第222回放送と人権等権利に関する委員会

第222回 – 2015年7月

佐村河内氏事案2件の審理
出家詐欺事案、ストーカー事件2事案の審理…など

佐村河内守氏が申し立てた2事案の「委員会決定」案を検討し、出家詐欺事案を審理。また同じ番組を対象にしたストーカー事件再現ドラマとストーカー事件映像の2事案を審理した。

議事の詳細

日時
2015年7月21日(火)午後4時~10時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

坂井委員長、奥委員長代行、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
曽我部委員、中島委員、二関委員、林委員

1.「謝罪会見報道に対する申立て」事案の審理

審理の対象は2014年3月9日放送のTBSテレビの情報バラエティー番組『アッコにおまかせ!』。佐村河内守氏が楽曲の代作問題で謝罪した記者会見を取り上げ、会見のVTRと出演者によるスタジオトークを生放送した。
この放送に対し、佐村河内氏が「申立人の聴力に関して事実に反する放送であり、聴覚障害者を装って記者会見に臨んだかのような印象を与えた。申立人の名誉を著しく侵害するとともに同じ程度の聴覚障害を持つ人にも社会生活上深刻な悪影響を与えた」と申し立てた。
TBSテレビは「放送は聴覚障害者に対する誹謗や中傷も生んだ申立人の聴覚障害についての検証と論評で、申立人に聴覚障害がないと断定したものではない。放送に申立書が指摘するような誤りはなく、申立人の名誉を傷つけたものではない」と主張している。
前回の委員会後、「委員会決定」文の起草委員会が開かれ、今月の委員会に決定案が示された。委員会では担当委員の説明をもとに判断と結論の部分を中心に検討が行われ、さらに審理を継続することになった。

2.「大喜利・バラエティー番組への申立て」事案の審理

審理の対象はフジテレビが2014年5月24日に放送した大喜利形式のバラエティー番組『IPPONグランプリ』で、「幻想音楽家 田村河内さんの隠し事を教えてください」という「お題」を出してお笑い芸人たちが回答する模様を放送した。
申立書で佐村河内守氏は、「一音楽家であったにすぎない申立人を『お笑いのネタ』として一般視聴者を巻き込んで笑い物にするもので、申立人の名誉感情を侵害する侮辱に当たることが明らかである」とし、さらに「現代社会に蔓延する『児童・青少年に対する集団いじめ』を容認・助長するおそれがある点で、非常に重大な放送倫理上の問題点を含んでいる」としている。
これに対し、フジテレビは答弁書で「本件番組は、社会的に非難されるべき行為をした申立人を大喜利の形式で正当に批判したものであり、不当に申立人の名誉感情を侵害するものでなく、いじめを容認・助長するおそれがあるとして児童青少年の人格形成に有害なものではない」と主張している。
前回の委員会後、「委員会決定」文の起草委員会が開かれ、今月の委員会に決定案が示された。委員会では担当委員の説明をもとに記述等を検討し、さらに審理を重ねることになった。

3.「出家詐欺報道に対する申立て」事案の審理

審理の対象はNHKが2014年5月14日の報道番組『クローズアップ現代』で放送した特集「追跡"出家詐欺"~狙われる宗教法人~」。番組は、多重債務者を出家させて戸籍の下の名前を変えて別人に仕立て上げ、金融機関から多額のローンをだまし取る「出家詐欺」の実態を伝えた。
この放送に対し、番組内で出家を斡旋する「ブローカー」として紹介された男性が「申立人はブローカーではなく、ブローカーをした経験もなく、自分がブローカーであると言ったこともない。申立人をよく知る人物からは映像中のブローカーが申立人であると簡単に特定できてしまうものであった」として、番組による人権侵害、名誉・信用の毀損を訴える申立書を委員会に提出した。
NHKは「収録した映像と音声は、申立人のプライバシーに配慮して厳重に加工した上で放送に使用しており、視聴者が申立人を特定することは極めて難しく、本件番組は、申立人の人権を侵害するものではない」と主張している。
前回の委員会後、申立人から「反論書」、被申立人から「再答弁書」が提出された。この日の委員会では、事務局が双方の主張を取りまとめた資料を基に説明し、ヒアリングに向けて起草委員が作成した論点と質問事項案について検討した。その結果、次回委員会で申立人、被申立人双方にヒアリングを実施することになった。

4.「ストーカー事件再現ドラマへの申立て」事案の審理

対象となったのは、フジテレビが本年3月8日に放送したバラエティー番組『ニュースな晩餐会』。番組では、地方都市の食品工場を舞台にしたストーカー事件とその背景にあったとされる社内イジメ行為を取り上げ、ストーカー事件の被害者とのインタビューを中心に、取材協力者から提供された映像や再現ドラマを合わせて編集したVTRを放送し、スタジオトークを展開した。登場人物、地名等、固有名詞はすべて仮名で、被害者の取材映像及び取材協力者から提供された加害者らの映像にはマスキング・音声加工が施されていた。
この放送に対し、ある地方都市の食品工場で働く契約社員の女性が、放送された食品工場は自分の職場で、再現ドラマでは自分が社内イジメの"首謀者"とされ、ストーカー行為をさせていたとみられる放送内容で、名誉を毀損されたと訴える申立書を委員会に提出し、謝罪・訂正と名誉の回復を求めた。
これに対しフジテレビは、「本件番組は、特定の人物や事件について報道するものではなく、事実を再構成して伝える番組」としたうえで、「本件番組を放送したことによって人物が特定されて第三者に認識されるものではない。従って、本件番組の放送により特定の人物の名誉が毀損された事実はなく、訂正放送の必要はない」と主張している。
今月の委員会では、申立人から新たに提出された「反論書」と、フジテレビから提出された「再答弁書」を基に、事務局が双方の主張を改めて説明、そのうえで論点の整理に向けて各委員からさまざまな意見が述べられた。

5.「ストーカー事件映像に対する申立て」事案の審理

対象となったのは前事案と同じ、フジテレビが本年3月8日に放送したバラエティー番組『ニュースな晩餐会』。
この番組に対し、取材協力者から提供された映像でストーカー行為をしたとされた男性が、「放送上は全て仮名になっていたが、会社の駐車場であることが会社の人間が見れば分かると思われ、また車もボカシが薄く、自分が乗用している車種であることが容易に分かる内容だった。会社には40歳前後で中年太りなのは自分しかいなく自分と特定されてしまう」として、番組による人権侵害を訴える申立書を委員会に提出。また、「番組の放送前に、従業員にストーキングしている人物が自分であるということを広められ、関係会社にばれてしまったので、会社には置いておけないということで退職せざるを得なくなった」と主張した。
これを受けてフジテレビは「本件番組は、特定の人物や事件について報道するものではなく、ストーカー被害という問題についてあくまでも一例を伝えるという目的で、事実を再構成して伝える番組であり、場所や被写体の撮影されている映像にはマスキングを施し、取材した音声データなどについては音声を変更し、場所・個人の名前・職業内容などを変更したナレーションやテロップとする」など、人物が特定されて第三者に認識されるものではなく、「従って、本件番組の放送により特定の人物の名誉が毀損された事実はなく、訂正放送等の必要はない」と主張している。
また、申立人の退職の原因について、「本件番組及びその放送自体ではなく、本件番組で申立人所属の会社のことが放送される旨会社の内外で流布されたこと、及び申立人も自認していると推察されるストーキング行為自体が起因している」と反論している。
今月の委員会から審理に入り、事務局が双方の主張を整理して説明、各委員から、論点整理に向けてさまざまな意見が述べられた。

6.その他

  • 県単位意見交換会を10月5日に山形で開催することになり、事務局から概要を説明した。
  • 系列単位意見交換会を11月下旬にTBS系列の北陸信越4局を対象に開催することになり、事務局から概要を説明した。
  • 7月14日に開かれた第10回「BPO事例研究会」について、参加者のアンケート結果などを基に事務局から報告した。
  • 次回委員会は8月18日に開かれる。

以上

2015年6月に視聴者から寄せられた意見

2015年6月に視聴者から寄せられた意見

政府・与党が今国会での成立を目指す安全保障関連法案を扱った番組に、様々な意見。神戸市児童連続殺傷事件の元少年Aの手記出版を取り上げた放送に対し、如何なものかといった声。韓国を扱った番組で、字幕スーパーと実際にしゃべっている内容が違うといった批判が、多数寄せられた。

2015年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,333件で、先月と比較して489件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性67%、女性32%、不明1%で、世代別では40歳代29%、30歳代28%、50歳代16%、20歳代16%、60歳以上7%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は1,416件【51局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

政府・与党が今国会での成立を目指す安全保障関連法案について、参考人質疑で憲法学者たちが「違憲」としたことで、それを扱った番組にも様々な意見が寄せられた。
神戸市児童連続殺傷事件の加害者である元少年Aの手記出版の話題を取り上げた放送に対し、出版自体許せないのに、さらにそれをニュースなどで取り上げることは如何なものかといった声が寄せられた。
韓国を扱った番組で、字幕スーパーと実際に喋っている内容が違うといった批判が、多数寄せられた。
バラエティー番組の海外ロケで芸人の嘔吐シーンがあったが、映像処理をしているとはいえ、食事時に如何なものかといった批判があった。
ラジオに関する意見は57件、CMについては61件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は115件で、前月から22件増加した。
今月は、「表現・演出」に関する意見が29件と最も多く、次に「暴力・殺人・残虐シーン」が16件、「性的表現」が12件と続いた。
「表現・演出」については、お笑いタレントのお尻に吹き矢(プラスチック製のコーン)が刺さる瞬間の表情を海外の芸術家が撮影する企画について、複数の意見が寄せられた。
「暴力・殺人・残虐シーン」については、お笑い番組でのツッコミが暴力行為を肯定しているようで、いじめに繋がりかねないとの意見が複数の番組に対して寄せられている。
「性的表現」では、ラジオ番組での性的表現についての意見が目立った。
その他、バラエティー番組でお笑いタレントが他のタレントの新居を訪問した際に、壁に落書きしたり、魚を床に落としたことなどについて、多くの意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 安保法制について、論点が不明なわかりにくい報道が目立つ。法案のどこがどう問題なのかを、明確に議論してもらいたい。「誰かが違憲と言った」という風に放送するのでなく、視聴者に考えさせる放送を行ってもらいたい。

  • 3人の憲法学者が国会で安倍総理の集団的自衛権を「違憲」とした。ところが、政権サイドは合憲だと言う。しかし、そもそも自衛隊があることがおかしい。ましてや他国と戦争できるという論理は成り立たない。当然、憲法違反である。9条の解釈はさまざまあるが、この点では、ほぼ憲法の専門家の一致する見解である。ところが、これについて番組の中で鋭く指摘する声がない。憲法違反の法案が強行採決されそうなのに、なぜこんなのんきなことを言っているのか。もっと危機感を持って伝えるべきではないのか。

  • 『安保関連法案、与野党の重鎮4人が反対表明』と題して、4人の反対意見だけを報道していた。賛成する意見の報道は、番組の中でなかった。国論を二分する法案だから、賛成する意見も報道するべきだ。

  • 重要法案審議中にもかかわらず、国会中継の放送がない。局に理由を聞くと「総合的判断で放送せず」との回答を得た。大相撲も高校野球もない時期で、実際に放送されている番組は再放送ばかりだ。「総合的判断」の根拠が全く理解できない。

  • 国会中継をしないことは国民の知る権利を奪っている。さらにニュースでは与党の都合の悪い部分は削ってしまっているので、報道は危険な状態と言える。必ず国会中継をしてもらいたい。

  • テレビ番組表で「自衛隊が海外で人を殺す想定事例」というタイトルを見て驚いた。安全保障関連法案はまだ可決していないし、仮に可決しても「自衛隊が人を殺す」とは決まっていない。自衛隊が海外で人を殺すことを想定内と決めつけ、国民に不安と誤解を与えるタイトルはやめるべきだ。

  • ウクライナ訪問で総理は「力による現状変更は認めない」と言っていたが、政府・与党推薦の学者も含めた憲法の専門家が憲法違反とした安全保障法制を強引に進めようとしていることにはなぜ触れないのか。こちらも力による違法な現状変更ではないか。政権におもねるばかりなら、マスコミはいらない。

  • 自民党議員や作家から、マスコミや沖縄の新聞をつぶせという発言があったとのことだが、日本は中国や北朝鮮と同じになってしまう。このままでは本当に危険である。マスコミよ、すぐに立ち上がってくれ。

  • 自民党若手議員の勉強会でのマスコミ批判について、各マスコミは報道の自由・言論の自由の弾圧だと大騒ぎをしているが、果たしてそれは正しいのだろうか。他人がマスコミ批判をすると、その人々を糾弾する。マスコミは自分達に不都合なことを、報道の自由・言論の自由の名のもとに封じ込めいていないといえるのか。

  • 報道機関に圧力をかけようとする政権与党は「報道機関を潰す」とまで発言した。戦争法案を報道すれば、報道機関は政権によって潰されるという、はっきりとした言論弾圧である。この問題はマスコミ各社で協力し、政権与党に抗議文を届ける必要があるのではないか。今後も圧力に負けない公平な取材と報道を求めたい。

  • 神戸市児童連続殺傷事件の加害者である元少年Aの手記出版の話題が取り上げられた。出版自体許せないことだが、さらにそれをニュースで取り上げ、出版社や書店などの関係者と遺族にまでインタビューをしていた。その上、番組では本の一部を抜粋して朗読した。それも元少年Aが犯罪に傾く心理を描写する部分だった。テレビという場で、異常犯罪者の心理を本人が書いたものを通して読み解くのは、危険な行為だ。それによって本に興味をそそられる人が出るかも知れない。出版の事実だけを報道すれば十分だった。

  • 韓国でMERSコロナウィルスが蔓延しているが、テレビでの報道の少なさに恐怖を感じている。数年前に大して致死率も高くない新型インフルエンザの時は大騒ぎしたのに、致死率4割とも言われている恐ろしい病気が韓国で猛威を振るっているのだから、もっと時間をさいて報道するべきだ。

  • MERSの報道において、韓国への渡航は問題ないとしていた。しかし韓国の病院の対応は不十分で、MERS患者を家族が付き添い看護しているとも聞く。ウイルスの拡大を制御できている状態ではない。他の国は韓国への渡航を制限しているのに、なぜ日本は韓国への渡航を禁止しないのか。もっと国民の生命を重視した報道をするべきだ。

  • 私は福島県に住んでいる。東日本大震災で、東京電力福島原子力発電所から大量の放射性物質が排出された。福島県などの自治体は、住民県外流出を抑えたいがために、生活に影響がないとして地元に戻るように勧めている。しかし、実際に放射線物質量を計測すると、異常値を出す場所は多々ある。とてもではないが、まだまだ安心して住める状況ではない。これらについて、テレビで取り上げることはほとんどないので、地元民であっても被ばくリスクを考えずに行動している人々が非常に多い。放送で放射線物質による土壌汚染の問題をもっと取り上げ、福島の本当の状況を伝えてほしい。

  • お買い得情報などが満載の地元密着型情報番組だが、情報の度に「ピロピロン」という効果音が流れる。地震警報とそっくりで、数分に1回くらいの頻度で鳴る。電子音が聞こえると、反射的に「地震か!?」と身構えてしまう。あわてて画面を見ると「野菜の特売のお知らせ」といった具合だ。心臓にも悪いので、すぐにでもやめてほしい。

  • フィリピン大統領を歓迎する宮中晩さん会に皇室の若い女性がデビューしたという話題が大きく伝えられた。彼女の様子ばかりがクローズアップされているが、晩さん会の趣旨であるフィリピンと日本との友好について、過去の歴史も含めて伝えることのほうがはるかに大切だと思う。彼女のドレスやティアラばかりを取り上げることは如何なものか。

  • 殺人容疑で逮捕された僧侶の報道で、混乱しているであろう父親にインタビューしたあげく、司会者が「事の重大さが分かってないんでしょうか」と発言していた。子どもが逮捕され動揺している親が、きちんと理路整然と回答できるわけがない。精神的ダメージで参っているであろう親を責めたてることは止めてほしい。

  • 軍艦島に慰霊に来た韓国人団体のことを報じていたが、韓国市民団体の主張のみを取り扱い、地元の声は届けていないように思われる。中立・公正とはかけ離れた偏向的な報道だ。日本の放送局がなぜ韓国の立場に立って報道するのだろうか。

  • 障害者の福祉施設での暴力行為の映像だが、各局のニュースで繰り返し放送され、特に頭部を3度も連続して殴られ気絶したように倒れる場面は衝撃的だ。放送はある面必要だと思うが、繰り返し流すのは、再発防止の助けになるとはいえない。扇情的な報道に堕している。被害者の人権に対する冒涜にもなっており、障害者への暴力を助長する。

  • 群馬県で突風が発生し、建物の屋根などが飛ばされる被害があった。放送した局や番組は失念したが、リポーターが白いヘルメットをかぶって被害にあった家に入っていた。しかしその家の人はヘルメットを被っていなかった。自然災害の被害状況を中継する際、家の中まで案内させる以上、その家族のヘルメットも準備しておくべきだ。自分の身の安全だけを図っているようで、違和感を覚えた。

  • 災害や事件で「視聴者提供」の映像が流れるが、疑問に思う。常に現場にカメラマンがいるわけではないので、居合わせた人が撮った映像はありがたいとマスコミは使うのだろう。しかし「スクープだ」と民衆がこぞってスマホを向けることには首を傾げざるを得ない。なにより災害時には身の安全が第一ではないのか。視聴者提供の映像の採用にはもっと慎重であるべきではないのか。

  • 沖縄からの中継で、沖縄戦の惨劇を強調するあまり、「軍隊がそばにあると住民が犠牲になる」と、暗に現在の沖縄が同じ状況にあるかのような放送をしていた。今、沖縄から基地がなくなったら、どうなるのか。基地反対を煽るなど、活動家と同じではないか。

  • 公然わいせつ容疑で現行犯逮捕をされた男性をテレビカメラが待ち構えるようにして一挙手一投足を映し出した。確かに地域で以前から問題になっていた人物らしい。しかし、カメラマンが逮捕できるのか。もしかしたら知的障害などがある人かもしれないのに顔を公開してよいのだろうか。メディアに裁く権利があるのだろうか。

  • 日韓国交正常化50周年にあたり、メディアは韓国との友好ばかりを伝えているが、韓国の反日行動を見聞きすると友好の気持ちは持てない。韓国に歩み寄ろうとする姿勢は不愉快極まりない。メディアはもっと近代史を勉強するべきだ。

  • 日経平均株価が、ITバブルといわれた高値を上回って上昇した、とニュースで報じていた。この浮かれたようなコメントを流すのは、如何なものか。今は日銀が介入し、年金も郵貯の資金もつぎ込んで株価を釣り上げている。決して景気は良くない。さらに、円安で株価が上がっているようであってもドル換算すると決して上がっていない。それなのにメディアが、株価が上がり景気が安定している、と報道していることは看過できない。景気が良いと勘違いさせる報道は危険である。

【番組全般・その他】

  • 三重県で捕獲した野生のクマを、隣接する滋賀県内に放置した事件があった。その話題で、司会者が「笑っちゃいますね」と言った。そのクマで重傷を負った女性がいるのに驚くべき発言だ。私は三重県でそのクマの行方を追っており、女性の悲惨な傷の状態も知っている。男性司会者に憤りさえ覚えた。

  • 男性お笑い芸人が中学生によく見る番組を聞いたとき、その番組名を言わなかったので「気を使えよ」と頭を殴った。また、図に乗って事あるたびに殴っていた。このような行為はいじめや暴力につながりかねない。お笑い芸人が殴ることを"芸"と勘違いしているようで、不愉快極まりない。

  • 芸人が女性タレントのおっぱいを堂々と揉む様子が放送された。親告罪かもしれないが、これは一般社会では立派な犯罪行為だ。生放送でなければカットするべきだ。一般の地上波で、このようなシーンを平然と放送するテレビ局の異常さにあぜんとした。

  • 「関西の各府県の県民がお互いの県をどう思っているのか」ということを、街頭インタビューを交えて伝えていた。ところが私の住む奈良県については、「鹿と大仏」という紋切り型のイメージしか出ない上、「奈良には何も無い」とまで言い切った。すると他の出演者からも「奈良出身者はエイリアンをもじってナラリアンとばかにされる」など侮辱的とも思える発言が続いた。これらはステレオタイプ的とも言える極めて偏狭な捉え方だ。

  • 「芸能人のオネエ疑惑検証」という趣旨だった。タレントが「オネエじゃない」と否定しているのに、周りがそれを問いつめていた。テレビは面白おかしく、今世間が興味をもつ話題をとりあげるのはわかる。だが僕自身ゲイなので、すごく腹立たしい思いになった。自分たちにとっては当たり前のように人を好きになっているだけなのに、あたかもそれが病気であるかのように毛嫌いされ、否定される。悔しい気持ちで一杯だ。肩身の狭い思いをしながら生きているのに、テレビという影響力のある媒体で、世間の偏見を助長するようなことはやめてほしい。

  • 女性タレントがマラソンに挑戦するという内容で、その練習中のジョギングの様子を紹介し、インタビューしていたが、彼女に対して「ババア」と言い、わざわざ字幕まで出した。また、少し後には胸のなかに手を入れてもてあそぶような場面もあった。まさにパワハラそのもので、不愉快な映像だった。

  • 「知ってるようで知らない韓国の謎」を見た。まず感想としては非常に良いと思った。これからは定期的に日韓の学生なども交えて議論し、ただ単に侵略した・侵略されたではなく、もう少し深く高いレベルで理解を深め『共通の歴史認識』を持てるようになってほしいと思った。また、このような番組を日韓で共同制作して、互いの国で放送すれば、先入観や誤解が解けるのではないのか。ただ批判しあうのではなく、お互いに話し合いをする努力が、未来に向けて必要だと思った。

  • 韓国を扱った番組で、ソウルでの街頭インタビューに出てきた女子高生の発言に対する字幕が間違っていた。字幕では「嫌いですよ。だって韓国を苦しめたじゃないですか」となっているが、わずかに聞き取れる本人の声を聞くと、「文化がとても多いですよね。そして外国人が本当にたくさん訪れています」と言っているように聞こえる。日本を悪く言うような発言は全く聞き取れなかった。

  • 消費者グループが、「景品表示法に違反する」と指摘しているスポーツジムのビジネスを、一方的に賛美している内容だった。しかもその会社の立会外分売の取引開始前日の放送だった。何か意図的なものを感じた。

  • 面白くて大好きな番組だが、芸人が嘔吐するシーンは、モザイクなどで隠してはいるが気持ちの良いシーンではない。嘔吐に対しトラウマをもっている私からしてみれば、そんなシーンを放送するなんてとんでもない。ましてや食事をしている時間帯であり、食欲もなくなる。怒りさえ覚える。

  • ゴーストライター事件で有名になってしまった作曲家がゲスト出演していた。その彼の頭を後ろから芸人が思い切り叩くシーンが放送された。芸人なら慣れていることでも、異分野の彼にとっては、かなりの衝撃だったと思う。突然の一撃により頭に損傷を受けることも考えられる。こうした暴力的なやり取りを放送することは、やめるべきだ。

  • 朝の情報番組だが、他の民放局の同時間帯の情報番組よりもテンポがよく、しかも他局と違い、特定の性別・世代・趣味などをけなして面白おかしく仕立てるようなことは一切ない。スタジオの若いアナウンサーやコメンテーターも、軽い議論を交えつつわかりやすくコメントするため、好感を持った。今後も同じスタンスで番組を続けてほしい。

  • 薄毛、ブスなど自分ではどうしようもないことを嘲笑の対象にする放送があまりにも多い。薄毛は病気なのに、嘲りの対象にする放送に怒りを感じる。子どもの頃からそのような放送を見ていると、薄毛は気持ち悪い、馬鹿にされる対象なのだと教育されているようなものではないか。病に対して偏見を持たせる放送を流していいのか。芸人を起用した番組が多いため、他人を馬鹿にして笑いを取るということが多くなっている。人の気持ちを少しは考えた番組作りをすべきではないのか。

  • 「連続ハワイロケを慣行としている」と言っていた。しかし、そのハワイロケは、番組取材というよりも、出演者とスタッフの「毎年恒例のハワイ社員旅行・慰安旅行」が目的なのではないかと感じるような、内容の薄いものが多かった。番組ではハワイ以外にも、年間を通して不要な海外ロケを多用しており、番組を私物化する風潮があるように感じる。真摯な制作をお願いしたい。

  • どう見ても合成の映像か、心霊現象でも何でもない映像を、さも摩訶不思議な映像であるかのように放送していた。視聴者を馬鹿にしていて不愉快である。タイトルにも詐欺の要素が強く、内容もくだらない。例えば「南米の女性が妖怪に襲われ、その子を死産した」という話を放送していたが、赤ちゃんの遺体の映像を見る限り、障害を持ってうまれた未熟児にしか見えない。おそらく我が子がそういう状態でうまれた事実を受け入れられない母親が、地元に伝承される妖怪のせいにしてしまったのだろう。障害児である可能性にも一切触れず、面白おかしく放送するテレビ局側の姿勢に疑問を覚えた。

  • 「中年パラサイトシングル」について放送していた。論調は概して批判的で、中年パラサイトが「家事をせず、親のお金で楽をしている」などと、まるで年金泥棒のように扱っていた。しかし自立しない原因は本人の努力不足だけではない。彼らも好き好んで親と同居している訳ではないし、親の介護などの理由で同居している可能性がある。パラサイトなどと決めつけて、一方的に悪者扱いをすることはいかがなものだろうか。

  • ワイドショーの芸能ニュースで、人や事務所によって、態度をかえるテレビ局に理不尽さを感じている。昨今も週刊誌で女性アイドルと男性アイドルのスクープ写真が発表されたが、全局のワイドショーは、殆どこのニュースを取り扱わなかった。あきらかにテレビ局が何らかの力に屈していると察する。分け隔てない公平な放送を確保してほしい。

  • 野球中継だった。選手がボールを捕ろうとした時、実況か解説者が「落とせ、落とせ!」と叫んでいた。下品な野次のせいで、野球が浅ましいスポーツにみえた。球場やテレビの前で野次をとばすことはかまわないが、実況者・解説者たるものが、そのような発言をするものではない。

  • IT企業の元社長が出演していたが、まるで逮捕されたことがなかったように芸能人面していたことに違和感を持った。なぜ前科があるのに、それを良しとする風潮があるのか。芸能界は犯罪者に甘すぎる。過去のことになっているが、世間はこの人が逮捕されたことを忘れていない。犯罪者の顔など見たくない。バラエティー番組などもっての他だ。

  • 女性タレントが猛獣の世話を体験するという企画で、ワニの池の掃除やライオンの放し飼いエリアに入るというロケ映像が流れた。女性タレントはおそらく飼育員の資格や技術もなく、"棒一本でライオンの世話"など、無防備な状態で猛獣に近づくよう指示される。ライオンの放し飼いシーンでは、エリア内に入る際、書類に「何が起こっても一切責任は追及しない」という同意書にサインするシーンもある。一種のパワーハラスメントにも該当するのではないか。

  • 前回の放送での「ゆとり叩き」がひどく、SNSなどで炎上し、ネット新聞でも取り上げられるほど問題になった番組の第2弾だった。何も変わってない劣悪な番組だった。反省で出演させたという人物もどう見ても「ゆとり叩き」の為の、アホキャラ枠での出演で、酷さがました内容だった。

【ラジオ】

  • 店舗を紹介するコーナーであるパン屋を取り上げたが、「紹介するアナウンサーのいとこの店だ」と言っていた。身内の店を取り上げることは認められるのか。その店を取り上げるなとは言わないが、取り上げるならば身内の店だと言うべきではないのか。身内びいきしているようで面白くない。

  • 私は喫煙者だが、番組で喫煙者はまるで犯罪者のような扱いをしていて、憤慨している。我々喫煙者のほとんどは周りに気を使い、歩きタバコなどもせず肩身の狭い思いをしている。そのことについて一切の不満も言わない。喫煙者を馬鹿にするような発言は許せない。

  • 中高生らしき男子からの「恋愛ってどういう感じですか?」という質問に対し、出演者は「夢中になる」「高揚感がある」という説明に加えて「クスリを使った感じで興奮状態になります」と発言した。最初は聞き違いかと思ったが、その後も何度か"クスリの時のような"と説明していた。"クスリ"という言葉を持ち出すとは驚いた。

【CM】

  • 子ども達に支持された童話やアニメ作品が、CMでパロディー化されているのをよく目にするが、本来のイメージがCMに取って代わられ、純朴な感じが損なわれる。童話は子ども達の大切な宝なのだから、CMに利用する際は十分に配慮してほしい。

  • ホラー映画のCMがあまりにもひどい。幽霊が抱きつくなどの映像があるが、「心臓が弱い方は見ないでください」という注意が出ても対処できない。ホラー映画の予告の放送はやめてほしい。

  • スマホゲームのCMだが、アニメの女子学生が頭を撫でられ、「先生」ととても嬉しそうに顔を赤らめるシーンがある。昨今、実際に学校の先生からの性的な接触の問題も多々ニュースになっている中で、このような先生から体に触られ、それを少女が嬉しそうにしているような気持ちの悪いCMを、昼間から堂々と流すのは問題だ。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、プラスチック製の吹き矢で女性お笑いタレントのお尻を刺す瞬間を芸術家が撮影していた。芸術家は人が痛みを感じる瞬間の表情が芸術だと話していたが、子どもたちに人気のある番組であり、子どもたちが真似することを懸念している。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 商店街でのロケシーンで、お笑いタレントが後輩タレントのお尻を蹴飛ばしたり、頭を叩いていた。ツッコミのつもりだったのだろうが、度が過ぎていた。大人がこのような場面を平気で笑うことが、いじめに繋がっていくのではないか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 若者向けのラジオ番組で、10代であるリスナーの性的経験をパーソナリティーが面白おかしく聞いていたが、未成年の性行為を正当化しているように感じる。

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • バラエティー番組で、複数のお笑いタレントが「新築祝い」と称して別のタレントの別荘を訪れた際の行動に唖然とした。壁に落書きする、裸で家具に座る、生きた鯛を畳や床に落としてふざける、飲み込んだ食べ物を床に吐き出すなどモラルがない。非常識かつ不愉快で、何が面白いのかわからない。非常識で迷惑な行動を面白いことと思い、真似する子どもが増えそうで嫌気がさす。

【「危険行為」に関する意見】

  • 海外の投稿ビデオを紹介する企画で、腋の下に制汗スプレーをかけている人の後ろからライターを近づけ、火が噴き出て驚いた様子を面白いことのように放送していた。危険な行為であり、子どもたちが見ている時間帯に放送するような内容ではない。

【その他】

  • 不登校の児童を「意識が高い」と紹介していた。当該児童は、いじめや家庭事情、身体の問題などのやむを得ない事情ではないのに義務教育を受けていない。こういった児童を安易に起用し、「意識が高い」と扱っていることにショックを受けた。未成年が法に則った生活をしていないことを取り上げるならば、保護者による説明が必要ではないか。

第171回 放送と青少年に関する委員会

第171回–2015年6月23日

視聴者意見について「討論」案件なし
「インターネット情報の取り扱い」テーマに、在京テレビ局と意見交換会・勉強会開催へ…など

6月23日に第171回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席しました。まず、5月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見を基に話し合いましたが、討論案件はありませんでした。そのほか、6月の中高生モニター報告、新規の調査研究、今後の予定について話し合いました。
次回は7月28日に定例委員会と在京局との意見交換会・勉強会を開催します。

議事の詳細

日時
2015年6月23日(火) 午後4時30分~午後7時45分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、川端裕人委員、菅原ますみ委員、緑川由香委員

視聴者意見について

●討論案件はありませんでした。
委員間で「報道等において刺激の強い映像(とくにインターネットで公開されている動画)を使用することによる影響と、"知らせる"ことのバランスをどう考えるか」「バラエティー番組などの"いじめ""いじり"や"いじられる芸"などの子どもへの影響をどう考えるか」「コマーシャルの影響」などについて話し合いました。

中高生モニター報告について

6月の中高生モニターは、「この1か月程の間に見た番組の感想(ドラマ・アニメ)」というテーマで書いてもらいました。今回は27人から報告がありました。
人気のドラマに対して複数の意見が集まりました。『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ)…「この番組だけは録画してでも毎週家族全員で見ています。それぞれの登場人物に共感するところがあるので全員で面白く見られるのだと思います。家族で犯人を推理するのも楽しかったです」(福岡・中学2年女子)。『天皇の料理番』(TBSテレビ)…「未熟で周りの厚意もくみ取れなかった主人公が、努力に努力を重ねてどんどん道を切り開いていく姿に、見ていて自分ももう少し頑張ってみようという気持ちになれる」(神奈川・高校2年女子)。『アルジャーノンに花束を』(TBSテレビ)…「知能が高くなった主人公は、喜ぶと同時に、世の中への絶望や失望感を抱くことにもなる。科学は一歩間違えれば多くの悲劇を生む恐ろしいものだということを認識することができた」(長崎・高校1年女子)。
アニメ番組に関しても意見が集中しました。『銀魂』(テレビ東京)…「この番組は、漫画では伝わり切れない描写を映像を使って余りなく表現している。深夜に放送するような大人向けのアニメが増えていくなかで、これは子どもから大人まで楽しむことができる」(東京・高校2年男子)。「この番組を見ていると学校での嫌なことや悩んだことを忘れるくらいゲラゲラと笑える。兄弟と、たまに母とも一緒に笑える。これからも、このように面白さ、バカバカしさを追及していく番組があり続けてくれることを願う」(埼玉・中学2年女子)。長寿アニメ番組にも熱い支持が寄せられました。『名探偵コナン』(読売テレビ)…「放送20年目だけあってストーリーも面白く、大好きです。これからも長く続けてほしいと思います」(東京・中学3年男子)。『サザエさん』(フジテレビ)…「サザエさんの家族の構成がステキだなあ~と思いながらいつも見ています。3世代で大きな家に住んでいることがとても羨ましいです」(宮城・中学3年女子)。
自由記述欄は、「ラジオ・テレビについて思ったことを自由に書いてください」というテーマを設定しました。番組を別のアプリと連動しながら活用している例が寄せられました。『プレ基礎英語』(NHK Eテレ)…「言葉が画像と共に表示され楽しく英語の予習復習ができる。ホームページにアクセスして見ることもできるので、ノートにまとめられるから手軽だ」(兵庫・中学1年女子)。「ニュースやドキュメンタリーを視聴しながらタブレット端末を頻繁に使用している。テレビ局には是非"おもいがけない情報に出会う"、そんな"新たな発見"ができる番組を制作してほしい」(岐阜・高校2年男子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

●【委員の感想】ドラマ・アニメというテーマなので、書きやすかったのか、青少年らしい報告内容が多く、とても楽しく読んだ。

●【委員の感想】「番組を家族みんなで見て話題にしている」ということを数人のモニターが書いており、家族の絆を強める役割を果たしているのではと感じた。

  • (東京・中学3年男子)『まれ』(NHK)を録画して、毎日母と見ています。現代ものなので、僕たち中学生でも興味を持って見られます。
  • (大阪・高校1年男子)『天皇の料理番』(TBSテレビ)家族全員で見られる内容で、家族で楽しみだね、と話す機会があるのも良い。昭和時代のセットもすごく興味をひかれる。まだ話は序盤なのでこれからも楽しみだ。

●【委員の感想】BPOのホームページを見て「青少年へのおすすめ番組」を見た感想をよせてくれたモニターがいた。

  • (東京・高校1年男子)BPOホームページ上の「青少年へのおすすめ番組」で紹介されていた関西テレビの『じゅんいちダビッドソンのミラノで伸びシロ見つけました』を見ました。とても面白かったです。夜遅いので普段だと見ない時間帯ですが、このように紹介されていると見ることができて、しばらく家族でもその番組の話をしました。

●【委員の感想】成人の視聴者から内容を批判されるアニメ番組が逆に強く支持されていて、中高生のきちんとした判断力を場合によっては信じた方がいいのかなとも思った。

  • (埼玉・高校1年男子)『銀魂』(テレビ東京)このアニメ番組には適度な性的表現(いわゆる下ネタ)が何回か使われてそれが僕には面白く感じた。こういう表現について大人が心配する気持ちも分かるが、あまりにも品がないものでなければ、普段の僕たちぐらいの男子の会話はそのような内容で盛り上がっている場合も多く、このネタで不快に感じる人は少なく、楽しく見られる内容だと思う。

●【委員の感想】好きなジャンルの番組に対しての意見だけに、非常に的を射た評価をしているモニターが多い。

  • (新潟・高校2年女子)『プチプチ・アニメ 森のレシオ』(NHK Eテレ)第一印象はすごくオシャレなアニメだということだ。細かいところまで完璧に作られていて美術だけでも飽きずに見ていられる。また5分という時間をゆったり使っていることにも驚かされた。日本人特有の"間"での笑いのとり方が非常に上手で、その長さも心地よい。

●【委員の感想】自由記述欄で、鋭い指摘をしている報告があった。

  • (東京・中学3年男子)東京MXテレビで平日の夕方、過去の名作アニメの再放送をやっているのでついつい見るのですが、その時気になるのがいわゆる"放送禁止用語"です。僕は放送当時のまま放送している東京MXテレビを支持します。例えば『みなしごハッチ』の"みなしご"という言葉は今では公共のメディアではあまり使わないようですが、日本語として辞書に載っているような言葉は、必要以上に隠すべきではないと思います。

●【委員の感想】「番組宣伝と再放送が多すぎる」という意見があった。

  • (東京・高校1年男子)最近テレビを見ていて抱く違和感としては、番組宣伝と再放送が多いことだ。時間帯によっては番宣が非常に長く退屈してしまうこともある。あまり楽しくない番組宣伝を多くやるくらいであれば、前の番組の時間を延ばすとか、天気予報などの情報を伝える時間にしてほしい。

在京テレビ局との意見交換会・勉強会について

  • 「インターネット情報の取り扱いについて」をテーマに、NHKを含む在京テレビ局との「意見交換会・勉強会」を、7月28日に開催することにしました。「インターネット上の映像使用について各局はどのような対応をしているのか」「インターネット情報の検証体制」などについて話し合うことにしています。

中高生との意見交換会(守山)について

  • 中高生と青少年委員会委員と放送局の三者による意見交換会を10月30日に立命館守山中学校・高等学校で開催することにしました。これは、青少年が視聴する番組の向上に資するため、青少年のテレビ・ラジオに対する日頃からの思いを放送局関係者や委員に直接話してもらおうという初の試みです。

調査研究について

  • 2014年度『「中高生の生活とテレビ」に関する調査』の報告書が完成し、加盟社と関係部署に送付しました。

  • 調査担当の菅原委員の提案を基に、今後の調査の方向性について意見が交わされました。

今後の予定について

  • 7月3日に愛媛県松山市で開催する意見交換会について、準備状況の報告が事務局からありました。

  • 9月29日に福岡市で開催する意見交換会について、準備状況の報告が事務局からありました。

その他

  • 「青少年へのおすすめ番組」の活用方法について、意見が交わされました。

  • 9月8日に予定していた委員会を休会とすることにしました。