第4回 放送倫理検証委員会

第4回 – 2007年7月

委員会決定案の一部を修正

前回の審理に続き7月26日臨時に開催した第4回委員会では、追加調査結果を踏まえて最終審理を行い、吉岡委員がまとめた委員会決定案の一部を修正することで大筋の合意を得た。細部の表現の字句調整を委員長と担当委員に一任し、8月6日に「通知・公表」することを決めた。

第81回 放送と青少年に関する委員会

第81回 – 2007年7月

罰ゲームやいじめ等に関する継続審議について

視聴者意見について …など

罰ゲームやいじめ等に関する継続審議について

本田委員長から「前回委員会での審議の結果、今後、バラエティー番組での罰ゲームやいじめ等に関してさらに議論を深めていくことを決定したが、具体的には次回の9月委員会でこの問題について多角的に議論したい。まずそれに向け、罰ゲームと思われるものが出てくるバラエティーや視聴者から苦情が寄せられたドラマ等の番組を委員それぞれが視聴して、次回委員会の審議に備えてほしい。また、テレビでのいじめ等が子どもたちに及ぼす影響については、はっきりと実証されてはいないが、そうだという意見もあって、その点についても議論していきたいので、それに関する文献等があれば提供いただきたい。委員会としては、改めてこの問題を審議し、そのうえで放送局側に要望を出すことについても考えたい」との提案があり、了承された。

視聴者意見について

7月から始まった高校が舞台のいじめをテーマにした深夜帯の連続ドラマに関して、「いじめを助長する」「いじめのシーンが陰湿で刺激が強い」といった視聴者からの批判的な意見が多数寄せられ、委員からは次のとおり発言があった。

  • 連続ドラマについては、最終回までの全体を見ないとなんとも言えないところがあるので、1、2回だけを見て判断することは難しい。今後の展開を注視していきたい。
  • 連続ドラマの場合、途中の描き方に問題があっても最終的には視聴者が納得できる結末で終わるように作られていることが多いので、過剰に反応する必要はないのではないか。
  • 放送局は、現代社会をテレビドラマの中に反映させて作っている。内容のいい悪いは別にして、いじめといった社会の病理を描くことには意味がある。

次に、いじめ問題を取り上げた情報番組の中で、コメンテーターが「いじめられる子が悪い」といった発言について、視聴者から「こういった発言はご法度で、教育委員会に聞いたら”言うべきではない、放送なら尚更だ”と言っていた。謝罪なり訂正してほしい」と意見が寄せられ、委員から次のような発言があった。

  • いじめられている子どものことを考えると視聴者からの意見の内容はもっともだが、公的機関を権威づけに使って謝罪や訂正を求めるのはいかがなものか。
  • いじめ問題は、いじめられる子ども=被害者、いじめる子ども=加害者というかたちだけではなく、いじめる子がいじめられる子になったり、またその逆のケースもあるように複雑なこともあるので単純に論ずることはできない。

このほか、今年度からBPOのホームページにおける青少年に関する意見の掲載方法を、BPO全体で統一したことについて、「意見のとりまとめが集約しすぎてわかりにくい」「以前のように詳細に掲載したほうが、視聴者がなにを考えているか分かり有効だ」といった視聴者意見が寄せられ、委員からは次の意見が述べられた。

  • HPの視聴者意見には”お断り”として「あまり長い文章は要約、類似意見は代表的なものを掲載する」ということを明記しているので、分かってもらうしかない。
  • 寄せられた意見を全部そのまま掲載するわけにはいかないのだから、ある程度整理するのは仕方がないので、このままでいいのではないか。

以上の意見が出され検討した結果、掲載するに当たっては公正に処理しているので、当分は現状の方法で掲載することにした。

中学生モニターについて

7月はモニター会議に向けて、「好きな番組・嫌いな番組、その理由」というテーマで意見を募集した。

意見を寄せてくれたのは28人。分野別ではバラエティーに関する意見が33件(好き12、嫌い14、好き嫌い両方7)でドラマについてが17件(好き13、嫌い2、両方2)だった。あとは件数がぐっと減ってアニメが3件(好き2、両方1)。2件ずつ意見があったのが、音楽番組(好き2)とニュース系番組(好き2)、スポーツ中継(嫌い2)だった。そして情報番組(両方1)が1件だった。局別ではフジテレビ系が23件、日本テレビ系が14件、TBS系8件、テレビ朝日系6件、テレビ東京系3件、NHK1件などだった。

  • バラエティー分野では、『はねるのトびら』に7件(好き2、嫌い3、両方2)と意見が集中した。好きという意見は、「テンポが良く”短縮鉄道の夜”や”ほぼ100円ショップ”のコーナーが面白い」というもの、嫌いという意見は「”ギリギリス”や”つかじクリニック”のコーナーの罰ゲームなどが度を越していて不快だ」というものだった。
    次は『めちゃ2イケてるッ』に3件(好き1、嫌い1、両方1)で、「毎週10年見続けた、友情の大切さを知った」という大ファンの意見がある一方、嫌いは「危険なゲームが心配・食べ物を粗末にしている」という意見だった。
    2件意見があったのは『中井正広のブラックバラエティー』(好き1、嫌い1)と『脳内エステIQサプリ』(好き1、両方1)。前者では、好きは「ウケをねらっていないけど面白い番組」という意見で、嫌いは「正直伝えたい事が分からない、食べ物の扱いもひどすぎる」という意見だった。後者では、好きは「家族と競って問題が解けて面白い」など、嫌いは「最近は問題がややこじつけ的になっており、食べ物でつっている感じもある」というものだった。
    他に好きな番組としては『天才!志村どうぶつ園』『嵐の宿題くん』『まごまご嵐』『学校へ行こう!MAX』『ドッカ?ン』『平成教育委員会』『水10!』、好き嫌い両方は『ザ!鉄腕!DASH!!』『行列のできる法律相談所』『いきなり!黄金伝説』『アドレなガレッジ』『アメトーク』、嫌いは『芸恋リアル』『ズバリ言うわよ!』『オーラの泉』『ミリオン家族』『笑いの金メダル』などだった。
  • ドラマでは4本の番組に2件ずつ意見が寄せられた。『パパとムスメの7日間』(好き2)は、「素朴な人間関係が描かれ、オーソドックスなストーリーで安心感がある」、『牛に願いを』(好き2)は、「現実問題も重ね、愛と成長と感動の青春を自分も体験している気持ちになれるし、メッセージ性が強くてよい」という意見だった。『探偵学園Q』(好き1、両方1)は、好きが「ドキドキしスリルがある。ドラマとマンガのイメージが似かよっていて良い」、嫌いが「残酷でグロテスクそして放送時間が遅すぎる」というものだった。『花ざかりの君たちへ』(好き1、両方1)は、好きが「意外性があり主人公が楽しそうに見える」、嫌いが「映像にハートマークを入れたりして作りすぎだ」などだった。
    その他好きな番組として『わたしたちの教科書』『ライアーゲーム』『プロポーズ大作戦』『山田太郎ものがたり』『どんど晴れ』などが、嫌いな番組として『喰いタン2』『バンビーノ!』などがあげられた。
  • 他に2件意見があったのは『ニュースZERO』(好き2)。「2人のコメンテーターが出て来るのでいろいろな見かたができる。その日の出来事があった時間が分かるので見やすい」という内容だった。
    その他アニメ番組では『REBORN』(好き1)『ハヤテのごとく!』(両方1)などに、音楽番組では『うたばん』(好き1)と『ミュージックステーション』(好き1)に、情報番組では『サンデーモーニング』(両方1)に意見が寄せられた。
    分野全体に対する意見は、スポーツ中継に2件(嫌い2)で、「放送延長で番組の時間が変わるのが迷惑」などだった。
    青少年委員会での委員の発言を紹介する。

    • やはり罰ゲームに関心が高くバラエティー、特に『はねるのトびら』に数多く意見が寄せられている。モニター会議でもいろいろ議論ができるだろう。
    • 『ニュースZERO』が好評だが、「事件などが起きた時間が出るのが、自分の行動と比べられて良い」という意見があった。いろいろ考えている番組だ。
    • 『オーラの泉』への意見で「人には見えないものを武器にするのはズルい」という意見は的確な番組批判だ。
    • 中学生モニター会議で単に番組の好き嫌いを言い合っても仕方がない。テレビ番組について批評しメディアリテラシー力を養う必要がある。

中学生モニター会議

7月27日に開かれた「中学生モニター会議」には、全国から14人のメンバーが集まり、青少年委員会委員と活発に意見交換をした。

青少年委員会本田和子委員長のあいさつの後、青少年委員が自己紹介し、中学生モニターがモニターに応募した理由やどんな番組を何時間ぐらい見ているか話したあと、話し合いが始まった。

7月のモニター報告「好きな番組・嫌いな番組、その理由」をもとに、まずバラエティー番組について好きな理由・嫌いな理由そして罰ゲームの是非についてなど1時間ほど話し合った。ドラマについては、番組改編期に新しいドラマをどう探すか、どんなドラマが好きか、賛否両論あるドラマについてなどを話し合った。そしてその他の番組についても触れた後、テレビとケータイの比較について、大切なのはどちらかなどを話し合い3時間のモニター会議は終了した。

9月上旬には会議の模様をまとめた冊子を発行する。

<調査・研究活動について>

橋元委員から「今、テレビは子ども達にどう見られているか?(仮)」の調査について、報告書は最終原稿のチェック段階に入っている。今回の調査では、インタビュー、事前アンケート、日記式の3つの方法で調査を行ったので、それらをどう使い分けるかが難しいところだ。また、今回は量的調査ではないので、少数意見をどう盛り込んでいくか再度検討することになっている、との報告があった。

2007年7月に視聴者から寄せられた意見

2007年7月に視聴者から寄せられた意見

7月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,469件で、6月との比較では150件の増加となった。

意見のアクセス方法の割合は、Eメール66%、電話28%、ファクシミリ3%、郵送ほか2%である。(*Eメール数には同一人の多数意見を含む)

男女別は男性75%、女性22%、不明3%で、世代別では30歳代(43%)、20歳代と40歳代(13%)、50歳代(9%)、60歳以上(6%)、10歳代(4%)の順となっている。

2007年7月に視聴者から寄せられた意見 1,469件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2007年7月件数 年度累計
人権等に関する意見 28 件 69 件
放送と青少年に関する意見 137 件 [ 意見内容 ] 665 件
放送番組全般にわたる意見 469 件 [ 意見内容 ] 2,407 件
BPOに関する意見・問い合わせ 82 件 487 件
その他(放送関連以外) 753 件 2,280 件
意見件数 計 1,469 件 5,894 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は397件(33放送局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

7月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

人権関連の苦情[28件]

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 12件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 16件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

7月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,469件)のうち【情報ワイド番組・バラエティー番組】に関する意見は681件(全体の46%)で、その内容は”不適切な内容や発言・表現、不適格な出演者”(455件:全体の31%)、”低俗・下品な番組”(131件:9%)、”モラル・倫理観の欠如”(95件:6%)である。

次いで【報道番組】に関した意見が673件で”放送の公共性と影響力、メディアの規制”(314件:21%)、”取材・報道のあり方”(241件:16%)、”政治的公平・公正”(118件:8%)となっている。

特に7月は「参院選」に関して300件余の意見が、「新潟県中越沖地震」に関した取材・報道のあり方についての批判(56件)がそれぞれ寄せられた。
また、「洋菓子メーカー問題」についての放送局批判や、その審理状況への意見・質問も引き続き寄せられている。

なお、「人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)」への相談・意見(28件)とは別に、放送番組全般の意見の中で「人権問題や差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念は6月の201件から123件と減少した。

【放送局の電話対応や応対の姿勢】に関する苦情・抗議は208件で前月と比較して34件の増加となった。
【CM関係】「不適切な表現・内容」との指摘を中心に41件の意見があった。

青少年に関する意見

7月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは137件と先月に比べ12件減った。内容に関しては、高校を舞台にいじめをテーマにしたドラマに対し「いじめを助長する」と言う意見が24件あり、今月も”いじめ”に関する意見が目立った。特定の番組に対する意見は84件あったが、そのうちフジテレビの番組に対する意見が44件と全体の約半数を占めた。

番組全般

7月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは137件と先月に比べ12件減った。内容に関しては、高校を舞台にいじめをテーマにしたドラマに対し「いじめを助長する」と言う意見が24件あり、今月も”いじめ”に関する意見が目立った。特定の番組に対する意見は84件あったが、そのうちフジテレビの番組に対する意見が44件と全体の約半数を占めた。

番組全般

【特記事項】(「取材・報道のあり方」「局の姿勢」などから抜粋)

  • 中越沖地震の取材に際し報道陣のヘリコプター、セスナなど航空機が低空で飛行するため子供も怖がっている、大型の中継車などが大挙して来ているため道路が渋滞し防災事業にも影響を与えている。報道各社は被災者に対して配慮が足りないのではないか。
  • 参院選関連で首相単独出演を問題視している声があるようだが、わたしは首相自身が単独で語る所も見たい。マスコミは政治家の言う事をすぐ悪意に解釈し、私たちが感情的に煽られることを期待しているかのような放送ばかりしているので、一国の首相が何を考えているかを聞く場を設けてほしい。誰もが政党の会合などに行けるわけではないので、テレビでそういう機会があればありがたいと思う。

【取材・報道のあり方】

  • 新潟県中越沖地震発生後は各局が上空から実況していた。救助隊は、瓦礫の下の人のうめき声などに細心の注意を払いながら活動している。被災者のうめき声がヘリコプターの音でかき消されてしまう。阪神淡路大震災の教訓として、人命救助活動中にヘリコプターを飛ばすのは止めるように反省したはずだ。上空からの撮影は、自治体・警察・自衛隊などの映像を各社とも利用させてもらうようにして、救助活動の邪魔にならないようにするべきだ。こんなことをしていると、総務省から注意がくる。選挙速報だって注意があったばかりだ。人命にかかわることだけに、放送界としてもしっかりしたマニュアルを作らないと、国の規制を受けてしまう。
  • 新潟県中越沖地震が起こり、それ自体も大変だろうが、更にマスコミが大挙して”取材”を大義名分にした迷惑行為に住民の日常生活が脅かされる日がはじまるんだな、気の毒だなとも思った。こういう非日常的な災いが起きるとヘリの音はうるさいし感情的になるだけで現地の人の助けにはなっていないような取材ばかりだ。取材スタッフが現地の人にとって必要な電池や水などを買い占めて迷惑をかけているという話も聞いた。
  • 中越沖地震の被災地のリポートで、発生当日、現地の事業所内で、倒れたタンクの下敷きとなったトラックを発見した取材班は、救助連絡をリポーターの携帯電話で通報しパトカーや救急車、消防車が数台が駆けつける事態となった。取材班はあらかじめ通報段階からカメラをまわし続け、その一部始終を翌朝のワイドショーで放送した。ところが、この日、事業所は祝日の休業で、下敷きのトラック内も無人で、結局、救助は無用となり、警察消防は引き上げていった。震災のような大規模災害では、同時にたくさんの災害救助に追われることになるが、こうした救助無用の空振り出動で、救助車両を振り回し時間を費やさせることにならないよう、もっと慎重に通報すべきではないか。他の被災者の一刻一秒を争う救命救急の妨げになっては大変なことになる。番組上の功を急ぐあまり、災害救助の妨げや被災者の迷惑になることは厳に慎むべきだ。
  • 中越沖地震の直後、長時間にわたり公共放送のテレビで鉄道や道路の情報を見ていたが、第三セクターの北越急行が止まっていることに何も触れていなかった。翌日視聴者コールセンターになぜ必要な情報なのに報道しなかったのかと訊ねたところ、JR等主要な交通機関を中心に報道しているため、北越急行については報道しなかったとの答えが返ってきた。日常ならともかく、地震の後である。何のためのライフライン情報なのだろうか。
  • 民放の台風報道は、何故あえて波止場付近などの危険箇所でアナウンサーが浪飛沫をかぶり、吹き飛ばされそうになりながら悲鳴のような声で伝える必要があるのか。臨場感を伝えるためか?野次馬根性?もっと別の伝え方があるだろう。少しは頭を使って欲しいものだ。そんな危険な所で実況中継をすれば、世の中には様々なレベルの人がいる訳で、レベルの低い人や子供が自分も行って見てみたいと思い、実際に行き、事故が起きたらどのように責任をとるのか。テレビ等の報道というものは、思想教育にも使われるぐらいなので国が統制している国もあるぐらい怖いものだと思う。ただ単に面白いからとか伝えたいからという事だけで放送することは考え直して欲しい。
  • 参院選が本格化しテレビや新聞が連日のように世論調査と称して投票行動を予想しているが、公職選挙法が禁止する人気投票の公表に抵触するのではないか。また放送法に照らしても政治的公平を害している、あるいはギリギリのテレビ報道(特に民放2局)が多いと思う。特に日曜日の討論番組の司会者のように特定の政治家の発言を遮って妨害や強引な議論誘導をしたり、他の民放局に出演した場合でも「○○党は頼りがない」などと根拠も示さない誹謗中傷まがいの発言が見られる。このような言動や行為は公序良俗から見ても不快だし、法的にも問題があると思われる。
  • 参院選を目前に控え、民放での候補者の紹介は話題の人や知名度の高い人などの紹介ばかりで中立性に欠けている。過去に何度も指摘されているにも関わらず、一向に改善される気配がない。また出口調査と称する情報で開票から10分もたたないうちに候補者の当選確実というおかしなことが発生し、以前にはなかった情報の混乱を招く結果となっている。民放は国民に対して情報操作しているという感じがする。
  • 「強行採決」と野党が騒ぐから何か大変な事なのかと思っていたら、要するに野党の合意を得られないまま与党が法案を決めてしまう事だった。それだけのことなのに、与党がとんでもないことをやったようなニュアンスの報道は偏向報道ではないのか。与党と野党は政治姿勢が違うのだから、完全に合意なんかできるわけがないじゃないか。たしかに最初に出された法案が誰かの意見を容れて手直しされることもあるが、それはそれで「骨抜きになった法案」等と文句をつけるだろう。文句を言って体裁を整えるのだからマスコミって結構な商売だ。他の情報番組にも言える事だ。
  • 最近食肉業者の偽装問題や渋谷の温泉施設の爆発事故などが起きているが、どの情報ワイドも結局は国が悪いということで落ち着いているようだ。それは責めやすいところを責めているだけなのではないか。食肉業者の社長の言っていた「安い物を喜んで買う消費者も悪い」という台詞、不正を行った者が言うのはただの責任転嫁だが一理はある。物を作るには原材料費や人件費などそれなりのコストがかかり、適正価格がある。それを安ければ安いほどいいと考えている人が多いのも事実だ。でもそれをテレビでいえば視聴者の反発をまねくだろう。企業に対しても相手の非があきらかな場合以外は抗議を招くし、それに対して国や行政は抗議しない。同社の不正を見逃したことだって、取締る側は不正をする者があれこれ知恵を絞って行うことを後追いで取り締まって行かなければならない。テレビに出てコメントをしている知識人とかいう人の言うことを聞いていると、その馬鹿ばかしさ、卑怯さ、浅はかさに本当に腹が立つ。
  • 食肉偽装や中国からの輸入食品の危険性を考えると、加工食品の原産地表示や違反した時の厳罰化を是非早く法制化してほしいのに、マスコミは少しもそこに話を向けませんね。スポンサーがいい顔をしないのか。加工食品は手抜きのイメージのある冷凍食品だけじゃない。醤油、味噌などの調味料、豆腐、こんにゃく、パンなど、生活に欠かせない食材が含まれている。
  • テレビは公務員を目の敵にして国民の憎しみを煽りたてているようだ。年金や立場における安定の代わりに、公務員は一般よりは給与が低くストライキ等の権利を剥奪されている。定年も早い。今は不景気だからそれでもその安定性がうらやましく見えるのかもしれないが、民間企業に勤めている人達とは違う条件の下でバランスを取るために作られたのものがテレビで俗にいう”特権”だろう。民間企業に勤めている人の苦しい立場はリストラや規制緩和の美名のもと、正社員の首切り、パートや派遣などの臨時雇いを簡単にできるようになったという、企業側にきわめて都合のよい体制の中で、しかも高所得者側に手厚い税制でつくられたものではないか。そうしたことは何か問題が起きた時もさわる程度にしか報道しない。それはスポンサーである大企業や局の上層部、偉そうに行政などを批判している人達も一般の人に比べるとはるかに高所得なので、自分たちに都合の良いこの税制などに一般人の怒りの矛先を向けたくないと考えているのか。
  • 去る3日、米政府の核拡散防止担当特使が「原爆が戦争を終わらせ、数百万の命を救ったことにほとんどの歴史家が同意すると思う」という発言があった。報道各社はなぜ反論しないのかと思った。的確な反論をしないということは、意訳すれば発言を認めたことであり、数百万の命を救ったとなれば人道兵器ということになるので核抑止という概念は崩壊してしまう。報道のあり方に問題提起したい。
  • 元防衛大臣の発言を非難するのはいいと思うが、それならそれで彼がそれを言った背景、国防においての米軍との一体化や日本が先の大戦を検証するにあたって「(戦争は)悲惨だった」というのは納得できる。しかし、米国側の主張する「正義」にばかりに寄りかかってしか物事を言えなかったこと、そういう日本の現状をつくりあげてきた責任はマスコミにもあることをきちんと自覚し反省をしてから、新たに米国の原爆投下、ひいてはそれを容認するような久間発言を批判してほしい。
  • 民放ラジオ番組の交通情報コーナーなどで、日常的に「交通取締り情報」を放送している。その目的が理解できないし、情報を聞いた者だけが得をする結果になり不公平感が拭えない。
  • 特定の放送局や番組に限ったことではないが、ここ数年、ニュース番組で訂正するシーンが多くなってきたように感じる。間違った人物の写真を画面に表示、人の名前の漢字の読み間違いなど、「訂正してお詫びいたします」という文言を一日に数回耳にすることが珍しくなくなってきている。原稿の作成者、放送用資料を準備する人の意識が低くなっているのではないか。今後、このような誤りが減ることを期待する。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 東京キー局のゴルフ選手絡みの盗聴が問題になったと思ったらこんどは中京地区のテレビ局が中越沖地震の避難所に隠しマイクを使って盗聴しようとしたという事件が明るみに、更に公共放送の高校野球県大会でダッグアウトにマイク設置が発覚。一体放送局の報道・取材モラルはどうなっているのか。多数のヘリ取材、大勢の取材陣と中継車などのためただでさえ地元被災者の顰蹙をかっている中での出来事である。ワイドショーなどでコメンテーターが偉そうなことを言ったり、口を開けば「報道の自由」を言うが、視聴者は民放局の言うことが信用できなくなっている。隠しマイクの問題は取材者が常識を持っていれば防げることだ。しかもどの局も自分の事件のことは一切報道しない。反省をあらわすためにも自分でシッカリ報道すべきだ。こうした問題を検証委員会で取り上げ論議して欲しい。
  • 新潟県中越沖地震災害被害者支援として募金活動を行っているが、ダイヤルQ2を利用するため100円を寄付するためには情報料、通話料と合わせて寄付金以外に160円かかる。情報料はNTTに支払うがその一部は情報提供者、つまり放送局の収入となるシステムだ。スマトラ地震の時もテレビ局は「2億円の寄付が集まり局からは1000万円寄付した」と発表したが、2億円集まるための手数料はいくらになるのか?本当に善意での寄付ならこのようなシステムではなく、寄付する者の負担を少なくするシステムにするべきだと思う。
  • BPOが早朝の情報ワイド番組問題の審理入りを決めたことを知り心強く思っている。洋菓子メーカー問題に関してだけではなく、この番組の司会者は日常から非常に暴言が多いので、これらに関しても審理を行い、数々の発言に対して謝罪させていただきたいと思っている。
  • 不祥事続きの東京キー局が自称「謝罪」といくらかの減俸で事が済んだようにしたが、マスコミの体質なんてこんなものかと思った。しかし、テレビでは社会保険庁の不始末をはじめ、安倍総理・歴代厚生大臣、社会保険庁長官などがボーナスを返上した事に関し「こういう庶民とはちがう高給取りの人間がボーナスを返上したとて本当はなんの痛痒も感じてはいないくせに、見え透いたパフォーマンスだ」と、多くの番組でコメンテーターが言っていた。それを言うならテレビ局の幹部も一緒だと思うが、あなた方は自分たちが批判している責任の取り方を、自分たちの業界の社長自らが行っているのに平然として、他に対しては批判を繰り返しているのか。今からでも遅くはないから、それらの批判に見合うような責任の取り方とやらをキー局の幹部は見せて頂きたいものだ。
  • 未だに非科学的な心霊写真やお祓い等をあたかも真実かのように放送している。内容がフィクションであることを明らかにしておらず、そればかりか視聴者から写真を募集し番組が責任を持って処置するなどという手法を用いて、いたずらに不安を煽っている。これらは明らかに「日本民間放送連盟 放送基準」8章「表現上の配慮」の(46)(53)に抵触しており、数字欲しさの番組制作現場のモラルの低さが露になっている。改善を求む。
  • 「どうしてあの店は潰れないのか」という企画があったが、対象となった業種の関係者を侮辱するものではないか。「どうして潰れないのか」など、余計なお世話だ。興味本位で他人に実情を探られることがどれほど迷惑なことか分からないのか。多くは潰れない程度の収入しかないのが現実だ。これを個人に置き換えれば、「どうしてそなにブサイクなのに結婚できたの?」「そんなに太っているのにどうして恥ずかしくないの?」というレベルの企画だ。番組プロデューサーの人間性がよく表れている。特定の人を侮辱するような企画や番組は、それによってその人たちが被害を受ける場合があり倫理上問題がある。
  • 番組中で暴力団構成員の人権を擁護するような発言があったが問題ではないか。この番組は、以前から出演者による核兵器を肯定するような発言、生活保護の切り捨てを論ずる批評家等、偏向が著しく視聴に耐えない。
  • 必要以上に多く食べることをなぜ競わなければならないのか?我々日本人も世界の貧困層の現実をもっと知るべきだ。世界の貧困層の現実を知れば、とても大食い王を決めるような番組を作る気が起きなくなるはず。このような番組は世界の貧困層の現実を忘れさせ、食に対する感謝の気持ちを忘れさせるなど、社会的影響が大きいので今後は放送しないでもらいたい。
  • 奈良の父親による母子殺人事件についてキャスターが父親に対し「お前だけが死ねばよかった」と叫んでいたが、あまりにもひどい暴言だ。父親はうつ病で精神的にも参っていた。今やメディアが常識をつくると言われているがこの発言が常識になってはたまらない。テレビ局の視聴者センターに電話したら「なにが言いたいのですか。私にはわかりません」と言うだけで私の意見を聞こうとしない。今や民放の報道は壊れている。
  • 女性タレントが「4万ボルトの電流の威力がどのくらいか」を説明しようとしていたが、彼女は5万ボルトの威力をもつスタンガンを持ち出し男性タレントに対して威力を試そうとする場面があった。当然、男性タレントは嫌がりスタンガンを押し付けられずに済んだが、いくらバラエティーとはいえ行き過ぎではないか?強盗事件にもしばしば使われる物を”人を脅す使い方”の見本のように気軽に放送している神経を疑う。
  • 日曜午前中の討論番組で、司会が社会保険庁職員をして「あいつら」「やつら」と呼んでいた。いくら批判を浴びやすい状況にある人々であってもこのような呼び方はきわめて不適切。テレビ局の視聴者センターに抗議したところ、応対者に「発言の自由については憲法で守られている」と言われ唖然とした。
  • お笑い芸人の司会者が番組内で喫煙するシーンが毎回放送されている。2003年に施行された「健康増進法」により、公共交通機関・公共施設・レストランでの分煙や禁煙が行われている。また、2005年に発効した「たばこ規制枠組条約」で受動喫煙の防止が各国の責務として定められ日本も批准している。名古屋に続き神奈川県でも7月から法人タクシーの全面禁煙を決める等、全国各地でタクシーの全面禁煙が実施されているとニュース報道で伝えていながら、何故喫煙シーンを放送しているのか。報道機関としての倫理観が欠如している。
  • 先日発生した車中での痴漢行為と同じことを番組で放送したが大変不愉快な演技だった。法律や世の中で許されないことはバラエティー番組とはいえ許されるものではない。公の電波には良識という制約があると思う。局は痴漢事件を報道しながら、視聴率のために痴漢行為の番組を放送するとはどういうことか。局に電話したら木で鼻をくくったような応対で腹だたしかった。このような番組は打ち切って貰いたい。
  • 風俗を面白おかしく紹介している番組があるが、若い女性に対しこういう世界でアルバイト感覚で働くのが流行りのような番組の作りであり、公共の電波で放送するにふさわしいとは思えないし、他局の番組でも風俗ばかりを紹介している番組がある。また、別のキー局では差別を生みかねない番組に特定の美容整形クリニックの医師が出演しており、ただの宣伝番組ではないかと思う。最近のコールセンターは各局ともにレベルが低い。対応マニュアルすら存在しないかのような態度だ。
  • 金曜夜の公開バラエティー番組の出演者が「エイズという病気を知っていますか?とても怖い病気です。日本で一番多いのはどこだと思いますか?それは福島県です。エイズ(あいづ)磐梯山」と発言した。これは福島県民と会津若松市民を侮辱する発言であり、全く根拠のないことである。お笑いであっても言って良いことと悪いことがあり、公共放送のこの局に対して、番組内での謝罪と同出演者の発言撤回、また同出演者に今後一切如何なる場であってもこの様な発言をしないよう要求したが謝罪がない。
  • 無人島でどのくらい快適に暮らせるのかを検証する内容だったが、やらせ・捏造だと一目瞭然でわかるものだった。雨が降ったら翌日にはドラム缶に一杯の水が溜まっていたり、都合よく野生の鶏がおりすぐそばで市販品のようにつやつやしている卵を発見したり、たまたま完熟の野生のパイナップルとバナナ、海水から作った茶色味を帯びた塩と、別の場面で出てくる市販品のような真っ白の塩など挙げればきりがない。最後は「協力すれば無人島で快適に暮らせる」。間違った内容を平気で放送するのは問題ではないか。
  • 女性リポーターが女性歌手に「あなた、パンツをいくつ持っているか」と質問していた。質問内容もくだらなく呆れたが、パンツをいくつ、とは非常識、無知もはなはだしい。パンツは何枚だろう。こんなくだらない、次元の低い番組(内容も出演者も)を放送するなんて情けない。BPOはこうしたくだらない番組の摘発、改善に積極的に取り組むべきだ。

【その他、番組全般】

  • 参院選に向けた安倍総理の演説が報道されているが、とにかくじっくり相手の話を聞けることが良い。民放の情報バラエティーは、人の言う事を切り取リ、内容を悪意をもって解釈したりするが、視聴者がそんな事をしてくれといつ頼んだのか。もっとじっくり彼ら(政治家)の言う事が聞けて判断できる番組を流してほしい。今の情報バラエティーを見ていると、コメンテーターの独善的な物の見方による判断を無理矢理視聴者に押しつけるようで不愉快。
  • うつ病に襲われた俳優とそれを支えた家族の6年間の闘病と葛藤の記録を再現ドラマに、専門医の解説を交えたドキュメンタリーとして大変秀作であったと思う。うつ病に対する正しい知識、それに適応した治療や家族としての支え方を周知認識させるに相応しい内容・構成であった。フィクションではなく事実を基にし、またその当事者の経験談や専門家の解説を加えることでより説得力を高め、理解を深めることの出来る作品に仕上がっていたと思う。このような実際にあった出来事や実際に闘病された方の経験を基にした番組がさらに放送され今後の社会に生かされていくことを期待したい。
  • 私は子宮癌と闘っているが、”余命1ヵ月”などと番組宣伝して視聴率を稼ごうという姿勢に疑問を持つ。そもそも”余命”という言葉そのものが最近軽く使用されている。余命や末期癌という単語は差別的で傷つける言葉だ。若くて癌と闘っている人は沢山いる。折角、明るい気持ちで治癒しようと生活している人に、朝から晩まで「余命1ヵ月」という単語が反復される事は非常に病気にも悪い影響を与える。今回のドキュメンタリーの主役の人も、生存中なら決してこの様な放送は見ないだろうし、朝から繰り返される「余命1ヵ月の」という番宣が出ると不愉快に思う。放送には数々の差別用語コードがあると聞いている。まだ癌患者に対しての差別用語は何一つ定められていない。これからの放送の参考にして頂けるようにお願いします。
  • 殺人事件の容疑者の情報を寄せてもらうという番組だったが、千葉の英会話教師殺害事件の再現VTRで非常に怒りを感じた。生放送のスタジオ内で英国人被害者の両親がいるにも関わらず、事件の経過を再現したVTRで、非常に残虐なイメージを放送していた。制作サイドの想像でしかないイメージ、しかも残虐なイメージを両親に見せる無神経さに非常に腹が立った。残虐な殺人現場を想像により映像化する力はあっても、被害者両親の心情を思いやる能力はないのか? 視聴者はそれほど馬鹿ではない。生々しい過激な描写などなくても事件を理解できる。このような視聴者を馬鹿にした、また被害者親族を配慮することのできない番組構成は二度と止めていただきたいと感じた。このようにテレビ番組に対して意見するようなことはこれまでなかったが、あまりにひどいと思い意見する。共に見ていた家族達も同意見だった。
  • サラリーマンを対象とした夜の番組は出演者が多彩であり、毎回楽しみに見ているが気になる点が幾つかある。まず、番組の雰囲気を和らげるためだと思うが、目上の人に対する言葉遣いが友人間の話し方になっている。話し相手に指を差したり、服装も礼を失したものが見受けられる。以前のNHKの放送は番組内容、出演者共に民放とは一味違った面が感じられ、画面を見ただけで判別出来たが最近はチャンネルを確認する事もしばしばある。
  • リタイアしてテレビを見る機会が増えたが何でくだらない番組が多いのか。どの局も同じような芸能もの、殺人事件を取り上げている。政治家も取り巻きのおばちゃん連中を取り上げ芸能っぽい色付けだ。小泉人気もテレビが作り上げたものだ。深夜は肌も露な女性を登場させてお色気一色でどうしようもない。もっと生活に密着した内容の厳選したものを放送して欲しい。

【CM】

  • 東北のラジオ放送を聴いていたらAC(公共広告機構)の親と子のコミュニケーションギャップを問題にしたCMを放送していて大変納得した。ラジオやテレビもこうした親子のギャップを埋めるような内容の番組を放送して欲しい。正直自分も子供が何を考えているのか分からないことが多い。
  • 明るい日差しのもとで女性と何匹もの犬が楽しげに縄跳びをしているパチンコのCMを放送するのはどういった事か。あからさまに子どもの興味を狙っていないか?本日見かけた16時半のCMは「仕事の後は仕事(仕事人)だぜ」などと、平日にもかかわらず仕事が終わっていない時間帯に流されている。
  • 洗剤商品に登場するキャラクターは商品が改善される度にパワーアップし、声が段々高くなっていくという設定だが、現在放送している分の声はあまりにも高すぎると思う。母は「最近このCMの声を聞くと脳が痛くなる」と苦しんでいた。以前の声に戻すかキャストを変えて欲しい。

青少年に関する意見

【”いじめ”を含む意見】

  • ドラマ番組。陰湿ないじめのあるドラマだった。その中で主人公の女子が同級生男子の自宅で、男子により陰湿に力づくで衣服を剥がれ写真を撮られるシーンには目を覆った。企画段階で制作者側の歯止めが利かないことが恐い。このように心理的に強いショックを与えるドラマについては、放映中止または内容の変更をお願いする。実際の社会で、ドラマと類似した事件が発生してしまう世の中だ。視聴者として静観するには無責任と思い断固として抗議した。
  • ドラマ番組。このドラマのテーマはいじめに立ち向かう主人公ということらしいが、レイプや度を越したイジメなどが多すぎる。16歳の主人公に対して刺激が強すぎるいじめが延々と続く。深夜帯ではあるが、ターゲットは子どもであるのは明白で、明らかに行き過ぎた内容だ。制作者は刺激のみを追及しているように思った。テーマを伝える前に、同じようないじめを助長する影響を強く警戒する。番組は即時中止してもらいたい。
  • バラエティー番組。ある出演者を他の出演者全員が寄ってたかっていじめ、仲間はずれにしていた。演出だとは思うが、そのしつこい様は非常に不快で、彼がかわいそうだった。それに、もし子供が見ていたら幼稚園や学校での集団イジメを誘発する恐れもあり、このような演出は極めて不適切だ。

【低俗、モラルに反する】

  • ドラマ番組。女子高生が銀座のホステスをするという番組告知を見た。そんなドラマを制作して放送するなんてとんでもない話。うちにも娘がいるがテレビの影響は強いと思う。即刻放送は取り止めるべきだ。
  • バラエティー番組。デリバリーヘルスに興味を持った女性のために、現役デリヘル嬢を取材した内容だったが、そのデリヘル嬢が夢を叶えるお金を貯めるために、信念を持ってやっていてすばらしいという締めくくりだった。止むを得ずそういう仕事をしている方もいると思うが、お金欲しさに未成年の女性が援助交際という名のもとに男性と付き合ったりして問題になっている今、あの内容はふさわしくないと思う。

【報道・情報に関する意見】

  • テレビ放送全般で猟奇的・残虐な事件を詳細に報道している。いじめによる自殺報道についてWHOが青少年に悪影響を与えないようガイドラインを示しているが、依然として改善されていない。また本来は局アナが冷静に伝えるべきニュースであるにもかかわらず、ナレーターを使いセンセーショナルに伝えている現在の報道姿勢に対し疑念を抱く。
  • 情報番組。スポーツ選手の飲酒運転に関する司会のコメントについて。飲酒運転は駐車違反と同等か? 事故が起こらなければそれでいいのか? 尊い命を奪われた飲酒運転事故の被害者の気持ちを考えたか? この言葉が二次被害を与えていることを自覚しているのか? 司会は「これが会社員だったらクビにはならない」と言ったが、私が勤めていた会社では飲酒運転をした社員は解雇した。先日、飲酒運転による公務員の解雇者も出た。この局のHPには「テレビの社会的な影響力と責任が大きくなったことを自覚し…」とあるが、本当に自覚しているのか。青少年への悪影響を危惧している。

【CMに関する意見】

  • 女の子がタレントに「テメー、早く食えよ」と汚い言葉を浴びせかけるCMは下品で見ていられない。子供への悪影響も懸念される。この会社は”言葉”で商売をしている大企業、社会的責任が大きいのだからCMでも正しい、きれいな言葉遣いをするべきだ。
  • 人気タレントが自転車に乗って疾走するCM。道路の中央をかっこ良く飛ばし、交通監視員(?)が止めるのを無視して突っ込んでいく?この交通ルール無視とも思える自転車走行シーンは、子供たちの目に触れれば悪影響を与えるのではないかと心配だ。子供たちがテレビを見る機会が多い夏休み、流すのなら夜遅くなど時間帯を限定して欲しい。

【差別や偏見を助長する】

  • 最近オタクを取り上げる番組も多いが、あまりにもやらせが酷くて話題になっている。現実にはいないようなオタクを劇団員に演じさせ、さもアニメ好きが皆あんなに気持ち悪いと思わせてそれを面白おかしく報道することに憤りを感じる。日本のアニメは世界に誇れる文化なのに、なぜ日本のマスコミはいかにも萌えしかない、中身がないような感じで報道するのか理解できない。
  • ドラマ番組。女性の胸のコンプレックスをテーマにしたドラマだが、女をバカにしていると思った。「ただのドラマだから」や「どうせギャグだから」と言う人も中にはいるだろうが、あれはれっきとしたセクハラだ。内容を見てみれば、女の人を胸で評価するような男性が登場したり、大きい胸、小さい胸、またそれに対するコンプレックスを笑いにしたというもの。あきれた。テレビから「笑い」をなくして、すべて真剣で真面目なものにしろとは言わない。しかし、そこには”笑いにはしてはいけないタブー”というものがある。(17才・女性)
  • ドキュメンタリー番組。定時制高校の役員だが、定時制という言葉を”テージセー”としたり、不登校、ヤンキーという文字があり、定時制を馬鹿にした表現である。定時制は日中働く真面目な生徒が多い。その生徒がこの言葉を見ると悲しく嫌な思いをすると思う。また、視聴者にも誤解を与えることになる。公共の電波という意識があるのかと云いたい。番組は第4話まであるので、このようなタイトルの表現を止めて貰いたいし、内容もチェックしてほしい。

【その他の意見】

  • ドラマ番組。非常に残酷な場面(上半身と下半身が切断された死体、体が切り裂かれた死体など)を放送していた。あまりにも残酷なシーンで大変ショックを受けた。青少年に与える影響も大きい。昨今、残酷な事件が多発しているが、この番組もその遠因になるかもしれないと憂慮している。即刻、残酷な場面を今後放送しないよう勧告すべきだ。この番組の制作関係者並びにスポンサーは反省すべきと思う。
  • バラエティー番組。毎回楽しく見ているが、このコーナーはカキ氷のシロップを一気飲みしたり砂糖を一気食いしたりと糖尿病の主人を持つ私としてはハラハラしている。あんな事を続けていたら糖尿病になる。健康を害しても笑いを取るような放送はして欲しくない。子どもが面白がり真似をしたり、出演者本人の身体も心配だ。身体に悪い事をして見せるというのは面白い以前の問題。それを見て「馬鹿だなぁ」と笑える大人だけが見る時間帯の放送ではない。面白くても放映すべきではないと考える。
  • 長時間番組のテーマが”仲間”ということはよいが、ドラマがらみの流行語もしくは隠語の”なまか”と表現。公共のテレビでまるで子ども達に洗脳するかのように27時間も”なまか”という言葉を使う事に不快を感じた。しかもアナウンサーや言葉の手本となる人間まで。視聴率やお金儲けばかり優先するテレビ業界のしくみがまざまざと見える27時間だった。テレビ局ぐるみで流行を洗脳的に作っていくように感じて恐ろしかった。

【推奨意見】

  • ラジオによるサッカーJ2リーグ「徳島ヴォルティス×京都サンガFC」はとても良かった。青少年に推奨できる番組だ。野球ばかりでツラいリスナーにとってはラジオでのサッカー中継はとても新鮮で良かった。野球ファンでもないし、地元のチームでもない野球放送をされてもツライ。これからもサッカー中継をもっとラジオでしていただきたい。お願いします!!
  • 報道番組の企画コーナー。非常に時間をかけての取材でして、引きこもり少年が自立に向かって変わっていく姿を見て感動いたしました。丁寧な番組づくりを忘れないよう、スタッフ皆様頑張って下さい。
  • ドラマ番組。北海道の牧場で働く学生の話を描いたドラマ。このような物語は感動的で、児童・青少年・中高年の誰にでも安心して見てもらいたい番組だ。今後も民放各局の娯楽番組は、この様に人と地球に優しいドラマとバラエティー番組にして欲しい。

第125回 放送と人権等権利に関する委員会

第125回 – 2007年7月

「広島ドッグパーク関連報道」事案の審理

「エステ店医師法違反事件報道」事案の総括…など

「広島ドッグパーク関連報道」事案の審理

本件事案は、06年12月、大阪の動物愛護団体の代表が、「朝日放送のニュース情報番組『ムーブ!』において、犬たちを救済する我々の活動が、偏見や憶測によって、あたかも募金目当てであるかのように放送され、名誉を毀損された」と申し立てていたもの。

本委員会で、起草委員会でまとめた委員会決定草案について意見を交わした。一部加筆修正を含め、詰めの検討を重ねた結果、「本件番組の一連の放送については、何れも名誉毀損や信用毀損はないし、その放送及びそのための取材活動において、放送倫理違反もない」との「委員会決定」案を全員一致で了承した。

「委員会決定」は、8月3日に申立人、被申立人に「通知」された後、記者会見で「公表」されることになった。

「エステ店医師法違反事件報道」事案の総括

「ラ・テ欄表記等に対する訴え」事案の総括

上記2事案については、6月26日に「委員会決定」を「通知・公表」したが、それに対する当該局を含む放送局側の対応や関連新聞記事について事務局から報告があった。

今回は2事案あわせての公表とあって、放送と新聞の対応は、”放送倫理違反”と指摘された「エステ店」事案については在京テレビ6局が伝え、新聞6社も記事を掲載したが、”問題なし”となった「ラ・テ欄」事案について報道したのはテレビ3局、新聞3社だった。ただ、「ラテ欄の表記についても、放送局は適正な言葉、品位ある表現をすべきだ」との委員会の要望を掲載したところもあった。

委員会では、それぞれ当該局から提出された「委員会決定」に関する当日のニュースの放送内容を視聴した。「エステ店」事案については「通知」から3か月以内に当該局が対応策等や取り組み方を報告する事になっている。

「部落解放同盟大阪府連幹部からの訴え」事案

本事案は、部落解放同盟大阪府連書記長ら2人が「大阪市の民間福祉施設への補助金問題に関する毎日放送の報道は、解放同盟幹部らが理事をしている特定の法人だけが補助金を受給してきたような誤解を視聴者に与える内容で、解放同盟やそのリーダーである個人の名誉権を著しく侵害している」と訴えているもの。

これに対し、毎日放送は「当該報道は、大阪市の予算化されていない一部補助金のあり方に疑問を呈したもので、補助金受給施設の内、解放同盟が関係する法人の占める割合が多かったことから解放同盟の名称を出した。報道には、公益性・公共性があり、また、申立人だけでなく組織としての部落解放同盟の名誉を損なうものではない」と反論している。

放送人権委員会では7月の委員会から本事案について本格的な審理に入り、申立人・被申立人双方から提出された「申立書」と「答弁書」を基に意見を交わした。

次回8月の委員会では、申立・被申立双方に「反論書」と「再答弁書」の提出を求め、それをもとに審理を続けることになった。

審理要請案件

  • 「貸金業協会からの訴え」案件
    関東地区の貸金業協会が「東京キー局の朝番組で誤った事実を報道され著しく不利益を被った」と苦情を申し立てていた案件は、7月の委員会で協議の結果、審理対象外となった。
    当該貸金業協会は、「貸金業者の金利はグレーゾーンではなく違法ゾーンだ、とのコメンテーターの発言は、勝手な思い込みによる情報であり、視聴者に誤った印象を与えた」と主張し、局に対し謝罪と訂正放送を求めていたが、局側は、「今回のコメンテーター(弁護士)の発言は、最高裁判決等を踏まえ法律専門家としての見解を示したもので、訂正すべき必要はない」と反論していた。
    放送人権委員会の運営規則は、「苦情を申し立てることができる者は、放送により権利の侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人を原則とする」と定めているが、7月施行の改正で「ただし団体からの申立てについては、委員会において団体の規模、組織、社会的性格等に鑑み、救済の必要性が高いなど相当と認めるときは取り扱うことができる」との条文が新設された。しかしながら本件申立てをしている当該協会は自らその利益擁護のために社会に対し啓蒙・宣伝等の主張をなしうる立場にある団体であることなどから、委員会では「本件申立ては、例外的に審理をする必要性が高いとはいえない」と判断、全会一致で当案件を審理対象外とした。
  • 「”グリーンピア南紀”再生事業の報道」案件
    和歌山県那智勝浦町にある”グリーンピア南紀”の再生事業を請け負った香港ボアオのオーナーから「5月と6月の2回にわたって讀賣テレビの朝の情報番組で事実と異なる報道がなされた結果、自分の名誉が著しく傷つけられ、プライバシーが侵害された」とする申し立てがあった。
    これに対し読売テレビ、「取材した事実と公的な資料に基づいて公正な報道をしており、名誉権を侵害していないし、プライバシーの侵害もしていない」と反論している。
    放送人権委員会では、提出された「申立書」及び局側からの「対応経緯と見解」等の資料を慎重に検討、また局から提出された放送番組の同録DVDを視聴した結果、次回8月委員会から本事案について審理に入ることを決めた。

苦情概要

  • 「”ラジオ番組で誹謗中傷された”との訴え」について
    以前放送局に所属していた元女性アナウンサーが「当該局のラジオ番組で、男性アナウンサーの嘘の発言によって誹謗中傷された」として「局の謝罪と発言したアナウンサー本人の反省のことば」などを求めて、7月放送人権委員会に苦情を申し立てた。
    放送人権委員会事務局では、双方に対し「話し合いの余地があるのではないか」と交渉を続けるよう勧めていたところ、当該局より「話合いの結果、このほど全面的に解決した」との報告があった。
    また、女性のブログにも「すべて解決した」と書かれていたことから、本件は、放送人権委員会の審理をまたず円満解決したものとして委員会に報告、了承された。

6月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次の通り。

◆人権関連の苦情[18件]

  • 斡旋・審理に関連する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・18件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・0件

その他

事務局から、参議院選挙を前に、社民党から選挙報道が公正・公平に行われるよう、BPOでも監視するようにとの申し入れがあったことや、10月をめどに放送人権委員会委員を1名増員できるよう人選を進めていることなどが報告された。次回委員会を8月21日(火)に行うことを決め、閉会した。

以上

第3回 放送倫理検証委員会

第3回 – 2007年7月

TBS『みのもんたの朝ズバッ!』の不二家関連部分について

第3回委員会は、7月13日に開催され、TBS『みのもんたの朝ズバッ!』の不二家関連部分について、担当の小町谷委員長代行、吉岡委員からの報告をもとに審理を行った。その結果、さらに調査の幅を広げることを決め、その結果を踏まえて7月26日に臨時の委員会を開いて、審理を続けることになった。
このあと、事務局から、放送での仮名処理をめぐりトラブルになった問題、また、テレビショッピングでのダイエット効果ビデオについて週刊誌で報じられた問題について、それぞれの局から提出された文書を報告した。
また、6月の視聴者意見の概要では、”介護関連企業””英会話教室””食肉偽装”などの報道姿勢、また司会者、キャスター、コメンテーターの発言に関する批判が多いことを報告した。