第272回

第272回-2024年10月22日

視聴者からの意見について…など

2024年10月22日、第272回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、8人の委員全員が出席しました。
9月後半から10月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
10月の中高生モニター報告のテーマは「最近見たバラエティー番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年10月22日(火)午後4時00分~午後7時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

9月後半から10月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
男性アイドルグループの冠バラエティー番組で、メンバー各自が選んだ服を着て、タレントでモデルの女性審査員らが判定する企画について、視聴者から「審査員の批評が、批評というより悪口や暴言で聞くに堪えないものだった。男性メンバーの人権を侵害する発言もあった」などの意見が寄せられました。
担当委員は「(女性審査員の発言は)必ずしも一方的になされていたものではなく、誹謗(ひぼう)中傷やいじめにつながるものがあるとは思えなかった。あくまで『毒舌キャラ』として仕込まれての発言だというのは、(番組を)見ていてよくわかった」と述べ、この企画に問題はないとしました。別の委員は「2000年代後半くらいから、男性アイドルグループが『お笑い』の領域に本格的に進出してきた。するとアイドルのファン層は、従来の芸人がやる『お笑い』とはやや異なる反応を示すことが見て取れるようになった」と説明しました。
ボーイズラブをテーマにした深夜の連続ドラマで、主人公が子ども時代を回想する際、性暴力とみられるシーンがあったことに視聴者から「番組クレジットに『インティマシー・コーディネーター(注:映画やテレビなどで、俳優らの身体的接触やヌードなどが登場するシーンにおいて、演者側と演出側の意向を調整する職種)』などの名前はなく、子役の男児の精神的ケアが適切に行われたか大変疑わしい」との意見がありました。
担当委員は「いずれも過去の辛い経験が現在の自分に繋がっていることを表す回想シーンであり性暴力を肯定する内容ではなかった。子役の前で成人男性がズボンを下すシーンでは、子役の視線がずっと上を向いて視界に入らないように、別のシーンではやや年長の子役に成人女性が着衣のまま抱きついていたが、そこでとどめているなど、(制作側の)一定の配慮はうかがえた。しかし(視聴者意見にあるように)このような場面で本来は精神的ケアをする専門スタッフを入れて制作すべきであって、そうした視点が非常に大事だと思う」と報告しました。
ある委員は「成人男性がズボンを下すシーンは、映画であれば(男性俳優と子役を)別々のカットで撮影すると思う。(テレビでは)微妙なラインだといえるのではないか」と指摘しました。ほかの委員は「現段階ではインティマシー・コーディネーターの必要性など十分な検討がされているのか不明なことも多く、青少年・未成年者が暴力シーンや性的なシーンに出演する際にどのようなケアが必要なのかということを、委員会の中でもう少し問題整理した上でテレビ局やドラマ制作者との認識の共有を図ったほうがよいのではないか」と提案しました。
この問題は委員会として今後も議論を続けることになりましたが、このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むことはありませんでした。

中高生モニター報告について

10月のテーマは「最近見たバラエティー番組について」で、合わせて22番組への報告がありました。
複数のモニターが取り上げた番組は『それSnow Manにやらせて下さい』『マツコの知らない世界』(いずれもTBSテレビ)、『世界の果てまでイッテQ!』『THE突破ファイル』『月曜から夜ふかし』(いずれも日本テレビ)の5つです。
「自由記述」には番組全般に対する要望が多くありました。
また「青少年へのおすすめ番組」では『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)に8人から、『拝啓 十五の君へ ~30歳になった私からのメッセージ~』(NHK総合)に7人から、『ちびまるこちゃん』(フジテレビ)と『Aぇ!!!!!!ゐこ』(毎日放送)にそれぞれ2人から、感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 『阿佐ヶ谷アパートメント』(NHK Eテレ)
    冒頭の“ゆる~い競技”がとてもおもしろかったです。迫力はないもののシュールで、出演者のトークも温かくおもしろかったです。また競技の難易度を下げることで放送内容が身近に感じられたのも良かったです。“憧れのスゴ技”で“バク転”がありましたが、運動が苦手なタブレット純さんが成功に近い体験をしたことで、僕も「やってみたいな」と強く思いました。(高校2年・男子・神奈川)

  • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)
    • 「大型ファッションショーでコーデ対決」回の審査員の声は、女性目線としては納得いくと思うが辛らつな言葉も多かった。それがテレビの醍醐味であって面白くなる要素でもあるが、人間性を否定する言葉は言われた人も視聴者も傷つくため改善してほしい。また審査員が5人もいるなら一斉に「○」「×」のボタンを押して評価すべきだと思った。藤田ニコルさんがトップバッターの重圧で毎回辛そうにしていたのが感じ取れたし、辛口コメントも1番取り上げられて、ファンの批難の矛先が向けられやすくなってしまう事に納得がいかなかった。(中学2年・女子・埼玉)
    • 「ダンス対決」はこれまで知らなかった曲に出会うことがあり、個性豊かな出演者の踊りを見るのはとても楽しいです。テレビの前で一緒に踊ったりリズムに乗ったりできるので、番組に飛び込んだような気持ちで視聴できます。合間にミニゲームを入れたり、メンバーをシャフルしてダンスコラボしたりすると、もっと見やすくなると思います。(中学3年・女子・長崎)
  • 『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)
    「道の駅の世界」の放送回では食べ物が多く紹介されていて、マツコさんが非常においしそうに食べるので、見ている私もおなかが空きました。番組のテンポが良く、所々で挟まれる雑学など日常生活でためになるような内容も多くて、毎週見ていても飽きません。これからも続いてほしいです。(中学3年・男子・千葉)

  • 『ワールド極限ミステリー』(TBSテレビ)
    芸能人による救出劇の話題では再現VTRで当時の状況を伝え、イラストなどで人命救助の適切な対処法も紹介していた。楽しみながら多くの知識を得られて、見る価値のある番組だと思った。またこのようなクオリティーの高い再現VTRやイラストを利用して、緊急時や災害などでの対処法を子どもでもわかるように表現するのも良いと思う。(高校1年・男子・長崎)

  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    • 20~30代の出演者は少ないが、若い世代が必ず知っている番組であり続けていることがすごいと思う。番組スタッフやロケで訪れる現地の人たちの様子も映していて、親近感があり気軽に見ることができる。また世界各地の観光地や伝統、言葉を紹介しているので、楽しみながら知識を増やすこともできる。(中学1年・女子・鹿児島)
    • 4年ぶりに手越祐也さんが出演し、イタリアで行われた「立ち漕ぎボートレース」に参加していました。ボートから川に落ちる瞬間に「イェーイ!」というナレーションを聞くことができて、4年前と変わらず懐かしいなと思いながら家族で番組を見て盛り上がりました。(高校3年・女子・栃木)
    • 手越祐也さん復帰の回は、4年前当時のテロップが使われていたりメンバーが涙ながらに復帰を祝っていたりして、出演者や番組スタッフの愛が伝わってきました。また放送後に学校で、普段あまりテレビを視聴しない友達から「久々にテレビの時間に合わせて家族みんなでご飯食べた」と言われました。テレビやラジオが家族団らんの大きなきっかけになっていることを、2024年のいま感じることができてとても幸せでした。(高校3年・女子・奈良)
  • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)
    • 「その時どうすればいいのか」を楽しくクイズ形式で紹介していて面白い。麻薬の密輸がどのような手口で行われるのかは見ていてハラハラドキドキした。日常のちょっと困った時に使える豆知識的なコーナーはもっと増やしてほしい。(中学1年・男子・山形)
    • 昔からとても好きでよく視聴しています。出演者の名回答、珍回答がユニークでいつも笑わせられています。身近にあっても知らないことをクイズ形式で回答するスタイルは、多くの人が楽しめると思います。(高校2年・男子・山口)
  • 『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)
    • 唯一、毎週欠かさず見ているバラエティー番組です。インタビューテーマの選定がとても巧妙で、素材を活かす技術の高さや話の引き出し方の上手さ、特定のテーマに絞らないところが強みだと思います。視聴者を飽きさせない工夫がされていて、いつまでも続いてほしい番組です。(中学3年・女子・東京)
    • ツッコミが的確で思わず笑ってしまいました。最近は学校で疲れてしまうことが多かったのですが、そんなことも忘れてしまうくらい楽しかったです。ただ家族と視聴している時、少し過激な表現に空気が凍る時があるので、もう少し控えてほしいとも思います。インタビューを受ける機会が多くある都会は本当に羨ましいです。面白い回答ができる自信はありませんが、私もインタビューを受けてみたいです。(高校1年・女子・岐阜)
  • 『ニノさんとあそぼ』(日本テレビ)
    とにかく「おもしろい」の一言です。バラエティー番組の罰ゲームは最近“痛い系”が多いですが、この番組のように“編集での罰ゲーム”の方が普通に面白いです。家族団らんの時間なので罰ゲームにも配慮してほしいです。また最後のゲストは阿部詩さんでしたが、アスリートは減多にバラエティー番組に出ないので尺が長い方が視聴者的には面白いと思います。(中学2年・男子・東京)

  • 『日テレ系「クイズフェスティバル2024秋」~豪華芸能人が平成の名物クイズに挑戦SP~』(日本テレビ)
    人気俳優・タレントが“おバカな回答”を連発していて、久しぶりに腹を抱えて笑った。最近は知識量を問うばかりのクイズ番組が多く、“おバカ”が光るクイズ番組が少ないと感じている。『クイズ!ヘキサゴン』(フジテレビ)など平成に放送されていたものを視聴したいので、春・夏・秋・冬のドラマが始まる時に制作してほしい。(高校2年・女子・青森)

  • 『世界頂グルメ』(日本テレビ)
    ベトナムが「日本と比べて激安」と紹介されていたためか、画面にはひたすら「日本円で170円」「水1.5Lで60円」などと表記されていたが、現地通貨でも表記する方がいいと思う。なぜなら為替で価格は変わるし、なによりも現地を尊敬することにつながると思うからだ。“激安”と表記すると“安いから行く”ことを助長してしまうと思うが、海外に行くときは相手国を尊重していないと大変失礼だと思う。いま日本に来ている旅行者たちにも、日本での様々な支払いが安いからという理由で来てほしくないと、僕は思う。(高校3年・男子・東京)

  • 『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ)
    少し前に放送された番組とコラボしていて、面白そうだと思い視聴しました。テロップやイラストがなかったり、いつもは見えない「VTR開始まであと〇秒」が見えたりして新鮮でした。(高校3年・女子・熊本)

  • 『帰れマンデー見っけ隊!!』(テレビ朝日)
    サンドウィッチマンの伊達みきおさんが自分自身や家族にお土産を買う姿に親近感を覚えた。また女優の菜々緒さんも役柄できついイメージがあったが、とても前向きで協調性もあり優しい人柄だと思った。バラエティーは芸能人の素顔の魅力を再発見できる。(中学2年・女子・秋田)

  • 『ザワつく!金曜日』(テレビ朝日)
    昭和の歌謡曲やニュース、道具などが紹介される時があり、とても興味深く勉強になります。最近はクイズ企画が多く、出演者の生活や人間関係を垣間みることができるトークが好きな私としては少し物足りないと感じています。トーク中心で出演者の個性が際立つ番組が見たいです。(高校1年・女子・愛知)

  • 『ネプリーグ』(フジテレビ)
    解きやすいクイズが多くて見続けやすいと思った。難しいクイズや補足情報は現役の塾講師が説明を加えていてためになった。一番好きなのは、塾の社会科の講師が優勝者への賞品についてプレゼンするところだ。視聴者も詳細な情報を知って買ってみたいと考えると思う。(高校2年・女子・東京)

  • 『この世界は1(ワン)ダフル』(フジテレビ)
    ナンバー1だけを紹介するバラエティーはこの番組だけだと思うし、どれもドラマのような話で楽しかった。俳優さんは力が入りすぎていて、そんなギャップもおもしろかった。(中学1年・女子・神奈川)

  • 『ポケモンとどこいく!?』(テレビ東京)
    最近は声優が顔出し出演していることが多く、僕はアニメを見てどの声優かを当てたりするのでうれしい。声優のアフレコを見て他の出演者が「セリフを言うとき表情が変わる」と言っていたが、小学生の頃に音読で「気持ちを込めて」と言われたこととつながった気がした。(中学3年・男子・東京)

  • 『芸能人格付けチェック』(朝日放送テレビ)
    視聴するたびに独創的なチェックを用意していて飽きることがない。弦楽器やロックバンドの見極めでは、プロと大学生・プロと小学生といったように年齢差があってユニークだと思った。格付けマスターが不正解の部屋にわざと入るモーションもいつもより多くて良かった。また昔はGACKTさんが正解を出し続けていたが、今のように全員が平等に正解したり間違えたりを繰り返すほうが良いと思った。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『まいど!ジャーニィ~』(BSフジ)
    9月22日の放送回には外部ゲストがいなかったので、MCのメンバーやみんながラフにやっている感じが伝わってきてとても面白かったです。また8月の夏休み特別編では外ロケをしていましたが、定期的に外ロケの企画を放送してほしいです。(中学3年・女子・神奈川)

【自由記述】

  • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)のファッションショー企画で、出演したタレントが視聴者に向けて後日、「いつになったらバラエティーを見るリテラシーが育つの?」と苦言を呈していた。そのような言葉をタレントに言わせてしまう番組は、改善するべき点があると思う。(高校2年・女子・東京)

  • 『その道のプロが選ぶ本当のNo.1 プロフェッショナルランキング』(TBSテレビ)で、Number-iの平野紫耀さんとDA PUNPのKenzoさんが3位にランクインしているのにも関わらず、その2人だけダンス映像が放送されず不快な気分になりました。ダンスは人によって感じ方が違うものなのでランキングをつけるのは面白くないと思います。(中学3年・女子・神奈川)

  • 私は『24時間テレビ』(日本テレビ)が嫌いです。特に嫌いなのは障がい者に関する特集です。障がい者の実情を伝えて偏見や差別をなくしていくことはとても大切だと思いますが、『24時間テレビ』は障がい者を利用して視聴者の感動を誘っているようにしか見えません。何かに挑戦する企画はわざわざ障がい者でなくてもいいと思います。今のままでは障がい者が見世物になってしまうと思います。(中学3年・女子・東京)

  • 最近は忙しくてテレビやラジオに触れる機会があまりなかったが、バラエティー番組で新ドラマの番宣を多くやっていて、ドラマをいくつか録画した。視聴するのが楽しみだ。(高校1年・男子・兵庫)

  • 僕がドラマ『素晴らしき哉、先生!』(朝日放送)を視聴しなかった理由は、世間では教員が足りず働き方もブラックだと言われているのにこのタイトルが「いかにも先生っていいですよ」と言わんばかりではないか、と感じたからだ。テレビ番組は影響が大きいので、世の中が望むものを制作することもあるのだろうか。(高校3年・男子・東京)

  • 学校の同級生と秋のドラマについて話をした。今期は見たいドラマがあまりなく、各局のおすすめドラマの紹介ページがほしい。(中学2年・女子・埼玉)

  • 最近は原作である漫画や小説があったうえで実写化しているドラマが多いように感じますが、私はオリジナルドラマを見たいです。(高校2年・女子・愛媛)

  • ドラマの劇伴にクラシック音楽が流れていましたが、曲名が分からず改めて聴くことができませんでした。挿入歌や劇伴の曲名をエンドロールや公式サイトに記載してほしいです。(高校1年・女子・愛知)

  • 小中学生が目標や夢に向かってスポーツや資格取得などを頑張る番組を、毎週あるいは毎日放送してほしい。定期的に放送することで、番組を見るたびに「自分も頑張ろう」と思うきっかけになると思う。(中学2年・女子・鳥取)

  • スポーツ番組の解説について、特定の選手やどちらかのチームに偏った解説をするよりも、試合全体を冷静に解説してくれる人が増えるといいなと思います。荒木大輔さんの大リーグ解説は分かりやすく、先月電話で話をした祖母も同じ意見で嬉しかったです。(中学2年・女子・東京)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『拝啓 十五の君へ ~30歳になった私からのメッセージ~』(NHK総合)
    • 自分はいま16歳で、30歳になった時どのような姿なのか想像もできないが、将来に向けた努力は報われることを示唆しているような番組で元気をもらえた。(高校1年・男子・長崎)
    • いま自分には悩みがある。しかし今回出演した大人たちのように、自分が30歳になった頃に「あの時たくさん悩んでよかった」と言えるような大人になりたいと思った。(高校2年・女子・東京)
  • 『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)
    • スタジオでの会話が商品を冷やかすような表現が多く、信憑性に欠けると感じました。商品の良さが伝わりづらく、ウェブ広告以上テレビショッピング未満だと思いました。(中学2年・女子・東京)
    • 珍しい商品や話題の商品を紹介する番組は多くあるけれど、開発に至った経緯や開発者への直撃インタビューなども含めて1つの商品を丁寧に説明しているところが、他の番組にはない特徴だと思います。また闘病中である経済アナリストの森永卓郎さんが出演していて驚きました。アナリスト視点の感想も聞くことができ、時事的な話題をバラエティー感覚で楽しく学べるので、是非今後も視聴していきたいです。(高校3年・女子・熊本)
  • 『ちびまるこちゃん』(フジテレビ)
    『ちびまる子ちゃん』を見ると「明日から学校か」と憂鬱になってしまいますが、心温まるストーリーを毎週家族で楽しみにしています。(高校3年・女子・栃木)

  • 『Aぇ!!!!!!ゐこ』(毎日放送)
    近畿大学の相撲部の特集で、出演者たちが基礎的な練習を体験したときに「一番難しい」とリアクションしたのが意外だった。相撲部のキャプテンは4人で体当たりしても倒れない体幹を持っていてすごさが伝わってきた。「すり足行進」も迫力満点でプロになることはとても大変だと分かった。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『発見!タカトシランド』(北海道文化放送)
    歩いているところからさらっと番組が始まって、さらっと番組名をいうところがめずらしいと思いました。お笑い芸人がMCをしているのでトークがとてもおもしろかったです。(中学1年・女子・神奈川)

  • 『冨永愛の伝統to未来』(BS日本)
    冨永さんの立ち姿は綺麗だと思いましたが、10月の放送にしては服が夏らしくて季節に合わない気がしました。また足が細くて驚きました。収録は暑い夏だったのかなと思いますが、座った作業が多いので肌の露出は避けてズボンの方が良かったと思います。放送時間は短くてあまり苦痛もなく見る事ができました。僕の住んでいる山梨県の伝統文化も紹介してほしいです。(中学1年・男子・山梨)

◆委員のコメント◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)のファッションショー企画についての報告に“バラエティーを見るリテラシー”という言葉があったが、これは大切なテーマだ。そもそも学校現場でのリテラシー教育ではパソコンやSNSの使い方を学ぶのが主流だし、家庭で学ぶのも難しい。番組制作者は、視聴している子どもたちが“バラエティーを見るリテラシー”を持っていないことを前提に番組を放送するべきだと思う。

  • 「バラエティー番組のファッションチェックは辛口でOK」という考えは、先頃亡くなったタレント・ファッション評論家のピーコさんらの影響だと思うが、一定以上の年齢層では暗黙の了解になっているところがある。しかし若い世代はそうは思わないので、世代によって受け止め方は違うのだと思った。

  • 『日テレ系「クイズフェスティバル2024秋」~豪華芸能人が平成の名物クイズに挑戦SP~』(日本テレビ)と『ネプリーグ』(フジテレビ)を視聴した高校2年生のモニター2名がそれぞれ「最近は知識量を問うばかりのクイズ番組が多い」「解きやすいクイズが多く見続けやすい番組だった」と指摘していて、『東大王』(TBSテレビ)的なクイズ番組には2人とも食傷気味なのかという印象を受けた。昨今の中高生モニターは全般的に「ためになる番組」「役に立つ番組」を求める傾向が強いが、受験を控えた高校2年生がそういう年頃なのか、あるいはクイズ番組の潮目が変わりつつあるのか、今後も注視していきたい。

  • 『この世界は1(ワン)ダフル』(フジテレビ)についての報告があった。最近は学校教育などで運動会の徒競走や通知表がなくなるなど、「競争は必ずしも良くない」という風潮があると感じているが、その中であえてナンバー1を紹介する番組を制作したことは大変良いことだと思う。バドミントンのオグシオペアやバレーボールの大林素子さんの話にもあったが、ナンバー1になるには当然それに相応する努力をしていて、その上での成功体験や喜びを知ることも人生で大切なことだ。

今後の予定について

次回は11月26日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。また、11月28日(木)には鹿児島市内で、鹿児島地区放送局の番組制作者らと意見交換会を行う予定です。

以上

第271回

第271回-2024年9月24日

視聴者からの意見について…など

2024年9月24日、第271回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、欠席の榊原洋一委員長を除く7人の委員が出席しました。進行は吉永副委員長が代行しました。
7月後半から9月前半までの2カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
9月の中高生モニター報告のテーマは「終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年9月24日(火)午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

7月後半から9月前半までの2カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
バラエティー番組で、新型コロナが猛威を振るっていた当時にテレビのロケ現場で行われていた厳格な感染対策を揶揄(やゆ)するドッキリ企画を放送したところ、肯定的・好意的な意見も一部あったものの、多くの視聴者から「『感染対策は不要だ』『感染対策をする人々を嘲笑してよい』という誤ったメッセージを伝える懸念を感じた」などの批判的な意見が寄せられました。
担当委員は「この企画を放送してはならないとは言わないが、多くの死者が出た問題であるし、医療関係者や持病を持つ人たちに対しては配慮が欠けていたのだろうと思われる」と報告しました。別の委員は「(当時の)日本では、同調圧力の恐ろしさのようなものを感じていた人もいたわけで、それを笑いの手段として持ってきたことにはそれほど違和感を覚えなかった」と述べました。また、「(感染症にかかりやすい)小児がんの子どもたちがいるところなどは、今でも厳しい感染対策を強いられている。そこを揶揄されたと感じれば反発はあるだろう。この企画自体を非常識とは思わないし、実際に(今から振り返るとその当時は)滑稽な情景が国内にもあった。しかし、それを滑稽な状況として(番組の企画で)演出するには時期が早過ぎたのではないか」という意見も出されました。
西日本のある放送局のニュースサイトで、刑事裁判の判決を伝えるなかで性的暴行の被害者である12歳女子児童の供述調書の内容が掲載されたことについて視聴者から、「あまりに詳細に報じている。本人は苦しい思いをして、裁判のために信頼できる人に打ち明けた事柄だろう。裁判(公判)が公開なのは仕方ないが、その内容をメディアが社会にばらまく必要があるのか。まさにセカンドレイプだ」と厳しい批判が寄せられました。
担当委員は「指摘された内容はキー局のニュースサイトにも掲載されていて、いまでも読める」としたうえで、「本人に直接聞いたわけではなく、供述調書の内容というひとつのクッションが入っているので報じたのかもしれないが、(被害時に)12歳といういちばん難しい年ごろだということも考えると、もう少し想像力を働かせて配慮すべきだったのではないか」と説明しました。ある委員は「いま(キー局のサイトを)見ているが、被告人質問での検察官と被告人のやりとりも採録されている。公開の法廷における発言であったとは言え、女子児童にとってはデリケートな内容を含んでおり、こちらも書き過ぎかと感じる。報じるにあたってもうちょっと配慮があってもよかったのではないか」と述べました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

9月のテーマは「終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」で、合わせて13番組への報告があり、複数のモニターが取り上げた番組は6つありました。
「青少年へのおすすめ番組」では『第44回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2024』(日本テレビ)に4人から、『サザエさん』(フジテレビ)に3人から、『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』(NHK総合)と『#8月31日の夜に。』(NHK Eテレ)および『日曜ビッグバラエティ ニッポンの空を守る仕事人【日本全国の空港で激レア映像大公開SP】』(テレビ東京)にそれぞれ2人から、感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

  • 『映像の世紀バタフライエフェクト「オリンピック 聖火と戦火」』(NHK総合)
    パリオリンピック開幕と世界で多くの戦争が起きている現状が重なり、番組タイトルに惹かれた。視聴後はよりオリンピックへの興味が湧いた。開会式には平和・ジェンダー平等などのメッセージを強く込めているように見えたが、同時に他の国で戦争が起こっていることに違和感を覚えた。オリンピックの効果や意義は何かを考える必要があると思った。(高校3年・男子・埼玉)

  • 『NHKスペシャル「原爆 いのちの塔」』(NHK総合)
    • 原爆の悲惨さをネット配信で世界に広めたりして、核廃絶を訴える番組に変えるべきだと思う。中高生を対象とするならYouTubeでも配信するべきだと思う。また僕は臆病で戦争の番組を夜に見るのは怖いので、明るい時間に放送してほしい。(中学2年・男子・東京)
    • 中高生でも分かりやすい表現や言葉で制作され、映画を見ているようでした。ただ資料の字幕が、白い紙の上に白い文字を使用しており、自分は理解できたけれど祖父母の年代だと見づらいと思います。このテーマの番組は世代を超えて同じものを見る必要があるので、字幕の色や大きさは工夫するべきだと思いました。(中学2年・女子・東京)
    • 番組冒頭に火傷で顔がただれてしまった人の写真が映しだされた。その他にもショッキングな映像があったが、ありのままを知ることができて良かったと思う。漫画「はだしのゲン」で私の原爆に対するイメージが形成されていたが、専門家の客観的な見解やドラマ・映像・写真から現実的な迫力を感じた。(高校2年・女子・青森)
  • 『NHKスペシャル「新・ドキュメント太平洋戦争1944 絶望の空の下で」』(NHK総合)
    たくさんの人の手記が登場し、同じ出来事でも色々な人の思いが交錯していたと分かる一方で、主要人物についてはもう少し掘り下げてほしいと思いました。また場面転換が多く少し混乱してしまいました。(高校1年・女子・愛知)

  • 『NHKスペシャル「“一億特攻”への道 ~隊員4000人 生と死の記録~」』(NHK総合)
    • 私は終戦間際に原子爆弾の被害に遭った長崎で生まれ育ち、平和学習を重ねてきました。社会科の授業で「平和を語り継ぐとき、厳しい表現で伝えるべきか」が話題になったとき、私は「戦争は生ぬるいものではないし、実際に心身ともに傷ついた方も大勢いらっしゃるので、厳しい表現のほうが戦争の実情を知ることができる」と思っていましたが、番組を視聴して考えが変わりました。番組には戦時中の映像やラジオ音声がそのまま使われており、心が痛んだり目を背けてしまったりすることもあり、向き合いたくても向き合いづらい部分もあるのではないかと思いました。戦争の伝え方は、今後考えていきたいことの一つになりました。(中学3年・女子・長崎)
    • 上層部にとって若者兵はあくまでも駒の1つでしかなかったことが伝わってきた。この上層部の態度には強い憤りを感じたが、一億特攻という思想に対して国民のだれも違和感を抱かなかった当時の環境に我々は目を向け、日本人特有の同調圧力といった性質を反省するべきだと思う。(高校1年・男子・兵庫)
    • 特攻を支えていたのは日本人の「精神」であり、アメリカの「数」に対して「精神力」で対抗するのだという意識だったと番組で紹介していて、日本に昔からある「武士道」と似ていると思いました。(高校2年・男子・神奈川)
    • 特攻隊員の紹介が「10月30日、1機目は18歳の加藤さんで、2機目は廣田さん…」「一番端に写っているのが兄…」と、今まで見たことのある映像とは全く違う重いものだった。戦死した人にも人生があったし家族もいて、その一人ひとりに焦点を当てていて余計に心に刺さった。今までこんなにテレビ番組を見るのが辛いと思ったことはないくらいだった。同じ映像でも切り口によって見ている人には違う捉え方になる。これから新しい映像や資料は出てこないだろうけれど、切り口を変えることで後世に響く番組を作ることはできるのだと思った。(高校3年・男子・東京)
  • 『NHKスペシャル「“最後の一人を殺すまで”~サイパン戦 発掘・米軍録音記録~」』(NHK総合)
    戦争の映像を見たことはあったが、今までと違ってずっと重い気分になる番組だった。なぜかというと個人名や肉声があったからだと思う。人が亡くなるニュースは人数で表されるが、一人ひとりにそれまでの人生がある。自分は今までリアルとして捉えていなかったのだと思った。(中学3年・男子・東京)

  • 『クローズアップ現代「終わらない戦争(2) “生きていることが疎ましい” 知られざる戦渦の中絶」』(NHK総合)
    中絶手術は麻酔なしで行われ悲鳴が上がったという相馬医師の手記はとてもリアルで、女性の辛い気持ちが痛いほど胸に刺さりました。戦争にはいろいろな顔があるけれど実は全然知らないので、もっと子どもたちにも教えていくべきだと思いました。戦争系の映像はショックすぎて昨今ではあまり流されませんが、このような戦争があってたくさんの過ちがあり苦しんだ人が大勢いる、その人達がつかみ取った自由の中で今私たちが生きている、という事を忘れてはいけないと思いました。(高校3年・女子・奈良)

  • 『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』(NHK総合)
    • タイトルから内容を想像しやすかったです。また主人公と私の年齢が近いので、抱えている悩みに共感しやすかったです。戦争の話はテレビでは聞き飽きたけれど、語り部の話を私も聞いてみたいと思いました。(中学2年・女子・秋田)
    • 私が小学生の時に、戦争について小学校に話をしに来てくれた人がいたが、当時はまだ第二次世界大戦について習っておらず詳細な話の内容も覚えていなかったから、今回ドラマという形でもう1回聞くことができてよかった。ドラマの公演会前の物語部分をもう少し短くした方が、集中して見ることができるなと思った。(高校2年・女子・東京)
  • 『つなぐ、つながるSP 科学が変えた戦争1945⇒2024』(TBSテレビ)
    • 実際に原爆が落とされた映像を見て、こんなにも一瞬で町が変わってしまうのだと思った。昔は飛行機のような形だったけれど、今は小さなドローンが人の命を奪ってしまうことに驚いた。(中学2年・女子・鳥取)
    • 罪のない人達が次々と殺されていき、それでもまだ核を使い続けていることが許せないと思いました。私は戦争をすべきではないと思うし、憲法9条の改正に反対です。改正されると日本も戦争に参加することになり、多くの犠牲者を出して同じ過ちを繰り返してしまうかもしれません。いま世界で戦争が続いているので、この問題をもっと真剣に考えるべきだと思います。(高校1年・女子・岐阜)
  • 『徹子の部屋 「戦争」を忘れない~櫻井翔が聞く黒柳徹子の記憶~』(テレビ朝日)
    黒柳徹子さんが戦争についてゲストに話を聞いた過去のシーンが流れました。30~40年前まで芸能人の中にも当たり前に戦争体験者がいたなんて想像もつきませんでした。淡谷のり子さんの特攻隊のエピソードに黒柳さんも涙している姿が一番印象的でした。過去の映像を見ながら戦争を振り返ることができるのも長寿番組だからこそだと思います。(高校3年・女子・熊本)

  • 『池上彰の戦争を考えるSP2024 ~なぜ、世界から戦争はなくならないのか~』(テレビ東京)
    • どんな理由があろうと戦争は起こしてはいけないものだと思いました。また原爆の被害は、当たれば死に、生き残ってもつらい後遺症に苦しむ、というひどいものです。日本はただ一つの被爆国として非核三原則を推していかないといけないと思いました。(中学1年・男子・山形)
    • 世界から戦争をなくすためには歴史に学び、それはこの先の戦争の危機を予測し戦争を未然に防ぐことにつながるという池上さんの言葉があった。私の周りにいる大人は「戦争の歴史を学びなさい」と言ってはいたが、学んだ後のことまで教えてくれる人はいなかったので、歴史を学ぶことの意味が初めて分かった。(中学1年・女子・鹿児島)
    • 池上彰さんを知っていたので番組を視聴しましたが、私の同級生は池上さんを知らない人が多く、戦争番組には興味がないので1つも見ない人がほとんどです。若者にもっと見てもらった方がいいので、若者に圧倒的な知名度がある人や、中高生がリポートする企画などがあった方がいいと思います。(中学3年・女子・神奈川)
    • 旧日立航空機立川工場変電所の銃痕や現在の防衛省の下にある大本営地下壕跡など、東京都に残る戦争の遺跡を初めて見ました。実際に亡くなった方がいた場所で歴史を述べていて、いつも以上に内容を深く受け止めました。東京裁判についても初めて詳しく知り、もっと学校の授業でも取り上げて深く学ぶべきだと思いました。(高校2年・女子・愛媛)
  • 『託されし人たち ~被爆79年 約束の時~』(テレビ新広島)
    ある家族伝承者の「あの時に聞いておけば良かった、と思うことだらけ」という言葉に、記憶を伝承していく尊さと、避けて通れない難しさがあると痛感した。広島市の伝承者養成の取り組みを知り、また元々太平洋戦争に関心があることも相まって、自分もいつか伝承者になりたいという思いが生まれた。被爆地に限らず自分が住む県や他の地域でも、次世代に語り継ぐ人を養成してほしい。(中学2年・女子・埼玉)

【自由記述】

  • 過去のモニターリポートをウェブサイトで読んで、戦争関連のドラマやドキュメンタリー番組が毎年少ないことに気が付きました。私は、NHKは戦争関連の番組を多く放送しており内容も良いと思いましたが、民放の番組は少なくがっかりしました。消えゆく記憶を残すためには全ての放送局が大々的に放送すべきだと思いました。(高校2年・男子・山口)

  • 大量の終戦番組がどのように保管されているのかとても気になります。これまでの貴重なインタビューなどを“再利用”しないと、いずれ終戦番組を放送できなくなる日がくることは必至です。放送局あるいはどこかにまとめて保管されているのでしょうか。(中学3年・男子・千葉)

  • インターネットの検索サイトで『火垂るの墓』と入力すると、予測変換ワードの一番上に「放送禁止」の言葉が出てくる。子どものうちからアニメーションで戦争について学ぶのは大切だと思うので、ぜひ8月の上旬に放送してほしい。(高校2年・女子・青森)

  • 特に民放のニュース番組で、SNSでバズった記事や投稿を返信(リポストやコメント)つきで紹介するコーナーが最近増えているように思う。SNS上での返信には多くの考え方がありインタビューなどより気軽に取得できるが、テレビよりも身近な立場の人がいることで、自分の考えが知らないうちにコントロールされているような感覚になり怖く感じる。(中学2年・男子・東京)

  • ラジオはコーナーを決めて放送しているけれど、3カ月に1回くらい、いつものコーナーではなくフリートークだけを放送してほしい。ファンは特別感があって嬉しいし、新しいリスナーも番組や出演者について知ることができていいと思う。(中学2年・女子・鳥取)

  • テレビから得られる情報はフェイクニュースがなく信用されているので、テレビ局がニュースをSNSに投稿してほしい。(高校1年・男子・長崎)

  • 7月に報告したラジオ番組『又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間』のテレビ版(NHK総合)を視聴した。「親近感がわくラジオ放送」が実現できているのは、1つの机を囲んで3人が座っているからだと思った。テレビ番組を見た後に、この時収録されていたラジオを再び聴くと、3人が話しているところが想像できてとても面白かった。(高校1年・男子・兵庫)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』(NHK総合)
    年を取った田中さんと少年がだんだんと仲を深めていく様子を見て心が温まりました。最近、子どもの騒音問題を度々耳にしますが、田中さんと少年のような関係が築ければいいのになあと思いました。(中学3年・女子・東京)

  • 『#8月31日の夜に。』(NHK Eテレ)
    自分と同世代が「死にたい」「生きるのがつらい」と投稿していて驚いた。曲紹介中に都内のLIVE映像があり、「今同じ月を見ている仲間がいる」と思えることで救われるし、同じ時間を生きていることが分かる方法は良いと思った。こんな番組を見たのは初めてだったので来年も見てみようと思う。(高校3年・男子・東京)

  • 『第44回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2024』(日本テレビ)
    • 小田原城や日本一のつり橋でのクイズといった体を張る企画は斬新だと思ったが、クイズ番組の域を超えていてバラエティー色が強すぎた。数少ない人気のクイズ番組なので、今まで通りクイズに特化した番組構成でよかったと思う。(高校1年・男子・兵庫)
    • 1年に1回のこの番組をとても楽しみにしていました。長時間のクイズ番組を見る同世代は少ないと思うので、SixTONESが出演することで若者の視聴率が上がればいいなと思います。途中の体力を使う場面では男性と女性の体力の差を感じ、クイズ番組で必要な演出だったのかについて疑問が残っています。(高校3年・女子・奈良)
  • 『サザエさん』(フジテレビ)
    オープニングで福井県が紹介されていて、自分の住んでいるところが紹介されたら嬉しいだろうなと思った。『ワカメ夢の二階家』ではワカメが「お兄ちゃん(カツオ)とHさん(花沢さん)は結婚するには成績が釣り合わない」と言っていた。はっきり口にするのは違和感があるし、小さい子どもに“結婚の釣り合いの基準になる”と伝えるべきではないと気になった。(中学3年・男子・東京)

  • 『日曜ビッグバラエティ ニッポンの空を守る仕事人【日本全国の空港で激レア映像大公開SP】』(テレビ東京)
    聞いたことがない言葉が沢山出てきたけれど、その都度詳しく紹介していて分かりやすかった。特に税関の仕事が面白かった。今年の1月に飛行機が炎上する事故があったので、今回のような番組を見ると少しでも安心して乗ることができると思う。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『与次郎駅伝』(秋田テレビ)
    小学生や会社チームの団結がすごかったです。いつもの街並みが、駅伝になると華やかで活気にあふれていてよかったです。(中学2年・女子・秋田)

  • 『新 窓をあけて九州「いのちのバトン」』(長崎放送)
    長崎県諫早市では年間三千頭ほどの猪が駆逐され皮が捨てられるが、それを革小物にしようとする考えがすごいと思った。「命をつなぎたい」という思いを胸に手作業で作っており、尊敬できる働き方だと思った。(高校1年・男子・長崎)

  • 『ナマ・イキVOICE』(鹿児島テレビ放送)
    鹿児島県内の店だけを紹介しているので、気になる店を見つけたときに行きやすい。出演者の移動や実際に食べる姿を見て、自分も食べに行っている気分になれるのが良かった。(中学1年・女子・鹿児島)

  • 『DRAMATIC BASEBALL 2024 巨人 VS 阪神』(BS日本)
    「巨人対阪神の伝統の一戦」とアナウンサーが言っていた。どういう意味なのか分からなかったので調べたら、主にマスコミが対阪神タイガース戦をこう表現していることが分かった。他のチームでは“伝統の一戦”と表現しないので興味深かった。またピッチャーの名前の下に“防御率”“勝”が表示されていたが、野球を知らない人でも楽しめるように分かりやすい説明があると嬉しい。(中学1年・男子・山梨)

◆委員のコメント◆

【終戦・戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

  • 中学3年生から「厳しい表現では戦争について知ることを避けてしまう人も多くなるので、よりたくさんの人が知るようにもっと優しい表現にするべきだという議論が社会科の授業であった」と報告があった。ドラマや映画ではかなり凄惨なシーンもあるが、ドキュメンタリーの“現実”としての凄惨なシーンは「見たくない」という声が多くなっていると思う。

  • 『NHKスペシャル「“一億特攻”への道 ~隊員4000人 生と死の記録~」』(NHK総合)で特攻隊員の年齢や実名とともにその人生を取り上げていたのは、視聴した高校3年生にとって大きなインパクトがあったようだ。特攻隊員が本当に生きていたことや、戦争の悲惨さを実感できたのだと思う。

  • 『池上彰の戦争を考えるSP2024 ~なぜ、世界から戦争はなくならないのか~』(テレビ東京)のように、歴史を学んで今後の危機を予測したり現在のウクライナでの戦争と比較したりするなど、現代との連続性を強調する番組は若い視聴者からすると取っつきやすいのだろう。一方で『NHKスペシャル「“一億特攻”への道 ~隊員4000人 生と死の記録~」』(NHK総合)のように歴史の検証にしっかり焦点を当てた番組は若者が我が事として捉えにくいという面は否めないのかなと、リポート全体を通して思った。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『#8月31日の夜に。』(NHK Eテレ)について。「9月1日は子どもの自殺が多い」と報道されることがよくあるが、これは1977年~2017年までのデータで、最近のデータは反映されていない。この番組は危機感を煽るような趣旨の番組ではないが、自分が番組制作者と議論するときには「ことさらに“9月1日は~”と煽らないでほしい」と伝えるようにしている。

【その他(終戦・戦争関連番組のこれからについて)】

  • 今の中高生は戦争報道に対して「怖い」「嫌だ」「むごい」など拒否する傾向があるようだが、その一方で残酷さを売りにした映像コンテンツ・ゲームなどに触れる機会も多い。若い世代にとってそのバランスはどうなっているのか気になるところだ。

  • 残酷なシーンのあるコンテンツやゲームに日常的に触れている若者は、戦争報道にはそこまでの拒否反応がないのではないか。戦争報道を「怖い」という若者は、普段から残虐なコンテンツに接触していないと思う。

  • アニメで人の首が飛ぶシーンを見るのは平気な若者でも、ドキュメンタリー番組では「ガチなのはやめて」という感覚なのでは。原爆被害者の映像などにもホラー映画のような怖さを感じてしまうのかもしれない。しかしそういった残虐な出来事が戦争では本当に起きるということも、知っておかなければいけないと思う。

  • 残虐な映像を見た若者が心理的に病んでしまう可能性もあるので、そこは十分に気をつけなければならない。

  • 原爆資料館やひめゆり平和祈念資料館などでも、残虐な映像や展示では社会科見学でも来てもらえないといった悩みを抱えていると聞いた。犠牲者一人ひとりの名前を出してリアリティーを伝えるといった形にトレンドが変化しているようだ。

  • 我々が子どもの頃は、学校教育などでも戦時中の惨い映像を見せられてきたが、怖くても目を背けないで見るべきだという思いもあった。しかしそういった残虐な映像は苦手だという視聴者に配慮して戦争関連番組を制作しなければいけないとなれば、戦争の実態を報じるハードルは今後高くなっていくのだろう。もちろん“ガチの死体”や“人が殺される”ということに拒否反応を持つのは正常だ。子どものころに戦争体験者の言葉から想像する戦争はとても恐ろしかったし、残虐な映像がなくても伝えられることもある。これから先、テレビやラジオの表現のなかで、戦争のリアルさや怖さを青少年にどう伝えていくのかは大きな課題であり、考え続けていくべきテーマだと思う。

今後の予定について

次回は10月22日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

第270回

第270回-2024年7月23日

視聴者からの意見について…など

2024年7月23日、第270回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、オンライン参加の1人を含む8人の委員全員が出席しました。
6月後半から7月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
7月の中高生モニター報告のテーマは「最近聴いたラジオ番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年7月23日(火)午後5時00分~午後7時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

6月後半から7月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
関東地方向けの報道情報番組で、公立高校の進学校に男女別学がある埼玉県で共学化に向けた議論が本格化していることを特集。視聴者から「男子校への偏見が強く、男女別学が悪者とされるような取材、報道だった」などの意見がありました。担当委員は「(共学化)推進の立場、反対の立場の双方をバランスよく(番組に)取り入れている印象だった。指摘されるような偏向報道とはいえないだろう」とコメントしました。
世界の興味深い映像を集めたバラエティー番組で、中国で猫が階段の上から向かいの建物の屋根に飛び移ろうとして繰り返し失敗する動画を紹介したところ、視聴者から「動物虐待を助長している」という趣旨の意見が寄せられました。担当委員は「放送された映像だけからは直ちに虐待とはいえない。(当該動画の放送されていない部分を指摘した)ネット動画などを知った視聴者からの批判が集中したのではないだろうか」と報告しました。
トーク・バラエティー番組で、後輩芸人に面と向かって自分の芸風を強く揶揄(やゆ)された先輩芸人が、後輩の頭髪をつかんで押し倒すシーンが3回続いたことに、視聴者から「暴力映像を見せられ、不快だった」などの批判的な意見が寄せられました。担当委員は「先輩芸人は言葉による反論だけでは面白くないと感じて行動に移したものの、2回繰り返して後輩の反応をみて、3回目はとくに自らの行動をセーブした印象だ。1回目と2回目は暴力的に見えるので、(視聴者の)批判が来たことは仕方ないだろう。しかし、3回目も含めてこれらは『芸人同士の芸のうち』ではないかと感じた」と説明しました。
ほかの委員から特段の発言はなく、このほかに大きな議論になる番組もありませんでした。「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

7月のテーマは「最近聴いたラジオ番組について」で、モニター全員から合わせて28番組への報告がありました。聴取方法はリアルタイムが13人、アプリ(radiko、NHKラジオ らじる☆らじる)などを利用したタイムフリーが17人でした。複数のモニターが取り上げた番組は『不二家presents Snow Manの素のまんま』(文化放送)で「出演者が話したいように話していて、友達の会話を盗み聞きしているような気持ちで聴きやすかった。会話が編集されているように感じないのもいいなと思った」「スタッフとメンバーの仲の良さが伝わる、穏やかで平和な番組だ」「もっと双方向の番組にすれば、リスナーとの距離感が近くなってより楽しむことができるのでは」といった声が届いています。
「自由記述」には「通学の時間帯にニュース番組を増やしてほしい」「5分番組だと通学時間に聴きやすい」「クラシックの指揮者は個性豊かでおもしろい人が多いので、出演する番組を制作してほしい」「3時間あまりにわたって野球やサッカー、競馬の中継をするのはやめてほしい」「ラジオの番組表をインターネットなどで手軽に見られるようにしてほしい」などの意見が届いています。
「青少年へのおすすめ番組」では『大追跡グローバルヒストリー』(NHK総合)に6人から、『沼にハマってきいてみた ブレイキン沼』(NHK Eテレ)に4人から、『はじめてのおつかい 笑って泣いて 夏の大冒険スペシャル2024』(日本テレビ)に3人から、『羽鳥慎一モーニングショー 夏のゴールデン3時間スペシャル!』(テレビ朝日)と『Aぇ!!!!!!ゐこ』(毎日放送)、『クラスメイトの女の子、全員好きでした』(読売テレビ放送)にそれぞれ2人から、感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 『さくらひなたロッチの伸びしろラジオ』(NHKラジオ第1)
    初めてラジオを聴きました。テレビとは違い、音声や出演している人のワイワイしている様子がとても楽しかったです。ただ中学生の私は楽しめましたが、弟がいる身からすると小学校中学年くらいにはまだ早い気がします。みんなで楽しめる小さい子向けの番組も作るべきだと思います。(中学1年・男子・山形)

  • 『梶裕貴のラジオ劇場』(NHKラジオ第1)
    声優が出演している番組なので、アニメに関する話が多いと思いました。ラジオドラマもすごく豪華で、また何本も聴くことができて、すごく満足しました。(中学1年・女子・神奈川)

  • 『又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間』(NHKラジオ第1)
    推測できない3人の会話にいつも引き込まれるので“声だけ”のメディアであるラジオの特性を生かしている番組だと感じる。またラジオ番組の良さはパーソナリティーのトークセンスに依存しているので、パーソナリティーが1人の番組は日によって内容の充実度に差があるが、この番組は3人で安定した会話ができていると思う。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『東京03の好きにさせるかッ!』(NHKラジオ第1)
    ゲストのや団と東京03の“芸人仲間特有の仲の良さ”を感じられる番組でした。ゲストの面白い話を、東京03の高いトークスキルや笑い声でより一層明るく楽しい雰囲気にしていたので、自分も聴いていて自然と楽しくなりました。芸人たちの日常の話も聴くことができてとても満足しました。(高校2年・男子・神奈川)

  • 『国語辞典サーフィン』(NHKラジオ第1)
    初めて聴いたラジオ番組。普段使っている言葉を改めて知ることは、知らない言葉を知るより好きだ。またパーソナリティーが2人なので会話形式になっていて、一緒にいる感じがしてよかった。(高校3年・男子・東京)

  • 『朗読』(NHKラジオ第1)
    高校の昼放課(昼休み)に聴くことが多いです。音響効果がついていないので、気が散らず、物語の世界に入り込むことができます。自分が知っている文学作品の朗読も聴いてみたいので、作品をリクエストできる制度があってもいいと思います。(高校1年・女子・愛知)

  • 『ボキャブライダー』(NHK ラジオ第2)
    不特定多数の聴取者に向けて、学生でも社会人でも使えるように例文が作られていた。僕にとってのラジオは車に乗っている時に流れてくるものなので、スペルを言ってくれるのは良いと思う。5分だと通学時間に聴けるのでより良いと思った。(中学3年・男子・東京)

  • 『ベストオブクラシック』(NHK FM)
    私は読書や作業をしながらラジオを聴くことが多いです。『ベストオブクラシック』やニュースを選びます。音だけの情報で演奏を聴いているので、息づかいや強弱が伝わりやすくとても勉強になります。radikoで検索するとクラシック音楽の番組が少ないので、指揮者による音楽番組ができないかなと思いました。指揮者は個性豊かでとてもおもしろい方が多いので、きっと楽しい音楽番組ができると思います。(中学2年・女子・東京)

  • 『なかじまみか ことの葉がたり』(青森放送)
    日曜の午後4時半、休日が終わろうとしている時にゆったりとした時間を味わうことができた。お便り紹介最後の「紹介し忘れているものはないかな」という言葉に、すべてを伝えきりたいという意思が伝わってきた。郷土について歌っている歌を流したり、観光農園のブルーベリー狩りをおすすめしたりと、これこそが地元のラジオだという安心感があった。(高校2年・女子・青森)

  • 『まめだすトーク』(秋田放送)
    私の歌の先生でもある声楽家の齋藤琴美さんと生徒の三浦央典さんが出演していました。史典さんは秋田の人々のお世話になり育ててもらったので、その恩返しをするために秋田で活動していきたいと話していました。都会へ出ていく人が多いのに素晴らしいと思いました。(中学2年・女子・秋田)

  • 『パンサー向井の#ふらっと』(TBSラジオ)
    番組の冒頭で話していたプライベートでの出来事の話が、メッセージ募集のテーマに自然につながっていて、さすが芸人さんだと思いました。テレビと違ってラジオのように声だけのほうが、私たちが日々何気なく交わす雑談のように感じられます。また聴取者の声が番組内で頻繁に取り上げられていて、私も応募してみたいと思いました。(中学3年・女子・東京)

  • 『King & Prince 永瀬廉のRadio GARDEN』(文化放送)
    ラジオを聴いたのは初めてだったのですが、ラジオでしか聴けない永瀬廉の低く落ち着いた声は「もっと聴いていたい」と思うくらい聴きやすかったです。スタッフと話している様子から和気あいあいとした現場なんだと分かって、聴いているこちらまで楽しくなりました。(中学3年・女子・神奈川)

  • 『不二家presents Snow Manの素のまんま』(文化放送)
    • もっと双方向型の番組にすれば、リスナーとの距離感が近くなってより楽しむことができるのではないかと思います。(中学3年・女子・長崎)
    • 出演者が話したいように話していて友達の会話を盗み聞きしているような気持ちになり聴きやすかった。会話が編集されているように感じられず、編集もいいなと思った。(高校2年・女子・東京)
    • 番組の最後にメンバーの食レポがあり「好きな芸能人が食べていたスイーツを私も買ってみようかな」という気になります。(高校3年・女子・栃木)
  • 『レコメン!』(文化放送)
    ボーカルダンスユニットのM!LKは知っていましたが、今回出演した吉田仁人は知りませんでした。でも聴いているうちに吉田仁人のことを知っているような感覚がしてきて、それは普段テレビなどでは感じないような感覚でした。話している人の考え方や感じ方を共有したり、感情を深く読み取ったりできるラジオは、すごく興味深いと思いました。(高校2年・女子・愛媛)

  • 『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)
    トーク系のラジオを初めて聴きました。普段ハキハキ喋るタレントの声が、ラジオではワントーンくらい低く、逆にそれが耳に入ってきやすく気軽に聴くことができました。地声で話しているのが普段の様子に近い感じがして新鮮でした。(高校3年・女子・熊本)

  • 『ももいろクローバーZのSUZUKIハッピー・クローバー!TOP10』(エフエム東京)
    世代を超えてさまざまな曲を知ることができて良かった。最近「Y2K」という2000年代の物や事柄が流行になっているが、昔の曲を流すことで今の若者の間で人気が出て、その曲を知ってもらう機会にもなると思う。(中学1年・女子・鹿児島)

  • 『ONE MORNING』(エフエム東京)
    テレビ番組では取り上げないような少しマニアックなトピックスを、大学の准教授や出版社の副編集長などが紹介したり分かりやすく説明したりしてくれるため、聴いていておもしろい。(高校2年・女子・東京)

  • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)
    多くのインフルエンサーが先生として出演していて、また夜遅くからの放送なので、学校や部活から帰ってきた多くの中高生から大きな支持を受けているなと感じています。掲示板の投稿を読み上げるコーナーでは、先生である出演者が寄り添い本気で相談にのるところが魅力です。学校の先生や親に言えない悩みを気軽に言える場はなかなかないので、これから先もこの番組で救われる中高生は増えると思います。(高校3年・女子・奈良)

  • 『ビジプロ』(InterFM897)
    ゴミ焼却炉や半導体を設計した乙部信吾氏(株式会社LIGHTz代表取締役)を招いていました。radikoで聴いた日にちょうど東京工業高等専門学校の見学に行っており、自分が進みたい進路が見えてきたような気がして、より一層興味が深まりました。ラジオなので想像しながら、よりリアルな風が感じられました。(中学2年・男子・東京)

  • 『Good Luck!Morning!』(エフエムナックファイブ)
    小学校2年生の時から中学校に入るまでこの番組を聴いていました。朝一番に曲を流してくれるため、一日のモチベーションを上げてくれる気がします。またお天気コーナー(6時台)のウェザーニュースの方の解説がとても分かりやすいです。専門用語よりも一般的に使われる言葉が多い印象です。(中学2年・女子・埼玉)

  • 『BAY SIDE FREEWAY』(ベイエフエム)
    1年ほど毎日楽しく聴いています。昨年の夏にお小遣いで買ったラジオで初めて聴いた番組で、爽やかな雰囲気の聴き心地がよく、それ以来今でも聴いています。勉強しながらラジオを聴くことが多く、疾走感のある曲が流れるとやる気が湧きます。パーソナリティーの進行もテンポがよく飽きずに最後まで楽しめます。またリスナーとの距離の近さも魅力で、コンサートのような一体感が楽しめます。高校生になったら自分も番組に投稿してみたいです。(中学3年・男子・千葉)

  • 『ミュートレック』(山梨放送)
    僕はラジオを聴いたことがありません。天気予報や交通情報が多く、集中して1つの番組を聴くのは慣れていないので大変でした。いろいろなジャンルの曲が流れていて新たな発見があると思いました。また、番組が始まってすぐに“かけつけ3曲”となっていて、3曲終了後には番組開始から9分過ぎていました。そこから番組紹介や挨拶が始まりましたが、僕は遅いと感じました。(中学1年・男子・山梨)

  • 『カトリーナの全部全力!』(CBCラジオ)
    30分という短い時間でしたが、内容の濃い番組だなと感じました。アジサイの話題ではおすすめのアプリやきれいな写真の撮り方について話していたので、時間がある時にぜひ実践したいです。(高校1年・女子・岐阜)

  • 『石川家のフフラジ』(山陰放送)
    夫婦のラジオ番組は聴いたことがなかったので、斬新なアイデアだと思った。半分以上はフリートークなので、夫婦ならではの話があって面白い。夫婦の悩みをリスナーが解決したり、夫婦にまつわる数字クイズ(結婚して何年目?相手の身長は何センチ?)を出したりするなど、もっといろいろなコーナーがあってほしい。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『KRY Morning Up』(山口放送)
    毎朝学校へ行く前に30分程度聴いていますが、とてもさわやかで気持ちが良いです。特にオープニングの曲は朝にぴったりで、また高橋裕アナウンサーが、豆知識や山口県内のほっこりしたニュース、おもしろいニュースなどを紹介してくれるので、家を出る前の30分間にぴったりだと思います。リスナーのメールも一人ずつしっかりと読み、その内容についてもきちんと語っているので、とても良いなと思います。(高校2年・男子・山口)

【自由記述】

  • ラジオの番組表を見る機会が少ないので、テレビやインターネットで手軽に見られるようにしたら良いと思う。「注目の番組」だけでもよいので、自分の住んでいる地域以外の番組を放送したり見逃し放送をしたりしてほしい。(高校1年・男子・長崎)

  • ラジオはアプリで聴くことができるが、“アプリを入れさせる”ための工夫をしないとリスナーは減ると思う。サイトで一回だけ聴ける、アプリで他の地域の番組も聴ける、などのサービスを入れると、聴く人も増えるのではないか。(高校2年・女子・東京)

  • 好きな人もいるので一概には言えないが、ラジオで3時間程にわたって、野球やサッカー、競馬の中継をするのはどうにかしてほしいです…。(中学2年・男子・東京)

  • 『きっちりおじさんのてんやわんやクッキング』(BS朝日)をたまたま見たらとても面白かった。普通の料理番組は、作るものが決まっていたり材料があらかじめ計ってあったりするけれど、この番組では自分で作る料理を決めてから道具や材料を買うので、違う面白さがあった。特に買い物のシーンが面白かった。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『あなたの代わりに見てきます!リア突WEST.』(朝日放送テレビ)は外国の知らなかった一面を見ることができてとても面白いです。ゴールデン帯の番組では見ないような編集も、意外性があってとてもよいです。(高校2年・女子・愛媛)

  • 『THE MUSIC DAY』(日本テレビ)にK-popアイドルがたくさん出ていて、日本のアイドルももっと出してほしいと思いました。他国より自国の出演者のほうが少ないのはおかしいと感じました。(中学3年・女子・神奈川)

  • 見逃し配信サイトを使ってドラマを見ていますが、放送から一週間以内の配信期間では少し短いと感じます。せめて二週間くらいは配信してほしいと思います。(高校3年・女子・栃木)

  • 最近バラエティー番組を面白いと思うことが減ったと感じています。食べ物系の話題が多いし、出演者が同じ人ばかりな気もします。規制が厳しく、なんだかなあと思ってしまいます。もっと視聴者を笑わせたい!!という攻めた番組が見たいです。(高校1年・女子・岐阜)

  • 1991年の普賢岳大火砕流で多くのマスコミ関係者が命を落としたと学校の授業で知り、心が痛んだ。災害が起きると現地を取材している映像を今も見るが、どのような対策を行っているのか気になった。(高校1年・女子・愛知)

  • 連日の都知事選についてのニュースでは4人が主に報道されている。56人すべてが真面目に取り組んでいるようには見受けられないが、広く報道してほしいと思った。(高校2年・女子・青森)

  • 東京都知事選挙ではネットのすごさに驚きました。テレビであまり取り上げられていなかった石丸伸二氏やひまそらあかね氏など、ネットで人気のある人が多く得票し、投票率も前回から5%上がったからです。これからテレビよりネットの方が影響力を持っていくのだろうと思いました。(高校2年・男子・山口)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『大追跡グローバルヒストリー』(NHK総合)
    • 本能寺の変によって九州の政治が荒れ、その結果日本人が外国まで行ったという物語の繋がりがとても面白かった。番組で紹介した日本人のうち一人は、恋をしてメキシコに残る決断をしたと知って、昔の日本人は割と自由人だったんだなと感じた。今より過酷な時代だと思うが、羨ましいと思った。(高校3年・男子・埼玉)
    • 日本史を個人の視点で見るこの番組は、戦いで何人死んだとか“数”でしか表されないところにそれぞれの人生があったことが改めてわかり、重く感じた。(高校3年・男子・東京)
  • 『島根マルチバース伝』(NHK総合)
    若者のリアルを見たかったので視聴しました。ハッピーエンドで終わると思いきや、モヤモヤして結論がハッキリしていないところがリアルだなと思いました。島根県出身の佐野史郎が標準語で話していて、せっかくなら出雲弁で話してほしかったと思いました。(中学2年・女子・東京)

  • 『沼にハマってきいてみた ブレイキン沼』(NHK Eテレ)
    • ダンスを踊ったり見たりすることが好きなので、三重高校の部活の練習量やチームワークの図り方などにもスポットを当ててほしかった。中学生になってから忙しくて番組を見ていなかったが、土曜日に放送していると知って見やすくなったと感じた。(中学2年・女子・埼玉)
    • ブレイキンの技の紹介は、今までニュースで少し見たことがある程度の私にとっては純粋な驚きでした。A-popも全く知らなかったので日本のサブカルチャーの進化に驚きました。番組の取材がとても丁寧で、Lil Kongさんの日々の練習や工夫、競技への愛や思いに胸を打たれました。(中学3年・女子・東京)
  • 『氷上の大移動~チベット・天空の村~』(NHK BS)
    投石して羊の群れを制御するなど、知恵を駆使し大量の羊を放牧する姿がかっこよかった。凍った湖の上で羊を移動させるシーンは美しい湖面が幻想的で、自分と同じ年齢の人も羊をかつぐなどの大変な努力をしていて、自分が小さく見えるとともに、彼らの連帯感と責任感に感動した。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『はじめてのおつかい 笑って泣いて 夏の大冒険スペシャル2024』(日本テレビ)
    • 幼いころから見ています。安全面に対する不安が払拭しきれていないなと思いましたが、何かがあった時にすぐに動けるスタッフがいることを視聴者に伝えると安心して見られると思いました。(高校3年・女子・奈良)
    • 「子どもが頑張っていてかわいい」と思う人もいると思うが、子どもの失敗を“かわいい”扱いにしているのはおかしいと思う。子どもの失敗や転んでいる姿を放映するのは、子どものことを考えているのか。よく今まで続いてきたなと思った。(高校2年・女子・東京)
  • 『東大王「東大王VS難関中学!関東名門校SP」』(TBSテレビ)
    中学受験をする人が私の周りにはあまりいないので「さすが東大を目指す人が多い名門中学校の入試だな」と思うと同時に、教育の地域格差についても考えさせられました。(高校2年・女子・愛媛)

  • 『クラスメイトの女の子、全員好きでした』(読売テレビ)
    • 主人公が変な髪形で最初から面白いなぁと思いました。オープニングで登場人物の紹介がありましたが、読んでいる暇もなく終わってしまったので登場人物が把握できませんでした。僕は野球を見るのが好きなので、あるOBの選手のたとえ話が出てきた時、その選手が頭に浮かびました。こういうちょっとした笑いも良かったです。(中学1年・男子・山梨)
    • 面白いだけではなくてさまざまな要素があって予想しづらく、次回がとても楽しみになる内容でした。「ベルマーク1000枚集めたらキスしてあげる」というところに“昭和”や“中学生の恋愛”を感じました。(高校2年・男子・山口)
  • 『発見!仰天!プレミアもん!!!土曜日はダメよ!』(読売テレビ)
    関西ということもあってか笑いを取るのが非常に上手く、46分があっという間に感じられた。誰かを傷つけることなく純粋に笑いを取る。ちょっと大人になると伝わる、ややブラックなユーモアでニコニコ。そんな笑いの「テレビだからできるかたち」がこの番組にあると思う。(中学3年・男子・千葉)

  • 『都知事選開票特番 選挙FLAG』(TOKYO MX)
    56人全ての候補者の公約を紹介していてすごいと思った。都民参加型のパブリックミーティングで、都民が考える「都政の課題」を話していて、おもしろい企画だと思った。(高校2年・女子・東京)

◆委員のコメント◆

【自由記述について】

  • 高校1年生のモニターから「ラジオの番組表を見る機会が少ないので、テレビやインターネットで気軽に見られるようにしたらいい」という意見があった。これはたぶん多くの若者が感じていて、かつ放送を身近に感じるための最大の障害だと思う。テレビにも通じる話だが新聞離れの影響は甚大で、新聞を購読していなくても昔はテレビ情報誌やYahoo!の番組表などは若い人に見られていたと思うが、今の中高生はわざわざYahoo!の番組表にアクセスすることはほとんどないし、そもそもラテ欄は一覧性があってこそ意味があるのにスマホの特性と非常に相性が悪い。画期的な発明が待たれるところだと感じている。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『大追跡グローバルヒストリー』(NHK総合)に関する報告が多く、こういった知的な番組に高い関心があるのだなと思った。

  • 高校2年生のモニターから『はじめてのおつかい 笑って泣いて 夏の大冒険スペシャル2024』(日本テレビ)に関して「子どもの失敗をかわいいという扱いにしているのはおかしいと思う」という報告があった。こども本人の目線での感想を書いてくれていて、とても新鮮だと感じた。

今後の予定について

8月の委員会は休会とし、次回は9月24日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

第269回

第269回-2024年6月25日

視聴者からの意見について…など

2024年6月25日、第269回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、8人の委員全員が出席しました。
5月後半から6月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
6月の中高生モニター報告のテーマは「最近見たドラマについて」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年6月25日(火)午後4時00分~午後7時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

5月後半から6月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
別々のバラエティー番組に、出演者が「鼻フック」で約600キロの軽トラックを引っ張る企画と水をたたえた透明のバケツのなかで息止めの我慢比べをする企画があり、視聴者からそれぞれに批判的な意見が寄せられました。担当委員は「いずれの企画についても(視聴者が)不快感や嫌悪感を抱いたようだ。危険性を懸念する声が多かったが、(特殊な器具を使わないと子どもが)簡単には模倣できるものではないし、危険性についても(制作側が)きちんと計算しているように見受けられた」と報告しました。
夜の報道番組で、高齢者が運転する車に横断歩道ではねられた小学生と相前後して渡っていた6歳女児に、母親付き添いのうえで事故の状況をインタビューし放送したことに、「事故を間近で目撃した女児に話を聞くのは酷ではないか。トラウマになると思う」などの視聴者意見が寄せられました。担当委員は「インタビューの質問に一定の配慮はうかがえたが、事故を目撃した直後だと考えると、『記憶の想起』という懸念は避けられないと思う」と指摘しました。
ある委員は「この女児の発言があって、車が来ていることに気づいた子とそうでない子がいたことがわかった。保護者は『(横断歩道の信号が)青でも、車が突っ込んでくることがあるからね』と注意できるようになる。最低限の報道する意義は保たれていると思った」と述べました。また、「メディアスクラムにならないよう、現場の取材者たちが配慮したとみられる点はよかったと思う」との意見も出されました。
しかし、別の委員は「(事故捜査の必要から)警察が子どもを聴取することがある。(報道機関が子どもに直接取材しないで)警察が事故の経緯を発表すれば十分ではないだろうか」と述べました。この点について委員のひとりは「報道のための一次情報はすごく大事だ。警察を介して二次情報になって出てくるものは『加工』されている場合がある。一次情報の取材と、子どもの保護、とくにトラウマを防ぐこととのバランスを考えるのが大事なのだろうと思う」としました。
このほかには大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

6月のテーマは「最近見たドラマについて」で、28人から合わせて20番組の報告がありました。視聴方法はリアルタイム6人、録画12人、見逃し配信8人、回答なしが2人でした。
「青少年へのおすすめ番組」では『テレビ朝日開局65周年記念 夜の巷を徘徊する 2時間特別編』(テレビ朝日)を最も多い8人が取り上げたほか、『ヴィランの言い分』(NHK Eテレ)、『一流料理人さん!休日食べる激うまメシ教えてください』(テレビ東京)、『ライオンのミライ☆モンスター』(フジテレビ)、『ももいろインフラ―Z』(TOKYO MX)に複数のモニターから感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近見たドラマについて】

  • 『連続テレビ小説「虎に翼」』(NHK総合)
    主人公の猪爪寅子(伊藤沙莉)は生理(月のもの)が重く、それにより寝込むという描写があった。今まであまり触れられてこなかった話題なので驚いたが、共感でき嬉しくもあった。また声優を積極的に起用していてとても良いと思った。演技が上手で声も聞き取りやすく、感心するばかりである。(高校2年・女子・青森)

  • 『大河ドラマ「光る君へ」』(NHK総合)
    今回はCGの演出が特によかった。例えば二条の館が燃えているシーンでは、死ぬためにたたずむ藤原定子(高畑充希)のすぐ近くに炎があるような演出で、逃げるよう説得する清少納言(ファーストサマーウイカ)との会話に緊迫感を持たせ、さらに視聴者に臨場感を与えていた。また「枕草子」を読み上げたときは“春はあけぼの~”の場面では桜を、“夏は夜~”の場面では蛍の光を再現して情緒あふれるシーンを演出し、華やかな平安の都を描く『光る君へ』のテーマと一致しているように感じた。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『むこう岸』(NHK総合)
    「ヤングケアラー」という言葉は聞いたことがあるが、詳しくは知らなかったので勉強になった。人生は少しの気づきで変わることが分かった。ドラマの中で、ヤングケアラーは今どのくらいの割合でいるのかが知りたかった。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)
    初回から見ていて短編小説も読んでいます。小説にある不気味さが映像でイメージ通りに演じられていて、制作者が多くの情熱を費やしているんだろうなと思っています。原作者や視聴者が納得できるドラマ作りの工程の難しさや問題点を考えると、時間とお金のバランスが大切なんだろうと家族で話しました。(中学2年・女子・東京)

  • 『正直不動産2』(NHK総合)
    主役だけでなく多くの脇役にもフォーカスを当てており、人それぞれの想いが分かりやすかったです。Z世代の十影健人(板垣瑞生)が正直営業やカスタマーファーストの影響を受け、徐々にお客様に寄り添い成長していく姿にとても感動しました。(高校2年・男子・山口)

  • 『アンチヒーロー』(TBSテレビ)
    • 元々法律に興味がありましたが、我々視聴者側に語りかける番組宣伝動画をYouTube上で見て「ドラマを見てみたい」という興味がわきました。明墨弁護士(長谷川博己)が検察側の不正を暴き、被告人の冤罪を証明していくのは痛快でおもしろかったです。(高校2年・男子・神奈川)
    • 野村萬斎の語りの演技は狂気を感じるものだった。また最後の結末により現実味を持たせるためか、最後の35分がノンストップだった構成はとても良かった。これによりスリルを感じることができた。暗い照明や言葉から怖さを感じる構成になっていた。(高校2年・女子・東京)
  • 『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ)
    令和の時代のおかしな点に“昭和のおじさん”だからこそ気付ける、という点が「なるほど」と思えて新鮮でした。私たちが昭和の常識をおかしいと思うように、昭和からタイムスリップした人は令和の常識をおかしいと思う、と私自身考えたことがなかったので、ドラマを通して考えさせられました。深刻な話をしていてもいきなりミュージカルのように歌い出すので、笑いながら軽い気持ちで見ることができるのが良かったです。(中学3年・女子・神奈川)

  • 『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ)
    • 宣伝を見てもあまりそそられなかったのですが、見てみるととてもいいドラマだと気づきました。銀行関係のドラマは若者にとって魅力的でないことが多いので、PRの工夫が必要だと感じました。インサイダー取引が行われていたのですが、経済に興味のない人は専門用語で立ち止まってしまうと思います。専門用語を簡単で一般的な言葉に変えると、より多くの人がストーリーを理解して楽しめるのではないかと思います。(高校3年・女子・奈良)
    • 2015年版(主演・杏)と2024年版(主演・今田美桜)の各1話を見比べました。個人的に気になったのは花咲舞の人物紹介のところで、今作では先輩にミスを注意されたときに「お言葉を返すようですが」というセリフで言い返していたので、わがままで変な正義感を持っている人物のようになってしまってモヤっとしました。一方でとてもいいなと感動したのは、前作で花咲に寄り添う相馬健を演じていた上川隆也が、今作に叔父役でカムバックしたところです。前作で花咲の父役を演じた後に他界された大杉漣への細かい配慮だと思いました。昔からのファンを大切にしているドラマだと思いました。(高校3年・女子・熊本)
  • 『セクシー田中さん』(日本テレビ)
    リアルタイムで視聴していました。ストーリーが分かりやすく結末もはっきりとしていたので、面白く視聴しました。作品の展開の変更については、後から調べると確かに変わっている部分はあったと思いました。テレビ局側は視聴率が取れないと商売として成り立たないのは知っていますが、やはりストーリーについてのすり合わせをしっかりしないと今回のような悲惨な事態になってしまうと思います。しっかり意見共有をして制作してほしいです。(中学3年・男子・千葉)

  • 『特捜9 season7』(テレビ朝日)
    一話完結式なので、もし見られなかった回があっても次の回を見るのに支障がないところが気に入っています。最近の社会問題をテーマにした回ではいろいろなことが学べて考えさせられることが多い反面、間違った知識を取り上げたり誇張した表現をしたりしてしまうと、誤った認識や偏見が広まり、傷つく人が出てしまうのではないかと思いました。(高校1年・女子・愛知)

  • 『Destiny』(テレビ朝日)
    大学時代から35歳の大人までを演じる役者がすばらしいと思いました。最初は「この人が犯人だ」と確信していましたが、物語を進めていくうちにいろいろ考察することができ、多面的な見方をすることができました。ラブサスペンスドラマはこのようなところが見どころの1つだと改めて実感しました。(高校1年・女子・岐阜)

  • 『イップス』(フジテレビ)
    • 篠原涼子とバカリズムのテンポのはやい掛け合いが面白くて、一時間があっという間に過ぎてしまった。トリックの内容が割としっかりしていて、自分が化学で習った簡単な知識だけで理解できる点も面白いと思う。(高校3年・男子・埼玉)
    • 『古畑任三郎』(フジテレビ・1994年~)のように犯人や犯行の様子がはじめに描かれているので、刑事側が犯人にたどりつくまでの過程を見ることができ、通常のミステリードラマとひと味違って面白いです。また一話完結で犯人役に豪華俳優陣が出るので、どんなゲストが出るのか毎週楽しみです。いつもミステリー作家の黒羽ミコ(篠原涼子)が犯人にたどりついてしまうところが特に面白いです。(高校3年・女子・栃木)
  • 『ブルーモーメント』(フジテレビ)
    気象にとても関心があるので、知っている用語が作中に出てくると気持ちが高ぶった。また用語解説もあったので自分の解釈が合っているのか確かめられ、とても勉強になった。こういった専門的なドラマはもっと増えてほしい。(中学2年・女子・埼玉)

  • 『大奥』(フジテレビ)
    見はじめた理由は「歴史が好きだから」と「キャストの中に応援している人がいたから」でしたが、クライマックスに近づくにつれてどんどん面白くなりました。良かったポイントは「登場人物の繊細な心情や人物同士の距離感の変化」で、登場人物にたくさん共感しました。また衣装と装飾の美しさも際立っており、スタッフのこだわりを感じました。(中学3年・女子・長崎)

  • 『君が心をくれたから』(フジテレビ)
    主人公(永野芽郁)とその愛する男性(山田裕貴)の2人が自分の力を信じ、互いに支えあうことをあきらめない姿に元気をもらえた。また撮影場所が長崎で行ったことがある場所だったので、「これほど綺麗に撮れるのか!!」と撮影技術にも感心してしまった。(高校1年・男子・長崎)

  • 『おいハンサム!!2』(東海テレビ)
    ストーリー展開が全体的にゆったりとしていて私たちの日常に近く、ドラマでトラブルが起こると身近に感じられてより没頭してしまいました。お父さん(吉田鋼太郎)の愛のこもった説教は、毎回すべての人に響く言葉だったと思います。一つ残念な点として、シーズン1の方がストーリーは面白かったと思います。シーズン1では、三姉妹それぞれが複雑な恋愛事情や人間関係を抱えていましたが、シーズン2では環境保護などのSDGsにまつわる話題が含まれていました。SDGsはとても大切なトピックではありますが、私としては、姉妹の周りで起きる人間関係のもつれや、恋に悩みながらも家族の愛を受けて生き方を模索する姉妹の姿に魅力を感じていたので、ドラマにまで環境保護を推奨するメッセージを込めないでほしいと思いました。(中学3年・女子・東京)

  • 『アンメット ある脳外科医の日記』(関西テレビ放送)
    ドラマを見るのが初めてだったので60分見るのは大変でした。声が出ない演技やいら立ちをぶつける俳優の演技にはすごく引き込まれました。また手術が決まるシーンの音楽には緊迫感があって、これから手術が始まるんだと予告するような音楽でした。心に残る音楽はドラマには必要だと思いました。(中学1年・男子・山梨)

【自由記述】

  • 恋愛以外の高校生の学校生活を描いたドラマが見たい。(高校1年・男子・兵庫)

  • 最近のドラマは“記憶喪失する”話が多いと感じるので、昔のようにもっと感動したり笑ったりできるようなドラマを是非作ってほしいです。オリジナルの新しい物語が見たいです。(高校1年・女子・岐阜)

  • ドラマは内容に応じて放送時間帯が決まっているのだと思うが、たまに「夜9時に放送してよいのか」「小学生も起きているのでは」と感じることがある。(高校2年・女子・東京)

  • ドラマは連続するものが多いので人気タレントが出演すると多額の費用がかかる。人材育成も踏まえて新しいタレントを多く起用するのも良いと思う。(高校1年・男子・長崎)

  • ニュース番組に、季節の話題などを各地方の方言で伝えるコーナーがあったら地域性が出て良いと思う。(中学2年・女子・鳥取)

  • 最近のテレビ番組は表現を規制する動きが多すぎると思います。エンタメの表現を規制しすぎてしまうと更にテレビ離れが進んでしまうので、テレビの表現の自由を保護し尊重する動きが進んでほしいと切に思います。(中学3年・女子・東京)

  • 最近はTVerなどの見逃し配信やNetflixなどの有料配信アプリを使って番組を見ることが多く、前日に放送された番組を学校で話題にすることがなくなってきたと感じます。おすすめ番組を紹介したとしても「このアプリで見ることができるから見てほしい」となり、来週を楽しみにするという場面がなくなっています。リアルタイム視聴で一度見てしまえば終わりというより、「何度も見返したい」という気持ちから録画や見逃し配信を選択する人が増加しているのではないかと思います。(高校2年・女子・愛媛)

  • 水原一平氏の報道について。水原氏は確かに犯罪に手を染めたかもしれません。しかし彼にも人権があるはずで、プライベートな部分までメディアに取り上げられてしまうのはかわいそうだと思います。(高校2年・男子・神奈川)

  • 私の好きなバンドが、リリースした楽曲「コロンブス」のMVは文化的な背景に問題があったとして、それを削除しました。帰国子女の友達に聞いて、コロンブスは奴隷商人だったこと、またそれによってアメリカのコロンブス・デーが薄れてきていることを知りました。日本ではアメリカ大陸を発見した偉大な人と習っていたので、世界についてもっと学ばなければいけないと思いました。(高校3年・女子・奈良)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『テレビ朝日開局65周年記念 夜の巷を徘徊する 2時間特別編』(テレビ朝日)
    • ロケ感のない自然な感じに驚きました。話や場所がどんどん進まない感じが、独特で良いなと思いました。他にはないような番組だと思いました。(中学1年・女子・神奈川)
    • マツコ・デラックスが夜の宮島を観光していました。観光紹介は日中の映像が多いので景色が新鮮でした。突然お店やテレビ局を訪問していて、驚いたり興奮したりする人の反応が楽しいです。(中学2年・女子・秋田)
    • 普通の番組ではカットされてしまいそうな旅の中の小さな出来事も生かされていて、そういった編集されすぎていない感じが見ていて疲れず、落ち着いた気持ちで楽しむことができました。(中学3年・女子・東京)
  • 『ライオンのミライ☆モンスター』(フジテレビ)
    • 陸上1500mで、競技歴1年半でU-20世界選手権6位になったミライモンスターの澤田結弥さんを、田中希美選手と並べて「ミライモンスターとモンスター」と伝えていて、番組名も取り込んで上手だと思った。足の速さを分析していて、股関節の可動域が広く歩幅が大きいことが理由らしいので、自分も速く走りたい時には意識したい。(高校3年・男子・東京)
    • 出演者の経歴から実際のレースのシーンまで見られるのがいいと思います。序盤で分かりやすく端的に紹介するのは、視聴者を惹きつけ飽きさせない工夫だと思います。また同一分野の選手を連続して放送するところも、視聴者を離さない魅力だと思います。(高校3年・女子・熊本)
  • 『一流料理人さん!休日食べる激うまメシ教えてください』(テレビ東京)
    僕は番組の途中にCMが入るのが大嫌いなのでテレビはだいたい録画で見ますが、この番組は最初に本編が固まっていて一気に見られるところがいいと思いました。ずっと食事だけでは飽きてしまうので、チョコレートプラネットのトークなどをもっと増やすと飽きずに面白く見られると思います。(中学2年・男子・東京)

  • 『ABCドキュメンタリースペシャル 子どもが欲しい ~#精子提供 私たちの選択~』(朝日放送テレビ)
    自分の精子を提供するのはいけないことだと思いました。また、脅されて強制的に取られる可能性もあると思うので、気をつけたいです。(中学1年・男子・山形)

  • 『ももいろインフラ―Z』(TOKYO MX)
    • 渋谷の地下の貯水施設は実際目にしないし、こういう情報番組でしか知ることができなかったので良かったです。区行政がどういう仕事をしているのか考えもしなかったし知らなかったが、池袋駅利用者を取り込む豊島区の都市計画なども仕事だと知り、面白く感じました。(中学3年・男子・東京)
    • 渋谷に行ったことはありませんが、坂と谷の図面がとても分かりやすかったです。東京のインフラの紹介が中心ですが、47都道府県のインフラを紹介してくれると嬉しいです。(中学1年・男子・山梨)
  • 『第7回NAGASAKIブラス&マーチングフェスティバル』(長崎放送)
    主に中学生・高校生による演奏で、楽しんで見ることができた。上空から見た人の配置などが分かり、実物を見るのとはまた違った楽しみ方をすることができた。(高校1年・男子・長崎)

  • 『KICK OFF! KAGOSHIMA』(鹿児島放送)
    浅野哲也さんが鹿児島ユナイテッドFCの監督に8年ぶりに就任して、J2残留のため意識改革から始めていた。監督が代わるだけで選手たちの意識や練習が変わるので、監督の存在感と影響の大きさを感じた。試合で得点を取れずに終わっても選手たちが向上心を高く持ち続けていてカッコよかった。(中学1年・女子・鹿児島)

◆委員のコメント◆

【最近見たドラマについて】

  • 『連続テレビ小説「虎に翼」』(NHK総合)を視聴した高校2年生から「オープニングタイトルを番組のエンディングあたりに放送した回があり面白く感じた」という報告があった。いま学習の世界では、ある授業の構成が分かりやすいからといっていつも同じように教えると飽きられてしまうという理由から、意外な流れを持ってくるといった“ランダム性”が重視されている。番組制作でもマンネリ化を防ぐためにさまざまな変化球を投げると視聴者に刺さるのだなと思った。

  • 不動産営業や気象関連の仕事を扱うドラマの報告があったが、中学生の「職業体験」の授業などで関わる機会も多くないだろうから、ドラマのテーマとして興味深かっただろう。例えば実際の不動産営業の業務にはドロドロとしたシリアスな場面も多くあるが、ドラマでは笑いも含めた人間ドラマとして描かれていて、明るい気持ちで学ぶことができたのだと思う。このようなテーマの取り上げ方として、ドラマはとても面白いと思う。


【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『ももいろインフラ―Z』を視聴した中学3年生の報告に「渋谷の地下の貯水施設について知ることができてよかった」とあったが、社会インフラやテクニカルなことに興味があるのだと感じた。以前、青少年委員会の調査研究で地方の放送局にヒアリングをした際にも、中高生を対象にした放送局見学では、中継車など放送インフラに関する説明は人気だという声が多くあった。こういった分野に関心のある中高生は多いのだろうと思う。

今後の予定について

次回は7月23日に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。また8月1日に中高生モニターのうち高校生のモニターたちに都内に集まってもらい、委員との意見交換会(高校生モニター会議)を開催することになりました。

以上

第268回

第268回-2024年5月28日

中高生モニター報告について…など

2024年5月28日、第268回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、オンライン参加の1人を含む8人の委員全員が出席しました。
4月後半から5月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
5月の中高生モニター報告のテーマは「最近見たニュース・報道・情報番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年5月28日(火)午後4時00分~午後6時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

4月後半から5月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について、担当の委員から報告がありました。
担当委員は「今回は、特定の番組に意見が集中することはなかった」としたうえで、女子高校生が弁護士となって冤罪の容疑者・被告人を弁護するとの設定の連続ドラマについて、「(視聴者から)痴漢被害者は主に未成年の少女なのに犯罪者の味方をするとは、との批判があった。架空のストーリーで冤罪を扱うテーマにあって過剰に反応している印象だ」と指摘しました。
別の連続ドラマで、知的障害や特別学級というワードに続いて、手術を受ける子どもの母親のせりふに「普通に学校に(通えるように)」とあったことについて、「知的障害や特別学級が普通ではないとあからさまに言っていて不快だ」との意見がありました。担当委員は「発達に特徴のある子どもたちが向き合っている現実を描写する演出は必要だと思う。それがよくないと言って演出すらできなくなると、世の中に本当はあふれている偏見を覆い隠してしまう懸念がある。『こういうことはよくないよね』と気づかせる、社会啓発のために必要なことがあると思う」と述べました。
メンタルヘルスや障害者の問題などを正面から題材にする教養バラエティーで、自傷行為の出血シーンが放送され、「子どもも見る時間帯に不適切だ」との指摘があったことについて、担当委員は「当事者の反応を見ると、『自分もそうだった』など共感するものが多く、否定的な反応は少なかった。むしろ当事者ではない人のほうが不適切に感じたのかもしれない」と説明しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

5月のテーマは「最近見たニュース・報道・情報番組について」でした。今月も30人の中高生モニター全員からの報告があり、複数の番組を視聴した感想が多く見られたほか、令和6年能登半島地震関連報道への意見も寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『モノマネMONSTER』(日本テレビ)、『君の声が聴きたい presents「ライブ・エール2024」』(NHK総合)、『#バズ英語~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)、『世界遺産』(TBSテレビ)、『クイズプレゼンバラエティQさま!!』(テレビ朝日)、『サスティな!』(フジテレビ)、『ドラマ生きとし生けるもの』(テレビ東京)、『ねこ育て いぬ育て(17)』(NHK BS)などに複数のモニターから感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近見たニュース・報道・情報番組について】

  • 『日テレNEWS NNN』(日本テレビ)※日本テレビのニュースサイト
    内容が似ているニュース(スポーツ・政治など)が要約されて連続で流れてくるので、あまりニュースを見ない私の頭にも内容がするすると入ってきました。興味のある記事はさらに深く調べたので、短くどんどん放送してくれるのは良いと思います。(中学1年・男子・山形)

  • 『NHKニュース7』(NHK総合)
    その日の項目が6つピックアップされた画面はパッと見て分かりやすい。【介護保険料また上昇 地域差も】のニュースを見て、母にも介護保険料を払っているのか質問したところ「会社の給料から引かれているが金額は分からない」と言っていた。僕の住んでいる地域の介護保険料を今度調べてみようと思う。介護保険料は金額ごとに色分けしていて良いと思ったが、色が多くて県境が分かりにくかったので、県境は太線にするのがいいと思う。(中学1年・男子・山梨)

  • 『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)
    最近の能登半島地震に関する報道は、現地の復興状況などをおおむね好意的に伝えるものが多いと感じる一方で、災害によって得られた教訓や、一時期話題になっていた「千葉県東方沖」の地震に関する情報もほぼなくなっています。間もなく震災から半年という節目を迎える今は、被災地以外の地域に向けて「災害への備え」についてテレビを通して問いかけるのが有意義だと思います。(中学3年・男子・千葉)

  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)
    • 印象が強かったのは香川県の父母ヶ浜です。海外のような絶景で「日本にもこういう場所があったのか」と思いました。また商店街をホテルにする計画は、場所の有効活用という点でとてもいいと思います。まさに一石二鳥だと思いました。(中学2年・男子・東京)
    • ニュースの事例をわかりやすくかみ砕いて解説していて良かった。円安のニュースや情報番組を見ると、個人でできることはないのかなと考える。「外国の投資信託などを買うことも円安に絡んでいるのではないか」「日本の成長を応援することが円の価値を高めることになるのではないか」など、一般庶民ができることを知りたい。(中学3年・男子・東京)
    • 「昔→現在→技術革新→課題→解決策→いま私たちにできること」といった構成が分かりやすかった。また番組内のCMが、前半は少なく後半は5分刻みに放送されていた。視聴者を離さない良策だったと思う。(高校1年・男子・長崎)
    • 『ONE MORNING』(エフエム東京)で「日本銀行が為替介入したのではないか」というニュースを聞いたとき、なぜ日銀は為替介入したと発表しなかったのだろうかと疑問に思っていた。しかしこの番組では「どのような狙いがあって発表しなかったのか」を深く分かりやすく解説していたため、以前よりも時事ニュースに興味を持つようになった。ニュースのポジティブな面も取り上げているのでおもしろい。(高校2年・女子・東京)
  • 『DayDay.』/『ZIP!』(日本テレビ)
    『ZIP!』は長時間ですが、内容が度々繰り返されていて、より多くの人に情報を届ける工夫がありました。ニュースは短めで見出しもあり、分かりやすかったです。エンタメとニュースが交互に紹介されていてあきませんでした。『DayDay.』は、『ZIP!』よりゲストや専門家が多く、解説や感想、推測が多いと思いました。また『ZIP!』よりスピード感がなく、問題や事件を深く考える番組だと思いました。事件の相関図が表示されて分かりやすかったです。(中学2年・女子・秋田)

  • 『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)/『サタデーステーション』(テレビ朝日)
    『情報7daysニュースキャスター』では日本のオーバーツーリズムについて司会・キャスター・ゲストが討論しながら情報を共有する流れが楽しかった。バラエティー番組とニュース番組の中間のような感覚で視聴できるため親しみやすかった。『サタデーステーション』では統計的数値を使って真夏日でも地域差があることがよく分かった。情報がまとまっていて時事ニュースを知るには手っ取り早いと感じた。(中学2年・女子・埼玉)

  • 『テレポート山陰』(山陰放送)
    災害時に備蓄食材をおいしく手軽に調理するおすすめアレンジレシピのニュースが参考になった。どういう食材だと調理がしやすく食べやすいかが知りたかった。また、ビニール袋によっては、熱湯に入れると袋が溶けてしまう物もあるので、注意点が書いてあればよかった。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『Nスタ』(TBSテレビ)
    • 「アメリカの刑務所では刑務所内のスーパーで買い物ができる」と説明があったが、賠償金の支払いや借金が残っている受刑者は買い物ができないのか、どこからお金が出ているのかという疑問が残った。受刑者がどのような生活をするのかがざっくりと分かって、映像で見られるのは良いと思った。(中学3年・女子・神奈川)
    • いつも学校から帰宅すると見ています。山あいの住宅を狙った連続強盗事件のニュースを2時間くらいの中で3回ほど見ました。長いニュース番組では、同じ記事や同じ人にインタビューする動画を何度も放送するのはあるあるですが、同じニュースを伝えるときにはより多くの人にインタビューをし、伝え方を少し変えてみるのもアリではないかと思いました。(高校3年・女子・栃木)
  • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)
    一つ一つのニュースをとても詳しく報じていて分かりやすいです。一方でいくつか改善点もあると感じました。一つ目は、反対側の立場にいる人達にもっとスポットライトを当ててほしいということです。値上げを抑えるために生産者が何を工夫しているかなどに注目するとより深く知ることができると思います。二つ目は、SNS等で視聴者の意見を吸い上げることで、もっと親近感の湧く番組になるのではないかと思います。(中学3年・女子・長崎)

  • 『憲法記念日特集 今必要な憲法議論は』(NHK総合)
    各党で議論しているため意見が対立するのは分かるが、正直、議論として成立していない気がした。なぜなら、各党がそれぞれの憲法に対する考え方を述べ合っただけで建設的なものではなかったからだ。例えば各世代の代表者とスタジオで討論してほしかった。一方で『news zero』(日本テレビ)や『報道ステーション』(テレビ朝日)では一般人へのインタビューだけで、憲法改正に賛成あるいは反対いずれかの意見のみに偏っていた。政党と一般人の両方の意見を組み合わせて放送するとよかったと思う。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『ゴゴスマ GO GO!Smile!』(CBCテレビ)
    ニュースの解説が分かりやすく、多くのコメンテーターの意見を聞くことができるのはとても面白いですが、解説をする専門家がいつも同じ人だと思います。一人の専門家が解説・監修するのではなく、たくさんの専門家がかかわれば、公平で偏りのない情報を届けることができるのではないかと思います。(高校1年・女子・愛知)

  • 『WBS(ワールドビジネスサテライト)』(テレビ東京)
    難しい言葉が多く、理解が追いつかないところが多々あった。語句の説明もあったが、やはり難しいところも多かった。そして私が今、世界や日本では何が起こっているのかを知らなすぎるということを改めて実感した。(高校1年・女子・岐阜)

  • 『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)
    さまざまな「円安」に関するニュースを視聴しました。番組では円安に伴うオーバーツーリズムを取り上げていましたが、他番組と違って「県知事」「他の事例を解説できる専門家」「内容を深く理解して自身の意見を述べる人」の3人で課題や対策を話し合っていました。普段ならば知り得ないところまで解説していたため「理解が深まった」と一番強く感じることができました。(高校2年・男子・神奈川)

  • 『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ)
    • コメンテーターによる偏りのない意見は、とても納得するとともに勉強になりました。(高校2年・男子・山口)
    • さまざまな視点からニュースを見ることができてとても興味深かったです。表現の仕方として気になったのは、インタビューを厳選して流しているところです。若者に「転職を考えているか」というインタビューではすべて「転職を考えている人」もしくは「独立・家業を継ぐことを考えている人」で、「転職を考えていない人」のインタビューがなく多数派の意見しか聞くことができず残念でした。(高校2年・女子・愛媛)
  • 『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)
    最初のフリートークの話題は初めて見るものが多く、今回の中国・泰山で足をプルプルさせて歩く観光客の様子に腹を抱えて笑った。三谷幸喜氏と安住紳一郎アナウンサーの掛け合いを見たくてこの番組を視聴する人が私を含めてたくさんいると思うので、フリートークの時間をもっと延ばしてほしい。また江の島の話題では、6歳の男の子の家を「観光地に位置している」と紹介していたが、住所をほとんど公開していたので大丈夫かなと思ってしまった。(高校2年・女子・青森)

  • 『報道ステーション』(テレビ朝日)
    • 夜遅い時間にピッタリな進行だった。ニュースを伝える際は解説を丁寧に含めながらも淡々と進めていて、スポーツニュースには熱量や勢いを感じるもののなぜか落ち着いた気持ちで見ることができた。冒頭の豪雨のインタビューは学生が相手だったが、明らかに嫌そうな顔をしているのを放送するのはいかがなものかと思ってしまった。少しでも思いやりが必要ではないか。(高校2年・女子・東京)
    • 冒頭はイラン大統領を乗せたヘリコプターが墜落したニュースで、事故発生現場を近距離で撮影した動画で視聴者を一気に惹きつけることができていたと思います。ただ、動画のあとナレーターが「一体イラン大統領が事故に遭うまで何があったのでしょうか」と言ったのが少し引っかかりました。「ヘリ墜落」という文字をテロップで見た当初は事故を予想していたのに、その表現だと他殺なのかと疑ってしまう人もいるのではないかなと思いました。(高校3年・女子・熊本)
  • 『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)
    その日にあった事件や一般人が知らない情報を、専門家を招いて分かりやすく解説してくれるところが良いと思う。他局では専門家ではない人やインフルエンサーがコメントすることが多々あり、見識がないコメントが多いのではないかと思うことがある。これらのコメントは世間の人を動かすことができるので、彼らをコメンテーターに抜擢するのは少々危険な気もする。また、ニュース番組は視聴者がサクッとその日の情報を収集できる形式が今の時代にあっているのではないか。そういう意味では『60秒で学べるNews』(テレビ東京)は今の時代にマッチした番組だと思う。(高校3年・男子・埼玉)

  • 『サスティな!』(フジテレビ)
    僕は日常生活で騒がしいのは苦手なので、普段からテレビを消音に設定して視聴することがある。この番組は録画して2回見たが、最近のテレビは字幕が出るので、2回目は全くの消音で見ても楽しめた。出演者もちょうどいいスピードで話していた。最近のテレビは騒がしかったり話すのが早かったりするが、僕にとってちょうどいい具合だった。(高校3年・男子・東京)

  • 『THE TIME,』(TBSテレビ)
    高校3年生になって、授業で時事問題がよく取り扱われているため、情報番組は見るようにしています。『THE TIME,』ではさまざまなジャンルのニュースを取り上げていてバランスがいいと感じています。ニュースには殺人事件など重いニュースもありますが、事故の起こった様子やドライブレコーダーの映像といった重すぎる情報がなく、朝の情報番組として適切だと思います。(高校3年・女子・奈良)

【自由記述】

  • 私は7時頃に起きて7時30分頃に登校しますが、この30分間のテレビはグルメ探訪やお祭りの紹介が異様に多いです。ロシアによるウクライナ侵攻やハマスの動き、沖縄の米軍基地に関する問題など、興味のある事柄を知ることが出来ず悲しいです。(中学2年・男子・東京)

  • 朝はいつもNHKのラジオニュースで過ごしています。テレビはエンタメなど楽しいニュースが多く遅刻しそうになりました。(中学2年・女子・秋田)

  • 4月10日のラジオ番組『ラフリー!』(山陰放送)に出演していた田中友香理アナウンサーの「子どもの入学式に出席するため、途中まで番組に出演して時間になったら入学式に向かう」という考えがすごいと思った。そのことを受け入れた相方の丸山聡美アナウンサーや会社もすごいと思った。仕事と子育てを両立できて良いと思った。こういう考えが全国に広がるといいと思う。(中学2年・女子・鳥取)

  • 動画配信サービスや見逃し配信が充実しているなか、「ワクワク感」がテレビの唯一無二の良さではないかと最近思います。配信サービスはたくさんのエピソードが配信されていて“一気見”できますが、テレビだと次のエピソードまで一週間ほどあくので、次回を楽しみに一週間頑張ることができます。放送が待ち遠しくて、開始まで秒単位で数えてしまうこともあります。(中学3年・女子・長崎)

  • 最近のニュース番組は視聴者の注目を集めようとし過ぎていると思います。最近だと「大谷翔平選手の結婚」がどの放送局のニュース番組でも大々的に特集され続けていて、反対に戦争や災害に関するニュースは、発生から時間が経つと終わったことかのように放送されなくなります。大谷選手に限らず、芸能人やスポーツ選手の個人的なニュースやスキャンダルが大々的に特集され続けるのは間違っていると思います。(中学3年・女子・東京)

  • 学校の情報の授業で、「普段テレビを見ますか?」という質問に対して「はい」と答えた人が半数を下回ったことにとても驚きました。中高生をメインとした番組コンテンツを増やすことによって若い年齢層がより興味を抱き、テレビを視聴する中高生が増えるのではないかと思います。(高校2年・男子・山口)

  • 『夜明けのラヴィット!』(TBSテレビ)は一週間分の“面白集”を分かりやすくコンパクトに伝えてくれるので、忙しい高校生にとって「お得感のある番組」だと思います。(高校2年・女子・愛媛)

  • ニュース番組の中で扱われる言葉が難しいと感じることが時々ある。dボタンで用語解説などがあると、より学びにつながると思う。(高校2年・女子・東京)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『新 窓をあけて九州』(南日本放送)
    園児たちが自分の願いを大人に伝えるだけでなく、その願いのために自分たちがどんな行動を起こそうかと積極的に考える姿がすばらしい。そして、その行動や考えに協力した先生や地域の方々の姿から、屋久島の中で子ども達が愛されることや絆の深さが伝わった。(中学1年・女子・鹿児島)

  • 『テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」』(テレビ東京)
    • 不思議感ただようバーのような場面から一転して病院に変わり、旅に出るという場面の急展開に目を引かれました。「殺す前に」「死ぬ前に」行く旅というところが良いと思いました。(中学1年・女子・神奈川)
    • 「生きている」ことが、俳優の言葉によってありありと表現されていて心に刺さった。ただ1話限りなので展開が早く感情移入しにくかった。(中学2年・女子・埼玉)
  • 『もう中の教えて高校生!「池田工業高等学校 建築学科」』(信越放送)
    私は高校で工科系のことを学びたいと思っていたので、同番組のロボコンや測量といった、少しレアな分野にスポットを当ててくれるところがとても良いと思いました。(中学2年・男子・東京)

  • 『君の声が聴きたい presents「ライブ・エール2024」』(NHK総合)
    ラジオと同時に放送されていてすごかったです。色々な世代の歌手が出演していて紅白のようで家族で楽しめました。生放送らしい歌声でよかったです。(中学2年・女子・秋田)
    曲だけでなく、言葉でもエールを送っており、心に残る番組となっていたと思う。(高校1年・男子・長崎)

  • 『ねこ育て いぬ育て(17)』(NHK BS)
    犬が大好きですがペットショップに入れないくらいのアレルギーがあります。散歩している犬を見たり、YouTubeを見たり、犬グッズを見たりして犬欲を満たしています。番組を見て「野犬」の存在を知りました。自分の生活圏には野犬がいないので臆病な性格に驚きました。しかしその臆病さがあったので保護されるまで生き延びられたのかと思うと、胸が少し痛みました。(中学2年・女子・東京)

  • 『#バズ英語~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)
    初回から毎週楽しみにしていて、気軽にスラングを知ることができたり、熟語を学べたりすることころが良いと思う。SNSのコメント欄を紹介して間違っているところには訂正が入っているのを見ると、ネイティブの人も完璧ではないのだと思えて、英語に挑戦しやすくなった。(高校3年・男子・埼玉)

  • 『レギュラーの全国あるある探検隊』(BSよしもと)
    京都府京丹波町は遠くて馴染みがない地域なので「黒豆」のイメージしかなかったが、栗やキャベツも名産品であることを知った。タコ焼きの食レポがうまくて食べたくなった。最初の自己紹介の時間が少し長く感じたので、他のものを紹介してもよいと思う。(高校2年・女子・青森)

◆委員のコメント◆

【最近見たニュース・報道・情報番組について】

  • 外国人による犯罪のニュースについて、今インターネット上では「国へ帰れ」などと激しいバッシングが起きているが、中学1年生の報告では「真面目な人もいるのでとても残念」とあった。バランスを持って冷静にニュースを受け止めていると思う。

  • 中学生や高校生の視聴者は、同世代に関するニュースや特集への関心が高いと感じた。

  • 高校2年生のモニターから「インタビューされている人が嫌そうな表情をしていて、少し胸が痛くなった」と報告があった。以前、戦争に関連する番組は残酷なシーンがあるので見たくないという声があったが、似たような意見だと感じる。

  • オーバーツーリズムについて多くのモニターから報告があり、とても関心が高まっていると感じる。


【自由記述について】

  • 中学2年生のモニターから「朝のテレビ番組に関して学校でディベートをした」と報告があった。テレビ番組や新聞などを活用して、自らの論理形成や相手の論理予想について学んだのだろう。報道番組が教育現場で活用されるということは、番組の客観性や中立性、情報の包括性がますます求められてくると思う。

  • 高校2年生のモニターから「中高生をメインとした番組コンテンツを増やしたほうがいい」という報告があったが、この視点は放送局側に欠けていると感じる。購買層向けの番組が多くなる中で中高生向けの番組が少なくなると、その中高生たちは将来も番組を見なくなってしまう。例えばゲーム業界では、ゲームに夢中になった子どもたちが高校生や大学生に成長したときに興味を持つようなコンテンツを開発していき、最終的にはオールジェネレーションで顧客を作っている。放送業界においても、購買力のある人をターゲットにすると同時に、小さい頃から放送に興味を持ってもらい、また子どもたちの視聴を促し続けるようなコンテンツが必要だと思う。

今後の予定について

次回は6月25日に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

第267回

第267回-2024年4月23日

視聴者からの意見について… など

2024年4月23日、第267回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、新たに加わった池田雅子委員を含む8人の委員全員が出席しました。
委員会の冒頭、委員長の指名により、吉永みち子委員が新副委員長に選任されました。
次に3月後半から4月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
4月の中高生モニター報告のテーマは「最近見たバラエティー番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年4月23日(火) 午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
委員長の指名による新副委員長の選任
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

委員長の指名による新副委員長の選任

緑川由香副委員長の退任に伴い、会議の冒頭、榊原委員長がBPO規約第35条第2項に基づき、吉永みち子委員を新しい副委員長に指名し、同委員が副委員長に選任されました。また、緑川氏の後任の池田雅子新委員が事務局から紹介されました。

視聴者からの意見について

3月後半から4月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
大阪の放送局制作のバラエティー番組で、ある女子大学生とバス通学の女子児童との交流を描く内容が放送された際、その児童の氏名、小学校名、学年、通学に利用するバス会社と路線などの個人情報が明示されたことに対して、視聴者から「保護者や学校の許可を得ていたとしても、小学校名やフルネームを明かす必要性は感じられず、この女子児童に対する制作者の配慮が欠けた放送だった」などの意見がありました。
担当委員は「女子大学生と女の子とのヒューマンなストーリーはよかったと思うが、ここまで細かく個人情報を出す内容でもなかった。女の子の顔の表情を見せるだけで十分で、名前は口頭で『○○ちゃん』と呼ぶ程度がよかったのではないか」と報告しました。
これに対し大阪在住の委員は「関西制作の番組では『どこどこの学校を訪問しました!クラブ活動で頑張った〇〇くんです!』という趣旨の番組はたくさんある。これをやめるとなると、(関西の)テレビ局はすごく困るのではないか」と述べました。
別の委員は「番組制作の現場では、『学校がよいと言った、保護者も本人も了解した』となって、単純に『手続きは踏みましたよ』となる傾向がある。しかし、手続きを踏んだうえで時代状況を慎重に見極めながら、どこまでが必要(な情報)で、どこはなくても大丈夫かを、想像力の問題として判断することが制作側に求められるだろう」と指摘し、ほかにも「最低限の法的な条件は満たされたとしても、プラスアルファでもう少し大きな視点からの配慮が制作側にあってもよかったのではないかと思う」という意見が出されました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

今年度の新しい中高生モニターは30人(中学生15人・高校生15人)で、4月のテーマは「最近見たバラエティー番組について」でした。30人全員から合わせて27番組への報告があり、さまざまな感想や意見が寄せられました。
複数のモニターが取り上げたのは『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)、『逃走中 ~ハンターと浅草の相棒~』(フジテレビ)、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)でした。視聴の仕方はリアルタイムが17人、録画が9人、そのほか(見逃し配信などを利用)が3人でした。
モニターには毎月のテーマのほか、放送に関する「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の感想をお願いしています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『新プロジェクトX ~挑戦者たち~「東京スカイツリー 天空の大仕事」』(NHK総合)、『理想的本箱 君だけのブックガイド』(NHK Eテレ)、『はるかなる古代文明』(NHK BS)、『さよなら大好きな場所』(テレビ朝日)、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)にそれぞれ複数のモニターが感想を寄せています。

◆モニター報告より◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 『有吉の壁』(日本テレビ)
    たくさんのお笑い芸人がいろんなネタで笑わせてくれるところが良い。裏話(「実は〇〇でネタを思いついた」「振り返り感想戦」など)をやるのも面白いと思う。番組タイトルに“壁”とあるので「〇人の壁(一つのネタで何人笑わせられるか)」といったチャレンジなどもしてほしい。(中学1年・男子・山形)
  • 『逃走中 ~ハンターと浅草の相棒~』(フジテレビ)
    ハンターに捕まりそうな時のBGMが緊迫した感じでとてもシーンに合っている。ミッションにもほどよく縛りがあって、難易度設定がうまいと感じた。推している芸能人が出ていてとても嬉しかった。(中学3年・男子・東京)
  • 『#バズ英語 ~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)
    SNSでいつも見ているインフルエンサーのジョルディ・コアリティックとアモーリ・ギションが紹介されていて親近感を持てた。CRAZYCOCOの英語レッスンは勉強しているように感じなくて楽しかった。ゲストとしてまた登場してほしい。(中学1年・女子・鹿児島)
  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)
    出演者の率直な意見を聞くことができて分かりやすく面白かった。他の番組でもいえることだが、株の話題が出ると「やっていない人は損をする」といった意見が見られるので、自分自身に明確な意見がないとメディアの言いなりになりそうで若干怖いと感じる。また軍事の話題を出すのであれば隣国との関係についても知りたかった。(中学2年・男子・東京)
  • 『新プロジェクトX ~挑戦者たち~』(NHK総合)
    放送時間が1時間半と長く途中で飽きてしまったが、録画で何度も見ると中身が入ってきて、最後にスカイツリーが完成したシーンでは感動して鳥肌が立った。現場の人たちの使命感が一番伝わってきたのは、東日本大震災のときに命懸けでゲイン塔を固定しに行ったシーンだ。全員が「行きます」と答えるのを見たときは心に来るものがあった。(中学2年・男子・東京)
  • 『超ド級!世界のありえない映像大賞』(フジテレビ)
    「まばたき禁止!ハッと息をのむ部門」「思わずにっこり!かわいすぎる部門」などといった部門に分けられていて、内容に期待しながら楽しむことができました。大賞となった映像は父と娘の23年間の記録映像で「この記録は今日までの長い予行練習」という言葉に感動しました。映像に出ていた人のその後も紹介してほしいです。(中学2年・女子・秋田)
  • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)
    • USJへの潜入企画は、立ち入り禁止エリアなど普段知ることのできない裏側を見ることができてとても良かったです。出演者が変装してお忍びでパーク内を回る企画は高揚感やスリルを味わうことができましたが、「〇〇さんですか?」とファンが声をかけると1時間の強制休憩になってしまうルールなので、視聴者もモヤモヤするし、ネット上でも「声をかけるな」「自分勝手だ」と放送終了後に毎回もめるので、そこを改善してほしいです。(中学2年・女子・埼玉)
    • 毎週金曜日のこの時間をいつも楽しみにしています。地元の人々と交流する企画をたくさんやってほしいです。(高校3年・女子・栃木)
  • 『生たまごJOY!』(山陰放送)
    「はじめましてプチ情報」の企画がおもしろかったです。初回の放送は自己紹介があればよかったです。マンスリーゲストへの質問時間ももう少し長いといいなと思いました。またBGMが全体的に少し大きいと思いました。(中学2年・女子・鳥取)
  • 『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日)
    自分が知っている曲やオーケストラ楽団ばかりでとてもひきつけられました。世界的に有名な指揮者であるグスターボ・ドゥダメルさんが取り上げられていましたが、彼を生んだ社会音楽活動「エル・システマ」をこの番組で知ることができました。音楽は平和をもたらすねと家族で話しました。(中学2年・女子・東京)
  • 『キントレ』(日本テレビ)
    特殊メイクをした俳優をドラマ等で見たことはあったけれど、実際にメイクをする姿は見たことがないので興味が持てました。メイクをする映像が少なかったのでもう少し詳しく見たいと思いました。また学校の友だちに番組の話をしたら「録画まではしないけれど、テレビをつけたときに放送していたら見たな」と言われたので、学生でもリアルタイムで視聴しやすい午後6~10時の時間帯で放送してほしいです。(中学3年・女子・神奈川)
  • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)
    実話の突破劇がたくさん紹介されていて番組の中の世界がリアルに感じられます。視聴者から寄せられる“身近な突破劇”は明日からでも実践できるようなものもありとても親近感が湧きました。空港の税関職員や市役所職員の努力や技術が紹介されていて勉強になったし、さまざまな仕事に思いを馳せることができる番組がもっと増えればいいなと思います。(中学3年・女子・長崎)
  • 『プレバト!!』(毎日放送)
    「丸太アート」ではチェーンソーアーティストがお手本を作ることで製作者に悪い印象を持たなかった。また製作者のミスを笑いのネタにしていたところがよかった。(高校1年・男子・長崎)
  • 『マツコ会議』(日本テレビ)
    マツコ・デラックスが高校生の最新トレンドに必死に追いつこうとしている姿に心を打たれた。選ばれた高校生と対話していたのが面白く、同じ高校生として気づかされることが多かった。またマツコ・デラックスとディレクター陣が自分たちの世代の話をすることでジェネレーションギャップを強調し、全世代に共感を呼ぶ内容となっていておもしろかった。トレンドに関してはスタジオで出演者が体験するものがあるとより良かったと思う。(高校1年・男子・兵庫)
  • 『芸能人格付けチェックBASIC』(朝日放送テレビ)
    「音楽」など視聴者も参加できるチェックでは視聴者も一緒に考えさせ、「味覚」「嗅覚」といった視聴者が参加できないチェックでは視聴者には早い段階で正解を発表するなど、視聴者を楽しませようとする工夫が常にありました。番組内で使用した食材や楽器を詳しく紹介する動画を番組公式SNSに載せれば、より番組を楽しむことができると思います。(高校1年・女子・愛知)
  • 『相席食堂』(朝日放送テレビ)
    熊田曜子がロケをした北海道の然別湖を今まで知らなかったので、然別湖の絶景や氷で作られた建物やワイングラスなど、私にとって驚きの連続でした。観光客に話を聞くよりも、もっとその町の住民に話を聞くなどして交流するほうがいいと思いました。(高校2年・男子・山口)
  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)
    • 白羽忍者の企画で、最初に「白羽の矢が立つ」のことわざの成り立ちについて説明していて勉強になった。ターゲットであるお笑い芸人ではなく白羽忍者が主役であるかのような演出がおもしろかった。(高校2年・女子・東京)
    • 一番面白かったのは「白羽の矢が立つ」ドッキリだ。気持ち悪さもなくものすごく痛そうでもなく、夜7時という時間にちょうど良い、家族で楽しめるドッキリだった。「無限牛乳」ドッキリは着色した水がどんどん出てきて口から吐き出してしまうから食事中に見るのは不快だし、「配膳ロボットの逆襲」ドッキリではひたすら水を浴びせられるのが痛そうで仕方がない。放送時間と視聴者の生活時間を考えて制作してほしい。(高校2年・女子・東京)
  • 『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)
    一番興味深かったのは、子どもたちだけで不動産屋を経営する話です。学校の授業の“職業体験”では大人が働いているところを少しのぞき見するだけですが、番組では子どもが家の売却や購入の接客などをしていて、子どもだけでもこれだけできるのかと驚いたし、子どもに全てを任せる海外のおおらかさを感じました。この番組では前半で芸人がドッキリにかけられて汚れてしまうことが多く、毎回ドッキリがあるのはあまりいい気持ちになりません。(高校2年・女子・愛媛)
  • 『ラヴィット!』(TBSテレビ)
    クロストークでクスっと笑えるので、前番組の『THE TIME,』(TBSテレビ)の後も引き続き見ようという気持ちになる。マイナーな記念日や出来事からオープニングトークテーマが決められるので学びになる。これまでゲーム対決のときにゲーム内のプレーヤーと出演者を一致させるのが難しかったが、今回の「パワプロホームラン王」企画では一人ずつ映していて見やすかった。(高校2年・女子・青森)
  • 『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)
    毎週月曜が楽しみになるくらいおもしろい番組だと思う。北海道出身の人がゴキブリをカブトムシだと勘違いした話など、出身地ならではの事件が自分の中でお気に入り。昔は遅い時間に放送されていたが、その時のほうがより人間味あふれた話題が多くておもしろかった。(高校3年・男子・埼玉)
  • 『せっかち勉強~知らないとヤバい事~』(日本テレビ)
    「えー」と驚いてもっと詳しく知りたいと思っている間にどんどん番組が進行するため、自分で調べたり人と話したりしてしまう。MCのカズレーザーがひたすらまいていたし放送中もタイマーの音がしていて、ゆっくり紹介してほしいとも思ったが、ダラダラ紹介するより新しい感じの番組でよいと思った。(高校3年・男子・東京)
  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    番組後半の宮川大輔さんのパートではお祭りに参加していましたが、今回は危険な場面や見ていて苦しい場面はありませんでした。解説がついていてルールがわかりやすく、種目が終わるごとにランキングの表示があって、家族みんなで盛り上がることができました。宮川さんがチームメイトを全力で応援しているシーンがこの日の放送の中で最も好印象でした。(高校3年・女子・奈良)
  • 『EIGHT-JAM』(テレビ朝日)
    普段はステージ上でキラキラ歌うミュージシャンが淡々と話す姿は新鮮だし、「こういう考えを大切にしている人なのか」という気づきもあり、歌からだけでなくそういうところからそのミュージシャンを好きになれるのでたくさんの発見がある。この番組のおかげで好きなミュージシャンが増えたのでこれからも視聴を続けたい。(高校3年・女子・熊本)

【自由記述】

  • 『Nスタ』(TBSテレビ)のニュース原稿を紙からタブレットに変更したことがテレビで紹介されていて、SDGs達成のための良いアイデアだと思った。全国の放送局で取り入れるといいと思う。(中学2年・女子・鳥取)
  • 日頃からニュースをよく見ますが、各社で報道の仕方や専門家・有識者の見解が少しずつ違うことに最近気づきました。人が変われば意見も変わるのは当たり前だからこそ、ニュースの“専門家の意見”を安易に鵜呑みにしてはいけないと思います。これはネットなどにも通じることなので、どんな情報もまずは一度疑ってかかり、調べ、自分で考えることが大事だと思いました。(中学3年・男子・千葉)
  • テレビはまだ一大メディアとして機能しているが、ラジオへの関心の低下は著しいと思う。学校に手作りラジオを送っている会社と協働するなどして、その魅力を継続的に伝える努力をするべきだと思う。(高校1年・男子・兵庫)
  • 番組の途中で選挙結果や政治家の発言について速報テロップが表示されることがありますが、災害や交通情報など多くの人に関係があり緊急性があるもの以外は気が散ってしまうので、表示するべきではないと思います。(高校1年・女子・愛知)
  • 恋愛ドラマを見ることが多いのですが、話の展開が似ているものが多いと感じるので、コメディー要素やミステリー要素などを取り入れてほしいです。また“二番手”の人がハッピーになる展開も見たいです。(高校1年・女子・岐阜)
  • 新年度は音楽番組が増えた印象ですが、様々な世代が一緒に楽しめるような番組があまりない気がします。私はライブ感にこだわった番組作りが大切だと思います。アーティストの生ステージの迫力は、ジャンルを超えてどの世代にも感動を与えることができるのではないでしょうか。(高校2年・女子・愛媛)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『さよなら大好きな場所』(テレビ朝日)
    • 普段見ている番組ではナレーターは画面に映らないので、番組ナレーターの山時聡真と清原果耶の横顔が映っていて面白いと思った。“さよならカメラ”は一般人が撮影するので映像のブレや乱れもあったが、食事をする人の笑顔やボリュームのある料理の映像に、お店に対する愛を感じた。(中学1年・男子・山梨)
    • 番組冒頭の「あなたの大好きな場所は、今もそこにありますか」という問いかけで一気に番組に引き込まれ、そのまま食い入るように見ました。(中学3年・男子・千葉)
    • その場所を愛する地域の人が撮影者になるので、人の温かみや切なさ、名残惜しさをより感じることができました。一方で大半の視聴者はその場所を全く知らないので「こういう事に苦労したけれど地域の人と乗り越えてきた」など具体的なエピソードをもっと詳しく説明したほうが、その場所をより身近に感じて共感できるのではないかと思いました。(中学3年・女子・東京)
  • 『新プロジェクトX ~挑戦者たち~「東京スカイツリー 天空の大仕事」』(NHK総合)
    視聴し終わって最初に頭に浮かんだ感想は「勉強になった」です。ハードルの高い挑戦を乗り越えたからこそ得られた経験や考えなどを、番組を通して知ることができました。(中学2年・女子・東京)
  • 『理想的本箱 君だけのブックガイド』(NHK Eテレ)
    • 「コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集」(さくらももこ著)が一番心に残った。コジコジの何気ない一言がすっと心に入ってくる感じがした。(中学1年・女子・神奈川)
    • ピンポイントに対象を絞ることで、より深く的確な本に出会うことができたと思う。3冊という紹介数もちょうどよく素晴らしい番組だった。最後に紹介されていた「コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集」を紹介する“映像の帯”がとてもコミカルで記憶に残った。(高校1年・男子・兵庫)
  • 『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)
    • クイズ形式で知識がスッと入ってきました。郵便局への潜入は、ふくらPとやす子の対話形式でテンポよく楽しく学ぶことができました。またこの2人のロケが見たいです。(中学3年・女子・神奈川)
    • ところどころ胸が詰まるようなボケとツッコミが繰り広げられることもあるが、それ以外の笑いのシーンは面白いと思う。(高校2年・女子・東京)
  • 『スポ魂★ながさき』(長崎文化放送)
    バスケットボールチームの長崎ヴェルカの取材だったが、長崎のチーム目線でとても見やすく応援することができた。(高校1年・男子・長崎)

◆委員のコメント◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 昨年度までの中高生モニターも含めて「裏話のような企画を見たい」という意見が比較的多く見られる。
  • 『#バズ英語 ~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)の番組紹介文に「SNSで今の世界を「今」をキャッチアップ」とあった。中学1年生のモニターが録画視聴したと報告したが、若年層が何を見ようか悩んだときに「SNS」「世界」「今」などは惹句(じゃっく)として有効だと思う。
  • 中学の義務教育の中に職業体験に関連する授業があるが、株式投資や宇宙開発について学ぶ機会はとても少ないと感じる。アメリカではティーンエイジャーが株式投資を学び、実際に株取引をすることもあると聞く。『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)は大変良い刺激になったのだと思う。

【自由記述について】

  • 高校3年生のモニターから、ウクライナ侵攻に関する報道量を減らして欲しくないとの感想とともに「発信する側で役割をわけることが有効かもしれない」「バランスの取れたニュース番組を見たい」と報告があった。テレビ業界全体でバランスを取るべきだという提案かもしれないが、放送局同士でネタを振り分けることは、放送局の独自性・独立性がなくなるので難しい。モニターの気持ちは受け止めつつ“バランスを取る”ことがいかに難しいかはしっかりと伝えたい。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)に多くのモニターから報告があったが、この番組だけでなく今月の報告全体を通して“学びへの意欲が高い”“実践的な情報を求めている”と感じられた。

今後の予定について

次回は5月28日に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上