し、総務部長だった私は、本部長や副本部長の補佐役としてプロジェクトに関わりました。調査を第三者委員会に委嘱する以上、「社員へのヒアリングは調査妨害にあたる」とされ、唯一可能だったのが、「人権デュー・ディリジェンス」上の基本的行程であるステークホルダーとの「対話」でした。2月後半から3月後半の1カ月間に、全ての局・室の20代から50代の社員、および社外関係者110名以上と40回近く対話を重ねました。対話にとって最も大切なのは、「心理的安全性」を保つことで、メンバーが話しやすいように、「同年代にすること、同じ部署同士にしない」といったルールを決めました。社員たちが何を思って、過去をどう振り返っているのか、何よりこれから会社をどうして行きたいかという点について話し合いを重ね、私はほぼ全ての対話に同席しました。対話にリスク対応専門の外部弁護士が同席したことで「話した内容を会社が隠ぺいすることなく、改革に活かされる」という安心感が生まれたと思います。集まった社員やさまざまなステークホルダーの声から具体的な課題を把握して対策に落とし込み、「フジテレビにおける人権リスクマップ」(3月公表)を作りました。

▼行動計画を発表し進捗状況を公表
3月31日、第三者委員会の調査報告書が出た日に、社として把握した問題点と施策をまとめて「フジテレビの再生・改革に向けた行動計画」を発表しました。「ビジネスと人権」の専門家が入って作った国際的な基準の計画で、国際的基準の重要性は後に痛感します。フジテレビは4月に総務省の行政指導を受けて月次の報告を始めました。7月に総務省への報告は終了したものの、親会社のフジ・メディア・ホールディングスとともに、毎月、「再生・改革」の進捗情報をホームページ上に掲載しています。4月には、再生・改革に向けて、人権ファーストの徹底、危機リスクを減らす仕組みを導入しました。ガバナンス改革・組織改革では、編成、バラエティ部門の解体・再編であるとか、アナウンス室を独立させるといった方針、そして「楽しくなければテレビじゃない」からの脱却にわたるまで、8つの強化策を掲げました。

▼コンプライアンス体制の再構築と全社員対話
コンプライアンス体制として社内と社外の相談窓口は存在していましたが、一連の事案で問われたのは心理的安全性を確保すること、より広く門戸を開く点、そして国際的な基準を踏まえて改善が必要だという点です。国連のビジネスと人権の指導原則を踏まえて外部相談窓口を整備しました。指導原則の実行基準とは、正当性・予測可能性など何をしたらどこに行くか流れがわかることです。例えば20日以内に方針を伝えることなどをホームページに公開しています。人権ファーストを徹底する取り組みの1つとして、研修の中で一番反響が大きかったのが、5月から6月にかけて全社員を対象としたグループ対話です。シニアスタッフ含めて、1,200人以上が参加しました。海外駐在員、地方の支社勤務、そして、出向中の社員、全員が参加できるように深夜、早朝の枠も構えて、23回にわたって研修を実施しました。「フジテレビの何が間違っていたのか、何を変えなければいけなかったのか。そして、今何が変わったと感じるのか」。一方で「変えてはいけないことは何なのか」、グループごとに話し合いました。「事案発生以降、社員同士で話し合うことがなかった。思いを吐露することもできなかった」と話す社員もいました。「長年見過ごしてきてしまった」など過去を顧みる声がある一方、若手からは「受けとめきれない」という声も挙がりました。全社対話は一過性ではなく定期的に開催すべきとの声が多く寄せられています。少し時間を置いて改めて実施できればと考えています。5月に実施したコンプライアンスアンケートは、過去に遡ったハラスメントの有無、過去に言えなかったけれども今こそ言いたいという思いを大切にしながら、まずは弁護士がヒアリングを実施し、その後、コンプライアンス推進局の担当者に引き継ぎながら、改めて1つ1つの事案に向き合っています。今、起きていることについてはコミュニケーションミスによる小さな衝突であっても、よりよい形に現場が進めるようにお手伝いをしています。

▼様々な改革を展開
編成の下にあったアナウンス室は、7月からコーポレート本部に属してアナウンス局になりました。制作経験が豊富な社員複数名を配置しマネジメント部が発足しました。若手アナウンサーへの教育や育成、キャリアプランをともに考える体制が生まれています。若手アナウンサーたちに聞くと「相談の幅が広がった」、「より安心して臨める」といった声があります。サステナビリティ行動規範を9月に策定しました。ビジネスパートナーにも理解と取り組みの推進をお願いしています。制作現場などにおける自主的な取り組みでは、ドラマのクランクイン時にリスペクトトレーニングを原則化しています。その都度、一緒に働くメンバーが違うので、みなさん新鮮な気持ちで取り組んでいるようです。意識改革につなげるため、人権·ジェンダーに関する専門家の講義を9月に集中的に実施しました。信頼を取り戻すための取り組みにおいては国際基準を踏まえているかどうかを常に問われます。広告主をはじめとする多くの企業のコンプライアンス部門とかサステナ部門と対話の機会を設けています。グローバル企業は、国連の基準に基づいて苦情から救済までの体制をとっていて、対話のたびにその大切さを痛感します。報告ルートの複線化も大事にしています。リスクを特定し評価するチームが社長室・リスク管理部として設けられ、われわれコンプライアンス推進局・コンプライアンス推進部が一体となって、局長から上がる情報とコンプライアンスオフィサー(ライン部長)からの情報の複線化を形作っています。今後も、コンプライアンス違反が確認された場合は社として厳正な処分を行います。

▼誹謗中傷対策も
先ほど選挙報道の話にもありましたが、心理的安全性を高める観点から「ソーシャルメディア上の憶測に基づいた誹謗中傷」への対策をとても重要視しています。7月に対策チームを全社横断的に組織し、ネット上のパトロールや、誹謗中傷の投稿をめぐってプロバイダへの著作権法に基づく削除要請などにあたり、何かあれば相談を受ける体制です。こちらからの声かけも大事だと思っています。誹謗中傷対策についての経験・知見は系列局からもご依頼があれば研修などで連携しています。

▼コンプライアンスのPDCAを回す
7月の組織改編で再生改革プロジェクト本部は発展的に解消し、その役割を新たに生まれたサステナビリティ経営推進室が担っています。人権尊重の徹底を全社に浸透させる目的と、人的資本経営を戦略的に考えるために、サステナビリティ経営委員会を毎月1回、開催しています。足もとのリスク、相談事、過去から今に向き合う私たちコンプライアンス推進局と、現在から未来を考えるサステナビリティ経営推進室は、連携を取りながら動いていくことが非常に大事だと思っています。今後はコンプライアンスアンケートや日々の相談で把握した「どういう形でコミュニケーションミスが起きやすいのか」など具体的なリスクを分析し、人権デュー・ディリジェンスの中で把握したテーマを研修や対策に反映し、効果を検証し改善するというPDCAサイクルを本格的に始めようとしています。フジテレビは、「ビジネスと人権」という課題がいかに企業にとって大事か身をもって体験し、会社、方針、そして仕組みをこの半年間で一気に変え、制作現場もコーポレート部門の意識も変わってきています。ただし、急激な変化で戸惑う社員がいることも事実です。フジテレビの社員、スタッフ1人1人に「会社が変わったな」と感じてもらえるようにすることが大切だと思っています。私たちとしては、現場の皆さんが自信とやりがいを持って取材や制作活動に集中できるようにサポートしていきたいと思っています

<委員提言3:出演者からみた放送現場のあり方 放送人権委員会 斉藤とも子委員(俳優)>
SNSでいつでもどこでも誰でも自由に発信ができるなかで、正確さとか裏付けを求められつつそこに対抗するという過重な負担の中で放送局のみなさんが頑張っておられることに頭が下がります。今はテレビドラマとか情報番組に出ているわけではなく、舞台などの活動が中心ですが、もう一度、原点に戻って、一緒に考えていただけたらなと思います。

▼放送されることの影響
私が一番テレビに出ていたのは1980年代から2000年くらいまでで今とは状況が違いますが、テレビで放映されたことの影響が降りかかってくるということは共通していると思います。私はもともと人見知りで人前に出ることが苦手で、学芸会もその他大勢じゃないとできないような人間でした。小学6年生のときに母が病気で亡くなりました。当時、同じような状況のドラマが放映されていて、それを見て、私も頑張ろうと思わせてくれたのがテレビでした。架空の出来事が架空ではなくて本当に1人の生きている人間を支えてくれました。つらいことがある人にちょっとでも灯りをともせるようなことができたらと、役者になりたいと思ったのがきっかけで、中学3年生で運よくデビューしました。優等生の役と私的な事情が相まって、家のことを助けているとかご飯の用意をしていることが記事に書かれたことがありました。好意で書いてくださっているのだけれども、本当の自分とすごく乖離があって苦しかったです。影響は家族にも及びます。私の妹はいじめを受けて転校するなど大変苦しい目に遭いました。放送で顔を知られることは、平穏な生活が脅かされることにつながります。

▼委員をしていて思うこと
BPOの委員としていろいろな方の聞き取りをすることがあります。放送人権委員会は放送で人権を侵害されたという申し出に基づいて動く委員会ですが、番組を事前に見て申立てをしている方に抱くイメージと、実際にお会いしたときにギャップがあります。放送されたものを見ると本当にとんでもない人だと思ってしまう。実際にその方の話を聞くと、報道されたことで仕事をなくし人生が終わったようになってしまった。自分だけではなくて家族も生きていくのが大変になっているという声を聞きます。それから、ドキュメンタリーで取材を受けたり、新聞のインタビューを受けたりした方がよく言われるのが、こういうふうに言ってほしいって感じることがあるということ。自分の一番言いたかったことは使われないで、当てはまるコメントだけを拾い上げて大きく放送されたとよく聞きます。そう思われている方がいるということは、みなさんわかっていらっしゃると思いますがお話ししたいと思います。

▼人間をどう捉えるか
放送するときに人間をどう捉えるかということだと思います。百の悪人も百の善人もいないと思うのです。でも、やっぱりマイナスだったらそこを膨らませるように報道されてしまう。例えば、兵庫県知事の話がありましたが、SNSの情報があれほど拡散したことも、もしかしたら人間性を批判するような、ちょっと面白おかしく、そういう報道があまりに過ぎていたときに、見ている人たちが「本当にここまでなのかな」と思い、SNSでそうではないものが書かれていたときにそっちに行ってしまうっていうこともあると思います。私がそういう報道に疑問を持った最初がロス疑惑の三浦和義さんのことです。あと、和歌山のカレー事件。それから、オウム真理教の事件。疑いを持たれたときから、どの局もそのニュースをやっていました。いかにその人が悪いかということが強調されるものばかりで、1人の人間をここまで徹底的に責めてしまうという恐ろしさを感じたことがあります。あの事件の犯人はこの人じゃなくて私だったかもしれない、そういうことが感じられるような報道の仕方もあっていいのではないか。オウム真理教のとき、私は自分もあり得たかもって思ったのです。1つのことに集中してしまうとか、社会に対して不安があって、このままでこの世の中うまく行くのだろうかと思ったときに、何か引きつけられるようなことを言った人について行ってしまう可能性ってあるのかもしれない。

▼みんなで一緒に考えていく
一番大事なのは、「放送が誰のために、何のためにあるのか」ということだと思います。おそらく入社時にはテレビを見る人たちを楽しませたいとか幸せにしたいとか、ちょっとでもこの社会をよくしたいと思っていた方がほとんどだと思います。今、私が思うのは、これだけ変化していく時代の中でテレビに求められるものは、必ずしも完璧でなくてもいいのではないか。人間って弱いところは誰でも持っていて、放送局のみなさんもこのSNS時代の中で自分たちはどう報道していいのか、もがいている。だからそれもさらけ出すぐらいでもいい。視聴者にもそれを届けて一緒に考えませんか。みんなで一緒に考えていく、そういうテレビがあってもいいと思います。本当にみなさん、この大変な中でよく頑張ってくださっていると思います。私はほとんどネットとかSNSを見ない人間なので、テレビと新聞が私にとってはとても大切なツールです。これからも楽しみにしています。どうか頑張ってください。

<委員提言4:若者の人権意識と放送現場のあり方 青少年委員会 飯田豊副委員長(立命館大学教授)>
私はメディア技術に関する歴史研究、あるいはメディアリテラシー教育に関わる研究などに取り組んでいます。青少年委員会には、視聴者意見に基づく議論に加えて、独特の取り組みがあります。その1つが「中高生モニター制度」で、全国から公募で選ばれた中高生のモニター30名と1年を通じて交流しています。モニターのみなさんに、毎月視聴した番組への意見などを記入したレポートを送ってもらい、それを基に委員会で議論したあとは、各委員が分担してモニター1人1人にお手紙を書いています。

▼中高生モニターにみる若者の人権意識
「テレビ離れ」、「メディア不信」と言われるなか、わざわざBPOのモニターに申し込んでくれるわけですから、決して今の若者の意識や価値観を代表しているわけではありません。放送に対して特別の思い入れがあり、問題意識を抱いているみなさんです。モニターの意見を通じて、若い人たちがテレビをどういうふうに面白がっているのか、テレビとインターネットをどのように使い分けて、放送に何を期待しているのかを理解しようと努めています。人権に関する中高生からの声を紹介します。毎月のリポートを読んで強く感じるのが、出演者に対して共感性の高いコメントが非常に目立つことです。例えば、「『確実に“優しい”人』、『確実に“ノリだと分かる悪口”を言える人』は安心してみていられる。そういう人をもっと増やしてほしい。また、芸能人とはいえ、人としての気持ちもあるし限界もあるから、笑いの対象として見るだけではなく、ひとりの人間だと考えてほしい」。共感性の高さはZ世代の特徴と言われますけど、このような記述が非常に目立ちます。青少年委員会は2022年に「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティーに関する見解」を発表しました。この「痛みを伴う笑い」をめぐってもさまざま意見が寄せられています。「けがをした人もいるので、まずは出演者を気遣うことが大切」、「バラエティー番組の討論中に誰かが話そうとすると仕掛け人がそれをさえぎって話し始めるというドッキリのようなものを見かけた。正直、体を張ったりするものよりも嫌な気分になった」など。逆に、「近年いじめなどの問題が深刻になって、バラエティー番組などのコメントが非常につまらない」という声も寄せられていて、この辺りは意見が二極化しています。ジェンダーやダイバーシティに対する関心の高さもコメントからうかがうことができます。「出演者の名前を紹介するテロップについて、ジェンダーレスなこの時代に男性は青、女性はピンクというように色を分けるのはどうか」、『紅白』はどうなのといったコメントは非常に多く寄せられています。逆に、「SDGsを意識することはいいことだと思いますが、何もかもSDGsに関連させていてはTVやラジオが面白くありません」という意見もあります。青少年委員会では、2024年度から2026年度、3年かけて取り組んでいる調査研究の中で、中高生のメディア利用と、人権·ジェンダー·ダイバーシティなどの価値観との関係性について、深掘りできればと考えています。

▼若い世代のテレビ報道への意識
注目すべき先行研究として、東京経済大学の山下玲子教授が2016年に行った「放送法の知識とテレビ報道の公平性に関する意識の性別・年代差について」という論文があります(『コミュニケーション科学』49号、2019年)。この論文によれば、報道における人権配慮に関する意識の性別・年代差について、若年層――具体的には当時15歳から19歳の回答者――に、年長世代とは異なる傾向が見られます。まず、「テレビの報道は、女性差別的な印象を受ける」という設問に対しては、男女とも15歳から19歳が「強くそう思う」と回答している割合が、ほかの世代よりも大きい点が目につきます。ただ、男性15歳から19歳では「まったくそう思わない」という回答の割合も有意に大きいことが示されています。その背景は今後追究していきたいと思っております。「テレビの報道は、性的マイノリティ(性同一性障害・ゲイ・レズビアン等)に対して配慮が足りない」という設問に対しては、女性15歳から19歳が「強くそう思う」という回答をしている割合が大きい一方、男性15歳から19歳は「まったくそう思わない」という回答の割合が顕著に大きいことがわかります。まとめますと、15歳から19歳の回答のみに注目した場合、放送の人権配慮に対する評価が顕著に二極化していることがわかります。いずれにしても、年長世代と比べて人権に対する感受性が強いことを示唆しています。上の世代が「過去との比較」で今の放送を差別的でないと捉えるのに対して、若年層は学校における人権教育やSDGs教育などを踏まえた「現在の感覚」で、差別や配慮不足を敏感に捉えている可能性があるのではないかと思います。

▼人権意識の高まりが放送の強みに
若者の人権意識の高まりを踏まえれば、表現と規制の兼ね合いで試行錯誤してきた放送の歴史は、放送が今後、メディアとしての信頼を維持し、関心や共感を拡大していくための強みにもなると考えます。先ほどご紹介したのは2016年の調査なので、当時15歳から19歳の若者は今20代半ばの局員と同世代にあたります。人権に対する感受性が強い若手局員のみなさんが、これからの視聴者と制作現場の橋渡し役になり得るということを、最後に期待を込めて申し上げたいと思います。

<質疑と意見交換>
▼若い世代が働きやすい職場
○司会
9月22日深夜(フジテレビ·ローカル)『当事者たち。~フジテレビ入社4年目の記録~』というドキュメンタリー番組が放送された。入社4年目のディレクターが1月の謝罪会見から会社の内側でカメラを回し同年代の社員から役員まで取材して苦悩と葛藤を描いたセルフドキュメンタリーだが、視聴した感想は。

○青少年委員会 飯田副委員長
フジテレビ社員の世代間格差が焦点の1つだったと思います。番組ディレクターと同世代である入社4~5年目の社員は、年長世代とは受けてきた教育や人権意識が変わってきていることの一端が、浮き彫りになっていました。フジテレビの吉田さんからは、一連の取り組みの中で、社内での対話を推進しているというご報告がありました。あのドキュメンタリーは認識ギャップを埋め、話し合いのきっかけをつくるという点で非常に意義深い作品だと思います。それ自体で課題解決を目指すというより、あくまで問題提起型の作品です。この番組について語ることで、次の議論に進んでいけると感じます。

○放送人権委員会 斉藤委員
若いディレクターが番組の制作について相談したときに、プロデューサーが「その番組を放送することで、出演した社員が批判の対象になって、その人の人生が狂うようになったときに責任を取れるのか」と彼女に言っています。若いディレクターももがき、でも伝えなくてはいけないことがあると感じたから、あの番組を作ったのだと思います。私自身はそのもがいている姿に共感します。

○朝日放送テレビ
非常に衝撃でした。見ていて苦しくなる。若い人たちに見てほしいと思うものの、取材姿勢という意味ではお勧めする手法ではないと思いました。ただ、テレビ局内で起きたことを、局員自身で撮影し放送するのは意義があったと思います。

○フジテレビ・コンプライアンス推進局 吉田局長
この番組にはさまざまな声をいただきました。非常に厳しい声もあった一方で、当時の若い社員たちが感じていたことがリアルに描かれてもいます。担当したディレクターはあの時期、あの瞬間の映像を多くの現場で撮り続けてきました。自身も顔を出した上で、周囲の説得もしながら覚悟を持って放送したことが、何事にも代えがたい。また、その若い制作者のマインドを会社が潰すことなく放送につなげたこと、当社はまだ危機感が伴う状況ですが、こういう中でも放送できたことはとても価値があると思います。この番組の放送にあたっては、社員が顔出しで番組に出てきますので、放送前にコンプライアンス推進局の誹謗中傷対策チームと放送現場の責任者がどう伝えるのが望ましいのかを話し合い放送しました。前もって準備をすることはとても有益だと思っています。

○青少年委員会 吉永委員長
若い人が自分の意思で声を集めて、何が起きているのかを実感しようとしている。組織が変われるかもしれないという希望を番組から感じました。同時に、言葉として印象に残ったのは、中堅の女性社員が「自分も加害者ではなかったか」、「セクハラされるのはそいつのせい」これはすごくわかる感じがします。私も男性ばかりで女性がいないとき「やっぱり女はな」と言われると「そう言われるような女性も悪いよな」とそう思いがちです。ルールはあってもマインドが変わらなければ、ルールはどんどん細かくなって行かざるを得ない。「これやるとハラスメントになっちゃうんじゃないか」という意識から控えるとなれば、本当の人権意識から発されていることではない気がする。「ルールがあるから気をつけなきゃ」という意識。だから、本当の意味で人権を大事にするというマインドは青少年の時代に人権問題を子どもたちと考えられる環境を作っていけるのかということだと思います。人権と表現の自由は相反するところがあって難しい部分もあります。じっくりと考えていく時期に来ているのかなとも併せて思いました。

▼ルールと創造性の両立
○テレビ朝日
今回1部と2部の議論で共通部分がありました。選挙報道で、公平・公正、質的公平性・量的公平性を考えるあまり自縄自縛に陥ることがあるでないかとの問題提起。われわれが何を基準に報じなかったか、あるいはどういう理由でこの報道をしたかということを視聴者にも説明していく必要があるのではとの提言がありました。今までは、人権とかコンプライアンスの取り組みに関しても、なるべく同業他社にも知らせないような状況がありました。問題が発生したときに、それぞれの会社が、プライバシーへの配慮は必要ですけれども、どういう事案にどういう基準で判断したのか、あるいは、伝えられない部分についてどのような議論があり、どのような苦しい判断をしたのかということも含めて、手の内を見せていくことが今の報道、また放送の信頼の回復につながるのではと感じました。そのうえでフジテレビの吉田さんに質問です。平時に研修をしても、スタッフ・記者が多忙で出席率が上がらないのですが、どうすれば自分事として心に響くのでしょうか。

○フジテレビ・コンプライアンス推進局 吉田局長
コンプライアンス研修は相当回数を重ねています。みなさんに複数回やっていただくことは本当に悩みどころです。解決策のひとつは、トップがメッセージを発信すること。先に社長の清水が100パーセント達成すると対外的に発信しました。そのうえで社内で研修・視聴の有無が確認できるシステムを利用し、見てない人に声かけするといったことを地道にやるしかないと思います。ただし、研修疲れは、どうしても起きるので、絶対に全員見てほしいという100%達成を求める研修と、より知見を深めるために知識を広げる講義型の研修など、研修にも種類があっていいと思っています。

○放送人権委員会 廣田委員長
放送局における「ビジネスと人権」の問題は、他の企業と異なる特殊性があります。放送は人権と抵触する要素を持っていて、報道は名誉やプライバシーとの抵触があります。そのため、人権擁護の意味、放送の存在意義をきちんと考えないと、肝心の伝えることに萎縮や躊躇が出てしまう可能性は否定できないと思います。放送局において「ビジネスと人権」を考えるときは、視聴者、社会に対して何をすべきか、何をしなければならないのかを考えてほしいと思います。
もう1つが広告です。フジテレビの問題でCMが中止になりました。私は広告の仕事をしていたこともあり衝撃でした。「ビジネスと人権」において、スポンサー企業は局と取引関係にある以上、局での人権の問題についても責任を負っています。しかし、それが即座のCM中止でよかったのか。国連の指導原則において、取引関係の中止は最終手段とされます。その判断に至る前に、救済是正を促すための影響力の行使が必要とされています。こうした点は、他の報道機関が問題提起をしてもよかった。また、スポンサーの影響力行使といっても、番組内容への介入はしてはならない。放送局・新聞社などに対する「ビジネスと人権」は非常に特殊性があることを、スポンサーにも社会にも理解してもらう必要があります。関連して、自分の考えと違うであるとか、自分が支持する人を批判する番組に対して、「一番効くのは、スポンサーに抗議してCMをやめろということだ」と言って、連絡先を掲示して煽るネット上の言説があります。誹謗中傷対策だけでなく、「キャンセル・カルチャー」にもどう対応するのか。放送局という特殊な業態における「ビジネスと人権」をみんなで考えていきたいです。

○放送倫理検証委員会 小町谷委員長
かつては報道対象者の人権が問題提起されていました。今、出てきているのは番組出演者、あるいは社内や委託会社の制作者の人たちに対する人権です。報道対象者については、例えば犯人視報道であったり過剰な報道があったりして、三浦和義さんの悪性強調みたいなのが報道された。そういう点はいろんな経験を積まれてよくなってきているという印象を受けています。大きな刑事事件は社会の関心事でもあり報道するのは重要です。注意しなければいけないのは悪性を強調しないことかなと思います。番組出演者については時代によって笑いの世界のイジリ方が変わっているので、かつての感覚で作っていいのか日々考えなければいけないと感じます。制作者間の関係はパワーハラスメント・セクシャルハラスメントが特に重要になると思います。無意識に自分では気がつかない人権侵害「アンコンシャス・バイアス」もあります。自分をその人の立場に置き換えるだけで視点が変わって考えることができます。人権・コンプライアンスと創造性、あるいはジャーナリズム性は、私は両立すると思っています。

<3委員長あいさつ>
○青少年委員会 吉永委員長
先ほどのお話でも触れられましたが、いろいろな問題が起きたときに1社が単独で対応するということがこれから先はなかなか難しい。問題が起きたときに1社で抱え込むのではなく各社がそれぞれに培った知恵とか工夫とかを共有して放送というものを守っていかなければならない。そういう時代に入りつつあるのではないかと思います。きょうは多くの局の方と、新聞社の方も取材でいらしている。テレビ・ラジオ・新聞は既存メディアとしてひとくくりにされてなかなか認めてもらえない時代になってきていますが、これから先の連帯に向けてひとつの機会を提供できたならばよかったと思っています。

○放送人権委員会 廣田委員長
放送局の方が系列の枠を超えて問題意識を共有して話し合うということはなかなかないことではないかと思います。私も大変勉強になりました。本当に大変な変革期、分岐点にあると思いますが、放送が伝える確かな事実·情報は、あらゆる人権の根源となる自由と民主主義を支えています。エンターテインメントは生きることを支えています。どんなときでも、ご自分たちの使命、存在意義に自信を持って取り組んでいただきたいと思います。人権委員会はみなさんが関係を持ちたくないと思っているところだと思いますが心から応援しています。

○放送倫理検証委員会 小町谷委員長
いろいろな問題点を共有でき議論ができて幸せでした。政治報道についてひと言だけ申し上げます。今年は新選挙報道とか選挙報道元年とか言われています。それは喜ばしいことでこのまま続けていただきたいと思います。政権の枠組みはこれから決まりますが放送局·放送界として質的な公平性が重要だということをそのまま維持していただきたい。国民にとって政治報道の重要度はここ数十年で最も高くなっているかもしれません。これまで以上に豊かな報道をされることを希望しております。

【事後アンケートから】
意見交換会終了後、参加者にアンケートへの協力をお願いし、37人からご回答いただいた。その一部を紹介する。

  • 時勢を捉えた意見交換だった。キー局も地方局も課題としている内容と感じました。
  • 他社の皆さまと、問題意識や今後の課題、報道の過程での苦悩や試行錯誤も含めて幅広く共有することができ、非常に有意義でした。
  • 各局報告も参考になったが、委員の発表があったおかげでそれぞれの課題について理解を深めることができた。各委員長の率直な意見も聞くことができてよかった。
  • 質疑応答で基調報告が提起した論点への理解が深まり実り多い会でした。
  • 業界で連携して対応すべき事象が増えているという言葉が印象的だった。
  • 各委員から専門の切り口でお話を伺えたことで社に持ち帰り共有したい事例がたくさんありました。次世代の担い手が夢を持ってものづくりできる局であること、視聴者の皆さんが少しでも生きやすくなる社会へ向けて使命を感じました。

以上

2026年度「中高生モニター」募集のお知らせ

2026年度「中高生モニター」募集のお知らせ

BPO・放送と青少年に関する委員会[青少年委員会]では、2026年度「中高生モニター」を下記の要領で募集します。モニターには、毎月1回、様々なジャンル(ニュース報道・ドラマ・バラエティーなど)の番組をテーマに、率直な意見や感想を送ってもらいます。報告は、青少年委員会の議論の参考となり、各放送局にも送られます。また例年夏休みなどに実施する「中高生モニター会議」では、放送局見学や、モニターと委員との意見交換会などを行います。モニターの任期は1年です。

 応募要領

  • 【任期】 2026年4月~2027年3月

  • 【応募条件】

    • (1) 上記の任期中、中学1年生から、高校3年生までであること

    • (2) 保護者の同意を得ていること

    • (3) テレビやラジオに関心があり、月1回放送に関する意見を報告できること
      ※上記に加えて、青少年委員会が実施するアンケート調査等に協力していただく場合があります

  • 【募集人員】 30人程度

  • 【応募方法】
    • ①郵送での応募
      専用の応募用紙に氏名・住所・年齢・学校名・電話番号・メールアドレス(ある方)・「モニター応募の理由」など必要事項をお書きいただき、必ず保護者が署名および押印を行ったうえで、以下の宛先までご郵送ください。
      応募用紙(PDF形式)は、ここをクリックしてプリントアウトしてください。

    • ②ウェブサイトからの応募
      応募用のページから、①と同様の必要事項を記入し応募してください。その際も必ず保護者の同意を得てからお申し込みください。なお、応募用のページに不具合が発生した場合は郵送でご応募ください。

    • Webでの応募はこちら

    • ※いただいた個人情報は、モニター申込みに関する受付確認やモニター運営業務のために利用いたします。ご本人の同意なく目的外で利用したり、第三者に開示したりすることはありません。

  • 【応募締切】 2026年1月23日(金) ※当日消印有効

  • 【あて先】

    〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館7階
    BPO・青少年委員会 中高生モニター係

  • 【採用決定】
    採否については、2026年3月下旬までにご連絡します。

  • 【報告への謝礼】
    月々のリポート提出者には、毎月図書カード1000円分をお送りします。

  • 【報告の公表】
    毎月送っていただくモニター報告は、BPO会員の各放送局に送られるとともに、BPOウェブサイト等に概要を公表します。

以上

「中高生モニター制度」について

放送倫理・番組向上機構[BPO]の放送と青少年に関する委員会[青少年委員会]では、青少年の育成に資する放送の在り方について、一般視聴者から寄せられる意見などをもとに話し合いをしています。しかし、一般視聴者から寄せられる意見を年代別に分類すると、青少年からの意見が大変少ないのが現状です。そこで、青少年のテレビ・ラジオに関する考え方や、番組に対する意見を知り、より良い番組作りにつなげるため、2006年4月「中高生モニター制度」を設けました。
毎年、全国の中高生30人前後をモニターに選出し、月に一度、様々なジャンル(ニュース報道・ドラマ・バラエティーなど)の番組について、率直な意見や感想を報告してもらっています。中高生モニターのみなさんの「声」は、概要をBPOウェブサイト等に掲載するほか放送局にも送付し、制作現場に伝えられ、番組作りの参考にしています。

※中高生モニターの毎月のリポートはこちら


※募集についてご不明な点がある方は、BPOに電話でお問い合わせください。なお、お問い合わせの際は「2026年度中高生モニター応募の件です」とお話いただくとスムーズです。
(03-5212-7333/受付時間は平日10~12時・13時~17時/留守番電話対応になることがあります/12月26日~1月4日は休止)

第284回

第284回-2025年11月27日

視聴者からの意見について…など

2025年11月27日、第284回青少年委員会を沖縄県那覇市のNHK沖縄放送局内会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事では、10月後半から11月前半まで1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
11月の中高生モニター報告のテーマは「今の自分が『心の底から笑える(楽しめる)』と思う番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年11月27日(木)午前10時00分~正午(午後0時00分)
NHK沖縄放送局A・B会議室
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

10月後半から11月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
幼児向け教育番組の挿入歌について視聴者から「歌詞やアニメーションで、アフリカという大陸を一括りにしたうえ、腰みのだけの男児を中心に半裸を含む人々が動物と踊っていた。(国の)開発が進んでいないことを想起させる差別的な内容だ」との意見がありました。
担当の委員は「アメリカ先住民についても、鮮やかな衣装を身にまとい鳥の羽を頭につけてという典型的な描き方がされることがある。(歌のアニメでは)開発が進んでいないという、差別的とまでは言えなくても、ステレオタイプの描き方の傾向は感じられる。上半身裸で未開というイメージを与え得るこの男児の映像をアフリカの人たちが見たらどう感じるのだろうかと思う」と説明しました。
ある委員は「歌詞で『アフリカには』とひと言でまとめているのは文化に対する粗さというか、ずさんさを感じる。私が番組担当者なら『考え直そう』という内容だ。グローバルとか多様性が主張されるのであれば、それに合わせて幼児番組もそうなっていくべきだろう」と指摘しました。
一方、ほかの委員からは「さまざまな文化や民族があることを考えれば、『こうした映像をテレビに出してはいけない』とするのは、むしろ視野を狭めるし多様性を淘汰することになると感じた」との見方も示されました。
さらに別の委員も「この歌詞の解釈に対して委員会として論評するのは踏み込みすぎという印象だ」と述べました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

11月のテーマは「今の自分が『心の底から笑える(楽しめる)』と思う番組について」で、25人から合わせて18番組の報告がありました。視聴方法はリアルタイム視聴が10人、アプリ(TVer、NHK ONEなど)やオンデマンドを利用したタイムフリー視聴が6人、録画・録音が8人、回答なしが1人でした。
複数のモニターが取り上げた番組は『火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」』(TBSテレビ)、『世界の果てまでイッテQ!』『月曜から夜ふかし』(いずれも日本テレビ)、『アメトーーク!』(テレビ朝日)、『新しいカギ』(フジテレビ)の5つです。
「自由記述」にはテーマに関する意見のほか、特定の番組や放送局への要望・意見が複数寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『沼にハマってきいてみた「生放送 ハマってHAPPY!あのハマったさんどうなった?SP!」』(NHK Eテレ)と『人生が変わる1分間の深イイ話2025秋SP』(日本テレビ)にそれぞれ5人から、『~地球を笑顔にするTV~噛みしめTIME,』(TBSテレビ)に4人から、『野原ひろし 昼飯の流儀』(BS朝日)に2人から感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【今の自分が『心の底から笑える(楽しめる)』と思う番組について】

  • 『NHKのど自慢』(NHK総合)
    ザッピングしていると番組を放送していて、しばらく見ていると思いがけず声を出して笑いました。すごく地味な人が歌いながらはじける姿に、笑いを通り越して感動すら覚えます。見た目とのギャップがすごい。歌を唄って感謝が伝わるのか、私には理解することは難しいですが、感極まって泣いている出演者や家族の姿を見て、もらい泣きする場面が何度かありました。「こんな家族を築きたい」と素直に思いました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『夜ドラ「ひらやすみ」』(NHK総合)
    母に面白いよと勧められて視聴しました。思わずクスっと笑ってしまうようなほっこりとした笑いがあるドラマです。一番のお気に入りシーンは、ヒロト(岡山天音)の親友ヒデキ(吉村界人)に子どもができた時に、ヒデキが「もう今のように会うことはできなくなるかもしれない」と告げたあと、ヒロトが「元気な赤ちゃんが産まれるといいなあ」とワクワクしながら帰宅するシーンです。相手の幸せを願うことでいっぱいになるのはいちばん素敵な考え方だと思います。これから生きていくうえでのヒントがたくさん詰まっているように感じ、笑えるだけでなく学びにもなるドラマでした。(高校2年・女子・東京)

  • 『LIFE!「マーベラスSP」』(NHK総合)
    お笑い番組はフリートーク多めだと疲れてしまい、当たりはずれが多い印象で、最近は視聴する機会が少なくなりました。この番組は新作を含め過去の人気のコントも見ることができるので、視聴者の目線に立った番組作りをしていると感じます。今回は天海祐希さんが出演するので一層楽しみにしていました。どのような役もこなせる俳優さんですが、コントでもドラマを見ているような本気度で、こちらも入り込んで見てしまいました。(中学1年・女子・東京)

  • 『火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」』(TBSテレビ)
    • 相手の気持ちを考えず余計なひとことを言う主人公の勝男(竹内涼真)が、気持ちを入れ変えて料理を始めてどんどん変わっていく姿は見ていて応援したくなります。最初はウザいキャラだったのに愛すべきキャラに成長していくのがとても面白いです。(中学2年・女子・千葉)
    • パンチのあるタイトルに興味を持ち、第1話から毎週視聴しています。主人公の出身地が近いこともあって、価値観や発言などが身近にいる人と重なることが多く、当事者としては深刻ですが笑いが止まりません。なにより竹内涼真さんの演技に見入ってしまいます。(高校1年・女子・熊本)
  • 『ニノなのに』(TBSテレビ)
    「スマホなしで目的地に行けるのか?」という企画に興味を持ちました。最も印象に残ったのは最終的にZ世代が勝利したことです。「地図は読めるはず」という昭和代表のプライドと、「スマホがないと無理だ」と戸惑うZ世代のギャップが笑えました。(高校1年・男子・神奈川県)

  • 『ハマダ歌謡祭★オオカミ少年』(TBSテレビ)
    浜田雅功さんとゲストの会話がおもしろいです。歌っている人以外の出演者も一緒に歌ったり手拍子や合いの手を入れたりして盛り上がっている姿は見ていて心から楽しめます。曲名が出た時に「この曲は歌える」「この曲は知らない」と家族で盛り上がりながら楽しめて良いと思います。(高校3年・女子・徳島)

  • 『ひらめけ!うんぴょこちゃんねる「のん子★はま子アイドルデビュー曲!お披露目SP」』(TBSテレビ)
    男性アイドルグループのWEST.が好きで、そのうちの2人が女装して小学生の姿になり、全力でデビュー曲を披露しているところがとても可愛くて面白かったです。また「うんぴょこアプデ委員会」の企画でもメンバー7人が全力でゲームに挑戦していて、今回の「フェイスチャーゲーム」は顔の表情だけで仲間にお題を伝えるもので、周りの笑い声につられて笑ってしまいました。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)
    • アルティメットの日本代表という結構すごい人が、公園の水道で“シャワー”を浴びていたのは笑えた。スタジオの「整形の話」では、マツコ・デラックスさんがスタッフに「あの人も整形だよ」と事実っぽいことを伝えて少し凹ませていた。(中学1年・男子・福島)
    • 常に面白い人に取材できるとは限らないので、相当な量の取材や情報収集をしているのだろうと思います。番組制作に関わる人の努力が伝わります。塾から帰ってきた後に見て、いつも元気をもらっています。(高校1年・女子・愛媛)
  • 『Golden SixTONES』(日本テレビ)
    もともとSixTONESをよく知りませんでしたが、たまたまテレビをつけたタイミングで放送していた初回があまりに面白かったので、そこから毎週視聴しています。日曜の夜はいつも番組を見ながら母と爆笑しています。視聴者も一緒にゲームできるのがとっても楽しいです。SixTONESはみんなノリが良くておもしろく、その発言に対してスタッフのツッコミのように真面目風なテロップが表示されるのもさらに笑いを誘います。(中学2年・女子・東京)

  • 『笑点』(日本テレビ)
    今の時代は目立って面白い企画があまりなく、「パクり」ではなくオリジナルを出してほしいと感じている。この番組に興味を持ったのは祖父母の影響で、落語家たちの個性が際立っており、ものまねする人、毒舌な人、天然な人など多岐にわたるキャラがあって見ごたえがある。おじいちゃんたちの話を聞いているようでとてもほっこりするし、日本の伝統文化を落語家の得意分野「大喜利」として世に発信していく番組も面白いなと思う。(中学3年・女子・山梨)

  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    • 普段は笑いを求めてテレビを見ていないのですが、小学生の時に番組をよく見ていたことを思い出し、久しぶりに視聴しました。「墨汁風船ゲーム」やカラオケ大会では、女性芸人たちが体を張って仲良くわちゃわちゃしている様子に心から笑えました。家族で笑いながら見ました。(中学3年・男子・東京)
    • 小学生の頃から視聴していて一番好きなテレビ番組。「女芸人一芸合宿」の企画で一番好きなのは宴会で、福井の回も今の流行りネタがたくさんあってとても面白かった。笑いもありつつ、最後には驚くような集大成をパフォーマンスで見せてくれる。(高校2年・女子・東京)
    • ナレーターのつっこみがとても好きです。人を馬鹿にしたりいじったりして笑いをとるのではなく、出演者自身がボケてそこに他の出演者やナレーターがつっこむ形は安心して視聴できます。VTRを見ているスタジオ映像(ワイプ)が昔よりも少なくなった気がするので、もう少し増やしてほしいです。(高校1年・女子・岡山)
    • カレンダープロジェクトのカレンダーを毎年購入しています。金子貴俊さんが「どうせなら海外とか行きたかった」と言ったところ「この企画は他よりお金がかかるし、前回失敗したのだから立場を考えてもらいたい」とスタッフが答えるやり取りがあり、ネタに転換しているのがすごく面白いです。ただVTR終了後にスタジオメンバーが文句をつける流れは不要だと思います。バラエティーなのだから肯定できる空気感を大事にしてほしいです。(高校3年・男子・福島)
  • 『timelesz ファミリア』(日本テレビ)
    新旧メンバー関係なく盛り上がっている様子は、一緒に声を出して笑えておもしろいです。足の引っ張り合い方も、メンバーの良いところを引き出しいる感じの声かけで応援したくなります。番組が30分と短いためスピード感がありテンポも良く、アットホームで雰囲気が良いです。(高校3年・女子・長崎)

  • 『アメトーーク!』(テレビ朝日)
    • 毎週チェックしている番組。「自分のオンエア観るの大好き芸人」の企画は斬新で、出演者のトーク力と構成が完璧で「これぞテレビ」という良さが各所で出ていた。どの芸人の話も共感したし、スタッフ(裏方・カメラ担当・編集の上手さ)にフォーカスしたところにテレビ愛を感じた。ヒヤヒヤする言葉(差別的な言葉)がないことも心から笑える要因の一つだと思う。(高校1年・女子・秋田)
    • 筋トレには全く縁がないがトークは非常に面白く、一緒に観ていた弟と何度も声を上げて笑ってしまった。MCもゲストも以前から好意的に見ている芸能人であり、また話題の数も適切で、話の展開の速さに戸惑ったり、逆に内容が薄いと感じたりすることもなかった。視聴者は“減点方式”で視聴していると考えられるので、ターゲットの視聴者層にとってストレスフリーな番組にすることは重要だと思う。(高校2年・女子・神奈川)
  • 『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日)
    野木亜紀子さんの脚本だったので視聴し始めました。設定が突拍子もなく変で、“人助け”の内容もすごく小さなことですがそこが面白く、家族と一緒に笑いながら見ています。また所々に謎めいた発言があって、家族で考察するのも楽しいです。ハラハラするシーンもありますが同時にユーモアもあって、ドキドキ・ハラハラが苦手な弟も一緒に見ることができています。このようにうまくバランスを整えることを他の番組でもぜひやってほしいです。(中学2年・男子・群馬)

  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)
    「記憶忍者隊 マッサマン」の企画が好きでいつも視聴しています。聞いたことのない単語を、独特のゴロ合わせで覚えようとするところが面白いです。ヒーローでありながら初戦で負けてしまう展開が“やらせ”のない感じでいいなと思います。(中学1年・男子・大分)

  • 『土曜プレミアム・全国ハモネプ大リーグ2025~アカペラ日本一決定戦~』(フジテレビ)
    母が毎回視聴していて自分も一緒に見るうちにファンになったので、今回も視聴した。惜しくも優勝を逃した「The Boogie City」の「Thriller」のパフォーマンスが一番印象に残っている。人間の声だけで生み出される美しいハーモニーと、バンドさながらの迫力あるサウンド、そして出場者の情熱がすごく伝わってくる所に毎回とても感動する。(中学2年・男子・東京)

  • 『新しいカギ』(フジテレビ)
    • 好きな企画は「ハイスクール大喜利」です。高校生と芸人がお題に沿って面白い答えを出し合うもので、芸人たちがガチンコで戦うので応援したくなるし、高校生の答えも素人とは思えない面白いものばかりで大笑いしました。(中学3年・男子・大分)
    • 「①学校のかくれんぼ」と「②ティーチャーをさがせ」の企画が好きです。①はクオリティーの高い隠れ場所が設定され、素材や質感まで精巧に再現する美術スタッフの意気込みも感じられます。②は若い先生が髪型や着こなしを生徒に近づけようと努力する姿が何とも面白いです。参加者全員の一体感があり家族で安心して楽しく見ることができます。(高校2年・女子・熊本)
  • 『酒のつまみになる話』(フジテレビ)
    毎週欠かさず視聴していて心の底から笑える大好きな番組です。自然と疲れが取れていくようで日々の楽しみになっています。トークテーマについて出演者のみなさんが自由に深めていく様子を一緒に楽しめるのが魅力で、「自分ならどう答えるかな」と考えるのもこの番組ならではの面白さです。番組がなくなってしまうのはとても寂しいです。(高校3年・女子・広島)

【自由記述】

<今月のテーマに関する意見>

  • 「心の底から笑える瞬間」とは、思いもよらない展開といった「自分の想像を飛び越えること」だと思います。しかし“笑い”を追求するあまり倫理的な問題が生まれてしまうこともあります。誰かを傷つけてしまうこと、特定の国籍や障害などをネタにしてしまうこと、本人が望まないことを晒してしまうことなど、笑いの陰に存在するケースもあると思います。心の底から笑えるものほど倫理的なラインを意識する必要があると感じます。(高校1年・男子・神奈川県)

<特定の番組に関する意見>

  • 『NHKスペシャル「臨界世界-ON THE EDGE-走線者 亡命か送還か』(NHK総合)を視聴しました。中国共産党に狙われた人々が南米からアメリカに徒歩で入国し、亡命裁判を受けるドキュメンタリーでした。こんなことが現実に起こっていると知ることができて良かったです。このような番組に出会って新たなことを知ることができるのはテレビの良いところだと思うので、このようなドキュメンタリーをもっと放送してほしいです。(中学2年・男子・群馬)

  • 県外の大学へ進学した姉は、当時『ラヴィット!』(TBSテレビ)に支えられていました。『ラヴィット』は一人暮らしを応援する番組なのだなと思います。私も姉のおすすめのラッピーに会ってみたいので、長崎へ遊びに来てほしいです。(高校3年・女子・長崎)

  • 日本テレビの『良いこと悪いこと』とその後に続く『with MUSIC』のつなぎがおもしろく、リアルタイムならではの楽しさがあることを改めて感じました。(高校3年・女子・広島)

  • 『DAN!DAN!EBiDAN!』(テレビ東京)のイベントグッズを提案する企画で、グッズに値段をつけるまではいいですがそれを買うであろうファンが見ている番組なのに「もっと取れる」「もっといける」など荒稼ぎを思わせるような発言はいかがなものかと思いました。(高校1年・女子・熊本)

  • 短い時間ですが、最近ラジオを聴く機会があります。『ONE MORNING』(エムエム東京)のユージさんと吉田明世さんのやり取りにクスっと笑ったり、映像を見なくてもイメージできるCMはすごいと感心したりしています。(中学1年・女子・東京)

  • 『ベストヒット歌謡祭2025』(読売テレビ)で、楽しみにしていたグループの音と口の動きがずれていて「口パクなのかな?」と思いました。テレビで見ているファンも残念だったと思います。(中学2年・女子・千葉)

  • 『さらば青春の光の青春ジャック』(テレビ愛媛)が私の学校に撮影にきました。親が毎週欠かさず見ていて、まさか我が校に来るとは思っておらず驚きました。私のクラスでインタビューしたので、もしかしたらテレビに映るかもしれません!愛媛の高校生だけにフォーカスする番組があるのはとても嬉しいです。学生も飽きずに見られるし、他校との違いを見比べることもできて面白いです。(高校1年・女子・愛媛)

<放送局への要望や意見>

  • 日本シリーズとワールドシリーズが同じ時期にありましたが、スポーツニュースではドジャーズが出場したワールドシリーズばかり放送されていました。日本シリーズの結果や選手たちの活躍をもっと放送してほしかったし、日本で活躍している日本人選手にもっと注目してほしいです。(中学1年・男子・大分)

  • 私はトーク系の番組が大好きですが、高校生になってからすごく役に立っています。遊ぶといえばひたすら“おしゃべり”ですが、テレビを見過ぎているおかげで異常にテンポのよいおしゃべりをしています。オーディションなどで選ばれた高校生がひたすらおしゃべりする番組を制作してほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 新しい政治番組についての提案。現在SNSで切り抜きが多くある「インフルエンサーがテレビ出演する」「影響力のある若い人がガツンと言う」「理解しにくい部分がとても分かりやすく説明されている」「討論する」要素を中心に政治番組をつくれば、SNSから番組を知って視聴する人が増えると思う。(高校1年・女子・岡山)

  • それぞれの都道府県でしか放送していない番組を北から順に全国に向けて一週間に1度くらい放送すれば、その魅力を発信できると思う。(中学1年・男子・福島)

  • 「地球を笑顔にする広場2025秋」のイベントで、東京・赤坂のTBS放送センター見学ツアーに参加しました。テレビ局内を見学できるイベントはかなり少ないですが、テレビ制作の裏側を知って番組をより身近に感じることができるので、もっと増やしてほしいです。(中学3年・男子・東京)

  • 番組内での炎上発言が最近多いように感じるが、炎上は防げないのだろうか。生放送でなければ修正はきくはずだし、テレビ局側もNG言動などを原稿のように用意していればよかったのではないか。裏方とタレント双方で話し合い、「誰でも楽しめる」をモットーとした番組作りをすることを望んでいる。(中学3年・女子・山梨)

<その他>

  • ニュースで高市早苗総理大臣の所信表明演説を聞いていて、野次が大きすぎて何を言っているのか分かりませんでした。字幕があって何とか内容を理解しましたが、どうして最後まで黙って話を聞けないのかと、国会議員たちを情けなく思いました。(中学3年・男子・大分)

  • 日本テレビの菅谷大介アナウンサー死去のニュースについて。先日視聴した『シューイチ』(日本テレビ)では岩田絵里奈アナウンサーがこのニュースを伝える際に涙ぐんでいて、『ZIP!』(日本テレビ)でも水卜麻美アナウンサーも涙していたそうです。アナウンサーたちが実際に泣いているところを見て、改めて人の温かみを感じました。最近はAIがテレビ業界にも進出してきていますが、やっぱり人間がやっているのだと思うと少し安心します。(中学2年・女子・東京)

  • ここ数年でメディアに対するネット上の声の存在意義が分からなくなったと感じる。たとえばメディアが政治について何か取り上げると、ネットでは何かとメディアを敵扱いし、何がどんな理由で印象操作なのか偏向なのかも示さずに、無責任にメディア批判をしていておかしいと思う。(高校3年・男子・福島)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『沼にハマってきいてみた「生放送 ハマってHAPPY!あのハマったさんどうなった?SP!」』(NHK Eテレ)
    • NHKでよくこの番組名を選択したなと思いました。「沼にハマる」は「趣味に没頭する」というプラスのイメージもありますが「ハマってしまうと抜け出せない」というマイナスのイメージもあるからです。若い世代に関心を持ってもらうための番組名なのかなと思いました。(高校2年・女子・熊本)
    • 私のように数回だけしか視聴したことのない人でも楽しめるような回だった。生放送で出演者とリアルタイムで共有できるところも注目ポイントだと思う。ハマったさんや芸能人からメッセージが届いてすごくほっこりする番組だと思った。新しい沼も知ることができてとても楽しかった。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『~地球を笑顔にするTV~噛みしめTIME,』(TBSテレビ)
    • 「食材に込められた想いを知ることで、食べることがもっと楽しくなる」というアンミカさんの言葉が心に残った。食べものの裏側にある物語を知ることで、日々の食事がより豊かで意味のあるものになると感じた。(中学2年・男子・東京)
    • 「魚は天然の方が良い」という意見もあるけれど、育てる人の想いがつまった養殖魚にもたくさん魅力があると思った。(高校2年・女子・東京)
    • 全体的に面白くなく、何を伝えたいのか、どのような気持ちで見たらよいのか分かりません。アナウンサーが牛肉と白米を食べている時に「奇跡」という言葉を使用していましたが、大げさすぎると思います。出演者に好きなタレントがいなかったのも残念でした。(中学1年・女子・東京)
  • 『人生が変わる1分間の深イイ話2025秋SP』(日本テレビ)
    いつも見ていた『深イイ話』が久しぶりに復活すると知って視聴しました。特に「アンパンマン」の裏側に密着するというテーマに惹かれました。作品に関わった人たちの想いや姿勢を知って、思いやりの心を届けるための信念が込められていることが分かりました。(高校1年・男子・神奈川県)

  • 『あぐり王国北海道NEXT』(北海道放送)
    北海道のごぼうは十勝産が多く、清里産はマイナーです。そんな清里町とマイナー野菜のごぼうにスポットを当てたことに番組のこだわりを感じました。収穫体験を通して農業と食を考える、奥の深い教養番組だと思います。さっそくスーパーに走りましたが、十勝産のごぼうしか売っていませんでした。(中学3年・男子・北海道)

  • 『第104回全国高校サッカー選手権大会群馬県大会 決勝』(群馬テレビ)
    サッカーが好きなので視聴してみました。実況が聞きやすく楽しく見ることができました。優勝のテロップの色が芝に少し似ていて見づらかったことが少し残念でした。(中学2年・男子・群馬)

  • 『野原ひろし 昼飯の流儀』(BS朝日)
    CGの奇抜なダンスやシュールで愉快なオープニング・エンディング映像がネットの動画投稿サイトで話題になっていて番組を知った。基本アニメーションだが、メインとなる料理だけは実写映像が用いられているのが視覚的に新鮮で面白い。1つのエピソードが短く手軽に視聴でき、深夜放送ではあるものの子どもから大人までの多くの人に親しまれる番組だと思う。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『第一芸人文芸部』(BSよしもと)
    最近ゆっくり読書ができずにいた私にとって、実際に読破したような気分になる番組で終始楽しく視聴した。BKB(バイク川崎バイク)さんや銀シャリの鰻和弘さんが、普段どんな本をどんな時に読むのかを聞くことができて嬉しかった。紹介も簡潔で分かりやすい。最後に「どの本を読んでみたいか」投票の結果発表があったが、誰がどのタイミングで投票したのか知らないまま見ていて、エンディングでいきなり結果が出てきて少し驚いた。(高校1年・女子・秋田)

  • 『交通安全ココワンTube♪』(愛媛朝日テレビ)
    今回初めて視聴し、2分少しなので気軽に見ることができました。「伊予の早曲がり」の特集で、右折車が直進車を待たずに進むことを指すそうですが、この状況になったことが何度もあります。普段の通学は自転車ですが、歩行者・自転車側も十分に安全を確保したいと思いました。(高校1年・女子・愛媛)

◆委員のコメント◆

【今の自分が『心の底から笑える(楽しめる)』と思う番組について】

  • 今回、数人のモニター報告に共通点を感じた。『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)についての報告に「“やらせ”のない感じでいい」とあったが、どうも若者は「誇張しすぎている」「わざとらしい」ところが気になるようだ。また『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)の報告にも「事実っぽいことを伝えていた」とあり、『LIFE!「マーベラスSP」』(NHK総合)の報告にも出演者の「本気度」を評価している部分があった。出演者の反応にわざとらしさを感じると白けてしまうことはあるが、中高生は敏感に反応するのだろう。

  • 『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日)について中学2年生から「家族で考察できるのも楽しい」「ドキドキ・ハラハラが苦手な弟も一緒に見ることができる」と報告があったが、家族で視聴できるこういった番組はこれから必要だと思う。先日、小学校・中学校・高校の先生との意見交換の場で「いま子どもたちに興味を持たせないと、テレビを視聴する世代がいなくなってしまう。テレビでしか見られないような、信頼できて安心できるコンテンツが必要だ」という話があった。家族で一緒に考えながら視聴すると、子どもが将来テレビを見続ける可能性が高くなるだろう。「やらせ感のない、安心して信頼できる番組」がポイントなのだと思う。

  • 今月のテーマは中高生がテレビをどう見ているのかがよくわかるテーマだった。「やらせがないからいい」「事実っぽく見える」という報告には「テレビはやらせなのか」「テレビは事実を伝えていないのか」という根源的な疑問がさりげなく出てきていて面白い。また「普段は笑いを求めてテレビを見ていない」という報告もあったが、「では何を求めてテレビを見ているのだろう」「求めるものがないからテレビを見なくなったのか」という問いが頭に浮かぶ。テレビに対する中高生のクールな面も見えつつ、撮影隊が学校に来ると「映るかもしれない!」という期待も残っていたりと、テレビに対する微妙な中高生の位置取りが見え隠れして非常に面白かった。

【自由記述について】

  • 『さらば青春の光の青春ジャック』(テレビ愛媛)について高校1年生の報告に「親が毎週欠かさず見ている」とあったが、このフォーマット自体が親世代に刺さるのだろう。ホームページには「青春バラエティー」と紹介しており、おそらく『学校へ行こう!』(TBSテレビ・1997年~)や『新しいカギ』(フジテレビ)とも通じるところがあるのだろう。親から子へ継承されているところにも意義があると思う。

  • 高校3年生のモニターから「日本テレビの『良いこと悪いこと』とその後に続く『with MUSIC』のつなぎがおもしろかった」と報告があった。調べてみたところ、ドラマのストーリーが次の音楽番組にそのままつながる仕掛けになっていて、こういったところを若い世代がしっかりと見て評価していることがよく分かった。

今後の予定について

次回は2025年12月23日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

2025年11月に視聴者から寄せられた意見

2025年11月に視聴者から寄せられた意見

クマによる死傷事故や駆除のニュースに対して多くの意見が寄せられました。

2025年11月にBPOに寄せられた意見の総数は、3,321件で、先月から115件増加しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 90.9% 電話 8.1% 郵便・FAX 0.9%
男女別は、男性 37.7% 女性 39.0% 無回答 23.3%で、世代別では10代 3.8% 20代 18.2% 30代 20.2% 40代 19.7% 50代 15.6% 60代 8.6% 70歳以上 2.6%
視聴者意見のうち個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。11月の個別送付先は23局で意見数は1,767件でした。放送全般に対する意見は170件でその中から12件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

連日続くクマの出没と死傷事故などの被害、捕獲、駆除の報道に対して多くの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は48件、CMについては7件でした。

青少年に関する意見

2025年11月中に青少年委員会に寄せられた意見は76件で、前月から51件減少しました。
今月は「要望・提言」が29件と最も多く、次いで「表現・演出」の27件、「報道・情報」の15件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • クマの出没する地域に住んでいるが今近くに現れるかもしれないと思いながらも、クマ駆除のニュースを繰り返し放送されると心理的に参る。子どもたちはどんな思いで報道を見ているだろうかと胸が痛む。

  • クマ駆除のニュースが連日続く。被害拡大を防ぐために出没した場所や駆除した結果を報道するのは大切だが、猟銃の発砲音を含め生々しい映像を繰り返し使われると違和感を覚える。

  • 朝の情報番組でゲストのタレントが「今はもう動かないおじいさんにトドメ」と替え歌を歌った。高齢の人やその家族をはじめ多くの視聴者に不快感を与えるだろうということを想像できないのだろうか。

  • 若手タレントの不適切な替え歌について、台本通りだったとしたら番組の責任は大きいし、生放送ゆえのアドリブだったとしても事前の打ち合わせを入念に行っていれば防げたのではないかと思った。

  • 情報番組で台湾有事に関する首相の答弁に対する批判を紹介する中で、コメンテーターの落語家が「あなたがた日本人じゃないの?という気すらする」と発言した。発言は切り取られてネットなどで騒ぎとなった。番組での発言は真意がしっかりと伝わるように言葉を尽くすべきだと思う。

  • 性犯罪の報道においては手口の詳細な描写はできるだけ控えるよう配慮を求めたい。性被害にあった人の心的負担や年少者への影響を考えていただきたいと思う。

  • 殺人事件の被害者について生前の暮らしや交友関係などを根掘り葉掘り報道するのはいかがなものだろうか。亡くなった人のプライバシーについて報道機関はもっと配慮すべきだと思う。

  • 無作為番号抽出の電話アンケート。特殊詐欺など防止の観点から見知らぬ番号には出ないようにと呼びかけているのだから、テレビ局が世論調査に使用するのは矛盾していないか。

  • 芸能人をレギュラー出演者に起用するニュース・情報番組が多すぎると感じている。芸能人のコメントが本当に必要なのかどうか番組を作る人に改めて考えていただきたい。

  • 日本の放送局はどこも同じ話題ばかりを取り上げる。二刀流メジャーリーガーの報道一色だと思っていたら今度はクマのニュースばかりだ。各社が個性、オリジナリティーを発揮してほしい。

  • 平成時代のニュース番組では迫力やインパクトを重視して恐怖や不気味さを煽るようなBGMが多用されていた。しかし令和の今視聴者が求めるのは優しさ、柔らかさを感じる映像とBGMではないかと思う。

  • クイズ番組が好きだが今は芸能人によるクイズ番組ばかりだ。一般人が参加するクイズ番組を作っていただきたい。

  • 出演者に対する誹謗中傷に対しては毅然とした対応で臨むとする放送局が現れた。視聴者聴取者にとっても安心できるメッセージだと思う。他の放送局にもこうしたアクションが広がることを期待したい。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 子ども向け特撮ドラマに出演する19歳の女性俳優が飲酒していたことがわかって降板したが、周囲の共演者や番組スタッフがきちんと注意を払っていたのか。彼女だけの責任問題で終わらせないでほしい。

  • 平日朝の情報・報道番組で、ゲストの男性アイドルが「一発芸」を求められ、童謡の替え歌で「いまはもう動かない おじいさんにとどめ!」と歌いながらカメラに殴りかかる演技をした。子どもからお年寄りまでが見ている番組で披露するのは非常に不適切だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組冒頭のコーナーで、外国に群生するランの花びら1枚をアップで見せたが、その形状が裸の男性が性器を露出した様に似ているとして、出演者らが大騒ぎして男性性器の俗称を連呼していた。子どもも視聴する時間帯だが、まったく配慮が見られず不快な思いをした。

  • 幼児向け教育番組の挿入歌。歌詞やアニメーションで、アフリカという大陸を一括りにしたうえ、腰みのだけの男児を中心に、半裸を含む人たちや動物が踊っていた。国の開発が進んでいないことを想起させる差別的な内容だった。

【「報道・情報」に関する意見】

  • クマの駆除についての報道で、被害状況や注意喚起を放送するのは理解できるが、銃声やクマを駆除する映像を流すのはいかがなものか。命の大切さを教えるべき子どもたちの目にどう映るかを考えていただきたい。

  • テレビニュースの報道で最近、「男女の関係」や「ラブホテル」という表現を聞く。子どもも視聴する時間帯のニュースで性に関する表現が使われると家庭内で不要の混乱を招きかねない。時間帯への配慮や、適切な言い換えを検討してほしい。

【「言葉」に関する意見】

  • バラエティー番組のクイズ企画で、正解した出演者を「イケ舌」、不正解者を「バカ舌」と呼称していた。「真のバカ舌決定!」や「バカ舌専用」などの表現もあった。「バカ」という言葉を強調する演出は現代の価値観から遊離していると思う。

第345回

第345回 – 2025年11月

「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理…など

議事の詳細

日時
2025年11月18日(火)午後4時半~午後7時
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1.「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理

申立ての対象となったのは、福岡放送が2025年4月13日と20日に放送したバラエティー番組『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』の「命の危機…ゴミ屋敷大掃除!」で、視聴者からの依頼を受けて、高齢の親族が住む民家の大がかりな清掃を行い、その模様を放送した。
これに対し、当該民家の住人が、番組は臭いや不衛生な状態が過度に強調される形で顔出し・実名・モザイク処理なしで放送され、尊厳が著しく損なわれ人権を侵害されたと申し立てた。さらに、番組の収録過程において、住人にとって重要な物品がなくなったと主張している。
また、他の親族2名は、番組内で幼少期の写真が承諾なく使用されたり、プライベートな事実が本人の同意なく放送されたことなども権利侵害にあたると訴えている。
放送局は一部配慮が足りなかったことなどを認め謝罪したが、これら3名の申立人は納得せず、双方の交渉が不調に終わったため、9月の委員会で審理入りするか否かを検討した結果、審理入りすることを決めた。
今回の委員会を前に、申立人および放送局から提出されるべき書面がすべて揃い、担当調査役が双方の主張の相違点等を説明した後、論点について意見交換を行った。また、本事案の事実認定の判断に関わる資料の取り扱い等についても議論した。

2. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況等について説明した。

3. その他

10月に開催した3委員会合同意見交換会の事後アンケート結果について、事務局から報告した。

この他、委員会開始を前に、委員が教鞭をとる大学・大学院のゼミ生との交流会があり、ゼミ生から民事裁判とBPO審理との相違点は何か等の質問が出され、廣田委員長や委員が回答した。

以上

第212回

第212回–2025年11月

日本テレビ『月曜から夜ふかし』への意見の通知・公表について報告

第212回放送倫理検証委員会は、11月14日に千代田放送会館で開催された。
委員会が10月21日に行った、委員会決定第49号 日本テレビ『月曜から夜ふかし』街頭インタビューの恣意的な編集に関する意見の通知・公表について、出席した委員長と担当委員からその様子が報告された。
10月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
静岡・山梨地区で開催する意見交換会の実施要領と事前アンケートの集計などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年11月14日(金)午後4時~午後5時20分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』街頭インタビューの恣意的な編集に関する意見の通知・公表について報告

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の人の声を紹介したが、放送後この人から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。委員会は同年4月、放送倫理違反の疑いがあり取材から放送に至る制作プロセスを検証する必要があるとして審議入りを決めた。
委員会で関係者へのヒアリングや資料の精査を進めた結果、街頭インタビューを担当したディレクターが、オチが付き面白い内容になると考えて、中国出身の人が別の文脈で発言した言葉を恣意的につぎはぎする音声の編集を単独で行い、発言していない内容を発言したかのように放送した結果、取材対象者がソーシャルメディア上で誹謗中傷にさらされる事態に至ったことを確認した。
また、なぜ恣意的な編集に気づかず、事案の発生を防げなかったのかについて検証した結果、▼番組の制作過程に不正がないかどうか疑念を持つ意識が制作幹部に希薄だったこと、▼取材対象者に放送内容の真正性を確認する場が放送を許諾するよう仕向ける場となっていたり、番組の制作過程で生じた疑念を制作陣全体に共有する仕組みがなかったり、不正抑止のための仕組みが機能不全を起こしていたこと、▼制作陣が、取材対象者は自主的にオチのある発言をし、視聴者はそれを冗談だと受け止めると一方的に期待して笑いやオチを優先させるなかで、不正リスクの軽視につながった組織風土が醸成されたことに問題があったと認めた。また、他国の人々の感情を尊重する姿勢が不十分であったと付言した。
委員会はこれらの点などが問題であると指摘し、本件放送は恣意的な編集によって事実に基づかない虚偽の内容を放送し、取材対象者がソーシャルメディア上において想定外の誹謗中傷にさらされる事態を招いたとして、日本民間放送連盟放送基準「(31)報道活動は市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づき、公正でなければならない」、日本テレビの取材・放送規範「事実を歪曲してはならず、また、誤解を招く過剰表現や断定的な表現をしてはならない」、日本民間放送連盟放送基準「(56)放送内容によっては、SNS等において出演者に対する想定外の誹謗中傷等を誘引することがあり得ることに留意する」の各項目に反するものであり、放送倫理違反があったと判断した。
2025年10月21日、委員会は当該放送局に委員会決定を通知し、引き続き記者会見を開いて意見書を公表した。
この日の委員会では、委員会決定を伝えた日本テレビのニュース番組の録画を視聴し、委員長と担当委員が通知・公表時の様子について報告した。
通知と公表の概要は、こちら。

2. 10月の視聴者・聴取者意見を報告

10月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、高市早苗氏に関する番組での取り上げ方や出演者の発言に対する批判の声が多数寄せられていることが事務局から報告された。番組の司会者が「あんな奴は死んでしまえと言えばいいんだ」と発言した放送について、BPOに数多くの批判や意見が寄せられ、別のニュース番組で高市新政権発足後に高市総理と閣僚らが官邸の階段を下りてくる映像が使われた際、画角が斜めになっていることについて「視聴者に不安感や緊張感を与える」といった意見などが寄せられた。

3. 静岡・山梨地区意見交換会の開催について

放送倫理検証委員会は、2025年11月28日に静岡県と山梨県の放送局を対象に静岡市内で意見交換会を実施する。事務局から当日の実施要領や事前アンケートの集計結果が説明された。

以上

2025年10月21日

日本テレビ『月曜から夜ふかし』街頭インタビューの恣意的な編集に関する意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は10月21日午後1時からBPOで行われた。委員会からは小町谷委員長、大村委員、水谷委員、毛利委員の4人が、日本テレビからは取締役常務執行役員ら3人が出席した。BPO側から放送倫理違反があったと判断するに至った経緯を説明したあと、日本テレビ側が「長く番組が続く中で、この番組はこういうものなんだという決めつけが制作現場に生じたのではないか。既に再発防止策は取っているが、足りない部分があると思うので、初心に戻りしっかりとご意見を受け止めて放送にあたりたい」などと述べた。

続いて午後2時から都市センターホテル701会議室で記者会見を開き、委員会決定を公表した。会見には新聞・テレビなど26社47人が出席した。
はじめに小町谷委員長が、委員会の決定の内容を説明した。調査・検証の結果、委員会は、本件放送では街頭インタビューを担当したディレクターがオチが付き面白い内容になると考えて、中国出身の人が別の文脈で発言した言葉を恣意的につぎはぎする音声の編集を単独で行い、発言していない内容を発言したかのように放送した結果、取材対象者がソーシャルメディア上で誹謗中傷にさらされる事態に至ったことを認めた。また、番組の制作過程に不正がないかどうか疑念を持つ意識が制作幹部に希薄だったことや、不正抑止のための仕組みが機能不全を起こしていたこと、笑いやオチを優先させるなかで不正リスクの軽視につながった組織風土が醸成されたことに問題があったと認め、他国の人々の感情を尊重する姿勢が不十分であったと付言した。以上のことから、委員会は、日本民間放送連盟放送基準「(31)報道活動 は市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づき、公正でなければならない」、日本テレビの取材・放送規範「事実を歪曲してはならず、また、誤解を招く過剰表現や断定的な表現をしてはならない」、日本民間放送連盟放送基準「(56)放送内容によっては、SNS等において出演者に対する想定外の誹謗中傷等を誘引することがあり得ることに留意する」の各項目に反するものであり、放送倫理違反があったと判断した。
続いて大村委員は、不正のリスクがあり得る以上、番組の品質管理は、番組のコンセプトがきちんと反映されているかという観点からだけではなく、番組内容に放送倫理上の問題がないかや、制作プロセスに不正がないかといった観点からも行う必要があり、制作幹部はプロフェッショナルな視点から疑念を持つことが求められているが、本件放送はそのような制作幹部の責任体制が不明確であったと述べた。
水谷委員は、テレビ番組は視聴者の注目を獲得する為にネット上のコンテンツと競争せざるを得ない状況にあるが、だからといって何でもありということではなく、放送局は、放送倫理に基づいた自律性の下にアテンションエコノミーとは距離を取るという矜持をしっかり示して、番組制作に取り組んでほしいと述べた。
毛利委員は、今回問題となった箇所が恣意的な編集だということは元の素材を見れば一目瞭然で、本件放送は惜しい事故のように一見思えるが、それが放送にまで至ってしまったというところに、不正リスクの軽視につながった組織風土の問題があったと言わざるを得ず、今後、組織としてコンプライアンスを考え直す契機にしてほしいと述べた。

このあと、以下のような質疑応答があった。

〇質問 本件放送の恣意的な編集が中国への偏見ゆえに行われたとまでは言えないと意見書にあるが、なぜこういう書き方をしたのか。
 回答 ヒアリングで、中国に対する偏見、あるいは文化を貶めようとする意図は確認できず、委員会として偏見ゆえに番組制作が行われたとは認定しなかった。
〇質問 善意で街頭インタビューを受けた人が放送によって誹謗中傷にあったことについて委員会としての所見を伺いたい。
 回答 日本民間放送連盟放送基準「(56)放送内容によっては、SNS等において出演者に対する想定外の誹謗中傷等を誘引することがあり得ることに留意する」を根拠に放送倫理違反を問うのは今回が初めてのケースであり、放送によって取材対象者に被害が及んだということを委員会としては重く受け止めている。

記者会見は約50分で終了した。

以上

第283回

第283回-2025年10月28日

沖縄地区意見交換会に向けての勉強会(第2回)を実施…など

2025年10月28日、第283回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事に先立って、株式会社さびら・安里拓也氏をオンラインで招き、沖縄地区意見交換会に向けての第2回勉強会を実施しました。
議事では、9月後半から10月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
10月の中高生モニター報告のテーマは「最近、『役に立った』『勉強になった』と思った番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年10月28日(火)午後4時00分~午後8時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
沖縄地区意見交換会に向けての勉強会②
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

沖縄地区意見交換会に向けての勉強会②

青少年委員会は戦後80年となる今年の11月に沖縄地区放送局との意見交換会を開催します。その準備の一環として先月に引き続き、第2回勉強会が株式会社さびら・安里拓也氏を講師に招いてオンラインで行われました。
小中高生に向けて行われているのと同様の平和教育授業を通して、沖縄戦の歴史や住民が戦火に巻き込まれた出来事についてロールプレイング形式で学ぶとともに、戦争が起こるまでの社会を考えるという興味深い内容のワークショップを受けるなど、今回も有意義な勉強会となりました。

視聴者からの意見について

9月後半から10月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
高校の男性教師と教え子の女子高校生との性行為を描いたコミックが原作の深夜アニメが短い5分枠の番組として、地上波とBSで同時刻に放送が始まることについて、「放送に断固反対する」などの視聴者意見が多数寄せられました。
担当委員は「2つの論点がある。1つは、(3分30秒の番組本編には)性的なシーンは直接には描かれていない。『これならどうだ』という(表現の行き過ぎを指摘する側に対する)挑戦的な姿勢を感じた。もう1つは、(放送されていない)性描写があるパッケージ商品(DVDなど)やネットの有料サイトへの誘導の問題。後者がこの番組の大きな目的なのかと思う」と説明しました。
ある委員は「アニメの表現、つまり架空の世界の話についての創作活動の場合、表現の自由はそれなりに重く保障されるものだと思う。この作品が違法だとは考えられない。表現内容の規制については非常に慎重に扱ったほうがよいと思う」と指摘しました。
一方、別の委員は「(複数の10代の女性から意見が来ているが)彼女たちが特にいやだと思うのは、作品の設定が女子高校生のほうが教師を誘っている、性行為に同意しているということだと思う。子どもへの性的虐待の事案では、10代の女性が『あなたにも責任がある』と言われることがあり、(虐待された当人は)それがとてもいやだという」と述べたうえで、「これは放送局側の編成の問題として、(上記のような)指摘を受ける前に、『こうした作品を放送するのは適切でない』と自主的に判断してほしかった」と訴えました。
さらにほかの委員は「深夜の時間帯にアニメという手法で、かなり意図的に挑戦的な作品を繰り返し出してきている。もう1つは、放送番組を使って児童ポルノ的なコンテンツへの誘導がされている。2つの大きな問題をどう考えたらよいのか。引き続き議論を重ねていかなければならないと思う」と提案し、委員全員の同意を得ました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、ただちに「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

10月のテーマは「最近、『役に立った』『勉強になった』と思った番組について」で、25人から合わせて24番組の報告がありました。視聴方法は、リアルタイム視聴が9人、アプリ(TVer、NHK ONEなど)を利用したタイムフリー視聴が5人、録画・録音が11人でした。
複数のモニターが取り上げたテレビ番組は『せっかち勉強』(日本テレビ)のみで、他には情報バラエティー、経済、報道、ドキュメンタリー、対談、ドラマ、自然科学、お笑い、数学、ミニ番組や放送局横断キャンペーンに関する報告が届いています。
「自由記述」には放送内容に関する要望や、特定の番組に対する要望・意見が複数寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『お笑いの日2025』(TBSテレビ)に6人から、『せっかち勉強』(日本テレビ)に4人から、『未解決事件 File.02(ドキュメンタリー)北朝鮮 拉致事件』(NHK総合)に3人から、『青春舞台2025』と『ビストロボイス』(いずれもNHK Eテレ)にそれぞれ2人から感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近、『役に立った』『勉強になった』と思った番組について】

  • 『1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために』(NHK総合)
    もともと海や環境に興味があり、私がお世話になっている企業が出演すると知り視聴しました。「世界初、サンゴの人工受精産卵」の映像も見ることができて良かったです。来年も視聴して未来について考えたいです。(中学1年・女子・東京)

  • 『映像の世紀バタフライエフェクト「ニューヨーク・ニューヨーク」』(NHK総合)
    目から入る情報が多いですが、映像に合ったナレーションが入るため、違和感がなく見やすかったです。聞き取りやすい声のナレーションと番組に合った音楽もとても好きです。私は昔から白黒の映像が苦手ですが、この番組は不安感を持たずに見ることができました。若い頃のトランプ大統領を見ることができたのもとても新鮮でした。(中学1年・女子・東京)

  • 『ダーウィンが来た!』(NHK総合)
    理科の先生に勧められて毎週見ています。この番組の好きなところは、ヒゲじいが僕と同じタイミングで疑問を持って問いかけてくれるところです。その疑問を最新の技術や長年の追跡調査で調べてくれるので、分かりやすく勉強になります。自由研究の組みたて方の参考になります。(中学1年・男子・大分)

  • 『時をかけるテレビ選~今こそ見たい!この1本~「手塚治虫 創作の秘密」』(NHK総合)
    漫画界のレジェンドの、誰も入ったことのない仕事部屋と創作の様子はとても貴重だった。1986年当時、編集者が全員当たり前のようにどこでもタバコを吸っていたことや、昼も夜もなく仕事部屋や移動中の車内、ホテルで原稿を描いていたこと、別室や車の前で待つといった仕事風景に驚いた。今も手塚作品を愛読している私にとって、先生の描き方や考え方は非常に勉強になった。あらゆる年代に見てほしいし、手塚治虫に関する番組も増えてほしい。(高校1年・女子・秋田)

  • 『未解決事件 File.01 八王子スーパー強盗殺人事件』(NHK総合)
    普段から長期休暇中に裁判の傍聴に行くことがあり、事件の背後にある人間の心理や社会の仕組みに興味があるので番組を視聴しました。事件解決の大切さを改めて考えさせられ、また事件が風化することへの恐れも感じました。真実を追うこと、記録し続けてつないでいくこと、被害者やその家族に寄り添うことのどれもが、私たちが事件について考えていくうえで欠かせないと思いました。次回以降も視聴したいです。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『連続テレビ小説「あんぱん」』(NHK総合)
    もともと朝ドラが好きで録画などで見ていた。前半はリアルな戦争の姿があり、戦争は本当に「正義」を曲げるものだと思った。特にショックを受けたのは、嵩(北村匠海)が空腹のあまり民家に押し入ってしまうシーン。空腹が限界を達した時の行動を目の当たりにして他人事ではないと思った。(中学3年・女子・山梨)

  • 『Eテレ0655』(NHK Eテレ)
    小学生の頃からよく見ています。知っているとちょっとすごい、「へぇ~ためになるな」と思うことを歌にしてくれるので覚えやすいです。お気に入りは阿佐ヶ谷姉妹が歌う「ぬかに釘ソング」です。クセになるメロディーでことわざもたくさん出てきて、自然と口ずさんでしまいます。(中学2年・女子・千葉)

  • 『NHK高校講座 数学Ⅰ「三角比の相互関係」』(NHK Eテレ)
    私は三角比が苦手ですが、番組表を見て、高校の数学をテレビで学習できることを知って視聴しました。公式だけを教えるのではなく、どうしてその公式が成り立つのかも学習することができるのは良かったです。要点を最後にまとめていて、今回どんなことを学んだのかが理解しやすかったです。(高校3年・女子・徳島)

  • 『おとなのEテレタイムマシン ETV2000「瀬戸内寂聴 インド・死をめぐる対話」』(NHK Eテレ)
    偶然テレビをつけたところ、ひと際変わった雰囲気の番組だったので視聴したが、思わず前のめりで見てしまうほど引き込まれた。最も驚いたのは、瀬戸内寂聴さんも梅原猛さんもご高齢であるのに非常に早いテンポで会話が進行し、その様子がほとんどカットなどの編集なく放送されていたことだ。一言一句聞き逃さないためにかなりの集中力が求められ、情報量の多さと内容の深さに圧倒された。視聴後は知的好奇心が満たされ、映画を見終わったような満足感と幸福感を得ることが出来た。とても新鮮で知的な面白さを感じた。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『有吉ジャポンⅡ ジロジロ有吉「ハマる人続出!0.1秒を争う競技キューブに密着!」』(TBSテレビ)
    夏休みに参加したルービックキューブの大会(スピードキューブ)で撮影していたと聞き、「もしかしたら自分が映っているかも」と思って視聴しました。若い人(初心者含む)からトップクラスの選手まで出演していて親近感があった。ただ比較的若い人が視聴する(小中学生の出場者も多い)ので、番組では下ネタを少なくしてほしいと思いました。(中学2年・男子・群馬)

  • 『Nスタ』(TBSテレビ)
    通っている高校で「昼寝」が取り入れられているので、日常生活においても睡眠を大切にしたいと思っています。番組で紹介された入眠方法を参考にして、質の良い睡眠をとるよう心掛けていきたいです。「睡眠障害」を診療科名に加える議論が開始されたようですが、窓口が明確になることの他にどんなメリットがあるのか、どのような治療を受けることができるのかを知りたかったです。(高校1年・女子・熊本)

  • 『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)
    我が家では毎週日曜日、番組を見ながら朝食をとるのが習慣になっています。儲かる話を分かりやすくしてくれるし、ギリギリまで交渉して企業秘密を教えてくれるところも面白いです。またあきらめずに開発し続ける仕事はやりがいがあるだろうし、そんな会社で働いてみたいなと思います。(中学3年・男子・大分)

  • 『巷のウワサ検証!それって実際どうなの会』(TBSテレビ)
    赤字続きの団子屋でハンバーガーを売るという2つ目の検証を視聴して少し不満を持ちました。“ハンバーガーを売って黒字になるのか”という検証なのにもかかわらず、芸能人にお店のバイトをさせてしまうと本当の売り上げかどうか分からないので、芸能人を出さずに検証してほしいです。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『森本毅郎・スタンバイ!』(TBSラジオ)
    自民党総裁選挙の情勢分析のためradikoで聴きましたが、思わぬ“副産物”がありました。『国語に関する世論調査で見えてくる言葉の変化』がテーマの企画で、「映(ば)える」の使われ方や「にやける」「潮時」の本来の意味を知って、目からうろこが落ちました。この時期に“言葉”をテーマに取り上げるセンスに感心しました。聴いて良かったです。(中学3年・男子・北海道)

  • 『せっかち勉強』(日本テレビ)
    • スピード感があり、カズレーザーさんがVTR以外でも知識を披露してくれるので、見ていて気持ちがいいです。タイパ重視な若者世代のニーズを意識して制作していると感じました。観覧席に47都道府県それぞれの出身の方々が集められていましたが、テレビ特有の「女性しかいないor女性が大事」といった演出はどうかと思いました。(高校3年・男子・福島)
    • 視聴中はいやな気持ちにもならず、楽しくリラックスできる内容でした。番組最後に行ってみたい理由が一個ずつくらいできる、というコメントに同感です。都道府県の魅力を楽しく学べました。(高校3年・女子・長崎)
  • 『大吾の芸人領収書』(日本テレビ)
    大好きな芸人さんが多く出演していたので視聴しましたが、中でも濱田祐太郎さんのお話やボケが学びになりました。濱田さんは視覚障害のある盲目の漫談師で、大吾さんが他の出演者に向かって「お前は亀だ」とツッコミを入れた際に、濱田さんが見えないことを生かして「僕の隣には亀がいるんですか?」とコメントし爆笑をかっさらっていく姿は最高でした。また大吾さんに今の夢を聞かれると「『逃走中』(フジテレビ)に出て逃げ切ることです」と発言して盲目を遠まわしに自虐にしていました。大吾さんも濱田さんを他の芸人と同じようにいじっていて、“濱田祐太郎=盲目の芸人”ではなく“濱田祐太郎=ピン芸人”という印象に変わりました。大吾さんの対応力を見て、障害だけで人の可能性を制限しない姿を学びました。これからの人生に大吾さんの対応力や濱田さんの堂々とした姿を活かしていきたいですし、難聴芸人、車いす芸人、ダウン症芸人など、もっとたくさんの芸人が生まれる世界ができたら楽しくなるだろうなと感じました。(高校2年・女子・東京)

  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)
    自民党総裁選に興味があったのと、一部生放送ということでどのような放送なのか気になったので視聴しました。気になったのは後半のパネラー4人で、若者2人(浮所飛貴さんと深田竜生さん)はスーツ姿できちんとネクタイをしているのに対して、松島尚美さんのピンクの髪やケンドーコバヤシさんのノーネクタイが目立つ形になっていました。政治という堅い内容から若者が受けた印象が服装に表れたのかなと思いました。(高校2年・女子・熊本)

  • 『出川一茂ホラン☆フシギの会』(テレビ朝日)
    家族がリビングで番組を見ていて、私も出川哲朗さんが好きなのと雑学や豆知識などにハマっているので視聴しました。編集や出演者の発言が面白く、なるほどと思う問題もたくさんあったので、夢中になってずっと見てしまいました。学校でも雑学の話題がよく出て盛り上がるので、もう少し早い時間帯に放送すると若い人の視聴率があがると思いました。(高校1年・女子・岡山)

  • 『日経スペシャル ガイアの夜明け「移住で夢を叶える!」』(テレビ東京)
    私は高校から離島に移住したので、地方移住のテーマに興味を持ちました。俳優の長谷川博己さんの「町はレトロでも住んでいるのは現代人」という言葉が印象に残り、私が今住んでいる地域の課題を考える上でのヒントになりました。将来の暮らし方や住む場所について考えるきっかけになりました。(高校3年・女子・広島)

  • 『タコガール!!~わたしの中のもなか~』(南海放送)
    大洲市長浜高校水族館部に3年間密着した番組です。タコが大好きな夏実さんは、タコの「もなか」たちを育てながらお客さんを楽しませるために日々活動しています。同じ高校生がやっているとは思えず驚きました。番組の後半で「もなか」が亡くなりましたが、夏実さんは「もなか」を食べることを決断します。簡単には決められなかったと思いますが、夏実さんは一口一口を噛み締めていました。普段何気なく食事をとっていたけれど、命を食べることの重大さや感謝して頂くことの大切さを改めて感じました。(高校1年・女子・愛媛)

【自由記述】

  • 『東京2025 世界陸上』(TBSテレビ)が面白かったです。ただ選手の記録がどれだけ速いのか高いのか想像がつかなかったので、一般人が分かるような比較対象を紹介してくれたら、選手たちのすごさを実感できてより楽しめたと思います。(中学3年・男子・大分)

  • 『オールスター後夜祭‘25秋』(TBSテレビ)で広末涼子さんの過去の事故をイジったようなクイズが出題され話題になりましたが、事故をネタにして笑いをとるのは良くないと思います。(中学2年・女子・千葉)

  • 『日テレ系クイズフェスティバル2025秋』(日本テレビ)を視聴しました。クイズに答えられないと壁が迫ってきて落ちてしまったり、ミイラになったりと、私が小学生の頃に放送していた懐かしいものばかりでとても面白かったです。こういったものが楽しめるイベントを開催すれば、芸能人がやっていたことを自分も楽しめて一生思い出に残ると思います。体を張ったクイズをたまにやるのは良いなあと思うので、これからも続けてほしいです。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)で向井康二さん(SnowMan)が催眠術にかかった企画は、何度も催眠術にかけられて体や脳は大丈夫なのかと心配になりました。さすがにやり過ぎなのではないかと思い笑えなくなりました。(中学1年・男子・大分)

  • 先日『何か“オモシロいコト”ないの?』(フジテレビ)で「芸人の本名を当てる」企画をしていましたが、とにかくシュールで単純で面白かったです。最近の番組はお金がかかりそうな企画が多いですが、結局こういうのが一番面白いよなと思いました。単純で低予算そうでくだらない企画をやる番組がもっと増えてほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京)をよく見ますが、いろいろな人生の物語があり、時には笑い、時には涙します。特に同年代の子が出演すると、自分と重ね合わせて夢中で見てしまいます。またその子たちが頑張っていると刺激を受けて頑張ろうと思います。これからも番組が長く続いてくれるといいなと思います。(中学3年・女子・山梨)

  • 一度にたくさんの人に発信できるテレビやラジオで、環境問題に関する番組をもっと放送してほしいです。(中学1年・女子・東京)

  • 最近のバラエティー番組は「ネットで流行ったおもしろい動画」の企画が増えた気がする。ネットの二番煎じでは“テレビ離れ”が一層進むので、もっと“テレビオリジナルな番組”をつくる方が良い。ショート動画では味わえない、長い時間をかけて感じるおもしろさが、テレビの価値だと思う。(中学2年・男子・群馬)

  • 放送法の改正によりNHKのインターネット配信が「必須業務」となり、「NHK ONE」のサービスが開始されました。テレビを持っていなくてもNHKの契約ができるようになり、NetflixやHuluといった動画配信サービスと同じ土俵に立ったと言えます。受信料は他のサービスとほぼ同じ1,000円台ですが番組の量は圧倒的に少なく、最近は動画配信サービスの独自制作番組も質の高いものが増えているので、今後さらにテレビを見る人が少なくなった時に、NHKが生き残ってその役割を果たせるのか疑問です。(中学3年・男子・東京)

  • テレビ番組のAI生成イラストに非常に気持ち悪さを感じる。背景や人物の表情が歪んでいたり、体や手の指が歪な形だったりと、気持ち悪さを超えて恐怖を覚える時がある。一瞬映るだけのイラストでもそういった嫌悪感を持たず安心して視聴したい。(高校1年・女子・秋田)

  • 最近の番組は時間あたりの情報量が少ないと感じる。編集技術や映像の解像度の向上もあって画面内の情報量は多いが、同じような内容を繰り返したり、少し難解な言葉を逐一解説したりと、なんだか間延びしたような番組もしばしば見かける。視聴の敷居が高くなってしまう懸念はあるが、集中力とある程度の知識が求められる番組もあっていいのではないかと思う。(高校2年・女子・神奈川)

  • 「大阪・関西万博が閉幕した」という報道で、各局が「大成功」としか取り上げていないのが気になりました。工事費用の未払いなど、メディアが社会に伝えるべきことが他にあるのになと感じました。(高校3年・男子・福島)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『未解決事件 File.02(ドキュメンタリー)北朝鮮 拉致事件』(NHK総合)
    • 映像やBGMにところどころ怖がらせるような表現があったので、誰でも見られるように、もう少し怖くない番組にしてほしいです。(中学3年・男子・東京)
    • 北朝鮮の拉致問題は私が生まれる前の事件なのでよく知らなかったけれど、放送することで事件が風化せず、解決に向かう第一歩になるのかなと思ったので、これからも放送を続けてほしいです!(高校1年・女子・岡山)
  • 『青春舞台2025』(NHK Eテレ)
    • 全国大会に出場した12校のうち4校を取り上げたドキュメンタリー番組。30分で4校を紹介したのでダイジェスト的になり、倍速で見ているような感覚になってしまいました。なぜこの4校を取り上げたのか分からず、取り上げられなかった8校を考えると不公平感があり少しモヤモヤしたので、最優秀賞の1校に絞れば納得して視聴できたと思います。(中学3年・男子・北海道)
    • ウクライナとロシアの戦争や、難民問題、人権について、芝居を通して学ぶことができるのは素晴らしいと感じた。(高校3年・女子・徳島)
  • 『BSスペシャル「小児集中治療室PICU~命と心に向きあう~」』(NHK BS)
    最初から最後まで涙の1時間でした。PICUの現状から医師の葛藤、家族の様子からケアまで、多くの方々の協力で撮影された番組だったと思います。取材に協力したご家族の方々に「つらい中ありがとうございました」と伝えたいです。

  • 『お笑いの日2025』(TBSテレビ)
    • 少し前にお笑いのライブを初めて生で見たのですが、とても面白く、お笑い番組の質の低さを感じました。演出や編集の影響なのか、番組では本当に面白い部分は切り取られているように思います。最近は人をバカにしたり見た目を笑ったりするのはよくないという風潮があるので、個人的には笑いたいところでも素直に笑えない雰囲気がとても嫌です。また、お笑いの番組にアイドルは必要でしょうか。全く面白くないです。(中学1年・女子・東京)
    • 『キングオブコント2025』を視聴しました。新しい芸人を知る機会になるのでいつも楽しく見ています。(高校1年・男子・神奈川)
    • ダンス初心者の芸人が短い期間で熱心に練習にはげみ、本番で見事に踊り切る姿に心を打たれました。一方でどんなに興味のある内容でも長時間になるとだんだんと見る気が薄れてしまうと感じます。最近は30分ほどの短いドラマも増えており、忙しい現代人にとってはそれくらいの長さがちょうどいいのではないでしょうか。(高校1年・女子・熊本)
    • 『キングオブコント2025』は家族でとても盛り上がり楽しかった。『キングオブコント2025』に向けて徐々に盛り上がっていく番組の構成もとてもよかった。(高校2年・女子・東京)
  • 『せっかち勉強』(日本テレビ)
    思わず「へー」と言ってしまう情報がテンポよく紹介され、飽きずに見ることができた。また各都道府県出身のオーディエンスとコメンテーターの掛け合いが面白かった。(中学2年・男子・東京)

  • 『ゴジてれChu!キャラバンin北塩原村』(福島中央テレビ)
    北塩原村の自然ゆたかな風景はとても美しく、天然温泉は本当に気持ち良さそうでつかってみたいと思った。村長には「どきどきサイコロゲーム」でもっと頑張ってもらいたかった。(中学1年・男子・福島)

  • 『Q-1 ~U-18が未来を変える★研究発表SHOW~』(朝日放送テレビ)
    高校生プレゼンの要所ごとに、舞台下にいるQ-1リポーター・須貝駿貴氏のつぶやきがとても分かりやすく、整理しながら視聴することができた。立川高校の質疑応答の時、渡部潤一教授とのやり取りでは互いの目や表情が輝いていて引き込まれた。自信にあふれ、楽しんで発表している様子は、見ていてエネルギーをもらえた。イノベーター達が質疑応答を交わした企業や教授の元を後日訪問し、さらなる可能性をひろげていく様子は感動した。私も前進しなければと思わされる番組だった。(高校1年・女子・秋田)

  • 『ロバート秋山の街角メロメロさんぽ』(テレビ西日本)
    ロバートの秋山さんとゲストの錦鯉が門司の方々と接している姿を見て、とても親しみを感じました。芸能人ぶらないし、一般の方を上手くいじる加減も絶妙で、その方をモチーフにしたキャラが濃すぎて面白かったです。さすが芸能人だと思いました。(中学3年・男子・大分)

  • 『新・窓をあけて九州「150年の時を超えて 五島焼き復活へ!」』(長崎放送)
    姉が長崎の島で教師をしています。島の話を聞く機会が多く、自然とタイトルが目にとまりました。藁から釉薬を作るのを初めて見ましたがとても興味深かったです。それぞれの土地で魅力があり、九州は広いので、これからもこの番組が楽しみです。(高校3年・女子・長崎)

  • 『偉人・敗北からの教訓』(BS11)
    立花宗茂という武将の特集だった。BSの歴史番組はコアなイメージがあったが、中学校の教科書程度の知識があれば無理なく理解することが出来た。人物にフォーカスするとドラマや時代劇のような物語調になりそうなものだが、あくまで学術的な視点や史料などをもとに、歴史的事実を分析しつつ立花宗茂の人柄や信条に迫っていくのは説得力があった。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『BS10 パネルクイズ アタック25』(BS10)
    クイズの難易度が絶妙で、中学1年生でも答えられる問題が多くあり、家族で盛り上がりました。25枚のパネルをオセロのように取り合うルールも面白いです。景品が豪華なのでいつか僕も応募してみたいです。(中学1年・男子・大分)

◆委員のコメント◆

【最近、『役に立った』『勉強になった』と思った番組について】

  • 『せっかち勉強』(日本テレビ)に関する複数の報告に共通点があった。2時間という長い番組だったが、47都道府県を扱っていたのでコンテンツが47個あるイメージなのだろう。それぞれのコンテンツについて面白い部分があったので、飽きずに見られたのだろうと思う。「タイパを重視しているのが時代に合っている」「テンポよく進んでいた」という報告もあり、こういった番組の作り方もよいと思う。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『BSスペシャル「小児集中治療室PICU~命と心に向きあう~」』(NHK BS)について高校2年生のモニターから報告があったが、取材協力者への感謝とともに、番組制作者への賛辞や敬意だと受け止めた。信頼関係を築いて作られた番組だということが若い視聴者にも伝わったのだろうと思うし、こういったことがテレビのファンを作ることにつながっていくのだと思う。

今後の予定について

2025年11月は沖縄県那覇市で、26日(水)に沖縄の学校の先生方との意見交換会、27日(木)に定例委員会ならびに沖縄地区放送局の番組制作者らとの意見交換会を行う予定です。

以上

2025年10月に視聴者から寄せられた意見

2025年10月に視聴者から寄せられた意見

自民党総裁選とその後の連立協議、高市政権誕生をめぐる報道に意見が寄せられました。

2025年10月にBPOに寄せられた意見の総数は、3,206件で、先月から1,049件増加しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 89.0% 電話 10.4% 郵便・FAX 0.6%
男女別は、男性 53.2% 女性 26.3% 無回答 20.6%で、世代別では10代 1.8% 20代 10.2% 30代 20.5% 40代 23.6% 50代 19.0% 60代 9.6% 70歳以上 2.7%
視聴者意見のうち個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。10月の個別送付先は36局で意見数は1,342件でした。放送全般に対する意見は201件でその中から13件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

自民党総裁選、連立を模索するその後の政局、誕生した高市政権についての報道に多くの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は63件、CMについては10件でした。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は127件で、前月から64件増加しました。
今月は「要望・提言」が96件と最も多く、次いで「表現・演出」の17件、「報道・情報」の8件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 自民党総裁選の結果が出たが、テレビ・新聞・雑誌などの予想はことごとく外れたと言っても過言ではなかろう。テレビの報道はあてにならないという感覚を持つ人が増えるのではないか。テレビは視聴者のほうを見ているのだろうか。

  • 自民党新総裁の就任会見について発言内容の一部を切り取って批判する番組があった。一部分の言葉遣いをとらえて批判するだけではなく会見全般を通しての解説や論評を聞きたいと思った。

  • 自民党新総裁の囲み取材の際の「支持率下げてやる」発言問題では報道関係者の倫理観が問われたのだと思う。日夜取材にあたっている記者たちがおごった考えを持たないよう願っている。

  • 討論番組の中で司会が自民党新総裁について「死んでしまえ、と言えばいい」と発言した。政治批判の自由を守ることは大切だが死んでしまえばいいという言葉は不適切だ。元首相が街頭演説中に狙撃され死亡した事件を思い出した。

  • 新内閣の記念撮影時の映像。サイドから撮影した映像が斜めに傾けられていた。撮影時のアングルなのか編集の際の加工なのかわからないが、何を言いたいのだろうかと違和感を覚えた。

  • 静岡・伊東市の市議選当日の情報番組。生中継のインタビューで市長に市議選の結果予測や今後の市政について質問するのかと思いきやキャスターもスタジオゲストも卒業証書問題の非難に終始していて新しい情報を得られなかった。

  • 公正取引委員会がタレントと芸能事務所などの関係について指針を発表した。事務所から独立した際に番組への出演を妨害されたり芸名の変更を余儀なくされたりした例がこれまでいくつもあったがテレビ局は過去の事例を検証すべきではないだろうか。

  • ニュース番組でたびたび見かけるが注目ニュースのランキングなどニュースに順位をつけることに何の意味があるのか。事件事故や災害のニュースには被害者がいる。被害者に対して失礼だし見ていて不快だ。

  • 熊被害のニュースが連日続くが目の前の現象を伝えるだけではなく、熊が棲む森の環境の変化や山里の現状について論じたり解説したりする番組を期待したい。

  • 小学生がオンラインカジノに手を染めていたという報道があった。社会全般にオンラインカジノの違法性に対する認識がまだ薄いと思う。オンラインカジノに対する注意喚起をテレビでもっとしてほしい。

  • 聴覚をはじめさまざまな障害に配慮したユニバーサル放送を一層広げてほしい。NHKは積極的に取り組んでいると感じるが民放もならって推進してほしいと思う。

  • 全国放送の番組であるのに東京中心に偏った内容になっていると感じることが多い。何の説明もなく「日比谷」「恵比寿」といった特定の地名を出したり「都心では」という言葉を使ったりして東京に住んでいる人に向けた放送のようだ。多様性という観点から地方にも配慮した番組作りを望みたい。

  • 明治生まれの日本人は4人だけになったという。そのうちの一人に密着した番組に感銘を受けた。意義ある企画だと思う。明治生まれの方が多く存命している時にこうした番組を見たかった。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 女子高校生です。10月から放送予定の深夜アニメが男性教師と女子生徒の性的関係を扱っているようで、地上波テレビで放送されることに強い違和感があります。表現の自由は大切ですが、視聴者への影響を考えて、もう少し慎重に扱ってほしいです。

  • テレビ番組で、著名なジャーナリストが(次期総理大臣になる人物を指して)「あんな奴は死んでしまえ、と言えばいい」と発言したのはいかがなものか。気にくわない友だちがクラス委員になったとしても、子どもに「死ねばいい」と言わせることはないだろう。倫理的に問題ある発言だと思う。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 1970年代の人気バラエティー番組の復活版。人の頭を棒で何度も叩いたり、頭の上で水風船を破裂させたり、人に消火器を噴射したりと、いわば「いじめ」を笑いにしていた。公共の放送でいじめを助長するのは言語道断だ。

  • バラエティー番組の罰ゲーム。仰向けにされたターゲットの芸人をほかの共演者が押さえつけ、ひとりがハイヒールのかかとを芸人の股間に押し当て、リアクションを笑いにしていた。集団のいじめに見えた。いじめを笑いにしないでほしい。

【「報道・情報」に関する意見

  • 私の学校の近くに観光地があり、通学時に取材のテレビクルーを見かけることがある。先日の校内放送で、取材を依頼されたら十分注意し、受ける場合は「顔出しNG」にすることなどを指導された。

  • クマによる被害のニュースで、猟友会による発砲の様子が放送された。横で見ていた子どもに「クマさん、どうなったの?」と涙目で聞かれた。子どものとらえ方は大人と異なるので、クマへの発砲の様子は映像化しないでほしい。コメントだけで十分伝わると思う。

2025年7月24日

2025年度「中高生モニター会議」

◆概要◆

2025年7月24日に東京渋谷のNHKで中高生モニター会議が開催されました。中高生モニター会議は中高生モニターが実際に放送局を訪れ、通常は見られない局内の見学や、番組制作者との触れ合い、委員との意見交換会など、多くの経験ができるとともにメディアリテラシーを涵養(かんよう)する貴重な場です。今後もテレビのファンとして、さらには将来のテレビ視聴者の柱となってもらえればと、青少年委員会では中高生モニター会議を毎年開催しています。
今回は今年度の中高生モニター17名と、BPOからは大日向雅美理事長と青少年委員会の吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員の7人の委員全員が参加しました。
オリエンテーションのあと、モニターと委員ら参加者は4班に分かれ、NHKの局内を見学しました。『あさイチ』のスタジオ見学では、実際に出演者が座る予定のスタジオセットの椅子にモニターたちも腰掛ける体験をし、大晦日の『NHK紅白歌合戦』の会場でもあるNHKホールの見学では、その大きさと迫力に圧倒されていました。また、たくさんのモニター機器が並ぶニュースセンターの見学では、ニューススタジオの案内・説明をしてくれたのは副島萌生アナウンサー(以下、副島アナ)と森下絵理香アナウンサーで、日頃ニュース番組で見慣れた顔の二人ということもあり、中高生モニターたちの喜びもひとしおでした。 この日の昼食は局内の食堂でいただいたことも、なかなか体験できない貴重なものとなりました。
戦後80年にあたる今回は『被爆体験を伝えるVR』をテーマに中高生モニターと番組制作者との交流の場が持たれました。NHKの横井秀信チーフプロデューサー(以下、横井CP)、大海寛嗣チーフディレクター(以下、大海CD)、ニューススタジオを案内してくれた副島アナにご参加いただき、中学生のときに広島で被爆した兒玉光雄さんの被爆経験をもとに作成されたバーチャルリアルティーの映像の制作についての詳細と苦労話を聞いたのち、モニターたちが実際にVRゴーグルを覗いてこのコンテンツの視聴体験をし、質疑応答が行われました。
会議の後半は中高生モニターと青少年委員会委員との意見交換が行われました。それぞれの自己紹介のあと、まずは「戦争に関する報道・番組について考えること」「こんなテーマを扱ってほしい」「こういう番組は視聴したくない」などをテーマに、そのあとは「今のテレビ・ラジオ業界についてどう感じていますか?」「今後の放送業界について、こうあってほしい」「こうしてほしい」などをテーマに、活発な意見交換をしました。

第1部 『被爆体験を伝えるVR』制作者との意見交換会

番組制作の説明とVR視聴体験

○横井CP NHKでプロデューサーという仕事をしています、横井です。今日はVRを見ていただきますが、どうしてVR制作に至ったのかも含めて番組制作についてお話して、皆さんからの質問にお答えしたいと思います。この仕事に関心を持ってもらったり、視聴者の立場で放送をどうしていくかを考えていただいたりすることは、我々にとっても大事なことなので、いろいろな意見を遠慮なく聞かせてください。

【横井CP 自己紹介】
簡単に自己紹介をします。私はもう25年ぐらいこの仕事をしています。1999年にディレクターとして広島放送局に赴任し、原爆で被爆された方の番組などを制作していました。2005年に東京に来たあとは、当時はチェルノブイリ原発事故から20年たっていたのでその番組を制作するなど、割と社会的な番組を制作するようになりました。当時問題になっていた「ワーキングプア」、当時の時給は1,000円以下だったのでどんなにたくさん働いてもなかなか豊かになれない、そんな問題を取り上げました。2017年に大阪放送局に行ってからはプロデューサーとして、インパール作戦という戦争の番組や在日コリアンの番組、部落問題、今はトクリュウと呼ばれるオレオレ詐欺をやっている人たちに関する番組なども制作しました。2020年に東京に戻ってからは戦争関連の番組ばかり制作しています。
ディレクターとプロデューサーで何が違うのかというと、ディレクターは日々取材に行ったり撮影をしたり、現場に行っている人たちです。プロデューサーは番組の大方針を決めたり方向性を一緒に考えたり、番組制作の最後に「こうしたほうがもっと伝わるんじゃないか」とナレーション原稿を一緒に考えたり、割とチェックしたり確認したりする仕事です。私は2014年からプロデューサーの仕事をしています。

【番組に出演した兒玉光雄(こだまみつお)さんとの出会い】
この仕事の一番の魅力は、なかなか普段会えない人や、本当に素敵な人に出会えることです。広島にいた2005年にVRに出演している兒玉光雄さんに出会ったのは、私にとってすごく大きな出会いでした。兒玉さんは1932年生まれで5年前に亡くなってしまいましたが、孫ほど歳が離れた私と、一緒に食事したりお酒を飲んだりという付き合いがありました。NHKに入局して広島や長崎、沖縄に赴任すると、やはり原爆や戦争が大きなテーマになります。私が赴任したときは「最初に被爆者のお話を聞きに行きなさい」と上司からアドバイスを受けました。とにかく被爆者をきちんと取材をすることが最初の仕事であり、最も大事な仕事となるわけです。
兒玉さんは中学校1年生、12歳の時に広島の中学校で被爆しました。爆心地から850メートルでした。原爆は「爆風」「熱線」「放射線」によって体に3つの大きなダメージを与えますが、校舎外で熱線を浴びた同級生は大やけどを負い、爆風で校舎が倒れ、兒玉さん御自身も4,600ミリシーベルトというとてつもない放射線を浴びました。現在は一般の方は年間1ミリシーベルトが限度だとされていますが、その4,600倍の放射線を一気に浴びたわけですね。307人いた同級生のうち288人を失いました。逃げるときには「助けてくれ」と知らない女性に足をつかまれたが、どうしようもなくて振り払ってしまったと。体にもものすごいダメージがあったわけですけども、生き残った罪悪感だとか多くの負傷者を見た心の傷も、ずっと抱えて生きてこられたわけです。けれども兒玉さんは60歳ぐらいまでは被爆についてほとんど語らずに生きてきました。やっぱりそういうことを考えたくない、考えると自分の心がおかしくなってしまうので考えずに生きて、とにかく仕事を頑張ろう、次の未来を明るくしよう、と必死に頑張ってこられました。でも60歳の頃に運命が変わることが起きてしまいます。
先ほど「兒玉さんは4,600ミリシーベルトの放射線を浴びた」と言いましたが、がんが体中にできるようになるんです。兒玉さんは実に22回、がんの手術をしています。昔は60歳が定年だったので、やっと第二の人生だと思っていたらすぐに直腸がんになって、直腸がんが良くなったと思ったら胃がんになって、7年たって甲状腺がんになって、85歳で腎臓がんになって、最期は腎臓がんで亡くなりました。がんがどこかにできて移ってしまうことを“転移”と言いますが、兒玉さんのがんは転移ではなく、それぞれの場所でがんが発症していました。体中に放射線を浴びていたので、いろいろな臓器の細胞が傷ついてしまったんですね。
私は兒玉さんが70歳を過ぎたときに出会ったんですけども、兒玉さんはくよくよしたり、つらいと言ったりすることが一切ない人でした。一緒にお酒を飲もう、ワインを飲もう、おいしいチーズがある、そういうことばかり。とにかくエネルギーにあふれている方で、どうしたらこうなるんだろうと思ったんです。それが、私の人生にとってとても大きな出会いでした。
「兒玉さんの同級生307人のうち288人が亡くなった」と言いましたが、生き残った19人も早い方は高校生のときに亡くなっているし、1人は大学生のとき、1人は30代で、3人は40代で亡くなっていて、とにかくどんどん亡くなっていました。兒玉さんは自分だけが取り残されているという思いがあって、やはり同級生のことや原爆のことを伝えていかなきゃいけないと、私の取材にもすごく積極的に応じてくださったんです。それで制作したのが『被爆者 命の記録』という20年前の番組です。私自身がさらに取材をして書籍にしましたが、実はこれには悲しい経緯があって、2017年に兒玉さんに腎臓がんが見つかって私のところに電話があり「もうあと2年しか生きられないと言われたんだけれどどうしようか」と言われて、「それなら何か形に残るものを一緒にやりましょう」ということで2019年の秋に本を出すことができました。兒玉さんはその翌年に亡くなりました。
こういう方と出会って時間を共有し、いろんなことを学んだりできるというのは、この仕事の素晴らしい一面じゃないかなと思っています。

【VRの制作について】
基本的に私たちは戦争体験者の方に話を聞いて、取材をして、撮影させてもらって番組にしてきましたが、戦争体験者はどんどん亡くなってしまっているわけですよね。だから、番組の作り方を変えていかなければならない。そういった問題意識を持っていたところ「VRで戦争を伝えることができないか」という話が2023年1月に私のところにきました。しかし私は正直に言って「勘弁してほしいな」と思いました。というのも取材や考証が大変過ぎるというか、360度すべての世界を作るのはどうやるのかと。
ここからは他の番組のプロセスと一緒ですが、とにかく兒玉さんの体験がどうだったのかもう一度調べました。当時の中学校はどうだったか、中学生は何をやっていたのか、教室はどんなところだったのか、制服はどうだったか、持ち物はどうだったか、当時のプールはどういうものだったのか…ありとあらゆることを調査しました。これは面白くもあり苦痛でもあるのですが、とにかくいろいろな写真や証言を集めて立体的にしていく。それから被爆の被害はどういうものだったのか、いま一度調べるわけです。医師や、爆風の研究をしている研究者、火災の研究者、建物の研究者とかに話を聞いて調べていきます。
この取材を少し詳しく言うと、本当にただ調べる、フィールドワークみたいなものです。例えば、原爆の影響を調べるためにアメリカが原爆投下2週間前に撮影した広島の航空写真から当時の街のことを調べたり、広島一中で被爆した19人のうちの十数人が残している記録を調べて、教室で被爆前に誰がどこにいてどんな話をしていたのか全部確認していったりしました。また、美術を学ぶ高校生に兒玉さんが自分の体験を絵にしてもらったときの指示書からも、当時の様子を洗い出していきました。
そしてこの取材結果を脚本家が脚本にしてくれました。番組は一つの“ストーリー”になっていないとなかなか心に響かないのですが、今回の場合は脚本家に書いてもらいました。この“ストーリー”は“うそ”ということではなくて、ノンフィクション、事実を基にしたストーリーを作っていただくということです。それをどう映像で表現していくのかというと、「この場合は3Dカメラを使いましょう」「CGを使いましょう」「痛々しいやけどのシーンがあるので特殊メイクも必要かな」と考えていきます。去年のちょうど今頃ロケをして、撮影したものを基にどうプレゼンテーションしていくか構成して、音響を作っていって、皆さんの目の前にあるヘッドマウントディスプレーに実装して、最終的に見ることができる形になりました。

【VRの視聴】
2年かけて制作したのが、皆さんに見ていただくVRです。もちろん悲惨なものを見せたいと制作したわけではなく、苦手だという人は頑張って見る必要はありません。ただ私の思いとしては、もう亡くなってしまった兒玉さんのことを少しでも多くの人に知ってもらいたい。19分くらいありますが、ご覧ください。

1945年8月6日、原爆が投下された広島を舞台にしたVR動画。校舎にいた生徒たちの多くが命を落とすなか、奇跡的に生還し、のちに証言を続けた兒玉光雄さんの視点から、“原爆投下当日”の出来事を追体験しました。

モニターからの質問

  • Q.(中学3年・男子・大分) 取材しても詳細が分からないとか、いまいち曖昧だったときは、番組の制作はどうしているのですか。

  • A.(横井CP) 実際は分からないことはたくさんあるので、勇気を持って「伝えない」ということになります。分かっている事実を伝えるのが基本なので、一生懸命取材は尽くすんですけども、分からないところはしっかりと「ここまでしか分かりませんでした」と言うことがとても大事だと思っています。歯がゆい思いをすることもありますけども、伝えないことも大事だと思っています。

  • Q.(高校1年・女子・愛知) 被爆者にインタビューするときに、気をつけていたことはありますか。

  • A.(横井CP) とても大事な質問だなと思います。被爆者の取材のときに限らず「知った気にならない」ということがとても大事だと思っています。いろいろ取材していると、いつの間にか知っているような気持ちになってしまって、大事なことを聞けないということがあります。きちっとゼロから語ってもらうというか、その人が本当に伝えたいことを聞き出す。だから質問はものすごく丁寧に、ロケの間は眠れなくなってしまうぐらい考えます。質問項目を考えて、こういう答えがあったら次はこれを聞こうとか、すごく気をつけて考えます。あらゆる取材で、人や社会はすごく多様で深くて多面性があるから、自分が見ているものは、その人のごく一部だと思うんです。だから自分自身をいさめて謙虚になって、きちっとお話を聞くことが一番大事で、また難しいことかなと思います。

  • Q.(高校2年・女子・神奈川) 取材する上で一番大変だったこと、苦労したのはどういう話題ですか。

  • A.(横井CP) 26歳ぐらいのとき、韓国の被爆者の方が取材している途中で亡くなってしまいました。それを記録しなければいけないのがとてもつらくて、この仕事って何なんだろうとか、もう辞めたいなとか思いました。それは押しつぶされそうな体験で、ずっと一番つらい思い出になっています。ですが、その韓国の被爆者の奥様がとても感謝してくださって、取材が終わった後も韓国にいらっしゃいと言ってくれて、それですぐ「明日から頑張ろう」と思えたわけではないのですが、少しずつ、自分のやってきたことにも何らかの意味があるのかもしれないなと思えて。そうしたら25年ぐらい続いちゃったという感じです。

  • Q.(高校3年・男子・福島) 戦争特番に限らず、教育とか福祉とか、見る人が少ないけれど必要な番組を日々制作していると思います。でも見てもらったり聞いてもらってなんぼじゃないですか。番組制作で心がけていることはありますか。

  • A.(横井CP) そのとおりで本当に胃が痛いです。戦争の番組って視聴率的には本当に厳しいです。僕が大学生だった頃は身近な映像メディアはほぼテレビしかなかったので見られていましたが、今はいろいろな選択肢が増えたなかで視聴されなくなっている面もあります。人が亡くなるシーンでは「もう見たくない」となることもあるので、そこは本当に工夫しなければいけないところだと思います。もう一つ、NHKの役割は “記録” です。今インターネットで「証言アーカイブス」を公開していて、そこには無数の戦争体験者のインタビューがそのまま収められていますけども、ほぼ全員亡くなっていてもう二度と撮れません。それをきちんと記録する務めもあると思っています。私はいろんな番組があっていいと思っていて、ドラマやアニメのように見てもらうことを大事にする番組もあれば、記録番組もあるし、その中間もあると思います。そういう番組を多様に放送していけたらいいなと思っています。

<NHKアナウンサーへの質問>

  • ○NHK担当者 本日ニューススタジオの案内をした副島萌生アナウンサーにも、質問があればどうぞ。

  • Q.(中学3年・男子・大分) テレビに出演するときは全国の人が見ているから緊張すると思いますが、緊張はどうやってほぐしていますか。

  • A.(副島アナ) やはりアナウンサーも緊張します。「緊張しないように」と思うと余計緊張するので、「私はいま緊張しているな」と受け入れているうちに、少しずつその空気に慣れていく…という感覚が近いです。

  • Q.(中学2年・女子・東京) アナウンサーはニュースや台本を事前にチェックして覚えるのですか。

  • A.(副島アナ) 『NHKニュース7』の放送前には、パソコン上にある原稿をチェックはしますが、実際に原稿が紙でスタジオに入ってくるときには変わっていたり、増えていたり、初めて見る原稿もあります。『ニュース7』では基本的に原稿を覚えて話すことはなく、今日のスタジオ見学で紹介したプロンプター(アナウンサーをカメラ目線で撮影するために、カメラレンズの前に設置したガラス板に文字を表示させる装置のこと)に映っている原稿を読みます。一方で、例えば中継でアナウンサーが特産品を紹介するときのコメントなどは、自分で覚えて話していることがほとんどです。

  • A.(横井CP) 『ニュース7』は、アナウンサーの手元に原稿が届く放送ぎりぎりまで制作をしているケースが多いです。

  • A.(副島アナ) アナウンサーは2人いますが、1人が読んでいるときにもう片方が次の原稿読んで、読んだらまた次の原稿、と。事前に1本も読まないでスタジオに入ったこともあります。

  • Q.(中学2年・女子・千葉) アナウンサーの仕事でやりがいを感じるときはどんなときですか。

  • A.(副島アナ) ディレクターも同じだと思いますが、世界が広がるなと思うときです。私は青森出身ですが、九州の大分県に赴任して、その後名古屋に行ってと、それまで全く縁もゆかりもないところに行って「日本にはこういう文化があるんだ」と知りました。またスポーツキャスターを5年ぐらい担当してスポーツをすごく好きになりました。自分が知らなかった世界に触れたときに、自分の人生が豊かになっているなと感じることがあって、それを見てくださる人にも共有できたらいいなというところが、またやりがいになっています。

  • Q.(中学3年・男子・東京) NHKは記者もアナウンサーも地方局に何回か転勤するイメージがあります。転勤が多い仕事をプラスに受け止める人もいればマイナスに受け止める人もいますが、NHKにどういった心構えで入局したのかを知りたいです。

  • A.(NHK記者) 仕事を通じてその地域を詳しく知ることが結構あって、出身地よりも赴任した土地のほうがより深く入れて面白いなと感じます。東京で大きな仕事をしたいという気持ちもありますが、地方の現場でより深く仕事したいという思いがありました。

  • A.(副島アナ) そこまでの心構えはなかったかもしれないというのが正直なところですね。でも地方局に赴任して感じるのは今の話にあった通りです。私は青森県弘前市出身で弘前市のことは知っているけど、青森県全体については深くは知らない。でも赴任先の大分県は全市町村へ行ったことがあって、おそらく青森のことよりも深く知っています。全国各地の情報を伝えるなかで、大分だったり東海地方だったり、少しでも馴染みがある場所のニュースはキャスターとして感想を伝える際など親近感を持って伝えられる部分もあります。全国のニュースを届ける上でも重要だと思っています。

  • ○NHK担当者 制作者との交流はこれで終了です。


第2部 BPO青少年委員と中学生モニターとの意見交換会

【テーマ1】「戦争に関する報道・番組について考えること」

  • ○飯田副委員長 ここからはモニターの皆さんと我々委員との意見交換会です。最初のテーマ「戦争に関する報道·番組について考えること」に関して、皆さんが考えていることをお聞かせください。

  • ○(高校1年·女子·愛媛) 戦後80年たって今の日本には戦争はないけれど、一歩世界に出たらまだ戦争を続けている国があるから、日本だけでなく世界でお互いに多様性を認めた上で「戦争をしても何も得るものはないし、失うものの方が大きい」としっかり理解するのが大事だと思います。私の母方の曾祖父は戦争を経験していますが、30代の前半に亡くなった過去があるので、なおさら戦争はよくないという気持ちが強いです。戦争をしても得るものがないことを全世界が共通して理解しておかないと、戦争はなくならないと思います。

  • ○(高校3年·女子·広島) 私は広島の高校に通っていますが、出身は兵庫県です。

  • ○飯田副委員長 広島の高校に通うようになって、雰囲気の違いなどは感じますか。

  • ○(高校3年·女子·広島) 小学校とか中学校のときに原爆資料館に行った子が多かったり、価値観が少し違ったりするなと感じます。

  • ○飯田副委員長 山縣先生は広島県出身ですね。

  • ○山縣委員 私の父親は被爆者です。私は被爆二世で高校生の頃まではずっと健康診断を受けていましたが、他人事というか、もう戦争は終わっているという感じでしたから、被爆二世だという実感はあまりなかったです。広島でも「戦争に関する生々しいものを映像で見たくないから文字だけにしてよ」派と、「やっぱり見るべきだ」派の人が存在します。私は「見るべきだ」派で、自分でも様々な資料を見てきたし話を聞いたりしたけれども、ただ見るだけでもやはり伝わらない。世界で戦争が起こっていることに一生懸命関心を持ってみようとするけれども、安全なところに自分の居場所を置きながら感じている。若い人たちがそれをどう思っているのか、どこまで戦争が起きていることを実感できているかに、すごく興味がありますね。

【グロテスクな映像表現について】

  • ○飯田副委員長 夏になると終戦番組や戦争関連番組が増えてくるわけですが、若い皆さんがそれをどう受け止め、どう思っているのかをぜひお聞きしたいです。事前アンケートには「悲惨なシーン、グロテスクなシーンはあまり見たくない」と書いた方がすごく多かったです。少し踏み込んだ回答をしていた方にお話をしてもらいましょう。最初の方は「学校で戦争特集の映像を見た。悲惨なシーンがあったが、戦争の実態を知り後世に伝えることが大切だと思うから、悲惨なシーンも取り上げるべきだと思う。また、いろいろな国の視点で戦争をひもとく番組があったら見たいと思う」と書いていましたね。

  • ○(中学2年·男子·東京) 映像を見てどう感じるかは人によって違うから、昔起こったことの重大さを知って、今を生きるほうがいいと思いました。

  • ○(中学2年·女子·東京) 若い人はグロテスクなシーンを見た経験があまりないと思うので、そういうシーンを見ると「やっぱり戦争の映像は見たくない」と感じて、どんどん戦争から目を背けるきっかけにもなってしまうと思います。グロテスクなシーンを避けた上で、戦争はこういうものだとしっかり伝えていくのがいいと思いました。

  • ○佐々木委員 悲惨なシーンの一つに「身体分離(全身がバラバラになるなど)」があります。私はゲームソフトのレーティング基準に関する会議にも関わっていて、そういったシーンは青少年には絶対見せてはいけないという話をしますが、戦争のシーンでは出てきますよね。ただ大人と子どもとでは考えが違って、大人には「実際に起こったことなのだから知るべきだ」という考えもありますが、子どもたちの中に「そういうシーンは見たくない」という意見もあって当然です。私たちは本能的に死にたくないので、そういった恐ろしいものや怖いものを本能的に避けようとする心理があるし、正常な反応だと思います。

  • ○池田委員 例えばNHKの『映像の世紀シリーズ』には、人が亡くなったシーンが出てきますよね。どう思いますか。

  • ○(中学2年·男子·群馬) 特別見たいわけではないですが、『映像の世紀シリーズ』は、モノクロの映像だとちょうどバランスが取れていると思います。

  • ○佐々木委員 ではアニメとか漫画のような表現のほうが良い人はどのくらいいますか。

      • —-挙手—-
  • ○佐々木委員 なるほど半数以下ですね。生映像も見るべきだと思っておられる人の方が多いですね。

  • ○飯田副委員長 「モノクロ映像だからちょうどいい」というのは新鮮な意見ですね。モノクロだと戦争の悲惨さが伝わらないという理由で、AIでカラー映像化するプロジェクトがあったりもしますが、モノクロのほうがいいという考え方もあるのですね。

  • ○吉永委員長 アニメ映画『鬼滅の刃』にも、首が飛んだり、血が飛び散ったりする悲惨なシーンは幾らでもありますが、あまり皆さん拒否感がなく、小さい子どもまでもが映画を見に行きますよね。やはりアニメは「作りものだから」と受け入れていて、戦争は「実際に起きたことだから見るのは嫌だ」という心理なのでしょう。カラーとモノクロではインパクトは大分違いますが、モノクロ映像でも戦争の悲惨さは十分に伝わるということなんですね。

  • ○佐々木委員 私は「始まる前にボタンを押しておくと、残虐なシーンは白黒になる(またはアニメーションになる)」など、将来的にそういうテクノロジーが可能になるとよいなと思います。

  • ○飯田副委員長 大人の話を聞いていて、中高生の皆さんから何かご意見はありますか。

  • ○(中学3年·男子·東京) 例えば『映像の世紀バタフライエフェクト』には戦争の残虐なシーンが本当に多いじゃないですか。それは必要だとは思いますが、いやだと感じる人がそのシーンのせいで番組を見ないのならば、きちんと伝えられていないとも思います。YouTubeと同じように、何分飛ばしたらこのシーンに飛ぶ、というのをテレビでもやればよいと思いました。

  • ○飯田副委員長 たくさんの人に見てもらえる番組にするのか、それとも制作の意図を追求するのか、そのバランスは制作者の方も悩まれているのだろうと思いますね。

【有名人の番組出演について】

  • ○佐々木委員 皆さんの毎月のモニター報告を読んでいると「有名人が出演する番組を視聴する」という感想が多くあります。例えば戦争映画に横浜流星さんとかが出演するとしたら、そういう効果をどう思いますか。

  • ○(高校2年·女子·神奈川) 『国宝』という映画を横浜流星さん目当てで見に行く人が今周りにすごく多いです。どんなストーリーだったのか感想を聞くとだいたい「横浜流星さんがかっこよくて…」から始まるのですが、逆にいえば伝統芸能がテーマの映画を見る気のなかった人たちも呼び寄せたのだなと感じました。そういう観点では、戦争番組に有名人を出して、「これまで見たことはなかったけれど勉強になった」と思う人が増えるのもいいやり方なのかなと思います。

【テーマ2】「今のテレビやラジオについて、どう感じていますか」

  • ○飯田副委員長 それでは意見交換の2つ目のテーマです。事前アンケートではコンプライアンスなどに関する意見が多く、例えば「失敗した芸能人にもう一度出演のチャンスを与えてほしい」と書いた人もいました。

【“過去に悪いことをした人”の出演について】

  • ○(中学2年·男子·東京) 現在出演しなくなった人の昔の番組を見て、演技力がすごくてとても人気だったのだと思うと、もったいないなと思って。もう一度出演したら改心するかもしれないので、チャンスを与えてほしいです。

  • ○髙橋委員 同感です。一度悪いことをすると社会に復帰できないとなると、更生のチャンスがなくなってまた悪いところにつながるという悪い連鎖になってしまうので、社会復帰のチャンスはあるほうがよいと私も思います。一方で、かつて悪いことをした人が地上波の番組に出演するとネット上ですごくバッシングされて、それが世の中一般の意見のように見えることもあります。多くの人の意見なのか、ごく一部の意見なのか、その見極めと向き合いが難しいなと感じます。

【ネットやSNSとの関わりについて】

  • ○(高校1年·女子·秋田) ニュース番組の中で、ネットやSNSに上がっているコメントを「世間の声」として紹介することがよくありますが、「ネットの声=世間の声」ではないと思います。「世間の声」は街に出て街の人に質問して得られるものだと思うし、ネットの声を信用し過ぎているなと思います。

  • (中学1年·女子·東京) 友達と最近「出演者や番組内容がどれも似ている」と話しているときに、地上波の話は出なくてYouTubeの話ばかりでついていけなくて困っています。

  • ○(高校2年·女子·神奈川) ネットでバズっている動画をほぼそのまま切り抜いて紹介し、その動画を見る芸能人の反応を楽しむような番組が結構あります。それってテレビの役割を完全に放棄しているというか、そもそも海外の動画の許可をどう取っているのかよく分からないし、YouTubeやインスタを見れば誰でも見られる動画を拾ってくるだけでいいのだろうかと思います。

  • ○BPO事務局 海外の“おもしろ映像集”などは、YouTubeなどから勝手に取ってきているのではなくて、テレビ局の担当者が海外の市場に行って権利を買っています。また海外まで行かなくても、日本の制作会社などが権利を買ってきて日本の放送局に売るというビジネスもあります。例えばデーブ·スペクターさんの会社ではそういうのをいっぱい扱っています。デーブ·スペクターさんの会社から権利を買って放送している場合もたくさんあります。

  • ○飯田副委員長 「テレビ局がやらなくてもよいのでは」と皆さんは思っているかもしれませんね。逆に日本で作られたテレビ番組が、別の会社を介して海外で視聴されることもあります。

【政治関連の番組ついて】

  • ○(高校1年·女子·岡山) 私が知っている政治番組は若い人や有名人が出演するイメージがなくて、専門家や評論家が多く出演しています。政治関連の番組にYouTuberやインフルエンサーやアイドルが出演すれば、もう少し若い人の関心が得られるし、意見も聞けると思います。

  • ○吉永委員長 政治の番組でも経済の番組でも、いちいち辞書を引かないと言葉の意味が分からないことはありますよね。専門家が作れば作るほど「みんな知っていて当然だよね」というレベルが高くなってしまって、私たちがそのレベルにたどり着けないということが起きていると思います。そこは番組の制作者も気をつけたほうがよいのかな。入り口のところで基礎知識をきちんと知ると興味を持てると思うので、入り口をいろんな形で広げていって、その先に行けるような仕組みが欲しいですね。

【番組表について】

  • ○(高校1年·女子·熊本) 小さい頃は新聞のテレビ欄を一番に見て、そこから見たい番組に印をつけて一日楽しみにしていましたが、最近新聞の購読をやめてからはどんな番組があるのかを知らなくなって、テレビ視聴時間も減ってしまいました。私の家に限ったことかもしれませんが、新聞の購読はテレビの視聴時間に直結していると思います。

  • ○飯田副委員長 これは「テレビ離れ」の本質ではないかと、僕も実は前から同じことを思っています。テレビ画面でも番組表(EPG)が見られますが、一覧性がないから新聞のテレビ欄と比べると見落としも多くなるし、(ウェブの)検索で網羅できるかというとそれも難しいですよね。紙の新聞のインターフェースに代わるものはないなと感じています。

【テレビ局が薦める「青少年へのおすすめ番組」について】

  • ○BPO事務局 「青少年へのおすすめ番組」は毎月各放送局が自局の番組の中から選んでいるもので、BPOのウェブサイトに載せて紹介しています。「青少年へのおすすめ番組」の仕組み自体はBPOが発足する前からあって、1990年代後半、テレビの残虐なシーンが子どもたちに悪い影響を与えているのではないかという批判がすごく高まった時期に、若い人たちに見てもらいたい番組を放送局から主体的に情報提供していこうと決めてできた仕組みです。
    モニター報告はすべて番組を制作した放送局に送っていて、皆さんの指摘や感想を受け取った制作現場はとても喜んでいます。特に地方の放送局では、若い世代に特化したモニター制度を運用しているところは少ないようなので、地元の放送や配信サイトで視聴した地方局制作番組の感想は、とても喜ばれています。

モニターからの質問

  • ○(中学3年·男子·東京) テレビのニュースやワイドショーに関して、SNSでよく「その情報は正しいのか」と疑う声をみます。情報の信憑性はどうやって確保しているのでしょうか。

  • ○BPO事務局 去年までNHKで報道の仕事をしていて、今年の春、民放とNHKに入社したばかりの新人に研修をしましたが、そこでお話した4つのことを紹介します。1つ目は、放送局には誰に対しても責任を負っていて、何か問われたときにはその根拠を答えなければいけないという責任をもって放送を出しています。2つ目は、放送局は事実を伝えるということです。真実と事実というのは違って、「自分はこう思う」という真実は人の数だけありますが、放送局は一つの事実を多角的に伝える。事実以外のことを伝えてはいけません。3つ目は、放送局は誠実でないといけません。取材相手に嘘を言って話を聞き出してはいけませんし、取材相手が本当に言いたいことを曲げてインタビューを編集してはいけません。4つ目は、放送局は議論をして番組を作る場だということです。放送局にはいろいろなタイプの人がいますが、大切なのは独りよがりにならないこと、つまりみんなで議論することです。この4つは放送局の特徴であって、関わる人すべてが大切にしなければいけないことです。

  • ○(中学2年·男子·東京) 人工知能の生成AIが成長することで、モデルや俳優の仕事も変わり、テレビの在り方も変わると思いますが、そういった事態にはどう対応していくのですか。

  • ○飯田副委員長 難しい質問ですね。AIはたくさん物事をインプットして一番それらしい答えを出すので、人に分かりやすく説明する文章づくりやニュース原稿を読むことなどはAIにやってもらってもいいと思います。ただ先ほどの話にあった、誠実な姿勢で取材先から事実を受け取って、それを多角的に議論して、責任を持って視聴者に届けるという部分は、AIにはできないですよね。なぜかというとAIは考えないから。AIは自分の話したことが事実かどうかは考えないし、教えてくれた人に対して誠実に対応しようとも思わないし、議論もしない。日常業務をAIでやれる部分は大きいかもしれないので、その分、放送局の人は新しいものを生み出す仕事ができるようになりますよね。

  • ○BPO事務局 人を「美しい」と思う基準って、例えば顔のパーツが線対称に近いとか体のバランスが“黄金比”に近いとか、分かりやすいものがあります。だから見た目に美しいモデルや俳優は、生成AIで簡単につくれると思います。ただ先日、弁護士である池田委員とお話していたときに「弁護士の仕事においても、法律的に正確なことや事実に基づいたことを即座に答えるのはきっとAIのほうが優秀だが、この弁護士の人に話を聞いてほしいという人の気持ちは絶対になくならないと思う」と言われてハッとしました。生成AIでつくられたモデルや俳優に私たちが憧れるかというと、必ずしもそうではないのではないか。生身の人間って人間くさかったりちょっと抜けていたりするけれど、それでもなんだか美しかったり、かっこよかったり、味があったり…。モデルや俳優や放送局も、美しいものだけを追い求める世界ではないから、これからも変わらない仕事はあるとも思います。

  • ○池田委員 法律相談でもテレビのコメンテーターでも、生成AIはきっと正しい知識に基づいて完璧な発言をするようにはなると思います。吉永委員長もテレビ番組のコメンテーターとして毎週出演していますが、吉永委員長が出演するから見たくなる、吉永委員長が話す内容だから聞きたくなるのだなと、改めて思いました。

吉永委員長のまとめ

  • ○吉永委員長 今日は、朝10時から午後4時までという大変長い時間となりました。今日は日本で一番大きなNHKの現場を見せていただきましたが、放送業界ではこんなにもたくさんの人が事実を伝えたいと頑張っている現状を、皆さんにも分かっていただけたと思います。今は新聞やテレビなどの既存メディアに逆風が吹いていて「もう既存メディアは信用できない」という声もあります。では何を信用しているかというと、事実の確認も自由で言いたいことが言える、“一人放送局”ともいえるYouTubeのほうが膨大な情報が耳に入ってくるから未来がある、といった考えが出てきているのでしょう。これから生成AIが進歩するとますます便利になって、頭を使わなくて済んでしまうかもしれませんが、人間が唯一AIに勝てること、それは「考えること」だと思います。いろいろな情報が皆さんの目にも耳にも洪水のように入ってくると思いますが、そこで少し立ち止まって、「これは一体何を伝えようとしているのか」「この背景に何があるのか」と、ぜひ自分の頭で考えてほしいです。もう一つは、やっぱり周りの人としゃべってほしいな。戦争の報道を見て「何でこんなことになっているのだろう」と友達と話す、これもAI同士ではできないことです。AIにできないことを、ぜひ意識的に心がけていってほしいと思います。そして、皆さんとは中高生モニターに参加していただいて御縁ができました。テレビ業界はこんなに頑張っている人がたくさんいて、事実に則った情報を視聴者に提供したいと思っているのだということを、ぜひ他の人にもお伝えいただければなと思います。今日は本当に、お疲れさまでした。

事後アンケートより

Q1 NHKの放送局見学はいかがでしたか

  • (中学2年・女子・千葉) 『ニュース7』でアナウンサーが立つスタジオの背景が緑色だったのがとても衝撃的でした!また『あさイチ』のスタジオの机はリサイクル材料で作られていてすごいなと思いました。鈴木奈穂子アナウンサーがいつも座っている椅子に座ることができて嬉しかったです。
  • (中学3年・男子・東京) いつもニュースの裏側がどうなっているのか気になっていたので、報道フロアの見学は興奮の連続でした。普段見ているニュース番組が、今いるスタジオから放送されていることに驚きました。実際の生放送も見せてもらい、アナウンサーの技術にも感激しました。
  • (高校3年・男子・福島) これから生きていくなかで訪れることのない場所の一つだと思うので、とても貴重な時間となり感謝の気持ちしかありません。中でもニュースセンターの見学では「ここから“世論の材料”が世の中に放送されるのか」と思うとワクワクしました。

Q2 『被爆体験を伝えるVR』制作スタッフとの意見交換会はいかがでしたか

  • (中学1年・男子・大分) 戦争を知らない世代が増えるなか、このような取り組みはとても良いことだと思った。特にVRを見たときは当時にタイムスリップしたような気持ちになり、改めて戦争は良くないと思った。このような取り組みをどんどん増やしてほしい。
  • (高校1年・女子・秋田) 制作スタッフの方々が取材時に心がけていることや、苦労・プレッシャー・辛いこと等を赤裸々に話してくださり、貴重な体験となった。話していただいた内容を忘れないようにしなければならないと感じている。
  • (高校2年・女子・神奈川) この番組に限らず『NHKスペシャル』の制作スタッフとして、「多様な背景を持つ人に取材をする過程では辛く苦しかったこともあるけれど、自分がただ生きていく上では到底出会うことができなかったであろう、素敵で心打たれるような人と関わることができるのが魅力だ」とおっしゃっていたのが心に残りました。

Q3 青少年委員との意見交換会はいかがでしたか。

  • (中学3年・男子・大分) 自分の意見とは異なり、考え方が鋭いと思った。戦争関連の番組については「アニメにすれば視聴する人が増えるのでは」という意見は自分では思いつかなかった。
  • (高校3年・女子・広島) 印象的だったのは「グロテスクな表現」についての議論です。私は苦手なのであまり放送してほしくない立場でしたが、多くの参加者は積極的に放送してほしいと考えていて驚きました。またAIの話題では「美しいものを追い求めるわけではない」という意見が印象に残りました。私には好きな芸能人がいますが、もしその人が完璧すぎたらかえって応援しなくなってしまうかもしれないと感じました。「テレビは“完璧なモノ”ではなく“事実”を放送するものだ」という意見もなるほどと思いました。
  • (高校1年・女子・岡山) 全国のモニターと意見交換ができてよかったです。ただ今回は、モニターが意見を述べてそれに対して青少年委員の方が回答する形だったので、モニター同士のほうが緊張せず話しやすいかもしれないと思いました。また意見交換の時間が少なかった気がしました。

Q4 モニター会議に参加しての印象に残ったこと、発見したことなどの感想やご意見・ご要望など自由に聞かせてください

  • (中学1年・女子・東京) 同世代とテレビについて話したり意見を交換したりする機会が普段はないため、とても新鮮で貴重な体験でした。アナウンサーはトイレの回数を減らすためにスポーツドリンクを飲むようにしていたという発言を聞いて、プロフェッショナルだと思いました。
  • (高校1年・女子・熊本) 特に印象に残ったのは質疑応答で他のモニターが積極的に発言していたことです。どの質問も自分なりの視点があってとても刺激を受けました。また委員会の方々からはテレビに関する様々な専門的な話を聞くことができ、普段とは違った角度からテレビの在り方を考える貴重な機会となりました。
  • (高校1年・女子・愛媛) スタジオ見学ではプロデューサーやアナウンサー、カメラマンなど大勢の人が待機していて、それぞれが働く様子を見て放送業界で働くことへの憧れが強くなりました。楽しく勉強になる会議を開いていただき、本当にありがとうございました。
  • (中学2年・女子・東京) 私は将来アナウンサーを目指していますが、そのことを委員の皆さんが把握してくださり、アナウンサーの方ともお話できたことが一番嬉しかったです。また放送局で働く人に対しての自分の勝手な思い込みが全く違うものになりました。放送局は「事実を国民に伝えている」ことを改めて感じたし、働いている人は常に忙しくて真面目なことばかり考えていると思っていましたが想像よりもずっと優しくてたくさん話してくれ、親と先生以外の大人と久しぶりに話して人間の温かみを感じました。学生たちは普段は目にしないテレビ局の中をドラマでしか見ることができません。職業ドラマでは主人公は熱心な努力家ですが、偉い人は大抵あまりいい人ではありません。実際はこんなに素敵な方々なのにもったいないと思いました。

以上

第344回

第344回 – 2025年10月

「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理…など

議事の詳細

日時
2025年10月21日(火)午後4時~午後7時
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1.「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理

申立ての対象となったのは、福岡放送が2025年4月13日と20日に放送したバラエティー番組『ナンデモ特命係発見らくちゃく!』の「命の危機…ゴミ屋敷大掃除!」で、視聴者からの依頼を受けて、高齢の親族が住む民家の大がかりな清掃を行い、その模様を放送した。
これに対し、当該民家の住人が、番組は臭いや不衛生な状態が過度に強調される形で顔出し・実名・モザイク処理なしで放送され、尊厳が著しく損なわれ人権を侵害されたと申し立てた。さらに、番組の収録過程において、住人にとって重要な物品がなくなったと主張している。
また、他の親族2名は、番組内で幼少期の写真が承諾なく使用されたり、プライベートな事実が本人の同意なく放送されたことなども権利侵害にあたると訴えている。
放送局は一部配慮が足りなかったことなどを認め謝罪したが、これら3名の申立人は納得せず、双方の交渉が不調に終わったため、9月の委員会で審理入りするか否かを検討した結果、審理入りすることを決めた。
今回の委員会では、被申立人である福岡放送から提出された答弁書の概要・ポイント等を担当調査役が説明し意見交換を行った。さらに、いくつかの論点についても議論した。

2. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況等について説明し議論した。

3. その他

10月中旬に開催した3委員会合同意見交換会について事務局から報告を行った。また、委員会運営規則第5条第1項(6)や同2項(2)にかかわる申立てについて、その取り扱い等について議論した。

以上

第49号

日本テレビ『月曜から夜ふかし』
街頭インタビューの恣意的な編集に関する意見

2025年10月21日 放送局:日本テレビ

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の人の声を紹介したが、放送後この人から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。日本テレビは、制作スタッフの意図的な編集で当初の発言の趣旨とは全く異なる内容となっていたことを認め、番組ウェブサイトと社長会見で事実を公表して謝罪し、その後番組内でMCが謝罪のうえお詫びコメントを表示した。
委員会は同年4月、放送倫理違反の疑いがあり取材から放送に至る制作プロセスを検証する必要があるとして審議入りし、日本テレビや制作会社の関係者を対象にヒアリングを実施。街頭インタビューを担当したディレクターが、オチが付き面白い内容になると考えて、中国出身の人が別の文脈で発言した言葉を恣意的につぎはぎする音声の編集を単独で行ったこと、発言していない内容を発言したかのように放送した結果、取材対象者がソーシャルメディア上で誹謗中傷にさらされる事態に至ったことを確認した。
更に委員会は、なぜ制作幹部が恣意的な編集に気づかず、事案の発生を防げなかったのかについて検証した。その結果、▼放送内容の正確性を担保し、番組の制作過程に不正がないかどうか疑念を持つ意識が制作幹部に希薄だったこと、▼取材対象者に放送内容の真正性を確認する場が放送を許諾するよう仕向ける場となっていたり、番組の制作過程で生じた疑念を制作陣全体に共有する仕組みがなかったり、不正抑止のための仕組みが機能不全を起こしていたこと、▼制作陣が、取材対象者は自主的にオチのある発言をし、視聴者はそれを冗談だと受け止めると一方的に期待して、笑いやオチを優先させるなかで、不正リスクの軽視につながった組織風土が醸成されたことに問題があったと認めた。また、他国への偏見とはいえないまでも、他国の人々の感情を尊重する姿勢が不十分であったと付言した。
以上のことから委員会は、本件放送は恣意的な編集によって事実に基づかない虚偽の内容を放送し、取材対象者がソーシャルメディア上において想定外の誹謗中傷にさらされる事態を招き、民放連の放送基準及び日本テレビの取材・放送規範の各項目に反しているとして、放送倫理違反があったと判断した。

2025年10月21日 第49号委員会決定

全文はこちら(PDF)pdf

目 次

2025年10月21日 決定の通知と公表

通知は、2025年10月21日午後1時から千代田放送会館で行われ、
午後2時から都市センターホテル701会議室で公表の記者会見が行われた。
記者会見には、26社47人が出席した。詳細はこちら。



第211回

第211回–2025年10月

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見 対応報告を了承

第211回放送倫理検証委員会は、10月10日に千代田放送会館で開催された。
委員会が2025年7月11日に通知・公表した委員会決定第48号 番組と広告の識別が問題視されたTBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見について、当該放送局から再発防止に関する取り組み状況などの対応報告が書面で提出され、その内容を検討した結果、報告を了承して公表することにした。
9月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年10月10日(金)午後4時~午後5時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. TBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見への対応報告を了承

7月11日に通知・公表した委員会決定第48号 番組と広告の識別が問題視されたTBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。
報告書には、委員会決定が公表された後、本件放送に関わったコンテンツ戦略局、営業局、編成考査局を中心に、委員会決定の内容を周知、説明する会を開催したことが記されている。
再発防止については以下のような取り組みを講じていることが記載されている。
9月1日付で、「番組内での商品・サービスの取り扱いに関する識別上の留意点」を策定し、TBSテレビの放送基準などを収めたガイドライン集に新たに掲載。番組で取り上げる理由・目的に「主体性」と「必然性」があること、視聴者にとって有益でフェアな内容であることの2点に留意するよう求めている。
また、社内の共有フォルダでスポンサー情報や番組で取り扱う企業名・企画内容などを一元的に管理し、関係部門間で適切に情報共有する運用を開始。
さらに、考査機能を強化するため、番組と広告の識別をめぐり視聴者に誤解を与える可能性のある番組については、納品前の「完パケ」またはテロップがすべて入った「画完」を対象とした考査を行う体制を整えたことなどが記されている。
委員からは、報告書に沿って良い番組を作ってほしい等の意見が出され、報告を了承して公表することにした。
TBSテレビの対応報告は、こちら(PDFファイル)

2. 9月の視聴者・聴取者意見を報告

9月に視聴者・聴取者から寄せられた意見には、情報番組のコメンテーターが、ある政党が特定の団体に金を配って集票していると誤解を招く発言をしたことに対して、撤回と謝罪を求める意見があった。また、ソーシャルメディア上の投稿写真の使用許諾を受けた情報番組が、その写真を使って元の投稿の趣旨とは全く逆の内容の放送をしたことについて、事実を伝える報道機関としてあるまじき行動だと批判する意見があった。

3. その他

NHKが2025年8月16、17日に放送したNHKスペシャル『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦』について、10月初旬、同番組の舞台となった総力戦研究所の所長を務めていた人の親族から、祖父が正反対の人物として描かれ、総力戦研究所に関する史実が意図的にわい曲されている旨を記した「要望書」と資料が放送倫理検証委員会に届いた。この番組は、NHKの番組紹介によると、「猪瀬直樹の『昭和16年夏の敗戦』を原案に創作を加えたドラマと、総力戦研究所の史実を伝えるドキュメンタリーを2夜連続で放送。日米開戦前夜の1941年夏、首相直属の総力戦研究所で日本とアメリカが戦った場合のあらゆる可能性がシミュレートされた。官僚・軍人・民間から選抜された若きエリートたちが導き出した結論は日本の“圧倒的な敗北”だった―。」というものである。
放送倫理検証委員会は申立て制度を取っておらず、申立書・要望書は放送番組を検討する端緒のひとつと捉えることがあるが、申立書・要望書を受けて必ず議論を行うものではない。本番組については番組を視聴し議論をした。議論では、史実に基づくドラマ制作に関し、関係者と事前に協議をしなかったことや人物の設定そのものを史実と変えて描くことに疑問を呈する意見のほか、戦争の取り上げ方が多様化する中でのドラマ制作のあり方、歴史の捉え方、モデル小説などに関する裁判例についての意見があった。ドラマであることを理由にいかなる番組を制作しても良いとはいえないが、委員会は、本番組についてはドラマ制作として放送倫理上問題の疑いがあるとまではいえず、またテロップでフィクションであることを明示したうえ、ドラマの後のドキュメンタリー部分で、実際の所長はドラマで描かれた人物像とは異なっていたことをナレーションなどで説明しており、視聴者において誤解が生じることはないと考え、討議入りしないこととした。
なお、委員会は議論をしたうえで討議、審議・審理入りしないことを決めた番組については、原則として議事概要に放送局名・番組名を公表していないが、要望書を出した親族が記者会見を行ったことやNHK会長の記者会見の発言などがすでに報道されていることから、議事概要に番組名等を記載することとした。

以上

2025年9月に視聴者から寄せられた意見

2025年9月に視聴者から寄せられた意見

自民党総裁選をめぐる各社の報道情報番組にさまざまな意見が寄せられました。

2025年9月にBPOに寄せられた意見の総数は、2,157件で、先月から328件増加しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ86.2% 電話 12.9% 郵便・FAX 0.8%
男女別は、男性 52.3% 女性 24.7% 無回答 23.0%で、世代別では10代 1.6% 20代 8.5% 30代 19.3% 40代 22.8% 50代 18.5% 60代 10.8% 70歳以上 4.5%
視聴者意見のうち個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。9月の個別送付先は41局で意見数は572件でした。放送全般に対する意見は146件でその中から12件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

自民党総裁選についての各社の報道番組・情報番組にさまざまな意見が寄せられました。ラジオに関する意見は61件、CMについては26件でした。

青少年に関する意見

2025年9月中に青少年委員会に寄せられた意見は63件で、前月から48件減少しました。
今月は「表現・演出」が21件と最も多く、次いで「要望・提言」の18件、「言葉」の15件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 自民党総裁選が重要な政治ニュースであることはわかるが、連日ほとんどの社で多くの時間を使って報道されているのを見ると、結果として党の宣伝・アピールの時間になっているようにも見えてくる。

  • 自民党総裁選5人の候補者に対するインタビューの中で特定の候補者に対して強く批判的な姿勢を取っていると感じられる番組があった。

  • 奈良公園の鹿に暴力をふるう外国人がいるかどうかを検証するというニュース企画。そのような外国人を見つけることはできなかったというトーンで終わっているが根拠が弱く取材が足りないと感じた。

  • 「石破やめるな」デモについてはほとんどすべてのテレビが報道したと記憶しているが「やめろ」デモについては逆にほとんどの社が報道しなかったのではないか。そのことがネットでも話題になっている。テレビは公平性に欠けるという批判を招かないよう意識した方がいいのではないか。

  • 静岡・伊東市長の学歴問題を各社多くの時間を使って報道しているが、イスラエルによるガザへの攻撃や中露朝3国の連携が及ぼす影響をはじめもっと重要なニュースをしっかり伝えてほしいと思う。

  • 毎年恒例の大型チャリティー番組の中のマラソン企画。酷暑をしのぐため不要不急の外出を控えるようニュースで毎日呼び掛けているのに矛盾していないか。出演者やスタッフなど関係者の安全を脅かす企画は考え直す時期ではないかと思う。

  • ネット上のフェイクニュースに気を付けるようにとテレビはアピールしているが、情報番組などで専門家でもないコメンテーターが政治経済や国際情勢を語っているのを見るとどっちもどっちではないかと思えてくる。

  • 最近のテレビ報道を見て感じるのだが、「外国人差別」という言葉の多用によって、「外国人」と言えば「差別」を受けるものという風に固定化したイメージを視聴者に植えつける結果になってはいないだろうか。ひとつひとつの事件や出来事の中には「本当の差別」もあれば「差別とは異なるもの」もあるだろう。事柄をつぶさに正確に伝えてほしいと思う。

  • 熊に襲われた被害者の容態を報じるとき、ただ「命に別状はありませんでした」とだけで終わってしまうことがあるがこれでは熊被害の深刻さが伝わらないと思う。重傷なのか軽傷で済んだのか、後遺症が残るような負傷なのか否か、しっかりと取材してほしいと思う。

  • 近年豪雨災害が増え浸水した現場からの中継をよく見るが、転倒や転落、水流を伝わる感電、感染症などに対してしっかりと安全対策を取っているのか疑問に感じることもある。中継するレポーターや取材スタッフの安全が十分に守られていると視聴者が安心できることが大切で、それが視聴者の災害に対する意識を高めることにつながると思う。

  • 殺人や強盗、窃盗など犯罪の手口をこと細かに報道することに違和感を覚える。事実を詳しく伝えることは大切なことだとは思うが模倣犯が現れることを避けるために手口についての報道には配慮があってもいいのではないか。

  • 万博開催期間終了が迫りまだ使われていないチケットのことを「死に券」と呼んでいる番組があった。死を軽んじているようにも感じられ違和感が残った。

  • 最近の報道番組はニュースを伝える時間の量と比べてグルメ・エンタメ・海外ハプニングの映像を流す時間のほうが多いと感じる。だから「どこかから圧力がかかって伝えるべきことを伝えていない」などとネットで言われてしまうのだと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ヒーロードラマで主人公が、飲食店のツケを仲間から金を借りて支払うシーンがあった。その借り方が、仲間が財布を取りだした瞬間に財布ごと奪い、お札を抜き取ると財布を床に投げ捨てるというひどいものだった。お礼の言葉もない。気分の悪くなるシーンだった。

  • 高校生が出場するクイズ番組。問題を答えさせるまで、男子と女子を、ハンデをつけることなく同じ条件で走らせていた。このまま体力勝負の作問が続くと、各校から体力では勝てない女子が選抜されなくなると思う

【「要望・提言」】

  • 戦後80年関連で、太平洋戦争中の激戦の島での体験を語るドキュメンタリーを幼い孫といっしょに見た。体験者が鼻水を流しながら涙するシーンで孫が「このおじいちゃん、汚いねぇ」とひとこと。本人の了解を得たうえでのシーンだと思うが、もう少し配慮があってもよかったのではないか。

  • 地上波テレビの深夜アニメについて、子どもが見たらどうするのかという意見があるが、それは保護者など周囲で教育する大人の責任の問題だろう。規制を強くすると、ファンである視聴者がオリジナル作品を楽しめなくなるのでは、と懸念する。そこまでして放送局が自重する必要はないのではないか。

【「言葉」に関する意見】

  • テレビ出演者の言葉に不快感を覚える。若者言葉なのか「難しい」を「むずい」と言ったり、「恥ずかしい」は「はずい」と言ったりする。高校生の発言ならまだしも、成人の発言としてはおかしいし、さらにその言葉にテロップまでつけるのはいかがなものだろうか。もう少し、言葉に注意を払ってほしい。

第282回

第282回-2025年9月24日

沖縄地区意見交換会に向けての勉強会を実施…など

2025年9月24日、第282回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事に先立って、沖縄県平和祈念資料館学芸員・大城航氏をオンラインで招き、沖縄地区意見交換会に向けての勉強会を実施しました。
議事では、7月後半から9月前半までの2カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
9月の中高生モニター報告のテーマは「終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年9月24日(水)午後4時00分~午後7時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
沖縄地区意見交換会に向けての勉強会
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員(オンライン参加)、山縣文治委員

沖縄地区意見交換会に向けての勉強会

青少年委員会は戦後80年となる今年の11月に沖縄地区放送局との意見交換会を開催する予定です。その準備の一環として、沖縄県平和祈念資料館学芸員・大城航氏をオンラインで招いての勉強会を実施し、沖縄県内の平和教育の現状と課題についてレクチャーを受けました。
戦争体験者が次第に減り、戦争の語り部たちも引退するなかで、どのようにして若い人たちに戦争の記憶を継承していくのかや、新しい平和教育を模索する際の苦労話のほか、現状で戦争証言を取材できるのはメディアしかないという放送局への大きな期待についても熱く語っていただき、戦争の実相を後世に伝えていかねばならない放送局の責任の重大さを痛感する、たいへん有意義な勉強会となりました。

視聴者からの意見について

7月後半から9月前半までの2カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
子ども向けニュース解説番組で「日本が戦争(満州事変からの15年戦争)を始めた原因」を「日本が中国の資源と市場を独占したかったから」と説明したところ、視聴者から「このような単純化された説明を判断力の未熟な子どもに行うことは、偏った歴史認識を刷り込み、将来的な誤解を招く」などの意見がありました。
担当委員は「教科書的な事実をきちんと押さえた説明だった。資源を求めた背景には『昭和恐慌(1930年~)がある』ことも踏まえていて、誤解を招く表現があったとはいえない」と説明しました。加えて「むしろ、視聴者意見のなかに『ABCD包囲網に言及していない』との指摘が複数あったが、それは太平洋戦争の開戦(1941年)に関わるもので、満州事変との混同が著しかった」としました。
平日夕方の報道番組で、著名大学柔道部の男子学生(20歳と19歳)が大麻等所持の容疑で逮捕され、とくに20歳学生を実名・顔出しで報じたことに、視聴者から批判的な意見が寄せられました。
担当委員は「これは、この番組だけのものではなく、(20歳以上の)逮捕者を報じる際に実名か匿名か、あるいは顔を出すか出さないかというのは、繰り返し議論が重ねられてきた問題として捉えるべきだろう」と述べました。
ある委員は「これが、18歳、19歳の特定少年の問題であれば、委員会としても意見表明できるが、20歳以上だと報道各社の判断だとしか言えないだろう」と指摘しました。続けて別の委員も「犯罪報道の原則が『実名報道』であることを踏まえるべきだ。そのうえでこの事件をどう見るべきか。著名大学の柔道部が舞台であり、仮にだが、部の寮内で広がりを持つ事件になるかもしれず、その社会的影響は看過できない。そういったことと逮捕された20歳の学生の人権や将来を比較衡量したうえでの当該放送局の判断だったのだろうと思う」と述べました。
成人向けアダルトゲームが原作のアニメが深夜遅くの時間帯で放送されていることに、視聴者から「放送できない用語を打ち消すピー音や、胸や尻を過度に強調した制服を着た女子高校生が頻繁に出てくる。地上波放送にはそぐわない内容だ」などの意見がありました。
ある委員は「ダイジェスト版を一部見たが、ピー音や(卑猥なシーンを覆う)静止画が本当に多い。あそこまで入ってくると、本当は何があるのだろうという、いわば『誘導』になるのではないか」としたうえで、「(女子高校生が出てくるならば)『児童ポルノへの誘導』ということも考えられ、このような番組が続くのは問題ではないかと思った」と述べました。さらに別の委員も「実写(のドラマ)ではなく、アニメだからという理由で少し緩くなっているのではないか。ピー音や静止画が頻繁に入ることで、元のシーンを見てみたいなという形で『DVD購入などへの誘導』にもなるのであれば、今後は問題をはらんでくるだろうと思う」と指摘しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

9月のテーマは「終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」で、25人から合わせて19番組の報告がありました。視聴方法は、リアルタイム視聴が9人、アプリ(TVer、NHK+など)を利用したタイムフリー視聴が3人、録画・録音が12人、その他(回答なし)が1人でした。
複数のモニターが取り上げたテレビ番組は『戦後80年特別放送 映画「ラーゲリより愛を込めて」』(TBSテレビ)、『金曜ロードショー「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」』『金曜ロードショー「火垂るの墓」』(いずれも日本テレビ)、『ザ!戦後80年の映像遺産SP 池上彰×加藤浩次の運命の転換点』(フジテレビ)です。
今月は「自由記述」ではなく「あなたが“戦争に関心を持つ”のはどんなときですか」と質問したところ、「終戦関連の番組やニュースを見たとき」「戦時中を扱うドラマや映画、アニメを見たとき」「学校の授業」といった回答が届きました。「若い世代に戦争をどう伝えていくか」についての意見も寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『クローズアップ現代「戦後80年スペシャル テレビが伝えた“あすへの希望”」』(NHK総合・8/6放送)と『戦後80年特別放送 映画「ラーゲリより愛を込めて」』(TBSテレビ)に3人から、『第45回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2025』(日本テレビ)と『ドラえもん 誕生日スペシャル』(テレビ朝日)に2人から、それぞれ感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

  • 『時をかけるテレビ~今こそ見たい!この1本~「夏服の少女たち~ヒロシマ・昭和20年8月6日~」』(NHK総合)
    1988年に放送された番組で、当時の女学生のアニメと、残された家族が娘を想う言葉が綴られていました。平和が続く世界の多くの人に見てもらいたい番組です。ただアニメを放送中は、両サイドの2人の映像は必要ないと思いました。番組に集中したいので副音声も必要ありません。遺族が話しているときはその声だけでよいと思います。(高校3年・女子・長崎)

  • 『NHKスペシャル「広島グラウンドゼロ 爆心地500m 生存者たちの“原爆”」』(NHK総合)
    「グラウンドゼロ」という言葉を知らず、どのようなものか興味を持ちました。CGで再現された原爆投下後の映像は想像以上にクリアで、リアルな映像に驚きました。人型にくっきりと跡が残っているシーンは、実物より恐怖を感じました。「戦争とは」を知ることができる、貴重な番組だと思います。(中学1年・女子・東京)

  • 『NHKスペシャル「原子雲の下を生き抜いて 長崎・被爆児童の80年」』(NHK総合)
    「原爆が落とされた時、家族のことを一切考えなかった」という話が印象深かったです。「戦時中のことを思い出したくない」という気持ちがある中で当時の記憶を話してくださったことに感謝の気持ちを持つべきだと思いました。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『NHKスペシャル「新・ドキュメント太平洋戦争 最終回 忘れられた悲しみ」』(NHK総合)
    特に印象的だったのはある主婦の日記で、日本軍の躍進を鼓舞するような力強い文言の隣に、「当時の自分が今では恥ずかしいが、この記述は後世まで残しておこう」と書き込まれていた。間違っていた過去に蓋をせず未来へ繋げていこうと決意したことは、心を揺さぶられる重みがあった。ごく一般の人の戦時中の生の声を丁寧に紹介していて、心に深く刺さった。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『NHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」』(NHK総合)
    ドラマは人物の心理描写が伝わりやすく、総力戦研究所の若者の恐怖や葛藤が的確に描かれていました。ただ、実際の総力戦研究所所長の孫の、番組への批判がニュースになり、結果として番組の意図を視聴者に純粋に伝えられなかったことは、歴史を伝える役割をもつ戦争関連番組にとって残念なことだと思います。放送日を遅らせてでも事前に理解を得てから放送したほうが、効果を発揮できたと思います。(中学3年・男子・東京)

  • 『戦争×令和 『あの花』がつなぐ戦後80年』(NHK総合)
    若い世代と戦争の関わりが気になったので視聴しました。「特攻は無駄死になのか」という疑問に対して、人それぞれ考えが異なっていたのが心に残りました。戦争関連番組は「全国各地の資料館を紹介する」というテーマが良いと思います。『あの花』の作者も知覧特攻平和会館を訪れて心を揺さぶられたと聞きました。戦争をより身近に考えられるのではないでしょうか。(高校1年・女子・熊本)

  • 『映像の世紀バタフライエフェクト「シリーズ昭和百年(2) 敗戦国ニッポン 敗れざる者たち」』(NHK総合)
    普段から視聴している番組です。終戦を迎えたというと「悲しい」「いやな」イメージが先行し、他の番組では復興までは取り上げていないと感じますが、この番組は細かいところから現在につながるまでの「バタフライエフェクト」を取り上げていて、本当に勉強になります。(中学3年・男子・東京)

  • 『長崎スペシャル「カズオ・イシグロ 遠い山なみの光が照らす“ナガサキ”」』(NHK総合)
    広瀬すずさんの朗読が印象的で、飽きることなく物語に引き込まれました。とても面白かったです。特に心に残ったのはカズオ・イシグロさんの言葉です。「戦争というのは映画やニュース映像で見るような巨大な出来事だけではなく、私の母のような人々の日常生活のささいなことや、時につらいことの中に、戦争の本質がある。」原爆のあとに人々がどのように暮らしていたのかも、もっと知りたいと思いました。(高校3年・女子・広島)

  • 『ETV特集「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」』(NHK Eテレ)
    私は映画「火垂るの墓」をまだ見たことがない。友人との話題に出たこともなく、正直、戦争描写が怖くて見られない。ただ親世代は見ていていつか見たいと思っていたため、創作ノートが見つかったという番宣を見て、番組を見ようと決めた。当時の日常の精一杯の日々の事実として、今知ることができて良かったし、とても貴重な番組だと思う。(高校1年・女子・秋田)

  • 『あしたは8月6日じゃけぇね ~平和の声が届く部屋in広島~』(NHK Eテレ)
    原爆投下の前日も忘れることのできない日だったと知り、よいテーマだと思った。戦争について語ろうと広島で奮闘する若者の姿と平和ソングとを一緒に放送するのは、平和についてより考えることができる良い演出だった。(高校3年・女子・徳島)

  • 『アナウンサー百年百話 ラジオが伝えた戦争 第1回 「ラジオ太郎」と戦意高揚の時代』(NHKラジオ第2)
    戦争を伝える番組は証言記録、映像、体験談などを「悲劇」として構成することが多く、加害の歴史はあまり報道されません。でも、悲惨さを伝えるだけでいいのでしょうか。いかにして戦争賛美の世論が形成されていったのか、そこには言葉の力がありました。「ラジオ太郎」は国民に夢を見させて、我慢は美徳であることを、一人芝居を通して共感させる。SNSに慣れ親しんだ現代人でもコントロールされると思いました。ファクトチェックの重要性を「ラジオ太郎」が教えてくれました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『戦後80年特別放送 映画「ラーゲリより愛を込めて」』(TBSテレビ)
    • 戦争の悲惨さや人々の生き方について知りたいと思って視聴しました。心に残ったのは過酷な収容所生活の中でも仲間を思いやる姿です。平和の大切さが伝わるように構成されていて、世代を超えて語り継ぐことの大切さを感じました。(高校1年・男子・神奈川)
    • 劇場でとても感動したので、テレビで放送されると知ってもう一度観ました。この映画の良いところは戦後の残酷さを描いているのに希望をもらえるところで、「帰って家族に会うこと」「収容所で大切な仲間ができたこと」が描かれていてすごく良いと思います。(高校2年・女子・東京)
  • 『戦後80年特別番組 なぜ君は戦争に? 綾瀬はるか×news23」』(TBSテレビ)
    自分の年齢に近い有名な俳優がたくさん出演していて気軽に視聴できそうだと思った。体験者の証言は心に響くので映像で残すことが大切だと思うし、そういった生の声を発信する番組が良いと思う。今回のようなドラマ仕立ても感情移入しやすかった。(中学2年・男子・東京)

  • 『金曜ロードショー「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」』(日本テレビ)
    • ニュース番組などで「今年は戦後80年」と報道され、いつもより戦争への関心が高まっていたことが視聴した理由の一つです。残虐な演出があまりなかったため観やすく、最初から最後まで感動し、またとても考えさせられる話でした。映画では「最後のエンドロールで主題歌が流れた時にまた泣いた」と友達が話していたので、地上波でも流してほしかったです。(高校2年・女子・熊本)
    • 原作の小説が大好きだったので視聴しました。戦争時の緊迫した状況をよく再現しているなと思いました。ただ緊迫している状況で現代風のCMが挟まると緊張感がなくなりイライラするので、映画の前と後の2回にまとめてほしいです。(中学3年・女子・山梨)
  • 『金曜ロードショー「火垂るの墓」』(日本テレビ)
    • 戦争関連の映画は怖くて避けていましたが、有名な「火垂るの墓」を見て戦争について考えてみようと思いました。80年前にこの日本でこのようなことが起きていたとは想像もできませんでした。(中学3年・男子・大分)
    • 戦後80年という節目の年の終戦の日に7年ぶりに地上波放送され、とても意味のある放送だったと思います。清太と節子が当時の姿で現代のビル群を見つめるラストシーンは、現代に生きる私たちへ戦争の悲劇を伝えているようなメッセージ性を感じました。(中学2年・女子・千葉)
    • 小さい頃に少しだけしか観た記憶がなく、久しぶりに『金曜ロードショー』で放送すると知り視聴しました。戦争についての話を見聞きするのは学校がほとんどで、あとは報道番組の特集で見るだけなのでとても新鮮でした。心に残ったのは、日本が負けて父親が亡くなったことを清太が知り、情緒不安定になったシーンです。誰にとっても過酷でつらいのに、節子がいるからと頑張る清太を見て心が痛みました。(高校2年・女子・埼玉)
  • 『報道ステーション』(テレビ朝日)※8/6放送
    前日の放送の終盤で「イヤフォン推奨」と予告していたので、他の戦争特集とは違う切り口なのだろうと興味がわきました。「ANN」のYouTubeチャンネルでも視聴でき、「貴重な記録をありがとう」「評価できる報道機関だ」など感謝するコメントがありました。これからの放送はネットユーザーへの対応も求められると考えていましたが、エンタメではなく戦争特集で突きつけられるとは思いませんでした。(高校3年・男子・福島)

  • 『池上彰のニュースそうだったのか!! 3時間SP 知っておきたい!戦後80年』(テレビ朝日)
    アメリカ人に対する「戦争に原爆は必要だったのか?」というインタビューで、正当化できる人とできない人がいることを知りました。アメリカでは原爆に関する授業があり、「多くの命を奪う方法として正当化できない」と考える人が多かったと聞いて、少し救われたような気持ちになりました。(中学1年・男子・大分)

  • 『ザ!戦後80年の映像遺産SP 池上彰×加藤浩次の運命の転換点』(フジテレビ)
    • 原爆ドームは5回にもわたる補修工事が行われていて、中から樹脂で固め傷跡を白くさせる技法にとても驚きました。ただ原爆ドームを紹介するよりも、被爆者が当時どのような目に遭ってきたかを伝える方が、視聴者の興味を引けると思いました。(中学1年・男子・福島)
    • 特攻隊は3人1組でそれぞれの役割を命じられていましたが、突然作戦中止になり、それによりPTSDを発症したそうです。秘密裏の部隊だったので戦後の補償は何もなく、自分と同じ年代の人が一生苦しめられたとしたら、その先に希望はないなあと思いました。(高校3年・男子・神奈川)
    • 心に刺さる言葉がたくさんあり、私が本当に知りたかったことを教えてくれました。最も心に残ったのは、戦争で愛する人を亡くした方とアメリカ兵との再会で、戦う相手も同じ地球で生活する人間だという事実を改めて教えられました。アメリカ兵の視点でも戦争について語っていてとても学びになりました。戦争がぼんやりしたイメージではなくなり、改めて戦争は起こしてはいけないと感じました。(中学2年・女子・東京)
  • 『終戦80年企画「財前直美 知られざる“特攻の町” 我が故郷 戦争の記憶」』(BSフジ)
    高校で公共の先生に勧められて視聴したが、終始胸が締めつけられるような内容だった。特攻隊を見送る母親の日記が印象的で、まだ未来が長いはずの若者が国のために命を投げ出すことは本当にあってはならないことだし、戦争の残酷さを改めて感じた。(高校2年・女子・東京)

【(モニターへ質問)あなたが“戦争に関心を持つ”のは、どんなときですか?】

《終戦関連の番組やニュースを見たとき》

  • テレビで戦争関連番組を見ると、修学旅行で訪れた長崎で聞いた被爆体験や知覧特攻平和会館で見た資料など、これまで見聞きした記憶が蘇る。
  • 私と近い年齢の方や、父の出身地である鹿児島が題材だと関心を持つが、残酷な映像ばかりの番組はどうしても見られない。

《今起きている戦争に関連する番組やニュースを見たとき》

  • 毎朝『ZIP!』(日本テレビ)を30分視聴しているが、戦争の話は何度も聞いた。「戦争によって何がしたいのか」と当事者たちに尋ねたくなる。
  • 「ポーランドの領内にロシアの無人機が侵入した」などの大きなニュースが報道されると、今後世界はどうなるのだろうかと考える。
  • 紛争についての報道を見て、戦争は過去のものではなく、今も人々の生活を壊しているのだと実感する。

《戦時中を扱うドラマや映画、アニメを見たとき》

  • ストーリーが展開されるとその場面を追体験している気持ちになり、なぜこの戦争は起きたのだろうと疑問がわく。
  • 戦時中の様子が再現されていると当時の苦しい生活や戦争の悲惨さを知ることができ、戦争は二度としてはいけないと改めて感じる。
  • 『この世界の片隅に』というアニメ映画を見たあと、当時の人は何を考え生活していたのかなど、さらに深く知りたいと思った。

《学校の授業》

  • 最近歴史の授業で戦争のことを学び、とても意識するようになった。
  • 毎年8月6日は学校に登校して、黙とうをしたり、戦時中の体験談を聞いたり映像を見たりして、クラスで平和について話し合う。

《資料館等で当時の資料に触れたとき》

  • 広島原爆資料館の展示品には衝撃を受けた。現場や現物に勝るものはない。

《家族や親族から話を聞いたとき》

  • 靖国神社に行ったことをきっかけに、親から戦争に関する話を聞いた。
  • 戦争時代を4~5年過ごした曾祖父母からよく話を聞いていた。本やテレビやSNSでは分からない当時を知る人の言葉に、とても関心を持った。
  • お盆に仏壇にある過去帳を見せてもらい、祖父の兄が戦時中、栄養失調で幼くして亡くなったことなどを聞いた。家族で戦争の話を語り継いでいくことが大切だと思う。

《日常の中でふと戦争を身近に感じたとき》

  • 東京タワーに戦車の鉄などが使われていると知ったとき。
  • 夏休みに韓国の非武装地帯に旅行に行き、ツアーガイドの話を聞いた。朝鮮半島は事実上戦争状態で、BTSが軍隊に入隊していたことの意味が分かった。
  • 例えばNHKの朝ドラでは、大正から昭和を舞台にした作品には必ず戦争の描写があり、人々がどう生きてきたかを想像する過程で戦争に関心を持つことがある。コンテンツの要素の一つとして戦争が関係しているものの方が、自発的に関心を持つきっかけになる。

《常に関心を持っている》

  • 戦争にはいつも関心を持っているが、それは無意味なことだと思うようになってきた。世界各地で戦争が絶えず、しかも国連安保理の常任理事国が戦争をしている。平和を祈ることしかできないが祈り続けたい。

《若い世代に戦争をどう伝えていくかについての意見》

  • VRは視覚だけでその場にいるような体験ができ、学校などでも取り入れやすいと思う。
  • 他の地域では戦争はどのように伝えられているのだろうか。長崎市では毎月9日11時2分に無線放送で音楽が流れる。日頃から戦争や平和について考えるきっかけがあれば、平和な世界が続くと思う。
  • 毎月15日は戦争について考える日にするなど、8月に限らず関心を持つことが必要だと思う。それにはメディアの力が不可欠で、対象の世代に応じていろいろな角度から分かりやすく放送してほしい。

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『戦後80年特別放送 映画「ラーゲリより愛を込めて」』(TBSテレビ)
    戦争と聞くとすぐに思い浮かぶのは広島・長崎・沖縄ですが、この映画はシベリアが舞台で、そんな歴史があったことを初めて知りました。テレビで放送されているのがとてもいいなと感じたし、戦争について知る良いきっかけになりました。(高校3年・女子・広島)

  • 『第45回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2025』(日本テレビ)
    • 私はこの番組が大好きです!私たちにはなかなかできない青春を毎回見せてもらい、自分が体験した気分になります。(中学2年・女子・東京)
    • 自分と同年代の子たちが本気で物事に打ち込んでいる姿を見て、自分も熱中できることを全力でやり遂げたいと思った。(高校2年・女子・東京)
  • 『THE世代感 特別編 夏の高校野球 歴史的大逆転ベスト10』(テレビ朝日)
    漫画などの作り話でしか起こらないようなことが実際に起きていたことに驚き、とてもワクワクした。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『ドラえもん 誕生日スペシャル』(テレビ朝日)
    昔からキャラクター設定が嫌いなため見てきませんでしたが、直接的な表現は減ったように思います。ただひみつ道具の「映画缶」を半分発狂しながら押し入れに投げ入れたのび太のお母さんには引いてしまいました。あのシーンは必要なのか、あんなにキレて物を投げる母親のシーンを小さな子どもが見てどのように感じるのか、考えていないのだなあと思いました。(中学1年・女子・東京)

  • 『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)
    • ただの世界遺産クイズや紹介だったら飽きるけれど、出演者3人がテンポよく雑学トークを交えながら進めていて、楽しくてあっという間の2時間でした。(中学3年・男子・大分)
    • 日本の名所や気象庁といった国家機関に潜入してクイズを出題するので、他のクイズ番組よりも手がかかっているなと感じます。(高校3年・男子・福島)
  • 『けいナビ~応援!どさんこ経済~』(テレビ北海道)
    テーマは「地方移住」で2つの町を取り上げました。南幌町は子育て世代をターゲットに手厚く移住支援をしていますが、高校がなく、札幌までの公共交通は1日7本のバスしかないことは放送されませんでした。また沼田町では就農者に手厚い支援金がありますが、JRが来年3月に廃止になることには触れませんでした。テレビのズルさを少し感じ、メディアリテラシーを高めようと思いました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『伝説の自由研究~コレをやったの どんな天才?~』(秋田テレビ)
    今までにない企画だと思った。番組を企画したディレクターの小学校時の自由研究も発表されていて、その研究が現在の職業につながった場面では、思わず感嘆の声を上げてしまった。パネラーゲストの雰囲気も明るく、それぞれの役割がハマっていて人選も合っていた。自由研究の思い出の街頭インタビューや、秋田で賞を取った研究も知りたかった。(高校1年・女子・秋田)

  • 『ゴジてれChu!キャラバンin三春町』(福島中央テレビ)
    福島の有名人は野口英世と古関裕而しかいないと思っていたけれど、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した人が三春町の田部井淳子さんだったと初めて知って驚きました。三角形の大きな厚揚げもとても美味しそうでした。(中学1年・男子・福島)

  • 『田村淳のキキタイ!』(TOKYO MX)
    「防災」がテーマの番組はシリアスな雰囲気で作られることが多いと思うが、この番組は全編を通して明るく気軽な雰囲気で、心理的に見やすかった。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『かながわ旬菜ナビ』(テレビ神奈川)
    若手農業者がYouTubeで農業の現場を伝える「農Tuber」を初めて知りました。亀井農園の亀井さんが発信する言葉や伝え方はわかりやすかったです。時短で作れる家族3世代分の大皿料理がおいしそうでした(中学2年・女子・千葉)

  • 『新 窓をあけて九州「笑顔のケーキをあなたに」』(熊本放送)
    地元の熊本に卵・牛乳・小麦粉を使っていないケーキがあるとは知りませんでした。子どもの喜ぶ表情や声、親の嬉しいという声がいろいろな場面で登場していました。アレルギーを克服してパティシエになった樋口響希さんの店はこぢんまりとしていますが、ケーキからは大きな喜びと愛が伝わってきます。番組ではあまりケーキが映らなかったので、もっと樋口さんのケーキを紹介してほしかったです。(高校2年・女子・熊本)

  • 『被爆80年特別番組「NO MORE・・・」長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典』(長崎放送)
    番組冒頭の黒焦げの遺体ですが、戦争で亡くなれば遺体を放送してもいいのでしょうか。この映像は番組中も多く流れていたため、原爆の脅威はとても伝わりましたが、鐘の話に集中できませんでした。ただ映像が放送されることで、被爆者の心の声を伝えることはできたと思います。式典開始まで被爆者の証言や取組みが放送されて、多くの人にも伝わる内容でした。(高校3年・女子・長崎)

◆委員のコメント◆

【終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

  • 中学2年生のモニターの報告に「方言が聞き取りにくい部分があったがテロップのおかげで聞きやすかった」とあった。方言や昔の言葉、島言葉などは今ではなかなか聞き取れないこともあるので、きちんと残していってほしい。

  • 高校1年生のモニター報告を読んで「戦争の描写は怖くて直視できない」という若い世代に対しては、戦争映画や番組の制作過程を丁寧に紹介したり、資料館を紹介したりするのも、一つの手なのかもしれないと思った。

  • 全体的な感想として、中高生が今回選んで視聴した番組が、自分たちが“入りやすい”映像世界なのだろう。私は教育の世界にいるが、平和教育ではそれぞれの許容レベルに合った段階を踏んでいくほうがスムーズに入っていける。今回のテーマでは映画を視聴したモニターが多かったが、自分に合ったものからまず入って、学習の必要性を感じながら少しずつ難しい映像にも触れていくような段取りが必要だと思う。

  • 『ザ!戦後80年の映像遺産SP 池上彰×加藤浩次の運命の転換点』(フジテレビ)を視聴した中学3年生の報告に「視点」という言葉が繰り返し書かれていて、非常に考えさせられた。「戦争がどういうものか、様々な視点から見ることでだんだん分かってくる」と指摘していて、制作者が明確に意識している点をきちんと拾っていたと思う。しかし、視点が増えるほど理解が進んだつもりになるのも、これはこれで非常に危うい。それぞれの視点がどう構成されているのか批判的な視座が必要だし、多様な視点をよしとする価値観を突き詰めると主観的なドキュメンタリーを受け付けなくなってしまう怖さもある。主観が軽視される今の傾向は、昨今の“エビデンス至上主義”とも通底していて、戦争を伝える上での悩みどころの一つだろう。『アナウンサー百年百話 ラジオが伝えた戦争 第1回 「ラジオ太郎」と戦意高揚の時代』(NHKラジオ第2)を聴取した中学3年生の報告にも「ファクトチェックの重要性を「ラジオ太郎」が教えてくれました」とあったが、この書きぶりにも、データに基づかない情動的なコミュニケーションに対する警戒感を感じる。戦争の悲惨さを伝えることも“共感のコミュニケーション”という点では同じなので、こうした現代的な感覚を制作者は直視していく必要があると感じた。

【質問への回答について】

  • 中学2年生の報告に「夏休みに韓国の非武装地帯に行きツアーガイドの話を聞いた。徴兵制や、BTSが軍隊に入隊していたことの意味が分かった」とあったが、K-POPや韓国コスメへの関心の高さを踏まえると、韓国を通じた平和教育はポテンシャルが高いと感じた。

  • 高校2年生の報告に平和教育のヒントを感じた。まずはドラマやアニメが戦争に関心を持つきっかけであり(映像)、曾祖父や祖父母の話を聞いていたので映像の意味が心に沁みて(話)、加えて今後、広島の原爆ドームに行くという(体験)。「映像」「話」「体験」のセットがうまい順番でいくと、教育上よい効果があるのだと思った。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『第45回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2025』(日本テレビ)について、中学2年生のモニターが、津波警報の影響で後半の企画が変わったことに触れていた。去年は台風が直撃するなどハプニングが続いていて、制作者は大変なのだろうが、非常にテレビっぽく面白い仕上がりになっていた。スタジオで段取りよく収録するクイズ番組が供給過多になっている中で大変貴重な番組だし、若い視聴者もそういう意味で面白く視聴しているのだろう。

  • 長崎の高校3年生のモニター報告に「番組冒頭の黒焦げの遺体。原爆の脅威はとても伝わったが鐘の話(番組内容)に集中できなかった」とあった。悲惨さを伝えることと戦争や平和について考えることは、別にしてほしいという意見なのだろう。ボランティアで平和活動に参加し、原爆に関して多くの知識があるだろうモニターが「悲惨な映像に対して抵抗がある」とはっきり書いていたのが大変印象に残った。

今後の予定について

次回は2025年10月28日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

第343回

第343回 – 2025年9月

「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理入り…など

議事の詳細

日時
2025年9月16日(火)午後4時~午後7時
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、松尾委員、松田委員

1. 審理要請案件「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」

申立ての対象となったのは、福岡放送が2025年4月13日と20日に放送したバラエティー番組『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』の「命の危機…ゴミ屋敷大掃除!」で、視聴者からの依頼を受けて、高齢の親族が住む民家の大がかりな清掃を行い、その模様を放送した。
これに対し、当該民家の住人が、番組は臭いや不衛生な状態が過度に強調される形で顔出し・実名・モザイク処理なしで放送され、尊厳が著しく損なわれ人権を侵害されたと申し立てた。さらに、番組の収録過程において、住人にとって重要な物品がなくなったと主張している。
また、他の親族2名は、番組内で幼少期の写真が承諾なく使用されたり、プライベートな事実が本人の同意なく放送されたことなども権利侵害にあたると訴えている。
放送局は、一部配慮が足りなかったことなどを認め謝罪したが、これら3名の申立人は納得せず、双方の交渉が不調に終わったため、今回の委員会で審理入りするか否かを検討した結果、委員会は、運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し審理入りすることを決めた。次回委員会から実質審理に入る。

2. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明し議論した。

3. その他

事務局から3委員会合同意見交換会の開催内容について説明した。

以上

第210回

第210回–2025年9月

日本テレビ『月曜から夜ふかし』委員会決定を通知・公表へ

第210回放送倫理検証委員会は、9月12日に千代田放送会館で開催された。
4月の委員会で審議入りした日本テレビの『月曜から夜ふかし』について、担当委員から再度示された意見書の修正案について意見交換した結果、合意が得られたため、今後当該放送局へ通知して公表することになった。
8月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年9月12日(金)午後4時~午後5時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。
委員会は当該放送局に報告書と番組DVDを求め、それらを踏まえて協議した結果、問題となっているインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決め、5月と6月の委員会で担当委員が当該放送局の関係者に行ったヒアリングの結果を基に議論し、7月の委員会では担当委員から提出された意見書の原案について議論、8月の委員会では担当委員から示された意見書の修正案について議論した。
今回の委員会においては、担当委員から再度示された意見書の修正案について意見交換した結果、合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、当該放送局へ通知して公表することになった。

2. 8月の視聴者・聴取者意見を報告

8月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、甲子園出場校が途中で出場辞退した問題を扱った複数の番組について、さも、SNSが原因のように報道しており、本質とずれているとの批判が寄せられた。また、大学柔道部員の大麻不法所持の問題について、容疑の段階で20歳の若者の顔を出し、実名で報道するのはいかがなものかとの批判が集中したことなどが事務局から報告された。

3. その他

毎日放送の報道情報番組『よんチャンTV』内のコーナー「発掘!憤マン」において、今年6月の放送で、奈良公園内のドングリの木の伐採とシカの食料不足との関係性について、専門家や奈良県の担当者のコメントを交えて報じたことに関し、9月になって奈良県知事らより「申立書」と書かれた文書が放送倫理検証委員会に届いた。
放送倫理検証委員会は申立て制度を取っておらず、あくまで放送番組を検討する端緒のひとつと捉え、番組を視聴し議論した。ウェブサイトの見出しが本編と合っていないのではないかという指摘が委員から出されたものの、本編自体については問題点を指摘する意見はなく、委員会は放送倫理上問題の疑いがあるとして討議入りするまでの事案ではないと判断した。なお、委員会は討議、審議・審理入りしないことを決めた番組は、原則として議事概要に放送局名、番組名を公表していないが、放送局自身がすでにこの件を報道していることから、議事概要に番組名等を記載することとした。

以上

2025年9月16日

「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」審理入り決定

 BPO放送人権委員会は、9月16日の第343回委員会で、上記申立てについて審理入りを決定した。

 申立ての対象となったのは、福岡放送が2025年4月13日と20日に放送したバラエティー番組『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』の「命の危機…ゴミ屋敷大掃除!」で、視聴者からの依頼を受けて、高齢の親族が住む民家の大がかりな清掃を行い、その模様を放送した。
 これに対し、当該民家の住人が、番組は臭いや不衛生な状態が過度に強調される形で顔出し・実名・モザイク処理なしで放送され、尊厳が著しく損なわれ人権を侵害されたと申し立てた。
さらに、番組の収録過程において、住人にとって重要な物品がなくなったと主張している。
 また、他の親族2名は、番組内で幼少期の写真が承諾なく使用されたり、プライベートな事実が本人の同意なく放送されたことなども権利侵害にあたると訴えている。
 放送局は、一部配慮が足りなかったことなどを認め謝罪したが、これら3名の申立人は納得せず、双方の交渉が不調に終わったため、今回の委員会で審理入りするか否かを検討した結果、委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し審理入りすることを決めた。次回委員会から実質審理に入る。

放送人権委員会の審理入りとは?

「放送によって人権を侵害された」などと申し立てられた苦情が、審理要件(*)を満たしていると判断したとき「審理入り」します。
ただし、「審理入り」したことがただちに、申立ての対象となった番組内容に問題があると委員会が判断したことを意味するものではありません。

* 委員会審理に必要な要件については、同委員会「運営規則 第5条」をご覧ください。

2025年8月に視聴者から寄せられた意見

2025年8月に視聴者から寄せられた意見

大学生の大麻事件や甲子園出場校の途中辞退の報道に対して多くの意見が寄せられました。

2025年8月にBPOに寄せられた意見の総数は、1,829件で、先月から1,503件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 84.4% 電話 14.6% 郵便・FAX 1.0%
男女別は、男性51.1% 女性 26.7% 無回答 22.1%で、世代別では10代 1.0% 20代 8.6% 30代 19.8% 40代 22.1% 50代 17.4% 60代 11.7% 70歳以上 4.0%
視聴者意見のうち個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。8月の個別送付先は36局で意見数は481件でした。放送全般に対する意見は164件でその中から13件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

大学生の大麻事件や甲子園出場校の途中辞退をめぐる報道に多くの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は48件、CMについては45件でした。

青少年に関する意見

2025年8月中に青少年委員会に寄せられた意見は111件で、前月から47件増加しました。
今月は「報道・情報」が43件と最も多く、次いで「要望・提言」の33件、「表現・演出」の23件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 大学生による大麻事件。違法行為ではあるが自宅からの連行や移送される姿を待ち構えて撮影し報道する必要が本当にあったのだろうか。デジタルタトゥーの恐れが叫ばれる時代に1度2度ではなく複数のニュース番組・情報番組で繰り返し顔出し映像が放送されている。大学生の社会復帰という観点での議論はあったのだろうか。

  • 大学生の大麻事件について、薬物依存には治療が有効だという観点からの報道があってもよかったのではないか。ニュースの中で治療の必要性を訴えたり依存症の相談窓口を紹介したりしてもよかったと思う。

  • 甲子園出場校が途中で出場辞退した問題。当該校に向けた誹謗中傷がSNS上にあふれていることを批判する報道が多かった。誹謗中傷は許しがたいことだからそれは当然だと思うが、一方で発端となった野球部内での暴力問題を追及する報道が少なかったことに違和感を覚えた。

  • 甲子園出場校の途中辞退問題。もし報道にあるように暴力問題があったとしたら暴力を受けた被害者側の生徒はどのような思いで当該校の試合結果などの報道を聞いたのだろうか。この件に限らずテレビはいじめや暴力をなくしていこうというアピールをしてもらいたいと思う。

  • ネット上での誹謗中傷とメディアはよく口にするが、メディアの一部報道には誹謗中傷になっているのではないかと感じるものもある。報道が誹謗中傷とならないようなガイドラインを作ってはどうだろうか。

  • 猛暑の報道でエアコンを適切に使いましょうと呼びかけているがエアコンが無い家の人への呼びかけも行ってほしい。たとえば図書館など空調が効いている場所へ誘導するなど工夫をしてほしいと思う。また炎天下で働かなければならない人に向けてどのようにしたら熱中症を予防できるかなどの呼びかけを行ってほしいと思う。

  • 大雨のニュースで、読み上げている情報は現在のものなのに背景には半日前、1日前、あるいは何年も前の激しかった時の映像を使うことがよくある。今の情報を伝えるときには今の映像を使ってほしい。

  • 各社の世論調査に思うことがある。今の時代自宅で電話に出るのはリタイアした高齢者くらいではないか。若い現役世代は不在だろうし携帯電話でも知らない番号には出ないのではないか。調査に応じた人の年代別人数などのデータをもっと詳しく開示して調査結果が信頼できることを裏付けるべきだ。また特殊詐欺が横行する時代なのだから電話を使う調査手法についても考える時期ではないか。

  • 凶悪事件や詐欺被害の報道の中でSNSの弊害が強調されることが多い。SNS上で炎上という言葉もよく聞く。しかしSNSには誰もが思ったことを自由に発言できるというメリットもある。負の側面ばかりを報じるのではなくてより良い活用法を提案するような報道を期待したい。

  • 事件のニュースでナレーターが声色を作って容疑者を演じるのはやめてほしいと思う。また、まだ確定していないことをあたかも容疑者が認めたかのように断定調に伝えることも考え直してほしい。テレビは信頼して見ることができる媒体だから。

  • 未成年や未成年を想起させる人物の性的描写を禁止してほしい。子どもを性の対象とするかのような描写はそうした行為が許されるのだという誤ったイメージを青少年を含めた視聴者に植えつける可能性があると思う。

  • 最近AIの進化や能力が話題になることが多いが安全性、信頼性についての議論が進まないまま見切り発車しているような印象を受ける。ゲーム感覚でAIを利用することへの注意喚起やリテラシー向上のサポートをテレビに期待したい。

  • 民放各社が運営するニュースサイトは広告収入によって支えられているように見えるが独立性を守るという観点から新聞のように一部購読料のようなものを徴収することを考えてもよいのではないか。

  • 来年のWBCはテレビ放送では見られないという報道を見た。東京での試合すら見られないという。本当ならば大変残念だ。3月までに何とかテレビで放送できるようにしていただけないだろうか。

  • 10代、20代に番組の企画を募集するコンテストのようなものを開いたらいいと思う。YouTuberやインフルエンサー以外に放送作家も夢のある職業として認識されるようになるといいと思うし、若い人の感覚を取り込むことでテレビが新しくなると思う。

  • 同じ時間帯に同じようなニュース番組を放送しているが視聴者にとってメリットがあることだろうか。番組内での報道内容も各社ほとんど同じだ。せめて報道内容にバリエーションを持たせてほしいと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 大学柔道部の男子部員2人が大麻所持などの容疑で逮捕されたニュースで、20歳部員を実名・顔出しで報じた。この容疑者には可塑性が十分ある。逮捕の映像はネット上で拡散されていて、この若者の将来にわたって人生の足かせになるだろう。こうした報道には違和感がある。

  • 子ども向けニュース解説番組。日本が戦争を始めた原因について「中国の資源や市場を独占したかったから」と説明した。戦争の原因には多面的な要因が存在するのに、このような単純化した説明を判断力が未熟な子どもに対して行うのは、偏った歴史認識を刷り込むことになりかねないだろう。

【「要望・提言」】

  • 今年は戦後80年で、テレビで戦争や原爆の特集などを見る機会が多い。子どもにとって戦争や原爆の資料や映像を見るのはとても残酷なことだ。しかし、大人たちや学校が同じことを繰り返さないことの大切さを教えたり説明したりしないと、若い世代には伝わらないと思う。

  • バラエティー番組をめぐって「子どもが真似する」などの視聴者意見が多い。しかし規制だらけではさらにつまらない番組が増えるのは確実だ。むしろ多少不適切な表現があっても、それを保護者が一緒に見て「こういうのはよくないよね」と子どもとのコミュニケーションを図ることのほうが大切だと思う。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、流れるプールに背の低い後輩芸人を入れ、背の高い先輩芸人が説教中に高い波が押し寄せる企画があった。後輩は水を飲まされ溺れそうになっているように見えた。これは危険行為であり、いじめの構図にしか見えなかった。とても笑えるものではない。

【「推奨番組」に関する意見】

  • 戦後80年の特集で、広島県のある島での毒ガス製造と貯蔵について扱い、実際に中国の戦地で使用され被害を出したことに触れた。取材を受けた関係者が「戦争は加害と被害の両面を知ることが大切」と話したのが印象に残った。テレビを通して、学校の教科書に載らないこうした歴史を知れば、「戦争をしてはならない」との思いにつながると思った。

第342回

第342回 – 2025年8月

最新申立て状況を報告…など

議事の詳細

日時
2025年8月19日(火)午後4時~午後7時
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明し議論が交わされた。具体的には高齢の視聴者が対象となった番組において、高齢者の同意はどのように判断すればよいのかという点や、書面でのやりとりを求める取材対象者について、カメラを回しての取材を求めることの意味や妥当性などについて議論された。

2. 事例研究会の報告

7月31日に開催された事例研究会の模様や参加者の反応が、委員会決定第81号「警察密着番組に対する申立て」を解説した廣田委員長らから報告された。また、廣田委員長は、決定文の概要の他、放送人権委員会の判断の仕組みや考え方などについても説明したことを報告した。

3. その他

事務局から次回以降の委員会開催の件などについて報告した。

以上

第209回

第209回–2025年8月

毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見への対応報告を了承

第209回放送倫理検証委員会は、8月8日に千代田放送会館で開催された。
委員会が2025年4月24日に通知・公表した委員会決定第47号 毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見について、当該放送局から再発防止に関する取り組み状況などの対応報告が書面で提出され、その内容を検討した結果、報告を了承して公表することにした。
日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。委員会で議論した結果、このインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、制作過程に放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員から意見書修正案の説明があった。
7月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年8月8日(金)午後4時~午後6時10分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、井桁委員、大石委員、
大村委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見への対応報告を了承

4月24日に通知・公表した委員会決定第47号 毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。
報告書には、委員会決定が通知された後、全社員に対して周知し「全社研修会」を3回開催し、600人を超える役職員が参加するとともに、400人を超える参加者からのアンケートで様々な感想や意見が寄せられたことが記されている。
また、制作局では、局員および制作プロダクションスタッフを対象にした「制作研修会」を3回にわたり開催し、番組プロデューサーの反省点として、「基本的な事実の確認が不十分」になってしまった要因や、「サービス利用者を会社から紹介されることの落とし穴」があった点、今回の問題を受けて改めて重要性を強調したい点などが述べられ参加者に共有されたという。
再発防止については、昨年9月から既に取り組みを進めており、制作スタッフでの議論の継続や6項目の再発防止策を実施していることが記載されている。
最後に、毎日放送は「番組を製作している我々には、正確な情報を届けるための一層の努力が必要であり、今後もその取り組みを続けていきます」と結んでいる。
この報告を受けて、委員からは「意見書のポイントをよく理解されている」「とても良く話し合いをしている」との感想があり、今後に期待を持って見守っていきたい等の意見があった。
毎日放送の対応報告は、こちら(PDFファイル)。

2. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。
委員会は当該放送局に報告書と番組DVDを求め、それらを踏まえて協議した結果、問題となっているインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決め、5月と6月の委員会で担当委員が当該放送局の関係者に行ったヒアリングの結果を基に議論し、7月の委員会では担当委員から提出された意見書の原案について議論した。
今回の委員会では担当委員から意見書の修正案の説明があり、委員間の議論を踏まえて、次回の委員会までにさらに修正することとなった。

3. 7月の視聴者・聴取者意見を報告

7月に視聴者・聴取者から寄せられた意見の総数は、前月の2倍近くあったことが報告された。また7月20日に投開票が行われた参議院議員選挙を取り上げた番組についても議論をしたが、さらに踏み込んで検証する必要があるとの意見はなかった。昨年の兵庫県知事選挙、今年の都議会議員選挙、参議院議員選挙等を経て、選挙報道については様々な議論がなされているところであり、委員会は放送局との意見交換等の機会を持ち、今後も議論を深めていくことが大切であることを確認した。

以上

2025年8月8日

2025年8月8日

8月12日(火)から15日(金)までの視聴者意見応対業務について

8月12日(火)から15日(金)までの間、次の対応といたします。

  • 電話でのご意見は録音により受け付けます。(午前10時~午後5時)
  • ウェブサイト、郵便物、ファクスは通常通り受け付けます。

2025年7月に視聴者から寄せられた意見

2025年7月に視聴者から寄せられた意見

開票特別番組をはじめ参議院議員選挙をめぐる報道にさまざまな意見が寄せられました。

2025年7月にBPOに寄せられた意見の総数は、3,342件で、先月から1,535件増加しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 88.2% 電話 11.2% 郵便・FAX 0.7%
男女別は、男性 56.1% 女性 25.5% 無回答 18.4%で、世代別では10代 1.3% 20代 9.8%
30代 20.1% 40代 23.5% 50代 21.2% 60代 10.3% 70歳以上 3.4%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します7月の個別送付先は31局で、意見数は1,539件でした。放送全般に対する意見は171件で、その中から13件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

7月20日投票の参議院議員選挙の開票特番や投票日前後の報道について多くの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は58件、CMについては22件でした。

青少年に関する意見

2025年7月中に青少年委員会に寄せられた意見は64件で、前月から16件増加しました。
今月は「要望・提言」が31件と最も多く、次いで「表現・演出」の15件、「報道・情報」の8件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 参院選報道では各社それぞれの工夫があったと思うが、開票特番を見ていると「そういう話は投票日前に聞きたかった」という情報もあった。投票日前に各党の主義主張やアピールしている政策をもれなく詳細に伝えてほしいと思う。

  • 投票日前の報道では各党の主張や公約に対して実現可能性の検証などのチェックをもっと詳細に行ってほしかった。そうした報道が量的公平性よりも質的公平性を重視するということにつながるのではないだろうか。

  • 参院選公示期間中の報道番組。特定の政党の主張の一部が切り取られて紹介されており視聴者に誤解を与えかねないのではと感じた。

  • 参院選の投票率が上昇したことについて情報番組のレギュラー出演者が、いいことかどうか分からない、といった言葉を漏らした。議論を喚起したい思いがあったのかもしれないが誤解を招きかねない表現だと感じた。

  • 番組内でのキャスターなどのコメントが話題となることがある。ソーシャルメディア上で炎上する事態になれば個人攻撃の標的となる恐れもあるだろう。コメントが「個人としての考え」なのか「番組として、局としての姿勢」なのかを明示するという手段もあるのではないだろうか。

  • 夜の時間帯では真面目なニュース番組を放送していても、午後の情報番組などでは芸能人のスキャンダルや一自治体の首長の卒業問題を連日長い時間をかけて取り上げている。重要なニュースはほかにもあるだろうに。テレビはソーシャルメディアよりも信頼できるという主張に疑問を抱く人が現れるのも理解できる。

  • 3連休の中日が投票日、というフレーズをよく聞いたが3連休を取りたくても取れない人もいる。「3連休という人が多いでしょうが」という一言を付ける配慮があると良いと思った。

  • ドライブレコーダーなど衝突の瞬間映像がよく使われるが、当事者にとってみれば悔やみきれない瞬間を何度も繰り返し放送されることになる。他人の不幸をショーアップしているように見えて不快になる。

  • ペットなど動物の可愛いらしさや人との触れ合いを映像化した番組が多い。動物との触れ合いはほほえましく好感が持てるが可愛いだけで済ませずにペットを飼うということは命が尽きるまで面倒を見る責任を伴うのだということをあわせて伝えてほしい。

  • 深夜に放送されているアニメで性行為の描写があることに違和感を覚える。放送は深夜であっても配信や録画を通じて若年層でも視聴が可能だ。表現の自由は尊重すべきだがテレビ番組は安心して視聴できるものであってほしいと思う。

  • ソーシャルメディア上の動画を利用する番組が多い。自撮り映像などは本人の許諾を取っているだろうから問題ないだろうが、ハプニング映像などで映りこんでしまっている人たちについて許可は取っているのだろうかと気になることがある。

  • BPOの委員会決定によって番組とCMには明確な線引きが必要だということを改めて知った。だがテーマパークやホテルなどにタレントが行き食べ物やサービスの値段を紹介する企画をはじめ線引きがあいまいなように見える番組はほかにもある気がする。

  • ガザ地区で飢えている人のことや80年前の終戦後の食糧不足を考えると飽きもせず大食い番組の放送を続けるテレビ局はデリカシーが欠けているのではないかと思う。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 高校の女性教師と人気ホストとの恋愛ドラマ。ホストクラブという問題を抱えた業界を肯定的・魅力的に描くことで、若い視聴者に誤った価値観が刷り込まれることを危惧する。公共の放送で流す内容としてふさわしいか疑問だ。

  • トークバラエティー番組に、AV俳優だった女性タレントが出演するのはいかがなものか。性産業は否定しないが、大衆の面前に出られるようなものではない。視聴した未成年者によくない影響があるだろう。地上波放送の劣化になると思う。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、吹奏楽の楽器を持ったままプールに飛び込むシーンがあった。楽器は通常、水に濡れたら壊れる。その楽器は、番組が用意した楽器まがいのものかもしれないが、このような演出は不適切だと思う。

  • 深夜遅くのアダルト向けアニメ。放送できない用語を打ち消すピー音や、胸や尻を過度に強調した制服を着た女子高校生が頻繁に出てくる。地上波放送にはそぐわない内容だった。未成年の視聴者が録画して見てしまうおそれがあるだろう。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 平日夕方の報道番組で、6歳児童が学童プールで死亡する事故を報じた。ショッキングで悲しい事故だが、報道では事故原因や再発防止への言及がなく、同年代の児童へのインタビューだけが伝えられた。何をしているのか、真意がわからない。

【「編成」に関する意見】

  • 日曜午前の子ども向けアニメ。人を殺して血が飛び散ったり、その音がリアルだったりして本当に気持ち悪い。こんなシーンを子どもが見る時間帯に放送するのは異常だ。子どもが刺激されて事件を起こしたら、どうするつもりなのか。

【「犯罪の助長」に関する意見】

  • クイズバラエティー番組だが、万引き(窃盗)や密輸、脱税などの手口を再現ドラマ形式で出題している。一緒に見ている子どもは、最初はクイズである万引きのやり方を考えているが、やがて「真似する人が出る」と嫌悪感を示すようになった。昨今は若年者の犯罪が多発しているが、こうした番組が犯罪を助長することになりかねないだろう。

第281回

第281回-2025年7月22日

中高生モニター報告について…など

2025年7月22日、第281回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事では、6月後半から7月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
7月の中高生モニター報告のテーマは「最近聴いたラジオ番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年7月22日(火)午後4時00分~午後7時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題

視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

6月後半から7月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
平日夕方の報道番組で、女児に対する盗撮や性的被害のニュースを報じたことについて、視聴者から「夕食の時間で子どもも見ているときに、こうした事件を詳細に報道するのは不適切。性的な事件の報道は放送時間帯に配慮すべきだ」との意見がありました。担当委員は「視聴する側は辛い面もあるだろうが、より多くの視聴者が事実を知ることで、犯罪の抑止などにつながることになるだろう」と述べました。
高校の女性教師とホストクラブの人気ホストとの恋愛を描くドラマに関し、視聴者から「ホストクラブを肯定的・魅力的に描くことで若い視聴者に誤った価値観が刷り込まれる」などの否定的な意見が寄せられました。担当委員は「ホストクラブの描写が前面に出るのではなく、(ドラマの初回は)女性教師がホストに漢字の書き方を教えるという心温まるエピソードなどが描かれていた」と報告しました。
別の委員も「ホストは育った家庭環境に恵まれず義務教育を十分に受けられなかった。母親に幼い弟の治療費を渡していたなど、社会の格差問題が凝縮された設定で、社会派のヒューマンドラマでもあるのだろうと見ていた」と述べ、作品に問題はないとしました。
深夜のトークバラエティー番組のゲストのひとりに元AV俳優の女性タレントを招いたところ、AV俳優経験者を地上波放送に出演させることを強く忌避する意見が寄せられました。担当委員は「トークの中身の問題ではなく、単に『AV俳優経験者を出すな』とのことだった。職業による忌避や一度何か問題を起こした人がまたテレビに出るのはとんでもないという排除的な思考、キャンセル・カルチャー(法律に基づかない形で排斥・追放されたり解雇されたりする文化的現象)がすごく根強いのだなと感じた」と説明しました。ある委員は「その説明の通りで、わたしもこの件は問題ないと思う」と応じました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

7月のテーマは「最近聴いたラジオ番組について」で、29人のモニターから合わせて26番組の報告がありました。聴取方法はリアルタイム聴取が9人、アプリ(radiko、NHKラジオ らじる☆らじる など)を利用したタイムフリー聴取が18人、録音が1人、その他が1人でした。
複数のモニターが取り上げた番組は『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)と『NISSAN あ、安部礼司 ~BEYOND THE AVERAGE~』(エフエム東京)です。
「自由記述」ではラジオに関する要望のほか、テレビ放送全体についての感想や放送局への要望、青少年委員会への要望が寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では『いくらかわかる金?SP』(TBSテレビ・6/28放送)に7人から、『ゴッホ 新たなる“発見”の旅』(NHK BS)と『バレーボール ネーションズリーグ』(TBSテレビ)、『嗚呼!!みんなの動物園 2時間スペシャル』(日本テレビ)、『朝メシまで。』(テレビ朝日)、『S☆1 BASEBALL 鷹ちゃんLive ソフトバンク×DeNA』(RKB毎日放送・6/15放送)にそれぞれ2人から感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 『Nらじ』(NHKラジオ第1)
    アプリを開いたときにちょうど放送中だったので初めて聴きました。まず「みんなの選挙」を聴いて、先週18歳の誕生日を迎えたものの何もわからず焦っていたので、さまざまな活動があることを知ってもっと調べてみようと思いました。また視覚障害のあるニュースデスク(杉田淳さん)の視点から意見が紹介されていてとても興味深かったです。(高校3年・女子・広島)

  • 『給食ラジオ』(NHKラジオ第1)
    給食の時間は短いですが、この番組があれば生徒同士が近くなれるし近隣校も知ることができて、住んでいる地域に愛着がわくと思います。全国の市町村で制作してほしいです。中・高校生にもあれば楽しいと思います。直接学校から放送するのも盛り上がると思いました。一方で小学生がフルネームで自己紹介するのは心配になりました。(高校3年・女子・長崎)

  • 『子ども科学電話相談』(NHKラジオ第1)
    農作業をしながら常にラジオを聴いている祖母のお手伝いをしていて、偶然聴きました。心に残ったテーマは「曜日と星の名前は関係があるのですか」で、最後に永田美絵先生が「なぜこの順番になったかは複雑だから、調べてみると面白い」とおっしゃっていました。すべて教えるのではなく、自ら調べて興味を持たせようとしているところがいいなと思いました。早速ぼくもインターネットで調べました。ラジオをきっかけに新しい知識が増えたことが嬉しく、家族や友達にも教えてあげたいと思いました。(中学3年・男子・大分)

  • 『ラジオ深夜便』(NHKラジオ第1)
    6月30日放送のアンカーは迎康子さん。落ち着きと安定感があり、6時間ストレスなく聴くことができました。午前4時台は直木賞作家・小池真理子さんのインタビューで、作家の倉橋由美子さん(故人)について語っていました。4時半ころに迎さんが倉橋さんの作品について延々と語りだし、知識が豊富で博識なことはわかりますが、そこは抑えて小池さんから話を引き出すことが常道ではないかと思いました。季節によってエンディングの感じ方が変わり、また番組全体ではニュースの後のオープニングテーマが時間ごとに変わるのも心地いいです。(中学3年・男子・北海道)

  • 『中学生の基礎英語 レベル1』(NHKラジオ第2)
    テキストがなかったのですが、学校で習った疑問文の表現が少し聴き取れて嬉しかったです。あっという間の15分でした。聴き逃しのサイトは何度も繰り返し聴けるし戻ることもできるので大変便利でした。(中学1年・男子・大分)

  • 『ラジオ英会話』(NHKラジオ第2)
    高校で国際系に進学したいと考えていますが、英語が苦手教科なので母に勧められました。途中から聴き始めた人にはストーリーが分かりにくいと思います。(高校1年・女子・岡山)

  • 『アラビア語講座』(NHKラジオ第2)
    NHKのラジオで語学番組を放送していると知り、ホームページで調べて聴きました。会話の日本語訳はテキストにしか書かれていないようで、テキストがない人でももう少し楽しめるようにしてほしいと感じました。(中学2年・男子・群馬)

  • 『眠れない貴女へ』(NHK FM)
    パーソナリティーの村上由佳さんと題名に惹かれ、大人の女性に少し背伸びした気分で聴きました。村山さんの聞き取りやすい穏やかな声と、お便りに対する的確で親身な言葉。中学校の職場体験ではラジオ局を選択し、実際に自分の声が放送されたのですが、普段感じている自分の声とは違って聞こえたのを覚えています。心地よい印象を与える声に憧れます。(高校2年・女子・熊本)

  • 『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)
    家族が聴いており私も一緒に聴くことが多い。朝の番組のアナウンサーらしからぬギリギリなブラック発言がたびたび安住さんから飛び出し、テレビと違った側面が見えて面白い。番組はリスナーからのメッセージが中心で、安住さんと中澤有美子さんのコメントでより面白さが引き立てられる。小学生から後期高齢者まで、幅広い年齢層の聴取者がいることも興味深い。(高校3年・男子・岡山)

  • 『荻上チキ・Session』(TBSラジオ)
    7/20参院選の各党の政策について、特に食料自給率やコメといった農業政策について解説していた。インターネットには真偽の怪しい情報も多く、テレビニュースを見ても何から手をつけていいのかわからないが、このようなリスナー参加型の番組を聴くことで、より合理的で正しい判断ができると感じた。画面を見ない前提で制作しているので音声だけでもわかりやすい。これからはラジオを聴く機会も増やそうと思う。(中学3年・男子・東京)

  • 『ラランド・ツキの兎』(TBSラジオ)
    お気に入りのラランドの番組があると知り、興味をもって聴いてみた。印象的だったのはUFOと社交ダンスの話題で、ニシダが「これはラジオでやる企画じゃない」と発言したことだ。ラジオは音声のみを届ける“映えない”メディアであることを改めて感じたが、だからこそ、情報の処理に疲れた現代人がリラックスしながら楽しむことができる。「目を休めつつメディアに触れられるラジオは、現代人にピッタリな新しいメディアだ」とブランディングすることは、日常的に聴く人を増やすために有用なアプローチだと思う。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『M!LK吉田仁人のレコメン!』(文化放送)
    吉田仁人さんが木曜パーソナリティーに就任して以来ずっと聴いています。同じ言葉は2度使わないのではないかと思うほど、語彙力の高さや表現のおもしろさにはいつも学ぶことばかりです。「レコメン!THE・男・会!」のコーナーでは番組スタッフとの関係性が垣間見えて、掛け合いの面白さに笑いっぱなしです。(高校1年・女子・熊本)

  • 『明治presents花澤香菜のひとりでできるかな』(文化放送)
    ラジオを聴くのは初めてでした。花澤香菜さんという聞きなじみのある名前をみつけ、聴いてみることにしました。声優さんなのでとても声がよく、聴いていて心地良かったです。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『SixTONESのオールナイトニッポン サタデースペシャル』(ニッポン放送)
    SixTONESの日記や最後のメール紹介を聴いて「リスナーと一緒に作り上げているラジオだ」と感じ、私もいつかリスナーになって一緒に作りたいと思った。最後のメール紹介では、メンバーを少し挑発するような感じで一気に盛り上がって終わるところが特によかった。(高校1年・女子・愛知)

  • 『山田裕貴のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)
    オールナイトニッポンはずっと大好きです。山田裕貴さんはトップ俳優なのに友達の面白トークを聴いている気分になります。またスタッフとの会話も好きで、山田裕貴さんをメインとした数人のラジオ番組を聴いているようです。こういう声を出して笑えるようなラジオ番組が朝は少なくて寂しいです。通勤や登校をする朝6時~8時の時間帯にも、しゃべくりラジオをもっと増やしてほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)
    ラジオでは手紙を読むと聞いたことがあるけれど、本当に読んでいることに驚きました。ラジオを聴く人を増やすには、放送の途中でキーワードを発表して懸賞品がもらえるようにするといいと思います。(中学1年・男子・福島)

  • 『ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)
    普段は全くラジオを聴きませんが、ナイツが好きなので聴きました。テレビとラジオでは時間の流れ方が違う気がして、ラジオの方が1つのテーマをじっくり話している感じが新鮮でした。テレビはとても忙しい感じなので、たまにはラジオをのんびり聴くのも良いかもと思いました。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『KOSÉ Find My Beauty』(エフエム東京)
    推しのNumber_iが出演するラジオは初めて聴くのでとてもワクワクしました。3人がワチャワチャと楽しく話す雰囲気や、テレビではなかなか聞けない3人の関係性などがとても鮮烈に感じられました。(中学2年・女子・東京)

  • 『Skyrocket Company』(エフエム東京)
    小学生の頃から聴いているお気に入りの番組です。リスナー参加型のコーナーがとても多いのが魅力で、リスナーである「社員」として自分も番組の一部になれるような感覚があって、他の番組とは一味違う楽しさがあります。この日の会議テーマは「プロってすげー!案件~この仕事、感動!!~」。私もぴったりのエピソードがあったので久しぶりにホームページに書き込んだところ、番組内で紹介されました。ラジオで自分のメッセージが読まれるのは久しぶりだったので嬉しかったです。これからも「社員」として番組を盛り上げていきたいです。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)
    ラジオ番組を初めて自分で選んで聴いた。中学生に人気だというネット情報から選んだが、学校というコンセプトで身近に感じられ、時間割のように区切っていることもメリハリがあって飽きを感じにくかった。テレビで見た小森隼校長はダンスが上手なアーティストという印象しかなかったが、ラジオを通してトーク力の高さを知ることが出来た。中学生の悩み相談に対してすべてを包み込むような安心感があり、言葉選びも秀逸だった。(中学2年・男子・東京)

  • 『TOKYO SPEAKEASY』(エフエム東京)
    5月8日午前1時からの放送を聴きました。出演者2人の組み合わせが意外でその関係性に驚きましたし、異なる分野で活躍する方同士の会話はとても面白かったです。番組監修の秋元康さんの語る番組コンセプトに惹かれてよく聴いていますが、日替わりの出演者による対談形式で毎回飽きずに聴くことができます。このような面白い試みのラジオ番組をこれからもつくってほしいです。(中学3年・男子・東京)

  • 『NISSANあ、安部礼司~BEYOND THE AVERAGE~』(エフエム東京)
    • 個性豊かなキャラクターが楽しいです。日曜の夕方には在宅で聴いたり、帰宅途中の車で家族と聴いたりしています。同期の権藤進部長(越村友一)が実は“ちいかわ”が好きで、安部礼司(小林タカ鹿)に「みんなに内緒」と話していたが、声の雰囲気とのギャップが面白かった。(中学2年・女子・千葉)
    • 毎週欠かさず楽しんでいる唯一の番組です。魅力はなんといっても曲のチョイスで、私には真似できない感性で選曲し、台詞とかぶせるように曲を流す演出に毎度ワクワクします。年度初めや節目に主要キャラの紹介が入るので、気軽にファンになれるのが長く続いている理由だと思います。(高校3年・男子・福島)
  • 『Blue Ocean』(エフエム東京)
    小さい頃から車の送迎中に聴いていた番組です。心に残ったのは大人の相談室で、個性的な質問が多かったです。住吉美紀さんの声は落ち着いていて、話す速度が丁度よく滑舌も良かったため、聞き取りやすかったです。(中学1年・女子・東京)

  • 『bayじゃないか』(ベイエフエム)
    推しの中間淳太さんが所属しているWEST.の番組なので毎週聴いていますが、他は『レコメン!』(文化放送)以外聴いたことがありません。聴きたい番組はありますが、だいたい深夜かお昼頃に放送していてなかなか聴けません。勉強しながらラジオを聴ける時間帯(16時半~23時半)に、学生に人気のあるアーティストや学生向けの内容の番組を放送すると良いと思います。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『GALACTICA DOMI』(エフエム富士)
    話題が平和すぎるので面白いトークなどをもっと増やしてほしいです。聴取者からのリクエスト曲はいいと思いました。自分の好きな歌がくると一人で盛り上がってしまいます。聴取者と電話でつながるのも良いですね。占いも好きなので続けてほしいです。(中学3年・女子・山梨)

  • 『ミルクボーイの煩悩の塊』(朝日放送ラジオ)
    母がいつもラジオを聴いています。私も小学生の頃から一緒に聴くようになり、現在はお笑い芸人の番組が好きです。学校に送ってもらう朝の車の中でもいつもラジオを聴いていて時計代わりになっています。この番組は深夜の放送ですが下ネタ(下品な言葉)がなく年齢を限定するような話題もないので、誰でも安心して聴いていられると思います。(高校1年・女子・秋田)

  • 『ハラミちゃんのハラミファソRadio♪』(エフエム徳島)
    ラジオをあまり普段聴きませんが、以前からハラミちゃんのピアノを聴いてみたいと思っていました。ゲストの方のリクエストをその場で演奏するので気持ちがこもっているように感じました。聴取者のリクエスト曲も生演奏すれば、もっと聴取する人が増えると思います。トークも25分とちょうど良い長さで、今後も食事やその準備をしながら聴きたいと思いました。(高校3年・女子・徳島)

【自由記述】

《ラジオに関する要望》

  • ラジオは音だけなのが売りなので、テレビとの差別化のために「本の朗読」と「ASMR」を思いつきました。本の朗読は運転中に眠くなる人がいると危険なので、感情の起伏が激しい物語がいいと思います。またASMRで流行に乗ることで若い人が興味を持つかもしれません。(中学3年・女子・山梨)

  • 何時頃にどういう話をしたのかが分かるタイムテーブルがあると、気になる話だけでも聴けると思う。(高校1年・女子・愛知)

  • radikoでは住んでいる地域の番組しか無料で聴くことができないので、最新の放送だけは他地域でも一定期間だけ無料で聴くことができるようにすれば、ラジオをもっと聴きやすくなると思いました。(高校3年・女子・徳島)

  • 収録見学やDJ体験などのイベントがあったら、ラジオに興味を持つ中高生が増えそう。(中学2年・女子・千葉)

  • ラジオにハマってから、パーソナリティーが話す趣味をたくさん試すようになりました。また話し方もうつって前より話すのが上手くなった気がします。なによりも本当に視野が広がりました。ラジオを聴けば知らない世界に行けて日常が豊かになるので、もっとみんなラジオを聴いてほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 「ラジオは脳にきく」(東洋経済新聞社・板倉徹 著)の本によると、ラジオは音声情報しかないので、得られない情報を補おうとして想像力が働き、脳が活性化するそうです。NIE(教育に新聞を)という言葉がありますが、RIE(教育にラジオを)があってもいいと思います。(中学3年・男子・北海道)

《テレビについての感想》

  • 朝のニュース番組は人が亡くなった報道や自然災害など暗いニュースが多いため、もう少し明るいニュースを増やしたらよいと思う。(高校1年・女子・岡山)

  • 最近のテレビ番組は節約に関する特集が多い印象がある。物価高ということはわかるが「この国は節約しなければ生きていけないのかも」とも思ってしまい、少々悲しい気持ちになる。(中学2年・男子・東京)

  • どのテレビチャンネルでも買い物企画やお散歩番組が増えてきたと感じます。内容もほぼ同じで「食レポも少し飽きてきたね」と家族で話しています。また地方に住んでいるので、全国ネットの番組で東京のお店のランチや割引のお得情報番組を見ていると、視聴者の枠から外されたような気分になります。(高校1年・女子・秋田)

  • 何かと「女」にスポットを当てたテレビ番組が多すぎると感じます。インタビュー対象を女性に限定し、上から目線で話をさせる演出もよく見かけます。生き物として特定の性の人間が優れている、男性よりも上からものを言える立場が女性だ、といった日本社会の良くない風潮を作っていると感じます。メディアは社会に大きな影響を与えるので、ジェンダー問題に関して真っ当に活動している人をサゲるような勘違い活動家やネットでのつぶやきが出たら日本にとってマイナスでしかないので、こんな制作スタイルはやめてほしい。(高校3年・男子・福島)

  • 中高生にニュースに関する意見を聞く番組があったらいいなと思います。現在は参院選のニュースが多いですが、まだ選挙権のない中高生はどのような受け止め方をしているのか、自分の身の回りだけでなくほかの地域のことも知りたいです。(中学3年・男子・東京)

《放送局への要望》

  • NHK福岡放送局のイベントで中継車の中を見学したことがあり、スタッフがとても丁寧に説明してくださったことが印象に残っています。もっと放送の裏側を見学できる機会が増えたらうれしいです。(高校1年・女子・熊本)

《青少年委員会への要望》

  • BPOの名前を知っていても活動内容はよく知らない人が多いと思う。しかし私も実際に知っていくうちに、BPOは視聴者の声を大切にし、公正な放送を守るために欠かせない存在だと感じるようになりました。もっと多くの人にBPOの役割や活動内容を知って欲しいです。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『連続テレビ小説「あんぱん」』(NHK総合)で7月4日の高知大空襲が描かれていましたが、日本各地で空襲があったのだと改めて考えさせられました。ドラマなどテレビの中で何気なく戦争を描くことは大切だと思います。日本で戦争が起きたことを忘れないために、体験者がいなくなる日が来る近い将来のために、誰もが忘れずに継承することができると思います。もうすぐ8月です。BPO青少年委員会で平和について何か考えることができればよいと思います。(高校3年・女子・長崎)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『発見!タカトシランド』(北海道文化放送)
    6月6日に視聴し、タカ&今井アンジェリカ、トシ&哀川翔がそれぞれペアを組み、札幌元町エリアを歩きました。アンジェリカさんが食べたラーメンが美味しそうで食べっぷりは見事でしたが、そのあとすぐに札幌せんべいとアップルパイを食べたことに違和感がありました。番宣では「街の魅力発見」とありましたが単なる食レポに見えました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『ステップ「明日への一歩」』(テレビユー福島)
    バレーボールが強くなりたいとはみんな思っているだろうけど、「地元」で強くなるという思いは素晴らしいと思います。私の地元ではないけれど優勝を目指して頑張ってほしいです。(中学1年・男子・福島)

  • 『ファン・ゴッホ 新たなる“発見”の旅』(NHK BS)
    普段は絶対に見ないジャンルの番組だったけれど、専門用語に解説が入っていて見やすかった。ゴッホの絵を様々な方向から追究していく内容で、とても興味深いと思った。(高校2年・女子・東京)

  • 『いくらかわかる金?SP』(TBSテレビ)
    • 「お金を気にせず使ったら一体いくらかかるのか?」という視点はとてもリアルで面白かったです。またクイズの答えが意外と予想と違っていて、自分でも金額を予想しながら楽しめるのが魅力でした。(高校3年・女子・広島)
    • お金の企画ですがどの局でもよく見る内容で、目新しさが全くありませんでした。路上ライブでお金をいくら稼げるかがゲーム方式だったのは面白かったです。(中学1年・女子・東京)
    • 「コストコで英語禁止ショッピング」は“やらせ”だと思います。そもそも英語を話さないとコーナーは成立しないので台本通りだったのだろうなと思いました。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『バレーボールネーションズリーグ日本VSフランス』(TBSテレビ)
    俯瞰映像は戦局が非常にわかりやすく、スポーツ観戦に慣れない私でも試合の展開についていくことができた。また実況の専門用語の解説が画面の隅に多く表示されたのもとてもありがたかった。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『朝メシまで。』(テレビ朝日)
    真夜中に働いている人たちはどんな仕事をしているのかに興味があり、よく視聴しています。「行って食べたい!観光名所の朝メシランキング」は優雅でとても魅力的でしたが、ターゲットは家族連れではないなとちょっと残念でした。(高校1年・女子・熊本)

  • 『都議選開票特番 選挙Junction』(TOKYO MX)※6月放送
    選挙結果は翌日になればすぐわかるのに、なぜ人・金・時間をかけて大規模な出口調査をするのか疑問に思っていました。その点この番組は、各党の選挙期間中の訴えや争点と結果を照らし合わせる形式の番組だったため新鮮でした。ただ選挙期間中に、公平公正になるような綿密チェックを入れることに力を入れた上で、各党の訴えを伝える特番を作ってほしいと思いました。(中学3年・男子・東京)

  • 『高校野球NEWS』(テレビ神奈川)
    私の学校の野球部も出場するので、関心があり視聴しました。選手宣誓の言葉は野球への思いが詰まっていて素晴らしかったです。今後も視聴していきたいです。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『がんばれ高知!!eco応援団』(テレビ高知)
    親が高知に単身赴任していたこともあり、縁があったので視聴しました。自然に囲まれて土地興しをするのはとても気持ちがいいものだと思いました。大学生の姉もボランティアサークルに入っていましたが、出演した大学生も姉も、人のため・環境のために行動する姿はかっこよく思います。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『S☆1 BASEBALL鷹ちゃんLive ソフトバンク×DeNA』(RKB毎日放送)
    横浜DeNAベイスターズはアウェイで観客が少なかったけれど、福岡ソフトバンクホークスに負けないぐらいの熱い応援がテレビから聞こえて驚きました。8回裏でソフトバンクが逆転したとき歓声が響き渡り、球場の熱気が画面から伝わりました。ぜひ現地で観戦したいと思いました。(中学3年・男子・大分)

  • 『アナタの街の隠れたヒーロー 縁の下の贈り人』(長崎国際テレビ)
    「喜んでもらえる寄贈」という発想が面白いです。贈られた人が笑顔になる寄贈は、見返りを求めていなくてとても素敵だと思いました。私は自分の“行動”しか寄贈できませんが、ボランティアで人を笑顔にしたいと思いました。(高校3年・女子・長崎)

  • 『ネコいぬワイドショー』(BS朝日)
    元野犬のキロロが訓練を通して心を開いていき、少しずつ外で歩けるようになっていく姿に感動しました。番組最後の「すべてのネコ・いぬが幸せでありますように」とのテロップが素敵だなと思いました。(中学2年・女子・千葉)

  • 『船越英一郎の昭和再生ファクトリー』(BS12 トゥエルビ)
    和田アキ子さんが昭和の思い出の地・新宿をめぐる旅でした。VTRを観ている司会者2人の声が小窓から時折流れるのは良いなと思いました。自然とつぶやく言葉は素直な感想で、親近感や説
    得力がありました。一方で放送内容が①から⑤まで表示されていたのですが、同色の文字ばかりで読みにくく、少し工夫が欲しいなと思いました。(高校2年・女子・熊本)

◆委員のコメント◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 高校1年生のモニターから『Skyrocket Company』(エフエム東京)で自分の投稿が紹介されて嬉しかったと報告があった。こういった経験やワクワク感がつながって、今後の聴取にも強く結びついていくのだろうと思う。嬉しい報告だ。

  • 『M!LK吉田仁人のレコメン!』(文化放送)のモニター報告を読んで、確かにラジオ番組は言葉の表現が命なので語彙が豊富だと思った。私の友人にも朝から晩までラジオを聴いていた人がいるが、彼女の言葉の表現力とスピード感はすごい。ラジオは言語的な表現力を上げるのに有用という可能性を感じた。

【自由記述について】

  • 高校1年生のモニターから「朝は暗いニュースが多いので、もう少し明るいニュースを増やしたらよい」という報告があった。昨今は戦争や犯罪のニュースも多く報道されるが、mean world syndrome(意地悪な世界症候群:相手をだましたり、傷つけたりするようなメディア内容に多く接していると、心が沈んでしまい、逃避傾向になる)を心配している。中高生にはメディアを選択的に選んで、楽しい番組にもどんどん触れてほしい。

  • 高校1年生のモニターから「放送の裏側を見学できる機会が増えたらうれしい」という報告があったが、こういった要望は多いようだ。例えば番組の中でも放送の裏側をチラッと10秒ぐらい出したり、希望者の見学会などを開催したら、若い世代にもっとテレビの現場を知ってもらえるのではないか。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 高校1年生のモニターから「人のため・環境のために行動する姿をかっこよいと思う」と報告があった。各局の「青少年へのおすすめ番組」の基準は明確には決まっていないと思うが、青少年がいまどのようなところに興味を持っているかに注意を払いながら、今後も積極的に番組を選んでくれたらいいなと思う。

今後の予定について

8月の委員会は休会とし、次回は9月24日(水)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

第341回

第341回 – 2025年7月

最新申立て状況を報告…など

議事の詳細

日時
2025年7月15日(火)午後4時~午後7時
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明し議論した。

2. 東京都議会議員選挙における各放送局の報道について

参議院議員選挙の前哨戦と位置づけられる東京都議会議員選挙について、各放送局が量的ではない質的公平性の重視やSNS・ネット情報のファクトチェックの強化など、新たな選挙報道方針を公表して有権者の投票判断に資する事前報道に積極的に取り組んでいたことなどが事務局から報告された。

3. その他

事務局から今後の委員会開催の件などについて報告した。

以上

2025年7月11日

番組と広告の識別が問題視された
TBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は7月11日午後1時からBPOで行われた。委員会からは小町谷委員長、高田委員長代行、大石委員の3人が、TBSテレビからは専務取締役ら4人が出席した。BPO側から放送倫理違反があったと判断するに至った経緯を説明したあと、TBS側が「BPOの意見を真摯に受け止め、番組と広告の識別について、番組の制作から放送に至る過程において適正な対策を講じ、視聴者の皆さまの信頼回復に努めてまいりたい」などと述べた。

続いて午後2時から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、委員会決定を公表した。会見には新聞・テレビなど31社70人が出席した。
はじめに小町谷委員長が、本件放送は番組と広告の識別に関して番組制作者の認識が甘く、視聴者から疑念を持たれる可能性が高い内容が放送されたこと、局内での情報共有が十分でなかったことも手伝ってスポンサーであるX社のCMが番組本編と直結して、あるいは近接して流れたことも重なり、視聴者から疑念を持たれる可能性をさらに高めたことなどが認められた。こうした事態が起きることを事前に防ぐ役割を担う考査も十分にその役割を果たすことができなかった。本件放送は、以上の3点が相乗的に作用して放送されており、総合的に勘案して、委員会は、本件放送は「広告放送はコマーシャルとして放送することによって、広告放送であることを明らかにしなければならない」と定めている民放連の放送基準第92項および「留意事項」に反しており、放送倫理違反があったと判断したと述べた。
続いて高田委員長代行は、番組と広告の識別を明確にして、視聴者に誤解を与えないことは民間放送にとっての生命線だと私は思う。そこの部分が今回は曖昧になってしまったが、引き続き、より良いバラエティー番組、情報番組を作るために、さらに工夫を重ねていってもらいたいと述べた。
大石委員は、このような番組が数多く、いろいろなチャンネルで放送されている。今回は番組と広告の識別が、今までのある種の惰性があったかもしれないし、警戒感がより薄らいで、一層分かりづらくなってしまった。あるいは、それが混ざり合ったような形になって誤解されるような番組になってしまったと述べた。
このあと、以下のような質疑応答があった。

〇質問・委員会決定の末尾に「視聴者・聴取者にとって番組と広告の境目が曖昧な番組を
    放送している局は数多く存在する。各局のこうした『横並び』が、番組と広告の
    境目に対する放送局の関心を低下させてきたのではないか」という記述がある。
    こうした現状を委員長はどう考えているのか。
 回答・番組と広告の境目が曖昧になっている傾向はあるだろう。こうした番組が
    たくさんあるのは事実だし、こうした番組を作っても何ら問題ないという意識に
    結びつくことが多いのではないかと思う。改めて言うが、委員会決定は対象局
    だけに出しているものではなく、放送業界全体に向けて出しているものなので、
    皆さまに読んでいただき、自局でこうした問題がないかどうかを改めて振り返っ
    ていただければと思う。

〇質問・情報バラエティー番組などでスポンサーを取り上げることは普通にある。
    それが駄目だということではなく、作り手の演出の仕方、例えば「一部
    離島では別途手数料がかかります」などはスポンサー目線の表現方法であり、
    そのような手法に問題があったという理解で間違っていないか。
 回答・番組を提供しているスポンサーを番組内で取り上げてはいけないというような
    ことを委員会は考えていない。あくまで「留意事項」に即した判断であり、
    本件放送は演出の方法や取り上げ方に問題があったと考えている。

記者会見は約50分で終了した。

以上

第208回

第208回–2025年7月

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』の通知・公表について報告

第208回放送倫理検証委員会は、7月11日に千代田放送会館で開催された。
委員会が7月11日に行った、委員会決定第48号 番組と広告の識別が問題視されたTBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見の通知・公表について、出席した委員長と担当委員からその様子が報告された。
日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。委員会で議論した結果、このインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、制作過程に放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員から意見書原案の説明があった。
6月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
参院選公示期間中の出来事としてラジオ局から自主報告があった。

議事の詳細

日時
2025年7月11日(金)午後4時~午後6時20分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 番組と広告の識別が問題視されたTBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見の通知・公表について報告

TBSテレビは2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルにおいて、家具・インテリアを扱う大手企業1社を全編で紹介した。CMにもこの企業が登場したため、視聴者から「これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という指摘がなされた。委員会は、番組制作の経緯などを詳しく検証する必要があるとして2025年1月の委員会で審議入りを決め、関係者のヒアリングや議論を重ね、次のような事実を認めた。①商品説明に続く商品名、税込み価格のほか購入に際しての注意事項などのテロップ表示や企業のロゴマークの常時掲載などについて、番組と広告の識別に対する認識や検討が甘かった。②この企業が番組の提供スポンサーになったという情報共有が十分ではなく、企業のCMが本編と直結あるいは近接して流れ、視聴者から疑念を持たれる可能性をさらに高めた。③こうした事態が起きることを事前に防ぐ役割を担う考査も十分にその役割を果たすことができなかった。以上の3点が相乗的に作用して放送されており、総合的に勘案して、委員会は、放送が民放連の放送基準の第92項および「留意事項」に反しており、放送倫理違反があったと判断した。
委員会は7月11日、委員会決定を当該放送局に通知し、続いて公表の記者会見を行った。同日に開催された7月の委員会では、委員長と担当委員が通知・公表の様子について報告した。
通知と公表の概要は、こちら。

2. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。
委員会は当該放送局に報告書と番組DVDを求め、それらを踏まえて協議した結果、問題となっているインタビューは、女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。
今回の委員会では、担当委員から意見書原案の説明があり、委員間の議論を踏まえて、次回の委員会までにさらに意見書案の修正を検討することとなった。

3. 6月の視聴者・聴取者意見を報告

6月に視聴者・聴取者から寄せられた意見には、情報系ニュース番組で東京都議選関連の企画コーナーにて各政党のYouTube登録者数を比較した表に、登録者数上位の政党が抜けていたことに対する指摘や抗議があった。また、家事に関する番組で柔軟剤を使用した拭き掃除が裏技として紹介されていたことについて、発火の恐れがあるなどの危険性を指摘する意見があった

4. ラジオ局からの自主報告について

ラジオ番組でリクエストに応えてあるバンドの楽曲を放送したところ、リスナーからのメールで、そのバンドのボーカルが参院選に立候補していることに気が付き、委員会に自主報告があった。番組の担当ディレクターは20歳代で、立候補者がそのバンドのボーカルであることを知らずに放送したという。当該立候補者については、関係者全員にメールで情報共有されていたが、バンド名までは情報として共有されていなかった。委員会はこの事案が他の放送局にも参考になると考え、議事概要に記載して注意喚起をすることで議論を終了した。

以上

第48号

番組と広告の識別が問題視された
TBSテレビ『熱狂マニアさん!』への意見

2025年7月11日 放送局:TBSテレビ

TBSテレビは2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルにおいて、家具・インテリアを扱う大手企業1社を全編で紹介した。CМにもこの企業が登場したため、視聴者から「これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という指摘がなされた。
委員会は、この番組が放送される直前、TBSの別のバラエティー番組について、番組か広告かを巡って厳しい意見が相次ぎ討議入りしたことを公表している。
委員会は、同じ放送局で同様の問題が繰り返し表面化したことを重く見て、番組の録画をTBSから取り寄せて視聴したほか、番組制作の経緯などに関する報告書の提出などを求めた。それらを検討した結果、問題点をさらに詳しく検証する必要があると判断し、2025年1月の委員会で審議入りを決めた。
関係者のヒアリングや議論を重ね、次のような事実を認めた。①商品説明に続く商品名、税込み価格のほか購入に際しての注意事項などのテロップ表示や企業のロゴマークの常時掲載などについて、番組と広告の識別に対する認識や検討が甘かった。②この企業が番組の提供スポンサーになったという情報共有が十分ではなく、企業のCMが本編と直結あるいは近接して流れ、視聴者から疑念を持たれる可能性をさらに高めた。③こうした事態が起きることを事前に防ぐ役割を担う考査も十分にその役割を果たすことができなかった。
以上の3点が相乗的に作用して放送されており、総合的に勘案して、委員会は、放送が民放連の放送基準の第92項および「留意事項」に反しており、放送倫理違反があったと判断した。

2025年7月11日 第48号委員会決定

全文はこちら(PDF)pdf

目 次

2025年7月11日 決定の通知と公表

通知は、2025年7月11日午後1時から千代田放送会館で行われ、
午後2時から千代田放送会館2階ホールで公表の記者会見が行われた。
記者会見には、31社70人が出席した。詳細はこちら。

2025年10月10日【委員会決定に対するTBSテレビの対応と取り組み】

委員会決定 第48号に対して、当該のTBSテレビから対応と取り組みをまとめた報告書が2025年10月1日付で提出され、委員会はこれを了承した。

TBSテレビの対応

全文pdf

目 次

  • 1. 委員会決定についての放送
  • 2. 委員会決定の社内への周知
  • 3. 放送倫理委員会、番組審議会、「放送と人権」特別委員会での取り組み
  • 4. BPO委員を招いての勉強会
  • 5. 再発防止に向けて
  • 6. 終わりに

2025年6月に視聴者から寄せられた意見

2025年6月に視聴者から寄せられた意見

東京都議会議員選挙や政府の備蓄米放出をめぐる報道にさまざまな意見が寄せられました。

2025年6月にBPOに寄せられた意見の総数は、1,807件で、先月から127件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 82.3% 電話16.4% 郵便・FAX 1.2%
男女別は、男性 51.8% 女性 25.2% 無回答 23.0%で、世代別では10代 1.8% 20代 8.9% 30代 18.3% 40代 23.4% 50代 19.0% 60代 11.8% 70歳以上 3.0%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。6月の個別送付先は27局で、意見数は348件でした。放送全般に対する意見は162件で、その中から10件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

6月22日投票だった東京都議会議員選挙や政府の備蓄米放出をめぐる報道にさまざまな意見が寄せられました。ラジオに関する意見は79件、CMについては16件でした。

青少年に関する意見

2025年6月中に青少年委員会に寄せられた意見は48件で、前月から57件減少しました。 今月は「要望・提言」が20件と最も多く、次いで「表現・演出」が12件、「編成」3件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 東京都議選について各社とも大きく取り上げていたが、スタジオでの政党紹介や代表インタビューの際に一部の政党の扱いが異なっているように見え違和感を覚えた。

  • 都議選の開票速報のために通常の番組を移動させていたが地方に暮らす者としては釈然としないものを感じた。

  • 良くも悪くもテレビメディアの影響力は大きいと思う。国の将来を左右する選挙についての報道は公平性に留意してしっかりと行ってほしい。

  • 備蓄米の争奪戦などと報じるメディアが米不足を煽っていると思う。店頭から米が無くなったと騒ぎ、米が並べば高すぎると騒ぎ、備蓄米が出るとなれば古くてまずいと騒ぎ、視聴者の不安と不満を煽ってきたのがメディアだ。もう少し客観的で建設的な報道を望みたい。

  • 備蓄米の話題を放送するときに、「古古米」「古古古米」など「古」の文字を加えて収穫年を表そうとしているが分かりにくいと思う。何年産の米、と収穫年を言った方が分かりやすいのではないか。

  • コンプライアンス違反を理由に番組のメイン出演者が突然降板した。放送局の社長が会見したが具体的な事実は何ら明かされず、いったい何を伝えたかったのか理解できなかった。報道機関としての説明責任を果たせていないと思う。

  • SNSなどネット上にフェイクや不確かな情報があふれるいま、テレビ報道にはよりいっそう正確性が求められていると感じる。速報性より正確性に重点を置く発想も必要なのではと思う。

  • ネット上の意見を報道番組などで紹介する際に、一部の極端な意見が大多数の声であるかのように扱われていると感じることがある。また番組側が言いたいことに合わせて意見を選んでいるのではないかと感じることもある。テレビは公平性、透明性に注意を払ってほしいと思う。

  • ニュースなどの街頭インタビューで子どものいる家庭の声ばかりが取り上げられていると感じる。子育ての大変さは理解できるが、子どもを持たない選択をした夫婦、結婚を選択していない人、若い独身者などさまざまなライフスタイルの人たちの声を拾ってほしいと思う。

  • 世界の衝撃映像を紹介する番組が多い。炎にまかれた人、車に衝突される瞬間、陥没した穴に落ちる瞬間など、生命が失われていてもおかしくない危険な状況の映像を立て続けに流している。視聴者とくに子どもたちの心理にどのような影響があるか心配だ。

  • 外国語を話す人の音声に日本語訳をかぶせる際にいわゆる「男性語」「女性語」が使われることが多い。男性なら「~だぞ」「~だね」など、女性なら「~よ」「~ね」「~だわ」など。当たり前のように使われているが見直してもよいのではないだろうか。

  • 戦後80年ということもあり、先の戦争を体験した人の声を聴くニュース企画が数多く放送された。また戦中戦後を時代背景にしたドラマが放送されている。若い世代に戦争の悲惨さを伝え続けることは大切なことだと思う。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • バラエティー番組の企画で、注射器にシャープペンシルの芯が入るか、入らないかを試した。注射器は医療器具で厳格な管理のもとにあるものだが、家庭で使用する場合もあるだろう。危機管理上からも医療器具などを題材にするのはよくないと思う。

  • 深夜の恋愛ドラマのナレーションに10歳前後の子役を起用していて、「ラブホテルに行かないと…」というせりふを言わせた。性的な文脈のせりふを未成年の子役に言わせることは、制作側の倫理観に大きな問題があると感じる。

  • バラエティー番組の企画で、元プロ野球投手が投げた球を小学生野球チームの選手が打ち返せれば賞金として現金を渡すものがあった。一種の賭け事になっていて、実際に渡す場面も放送したが、これは適切とはいえないだろう。子どもを使った賭け事に見える内容は控えてもらいたい。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ドラマで、変身したヒーローの一人が、自転車に乗る人を蹴飛ばしてその自転車を奪い、乗って逃げる場面があった。子どもが真似しそうで危険なシーンだった。

  • バラエティー番組の司会者が、ゲストの芸人にびんたする場面があった。一緒に出演した芸人の幼い娘が笑って見ていた。視聴した子どもは、びんたが許されるものだと思ってしまうのではないだろうか。

【「編成」に関する意見】

  • アダルトゲームが原作のアニメが7月から放送されることを知った。ゲームの内容は承知しているが、露骨な性表現があるのでテレビアニメにはすべきでないと思う。アダルトビデオを地上波の深夜枠で、光を刺したりマスキングしたりして自主規制しつつ放送して、販売促進しているのと同じことだからだ。

第280回

第280回-2025年6月24日

バラエティー番組制作者との勉強会の開催…など

2025年6月24日、第280回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事に先立って、ある在京キー局の番組プロデューサーらを招いて、バラエティー番組制作をテーマにする勉強会を開催しました。
議事では、5月後半から6月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
6月の中高生モニター報告のテーマは「最近視聴したドラマについて」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年6月24日(火) 午後4時00分~午後7時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
バラエティー番組制作者と委員との勉強会
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

バラエティー番組制作者と委員との勉強会

この勉強会は、2024年11月から本年2月まで続いたバラエティー番組のドッキリ企画などをめぐる「討論」の結果、「番組制作者らを招いて勉強会などを開催する」ことが委員の中で了解されたのを受けたものです。
出席したある在京キー局の番組プロデューサーがまず、担当する番組の制作体制やコンプライアンス関連を含む制作上の問題点解決のプロセス、そして、委員会の「討論」で対象となったドッキリ企画制作の経緯などを詳しく説明しました。
そのうえで委員との意見交換に移り、委員からは「(ドッキリのターゲットになった)芸人が演技も含めて苦しむ様子、いわば『死のイメージ』があると視聴者から否定的な意見が多くなるようだ」や「(番組のコア・ファンよりも)若い視聴者層には、バラエティー番組が伝統的に積み上げてきた『お約束』が通じなくなっている。やっぱりかわいそうという感覚が先立ってしまう」などの意見がありました。
番組プロデューサーが最後に、「指摘されたところをしっかりと共有しながら、今後の番組制作にあたりたい」と述べて、勉強会を終わりました。

視聴者からの意見について

5月後半から6月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
かつての人気クイズ・バラエティー番組の復活版について視聴者から「回答者に卑猥な言葉を連想させる設問があり、非常に下品な番組だった。子どもが一緒に見ることを考慮した番組作りがまるでされていない」などの否定的な意見が寄せられました。
担当委員は「作問の段階で、若い女性回答者に卑猥なこと(回答)を言わせようとする意図が感じられ、そこは問題かと思う。テレビ番組は安心だと思っていた視聴者が安心できず、不安を持たれてしまっているのではないかと感じた」と報告しました。
幼児向け教育番組の挿入歌の歌詞に「ママが困ったときに変身して現れ必ず助けに来てくれるパパ・レンジャー」とあり、母親である視聴者から「我が家はひとり親家庭だが、歌詞を聞いて3歳の子どもが傷ついている」との意見が寄せられました。担当委員は「教育番組だからこそ、よりいっそう配慮してほしいということだろう」としました。
別の委員は「ひとり親家庭のみならず、子どもの中には児童養護施設で育つ子もいるし、さまざまな環境がある。いわゆるステレオタイプ的な家族像や固定観念に関しては、番組制作者がそれらを押し付けてはいけないし、そうすることで傷つく子どもがいることを心にとどめ置くべきだろう」と指摘しました。
一方、ある委員は「ひとり親家庭の場合、こうした問題に敏感なのは確かだが、(番組が)すべてのケースに対応することもできないだろう。それでも『必ず、絶対(パパが助けてくれる)』という歌詞は、行き過ぎかなと感じる」と述べました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

6月のテーマは「最近視聴したドラマについて」で、30人のモニター全員から合わせて23番組の報告がありました。視聴方法はリアルタイム視聴が9人、録画視聴が10人、見逃し配信等のアプリ視聴が7人、複数併用が2人、不明あるいは報告なしが2人でした。
複数のモニターが取り上げた番組は『連続テレビ小説「あんぱん」』(NHK総合)、『日曜劇場「御上先生」』『日曜劇場「キャスター」』(いずれもTBSテレビ)、『なんで私が神説教』(日本テレビ)、『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日)、『人事の人見』(フジテレビ)です。
「自由記述」ではドラマのテーマに関する要望や意見のほか、他ジャンルの番組の感想や特定の番組に関する意見が多くありました。
「青少年へのおすすめ番組」では『未来予測反省会』(NHK総合)に9人から、『EIGHT-JAM』(テレビ朝日)に3人から、『Good For The Planet×ZIP!』(日本テレビ)と『GO!GO!チャギントン』(フジテレビ)、『ダム湖で遊ぼーぜ!』(BS11イレブン)にそれぞれ2人から、感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近視聴したドラマについて】

  • 『連続テレビ小説「あんぱん」』(NHK総合)

    • 朝ドラはあまり見ないが、親が視聴していたので一緒に見たら面白かった。嵩(北村匠海)が戦場に行ってしまう場面だったが、当時の風習や空気感がよくわかって面白い。人物描写はとても個性的かつリアリティがあり、今の世界に通ずるところを感じる。今の若い世代は当然戦争を経験してないし、戦争に関する意識が薄れていっているように感じるので、このドラマを広く若い人たちに見てほしい。(中学3年・男子・東京)

    • 幼いころよく『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ)を見ていましたが、作者のやなせたかしさんがモデルだと知り、毎週欠かさず録画して視聴しています。特に印象に残ったセリフは嵩の叔父・寛(竹野内豊)の「何のために生まれて、何をしながら生きるがか」です。「アンパンマンのマーチ」の歌詞と重なり、進路に悩んでいた私の心にとても響きました。(高校3年・女子・徳島)

  • 『「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」シーズン3「換身」』(NHK総合)
    ユニークな熟語のタイトルに惹かれて視聴しました。一話15分という短い時間にユニークなストーリーとオチの面白さが詰まっていてワクワクしました。“一話15分完結のSFドラマ”は手軽さを求める今の時代のニーズと合致していて、他のシーズンの作品も見たいと思いました。(中学3年・男子・東京)

  • 『新日曜名作座「ドナウの旅人」』(NHKラジオ第1) 2年前に他界にした父の書棚に「ドナウの旅人」があり、当時は大人の恋の切なさと複雑さが難しく理解不能で、読むのを途中で諦めていましたが、いまなら理解できるような気がして聴取しました。西田敏行さんと竹下景子さんの2人が4役も5役も演じているのに、まったく違和感がありませんでした。特に竹下さんは麻沙子と絹子、母娘両方の声を演じていましたがまるで本当の親子のようで、1980年代当時の情景が目に浮かびました。複雑な人間模様をたった2人で演技するラジオドラマから耳が離せません。(中学3年・男子・北海道)

  • 『日曜劇場「キャスター」』(TBSテレビ)
    • 「テレビ業界の話だよ」と親に勧められて視聴しました。第3話は理解しにくいところがありましたが、過去に似たような出来事が実際にあったと知り、ネットで調べたり親の解説を聞いたりしながら観て楽しかったです。日々取材し、会議し、編集し、原稿をまとめ、生放送をするというスピード感は面白いです。(高校1年・女子・秋田)
    • 報道の役割や問題点について知ることができそうだと思い視聴しました。第5話では進藤キャスター(阿部寛)の「空気を読む沈黙が不正を助けている」という言葉が印象的で、学校や家庭で「仕方ない」と見過ごしてしまう自分自身を振り返るきっかけになりました。(高校1年・男子・神奈川県)
    • テレビ局の業務用語が聞けてワクワクしました。また夜の簡易的な照明で演者の表情に説得力を持たせるよう演出していて、素敵だと思いました。(高校3年・男子・福島) 

  • 『日曜劇場「御上先生」』(TBSテレビ)
    • 教育改革を起こそうという内容にひかれて視聴しました。御上先生(松坂桃李)の指導や生徒一人一人に寄り添う教育がとても心に染みました。ただ、生徒たちの問題を改善しながら隣徳学園の不正を暴き、また官僚の世界でも問題が起きていて、様々なことが一度に起きすぎていると思いました。最終的にはよく分からないところで終わってしまった気がして、最後に全てがつながって謎が解ける終わり方がいいと思いました。(中学2年・女子・東京)
    • 特に印象に残ったのはCM間に画像や短い動画が挿入されるアイキャッチの使い方だ。一匹の蝶が自然の中をさまようシンプルなアニメーションだが、毎回内容が変わっていて物語の展開を暗示していた。番組に深みを持たせ、視聴者に物語を隅々まで楽しんでもらう良い工夫だと思う。(高校2年・女子・神奈川)
  • 『日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」』(TBSテレビ)
    以前視聴して気に入った『アンナチュラル』(TBSテレビ・2018年制作)『MIU404』(同・2020年制作)と同じ脚本家(野木亜紀子)だったので視聴しました。1話目は普通な気がしましたが、2話目や3話目から一つ一つのシーンに伏線があると分かって、予想しながら視聴するのが楽しかったです。(中学2年・男子・群馬)

  • 『火曜ドラマ「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」』(TBSテレビ)
    好きな俳優(江口のりこさん)が出演するので視聴しました。ドラマをきっかけに、訳あって十数年専業主婦をしていた母と、専業主婦や家事についてじっくりと話すことできました。性別や年齢を問わず今の日本に必要なドラマだと思います。原作者の朱野帰子さんの他の作品も読んでみたくなりました。(高校1年・女子・熊本)

  • 『火曜ドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」』(TBSテレビ)
    ぼくは野球が大好きなので、主人公のまどか先生(芳根京子)が“横浜DeNAベイスターズのファン”という設定が面白そうだと思い視聴しました。クライマックスシリーズの試合が映ったり、部屋に球団グッズやポスターがあったりして、どこかでまどか先生が暮らしているのかなと思ってしまいました。次に何が出てくるのか楽しみでした。(中学1年・男子・大分)

  • 『金曜ドラマ「イグナイト -法の無法者-』(TBSテレビ)
    間宮祥太朗さんと及川光博さんが出演することをSNSで知り、また大逆転劇のある裁判の話が面白そうだと思い視聴しました。心に残ったシーンは、轟(仲村トオル)に桐石(及川光博)が「奥さんのことは俺に任せてくれないか」と言われて任せるシーンです。轟と桐石の間に強い信頼関係を感じて感動しました。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『金曜ドラマ「ライオンの隠れ家」』(TBSテレビ)
    高校生になって友だちとドラマの話をする機会がほぼなくなりましたが、唯一周りの人も多く見ていて盛り上がったドラマです。きょうだい児や虐待、DVなど、現代の問題を幸せに描いてくれる素敵な作品で、福祉の仕事に興味がある私にとって大きな学びとなりました。自閉症のみっくん(坂東龍汰)の表情や行動、描く絵がみるみる変わっていくのは圧巻でした。(高校2年・女子・東京)

  • 『なんで私が神説教』(日本テレビ)
    • なんとなく面白そうなタイトルなので視聴しました。第1話の神説教するシーンで「いじめとイジリは同じ」という言葉がとても印象に残っています。(中学2年・女子・千葉)
    • 家族に教員がいるのと自分が高校生なので視聴しました。ドラマの世界観は実生活と違っても楽しめますが、たばこを全員で吸った話を軽く描くのはどうなのでしょうか。「イジリといじめ」もドラマを通して「ダメだ」というメッセージがほしかったです。登場人物の会話には所々突っ込みがあり、シリアスな場面でも重くなりすぎずコントのようで面白かったです。(高校3年・女子・長崎)
  • 『恋は闇』(日本テレビ)
    たまたま予告を見て面白そうだと思い視聴した。設楽浩暉(志尊淳)の大胆なやり口やどこか闇を感じる表情に、すごく引き込まれた。BGMにも興味をさらに掻き立てられ、終始ドキドキしながら見ていた。(高校2年・女子・東京) 

  • 『ホットスポット』(日本テレビ)
    バカリズムさん脚本のドラマにはハズレがありません。クスっと笑えて楽しめる内容がやみつきになります。役者の掛け合いがとても好きで、遠藤さん(市川実日子)と高橋さん(角田晃広)の二人が淡々と話す様子がずっと面白いです。一話にたくさんの伏線が隠されていてストーリーに引き付けられ、最後にどんでん返しが起きて毎回驚かされます。(高校1年・女子・愛媛) 

  • 『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日)
    • テレビアニメ(TOKYO MX他、25年1月~放送)を見たことがあり、謎を解明する探偵モノに興味があったのでドラマも視聴した。久しぶりにドラマを視聴したが役者の演技は凄いと思った。(中学1年・男子・福島)

    • 原作の小説を読んだことがあり視聴しました。「クッシング潰瘍」という聞き馴染みのない医療用語をCGの小人を使って分かりやすく紹介している点は、本を読むより良いと思いました。畑芽育さん(鴻ノ池舞役)の出演が少ないのが残念です。(高校1年・女子・愛知)
  • 『木曜ドラマ「PJ~航空救難団~」』(テレビ朝日)
    ドラマはあまり見ないが、家族が見ていた第1話を偶然見て引き込まれた。航空救難団の存在は知らなかったが、再現された訓練シーンはリアリティがあり、どんな組織なのかがよくわかった。主題歌は今話題のVaundyで、人間の自問自答や葛藤をこの曲に込めたとのこと。訓練学生の想いと重なる部分があると思った。(中学2年・男子・東京)

  • 『人事の人見』(フジテレビ)
    • 松田元太さんが主演なので視聴しました。ドラマは医療や殺人のテーマが多いイメージで怖いのかなと思いましたが、このドラマは全体的に明るくて面白かったです。BGMからも気持ちが読み取れて内容が分かりやすかったです。(中学1年・女子・東京)
    • もともとドラマを見るのは好きで、松田元太さんが好きなので視聴しました。いつも思うのですが、出演者が前半の出来事をまとめる部分はいらないなと思います。「この展開どうなるの?」とワクワクしていたら急にまとめが来て、ワクワク感が薄れるためです。(中学3年・女子・山梨)
  • 『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ)
    普段あまりドラマを視聴しないが、母が見ているので視聴した。60歳になる主人公・吉野千明(小泉今日子)の生き方は昨今の日本の生活を映し出していて、考えさせられる内容だった。何かしら抱えながらも様々な立場で楽しく生きている登場人物たちは生き生きとしており、見ていて心が温まった。60歳近い登場人物の恋愛というテーマは少なく、面白いと思った。(高校3年・男子・岡山)

  • 『119エマージェンシーコール』(フジテレビ)
    普段あまりドラマを見ませんが、YouTubeでドラマの切り抜きが流れてきて関心を持ちました。兼下(瀬戸康史)の妻と息子がいた場所の近くで土砂崩れが発生し、息子・光(高木波瑠)が指揮官である兼下に電話をかけてきたシーンが、一番印象に残っています。救急医療のすばらしさに尊敬の念を抱きました。(高校1年・女子・岡山)

  • 『問題物件』(フジテレビ)
    家族が視聴していたので見ました。コメディータッチな部分とミステリー要素のバランスがちょうど良く、子どもが見ても分かりやすいストーリーで面白かったです。清水伸さん(警察官役)の狂ったような演技が凄くストーリーに合っていて引き込まれましたが、怪しいと思った人が犯人になることが多いので、少しありきたりだなと思いました。(中学1年・女子・東京)

  • 『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(関西テレビ)
    好きなグループのメンバーが主人公のクラスメイト役で出演していたので視聴しました。最終話でいくつかの伏線が完全には回収されなかった印象があり、少しモヤモヤしました。これまではドラマの考察にあまり触れませんでしたが、いろいろな考察サイトを見たり自分なりの説を立てたりと、物語の余韻を味わうのは新鮮でとても楽しい体験でした。(高校3年・女子・広島)

  • 『あなたを奪ったその日から』(関西テレビ)
    番組宣伝を見て「絶対にこのドラマは観たい」と思いました。「子どもを誘拐して育てる」という点が角田光代さんの小説「八日目の蝉」と同じだからです。見所は北川景子さんの目力で、睨むシーンでの迫力ある鋭い目、子どもと触れ合う時の屈託のない笑顔の目など、「目は心の鏡」「目は口ほどにものを言う」ということわざがふさわしいと思いました。(高校2年・女子・熊本)

  • 『中国ドラマ「フライト・トゥ・ユー~君との距離<マイル>』(BS12 トゥエルビ)
    予告の飛行機の映像がとても迫力があったことと、僕が将来パイロットになりたいので興味を持ちました。心に残ったシーンは、飛行機恐怖症の乗客に対するパイロットや客室乗務員の心温まる気配りです。僕もこんなパイロットになりたいと思いました。(中学3年・男子・大分) 

【自由記述】

《ドラマについて》

  • 医療系のドラマは内科や外科が多く、いつも同じようなパターンなので、精神科などの違う科も取り扱ってほしいと感じた。(高校3年・女子・徳島)

  • ヤングケアラーや少子高齢社会をテーマにしたドラマがもっと増えるといいと思います。(高校1年・女子・岡山)

  • 現役アスリートの幼少期から活躍するまでを描いたドラマを見てみたいです。日常生活や家庭環境、周囲のどんな支えがあったのかなど、アスリートの気持ちの浮き沈みを見てみたいです。一流と言われる人たちが僕と何が同じで何が違うのかを知りたいです。(中学3年・男子・大分)

  • キュンキュンするラブコメがもっと増えてほしいです。(高校3年・女子・広島)

  • 『北の国から』(フジテレビ・1981年~制作)が大好きなのですが、最近はこのような超長編ドラマがなくてさみしいです。出演している子どもの成長を実感できるようなドラマを作ってほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 観たいと思うドラマが少ないです。「フェミニズム要素強めで精神的にキツい内容だな」とか「怒鳴り声を上げてBGMでそれらしくするのだろうな」とか、ワクワクしない要因が多くあります。こんな時だからこそ冒険してほしいです。(高校3年・男子・福島)

  • 同じシーズンで他局のドラマのテーマが被ったとき、結末が似ていると新しさがなく飽きてしまいます。(中学1年・女子・東京)

  • ニュースやバラエティー番組がインターネットのコンテンツにすげ変わっても、ドラマはテレビだからこそ実現できる規模感や出演する俳優によって、そう簡単に廃れないしずっと存続すると思う。もっと面白く見ごたえのあるものにすれば若者のテレビ離れに対抗できると思う。(中学3年・男子・東京)

《他のジャンルの番組について》

  • ニュースや報道番組で「障害者」という表記がありました。障がい者は何も悪くないのに「害」があると誤解が生まれるような表記は、正しい情報を提供しなければならないテレビ局として良くないと思います。(中学3年・女子・山梨)

  • 歌番組などに出演するグループの名前はアルファベットや記号表記が複雑で読みにくいので、幅広い世代が読めるようにフリガナがあると良いと思う。読めない世代は一気に冷めて離れてしまう。(高校1年・女子・秋田)

  • 昔のクイズ番組は脳トレやナンプレが主流で、見ていてとても楽しかったです。また『全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)はアメリカの自由の女神をバックに優勝者が決まるなど“THEクイズ番組”といった感じで面白かったです。もっとクイズ番組が増えてほしいです。(高校2年・女子・埼玉)

  • “衝撃映像○○連発”という番組が多数あります。意外な展開でハッと驚くような映像ばかりですが、スマートフォンで動画を見るのとなんら変わりはなく、あえてテレビで見たいと思いません。(高校1年・女子・熊本)

  • CMなのか番組なのか分からないところは、はっきりとわかりやすくしてもらいたいです。(中学1年・女子・東京)

  • つい最近までオンラインカジノのCMが放送されていたことに驚きました。オンラインカジノに関する逮捕者や書類送検の報道が増えていますが、自局で過去にCMを放送していた事実も伝えるべきだと思うし、CMの内容や放送のあり方についてもっと慎重に考えてほしいです。(高校1年・男子・神奈川県) 

《特定の番組への意見》

  • 『ラジオ深夜便』(NHKラジオ第1)の「ラジオ文芸館」で辻村深月「私のディアマンテ」の朗読を聴いて、女子高生のエミリが担任の先生と関係を持ち妊娠したことを母親に伝えるシーンは、結城さとみアナウンサーの声と間、抑揚に、エミリの切ない気持ちが伝わってきました。エミリの気持ちや母親の不安を声だけで表現するアナウンス技術に感動しました。(中学3年・男子・北海道)

  • 6月9日放送の『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』(TBSテレビ)では名曲をたくさん聴くことが出来た。特にHump Backの「拝啓、少年よ」の歌詞に深く触れていて、これはテレビだからこそ知ることができたし、テレビの良さを感じた。(高校1年・女子・愛知)

  • 『世界くらべてみたら』(TBSテレビ)を視聴しました。2つの国の人々のどちらが辛さに強いか、それぞれ30人ずつ辛い料理に挑戦して何人完食できるかを調べる企画でした。結果は1点差でしたが、このような結果はいくらでもコントロールできると思います。何だか残念です。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『アーカイブ映像センター 素人ホームビデオなんとかする課』(テレビ東京)を視聴したが、とても独創的で面白かった。一般人に呼びかけて番組に出てもらうのはテレビらしい内容だと思う。(高校3年・男子・岡山)

  • アニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京)をサトシの頃にもどしてほしい。昔はギャグシーンや感動シーンがあってとても面白かった。(中学1年・男子・福島)

  • 『Skyrocket Company』(エフエム東京)は番組を会社に見立てる設定が面白いです。みんなで乾杯するコーナーもあり、番組とリスナーの一体感もあります。とても良い雰囲気でよく聴いています。(中学2年・女子・千葉)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『未来予測反省会「家庭料理はなんでも自動調理器が作ってくれる」』(NHK総合)
    • 50年前の予想がぶっ飛んでいてとても面白かったです。「予想が無茶だった」で終わらせることなく理由を深めていて、学校で説明文を書くのに役立つ構成だと思いました。(中学2年・男子・群馬)
    • AI技術でイラスト風のアイザック・アシモフと対話していて、昔の人がテレビの中にいて話を聞いている感覚になり面白かった。(高校2年・女子・埼玉)
    • タイトルだけでは“硬い討論番組”という印象で観たいと思わなかったが、観始めると50年代のイラストや映像がとても貴重で興味深かった。ただ「反省」という言葉に少しモヤモヤし、アシモフ氏が「反省」しなくても良いと思った。(高校1年・女子・秋田)
  • 『Good For the Planet×ZIP!』(日本テレビ)
    • カズレーザーが取り上げていた、世界の海で問題になっている“海の砂漠化”を救う最新AIドローンを調査した企画が特に興味深かった。最新技術にもAIが用いられていることに感動した。(中学2年・男子・東京)
    • “海の砂漠化”“水中ドローン”など聞き覚えのない単語が気になって視聴しました。難しい言葉を使わずに説明していて、今まであまり関心がなかった私でも「こんなことが出来るんだ!」と興味が湧きました。(中学2年・女子・東京)
  • 『EIGHT-JAM』(テレビ朝日)
    ダンスを見ることはあまり好きではないですが、あっという間に1時間が経つほど引き込まれました。チームの良さを分かりやすく説明していたし、文字も読みやすくて集中してダンスを見ることができました。(中学1年・女子・東京)

  • 『GO!GO!チャギントン』(フジテレビ)
    小さい子にも分かりやすくシンプルで面白い内容でした。最後の「チャギントン体操」は大人の主張が激しくて子どものダンスにあまり目がいかないのでもう少し子役を引き立てたらいいと思いました。(高校2年・女子・東京)

  • 『土曜はダメよ!大阪・関西万博SP』(読売テレビ)
    “小枝不動産”のコーナーが大好きで小さいころからよく番組を見ています。関西万博についてさらに知ることができました。くら寿司の企画では世界各国のスイーツを知ることができてとても楽しかったです。(高校3年・女子・広島)

  • 『LOVE HOKKAIDO』(北海道テレビ放送)
    オープニングのイラストに癒されます。また出演者のリチャンさんと大野ユリエさんが可愛らしく、ほっこりします。6月13日の放送では白糠町にある羊牧場直営レストランのメニューを紹介していて、画面からはみ出る映し方は迫力があり、魅力がリアルに伝わりました。またリチャンさんが海の見えるサウナに入ってくつろぐ姿は本当に気持ちよさそうで、800円は安い!と思いました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『高校生のじかん』(九州朝日放送)
    すもうで世界2位になったウクライナの女子高校生の企画でした。日常を奪われ家族と離れ離れになっても、目標に向かって日本で頑張るベロニカさんを応援したいです。(中学3年・男子・大分)

  • 『令和7年度長崎県高等学校総合体育大会 総合開会式』(長崎国際テレビ)
    今年は佐世保での開会式で、各学校の入場行進の実況は分かりやすかったです。開会式と同時に種目紹介もありテンポが良いと感じました。最後の県知事の祝辞は長く感じ、寝ている子の映像を放送するのはかわいそうだと思いました。先日のニュースで、長崎県内や島の高校が少子化で減るとありましたが、実況の中で全校生徒数や歴史などもあればよかったと思います。(高校3年・女子・長崎)

  • 『バカリもビビる!?設計浪漫~みんなが知ってるあの場所の、みんなが知らないつくりのヒミツ~』(BSフジ)
    東京タワーと東京スカイツリーを、歴史・設計・建築などで比較する構成でした。2時間のバラエティー番組で1つのテーマだけを扱うと、途中でつまらなくなって飽きてしまいがちですが、この番組は話題をこまめに入れ替えながらテンポよく展開していたため、飽きずに最後まで視聴することができました。このようなニッチで面白い番組はまた見たいです。(中学3年・男子・東京)

  • 『ダム湖で遊ぼ~ぜ!』(BSイレブン)
    ダム巡りは熱心なマニアがいるイメージだったので、どのような番組か気になって視聴した。知名度が高いとは言い難い山形県内のダム湖だけで番組が編成されていることに驚いた。ゆったりと時間が流れるダム湖の雰囲気がそのまま伝わってきて、タイパ・コスパという言葉が広まる今だからこそこのようなのどかな番組も放送してほしいと思った。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『第一芸人文芸部 俺の推し本。』(BSよしもと)
    出演している芸人を調べたところ、有名大学出身だったり著書を出していたりして驚きました。巧みな話術に引き込まれる「肩の力を抜いた楽しい読書のススメ」という雰囲気で、毎週観たい番組の一つになりました。最後のプレゼン結果発表では観覧者の様子も映してほしかったです。(高校2年・女子・熊本)

◆委員のコメント◆

【最近視聴したドラマについて】

  • 『日曜劇場「御上先生」』(TBSテレビ)を視聴した中学2年生の報告に「最後に全てがつながって謎が解けたという終わり方がいい」とあったが、学校でいつも答えのあるテストを解いている中高生にとっては、白か黒か分かるほうがスカッとするのだろう。ただ社会に出たら答えのない問題のほうが多いので、こういったドラマで視野を広げてほしいと思う。

  • ラジオドラマを聴取した中学3年生が映像のないラジオの良さと深みを報告していた。情緒豊かな青少年にはラジオドラマが深く刺さるのだと分かった。

  • 学園もののドラマを取り上げた報告がいくつかあり、中高生に身近なテーマは人気があるのだなと感じた一方で、社会的な問題を考えるドラマも意外と中高生の心を掴むのだなと感じた。

【自由記述について】

  • 中学3年生から「現役アスリートの幼少期から活躍するまでを描いたドラマを見たい」と報告があったが、凡人と天才の違いはどこにあるのかは大変興味深い。“夢への階段の上り方”を子どもたちに示すのはよいと思う。

  • 『世界くらべてみたら』(TBSテレビ)を視聴した高校3年生の報告に「結果がいくらでもコントロールできる」のでよくないとあったが、今っぽい感想だなと思う。トークバラエティーのこういった検証には実証的な意味がないと視聴者も織り込んで見ていると思っていたが、今はきちんと注釈をつける傾向がある。放送業界への風当たりの強さを反映している感想だと思った。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 中学2年生から「一話15分完結のドラマは今の時代のニーズと合致している」「話をこまめに入れ替えると2時間番組も飽きずに視聴できた」と報告があった。「15分×8」で2時間番組を構成すれば中高生は飽きずに視聴できるのだろう。

  • 最近は書籍や言葉をテーマにした番組に興味があるモニターが多く、内容に
    詳しく言及したり視聴者が一緒に考えたりする構成が好まれていると感じる。

今後の予定について

次回は2025年7月22日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。また、2日後の7月24日(木)には東京・渋谷のNHKで中高生モニター会議を開催します。

以上

第340回

第340回 – 2025年6月

「警察密着番組に対する申立て」テレビ東京の対応と取り組みを了承…など

議事の詳細

日時
2025年6月17日(火)午後4時~午後7時30分
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明し議論した。

2.「警察密着番組に対する申立て」委員会決定を受けてのテレビ東京の対応と取り組み

今年3月18日に通知公表を行った委員会決定第81号「警察密着番組に対する申立て」について、当該放送局のテレビ東京から「対応と取り組み」をまとめた報告書を受領し、委員会でその内容について検討した結果、了承した。委員からは「審査体制の強化のほかに社内研修を何度も実施するなど、制作スタッフのコンプライアンス意識の向上にも努めており、この取り組みを継続して欲しい」などの意見があった。

3. その他

事務局から今後の委員会開催の件などについて報告した。

以上

第207回

第207回–2025年6月

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』委員会決定を通知・公表へ

第207回放送倫理検証委員会は、6月13日に千代田放送会館で開催された。
1月の委員会で審議入りしたTBSテレビの『熱狂マニアさん!』について、担当委員から意見書の修正案が報告され意見交換した結果、合意が得られたため、今後当該放送局へ通知して公表することになった。
日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。委員会で議論した結果、このインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、制作過程に放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員からヒアリングの結果の報告と意見書の骨子案の説明があった。
5月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年6月13日(金)午後4時~午後6時10分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. TBSテレビ『熱狂マニアさん!』について審議

TBSテレビは2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルで、「ニトリマニア集結!1万点からベスト3…名もなき家事が今夜消滅!」と題し、インテリア小売業大手ニトリの商品を使った時短料理や収納テクニックなどを放送した。
放送後、視聴者からBPOに「番組の全編でニトリの商品を紹介していた。価格や商品名も入っていた。番組の提供にも入り、本編からCMに移ってもニトリのCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。この番組は2024年の1月13日と6月1日にニトリを放送しており、今回が3回目であることが判明したため、委員会は当該放送局に番組DVDと報告書の提出を求めることにした。
TBSテレビの報告書によると、番組は特定のジャンルに並外れた熱意や愛情を注いでいるマニアが熱狂していることや好きなものを紹介するバラエティー。コロナ禍の巣ごもりでコンビニやスーパー、大手日用雑貨店への興味や関心がファミリー層などで高まったことを受け、時短料理や清掃・収納など人気有名企業の商品活用法に詳しいマニアを番組が発掘し、単なる商品紹介ではなく、衣食住にまつわる生活の知恵を幅広い視聴者に届けてきたという。
委員会は、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして2025年1月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員から意見書の修正案が報告された。これについて意見が交わされた結果、合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、今後しかるべき時期に当該放送局に対して通知し、記者会見を開いて公表することになった。

2. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。
委員会は当該放送局に報告書と番組DVDを求め、それらを踏まえて協議した結果、問題となっているインタビューは、女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。
今回の委員会では、担当委員からヒアリングの結果の報告と意見書の骨子案の説明があった。他の委員からは複数の質問や意見が出され活発な議論が行われた。今後は意見書の原案の作成を進める。

3. 5月の視聴者・聴取者意見を報告

5月に視聴者・聴取者から寄せられた意見には、非公開だった兵庫県百条委員会の証人尋問の音声を政治団体代表・立花孝志氏に提供した県議会議員を、ゲストとして出演させた番組に対する批判が多かった。具体的には、複数の自殺者が出るに至った社会問題に対してあまりにも不健全な関わり方だという意見や、この番組は以前から何も検証せずに特定の出演者の意見を放送しており公共の電波を使う事業者として不適格だと思うという意見が寄せられた。また、元タレントの代理人がフジテレビ第三者委員会の性暴力認定に反論した後、橋下徹氏が情報番組に出演し、自らが元タレント側に弁護士として助言する立場にあったと述べた上で「その当日の状況を見てもらえれば、こういう風に性暴力だとか、少なくともこれだけ社会的制裁を受けるような話ではないと感じる人も僕は凄く増えると思います」と述べたことに対して、橋下氏が元タレント側に法律家としてかかわっているなら解説させたのは間違いで専門家の扱いは慎重にやってほしいといった意見や、元タレント側の話を聞くべきだとの意見はもっともだとしても橋下氏個人のあくまで伝聞による感想を一般化するようなコメントを流すべきではなかったという意見が寄せられた。

以上

2025年3月27日

2024年度「中学生モニター会議」

◆概要◆

2024年8月1日に日本テレビで行われた高校生モニター会議に続いて、2025年3月27日、中学生モニター会議がテレビ東京で開催されました。委員と交流できるモニター会議は、モニターたちの日頃思っている意見やアイデアを委員や放送局に直接伝えることのできる絶好の機会であると同時に、テレビ局内の見学や番組制作者との意見交換会を通じて、メディアリテラシーを涵養(かんよう)する貴重な場でもあります。今後もテレビのファンとして、さらには将来のテレビ視聴者の柱となってもらえればと、青少年委員会ではモニター会議を毎年開催しています。

当日は今年度の中学生モニター10名と、BPOからは大日向雅美理事長と青少年委員会の吉永みち子副委員長(当時)、飯田豊委員(当時)、池田雅子委員、佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員の7人の委員が参加しました。

オリエンテーションを終えたモニターと委員ら参加者は、テレビ東京報道フロアの副調整室で同社の社員からのニュース番組制作の流れについての説明を受けたのち、ニューススタジオで同社の田中瞳アナウンサーからの説明を聞きながらニュース番組『昼サテ』の生放送を見学しました。またOA終了後のスタジオセットでは、末武里佳子アナウンサーに案内されながらモニターたちが一人ひとりニュース原稿を実際に読むアナウンサー体験をしました

社屋内の社員食堂でランチを済ませた後、中学生モニターと番組制作者との意見交換が行われました。今回はテレビ東京の『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(以下『そこんトコロ!』)の小平英希チーフプロデューサー(以下、小平CP)、田中晋也総合演出・プロデューサー(以下、田中総合演出兼P)、畦元海帆アシスタントプロデューサー・ディレクター(以下、畦元D・AP)、古橋慧士アシスタントディレクターと(以下、古橋AD)、進行役の冨田有紀アナウンサー(以下、冨田アナ)にご参加いただき、同番組がいかにして制作されるのかの詳細や苦労話を聞いた後、活発な質疑応答が行われました。

後半には中学生モニターと青少年委員会委員との意見交換が行われました。それぞれの自己紹介のあと、
「お笑いなどのバラエティー番組について、子どもの教育に悪いなどといった大人の意見をどう思うか」
「同世代にテレビ・ラジオをもっと視聴してもらうために放送局にしてほしいことはありますか」について意見交換しました。

この日参加してくれた中学生モニターたちは中学生とは思えないしっかりとした意見を堂々と述べ、まわりの人たちを驚かせていました。

第1部 『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』制作者との意見交換会

番組の制作体制について

  • ○冨田アナ モニターの皆さんからいただいた、番組に関する質問をベースに進めていきたいと思います。まず一番多かった質問は「何人くらいのスタッフで制作しているのか」でした。

  • ○小平CP 番組によってスタッフの人数は違います。例えば規模の小さい深夜の30分番組はとても少ない人数で制作していますが、『そこんトコロ!』は金曜日20時からという非常にいい時間に放送している、お金をかけて作っている番組で、スタッフの人数も多いです。毎週1時間番組を作るので、かなりの人数です。
    CPはチーフプロデューサー、現場の方々がやりやすいように調整する係です。次にPと演出は非常に重要なポストで、Pはお金の管理や制作会社とのやり取りなどをし、演出は内容面にあれこれ口を出してより良い番組を作る役です。通常はPと演出は別々の人がやっていますが『そこんトコロ!』では田中総合演出兼Pが一人でやっています。そして1カ月先や2カ月先の放送回まで制作するために多くの制作会社、制作チームが入っています。この形はテレビの中では王道で、どの番組でもこういう形式で制作しています。最後にAP、デスクはプロデューサーや演出の補佐をします。例えばAPは、出演者やゲストは誰がいいかをプロデューサーと相談して、実際に電話をして「この日は空いていますか」「ギャラは幾らでお願いします」などのやり取りをします。またデスクは出演者の楽屋を整理したり会議室を押さえたりなどの細かい仕事があります。他にも番組のナレーターや、ロケ・スタジオのカメラマン、音声さんなど、全部合わせると100人位になります。

  • ○冨田アナ それではここで、スペシャルメッセージが届いていますのでご覧ください。

~VTR視聴~ 所ジョージさんと東貴博さんからのスペシャルメッセージ

所ジョージさん 「“若い人たちがテレビ離れしている”“テレビはつまらない”と聞くけれど、テレビは面白いんですよ!テレビに“出ている人”がつまらないだけ!この番組以外は見る気がしないね!笑 学校で勉強することも大事なことだけど、『そこんトコロ!』を見てると、人がいろんなことを楽しんだりとか、そんな楽しみ方があるんだとか、いろいろ参考になるわけじゃない。だから“人が楽しい”ってことが伝わると思うのよね。悩んで辛いことなんてないんだよ、楽しいんだよ全部! 参考になればと思います」

番組制作の流れについて

【VTRの企画が決まるまで】

  • ○田中総合演出兼P それでは4月18日の放送回を制作する過程を説明していきます。まず僕が最初に考えるのは、4月18日に裏局が何を放送するのかという“裏環境”です。他局がどういう番組を放送するかを考えて、負けない強いコンテンツを考えながら決めていきます。情報を集めたところ、ある放送局が女性に人気のスポーツ大会を中継することが分かったので、こちらは男性に人気の企画をやろうと思いました。『そこんトコロ!』では大体3つの企画を放送しますが、まず1つ目は「開かずの金庫」の企画に決めます。他局のスポーツ中継は高視聴率を獲るからもう1つ強い企画が欲しいと思い、2つ目は「遠距離通学」の企画に決めました。この2つは定番企画なので、3つ目は新しい企画をやろうと考えて、3つの企画を進めていきます。これが僕の最初の役割です。そして担当する班に「開かずの金庫」と「遠距離通学」をやると伝え、残りの1つの新企画については、AD全員が新規企画案を持ち寄ってみんなで話し合います。ちなみにその時に2人が書いた企画を、少しだけ紹介します。

【実際の企画会議で検討された企画案を、モニターに紹介!】

  • ○古橋AD 1つ目は「酷(こく)道(どう)を通る人」です。日本には険しい道がたくさんあって、そこを通る人がどんな人なのかに密着する企画を考えました。国道だけど全然整備されていない道を「酷(こく)道(どう)」と読むというネット記事があって面白いなと思い、何かできないかなと考えました。2つ目は、リサイクルショップに来た人に話を聞く「リサイクルショップに何を売りにきたんですか」という企画で、これもたまたまリサイクルショップに行った時、変なものがたくさん売っているなと思ったので、企画書にしました。

  • ○畦元D・AP 私は自分が楽しくできるものじゃないと興味がわかないので、番組の趣旨と自分がやりたいもののちょうど間くらいの企画を毎回出すようにしています。「イグノーベル賞」というノーベル賞の面白い版があって、すごく変なことに人生を賭けている研究者たちがいるので、それをやりたいなと思って出した企画です。

  • ○田中総合演出兼P 僕が求めているのは大体15~16分ぐらいの尺になりそうな企画で、加えて常に考えているのは、所さんがこれを見てどう思うかということです。所さんは何かに夢中になっている人のVTRを見ると、すごく前のめりになってくるという印象があります。

  • ○(中学3年・女子・長崎) 視聴者として見てみたいと思ったのは「酷道」の企画です。こういう場所は日本全国に点在していると思うので、そこを通る人はすごく面白そうだなと思いました。

  • ○(中学3年・男子・千葉) 僕は「変な同好会」の企画がいいなと思いました。所さんが一生懸命な人に興味があるそうなので、一番合っていると思いました。『学校では教えてくれない』という番組タイトルなので、誰かに教えてもらうことなく自分たちで頑張っているところも合っていると思いました。

  • ○田中総合演出兼P この企画は、学校の変な部活に密着する既存の企画に似てしまうので今回は止めましたが、いま話してくれた視点で『そこんトコロ!』でできる企画だなと思います。

  • ○(中学2年・女子・埼玉) 「あのすごい人」の企画がすごく印象に残っていてます。具体例にあった“新幹線の車内アナウンスの声の方”とか「これ誰がやっているんだろう?いま生きているのかな?」という気がしたりするので、そういう一般人のふとした疑問を解決してくれる面白い企画だなと思いました。

  • ○田中総合演出兼P ありがとうございます。ほめられてうれしいです!『そこんトコロ!』は20年くらい放送している番組ですが、最初の頃はまさに今言ったような企画をたくさんやっていました。もう一回やってほしいという視聴者の声もありますが、ネタをたくさん用意しなければいけないので、今回はみんなで話し合って「リサイクルショップに何を売りにきたんですか」という企画に決めました。変なものを売りに来る裏には絶対に人間ドラマが待っているはずだし、それが幾らで買い取られるのかというのも興味がある。さらにそれを誰が買うのかというところまで広がる企画だと思ったので、これはテレビ東京が大好きな密着してどんどん聞いていくスタイルで、台本では書けない面白い展開が起きると思いました。実は進めてみたらすぐ“誰も売りに来ない”という問題が起きたのですが、ディレクターやADと「買いに来る人も結構面白いですよ」という話になり、そちらに企画の軸をずらしてやってみようとなりました。思ったように企画が動かないことはあったりしますが、そういうときにいかにその中で楽しいことを見つけて、そっちに軸をずらして演出していくかというのは、ディレクターやテレビ番組を作る人には大事な力だと思います。以上のような形で、この3ネタでいく、と決まったのが放送の1カ月半ぐらい前です。

【取材~ロケの準備】

  • ○畦元D・AP 「開かずの金庫」の企画(以下「金庫」)をやると決まったらまず“開かずの金庫”を探す作業がありますが、「金庫」はもう10年くらい続けているので最近は本当に“開かずの金庫”がないんです。まずは視聴者から「“開かずの金庫”がありますよ」と言われて動くのがベースです。次にリサーチ会社という、何でも調べてくれる会社にお金を払って金庫を探してもらうことも多々あります。視聴者投稿も予算もない場合は、我々ADは“ローラー作戦”と呼んでいますが、とにかく金庫がありそうな場所に電話をかけまくります。『そこんトコロ!』のADの間では定番の話ですが、なぜか酒蔵に開いてない金庫がたくさんあったり、質屋さんにも結構置いてあったり、市役所に「開かずの金庫がないですか」と聞くとたまに紹介してくれたりと、ネタのないときはADみんなでとにかく電話をかけまくって探します。探しまくるといろいろな金庫が集まってきますが、今回皆さんと一緒に「開かずの金庫」ネタをディレクターの視点で一緒に選んでいこうと思います。お配りした資料には、例として3つの候補があります。1つ目は愛知県の金庫で郷土資料館に置かれていた金庫、2つ目は奈良県の古民家で使われていた金庫、3つ目は静岡県のお寺に置いてあったぼろぼろの金庫です。この中から1つ決めなければいけませんが、どういう基準で決めると思いますか?資料を見て、自分だったらこの金庫を選ぶなというのを考えましょう。

  • ○(中学2年・女子・東京) 奈良県の古民家で使われていた金庫は、もし“開かずの金庫”が今自分が住んでいる家にあったらと思うと、面白いと思いました。

  • ○(中学2年・女子・秋田) 私も奈良県の古民家の金庫が気になります。振ると音がすると書いてあったので、中に何かが入っている可能性があるのかなと思いました。

  • ○畦元D・AP 確かに古民家というのはかなり引っかかりますよね。実は私たちが今回選んだのは、静岡県のお寺の金庫です。まず第一基準として、空の金庫を開けたくはないから中身が入っていそうな金庫を選びます。その基準でいうと、郷土資料館の金庫はほとんどが寄贈されているもので、たいてい中身を空にして寄贈されるので何も出てこない傾向があります。次に古民家か寺かで迷いましたが、最後の判断基準は「金庫」のVTR構成です。VTRの前半でどういうところにある金庫かを詳しく説明しますが、この古民家はあまりに普通すぎて、この家族のファミリーストーリーみたいになってしまうのは避けたかった。それより寺の金庫が「なぜこんなにぼろぼろなんだろう」「なぜこんな倉庫に置いてあるんだろう」と気になりました。つまり、中に何が入っているのか、そして前半のVTRでいかに面白いものが作れるか、という基準で金庫を選びました。
    寺の金庫の取材が決まると台本を作成します。皆さんの手元にある静岡市ロケ台本というのをディレクターが作ってロケに挑みますが、とてもきちんと台本を書く番組だなと私は個人的に思います。リポーターの酒井貴士(ザ・マミィ)さんに言ってほしいところを決めた台本を作ってからロケに行くという流れになっています。最近の『そこんトコロ!』のディレクターにとても人気な芸人は岡野陽一さんです。毎週1回は絶対に出演していて、本当にいい人でやりやすいです。リポーターを選んだら、次にロケに入ります。

【VTRロケ~スタジオ収録準備】

~VTR視聴~ ロケから編集まで、スタッフの様子を撮影した動画を見ながら解説してもらいました

  • ○古橋AD 金庫のあるお寺がどんなところかを紹介するシーンの撮影になります。基本的にカメラマン2人と音声さん、ディレクター、ADの、計5~6人でロケに行きます。演者さんが映っていない、例えば金庫だけを見せるといった“インサート”と呼ばれるシーンも撮りますが、このロケでは金庫だけで10~20パターンくらい撮ってVTRの中に散りばめます。1つの金庫を撮るだけでも相当こだわります。また金庫を開錠するシーンはカメラ3つに加えて定点カメラとして小さいGoProを回しているので、合計で5~6台のカメラで一気にたくさんのものを撮っています。ちなみにロケにはハプニングがつきものですが、これまでハプニングとかあったりしましたか。

  • ○畦元D・AP 私は「金庫」のロケはたくさんやっていますが、ハプニングが多くて。例えば、鍵開け職人の方に金庫の写真や動画を送るためにロケハン(撮影場所の下見)に行ったのですが、金庫のレバーの固さを動画に撮るために私がガチャガチャと動かしていたら、“開かずの金庫”を開けちゃったことがあって。もちろんそれはボツになってしまいました。

  • ○田中総合演出兼P 僕の場合は「金庫」のロケではないんですが、ロケが終わって車に戻ったら荷物が全部盗まれていたことがあります。ただ収録したテープだけは手元に持っていたので、テープだけは持って帰れました。ロケで一番大事なのは素材だということを再認識し、そのあとも本当に注意しています。

  • ○古橋AD さて撮影が無事に終わったら次は編集です。編集には2つの段階があって、最初にオフライン編集、ディレクターが自分のパソコンで編集します。大体1週間ぐらいかかりますが、この段階ではまだ粗くてテロップもきちんと入っていません。次にそれを編集所に持っていって、プロの編集マンにテロップを入れ直してもらったり、音を調整してもらったりします。皆さんが普段視聴している番組は、ディレクターが構成を考えて編集していますが、見やすいテロップや楽しい効果音がついているのは編集マンたちの協力があってのことです。次にディレクターが指示しながらナレーションを録って、ミキサーがナレーションの声やタイミング、背景の音などを調整します。編集が全部終わるとVTRの完成ですが、これがそのままオンエアされるのではなくて、このVTRをスタジオで所さんや東さんに見せて、リアクションを収録します。この収録には冨田アナも毎回出ていますが、冨田アナは収録の時に気をつけていることとかありますか。

  • ○冨田アナ 私は所さんや皆さんと一緒に初めてVTRを見るので、思ったことを素直にお伝えするようにしているのと、いろいろなゲストの方がレギュラーメンバーに加わっているので、その方々について調べてから本番に臨んでいます。また2週間に1回収録があるのですが、収録に臨む前にこの2週間にあったことをお話しして、よりよい雰囲気で収録に臨めるようにしています。

【スタジオ収録~オンエア】

  • ○古橋AD (実際の収録台本をモニターに配って)この台本は収録時に僕たちが参照しているもので、裏表紙に収録スケジュールが書いてあります。セットは前日から建て込んでいて、朝早くからカメラや照明のセッティングを行い、そこからリハーサルをする流れになっています。12時半からの「位置決め」から裏側を撮影したので、見ていきましょう。
    「位置決め」ではどの位置に座るかを決めますが、全部演者さんにやってもらうわけにはいかないので、首から名前を下げたスタッフが座って、カメラマンと位置を調整していきます。14時頃から演者さんが入られます。今回のゲストは俳優の町田啓太さんです。ゲストの選定基準はどうなっていますか。

  • ○田中総合演出兼P 基本的には予算の範囲内で決まります。町田啓太さんは『ドラマ9「失踪人捜査班 消えた真実」』に出演されているので、ドラマ担当者から「ぜひ町田さんを出してくれませんか」と言われました。あとはギャラなどを相談しながら決めていきます。

  • ○古橋AD 収録がスタートすると、カンペを出して、それを冨田アナが読みます。冨田アナは、カンペを見るときに気を付けていることはありますか。

  • ○冨田アナ 私が話すところはオンエアには乗りづらいので、カメラに向かって伝えるというよりは、現場にいらっしゃる演者さんたちにお話しするようにして、その場がスムーズに進むように心がけています。

  • ○古橋AD カンペは文字を大きくしたり色分けしたりして、遠くからでも見やすいように作っています。この収録だとカメラは6~7台で、それぞれにカメラマンとアシスタントがついています。収録はスタジオで行いますが、1フロア上に“サブ”と呼ばれる副調整室があって、そこからいろいろな指示を出したりカメラの映像を切り換えたりしています。スタジオにはたくさん人がいますが、それを仕切ったり調整したりする人もいて、たくさんの人がいて収録が行われています。
    収録が終わったら最後に反省会をしています。例えば、VTRを見せたスタジオのリアクションをこれから編集するので「スタジオで見せたVTRのどこを切ろうか」「ここはスタジオはあまり盛り上がっていなかった」「ここは盛り上がっていたから長めに使おうか」といった話をして、オンエアに向けて調整をしていきます。

  • ○田中総合演出兼P 今はまだパソコンで編集していますが、最終的には編集所で、朝10時から翌日朝10時くらいかけて編集して、放送の時間に合わせます。編集所とスタジオを何回も行ったり来たりしながら1時間の番組が出来上がります。

モニターからの質問

  • ○(中学3年・男子・千葉) ネタ探しのときにリサーチ会社を使うとお話されましたが、リサーチ会社は具体的にはどうやってリサーチしているんですか。

  • ○畦元D・AP さきほどお話した「電話のローラー作戦」とほぼ同じのようです。例えばリサーチ会社に「金庫のネタが動きます」と伝えると「地域を教えてください」と言われます。行きたい地域は九州だと伝えると、地道に1軒ずつ電話をかけて探してくれます。リサーチ会社からは「1カ月間くらい期間が欲しい」と言われます。

  • ○(中学3年・女子・長崎) 時代によって視聴者が見たい企画や風潮が変わっていくと思いますが、『そこんトコロ!』は長く続くなかで、時代に対応していくためにどんな工夫をなされていますか。

  • ○田中総合演出兼P あえて時代に沿おうとは考えていなくて「所ジョージさんを喜ばせるぞ」という部分はぶれずに続けています。所さん出演の長寿番組は他局にもありますが、他局の人たちも同じような気持ちでやっているからではないかなと思います。

  • ○(中学3年・男子・東京) 僕のイメージでは、テレビ業界は時間にシビアで、怒声が飛び交っているようなイメージがあるのですが、実際はどうなんでしょうか。

  • ○小平CP 怒声というのは「オラー!」みたいな?そんなことはないですよ!例えばスタジオ収録では、大勢に同時に伝えるために「いま調整中です」「10分押しです」とか大きな声で言うんですよ。ちょっと怒声ぽく聞こえなくもないですが。昔はあったかもしれませんが、今はそういうのはありません。

  • ○(中学1年・女子・鹿児島) 番組を制作するときに、芸能人の出演者と意見がぶつかったり、出演者から「こういうことはやりたくない」といった意見が出たりしませんか。

  • ○田中総合演出兼P 『そこんトコロ!』ではほとんどありません。他の番組だともう少しぶつかることはありますが、それは決して嫌な感じではなくて、演者も一緒に面白い番組を作りたいと思っての意見交換という意味では、結構あったりします。

  • ○冨田アナ 所さんは穏やかな方で、中心にいる方が穏やかだと良い空気が広がっていくのだと思います。

  • ○(中学3年・女子・神奈川) 人気のある企画は何度も放送すると思いますがその基準は何ですか。視聴率とかTVerの再生回数、Xの反応はやはり結構大事ですか。

  • ○田中総合演出兼P やはりめちゃくちゃ見ちゃいます。ただ視聴率は裏の番組で何をやっているかにも左右されるので、視聴率がある程度低くても、所さんやスタジオのリアクションがものすごく良ければもう一回トライしようと思ったりします。実はTVerは番組とそんなに親和性がなくて、Xもそんなに反応があるタイプの番組ではないので、スタジオの盛り上がりを最も重視しています。

  • ○冨田アナ 8ミリフィルムの企画という、皆さんのおじいちゃまやおばあちゃまが昔撮っていた映像を番組で見せていただくコーナーがあります。演者さんも泣いてしまうくらい心打つものがあって、やはり場の空気は大事なんですよね。私もいち視聴者としてすごく心に来るものがあって…。

  • ○田中総合演出兼P 冨田アナは泣いて進行ができなくなって。カンペ出しているのに…。

  • ○(中学2年・女子・東京) 私は「遠距離通学」の企画ががすごく好きです。通学する人をどうやって探しているのですか。

  • ○田中総合演出兼P 「遠距離通学」は視聴者投稿が結構多いようです。僕がまだディレクターだった10何年前ぐらいに始めた企画ですが、その頃は東京駅で「どこまで帰るんですか」とひたすら聞き続けて探していました。効率的に企画をつくれるネットワークが徐々に出来上がっていった形です。

  • ○(中学3年・女子・長崎) 冨田さんに伺いますが、収録で演者さんの個性や面白いトークを引き出すために、工夫されていることを教えてください。

  • ○冨田アナ 私は本番でも緊張しがちなのでちょっとしたミスにはツッコミを入れていただけるような関係性を築けるように、普通の会話のようにお話いただけるように心がけています。

  • ○(中学1年・男子・山梨) 収録スタジオの後ろにある大きい金の銅像はどんな意味があるんですか。

  • ○田中総合演出兼P スタジオのセットは美術の担当者が作っています。『そこんトコロ!』の世界観やイメージを伝えるとデザインしてくれる人がいて、それに基づいて大きい金の銅像が置かれています。右手に見える扉も、ゲストが登場するために作ったものです。スタジオセットはお金もかかるので頻繁には変えられないですが、時代や演出に合わせて変えたりしています。

  • ○(中学2年・女子・秋田) 大体100人くらいのスタッフで番組を制作するとお話していましたが、出演者と実際に会うスタッフは何人くらいですか。

  • ○田中総合演出兼P ディレクターは毎回演出についての説明を出演者にするので、そういった接点はあります。僕は番組のプロデューサーなので所さんと簡単な打ち合わせをします。その他のスタッフはスタジオではあまり直接的に出演者との接点はありませんが、1泊2日のロケに行けば夕食を一緒に食べたりしますし、そういう楽しいこともあります。

  • ○(中学2年・女子・埼玉) ロケの構成はどのように決めているんですか。また遠方にロケに行く場合は、実際にテレ東のスタッフが行きますか。それとも地方にいる人に頼む場合もありますか。

  • ○田中総合演出兼P 基本的にスケジュールとお金があればロケハンに行って「こういうものを紹介しよう」という情報を持って帰って、台本を作ってロケに行くという流れです。例えばテレビ北海道という系列局がありますが、バラエティー番組では、北海道でロケするからといってテレビ北海道のスタッフに任せることはありません。一方でニュースやスポーツ番組では、テレビ北海道の記者はプロ野球の北海道日本ハムファイターズと繋がりがあるので、撮影に協力してもらうことはあります。

  • ○(中学3年・男子・千葉) 「開かずの金庫」と「遠距離通学」の企画は男性人気が高いと話していましたが、性別ごとに人気が出やすい企画の傾向はありますか。

  • ○田中総合演出兼P 結果論ですが、視聴率から「金庫」は男性が見るとか、昔あった「遠距離“通勤”」とは男性が見るけれど「遠距離“通学”」は女性が見るとかいう傾向があります。

  • ○(中学2年・女子・埼玉) スタジオ見学では、あまり音が反響しないように音を吸収する仕組みになっていましたが、具体的にはどういうものを使っていて、どのような効果があるのですか。

  • ○田中総合演出兼P どういった材質かは分かりませんが、例えば6人出演者がいてそれぞれが好き勝手に発言したときに、1人の声だけ使いたい場合は他の人の声をオフにしなければいけないから、余計な音が入らないようになっています。マイク1個で収録するのではなく、全員がマイクをつけるほうが音をきちんと編集できます。逆にスタッフはスタジオで「大きな拍手しろ」「大きな声で笑え」と言われますが、それはそれできちんと響きわたるような作りになっているのだと思います。

  • ○冨田アナ モニターのみなさん、本日はありがとうございました。


第2部 BPO青少年委員と中学生モニターとの意見交換会

【テーマ1】お笑いなどのバラエティー番組が「子どもの教育に悪い」という大人の意見をどう思う?

 BPOに届く視聴者意見の中には、バラエティー番組の企画について「子どもの教育に悪い」「子どもが見て真似をするのでは」といった“大人の意見”がありますが、中学生モニターはどう感じているのでしょうか?アンケートをとると、以下の結果となりました。

「確かにそう思う」…2人、「どちらともいえない」…3人、「そうは思わない」…5人

<大人の意見について「確かにそう思う」という人の意見>

  • (中学1年・女子・鹿児島) 中学校で筆箱を投げてテレビを割った男の子や、椅子を引かれて怪我をした男の子がいて、担任の先生からクラス全員に向けて「テレビで見ているようなお笑いとは別なのだから、きちんと自分たちで考えて行動して」と言われました。また『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)で芸人さん同士が言っていた汚い言葉とか人を下げるような言葉が中学校の男の子の間で一時期はやっていました。同じ環境で勉強している人がそういう言葉を使っているのは悲しいです。

  • (中学2年・女子・秋田) 「教育に悪い」と母とも前々から話しています。ドッキリがやり過ぎで心配のほうが勝る番組や、食べ物を味わうことなくただ大量に食べる大食いの番組などは、何かちょっと違うかなと感じます。

<「どちらとも言えない」という人の意見>

  • (中学2年・女子・鳥取) お笑いなどのバラエティー番組を見て、笑顔になってストレスや悩みが減ったりすることもあるので、何とも言えないなと思いました。

  • (中学1年・男子・山梨) ちょっとしたことも「いじめにつながる」と言われれば確かにそうかもしれないけれども、テレビで放送する内容を制限されるとお笑い芸人の人たちが活躍するのが難しくなるのではとも思います。

  • (中学2年・女子・東京) 小学生まではドリフの『8時だョ!全員集合』(TBSテレビ)とかが好きで、昔のバラエティー番組ばかり見ていました。最近はテレビをつけてチャンネルを替えてみても、自分の笑いのツボに入らないというか、あまり面白いと思わないんですよ。今はあまりバラエティー番組を見ていないので、教育に悪いのか悪くないのか正直分かりません。自分も大人に「悪い」と言われたら「悪いのかな」と思っちゃうから、そこは難しいなと思います。

<大人の意見について「そうは思わない」という人の意見>

  • (中学2年・女子・埼玉) 「子どもの教育に悪い」と言われると「確かに悪いかもな」と思う自分がいつつ、どこかで「そんなことないんじゃないか」と思う自分もいます。番組をネットで叩いて炎上させている大人は、子どもの視点からではなく大人の視点から「子どもに悪い」と言っているわけで、番組の気に食わないところを「子どもに悪い」と置き換えているような、言い方は悪いですが“利用された”と思うことがここ最近よくあります。半々な気持ちもありつつ「そうは思わない」と思う気持ちのほうが強いです。

  • (中学3年・女子・神奈川) 小学校のときからバラエティー番組をよく見ていて、結構過激なドッキリ番組も見ますが、実際にそれを友達に仕掛けようと思ったことは一回もありません。テレビの中で芸人がやっているから面白いというのは小学生でも分かるし、現実との区別ができている人のほうが多くて、バラエティー番組がいじめにつながったという話は身近では聞かないです。

  • (中学3年・女子・長崎) バラエティー番組が一概に教育に悪いとは言えないと思います。まずバラエティー番組は教育が目的ではなくて楽しむという目的のほうが大きいし、ある程度の制限は必要かもしれないけれど子ども自身が境界線を分かっておくべきところなので、「子どもの教育に悪い」という言い方はどうなのかなと思います。

  • (中学3年・男子・東京) バラエティー番組よりYouTubeのほうが過激で、例えば少し前にあった“すしペロ”のほうが身近に真似できてしまってより危険だと思います。また先日の選挙の政見放送で脱ぎ出した人がいましたが、あのほうが駄目だと思うし、ニュース番組でもケンカしているところを放送したら悪い言葉遣いとかを子どもは学んでしまうし。バラエティー番組だけを規制すればいいという問題ではないと思います。

  • (中学3年・男子・千葉) バラエティー番組が問題視されるのは今に始まったことではないと思うんです。『有吉ゼミ』(日本テレビ)や『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)が普通に続いているのは視聴率が取れるからで、みんなが見るということだから単純に需要はあると思ってて。でもみんなが見たい番組をなくしていったとしたら、結局YouTubeとかに視聴者が移ってしまうと思いますし、仮にYouTubeを規制したら今度はそれ以外の媒体に移っていくだけで多分この問題は終わらないと思います。だから「教育、教育」と言うぐらいなら、そういったメディアとの付き合い方を教育したほうがよいと思います。

<委員の意見>

  • 佐々木委員 「影響がある」「影響がない」という2つの逆の意見が出ていますが、両方とも正しいと思います。“いじめが好きな人”はいじめ的な番組を好んで見るんですよ。それを見るとますます自分のいじめ的な行動が強化されてしまうことがあります。逆に“いじめが嫌いな人”が、そういう番組を見た場合、「あんなことを絶対自分はやらない」と感じて、いじめに反対する行動が強化されます。つまり、受け取る側の特徴によって、番組視聴によってますますいじめ行動をする(影響がある)場合もあれば、いじめ行動をしない立場に留まる(影響がない)場合もあるので、「影響がある」「影響がない」という二極的な意見はそれぞれ正しいのだと思いますね。

  • 髙橋委員 大人でもバラエティー番組を悪いと思っている人もいればそうではない人もいるし、子どもでも両方いるのかなと思います。先ほど『そこんトコロ!』のスタッフのお話を聞いて、番組に対する愛情や出演者に対するリスペクトがものすごくあって、そういった思いがある番組は、誰が見ても「素晴らしい」「楽しいな」「面白いな」と思うのかなと感じました。

  • 飯田委員 子どもの教育って何なんだ?という話や、真似をする/しないという話もありましたが、一括りにできないですよね。先ほどバラエティー番組での「汚い言葉」の話がありましたが、家族や友達、YouTubeで聞いた口調がうつることもあります。一方でネットやSNSで、日々どこかで炎上が起きていたり誹謗中傷が繰り返されたりするのを見ていると、だんだんそれが当たり前のように思えてきてしまう恐れもあります。何がどの程度教育に悪いのかは、安易に比較できないと思うんですよね。あとはバラエティー番組でなくても、最近は選挙におけるSNSの影響が問題視されていて、ひっくり返って今のテレビの報道のあり方が公平なのかが議論されています。“バラエティー番組”だけでテレビの影響を考えるのも難しいですし、先ほどお話ししてくれた“メディアの影響に対する教育”を具体的に考えるためには、いろんなレイヤーで吟味して、議論を積み重ねていく必要があると感じました。

  • 吉永副委員長 昔から必ずPTAが文句言う番組というのはあって、『8時だョ!全員集合』は全国のPTAから「あの放送はやめろ」という大きな声が届いていました。でもやっぱり面白かったんですよね。私はそのとき子どもだったから、大人に対して非常な反発を覚えたわけです。大人は子どもに悪い影響を与えそうなものを排除したい、それは一つの親心なんだろうと思います。でも世の中は親心だけでは動いていなくて、何回も番組が放送されたのは視聴者が喜ぶからですよね。視聴率が取れるということは、それを必要としているということだと思います。教育は何のために必要なのか。例えば、全く悪いところに触れないで、いい学校に行って、いい会社に勤めて…というのが教育の成功と思うならば、なるべく悪いものを排除し、余計なものは見せない・聞かせないという考えになると思いますが、実際の世の中は、本当に嫌な人間がいっぱいいたりとか、きついことや傷つくこともたくさんあります。だから、子どもたちが柔軟性を持って強く生きていく力をつけることが教育だと考えるならば、“社会の毒”のようなものに触れたときに“嫌だな”と思う感情が育つことは、悪いばかりではないと思います。テレビ放送が瞬く間に活字を席巻していったときに、何をもって教育と捉えるのか、何をもってバラエティーと捉えるのかという、根本的な議論がきちんとされていなかったのかなと思いました。

【テーマ2】 あなたやあなたの友人、中学生の世代にテレビやラジオをもっと視聴してもらうために放送局にしてほしいことはありますか。

<放送局にしてほしいこと>

  • (中学1年・女子・鹿児島) 『今日、好きになりました。』(ABEMA制作・配信)という恋愛バラエティー番組が、いま女子中高生や大学生に人気で、出演した女の子たちは、普通の女子高生からモデルになったりどんどん流行りの人になっています。彼女たちが出演する番組は視聴率が上がると思います。

  • (中学2年・女子・東京) 自分の身近な地域がテレビで取り上げられたら視聴すると思います。私は墨田区に住んでいるので、例えばスカイツリー特集とかを見たいです。

  • (中学2年・女子・秋田) 以前NHK Eテレで、歌番組で歌ってほしい曲をdボタンで応募する企画がありました。例えばアイドルグループで誰が一番人気なのかという企画があったら、ファンもテレビを見て自分の推しをボタンで投票すると思うので、dボタンなどのテレビの特性を使うのがいいと思います。

  • (中学2年・女子・鳥取) 放送局同士のコラボやイベントを企画したら盛り上がると思います。私はいつも視聴するチャンネルが決まっているので、それ以外のテレビ局に関心を持てそうだと思いました。鳥取県では山陰の3つの放送局がイベントをしていて、楽しそうだなと思いました。

  • (中学3年・女子・長崎) 番組や放送局のコラボについては、例えば『オールスター感謝祭』(TBSテレビ)には特別感がありますし、放送局の垣根を越えた番組同士のコラボがあれば、新鮮で面白いです。また地方に住んでいる身からすると、関東圏のお店やイベント、スポットにはあまり親しみを感じないので、地方での公開収録を活用して幅広い地域の人たちが親しみやすい番組作り、テレビ局作りにつなげてほしいです。

  • (中学3年・男子・東京) 「テレビだから信用できる」という人は結構いると思うので、テレビのネットワークがあるからこその信頼性の高い情報を流してほしいです。『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京)や『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ)はとてもいいと思います。

  • (中学3年・男子・千葉) このテーマでアンケートをするのは一体なぜだろうと考えました。テレビやラジオを視聴する人は間違いなく減っていて、インターネットへ流れていると感じているのだろうと思いましたが、それではテレビやラジオで何か特別なことができるかと考えたときに、規制のないインターネット以上にできることは何もないなというのが僕の結論でした。でも、例えばラジオはテレビに比べて映像はないしデメリットが大きいように思えるのに、まだ残っている。やはりマスメディアとしての信頼性があるから、ラジオはこの100年ずっと生き残ってきたのだと思います。特段何もしなくても、テレビは今後も残り続けると思うので、大丈夫だと思います。

<委員の意見>

  • 沢井委員 放送100年というのはラジオの歴史で、テレビの歴史は70年ちょっと。日本にいながらニューヨークの様子が見られる!と感動した世代もあるわけですが、これから若い皆さんがテレビにかじりつくときがいつか来るのかなと思うと、火星に行ったときではないかと思うんです。火星中継です。「今火星に着陸するところです!」というのを皆さんが何を信頼して、どのメディアでご覧になるかしら。今現在遠くで何が起きているかということに、どれだけ信頼性のあるメディアでアクセスできるかというところが大事なのかなと考えていました。

  • 池田委員 「ネットと違ってテレビは正確な情報を出してくれるので信用できる」という意見がありました。本日はニュース番組『昼サテ』のスタジオやその裏側も見せていただきましたが、番組を作るための時間、労力、お金は想像を超えるものだと思います。今日見えなかったところでも、取材に行った人や原稿を書いた人、メイクや衣装の人とかもいるわけですよね。『そこんトコロ!』も100人もの大人が真剣に取り組んで作っている。たくさんの人が一生懸命、番組の一瞬の時間を全力をかけて作っている。私はここがテレビの信用性につながっているところだと思うし、モニターの皆さんも今日そう感じたのではないかと思います。SNSでは真偽にかかわらず1人がものすごくインパクトのあることや過激なことを言うとそれが瞬時に拡散しますが、放送はそうではない。一つ一つ丁寧に一生懸命作っている。放送の信頼性は大事にしなければいけない点であり、これからも生き残ってほしいと思います。

【本日のまとめ】

○吉永副委員長 私の小さい頃はテレビがなかったのでラジオだけの生活をしていました。テレビが出てきたときに活字離れが起きました。今はSNSによってテレビ離れが起きている状況です。テレビはかなりのお金も人手もかかりますから、見てくれる人が少なくなると民間放送にはCM料が入らなくなって、経済的に厳しくなり、クオリティーを保つのが非常に難しくなるという連鎖も起きます。新聞業界も同じで、今の体制で世の中をきちんとフォローすることが保てるかどうかが大きな課題です。これは、今後私たちがどういう情報を手に入れることができるかに直結すると思うんですね。情報が多くはなるけれどクオリティーが保たれなくなる。私たちはどういう社会に生きているのかということをだんだんつかみにくくなってしまう。テレビも含めマスメディアは日本を戦争に向かわせることを止めるということができませんでしたが、今はさらに規制がないSNSやYouTubeにものすごい感情が渦巻いていて、“空気で動く社会”をさらに醸成させている状況なんだと思います。
私たちと大人と比較して、皆さんが接する情報量は圧倒的に多いですが、さまざまな情報が今入り乱れている状況です。選択肢はいっぱいありますが、その中から正しい情報を自分で選ばなくてはいけません。テレビの不祥事もあって、オールドメディアとかオワコンとか言われていますが、今日実際に皆さんの目でどう番組が作られるのかを見たことは、きちっとした情報の裏打ちになりますよね。『御上先生』(TBSテレビ)というドラマがありましたが、主人公の御上先生は「考えろ、考えろ」と毎週繰り返し言っていました。考える力というのはこれから先すごく大事だと思います。
みなさんにはこの1年間毎月、モニター報告を書いていただきました。物を書くということがあまりなくなった時代に自分の思いを言語化するのは大変面倒くさくもあり、難しかったと思いますが、しっかりといろんな感想を書いてくれました。この視点は今後すごく大事だと思いますので、この1年間の面白かったような、つらかったような、テレビとの距離感が若干変わったかもしれない、そんな1年の成果をこれからの長い人生にいかしてただきたいと思います。今日は遠くからありがとうございました。


モニターへの事後アンケートより

【テレビ東京社内見学 について】

  • スタジオが意外とコンパクトだったり、アナウンサーが直前まで化粧直しをしたりしていたのは、実際に見ないと分からないし面白かった。また番組で伝える内容を選ぶのは1人だけだと知ることができた。速報が入ったときの対応力はすごいと思った。(中学1年・女子・鹿児島)
  • 普段見ることのできない場所を見学できてとても興味深かった。スタジオは大きいと思っていたので、想像と違って驚いた。キャスターの席に座ったり、カメラを操作させてもらったり、貴重な体験で本当に楽しかった。(中学3年・男子・東京)
  • ニュース番組がどのように制作されているのか、その大変さを知ることができました。とっさの状況にも冷静に対応していてすごいと思いました。これからは裏側も想像しながらテレビを見たいです。(中学3年・男子・東京)

【テレビ東京『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』制作者との意見交換会 について】

  • 疑問に丁寧に答えてもらいとても勉強になりました。1つのテーマをしっかり考えて番組を制作していることが分かりました。普段何気なく見ているテレビをもっと楽しく見ることができそうです。(中学2年・女子・秋田)
  • 実際に番組を制作している人の話を聞くのは初めてでした。台本や資料、カンペなどを見ることができたのが1番印象に残っています。「開かずの金庫」はよく見ているコーナーなので、こういう風に作られているんだなと、とても面白かったです。(中学3年・女子・神奈川)

【青少年委員との意見交換会 について】

  • 中学生として普通に生活していると、多彩な職種の委員の皆さんとは滅多にかかわることがないので、すごく貴重な機会でした。大人が自分の意見を聞いてくれる嬉しさは、今後も忘れないと思います。(中学2年・女子・埼玉)
  • 「お笑いなどのバラエティー番組は子どもの教育に悪いのか」や「放送局にしてほしいこと」について委員はどう思っているのか、大人の意見をもっと聞きたかった。(中学2年・女子・鳥取)
  • 毎月委員からのお便りを読んで、新たな視点をいただいていました。今回は委員や中学生モニターと意見交換ができて、とても考えが深まりました。テレビやラジオ、広くメディアとかかわっていくのは私たち視聴者なので、メディアについて考え続けることは私たちの義務でもあると思います。これからもモニター活動の経験を生かして、メディアについて考えていきたいです。(中学3年・女子・長崎)

以上

第279回

第279回-2025年5月27日

中高生モニターとのオンラインミーティング…など

2025年5月27日、第279回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ6人の委員が出席しました。
会議の冒頭、今年度の中高生モニターと委員とのオンラインミーティングが行われました。
引き続いて、4月後半から5月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
5月の中高生モニター報告のテーマは「最近視聴したニュース・報道番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年5月27日(火)午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
中高生モニターとのオンラインミーティング
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員、
髙橋聡美委員、山縣文治委員

中高生モニターとのオンラインミーティング

4月から中高生モニターになった中高生と委員とのオンラインミーティングが行われました。
出席した中高生モニターの紹介に続き、飯田豊副委員長からBPOと青少年委員会についての分かりやすいレクチャーがあり、質疑応答のあとには事務局から1年間のモニター活動予定についての説明がありました。(この模様は当日欠席の中高生モニター向けに録画視聴の機会を予定)
最後に吉永委員長から今年1年間のモニター活動に向けて激励の言葉がありました。

視聴者からの意見について

4月後半から5月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
バラエティー番組で、ターゲットの男性芸人が抱きついてきた着ぐるみのクマの口から大量の緑色の液体を浴びせられるドッキリについて、視聴者から「芸人は『溺れる、死ぬ』と苦しがっていて、まったく笑えないし度を越している」など否定的な意見がありました。
担当委員は「芸人は両手を自由に動かせる状態になっても、クマの口を塞いだり自分の顔を覆ったりするなどして液体を防ごうとはしておらず、あえて浴び続けていた。周囲には10人以上のスタッフが取り囲んでいる映像も挟まれており安全の配慮もあったことが伺えた 」として、「(番組演出上の)問題はない」と報告しました。
東京・立川市の小学校に男2人が乱入し、制止しようとした教職員に暴行して逮捕された事件の報道をめぐって、テレビ各社が目撃者である小学生のインタビューを放送したところ、視聴者から「子どもたちに何度も辛い記憶を思い出させていた。心理的ストレスや精神的なダメージを生む懸念がある」などの意見が寄せられました。
担当委員は「安全でなければならない授業中の小学校の教室で起きた強烈な事件で、子どもたちが直接危害を加えられる可能性があった。この事件を報道する公共性や公益性は高く、報道機関による報道の必要性は間違いなくあった」と前置きしたうえで、インタビュー取材については「子どもたちはその場にいなければ知りえない内容を語っていて、重要な目撃証言だった。取材が保護者同伴で行われたことは明らかで、保護者が途中で取材を制止させることも可能だったろう」と説明しました。
一方で、放送自体については「視聴したすべての社が(個々の子どもたちの)顔出しはしていない。一部の子どもの音声は加工されていた。子どもたちが特定されないような配慮がすべての社に見られたが、それが十分だったかは検討を要する」としました。そして、ある社の報道番組で、子どもが男らの風貌を(当人が否定的に受け取るおそれのある表現で)語っていたのを取り上げて、「この事件は交通事故などとは異なり、地元の関係者により起こされた事件で、男らと証言した子どもたちとの生活圏は同じか近接しているはずだ。男らがいずれ釈放されて地元に戻ってくることを考え、特定されない配慮は十分だったと言えるか。もう一歩踏み込んで想像力を働かせることが必要だったろう」と問題提起しました。
ある委員は「どの社も(子どものインタビューに対する)配慮はしているが、系統だった議論を経たわけでもなく、専門家の知見を受けたものでもないだろう。だから、配慮の濃淡で(子どもを)映す範囲が異なったり、社ごとの特徴が出たりする。インタビュアーの力量の差も大きく関係するので、ぜひその点は勉強してもらいたい」と指摘しました。
これを受けて担当委員は「事件直後の現場での個別対応には限界があると思うので、各社を横断しての勉強会やBPO委員との意見交換会などを通じて、子どもに対するインタビューの仕方を事前に組織的に学べる機会があるとよいのではないかと思う」と述べました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

5月のテーマは「最近視聴したニュース・報道番組について」で、30人のモニター全員から合わせて21番組の報告がありました。視聴方法はリアルタイム視聴が23人、録画視聴が5人、見逃し配信等のアプリ視聴が2人でした。
複数のモニターが取り上げた番組は『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)、『THE TIME,』(TBSテレビ)、『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ)、『めざましテレビ』(フジテレビ)でした。また地方ローカルのニュース報道番組『ゴジてれChu!』(福島中央テレビ)、『あさドレ♪』(中京テレビ)、『フォーカス徳島』(四国放送)や、ラジオのニュース番組『マイあさ!』(NHKラジオ第1)の感想も寄せられています。
「自由記述」では出演者に関する意見やニュース内容に関する要望、また新しい企画の提案がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では『JAPANをスーツケースにつめ込んで!』(テレビ東京)に6人から、『新プロジェクトX~挑戦者たち「H3ロケット 宇宙への激闘」』(NHK総合)と『街角ピアノスペシャル「ハラミちゃん ブラジルを行く」』(NHK BS)、『最強スポーツ男子頂上決戦2025春』(TBSテレビ)にそれぞれ3人から、『toi-toi』(NHK Eテレ)と『THE世代感』(テレビ朝日)に2人から、感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近視聴したニュース・報道番組について】

  • 『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)
    • 平日の朝には必ず視聴する習慣があるが、忙しい朝に十数分程度で手軽に今日の話題を押さえられるのは大変便利だと思う。6時台と7時台に全く同じ原稿や映像を使うことが多々あるが、VTR内容に補足を加えるなど、少し変化があるとより見応えのある内容になると思う。(高校2年・女子・神奈川)
    • 他のニュース番組では知りえない国内の問題(不登校や少子化、高齢化など)を取り上げていて、より深く知りたいと思うきっかけになる。地域密着のトピックや天気も非常に好みで便利だと感じる。またNHKのアナウンサーは淡々と原稿を読み上げるのでとても聞きやすい。(高校3年・男子・岡山)
  • 『午後LIVE ニュースーン』(NHK総合)
    ニュース番組を15時から放送していて驚きました。募集テーマが毎日あって、視聴者が参加しやすい番組だと思いました。自転車ミニドラマはコントのようで面白かったです。普段はどのようなミニドラマがあるのか気になりました。(高校3年・女子・長崎)

  • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)
    今年度からニュース解説をする「プレゼンター」役のアナウンサーが出演していますが、スライドを使った解説が分かりやすいです。(中学3年・男子・東京)

  • 『国際報道2025』(NHK BS)
    フィリピンの選挙戦の特集では、選挙戦の背景や候補者の解説を細部まで分かりやすくしていて理解が進みました。『NHKニュース7』(NHK総合)などは基本的に国内のニュースが主ですが、国際的なニュースも重要だと思うし、この番組は詳しく解説してくれるので国外のことにも興味が持てると思いました。(中学2年・男子・東京)

  • 『マイあさ!』(NHKラジオ第1)
    オープニングトークがさわやかで、憂うつな月曜日の朝、心に灯がともりました。「涼しげな情景ですが気候の変動で体調を崩している方もいらっしゃいます。無理せずにお体大切にお過ごしください」と上野速人アナウンサーがリスナーに語りかけていて、私はこの言葉で3時間睡眠の生活を変えようと反省しました。ニュースはコンパクトで簡潔明瞭です。スポーツは5時台に卓球とプロ野球、6時台に大相撲と分けていますが、6時から聴く人はプロ野球の結果が分からないので、分けずに結果だけを放送する方がいいと思います。(中学3年・男子・北海道)

  • 『THE TIME,』 (TBSテレビ)
    • 5月5日はこどもの日ならではの企画がありみんなでシマエナガダンスを踊っていて、すごく眠かった私も元気をもらった。ただ子どもたちのスタジオ見学については、本来はワクワクするものなのに、静かに見ているだけというのはつまらないし不満に思った。(中学3年・女子・山梨)
    • 「追っかけTIME」のコーナーでこども食堂を特集していました。こども食堂を利用する親が「共働きで忙しいので子どもに食べさせてくれる場所があると助かる」「浮いたお金で買い物ができる」と言っていましたが、こども食堂は生活に困っている家庭の子どもが食べにくる場所だと思っていたので、共働きで時間がないという理由だけでこども食堂を利用するのは違うのではないかなと思いました。こども食堂を支援したいと食材やお金を寄付している人は、この番組を見て納得するのかなと疑問に思いました。(中学1年・男子・大分)
    • 「全国!中高生ニュース」のコーナーで、同世代の生徒が生き生きと頑張っている姿を見ると、自分のモチベーションが高まります。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『Nスタ』(TBSテレビ)
    イカの話題から番組がスタートしたので、事件・事故の話題よりも視聴者が食いつくと思います。テンポよく進むし濃い内容で見応えがありましたが、放送番組なら専門性のあるコメンテーターの意見も聞きたいと思いました。千葉県で女性が刺されて死亡した事件では加害者の男子生徒の親族に突撃取材していて、視聴者としてはいろいろな心情が入り混じり苦しかったです。(高校1年・女子・熊本)

  • 『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)
    司会者2人の掛け合いやゲストとの自然な会話が魅力だと思います。VTRが長く感じたのでもっと出演者の意見が聞きたいです。この週はパンダの話題を取り上げていましたが、パンダ好きの安住紳一郎さんのお話をもっと聞きたかったです。(高校2年・女子・熊本)

  • 『ZIP!』(日本テレビ)
    “キテルネ!”のコーナーは毎日視聴しています。流行りものやファッション、文房具にとても興味があるので、大好きなコーナーです。毎朝早めの時間に放送しているので学校に行く前に見ることができてとても良いです。紹介されたブランドも買いやすい価格のものが多く、ぜひ私も!と思うようなコーデがたくさんあります。(中学2年・女子・東京)

  • 『news every.』(日本テレビ)
    視聴したのは第3部だけだったが、さまざまなジャンルのニュースを取り上げていて内容も分かりやすかった。(高校2年・女子・東京)

  • 『真相報道 バンキシャ!』(日本テレビ)
    • 今話題のコンクラーベの特集でした。新しい教皇が決まるまで建物にこもって選挙を続けるのは、まさに“根比べ”で大変だなあと思いました。新教皇はアメリカ出身者のレオ14世で、多様性が広がる今の時代にぴったりだと思います。(高校1年・女子・愛媛)
    • “ノマドワーカー”が面白そうだと思い視聴しました。場所を移動しながら好きな所で仕事をすることはとても良いと思いました。しかし行った国の雰囲気や食べ物などが合わずストレスを感じてしまう人もいるので、デメリットももっとくわしく教えてほしいです。(高校2年・女子・埼玉)
  • 『news zero』(日本テレビ)
    ニュース番組を普段は見ないが、櫻井翔さんがキャスター出演しているのでこの番組を視聴した。映像や図で分かりやすく解説してくれるし、キャスターやコメンテーターの多様な意見に触れることができる点は、ネットニュースより優れていると思った。藤井貴彦メインキャスターと櫻井キャスターのコメントは当たり障りのないコメントが多く、面白くない議論は発展しないと思った。思い切った意見を言えるYouTuberが人気な理由が分かった気がした。(中学2年・男子・東京)

  • 『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)
    初めて視聴しましたが、先週放送した内容について、視聴者からの質問や意見を取り上げて解説している点がとても良いと思いました。大きなパネルを使いながらテンポよく進行する構成も見やすく印象的でした。またコメンテーターの中には厳しい意見を述べる人もいましたが、優しい口調の方とのバランスが取れていて良いと感じました。(高校3年・女子・広島)

  • 『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)
    初めて視聴しましたがふんわりとした印象を持ちました。最新ニュースはかけ足で内容を伝えていて、ほとんど分かりませんでした。「老々介護」の企画は長すぎて飽きてしまい、若い人が見る番組ではないのかな?と感じました。ただカメラの動き方が良く、スタジオはとても見やすかったです。ワイプでコメンテーターが話すのも分かりやすかったです。(中学1年・女子・東京)

  • 『報道ステーション』(テレビ朝日)
    千葉市の路上で80歳代の女性が15歳の少年に殺されたという事件の報道に、驚きと恐怖、不安、憎しみの感情が湧いた。事件を報道して終わりにするのではなく、この少年が少年院を出た後まで密着して事件を忘れさせないようにしたり、「少年院に入りたい」という愚かで醜い考えをする人の犯罪防止に努めたりするべきだと思う。(高校1年・女子・岡山)

  • 『めざましテレビ』(フジテレビ)
    • フジテレビは中居正広さんの問題などがありましたが、今も変わらず毎朝見ています。番組では今の流行もおさえてくれるので、流行にうとい私はとても助かっています。(中学1年・女子)
    • 毎日番組を視聴してから学校に向かいますが、家を出発する時間は人それぞれなので、占いを3回放送してくれて嬉しいです。また定期的にテーマソングを変えてくれるのも、マンスリープレゼンターの制度もとても好きです。(高校2年・女子・東京)
    • 殺人や強盗、逮捕の話題を7時台トップに差し込んでいて、人の不幸や事故を娯楽のコンテンツと捉えているように感じさせる(見る側の興味を引く)VTRだなと思いました。しかし東京の地下鉄東大前駅の事件映像では、他局は血痕など生々しい状態をそのまま放送したのに対して、ぼかし処理などの配慮がされていて、血を見るのが苦手な自分にとってはありがたいと感じました。(高校3年・男子・福島)
  • 『Live News イット!』(フジテレビ)
    私の家では夕方なんとなくこの番組を流して見ていますが、最近報道の仕方に違和感を覚えたことがありました。「モクゲキ!」のコーナーで「男性の財布からお金を盗んだ疑いで、千葉県流山市の阿部麻里亜容疑者を逮捕」といった内容のニュースがありましたが、画面には「千葉の“アベ・マリア”逮捕」と見出しがあり、容疑者の横に聖母マリア像が映されていました。地元で目立つ仕事や活動をしている人でもないのに、この表記や取り上げ方は悪ノリが過ぎると思います。容疑者とはいえ、本名をイジって茶化すのは非常に良くないし、「茶化せばニュースを面白く見るだろう」という魂胆だったのでしょうか。視聴者を馬鹿にしたような内容が不快でした。(高校1年・女子・秋田)

  • 『ゴジてれChu!』(福島中央テレビ)
    福島の美味しい食べ物を紹介していて、クリームボックスはとても甘そうだったので県外にも情報を発信してほしいです。また一年中収穫や田植えができるタイのコシヒカリに注目していましたが、日本の米に打撃を与えると思いました。(中学1年・男子・福島)

  • 『あさドレ♪』(中京テレビ)
    東海地方のイベントを詳しく放送していて朝からワクワクしました。また地方のテレビ局ではニュース番組のゲストはマイナーな人というイメージが強かったけれど、内藤剛志さんが出演していてとても嬉しかったです。これからも有名な方にたくさん出演してほしいです。(高校1年・女子・愛知)

  • 『フォーカス徳島』(四国放送)
    複数人が交代でニュースを読んでいたので、一つ一つのニュースで雰囲気が変わって良いと思った。過去に放送した特集をなぜもう一度同じ内容で放送していたのか分からなかった。(高校3年・女子・徳島)

【自由記述】

《出演者に関する意見》

  • 「ニュースのこと絶対に知らないよね」と思う芸能人が出演して、あたりさわりのない発言をしているのを見ると「なんだかなあ…」と複雑な気持ちになります。(高校3年・男子・神奈川)

  • ゴールデンウイークに朝の情報番組を視聴しましたが、出演者が帽子を被っていました。私は両親から「部屋の中では帽子を被ってはいけない」と教えられました。考えが古いといえばそれまでですが、コメンテーターのような大事な立場の人は帽子なしで出演してほしいと思いました。(高校2年・女子・熊本)

《ニュース内容に関する要望》

  • 朝テレビをつけたとき、事件や事故のニュースより明るい話題が見たいです。他のチャンネルに替えても同じ事件・事故のニュースをやっていると「こっちもか…」と何回か変えることがよくあります。(中学2年・女子・千葉)

  • 朝の早い時間は中高生が支度をしながらテレビを視聴している時間帯だと思うので、人気の芸能人に関するニュースを多く報道すれば、よりテレビへの関心が湧き、積極的に視聴するきっかけになると思います。(中学2年・女子・東京)

  • 朝は7時から7時半までニュースを見ながら準備をしますが、スポーツニュースが少ないと思います。大谷選手だけでなく、プロ野球やサッカー、バスケなど、いろいろな選手が活躍する姿を多くの人に見て知ってもらいたいです。(中学1年・男子・大分)

  • スポーツニュースなどで「ニュース映像」「BGM」「アナウンサーの声」を同時に放送する必要があるのか疑問です。BGMは使わず、映像とアナウンサーの声だけで良いのではないかと思います。(中学1年・女子・東京)

  • その週のニュースや出来事をクイズ形式にして解説する番組を放送すれば、中高生などの若い世代のテレビ視聴が増えると思う。(高校3年・女子・徳島)

  • 私は早起きが苦手なので、朝に弱い人でも早起きしたくなる企画をしてほしい。例えば朝5時頃に“キーワードを当てたら抽選でクオカードが当たる”といった“早起きWEEK”といった企画がいいと思う。(中学3年・女子・山梨)

  • 報道番組は言葉の正確さに特に気を配って制作していると感じる。SNSで見かけるAI自動字幕や自動音声は非常にクオリティーが低いので、正しい日本語で発信し豊かな日本語文化を未来に継承するテレビ番組の役割は重要だと思う。SNS時代のテレビの価値はここにもあると思う。(高校2年・女子・神奈川)

《放送局への提案、番組の感想など》

  • 5/4の『NISSAN あ、安倍礼司~beyond the average』(エフエム東京)は、物価高の情勢をラジオドラマに上手く落とし込んでいて、脚本家はすごいと思った。また選曲のセンスが抜群によく、世代を超えて楽しめる作品なので、放送の素晴らしさを実感した。(高校3年・男子・福島)

  • 「青少年へのおすすめ番組」の感想を書くために、久しぶりにドキュメンタリー番組を視聴したが、「テレビで見るのもいいな」と感じた。情報はググれば手に入ると思っていたが、情報が出てくる順番も工夫されていて、映画みたいで「見てよかった」と思った。他のドキュメンタリー番組も見たくなった。(中学2年・男子・群馬)

  • 世界の学校が日本の学校と比べてどこが違うのか紹介する番組を見てみたいです。日本の学生の1日は、朝は学校に行き、放課後は部活や塾で過ごし、帰宅後は宿題など勉強して休憩時間にネットやゲームをするような流れで終わります。世界の同年代の子たちも同じように過ごしているのか、学校での授業風景や放課後の過ごし方、長期休暇の過ごし方に興味があります。(中学3年・男子・大分)

  • 政治や社会に関する討論番組について。現在の番組出演者は専門家や政治家を中心とした知らない人ばかりで、難しい単語も多く興味がわかない。「政治家・専門家VS若者」にして、若者に一般人やインフルエンサー、芸能人を呼ぶのがよいと思う。あえてYouTubeっぽくすると視聴率も上がると思うし、政治に興味を持つ人が多くなっているのでぜひ企画してほしい。(高校1年・女子・岡山)

  • 夏休みや冬休み期間中に中高生が参加することができる、テレビ局内の見学ツアーがあったらいいなと思います。テレビ局の仕事などについて知って職業や進路選択の参考になるし、若い世代のテレビ離れが進むなかでイベントを開催することは意義があると思います。(高校1年・男子・神奈川)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『新プロジェクトX~挑戦者たち~「H3ロケット 宇宙への激闘」』(NHK総合)
    H3ロケットの打ち上げはニュースで知っていたが、H2と比較して工夫した様子が分かって面白かった。複数のゲストが開発時の話をする時、同じ事に対してポジティブに捉えたりネガティブに捉えたりと、考え方がまったく違うのも興味深かった。(中学2年・男子・群馬)

  • 『toi-toi』(NHK Eテレ)
    • 「“自分を大切にする”ってどういうこと?」の回を視聴して、自分を大切にできない背景には目に見えにくい苦しさがあるのだと思った。番組最後の「自分を大切にするってどういうことかを探っている過程が、自分を大切にしている」という言葉にハッとさせられた。(高校1年・女子・熊本)
    • 「私には見えていたものが、みんなにも見えているような気がした」というセリフがとても好きです。見えているものや感じているものを共有できることは嬉しいことです。(高校1年・女子・愛媛)
  • 『究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂点決勝2025春』(TBSテレビ)
    自分もこの競技を実際に体験してみたいです。民放各局が開催するお祭りで“体験コーナー”があったらいいなと思いました。(中学2年・男子・東京)

  • 『newsオードリー.』(日本テレビ)
    埼玉県八潮市の道路陥没事故の“その後”について知ることが出来ました。事故から時間が経っても現場の声を拾い上げ、しっかりと伝えてくれたことに安心感を覚えました。事件や事故の「終わり」ではなく「続き」に目を向けた報道がこれからも増えてほしいと思いました。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『THE世代感』(テレビ朝日)
    毎週録画もして家族で視聴し、“世代間ギャップ”を親から聞きながら盛り上がっています。ただ問題が4問しかないのは物足りなく感じます。またワイプに映る出演者のつぶやきがヒントになるかもしれないので、小さい吹き出しテロップなどでつぶやきの内容を見たいです。(高校1年・女子・秋田)

  • 『市町村てくてく散歩』(千葉テレビ放送)
    「市原ぞうの国」のお絵かきのショーでは、ゾウが鼻で筆を持ち、桜の木を丁寧に書いていて感動しました! 鋸山(のこぎりやま)の紹介では名前の由来やクイズもあり面白かったです。近場の観光地でも初めて知ることがあったし、県外の人にも千葉の魅力が伝わったと思います。(中学2年・女子・千葉)

  • 『長崎空港おめでとう半世紀!このさきも、ながさきとともに。』(長崎放送)
    長崎空港の開港からこれまでの歩みを紹介する番組でした。オープニングでは司会が「窓際派」「通路側派」と自己紹介したので、そこから飛行機話を広げてほしいと感じました。またショップや空港内の紹介は、実際に足を運んでコメントすればもっと魅力が伝わると思います。(高校3年・女子・長崎)

  • 『JAPANをスーツケースにつめ込んで!』(テレビ東京)
    • ナレーションのテンションが高いしどんどんシーンが変わっていくので、見飽きることがなく楽しく視聴できた。自分にとって身近なグミにフォーカスしていて、TikTokで見かけた人も出演していたので、とても好きな番組だと思った。(高校2年・女子・東京)
    • テレビ東京は『家、ついて行ってイイですか?』『YOUは何しに日本へ?』など“人”にクローズアップした番組が多く、自分にない価値観を知ることができて面白いです。45分間すべてグミの特集でVTRもインタビューのみなのに、飽きずに見ることが出来ました。(中学3年・男子・東京)
  • 『街角ピアノSP~ハラミちゃんブラジルを行く』(NHK BS)
    音楽の楽しさは世界共通だと伝わってくる番組でした。散歩しながらいきなりサンバ教室に入っていくシーンは少し白々しく感じましたが、すぐに周りの人たちと打ち解け一緒にサンバを奏でる実力はさすがでした。ハラミちゃんの街角ピアノ演奏に、みんなが笑顔になって踊りだす場面は印象的でした。(中学3年・男子・北海道)

  • 『新 窓をあけて九州「凸凹夫婦の“つながる食道”」』(熊本放送)
    一人暮らしの高齢者が増えているなか、見守りという点でも大事なお店だと感じました。このお店には「遠くの親戚より近くの他人(常連)」という言葉がふさわしいです。どうやったら常連客になってあの特別テーブルで食事ができるのか、後継者はいるのかという点が気になりました。(高校2年・女子・熊本)

◆委員のコメント◆

【最近視聴したニュース・報道番組について】

  • 中学1年生の報告から、子どもをニュース番組に引きつける要素としてジャンケンや占いは大事なんだと感じた。

  • 中学3年生からの報告に、報道番組であっても視聴者をワクワクさせる要素が重要だとあった。この“ワクワク感”が何かというのを掘り下げていくと、ネットニュースでは表現できない面白みを実感する仕掛けづくりが提案できるのかもしれない。

  • 中学1年生の報告に「共働きで時間がないという理由だけでこども食堂を利用するのは違うと思う」とあったが、実際にさまざまな形の居場所があることはとてもよいことだと思う。ただこのモニターは「必要ない人まで利用している」という印象を番組から受けていて、どういう伝え方が適切だったのかは気になるところだ。

【自由記述について】

  • 中学2年生からの報告に「コメンテーターのような大事な立場の人は帽子なしで出演してほしい」とあった。今やテレビは非日常の世界ではなく、芸能人はスターではない。何でもアリなのはネットで、テレビはよくも悪くも模範的な振る舞いが求められるようになったのだと感じる。

【モニターの質問「これからの未来を生きるには批判的思考が大切になると思う。テレビを批判的に視聴するにはどうすればよいか」について】

  • 最近は「批判的思考」ではなく「吟味思考」、批判するよりもまずはしっかり味わってみようという考え方が増えたので、それぐらいのスタンスがよいと思う。テレビだけでなくネットなどで情報過多の時代なので、スルーする力を身につけて意識的に切り替えていくことも大切だ。

  • なんでも批判的に見るとなると物事の片側しか見えなくなるので、まずはそれを受け止めたうえで、疑問に思ったところはどこだろうと自問自答することが大切なのだろう。「批判的に見なければいけない」ことは全くないと思う。

  • テレビを見た結果、批判的に感じることはあっていいと思うが、最初から批判的に見る必要は全くないと思う。誰かと一緒にああだこうだと意見を交わしながらテレビを見る、あるいは1人で見たとしても同じ番組を見た人と後で話す、そういう経験が大事なのだと思う。

  • 日本人はハーモニーを大切にして行動・発言する国民性なので、クリティカルシンキング(批判的思考)に慣れていない。一気に身に着けることはできないので、まず自分が思ったこと、疑問点をメモに書くことが大切だと思う。

今後の予定について

次回は2025年6月24日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

2025年5月に視聴者から寄せられた意見

2025年5月に視聴者から寄せられた意見

小学校乱入事件や車の暴走を目撃した児童へのインタビューについてさまざまな意見が寄せられました。

2025年5月にBPOに寄せられた意見の総数は、1,934件で、先月から124件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 85.7% 電話 13.3% 郵便・FAX 1.0%
男女別は、男性 50.1% 女性 26.0% 無回答 24.0%で、世代別では10代 1.3% 20代 8.9% 30代 17.9% 40代 22.9% 50代 20.5% 60代 12.8% 70歳以上 4.0%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。5月の個別送付先は29局で、意見数は605件でした。放送全般に対する意見は132件で、その中から13件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

小学校への乱入事件や車の暴走事故を目撃した児童へのインタビュー取材についてさまざまな意見が寄せられました。ラジオに関する意見は58件、CMについては6件でした。

青少年に関する意見

2025年5月中に青少年委員会に寄せられた意見は105件で、前月から43件増加しました。
今月は「報道・情報」が35件と最も多く、次いで「要望・提言」が34件、「表現・演出」が26件と続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 東京立川市の小学校のへの乱入事件で小学生にインタビューしていた。保護者の了解は取ったうえでの取材だと思うが、事件発生時の恐怖と不安を児童に思い出させるのではないかと気になった。年少の目撃者への取材については心理的ダメージとストレスを考慮してほしいと思った。

  • 大阪市で小学生の列に車が突っ込んだ事故で現場を見ていた小学生にインタビューしていた。ショッキングな記憶がインタビューを受けたことによってトラウマになってしまわないかと心配になった。

  • 東大前駅の傷害事件で当初「教育熱心な親が云々」といった供述が報道されていたが容疑者は自分を正当化するような動機を語る可能性があると思う。大きな文字のテロップ表示を繰り返して断定的に報じるのではなく、供述の信頼性については不確かな部分があるという注意喚起を付け加えるなど冷静に報じた方が良いのではないか。

  • 備蓄米をめぐるニュースを見て思うのだが、高いと思うか、とか、いくらで買った、など街頭のインタビューばかりで、起きていることの原因や背景を追及する報道が無いように感じる。事柄の本質に迫る報道を期待したい。

  • 野球や芸能界の話題も大事なのかもしれないが米の価格をはじめ物価高が続いているのだから生活に密着した話題を伝えてほしい。

  • 物価高が続くなか大食い番組を見るとどこかズレているのではないかという違和感をぬぐえない。

  • 政治家を紹介する際に政党と役職名が表示されるが、それに加えて選挙区か比例区か、選挙区ならその都道府県名と当選回数なども表示した方が選挙への関心が高まるのではないか。

  • 兵庫県知事のいわゆるおねだり疑惑を報じた番組。観光協会側が番組内容について事実とは異なる部分があるとする文書を発表した。事実と異なることを放送したのであれば問題だと思う。

  • 観光協会が出した文書に対して番組側が事実と異なる報道をしたつもりはないとして経緯を説明する見解を出した。見解の内容はさておき、報道についての批判に対して沈黙せず説明責任を果たそうとした姿勢を評価したいと思う。

  • 兵庫県の情報漏洩をめぐる問題を論じる番組。出演者の顔ぶれの影響なのか、一方の主張が大きく取り上げられているように感じた。両論併記というには不十分だったのではないだろうか。

  • 電気ショックを与える罰ゲームや出演者への土下座強要などを放送するバラエティー番組がある。いじめやパワハラを想起させる演出で不適切だと思う。

  • 野球の捕手のことを「女房役」と呼ぶことがあるが今の時代にそぐわない表現だと思う。テレビは常々多様性を重視すると言っているのだから性別で役割を固定するような表現は見直した方がいいと思う。

  • クイズ番組などで「当選者には番号非通知でお知らせします」ということがよくあるが特殊詐欺被害防止のために非通知の電話は受けないようにと防犯指導されている。非通知による連絡は見直した方がいいのではないか。

  • 都道府県の魅力度ランキングで順位が低い県はテレビなどでの紹介が少ないのではないかと感じてしまうが的外れだろうか。順位にかかわらずどの県にも魅力はたくさんあるのだから、全国各地の魅力をまんべんなく紹介するような番組を作ってほしい。

  • 同じ俳優、同じタレントばかりが画面に出ているように感じる。番組の中身も人気ランキングやひな壇芸人のリアクションなど似たようなものばかりで飽きてしまう。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 東京・立川市の小学校に男2人が乱入した事件の報道で、目撃した児童にインタビューしていた。精神的にショックを受けているとみられる子どもに、ショッキングな内容を強制的に思い起こさせる行為は、児童に対する加害に等しい。少なくともその教室にいた児童へのインタビューは避けるべきではないのか。

  • 立川市の事件でのインタビューで、男らの特徴を聞かれて具体的に答えている子どもがいたが、同じ地域に住んでいるのだから、報復を受けないか心配だ。

【「要望・提言」】

  • 深夜のロボット・アニメで、女子高校生がオンラインカジノに手を出しているシーンがあった。未成年も見る可能性のある番組で、このような描写をすると悪影響を及ぼす懸念がある。

  • 子ども向け特撮ヒーロードラマで、中年男性が弟である主人公に「お前は生まれてきたこと自体が間違いだった」と存在意義を否定し、自殺に追い込もうとするせりふがあった。子どもが見ている番組で、このような残酷なせりふを使わないでほしい。

  • 平日朝のバラエティー番組で、司会者がゲームに失敗した出演者に「土下座!土下座!」とコールし、土下座を強要するシーンがあった。これはいじめやパワハラを想起させる。番組制作のあり方を見直してほしい。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子ども向け教育番組の出演者に口調がきつい子がいる。視聴する子どもより少し年上のお姉さん、お兄さんが出演する番組にもかかわらず、汚い言葉やきつい言葉を使われると、子どもに見せたくなくなる。

  • 自社の放送で番宣を流すのは仕方のないことだが、血が出る演出、恐怖心や不安をかき立てるシーンが含まれる番宣を、時間帯に関係なく流すのは考え直してほしい。

第339回

第339回 – 2025年5月

審理の手続きなどについて意見交換…など

議事の詳細

日時
2025年5月20日(火)午後4時~午後7時30分
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明し議論した。

2. その他

委員会の審理の手続きなどについて、事務局から検討すべき内容を説明し意見交換した。

以上

2025年4月24日

毎日放送『ゼニガメ』 偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は4月24日午後2時からBPOで行われた。委員会からは小町谷委員長、岸本委員長代行、米倉委員の3人が、毎日放送からは北野弘制作担当取締役ら4人が出席した。BPO側から放送倫理違反があったと判断するに至った経緯を説明したあと、毎日放送の北野取締役が「意見書について真摯に受け止めたい。現在、再発防止を行っているが、いただいた意見を参考に、引き続き再発防止に努めたい。スタッフ間のコミュニケーション、情報共有をもっと多くして、視聴者に信頼される番組作りをしていきたい」などと述べた。

続いて午後3時から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、委員会決定を公表した。会見には新聞・テレビなど18社29人が出席した。
小町谷委員長は問題となった3放送回のうち、1回目と2回目は国家資格者である司法書士が土地建物の取引現場に同席しており、放送局が依頼者が本人であると信用する相当の理由があったと考えられることを説明した。一方、3回目については依頼者が「本物」であることの担保がなく、取材対象者からの紹介により業者の利害関係人であることにともなるリスクも加えると、通常以上に慎重な事実確認が必要だったと指摘した。
続いて米倉委員は今回の事案について、取材対象者による手の込んだ仕込みや偽装があったという認識を示した。さらに相手が悪意を持って本気でだまそうとするならば、(番組側がこれを)完全に防ぐことは非常に難しく、この事案においても、番組側が相手の意図を見抜くために、「これをしていれば見抜けたという決定的な何かがあるわけではない」と述べた。とはいえ、取材での複数のプロセスにおいて事実確認を積み重ねることが重要であることを強調し、また取材中に「番組が面白くなりそうだと感じるときがあるが、そういうときこそ冷静になって事実関係を確認してほしい」と述べた。
岸本委員長代行は、まずBPOの審議の姿勢として「問題があったと分かった後で、あのとき、ああすれば良かったという立場をとらない。制作した時点に立って、あのとき何ができたか、また、すべきだったかを考える」と説明した。そのうえで、倫理違反とされた3回目の放送については「一言で言えば無防備に過ぎた」「お金やビジネスを扱う番組のテーマからすると、(テレビを利用しようとする人が紛れ込むという)予見できるリスクがあった」と指摘した。

この後の質疑応答では「司法書士だからといって偽装を疑わないという確認の仕方に問題はなかったか」という趣旨の質問があった。これに対してBPO側からは、司法書士は、法令上の義務を負っており、それを超えて番組側が偽装を見抜くことは困難であったであろうし、今回の司法書士の行動は法務大臣による懲戒に値する可能性があるものであったという説明があった。
また「騙した社長は、(番組ディレクターからの)期待に沿ってあげよう、テレビってこんなもんやろうと考えた、というふうに意見書に書いてあるが、もう少し深くききたい」という要望があった。これに対してBPO側からは、業者の本意を知ることはできないが、社長から事情を直接聴いた毎日放送によると、宣伝効果を狙ったか、ある種の自己顕示欲を発露したかったか、ということが考えられると説明があった。
最後に、金の延べ棒が見つかった家と「偽の依頼人」は、どのような関係なのかという質問があった。これに対してBPO側からは、分かっていることは不動産登記上のことに限られる。本当は誰の、どういう家なのかについては、偽の依頼人が放送局からの電話連絡にいっさい出なくなってしまったので不明だ、との回答があった。

以上

第206回

第206回–2025年5月

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』について審議

第206回放送倫理検証委員会は、5月9日に千代田放送会館で開催された。
委員会が4月24日に公表した、委員会決定第47号 毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見について、担当委員から当日の様子などが報告された。
TBSテレビは、2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルで、インテリア小売業大手「ニトリ」を特集した。放送後、視聴者からBPOに「番組の全編でニトリの商品を紹介していた。価格や商品名も入っていた。番組の提供にも入り、本編からCMに移ってもニトリのCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。委員会は、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして2025年1月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員から意見書の修正案が提示され議論した。
日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。委員会で議論した結果、このインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、制作過程に放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員から当該放送局の関係者にヒアリングした途中経過が報告された。
4月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年5月9日(金)午後4時~午後6時40分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見の通知・公表について報告

毎日放送の情報バラエティー番組『ゼニガメ』は、2023年11月29日、2024年5月8日、同年7月17日の3放送回において、家屋清掃と出張買取を一度に行う業者を密着取材し、放送したが、全ての回において業者による“偽装”や“仕込み”のあったことが分かり、2024年9月の委員会で審議入りした。
委員会は「事実と異なる放送を三度に渡って放送したことは、視聴者の信頼を大きく裏切るもの」と指摘したが、1回目と2回目の取材は、国家資格者である司法書士が立ち会ったうえで、偽の不動産売買契約等が行われていたこと等から、放送局側に放送倫理違反があったとまでは言えないと判断した。他方、3回目の放送では、古い家屋から見つかった金の延べ棒や、業者から紹介された「偽の依頼人」に対する基本的な事実確認が不十分だったとして放送局側に放送倫理違反があったと判断した。
2025年4月24日に委員会は当該放送局へ委員会決定を通知し、引き続き記者会見を開いて意見書を公表した。この日の委員会では、委員会決定を伝えた毎日放送のニュース番組の録画を視聴し、担当委員から当日の様子等について報告があった。委員のひとりからは、審議の途中で分かったことであるが、テレビ局が取材対象から、「テレビって、こんなもんだろう」と、半ばいい加減な存在のように思われているふしがあり、そうであるならばテレビ局の側から「自分たちはそんないい加減なことはしない」と意識的かつ積極的に示すことが必要であることを会見で訴えたと報告があった。別の委員からは、意見交換がなされた当該放送局への「通知」と比較すると、記者会見を設けた「公表」ではあまり活発な意見が出されることがなかったと報告があった。理由としては、本事案に3回の放送が含まれており、問題となった番組を見ることなく、意見書の記述だけをもとにどのような放送だったかを理解するのには苦労があったのかもしれないという指摘があった。
通知と公表の概要は、こちら。

2. TBSテレビ『熱狂マニアさん!』について審議

TBSテレビは2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルで、「ニトリマニア集結!1万点からベスト3…名もなき家事が今夜消滅!」と題し、インテリア小売業大手ニトリの商品を使った時短料理や収納テクニックなどを放送した。
放送後、視聴者からBPOに「番組の全編でニトリの商品を紹介していた。価格や商品名も入っていた。番組の提供にも入り、本編からCMに移ってもニトリのCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。この番組は2024年の1月13日と6月1日にニトリを放送しており、今回が3回目であることが判明したため、委員会は当該放送局に番組DVDと報告書の提出を求めることにした。
TBSテレビの報告書によると、番組は特定のジャンルに並外れた熱意や愛情を注いでいるマニアが熱狂していることや好きなものを紹介するバラエティー。コロナ禍の巣ごもりでコンビニやスーパー、大手日用雑貨店への興味や関心がファミリー層などで高まったことを受け、時短料理や清掃・収納など人気有名企業の商品活用法に詳しいマニアを番組が発掘し、単なる商品紹介ではなく、衣食住にまつわる生活の知恵を幅広い視聴者に届けてきたという。
委員会は、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして2025年1月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、これまでの議論を踏まえ担当委員から示された意見書の修正案について意見が交わされ、意見書の内容をさらに深めていくことになった。

3. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。
委員会は当該放送局に報告書と番組DVDを求めそれらを踏まえて協議した結果、問題となっているインタビューは、女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。
今回の委員会では、担当委員から当該放送局の関係者にヒアリングした結果が報告された。委員からは「カラスの肉を中国では食べるという事をなぜ面白いと思うのか。そこには中国人を冷笑する差別意識が底流にあったのではないか」といった意見や「今の中国の体制下では、テレビに出て少しでも批判的なことを言うと、身に危険が及んだり家族に累が及んだりするという恐怖心を抱いている人が多い。その点についての意識が低いように感じる。バラエティー番組とはいえ、もう少し国際感覚を磨くべきではないか」といった意見が出た。
これらの意見を踏まえて担当委員は引き続き当該放送局のヒアリングを続ける。

4. 4月の視聴者・聴取者意見を報告

4月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、元タレントと女性とのトラブルを巡る一連の問題に関する番組への批判が数多く寄せられた。また、クルド人を特集したドキュメンタリー番組について、あたかも日本人が差別をしているかのような偏向報道であった、クルド人ならびに彼らの関係者側の意見に偏っていたなどの批判が寄せられたことなどが事務局から報告された。

以上

2025年4月に視聴者から寄せられた意見

2025年4月に視聴者から寄せられた意見

テレビ局の対応をめぐる第三者委員会の結論を報じた番組に多くの意見が寄せられました。

2025年4月にBPOに寄せられた意見の総数は、2,058件で、先月から90件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 84.2% 電話 14.4% 郵便・FAX 1.4%
男女別は、男性 48.4% 女性 26.0% 無回答 25.6%で、世代別では10代 1.4% 20代 9.6% 30代 18.6% 40代 24.4% 50代 18.9% 60代 11.6% 70歳以上 2.4%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。4月の個別送付先は33局で、意見数は651件でした。放送全般に対する意見は122件で、その中から11件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

元タレントと女性のトラブルに関するテレビ局の対応などを調査した第三者委員会の報告が公表され、その内容を報じた番組に意見が寄せられました。ラジオに関する意見は64件、CMについては12件でした。

青少年に関する意見

2025年4月中に青少年委員会に寄せられた意見は62件で、前月から8件増加しました。
今月は「表現・演出」が26件と最も多く、次いで「要望・提言」が18件で、以下「言葉」や「報道・情報」などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 第三者委員会の報告を読むとテレビ局内の人権意識に問題があることがわかる。それは当該の局にとどまらないのではないかとも思えてくる。いじめやハラスメントを想起させるバラエティー番組の演出はそうした人権意識の低さに原因があるのではないか。

  • 第三者委員会の記者会見以降各社とも元タレントの性暴力と断定的に報じているが、加害者とされる側は守秘義務に従い詳細を語っていない。第三者委員会が性暴力と認定した根拠について詳しく解説してほしいと思った。

  • 第三者委員会の報告をめぐるスタジオトークの中で、被害者とされる人に対するセカンドレイプとも受けとれるようなやり取りがあった。

  • 兵庫県知事をめぐるさまざまな事象を追いかける報道番組。番組内容を批判する立場の人の意見をもっと詳しく紹介してもよいのではないかと思った。

  • タレントをレギュラー出演者として起用するニュース・情報番組が多すぎると思う。視聴者は各分野の専門家から正確な情報を聞きたいのだ。タレントのコメントが必要なのかどうか、番組を作る人に改めて考えてほしい。

  • タレントのスキャンダルやテレビ局の不祥事の話題を取り上げる時間が長すぎる。政治と経済、国際関係など重要なニュースをもっと詳しく伝えてほしい。

  • SNSやYouTubeなどネット上にテレビ局の報道内容を批判する声が多数ある。テレビ局側はこれに対して反論や説明をせず放置しているが、それが放送に対する信頼の低下を招いているのではないかと思う。ネット上の意見に向き合う姿勢があってもよいのではないか。

  • トーク番組とアニメ番組、全くつながりのない2つの番組がEPG上で1つの番組としてくくられていて録画の際に支障が出る。

  • 前世の記憶を持つという少年を取り上げた番組。事実と断定できないことをあたかも事実であるかのように放送するのはいかがなものか。

  • 人気俳優2人の不倫報道について。各社の取り上げ方が比較的落ち着いていると感じるが、2人の事務所がともに否定していることが理由なのだろうか。もし事務所に対して局が忖度しているのであればがっかりだ。

  • テレビはゴールデンタイムと呼ばれる時間帯の番組に多くの制作費を使っていると聞くが、その時間帯にリアルタイム視聴できない人も少なくない。配信などを使った視聴が増えているのだからゴールデン以外の時間帯の番組にもお金をかけていいと思う。

  • 間に合わないとかチケットが売れていないとか開幕前は批判一色のように見えた万博の報道だが、始まってみれば各社とも手のひらを返したかのように見どころを楽しそうに紹介している。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ヒーロードラマで、図書館を舞台に暴れまわり、蔵書を銃で撃ちぬく描写があった。図書館は静かに利用するというルールを守らず、ヒーローが蔵書を毀損するのはひどいと思う。子どもに悪影響があるだろう。

  • バラエティー番組で、抱きついてきた着ぐるみのクマの口から突然、緑色の大量の液体を浴びせられるドッキリがあった。(ターゲットの)芸人は「溺れる、死ぬ」と苦しがっているのにかけ続けるのは、全く笑えないし度を越している。子どもが見たら面白がって、いじめにつながるだろう。

【「要望・提言」】

  • 深夜の恋愛ドラマ。フィクションとはいえ不倫することが純愛であるかのように描くのは、一般的な倫理観とはかけ離れている。見ていて気分が非常に悪くなった。子どもが見る放送時間帯ではないが、高校生などの倫理観には大きな影響があるのではないか。

  • 子ども向け特撮ヒーロードラマで、大統領の肩書を持つ人物が卑劣な悪役として登場した。子どもに「政治家は皆、極悪人だ」と印象付けるような描写はやめてほしい。

【「言葉」に関する意見】

  • 情報バラエティー番組で、芸人の女性司会者が、元タレントについて「クズやな」と評する発言をした。公共の電波を使った侮辱だ。「クズやな」という言葉を子どもが真似して友だちに言っているのを見て驚いた。発言を訂正してほしい。

【「編成」に関する意見】

  • 子ども向けの人気アニメの放送時間が深夜帯に変更されたが、これはよくない。低年齢の子どもが、寝ているはずの深夜に見るのは好ましくないだろう。元の午前帯に戻してほしい。

第278回

第278回-2025年4月22日

新委員長の互選と副委員長の指名…など

2025年4月22日、第278回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子新委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
会議の冒頭、榊原洋一委員長の退任に伴う新委員長の互選により、吉永みち子副委員長が新委員長に選任されました。引き続いて、吉永委員長が新たな副委員長に飯田豊委員を指名しました。
3月後半から4月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について、担当の委員から報告がありました。
4月の中高生モニター報告のテーマは「最近視聴したバラエティー番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年4月22日(火)午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
新委員長の互選と副委員長の指名
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

新委員長の互選と副委員長の指名

榊原洋一委員長の退任を受けて会議の冒頭、BPO規約第35条第2項前段に基づき委員の互選により、吉永みち子副委員長が新委員長に選任されました。引き続いて同条第2項後段の規定により吉永みち子委員長が飯田豊委員を副委員長に指名しました。

視聴者からの意見について

3月後半から4月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
アニメ番組の妖精キャラクターが、主人公が歌う様子などの動画を撮って無断でSNSにアップロードする行為をした際、主人公がそれをきちんと注意しなかったことに批判的な視聴者意見が寄せられました。担当委員は「ある程度『お仕置き』はあって、手放しで無断アップが賞賛されたわけではない」としたうえで、「『してはいけない』という教育的なファクトを強調すると(番組自体が)つまらなくなると思う」と説明しました。
ある委員は「この無断アップの結果、主人公がアイドルとして認知されるという展開なので、ストーリーの『キー(鍵)』になる要素だ。無断アップが社会的な問題になっているので、批判する視聴者がいるのは理解できるが、ここだけで一線を越えているとは思えない」との見方を示しました。
男女の不倫関係がテーマとなる深夜の恋愛ドラマに、ドラマのタイトルを含めて批判的な意見があったことについて、担当委員は「男女のあえぎ声など性的なシーンが多少気になったが、放送時間は深夜遅くで、こちらは(青少年への)配慮があった。ただし、放送後はいつでも、当該局のアプリを介してや、TVerで視聴できる。従来は放送時間を考慮することが青少年への配慮だったが、将来的には別途検討が必要になるのではないか」と述べました。
これを受けて別の委員は「ネット配信会社のコンテンツは(青少年の視聴年齢層を示す)レーティングが付いているのが当たり前だが、テレビに準じるからという理由でTVerにはそれがない。これまでの放送時間(を遅くすること)でゾーニングする慣習に関係しているからだが、今後は個別の番組を起点にするのではなく、もう少し包括的に議論する機会を持つべきではないだろうか」と問題提起しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

今年度の新しい中高生モニターは30人(中学生13人・高校生17人)です。
4月最初のテーマは「最近視聴したバラエティー番組について」で、モニター全員から合わせて24番組への報告がありました。
複数のモニターが取り上げた番組は『マツコの知らない世界』、『今夜復活!8時だョ!全員集合 ドリフ伝説コント20連発』、『オールスター感謝祭』(いずれもTBSテレビ)、『上田と女が吠える夜』(日本テレビ)、『プレバト!!』(毎日放送)でした。視聴方法の仕方はリアルタイムが14人、録画が10人、その他(見逃し配信などを利用)が6人でした。
「自由記述」ではバラエティー番組のほか、別のジャンルの番組に関しても意見が集まりました。また昨今のテレビ業界について、ラジオについて、また地方の放送局についての声も寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では『わたしの日々が、言葉になるまで』(NHK Eテレ)、『カズレーザーと学ぶ。「新生活×人間関係改善SP」』(日本テレビ)、『帰れマンデーpresents 全国大衆食堂グランプリ』(テレビ朝日)、『サザエさん』(フジテレビ)にそれぞれ複数のモニターが感想を寄せています。

◆モニター報告より◆

【最近視聴したバラエティー番組について】

  • 『オールスター感謝祭』(TBSテレビ)
    • 年に2回しか放送しないので楽しみにしています。アーチェリーの企画では、ドラマの制作者と出演者との掛け合いが面白かったです。ただMCの今田耕司さんのツッコミやボケは少し古い感じがあり、周りが気を遣っている感じがたまに見えてしまってしんどいです。オープニングの“眉毛いじり”は「これって本当に面白いのか…?」と思いました。(高校2年・女子・東京)
    • ネットで話題になった江頭2:50さんの件については、自分の仕事を貫いた江頭さんも、恐怖を感じて対応できなかった永野芽郁さんも、どちらが悪いという話ではないと思いました。今回はある程度の打ち合わせが必要だったのだと思いますが、視聴者が心地よい気持ちで番組を見ることができればそれだけでいいと私は思います。(高校2年・女子・熊本)

  • 『今夜復活!8時だョ!全員集合 ドリフ伝説コント20連発』(TBSテレビ)
    • 昭和の体当たりコントのすごさに言葉を失いました。宙づりや放水、セットの破壊など、屋内ステージとは思えない暴れっぷりに笑うことを忘れてただただびっくりしました。メンバー同士の喧嘩ネタもプロレス的で私は好きです。(中学3年・男子・北海道)
    • 両親から話を聞いてテレビでも話題になっていたので楽しみにしていました。着替えやセットチェンジを放送中に行う番組は新鮮でした。特に生放送ならではのトラブルでは、出演者はもちろん裏方はもっと大変だったと思いますが、それが面白さにつながったのだと思います。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)
    "説"の検証から結果までテンポが良く、飽きずに楽しく視聴することができた。最後の"説" は何を検証するのかを伏せてVTRから始まり「何?何?」と思いながら視聴できたので、構成にも工夫がありとても良かった。(高校2年・女子・東京)

  • 『それSnow Manにやらせて下さい「東京フレンドパーク3時間SP」』(TBSテレビ)
    3時間の放送なので2日に分けて視聴し、家族みんなで楽しめました。『関口宏の東京フレンドパーク』は両親が子どもの頃に視聴していた番組だったので、それが一緒に楽しめた要因だと思います。全体的に出演者の言葉が優しくてとげがなく、耳と心によかったです。Snow Manがゲストを持ち上げる発言は好感が持てます。兼近大樹さんがダーツをメルカリで売ると言ったのが聞こえましたが、冗談でも笑えませんでした。(高校3年・女子・長崎)

  • 『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)
    • 前半のテーマは「給食」で親しみやすかった。家族で視聴したが父母と自分と弟でジェネレーションギャップがあって面白かった。(中学2年・男子・群馬)
    • 1つのテーマを1時間扱うと集中力が途切れて飽きてしまうのですが、2本立て構成なので見やすかったです。「いちごの世界/大葉の世界」の放送では、日本地図のボードを使って一目でわかるように説明していて、知らない品種がたくさんあって興味が湧きました。マツコさんが食べているのを見て、おいしそうでお腹が空きました。(中学3年・男子・東京)

  • 『有吉の壁』(日本テレビ)
    番組の最後の企画で、カットされている部分が多いのかいつの間にか料理をもらっている人がいたので、できるだけどんなネタだったのかを見せてほしい。(中学1年・男子・福島)

  • 『上田と女が吠える夜』(日本テレビ)
    • おもしろい時とつまらない時の差が激しいので、今回のようなスペシャルは前もって好きな内容かどうかを確認してから見るようにしている。上田晋也さんのツッコミは嫌味に思える言葉が多いので絡み方によっては不快に思う。ただ大人のリアルなトークが聞けて面白い。(中学1年・女子・東京)
    • 女性出演者のボケにMCの上田晋也さんが適切なツッコミをしていて、気分も悪くならず面白かった。20代のゲストがいてくれて良かった。もう少しインタビューやアンケートをとって討論すると、さらに多くの人が共感して視聴する人が増えるのではないかと思った。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ)
    私はシミが気になるので最新研究報告が面白いと思った。ネットにはいろいろな情報が混在していて間違った情報もあるかもしれないが、この番組は情報のリソースが事実に基づいているので信頼できる。しかし検査結果の悪かった男性芸人を専門家やゲストが馬鹿にするような発言やシーンは、番組を盛り上げるという意味では一定程度理解できるが不快に思った。(中学2年・男子・東京)

  • 『行列のできる相談所』(日本テレビ)
    2008年から続く“カンボジアプロジェクト”の軌跡を辿っていましたが、社会貢献する番組は『24時間テレビ』しか見たことがなかったので感動しました。この活動は子供たちの未来を変えた素敵な活動だと思います。“社会貢献”と“バラエティー”を融合させた番組は面白くはないですが、一人でも多く意識を向けてくれると思うのでもっと制作してほしいです。(中学3年・女子・山梨)

  • 『ぐるナイ2時間SP』(日本テレビ)
    「ライアーゴチ」を視聴するために録画したけれど、その前に放送した「料理ハンデマッチ」の企画が良かったです。プロの時短テクニックは料理に興味がある自分にとってとてもためになりました。また凡人シェフ3人もそれぞれ違った面白さがあってよかったです。「ライアーゴチ」では矢部浩之さんの言葉でだいたい予想がついてしまい、面白みが減ってしまったところが残念でした。(高校1年・女子・愛知)

  • 『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ)
    「頂き女子りりちゃん」の事件をニュースで見たことはありますが、改めて被害の深刻さを知りました。出演者が驚きや疑問を素直に表現していて、共感しながら視聴できました。ドキュメントバラエティーとして面白く社会的意義のある番組でした。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)
    「ひらめきトッパーマン」のコーナーが良かったです。日々のちょっとした困りごとにいつも役立っています。毎回楽しく視聴していますが、犯人の手口を教えることで悪い人が真似をしないかヒヤヒヤします。(高校3年・女子・広島)

  • 『しゃべくり007』(日本テレビ)
    前の話題と次の話題を関連付けているのが面白かったです。MCが上田晋也さんでボケとツッコミが成り立つのも、この番組の良さだと思います。(中学1年・女子・東京)

  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    面白い編集や辛辣なナレーション、タレントやモデルがいじられる姿などに毎回注目している。手越祐也さんと宮川大輔さんとのやり取りを久しぶりに見ることができて面白かった。温泉同好会の大正琴の練習では、もう少し厳しくて辛辣な先生の方がよいと思う。(高校1年・女子・岡山)

  • 『アメトーーク!「マンガ大好き芸人2025」』(テレビ朝日)
    私は大のアニメ好きで、紙媒体も電子書籍もどちらも読みます。番組では芸人のイチオシマンガをたくさん知ることができるし、ジャンルも様々で見ていて飽きません。運命の一冊が見つかるかもしれないので、ぜひ多くの人に視聴してももらいたいです。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日)
    大人向けの番組だと思うが日頃から視聴している。演者の仲の良さが伝わってきて、芸人の悪口などもあったが安心して見ていられた。後半にクロちゃんのプールの話(下ネタを含む)があったが、高校1年生女子からするとこの話は気持ち悪く不快だった。簡潔な背景セットは見やすかった。(高校1年・女子・秋田)

  • 『10万円でできるかな「特別編」』(テレビ朝日)
    旅行したことのある温泉地が何位に入るか、家族で予想しながら楽しむことができた。いろいろな外国人にインタビューしていたが、何を見て(SNS、旅行雑誌、テレビ、ホームページ等)日本に旅行することを決めたのか知りたかった。(中学2年・女子・千葉)

  • 『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)
    毎回視聴していますが、企画がパターン化していて新しい視聴者を獲得しても維持するのは少し厳しいと思います。安定のネタ(都道府県のグルメなど)を起用しすぎて番組の個性が伝わらないと感じました。スタジオトークが魅力の一つなので、もっとトークを増やして視聴者との距離を近くするのがいいと思います。(高校3年・男子・福島)

  • 『実録!金の事件簿』(フジテレビ)
    チャンネルを変えてたまたま視聴しましたが、吸い込まれるように見入ってしまいました。議会中の政治家を激撮する企画では「授業中の小中学生か」と呆れてしまいました。政治家に証拠を突きつけてズバズバ聞くスタッフに、視聴者の総意を代弁してもらっているかのような爽快さを感じました。知らない世界のお金の流れを紹介する番組はもっと増えてほしいです。(高校1年・女子・熊本)

  • 『なんでも鑑定団』(テレビ東京)
    3時間スペシャルで高額鑑定も多く、中島誠之助先生の鑑定と解説が特に面白かったです。ただ鑑定前の本物のお宝の解説が長いので、そこを短くして鑑定する数を増やすとより楽しめると思います。また本物のお宝だったらいくらするのかも分かると良いと思います。(中学3年・男子・東京)

  • 『○○界隈!のぞき見&分析!~東京メトロの裏側をのぞき見SP』(テレビ東京)
    街頭インタビューや東京メトロ従業員の密着取材、発車メロディーの作曲者インタビューなど、「テレビだからこそ」制作できるVTRで非常に質が良かった。動画一つが数秒~数分のSNSに対し、長時間の枠で1つのコンテンツを掘り下げる番組は差別化できていて良いと思った。ワイプでコメントするタレントの盛り上がりをもう少し期待したい。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『プレバト!!』(毎日放送)
    • 一番面白かった企画は黒板アートです。ぼくだったら何を描こうかなと考えながら視聴しました。先生が、ダメな点を指摘した後にお手本として書き直してくれたので、とても分かりやすく参考になりました。(中学1年・男子・大分)
    • 視聴者と芸能人とが競うようにすると、もっと面白くなると感じた。俳句は国語の授業で俳句を作るときの参考になり勉強になる。(高校3年・女子・徳島)

  • 『伊集院光の偏愛博物館』(BS-TBS)
    「絶滅メディア博物館」を訪れていた。元々は興味も馴染みもなかった分野だが、伊集院光さんの豊富な知識と巧みなトークスキルにより引き込まれた。私設博物館の魅力が十分伝わり私自身も行ってみたいと思った。そしてこのような独自の番組が今後も増えてほしいと思った。全六回の番組の放送時間が不定期で分かりにくいが、配信で視聴できて良かった。(高校3年・男子・岡山)

【自由記述】

《番組の演出について》

  • 今年も大谷選手のニュースが多いなと思いました。ヒットを打っていなくても、盗塁しただけでもニュースになります。ここは日本なんだから日本のプロ野球を優先してほしいし、他のスポーツもたくさんニュースにしてほしいです。(中学1年・男子・大分)

  • 朝・夕食時に、事件現場の血や公衆トイレの便器の中などを画面いっぱいに映す必要があるのでしょうか。(高校1年・女子・熊本)

  • 政治討論番組はもっとバラエティーっぽく分かりやすくしてほしい。(高校1年・女子・岡山)

  • テレビの生放送番組のあり方について疑問がある。ニュースやスポーツなどでは生放送は必要だと思うが、出演者の会話やパフォーマンスの段取りが悪いと結果的に全体のクオリティーが下がると思う。コメント機能など視聴者と出演者とがリアルタイムで繋がる双方向性を取り入れることで、新たな魅力が生まれるのではないか。(高校2年・女子・神奈川)

  • あらゆる番組において女性や障がいのある人の出演者の割合が少ないと感じる。どの番組でも日頃から普通に出演して良いと思う。(高校1年・女子・秋田)

《個別の番組について》

  • 『誰でも考えたくなる「正解の無いクイズ」』(テレビ東京)はテーマが想像しやすく、解答までの時間を出していて分かりやすかったです。15分で短いと感じましたがちょうど飽きなくてよかったです。問題を出す時の音楽が不快で耳がキーンとして痛くなりました。後ろの背景も気持ち悪かったです。(中学1年・女子・東京)

  • 私の周囲の人が言っていますが、「やらせ」は視聴者に対する「騙し」です。たとえば『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)では絶対わかって騙されていると呆れています。ドラマではないので演技なんぞ不要です。とにかく生のリアクションを見せてください。(中学3年・女子・山梨)

《ラジオについて》

  • 自宅では普段ラジオをかけっぱなしにしています。主に聴くのは地元のAMラジオですが、最近ショッピング番組が多すぎて辟易しています。最近はNHKラジオ第1を聴く時間が長くなりました。民放ラジオの行く末が心配です。(中学3年・男子・北海道)

  • 私は常に何かの音があると落ち着くタイプなので、気軽に流すことができて耳だけで最新の情報を得ることができるラジオは一石二鳥で、これからも日常にいてほしい存在だと感じています。ただ周りの友達にはラジオを聴いている人が少なく話題に出すのも躊躇してしまうので、もっとラジオの良さを知ってほしいです。(高校3年・女子・広島)

《地域の放送局について》

  • 地元のニュース番組では、以前にも放送した特集やニュースが週に何回も流れている印象がある。(高校3年・女子・徳島)

  • 地方局のニュースと全国ニュースでは、なぜ分かりやすさが違うのでしょうか。地方局はスタジオにも広がりがないように感じます。長崎発の番組も増えてほしいです。(高校3年・女子・長崎)

《放送業界について》

  • テレビは信頼できるコンテンツだと思っていたので、昨今のフジテレビの不祥事は大変遺憾に思う。古い考えの根強く残る経営陣が運営するテレビ局のせいで、私の大好きな『サザエさん』がけがされたと思う。一刻も早い経営刷新を望んでいる。『サザエさん』に早くスポンサーが戻ってくることを祈っている。(中学2年・男子・東京)

  • 最近インターネットなどで「テレビは偏向報道がある」と言われますが、少なくともインターネットよりは正確な情報を伝えていると思います。フジテレビの不祥事などで放送業界に追い風が吹いている状況ではないですが、より正確で楽しい放送を続けるために頑張ってほしいです。(中学3年・男子・東京)

  • YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスでコンテンツを選ぶときはサムネイルを見て選ぶことが多いです。一方、テレビの番組表やradikoのタイムテーブルはタイトルとサブタイトルだけで情報量が少なく、インパクトがない印象です。普段視聴しない人にも積極的に情報発信しないと、視聴する人は減っていくと思います。(中学3年・男子・東京)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『激突メシあがれ~自作グルメ頂上決戦~』(NHK総合)
    予告を見たときは時間とお金をかけたラーメンが紹介されるのだと思っていたが、実際にはそれに加えて、それぞれのラーメンにかける思いが詰まっていて感動した。料理も面白かったのでまた見たいと思った。(中学2年・男子・群馬)

  • 『わたしの日々が、言葉になるまで』(NHK Eテレ)
    • SNSで友達に感動を伝えたいとき、ぴったり合う言葉が見つからずモヤモヤすることが多いです。感動した時に自分の身体がどうなったか?というアドバイスはとても分かりやすかったです。春休みの読書感想文の宿題にもかなり役立ちました。(中学3年・男子・大分)
    • 言語化の大切さは理解できますが「言語化=善」というメッセージは違うと思います。言葉にできない感情や気持ちを想像し、相手に寄り添う姿勢がなければ、世の中がギクシャクして人間関係が構築されません。口達者だけが得する世の中は生きづらく、賛成できません。(中学3年・男子・北海道)

    • 言葉選びに正解や不正解はないと改めて気づかされました。いつかゲストにバカリズムさんと又吉直樹さんを呼んでほしいです。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『カズレーザーと学ぶ。「新生活×人間関係改善SP」』(日本テレビ)
    • 初めて視聴しました。特に興味深いと思ったのは「痩せやすい呼吸法」です。専門家や教授が根拠を持って説明し、何も知らない私でもわかりやすかったです。難しい言葉がたくさん出てきて分からないところもありましたが、大意は把握できるように制作されていて感心しました。(中学2年・女子・東京)
    • 最新科学情報についてユーモアを交えて知ることができた。またカズレーザーさんの話は教養を感じられてとても感じがいい。(高校3年・男子・岡山)

  • 『サザエさん』(フジテレビ)
    家族の絆や日常のちょっとした出来事が心温まると思いました。また家族とのコミュニケーションは大切だと思いました。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『若っ人ランド』(テレビ熊本)
    高校生向けの番組で「夢を叶えるコーナー」が好きです。早く自分の高校に取材にきてほしいです。今回のロケでは、大好きな“おがっち”が15分ワンカットで食レポをしていて、自分の言葉で美味しさを楽しく伝えていました。これからも熊本のアイドルでいてください!(高校2年・女子・熊本)

  • 『銀シャリ橋本の〇〇WORLD』(BSよしもと)
    「出汁」をテーマに、具体的な人名を用いた歴史や出汁の種類の説明があり、丁寧で分かりやすく教養として良かった。全体的にVTRが多く、銀シャリ橋本さんの楽しい話をもっと聞きたいと思った。(高校1年・女子・秋田)

◆委員のコメント◆

【最近視聴したバラエティー番組について】

  • 『プレバト!!』(毎日放送)や『わたしの日々が、言葉になるまで』(NHK Eテレ)について、「視聴した後に自分でやってみたくなる」といった報告が共通して多かった。そう思わせる番組は好印象で記憶に残るのだと思った。

  • 中学3年生のモニターから「1つのテーマの番組を1時間視聴すると集中力が途切れて飽きてしまう」とあったが、現代の中高生は「スマホでXを見ながらテレビを視聴する」といったように複数の情報を同時に見たりするので、集中力が切れやすいようだ。1時間の番組も、テーマをいくつかに分けたりテロップで分かりやすく説明したりすることはとても大切だと感じた。

  • 『オールスター感謝祭』(TBSテレビ)に関する高校2年生の報告は、若者の“ネット離れ”を象徴している。中学3年生からの報告にも「テレビは少なくともインターネットよりは正確な情報を伝えていると思う」とあったが、こういった受け止め方はここ数年広がってきていると感じる。ネットネイティブな若い世代が、インターネットの良いところもダメなところも冷静に見ていることの表れだと思う。

【自由記述について】

  • 『サザエさん』(フジテレビ)が大好きな中学2年生のモニターから「フジテレビの不祥事は大変遺憾に思う」とあったが、放送局の経営の背景を考えたりスポンサーの動きを心配したりしていて、こういった視点は素晴らしいと思う。

  • 若者のテレビ離れについて触れた高校2年生のモニターが、「最近の番組は同じような内容ばかりでつまらない」と厳しく指摘する一方で、地元ローカル番組『若っ人ランド』(テレビ熊本)の“食レポ”のコーナーを好意的に報告していた。“食レポ”は「同じような内容」に含まれる気がするが、その“微妙な違い”をきちんと読み解くのが大切なのだろう。

  • テレビ番組に関して全体的にネガティブな報告をした高校2年生が、「将来はテレビ局や出版社に就職して、情報を伝える裏方をやりたい」と書いていた。最近の大学生の就職活動においても、テレビやラジオへの愛着よりも「自分が好きなコンテンツや文化を多くの人に知ってもらう手段」として、放送局の魅力を感じているようだ。

  • 中高生モニターには「放送関係の仕事に就きたい」という人がそれなりにいるが、一方で全く違う道を目指している中高生も多くいる。さまざまな人が意見を寄せてくれることはとてもありがたい。

今後の予定について

次回は2025年5月27日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

2025年4月25日

2025年4月25日

視聴者意見応対業務について

4月30日(水)から5月2日(金)までの間、次の対応といたします。

  • 視聴者意見の電話については録音により受け付けます。(午前10時~午後5時)
  • ウェブフォーム、郵便物、ファクスは通常通り受け付けます。

第47号

毎日放送『ゼニガメ』 偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見

2025年4月24日 放送局:毎日放送

毎日放送の情報バラエティー番組『ゼニガメ』は、2023年11月29日、2024年5月8日、同年7月17日の3放送回において、家屋清掃と出張買取を一度に行う業者を密着取材し、放送したが、全ての回において業者による“偽装”や“仕込み”のあったことが分かった。委員会は「事実と異なる放送を三度に渡って放送したことは、視聴者の信頼を大きく裏切るもの」と指摘したが、1回目と2回目の取材は、国家資格者である司法書士が立ち会ったうえで、偽の不動産売買契約等が行われていたこと等から、放送局側に放送倫理違反があったとまでは言えないと判断した。他方、3回目の放送では、古い家屋から見つかった金の延べ棒や、業者から紹介された「偽の依頼人」に対する基本的な事実確認が不十分だったとして局側に放送倫理違反があったと判断した。

2025年4月24日 第47号委員会決定

全文はこちら(PDF)pdf

目 次

2025年4月24日 決定の通知と公表

通知は、2025年4月24日午後2時から千代田放送会館で行われ、
午後3時から千代田放送会館2階ホールで公表の記者会見が行われた。
記者会見には、18社29人が出席した。詳細はこちら。

2025年8月8日【委員会決定に対する毎日放送の対応と取り組み】

委員会決定 第47号に対して、当該の毎日放送から対応と取り組みをまとめた報告書が2025年7月30日付で提出され、委員会はこれを了承した。

毎日放送の対応

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目 次

  • 1. 委員会決定についての放送
  • 2. 委員会決定の社内への周知
  • 3. 番組審議会への報告
  • 4. 委員会意見書についての 「 全社研修会 」
  • 5. 委員会意見書を受けての 「 制作研修会 」
  • 6. BPO 委員を招いての勉強会
  • 7. 再発防止に向けて
  • 8. 終わりに