第266回

第266回-2024年3月26日

中高生モニター会議の開催… など

2024年3月26日、第266回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
当日は中高生モニター18人によるTBSテレビオンライン見学会と中高生モニター会議に引き続いて通常の委員会が開催されました。
委員会では、2月後半から3月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
3月の中高生モニターリポートのテーマは「この1年間で最も印象に残った番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見やモニターリポートについて議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年3月26日(火) 午後4時00分~午後7時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
中高生モニター会議(オンライン) 詳細はこちら
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

2月後半から3月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
バラエティー番組でゲームに負けた罰として、司会の男性芸人の指を瞬間接着剤で接着させて番組を進行させたことに視聴者から「身体に危険な行為で、悪質ないじめのように感じた」などの意見がありました。
担当委員は「周囲の出演者が笑うことで(子どもに)模倣される可能性が高くなるし、使用目的外の使い方なので、商品の注意書きを無視した印象がある」と報告しました。
ある委員は「子どもが模倣する可能性はある。番組を仕切る司会者がやられたことだとしても、それでよいということではない。(委員会として)繰り返しメッセージを出していくことに尽きるだろう」と述べました。
平日昼の情報バラエティー番組の中継コーナーで、赤ちゃんに餅を背負わせる神事を模した「背負い肉」という企画を放送。視聴者から「1歳の赤ちゃんが泣き続け、背負わされた牛肉の重みで仰向けに倒れる場面もあった。ひどい企画だ」などの批判的な意見が寄せられました。
担当委員は「伝統的な神事では、子どもの健康や成長を願うという文脈があって(赤ちゃんが泣き出しても)許されるのだろうが、この場合は本人ではなく、大人の母親が『お肉がほしい』という文脈なので、批判されたのだろう」と指摘しました。
一方、別の委員は「私は虐待とは思えなかった。本人は(中継が始まった周囲の様子に)びっくりして、しかも重いので泣き叫んでしまったが、終わった後に母親が抱きしめていて、(親子の)関係性が悪いようには見えなかった。おそらくリハーサルではうまくできたのだろうが、(番組が)あまりに幼い子を選んでしまったのが失敗だったのだろうと思う」と述べました。
この2番組を含め、これ以上の議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

現モニターが最後となる3月のテーマは「この1年間で最も印象に残った番組について」で、27人のモニターからあわせて25番組への報告が寄せられました。
複数のモニターが挙げたのは『2023ワールドベースボールクラシック 決勝』(テレビ朝日)と『金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」』(TBSテレビ)の2番組で、そのほかにも多岐にわたるジャンルの番組に関する報告が集まりました。また「自由記述」では、1年間のモニター活動で感じた“これからの放送に求めること”に関する記述が目立ちました。
「青少年へのおすすめ番組」では『アイ・アム・冒険少年 3時間スペシャル』(TBSテレビ)に9人から、『発進!ミライクリエイター「第8弾~AIはここまで来てるぞスペシャル~」』(テレビ朝日)と『日曜ビッグバラエティ「密着!JR24時」』(テレビ東京)にそれぞれ3人から、『生中継!第96回アカデミー賞授賞式』(WOWOW)に2人から報告がありました。

◆モニター報告より◆

【この1年で最も印象に残った番組について】

  • 『金曜ロードショー「かがみの孤城」』(日本テレビ)
    いろいろな理由で学校に行くことができない子は身近にも多くいるけれど、理由や心情などは詳しく知らないので、知ることができて良かったです。小説をアニメ化したり映画化したりすると、一部がカットされることが多く情報量が減るので、そのようなことはなくしてほしいです。(中学1年・女子・千葉)
  • 『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)
    3月10日の放送では、ゲストの森永卓郎さんが今の経済のことを教えてくれてとても勉強になったし、今の時期は高校受験の志望校を決めなくてはいけないので、どんな会社があるのかがたくさん分かって参考になりました。(中学1年・女子・島根)
  • 『ワイドナショー』(フジテレビ)
    1月14日の放送では、週刊誌が報じた有名お笑いタレントの性的スキャンダルについて触れていた。時代が違えば今のような状況にならなかったと思うし、また最初は“単なるスキャンダル”と軽く見られていたものの時間の経過とともに対応が変わっていった点も興味深かった。時代とともに世論は変わることを痛感した騒動だった。出演者のコメントで印象に残ったのは「結局この件で一番利益を得るのは週刊誌であり、被害を訴えている女性も、有名お笑いタレントも大きなダメージを受けるだけだ」という趣旨のもの。芸能スキャンダルは何のためにあるんだろう。そしてこの番組を見ている私もこのスキャンダルに加担しているのではないか。ウクライナの戦争や地球規模の大きな環境変化といったさし迫った課題があるのに対し、芸能スキャンダルは何の役に立つのだろう。ただ私自身もこのような文章を書くくらい興味を持っているということも、まぎれもない事実だと思った。(中学1年・女子・福岡)
  • 『女王の教室 第6話』(日本テレビ・2005年制作)
    とても学びのある作品だった。現代でこのドラマと同じようなことが起こったら、教育委員会が会見を開いて謝罪したり保護者に頭を下げたりして、世間は学校や教育委員会の事を叩くだろう。そう考えると昔の環境に憧れる。今の方がもちろん安全だとは思うが、少し過保護すぎる気もする。どちらが良いか悪いかはさておき、教育制度が移り変わっていると実感した。(中学2年・男子・埼玉)
  • 『NHKスペシャル「アナウンサーたちの戦争」』(NHK総合)
    毎年8月になると太平洋戦争関連の番組が放送されるが、日本がどのように海外侵略を進めたのか、またどのように軍部の政権が成立したのかについて注目した番組はほぼない。私たち世代は、戦争は“武力による衝突”といういわば表層だけの存在だと認識しがちなので、この番組のように戦争を新しい視点から描いている番組は非常に重要だと思う。(中学2年・男子・東京)
  • 『あなたはこの衝撃に耐えられる?ワールドドキドキビデオ』(日本テレビ)
    この番組が大好きで、放送されるときは必ず見る。世界の衝撃動画やおもしろ動画を、いかにリアクションせずに見ることができるかに挑戦する番組だが、動画がとても面白く楽しい気分になる。衝撃動画は“間一髪で難を逃れた”ものが多くて安心して見ることができるし、自分も出演者と同じチャレンジをする楽しみ方もできる。もっと放送頻度を増やしてほしい。(中学2年・女子・愛知)
  • 『いちばんすきな花』(フジテレビ)
    プロデューサーの村瀬健さんが手がけたドラマ『silent』がとても好きだったのでこのドラマも視聴していた。映像がとても綺麗で儚い印象だったが、それがストーリーととてもマッチしていた。また主人公4人の境遇や言動は、自分が学校などで体験したことがあるものが多くてとても共感した。主題歌を担当した藤井風さんが最終回のラストシーンに出演する演出も、そのシーンを放送当日に撮影したこともとても驚いた。村瀬さんがこの仕事が好きだからこそこんな素晴らしいシーンが生まれたのだと思い感動した。(中学2年・女子・東京)
  • 『ラヴィット!』(TBSテレビ)
    夏休みや冬休みの朝に番組を見て、それまでひまだった朝がとても楽しくなった。オープニングが一時間にもなっているのに、飽きずに楽しく見ることができるのはすごい。でももう少し本編が長くなってほしいなと思う。(中学2年・女子・栃木)
  • 『厨房のありす』(日本テレビ)
    私はずっと優秀な姉と比べられるのが嫌だったので、自閉症だからといろいろな人から色眼鏡で見られ傷つきながら生きてきた主人公の女の子にとても共感した。このドラマはただのハートフルストーリーではなく、主人公の過去をめぐるミステリー要素や、初めての恋愛要素など、ワクワクドキドキする展開も多くあったところが大きな魅力だと思った。(中学2年・女子・福井)
  • 『有吉弘行の故郷に帰らせていただきます。~地元でもっと驚いちゃったよ~』(中国放送)
    今年で3回目の放送ですが、毎回違う場所に行っているので飽きずに見ることができて毎年の楽しみになっています。広島にゆかりのある人だけが出演するし、有名になって忙しくなった人が毎年広島に帰ってきて番組に出演してくれるのは嬉しいです。(中学3年・男子・広島)
  • 『テレビ朝日ドラマプレミアム 友情 ~平尾誠二と山中伸弥『最後の一年』~』(テレビ朝日)
    BPOの「テレビ局が薦める青少年へのおすすめ番組」でこの番組を知りましたが、それぞれ道は違えども強い目標を持っている二人が、お互いに理解し尊敬し合う姿に心を動かされました。分野が違う二人がなぜ親友なのか、どんな一年だったのか、番組名からもドラマに興味がわきました。本人のインタビューで当時の感情や考えていたことを聞いてみたかったです。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『VIVANT』(TBSテレビ)
    劇中に伏線がたくさんあって理解しやすく、とても面白くて毎週日曜日が楽しみだった。豪華な出演者とモンゴルでの撮影がよりリアルさを出していたと思う。また最終的に問題は解決していなくて、ドラマの続編がありそうだと感じた。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『裸のアスリートⅡ「髙橋藍」』(BS-TBS)
    この一年はスポーツ番組をよく見ていました。アスリートというと雲の上の存在のように感じる人も多いと思いますが、ドキュメンタリーで生活の一部分を見ると身近に感じられ「応援しよう!」という気持ちになります。この番組で出会ったたくさんのアスリートの活躍を祈っています。(中学3年・女子・滋賀)
  • 『100カメ「ミュージカル 帝国劇場でSPY×FAMILY」』(NHK総合)
    ミュージカルの裏側を知ることができてとても興味深かった。「評判がいい」と言われるのは、それを裏から支える人がいてこそだと感じた。またミュージカルには子どもが出演していたが、子どものために大人がかけ回る姿はかっこいいと思った。(中学3年・女子・広島)
  • 『★SAPPORO新春スポーツスペシャル 第100回東京箱根間往復大学駅伝競走』(日本テレビ)
    監督や仲間のために選手たちが力を振り絞って走る様子が印象的で、監督の声かけや走り終わった選手のコメントを聞いて、選手について興味が湧きました。ちょうど受験期間で復路は塾の冬期講習中でしたが、頑張っている選手に元気をもらいました。(中学3年・女子・福岡)
  • 『NHKスペシャル「世界に響く歌 日韓POPS新時代」』(NHK総合)
    日韓のポップスがいかにして世界で快進撃を続けているか多角的な視点から描いていて、なぜ世界を熱狂させるのか、どこまで飛躍するのかについて学ぶことができた。NHKスペシャルらしい多くの学びを得ることができた。(高校1年・男子・群馬)
  • 『King&Princeる。』(日本テレビ)
    始まった頃から面白くてずっと見ていて「English Cooking」「どっちが海人でSHOW!」の企画が好きです。出演者同士の思いやりのある会話に感動するし、お互いへのツッコミも面白くて、私が一番好きな番組です!後継番組の『キントレ』(日本テレビ)も、劇団ひとりさんと永瀬廉さんの会話がとても面白く、大好きな企画も復活すると知って楽しみにしています!(高校1年・女子・京都)
  • 『金曜ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」』(TBSテレビ)
    人間が生きていくうえで必要な「サバイバル知識」「人と協力することの大切さ」「普段の日常の大切さ」を学ぶことができ、とても勉強になった。またこのドラマには「他にはない独創性」がある。“タイムスリップする”という世界観をテレビドラマで初めて見たし、未来の地球が“隕石が落ちて人類が滅亡した世界”という設定も自分の想像と大きく違っていて興味を引いた。“新しい”ということはすごいパワーを持っている。これからも見たことなのいような新しい世界観のドラマがたくさん見られたらいいなと思う。(高校1年・女子・北海道)
  • 『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』(TBSテレビ)
    オーディション番組の最終回で、動画配信サービス「Lemino」で前話まで一緒に見ていた友だちと通話しながら番組を見て、とても盛り上がりました。また最終回がテレビ放送だったので、今まで見ていなかった別の友だちも番組を見ていて嬉しかったです。最近あまりオーディション番組を見ない気がしますが、毎週の楽しみになるので、またあったら嬉しいです。(高校1年・女子・茨城)
  • 『2023ワールドベースボールクラシック 決勝』(テレビ朝日)
    • 試合後も各放送局が様々な番組で取り上げていて、特に9回大谷翔平選手がマイク・トラウト選手を空振り三振にとるシーンは何十回とみてきたので印象深い。侍ジャパンの活躍は他のスポーツの日本勢にも刺激を与え盛り上げたと思う。(高校2年・男子・山形)
    • 阪神の優勝よりWBCの印象が強烈で、WBCはリアルタイムですべて見ました。もうこれ以上のスポーツ番組はないのではないかと思えるくらい、毎試合興奮して応援していました。(高校3年・女子・京都)
  • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)
    これまで全シリーズ全話を見てきましたが、シリーズが変わるにつれて内容がグレードアップされ非常に面白かったです。ゴールデンタイムということであえて放送に配慮している部分を公開することにより、より安心して見ることができるうえに笑いもとれ、今の時代ならではのやり方だなと思いました。(高校2年・男子・山形)
  • 『金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」』(TBSテレビ)
    • 最近のテレビ業界やコンプラ意識について世間をうまく風刺している素晴らしい作品だと思いました。あまりに窮屈なコンプラ意識に主人公の小川(阿部サダヲ)が違和感をもつという流れは、その多くに思わず共感しました。特に第8話で、不倫したアナウンサーが世論や誹謗中傷によって辞職に追い込まれそうになる流れはさすがに同情しました。不倫はだめだし職業としてのイメージは大事ですが、なぜ世間は自分とは全く無関係な人の人生を左右したがるのだろうと思いました。(高校3年・男子・神奈川)
    • これまで阪神淡路大震災の起きた日すら知らず関心がなかったが、ドラマ内で出演者が震災で亡くなるエピソードを見て関心を持つようになった。(高校2年・女子・東京)
  • 『それSnow Manにやらせて下さいSP』(TBSテレビ)
    2月23日の放送は「ダンスノ完コピレボリューション」第3弾。学校の授業で創作ダンスを行っていたので、腕の使い方によってしなやかに見えたりあるいはキレのあるダンスに見えたりと、授業内でも取り入れることのできそうな発見ができた。また待機している間の出演者のトークでも、全員が話せるように振るなどしてそれぞれの面白さが伝わる会話だったので、話し合いの場だけでなく日常会話でも今後の参考にしたいなと思った。(高校2年・女子・東京)
  • 『ザ!世界仰天ニュース~福知山線脱線事故はなぜ起こったのか~』(日本テレビ)
    私は2006年生まれだが、そのたった1年前にこんな凄まじい事故が起こっていたことを知らなかった。JR線は毎日通学で利用しているが、身近な会社がこのような事故を起こしていたことが衝撃だった。事故当時の社員の厳しい管理教育体制や、事故当日の様子のCGやニュース映像はとてもインパクトがあった。重大な事故を何年かに一度改めて放送で取り上げることは、同じことを繰り返さないためにも、また事故を経て会社がどう変化しているのかを知るためにも、とても意義のあるものだと思った。(高校2年・女子・愛知)
  • 『ゴールデンラヴィット!』(TBSテレビ)
    番組開始当初から『ラヴィット!』が大好きで、どれも似たり寄ったりでつまらなかった年末に、地上波で面白い放送を見ることができました。“お笑い”だけでなくサンボマスターの歌にも感動しました。またイス取りゲームの時には大勢のスタッフの動きがそのまま映されていて、番組をつくるすべての人の努力を見ることができて感激しました。(高校3年・女子・北海道)

【自由記述】

  • “テレビ離れ”と近年よく言われていますが、テレビという大きなメディアだからこそできる企画や特集(例えば「鉄道密着」など)をどんどん放送してほしいです。コンプライアンスが厳しくなって自由なテレビ制作が難しいのかもしれませんが、なにか一つ“とがった”番組を見てみたいです!(中学3年・男子・神奈川)
  • 最近は「多様性」や「性」についての番組が増えていると感じています。例えば月経に関することなど、今までタブー視されていた話題も取り上げられてきて良い流れだと思います。影響力のあるテレビやラジオで放送することは重要だし、これからも期待しています。また視聴率が低くさまざまなことを言われている番組がありますが、人それぞれ好みがある中で全員に向けた番組を作ることは難しいと感じています。動画配信サービスとも互いに住み分けをして共存できたらいいなと思いました。「どうしたらよくなるのか」「なぜそうなのか」など、さまざまなことを常に考えた一年でした。(高校1年・男子・群馬)
  • 朝の情報番組を毎日見ているが、ここ数年で「Z世代の流行」を取り上げる企画が増えたように感じる。しかし朝はニュースを一切見ない友だちも少なくないし、Z世代である高校生・大学生はその情報をSNSでもっと早く得ている。番組に対して親近感は感じるが、Z世代にとって需要はないのではないか。好きなアイドルが出る番組は絶対に見る!という人も多いので、アイドルに関する話題の方がZ世代を強く惹きつけると思う。(高校2年・女子・愛知)
  • いま一番好きなお笑い芸人は爆笑問題です。今の時代にそぐわないかもしれないけれど、番組の流れを破壊しそうなヒヤヒヤするお笑いが爆笑問題だけになっている気がするからです。もちろん見ていて不快な番組は世間的にいいものではありませんが、そうやって番組の幅を狭めていけばテレビ番組は単調になって、スリルを求める若者はテレビからより離れていきます。万人受けするものなんて多くはつまらないと思います。最近の番組は「懐かしの○○」ばっかりですが、この流れは止まらないのでしょうか。自分は悲しくてしょうがありません。(高校3年・男子・神奈川)
  • 旧大手芸能事務所の問題を受けて、どの放送局も番組編成が変わり、視聴者が求める楽しさがどんどん失われている気がします。スポンサーの顔色をうかがうだけでなく、本当に人気のある番組は続けていくための努力をするべきではないでしょうか。まずは特番からでも復活させるべきです。(高校3年・女子・北海道)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『高校生のじかん』(九州朝日放送)
    よく知っている近隣の高校がクローズアップされていて、本当に地元密着の番組だと感じました。高校生の活躍は素晴らしく、例えばニュースで取り上げられたならばもっと堅苦しい内容に仕上がっていたと思うけれど、サブ司会は現役高校生で終始ほのぼのとしたゆるい感じにまとまっていました。番組のスタイルが違うだけで伝わり方が変化するので面白いです。(中学1年・女子・福岡)
  • 『女性の明日が楽になる!あしたのラク子さん』(朝日放送テレビ)
    女性の体は複雑で自分でもわからないことが多いけれど、大切な体だからこそ、正しいのか分からないインターネットの情報よりテレビの情報のほうが安心できます。映像があると想像しながら見ることができるし、ホームページの情報も便利だと思いました。(中学3年・女子・滋賀)
  • 『生中継!第96回アカデミー賞授賞式』(WOWOW)
    映画が受賞した時に、他の人たちもみんなで拍手してお祝いしている様子がとてもいいなと思った。世界では紛争が起こったりしているけれど、ここでは世界の一体感がみえて世界平和ってこういうことかと思った。(高校1年・女子・北海道)

◆委員のコメント◆

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『アイ・アム・冒険少年 3時間スペシャル』(TBSテレビ)に多くのモニターから報告があったが、サバイバル知識を有名タレントが披露する番組は、例えば災害時の困難を乗り越えるノウハウを学習できる機会になると実感した。
  • 1年間を通して多くのモニターがBPOウェブサイトに掲載された全国の『青少年へのおすすめ番組』のリストを見て、番組ホームページや見逃し配信サービスなども活用しながら、住んでいる地域とは別の地域の番組を視聴し意見を寄せてくれた。それぞれの地域を知る機会にもなったと思う。

【自由記述について】

  • 高校3年生のモニターの報告に「テレビ番組などで『視聴者から頂いた意見等を…』というフレーズを聞くが、どうやってテレビ局に番組への意見を伝えるのかが分からなかったし『わざわざ電話などでテレビ局に意見をいう人はクレーマーだろう』としか思っていなかった。しかし中高生モニター制度に参加して、視聴者からの意見の“聞き方”が分かった気がする。さまざまな意見がBPOを通じてテレビ局などに伝えられていることもわかった」とあった。視聴者の意見はネガティブなものだけではないし、放送局やBPOがそういった多くの意見をどう収集しているのかを、より多くの人に分かりやすく伝える仕組みを構築できると良いだろうと思う。

【その他】

  • 複数のモニターが「今の時代」というキーワードを報告に盛り込んでいたが、“今の時代のテレビ観”は中高生モニターの間でも全然違うと感じた。普段の生活の中でどのような情報に触れているかによってテレビ観は変わるので、今の若い人のテレビ観には相当振れ幅があるのだろうと感じた。

委員の退任について

緑川由香副委員長が3月末で任期満了となり、退任することになりました。3期9年務められました。

今後の予定について

次回は4月23日に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

第265回

第265回-2024年2月27日

視聴者からの意見について… など

2024年2月27日、第265回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、1月後半から2月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
2月の中高生モニターリポートのテーマは「指定するドキュメンタリー番組を見た感想」でした。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年2月27日(火) 午後4時00分~午後6時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

1月後半から2月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
報道ドキュメンタリー番組で、一家3人を殺傷し、特定少年として逮捕・起訴された被告に死刑判決が下された裁判を特集。判決主文がテレビ画面に速報されたとき、被告の母親に密着取材していたが、部屋には10歳前後とみられる被告の弟あるいは妹が同席していて、その子の反応も放送された(母親と子どもにはぼかしが入り、子どもの音声は加工)ことについて批判的な視聴者意見が寄せられました。
担当委員は「本件を取り上げる重要性は理解するし、きちんと取材もされていたが、あの瞬間に子どもを同席させる必要があっただろうか。仮に、母親が『(子どもと)一緒ならば撮影に応じる』といったとしても、『では、そうしましょう』では、この子を犠牲にして撮影したことにならないか」と指摘しました。
ある委員は「性的な虐待や両親の離婚など、小児期に『逆境体験』を受けると記憶として一生残り、トラウマになるといわれる。アメリカでは、両親や家族が犯罪に関わったり収監されたりすることも逆境体験だとされる。本件の場合、あの子の記憶に残るだろうし、トラウマになりPTSDが起きる可能性がある。あの子には残酷な時間だったと思う」と説明しました。
また別の委員は「犯罪加害者家族の支援活動にも関与しているが、(世論の)加害者批判が高まるので、報道は難しい。(加害者側の)子どもを放送に出すとなると、(その子に対する)二次被害も想定する必要がある。本件では、あの子の将来が心配される」と述べました。
最後に担当委員は「番組が母親を取り上げた意義は大きかったと思うが、そのアプローチの仕方が非常に甘かったと思う」と締めくくり、「討論」に進むことはありませんでした。
頭髪の薄いことを漫才のネタにすることについて、1月の青少年委員会で意見が交わされ、議事概要として公表したことを受けて、当該の漫才コンビを含む出演者らが意見を出し合った情報バラエティー番組について視聴者からさまざまな意見が寄せられました。
担当委員は「バランスのとれたまじめな議論を展開していた。聞いていて『なるほどな』と思えるところもあった」と報告しました。
委員からは「(議事概要を)よく読み込んでもらっている」や「このことを認識してもらっただけでも、(委員会で)取り上げた意味があった」などの声が上がり、「討論」には至りませんでした。

中高生モニター報告について

2月のテーマは「指定するドキュメンタリー番組を見た感想」で、課題とした番組は2023年度日本民間放送連盟賞[青少年向け番組]最優秀『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』(関西テレビ放送)でした。戦禍を逃れて日本で避難生活を送るウクライナ人の母子を取り上げた番組で、小学生の姉弟が言葉や文化の違いに戸惑う様子や母親の思いを伝えています。また、小学校関係者や学習支援プロジェクトを立ち上げた大学教授、翻訳作業を手助けするウクライナ人留学生など、多くの支援者の思いや葛藤を丁寧に描いています。25人のモニターから報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)と『「東大王」2時間特別編 学べる世界の映像SP』(TBSテレビ)に4人から、『お別れホスピタル』(NHK総合)と『日曜ビッグバラエティ 必撮仕事人!緊迫カウントダウン』(テレビ東京)に3人から、『アラスカ・大自然の話をしよう~秋冬編~』(NHK Eテレ)と『有吉弘行の故郷に帰らせていただきます。~地元でもっと驚いちゃったよ~』(中国放送)、『なんでだろう?山形深ボリ 幕末の米沢で義をたどる』(山形テレビ)にそれぞれ2人から、報告がありました。

◆モニター報告より◆

【指定するドキュメンタリー番組を見た感想】

  • ウクライナと日本は距離が遠く、日本語は他国からも難しいと思われがちなのに、なぜウクライナからの避難民が日本に来たのか疑問に思いました。日本にも誰かのために行動してくれる人がいて、とてもありがたいなと思いました。自分から行動するには勇気が必要なので「避難民の力になりたい」「助けたい」と先陣を切って行動する人たちをとても尊敬します。(中学1年・女子・千葉)
  • ウクライナの戦争をテレビでよく見るけれど実感はありませんでした。でもウクライナと日本の数字が同じだと知って、戦争は同じ世界で起きていて、私のような子どもも巻き込まれていることを実感しました。この番組や戦争の番組を、戦争をしようとしている人に見せてあげたいです。やっぱり戦争はダメだし、ヤン君たちが安心して生活できたらいいなと思います。またカテリーナさんのお父さんが無事でいるといいなと心から思います。(中学1年・女子・島根)
  • 言語の壁という不安の中で家族を心配するのはとてもつらいです。ウクライナ人が心から休める空間がないと、精神的限界に達してしまうと思いました。(中学2年・男子・埼玉)
  • この番組を視聴して自分の視野の狭さを痛感した。これまでウクライナ戦争に関する情報に積極的に接しているつもりだったが、ほとんどが「国」単位の話であって「人」単位の情報に触れていなかったことに気づいた。言葉の壁以外に教育のレベルまで違うことに驚いたし、避難している子どもが思うように教育を受けられていないことは、将来復興を目指すウクライナにとって大きな問題だと感じた。今日本に避難しているウクライナの子どもたちが、番組のタイトル通りウクライナの明日をつくる。私たちも自分にできることを見つけて彼らを助けることが、ウクライナへの支援になると思った。(中学2年・男子・東京)
  • 「スマホじゃ気持ちは翻訳出来ない」「学校は勉強だけする所ではない」という言葉を聞いて、言語が分からないなかで接することの難しさを感じるとともに、改めて学校とはなんなのかを考えた。ウクライナ人の男の子が「日本の子にもウクライナの言葉を知って欲しい」と言いながら学んだばかりの九九をウクライナ語でまとめていたシーンでは、言葉が通じなくても通じるものはあると感じた。わたしも今後、海外の方と関わる機会があればこの番組を思い出したい。(中学2年・女子・東京)
  • 「戦争から逃げられたからもう安心だ」と思っていたけれど、知らない土地で知らない言葉を話す人たちに囲まれて生活するのはとても大変で、避難してきた人にとっての戦争や戦いは終わっていないのだと感じました。心から戦争がなくなってほしいです。(中学2年・女子・栃木)
  • 番組を視聴して悲しくなったが、ウクライナから避難してきた子の現状を知ることができてとても良かった。また番組で紹介されていた家族はマシな方で、いまだにウクライナ国内にいて逃げることができない人々や、最前線で国のために戦っている人が本当にいるということも改めて実感できた。スーパーなどにあるウクライナへの募金活動に参加したり、今回知ったことを友達に話したりすることも、とても大切な活動の一つなのだと思った。(中学2年・女子・福井)
  • 自分から進んでこのようなテーマの番組を見ようとは思わないので、今回は良い経験になった。ウクライナの人々の日本に来てからの苦労について、この番組を見て初めて知ることができたが、テレビは影響があるのだからもっと大きく取り上げるべきだと思うし、そうすることで苦労している人が暮らしやすくなると思う。(中学3年・男子・広島)
  • 学習を止めないために支援するすべての方々がカッコよく思え、自分もなにかできないかと思うとともに、私もさまざまな人に支えられて学ぶことができているのだと改めて感じました。ウクライナ問題が長期化しているからこそ情報をしっかりキャッチしていきたいし、テレビなどのメディアも情報発信をやめないでほしいと強く感じました。(中学3年・男子・神奈川)
  • ウクライナ戦争によって子どもたちが教育を受けられないことにとても心が痛んだ。教育を受けることは子どもの権利なので、それを奪う戦争はとても恐ろしいものだとあらためて感じた。日本の教育レベルの高さを世界に発信すればいいのではないかと思った。特に九九は日本にしかないことが分かって「これはもったいない!」と思ったので、さらに多言語化すればいいと思う。(中学3年・女子・広島)
  • 私の印象に残ったのはシングルマザーのエフゲニアさんです。子どもと一緒に勉強をするシーンでは、自分も日本語はよくわからないのに子どもを支えようと頑張る様子が印象的でした。またスーパーで買い物をする場面では牛乳の場所を店員に聞いていて、比較的分かりやすい場所に置いてある牛乳の場所すらわからないのは相当不便だろうなと思いました。スーパーでは英語表示がないので、公共交通機関のように英語や有名な言語の表示を取り入れて欲しいと思いました。(中学3年・女子・福岡)
  • 戦争で親子が離れて暮らすのは大変だなと思いました。ウクライナ語と日本語を両方話せる人がいるのはとても心強いだろうなとも思います。一日もはやく戦争が終わってほしいです。(高校1年・女子・京都)
  • 自分の国で戦争がおきてつらい思いも沢山してきているはずなのに、日本で笑って過ごしているウクライナの人々は強くてすごいなと思った。一方で言語が違うだけで思っていることがこんなにも伝わらないのだと分かり、つらい気持ちになった。グローバル化が進んでいる今、英語だけでなくどの言語にも通訳が必要になっているのだなと感じた。日本で話せる人が少なそうな言語にも挑戦してみたいと思った。(高校1年・女子・北海道)
  • ウクライナで戦争が起こっていることはニュースでよく放送されていたので知っていましたが、それによる子どもたちへの影響については見たことも聞いたこともなかったので新鮮でした。今までは翻訳機があるのになぜ他言語を学ぶ必要があるのだろうと疑問に思っていましたが、翻訳機では気持ちが伝わりにくいし心も開きづらいと知り、学ぶことの必要性に気づきました。(高校1年・女子・茨城)
  • 将来教育系の職業を希望する私にとって考えさせられる部分が多かった。子どもたちの学校での様子を見て、自分が先生という立場だったらどう振る舞うのがベストなのか考えた。またスマホの翻訳機能を使っても心のカベを乗り越えることはできないという現状を見て、私も多言語を学び日本に住む他国の子に対して少しでも力になりたいと強く思った。このようなドキュメンタリーを多くの人が見るべきだし、ゴールデンタイムに放送してほしい。(高校2年・男子・山形)
  • 男の子がひとりぼっちでいるシーンがあり、いじめられて仲間外れになっているのではないかと、見る人によっては印象が変わるシーンがありました。テロップ表示などを活用して環境になじめていないことを説明すると良いと思いました。(高校2年・男子・山形)
  • ウクライナ人同士で就活を励まし合うのは、なんだか虚しくなってしまった。また日本の教育とウクライナの教育について考えさせられた。(高校2年・女子・東京)
  • 一番印象に残っているのは、教室に掲示された児童たちの「自分の目標」の欄に「ウクライナ語を話せる自分になりたい」「ヤンくんとしゃべれるようになりたい」と書いてあるのを映したカットだ。先生だけでなく周りの子どもたちもなんとか仲良くなろうと一生懸命に考えているのに、ウクライナの子どもたちがなかなか馴染めないのがこのシーンから伝わってとてももどかしく感じた。その問題を解決するために、教育関係者たちはウクライナ語の九九の歌を作る計画を立てていたが、私は「どうして日本の学習方式にこだわるのだろうか」と疑問に思った。しかし数年、数十年日本で暮らしていく以上、あえて日本流のやり方でなるべく早くまわりの児童と馴染めるようにしてあげたかったのだろう。この歌を作ることがウクライナの子どもたちにとって最善の行動なのかは計画段階では分からないが、迷いなく計画から実行まで迅速に行動していてとても素敵だった。(高校2年・女子・愛知)
  • ウクライナ侵攻・戦争がドキュメンタリー番組をつくれるほどに続いてしまっているということが悲しいです。まずヤンくんと必死にコミュニケーションをとろうとしている大人たちを見て胸が苦しくなりました。こころを伝えられないつらさ、知ることのできないつらさがどれほどのものなのか、自分ではとても想像できないと思いました。また、もし自分がカテリーナさんの立場だったら同郷の子どもたちのためにあそこまで献身できるだろうか、遠い家族が生きていると希望をもつことができるだろうかと、自分と向き合うことができました。たった48分のこの番組で自分は心を動かされました。今後もこのような心に響く番組が増えていったらいいなと思います。(高校3年・男子・神奈川)
  • ウクライナ語の九九動画をみて学習している子の姿を見た母がうれしそうにしていた場面では「本当によかった」と思いました。知らない国にきて子どもが頑張っている姿は親にとって一番の励みになるのだろうと思いました。これは日本の私たちも同じで、私が頑張っていることで親は安心し喜んでいるのだろうと改めて思いました。ただ、日本の学校に通うウクライナ人に支援をしたいと思っても、プライバシー保護の関係からどこに通っているのかさえ言えないのはお粗末な感じがしました。支援したい人や会社とマッチングできないのは何とかすべきです。また、今回紹介されたウクライナ人の家族はその後どうなったのかは気になるところです。(高校3年・女子・京都)

【自由記述】

  • 普段のテレビニュースではウクライナについてよく知ることができないし、どちらかというと戦場の状況についての情報が多いので、今回のような番組を学校などで視聴する機会をつくり、若い世代にくわしく知ってもらえるようにした方が良いと思います。(中学1年・女子・千葉)
  • 『サッカーで紡ぐ“友情”~FCシャフタール・ドネツク対アビスパ福岡~』(BSテレビ東京)で、日本に住んでいるウクライナの子どもたちを試合に招待しているのを見て、スポーツで日本とウクライナがつながることができると分かった。また横浜FCの下部組織にウクライナから来た少年(ゴールキーパー)が加入したことも放送されており、言葉の壁を乗り越えてプロサッカー選手になろうとしている姿を見て感動した。(中学3年・男子・神奈川)
  • ウクライナからの避難民に関する番組は多いが、他の紛争地域の人たちに関する番組が少ないと感じています。また多くの番組が表面的なので、もっとリアルな声を届けてほしいです。避難民だけでなくすべての人も含めて「みえない声」にも光を当て、根底にある問題にも目を向けて、視聴した人の意識を変えて社会を動かす番組が増えてほしいです。(高校1年・男子・群馬)
  • ドキュメンタリー番組を見ると、人それぞれの人生があると深く感じます。また感化されて自分も頑張ろうと思えることもあります。もっとみんながドキュメンタリー番組を見れば、他人の人生に口を出すこともなく互いを尊重できるようになるのかな~と思います。(中学3年・女子・滋賀)
  • テレビで映画を放送しているが、頻繁に放送される作品がある気がする。私は映画館に行く機会があまりないため、人気の映画を何回も放送するのではなく、さまざまなジャンルの映画を放送してくれると嬉しい。(中学2年・女子・愛知)
  • 人気のアニメは夜遅い時間に放送されているため、22時に寝る私は23時からのアニメを見ることができません。もう少し早い時間に放送したら見る人が増えるのではないかと思いました。(中学3年・女子・福岡)
  • 最近テレビドラマの原作者が亡くなった件について、しっかりとした対策が必要だと感じました。例えばBPOなど第三者が調査したり、今後どうしていくべきかを考えたりすることが大切だと思います。作者も視聴者ももっと安心して見ることができるテレビになればいいなと思います。(中学3年・男子・神奈川)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『お別れホスピタル』(NHK総合)
    • 看護師や病院というと、わりと明るいドラマを見ることが多かったので、今回のような現実的な話は内容としては少し重く暗い印象でした。でも病院のリアルな面を垣間見ることができ、また看護師たちも悩みを抱えながら働いているといった臨場感があり、ドラマではあるけれど自分の生活にもつながっているような感覚になりました。(中学1年・女子・福岡)
    • 病院は必ずしも病気を治すためだけに行く場所ではないのだなと思いました。音楽が少ないのもこのドラマの魅力だと思います。(中学3年・女子・滋賀)
  • 『「東大王」2時間特別編 学べる世界の映像SP』(TBSテレビ)
    • 「東大生」というと天才で雲の上の存在みたいなイメージだったけれど、意外と私と同じようなことに興味を持っていることにびっくりしました。(中学1年・女子・島根)
    • 個人的には好きな番組だが東大ブランドの価値を少し下げていると思った。「東大は簡単に入れる」と勘違いする人もいるかもしれない。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)
    • いつも夕食を食べながら見ています。母が小さい頃から放送している番組なのもよいです。昔の風習やアイドルが出てきて面白いと思います。ずっと放送して欲しいアニメです。(中学1年・女子・千葉)
    • 久しぶりに見たが、絵柄や話の雰囲気、主題歌などがあまり変わっておらず、ほほえましい気分になった。まる子とおじいちゃんのやりとりや、日常のささいな出来事を物語にしているところに癒された。(中学2年・女子・愛知)
  • 『日曜ビッグバラエティ 必撮仕事人!緊迫カウントダウン』(テレビ東京)
    タイマーが表示されていることで時間の動きがより伝わってきて、見ている方もヒヤヒヤする番組でとても楽しく見ることができました。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『偉人・敗北からの教訓「第32回」』(BS11イレブン)
    現代に通じる教訓を得ようとする番組でとても貴重で興味深かった。戦国時代の身分社会を現代の縦割り構造に例えているところが見事だった。(中学2年・男子・東京)
  • 『全国ボロいい宿~仰天!人気のワケを聞いてみた~』(北海道放送)
    日本の自然をうまく活用している宿がたくさん出てきて面白かった。よく家族と山にドライブに行くが、営業しているのか分からないような店や建物があるので「実は営業していたりするのかな」と考えるとわくわくした。(高校1年・女子・北海道)
  • 『なんでだろう?山形深ボリ 幕末の米沢で義をたどる』(山形テレビ)
    近藤勇と米沢の人が親戚関係にあり、斬首された頭を買い取って米沢に持ち帰ったこと、みんなの前にさらされた首は実は近藤勇ではないということは初耳だった。まさか山形県にそんなお墓があるとは思わず驚きだった。(高校2年・男子・山形)
  • 『有吉弘行の故郷に帰らせていただきます。~地元でもっと驚いちゃったよ~』(中国放送)
    有名な芸能人が故郷に帰って地元の物を味わっている姿は、何も考えずにずっと見ていられると思いました。アンガールズと有吉弘行のやり取りが面白かったです。(中学3年・男子・広島)
  • 『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)で司会をした有吉弘行さんが地元広島に帰ってきてくれたのは純粋にとても嬉しかった。広島のいろいろな名所が出て「ここ知ってる~!」となったので見ていて楽しかった。(中学3年・女子・広島)

◆委員のコメント◆

【指定するドキュメンタリー番組を見た感想について】

  • モニターたちの感想を読むと、番組を視聴した中高生のほとんどが「情報を知る(認知・気づき)→心を動かされる(感動)→自分が何をすればいいか考える(行動)」というステップを踏んでいることが分かる。中高生たちの素直な感情と行動を促すよい番組だった。
  • 高校1年生のモニターから「ウクライナの戦争は知っていたが、子どもたちへの影響については見たことも聞いたこともなかったので新鮮だった」と報告があった。避難してきた子どもたちの生活の様子を番組で視聴することによって、その先にある戦争にまで思いが至ってくれたことに安心する一方で、番組で紹介したのはあくまで日本に避難している子どもたちの姿で、実際にウクライナにいる子どもたちはもっと大変な状況にあっていることは想像できていないように感じた。
  • 日本は国際化を目指すといいながら、多くの日本の子どもたちは周りに外国人がいない環境で過ごしている。「外国人が日本に来て暮らすのは大変だ」「日本語が話せないと苦労が大きい」ということに改めて気づいた中高生も多かったようだが、こういった現状を教育の中でも学ぶ機会が増えるべきだと思う。

【自由記述について】

  • 中学3年生のモニターから「放送時間が2~3時間ある番組は、見たい内容ならば嬉しいけれど心惹かれない内容だと部屋にこもってスマホを触ることが多い。1時間くらいの番組を増やして欲しい」という意見が届いた。タイムパフォーマンスの考え方が若い世代に浸透しているのを実感している。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『日曜ビッグバラエティ 必撮仕事人!緊迫カウントダウン』(テレビ東京)を視聴した中学2年生から「将来私が何の職業につくのかはわからないが、その時はその仕事に責任と誇りを持って一生懸命向き合っていこうと思った」と報告があった。働く現場やそこで働く人の思いを紹介する番組は、中高生にとってインパクトが強く「青少年へのおすすめ番組」としてふさわしいと思う。
  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)を視聴した高校2年生から「以前よりも過激ではなくなっているように思いますが、飲み物や食べ物を使ったドッキリで、物を粗末にしたり一口飲んだだけで床にこぼしたりするなど、食品ロスが多いと感じました」という感想が寄せられた。今の中高生にとって、SDGsに関わる教育を踏まえた身近な社会問題に関する感想だと思う。

今後の予定について

次回は3月26日に千代田放送会館BPO第一会議室で、定例委員会を開催します。
当日は、「中高生モニター会議」を開催し、在京テレビ局オンライン見学会と青少年委員会委員とのオンライン意見交換会を行なう予定です。

以上

第264回

第264回-2024年1月23日

中高生モニターからのリポートについて… など

2024年1月23日、第264回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、12月後半から1月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
1月の中高生モニターリポートのテーマは「年末年始に見たスペシャル番組について」でした。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年1月23日(火) 午後4時00分~午後6時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

12月後半から1月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
若手漫才師が出場するコンテスト番組で、あるコンビが頭髪の薄い人を揶揄する言葉を連発したことについて批判的な視聴者意見が寄せられました。担当委員は「ルッキズム批判という形での意見がしばしば集まってくる。特定の番組を対象としなくても、(青少年委員会で)何らかの話し合いが必要になる可能性が出てくるかもしれない」と指摘しました。
宗教に関する問題を正面から取り上げた教養番組のなかで、進行役のタレントが芸能事務所所属のアイドルグループのファンをカルト宗教の信者になぞらえる発言をしたことを批判する意見がありました。別の委員は「意図的にカルト集団だと決めつけたわけではないだろう」という見方を示しました。
このほかに議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

1月のテーマは「年末年始に見たスペシャル番組について」で、モニターからは合わせて14番組への報告がありました。複数のモニターが挙げたのは『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)と『芸能人格付けチェック!2024お正月スペシャル』(朝日放送テレビ)でした。そのほかにも年末年始の番組は長尺のものが多くありましたが、リアルタイム視聴をしているモニターが数多くいたのが特徴的でした。
「青少年へのおすすめ番組」では『大河ドラマ「光る君へ」』(NHK総合)に10人から、『サザエさん』(フジテレビ)に4人から、『クイズ!国民一斉調査』(日本テレビ)に3人から、『歴史デリバリー「源氏物語はなぜ1000年も読み継がれたのか?」』(NHK Eテレ)に2人から、それぞれ報告がありました。

◆モニター報告より◆

【年末年始に見たスペシャル番組について】

  • 『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)
    • 母や祖母は、ブラックビスケッツとポケットビスケッツの約20年ぶりの特別出演を懐かしそうに見ていて、私と姉にとっても今はあまりない新鮮さがとても面白かったです。司会の浜辺美波さんと橋本環奈さんが、番組の展開に合わせて衣装を替えていてとても可愛かったです!また口パクで歌っているアイドルが多いと感じました。(中学1年・女子・千葉)
    • 毎年さまざまなジャンルのアーティストが出演していて偏りがなく、いろいろな世代が楽しめるのはとても良いと思った。二次元のアイドルがCGで登場していて、しっかり最近の流行に合わせてきているのは新鮮で面白かった。(中学2年・女子・愛知)
    • ディズニー100周年メドレーでは、たくさんの出演者が全員で「小さな世界」を歌っていてとても感動した。最近はウクライナでの戦争などあまり良いニュースがなかったけれど、こんな風にみんなが仲良くなれたらいいなと思った。(中学2年・女子・福井)
    • クラスメートの多くが見ていて様々なアーティストが出演しているので、お互いの好きなアーティストについて知り、話す機会になりました。他では見られないアイドルグループのダンスコラボやアーティストのコラボが見られて、とても嬉しかったです。(高校1年・女子・茨城)
    • 紅白は毎年見ていて、旧大手芸能事務所のタレント好きの私としては「一組も出場しないのでつまらないのでは?」と思っていたが、いざ見てみると若者中心の最新曲が多かったので、あっという間に番組が終わってしまうくらい楽しくのめりこみました。(高校2年・男子・山形)
    • 今年は一部のアーティストの出場が取りやめになり、K-POPやドミノ、けん玉などの演出が増えたように感じました。あまりの多さに「この人は誰」「このアーティストはじめて見た」など家族で話題となり、若者向けに偏りすぎだと思いました。(高校2年・男子・山形)
    • 出場アーティストが発表されるだけで色んな声が飛び交う、唯一無二の番組だと思います。今回の視聴率は、例によって過去最低を更新したらしいのですが、個人的には、もう視聴率という尺度で測るのにはどの番組に対しても違うのではないのかと思います。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『逃走中~お台場リベンジャーズ~』(フジテレビ)
    今回の放送に限らず、生存者の表示が「女性はピンク、男性は青」なのはジェンダーの視点から「どうかな?」と思いました。また、芸人同士で侮辱するような悪口を言う人がいて、そういう芸風があるのはわかるけれど、人を傷つけない笑いが見たいと思いました。一年に数回しかやらない特番なので毎回見ています。今年も年越しの“生”逃走中を放送してほしいです。(中学1年・女子・島根)
  • 『豪華お年玉満載!金バク!新春SP 2024』(岡山放送)
    視聴者はお年玉企画として楽しみ、芸人は痛めつけられず、取り上げられた店にとってもPRになるという、まさにWin×Winが成立した番組だと思う。香川や岡山に行く予定がない配信視聴者もお菓子の抽選に応募できて、本来あるべきバラエティー番組を見ることができてとても良かった。一方で店によって放送される尺がバラバラ過ぎて公平性に欠けていたと思う。(中学2年・男子・埼玉)
  • 『NHKスペシャル「2024私たちの選択 -AI×専門家による“6つの選択”-」』(NHK総合)
    おおよその年代だけでなく年や月までとても詳細に未来が予測されていること、また最近になって身近になってきたAIが未来まで計算してしまうことに、とても驚いた。しかしAIが学習する情報には人間の意図が混じりやすく、AIが予測する「必然」では考えられない判断が生じたときには予測の方向性が大きく変わることも視聴者に説明しなければ、結論だけを押し付けていることになると思う。(中学2年・男子・東京)
  • 『月曜から夜ふかし元日SP』(日本テレビ)
    全体を通してすごくおもしろい番組だった。インタビューをうけている人たちも面白いのだが、スタッフさんの淡々としたインタビューや返し、ナレーションやMCの突っ込みなども含めて、色々な要素が掛け合わさって面白くなっているのだと思った。(中学2年・女子・東京)
  • 『ゴールデンラヴィット!』(TBSテレビ)
    (月)~(金)のメンバーが全員出ていて、わちゃわちゃ感がすごく増して楽しかったです。「もっとも忘れられないラヴィット!」のコーナーでは、家族で「なつかしいね」「これおもしろかったね」など話してすごく盛り上がりました。(中学2年・女子・栃木)
  • 『ドリーム東西ネタ合戦2024』(TBSテレビ)
    毎年放送していて、私や家族はこの番組を見ると「正月が来たな」と感じるし、普段お笑いやバラエティー番組を見ないので、時間のある正月にスペシャル番組として見ることができるのは良いことだと思った。(中学3年・女子・滋賀)
  • 『はじめてのおつかい 新春小さな大冒険3時間スペシャル』(日本テレビ)
    全国各地の子どもたちが挑戦する姿はとてもほほえましく、新春から心が温かくなった。子どもが5歳前後でひやひやする場面が多かったが、画面の中でも番組スタッフがかけ回っていて万全の対策をとっているのが分かるので、その体制を崩さないでほしい。一発撮りでスタッフの労力は計り知れないが、とても良い番組なのでこれからも放送し続けてほしい。(中学3年・女子・広島)
  • 『芸能人格付けチェック!2024お正月スペシャル』(朝日放送テレビ)
    • リアルタイムで視聴することが多く、視聴者としてスマホで参加できたり、家族や親せきと一緒に見ながら予想できたりするのが楽しいです。いつもテレビで見ている芸能人が成功するとすごいと思うし、外すと親近感がわきます。(中学3年・女子・福岡)
    • 視聴者に答えを先に知らせてから芸能人のチェックの様子を見られるものや、芸能人のチェックを見終わってから一緒にドキドキしながら結果発表を見るものがあり、ずっと同じ流れではないため飽きずに見ることができた。(高校1年・女子・北海道)
  • 『ウルトラマンDASH 2024冬SP』(日本テレビ)
    毎年楽しみにしている番組で、トップアスリートがさまざまなミッションに挑戦し「こんなこともできるのか」と驚かせてくれます。アスリートの底力が見られて、時間内に達成できるのかというドキドキ感もあって楽しめます。(高校1年・男子・群馬)
  • 『輝く!日本レコード大賞』(TBSテレビ)
    予想していたアーティストが大賞を獲って嬉しかったです。新人賞は、知っている人が誰もいなくてびっくりしました。(高校1年・女子・京都)
  • 『映画「Dr.コトー診療所」』(フジテレビ)
    ストーリーの中に災害の話も含まれていたが、つい2日前に能登半島で大きな地震が起こったこともあり他人ごとには思えなかった。実際に映画を見終えた後、震災が起こった際にどのように対応するか家族で話し合いをした。テレビやラジオを見聞きすることで楽しむと同時に対策のきっかけになるのかもしれないと感じた。(高校2年・女子・東京)
  • 『WBC2023 ザ・ファイナル』(TBSテレビ)
    有名なプレーを見せるだけでなく、なぜそれが行われたのか、裏で何が起こっていたのかなどを掘り下げて特集していたのでとても興味を引かれた。また、音楽番組やお笑い番組だとどうしても家族の好きなジャンルにばらつきがあるが、野球は選手や球団のファンじゃなかったとしても試合を見るだけで惹き付けられるので、家族全員で盛り上がりながらテレビを見ることが出来た。(高校2年・女子・愛知)
  • 『笑って年越し!THE笑晦日』(日本テレビ)
    昔のドラマやバラエティー番組の映像を振り返るコーナーでは、当時を知る母は楽しんでいましたが、私にはおもしろさが分からなかったです。『エンタの神様』(日本テレビ)は数年前に見ていた時はおもしろかったのですが、時代も変わり、番組の構成が地味でネタ以前につまらない印象でした。もっと明るく芸人のネタで笑うことができたらよかったと思います。(高校3年・女子・北海道)
  • 『夢対決2024 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日)
    長く放送されてきたので、出演するアスリートは「この番組に出たかった」と言っていて楽しんでいることが伝わり、視聴者側も楽しくみることができます。毎回実施される「リアル野球盤」が一番おもしろく、球種を決めているときに見せる現役野球選手の楽しそうな顔は、こんな一面もあるんだと思わせてくれます。(高校3年・女子・京都)

【自由記述】

  • 年末年始の特番で「これは見たい!」と思わせる番組が少なかったと感じます。もっとはじけた、テレビにしかできない特別な番組が見たいです。(高校1年・男子・群馬)
  • 最近は二次元アイドルがはやっていて、私の周りにも好きな人が多くいる。二次元アイドルの特集番組がもっと見たい。(中学2年・女子・愛知)
  • わたしの周りには漫画原作のアニメを視聴している人が多いが、アニメ化で画風が少し変わったり、実写化で自分のイメージと異なったりするのがいやだという意見が多い。漫画が人気だからといって、必ずしもアニメや実写版も人気になるとは限らないなと思った。(中学2年・女子・東京)
  • 1月1日に起きた能登半島の地震で、アナウンサー(特にNHK)が人を不安にさせるような声量や声色で放送していたので、さすがプロだなと思った。(中学3年・女子・広島)
  • 元日に起きた地震で、福井県の自宅で被災した。テレビをつけるとどの番組でも一心に危険を伝えてくれていて、怖かったけれど少し安心した。お正月で制作に長い時間を費やした番組もあっただろうに、地震のことを伝えるために全て延期や中止にして、ずっと「逃げてください」と繰り返してくれていたことが何よりうれしかった。命よりも大切なものはないと全員が思うことで、今回の地震のときの放送は成り立っていたと思う。日本はとてもいい国だと思った。(中学2年・女子・福井)
  • 「見逃し配信があるので、テレビをリアルで見ることができなくてもいいのでは」と主張してきましたが、能登半島で大きな地震が起こったあと、被害状況をリアルタイムで伝えるのをみて、テレビは必要だと改めて思いました。緊急ニュースとして国民すべてに知ってもらうには、映像で流されるとすごく伝わります。テレビの威力はすごいと思わざるを得ませんでした。(高校3年・女子・京都)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『大河ドラマ「光る君へ」』(NHK総合)
    • 平安時代が歴史で一番好きなので放送を楽しみにしていました。紫式部が勉強を楽しんでいたので、私も楽しめるようにしたいと思いました。お母さんが藤原家に殺されてとても悲しかったです。平安時代にある理不尽は今の時代も残っているので無くなって欲しいです。(中学3年・女子・福岡)
    • 日本史が好きなので、昔の京都の街並みや貴族の暮らしを学べてとても面白かった。貴族はみんな広い寝殿造りの家で暮らしているのかと思っていたが、庶民と似たような暮らしをしている貴族がいたことをこのドラマで知り驚いた。大河ドラマでは当時の暮らしや歴史の流れを学ぶことができるため、歴史の勉強の一環として見ている。(高校1年・女子・北海道)
    • 平安時代らしい優美な曲調と映像が使われたオープニングで、話が始まる前からすごくワクワクさせられた。ストーリーも、主人公の父がなかなか官職に就けない原因を、父が大納言に宛てて書いた賢ぶって他の人をけなす稚拙な文章によって察させるところなど、登場人物の特徴を動作や振る舞いでしっかり表されているのがいいなと思った。ただ新しい登場人物が登場したときナレーションでさらっと名前を言っているだけだったので聞き逃してしまい人の名前がうまく把握しきれなかった。一瞬名前を文字で出すだけでも充分記憶に残りやすいと思うので初登場のひとには映像に名前を書き出して欲しいと感じた。(高校2年・女子・愛知)
  • 『歴史デリバリー「源氏物語はなぜ1000年も読み継がれたのか?」』(NHK Eテレ)
    • 劇や絵を使用して解説していたので、分かりやすかった。今年放送される大河ドラマにも関連しているので関心を持てた。(中学2年・女子・愛知)
    • 江戸時代では庶民に読み継がれたように説明がありましたが、平安時代から日本語が変化をしているなら各時代で源氏物語が本当に読めたのか、読めたとしてもほんの一握りの者だけだったのではないかと疑問に思いました。(高校3年・女子・京都)
  • 『サザエさん』(フジテレビ)
    • 「カツオとワカメとタラちゃんの中で誰が一番好きか」と家族で話題になりました。父はワカメちゃんだと言っていて、今回の放送でもお父さん思いで優しい一面が見えて人気があるのだと思います。(中学1年・女子・千葉)
    • 保育園に通っていた頃によく見ていて、久しぶりに見てとても面白かったです。私が一番好きなのは、カツオが他人の家にボールを入れてしまい、その家の人に怒られているシーンです。(高校1年・女子・京都)
  • 『クイズ!国民一斉調査』(日本テレビ)
    • 家族と予想しながら見て、とても楽しかったし面白かったです。クイズの内容が身近で誰でも楽しく見られると思いました。(高校1年・女子・茨城)
    • 自分の感覚がどれだけ世間とずれているのかを知ることができました。%でクイズを答える問題があったりして、とてもユニークで面白いなと思いました。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『第57回HBC少年少女合唱団定期演奏会』(北海道放送)
    同世代が演奏している姿を見て、自分も一つ秀でたものを見つけて育んでいきたいと改めて思いました。朝の時間帯に「音楽」や「芸術」などの教養を身につけるきっかけとなる番組があることは、学生にも大人にも良い影響を与えると思います。(高校3年・女子・北海道)

◆委員のコメント◆

【年末年始に見たスペシャル番組について】

  • 『芸能人格付けチェック!2024お正月スペシャル』(朝日放送テレビ)を視聴した高校1年生から「ドラマ番組にスピンオフ作品があるように、バラエティー番組でも撮影の裏側やアフタートークなどのコーナーを作って放送やYouTubeなどで見られるようにしたら、そこから番組を知って見てもらえるかもしれない」と提案があった。スタッフや制作体制、番組制作の舞台裏を知りたいという欲求は、若い視聴者の間では強いと実感している。
  • 今月報告があった22人のうち、17人がリアルタイム視聴をしていたことは、今まであまりなかったように思う。正月休みだったことも、家族で一緒に番組を視聴したり番組に関する話をしたりするきっかけになったのだろう。

【自由記述について】

  • 『輝く!日本レコード大賞』(TBSテレビ)を視聴した高校2年生の報告に「毎年見ていますが私の知らないアーティストが多数いるので、選曲基準が知りたいです。また一般人投票で決めれば老若男女の意見が反映されるのではないかと思います」という一文があったが、若年層がこう感じるのは自然かなと思う。昨今のアイドルのオーディション番組などは審査基準が明確で視聴者が投票できたり、『M-1グランプリ』(朝日放送テレビ)では審査員はいるものの点数が可視化されているなど、評価基準がはっきりしているのが一般的。そういった番組と比較すると、『輝く!日本レコード大賞』の選曲基準の分からなさは奇妙に映るのだろう。アワードとオーディションの違いではあるが、若年層にはぴんとこないのだろうと思う。

今後の予定について

次回は2月27日(火)に定例委員会を開催します。 

以上

第263回

第263回-2023年12月18日

中高生モニターからのリポートについて… など

2023年12月18日、第263回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました(うち1名はオンライン参加)。
委員会では、11月後半から12月前半までの約1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
12月の中高生モニターリポートのテーマは「最近見たドラマについて②」でした。
BPO理事長見解の公表について事務局から説明があり、最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年12月18日(月) 午後4時00分~午後5時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
BPO理事長見解の公表について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

11月後半から12月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
平日朝の子ども向けバラエティー番組の司会者である男性芸人が、番組出演者で出演当時中学生だった十代の女性タレントと今年に入って結婚前提の交際をスタートし、結婚したことをめぐって「番組が男性芸人と未成年少女との出会いの場になっているのではないか」などの視聴者意見が寄せられました。担当委員は「その後結婚していて、『児童虐待だ』などの指摘は当たらないが、近年の状況を鑑みれば、テレビ局は未成年の出演者についてはこれまで以上の注意が必要になってくるだろう」と述べました。
4時間近くにおよんだ音楽番組で、性加害問題が起きた芸能事務所から別の事務所に移籍した若手音楽グループの出演時間がきわめて短時間だったことについて、テレビ局側の元の事務所に対する忖度ではないかなどの視聴者意見がありました。担当委員は「きちんと出演させていないと感じたのはわかるが、青少年にどのような影響があるかという視点では、この場で議論する案件ではないと考える」と説明しました。
このほかに議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

12月のテーマは「最近見たドラマについて②」で、モニターからは合わせて14番組への報告がありました。複数のモニターが挙げたのは『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)、『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ)、『フェルマーの料理』(TBSテレビ)、『下剋上球児』(TBSテレビ)、『おいしい給食』(テレビ神奈川、サンテレビ他)でした。
「青少年へのおすすめ番組」では、『謎解き!伝説のミステリー』(テレビ朝日)に6人から、『密着26年!大家族石田さんチに新たな命が誕生!~人生は続くよ、どこまでもSP~』(日本テレビ)と『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)、『BS世界のドキュメンタリー「あの日アメリカで何が 映像記録・ケネディ暗殺60年」』(NHK BS1)にそれぞれ2人から報告がありました。

◆モニター報告より◆

【最近見たドラマについて②】

  • 『ゆりあ先生の赤い糸「これまでの1~7話 特別ダイジェスト」』(テレビ朝日)
    登場人物にそれぞれ大切な人がいるからこそ意見の違いが生まれているので、恋って難しいと学びました。誰かに向ける優しさのせいで大切な人が傷ついてしまうことは身近にもあって、複雑だと思いました。特別ダイジェストだけでも興味を持てて「最終話を見たい!」と思えたので、このような特集をもっと放送してほしいです。(中学1年・女子・千葉)
  • 『おいしい給食 Season3』(テレビ神奈川、サンテレビ他)
    • Season1からずっと見ています。給食が大好きな甘利田先生(市原隼人)がさらに暴走していて“給食愛”がより伝わってきます。牛乳ビンやアルミホイルなど、飛ばしたあとに最後に拾うシーンなどがあると、ちょっとかわいいしいいなと思いました。最近では甘利田先生の真似をして給食をアレンジして食べています。今まで給食を減らしていたけれど、できるだけ残さないようにするようになりました。(中学1年・女子・島根)
    • 私たちの世代にも残る“給食”文化をもとに話が作られていて、とてもおもしろく見やすいです。家族で見ていると親から「昔はこんな感じだった!!」と言われ、世代による違いも知ることができて家族で見るのにぴったりだと思いました。全国的に放送してほしいです!(中学3年・男子・神奈川)
  • 『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ)
    このドラマは1回で話が完結するので途中参加でも見やすく、キャラクターが個性的なので非常にテンポよく見ることができる。パラリーガルという言葉は聞き慣れなかったのですぐに検索した。若い女性弁護士(平手友梨奈)を“おじさん”のパラリーガル(ムロツヨシ)が献身的に支えるという構図でそのギャップが心地よいし、“おじさん”側の振り回されっぷりもよい。年齢差のある二人が、恋愛感情でも友情でも家族愛でもなく、仕事のパートナーとして強い信頼で結ばれている関係はすごいと思う。(中学1年・女子・福岡)
  • 『トリリオンゲーム』(TBSテレビ)
    ビジネスに対するさまざまな考え方や用語・知識が詰まっている作品で非常に面白いと思いました。「どのような方法で他人に協力させるのか」「人の本質をどう見抜くのか」というノウハウも番組に詰まっています。一方で、専門的なビジネス用語が多く含まれていて分からない場合があるので、専門用語は番組内に注釈があるとなお良いと思いました。(中学2年・男子・埼玉)
  • 『憲法はまだか』(NHK総合・1996年制作)
    私たち中学生高校生は、近代史を実感的に捉えることができる機会がほとんどないため、このドラマを見て、歴史の裏側や人々の葛藤や思惑、実は戦後すぐは「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」に賛同する人が決して多くなかったことなど、日本の政治の転換期について深く学びなおすことができた。(中学2年・男子・東京)
  • 『大河ドラマ「どうする家康」』(NHK総合)
    主演の松本潤さんはアイドルとしての姿しか知らなかったので、演技が上手で迫力があり驚いた。セットや衣装が細かく作られていて江戸時代の雰囲気が分かりやすかったが、全体的に画面が暗くて見づらく感じた。(中学2年・女子・愛知)
  • 『フェルマーの料理』(TBSテレビ)
    • 主人公の朝倉海(志尊淳)の過去が描かれていたが、現在と過去のシーンを行ったり来たりしていたため、“いま”がいつなのか少しわかりにくかった。また「目標があるうちは成長し続けられるが、その目標がなくなると人は孤独になる」というセリフにすごく共感した。(中学2年・女子・東京)
    • 主人公の北田岳(高橋文哉)の、料理に数学を応用する力がすごくて尊敬しています。それだけ日常に活かせたら楽しいだろうなと思って、私も勉強を頑張ろうと思いました。(中学3年・女子・福岡)
  • 『下剋上球児』(TBSテレビ)
    • 弱小だった学校が強くなっていく中での高校生たちの心情の変化がたくさん見られておもしろかったです。(中学2年・女子・栃木)
    • 途中で実写映像がアニメーションに変わる部分があるが、重要なシーンがきたなということが分かるし、選手たちの熱い心や試合会場の迫力が伝わってきて、とても良い効果をもたらしていると思った。(高校1年・女子・北海道)
  • 『コタツがない家』(日本テレビ)
    深堀家の人たち(小池栄子、吉岡秀隆、作間龍斗、小林薫)はみんな自己中心的なようで、ちゃんと家族のことを考えている言葉の優しさが感じられます。よく5~6話で飽きてしまい途中から見なくなってしまう私でも、このドラマは飽きずに見られました。感動するし笑えるし、恋愛ものでなくても視聴者に“愛”を届けられるこのドラマはとてもおもしろいと思います。(中学3年・女子・滋賀)
  • 『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ)
    なぜ税金を払わなければならないのか、納められた税金はどうなるのかがよく分かった。出演者に芸人やアーティストがいることで「この人にこんな一面があったんだ!」と話題にもなるので、これからも多種多様な人に出演してほしい。主演(菊池風磨、山田杏奈)のアドリブが多くて面白く“税”という堅苦しい内容でも気軽に視聴できたので、このようなお仕事ドラマが増えてほしい。(中学3年・女子・広島)
  • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)
    • ほかにない独特なストーリーに引き込まれます。最後に予想できない展開が待っていて、途中で飽きてスマホを見ることもありません。笑いもあり学びもあり、毎回もっと見たいと思わせてくれます。(高校1年・男子・群馬)
    • シリーズ1から見ていて毎週この時間が楽しみでした。これまでは深夜帯の放送で大人向けの話や内容で難しかったですが、いまは笑いの要素が含まれるようになり見やすくなりました。視聴する対象者をしぼった内容にすると今後見やすくなると思います。(高校2年・男子・山形)
    • 家政夫ミタゾノ(松岡昌宏)が家庭内に堂々と入り込み、外からは見えないことを知ることができるのが、このドラマの魅力の一つです。鋭い洞察力で相手のちょっとした仕草からウラを読み取る能力があるなど、現実ではあり得ないドラマ上の設定がおもしろく、飽きることなく見てしまいます。(高校3年・女子・京都)
  • 『今日からヒットマン』(テレビ朝日)
    “殺し屋になる”という設定が気になって見始めました。ただのサラリーマンだったはずの稲葉十吉(相葉雅紀)が、強いはずの敵をたくさん銃で倒していくのがとても気持ちよいです。(高校1年・女子・茨城)
  • 『いちばんすきな花』(フジテレビ)
    他人に気をつかいがちなおとなしい人たちのストーリーなので、いままで山場らしい山場はありませんでしたが、徐々に仲良くなっていく4人を見るととても癒されます。毎週楽しく家族で見ていますが、妹はこのドラマを見ると気分が下がってしまいます。妹は学校に友達がいないのが悩みで、主人公たち(多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠)に自分を重ねて悲しい気持ちになるそうです。(高校2年・男子・山形)
  • 『パリピ孔明』(フジテレビ)
    小中学生の頃に三国志にハマっていた時期があったので「あの孔明がなんてことだ!」と思いながら見ました。ここまで面白くスカッとするドラマは初めてだったので、本当に見応えがありました。それに出演者の上白石萌歌さんの歌声がとてもすてきだと思いました。ドラマ『義母と娘のブルース』(TBSテレビ・2018年制作)に出演していた上白石さんの自然体な演技がとても好きだったので、またみることができて嬉しかったです。最近はマンガ原作のドラマが多く、今年だけでも80作以上が実写化作品であることが分かって驚きました。実写化は日本の一大文化なのだと気づかされました。(高校3年・男子・神奈川)

【自由記述】

  • 『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日)主演の菅野美穂さんは、『イグアナの娘』(テレビ朝日・1996年制作)で高校生だからこそできる演技を見たことがあったので、大人になった凛々しい姿とのギャップととても情熱のある演技に「さすが名女優」と魅了されました。(中学1年・女子・千葉)
  • わたしの毎朝の定番番組『めざましテレビ』(フジテレビ)のメインキャスターの井上清華アナウンサーが急遽番組をお休みした。『めざましテレビ』の“顔”という責任も大事だが、体を壊してしまっては意味がない。無理のないずっと続けられる仕事量でこれからも頑張ってほしいと思う。(中学1年・女子・福岡)
  • 年末が近づくにつれ、特別番組やドラマの再放送、続編等のスペシャルドラマが多く放送されるのがすごく楽しみだ。また関連作品がサブスクなどで配信されているため、冬休みにはそれも合わせてより楽しんで作品を見ることができると思う。(中学2年・女子・東京)
  • 情報番組などで「ふるさと納税」について取り上げているのを見ますが、返礼品のことなどが多く、肝心な仕組みについて取り上げられているのを見たことがありません。“税金が控除されていろいろなものがもらえるものだ”ということだけではなく仕組みや問題点についてもっと取り上げて、ふるさと納税の意味についてもっと考えさせるような放送が必要だと思います。(高校1年・男子・群馬)
  • 最近のドラマはマンガなどを原作とした作品が多いように思う。それはそれで面白いけれど、テレビオリジナルのドラマも見てみたい。(中学3年・女子・広島)
  • 今回視聴した番組内で、歴史人物のお墓を見た出演者のコメントが「すごい!」という一言だけだった。お墓がどのような感じなのかを、テレビで見ている私たちにもわかるような具体的なコメントが欲しいなと思った。食リポは具体的に味をコメントしているイメージがあるため、建築物などに対するコメントの際ももう少し具体的にコメントしてほしいと思った。(高校1年・女子・北海道)
  • インターネットなどの動画や配信は、私も友だちも切り抜き動画で知ってハマることが多いです。権利の問題などで難しいとは思いますが、テレビやラジオに“切り抜きOK”な回があったら、そこから新しい番組を知ることができるのでいいと思います。(高校1年・女子・茨城)
  • 『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に旧大手芸能事務所のタレントが一組も出場しないことについては放送局の考えも理解できるが、なぜ個々のドラマ出演などは減らないのだろうか。グループの活動はダメで個々ならOKという感じに見えて、メディア業界もあいまいなところがあると思った。
  • 年末年始にかけて特番が増えてきますが、若者や高齢者など、それぞれバランスよく視聴できるように工夫してほしいです。また他局の番組でもやっているようなことをくり返し放送しないように内容も見直してほしいです。(高校2年・男子・山形)
  • 自分が受験生ということもあり、この時期(10月~12月期)にモチベーションの上がる“受験ドラマ”があると良いと思った。(高校3年・女子・北海道)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『謎解き!伝説のミステリー「徳川家の謎が分かる12の寺社仏閣SP」』(テレビ朝日)
    • 謎を1つ解明するごとに、最終問題のヒントが一文字ずつ明かされていく演出は、答えが気になって最後まで見たいと思えた。(中学2年・女子・東京)
    • 歴史に興味がない人にもわかりやすいように、多様なジャンルの出演者、明るいイラストアニメなどがあって面白かった。(高校3年・女子・北海道)
    • 学校の教科書には事実が簡潔に書かれているだけだが、この番組ではなぜその事実が起こったのかや、その時の人々の心情など、実際の歴史の資料を分析しなければわからないような情報まで学ぶことができた。このような日本史に関する番組をもっと放送してほしい。(高校1年・女子・北海道)
  • 『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)
    宇治の特産品を使って駅弁を一から作ろうという企画で、生産農家・弁当屋・特産品の宣伝、駅弁の知識、地域の歴史文化をいっぺんに学べる有意義な時間でした。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『ティーンズビデオ2023~第70回NHK杯全国高校放送コンテスト~』(NHK Eテレ)
    同級生が全国大会に出場していたので見ました。普段どんな活動をしているのか知りませんでしたが、とてもおもしろく、言葉で表現する放送部の良さを知りました。(高校2年・男子・山形)
  • 『BS世界のドキュメンタリー「あの日アメリカで何が 映像記録・ケネディ暗殺60年」』(NHK BS1)
    ドキュメンタリーになっていたので、臨場感があった。これからも学校の授業であまり学ばないような放送をしてほしい。(中学3年・女子・広島)
  • 『パネルクイズ アタック25 Next』(BSJapanext)
    解答者が全員一般人であるところが新鮮でよいと思った。出題されるクイズのジャンルがバラバラで、クイズが得意な人にとっては楽しめるものの、私はそうではないので難しく感じた。(中学2年・女子・愛知)

◆委員のコメント◆

【最近見たドラマについて】

  • 『コタツがない家』(日本テレビ)を視聴したモニターから「世の中にはいろんな家庭があるのだなと思った」と報告があったが、子どもは自分の身近にあるものしか見ていないので、ドラマを視聴していろんな家庭を知ることは多様性を感じ取るという意味で良いことだと思う。
  • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)を視聴した高校1年生の報告の中に「途中で飽きてスマートフォンを見ることもありません」とあったが、例えば大学の講義の感想でも「〇〇先生の授業は飽きて途中でスマートフォンを見ることがない」といった書き方をするなど、この世代に共通する独特の考え方のようだ。飽きさせないのは重要で、「役に立つ」という要素が飽きないで番組を見る一つの理由になるようだ。
  • 『大河ドラマ「どうする家康」』(NHK総合)には感動的なストーリーといった“情動”の要素がある一方で、“認知”的な歴史の知識といったコンテンツも含まれている。いまの中高生たちは「楽しくないと覚えない」という側面があるので、「面白いけれど見終わったときに勉強しちゃった」といった情動と認知が一緒になった番組が増えると、ドラマに限らずさまざまなジャンルを視聴していくのだろうと思う。
  • 最近は税金や税務署をテーマにしたドラマが増えるなど“お仕事ドラマ”の幅が広がり、中高生にとってはインターン制度のような形になっていると感じる。実社会ではありえない設定もあるだろうが、職業に関する情報は正確にしてほしい。

【自由記述について】

  • 『TVerで学ぶ!最強の時間割』(TVer)を視聴した中学2年生から「Z世代に向けて産婦人科医が生理痛について詳しくトークしていて、私自身も悩んでいる話題があったのでとても役に立った。テレビでは見かけない番組内容だったが、こういう番組も地上波で放送したほうが良いと思った」と報告があった。こういった情報は教育現場でも詳しく出てこない場合もあるので、こういった番組が地上波でもあるととても便利だと思う。
  • 「最近では政治などでさまざまなニュースが取り上げられていてとても勉強になる一方で、どうしても偏った報道がたまにみうけられる。テレビの中立的な報道がより広がると、メディアに触れる私たちもより安心できるのではないか」という意見があった。具体的な記述はないが、たとえば最近の政治の裏金問題などを追及し討議する番組を「偏っている」と感じてしまうのかもしれない。具体的にどのような部分を「偏っている」と感じるのか気になるところだ。

BPO理事長見解の公表について

芸能事務所の創業者(故人)による性加害問題をめぐってBPOは12月4日に理事長見解を公表しました。
これについて事務局から、見解公表は9月26日開催の第260回青少年委員会での議論などが発端になったこと、公表の理由は放送界とBPOがこれまで以上にしっかりと連携していく必要があると考えたこと、そしてこの見解公表で終わりではなく、今後さまざまな形で放送界との議論の場を設けていくことなどが説明されました。

今後の予定について

次回は1月23日(火)に定例委員会を開催します。 

以上

第262回

第262回-2023年11月28日

中高生モニターからのリポートについて… など

2023年11月28日、第262回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、10月後半から11月前半までの約1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
11月の中高生モニターリポートのテーマは「最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について」でした。
芸能事務所創業者による性加害問題について、前回、前々回に引き続き3回目の意見交換をしました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年11月28日(火) 午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
芸能事務所創業者による性加害問題について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

10月後半から11月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
多数の芸人が運動会に参加する形式のバラエティー番組で、「人間体重計」と称して男性芸人が、指名された女性芸人を抱きかかえて体ごと上下させて自らの下腹部に当てる動きを見せたことに対して批判的な視聴者意見が寄せられました。担当委員は「女性芸人に対するパワハラやセクハラではないかとの意見があった。この番組が特段問題とは言えないが、暴力的ないし性的な表現について、視聴者の理解を得るのが難しくなっていると思う」と述べました。
指名された女性芸人が一瞬躊躇する表情を見せたことについて別の委員は「『えっ』という感じだった。『いや』と言えない雰囲気はよくないと感じた」と指摘し、さらに別の委員も「いやでも『ノー』と言えないこと(が問題だ)。(性加害を受けそうになった)子どもの安全という点では『いやです。ノーです』と言えることが最も重要。そういう自由度がない番組はつくってほしくない」と強調しました。
性にまつわる世界の話題や悩みについて出演者が語り合う教養バラエティー番組に対し、視聴者から批判的な意見が寄せられたことについて担当委員は、「番組の中で『これから性的な映像や音声が流れます』と字幕で示すなど、事前に慎重な検討を重ねて制作されたことがうかがえる内容だった」と報告しました。
性的違和の感情をかかえる中学生とその保護者の問題を正面から取り上げた番組についても、視聴者から批判的な意見がありましたが、担当委員は「みずからの性別に違和感があるという未成年者の悩みから出発して、番組では体の性別と心の性をはっきり区別して展開していた」として、問題ないとの見方を示しました。
このほかに議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

11月のテーマは「最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について」で、モニターからは合わせて21番組への報告がありました。“教育番組”を幅広く捉え、学校の教科に関連する番組だけではなく、報道番組や情報バラエティー番組、環境ドキュメンタリー番組、クイズ番組や歴史ドラマなど、さまざまな“学び”があった番組への報告も多くありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)に8人から、『ティーンズビデオ2023~第70回NHK杯全国高校放送コンテスト~』(NHK Eテレ)と『テレビ朝日ドラマプレミアム 友情 ~平尾誠二と山中伸弥『最後の一年』~』(テレビ朝日)、『第102回全国高校サッカー選手権 北海道大会 決勝』(札幌テレビ放送)にそれぞれ2人から、報告がありました。

◆モニター報告より◆

【最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について】

  • 『笑わない数学』(NHK総合)
    • 「1+1=2」はとても簡単だと思ってきましたが、「なぜ」と問われると分からなくなります。視聴者の疑問をパンサー尾形さんがなくしていってくれるので理解しやすく、難しくて堅苦しい雰囲気ではなくバラエティーの一つとして見ることができました。(中学3年・男子・神奈川)
    • 「超越数」は中学生でギリギリ分かるような内容だったので、もっと分かりやすくかみくだいた内容にしてほしい。普段私たちが見ている数学はほんの一部でしかなく、そのほとんどがまだ解明されていないということが分かったので、さらに数学に興味を持つきっかけになった。(中学3年・女子・広島)
  • 『地球ドラマチック「渡り鳥を守れ!大移動1万キロの危機」』(NHK Eテレ)
    この番組を見るまでに、こんなにも渡り鳥が激減しているという事実を知らなかった。このようなショッキングな事実を知らず、また地球の大変化のさなかにいるわたしは、どうしてこんなに何も考えず生きていられるんだろうかと心から思った。(中学1年・女子・福岡)
  • 『いじめをノックアウト「“スクールカースト”って・・・」』(NHK Eテレ)
    10分尺で見やすく、ナレーションの2人が非常に優しい声をしていて、いろいろな人に見てもらいやすいのではないかと思った。ただ番組の終わり方が非常に残念だった。「出演者の高橋みなみさんの意見を聞いてみたいな」と思わせて終わらせるのではなく「尺がそこまでだからそこで終了!」という感じで終わらせているように思えた。(中学2年・男子・埼玉)
  • 『NHKスペシャル「ハマスとイスラエル 対立激化どこまで」』(NHK総合)
    今回の紛争はテレビやネットニュースで連日報道され、SNSでもさまざまな情報が発信されている。一方で、この番組のように一連の経緯を根拠とともに示してくれるメディアはほとんどなく、ニュースについてあまり調べる時間がない僕たち中高生にはとても貴重で価値があると感じた。(中学2年・男子・東京)
  • 『英会話フィーリングリッシュ ~データで選んだ推しフレーズ~』(NHK Eテレ)
    小学校高学年の頃からこの枠で放送されている英語番組を親子で毎回見ています。ミニドラマと解説の組み合わせなので見やすく、解説が丁寧でわかりやすいです。発音や視聴者の作文コーナーも、とても勉強になります。今年の番組は文法的な解説が少ないので、中学生の私にとっては難しい部分があります。この枠は1年ごとに番組内容が変わるため毎年新鮮です。自分の好きなタレントが出演していたらもっと英語の勉強を頑張れると思います。(中学2年・女子・愛知)
  • 『日立 世界ふしぎ発見!』(TBSテレビ)
    「信長の首を探せ」というテーマでの放送だった。結局、信長の首がどこに行ったのかは分からなかったが、いろいろな資料を見て話を聞くことでより謎が深まり、面白かった。途中でクイズが出たが、VTRで出されたクイズに対して出演者の誰が正解するのかを当てる問題で、正直、必要性を感じなかった。VTRで出されている問題を視聴者も一緒に考えるほうがよいのではと感じた。(中学2年・女子・東京)
  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)
    すぐに難しい解説になるのではなく、イスラム教や宗派やコーランの解説が先にあったので、その後の複雑な中東の問題もすぐに理解することができました。イスラエルとハマスの問題は、第3次世界大戦にもなりかねない状況だと番組で知って、すごくびっくりしています。(中学2年・女子・栃木)
  • 『世界の何だコレ!?ミステリー』(フジテレビ)
    学校では習わないような雑学が増えてとても面白かった。地元福井の恐竜博物館が出てきてうれしかった。バラエティー番組としても面白いので、家族全員で笑ったり驚いたりしながら見た。1つの動画につき時間が結構短くテンポが良かった。世界中の不思議な映像を紹介する番組はいくつかあるが、そういう映像をどこから仕入れてくるのか不思議に思う。(中学2年・女子・福井)
  • 『出川哲朗のクイズほぉ~スクール』(NHK Eテレ)
    この番組を見ていないと一生知ることの無かった知識もあったと思う。覚える知識ではなく、はじめて知ることのできる知識だったので、他とは違う楽しさがあった。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『大河ドラマ「どうする家康」』(NHK総合)
    私が昔漫画で見たものは茶々が主人公で、徳川家康はとても嫌な感じで描かれていました。このドラマは家康が主人公で、また違う視点から関ヶ原やその後が見られて面白かったです。(中学3年・女子・福岡)
  • 『クローズアップ現代「卵も肉もまるで本物!“フードテック食品”で食卓は変わる?』(NHK総合)
    私の身近にもフードテックは活用されていて、大豆ミートは私も食べたことがあります。食品の安全性や廃棄食材の問題がフードテックで解決されたり、食品ロスにつながったりなど、知らない情報が多くありとてもためになりました。(中学3年・女子・山梨)
  • 『漫画家イエナガの複雑世界を超定義』(NHK総合)
    この番組の特徴は圧倒的なスピード感ですが、とにかくわかりやすく、CGや漫画を用いて一人語りのプレゼン形式で15分間にギュッと凝縮されています。また集中してみないと取り残されるので、より内容が入ってきます。ホームページで放送内容を記事化されていて、見返してより内容が深まるのでいいと思いました。(高校1年・男子・群馬)
  • 『バリューの真実』(NHK Eテレ)
    出演者の実際の経験にとても共感しました。教授や心理士の方の説明もわかりやすかったです。また、番組中にさまざまな流行りの曲や人気な曲が流れていて「〇〇の曲だ!」とより楽しく聞けると感じました。(高校1年・女子・茨城)
  • 『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ)
    テーマで挙げられていた話題の単語は全然聞いたことがなかったが、説明の際は普段耳にするような表現に言い換えたり、図やグラフで視覚的に説明したりと工夫されていた。最先端の研究で分かってきたことが、なんの負担もなく納得できてとてもおもしろかった。出演者から大学教授への質問が、私の疑問点を代弁してくれたように的確だったのもとても良かった。(高校2年・女子・愛知)
  • 『はなしちゃお! ~性と生の学問~「2023年夏号②」』(NHK Eテレ)
    出演者のサーヤさんの「学生時代、生理の話を女子にだけ話されて違和感を覚えた」というエピソードに共感しました。自分も中学生のときに男女別で性の話をされたことがあり、そうやって分けてしまうから理解の隔たりが生まれていってしまうのではないのかと感じました。サーヤさんがフラットな雰囲気を作っていて、まっきぃ(マキタスポーツ)とのコンビも見ていて楽しく、普通に見ていて面白い番組でした。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『林修の今知りたいでしょ!』(テレビ朝日)
    テレビ欄で“年金”のテーマを見つけて、見てみようと思いました。「40年支払い、元を取れるのか」という問いは愚問だと思いました。高齢になったら生活できる程度の支給をもらえばいいのであって“元がとれたのかどうか”は長生きした結果で考えればいいはずだと思います。また私たちが65歳になったとき、年金制度は継続されているのでしょうか。(高校3年・女子・京都)

【自由記述】

  • 季節の変わり目は特番が多いので、たくさん見られてうれしいです。(中学1年・女子・島根)
  • 同じ時間に同じようなジャンルの番組を放送するのは、減らしてほしいです。そのジャンルに興味がなくて、見る番組がないと思うことがよくあります。(中学3年・男子・広島)
  • 「NHK for school」のホームページは、学校にいけない子どもや家で復習したい人、大人で学びなおしたい人がテレビで勉強できて、素晴らしいと思います。(中学3年・女子・滋賀)
  • 祖母に聞いた話ですが、テレビ局や番組によって音声のボリュームが異なるらしいです。私も、ある番組を見た後に別のテレビ局の番組を見ると、とてもうるさく感じてしまうことがあります。(高校1年・女子・京都)
  • 今年の『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に旧大手芸能事務所のタレントを一組も起用しないことが発表されたが、タレントが不祥事を起こしたわけでもないのにそのような判断になったことにとても違和感を覚えた。独占状態が崩れた今こそ、他のグループと同様の視点で比べたうえで出演するか検討する、という本来あるべき状態に戻すべきではないか。(高校2年・女子・愛知)
  • 今年の『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の出演者について、K-POPのグループが目立つのが気になった。K-POPが流行っているのはわかるが、日本の伝統的な番組の出演者に日本アーティストが少ないのはおかしいのではないかと思った。(中学2年・女子・東京)
  • パレスチナとイスラエルの軍事衝突が連日大きく報道されています。しかし、いまだにロシアによるウクライナ侵攻は終わっていません。これらを一種のエンタメとしてトピックを扱っているから、流行りのように話題が移り変わってしまうのではないでしょうか。ウクライナ情勢についても引き続き報道する必要があると思います。(高校3年・女子・北海道)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『アイ・アム・冒険少年「脱出島SP☆千原ジュニア最強助っ人とリベンジ参戦VSジョンソンメンバー」』(TBSテレビ)
    • ゲストが毎回違うので、同時進行で放送されるのが面白い。特にナレーターのつっこみに笑ってしまう。(中学1年・女子・千葉)
    • 昔のドラマの再現や、昔の曲が出てくるシーンがあったが、見たことも聞いたこともないものばかりで例えがピンとこず、楽しむことができなかった。(中学2年・女子・東京)
  • 『世界一の九州が始まる!「反わびさび!とがってアップデート」』(RKB毎日放送)
    番組が15分で見やすく、内容が凝縮されていた。九州ならではの情報に触れられる良い機会となった。(中学1年・女子・福岡)
  • 『ティーンズビデオ2023~第70回NHK杯全国高校放送コンテスト~』(NHK Eテレ)
    同級生が全国大会に出場していたので見ました。普段どんな活動をしているのか知りませんでしたが、とてもおもしろく、言葉で表現する放送部の良さを知りました。(高校2年・男子・山形)
  • 『FIFA U-17 ワールドカップ インドネシア 2023』(J SPORT)
    年齢制限のある試合は中継されるイメージがほとんどないので、とても良い番組でした。大人のプレーを見るのも楽しいし勉強にもなるけれど、自分と同世代のプレーを見たほうが、自分もこれくらいになれるかもなど、良いイメージを持てる人が増えると思います。(中学3年・男子・広島)
  • 『テレビ朝日ドラマプレミアム 友情 ~平尾誠二と山中伸弥『最後の一年』~』(テレビ朝日)
    英語の教科書に平尾さんが出てきたが、生徒は誰も平尾さんのことを知らなかった。でもドラマを見て、何事にも頭を働かせて考えている、とてもステキな人だと感じた。山中さんとの友情にもじんときた。(高校2年・男子・山形)
  • 『おはよう朝日です』(朝日放送テレビ)
    朝の情報番組の中で、他の番組では“オススメ”が東京にあることが多くて行くのをあきらめがちですが、京都や大阪にある!と思うととてもワクワクするし、親近感を持ちながら見ています。(高校1年・女子・京都)
  • 『第102回全国高校サッカー選手権 北海道大会 決勝』(札幌テレビ放送)
    札幌ドームではプロの試合しか見たことがなかったため、高校サッカーが行われているのを見て、とても不思議な感じがした。同じ年代の人たちが一致団結して頑張っている姿を見て、自分もいろいろなことをあきらめないで頑張らなくてはいけないなと思った。(高校1年・女子・北海道)

◆委員のコメント◆

【最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について】

  • 『地球ドラマチック「渡り鳥を守れ!大移動1万キロの危機」』(NHK Eテレ)を視聴した中学生モニターは、地球環境の大変化やその事実を知らない自分に、とても深く感じるところがあったようだ。最近の中高生はSDGs教育の中で様々な知識を得ていると思っていたが、違う切り口だと新しい発見があるのだと分かった。
  • 『いじめをノックアウト』(NHK Eテレ)について、金曜日の午前9時40分から放送しているのが難点だという意見があったが、不登校の子がテレビを見ることもあるので、平日午前中という時間帯で放送する意味はあると思う。
  • 『笑わない数学』(NHK総合)について「NHK for school」などで視聴できればより多くの人が学ぶことができるという提案があった。中高生モニターに大変人気な番組なので、放送時間(午後11時から)ももったいないと感じる。
  • 中高生にとっての「教育番組」は「自分が知らなかったことを知ることができる」「学校で習わない雑学の知識が増える」番組のようだ。情報番組・報道番組・教養番組など、とてもバラエティーに富んでいて面白い。

【自由記述について】

  • 「元大手芸能事務所のタレントが毎年出演していた、大みそかのカウントダウン番組がなくなり残念だ。ただ世界の目があるので、企業やテレビ業界もそのタレントを使いにくいと思う」という意見があった。外圧のようにとらえているところが興味深い。
  • 「考える時間を与えてくれるクイズ番組のほうが、ゆっくりクイズを楽しむことができるので好きだ。出演者と一緒に考えることができて楽しい」という意見があった。インターネット上の動画は総じて慌ただしく、まくし立てるような話し方が多いため、最近のテレビ番組も、若い人の心をつかもうとして似たような編集になっているものも増えているように思うが、逆にゆっくりした時間が流れるのが貴重で新鮮だと受け止める中高生もいるようだ。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『テレビ朝日ドラマプレミアム 友情 ~平尾誠二と山中伸弥『最後の一年』~』(テレビ朝日)を視聴した高校2年生から報告があったが、若い世代は平尾誠二さんを知らないという事実に驚いた。
  • 『密着26年!大家族石田さんチに新たな命が誕生!~人生は続くよ、どこまでもSP~』(日本テレビ)を視聴した中学生から「思春期の子をそのまま放送している切り抜き動画を見た。人には誰にもプライバシーがあるので、番組の放映する部分を確認する必要があると思った」と報告があった。番宣の切り抜きではなく、おそらく別の視聴者がSNSなどに切り抜き動画を投稿し問題提起したのに同意したのだろう。

芸能事務所創業者による性加害問題について

芸能事務所の創業者(故人)が、所属する多数の未成年のタレントに性加害を繰り返していた問題について、BPO、あるいは青少年委員会としてできることはないかとの観点から、前回、前々回に引き続いて意見交換しました。
はじめに事務局から、本件に関してBPO理事長の見解を近く公表する(2023年12月4日公表「芸能事務所における性加害問題について」参照)方向であることが示されました。
委員のひとりが「事態がさらに動くかもしれないが、いまの時点で見解を出しても大丈夫か」と懸念を示しました。ほかの委員は、理事長見解の中で「『(BPOが)放送局と議論する場を設けて、意見をたたかわせていく』という文言があれば対応は可能である」と指摘しました。
こうした議論を経て、委員会としての意見交換を終えました。

今後の予定について

次回は12月18日(月)に定例委員会を開催します。 

以上

第261回

第261回-2023年10月

視聴者からの意見について… など

2023年10月24日、第261回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、9月後半から10月前半までの約1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
10月の中高生モニターリポートのテーマは「最近見たバラエティー番組について」でした。
また芸能事務所創業者の性加害問題について、前回に引き続き意見交換しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年10月24日(火) 午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
芸能事務所創業者の性加害問題について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

9月後半から10月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から、「この間の意見は、芸能事務所創業者(故人)の性加害問題に関するものが大半だった。9月後半は、同事務所所属のタレントを番組に出演させることや、性加害を連想させるような番組タイトルを続けることへの批判が多かった。10月前半は、『所属タレントは加害者ではない』として、これを擁護する意見も増えてきていた」と報告がありました。
性加害問題に関連して昼のバラエティー番組で、「芸能事務所経営者がハワイで豪遊」との週刊誌報道をそのまま紹介したところ、「偏向報道だ」とする視聴者意見が寄せられたことについて担当委員は、「番組がみずから取材して『豪遊』としたのではなく、週刊誌の記事や見出しを持ってきただけだった」として、番組側の事実のとらえ方が問題だったという見方を示しました。
しかし、これ以上の議論になる番組はなく、「討論」に進むことはありませんでした。

中高生モニター報告について

10月のテーマは「最近見たバラエティー番組について②」で、モニターからは合わせて22番組への報告がありました。トークバラエティーをはじめ、教養バラエティーやドキュメントバラエティー、ゲームやクイズ、旅企画など、多彩な番組に関する報告が集まりました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『笑わない数学』(NHK総合)に7人から、『日曜日の初耳学』(毎日放送)に4人から、『サスティな!』(フジテレビ)と『朝メシまで。』(テレビ朝日)にそれぞれ3人から、報告がありました。

◆モニター報告より◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京)
    家庭や個人の病気、深刻な家族状況などはあまり知る経験がないので、様々な人生について、この番組を通して知ることができました。悪性リンパ腫になったという23歳の女性は、たとえ病気でも深く思いこまずに明るく笑顔でいて、とても尊敬できる人だと思いました。(中学1年・女子・千葉)
  • 『バナナサンド』(TBSテレビ)
    「歌詞イス取りゲーム」は、少し大変そうだけど自分のペースでゲームができるし、ふつうのイス取りゲームより頭に良さそうで楽しそうだし、学校でもできそうです。子どもがすぐにマネできるあそびがたくさんあっていいなと思いました。(中学1年・女子・島根)
  • 『プレバト』(毎日放送)
    私は特に俳句コーナーが好きです。俳人の夏井いつき先生が、出演者の俳句の添削で、バッサリと、ずばっと言うところが痛快でおもしろいです。当たり障りない発言を意識してしまう時代ですが、夏井先生のユーモアと愛に満ちた辛口な添削は、見ていて心地よいです。(中学1年・女子・福岡)
  • 『わが家の給料広げてみた』(テレビ朝日)
    金額が多いか少ないかを語るのではなく、どんな思いが詰まっているかに注目しているところが魅力的だと思った。僕自身は、普段わからない親の姿に触れることができ、純粋に「親に感謝するべきなんだな」と思った。(中学2年・男子・東京)
  • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)
    「0円食堂」の企画は、食品ロスの改善や地産地消をしていて、面白いだけでなくSDGsの勉強になります。様々な地域を盛り上げていくという考え方は素敵だと思います。ただ、毎回おなじ人が出演していて新鮮さに欠けるので、いろいろなジャンルのゲストに出てほしいです。(中学2年・女子・愛知)
  • 『オールスター感謝祭』(TBSテレビ)
    はじめから盛りだくさんのクイズや企画があり、おもしろかった。100人分の焼肉弁当をかけて戦うコーナーでは、解答者だけでなくドラマスタッフも団扇などを持って一緒に応援している様子から、それぞれの作品のスタッフの仲の良さが感じられて、ドラマを見るのが一層楽しみになった。(中学2年・女子・東京)
  • 『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(フジテレビ)
    ランキングを予想しての投票は新鮮だったので、自分も盛り上がって楽しかったです。画面のイラストやスタジオのセットが、すごく可愛くて好きです。(中学2年・女子・栃木)
  • 『小泉孝太郎&ムロツヨシ 自由気ままに2人旅』(フジテレビ)
    バラエティー番組は、人を“いじる”ことで笑いをとることがよくあるしそれも面白いが、それをせずに視聴者を笑わせることができる出演者の2人は、本当にすごいと思う。(中学3年・女子・滋賀県)
  • 『所さん!事件ですよ』(NHK総合)
    今まで観光地には人が来れば来るほどいいと思っていたけれど、オーバーツーリズムで混み合う富士山の山頂や、世界遺産に登録されているがゆえに汚れているベネチアを見て、これが日本と世界の実情なのだと思った。問題提起するような番組をこれからも作ってほしい。(中学3年・女子・広島)
  • 『超無敵クラス』(日本テレビ)
    若者の視点で社会が見られて面白いし、未来を切り開く行動をもっと自分もしていかなければならないと感じます。それは簡単なことではないので、好きを極めている人はすごいと思いました。(高校1年・男子・群馬)
  • 『アメトーーク!』(テレビ朝日)
    「ビビリ1グランプリ」を見た。「ビビリロード選手権」では様々な人のビビリを次々に見ることができて、全く飽きなかった。また、映像に対するスタジオからのツッコミをしっかり放送しているところも、面白くていいなと思った。(高校1年・女子・北海道)
  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    ニワトリの鳴き声など、誰もが楽しめる祭りの話題でした。外国の良さや人情を知ることができるとても良い企画だと思います。昔は、危険な祭りの話題で、体を張って体力と根性で笑いを届けていましたが、これからは見るほうも安心して楽しめる祭りを放送してほしいです。(高校2年・男子・山形)
  • 『世界一受けたい授業』(日本テレビ)
    今年の都道府県魅力度ランキングの結果を発表していたが、県が生み出した、全く聞いたことない新しい取り組みが多く紹介されていて面白かった。ただ、下位の県の紹介が多くなくて、違和感が残った。ランキング40位台だと紹介することは、その県のイメージを大きく下げることになるので、「この結果ではあるがこんなに魅力がある」と紹介して、イメージを引き上げてほしいと思った。(高校2年・女子・愛知)
  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)
    水ダウは、現行のテレビ番組の中でも、ひときわ目立つ異質な番組で、それは恐らく視聴者が良い意味で置いて行かれる番組だからだと思います。どんな内容なのかいつもワクワクするし、どの企画も今まで見たことのない斬新で面白い素晴らしいものだと思います。構成作家を調べたところ、若手の作家さんがいたり数人でやっていたりして、興味深いと思いました。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『クレイジージャーニー』(TBSテレビ)
    自分から好んで見る内容ではないからこそ、テレビでこのような知らない世界を見ることができて、とても興味深かったです。現実とは思えない異国の現状を知ることができる、教育的な良い番組だと思います。(高校3年・女子・北海道)
  • 『ジャンクSPORT』(フジテレビ)
    ゲストの恥ずかしい一面を晒すことになっても本人がそれを嫌がることなく、ゲストへの「いじめ」とならないような“笑い”になっているので、楽しく見ることができます。アスリートは引退が早く、ゲストが途切れることはないと思うので、長く続いてほしいです。(高校3年・女子・京都)

【自由記述】

  • 「確実に“優しい”人」「確実に“ノリだと分かる悪口”を言える人」は安心してみていられる。そういう人をもっと増やしてほしい。また、芸能人とはいえ、人としての気持ちもあるし限界もあるから、笑いの対象として見るだけではなく、ひとりの人間だと考えてほしい。(中学2年・女子・福井)
  • 番組でよく「特別に許可を得て〇〇しております」と小さく書いてあるが、そのシーンの冒頭のみで、途中から消えている。途中から番組を見た人は勘違いすることがあるのではと思うが、注意書きがずっと書いてあるのも気になる。(高校2年・男子・山形)
  • 朝のワイドショー番組のエンタメコーナーを見ていると、いくつかの局で、エンタメコーナーがかぶっている。なぜ同じコーナーの時間をそろえているのか、不思議に思う。(高校1年・女子・茨城)
  • 最近は見逃し配信の視聴者が増えてきて、深夜番組の視聴者獲得チャンスも増えてきた。クオリティの保証をしていかなければならないと思う。(中学2年・男子・埼玉)
  • テレビはリアルタイム視聴が基本ですが、帰宅時間が遅くてもどうしても見たい番組は、見逃し配信サービスを利用しています。働いている人もリアルタイム視聴は難しいので「テレビのリアル放送は必要ないかも」「テレビがなくても困らないのではないか」と疑問が生じました。ただ「災害時にはテレビはあった方がいいのかも」と、なかなか難しい問題だと思います。(高校3年・女子・京都)
  • 芸能事務所の性加害問題の報道について、子どもが見ている昼・夜の番組で(特に土日の昼)、生々しい証言をそのままの表現で報道するのは適切ではないと思う。(高校3年・女子・北海道)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『笑わない数学』(NHK総合)
    • 数学には興味があまりわかないのですが、今回の説明で、少しわかったような気になりました。視聴後にネットで「非ユークリッド幾何学」を検索したり、「非ユークリッド幾何学」が成り立つ異世界が世の中には存在するのではないかと想像したりして、無色だった数学のイメージに少し色が加わりました。(中学1年・女子・福岡)
    • パンサー尾形さんの、問いかけるような話し方がわかりやすく、話が入ってきやすかった。(中学2年・女子・東京)
  • 『日曜日の初耳学』(毎日放送)
    インタビュアーの林修さんがゲストと1対1で話すところが、他のバラエティーとは違って、面白いけれど深い感じがして、とても好きです。(高校1年・女子・京都)
  • 『サスティな!』(フジテレビ)
    SDGsをバラエティー感覚で楽しく学べました。17の目標のアイコンを一緒に出すといいと思いました。(中学1年・女子・島根)
  • 『朝メシまで。』(テレビ朝日)
    高級列車の整備員や農家など、自分の身の回りの生活の中に、そうやって支えてくださる方がいるおかげで生きられるという、当たり前だけど忘れがちなことを改めて確認できてよかったです。また、大人の弁当を見たとき、意外と小食だなと思いました。(高校3年・男子・神奈川)
  • 『ラグビーワールドカップ2023 フランス大会 プールD 日本×アルゼンチン』(J SPORT)
    父が高校までラグビーをやっていて、その影響で私も試合を見るようになり、一緒に応援しています。ラグビーはマイナーな競技かと思ったので、友達に「面白いから見たほうがいい」と紹介したところ、見てくれた友だちもいて盛り上がりました。(中学3年・女子・福岡)

◆委員のコメント◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)の企画について、出演者の人権や体調を心配しているという意見があったが、“優しい笑い”に慣れた若年層の見方だと思う。
  • 『世界一受けたい授業』(日本テレビ)について「原因不明の事件や現象の解決策として、諸説ではなく、最も有力な説を1つだけ説明していたので満足できた」という感想があった。物事を多角的に紹介する番組が多いと思うが、一つだけだから満足したという視点は独特だと感じた。

【自由記述について】

  • 『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(フジテレビ)について「最近見つけて面白かった番組」だとモニターが報告していた。この番組は放送3年目を迎え、お笑い界でトップクラスの芸人2組が出演しているにもかかわらず、番組の存在自体が今まで中学2年生に届いていなかったという事実は、もったいなくもあるし深刻でもある。少し前までは、新聞やネットのテレビ欄を眺めながら何となく番組を認識していた可能性もあったろうが、もう今の中学生はそのような状況にないのだということに、改めて気づかされた。
  • 「平日の夜に長時間テレビを見る時間はとれないので、2~3時間スペシャルのバラエティー番組は、学生は視聴しにくいのでは」という意見があったが、今はこういった考え方が主流なのだと思う。
  • 芸能事務所の性加害問題について「所属タレントの仕事にまで影響が及ぶのは違う気がするし、とても残念だ」という感想があったが、若年層の間ではわりとメジャーな受け止め方だと思う。テレビで報道されているトーンとは一線を画して、社会の分断を感じるところではある。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『笑わない数学』(NHK総合)を取り上げたモニターが多く、このような番組が興味を集めることに驚いた。
  • 『もやもやパラダイム』(NHK Eテレ)をはじめ、『わが家の給料広げてみた』(テレビ朝日)など、給料の話題に興味を持つモニターが多かった。

芸能事務所創業者の性加害問題について

芸能事務所の創業者(故人)が、所属する多数の未成年のタレントに性加害を繰り返していた問題について、BPO、あるいは青少年委員会としてできることはないかとの観点から、前回に引き続いて意見交換しました。
ある委員は、「この問題が長い期間かけて起きてきたことを考えると、(BPOが)きちんとした企画を長いスパンで考えることも必要だろう。子どもの人権、とりわけ男の子を性加害からどうしたら守れたのかを考えなければならない」と述べました。複数の在京テレビ局が検証番組を放送したことを受けて別の委員は、「報道してこなかったのは『当時(1980~90年代)は、男性の性被害について意識が弱かったから』としているものが多く見られたが、当時の児童福祉法でも18歳未満の子どもに性的なことをすれば処罰の対象だった。そこに焦点を当てた検証はあまり見られなかった。児童虐待の観点で真剣に考えるべきだということを言うべきだ」としました。
またほかの委員は、「この巨大な性加害が何十年も放置されてきた背景には、放送局がビジネスをやるうえで、ここ(当該の芸能事務所)とことを構えるのは損だという構造的な問題があった。忖度が生まれた背景まで切り込まないと、また同じ轍(てつ)を踏むことになるが、具体的に何をやるべきなのか」と指摘しました。
こうした議論を経て、ひきつづき次回も本件の議論を続けることになりました。

今後の予定について

11月22日(水)に石川県金沢市で開催する地元放送局との意見交換会で議論するテーマなどを確認しました。
次回は11月28日(火)に定例委員会を開催します。 

以上

第260回

第260回-2023年9月

視聴者からの意見について… など

2023年9月26日、第260回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、7月後半から9月前半までの約2カ月の間に寄せられた視聴者意見の中から、子ども向けミニ枠番組で流れた体操の歌の歌詞に不適切な表現があるとされた問題などについて議論しましたが、「討論」に進むことはありませんでした。
9月の中高生モニターリポートのテーマは、「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。
その他、新しい調査研究のテーマ、11月22日の金沢地区放送局との意見交換会のテーマ、芸能事務所創業者の性加害問題について意見が交わされました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年9月26日(火) 午後4時00分~午後7時00分
放送倫理・番組向上機構[BPO]第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
芸能事務所創業者の性加害問題について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

7月後半から9月前半までの約2カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
古代文明の展覧会の紹介を兼ねた子ども向けミニ枠番組で流れた体操の歌に、「集団生け贄200人」「心臓どくどく捧げよう」などの歌詞があり、視聴者から「非常にグロテスクな表現だ」「子どもに歌わせてどんな影響があるかわからない」などの意見が寄せられました。
担当委員は「歴史教育的な内容を子どもたちに楽しく伝える視点はいいが、大人の受け手の解釈まで番組制作者が予測できなかったのではないか」と報告しました。各委員からは「子どもがショックを受ける映像を見せるわけではないので、あまり問題ないだろう」とする一方で、「今回は滅びた文明のことで当事者がいないが、『文化の尊重』という点では配慮が足りないだろう」との見方も示されました。
バラエティー番組で、長いゴムのベルトの上で演技するスポーツの「スラックライン」を実演した際、選手の高校生に制服姿で演技させたところ、「スカートから太ももやお尻が見えそうでかわいそう」「女性へのセクハラになる」などの視聴者意見がありました。
委員からは「(スカートの制服を着せる)演出の視点がどうかと思う。今のジェンダー感覚からずれているのではないか」「(番組制作者の)男性目線が透けてみえる」などの声が上りました。
別のバラエティー番組では、ロケ中にミスした番組スタッフが男女とも、罰として丸刈りを命じられる演出がありました。委員からは「子どもが真似して勝手に(友だちの)髪を切ったら、大人の暴行罪と同じこと」「スタッフ本人は(髪を切られて)うれしくはないが、『それが仕事につながるのなら』ということでやっているとしたら構造的問題があるだろう」などの意見が出されました。
しかし、これ以上の議論になる番組はなく、いずれも「討論」に進むことはありませんでした。

中高生モニター報告について

9月のテーマは「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」で、合わせて11番組への報告がありました。複数のモニターが取り上げたのは4番組で、『NHKスペシャル Z世代と“戦争”』(NHK総合)に5人、『僕たちは戦争を知らない~戦禍を生きた女性たち~』(テレビ朝日)に4人、『NHK特集「夏服の少女たち~ヒロシマ・昭和20年8月6日~」』(NHK総合)と『ETV特集「“玉砕”の島を生きて(2)~サイパン島 語られなかった真実~」』(NHK Eテレ)にはそれぞれ2人が感想を寄せています。一方で、「戦争関連の映像を見るのが苦手で視聴できなかった」というモニターもいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『ハートネットTV「#8月31日の夜が来るまえに。」』(NHK Eテレ)と『「東大王」3時間SP』(TBSテレビ)をそれぞれ3人が、『加藤浩次&中居正広の歴代日本代表256人が選ぶこの日本代表がすごい!ベスト20』(日本テレビ)、『アイ・アム・冒険少年 2時間スペシャル』(TBSテレビ)、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)を、それぞれ2人が取り上げています。

◆モニター報告より◆

【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

  • 『NHKスペシャル Z世代と“戦争”』(NHK総合)
    • Z世代の人が意見を述べたり、真剣に考えているのを見て、戦争がすごく近い問題と考えることができました。私たちはただ情報を得て、知るということだけでなく、自分ごとにして、身近な存在にしていくことが大切だと分かりました。(中学2年・女子・栃木)

    • 「日本が戦争に巻き込まれる可能性はあると思うか」という問いに深く考えさせられ、私は日本では戦争は二度と起きないと思っていたから、Z世代の人や専門家の人の意見を聞いて、少し考えが変わりました。また、戦争についての番組は当時の映像や画像が流れることが多く、それが苦手な人もいると思いますが、この番組ではそういったものが少なく、討論が中心になっていたので、よかったと思います。(中学2年・女子・愛知)

    • 番組内でバーチャル映像を使い、戦争中の町の風景や音を視覚・聴覚で体験するコーナーがありましたが、より一層戦争の恐怖を知ることができ、とても分かりやすかったです。(高校2年・男子・山形)

    • この番組を見て、私はもう一度、自分達の国で起こった戦争だけでなく、現在世界で行われている戦争についても学び、あってはならないことだけれどもしまた日本で戦争が起こったときに自分は何ができるのか考えていきたいです。(高校2年・女子・東京)

    • 今も続いているウクライナ戦争について、NHKのウクライナ出身の人は「交渉が理想だけど、交渉ができない状況の時もある」と言っていて、難しい問題であると思いました。戦争の時、日本はどうすればいいのか考えたいです。(中学3年・女子・福岡)

  • 『僕たちは戦争を知らない~戦禍を生きた女性たち~』(テレビ朝日)
    • 女性にスポットライトが当てられていて、多くの番組は兵士として動員された男性をメインに紹介しているので珍しいなと感じました。また、写真だけでなくイラストを多用していたので、殺している様子や血など、過激な写真が苦手な人でも見やすいと感じました。(高校1年・女子・茨城)

    • 今回番組を視聴して、戦争はまだ続いているのだと思えた。なぜなら、実体験している方が今も生きておられ、伝えているという事実があるからだ。また、私の今、この平和な時代は過去の壮絶な歴史があったからこそ成り立っているというつながりをこの番組から痛感できた。(中学1年・女子・福岡)

    • 話をきいてとてもつらく悲しかったが、戦争を体験した本人達はもっと辛かったと思う。この思いを伝えるためにもこのような番組があって良かったと思った。(中学2年・女子・東京)

    • このような戦争に関する番組は、終戦記念日近くだけ放送するのではなく、もう少し放送回数の頻度を増やしてほしいと思う。また、若い人がよく見るネットニュースなどに、実際の戦争の体験談を一週間に一回載せたりしてもいいかなと思う。(高校1年・女子・北海道)

  • 『NHK特集「夏服の少女たち~ヒロシマ・昭和20年8月6日~」』(NHK総合)
    • 学校に入っても授業はなく、食べ物を作ったり、警報が鳴り、防空壕に逃げる生活はつらいだろうなと思いました。原爆によって娘をなくした人たちの悲しみは計り知れないし、戦争は絶対にあってはならないなと感じました。(高校1年・女子・京都)
    • 少女たちの日記が8月5日で途切れているものを見て、とても切ない気持ちになった。女学校の生徒達は、13歳。今、私は、12歳なので、1つしか歳が変わらないのに、どれだけ大変で、苦しい世界で、懸命に生きた証があり、私たちは、その少女たちが暮らすことのできなかった毎日を大切に過ごしていこうと思った。(中学1年・女子・千葉)
  • 『ETV特集「“玉砕”の島を生きて(2)~サイパン島 語られなかった真実~」』(NHK Eテレ)
    • 終戦番組の中ではこの番組のように、日本人は加害者であるという視点からの番組もあっていいと思うし、むしろさらに作っていくべきだと思う。戦争を本当の意味で知るためにも、日本が外国にしたことなどを、テレビを通じてさらに知っていきたい。(中学3年・女子・広島)
    • 生き残った人がインタビュー中に泣いていて、それだけ辛かったのだと改めて実感した。戦争の、教科書に書いてないことなどを、詳しく知ることが出来た。映像などもあり残酷で、印象に残った。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『NHKスペシャル 新・ドキュメント太平洋戦争1943 国家総力戦の真実(前・後編)』(NHK総合)

    若者特攻として、(旧制)中学生を対象に志願兵を募り、3万人が手を挙げたとのことですが、裏では国が村にノルマをかけ、あたかも志願したかのようにしていたらしい。志願兵の多い学校は新聞で報道してあおっていたとのことで、マスコミが関わっていることを知りました。国に強制されているとはいえ、マスコミの罪は重いと思います。マスコミは本当のことを、そして「おかしいことはおかしい」と報道することで、国民を味方につけていくことをすべきだったのでないか。(高校3年・女子・京都)

  • 『映像の世紀バタフライエフェクト「太平洋戦争 “言葉”で戦った男たち」』(NHK総合)

    太平洋戦争の勝敗に大きな影響を及ぼしたのが、米軍が急いで養成した日本語情報士官だったことを初めて知ることができました。最初は通訳したりするのかな?と思っていましたが、それだけでなく多くの戦後復興に携わっていたことに驚きました。(高校1年・男子・群馬)

  • 『軍港の子~よこすかクリーニング1946~』(NHK総合)

    孤児たちが一生懸命生きようとする姿を見て、国同士の戦争は終わっても、今度は生きるために人と人との間で争わなければならず、戦争は絶えないと思った。この時代に生まれなくてよかった。今、屋根のある場所で風や雨をしのぎ、ごはんを食べられていることに感謝の気持ちがあふれた。(高校2年・男子・山形)

  • 『NHKスペシャル アナウンサーたちの戦争』(NHK総合)

    戦争の表面ではなく、陰に隠れてしまいがちな視点を僕たちに提供し、それらの視点を現在のウクライナ戦争などと結び付けており、様々な価値を見出すことができた。作中でも語られていた事実のジャーナリズムが感じられた。今後、このような番組が増えてほしい。(中学2年・男子・東京)

  • 『新日本風土記「鎮魂の旅」』(NHK BSプレミアム)

    授業で学ぶ戦争は、広島や長崎、東京などばかりです。ですが、私はこの番組で様々な人のお話を聞いて「どんな小さな村でも戦争が原因で血や涙を流した人がいる」ということに実感がわきました。本当に伝えるべきは地方の戦争なのではないか…と思いました。(中学3年・女子・滋賀)

  • 『徹子の部屋 スターが証言「戦争と私」』(テレビ朝日)

    特に印象に残ったのは、四人目の三代目江戸家猫八さんという方でした。自分は猫八さんが芸人ということすら知らなかったのですが、その話し方につい引き込まれてしまいました。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『よんチャンTV「特集 学徒出陣から80年/親友は戦死…学問を手放した元京大生の残した日記」』(MBS毎日放送)

    映像の最後の部分の秀村氏の日記は、心を打つものだった。このような悲惨な戦争というものを起こしてしまったことは日本の取り除ききれない真実だと思う。20年後、戦争を経験した方々がいなくなるだろう。それまでに僕らが戦争について知り、後世に伝えていくべきではないのかと思った。(中学2年・男子・埼玉)

【自由記述】

  • 思っていたよりも、8月6日、8月9日の原爆についてのドラマやニュースが少なかった。戦争や災害でたくさんの人々が亡くなってしまっているのに、年々、その放送が減ってしまい、とても悲しく思う。(中学1年・女子・千葉)

  • 今回、いろいろな番組を見たが、大人向けの内容が多く、とても難しいように感じた。戦争の経緯や出来事を、学習番組を作って詳しく解説すると、より戦争に関しての考え方が変わり、小中学生の意識が変わるのではないかと感じた。(高校2年・男子・山形)

  • 自分たちが大人になった時、二度と戦争が起こることの無いように、核兵器や、生物兵器などはなくしたほうが良いと思った。それと同時になぜ日本は核兵器禁止条約に参加しないのか疑問に思った。(中学3年・男子・神奈川)

  • 『VIVANT』(TBSテレビ)というドラマを見ているのだが、毎週ハラハラドキドキする内容になっていてとても面白い。様々なイベントもあって、ドラマ本編以外にも楽しめて家族や友達と話す話題が増えた。(中学2年・女子・東京)

  • 先日、あるニュース番組のコーナーで、他局が半年ほど前に特集していた問題について報道していた。内容がほぼ同じだったので、他局の特集を報道するなら、もう少し違った視点で伝えてほしい。(中学3年・女子・広島)

  • 芸能事務所の問題の報道を見ていて改めて思ったのが、タブー・自主規制です。「いままで報じなかったメディアの責任」というのを何度も耳にしました。インターネットではみんなが騒いでいることも、テレビは黙っているということが前々からひっかかっていました。今の時代はもう黙っていればなんとかなる問題ではないと思います。大きな影響力をもつテレビだからこそ考えなければいけないと思います。(高校1年・男子・群馬)

  • 最近、芸能事務所のニュースがよく放送されているが、同じようなニュースばかり毎日やっていてニュースがつまらないなと感じてしまっている。そのため、アニメやバラエティーを多く見て気持ちを上げている。(高校1年・女子・北海道)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『「東大王」3時間SP』(TBSテレビ)

    女性の解答者が少なかったです。私も戦ってみたいと思いました。(中学1年・女子・千葉)

  • 『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)

    おじいちゃんやお母さん、私、弟など、どの世代も楽しめていいと思いました。花の値段は、都会といなかで違うので、とても難しかったです。(中学1年・女子・島根)

  • 『加藤浩次&中居正広の歴代日本代表256人が選ぶ この日本代表がすごい!ベスト20』(日本テレビ)

    メジャーなものが順位に入るのは当然で、逆に、メジャーな種目でなくてもすごい日本代表を紹介する方がいいのではないか。みんなが知らないところで、こんな種目ですごい代表がいることを伝える企画の方が、インパクトがあっておもしろい。紹介される方も種目を知ってもらえる機会になるので、協力が得られるはず。(高校3年・女子・京都)

  • 『ハートネットTV「#8月31日の夜が来るまえに。」』(NHK Eテレ)
    • 同年代の人達の悩みなどを知ることができました。自分も学校に行くのがいやだなと思ったこともあるので、いろんな人たちがいることが分かりました。(高校1年・男子・群馬)

    • 今年になって初めて「学校に行きたくない。行くのが怖い」と考えるようになり、この番組を選びました。率直な感想としては安心と同時に辛くなってしまいました。自分の中では言語化できていなかったことが、他の人によって言語化されることで自分に刺さってしまったためです。元気な時に同じ番組、似たような番組がまた配信されていたら聞いてみようと思いました。(高校2年・女子・東京)

  • 『アイ・アム・冒険少年 2時間スペシャル』(TBSテレビ)

    日本語が話せなくても、ちゃんとコミュニケーションをとっているのがスゴいと思いました。話せなくても楽しそうなのに、話せたらもっと楽しいだろうなと思います。(中学3年・女子・福岡)

◆委員のコメント◆

【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

  • 『NHKスペシャル Z世代と“戦争”』(NHK総合)のようなディスカッション型の番組は、他にも夏休みの期間中、「ゲームとどう付き合うか」などといったテーマで、子どもが討論する番組もあった。当事者として考えることはとても大事だと思う。

  • 『徹子の部屋 スターが証言「戦争と私」』(テレビ朝日)は、過去の放送の中から、スターたちが語る貴重な「戦争体験」を特集したもの。古い番組でも、お話がうまい芸能関係の方々の体験を聞くことは、ある種の直接的な話を聞くということであり、中高生にとってかなりインパクトがあったようだ。たとえ過去に放送されたものでも、直接的に働きかけてくれる人の映像を再放送することは、とても意義があると感じた。

  • 報告全体を通して、戦争を実体験した人たちの映像とインタビューは、中高生の印象に強く残るのだと感じた。

  • 今回のテーマはいつもより報告数が少なかった。終戦関連番組は、中高生にとって、「ちょっと重い」「面倒くさい」ものに感じているのではないか。

【自由記述について】

  • 放送に関することではないが、古くからある地域の風習について記述しているモニターがいた。毎年続く習わしに関連付けて、恐らく「年に1度であっても、戦争や平和について目を向ける機会として、終戦関連番組が続いているということが大事だ」と言いたいのだと思った。

  • ある番組に対して「面白いが、放送時間がとても遅い」と報告したモニターがいた。「午後9時~10時台に放送してほしい」という声は、中学生らしい感想だと思う。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『「東大王」3時間SP』(TBSテレビ)について、「女性の回答者が少なかった」という感想があったが、この一文は結構クリティカルかと思う。

芸能事務所創業者の性加害問題について

芸能事務所の創業者(故人)が、所属する多数の未成年のタレントに性加害を繰り返していたことが、同事務所の外部専門家による特別チームの調査結果で明らかになり、その際、放送局が本件をほとんど報道してこなかったとして、「マスメディアの沈黙」と指摘されました。
この問題について、ある委員は「あの調査結果を聞いたとき、(被害を受けた男児が)何百人もいたとされていることに驚いた。(「マスメディアの沈黙」と指摘されていることは)放送局の大きな危機ではないか。経緯を検証して、きちんと乗り越えないと、局の信頼がなくなってしまう。BPOとしても何ができるのかを考えたい」と述べました。  
別の委員からは「放送業界はいま、(加害者である)創業者が健在のうちは不問に付しながら、その事務所のタレントを起用しつづけてきた姿勢が問題にされている。まさに放送倫理や人権の問題だと思う」という意見がありました。
また、「たとえば国連の『子どもの権利とビジネス原則』についての勉強会を開いたらどうか。今回のような問題が二度と起きないようにするために放送局はどうすべきなのか議論していきたい」と提案する意見や、さらに「視聴者である青少年にとってみると、タレントに罪はないと信じているのに、その人がテレビから消えてしまう。『推し活』やファン・カルチャーが発展しているなかで、青少年の人たちにとって大きなショックだ。それに対する何の説明もないし、大人の事情でそうなったとしか言われない」とテレビ局の対応を懸念する意見もありました。
青少年委員会ではこの性加害問題について引き続き議論していくことになりました。

今後の予定について

次回は10月24日(火)に定例委員会を開催します。

以上

第259回

第259回-2023年7月

視聴者からの意見について… など

2023年7 月25日、第259回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、6月後半から7月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見の中から、事件報道における小学生へのインタビュー取材などの問題について意見を交わしましたが、「討論」に進んだものはありませんでした。
7月の中高生モニターリポートのテーマは、「最近聴いたラジオ番組について」でした。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年7月25日(火) 午後4時00分~午後6時00分
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第一会議室(千代田放送会館7階)

議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

6月後半から7月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
午後の情報番組の芸能ニュースで、有名女優が夫以外の男性と交わしたとされる交換日記の内容を読み上げたところ、「内容を公表する必要があったのか。番組がいじめに加担しているように思えた」などとする視聴者意見が寄せられました。
担当委員は「問題があるとすれば放送倫理の問題で、青少年に対するものではないだろう。当委員会で取り上げる内容ではないと思う」と述べるなど、「討論」に進むことはありませんでした。
宮城県栗原市の公立小学校に軽トラックが侵入して児童4人がはねられた事件の報道で、目撃者である小学生のインタビューが複数の報道・情報番組で放送されたことについて、視聴者から「児童が精神的・心理的に不安定になっている状況でマイクを向け、事件の様子を思い出させる行為は容認できない」などの意見がありました。
ある委員は「子ども自身のPTSD(心的外傷後ストレス障害)のリスクを考えると、ハイリスクなインタビューだと思う」と指摘しました。
別の委員は「この子どもは事件を客観的に見ていて、自分の言葉でしっかり伝えようとする意志が明確に感じられた。心配のないケースではないかと思う」としたうえで、「そこに目撃者がいて、その子どもが話してくれるのであれば、それを聴くというのは(報道機関の)ひとつの役割だろう。ただし同時に(子どもに対する)アフターケアは大事だ」と述べました。
また、「インタビューでしっかり話してくれる子どもがいたら、取材及び報道の必要性を肯定する判断になるのはうなずける。ただ今回の事件を契機に、改めてこの問題を考えてみることが重要だと思う」と呼びかける意見が出されました。その結果、「討論」に進むことはありませんでした。

中高生モニター報告について

7月のテーマは「最近聴いたラジオ番組について」で、合わせて21番組について報告がありました。複数のモニターが取り上げたのは『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)、『福山雅治 福のラジオ』(エフエム東京)、『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)で、「楽屋で話しているようなゆるいおしゃべりがとても新鮮だった」などの感想が寄せられました。
「自由記述」では、普段あまりラジオを聴かないというモニターから「自然にいろいろなジャンルの曲が耳に入ってくるので音楽の幅が広がった」、「野球をラジオで聴くと頭の中で局面を想像でき、一味違う楽しみ方があった」などの声が届いています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『アイ・アム・冒険少年 2時間SP』(TBSテレビ)、『ニュー試』(NHK Eテレ)、『チャリキシャ!~走ってみたいグルっとMAP~』(テレビ大阪)、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)に複数のモニターから感想が寄せられました。

◆モニター報告より◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 『アナウンサー百年百話』(NHKラジオ第2)

    Jリーグが開幕したときにアナウンサーはどのように実況し、これまでの30年でどのように変化してきたのかが分かって面白かった。現役のアナウンサーが、「熱い試合で何を言ったか覚えていない」というエピソードを話していた。映像がないからこそさまざまな想像ができて面白かった。(高校1年・男子・群馬)

  • 『Top of the Morning』(LOVE FM)

    今はサブスクやYouTubeなども音楽を聴くことができますが、火曜日限定のレコードのコーナーではあえてレコードが紹介されています。私はレコードが家になくテレビなどでしか見たことがないので、紹介やその曲がとても新鮮でした。レコードは昔のものだと思いがちですが、レコードにはレコードの良さがあることに気づけました。音楽をゆっくり楽しんだり古い名曲に親しんだりするところがラジオにもぴったりの魅力だと思いました。(中学3年・女子・福岡)

  • 『ショウアップナイター プロ野球フレッシュオールスターゲーム』(ニッポン放送)

    フレッシュオールスターはおもに期待の若手中心に選手が出場しているため、将来を想像しながら聴くことが出来た。声だけで局面などがすべて理解でき、分かりやすかった。少し声のテンポが早いと追いつかないところがあった。ある程度細かいところも説明していて、テレビを見ていなくても同じくらい分かりやすかった。(中学3年・男子・神奈川)

  • 『ジェーン・スー 生活は踊る』(TBSラジオ)

    自分もお便りを送ろうと思うがうまく文章が書けないのに、常連のリスナーさんは文章が上手だなと改めて思った。普段は“ながら”で聴いているが、じっくり聴いているととてもいいことを言っていたので、ときどき真剣に聴くのもいいなと思った。(高校2年・女子・東京)

  • 『福山雅治 福のラジオ』(エフエム東京)
    • (福山さん主演の)ドラマの裏話を聞くことができたり、(共演者の)永瀬廉さんのモノマネをしたりしていたのが面白く、とても楽しく聴くことができました。さまざまなトークを通して出演者の知らない一面も知ることができ、新鮮でよかったです。ラジオはトークと音楽が中心になりますが、寄せられた質問をもとに貴重な話や面白い話をしていてラジオの良さがよく伝わりました。(中学2年・女子・愛知)
    • 番組全体としては、視聴者からのメールを紹介してその内容をきっかけにトークをする展開で、年の功なのかどんなメールでもそれなりにトークができるのはさすがだなと思いました。ただ「ファンクラブに入っていないと・・」と、入会の勧誘が多いように感じました。(高校3年・女子・京都)
  • 『なにわ男子の初心ラジ!』(ニッポン放送)

    メンバーとスタッフさんの仲の良さがとても伝わってきてほのぼのした平和なラジオだと感じた。一番好きなコーナーは、最後の「5年後のわたしへ」だ。自分と同年代の人の5年後の未来への手紙を聞き、目標を立てて夢に向かって頑張ってみようという気持ちにさせてくれた。(中学2年・女子・東京)

  • 『マイあさ!「健康ライフ」』(NHKラジオ第1)

    身近に感じる疑問をインターネットで調べるよりも正確に、子どもにも分かりやすいように説明していました。司会者の声は高めでとても聴きやすく耳に入りました。(中学1年・女子・千葉)

  • 『レコレール』(FM福井)

    リスナーの方と一緒に番組をやっているという感じがあり、とてもよかった。みんなが共感できる内容や、えー!そうなんだ!と思う内容のどちらも詰め込まれていて、聞いていて全然飽きなかった。これを機にこれからラジオを聞いてみたいと思った。(中学2年・女子・福井)

  • 『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)
    • ほぼ毎週(この)番組名やトーク中に出た単語がトレンド入りしていて、ラジオだけでなくSNSでもかなり盛り上がっている。パーソナリティーがアイドルで生放送というのがこの番組の特徴であり、SNSを通してトークの面白さが伝わり人気につながっているのかなと思いました。(高校1年・女子・茨城)
    • まるで楽屋で話しているかのような終着点が見えないゆるいおしゃべりがとても新鮮だった。ちゃんと会話の内容が面白いし、テレビではなかなか聞けないジャニーズのプライベートトークを聴けるのが面白かった。(高校2年・女子・愛知)
  • 『My Humming Time』(ラジオNIKKEI第2)

    普段はテレビやスマホなど視覚で理解することが多いものをよく使っている。しかしラジオのように聴覚だけで理解するものを使ってみると、視覚化できるものが無かったため理解に時間がかかった。だが自分で情景をたくさん想像することができた。今回は外国の湖の話だったため、湖のある場所を思い浮かべながら聴いたり、湖はどうして小さくなっているのかな?と原因を考えたりした。テレビやスマホなら実際の写真やイラストを見て理解するだけだっただろう。ラジオは想像力が豊かになるとても良い方法だなと思った。(高校1年・女子・北海道)

  • 『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(J-WAVE)

    この番組は聴いているだけで時間の流れを感じることができ、まさに聴くだけで一つの「旅」だと感じる。またゆっくりとした時間の流れは自分を見直すことにつながり、新しい気づきを与えてくれた。(高校2年・男子・東京)

  • 『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)
    • この番組を聴いて「ラジオって意外と難しくなく、飽きないしすごく面白いな」と思いました。とくにリスナーのお便りがラジオパーソナリティーの人たちによってどんどん深まり面白くなっていく感じが聴いていてすごく楽しくて好きでした。自分で音楽を選ぶと好きな曲だけに偏ってしまいがちだけど、ラジオだと自然にいろいろなジャンルの曲が耳に入ってくるので音楽の幅が広がりました。(中学2年・女子・栃木県)
    • YouTubeやポッドキャストなど最近の流行りに合わせた聴き方をすることができ、昔のものや名作も聴くことができてうれしいです。せっかく魅力がつまった番組なので、CMやYouTubeショートなどを活用するともっと魅力が伝わると思います。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『正司紗千の夕暮れチョコレート』(山形放送)

    何気ない山形の話(地元トーク)や、元気の出る曲で前向きになれました。とくに番組が始まるときのピアノのオープニングメロディーは頭から離れません。ぜひ山形に来たら聴いてほしいと思います。(高校2年・男子・山形)

  • 『サカナクション・山口一郎~Night Fishing Radio~』(NHK FM)

    パーソナリティーの山口さんが自分の言葉で作品やアーティストについて解説してくれるのだが、毎回その言葉に納得させられている。感覚として音を楽しむに過ぎない私だが、山口さんはその感覚を言語化してくれる。だからなぜ良いのか、なぜすごいのかがより明確となる。毎回私にとっては知らないアーティストが登場するのだが、私にも山口さんの解説は的確でしっくりくる。だからよく聴いているラジオ番組です。(中学1年・女子・福岡)

  • 『TALK ABOUT』、『荻上キチ・Session』(いずれもTBSラジオ)

    ラジオはテレビと異なり「見る」でなく「聴く」なので、作業しながらでも聴くことができると思いました。初めてニュース以外のラジオを聴きましたが、面白かったので別のジャンルも聴いてみたいと思いました。(高校2年・女子・東京)

  • 『大窪シゲキの9ジラジ』(広島FM)

    この番組のパーソナリティーは日々県内各地の学校の取材をしているが、それは無償で行っている。現在、若者のラジオ離れどころかそもそものリスナーが減っているなか、このような取材と番組制作はリスナーの増加につながっていくと思う。ほかの局でも若い世代のリスナー獲得のためにこのような思い切った番組制作をしてほしい。(中学3年・女子・広島)

  • 『森谷佳奈のはきださNights!』(山陰放送)

    BSSのイベント案などをリスナーさんたちと一緒に考えたり丸投げしていたりするところが、パーソナリティーの人とリスナーさんたちがつながっているなと感じました。姿が見えないラジオだからこそ、声だけで状況が把握できるよう詳しく説明してくれるのがラジオの魅力だなと思いました。(中学1年・女子・島根)

  • 『アルコ&ピース D.C.GARAGE』(TBSラジオ)

    何年も毎週欠かさず聴いているお気に入りの番組です。自分がラジオにのめりこむきっかけになった番組であり、安定して毎週大笑いできる唯一の番組です。個人的には作家の笑い声も丁度よくてコーナーもクオリティが高く、全てが無駄でできた無駄が一切ないラジオだと思っています。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『乃木坂46の「の」』(文化放送)

    普段は見えない意外な一面がたくさんあって「素」の話を聴くことができてよかった。メジャーな曲ではなくマイナーな曲も流していたのでよかった。(高校3年・男子・千葉)

  • 『SDGs学部 ミライコード』(エフエム東京)

    番組で教授が訴えていたのは「同じ地球の同じ仲間たち」ということを考えなければならない、他人事と考えた時点でその問題は解決しないということです。自分はニュースなどで報道されている内容は自分からはほど遠いものだと思っていましたが、地球という視点から考えると自分にとって身近なものなのだなと思いました。(中学2年・男子・埼玉)

【自由記述】

  • 野球はテレビ(で見る)しか楽しくないと思っていたが、ラジオで聴くと新鮮で意外と分かりやすかった。頭の中で局面を想像でき一味違う楽しみ方があった。(中学3年・男子・神奈川)

  • ラジオは映像がないので最近の若者はつまらないと思っているようだが、想像力が培われるのでとてもいいと思う。(高校2年・女子・東京)

  • これを機にスマホにラジオを聴くことができるアプリをインストールした。アプリから番組表を見て驚いたのはテレビであまり見ない人がメインの番組が「人気番組」や「急上昇」に挙がっていたことだ。テレビは万人受けするようたくさんの人に向けて放送される番組が多い印象だが、ラジオは「この人が出ているから聴く!」というその番組を聴く目的を持った視聴者がしっかり楽しめる番組をつくることがメインなのだと思った。自分の好みの番組を探してみたいと思う。(高校2年・女子・愛知)

  • 最近、テレビのニュース番組などで「若者はテレビ離れで何でもネットで情報を入手しており、それは危険だ」というコメントがなされるが、高い割合でなくても若い視聴者がいることを忘れないでほしい。そしてそれを踏まえた上での心あるコメントをしてほしい。(中学3年・女子・広島)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『ニュー試』(NHK Eテレ)
    • 国によっていろいろな入試の方法があり、日本とは全然違うところが多く
      とても難しかったです。日本も年々入試の方法が変わるので勉強になりました。(高校1年・女子・京都)
    • ハーバード大学の問題から、これからさらに変化し続ける社会との向き合い方や考え方を学べた。またリーダーの在り方についても知ることができ、自分の立場と置きかえて考えることができた。(中学3年・女子・広島)
  • 『やまがたZIP!「夢はかなえるもの~新米教師と校長先生の物語~』(山形放送)

    15分という短い番組でしたが、見ごたえがあって面白かった。校長先生の教育に対する熱量が伝わってきた。いかにして生徒との距離を縮めてよい関係を築くかを考えていて、校長先生面談などはいいと思った。インスタに毎日投稿していて保護者の人も学校の様子を見られるのがすてきだと思った。(高校2年・男子・山形)

◆委員のコメント◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(J-WAVE)という番組を評価する感想があり、実際に聴いてみてとても面白い番組だった。パーソナリティーが低音で淡々と語り音楽をゆっくり紹介していく真夜中の番組のようで、私自身も引き込まれた。

  • 『大窪シゲキの9ジラジ』(広島FM)という地元の中高生を応援する番組の感想を読み、このようなローカル番組があるのだなと新鮮だった。自分のメッセージが読まれたりリクエスト曲がかかったりすることは本格的なラジオリスナーへの道につながるので、リスナーを増やすためにもこのような切り口はよいのではないか。

  • トレンド入りした“芸誕生日”という言葉が気になり『SixTONESのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)を視聴したというモニターが、SNSを通してトークの面白さが伝わっているのだろうと書いていた。注目を浴びる人たちが生放送で出演し、まさにSNSとリンクしながらいろいろな相乗効果を呼ぶのは今どきのラジオ放送の在り方なのだろうと思った。

  • 特定のラジオ局一筋で聴いているという感想があったが、せっかくなのでいろいろな番組を聴いてみるといいのではないか。自分も若いとき、たくさんの深夜番組のなかから曜日ごとにハシゴをして聴いていたが、それぞれの違いや特徴が分かって面白かった。そういう聴き方のなかから自分に合う番組がもっと見つかるかもしれない。

  • 全体的にラジオを聴き慣れていないというか、新鮮な感想が多かった。メジャーな曲ではなくマイナーな曲を流していてよかったという感想もあったが、たまにラジオを聴くとそのように新鮮に受け止めてもらえる。だが、サブスク全盛の時代にそれがラジオに定着するきっかけになるかどうかは、少し難しいのかなと思った。

【自由記述について】

  • 新しいドラマやアニメを見ているが、なぜ再放送があるのか疑問だという声があった。サブスクが当たり前の時代、アプリやサイトで前の番組を見られるのになぜ再放送が必要なのかという若い世代の新鮮な感想だった。

  • 仕事に焦点を当てた番組が面白いという複数の感想があった。若い人たちは、職業を選ぶなど何か将来の勉強や参考になるようなところに注目するのだろう。青少年向け番組の中で職業を楽しく紹介するのは一つの在り方かもしれないと思う。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)への感想が多かった。この番組は、多様な子どもたちがたくさん登場し、誰一人同じ子どもはいない。それこそ多様性の象徴のようで、いじめも起きないしうまくできた番組だなと思いながら感想を読んだ。

  • 『ちびまる子ちゃん』に、「懐かしかった」「昔から変わっていなくて安心した」という感想があったが、なかなか複雑な感想だと思った。確かに見れば楽しめるけれど、普段は見るきっかけがないのでおすすめされないとなかなか見てくれないのではないか、とも思えた。いい番組でも中高生に普段から見る習慣を持ってもらうのはなかなか難しいのだろうかと考えさせられた。

今後の予定について

石川県金沢地区の放送局との意見交換会を11月22日(水)に金沢市で開催することを確認しました。
8月の定例委員会は休会とし、次回は9月26日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で開催します。

以上

第258回 放送と青少年に関する委員会

第258回-2023年6月

視聴者からの意見について… など

2023年6月23日、第258回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、5月後半から6月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見の中から、バラエティー番組のドッキリ企画などについて意見を交わしましたが、「討論」に進むことはありませんでした。
6月の中高生モニターリポートのテーマは、「最近見たドラマについて」でした。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年6月23日(金) 午後4時00分~午後6時00分
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

5月後半から6月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
バラエティー番組のドッキリ企画で、プロの女子バレーボール選手が自陣の前衛にいる男性タレントの後頭部にサーブの球を当てたことについて、「手加減していたかもしれないが、非常に危険だと思う。子どもが学校で真似たら大変なことになる」などの視聴者意見がありました。
担当委員は「背中に当てるはずが、2回、頭に当ててしまった。確かに『危ないな』とは思うし、ほめられたものではないが、委員会で取り上げるまでではないだろう」と述べるなど、「討論」に進むことはありませんでした。
また、大手芸能事務所の創業者(故人)による男児の所属タレントへの性加害の問題が長らく報道されなかったことについて視聴者意見が多く寄せられましたが、担当委員は「放送局全体の信頼を考えたときに、今後の対応が大きな課題になる」という見方を示しました。別の委員は「子ども自身に男児の性被害の知識がなく、被害を自覚できないケースもあり、教育現場で教えていかなければならないだろう」と指摘しました。子ども番組の監修者を務めたことのある委員は「番組制作において、徐々に、包括的な性教育の一環として、『男女を問わず体のプライベートなゾーンは他人に触らせない』『嫌なことは嫌と言っていい』などをベースにされるようになってきている」などの説明がありました。全体として意見が出尽くし、「討論」に進むことはありませんでした。

中高生モニター報告について

6月のテーマは「最近見たドラマについて①」で、25人から合わせて17番組(うちラジオ1番組)への報告がありました。およそ半数のモニターが録画または見逃し配信で視聴していました。
「自由記述」では「SNSで番組の予告を投稿してくれるので、興味を持つ機会が増える」などの意見が届いています。
「青少年へのおすすめ番組」では『偉人の年収 How much?』(NHK Eテレ)を最も多い8人が取り上げ、「使命感や達成感が偉人を動かしたことが分かり、人生における価値観を考えさせられた」などの感想が寄せられています。

◆モニター報告より◆

【最近見たドラマについて】

  • 『だが、情熱はある』(日本テレビ)
    • (オードリーの若林さんと南海キャンディーズの山里さんの)2人がどういう道のりで芸人になり、芸人として売れるためにどういう努力をしてきたかを交互に映して対比しているのが面白い点だと思います。そうすることで2人の努力の相違点や共通点を分かりやすく知ることができ、とても関心を持てたし応援したくなりました。(中学2年・女子・愛知)

    • とにかく俳優さんの演技が素晴らしく、漫才のシーンは漫才として笑ってしまったくらい同じ空間に引き込まれました。現役のお笑い芸人さんが色々な役で出演していて、キャスティングや細かいところまで芸人さんへのリスペクトが伝わってきます。今、若い人は作り込まれていないドラマを求める傾向があり、台本が本当にあるのかと思わせられるようなこのドラマは、俳優さんはもちろんスタッフさん全員が同じ意思をもって作品を届けていることが伝わってきます。(高校3年・女子・北海道)

  • 『ラストマン-全盲の捜査官‐』(TBSテレビ)
    • 主人公のFBI 捜査官が日本に来て事件の捜査をするということ自体、今までにはないような設定で斬新で面白いなと思いました。作り手がどのような思いで作っているのかを考えながら見てみると、今までと違った視点でドラマを見ることができ、面白かったです。(中学3年・男子・広島)

    • 私はまだSNSをやっていないが、いつかSNSを始めたときに誰かを傷つけてしまったり傷ついたりするかもしれないので、すごく気をつけていきたいと思った。(中学2年・女子・東京)

  • 『わたしのお嫁くん』(フジテレビ)

    このドラマはコミカルでマンガのような展開でおもしろく、現実ではありえないキャラやストーリーが痛快だ。取り上げているテーマは、従来は女性が家事で男性が仕事という既成概念をくつがえす社会派なものである。男女の役割が逆転しているからおもしろいテーマになりうるのだが、これは今までの日本社会が男女の役割を固定しすぎていたからこそ新鮮に映るのだと思う。私が大人になるころには主夫も増え、このテーマはおもしろい題材にならないかもしれない。(中学1年・女子・福岡)

  • 『FMシアター「桜は、散らない」』(NHK-FM)

    FMシアターは毎回とても物語に引き込まれます。今回の物語は高校生の話でしたが、演劇部の2人は苦しい状況でも逆風に負けずに頑張っていて、くじけないことの大切さを学びました。自分もこんな情熱的な高校生活を送りたいと思いました。(高校1年・男子・群馬)

  • 『月読くんの禁断お夜食』(テレビ朝日)

    いろいろなことで悩んでいるときにこのドラマを見ると、そよぎさんみたいに頑張るぞ!と思えます。ドラマのなかで出てくる料理はどれも美味しそうなので、放送局でサイトを作っていつでも見られるようにしておくといいのではないかと思います。(中学1年・女子・島根)

  • 『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ)

    知的財産といってもたくさんの種類があることに驚いた。ドラマのなかで出てきたことばなどをすぐに公式ツイッターアカウントで説明してくれるため、理解しながら視聴することができた。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『墜落JKと廃人教師』(毎日放送)

    自殺という重いシーンから始まるのですが、テンポ感やコメディ要素によって最後まで明るい気持ちで見ることができました。自殺がテーマの作品は、“自殺はいけない”“悲しむ人がいるからダメ”といった、いかにも道徳という感じのものが多いと思うのですが、この作品は“1日ぐらい遅らせてもいいじゃないか”“なにかやり切ってからでもいい”といったように一概に自殺を止めるような道徳の授業感がなく、逆に心に響きやすいと思いました。(高校1年・女子・茨城)

  • 『ペンディングトレイン』(TBSテレビ)
    • このドラマについてたくさんの人が次の回や今後の考察をしたり、ツイッターに考察を載せていたりする。このように日本全国でネットを通して盛り上がるドラマはいいなと思った。島などで大がかりな撮影をしているので、6ヵ月ぐらい放送してもいいのではないかと思います。(高校1年・女子・北海道)

    • それまで無人島のような場所で過ごしてきた(ワープした電車の)乗客たちは、現代に戻ってお店でご飯を食べたり、家で生活したりすることに感動していました。当たり前のことだと思っていても、決してそれが普通だと思ってダラダラしてはいけないと考えさせられました。ワープすることは実際にはないかもしれないですが、ネットの恐ろしさは実際のものだと思います。日々の生活に感謝し、ネットには気をつけたいと思いました。(中学3年・女子・福岡)

  • 『風間公親 教場0』(フジテレビ)

    木村拓哉さん演じる指導員が、指導される刑事に見切りをつけようとするときに交番勤務になってもらう旨のことを言っていますが、実際に交番勤務の警察官はいい気分ではないだろうなあと思います。刑事になれずに交番勤務をしていると視聴者が勘違いしないだろうか、と思いました。(高校3年・女子・京都)

  • 『王様に捧ぐ薬指』(TBSテレビ)

    悩みながらも誠実な姿を見せて2人で乗り越えるなかで、2人の間柄がさらに良くなっていくのがこのドラマを見る中で1番の喜びだ。幸せな感情と緊迫な瞬間がハイスピードで入れ替わり、忙しすぎて目が離せない。退屈しない展開が繰り広げられているのが見ていてとても楽しい。(高校2年・女子・愛知)

【自由記述】

  • 最近ドラマやバラエティー番組がYouTubeやツイッターなどのSNSで予告やオフショットを投稿していて、若い人が興味を持つ機会が増えるのでとても良いなと思います。(高校1年・女子・茨城)

  • 情報番組で画面の隅のほうに視聴者の声としてつぶやかれたコメントが流れることがありますが、あれは何のためにあるのでしょうか。つぶやく意味が分からず、気になります。(高校2年・男子・山形)

  • 初めてラジオドラマを聴きました。本と同じような感じかなと思っていましたが、まったくそんなことはなく本当に面白かったです。想像力を働かせることができるからです。ラジオドラマのよさをみんなに知ってほしいと思いました。(中学3年・女子・滋賀)

  • 中学生のときよりリアルタイムでテレビを見る時間が減った。通学や授業・部活の時間が長くなり、(帰宅後も)あっという間にゴールデンタイムが終わってしまう。そこで最近はTVerなどの見逃し配信をよく活用している。ここ2~3年で無料配信の番組量が増え、より便利になったのがとてもありがたい。週1回の番組を2話連続で見られると前回の内容を思い出したいときにもう1回見ることができるので、1週間の見逃し配信期間を10日や2週間に延ばしてもらえたらさらにうれしい。(高校2年・女子・愛知)

  • テレビの番組は視聴率で評価されていますが、TVerなどで見逃し配信されており、私もクラブで定時に見られなかった番組は見逃し配信を利用しています。見逃し配信は視聴率には含まれないと思うので、視聴率で番組を評価するのはおかしいのではないかと思います。(高校3年・女子・京都)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『偉人の年収 How much?』(NHK Eテレ)
    • 一般的に偉人についてはその人が何をしたかとか、その人が生きてきた歴史をひも解くことが普通だが、偉人の年収というお金から半生を知るのは新しいと思いました。その時代のお金を現代風に例えることで分かりやすくなるのも良いと思いました。(高校2年・女子・東京)
    • 伊能忠敬の人生と偉業について年収をキーワードに深く知ることができた。歴史に残る偉業を成し遂げたのに対して年収は低くて驚いた。お金には換算できない使命感や達成感が動かしたのだと思った。人生における価値観を考えさせられた。今と当時を中継しているようなコントめいた演出がおもしろかった。(中学1年・女子・福岡)
    • 番組名にある年収(を伝えること)が目的ではなく、歴史の教科書だけでは収まらないこまかい知識や新しい考え方を学べるとてもよい番組だった。(高校2年・男子・山形)
  • 『LOVE HOKKAIDO』(北海道テレビ)

    ひとつの観光地を取り上げるのではなく、現地のいいところや人とのつながりを紹介していて大好きな北海道の魅力が伝わってうれしいです。アジアを中心に海外でも放送され、番組のホームページも英語や中国語表記に対応していることを知り、グローバルなとても良い取り組みだと思いました。(高校3年・女子・北海道)

  • 『日本に憧れ日本に学ぶ~スティーブ・ジョブズものづくりの原点~』(NHK BS1)

    スティーブ・ジョブズやアップル製品と日本の文化の意外な関係性が分かって驚いた。この番組を見て、日本の陶器などの技術をさらに知りたくなった。(中学3年・女子・広島)

  • 『サザエさん』(フジテレビ)

    タラちゃんの声優さんが変わってしまったので、まだ少し違和感がありました。番外編(知り合ったわけや家族関係)をやってほしいです。(中学1年・女子・千葉)

  • 『高校生のじかん』(九州朝日放送)

    早口言葉という身近な話題が番組になっていて新鮮だった。年代が近いこともあって共感しやすく、テレビ離れが進む若者にも理解を得られすい番組だと思った。(中学2年・男子・東京)

◆委員のコメント◆

【最近見たドラマについて】

  • 『わたしのお嫁くん』という番組に対して『社会が男女の役割を固定しすぎていたからこそ新鮮に映る番組だ』という感想があった。男女の役割についての考え方は、数十年前から比べるとかなり変わってきたと思っていたが、中学生には今も変わらずに固定観念があると映っているのだと思い、考えさせられる意見だった。

  • SNSに潜むリスクの面に言及したモニターが多かったが、SNSの問題は子どもたちも日ごろ向き合っている切実な問題なのだと改めて思った。

  • 自殺を扱ったドラマについて「道徳っぽさがなく心に響いた」という感想があり、考えさせられた。自死に関する報道でいえば、日本の放送局は免罪符的に相談窓口を一律に紹介するが、それによって憶測を呼び、いたずら電話で窓口がパンク状態になるというデメリットのほうが大きくなっている。一律にやるのではなく、よく考える必要があると思う。

【自由記述について】

  • 番組の放送中、なぜ画面に視聴者のつぶやきを流すのかという意見があった。番組としては双方向性を意識しているのかもしれないが、他人の意見が次々と入ってくると自分の考えが左右されそうになることもあり、そういうところが気になる若い人もいるのだろう。

  • 「週1回の番組を2話連続で見られるよう見逃し配信期間を延ばしてほしい」という声があった。放送局側の事情があって難しいだろうが、前編・後編があれば一気に見たいという気持ちは分かるし、いわゆるサブスクに親しんだ世代にはとくにそうした要望はあると思う。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • サザエさんの番外編の放送を望む声があった。かつて番外編を見た記憶があるが、確かに今の中学生にサザエさん一家の人間関係はすぐ理解できないかもしれないので、改めて番外編を放送すれば興味を持たれるかもしれないと思った。

今後の予定について

次回は7月25日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

第257回 放送と青少年に関する委員会

第257回-2023年5月

「幼稚園児のかくれんぼのドッキリ企画」についての「討論」など

2023年5 月23日、第257回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ7人の委員が出席しました。
委員会では、先月議論された「幼稚園児のかくれんぼのドッキリ企画」についての「討論」が行われました。
4月後半から5月前半までの約1か月の間に寄せられた視聴者意見の中では、バラエティー番組で挿入された、性的虐待と見られかねない映像について議論しました。
5月の中高生モニターリポートのテーマは、「最近見たニュース・報道・情報番組について」でした。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年5月23日(火) 午後4時00分~午後6時00分
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
「幼稚園児のかくれんぼのドッキリ企画」についての「討論」
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

「幼稚園児のかくれんぼのドッキリ企画」についての「討論」

委員会では、先月議論された「バラエティー番組の中で、実在の幼稚園でかくれんぼをした際、隠れた園児が見ず知らずの子どもに入れ替わって、鬼役の子どもを困惑させたドッキリ企画」に関して、放送局側が番組制作のプロセスや放送後と今後の対応について説明した文書をもとに「討論」が行われました。
委員から、「委員会の質問に対して非常に詳細に答えてあり、誠実に対応してもらった」と評価する意見や、「子どもの心理問題に関わる者にとって、子どもに対して心理実験的なことはできないというのが常識である、むしろ番組制作に積極的に協力した幼稚園側の対応に驚きを感じた」との指摘がありました。別の委員は「番組制作の過程で、誰からも『この企画は大丈夫か』という疑問が呈されなかったことが不思議に思えるし、今後の課題だろう」とした上で、「『(子どもの発達段階の)専門家のもとで学ぶ機会を設ける』という局側の説明が今後のポイントになる」と述べるなど意見が出尽くしたところで、「討論」は今回で終了となりました。

視聴者からの意見について

4月後半から5月前半までの約1か月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
バラエティー番組の企画の中で、家族がスマートフォンで撮影したパジャマ姿の父親が娘にまとわりつく映像を放送したところ、視聴者から「性的虐待としか言えない映像だ」「気持ち悪い、見なければよかったと感じた」などの意見が寄せられました。
担当委員は「親子だから許されるという受け止め方をされるのは、どうかと思う」と述べ、別の委員は「娘といっても今回は19歳(の成人)だが、日本では子どもに対する性的な関わりが大目に見てこられた背景がある」と指摘し、「そろそろユニバーサル・スタンダード(世界標準)で考える必要があり、その観点からは課題のある映像だろう」という見方を示しました。
しかし、約1か月遅れの東京地区での放送では、放送局側が当該映像部分を削除したことを踏まえて、「削除の経緯は不明であるが、局側が適切に対応したのだろうと理解する」という声も出されました。
これらを受けて、「性的虐待と見られかねない映像には、もう少し鋭敏な意識をもって番組制作にあたるべきだ」ということを総括として議論は打ち切られ、「討論」に進むことはありませんでした。

中高生モニター報告について

5月のテーマは「最近見たニュース・報道・情報番組について」でした。いくつかの番組を比較したモニターも多く、「マイナンバーをめぐるトラブルのニュースはもっと詳しく説明するべきだ」、「地震直後の報道について考える必要があると思う」などの意見が寄せられました。
「自由記述」では「テレビとラジオがタッグを組んでそれぞれの魅力を発信したらいいのではないか」、「街頭でのインタビューは幅広い年齢層に聞いてほしい」といった声が届いています。
「青少年へのおすすめ番組」では『君の声が聴きたい-“考える”を始める-』(NHK総合)、『THE DANCE DAY』(日本テレビ)、『沼にハマって聞いてみた』(NHK Eテレ)などに複数のモニターから感想が寄せられました。

◆モニター報告より◆

【最近見たニュース・報道・情報番組について】

  • 『朝メシまで。ゴールデンSP』(テレビ朝日)

    新幹線のレール作業員の取材ではふだん見られない場所に密着していて興味をひかれる内容だった。効果音も効いていてドラマのような感覚で見ることができた。緊迫感も映像で表現されていて良いと思った。(中学2年・男子・埼玉)

  • 『放送ワイド 記者の力』(テレビ西日本)

    毎回キャスターの川崎健太さんが現場へ出向いて生の声を取材するコーナーがある。非常に新鮮で、具体的で身近な現象としてダイレクトに伝わる。(中学1年・女子・福岡)

  • 『THE TIME』(TBSテレビ)

    野球では試合の珍プレーや話題の人などいろいろな情報を伝えていて、スポーツの取り上げ方がいいと思いました。関心度別にニュースを紹介するコーナーで視聴者の意見があるのはいいのですが、意見の年代が偏っていたり専門家の意見がなかったりするのは気になりました。(中学2年・女子・栃木)

  • 『ラヴィット!』(TBSテレビ)

    とても面白く、一日が楽しくなりそうでがんばれそうだった。番組を面白くしよう、自分が楽しもうと全力で取り組んでいる姿勢がとてもいいと思った。それぞれが自分の役割を認識していて構成も良かった。(中学2年・女子・福井)

  • 『news zero』(日本テレビ)
    • マイナンバーをめぐるトラブルのニュースは報道時間も短く簡単にまとめられていましたが、このニュースこそ国民への影響が大きいため時間を掛けて詳しく説明するべきだと思います。自分のマイナンバーカードの情報を「マイナポータル」で確認できますと軽く流されているように感じました。(高校3年・女子・京都)

    • 連続放火事件について上空からの映像を使っていて分かりやすかった。(芸能事務所の創設者による)性加害について情報を隠すことなく丁寧に説明をしていいと思った。(高校3年・男子・千葉)

  • 『news zero』(日本テレビ)、『news23』(TBSテレビ)

    本人が亡くなり本当はどうだったのか詳しく分からないなかでの性加害の報道は世の中の人を混乱させてしまうのではないかと思う。でも性加害はあってはならないことなので、これから被害者を減らしていくためにも対策を立てる必要があると考える。未成年者が打ち明けにくい理由を専門の人が解説したり街頭インタビューで一般の人の意見も取り入れたりして自分と違う意見を聞くことができて良かった。それぞれ同じことを報道していても少しずつ報道の仕方が違ったり見出しが違ったりしたのが印象的だった。(中学2年・女子・東京)

  • 『よんチャンTV』(毎日放送)

    とくに好きなのはJR大阪駅から道に迷っている人を目的地まで案内するコーナーです。毎回、個性あふれる人が案内されるのがおもしろいです。(高校1年・女子・京都)

  • 『イチモニ!』(北海道テレビ)

    カヌレ専門店について食リポをする際、何人かの女性アナウンサーが一緒に試食することになった。それぞれ違う種類のカヌレの味を伝えていたため1人がリポートするより視聴者は飽きずに見られ、偏りなく感想を伝えるメリットがあったのではないかと思う。(高校1年・女子・北海道)

  • 『どさんこワイド』(札幌テレビ)、『イチオシ』(北海道テレビ)、『報道ステーション』(テレビ朝日)

    今回の熊の事故も、人が襲われるという事例が出てから全国ニュースでも対策が報じられた。私は事故や事件が起きる前に対策を知ってもらうべきではないかと考える。日々さまざまな観点から、起きそうな事故や事件を例に挙げて対策を考えていくコーナーを作ってはどうかと思う。視聴者からリアルタイムで意見を募集して全国で共有しあってもいいと思う。(高校1年・女子・北海道)

  • ≪地震発生時の各局の報道対応について≫ (7番組を視聴)

    災害発生直後の報道について各局考える必要があると思う。番組中、新着情報がなく同じ情報を繰り返している。被災地にいる人への電話取材は、見ていて不快になるものがあった。大変な中で取材を受けてくれている方に対して誠意を感じられないアナウンサーやキャスターもいた。決まっていることを一方的に聞くだけや何度も同じことを聞くのはどうなのかと思う。(高校3年・女子・北海道)

【自由記述】

  • 友達はラジオどころかテレビすらほとんど見ないと言っていて、とても驚きショックだった。このままではどんなに良い番組を作っても聴いてくれる人や見てくれる人がいなくなるのではないかと不安になった。だからこそラジオとテレビでタッグを組んでそれぞれの魅力を発信したらいいと思う。(中学3年・男子・広島)

  • 週に1回くらい、いろいろなテレビ局が合体してニュースをやると面白いと思いました。(中学1年・女子・千葉)

  • 街の人へのインタビューなどで特定の年齢へのインタビューが集中しているように思うので、幅広い年齢層にインタビューをしてほしい。(中学3年・女子・広島)

  • 今年度から放送しているNHKラジオの夕方の時間帯の朗読番組が、夕方の落ち着きたくなる気分に合っていてとても良いのでぜひ続けてほしい。(中学2年・男子・東京)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『沼にハマってきいてみた』(NHK総合)
    • 物理部と原宿通いに密着していた。デコラファッションの存在は知ってはいたが、そのファッションによって人とのつながりが生まれていることに驚いた。沼にハマるほどハマったり好きになったりするものがあまりないので、1つのことを極められる人を改めてすごいと思った。(中学2年・女子・東京)
    • 好きなことを探究してたくさんの人とコミュニケーションを取り、知らなかったことを知って自分の可能性を広げているようで素敵だと思いました。(中学3年・女子・福岡)
    • ことばはなくても共感することでつながれる、好きなものが同じというだけで仲良くなれることを知った。(中学1年・女子・福岡)
  • 『君の声が聴きたい-“考える”を始める-』(NHK総合)
    • 「若者は政治に関心がない」と言われがちだが、そうではなく政治に参加しても声を聴いてくれないから意味がないと思っている若者が多いということだ。私はここにすごく共感した。この番組によって若者の心が少しでもポジティブになったと思う。(高校1年・女子・北海道)

    • 学校や家などいろいろな場面で子どもや若者の幸せを考えてくれていて、とてもうれしい気持ちになりました。子どもや若者の悩みや声には共感できるものが多くありました。そうした悩みを解決するため「違う道もあるよ」という選択肢を広げてくれたので、とても気が楽になったし、世界が広がりました。(中学2年・女子・栃木)

  • 『THE DANCE DAY』(日本テレビ)
    • 出場チームの皆さんの息の合ったダンスには目が離せなくなるほど引き込まれました。自分もできるなら会場に行ってみてみたいなと思いました。(高校3年・男子・神奈川)

    • この大会の面白いところはダンスのジャンルにまったく制限がないところだった。練習風景の映像が流れてきたときには、ゼロから100%までひたすら練習して素晴らしい演技を作りあげていったのだと実感し、すごく心を打たれた。同年代の高校生がとても輝いていたのを見て私ももっと部活頑張ろう!と思わせられた。(高校2年・女子・愛知)

    • ストーリー性のあるダンスが多く、ただステップするのがダンスではないということに気づかされました。そうしたダンスの構成は運動会でも参考にできる部分が多いと思いました。(高校2年・男子・山形)

  • 『かごんま未来ノート』(鹿児島テレビ)

    身近な課題を分かりやすく短くまとめていて良かった。地域の人たちが交流しあうだけでなく町の未来を考える様子は、今までになく新しい取り組みに感じた。番組の主題がはっきりしているところもよかった。(中学2年・男子・東京)

  • 『マジックアワー 天空が魔法にかかるとき』(NHK BS4K)

    日頃じっくり見ることがない空の現象について紹介するのは、空の素晴らしさを改めて知る機会としてよいと思いました。夕焼けはなぜ赤いのかや地球の影についてなど、さまざまな空の現象が起こる理由を説明していたので大変ためになりました。(中学2年・女子・愛知)

◆委員のコメント◆

【最近見たニュース・報道・情報番組について】

  • ニュースを紹介するコーナーの視聴者意見について「年代が偏っていることが気になる」という意見があった。放送で視聴者の意見を盛んに伝える一方で、若い人の中には「自分たちの見方を代表していない」ととらえてほかのメディアへ移ってしまう可能性もあると思った。

  • 地震直後の報道について批判的な視点からの意見が寄せられ、テロップの表示の仕方など具体的な提案もあった。余震のおそれがある発災直後の電話インタビューなどへの指摘は、確かにそうだなと思うところがあった。

  • 若い世代はニュースを主にネットなどで入手しているのかもしれないが、放送番組を比較して見た人たちは、それぞれの番組の視点の違いに素早く気づいたようだ。そうした視点の違いは報道の自由度につながるもので大事なことだと思う。

【自由記述について】

  • 「テレビとラジオでタッグを組んでそれぞれの魅力を発信してはどうか」という提案は、若い世代があまりテレビを見ない、ラジオを聴かないという現状と、一方でそれを危惧する若者がいることをくっきりと見せていて印象的だった。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『マジックアワー 天空が魔法にかかるとき』を見て感動したという感想があった。日の出や日の入りを実際に見たことがない子どもがかなりいるとも聞くが、テレビ番組が「天空を見上げる動機を与える」役割を果たしうるということを感慨深く思った。

今後の予定について

次回は6月23日(金)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開く予定です。

以上

第256回 放送と青少年に関する委員会

第256回-2023年4月

視聴者からの意見について… など

2023年4 月25日、第256回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
まず、3月後半から4月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見では、朝の情報番組の中継企画と、バラエティー番組の幼稚園児を対象にしたドッキリ企画について議論されました。その結果、後者は引き続き次回の委員会で「討論」を進めていくことになりました。
4月の中高生モニターリポートのテーマは、「最近見たバラエティー番組について」でした。
最後に今後の予定について話し合いました。

議事の詳細

日時
2023年4月25日(火) 午後4時00分~午後7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニターについて
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

3月後半から4月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
朝の情報番組の動物園からの中継企画で、男性芸人がフンボルトペンギンに餌をやる際、ペンギンのいる池にわざと複数回落ちたことに対して、視聴者から「番組の司会者は芸人をあおり、スタジオの出演者は笑っていた。ペンギンがけがをしたらどうするつもりなのか」などの意見が寄せられました。担当委員から「番組スタッフと動物園側相互の打合せ不足があったようだ。園側の抗議を受けて番組内で謝罪したし、テレビ局の社長も会見で謝罪した」として、局側が適切に事後対応したという見方が示され、「討論」には至りませんでした。
また、バラエティー番組で、実在の幼稚園で6歳女児と5歳男児をそれぞれ鬼役にしたかくれんぼをした際、隠れた園児が見ず知らずの子ども(子役)に入れ替わり、鬼役の子どもを困惑させるというドッキリ企画に対して、多くの視聴者から「仕掛けられた子どもの表情はとても見ていられなかった。心に傷をつけてしまったかもしれない」などの意見が寄せられました。ある委員は「(鬼役の)子どもは当惑しているようだったし、(その場から離れるために)『お茶を飲んでくる』と言ったのは不安を覚えたからであろう。幼稚園が自分たちの園児が心理的に不安になる経験をさせるようなことを許可したのだろうか」と述べ、別の委員は「鬼役以外の友達の園児も、先生の指示で子役に交代したのだから、演出上とはいえ(鬼役の子を)だますことを強制されたわけだ。この子たちも非常に痛々しく思う」と指摘しました。議論の結果、番組制作者が園児の保護者や幼稚園から番組協力の許諾を得た経緯などについて、引き続き「討論」を進めることになりました。

中高生モニター報告について

今年度の新しい中高生モニターは30人(中学生16人・高校生14人)です。
4月最初のテーマは「最近見たバラエティー番組について①」で、全員から合計26番組への報告が寄せられました。複数のモニターが取り上げたのは『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBSテレビ)、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)です。
視聴方法はリアルタイムと録画がそれぞれ11人で、そのほかは見逃し配信などを利用していました。
モニターには毎月のテーマのほか、放送に関する「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の感想をお願いしています。「自由記述」では「YouTubeよりテレビ派なのでテレビにしかない良さを発信してほしい」、「ラジオの聴き方や面白さをもっとメディア側が発信してほしい」などの声が寄せられています。「青少年へのおすすめ番組」では『解体キングダム』(NHK総合)、『ヴィランの言い分』(NHK Eテレ)、『推しといつまでも』(毎日放送)、『ポケットモンスター』(テレビ東京)、『私小説-発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-』(テレビ朝日)に複数のモニターが感想を寄せています。

◆モニター報告より◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    • 毎週、日朗曜日のこの時間が一番楽しいです。出演者が体当たりで本気で笑いを起こすのはイッテQ!しかできないので、いつも元気をもらいます。(アメリカでの)出川哲朗のはじめてのおつかいは、英語でコミュニケーションする楽しさや必死に伝えようとする姿から、正しい文法でなくても相手に伝わるという勇気を与えてくれるすばらしい企画です。(高校2年・男子・山形)
    • 英語の正確性よりもコミュニケーションをしたい!という気持ちが重要だと分かったし、知らない建物や土地、単語が分かって面白いだけでなく勉強や新たな知識になった。2週に分けてもっとたくさんのスポットを紹介したり、実際に現地のお店で買い物やホテルのチェックインなどにチャレンジしたりするところを放送したら、もっと見たい知りたいと思います。(高校3年・女子・北海道)
  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)

    非常に面白い企画だったが、食べきれなかった物は最終的に捨てられている可能性もあり少し配慮に欠けているのではないかと思った。また、面白い反面で、芸人さんがつらそうでかわいそうだった。(中学3年・男子・神奈川)

  • 『週刊さんまとマツコ』(TBSテレビ)

    毎日のようにテレビで見かけるこの2人のコラボが面白くないはずがなく、常に笑いの絶えない素晴らしい番組だと思いました。ただ個人的には、相手に「お前どうせ〇〇やろ!笑」という決めつけのツッコミをしているのを見ると、この2人に言われたら間違っていても否定できないよね、と思ってしまいます。これからも見続けたいと思います。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『キョコロヒー』(テレビ朝日)

    2人がマイペースでトークをしているのがいい意味で話したいことを話している感じがして、台本通りに進むバラエティー番組とは違ってとても面白いと思った。(高校1年・男子・群馬)

  • 『ミセススクールクエスト』(テレビ朝日)

    有名人が学校に行くのはとても良いことだと思います。企画からしてターゲットは若者のように思えたので、夜中に放送せずに若者が起きている時間に放送すればいいのになと思います。(中学3年・男子・広島)

  • 『グッと!地球便』(読売テレビ)

    この番組に対する第一印象は共感と驚きだ。僕にとって(新しいビジネスに挑戦する)女性が話すことは現実味があり、まるで自分の進むべき道を示されているように感じた。これは決断や選択など物事の岐路に立つたくさんの人々も同じように感じられると思う。(中学1年・男子・東京)

  • 『有吉の壁』(日本テレビ)

    コントの間の時間がないため笑いが途切れることなく楽しむことができました。Twitterなどで話題となっている人を呼んだりするコーナーを作ったら若者の視聴率は上がると思います。北海道などあまりロケを行ったことがない場所でもロケをした方が盛り上がると思います。その地域の一般人も参加してお笑い芸人とコンビを組む新しいコーナーを作ってもいいと思います。生放送でやる回を設け、有吉さんがやっている判定を視聴者がdボタンで投票できる企画を行ったりするのもいいと思います。(高校1年・女子・北海道)

  • 『ジョブチューン』(TBSテレビ)

    この番組のいい点はお店の宣伝効果があることで、一つ一つの商品に対する努力や工夫していることを説明していて私もとてもお寿司が食べたくなった。また大人の努力を見ることができる。大人が一生懸命に考え、仕入れ、商品化して提供していることを知ることができ、その努力がすごく伝わってきた。一方、好んでその商品を食べていた人もいるかもしれないので不合格を出されるのはあまりいい気持ちがしないのではないかと思った。(中学2年・女子・東京)

  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)

    さまざまなトピックについて詳しく説明してくれるので、知っているつもりになっていたことや今まであまり気にしていなかった問題について考えさせられます。また池上さんとのやり取りを見ている中で、私自身も自分なりの解釈や考えを持つことが出来ました。(高校2年・女子・東京)

  • 『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(テレビ朝日)

    芸人は一見ただ笑わせているように見えるが、さまざまなことを裏でしっかりと考えているのだと感じられる。芸人だけでなく、事務所や番組などお笑いに関すること全般を取り上げるのが良いと思う。あまり取り上げられることのない人やテレビの裏方で活躍する人を取り上げるなど、広くバランスよく取材することも意識する必要があると思う。(高校1年・女子・北海道)

  • 『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)

    スタッフさんのツッコミが視聴者の気持ちを代弁していていつも面白いです。ただスタッフさんが手伝っていることには少し疑問があり、それだと1対1でもないような気がするので、2~3人で参加してその人たちだけでやったほうが実力のサバイバル感が出ると思います。(中学3年・女子・福岡)

  • 『巷のアカンをやっつけろ! かまいたちのやりおる学』(NHK総合)

    行動経済学に基づいて人の行動を変える方法を分かりやすく伝えていていいと思った。また普段の生活にも活用できる方法だったので、とてもためになった。難しい言葉にもイラストと短く簡単な説明があったのでテンポよく番組を視聴することができた。(中学3年・女子・広島)

  • 『バナナサンド』(TBSテレビ)

    「あたまおしりゲーム」はお題として最初の文字と終わりの文字が指定され、これに合う言葉の文字数が得点となるルールです。答えは一つではなく、家族で見ていても父母を交えて参加できるので家族で競争しています。このゲームは高校などにロケに出て学生を交えてプレイすると、より盛り上がるのではないかと思いました。(高校3年・女子・京都)

  • 『king&Princeる。』(日本テレビ)

    King&Princeのみなさんの個性を生かした企画が面白く、毎週違うジャンルの企画をしていて勉強にもなります。若い世代だけでなくいろんな世代の方に面白いと思ってもらえる工夫があるという点で、とても素敵な番組だと思います。(中学2年・女子・愛知)

  • 『川島明の芸能界㊙通信簿』(フジテレビ)

    いろいろな芸能人に通信簿をつけるというあまりない番組だったので、とても新鮮で楽しかったです。視聴者や周りの芸能人の視点を取り入れたものも見てみたいなと思いました。(中学2年・女子・栃木)

  • 『オオカミ少年』(TBSテレビ)

    昭和や平成など過去のテレビの映像を見られる機会はほとんどないので、ほかにはあまりない面白い番組でした。最近の番組では、体張る系のロケでは芸能人の安全がしっかり確保され罰ゲームも危険なものが少なくなっていて、昔に比べて誰もが安心して見られる番組へ変化しているのだなと思いました。(高校1年・女子・茨城)

  • 『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBSテレビ)
    • 学校に潜入してサプライズドッキリを仕掛けるという内容だった。特に心に残っているのはターゲットの生徒と目黒蓮のトークの場面だ。その生徒はアルバイト先で耳の不自由なお客さんに出会ったそうだ。そのとき目黒さんが出演していたドラマ「silent」をきっかけに手話を習いたいと思ったそうだ。ドラマやテレビのチカラは偉大だなと思った。(中学3年・女子・山梨)
    • 目黒蓮さんが女子生徒と手話をしているシーンがとてもいいなと思った。誰もが手話をできるような世の中になればいいという話をしていて、そうなると本当にいいなと思った。(高校2年・女子・東京)
  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)
    • 家族みんなで笑いながら見ることができた。少し行き過ぎたドッキリもあったが、大体はとても面白かった。ジップラインから落下するドッキリはちょっと危ないし大丈夫?かわいそうと思った。(中学2年・女子・福井)
    • 全体的に面白く、週末にこの番組を見ると疲れが飛びます。スタジオにいる芸能人をもう少し映してもいいと思う。一般人の家庭を参加させても良いと思う。今流行っている東京リベンジャーズとのコラボで視聴者が増えると思う。(高校3年・男子・千葉)
  • 『冒険少年 超脱出島SP』(TBSテレビ)

    この番組を家族全員で見ているのですが、母が「今度キャンプでも行ってみたいね~」と言っており、家族で楽しくコミュニケーションがとれる良い番組だと思います。(高校2年・男子・山形)

  • 『オールスター感謝祭』(TBSテレビ)

    この番組の面白いところは出題されるクイズが幅広く、スピーディーに進行されるため、見ていて飽きないところだ。頭の良さを試す知識問題ではなく、答えを聞いて驚くようなひっかけ問題や、問題を見るだけで笑えるような芸人さんの面白い個性をうまく使った問題など、ほかのクイズ番組にはないエンターテインメント性にあふれている。家族でこんなに会話が生まれて盛り上がる番組はほかにはあまりないので、次の放送は半年後だがとても楽しみにしている。(高校2年・女子・愛知)

  • 『天才てれびくん』(NHK Eテレ)

    新型コロナウイルス流行期間から作風が変わってしまい、面白くない作りになってきてしまいました。感染防止対策が緩和されてきた今、「天才てれびくん」の面白さも取り戻していってほしいと願うばかりです。(中学2年・男子・埼玉)

  • 『プレバト』(毎日放送)

    笑いを交えて子どもにも分かるように俳句の楽しさや技法を伝えています。とくに講師の夏井いつき先生のコメントが秀逸で、評価の分かれ目など私にも理解できる的確な表現なので、俳句の奥深さについていつも気づかされます。(中学1年・女子・福岡)

  • 『太田上田』(中京テレビ)

    意外な2人のコンビですが、いつものバラエティー番組とは違う一面を見ることができ、5~10分程度の長さなので一本の漫才を見ているように感じ、YouTubeにも多くの動画があるため続けて見ていられる。土日のお昼などに総集編のような放送があるともっと見る人が多くなるのではないかと思います。(中学3年・男子・神奈川)

【自由記述】

  • 朝ドラで少し歴史的な場面も入れてほしいです。子役が上手なので、もう1週間くらい出る場面を増やしてほしいです。アニメ番組をもう少し早い時間にやってほしいです。(中学1年・女子・千葉)

  • 友だちとの会話でテレビやラジオの話題が出ることが少ない。YouTubeなど好きなものを調べればいつでも見られるツールが増えたことも理由の一つだと思う。でもそれだと新しいものに出会えない。改めて考えるとテレビやラジオの面白さを感じた。(中学3年・女子・滋賀)

  • ラジオの聴き方や面白さをもっとメディア側が発信してほしい。興味をひくことができれば一気に若者のラジオ人口を増やせると思うので、もっと宣伝の工夫をしてほしいと思う。(高校2年・女子・愛知)

  • 普段、テレビよりもラジオをよく聴く。友達のほとんどはラジオをつまらないメディアだと思っているようだ。聴取者と番組の結びつき、曲との出会いなど、ラジオの魅力を皆に知ってほしい。(中学2年・男子・東京)

  • 春休みにお仕事体験ができる施設に行きました。ラジオ局やテレビ局にも挑戦しました。ラジオとテレビは伝える手段は違うけれど、どちらもたくさんの役割の人で成り立っていて、見ている人・聴いている人に笑顔を伝えたいという想いは同じだと思いました。どちらも必要不可欠だなと思いました。(中学3年・女子・山梨)

  • 北朝鮮がミサイルを発射し、テレビでJアラートが流れたときに日本語でしか内容が書かれていないし、音声も日本語しかなかったので、英語でも書かれていた方がいいと思いました。(高校1年・女子・北海道)

  • 私はYouTubeよりテレビ派なので、テレビにしかない良さをこれからも発信してほしいです。実際にテレビ番組を撮影している現場を見学してみたいです。(高校1年・女子・京都)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『解体キングダム』(NHK総合)
    • 取りこわされる建物にはすべて物語があるのかなと思いました。ふだん見られないところや建物の取りこわしを身近にみられてよかったと思います。(中学1年・女子・島根)
    • 解体する作業をしているのは年配の方が多く、意外でした。高いところの狭い足場で作業していて尊敬します。私たちの知らないところで電気を流してくれている人がいると知って、大切に使いたいと思いました。(中学2年・女子・東京)
  • 「ヴィランの言い分」(NHK Eテレ)

    人が不快に感じている部分が「ヴィラン側」から見ると実はいいこともあったり自然のためになっていたりして、人間と同じようなことをしている一面が分かり終始驚きを隠せなかった。人と接していくうえで大切な、双方の意見をきちんと聞く、見た目で判断しないなどのことも改めて大切だと学んだ。(高校2年・女子・東京)

  • 『私小説-発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-』(テレビ朝日)

    伊佐山ジンは発達障がいを抱え生きづらさを感じている。そんな中でも寄り添い続ける妻の優美がいて、その日常の中で恋愛小説家として小説を書く姿がとても温かくて幸せな気持ちになった。「ありがとう」「どういたしまして」というやりとりがとても印象的で、素敵な夫婦だなと思った。(中学3年・女子・山梨)

◆委員のコメント◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 「キョコロヒー」のマイペースなトークが、台本どおりのバラエティー番組と違って面白いという感想があった。深夜の時間帯は、どの番組もラジオっぽい作りになっているが、このモニターがラジオも好きだと書いていたので納得した。

  • 芸人のネタそのものでなく、どのように今のスタイルになったかを分析する番組を評価する感想があった。テレビに愛着がある若い人は、そうした舞台裏に関心のある人がとても多い印象があり、最近は舞台裏を見せる番組も多く制作されている。あまり取り上げられない人も取材してほしいという意見も書かれていて、作り込まれた舞台裏では飽き足らず、さらに裏が知りたいという強い関心が読み取れる。

【自由記述について】

  • Jアラートが出されたときのテレビ放送について「日本語と日本語表記しかなかった」という指摘があった。日本にもさまざまな外国人がいるので、テレビに外国語の字幕をつけるのは難しいかもしれない。(外国人向けの専用アプリはあるようだが)、ほかに何らかの形で素早く伝える方法はないのだろうかと思った。

今後の予定について

次回は5月23日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します

以上