2022年12月26日

2022年 12月26日

年末年始のBPO業務について

BPOでは、2022年度年末年始の業務対応を次のとおりといたしますので、お知らせいたします。

  • 通常業務は、年内は12月28日(水)まで、新年は1月4日(水)からといたします。
  • 12月29日(木)~1月3日(火)は、視聴者応対電話、放送人権委員会の相談電話を含め、
    業務を休止します。
  • 業務休止期間中、郵便物の受領と、メール、ファクスの受信は行いますが、対応は原則として業務再開後となります。

2022年11月2日

宮城・山形地区テレビ・ラジオ各局と意見交換会を開催

宮城・山形地区のテレビ・ラジオ12局と放送倫理検証委員会との意見交換会が、2022年11月2日、仙台市内で開催された。放送局側の参加者は12局40人、委員会からは小町谷育子委員長、岸本葉子委員長代行、高田昌幸委員長代行、井桁大介委員、大石裕委員、長嶋甲兵委員、西土彰一郎委員、米倉律委員の8人が出席した。放送倫理検証委員会が新型コロナ感染拡大のため開催を控えていた地方での意見交換会を開くのは、2020年2月の大阪地区での開催以来2年9か月ぶりのことである。

開会にあたり、小町谷委員長が「意見交換会は研修会でも勉強会でもなく、参加者が互いに意見を活発に交換していただく会であり、BPOをよく知ってもらう機会だ。委員にとっては、地方局が抱えている問題点や悩みを教えていただく会でもある。実りの多い意義のある会にしたい」と挨拶した。

意見交換会の前半では、これまでに公表した委員会決定を踏まえ、「政治的公平性」と「番組と広告の境目」の2つのテーマについて、担当委員が説明するとともに質疑応答を行った。

「政治的公平性~委員長談話から」

冒頭、小町谷委員長がBPOおよび放送倫理検証委員会の設立の経緯や「審理」と「審議」の違いなどについて解説した。その上で「BPO放送倫理検証委員会とは何かと思ったときには、『委員会決定第1号』を読んでもらうと理解が進む。そこには『倫理は、外部から押しつけられるものではなく、内発的に生まれ、自律的に実践することによって鍛えられるものである』とあり、委員会の役割として『放送界が放送倫理と番組の質的向上のたゆまぬ努力をかさね、多様・多彩な放送活動をより自由に行うよう促すこと――委員会がめざすのは、この一点である』」と宣言していることに改めて言及した。
その上で小町谷委員長は、2022年6月に出された毎日放送『東野&吉田のほっとけない人』についての委員長談話を踏まえ「政治的公平性」について講演を行った。この中で委員長は、同番組には日本維新の会の橋下元代表、松井大阪市長、吉村大阪府知事の3人がそろって出演し、会の政策については多く語られたが、異なる視点があまり示されておらず、委員会は政治的公平性を損なっていると判断したと、経緯を説明した。一方で、政治的公平性についての意見書を公表すると、放送局が政治問題を伝えるにあたって質的公平性を追求する足かせになるのではないかということを懸念し、また放送後、(当該放送局の)番組審議会で厳しい意見が出され、社内チームによる調査がきちんとなされるなど、自主・自律的に事後対応が行われたことも考慮し、審理・審議入りはしなかったと述べた。
また視聴率を重視して、話題性のある面白い発言をする政治家がキャスティングされると、党派的に偏りが生じ、情報にも偏りが出る恐れがあること、異なる視点が提示されないと、1党派の政策が一方的、肯定的に放送されるきらいがあるなどの問題点が垣間見えたと述べ、政治的公平性を真剣に議論する努力を欠いた番組によって一番不利益を受けるのは、偏った情報を受け取ることになる視聴者であることを懸念し、委員長談話を公表したと述べた。
続いてこれまでに公表された選挙報道に関する委員会決定などに触れ、「特に参議院選挙では、その地域の候補者だけを取り上げたために、地方局の番組が審議入りすることが多い。放送局が独断で比例代表制の設定している選挙区域とは異なる区切りを設定して放送することは、選挙の公平・公正性を害し、選挙制度そのものをゆがめることになる」として注意を促した。
最後に小町谷委員長は、「放送倫理検証委員会は放送法改正の問題をきっかけに設立された。このため政府の動きは常に意識し、政治に向き合うことを余儀なくされている。だからこそ政治的公平性や選挙報道のような民主主義に直結する報道、放送については敏感にならざるを得ない。一方で政治についての意見を表明すればするほど、放送現場を窮屈にさせることになることも懸念している。多様な放送、よい番組が生まれるためにも、委員会は常に抑制的でなければならないと考えている」と締めくくった。
参加者からは「知事や市長等政治家の発言については、一方的にならないよう、公平・公正のバランスを考えているが、例えば、告示1か月を切ったあたりに、対立候補との接戦が見込まれるようなタイミングでコロナウイルスの感染爆発が起きたり、行政側の対応を追及しなければならない場合には、(現職の)出演自体を相当悩むと思う」という意見があった。
これに対し大石委員は「選挙とそれ以外の時は区分する必要があるが、すべて平等に取り上げるのではなく、その問題が重要だという強い認識があれば、掘り下げて報道することこそ放送ジャーナリズムの役割だ。それが『質的公正』である。選挙期間中でも、選挙関連報道が常に優先されるべきというわけではない。緊急事態が生じた場合には、関連情報を伝え、地域の人達の安全を優先するという判断を行うべき」と答えた。
また、長嶋委員は「放送局側は自ら忖度したり、萎縮したりして、党の政策などに切り込むことを怠っているのではないか。もっと党の主張などについては深く伝えないと視聴者は選択することもできない。メディアの役割を自覚し、外部からのさまざまな圧力は局側がポリシーをもって突っぱねてほしい」と述べた。
他の参加者からは、民放連放送基準(12)に関連し、「社員アナウンサーが参議院選挙に向けて立候補の準備をしていたが、出馬宣言前に他のテレビ局で報道されてしまったため、民放連等にも確認しながら、そのアナウンサーの録音番組・生放送を急遽差し替えたり取りやめた。予定していたお別れの挨拶番組もできず、結構大変だった。その後は、フリーの出演者でも選挙に出るかもしれないという報道が出た時点で本人の出演を止めるということにしている」という事例が報告された。

「番組と広告の境目について」

番組と広告をめぐる問題についてこれまで委員会が公表した2つの委員会決定(第30号、第36号)および委員長談話(2020年)を振り返り、事案の問題点と教訓、番組と広告の境目をめぐる問題を判断するための枠組み、枠組みの中で留意すべき視点などについて西土委員が講演した。
同委員は、放送倫理検証委員会の役割はガイドラインの策定を行うことではなく、民放連放送基準や各局の番組基準などを判断基準として、第三者としての視点から番組を検証し、判断することにあると強調した。
そして、番組と広告の境目を検証するための基準は、民放連放送基準(92)「広告放送はコマーシャルによって、広告放送であることを明らかにしなければならない」と民放連の「番組内で商品・サービスなどを取り扱う場合の考査上の留意事項」(2017年)であり、特に後者は番組と広告の境目を判断するための枠組みを示していると述べた。「留意事項」では特に留意すべき事項として3点を挙げているが、これはあくまで例示であり、実際の運用にあたっては視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていないかを総合的に判断する必要があり、そのための視点の一つは局による番組の位置づけが視聴者に理解されているかどうかであると指摘した。また、番組内の個別の要素・場面をとりあげて倫理違反を見出すのではなく、視聴後感において番組全体が広告放送であるとの印象を残すか否かがより重要だと述べた。その上で、総合的判断を行うためのポイントは、なぜ視聴者に広告放送であるとの誤解を招いてはならないかということを常に考えることだと述べ、番組と広告の線引きの判断に迷ったら、委員長談話「番組内容が広告放送と誤解される問題について」に記されている「『番組』は視聴者からの信頼を前提として放送されている。ところが『番組』の中に『広告』の要素が混在し、『番組』と『広告』の識別が困難になれば、視聴者の商品・サービスに対する判断を誤らせ、ひいては放送事業者に対する信頼や、番組の内容に対する信頼が損なわれてしまうのではないか」という原点に立ち戻ってほしいと訴えた。そして、緊張感をもって一線を画す日々の作業を記録し、検証することを積み重ねていけば、問題が起きた場合にも説明することができ、何よりも視聴者の信頼に応えることができると述べた。
続いて、高田委員長代行は「番組はあらゆるものから独立して、放送局、放送人が自らの判断で、役に立つ、有益である情報を視聴者に対して伝えることだ。その意味で、番組制作者が忠誠を第一に誓っているのは視聴者。広告は広告主から対価を得て作られており、第一に忠誠を誓うのは広告主。民放番組では両方とも必要であり、だからこそ、これは広告、これは番組だときちんとわかるように放送すること、視聴者目線に立って考えるというシンプルなことが強く求められているのではないか」と述べた。
参加局からは「ローカル局にとって、1社提供の番組は(営業的に)非常に大きい。長野放送の問題などが立て続けにあったとき、一時的に1社提供の番組を自粛した時期もあった。しかし制作現場と営業の間を編成、考査などがつないで何ができるかを詰める作業を繰り返し行うことで色々な問題を克服し、1社提供の番組が実現できた」という報告もあった。

後半は「委員と語ろう」と題して、参加局に対する事前アンケートで関心の高かったジェンダー表現について意見を交わした。

「ジェンダー表現」

アンケートには以下のような回答が寄せられた。

  • 「原稿で、どこまで性別に言及するのかいつも悩んでいる。30代の女性医師、容疑者の男・・・。絶えずデスクと記者が議論、話し合いをしている」

  • 「水着や浴衣の今年のトレンドをリポーターが紹介。どうしても女性ものが華やかで、たくさん飾ってある。男物を扱わなくていいの?って誰かが言ったら、ワンカット紹介して。本質的にこれ、どうなのかなって思いながら仕事をしている」

これらの回答に対して、まず岸本委員長代行が作家や番組出演者としての経験を披露し、「共通する大前提は、性別を言う必要がない場面では言わないということだ。エッセイでは、話の流れに支障がなければ、女性店員と書くところを店員、スタッフなどに置き換える。店員の様子を思い浮かべて欲しいときは、女性ということは書かず、例えばつけ睫毛や髪の長さなど外見で表現する。ラジオでは、縁側でおばあさんがネコと日向ぼっこと言うべきところを縁側でお年寄りがとか、おじいさんあるいはおばあさんでしょうかと両論併記的な言い方をしている。テレビには映像があるので、男性、女性と言う必要がないことが多いと感じている。ただ、容疑者が逃走中のときは、男、女と言うのは視聴者にとって重要な情報だと思う」と述べた。
小町谷委員長は参考になればと断ったうえで「女性医師、女性弁護士、女流作家などの言い方があるが、そうしたプロフェッションの人は自身が『女性の~』とは思っていない。プロフェッションの自尊心を傷つけるジェンダーの使い方はやめた方がよいと思う。私は弁護士であり女性弁護士とは思っていない」とコメントした。
また、米倉委員は「放送局はオールドメディアという言われ方をしているが、それは旧来の価値観を保持しているメディアと見られているということだ。どのような表現をするかはケースバイケースで対処せざるを得ないが、考えなければならないのはジェンダーバランスだけではなく、ダイバーシティについて意識的であるということだ。常に変化していく表現については、職場内での議論を含め日常的に試行錯誤していかなければならない時代に来ている」と述べた。
高田委員長代行は「差別問題は特定の言葉を使わなければいいとか、危ない言葉に触れなければいいという発想になりがちだが、虐げられている立場の人、その人がどういう境遇だったかという現実の問題にどれだけ制作者が向き合ってきたかどうかが問われているし、今後も問われる」と発言した。
井桁委員は「放送における小さな言葉の言い間違いやうっかりミスなどと、国や自治体がマイノリティーを虐げるような政策を打ち出したり、政治家が明らかな差別的意識に基づく発言することを一緒くたにして議論することには違和感がある。放送には大きな影響力があり、差別的な用語や表現に注意することは大事だが、どうしてもケアレスミスは残ってしまう。問題のある言葉をゼロにするために、内部で言葉の意味を一つ一つチェックすることを自己目的化させることなく、より本質的に問題のある施策・姿勢をしっかりと検証する方向により注力してほしい」と述べた。

参加者からは、「いわゆる専業主婦の取材をする際、何も考えずに台所仕事の様子を撮影しがちだが、本当にそれでよいのかを考えるようになった。私たちの中には古くからのジェンダーバイアスのようなものがあり、原稿でも映像でも、それをどう払拭していくか考えなければならない時代だと感じている」という意見があった。

最後に参加局を代表して、仙台放送柳沢剛番組審議室長が「放送局の自主・自律を図るため、視聴者の信頼を得るため、できることを突き詰めていきたい。視聴者・スポンサー・放送局の『三方良し』を目指し、今日の議論を宮城・山形の各局が現場にフィードバックしていければと思う」と挨拶した。

終了後参加者から寄せられた感想の一部を以下に紹介する。

  • 今年6月に出された委員長談話が指摘する「視聴率重視から生じる懸念」については、意味は十分理解するが、多くの人が関心を持つ「人」や「事柄」を取り上げることで、政治について関心を持ってもらったり、投票率の向上に寄与したりという効果もあるのではないかと思う。「質的公平性」をどう考え、どう実現していくかが課題だ。

  • 委員から「番組か広告かの問題について、ローカル局がなぜ大騒ぎしたのかわからない」との感想があった。テレビ・ラジオが広告としての媒体価値を落とすなか、ローカル局ではコスト削減を優先し、ともすれば手を抜いた安易な作業に流れがちである。一つ間違えれば自局も同じことになっていたかもしれないという危機感が多くの局にあったと思う。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とならないよう、制作の現場でよく考え大いに悩むことが重要と再認識した。

  • BPOという組織に、あまりポジティブな印象を持っていなかったが、委員の方々の顔を見ることができて正直少し安心した。委員の中にも色んな職業・立場の人がおり、みんなが個々の意見をぶつけながら結論を導き出しているのだと、会話を聞いて改めて認識した。
  • 意見交換会は、BPOが「向こう側」の存在ではなく、「こちら側」で一緒に試行錯誤する存在であるということ、また「こちら側」では、各局がそれぞれ共通の悩みを抱える同志でもあるということを知る大切な機会だと思う。

以上

第311回放送と人権等権利に関する委員会

第311回 – 2022年12月

「ローカル深夜番組女性出演者からの申立て」審理…など

議事の詳細

日時
2022年12月20日(火)午後3時~午後6時
場所
千代田放送会館会議室
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、二関委員長代行、國森委員、斉藤委員、
野村委員、丹羽委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「ペットサロン経営者からの申立て」審理

日本テレビは、2021年1月28日午前8時からの『スッキリ』で、「独自 愛犬急死 “押さえつけシャンプー”ペットサロン従業員ら証言」とサイドスーパーを出しながら、ペットサロンに預けられていたシェパード犬がシャンプー後に死亡した問題を放送した。放送は、犬の飼い主やペットサロン従業員など複数の関係者の証言を基に構成されていた。
この放送に対して、ペットサロン経営者の申立人は、「同番組内で申立人が、お客さんから預かっていた犬を虐待して死亡させたなどと、虚偽事実」を放送したと主張し、「字幕付きの放送をしたことで、申立人が預かっていた犬を虐待死させたかのように印象付け、事実に反する放送をすることで申立人の名誉を侵害した」として、BPO放送人権委員会に申し立てた。
これに対して日本テレビは、放送内容は真実であり、また「当社は事前に十分な取材を行っており、真実であると信じるにつき相当な理由」があり、「私たちの取材・放送によって人権と名誉が侵害されたという申立人の主張はいずれも根拠が無く、受け入れられません」と反論している。
今回の委員会では、再修正された決定文草案について各委員が意見を述べ、概ね意見の一致をみた。次回委員会で最終的に文案を点検することになった。

2.「ローカル深夜番組女性出演者からの申立て」審理

申立ての対象となったのは、あいテレビ(愛媛県)が2022年3月まで放送していた深夜のローカルバラエティー番組『鶴ツル』。この番組は男性タレント、愛媛県在住の住職とフリーアナウンサーである申立人の3人を出演者として、2016年4月に放送が開始された。3人が飲酒しながらトークを行う番組だが、申立人が、番組中での他の出演者からの度重なるセクハラ発言などによって精神的な苦痛を受けたとして申し立てた。
申立書によると、番組開始当初から苦痛、改善を訴えていたにもかかわらず、放送された他の出演者のトークが、申立人自身に対するものも含めてしばしば性的な内容に関することに及んで申立人に羞恥心を抱かせることで、また、そのような内容の番組の放送によって申立人のイメージが損なわれたことで、人権侵害を受け、放送倫理上の問題が生じたと主張している。
被申立人のあいテレビは、申立人は番組の趣旨を十分に理解した上で出演しており、申立人からの苦情も2021年11月が初めてで、また、番組の内容も社会通念上相当な範囲を逸脱しておらず、人権侵害や放送倫理上の問題はない、と主張している。
今回の委員会では、ヒアリングに向けて論点や質問項目を検討した。また、社会通念上許容できる範囲を探るため、BPOに寄せられたバラエティー番組での下ネタやセクハラについての視聴者意見を情報共有した。

3. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況を報告した。

4. その他

12月2日に札幌で開催された北海道意見交換会の事後アンケートなどについて事務局から報告した。

以上

2023年度「中高生モニター」募集のお知らせ

2023年度「中高生モニター」募集のお知らせ

募集は締切ました。

BPO・放送と青少年に関する委員会[青少年委員会]では、2023年度「中高生モニター」を下記の要領で募集します。モニターには、毎月1回、様々なジャンル(バラエティー・ニュース報道・ドラマなど)の番組をテーマに、率直な意見や感想を送ってもらいます。報告は、青少年委員会の議論の参考となり、各放送局にも送られます。任期は1年です。

 応募要領

  • 【任期】 2023年4月~2024年3月

  • 【応募条件】

    • (1) 上記の任期中、中学1年生から、高校3年生までであること

    • (2) 保護者の同意を得ていること

    • (3) テレビやラジオに関心があり、月1回放送に関する意見を報告できること

  • 【募集人員】 30人程度

  • 【応募方法】
    • 専用の応募用紙に氏名・住所・年齢・学校名・電話番号・メールアドレス(ある方)・「モニター応募の理由」など必要事項をお書きいただき、必ず保護者が署名および押印を行ったうえで、以下の宛先までご郵送ください。
      応募用紙(PDF形式)は、ここをクリックしてプリントアウトしてください。

    • ※いただいた個人情報は、モニター申し込みに関する受付確認やモニター運営業務のために利用いたします。ご本人の同意なく目的外で利用したり、第三者に開示したりすることはありません。

  • 【応募締切】 2023年1月25日(水)※当日消印有効

  • 【あて先】

    〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館7階
    BPO・青少年委員会 中高生モニター係

  • 【採用決定】
    採否については、2023年3月下旬までにご連絡します。

  • 【報告への謝礼】
    月々のリポート提出者には、毎月図書カード1000円分をお送りします。

  • 【報告の公表】
    毎月送っていただくモニター報告は、BPO会員の各放送局に送られるとともに、『BPO報告』ならびにBPOウェブサイトに概要を公表します。


以上

「中高生モニター制度」について

このたび、2023年度「中高生モニター」を募集するにあたり、制度のご説明をさせていただきます。

放送倫理・番組向上機構[BPO]の放送と青少年に関する委員会[青少年委員会]では、青少年の育成に資する放送の在り方について、一般視聴者から寄せられる意見などをもとに話し合いをしています。しかし、一般視聴者から寄せられる意見を年代別に分類すると、青少年からの意見が大変少ないのが現状です。そこで、青少年のテレビ・ラジオに関する考え方や、番組に対する意見を知り、より良い番組作りにつなげるため、2006年4月「中高生モニター制度」を設けました。
毎年、全国の中高生30人前後をモニターに選出し、月に一度、様々なジャンル(バラエティー・ニュース報道・ドラマなど)の番組について、率直な意見や感想を報告してもらっています。中高生モニターのみなさんの「声」は、概要をBPO報告等に掲載するほか、当該放送局にもお送りし、制作現場に伝えられ、番組作りの参考にしていただいています。

つきましては、上記趣旨をご理解の上、ご協力をお願いいたします。

第178回 放送倫理検証委員会

第178回–2022年12月

NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見への対応報告を了承

第178回放送倫理検証委員会は12月9日に千代田放送会館で開催された。
委員会が9月9日に通知・公表したNHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見について、当該放送局から再発防止に関する取り組み状況などの対応報告が書面で提出され、その内容を検討した結果、報告を了承して公表することにした。
また、11月にBPOに寄せられた視聴者意見が報告され議論を行った。

議事の詳細

日時
2022年12月9日(金)午後5時~午後6時30分
場所
千代田放送会館
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、西土委員、米倉委員

1. NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見への対応報告を了承

9月9日に通知・公表したNHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見(委員会決定第43号)への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。
報告書には、委員会決定の内容を全国の放送局に周知徹底した上で、再発防止を徹底する勉強会を200回以上実施していることや、放送倫理検証委員会の委員を招いて研修会を開催したことなどが記されている。また再発防止に向けて、全国の放送局に番組やコンテンツの正確さやリスクについてチェックする「コンテンツ品質管理責任者」を新たに配置したこと、「複眼的試写」の対象となる番組を拡大し、より明確なルールを設けたこと、ニュース企画用に「取材・制作の確認シート」のチェック項目を一部変更した「ニュースの確認シート」を新たに導入したこと、職員のジャーナリストとしての再教育にも不断に取り組んでいくことなどが報告されている。
委員からは、再発防止策が充実した内容になっている、ジャーナリスト教育等に触れている点を非常に興味深く拝見したなどの意見が出され、報告を了承し、公表することにした。
NHKの対応報告は、こちら(PDFファイル)

2. 11月に寄せられた視聴者意見を議論

ラジオ番組で俳優の急死を伝える際に違法薬物を使用していたかのような発言をパーソナリティーが繰り返していたこと、バラエティー番組の落とし穴企画の収録中にタレントが腰椎を圧迫骨折したこと、ドキュメンタリー番組で料理店の料理人を店長と紹介するなどの誤りがあったことなどを事務局が報告し、議論した。

以上

2022年11月に視聴者から寄せられた意見

2022年11月に視聴者から寄せられた意見

著名な料理人たちがファミリーレストランの現行メニューの「合否」を判定するバラエティー番組の企画などに多くの意見が寄せられました。

2022年11月にBPOに寄せられた意見は1,471件で、先月から558件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話16%、郵便・FAX1%。
男女別は男性41%、女性15%で、世代別では40歳代28%、30歳代22%、50歳代18%、60歳以上13%、20歳代13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、11月の送付件数は532件、37事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から13件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

著名な料理人たちがファミリーレストランの現行メニューの「合否」を判定する企画、出演タレントが腰椎を圧迫骨折したという落とし穴企画などに多くの意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は40件、CMについては11件でした。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は62件で、前月から61件減少しました。
今月は「表現・演出」が26件、「いじめ・虐待」が13件、それに「性的表現」が6件、「言葉」が4件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • ラジオ番組で女優の訃報を伝える際、あたかも彼女が違法薬物を使用していたかのような発言をパーソナリティーが繰り返していた。明確な根拠は一切示されず、憶測の域を出ない内容。こんなことが許されるのか大変疑問。

  • 違法薬物の使用を疑うような発言から5日たって、パーソナリティーから「新聞記事の意味を取り違えていた」との釈明があった。故人が犯罪者であったかのような発言がこの説明で許されるのか。

  • 給食時の黙食廃止について「黙食には慣れた。廃止は感染拡大に繋がらないか心配」と答えた男子中学生の静止画像をスタジオで示し、出演者が「こういう慎重な人がいるから普通の生活に戻らない」と発言。この男子生徒がいじめに遭わないか心配になった。軽率な番組制作だと思う。

  • 情報番組で「学校健診での上半身脱衣」を取り上げていた。医師による盗撮の事例などを挙げ、出演者たちはおおむね「脱衣に反対」。「健診での脱衣は不必要なのに行われている」との印象を受ける内容だった。しかし着衣だと、聴診器に服が擦れる音で心疾患のサインを聴き逃したり、側弯症の発見が遅れたりする可能性がある。病気や虐待の兆候を見逃さないためには脱衣が最善のはず。医師の意見もきちんと放送するべきだと思う。

  • 報道での効果音やBGMは芸能やスポーツ以外では禁止してほしい。事実を正確に伝えるべきなのに、効果音やBGMを多用することで視聴者に与える印象を著しく左右していることは間違いないと思う。

【バラエティー・教養】

  • タレントがバラエティー番組の落とし穴企画で腰椎を圧迫骨折したとのこと。建築業界では「1メートルは一命取る」と言われる。「落下は1メートルであっても死ぬ可能性があるから油断するな」という意味だ。今回、落とし穴は1メートル以上だったそうで危機管理が全然ダメだ。落とし穴企画は各局でやっている。他人事だと思わず対策を考えるべき。

  • 落とし穴企画は事故防止の専門家などが監修した上で撮影しているのだろうか。

  • ファミリーレストランのロングセラー人気メニューを著名な料理人たちが「不合格」と判定。出演した料理人がネットで「批判を誇張する演出は残念」と書いている。事実を歪曲する恣意的な編集がされたのではないだろうか。

  • 番組でファミリーレストランのロングセラー人気メニューを「不合格」と判定した料理人たちがネット上で批判されている。専門家の意見が視聴者の感情によってねじ伏せられかねない状況に危機感を覚える。プロの評価が素人と異なるのは仕方のないことだ。番組側は料理人たちをこの状況から守ってほしい。

  • 偽の刑事ドラマ撮影現場で超指向性スピーカーからターゲットにだけ誤った合図が聞こえてNGを連発、"大御所俳優"がいら立つというドッキリ。体を張るお笑い芸人とはいえ、理由も分からず何度も池に飛び込まされ、"大御所俳優"に叱られる様子を見るのは気分が良いものではない。肉体的にも精神的にも出演者にもっと配慮するべきだと思う。

  • 長時間にわたって人を苦しめて、スタジオ出演者やスタッフがそれを見て笑うような番組を流すことはやめてほしい。人が苦しんでいる姿を面白いと思うような子どもが出てくるのではないかと心配。

  • バラエティー番組で、アゴが長いことをネタにしているタレント専用のマウスシールドを作り、その形や大きさを笑っていた。これを笑いにする制作者の「いじめの香り」を感じ不快になる。私は顎変形症で手術するまで彼と同じような顔の形だった。この病気の人は多くが好奇の目にさらされ、辛い思いをしている。病名のつくような外見を笑いにしないでほしい。

  • ドキュメンタリー番組を見て素晴らしい話だと感銘を受けたが、他のメディアの報道によって番組の内容がうそで自分がだまされていたと知り、憤りを感じる。「誤り」にしては不自然。美談をねつ造したのではないのか。問い合わせても曖昧な内容の返信しかない。

  • 物価高で生活が苦しい人、食べ物にありつけない人がたくさんいる。それでも大食い番組を放送するのはどんな神経なのか。「政府は貧困対策を」などとどの口が言っているのか。

  • 悪路、野生動物の襲撃など命の危険がある通学路を通る海外の子どもたちのドキュメントを見た出演者が「なんだ、ただ学校に行っただけじゃないか」などとコメント。実際の感想なのか演出なのか知らないが、こんな発言は絶対に良くないと思う。「教育をみんなに」などテレビ業界の"SDGs"のアピールはやっぱりうわべだけだったんだなと思った。

  • 温泉盗撮組織を取り上げた際、イメージ映像の女性が温泉の湯船に長い髪を浸して入浴していた。髪を縛るなどしてお湯に髪をつけない衛生的な配慮がなく不快だ。このような公衆道徳に反する表現を許さないでほしい。昨今、温泉や公衆浴場でこうした行為を見かけることが増えたと感じる。今回の映像はそうした行為を肯定することになってしまう。

  • タレントたちに時事問題を解説する番組で「日本の税収が減った」と伝えていたが、税収は増えていて2022年度の一般会計税収は68兆円余りと過去最高の見通し。きちんとファクトチェックしているのか。

  • バラエティー番組で山中の川のそばにローションと入浴剤を混ぜて偽物の露天風呂を作り、タレントが入浴していた。この溶液が周辺の環境に拡散しないように防いでいる様子はなく、また収録後にこの溶液をどう処理したのか説明はなかった。番組内で説明が必要だったと思う。

  • 番組で過去のテレビドラマを扱った際、放送当時は大手芸能事務所に所属していて後に退所した主演タレントの映像だけが一切放送されなかった。事情は分からないが視聴者としては大きな違和感を覚え、まだこんなことをあからさまにするのかと落胆した。

  • 私は視覚障がい者。点字での投稿が可能だという文芸のラジオ番組に、啓発の意味であえて点字での投稿を続けていたところ、1年近くたってから番組担当者から連絡があり「点字の翻訳が締め切りに間に合わない。点字で投稿するならば、誰かに訳してもらい点字に添えて投稿してほしい」と言われた。そうであれば「点字投稿不可」と明記すべきだし、1年も放置せずすぐに連絡すべきではないか。このような対応は納得しかねる。

  • コンプライアンスが厳しくてやりたいことが表現できないと話す芸能人がいるが、コンプライアンスを言い訳にして放送する側・演じる側が自主規制をしているようにしか思えない。テレビは影響力が大きいのである程度の規制は仕方がない。しかし、本当に表現したいことがあるなら多少の批判は受け入れて放送すればいいと思う。賛同する視聴者もたくさんいるだろう。時代に合わなくなった自分の芸を自覚せず、コンプライアンスのせいにしているのは見苦しい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、男性芸人の体の大事なところにドッジボールを投げて、わざと当てるドッキリをやっていた。これはけがをするし、大変な痛みだろう。何より子どもがまねたら大変なことになると思う。

  • バラエティー番組の罰ゲームで、男性芸人を4歳の子どもたちが取り囲んで、たたいたり蹴ったりするものがあった。演出する大人が子どもたちに指示して暴力を振るわせるのは心理的な虐待だろう。やめてもらいたい。

  • 子ども向け特撮ドラマで、出演者がほかの出演者に向けて消火器を噴射していたが、子どもがまねをしたら危険ではないのか。

  • バラエティー番組のドッキリ企画で、女性芸人の30歳の誕生日を祝うと称して、背後から大声で急に「コラッ」と叫ぶことを合計30回続けた。リラックスした状態や食事中にも怒鳴っていて、本人は「食べているものが一瞬、のどに張り付いた」という。かなり危険な行為で、子どもがまねしたら窒息につながりかねない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 偽の刑事ドラマ撮影で男性芸人に、共演する大御所俳優の前で5回連続してNGを出させるドッキリがあった。仕掛けた側は成功するたびに喜んでいたが、ゴールデン帯の番組で子どもが見ているので、いじめを助長するのではないか。

  • このドッキリは超音波を使ってにせの合図を男性芸人だけに送り、5回も誤って池に飛び込ませたもの。本人が憔悴するまで追い詰める内容はいじめそのものであり、非常に不快極まりない。「ここまで人を追い詰めて笑ってもよいのだ」と考える若者や子どもが出てしまうことが懸念される。

【「性的表現」に関する意見】

  • 人気女性俳優が主演する連続ドラマで、男性俳優とのかなり濃厚なラブシーンがあった。夜10時台の放送なので中高生も見ている。彼らには、刺激が強すぎるのではないか。

【「言葉」に関する意見】

  • クイズバラエティー番組で出演者が、「歩く辞書」という本来、ほめ言葉についてばかにした発言をした。知識を提供する番組が「歩く辞書」をばかにするのはよくない。若い人が「歩く辞書」を格好の悪いものだと誤解してしまう。

第251回 放送と青少年に関する委員会

第251回-2022年11月

中高生モニターからのリポートについて…など

2022年11月22日、第251回青少年委員会を千代田放送会館会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。うち2人はオンラインによる出席でした。
10月後半から11月前半までの1か月の間に寄せられた視聴者意見には、子ども向け特撮ドラマについて「警察の留置場で主人公がけんかするなど、こんなにひどい正義のヒーローは見たことない」「ラーメンを手づかみで食べるなど、食べ物を粗末に扱う行為がある」などがありました。
11月の中高生モニターリポートのテーマは、「最近聴いたラジオ番組について」でした。
深夜の人気長寿番組について多くの報告があり、「親近感が持てて、とても聴きやすかった」などの好意的な意見がありました。
委員会ではこれらの視聴者意見やモニターリポートについて議論しました。
また岡山・高松地区の放送局との意見交換会や中高生モニター会議の開催について、事務局から報告がありました。
最後に今後の予定について話し合いました。

議事の詳細

日時
2022年11月22日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
千代田放送会館会議室
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
岡山・高松地区の放送局との意見交換会について
中高生モニター会議の開催について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員
オンライン出席:沢井佳子委員、髙橋聡美委員

視聴者からの意見について

10月後半から11月前半までの1か月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
子ども向け特撮ドラマに対して視聴者から、「警察の留置場で主人公がけんかするなど、こんなひどい正義のヒーローは見たことない」「ピーナッツは誤嚥の危険性があるのに、飛ばして口でキャッチするゲームのシーンがある」「ラーメンを手づかみで食べるなど、食べ物を粗末に扱う行為がある」などの意見が寄せられました。
担当委員から、「けんかは留置場での言い争いで、ピーナッツを飛ばすのも、よくある遊びのひとつだと思う。手づかみでラーメンを食べたのは、人格を乗っ取られた状態での行為を表わしたもので、表現や演出の範囲内だろう」として「いずれも問題ない」と報告がありました。
バラエティー番組のドッキリ企画で、男性芸人を背後から動けないようにして、彼の股間にドッジボールを投げて当てたことに視聴者から、「体の大事なところに故意に球を当てて笑いをとるのはいかがなものか。笑えれば暴力が許されるのか」などの意見がありました。担当委員は「見ていて気持ちのよい映像ではないが、いままでもあった演出なのでは」との見方を示しました。
また、深夜帯のアニメで残虐なシーンや性的なシーンが見られることに視聴者から意見が寄せられたことについて別の委員から、「制作者側が放送時間帯を遅くしており、(子どもや青少年が視聴しにくいよう)それなりの配慮をしているといえるのではないか」、「テレビ局は時間帯に配慮し、つぎの段階として、家庭ではルールを作って子どもにテレビ視聴させるという方向を進めてもらうのがよい」という意見が出されました。
その他に、大きな議論はなく「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

11月のテーマは「最近聴いたラジオ番組について」で、全部で15番組への報告がありました。このうち複数のモニターが取り上げたのはいずれもニッポン放送の番組で、『オールナイトニッポン』と『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』にそれぞれ3人が、『オールナイトニッポン0』に2人が感想を寄せています。聴き方はリアルタイムが5人で、そのほかはタイムフリーアプリなどを利用していました。
「自由記述」では、普段あまりラジオを聴かないというモニターから「テレビにはない良さを発見した」「親近感があり新鮮だった」などの声が多く寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)を6人が、『ニンチド調査ショー』(テレビ朝日)と『太田光のつぶやき英語』(NHK Eテレ)をそれぞれ3人が取り上げています。

◆モニター報告より◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 『世界の快適音楽セレクション』(NHK FM)
    両親がラジオ好きなので家や車の中でよくラジオは流れているけれど、自分では全くと言っていいほど聴かないのですすめられた番組を聴いてみた。流れてきたのはどれも聴いたことのなかった曲で、J-POPからジャズ、民族系の音楽とジャンルも幅広く、とても面白かった。今はスマホが普及して音楽ストリーミングサービスで音楽を楽しむことができる。でも、それでは新たなジャンルの音楽と出会ったり、普段聴かない音楽を聴いて改めて自分の“好き”を再確認したりする機会はとても少なくなってしまうのかなと思った。音楽ストリーミングサービスが当たり前な今だからこそ、ラジオはとても新鮮に思えるし面白いものだと思った。きっと同年代の人たちも同じように感じる人は少なくないと思ったので、学校の友達にもラジオについて話してみようと思った。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『ヒコロヒーのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)
    この番組の良かった点として第一に挙げられるのは、ヒコロヒーさんのしゃべり方の良さだと思いました。彼女の声質はとても低く落ち着いていて、しゃべりのテンポは少し早めの小気味よい速さで、聴いていてとても落ち着く良いしゃべりだなと思いました。近年ラジオは人気が少し復調してきたと聞いたことがありますが、依然、私の周りでは日常的に聴いている人は少なく、地元のラジオ局の名前を知らないという人もいます。深夜ラジオはよく怖いという印象を聞くこともあります。より若手の芸人さんなどを起用して若者のリスナーが増えるといいと思います。(高校1年・男子・愛知)

  • 『朝井リョウと加藤千恵のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)
    胃腸の弱い朝井さんと純粋キャラの加藤さん。6年前の放送が蘇るようなスタートに、復活ラジオの面白さを感じた。人として分かると共感してしまうような、クリエイターだからこそ話せる話ばかりで面白かった。人間くさい飾らない部分が2人のトークには詰まっていた。(高校3年・男子・千葉)

  • 『ミルクボーイの火曜日やないか!』(ABCラジオ)
    パーソナリティとリスナーの距離がかなり近い印象を最初に受けました。普段、動画ばかりを見ているのですが、ラジオはラジオなりの魅力があると思いました。ミルクボーイがリスナーからのコメントを拾い、そこからいろんなお話を展開する構成でした。そこでの話の広げ方が本当にリスナーとミルクボーイが会話をしているようなやりとりで、とても親近感が湧きました。ミルクボーイをテレビとネットでしか見たことがなく、漫才をしたり他の芸人の方とトークをしたりしているイメージしかなかったので、ある意味“ミルクボーイ”とは別の、“駒場さんと内海さんの人間味”を感じられたと思います。久しぶりに人の作ったコンテンツで親近感を覚える不思議な感覚になったので、今後もradikoなどでラジオを聴いていきたいと思います。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『クリエイターズ・スタジオ with ボカコレ』(エフエム山形)
    普段からよく聴いている番組なのですが、月曜から木曜まで個性豊かなパーソナリティで、飽きずにとても楽しめる番組だと思います。ボーカロイドを重視しているのですが、あまりボカロ曲を聴かない自分にもとても聴きやすく、工夫されていると思います。流す曲はボカロ中心なのですが、ボカロに関係のないコーナーも多く、どの世代でも聴きやすいです。(中学1年・男子・山形)

  • 『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)
    テレビにはないラジオの良さを発見することができました。映像がない分、人の声に注目し、感情やその場の雰囲気を注意深く読み取ることができる。リスナーからのメッセージについてのトークが多く、親近感を得ることができる。そして、テレビであまり取り上げられないマイナーな情報もニュースもいいとこ取りで聴くことができることです。(中学1年・千葉・女子)

  • 『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)
    • オードリーの2人のトーク力のすごさを改めて感じる番組だと思います。2時間あるのですが、2人のトークは毎週ひたすら聴いていても全く飽きないです。深夜ラジオ独特の、深夜だからこそ笑えるというようなテンションが色濃く出ていてとても好きです。他の曜日のオールナイトニッポンもよく聴くのですが、パーソナリティによってコーナーやお便りの感じも全く違い、どの曜日の番組もとても楽しみにしています。(高校2年・女子・広島)
    • オードリーの2人がひたすら話していて面白かったです。普段、ボケ役が春日さんでツッコミ役が若林さんなのですが、ラジオでは役割が逆になっているところが新鮮で面白いです。テレビでは話さないようなマネージャーの話だったり最近の趣味や家族の話だったりと、プライベートな話を聴くことができてよかったです。(高校2年・男子・福岡)
  • 『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)
    あまりラジオを聴く習慣がなくて家にもラジオがなく、今はアプリ等でスマホで聴くことはできますが、なかなか聴くタイミングがありませんでした。いざ聴いてみると、むしろテレビよりも近い距離感でびっくりしました。他愛のない話やおすすめ映画の話を聴いたりと、どこか友達のような感覚でとても聴きやすかったです。今回は選んで聴きましたが、流したままにして聴いてみるのも楽しそうだなと思いました。またラジオを聴いてみたいです。(中学3年・女子・群馬)

  • 『クリープパイプ 尾崎世界観 声にしがみついて』(エフエム山形)
    レポートを書くにあたって初めて聴いたのですが、番組の雰囲気がゆるく、トークが面白かったのでこれからも聴こうと思います。放送時間が30分と短めで聴きやすかったです。「芸能人だとこういうところで困る」というエピソードでは、意外なところで支障が出ていることに驚きました。(中学2年・山形・女子)

  • 『宮下草薙の15分』(文化放送)
    ラジオをしっかり聴くのは初めてだったので少し抵抗感がありましたが、いざ聴いてみると音声だけというのは想像をするのでテレビとは違う楽しみ方ができました。宮下さんと草薙さんの会話に間がないので飽きもこなかったです。(中学2年・女子・東京)

  • 『中学生の基礎英語 レベル2』(NHKラジオ第2、NHK FM)
    この番組はいくつものコーナーに分けて確実に表現をマスターできるように構成されていると思う。1日15分ずつという短くても充実した時間で英語を学べるのでとてもよい。出演者の方の発音もすごく聞き取りやすく、1日ごとに変わるストーリーは設定が細かくて場面の情景や雰囲気までがしっかりと読み取れる。楽しみながら確実に英語表現を習得できる効率的なこの番組をこれからも聴き続けたいと思う。(中学2年・鹿児島・女子)

  • 『JET STREAM』(エフエム東京)
    福山さんの語りや選曲が深夜にぴったりだと思いました。「作家が描く世界への旅」というエッセイを福山さんが朗読し、その内容に関係する音楽を流すコーナーがあるのですが、個人的には朗読ではなく番組オリジナルの語り(その土地を旅する内容)のほうがタイムリーな上に「旅している」イメージが強く湧くような気がします。例えば、世界各地の絶景を収めた写真集や旅行記を、文字と写真ではなく声と音楽で表現している、そんな番組になってほしいと思います。(高校1年・男子・滋賀)

  • 『yamaman presents MUSIC SaLaD』(ベイエフエム)
    2年半ほど聴き続けているが、リスナーの世代が幅広い番組だと思う。昼12時から1時間という聴きやすさからか、メッセージテーマがいつもフリーだからなのか、祝日になると10代からのメールがたくさん寄せられる。「ひとことメッセージ」のようなDJとリスナーを近づける内容が、さまざまな世代に愛される理由だと思った。(高校1年・男子・東京)

  • 『HiHiJetsのラジオだじぇっつ!』(InterFM897)
    グループの平均年齢が20歳と普段話す機会がない年代のため、自分の世界観が広がることが番組の魅力です。語彙力豊かなメンバーが、言葉にできない想いを代わりに言葉にしてくれるため、一人でイライラするよりも効果的なストレス発散方法です。ペアが変わると同じコーナーでも雰囲気や流れている空気感が変化します。価値観や面白いと感じるポイントが自分と同じ人を探すのも楽しみです。ジャニーズ内の曲に限らずメンバーが好きな曲が流れるところも魅力です。このコーナーで紹介されて大好きな曲になったものも数多くあります。この番組は私だけでなく母も楽しく聴いています。年代、性別関係なく、これから伝説になるHiHi Jetsの初冠ラジオ番組が多くの人に届くことを願います。(高校2年・女子・千葉)

  • 『飯田浩司のOK! CoZy up!』(ニッポン放送)
    ラジオに関してはあまり頻繁に聴く訳ではないが、このラジオ番組は父親の影響もあり、少なくない頻度で聴いている。印象としては、ラジオならではで、比較的制約のない中、出演者が気軽に意見を話している。一方その弊害として番組内で偏った意見が多くなりやすくなっている印象も受ける。この番組もゲストは保守色が強いコメンテーターがほとんどである。そうなると当然番組内で扱われる話題にも偏りが生まれる訳であり、そこがラジオの欠点なのかもしれないと考える。(高校3年・男子・東京)

  • 『鈴木愛理のEasy To Smile』(エフエム岩手)
    モデルとして活躍している姿、歌って踊っているアーティストとしての姿が印象的な方でした。ラジオでしゃべっている姿は想像ができなくて、こんなに明るくてポジティブな方なんだなと驚いたし、女友達と話しているような感覚になりました。いつもラジオの最後にする深呼吸の時間と「たくさん笑えますように」というおまじないのような言葉が、笑っている姿が素敵な彼女を表しているようで好きな部分です。(高校2年・女子・岩手)

  • 『SixTONESのオールナイトニッポン サタデースペシャル』(ニッポン放送)
    • 音声しか聞こえないラジオで「シガーボックス」にチャレンジするという企画は前代未聞でしたが、後日インスタグラムのストーリーで実際に「シガーボックス」にチャレンジしていた1回目の挑戦の姿を見ることができたので、映像がないと伝わらない部分も解決されていたように思います。様々なSNSを活用しながら楽しめるという面では、今回の企画はとても面白かったです。私はSixTONESの音楽やメンバーの皆さんの唯一無二の関係性に魅了されたファンでもあるので、SixTONESの音楽もメンバーの皆さんの軽やかな会話も楽しむことができるラジオをこれからも楽しみにしています。リアルタイムで聴くことがラジオ番組の醍醐味であることはもちろんですが、アーカイブで聴いても楽しめる番組という作り方も、新たな、ひとつのラジオの形として良いのではないかと思いました。(高校2年・女子・東京)
    • シングル発売とかけた企画が意外と共感できた。話の内容の濃さとスピード感が聴く人を飽きさせないのだと思った。くだけている感じが深夜ラジオという感じで、聴いていてとても楽しい気持ちになった。近況を話してくれるので、メンバーが近くにいるように感じた。(中学2年・女子・山形)

【自由記述】

  • 聴いてみてラジオの良さを改めて認識することができました。映像がないので作業の片手間に聴くことができたり生放送の番組が多かったりと、テレビにはない良さを持っているなと思いました。(高校2年・女子・広島)

  • ラジオ初心者のためお門違いかもしれないのですが、完全にラジオ(放送)の様子が見えないのは少し寂しいので、YouTubeやニコニコ動画などでその様子を見せてほしいなと思いました。(中学2年・女子・東京)

  • 最近の番組はドッキリや罰ゲームなどの内容が少なく、全体的にマイルドな企画が増えていると感じます。ただ、それでテレビの面白さが失われてしまうと意味がないので、新しい楽しさがあればいいいと思います。(中学1年・男子・山形)

  • 拷問や残虐な殺人、尺の長い暴力シーンがある場合は、視聴者が事前に「視聴しない判断」ができるようにするべきだと思います。放送前にテロップをいれたり、番組の概要を紹介する文章の中に注意喚起の文言を入れたりする配慮があるとより安心して視聴することができるのではないでしょうか。(高校2年・女子・東京)

  • ハロウィーンの報道の中で、記者が顔などの外見のみで「外国人」と断定しているような様子が見受けられました。日本での多民族への排他性や人種差別を問題視する報道をするのであれば、こうした表現は分断を起こすのみで不適切だと思います。(高校1年・男子・埼玉)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『世界は教科書でできている』(NHK総合)
    学校の教科書に載っていることや習ったことを身の回りに生かせるようになっていて、とても良い番組だと思いました。(中学1年・男子・岩手)

  • 『ニンチド調査ショー』(テレビ朝日)
    • 知らなかった昭和や平成の常識を知ることができて、とても勉強になりました。昔の常識や今昔比べなどが多かったので、もっと専門的なランキングや調査もしてほしいです。(中学1年・男子・山形)
    • 最近見た中で最も夢中になった番組です。普段、周りの大人に理解してもらえないことや、自分が周りの大人を理解できずにもやもやしていることを楽しくデータで紹介していて、ギスギスしがちな世代間ギャップを理解するきっかけになりそうだと思いました。(高校1年・男子・兵庫)
    • 家族で一緒に楽しむことができました。母の若い頃の話やエピソードを聞くきっかけにもなりました。今は「Z世代」などと若者だけを括って取り上げることが多いですが、両親が生きてきた時代がどんな時代だったのかを知り、今の時代とのギャップがどれほど大きいのかを知ること、家族でこの番組を視聴して世代間のギャップを少しでも埋めることは、これからいろいろな世代と触れ合うことになる10代の学生にとってとても大切だと思います。(高校2年・女子・東京)
  • 太田光のつぶやき英語』(NHK Eテレ)
    この番組の強みは、私たちのような中高生が国際的な時事問題を太田光さんのコミカルな会話や番組中の洗練されたBGM、SNSを多用した分かりやすい解説によって肩肘張らずに学べる点にあると思います。気になった点としては、番組中に説明される英単語に専門的なものも多く、中高生が英語を学ぶ上ではレベルが高すぎるものがあるのではと思った点です。(高校1年・男子・愛知)

  • 『ボクらの時代』(フジテレビ)
    映画の原作者と出演している俳優がしっかり話しているのがすごく新鮮でした。私がよく見るような座談会などの番組は大体進行の方がいますが、この番組にはいないので、ある程度テーマはありますが自由に話されている感じも新鮮で面白かったです。(中学3年・女子・群馬)

  • 『チコちゃんに叱られる!』(NHK 総合)
    身近にあるものの意外な秘密に驚かされています。知らなかったものの意外な正体やなぜそうなのかという理由が分かるのはもちろん、VTRやゲストの会話がとても面白くてよい番組なので、ご長寿番組になればいいなと思います。(中学2年・女子・山形)

◆委員のコメント◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • ラジオの放送中の様子を動画で見てみたいという感想があったが、この世代の人たちはやはり映像を見たい世代なのかなという印象を持った。

  • ラジオは身近に感じられるというモニターが多いが、パーソナリティとリスナーとの間の相互的なメッセージのやりとりが、そうした親近感を生むのだろうと思う。

  • 若い世代の人たちは、動画サイトの切り抜きやSNSをセットで見ながらといような、私たちが考えている音声トークだけのラジオとは違った楽しみ方をしているのだろうと思った。

  • ジャニーズファンのリスナーは、ラジオで彼らの話を聴くことでより親近感を覚えているようで、テレビで見るのとは違う距離感を楽しんでいるのだろう。

  • ラジオ番組への感想を尋ねると、パーソナリティへの共感や感想、テレビと比較した媒体の評価になりがちなところがある。パーソナリティが身近に感じられるだけに、その背景にある番組の構成や番組がどう作られているかを想像しにくいのかもしれないと思った。

  • ストリーミングサービスだと好きなものしかお薦めされないという意見があったが、最近は大学生もそうしたテーマを研究する人が多く、同じような気づきをモニターが持っているのは興味深い。ラジオ番組の制作者は、まさしくこうした気づきを若い人に持ってもらいたいのだと思う。各ラジオ放送局は学校への出前授業などに力を入れており、必ずしもラジオが身近でない若者にどうやって気づきを持ってもらうかが、ラジオの大きな課題だと思う。

  • 親からすすめられた番組を聴いたというモニターが目立つが、親の影響はかなり大きいと感じた。ラジオほどではないがテレビにもその傾向はあり、テレビの将来をも予見しているのかもしれないと思った。

【自由記述について】

  • ニュースについて、外見だけで外国人と断定するのはどうかという意見があったが、確かに一見しただけで外国人などと言ってしまうこともあり、自分の反省を込めて考えさせられる指摘だった。

岡山・高松地区の放送局との意見交換会について

岡山・高松地区の放送局との意見交換会について、当日話し合うテーマの候補について検討しました。

中高生モニター会議について

中高生モニター会議を今年度内にオンラインで開催することが事務局から報告されました。

今後の予定について

次回は、12月19日(月)に定例委員会を開催します。

以上