第93回 放送と青少年に関する委員会

第93回 – 2008年9月

視聴者意見について

中学生フォーラムについて …など

9月22日に開催した今年度第5回青少年委員会(通算93回)では、7月16日~9月10日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー5本、ドラマ4本、CM1本のVTRを視聴し、そのうち4本のバラエティーに関して審議した結果、当該局に「回答のお願い」を出すことを決めた。また、中学生フォーラムについて検討したほか、調査研究について報告があった。

議事の詳細

日時
2008年9 月22 日(月) 午後4時30分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

視聴者意見について

1.フジテレビ『カスペ~地上最大のTV動物園』の「赤ちゃんVSコブラ」のコーナー

いろいろな動物の映像を集めた番組で、這い這いする赤ちゃんとコブラを闘わせる映像シーンに対し「家族団らんの時間帯にこのようなショッキングな映像は極めて不適切だ」「乳児を育てているお母さん方にショックを与えかねない」などの視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • この映像を放送する企画意図はどこにあるのか。単に視聴者を脅えさせるためなのか疑問だ。
  • 視聴者にハラハラ、ドキドキさせる演出だろうが、コブラの毒や牙を抜いてあるのならきちんと言うべきではないか。
  • 「この後、赤ちゃんはどうなったのか」という終わり方をしているが、あまりにも無責任で不適切ではないか。見ている視聴者の不安を煽るだけだ。

以上の審議の結果、(1)このコーナーの企画意図、(2)「とりわけ児童の視聴に十分、配慮する」時間帯に放送されているが、視聴者、特に子どもたちに不安を与えるのではないか、という危惧はなかったのか、(3)毒や牙を抜いてあったのか?抜いてあったとすれば、それを明言しなかったのはなぜか?- について回答を求めることになった。

2.フジテレビ『FNS27時間テレビ』の”車のペンキ塗り”のコーナー

タレントの車に本人の了解なくペンキを塗り、その車でスタジオ内を走り回ったコーナーに対し「物を壊したり、ペンキをかけることで笑いをとるのは、いくらお笑い番組でも常識の範疇を超えている。あまりにも過激な行為で子どもが見る時間帯に放送すべき内容とは思えない」といった視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • 時間帯を考えると、いくらバラエティーとはいえふざけ度が度を越していて、やりすぎではないか。
  • ペンキを塗りたくるふざけ方も問題だが、それ以上にスタジオ内で車を暴走させたほうが、危険性からしてはるかに問題だ。安全性への配慮はどのようにしていたのか。
  • 車は司会タレントのものと思わせる演出であったが、本当にそうなのか。私物だとすれば器物損壊罪にあたるのではないか。もし局が用意したものだとすれば、やらせになるのではないか。
  • テレビ局は日ごろエコについて報道しながら、高級車を粗末に扱うことはその精神に反するのではないか。

以上の審議の結果、(1)このコーナーの企画意図、(2)「とりわけ児童の視聴に十分、配慮する」時間帯に放送されているが、子どもへの配慮はあったのか、(3)エコ活動の精神に反していないか、(4)車は2人のタレントの私物なのか?そうだとすれば了解はとったのか?- について回答を求めることになった。

3.TBS 『リンカーン 真夏の芸人大運動会』の「手作り弁当タイム」のコーナー

出演者が作った弁当を紹介するコーナーで、司会者の1人が女性芸人の後ろから胸をわしづかみにし揉む行為があったことに対し「女性芸人はおそらく上下関係があるため、反発できなかったのではないか。セクハラまがいの行為だ。夏休み中であり、子どもも一緒に見ていて非常によくないと思った。このようなシーンを放送してもいいのか疑問を感じる」といった視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • 出演者同士は了解済みなのかもしれないが、テレビで放送するのはやりすぎではないか。
  • 22時台の放送とはいえ、夏休みでもあり子どもも見ている時間帯なので、配慮が必要ではなかったか。
  • 視聴者意見に”セクハラ”とあるが、この行為はその範囲を超えており、公共の場であれば強制わいせつ罪にあたるのではないか。

4.TBS 『リンカーン』の”ゴムパッチン”のコーナー

お笑い芸人にゴムをくわえさせ、そのゴムを遠くまでひっぱって放し、相手の顔にパチンと叩きつけるというコーナーに対し「こういうことは子どもたちがすぐ真似をする。危険だし、いじめを助長する」という視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • 身体的危害を加えて笑いを取るという発想はいかがなものか。
  • ゴムが当たって痛がっているのは演技かもしれないが、視聴者からすれば本当に怪我をしているのではないか心配になる。
  • このコーナーは、子どもからの手紙を前提にしているが、子どもへの配慮はなかったのか。

以上の審議の結果、上記3、4については、放送日は違っても同じ番組でのことであり共通の質問として、(1)このコーナーの企画意図、(2)子どもへの配慮はあったのか、特に”ゴムパッチン”については、子どもが真似をする可能性、また危険性について考慮したのか、(3)青少年委員会では2000年11月に『バラエティー系番組に対する見解』を、さらに2007年10月に『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』を公表しており、「出演者に加えられる暴力」と「性的表現」に関して検討するよう要望を出しているが、これらの見解をどう受け止めて制作したのか- について回答を求めることになった。

上記4番組の「局からの回答」に対しては、次回委員会で審議したうえで報告することになった。

中学生フォーラムについて

第8回中学生フォーラムについて、開催日は12月26日(金)、場所は東京・千代田区のルポール麹町で行うこととし、司会については前回同様に木場弘子氏(キャスター)を起用することを決めた。テーマについては、中学生モニター会議でも取り上げた「ニュース、情報、ドキュメンタリーなどの報道系番組」とし、中学生モニターたちが制作者に意見をぶつけるこれまでの内容を継続しつつ、ゲスト講演者を招くなど新しい試みを行うことになった。
また、今回のフォーラムは、橋元副委員長を中心に大日向委員長、軍司委員のワーキンググループを組織し、さらに企画・構成を詰めていくことを決めた。

調査研究について

橋元副委員長から今年度の調査研究の進捗状況について、「今回は、16歳から24歳までの若者を対象とし、平日2日、休日1日のテレビの見方についてアンケート調査を行う。アンケートは、番組表を基にテレビ番組の満足度、誰と、何をしながら、集中度などのほか、ワンセグ、ユーチューブなどの動画配信の利用などについても回答を求め、前回の調査より量を拡大し、300強のサンプル回収を目指している。また、アンケートと並行して映像メディア(DVR、VOD、ワンセグ)別ユーザーのグループインタビューとケータイでのランダムなアンケートを実施する」との報告があった。

中学生モニター報告

9月は27人から、30件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。

今月もこのひと月ほどの間に見た番組についての意見を募集したが、分野別に見ると、バラエティー番組が最も多く15件、ドラマが7件、ドキュメンタリーが3件、報道系番組とアニメ番組が2件ずつ、ラジオ番組が1件だった。
局別では、日本テレビ系が12件、フジテレビ系が6件、TBS 系が5件、テレビ朝日系が3件、NHK が2件、テレビ東京系とニッポン放送が1件ずつだった。

・バラエティー番組

バラエティーでは、『高校生クイズ』と『24時間テレビ』に3件ずつ意見が寄せられた。『高校生クイズ』は以前から楽しみに見ているという2人から、「今年は知力の戦いのみで『高校生クイズ』らしさが少なかった」、「今回も、難しいけれど面白いクイズばかりで楽しめました。でもせっかく楽しみにしている人に予告で本編を放送するなんて。私はこれを見て、決勝戦で応援している高校は負けたのだと思いショックでした」という批判があった。もう1人も「難しい問題を解いていき凄いと思いましたが、問題が終わった後の解き方など教えてはくれないし、見終わってから、自分のためになったのかよく分かりませんでした。又、偏差値が”高い・・・”などと言っていましたが、学歴がすべてではないと思います。28回も続いているのだし、もう少し考えて番組を作ってほしい」という意見だった。 『24時間テレビ』は賛否両論があり、「24時間以上やっているのにもかかわらず内容が充実していて飽きることがありません」、「体のどこかに障害を持った方が頑張って挑戦している姿を見ると、私も勇気づけられて頑張ろうと前向きな気持ちになれます」という好評意見と、「番組の観覧に来ているお客さんのさけび声がうるさくて、見ている側としては、大変不快です」、「バスケットゴールまでの距離の世界記録に挑むという様な内容のコーナーをやっていました。番組の趣旨であるチャリティーとはあまり関係無い事をして24時間つなぐ位なら、別に24時間、テレビを放送しなくても良いです」という批判意見が寄せられた。 また『リンカーン』には、「”ゴムパッチン”が何メートルまで正確に顔に当たるのか検証するというコーナーがありました。内容は50mくらい伸ばしたゴムを芸人の顔に当てたりしていてとっても危険だと思います。現に体にあざができたり、口から血が出たりしていました。そういう危ない事をテレビで流すのはやめてほしいです」という批判意見があった。

・ドラマ番組

ドラマでは『コード・ブルー』に3件、『魔王』に2件意見があった。『コード・ブルー』は好評で、「マンガが原作のドラマと違って、ありえないようなことが無かったので、現実感があった」、「最終回に近づくにつれておもしろくなってきた。人間関係のドラマがあったり、研修医たちの心の変化が表現されるようになって共感できた」などの意見だった。
『魔王』は先月の意見も含め概ね好評だが、1件「最後に気になる感じで終わらせておいて、この真相はDVD-BOXの映像特典で!というDVDを売ろうとするずるいテレビ局の販売戦略で最後にこのドラマをぶち壊してしまったのが残念です」という批判があった。

・その他の番組

『モクスペ~小さな命を救え!闘う4人の小児外科医たち~』は「こういう感じの番組があるときには出来る限り見るようにしている。なぜなら、こういう番組を見ることで命の大切さについて学ぶことが出来るのではないかと思うからだ」と、『鳥人間コンテスト』も「この番組を見て良かったと思います。自分のこれからの生活、勉強や部活動に通じる大切な物が、みつかりました。それは、あきらめない事の大切さ、チームワークが作り出す力のすごさです」と、好評だった。
また『週刊こどもニュース』には「事故米について、他のニュース番組ではここまでわかりやすく解説されていませんでした。模型を使って解説してくれるのでわかりやすいです」という意見が寄せられた。

今回が前期モニターの最後の報告となった。後期モニター31人の初めての報告となる10月は、ひと月間ほどの間に見た番組への感想・意見・批判を自由に書いてもらう。

第139回 放送と人権等権利に関する委員会

第139回 – 2008年9月

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理

審理要請案件「元祖いちご大福報道をめぐる名誉・信用毀損」の訴え ……など

中国放送(RCC)の「広島県知事選裏金疑惑報道」をめぐる名誉毀損の訴えで、先月に引き続き、ネット配信とテレビ報道との同視問題をめぐり、審理が行われた。
また、先に放送人権委員会決定が公表された2事案について、 当該局のその後の対応に関する報告があった。

議事の詳細

日時
2008(平成20)年9月16日(火)午後4時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
竹田委員長、堀野委員長代行、右崎委員、崔委員、武田委員、中沢委員、三宅委員、山田委員

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理

1997年の広島県知事選挙に絡んで裏金を受け取ったとの疑いを持たれ、中国放送(RCC)のニュース番組で実名報道された元県議3名が、『事実無根の報道により大きな被害を受けた』として、名誉権の侵害を訴えた「広島県知事選裏金疑惑報道」について、先月に引き続き審理が行われた。
本事案については、当委員会運営規則に定められた申立の期間要件(「原則として放送のあった日から3ヶ月以内に放送事業者に申立てられ、かつ、1年以内に委員会に申立てられたもの」)を満たしていないものの、RCCが実名報道の内容を、インターネットの同社ホームページ上に「藤田県政の闇」と題するバナーを置き、本年6月まで文字情報の形で掲載してきた事実があり、申立人らがこれによる被害の継続を訴えていること等から、「文字情報による配信行為をテレビ報道と同視し得るかどうかを審理の対象として判断し、同視し得る場合には申立て内容についても審理の対象とする」こととなったもの。
先月の委員会後に、申立人からは、被申立人(中国放送)の「答弁書」に対する「反論書」、中国放送からは「反論書」に対する「再答弁書」が、それぞれ新たに提出された。
中国放送はこれまで、実名報道の動画に関しては昨年4月に削除し、それ以後は文字情報のみによる配信となっていたと説明してきたが、申立人は「反論書」において、「中国放送ホームページにアクセスして映像データを入手できる状態がその後も継続し、現時点でもその状態が続いている」とし、「テレビ放送とネット配信とを同視できることは当然かと考える」と主張した。
これに対し、中国放送は「これまで述べて来た通り、実名報道した4回分の映像データについては、既に昨年4月の時点で配信を終え削除している。その後、本年6月にバナー、7月には特集ページも削除しており、現在はホームページにアクセスして閲覧することは不可能である」とした上、申立人の主張に対しては、「裏金問題に関心のあると思われる人が、特殊な条件下において当社のサーバーに保存している動画ファイルにアクセスし、閲覧している状態と言わざるを得ない」と反論した。
また、文字情報でのネット配信に関連し、申立人は、「放送と配信との間には、選挙絡みの裏金が県議に授受された事実の有無にかかわる中心的かつ重要な事実内容に同一性が認められる」こと、また、「テレビ放送とネット配信は一体のものとして報道されており、このことはホームページ上のバナーを一連の報道タイトルと同じ『藤田県政の闇』と統一していることからも明らかである」とし、テレビ報道とネット配信とが同視できると主張した。
これに対し、中国放送は、「映像・音声・テロップ・ナレーション・解説等の複合的表現方法で成立しているテレビ報道とまったく同じ情報を、インターネットにアクセスした人が文字情報だけから得ることはできない」とし、さらに、「申立人ら代理人らの指摘の通り、テレビ放送が直接家庭の茶の間に侵入し、即時かつ同時に動画や音声を伴う映像を通じて視聴される点で、他のメディアには見られない強烈なインパクトを及ぼす」のに対し、「インターネットによる配信は、閲覧者が自らの意志でバナー等をクリックして該当ページを開き、内容を閲覧するものであること、その際、内容も十分検討でき、また、何度でもアクセスして内容を確認できることからも、放送とは根本的に異なる」と反論した。
双方の主張を踏まえ、この日の委員会では長時間にわたり各委員の間で突っ込んだ議論が交わされた。最終結論については次回に持ち越しとなったものの、委員会決定を取りまとめる為の起草委員会を発足させることが決まり、今後、起草作業の中でもさらに検討が加えられることとなった。

審理要請案件「元祖いちご大福報道をめぐる名誉・信用毀損」の訴え

『元祖いちご大福』報道に関する案件について、委員会の審理の対象とするか否かについて審議を始めた。
この案件は、「いちご大福」の考案者を自認する人とその人が経営する東京の和菓子店が申立人となり大阪のテレビ局を訴えているもの。申立人は、「2008年3月放送のバラエティー番組の中で、”いちご大福の元祖は東海地方の和菓子屋”との紹介をしたため、考案者としての名誉・信用を著しく害された。また、元祖の店としての信用・営業権を侵害された」と主張している。
委員会では、双方から提出された資料を踏まえて審議した後、次回委員会で議論を集約することになった。

「高裁判決報道の公平・公正問題」事案の当該局対応

去る6月10日に通知・公表された「高裁判決報道の公平・公正問題」事案に関する第36号委員会決定(放送倫理違反)を受け、当該局であるNHKは9月3日、委員会宛に「委員会決定に対するNHKの対応について」と題する文書を提出した。これについて事務局より報告し、了承された。 (NHKの報告内容は、ホームページの「放送人権委員会委員会決定第36号」にある「当該局の対応」の項をご参照下さい。)

「群馬行政書士会幹部不起訴報道」事案の当該局対応

去る7月1日に通知・公表された「群馬行政書士会幹部不起訴報道」事案の第37号委員会決定(放送倫理違反)を受け、当該局であるエフエム群馬は9月16日、委員会宛に「委員会決定の取り組み状況について(ご報告)」と題する文書と、これを機会に新しく製作した「エフエム群馬 報道・編集ハンドブック 2008年版」を提出した。これについて事務局より報告し、了承された。
竹田委員長は、「委員会決定を活かすべく、エフエム群馬は、真摯に、熱心に取り組んでくれている。対応としては申し分ない。」と感想を述べた。
なお9月25日付で、改訂版が寄せられた。
(エフエム群馬の報告内容は、ホームページの「放送人権委員会委員会決定第37号」にある「当該局の対応」の項をご参照下さい。)

8月の苦情概要

8月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・3件
(個人又は直接の関係人からの要請)

人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・65件
(人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

「意見交換会(中部)」を11月に開催
放送人権委員会委員と会員各社との「意見交換会」を、今年は11月11日に、中部地区会員社を対象に名古屋で開くことになった。放送人権委員会委員と各局関係者が、「放送における人権・倫理問題」を論じ合うもので、東京地区での意見交換会を含め、今年で12回目の開催となる。
次回委員会は10月21日(火)に開かれることとなった。

以上

第17回 放送倫理検証委員会

第17回 – 2008年9月

報告事項の検討

その他

第17回放送倫理検証委員会は9月12日に開催され、報道番組内における大食い企画、バラエティ番組でのセクハラシーン、公取委から排除命令が出されたテレショップ番組、内容が不当に改編されたとされる番組などの事案が討議された。また事務局から、2冊のブックレットの刊行状況の説明があった。

議事の詳細

日時
2008(平成20)年9月12日(金) 午後5時~8時15分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、小町谷委員長代行、石井委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

報告事項の検討

・番組内での大食い企画について

女性の大食いタレントとアシスタントの2人で構成される2チームが、それぞれ中華料理店と焼肉店で大食いを競う報道番組内のコーナー企画。皿数の数え方が不明確で分からないなど演出上の問題も指摘されたが、この企画がバラエティでなく、どうして報道番組で放送されたのかに対して疑問が呈された。既に、番組内容の不備についてはお詫び放送がなされ、制作した会社との契約解除、社内処分も出されているが、この企画自体を報道番組で放送したことに関して当該局に質問することにした。 委員の主な意見は次の通り。

  • ことさら審議するほどのものではないが、繰り返し起きてくることが問題だ。なぜニュースで大食い企画なのか。
  • 食料のない時代に育った人間には腹が立つ。品数ではなく品性の問題だ。
  • お詫び放送、制作会社への契約解除、社内処分がなされているが、ニュース番組の中でこんな企画を放送することが問題だ。
  • バラエティ番組なら問題ない。お詫び放送は意味がよく分からない。

・お笑いタレントによるセクハラシーンについて

お笑いタレントの運動会を屋外で収録したバラエティ番組。昼休みの場面で、男性タレントが背後から女性タレントの胸を揉むシーンがあった。その部分だけ切り取ればセクハラシーンだが、個別の番組としての結論は出さずに、バラエティ番組全体の演出方法や質の問題として捉え、今後、具体的に問題ある事例を積み重ねた上で継続的に考えていくことになった。

委員の主な意見は次の通り。

  • 下品だ。一つ一つのシーンはともかく、今後もずっと続くだろう。委員会としてどう対応するかだ。
  • お笑いネタだから許されると考えているのならば、委員会として何かコメントすべきだ。
  • レベルが低いが、こうした番組を見たがる人がいるのも事実だ。
  • こういった風潮が容認されていることがおかしい。単純に「ダメ」じゃなくて、違う角度からの指摘が必要。
  • 一つ一つの番組に対応しないで、番組事例を積み重ね蓄積してから構造や仕組みについて討議すべきだ。

・公取委から排除命令が出たテレショップ番組について

テレショップ番組で、ゲルマニウムや竹繊維が配合されているとして販売された枕に、それらの成分が含まれていない製品があることが分かり、公取委が通販会社(テレビ局が100%出資した子会社)に対して景品表示法違反(優良誤認)に基づく排除命令を出した。公取委の命令に従い、通販会社は商品の回収に着手しているが、公示や処置がどのように行われたかを当該局に問い合わせることにした。

・戦時性暴力を扱った番組について

戦争と裁判をメインテーマに、戦時下における性暴力を扱ったドキュメンタリー番組(放送されたのは7年前)を関係者の指摘により討議した。その制作過程において介入があり、内容が不当に改変されたとされる事案。討議の結果、番組を視聴し資料等を見た上で取上げるか否かを判断することになった。

・内容が誤りではないかと指摘された科学番組 について

日本の自然をテーマにした番組で、チベット高原でナキウサギが異常発生して草原の砂漠化が進み、その結果チベット高気圧が日本上空にまで張り出したことにより、日本に猛暑・豪雨などの異常気象をもたらしたと説明している。それに対して、視聴者から非科学的で虚偽の事実に基づいて制作された番組だとの抗議がなされた。番組や資料を見た上で次の委員会で討議することにした。

その他

放送倫理検証委員会ブックレット第1号として「光市事件と裁判報道」、第2号として「事件報道と開かれた司法」が9月以降に刊行されることになった。第1号は当委員会の「意見」に対して在京6局がどう対応したかを中心に、制作担当者の感想や反論も盛り込まれている。第2号は当委員会が発足して1年が経過したことを契機に、本年5月30日に東京大学大学院情報学環と共催したシンポジウムの記録である。

以上

2008年8月に視聴者から寄せられた意見

2008年8月に視聴者から寄せられた意見

北京五輪が開催されたが、「競技知識のないゲスト・アナウンサーによる放送の質の低下」や「五輪中継への不適格なタレントの起用」についての批判・抗議をはじめ、「メダル、メダルと日本人選手への過度な期待の放送内容」や「日本人選手のタレント扱い」などへ批判が集中した。

2008年8月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は891件で、7月と比較し239件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール56%、電話38%、ファクシミリ2%、郵送ほか4%。 男女別は男性70%、女性25%、不明5%で、世代別では30歳代23%、20歳代と40歳代各19%、50歳代と60歳以上各10%、10歳代5% の順となっている。

2008年8月に視聴者から寄せられた意見 891件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年8月件数 年度累計
人権等に関する意見 3 件 31 件
放送と青少年に関する意見 115 件 [ 意見内容 ] 819 件
放送番組全般にわたる意見 437 件 [ 意見内容 ] 3,083 件
BPOに関する意見・問い合わせ 29 件 374 件
その他(放送関連以外) 307 件 1,897 件
意見件数 計 891 件 6,204 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月通知数は339件(34放送局)であった。
またこの他に、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し34件を全加盟社・局に送信している

意見概要

人権等に関する苦情

8月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 3件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 65件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【情報ワイド・バラエティー番組】関連913件(全体の102%)前月比234件の減少
意見の傾向 “指摘事項”(件数、全体の比率)

“不適切な内容、不適格な出演者”(522件:59%)
“低俗・下品な番組” (280件:31%)
“倫理観欠如、局の責任”など(111件:12%)

【報道・情報番組】関連381件(全体の43%)前月比189件の減少

“取材・報道のあり方・批判”(239件:27%)
“放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(104件:12%)
“報道の公平・公正性と内容批判”(38件:4%)

*【情報ワイド・バラエティー番組】の意見合計数が意見総数を超えているが、これは1件の意見に複数の指摘項目が含まれているためである。

8月は北京五輪開催にともない、五輪に関した意見が月末までに92件寄せられた。意見の傾向は「放送内容批判」と「五輪放送における出演者批判」が68%に上り、「競技知識のないゲスト・アナウンサーによる放送の質の低下」や「五輪中継への不適格なタレントの起用」についての批判・抗議をはじめ、「メダル、メダルと日本人選手への過度な期待の放送内容」や「日本人選手のタレント扱い」などの指摘が集中した。更に「五輪放送のあり方・編成」に対する苦情・批判は意見全体の17%で、ほとんどがオリンピック放送時間の多さを批判し、「日本は今、様々な問題を抱えているがどこの放送局もオリンピック一色となっている」など放送局の使命や役割に対する指摘の他、同じ競技を複数の局が同時に放送することへの批判や、メダル獲得をした日本人選手の映像の繰返しなど、編成に関するものであった。
また、「五輪中継による通常番組中止措置」や「五輪中継に関する放送局への意見の際の局の対応」への批判・苦情は全体の15%となっている。
五輪放送以外では、「産科医無罪判決報道」に関して7件の意見が寄せられた他、夏休み期間中における
“性を扱った番組”や”番組中の出演者の暴力”などに、「不適切な内容」「不適格な出演者」「青少年への影響」を指摘する意見が目立った。また、ホラー映画などの番組宣伝(CM)に対する批判も寄せられた。
【放送局の電話応対や局の姿勢】に関する苦情・抗議141件(前月比30件の減少)
【CM関係】「不適切な表現・内容」などの指摘 49件(前月と同数)

青少年に関する意見

8月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは115件と先月より76件減った。
今月は「夏休み期間中なのだから放送時間に配慮すべきだ」という意見が17件あり、目だった。
内容別では先月に引き続き、未成年を主役にした、性をテーマにした複数のドラマに対しての批判が多かった。

BPOに関する意見

29件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見3件、問い合せ26件であった。

番組全般

【特記事項(北京五輪関連)】

  • 今年の北京オリンピック開催中は民放各局の各ニュース番組・ワイドショーともオリンピックがトップ項目になり、オリンピックを扱う割合が大きくなった。しかも、日本がメダルを獲得したり試合に勝利したときは特に放送時間が長くなる。その一方で毎日さまざまな事件が起き、国内外には深刻な問題が山積しているというのに、これらは無視ないし軽視、後回しである。特に8月15日の終戦記念日は、戦争にまつわる問題を考えなければならないのに、どの局も終戦関連のニュースは後回しにして、この日もオリンピック優先だった。はっきり言ってオリンピック期間中は、一般のニュースはないがしろにされてしまうといってよい。たしかにオリンピックは国民の関心も高く一大イベントであるが、テレビのオリンピック一辺倒、オリンピック偏重報道というのもいかがなものか。
  • テレビ放送は連日、北京五輪やプロ野球の放送をしているが、このような状況下では8月15日の「終戦記念日」の特集も放送されないのではないかと危惧している。広島・長崎への非人道的な核爆弾の投下により終戦を迎えたが、戦後、母が大切にしていた着物を食べ物と交換している様子を見て、私も空腹に耐え一生懸命生きてきた。その世代が現在「要介護」の環境にある。政治に対し、耐乏生活を生き抜いた高齢者を思いやる環境の実現を望むような報道や番組はできないものか。
  • どの局も終日北京オリンピックの放送ばかりで飽きるし呆れる。サブプライム問題や景気悪化、グルジア紛争やパキスタン大統領の辞任等、掘り下げてほしいニュースは沢山あるのに「オリンピックで○○が何位」というニュースを金太郎飴のようにだらだら流していて、腹が立つのを通り越して呆れるしかない。しかも民放とNHKが同じものを中継している。民放はアナウンサーやゲストのタレントがやかましく品がない。高い中継料を払っているのだろうが無駄ではないのか。
  • 私の職業は運転手なので仕事中ラジオを聞く機会が多く、お気に入りの番組もいくつかある。しかし今はどこの局も北京五輪一色に染まり、好きな番組が休止することも多くラジオがつまらない。何もここまで五輪だらけにしなくとも良いだろう。テレビと違い映像のないラジオはもともと競技種目によっては不向きな媒体だ。試合の中継はテレビに任せ、ラジオは最新の試合結果のみを随時伝えれば十分だと思う。私自身、オリンピックに関してはラジオで放送していても聞く気にならず、帰宅してからテレビで見ている。
  • 北京オリンピックの報道で、競技中は元五輪代表の解説者が試合を解り易く解説していてよかったが、選手が好成績をとってマイクがスタジオに戻ると、競技とは関係ないタレントや女子アナウンサーたちが甲高い声でバカ騒ぎしていた。この品位のない映像で、折角の選手の活躍も興醒めになってしまった。また、女子アナウンサーの滑舌の悪さや番組の進行の下手さに気分が悪くなりました。また、場の空気が読めないでただうるさく騒ぎ、素人でも言えるようなコメントしかできないタレントは必要ありません。どこの局にも言えることだが、そういった素人感覚しか持ち合わせていないタレントが、有名選手ばかりの名前をバカの一つ覚えのように挙げて必要以上に持ち上げているのを見ると、本当に五輪で選手を応援する気があるのかと疑問に思ってしまう。オリンピックの中継にアナウンサーやタレントの応援なんていりません。競技の放送だけで十分です。
  • 毎度のことだが、お笑い芸人やアイドル、ただ煽るだけの元三流スポーツ選手などを擁して、北京オリンピック中継をバラエティー化するのをやめてほしい。民放のスポーツ中継全体に言えるが、スポーツはスポーツとして放送してほしい。中身のない応援団的なスタンスや、「メダル、メダル」「勝った、負けた」と結果だけに目を向けた民放のキャスターに興ざめし、NHKとBSを中心に見るようになった。民放の中で唯一ある東京キー局のテレビは、元アナウンサーの男性キャスターとトリノ五輪メダリストの女性アスリート、競技のスペシャリストが実にわかりやすく解説し、局アナもうまくまとめ、内容の濃い放送をしていたと思う。無駄を省いたNHKよりも堪能できた。
  • 北京オリンピックの模様を視聴して思うのだが、各局とも日本人選手の活躍を過度に期待し、「メダル、メダル」と試合前に騒ぎ過ぎている。殆どは大した根拠もなく囃し立てているだけなので、実際の試合では各選手とも実力どおりの結果に終わっている。悪いのは「選手」ではなく、当てにならないことを流す「報道」だ。事前の楽観的な予想を空騒ぎに終わらせないために、試合前は極力冷静に報道し、良い結果が見えてきた時に初めて華々しく取り上げてはどうか。
  • レスリング男子グレコローマンスタイル84キロ級の表彰式で、スウェーデンのアラ・アブラハミアン選手が銅メダルを投げつけたとして各局のワイドショーで取り扱っているが、実際は投げつけてはいない。マットにそっと置いただけなのに、どこから日本の報道は「投げつけた」になったのか。テレビでこれを投げつけたと伝えるのは誇大報道・虚偽報道ではないのか。
  • 北京オリンピック報道に違和感を覚える。定時の昼のニュースや19時のニュースを変更してまで伝える価値があるのか?「たかが」と言っては失礼だが、毎日起こる重大なニュースに比べれば、その後のスポーツニュースの枠を拡大して伝える程度で良いのではないだろうか?特に8月は日本にとっても世界にとっても平和を考える大事な月である。オリンピックに興じている間に「見えない」ところで大事な事が起こっているのではないかと危惧する。特にNHKは常に冷静に報道を優先すべき使命がある。
  • 北京オリンピック中継は年々派手さと時間の長さがエスカレートしてるように思う。ニュース番組の大半もオリンピック関係で普通のニュースを圧迫している。新聞も同様だがやりすぎだ。他に流すべきニュースは沢山あるはずで、国民総白痴化したいのかとさえ思う。興味のない人にもマスコミの都合で無理やり押し付けるのは傲慢だ。テレビの競技中継で気になることは、NHKも含めてアナウンサーの絶叫調中継が下品で不快。言葉のプロと思えない。試合が負けていても勝っているかの様な中継は客観性を欠く。解説者も然り。特に女子ソフトの解説者が優勝の後絶叫ばかりしてたが、あれは解説でない。特に民放は競技間のインターバルは軽薄なタレントと女性アナウンサーが内容のないコメントを言って場つなぎではしゃぐだけで内容がない。中国人観客が日本人選手にひどい野次を浴びせても中継で誰も言及しないのは開催国に遠慮しすぎ。選手に不適切な質問をするアナウンサーがいた。善処をお願いする。
  • 男子ハンマー投げの放送において「室伏選手の5投目」が、実際の競技から1~2分遅れて放送されていたにも拘らず、テレビ画面では【LIVE】の文字が入り、全体としてあたかも【LIVE】であるかのような雰囲気で放送していた。意図的に【LIVE】の文字を入れたとすれば悪質であり、放送に対する信頼が損なわれると思う。【LIVE】でないのなら文字を外すべきで、NHKのように【VTR】の文字を入れて明確に区別すべきだと思う。
  • 新聞等のラテ欄に「体操・吊り輪、体操・段違い平行棒」と記載し、内容にもソフトボール等の記述しか書いていないのに、2時間半の放送枠で1時間半も野球放送をしているのはどういう事か?一種の詐称であり、こういう事が許されるのか?ラテ欄の担当者の処罰は少なからず必要であると思われる。
  • 北京オリンピック中継で、雨の為トラックが濡れていたことを、日本テレビのリポーターは「床が濡れている」と言っていたが床って何だ?「競技場のトラック」や「フィールド」と言えないのか?屋外なのに「ゆか」とはどういう表現をしているんだ?あまりにも稚拙で、アイドルと称される若いタレントはバカすぎる。また「ゆか」といった表現に対し誰も訂正しないことで、在京キー局のバカさがわかる。こんな放送で良いのか?
  • 北京五輪の報道で、全ての競技を終えた北島康介選手へのインタビューの際、インタビュアーが「引退の噂が囁かれていますが」と問いかけたところ、北島選手は「競技だけに精神を集中してきて今それが終わったばかり。ほかの事を何も考えていない現時点でいきなり引退するかどうかに言及されるとは心外だ」とやや不快そうに答えていた。怒るのも当たり前だ。今聞くべき事ではないだろう。日本の報道関係者のセンスを疑う。
  • 北京オリンピック・柔道メダリストの塚田選手がゲストで出演していたが、彼女を迎える番組の態度に非常に悪意を感じた。女性キャスターが花束を渡し、その後に大きなバスケットに入った大量の唐揚げを渡した。「塚田選手が唐揚げが大好物だということでご用意しました。本当はここにビールとマヨネーズをかけて食べるそうですが。副賞としてお持ち帰りください」等と、とてもメダリストに対する労いとはとれず、まるで単なる大食いタレントに対するような扱いをしていた。メダリスト・柔道の選手である以前に女性であるという事に対する思いやりや気遣い、帰国したばかりで疲れた日本代表選手に対する感謝等が一切見られず、ただ残念で腹立たしいばかりだ。
  • 男性キャスターが北京オリンピックの選手を”ちゃん”付けや呼び捨てにしていて、いかにも選手個人と親しいといったような発言をし、逆にそれをあざとく売り物にしているのが見苦しい。メダリストやアスリートなどの選手達には社会人としての距離を置き、敬意を払って語ってほしい。あれではマスコミという名のストーカーだ。

【取材・報道のあり方】

  • 産科医無罪判決に関する報道は遺族側からの目線に偏向した内容ばかりでうんざりした。刑事事件の裁判であり、争点がどういうところであるかを考えると遺族側の感情的な意見は関係ないし、訴訟になった経緯とは全く関係がない。また、裁判において明らかになった部分のうち、検察側の捜査の不正確さを指摘する内容については報道が著しく少ないため、正確に理解することができなかった。私自身は最初にTV番組を見て、他の医療過誤訴訟と異なる(民事ではなく刑事である)ことの重大性などを知ることもできなかった。ネット等で調べてやっと分かった。医療関係者側からの反発が著しく大きい事件であるのだから、何故反発が大きいのかという点や、この事件が産科医減少と関わりがある点もきちんと報道してほしい。出演者の私見として様々なことを述べるのはよいが、事実経過を説明する際には偏った報道はしないでほしい。
  • 福島県の産科医無罪判決報道について。ニュース番組の偏った報道にうんざりだ。この亡くなった方は上のお子様を出産された際「2人目は諦めて下さい」と言われていた。設備の整った病院への転院を勧められていたが、なぜかどうしても事故の起こった病院での出産を希望していた。「もう1人ほしい」という事を医師に告げていた。だから医師は始めは子宮摘出を避けた。前置胎盤と癒着胎盤が一緒に起こるのは稀なこと。こういう事を理解しての報道なのだろうか?報道する側は妊娠を経験した方が少ないだろうから出産のリスクが分からない方が多いと思うが、出産経験のある者からしたら一方的に医師を叩きたいだけの報道にしか思えない。他の医療事故とは全く別だと思う。「産婦人科医不足」を声高に報道するのを見るが、それに拍車をかけているのはこのような偏見報道であり、ただ当事者を叩きたいだけの報道だという事をしっかり認識して下さい。こういう事を踏まえた上で遺族叩きや医師叩きにならない客観的な報道をして頂きたい。
  • 産科医無罪判決に関して、番組の解説員は刑事事件に問われて無罪判決を受けた被告人の責任を論評し、「病院側は遺族側に一切説明をしなかった」「その後も納得のいく説明がなかった」と伝えている。そして「医師側が真摯に理解を求める努力を怠っていては、検察を批判しても理解が得られないのではないのでしょうか」と続けている。この発言の後、解説員は遺族に直接面談していることを番組の中で告白している。この解説員は、被告人である大野病院に取材して「事実を確認した」とは言っていない。これは訴訟という双方の当事者がいるなかで、一方の主張だけを報道し、利害関係の異なるもう一方の当事者の権利や主張を無視した公正を欠く報道であると批判したい。遺族側が理解・納得できなかったから真摯な説明でないと言うなら、理解力の乏しい遺族には真摯な説明などあり得ない。もともと、この事例のように過失責任がないのであれば、それに続く医療行為への非難は全く根拠がない。NHKであればこそ、公正・中立な報道をお願いしたいと思う。
  • 番組制作者サイドは視聴者からの批判に真剣に向き合う意思があるのか。情報、報道番組内での司会者による被害者への人権無視甚だしい暴言(過去にも幾つもある)、生放送中のムダなCM挿入、事件や事故などを伝える際に時々スタジオから聞こえる笑い声。数字さえ取れれば、例え人権を無視した報道であろうが、一向にお構いなしという姿勢が年々あからさまだ。それでいて日頃「被害者の人権を守れ」「報道・表現活動の自由」などと唱えているが、視聴者から見れば完全に矛盾しているではないか。自分たちの都合の良い案件は積極的に受け入れ、対照的に都合の悪い案件は完全無視。BPOのHPの存在も無意味ではないか。
  • 未成年の犯罪報道等で容疑者の卒業写真等をモザイクなどで加工、あるいは幼少期の顔写真をそのまま放送する場面が多々ある。犯行当時の顔を使用しなければ良いという発想
  • 訴訟事件のニュースで、訴えを起こされた側への報道陣の取材の際、「訴状をまだ見ていないのでコメントできない」の一言で片付けられそれきりになることが多い。「では訴状を読み終えるのはいつか?その時に再度取材に来ます」と食い下がり、相手の逃げ道を塞ぐべきだ。そこまで追及して初めて取材と言えるのではないか?
  • 最近、通り魔事件のニュースがある度に、その直後に必ずといっていいほど同様の事件が連鎖して起きるのでとても怖いです。よく、通り魔事件の加害者が「誰でもよかった」という供述をしていると報道されます。「誰でもよかった」だけが犯行の動機であるわけがないのですが、ニュースで「誰でもよかった」ばかりが強調されるので、「誰でもよかった」を理由にすれば人を殺してもよいというメッセージになり、同様の事件を誘発しているような気がします。
  • 「緊急地震速報」に関してですが、普通の「地震速報」と間違わないように、文字を赤くするとか工夫をしてみたらいかがでしょうか?
  • 海運会社が管理するパナマ船籍のケミカルタンカーが海賊に乗っ取られたというニュースを見た。その際にアナウンサーが「被害者に日本人は含まれていない」と発言したが、あの一言は腹立たしい。日本人でなければ被害に遭っても関係ない、そんな風に聞こえた。このあまりにも冷めた表現は他民族蔑視と批判されてもおかしくない。国際化が進み、小学校でさえ「世界は友達」と教えているのに、その流れに逆行するかのような表現だと思う。在日外国人は勿論、旅行で日本を訪れた人がもしこのような報道を知ったら、一体どう思うことか。せめて「日本人は含まれていないが、○○人○人が被害に遭われています」などの表現に変えられないものか。ちなみに私は日本人だ。
  • 私は医療機関に従事する者です。各局のニュースで「医療機関での採血器具の使い回しにより、C型肝炎に感染する恐れがある」と伝えているが、実際には感染の可能性は極めて低く、「器具の使い回しが原因」と実証された感染例は世界で数例しか報告がない。それなのに器具の使い回しでC型肝炎になる可能性が極めて高いかのような報道をしているため、いたずらに不安を煽り、心当たりのある人達をパニックに追い込んでいる。テレビ等のマスコミは医療に関する十分な知識もないまま報道しており、誤解と不必要な不安を撒き散らしている。報道が社会に与え影響を予測してもっと慎重に伝えると共に、冷静に対処するよう被採血者に呼びかけるべきだ。
  • 首都高タンクローリー横転事故のニュースの中で、事故現場の血痕にズームインする映像が放送された。怪我をした運転手の血を殊更に強調する不快なシーンだった。この場合、怪我人の血を画面に出す必要があったのか。血痕の映像がなくても事故現場の様子は十分伝えることができたはずだ。視聴者に不快感を与える映像を流すことは、放送倫理に反することだと思う。ニュース担当者の倫理観を疑う。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 大相撲の現役幕内力士・若ノ鵬が大麻を隠し持っていたとして逮捕、協会から解雇されたが、スポーツ界に限らず芸能界でも大麻所持だけではなく、覚醒剤など薬物使用で検挙された事のある芸能人はかなりいたが服役して「解雇」された芸能人は一人も居らず、むしろ「謹慎期間」を経て現職に復帰している芸能人が多いように見える。薬物使用に限らず、最近も某落語家がストーカー行為で逮捕、先頃、罰金刑の略式命令を受けたが各界での処分が統一されていないのではないかと感じる。
  • タレントグループのリーダーの”大麻吸引疑惑”が週刊誌で報じられ、記事には大麻を吸ってトロンとした目で女性の身体を触っているタレントの写真も載っていた。ところが、このような法に違反する行為をした彼がその後も番組に出ているではないか。これはおかしい。これでは放送局の倫理観が疑われる。放送局は直ちに彼を番組からはずすなど迅速な対応をすべきだ。
  • NHK大阪局の制作する番組のタイトル「あほやねん!」の響きが実に不快。自分のように学歴のない者にとって「あほ」を番組タイトルとし、また番組内でも「あほな話」「ぼくら出演者もあほ」などと「あほ」を連呼されるのはとても嫌なものである。しかも民放ならともかくNHKが堂々とそのようなことをするとはあんまりだ。
  • 番組の次回予告で、制服姿の男女高校生がラブホテルに入り、受付カウンターで「一般人だ」と云って入館するシーンがあった。視聴率を取るためセンセーショナルなカットを取り上げたのであろう。しかし、テレビの影響力は大きいので、一般の高校生たちにこのシーンにあるようなことが世間では日常茶飯事のことであると思わせ、また「高校生ではありませんと嘘を言って入館すればよい」ということを教えていることになる。学校は夏休中でもあるのでこのシーンはカットして貰いたい。私は高等学校の校長をしているが、局に電話をしたら「お伝えします」と言うだけであった。おそらく何も変らないだろう。
  • 在阪民放の火曜日のスペシャル番組を何度も見ているが、内容があまりにも低俗だと思う。出演しているタレントは平仮名が書けなかったり、また他のタレントは問題を解けない事をおもしろく言い訳をしていた。しかも小学1年生の問題を全員正解すれば100万円という条件があった。義務教育での学習内容で全問正解すると賞金がもらえるという考え方は正してほしい。
  • とかく番組内での暴力が批判されているお笑いコンビの片割れのタレントが、番組中に女性芸人の胸をわしづかみにして揉むことが恒例の儀式のようになっているが、同じ女性として非常に不愉快だ。彼女にとってはこの男の事務所の先輩に当たるわけで、一般視聴者にとってもセクシャルハラスメント行為であると同時に、パワーハラスメントも感じられる。このような内容を「面白い」ことにように垂れ流している東京のキー局の姿勢は倫理・道徳に反しており、非常に低俗だと思う。一体どのような考えでこのような行為を許可しているのか。プロデューサーの責任と資質を問いたい。
  • 「そういうキャラクターだから」と言ってしまえばそれまでだが、司会の女性歌手はとにかく他人に関して悪口雑言がすさまじい。自分のことは棚に上げて芸能人・スポーツ選手・政治家とあらゆる方面の有名人の批判ばかりしており、聞いていて不快になる。このような人物に番組を仕切る資格はないと思う。たまには謙虚に己の姿を省みてはどうか?
  • 平日午前中のワイドショーで司会をする関西大手芸能プロダクションのお笑いタレントの某は司会者として相応しくない。番組で女性タレントに対し「うるせえ、ババア!」と暴言を吐いていた。罵られた女性の表情はさすがに一瞬凍りついた。年上の女性に対する思いやりや敬意のかけらすらなかった。このような者に、他者への気配りが求められる司会役が務まるわけがない。
  • 東京キー局の長時間テレビを見たが、レベルの低さにあきれた。ガソリン代、ガス代、電気代の値上げが迫っている中で、このような長時間番組はいかにも資源やエネルギーの無駄遣いだ。庶民はいまや生活防衛に懸命なのだから、放送局も省エネを考えて深夜放送の自粛などに取り組むべきだ。
  • 消防士に扮したお笑い芸人が燃えている小屋の火を消す事を面白おかしく放送していたが、消防団に入団して本当の火災を経験している者としてバラエティー番組であんなことをする意図が理解できない。火災は人命や財産を全て奪いかねない。あの番組を見て火災の恐ろしさや危険性は伝わらなかった。また、誰でも消火活動が出来る様に放送され、しっかり訓練をしている人をバカにしている様に見えた。最近、地震や災害が続く中でこのようなバラエティー番組を放送する放送局の倫理観はどうなっているのか?ただ面白おかしく放送するだけがバラエティー番組なのか?
  • 民放2局のアナウンサーの不倫が週刊誌で報じられ、その都度彼らが担当する番組で謝罪しているが、一般企業の不祥事は通常記者会見などのプレス発表で行われている。放送関係者は個人的な問題を公共の電波で伝えていることをどのように考えているのか。このような状態が繰り返されると民放の情報は信頼出来なくなる。
  • 東京キー局の米大統領の名を冠した番組でセクハラまがいの場面があったので、このようなシーンを放送していいのか疑問に思い局に電話をしたが、応対者は「キー局からの配信なのでわかりません」と全く聞き入れない。例え制作局ではなくても放送した責任はあるのではないか?どんな内容かも確認せずに放送するとは、放送局としての責任を放棄している。問い詰めたところBPOを紹介された。
  • 刑事ドラマの番組宣伝で、包丁で人を刺す場面が放送された。番組の内容まで規制することはないにしても、番宣では殺人などの場面は使わないようにしてほしい。
  • 大手新聞社系列の民放局は公務員や企業の不祥事に対して相当な時間を割いて報道を放送しているが、自社番組の制作を外部委託している社員の不祥事を放送しないのはどういうことなのか。公務員や企業不祥事の隠し事に対して「都合の悪いことに対してなぜ黙るのですか」等とキャスターがインタビューをしたりコメントを発しているが、自社番組制作会社が起こした不祥事に対して何も発言しないのは、都合の悪いことに対して誰も指摘しないようにしているように報道統制をしているとしか思えない。最近、マスコミ業界でも不祥事が出ている。この局だけではないが、どの局もそのことをまったく報道しないのはいかがなものか。これでは報道の公平性を欠くものであり、この局には公務員や企業不祥事を報道する資格はないと思う。
  • 取材の依頼を受けた滋賀県の中華料理店によると、「『当店の天津飯は”紅焼(醤油煮込みの意)”のあんかけなのでいわゆる関東風ですよ』と言った。取材者が『色を確認したい』ということなので、写真を先方に送ったところ『色が濃くて関東との違いがわかりにくい』と言われ、『取材の時だけ色を薄くしてほしい』と言われた」と、ヤラセ・捏造の依頼を受けたとブログで公開している。これはヤラセ・捏造番組以外の何ものでもない。県民性がテーマでありながら、検証を捏造しようとした事実は大きい。未遂とはいえ、このままでは他の取材対象、番組内容にヤラセや捏造がないとは言えなくなる。今までの番組を見ている限りおかしいことが多いが、「大阪人は○○」といった内容は捏造ではないか。決め付けや科学的事実に基づかないことが多過ぎる。他にも「**県民は全員がその習慣を持っている」などのあり得ないものも多い。県民性という、血液型分類よりも不確かで科学的ではないものを扱うことに無理があり、その無理をヤラセや捏造で事実にしようとすることは許されるべきではない。バラエティー番組だからという言い訳は通じない。この番組はヤラセ・捏造番組だ。即刻、打ち切るべきだ。
  • ケータイ小説をドラマ化した東京キー局のホームページのサイトに、「2500万人が涙した真実のラブストーリー」という宣伝文句が載っている。駅に貼られていた番組ポスターにも同じ文句が書かれていた。この”2500万人”の根拠をキー局に訊いたところ、ケータイ小説へのアクセス件数だという。でも、これはおかしい。同じ人間が複数回アクセスしたケースも当然あるはずだから”2500万人”という数字は正しくない。”2500万人”といえば日本人の5人に1人が涙したということで、そんなことはあり得ない。事実無根も甚だしい。つまり、この宣伝文句は視聴者を騙す誇大広告、詐欺広告であり、倫理に反したものなのだ。BPOは当該局にこのことを指摘すべきだ。
  • 12日に放送された番組で、「加賀藩3代目当主利常は嗣子光高の嫁に徳川家の養女大姫を迎えたが、10人もの子どもを生まされたために乳母がこのままでは大姫が危ないと感じ進言した。この事に憎しみを抱いた当主は乳母に1000匹の蛇を入れた桶で拷問を受けさせた。昔はこのような方法で罪人を裁いた」とノンフィクション仕立てで伝えていたが、蛇を思い出すだけで情緒不安定になり、眠れない夜が2~3日も続いた。もう少し映像に配慮するべきではないのか。
  • 某新聞社が英字新聞や英文サイトに不適切な記事(日本を貶めるような変態記事)を掲載し続けたことに対する報道は一部雑誌、番組以外で取り上げられていない。新聞社は紙面、インターネットHPに謝罪・検証を載せたが、これらは英字サイトに対してのみのものであり英字新聞のことには触れていない。しかも英文サイト自体は閉鎖してしまいその記事を読んだ海外の読者がその謝罪・訂正を読むことはもうできなくなっている。ポーズだけで何の効果もない謝罪といえる。この問題を報道番組で一切取り扱わないのは異様なことだ。他業種の不祥事ではどうでもいいようなことにまで批判をして会社がつぶれるまで報道するにも拘らず、同業者の不祥事は不自然なほど報道をさける。このような姿勢は著しく公平性を欠いており放送界への信頼を裏切る行為だ。

【番組全般、その他】

  • 最近の民放の番組は何でこんなに悪くなったのか。ドラマはマンガ系の原作が多く、似たようなものばかりで大人が楽しめる本格的なものがない。女性が韓国ドラマに流れるのはよくわかる。クイズ番組にしてもやたらタレントが目立ちバラエティーとほとんど違わない。ニュースのワイドショー化が目立ちこれも本格的なものがない。ドキュメンタリー枠はなくなっている。昔の民放はもっと良かった。高齢化社会が進むと民放はますます見られなくなるのではないか。放送界は正念場を迎えているように思う。頑張ってほしいのだが。
  • 米軍による広島・長崎への原爆投下について、これまで知らなかった史実やエピソードが紹介されていた。その中で、広島・長崎に次ぐ第三の原爆投下予定があったことが紹介されていた。福島県郡山市へ長崎と同型の原子爆弾を投下することが計画され、投下に備えた予行訓練が1945年7月20日に行われたが天候不良のため郡山への投下が出来ず、代替地点として東京が選ばれ皇居を目標として投下された。ところがその爆弾は皇居をそれて東京駅周辺の呉服橋のあたりに落下し、結果として死者1名という記録だけが残っているという。投下された爆弾には「パンプキン」という名前が付けられていたが、リハーサル用の模擬爆弾だったのか、それとも爆撃用爆弾だったのか番組では説明がない。「死者1名」という被害についても説明不足だ。予行訓練と言いながら、爆弾投下したB-29のパイロットの「戦争は、俺が終わらせてやる」などという投下前のコメントを紹介している。まるで、本物の原爆が皇居目がけて投下されたかのような表現になっていた。これは番組として如何なものか。記録映画のように見える再現ドラマもいいが、話を面白くするために誇張され、結果として史実から離れ作り話になってしまったのではないか。一つのわざとらしさが2時間の番組の全てを嘘っぽくしてしまった。同じ問題を扱ったNHKの歴史検証番組とは大きな違いだ。
  • 毎日11時前から1時まで放送している番組の今日の話題は、「北京五輪に強力な応援」というふれ込みで、各種競技会や大相撲などでよく見かけるパフォーマンス男を紹介していたが、何のことはない、全国的に顰蹙をかっている老人男性を持ち上げただけではないか。いい歳をした80男の道楽を放送で取り上げたりするから本人を調子に乗せるのだ。この人物は、日頃から民放のスポーツ競技やNHKの大相撲の向う正面で、金色ハットに日の丸の扇、派手な衣装で応援し、その実、単に目立つことをアピールし会場の観客のみならず中継画面の邪魔者として目障りなだけの爺さんだ。それを放送局が話題にするから調子に乗り、あちらこちらに出没するのだ。どこぞの会社の社長か会長の酔狂な行為であって、一昔前なら「いい歳をしたお調子者」と一蹴される存在だ。ネットでは、テレビの犯罪事件報道の影響が云々されているが、このような輩を持ち上げるマスコミの姿勢も非難されるべきだ。民放・NHKともども、世の中の変なものを電波で紹介するという無駄なことは止めるべきだ。もとより、この爺さんにこそ「もっと世の中のためになることをやれよ!」と言うべきだ。また番組には、1年前の石川遼選手への盗聴マイク事件やゴルフ場上空での無断ヘリ中継報道に際し、「責任をとる」と言った司会が相変わらず出演しているが、あの発言は何だったのだ。この民放局は相変わらずのいい加減さだ。
  • 番組内でのテロップについてですが、どうも最近、常用漢字の使用の減少が目立ちます。子供たちの学力低下の緩和のためにも、常用漢字や簡単な漢字は必ず使うべきです。番組では、漢字で「嗜好」と書くべきところが「し好」という中途半端な書き方になっていました。また、「驚愕」も「驚がく」と中途半端になっていました。最低でも、漢字で書いて読み仮名を付けるのが妥当でしょう。工夫次第で、子供たちの学力低下を緩和できる事を分かって頂けるよう望んでおります。
  • 各局の番組審議会の審議は、テレビ局が予め用意したVTRを見て審議するようだが、生温く感じる。そんなことで放送が守れるとは思えない。審議委員による抜き打ち審議を行うべきだ。少なくとも審議委員は、テレビ局の意向や用意されたものとは全く関係なく番組を見て、見た番組の問題点を指摘し問題提起すべきである。抜き打ち審議がないと、放送は守れないと思う。
  • 最近は各局とも通常番組内での新番組の宣伝がやたらに目につく。しかもそのやり方が、朝から夕方までの全生番組にその夜から始まる新番組の出演者が出て宣伝を繰り返すなど、実にしつこくなっている。ここまであざとくやられると、見せられる方はうんざりし、いい加減にしてくれという気分になる。これは公共の電波なんだぞと文句を言いたくなる。番組宣伝もやり過ぎは逆効果になるということをテレビ局は認識すべきだ。
  • 最近のテレビは公平性を欠くものが多くあると感じる。ある程度は黙認するにせよ、最近は不公平を露骨に感じるし、それが悪い方向に進んでいるように思う。例えば東国原知事に対する報道だが、東京の局にも拘らず、宮崎県以外の問題であっても本来ならその対象の都道府県知事がコメントするべき問題をわざわざ東国原知事がコメントしている。また、先日はガソリンや物価の高騰で大変な時期にも拘らず、東国原知事の旭山動物園視察に関するニュースを報じていて、他都道府県知事では考えられない報道が多々ある。まるでスター扱いだ。他の知事と違う扱いは逆差別にもなるのではないか?もっと平等に扱うべきだ。
  • 警察の24時間を追うなどの番組では運転手だけが悪いように放送されているが、実際は信号無視や横断歩道のない場所での横断、駐車している自動車の陰から飛び出すなど危険な行為をする歩行者もいる。自動車の運転手がどんなに気をつけていても歩行者のマナー違反で迷惑している事も取り上げなければ交通事故は減らないと思う。そのことを公平に放送すべきだと思う。
  • 放送局自体が目に見える状態で地球温暖化対策をしていて地球温暖化対策啓発のCMを流すのならわかるが、番組出演者は季節はずれの衣装で登場したり(特にバラエティー)、24時間休むことなく放送をしているのは「温暖化防止対策」と言いながら他人任せにしているとしか思えない。
  • 司会が甲子園大会出場校の野球部員不祥事問題について「連帯責任」の論理を持ち出して、大会出場辞退を主張していた。この番組自体、何回か不祥事を起しているが、自らの連帯責任など一切触れられなかった。自らの責任の取り方は頬かむりしておきながら、他人のことになるともっともらしい論を展開するが、自らを律することができていないのだから話に全く説得力がない。
  • 探偵物の映画を見ていたのですが、映画本編とCMとの音声レベルの差が大きすぎます。従来よりこの放送局では、CMの音声レベルを上げる事により注目を集めるという方法を取ってきていますが、今日は特にひどすぎます。CMのたびにミュートしていました。だいたい映画本編とCMとの音声レベルを変える事自体に反対です!デジタル放送に切り替わり、音声レベルの調整にも基準を設けて、各局がその基準内におさめる事は技術的には容易になっていると思います。この際、音声レベルの明確な基準を設けてみてはいかがでしょうか。
  • 地デジ放送周知CM(草�亟剛出演)への苦情。アナログ放送のときは画面に”アナログ”という文字が表示されると言っているが、古い型のテレビでは表示されない。高齢者に分かるような説明をしていない。何より問題なのは、地デジ対応には受像機など新しい設備が必要で、それを自腹で揃えなければならないということをひと言もいっていない点。公共広告としては不充分、不親切、不徹底で問題が大きい。
  • 映画の宣伝が昼夜問わず放送されている。しかし、この作品はホラーであり、子供はなおさらであるが、大人でも苦手な人はいる。番宣では恐いシーンをそのまま放送しており、まるでいやがらせのようだ。今すぐこの映画の配給元と製作委員会にテレビでの宣伝を中止させて欲しい。またこの映画はR-15の指定を受けているが、R-15及びR-18指定映画のCMは、タバコのCMと同様、終日、放送禁止にして欲しい。
  • 生命保険会社のCMでは「誰でも入れる」と謳っているので早速電話をしたが、自分の病気のことを話すと「あなたは入れません」と言われた。「誰でも入れる」なんて嘘じゃないか!
  • パチンコのCMが昼夜を問わず放送されている。パチンコは以前から指摘されているように「依存症」や若い夫婦による「児童の車内放置」など問題が多い遊戯であり、18才未満の立ち入り規制も殆ど取り締まられていない。また、最近ではネオンサインや、電光掲示板で派手に外装している店が多く、周囲の環境も悪化している。拝金主義の民放といえども、自主規制すべきCMではないのか。
  • 大手自動車メーカーのCMは「エコ替え」と銘打って、「まだ使えるけど燃費のいい車に乗り換える」ことを「エコ」だと言い切っているが、使い捨ての風潮を助長するだけであり、エコロジーとは程遠い内容だ。業界トップがこのような見解をあらゆる時間帯に放送すると、分別のつかない若者に悪影響がないだろうか?

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • ドラマ番組(A)。夕方4時前から「親子のための完全総集編」が放送された。小学校高学年の子供が「お母さん、ひとりエッチってなあに」「経験が少ないって何の経験なの」と聞かれて初めて知った。このドラマの前宣伝を見て、子供には見せないと決めていたが、番組は夜の10時からの放送なので、子供が見ることはないと安心していた。それなのに、夏休みのこの時間に総集編を放送するとは何事ですか。それも「親子のための総集編」とはどういう意味ですか。テレビ局もドラマを放送する時には、放送時間帯と内容を考えていると思っています。このドラマだって夜遅くの放送だから、この内容なのではありませんか。それを「総集編」として小学生でも見られる時間に放送することの良し悪しを考えないのでしょうか。
  • ドラマ番組(A)。新聞のラ・テ欄で「好きなの?ヤリたいの?」と不適切な表現で番組を紹介している。青少年を視聴対象にした番組にも拘らず性にまつわる過激な表現が余りにも多い。ラブホテルの部屋のシーンから始まり「私とやりたいだけなの」等のセリフが随所に出てくる。決して公共の電波で放送する内容ではない。
  • ドラマ番組(B)。映画でも話題になったケータイ小説が原作のドラマだが、ゴールデンの時間帯で”レイプ”と”人口中絶”を推奨するようなドラマを放送して欲しくない。多くの子ども達も見ている。あの内容を流すのならせめて深夜枠にする等の配慮ができるはずだ。映画が放映された時も年齢制限を設定しなかったことが問題になった。あのような内容は子供に間違った性知識を与える。最近は未成年による性犯罪も増えているし、それを助長するような内容は好ましくないと思う。放送を自粛、せめて時間帯を遅くする等の対応をお願いしたい。
  • バラエティー番組。司会のひとりが女性芸人の胸をわしづかみにして揉んでいた。見ていてこれは明らかにセクハラ・パワハラだと感じた。彼女はその手を払う事はしなかったが嫌な表情をしていた。おそらく上下関係があるため、この行為に反発することが出来なかったのではないかと思った。夏休み中であり子供も一緒に見ていて非常に良くないと思った。このようなシーンを放送してもいいのか疑問を感じる。
  • バラエティー番組。中年男性向けということで敢えてそうしているのだろうが、ビキニ姿の若い女性を大勢登場させ、いやらしいトークを繰り広げる内容。22時と言えば夏休みの子ども達にとってまだ宵の口。子どもも見ている時間に放送する内容とは思えない。このような番組は放送しないのが望ましいが、どうしてもというならせめて深夜の時間帯に放送すべきだ。
  • ラジオ番組。毎週放送される午前9時台の企画コーナーは、リスナーから寄せられた”お色気内容”の手紙をパーソナリティーが卑猥な声でお色気ムードたっぷりに読み、相手の女性が下品な笑いで応答するというもので、その内容は時には大人でもドキッとするような嫌らしさである。今は学校の夏休みでもある。これを子供達が聴いたら悪影響を受けることは間違いない。せめて夏休み期間中だけでも、このコーナーを休止してもらいたい。
  • クイズ番組。このスペシャル番組は内容があまりに低俗だと思う。出演しているタレントは平仮名を書けなかったり、また他のタレントは問題を解けない事をおもしろく言い訳をしていた。しかも小学1年生の問題を全員正解すれば100万円という条件があった。義務教育での学習内容で全問正解すると賞金がもらえるという考え方を正してほしい。
  • 情報番組。朝から低俗すぎる内容に怒りを覚えた。大磯ロングビーチからグラビアアイドルの運動会なる企画が生中継された。男性タレントがグラビアアイドルの胸元にカメラを押し付けたり、女性達が胸で解答ボタンを押したり、朝から下劣な番組を放送した局に怒りを感じた。深夜番組ならともかく、朝から放送する内容ではない。今は夏休みで、周りには小中学生も多くいた。また親子連れにはとても気まずそうだった。出演していた女性タレントは本気で怒って「生放送です!まだ朝です!」と言いながら、男性タレントの頭を叩いていた。当然だと思う。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • パチンコ店のCM。人気アニメの声優2人を起用しているが、アニメ内ではこの2人は未成年、高校生として登場している。CMではアニメキャラクターであることは一切言っていないが、この二人を起用することはアニメキャラクターということを暗に言っているようなものだ。未成年を想起させるキャラクターをパチンコ店のCMに起用することは望ましくない。即刻やめるべきだ。
  • いま各局で放送されている日本のホラー映画のCMに、赤ちゃんが投げ捨てられるシーンが出てくる。極めて不快だ。赤ちゃんの虐待を助長する危険性もあり、テレビで放送するのは不適切な映像だ。放送を中止すべきだ。

【いじめや虐待を助長する】

  • バラエティー番組。この番組は毎週一人の司会者だけに人権侵害にもなるような嫌がらせをしている。今回もまたこの司会者を便器扱いして、馬鹿にして喜んでいた。番組の出演者全員で一人だけを執拗に貶めるのはただのいじめだ。本当に見ていて不愉快になる。子供がテレビを見て面白がり、それを真似していじめをする子が現実にいる。便器扱いされるいじめを受けた子がどれほど傷つき悲しい思いをするのかも理解できないなんて最低だ。こんな番組を平気で流す放送局が許せない。
  • バラエティー番組。二人組芸人の一人が世のため人のために走りまわるというコーナーで、子供の世話を頼まれたその芸人が、年端のいかない子供をヤクザまがいの人相風体で脅していじめ、泣かせていた。お笑いタレントによるバラエティー番組とはいえ、あんなことをやっていいのか。あれはまさに児童虐待、脅迫だ。
  • バラエティー番組。「○○ランキング」と銘打ったコーナーで、色々なジャンルの上位にランクされるものを紹介しているが、この日は「芸人のブサイクランキング」なるものを発表していた。人の容姿をあげつらい、ワーストの順位をつけるとは酷い。似たような企画は他局の番組にも見られるが、僕の友人はそれを真似たいじめに遭った。テレビがこうした低次元の企画を止めない限り、今後もテレビを真似たいじめや嫌がらせは減らないだろう。

【報道・情報に関する意見】

  • 桐生第一高校野球部員のわいせつ事件に伴って甲子園大会の出場の是非が問われているが、この事件の報道に同校の選手の様子の映像などを利用するのは不適切ではないか。事件を起こした生徒は少年法で守られ顔も氏名も明かされないが、選手たちはまるで関係者の様に報道され、顔も名前もさらされている。選手たちに事件について発言を求めるなどもってのほかだ。報道側は配慮するべきだ。

【委員会に対する意見】

  • 青少年委員会の男児の裸についての提言を読みました。初めてBPOを評価したいという気持ちになりましたし、BPOの存在意義、マスコミの自浄能力があるということを痛感しました。男児ポルノは、日本人が思っている以上に深刻です。特に欧米では、男児が誘拐されポルノの被写体にされた後殺害されるという事件が多数起きており、男児ポルノは非常に悪質な性犯罪であると認識されています。マスコミは、その点をもっともっと認識するべきであると思います。

【性表現について】

  • BS(再放送)。小学生の子供と一緒に見ていたが、クレイアニメで人形がセックスをするシーンがあり慌ててテレビを消した。子供に「何故消したのか」と聞かれたが、低学年の子供には性についての説明はまだ出来ない。この番組は本来は大人向けで夜中に放送されている。昼間に放送するのはいかがなものか。新たな視聴者を増やしたいからなのか。昼間は多世代がテレビを見ている。放送局の都合ではなく、視聴者のことを考えて放送することを願う。

【放送局に対する意見】

  • ラジオ局。番組ではセックスについての卑猥な言葉が露骨に出てくるので局に注意を喚起した。2週間後の番組の冒頭で、「この番組は18歳未満の聴取者に不適切な表現が使われますので、18歳未満の方は9時28分まで聴取を控えてください」という放送があった。これでは18歳未満の人にかえって興味をそそらせる事になり、大変不快な気持になった。

【要望・提案】

  • 北京オリンピックで女子ソフトボール日本代表が金メダルを獲得したが、西山麗選手が先天性の心臓病を乗り越えて仲間たちと共に頑張っていく姿に心を打たれた。これは実話だが、病気を乗り越えてスポーツに打ち込むこと、金メダルを目指して頑張ること、あきらめないことの素晴らしさを子ども達に伝えるため、ドラマやアニメにしてもいいのではないか?

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「月曜日から金曜日の早朝に放映されているアニメ番組が子供に悪影響」という意見が掲載されていたが、全く見当違いの意見としか言いようがない。ペット禁止マンションで動物を飼うのはマナー違反だとしても、この番組のテーマは「子猫(動物)を通した家族の暖かいふれ合い」のはずだ。それに「作者の倫理観を疑う」云々は作者に対する誹謗中傷以外の何者でもない。子供に番組の善悪の判断をさせず、ただ自分の好き嫌いだけで乱暴な判断をすることこそ「子供に悪影響」だと思う。