2008年4月に視聴者から寄せられた意見

2008年4月に視聴者から寄せられた意見

番組に対して「ねつ造・虚偽・やらせ」の指摘が寄せられ、それに関連した「放送局の責任を問う」との抗議などがあった。「北京五輪と聖火リレー」および「チベット関連」の意見、「硫化水素自殺と自殺報道」への意見、「後期高齢者医療など」や「ガソリン価格、道路特定財源・暫定税率など」に意見が寄せられた。

2008年4月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,507件で、3月と比較し417件の増加であった。

意見のアクセス方法の割合は、Eメール54%、電話37%、ファクシミリ7%、郵送ほか2%で、前月との比較ではEメールが4%減少し、電話は1%増加した。(*Eメール数には同一人の多数意見を含む)

男女別では男性70%(前月比2%減)、女性27%(1%増)、不明4%となった。

世代別では30歳代(26%)、20歳代(27%)、40歳代(16%)、50歳代(11%)、60歳以上(8%)、10歳代(7%)の順となっている。

2008年4月に視聴者から寄せられた意見 1,352件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年4月件数 年度累計
人権等に関する意見 8 件 8 件
放送と青少年に関する意見 186 件 [ 意見内容 ] 186 件
放送番組全般にわたる意見 748 件 [ 意見内容 ] 748 件
BPOに関する意見・問い合わせ 166 件 166 件
その他(放送関連以外) 399 件 399 件
意見件数 計 1,507 件 1,507 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は584件(41局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

4月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

人権関連の苦情[8件]

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 11件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 11件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

4月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,507件)のうち【情報ワイド番組・バラエティー番組】を中心とした意見が917件(全体の61%)で、前月の792件から125件の増となった。内容としては”不適切な内容や発言・表現、不適格な出演者”(589件:全体の39%)、”モラル・倫理観の欠如や局の責任・処分”など(185件:12%)、”低俗・下品な番組”(143件:9%)である。

次いで【報道・情報番組】に関した意見が839件(全体の56%)で、前月(413件)から426件の増加である。その内訳は”取材・報道のあり方、放送のあり方”(379件:25%)、”放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(272件:18%)、”公平・公正な報道への要望、偏った内容批判”など(188件:12%)となっており、【情報ワイド番組・バラエティー番組】【報道・情報番組】のいずれも前月から増加した。

4月の意見の特徴は、【放送全般】では個々の番組に対して「ねつ造・虚偽・やらせ」の指摘が63件寄せられ、それに関連した「放送局の責任を問う」との抗議などが79件、「放送基準・放送法に抵触」との指摘が50件に上った。

【特定の番組や情報に対する意見】では、「北京五輪と聖火リレー」および「チベット関連」意見として113件。「硫化水素自殺と自殺報道」への意見が95件、「後期高齢者医療など」に59件、「ガソリン価格、道路特定財源・暫定税率など」に24件が寄せられた。その他に”浄水器販売関連報道”に関して販売店関係者や利用者と思える集中的な報道批判(92件)があった。さらに「パチンコ(台)CM」や「大食い番組」をはじめ、お笑い芸人の出演する番組での不適切な言動への批判が続いている。

【放送局の電話対応や応対の姿勢】に関する苦情や抗議は177件で前月から37件増加した。
【CM関係】「不適切な表現・内容」などの指摘を中心に76件の意見があった。

青少年に関する意見

4月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは186件と、先月に比べ65件増えた。内容的に最も多かったのは、4月11日に公表した「注意喚起 児童の裸、特に男児の性器を写すことについて」に対するもので、30件のさまざまな意見が寄せられた。番組別では、”児童ポルノの撲滅”をテーマにした報道番組に11件の批判意見が寄せられた。また、今月もパチンコのCMに関する批判が10件寄せられている。

BPOに関する意見

166件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見26件、問い合せ33件、「見解」「制限の反響104件、その他3件であった。

なお、このうち青少年委員会が4月11日に発表した「注意喚起 児童の裸、特に男児の性器を写すことについて」および、4月15日放送倫理検証委員会決定の「光市母子殺害事件の差戻控訴審に関する放送についての意見」に関する批評・感想は、それぞれ36件と104件となっている。

番組全般

【特記事項】

  • 各局の報道番組において連日放送される「硫化水素を用いた群発自殺」についての取り上げ方に倫理的問題を感じる。放送を見る度に、自殺の予防や抑制を目的とした勧告「世界保健機関(WHO)の自殺報道に関するガイドライン」に反する報道姿勢を目の当たりにする。群発自殺という社会問題に対して、煽情作用のある報道を避け、具体的な自殺防止方法の追加を行うなど、早急な過剰報道の沈静化を願う。
  • 硫化水素自殺のニュースで、その手法について「何と何を混ぜてガスを発生させる」と詳しく言いすぎである。「インターネットで知って」と言っているが、インターネットを見る人よりもテレビを見る人のほうが断然多い。視聴者の中には自殺願望がある人も大勢いる。そのような方々もいることを考慮し「こういう方法で死にました(=死ねます)」という内容は放送しないで欲しい。「硫化水素自殺が相次いでいる」というのも「こういった報道を見て実行した」と同じだと思う。放送基準・第8章の「自殺は慎重に扱う」はどこに行ってしまったのか。
  • 硫化水素による自殺が相次いでいることについて、テレビで報道することで自殺が頻発するとわかった上でとり上げるだけならまだしも、出演者の「市販の物を調合して簡単にできるんですよ」、芸人の「楽で死ねるらしい」等とまでの発言はいかがなものか。これはネットを批判しながら「作り方はネットで調べてくれ」と言っているに等しい。BPOに頭の悪い報道をどうにかしてほしい。
  • 子どもたちの硫化水素自殺が連日放送されている。昨日、また6件の自殺があったと報道されているが、大人が自殺の方法を教えているとしか思えない。勿論、ニュースも大切だが、子ども達が真似することも考慮しなくてはいけない時期にきていると思う。片方でパンツ一丁の裸同然の芸人が幅を利かせ、もう片方で自殺の詳細な方法を伝えるテレビは何なのだろうか。少しは子どものためになる番組を放送してはどうか。
  • 家庭用洗剤などを使って有毒な硫化水素を発生させる自殺が相次いでいることを受け、医師や臨床心理士などでつくる日本自殺予防学会は18日、他の自殺を誘発しないよう報道に配慮を求める緊急アピールを出した。硫化水素による自殺はインターネットなどを通じて広まり、今年に入って全国で相次ぎ、家族や近所の人が巻き添えになるケースも出ている」と、日本自殺予防学会が報道の配慮を呼びかけている。BPOとしても緊急に声明を出すべきである。硫化水素自殺と硫化水素という言葉を報道で使うべきではない。

【取材・報道のあり方】

  • 年金問題や後期高齢者医療についての報道で、年金特別便について報道番組のキャスターが「こんなものは全く意味がありません」と発言していたが、あまりにもふざけている。年金記録は本人にも確認してもらわないとどうしても不明なところがある。誤って他人の記録を統合してしまったらどうするのかと言いたい。実際に誤統合は発生している。また、会社が標準報酬額の数字を書き換えたという事案も、本当なら不正をした会社を叩くべきではないか?公文書偽造で犯罪行為だ。厚生年金法にも抵触する。何で社会保険事務所が一方的に悪いのか?また、後期高齢者医療報道についても何を今更・・・という思いだ。問題点などについては結構前から分かっていたではないか。市区町村や広域連合等も回数などは不十分ながらも説明会などを開催していたが、まるで何もやっていないかのような報道は即刻やめて欲しい。
  • 後期高齢者医療制度について報道していたが正式な名称ではなく「高齢者のための医療制度」と伝えていた。なぜ正式な名称で伝えないのか不審に思い局に連絡したが「新しい医療制度が馴染んでいないので当面このような伝え方をしている」と応対された。新聞のラ・テ欄も「保険料年金から天引き始まる新医療制度」と告知している。しかし、この制度が年金からの天引きなどで混乱を招いている要因は、厚生労働省をはじめとして報道機関が周知徹底してこなかったことにあるのではないか。
  • 政府与党はガソリン税の延長法案を今月末に衆議院で再議決するという。これに関して各放送局は、官房長官の「混乱は起きない」との見通しをそろって報道しているが、ガソリンスタンドが混乱するかしないかとか、自家用車で出掛ける人がどうとかなどという問題はあまり大きな問題ではないはずである。一番大きな問題は、今世界的に原油が値上がりして、それが日本でも輸送費の増大、発電コストの増大、その他諸物価値上がりなどの現象を引き起こしており、それにより国民生活が圧迫されていることだ。中小企業関係者の無理心中などが多発しているのはその影響であろう。それでもなお、今ガソリンの暫定税率を10年にわたって維持しなければならないのか、国の税制全体、予算の無駄遣いなどを検証・修正しないまま衆議院の再議決を強行しなければならないのか、国民の生活はどうなるのか、そういった所までを視点に入れて報道すべきではないか。ガソリンスタンドで混乱が起きるかどうかの報道だけでは、これまでの報道機関のもめ事を好む報道の仕方のままであって、報道機関への不信感を醸成するだけであろう。
  • 昼のワイド番組の司会が「中国政府から報道規制しろという指示が来ている」という発言をした。これが本当であれば中国政府が日本のマスメディアに介入しているという忌々しき事態である。チベット問題にしても日本のマスメディアは「暴動」としているが、海外メディアでは「虐殺」という表現がされている。毒入り餃子も中国政府の発表を流すだけで、中国国内での混入の疑いが高いにも係わらず、それを認めようとしない中国政府の姿勢に警鐘を鳴らす番組は少なかった。これでは中国政府の指示に従っていると言われても仕方がない。
  • 東京某キー局の報道番組の政治報道からは、強い民意誘導の意思を感じる。政策に対しては冷静かつ多角的に分析・評価することが必要であるはずなのに、問題点の一面のみを論じて無意味に視聴者の感情を煽りたて、「とにかく問題があって悪いんだ」というイメージのみを視聴者の頭の中に置き去りにしていく。これは、非常に問題視すべき手法だ。報道番組のキャスターともあろう者が、感情的にコメントするのはいただけない。判断する主体はあくまで視聴者であるからだ。そこにキャスターの主観・感情を込めることは、視聴者の判断を惑わす要因になる。キャスターは淡々と、多角的かつ分析的なコメントを述べれば良いのだ。政治は我々の生活を左右するものであるが、これをキャスターが感情的に論じるとはもってのほかであり、そんなものは単なる駄弁の域を出ないものだ。番組には、放送法の「政治的公平性」に抵触する部分も見受けられる。厳重注意が必要と考える。
  • 4月13日に、各局で千葉の県立高校の入学式に当日までに入学金を納めていない生徒を入学式に参加させなかったとして学校側の対応に問題があるとの報道をした。しかし学校側は入学式までに納入するようにと通知していたし、しかも校長室に未納の生徒を待機させていたのだから、何も問題はないはずだ。近年、行政の怠慢姿勢や心ない対応が多いのも事実ではあるが、支払い能力がありながら給食費を払わず平然としている父兄が多いのも問題となっている。今回の場合、事実確認もせず、「公は心ない行為を・・かわいそうに」の先入観を持ち学校側を悪くする報道をしたと思うが、テレビの影響は大きく、報道された学校は一瞬で悪者にされる。
  • 高知の大学では、女子学生に対して教授や准教授によるセクハラ行為が絶えないが、何故かローカルニュースでしか伝えられていない。大学には問題となった教育学部の教授だけでなく、他の学部にも指導していた大学院生の女性をホテルに誘う等の行為をしたセクハラ教授が複数いる。大学では「ハラスメント防止委員会」を設けるなどしているが、全国ニュースで伝えられていないためか、セクハラ行為をした教授達に対する処分も「厳重注意」に止まっている。過去に懲戒解雇された教授は万引きをした男性教授だけである。
  • 事件・事故報道で現場に残った「血のり」を放送することにどんな意味があるのか。「血のり」はかつてはボカシをかけて放送されていたが、最近ではわずかに残された血のりをアップにして放送している。被害者感情に配慮した報道が何故できないのか。相次ぐ硫化水素による自殺やチューリップの被害もなども、効果音やナレーションを付けての放送など、当初からの扇情的な報道姿勢に問題があったと思われる。真実・事実を伝えることが報道機関としての使命ではないのか。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 本日4月25日はJR宝塚線(福知山線)の脱線事故の三回忌にも拘らず、番組中で芸人達が福知山線脱線事故をパロディー化し、「脱線・脱線」と楽しんでいた。誰が見てもあの脱線事故を連想させる映像で遺憾だ。
  • 取り調べをネタにしたコントがあった。鹿児島県志布志市の冤罪事件が問題になっているのに、何故それを笑いにするのか。内容もその事件と全く同じで、冤罪を受けた人を殺すかのような感じだった。最近の刑事物のドラマでもこういう場面は見かけなくなったというのに、企画者は志布志事件をどう思っているのか。私が制作者の親なら「誰がこんな番組を作れと言った」と注意し、同じく息子なら「もっと面白い番組作って」と言うだろう。このコントを容認した制作者に怒りを感じる。
  • 秋葉原の歩行者天国で衆人環視の中、開脚しTバックの下半身を晒した女性が警察に逮捕されたと伝えていた。逮捕前の映像と思われるが、その女性がテレビのインタビューに答え、スタッフに向かって「開脚」をして見せる様子を映していた。「公然わいせつ」に該当する行為を番組のために実演させ、それを逮捕後テレビで放送するなど、もってのほかだ。この局の感覚はタガが外れており、良識ある市民のそれとはかけ離れている。
  • 戊辰戦争での会津藩を扱ったクイズ番組の問題で誤解を生む不適切な正解があり、会津若松市に迷惑をかけたとして明日の昼に謝罪放送がされるという。クイズで歴史的事実を誤って放送した場合は謝罪放送するのに、事件報道の場合は、司会者の発言によって被害者の人権が無視されるという報道がなされたにも拘らず、番組や司会者から何の謝罪もないのはどうしてか。事件発生から、或いは事件解決から時間が経っているがこれまで一切触れられていないのはおかしいではないか。
  • この番組はクイズ番組ですが、出演者の正解の個数が基準に達しない場合にプールに落下させるということを売りにしている。不正解者に電流を流してショックを与えるということもあった。テレビ局が公然とこのような行為を放送することにより、「何かの能力が劣っていれば苦痛を与えてもよい」という雰囲気が作り出され、また、このような番組が日常的に放送されることが「いじめ」を助長することにつながる。この番組に限らず、「罰として苦痛を与える」ような内容は止めさせるべきだ。
  • 番組内で体に電流を流すような体罰的罰ゲームを未だにやっていた。バラエティー番組で行われている罰ゲームなどの暴力表現について「青少年の人間観、価値観を形成する上で看過できない」として、テレビ各局に自粛を求めたBPOに対する挑戦状であると思われる。即刻、中止要請を出すべきだ。
  • やっぱりケガ人が出たかという思いだ。最近この番組で恒例となっているタレントの身体にローションを塗って滑る土俵の上で相撲をとる企画で、タレントが骨折をした。以前から危ないと思っていたし、タレントだけが楽しんで視聴者は置いてきぼりのような気がしていた。まともに転んでどこかを打ちつけたような場面が映ると、見ているこちらまで気分が悪くなる。マラソン以外は企画倒れだ。若手のお笑い芸人だからといって、死ななければケガをさせてもいいのだろうか?クイズ番組なんだからもっとクイズに時間を割いたらどうなのか。
  • 民放でよく「大食い」番組を放送しているが、世界中には数多くの飢餓に苦しむ人がいることを考えると止めるべきではないのか。自分は飲食店をやっているが、「食育」と言われるように、食べ物のことを考えるということは、生産者の苦労を知り、感謝の気持ちを持つことでもあり、大変大事なことだ。「大食い」番組は「面白おかしい」だけで、そうした苦労・感謝の気持ちなどは微塵も感じさせない。周囲の誰に聞いても同じ感想だ。テレビ局は言っていることとやっていることが違い過ぎる。影響力の大きさを自覚してほしい。BPOとしてもこの「大食い」番組に何らかの物言いをすべき段階にきているのではないか。
  • ひと月ほど前の放送で、出演者たちが、”昔はこんなに悪だった”を競うような企画をやっていた。その中で、元暴走族のお笑い芸人が、スタジオに持ち込まれたオートバイの改造車を強烈に吹かしながら、かっての武勇伝を自慢げに話していた。面白おかしく笑わせながらの話だったが、逆にそれが”暴走行為”を勧め、助長するような雰囲気を生み出す結果となり、好ましくないと思った。だから、非常識、不道徳な行為や話でも笑いで誤魔化しちゃえばいい、というものではないのだ。このことを番組制作者には知ってほしい。
  • 23日の未明、4時前に見た「天気予報」の背景に露骨なセックス・シーンの映像が流れていた。いくら早朝の時間帯とはいえ、このような映像は不適切ではないか。
  • ラジオ番組の金曜日のコーナー「お色気大賞」や、土曜日の「○○行進曲」は下ネタの話ばかりで聞くに堪えない。このラジオ局には私の氏名も明らかにして直接ハガキで中止を申し入れたが、何の音沙汰もない。BPOからも中止を申し入れてほしい。
  • 名古屋地区の午前中のラジオ番組で出演者とアナウンサーの掛け合いで進行するが、内容は聞くに堪えない下ネタの話ばかり。その中でBPOの告知スポットも流されるので皮肉な対比になる。
  • 毒舌司会者が外国人出演者に「(お前は)死んだらいい!」と発言。会場は爆笑し、おまけに大きく「死んだらいい」とテロップが出た。死刑裁判や自殺などが頻発する昨今、「死」を笑いのネタにし、しかもそれをカットもせず平気で放送するディレクター、制作者、局幹部(当然、司会と出演者も)は人権感覚がなく、人心を荒廃させるものだ。
  • お笑い番組で、出演者とは関係のない他人の苗字や名前を連呼する芸人が複数いる。特に酷いのがピン芸人の女性芸人で、卑猥な踊りをしながら「ミチコ」「マサ子」と叫んで笑いを取っている。日本中のその名前の人たちに大変失礼だと思う。私の妻の名前も「マサ子」だが、本人だけではなく、私まで不愉快になる。人の名前をお笑いのネタにするべきではない。

【番組全般、その他】

  • 価値観に違いがあるので、私としてはどの番組が「最低」「最高」と評価は出来ないが、視聴者に見せる番組ではなく、出演者が番組の中で楽しんで「うるさく」「目に余る」番組があまりにも多過ぎるような気がする。一般的な会社では、新商品を出す前に必ず社長以下役員が評価して社会に受け入られる商品と判断して初めて世の中に出される物と思っている。その後は品質保証のため、「何日」「何ヶ月」に一回の割合で品質評価をし結果を確認しているはずだ。放送界においても、せめて放送されている番組は一か月に一回でもいいから、社長以下役員が見て、どの位、見るに耐えない放送が多いか、放送は公共の物であることを肝に銘じてもらいたい。
  • ラジオで死刑について議論する中で、50年前に録音された死刑囚の肉声が流された。いくら死刑や裁判員制度について考える真面目なテーマだったとはいえ、このテープの使用は議論にとって必要不可欠だったとは思えず、とても奇異な感じがした。所詮は興味本位によるもので、倫理的にも不適切だと思った。このテープの使用の是非についてはBPOで検証していただきたい。また放送では、「この死刑囚の声は番組のスクープだ」と力説していたが、今朝の新聞によると、このテープは過去に2度放送でされているという。スクープというのは偽りではないか。
  • 核燃料再処理工場に関する放送は事実と異なる内容で看過できない。職員の発言を編集によってあたかも再処理技術自体が未完成であるかのような内容に変更。「放出される放射性物質による周辺環境への影響がどの程度あるのか」という最も重要な箇所には触れず、大量に放出されることのみを強調。プルトニウムの同位元素の存在やウランとの混合抽出には触れず「プルトニウム原爆何発分」とした表現。他にも同番組の問題点は多くあるが、これらの曲解や編集された報道により、青森県産品への風評被害(報道被害)が懸念される。また、核物質防護上極めて重要である防護区域内において核施設や監視者たるIAEAの許可を得ずに勝手に撮影・放送を行ったことは、「報道の自由」の名の下に我国を危険に晒す行為であり、倫理上からも、国益の観点からも大きな問題だと思う。同放送は内容の信頼性、倫理、そして国益の3点からみて大きな問題を孕んでいるものと考える。各部門の専門家による調査をお願いしたい。
  • 日弁連が主催した映画「靖国」試写会・シンポジウムの模様を昨日の民放局の朝のワイド番組や夕方のニュースおよび公共放送の夕方7時のニュースで放送していたが、いずれも「表現の自由」の問題に偏りすぎていた。私が直接、映画に出演した高知在住の刀匠の方に電話したら「映画に登場させられるのは不本意だ」と言っていたし、靖国神社も「撮影を許可した覚えはないと監督に文書を出したが返事はない」と語った。「表現の自由」も大事とは思うが、刀匠や靖国神社のような個別の権利者の人権や権利を守ることも大事ではないか。ニュースで取り上げる際、この問題も取り上げるべきではなかったか。
  • 真相を追究するという番組で「偽装視覚障害」の放送中、女性解説者が「偽装視覚障害者を防止するには、障害認定を複数の医者で行う」や「認定に更新を設けるけるべきだ」などと発言していたが、大変無責任かつ非常識な発言である。偽装障害者が問題なのであって、障害手帳の承認制度云々を語るべきものではない。障害者がどんな想いで身障者手帳を持つか解っているのか。障害者に対する知識も見識もなく無責任な発言を全国放送でして許されるのか。これではまるで障害者全員が偽装を疑われたのと同じである。障害者を侮辱し国の承認制度を疑い、障害者に負担を強いる制度見直しなどという軽率な発言は断じて許せない。無責任で軽はずみな発言をする人間をテレビに出すべきではない。当事者並びに番組の正式な謝罪を要求する。
  • 日曜午後に放送の関西のテレビで暴力団に対する大手銀行の不正融資事件を受けて”暴力団は必要悪か”を話し合ったが、コメンテーターやゲスト解説者(元警察の公安担当者)はこぞって、特定暴力団の名前をあげて持ち上げ、褒めちぎり、その存在を認めるような発言を繰り広げた。この番組では暴力団をめぐり以前にも同じようなことがあったが、その時は政治評論家のコメンテーターは、ぴしゃり「悪いことは悪い」のひと言で番組が終わったからまだよかったが、今回は「暴力団は日本の文化だ」という司会者の締めの言葉があって”褒めっぱなし”で番組が終了した。公共の電波でこんな反社会的な団体を認めるような内容は放送倫理にもとり、極めて不適切で厳重に注意すべきだ。
  • 影響力のあるという司会者が「後期高齢者医療制度は100人中100人が異を唱えている」と発言したが、 これは事実なのか?その100人とは司会者が直接聞いたものか?それとも番組が調査したのか?通常、世論調査などしたのなら調査の概要が発表されるが、放送ではそれも一切なかった。本当に100人全員が反対しているのなら、その根拠を示すべきだ。出来ないのであれば世論誘導であり、誤報の恐れもある。司会者の思いつきや、大げさに表現する感覚で言ったとすれば看過できない。
  • 県民性で性格診断はできない。血液型診断と同じでいじめや差別に繋がる。めげない県や貧しい県、きれい好きな県、親孝行な県に関しても統計データからこれらを科学的に結論づけることは不可能である。はじめから結論ありきのねつ造ではないのか。「あるある~」と同じ結論づけだと思われる。他にも県民性を扱う番組があるが、県民性という科学的でないものをさも科学的な分析で県民性があるとするのはおかしいと思う。BPOとしても県民性という非科学的なものには注視し勧告してほしい。
  • いろんな番組でランキングを放送しているが”番組独自調査”や”街角で調査”など、調査元が不明なものを平気で公共の電波で流すことに疑問を持つ。オリコンやビデオ・リサーチ社など調査方法やサンプル数などを公開しているランキングならいいが明らかに信用度の低いもの、偏った調査方法などを全国放送で平気で流していいのかと疑問に思うものが最近多い。このようなランキングは、正直、ねつ造放送と何ら違いがないと思っているが、番組制作者の個人的な趣味や贔屓でランキングが操作されているとしたら恐ろしい。テレビは常に真実を放送するべきだと思う。とにかくランキングには信用できる調査方法情報元を公開するべきだ。特にバラエティー番組で軽い気持ちで放送されているねつ造ランキングをなくしてもらいたい。
  • この番組で、「ニートの心情を知る!若者の心は今! 」という企画の放送を予定しているそうです。社会学的な観点ではなく、若者のメンタルの問題を持ち出すのは非論理的・非合理的であり、高い公共性が求められるテレビ局にあるまじき放送内容です。このような放送が行われることは断じて容認できません。またこの局には、ある会社(インターネット上でエキストラなどを募集する会社)を通じて出演者を募集していますが、これは明らかにアルバイトの募集であり報道機関の取材活動とは到底思えません。出演料目当ての学生や劇団員が応募してくることは目に見えており、やらせ・ねつ造行為を制作側が容認しているのと同様です。またやらせ・ねつ造が行われなくても、統計学的根拠もなしに一部の若者の発言を放送することは印象操作報道であり、誤解・偏見を招くことは明らかで極めて不適切です。
  • 4月26日に長野で聖火リレーが行われた。先のチベット暴動が火付け役となり、マスコミがこぞってニュースや情報番組で放送している。そもそもオリンピックがスポーツの祭典でなくなったことによるもので、アスリートが国家を代表して技を競うから政治的カラーが出てくる。また、オリンピックの商業主義が経済発展や世界的広告効果をもくろむ開催国の政治家に「北京オリンピックを成功させる」という発言を許す。主催者であるべきはずの国際オリンピック委員会(IOC)も最大のスポンサーである開催国には頭が上がらないと見る。すなわち、オリンピックは政治的意図を持たずスポーツマン精神を持って競い合うアスリートを、政治的に商業的に利用して行われるものなのだ。チベット開放を訴える活動家も聖火リレーを利用して自己の主張を訴える。この時とばかりに開催国の中国や各国首CM脳や文化人もこぞって民族独立運動に意見を述べる。もちろんマスコミはそれに便乗して放送し、それを煽る。ただダラダラと長野聖火リレーを放送で見せられる側への配慮はないものだろうか。
  • 中国製冷凍餃子による健康被害の問題が一切報道されなくなったが、問題はどのように対策して解決したのか。食卓を預かる者として、とても不安である。政府調査団の中国での調査姿勢の甘さについて「現実の調査の際に作業状況を確認していなかった」などと伝えられていたが、その後の調査状況が知らされていない。国民の食の安全に関わる問題との認識がないのか。

【CM】

  • いつもラジオを聞いているが、サラ金とパチンコのCMがあまりに多い。私の家族にも「サラ金・パチンコ依存症」の者が一人おり、小さな子どもがいるのに家事・育児を放棄している。公共の電波でパチンコの魅力を伝えたり、サラ金が「初めてでも安心」などと優しい声で借金をそそのかしたりするのは止めるべきだ。これ以上人生を台無しにする人を増やさないでほしい。

【BPOへの意見】

  • 光市母子殺害事件関連の放送への意見書を興味深く、また概ね強い共感を持って読ませていただいた。BPOの役割と使命を果たした力強い内容と考えている。一方で、BPOの手を離れた後、受け手である放送局やスポンサー(企業)および視聴者がどこまで真摯にこの提言を受け止めるかには暗澹たる感もある。新聞の記事では【「(意見書は)被告弁護団対被害者遺族という対立構図を描き、前者の異様さに反発し、後者に共感する内容だった」とし・・】と要約している。これは意見書の20ページの表現に沿った要約であるが、全体の文脈を離れ、この箇所だけを抜き出し「異様」という形容をあたかも既成事実のように用いることは意見書の批判する決め付けをそのまま無反省に繰り返す、意見書の意図を理解していない、むしろ敢て無視した報道ではないかと考える。つまり「意見書が『異様な弁護団』を前提にしているかのように要約されてしまう隙」を与えたという意味では、意見書のこの箇所の表現はやや配慮に欠けたかと思う。しかし、受け手の問題は全く別としてBPOが冷静・良心的な意見書を発表したことに敬意を表す。
  • 光市母子殺害事件で被告に死刑判決が出たが、事件後長期間にわたり、遺族の被害感情を異常なほど強調・演出し、国民の処罰感情を煽ってきたテレビ報道の影響がでた結果ではないかと思った。一見「正義の味方」とも取れる伝え方だが、このように感情に溺れ、論理的思考の欠落した報道は裁判員制度発足後の裁判に悪影響を及ぼすと思う。全ての事案について、報道する者は襟を正し、姿勢を改めるよう望む。
  • 光市母子殺害事件の裁判報道に関するBPOの発表を読んだ。各局の報道が感情的で、「弁護団対被害者遺族」の対比を狙ったものであったという。確かに報道番組を見る限り、弁護団のお粗末で荒唐無稽な話と、感情と理性のバランスも絶妙な、男性遺族の説得力のある話がくっきりと対照をなし、視聴者の殆どが同氏の姿勢に感情をゆり動かされたのではないかと思う。しかしこれは結果であり、報道側が狙って出来るものではなく、ひとえに同氏の類まれなる資質によるものと思う。これまでに、被害者側の立場にあってこれほど精力的で才気ある人物を見たことはない。今回のBPOの発表は理解は出来る。しかし、このような特別なケースは今後はまず起こることはないだろう。
  • 死刑へのハードルが低くなった。「今日の光市母子殺害事件の判決で心は癒されたか?亡くなった奥様と子供さんに何と声をかけたか?」等、耳を覆いたくなるような言葉の数々、報道各局のインタビュアーは自局名と自分の氏名を名乗り節操を持つべきだ。あたかも自分の言葉が編集でカットされないよう特異な言葉をなげかけている。9年間も地獄のような環境で裁判を続けてきた遺族に別の言葉はかけられないのか。視聴者として非常に情けなく思う。
  • 光市母子殺害事件の差し戻し控訴審で、広島高裁が被告の元少年に死刑判決を言い渡したが、この判決に対するリスナーからの便りを読んでいた。いくつか読み上げている便りの中で、「○○被告」と個人名を名指しで伝えていた。便りを読み上げる前には必ず目を通しているはずで、何故、被告の個人名を読み上げたのか理解出来ない。これは人権問題ではないか。今回の控訴審で被告の個人名を伝えたメディアはこの番組以外は皆無である。放送に関わる人間として、裁判制度に対する認識が欠如している。
  • 今回のBPOの発表をテレビや新聞で知った。BPOは相当多くの番組を丹念に調べたようだが、各放送局はその労力に報いるだけの努力を今後きちんと実行するのだろうか?今回のことに限らず、BPOの権限をもっと強めて、「見解」や「意見」を出す時は発表と同時に当該局の社長を呼び、その場で伝えた模様を自局のニュースで流すように指導するくらいの存在であって欲しい。
  • 昨年、「あるある大事典」問題で民放連を除名された関西のテレビ局が民放連復帰の運びとなった。その理由が、民放連に加盟されてないとオリンピックが放送できないという理由だが、ちょっと待ってもらいたい。そもそもこの局が除名されたのは、健康に関する問題を軽々しく垂れ流したからではないのか。かつてCM飛ばしで民放連を除名された静岡の民放局が復帰したのも系列のオリンピック放送が理由だったが、一時的なオリンピックのために制裁的処置が歪められていいのか。これでは除名ではなく一時的な「会員休止」である。これでは、民放連除名なんて甘いものなのかと思ってしまう。そもそも放送倫理とルールを逸脱した局にオリンピックを放送する資格などないと思う。また、「あるある問題」において、キー局が関西のテレビ局に何の処分も行わなかったこともおかしい。また、放送界はこのような不祥事があっても、放送休止などの重い処分がまったくなされないのだから、まったくもって甘い世界である。BPOも民放連復帰の問題に対して積極的に動いて然るべきである。

青少年に関する意見

【「注意喚起」に対する意見】

  • BPOの指摘されるように児童ポルノの氾濫については憂慮するものがあり、社会的に糾弾すべきものであるという認識は共有します。しかし、テレビにおける児童の全裸映像が当該ポルノにどれほど利用されているかとういう定量的な分析を行なうことなく、表現として普遍的な裸の児童の描写を排除せよという強い勧告は、「表現の自由」を保証する憲法の理念を持ち出すまでもなく、表現者への極めて重大な抑圧行為と断ぜざるを得ません。たとえば父子の微笑ましい入浴シーンも排除すべきでしょうか?最貧国では服もまともに着られない子供が多いでしょうが、ドキュメンタリーを撮る時は彼らにモザイクをつけるべきでしょうか?貴社の社会的影響はテレビを飛び越えてさまざまなメディアに及ぶものと思われます。はたして今回の提言が自由な表現活動を圧殺してまで行なうべきものかどうか、再考を願います。
  • 児童ポルノ規制法改正の動きと直接の関係はないとのことですけれども、この時期にBPOのような団体がこういった行動を起こされるのは、うがった見方をすれば世論操作のように思えてしまいます。そもそも、男児の裸体を映すような番組が、苦情を寄せなければならない程に多く見受けられるようには感じられないのですが…。デリケートな問題だけに過敏になるのは分からなくもありませんが、もう少し慎重に行動していただきたかったです。
  • 男児の性器の映像について注意喚起がされましたが、女児の性器は既に禁止になっているのに、なぜ男児の映像はまだ「注意喚起」のままなのでしょうか。これは男女差別です。以前、ある番組で、男児、女児が海岸で裸で遊んでいる映像がありましたが、女児の性器だけにモザイクがかかっていました。同じ人間なのに、男女の扱いに違いがあるのを非常に不快に感じています。早く平等の扱いとなるよう、放送各社に強制してほしいです。
  • 今回の「児童の裸の映像を流さないようにしろ」という発表だが異常だと思う。児童ポルノとして悪用されたら悪用した人を逮捕すればいいだけで、悪用されたらいけないから存在そのものをなくそうというのは、殺人に使われたらいけないから刃物をなくそうというのと一緒で浅はかで短絡的だとしか言いようがない。裸を流さないようにすると、大家族の生活を撮った番組で皆でお風呂に入っている場面や誕生したばかりの赤ちゃんの姿を放送することさえ出来なくなるのではないか?小さな子供の裸は、いやらしい物ではなく無垢で純真な物だ。もし、性器が映っているからということで裸を流すことを規制したら、本当に子供の裸がいやらしい物だと感じる人が増えることになると思う。子供の性教育にも良くないと思う。第一、子供の裸をいやらしい物だと感じることこそ異常なことではなかったのか?児童の裸を規制するとその異常者の言い分を認めることになる。
  • いくらなんでもやりすぎではないですか?どこまで放送を規制しても、出回るものは出回りますし、規制することがすべてということでもないと思います。現在児童ポルノが蔓延しているため規制するということが言われていますが、これも規制していいものなのでしょうか?他の国での実績を踏まえてから検討をされてはどうでしょうか?一説によると、規制するとさらにひどくなるという報告もあるようです。

【低俗、モラルに反する】

  • 数多くのクイズ番組が民放で放送されているが、そのほとんどが賞金を出している。10万円、100万円さらには1000万円と額はさまざまだが、お金を粗末に扱う風潮を助長させないか、特に子供への影響が心配だ。せめて賞金ではなく賞品にできないのか。「お金は労働に対する報酬」で、1万円の報酬を得るのは大変なことだ。最近の民放の番組は一頃よりだいぶ悪くなっているように感じている。何を放送してもよいということではないと思う。
  • バラエティー番組。ヤンママの子供の扱いに対して出演者が説教するという内容であったが、5歳の子供を一人で置いて朝まで飲むなど、母親の行動、言動そのものが「幼児虐待」と言えるものであり、そういう母親を番組で面白く取り上げること自体が非常に腹立たしかった。番組制作者の倫理感を疑う。
  • 最近のバラエティーは下品さがエスカレートして、尻にバナナを挟んでむくということまでやっている。中学1年の孫などは喜んで見ているが、その影響が心配だ。日本の児童の学力が低下し社会が悪くなっているのはテレビの影響が大きい。
  • 最近、男の人が裸同然でテレビに出ている。パンツ1枚の格好だったり、異常に腰を振ってわいせつな感じを与えたりしているが、見るのが嫌な者にとってはセクハラ以外の何ものでもない。道路やその他、公の場所では間違いなく警察に連れて行かれる。それなのにもっと人の目に触れる子ども達も見るであろうテレビという公共の場所で、なぜあのような格好が認められているのか。見ていてヘドが出るぐらい気分が悪い。なぜいつまでも放っているのか。
  • ドラマ番組。番組宣伝では”さわやか系”の番組に思えたので、初回の2時間スペシャルを小学生の子供と見て驚いた。なんと冒頭から激しい乱闘シーンが展開され、続く野球部の部室のシーンでは、上半身裸(後姿)の女の子が男の子の膝に乗ってあらぬ行為をしている、そして場面が変わって男の子がズボンのベルトを締めている・・・こんなシーンが続いたのであわててチャンネルを切り替えてしまった。どこの家庭でも子供が見ている時間帯に、このような過激なシーンを放送してもいいのか。放送倫理上、許されないことだと思う。
  • ラジオ番組。パーソナリティーと女性ゲストのトークで進む番組で、パーソナリティーが「親がセックスをしている場面をみた。それを歌にしてください」といい、女性ゲストが歌っていた。言う方も言う方だが、歌う方も歌う方だ。子どもも聞いている時間だ。それ以来この番組がいやになり聞いていない。
  • 情報番組。秋葉原で若い女性が股間を開いて下着を見せている報道があり、コメンテーターがこのようなことを「いいじゃないか」と問題発言をした。全く不快であった。子供がいる時間なのでこのような放送はしないで貰いたい。

【CMに関する意見】

  • 全国から同じような意見が寄せられていると思いますが、パチンコメーカー、パチンコ店のCMの放送をやめてほしい。一見すると楽しそうな興味をそそられるようなCMですが、パチンコはギャンブルの一種です。テレビを見ている人には、小学生から高校生もいる。パチンコが健全な遊びと思わせるようなCMは、彼らに間違った考えを与えてしまう。すべてのCMをやめるようにしてほしい。子どもに悪いだけでなく、大人でも一歩間違えれば借金をして自己破産になる人もいる。そんなギャンブル性のある危険なCMは日本からなくしてほしい。
  • 北海道ではパチンコ店のCMは時間帯が規制されているが、メーカーのCMは昼夜問わず放送されている。メーカーのCMも規制すべき。特に最近はアニメや韓国ドラマのタイアップ機種が多く、青少年や主婦層への悪影響が懸念される。
  • 関東のあるFM局は他の在京ラジオ局と比較すると、パチンコ店のCMが多量に放送されている。しかも朝なども含め、青少年も聞いているときにも時間帯問わず放送されており好ましくない。朝や夕方など青少年が聞く時間帯は放送を自粛してほしい。
  • ゲーム機のソフトのCMで、 血のしたたる円形の刃物で、残酷に人型の相手を刺すシーンをアップで映し出している。刺す側があたかも唯一の正義であるような台詞。未成年の殺傷事件が社会問題となっている今、こんなCMを流すなんて許されることではない。
  • 携帯電話のCMで携帯メールを使ってカンニングをしていると思われるシーンがあるが問題ではないか?子供のクラスでは話題になっている。このCMはカンニングを推奨しているのか。また、放送局に考査部門があると思うが、このようなCMを止めることはできないか。機能していないとしか思えない。

【報道・情報系番組に関する意見】

  • 報道番組。児童ポルノの実態に関して、明らかな情報をねつ造した悪質な報道があった。「日本が児童ポルノ輸出国となっている」というのは現在の実態とはかけ離れた過去の情報であり、現在においては解消されている。しかし、今でも酷い状態が続いているかのような虚偽情報が放送された。先進国の中で単純所持が禁止されている国は少ないにもかかわらず、多いと放送した。また、アニメやゲームを規制すれば子供が守られる効果があると虚偽情報を放送した。科学的には規制と子供を狙った犯罪に因果関係はなく、また統計的には規制により子供を狙った犯罪が増える可能性があるにもかかわらず、規制が子供のためになるという内容だった。以上の点より、訂正放送が必要だと思う。
  • 報道番組。”児童ポルノの根絶を”の前半では子供たちへの「虐待行為」と「虐待記録の流布」という問題を紹介していた。後半では「虐待記録」ではなく「”ポルノ”とみなされるもの」を対象として法的な「単純保持規制」を訴えていた。つまり、番組途中で問題対象が大きく変質されている。本来、何よりも課題であるのは虐待それ自体の抑制と被害者保護であり、これは番組出演者の言う「ポルノのダウンロード数が非常に多い人の逮捕」などで解決する問題ではない。そして、架空のマンガを対象にするなど、もはや全くの見当違いだ。米国は過去にマンガの内容を健全化する Comics Code と呼ばれる大規模規制を行ったが犯罪抑制に何の効果もなかった。ポルノの単純保持についても、米国を始めとする単純保持禁止国の方が日本よりも圧倒的に児童虐待や性犯罪発生率が高いのが現実だが、今回の放送内容ではそうした実態も紹介されておらず、まるで日本に非があり、規制すれば安易に状況を改善できるという誤解を視聴者に与えかねない内容であった。「児童虐待の正確な実態はどうであるのか?」「児童虐待を減らすことのできる本当に適切な方法は何か?」「流出した虐待記録を回収する本当に適切な方法は何か?」、これら、子供の人権を守るための議論が真摯に行なわれることを願う身としては、今回の放送が問題の本質からずれた内容であったことに強い懸念を抱いた。
  • 国の自殺総合対策が始まり、行政・民間ともに、現場担当者は自殺予防対策のために日々苦労している。しかし自殺報道に関して、WHO(世界保健機関)の勧告に準じた報道をせず、自殺を幇助するニュースが公共放送、民間放送各局で行われている。自殺大国の現状を直視せず、国民を動揺させるような自殺報道は報道機関としての責任を問わざるを得ない。自殺は周囲のみならず地域社会に与える衝撃は計り知れないのである。青少年が最も影響を受けやすく自殺連鎖が起きている。

【性的表現について】

  • ドキュメンタリー番組。BPOが注意喚起した直後にまた男児の全裸シーンが複数放送された。最初に男の子3人がお風呂に入っているところで後ろの2人が立っていてマークで隠されていた。マークで隠すと、それはいかにも「全裸を撮ってます」というような感じで逆にいやらしく児童ポルノっぽくなるのでやめて欲しい。どうして男の子だけいつも撮られてしまうのか。カメラマンが撮らなければ問題はないのだから、カメラマンが責任を持って男の子の裸にカメラを向けないで欲しい。女の子だったらカメラを逸らしたり遠ざけたりカットしたりしているのだから同じようにできないのか。ほほえましさの表現でもない。子供の裸をとること自体が児童ポルノに価すると思う。
  • バラエティー番組。男性の全裸での入浴シーンが流れた。お尻も丸出しだった。そしてお互いの性器が大きいとか何とか卑猥な会話をしていた。また女性の前でわざとパンツを見せる男も登場。最近は女性の裸に関して規制が厳しくなっているのに男性の裸は野放し。何とかしてほしい。

【暴力・殺人シーンについて】

  • 青少年の暴力的行為が増えてきていると感じる。このことについて、メディアでは「社会が悪い」「家庭教育が悪い」と言うが、一番悪影響を与えているのはメディアの過剰な演出や暴力的表現ではないのか?今のテレビの映像は判断のできる大人が見る分には問題がないが、判断の出来ない子ども達には刺激が強すぎる。子ども達が成長とともに変化する要因は、家庭からではなく外部からの刺激によるものだと考える。学校の友達や先輩、そしてテレビの影響。番組制作側は、子供が見ているかもしれない可能性を考えずに、自分達の都合の良いようにしか番組を作らない。スイッチを入れると見ることが出来る地上波で「深夜ならOK」という理由は通らない。制作側が悪影響を与えていることを認識しない限り、放送は変わることはないだろう。
  • ドラマ番組。女性・子供を絞殺していくシーンがたくさん流れた。無差別殺人事件が多い中、このような番組を放送するのはよくないのではないか?テーマはともかく、子供・女性を殺害するシーンはよくない。

【罰ゲームに関する意見】

  • バラエティー番組。番組内で体に電流を流すような体罰的罰ゲームを未だにやっていた。バラエティー番組で行われている罰ゲームなどの暴力表現について「青少年の人間観、価値観を形成する上で看過できない」として、テレビ各局に自粛を求めたBPOに対する挑戦状であると思われる。即刻、中止要請を出すべきだ。
  • バラエティー番組。罰ゲームで無理矢理キスをするシーンがあったがセクハラだと思う。青少年に人気のある番組なので、こういうことをしてもいいのだと思わせるのではないかと心配である。いじめの原因になる危険があるので番組内で謝罪をし、以後このようなことがないようにしてほしい。

【喫煙に関する意見】

  • ドラマ番組。必要以上にタバコを吸うシーンが多いと感じた。不良高校生という設定らしいが、見ていて喫煙シーンの必要性は感じなかった。また、教師達の職員室での喫煙シーンもあった。受動喫煙が問題とされているこの時代に、ふさわしくないドラマの内容だと思う。局に電話をしても「演出」として片付けられると思い、BPOに電話をした。

【非科学的なことがらに対する意見】

  • バラエティー番組。「人の言葉によって水の結晶が変化する」という情報を紹介していたが、このような、いわゆる疑似科学と言われるような情報を、まだそのような判断できない小・中学生が見る日曜のお昼という時間帯に放送するのはいかがなものか。以前、教材等で使用され科学的な根拠をめぐって問題にもなった内容なので不適切だと思われる。

【視聴者意見への反論・同意】

  • よく「ドラマやアニメでの暴力表現・性的表現が子供に良くない」という意見を目にするが、自分はまったく逆の意見だ。人間の死や性を目にして学ぶことも多いはずだ。過剰な規制をすれば、映像芸術が衰退する危険もあるし、子供自身が問題について意識する場面を奪ってしまうのではないか。何より、これらはフィクションであり、それを区別しないで犯罪を起こす人間がおかしいのであって、人間は様々な表現に影響を受け適応する能力があるはずだ。単なる嘲笑や侮蔑的な意識が制作者にあるのなら話は別だが、表現者の萎縮も好ましくはない。この点に関してはもっと寛容になるべきだと考えている。慎重になるべきは報道番組だけで良い。アニメやお笑い番組はもっと規制を緩和して自由になって良い。緩和することが悪であるかのような風潮こそが異常であり癌だ。ただし、繰り返すがそこに悪意がないことが必須条件である。
  • 第89回 放送と青少年に関する委員会

    第89回 – 2008年4月

    パチンコCMの現状と課題

    視聴者からの意見について …など

    4月22日に開催した今年度第1回青少年委員会(通算89回)では、日本民間放送連盟(民放連)番組部長・三好晴海氏を招き、パチンコCMの現状と課題についてレクチャーを受け、意見交換したほか、3月15日~4月14日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に審議した。また、中学生フォーラムと調査・研究について報告があった。なお、議事に先立ち、4月1日付で青少年委員会委員に就任した境真理子委員(桃山学院大学国際教養学部教授)を紹介した。

    議事の詳細

    日時
    2008年4月22日(火)
    場所
    「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
    議題
    出席者
    大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

    パチンコCMの現状と課題

    (三好晴海氏レクチャー概要)

    新聞報道によると、30兆円ともいわれるパチンコ業界は、パチンコ客の”資金源”の一つだった消費者金融が貸金業法の改正等により貸しにくくなったため遊戯人口が減り、一方、ギャンブル性を高めすぎたため社会問題が深刻化し、警察などによる規制が強化された結果、パチンコ店の倒産が増えている。そこで新たな客層の掘り起こしの一環として、アニメのキャラクターやテレビドラマのシーンなどを使った”タイアップ・パチンコ機器”を次々と開発し、最近は、パチンコ店(ホール、パーラー)ではなく、パチンコ機器メーカーによるイメージCMが多く流れるようになった。

    パチンコ店のCMは、10年ほど前、駐車場の車に置き去りにされた子どもが死亡する事件が社会問題化し、地域の遊技業組合の規制が厳しくなり、CM放送がストップする状況があったが、ここ数年、パチンコ・パチスロ業界の競争が激化し、大手全国チェーン店や隣県の企業からの出店攻勢、地元の企業の対抗という三つ巴で顧客獲得競争が展開され、そうした状況の中で、総体的にパチンコCMの出稿が増加しているのではないかと思われる。

    パチンコCMの放送は、東京と大阪地区ではパチンコ店のCMは取り扱わないが、パチンコ機器メーカーCMは取り扱っている。逆に他地区では、パチンコ店CMと、キー局からのネット番組に入っているパチンコ機器メーカーCMの両方が流れており、視聴者の目を引いているのではないか。ローカル局では近年、スポットCMの売り上げがずいぶん落ちてきているため、いきおいパチンコCMを受けざるを得ない状況になってきていることも現実のようだ。

    CM考査の目的

    パチンコCMを放送するにあたって民放各社では、関係法令や放送基準に合致しているか、また地元の条例や業界の広告自主規制基準と照合しながら判断しているが、さらに各放送局は放送基準の下に自社の内規を設け、それに沿って個々のCMの考査・審査を行っている。

    CM考査の目的は、第一に視聴者(消費者)保護であり、同時に、自局の信頼や媒体価値の低下を招かないことにも注意を払っている。さらに、放送基準の前文にも書かれている”児童および青少年に与える影響”と”節度を守り、真実を伝える広告”に留意している。”媒体特性の認識”ともいえるこの二つが考査判断の理念になっている。

    パチンコCMの判断基準

    パチンコCMの判断基準として放送基準では、”著しく射幸心を煽る表現はしない” “児童・青少年への配慮” “未成年を登場させないこと” などの条文を設けているが、このほか、アニメなど児童・青少年向け番組やニュース、青少年が見るスポーツ番組の前後には編成しないなど”放送時間帯の配慮”を内規で定めている局もある。

    こうして、各局とも放送基準の条文等を念頭に置きながらパチンコCMの考査を行っているが、パチンコ店は、風俗営業ということで「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」で規定され、営業するには都道府県公安委員会の許可が必要。さらに、都道府県の青少年健全育成条例や地元の遊技場組合などと協議しながら、地区の放送局で独自に自主規制基準を策定している。しかし、パチンコ機器メーカーは、この「風営法」の範ちゅうではないため、考査にとってはグレーゾーンになっている。

    各地区の状況

    多くの地区で「パチンコ・パチスロ店など遊技場のCMの取り扱いに関する内規」を策定しているが、その内容は、遊技場CMの演出・表現や用語、あるいは映像手法に関して”射幸心” “青少年への配慮”の観点から規定するものが多い。また、パチンコ店のリニューアルオープンといったイベント告知を制限する取り決めもしているが、放送時間帯にまで明確に言及した内規は少ないようだ。

    特徴的な地区の状況を見ると、北海道地区では、北海道遊技関連不正防止対策機構などの指導もあって「パチンコCMを放送できる時間帯を、23時~4時まで」としている。また、静岡地区は、パチンコ店名の入っているCMは取り扱わないが、企業のイメージCMのみ放送できる。岡山地区は「地元パチンコ店のCMは取り扱わない」としている。

    今後の課題

    最近のパチンコCMに関する考査現場での悩みは、「出る、出る」とか「マックス」といった射幸心を煽る言葉の使用や、換金や景品に言及する表現、パチンコ機器のアップ映像や出玉の映像などの取り扱いでのやり取りにあるようだ。こうした事柄は、各局の考査担当者が広告主や広告会社と、きめ細かく折衝しながら改稿を要請し、適正な表現の範囲に収まるよう、留意事項やルールを取り決めている。

    また、『冬のソナタ』『必殺仕事人』『みなしごハッチ』『フランダースの犬』『アルプスの少女ハイジ』などのテレビドラマやアニメの画面を使ったパチンコ台CMが増えてきており、これも考査現場の悩みとなっている。

    こうしたパチンコCMをめぐる状況の中で、富山地区では遊技場組合、警察、テレビメディアの3者が一昨年から勉強会を重ね、能動的な発想でどういうCM表現なら放送できるか、といったスキームづくりを共同で議論しながら取り組みを進めたといった事例もある。

    【意見交換】(▽委員、▼三好氏)

    ▽特番やスポーツイベント番組にパチンコ機器メーカーのCMが入ることがあるようだが、こうした番組がネットでローカル局に流れると、各地区が個別に内規を作って自主規制をしても何もならないのではないか。
    ▼パチンコ機器メーカーのCMがネットで入ってくると、ローカル局ではどうしようもないので困っていると聞いている。
    ▽パチンコCMを受けないと経営的に難しいのか。
    ▼民放の経営はそこまで悪化していないが、経営的に考えればCMの出稿が多ければ収入アップになる。考査ではなんとか止めたいとしているようだが、営業要請で放送したという事例もある。個々のCMを審査しながら判断するというのが現実だと思う。
    ▽以前は局の自主規制で受けていなかったパチンコCMを、不況だからということで流してしまうのは考査の基準がだんだん緩やかになってきているのではないか。営業と考査のせめぎあいはあると思うが、考査がどのくらいがんばれるかにかかってくるので、その辺が局の考査が抱えている問題なのではないか。
    ▽局の考査では、例えば高校野球の中継の間にビールのCMを入れないといった暗黙の了解があると聞いているが、最近のパチンコCMの状況を見ていると、特にローカル局の考査がだんだんなし崩し的なってきているのではないか。一時期のサラ金CMと同じように批判が風化していくのが心配だ。
    ▽パチンコ機器メーカーCMには、テレビドラマやアニメの画面が使われているが、番組宣伝かパチンコCMか、分からないものもある。
    ▽パチンコ機器メーカーのCMを見たからといって青少年がパチンコ店に行くとは考えられないが、テレビドラマやアニメの画面が使われているとパチンコに興味を持つのではないか。こういったCMは青少年が見ている時間帯にはふさわしくないので、局としても考えてほしい。
    ▽北海道地区では、パチンコCMの時間帯規制があるようだが、今後、民放連として放送時間帯について取り組んでほしい。
    ▼局の実情を知るために委員会が話し合いの場を持つことは大事だと思う。
    ▽自主規制や考査は時代とともに変わっていくのが当然だが、変わりつつも大事なところは常に確認しておくことが重要ではないか。

    以上の結果、パチンコCMの放送時間帯の配慮については、今後も視聴者意見の動向を注視しながら、局の担当者と意見交換するなどを検討していくことになった。

    視聴者からの意見について

    青少年委員会が4月11日に公表した「注意喚起 児童の裸、特に男児の性器を写すことについて」について、視聴者から「規制強化だ」「表現の自由を奪うのか」という批判意見が寄せられ、委員からは次のとおり発言があった。

    • 委員会の「注意喚起」が、「単純所持の禁止」といった児童ポルノの規制強化の動きと同じだと受け取っているのではないか。
    • 児童ポルノ法改正の動きには過激なアニメも規制しようとする案も盛り込まれているが、これと委員会の「注意喚起」を結び付けているのではないか。
    • 「注意喚起」の記者会見席上で、委員会の主張と児童ポルノ規制とは一線を引くものだと、はっきり言明しているのに、規制と受け取られるのは残念だ。送り手と受け手のギャップを考える必要があるのではないか。
    • 視聴者意見には、実際にインターネットで被害にあったという意見も来ている。やはり被害は実在していたようで、今後も注視していく必要がある。

    中学生フォーラムについて

    小田桐委員から3月26日に開催した第7回中学生フォーラムについての報告と今後のフォーラムの取り組みなどについて提案があった。

    調査・研究について

    橋元副委員長から今年度の調査・研究について、次回委員会で具体的な案を示したい、との報告があった。

    中学生モニター報告〔4月分〕

    新モニターの初報告となった今月は、31人から34件(1人で複数件の報告あり)の番組への意見が寄せられた。

    報告を分野別に分けると、バラエティーが一番多く14件、次がドラマで10件、そして情報・討論番組、ドキュメンタリー、アニメ、音楽番組が2件ずつ、スポーツ番組とラジオ番組が1件ずつだった。

    局別では、TBS系とフジテレビ系が9件ずつ、NHKと日本テレビ系が5件ずつ、テレビ朝日系3件、テレビ東京系とTOKYO FMと民放各局に向けた意見が1件ずつとなっている。

    ・バラエティー番組

    バラエティーでは12番組に意見が寄せられ、好評8件・賛否両論3件・不評3件だった。2件意見が寄せられたのは『ザ・イロモネア』と『クイズ!ヘキサゴン?』の2番組。

    『ザ・イロモネア』は、「久々に思いっきり笑わせてもらった。どの芸人も普段見ることのできない”本性”をトコトン味わえた」などと好評だったが、「芸人のネタのパクリがあり憤慨した」という指摘があった。

    『クイズ!ヘキサゴン?』は「ためになり、色々な種類の問題があり面白い」が、「”おバカさん”というのを売りにして番組が盛りあがるというのはどうかと思います」という賛否両論の意見だった。また『わかるTV』への意見で、「おバカおバカと連呼するクイズ番組をおもしろがる人もいるだろうが、不快である。私は、やさしく教えてくれるこんな番組を待っていた」というものがあった。

    不評意見は、『行列のできる法律相談所』に「今では名前だけ法律番組で、トーク番組になっている」、『世界一受けたい授業SP』に「内容は番組宣伝的要素が多くて、いつものような驚きがありませんでした。期待してみたので、とてもがっかりしました」、『オールスター感謝祭’08』に「お笑い芸人がケガをしたのを見ました。やっぱり安全面に気をつかった企画でないと安心して見られない」などが寄せられた。

    ・ドラマ番組

    ドラマで意見が寄せられたのは9番組で、好評6件・賛否両論1件・不評3件だった。

    2件意見が寄せられた『SP特別版』は賛否両論と不評意見だったが、「新たなストーリー展開を期待していたので、正直ガッカリした」という点は共通していた。

    他の不評意見は、『バッテリー』に「原作を読んでいる人も読んでいない人も楽しめるドラマ作りが必要だと思いました」、『斉藤さん』に「最終回のエンディングがケープタウンという設定なのに実際に撮影しているのは日本の横浜の赤レンガ街だということがバレバレ」というものだった。

    ・その他の番組

    4月2日に4時間近くに渡って放送された『報道大河スペシャル』について、「こんなにいろんな国の環境問題を紹介しているのを始めてみました。一番驚いたこと・・・それは北極にもごみの問題があるということです。環境についての番組は、私たちがしなければならないことを伝えず、現状しか伝えません。身近にできることも報道してほしいです」という意見があった。

    また民放各局のプロ野球中継について「一番面白い場面で終了してしまうのは僕には理解できない」、『CDTVXSacas!』には、番組HPにはEXILEスペシャルライブと書いてあったが、結局60分の中出たのは30分。中学生の僕自身寝る時間も割いて見ているのに期待外れの内容だった」という批判意見が寄せられた。

    FM放送番組『やまだひさしのラジアンリミテッドDX』の火曜深夜放送分について、「性的な内容が多く含まれており、最低限、性的な内容の発言は控えるべきだし、さもなくばこのような番組は今すぐにでも無くなってほしいと思います」という批判もあった。

    5月のモニター報告は、ひと月ほどの間に見た番組についての感想・批判・期待などのほか、一つの番組に限らず特定の分野の番組についての意見や、さらに今のテレビのあり方などについての意見も広く募集することになった。

    第13回 放送倫理検証委員会

    第13回 – 2008年4月

    光市事件をめぐる裁判報道について

    報告事項 …など

    光市事件をめぐる裁判報道について

    前回の臨時委員会での意見に基づき、小委員会がまとめた委員会決定案の一部を修正することで大筋の合意を得た。細部の表現の字句修正を委員長と担当委員に一任し、4月15日に通知・公表することを決めた。

    報告事項

    クイズ番組において、戊辰戦争で旧幕府軍が会津若松城を明け渡した理由として「ふん尿が城内に溜まったこと」を正解とした件について、当該局は会津若松市に対し謝罪し、昼の時間帯で「謝罪放送」をおこなった旨が事務局から報告された。「本放送」および「謝罪放送」を視聴した後、委員会はこの報告を了承した。

    「光市母子殺害事件の差戻控訴審に関する放送についての意見」の通知・公表

    4月15日、在京5局とNHKに対して、「意見」の通知を行った。また、当日、千代田放送会館2階ホールで記者発表を開催、35社76名が集まった。

    (意見の全文はこちらに掲載)

    以上

    第134回 放送と人権等権利に関する委員会

    第134回 – 2008年4月

    「高裁判決報道の公平・公正問題」事案  起草委員会が草案作成へ

    「群馬・行政書士会幹部不起訴報道」  5月委員会でヒアリング ……など

    「高裁判決報道の公平・公正問題」事案  起草委員会が草案作成へ

    本事案は、今年1月に「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの代表が、「昨年1月放送の『ニュースウオッチ9』で、2001年に放送されたETV2001シリーズ『戦争をどう裁くか』について東京高裁が判決を言い渡したニュースの中で『当事者としてのNHKの言い分』と『報道機関としての報道』を峻別せずに報道したことは、公平原則に照らして到底許されるものではないし、放送倫理にも違反している」と申し立てているもの。

    4月の委員会では申立人、被申立人双方から、個別に直接主張を聞くヒアリングを行った。

    この席で申立人側は「NHKは報道機関でありながら、裁判の当事者としてのNHKと一体化していて、客観的な報道を行っていない、判決の本質をゆがめて伝えている」と訴えた。

    一方、被申立人のNHKは「当事者としての判断はなく、判決についてより淡々と伝えることに気を配ったものである」と述べた。

    ヒアリングの後、更に審理を行い、5月13日に起草委員会を開いて、委員会決定の草案作成の作業を進めることにした。

    「群馬・行政書士会幹部不起訴報道」  5月委員会でヒアリング

    群馬県行政書士会の幹部から、「ラジオのニュースにより、自分の名誉が毀損された」と申立てがあり、委員会で審理された。放送は昨年 12月12日のエフエム群馬の夕方のニュースで、「行政書士会の運営を巡る対立により、この幹部が傷害の疑いで書類送検され、その後不起訴になった」などと伝えたもの。

    これについて申立人は、「事実関係は全く違う。自分になんの取材をしないまま、県議会の委員会で取り上げられたからと言って、自分が傷害犯のように思われる報道を一方的にされたことは納得できない」として、エフエム群馬に対し訂正放送と謝罪を求めている。

    これに対しエフエム群馬は、「ニュースは、県議会での質疑応答の過程において明らかになった内容を伝えたものであり、重要事項についての事実確認を行ったうえで報道しており、真実でない事項の放送はしていない。従って訂正放送などに応じることは出来ない」と反論している。

    委員会では、申立人から提出された「申立書」「反論書」、及びエフエム群馬からの「答弁書」「再答弁書」等の資料を基に審理を行った結果、申立人、被申立人それぞれの言い分を確認する意味でも、次の委員会では双方を招いてヒアリングを行うことにした。

    苦情概要

    3月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり

    ◆人権関連の苦情[9件]

    • 審理・斡旋に関する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・9件
    • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・0件

    次回委員会を5月20日に開くことを決め、閉会した。

    以上

    第12回 放送倫理検証委員会

    第12回 – 2008年4月

    光市事件をめぐる裁判報道について

    報告事項

    光市事件をめぐる裁判報道について

    前回出された意見を受けて、小委員会が改訂した「意見」草稿に基づいて議論がおこなわれたが、結局結論を見ず、4月11日の定例委員会で最終的結論をまとめることとなった。

    報告事項

    • 1月21日に当委員会がフジテレビに出した『FSN27時間テレビ「ハッピー筋斗雲」に関する意見』をうけて、フジテレビから提出された改善策について議論した。霊能師を出演させることについて正面から発言していないという意見もあったが、フジテレビの取り組みを評価する意見が多数であった。(フジテレビの改善策はこちらに掲載)
    • クイズ番組において、戊辰戦争で旧幕府軍が会津若松城を明け渡した理由として「ふん尿が城内に溜まったこと」を正解としたことについて、会津若松市から当該局に対し抗議が寄せられているという新聞報道を紹介した。詳細については当該局に事情を聞き、次回委員会で報告することになった。

    以上