2008年7月に視聴者から寄せられた意見

2008年7月に視聴者から寄せられた意見

続発した殺傷事件・通り魔事件報道に関し、”取材・報道のあり方”と”放送の影響を危惧する”との意見が多く寄せられた。遺族や容疑者の家族をはじめ、生徒周辺など、関係者への取材について「過剰な取材」とする批判が多かった。また、容疑者の過去の作文の紹介や動機を報道することへの批判などがあった。

2008年7月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,130件で、6月と比較し306件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール53%、電話40%、ファクシミリ4%、郵送ほか4%。 男女別は男性71%、女性25%、不明4%で、世代別では30歳代24%、20歳代19%、40歳代17%、50歳代12%、60歳以上9%、10歳代4% の順となっている。

2008年7月に視聴者から寄せられた意見 1,130件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年7月件数 年度累計
人権等に関する意見 9 件 28 件
放送と青少年に関する意見 191 件 [ 意見内容 ] 704 件
放送番組全般にわたる意見 523 件 [ 意見内容 ] 2646 件
BPOに関する意見・問い合わせ 55 件 345 件
その他(放送関連以外) 352 件 1590 件
意見件数 計 1,130 件 5,313 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月通知数は502件(46放送局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

7月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 9件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 158件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【情報ワイド・バラエティー番組】関連1,147件(全体の102%)前月比77件の減少
意見の傾向 “指摘事項”(件数、全体の比率)

“不適切な内容、不適格な出演者”(721件:64%)
“低俗・下品な番組” (239件:21%)
“倫理観欠如、局の責任”など(187件:17%)

【報道・情報番組】関連570件(全体の50%)前月比245件の減少

“取材・報道のあり方・批判”(377件:33%)
“放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(145件:13%)
“報道の公平・公正性と内容批判”(48件:4%)

*【情報ワイド・バラエティー番組】と【報道・情報番組】 の意見合計数が意見総数を超えているが、これは1件の意見に複数の指摘項目が含まれているためである。

7月の意見の特徴は、続発した殺傷事件・通り魔事件報道に関し、”取材・報道のあり方”と”放送の影響を危惧する”との意見が多く寄せられた。 “取材・報道のあり方”では、遺族や容疑者の家族をはじめ、生徒周辺など、関係者への取材について「過剰な取材」とする批判が多い。また、容疑者の過去の作文の紹介や動機を報道することへの批判、被害者が記録されている防犯カメラの映像の使用についての抗議が目立った。
“放送の影響”に関する意見では、繰返される報道による連鎖で模倣犯を生むのではないかとの指摘や、青少年への影響を危惧するものが多い。
この他、月の後半では個々の番組内容について出演者の言動を批判する意見は124件と多く、中でも番組内でのイジメや乱暴な行為および不適切な発言を非難する意見が107件に上った。次いで「放送局の姿勢や責任を問う」意見(90件)、『ヤラセ、捏造ではないか』との指摘(42件)となっている。
また、地球温暖化防止にむけて放送局の深夜放送休止を求める声や、今日の物価高騰や食糧事情を無視した「大食い番組」批判が引き続き寄せられている。
【放送局の電話応対や局の姿勢】に関する苦情・抗議171件(前月比4件の増加)
【CM関係】「不適切な表現・内容」などの指摘49件(前月比12件の減少)
次いで【報道・情報番組】に関した意見が509件(全体の38%)で、”取材・報道のあり方、放送のあり方”(252件:19%)、”放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(190件:14%)、”公平・公正な報道への要望、偏った内容批判”など(67件:5%)で、いずれも前月の430件から増加した。

青少年に関する意見

7月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは191件と先月より30件増えた。
内容別では未成年を主役にし、性をテーマにした複数のドラマに対しての批判が目立った。容疑者が未成年の事件報道に対して「”同級生のへのインタビュー”や過去の文集の紹介”まで報道する必要があるのか」「報道が詳細すぎる」という意見も多く寄せられている。
また今月は、ホラー映画のCMに対し「時間帯などを考えるべきだ」という意見が8件あった。

BPOに関する意見

55件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見21件、問い合せ34件であった。

番組全般

【特記事項】

  • 「八王子通り魔事件」の報道で、24日と25日、東京キー局の2局が被害者の顔写真を生存している別人と取り違えた。事実を伝える報道番組として、正確さに欠けた稚拙な人為的ミスと言わざるを得ない。今までにマスコミ全体で何度も同様の過ちを繰り返しており、後で訂正さえすれば許されるといった甘えがあるのではないか。間違えられた生存している別人の女性もさぞ迷惑だろうし、家族や親戚、友人も肝を冷やしたことだろう。そこまでして被害者の顔を放送で出さなければならない意味があるのか?最近の報道は早い展開と話題性が重視され、ワイドショー的演出によって視聴率の数字しか追い求めていないように感じる。最近の報道はショー化し、被害者家族や加害者の家族に取材陣が大勢で詰め掛けて、遺族感情を考えない非常識な取材が多く、取材陣の現地での態度が悪いと評判である。”マスコミと言えば何でも許される”と思い違いをしている。被害者のプライバシーを慎重に扱うという真面目な姿勢が全く感じられない。写真を紹介したり、人生の軌跡を報道することについて、被害者や遺族の許可を得ているのか?被害者の写真や情報を使う場合は、提供元を提示し、同時に誰の許可を貰って報道しているのかを伝えるべきだ。このような報道姿勢が日本全体のモラルや常識、政治、教育などのレベル低下の一因になっていると考える。
  • 「八王子通り魔事件」の殺人事件報道では、これまでの事件報道と同様に、「凶器の購入先」「隠し場所」「殺人の手口」などを1日に何度も繰り返して放送していた。私はボランティアで若い人と接しているが、若者からは「このようなニュースを何度も見ていると実行犯と同様な気持になってしまう」と訴えられたことがある。報道の仕方が若者に何らかの影響を与えていると思うので、手口などの詳細な報道は止めて貰いたい。社会からの疎外感を持っている子供達は、なんとか有名になろう、注目されたいと衝動的に行動しかねない。このような社会を作ってしまった大人の責任でもあるのだから、むしろテレビ局は社会の現状を分析した番組を作って貰いたい。
  • 「岩手北部地震」の地震速報で、震源地などはテロップやCGで場所が表示されていたが、画面に映っている被災地や、リポーターがコメントしている取材場所についてはそこがどこなのか場所が表示されておらず分かりにくかった。過去に台風の被害を受けた豊岡市で聴覚障害者に避難勧告が届かず、浸水した自宅に取り残されたケースが複数あった。聴覚障害者や視覚障害者は健常者よりも避難に時間がかかるため、放送局は技術的なバリアフリーに取り組み、中継場所についての情報は映像と音声の両方で伝えるようにしてほしい。
  • 東京キー局の朝の情報ワイドで、痴漢被害をでっち上げ虚偽告訴を行った女性被告の公判の報道に関して、スタジオでわざわざ役者を起用し、痴漢が行われたと虚偽申告したときの状況を再現していた。この報道に限らず、最近のテレビでの事件報道は非常にエキセントリックで過熱していると感じる。また、”自由”と”身勝手”との区別も出来ず、報道されたことを真似たりする視聴者もいるので、報道する側は必要以上に詳細な報道をしないで欲しい。いつどこで模倣犯が現れるか分からないので、日常生活の中で非常に恐怖を感じている。

【取材・報道のあり方】

  • 民放各局の「岩手・宮城内陸地震」の報道では、地元の岩手で感じた揺れの実感とテレビでの震度報道とのずれが大きかった。岩手南部は比較的平野部が多く、この地震による被害は山間部のごく一部に限られていたが、報道では、最も大きな被害を受けた宮城県栗原市に関する報道で重要な視点が抜けていた。栗原市は3年前に10町村が合併して誕生した市であるが、そのために初期の被害情報が共有出来ず、それが避難所対策や、その後に起きた土砂による堰止湖対策の遅れに繋がったことを伝えるべきであった。
  • 「岩手17歳少女殺人事件」の報道で、リポーターが「父親は栗原市の郵便局に勤めている」と、事件とは全く関係のない父親の職業を伝えていた。何故被害者の親族の人権を無視した報道をするのか。父親の職業を伝えることによって、事件が解決するとでも思っているのか。「秋葉原通り魔殺人事件」でも、容疑者の両親が自ら謝罪会見を行ったが、記者の容赦ない攻撃に泣き崩れ、まるで土下座した状態の母親の姿をそのまま放送していた。これは行き過ぎた取材による報道被害である。こういうことでは、殺人事件などはワイドショーで取り上げるべきではない。
  • 「八王子通り魔事件」の報道で、被害者が被害に遭う9日前の飲食店での防犯ビデオ映像が放送された。しかし、この映像は事件とは全く関係がなく公開されるべきではないと考える。被害者の知人から以前に行った飲食店名や日時を聞き、飲食店でその日時の防犯ビデオを入手したのではないか?マスコミが事件とは関係のない日時の防犯ビデオを入手し放送する行為は、国民のプライバシーを侵害するものであって脅威を感じる。今回のビデオの入手に関して調査と説明を求めたい。
  • 「八王子通り魔事件」の容疑者について、「誰でもよかった」という、警察が発表した犯人の供述がそのまま伝えられている。だが、そこらの野良犬が殺されたのと訳が違う。どうして被害者家族の心情に配慮した報道をしないのだろうか。「誰でもよかった」などという犯行理由を受け入れることなど出来る訳がないではないか。また、番組によっては、今年に入ってから起きた8件の無差別殺傷事件の犯行動機について、一様に「誰でもよかった」と書かれた供述の一覧をフリップで示しながら「秋葉原通り魔殺人事件」などとの関連について話していたが、このような報道姿勢こそが摸倣犯を生み出す連鎖を呼び起こしているのではないかと思う。
  • 東京キー局の朝の情報番組で、重油価格高騰の影響により全国の漁船が一斉休業したニュースを伝えた折り、出演者で関西のテレビ局報道部の要職をつとめる某氏が「日本の食を支えるためにも対策を考えなくてはいけないが、軽油の値上げ幅は10%程度なので、トラックなんかはさほど問題ではない」と不適切な発言をした。私は父親の後を引き継ぎ、14年前からトラック・ダンプカーを数台購入して営業しているが、軽油価格は当時1リットル当たり62~63円だったものが、現在の価格は155~160円で約2.5倍に高騰している。営業すればするだけ赤字になるが、運転手の手当てを支払うために食うや食わずでコスト削減に努めているのだ。彼は某テレビの報道局の要職なのだから、自身の職責を自覚した発言をしてほしい。
  • 朝のワイドショーで大分県の教員不正採用問題について、視聴者からの「どこの県でも行われている」「教員一家は絶対不正をしている」「私の知人もやっている」等のFAXを紹介していたが、きちんと事実確認をしてから放送しているのか?憶測や噂を、いかにも本当のように報道しているように感じた。連日の報道により教育現場で先生も子ども達もとても戸惑っている。信頼関係で成り立つ教育現場に波風がたっているのも事実だ。テレビでの報道をすべて信じきって激怒する方もいる。放送がどれだけ視聴者に影響を与えるか、それがどのような混乱を引き起こすのかを少し立ち止まって考えてほしい。
  • 岐阜の女子短大の6人の学生、京都の男子大学生3人に続いて、私立高校の硬式野球部監督がフィレンツェの世界遺産「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の壁に落書きしたことが発覚し、それぞれ処分されている。また昨日は、JR上越新幹線の車体側面に「Hack」と落書きされていたことも報道されている。世界遺産への落書きの約1割は日本人だと非難されているが、報道機関はこれら落書き行為について「モラル」や「倫理」だけではなく、「落書きは器物損壊であり犯罪行為である」ということを、罰則金などの社会的な制裁も含めて報道するべきである。現在のような報道のあり方では負の連鎖を呼ぶだけである。
  • 重大な事件や事故を伝える際、死者と負傷者をまとめて「死傷者○○名」と表現することが多い。しかし死亡と負傷では被害の度合いの差は大きく、一緒に数えること自体、死者の尊厳を軽視するもので、亡くなった方に失礼だと思う。やはりその時点での「死者○○名、重軽傷者○○名」とそれぞれを分けて伝えるべきだと思う。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 乗馬型フィットネス器具の通信販売について、公正取引委員会から警告処分を受けながら未だに「法律違反を犯したわけではない」と言い切っているこの放送局の姿勢はおかしい。「あるある大事典」では、納豆ダイエットが社会問題となり、番組は打ち切られ、社長は辞任し、関西テレビは民放連を除名された。一体、この局の問題と関西テレビの問題はどこが違うのか?視聴者から見れば同じ問題であるように思う。こんなときこそ、第三者機関であるBPOにしっかりしてもらいたい。
  • エネルギー危機が叫ばれているこの時代に、一晩中テレビ番組を放送する意味が一体どこにあるのか問いたい。観賞に耐えるものならともかく、芸とは名ばかりのお粗末な芸を見せるだけのつまらない内容のものばかりだ。このような番組をその夜の楽しみにしている人は殆どおらず、視聴率も限りなくゼロに近いだろう。それならば思い切って深夜番組を打ち切り、放送時間を短縮すべきではないだろうか。地球環境に配慮した対応を各放送局に望む。
  • 長時間番組の中で芸人の所有するクルマをペンキで滅茶苦茶にし、更にぶつけて駄目にするというとんでもない企画があった。幾らなんでも酷過ぎるのですぐにテレビ局に抗議し、不適切な内容について番組の中で謝罪するよう要望した。しかし謝罪はなく、後日再度電話をして番組担当者と話をした。その際「企画で使われたクルマは本当に芸人達の私物なのか」と尋ねたところ、「あくまでも演出上彼らの所有物ということにしただけであり、実際は違う」と言われ唖然とした。それでは視聴者を欺くヤラセということになる。そのことも合わせて謝罪するようテレビ局に抗議したい。BPOからも強く言ってほしい。
  • 20時45分頃に放映された長時間番組の中での、お笑いタレントによる他人の自家用車に対する塗装のいたずらは車の所有者本人には全く了解を得ずにいたずらの有様を垂れ流し放映しておりました。20年以上前に放映した「ひょうきん族」の回顧は、四十代になった私も懐かしんで見ておりましたが、さすがに当世、本人の了解もなしに自家用車が見るも無残にペンキでいたずらされ、破壊される様子には思わずチャンネルを変えました。やりすぎです。当時とは時代が変わっています。お笑いで済ませるレベルではありません。刃物でさえ模倣犯がふえているのですから、この番組を見てひょうきん族のシュールなお笑いをお笑いで済ませずに、器物破損という犯罪に転嫁する若者が出るかもしれません。テレビ局は自身の影響力をもっと考える必要があると思います。垂れ流しの27時間でした。
  • 世界の食糧難についての話題で、貧しい地域では大切な食糧である「トウモロコシの粉」をスタジオの出演者が試食する場面があった。「まずい」という意思表示であろうが各人とも一口食べて顔をしかめ、それ以上は口にしなかった。そのため用意したトウモロコシ粉の殆どが無駄になったようだ。食糧危機を伝える番組なのに大量の食糧を無駄にする番組を放送する意図が分からない。放送局の常識を疑う。
  • 週刊誌にタレントグループのリーダーの”大麻吸引疑惑”が載っている。ところがテレビのワイドショーなどはどこの局もこの”疑惑”を取り上げなかった。女性アナ不倫騒動のときもそうだったが、普段は新聞や週刊誌などの記事を紹介するのにである。これは、タレントがテレビ局に巨大な影響力を持つプロダクション事務所のタレントであるため、テレビ局が同事務所に気を使って自粛したか、あるいは同事務所がテレビ各局に圧力をかけて報道をストップさせたとしか思えない。そうだとすれば報道のあり方として問題だ。
  • 写真家が出演して彼の作品を紹介していたが、女性のヌード写真が放送された。子供も見る可能性のある午前中にこのような人物を出演させることは公共放送のNHKとして問題ではないか?インターネットでその写真家を検索すると、縄で縛られた女性の写真などが出てくる。このような一部の人が趣味としているような写真、またそれに結びつくような人物をNHKの番組に出演させるべきではない。視聴者センターに電話をしたが「子供が学校に行っている時間の放送だから問題はない。リクエストが多いので再放送した」と言われた。
  • 深夜番組でホラー映画の宣伝が流れたが、画面に急に恐ろしい顔が現れしばらく映っていた。あまりにも衝撃的で恐ろしく、心臓がドキドキしたのでチャンネルを替えた。私は今妊娠中なのだが、眠れずに気分転換にテレビをつけた時にちょうどこの映像が流れた。そのせいで動悸が止まらず、目を閉じるとその顔を思い出し吐き気がして眠れない。いくら深夜番組とはいえ、公共の電波なのだからもっと配慮すべきだと思う。しかも何の前触れもなく急に流すのはひど過ぎる。卑猥な映像や言葉にはコードがかかるのと同じに、恐怖映像にも同じ措置をとるべきだ。見たくないものを急に見せられて腹が立つ。これでは安心してテレビが見られない。実際そのチャンネルはそれ以降、怖くて見られない。今でもショックでお腹が痛い。
  • 月末の金曜日からスタートするドラマの番組宣伝を偶然見ていたら暴力・犯罪を扱ったとんでもない内容だった。この番組に携わった方々、特に番組制作を決定した方々の品位や感性のなさにあきれ果てる。このような世の中になるように煽っているように思える。タイトルに「この正義が罪だとしても」とあるが、悪いことをした者をかばい立てしているようで、本当に情けなく苛立ちを覚える。「思想や哲学を持って」とは言わないが、せめて「創造力」と「倫理観」くらい持った者に制作にあたらせるような局になってほしい。
  • 13日にドラマ番組の宣伝が約1時間にわたり放送された。その中で、男子高校生役の俳優数人の裸が頻繁に登場し、女子高生役の大勢の女性を前に全裸で学校内を走り回るシーンが繰り返し放送された。男子生徒役の俳優が18歳未満か否かに拘らず、22時台の放送でこれら若者の性を面白おかしく商品化することに疑問を感じた。ここまでやるのは制作者の単なる趣味とセクハラだと感じた。下着姿でなら学校を走り回されるシーンは演出として譲歩できるが、公共の電波で、生徒役の大勢の女性の前を全裸で走らせる必然性が全く理解できない。この宣伝番組では冒頭で全裸シーンをウリにしているかのようなナレーションも入り、「視聴率をとるためには放送倫理など関係ない」という制作者の気持ちを感じた。この番組の放送時間帯を考えると、今後制作者の姿勢が更にエスカレートするのであれば、青少年に与える悪影響が懸念されるため意見させていただいた。
  • 企画の第2弾として、夫の歯ブラシでトイレの掃除をしているという”鬼嫁”が紹介された。朝の食事中にこんな話しを聞かされ、気持ちが悪くなり吐き気を催して食事が喉を通らなくなった。こんなくだらないことを放送しないで、もっと視聴者の役に立つ情報を伝えてもらいたい。このコーナーでは、先週も「夫の歯ブラシで排水溝を掃除する”鬼嫁”」を紹介していた。
  • キー局の午前から昼過ぎのラジオ番組のレギュラーコーナーとして”お色気大賞”というものがあるが、文字通り卑猥な内容が白昼堂々と放送され、なおかつその度合いが過激だ。コーナー自体の話題がそもそも性行為に特化したものに限られており、性行為に関わるあらゆる卑猥な「言動」及び「アクション」やその行為で発せられる「音声」について具体的で強烈な表現が満載されている。是非やめていただきたい。
  • 日曜の夜の遅い時間に放送する番組で、テレビショッピングのような演出で”勃起王”なる架空の商品を紹介していた。出演者に男性の勃起を思わせるようなズボンを履かせ、性行為を思わせるような行動までさせていた。深夜とはいえこのような内容を放送するのはいけないと思う。そもそも放送局は「報道をする」という条件の放送免許を持っているのだから、視聴率のためだけのあくどい演出は控えていただきたい。
  • 土曜日の夜、”新しい笑いを追求”と謡ったバラエティー番組で、女性タレントの写真をプリントしたウチワを作り、その写真の女性の股の部分に穴を開けて、その穴に男性タレントが指を突っ込んで執拗に笑いを取ろうとしていたが、正視に堪えない異常なシーンで不愉快だった。こういうものを夜8時という時間帯に全国に放送しているということが信じられない。品性下劣で猥褻の度を越えており、出演者やスタッフの下卑た笑いで気分が悪くなった。こういうものを民放連は容認しているのか?こういう番組は即刻放送中止にすべきだと思うが、この内容でも問題にならないのだろうか?これが許されるのであれば、放送倫理とは一体なんなのか?公序良俗に反した内容を世の中に垂れ流すのが放送の果たす役割か?
  • 関西の局の10分番組で、番組時間の約9分中、8分がグラビアアイドルの水着ばかり。あとの1分がスポンサーであるパチンコ店の情報。アイドルのお色気で釣って自分の店の宣伝をするとはどういった番組か?番組内容も胸に万歩計を装着してジャンプし、胸の揺れを撮影するというもの。いい加減、水着などのお色気はやめていただきたい。深夜だからといって、誰でもが見られるテレビでやる事ではない。この局は土曜深夜の番組でもアダルトDVDを紹介したりしているが、くだらない低俗番組をいつまで放送するつもりなのか?アダルト番組が見たいのならパソコン・DVD・ビデオで見ればいい。地上波で放送するべきでない。
  • 関西の局の制作する全国向け番組の司会者が「米粉」という言葉を言う時に、関西での女性性器を意味する言葉を想像させるべく、「関西では・・・こ、め、こ」等、必要以上に強調・連呼していた。この行為は放送倫理上好ましくないばかりか、視聴者を不快にさせるものだ。
  • 高速道路のサービスエリアで、男性タレントが財布をなくしたといって探し回る状況が放送されていたが、実は共演タレントが隠し持っていて、後でなくした本人に気づかせるという構成になっていた。財布が発見されるまでにサービスエリアの従業員を巻き込み財布探しをしたり、サービスエリア内の防犯カメラの映像を確認させるなどしていたが、善意で探してくれた人に対して非常に失礼な表現だった。いくらイタズラ企画だとしても、このような表現は問題があるのではないか?
  • 同姓コンビのタレントによる番組で、出演者とスタッフによる番組司会の相方に対する”からかい倒し”が最近ますます目に余るようになってきました。今週火曜日の収録では、観覧者に対して「収録中にあったことの一切口外禁止」という命令が出されたとのことです。収録中に何があったかは分かりませんが、外部には知られてはならないような事があったのだと推測できます。今までの事例から考えて、恐らく番組での”からかい倒し”がひど過ぎたか、もしくは出演者の発言に差別的なものがあったのだと思います。外に出せないようなことが起こる番組の倫理とは何なのでしょうか?全員で一人の人間を貶めるということは、イジメとなんら代わりません。人をからかうことによる「笑い」は、一歩間違えると「イジメ」になります。
  • 関西の局の番組司会者はタバコを吸い、酒を飲み、横にキャバクラのお姉さんのような人を置きながら番組を進行していた。この件でテレビ局に「たばこを吸いながら番組を進行してもいいのか?」と電話をすると、「路上喫煙とは違うので問題ないです」と横柄に言われた。でも、常識で考えたらおかしいだろう!!
  • 火曜日の午後、江ノ島ビーチで水着姿の若い3人組の女性にインタビューしている様子が放送されていたが、傍らに、明らかに彼女たちのものと思われるアルコール飲料の壜が置いてあった。彼女たちがサバを読んで「19歳」と年齢詐称していることも考えられるが、いずれにしろ放送すべき映像とは思えない。放送は生中継ではなくて録画のようだったが、それならば編集して彼女たちの場面をカットできた筈である。他局のことではあるが、ひと月ほど前、早朝のワイド番組で電気自動車特集をした際に、公道を走る電気自動車の隣に制服姿の高校生がタバコを吸いながら片手運転で自転車を走らせている姿が大写しで映ったことがある。放送局の制作担当者は、画面の隅々にまで気を配って編集すべきである。
  • 早朝からの情報ワイドでは「話題の転換」「タイトル提示」「字幕の表示」などの際に入る”効果音”が大きくて、うるさくて耐えられず、音を消して見ている。無意味でナンセンス極まりなく”逆効果”だということに番組担当者は気がつかないのだろうか。同局の別番組についても全く同じことが言える。
  • 「お客様は王様かよっ!?」で、お昼の時間を「午後12時」と表現していたが、午後0時の間違いだ。午後12時は夜中の午前0時のことだ。お昼12時なら正しい。実際は12時間表示の場合、11時の次は0時になる。午前か午後かは、午(うま、うしではない、うしは2番目、丑みつ時)の前か後ろかであって、その真ん中を正午と言う。他局でもこういった間違いが非常に多い。放送局たるもの、もっとレベルを上げてください。
  • ボクシング世界選手権でチャンピオンへのインタビュー中に亀田興毅がリングに乱入した。中継した放送局にこのことで苦情を伝えると「(乱入は)演出ではなくハプニング」との回答だった。しかし、ジムの会長の証言では「事前に乱入することが決まっていた」とのこと。このことが事実ならば放送局は視聴者に対して極めて不誠実かつ公共性を重んじる放送機関として、あるまじき態度だと考える。ただでさえ一部で偏向報道や捏造が多いなどと言われているのに、放送局の体質を疑わざるをえない。場合によっては放送免許剥奪でもよいのではないかと考えるほどだ。

【その他、番組全般】

  • 推奨意見/我々が知り得ない裁判所の現状を東海テレビがドキュメンタリーで伝えていた。地方のテレビ局が現職の裁判官の日常生活をはじめ、裁判所の制度や内部を長期にわたり取材したことは評価に値し、番組の視聴を推奨する。そこで要望だが、来年から始まる「裁判員制度」について、制度導入の理由や裁判員の仕事と役割、制度の対象となる事件等を紹介する番組を今後制作して欲しい。
  • 推奨意見/「岩手北部地震」の報道特番が放送されたが、フジテレビだけが番組中のCMを全て公共広告機構に差し替えて放送していた。この方針はとても良いと思う。他の局は平気でCMを放送していた。スポンサーとの契約があるのかも知れないが、被災者の気持ちを考えた時、報道特番を組んでいる以上はCMにも気を使っていただきたい。そういう点で、この局の方針には感心した。
  • テレビでの誤報は一回謝罪すれば許されるのか?視聴者はテレビを24時間見ているわけではない。その時そのチャンネルで見た情報を信用する。ずっと同じチャンネルを見ているとは限らない。もう少し責任感を持ってほしい。これが他の業界なら責任問題だし、食品業界なら産地偽装・産地取り違えでクビになってもおかしくない問題である。それなのに、テレビ業界は謝罪すれば許される。自分達は甘い業界にいることを自覚してほしい。もうすこしペナルティーを厳しくすべきだ。
  • 是非とも報道して欲しい事がある。大手新聞社が数年間にわたり英文サイトで日本人女性を侮辱するような記事を書いていた。この新聞社は一応は対応したが、その処分は甘すぎる。しかしメディアはこの事件をあまり重視しておらず、ほとんど報道されていない。新聞社の行為は決して許されるべきではなく、厳しく追及すべきだと思う。不二家や船場吉兆の事件ではメディアが糾弾し、企業も多大な損害を被っている。何故一般企業の不正は訴追までされるのに、この新聞社は軽い追及で済むのかが不思議だ。メディアはこの問題を広く国民に伝えるべきだと思う。
  • 「原爆 “封印”された昭和史最大のミステリー」と謳った番組が8月2日午後9時から放送される予定だが、何が封印されているというのか。大東亜戦争当時に日本にも核爆弾製造計画があったことは周知の事実だろう?確かに知らない人は多いかもしれないが、「封印」されてはいない。いかにも軍部や一部政治家がこれまで隠し続けてきたような印象を与えて視聴者をつかむための「誤解を生む過大な表現」としか言いようがない。それに”福島県石川町に住む15歳の中学生たち160人が動員された。その一人の証言を軸に物語は進む”とあるが証言者はたった一人か?60年以上も前のことだから記憶があいまいな部分も多いだろうし、思い違いをしていることもたくさんあるだろう。例えていえば「私はアガリスクを飲んで癌が消えました!」と同じで、その人は嘘をついていなくても、言っていることに普遍性があるとは限らない。一人の証言だけでドキュメンタリー番組を制作するのはいかがなものか。日本における核爆弾製造計画という理化学研究所の仁科芳雄博士が指揮したウランの分離・濃縮に関する研究というのはそれなりに知られた話だと思うし、何より湯川秀樹博士も理化学研究所の一員であり、その時の所謂”F研究(素粒子研究)”が後のノーベル賞受賞の対象研究へと繋がっていったというのはあまりにも有名な話だ。それを「封印されたミステリーだ」と言われてもどうかと思う。
  • 先月以降、10代から30代の犯行や凶行が続発している背景には、テレビ、新聞、雑誌など、従来からのメディアに加え、インターネットも含めた過剰なまでの事件報道や、その周辺情報の氾濫状態を抜きには考えられない。特にテレビとネットが若い世代に及ぼしているその影響は、今や誰も否定できないのではないか。続発する類似事件の原因が事件報道にあると言うのではない。むしろ放送に課せられた使命感や放送上の倫理観をはじめ、番組自体が社会への責任を放棄し無責任な一部のタレントを起用した低俗な情報番組の氾濫に問題の根源がある。更にそれらの情報番組やバラエティー番組と同様、或いはそれ以上に影響を与えているのが、公序良俗などのかけらもない多くのドラマやアニメ番組であり、そこには「生命」「倫理観」「人権」「社会常識」など、社会の規範を無視した番組作りをする放送界の基本姿勢と経営方針に問題がある。特に大手民放局の経営には自律や自浄などの意識はないのではないか。放送局に訴えても視聴者の声など聞こうとしない各局の対応ぶりがいい例で、だからBPOに伝えるのだが、BPOが各局に対し指導・監督権がないというなら、せめて「放送の影響」について真剣に検証していただきたい。ヤラセや捏造問題の追及よりも、もっと大きな課題だと思う。BPOにも視聴者からの意見が多く寄せられるのだろう。それらの意見の中には「放送の及ぼす影響」についてのデータや「放送を良くする」ヒントがあるのではないかと思う。視聴者の声をBPOがうまく活かすことで放送界と周辺関係者に警鐘を鳴らすことができるのではないかと期待したい。本来ならば、各局が現在放送している自らの番組を検証し、社会への貢献や悪影響の有無を振返るべきだと思うが、今のような番組しか作れないような各社にはとても期待できない。NHKも含め各社の役員・社員は自社番組を視聴しているのだろうか。「見ている」と言うなら、「我々は実に多くの恥ずかしい番組づくりをしている」との自省はないのか。このような放送メディアのあり様では早晩、インターネットを含めた通信と放送への規制の動きが加速するだろう。ネットによる社会への影響とともに、放送の果たす社会への役割や、まともな番組とは何かを放送界自らが真面目に考えるべきぎりぎりの時だと思うがいかがか。
  • 鮮血が飛び散るサスペンスやミステリーなどの殺人ドラマを放送している放送局が、「秋葉原通り魔殺人事」件以降、全国各地で無差別殺人事件や家庭内での殺人事件が相次いでいることに対して無責任な発言を繰り返している。番組コメンテーターは「何故このような殺伐とした事件が起こるのでしょうか」や「なんという国になってしまったのでしょうか」などとコメントしているが、問題を作り出したのは自分達テレビではないか。ドラマの殺人シーンで火をつけ、情報番組のコメンテーターがそ知らぬ顔で水をかけるという”マッチポンプ”をしているのではないか。映画界には映倫という自主的に検閲規制する機関があり、社会的・倫理的に好ましくない表現について削除や変更を勧告しているが、放送界にも同様の削除や変更を勧告できる機関を立ち上げるべきである。何故ならば、民放連の放送基準の1章「人権」には「人命を軽視するような取り扱いはしない」と定められているが、ドラマでの殺人シーンの多さを見ればこれが守られていないのは明白であるからだ。放送界は完全に自浄能力を失っている。
  • 私は役所で後期高齢者医療制度の担当課に勤務している。先日、市民の方から早朝のワイドショーで放送された内容について質問の電話がかかってきた。私は仕事中でその番組は見ていないが、保険料の支払いが口座振替でも可能になったことについて放送されていたそうだ。その中で「口座振替にすると保険料(つまり税金)が控除される」と言っていたとのことであった。しかし、年金天引きは2ヶ月に一度で、口座振替は毎月の支払いとなるだけで、保険料の金額自体は変更されない。どのように放送されたかは分からないが、何名かの市民の方から同じように質問があったので、かなりの方が誤解をしているようだ。放送するならば、もっとお年寄りの方に分かりやすい説明で伝えてください。
  • 昼のワイドショーで「秋葉原通り魔殺人事件」のその後を取り上げていた。殺害された男性の父親がインタビューに答えて「出来るなら犯人を(息子がされたのと)同じ目に合わせてやりたい」と胸の内を語った直後に画面がテレビ直販のCMにかわり、包丁の映像が目に飛び込んで来た。紹介された商品は包丁研ぎ器で、ピカピカに研ぎ上がり、切れ味がよみがえった包丁で鶏肉を切ってみせ、その切れ味に驚くという内容だった。しかし、このタイミングで刃物関係のCMを入れるとはどういう神経なのか?意図的なものとは思わないが、配慮のなさに愕然とする。最近インターネット上では、容疑者を崇めるような書き込みが後を絶たないと聞く。このような者がテレビ番組を含め何かのきっかけで第二、第三の秋葉原事件を起す可能性も否定できない。番組を放送する側はそうした社会の動きを敏感に読み取りつつCMに至るまで細心の注意を払い、放送して差し支えないかどうかを常に厳しくチェックすべきだ。
  • “秘境の名宿”を紹介する番組は2006年に東京の民放局で放送された番組の再放送だったが、「岩手・宮城内陸地震」以前の情報で、地震以降に放送するに当たっての配慮が欠けていた。紹介の高原温泉については震災によるアクセス等の新情報を伝えるべきだが、番組中にはスーパーによる処理もされていない。そればかりか、ある温泉旅館に至っては既に水没している宿なので、放送する事自体が不適切だと思われる。被災地域に対する配慮が全く見られず、2年前の状況の内容をそのまま放送する編成責任者の見識を疑う。
  • 医師が主人公のドラマだが、20歳位の若い女優や俳優が出演するのはおかしい。20歳なら大学2年生位なので、そんな年齢の医師は現実にいない。また医学部を卒業するのは24歳で、研修医の期間を含めると26歳でやっと医師としての活動が始まるのだ。また、「名医」と言われる医師は、一般的には50歳代くらいの年齢の人たちだ。人気優先で俳優を選ぶのかも知れないが、もう少し現実的なドラマを作ってほしい。
  • 環境問題をテーマにCO2削減を取り上げ、「コンビニの24時間営業の是非」についてアンケートをとっていた。CO2を削減するためには、「こんな小さなことまでするの?」というくらい些細な事の積み重ねが必要だと思っているが、番組ではコンビニの問題だけを取り上げるだけで、お膝元のテレビ局の問題を取り上げていなかった。コンビニに負けず劣らず、テレビもほぼ毎日「24時間営業」をしているが、たとえば深夜1時以降の放送を中止した場合のCO2削減のシミュレーションなどしているのだろうか。次回は是非「テレビの深夜放送の是非」についてアンケートをとってもらいたい。
  • 大分の地元紙の幹部が学校教育部長と同席した会合で「娘が教員採用試験を受けている。助けられるものならお願いします」と依頼し娘が合格した大分教員採用汚職事件について、みのもんたが「『ふざけんな!』と言いたくなる。不正入試で採用された子どもは、名乗り出るのが当たり前だ」と発言をしていたが、小学校に勤務していた彼女は17日付で辞職届を提出し、すでに辞職している。そこまで非難する必要があるのかと感じた。
  • 関西のテレビ局のトーク番組で食の安全性について討論が行われていたが、ゲストコメンテーターが「市販されている野菜は農薬が大量にかかっていて食べられないし、農家は自家用と出荷用で農薬の散布をわけ、出荷用は恐ろしいので自分の子供には食べさせない」などと発言していたが、特に根拠となるデータは出ていなかった。もし、市販されている野菜に大量の農薬が付着しているのであれば、現在は罰則の重い罪だ。事実であれば信用問題にもなるので、無作為にスーパー等の野菜を調査する必要がある。もし何の調査もせず根拠もなしにこのような発言をしたのであれば、一農家としてとても許せない。第三者の立場から調査を行い、早急に事実関係をはっきりさせるべきだ。よろしくお願いします。
  • 土用丑の日に因んでウナギの話題を取り上げていた。中国産の食品に対する不信感は消えず、特にウナギに関しては産地偽装事件の直後だけに消費者の純国産志向は非常に強いという。その上で番組では輸入組合が作成した「JAPAN]というポスターを純国産鰻であることを保証する表示として紹介し、「このポスターを目印に選べばまず大丈夫」と説明していた。しかし私が組織に確かめたところ、「ポスターはオリンピックの開催年を記念して作成したものであり”国産”を示すものではない。農水省からの指導を受けて”国産”と呼ぶことを止めた”里帰り鰻”の売り場にもこのポスターは使われている」とのことだった。番組で紹介された内容は誤っており、消費者に新たな誤解と混乱を与えるものだ。すぐに訂正放送をすべきだ。
  • 8/6(日)にBS1で放送される予定のBS特集で女性歌手による四川の大地震報告の番組宣伝を公共放送のウェブサイト等でよく見る。その際、彼女の呼称を”日本ユニセフ親善大使”としているが、正しくは”日本ユニセフ協会親善大使”である。彼女が親善大使を務める(財)日本ユニセフ協会”とは、国連の下部機関である国連児童基金(UNICEF)と協力協定を結んでいるものの、別の財団法人である。従って、UNICEFの正式な日本支部”ユニセフ東京事務所”とも異なる。ダイレクトメールで寄付の振込みを呼び掛ける日本ユニセフ協会をUNICEFの支部であると誤解して、寄付に応じてしまう人は多い。NHKが”日本ユニセフ親善大使”という実に紛らわしい呼称を使うことで、こういった誤解が又増えると思う。きちんと”日本ユニセフ協会親善大使”と明示すべきだ。
  • “じゃんけん”で勝つとスーパーで品物が安く買える番組に家族で参加した。”じゃんけん”で勝って、家族構成を聞かれたので「夫婦と子ども6人の8人構成です」と答えた。ところが、放送では「爺ちゃん、婆ちゃん、夫婦と子ども4人の8人家族」と表示されていた。後日、祖父母が亡くなった時に香典を頂いた取引関係の会社から「テレビを見ていたが、爺ちゃん、婆ちゃんは元気ではないか」と連絡があるなど、ひんしゅくをかっている。番組責任者に「取引関係の会社に説明するために、謝罪文を家に持ってきて謝って欲しいと」要求しているが、電話で謝罪するばかりで解決に至っていない。現在は制作責任者から紹介された制作会社の人間と交渉しているが、人権問題だと捉えているので、取り敢えずBPOに連絡した。

【CM】

  • 教育産業のCMで、話をしている男の人の顔にヒゲや大きな鼻などを落書きしていくものが放送されている。いたずら書きが良いことではないことは社会の常識であると思う。最近ではイタリアの世界遺産の聖堂への落書きや、新幹線への落書きが事件としてニュースとなっているが、このような時期にいたずら書きのCMを流す企業の気持ちが理解できない。ましてや家庭教師派遣の会社ではないか。即刻、放送を止めることを希望する。
  • 携帯電話のマナーを守らない人の事故や事件の報道をよく聞くが、携帯電話各社のCMではそれに対する呼びかけは少ない。逆に、歩きながらの使用など、危険な使い方をしているCMが多い。利用者以上に、対応しない携帯電話会社に問題があると思う。
  • マンションに居住しているが、CMの音量が番組本編より大きく聞こえる。特に夜間は近隣住民の迷惑を考えて、CMに入った途端に音量を低くし、本編に戻ったら元の音量に戻すことを繰り返しているが、どうにか出来ないのか。

【BPOへの意見】

  • 7月17日号の週刊誌の記事で、報道番組に出演して内部告発していた外食産業の元店長代理の女性は、同番組キャスターの経営するプロダクションの社員として採用されていたと報道されている。採用内定が決まった後の11月27日に外食産業の旧制服を着て証言したことはヤラセと見なされても仕方がないのではないか。すでにBPOとして結論を出していても、新証拠が出たことで再度検討すべき事項だと思われる。明らかな嘘でスポンサー企業を貶める行為はジャーナリストとしては絶対にいけないことだと思う。
  • 私は新聞を2紙とっているが、某新聞は民放と資本関係があるためか番組批判の記事は極めて少ない。その点、比較的自由なのか、別の新聞には遠慮のない読者からの批判がよく掲載される。ところがBPOに寄せられている番組批判はそれどころではないことを知った。私は番組そのものを見たことがないが、改めて劣悪番組の多さ、低俗性の蔓延化を知った。更に驚いたのは【ある局の女性キャスターがBPOの存在を知らなかった】との記述だった。BPOはNHKと民放で番組向上のために作られた組織のはずだが、視聴者からの不満のガス抜き機能としてしか働いていないのではないか。視聴者からの指摘は必ず当該局に届けられ、局はそれに答えるという双方性を持たせるべきではないか。
  • 映画監督でもあるタレントが長時間番組で出演者の高級外車にペンキを塗りたくったことについて、テレビ局に問題を指摘したところ、番組制作担当のスタッフが「過剰演出なのかどうかなどは制作サイドが判断するもので、視聴者の質問にいちいち答える必要はない。仮にBPOから問題指摘がされたとしても、それにどう対応するかはあくまで局の判断に任せられる」と言っていた。BPOから指摘された場合、それに反する対応を局側がするとなると、第三者機関としてのBPOの存在意義がなくなると思う。BPO判断に対し、制作現場が「局が最終的にどう対応するかは局に任せられる」と答えるのは問題があるのではないか。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • ドラマ番組(A)。この新番組の宣伝が約1時間にわたり放送された。その中で、男子高校生役の男優数人の裸が頻繁に登場し、その中で、女子高校生役の女優大勢を前に全裸で学校内を走り回るシーンが繰り返し放送された。22時台の放送できわめて若い俳優の性を面白おかしく商品化することに疑問を感じる。ここまでやらせるのは制作者の単なる趣味とセクハラだと感じた。下着姿で学校を走り回されるシーンは演出として譲歩できるが、公共の電波で生徒役の女子大勢の前を全裸で走らせる必然性が全く理解できない。この宣伝番組では冒頭で全裸シーンをウリにしているかのようなナレーションも入り、視聴率をとるためには放送倫理など無関係だという制作者の気持ちを感じる。この番組の放送時間帯を考えると、今後制作側の姿勢が更にエスカレートすることなどあれば、青少年に与える悪影響も懸念されるため意見させていただいた。
  • ドラマ番組(A)。今回の放送では男子の自慰シーンが放送された。また、次回予告では、男子生徒達が女子生徒の前で全裸になっているシーンが放送された。「性」をテーマにしたドラマだからこういう表現が出るのは分からないではないが、それならば、どうして女子の裸、女子の性だけを規制するのか。片方の性だけを規制するのではなく、男女平等に扱ってもらいたい。
  • ドラマ番組(A)。「表現の自由」は制限するべきではないと認識している。しかし、この番組を見た限り青少年を対象にした性的表現を公共の電波で放送する場合は、なんらかの制限を設けるべきではないのかと感じた。男子学生がTバック姿を見ようと女性専門のランジェリーショップで下着を買ったり、アイコラを使ったオナニーのやり方など、友人同士の会話や書物での表現は許されても、テレビで放送する内容ではない。学生達が夏休みを目前にしたこの時期を意識してここまで卑猥な内容にしたのか。局の倫理観が欠如している。
  • ドラマ番組(A)。この番組は何を目的で放送しているのか?サブタイトルからしておかしいのではないか?どう考えてもこんな時間帯から放送する内容ではないと思う。前回も忠告したが、一向に改善されない。子どもが見る時間帯ではないが、中学生等は見ることが出来るのではないか?「できちゃったら、どうするの?」という台詞は、あからさまではないか。現実、妊娠などが低年齢化している世の中でこんな番組が放送されるのはおかしい。数字が取れればいいという番組の構成にも問題があるのではないか?こんな番組は中止するべきだ。
  • ドラマ番組(B)。ケータイ小説を原作として脚本化し8月に放送する予定となっているが、原作を読む限りでは、このドラマの内容が20時台という、全ての年齢層が視聴する事が出来る時間帯に放送するドラマとしてふさわしくない内容だと思う。レイプや流産、不治の病等という重いテーマを軽々しく扱い、美化している。気に入らない相手を退学にまで追い込むように濡れ衣を着せたりする悪質な嫌がらせが横行する。避妊をしない性行為、妊娠、援助交際未遂などという、露骨な性描写と性行為を連想させるものばかりだ。しかも、これらを”純愛”と謳っているのだ。また、主人公の男子高校生がシンナー吸引や身体を滅ぼす薬物摂取している場面を扱っている。さらには未成年の喫煙、飲酒の場面も多くでてくる。これだけ卑猥かつ無法な内容である可能性の高い番組を、映画と違ってR指定もなく、家族全員で視聴する可能性が高い時間帯に放送するという。思春期の青少年に間違った性知識を与える悪影響を心配する。完全に清廉潔白に生きている人などいないことは承知の上だが、それでもこの原作を基にしたドラマを放送することに異議を申し立てたいと思う。
  • ドラマ番組(C)。主人公の女の子が通り魔に首をしめられるというシーンがあるが、最近似たような事件が発生しているのに何でドラマでそれを再現するようなことをするのか。また、高校生の女の子の会話で、男子高校生が女子高校生を妊娠させて退学させられることを「やり捨て」と表現していた。こんな言葉が平気でやりとりされるところに最近のドラマの異常さがある。放送の健全さを取り戻すためにBPOとして検証してほしい。
  • バラエティー番組(A)。ある男性芸人がパイプ椅子に座り、椅子ごとこけて見せるギャグを演じていた。学校で使うようなタイプの椅子なので、児童がこれを真似て怪我をするのではないかと心配になる。申し訳程度に「真似はしないように」というコメントがあったが、子どもはこのくらいの言い方では聞かないものだ。もっと強い口調で注意を促すべきだ。
  • バラエティー番組(B)。女性出演者の水着姿の写真を紙製のうちわにし、その人のちょうど股の部分に穴を開け指を入れてあおぐような形に作り、一般客に配布するというものが放送された。時間帯や出演者の人気度からいって子供も見る番組でありながら、そのような内容を放送するのは信じられない。女性の体を蔑視したものであり、このような考えが女性を対象とした凶悪事件につながる可能性の一端を担っているのではないかと思えた。
  • バラエティー番組(C)。出演者が女性に対して「初体験はいつ?」「今まで何人の男性経験がある?」等のセクハラ的質問をして、答えられなければ罰として暴力を振るっていた。このような内容はあまりにも女性に対して失礼だと思う。こんな企画をする放送局の神経を疑う。
  • バラエティー番組(D)。番組出演者の経験を語る時、芸人の口から「女性がいきなり私の洋服をはぎ取って、股間にむしゃぶりついて、チュパチュパ音を立ててすごい勢いで・・・」という、聞くに耐えない言葉が出た。子供も大勢見ている時間帯だ。テレビでは最近、聞くに耐えない言葉が飛び交っている。

【報道・情報系番組に関する意見】

  • 報道番組。「14歳少年バスジャック事件」の報道で、なぜ、同級生のインタビューが必要なのか。顔を隠しているとはいえ、そこまでして少年の背景を知る必要があるのか非常に疑問に思う。スクープ性が必要なのかも知れないが、事件当日に少年が在校する中学校付近に赴き、在校生を対象に行われたインタビュー取材が、事件背景を知るために必要な取材だとはとても思えない。日頃「青少年の保護を」などと謳っておきながら、こうした取材や放送を行うこの局の倫理観のなさに呆れるばかりだ。
  • 報道番組。今回の大分県の教員不正採用の件には大変怒りを感じている。この件に関して幅広い意見が必要なことは分かるが、児童にインタビューをするのはいいことなのだろうか?まだこれから倫理というものを学んでいく児童に、変な経験をさせないで頂きたい。事件と同様に怒りを感じた。
  • 情報番組。「14歳少年バスジャック事件」の報道だが、番組内で少年の書いた文集等を紹介していた。番組制作者は何を考えているのか?事件と関係のないプライバシーを公表することを誰も疑問に思わなかったのか?
  • 「14歳少年バスジャック事件」の容疑者が「テレビを見ていて犯行を思いついた」と言っていたという。以前から言われていたことだと思うが、殺人を教唆するような事件報道や推理ドラマなどのあり方を、抜本的に再検討する時期にきているのではないか。
  • 報道番組。「秋葉原通り魔殺人事件」以降、ネット掲示板に殺害予告が掲載され、8日には9歳の女児が児童相談所に通告されるという事態が起きたが、各局の報道がこのようなことを助長しているのではないかと思う。書き込んだ本人は「世の中を騒がせたかった」と言っている様子で、これでは当人の思う壺なのに、結局はテレビが取り上げてしまうので「書き込めば注目してもらえる」ということを喧伝しているのと同じになる。一件一件を取り上げるのではなく、「その他のニュース」として注目度を下げた取り扱いが妥当ではないか。世界遺産の落書きも同様で、山口県の錦帯橋に黒スプレーで吹き付けられた文字の映像をそのまま放送していたが、その修復後に石組に書かれた同じ落書きを数日後にまたしても放送していた。「落書きしたことが放送されたこと自体を喜んでネットや仲間に自慢しているのではないか」という心配はしなかったのだろうか。
  • 無差別殺人等の凶悪事件が後を絶たないが、それらの報道では「むしゃくしゃした」「誰でも良かった」等の容疑者の言葉をまるでキーワードのように繰り返し、CGや効果音を駆使した演出で視覚・聴覚に訴え、更に犯行の様子を微に入り細に入り解説している。それらを繰り返し頭に刷り込まれることにより、影響を受けやすい若者は犯罪に対して妙な親近感を持つようになるのではないか。更に容疑者の境遇を自分のそれと重ね合わせ、自らの不満を責任転嫁し社会への憎しみを募らせることになる。そうして犯罪が次の犯罪を呼ぶことになる。報道する側は未熟な若者への影響をもっと意識して、どのような事件であれ極力冷静な伝え方をするよう徹底して欲しい。又、大分県の教員採用汚職事件に関しても余りに詳しくセンセーショナルに報道しすぎていないか?教員全体への信頼を失わせるような報道を見聞きする度に、子供達への影響を考えてもっと簡潔に伝えられないものかと苛々する。

【いじめや虐待を助長する】

  • バラエティー番組(A)。出演者の私物のサックスを勝手にシャワーの蛇口に改造する企画があった。このサックスは非常に希少価値の高いもので値も張るものだ。偽者か本物かの判断は視聴者には分からないが、あのような行為はどちらにせよ、楽器を演奏する人や作る人を冒涜している。更に所有者をいじめているようにも見え、とても気分が悪くなった。青少年へのいじめの助長等の影響も考えるべきだと思う。
  • バラエティー番組(B)。レギュラー出演者の一人を便器に例えて、それに向かって放尿するかのような仕草が放送されたが、いじめを見ているようで不快だった。時間帯が遅いとはいえ、出演するゲストによっては若い年代の視聴者も多いと思われる中、いじめにつながるようなシーンを放送するのは不適切だと思う。
  • クイズ番組。あるお笑い芸人に対する態度が前々から気になっている。演出とはいえ「ピーマンの顔をしろ」と言ったり、だまして途中から相方を出演させる等、なにが「子どもに見せたい番組」だ。いい加減にしろ。これからもこんな風だと子どものいじめのようで見たくない。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • 好きな番組の途中でホラー映画のCMが放送された。とても気持ちが悪く、またCMが放送されるかと思うと怖くて番組を見ることが出来なかった。ホラー映画のCMの放送は中止できないのか?中止しなくとも、ホラー映画のCMの放送の前に注意書きを流すなどの処置は出来ないか?大好きな番組なのに安心して見ることが出来ない。
  • 苦情を二つ言いたい。「競馬」「競輪」「競艇」は賭博行為なのだから、テレビもラジオも番組放送を止めるべきだ。また、電動式のパチンコ台は射幸心を煽り悪影響が大きい。とくに青少年への影響が問題だと思うので、テレビもラジオもパチンコ台のCMの放送は中止すべきだ。
  • 最近のテレビのCMを見ているとパチンコのCMがあまりにも多い。明らかに教育上良くない。日曜日の昼間からCMが流れている状況は異常だと思う。子供から「これ何なの?」と聞かれ「これはギャンブルだからしては駄目だよ」と言うが、アニメのキャラクター等を使用している為、ゲームセンターと変わらない認識しか持っていない。未成年でありながら遊戯したがる子供も出てくると思う。せめて子供の見る時間帯の放送はやめて、夜10時以降にCMを放送するようにして頂きたい。儲かれば何でも良い世の中を進めていけば必ず社会は崩壊します。放送局も収入が苦しいかもしれないが、ここで規制をかけるべきだ。是非、お願いします。
  • 先生の顔にいたずら書きをする家庭教師のCMだが、子供への悪影響が大きいと思う。あれを見て、顔への落書きは当たり前だと思って、真似をする子供が出てきたらどうするのだ。フィレンツェの大聖堂にいたずら書きをしたバカな日本人がニュースになったが、ああいう非常識ないたずら書き人間を増やす原因にもなりかねないから、あのCMは放送中止にすべきだ。

【暴力・殺人シーンについて】

  • ドラマ番組。「弱者が突然強力な力を得て悪者を叩きのめす」という、ありがちな漫画のストーリーだが、映像と内容はどこにでもある幸せな家庭を何の理由もなく突然不良少年達が襲撃するという一般的にありえないようなショッキングな内容で、暴力を容認すると感じた。これを見た子ども達が「不良少年達をカッコイイ」と感じるような内容に仕立てているように感じた。深夜帯だとしてもテレビで流すべき内容でないと思うし非常に不愉快な内容だった。
  • 情報番組。海外で起きた、妹が姉を殺害し遺体を切断遺棄したという凄惨な殺人事件のことが、事実を基に再現放送されていた。出演していた司会者やゲストがその事件をネタに笑い顔で会話しているのを見て、この人達はこんな恐ろしい事件を目の当たりにして一体何を考えているのかとひどく落ち込んだ。同時に、こんな放送をしている放送界も利益第一・視聴率第一主義で、人間の理性が失われているのではないかと疑問に感じた。この放送を見た子供が、就寝間もなく「怖い」といって起きてきた。おそらく番組のことが頭に残っていたのではと思う。そんな衝撃的な事件について面白おかしく出演者に演じさせ、視聴者の興味だけをそそらせる構成は到底許せない。
  • この番組枠では連日「サスペンスドラマ」を再放送しているが、学校が夏休みの間は若者達も見ていると思う。殺人事件を誘発するなど青少年への悪影響が心配だから、この時期にこの種のドラマを放送するのは不適切だ。

【犯罪を助長する】

  • バラエティー番組。出演者の女性が痴漢のでっちあげを自ら告白したが、これはれっきとした犯罪だ。痴漢は、警察に拘留され検察から告訴された後、原告の証言のみで有罪確定し刑務所へ連行される。取り調べ中のビデオ撮影は導入されていないし、99%が有罪になるのが日本の司法だ。そんな日本の司法制度の中でこの発言である。ただでさえ日本のテレビ番組は女尊男卑が横行している。何も知らない子ども達は男性が低俗な獣にしか見えないのではないかと危惧する。

【動物に関する意見】

  • アニメ番組。ペット飼育禁止のマンションに住む家族が、捨て猫を拾ってきて育てる過程を描いたアニメである。内容からみて、幼稚園から小学校低学年程度の子供を対象としているように見受けられる。原作HPによれば、管理人に見つかって止むなく引っ越すというストーリーとなっているようだ。この番組を見て作者の倫理観を疑わざるを得ない。動物愛護の名の下に、共同生活であるマンションの規約を破って動物を飼うことが美化されており、「可愛ければ、見つからなければ飼っても良い」と子供に訴えているようにしか思えない。ペット禁止のマンションであれば、動物嫌いの人や動物アレルギーの人等が住んでいることもありえると思うが、その人たちに対して迷惑を掛けているかも知れないという観点は全く描かれていないようだ。子供への悪影響も無視できない。

【表現・演出に関する意見】

  • 教養番組。通学中の児童数名の映像で、一人の子の顔にボカシがかかっていて異様な光景だった。何か事情があって映せないのなら、その子の映っている映像を使わないようにすべきだろう。顔だけボカシをかけていても、その子の背格好や服装から、また、顔の映っている一緒に通学している他の児童から、近所の人には誰だか分かってしまう。これでは余計な詮索を招き、その子や家族に対して不信な目が向けられることになると思う。

第138回 放送と人権等権利に関する委員会

第138回 – 2008年8月

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理 実質審理開始

仲介・斡旋解決事案 ……など

中国放送(RCC)の「広島県知事選裏金疑惑報道」をめぐる名誉毀損の訴えについて、今月から実質審理が始まった。また、九州の民放テレビ局で起きた「誤報」に関する仲介・斡旋解決事案の報告等が行われた。

議事の詳細

日時
2008 年8 月19 日(火) 午後4時~6時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
竹田委員長、堀野委員長代行、五代委員長代行、右崎委員、 崔委員、武田委員、中沢委員、三宅委員、山田委員

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理 実質審理開始

1997年の広島県知事選挙に絡んで裏金を受け取ったとの疑いを持たれ、中国放送(RCC)のニュース番組で実名報道された元県議3名が、『事実無根の報道により大きな被害を受けた』として、名誉権の侵害を訴えた「広島県知事選裏金疑惑報道」についての実質審理が始まった。

本事案については、当委員会運営規則に定められた申立の期間要件(原則として放送のあった日から3ヶ月以内に当該局に申立てられ、かつ、当委員会に対し、1年以内に申立てられたもの)を過ぎているものの、RCCが一連の実名報道の内容をインターネットの同社ホームページ上に本年6月まで文字情報の形で掲載してきた事実があること、自社ホームページでの配信行為はRCCの主体的意思の表明と見られること等から、先月の委員会で、「文字情報による配信行為を、テレビ報道と同視し得るかどうかを審理の対象として判断し、同視し得る場合には申立て内容についても審理の対象とする」ことを決定、今月からその実質的な審理が開始されたもの。

委員会では、申立人から提出された「申立書」「申立補充書」、及び関連資料、被申立人であるRCCから提出された「答弁書」、及び関連資料等をもとに、「同視できるか、どうか」について各委員の間で活発な議論が交わされた。しかし、この日は結論を得るまでには至らなかった。
このため、申立人から8月末に提出される、「答弁書」への「反論書」、及び、反論書に対して、被申立人から「再答弁書」提出の意向があればその提出を待ち、これらをもとに9月の委員会でさらに議論を深めることとなった。

仲介・斡旋解決事案

事務局より下記案件が報告され、了承された。

『亡くなった家族を生きているように間違って放送された』と抗議

九州の民放テレビ局が、「スーパーマーケット前で、じゃんけんで勝つと品物が安く買えるゲーム」(VTR撮影)を行い、夕方の情報番組内で放送した。(08年6月26日) 放送後、ゲームの参加者(申立人)から、「家族構成は祖父母、両親、子供4人」と字幕入りで放送されたため、取引先や知人から「祖父母は、まだ生きているのか」「前に香典をおくったが・・・」などと疑惑の目で見られたり、不審に思われたりして迷惑を受けたとして、局に対し、訂正と謝罪をしてほしいとの抗議がなされた。
実際は、両親に子供6人の8人家族であったのを、取材者が聞き間違えたか、思い込みによって誤報となったもの。

抗議に対し、局側は電話で事実を間違えたことを詫びたが、謝罪文(申立人が知人に説明するため、局側が間違えたことを証明する文書)の提出を拒み、また、自宅へ謝罪に来てほしいとの要請についても断ったため、放送人権委員会への相談となった。

事務局からの事情聴取に対し、申立人は「訂正・謝罪は求めない」「慰謝料等も求めない」と述べていたこともあり、局に対し、「誤報で迷惑を掛けたのは事実であり、電話だけでなく自宅に出向いて謝罪し誠意を示すのもひとつの解決法ではないか」と勧めたところ、部長でもあるプロデュサーが申立人宅に出向いてお詫びした。申立人は「早い段階で誠意を見せてほしかった」と言いつつもこれを了承し、一転解決となった。申立人は、局が誠意を持って謝罪したことを評価し、謝罪文は要求しなかった。

放送から約1ヵ月後の7月に解決となったが、局側は「これまでの対応と今後の対策」を盛り込んだ説明・報告書を放送人権委員会委員長宛て送付、その中で「間違って放送したことは事実であり、直ちに訪問して謝罪すべきだった」と反省している。

7月の苦情概要

審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・9件
(個人又は直接の関係人からの要請)
人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・158件
(人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

次回委員会は9月16日(火)に開かれることとなった。

以上

休会

休会 – 2008年8月

中学生モニターについて

例年8月は青少年委員会が休会のため、委員会に寄せられた視聴者意見と中学生モニターからの意見は、9月委員会で審議される。なお、8月分中学生モニター意見の概要は下記のとおり。

中学生モニターについて

今月は29人から、31件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。
今月もこのひと月ほどの間に見た番組についての意見を募集したが、分野別に見ると、ドラマが最も多く11件、バラエティー番組が8件、北京オリンピック中継についてが5件、報道系番組が3件、そしてドキュメンタリー・情報系番組・アニメ番組・音楽番組が1件ずつだった。
局別では、フジテレビ系が9件、TBS系が7件、日本テレビ系が4件、テレビ朝日系が2件、テレビ神奈川と朝日放送が1件ずつ、1局に収まらない番組分野全般への意見が7件だった。

・ドラマ番組

ドラマで複数意見があったのは、『33分探偵』と『魔王』で、4件と2件だった。『33分探偵』は「たとえ5分で解決できる事件でも、33分もたせる、そんな変な推理ドラマで、逆の発想にとても驚きました。でも、最後まで探偵の推理が当たっているのかわからない、という点できちんと推理ドラマだなぁ、と感心しました」、「今まで夜中のバラエティーにしかなかったあの特有のゆるくてぐだぐだな感じが全面からにじみ出ていて、とても新鮮味がありました。このドラマは新境地を開いたと思います」などと好評だった。『魔王』も「嵐の、大野智さんの初主演ドラマです。他のドラマもあまり出ていない大野さん的には、翳りがあって口数の少ない主人公は、非常に好都合な役柄だったのではないでしょうか」、「ストーリーは一回でも見逃してしまうと分からなくなってしまうくらい、毎回毎回の内容がとても充実しています。そして、毎回毎回予想を裏切ってくるのも面白いです」と好評だった。
またお昼過ぎの帯ドラマ『大好き!五つ子2008』には、毎年夏には必ずこの番組を見るというファンから、「毎年、年が経つごとに面白くなってきています。コメディーのドラになっています。しかし、出演者の演技が下手です。それがとても気になります」という意見があった。

・バラエティー番組

バラエティーでは、批判意見があったのは『27時間テレビ』に2件だった。「私にとっては少し退屈な番組でした。なぜかと言えば、まず特に企画がないということです。そして次に、出演者の人たちの間のみで話が盛り上がってしまい、視聴者にとっては退屈だし何だかよく分からなくなる、ということなのです」、「今年の27時間テレビは最悪でした。2日目の夜、『めちゃイケ』のコーナーです。北野たけしがナインティナインの岡村さんや司会の明石家さんまさんの愛車に落書きをしたり、車の上に車を乗せるなどのシーンを見て、楽しいと思えた人はどれだけいたでしょうか」というものだった。

・北京オリンピック中継について

好評意見は「良い結果のニュースだとしても、悪い結果のニュースだとしても、明るくなる」、「迫力ある映像はとてもすごいです。その会場の熱気が届きそうなくらいです」の2件で、批判意見は「ゆるせないのは、マスコミが、選手に期待をかけすぎていること。もっと選手の心を考えオリンピック中継をしていただきたい」、「とにかく同じ場面を繰り返しすぎているのである。金メダルとなればずっとそのレースやインタビューを繰り返し放送している。これでは視聴者が不快に思ってしまうのではないかと思う」、「開会式を3、4回再放送していたが、踊りや歌は正直どうでもいい、何回も流すものではないと思う」、「国際映像のテロップについて、NHKは国際映像をそのまま使っているが、読み慣れていない英語だけでも日本語にしてもらいたい」など4件だった。

・報道番組

報道番組では、オリンピック報道に関連して「なぜ、事故や事件があるのにそれを削ってまでオリンピックの事を放送するのでしょうか?また、中国のギョウザ事件など、その後の政府の対応についてはどうなったのでしょうか?」という意見があった。また『NEWSリアルタイム』の、大食いタレントが記録に挑戦するコーナーで、完食したお皿の枚数を水増ししたことが発覚したニュースに関して、「テレビ局の、数え方の認識が個人個人で異なっていたため事実とは異なる枚数になってしまった、という説明はちょっと信じられない。たくさんの人が見る時間帯の番組なので“事実”を放送しないといけないと思います」という意見も寄せられた。

・ドキュメンタリー番組

『原爆-63年目の真実-』には「日本は世界で唯一の被爆国であり、その苦しみを知る人は年々少なくなってきている。マスコミは、戦争について、原爆について、もう少し伝える必要があると思う。この番組では、被爆後の長崎で、米軍が撮影した少女にスポットを当てていたのだが、そういう視点に立った番組は珍しいなと思ったが、1時間もそれを取り上げているのは長すぎるのではないか、と少し違和感を覚えた」という意見が寄せられた。

9月のモニター報告は、このひと月ほどの間に見た番組の感想・意見・批判など。これが今年度前期モニターの最後の報告になる。

また7月26日(土)に開催した「中学生モニター会議」(テーマは、ニュースやワイドショーなどを中心にした、報道系の番組について。全国の中学生モニター16人と青少年委員6人が参加)の報告書を制作中。9月下旬までに完成予定。