2024年12月に視聴者から寄せられた意見
中学生殺傷事件や韓国非常戒厳など報道のあり方に対して意見が寄せられました。
2024年12月にBPOに寄せられた意見の総数は1,917件で、先月から509件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 87.7% 電話11.5% 郵便・FAX 0.8%
男女別は、男性 58.3% 女性 22.5% 無回答 19.2%で、世代別では10代 1.3% 20代 6.5% 30代 17.4% 40代 23.9% 50代 26.0% 60代 13.0% 70歳以上 3.2%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。12月の個別送付先は30局で、意見数は749件でした。放送全般に対する意見は199件で、その中から13件を選び会員社すべてに送りました。
意見概要
番組に関する意見
中学生2人が殺傷された事件や韓国の非常戒厳の報道について意見が寄せられました。また、兵庫県知事選をめぐる報道番組や参議院議員宅火災の映像の使用について引き続き意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は35件、CMについては9件でした。
青少年に関する意見
2024年12月中に青少年委員会に寄せられた意見は62件で、前月から2件増加しました。
今月は「要望・提言」が21件と最も多く、次いで「報道・情報」が14件で、以下「表現・演出」の11件などが続きました。
意見抜粋
番組に関する意見
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北九州市で起きた中学生2人の殺傷事件。死亡した被害者の顔写真や動画が何度も繰り返し放送されている。家族や友人たちはどんな思いで見るだろうか。被害者のプライバシーや人権についてもう一度考えてほしいと思った。
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被害者と加害者の情報量の差に違和感を覚える。被害者の情報はそこまで伝える必要があるのかというほどに詳しく報道されるのに対して加害者の情報は少ない。北九州市の事件では、被害者の生活や映像を繰り返し伝えることよりも、容疑者が映っていただろう防犯カメラの映像を探し出し報道することが重要なのではないか。
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韓国大統領が突然発した非常戒厳。字幕スーパーによる速報だけではなく、通常の番組を中断して報道特別番組を放送すべきだったのではないか。公共の電波を預かっているという自覚が足りないのではないか。テレビ離れがますます進むのではないかと危惧する。
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兵庫県知事選をめぐるさまざまな事象を振り返る報道番組。あらためて選ばれた知事とその選挙運動に対する一方的な批判に終始した印象で、中立公平な報道ではないと感じた。
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兵庫県知事選の結果にはSNSが影響したと言われているが、SNS上に流れた膨大な量の情報のうち、何が事実で何がフェイクだったのか、テレビ番組が検証すべきだと思う。
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参議院議員宅の火災で、炎のそばで人影が動く映像を使用したことは行き過ぎた報道ではなかったか。心理的に大きなショックを受けた視聴者も少なくないと思う。
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有名タレントの突然の死。直後に家族の自宅を訪れマイクを向ける番組があったが、その取材は本当に必要なのだろうか。公共性があるのだろうか。同様に、事件の被害者家族への直撃取材についても必要性に疑問を感じることがある。
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週刊誌で女性とのトラブルが報じられた人気タレントが出演予定の番組について、そのまま放送されるかどうかが話題となっている。出演場面をそのまま放送した番組があったが少し違和感を覚えた。
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人気タレントの女性とのトラブルについてテレビ各社が報じないことが不可解。レギュラー番組を多数持っているタレントなのだから、裏付け取材を行い知り得た事実を報道すべきなのではないか。
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テレビはSNSにはフェイクが多いと批判するが、一方で、国内だけでなく海外のスマホ動画を含めSNS上に流れる映像を使って番組を作っている。その中にフェイク動画やフェイクニュースが無いと言い切れるのだろうか。
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SNSで批判の声が集中している番組は見たくなくなってしまう。SNS上の言いっぱなしを放置せず、番組やHPなどで放送局の意見を聞かせてほしい。放送局は視聴者とのコミュニケーションをもっと大切にしてほしい。
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出演者を「一流国立大学卒」「有名私立大学卒」などとグループ分けするバラエティーが多すぎてうんざりする。学歴偏重の風潮を助長する可能性もあると思う。
青少年に関する意見
【「要望・提言」】
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虐待をテーマにしたドラマが多すぎて心がすさむ。普通の恋愛ドラマにも虐待シーンが出てきて違和感を覚える。虐待は弱きものの悲しみであって、それをドラマの視聴率稼ぎのネタにするべきではない。
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私は中学生で、授業で情報リテラシーについて学んでいる。先生は「マスメディアの言うことを鵜呑みにしてはいけない。インターネット配信のライブストリーミング番組が、実はいちばん公平な報道をしている」と話していた。放送局の人たちは重く受け止めてほしい。
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「子どもが真似する」「教育上よくない」というクレームで当たり障りのない番組ばかりになった結果、子どもが不確実な情報や不適切なコンテンツが氾濫するインターネットに移ってしまうのは本末転倒だ。本来は保護者が説明してやるべきなのに、それをやらずにテレビ局にクレームを入れるのは家庭教育の放棄だと思う。
【「報道・情報」に関する意見】
- 多くのテレビ局が北九州中学生殺傷事件で亡くなった女子中学生の氏名や顔写真などを紹介した。全国放送で個人情報が拡散されることは気の毒に思う。今の時世に合わないだろう。
【「表現・演出」に関する意見】
- お笑い芸人に競わせる番組で、決勝に進んだ3組の女性芸人がネタを披露した。1組目は「うんこ」、2組目は「たまきん」、最後が「おっぱい」。これが一番おもしろいネタなのか。家族で一緒に、子どもも見ることを考えてほしい。
【「編成」に関する意見】
- 子どもたちが日曜日の人気アニメ番組を楽しみにしている。新年度4月からの改編で、放送開始が日曜午前9時半から深夜11時15分になるという。深夜では子どもたちは起きていられない。午前に戻すか、夕方に移してほしい。
【「食べ物」に関する意見】
- ニュースや情報番組でもグルメの紹介コーナーがある。アナウンサーやリポーターが大きく口を開けて食べ物を入れ、それが入ったままコメントする。とても見苦しい。テレビは子どもも見ている。食べ物を口に入れたままで話さないという正しいマナーを見せてほしい。