2013年8月9日

ステータス

「大津いじめ事件報道に対する申立て」事案の通知・公表

放送人権委員会は8月9日、上記事案に関する「委員会決定第50号」の通知・公表を行い、「本件放送は人権への適切な配慮を欠き、放送倫理上問題がある」との見解を示した。
通知は、被申立人側には8月9日午後1時からBPO第1会議室で行われ、三宅委員長、奥委員長代行が出席し、被申立人のフジテレビからは報道局専任局次長ら4人が出席した。申立人側へは、申立人の都合がつかなかったため、被申立人への通知と同時刻に京都市内にある申立人の代理人法律事務所に事務局長と調査役の2名がおもむき、通知した。申立人(少年の母親)と代理人弁護士2人が出席した。
被申立人側への通知では、まず、三宅委員長が「決定の概要」「委員会の判断」をポイントに沿って読み上げる形で決定内容を伝えた。委員長が感想を求めたのに対し、被申立人側は「人権上配慮に欠けた放送をしたことをお詫びする。決定を真摯に受け止め、新しいメディア状況を考慮したとき細心の注意と確認の上にも確認をし、再発防止に努め、スタッフの意識を高めていきたい」、「委員会決定にもあるように、何にでもぼかしを入れてしまえばいいというわけではない。モザイク処理が多くはなっているが、積極果敢な放送を心掛けたい」と述べた。最後に委員長が、「意見交換など積極的に行っていきたい」と今後、再発防止のための研修等に協力する旨を伝えた。
申立人側への通知では、事務局長が「放送倫理上問題あり」とする「見解」で、放送局にとって厳しいものになっており、この決定はテレビ界全体に対する警鐘にもなっていると説明。その後、調査役が「決定の概要」「委員会の判断」の要所要所を読み上げる形で通知した。通知後、申立人の感想は特になかったが、代理人が、決定文で「フジテレビは再発防止策をすでに実施している」としていることについて説明を求めた。事務局からは、「フジテレビは、マスキング処理の方法の改善、ダブルチェック体制などをすでに講じている。委員会は、再発防止策の運用の実際について報告するように求めており、改善策の報告を3ヶ月以内にもらうことになっている。それはホームページ上などでオープンになる」と説明した。
申立人側、被申立人側への通知の後、千代田放送会館2階ホールで記者会見を
開き、「委員会決定」を公表した。午後1時40分から事務局による事案の説明があり、引き続き午後2時から三宅委員長、奥委員長代行が記者会見した。報道関係者は23社53人が出席し、テレビカメラ6台が入った。
会見では、三宅委員長から「本件でプライバシーの侵害が生じたかどうかの判断に際しては、テレビ映像が容易に静止画像として切り取られ、インターネット上にアップロードされるという時代状況において、申立人の主張する『プライバシー侵害』が起きてしまったということをどのように判断するかという点が、今回の決定における非常に新しい判断部分であると考えている」とし、「委員会の判断」の要所要所を紹介しながら説明を行った。最後に、結論部分では、「新しい状況に対処すべく、いま放送人に求められているのは、高度に研ぎ澄まされた人権感覚である」と述べた。判断の説明の後、今回「和解」の試みもあったが、まとまらなかったことも紹介された。起草主査の奥委員長代行は「新しいメディア状況には放送局も対応しなければいけないが、当委員会も今回同じ状況に直面した。本来は放送されたものだけが審理対象だが現実は明らかに違ってきている。現実の状況をどのように審理に反映させるかが課題だった」と述べた。次に起草委員で会見には出席できなかった大石委員のコメントを三宅委員長が読み上げた。コメントの概要は「少年の事案で私たちは和解を望んだが、和解には至らなかった。テレビ局には厳しい結果になったが、人権意識を高めることがいかに大切かを考えさせてくれた事案であった」というものであった。
質疑応答では、「放送そのものではなく、録画したものから切り取った静止画像でも放送局に責任を求めたのはBPO3委員会でも初めての決定か」という質問があり、委員長は「第三者の故意行為によってアップロードされ、局とは無関係に流れたというケースで判断したのは初めて」と答え、事務局からも「他の事案で、審理の中での議論はあったかもしれないが、決定文で判断を下したのは初めて」と補足した。
「同じ時期の別の番組で、マスキング処理されたものが第三者の加工で薄く見えてしまうということがあったが、今回は議論されなかったのか」という質問には、奥委員長代行が「ご指摘の件は、申立ての中には入っていないので検討していない」と説明し」た。
「検証委員会で取り上げなかったことと、今回の判断との違いは何か」という質問には、委員長が「人権委員会は申立てがあって苦情取扱いの条件が合えば取り上げる。われわれは申立てがあってこれを受けてからということ。プライバシー権の侵害と放送倫理上の問題の2点について申立てがあったので、委員会として判断した。検証委員会と人権委員会は役割が違う。人権委員会として独自に取り上げている」と答えた。さらに、「今回、第三者の故意行為が介在してネットに流れたことで判断の範囲は広がっているが、われわれは本来放送が守備範囲だ。主たるものは放送自体であり、その点では本件の場合は何度見ても(ほとんど)分からない、ということでプライバシー侵害はないとした。このことは重要な判断といえる」と説明した。
このほか、「決定文の中で、民放連放送基準の規定も『新しい想像力とともに読み込まれる必要がある』とあるが、時代に即して規定を変えるなど、ネットの問題を明文化していくべきかどうか」という質問があり、三宅委員長は、「テレビの映像を取り巻くメディアの状況が変わっている中で、考えなければいけない要素がいくつか出てきている。放送基準を弾力的に解しながら人権への適切な配慮を及ぼすように運用していってもらいたい。(委員会としては)慎重にも慎重に放送の自由について委縮させることのないような働きかけをしながら考えて行きたい、という基本的なスタンスでいる」と答えた。また、奥委員長代行は、「ネットに流れることをパブリシティーと考えて番組作りすることも現実にあるだろう。放送基準などでネットのことについてガチガチに書いてしまうのは絶対よくない。しかし、ニュースの場合、今回のケースを含め“これはやっぱりまずいな”というふうな形で想像力を発揮してもらいたい」と答え、会見は終了した。

2013年8月2日

関西テレビ『スーパーニュースアンカー』
「インタビュー映像偽装」に関する意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は、8月2日午後2時30分から千代田放送会館7階BPO第一会議室で行われた。委員会から川端和冶委員長、小町谷育子委員長代行、水島久光委員長代行、升味佐江子委員の4人が出席し、関西テレビからは常務取締役ら3人が出席した。
まず川端委員長が、問題のインタビュー映像を放送したことと問題発覚後視聴者に伝えない決定をしたことの2点について放送倫理に違反する、と委員会として判断したことを通知した。インタビュー映像の放送については「取材から放送までの期間が相当あったのだから、コミュニケーションがとれた職場であれば、どこかで気づけたのではないか」と述べ、視聴者に伝えない決定については「報道局の幹部が現場の意見を抑える形で逆の判断をしたことは重大な問題ではないか」と指摘した。
これに対して関西テレビ側は「意見書で指摘されたことを真摯に受けとめ、再発防止に全力をあげたい。テレビ報道に対する信頼を損なったことについて視聴者に深くお詫びしたい。視聴者の信頼回復に全力をあげていきたい」と述べた。

この後、午後3時15分から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には25社54人が出席し、テレビカメラ6台が入った。
初めに川端委員長が意見書の概要を紹介した。そのなかで川端委員長は「誤りを犯しても、それが気楽に言えるような職場環境があれば、このような映像は放送されなかった。なんでも相談できる環境や制度を、意識して用意することがもっとなされないと、再発防止は難しいのではないか」と指摘した。さらに関西テレビで自主的自律的な是正がなされなかったことが重大な問題だったとして、「現場は許されない映像であるという認識を持っていたが、その声を活かす組織的な対応ができていなかったのではないか。関西テレビは6年前の"あるある問題"の深い反省から、いろいろな改革に取り組んだが、あのときの経験が風化してしまったのではないか」と述べた。
続いて升味委員が「今回は関西テレビの問題だが、他の放送局の番組についてもモザイク映像の向こう側には本人がいるのか、という疑問を生じかねない。テレビは視聴者の信頼によって成り立っていることを十分理解して仕事をしてほしい」と述べた。
また小町谷委員長代行は「訂正・お詫び放送をしなかったことを委員会が放送倫理違反と指摘したのは、今回が初めてのこと。その判断ミスをしたのが幹部なので、どのような再発防止策となるのか見守りたい」と述べた。
さらに水島委員長代行は「放送は組織が力を合わせて作るものだと再認識させられた。怠ってはならないことを誰もが理解することが、組織で制作するテレビの場合重要である」と述べた。
記者との質疑応答では「今までBPOの悩みはメッセージが現場の若い人に届いていないことだとおっしゃっていたが、今回は放送局の幹部にも届いていなかったということなのか」との質問に対して、川端委員長は「今回はお詫びするかどうかの判断をトップが間違ったので、それを放送倫理違反と指摘した。現場では正しい意見が数多く出たのに、それが採用されなかったことに正直驚いた」と答えた。また関西弁で記された「はじめに」の狙いについて質問があり、升味委員が「大学で使われるシラバスのようなもので、意見書全体を通して何を問題にしているかが分かるように表現したかった。多くの人に読んでほしいと考えて工夫した」と答えた。

2013年度 第50号

「大津いじめ事件報道に対する申立て」に関する委員会決定

2013年8月9日 放送局:株式会社フジテレビジョン

見解:放送倫理上問題あり
フジテレビが2012年7月5日と6日の『スーパーニュース』において、大津市でいじめを受けて自殺したとして中学生の両親が起した民事訴訟の原告側準備書面の内容を報道した際、加害者として訴訟を起こされている少年の実名部分がモザイク処理されずに放送され、少年と母親がプライバシーの侵害を訴え、申し立てたもの。

2013年8月9日 第50号委員会決定

放送と人権等権利に関する委員会決定 第50号

申立人
少年とその母親
被申立人
株式会社フジテレビジョン
苦情の対象となった番組
『スーパーニュース』(月―金 午後4時50分~5時54分)
放送日時
2012年7月5日(木)午後4時53分00秒頃~5時03分24秒頃
2012年7月6日(金)午後5時27分28秒頃~5時37分29秒頃

【決定の概要】

フジテレビは2012年7月5日と6日の『スーパーニュース』内で各1回、大津市の中学生いじめ事件の報道に際して、加害者として民事訴訟を起こされている少年の氏名を含む映像を放送した(以下、本件放送という)。委員会は少年と少年の母親(以下、申立人という)から本件放送によってプライバシーを侵害されたなどの申立てを受けて審理し、決定に至った。決定の概要は以下の通りである。
本件放送のうち少年の氏名を含む映像は、5日分が1秒未満、6日分が2秒弱と短く、画像内の氏名部分も微小で、通常のテレビ視聴形態では、氏名は判読できない。したがって、このテレビ映像に限れば、プライバシー侵害は生じていない。しかし、テレビ映像を録画した静止画像では少年の氏名を判読できる。これがインターネット上に流出した。この静止画像が申立人のプライバシーを侵害していることは明らかである。
テレビ映像を録画してインターネット上にアップロードする行為は著作権法に違反する。したがって、フジテレビに静止画像によるプライバシー侵害の責任は問えない。だが、録画機能の高度化やインターネット上に静止画像がアップロードされるといった新しいメディア状況を考慮したとき、静止画像にすれば氏名が判読できる映像を放送した点で、本件放送は人権への適切な配慮を欠き、放送倫理上問題がある。
この放送倫理上の問題はモザイク処理のない映像素材を使ったミスの結果である。委員会は、個人情報を含む等取り扱いに十分な配慮が必要な素材に関する十全な管理体制を整備するとともに人権意識の涵養に努め、こうしたミスがふたたび起きないようにすることをフジテレビに要望する。この点で、本件放送は少年の個人情報にかかわるものであり、少年法の趣旨に即して特段の配慮が必要だったことも付記する。

【本決定の構成】

I.事案の内容と経緯

  • 1.本件放送内容と申立てに至る経緯
  • 2.論点

II.委員会の判断

  • 1.はじめに
  • 2.放送倫理上の問題
  • 3.再発防止のための要望
  • 4.その他の判断
    • (1)誹謗中傷の加速・過熱化
    • (2)映像素材としての適否

III.結論

IV.申立てに至る経緯及び審理経過

V.申立人の主張と被申立人の答弁

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2013年8月9日 決定の通知と公表の記者会見

通知は、放送局側(被申立人)には8月9日午後1時からBPO第1会議室で行われ、申立人側へは、申立人の都合がつかなかったため、放送局への通知と同時刻に京都市内にある申立人の代理人法律事務所で行われた。
また、その後、千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、「委員会決定」を公表した。午後1時40分から事務局による事案の説明、午後2時から三宅委員長、奥委員長代行が記者会見した。報道関係者は23社53人が出席。
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2013年11月19日 委員会決定に対するフジテレビの対応と取り組み

『大津いじめ事件報道に対する申立て』事案で、2013年8月9日に委員会決定を受けたフジテレビは、局としての対応と取り組みをまとめた報告書を11月5日放送人権委員会に提出した。11月19日に開催された委員会で報告書の内容が検討され了承された。

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目 次

  • 1.委員会決定後の対応
  • 2.社内での報告と周知
  • 3.再発防止に向けた取り組みについて

2013年7月に視聴者から寄せられた意見

2013年7月に視聴者から寄せられた意見

第23回参議院選挙関連の意見多数。「ネット選挙」という表現が勘違いを与える、世論調査の正確性・投票前の発表に疑問など。女子スケート選手の出産報道が過剰で、人権侵害ではないかなどの批判意見。

2013年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,264件で、先月と比較して54件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話25%、FAX1%、手紙ほか2%。
男女別は男性67%、女性30%、不明3%で、世代別では30歳代27%、40歳代28%、20歳代17%、50歳代17%、60歳以上9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は450件【38局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

7月の視聴者意見は1,264件と先月より54件増えた。
はじめて、ネットでの選挙活動が可能となった第23回参議院選挙が行われた。自公が圧勝し、衆参のねじれ状態が解消されたが、報道や番組に対して、様々な意見が寄せられた。
女子スケート選手の出産報道で、取材・報道が過剰で、個人の人権やプライバシーを侵害しているのではないか、といった批判の声が多く寄せられた。
バラエティー番組で、出演者同士が罵り合っていたが、演出であれなんであれ、そういった言動を放送するのは如何なものかといった意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は33件、CMについては141件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は133件で、前月より28件増加した。
今月は「低俗、モラルに反する意見」と「表現・演出に関する意見」が26件、次いで「性的表現に関する意見」が13件、「暴力・殺人・残虐シーンに関する意見」と「要望・提言」が5件と続いた。
「低俗、モラルに反する意見」では、美容整形を特集したバラエティー番組について、"お金さえあればきれいになれる"と子どもが考えてしまうのではないか、との意見が寄せられている。また、学校が夏休みに入る時期であることから、子ども向け番組の放送を要望する意見が複数寄せられている。
なお、不倫を肯定するような内容だとして、スマートフォン向けのゲームのCMについて多くの意見が寄せられているが、その多くは"倫理観に欠けていて不快""子どもが見るような番組・時間帯ではCMを流さないで欲しい"という内容となっている。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 「ネット選挙」という言葉を当たり前に使っているが、一般人からすれば「ネットで投票できる」と勘違いしている人が多々いることを、放送局は認識しているのか。「ネット選挙」と一方的に煽る報道は避けていただきたい。「ネット選挙活動」と少し言葉を変えるなどしてもらいたい。また、どの局も有力候補者のことばかり報道し、諸派などのあまり実力がない者の報道は短い。国民の代表を決める選挙なのに、このような偏った報道をしていいのか。

  • 全キー局が長時間、選挙関連の報道をする必要があるのか。選挙に関心があることはいいことだが、これではチャンネルがたくさんある意味はなく、似た番組の乱立にうんざりする。放送事業者にとっては、視聴率で"共倒れ"したり、局のイメージダウンに繋がったりする可能性もある。選挙は重要なことだが、大震災に匹敵する緊急事態ではない。各局の番組編成は様々な視聴者の要望に寄り添ったものにしてほしい。

  • 政治関連で政策の欠点を殊更強調し、「世論誘導」と受け取られても仕方がない表現が時々見られる。特に原発やTPPの問題などにおいて顕著だ。地元や地方、農業などの一部業界の損得が強調され、まるで地方、農家の応援団かと思われる論評も一部にある。都市と地方、工業と農業、資本家と労働者などの小さな視点でなく、大きな視点で政治を語り、政治家にも未来の日本像を聞いてほしい。

  • 各局の報道番組で政権などの世論調査の結果を伝える場合、「他より良さそうだから」や「どちらともいえない」といった消極的な内容が意外に多い気がする。実際、調査にそう回答している人達がいるのだろうが、テレビで見ていて、あまり気持ちの良いものではない。今後は各局とも回答例の表現により一層の注意を払っていただきたい。今般の参院選を契機に、たとえば、「他より良さそう」を「他党よりも政策等が具体的で期待を持てるから」や「どちらとも言えない」を「迂闊に回答できないから」などと工夫し、改めることを検討してほしい。

  • 連日猛暑日を重ねているが、男性出演者の厚着は見ていて実に不快だ。朝から30度に到達しようとする中、ジャケットにネクタイとはあまりに暑苦しい。高温多湿の国で「真夏でもそういう格好が礼儀だ」といった誤った意識はいい加減改めるべきだ。

  • 全国的に大変な猛暑になっている。しかし、この暑さの中で持久走を行った学校がある。そのせいで熱中症になった生徒が複数いる。天気予報で「屋外での運動は原則不可」の熱中症の危険レべルになっていたにもかかわらず、猛暑の中で長時間走る行為は殺人的である。そもそもマラソンや持久走は「休憩しない運動」なので、体に水をかけ、飲むことをしないと体温が上がりすぎてしまう。再発防止のため、夏場の高温時はニュースキャスターが「熱中症の恐れがあるのでマラソンなどの運動は自粛してください」と、視聴者に呼びかけてはどうか。

  • 各局で「内閣支持率」や「比例でどこの政党に投票しますか?」と世論調査をおこない発表している。結果は各局バラバラであったが、国政の投票直前にこのような世論調査を発表することは適正なのか。また調査方法に、誘導はなかったのか、回答の有効・無効の評価は適正だったか、サンプル数は十分あったのか等々、疑問に思う。

  • この日のトップニュースで、小学校の正門前で男が小学生3人に切りつけ重軽傷を負わせたことを伝えていた。このニュースについてある局は一貫して男の実名を報道しているが、他局は匿名で伝えている。一体なぜ放送局によって実名と匿名といった違いがあるのだろうか。実名で伝えた局、匿名で伝えたそれ以外の放送局の言い分を聞きたい。

  • 日本にいるウィグルの人の中国に対する抗議活動があった。「テロと中国側が発表しているが殺戮」と主張するもので、大変な人権問題だ。テレビは人権をうるさく言うのに、こういったことはあまり報道しない。これで本当に良いのか。何十年も前の戦時中の慰安婦のことを「人権」と大騒ぎしながら、今起こっている中国の人権蹂躙には何も言わないのは、偽善そのものだ。

  • 世論が二分しているような事柄でも、テレビは自分たちの主張に沿ったコメンテーターを使う。また、街頭インタビューでも、「世論はこうだ」と決めつけて報道する。街頭インタビューなどではやらせが見つかった過去もあるが、自分たちの都合よいものを選び出している気がしてならない。

  • 「食品への針混入事件」のニュースで、キャスターがパン(模型)と針を手に、事件の一例を再現した。安易に再現すると真似をする輩が出てくる。消費者に注意を促すつもりかもしれないが逆効果だ。

  • 女子スケートの選手が極秘に出産していたというニュースで、父親は誰かという推測をしていた。その中で、ロシア人の元コーチにわざわざ電話をかけ「子供の父親か」と聞いていた。またもう一人、父親と疑われる日本人スケート選手も実名を挙げ紹介していた。女子選手は父親を隠したいと思っているのだろう。それにもかかわらず、父親を暴くようなことをする必要があるのか。またあろうことか、子供の名前まで公開していた。父親のいない子供は、テレビで名前をさらされたことで、今後、一生、不利益を背負っていくかもしれない。人権やプライバシーの侵害がはなはだしい。

  • フィギアスケートの女子選手が「子供の父親は誰かなどの詮索はやめてください」とFAXで各メディアに通達しているのに、選手や周辺の方々のところに押し掛けたうえ、報道してもいいのか。選手のフィギアスケートに関する報道ならばまだしも、また罪を犯している訳でもないのに、プライバシーを探り、放送することはいいのか。

  • 記者会見で、回答者だけにテレビカメラが向けられ、質問する記者の所属や名前、顔が隠されていることはおかしいと思う。質問者がどのような顔つきで、どのような思いで、何を聞こうとしているのか、記者の表情も含めて視聴者は知る権利がある。公共の電波の使用が、国民の利益につながるよう指導願いたい。

  • 放送局が取材拒否されていることが報じられた。6月の通常国会閉会に関する報道内容に問題があったとのことのようだ。どんな立場からみても公平な報道などありえず、この主張が通ってしまうなら、報道番組など全て偏向していることになる。評論の域を出ないものを、自分たちに不利だからといって、取材拒否するなど許されないことだ。報道の自由にかかわる重大事であり、この件で放送局を孤立させてはいけない。放送界のみならず、マスコミ全体の問題だと思う。

  • 放送局に対する取材拒否は当然だ。テレビは報道する内容を選択する権利を持っている。事実誤認による誹謗中傷を流して相手がそれに反論しても、その情報を流さないということができる。または編集で切り貼りしたりして、捻じ曲げたり、テロップをつけて反対の内容にして放送することも可能だ。こうして事実でないものが事実として世の中に広まり、人権が奪われる。本人がうるさい時はこっそりと謝罪するが、広がったものは消えない。今回の件も「報道の自由への侵害だ」と言っているが、権利には義務がある。電波使用という権利を得ながら国民の非難を無視し、政党の非難も無視し、権利だけを声高に言っても、思い上がっているとしか言いようがない。

  • 私には43才のダウン症の息子がいる。出生前診断の最近のニュースでは、なぜ強調して「この検査はダウン症などの」と表現するのか。以前書道家の母親はインタビューで「もし当時そのような検査があれば中絶していたでしょう」などと答えていたが、がっかりした。息子が生後1ヵ月で「ダウン症」と宣告されたときは、ショックを受けた。しかしここまで社会人として立派に生きている。おそらく全国のダウン症児の親、家族達は、ダウン症という言葉だけを強調する報道に無念さを感じていると思う。

  • 中国官僚の腐敗を伝えることはいいが、現地のインターネット映像に紹介されていたベッド上の男女の画像を昼間から流すとは、放送人としての倫理観はどうなっているのか。ぼかしを入れる訳でもなく、本当にそういった映像が必要なのか。テレビはネットとは違う。視聴者に見せて良いもの、見せる必要があるものを、高い倫理観をもとに判断しなくてはならないのではないだろうか。

  • 民放各局の時代遅れな対応にガッカリです。ネットとテレビの融合が普及すると視聴率が取れなくなるからといって、電気メーカーのネットテレビのCMを拒否するのはいかがなものか。悪あがきにしか見えません。いくらCMを流さなくても、時代の流れで、自然とそのようなテレビが普及して、民放各局の恐れている時代が確実に来るのですから、潔くこのCMを流して、ネットに負けない魅力的な番組作りに励んだ方が、視聴者の印象は良くなります。便利な21世紀型テレビの存在を知らせないことに民放全局が賛同したとは、マスメディアによる言論統制の匂いすらする。このような取り決めは国民の知る権利に対する妨害といっても過言ではない。

  • どの局もオリンピック東京招致を応援していると言い、コメンテーターが誰一人として反対意見を言わないのは何故か。スポンサーの関係からどうしても言えないのなら、招致によるメリット・デメリットを挙げることぐらいしたらどうか。招致によって都の積立金以外に税金はいくらかかるのか。オリンピックを名目にした公共工事にいくら使うのか。何一つ事前説明せずに、盲目的に「賛成」と叫ぶマスコミの存在意義は何だろうか。

  • 「今の若者は政治に関心がない」などとニュース番組でコメンテーターが言っているが、当のニュース番組にも原因があるのではないだろうか。夕方のニュース番組などは、ニュースの看板を掲げながら、ラーメン屋やケーキ屋の情報ばかり放送している。どこがニュースなのだろう。そういう企画は別にやればいいことで、ニュースの時間くらいは純粋にニュースだけを放送するべきだ。

  • どんな小さな犯罪に於いても捜査が終わって犯人がとっくに検挙されているのに、毎回「無職の」という言い方をするが、それが捜査の役にたつのか。犯人にも人権がある。関係ないことまで毎回取り上げることはいかがなものか。「無職イコール犯罪者予備軍」という不当な刷り込みをしているようにも思う。精神障害・知的障害がある犯人についても、必ず「通院歴が」や「入院歴が」などと付け足す。私のような知的障害のある身にとって、それがどれだけ社会の偏見を招き、傷つけられるのか考えたことはあるのか。

  • 局地的豪雨の外での取材で「危険だから避難してください」との発言があるが、矛盾している。危険なら外での取材はやめるべきだ。外での取材をすることで、「取材が出来るくらいなのだからまだ大丈夫だ」と思い、外に出て怪我をする人が出るように思える。わざわざ外に出なくても、お天気カメラなどの映像があるのだから、その映像を見せて放送するべきではないのか。

  • 「ビッグデータ活用で経済効果は」といったように、マスコミは次から次へと横文字を使うが、理解できないのでやめてほしい。ジャーナリストは新しい言葉を作って、自分たちの知識を誇示しているかのようだ。一般の視聴者の視点が欠けているのではないのか。

  • スマートフォンアプリのLINEを介して知り合った高校生達による少女殺害事件が発生した。そのニュースを扱う際、どのニュース番組もあたりまえに必ずLINEと連呼していた。しかし、LINEはソーシャルネットワークの一つであり、特定の企業で開発されたアプリケーションの商品名である。特定の商品名を連呼する必性はないと感じた。特に今回のような殺害事件において、商品名を連呼することは、殺害事件と当該商品が結びつけられる印象を持つ。今回、彼らはLINEを使用していたが、LINE自体が犯罪に加担しているわけでも、犯罪を侵しているわけではない。こういった報道により反社会的なイメージが企業や商品に定着するのは報道による暴力だと感じる。どんな商品であれ開発者の苦労はあるものだ。ヒット商品であればなおのことだ。

  • 私は宿泊業を営んでいる。大雨の情報を放送する時は「被害がひどい」というが、被害は県全部に出ているのではなく一部の地域に出ていることが多い。また「通行止め」の放送はされるが、「解除になった」という放送はされない。南海トラフ地震についても、防災上データ発表は必要だと思うが、津波の被害の恐れのない地域について放送する必要があるのか。報道されると、宿の予約がキャンセルされることがある。観光業に携わっている者としては、最後まで責任を持って放送してほしい。

  • 今回の参院選の投票率は戦後3番目の低さだという。実に問題だ。総務省や選挙管理委員会にも電話をしたのだが、国もメディアももっと投票率を上げるために努力するべきだ。特にテレビの影響力は大きいのだから、各局とも国民に「選挙に参加しよう!投票しよう!」と、どんどん呼びかけてもらえないだろうか。

  • 選挙期間中に調査を行うことは構わないが、その結果を「圧勝」などと発表することは、いかにも特定の党を利する行為に見えて仕方がない。現にその発表を鵜呑みにする人が多かったらしく、投票率も低くなっていた。まるで各局が、特定の党を応援しているのではないかと勘繰ってしまう。このように国民がしらけて投票率が下がってしまうような事態を起こす報道は如何なものか。

  • 選挙が終わったが、テレビは自分たちの望む結果なら「民意だ」といい、そうでないとあれこれと理由をつけて「民意でない」と言う。投票しなかった人がすべて選挙結果に不満であるかのようにまで言っていた。そのようにテレビ局の電波の私物化が目に余る。民意を都合よく使いすぎだ。世論が割れている場合でも、自分たちの意見は「民意だ」といい、それ以外は「思慮の足りない考え」と決めつける。如何なものか。

【番組全般・その他】

  • 1時間放送の2つの番組をあわせただけで、2時間スペシャルとしている。通常の放送と何も変わっていないのに、「スペシャル」や「緊急企画」など、視聴者を騙す表現ばかりであきれる。番組タイトルをこういう形で表記することに対して罰則規定はないのか。

  • 福島県の被災者を呼んでの議員との討論だった。感情を煽るような誘導で、見るに堪えない番組だった。未だに「政治家が悪い」という思考停止的な、ただ不満をぶつけるだけの展開にうんざりした。そのような不毛な場面をわざわざテレビで流す意味があったのか。これで被災者の溜飲が下がったのか。その他の被災者の方に、失礼ではなかったのか。確かに復興は大事だし、政治の至らなさもあるが、政党や政治家に対して憎悪をぶつけるだけの番組は見たくない。

  • この番組は以前も美容整形を何度も繰り返し化け物みたいになった女性を取り上げていた。前回多くの批判があったはずなのに懲りずにまた同じネタをやっている。女性たちはもはや精神的にも正常とはとても思えなく、見ていて気持ち悪くなったし、嫌悪感を覚えた。この番組はそういう「病人」を出演させておもしろがるという悪趣味な番組だ。こういった依存症や異常性のある「病人」を「見せ物」のようにしておもしろがる番組作りは止めるべきだ。

  • 様々な分野の相談員の方の話が聞けて毎回楽しんで見ているが、番組に出演しているヤンキー界の重鎮と言われている方の発言や言葉遣いはとても不快になる。女性タレントがそのことについて指摘している場面があったが、本人は「頭に血がのぼって、売り言葉に買い言葉で」と言っていた。番組自体は面白いが、その方が発言する場面だけチャンネルを替えたくなるほど不快なので、言葉遣いには気をつけてほしい。

  • 出演者が激しく言い合うところは、放送してはいけないと思う。だんだん発言がエスカレートし、ケンカになりそうだった。子どもが見たら精神的ショックを受けるし、これを平気で放送する放送局もいかがなものか。心が傷つくような場面を放送するならば、番組をやる資格はない。

  • 毎日、ワイドショーでどうでもいい芸能人の話題につき合わされて、うんざりする。見たくなくても、メディアが強引に一斉に取り上げる状態はおかしくないか。冷静に考えてほしい。これらは必要な情報なのか。他に役立つ情報を割いてまで知りたいことだろうか。ワイドショー好きの人たちを私は全く理解出来ない。

  • 危険な動物に遭遇した時の対応として、熊、小型のサメなどに、タレントが軽装で接していた。その際、熊とサメの実験では、実際に噛まれていた。しかし、「大事には至らなかった」とのナレーションで撮影を続けていた。怪我の程度の確認などの場面はなかった。私が心配したのは、むしろ動物だ。タレントは納得してそれで利益を得ているからいいが、動物は興奮するようにたきつけられて、もし事故になったら、タレントを助けるために攻撃され、又、殺されたりするのだろう。タレントも撮影を中止したくても言い出せないことは容易に想像できる。こういった番組は如何なものか。

  • キー局の生放送の歌番組が、地方のローカル局では数日も遅れて放送されるが、臨場感にかけてしまう。昔と違って、現在はネットが発達している。"番組を見ながらネットに書き込んで、遠くの友達と一緒に楽しむ"という視聴方法もあるのだ。時代にあった放送を求める。そんな具合に地方局は日にちがずれることが多い。プレゼント企画がある番組などは応募さえできない。放送局には何度も言っているが改善されない。

  • スポーツ中継で、女性アナウンサーが実況をやることがほとんどない。というのも、野球なら「女性の視聴者は野球や選手に詳しくないので、女性を起用しない」という固定概念を、テレビ局が勝手に持っているからだろうか。女子サッカーの「なでしこジャパン」の試合中継くらいなら、女性アナウンサーが実況してもいいのではなかろうか。

  • バラエティー番組の女性アイドルの態度が腹立たしい。人気があり、金持ちでチヤホヤされるからといって、「自分は偉い」とエツになっているのではないのか。そのくせ義務教育レベルのクイズ問題や漢字・常識問題をよく間違え、平然としている。最近はもっとひどい。言葉遣いも荒っぽい。アイドルは「偶像」の意味である。昔から少年少女の憧れの存在である。その点をもっと自覚し、節度のある行動をとってほしい。

  • ドッキリ企画で、ターゲットであるタレントの頭に覆面をかぶせ、仕掛け人のおばさん達が股間を叩いていた。こんなものはドッキリでも何でもなく、ただ下品なだけである。もし小学生や中学生が同じことをしていたら明らかな「いじめ」である。男性の股間をたたくことは今後やめていただきたい。同じ男性として不愉快だ。子どもが真似して他の子の股間をたたいて何かあったらどうするのか。テレビがいじめや男性へのセクハラなどを推奨しているようにしか思えない。テレビの影響力の大きさ等を改めて認識し、今一度よく考えていただきたい。

  • 料理をする際に、アクセサリーや腕時計をした料理人を出すことはやめてもらいたい。衛生観念が欠落しているとしか思えず、不快感しか残らない。真面目に料理に取り組んでいる多くの職業人に対して失礼だ。それを見て、騒ぐだけの女性タレントも、考えがなさすぎて呆れるばかりだ。

  • 番組で「ある言葉」を大阪府民は使うと述べていたが、大阪府出身者に聞いたところ知らない人のほうが多数だった。「根性が悪い」といった意味で、20年以上前の一時期に使われていたそうだが、現在はほぼ衰退しているらしい。なぜこの言葉をあたかもすべての大阪府民が知っているように放送するのだろうか。明らかに不適切ではないか。大阪府民への偏見を助長する放送ではないのか。

  • TPPにより自由診療と保険診療が行われた場合、病院は利益のある自由診療の患者を優遇し、保険診療の患者は後回しにしたり、雑に扱うようになる可能性があるという内容だった。医療従事者として憤りを感じた。ただの可能性の話かもしれないが、病院で働く職員が利益優先で患者を差別すると誤解されても仕方のない内容に感じた。現場では患者には平等に接している。大半の医療従事者は患者のことを第一に考えて、厳しい状況のなか頑張っている。番組を見て、悲しい気持ちになった。

  • 独身実家族というニートのような存在をたたいていた。私の息子は27歳で就職できずに、週3回アルバイトをしている。息子は生まれながらに障害がある。見た目には健常者で、視覚、聴覚、話すことも問題ないが、あきらかに健常者に比べ、考えてから話す、考えてから行動するので全てが遅い。その為、専門学校に行っても就職できずに悩んでいて、現在はアルバイトをしている。それでも前向きに生きているのだが、テレビを見ていると、「ニート」「働かない」「結婚しない」「自立しない」等と並べ立て、何の配慮もなく叩きのめしていた。人にはそれぞれ事情があるのだから、ひとくくりにしてバッシングするのは止めてほしい。

  • 毎回、動物(特に小動物や赤ちゃん動物)が出てくるたびに、足跡の効果音がある。実際の動物に、テレビのような効果音があるのか。動物が歩くたびに、効果音が鳴るので気になって仕方ない。たまにはいいかもしれないが、ずっとこの効果音があると、見ていて不快になる。

  • 内容が視聴者を不快にさせるものだった。出演者の方々の暴言や不愉快な発言が目立ち、イジメの問題にも繋がりかねない。討論することは悪いとは思わないが、政治的な話題や視聴者のニーズに沿ったものならまだしも、この番組はゲストに対してのみならず、そこに出演していない人物を批判するような発言もみられ、不愉快だった。これは間接的なイジメと変わらない。

  • 街中にいる女性がインタビューされて答える場面がよくあるが、不特定多数の目に触れる場で下劣な言葉を恥じらいもなく話している。中には「友達をいじめた」と得意気に話す人がいたり、「不倫をしている」「パートナーを騙している」等、背徳的な答えを出す人もあり、これを見た本人の身内はどう思うのだろうか。赤の他人である私が見ても不愉快なので、深く傷つく人もいるだろう。面白可笑しくするためにわざとこういう質問をして、それに応じた受け答えをした人を選んで編集しているのだろうが、聞いていて気持ちの良いものではない。質問内容をもっと健全、且つ前向きになれるものに改めることは出来ないのか。

  • 番組の途中で入るVTRの編集の仕方がおかしい。芸能人の恋愛や政治のこと等、面白おかしくしようとやり過ぎだ。週刊誌ではないのだから、内容を誇張しようとするナレーションとテロップには強烈な違和感を覚える。週刊誌であれば買うか買わないかを自分で選択できるが、テレビはリモコンをつければ情報が強制的に表示される。それも全国区で。VTRの編集の仕方が「週刊誌と同等」ではおかしい。視聴率稼ぎも程々にしてほしい。

  • プロ野球のオールスターゲームが3戦放送されたが、全てにおいて「ある選手」を過剰に取り上げすぎていて、苛々した。ベンチにいる所を度々映すし、全打席や投げる所、ファインプレーやヒットを打つ瞬間のスロー再生等、その選手オンリーのダイジェストVTRを何度も流していた。その選手以外のほかの選手が好きで、期待していたファンの方も沢山いるのに、その選手が「今年のオールスターの主役。みんな注目しています」と言わんばかりの取り上げ方は、不愉快だった。

【ラジオ】

  • 準レギュラーコメンテーターが、特定の野球チームに対して、執拗で異常なバッシング発言をしていた。配慮がなく、聞き苦しかった。仲間内で話す内容を不特定多数が聞いているラジオでやるべきではない。

  • 「洋楽の熱を伝える」が番組のコンセプトらしいのだが、洋楽知識は出鱈目だし、勝手な解釈を垂れ流している。批判してきたリスナーにケンカ腰になったり、ろくな曲がかからない。邦楽は批判ありきで、こちらも解釈が出鱈目だ。また特定の歌手にばかり特化し、気持ち悪いぐらい持ち上げる。こうした偏向番組はいかがなものか。

  • 水曜日パーソナリティーの女性は、放送中に「CMに出ているからチェックしてください」と言っていたが、商品名をあげて自分が出ているCMを宣伝するということはいいことなのか。普通なら商品名などは伏せて伝えると思う。また以前から無神経な発言や下ネタ発言が目立ち不愉快だ。昼間の番組だし、それ相応の発言というものがある。この日も自ら「下ネタになりますが…」と故意に性的な方向に持っていこうとしていた。女性パーソナリティーがすすんで下ネタを言うことはどうなのだろうか。

【CM】

  • 食事時のCMのなかで、トイレや衣類用洗剤が目立つ。その内容は「汚い」「くさい」などを前面にだして、飲食をする時間帯にふさわしくない。そのような時間帯にはもっと適切な配慮がほしい。

  • スマートフォンアプリのCMの内容は、不倫容認のような印象を受ける。放送時間も朝から晩まで流れていて、現在結婚生活を営んでいる夫婦に影響は多分にあると感じる。CMを中止せよとは言わないが、幾らスポンサーに名前を連ねている企業が提供している携帯アプリとはいえ、社会風潮を悪しき方向へ向けるような内容のCMを流すことは、倫理観に欠けると言わざるを得ない。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する意見】

  • 「美容整形スペシャル」と題して、2時間も整形の特集を放送していた。美容整形は色々と問題があるのに2時間も費やす必要があるのか、疑問を感じた。ゴールデンタイムだし、子どもも見るだろう。今の子どもは小学生の時から容姿をとても気にしており、化粧をしたり、無理にダイエットしたり、ファッションにお金をかけたりする。怖いことはこのような番組の影響で、子どもや若い子が「お金さえあれば、整形してきれいになれる」と思うようになることで、整形するお金が欲しいから援交や犯罪に走ることにもなりかねない。

【暴力・殺人・残虐シーンに関する意見】

  • 殺人事件のドラマが多すぎる。特に昼間の再放送は夏休みの子ども達も見てしまう。絞殺や刺殺シーンは青少年に影響だ。命の大切さを教えるドラマを放送してほしい。

【性的表現に関する意見】

  • バラエティー番組の中のコントで、生々しい性描写を含む表現が使われていた。大人が見ていても不快だし、何よりも子どもが視聴する日曜日の昼に、このような内容を平然と放送する局の姿勢に怒りを覚える。

【いじめ・虐待に関する意見】

  • ドラマの影響で、小学校5年生の息子がクラスメイトからいじめを受けている。このドラマから影響を受けたクラスメイトのリーダー的な子が、クラスメイトに一軍二軍と順位をつけたり、脅迫、クラス崩壊まで行っている。イジメをテーマにした内容にするのはわかるが、イジメを受けている側は命がけだ。

【編成に関する意見】

  • 夏休みに入りました。昔の記憶では、午前中に子ども向け番組やアニメの再放送などが放送されていたと思います。最近はそのような番組編成がされていないようです。子ども向けの番組、時間帯等への配慮がもっとあってもよいのではないかと思います。

【言葉に関する意見】

  • バラエティー番組の中で、出演者が軽い気持ちやノリで「死ね」「死ねばいいのに」と発言して笑いを誘うことがみられます。「死ね」という言葉は、テレビの世界であっても軽い気持ちで発してはいけないと思います。ましてや、それで笑いをとることはいかがなものでしょうか。バラエティー番組を見た子ども達が、同じノリで「死ねばいいのに」と相手に対して発言したら、深い意味がなく軽い気持ちだったとしても、中には深刻に受けとめる子どももいるでしょう。メディアが社会に与える影響は大きいので、芸能人はその事を自覚してほしいです。

【委員会に関する意見】

  • 北海道の暴風雪取材に対して「配慮がなされた」という結論は、一視聴者として甚だ疑問に思う残念な判断であった。異常事態で親を亡くした直後の、大勢による取材に対してはどうしても「配慮」が欠けていたと思わざるを得ない。BPOは「放送による人権侵害の救済」を謳っていながら、視聴率重視の興味本位ともとれるマスコミの横暴を深く掘り下げることなく「なきもの」にしてしまうのか。このままでは災害時にまっさきに轟音を轟かせヘリを飛ばしたり、葬式に土足で乗り込む無神経な取材が今後も平然と行われることになるだろう。「知る権利」のもとであれば何をやっても許されるのか。報道各社にあっては、このことについてもっとよく考えてほしい。

【CMに関する意見】

  • スマートフォン向けのゲームのCMは、どれも苦々しい思いで見ている。中でも女性向けの恋愛ゲームのCMは、不快の一言だ。こんなCMは深夜だけにしてほしい。子どもと一緒にテレビを見ているときにこのCMが流れると、「今夜は帰したくないってどういうこと?」などと騒ぐ。番組なら嫌なら見ないという選択があるが、CMはこちらの意図と関係なく見せられることが不愉快だ。

  • このゲームのCMは、不倫を推奨するようで、見ていて不快だ。公序良俗に反する。いつ放送されるか分からないので、やめてほしい。子どもも目にする昼間や、ゴールデンタイムでの放送は避けてほしい。このような内容のCMを公共のテレビで放送することは、この国の品位を下げる。目にするたびに恥ずかしい。低俗だ。

第147回 放送と青少年に関する委員会

第147回–2013年7月

「何度も落とし穴に落とすいたずらの"いじめ"への影響懸念」などと指摘があったバラエティー番組などを討論、審議入りせず。

第147回青少年委員会は、7月23日に7人の委員全員が出席して開催されました。まず、6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見の中から、「何度も落とし穴に落とすいたずらは、子ども達への影響が気になる」などと指摘があったバラエティー番組と、「不倫を肯定するようなCMは若者に悪影響を与える」という意見があったCMについて、それぞれ討論が行われました。その他、7月の中高生モニター報告や、調査・研究企画、名古屋と札幌で予定されている意見交換会、事例研究会、などについて話し合われました。
次回委員会は9月3日に名古屋で開催する予定です。

議事の詳細

日時
2013年7月23日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

  • 「タレントが何度も落とし穴に落とされる度を越えたいたずらは、"いじめ"につながり子ども達への影響が気になる」という視聴者意見のあった夜9時台のバラエティー番組について討論しましたが、今回の放送は特に際立った問題はないとして、審議入りしないことになりました。

  • 「不倫を肯定するようなゲームのCMは、若者に悪影響を与える」という視聴者意見のあったCMについて討論しました。時間帯への配慮をしてほしいという意見が出ましたが、特段問題はないとして、審議入りしないことになりました。

  • 「逮捕・補導された少年の防犯カメラの映像をニュースで流したのは問題がある」という視聴者意見について、「少年犯罪を扱っている弁護士の立場としては、逃走中ならやむを得ないが、すでに身柄を確保された後であり、"少年の更生"と"知る権利"のバランスを考えたときには"少年の更生"を最大限尊重してほしい」という意見がありました。

  • その他、「特定の人物をいじめている」という意見のあった男性アイドルグループの番組、「新人女性アイドルに対する企画が不愉快だ」という意見の深夜番組について話し合われ、今後深夜番組に注目してゆく必要があるという意見が出ましたが、いずれも現時点では問題としないことになりました。

中高生モニターについて

7月の中高生モニターは、最近見た「バラエティー・クイズ・音楽番組」のうち「良かった」あるいは「面白くなかった」と感じた番組をどちらか一つだけ取り上げ、その理由を具体的に深く掘り下げ報告してもらい、26人から報告がありました。ジャンル別では、バラエティー番組15件、クイズ番組4件、音楽番組7件でした。
『ミュージックステーション』(テレビ朝日)は3人から、「家族みんなで楽しめる」「好きな歌手がたくさん出演する」「タモリさんの司会がとてもよい」などの意見が寄せられました。音楽番組全般に関して好意的な意見が多かった半面、バラエティー番組に関しては、「寝起きどっきりを面白がるのはいかがなものか。限度を考えてほしい」とか「もっとテレビを見る側を意識して作ってほしい」など、批判的な意見がありました。クイズ番組に関しては『世界ふしぎ発見!』(TBSテレビ)や『ネプリーグ』(フジテレビ)など、「こういう番組はこれからもずっと続けてほしい」「とてもいい番組だと思う」など、好意的なリポートが届いています。
放送局では、日本テレビが6番組、TBSテレビが5番組、フジテレビが3番組、朝日放送が2番組、NHK、テレビ朝日、テレビ東京がそれぞれ1番組となっています。
<自由記述欄>では、「ラジオ・テレビについて思ったことを自由に書いてください。特になければ、アニメにおける残酷なシーンや、性的なシーンについての感想を書いてください」と依頼しました。アニメに関しては「『名探偵コナン』(読売テレビ)が大好き」という好意的な意見がありました。しかし、アニメの中の残酷なシーン、性的なシーンに関して「真似したりショックを受けたりすることもあるだろうから、放送する側として、何らかの工夫をしてほしい」「幼い子が暴力的なシーンの言葉づかいを真似たりしているようだ」という批判的な意見がありました。その一方、「放送時間帯を選べば問題ない」「ある程度必要だと思う。バランスを考えて作ってほしい」など、擁護する意見もありました。ラジオに関しては3件の意見が寄せられ、スマートフォンを利用して聴取者がラジオに参加できるシステムやWebサイト上に番組の感想を書き込んだりする仕組みなど、新しいラジオの姿を楽しんでいる意見が寄せられました。

【中高生モニターリポートの主な意見と委員の感想】

●【委員の感想】「インタビューしていたアナウンサーの語りかけるような話術が素晴らしい」とか「出演者が街の魅力を引き出す力がある」といったように、出演者の個人的な力に好意を持ったという感想が印象に残った。

  • (宮城・中学2年男子)先日『報道ステーション』(テレビ朝日)で、女子フィギュアスケートの安藤美姫さんにインタビューした、テレビ朝日の宮嶋泰子アナウンサーに惹かれました。語りかけるような自然な話術は素晴らしいと思いました。最近は、若い女子アナと呼ばれる人たちをよく見ますが、こういう素敵なアナウンサーが現役で頑張っていらっしゃることに感銘を受けました。

  • (新潟・中学3年男子)最近見て良かったと思った番組は『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京)です。この番組はさまぁ~ずのお二人と、テレビ東京女性アナウンサーが街歩きをして、その街の人々とふれあう番組です。この番組では出演者がその街の魅力を引き出して「行ってみたい!」と思わせる力があります。

●【委員の感想】長時間の生放送の音楽番組を批判する声が多かったが、実際見たので、実にまっとうな意見だと同感した。

  • (愛知・中学3年女子)私が最近見たバラエティー番組のうち「面白くなかった」と感じた番組は、『音楽の日』(TBSテレビ)です。この番組は、前回は、約4時間だったのですが、今回は13時間半と、前回の3倍も長くなっています。果たして、音楽番組を13時間半も放送する意味があるのでしょうか。見る人のほとんどは好きなアーティスト目当てで見ているのに、あまりにも放送時間が長いと、待っている間は退屈だし、見逃してしまうかもしれません。もっとテレビを見る側を意識して作っても良かったのではないかと思います。

  • (福岡・高校2年男子)私が最近見た番組は、『音楽の力』(日本テレビ)です。この番組は、昼の10時30分から12時間生放送の音楽番組でした。総勢50名を超える様々なアーティストが出演していました。まるで芸能人のカラオケ大会を見ているようで、盛り上がっている当事者たちは楽しそうでしたが、一視聴者からしたら、「おいてけぼり」をくらったような印象でした。音楽番組として見ていたため、なんとも言えない印象でした。

●【委員の感想】今は、テレビは個別に見る機会が多くなっているように言われているが、モニター報告を読むと、家族で歌番組を一緒に見て歌ったり、クイズ番組で回答を推察しあったりと、家族で共に番組を楽しんでいるので、これは大変良いことだと思う。

  • (徳島・中学1年女子)私は『ミュージックステーション』(テレビ朝日)が好きです。私の生まれた時に大ヒットした曲や、父や母の小さかった頃にヒットした曲を聴くことができるからです。家族みんなで楽しむことができる『ミュージックステーション』は貴重だと思います。

  • (山形・中学2年女子)『ミュージックステーション』(テレビ朝日)の良い点は、「バースデーイヤーソングス」というコーナーです。何年も前に流行した歌が流れ、小中高生がコメントをします。私がまだ生まれる前の歌や両親が若かった時の歌がたくさん流れます。家族で見ていて会話も広がるし、実際に聴いたことがない曲でもなぜか懐かしい気持ちになるので、この番組のコーナーは毎回、とても楽しみです。

  • (千葉・中学2年男子)わが家ではクイズ番組をよく見ます。僕は、中でも『世界ふしぎ発見』(TBSテレビ)が好きです。自分もいつの間にか回答者になっていて、家族とあれこれ話しながらみることも楽しいです。こういう番組はこれからもずっと続けてほしいと思います。

●【委員の感想】アニメから暴力的・性的なシーンを完全に取り除くことは不可能では、と書いているモニターもいた。また、アニメや漫画を議論の対象とするならば、映画やドラマ番組や小説も一緒に論ずるべきでは、と論理展開をしたモニターもいた。
●【委員の感想】中高生としては非常にきちんとアニメ番組の内容を捉え、問題点の指摘をしている。

  • (埼玉・高校1年女子)アニメの中に言葉づかいが悪いキャラクターがいるのは確かだと思います。しかし、暴力的・性的なシーンを完全に取り除くことは不可能だと思います。幼い子に見せる勧善懲悪的なアニメには征伐のシーンは不可欠ですし、性教育の観点からも間違った情報をインターネットや雑誌で得るよりも正しい情報をテレビで得るほうがいいと思います。

  • (福岡・高校2年男子)私はアニメにおける残虐なシーンや性的なシーンは放送時間帯を選べば問題ないと思う。そもそも、なぜアニメや漫画のみを頻繁に議論の槍玉に挙げるのかが理解できない。残虐なシーンや性的なシーンを論ずるならば映画やドラマなどの番組や小説も一緒に論ずるべきだ。

●【委員の感想】クイズ番組に対しては、難解な問題をスラスラ回答するのは見ていて楽しい、という一方、出演者がおバカキャラを演ずることへの批判が挙げられた。また、ドッキリ番組は面白いが、俳優などの寝起きを襲うことまでするのはやりすぎではないか、限度を考えるべきという意見があった。また、旅番組で、タレントでなく番組のディレクターがリポートすると、親近感があって、番組を素直に受け止められるという高校生もいた。

  • (福岡・高校2年男子)私が一番好きなクイズ番組は『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日)だ。「東大生・東大出身者」や「京大生・京大出身者」などが解答者として出演し、難解な問題をスラスラと解答していくのは見ていて気持ちがいい。自分も勉強しなくてはという気にさせてくれ、教養にもなる。

  • (東京・中学3年女子)一番クイズ番組で気に食わないのが「おバカタレント」と言う人達だ。見ていて面白くないし、うるさいだけ。

  • (鳥取・中学2年男子)どっきり番組自体は、大好きなのですが、その中の「寝起きどっきり」というのは全く面白くありません。モデルさんや女優さんの寝起きを見たって何も得るものはないし、仕事で疲れているのに安らかな睡眠を邪魔されて、とてもかわいそうです。最近、テレビでは、常識を超えた面白さを求める芸人さんがいますが、そんな面白さは必要ありません。きちんと限度を考えてほしいです。

  • (岐阜・高校2年女子)私が見て良かったと感じた番組は7月3日に放送された『世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?』(フジテレビ)のスペシャルです。この番組の大きな特徴は、世界各国へとリポートしに行くのがタレントや芸人さんではなく、番組のディレクターがリポートをするところです。TV慣れしていないディレクターがリポートをしているため、変に飾ることもなく、よりリアリティーのあるリアクションが見られます。より、私達視聴者に近いディレクターのリポートは見ていても、気楽に見ることができます。新しい旅番組の形としてこのような少し変わった設定も面白いと感じました。

●【委員の感想】モニター報告をとても面白く読んだ。良識ある子が多く、内容に納得できる。歌を耳だけで聴いていたのがテレビ映像でその歌手の歌っている姿を見ると改めて違った感動があるというフレッシュな意見を寄せた中学生もいた。テレビ番組を視聴年齢規制するのは、よくないというモニターもいた。

  • (神奈川・中学1年女子)歌が大好きな私が最近特に感動したのは、5月24日に『ミュージックステーション』(テレビ朝日)で放送された、ファンキー・モンキー・ベイビーズ(ファンモン)のライブです。ファンモンは前から好きな歌手でしたが、改めて感動しました。なぜか。それは、いつも耳からしか聴いていなかった歌を、テレビを通して実際にファンモンが懸命に歌っている姿を見ることができたからです。
  • (千葉・中学2年男子)アニメで好きなのは、『名探偵コナン』(読売テレビ)です。毎回、事件をコナンが推理して解決していくという設定のため、殺人事件を扱うことも多いです。そのため、見方によっては残酷なシーンやストーリーで小学生が見るにはふさわしくないと思うこともあります。僕も、小学校低学年の頃、怖くなって部屋を明るくして寝たり、なかなか眠れなかったりしたこともありました。だけど、事件が解決していく過程がとても面白いので、小さいころから見ています。映画のように年齢を規制することも必要かもしれませんが、それよりも、それぞれの家でルールを決めてテレビを見るというのがいいと思います。なんでもかんでも、これはダメとか禁止とか大人が決めるのは、よくないと僕は思う。

●【委員の感想】アニメの残虐なシーンや性的なシーンに関して反発する意見があると同時に放送時間帯を選べば問題ないとし、その根拠として大変論理的な文章を寄せてくれたモニターがいる。
●【委員の感想】日本のアニメは世界中で人気がある。しかし、その中には『HUNTER×
HUNTER』(日本テレビ)や『進撃の巨人』(東京メトロポリタンテレビジョン)などの中に散見されるように、人間が食べられるなどの残酷なシーンがたくさんある。二律背反の日本のアニメに対してしっかりした評価と同時に批判をしている意見も数通あった。

  • (福岡・高校2年男子)最近は録画機器が発達しており子どもが寝ている時に録画して、起床時に視聴する可能性があるという懸念もあると思う。しかし、「子どもが視聴する可能性がある、だから、放送を中止すべきだ」というのは誤った二分法だ。保護者がテレビの視聴を監視・監督するという選択肢がすっぽりと抜け落ちてしまっている。深夜帯の放送については保護者の教育に委ねるべきだ。現代は情報化社会だ。一家に一台はパソコンがある。子どもにも携帯やスマートフォンが普及していて、私の高校では持っていない人を探すのが難しいくらいだ。ネット上ではワンクリックでテレビよりも残虐な情報や性的な情報が溢れかえっていてなおかつ簡単にアクセスできる。そんな状況の中で、たとえテレビで流す番組の中身だけを規制しても、重箱の隅をつつくようなものだ。

●【委員の感想】iPodを通じて好きな音楽を聴いて元気が出、勇気づけられたという文章には感動した。ハードの多機能化が中高生と音楽との接し方をどんどん変えている。テレビ・ラジオ視聴に関してもいろんな可能性が出てくるのではないか。

  • (宮城・中学2年男子)震災のとき、音楽は私に大いなる力をくれました。何度もくじけたり、あきらめそうになりましたが、わずかに充電が残っていたiPodで、好きな音楽を聴けたときは涙が出ました。私は、解散したファンキー・モンキー・ベイビーズのファンなのですが、一曲一曲の歌詞の意味を噛みしめ、何度も助けられました。前に進もうと思い、4月の新学期が過ぎても学校に行くことは出来ませんでしたが、家の手伝いや弟や妹の世話を積極的に行うようにしました。音楽には素晴らしい力があります。両親が、昔より音楽番組が少ないと言っていましたが、手軽に音楽がダウンロード出来る時代ではありますが、このまま音楽番組を続けてほしいと思います。

  • (神奈川・中学3年男子)ラジオ番組は、映像で伝えることができないので、テレビ番組以上にいろいろ工夫していて、じっくり聴いてみるととても面白いです。また、J-WAVEでは、最近J-meというリスナーズコミュニティを、以前のリスナー向けサービスからリニューアルし、Webサイト上に番組の感想を書き込んだりすると、ポイントがもらえイベント参加の応募やプレゼントなどと交換できるような仕組みを導入しました。このような工夫によりラジオに関心を持ってくれる人が増えることを願っています。

今年度の青少年委員会活動について

  • 調査・研究の内容に関する議論が行われ、次回委員会で企画を確定することになりました。

  • 9月に名古屋で、10月に札幌で行う意見交換会について、進捗状況が報告され、内容についての検討が行われました。

  • 8月の事例研究会に向けた現状報告がありました。

第16号

関西テレビ『スーパーニュースアンカー』
「インタビュー映像偽装」に関する意見

2013年8月2日 放送局:関西テレビ

関西テレビの夕方のローカル番組『スーパーニュースアンカー』が2012年11月30日に放送した「大阪市職員 兼業の実態」という特集企画で、兼業について証言した情報提供者のモザイク映像が、取材スタッフを使って偽装した映像であったうえ、新聞報道で発覚するまで3か月余りも視聴者に説明していなかった事案。
委員会は、社内でのチェックが機能せず問題のインタビュー映像を放送してしまったこと、問題発覚後これを視聴者に伝えない決定をしたことの2点について、放送倫理に違反すると判断した。そのうえで、今回の問題の本質は、関西テレビがいう「不適切な映像表現」ではなく、テレビを信じてモザイク映像の放送を容認している視聴者の信頼を裏切るような「許されない映像」が放送されたことにあると指摘した。

2013年8月2日 決定の通知と公表の記者会見

通知は午後2時30分から、千代田放送会館7階BPO第一会議室で行われた。
また、午後3時15分から、同2階ホールで公表の記者会見を開き、25社54人が出席した。
詳細はこちら。

2013年11月8日 【委員会決定を受けての関西テレビの対応】

『スーパーニュースアンカー』「インタビュー映像偽装」に関する意見(2013年8月2日)を受けて、当該局の関西テレビは、局としての対応と取り組み状況をまとめた報告書を、10月28日に当委員会に提出した。
2013年11月8日に開催された委員会で、報告書の内容が検討され了承された。

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目 次

  • I. 委員会決定の報道
  • II. 委員会決定内容の周知徹底
  • III. 番組審議会への報告
  • IV. 再発防止に向けた取り組み
  • V. 終わりに