第152回 放送と青少年に関する委員会

第152回–2013年12月

今回は、討論対象の番組なし

中高生モニター報告は、日本民間放送連盟賞特別表彰部門(青少年向け番組)最優秀番組の『ありがとう いのち~みんなきみが大事~』(北海道テレビ放送制作)について

第152回青少年委員会を12月16日、7人の委員全員が出席してBPO第1会議室で開催しました。今回は、討論の対象番組はありませんでした。その他、11月16日から12月8日までに寄せられた視聴者意見と、12月の中高生モニター報告、また、2014年3月開催予定の中高生モニター会議、調査・研究、来年度の活動計画などについて話し合いました。
次回委員会は1月28日に開催します。

議事の詳細

日時
2013年12月16日(月) 午後4時30分~午後6時50分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

  • 視聴者からの意見を基に委員間で話し合いましたが、今回は特に取り上げるべき番組はありませんでした。

中高生モニター報告

12月の中高生モニターは、「日本民間放送連盟賞 特別表彰部門(青少年向け番組)で今年、最優秀となった番組の感想」というテーマでリポートを書いてもらいました。番組は、北海道テレビ放送制作のHTBノンフィクション『ありがとう いのち~みんな きみが大事~』(放送2013年5月5日16時30分~17時25分)で、5月の「青少年へのおすすめ番組」でした。小学校を回り"誕生学"という授業をする札幌の主婦達の活動を通じて"いのち"が危うい学校現場の現状を描くと同時に、今の"こころ"の教育のあり方を考える内容となっています。
今回は27人から報告がありました。たくさんのモニターから、大変影響を受け考えさせられたという報告が寄せられました。「いのちについてじっくり考える時間を持てました。誰の悲しい顔も見たくないので、学校でもこのDVDを見たいな、友達と一緒に考えたいなと思いました」「最近は期末テスト、塾でのテスト、外部のテストのことで頭が一杯ではっきり言ってこういう命の学習について考える余裕はありませんでした。でもこれを見て、まず、元気のない子やしょんぼりした子がいたら、自ら声をかけてみようという気持ちになりました」「この番組を見て、自分について深く考えさせられました。さらに自己肯定感があれば、いじめや不登校が減るのではないかとも思いました」。
また、自らの学校で行われているいじめについての取り組みを書いてくれたモニターもいました。「岐阜県では、各学校で『ひびきあいの日』という人権の取り組みをしています。各学校が『いじめについての話し合い』や『人権集会』などを行い、人権について考えています。僕はこのビデオを見て、今の小学校の低学年からこうした『命の教育』を行っていかなくてはいけないと思いました」「私には、学校でいじめについての『授業』が何回もあったくらいで、特別に『いのち』の授業を受けた記憶はあまりない。私たちもこの誕生学を小学生の時受けたかった」。
一方、タイトルがちょっと硬い感じがするという意見もありました。「もしこの題だったら、自主的に選んで見ていなかったと思います。学校の保健の授業で見た番組のようだと思うからです」「番組テーマが『いのち』ということで視聴する前はすごく硬そうな番組かなと思っていたのですが、結構見やすい番組構成で、あっという間に1時間が過ぎました」。
また、「このビデオを母と一緒に見ました」というモニターも2名おり、親子でいのちの尊さについて話し合うきっかけになったという報告が寄せられました。
<自由記述欄>では、「ラジオ・テレビについて思ったことを自由に書いてください」と依頼しました。『国会討論会』(NHK)の特別秘密保護法案をめぐる論議について4件の意見が寄せられました。「なんだかみんな、自分の利権を守ろうとして必死に見えるし、耳元で大きな声でがなっているし、見るに耐えません」「どのマスコミ報道も激しい反対ばかりで、中立的な冷静な報道というより、単に、利害関係者としての自己主張のような気がしました」。テレビ番組に対する要望では、「私たち青少年向けのドキュメンタリー番組をシリーズで放送してくれるといいな。私たち世代に近づいた感じの放送。期待しています」「夜7時以降の番組がほぼバラエティーで埋め尽くされている。一つ改革を起こすような感じで、違うジャンルの番組で見たくなるような番組を取り入れてほしい」。
また「どの番組も同じような内容・取材の仕方でそれぞれの番組の独自性がない」「いじめをした側の情報が報道されないなら、いじめを受けた側の情報も報道されてはいけないはずです。この報道の不平等さに、少し悲しいかなと思うことがあります」「アナウンサー自身が洋服を選ぶわけではないのでしょうが、あまりにスカートが短いなど肌の露出が多く、職業に対してふさわしくないのでは」など、モニターからのテレビ番組に対する厳しい批判が目立ちました。

◆中高生モニターと委員の主な意見

●【委員の感想】主役の女性のことを批判的に見たり、放送されることによる娘さんへの影響を心配する報告があったり、いろんな視点で見る人がいるなと思った。

  • (兵庫・高校2年女子)授業を行う主役の女性の人があまり好きになれませんでした。無理して頑張っているように見えました。

  • (愛媛・中学2年女子)放送されたことで娘さんがさらに傷つかないか心配になりました。

●【委員の感想】番組に肯定的な感想が多かったが、普通に放送されていて自主的に中高生が見たかは疑問。内容的にはいい番組でも、タイトルを見て子どもたちが進んで見るだろうか。しかし、なかには、番組内容に関連して、「ナルシ」という言葉を出して、はっとさせられる中高生の実態を書いてくれたモニターもいた。また、「自己肯定感」という言葉に強い印象を受けたと書いた人が目立った。

  • (千葉・中学1年男子)友達の間では自分を好きになることをナルシ(ナルシストの略)と呼んでいて、自分のいいところを口に出すと陰で何か言われそうな気がするので、口に出せないし、あえて言わない。

  • (愛知・中学3年女子)この番組の中で「自己肯定感」という言葉がたくさん出てきました。自分を肯定する気持ちがあれば、自分を否定する気持ちが芽生えにくくなるのではないかと思います。

【委員の感想】授業などで、こういういのちの尊さについて話をする時の大学生の感想ととても似ていて、中高生と大学生の感覚の相違はそんなに大きくはないと思った。ほとんどのモニターが肯定的な意見だが、親から否定され憎まれていた経験を持つ子どもたちは、全く違う感想を持つのではないか。また、番組の後半が重く感じたという意見があったが、全くそのとおりだと思った。

  • (愛媛・中学1年女子)命の誕生を取り上げながら、いじめ、自殺問題などを言っていましたが、ちょっと欲張りすぎたかなとも感じました。あまり色々番組に入れると重く感じます。

●【委員の感想】我々の世代と違って、今の中高生にとって"いのち"の重みを考えることが「いじめ」とつながり、日常的な関心とつながっているのがわかった。「自己肯定感」という言葉に対して両極端の感想があったのは興味深かった。

  • (愛知・中学3年女子)この番組を見て、自分というものをもっと認めてもいいのではないかと思いました。さらに、自己肯定感があれば、いじめや不登校が減るのではないかとも思いました。

  • (埼玉・高校2年女子)「自己肯定感」、私はこの言葉を初めて耳にしました。自己を肯定するのは、良いことばかりではないと思います。その理由は、自己肯定感を過剰に持つことが、いじめの原因になることもあると思うからです。

【委員の感想】「自己肯定感」に関連して、親を鋭く批判した意見は、そのとおりだと思った。また、自由記述欄に特定秘密保護法案についての記述が多く見られ、テレビが反対派に偏った報道をしていたのではないか、という指摘もあった。

  • (東京・中学3年男子)ありのままの自分を受け入れて自分を大切に思える気持ち「自己肯定感」について、生まれてくる時は「元気で生まれてくればそれだけで良い」とどの親も思うようですが、成長するに伴ってあれもこれもと要求が増えて、達成できないと「どうしてできないの!」と言われてしまうので、「ありのままの自分でいる」というのは結構難しいのだと思います。

  • (神奈川・中学3年男子)法案について反対派の意見や、集会などはたくさん報道していましたが、賛成派の意見などはあまり報道されなかったような印象を持ちました。メディアは、賛成派にも反対派にも納得できるような平等な報道をすべきだと思います。

●【委員の感想】 両親と一緒に見た、という人もいれば、番組内容に対して批判する姿勢をとった人もいた。また、口を閉ざしたモニターもいるわけで、そういう人たちはどういう感想を持ったのか聞いてみたい気もした。

  • (埼玉・高校2年女子)いのちの授業に関してはやはり小学校高学年の子どもにするのが一番であると私も感じました。しかし、中学生にやるのははっきり言って意味があまりないのでは?と思います。それは彼らの中には自立心が少しずつ芽生えてきているので、大人になんと言われようと知るか!と思われてしまったら、そこまでだからです。

今年度の青少年委員会活動について

  • 3月16日に開催予定の中高生モニター会議と、来年度の中高生モニター募集について話し合いました。

  • 来年度実施予定の調査・研究について、現状報告がありました。

第77回 放送倫理検証委員会

第77回–2013年12月

「対決内容が編集で偽造された」と出演者が告発
フジテレビ「ほこ×たて 2時間スペシャル」(2013年10月20日放送)の審議入りを決定

参院選関連の2番組、関西テレビ『スーパーニュースアンカー』とテレビ熊本『百識王』
2014年1月上旬にも「委員会決定」を通知・公表へ

第77回放送倫理検証委員会は12月13日に開催された。
今夏の参議院議員選挙をめぐって、選挙に関する放送の公平・公正性の観点から一括して審議対象となっている、関西テレビのニュース番組とテレビ熊本の情報バラエティー番組について、担当委員から前回の委員会での議論を踏まえた意見書修正案が提出された。意見交換が行われた結果、表現の細部の修正などを委員長に一任して、2014年1月上旬にも当該局に委員会決定を通知し、公表することになった。
ネット詐欺の被害者として放送した人物が、実はネット詐欺専門の弁護士から紹介された、当時の所属事務所の事務員だったことが問題になった日本テレビの情報番組『スッキリ!!』についても、担当委員から意見書修正案が提出された。委員会では、取材から放送に至る過程をどう判断すべきかなどについて、さらに意見交換が行われ、担当委員が次回委員会に再修正案を提出することになった。
他局がワイヤレスマイクで取材した音声を無断で受信し放送に使用していた鹿児島テレビの2つのローカル番組『ゆうテレ』と『チャンネル8』について、担当委員から意見書の原案が提出された。意見交換の結果、議論の成果を加味した修正案を次回委員会に提出して、意見の集約をめざすことになった。
「対決内容が編集で偽造された」と出演者が告発し、番組が打ち切られたフジテレビのバラエティー番組『ほこ×たて 2時間スペシャル』(2013年10月20日放送)について、前回に続いて討議を行った。委員会が求めた詳細な報告書が当該局から提出され、意見交換の結果、真剣勝負を標榜した番組を信じた視聴者の信頼を裏切ったとして審議入りが決定した。審議対象には、同様な問題があったと当該局が認めている他の2回の放送分も含まれる。

1.参院選関連の2つの番組、関西テレビの『スーパーニュースアンカー』とテレビ熊本の『百識王』についての審議

一括して審議の対象となっているのは、インターネットでの選挙運動解禁についての特集企画で、自民党の比例代表選挙立候補予定者だった太田房江元大阪府知事の選挙準備活動を紹介した関西テレビのニュース番組『スーパーニュースアンカー』(6月10日放送)と、自民党の比例代表選挙の渡邉美樹候補が著名経済人としてVTR出演している企画を、参議院選挙投票当日の午前中に放送したテレビ熊本の情報バラエティー番組『百識王』(7月21日放送)の2つの番組。
前回までの委員会の議論などを踏まえた「意見書修正案」が担当委員から提出され、同様な問題が今後さらに繰り返されないための委員会の提言部分などについて意見交換が行われた。
その結果、表現の細部の修正は委員長に一任して、委員会の意見とすることが了承され、2014年1月上旬にも、当該局への通知と公表の記者会見が行われることとなった。

2.弁護士から詐欺事件の被害者として紹介されたが、実は被害者ではなかったことが問題になった日本テレビの『スッキリ!!』についての審議

日本テレビの朝の情報番組『スッキリ!!』で、インターネット詐欺の被害者として出演した男女2人が実は被害者ではなく、同じ番組に出演したネット詐欺専門の弁護士の当時の所属法律事務所の事務員だったことが判明し、裏付け取材が不十分だったとして審議入りした事案(2012年の2月29日と6月1日放送)。
担当委員から、当該局の関係者に実施したヒアリングと、前回までの委員会の議論を整理した「意見書修正案」が提出された。
委員会では、これまで裏付け取材が不十分だとされた事案との比較で、専門家である弁護士の紹介を信じたことなど、事案の取材から放送に至る過程に過失があると断定することの是非や問題発覚後の対応などをどう判断するかなどについて、さらに質疑や意見交換が行われた。
その結果、今回の議論を踏まえた再修正案を担当委員が作成し、次回委員会に提出することになった。

3.他局の取材音声を無断で受信して番組に使用したことが問題になった鹿児島テレビの2つのローカル番組についての審議

鹿児島テレビは、夕方の情報番組『ゆうテレ』(6月19日、8月7日放送)と週末のミニ番組『チャンネル8』で、高校総体に出場した鹿児島市内の高校の男子新体操部の活躍ぶりを紹介した。その際、選手を激励する監督の声をあわせて10か所で約2分間放送したが、これは他局の取材音声を無断で受信・録音したものだったことが判明した事案。
担当委員から、取材ディレクターやカメラマン、音声マンなどに実施したヒアリングと、前回までの委員会の議論を踏まえた「意見書原案」が提出された。
委員会では、音声の窃用が電波法59条に違反することを取材ディレクターが知らなかった事情や、問題が起きた背景に地方の放送局ならではの課題があるのではないかという点などをめぐって、意見が交わされた。
その結果、議論の成果を加味した修正案を担当委員が次回委員会に提出して、意見の集約をめざすことになった。

4.対決内容が編集で偽造された」ことが明らかになったフジテレビの『ほこ×たて 2時間スペシャル』について討議し、審議入りを決定

フジテレビのバラエティー番組『ほこ×たて 2時間スペシャル』(10月20日放送)に出演していたラジコンカーの操作者が、「対決内容を偽造して編集したものが放送された」と告発したことから問題が発覚、当該局は社内調査の結果ほぼ指摘どおりであるとして、番組を打ち切った事案。
前回の委員会では当該局が提出した報告書をもとに議論が行われたが、さまざまな意見が出され、継続討議になっていた。委員会が出した質問書に対し、当該局は改めて詳細な報告書を提出、これをもとに意見交換が続けられた。
その結果、真剣勝負を標榜した番組である以上、それを信じて番組を見ていた視聴者の信頼を裏切ったと言わざるを得ないとして、審議入りすることを決めた。
委員会は上記番組のほか、同じような問題があったことを当該局が認めている、2011年10月16日と2012年10月21日放送の『ほこ×たて 2時間スペシャル』についても審議の対象とする。

【委員の主な意見】

  • ていねいな番組作りをしないとバラエティーとしての妙味や面白さは出ないはずなのに、最後は編集でなんとかしようという安易な考えになっているのは問題ではないか。
  • 斬新で面白い番組として評価されていたものを、ひとつのコーナーがぶち壊したとすれば残念だ。
  • 無茶な番組を作らざるを得なくなった時の判断ミスが、結果として番組の信頼を失い、番組打ち切りという最悪の結果になってしまった。
  • バラエティーは演出があって当然良いが、今回は「不当表示」だと思う。
  • 真剣勝負が売り物で、視聴者のほとんどはそれを前提に見ているのに、そうではなかったというのはやはり演出の枠を越えており、信頼を裏切ったと言わざるを得ないだろう。

以上

第204回 放送と人権等権利に関する委員会

第204回 – 2013年12月

宗教団体会員事案の審理…など

「宗教団体会員からの申立て」事案について審理し、「委員会決定」修正案を了承し、本事案に関する「委員会決定」の通知・公表を2014年1月に行うことになった。

議事の詳細

日時
2013年12月17日(火)午後4時~6時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、
曽我部委員、田中委員、林委員

1.「宗教団体会員からの申立て」事案の審理

テレビ東京が2012年12月30日に放送した報道番組『あの声が聞こえる~麻原回帰するオウム~』で、在家信者として紹介された男性が、公道で隠し撮影された容姿・姿態が放送されたほか、カウンセリングにおける会話や両親に宛てた手紙の内容が公にされるなどプライバシーを侵害されたとして、謝罪と今後二度と当該番組を放送しないと誓約するよう求めて申し立てたもの。
テレビ東京は、「公安調査庁の観察処分の対象となっている団体の実態を明らかにするには、私たちのとった取材手法以外に方法はなかった。編集に際しては、男性の映像や音声、写真には加工を施すなど人権の保護に配慮して放送し、問題はないと判断している」等と、反論している。
この日の委員会では、第4回起草委員会での検討を経た「委員会決定」案が示され、審理の結果、一部の文言を修正のうえ最終的に了承された。
「委員会決定」の通知・公表は2014年1月に行うことを決めた。

2.その他

  • 「大阪市長選関連報道への申立て」事案の委員会決定について当該局の朝日放送で11月26日に研修会が開かれ、その概要を事務局が報告した。三宅弘委員長と起草担当の曽我部真裕委員が出席し、報道局社員ら46人が2時間余にわたって決定内容の説明を受けて意見を交わした。

  • 次回委員会は2014年1月21日に開かれる。

以上

2013年12月13日

「"真剣勝負" 対決内容を編集で偽造」審議入り決定

フジテレビ『ほこ×たて 2時間スペシャル』

放送倫理検証委員会は12月13日の第77回委員会で、フジテレビ『ほこ×たて 2時間スペシャル』〈2013年10月20日放送〉の審議入りを決めた。

「どんな物でも捕えるスナイパーVS絶対捕えられないラジコン」のコーナーについて、出演者から、収録の順番や、対戦の運営に不適切な演出があったとの指摘があり、局の社内調査でも「(指摘は)大筋において事実であり、不適切な演出があった」ことが確認された。局は「真剣勝負を標榜している番組の継続は不可能と判断」、「ほこ×たて」のレギュラー放送の打ち切りを決定した。
審議入りの理由について、川端委員長は「視聴者も真剣勝負を前提に番組を見ていたはずで、その信頼を崩すようなことをしていたのは問題である。」と語っている。審議の対象には、上記番組のほか、2011年10月16日放送と、2012年10月21日放送の『ほこ×たて 2時間スペシャル』も含まれている。
委員会は、今後、番組関係者などからヒアリングを行い、審議する。

2013年12月10日

2013年12月10日

BPO放送倫理・番組向上機構 10周年記念シンポジウム
「テレビよ、変われ!テレビよ、変わるな!」

キーノートスピーチ(今野勉氏)に加え、新たにパネルディスカッション前半「テレビを取り巻く環境の変化」などを配信しました。(項目ごとに、数分ずつのクリップでUPしています。後編は、後日配信予定。)
http://www.youtube.com/user/bpochannel/featured

BPOは、2013年7月1日で設立10年を迎え、12月10日(火)東京国際フォーラムにて、記念シンポジウム「テレビよ、変われ!テレビよ、変わるな!」を開催いたしました。
メディアの変革期の今、「テレビが信頼され、愛され続けるメディアであるためには、何を変え、何を変えてはいけないのか」をテーマに、全国の放送局からの多数のご参加とBPO委員のご出席をいただきました。
冒頭は、「テレビ60年、今、テレビのポジションは?」と題しての今野 勉さん(演出家/テレビマンユニオン取締役)のキーノートスピーチ。引き続き、八木亜希子さん(フリーアナウンサー)司会で、江川紹子さん(ジャーナリスト)、 尾木直樹さん(教育評論家・元BPO青少年委員会委員)、テリー伊藤さん(演出家)によるパネルディスカッションが行われました。
「テレビの"現在"をどう思うか?」「テレビを取り巻く環境の変化について」「テレビの影響力~社会、子ども」「テレビが伝えなければならないこと」「変わるべきこと、変わってはいけないこと」などに、ご意見をいただきました。
今野勉さんによるキーノートスピーチに加えて、新たにパネルディスカッション前半「テレビを取り巻く環境の変化」などを配信しました。
http://www.youtube.com/user/bpochannel/featured

2013年11月に視聴者から寄せられた意見

2013年11月に視聴者から寄せられた意見

「特定秘密保護法案」をめぐる報道・議論に、様々な意見。業界の裏側がテーマの深夜のバラエティーで"枕営業"との発言があり、働く人間は死活問題だ、などの苦情。

2013年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,328件で、先月と比較して411件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話25%、手紙ほか2%、FAX1%。
男女別は男性62%、女性35%、不明3%で、世代別では30歳代26%、40歳代29%、50歳代20%、20歳代13%、60歳以上11%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は704件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

特定秘密保護法案について様々な報道番組や情報番組で取り扱っていたが、批判ばかりしているといった声や、いまこそメディアの発信力が問われているなどといった意見が寄せられた。
相次いで食材の偽装疑惑が報じられたが、「誤表示」といった曖昧な表現ではなく、もっと的確な言葉を使うべきだという意見や、行き過ぎた報道は見直すべきだといった声などが寄せられた。
深夜のバラエティー番組で、「枕営業」といった不穏当な発言があり、そのお陰で嫌な目にあっているという視聴者の声などが寄せられた。
ラジオに関する意見は78件、CMについては37件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は181件で、前月より60件増加した。
今月は「いじめ・虐待に関する意見」が69件、「性的表現に関する意見」と「低俗、モラルに反する意見」が20件、次いで「表現・演出に関する意見」が12件と続いた。
「いじめ・虐待に関する意見」では、バラエティー番組の中で"人間縄跳び"を行ったことに対し、「子どもが真似をするので危険だ」「いじめに繋がる」という内容の意見が多く寄せられた。
そのほか、ラジオの深夜番組での性的な表現や、ドラマの残虐シーンに関する意見などが寄せられている。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 参院議員が秋の園遊会で天皇陛下に手紙を渡した行為について、閣僚や与野党幹部から"議員を辞職すべき"と批判されていることが報道された。皇室を政治やスポーツに利用するべきではないというが、しかし考えてみれば、国賓をお迎えすることも政治的行為であり、オリンピック招致でも皇室が参加している。議員が天皇に手紙を直接渡したのはルール違反であり、宮内庁に渡すべきだったと思うが、今回のことだけ取り上げて、議員が皇室を政治に利用したと批判することはいかがなものか。

  • 「特定秘密保護法案」に関して、テレビで極端な例を挙げ、世論を反対へ誘導しようとしている。悪用されればどんな法律も危険である。マスコミは自分たちが罰せられるのが嫌で、電波を使い国民を洗脳しようとしているのか。

  • 最近の政権は横暴をきわめている。以前の政党に政権担当能力が無かったから、国民は消去法で選んだのだが、「特定秘密保護法案」を通そうとするなど、危険な領域に突き進もうとしている。それなのにマスコミの発信力というものが低下しているのではないのか。このままでは戦前と同じ道を歩んでいくのではないかと危惧している。マスコミが愚民化政策を止めないで、誰が止めるというのか。

  • メニュー偽装に関して関西のホテルが公表してからどさくさ紛れに他のホテルが公表している。最初に公表したホテルがマスコミの槍玉にあがり、あとから公表しているホテルが謝罪して終わりということは、おかしい。マスコミは行き過ぎた報道を見直すべきで、ホテルが自主的に公表したことは自浄作用が働いているということなのだから評価してもいい。

  • 報道で、ホテルのメニュー表示について「誤表示」と言っているが、「虚偽表示」「適切な表示でない」「偽った表示」と表現すべきではないか。「誤表示」という表現では、事の本質が曖昧になってしまう。

  • 今回の食材偽装問題について、色々な放送がされているが、決めつけたような報道は止めてほしい。何も知らない視聴者の誤解を招く。問題を起こした飲食業界でも、真面目に食材を取り扱っている飲食店はある。各社の過剰な報道で、真面目に営業している店舗にも被害が出ている。冷静な放送をしてほしい。

  • プロ野球日本シリーズで東北楽天イーグルスが初の日本一になった。しかし、東日本大震災の被災地の球団が日本一になったということで「美談化」する報道に違和感を覚える。災害とスポーツをごっちゃにするような報道姿勢は慎むべきだ。このような平和ボケのような番組作りが、東北地方の復興の妨げの一部になっていることに気づいたほうが良い。

  • 芸能人がイベントなどに参加している映像がワイドショーで流される際、一般の観客の顔をモザイクで隠すことがよくある。しかし、周りの全員にモザイクをかけることはいささか過剰ではないのか。「プライバシー保護の観点」からモザイクをかけているようだが、やみくもにモザイクをかければいいということではない。

  • ホストの男性が殺された事件で、リポーターが地元の年配と思われる女性に、被害者がホストだったこと、殺されたことを明らかににして、「ご存知ですか?」と聞いていた。何の権利があって、被害者や遺族の隠しておきたいことをわざわざ触れ回っているのだろうか。被害者とその家族の気持ちを考えると、嫌な気分になった。

  • 放送中に強い地震があったが、中断したり、テロップを出していなかった。報道番組としてはいかがなものか。生でなく収録した番組だと思った。

  • 大阪市のある地区周辺の小学校への通学路を「浮浪者がいて怖い」「こんな怖い所を平気で通っているのは感覚がマヒしている」等、児童の保護者の感想を流していた。また路上生活者が道路で寝ている姿を「夕方、浮浪者が道路にいて危険である」とコメントし、何度も「危ない」「危険」等と言っていた。その地区を「危険な場所」と呼び、地区周辺の小学校への登校に「危険な地区を通らなければならない」と、地名や小学校の名前を表示した地図を出していた。これらの報道は、危険な街であるとの印象を与え、地区に住む人を差別する内容だ。また、路上生活者を「浮浪者」と呼んだ事や、経済的に困窮し、路上で生活せざるを得ない人々を「危険」と表現したことも明らかな差別・偏見だ。

  • 小泉元総理の「原発反対」の発言を受けて、コメンテーターの一人が、「無責任だ」といっていたが、原発促進派だけを出演させることは偏っている。原発賛成派だけではなく反対派も出演させるべきだ。

  • 小泉元首相の原発即時ゼロ発言について、局の解説委員が「世論調査で6割の人が賛成と出ているが、これはふわっとした答えであって実際選挙になれば、おそらく国民はそんなに賛成しないと思うので、小泉さんには晩節を汚すようなことはしてほしくない」と言った。世論調査は局が調べた数字なのに「ふわっとした」という表現はおかしい。「晩節を汚す」という日本語の使い方もふさわしくない。福島の状況を考えてほしい。

  • 経団連から「冬のボーナス平均額がアップした」という発表があり、あたかも景気がよくなってきたような報道ばかりしている。この数字は一部大手企業の正規社員だけのもので、非正規を大量雇用している大手企業のパイには非正規の数が入っていないことや、この数字があまりにも一般社会とかけ離れていることを報道する局がないことに呆れる。最低限、「一部大手企業のみの平均です」などと補足する義務はないのか。テレビでこのニュースを見たほとんどの人は、自分とは違う世界の話だと感じたと思う。

  • キャロライン・ケネディ駐日大使が着任されて、歓迎の気持ちで楽しみにして番組を見ていた。ところが、大使の父親が銃で撃たれ大量の血が出た同じシーンを、繰り返し流した。暗殺当時のことを振り返ることに、何の気配りも感じられなかった。大使は着任早々である。日本のメディアの取り上げ方を興味深く見ているはずだ。配慮が足りない番組構成に憤りを覚えた。

  • 金銭の提供を受けていた知事の件を取り上げていた。この中で、司会の男性が「他の人はわかりませんけど、僕だったら5000万円貰ったら何でもしますよ」と発言していた。"5000万円貰ったら誘拐でも何でもする"とでもいうのか。番組のメイン司会者の発言として不適切だ。冗談で済まされる話ではない。

  • 「生活保護不正受給問題」を各局で取り上げているが、どの番組も"生活保護を受けること自体が悪い"とでもいうような内容ばかりだ。やむにやまれず、生活保護を受けなければならない人間もいる。「不正受給者」の話だけではなく、こうした現実も詳しく取り上げてほしい。

【番組全般・その他】

  • 「若い女性が怖いお兄さんに絡まれている場面に出くわしたらどうするか」という企画だった。"怖いお兄さん"という設定だったが、服装や言葉遣いから見て"暴力団"を意識していたことは明らかだ。一般人に対して、このような仕掛けをするとはいかがなものか。午後7時台のバラエティー番組の内容として不適切だ。

  • アメリカで起きた事件の容疑者が14歳の少年だった。彼の名前・顔写真まで出た。日本人の未成年者が事件を起こした場合は、名前や顔写真は出さない。たとえ日本の法律の適用外としても、このニュースは日本国内で放送している。未成年者の顔や名前を出すべきではないと思うが、どうなのだろうか。

  • "食わず嫌い"で、タレントの嫌いなものは「カニ」としていたが、食べた後の様子を聞く限り、好き嫌いではなくアレルギーだと思った。本人も「甲殻類を食べると口の中がイガイガしてきて顔が赤くなってくる」と言っていた。私の子どもは食物アレルギーがあり、学校に対して「アレルギーと、好き嫌いは違う」ということを訴えている。アレルギーを好き嫌いと同様に考えてもらっては困る。アレルギーは命に関わることもあるのだから、お笑いの題材にしないでいただきたい。

  • プロ野球の日本シリーズの中継について、片方のチームばかり依怙贔屓した内容が目につく。相手チームの攻撃中にでさえ、ファンが試合を見守っている姿が何回も映る。中継を見ている全ての人達がファンではないのに、偏った中継をすることはいかがなものか。また、試合結果を伝えるニュースでも、偏っていることには、正直ウンザリしている。

  • バラエティー番組や情報番組で「間違った使われ方をしている日本語」という企画が放送されることがある。しかし、プロ野球日本シリーズに関するニュースで、「日本一に逆王手」と報じているのを目にした。「逆王手」とはどういう意味なのか理解していないのではないか。それとも知っていながら「勢いがある感じがする」といった短絡的な発想で使っているのか。自分たちで間違った使い方を広めておいて、それを指摘する番組をつくることはおかしい。

  • 「生命保険業界の裏側」として、"枕営業をしている"等の発言内容により、番組自体が放送休止になったことは知っている。番組は放送休止で済むかもしれないが、そこで働く人間にとっては死活問題だ。私は保険業界で働いているが、昨日も「おまえもいやらしい営業をしているのか」と顧客から言われ、大変嫌な思いをした。真面目に働く人間にとって不愉快極まりない。もっときちんと謝罪するべきだ。

  • 老人ホームを、要らない人を入れる(「捨てる」と言っていた)場所であるかのような表現があった。その発言は「老人ホーム」にいる人達は「捨てられてしまった人」だと思っていることを公の場で発表したことになる。それをなんとも思わず放送していることは問題だ。またこれは、現在老人ホームに入所している人達だけでなく、働いている人、将来働こうとしている人に対しての侮辱でもある。今、老人ホーム業界では働く人が減っている。この先働き手が不足していく現状を分った上での放送なのか。大変憤りを感じる。今回の放送は公共の電波に相応しいものとは言えない。訂正していただきたい。

  • アフリカで子どもを襲った未確認生物が捕獲され、その映像が流れた。ヨーロッパの民間伝承やその流れを汲むフィクション(主としてファンタジー)に登場する伝説の生物"ゴブリン"ではないかと興味本位に放送された。過去に「エレファントマン」という、病気で象のような肌になった人が紹介されたことがあるように、今回の「未確認生物」も「人間」ではないのか。何らかの病気や生まれつきの障害者である可能性がある。血まみれの映像はかわいそうだったが、気持ちが悪く、放送するのはいかがなものか。笑いながらその映像にコメントする出演者にも憤りを感じた。

  • 長時間のニュース番組は必要ない。他局より1分でも早くスタートしたいだけで、ニュースの質は何も変わっていない。相変わらず同じニュースの繰り返しと、「グルメ」と「密着」だ。そのうちネタ切れになるのではないのか。内容が伴わなければ、無意味だ。

  • 「盗聴特集」をやっていたが、興味本位で恐怖を煽る内容だった。特集をやるならば、盗聴されていると偽って老人から金をだまし取る悪徳盗聴業者も取り上げるべきだった。また、無線マニアに対する偏見と思われる内容もあった。無線マニアは全員が盗聴をしているわけではない。無線の趣味を持つ人間を不当に差別している。

  • 私は団塊の世代です。若者と違い、必ずテレビをつける習慣があります。ところが今は、テレビをつけてもおもしろい番組が皆無です。近い将来、65歳以上が人口の3分の1を占める時代なのに、高齢者を無視した番組作りは納得できません。大人の鑑賞に堪える番組を作ってください。

  • 動物番組で司会者や出演者が柴犬、秋田犬を「しばけん、あきたけん」と言っているが、これは明らかな間違いで、正式には「しばいぬ、あきたいぬ」である。「柴犬」「秋田犬」の呼び名は江戸時代よりも古い時代から使われていることが当時の文献から明らかになっており、その後現在に至るまで数百年もの長きにわたって受け継がれてきた。日本人なら知っていて当たり前のことだ。バラエティー番組などの出演者の言葉遣いの乱れがこういう細かい点に現れている。

  • バラエティー番組等での、スタッフや観客の「ワー」や「キャー」という声や笑い声がうるさくて仕方がない。そのため司会者や出演者の声がかき消されてしまう。ある番組では、VTRが流れた途端、いきなり嬌声が聞こえてきたので驚いてしまった。面白いときに笑うことはいいが、もう少し場をわきまえるべきだ。

  • この6~7年、前半のコーナーで落語をめっきりやらなくなった。この番組は、落語家が司会役や後半のコーナーのレギュラーでありながら、皮肉なことに落語家が落語を披露する機会がほとんどない。司会者が交代する前は時々落語をしていた。放送時間が30分という時間的な理由もあると思うが、短い落語ならばできると思う。

  • 相変わらず2つか3つの番組を合わせただけの番組を「合体スペシャル」と銘打って放送している。いつ改善されるのか。また最近は他局でも同じように「コラボスペシャル」などといって放送している。複数の番組をつなぎ合わせただけの番組を、そのように放送することは、一種の詐欺ではないのか。

  • 「年末年始に行きたい海外旅行のお勧め人気ランキング」でソウルが第3位と伝えていた。いったい何を根拠にこのような結果を出したのか。ほんの僅かな調査で、あたかも全てであるかのような伝え方はするべきではない。色々な角度からトータルに判断するべきではないか。因みに私が見たサイトでは、第9位だった。テレビの影響力を考慮し、正確な調査結果を伝えるべきだ。

  • 番組での同性愛者への扱いが、卑劣で屈辱的、かつ怪物のように仕立て上げられていた。それで笑いをとろうとしていることに怒りを感じた。同性愛者たちの心を踏みにじり、世間への誤解を助長させる内容だった。異性愛者にとっては面白いと思えるかもしれないが、同性愛者にとってはメディアを通した差別だ。テレビを作る人間はどう考えているのか。スターのゲイ疑惑のときの観客の反応、MCの言動すべてが不快であった。

  • 私は地方在住で、土日も仕事に追われている。病気の予防と健康増進を促すことは大変良いことだが、時間がなく加工食品に頼らざるを得ないこともある。また毎日決まった運動をすることは困難で、健康的な生活を営むことは到底難しい。お金と時間さえあれば健康になれることは当たり前だ。不安を煽らないでいただきたい。もっと多くの人にとって可能でコストもかからない予防法を番組のなかで広めてほしい。

  • 人間縄跳びという遊びを女性グループがやってみせた。遊びのように見えるが、いじめにつながりかねないものだった。縄にされた男性は「怖い」と何度も言ったが、危険だと止める人はいなかった。遊びなら全員が楽しいはずで、一人が苦痛や嫌な思いをするなら、それは遊びではなく、いじめだ。

  • 洋楽の歌詞が日本語に聞こえることを紹介するコーナーはなかなか良い。とても面白かった。このコーナーを見るまで、洋楽の歌詞が日本語に聞こえることは気にしたことがなかった。こういう楽しみ方も良いものだ。ただ、最近はスペシャル等の特別企画があまりにも少ない。毎年、年間の最優秀作品を決める企画があるが、10年近く前はこれとは別に不定期ではあるものの「名作100選」的なものが年に1~2回ほど放送されていたが、現在はほとんどなくなってしまった。20年以上も続く名物コーナーだけに、スペシャル等が以前よりも少なくなっていることは残念だ。不定期でも構わないので、また放送してほしい。

  • ゴルフ中継を通し、画面右上に「○○が大会連覇へ」というテロップが延々と出続けていた。なぜ、「筋書きのないドラマ」であるはずのスポーツに勝手に希望的観測を入れるのか。まだ「○○~大会連覇なるか」なら許容範囲内だが、「連覇へ」ではまるで、赤絨毯の花道が敷かれ、そこを選手が歩いているかのようだ。ハリウッドの大スターではない。また、きっと○○が断然長く画面に映っていたのではないか。トップならまだしも、終始2位や3位だった。トップは番組を通じて違う選手だった。視聴率ほしさは分かるが、民放地上波のゴルフ中継は、有名選手、人気者を余りにも持ち上げ過ぎている。これは他の選手や、選手の関係者にも大変失礼にあたるのではないか。

  • 旅番組で、お笑い芸人がステーキを食べながらワインを飲んだようなシーンがあり、その後、運転して宿に向かっていた。演出上のことであり、実際には飲酒運転をしていないと思うが、その旨を番組で明記したほうが誤解を招かなかったのではないのか。

  • 私の夫は「精神疾患」で、昔から世間の好奇の目にさらされ、嫌がらせにあってきた。「精神疾患」は脳の病気で、他の臓器と同じように身体の一部の病気だ。病院で適切な治療を受ければ改善し、受けなければ悪化する。しかし、現代社会ではまだ精神科通院に偏見があり、適切な治療を受けないばかりに、不幸な事件が起きることもある。不幸な事件や世間の偏見をなくすためにも「精神疾患」を理解してもらえる番組を作ってほしい。社会の理解があれば、家族も救われる。

  • 人気男性芸人が「生き別れた母に逢いたい」という企画だったが、数年前まで母親の所在は分っていたらしい。また以前ブログにも、母親の写真を掲載していたとの話だ。そのような状況で「生き別れ」とは、あまりにも誇大な表現だ。再現ドラマを交えながらドキュメンタリー風に番組を作っていたが、あまりにいい加減だ。どこまでがホントでどこがウソなのか、釈然としなかった。

【ラジオ】

  • いまだに平然と大物司会者を出演させ続けている常識のなさに呆れる。女性歌手が亡くなった件で、彼女の葬儀に参列すると話し、「私のカムバックにふさわしい舞台を用意していただいた」と番組で言った。全く信じられない感覚だ。人の葬式を自分の復帰の舞台と公共放送で発言する感覚は、一般人には全く理解出来ない。なぜこんな司会者をいつまでも使い続けているのか。

  • アナウンサー同士の"なれあい"かもしれないが、女性アナウンサーに対して「おばちゃん」などと言っている。とても聞き苦しいだけでなく、世の中のセクハラを推進することになる。公共の放送を利用して、ある年齢以上の女性を「おばちゃん」などと呼ぶべきではない。

【CM】

  • "デビルマンのように隈取りをして、黒いコートをまとった男性がビルの屋上から飛び降りる"というCMを見た。飛び降り自殺を連想させる内容で気持ちが悪い。BGMに"デビルマンのテーマ曲"が使用されていることも、いっそう不気味な雰囲気を醸し出している。自殺者が後を絶たない昨今、テレビCMとして不適切ではないか。

  • きのこメーカーのCMが卑猥で、青少年の教育によくない。卑猥な隠語らしきことばも品位がなく、主婦の購買意欲を低下させる。きのこは健康食品だ。もっと健康的なCMにしてほしい。

青少年に関する意見

【いじめ・虐待に関する意見】

  • "人間縄跳び"という、人間を縄に見立てて手足をそれぞれ持って振り、人が次々に縄になっている人を飛ぶという行為があった。子ども達が真似をした時に事故が起こる可能性もあるし、遊びの感覚でいじめに繋がりやすいとも思える。

【性的表現に関する意見】

  • ラジオを聞いていて、あまりに下劣な話の内容に驚いた。深夜放送とはいえ、男女間の性の話ばかりを放送して許されるのか。マスコミの影響力は大きい。出演者が青少年に人気のある芸人であれば尚更だ。

【暴力・殺人・残虐シーンに関する意見】

  • ドラマの中で、余りにも残虐なシーンが多すぎて困っている。小学生の子ども達が毎週見ていて、学校でも沢山の児童が見ているようだ。頭を撃ち抜かれるシーンや頭に弾痕が付いた死体を見せる場合、最低でも放送前に注意文を付け加える処置が必要だと思う。

【表現・演出に関する意見】

  • "子どもにお金の稼ぎ方を考えさせる"というコンセプトで、良い番組だと思った。しかし、番組の最後に登場した弁護士が挙げた具体例に疑問を覚えた。痴漢行為という実証が非常に困難な犯罪について、「相場は50万円だが私なら300万円取れる」と豪語していた。子どもを相手にしてそのようなことを言うと、相手を陥れて儲けることを教えることになる。下品な例えであり、もう少し考えてもらいたい。

  • 穀物酢の早飲みゲームを行っていたが、危険なので非常識としか言いようがない。酢が好きで挑戦していた女性タレントは自分の責任かもしれないが、他のタレントたちは「大丈夫なの?」と言いながらも無理にやらされた感じであった。彼らは胃や腸に炎症が起きているかもしれない。好きでやる人はともかく、芸人だからといってこういった危険なことを強要されることは、「体をはる芸」の域を超えている。また、子どもや若者が真似をする可能性もあるので、常識のある番組づくりをしてほしい。

【言葉に関する意見】

  • 多くのバラエティー番組に共通して言えることだが、出演者の言葉遣いが良くない。「マジっすか」や「超激ヤバ」「マジで超ハンパない」など、乱れた日本語を話す出演者がいる。ひどい場合は「死ね」や「殺す」と何度も発言したり、性的な発言や下ネタを言っている。ゴールデンタイムに放送している番組の場合、子どもが見ることもあるので、出演者の言葉遣いには十分注意してほしい。

第151回 放送と青少年に関する委員会

第151回–2013年11月

「暗闇で下着姿の芸人が女性タレントを驚かした」「人間縄跳びが、いじめに繋がる」などの視聴者意見があり、番組視聴の上討論したが、両番組とも「特に問題があると思えない」と、審議入りせず。

委員会後、在京局バラエティー制作者との勉強会を開催した。

第151回青少年委員会を11月26日、7人の委員全員が出席してBPO第1会議室で開催しました。今回は、二つの討論案件について話し合いましたが、いずれも審議入りしないことにしました。その他、10月8日から11月15日までに寄せられた視聴者意見と、11月の中高生モニター報告、また、3月に行う予定の中高生モニター会議など今年度の委員会活動について話し合いました。そのあと引き続き、NHKと在京キー局のバラエティー番組制作者を中心とした27人と委員による勉強会を開催しました。
次回委員会は12月16日に開催します。

議事の詳細

日時
2013年11月26日(火) 午後2時00分~午後3時10分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

  • 「暗闇で下着姿の芸人が女性タレントを驚かすのは青少年に悪影響を与える」「子どもが見ている時間帯に食べ物をタレントの前で爆発させるのは、常識を欠いている」などの視聴者意見があり、全委員が番組を視聴した上で討論しました。委員からは「自分では見たいとは思わないが、深く追及するほどではない」「食べ物を粗末にしている点が気になるが、審議するほどの問題は無い」という意見が出て、審議入りしないことにしました。

  • 「人間縄跳びをしていた。子ども達がまねをしたら危ない。いじめに繋がる」という多くの視聴者意見があり、全委員が番組を視聴した上で討論しました。委員からは「多くの意見が来たことを考慮しても、特に問題があるとは思えない」という意見が大部分で、審議入りしないことにしました。

中高生モニター報告

11月の中高生モニターは、「最近見た番組の感想(ドラマ・アニメ)」というテーマでリポートを書いてもらい、25人から報告がありました。ジャンル別では、ドラマのみ11人、アニメのみ11人、両方に関する意見が3人から寄せられました。
『リーガルハイ』(フジテレビ)は7人から、「半沢直樹と違う堺雅人さんの演技がとても好き」「訴訟を通じて思いもよらない考えや意見がたくさん出てきて、私もその意見に納得したり違和感を覚えたりしながら楽しんでいる」「毎週登場人物のキャラクターが面白くて欠かさず見ている」「見終わると気持ちがすっきりする大好きなドラマだ」などの熱い意見が寄せられました。アニメに関しては、「子どもも安心して見られる中身なので、深夜の放送時間帯ではなく見やすい時間帯で放送してほしい」とか、逆に「性的シーンの多いアニメが日曜日の夕方5時から放送されている」など、放送時間帯と中身に関する厳しい意見や要望が見られました。一方、『名探偵コナン』(読売テレビ)には「話が理解しやすく、1話完結で見やすい」、『京騒戯画』(BS朝日)には「ミステリーの要素とヒーロー物の要素の両方が備わっているので、子どもから大人まで楽しめる」、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)には「まる子ちゃんのおじいさんの俳句がとても笑えて家族で楽しめた」など、数多くの好意的な意見が寄せられました。
放送局では、フジテレビが9番組、NHKが5番組、テレビ朝日が3番組、TBSテレビが3番組、テレビ愛知が1番組、読売テレビが2番組、BS朝日が1番組、BS11が1番組となっています。
<自由記述欄>では、「ラジオ・テレビについて思ったことを自由に書いてください」と依頼しました。バラエティー番組に関して、「内容をもっと充実させてほしい」「最近は視聴者をひきつけるようなものが無い。面白くないものは時間をずらすとか終了するとかしないと番組が進歩しない」「やらせが発覚した番組があったが、今やらせを行っている番組があるとしたら、一刻も早く止めてほしい」「あまりに残念なやらせに、番組制作者側で誰かチェックする人がいなかったのか、不思議に思う」など、たくさんの辛口のコメントが寄せられました。ベテラン司会者の次男による不祥事については「成人した大人の不祥事なのだから、父親が活動を自粛する必要はない」という意見がありました。また、ラジオ番組に関して、「個性的な番組が多くてとても面白いと思う。小説を紹介する番組やジャズをひたすら流す番組など、マニアックな番組から新しい発見をよくもらう」など称賛する意見がありました。

◆中高生モニターと委員の主な意見

●【委員の感想] 子どもから大人まで見られる番組がいい、という意見がいくつか寄せられた。家族みんなで見て楽しめる番組が良いようだ。また、いろいろな仕事の現場を描いたドラマが将来の進路を決める参考になる、という意見も印象に残った。

  • (宮城・高校2年男子)『京騒戯画』(BS朝日)。この番組を見て僕は最近のアニメやドラマに感じなかった「子どもから大人まで楽しめる」ということを感じました。実際に僕は弟と毎週欠かさず一緒に見ています。

  • (山形・中学2年女子)『真夜中のパン屋さん』(NHK)。単身赴任中の父も見ていて、面白いよと言っていたので、今度このドラマの話をしてみようと思います。

  • (宮城・中学2年男子)『ミスパイロット』(フジテレビ/仙台放送)。私たち中高生は、実際になりたい職業の職場を知ることはできません。たとえドラマで誇張してある内容でも、将来の夢を考えるきっかけになると思います。

●【委員の感想】 自由記述欄に『ほこ×たて』(フジテレビ)に失望した旨を書いたモニターがたくさんいた。テレビ界全体への失望につながったようだ。

  • (愛媛・中学1年女子)『ほこ×たて』(フジテレビ/テレビ愛媛)のやらせにはとてもショックを受けました。家族とどちらが勝つかいつも楽しく予想していたので、衝撃も大きかったです。このやらせは、視聴者や出演者をばかにしていると思います。

  • (神奈川・中学3年男子)たとえバラエティーでも、真実を伝えるのがテレビなどのメディアであり、ねつ造ややらせなどは絶対にあってはならないことだと思います。実際に僕も番組の内容を信じて鵜呑みにしていたので、今回の件は裏切られた感じが強かったです。もうテレビなどのメディアを100%信じることなんてできないかもしれません。

  • (兵庫・高校2年女子)『ほこ×たて』(フジテレビ/関西テレビ)の打ち切りは、家族みんなで見ていたのでショックでした。真剣に見ていた分だけ、なんだかだまされた気持ちです。一度失った信頼を取り戻すのは大変です。テレビの向こうに私たちがいることを忘れないでほしいです。

●【委員の感想】 『リーガルハイ』(フジテレビ)に対する意見が多く寄せられた。幅広い年代で楽しめるとか、固定観念がくつがえされる、など、モニターによってさまざまな評価があった。

  • (神奈川・中学1年女子)このドラマは、小学生から大学生、お仕事をしている人、お年寄りまで幅広い世代が親しみやすいドラマだと思います。これからも、幅広い年代の人が楽しめるようなドラマを作っていただきたいです。

  • (新潟・中学3年男子)私は『リーガルハイ』(フジテレビ/新潟総合テレビ)がとても好きで一話一話何度も見ています。このドラマの魅力は、コメディーをベースに我々の固定概念をくつがえすような議論をしているところにあります。風刺コメディーとしてとても上質なこのようなドラマが、たくさん作られてほしいです。

●【委員の感想】 自由記述欄に番組に対する厳しく鋭い指摘が見られた。

  • (島根・中学3年男子)最近のバラエティー番組は、視聴者をひきつけるようなパッとしたものが無いです。長寿番組はちやほやされる傾向にありますが、番組も競争なんだから面白くないものは時間をずらすとか終了しないと番組が進歩しないです。

  • (福岡・高校2年男子)最近はテレビの自主規制が過剰であると感じる。規制が過剰であれば表現の自由や独創性が失われる。もう少し視聴者を交えた開かれた議論が必要ではないか。

●【委員の感想】 テレビを見ている時間帯が本当に幅広くなり、中高生の生活時間帯の変化を感じる。

  • (岐阜・中学1年女子)『境界の彼方』(テレビ愛知)の放送時間は夜中の1時です。11時、12時などもう少し時間を早めたらいいのにと思います。

  • (岐阜・高校1年男子)テレビは、もっぱらビデオにとり、夜中に見ています。毎日、塾があり、帰ってくると11時です。このビデオを見るのがストレス発散です。

●【委員の感想】 アニメに対して熱心に報告を書いてくれたモニターがいた。アニメの国際化について触れたり、内容と放送時間帯のミスマッチに言及したモニターもいた。

  • (千葉・中学2年男子)アニメの国際化に興味があります。他の国の作品をもっと見てみたいです。また、日本のアニメ番組が海外の言葉で放送されているらしいのですが、異なった言語で吹き替えられた作品を見てみたいなとも思いました。

  • (岐阜・中学2年女子)『マギ』(毎日放送/中部日本放送)は日曜日の夕方5時から放送していますが、私はこの放送時間と放送曜日が適格でないと思います。なぜなら、このアニメはグロテスクなシーンはありませんが、その代わりに性的なシーンがあります。なので、日曜日というみんなが休みで、子どもが起きている時間に放送するのはやめてほしいと思います。

今年度の青少年委員会活動について

  • 3月16日に開催予定の中高生モニター会議について現状報告がありました。

  • BPO10周年記念事業についての説明がありました。

在京局バラエティー制作者との勉強会 概要

青少年委員会は11月26日に、NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビのバラエティー番組を中心としたプロデューサー、ディレクターなど27人と、汐見委員長ら7人の委員が参加して、「いじり」や「いじめ」問題を中心とした勉強会を、千代田放送会館で開催しました。
小田桐委員が司会役を務め、最初に、最近の青少年委員会で話し合われている「いじり」や「いじめ」に関する問題について、意見交換が行われました。視聴者から寄せられた意見も踏まえながら、論議が交わされました。
次に、バラエティー番組を制作する上での基本的な考え方や方針について話し合われました。委員から、罰ゲームとはどのようなものと考えているか、子どもが真似するという視聴者の指摘についてどう認識しているか、などの質問が出されました。制作者側からは、バラエティー番組の「フィクション」と「ノンフィクション」のすみ分けなど、番組企画の理念の具体的な説明がありました。
また、番組の制作過程についても話し合われ、制作者側からは、現場では「制作者の意図と、番組を見る視聴者の受け止め方にギャップがないか」など、論議を重ねて作っている現状が述べられました。さらに、委員に対する質問や、委員会に対する意見・要望も出されました。
「勉強会」は、青少年委員会の活動の理解促進と、制作現場の生の意見を聞くことを目的に開催しています。汐見委員長は、「こういう忌憚のない意見を述べ合える勉強会をずっと開催したかった。もっと制作現場の話を聞きたい」「テレビを見て笑うことは、国民共通の富であり、国民の笑いはその国の力を表す」「楽しく見て笑えるバラエティー番組を躊躇せず、臆せず作っていってほしい」「テレビ番組制作者は、文化を"作る"一方で、"広める"という重要な二役をやっている。笑いの質が多様化していることを認識しつつ、視聴者に広く受け入れられ愛される21世紀の笑いのスタイルを作っていってほしい」と、2時間にわたる勉強会をまとめました。

2009年4月25日

2009年4月25日

「BPO報告」2008年度年次報告会特集号について

BPOでは毎年度末に、構成員である放送各社を対象に年次報告会を開催していますが、2008年度の年次報告会ではBPO3委員会委員長による総括的な講演が行われました。その記録をホームページ上で公表することにいたしました。


pdf 「BPO報告」2008年度 年次報告会特集号 [PDFファイル]

2010年4月28日

2010年4月28日

「BPO報告」2009年度年次報告会特集号について

BPOでは、年度末に構成員である放送各社を対象に年次報告会を開催しています。2010年3月25日に行われた「2009年度BPO年次報告会」では、BPO3委員会委員長の講演が行われました。飽戸理事長の開会挨拶とあわせて、講演の内容を公表します。

pdf 「BPO報告」2009年度年次報告会特集号 [PDFファイル]

2011年5月10日

2011年5月10日

「BPO報告」2010年度活動特集号について

BPOでは、年度末に構成員である放送各社を対象に年次報告会を開催しています。2010年度の年次報告会は震災の影響で中止しました。年次報告会では、BPO3委員会委員長の講演が行われており、今回、講演に代わり、3委員長と飽戸理事長に2010年度を振り返っていただきました。

pdf 「BPO報告」2010年度活動特集号 [PDFファイル]