第95回 放送と青少年に関する委員会

第95回 – 2008年11月

「回答のお願い」に対する「回答」について

視聴者意見について …など

11月25日に開催した今年度第7回青少年委員会(通算95回)では、2社2番組に出した「回答のお願い」に対する「回答」ついて審議したほか、10月21日~11月18日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、ドラマ1本のVTRを視聴のうえ審議し、ラジオ番組についても意見交換した。また、中学生モニター報告について審議したほか、中学生フォーラム、調査研究について報告があった。

議事の詳細

日時
2008年(平成20年)11月25日(火)午後4時30分~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題

「回答のお願い」に対する「回答」について

番組の審議内容に関しては、前回の議事概要を参照。

日本テレビ『ガキの使いやあらへんで!!』

【青少年委員会からの「回答のお願い」】

(1)本番組の企画意図は何か、(2)罰ゲームの具体的内容は、だれが、いつ、どのような形や経緯を経て考案し、放映の是非が決定されているのか、(3)貴局では、そもそも「罰ゲーム」をどのように考えておられるのか、(4)青少年委員会では、過去2度に亘り、番組中の暴力表現については見解を出している。すなわち、2000年11月『バラエティー系番組に対する見解』、2007年10月『出演者の心身に加えられる暴力に関する見解』、これらの見解を貴局はどのように受け止めておられるのか、当番組を制作する過程で、上記の見解についての配慮・検討は、どのようになされたか?

【日本テレビからの「回答」】

(1)について

ご指摘の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』」は1989年10月3日に放送を開始し、本年11月9日でレギュラー放送928回を数えるバラエティーの長寿番組です。
関西の新進気鋭の若手芸人(当時)・ダウンタウンの希有な才能を東京という異文化にぶつけ、笑いの可能性を求めることが、スタートからの企画意図です。
放送枠が日曜の深夜23時枠に定着して以降は、日々の労働や生活に追われる視聴者が週末の就寝前のひと時を「笑い」でリラックスする定番ソフトとしてご支持をいただくようになりました。時節の流行りで形を変えるようなことなく、プロによるトークと徹底した作り込みのコントという定番の佇まいを維持しております。

(2)について

当該番組では企画・構成の段階からダウンタウンとプロデューサー他主要スタッフが一つのテーブルに着き、細部の演出を詰めていく制作体制を取っております。このスタイルは初回の放送から今日まで、19年間変わっておりません。番組内容の判断と品質管理はチーフ・プロデューサーとプロデューサーが当たります。

(3)について

「罰ゲーム」という呼称の番組内容に限らず、出演者の心身に加えられる暴力が表現の行き過ぎによって青少年に悪い影響を与えかねないという点を留意しておりますが、一方で、「罰ゲーム」という呼称ゆえに一律に取り扱うことはしておりません。放送する時間帯、視聴対象、企画意図、番組の構成、出演者、等々から青少年への影響や視聴者に与える不快感などを踏まえて制作にあたり個別に検討しております。
前述しましたように、当該番組は作り込みのコントであり、プロによるエンターテインメント・ショーです。全コーナーのネタについて、演者の安全は勿論のこと笑いの質についてもチーフ・プロデューサーがルールを定め、オフライン編集、スポンサー試写に至るまでスタッフと共に立会って、番組の内容の管理に努めています。

(4)について

貴委員会から示された見解につきましては、弊社幹部の定例会議や社内横断会議など複数の場で報告し、全社的な周知を図っております。現場ではチーフ・プロデューサーを中心に、プロデューサー、ディレクター等への指導を実施し、当該番組関係者も同様に貴委員会の見解を踏まえて番組制作に携わっております。そして今回のご指摘を受けて、番組の責任者とコンプライアンス推進室番組考査担当者が、見解の趣旨を改めて確認致しました。当該番組9月14日放送分は、番組全体で1本のコントを構成しております。ネタ会議という舞台設定で、「罰ゲーム」という”お題”をめぐって笑いのプロ達が知恵を絞るという筋立てです。これについては、23時台という放送枠を踏まえたルールある”お笑い”と位置付けし、本質的に暴力を強調したものとは別物と考えておりました。
しかしながら、結果的に一部の視聴者の方々から懸念が示されたこと、そして貴委員会からご指摘を受けた点について、一層の配慮が必要であったことを痛感しております。そして、判断のつかない低年齢層が視聴する可能性とその影響、また、初めてご覧頂く方々が番組を楽しめるのか等の視点から、このような内容の番組を改めて検討する機会をいただいたと受け止めております。
今後は、番組制作、特に低年齢層を含む青少年の視聴に留意すべき時間帯の番組の制作に当たっては、まず悪い影響があり得るかどうか、例えば、暴力の肯定や強調、弱者に対する肉体的精神的虐待、遊戯といえども身体の損傷につながる危険性など、どの部分が実際に悪影響を誘導しかねないか、演出、表現技法等、十分に検討、そして配慮していくべきであることをさらに現場に徹底させていく所存です。
今回のご指摘を受けて、各部局のコンプライアンス担当者で構成する視聴者対応実行委員会で、見解を改めて書面として配布した上で、2度にわたり、見解の趣旨の再確認を行うとともに、上記の趣旨について現場への徹底を図りました。これ以降も今回のご指摘を当該番組のみならず制作現場に広くフィードバックし、番組作りに反映させたいと思っております。

【「回答」に対する委員の主な意見】

  • 「回答」に書かれている企画意図は番組紹介であり、本当の意図が分からない。また、委員会からの質問には答えてはいるが、表面的で具体的な詳細に欠けている。
  • 委員会からの「見解」「要望」については、全社的に周知を図っているとなっているが、今回に関してコンプライアンス推進室としてどう受け止めているのか知りたい。
  • 一般視聴者がこの番組を見てどう思うか想定していないと感じた。認識のずれをどう埋めていけばいいのか。
  • 笑いの質や多様性について、直接、番組担当者と議論したい。

以上の審議の結果、回答に書かれている笑いの質や罰ゲームなどについて、番組制作者と委員会の考え方に相違が感じられるので、番組制作者と直接に意見交換する場を持つことを決めた。当該社からも日ごろから同様の考えが示されており、次回委員会に番組担当者を呼び意見交換を行うことになった。また、各委員の意見を記載した審議内容を当該社に報告した。

フジテレビ『スーパーニュース』(子どもへのインタビュー)

【青少年委員会の「回答のお願い」】

(1)貴局及び今回のニュース制作担当者は、2002年の提言、2005年の要望をどのように理解されているのか。(2)具体的には、以下の点についてもお答えいただきたい。1)男児へのインタビューに関して、どのような判断と基準で実施されたのか、2)何人ぐらいの子どもに、どのような取材を行ったのか、3)その中から、当該児童へのインタビューを放映した理由は何か、(3)死体遺棄の状態を繰り返し、センセーショナルに報道しているが、被害者遺族への配慮について、局内ではどのような議論が行われたのか?

【フジテレビからの「回答」】

(1)について

衝撃的な事件や事故の報道が、子どもたちに多大な影響を及ぼす可能性のあることを考慮し、映像の使用やコメント、さらにはインタビューなどにおいて、いたずらに不安をあおらないことを第一に考えています。特に子どもが関係した事件では、被疑者や被害者、そしてそれぞれの関係者への取材・報道にあたっては、特別の配慮が必要だと認識しています。
こうした考えは、フジテレビ報道局員ならびに番組スタッフに周知徹底されていて、常に慎重かつ配慮ある取材を心がけるように努めています。
また、2002年の提言・2005年の要望に関しては、フジテレビ報道局の『報道人ハンドブック』の冒頭、第1章「放送と人権」1-1に「子どもへのインタビューに当たっての考え方」<別紙(1)参照>として具体的に明記し、報道に携わる者の道標として、これを常に意識し、日々取材にあたっています。
具体的には、取材現場の記者・ディレクター・カメラマンと、現場キャップ、本社デスク、部長、プロデューサーらが、子どもへの取材が必要か否かを相談・検討し、インタビューの必要性を確認したうえで、取材交渉を始めるといった手順を踏んでいます。しかし、子どもへのインタビューは、悲惨な事件によって打ちひしがれた心をさらに傷つけることにもなりかねません。それだけに、子どもの心情に最大限配慮し、保護者の方とも相談し、取材手法や放送時の注意事項等についての意向を詳しくお聞きすることを原則としています。

(2)-1)について

2002年の「提言」と2005年の「要望」を受けて改訂した『報道人ハンドブック』の「子どもへのインタビューに当たっての考え方」に則り取材しました。
当時、被害女児が、どんな子だったか、ほとんど分かっていませんでした。被害者の人となりを知るのは、事件の全体像を知る上で必要不可欠な要素で、事件の真相解明への第一歩につながると判断し、保護者(父親)の承諾を得て(質問(2)-2の回答の中で詳しく述べます)インタビューを行ないました。
* なお、インタビューしたのは被害女児と同じ保育所に通っていた7歳の男の子で放送の一部に「同じ保育所の男児」とあるスーパー表示は、正しくは「同じ保育所に通っていた男児」でした。

(2)-2、3)について

当日はまず、現場周辺の数十軒に電話取材し、被害女児を知っている方を探しましたが見つからず、周辺地域を担当ディレクターが十数軒回って取材した結果、同じ保育所に通っていた子どもがいるご家庭にたどり着きました。事前に保護者(父親)と子どもを交えてカメラを回さずに話をさせていただき、その後、保護者同席のもとカメラ取材を行いました。
その際、保護者に子どものインタビュー取材を承諾していただいただけではなく、子ども本人に対して、インタビューを受けることについて同意不同意を確かめていただきました。また、保護者に子どものすぐ脇で、インタビューの一部始終を見守っていただきました。
質問内容も、被害児童の様態や事件のむごたらしさについて想起させるようなものは一切避け、被害児童がどんな子どもであったかに絞って聞いております。
このように、今回の取材では、「幼児にマイクを突き付ける」ような威圧感を与えないよう、また、いたずらに恐怖心を煽り心を傷つけないよう配慮いたしました。
今回放送したインタビューは『かけっこやかくれんぼを一緒にしたことがある友達』が被害女児について『絵を描くことが好きで、足が速く、運動会で金メダルを取った』事をあきらかにしたもので活発な被害女児の姿が浮かび上がってきます。
このような活発な子が、白昼、大きな声を発することもなく連れ去られたとしたら、とても奇妙な出来事です。もしかしたら、顔見知りによる犯行だったのかもしれません。それとも、相当用意周到な人間による犯行の可能性も見えてきます。このインタビューによって、視聴者はさまざまなことを考え、その過程で再発防止策を講じる手立てになるものと考えました。
さらに、事件の解決、再発防止のためには遺族や被害者の悲しみを多くの人たちが共有することが必要と考えます。また、被害者がどのような子どもだったのかは、遺族や被害者の心情を理解する上で必要な情報と考えます。
わずか5歳で人生を終えなければならなかった女児とその遺族の無念さから、私たちは目をそむけてはならないと考え、今回のインタビューを行い、放送しました。
事件を他人事としてとらえず、視聴者が事件を自分のこととして考え、解決のための手掛かりとなるかもしれない多くの情報が提供されることを願ったものです。

(3)について

女児を全裸にして遺体を遺棄したのは、本件の特徴であり、犯人像に迫る最大の特徴です。この事実を報道しなければ、事件の真相に迫り、視聴者が事件を考える材料を提供できないと考えました。また、女児を全裸にする行為は女児に対する異常なまでの関心をもった人物による犯行との見方もでき、近隣住民はもちろん、他の地域の視聴者も、それぞれの住む地域の状況に思いをめぐらせるきっかけとなり、同種の犯行を予防できる効果も期待できると考えました。これも報道機関の重要な使命であるとの判断にたったものです。
その一方で、被害者への配慮や遺族の心情にも思いをはせ、番組のナレーションでは「全裸」という言葉は使わず、「衣服を一切身に着けていない状態」や「変わり果てた姿で発見」などの表現を使いました。表現についてもまた、プロデューサー、PD(プログラム・ディレクター)、D(ディレクター)による十分な協議の末による結論であったことは言うまでもありません。
以上のことから、今回の放送は、取材で知りえた事実を、関係者への配慮とともに、冷静かつ客観的に放送したものと考えておりますが、子どものインタビュー映像を流す際に、「保護者同席のもとでおこないました」などのスーパーを入れることで、子どもの証言とはいえ保護者も追認した信用性の高いものであることを示すべきではなかったかという意見も内部であったことを付け加えさせていただきます。

○ 今後に向けて

貴委員会の意見と質問を受けて、弊社報道局内でさらに議論を重ね、今後も、子どもへのインタビューについては、取材、編集、放送にあたってより一層、細心かつ慎重な配慮を払うよう改めて確認し、局員およびスタッフ教育を徹底していきたいと考えております。

【参照】

フジテレビ報道局『報道人ハンドブック』「子どもへのインタビューに当たっての考え方」
インタビューに当たって

  • インタビューはそこから問題の本質や、核心にせまるより多くの情報を引き出すために行うものとの認識を持つ。
  • 事件、事故の検証確認のため代わりうる有効な手段がない場合は、小中学生といえどもインタビューの対象となりうる。
  • 時間が許す限り原則、保護者、教師などの承諾を得る。
  • 場合によっては承諾を得ないで実施することもあり得る。
  • インタビューに当たっては、子どもの判断能力を超えないよう努める。
  • 強引な誘導質問は慎む。
  • 大人と子どもでは事件、事故の受け止め方や、PTSDなど心理的に被る影響の程度に差があることを配慮する。
  • 威圧感を与えないよう、同じ目線でインタビューするよう努める。
  • 取材対象者に自分の身分と取材目的を明らかにする。
  • 取材を拒否された場合は付きまとわない。

放送に当たって

  • 子どもへのインタビューの使用は、あくまで緊急避難的使用である。他に検証情報などが得られた場合は、原則繰り返しは避け、またモザイク使用なども配慮する。
  • インタビュー放送したことにより、子どもがいじめや重大な被害を受けることがないよう配慮する。
  • いま、どんな気持ちですかなど、検証に関係ないような答えは使用しない。
  • 気持ちとしては心にVチップを入れたつもりで細心の注意を払う。

【「回答」に対する委員の主な意見】

  • 今回の場合、子どもに取材する必要性があるとは思えない。「子どもへのインタビューに当たっての考え方」との整合性が見出せない。
  • 子どもの映像にこだわる必要はないのではないか。再発防止や事件の凶悪性は取材のプロセスでアナウンサーが伝える方法でも視聴者の想像力を刺激するので、テレビの報道は映像がなくても伝えられることに自信を持ってもいい。
  • 視聴者意見は被害者女児と同じ”5歳児へのインタビュー”と思ったためで、視聴者に誤解を与えるような報道は十分反省すべきだ。ただ「回答」でその点について説明しているので了解した。
  • 子どもへの取材については、自社作成の『報道人ハンドブック』を生かすよう現場に徹底してほしい。

以上の審議の結果、各委員の意見を記載した審議内容を当該社に報告した。

視聴者意見について

1.テレビ朝日『相棒』

新シリーズの刑事ドラマの中での殺害シーンについて「殺害シーンがグロテスク過ぎる。ネットの掲示板に”子どもがショックを受けた”という書き込みがあった。大人向けのドラマだが、家族でも見られるように演出してほしい」「非常に残酷な殺害シーンがリアルに描かれていて不愉快な気分になった」といった視聴者意見が寄せられVTRを視聴のうえ審議した結果、表現方法として特段過激とも思われないという意見が大半であった。

<委員の主な意見>

  • ドラマの表現方法としては問題ない。人によっては気持ちが良くはないが、それほど暴力的表現とは思わない。
  • 殺害シーンが繰り返されていたことは気になったが、血が出ることを問題にすると、表現の自由への規制につながるのではないか。
  • 視聴者意見の中にはドラマの1シーンだけを捉えて問題にしているものもあるが、番組全体を考えながら議論することが必要だ。
  • サスペンスドラマについても残虐で問題だという視聴者意見が寄せられているが、推理・サスペンスものを楽しむ視聴者もいるのだから、殺人事件をテーマにすること自体いけないということには疑問がある。

2.ラジオ番組について

深夜放送で小学生を対象に悩みを聞くコーナーについて「未明のこんな時間に小学生を番組に出すなんて倫理的にいかがなものか。企画に問題はないのか」との視聴者意見が寄せられ、事務局が当該社に確認をしたところ「親の了解を得た上で放送していたが、社会通念上好ましくないと判断し、コーナーは中止した」との報告があった。また、このほか「パーソナリティーの言葉が汚いし、シモネタばかり」「性的な内容が多い」といった意見や、動画配信されたFMの番組について「昼間の公開録音で全裸になったり、不適切な発言が多い」などの視聴者意見が寄せられおり、今後も継続してラジオの動向を注視していくことになった。

中学生フォーラムについて

事務局から、12月26日(金)に東京・千代田区平河町のルポール麹町で開催する第8回中学生フォーラムについて、中学生モニターの出欠状況と在京テレビ6局の討論参加者について報告があった。また、構成について、報道系番組に関するモニター報告や事前アンケートを基に、コーディネーターの橋元副委員長や討論参加者と打ち合わせを行い、内容を固めていくとの説明があった。
なお、11月末にフォーラム開催の案内チラシを、NHK、民放各社ならびに関係機関・団体や教育関係者に配布した。

調査研究について

橋元副委員長から調査研究の進捗状況について、「11月中旬から東京都6区の住民基本台帳から抽出した16歳から24歳までの対象者に、テレビの見方についてのアンケート調査を実施した。記入方法の煩雑さや昨今のプライバシー意識の高まりと若年層のため不在者が多く、回収に時間がかかっている。今後の予定は、アンケートの集計結果を見ながら報告書について検討していく」との報告があった。

中学生モニター報告

11月は、ニュースなどの報道系番組について幅広く意見を募集したが、31人の後期モニター全員から、37件(1人で複数件の報告あり)が寄せられた。

ニュース全般への意見が15件と多かったのが目立ったが、局別に分けると、NHKが9件、TBS系とフジ系が5件ずつ、日本テレビ系とテレビ朝日系と朝日放送が1件ずつだった。

・個別の報道系番組

複数意見が寄せられたのは、『めざましテレビ』に4件、『週刊こどもニュース』と『クローズアップ現代』に2件ずつだった。これらの番組は概ね好評で、『めざましテレビ』には「ニュースだけではなく、他の事もいろいろ出ていて見ていてもあきないからです」、「アナウンサーさんが何となくだけど楽しそうに、スタッフの方とも協力して番組を作っているのが分かる。そんなあったかいニュース番組だ」など、『週刊こどもニュース』には「その週に話題になったニュースを一つ選び、詳しくそして分かりやすく解説してくれます」、『クローズアップ現代』には「この番組の良いところは、キャスターの方が中立的になることと、知識が豊富なことだ。例えば専門家の人に意見を聞く時に、その人の意見をしっかり引き出している。その中で専門家の人とは違う意見をぶつける事で物事の本質がはっきりみえてくる」、などの意見があった。
ほかには『おはよう朝日です』に、「ニュースをする時間があまりにも短くてニュースを見たい人にとってはあまりうれしくないと思います。兵庫県知事の”関東大震災はチャンス”との発言で、兵庫県知事が”意味をとりちがえている”というのがわかる気がします。報道する側はちゃんと前後のコメントも放送し視聴者がこの報道の真意がわかるようにしてほしいです」という、批判的な意見があった。
ドキュメンタリー番組では、”秋・つながる心”『見えないことは不幸じゃない』に「内容は全盲の夫婦の子育てを描いたもので、この番組のサブタイトルにもなっている”見えない事は不幸じゃない”という言葉がとても心に残った。この家族をこの番組できちんと知る事が出来て本当に良かった」という意見があった。

・報道系番組全般

報道系番組全般への意見は、批判的な内容が多く好評意見はなかった。
最も多いのは小室哲哉容疑者の逮捕に関するもので、3件だった。「少し騒ぎすぎなのではないかと感じる。”彼の転落人生を追う”などとうるさく騒ぎ立てるようなことは週刊誌に任せておいて、もっと経済とか、伝えるべきことはたくさんあると思う」、「前の夫人や、前の恋人の家に押しかけて話を聞こうとするのはやりすぎ」などの内容だった。
また2件、ニュースなどの報道系番組はあまり見ないという意見があり、「休日など、親と一緒に見ることがありますが、なんだか偉そうなジャーナリストが座って文句を言っているだけで、少なくとも私は面白くないと思いました」、「人を取材してその人の私生活を無理やり見るのは嫌いです」という内容だった。
取材のやり方についても2件、「最近ニュースを見ていて思うことは、”取材のやり方が汚いな~”ということです。リポーターが取材を受けている人の車の周りに集まって、カメラを向け大声でその人に向かって”○○さん、○○○についてどう思われますか?”と叫ぶ・・・。はっきりいって悲惨です」、「殺人事件が起きてしまったとして、犯人の身辺調査をする時、もっと慎重にやってほしいです。絶対に家族その他の友人などが悪いとわかっているなら良いと思いますが、”多分”や”きっと”の段階では報道してほしくありません」、という意見があった。
また政治に関する報道について「番組コメンテーター等は、自民・民主の発言についてしか発言しないことも多々あります。ほかの共産党や、社民党や、国民新党などの野党の発言もきちんと報道してほしいです」という同内容の意見が2件あった。
ほかの批判的な意見を5件列挙する。「最近ニュース番組を見ていて一番気になることで改善してもらいたいと思うのが”繰り返す・すぐ冷める”ということだ」、「朝の報道番組は、全く関係ない特集にとても時間を使いすぎだと思います。関係のないことに時間を使っているから情報が入ってきません」、「みのもんたさんは、思ったことをすぐ口に出してしまうようです。俳優の石垣佑磨さんの暴行事件を伝えた時、”前にもやっていたよね?”と言っていました。ニュース番組の司会者なのだから、いい加減なことを言わないでほしいと思いました」、「政治関連の話題になった際、どうしても反政府寄りのコメントになっていることが気になった。取り上げられる政策は問題になるものばかりで、きちんと考えられている政策が圧倒的に多いにも関わらず、滅多に取り上げられない」、「私達の年代は政治関係のニュースが好きだと思うので、政治関係のニュースをさらにわかりやすくし子供でもわかるような報道番組になれば、子供の視聴率も上がるのではないかと思いました」。

12月のモニター報告は、ひと月ほどの間に見た番組の感想・批判などを自由に書いてもらう。また青少年委員から要望があり、ラジオはどんな番組を毎日何時間くらい聞くか、テレビ番組をインターネットで見ることがあるか、の2点についても合わせて聞くことになった。

第141回 放送と人権等権利に関する委員会

第141回 – 2008年11月

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理

審理要請案件「徳島・土地改良区横領事件報道」 審理入り決定 ……など

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の「委員会決定」起草案が了承され、来る12月3日(水)に決定の通知・公表が行われることとなった。 また、野中広務氏が名誉侵害等を訴えた「徳島・土地改良区横領事件報道」の審理入りが決まった。

議事の詳細

日時
2008 (平成20) 年11 月18 日(火) 午後4時~6時半
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
竹田委員長、堀野委員長代行、五代委員長代行、右崎委員、崔委員、武田委員、中沢委員、三宅委員、山田委員

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理

1997年の広島県知事選挙において藤田知事の後援会組織等から裏金を受け取ったとの疑いを持たれ、中国放送(RCC)のニュース番組で実名報道された元県議会議員3名が、『事実無根の報道により大きな被害を受けた』として、名誉権の侵害を訴えた「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の「委員会決定」起草案について審理を行った。
その結果、内容を一部修正のうえ了承し、来る12月3日(水)に、申立人、被申立人の双方に対し「委員会決定」を通知した後、記者会見を行い、その内容を公表することとなった。
本事案では、RCCが上記テレビ報道の内容を文字情報として自社ホームページ上に掲載し、申立人らがこれによる被害の継続を訴えたことから、「インターネットでの文字情報による配信行為を、テレビ報道と同視し得るかどうか」を判断の対象として慎重に審理が行われてきた。当委員会が、「放送と通信」というテーマを俎上に審理した初めてのケースとなった。

審理要請案件「徳島・土地改良区横領事件報道」 審理入り決定

徳島県で起きた土地改良区の横領事件を伝えたニュース報道で、名誉・信用を毀損されたとする全国土地改良事業団体連合会会長の野中広務氏からの申立書を10月20日に受理した。今年7月23日のテレビ朝日「報道ステーション」での放送で、これまで当事者間で話し合いが重ねられてきたが、決着しなかった。
委員会は、野中氏の「申立書」とテレビ朝日から提出された「交渉経過と見解」および放送同録ビデオをもとに検討した結果、審理入りすることを決定した。
野中氏は「申立書」で「横領事件の対象が補助金であったという前提が基本的に間違っている誤報」であり、「申立人が政治力で膨大かつ不要な事業を持ってきて、その投入された莫大な補助金が犯罪発生の原因となったかのような作為的な構成の報道内容」などとして訂正と謝罪の放送を求めている。これに対して、テレビ朝日は「見解」で「日本の農政の構造上の問題はないのか、問題提起をしようとしたのが放送の趣旨である」、「報道内容に基本的な間違いはなく、報道内容は野中会長の名誉・信用を毀損したとまで言えるものではない」としている。次回12月16日(火)の委員会から審理に入る。

10月の苦情概要

10月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・9件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・121件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 中部地区「意見交換会」について事務局から報告
    11月11日に名古屋で開催された「放送人権委員会委員との意見交換会[中部]」について事務局から、その概要等について報告を行った。
    意見交換会には中部地区のラジオ、テレビ局26社から、報道・制作現場の関係者を中心に52名の出席があった。取材も新聞社4社、テレビカメラ6台が入った。
    冒頭、竹田委員長が「放送倫理について」と題する基調講演を行い、続いて上野統括調査役が、最近の放送人権委員会の活動報告を行った。この後、今回のテーマである「取材放送のあり方」、特に「隠し撮り」「匿名映像等の多用」の問題について意見交換を行った内容を報告し、最後に、名古屋の局のニュースで放送された「意見交換会」の模様を視聴した
  • 次回委員会は12月16日(火)に開くことを決め、閉会した。

以上

第19回 放送倫理検証委員会

第19回 – 2008年11月

事実誤認があり訂正放送したニュースバラエティ番組

戦時性暴力を扱ったノンフィクション番組 …など

第19回放送倫理検証委員会は11月14日に開催された。ニュースバラエティ番組において、「保育園が畑として使用している土地が行政代執行された放送内容には事実誤認があり訂正・謝罪をした」と新聞に報道された事案を討議した。その結果、当該局に質問書を出し、回答をもとに再度検討することにした。次に7年前に放送された戦時性暴力を扱ったノンフィクション番組について、3回目の討議が行われたが、結論は次回以降に持ち越された。事務局からは、BPOの理事新任の報告があった。

議事の詳細

日時
2008(平成20) 年11月14日(金) 午後5時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、上滝委員長代行、小町谷委員長代行、石井委員、市川委員、里中委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

事実誤認があり訂正放送したニュースバラエティ番組

保育園が園児用のイモ畑として使用している土地に対して、道路建設用地として買収に応じなかったので、強制収用の行政代執行が行われた。そのことを伝えた番組で、事実誤認があり、放送局側も訂正・謝罪したと新聞に報道されたので映像を見た上で討議した。
主な映像の内容と問題点は次の通り。
そのイモ畑に対して行政代執行が開始されると、保育園側の人たちが身を挺して阻止し揉み合いとなるが、そこに10数名の園児たちがいるかのような編集になっている。しかし、園児たちの映像は執行前日に撮影されたものであった。そのVTRを見たスタジオのコメンテーターも執行の当日に園児たちがいたと理解して、園児を盾にすべきではないという趣旨のコメントをしている。
加えて、番組の冒頭でリポーターが高速道路を背景にして「高速道路建設をめぐって騒動が起こった」と紹介しているが、そのロケ現場は当該保育園があるのとはまったく違う都道府県であった。更に、コメンテーターが法律的手続きを説明しているが、番組は収用裁決取消訴訟について2週間後に大阪高裁の判決が予定されていることを前提としており、手続きの誤解ないし混同があると思われる。
後日、訂正放送が行われたが理解しにくい内容であった。

<主な委員の意見>

  • 高速道路の雰囲気を出すために別の場所で撮影したという理屈は報道では通用しない。映像自体がひとつの説明なのだから。
  • この番組はスタート段階ではこういうネタをやらなかった。全体的にパロディ番組だった(当該番組は局のホームページでは「バラエティ」に分類されている)。
  • 仮に制作側がパロディ番組だからといっても、この作りでは視聴者はニュースだと信じてしまう。
  • バラエティ番組を理由に片付けるべきではない。バラエティだってしっかりと下調べして作ったモノもある。番組で、ある真実を伝えるときにはやはり慎重を期すべきだ。番組としておかしい。
  • 園児たちが並んでいる映像はストーリー的には捏造ではないか。
  • 訂正放送で「園児たちを現場に連れて行き並ばされたかのような表現がありましたが、そのような事実はありませんでした」とあるが、これでは説明にも訂正にもなっていない。
  • コメンテーターによる法律的手続きの説明も不可思議。執行停止を申し立てていれば直ぐに判断が下るが、その場合は「判決」ではなく「決定」だ。本訴とごっちゃにしている。
  • 訂正放送では本訴の話ししかしていない。よく調べないで慌てて訂正したのではないか。

討議の結果、ニュースを扱った番組としては正確さに欠け、視聴者に誤解を与えるので、当該局に対していくつかの点について質問書を出し、回答を得た上で再度討議することにした。

戦時性暴力を扱ったノンフィクション番組

戦争と裁判をメインテーマに戦時下における性暴力を扱った7年前に放送されたノンフィクション番組。制作過程において政治的な圧力により内容が不当に改変されたと関係者が主張している事案。
委員会として取上げるかどうかについて、複数の委員から論点を整理した資料が提出され、それをもとにさまざまな角度からの議論が行われた。関係資料を精査した上で、どういうことが言えるのか、言うべきなのかについて意見が出された。各委員の意見にはまだ幅があり、抽象論で議論しても決められないので原案になるようなものを作成し、方向性を見極めたうえで結論が得られるよう、更に継続して討議することになった。

その他

事務局からは、BPOの理事が新しく放送界以外から3人選任されたことの報告があった。

以上

2008年10月に視聴者から寄せられた意見

2008年10月に視聴者から寄せられた意見

国際的な金融・経済問題と政局に関する報道が多かった。また、情報番組やワイドショーに対して「節度のない麻生首相批判や中傷」との指摘が寄せられた。バラエティーやお笑い番組、ワイドショーに向けた意見と同様に、キャスター・コメンテーターの一方的な発言に対する批判も多かった。

2008年10月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,089件で、9月と比較し165件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール54%、電話41%、ファクシミリ3%、郵送ほか2%。
男女別は男性72%、女性24%、不明4%で、世代別では30歳代25%、40歳代19%、20歳代16%、60歳以上15%、50歳代10%、10歳代3% の順となっている。

2008年10月に視聴者から寄せられた意見 1,089件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年10月件数 年度累計
人権等に関する意見 9 件 44 件
放送と青少年に関する意見 102 件 [ 意見内容 ] 995 件
放送番組全般にわたる意見 583 件 [ 意見内容 ] 4,196 件
BPOに関する意見・問い合わせ 34 件 449 件
その他(放送関連以外) 361 件 2,533 件
意見件数 計 1,089 件 8,217 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月通知数は475件(39局)であった。またこの他に、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し36件を全加盟社・局に送信している。
(訂正:前号の「放送全般意見の送付数●」は47に訂正します)

意見概要

人権等に関する苦情

10月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 9件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 121件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【情報ワイド・バラエティー番組】1,192件(全体の109%) 前月比99件の増加

  • “不適切な内容、不適格な出演者”(702件:64%)
  • “低俗・下品な番組”(369件:34%)
  • “倫理観欠如、局の責任”など(121件:11%)

【報道・情報番組】関連645件(全体の59%) 前月比1件の増加

  • “取材・報道のあり方・批判” (409件:38%)
  • “放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(144件:13%)
  • “報道の公平・公正性と内容批判”(92件:8%)

*【情報ワイド・バラエティー番組】の意見合計数が意見総数を超えているが、これは1件の意見に複数の指摘項目が含まれているためである。

10月はマスコミ全体では国際的な金融・経済問題と政局に関する報道が多かったものの、BPOに寄せられた意見では金融・経済問題が20件、政治・政局関連意見が59件となっている。これとは別に、主として情報番組やワイドショーに対して「節度のない麻生首相批判や中傷」との指摘が30件余寄せられた。バラエティーやお笑い番組、ワイドショーに向けた意見と同様に、政治・経済に関した情報番組に対しても「不適切な表現や発言」「放送のあり方を問う」との指摘を中心に、キャスター・コメンテーターの一方的な発言に対する批判が多い。
このほか、10月の意見では、とりわけバラエティー・お笑い番組やワイドショーの出演者の「聞くに堪えない言葉」や「不愉快な内容」「芸人の番組内のいじめ」についての批判・抗議が前月比で100件の増となっており、「不適格な出演者とともに番組の質の低下が目立つ最近の傾向」が、視聴者の放送(テレビ)離れを招くとする指摘が増えている。

青少年に関する意見

10月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは102件と先月より30件近く増えたが、今年度の月平均の60%程度に留まっている。
ジャンル別では10月に始まったドラマに対する意見は目立つが、今月もバラエティー系番組に対する批判が多く報道系番組に対する意見は少ない。

BPOに関する意見

34件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見15件、問合せ19件であった。「意見・問合せ」以外にBPOについてふれた意見は77件寄せられた。

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 東京で「妊婦が救急搬送を断られたあげく死亡した」というニュースを朝から晩まで流しているが、相変わらずうわべだけのニュースばかりで根本問題にまで掘り下げたニュースはない。この原因は今の医師免許制度にあると思う。今の医師免許制度では、医師免許さえあれば免許取得後の診療科目は医師の希望で何にでもなれるという。こんな制度では産婦人科や小児科など勤務条件が過酷な診療科目の医師は増えないのは当然だ。そういった問題点を解決する方策を政府は何もしていないのではないか。その辺りの問題について取材・報道する局は一つもなく、相変わらずうわべのニュースばかりをかしましくがなり立てている。例えば「医師免許取得後の診療科目を産科や小児科に限った医学教育制度」を確立したりする方法もあるだろう。そのような根本的な問題に踏み込まない政治の現状を取材・報道することこそ本当のジャーナリズムではなかろうか。
  • 蒟蒻ゼリーで17人が死んだそうだが、それに対しメーカーに責任があるかのような報道と野田大臣の行政指導があった。しかし、このような事があっていいのか。今までに餅で死んだ人は数知れないと思うが、餅の業界に対してはそのような報道も大臣の行政指導もなかったと思う。こういう偏った報道を規制するのが行政の立場ではないのか。それを業者を呼びつけて指導すればおしまいという姿勢に呆れるばかりだ。おかげで業者は製造中止という非常に厳しい判断を下さなければならなかったのだろう。おそらく社員やパートの人にも影響が出るだろう。国はそういう人々を救う用意があるのか?仮にも大臣という立場の人が世論に媚びて、体裁だけ整えるような仕事をしては困る。私は蒟蒻ゼリーの愛用者でも何でもないが、どうか報道の倫理として、メーカーだけに責任があり親や保護者には責任がないような報道の仕方を改めてほしい。報道しっぱなしで、当該企業に対して何も責任を感じないマスコミは許せない。
  • 夜の報道番組でのキャスターのニュースの扱いが公正・公平を欠き偏向しているように思う。政治家の動静についても、ある一面だけを取り上げて「良い・悪い」を決め付け、真面目な政治ネタは抜いてしまう。私は九州でローカルニュースを扱うプロダクションで働いているが、ローカルニュースはそれなりにオーソドックスな形で扱っており、キー局のようにワイドショー的な扱いはしていない。政治家のプライベートな面ばかりほじくるのは放送倫理上も問題があるのではないか。少なくとも私達はローカルニュースを報道倫理を守りながら扱っているが、この番組を見ていると、自分のやっている仕事にまで誇りが持てなくなる。
  • 10月上旬のビジネス情報サイトの「麻生首相に解散の気配なし。解散日程を勝手に捏造したマスコミの困惑」と題した記事を読んで感心した。麻生総理は一度も解散すると言っていないのにマスコミは勝手に解散だと叫び、今度は先送りだと吠えている。根拠のない憶測報道は控えてほしい。
  • 新聞のテレビ欄で関西の放送局の情報番組の予告を見た段階での意見。10月中旬、全国で初めて愛知県豊橋市に設置された防犯カメラ付きの飲料自動販売機が、何者かにカメラ部分を壊され、自販機本体に「監視社会」と落書きされる事件が起きテレビでも報道された。今朝の番組欄には「自販機にまでカメラ!監視社会の是非を徹底討論」とあるが、これを読むと自販機に防犯カメラを設置すること自体に問題があるかのような印象を受ける。自販機損壊はれっきとした犯罪行為であるのに、討論の流れによっては犯罪を正当化することになりかねない。この場合、せめて「監視社会」という今回の落書きと同一の四文字をテレビ欄の見出しに使うことは避け、例えば「プライバシーと防犯のはざま」等ほかの言い方で表すべきだったと思う。何故なら、「自分の行為がマスコミを動かした」などと犯人を思い上がらせ、犯行をエスカレートさせてはならないからだ。
  • 大阪府は第二京阪道路の用地買収に応じなかったとして某市の保育園の畑を強制収用した。早朝のワイド番組でこの問題を取り上げていたが、一方的に地権者・保育園の立場にたって大阪府側を責めており、内容が偏っていた。しかし、大阪府はもともと4月に明け渡してもらうはずのところを、保育園の要望に沿って今まで待っていたのだ。土地の収用を2週間遅らせると将来6~7億円の損失が出るという。司会者はそういったことには触れずに、まるで市民をマインドコントロールするかのように大阪府の強制収用を非難した。このため大阪府には非難の電話が殺到しているという。番組ではせめて双方の言い分を事実に基づいて紹介し、後の判断は視聴者に任せるべきだ。
  • 週刊誌の八百長疑惑記事の問題で、日本相撲協会と前理事長が発行元の出版社を訴えて係争中であるが、21日の夕方の東京キー局のニュースで平成3年9月に国技館で開かれた日本相撲協会の緊急会合を元幕内の力士が録音していたテープを放送していた。民放の2局は共にキャスターが「独自にテープを入手しました」とコメントしていた。しかし、放送された録音テープの内容は当時監察委員長の理事が「簡単に金で手に入れるということは、稽古も何もしなくていいことになる」「関連した者は相当な処罰をする」と発言したもので、全く同じ内容だった。はたして、裁判で証拠として提出される予定の録音テープを放送することが許されているのか疑問である。このような報道は視聴者を誘導する偏向報道に当たるのではないか。
  • 事件の報道で、容疑者のことを「○○子容疑者」のように苗字ではなく名前のみで表すことがよくあるが違和感を覚える。日本人はよほど親しい間柄でない限り苗字で呼び合うのが普通であり、逆に下の名前で呼ぶのは親しみを表すか子どもに対する時である。家族間の事件の場合、加害者と被害者の苗字が同じであるため分かり易くするために下の名前を使うのかも知れないが、まるで親しみを込めて容疑者を呼んでいるような印象で馴染めない。そこで、同じ苗字による混同がありそうな場合はフルネームで、そのほかの場合は苗字で容疑者名を表すように統一してはどうか?

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • ロス疑惑の元社長の自殺問題を取り上げて、新しく始まった関西の局の番組の司会が「パフォーマンスでTシャツで首を絞める真似をしたら、間違って本当に首に締まってしまった」と笑いものにしていた。ゲスト出演者だけでなくスタジオ内のスタッフの笑い声もあったので、余計笑いものにしている雰囲気が露骨に漂った。テレビを見ていて、私は非常に不快に感じた。三浦元社長の残された家族がこの番組を見たら人権侵害で訴えるのではないか。それにしても、民放の番組は悪くなる一方だ。
  • 関西の大手芸能事務所の芸人が面白いというのが理解出来ない。彼らは面白いのではなく、ただふざけているだけ、声が大きいだけだ。反社会的な言動も多いと思う。私と同じ事を思っている人に今までたくさん会った。実際には「嫌い!」と思っている人の方が多いのではないか。最近、テレビが面白くないという話題が目立つが、この事務所所属の芸人にも関係あると思う。東京キー局の土曜日のニュース番組で、事務所所属の芸歴が長いタレントが局のアナウンサーに対して「俺に逆らったらどうなるか分かっているのか。今後はお前の名前を呼び捨てにする」と発言していた。
  • 土曜深夜の”芸人をめざす”番組の早期打ち切りを望む。前回の放送は、地上波では考えられないような低俗な演出のオンパレードだった。ボカシこそ入っているものの、何の理由もなく若手芸人を校庭のような屋外で全裸にし、性器を露出させ尻をカメラ=視聴者に向けさせて撮るなどしていた。あまりの嫌悪感に目をそむけたが、「見たくなければ見なければいい」という問題ではない。屋外でのロケだとすれば法にも触れると思うが、それほどひどい内容だ。報道に当たっては放送の中立性や公平性をいう放送局が、一方ではCS等の専門チャンネルでもやらないようなAVまがいの企画を平然と放送していることは信じ難い。この他にも、出演した若手芸人全員を上半身裸のブリーフ1枚の姿にして熱湯を浴びせることで笑いをとろうとしたり、若手芸人の立場が弱いのにつけこんだ制作者の性的横暴ぶりが際立っている。番組の作り手がゲイか女かは分からないが、自分の欲求を満たすためだけの番組を公共の電波でタレ流すのはやめていただきたい。18才未満視聴禁止のゲイ向AVやH系の有料でチャンネルでやってくれと言いたい。
  • 毒舌の女性歌手が、若手芸人宅を突撃訪問した。この歌手たちはやりたい放題だった。若手芸人にも最低限のプライバシーはある筈だ。この歌手と行動を共にしていた男性芸人が若手芸人の車のドアミラーを押し曲げたり、窓を閉め切った部屋の中でサンマや肉を焼き、近所の人が気付けば火災と見間違うほどの煙を部屋に充満させるなどしていた。出演者の歌手・芸人共に芸暦40年の人間である。若手芸人が断れないことを見越した上での行為だろうが、テレビで放送する内容ではない。出演者も制作者も共に倫理感が欠落している。
  • 東京のテレビ局の木曜夜7時からの放送で、「予言者」と称するペテン師を無責任に取り上げる態度には憤りを覚える。「9月13日に岡崎市でマグニチュード9の大地震が発生する」という予言が大ハズレだったにも拘らず、これは「予言ではなく警告だ」と言い逃れをさせた上に、怪しげな「大学教授」を利用して外れた予言を無理やり辻褄合わせしていた。挙句に「5つの警告」と称して、恐怖を煽るような「予言」を垂れ流す無反省さと厚顔無恥ぶりには心底呆れ返った。このような番組を制作したスタッフとテレビ局の関係者は猛省すべきだ。
  • 東京キー局の金曜夜の番組の宣伝で「ゼッテェ、殺してやろう!」という言葉を繰り返し放送している。現在の社会背景を考えればあまりに粗雑でガサツな言い方で、番組制作者はメディアやタレントが視聴者に与える影響力を過小評価している。たかが流行語程度のもので、番宣広告のコピーであったとしても、「刺激的で記憶に残ればいい」というのは安易すぎる。一考をお願いしたい。
  • 札幌に住んでいるが、地元のラジオで深夜に東京キー局からネットで放送されるラジオ番組を聴いている。深夜の番組はお笑いタレントのコンビをパーソナリティーに起用していることが多いが、「テメーこの野郎」「誰に物を言っていると思っているのか」など野卑な言葉を投げあいながら喧嘩することも多い。大変殺伐として聞くに堪えない内容で、とても「番組」といえる代物ではない。BPOでも一度聴取してみてはどうか。とてもじゃないが、このまま野放しにしておいてよいレベルの問題ではない。
  • 東京キー局の午前中のワイドショーでホストクラブのホスト2人の売り上げ対決を美談のように放送していた。内容といえば19歳のOLにどんどん注文させて13万円を払わせたり、若いキャバクラ嬢に何十万円も使わせたりするものだった。しかし、未成年の客に断れないような状況で注文させるのは悪質な行為であるし、300円のコーラが5千円、どう見ても千円もしない料理が8千円、更には何万円もするシャンパン等、まさに”ぼったくり”だ。それを何の批判もせずに面白おかしく放送するのはおかしい。出演者は皆、笑いながら見ていたが、よく笑えるものだと思って寒々しい気持ちになった。それにしても、この商売の仕方は法にも触れる行為なのではないかと思った。
  • 民放各社のニュース番組で北京五輪のフェンシングで銀メダルを獲得した選手が、大手菓子メーカーに入社することになったことが報じられています。このニュースの中で各社とも「ニート剣士」という言葉を使っていますが、同選手は「ニート」ではありません。 正確には「選手は『フリーター』という形で選手としてトレーニングをして北京五輪に出場し、銀メダルを獲得しました。そして今月の21日に大手菓子メーカーより採用決定をもらう運びとなりました」と、報道すべきだと思います。ニュースでは「フリーター」と「ニート」という言葉を間違って使っていますが、これは「フリーター」「ニート」への誤解を招き、今後その人たちが就職活動をする上で会社側の偏見を招くことにもなります。ニートは「無就業引きこもり」を指し、「フリーター」は「日雇い労働者並びに非正規雇用下で働いている人たち」を指します。今後は誤解を招かないように、正確な報道をお願いします。
  • AV界ではカリスマ男優と呼ばれるらしい者が出演し、「女性の悦ばせ方」と称してダッチワイフを使い、わいせつな実技指導を行った。しかもだんだんエスカレートし、「嫌がる女性を従わせるには」などリアルに性犯罪を指南するような内容も紹介され、見ていて不快でならなかった。来月にはこの特集の第2弾が放送されるとのこと。ますます猥褻さ・暴力性を強めることだろう。いくら深夜とは言え、このような公序良俗に反するものをテレビで流すのは許されないと思う。
  • この番組は東京キー局の制作だが、関西のテレビ局で水曜日に視聴している。関西では深夜の26時30分から放送されているが、この番組は毎回あまりにも過激な内容が多すぎる。22日の放送では「カレー味のウンコを食いたいか。それともウンコ味のカレーを食いたいか」と問いかけていた。また街頭では、出演者の女性が描いた「リス」と「栗」の絵を見せて、これをなんと読むかとインタビューしていた。正解は「クリトリス」だったが、このような女性の性器の一部の名称を答えさせようとする猥褻な問いかけを街頭でインタビューをしてよいと思っているのか。放送時間帯の如何に拘らず、このような過激な内容の番組を公共の電波で放送するべきではない。テレビが常時録画できる時代になり、リアルタイムの放送時間の配慮は意味をなさなくなっている。「深夜の放送だから」というのは言い訳にならないことを考えるべきだ。
  • “女はソレを我慢できない女優たちがメンズキャバクラ体験!”では、真昼間からホストクラブの特集をしていた。メンズキャバクラという所らしいが、水商売を昼間から放送することに制作者の常識のなさを感じる。深夜ではなく昼間の時間帯であり、また子ども達が見る可能性もある土曜日の昼間に放送することが非常識である。視聴者層の主婦にホストクラブに行くことを勧めるかのような内容の番組を制作すること自体に局の常識のなさを感じる。ホストクラブにはまり、借金を作り、家庭を破壊する主婦が多い中、「ホストクラブは素晴らしい。容易に楽しめる」と錯覚させるようなテレビ番組を放送することは日本のモラルの崩壊を招くと思う。
  • 東京のキー局が制作する「お笑い」は、人に暴力を振るったり、暴言を吐いたり、嫌がることを強要して人を傷つけることで見せ物にして、バカにし、蔑んで嘲笑う。とても真っ当な人間のすることじゃないし、正気の沙汰とは思えない。セクハラやパワハラとなんら変わらない弱い者イジメだ!近年、陰湿なイジメが横行し凶悪犯罪が激増し社会が歪んでいるのもマスコミが元凶である。マスコミは日本を崩壊させる気なのか?
  • 「笑えないけどスゴイ芸」で、公道ではないものの、暴走族に扮した芸人が改造バイクの排気音で音楽を演奏するというのをやっていた。2台のバイクが並走してギヤを操作しエンジンの回転数を上げ下げし、排気音の高低をつけて童謡のチューリップと鉄腕アトムのメロディーを”演奏”したもの。こういうものをテレビで放送すると、今度は公道で真似をする奴が必ず出てくると思う。そうなったとしたら誰が迷惑をこうむるのか、番組制作者はよく考えてもらいたい。
  • 落語家と離婚した女性タレントによる別れた夫に対する一連の攻撃が毎日のように報道されているが、長時間を割いて取り上げるほどのネタではあるまい。どう見ても彼女は自己愛の塊のような幼児性の強いキャラクターであり、注目を集めるために金屏風の前であのような会見を行った。それを連日伝えた放送局は彼女の自己宣伝に加担させられたと言う訳だ。「言うだけ言ったから後はもう聞かないで欲しい」という極めて自己中心的な要求をマスコミに対して出したことでもメディアが彼女にまんまと利用されたことが証明される。あの程度のネタは芸能ニュースのコーナーで皮肉の一つも交えてあっさりと伝えれば充分だ。そういう取り上げ方の巧い海外のニュースを参考にして欲しい。
  • 今年もまたプロ野球の「優勝記念ビールかけ」を放送しているが、毎年毎年、馬鹿みたいに同じ事をしているのを見せられる視聴者は不快だ。毎年批判の声が寄せられているのに、一向に止めようとしない。もうプロ野球中継は一切見ない事にしようと思う。いや、中心選手に何人も去られた可哀想な広島カープが優勝するのなら見る気になるかもしれない・・・。

【番組全般、その他】

  • 私と妻、そして妻の母の3人で昼食を取っていた時に、東京のラジオ局の朝から昼過ぎにかけての番組で、かつて作詞家として活躍した出演者によって60歳位の女性からの投稿葉書が読まれた。内容は「23歳で両親と死別したことを友人に話すと『よかったね。あなたは幸せだ』と言われ驚いた。後日、同じ友人と話した時に『私はこれから親を看なければ(介護)ならないから』と言われ納得した。私はこの年で親を看なくてもいいから幸せだと実感した」というものだった。そのとき妻の母は「長生きしてごめんね」と涙を流しながら泣いていた。友達同士など内輪でこのような話をする事は悪いとは言わないが、誰がどういう立場で聞いているか分からない公共の電波でこのような投稿を読み上げることは控えるべきではないか?実際に介護をしている人、されている人、介護をしていなくても長生きをしている親を持つ人たちがどんな思いをするか考えていただきたい。今日は非常に悲しい思いをした。
  • パンを喉に詰まらせて死んだ小学生の報道と、蒟蒻ゼリーで死亡事故があった時の報道の仕方が違うのはなぜか。ある局で、食べ物を喉に詰まらせての死亡事故の原因<ワースト3>を放送していた。1位は餅、2位はパン、そして3位が米だったが、蒟蒻ゼリーの時にはそういう比較は放送されず、ただ製造会社の責任を追及するような報道の仕方であったと思う。私は、蒟蒻ゼリーの事故原因はゼリーの形ではなく、あくまで食べた方の自覚の問題だと思ったので、総務省とBPOにその意見を送った。そうしたら、パンを喉に詰まらせて小学生が亡くなるという事故が起きてしまった。私が言いたいのは、「問題は食品の業者にあるのではなく、食べる消費者の方に問題があるのだ」ということを政府や放送局がきちんと国民に告げるべきだ、ということである。今年だけで食べ物を喉に詰まらせて亡くなった人は600人以上にのぼるそうだが、蒟蒻ゼリーによる死者は、野田消費者行政担当大臣が苦言を呈した時点で通算で17人だったと思う。この事実を見る限り、政府と報道がしていることは、製造会社に対するいじめ以外の何ものでもないと思いますがいかがでしょうか。
  • 介護業界の人手不足と介護者となった家族がケアサービスの不足から退職せざるを得ないことを東京のテレビ局が取り上げていたが、気になる点が2点あった。介護退職者が介護サービスを利用する場面の構成で、番組では(1)夫が講習を受ける。(2)事前準備として介護サービスを利用する。(3)ケアマネが訪問して、利用料金が支給限度額を超えているので多額の自己負担分が出ることを説明をする。という流れだったが、一般的に(2)と(3)の流れは逆である。商品の価格である利用者負担分を利用後の説明にして、ケアマネが利用の開始をすることはきわめて異例だし、説明不足の度合によっては不適切として事業所自体が監査対象にすら成りかねない。また、番組が介護サービスの主たるものであるかの様に報じた「施設サービス」に比べて、いたずらに高額であるかのような誤解すら与えかねない。介護サービスの利用者は人数比では圧倒的に「在宅サービス」の利用者の方が多い。先にも記したが、介護職員の人材不足の現場や場面説明として施設だけが取材されていたが、国策が在宅重視の方向で進められている現状とも、また、地域で支えるという普遍化の考え方とも異なっている。
  • 都内に建設が予定されている「ペットの火葬場」を巡って、建設に反対する住民の言い分を取り上げていた。住民らは反対理由として火葬の際の臭気を挙げていたが、コメンテーターや他の出演者がそれに同調し、住民の言い分に理解を示していた。しかし、動物の死骸の処理法等を細かく定めた「化製場法」により、動物の焼却炉の建設には相当厳しい基準が設けられている。区が建設を許可した施設は当然この基準を満たしたものであり、ダイオキシンや臭気の拡散は有り得ない。これについては念のため区にも問い合わせて確認した。そうなると住民が反対する本当の理由は「居住地のイメージを損なうものは嫌だ」ということではないか?出演者らはその点を突かずに住民の反対コールに安易に同調するばかりだった。事実を正確に分析した上で客観的な意見を示せないようでは、コメンテーターとして勉強不足であり失格なのではないか。又、このような話題を報道番組で放送するテレビ局にも疑問を感ずる。
  • 歴史検証番組を毎週、欠かさず見ている。”臭いものに蓋”をする傾向のある日本だが、「被差別部落でひどい差別を受けた人々が立ち上がった」ことや、「明治時代は知的障害のある子供はずっと隔離していてもよいと言われていた」という事実を取り上げ、名家出身の才女だった近代女子教育者の石井筆子さんに知的障害のある子供が生れ、それをきっかけに知的障害のある子供達への療育に心血を注いだ生涯を送ったことを紹介していた。今でこそエリートとして持ち上げられることの多い医師という職業だが、緒方洪庵など創始者の多くは自分自身や身内などが大病で苦しんだという事実も紹介された。これまで、存在も知らなかった昔の人々のことを分かり易い解説で取り上げている。最後の締めの解説は、創作作品とは違いハッピーエンドで終わるものが少なく、涙さえこぼれるときもある。日本人は歴史をあまり教えないと言われているが、これはいい番組だと私は思う。
  • 「テロ対策特別措置法」について「国益のためにさっさと通すべき」とコメントしていたが、国益との意味が理解出来なかった。アメリカ同時多発テロ事件を受けて制定された法だが、イラク戦争への流用疑惑が未だに明らかにされていない問題や、給油燃料の調達先が総合商社等の2社が独占受注している問題など、不透明な問題が山積している。また、前防衛事務次官の収賄容疑事件で判明したように、不透明性が”汚職”の「温床」になっていることは明らかである。第二次大戦で「国家のため」「国益のため」と国家権力で経済統制を行い、軍人のみならず、民間人にも多数の犠牲者が出た歴史を忘れてはならない。公共放送で「国益のため」とのコメントは相応しくない表現である。
  • 生活保護の受給者の方がワーキングプアと呼ばれる人々よりも経済的に恵まれていると報道されているが、事実であれば納税者として放置できない。各市町村は生活保護を受けるに至った困窮の原因については不問にすることが多いとも報道されている。しかし、生活保護は皆の税金で成り立つ制度なのだから、誰もが納得できる万全の仕組みを整えるためにテレビの特集番組などで徹底的にその実態を明らかにしてほしい。これまでの同制度に関する情報は、何か事件が起きた際にそれに絡んで細切れに報道されるのみで、全体像が分かる報道はなかった。私の住む市では暴力団関係者が生活保護制度を悪用して何億円もの金を市から騙し取る事件があった。騙される役所が愚かなのだが、市民としても、皆がもっと知識を持ち、目を光らせるべきだったと反省もしている。市町村によって支給額に違いがあるなどの難しい点もあると思うが、総合的に生活保護制度の仕組みを学べる番組を期待している。
  • 東京キー局のゴールデンタイムの番組で、年金暮らしの老夫婦が「公園で放し飼いになっている猫の為に」といって、猫の餌を主人公が勤務するスーパーで万引きするシーンがあった。主人公は理由を聞いて同情し、スーパーの店長と共に猫の餌を買って持たせて帰らせた。しかし、これはおかしいのではないか?これでは店側が万引きを容認しているように見える。猫を公園で放し飼いにするのは糞の害などで問題になっているし、万引きそのものが犯罪である。それにも拘らず、自らの年金を削って猫に餌を与えていたことだけを美談にしている。更に万引きした理由として「猫が病気になり、病院に連れて行ったので金が無くなった」と説明していた。病気の猫を放置出来なかったのはわかるが、それが万引きをすること、そして公園で放し飼いをすることを容認する理由にはならない。ドラマの中でこのような描写をするのは如何なものか?
  • 11月4日放送予定の「~失敗者のタメになる話~」に、社会問題にもなっているストーカー事件で逮捕された芸人を出演させるという。テレビ局として「話題になれば良い」「視聴率さえ取れれば良い」という姿勢が見えて不快だ。ストーカーを問題提起する内容にすべきで、このような者を出演させて、犯罪行為を「失敗者のタメになる話」として美化するべきではない。女性差別・ストーカー行為の正当化に繋がる。わざわざテレビに出演させてストーカーを正当化すべきではない。
  • 今、どこの局でも”朝バナナダイエット”を取り上げ、「バナナは美容、健康、ダイエット全ての面で優れている」というようなニュアンスで放送しているが、バナナにはカリウムが多く含まれているので、体調によっては食べてはいけない人もいる。現に私は医者からバナナを食べる事を禁止されている。それなのにバナナのいいところばかりを謳っているのは非常に危険だと思う。どんなものでも100%健康にいいものなどない。テレビが与える影響を考えて放送していただきたい。
  • テレビのニュースには、キー局から送られてくる全国ニュースと地元局のニュースがある。しかし、どの報道にも情報を発信した放送局の責任があるのだから、ニュースの画面の隅に情報発信局が明確になるように表示してほしい。共同通信やタス通信など、ニュース配信会社からのニュースを放送する場合は情報提供会社名を明示するのだから、多チャンネル化している現在、テレビ報道に当たっては情報の発信会社をしっかりと明示し、責任ある報道をしてほしい。そうでないと、放送局へ電話しても「その件についてはキー局へ電話して下さい」など、たらいまわし状態になる。無責任です。
  • 最近、地上デジタル放送への移行についての告知が増えているが、その告知内容に深みがない。現在、全国の都道府県庁所在地近郊で地上デジタル放送が既に行われているが、アナログ放送は2011年7月24日までに終了すると告知されている。一方、北京オリンピックで50%を超えると予測されていた一般家庭でのデジタル対応テレビの普及率は、この9月現在で47%と伸び悩んでいる。また、現在でも地上デジタル対応テレビや変換チューナーの値段が高く、学生や低所得者層、特に年金受給者はとても買えない状況にある。この普及率を上げる為には、デジタル放送がどうしたら見られるのか、それに要する費用はいくらなのかを詳しく告知する必要がある。たとえば地上デジタル対応テレビやチューナーの購入方法と値段、UHFアンテナの取り付け方と購入方法と値段、又はケーブルテレビに加入する方法とその料金等についての詳細な情報が必要だが、現在の告知では触れられていない。また、「現在のアナログテレビは使用できなくなる」などと称して、高齢者を対象にした詐欺セールス事件が全国で多発している事も紹介すべきである。なお、地上デジタル対応テレビやチューナーの購入には助成金を出すべきであると考えている。
  • 日曜日の討論番組で、金融危機と景気悪化の状況下で大企業がその犠牲を雇用者と中小企業に押し付ける動きが紹介された。しかしキャスターは「大企業がつぶれたらいいと思っている」と言い、その発言をさえぎった。自らの主観的な判断で異なる論点の発言を中断させるやり方は、キャスターとして適格だろうか?それでは番組を「キャスターの主観に偏らせる結果」に向かわせることとなる。番組全体から見た出席者の偏り、異なる論点を明らかにするレベルから、局およびスポンサーのキャスターに対する要求の強さが分かるが、キャスターもジャーナリストとしての見識を身につけるべきではないか?改善していかないと、放送法にいちじるしく違反する結果となる。
  • 私は朝と夜に短時間しかテレビを見る時間がないが、貴重な朝の時間帯はまともに視聴するに値しない番組ばかりでうんざりしている。民放のいずれの番組も芸能ネタの垂れ流しが殆どで、低俗この上なく何の役にも立たない。NHKも最近は「食の安全」絡みの報道ばかりでくどい。仕方なくNHK-BSで海外ニュースを見るのだが、日本にいるのにまともな日本のニュース番組が見られないというのも奇妙な話だ。深夜ならともかく、せめて朝くらいは芸能ゴシップをやめてきちんとした報道番組を放送して欲しい。但し新聞やスポーツ紙の記事をそのまま流すのはご免だ。また、番組のコメンテーター陣にはタレントではなく専門家を揃えて欲しい。
  • タレントが田舎を訪れ、一晩泊めてくれる家を捜し歩く過程でその町のいろいろな家が紹介されるが、これは泥棒に対して「この町のこの豪邸には金がありそうだ」「あの家は留守がちだ」「この家には年寄りしか住んでいない」「あそこは台所からなら侵入できる」・・・等々、押し入る家についての情報を提供しているようなものではないか。泥棒被害防止のために演出上の改善を望む。
  • •最近のテレビは「ニュース番組」と「ワイドショー番組」の境目がなくなってきている気がする。せっかく生放送なのに、その特性を無視して、事件や事故など時間の経過で事態が大きく変動する可能性のある項目を後回しにする。そして、スポーツや芸能で話題となっていることでもあれば「トップ項目」としてそちらを優先する。しかし、芸能やスポーツに時間を大きく割くのではなく、生放送の特性を活かしたニュースの質と量を増やすべきではないだろうか。
  • •最近のテレビでは字幕に合わせてアラーム音が入るが、入れすぎではないか?最近では「ニュース速報」や「地震速報」に加え、「緊急地震速報」もテレビで流れるようになった。効果音を入れて番組を盛り上げたいのはわかるが、音だけを聞いていると、どれが緊急情報なのかが分かりにくい。各局で速報音は違うので、似たような効果音は控えたほうがよいのではないか?

【CM】

  • ある日街角で、お父さんと小学生くらいの娘さんが信号待ちをしていた。すると、娘さんがパチンコ屋さんの看板を見て「あーマリンちゃんだー」と父親に話しかけた。”マリンちゃん”とは、テレビで宣伝しているパチンコのキャラクターだ。しかし、子供が親しみを感じるパチンコのキャラクターとは如何なものか。これが過去に放送されたテレビアニメのキャラクターならまだ問題がないかと思う。最近のパチンコのCMは節操がない。放送時間もさることながら「これがパチンコのCM?」と思うような内容のものばかりで最後まで見ないとパチンコのCMとは分からないものも多い。パチンコのCMは冒頭に業界共通の音を付けるなどして「これはパチンコのCMです」と前置きをして放送するべきではないか?

【BPOへの意見】

  • BPOのHPでは、BPOによく寄せられる質問と答え、また、寄せられた質問の傾向や分析が掲載されている。これによりBPOの貴重な役割が具体的によくわかった。従来、放送に関する希望や意見は個別に局に宛てても改善されることはないとあきらめていたが、その面からもBPOの存在や活動は大切な意味があるとわかった。また、BPOは放送界の内部機関のようなもので、第3者的な自律性はないのではないかと誤解していたが、そうではないと感じた。以上の点で、BPOのHPは見やすいことと合わせて良いサイトであると思う。今後も健全な放送のための活躍を期待している。
  • 番組やテレビの現状に対する苦情など、BPOのホームページに載っている視聴者意見を読んだら「全く同感だ!」と思うものばかりだった。BPOはこのような意見の一つ一つについてチェックし、各局に改善を求め、その結果を報告させるなどしているのか。ただ視聴者意見を当該局に報告するだけというのであれば、視聴者に対する”ガス抜き”にすぎず、我々がBPOに意見を述べる意味などないのではないか。視聴者意見を番組の質的向上にきめ細かく活かすために、BPOは各局を指導・監督する強い権限を持つべきだ。
  • 10月5日の朝4時頃、私は渋谷駅前で泥酔して路上に寝込んでいるサラリーマンらしき男性を見かけた。盗難の標的になる心配もあり無視できないので、体を揺さぶり「始発電車が来るまで起きて待て」と声かけを試みた。数回揺さぶっていたところ、近くで取材をしていたテレビ局の番組制作会社のスタッフだという二人の男性が私に近づき、「あなた、この人のポケットをまさぐっていましたね?」と言う。彼らは泥酔者を狙った犯罪を取材中とのこと。勿論私は否定したが埒が明かず、ちょうど目が覚めた泥酔者も含め4人で近くの交番に行き、調べて貰ってようやく疑いは晴れた。しかしその後、「取材した映像に自分が映り、演出によって窃盗犯のように扱われるのではないか」と不安になり、もらっていた取材者の電話番号に連絡し質問した。すると彼は「先ほどの映像をテレビの番組で使用する可能性がある。但し番組名や自分の所属する制作会社名は明かせない」と言った。テレビ局に電話をし、「取材者の氏名から制作会社名や担当番組名を調べ、私の映像が不当に扱われないようにして欲しい」と頼んだが、「数多くいる制作スタッフの名前を頼りに番組名を調べるのは無理だ」と断られ、途方に暮れている。いきさつをBPOにも知って貰いたくて電話をした。
  • 9月1日付け視聴者意見の確認と報告。【視聴者意見概要】8月の東海豪雨で運転していた車が交差点内で停止し水没しそうになった。たまたまテレビ局スタッフが取材に来ていたので助けを求めたが、「今仕事中だから助けられない」と断られた。その後一般の人達の協力で車を移動させることができ被災せずにすんだ。また、自分は視聴していなかったが、この模様を取材したテレビ局と東京キー局が放送したため知人から多くの問合せが寄せられた。災害時のニュースということで映されることは仕方がないと思うが、助けを求めたにもかかわらず救助もせずに水没状態で困っている状況を勝手に映し放送するのは納得できない。この局は取材と人命救助をどう考えているのか。【在名局からの問合せ】BPO報告で上記意見を読んだ。これが当社のことかどうか取材現場や視聴者応対セクション等に調査・確認をしたが、当社には該当事項はなかった。今回、念のためにBPOに当社のことなのかを確認した。また、意見が当社を指しているか否かに拘らず、当社としては「災害取材と人命救助」については一概に「こうあるべき」と判断できない難しさがあるものの、様々なケースも想定しながら「どうすべきか」を社内で検討課題としていることを伝えたい。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • ドラマ番組。日本の学校の教育現場でこんなことが起きているのか?暴力を振り回す学生、いじめを受けている場面、そして無力な先生が映し出されていたが、この番組を見ながら笑っている小学生の息子を見たら悲しい気持ちで一杯になった。こんな番組は日本の教育文化に恥をかかせるだけだ。視聴率を上げるために番組を作るのは資本主義の基本かもしれないが、教育問題を安易に扱う番組は決してよい番組とはいえない。日本の教育レベル低下が叫ばれているが、このようなテレビ番組にも関係があることは間違いないだろう。この番組の放送を中止してもらいたい。
  • バラエティー番組。タレントがコントの中で女性の胸を揉んだりお尻を触ったりするシーンがあった。さらに女性の衣服を脱がして下着姿にするなど、子供が見ている時間帯の番組とは思えない演出をしていた。視聴率が獲れれば何をやってもいいのか?このタレントの番組はお色気が多すぎる。いい加減にしてほしい。
  • バラエティー番組。この番組は毎回楽しみにしているが、今回の放送では褌姿のタレントが床にツルツル滑るローションを撒いたバレーボールのゲームに参加していた。ローションに足をとられて滑って転ぶと褌が濡れて身体に密着し、非常に見苦しい姿になっていた。こんな格好を子ども達が見ている時間帯にテレビで放送するべきではない。
  • バラエティー番組。一糸まとわぬ女性のマネキン人形に干しぶどうを付け、それを左右に5体ずつ並べ、どのくらいの時間で全ての干しぶどうをなめられるか競争する企画を放送していた。この番組は、私の住んでいる地域では局の都合上深夜に放送されるが、殆どの地域では青少年も起きている午後11時台に放送されていると聞く。いくらマネキン相手だとはいえ、午後11時台の番組でこんな卑猥な内容を放送して良いのだろうか。番組では以前にもこういう企画を流していたと紹介していたが、もう少し青少年への影響を考えて欲しい。
  • ラジオ番組。放送内容が下ネタばかりで下品で低俗。昼間は低年齢層のリスナーも聴いていると思うので、下品な番組はやめて欲しい。
  • 民放は関西系のお笑い芸人の下ネタを連日放送しているが、番組基準はどうなっているのか。民放連放送基準の第3章「児童および青少年への配慮」第18項には「時間帯に応じ、児童及び青少年の視聴に十分、配慮する」と定め、更に第4章「家庭と社会」25項では「社会の秩序、良い風俗・習慣を乱すような言動は肯定的に取り扱わない」と定めているが、各局は、現在放送されているお笑い芸人主体の番組が基準を満たしていると判断しているのか。

【暴力・殺人シーンについて】

  • ドラマ番組。初回の放送を見ただけの感想だが大変怒りを覚えた。子ども達の健全な心を育むためにふさわしくない言葉やシーンがあまりにも多い。命をゲームのように軽く扱い、殺人の場面や人が血を流す場面が何度もあった。銃で撃たれた瞬間自体は映っていないが、そのシーンは十分に予測できるし、却って想像をかきたてられる。「テロ」「殺す」「殺したい」「残虐」「誰も死ななかったのは残念だ」など、日々、生徒達に命の大切さを教えている小学校教員の私には聞くに堪えない言葉が無造作に使われていた。このドラマを多くの子ども達が見ているかと思うと大変悲しい。なぜ、小学生等が見る時間帯にこのような番組を放送するのか?次世代を担う子ども達を育てる責任ある大人のすることではない。「見なければよい」という意見もあるだろうが、テレビはスイッチを入れると自動的に手軽に目に入るメディアで、個人の意思に拘らず偶然目にする場合もある。その良さもあるがマイナス面もある。それを考えるのが放送に携わる人たちの義務ではないか?テロから人々を救う正義のヒーローが”ハッカー”とは呆れる。”天才高校生”で人気のある俳優が演じている。子ども達が憧れないわけがない。しかし、ハッカーは不正行為だ。それを正当化するストーリーを堂々と放送するとは何事か!放送時間を遅くするか、放送を中止していただきたい。子ども達が見る時間帯には、温かい心、正しい心を育むような番組を放送していただきたい。
  • サスペンスドラマですが、非常に残酷な殺害シーンがリアルに描かれていて不愉快な気分になりました。喉をナイフで掻き切り大量の血が天井にまで飛び散っていましたが、動脈が切れる様子までリアルでした。夕食を食べながら家族で見ていたのですが、それを見てひとりが嘔吐してしまいました。その後もずっと自分の手で首のあたりを抑えていましたが、心に傷でも残ったらどうしようと心配しています。映画なら確実にR-15に指定されているレベルです。それをゴールデンタイムに放送することが許せません。放送するなら深夜にしてもらいたいと思います。番組制作者は作品を作るのに夢中で、視聴者側のことを全く考えていないのだと思います。
  • アニメ番組。17時から30分間放送しているが、内容がグロテスクな上、かなり問題があると考えられる。冒頭に注意のテロップを出しているが、共働きの場合は、この時間帯は大抵留守になっているのでこのテロップには意味が無いと思う。番組内容がどう考えても子供に悪影響を与えるような内容なので、夕方の時間帯に放送するのは止めたほうがいいと思う。他局が行っているように深夜放送にすべきではないか?

【性表現について】

  • バラエティー番組。最近、男児の入浴現場や男児が全裸でいる状態を放送している番組が多い。この番組では小学三年生程度の男の子を男性タレントの入浴に付き添わせ、でん部などを含み全裸の状態を背後から30~40秒ほど放送していた。さらに男の子の股間部分には動物の象のマークを付けモザイクとしていたが、男児の性器を象で表現していることは一層わいせつ性がありセクハラ的で不快だった。この番組は立派な児童ポルノに相当すると思う。小中学生の男の子の場合だけ、入浴現場に侵入して全裸を撮影する番組が一向に減らない。本人たちも本当は嫌なのに撮られているケースも数多くあるはずだ。今回もこのシーンの画像流出があった。女の子の入浴シーンはほぼ厳禁化されているのに、男の子は裸やプライベートの現場を撮影される現状には憤りと懸念を感じる。
  • バラエティー番組。男の子が全裸で泥遊びをしている場面があった。幼稚園児くらいの小さい子だったが、局部位にはモザイクがかかっていた。その後、風呂の場面で3人の小学生男子が撮られていたが、モザイクをかけるということは、ここはいかにも”いやらしい部分です”とアピールしているようなものだ。モザイクをかける以前に、裸の男の子の入浴シーンを放送してはいけないのだと思う。更にこの番組は3週間ほど前にも小学5年生の男の子の入浴シーンをモザイクつきで流していたが、頻度も高すぎる。男の子の裸を映すのは児童ポルノだ!モザイクをかけなければいけない範囲まで映すことは異常だと思う。いい加減にしてもらいたい。ちなみに、インターネットのテレビの実況掲示板や少年を話題にする掲示板に、そのシーンのキャプチャー画像(動画)を毎回アップしている人がいるという事実が恐ろしい。

【言葉に関する意見】

  • バラエティー番組。「芸能界で女装して一番キレイな男は誰だ!?」で男性のお笑い芸人が女装していたが、審査員たちから「キモイ!」「ヤバイ!」との発言が連発された。実は審査員を務めていたのは美容専門学校の生徒達である。テレビ番組の影響で言葉の乱れが激しいと言われているが、この年代の女性たちだけではなく、小学校の低学年の子ども達までもが日常生活でこのような表現を使っている現状を、放送関係者はどのように考えているのか。
  • どうして他人のことを「アホ」「バカ」呼ばわりするような芸能人ばかりを登場させるのか。我々大人はこのような輩の出る番組についてはチャンネルを替えたり番組を見なければそれで済むが、問題は子どもだ。近所の子どもたちはテレビを真似て、大人をつかまえて「アホ・バカ」呼ばわりしている。最近の親は子どもに甘いので、こういうことに対して全く注意しない。これはこれで問題だが、放送局も子供への影響力の大きさを自覚してほしい。

【食べ物に関する意見】

  • バラエティー番組。先日、船橋市の小学6年生の男子生徒が給食のパンを喉に詰まらせて死亡するという事故があった。早食いを他の人と競うという発想が起こった背景に、テレビで放送されている大食い・早食い番組の「他の人と競う」という発想が重なって見える。「人と競いながら食べる」という主旨の番組が、長々と続いて放送されているのが原因と思えてならない。この局の編成は大食い・早食い番組に煽りすぎだと思う。以前にも中学生が似たような事件で亡くなったと思う。この番組を断固放送しないようにしていただきたい。
  • グルメ番組に限らず各地の名産を紹介する番組が多い。その中で、出演者が食べながら紹介するシーンがあるが、総じて食事のマナーが悪い。例えば帽子をかぶったまま食事をする。他にも箸の持ち方が間違っていたり基本的なマナーを守れない人が多い。このような映像は子ども達に間違った知識を与えかねない。きちんとしたマナーを守った番組を制作していただきたい。

【いじめや虐待を助長する】

  • バラエティー番組。芸人を格付けしたり、芸人を偽のメールで騙して遊んでいるが、若手芸人に対する「いじめ」である。また「ブラックメール」の企画では、グラビアアイドルになりすましてメールを送って男性芸人を騙し、二人のデート現場を別室からモニターで監視して笑いをとったりしている。また、番組のロケだと嘘をついて芸人をホテルに宿泊させ、睡眠中の部屋に忍び込んで、寝起きの驚いたスッピン顔を映したりもしている。このような芸人を起用し、人権を無視した内容の番組を公共の電波で放送することに、テレビ局は責任の大きさを自覚するべきである。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • 以前は消費者金融のCMが多く放送され批判を浴びたが、最近はパチンコ台のCMが目立つ。パチンコは一種のギャンブルであり、韓国では2006年にパチンコそのものが法律で禁止されている。パチンコ店の経営者は、風営法第18条に風俗営業者として「満18歳未満の者について営業所に立ち入らない旨を入り口に表示」するよう義務付けられている。しかし、幼児から年寄りまで年齢に関係なく見られるテレビではアニメ画面を使用したパチンコ台のCMや、劇場アニメで話題を呼んだ作品のパチスロのCM等が子ども達が見ているゴールデンタイムに放送されている。民放の経営がCMで成り立っていることは理解出来るが、BPOの放送と青少年に関する委員会が「パチンコCMの現状と課題」について審議したが、各民放にはどのように伝わっているのか甚だ疑問である。

【推奨意見】

  • アニメ番組。この番組は実話を元にした子育てアニメで、1歳~5歳の3人の姉妹を中心に、ある家族の何気ない日常を描いた作品である。基本的にお笑いが多く、時には見ている側に「どうだろう」と思わせる場面もあるが、子ども達の何気ない成長に感動する両親や親戚との親密な付き合い、子ども同士の交流、そして漫画家でありながら子育てをする母親など、育児放棄などの事件が多い昨今、この番組から学ぶ所は多いと思う。家族で安心して見られる番組だが、放送エリアが狭い事と視聴が難しい時間帯に放送されているのが残念だ。

【放送局に対する意見】

  • 放送局は「省エネ」や「エコ」と叫びながらも自社では深夜までくだらない番組を放送している。果たしてテレビは深夜まで放送する必要があるのか。子供も含め、普通に生活している人たちの生活時間に合わせて放送すればよいのではないか。夜遅くなったら寝る。テレビは放送を終了する。これが健全ではないか?

【編成に関する意見】

  • ドラマ番組。再放送を午後2時頃から夕方5時頃まで、2回分放送していた。本放送は22時からだったので中学生の子供に番組を見せないようにすることも出来たが、このような時間帯に放送されると、親も働いている時間なのでどうしようもない。特に今日放送された内容は、DVをはじめ自殺のシーンなどもあった。世の中には発達障害や心の病になっている子ども達も多くいる。そのような子ども達は非常に感化されやすく、ドラマをドラマとして見ることが出来ないことが多い。放送局は視聴率ばかりを考えて番組を制作しているように感じる。

【委員会に対する意見】

  • 青少年委員会では「中学生モニター制度」を取り入れているが、何故モニターの対象が「中学生」だけなのか?青少年委員会の「青少年」という言葉がさしている範囲は中学生だけではないのだから、もっと幅広い世代を対象にしなければ意味がないのではないか。小学生から高校生、大学生までと範囲を拡大したほうが良いと思う。あらゆる世代から多様な観点において、幅広い意見が得られるし、委員会にとってもプラスになると思う。ぜひともご検討のほどよろしくお願いしたい。