第177回 放送倫理検証委員会

第177回–2022年11月

10月に寄せられた視聴者意見を議論

第177回放送倫理検証委員会は11月11日に千代田放送会館で開催され、10月にBPOに寄せられた視聴者意見などが報告され議論を行った。

議事の詳細

日時
2022年11月11日(金)午後5時~午後7時
場所
千代田放送会館
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. 10月に寄せられた視聴者意見を議論

民放局の報道情報番組に出演するコメンテーターが、安倍晋三元首相の国葬について大手広告代理店が関与したという趣旨の事実でない発言をしたことに対する当該放送局の対応、および他の民放局の報道番組が、同氏への「デジタル献花」に旧統一教会が影響している可能性を報じたことに多数の意見が寄せられたことを事務局が報告し、議論したが、討議に入るべき事案にはあたらないとの意見が大勢を占めた。

以上

第176回 放送倫理検証委員会

第176回–2022年10月

NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見に対する報道について報告

第176回放送倫理検証委員会は10月14日に千代田放送会館で開催された。
委員会が9月9日に公表したNHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見について、テレビ、新聞がどう報じたのか報告された。
また、9月にBPOに寄せられた視聴者意見が報告され議論を行った。

議事の詳細

日時
2022年10月14日(金)午後5時~午後7時
場所
千代田放送会館
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見の公表について報告

委員会は9月9日、NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見の公表の記者会見(オンライン形式)を行った。今回の委員会では、NHKを含めテレビ、新聞がどのように報じたのかが報告された。これに関連して、総務省がNHKに対して行政指導を行ったことについて議論したところ、多くの委員から行政指導がなされたことについて懸念が示された。委員会は、番組内容に関する行政指導としては、2015年のNHK総合テレビ『クローズアップ現代』"出家詐欺"に対する文書による厳重注意以来の指導になること、委員会は「『クローズアップ現代』"出家詐欺"報道に関する意見」(委員会決定第23号)において、放送法5条は放送事業者が自らを律するための「倫理規範」であり、総務大臣が個々の放送番組の内容に介入する根拠ではなく、「放送局が自律的に番組基準を定め、これを自律的に遵守すべきことを明らかにしたものなのである。したがって、政府がこれらの放送法の規定に依拠して個別番組の内容に介入することは許されない。」との意見を表明していることを再度確認した。その上で、今回の行政指導は、NHKの報告書提出から約半年を経てなされたものであり、放送局が自主的にその原因を調査し再発防止策を検討して問題を是正すること自体が脅かされたとまではいえないこと等を踏まえて、委員会として意見を表明することはしないものの、委員会が議論を行ったことを公表することにより、今後も総務省の行政指導に対しては注視していくことを明らかにすることとした。

2. 9月に寄せられた視聴者意見を議論

9月に寄せられた視聴者意見のうち、安倍元首相の国葬報道・特別番組に対してさまざまな意見があったことや、民放番組のコメンテーターが、国葬に大手広告代理店が関与したという趣旨の事実に基づかない発言をし、訂正・謝罪に至ったことに対する批判的意見が多数寄せられたことなどを事務局が報告した。

以上

第175回 放送倫理検証委員会

第175回–2022年9月

NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見の通知・公表について報告

第175回放送倫理検証委員会は9月9日にオンライン形式で開催された。
委員会が9月9日に行ったNHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見の通知・公表について、出席した委員長と担当委員から様子が報告された。
山梨放送が第26回参議院選挙期間中の7月2日に候補者が出演する番組『偉人の子孫を徹底リサーチ ハヤシソン!』を放送したこと、およびBS朝日が同選挙期間中の6月24日に『新・科捜研の女3』、7月8日に『暴れん坊将軍Ⅱ』を放送し、それぞれに候補者が出演していたことについて討議を行った。
第26回参議院議員選挙の投票日当日に、フジテレビが、討論番組『日曜報道THE PRIME』で、応援演説中に銃撃を受けて死亡した安倍晋三元首相の追悼番組を放送したことについて討議を行った。

議事の詳細

日時
2022年9月9日(金)午後5時~午後6時15分
場所
オンライン形式
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. NHKBS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見の通知・公表について報告

NHKは2021年12月26日に放送したBS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、番組と局のホームページで公表し謝罪した。委員会は放送倫理違反の疑いがあるとして2月の委員会で審議入りを決め、議論を重ねてきた。審議を経て、委員会は次のとおり事実を認定した。①番組は五輪反対デモに参加していない男性を参加したかのように描くものだった。②男性のその他の発言についても事実の確証は得られていない。③別のデモに関する男性の発言を五輪反対デモに関するものであるかのように編集した。④男性に対し適切な説明をしなかった。そして、放送の結果、番組はデモの参加者はお金で動員されており、主催者の主張を繰り返す主体性のない人々であるかのような印象を視聴者に与え、デモの価値をおとしめたという問題も生じた。以上から、放送倫理基本綱領、NHK放送ガイドラインに反しているとして、重大な放送倫理違反があったと判断した。委員会は9月9日、当該局に対し意見書の通知を行い、続いて意見書の公表の記者会見(オンライン形式)を行った。同日に開催された9月の委員会では、委員会決定を伝えたNHKのニュース番組を視聴し、委員長と担当委員が通知・公表の様子について報告した。
通知と公表の概要は、こちら

2. 参議院選挙期間中に立候補者が出演した3番組について討議

委員会は、参議院選挙期間中に立候補者の出演番組を放送した以下の3番組について討議を行った。
① 山梨放送『偉人の子孫を徹底リサーチ ハヤシソン!』
山梨放送は第26回参議院選挙期間中である7月2日、『偉人の子孫を徹底リサーチ ハヤシソン!』を放送し、西郷隆盛の玄孫(やしゃご)である西郷隆太郎氏を取り上げた。同氏は6月6日、日本維新の会から比例代表候補として立候補表明をしていた。当該番組は他系列の放送局が1月8日に放送したものを購入して放送したものだった。
放送後、候補者の宣伝になるような番組を放送するのは山梨放送が応援しているようで大きな問題だという内容の視聴者意見がBPOに寄せられた。これを受けて委員会では、当該局に報告書と番組DVDの提出を求め、討議を行った。
報告書によれば、購入先の放送局から出演者リストを受けとった5月時点では西郷氏は立候補を表明しておらず、リストにもその記載はなかったという。また番組の素材チェックは公示2日前の6月20日に行われたが、同氏がいわゆるタレント候補ではなかったため担当者は立候補表明をしていたことに気づかず、そのまま放送した。
当該放送局は再発防止策として、購入番組は選挙期間中および公示1か月前からこれまでの担当者のほかに編成部員を加え二重の確認を行う、番組購入の際のチェック体制を一層強化することなどを挙げている。
② BS朝日『暴れん坊将軍Ⅱ』
③ BS朝日『新・科捜研の女3』
BS朝日は第26回参議院選挙期間中の6月24日に『新・科捜研の女3』、7月8日に『暴れん坊将軍Ⅱ』をそれぞれ放送した。
いずれも他局から番組を購入して再放送したもので『新・科捜研の女3』には候補者の石井苗子氏(日本維新の会・比例代表)、『暴れん坊将軍Ⅱ』には三原じゅん子氏(自由民主党・神奈川選挙区)がそれぞれ出演していた。
『暴れん坊将軍Ⅱ』は約40年前の1983年制作で、三原氏は素性を隠し市井にまぎれる将軍に、ある出来事を契機に恋心を抱く町娘の役。『新・科捜研の女3』は約15年前の2006年の制作で、石井氏は質店の社長だが、裏で金融業を営んでいて、融資先とのトラブルで殺害されるという役。三原氏および石井氏は、共に準主役であった。
BPOにはBS朝日から「参議院選挙候補者が選挙期間中に出演していた」旨の自主的な報告があり、また、視聴者からも「過去の出演とはいえ、公職選挙法に違反するのではないか」という意見が寄せられたため、委員会は当該局に報告書と番組DVDの提出を求め、討議を行った。
報告書には、出演者チェックやプレビューは購入時の4月のみで、放送直前には再度のプレビューを行わなかったこと、また、三原じゅん子氏は当時「三原順子」で芸能活動していたことをチェックの担当者が認識しておらず名前を見逃したこと、石井氏については番組資料の出演者リストの中に名前がなかったことなどが記載されていた。
また、再発防止策として、番組プレビューを購入時ではなく番組編成2週間前に行うことや、少なくとも選挙の公示・告示の1カ月前から内容・出演者が選挙期間にふさわしい作品かどうかを編成担当らが複数回確認する等が示されている。

上記の3番組は、委員会が過去に公表した3つの意見書で取り上げた問題を含んでいる。委員会は、2012年12月2日決定第9号「参議院議員選挙にかかわる4番組についての意見」において、参議院選挙期間中に再放送された番組に候補者が出演していた1番組について、放送倫理違反があるとは判断しなかったが、原因について出演者のチェックが行き届かなかったという単純なミスであることや選挙に対する関心の低さについて指摘をしている。
また、2013年4月には、知事選挙期間中に現職候補者の映像を放送したフジテレビのバラエティー番組『VS嵐』について、委員長談話を出し、参議院選挙の年であることに注意喚起も行っていたが、直後の参議院議員選挙期間中に再放送された番組に候補者が出演していた1番組があったため、委員会は、事態を重く見て、2014年1月8日第17号決定「2013年参議院議員選挙にかかわる2番組についての意見」において、視聴者に与える印象の程度は、他の候補者との間で公平・公正性が害されるおそれのある程度にまで達していることや選挙に対する全社的な意識づけの不足があった点も踏まえて放送倫理違反があると判断している。
さらに、2017年2月7日 第25号委員会決定「2016年の選挙をめぐるテレビ放送についての意見」においても、再放送された番組に候補者が出演していた1番組について審議を行っている(放送倫理違反とは判断していない)。
以上の意見書を踏まえて今回討議した3番組のうち、番組①は、候補者が番組の中で国のために働きたいなどの発言をし国政に出る気持ちが察せられたものの、放送に至る経緯をみれば、当該局に不注意があり、選挙と結びつける意図があったとは思われないこと、候補者がタレントでなかったことなどの事実が確認でき、番組②と③は選挙とは全く関係のない番組であることを踏まえて、いずれの番組も他の候補者との間で実質的には公平・公正性が害されるおそれがあるという程度にまでは達しているとまではいえないと考えられた。そして、いずれの放送局においても再発防止策がとられていることから、委員会は、その実効性に期待することとして、討議を終了した。
もっとも、参議院議員選挙のたびに、候補者が出演している再放送番組の放送が繰り返されることについて、委員から「いたちごっこ」になっているとして憂慮する声が相次ぎ、担当者のミスで終わらせるのではなく、出演者の名前を会社のシステムに登録しておくなどの仕組みによって防止できる可能性があること、放送番組は出演者にとっては利用価値のあるものであることを留意すべきであること、再放送であってもチェックには念を入れるべきであることなどの意見が出され、議事概要で改めて注意を喚起すべきであるとの結論で一致した。

3. 視聴者から「投票行動に多大な影響を与える」という意見が寄せられたフジテレビ『日曜報道THE PRIME』について討議

フジテレビは、第26回参議院議員選挙の投票日の7月10日(日)7時30分~8時55分に、討論番組『日曜報道THE PRIME』で、7月8日応援演説中に銃撃を受けて死亡した安倍晋三元首相の追悼番組『安倍晋三元首相を悼む…安倍氏の軌跡と日本の今後』を放送した。放送後、同番組について、視聴者からBPOに「実質的に特定の政党に投票を呼びかけるもので、公職選挙法に違反するのではないか」「放送法第4条、政治的に公平であることへの違反だ。投票行動に多大な影響を与える」といった意見が寄せられた。これを受けて委員会は、フジテレビに報告書と番組DVDの提出を求め、番組内容について討議した。
本件番組は、安倍元首相と所縁の深い3人の識者をコメンテーターとしてスタジオに招き、前半は、映像やコメンテーターが語るエピソードを通じて、安倍元首相の安全保障政策や外交政策の成果や功績について伝えた。後半は、銃撃事件の状況と警備上の問題点を専門家の解説を交えて伝え、選挙戦最終日を迎えた各党の同事件の受け止めを紹介し、最後に、コメンテーターが今後の日本はどうあるべきかについて語って終了した。
委員からは「自民党に直接つながることではないにしても、選挙の当日に、安倍元首相の功績や国際社会での評価を伝えることは、特定の政党の功績や評価を放送しているのと同じだと、視聴者に受け取られかねない」「番組の最後で、コメンテーターが、安倍氏の志を継いで憲法改正を岸田政権にやらせましょうと特定の政党へ投票を呼び掛けるに等しい内容の発言をしている。キャスティングの段階で、そういった発言が予期される場合、司会者や局側がどういう風にコントロールするのかを考えておくべきだ。番組制作のあり方に問題があったのではないか」という意見があった。
一方で「安倍元首相の襲撃事件を選挙前に報道した他の番組と比較して偏りがあるといえるだろうか」「特定の政党に投票を促すと認められる明示的な発言があったとまではいえないのではないか」「この番組が実際に投票行動を左右したかどうかを認定することは難しいのではないか」「銃撃事件のインパクトを考えると、週に1回編成されている番組が、その週を逃すと時期を逸するという気持ちになるのは分からなくもない。かなりレアな出来事に関して投票日当日に報道したということであれば、再発性は低いのではないか」という声があがった。
その上で、当該番組のみを取り上げて政治的な内容の番組に踏み込み具体的な判断を示すと、その判断が拡大解釈を招き、今後放送局が政治問題を伝えるにあたっての足かせになる恐れがあることに加え、当該番組が選挙についての報道・評論に関する番組とはいいがたく、他党の代表者の映像も含まれており、放送基準に照らして選挙の公正さや政治的公平性の問題として取り上げることは困難であるとして、本件番組については、委員から厳しい意見が出たことを議事概要に掲載して注意を喚起した上で、今回で討議を終了し、審議の対象とはしないとの結論に至った。

4. 8月に寄せられた視聴者意見を議論

8月に寄せられた視聴者意見のうち、ワイドショー番組などで旧統一教会に関連する様々な報道についての多様な意見や、情報番組で福島原発の処理水放出に関するコメンテーターの発言に対して批判的意見が寄せられたこと、宗教法人による悪質な霊感商法が社会問題となる中、霊能力者を自称する人物を番組出演させるのは不適切ではないかという意見があったことなどを事務局が報告した。

以上

第174回 放送倫理検証委員会

第174回–2022年8月

NHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』を審議
9月に委員会決定を通知・公表へ

第174放送倫理検証委員会は8月22日にオンライン形式で開催された。
2月の委員会で審議入りしたNHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』について、担当委員から意見書の修正案が提出された。意見交換の結果、了承が得られたため、9月に当該放送局へ通知して公表することになった。

議事の詳細

日時
2022年8月22日(月)午後5時~午後7時30分
場所
オンライン形式
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. NHK BS1のドキュメンタリー番組『河瀨直美が見つめた東京五輪』について審議

NHKは2021年12月26日に放送したBS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、2022年1月9日、番組と局のホームページで公表し謝罪した。番組は、東京五輪の公式映画監督である河瀨直美さんと映画製作チームに密着取材したもの。男性を取材した場面で「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕を付けて伝えた。放送後、視聴者から字幕の内容が事実であるかの問い合わせが相次ぎ、NHKが男性に確認したところ、実際に五輪反対デモに参加していた事実を確認できず、字幕の内容が不確かだったことがわかったという。
2月の委員会では、委員会からの質問に対する回答書、NHKが設置した「BS1スペシャル」報道に関する調査チームがとりまとめた調査報告書が提出され、それらを踏まえて議論を行った。同報告書では、字幕の内容は誤りであったとされている。議論の結果、取材、編集、考査、調査の各段階で問題があるのではないかといった厳しい意見が相次ぎ、放送倫理違反の疑いがあることから、放送に至った経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。
3月から7月までの委員会において、担当委員からヒアリングなどに基づいた意見書が提出され議論を行ってきた。今回の委員会では、前回委員会までの議論を踏まえ担当委員から示された意見書の修正案について意見が交わされた。その結果、合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、9月に当該放送局へ通知して公表することになった。

2. 7月に寄せられた視聴者意見を議論

7月に寄せられた視聴者意見のうち、安倍元首相の銃撃事件を伝えたニュースや特別番組の内容、参院選特番でのコメンテーターと候補者とのやり取り、参院選候補者の出演した番組などについて、批判的な意見が寄せられたことを事務局が報告した。

以上

第173回 放送倫理検証委員会

第173回–2022年7月

NHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』を審議

第173回放送倫理検証委員会は7月8日に千代田放送会館で開催された。
2月の委員会で審議入りしたNHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』について、担当委員から意見書の修正案が提出された。

議事の詳細

日時
2022年7月8日(金)午後5時~午後7時30分
場所
千代田放送会館BPO第一会議室
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. NHK BS1のドキュメンタリー番組『河瀨直美が見つめた東京五輪』について審議

NHKは2021年12月26日に放送したBS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、2022年1月9日、番組と局のホームページで公表し謝罪した。番組は、東京五輪の公式映画監督である河瀨直美さんと映画製作チームに密着取材したもの。男性を取材した場面で「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕を付けて伝えた。放送後、視聴者から字幕の内容が事実であるかの問い合わせが相次ぎ、NHKが男性に確認したところ、実際に五輪反対デモに参加していた事実を確認できず、字幕の内容が不確かだったことがわかったという。
2月の委員会では、委員会からの質問に対する回答書、NHKが設置した「BS1スペシャル」報道に関する調査チームがとりまとめた調査報告書が提出され、それらを踏まえて議論を行った。同報告書では、字幕の内容は誤りであったとされている。議論の結果、取材、編集、考査、調査の各段階で問題があるのではないかといった厳しい意見が相次ぎ、放送倫理違反の疑いがあることから、放送に至った経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。
3月から6月までの委員会において、担当委員からヒアリングなどに基づいた意見書が提出され議論を行ってきた。今回の委員会では、前回委員会までの議論を踏まえ担当委員から示された意見書の修正案について意見が交わされた。
次回の委員会には、再び、意見書の修正案が提出される予定である。

2. 6月に寄せられた視聴者意見を議論

6月に寄せられた視聴者意見のうち、ニュース番組で参院選に向けた党首討論がなされた際の司会役の進行や、情報番組で前日の緊急地震速報を繰り返し使用したことに批判的意見が多数寄せられたことなどを事務局が報告したが、踏み込んだ検証が必要だという意見はなかった。

以上

第172回 放送倫理検証委員会

第172回–2022年6月

テレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』視聴者質問の作り上げに関する意見への対応報告を了承

第172回放送倫理検証委員会は6月10日に千代田放送会館で開催された。
毎日放送のバラエティー番組『東野&吉田のほっとけない人』についての委員長談話が6月2日に公表され、その概要が報告された。
委員会が3月9日に通知・公表したテレビ朝日の情報番組『大下容子ワイド!スクランブル』視聴者質問の作り上げに関する意見について、当該放送局から再発防止に関する取り組み状況などの対応報告が書面で提出され、その内容を検討した結果、報告を了承して公表することにした。
2月の委員会で審議入りしたNHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』について、担当委員から意見書の修正案が提出された。

議事の詳細

日時
2022年6月10日(金)午後5時~午後7時
場所
千代田放送会館BPO第一会議室
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. 毎日放送『東野&吉田のほっとけない人』についての委員長談話の公表を報告

毎日放送が2022年元日に放送したバラエティー番組『東野&吉田のほっとけない人』について、5月の第171回委員会では、放送局としての自律的な自浄作用が機能しているとの一定の評価を行うとともに、質的公平性について踏み込むことは政治ジャーナリズムの足かせになる可能性があることを考え、紙一重のところで審議入りはしないとの結論に至った。その上で、当該番組に問題がなかったと誤解されるおそれもあることから討議入りとし、6月2日、委員長談話をBPOウェブサイトに公表した。
今回の委員会では、小町谷委員長から公表についての報告が行われ、事務局からは毎日放送のチェック体制の強化策など対応が説明された。

2. テレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』視聴者質問の作り上げに関する意見への対応報告を了承

3月9日に通知・公表したテレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』視聴者質問の作り上げに関する意見(委員会決定第42号)への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。
報告書には、委員会決定の内容を社内に周知徹底した上で、社内各部署の危機管理担当者で構成される「放送倫理関連委員会」において、放送倫理違反があった点と、本件放送の5つの問題点についての説明が行われ、全社的な共有をしたことや、検証委員会の委員を招いて勉強会を開催したことなどが記されている。また再発防止に向けて、番組全般の管理の強化や、中堅、ベテラン向けの報道倫理研修を行い、「放送倫理ホットライン」を設置したことと共に、制作会社のテレビ朝日映像における再発防止策などが報告されている。
委員からは、再発防止に向けて「管理の強化」や「徹底的なチェック」などが挙げられているが、それ以前に放送ジャーナリストとしての基本的な確認作業を怠らないようにすべきだとの意見が出されたものの、委員会の意図するところはくまれているとして、報告を了承し、公表することにした。
テレビ朝日の対応報告は、こちら(PDFファイル)

3. NHK BS1『河瀨直美が見つめた東京五輪』について審議

NHKは2021年12月26日に放送したBS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、2022年1月9日、番組と局のホームページで公表し謝罪した。番組は東京五輪の公式映画監督である河瀨直美さんと映画製作チームに密着取材したもの。男性を取材した場面で「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕を付けて伝えた。放送後、視聴者から字幕の内容が事実であるかの問い合わせが相次ぎ、NHKが男性に確認したところ、実際に五輪反対デモに参加していた事実を確認できず、字幕の内容が不確かだったことがわかったという。
2月の委員会では、委員会からの質問に対する回答書、NHKが設置した「BS1スペシャル」報道に関する調査チームがとりまとめた調査報告書が提出され、それらを踏まえて議論を行った。同報告書では、字幕の内容は誤りであったとされている。議論の結果、取材、編集、考査、調査の各段階で問題があるのではないかといった厳しい意見が出され、放送倫理違反の疑いがあることから、放送に至った経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。
3月から5月までの委員会において、担当委員からヒアリングに関する報告に続き、意見書の原案が提出され議論を行ってきた。今回の委員会では、追加で実施した当該番組の関係者に対するヒアリングの内容が報告された。その上で、前回委員会までの議論を踏まえ担当委員から示された意見書の修正案について意見が交わされた。
次回の委員会には、再度、意見書の修正案が提出される予定である。

4. 5月に寄せられた視聴者意見を議論

5月に寄せられた視聴者意見のうち、知床観光船事故で犠牲になった男性がプロポーズの手紙をしたためていたことを放送したことについてプライバシーの侵害だと指摘する意見や、人気お笑い芸人の死去に関する報道がWHOの「自殺報道ガイドライン」に反していたと指摘する意見が、それぞれ複数あったことについて、事務局から概要が報告されたが、さらに踏み込んだ検証が必要だという意見はなかった。

以上

第171回 放送倫理検証委員会

第171回–2022年5月

毎日放送『東野&吉田のほっとけない人』を討議

第171回放送倫理検証委員会は5月13日に千代田放送会館で開催された。
2月の委員会で審議入りしたNHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』について、当該番組の関係者に対して行ったヒアリング等を踏まえ、担当委員から意見書の原案が提出された。
毎日放送のバラエティー番組『東野&吉田のほっとけない人』に同じ政党の関係者3人が出演し政治的な課題などについて見解を語ったことについて議論を行った結果、討議入りとし委員長談話を公表することを決めた。

議事の詳細

日時
2022年5月13日(金)午後5時~午後7時30分
場所
千代田放送会館会議室
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. NHK BS1のドキュメンタリー番組『河瀨直美が見つめた東京五輪』について審議

NHKは2021年12月26日に放送したBS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、2022年1月9日、番組と局のホームページで公表し謝罪した。番組は、東京五輪の公式記録映画監督である河瀨直美さんと映画製作チームに密着取材したもの。男性を取材した場面で「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕を付けて伝えた。
放送後、視聴者から字幕の内容が事実であるかの問い合わせが相次ぎ、NHKが男性に確認したところ、実際に五輪反対デモに参加していた事実を確認できず、字幕の内容が不確かだったことがわかったという。
2月の委員会では、委員会からの質問に対する回答書、NHKが設置した「BS1スペシャル」報道に関する調査チームがとりまとめた調査報告書が提出され、それらを踏まえて議論を行った。同報告書では、字幕の内容は誤りであったとされている。議論の結果、取材、編集、考査、調査の各段階で問題があるのではないかといった厳しい意見が相次ぎ、放送倫理違反の疑いがあることから、放送に至った経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。
今回の委員会には、当該局から提出された報告書やヒアリングの内容を基に前回の委員会で交わされた意見を踏まえ、担当委員が作成した意見書の原案が示され、議論が行われた。
次回の委員会では、意見書の修正案が提出される予定である。

2. 毎日放送のバラエティー番組『東野&吉田のほっとけない人』について討議

毎日放送は2022年元日、バラエティー番組『東野&吉田のほっとけない人』を放送した。番組ゲストとして、弁護士・コメンテーターの橋下徹氏と日本維新の会代表・大阪市長の松井一郎氏、日本維新の会副代表・大阪府知事の吉村洋文氏が出演し、MCのタレント2人と「今の政治&大阪の未来は!?」をテーマに、番組内で計1時間程度トークを展開する内容であった。
放送後BPOには、「まるで維新の会の宣伝にしか見えない」「一特定政党だけをヨイショする番組」など、視聴者から批判的な意見が多数寄せられた。また1月11日に開催された当該局の番組審議会では、委員から「政治的なバランスに欠ける」「バラエティー番組に政治家を招くことに対する認識が欠如している」などの意見が出された。
これを受けて毎日放送は社内に調査チームを立ち上げ、関係者に対するヒアリングを行って事実関係を明らかにするとともに、全社研修やチェック体制の強化など再発防止に向けた取り組み状況を3月1日の番組審議会に報告した。
委員会は、当該局の一連の取り組みについて、放送局としての自律的な自浄作用が機能しているとの一定の評価を行うとともに、質的公平性について踏み込むことは政治ジャーナリズムの足かせになる可能性があることを考え、紙一重のところで審議入りはしないこととした。一方で、問題がなかったと誤解されるおそれもあることから討議入りとし、政治問題や政治家に関する番組を制作する際の留意点などを委員長談話として公表することを決めた。
委員長談話は、こちら。

3. 4月に寄せられた視聴者意見について議論

4月にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、ニュース番組でのウクライナ情勢に関するインタビューの字幕が不正確といった指摘や知床の遊覧船沈没事故での不適切な取材のあり方、また、今夏に予定される参議院選挙に関連した放送に対する批判的意見などが事務局から報告され議論を行った。

以上

第170回 放送倫理検証委員会

第170回–2022年4月

NHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』を審議

第170回放送倫理検証委員会は4月8日に千代田放送会館で開催された。
字幕の内容に誤りがあったとされるNHK BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』について、2月の委員会で審議入りが決まったことを受け、今回の委員会では、担当委員から当該番組の関係者に対して実施したヒアリングの概要が報告され、事実関係について共有し議論を行った。
民放局のバラエティー番組に、同じ政党の幹部3人が出演し政治的な課題などについて見解を語ったことについて、当該放送局から提出された全社研修など事後対応についての報告書を踏まえ議論を行った。

議事の詳細

日時
2022年4月8日(金)午後5時~午後7時30分
場所
千代田放送会館会議室
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. NHK BS1『河瀨直美が見つめた東京五輪』について審議

NHKは2021年12月26日に放送したBS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、2022年1月9日、番組と局のホームページで公表し謝罪した。番組は、東京五輪の公式記録映画監督である河瀨直美さんと映画製作チームに密着取材したもの。男性を取材した場面で「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕を付けて伝えた。 放送後、視聴者から字幕の内容が事実であるかの問い合わせが相次ぎ、NHKが男性に確認したところ、実際に五輪反対デモに参加していた事実を確認できず、字幕の内容が不確かだったことがわかったという。 2月の委員会では、委員会からの質問に対する回答書、NHKが設置した「BS1スペシャル」報道に関する調査チームがとりまとめた調査報告書が提出され、それらを踏まえて議論を行った。同報告書では、字幕の内容は誤りであったとされている。議論の結果、取材、編集、考査、調査の各段階で問題があるのではないかといった厳しい意見が相次ぎ、放送倫理違反の疑いがあることから、放送に至った経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。 今回の委員会では、これまでに当該番組の関係者に対して実施したヒアリングの概要が担当委員から報告され、委員の間で事実関係を共有し議論を行った。 次回の委員会では、今後行われるヒアリングの概要が報告され、意見書の原案が提出される見通しである。

2. 同じ政党の幹部がそろって出演した民放局バラエティー番組について議論

元日に放送された民放局のバラエティー番組に同じ政党の幹部3人が出演し、政治的な課題などについて見解を語ったことについて、視聴者から政治的公平性を問題視する意見がBPOに寄せられた。先月の委員会では、当該放送局から社内の調査チームがまとめた報告書とそれをもとに行われた番組審議会の議事録要旨が提出され、議論が行われた。今回は、当該放送局から全社研修の実施や番組内容を確認し助言する体制を強化することなど、事後対応の進捗状況について報告書が提出された。これらを受けて委員会では、放送における政治的公平性についてどのような形で意見表明をすべきか等について意見が交わされ、さらに検討が必要であるとして議論を継続することとした。 

3. 3月に寄せられた視聴者意見を議論

3月にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、民放放送局の深夜のバラエティー番組(生放送)で、女性の身体的特徴に関する発言や差別的な表現等が放送されたことに対し批判的意見が多数寄せられたことについて、事務局から概要が報告され議論したが、さらに踏み込んだ検証が必要であるとの結論には至らなかった。

以上