2018年3月に視聴者から寄せられた意見

2018年3月に視聴者から寄せられた意見

各局の情報番組で、大相撲や女子レスリングの問題を取り上げる際の司会者や出演タレントのコメントが公平性に欠けるといった批判や、オリンピックに引き続いて開かれた平昌パラリンピックに関する放送のあり方への意見など。

2018年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,580件で、先月と比較して719件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール73%、電話25%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性63%、女性35%、不明2%で、世代別では40歳代25%、30歳代24%、50歳代20%、20歳代18%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は768件【45局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

各局の情報番組で、大相撲や女子レスリングの問題を取り上げる際の、司会者や出演タレントの公平性に欠けるコメントへの批判が多く寄せられた。また、オリンピックに引き続いて開かれた、平昌パラリンピックに関する放送のあり方への意見も多かった。
ラジオに関する意見は38件、CMについては30件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は65件で、前月から30件減少した。
今月は「表現・演出」が27件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が9件と続いた。
「表現・演出」では、教養番組で痴漢を扱った論文を紹介する企画について意見が寄せられた。「危険行為」では、バラエティー番組の罰ゲームで顔に透明テープを巻きつける演出に対して意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 都内中央線沿線にある、人気の天ぷら屋に並んでいたところ、番組のロケ隊がやって来た。そこで若い女性ADらしき人物が勝手極まりなく、撮影ありきで食事中の取材を申し込んできた。取材してほしくないことと、カメラがあると食事中の気分が害されることで撤退を願ったが、「映っても、顔はわからないようにするから…」の一点張りで聞き入れてもらえなかった。それに加えてADは、このやり取りをカメラマンに報告した際、嘲笑していてとても心外であった。行列時の取材許可や店内での撮影を拒む人への対応に配慮するべきで、番組制作者としての義務を怠っていたと思う。結果として、わざわざ時間と交通費をかけて店まで行ったのに、食事は諦めた。このような精神的苦痛を受けたことは悔しいし腹が立つ。メディアの権力を振りかざし、当然のように撮影を行う姿勢は許されることではない。

  • 最近のニュース番組を見ていると、一方の意見に偏った報道がされているように感じる。両方の言い分を報道していかなければ、情報の取捨選択、および、その事象に対して正しい判断をすることができない。また、インターネットを情報源に報道しているものが多すぎる。これでは、きちんと取材された情報が提供されるという、テレビの長所がなくなってしまう。この先もテレビが生き残っていくために、一考してもらいたい。

【番組全般・その他】

  • 最近、オリンピックだけでなく、パラリンピックも面白いと思うようになってきた。今回は放送時間も大幅に増え、いろんな競技を見ることができた。ただ、開会式と閉会式にタレントを起用するのはどうなのか。完全にトーク番組の雰囲気で、無駄な会話が多く、実況というより雑談のように感じた。視聴者はあくまでも開会式そのものを楽しみたい。それに邪魔にならないような喋りにしてほしかった。一方、ユニバーサル放送(障害のある人もない人もみんな楽しめる放送)は、落語家とアナウンサーの息がピッタリで素晴らしかった。

  • パラリンピックの放送を、地上波とBSを使い効果的に行っていた局の姿勢は、評価に値すると思う。しかし、それ以外の局はひどい。オリンピックは一斉に放送していたのに、パラリンピックはほとんど無し。視聴率至上主義の現状も分からないわけではないが、スポンサーである企業側にも問題があるのではないか。カーリングのように中継によって注目を集める競技もある。障害者スポーツ発展のため、企業の社会的責任をアピールするなら、パラリンピック中継にも資金を提供し、放送を促してはどうだろうか。

  • スピードスケートの世界スプリント選手権は、"緊急中継"として、ライブ放送を思わせるような作りになっていたが、実際は録画だった。オリンピックの金メダリストが体調不良で棄権したことは、既にネット上などで広まっていたが、それを隠し続け、放送開始から1時間以上過ぎて、ようやく伝えていた。視聴者を欺くような番組作りにうんざりした。

  • 女子レスリング選手が、陰湿なパワハラを受けていたとされる問題で、コメンテーターが「指導ではよくあること」と発言していたが、加害者を擁護するようで公平性に欠けるのではないか。被害者は精神的苦痛を感じていたかも知れないし、取材スタッフなどが、実際のパワハラ行為の内容を、双方から聞き取り調査したわけでもない。推測だけで軽はずみな発言をするべきではないと思う。

  • 大相撲では元横綱の親方、女子レスリングでは指導者が批判の的になっているようだが、テレビが無責任に騒ぐことはよくない。それぞれ第一線で成果を挙げてきた人たちだ。ここまで来るには、一般の人たちには想像できない努力や苦労があったことと思う。それら全てを否定するようなバッシングはやめたほうがいい。事実がはっきりしてから冷静に伝えれば済むことだ。今のワイドショーは、どんな話題でも、芸能ゴシップと同じレベルで騒ぎ立てているように感じる。

  • 伊豆諸島の島で、島から出たことのない孤独な老人を執拗に追い詰めて取材するという企画を見た。いきなり番組スタッフに近寄られた老人は、身の危険を感じ、金づちやカマで威嚇した。そのうち興奮のあまり鼻血まで出していた。自分の意思で仙人のような生活を送っている人だ。前触れもなくテレビカメラが押しかけるなど言語道断だ。また、老人の怒りや怯えた様子をスタジオでは大笑いしていたが、これも許せない。ついに老人は諦めたのか、抵抗をやめてスタッフに身の上話をし始めた。スタジオの出演者たちは「いい話だ…」などと聞き入っていた。そういうことなら、最初から彼の心を和らげるように、穏やかにアプローチすればよかったのだ。番組として面白いものを求めようとするあまり、孤独な老人を追い詰めるような真似をしたことに強い憤りを覚えた。

  • "成人年齢18歳"の動きの中で、テレビの討論番組などの出演者も、若者たちにシフトしてはどうだろうか。それによって政治に興味を持ち、将来の日本を担う自覚につながると思う。今後に多くを望めない老年層の専門家たちが、テレビでいくら議論したところで、何の解決にもならないのではないか。私もシニア世代になり、今のテレビ番組をすっかり見なくなってしまった。

  • このところ、どの番組も代わり映えせず、芸能人やその関係者が私物化しているように見える。取り上げる話題も、どのような基準で決められているのかと思うときがある。芸能ネタも、大きな事務所のタレントの不利益になることには触れず、扱いやすいものばかり伝えているようだ。誰のためのものなのか、なぜ同じ人ばかりテレビに出るのか、疑問だらけだ。芸能人の「そんなに嫌なら見なければいい」という言葉にも抵抗がある。見ている側に避ける努力をしろと言っているようだ。人を傷つけるようなことをしておいて、それが嫌ならテレビを消せと言うのはおかしい。今のテレビはつまらないものが多い。なぜこんなふうなってしまったのか、一度考えてみてはどうか。

【ラジオ】

  • 花見でにぎわう中継先での、男性アナウンサーの行為について。花見客として偶然隣り合った見知らぬ男女に、一本のチョコレート菓子をそれぞれ両側からくわえさせ、食べさせるというもの。放送を聞く限りでは、指示された男女は、かなり困惑しつつ対処しているように感じた。番組を知るリスナーであれば許容範囲かとも思うが、それを知らない、たまたまその場にいた一般の人たちに対しての行為であれば、相当不愉快なものであったと思う。番組自体は大変楽しいものであるだけに、中継コーナーで度々行われる強引さが、本当に残念でならない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 教養番組で、「痴漢」に関する論文を扱っていたが、痴漢の被害者の中には大人だけでなく、中学生や高校生など未成年の子どもも含まれており、被害者に対する配慮が欠けた内容であった。痴漢は性犯罪であり、被害者も多く、さらに被害にあった人はその後の人生が変化してしまうこともある。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で、バレーボールを取りそこなった人の顔に透明テープを巻きつけていた。鼻はつぶれ、口は半分程度しか開いていなかった。命の危険がある行為であり、いじめの助長になりかねない。

2018年2月に視聴者から寄せられた意見

2018年2月に視聴者から寄せられた意見

韓国・平昌で開かれた冬季オリンピックについて、競技内容や放送全般への意見に加え、韓国と北朝鮮の政治問題を、スポーツの世界に持ち込んだことへの批判や、全国各地の大雪被害に関する報道のあり方への意見など。

2018年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,299件で、先月と比較して710件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール86%、電話12%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性56%、女性43%、不明1%で、世代別では40歳代29%、30歳代27%、20歳代18%、50歳代17%、60歳以上7%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は1,680件【41局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

韓国・平昌で冬季オリンピックが開かれたが、競技内容や放送全般への意見に加え、韓国と北朝鮮の政治問題をスポーツの世界に持ち込んだことへの批判が、多く寄せられた。また、先月に続き、全国各地の大雪被害に関する報道のあり方への意見も多かった。
ラジオに関する意見は32件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は95件で、前月から25件減少した。
今月は「表現・演出」が27件と最も多く、次に「動物」と「性的表現」がそれぞれ10件、と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で自ら厳しい世界に飛び込んでいった若者を描いた企画について意見が寄せられた。「動物」では、犬の訓練士を取材したドキュメンタリー番組について意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、休日の早朝に放送したアニメ番組について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • オリンピックが明日開幕するということを知らない人が意外に多くて驚いた。今一つ盛り上がらない原因として、韓国と北朝鮮の政治的駆け引きに注目するテレビ報道が挙げられると思う。「南北合同チームの是非」とか「北朝鮮の芸術団」とか、そんなことばかり取り沙汰されている。本来の"スポーツの祭典"とは違う方向に関心が行っているようで残念だ。今からでも遅くない。報道の仕方を軌道修正してほしい。

  • 平昌オリンピックについて。選手が主役のはずの報道のおよそ半分が北朝鮮応援団の話題ばかりで、異常だ。この日は、日本人選手が出場しているにも関わらず、ニュースになるのは日本人選手の登場に拍手をしない北朝鮮の応援団の情報だった。何のためのオリンピックなのか。北朝鮮の応援団は一度見れば十分だ。

  • 平昌オリンピックが開幕したが、この日の日本海側の天気予報は雪。ちょうど福井県に出張しており、テレビをつけると"大雪警報"の情報が出ていた。詳しく知りたいと思い、開会式を放送している局にチャンネルを合わせたところ、オリンピック映像だけが流れ、警報の文字も何もなかった。視聴者センターに問い合わせると、「オリンピックだから出さない、字幕がないことを視聴者が望んでいる」と言われ、話を聞いてもらえなかった。災害警報よりもオリンピックを優先するというのか。釈然としない思いだけが残った。

  • 福井県を中心とした大雪被害で、およそ1,500台の車が立ち往生し、24時間以上たっても解消の目途が立たないなか、朝・昼のワイドショーなどの、前日に発表された皇室関連の結婚延期報道を延々と繰り返す番組作りに疑問を抱いた。大雪は生活に大きな影響をきたしている。被害を伝える情報が少なく、不安にかられる人たちが大勢いるのではないか。

  • 富山県の大雪は大きな被害をもたらしそうだ。しかしながら、テレビはどの局も時間を割いて報道しない。食料や物資は交通が滞れば届かないのに、情報が必要な地方の人たちを無視して、オリンピック関連や芸能ニュースなどばかり。優先順位が違うのではないか。被害が拡大した場合、メディアにも責任があると思う。必要な人たちに必要な情報を伝えてほしい。

  • 就職活動の取材で許可なく撮影され、ニュースで放送されてしまった。取材クルーは、企業側には許可をとっていたようだが、求職者側にそれはなかった。私は、映り込みではなく、しっかりと顔をさらされてしまったが、就職活動時期が遅いという自覚があるので、あまり人に知られたくなかった。そういった事情を無視されたのは本当に悲しい。

【番組全般・その他】

  • 一般の人を誤って容疑者と報じた朝の番組。この手の後始末は、MCやアナウンサーが謝罪するだけでことを済ます。テレビ局の人間は、企業や政治家が何かやらかすと、「責任はどう取るつもりか」と詰め寄るが、自分たちの商品である"情報"に手違いがあったのなら、それは自分たちの責任問題である。局も番組も非を認めるべきだ。プロデューサー、チェック担当、テロップ作成者、全員そろって謝罪したほうがいいのではないか。どの局も、一昔前に比べたらありえないくらい、名前、写真、情報などの間違いが多い。そして、「大変失礼しました」の一言で次の話題へ行ってしまう。ネタをツイッターから拾い、ユーチューブの映像を紹介する。一般の人たちがすでにSNSで見たものを流す時代。テレビが本当につまらなくなった。

  • 大相撲の緊急特番を見た。一連の暴力事件の報道にもう辟易するが、いまだ解決させたくない向きがあるようで驚かされる。沈黙を続けていた親方が番組でベラベラと喋り、自己肯定、自己弁護に終始し、完全に相撲協会が悪であるかのような発言を並べ立てていた。テレビ局のスタンスが果たして正しいのか、疑問を抱いた。暴力は絶対にあってはならない。しかし、メディアは、視聴者を偏った思想や信条、局独自のポリシーに誘導してはいけない。多角的に物事を分析し、今回の騒動に対しても、双方向の言い分をしっかり取材・調査し、あらゆる可能性を探り、さまざまな意見を提示すべきなのではないかと強く感じた。それらの中から何を選択するかは視聴者の自由であり、決して特定の意見を押し付けられ、偏った方向へ誘導するべきではない。メディアの果たす役割は大きい。慎重に番組作りをしてもらいたい。

  • 女性出演者が、大阪に北朝鮮の工作員が紛れ込んでいるという趣旨の発言をしていた。この発言に関しては二つ問題がある。一つは、情報源を明かさずに発言したこと。現在、北朝鮮が核放棄できるか、核ミサイルを打たないか、国際社会が固唾をのんで見守り、平和的解決に向けて慎重に交渉を進めようとしている時期に、国内向けであっても、むやみな発言は避けたほうがいいし、このような国際問題は虚偽の情報が横行しやすいため、情報源を明確にしてから話すのが適当だ。もう一つは、仮に事実であったとしても、放送で流す内容ではない。もし大阪に北朝鮮の工作員が潜入しているとしても、誰が工作員かということをどうやって知るのか。この発言は、大阪に住んでいる在日コリアンの人たちへの憎悪を煽り、差別やそれに伴う犯罪を引き起こす恐れがあると思う。

  • 私たちが普段しないような、珍しい体験をした人をスタジオに呼び、それを紹介するという番組を見た。女性アナウンサーが、体験談をプレゼンテーションするという形で番組が進んでいく。その進行は、面白おかしく、時には真面目な知識も交えて、というものだ。スタジオに呼ばれた人たちには、それぞれにドラマがあるのだと気付かされることが多々ある。今回は、毛抜きで襲ってきたタクシー強盗に、愛情を持って接したという男性の体験談が紹介された。ゲストの女性タレントが、そのタクシー強盗の言動に厳しい言葉を浴びせた場面もあったが、人には誰しも愛情が必要であることが改めて分かった。お笑い芸人やタレントの内輪話を流すだけの番組より、趣のある番組だと思う。

  • 愛車自慢コンテストの特集を見た。マシンや競技そのものにスポットが当てられることが多いモータースポーツで、レーシングドライバーが、普段どんな車に乗っているのかという特集は、非常に興味深い。今なお愛され続ける往年の名車を大切に乗り続けているドライバー、競技で使用するマシンと同じ車種に乗っているドライバー、あるいは、意外なドライバーが意外な車種に乗っているなど、見ていて非常に楽しい。地上波におけるモータースポーツ番組がめっきり減ってしまった今日、こういった番組や特集をきっかけに、モータースポーツに興味を持つ人が老若男女問わず増えてくれれば、車好きとして嬉しい。

【ラジオ】

  • 私の住んでいる県では、老人たちの老化ぶりを面白がる風潮があるようで、女性パーソナリティーが務める情報番組の冒頭から、それをネタに盛り上がっている。「お年寄りはこんな風になっていくんですよ…」と面白おかしくからかわれ、70代の私にとっては実に不愉快だ。局に抗議をしたが、今のところ何の対応もない。ラジオは毎日楽しみに聞いているが、これには耐え切れない思いがする。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、夢のため自ら厳しい世界に飛び込んでいった若者たちを密着取材した企画について、今どき、このような根性論に終始した指導をする運動部を、美談として紹介するのは、時代錯誤ではないか。これを教育の一環として大人が真似をしたら、体罰問題、パワハラ問題につながるのではないか。

【「動物」に関する意見】

  • ドキュメンタリー番組で凶暴化した犬をしつける犬の訓練士を描いた企画について、訓練とは言い難い暴力を使った虐待であり、犬ならば許されるというものではない。動物に対する虐待が、その後、弱い立場の人間に矛先を変えていくことがあるのではないか。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 休日の早朝に放送したアニメ番組について、子どもが見る時間にあのような残虐なアニメを放送する気がしれない。もう一度、青少年のための番組作りを考え直してもらいたい。最近は、残酷なアニメが親の知らない時間帯に多く放送されていて不安だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 話題がオリンピックばかりである。ほぼ一日中、オリンピックを放送しているのに、ニュースの時間まで使う必要はないと思う。ニュースの時はオリンピック以外のニュースを放送するべきだ。政治離れが若者に進んでいる理由には、ニュースでの政治に関する時間が少なすぎることも挙げられると思う。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 科学を扱ったバラエティー番組で、丸刈り頭の芸人の頭に特殊なジェルを塗り、火をつけ、オムレツを焼いていたが、危険すぎる。子どもが真似したら大事故につながる。また、いじめの道具にしたらどうするのか。「マネしないでください」と文字を入れていたが、文字を入れれば何をしてもよいというわけではない。

2018年1月に視聴者から寄せられた意見

2018年1月に視聴者から寄せられた意見

全国各地の大雪による被害のニュースや、成人式の取材に関する報道のあり方への意見。年末年始の長時間スペシャル番組への意見など。

2018年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,589件で、先月と比較して437件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性34%、不明1%で、世代別では30歳代26%、40歳代25%、50歳代20%、20歳代17%、60歳以上9%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は923件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新年を迎え、全国各地の大雪による被害のニュースや、成人式の取材に関する報道のあり方への意見が寄せられた。また、年末年始の長時間スペシャル番組への意見も多かった。
ラジオに関する意見は30件、CMについては25件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は120件で、前月から10件増加した。
今月は「表現・演出」が34件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が21件、「暴力・殺人・残虐シーン」が15件、と続いた。
「低俗・モラルに反する」では、バラエティー番組で裸芸の芸人の出演について意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、バラエティー番組での女性タレントの扱いについて意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 首都圏でおよそ4年ぶりの大雪が降った。夕方のニュースで過去の映像を流していたが、左上に年月日のテロップが出ているだけで、現在の状況と混同してしまう。特に、駅の運行情報などは、今起こっている事象と勘違いしてしまいそうだ。過去の映像を流す場合は、枠を付けるなど、今の状況ではないことをもっと強調するようにしないと、情報を誤認する恐れがある。

  • 毎年、福岡・北九州の成人式を扱う意図はどこにあるのか。「日本一盛大な」と言っていたが、何を根拠にしているのか。全国各地の成人式を取材したわけでもなく、初めからここだけを特集しようと決めて、ごく一部の着飾りが派手な若者を取り上げ、ばかにするつもりだったに違いない。基本的なマナーはきちんと守っているのに、全体的にガラが悪いかのように報じるのは偏見を植え付けるだけだ。一生に一度のめでたい日を、不愉快な日にするのはやめてほしい。

  • プロ野球元監督の訃報の中で、すい臓がんの余命について報じていたが、治療している人たちにとって希望をなくすものだった。私の父もすい臓がんで闘病中で、治るのではないか、少しでも長生きできるのではないかと日々辛い治療を続けている。その状況のなか「余命○○以内」とテレビで告げられると、絶望に追いこまれ、治療への意欲を削がれてしまう。病気を知ることは大切だが、余命までは報道すべきでない。余命は人それぞれである。治療を受け戦っている人たちへの配慮を欠いた報道に抗議する。

  • 人気女優の兄、酒気帯び運転容疑で逮捕について。女優の家族というだけで、大々的に名前、年齢、職業などがさらされるのはどうなのか。ましてや「○○の兄」という表記は、女優本人にも問題があるような印象を受ける。彼女は何もしていない。まるで容疑に関係したかのような報道のあり方は問題ではないか。

  • ここ最近の芸能ニュースは、芸能人を強く傷つける内容が多い。一視聴者として、見ていても辛くなるようなことがある。芸能人も一個人だ。特に家庭の問題、不倫などは視聴者には何の関係もない。しかしながら、最近はCMやドラマの降板や引退にまで追い込まれる傾向にある。イメージダウンを助長させているのは本人達ではなくマスコミだ。私は、歌手であるなら歌っている姿、俳優なら演じている姿が好きなのだ。不倫は良くないことだが、夫婦間の問題であり、罪を犯したわけではない。ワイドショーでは暗い話題はなるべく扱わないでほしい。芸能人は、テレビや舞台で視聴者やファンを楽しませるために活動しているのだから。

【番組全般・その他】

  • 大みそかの番組で、格闘家が熊と対決するコーナーがあった。強固で透明なパネルを挟んで押し合い、力比べをするというものだったが、パネルが外れ、格闘家が退避する顛末になった。問題と思われるのは安全性の軽視。現に装置が破壊されていた。動物愛護の精神への逆行も問題だ。格闘家の退避が間に合わない場合、おそらく熊は射殺されていただろう。熊を意図的に興奮させる手法も疑問だ。ローマ時代のコロッセオでもあるまいし、放送倫理を疑う内容だった。

  • 昼の番組で、音楽プロデューサーの不倫問題を取り上げていた。自身のこと、家族のことについて率直に語っていたが、「あそこまでプライバシーを人に披露するのは…」というコメンテーターの苦言に驚いた。言葉を濁すと批判し、説明責任を追及し、プライバシーを暴こうとするマスコミ側の人間が、彼の苦渋の吐露を批判する立場にあるのだろうか。勝手に私事を報道され会見を開いたのに、これではひど過ぎる。

  • マナー講師を出演させ、お祝いのお返しに贈っていいもの・いけないもの、二者択一のクイズ形式の番組があった。「緑茶と紅茶のうち、お祝い返しに贈ってはいけない物はどっち?」の出題に対し、正解は「緑茶」。正解を示す演出として、画面に緑茶と紅茶の画像をあらかじめ表示し、緑茶の画の上に「贈ってはいけない」という文字をオーバーラップさせた。マナー講師が監修しているとの印象を視聴者に与えた状態で、「緑茶を贈ってはいけない」ことがマナーの正解との印象を視聴者に与え、さらに「お葬式を連想し縁起が悪い」ととどめを刺した。一方、緑茶は縁起が良いものとしてお祝い返しに贈る方もたくさんいる。実際に九州では結納茶という文化が残っている。この番組は、意見の分かれる風習やしきたりのようなものを比較し優劣を付け、一方を正解であるかのように表現し、他方を支持する人達を傷つけたことになる。さらには緑茶の商品価値を落としてしまっている。

  • インドネシアのスマトラ島でクワガタとカブトムシを探すという企画のなかで、島で捕獲したというコーカサスオオカブトとオウゴンオニクワガタを映した。しかし、テレビに映ったその2種はジャワ島の固有種であり、スマトラ島にはいない。番組では「スマトラで捕獲した」としていたが、誤りではないか。私はカブトムシやクワガタを商っており、年に何度もインドネシアに出かけていて、これらの虫のことはよく知っている。小学生でも昆虫に詳しければ気付くことだ。また、ジャワ島で捕獲したはずのこれらの虫を、再び島に返したかどうかという点も気になる。生態系を守ることにも言及してほしかった。

  • 私は、アメリカに17年間居住して帰国したが、日本のお笑いの質の低さ、黒塗りの顔や女性への暴力を平気で流す意識の低さ、そしてモラルのなさに驚きと怒りを感じる。日本人は人権意識が低いと言いはやしているようなものだ。そもそも放送局には、自局の番組がモラルに抵触しないかのチェック機能があるはずだ。視聴率が取れるから、何でも流していいと思っている姿勢が垣間見える。いじめや暴力を受け、泣き顔になっている人を笑うという図式は、放送倫理に反しないのか。

  • 「関東地方で地震」との第一報があり、続いて報道フロアからの臨時ニュースが入った。そのなかでアナウンサーが「先ほどの情報に誤りがあった」と正したが、具体的にどう間違っていたのかの説明がない。そこで局に電話をして説明を求めたが、電話対応者は「誤りがあったとの文言はなかった」と言う。私が「どこにどう確認したのか」と尋ねると、はっきりと答えなかった。納得がいかないので「そんなことでは信用できない」と告げたところ、「どのように受け取られても構わない」と開き直るようなことを言われた。何のための報道であり、何のための視聴者対応なのか。どちらもその役割を果たしていない。

  • 関西地方の夕方の番組で、派遣労働者の2018年問題を取り上げていた。この法律の影響で雇い止めになった人の声や、派遣社員の制度の紹介や現状がわかりやすく紹介され、この問題に取り組む団体のホームページの紹介もあり、早速アクセスしアンケートに参加させてもらった。私も派遣で働いているため、他人ごとではないとの思いで見ていたが、現在の日本の企業がこのような働かせ方を平気でしていることに対して、日頃から怒りを感じており、よくぞ報道してくれたと思った。今後もこのような生活に密着した重要な話題を多く取り上げてほしい。

【ラジオ】

  • 土曜昼の番組は、生放送を偽装しているようでがっかりした。オープニングは普段の生放送と変わらぬ喋り出しだったが、番組名物の世相や芸能に関するトークは無く、音楽をかけ、雑談で番組終了。ラジオはテレビに比べ、出演者がより身近に感じられ好きな媒体だが、この日は、生放送の雰囲気を出しつつも、メールなどの受け答えはしないという形で、リスナーを少しばかにしているような放送に見受けられた。昨今、食品偽装や工業製品のデータ改ざんが社会問題になっている。番組が生放送を装っていながら、実は録音というのは、表示に偽り有りと感じざるを得ない。ラジオ番組に求められているのは、イミテーションではなく、速報性、実直さ、身近感だと思う。近頃、暗い話題ばかりで、気晴らしにラジオをつけたらこの状態。余計にモヤモヤした。

【CM】

  • 最近、仮想通貨のCMが増えているが、CMの最後に表示されている注意喚起の表示が、短すぎて全部読めない。

青少年に関する意見

【「低俗、モラルの反する」との意見】

  • 生放送のバラエティー番組で、裸芸の芸人が股間を隠す芸に失敗した。放送時間は、青少年の視聴も想定される時間であり、大変不適切である。リスクの高い裸芸を地上波で放送することに対する規制を望む。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、女性タレントが格闘家から蹴りを入れられて痛がるのを、男性芸人が笑うというシーンがあった。お茶の間で子どもの目に触れてよいはずがない。いじめやリンチの助長となる可能性もある。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • バラエティー番組で、男性芸人が顔を黒塗りにして登場していたが、面白かったら人種差別的なことをしてよいのか。子どもたちに影響の大きい番組なので、放送内容に配慮してほしい。番組から悪影響を受けているようで心配だ。

【「編成」に関する意見】

  • ゴールデンタイムのドラマを子どもたちと見ていたら、深夜の新番組のドラマの番組宣伝が放送され、ベッドシーンが出てきた。このような番組宣伝は、子どもたちの見る時間帯にふさわしくない。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • ドッキリ番組について、「人の不幸を笑いものにするのは許せない」「どう考えてもいじめと思う」「子どもがまねをする」などの批判が寄せられているが、私はそうは思わない。このような番組は、単純にストレス解消のために見ている人がほとんどであり、直ちにいじめや非行の原因になるとは考えにくい。なんでもかんでもいじめ、非行の元凶と決めつける短絡的な考え方こそ問題である。

2017年12月に視聴者から寄せられた意見

2017年12月に視聴者から寄せられた意見

大相撲の暴行事件に関する意見のうち、特に各局ワイドショーなどで、加害者側を擁護する司会者やリポーターに対する批判や、およそ2か月間、ほぼ同じ内容でこの事件を追い続けている番組への批判が多かった。

2017年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,026件で、先月と比較して665件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール75%、電話23%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性34%、不明1%で、世代別では40歳代27%、30歳代23%、50歳代20%、20歳代14%、60歳以上13%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は893件【34局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

先月に引き続き、大相撲の暴行事件に関する意見が多く寄せられた。特に、各局ワイドショーなどで、加害者側を擁護する司会者やリポーターに対する批判や、およそ2ヵ月間、ほぼ同じ内容でこの事件を追い続けている番組への批判が多かった。
ラジオに関する意見は31件、CMについては23件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は110件で、前月から22件増加した。
今月は「表現・演出」が24件と最も多く、次に「暴力・殺人・残虐シーン」が16件、「報道・情が13件、と続いた。
「暴力・殺人・虐待シーン」では、バラエティー番組でプロレス好きな子どもを持つ母親からの依頼を扱った企画について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 大相撲の暴行事件発覚後から連日、ワイドショーなどで、コメンテーターやゲストの芸能人が、個人的な思い込みや推測で話す内容は、すべての視聴者が共有すべきことだろうか。国会の審議や国際情勢など、もっと視聴者に事実を知らせ、議論する必要があるテーマがあるはずだ。私は相撲が嫌いではない。むしろ、民放では、普段から他のスポーツと同様に話題として伝えてほしい。問題が起きた時だけ、このような取り上げ方をすることは疑問に思う。

  • 大相撲の暴行事件で、悪いのは暴力をふるってけがをさせたほうなのに、番組司会者やリポーターなどが擁護しているのを見ると、10年前の力士死亡事件から何も学んでいないとしか思えない。また、暴力行為はもっと早くに止められたはずで、止めずに見ていた力士は皆同罪ではないのか。明らかに横綱側に立った報道で、聞いていて呆れる。守られる立場の被害者や親方が責められ、相撲協会は加害者を守ろうとしている。これでは学校のいじめと同じで、その中で解決できるとは思えない。警察を入れて正解だった思う。

  • 大相撲の暴行問題の放送時間が、あまりにも多くて長くて何の意味があるのだろうか。事実と結果と問題点を週一回も取り上げれば十分だ。他に社会問題、未解決事件、海外の現状など視聴者に伝えるべきことは山ほどある。あまりにももったいない。日本の研究力や大学の世界的評価の低落、選挙時の投票率の低さ、国民の問題意識の無さ。こういう現状にメディアは一役も二役も買っている。相撲で国は成長しない。特に朝はテレビのスイッチを入れる気にもならない。

  • 「小2女児刺され、同級生の母親逮捕」について、リポーターが同級生らに対し、取材と称して話を聞いていた。たとえ報道する義務があるとしても、同級生は被害者と加害者の子の両方を知っている。しかも殺人未遂である。精神的ショックが大きいと思われる事件の取材は、今後の子ども達の将来を考えると倫理的に看過できない。大切なのは、被害者児童、加害者の子、その同級生の心のケアである。事件で心に傷を負った子ども達に、さらに追い打ちをかけるような取材が行われないよう、きちんとした対処をしてもらいたい。

  • 「埼玉県の風俗店火災」の報道で、亡くなった被害者が実名で報道されていた。女性は風俗店の従業員、男性は客である。被害者、遺族の複雑な胸の内を思えば、今回は実名を出すべきではなかったのではないか。

  • 事件報道について、被害者のプライバシーを報道するなという意見がある。たしかに、遺族の感情や本人の名誉は尊重されるべきだ。しかし、被害者の生の生活を報じなければ、事件のリアリティーが失われてしまう。「こんな事情を抱え、このように生きてきた人が、こんな理不尽な事件に巻き込まれた」と報じることで、事件の現実の悲惨さを認識でき、自分に近い出来事として悲しみや怒りも湧くのではないか。無機質に「被害者は○○さん××さん」とだけ報じていては、どこか他人事で絵空事のように感じ、事件の悪質性や非人間性が伝わらない。罪を過小評価させている。それでもいいのか。

【番組全般・その他】

  • 最近、番組内容が低俗、下品で堪えられない。今日、たまたま見た番組のテーマが「ラブホテルの歴史」だった。昼間の生放送なのに呆れ果てている。受信料を払うか払わないかで裁判沙汰になっている今でさえ、馬鹿げた番組を繰り広げているのだから、緊張感がなさすぎる。現代日本は高齢者が増え続け、認知症になる人たちも多い。生産年齢は減り続け、10年先は受信料を払える人が激減するだろう。地球温暖化、北朝鮮問題、働ける人口激減問題や介護不足など、様々な問題を目前に、何のためにもならない低俗な番組を流すのは、制作側に問題がある。一体何を趣旨に番組を作っているのか。腹立たしい。

  • 昼の番組で、東京都内の神社の後継を巡る殺人事件の話題が取り上げられた。事件の背景には、宗教法人としての莫大な収入があるようだ。女性タレントが「神社の人たちが殺人事件を起こすなんて」と嘆いた上で、「神社や寺が、庶民のための存在であったのは過去の話。今は庶民への奉仕より利益優先、それでいて税の優遇はしっかり受けている。これはおかしい」と言い切った。全く同感だ。生放送でズバリと言ってくれて、胸のすく思いがした。

  • 朝の番組で、ジャーナリストが、10年前に廃業した大阪の料亭の元取締役と女将であったその母親に取材していた。質問は、廃業のきっかけになった料理の使い回しや謝罪会見での女将の行為に集中し、元取締役と母親の「あの時は申し訳なかった」と何度も頭を下げる場面を映していた。世間に対する弱みがあるから、本人たちは取材を拒否できなかったのだと思うが、なぜ今になって、10年も前の古傷に触れるようなことをするのだろうか。

  • 岩手県に住んでいる。県内の町長のわいせつ疑惑を連日のように各ワイドショーで取り上げ、出演タレントが何だかんだ騒いでいる。番組が伝えるのは、町長のハレンチな行為だけで、町が抱える問題についてはどこも触れてくれない。テレビ的に面白くならないからだろう。この町は、6年前の東日本大震災と昨年の台風10号により大きな被害に見舞われた。復興半ばの小さな町でこのようなことが起こってしまい、住民は困惑している。ワイドショーのやっていることは、町のイメージを悪くし、復興の妨げになる可能性があることを忘れないでほしい。風評被害につながるおそれもある。悪いイメージがついた町に観光に来てくれるだろうか。テレビ的には恰好のネタでも、住民からすれば、生活そのものがかかっている。中途半端に面白おかしく取り上げることはやめてもらいたい。

  • 夜の番組で、外国人の技能実習生を特集していた。日本のメディアでは、正面切って報道されることが少ない問題を、きちんと取り上げている点で大変良いものであったと思う。一部では批判的な声もあるようだが、番組関係者には、今後もそれを恐れず頑張ってほしい。

【ラジオ】

  • 朝の番組は、スペシャルウィーク期間につき、サイコロを振り、出目と同じ数のお金をリスナーにプレゼントする企画を放送していた。「1」で1万円、「6」で6万円というわけだ。しかし今朝、サイコロを振ると「1」が出た。すると司会者は「申し訳ない」と言って振り直し、「6」を出して6万円にかえてしまった。これはおかしい。1ヵ月前にも同じようなことがあったので、局に抗議をした。私の思いは伝わったと思っていただけに納得がいかない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、2リットルの水を1分間にどのくらい飲めるか、という内容があり、皆一気飲みしていた。体調に影響はないのか。子どもがまねをした場合、危険極まりない。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、プロレス好きな子どもの相手になってほしいという母親の依頼を扱った企画で、兄が、痛がる妹にプロレス技をかけるシーンが流れ、非常に気分が悪くなった。子ども同士といえども、DVにあたらないか疑問であるし、その様子を笑いにできる番組が理解できない。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 小学校2年生の女児が、同級生の母親に刺傷された事件について、リポーターが幼い同級生に取材と称して、話を聞いていた。報道する義務があるとしても、被害者も加害者の子どもも両方とも知っていることから、精神的なショックも大きいと思われる。今後の子どもの将来を考えると看過できない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、お笑い芸人をだますドッキリ企画について、子どもと見ていたが、どう考えてもいじめだと思う。子どもがまねする可能性が高い。人の不幸を笑いものにするのは許せない。

2017年11月に視聴者から寄せられた意見

2017年11月に視聴者から寄せられた意見

神奈川県座間市のアパートで、9人の遺体が発見された事件で、被害者の実名、顔写真などをめぐる報道のあり方への意見や、大相撲の暴行事件についてのコメンテーターや芸能リポーターの発言に対する意見など。

2017年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,361件で、先月と比較して404件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話27%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性33%、不明2%で、世代別では40歳代29%、30歳代24%、50歳代20%、20歳代13%、60歳以上12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は575件【42局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

神奈川県座間市のアパートで、9人の遺体が発見される凄惨な事件が起こった。それに関して、被害者の実名、顔写真などを巡る報道のあり方への意見が多く寄せられた。また、大相撲の暴行事件について、各局ワイドショーのコメンテーターや芸能リポーターの発言に対する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は30件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から27件減少した。
今月は「報道・情報」が25件と最も多く、次に「表現・演出」が15件、「低俗、モラルに反する」「いじめ・虐待」がともに7件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 連日各局で、座間の事件を報道しているがウンザリだ。ある番組では、事件が起きたアパートの下の階の部屋を取材していた。殺人事件が起きた部屋と同じ間取りであることを強調し、「こんなに狭い風呂場で遺体を解体し…」と紹介した後、流しを映して「下の部屋だからか、ここから異臭がしたようだ」と説明していた。また、別の番組では、猫用の砂を入れた収納ボックスを用意して「このように首が入っていた」などとリアルに再現していた。これだけ残酷な事件だ。容疑者の境遇や育ち方などの背景を伝えるまでは仕方がないにしても、死体の遺棄方法をリアルに再現する必要があるのか疑問に思う。

  • 座間の事件で、被害者の卒業文集がテレビで放送された。このようなことは、どうしてなくならないのだろう。死後、自身の卒業文集などのプライベートなものが全国に報じられたら、誰だっていやだと思う。自分のことに置き換えて考えてもらいたい。視聴者としても、被害者の卒業文集を見せられ、何を訴えたいのか全く分からない。亡くなってからもいろいろとさらされ可哀想だ。どこから入手したのか分からない写真や、どの程度親しかったかも疑わしい同級生のコメントを放送するのも理解できない。被害者家族に寄り添った報道に改善されることを望みたい。

  • 大相撲の暴行事件について。推測に基づく主観的報道が目立ち、視聴者の考えを意図的に仕向ける報道は如何なものか。専門家や有識者であっても、事実や実態を知らない非当該者であり、発言や意見は推測の域を出ないものだ。それをさも事実であるかのように報じ、その推測に基づき勝手に"悪"を仕立て上げ、それを放送を通じ拡散するのは、報道機関としての良識を疑う。

  • 大相撲の暴行事件について、各局で何日にもわたり報道している。メディアが勝手に取材しコメントしているが、そもそも警察に被害届を出しているので警察に任せるべきだ。被害者側の親方が、相撲協会に対し何も話さないことをよく言っておらず、その直後にサングラスをかけた親方の映像を流し、印象を悪くしているように感じる。親方に疑問を投げかける一方で、優勝した横綱の、千秋楽での万歳三唱には触れない。横綱の行動は問題があるのに、メディアが追及しないのはなぜか。報道が公平でなく、親方を叩いているだけに見える。

  • 横綱の引退記者会見をいくつかの番組で見た。本人は「指導が行き過ぎた」と釈明し、親方は涙ながらの同席だった。まるで引退に追い込まれた悲劇の主人公みたいな振る舞いで、強い違和感を覚えた。そもそも暴力事件の加害者である。正装で記者会見を開く資格などあるのだろうか。ところが各番組では横綱を批判するどころか、彼が苦労と努力を重ねて横綱の地位に上り詰めたとして、輝かしい映像やエピソードを紹介し、引退に花を添えるような演出をしていた。日本のテレビはどこまでおめでたくできているのか。あきれてものも言えない。

  • 東京都知事をワイドショーが面白おかしく取り上げている。政治家としてそれなりの人だろうが、とても一つの政党を率いる人ではないように思える。しかし、彼女の人気を煽ったのはメディアだ。そのメディアが手のひらを返して都知事叩きをしている。つまりメディアは、持ち上げて潰すことを意図的にやっている。面白ければいいというわけだ。このような状況である限り、日本の政治は良くならない。メディアの作った人気よりも中身だ。必要以上に囃し立て、どこかで躓けば面白おかしく叩く。政治家のレベルが低くなったが、メディアのレベルはそれ以上に低下している。

  • 選挙報道について「与党に批判的だから偏向している」という意見がある。現実に政権を担い、政策を実行しているのは与党なのだから、それに対する検証や批判が多くなるのは止むを得ないだろう。最近は、コメンテーターに与党擁護派、野党擁護派の双方を起用する情報番組が増えており、一昔前よりは公平な報道になっているように感じる。

  • トランプ大統領が来日し、総理とのゴルフやランチに出されたハンバーガーなどのリポートが続いている。アメリカは世界一の大国であり、日本と同盟国であるので、報道が多くなるのも分かる。その一方、数日前にフィリピンのドゥテルテ大統領が来日したが、これについての報道はほとんどなかった。フィリピンに限らず、外国からどのような要人が訪れ、どのような会話がなされ、それにより日本との関係はどうなるのか、そういうことが知りたいのに、晩餐会のメニューとか大統領の乗る車とか、どうでもいいことばかり報じられる。私達の知りたいことと、報道の知らせたいことが離れすぎている。

  • 朝6時頃、滋賀県の有名な寺の参道へ紅葉を見に行ったところ、参道近くの道に警備員が立っており、「生放送収録のため8時半までここで待機して下さい」と言われた。私は混雑する時間帯を避け、深夜から3時間かけてせっかく来たというのに、人が多くなるであろう8時半まで待つというのは馬鹿らしいのでその場を去った。この日のために仕事も休みを取っていたので、参道を見られなかったのは残念でならない。撮影許可を取っていたとしても、何の権利があって一般人の通行を禁止にしているのか。座る場所などなく、寒い中2時間半待てというのもどうかと思った。観光地である以上、一般人の通行を邪魔せずに、人がいる様子を映せばいいのではないか。

【番組全般・その他】

  • 世界各国の奥地に住む日本人を紹介する番組で、ブラジル・サンパウロから南部のフロリアノポリスまで移動するのに、夜行バスで中継地まで行き、翌日にフロリアノポリスまで、さらにバスで行くルートをとっていた。ブラジルは航空網が発達しており、サンパウロからフロリアノポリスまでは毎日飛行機の便がある。「こんな奥地に」と思わせるためとはいえ、いくらなんでもやりすぎではないか。ブラジルという国が誤解されて伝わる懸念もある。他の国の取材でも同じようなことが行われているのではないか。ブラジルに5年間駐在したことのある人間として疑問を感じた。

  • 朝の番組でタクシーの乗客トラブルを特集していた。運転手に暴言を吐きながら暴れる客の実際の映像が流されたが、このような行為をテレビが放送すると、残念ながら模倣する人間が増える。最近、視聴率を狙ってか、各局が競うように何から何まで放送する傾向にあるが、これは非常に危険なことだ。まずは放送することで、社会に対してどのような影響があるかを考えてもらいたい。

  • 20数年ぶりに復活したスポーツバラエティー番組を見た。当時の番組や、不定期に放送された特番を知らない視聴者も当然いると思われるが、冒頭で番組の概要や説明がないまま、いきなり最初の対決コーナーに入った。「見ればわかる」つもりでやっているのであれば、視聴者はついてこないと思う。また、スタジオゲストを紹介もしないまま、コメントだけさせておいたのもひどい扱いに感じた。

  • アジアプロ野球の日本×台湾戦は、予定では中継が21時に終わり、その後映画を放送するはずだったのに、少しずつ延長し、最終的に映画の開始が23時になってしまった。ここまでズラされるのはどうか。映画の特別企画のプレゼント応募パスワードを集めていたが、明日の仕事の関係で最後まで見ることができず、パスワードが分からない。このためだけに今週の仕事を乗り越えてきた。2時間の延長はやり過ぎだと思う。

  • アジアプロ野球の日本×韓国戦は、試合終了まで中継されたが、放送時間の延長ではなく、別番組の放送枠内で対応していた。そのため、テレビや録画機に使用されている電子番組表が更新されず、試合の途中で録画が途切れてしまった。放送局からの説明表記がないため、原因を突き止めるに苦労した。放送形態については事前に明確なアナウンスを行うべきだ。

【ラジオ】

  • 昼の番組に、街角からの中継で、日替わりリポーターが様々な年代の人と会話するコーナーがある。私は毎日楽しみにしているが、昨日の司会者の発言には少し悲しい気分になった。リポーターが、親子(母親と中学生の娘)にインタビュー。母娘ならではの仲の良さそうな感じが伝わってきて、微笑ましい中継だった。ただし、お嬢さんの声が少し大きく、素直過ぎる受け答えに、(もしかすると?)と聞いていて私は思った。すると、スタジオから司会者が暴言を吐いて、そのお嬢さんの回答を揶揄。聞いていてショックだった。この番組には、新聞記事から、高齢者やLGBTなど弱者やマイノリティーに対する社会の問題点を取り上げてコメントするコーナーがあり、多様性を受け入れているはずの番組なのに、素直な少女の発言に対してまさかの暴言。せっかく放送に協力してくれた親子に失礼で、落胆したリスナーも少なくないと思う。様々な人が暮らしているからこそ成り立っている今の社会。どうかもう少し思いやりを持って、ラジオ放送に臨んでもらいたいと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 「座間9人遺体事件」のニュースを、登校前の小学生の子どもが見ていて気分が悪くなってしまった。子どもが見ている時間帯に、長時間、あまりに具体的に報道するのは、心理的に悪影響がある。

  • 事件報道では、加害者が未成年だと名前は報道されないのに、被害者は未成年でも名前を出す。「座間9人遺体事件」は、単純に事件に巻き込まれたのではなく、被害者に自殺願望があったことが、今回の報道で多くの人に知れ渡ってしまった。仮に自分の子どもがこのようなことになったら、親としていたたまれない気持ちになる。未成年が関連した事件については、もっと配慮した報道をするべきだ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のドラマで、童貞、処女を否定するかのような内容で不愉快であった。不倫やいじめを助長するようなドラマ、低俗なテーマを扱うドラマは、子どもたちに悪影響を与える。ますますテレビ離れが進むだけだ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 大相撲の暴行事件の報道で、暴行によって引退に追い込まれた横綱を擁護していた。まるで加害者を被害者のように扱い、殴られるほうに問題があるかのように情報操作していた。いじめの助長にもつながる。

【視聴者意見への反論・同意】

  • アニメへの視聴者意見が、多く掲載されているが、少しばかり過剰反応していると感じる。確かに、いじめや体罰が問題になっている今日、アニメにおける暴力シーンやお色気表現が問題視されるのは仕方ないのかもしれないが、一方、こういう過激な作品はあらゆるジャンルにおいて一定数存在するものであり、アニメばかりを批判するのはおかしな話ではないか。

2017年10月に視聴者から寄せられた意見

2017年10月に視聴者から寄せられた意見

衆院選に先立ち放送された党首会談への批判や、情報番組における選挙報道のあり方についての意見。投票日当日の放送では、開票速報よりも台風21号の情報を優先すべきとの意見が多く寄せられた。

2017年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,765件で、先月と比較して116件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール70%、電話28%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性68%、女性30%、不明2%で、世代別では40歳代28%、30歳代27%、50歳代21%、60歳以上11%、20歳代11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は863件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

衆議院議員選挙が行われたが、それに先立ち放送された、各局ニュース番組での党首会談への批判や、情報番組における選挙報道のあり方についての意見、そのほか、投票日当日に台風21号が上陸したが、開票速報よりも台風情報を優先するべきとの意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は59件、CMについては36件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は115件で、前月から7件減少した。
今月は「表現・演出」が35件と最も多く、次に「いじめ・虐待」が13件、「暴力・殺人・残虐シーン」が11件、と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で、アマゾンでサルを殺して食べるシーンについて意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、アニメ番組で、ある家族を次々に殺害するシーンについて意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 選挙報道について、各局とも野党を擁護する内容が目立ち、与党を批判して政権を陥落させようとも思える報道が目立っている。あきらかな偏向報道ではないのか。公示日が近づくにつれ、有権者の判断を惑わせるような報道は、放送法に違反しているのではないか。ネット情報のほうがテレビよりまともなのではと感じる。選挙を平等な戦いにするために、きちんとした報道をしてもらいたい。

  • 衆院選はすでに始まったのも同然だ。その報道で、都知事周辺の情報量が他と比べて突出して多い。本人が「衆院選には出馬しない」と明言しているのに、「出馬あり」の憶測が飛び交い、出てくる話題すべてが都知事関連のものだ。彼女の言動は派手なので、テレビ向きということもあるのだろう。しかし、政権を決める選挙報道で最も大切なのは、テレビ映えするパフォーマンスではなく、各政党の政策を確実に伝えることだ。今のところ、他の政党は全く影の薄い存在になっている。このような異常な選挙報道は初めてだ。

  • 一斉に開票速報をやっていたが、全局でやる必要があるのか。あまり必要がない気がする。最近の選挙特番は、バラエティー番組のようで政治家をあおりすぎ。視聴率のためなのか。それならL字型で当選数だけを流し、通常放送に戻したほうがいい。深夜までやるなどテレビ局の自己満足だ。視聴者から受信料を取っている放送局だけがやればいい。台風が来ていたのに、その情報は伝えないのか。これでは誰も興味を持たない媒体になるのは確実だ。

  • 大型台風が来ているのにもかかわらず、各局とも選挙特番をメインに放送していた。近所のお年寄りは、台風状況がどうなっているのかわからず、困って私に電話してきた。選挙特番の画面下にテロップで無言の台風情報を流してもお年寄りには分からない。大きな被害が想定される台風が直撃する状況下で、命にかかわることではない選挙特番をメインにするべきではない。ネットを使えないお年寄りなど、早めの避難が必要な人達のためにも、台風情報をメインにし、選挙情報をテロップで流すべきだったのではないか。報道のあり方をよく考えるべきだ。

  • 大型の台風21号が接近し、大和川が危険水位に達し、人口密集地の大阪市などで、老人ホームが多い川沿いの地区に避難勧告が出ている状況にも関わらず、どの局もほとんど報道しなかった。大阪市のHPもアクセス殺到でつながりにくく、避難所等の情報を得ることができなかった。川が氾濫した場合、大規模な被害が予想される状況だ。国政は大事だろうが、関西地方だけでも災害情報を流せなかったのか。避難すべきかどうか、小さい子どももいて大変心配な一夜を過ごした。今後、このようなことがないようにしてほしい。

  • 各局の選挙特番の内容がひどいものだった。選挙前、テレビ各局は「今回の選挙は現政権の是非を問うもの」と連日のように言っていた。しかし結果が出た途端「これは民意ではない、必ずしも国民に容認されたわけではない」という解説を連発していた。次期総裁選の話題をどの局も出していたが、タイミング的に必要性が感じられず疑問だった。各局の解説者、タレント、アナウンサーの多くが、民意の反映である選挙結果を否定するような分析やコメントばかりで、有権者を馬鹿にしているとしか思えなかった。

  • 悪質運転による死亡事故が多発しているが、そのニュースに刺激され、面白半分の危険運転がむしろ増えていると聞く。特に民放の情報系番組では、SNSに投稿された危険運転の映像を流すなど、結果として、一部の不良運転者を煽るものが目立つ。少し前に問題になった、コンビニや飲食店での悪ふざけを競う投稿映像と同じだが、生死にかかわる分、はるかに深刻だ。悪質運転のニュースを扱う時は「トラブルに巻き込まれた際の対処法」といったことに重点を置いて伝えるべきで、SNS上の映像などを安易に使ってはならないと思う。

【番組全般・その他】

  • テレビの偏向報道がひどすぎる。ネット情報のほうがまだ真実を知ることができる。テレビとは何のためにあるのか。党首討論をネット討論から23時台のニュース番組まですべて見たが、ニュース番組の討論はひどすぎた。森友・加計問題の話をわざわざ司会者が聞きだし、総理批判をしていた。バラエティー番組などではちょっとしたことで問題になるのに比べ、偏向報道に罰則がないのがおかしい。日本は民主国家だ。テレビは、左も右もない平等な放送をするようにしてほしい。

  • 衆院選当日の番組で、政権与党への批判、そして野党への投票の呼びかけともとれる内容を延々と放送していた。これは明確な選挙違反ではないか。普段から公平であることは大切だが、特に選挙報道に際しては細心の注意が必要なはずが、コメンテーターが全員揃って口にするのは政権に対しての不満。選挙当日にふさわしい内容ではない。この番組によって投票に影響を及ぼされる可能性があり、あまりのひどさに唖然とした。

  • 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯の番組は、再現映像が古い映像に見えるように加工処理されていた。そのため、当時の映像なのか、再現映像なのか区別がつけにくかった。事件をリアルタイムで知る私ならともかく、それを知らない若い世代の人達にとっては、どちらが当時の映像か、それとも演出なのか、判断がつかなかったのではないだろうか。

  • 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯の再現企画は、素晴らしい番組だった。豪華な出演タレントや、煩わしい字幕などの派手な演出に頼らなくても、自然と画面に引き込まれた。綿密な取材に基づく再現VTRも丁寧な作りで良かった。事件を風化させないためにも、このような番組を定期的に放送するべきだ。

  • 夜の番組で、マンションの修繕における悪徳業者を紹介していた。その中で、元設計事務所社員のインタビューが放送されたが、彼は「設計事務所は高い金額で施工工事を受注している。浮いた分は事務所に入る。こんなことはみんな当たり前にやっている」という発言をした。私は建築業に携わっているが、これは当たり前ではない。ほとんどの業者はまっとうな金額でやっている。見ている人に誤解を招く内容だ。国土交通省のHPには「一部悪質な業者がいる」と注意喚起しているので、実際にこのような業者はいるのだろうが、"あたりまえ"でもないし"すべての業者"でもない。

  • 深夜番組で、歯磨きの仕方やトイレットペーパーの使い方をシニア世代の人に聞いていた。歯ブラシについては使う前に濡らすことは間違い、トイレットペーパーについては巻き方が違うと、些細なことを指摘し「残念」としていた。老人を小バカにしたような内容で、敬意の感じられない番組だった。

  • いじめに関する番組で、"いじられキャラ"の男子中学生が、いじられることに堪えられず自殺してしまったことを紹介していた。女性タレントが「みんなはいじっていて楽しいと思っているかもしれないけど、いじられているほうはつらい」という趣旨の発言をしていた。私の子はいじめが原因で自殺しているので、思いが重なった。心が強い子ばかりではないので、このような内容をもっと取り上げ、一人でも"いじられる子"を減らしてほしいと思う。

【ラジオ】

  • 土曜昼の番組で、人気女優の不倫問題を取り上げていた。その中で、パーソナリティーのベテラン歌手は、女優への個人攻撃とも思える話をした後、翌日のテレビ番組でも辛らつに批判していた。きっと今回の出来事とは関係無く、普段から女優のことを良く思っていなかったのだろう。人の好き嫌いは個人の自由だが、今後の仕事内容のことにまで言及していて、「彼女が大型ドラマに出演予定なのは、放送局の対応がおかしい」などの発言をしていた。この翌週に女優側はドラマの降板を申し出て、局側は了承している。いくら先輩とはいえ、芸能人が同業者の仕事内容、特に出演や降板に関するデリケートな問題を、公共の放送で言葉にするのは許されるのか。醜聞で番組に出る出ないは、その放送局と事務所が話し合い決定するべきことではないのか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、アマゾンの部族を訪ねる企画で、サルを殺して食べていた。子どもが怖くて泣いている。人間の形をした動物を食べるシーンを放送するなんて信じられない。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • アニメ番組で、知らない家に侵入して、家族を次々に殺すというシーンがあった。見ていて残酷で不快だった。深夜の時間帯といえども、録画などで子どもたちが見てしまうと悪影響を及ぼすのではないかと心配だ。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • 教育バラエティー番組で、「女子の嫉妬」の特集を放送していた。誰もが持っている感情を性別に関連付けることは不自然であり、性差別や偏見を助長させることになるのではないか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 最近、いじめで自殺した子どものニュースを多く目にする。教育委員会や先生の意見、今後の教育方針をまとめているという特集を何度も放送しているが、肝心の原因、自殺に追い込んだ同級生本人やその保護者が何を考えているかが、全く分からず、ニュースを見ているだけで不快だし、当の本人は全く反省していないのだと怒りがこみ上げる。いじめた側が擁護されるような放送の仕方は変えてほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • ニュース番組で、保育園児にわいせつな行為をした容疑で男が逮捕されたことを、「幼児の身体を触る、なめる等の行為をした」と報じていた。「なめる」までを伝える必要があるのか。その子どもの将来を思うと心配だ。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「深夜番組は子ども向けではない」「夜遅くまで子どもにテレビを見せるな」という意見が寄せられるが、僕はそう思わない。深夜番組は録画すれば昼間に見ることもできる。今はゴールデンより深夜のほうが良質な番組が少なくない。夜更かしは良くないことはわかるが、青少年にも深夜番組を見る権利はある。なんでもかんでも青少年の自由を奪ったら余計いじめや非行が起きるだけだ。

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判など。

2017年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,649件で、先月と比較して385件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性33%、不明2%で、世代別では30歳代29%、40歳代25%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は884件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は51件、CMについては32件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は122件で、前月から81件減少した。
今月は「表現・演出」が30件と最も多く、次に「差別・偏見」が22件、「報道・情報」が14件、「いじめ・虐待」が12件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で、タレントの新築祝いでカレーパーティーを開く企画について意見が寄せられた。「差別・偏見」では、バラエティー番組で、タレントが同性愛者を思わせるキャラクターに扮した演出について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局で、不倫騒動にある女優と、秘書に暴言を吐いた女性議員の報道を朝から晩まで放送している。女優の不倫問題は、徹底解析と題してまで報じる必要があるのか疑問だ。他に放送することがないのだろうか。各局とも異常過ぎる。

  • 女優の不倫報道を取り上げ、不倫相手が女性の下着をかぶっている写真があったと騒いでいた。どのような趣味があるのか知らないが、少なくとも相手は一般人である。テレビで“変態扱い”して許されるのか。影響力を少しは考えたらどうだ。騒ぎ過ぎだ。

  • 国会議員の不倫で大騒ぎするのはもううんざりだが、それよりも気になるのは、人によってメディアの報じ方に差があることだ。人格攻撃をし、辞任を迫っていたメディアが、他党の議員の不倫だと「私生活と仕事は別」と大声で言い出す。今までメディアが「国会議員の不倫は倫理観がない、議員失格だ」と言っていたのは何だったのか。自分達の基準で対応に差をつけるのは、あまりに不自然で理不尽だ。

  • ニュースで、視聴者提供映像が使用されているのをよく見かける。事件や事故の現場において「やばいやばい」「早く逃げた方がいいよ」など、はしゃぎながら撮影していて不快だ。また、偶然居合わせた一般の人たちも勝手に撮影され、それを放送で流されてしまうこともあり気の毒だ。最近、人身事故に遭遇したが、鉄道会社や救急隊員の方が、懸命に人命救助のために作業している中で、笑いながらスマホで事故現場を撮影しようとしている乗客が数多くいて驚いた。視聴者提供映像に対するガイドラインを制定し、意識啓発を図る必要があると思う。同じルールで制限しなければ、視聴者の撮影がエスカレートし、大きな事故につながりかねない。

  • テレビ各局は、ミサイル発射時のJアラートの不備を散々批判しているが、日本がいつ標的にされるかも分からない状況で、政府の対応を批判する前に、まずは、有事の際に身を守る方法をもっと伝えるべきではないか。どんな行動をすべきか、どのような場所に避難するのが一番安全なのかといった、視聴者に有益な情報を優先して報道する必要があると思う。

【番組全般・その他】

  • 毎週楽しみにしていたドラマ。最終回でワクワクドキドキしながら見ていた。最後はどうなるのか、どんな結末か、誰が黒幕なのか。最終的には黒幕が多重人格者で逮捕され、最後の一言が「バラの匂いがする」で番組が終了した。本当の完結編は有料サイトで配信するとのこと。有料サイトへの勧誘か。これに登録しないと完結編が見られないのはおかしい。テレビであるのにテレビでない。

  • 最終回に、続きを匂わすようなエンディングをし、続きは動画配信で有料放送するというやり方は如何なものか。「番外編」と言えば許されるようなことであれば、今後もこのような形でドラマの事実上の最終回が有料ネット放送になりかねない。これから先、インターネットが得意でない40歳以上の世代は、コンテンツを最後まで見られない可能性がある。テレビのコンテンツが、インターネットと繋がることは時代の流れなのかもしれないが、テレビを楽しみに見ている人々にとって、非常に理解しがたいやり方だった。

  • 中部地方の旅番組で、一般の人たちを取材していたが、あまりにも馬鹿にした態度で出会い頭の人たちを無理矢理に番組に参加させていた。人をけなす出演者もひどいが、スタッフもそれをあおっていた。田舎の素朴な人たちを終始小馬鹿にした制作者の姿勢は、非難されるべきだと思う。ローカル番組だと思って好き勝手にやっていたのではないか。取材された人たちの困惑具合から、これはいわゆる仕込みではないように思う。ここまで不愉快な番組は久しぶりだ。

  • 昼の番組で、四国の県議会議員の海外視察を取り上げていた。ゲストとコメンテーターが、視察内容や議員の報告に対し意見を述べるものだが、私たち一般の有権者には知り得ない内容をテレビで放送してもらうと、議員の活動がきちんとなされているか監視することができる。また、これにより議員の観光旅行のような無駄な視察も減り、私たちの税金が有効に使われるようになると思う。「番組はこれからも、このような監視を続けていく」と、司会者が明言していたので期待して見ていきたい。番組をきっかけに、社会がよい方向に変わっていくことを望みたい。

  • 夜のニュースで、国連での演説で北朝鮮を強く批判したトランプ大統領のことを、北朝鮮の外相が「犬の遠吠えだ」と揶揄した。そのことを伝える際、犬を抱いたトランプ大統領の映像と犬の鳴き声の効果音を流した。まるで北朝鮮の言い分に呼応してふざけているようなもので、演出として不適切だった。

  • 私は看護大学で専任講師をしている。学生には性の多様性を踏まえた看護の大切さを教える日々だ。そんな中、男性への性的指向をもつと思われる人物を嘲笑するキャラクターが復活したことを大変危惧している。周囲の無理解が差別的な発言を産み、それによってカミングアウトできない当事者が多くいて、その結果、日本では性的マイノリティーが周囲から見える存在にならず、差別も是正されない悪循環が起こっている。性的指向への差別をなくそうと国全体が動こうとする中、影響力の大きなメディアが、特定の性的指向を嘲笑することによって、性的指向はバカにしてよいものだというメッセージが発せられたことになる。このようなキャラクターを二度と使わないことを望む。

【ラジオ】

  • 東北地方のラジオは、高校生向けの進路情報番組と題しているが、原発反対、政権批判、総理批判がひどすぎる。これでは高校生の進路指導向けではなく、選挙権を得た高校生へのプロパガンダではないか。このような番組を聞くことは、思想の偏りにつながりかねない。

【CM】

  • 旅行、ホテルなどの海外オンライン予約会社のCMが増えている。消費者庁からは、トラブル増加の注意喚起がされているが、公共性の高いテレビCMで流された企業が、実は日本の法律が適用されないことを、どれだけの人が知っているのだろうか。トラブル増加の背景には、テレビCMを信用し、日本の旅行会社と勘違いしてしまった人もいるのではないか。日本の法律が適用されない、このような会社についてのガイドラインを設ける必要があると思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、タレントの新築祝いの企画で、新居に押し掛け、カレーパーティーを開き、置物や時計をカレーにつけていた。食べ物で遊んでいる時点で気分が悪い。子どもの教育にも悪い。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • バラエティー番組で、同性愛者を思わせるキャラクターが描かれていた。子どもにとっては、LGBT当事者への差別や偏見を助長させることになるのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 埼玉県で、未成年の男女が、少年に死傷させられた事件で、死亡した男子生徒の顔・実名が報道されている。加害者が秘匿されているのにもかかわらす、被害者がさらし者にされている。報道各社には被害者とご家族への配慮、温情が欠けている。

  • 議員、有名人などの不倫・浮気に関する報道をやめてもらいたい。報道された人の子どもが間接的に社会的制裁を受けているからである。不倫報道がいじめの原因になる可能性を、放送局は考えないのだろうか。

2017年8月に視聴者から寄せられた意見

2017年8月に視聴者から寄せられた意見

終戦記念日前後に放送された戦争関連番組や、夏休み恒例のチャリティー番組への意見。民放各局のワイドショーなどで、女性議員や人気芸人の不倫を扱った番組への批判など。

2017年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,034件で、先月と比較して913件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性67%、女性32%、不明1%で、世代別では40歳代25%、30歳代23%、50歳代19%、20歳代17%、60歳以上12%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は1,902件【51局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

太平洋戦争から70年以上たつが、終戦記念日前後に放送された戦争関連番組への意見が多く寄せられた。また、夏休み恒例のチャリティー番組への意見や、民放各局のワイドショーなどで、女性議員や人気芸人の不倫を扱った番組への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は54件、CMについては48件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は203件で、前月から30件減少した。
今月は「表現・演出」が43件と最も多く、次に「いじめ・虐待」が37件、「性的表現」が15件、「報道・情報」が14件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組でタレントが人に水を投げつける演出について意見が寄せられた。「いじめ・虐待」では、スペシャル番組で遠泳に挑む小学生と指導する先生を追ったドキュメント企画について意見が寄せられた。「性的表現」では、高校生を主人公とした連続ドラマについて意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 北朝鮮がミサイルを発射し、全国瞬時警報システム「Jアラ-ト」が東北地方中心に作動した。テレビでは、「〇〇県には地下がない。4分では逃げられない」など、できないことばかりを取り上げ、まるで政府の責任のような放送ばかりしているが、そもそも北朝鮮が一方的にやっていることに、どうして日本の対応ばかり批判しているのか。逃げられないではなく、どう身を守るかを伝えるのがメディアの仕事ではないか。公開されている政府広報についても詳しく説明せず、一般人の「どうすればいいのかわからない」というインタビューばかり流し、自分達も一緒に「わからない、わからない」と言うだけなら、報道など必要ない。もしミサイルが着弾したとしても、真上から落ちない限り、破片から身を守ったり、体を隠したり、家の中の行動で助かる可能性はあるはずだ。そのためのJアラートのはずが、役に立たないものとして伝えるのは如何なものか。

  • 不倫疑惑で盗撮されたプライベート写真を、本人の了解なしにテレビで公開する基準はあるのか。犯罪と確定できない時点でも、公務員なら公務外でもOK、元アイドルならOKなのか。盗撮は犯罪ではないのか。誰でも見ることができるテレビでの発信と、ネットや雑誌とでは影響が違うと思う。

  • 騒音をめぐるご近所トラブルについて、各局が大きく報道している。一般にこの種のトラブルは、双方の言葉の行き違いや、感情のもつれが原因になることが多い。当事者双方に事情を聞かなければ真実に近づけない。しかし多くのマスコミは、周囲に住む人達の主張を流し、一方的な立場から報じているようにも感じる。問題の発端は、風鈴の音色に対する苦情だという。通常、風鈴の音色は風情のあるもので、これに苦情を言うのはどういう状況だったのか、どの程度の音色だったのか、どういう言い方をしたのか、一方で、苦情を受けた側は、嫌がらせをされたと誤解したのではないのか。双方の事情を包括的に報じるべきだ。単なる興味本位の「変わった人の変わった行動」という報道では何の解決にもならない。

  • 「元女子マラソン日本代表選手を、化粧品などの万引容疑で逮捕」のニュースを各局で伝えていたが、これは、大々的に全国に顔と名前を出して報道するべきものなのか。万引きは犯罪で悪いことだが、大金を横領したわけでもなく、人を傷つけたわけでもない。もっと報道すべきニュースはたくさんあるだろう。テレビ局の社員が、女性に違法薬物をかけて、自身も薬物を使用していたニュースでは、顔や名前は出さない。どこが公平な報道か。

  • コンビニ3店舗で同一犯による強盗・強盗未遂事件があった。実害があったのは1件目だけで、3件目の私の経営する店では実害は無かった。朝になって、在阪の民放各局が私の店舗に取材に来た。その際、「従業員が映されるのを嫌がっている」と抗議したが、カメラを回し続けられた。経営者の立場としては、「強盗に狙われる店」というイメージが先行し、新たな従業員獲得が難しくなることに頭を抱えている。「映されたくない」とこちらが言っているにも関わらず、それを無視されたことに強い憤りを覚える。

  • 7月の視聴者意見にあった「重要なニュースそっちのけで芸能関係の話題ばかり報じている、朝の番組は硬派なものだけで十分」という主張に私も同感である。こういう芸能ニュースの大半は、一般の視聴者にはどうでもいい話であり、重要なニュースを後回しにしてまで放送する必要はない。「硬派な番組ばかりでは、若い人が見てくれない」という話もあるようだが、テレビ局側の都合のいい言い訳でしかない。ニュースサイトや新聞は、必要な記事を選んで読むことができるが、テレビではその選択ができない。芸能ニュースを優先して放送する姿勢こそが、若者のテレビ離れを助長する結果につながっているのではないだろうか。

【番組全般・その他】

  • 朝の番組で、沖縄県の離島、竹富島の小さな診療所が、大量に訪れる観光客の診療に困惑しているという話題を取り上げていた。軽症で緊急性がないにも関わらず、小さなケガで診療所を訪れる観光客。しかし島に医師は1人だけ。島民が受診できない状況が続いているという。こういう問題は、実際に島の声を聞かないとわからないが、取材班は現地に行き、医療関係者、診療所を訪れた観光客、困惑する島民、入島制限も考えるという島の声など、多角的に丹念に取材していた。ネット情報をまとめたような企画が多い中、こうしてきちんと取材することが大切だ。小さな島の診療所の問題だが、自分勝手な患者が増えている都会でも共通する課題だ。これからもこうした良質の取材をした番組が増えてくことを願う。

  • 昼の番組で、今まで散々芸能人や政治家などの不倫を激しく批判し、人格まで否定していた司会者やコメンテーターが、ある芸人の不倫は擁護するようなことを言いだしていた。不倫が悪いのではなく、その人物が好きか嫌いかで判断しているようにしか見えない。前回「女性議員がホテルに一緒に入ればアウト」と言っていたのに、芸人が何度もホテルに一緒に入っても「証拠がない」などと、真逆のことを言うのを聞いて本当に呆れた。これは、女性の不倫は許せないが、男性で芸人だったら良いというようにもとれる。公平なコメントができないのであれば、扱うべき問題ではない。

  • 朝のニュースのお天気コーナーで、気象予報士が、チャリティー番組の長距離マラソンを完走した芸人を意識したように天気を伝えていた。面白おかしくやってくれる分には構わないのだが、なぜ今日やったのか。昨年、死者行方不明者も出した台風10号から今日で丸1年。各地で慰霊式典も行われているような日だ。おまけに現在、台風15号も発生し、進路によっては日本を直撃するかもしれない状況。それに9月1日は防災の日。今週はおチャラけているような場合ではないはずだ。気象予報士なら、せめて自然災害に対してだけは意識を高く持ってほしいものだ。本当にモノマネをやる必要があったのか意味がわからない。

  • 報道番組で、カメラが富士河口湖町にある焼き肉店の中に入って行った。店長はインタビューに、「上タン、上カルビ、上ロース、あとはハラミ、ビールは1、2杯飲んだかな」と答えていた。記者から「支払いはどうしたのか?」と聞かれると、「支払いは総理の個人のカード、○○カードでゴールドですね」、そう話す店長。たとえ店長が詳しく語ったとしても、放送して良いものと悪いものについては区別がつくはずだ。

  • 終戦直後の樺太に関する番組を見た。ソ連との戦闘が始まった経緯がうやむやに説明され、よくわからなかった。本当に本人が言ったかどうかわからない証言、民間人の視点だけで進められ、違和感を持った。およそ40万人の樺太の人々は、どのように生き残ったのかの説明がない。これだけ生き残るには、軍の協力が考えられるはずであるのに、その点には触れない。ソ連側の責任についても何ら追及しなかった。どうして起きたのかを明らかにすると言いつつ、中身は不明確な資料や視点の限られた証言ばかりで、何も真相が分からない感傷的で偏った番組になってしまっていた。

  • 731部隊の番組は、ハバロフスク裁判の証人をもとに制作しているが、事実に反している。同裁判は、1949年に行われたソ連の主張を宣伝するためのプロパガンダ裁判である。つまり、戦後すぐではなく、戦後4年間、ソ連の言うことを聞かなければ命の保証さえされない、人権無視状態の人々が洗脳を受けた上で、ソ連から強要された自白をもとに作られたものである。命の危険にさらされ、洗脳された日本の抑留者の証言は、ほぼソ連の主張そのものであることは様々な事例で明らかになっている。番組はその事実を詳しく述べるべきである。731部隊については、米国国立公文書館が公開した、米情報機関の対日機密文書で「結局、戦争犯罪と言えることは全く存在しなかった」ことについて、何ら言及しないのも、事実を隠蔽するものだ。極めて意図を持って制作された偏向番組である。

  • 731部隊の番組を見た。非常に綿密に資料を集め、肉声で、当時実験に関わった医学者などの証言を紹介している点に非常に感心した。事件の経緯や資料の乏しさから「捏造ではないか」といった一部の層の意見を見事に覆す資料を提示し、部隊の残虐さ、非人道的行為を改めて見直す貴重な番組だった。これからもこういった誤った風潮や思想、歴史修正から世論を喚起し、戦争の悲惨さ、惨たらしさを次世代に伝える番組を制作してもらえるよう、心から願う。

  • あさま山荘事件や金大中事件など、昭和の大事件を特集した番組を見た。どの時代においても、国家や国民の安全が脅かされる事件や事故は起きてしまう。しかし、こういった出来事は時代が進むにつれて風化し、知らない若者達も増えてくる。何らかの形で伝え続けていくことが大切だ。それにより今の私達が学ぶべきことも出てくる。このような番組はこれからも放送してもらいたい。

  • 私は、発達支援センターで就学前の障害児の子ども達の支援をしている。長時間のチャリティー番組を見ても感動しない。障害者の方々が頑張っている姿を見て「自分も頑張らなきゃ」「自分は幸せなんだ」と思わせる番組そのものが、社会に悪影響を与えているのではないかと思ってしまう。自分より不幸な人を見せて感動させることがとても多いと感じる。障害者が頑張っているところを見て何が面白いのか。頑張っているのは健常者も障害者も同じだ。障害者は特別ではなく、普通に生きているだけなのではないか。街中や電車の中で障害者を見ると「怖い、変な人」と思ってしまう人が多いと思う。それは障害を理解している人が少なく、外見や自分の想像だけで判断しているからだと思う。そんな人たちを少しでもなくしたい。誰もが見るテレビでそのようなことを伝えていってほしい。チャリティー番組以外で障害者が出演できる番組、感動より笑いを与えてくれる、そんな暖かい番組が増えればいいなと思う。障害者の方々が生きやすい社会を作りたいと思う。

【ラジオ】

  • 地方局のFMを聞いている。在京局の番組を模倣した番組だ。基になった番組との関連性もなく、特に尊敬の意も感じられない。そのまま模倣というのは、ラジオ業界やリスナーへの冒涜ではないだろうか。高校生をターゲットに絞り、番組でよく呼びかけているが、年齢対象外のリスナーにとっては違和感というか疎外感が残る。実際、中学生が「中学生でもいいですか」などと気を使ったメールを送ったりしていて、不憫。また、平日昼の時間帯も、こだわりの感じられないJ-POPばかりがかかるようになってしまった。元々、落ち着いた選曲や雰囲気を得意とし、深い音楽知識を知ることができるFM局だったが、ここ1、2年で雰囲気の変化が加速してしまった。先人の積み上げてきたものが崩れつつあるように思う。開局時から聞いていて、音楽をより好きになるきっかけを与えてくれた局なだけに、残念としかいいようがない。

【CM】

  • 自動車メーカーのCMで「ぶつからない車」などと安全性の高さをアピールしているが、障害物や駐車車両に向かって、車をフルアクセルで急発進させるなどのパフォーマンスまでする必要性があるのか疑問である。演出とはいえ、このような手法は「安全装置付きの乗用車=絶対に事故を起こさない」と誤解されかねず、無謀運転を助長することにもなりかねない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組でタレントが「水ビンタ」を行っている。子どもがまねをしたら失明する可能性がある。危険だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • スペシャル番組で、遠泳に挑戦する小学生が指導者に厳しい言葉を浴びせられたり、体罰ともとらえられる指導を受けていた。このような子どもに恐怖を植え付けるような危険な指導が当然のごとく行われていることにぞっとした。放送局は、これを美談に仕上げている。

【「性的表現」に関する意見】

  • 高校生が主人公の連続ドラマなので、高校生も見ているが、性行為、性風俗店、暴力行為などのシーンが多く出てくる。このような番組を公共の電波で、子どもが見る時間帯に放送することに憤りを覚える。

【「人権」に関する意見】

  • スペシャル番組で、育ての母親が幼い子どもに自分は本当の母親ではないと顔出しで告白していた。将来がある子どもの立場を考えて制作してほしかった。制作サイドは子どもの人権について理解していないのでしょうか。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • バラエティー番組でお笑い芸人が将棋を指すシーンで、女性のスカートをめくっていた。子どもが見ている時間帯の番組であり、モラルに反する。度が過ぎていて教育上よくない。

2017年7月に視聴者から寄せられた意見

2017年7月に視聴者から寄せられた意見

国会審議におけるテレビ各局の報道姿勢が、政権批判や総理批判などに偏り過ぎているのではないか、といった意見。九州北部地方で記録的な豪雨により大きな被害が出たが、災害時の報道のあり方や、視聴者投稿映像に関する意見など。

2017年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,947件で、先月と比較して1,103件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性71%、女性28%、不明1%で、世代別では30歳代27%、40歳代26%、50歳代18%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は1,508件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

国会審議におけるテレビ各局の報道姿勢が、政権批判や総理批判などに偏りすぎているのではないか、といった意見が多く寄せられた。また、九州北部地方で記録的な豪雨により大きな被害が出たが、災害時の報道のあり方や、視聴者投稿映像に関する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は45件、CMについては34件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は233件で、前月から67件増加した。
今月は「暴力・殺人・残虐シーン」が53件と最も多く、次に「表現・演出」が45件、「報道・情報」が37件と続いた。
「暴力・殺人・残虐シーン」では、高校生を主人公にした連続ドラマでの暴力シーンについて意見が寄せられた。「表現・演出」では、バラエティー番組で芸能人を万引き犯に仕立てて、だます「ドッキリ企画」について意見が寄せられた。「報道・情報」では、芸能人夫婦の離婚問題の報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 九州北部の豪雨に関する視聴者からの動画が放送されていた。なかには、周囲の住宅が今にも濁流に飲み込まれようとしているなど、危険が差し迫っていることがうかがえるものがあった。一方で、各局のニュースで、直ちに命を守るための行動をとるように呼び掛けていた。これは矛盾した行為ではないか。メディアが視聴者投稿を放送していることが、視聴者の安易な行動を促す一因になっている。少なくとも進行中の災害については、全メディアが協定し、視聴者からの投稿の放送を控え、避難を優先するよう呼びかけるべきではないか。

  • 6月の視聴者意見で、スクープ映像募集のあり方について、新潟県三条市の寺での火災におけるスマホ撮影の意見があったが、私も全く同感である。以前、交通事故をニヤニヤと撮影して去って行った人を見たことがある。救助や通報、誘導と居合わせた多くの人が協力して命を救おうとしている現場でだ。相変わらず各局では「あなたのスクープ映像を送って下さい」とPRしている。先日の豪雨災害でも、身の安全が先決であるにもかかわらず、無理な状況から洪水の映像を放送局に送ったスマホユーザーも多かったようだ。素人が、緊迫した状況で撮影している余裕があるのなら、お年寄りなど地域の人の避難や保護のことを考えてはどうかと思う。安全やマナー・モラルを無視した映像でも、喉から手が出るほどほしいのだろうか。放送局の倫理観には疑問を抱かざるを得ない。

  • 福岡ドームで行われたプロ野球中継を見た。試合後のヒーローインタビューの際、アナウンサーがその日のヒーローの選手に「現在、福岡や大分が豪雨で大変なことになっています。それについて何か一言を」とマイクを向けた。ところが、その選手は豪雨のことを知らなかったようで黙ってしまった。無理もない。この日の午前中はそれほど激しい雨ではなかった。午後になって状況が変わり、短時間で大災害になったのだ。試合当日の野球選手は、心身ともにゲーム前の準備に没頭していて、ニュースを見聞きする余裕も無かったのだろう。選手が黙ってしまったところで、アナウンサーはそのことを察しフォローすべきだったのに、同じ質問を再度繰り返した。その間、選手は無言でうつむいたままだった。アナウンサーとして臨機応変に対応できなかったことが残念だし、選手のイメージが悪くなるのではないかと心配してしまった。

  • 都議会議員選挙前の各局の報道姿勢について。元秘書に対して暴言を吐いた女性議員がいた。確かに、彼女の態度はあるまじき行為だと思うが、それを伝えるマスコミの表現方法に問題はなかったのか。罵声を大きな音声とともにテレビ画面一杯に大きな文字で映し出す。それが何回も何回も繰り返された。他局へ替えても、同様に見せつけられた。このことが視聴者の意識、あるいは都議選候補者の選考基準に影響を与えないわけがない。政治の公平中立性という放送倫理に反している。テレビ局側のインパクトのある内容ばかり優先され、視聴者側の見る権利が疎外されている。悪害演出に対し、自制を求める基準と警告を希望する。

  • どの番組も現政権の批判を主としている。日本では表現&思想信条の自由があるが、公共の電波を使って偏った物の見方を是とする番組は問題がある。各番組とも「~と思う」「~と思われても仕方ない」という、憶測や推定の不確かな根拠を基に現政権を非難する報道を繰り返している。現政権に明確な非があり、物的証拠をもって非難するのなら理解できる。しかし憶測に基づく偏った非難は、どう考えても番組側の思想を視聴者に強制する行為だ。テレビを見ている人は「テレビが言うのだからそうなのだろう」と影響を受け、テレビが望む方向に思想が傾倒する可能性がある。賛否のある問題、特に政治問題は多角的に取り上げ、中立公平な情報を基に視聴者に判断させるのが望まれる。また、中立性を保つというアリバイ作りとして、政権を擁護する立場のコメンテーターを呼ぶ番組もあるが、その場合、そのコメンテーターが話をし始めると司会者がそれを遮ってコメントを途中で中断させることも多々ある。こんな不誠実な番組が存在しているのは異常だ。

  • 最近、偏向報道が進んでいる気がする。特にインターネットで流れる情報と、テレビの情報の乖離が激しい。国民がテレビから離れていくというのも納得できる有様になっている。政治を報道するということは、2つの対立する立場の中で、両方の立場からの意見を平等に報道しなければいけないのではないか。

  • 所沢市の小学校の児童が教師から体罰を受け、学校側が謝罪しているということは何らかの実態があったかもしれない。しかし、被害保護者からの視点だけで報道されている。学校での教師と被害児童とのやり取りを目にした児童の中には、食い違う話をしている子もいるらしい。被害者だけに視点を置いて大人目線での報道でいいのか。もっと配慮はないのか。体罰は許されることではないが、先生は教育熱心で評判が良かったことも事実ではないのか。実際、この出来事が身近で起き、背景が見える者としては、報道が適切なのか疑問を感じた。

  • 私は児童クラブの職員をしている。小学生の子ども達と学校が終わってから過ごしているのだが、子ども達が時と場所を選ばずに「このハゲー」と叫ぶことがある。言葉の意味など関係なく使っているようだ。また、児童クラブの職員である私に「バイアグラってなに?」と悪気なく聞いてくるが、説明していいのかどうか悩んでしまう。今日から夏休みになり、子ども達もテレビを見る機会が増えるだろう。問題になっている投稿映像や暴言を吐いている音声を放送することはやめてほしい。

【番組全般・その他】

  • 日曜朝の番組で、およそ15分にわたり、特定の政党の批判をしていた。今日が都議会議員選挙の日であることを考えると、少し行きすぎているように感じる。もちろん報道の自由はあると思うが、これがたとえ、他の政党批判であっても、今日という日は、特定の政党を長時間批判する見せ方は控えるべきではないか。

  • 朝の番組は、重要なニュースそっちのけで芸能関係の話題ばかり伝えているが、政治経済や気象情報、地域のニュース等々、もっと優先して報道すべき話題はいくらでもあるではないか。朝早くに出勤するサラリーマンにとって、番組は大切な情報源であり、ゆっくり番組を見る暇もないという人々に配慮すべきではないのか。重要性のある話題に特化したような硬派なものだけで十分だ。

  • 昼の番組で「都知事初登庁の際、都議会議長が知事の握手を拒否した」と虚偽の内容を伝え、さんざん議長を批判した。実際には握手していたのに、である。捏造ではないか。しかも1年も前の映像を一部分だけ切り取って都合よく編集するなど、世論操作にも等しい。以前より感じていたが、この番組は、政権批判など偏向がひどい。テレビの影響力を考慮し、公平・公正な放送をするべきだ。

【ラジオ】

  • プレゼントでの選考に異議あり。「この夏、会いに行きたい人は誰ですか?会いたい理由やエピソードを番組中紹介させて頂いた方から抽選で往復航空券を差し上げます」。この内容でリスナーからコメントを募集して番組内でも多数紹介されていた。しかしプレゼントが当選した人は「この夏、会いに行きたい人は誰ですか?」にコメントした人でなく、「ハワイ島に行きたい」とコメントした人だった。無関係のコメントをした人に当選させるのは、懸賞に関する定義にも違反しているとしか思えない。スポンサーが9月から路線を開設するにあたり、番宣のために「ハワイ島に行きたい」という人を当選させたとしか思えない。そのような趣旨であれば、「ハワイ島就航を祝し、ハワイ島への想いをお聞かせ下さい。その中からプレゼントいたします」ではないか。リスナーをだますような番組は好ましくない。

【CM】

  • サプリメントや化粧品のCMなどで「これは良く効きます」と出演者が効用を強調する。その上で「これは個人の感想です」と、見えないくらい小さく画面の隅に出す。こうすれば薬事法違反にならないのか。誇大広告にならないのか。「個人の感想」というのは、表現の自由とはいえ、ひどすぎる。消費者トラブルに繋がるように思う。

青少年に関する意見

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 高校を舞台にした連続ドラマで、暴力的なシーンがひどい。小中学生でも見られる時間帯に放送しており、現実のいじめなどにもつながる可能性がある。これで類似の事件が起きれば、このドラマが起因となったと感じてしまう。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で芸能人へのイタズラとして、万引き犯に仕立てるドッキリ企画があった。ドッキリをかけられた芸能人への人権侵害にもなるし、視聴者、特に子どもへも悪影響だ。これを真似する人が出てきたり、いじめにつながる可能性もある。

  • 医療を扱った情報バラエティー番組で、モザイクなしに手術映像を画面いっぱいに流していた。そういう映像に耐えられない子どもへの配慮がない。子どもにとってトラウマになりかねない。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 女優の離婚騒動を取り上げる際、本人がネットを使い、個人を中傷し続けている映像を、テレビでも放送し騒いでいるのを見るのは非常に不愉快だ。一方的な恨みを晴らす道具に使うことがまかり通ると思うと、子どもにも悪影響だ。

  • 高校野球のニュースを取り上げる際、東京のある高校の一選手をスター扱いして流し続けることは不愉快だ。青春を賭けた高校生をもっと平等に扱うべきだ。偏った放送はやめてほしい。

2017年6月に視聴者から寄せられた意見

2017年6月に視聴者から寄せられた意見

フリーアナウンサーが闘病の末亡くなったが、その過熱した、遺族への配慮を欠く報道のあり方への批判。また、痴漢問題を扱った情報番組への意見や、日本人選手が活躍した卓球の世界選手権の中継について、試合開始時間等の番組編成への意見など。

2017年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,844件で、先月と比較して368件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール75%、電話23%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では30歳代28%、40歳代25%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は885件【48局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

フリーアナウンサーが闘病の末亡くなったが、その過熱した、遺族への配慮を欠く報道のあり方への批判が多く寄せられた。また、痴漢問題を扱った情報番組への意見や、日本人選手が活躍した卓球の世界選手権の中継について、試合開始時間等の番組編成への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は49件、CMについては30件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は166件で、前月から43件増加した。
今月は「低俗・モラルに反する」が28件と最も多く、次に「性的表現」と「表現・演出」がそれぞれ25件、「報道・情報」が24件と続いた。
「低俗・モラルに反する」では、全裸でお盆だけを使って股間を隠す男性芸人の出演について意見が寄せられた。「性的表現」では、バラエティー番組で中学生棋士の連勝を取り上げた際のお笑いタレントの発言について意見が寄せられた。「報道・情報」では、スポーツセンターで男子中学生が女児を投げ落とした事件の報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • フリーアナウンサーの逝去に関し、夫の歌舞伎役者の記者会見があった。何項目にもわたり、執拗に質問を繰り返す様子が報道された。悲しみにくれる家族の気持ちを察し、なぜ早めに切り上げてあげないのか。今聞かなければならないことだろうか。家族の気持ちは十分察しがつくではないか。涙ながらに語る夫の姿を報道した、それだけでいいのではないか。今一度、報道のあり方を見つめ直してもらいたい。全てを事細かにすることが、報道の使命ではないはずだ。

  • フリーアナウンサーの逝去以降、テレビ各局で、朝からそのニュースが報じられているが、どの局も同じ時間帯に報道され、天気予報が確認できず困った。私が住む地域は早朝から雨が降り、農作業をしている関係もあり、天気予報を確認したいが、どの局も天気予報をやっておらず、朝7時40分あたりから一斉に天気予報が始まった。雨の場合、交通手段も変わるうえ、その日の作業予定の問題もあるので、天気予報の時間帯を各局でずらしてもらうわけにいかないだろうか。確かにこの件は気の毒だとは思うが、各局揃って同じ時間帯に報道するほどの内容だとは思えない。

  • 14時半から歌舞伎役者の会見が行われ、生放送していた。また、16時半からは、文部科学省の前事務次官の会見の予定があった。歌舞伎役者の会見は十分に放送されたので、前事務次官の会見の方も最後まで見られるだろうと思っていたが、10分ほどで歌舞伎役者の中継録画に切り変わった。急で不自然な切り替えであり、何か政府からの圧力でもあったのかと疑問を感じざるを得なかった。前事務次官の記者会見会場には各局のテレビクルーがきていたのに、放送しないのはおかしい。不自然だ。何か釈然としない。

  • 昨今の政治に関する報道に、著しい偏りがあるように感じる。テレビ局や後ろにいる新聞社の思惑によって、視聴者を誘導するような行為が横行しすぎている。本来、報道とは真実を伝えることが大事なはずだが、最近では、局側の意向に沿う専門家と呼ばれるような人間や、ジャーナリストをずらっと並べて、一方的な見解を視聴者に押し付けている。現在のテレビの報道は、週刊誌と同レベルの質の低いものになっている。マスコミ全体がもっと中立性をもって報道するべきだと思う。報道の自由という言葉を勘違いしてはいないか。

  • 元放送局社員から暴行を受けたと訴える女性が、実名と顔出しで会見を開いた。しかしその後、どこの局もパタッと報道しなくなった。女性が性被害をここまで訴えるということは、相当な覚悟が必要だったであろう。マスコミはきちんと追及するべきだ。

  • テレビで「痴漢」の問題が出るときに、「冤罪」がセットで出てくるのが気になる。ニュースでも「痴漢だと誤解されたら」といった特集が多く、あたかも痴漢騒動のほとんどが冤罪であるような扱いだ。女性も冤罪の可能性は考えるし、ある程度確信を持ってから勇気を振り絞って声を上げるので、そうそう冤罪が起こるとは思えない。実際、痴漢被害はすごく多い。「痴漢」でネット検索すると、痴漢を訴える女性を責める言葉が山のように出てくる。それは、テレビが痴漢=冤罪というイメージを強調しているのも一因ではないか。

  • 東名高速道路で、観光バスと中央分離帯を飛び越えた乗用車の事故があったが、一命をとりとめた運転手が入院した病室でインタビューを受けていた。鼻に管があり、点滴の姿も痛々しい運転手に対して、マイクやカメラを向ける姿勢は疑問だ。ある番組では「家族と本人の許可を得て」などと、あたり前のように言っていたが、放送局への抗議を減らすための言い訳にしか聞こえなかった。許可を取ろうとなんだろうと、痛々しい姿の運転手に対して、この時点で取材すること自体が非常識だと思わないのだろうか。命は助かったのだから、コメントは後日でもいいはず。回復を待たず、しかも病院にまで乗り込む必要がどこにあるのか。人の気持ちを考えた報道を肝に銘じてほしい。

  • 新潟県三条市の寺で火事があった。野次馬が警察の制止を振り切り、寺の境内に入り込み、ひどい者は墓石に登るなどして、スマホで火事の動画を撮影していた。結果、その動画がNHKのニュースで使われたのを皮切りに、民放各局のニュースで流れていた。モラルの無い撮影に唖然としたことは言うまでもない。しかし本当に問題なのは、このように撮影された動画をテレビ局が使用したこと。「危険を冒してでも自分の動画がテレビで放送されるならば撮影しよう」という行為の助長につながりかねない。誰でもスマホで簡単に動画を撮れる時代だ。良い面もあるが、今回のようなケースもあることを、放送局の人達に認識してもらいたい。

  • フィリピンで300人からの死者が出て、外務省も渡航注意情報を出しているというのに、なぜテレビは報道しないのか。ロンドンよりよほど近いのに、欧米とアジアで人命の重さを秤にかけているのか。外国の交通事故みたいな、国民生活にほとんど関係ないものなどを放送し、日本に火の粉が掛かるかもしれない重要事項を報道しない。「テレビはくだらん」と視聴者が離れるのは当然と思う。

【番組全般・その他】

  • 日曜日の番組で、茨城県取手市の中学生自殺について、女性タレントの加害者を過剰に庇うような発言に問題があった。被害者は亡くなっているのに、それを気にも留めずに、加害者の今後だけを心配しているように聞こえた。そもそも、いじめによって被害者を自殺に追い込んでいるのだから、加害者もその責めを負うべきではないか。きちんと罪を償ったうえで、今後の心配をするのであればそれはわかるが、責めを受けないまま、それを擁護するのはおかしい。

  • 自民党女性議員の音声データについて。私は現在、上司からのパワハラで心療内科に通院中だ。起きたばかりの無防備な精神状態のところに、いきなり怒声が大音量で繰り返し流れ、非常に驚いた。今も動悸と身体の震えが止まらない。ニュースの内容を考えると、音声データを流したほうが視聴者には分かりやすいし、いきなりのほうが興味も惹く。番組制作側の意図は理解できるが、視聴者に与える影響力を考えれば、慎重に取り扱ってほしいと願うのはわがままだろうか。議員の怒声はパワハラの記憶をフラッシュバックさせる。音声データは今後も各局から流れることだろう。私個人は、しばらくテレビは見ることができない。いつまた、あの怒声が流れるかわからないので。

  • 東海地方の番組で、「日本一バラエティー豊かなえびせん料理」ということで、私の住む町が取り上げられていた。えびせんべいをみそ汁に入れたり、醤油をつけて焼いたえびせんべいをご飯にのせて"海鮮丼"にしたり、すき焼きにえびせんべいを入れて"海鮮すき焼き"にしたりして、あたかも町の人がそのようにして食べていると紹介していたが、住民の一人として「そんな事実はない」と断言できる。番組に出演した町の人達も、この内容に不満の声が多かった。町をバカにされ非常に不愉快だ。何故このような間違った情報を流したのか調査してもらいたい。

  • 世界卓球と全仏テニスをセットで放送していた。具体的な放送予定を曖昧な表現で一切案内しなかったので、視聴者は、延々とチャンネルを合わせたまま待っていなければならなかった。また、卓球とテニスという異質なスポーツを組み合わせたことにより、卓球を見たい人はテニスを、テニスを見たい人は卓球を見ながら待たなければならない。さらに、長い時間待ったあげく、期待していた試合はライブではなく、VTRで試合途中からの放送となり、しかも、結果のスコアは事前にテロップで知らされてしまい、とても残念だった。

  • 私の父は目が見えないので、"テレビを聴くこと"が好きだ。最近はニュースを見ていてもバラエティーを見ていても父には理解できないものばかり。字幕はたくさん見かけるが、外国語のときはなるべく通訳したものを放送してほしい。副音声を選べばいいと言われそうだが、視覚障害者のための副音声はあまりに少なく、ほんの一部の番組でしか行われていない。見えなくても、番組を楽しみたい気持ちは私達と一緒なので、少しでも改善してもらえると嬉しい。

【ラジオ】

  • FMを聞いているが、今月いっぱいで午後のシネマコーナーが終了する。とても良質なコーナーなので残念だ。その週に公開される映画を紹介するのだが、紹介の前に必ず、リスナーに一週間前に出したお題の回答を読み上げる。通常のラジオ番組では、お題の回答はEメールやハガキなどで読まれるが、このコーナーは掲示板での書き込みで回答する。リスナー同士のコミュニケーションもできて、とても画期的なコーナーだった。

【CM】

  • ホラー映画のCMは流すのをやめてほしい。4歳の娘が毎回怖がる。突然始まるので、チャンネルを替えるにも間に合わない。

青少年に関する意見

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • バラエティー番組に全裸で股間をお盆で隠す芸人が出演しているが、不愉快だ。最近、お盆以外のもので隠したり、際どいポースを取ったりと、エスカレートしている。大人のモラルの欠如は、子ども達の心へ良い影響を与えない。

【「性的表現」に関する意見】

  • バラエティー番組で、中学生棋士の連勝の話題を取り上げた際、お笑いタレントが「彼が童貞でなくなったら変わると思う」と発言した。プロの棋士に対してあまりに侮辱的な発言だと思う。大人が、少年に対し性的発言をする行為は、立派なセクハラではないか。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、女性国会議員の元秘書に対する暴言・暴行の問題について面白おかしく取り上げ、笑いにしている。ふざけ過ぎる内容を元にいじめを行う子どももいると思う。取り上げるからには真剣に報道してほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 広島県のスポーツセンターで男子中学生が2階から女児を投げ落とした事件のニュースで「加害者は特別支援学級に通っていた」と伝えているが、「特別支援学級」を特別視することにつながり、差別感を生む。また、小さい町で、加害者が特定されてしまう。加害者がまだ中学生であることに、報道する側の配慮が感じられない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で茨城県の中学生いじめ自殺事件について、スタジオの女性タレントが「加害者の生徒が、罪悪感を一生背負っていかなければならないと思うと心配だ」などと発言した。被害者側の気持ちはまるで無視するような発言だ。このような加害者のみに配慮し、一切の責任は問うべきではないという考え方が、世の中に浸透することの悪影響を懸念する。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • 全裸の芸が批判の的になっているようだ。その理由として「わいせつだ」や「教育上問題だ」などが挙げられているが、それほど目くじらを立てるほどのものだろうか。彼の芸を見てもわいせつな感じはない。また、子どもたちが真似をするとも思えない。

2017年5月に視聴者から寄せられた意見

2017年5月に視聴者から寄せられた意見

愛媛県今治市連続殺傷事件について、各局の情報番組における容疑者やその家族への取材のあり方への意見。痴漢疑惑による線路立ち入り事件についての報道のあり方や、情報番組でのコメンテーターへの批判など。

2017年5月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,476件で、先月と比較して20件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール74%、電話24%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では30歳代26%、40歳代25%、50歳代22%、20歳代14%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は664件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

愛媛県今治市連続殺傷事件について、各局の情報番組における容疑者やその家族への取材のあり方への意見が多く寄せられた。また、痴漢疑惑による線路立ち入り事件についての報道のあり方や、情報番組においてのコメンテーターへの批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は70件、CMについては22件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は123件で、前月から33件増加した。
今月は「低俗・モラルに反する」が28件と最も多く、次に「表現・演出」が18件、「いじめ・虐待」が16件、「性的表現」が12件と続いた。
「低俗・モラルに反する」では、全裸でお盆だけを使って股間を隠す男性芸人の出演について意見が寄せられた。「表現・演出」では、相方の頭を叩く芸人の出演について意見が寄せられた。「いじめ・虐待」では、バラエティー番組でのプロレス技をかける企画について意見が寄せられた。「性的表現」では、アニメ番組の内容について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 今治市連続殺傷事件に関連し、参考人が自殺したことについて。報道では、警察の事情聴取のやり方を論じようとしているが、メディアの取材・報道の仕方が適切だったのかどうかも甚だ疑問。防犯カメラに映っていたというだけの時点で、参考人となった女性の自宅前に取材陣が殺到し、自宅から出てきた捜査員の前を塞ぐように撮影し、事情聴取の行われた翌朝には母親にインタビューする。そうした行為が女性に精神的なプレッシャーを与え、自殺に追い込んだという可能性はないのか。「現地の状況を伝える」という報道の役割を逸脱し、各局が競うように「犯人探し」をしていなかったか。検証し、問題があれば正す必要があるのではないか。

  • 痴漢の疑いの男性が駅のホームから飛び降り、逃げる様子をニュースに取り上げていた。実名を公表するのはやり過ぎではないか。「男性がジュースをこぼし、隣に座っていた女性客ともめて線路に逃げた」と伝えていた。確かに、線路に降りて金網のフェンスを越えた行為は法に触れるかもしれないが、それだけで実名を流すテレビ局の基準が信じられない。彼はまだ若いし、これからの人生もあるのに、この件で会社を退職せざるを得なくなったり、場合によっては命を絶ったりするかもしれない。あまりにも犯した行為と、それに対して受けたテレビ局からの罰が比例しない。放送で実名をさらすことに見合う犯罪なのかどうか、厳正な基準を設けるべきだ。

  • 皇族と婚約される一般の男性について。大量の報道関係者が夜間に自宅に押しかけ、インターホンを鳴らして取材、早朝から「職場へ出発」などと中継、過去の交友関係を洗い出して根掘り葉掘りしているが、必要あるのか。皇族との婚約相手であろうが、現状は一般人だ。プライベート情報を流すのは如何なものか。さらに、「職場へ出発」など、正直、どうでもいいレベルの内容で報道する。これは意味のないことではないか。報道のあり方、内容がかなり行き過ぎている。

【番組全般・その他】

  • 獣医学部新設について、文科省前事務次官が現政権にとって致命傷となるような爆弾発言をした。前後してその人が不適切な店に通っていたことがすっぱ抜かれ、各局のワイドショーでは、そちらのほうが大きく騒がれている。「文科省のトップにいた人物が何という体たらくか」と怒りを覚えるのは確かだ。しかし、彼の発言の重大さは、不適切な店に通うこととは別次元のものだ。簡単に片づけられるものではない。問題のすり替えは官邸側を利するだけだ。テレビなどのメディアは、問題の本質を見誤ることなく、伝えるべきことを伝えてほしい。

  • 情報番組で、タレントがコメンテーターとして出演しているとすごく不愉快になる。事件そのものを批判するのではなく、相手によって批判したり、擁護したりすること。例えば、不倫騒動も「こいつは芸能界から引退してほしい」「人としてどうなんだ」とまで言っていたかと思えば、別の人の不倫だと「この方は活躍のスケールが違うから」などと扱い方が全く違う。「不倫自体が悪い」と一貫してほしい。色々な事件も、ことを起こした芸能人によって、許容範囲だったり、許せなかったりではおかしい。相手が大物タレントの場合や、後々仕事に影響がありそうな人に対しては擁護する発言をする。これは聞いていてあきれる。そんな人はコメンテーターとして仕事をしないでほしい。

  • 「テレビに映った美人を追跡」と題し、路上インタビューを受けた女性や、高校野球中継に映ったチアガールを探して会いに行くという企画をやっていた。なかでも、チアガールの女性に対しては、在籍していた高校へ電話し、卒業後の居場所について尋ねるといったシーンも放送され、さもストーカーのように感じた。彼女に対して過度に執着を持つ人が現れる危険性もある。当該女性には、すでに何らかの手段で出演依頼をしていたのだろうが、このような企画は、今後、一般の人でも、気になった人物が映れば、居場所を特定してもよいと誤解させるような内容だった。

  • いつも楽しく見ているが、今回はあまりにもふざけ過ぎていた。女性芸人が登山をするコーナーで、プロの登山家まで使って危険がないようにサポートしているのに、かたや芸人とはいえ、お尻丸出し、鼻水垂れ流し、体調不良で脱落した芸人が、下山してきたメンバーやサポートしていたプロの登山家の前に、あられもない水着姿で登場するなど、ふざけ過ぎている。この芸人達は、温泉同好会というコーナーにも出て裸になっていた。ボカシが入るなら何をやってもいいものなのか。

  • 紹介したフリップが間違いであったとテレビ局が謝罪した。「真偽を確認しないまま放送に至り」とコメントしているが、放送する情報について「真偽を確認」することは放送人の基本ではないか。事実でもウソでも面白ければ何でもいい程度の感覚なのか。だとすれば、他の情報の真偽はきっちりと確認しているのか疑問になる。放送倫理に関する理解が足りなすぎる。スタッフや出演者が、誰もウソ情報に気付かなかったのも不思議だ。ネタ元と思われるSNSを確認するだけでも、ある程度は真偽が分かるはずだ。出演者がこのウソ情報を基に、映画監督を馬鹿にするように笑っているように感じた。誰かを揶揄したり、傷つけたり、迷惑をかけたりするような笑いは不愉快だ。

  • アフリカの貧困層やシリアからの難民が直面している食糧難、国内でも貧困児童が存在する現状を、定時ニュースなどで伝えた後に、「大食い番組」を平然と流すのは道徳上よくないのではないか。一方では満足な食事ができない人達がいるのに、もう一方では残飯を出し、捨てている。

  • 男性アナウンサーが「他局の女性アナウンサーと婚約した」と出演した番組内で発言した後に、女性アナウンサーがMCを務める報道番組で、自分の婚約について話をしていた。受信料を徴収している公共放送でこのような個人的なことを話すのは如何なものか。他に伝えるべきニュースがたくさんあるはずだ。最近、アナウンサーがこのような話題を話すことが増えているようだが、個人的な事は避けるべきだ。

  • BSの紀行番組でハワイ・ハレイワを紹介していた。定番の観光地を避けようとするあまり、退屈な内容になることもあるが、この日の番組は良かった。誰もが行きたいと思うような美しい場所、美味しそうな食事もきっちり紹介されていた。特に、サーフィンの取り上げ方が印象的だった。ビーチで、サーファーの見事なライディングを見せ、街歩きの途中にサーフボードの工房を訪れ、後半では、障害を持つサーファーの、ビーチを転がってでも波に乗りたいという、サーフィンに対する強い思いがしっかり伝わってきた。ゆるい仕込みはあるそうだが、仕込みだとしても、それを感じさせない見事な構成と演出だった。私も障害を持つ身だが、これほど自然に、しかも重要な役割として障害者が登場する番組はなかなか無い。お涙頂戴や感動の押し売り的な意図も全く感じなかった。サーフィンとともにある、ハワイ・ハレイワの日常を見事に表現した素晴らしい番組だった。

【ラジオ】

  • 午前11時すぎに、DJが、面白おかしく「Jアラート」の音を流していた。テレビと違い、字幕などがないので、音声だけでは、その時にラジオをつけた人には何だか分からない。「これはテストです」とも言わず、番組の流れで「Jアラートの音声を聞いてみようか」ということで音声を流していた。不安を煽る紛らわしいことは流さないのが放送局の役目だ。北朝鮮問題など、世の中が不安で緊張している状況に、簡単に面白おかしく、こういった音声を流してしまう局の倫理観を疑う。

【CM】

  • ピザのCMで、飲食店の前でタクシーに乗り込む若い男女、男は勝ち誇ってVサインを送り、見送る男たちは「お持ち帰りいいなあ」と言って、羨ましそうな顔をしている。この「お持ち帰り」は、飲み会などの帰りに、気に入ったに女性を誘って家やホテルに連れ込む隠語ではないか。言葉として流布しているのは仕方がないが、CMで放送するのは疑問を感じる。

青少年に関する意見

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • バラエティー番組で、全裸でお盆だけで股間を隠す芸をしていたが、これは芸でもなんでもない。子どもが真似をして大変不快だ。面白ければなんでもいいという考えは改めてほしい。

  • バラエティー番組で、カリスマ編集者と名乗る人物が、男性編集者が女性作家にする「枕営業」について話していた。家族で安心して見られる番組だと思っていたので、セクハラへの無神経ぶりに呆れてしまった。

【「表現・演出」に関する意見】

  • あるお笑い芸人が、相方の頭をきつく叩いたり、「ばかちん」など暴言を吐いたりして、見ている方はとても不快だ。子どもが真似をして、怪我などしないか心配だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、突然にプロレス技をかける企画は、子どもがふざけて真似しかねない。面白おかしく放送し、怪我や弱いものいじめにつながる恐れがある。放送するなら、決して素人が真似しないよう「注意」をのせるべきだ。

  • 県民性を扱う番組は、見ていて不愉快になる。東京都だけ貶さず、他の道府県を見下しているように見える。これは、東京一極集中、地方の衰退、地方出身者に対するいじめや差別を助長する原因の一つになりやすい。

【「性的表現」に関する意見】

  • アニメ番組で、断ることのできない年上の男性から、若い女の子が身体を触られたり、下着を覗かれたりというシーンが放送された。ストーリーとはほとんど無関係だ。我が家の子どもも大好きで毎週欠かさず見ているが、子どもも見るアニメとしては不適切な内容だ。

【「要望・提言」】

  • テレビをつまらなくしないでほしい。「裸芸」を見て真似る子がどれだけいるだろうか。たぶん、ほとんどいないと思う。テレビの影響は悪いものばかりでなく、良いこと悪いことを判断する力を養う役目もあるはずだ。テレビを見ながら会話して、何をやってはいけないかを教えるのが親の役目だ。

2017年4月に視聴者から寄せられた意見

2017年4月に視聴者から寄せられた意見

千葉県の小3女児殺害事件について、各局の情報番組における取材のあり方への意見や、北朝鮮を取り巻く緊迫した海外情勢を伝えた報道番組への意見など。

2017年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,456件で、先月と比較して645件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話26%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では30歳代25%、40歳代25%、50歳代18%、20歳代17%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は715件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

千葉県で起こった小学3年生女児殺害事件について、各局の情報番組における取材のあり方への意見が多く寄せられた。また、北朝鮮を取り巻く緊迫した海外情勢を伝えた報道番組への意見。そのほか、スポーツシーズンを迎え、プロ野球や海外ゴルフなどの中継番組に関する意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は69件、CMについては48件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は90件で、前月から67件減少した。
今月は「表現・演出」が30件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が14件、「いじめ・虐待」が11件、「性的表現」が8件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で皮膚の病気の人、美容整形に失敗した人を扱った海外企画について複数の意見が寄せられた。「低俗・モラルに反する」では、全裸でお盆だけを使って股間を隠す男性芸人の出演についての意見が目立った。「いじめ・虐待」では、バラエティー番組でのローションを塗って階段を駆け上がる企画について意見が寄せられた。「性的表現」では、深夜に放送したアニメ番組の内容について複数の意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐」では、ドラマでの暴力的表現について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 住宅の床下から女性が遺体で発見されたという事件の報道で、近所の人達が取材に応じて、かなり具体的なことを答えていた。「行方不明になった頃、金づちの音が聞こえた」「業者が出入りしていた」などである。これらは事件の核心部分に当たる重要事項かもしれず、警察が捜査の参考にすべきものだ。住民がテレビ局の取材に応じて、軽々しく話してしまったようだが、取材者として「大事なことなので警察にも伝えたほうがいい」と助言したのだろうか。素人ながら、とても気になった。

  • 千葉県の小3女児殺害事件を取り上げていたが、容疑者が以前に勤務していたという会社から入手したとされる「勤務状態評価表」なるものが、テレビ画面に映し出されていた。個人情報保護法の基本原則からすれば、企業が、外部に開示されることが許されないものを提供することは違反だと思う。それに対して、個人情報を慎重に取り扱うべきマスコミが、スクープを優先させるためにテレビで流すのは、個人情報保護法を軽視している。正義の名を借りた、行き過ぎた報道には疑問を感じる。

  • 各局とも「北朝鮮から、いつミサイルが飛んできてもおかしくない」「日本のどこが狙われるか」など、ここ数日、戦争がすぐにでも始まりそうな報道が続いている。空母カール・ビンソンをめぐる錯綜した情報は、国民の不安を煽ることになる。備えは必要であるが、ことは国際問題、戦争にも発展しかねない問題だ。落ち着いて報道してもらいたい。

  • 以前、緊急事態を想定した国民保護訓練に参加したことがある。その訓練で再認識したことは、テレビやラジオ、携帯電話などからの情報の入手が貴重であるということだ。訓練後のアンケートで、国民保護サイレンの存在を知らず、聞いたこともないと答えた人が全体の約4割いた。また、防災行政無線の音量が小さくて聞こえにくかったと答えた人は、全体の約半数に上った。平素より、各種の警報や退避に関する放送を行い、分かりやすく国民に周知することに努めてほしい。

【番組全般・その他】

  • アメリカで開かれたゴルフトーナメント中継を見た。ボールが落ちた位置や事実関係など実況に誤りが多く、名勝負に水を差した。実況では「間違いなく天国の先輩が背中を押してくれました」などの私見も多く、聞き苦しかった。「間違いなく」というのは妄想的な表現だし、そんな私見を挟む前に優勝者をほめるべきだろう。苦難の末につかんだ優勝を、オカルトや都市伝説みたいな話に矮小化すべきではない。中継の終わり方も最悪だった。優勝者の表情を伝えることなく、突然中断。メジャーな大会なのだから時間には余裕を持ってほしかった。

  • 私は、朝の番組の「花見に迷惑撮影者が殺到」というコーナーのロケの日に、現場でSLを撮影していたが、置いていた三脚が、線路に近いということで撤去させられた。そのことは自分が悪いと思うが、その後、番組撮影隊の一人がビデオカメラを片手にやって来て、「もう1回ここで撮影チャレンジしちゃいます?」と、笑いながらこちらを煽るようなことを数回言って来た。その他にも、私と同じようなカメラマンに話しかけていたが、同じように煽っているのではないかと思った。注意して引き留めるなら納得するが、ネタになるからと相手を煽って、事件でも起こしてほしいのではないかと、不信感を持った。

  • 千葉県の小3女児殺害事件で、芸能リポーターが被害女児の同級生女児にインタビューしていた。まだ、同級生が学校関係者に殺されたという、生々しいショックが癒えない時期にもかかわらず、亡くなった同級生についてのインタビューをしている。言語表現や思考の幼い低学年児童に話をさせる様子は、放送に都合が良い言葉を児童から引き出すための誘導尋問に思え、番組の過大演出や、他局番組とのスクープ合戦に子どもを利用していて憤りを覚えた。このことにより、取材を受けた児童が、今後いじめを受けるおそれや、心の傷となるかもしれないことなどを考えれば、大人の勝手な都合を重視した、配慮に欠けた行為だと思う。

  • 「ある男性が連日連夜、隣家の住人を大声で罵倒」というご近所トラブルを取り上げていた。男性はいったん逮捕されたが数ヵ月後に釈放され、番組ディレクターの取材に応じて、これまでの隣家とのいきさつなどを語った。その際、ディレクターの「理由はどうであれ、罵倒するのは良くない。もうやめてくださいね」の言葉にも素直に応じていた。ところが、彼はまた同じトラブルを起こして再度逮捕される。その際、証拠映像を撮るよう隣家にアドバイスし、実際にカメラを設置したのは番組スタッフである。ディレクターが「もうやめて」と諭していた言葉と矛盾する。再びトラブルがあることを期待しての番組作りだったのか。見終わって疑問だけが残った。

  • 昼の番組の「ジャーナリスト10人と報道の自由を語る」というテーマは、とても魅力的だった。しかし、出演したジャーナリストが全員保守系で、政権寄りの人達だった。そのため、活発な意見が飛び交い論戦が展開されるということもなく、皆で同じ方向を向いて気勢を上げることに終始した。せっかくのテーマとコンセプトが生かされず残念だ。出演者を選ぶ際、同数とまではいかなくとも、せめて一人か二人、リベラル系の人達を加えるべきだ。

  • 各局とも夕方や午後11時台に、似たようなニュース・情報番組を放送している。取り上げる内容も時間帯もほぼ一緒で、チャンネルを替えても変わりばえがしない。最近、テレビそのものを見たくないと思うことが増えた。ネットが普及し、安易に情報を得ることのできる現代、このような思いを抱く人間はほかにもいるのではないか。

  • 夜11時代の番組は、報道番組でありながらアットホームな雰囲気があり、軽すぎず見やすい。お硬い報道番組の中にこのような番組が一つぐらいあってもよいと思う。特に、ツイッターで集めた意見をリアルタイムで放送するのはユニークだ。ただ、取り上げられるツイートには、政治的・思想的な偏りが見られるもの、内容が薄いものや低俗なものもある。偏りがあることは報道番組として致命的だと思う。寄せられたツイートの意見の比率が忠実であれば良いが、ツイッター上で確認するかぎり、賛成意見が多い場合でも、表示されるツイートは反対意見のほうが多い、といったことがある。最近では、関西の学園の件で、民進党議員との関係性を指摘するツイートが相当数あったにもかかわらず、一つも取り上げられなかった。取り組み自体は、ニュースを見るだけでは得られない、多種多様な意見を知ることができる面白いものだと思うので、一層ブラッシュアップして今後も続けてほしい。

  • プレゼント応募をしようとしたら、どこかの会社へ登録しないと応募できない仕組みだった。いろいろと登録したくないのであきらめたが、本来であれば、番組中に説明するのが一番よいと思う。せっかく番組を最後まで見て、さあ応募というところで、登録が必要だとは、時間を無駄にしてしまった。それなら「プレゼントには登録が必要です」と番組中に知らせるべきだ。登録しなければ応募できないと分かっていたら、やめる人も多数いるから、あえてそれは伏せていると容易に推測できる。こういった手法がよくとられているので、どうにかしてほしい。

【ラジオ】

  • 午後3時台だったと思うが、FMで"ピンクリボンフェスタ"を伝える特集番組を放送していた。私は、乳がんを経験して現在もつらい状況にあるため、この番組に元気をもらえるかと大いに期待していた。ところが、聞き始めると、ゲストの女性芸人とパーソナリティーの間で酒談議になり、乳がんとは無関係な能天気な話ばかりが続いた。"ピンクリボン"をうたう番組に似つかわしくない成り行きに失望し、悲しい気持ちになり途中でラジオを消した。番組の趣旨は一体どうなってしまったのだろう。

【CM】

  • 清涼飲料水のCMで、トランペットを演奏している後ろから友人がぶつかってくる描写が、危険だからと放送が打ち切りになったというニュースを見た。確かに危険だが、最近はインターネット上で問題視されたからと、たやすく打ち切りや内容変更になる事例がよく見受けられる。打ち切りまではいかなくとも、クレームを気にするあまり「CM上の演出です」「このあとスタッフが美味しく頂きました」などといった興ざめなテロップを表示させざるを得ないこともある。番組やCM制作には莫大な費用がかかる。クレームを恐れ、打ち切りや内容変更を考えるのは、昨今の番組がつまらなくなっている理由にもつながっていると思う。負けずと毅然とした態度で制作をお願いしたい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、体の一部から木のようなものが生えてくる病気にかかった人の映像を紹介していた。いずれもモザイク処理されていなかった。番宣でもこの映像が使われていて子どもが見てショックを受け、トラウマになったようだ。"見世物小屋"のような感じがして不愉快だ。

  • バラエティー番組で、複数回の美容整形手術に失敗した女性の画像が"どアップ"で映し出された。瞬間的に出たのでテレビを消して回避する余裕すらなかった。私もとても気持ち悪くなり吐き気がしたのだが、何よりも3歳の娘も直視してしまい、それから怖がって泣きじゃくっている。

  • バラエティー番組で、女性タレントが、氷の張る湖に入れられるなど体を張った遊びをやらされていて気の毒だ。一歩間違えれば心臓麻痺などの事故を起こしかねない。また、男性の芸人が、張られたロープの上を高速で突っ走るペットボトルをお尻で止めるゲームをやらされていた。大きな衝撃を受けたはずだ。これらの場面を見た子ども達が影響を受けて、友達に対して似たようなことをやらせる可能性もある。

  • バラエティー番組で女子中高生が、援助交際をしている実態を話しているが「みんなやっているから」と男性タレントが連呼している。来日外国人が見たらどう思うか、日本の子どもは全員売春婦だと認識する構図となっている。みんなやっている訳がなく、「みんな」という表現は不適切だ。

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • 素っ裸にお盆一枚で局部を隠す裸芸をしているが、公共の電波を使って裸芸は問題がないのか。子どもの教育にも悪影響があると考えるので今後、テレビに出演させないでほしい。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、ローションを塗って階段を駆け上がるゲームは、とても危険だと感じた。転んで打ちどころが悪ければ下半身不随や骨折など大けがをする。学校で、子ども達が真似をしないか心配だ。人を蹴落とすシーンもあり、いじめを誘発しかねない。番組にもモラルと配慮を求めたい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組について、極めてわいせつな内容だった。アニメ作品のため、子どもが間違えて見てしまう可能性がある。この番組に限らず、あまりに性的に過激な内容のアニメ番組の放送は、テレビ局、制作者に考えを改めてもらい、控えてもらいたい。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • スペシャルドラマで、殺人・暴力・自殺のシーンがリアルに出てくる。小学生・中学生も見ている時間帯であり、なぜこのような番組を放送して良いのか、倫理はどのようになっているのか、理解できない。なぜこのように暴力だけを放送するのだろうか。まるで殺人を助長しているようだ。

  • 何故、サスペンスや殺人ドラマの宣伝は人が殺されるシーンになるのか。サスペンスや殺人ドラマを放送するのはいいが、宣伝の内容を考えてほしい。人が刺される、飛び降りて血を流して死ぬシーンを子どもが見ている。