◆テレビ朝日オンライン館内見学会概要◆
2023年3月28日、BPO中高生モニター15人がテレビ朝日オンライン館内見学会に参加して、スタジオのセットやテレビ局の仕事について学びました。冒頭、『大下容子ワイド!スクランブル』の出演者、大下容子、佐々木亮太両アナウンサーからBPO中高生モニターのこの1年間のモニター活動へのねぎらいのメッセ―ジが届くというサプライズがありました。
3人の案内係にガイドされて、まずテレビ朝日第3スタジオを見学しました。このスタジオから3つの生放送番組が同日朝昼夜それぞれの時間帯に放送されているため、短時間にセットチェンジができるよう効率的にセットが組まれている話や、スタジオ数には限りがあるため、週1回放送の収録番組は収録後にその都度セットを撤収していることなどについて説明を受けました。また、『報道ステーション』のセットの詳細を特別に見せていただきました。さらに報道ステーションの映像モニターに生中継スタイルで中高生モニターたちの顔を映してくれました。
次にテレビ局のスタジオで使用されているカメラについての説明が技術スタッフからありました。また、放送が各家庭に届くまでの放送の仕組みについての説明VTRを見た後、スタジオの隣にある副調整室(サブ)を見学し、技術スタッフからサブではどのようなことが行われているのかと、生放送の映像と音声の切り替えについての詳しい説明を受けました。そして、特別に制作した「歓迎!BPO中高生モニターの皆さん」というテロップを映像モニターに表示してくれました。つづいて照明の仕事について照明スタッフから、『報道ステーション』のセットの照明ライトのほとんどがLEDで従来のライトの1/10の電力で節電になっていることなどの説明や、音声スタッフからは、「音声の仕事は各マイクで拾った音声をテレビのスピーカーで聴きやすい音に音声卓で調整することです」との話がありました。
最後に質疑応答の時間が設けられ、モニターから「海外からの中継で生じる音のタイムラグへはどのように対応していますか」との質問があり、テレビ朝日の技術スタッフは「回線センターやスタジオのサブで映像と音声のズレを合わせるなどの努力をしています」との回答が、「『報道ステーション』の大きな鉄骨のセットはどうやって作るのですか」との質問には「トラックでパーツ毎に運んだ後、運搬用の大道具エレベーターでスタジオに入れ、中で溶接している。その際にはスタジオを空けて何日も掛けて作っています」との解説が、「将来、エンタメ業界で働きたいと思っているが、どこで専門知識を勉強したのですか」との問いに対しては「テレビ局で働くにはいろいろなルートがあるが、テレビ局に入って何かやりたいという強い意志があれば専門で学んでいなくても大丈夫です」、そして「電力危機に対してスタジオ照明はどのくらい節電しているのか」に対しては「通常の半分くらいに落としています」と丁寧な回答がありました。
参加した中高生モニターはテレビ局のプロの仕事に触れる機会を得ながら、まるで自分たちが実際にテレビ朝日のスタジオにいるかのようなリアリティ感に包まれる中、あっという間に1時間の見学会は終了しました。この見学会は1年間のモニター活動の最後を飾る素敵な思い出になったと思います。
◆中高生モニター会議(意見交換会)概要◆
同日にオンラインで中高生モニター会議を開催しました。中高生モニターと委員が交流を深め、この1年間のモニター活動を振り返る意義のある会となりました。会議には全国の中高生モニター13人と、元モニター3人、そして青少年委員会からは榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員の8人全員が出席しました。
高橋委員が進行役となり、中高生モニターと委員の自己紹介のあと、「モニター活動で感じたこと」「最近の放送に思うこと」などについて意見交換をしました。
中高生モニターからの「BPOはどういう活動をしているのですか」との質問に対して、事務局からBPO3委員会のそれぞれの役割について説明があり、また「BPOの意見はどのように放送局に伝わっていますか。これまでどのような意見が反映されていますか」との質問には委員長が、ウェブサイトに載る委員会議事概要のこと、「審議」して「見解」などを公表すること、放送局との意見交換会を開催していることなど複数の方法で伝わることを説明しました。
また、モニターからモニターへ「ネットフリックス、アマゾンプライムなどのサブスクリプションを利用しているか」という質問に対して、多数が利用していると回答しましたが、中には全く利用していないと答えたモニターもいました。
つづいて緑川副委員長から、「YouTubeやTikTokなどのメディアを観ていますか。テレビとはどう違って、どう区別して利用していますか」との問いには、「YouTubeはマニアックでテレビでは見られない内容が見られます」「YouTubeでは自分が好きなジャンルだけを見られるが、それでは自分の意見が偏ってしまうので、新しい考え方に出会うという面でもテレビを全く違うものとして区別して使っている」との意見がありました。同様の意見が複数のモニターからありました。
さらに緑川副委員長から、「テレビ離れということが言われていますが、テレビはこうなってほしい、こうすればよいのにと思っていることがあれば教えてください」との問いには、「SNSやYouTubeは面白いコンテンツを作らないと見られなくなっていくが、それに比べてテレビは新規参入もなく変化に乏しい。放送局はもっと新しいメディアになっていかないと難しいと思います」との意見がありました。そのほか、「テレビはSNSとの競争ではなく、テレビの発信力を生かした番組を作るべきです。SNSからの逆輸入はテレビのSNS化を招くので止めるべきです」「不登校の人たちを元気にできる昼間のバラエティー番組が増えればよいと思います」「テレビは他の媒体で見づらいのが欠点だと思います」などの意見がありました。
再びモニターからの「青少年は何か大人と異なると考えていますか。どのような面で配慮が必要であると考えていますか」という質問に対して、沢井委員からは、「例えばテレビで見たことを模倣することについて、科学的なエビデンスを見ながら検討することが大事だと思います」、佐々木委員からは、「模倣に関して子どもたちはブレーキが効きにくいです。仲間と一緒に楽しくやること優先で、たまに事件になることもあります」との意見がありました。
元モニターの3人からは、「モニターの時に感じたモヤモヤ、違和感、感動をこれからも大切にしてほしいです」「常識を知るためにテレビを活用すべきです。たまたま見た時にもいい情報を見られるのがテレビです」「今の若い人たちはSNSなどのことも踏まえて、テレビの意見ができることに感心しました。今のモニターの人たちにもこれからも様々な番組を見て知識を付けて生活に役立てていってもらいたいと思います」との感想がありました。
≪その他、中高生モニターからの感想≫
- 「テレビを見なくなってきていたが、この一年モニターをやったことでテレビを見る機会が増えました。」
- 「CMに字幕が付いていないものがあるがなぜか。耳の不自由な方のためにすべての番組・CMにつけるべきだと思います」
- 「テレビは公平性があり、様々な人、年代が見ることを前提に作られていて、自分の考えや好みに偏ることなく、色々な刺激を受けながら見ることができるので、これからも見続けていきたいと思います」
会議の締めくくりとして、榊原委員長と緑川副委員長から以下の一言がありました。
≪榊原委員長≫
中高生モニターの皆さんの意見が聞けてよかったです。青少年委員会は若い人から直接、話を聞けるとても大事な立場であることがあらためてわかりました。私よりずっと深く考えている人の意見もあってとても参考になりました。ありがとうございました。
≪緑川副委員長≫
春休みで忙しい時期にもかかわらず、参加していただき、ありがとうございました。皆さんから貴重な意見を聞くことができて、このような機会を持ててよかったと思います。また、急なお願いにもかかわらず、元モニターの3人の方に参加していただいたこともありがとうございました。モニターがとても印象深い経験だったと伺えたので、よかったと思っています。本日はありがとうございました。