第190回 放送と青少年に関する委員会

第190回–2017年3月28日

視聴者からの意見について…など

2017年3月28日に第190回青少年委員会をBPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず2月16日から3月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。そのあと、3月の中高生モニター報告や今後の予定について話し合いました。
次回は4月25日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年3月28日(火)午後4時30分~午後7時00分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

「子どもに人気のアニメ番組でのキャラクターの言葉遣いや性格の設定がひどい。子どもが真似するのではないか」「オリンピック出場を目指す少女へのコーチの指導が厳しすぎる。虐待シーンを見せられているようだ」「出演者が小学生と一緒に給食を食べるシーンがあったが、出演者の食べ方などのマナーがひどい」「アニメ番組で、未成年と思われるキャラクターが性行為をしたかのようなせりふがあった」などの視聴者意見について話し合いましたが、現段階ではいずれもこれ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした今年度最後のリポートのテーマは、「この1年間を振り返って」です。また今月は、1年間中高生モニターの活動をサポートしてくださった保護者の方にもリポートをお願いしました。全部で24人の中高生モニターと18人の保護者から報告があり、それについて各委員が意見を交わしました。
また、今後の中高生モニターの運営などに関する小委員会を設け、より充実した制度にするための検討を進めることになりました。

【中高生モニター】
『モニターになる前と今とで、テレビやラジオの見方や聴き方が変わりましたか?』という質問にはほとんどのモニター(22人)が自身の変化を感じていると回答しました。「番組の後ろ側で制作している人たちのことを考えながら見るようになった」「スマホで見ていたニュースも、テレビならではの伝え方があることに気づいたり、細かい表現の違いや方法に疑問を感じたりするようになった」など多角的・客観的にテレビを視聴するようになったという意見や、「今まで見なかったジャンルの番組に接するようになりハマってしまい、こんな番組も好きだったと思えたことは収穫だった」「モニターになり、ラジオを聴くようになった。ラジオには聴取者に無限の想像を与えるというテレビにはない力があると思う」など新しい発見につながったという感想もありました。また、『今のテレビのあり方や、番組の内容についてどう思いますか?』という問いには、「リモコン操作で、自分が住んでいる地域では見られない他県の番組が見られるようになるといい」というアイデア、また「家族全員で小さなスマホの画面は見られないがテレビは囲むことができる。テレビにしかできないことはまだまだ存在する」「ラジオや新聞など様々なメディアがあるなか、家族みんなで楽しむことができるのがテレビ。これからも家族みんなで一緒に見て笑い、話題にできる番組を作り続けてほしい」「ネット社会の中で、テレビにしかできないことを模索していくべきだ」などテレビへのエール・提言が多く寄せられています。
最後の設問は『モニターとして過ごした1年間の感想を自由に書いてください』としました。「モニターの経験を通じて他人の意見を聞くことができ、自分が言いたいことの表現の仕方もわかった」「リポートを提出する経験で、番組を様々な角度から捉えてみたいという感覚が芽生えた」など自分自身の成長の報告や、「これからもメディアに対する自分の視点を持ち、自分はどうするのかを考える“能動的視聴者”を心掛けたい」という自覚の宣言、さらには「モニターをやってテレビがもっと大好きになった。テレビは僕にとってとても大切なもの。ドラマ・バラエティー・音楽番組どれも大好きだ。テレビから目が離せないくらいもっと大好きにさせてほしい」というテレビや制作者への“愛”を語ったモニターもいました。

【モニターの保護者】
保護者の方には、お子さんがモニターとなったことによる家族の変化を伺いました。
『お子さんがモニターをされたことによって、ほかのご家族のテレビやラジオの見方や聴き方に変化がありましたか?』という質問には、「同じ番組を家族で一緒に見る時間を意識的に持つようになった」「以前は個々に好きな番組を録画して見ていたが、みんなで一緒にテレビ番組を見て、話したり感想を言い合ったりする機会ができた」など家族団らんの機会が増えたという報告や、「番組を見れば積極的に報道の中身や背景を知りたがるようになったので、互いに意見を交わすようになった」「家族で自分の思いや考えを討論する時間が増えた。家族でも思いはそれぞれで、白熱してしまうこともしばしば」など、多くが家族とメディアの関係の変化を実感しているようでした。
『お子さんがモニターとして過ごした1年間の感想を自由に書いてください』という設問には、「今まで遠い世界の話だと思っていたテレビの世界が少し身近に感じられるようになった」「家族みんながいろいろな立場からメディアを考えるとても有意義な体験だった」などモニター活動を通じてのテレビやメディアに対する意識の変化を述べた報告が複数ありました。また、「(モニター活動を通じ)“文化とは何か”“品性とは何か”といったことを子どもと話した。BPOが守っているものは“番組の品性”ではなく“表現の自由”であり“多様性”であり“文化そのもの”であるということが良く分かった」と、BPOの使命・意義にまで言及してくれたリポートもありました。

◆委員の感想◆

  • 【この1年間を振り返って】について

    • 「モニターになる前はただ番組の面白さなどで判断していたが、今は『番組を見る人がどう思うのか?』と気にするようになった」という意見や「制作者は何を感じて欲しかったのか、と考えながら見るようになった」など番組を取り巻く多くの人の目線でテレビを見るようになっていることがわかる。

    • SNS時代のテレビについての意見が多かった。SNSネイティブの彼らとの世代間ギャップを、委員会として意識し汲み取っていかなくてはならない時代になっている。

    • 中高生モニターは1年間の活動期間を経てメディアリテラシーを得ている一方、彼らにはBPOのメンバーとして発言しているという思いもあるので、ある種のバイアスがかかっているという面もある。いわゆる普通の青少年の意見をどのようにすくい取っていくかは、我々委員会の課題である。

    • 「制作者の熱意を感じる作品とそうでない番組の差がひどい」「ゴールデンタイムの番組でも同じような番組が複数あったり、冗長な番組があったり不満を禁じ得ない。もっと制作者の情熱が感じられる内容の濃い番組が増えてほしい」などの意見から、作り手の熱を感じられる番組をモニターたちは求めていることがわかる。

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『嘘の戦争』(関西テレビ)を家族で毎回ハラハラドキドキしながら見た、という報告があった。このドラマを視聴してはいなかったのだが、リポートを読んでとても気になった。

◆モニターからの報告◆

  • 【モニターになる前とテレビやラジオの見方や聴き方が変わりましたか?】

    • 今までは、ただ笑って見ていたものが、この放送は嫌な気持ちになる人がいるのかなと意識するようになりました。モニター会議で安全を考えて作られていることを知って、安心して笑えます。(長崎・中学1年・女子)

    • 今までは何気なく見ていたテレビをより深く、意味を考えながら見ることが多くなりました。テレビ番組の後ろで働いている人たちのことを少し考えながら見たりするようになりました。(宮城・中学1年・男子)

    • モニターを1年間やっていくうちにだんだんとテレビが存在している意味について考えるようになり、視点が変わりました。(北海道・中学2年・男子)

    • 変りました!今までは単純に面白い・汚い・下品とか単純な物差しで番組を視聴していたけど制作者の番組の目的ってどんなところなんだろうとか?ターゲット層はとか考えながら見るようになりました。(神奈川・中学3年・女子)

    • モニターになって自分がいままでスマホで見ていたニュースをテレビで見る時にもテレビならではの伝え方に気づけたり、よく目を凝らして見ることで今まで気づかなかった細かい表現の違いや表現の仕方に対する疑問を感じたりと、たくさんのことに気づくことができました。(東京・中学3年・女子)

    • 今までは見なかったジャンルの番組をモニターで書くために見て、そのジャンルの番組にハマってしまい、実はこういう番組も僕は好きなんだなぁと思えたのは、すごくいい収穫だと思っています。(愛知・中学3年・男子)

    • この一年、できうる限り時間をみつけて、ラジオを聴くようになった。ラジオには、聴取者に無限の想像を与える力があると思う。これはテレビにはないラジオの良さで、私はこのモニターをやらないと気づくことができなかったと思う。(東京・高校1年・女子)

    • モニターになる前は、テレビやラジオに対して面白さや聴いていて楽しいかという面だけで判断することが多かったですが、番組を見る人がどう思うのかとか、いやな気持ちになったりしないか、そして番組に出ている人もつらい思いもしてないだろうかと気にするようになりました。テレビやラジオのデータは一生残るので、きちんと評価していく必要もあるなと思いました。(高知・高校1年・女子)

    • これまでは、放送されているものは完成されたものだから、完璧なものであると思っていました。だから、疑問や非難の気持ちなどは皆無に近かったです。モニターに選ばれてから、テレビを見る時もラジオを聴く時も「さまざまな条件・立場の人たちが理解できたり、楽しめたりできるものかどうか」ということを意識するようになりました。(福岡・高校1年・男子)

    • これまでは、テレビを見た時に制作者側の気持ちになって見たことなど一度もありませんでした。実際に制作者や番組に携わるカメラマンやディレクターなどの人を目の前にすると、一つの番組に関わる人の多さに圧倒され物凄い心がこもっている番組なんだと思って見るようになりました。(福岡・高校3年・男子)

  • 【今のテレビのあり方や番組の内容についてどう思いますか?】

    • リモコンで操作したら、他県の番組が見られるようになったりするといいです。どこに住んでいても、関係ないといいです。今は住んでいる県しか見られないから、知らない番組があったりします。(長崎・中学1年・女子)

    • 今のテレビは「視聴者」を一番に考えて作られているものが多く、参加型だったり、見ているほうも楽しくいいのではないかと思います。それが番組に反映されて面白いものもたくさんありますが、逆に視聴者ばかりを意識して、番組の意図がわかりにくい番組もあるのではないかと思います。(宮城・中学1年・男子)

    • ラジオや新聞など様々なメディアがあるなかで、家族で一緒に居る時ボタン一つで見ることができて、みんなで楽しめるものがテレビだと思う。これからも家族で一緒に見て笑い、学校や家族の中で話題にできる面白いテレビ番組を作り続けていってほしい。(岡山・中学2年・女子)

    • テレビは公共のものなので、ある程度のマナーを守っていて、視聴者が求めている番組をしっかり放送局側が考えて放送していると思います。テレビは、ただ見るものではなく、参加型のテレビと進化しているなかで、いかに視聴者を飽きさせないようにするかが今後の課題だと思います。(埼玉・中学2年・男子)

    • インターネットが普及し、誰もが簡単に情報を発信したり得たりすることができる今、テレビはもっとテレビにしかできないことをするべきであると考える。最近の番組はどれも似たような番組であるように思え、別にテレビでなくともよいのではないかとも思う。(兵庫・中学3年・男子)

    • 今、若者のテレビ離れが進んでいるが、テレビにしかできないことがまだまだ存在すると思う。画面の大きさ一つとっても、家族全員でスマホ画面の映像は見られないが、テレビは見られる。これは当たり前のことだが、テレビの強みの一つであると思う。(東京・高校1年・女子)

    • SNSの登場でテレビ離れも進行するなか、番組の放送内容に対する世の中の視線がより厳しくなっていると感じる。ゴールデンタイムのバラエティー番組を見ていても、同じような内容の番組が複数あったり、冗長な長時間番組があったりと、不満を禁じ得ない部分はある。もっと制作側の情熱が感じられ、内容の濃い番組が増え、そうでない番組がなくなることを期待したい。(京都・高校1年・男子)

    • 今、ネットなどで一般の人でも番組について自由に意見を書き込めるので、何でも問題視されやすくて大変だなぁと思います。でも、それにめげずに面白い番組を作ってほしいなと思います。(福岡・高校1年・男子)

    • 面白い・制作者側の熱意を感じる番組とそうでない番組の差がひどい。とくに、「世界のおもしろ映像」とか言ってYouTubeの映像をひたすら流してタレントにコメントを言わせるだけの番組がゴールデンタイムに頻繁に放送されているのは違和感がある。もっと、「テレビにしかできないこと」を模索して行くべきだ。(神奈川・高校2年・女子)

    • インターネットとの差別化をはからなければテレビ離れが進むばかりだと思います。このような状況下でのテレビは、SNSなどのインターネットツールとの密接な関係が重要になってくると思います。テレビから視聴者の一方通行ではなく、SNSなどを使ってテレビと視聴者を相互につなげて「視聴者と番組をつくる」ことが今のテレビの在り方だと思います。これからも「視聴者と番組をつくる」ことを念頭におき、視聴者が参加したいと思えるような番組を作ってほしいです。(山口・高校2年・男子)

  • 【モニターとして過ごした1年間の感想を自由に書いてください】

    • 今まで何気なく見ていたテレビをじっくりを見て自分の意見を伝えるというのはとても貴重な体験でした。テレビ番組はその後ろに大勢の人が関わり、思いを持って作られているのだということがわかったのもとても勉強になりました。(宮城・中学1年・男子)

    • モニター活動に参加したおかげでテレビに触れる機会が増え、様々なジャンルの番組に触れる機会がありました。地元のテレビ局の番組や面白い番組に出合うことができました。とてもよかったです。(北海道・中学2年・男子)

    • 中高生モニターになってからは今までよりテレビをはじめ情報を発信するメディアにさらに興味を持ち始めました。1年リポートを書き、2回の会議に参加したうえで最後に、やはり私はメディアに関する仕事につきたいと改めて感じました。この1年テレビに関して考えられたことで自分の夢についても考えることができて本当にためになりました。(東京・中学3年・女子)

    • 自分の思ったことや感じたことを下手くそですが文字に書き起こしそれを読んでもらえる。とても嬉しかったです。質問にもしっかりと答えてくれていたり、自分の書いた感想に意見をくださったりとても嬉しかったです。自分の言葉が届いていることが嬉しく、面白くとても貴重な体験だったと思います。僕はテレビが大好きです。このモニターを1年間やることができ、もっとテレビが大好きになりました。テレビは人間の生活に必要だと思います。そんな素晴らしいものを作る人をとても尊敬しますし、これからもよりいいものにしていってほしいと思います。もっと大好きにさせてほしいです。テレビから目が離せないくらい、笑い過ぎてお腹が痛くなるくらい、そんな番組をこれからも楽しみにしています。(愛知・中学3年・男子)

    • 学校以外の方との交流をもっと増やしたかった。このように、単に青少年委員会へ文章を送るだけではなく、もっとface to faceをしたかった。文章では僕らの感じたことがうまく伝達できないし、声や表情で伝えることができれば幸いであった。(東京・中学3年・男子)

    • テレビはいろんな人が見るもので、様々な見方や捉え方があるから、私自身の一つの意見に絞らず、いろんな人の考え方に耳を傾けなくてはならないと感じました。このモニターで得られたことを糧に、視野を広げ、テレビやラジオの魅力を伝える人になれたらと思います。(東京・高校1年・女子)

    • 8月に出された、テレビ・ラジオ番組の企画を考えるにあたり、自分はテレビに対して批判的な目を持ち、その上での感想を持ちながら接しているが、では自分ならどうするのか、どのような番組を作るのか、ということをほとんど考えずに来たのだと気づいたことは、印象深い出来事だった。これからもメディアに対する自分の視点を持ち、感じたことを基に、では自分はどうするのかを考える、すなわち「メディアに能動的に接する」ことを心掛けたい。(京都・高校1年・男子)

    • テレビやラジオを通した意見を提出する経験で、番組をさまざまな角度から捉えてみたいという感覚が出てきました。また、学校生活以外の役割や人間関係が持てることで、ぼくの世界観が広がりました。(福岡・高校1年・男子)

    • モニターとしての1年間は本当に良い経験となった。ある物事に対する自分の意見をしっかり持つことができるようになり、同時に他人の意見も受け入れ易くなった。これからの日本のテレビ番組について深く考えている大人や学生が大勢いる。そのことが分かっただけで、これからのテレビは大丈夫だろう。僕はこのモニター経験を将来に活かしたいと思う。(東京・高校2年・男子)

    • 毎月、様々なテレビやラジオに触れることができました。今まで見たことのなかった番組も多く視聴し自分の視野を広げることができました。また、感想を書くということを通してその番組を再度見つめなおし、良いところ悪いところだけでなく、その番組が何を伝えたいのかということを考えることができました。(山口・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 普段、自分の意見を伝える機会がほとんどなかったので、この一年、本当に楽しかったです。自分の考えを言葉にするのが難しく、初めは手探り状態でしたが、今では大きな自信につながりました。(東京・高校1年・女子)

    • 今日、ラジオを聴く若者は少なくなっているのではないかと思います。友達との会話でも、ラジオについての話題があがることは全くありません。ラジオは、「音」だけを伝えて、視覚情報がないので、テレビやパソコンに慣れてしまった私たちには面白くないものとしてとらえられているのかもしれません。しかし、ラジオは、テレビよりリスナーとパーソナリティの距離が近いなどの利点が多くあります。ラジオを疎遠するのではなくて、積極的にラジオを紹介していく取り組みが必要になってくると思います。そのためにも、青少年へのおすすめ番組にラジオ番組を組み込むなど青少年にラジオの番組を紹介すればよいと思います。(山口・高校2年・男子)

◆保護者からの報告◆

  • 【お子さんがモニターをされたことによって、ご家族のテレビやラジオの見方や聴き方に変化がありましたか?】

    • 娘を通して、娘と見るテレビの見方が変わりました。変わったというか、話題が具体的指摘になっているような、言葉の言い回しに変化があるように思います。今までだと、ただ見ていたものが、こう言い方は分かりやすいか分かりにくいか、などというようになりました。(長崎・中学1年・女子の母)
    • 今までは、個人個人で好きな番組を録画して見ていましたが、毎月モニターで指定されるテーマのおかげで、みんなで一緒にテレビを見ることで、その番組について話したり、感想を言い合ったりして、良い家族団らんの機会となりました。(石川・中学2年・女子の母)
    • テレビの内容を起点とした親子の会話が以前よりも増えました。報道番組を見れば、積極的にその報道の中身や背景を知りたがるので、互いに意見を交わしています。政治や外交の報道を見ると、放送局や番組による違いがあることも少しずつ分かり始めていて、そういう意味ではテレビ報道を鵜呑みにするのではなく、自論を持ちながら番組を見る姿勢が養われたと感じています。この1年間は家族皆がそれぞれに楽しみ成長しました。(岡山・中学2年・女子の父)
    • 自分の思い考えを家族と討論する時間が増えました。家族内でも思いはそれぞれで、白熱してしまうこともしばしば。夫とはもちろん違いは分かっておりましたが、子それぞれ思想、願いが違うことも改めて分かりました。(千葉・中学3年・女子の母)
  • 【お子さんがモニターとして過ごした1年間の感想を自由にお書きください】

    • 普段の中学生生活とは別の世界で、自分の意見を大人の方たちに真剣に聞いてもらえるという経験は、本人にとって本当に貴重で得難いものだと思いました。今まで遠い世界の話と思っていたテレビの世界が少し身近に感じられるようになった一年でもありました。(宮城・中学1年・男子の母)
    • テレビ、映画、インターネット動画など今の世の中にあふれるほどの映像がある中で、どういうものを子どもに見せるのがよいか、親としては悩むところですが、今後もモニターで培った「考える力」を通して、息子のメディアリテラシーが少しずつ育っていけばいいなと思っています。(北海道・中学2年・男子の母)
    • 親子ともに倫理的なTVの見方を学ぶ貴重な経験でした。(東京・高校2年・男子の母)
  • 【自由記述】

    • 日本テレビでの会議は、親子共々、とても有意義で貴重な体験でした。『イッテQ』は、以前から家族でよく見ていた番組でしたが、番組そのものの見方も、今まで以上に深めることができると思います。終了後、家に着くまで「文化とは何か」「品性とは何か」といったことをずっと話しながら帰りました。BPOが守っているものは「番組の品性」ではなく、表現の自由であり、多様性であり、文化そのものであるということが大変よくわかりました。(岡山・中学2年・女子の父)

調査研究について

担当の菅原委員から、来年度に本格調査を行う「青少年のテレビ・ラジオに対する行動・意識の形成とその関連要因に関する横断的検討」の調査票案が示され、説明が行われました。また、中橋委員を加えた小委員会を設置して調査票を精査することとしました。

今後の予定について

  • 6月30日に島根県松江市で意見交換会を開催することを決定し、当該地区の放送局と調整を進めることとしました。委員長を含め、委員3名が参加する予定です。

  • 10月に全委員が参加する意見交換会を開催することを決定しました。

その他

  • 汐見委員長から、3月16日に開催した「BPO年次報告会」について報告がありました。

第189回 放送と青少年に関する委員会

第189回–2017年2月28日

視聴者からの意見について…など

2017年2月28日に第189回青少年委員会をBPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず1月16日から2月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。そのあと、2月の中高生モニター報告や今後の予定について話し合いました。
次回は3月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年2月28日(火) 午後4時35分~午後7時00分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

●「中学生が暴行している様子をTwitterで拡散していたことを取り上げたニュースについて、映像処理はしていたが被害者の許可は取っていたのだろうか。暴行を受けた少年が気の毒でならない」という視聴者意見について、このニュースでは全面ボカシがかかっていて人物が特定できないようにしてあったが、一般論としてインターネット上の情報を扱うときは、慎重な取り扱いと充分な配慮が必要だ、との意見がありました。

●「罰ゲームとして芸人をゲレンデに寝かせ、ショベルカーを使い上から雪を覆いかぶせていた。それを共演者全員で笑っていた。危険であり、いじめではないか」という視聴者意見について、毎年雪下ろしで亡くなる事故が起きている中、安全性の確保はもちろんのこと、このような企画が放送に適しているかどうか十分議論してほしい、との意見がありました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした2月のリポートは「あなたの視聴・聴取行動を教えてください」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で26人から報告がありました。
「テレビやラジオの番組を視聴・聴取・録画するとき、番組の情報をどこで得ていますか?」(選択肢あり・複数回答)という質問の答えで一番多かったのは「友人の口コミ」(16人)でした。その他の回答は、「新聞のテレビラジオ欄」(14人)、「インターネット」(12人)、「家族の勧め」(13人)がほぼ同数という結果でした。
また自分が見る番組の録画視聴動向についての設問では、「1.全く録画しない」「2.時々録画している」「3.ほとんど録画視聴である」の3つの選択肢を提示しました。すると(3)の「ほとんど録画視聴」を13人が選択し、(2)の「時々録画」(10人)を併せると90%近くのモニターが録画視聴を活用していることが分かりました。それらの使い分けについては、「ながら視聴や途中で視聴をやめても気にならない、それほど見たいわけではない番組」や「朝や夕方のニュース」についてはリアルタイムで視聴し、「どうしても見たい番組やドラマ」や「好きなアーティストが出演している番組」などは録画してじっくり楽しむという意見が多く寄せられました。
最後は、リアルタイムで視聴するときにFacebookやTwitterなどのSNSに感想を投稿したり他者の意見を閲覧したりする「ソーシャルビューイング」についての設問です。モニターの35%(9人)がソーシャルビューイングをしたことがあると回答しました。「同じアーティストを好きな人たちと意見を共有したい」「番組についての他人の意見を知りたい」「自分では気づかなかったことを他の人が指摘していてなるほど、と思うことが面白い」など、インターネット上でのつながりを楽しんでいる様子がうかがえました。
「自由記述」には、「朝や夕方のニュース番組のおよそ半分がエンターテインメント系で、本来知りたい社会の情報がきちんと放送できていない番組が多くなってきているように思う」という意見や「友人と話をしていても、テレビ自体に興味がないという人がしばしばいる。(テレビを)見る人と見ない人の二極化が目立っている」という報告が寄せられました。また『SCHOOL OF LOCK』(FM東京)について報告したことがその後番組でも取り上げられたことに関して「自分の素直な意見が番組に届いたことをとてもうれしく思う」という感想もありました。

問1.テレビやラジオの番組を視聴・聴取・録画するとき、番組の情報をどこで得ていますか?(複数回答)

中学生
高校生
全体

1.新聞のテレビラジオ欄

7
7
14

2.インターネット

6
6
12

3.友人の口コミ

10
6
16

4.FacebookやtwitterなどのSNS

3
5
8

5.家族の勧め

7
6
13

6.その他

3
1
4

問2.あなたはテレビを録画視聴することはありますか?

中学生
高校生
全体

1.自分が見る番組については全く録画していない

2
1
3

2.自分が見る番組は時々録画している

7
3
10

3.自分が見る番組のほとんどは録画視聴である

6
7
13
15
11
26

問3.リアルタイムで視聴するとき、FacebookやTwitterなどのSNSに感想を投稿したり、他人の意見を閲覧したりするいわゆる「ソーシャルビューイング」をすることはありますか?

中学生
高校生
全体

1.ソーシャルビューイングをしたことがない

10
7
17

2.ソーシャルビューイングをしたことがある

5
4
9
15
11
26

◆委員の感想◆

  • 【中高生モニターの視聴・聴取行動】について

    • テレビやラジオの情報を新聞のラジオテレビ欄から得ているというモニターが意外と多いことに驚いた。

    • 録画視聴でテレビを見ているモニターが90%近いということは、そんなにテレビ離れが進んでいるわけでもないのかもしれない。

    • じっくり見たい番組は録画し、さらに気に入った番組はブルーレイに保存しているというモニターがいた。テレビ番組をそこまでしてそばに置いておきたいと思ってくれる視聴者がいることは、番組制作者を勇気づけると思う。

    • 録画視聴が当たり前になってくると放送時間帯による青少年への配慮の意味合いが変わってくるということになる。我々も、青少年の視聴動向の変化と番組については、考えていかねばならない。

    • 自分が小さい頃は、見たいテレビ番組に合わせて宿題や食事を済ませるなど、テレビに合わせて生活したものだが、今や録画視聴が当たり前になり、テレビは子どもたちの生活の時間を支配しなくなったのだと痛感する。

    • テレビが提示するテーマや内容について「他者はどのように考えるのか?」と情報を収集し、複眼的に物事を理解するためにソーシャルビューイングを利用していることが分かった。

    • ソーシャルビューイングの動機として、「他者と感想を共有、交流したいから」というものがある一方、「他の人がどのような感想を持っているか気になるから」という意見もあり、他者を気にする今の青少年の、人との付き合いが透けて見える気がする。

    • ソーシャルビューイングで「事件・事故などに意見や感想があれば書き込みたいと思う」というモニターがいるかと思えば、「スマートフォンもガラパゴス携帯も、自分用のパソコンも持っていない」というモニターもいる。このような二極化について、今後調査をしてみたい。

  • 【自由記述】について

    • メディアに対し、「公平・公正」について異議を唱える意見が複数あったが、「公平・公正」について、視野を広げて問題の本質を考えることができるようになれば良いと思う。「実質的公平とは?」と問いかける世の中の雰囲気を象徴した意見なのかもしれない。

    • トランプ米大統領が打ち出す政策に対し、「世論の賛否が分かれる問題の報道は賛成反対双方の視点を与えるものであるべき」という意見があった。番組は社会の共通の感覚、いわゆるコモンセンスを前提に作られていると思う。この場合は、トランプ米大統領の政策に対するある種の不安を共有していることを前提に、多様な意見によってこの流れを止めたいと考えるメディアの主張だったと思われる。しかし、今、若者たちは、そのコモンセンスを共有していないのかもしれない。

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『緊急!公開大捜索‘17春「ボクは誰なのか?教えて…」記憶喪失・失踪者SP』(TBSテレビ)を見て、出演した記憶喪失者の個人情報について考察していたモニターがいた。SNSが普及して個人の特定が容易になる時代に個人情報を扱う番組のあり方を考えながら見ているのだと感じた。このモニターが、この話題について、他者と議論できる環境にあれば、彼にとってさらに良いと思う。

◆モニターからの報告◆

  • 【リアルタイム視聴と録画視聴の使い分けについて】

    • 基本的には見たいテレビ番組は録画するようにしています。部活や塾がありリアルタイムで見ることができなかったり、見たい番組が深夜に放送されることもあるので録画視聴することが多いです。また録画視聴だとCMをカットできたり、番組を倍速で見ることができ時間の節約にもつながるので親からも録画視聴を勧められます。リアルタイムで視聴するのは、朝晩のニュース番組くらいです。(宮城・中学1年・男子)

    • リアルタイム視聴する番組は、それほど見たいと思っていないけれど、一応見てみようかなと思うような番組で、バラエティー番組やクイズ番組など、途中でお風呂に入ったりしても、問題なく視聴できると思える番組です。録画視聴している番組は、主にドラマやアニメなどで、きちんとストーリーがあるので、中断したり見ることができなかったりすると、話が分からなくなってしまうものが多いです。またドラマは、録画視聴した方がCMを飛ばすこともできるので、ドラマに集中できて便利だと思います。(東京・中学2年・男子)

    • 放送時間によって違います。例えば、夜中2時とかのものにおいては、録画をしますし、また、勉強時間を確保するときに見られないときに録画したり、自分の好きなアーティストが出演しているものに関しては、録画します。それ以外は、リアルタイムで視聴します。(埼玉・中学2年・男子)

    • ドラマは時間ぴったりから最後までしっかり見たいのとCMの時間が無駄なので録画にして自分の見たいタイミングで見ます。バラエティーは多少見られなくても一部見ただけで伝わってくることが多いので時間が余ったときなどに適当に見ます。(東京・中学3年・女子)

    • ふだんは学校や部活、習い事などでテレビを見る時間はあまりないので、どうしても見たい番組やドラマなどの続く番組は録画するようにしています。一方、ご飯を食べるときや休日に見るバラエティー番組は録画せず、リアルタイムで見ることが多いです。また、朝の情報番組なども録画することはほぼありません。そのときに情報を得たいと思って見るので録画する必要はないと考えているからです。(高知・高校1年・女子)

    • 最近では、自宅での学習時間の拡大によって、まとまってテレビを見る時間が縮小され、リアルタイム視聴の時間は減少しつつあるが、録画視聴の時間はほとんど減ることなく、むしろ増える傾向にある。(京都・高校1年・男子)

  • 【ソーシャルビューイングをする理由について】

    • 自分の好きなアーティストの番組などに関して、友達とTwitterをしたりします。理由としては、みんなでここが良いよねとか言い合うのが楽しいからです。(埼玉・中学2年・男子)

    • ソーシャルビューイングをするのは基本好きなアーティストやタレントが出ていたときです。今日はここが良かった。など同じようにそのアーティストが好きな人たちと意見を共有したいからです。また「いいね」などをしてもらうことで同じように感じてる人を見つけることができます。もう一つの理由は学校の友達とのやり取りで、次の日学校で話すより早く話せて、離れていてもその場で同じ話題で盛り上がれるからです。(東京・中学3年・女子)

    • 「あれはおかしい」「あれは放送して大丈夫なのか」「今のはどうなのか」という疑問を持った場合は調べます。自分と同じ感じ方をした人、自分と同じことを思った人がいるのか気になるときに調べます。そのほか自分の好きな芸能人が出ていた番組、自分の好きな番組を見た世間一般の人がその番組を見てどう思ったのか気になるときは調べます。特に意味はありませんが番組に対しての他人の意見が聞きたい場合は調べてみることがあります。自分とは違う意見が出てくるので面白いです。(愛知・中学3年・男子)

    • 他の人はどう思ったのか気になるからです。音楽番組やドラマなどが多いです。好きなアーティストや俳優などが出ている番組がメインで、同じファンの人と意見を交換しあうのが楽しいからです。自分では気づかなかったところなど、他の人が気づいていて「なるほどな」と思うことが面白いです。(広島・高校2年・女子)

    • 例えば、NHKのニュース番組でTwitterのつぶやきと共に伝えている番組があり、何か事件や事故、スクープ等に意見や感想があれば書き込みたいと思うから。あともう一つは、番組やドラマの中でアドリブや原稿を読むのに噛んだとかアクシデントがあれば、大体Twitter等に書き込まれるのでそれを共感したいから。(福岡・高校3年・男子)

  • 【自由記述】

    • 朝や夕方のニュースについて疑問があります。少しぐらい飽きない程度なら良いと思いますが、その番組のおよそ2分の1がエンターテインメント系であり本来私たちが知りたい社会のことについて情報がきちんと放送できていない番組が多くなってきているように思います。少しは娯楽として有っても良いと思いますが増えすぎてしまったように思いました。(東京・中学1年・女子)

    • 私は、見たくないテレビは見ません。録画をして見ることで番組を選んでいる気がします。人を傷つけたり、多くの人が見て不快に思ったりする番組は作ってはいけないと思う。お笑いの人も、笑われることで、みんなを和ませているんだと思います。私も家族の中でそんな存在になりたいです。お笑いの人が頑張って仕事をしているから、笑ってあげたいです。(長崎・中学1年・女子)

    • 「共謀罪」についての特集を見たが、共謀罪に反対する教授の意見のみが取り上げられ、賛成している人の意見を聞くことができず、公平に物事を考えることができない。学校の友達も、テレビ番組を視聴するだけでは両方の意見を十分に聞くことができず、最終的にはインターネットで情報を集めると話していた。これこそテレビ離れの原因なのではないかと思った。(兵庫・中学3年・男子)

    • トランプ米大統領が就任し、連日「大統領令」をはじめとする言動が注目を浴び、メディアもしきりに報道している。特に、イスラム圏の7か国の人々のアメリカへの入国を禁止する大統領令が発せられたときはそれが顕著だった。発令直後は、入国できなかったイランやシリアの人々のドキュメントが中心の批判的な報道がほとんどだったが、大統領令に対しての米国民の支持率の高さが明らかになってからは、トランプ賛成派の人々にもスポットが当たるようになってきた。トランプ大統領の諸政策など、世論の賛否が完全に分かれる問題を報道する際、メディアに「常に」心がけてほしいのは、賛成反対双方の視点を視聴者に与えることだ。どんなに突飛な政策が打ち出されても、この姿勢を忘れないでほしいと切に願う。(京都・高校1年・男子)

    • SNSなどで様々な情報を簡単に得ることができるようだが、ぼくはスマートフォンもガラパゴス携帯も持っていないし、自分用のパソコンも持っていない。テレビやラジオの話題も流行も、全部、学校の友達や先生、家族との会話で情報を得ている。リアルに盛り上がることができるし、はやりの音楽や俳優、バラエティー、ドラマを友達から会話で教えてもらって、それを家族に話してさらに一緒に楽しめたりすると面白いと思う。(福岡・高校1年・男子)

    • 1月27日の『SCHOOL OF LOCK』では、私が10月に報告したことがきっかけで放送でBPOが取り上げられました。自分の素直な意見が番組に届いたことはとてもうれしく思います。ぜひもう1度「ひとりぼっちじゃなかった日」の授業をしてほしいと思っています。これからも、生徒を元気付けるような楽しくて良い番組を作ってください。楽しみにしています。(山口・高校2年・男子)

    • 最近は、ラジオもタイムフリーで好きな時間に過去の放送が聴けるようになったので、深夜ラジオを聴きやすくなった。僕は関東在住ですが、関西でやっている番組にも興味があり、テレビもラジオのように、会員になれば全国の放送が見られるという形式があればうれしい。(東京・高校3年・男子)

    • 最近、友達にテレビの話をします。まあ受験生ということもあって友達はあまり見ていないのですが、もともとテレビ自体に興味がない人がしばしば見受けられます。例えば、年末近くになると歌番組が増えてきますが、『FNS歌謡祭』や『紅白歌合戦』など誰もが一度は見たことがありそうな番組でさえ見たことがないと言う人がいるのです。歌番組に限らず、自分の興味がない番組は一切見ない、またはテレビ自体に全く興味を示さない人が最近増えてきているんじゃないかと実感しています。いわゆる、メディア離れでしょうか?テレビの番組で盛り上がる人が多い反面そうでない人もいる。要するに見る人見ない人の二極化が目立ってきたということではないでしょうか?高校生活を通して感じたことです。(福岡・高校3年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『緊急!公開大捜索‘17春「ボクは誰なのか?教えて…」記憶喪失・失踪者SP』(TBSテレビ/CBC)実際にこんな人がいるのかなどと見ていて少し怖くなりました。本当に記憶がない人をここまで公にして大丈夫なのかなどといったいろいろな疑問が残る番組でした。このような番組は興味本位で見ていますが、番組を放送する意味は何なのか気になります。家族を見つけるためでしょうか。実際に番組を放送し得た情報をきちんと活用し解決に至っているのか。とても気になります。人の個人情報をばらまくだけの番組にならないといいと思います。(愛知・中学3年・男子)

    • 『超人たちのパラリンピック』(NHK BS1)パラリンピックには以前から興味があり、このように次の東京オリンピックに向けて練習している姿を見ることができて良かったです。障害が有ってもスポーツ選手としての芯の強さは変わらないのだなということを改めて感じました。(高知・高校1年・女子)

    • 『100分 de 名著』(NHK Eテレ)今までガンディーは教科書で少し読んだだけで名前しか知りませんでした。しかし、インド統一に向けて実際にガンディーが行ったことなど知らないことがたくさんありました。「塩の行進」は、ガンディーの政治家としての頭の良さと宗教家の面が両方見てとれました。今まで知らなかったことなので勉強になりました。全4回の放送をまとめた総集編などもあったら時間のない人でもガンディーや他の歴史的人物のことを詳しく知ることができると思います。(山口・高校2年・男子)

1月のモニター報告の中に、『ONE OK ROCK 18祭~1000人の奇跡 We are』(NHK)についての以下のような意見がありました。「最初はアーティスト目当てで見ていましたが、すごく心に響く番組でした。とても勇気をもらえました。感動しました。僕と同世代の子たちが番組の最後、ONE OK ROCKと一緒に歌を歌っている場面はすごく鳥肌が立ちました。うまく言えませんがとても感動しました。みんな悩みや希望、夢などいろいろに抱えている気持ちをむき出しにして声に出してぶつけている感じが何とも言えない気持ちになりました。一人ひとりがみんなとてもキラキラしているようにも見えました。とても胸が熱くなりました。パワーをすごくもらえました。仕事や勉強、恋愛や将来の目標など、それぞれの悩みを抱える世代がこの歌を歌う姿、すごくかっこ良かったです。人生一度きりなので後悔したくないと思ったし自分に正直に精一杯生きたいと思いました。ここまで心を揺さぶられるというか感動させられるとは思っていませんでした。今この番組を見ることができて本当に良かったと思っています。今悩んでいる人、夢に向かって頑張っている人、普通に生きている人、年齢関係なく一人でも多くの人に見てもらいたい番組でした。テレビを見てここまで勇気や元気、感動を貰える番組は初めてというくらい素晴らしい番組でした。この番組を今見ることができて本当によかった。(愛知・中学3年・男子)

この意見を読んだ委員から、当該番組をぜひ見てみたいという希望があり、制作局のNHKの協力を得て委員全員が視聴しました。以下に委員からの感想を紹介します。

  • 青春というものが提示されているような番組だった。歌の力をテレビが見せつけた番組だった。あの場に立ち会えたら誰もが感動するだろう。

  • 中高生が見たら、とても感動し憧れ、共感できる番組だったと思う。ただ、全ての子があのように行動できるわけではないので、“おちこぼれてしまった子”のための番組を次は制作してもらえたら、と思う。

  • 良くできていた番組だ。自分が中高生のときに見たら感動しただろう。あの番組に出ていたのは、一歩現状から踏み出したいと思っている人たちだろう。

  • 小学生の頃、『ステージ101』を見て、番組に参加している少し年上のお姉さんやお兄さんたちに憧れ、青春という時代への期待が醸成された。この番組も、年下の子どもたちが見たら憧れ、感動しただろう。ふだんは共通項が無くても歌という一つの目標に向かって進んで行く若者の姿をきっちりと伝えている。歌の力をまっすぐに伝える良い番組だった。

調査研究について

担当の菅原委員から来年度に本格調査を行う「青少年のテレビ・ラジオに対する行動・意識の形成とその関連要因に関する横断的検討」の調査票の案が示され、説明が行われました。今後の予定として、2017年度の1学期中に調査を実施し、夏休みに解析、後期に結果に基づいた討論・検討を経て報告書の作成を行うことが報告されました。

今後の予定について

  • 3月5日に開催の「2016年度中高生モニター会議~日テレフォーラム18~」(日本テレビと共催)について最終打ち合わせを行いました。

  • 2017年度の青少年委員会の会議の日程について検討しました。また意見交換会の開催地の検討も行いました。

「中高生モニター会議~日テレフォーラム18~」について
「中高生モニター会議~日テレフォーラム18~」を、日本テレビとの共同開催で3月5日に行いました。会議には、全国から中高生モニターが22人、日本テレビから加藤幸二郎制作局長が、BPOからは、汐見稔幸 青少年委員会委員長、最相葉月 同副委員長、稲増龍夫 同委員、大平健 同委員、菅原ますみ 同委員、中橋雄 同委員、緑川由香 同委員が出席しました。また、会議の進行役として蛯原哲 日本テレビアナウンサーに、社内見学の案内役として豊田順子 同アナウンサーにご協力いただきました。
第1部では、参加者全員が自己紹介をしたのち、豊田アナウンサーの案内で日本テレビ社内の報道フロアと番組収録スタジオを見学しました。第2部では、最相副委員長の司会で『世界の果てまでイッテQ!』を題材に、番組を立ち上げたプロデューサーでもある加藤制作局長を交え、演出方法や制作過程についての質疑応答や、番組に寄せられた批判の多い企画について意見を交換しました。第3部にはスペシャルゲストとしてタレントのイモトアヤコさんがサプライズで登場し、中高生モニターを沸かせました。その後、イモトさんも議論に参加し、出演者の立場から、ロケの裏話や、制作スタッフとの信頼関係、過酷な撮影に挑むときの気持ちなど、率直にお話しいただきました。中高生からも「笑われる企画に出演することへの抵抗感について」や「やめたいと思うことはないか?」など、様々な質問の声があがりました。
会議の最後には、中高生モニターや青少年委員会委員、加藤制作局長ら参加者皆さんに感想を語ってもらい、会議を終えました。この「中高生モニター会議~日テレフォーラム18~」の詳細は、後日掲載します。

第188回 放送と青少年に関する委員会

第188回–2017年1月24日

二つのバラエティー番組について討論…など

2017年1月24日に第188回青少年委員会を、7人の委員全員が出席しBPO第1会議室で開催しました。まず二つのバラエティー番組について討論しました。そのあと12月1日から1月15日までに寄せられた視聴者意見について、1月の中高生モニター報告や今後の予定について話し合いました。
なお委員会に先立ち、東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎氏を講師に迎え、在京テレビ局7社23人と委員との「放送における障害者~当事者の視点から見た現状~」と題した意見交換会・勉強会を開催しました。【詳細はこちら】
次回は2月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年1月24日(火) 午後4時35分~午後6時45分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

二つのバラエティー番組について討論

●「バラエティー番組でお笑い芸人が真っ逆さまに頭からプールに飛び込むシーンがありました。首の骨を折ってもおかしくない状況で非常に危険です。安全管理を徹底してほしい」という視聴者意見があり委員全員が番組を視聴した上で討論しました。委員からは次のような意見が出ました。

  • 映像を見る限り顎をしっかり引いて飛び込んでいる。初心者のように見せて飛び込んだのかもしれない。
  • 「よい子はマネしないでね。」の注意喚起やスタジオのフォローもあったが、飛び込みの危険性についてのメッセージは無かった。
  • プールでの飛び込みは小中学校では禁止され、事故が相次いでいることから高校でも指導要領の改訂が検討されている。ただ、あの程度の飛び込みを放送に適さないとまでは言えない。
  • 今回の番組では事前に対応していたようだが、たとえバラエティー番組であっても危険が想定される行為を放送する場合、安全性の確保はもちろんのこと、その必要性や社会的な影響を考えた上で判断してほしい。

などの意見が出ましたが、討論の結果これ以上の段階に進む必要はないとしました。

●「バラエティー番組で、罰ゲームとしておしりをしつこく繰り返し蹴られるシーンがあった。これはいじめの契機となるのではないか。笑いがあれば暴力も見過ごされるのだろうか」などの視聴者意見があり、委員全員が番組を視聴した上で討論しました。委員からは次のような意見が出ました。

  • キックを受けた後、よろよろとしてロッカーの角で顔を打ちそうになったのはハプニングだと思えた。危険だと感じた。
  • キックを受けている方も"おいしい"と思っているように見える。演出の中でありお約束の一部だろう。
  • 同じようなバラエティー上の演出と比べて野蛮とは受け取れなかった。ただ、1人を孤立させて笑いを引き出すという典型的ないじめの構図であり、いかがなものかと思う。
  • バラエティー番組であっても、安全性の確保は重要であり、いじめを想起させるような演出については十分慎重であってほしい。

などの意見が出ましたが、討論の結果これ以上の段階に進む必要はないとしました。

視聴者からの意見について

●「生放送で女性芸人にドッキリを仕掛けていたが、いじめにしか見えなかった」、「殿様が遅刻した家来にお仕置きをするコントがあったが、いじめにつながる行為ではないか」、「スケートを題材にしたアニメで男性同士の同性愛を連想させるシーンが見られた。子どもたちの健全な性に対する考え方の形成に悪影響を及ぼしかねない」などの視聴者意見について話し合いましたが、現段階ではいずれもこれ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした1月のテーマは「年末年始に見た番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で23人から報告がありました。
「年末年始に見た番組の感想」では、1人で複数の番組について報告を寄せてくれたモニターもおり、『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)をはじめとする歌番組に14人から、『ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!!絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ)などのバラエティー番組に8人、スポーツ中継に2人、ドラマ映画番組に2人から報告がありました。最多の12人から感想が寄せられた『第67回紅白歌合戦』については、「祖父母の家で家族みんなで紅白を見ることが我が家の恒例の年越し」であるという声や、「今年は例年になく制作者の意気込みが感じられた」という感想の一方、「マンネリを変えようという制作者の姿があからさまに丸見えだったのはいかがだろうか」という意見もありました。また「毎年楽しみにしている」という意見が複数寄せられた『ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!!絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』は、6人のモニターが取り上げました。
「自由記述」では、「年末年始はバラエティー番組ばかりで飽きる」という意見や、「今回は、芸人に体を張らせる番組が多かったように感じる」という報告もありました。
「青少年へのおすすめ番組について」は、『関口宏の東京フレンドパーク2017 新春ドラマ大集合SP!!』(TBSテレビ)に「小さい頃、よく見ていた番組で懐かしかった」「当時の空気感が感じられる、変わらぬ良さが残っていて安心した」といった感想や「初めて見たが古い感じがした」という意見などが4人から寄せられました。

◆委員の感想◆

  • 【年末年始に見た番組の感想】について

    • 番組に偏りがあり、バリエーションが意外に少ないと感じた。しかし、どのモニターも「家族揃ってテレビを見るという幸せそうな年越しをしているのだな」ということが垣間見えた。

    • 『ONE OK ROCK 18祭~1000人の奇跡 We are』(NHK総合)についてかなり熱く書いてくれているリポートがあるが、これを読んで今の若い人が支持しているものが分かった。

    • 『ONE OK ROCK 18祭~1000人の奇跡 We are』について「ここまで勇気や元気、感動をもらえる番組は初めて。素晴らしい番組。この番組を見ることができて本当に良かった」というモニターが絶賛するコメントを読んで、ぜひこの番組を見てみたいと思った。

    • 『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)について「副音声やインターネットなどで飽きずに見ることができる工夫があって面白い」と評価しながらも、利用者目線でそのツールの改良の余地を指摘していた意見に感心した。

    • 『第67回紅白歌合戦』の「変わろうとしていること」や「これまでにない演出」のおかげで「飽きずに見ることができた」という感想を持ちながらも一緒に視聴していた「祖父母には不評だった」ことなどから、「多世代が楽しむことができる番組を仕立てることがどんなに難しいことかを考えた」という気づきが複数あった。

    • 『ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!!絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ)について、「小さい頃から楽しく見てきたが、モニターの視点で見てみると危ないシーンがあった」という意見に、多角的にテレビを視聴しようとする中高生モニターの意欲が感じられた。

    • 「年末年始に見た番組の感想」というテーマだったからか、寄せられたリポートのほとんどが、大晦日と正月三が日の番組だった。テーマを「冬休みに見た番組の感想」にした方が、モニターたちも広く考えることができたかもしれない。

  • 【自由記述】について

    • 「モニターになってから、テレビを何となく見ることが減った」と言い、自分なりのこだわりを記述してくれたリポートがあったが、モニターとしての意義を感じてくれていることが分かりうれしかった。
    • 「海外の友人と一緒にテレビを見たが、英語字幕に対応している番組が非常に少なくて残念な思いをした。2020年に向けて英語字幕や英語副音声の番組が増えてほしい」という指摘に感心した。
    • ラジオについて「昔からの文化が残っている感じがとても好き」だとラジオの良さを語ってくれた記述に興味をひかれた。
  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『関口宏の東京フレンドパーク2017 新春ドラマ大集合SP!!』(TBSテレビ)について書いてくれたモニターが4人もおり、番組の根強い人気がうかがえた。ぜひ制作サイドに伝えてほしい。

◆モニターからの報告◆

  • 【年末年始に見た番組の感想】

    • 『ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!!絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ/長崎国際テレビ)普段テレビを見る時はほとんどが録画です。この番組は、ところどころリアルタイムで見ました。毎年家族で見ます。父も兄も妹も大好きです。みんなで笑って楽しいです。今年は方正もタイキックされて笑いました。ウランちゃんにも笑い袋を押され続けて、何度も叩かれていました。大変なお仕事です。だけど面白いです。じゃんけんホイホイは家族でもしました。(長崎・中学1年・女子)
    • 『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)普段、大晦日は『絶対に笑ってはいけない24時』を見るのですが、今回の年末年始は、『紅白歌合戦』をずっと見ていました。なぜかというと、今回は星野源やRADWINPSなどの流行った人たちが出ていたからです。学校でも、それらの人達が出るので見ると言っていた人が多かったです。ニュースなどで、紅白は少し若い世代の人向けになったと聞きましたが、本当にそのように感じました。少しバラエティーの要素も入れてきたりしていたので、これからの紅白はどうなるのかなと思いました。(東京・中学1年・男子)
    • 『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)紅白歌合戦は毎年見ていますが、副音声やインターネットなどで常に飽きずに見ることができる工夫がしてあるのは、とても面白いと思います。ただ、副音声やインターネットのトークコーナーでは、誰が出ているのかずっと見ていたり聴いていたりしないと分からないので、画面の端に小さく表示してくれると便利で良いと思います。(岡山・中学2年・女子)
    • 『ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!!絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ/札幌テレビ)毎年楽しみにしているので楽しく見ることができました。面白いものもあれば、ちょっとやり過ぎなのではという内容もありました。まず、食べ物を粗末に扱っているシーンがあったことが少し嫌でした。ラーメンを床にぶちまけたりするのは心が痛くなります。次に体張り勝負で、男性の大事なところを痛みつけるようなゲームをしていたことです。これを見た人たちが真似をして取り返しのつかないことに発展してしまう危険があります。最後に、蝶野さんが毎年恒例で方正をいじる時に耳元で大声を出したりしていたことです。小学生くらいの子だったら一人は絶対に真似します。これが一番ひどいと思います。(北海道・中学2年・男子)
    • 『ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!!絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ)小さい頃は、ただ面白くて見ましたが、こうしてモニターの視線で見ていると結構、危ないシーンがありました。下手したら、けがをしてしまいます。そしたら、けがをした人も嫌になるし、視聴者も見ているのが嫌な気分になります。(埼玉・中学2年・男子)
    • 『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)紅白歌合戦といえば、毎年祖父母の家に行って見ることが恒例となっています。その年に流行った歌が出来事とともに振り返れるので良いです。また、恋ダンスも含めPPAPやパーフェクトヒューマンも歌われており、NHKの堅苦しいイメージが和らぎ子どもも楽しんで見られるという点でも良いなと思いました。ただ、私の祖父が「最近の紅白は若者の歌ばかりでよく分からなくてつまらない。」と言っていたので、すべての年齢に受ける番組にするのは厳しいと思いました。また、視聴者がdボタンで紅白投票ができる機能は兄弟で楽しめたので良かったです。ただ、最後の結果発表の時に視聴者投票では白が勝っていたのに、審査員投票で逆転しましたが、仕組みが分かりにくかったので、もっときちんと説明するべきだと思いました。(千葉・中学3年・女子)
    • 『ONE OK ROCK 18祭~1000人の奇跡 We are』(NHK総合)最初はアーティスト目当てで見ていましたが、すごく心に響く番組でした。とても勇気を貰えました。感動しました。僕と同世代の子たちが番組の最後、ONE OK ROCKと一緒に歌を歌っている場面はすごく鳥肌が立ちました。うまく言えませんがとても感動しました。みんな悩みや希望、夢などいろいろ抱えている気持ちをむき出しにして声に出してぶつけている感じが何とも言えない気持ちになりました。一人一人がみんなとてもキラキラしているようにも見えました。とても胸が熱くなりました。パワーをすごくもらえました。仕事や勉強、恋愛や将来の目標など、それぞれが悩みを抱える世代がこの歌を歌う姿、すごくかっこ良かったです。人生一度きりなので後悔したくないと思ったし自分に正直に精一杯生きたいと思いました。ここまで心を揺さぶられるというか感動させられるとは思っていませんでした。今この番組を見ることができて本当に良かったと思っています。今悩んでいる人、夢に向かって頑張っている人、普通に生きている人、年齢関係なく一人でも多くの人に見てもらいたい番組でした。テレビを見てここまで勇気や元気、感動を貰える番組は初めてというくらい素晴らしい番組でした。この番組を今見ることができて本当に良かった。(愛知・中学3年・男子)
    • 『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)今年の紅白は、現状を抜け出そうとして、今までの常連の歌手を排除し、新人の歌手などを受け入れ、NHKの並々ならぬ意気込みを感じた。まず、司会の2人が、ゆったりとしており、好感が持てた。これがフレッシュというものだ。タモリさんとマツコさんの軽妙な掛け合いもあり、僕は、賛成である。色々な意見があるが、この軽妙なやりとりが、次の歌へ「息抜き」となり、良かった。ただ家は、3世代で住んでいるために、おじいちゃんに今回の紅白の印象を聞くと、興味が全く持てなかったとのこと。やはり、全方位に納得させる番組は、無理と感じた。でも、やっぱり、今年の年末の紅白が楽しみになってしまう今日この頃である・・・(東京・中学3年・男子)
    • 『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)毎年、祖父母の家で紅白を見てから年を越すのが私の家では恒例だが、例年に比べ今回の紅白は良くも悪くも違った印象を受けた。良かった点としては、番組の展開に非常にわくわくして飽きずに見ることができたこと。悪い点は、全ての世代が楽しめる演出ではなかったこと。それともう一つ悪い点として、あまりにも制作者がマンネリを防ごうとしている姿が丸見え。「今年の紅白は違うぞ」とあからさまに見せられているように感じ、視聴者にそれは伝わってよいものなのか?私は疑問に思った。(東京・高校1年・女子)
    • 『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)毎年大晦日の夜は紅白を見ています。今回の紅白は、今まで見てきたそれとは少しばかり違う印象を受けました。振り返ってみると、2016年は実に多くの流行、トレンドがありました。君の名は、恋ダンス、ピコ太郎、シン・ゴジラ・・・・。それらをあの4時間30分の中ですべて触れようとした結果、番組として統一性がなくなってしまったような感じがしました。紅白歌合戦とは、大晦日の夜に、1年を振り返りながら家族、親戚、世代を超えて歌を楽しむ番組だと定義できます。世代を超えて楽しめる、とは、どのような番組のことを言うのか。ただ、各世代の流行にとりあえず触れておけばいいのか。また、そもそも音楽番組なのに、音楽以外のパフォーマンスに注目が行ってしまうのは、どうなのか。「良い紅白」とは、どういう番組か、今回はその正解からは少し遠かった気がします。次回の紅白に向けて、制作側のさらなる努力に期待したいと思います。(京都・高校1年・男子)
    • 『ダウンタウンの大晦日年越しスペシャル!!絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ/福岡放送)大晦日は毎年この番組をメインに見て、家族で盛り上がっています。笑いのツボは世代によって違うことも多いが、この番組を見ていると世代は関係ないなと感じる。今回は、イケメンでセクシーだと言われている俳優の斎藤工がお笑いのサンシャイン池崎の完全コピーをしたシーンに一番驚いた。これまでのイメージとは全く違う斎藤工は、意外でむちゃくちゃ面白かった。そして、一方でカッコイイ!!と思った。自分のイメージに縛られないで新しいことを全力でやるのは難しい。こういうことにチャレンジする人が成功するのかもしれないなと感じた。(福岡・高校1年・男子)
    • 『第95回全国高校サッカー選手権大会』(日本テレビ)今年も白熱していた。毎年様々なドラマが起きるのがこの大会で、決勝に行くまでに、心揺さぶられる試合が何度もあった。決勝を戦った青森山田高校と、前橋育英高校は、今まで戦ってきたチームの想いも背負って決勝を戦っているのかと思うと、胸の内が熱くなる。決勝のスコアは5-0で青森山田高校の勝利だったが、どちらも素晴らしいプレーをしていてとても良い試合だった。自分も悔いの残らないようなプレーをして、残りわずかな時間を大切にしたいと思った。(東京・高校2年・男子)
    • 『笑点お正月だよ大喜利祭り!歌丸綾瀬はるかTOKIO城島ピン子ら豪華ゲスト登場』(日本テレビ/山口放送)明るく楽しく番組が進んでいったので、元日から良い気分になれました。大喜利のコーナーでは、どの出演者にもキャラクターが確立していて、いつも面白いので「安心感」があります。これが視聴者を長く引き付ける魅力になっているのだと思います。出演者同士も互いにいじりあうなど仲が良い雰囲気でアットホームなので、視聴者も明るい気分になれます。また、公開収録になっているので観客の笑い声も聞こえるのでさらに「一体感」を感じることができます。このような番組は、他にはないと思うので長く続いてほしいです。(山口・高校2年・男子)
  • 【自由記述】

    • 年末年始なのに、バラエティー番組が多い!ちょっと飽きる。(石川・中学2年・女子)
    • 年末年始に海外から友達が来日しました。テレビを一緒に見ていた時、英語字幕をつけようとしたら、英語字幕に対応している番組が少なく、すごく残念な思いをしました。これから先、英語学習が見直されて、小学生から英語の授業が始まり、2020年の東京オリンピックではたくさんの外国人観光客の来日も予想されます。だから、英語字幕や英語副音声などで外国人と一緒に楽しめる番組が増えていくと良いと思います。日本の文化や歴史を紹介するようなドキュメンタリー番組や今の若者が好むバラエティー番組などに英語字幕や英語副音声がつくといいなと思います。(岡山・中学2年・女子)
    • 今年の年末の番組は、少し体を張りすぎていた番組が多かったように思えます。芸能人が裸でゲームをしていて、罰ゲームで電気が流れている棒に当たらないようにくぐるというものがあって、地面が氷で滑っていて、なおかつ体も濡れている状態で行うのは危ないと思います。感電してしまいますし、発火してしまう危険もあります。(埼玉・中学2年・男子)
    • 冬休み中、私は勉強中にラジオを聴く時間が多くありました。テレビに比べて画面を見る必要がないので、勉強に集中できるため音楽と同じ感覚で聴いていました。リスナーさんたちから送られてきた手紙を読んだり、リクエストのあった曲を流したりする昔からの文化が残っている感じがとても好きです。また、映像が無いので自分で想像しながら楽しむこともできます。周りの友達にラジオを聴いていると驚いた顔をされることも多いですが、みんなにも聴いてほしいです。(高知・高校1年・女子)
    • 青少年モニターとしてリポートを出すようになって、テレビを何となく見ることが減った。見ることで何か得したり、知識が増えたり、気分転換になったりすることもこだわるようになった。(福岡・高校1年・男子)
  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『林修の今でしょ!講座 2時間スペシャル』(テレビ朝日)予備校講師、林修先生と東京大学教授でNHK大河ドラマの監修も務める本郷和人先生が大河ドラマにしたい歴史上の人物を3人ずつ計6人紹介しました。私は本郷先生の解説の方が分かり易く親近感を感じるように思いました。また自分が、まだ知らないような偉人も出てきて学校の歴史の授業よりすごく面白かったです。(東京・中学1年・女子)
    • 『関口宏の東京フレンドパーク2017新春ドラマ大集合SP!』(TBSテレビ/長崎放送)フレンドパークは初めて見ました。クイズ番組は普段はほとんど見ません。知っている人が出ていなかったからかもしれません。あまり面白くなかったです。古い感じがしました。(長崎・中学1年・女子)
    • 『関口宏の東京フレンドパーク2017新春ドラマ大集合SP!』(TBSテレビ)小さい頃によく見ていて、特にハイパーホッケーのコーナーが好きだったのですが、数年ぶりに放送されてもホンジャマカの二人はホッケーが上手くて、3組を相手に次々対戦しても見応えがあって面白かったです。今回の東京フレンドパークは、久しぶりに見てもとても面白かったので、また放送してほしいなと思いました。(東京・中学2年・男子)
    • 『相葉マナブ1時間SP! 2020新しい東京へ マナブ工事中24時!』(テレビ朝日/山口朝日放送)東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さまざまな建造物などが変わりつつある東京を取材した番組です。いろいろな工事現場の裏側を見ることができました。適宜クイズなどを交えていたので飽きずに視聴することができました。特に私は、地下鉄の工事の様子が印象に残りました。今後の東京の姿は、多くの人々が興味を持っている事柄だと思うのでそれを工事現場という視点で見ることができて良い番組だと思いました。(山口・高校2年・男子)

調査研究について

2016年10月14日に立命館アジア太平洋大学で留学生との意見交換会を開催し、その際行ったアンケート調査について、標本数が少ないため参考程度ではあるものの、"いじめ"に対して高校生と留学生を含む大学生との意識の違いがみられたなどの報告がありました。

今後の予定について

  • 3月5日に開催予定の「2016年度中高生モニター会議~日テレフォーラム18~」(日本テレビと共催)について内容の検討を行いました。

第187回 放送と青少年に関する委員会

第187回–2016年12月19日

『オール芸人お笑い謝肉祭‘16秋』について審議「委員会の考え」公表をもって審議を終了…など

2016年12月19日に第187回青少年委員会を、7人の委員全員が出席しBPO第1会議室で開催しました。まず『オール芸人お笑い謝肉祭’16秋』(TBSテレビ)について審議し「委員会の考え」をまとめました。また、11月16日から11月30日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。そのほか、12月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
次回は1月24日に「意見交換会・勉強会」と定例委員会を開催します

議事の詳細

日時
2016年12月19日(月) 午後4時30分~午後7時40分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』について審議

TBSテレビ『オール芸人お笑い謝肉祭‘16秋』に対する「委員会の考え」について、起草委員の原案を基に審議し一部修正を加えた上で承認し、公表をもって審議を終了することにしました。以下経緯を含めて公表します。【詳細はこちら】

視聴者からの意見について

●「年末恒例の歌合戦でグループの出場者を視聴者が選ぶ企画」、「人気男性グループのメンバーに対するトレーニング方法が危険だ」、「深夜アニメで男子児童の性器の描写があった」などの視聴者意見について話し合いましたが、現段階ではいずれもこれ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした12月のテーマは、日本民間放送連盟特別表彰部門【青少年向け番組】最優秀番組『ど~んと鹿児島 ~ぼくの、メリット~』(南日本放送制作)を視聴しての感想でした。また「1年間を振り返って、一番印象に残った番組を教えてください」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で25人から報告がありました。
課題番組は、中学時代に不登校になった少年がトカラ列島の悪石島に移住し、島の人たちとの交流を通して自分の居場所を見出し、新たな一歩を踏み出そうとするまでの1年半を記録したドキュメンタリーです。「同年代の主人公に自分自身を重ね合わせ考えた」意見や、「主人公の少年の変化に勇気づけられた」という感想など、中高生ならではの視点に立った報告が寄せられました。また「この番組が、地方でしか見られないのはもったいない」「全国の人たちにも見てほしい」という意見も複数ありました。
「1年間で一番印象に残った番組」では、報道、情報、ドキュメンタリーからドラマ、バラエティー、アニメまで、幅広い番組が挙げられました。一本の番組との出会いをきっかけに「自分の生き方を見つめなおした」という意見や、今年相次いだ「芸能人のスキャンダル報道」への疑問など、率直な声が寄せられています。

◆委員の感想◆

  • 【『ど~んと鹿児島 ~ぼくの、メリット~』について】

    • 同世代ではあるが、"不登校"という自分とは違う状況にある主人公を追った番組で「これまで知らなかったことに気づかされた」などの感想が寄せられているのを見ると、ドキュメンタリーの良さを実感する。

    • 「主人公の少年が"自分がいてもいなくても変わらない"と言う気持ちが分かる気がした」「"自分は必要とされているのかな"と私も時々思う」という感想を読むと、子どもたちが自分の「居場所」だけではなく「存在意義」も求めているのだということが分かる。

    • 「若者の自立の難しさ」と「小さなコミュニティーが持つ人間回復力」が分かりやすく提示された番組だった。

    • 分かりやすいドキュメンタリーという性質の番組ではなく、ある意味非常に「難しい番組」だったと思う。モニターの子どもたちが、自分なりに「番組の意味や意図を読み取ろう」と必死だったことが、リポートの文面から感じられる。

    • 主人公の少年が「ダメ人間だと思われる環境から、1人の人間として認められる環境に変わったことで居場所を得ることができた」と書いていたリポートがあったが、実は「ダメだとされてしまう人に居場所がないこと」が、問題なんだけどなぁ、と思ったりする。

    • 「主人公の少年は島の濃密な人間関係によって救われた」ということは、ほとんどのモニターが書いている。しかし、島民にとっても少年は「貴重な若者」であり依存もされている。少年と島の関係は相互関係だという視点はあまりなかった。

  • 【1年間を振り返って、一番印象に残った番組について】

    • 「芸能人のスキャンダル報道が目につく1年だった。芸能人スキャンダルに関し、一線を越えたような報道が氾濫している気がした。報道の姿勢を見直すべきではないかと思う1年だった」との指摘は、鋭さに感心する。

    • 「熊本地震の報道番組」を挙げ、「(被害の映像を)見るのはとてもつらい時があるが、被災地を身近に感じ、危機感を感じるきっかけになった」という震災報道の意義を認めていることが分かる意見があった。

    • 「広島に来たアメリカ人が戦争について新しい価値観を発見していく番組」を視聴し、「互いを知ることは怖いことで、避けているから戦争状態に陥る。よい関係を築くには互いを知ることが大切」という外国語教師が語った言葉が印象に残ったというモニターの「戦後75年、同じ過ちを犯さないためにも『知る』ことが重要なのだと番組を通じて学んだ」という報告に力強さを感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【『ど~んと鹿児島 ~ぼくの、メリット~』を視聴しての感想】

    • 番組冒頭のお姉ちゃんの言葉が厳しすぎる。不登校になりたくてなったわけじゃないだろうから。だけど、弟たちもかわいそう。島に行くことで弟たちの将来の選択肢も狭くしてしまっていると思う。不登校になっている人たちが、この番組を見て自分だけじゃないんだと勇気づけられる内容だったと思う。この番組の家族は私の家族とは全く違います。私の両親は、将来の選択肢を広げるため、いつでも選べるように、あきらめなくてもいいように学びなさいと言います。航希君にも自分の道を見つけてほしいです。(長崎・中学1年・女子)

    • 航希君はなぜこの密着取材を受けたのだろう。2年にもわたって取材を受け続けるのはやはり相当の覚悟があったからではないかと思った。離島に移りだんだん周りの人と接するうちに自分から話を始めたり表情も明るくなっていった。自分の存在が認められ、頼りにされるのが嬉しいように感じられた。航希君はきっと変わりたかったからこの取材を受けたのだと思う。きっとこのままではいけないとどこかで思っていたのかもしれないが、そのきっかけが分からず、この取材を受けることにより何かが変わるのかもと期待と覚悟をもっていたのではないか。不登校という状況から抜け出すのは大変だけれど、航希君を見て、本人の意志と周りのサポートがあれば変わることができるのだと実感できたし、勇気がもらえた。(宮城・中学1年・男子)

    • 私の周りには、航希さんと同じように不登校になってしまった人が何人かいます。私は、その人に時々「そろそろ学校行きんちゃい」と声をかけていましたが、今考えたら、それはただその人を追い詰めていただけだったのかもしれません。今まで"通信制の学校に通っている"とか"不登校"と聞くと、家にずっといるようなマイナスなイメージしかなかったけど、テレビで見た航希さんの姿はとてもいきいきしていて楽しそうで、イメージが少し変わりました。(岡山・中学2年・女子)

    • 島に移住して新たなスタートを切るということは素晴らしい決断だと思いました。タイトルに「メリット」とありましたが、この番組を視聴してメリットが有るからどうとか、無いからどうとか関係ないということが伝わってきました。僕の学校にも不登校の子がいるのですが、ぜひとも見せてあげたいです。自分も学校に行きたくないなと思う時があります。もっと自分を認めてほしいと思ったこともあります。そういったことをもう一度考えさせられました。(北海道・中学2年・男子)

    • 地域の人々が、(主人公の少年に)自然に接しているところを見ていると、最近ニュースになっている、「福島からの避難者の子供に対して、名前に菌とつけて呼ぶ」先生よりずっといい先生だと思います。また、長距離マラソンをする場面では、何か感じるものがありました。普段、僕は、こういう番組は見ないのですがこの番組を視聴してから、新聞の番組表を見て、良さそうなものは見ています。(埼玉・中学2年・男子)

    • 私の学校にもしばらく学校に来ていない友達がいる。私は自分が不登校な訳ではないからその友達の気持ちが分からずその子が学校に来た時に「どうして来ないの?」など心無い言葉をかけてしまった。しかし、この番組の中でも言っていたように「学校に来て」と言われることがプレッシャーだと感じる人もいる。同年代でも考え方には違いもあるし十人十色だというのを感じた。タイトルである「ぼくの、メリット」は、まるで自分に問いかけられているように感じた。(東京・中学3年・女子)

    • よくテレビ番組で不登校になった学生の特集などを見るが、今までは正直不登校になる理由がよく分からなかった。しかし、この主人公が自分がいてもいなくても変わらないから、といったことが少し分かる気がした。私は、自分の知識を向上させて、友達関係をつくるためにそれなりに楽しんで学校に行っているわけだが、そこに自分は必要とされているのかなと時々思う。将来アスリートになるような才能を持っていて努力もしている人は、そこにその人が存在する意味が有ると思うが、特に何の才能も無い私みたいな人は何のために生きているのだろうと疑問に思う時がある。でも、いろんな経験を積むうちに自分はこれに興味を持っていて、これをやることが自分の価値なんだ!!と、思える物に出会えたらいいなと思う。そういう意味では、さまざまな経験ができて、時間もたっぷりある今の環境を大切にしたいと思う。(千葉・中学3年・女子)

    • なぜこの番組が最優秀番組になっているのかよく分かりませんでした。引きこもりで不登校の男の子が成長していく姿は見ていてとてもすごいと思いました。ですが、毎日ゲームばかりをしている子に密着しようと思った理由が分かりませんでした。携帯をいじってばかりなのによく母親は携帯を取り上げなかったなぁと思いました。他の兄弟を置いてまで別の島に引っ越す理由はあったのかなと思ってしまいました。通信の高校で勉強をしていると言っていましたが、勉強はやりたくなかったらやらなくてもいいんじゃないかと僕は思います。島に引っ越してきたのだったら農業や漁業など、今までできなかったことにチャレンジしてみるのも有りだと思いました。勉強は大切ですが、勉強だけが全てじゃない。学校にも行きたくなかったら行かなくていいと思います。学校に行くことだけしか選択肢がないのもおかしいと思います。(愛知・中学3年・男子)

    • 航希君のお母さんが言っていたように、ダメ人間と思われてしまう環境から、一人の人間として認められる環境へと変わったことで、自分の居場所を得ることが出来たのだと思います。自分の存在はどこにあるのか、この年代ではとても悩むと思います。そんな中で不登校という道を選んでしまうという選択は簡単なのかもしれません。ただ、航希君のようにまた違った自分の居場所を見つけることは大切だし、何かを変えるきっかけになるはずです。私自身もそんな自分の居場所を見つけたいとこの番組を見て思いました。(高知・高校1年・女子)

    • 僕は中学生の頃のクラスメイトを思い出しました。僕の友達も中学1年の夏に学校に来なくなって、そのまま卒業まで学校には来ませんでした。本当の原因は本人しか分からないのかもしれません。けれど、この番組の中の航希君を通して、不登校は誰よりも本人が自分のことを駄目だと感じていて、辛い思いをしながら、なんとかしたいともがいているのかもしれないなと感じるようになりました。この番組は、父と母も見ました。航希君の新生活の様子と明るくなっていく表情を見て泣いていました。この番組を見た人の中で、不登校や自殺を踏みとどまってくれる人がいるかもしれないねと言っていました。(福岡・高校1年・男子)

    • 客観的な視点から見ると、とても共感を集めやすいテーマだったかなと思う。航希君が中学校の時に不登校になってしまった原因は、自分が学校に行くメリットが分からなくなってしまったから。自分の存在意義を島で模索する。いじめや不登校になった人間が、島に行って、島の人々の温かさに触れ、徐々に良い方向へと変わっていくドラマや小説はよくある話だが、実際に島にはそのようなパワーがあるらしい。やはり都会に住む身としては、島というものは何か違う世界のもののように感じてしまう。島の人と都会に住む人とでは、もはや人種が違うのかもしれないとまで思ってしまう。しかし世界全体でみると、日本自体が島国なのであって、外国人が日本に来て、日本人の親切さに驚くように、自らが意識していなくても、我々日本人は他の国の人々よりも穏やかで寛容なのだろう。そしてその理由の一つは日本が島国だからなのかもしれない。(東京・高校2年・男子)

    • 航希君が、人との関わりが苦手だという問題を抱えて、悪石島に引っ越して徐々に変わっていく姿がとても印象的でした。最初の頃は、島の人との関わりからも逃げていましたが、島の人たちに心を開いていき島の一員としてすっかり溶け込んでいたように思います。航希君にも「悪石島」という以前は見つからなかった「居場所」が見つかったのだと思います。そして、その「居場所」の中で航希君が求められているからこそ心を開いていけるし、自分自身の価値を見出せたのだと思います。悪石島では、島民みんなで助けあい、島民みんなで育てようという精神が伝わってきました。このような文化を大切にしていけばよりよい社会になると思いました。私も、あいさつからでも積極的にして地域の方々と交流していきたいです。(山口・高校2年・男子)

    • 航希君の学校に行くメリットが無いという考えが理解できませんでした。勉強や友達のことなどそれぞれみんな悩みは有ると思うので、逃げているように感じました。私と同じ年のようですが、あまりにも人生に興味が無さそうでもったいない感じがします。(大分・高校3年・女子)

  • 【1年間を振り返って、一番印象に残った番組について】

    • 私が一番印象に残った番組は『NHKスペシャル未解決事件File.05 ロッキード事件第一部』(NHK総合)です。今夏ブームになっていた田中角栄氏に関する本を読んだのをきっかけに、この事件にも興味を持っていました。番組は再現ドラマを使い、臨場感にあふれる内容でとても引き込まれました。事件の詳細を知らない私でも分かりやすく、詳細まで丁寧に作られていました。多くの実際の証言や資料を基にしていて、これまでわからなかったことや、あまり知られていなかった真実なども知ることができ、とても核心に近づいているように感じられました。今、その当時の日本の政治の深い闇にスポットをあてる事件を扱うことで、そこから得られる教訓を改めて今の世の中に知らしめる意図もあるのかもしれないとも感じました。(宮城・中学1年・男子)

    • 『奇跡のレッスン』(NHK BS1)自分とだいたい同じくらいの世代の人たちが、それぞれの目標や夢に向かって努力している姿がとてもかっこいいと思います。同世代なので共感できる部分も多く、私の大好きな番組のひとつです。(岡山・中学2年・女子)

    • 『アメリカの大統領選挙』1年を通して選挙活動が行われてきて、選挙が始まるまでは、絶対にヒラリー氏になると思っていたので正直とても驚いた。トランプ次期大統領は過激な発言を繰り返していたが、最近は柔らかくなってきているので、今後の政策がとても気になる。(千葉・中学3年・女子)

    • 僕は『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ/東海テレビ)という番組で放送されていた天野貴元さんという方が今でも忘れられません。ドキュメンタリー番組をここまでしっかりと見たのは初めてでした。そして衝撃的でした。番組の最後にはお亡くなりになるからです。今でもとても心に残っています。今生きていることについてとても考えさせられました。毎日をだらだらと生きている自分が恥ずかしくなります。もっとしっかりと生きなければと思わされます。ここまで強く心に残っている番組はこれ以上ないというくらいとても印象の強い番組でした。(愛知・中学3年・男子)

    • やはり『オリンピック』。これは、頂上決戦であり、真剣勝負であり、幸運の女神の軍配がどのように下されるのかが、楽しみでした。残り数秒で、決着するという今まで私が味わったことがないような、キリキリするようなハラハラ感が・・・たまりません。そこが、人類皆、平和の祭典として、惹きつけられることになるように感じました。また、4年後は、東京開催であり、楽しみが増えました。(東京・中学3年・男子)

    • 一つの番組ではありませんが、今年は芸能人のスキャンダルの報道が目に付く1年だと感じました。そこで印象に残ったのがテレビ番組での扱いです。あまりにもヒートアップしすぎて越えてはいけない一線を越えたような報道が氾濫しているような気がしてなりませんでした。こんなにも1人の人を集中攻撃し、プライベートをさらけ出すことが楽しいのか。とても疑問に思いました。今、テレビ番組が行っている、芸能人のスキャンダルに関する報道はいじめではないのか。報道の姿勢を見直すべきなのではないかと思う1年でした。(兵庫・中学3年・男子)

    • 4月に起こった『熊本地震の報道番組』です。倒壊している建物や土砂崩れの様子を見るのはとてもつらい時があります。ただ、あのような報道番組を見ることで自分が同じような環境に置かれたらどうするべきか考えることが出来ます。実際にはなかなか行くことが出来ない被災地を身近に感じ、危機感を感じるきっかけにもなりました。(高知・高校1年・女子)

    • 『JR博多駅前道路の大規模な陥没事故に関する報道番組』でした。ほぼ毎日利用している博多駅の周辺が、報道の人たちの取材で騒ぎになっているのを近くで見て、それが連日テレビやラジオでも伝えられているのが不思議であり、怖くもありました。熊本の被災地はもっと長い期間、報道の取材が来ていたんだろうなと思いました。(福岡・高校1年・男子)

    • 『フェイス フロム・アメリカ ~彼らがヒロシマで見つけたもの~』(NHK広島)、広島に来たアメリカ人が戦争について新しい価値観を発見していく番組です。この中で特に印象に残ったのは、広島で働く外国語教師が語った言葉です。お互いに「知る」ことは、怖いことでそれを避けているから戦争状態に陥る。お互いに良い関係を築くにはお互いについて「知る」ことが大切であるという内容でした。太平洋戦争が始まってもう75年の時が流れました。これから同じ過ちを犯さないためにも「知る」ことが重要なのだとこの番組を通して学びました。(山口・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『プロフェッショナル 仕事の流儀 10代VSプロフェッショナル 弟子入りスペシャル』(NHK総合)過去にこの番組に出演したプロフェッショナルに、悩める10代の若者が弟子入りするという内容。仕事とは何か、仕事には何が求められるのか。シンプルなことから意外なことまで再認識させられる、10代にとっては学ぶことの多い番組だと思う。スタジオでVTRを見た東出昌大さんの「大人になるって、挫折も苦しいことも有るけど、意外と楽しいことなんだ」というメッセージが、この番組が伝えたいことをまさしく言い表しているようで、印象的だった。(京都・高校1年・男子)

    • 『ザ・プレミアム シリーズ 知られざる古代文明』(NHK BSプレミアム)今まで、古代文明といえば歴史の教科書の最初のほうでしか見たことがなくさほど興味もありませんでした。しかし、太陽が昇ってくる位置にピラミッドを建てるなど、私たちには考えられないような古代の人々の知恵や工夫にとても驚きました。また、謎の多い古代文明を最新の技術で解明していこうという取り組みも紹介され、現代の技術が古代の歴史を繋げて様々な謎の解明に繋がっていることを知りました。この番組を通して、今まで知らなかった神秘的で魅力的な古代文明の姿に興味を持ったので自分でもさらに調べていきたいと思いました。(山口・高校2年・男子)

今後の予定について

  • 来年1月24日午後2時から4時まで開催予定の在京テレビ局との意見交換会・勉強会について、テーマは「放送における障害者~当事者の視点から見た現状~」とすることなど進捗状況の説明が担当の中橋委員と事務局からありました。

第186回 放送と青少年に関する委員会

第186回–2016年11月22日

『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』についてTBSテレビと意見交換。「委員会の考え」公表へ…など

2016年11月22日に第186回青少年委員会を、7人の委員全員が出席しBPO第1会議室、第2会議室で開催しました。まず前回の委員会で審議入りした『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』(TBSテレビ)について、TBSテレビ関係者と委員とで「意見交換」を行い、その後当該番組について審議しました。また、10月16日から11月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。そのほか、11月の中高生モニター報告、調査研究報告、今後の予定について話し合いました。
次回は12月19日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2016年11月22日(火) 午後3時00分~午後6時50分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室・第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』についてTBSテレビと「意見交換」

前回の委員会で審議入りした、TBSテレビの『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』(2016年10月9日 日曜日 18時30分から21時54分)内のコーナー「大声厳禁 サイレント風呂」と「心臓破りのぬるぬる坂クイズ」について、青少年委員会からTBSテレビに対して10月28日付で「質問書」を提出、TBSテレビから11月14日付で「回答書」が寄せられました。それを基に委員とTBSテレビの番組関係者との間で「意見交換」を行いました。

『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』について審議

「意見交換」を基に、委員で審議しました。その結果、「委員会の考え」を公表することにしました。
「委員会の考え」「質問書」「回答書」「意見交換概要」については後日公表します。

視聴者からの意見について

●「バラエティー番組で女性タレントが、八方美人なふるまいをした女子を問い詰め、学校に来られなくなった過去を話していた。ただのいじめで、それを公共の電波で話すべき内容ではない」という視聴者意見について、委員からは次のような意見が出ました。

  • たくさんの視聴者意見が来ているが、番組を見ないでネットの情報をそのまま書いている視聴者意見も多いようだ。
  • 視聴者が過敏な反応をしていると言ってしまうのは微妙なところだ。
  • "いじめ"というより"いじめの始まり"と考えられるが、この女性タレントのキャラクターを考えると問題にするほどでは無いと思う。

話し合いの結果、これ以上の段階には進まないことにしました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした11月のテーマは「最近見たドラマ・アニメ番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で25人から報告がありました。
「最近見たドラマ・アニメ番組の感想」については、ドラマに17人から、アニメには7人から、その他、映画番組に1人から報告がありました。複数の意見が寄せられた番組は『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)で、10人のモニターが取り上げました。"契約結婚"という「設定の面白さ」、垣間見える「身近な問題意識」、家族で楽しむことができる「安心感」、そしてエンディングで流れる"恋ダンス"という「話題作りの巧みさ」を評価する声が多く、「久しぶりに放送が待ち遠しいドラマ」「視聴後の気分がすがすがしい」といった感想が寄せられました。
「自由記述」では、アメリカ大統領選挙についてメディアの取り上げ方への疑問や「役割語」に着目して報道を見ていて気が付いたこと、通学路で起きた事故について取材のマイクを突き付けられ困惑した経験など、放送を自分自身の視点で見つめ、意見を述べる報告が多くみられました。また「今クールは、面白いドラマが多く、テレビを見るのが楽しくなった」という意見も2件ありました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】

    • 『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)の作品の中に、他番組のパロディーが仕込まれていることを評価し、楽しんでいると複数のモニターが書いていたが、パロディーであることが理解できるということは、「よくテレビを見ているのだなぁ」と感心した。

    • 『べっぴんさん』(NHK)を見て「戦時中生きていなかった私たちが戦争のことを知る数少ない機会」だと考えたり、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ)で「校閲という職業を初めて知り、驚いた」と感想を述べたり、ドラマを通じて、中高生モニターのみんなが日々、小さな発見や小さな勉強をしていることを嬉しく思った。

    • 『相棒』(テレビ朝日)について、「なぜここまで続く人気シリーズと成り得たのか」についての考察をしたリポートを大変面白く読んだ。モニターの"番組愛"を強く感じることができた。

  • 【自由記述】

    • アニメ番組について「放送時間が30分なので、1時間やそれより長いドラマやバラエティーなどより罪悪感なく勉強の合間に見ることができる」「物足りなく感じる時もあるが、浸かりきらず勉強に復帰できるギリギリの時間が30分」だという感想が興味深い。30分という単位は、中高生の生活リズムのなかでは、見やすい長さなのかもしれない。

    • 「池上彰さんの番組を授業でも使用できたら良いと思う。"縄文弥生"“飛鳥"“平安時代"も大切だけど、"現代"を考える題材が不可欠なのではないか」という意見があったが、混とんとした時代、"現代"を理解させてくれる題材を、若者たちは欲しているのではないだろうか。また、放送コンテンツの教育活用についても、青少年委員会として考えていきたいと思う。

    • 「高校生になってから忙しくなり、テレビを見る時間が格段に減った。そこで、自分が気を付けるようにしていることは、ラジオを聴く時間を増やすこと。少しの時間でもラジオでニュースを聴くようにしている」という記述から、意識的に"情報"を取り入れていかなくてはならないと考えるモニターの姿が垣間見える。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】

    • 『夏目友人帳 参』(IMAGICAティーヴィ)妖怪と人間の話になると、どちらかというと技で戦ったり、力でねじ伏せたりすることが多いが、この主人公は人間で、妖怪が見えるということ以外特別な能力もなく、すぐにトラブルに巻き込まれてしまう。ただ妖怪の気持ちに寄り添い、妖怪の気持ちを汲むことで心を通わせることができ友人になっていく。争いごとの関係ではなく、なにげない日常を少し違ったところから描いて心を通わせる姿がゆっくりとした時間が流れているようで、見ていて穏やかな気持ちになる。(宮城・中学1年・男子)

    • 『夏目漱石の妻』(NHK総合)「吾輩は猫である」を読んだことがありますが、もう一度読んでみたいと思います。作者の生活や生い立ちを知ることで、自分の勉強になるだけでなく、読書の幅を広げてくれて本を読むのも面白くなると思います。(岡山・中学2年・女子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)この番組は、漫画が原作の社会派ラブコメディーです。主人公の森山みくりが家事代行から、給料が発生する「契約結婚」をして、最初は何とも思っていない2人がやがて恋に落ちていくという物語です。この番組の面白いところは、『情熱大陸』や『NEWS23』の番組のオープニングを取り込んでいるところです。また、エンディングの「恋ダンス」は、社会現象を巻き起こしています。このドラマは、僕自身、久しぶりに毎週録画して見ている番組です。((埼玉・中学2年・男子)

    • 『べっぴんさん』(NHK総合)ドラマなどでやる戦争のシーンは、私たちが戦争中のことを知る数少ない機会だと思う。実際今までの朝ドラなどでの戦争シーンを見て学んだこともたくさんある。またドラマの話を理解する上で、私たちには理解しがたいシーンを細かく表現してもらうことで、よりその頃の時代背景が見えてくるように感じる。(東京・中学3年・女子)

    • 『レンタル救世主』(日本テレビ/中京テレビ)このドラマはちょっと変わっていて面白いです。第1話は一部生放送で視聴者からの電話を受け付けていました。今までにない感じがとても面白いと思いました。実際にはこのような職業があるかどうか分かりませんが、もしあったら少しやってみたいなぁと思える設定です。主人公たちはみんな年齢も性別も違うし性格もバラバラですが、それぞれがそれぞれを補いながら仕事をしているところがすごく良いなぁと思いました。放送時間が少し遅いですがとても面白く家族みんなで楽しめるドラマだと思います。(愛知・中学3年・男子)

    • 『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ)一番惹きつけられるのが、題名である。「校閲」という意味深な職業が、実際にあるのが驚いた。石原さとみさんが扮する主人公は、今どきのサバサバした女性で、一見すると「校閲」が「場違い」の職業であるように感じるが、逆に校閲するのがマッチしているのである。こんなハチャメチャな主人公が、「恋」にはカラッキし無防備であり女子高生的な感覚を持ち合わせているので、この論理的に思考する「校閲」とのギャップが、視聴者がドキドキしてしまって、共感することが多いのではないかと考えます。今後の展開が楽しみです。(東京・中学3年・男子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)この番組が大好きで毎週楽しみで仕方がありません。このドラマは「契約結婚」という現実には少しありえないようなテーマで、今までとは違ったスタンスの恋愛ドラマになっているのですが、妙にリアルで魅力的だなと思います。それに、大学院まで出て就職できなかったり、派遣切りにあったりという"リアルさ"と、家事を職業とし結婚を考えるなどといった"現実味のなさ"がとてもうまくバランスをとって描かれているのもこのドラマの凄さといえると思います。(東京・高校1年・女子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ/中国放送)「結婚」に対する価値観が変化して、結婚をしないという選択が当たり前になった昨今、「仕事としての結婚」ということで、新しい「結婚」の形、そして「仕事」について考えさせられるドラマだと思いました。ドラマの中で時々入る深くて考えさせられるセリフは、とても奥が深いです。(広島・高校2年・女子)

    • 『相棒』(テレビ朝日)相棒シリーズは、水谷豊が演じる杉下右京とその相棒を中心として話が展開していく。『相棒』がこんなにも長く放送され、みんなから愛されているのには幾つか理由があると考える。その一つが個性あふれる杉下右京の相棒の存在である。また、杉下右京のライバルや肝心な時に助けてくれる人など、『相棒』というドラマは事件そのものだけでなく、人間関係もとても魅力あるものになっている。また、シーズン15までやってきたが、今まで登場した人物などを活用しながら、事件が被らないようにしている点も評価できる。事件の多さは『名探偵コナン』並である。これらのことから、『相棒』は多くの人から好かれており、これからも続いていくだろう。ひとつ心配なのは、水谷豊さんが、年齢的に走ったり跳んだりといった激しい動作が続けられるかどうかである。(東京・高校2年・男子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ/テレビ山口)この番組では「恋愛」を様々な角度から見直すことができると思います。今の時代、恋愛や結婚に対して様々な価値観が存在していることもこのドラマからうかがえます。そして、現代に潜む様々な社会問題(みくりが経験した就職難など)についても考えることができます。「恋愛」や「社会問題」は私たちの身近に存在していることです。テーマが身近に感じることもこのドラマが人気な理由だと思います。また、終始明るい雰囲気でドラマが進むので、視聴した後はとてもすがすがしい気分になります。そして、「来週も見たいな」という気分にさせてくれます。どんな番組でも、視聴者からみて、全体の雰囲気が明るく見ていて気分がよくなる番組は、人気番組になると思います。(山口・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 今、アメリカの大統領選挙の結果を見ながらこれを書いています。トランプ氏勝利。とても驚きました。メディアによるこれまでの報道はどうだったのでしょうか?今までの選挙戦で、トランプ氏はヒラリー氏のメール問題(結局法に触れず)や夫である元大統領ビル・クリントン氏の問題の悪口を言っていましたが、テレビはもちろん新聞などは、これらをどのように報じてきたのでしょう。私は今回のアメリカ大統領選挙についてのメディアの取り上げ方に疑問を覚えました。(東京・中学1年・女子)

    • 7月から9月期のドラマは、あまり面白いと感じるものが無かったのですが、10月からは面白いドラマが多いので、だいたい録画して見ています。今回のテーマで選んだ番組の他にもたくさんあるのですが、今テスト前で時間がないので、テストが終わったらゆっくり視聴したいと思っています。(東京・中学2年・男子)

    • 東日本大震災の時の岩手県石巻市立大川小学校の事件について。津波で亡くなった児童の遺族と岩手県と石巻市の裁判で、ニュースなどで津波の映像が流れる時「これから、津波の映像が流れます」という字幕が出てきました。この配慮はとても素晴らしいと思います。(埼玉・中学2年・男子)

    • 池上彰さんの番組を、授業でも使用できたらいいと思います。根本的なことが、「明瞭化」しており、最高です。なんとかならないかな。「縄文弥生」「飛鳥」「平安」時代も大切だけど、「現代」を考える題材が不可欠なのではないか。グローバル時代なのだから、大学でゼミでやるような現代の問題点を、中学、高校でも積極的に思考することが、肝要だと考えます。(東京・中学3年・男子)

    • 最近の番組は、テレビ局それぞれの個性があまり感じられず、どの局も同じような番組を放送しているように思える。またインターネットに頼りすぎているような気がする。確かにインターネットの情報は速報性に優れ、テレビ局にとっては魅力的かもしれない。ただ、それではテレビがテレビでなくなっているような気がする。テレビ局だからできることをもっと増やさないとテレビを視聴する頻度は減少する一方だと思う。(兵庫・中学3年・男子)

    • 高校生になってからより忙しくなり、自由な時間が減ったため、テレビを見る時間が格段に減りました。そこで私が気を付けるようにしていることは、ラジオを聴く時間を増やすことです。朝や寝る前の少しの時間でもラジオでニュースを聴くようにしています。世の中の状況が今どうなっているかを知るためにも大切にしていきたい時間です。(高知・高校1年・女子)

    • 漫画を原作とする映像作品が最近多すぎるように思えてしまう。ドラマのために作られたオリジナルの脚本が、漫画を脚色したものに評価で劣ってしまうのはどうにも腑に落ちない。各局、各メディアのオリジナルストーリーのぶつけ合いに期待してみたい。(京都・高校1年・男子)

    • 僕の通学路でもある博多駅周辺で、大規模道路陥没事故が起きた。これまではテレビやラジオでの情報はありがたいと思っていたけれど、通学途中でインタビューを迫られたりしたので、戸惑い、断った。報道番組とは、困っている人たちに平気でマイクを向けて話を聞くんだなあと驚いたし、困った。(福岡・高校1年・男子)

    • 新聞で「役割語」に関する記事を読み、ニュース報道においての吹き替えの言葉遣いに着目して視聴するようになった。最近のアメリカ大統領選のテレビでの報道を見ていても、両候補の吹き替えはもちろん、街頭インタビューを受けているアメリカ人の吹き替えを聞いていても人種、性別による言葉遣いの違いが如実に表れていると思った。制作者側は「役割語」を不快に思う人がいるということも意識して番組制作するべきではないか。(神奈川・高校2年・女子)

    • アニメに関して。30分間なので、1時間のドラマやそれより長いバラエティーなどより罪悪感なく勉強の合間に見られる。物足りなく感じる時もあるが、浸かりきらず勉強に復活できるギリギリの時間、それが30分だと個人的には思っているので、ちょうど良い。(東京・高校3年・女子)

10月のモニター報告の中に、「10月6日の『SCHOOL OF LOCK』では、"君がひとりぼっちじゃないと気付いた日を教えてほしい"と題して放送されていました。この日の放送ではパーソナリティーとリスナーが電話をつないで話を聞いていました。どの話も"ひとりぼっちじゃないと気付いたきっかけ"がとても感動的でした。今独りぼっちと感じている人にはとても励みになったのではないかと思います。久しぶりに良い番組を聴いたなと感じました」(高校2年・男子)という意見がありました。委員から当該番組をぜひ聴いてみたいという希望があり、制作局のエフエム東京の協力を得て委員全員が聴きました。大平委員から以下のようなコメントが寄せられています。

ロックの学校
送っていただいたCDをかけて、いきなり耳を疑いました。ロックの音楽とともに聞こえてきたのがSchool of ‘L’ock. 確かにそう聞こえました。もう一度掛け直して・・・やっぱりLにしか聞こえません。ちょっと不安になりながら、とりあえず続きを聞いてみると、RじゃなくてLだと言っています。未来の「鍵」を握るんですと。思わず、ニンマリしてしまいました。じゃ、Lock’n Lollかな。玄関の鍵かけて、家の中でだらだらしながら聴こう。
そう思って読みかけの本を開いて、聴きはじめたのですが、ながら族という大昔の技能はすっかり失われていました。コーヒーをすするのが精一杯。で、番組の初めから最後まで、しっかり耳を傾けてしまいました。ジイさんにも楽しめる’中高生向け番組’ってなんなのだろうねえ・・・。
実は、関係者の手を煩わせてまでこのラジオ番組(エフエム東京)を送っていただいたのは、BPOの中高生モニターのひとりがリポートで褒めていたからです。「君がひとりじゃないと気がついた日」という特集が良かったと。で、僕も聴いてみて、この企画もいいけど、番組自体が素敵なのだと分かったのでした。そして、肝心の部分は・・・ひとりぼっちでいる人のために、ある日、自分はひとりぼっちじゃないと気づいた人の声を集める。このあたりの軽く迂回する間合いが秀逸です。そして、中高生の訥々としたリポートとDJならぬ「校長」や「教頭」の軽妙にしてやさしい合いの手で進行して、最後にその校長だか教頭だかが言います。みんな(ひとりぼっちじゃなくなるために)踏み切り板に向かって助走しているんだね。勇気を出してここ一番、飛べば飛べるんだ!
久しぶりに、いい気持ちになれました。さあ、僕も締め切りに向かって走らなくっちゃ。

調査研究について

担当の菅原委員から、2015年10月に行った立命館守山高校アンケート調査リポート「高校生のメディア・リテラシーに関する探索的研究-バラエティー番組に対する感想をめぐって-」を、10月8日9日に静岡大学浜松キャンパスで開催された「第13回子ども学会議」でポスター発表し優秀ポスター賞を受賞したことについて、報告がありました。
また、2017年度発表予定の調査研究「青少年とテレビ調査:青少年のテレビに対する行動・意識の形成とその関連要因に関する横断的検討」について、今年度中に質問項目を確定し来年度早々に調査を行いたいとの報告がありました。

今後の予定について

  • 来年3月5日に日本テレビの協力を得て開催予定の「2016年度 中高生モニター会議~日テレフォーラム18~」について、進捗状況の説明が事務局からあり、内容について検討しました。
  • 来年1月24日に開催予定の在京局との意見交換会・勉強会について、進捗状況の説明が事務局からあり、東京大学先端科学技術研究センター熊谷晋一郎准教授に講演をお願いすることにしました。

第185回 放送と青少年に関する委員会

第185回–2016年10月25日

TBSテレビ『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』審議入り…など

2016年10月25日に第185回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。6人の委員が出席し、まず、9月16日から10月15日までに寄せられた視聴者意見から1案件について「討論」し「審議」入りすることを決めました。そのほか、10月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
次回は11月22日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2016年10月25日(火) 午後4時30分~午後6時50分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、中橋雄委員、緑川由香委員

TBSテレビ『オール芸人お笑い謝肉祭 16秋』について討論

● TBSテレビが2016年10月9日(日)18時30分から21時54分まで放送した『オール芸人お笑い謝肉祭‛16秋』内のコーナー「大声厳禁 サイレント風呂」と「心臓破りのぬるぬる坂クイズ」について、視聴者から「男性同士が股間を触る行為などがあった。内容が下品だ。子どもに説明できないような番組はやめてほしい」「浜辺で芸人がローション階段を全裸や下半身露出で滑り落ちるシーンが放送された。"裸になれば笑いがとれる"という低俗な発想が許しがたい」などの意見が寄せられ、委員会では番組を視聴した上で討論しました。その結果、「委員会としてこれまで何回も指摘していることが理解されていない。どのような経緯で放送に至ったのかなど確認したい」などの意見が出され審議入りを決めました。委員会では、質問書を当該放送局に送って回答を求めることにしました。委員からは次のような意見が出ました。

  • 私の感覚がマヒしてしまっているのか、またバカやっていると思ってしまう。正直嫌な気にはならなかったが、さまざまな基準に対する判断が難しくなってきているのを感じた。

  • テレビを家族で見ることが多い日曜日の夜の時間帯に放送するのに適した内容とは思えない。こんな形でしか笑いが取れないのだろうか。お笑い芸人の世界のヒエラルキーを垣間見るようで、しらけてしまう視聴者も多かったのではないか。

  • 青少年委員会では「放送の公共性」や「表現上の配慮」について繰り返し発言してきているが、全く響いていないことに落胆した。全裸の男性芸人や女性芸人の際どい場面にカメラが繰り返しズームインするなど確信犯的に追っていた。現場にいたスタッフはなぜ止めなかったのか、そしてそれがなぜ放送されるに至ったのか知りたい。

  • 「大声厳禁 サイレント風呂」で男性が男性の股間を触っていたが、男性同士だから許されるという意識があったのだろうか。LGBTの観点からも問題を指摘したい。

  • ハプニングでズボンが脱げるのは、笑いの取れるギリギリの演出として考えられるが、皆が見ている中で階段を全裸で滑り落ちるのは故意にやっているもので、さまざまな問題をはらんでいる。お笑いになると放送倫理や社会的な約束事のセンサーが働かなくなってしまうのだろうか。

  • お笑いの新しいジャンルとして革新的なチャレンジなら応援したいが、今回の演出はそうは受け取れなかった。一つ間違えると「低俗」と言われても仕方がない。

視聴者からの意見について

  • ● 「不倫した歌手が未成年者にお酒を飲ませたことに関して、出演者が当人の人格・容姿などについて悪口を言い合っていた。いじめと同じではないか」という視聴者意見について、委員からは次のような意見が出ました。

    • 反社会的な行為に対して意見を言うのはまだしも、容姿や趣味に対してまで取り上げて話題にするのは、いじめにつながると思う。今回は出演者のラジオでの発言に言及していたが、よってたかってという感じではなかった。

    話し合いの結果、これ以上の段階には進まないことにしました。

  • ● 「世界で起きたとする衝撃スクープ映像を特集した番組で、人間がトカゲを生んだとか未確認物体の映像を放送していた。このような非科学的な番組は子どもに悪影響だ」という視聴者意見について、委員からは次のような意見が出ました。

    • 大人は一目でありえない事だと理解できるが、子どもはどうだろうか。科学的検証もないままに中途半端に番組が進行していたが、子どもに悪影響を与えるほどでは無いと思った。

    話し合いの結果、これ以上の段階には進まないことにしました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした10月のテーマは「最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で22人から報告がありました。
「最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」については、報道番組2人、情報番組5人(うちラジオ1人)、ドキュメンタリー番組13人から報告がありました。情報番組では、『ZIP!』(日本テレビ)を2人が取り上げ、「通学前にのんびりテレビは見られないから、番組進行のタイムスケジュールが固定されているこの番組は、時計代わりにもできて助かる」という学生らしい意見がありました。また、ドキュメンタリー番組では、話題のスマホアプリゲーム「ポケモンGO」の"聖地"と呼ばれる公園を舞台にした『ドキュメント72時間』(NHK総合)に3人から感想が寄せられました。
「自由記述」では、バラエティー番組について「最近のイタズラは見ていて不快。イタズラされる人のことも番組を見ている人のことも両方の気持ちを考えてほしい」「笑いをとるためにやって良いことと、やってはいけないことがあると思う」という昨今のバラエティー番組の演出・手法に対する意見が複数ありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『究極の男は誰だ!? 最強スポーツ男子頂上決戦2016』(TBSテレビ)への感想が2人からありました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】

    • ドキュメンタリー番組の感想が多く寄せられたことは意外だった。「普通に生活していたら知ることのない色々を知ることはとても面白い」「笑える面白さではないが、知識として脳みそに入れておくと良いと思える」など、ドキュメンタリーの良さを表現しているコメントや価値を感じていることが伝わってくるようなコメントを寄せてくれたことが嬉しかった。

    • 番組に対して批判的なコメントもあったが、具体的にどのような場面や出来事をそのように捉えたのかが、記述では分からなかったので「どの部分を問題だと思ったのか」聞いてみたくなった。

    • いい視点は出ているのに、きちんと書き込まれていないために、詳細が把握できないリポートがあり、残念に思った。

    • 寄せられたリポートの過半数がドキュメンタリー番組への感想だったことを鑑みると、情報番組などの広く流布している情報ではなく、ドキュメンタリーのように掘り下げて描かれた"真実"や"知識"に対する欲求が強いのかもしれない。

    • 災害報道の特集について寄せられた「課題を取り上げることも重要だが、希望を持つことができるような光の部分ももっと大々的に取り扱うべき」との意見や、週末の朝の情報番組を「暗いニュースや芸能ニュースを取り扱わない情報番組はとても良い」と評価する意見などを読むと、中高生たちには"希望"を扱ってほしいという思いがあるように感じる。このような声は、番組を制作する人たちにとっても何らかのヒントになるのではないだろうか。

  • 【自由記述】

    • 10月6日の『SCHOOL OF LOCK』(FM東京/FM山口)の「『君が独りぼっちじゃないと気づいた日』を教えてほしい」という放送について「久しぶりに良い番組を聴いたなと感じた」という報告があったが、この番組をぜひ聴いてみたくなった。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】

    • 『フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿』(NHKBSプレミアム)科学の闇の事件にスポットを当てる新しい側面からの番組です。事件を取り扱うので少し怖い部分もありますが、丁寧に分かりやすく作られているので、科学に詳しくなくてもよく分かり、とても興味深く引き込まれます。事件内容の解説だけでなく、実際にその分野に詳しい科学者や専門家を呼んで、なぜそのような事件が起きたかも検証するので、科学者の心情を推測したり、その時の時代背景の解説もありと、より深く楽しめます。(宮城・中学1年・男子)

    • 『コズミックフロント☆NEXT』(NHKBSプレミアム)私は宇宙が好きで、時々父と一緒にこの番組を見るのですが、地球からでも肉眼で見ることができる惑星や衛星のことなど、意外と身近なものをテーマに、外国の研究者の人の話などを交えながら詳しく知ることができて、とても面白いです。私は本や雑誌もよく読むけれど、この番組ではCGや衛星写真などで視覚的に楽しむことができるし画質がきれいなので、これまでよりも天体や宇宙のことに興味をもつようになりました。また、世界の一流の研究者たちの試行錯誤や研究の苦労なども描かれていて、自分の考えや仮説が証明された時の喜びなどは、視聴者にとっても臨場感のある感覚で描かれているように感じ、私のお気に入りの番組のひとつです。(岡山・中学2年・女子)

    • 『NEXT 未来のために~もう一人のアンネ 娘に託すアウシュビッツの記憶~』(NHK総合)この番組は母の勧めで見ました。アンネ・フランクと同じような体験をした生存者の話でした。とても印象に残る内容でした。特に驚いたことは、人間が人間を平気で殺していた時代がたった70年前だということです。生存者の話を聞く若者たちを見ていると、当時の状況に驚いた様子もありましたが、恐怖も感じていたように見えました。このように「戦争」や「差別」などについてのドキュメンタリー番組は、後の世の中から消えてはいけない教訓だと感じました。(北海道・中学2年・男子)

    • 『ドキュメント72時間~大都会 モンスターに沸く公園で~』(NHK総合)最近話題になっている「ポケモンGO」がテーマで、8月20日から22日までの3日間、墨田区の錦糸公園に来る人達にインタビューをするという内容でした。前日の午後3時から翌朝の5時まで、雨宿りをしながらずっと公園内で「ポケモンGO」をやっていると話していた22歳の男性は、千葉県から自転車で来たということでしたが、ビーチサンダルを履いていて、自転車の前かごには紙パックの飲み物1つしか入っていなかったのですが、とても楽しそうにコイキングを集めている話をしていました。やりたいことがなくてフリーターをしているけれど、友達に負けたくなくてコイキングを集めていて「これしか極められない」と言っていた言葉が印象に残りました。自分にとっては友達とドッジボール等をして遊ぶ場所である公園には、色々な人がいるのだなと感じました。その中のひとりが「こういうゲームをする無駄な時間や心の余裕が大切だと思う」と言っていた言葉は、なんとなく分かる気がしました。(東京・中学2年・男子)

    • 『ZIP!』(日本テレビ)僕の好きな番組の1つです。僕が見た水曜日のコーナーは、アナウンサーの桝さん自身が大学で学んだことを生かして、動物などの普通は知らないところまで教えてくれるのでとても良いです。僕も実際に、学校の理科の授業で生かすことができます。ただ、まだまだ改善できる点はあると思います。たとえば、番組の最後の方で放送される、「MOKO’S キッチン」は、家庭にあるような材料で、簡単においしい料理を作れるというコーナーですが、僕が見ている限りでは、全然家にないような、マメだとか、装飾の葉っぱなどを使います。そういうところは、もう少し視聴者目線でなくてはいけないと思います。(埼玉・中学2年・男子)

    • 『ZIP!』(日本テレビ)朝の情報番組は息の長い番組が多いと思うが、私はこれしか見ません。理由は番組の特集や各コーナーが進んでいくタイムスケジュールが固定されているので、通学前の支度をしている私にとって、朝からのんびりテレビを見られないから、時計代わりに決まった時間に決まったコーナーの放送は助かる事。そしてもう一つはニュースから流行や日常の疑問に関しての特集など幅広いジャンルについて、簡潔に分かりやすく伝えてくれているので、テーマの取り上げ方がうまいなと思います。(神奈川・中学3年・女子)

    • 『サラメシ』(NHK総合)普通の番組だと仕事の内容などに注目するのですが、この番組はお昼ご飯という誰でも食べるものに、焦点をおいているのがとても興味深いと思います。また、サラリーマンに限らず様々な職業の人のランチに注目していて、その職業特有のまかないなどが分かりました。お昼ご飯というのは、みんなにとって楽しみで息抜きになる存在だというのが伝わってきました。(千葉・中学3年・女子)

    • 『ドキュメント72時間~大都会 モンスターに沸く公園で~』(NHK総合)この番組はいつもとても充実しています。今回は今話題のスマホアプリ「ポケモンGO」によって人が溢れ返っている公園についてでした。僕自身はこのゲームをしたことがありませんが、この番組を見てこれだけの人が夢中になっているゲームなのだと知りとても驚きました。聖地と呼ばれるこの公園は、今まではそんなに人がいなかったのに、このゲームのおかげか朝から夜中まで人であふれていました。インタビューを受けるほとんどの人たちがこのゲームのために公園に来ていました。僕にとってはとても衝撃的でした。この番組では、以前、女子刑務所についても放送していました。その回はとても心に残っています。普通なら知らないことやそこまで気にしないことなどいろいろありますが、とても面白いと思います。笑える面白さではありませんが、知識として脳みそに入れておくというか、こういうこともあるんだなぁと思える良い番組だと思います。(愛知・中学3年・男子)

    • 『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)「何でも屋」だった方が、所謂「おひとり様」で亡くなった方の「おかたづけ」をすることになった話。人口密度の高い東京でも、「おひとり様」で亡くなる方が、頻繁に発生し、「何週間も誰にも気づかれずに」そのままの状態が継続し、隣人が「異臭」によって、事態が発覚するという始末。人口は密だが、「人間関係」は「希薄」であるから、ある意味この状況は仕方ないと考える。主人公の方は、次から次へと増加するこの「おひとり様の孤独死」から、人生感が変化し、「結婚」をし、「子供」を持った。死を見つめることにより、「生」の大切さを再認識した。視聴者にも、ズキズキ伝わった。リアル感が、画像の向こう側から、時空を超えて伝達された。非常に判り易い番組で、評価できると思います。視聴者に「奥の奥まで」考えさせる事が必要だと思います。(東京・中学3年・男子)

    • 『報道特集』(TBSテレビ/毎日放送)地震、水害、阿蘇山の噴火という3つの災害に相次いで見舞われた熊本県の現状が伝わる分かり易い特集であった。現在の課題や取り組みなどが紹介されていたが、しかしどれも光と影の、影の部分が強調されていたように思えた。このような災害後の報道においては課題を取り上げることも重要だと思うが、希望を持てるような光の部分ももっと大々的に取り扱うべきだと思った。(兵庫・中学3年・男子)

    • 『NHKスペシャル 活断層の村の苦闘~熊本地震・半年間の記録~』(NHK総合)熊本地震の半年後についてのドキュメンタリー番組でした。私がこの番組を見て一番驚いたのは地震から半年経つにも関わらず、まだ水道や道路が復旧していない地区があるということです。それどころか、まだまだ倒壊した建物が多くみられ、地震の日から時が止まってしまったかのような場所もありました。この番組で特に注目していたのは、活断層の上で生活する村でした。新しい家を建てる、畑を作る、生活を始める上でここにいていいのかと悩む人達がいました。この土地を離れたくないけど、また地震が起こるかもしれない活断層の上で生活するのは不安、悩むのも当然だと思います。私ならどうするだろうと思いながら番組を見ていました。たぶん熊本が完全に復興するのにはまだまだ時間がかかるだろうけど、私は解決するまできちんと情報を集めたり報道を見たりしていきたいです。(高知・高校1年・女子)

    • 『サタデープラス』(TBSテレビ)この番組は毎週自宅でできる健康チェックや健康に良い食事などを教えてくれるので役に立っています。最近朝の情報番組では、同じニュースや似たような特集を組んでいることが多くてつまらないので、暗いニュースや芸能ニュースを取り扱わない、役立つ情報番組はとても良いと思います。(東京・高校2年・女子)

    • 『バラのささやき 創られた美の物語』(NHKBSプレミアム)バラの歴史をファンタジックに、美しい映像とともに描いたドキュメンタリー。非常に見応えがあった。バラの美しく気高い姿は、いつの時代も人を魅了して止まないのだと分かり、もっとバラについて知りたいと思った。声優の演技にも引き込まれた。(神奈川・高校2年・女子)

    • 『フェイス フロム・アメリカ~彼らがヒロシマで見つけたもの~』(NHK広島)この番組は、アメリカ人が広島を訪れて何を感じているのかを描いた番組です。私は、広島を訪れるアメリカ人が多いことは知っていましたが、どのような気持ちで訪れているのかは分かりませんでした。意外だったのは、アメリカ人の多くは、広島を訪れるまで原爆のことについてほとんど知らないことです。あるアメリカ人は「原爆を落としたのは早く戦争を終わらせるためで仕方がなかったと思っていた」と語っていました。しかし広島を訪れることによって新しい価値観が生まれていました。日本とアメリカお互いが「知る」ことによって今の平和が保たれているのだと思います。それが「彼らが見つけたもの」だと私は思います。この番組を通して私は、お互いについて「知る」ことは怖く、恐ろしいこともあるけれど、逃げずに「知る」ことでよい世界が築かれると感じました。(山口・高校2年・男子)

    • 『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)今回の番組はファッションデザイナーについてでした。その中で特に印象に残ったことがあります。「作為のないものが美しい」ということです。この言葉は番組の後半に出てくるのですが、最初聞いたとき意味が分からなすぎて印象に残りました。普段私がすごい!と思うものは大きな建造物や絵画など圧倒されるものがほとんどです。しかし、この主人公のデザインは常識外れで大胆なことに驚きました。例えば、紙を小さい丸でくりぬいた後の残骸の紙切れ。無造作に置いていたその紙切れが一つのデザインになっていました。私は新しくて未知の世界を見せられたような気がしました。自分の知らない世界を見ることで新しい物の見方や発見、考え方があり、実際に経験するのとは違うけど感じるものはたくさんありました。人の人生観や考え方を知ることも良いことだと改めて感じることができました。(福岡・高校3年・男子)

  • 【自由記述】

    • バラエティー番組の中で、イタズラする映像をよく見ますが、最近そのイタズラに、どう見てもされている方が嫌がっているものがよくあります。たとえイタズラをされているのが芸能人だったとしても、されている人が明らかに困ったり嫌がっている映像は見ていて不快です。番組を作っている人も大人ですから、相手の気持ちを考えることができるはず。イタズラされる人のことも、番組を見ている人のことも両方の気持ちを考えてほしいです。(岡山・中学2年・女子)

    • 笑いを取るためにやって良いこととやってはいけないことがあると思います。過剰に演出するのもどうかなぁと思うことがよくあります。(愛知・中学3年・男子)

    • 先日、学校で「人々に大きな衝撃を与えるような事柄ではなく、人々の命を守るうえで教訓となるようなありふれた事故などの事柄をもっと報道すべきだ」という趣旨の文章を扱った。ニュース番組が重要度の高い事柄から報道しているのかという事に、疑問を覚えることはしばしばある。先刻は、豊洲市場の問題について連日報道が続いた。東京で持ち上がった問題が専ら報道されている状況を、東京以外に住んでいる人はどのように感じるのか、ということについて、考察の余地は十分にあるのではないだろうか。(京都・高校1年・男子)

    • 10月6日の『SCHOOL OF LOCK』(FM東京/FM山口)で「『君がひとりぼっちじゃないと気づいた日』を教えてほしい」と題したコーナーがありました。リスナーから『君がひとりぼっちじゃないと気づいた日』に関するメッセージを募集して、パーソナリティとリスナーが電話をつないで話を聞いていました。どの話も「ひとりぼっちじゃないと気づいたきっかけ」がとても感動的でした。今ひとりぼっちと感じている人にはとても励みになったのではないかと思います。久しぶりに良い番組を聴いたなと感じました。(山口・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂上決戦2016~究極の肉体美を持つ芸能人16人の中からNo.1の称号を手に入れるのは誰だ!?~』(TBSテレビ/CBCテレビ)皆さんとても身体能力がすごくて驚いてばかりでしたが、少しやりすぎではないかと思う場面がいくつかありました。まず、上から流れてくる水の重さにどれだけ耐えられるかというものです。見ていて気持ち悪くなりました。人が押しつぶされるような感覚でした。もちろんつぶされないようにはなっていますが、足や腕がパンパンになりがくがく震えながら上から流れてくる水の重さに耐えるシーンは拷問のようでした。もう少し良い競技にしてほしかったなぁと思いました。(愛知・中学3年・男子)

    • 『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ/中京テレビ)Hey!Say!JUMPの知念侑李さんが片足しかないワラビーの世話をして群れに返すお別れのシーンはとても感動しました。群れに返す時にボロボロと泣いていた知念さんとワラビーとの関係にとても心に来るものがありました。初めましてから始まり、ワラビーのもう片方の足の型を作ってあげたり跳ぶ練習をしたり共に生活してきたのを見ているので、お別れのシーンはこっちまで感動しました。知念さんとともに生活し無事群れに帰ることのできたこのワラビーは幸せだろうなぁと思いました。(愛知・中学3年・男子)

    • 『歓びの絵 ねむの木学園 48年の軌跡』(NHKBS-1)この学園を設立された宮城まり子さんのことは知らなかったけれど、障害のある子どもたちのために学校を作ったということにとても驚きました。昔は今よりももっと障害に対しての偏見も多かっただろうに、そんな中自分でその子たちを助けようとした彼女は強いなと思いました。また、子どもたちに絵を書いて気持ちを伝える方法を伝えたということも素敵だなと思いました。子どもたちに誰かとつながる方法、自信を与えたと思います。彼らの美術展にはいつか必ず行きたいです。(高知・高校1年・女子)

    • 『サヘル・ローズのイチオシNIPPON』(ワールド・ハイビジョン・チャンネル)サヘル・ローズさんが帯広を訪問して、観光パンフレットを作るという内容でした。これまで外国人の目線から見た観光番組は見た事がなかったので興味を持ちました。また、地元の野菜を使った名物なども紹介しつつ、なぜ帯広が食料自給率が120%と高いのか、農家の人などの話から分かりました。そして、実際に作成された観光パンフレットが番組ホームページに掲載されています。そこには番組で紹介されたことが詳しくまとめられていて読みやすかったです。さらに帯広について知りたいという気分になりました。(山口・高校2年・男子)

調査研究について

2015年10月に行った立命館守山高校アンケート調査リポート「高校生のメディア・リテラシーに関する探索的研究-バラエティー番組に対する感想をめぐって-」を、10月8日9日に静岡大学浜松キャンパスで開催された「第13回子ども学会議」でポスター発表し、優秀ポスター賞を受賞したことについて、事務局から報告がありました。

今後の予定について

  • 来年3月5日に日本テレビの協力を得て開催予定の「2016年度 中高生モニター会議~日テレフォーラム18~」について、進捗状況の説明が事務局からあり、内容について検討しました。

  • 来年1月をめどに開催予定の在京局との意見交換会・勉強会について、進捗状況の説明が事務局からあり、担当は中橋委員に決まりました。

その他

  • 10月14日に立命館アジア太平洋大学で行った意見交換会について、参加した委員と事務局から報告がありました。【詳細はこちら

第184回 放送と青少年に関する委員会

第184回–2016年9月27日

視聴者意見を中心に意見交換…など

2016年9月27日に第184回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、8月の委員会が休会だったため、7月16日から9月15日までの2ヶ月間に寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。そのあと、8月と9月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
次回は10月25日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2016年9月27日(火)午後4時30分~午後7時30分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

  • 視聴者からの意見が多かったバラエティー番組や、クイズ番組については、特に議論を深める必要はないとなりました。

  • 埼玉県河川敷少年殺害事件における被害少年のプライバシーについて、なぜ保護されないのかという視聴者意見がありました。加害少年には法的制限があるが被害者には無い。事件報道で情報の開示はある程度必要であると思うが難しい問題だ、などの議論があり、今後も必要に応じて検討していくことになりました。

  • 「子どもに悪影響だから放送しないでほしい」という保護者からの視聴者意見がよく来る。問題が無いような番組を放送することが大前提であり、放送時間帯にも関わってくるが、保護者も一定の責任を担うことを考えていただきたい。
    1999年6月17日に日本民間放送連盟・放送基準審議会が公表した『「青少年と放送」問題への対応について』には、「17時~21時に放送する番組については、児童および青少年、とりわけ児童の視聴に十分、配慮する。(中略)なお、21時以降および休日の児童および青少年の視聴については、その保護者の方々にも一定の責任を担うことをお願いしたい」とある。また、2001年7月19日に同じく放送基準審議会が公表した『「番組情報の事前表示」に関する考え方について』には、「4.午後11時以降の番組については、主として保護者が児童・青少年の視聴について責任を負う時間帯と考え、原則として事前表示は行わないこととする」とある。放送局のいっそうの配慮と、保護者に理解を深めてもらうための努力が必要だとなりました。

中高生モニター報告について

【8月の報告】

32人の中高生モニターにお願いした8月のテーマは、「テレビまたはラジオ番組の企画を考えよう」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で23人から報告がありました。
「テレビまたはラジオ番組の企画を考えよう」では、テレビ番組の企画が21本、ラジオ番組は1本、ラジオ・テレビ同時放送という企画が1本寄せられました。企画内容は、バラエティー番組が11本、教養系番組が7本、クイズ番組が4本、ドラマが1本でした。またこのうち、データ放送を活用した双方向の番組など、視聴者参加型の企画が10本ありました。企画のねらいには、「大人も子どもも一緒に見られる」「だれでも楽しむことができる」と多世代で視聴し会話のきっかけにできる番組や、「翌日、学校で番組の話題で盛り上がることができる」という自分たちが見たい、若い世代をターゲットにしたものなど、コミュニケーションツールとしての番組を意識した意図が多くみられました。
「自由記述」では、オリンピック関連放送への意見が6人から寄せられました。「普段あまりスポーツは見ないが、オリンピック放送は楽しんでいる」という意見の一方、「放送局がそれぞれに、1人の選手に何度も同じ質問をするので、重複しがちで選手の負担が心配」や「オリンピック以外のニュースがいつまでたっても見られない」といった取材方法や放送枠への疑問の声もありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『熱闘甲子園』(朝日放送)に対し、「同じ高校生として共感した」や「思わず感動してしまうドキュメンタリー」など同世代ならではの意見が2件寄せられました。

◆委員の感想◆

  • 具体的に番組企画を考えることでより深いところから番組を見ることができるようになる。個性あふれる内容が多かった。ラジオとテレビの融合企画はいろいろ空想できて面白かった。
  • シンプルに書いてあるが、面白い企画が多かった。何より感想を書いてくれたテレビ局の対応に感謝したい。モニターもきっと喜ぶだろう。
  • 絵本で大人にも安らぎの時間を提供できるという若者目線の企画や、昔と今のテレビ・ラジオの番組を比較する企画、タイトルは4文字でまとめるなど、着眼点に光るものがあった。
  • 自分が見たいと思っている番組を企画したのか疑問が残るものもあったが、昭和へのタイムスリップ企画や、埼玉に特化した企画、dボタンを使った企画など、彼らの年齢だから発想できるものも多かった。
  • 寄せられた企画を専門家が洗練させていけば、今の若者が何を見たいと思っているかが分かる気がした。知識への欲求が強いことを感じた。
  • 作り手の事を考えることによって、メディアリテラシーが涵養されていく。学校の授業に番組企画を取り入れても良いのではないか。
  • いじめや犯罪の無い学園ドラマや絵本の朗読など、ほのぼのとしたものを求めているようだ。
  • 番組タイトルは4文字が良いという、実際に放送局の現場で実践していることを考え付いたのは素晴らしいと思う。YouTube に触れた企画が無かったのが残念だ。メディアとコンテンツの関係を考えてもらうと、もっと斬新な企画が生まれるかも知れない。

◆在京キー局番組制作者の感想◆

●NHK制作局青少年・教育番組部 チーフ・プロデューサー(『Rの法則』担当)

  • 「スマホ世代にテレビを見てもらうには?」10代向けの番組を制作しながら、常に考えていることです。そんな中、まさにターゲットである高校生からの企画書・・・興味深く拝見しました。データ放送やSNSを連動させた提案が多く、やはりテレビに対して"参加感"を求めているのだなと感じました。「目指せ!あなたも漢字マスター」はありそうでなかった番組。資格取得という目的に向け、出演者と視聴者が一緒に学びながら問題に取り組む・・・リアルタイムで正答率が出れば盛り上がりそうです。また、「ラジwatch」「テレ・ラジ」のように、"テレビ×ラジオ企画"が印象に残りました。ラジオの魅力をテレビで再発見するという発想が斬新でした。テレビで見てもラジオで聴いても面白く、成立する番組に仕立てるには相当力量が必要ですが、"波の垣根"を越えれば、もっと新しい番組が生まれるかもしれない・・・そんな可能性を感じることができました。

●日本テレビ チーフプロデューサー(『踊るさんま御殿』『笑ってコラえて』担当)

  • とても、テレビの力を信じてくれている企画が多く、テレビ制作に携わる者として単純に嬉しく思います。具体的なキャスティングもイメージした企画も多くあり、すぐにでも試せる企画も幾つか見受けられました。"双方向"や、"一般視聴者の出演"といった、視聴者参加型番組の提案も多かった印象があります。デバイスの進化に伴い、テレビの企画も進化しなければなりませんが、そういった時代の変化に敏感な企画が多く、大変楽しみです。

●TBSテレビ 制作局 制作一部 プロデューサー(『水曜日のダウンタウン』『クレイジージャーニー』担当)

  • 今回皆さんの企画書を読ませていただいて、感じた事が2点あります…それは…
    (1) 【dボタン】や【視聴者参加企画】など、テレビ番組への参加意識の高さ
    ただ面白い番組・興味ある番組を見るだけでなく、視聴者自らが動いてる感…テレビ放送の相互性などの重要性…などが感じられました。
    (2) 【家族みんなで見られる番組】への期待
    現在家族の団らん時間の減少がよく聞かれますが、実は中高生の皆さんの家族への意識は高く、
    これは、昭和も平成も、根っこは変わっていない感じがしました。
    上記2点は、実は番組制作を仕事としている僕らも意識しなくてはならない事で、中高生の皆さんの着眼点の鋭さを感じるとともに、番組作りの基本とは何か、を改めて考えさせられました。

●テレビ東京 制作局 ディレクター(『ありえへん∞世界』『やりすぎ都市伝説』『じわじわチャップリン』担当)

  • 全体を通し、今放送されている番組と似通っているものが、あまりなくてビックリしました。普通なら「あの番組を少しパクってやろうかなぁ…」など、考えがちですが、どれも王道の企画を少しずらして、皆さん考えていたので、どれも読みごたえがありました。
    個別の企画ですが…「1泊2日昭和へタイムスリップ」。こちらはすぐやってもいいんじゃないかぐらい、いい企画だと思います。若い層も、年配の層にも、どちらにも刺さる、間口の広い企画でありながら、独自のメッセージ性もある、素晴らしい企画だと思います。
    「その先の物語」は、夢のある企画でいいなぁと思いました。業界にすっかり染まってしまった僕は、「魔女の宅急便」「花より男子」の先なんて、大先生方が書いてくれるかなぁ…と疑心暗鬼になってしまうのですが、そんな下らない常識を捨てて、こんな夢のある企画を実現できたら最高だと思います!
    「目指せ!あなた漢字マイスター」は、dボタンを使った企画というところが素晴らしいです。今、各局がdボタンの扱いに悩んでいる所だと思うので…。漢字に限定し、漢字検定を最終的に取ろう!というゴールもちゃんと設定していて、とても素晴らしいなぁと思いました。

●フジテレビ 制作局第二制作センター プロデューサー(『バイキング』担当)

  • 【総評】
    今回、皆さんの企画を拝見し、まず率直に感じたのは「知識」「課題」「学ぶ」「授業」というワードがたくさんあり、「テレビから知識を得たい」という期待があるのだと実感しました。テレビではなく、インターネットでいつでも知識が得られる時代になっても、テレビから発信される"映像を伴った情報"に、多くの期待が寄せられているのだと改めて感じました。
    また「大人も子どもも」「友達との話題になるような」といった世代間、家族、友人同士のコミュニケーションの手段としてもテレビの価値を見出している方が多く、SNSなどとは違った対・人間同士の会話を生むためのツールとしてテレビの役割を担っていることも再認識しました。
  • 【特に印象に残った企画】
    「先生たちのワイドショー」
    自分が担当している『バイキング』や『ワイドナショー』のように、ニュースを取り上げる番組が多いなか、この企画は"先生"という立場に目をつけ、教育者だからこその目線で取り上げるニュースってどんなものだろう?と興味をそそります。事件やニュース、社会問題の裏には必ず「教育論」が存在するので、尾木ママだけではなく様々な先生が独自の理論でディベートすると熱い番組になるかと思います。
    敬老の日スペシャル「1泊2日昭和へタイムスリップ」
    若者ならではの視点で企画が考えられています。敢えて不便な生活を強いられたらどうなるのか?ちゃんと昭和40年代の家具や家電をそろえることで世界観を作ろうと練られています。ノスタルジーな感覚を生むことで、若者だけでなく大人も懐かしく見ることができる番組になるだろうと期待が持てます。

◆モニターの番組企画◆

  • ●東京・中学1年・女子
    タイトル:「そういえばあの人何した人だっけ!?~日本に名を刻んだ偉人たち~」
    出演者:高橋英樹 黒柳徹子 トレンディエンジェル 林修 桐山照史(ジャニーズwest) 鈴木福
    番組のねらい:今の小中高生に名前は知っているけど何をしたかは分からない日本の偉人たちの偉業を知ってもらう
    番組の内容:番組では中高生から質問が出た偉人についてゲストが一人ずつ考えた答えを出し2分という制限時間で話し合って1つの答えにします。最後に司会の鈴木福君と質問をした中高生に納得のいく説明ができたらミッションクリアとします。ミッションがクリアしなかった場合は皆でセンブリ茶100mlをいっき飲みするというちょっとした罰ゲームをします。歴史という事に興味を持ってくれる事が目的なので誰でも楽しめるような番組を作りました。

    日本テレビ チーフプロデューサー(担当番組『踊るさんま御殿』『笑ってコラえて』): 難解で狭いターゲットになりがちな「歴史」を工夫してバラエティー化しようという心意気が伝わってきます。キャスティングも具体的にイメージ出来ていて素晴らしいです。歴史的な事象には様々な見方があり、それが歴史の面白い点でもあります。どうやって、意見に集約するのか気になります。
    テレビ朝日 Aプロデューサー: 楽しく歴史を知ろうというのは大変意義のある番組だと思います。ただ「知りたい」という小中高生の前向きな姿勢に、「是非知ってもらおう」と出演者が一所懸命答えることを考えると、「上手に説明できなかったら罰ゲーム」なのではなく「上手に説明できたら報奨」といったポジティブな形がいいのではないかと思います。

  • ●長崎・中学1年・女子
    タイトル:「その先の物語」
    出演者:青島広志さんの講演を見に行った時に面白かったのでゲストにしてほしい。小さいときの夢が女の子になることとおっしゃっていました。漫画も上手でした。他に、スポーツ選手や俳優、歌手、作家、ジャンルを問わず見てみたい
    番組のねらい:物語や歴史のその後の物語を想像して作る、大人も子どもも楽しめる
    番組の内容:例えば、魔女の宅急便のキキのその後。キキがお母さんになって、その子どもが魔女だったり、13歳の修行に出たり、学校生活を送っていたりなど。その後の物語を新しく作る。その都度ゲストがいて、そのゲストが、思い出に残っている物語や歴史などのその後を自由に考えて、アニメや、ドラマにする。そのゲストが、演じたり、声優になったりしても面白そうです。

    日本テレビ チーフプロデューサー: 今流行の、2次創作的なニュアンスもあり、面白そうな企画です。著作権者と、上手くコミュニケーションが取れる作品ならば、可能性もありそうです。
    テレビ朝日 Aプロデューサー: 想像力が広がる良い企画だと思います。ただし、視聴者が前提となる物語や歴史を知っている必要があると思うので、まずは誰もが知っている童話や史実を題材にしたらいいのではないでしょうか?また、先の物語を発表した後に、面白いと思った観客にボタンを押してもらって得点制にするなど、どう終わらせるのかを考えた方がよいと思います。

  • ●宮城・中学1年・男子
    タイトル:「めざせ!あなたも漢字マスター」
    出演者:宮崎美子 やくみつる 加藤シゲアキ 桐谷美玲 橋本環奈 城島茂 バカリズム
    番組のねらい:dボタンを使って番組参加型形式で漢検取得を目指す番組
    番組の内容:毎回テーマを決めて問題に取り組んだり、豆知識などを紹介して漢字に対する知識と理解を深め、将来役に立つ資格取得に向けてエールを送る。dボタンを使って一緒に問題を解きながらポイントも学べる形式で送る番組。視聴者も含めて出演者も資格取得を目指しお互いに励ましながらゴールを目指す。

    日本テレビ チーフプロデューサー: 今後のメディアの課題ともいえる、「双方向」を意識した、アカデミックな企画コンセプトだと思います。実際、漢字クイズは、クイズ番組の中でも定番で、それを漢字検定に絞ったのは、新しい要素だと思います。
    テレビ朝日 Aプロデューサー: 漢字検定合格を目指している人にだけ向けた番組ではなく、漢字検定を目指していない人たちにも、どうしたら番組を楽しんでもらえるかをもっと工夫すれば、より多くの人が見てくれる番組になると思います。dボタンを使っての演出は可能性が広がりますのでぜひ研究を続けてほしいと思います。

  • ●石川・中学2年・女子
    番組名:「ゲーム頂上作戦」
    出演者:ゲームが得意な人(予選をする)
    番組のねらい:ゲームが好きな人が楽しむ
    番組の内容:マリオカートやドンキーコング、バイオハザードなどの有名ゲームを、同じ条件で何人かの人にトーナメント形式で戦わせる。出演者は、一般人でも芸能人でもOKです。

    日本テレビ チーフプロデューサー: 今、You Tubeなどでは、ゲームをする、PLAY動画が人気ですね。ゲームごとにユーザーが限られているため、幅広い人達が、興味を持てるように工夫することが重要だと思います。
    テレビ朝日 Aプロデューサー: すでに世界では、eスポーツと呼ばれる高額賞金を獲得できるゲーム大会が存在しています。ゲーム頂上決戦を見せるのであれば、その大会を中継すればいいことになってしまうので、例えば、海外の大会での優勝者を実際に紹介したり、海外の大会への挑戦権をかけて番組内で競い合うなど、テレビ番組ならではの見せ方を工夫したらいかがでしょうか。

  • ●岡山・中学2年・女子
    番組名:「俺らの青春」
    出演者:中高生5人~10人のグループ
    番組のねらい:出ている人、見ている人に新しいいろいろなことを知ってもらう
    番組の内容:中高生5~10人のグループが共同生活をしながら、出された課題をクリアしていくサバイバル番組

    テレビ朝日 Aプロデューサー: サバイバルということは、課題をクリアできなかったら脱落していくということでしょうか?となると、出演者はなぜ生き残りをかけて課題をクリアしていくのでしょうか?最後まで残ったらどうなるのか?それよりも、番組タイトル「俺等の青春」からは、若者たちが協力し合って課題をクリアしていくことで生まれる友情や絆を描くという方が番組として見えるかと思います。

  • ●北海道・中学2年・男子
    番組名:一般人が挑戦!~番組チャレンジャー~
    出演者:オーディションで受かった一般人 それぞれの番組に合わせた芸能人
    番組のねらい:テレビを見る側の人には芸能人ではないときの面白さを伝え、一般人の出演者にはテレビの身近さを体感してもらう
    番組の内容:日本テレビのレギュラー番組や特番のバラエティーを最初に芸能人がやってみて、その次に同じ内容の同じ番組を一般人にやらせてみるとどうなるのかを検証する。それを2番組くらいやり、最後にd投票でどちらが良かったかを決める

    日本テレビ チーフプロデューサー: 一般の皆さんが参加する際に、単純にタレントと比較にされるのはハードルが上がった状態になってしまうかもしれません。(面白く見えない可能性が高い)。一般参加の持つ意味を、別に見つける必要があります。
    テレビ朝日 Aプロデューサー: 1番組を丸々、芸能人版と一般人版で放送するという形だと、途中から見た人(特に後半の一般人の番組から)はついて行けず最初から見ていないといけない番組になってしまいます。コーナー企画規模のものを比較するのであればまだ現実味があると思いますが、その場合は「○本勝負」など、見せ方に工夫が必要かと思います。

  • ●東京・中学2年・男子
    番組名:「クイズ しりとりでHow much?」
    出演者:トレンディエンジェル・アンガールズ・椿鬼奴、毎回ゲスト
    番組のねらい:出演者達がクイズ形式でしりとりをするので、視聴者には、楽しく視聴しながら色々なものの値段を知ってもらう
    番組の内容:出演者達が毎回出されるお題・テーマに合った物をしりとりで答えていく。さらに言った物を売っているお店に行って値段を当てていき、しりとりで「ン」を付けてしまったり値段が一番離れていた人が罰ゲームを受ける。しりとりのテーマは例えば「流行りの食べ物」だったら、パンケーキ→キットカット→トマトラーメン(ンがつくので失敗)と答えて行き、罰ゲームは超激辛料理を食べるなど。値段をピタリと当てた人は、その物を食べたりもらったりできる

    日本テレビ チーフプロデューサー: 芸人などで、実際にやると楽しそうな企画です。芸人本人が楽しむ以上の面白さを、どう視聴者に伝えていくか、(タレントが楽しんでいるだけではなく)が企画のポイントとなりそうです。
    テレビ朝日 Bプロデューサー: 答えの連鎖を楽しむなら「しりとり」だけにすると、答えを狭めてしまうかもしれません。さらに「しりとり」と「値段」ふたつの、どちらかひとつに絞った方が面白そうです。たとえば「流行の食べ物」がテーマだとしたら、最初100円のものからスタートし、次の人はそれより高い食べ物を探しにいくなどのゲームにすると良いと思います。

  • ●埼玉・中学2年・男子
    番組名:「知ってる?さ・い・た・ま」
    出演者:バカボン鬼塚(MC)・星野源(ゲスト)など埼玉県ゆかりの有名人にゲストとして番組に出演してもらう
    番組のねらい:今年一年間の埼玉のニュースを楽しく学べる
    番組の内容:バカボン鬼塚さんを中心に番組を進めていく。その年一年に起こった埼玉のニュースをわかりやすくクイズ形式にしてわかりやすく・楽しく伝える番組にする。また、さまざまな年代の人に楽しんでもらうためにいろいろな世代のニュースをクイズにする

    日本テレビ チーフプロデューサー: エリア限定のニュースということで、視聴者の幅をどう広げていくか、また、ニュースを扱うということで、クイズ形式が番組としてふさわしいかどうか、ニュース内容によって(被害者加害者が存在するようなケース)、扱いが適切かどうか考えていく必要がありそうです。
    テレビ朝日 Bプロデューサー: その土地のローカルニュースは、面白いと思います。全国ではそんなにすごくないニュースが例えば埼玉ではスッゴイ重大ニュースになってるなど、その土地土地の、「年間知られざる重大ニュース」として取り上げるといいかもしれません。さらに、そのニュースの当事者を取材するなどすると、面白いと思います。

  • ●神奈川・中学3年・女子
    番組名:「みんな集まれ!」
    出演者:朗読 神谷浩史【声優】
    番組のねらい:大切な人と過ごすクリスマスを一回目とし、毎週月曜日に放送する。何かとストレスの多い時代、子どもはもちろん、毎日忙しくしている大人にこそ絵本の読み聞かせにはセラピー効果があるので、安らぎの時間を提供できると思う
    番組の内容:各界で活躍している人に思い出に残っている絵本を1冊選んでもらい、それを毎回神谷浩史さんに朗読してもらう。(10分)残りの時間は選んだ理由と、その作品にまつわるエピソードや作者の他作品の紹介・本屋さんの紹介(オリジナリティあふれる書店も多いので)するコーナー(5分)

    テレビ朝日 Bプロデューサー: 絵本に特化するなら、その人の絵本の思い入れ、人生観を熱く描いた方がいいと思います。そんなに思い入れのある一冊を、あこがれの声優が読んでくれる。そうすることで、その人は思い出があふれ出て感動するという展開にすると、一冊の絵本からその人の人生観が見える感動のストーリーが描けるかもしれません。

  • ●愛知・中学3年・男子
    番組名:「君の知らない世界の授業」
    出演者:毎回ゲストが入れ替わる(レディーガガさん、錦織圭さん、クリスチャンラッセンさんなど)
    番組のねらい:この番組は世界各国でどこの国でも見られるように放送します。自分が普通に生きていたら絶対知らないような事を授業にして楽しく知ってもらうための番組です。時間も土曜の夜8時からと家族みんなで見られる時間帯です。
    番組の内容:この番組は世界で活躍している様々な分野において素晴らしい技術を持っている方を日本に限らず世界から呼び、ゲスト先生として授業をしてもらう。世界で放送するため吹き替え機能を使います。他にもSNSで連動し視聴者参加型テレビにします。生放送ではないのですぐにコメントやお便りを読むことはできませんが次週にできるだけ多くのコメントやお便りを紹介します。コメントやお便りを読まれた方は番組特製グッズを贈ります。その中でも抽選に勝ち抜いた方の数名には放送で来てくれたゲスト先生からのプレゼントも贈ります。いつも通っている学校ではきっと学ばないような事を授業としてたくさんの人に知ってもらいたいです。

    日本テレビ チーフプロデューサー: グローバルな視点に立った、素敵な企画だと思います。キャスティング例に挙がった方々が先生になるとすれば、エキサイティングな放送になりそうです。
    テレビ朝日 Bプロデューサー: 成功を収めた人の話は聞きたい人が多いテーマです。実際著名な人の講演会は面白く盛況です。しかし、話が苦手な人もいるので、進行役を立てるとか、成功を収めた異ジャンルの二人が成功の秘訣を聞きあうなど成功者の秘訣を引き出す工夫があれば、見やすくなると思います。

  • ●神奈川・中学3年・男子
    番組名:「世界の果てまで行ってQ」
    出演者:内村さん、出川さんなど
    番組のねらい:世界で著名な科学者等の皆さんに、難しい質問をブツけて、珍解答を得ること。
    番組の内容:(1) 科学の世界では著名な科学者の方に直接会いに行き(世界の果てまで;外国)簡単な質問(日本語以外で)をして、どのくらい噛み砕いて子ども(出川さんにも判るように)でも判るように説明していただけるか、そのギャップを視聴者が楽しむ。(2) 科学者の方が、専門用語を出来るだけ使用しないことが、条件

    日本テレビ チーフプロデューサー: 世界は勿論、日本でも可能な企画だと思います。「説明の仕方の違い」をどうエンターテインメントにしていくかが、演出工夫のポイントです。
    テレビ朝日 Bプロデューサー: 科学者などその職業を生業としている専門家に協力を仰ぐのであれば敬意を払って番組作りすることが大事です。難しい事柄をいかに簡単に説明するのかという点については目の付け所が良いと思います。それを生かすために例えば、難しい事項を、日常の分かりやすい身近な現象に置き換えたり、例えたりして見せると良いと思います。

  • ●兵庫・中学3年・男子
    番組名:「せんたく」~あなたの選択がすべてを決める~
    出演者:アナウンサー1名、男性お笑いコンビ1組、女性タレント1名
    番組のねらい:一方的に見るだけではなく、番組自体を見ている視聴者自身が作っていき、映像コンテンツとしての面白さだけではなく、自分が操っているかのようなゲーム的要素をデジタル放送の長所を生かし盛り込む
    番組の内容:生放送の年末バラエティー。生放送で街をブラブラするのだが、最大の特徴はデータ放送を最大限に生かし、どう行動するか、何をするのかをリアルタイムで見ている視聴者が色ボタンで投票し、決める。例えば進む方角や飲食店でどのメニューを頼むか、電車に乗ってどの駅で降りるかなど。さらに一回で完結するわけではなく次年は前年の終了地点から再スタートし、連続性がある。番組を作るのは視聴者であるということ。今までにも色ボタンで答えるクイズなどの番組はあったが、番組の内容を決めるような番組はなく、この番組はある種のゲーム的要素を含んでいる。年末番組としてだけではなくレギュラー番組としても良いかもしれない

    日本テレビ チーフプロデューサー: テレビの"双方向"への可能性を検討した素敵なコンセプトです。出演者が実際に感じる緊張感、興奮をどう視聴者に伝えていくかが、ポイントとなりそうです。
    テレビ朝日 Cプロデューサー: 「ラスボス=最終的な目標」を何にするかで番組がガラッと変わると思います。ある種ロールプレイングゲームのような企画で面白い企画です。ただし生放送で街をブラブラ…する場面をガチで放送する場合、放送できないカットやカメラが入れないエリア、さらには映り込みの人達の許諾等々様々な問題をクリアしなくてはなりません。

  • ●高知・高校1年・女子
    番組名:「オリンピックについて考える」
    出演者:過去のオリンピック選手など
    番組のねらい:どの世代でもオリンピックについて興味を持ち、みんなが国際問題やオリンピックの必要性を考える
    番組の内容:まず、オリンピックで行われる競技やそれらのルール説明、見どころ、注目国や選手などについて放送する。また、名場面やハプニングなどを放送して若い世代でも楽しんで見ることが出来るようにする。特にオリンピックの成り立ちについて特集を組み、スポーツという文化の必要性やあり方のついて考えられる番組にする。また、参加国の情勢や国の問題などを放送し、世界全体としての問題として扱う。例えば、難民問題やドーピング問題にも触れ、スポーツ精神についてや、国と選手との関係などについても議論する。最後に、2020年に行われる東京オリンピックについて、開催までの道のりや問題点なども放送して、みんなで東京オリンピックを楽しみに出来るようにする

    テレビ朝日 Dプロデューサー: 各局で同じような企画が放送される中「ここを見てほしい!」というメインネタを中心に構成すると他企画との差別化ができると思います。まずはオリンピックについて「視聴者が何を見たいのか?知りたいのか?」リサーチから始めると、より良い企画が生まれてくるはずです。

  • ●京都・高校1年・男子
    番組名:「先生たちのワイドショー」
    出演者:学校・塾の先生方
    番組のねらい:若者のニュース離れが叫ばれて久しい。専門用語が多く使われ、専門家による解説が難解に聞こえることもあって、従来のニュース番組は若者には敬遠されがちなのだ。そこで、学校や塾などで日々教鞭をとっている先生方だけで番組を構成することで、学生にとって近づきやすく、そして分かりやすいニュース番組を目指す
    番組の内容:毎週日曜日の朝、日々学生を教えている先生たちが、一週間のニュースの中から「未来に向けて、若者たちに知ってほしい、考えてほしい」、あるいは「受験で必要になる」ニュースを取り上げ、学生にとって親しみやすい言葉で解説を行う。通常のワイドショーでは取り上げられないようなニュースにも着目する。また、学生たちから寄せられた素朴な疑問にも、先生たちが分かりやすく答える。番組は、先生たちが丸テーブルを囲み、ディベート形式で進行する。その場で出された未来志向の視点を、視聴者である学生にリアルタイムで問題提起し、意見を募って番組内で紹介する

    日本テレビ チーフプロデューサー: 学校の先生たちのワイドショーは、斬新なコンセプトです。キャラクターの際立った先生だと面白くなりますね。先生達の「ものの見方」が露わになりますので、先生方の見識もシビアに問われることとなります。
    テレビ朝日 Eプロデューサー: 着眼点は良いと思います(「分かりやすいニュース」)。ただタイトルに"ワイドショー"と付ける事で、どんなニュースを扱うのか視聴者も迷うので、タイトル名も一工夫あるとよりベターです。学校や塾の先生というのも面白い発想です。扱うネタをブラッシュアップしていけば、番組のワンコーナー的な企画として目玉になる可能性はあると思います。

  • ●福岡・高校1年・男子
    番組名:敬老の日スペシャル「1泊2日昭和へタイムスリップ」
    出演者:福岡の高校生3人組
    番組のねらい:昭和40年代の家電や家具がそろえられた部屋で、高校生3人が1泊するのをカ メラで密着する。携帯電話やパソコンは一切使用しない生活を体験する。1日の過ごし方、時間の使い方、会話やコミュニケーションの仕方が今とはどのくらい違うのか。本当に便利な生活とは何かを考える
    番組の内容:木造で築35年以上の家には、昭和40年代の家具や家電が揃えられている。そこで高校生3人が1泊2日寝泊まりする。携帯電話とパソコン、ゲームは持ち込み禁止。3人にとって一番の不便は何か。また、この経験をすることで高校生たちは日常をどのように感じるようになるのかをカメラで密着する。

    日本テレビ チーフプロデューサー: 「○○のない生活」をテーマとした、体験型ドキュメントバラエティーは、過去にもありますが、敬老の日ということで、さらに見やすくなるかもしれません。
    テレビ朝日 Cプロデューサー: 「平成生まれの高校生が昭和40年代の設定の部屋にこもる」というアイデアの入口は面白いです。ただ山奥キャンプ体験と同じで、1日で不便さを感じてもらうのは難しいかもしれません。衣食住すべて昭和40年以前の設定にこだわり、当時から続く店以外では買物禁止、部屋から出ずに自炊…など何か番組的にルール(しばり)があると良いと思います。

  • ●東京・高校2年・女子
    番組名:
    出演者:三吉彩花、小松菜奈、黒島結菜、山﨑賢人、吉沢亮、平野紫輝
    番組のねらい:次の日学校で必ず1回は話題になるような、皆が見るドラマ
    番組の内容:いじめや犯罪のない学園ドラマ。以前やっていた『ごめんね青春』のように、女子高と男子校で分けて話が進んでいくドラマ。女子高や男子校の生徒はキャラが濃い人が多いと思うので、『ごめんね青春』のように合併はせず、それぞれで話が進んでいき、塾などで交流していく姿を描いていく内容。

    テレビ朝日 Fプロデューサー: 宮藤官九郎さん脚本のドラマ『ごめんね青春』をイメージした、負の要素を排除したドラマの着眼点は良いと思います。ただそのしばりの中で「次の日学校で必ず1回は話題になる…」内容を目指すのであれば、何を話題にするのかを考えるのが必須になるでしょう。"必ずどんでん返しがある"“必ずスカッとする内容がある"とか、ブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか。

  • ●広島・高校2年・女子
    番組名:「私が俳優です」
    出演者:進行役(2名)スタジオで見る人(4名)
    番組のねらい:俳優たちのアドリブ力を見るという番組。演目だけ提示し、後は15分間、俳優たちだけでドラマを作るというもの
    番組の内容:台本一切なしで作る即興演劇番組。ドアを開けたらカウントスタート。15分間演技をしてもらう。副音声でスタジオの声が聞ける。コントもあり、泣き笑いOKな番組です

    日本テレビ チーフプロデューサー: 『スジナシ』という有名な番組がほぼ近い形として放送されています。アドリブでのお芝居にどういった枷を作るか、視点を変えれば新しい企画として成立する可能性がありそうです。
    テレビ朝日 Gプロデューサー: 演技に興味のない視聴者にも、この即興演劇を見るモチベーションを考えないと企画としては成立するのが難しいと思います。台本一切なしの即興演劇、しかも15分というのはそうとうハードルが高い企画です。なかなか出演していただける俳優さんはいないと思いますが、発想はとても面白いです。

  • ●東京・高校2年・男子
    番組名:「映画再発見の旅」
    出演者:司会者は上田晋也さん。他は真面目な芸能人の人と面白いことを言える人が半々くらい
    番組のねらい:今まで作られた名作映画を多くの人に知ってもらいたい。その際、楽しい番組の運営を心がける
    番組の内容:日本や世界の映画にスポットを当て、毎週一つ映画を取り上げてその映画のロケ地に行き、その作品の作られた経緯や魅力などを語る

    テレビ朝日 Hプロデューサー: 映画というジャンルはマニアが多く、地上波にその深掘りを求めている方は少ないように思えます。ただし名作映画はいつになっても色褪せないものだと思います。それらの映画を今の時代に置き換えて見せていくなど映画に興味を持たない人にも引っかかる構成が必要ではないかと…。情報番組の1コーナーとしては成立していると思います。

  • ●山口・高校2年・男子
    番組名:「テレ・ラジ」
    出演者:男性アナウンサーと女性アナウンサーが司会する。ゲストは、毎週入れ替わりで、SNSやホームページで募集した視聴者。選ばれた視聴者は、年代も性別も人種も職業もばらばらになるように構成したい。
    番組のねらい:インターネットの普及によって、若者のテレビ・ラジオ離れが進んでいる。若者を中心とする視聴者に開かれた番組(視聴者参加型の番組)を通して、テレビ・ラジオの魅力を再発見してもらいたい。
    番組の内容:テレビ・ラジオの同時放送が望ましい。これによりテレビでみる楽しさとラジオで聞く楽しさが両方味わえると思う。
    ・コーナー1「TwitterVoting」:ツイッターの投票機能を使用して、今週起こったニュースについて、視聴者の意見を聞こうという企画。ハッシュタグをつけてそのニュースに対してコメントをすることも可能。投票結果とコメントを随時紹介する。経済・ITなど、どのようなニュースでもよいが、政治について取り上げると若者が政治に対して関心を持つことができ、政治参加への意欲が生まれるのではないのだろうか。
    ・コーナー2「Rediscovery テレ・ラジ」:「昔のテレビ・ラジオのほうが面白かった」と大人の人は言う。実際に昔の番組を視聴し、司会、ゲスト、視聴者が討論し、今のテレビ・ラジオと何が違うのかまた何を求めるのかを紹介する。ここで、昔の番組の良いところ悪いところを洗い出して、現代のテレビ・ラジオになにを求められるのか考えたい。
    ・コーナー3「Watch Local テレ・ラジ」:テレビやラジオでは、その地域独特のローカル番組が多くある。その中でも人気の高い番組を紹介することによって、地方の活性化にもつながると思う。
    各コーナーの合間には、ラジオのように音楽を流したら良いと思う。音楽を多く流すことは、ラジオのとても良いところだと思う。テレビで視聴する場合には、ミュージックビデオなどを楽しむことができる。ラジオで聞く場合には、純粋に音楽を楽しむことができる。
    日本テレビ チーフプロデューサー テレビとラジオの同時放送する際に、テレビ・ラジオお互いの「強み」は何か、意識すると、お互いの特性を生かした相乗効果のある番組になりそうです。若者が意見を発信する場としてのラジオテレビ同時放送番組は楽しみです。

    テレビ朝日 Fプロデューサー: 視聴者がメイン出演者でテレビとラジオ同時放送という発想は斬新です。またSNSの投票機能も駆使したり、未来のマスメディアが向かう道を探るような試験的企画だと思います。出演者の会話やBGMなど音声のみでも魅力がある構成、討論テーマ、視聴者意見を見いだせるかがカギだと思います。

  • ●大分・高校3年・女子
    番組名:「戦慄!!恐怖の夜」
    出演者:やるせなす 稲川淳二 菊池亜美 疋田紗也
    番組のねらい:まだ暑いので涼しくなるように
    番組の内容:肝試しや心霊映像の紹介 心霊写真の紹介では専門家に解説をしてもらいます。あと、今子ども達の間で流行っているコックリさんのような遊びなどの紹介をします

    テレビ朝日 Hプロデューサー: 心霊映像、心霊現象といったものは疑惑を持たれるものが多く、ネット情報社会の今では共感しづらいジャンルのような気がします。ただ紹介するのではなく「心霊映像はこうやって作られる」など科学的検証などを行い、あえて作為的に作られたという前提で真っ向否定していく方が視聴者は楽しんでくれるかも知れません。

  • ●東京・高校3年・女子
    番組名:「てれクイ」
    出演者:オリエンタルラジオ、タレント、モデル、俳優、芸人など+α
    番組のねらい:家族みんなでワイワイしながら見られて会話のきっかけになり、また知識も増える番組にしたい。親や兄弟、友達などと一緒に違う世代・ジャンルの内容を見ることで他者を理解しようとする姿勢を持ってほしいし、実際仲良くなれると思う。オリラジ司会は私の趣味です。
    番組の内容:普通のクイズ番組。小学生のとき見ていた『IQサプリ』や『平成教育委員会』のような何の変哲もないクイズ番組が今はない気がする。特番や2時間スペシャルより、毎週1時間コンスタントに楽しみにできる番組がほしい。また、個人で動画配信できるコンテンツが普及している今だからこそ、家族全員で大きなテレビを囲んでワイワイできる番組があるといいと思う。雑学的なもの・小学校~高校の科目などに加えて、たとえばアニメ・声優・昔の映画・宝塚・クラシック音楽・ファッション・電車など興味がなければ触れなさそうなジャンルにも焦点を当てて、毎週「全然有名ではないがそのジャンルに詳しい人や人気がある人」を出演者として呼べたら良いと思う。普段テレビを見ない層も「今週は○○の特集だから見る」となるかもしれないし、毎週番組を見ているうちに今まで全く知らず興味がなかったことに関心が湧くかもしれない。それは自分で好きなものを選んで見るネット経由とは違う、テレビだからこそできることだと思う。

    日本テレビ チーフプロデューサー: 家族で共有できる番組は、今後さらに重要となるはずです。より具体的にイメージしてみると、いい企画が発想できそうです。
    テレビ朝日 Cプロデューサー: シンプルなクイズだと視聴者が飽きてしまうので、例えばクイズ問題以外でも…情報の意外性、珍答・誤答の面白さ、ルール設定の新しさなど+αがあれば企画が成立する可能性はあります。オリエンタルラジオなど具体的なMCの名前を出すと、展開のイメージがわくので企画書としてとても良いと思います。

  • ●群馬・高校3年・男子
    番組名:「さまざまな職業について知ろう」
    出演者:桝太一、バナナマン、その他ゲスト
    番組のねらい:僕には就きたい職業がない。それにも関わらず、テレビで放送されているのはバラエティー番組やドラマ、アニメなどの娯楽番組ばかりだ。バラエティー番組で、この世にはこんな職業があり楽しみ、やりがい、大変さなどを伝えれば興味関心が湧き、職業に対する視野を広げることが狙い
    番組の内容:この世には知らないところで様々な仕事が経済を回すために動いている。しかし、私たちは働いたことがないから実際にそれについてよく分からない。それなのに、高校では理系文系の選択をする。大抵の人は理系の方が職業の選択が広いという理由だけで、文理選択をしているだろう。それらの理由として考えられるのは、子どものころに様々な体験、経験をしなかったからだ。という訳で僕が考えた番組はその仕事のプロに密着して仕事のやりがい、つらさを伝える番組である。しかし、これはプロフェショナルの番組のパクリである。だから、大人がインタビューをするのではなく、子どもがインタビューをすることによって子どもの目線から職業を知ることができると考えられる。そうすれば、職業について興味関心が湧く番組になり、将来の職業に就くときでも広い視野で職業を見ることができるだろう

    テレビ朝日 Dプロデューサー: 様々な職業人の姿は非常に興味深いです。一見地味な仕事に関わる職業人からも人間味を演出(引き出して描くこと)できれば可能性は大いに広がると思います。その際は取材する側の力量・経験・熱意が大変重要になると思います。

  • ●福岡・高校3年・男子
    番組名:「ラジwatch」
    出演者:毎週同じMCの方1人とゲストのアーティスト(グループ可)
    番組のねらい:いつもは、ラジオでしか聞けない雰囲気をまさかのテレビの画面で見られる!ラジオ離れしている若い方~お年寄りの方まで、ラジオの魅力をテレビから発信したい。
    番組の内容:セットは、ラジオと同じ。週代わりでアーティストをお迎え。お迎えするアーティストは、今週目玉の方を中心に呼ぶ。また、オリンピックの期間では、オリンピックに関する特集や正月·お盆·クリスマスなどの特集をすることで、アーティストの呼ぶ頻度を抑えることができる。また、月ごとに演歌の方中心や10代ターゲット中心などにすることで、幅広い視聴者が見ることができる。この番組の最大の特徴は、ラジオを見ることである。いかにラジオと同じ状況作り出すことかが大事になってくる。そこで、ラジオの内容ですが、お便りを読んで回答したり、歌を歌ったり、そのアーティストについての質問をしたりするなどして、視聴者に向けてラジオってこんな感じなんだぞ!と、伝えることができれば良いと思う。

    テレビ朝日 Gプロデューサー: 既存の音楽番組との差別化があまりわかりませんでした。セットがラジオ風というのは面白いと思います。ラジオならではの良さが何なのか、ラジオの魅力はどうすれば表現できるのか・・・などを明確にして、どんなコーナーをやるべきか、考えるともっと楽しい番組になるかもしれません。

  • テレビ朝日
    • Aプロデューサー『EXD4』『おいしい王国ごはんジャパン』『題名のない音楽会』『トリハダ 秘スクープ映像100科ジテン』担当
    • Bプロデューサー『トリハダ秘スクープ映像100科ジテン』担当
    • Cプロデューサー『クイズプレゼンバラエティQさま!!』担当
    • Dプロデューサー『林修の今でしょ!講座』『橋下×羽鳥の番組』担当
    • Eプロデューサー『爆笑問題のぶっちゃけ寺』担当
    • Fプロデューサー『お願い!ランキング』『学生HEROES!』担当
    • Gプロデューサー『お願い!ランキング』『はくがぁる』担当
    • Hプロデューサー『キスマイ魔ジック』『まとめないで』担当

【9月の報告】

32人の中高生モニターにお願いした9月のテーマは「夏休みに見て気になった番組の感想」でした。また「自由記述欄」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。今回はテスト期間と重なったモニターも多かったようで、いつもより少ない23人からの報告でした。
「夏休みに見て気になった番組の感想」では、「オリンピック関連」と『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)にそれぞれ5人から報告が寄せられています。「オリンピック関連」では、親子で競技を見て感動したという意見や、4年後の東京オリンピックに夢を馳せた意見があったほか、NHKと民間放送の違いを分析したモニターもいました。一方、「自由記述欄」には「パラリンピックをほとんど放送しないのはなぜですか」という指摘も寄せられています。
『24時間テレビ 愛は地球を救う』には、「感動した」、「勇気をもらった」という意見とともに、「違和感がある」というモニターもいました。また、同じ時間帯に放送していた『バリバラ』(NHKEテレ)に言及した意見が2人からありました。ドラマには3人から、『NHKスペシャル』(NHK総合)には違うテーマに関して2人から報告が寄せられました。
「自由記述欄」には、「台風以外のニュースも伝えてほしい」、「夏休みで夜遅くまでテレビやラジオに接する人が多いので性的表現には気をつけてほしい」との意見や、BS放送での編成に触れ「テレビが泣いている」と訴える意見もありました。
「青少年へのおすすめ番組」には、7月に放送された『"繰り返さないために"~尾木ママと考える教育論~』(仙台放送)や、9月に放送された『芸術ハカセ~人生が面白くなるアートの新説~』(テレビ朝日)など、 5つの番組に感想が寄せられました。

◆委員の感想◆

【夏休みに見て気になった番組の感想について】

  • リオオリンピックの中継について、複数の放送局を比較して良い点や物足りなかった点などを指摘する意見や、2020年開催予定の東京オリンピックでの放送のあり方についての言及があった。モニター報告を通じて、このような視点が育ってきていることを実感した。
  • 障害者を取り上げた番組を見て単に感動するだけではなく、「普段、自分がどのような視点で障害者に接しているかを自問自答した」との感想が寄せられたことは意義深い。
  • インターネット情報を基に、番組制作の裏側にも想像を巡らせているようだ。意見を見ると、放送には真実や誠意を求めていることがよく分かる。
  • 中高生モニターと同年代の人を取り上げた番組についての感想が多くあり、同年代への興味が深いことがうかがえる。
  • オリンピックや障害者を取り上げた番組について、モニターから色々な見方が示されたが、パラリンピックの取り上げ方についてどのように思ったかも聞いてみたい。パラリンピックを見て励まされる障害者がいる一方、そうではない人もいると思う。
  • トーク番組を視聴したモニターが、番組の制作過程にまで想像を巡らせていた。夏休みに放送局を見学したことが少し影響しているとしたら嬉しいことだ。
  • 番組予告で内容を明らかにし過ぎだとの苦言があったが、共感できる。
  • 『NHKスペシャル 未解決事件File05 ロッキード事件第3部 日米の巨大な闇 40年目のスクープ』(NHK総合)について、「その当時の日本の政治の深い闇にスポットをあてることで、そこから得られる教訓を今の世の中に知らしめる意図を感じる」との感想があった。番組の意図を深く考えて、しっかり評価できていると感じる。
  • 番組を見て、単に「良かった」「面白かった」などの感想を寄せるのではなく、番組の良い点を自分に引きつけて意見を述べたり、論理的に説明したりできるようになってきたと感じる。建設的な意見も多く感心した。
  • 『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(日本テレビ)について、「障害者のチャレンジ企画が多いが、もっと他のチャリティー活動もできるのではないか」との意見があった。確かにチャリティー=障害者支援ではない。ハッとさせられる意見だった。

【自由記述について】

  • インターネット上では情報が飛び交っているにも関わらず、マスメディアではあまり扱っていない出来事について、マスメディアが自己利益のために情報を出していないのではないかとの記述があった。インターネット上での情報とマスメディアでの情報が異なると、このような反応をする若い人は多いと思う。一般的な話として、個人が憶測を含めて意見や考えを示しているインターネット情報とは違い、マスメディアでは安易に情報を流すのではなく、丁寧に節度を持って放送していることを分かってもらう必要があろう。
  • BS放送でいわゆる通販番組が多いことについて、「テレビが泣いている」との苦言が寄せられている。良質な番組が多い一方、確かにこのような番組も目立つ。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 各局が青少年におすすめする意図が分かりにくいとの意見があった。各放送局には、もう少し意図が分かるような番組選択や見どころの説明をしてほしい。
  • 宮城県で起こったいじめによる中学生の自殺を取り上げた、『"繰り返さないために"~尾木ママと考える教育論~』(仙台放送)を視聴したモニターがいた。地元での事件ということもあり、真剣に見てくれている。「全国放送することにより、いじめ問題に取り組んでいる人たちのヒントになる」との意見のとおり、ぜひ、他の地区でも放送してもらいたい。

◆モニターからの報告◆
【夏休みに見て気になった番組の感想について】

  • 『リオオリンピック関連番組』(NHK総合ほか)今年の夏はリオオリンピックが私の家のテレビにはよく映っていました。父がスポーツ好きだから、普段はあまりテレビを見ない父ですが一緒に見ました。重量挙げの三宅選手と体操選手はすごかったです。重いものを持ち上げたり、ありえない動きの体操を見て感動して驚きました。(長崎・中学1年・女子)
  • 『24時間テレビドラマスペシャル 盲目のヨシノリ先生〜光を失って心が見えた〜』(日本テレビ)今回のドラマを見て思ったことは、ヨシノリ先生の演技が良かったと思った。もともと明るかった先生が、目が見えなくなってしまったことをきっかけに、とても暗くなってしまい、どうなってしまうか心配だったが、最後には、もとの先生に戻って、安心した。性格も同じなのか分からないが、現実にあんな先生がいるなんてすごいと思った。(東京・中学1年・男子)
  • 『NHKスペシャル 未解決事件File05 ロッキード事件第3部 日米の巨大な闇 40年目のスクープ』(NHK総合)最近本やテレビ番組で田中角栄が取り上げられていて、ある種ブームになっていたので興味を持ちました。再現ドラマを使い、臨場感にあふれる内容でとても引き込まれました。事件の詳細を知らない私達でもわかりやすく、詳細まで丁寧に作られていました。多くの実際の証言や資料を基にしていて、これまでわからなかったことや、あまり知られていなかった真実なども知ることができ、とても核心に近づいているように感じられました。ただ未解決事件なのでその結論は視聴者の考えにゆだねられている部分が多いと思いました。今、その当時の日本の政治の深い闇にスポットをあてる事件を扱うことで、そこから得られる教訓を改めて今の世の中に知らしめる意図もあるのかもしれないとも感じました。(宮城・中学1年・男子)
  • 『所さんの目がテン』(日本テレビ/西日本放送)この番組は岡山県の津山高専の人達が出演していたので気になって見てみました。全国各地の色々な場所から集まった高校生が科学実験を見せてくれるという内容でした。実験は私達中高生や大人が見ても面白いものでしたが、小学生にとっても楽しんで見られるようなものばかりでした。それに小学生にとっては自由研究のテーマを決めるのにも役立つのでとても良いと思いました。(岡山・中学2年・女子)
  • 『リオオリンピック関連番組』(NHK総合ほか)僕がリオオリンピックに興味を持った一番の理由は、自分自身が学校の卓球部に入っているので、今回のリオオリンピックで、卓球の男子と女子がどちらもメダルを獲得した試合を見て、すごいなと嬉しく思ったからです。また今回のオリンピックでは、日本選手全体で獲得したメダル総数が41個と過去最高で、その中にはこれまであまり目にする機会がなかった、カヌーや競歩などでもメダルを取っていたので、「こういうスポーツもあるんだ」「日本人選手が活躍していてすごいな」と感じました。4年後の東京オリンピックがとても楽しみになり、東京大会では自分がやっている卓球や、以前習っていた水泳などを見に行きたいと思います。さらに、自分は教科の中で英語が一番好きなので、大会のボランティアなどとして、東京オリンピックに携わることができたらいいなと思いました。(東京・中学2年・男子)
  • 『バリバラ』(NHK Eテレ)この放送回の時は、「検証!『障害者×感動』の方程式」と題して『24時間テレビ』の裏番組で放送されたので驚きました。レギュラー出演者の元アメリカ柔道代表の大橋さんが今年の『24時間テレビ』にも出演したこともあり、それらしい音楽やキーワードで、いかにも健気な障害者として大橋さんを描き、それを壊すように使えない発言を連発し、そのたびスタッフが「その話いらないっす」「いやそこ大変な感じで行きましょ」などと『24時間テレビ』をパロディー化して放送。24時間番組の舞台裏では、ああいった演出が入っているのかなと思うと報道の自由に対して少々複雑です。24時間テレビでは、障害や難病を持つ人が、さまざまな難題に挑戦する感動的な企画は人を感動させ、勇気づけられます。でも一歩見方を変えたら、「自分の人生はうまく行っていないけれど、あんな大変な人もいるんだ」と上から見下ろす視点で障害者を見ていないか?と障害に対する意識について考えさせられました。私自身ボランティアで様々な身体的に障害を抱えている人達と過ごしてきましたが、障害そのものは何も特別なことではありませんが見下し感?みたいな意見が飛び交うのは閉鎖的な島国日本の悪いところなのでしょうね。(神奈川・中学3年・女子)
  • 『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』(フジテレビ/東海テレビ)このドラマは幼い頃からの夢だった囲碁のプロ棋士に挫折した主人公がコネで入社した会社で頑張っていくという話です。このドラマは普通のヒューマンドラマですが、主人公の成長を見るととても応援したくなる気持ちや、自分も少しのことで落ち込んでいてはだめだなぁと感じることがあります。主人公はコネで入社したため初めは周りからつまはじきにされますが、誰よりも一生懸命努力し仲間ができたり課長に認められたりするところはとても感動します。もしこのドラマで描かれていることが本当なら会社には入りたくないなぁと思ってしまうような理不尽なシーンもありますが、逆にそこがリアルで面白いなぁとも思います。主人公はそんな理不尽なことでも文句ひとつ言わず努力しているところがとても心に響きます。社会に出てから世の中の厳しさを知る主人公ですがそれは現実でもあり得ることだと思います。周りにいる大人で世の中のリアルな話をしてくれる人はなかなかいないと思うので、このようなドラマを見て少しは社会のなり方を学ぶことも大切なんじゃないかと思います。夏休みにはたくさんのテレビを見ましたが、このドラマが一番心に残りました。頑張る勇気をくれる素敵なドラマだと僕は思いました。(愛知・中学3年・男子)
  • 『日曜ビッグ「秘境の地からやって来た!仰天ニッポン滞在記」』(テレビ東京/テレビ大阪)インドネシアに暮らし、今も原始的な生活を営む先住民族「ダニ族」が訪日し、様々な体験を通じて、日本の文化や暮らしに触れるという内容の番組です。今までありそうであまりなかった番組でとても面白かった。特に日本人ですらも好き嫌いが分かれる食品(梅干しなど)を何の抵抗もなく、自然と食べることや、味覚が違うこと、日本の文化と遠く離れたインドネシアのダニ族の文化の意外な共通点(先祖崇拝など)を知ることができ、とっても面白かった。この番組は今までの日本と海外の違いを比較する番組とは違い、ダニ族から見た異国という視点から見ることができとても楽しい番組だった。ただ、改善してほしい点を挙げるとするならば、帰国後、生活がどう変化したかや日本についてどう思い、それを人に伝えたかを知りたいと思った。つまりは日本滞在終わりました。はい、終わりではなく、帰国後・・・というような事後談があるとより面白い番組になると思った。(兵庫・中学3年・男子)
  • 『バリバラ』(NHK Eテレ) この番組は『24時間テレビ』が終わってから話題になっていたので見てみた。確かにとても面白かったし訴えたいことがよく伝わってきた。それに『24時間テレビ』について障害者を感動の道具としている"感動ポルノ"だと言っていて、私も実際その番組を見ていてそう思ったし、共感できた。だけどあまりにも裏番組を意識し過ぎていて気になった。黄色いTシャツを着ていたり、番組のテーマだったり「対24時間テレビ」を主張し過ぎていたと思う。こういう裏番組を真っ向から批判するような番組をNHKが放送するのはいかがなものかと思った。限度があると思うし、公平さが欠けていて見ていて不快になった。(東京・高校1年・女子)
  • 『全国高等学校野球選手権大会』(NHK総合/Eテレ)この夏休みは甲子園をよく見る夏でした。きっかけは県大会で自分の通っている高校が決勝まで行き、直接会場まで応援に行ったことでした。残念ながら惜しくも勝つことはできませんでしたが、野球や甲子園に興味を持ちました。テレビで見る甲子園は、なんだか熱意で満ちているように感じました。選手の気持ちや緊張感が見ているこちらにも伝わってきて、すごくドキドキしました。こんな風に何かに一生懸命になってみたいと思いました。私が甲子園を見て感動したのと同じように、全国の高校生に甲子園を見てもらい、チームワークの凄さやその熱意を感じてほしいなと思います。また、スポーツ番組は伝える人の主観が入ってしまうので難しいと思いますが、誰もが気軽に楽しんで見ることが出来るようにしてほしいです。(高知・高校1年・女子)
  • 『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(日本テレビ/読売テレビ)障害を持つ人にスポットを当て、そのチャレンジをサポートするという内容が主になっている番組だが、「障害者を取り上げるといつも感動話になる」という声を多く耳にした。この番組の裏でNHKが「障害者=感動」の方程式に疑問符をつける内容の番組を放送したことも話題になった。自分も周囲も、感動的な、悪く言えば「重い」内容が長時間続くことにうんざりしていた。特に、今回はパラリンピックの年だったせいか、障害者チャレンジの内容が多かった気がしている。もう少しやることがあるのではないか。熊本地震の被災地を支援する活動や、自然環境を保護する活動、チャリティーを冠しているのであれば、もっとバラエティーに富んだ内容を放送できると思う。また、今回初めて『24時間テレビ』の深夜帯の放送を視聴したが、時間を何とかして埋めようとしている感があった。突飛な例ではあるが、欧州サッカーの試合を中継してみるとか、深夜でしかできないことをもっと考えてもいいと感じた。(大阪・高校1年・男子)
  • 『プロフェッショナル 仕事の流儀「プロサッカー監督・森保一」』(NHK総合)サッカーJリーグのサンフレッチェ広島監督・森保一さんの指導方針や思考について取りあげてあり、とても興味深かった。ぼく自身も中学、高校とサッカー部に所属しているので、森保一さんの話は心に響いた。夏休み期間中は、部活動の時間も普段よりも長く、顧問の先生と話す時間も長くなる。ぼくのパーソナリティーを顧問の先生に知ってもらうことと、顧問の先生の人柄をぼくらも知ろうとすることの大切さが理解できた。今回は、番組内容と実生活を照らし合わせて見ることができて興味深かった。プロを目指す訳ではなくても、チームをまとめることや目的を共有することの難しさと楽しさが感じられた。(福岡・高校1年・男子)
  • 『NHKスペシャル ふたりの贖罪(しょくざい)~日本とアメリカ・憎しみを越えて~』(NHK総合)太平洋戦争中、敵として戦い、戦後は相手国への憎しみと信仰の狭間で葛藤しながらも、伝道の道を進んだ日米二人の軍人の物語。私自身はキリスト教徒ではないが、学校で聖書の勉強をしているので気になり、視聴した。ただ事実を淡々と伝え、戦争や宗教に対する主張はあまりせず、あくまで視聴者に判断を委ねているのに好感が持てた。(神奈川・高校2年・女子)
  • 『トコトン掘り下げ隊!生き物にサンキュー!!』(TBSテレビ/テレビ山口)この番組は、犬や猫など様々な動物をとりあげて、面白映像やかわいい映像、珍しい映像などを放送する番組です。家族で楽しく見られる番組なので、家族でよく見ています。この日の放送では、「動物と暮らして幸せ!2時間SP」と題して放送していました。熊、猫、犬などの動物と暮らす中でのさまざま「幸せ」のあり方が描かれていました。どれも視聴していてとても心が和らぎ楽しい時間になりました。中でも印象に残ったのは、飼い主と愛犬たちの闘病生活の話です。その愛犬たちは、16歳と14歳でとても高齢で病気を患っています。そんな中でも飼い主はありったけの愛情を持って接していました。たくさんの思い出を作ってくれた動物を最期まで責任を持って看取ることが「家族としての当然の義務」だと言っていました。この飼い主と愛犬たちの「絆」を感じて、とても感動しました。私も猫を飼っていて、たくさんの楽しい家族との思い出を作ってくれています。そんな猫を最期の時まで愛情をもって接してあげようと決意することができました。しかし、番組の最後では、中華街に行ってグルメレポートをしていました。これは、生き物には全く関係がありませんでした。今回だけでなく、この番組は生き物とは全く関係のないトークも多い気がします。生き物が主役の番組でこのようなトークは取り上げるべきではないと思います。(山口・高校2年・男子)
  • 『坂上忍の好きか嫌いか言う時間』(TBSテレビ)二つの違う立場の人たちが討論(?)する形式のトーク番組で、「東大生VS京大生」「外国人からみた日本」「上京してきて思ったこと」などのテーマをCM予告で見て、面白そうだと思って録画し、家族と一緒に見ました。京大生や外国人などインタビューされている人のキャラが濃くて面白かったのですが、途中でちらっと「1ヵ月間インタビューをした結果~」と言っていたのを聞いて、「あぁこれ面白いやつ厳選されているんだなぁ」と思って、放送されて私たちが見る完成形までに企画したり、会議したり、インタビューしたり、編集したり、といった制作過程を経ているんだ、と感じました。夏休み中、TBSの局内を見学したことが記憶に残っていて、だからこそ裏側に想像を巡らすことができたのかもしれません。番組の企画自体は面白かったのですが、3時間は長いと感じました。もうひとつ、テレビのバラエティー番組について思っているのは、予告で番組内容を明かし過ぎなのではないかということです。バラエティーはその後(または次週)放送する部分の一番面白いシーンやオチになるシーンを予告で晒してしまうことが多いため、実際の番組を後で見ても「なんだ、これだけか」という気分になります。そしてラスト5分くらいのCMの前に、その後の内容の予告としてだいぶ煽る感じのテロップが出るのに、CMが終わるとだいたいそのシーンは数秒で、もう番組が終わってしまう、という展開が多く、だいたいは見るのが面倒になって止めてしまいます。でもテレビだからできる良い部分もあって、それはスポンサーを表示している画面の横や上下に1行くらいの予告を載せていることです。あれは視聴者に「チャンネルはそのまま!」にさせるため端的に内容を伝え期待させられるキャッチコピーが練られていて、面白いなーと思います。「美男高校地球防衛部」というアニメのそのテロップが毎回凝っていて、楽しんで見ています。(東京・高校3年・女子)
  • 『リオオリンピック関係のハイライト番組』(NHK総合)地球の裏側で開催されていた、リオオリンピック。どの時間帯のNHKを見ても、飽きることのないような番組構成で素晴らしかったです。いま、リオパラリンピックのまっただ中ですが、パラも同様に直前スペシャル等で盛り上げていて、オリンピック同様に楽しむことができています。しかし、これが東京オリンピック・パラリンピックだったら、どうでしょうか?仕事や学校に通っている人がリアルタイムで見ることができません。そのような人たちにも楽しんでもらう努力(お手伝い)をメディア(特にテレビ)がするべきです。そこで、最低でも仕事や学校から帰る時間に合わせて、ハイライトを流す。時間の都合が合えば、日本人出場の試合を全部録画で流す。さらに、その放送番組のホームページでアーカイブスが無料で見られるなど、様々な努力をすることでメディアという組織から日本をオリンピックまたは、パラリンピック一色にできるのではないか?と、考えました。(福岡・高校3年・男子)

【自由記述】

  • 8月という事で戦争関連のテレビ番組がたくさんあったので、歴史を知る大切なきっかけになりました。(東京・中学1年・女子)
  • 台風が来てすごく大きなニュースに取り上げられていましたが、ニュースの中で台風の同じ映像を何度も流すのではなく、他のニュースも時間をとって伝えてほしいです。台風のニュースばかりで他に起こっていることがあまり知れないのは少しもったいないです。(岡山・中学2年・女子)
  • 夏休みということもあり、夜遅くまで、テレビやラジオを見たり、聞いたりしている人がたくさんいると思います。その中で、性的表現などを含めての発言をしている番組が見受けられました。もう少し、そのところの管理をしてほしいと思いました。(埼玉・中学2年・男子)
  • 少し気になったのがオリンピックはどこの局も放送しますが、今開催しているパラリンピックはどこの局もほとんど放送していないのはなぜですか。僕はオリンピックだけでなくパラリンピックにもとても興味があるので放送してほしいです。僕から見るとオリンピックは放送するのにパラリンピックは放送しないなんてパラリンピックに出場している選手の方に対して少し失礼だと思います。放送しない理由があれば教えてほしいです。(愛知・中学3年・男子)
  • 最近目立つのがBSの番組の手抜きです。ほとんどが商品の販売のCM。「お電話待ってます」とスタジオからの実演販売。食傷気味です。ひどいです。総務省はこんな番組(CM)の垂れ流しをするのであれば、免許の剥奪も考えていいのでは。番組情報を見れば一目瞭然です。プロデュ―サーさんたちも、予算が無いからといって、単に「枠」さえ埋めればいいという発想を止めてほしいです。テレビが泣いている。(東京・中学3年・男子)
  • 最近の番組はあまりにも告知目的の番組(特にバラエティー番組)が多すぎるような気がする。単刀直入にいえば告知目的のバラエティー番組は面白くない。告知目的であることが明白な番組の場合チャンネルを変えることが多い。もう一つ多いと感じるものが、衝撃映像をまとめた非常に手抜きにしか見えない番組。すべての番組が違う映像を紹介するのならまだいいのだが、一度放送した映像を別番組で見ても全くもって面白くない。こんなものはインターネットの動画を閲覧することと何の変わりもなく、もっとテレビにしか成しえない番組を放送してほしい。(兵庫・中学3年・男子)
  • 毎年夏休みに、日本テレビ系列の放送局で『24時間テレビ』が放送されています。日本で1番有名なチャリティー番組です。障害のある方の挑戦であったり被災地でのことを特集したりと、すごく感動したり考えさせられる番組だと思います。しかし、毎年やらせではないだろうかや、障害のある方への対応の悪さなどが指摘されています。いろいろ問題はあるとは思いますが、1年に1回くらいはあのような番組があっても構わないのではないかとも思います。ただ、放送する以上、嘘ではなく本当の実態を見せるような番組にしてほしいです。(高知・高校1年・女子)
  • 8月に学生たちの間で絶大な人気を誇るロックバンド「RADWINPS」が『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に出演。テレビ初出演となった。SNSなどではティーンエイジャーを中心に多くの反応があった。「若者のテレビ離れ」が叫ばれて久しいが、私自身、若者をターゲットにした番組(アニメも含む)がゴールデンの時間帯になかなか進出しない現状を感じている。ゴールデンの時間帯は、家族で見ることができる番組が求められるようだが、そこで敢えてある世代だけを狙った番組を放送してみると、家族間での趣味の共有によって話題が生まれるというメリットも期待でき、面白いかもしれない。(大阪・高校1年・男子)
  • 民放の特別番組で時々警察に密着した番組が放送されています。警察がどんなことをしているのか知ることができて良いとは思いますが、取材することによって警察の方の邪魔になるのではないかと疑問に思うことがあります。また、被害者にも容疑者にも人権があります。顔にモザイク加工などはされていますが、誰なのか特定されないように最大限の配慮が必要です。また、このような番組は都市の警察官の動きに密着することが多いと思います。だから、地方の交番のような所でも密着取材をしたら身近で多くの視聴者に興味を持ってもらうことができると思います。(山口・高校2年・男子)
  • SMAP解散報道について、マスコミが事務所批判を全くしないのがおかしいと思います。ネットでは確実に事務所が勝手に解散を進めたという風に書かれている記事ばかりなのに、テレビなどで取り上げないのが不思議です。マスコミとジャニーズ事務所との癒着を感じます。私のお母さんがファンなので、毎日いろんな情報を聞きますが、ファンにとっては悲しく怒りたくなる報道ばかりなので正しい情報を発信してほしいです。(大分・高校3年・女子)

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『"繰り返さないために"~尾木ママと考える教育論~』(仙台放送)私の住む市で起こった中学生のいじめによる自殺を取り扱った番組でした。アナウンサーの方が一人と尾木ママと呼ばれる尾木直樹さんと二人で番組が進められました。事件についての詳細が示され、アンケート結果や第三者委員会の様子が伝えられましたが、実際のところまだ裁判で係争中ということもあり、あまり詳しいところまではわからず、今までテレビで見聞きした内容とほとんど同じでした。コメンテーターも尾木先生お一人だけだったので、正直意見に偏るところがあり、もう少しほかの方の意見も聞いてみたいと思いました。いじめを繰り返さないとタイトルにありましたが、いじめに取り組む学校も一校だけの紹介だったので、市内外にかかわらず、全国でも他に取り組んでいる様子を伝えてもらえれば考えるヒントになるかもと思いました。(宮城・中学1年・男子)
  • 『VS嵐』(フジテレビ/北海道文化放送)吉本芸人チームが対戦チームでくると、各試合の合間のトークがいつもより笑えるものになっています。映画やドラマの対戦者だと宣伝目的なので中身があまり面白くありません。ですから、今回のような対戦者が多くなるとお笑い好きの方も視聴するのかなと思いました。(北海道・中学2年・男子)
  • 『第36回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ/中京テレビ)僕とそこまで年の変わらない方々がとても難しいクイズに挑戦している姿はとてもかっこ良いと思いました。今回の日本だけでなく海外に行きながらクイズを答えるというシステムはとても面白いと思いました。回答者も頑張ろうという気持ちになると思いますし、何よりとても景色が綺麗で良かったと思います。クイズに関してはとても難しく僕にはわからない問題がほとんどでしたが見ているだけでも勉強になったと思います。もう少し視聴者も参加できるようになるともっと面白くなると思います。dボタンでの学校紹介が僕的には良かったと思います。(愛知・中学3年・男子)
  • 『テクネ 映像の教室』(NHK Eテレ)僕は小学生の頃映画監督になりたかったので、テクネには興味がある。今回紹介されていた3つの手法も、Eテレの子ども番組や民放のアニメなどに使われていることに気付くと得した気分になれた。(福岡・高校1年・男子)
  • 『芸術ハカセ~人生が面白くなるアートの新説~』芸術史について解説する知的教養バラエティー番組はあまり見たことがなかったので、興味をひきました。さまざまな芸術家の知られざる学説が面白かったです。司会の葉加瀬太郎さんも芸術に対して専門的な知識を持っていて、解説も分かりやすく、葉加瀬さんによる演奏もありました。初めて知ることも多く、飽きずに視聴することができました。中でも日本でも知られる「蛍の光」がベートーヴェンの編曲だったということには驚きました。芸術史だけでなく建築史や科学史などでも同じような知的教養バラエティー番組があっても面白いと思います。(山口・高校2年・男子)

調査研究について

2015年10月に行った立命館守山高校アンケート調査リポート「高校生のメディア・リテラシーに関する探索的研究-バラエティー番組に対する感想をめぐって-」を、10月8日9日に静岡大学浜松キャンパスで開催される、第13回子ども学会議でポスター発表することになったとの報告がありました。

今後の予定について

  • 10月14日に開催予定の留学生との意見交換会(立命館アジア太平洋大学)について、進捗状況の報告が事務局からありました。
  • 来年3月5日に日本テレビの協力を得て開催予定の2016年度中高生モニター会議に関して、進捗情報の報告が事務局からあり、担当は最相副委員長に決まりました。
  • 在京局との意見交換会・勉強会について、来年1月をめどに開催することにし、内容について検討しました。

その他

  • 第13回子ども学会議ポスター発表報告

    日本子ども学会主催の第13回子ども学会議(10月8日~9日、静岡大学浜松キャンパス)において、「高校生のメディア・リテラシーに関する探索的研究―バラエティー番組に対する感想をめぐって―」を発表しました。
    発表にあたっては、菅原委員がポスターを前に説明を行いました。学会関係者や学生からは調査規模や方法を高く評価する声が相次いだほか、同研究を踏まえて来年度に実施する本調査への期待が多く寄せられるなど、44のポスター発表の中でもひときわ高い関心を集め、優秀ポスター賞を受賞しました。
    同研究は2015年10月に立命館守山高校の生徒およそ300人を対象に実施したアンケート調査を分析したものです。バラエティー番組の一部(お笑いタレントの罰ゲームのシーンなど)を集団で視聴してもらい、意見を尋ねるとともに、普段のテレビやラジオ、新聞、インターネット利用等のメディア接触状況、メディア・リテラシー等に関してアンケート調査しました。
    研究では、番組に対して倫理的な問題を感じている生徒や、「いじめにつながる」と考える生徒は少なかったものの、自分たちよりも幼い小中学生が真似したら危険であり、このシーンを不快に思う人もいるだろうと客観的に判断している生徒が相当数いることなどが分かりました。

第183回 放送と青少年に関する委員会

第183回–2016年7月26日

残虐なシーンのある番組を放送する際の配慮に関する「委員長コメント」を公表…など

2016年7月26日に第183回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず、6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見から1案件について「討論」しました。そのほか、7月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
8月の委員会は休会とし、次回は9月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2016年7月26日(火)午後4時30分~午後7時20分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

連続ドラマの第1回放送について、「ゴールデンタイムなのに死体の描写がグロテスクすぎて、大人でも見ることに限界を感じた。異常犯罪が続く中、子どもや青少年が見た時の影響が怖い。事前に注意喚起のテロップを流すなり時間帯を考えて放送してほしい」という意見が多数あり、委員全員が番組を視聴した上で「討論」しました。委員からは次のような意見が出ました。

  • 番組タイトルも入らず、いきなりインパクトを狙った過激なシーンで始まった。今回は初回で、特別に午後9時からの編成だったことを考えると、視聴者への配慮が足りなかったのではないか。一般的に、過激なシーンでもスタイリッシュに描くと絵空事に見えることもあるが、冒頭のシーンは私にはそうは見えなかった。ただ、ミステリーや殺人事件を扱ったドラマは既に市民権を得ており、やり方や見せ方に問題はあったが、この番組を「審議」にするとドラマ制作現場に萎縮を与えるので、討論内容を公表することで終えてよいと思う。
  • このドラマは、女の子が口に物を詰められて殺されているシーンなど、残虐な映像を多用している。ストーリーとしても心理学的・医学的常識を超えた部分がある。子どもへの影響については、映像を見てショックで眠れないということはあるだろうが、普通は残虐なシーンを見てもカタルシスがあって行動を抑止する効果があるものだ。ただ、想像力を刺激されると繋がってしまうこともあるが、真似をする人はまずいないと言われている。とはいえ、青少年委員会として何らかのメッセージを公表したほうが良いだろう。
  • 映像を見て不快な気分になったという視聴者意見もあったが、見ていて素朴に怖いと思った。子どもの視点から言えば、午後9時はまだ子どもがテレビを見ている時間と考えられるので、いきなり少女の死体の過激なシーンから始まったのは問題があると思った。ホラー、ミステリーというジャンルは有るので、時間帯や演出方法を考えてほしかった。
  • 青少年委員会の「討論」は、番組批評をする場ではないので、放送倫理の問題としてとらえたい。視聴者の心の準備が全くない状態でショッキングな映像を放送してある種の不安を与えてしまうことは、日本民間放送連盟 放送基準 第8章 表現上の配慮 に対する意識が足りなかったのではないか。
  • 冒頭のシーンに絞って考えると、いきなりこのような映像で始まったのは、視聴者に対する配慮に欠けていると思うが、青少年委員会として一定のメッセージを発することで「審議」まで進む必要はないのではないか。
  • このドラマには死体の描写と暴力シーンがたくさん出てくるのだが、インパクトが強いのは冒頭の女の子の死体のシーンだ。しかし制作者は色味を抑えるなど必要以上に強調したとは思えず、相当気をつけながら限界に挑戦して作ったのではないか。ただ、注意喚起をしないままに冒頭のシーンをもってきたのは考えどころだ。2001年に日本民間放送連盟 放送基準審議会が出した"「番組情報の事前表示」に関する考え方について"では、「午後5時~9時に放送する番組については、とりわけ児童の視聴に十分配慮する」となっており「番組情報の事前表示」について、「午後9時以降の劇場用映画やドラマなどにおいて、保護者による児童・青少年への配慮が必要であると各放送事業者が判断した場合、番組冒頭での事前表示や他の有効な方法による事前表示を行うこととする」とある。この「番組情報の事前表示」があれば問題なかったと思う。
  • 視聴者の選択権の問題だと思う。怖いシーンがあれば見ないという選択権を視聴者に与えた方が良いのではないか。そのためには、ある程度事前に残虐なシーンが含まれていることを知らせる必要があったのではないか。
  • 最近、バラバラ事件など残虐な事件が目立つようになってきている。このような時代に、死体をリアルに執拗に表現しているこのドラマを見て嫌悪感を抱く視聴者が多くいたのは理解できる。

討論の結果、「審議」には進まないことにしましたが、汐見委員長は次のような「委員長コメント」を公表しました。

2016年8月9日

残虐なシーンのある番組を放送する際の配慮に関する
「委員長コメント」

放送と青少年に関する委員会
委員長 汐見 稔幸

残虐なシーンをわざと視聴者に見せることによってある種の恐怖感などを与え、それによって期待感や効果を高めようとする手法がある。江戸時代の「怪談もの」に見られるように昔からそのような庶民文化はあり、現在でもそうした「ホラーもの」は市民権を得ている。最近は夏場にテレビで放送されることが多い。テレビの視聴者の中には、そうしたジャンルの作品が好きという人もいるが、逆にこの類いのシーンを見ると恐怖感が募り夜寝るのも怖くなるという人もいる。それだけに、公共的なメディアである放送においては配慮が必要になる。
最近、ある連続ドラマが始まったが、その第1回放送が、こうした「ホラーもの」の手法を取り入れたものになっていて、それに対して多数の視聴者意見が寄せられた。「ゴールデンタイムなのに死体の描写がグロテスクすぎて、大人でも見ることに限界を感じた」「異常犯罪が続く中、子どもや青少年が見た時の影響が怖い」「事前に注意喚起のテロップを流すなり時間帯を考えて放送してほしい」などである。青少年委員会では、この番組を委員全員が視聴し、その上で討論した。
論点は以下の二つである。

  • (1).残虐なシーンが多いが、視聴者に対する配慮がどこまで行われたのか。
  • (2).第1回放送は、いわゆるゴールデンタイムの午後9時から始まっていて、番組開始後、タイトルもなくいきなり残虐なシーンに入っていくので、視聴者は心理的な構えをつくることなく急に恐怖感に引き込まれることになる。ホラーものが好きな人にはいいが、嫌いな人には選択の余地がなく、放送が持つ公共性の点から問題はないか。

この番組の紹介には、「スリリングなストーリーと衝撃の結末」「猟奇犯罪ミステリードラマ」とある。
(1)については、日本民間放送連盟 放送基準の第8章「表現上の配慮」に「(55) 病的、残虐、悲惨、虐待などの情景を表現する時は、視聴者に嫌悪感を与えないようにする」とあり、NHKの放送ガイドライン2 放送の基本的な姿勢(4)品位と節度【暴力】に「ドラマなどフィクションの世界であっても、過度の刺激的な描写や暗示、不適切なことばなどは避ける」とある。猟奇的に殺された人間の、殺されている姿をそのまま突然前触れもなく放送するというのは、一部の人に「嫌悪感」「過度の刺激」を与える可能性がある。この番組では残虐なシーンでは色味を押さえたり、短いシーンを積み重ねるなど、一定の配慮が見られるが、放送時間帯との兼ね合いもあり、さらなる工夫が必要ではなかったかと考える。
(2)については、2001年に日本民間放送連盟 放送基準審議会が出した"「番組情報の事前表示」に関する考え方について"で、「午後5時~9時に放送する番組については、とりわけ児童の視聴に十分配慮する」となっており「番組情報の事前表示」について、「午後9時以降の劇場用映画やドラマなどにおいて、保護者による児童・青少年への配慮が必要であると各放送事業者が判断した場合、番組冒頭での事前表示や他の有効な方法による事前表示を行うこととする」とある。
制作者が、第1回放送の番組の冒頭部分で意表を突き、刺激的なシーンで効果をあげようとする意図はよく理解できる。しかしそのシーンが「嫌悪感」や「過度の刺激」を与える可能性がある場合は、番組視聴者に、内容によって「見る」「見ない」を選択するための情報を示すことが、放送が持つ公共性の点から必要なのではないか。
同シリーズの第3回以降の放送では、その点を配慮した導入になっていて、制作側が検討の上で改善したことをうかがわせるものになっている。従って委員会としてはこれ以上問題としないが、今後、同様の番組が放送される際の参考に資するために、上記の点についての配慮を各局に促したいと考え、コメントすることにした。意を汲んでいただきたい。

以上

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想」でした。また「先生や親に見てもらいたい番組」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で26人から報告がありました。
「バラエティー・クイズ・音楽番組の感想」では、バラエティー番組について11人、クイズ番組については4人、音楽番組については9人、その他の番組について2人から報告がありました。バラエティー番組に関しては、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)のように「世界中の知らなかったことを新たに知ることができたり、感動に涙したりと、待ち遠しくなる番組」という感想もある一方、他の複数の番組に対して「もう少し視聴者の気持ちを考えて企画をすべき」や「スタジオのゲストは必要なのか?」といったような指摘や疑問も寄せられました。音楽番組については、『THE MUSIC DAY 夏のはじまり。』(日本テレビ)に5人から報告があったのをはじめ、「音楽の持つ人の心を癒やすパワーを感じた」などの感想がありました。
「先生や親に見てもらいたい番組」では、お笑いや映画、音楽番組に複数の意見が寄せられ「親と一緒に見たい」「親に見てもらって共通の話題にしたい」など番組をコミュニケーションのきっかけにしたいという思いがみられました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『Road to RIO 世界で輝く長崎アスリート』(テレビ長崎)や『週末ちぐまや家族』(テレビ山口)の地元の放送局が制作した2番組へ、感想がありました。

◆委員の感想◆

【最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想について】

  • 様々な番組を取り上げる際に、「なぜその番組を評価するのか」について、子どもたちなりに理由を説明していることに感心した。
  • 「知られざる話」や「マニアだけが知る裏側」にとても興味を持っていることがわかる感想があったが、情報が過剰な世界で育っている子どもたちが、何かを必死に探しているのだろうと感じられた。
  • 『BS世界のドキュメンタリー ギャレス・マーロンの職場で歌おう』(NHK BS-1)に対し、「今まであって話をしたこともない人たちが一緒に合唱で素晴らしいメロディーを作っていることに自分までうれしくなった」という、いかにも中学生らしい感想が寄せられており、いい意見だと思った。
  • モニターの感想を丁寧に読み解くことで、今の若者の感性を探るヒントを垣間見ることができた。

【先生や親に見てもらいたい番組について】

  • ファミリーで安心して視聴できる番組が多く寄せられる傾向があった。
  • 寄せられた番組からは、「自分の好きなものを共有したい」「若い世代の気持ちを知ってほしい」との思いが表れていると感じた。
  • ドキュメンタリー番組を挙げて、「(先生や親に)さまざまな考え方を知ったり、地域に根付く文化について考えてもらいたい」という意見があったが、子どもたちが「大人の知的好奇心の幅が狭くなっている」と感じているのではないだろうか、と思わされた。
  • 選挙特番やニュースを挙げる意見が複数あったが、彼らに共通していたのは「報道に対する公平性の保持と、偏った意見はやめてほしいという強い思い」だと感じた。「自分自身は常にバランスをとって中立にいようとする子どもたちの姿」が浮かび上がるようにも思えて、考えさせられる。
  • 親が子どもに見せたくない番組としてよく挙がるバラエティーは、子どもも親に見てもらいたくないと考えているのか、家族一緒に見られる番組を推す人が多かった。そんな中、賛否両論あるからこそ親にも見てほしいという少数意見が有り興味深かった。

◆モニターからの報告◆

【最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想】

  • 『金曜☆ロンドンハーツ』(テレビ朝日)ターゲットの顔面にパイをぶつけるという企画があり、見ているとぞっとしてしまうような場面がありました。もう少し視聴者の気持ちを考えて企画するべきだと思います。(東京・中学1年・女子)
  • 『BS世界のドキュメンタリー ギャレス・マーロンの職場で歌おう』(NHK BS-1)私は音楽や歌が大好きです。この番組の中で、今までただ同じ会社というだけで、会って話をしたこともないような人たち、しかも歌の素人が一緒に合唱で素晴らしいメロディーを作っているところを見て、私までうれしくなりました。失敗を繰り返しながらも、少しずつ歌が形になってきて、合唱団の仲も深まっていく姿に、私は感動しました。こういう番組を日本の会社でもやってほしいです。色々な中学校・高校から生徒を集めたり、大きい学校で学年を超えて合唱するのも面白いと思います。特に、学校ですると、子どもが音楽を好きになってくれたりして、成長できるチャンスにもなると思います。この番組はいろいろな年代の人たちが一緒に楽しめる番組だと思います。いろいろな人に見てもらいたいです。(岡山・中学2年・女子)
  • 『仰天パニックシアター  ~まさかの瞬間ビビる77連発!!~』(テレビ東京/テレビ北海道)僕はこの番組をよく見るので見るたびに思いますが、オモシロ動画などを放送するのになぜゲストがいるのかということが気になっていました。いちいち「芸能人のビビり度」とかいって時間を埋めるのが少し視聴者としては時間がもったいないと感じました。音響は、いつ見ても良いと思います。その時その時に合った吹き替えの声や、動きに合わせた効果音が、その時の様子を巧みに表現してくれていると思いました。(北海道・中学2年・男子)
  • 『出るの!?出ないの!?潜在能力テスト』(フジテレビ) この番組は、普段からよく目にしている街中の看板等を、きちんと見て記憶しているかどうかをチェックする二択問題や、読まれた文章の内容に着目し、きちんと理解していないと答えられない問題など、様々な問題が出題されていました。今回初めて見た番組でしたが、ゲーム感覚で見ることができてとても勉強になったので、また放送してほしいです。そして自分の中の潜在能力を出していきたいと思いました。(東京・中学2年・男子)
  • 『THE MUSIC DAY 夏のはじまり。』(日本テレビ)お昼から夜11時まで11時間音楽番組を生放送するという、ライブ感が伝わる演出がとても素敵で毎年楽しみにしています。私の知らない世代の昔の歌に触れる機会にもなり、この番組がきっかけで好きになったアーティストもいます。日本テレビ開局60周年を記念して開始されたそうなのですが、東日本大震災の翌年から放送されたこともあり、母から、音楽には人の心を癒したり励ましたりする国境を超える不思議なパワーがあるんだと言われたことを思いだし、改めて音楽の素晴らしさを感じました。(神奈川・中学3年・女子)
  • 『THE MUSIC DAY 夏のはじまり。』(日本テレビ)色々なアーティストの方たちがたくさん出てくるので、飽きずにずっと見ていられました。私たち若い世代が知らない歌手が出演しても親が昔を思い出すように教えてくれたので、話題ができて、その日一日中音楽のことばっかり話していました。それに、データ放送での視聴者参加型番組企画もまた面白く、とても工夫されていると思いました。(東京・高校1年・女子)
  • 『Uta-Tube』(NHK総合)この番組は中部地方だけでしか放送していないローカル歌番組です。この番組の良いところは短い時間にアーティストの魅力をぎゅッと詰め込んでくれているところです。音楽番組にしては20分というとても短い放送時間ですがとても大好きな番組です。まず、この番組では音楽を最初から最後までフルで歌ってくれます。最近の音楽番組ではフルで歌ってくれる番組はないのでとても豪華だと思います。次に会場の雰囲気です。この番組では本当のファンの方がアーティストの目の前にいるため小さなライブハウスのような雰囲気です。アーティストとお客さんとの距離がとても近くとてもいい会場だと思います。あまり知らないアーティストの方でもお客さんの盛り上がり方や、曲ごとのアーティストの方とファンの方の雰囲気が見ていていろいろありとても面白いです。他にも音楽に合わせた照明もとても良いと思います。かっこ良い曲には赤色の照明や、綺麗な音楽には青色の照明だったり、とても見ていて良いと思いました。カメラの撮り方もいろんな角度から撮っているので他の番組よりとてもおしゃれに感じます。次に家族みんなで見られる時間帯が良いと思いました。土曜日の朝はみんなが家にいるので家族みんなで見ることができます。(愛知・中学3年・男子)
  • 『SASUKE』(TBSテレビ)なぜか、心が「うるうる」きてしまうのである。なぜだろう。みんな所謂「おじさん」なのに、「ピュア」であるからだと思う。やっていることは、時間内に、精巧に作られた「罠」をパスすることなのである。ちょっとでも油断すると、1年間を台無しにするのである。100人が、予選に参加するが、超狭き門である。出演するまでの、それぞれの涙ぐましい「努力」が見えるのである。それをパスしても、次の「罠」が待っている。自分が挑戦者だったら、どうしようという「臨場感」が良いのかもしれない。家庭で見ていても、家族みんなが、「手」に汗を握るのである。とにかく、みんなで「熱くなって」汗をかく。そのRPGでは味わえない、心に対する「罠」なのかも知れないと感じた。(東京・中学3年・男子)
  • 『パネルクイズ アタック25』(朝日放送)最近のバラエティー番組は、視聴者参加型の番組が少なく、同じような芸能人ばかり出演しているように感じるが、この番組は違う。この番組の素晴らしい点は、視聴者が参加することで、クイズに正解すれば、豪華な賞品が参加した「視聴者」にもらえるということでとても夢がある。朝日放送は『アタック25』以外にも『探偵ナイトスクープ』や『新婚さんいらっしゃい』など視聴者参加型のバラエティー番組が多数ある。考えれば、アメリカをはじめとする海外の番組で、面白いと自分が感じた番組は、視聴者参加型の番組が多いように感じる。親の話によれば昔はもっとたくさん視聴者参加型の番組があったという。最近の番組が昔より面白くなくなったと祖母がよくつぶやいているのはこのせいなのかもしれない。(兵庫・中学3年・男子)
  • 『人志松本のすべらない話』(フジテレビ/関西テレビ)僕がこの番組を選んだのは、伝統的に続く番組ならではのこだわりを随所に感じるからだ。サイコロを振って当たった人が自らの「すべらない話」を披露するという単純なスタイルはもちろん、芸人の話に干渉しないように字幕をほとんど使わなかったり、番組のスタッフを紹介するエンドロールがなかったり、普通のバラエティー番組ではないようなこだわりが見られる。最近のバラエティー番組は、特有のスタイルが確立されていないことで視聴率が伸び悩み、簡単に番組内容を大きく変更したり、あるいは終了してしまうケースが多くみられ、バラエティー番組の人気が低下している大きな要因になっているように感じる。この番組のこだわりはあくまで一つの例であるが、もっと個性を発揮したバラエティー番組がどんどん世に出てくることを期待したい。(京都・高校1年・男子)
  • 『人志松本のすべらない話』(フジテレビ/テレビ西日本)自分が面白いと思った経験を人にも共感してもらうためには、どのように話を構成して、どんな話し方で伝えればいいのかがよくわかると思う。学校の授業の中でも、自分の意見をいかに分かりやすく先生や友達に伝えるのかをよく考える。授業のほかにも、係決めや委員の選出、部活での作戦やチームの作り方などでも、自分の意見をはっきりと分かりやすく伝えるのはとても難しい。この番組は、お笑いなので、単純に笑って面白いなぁと見ているが、人を引きつける話し方としても参考にできるなと、僕は思う。(福岡・高校1年・男子)
  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)謎解き冒険バラエティーをテーマに構成されており、毎週、世界中の知らなかったことを新しく知ることができたり、時には感動の物語に涙したりと、とにかく見るのが待ち遠しくなる番組である。この番組の良い点として挙げられることの一つに、「出演者の憎めなさ」がある。出演者の中に、いわゆるキレ役の人はおらず、番組内で特定の人をいじる場面もほとんど見かけない。キレ役を投じて笑いをとるバラエティー番組を「お笑い系バラエティー」とすると、『イッテQ』は「正統派バラエティー」と言えるだろう。そのため、少し過激なバラエティー番組は無理だけど、『イッテQ』なら見られるという人も多くいるために、長い間多くの人に愛されてきたのではないだろうか。また企画の面白さは言わずもがなだ。こういったことが総じて、人気につながっているのだろう。(東京・高校2年・男子)
  • 『マツコの知らない世界』(TBSテレビ/テレビ山口)毎回、テーマに詳しいマニアの人を呼び、タレントのマツコ・デラックスさんにプレゼンしていく番組です。テーマに対して誰もが知る基本的な情報からマニアの人だけが知る裏側を知ることができるので、どのテーマにもとても興味が持てます。また、マツコさんの独自の視点での軽快なツッコミも面白い番組です。多種多様で様々なテーマを紹介するので毎週番組を見ても、毎回違う面白さがあります。また、いままで全く興味のなかった分野のことも知ることができるので新しい視点を持つこともできると思います。番組の構成もしっかりしていて、視聴者を飽きさせず、家族みんなで楽しく視聴することができるのでとても良い番組だと思います。(山口・高校2年・男子)

【先生や親に見てもらいたい番組について】

  • 『いじめをノックアウト』(NHK Eテレ)私は、いじめはなくならないと考えています。でも、それをみんなで考えることはとても大切なことだし、みんなで考えることでいじめは減らしていけると思います。いじめについて、子どもが何を考え、どう行動しようとしているか、この番組をぜひ見て、一緒に考えてみてほしいです。(岡山・中学2年・女子)
  • 『LIFE!~人生に捧げるコント』(NHK総合)30分ほどの、短いコントが何個か放送される番組です。なぜ、この番組を先生や親に見てもらいたいかというと、もう少しこのくらい先生や親が面白くてもいいからです。この番組を見て学んでほしいです。(埼玉・中学2年・男子)
  • 音楽番組を見てもらいたいです。理由は自分が好きなアーティストについて知ってもらいたいからです。親に少しでも自分の好きなグループなどについて理解してもらえれば共通の話題としても話すことができるのではないかと思います。(東京・中学3年・女子)
  • 『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ/中京テレビ)毎週違う映画などを放送してくれます。最近のものから僕が知らないような海外の映画までとても幅広いです。最近は海外の映画にハマっているので映画好きの親と一緒に見られたら楽しいと思います。逆に最近の映画は僕の方が詳しいと思うので一緒に見られたら楽しいと思います。見てもらいたいというよりかは一緒に見たい番組です。(愛知・中学3年・男子)
  • 『池上彰の参院選ライブ』(テレビ東京/テレビ大阪) もうすでに先生や親が見ているかもしれないが、未成年の自分が本当に知りたい政治のことを他局では取り扱わないような踏み込んだ内容まで知ることができ、偏っていないので公平な立場から知ることができる。つまり何を大人に伝えたいかというと、思想の押し付けやただただマシンガンのように知識を教えるのではなく、自分で考えた意見や自ら学んだことをもっと大切にしてほしいということだ。(兵庫・中学3年・男子)
  • 『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ)この番組は一見、先生が子どもに見せたいと思うかもしれないけど、私は逆に先生にじっくり見てもらいたいです。というのは、テストは私たちにとって真剣に取り組まなきゃいけないものだから、先生方にはこれを見て、生徒が何を思い、どうやって臨んでいるかを考えてテストを作ってほしいからです。(東京・高校1年・女子)
  • 『ドキュメント72時間』(NHK総合)この番組は一つの場所に72時間スポットをあて、そこを訪れる人や暮らしている人たちに話を聞く番組です。例えば空港にスポットを当てた回では、飛行機でどこに行くのか、なぜ行くのかなどをインタビューしていきます。いろいろな事情をもった人が過ごす空港のロビーでの話はとても面白かったり感動するものもありました。私はこのような番組を見てもらうことで、さまざまな考え方を知ったり、その地域に根付く文化などについて考えてもらいたいのです。普段なかなか行くことが出来ない場所を身近に感じることも出来るかもしれません。(高知・高校1年・女子)
  • ニュース番組は見てもらいたいです。(多分、みんな見ていると思いますが)社会は大人が作っています。選挙権が18歳から持てるようになり、自分も最近、政治に関心を持っていますが、日本の選挙投票率が低いのは、関心が低いからではないかと思います。だから、大人にはニュースをしっかり見て社会を担う一人だということを自覚してほしいです。(福島・高校1年・女子)
  • 『昭和元禄落語心中』(BS-TBS)今年の1月から3月にかけて、深夜アニメ枠で放送され、2期の制作も決定しているアニメ。本当に良質なアニメだった。落語という日本の伝統芸能がアニメという形で丁寧に表現されているので、幅広い年代が楽しめると思う。また、ストーリーはもちろん、作画や声優の演技、音楽の質も極めて高いので、普段アニメを見ない大人が見ても納得のいく作品だと思う。(神奈川・高校2年・女子)
  • 『人生デザイン U29』(NHK Eテレ)29歳以下の主人公の仕事や暮らしの様子をドキュメントして、仕事の醍醐味などを知る番組です。この番組は若者向けですが、ぜひ先生や親にも見てもらいたいと思います。この番組では、若者がときには困難もありながらも楽しく仕事をしています。そして「人生デザイン」を考えています。先生や親たちは、このような若者の新鮮な仕事に対する気持ちを忘れているのではないかと思います。この番組で、若いころの気持ちや「人生デザイン」を思い出して、気持ちを新たにして生活してほしいです。(山口・高校2年・男子)
  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)最近の人はあまりテレビを見ていないとよく聞くが、この番組は、学生で見ている人が多いのか、学校でよく話題になる。またこの番組はBPOさんにクレームのようなものが来ることがあり、親は子どもたちにあまり見せたいとは思わないかもしれないが、ギャラクシー賞を取ったこともあり、すぐれた番組だと僕は考える。それなので、先生や親に見てもらいたい番組としてあげた。(東京・高校3年・男子)
  • 『ファミリーヒストリー』(NHK総合)親と一緒に見るにはぴったりの番組である。一緒に見ることによって、親から昔の家族の様子を聞くきっかけになると思うからです。また、祖父母のことがよく知りたくなると思いました。(群馬・高校3年・男子)

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『Road to RIO 世界で輝く長崎アスリート』(テレビ長崎)世界で活躍している選手が長崎にはたくさんいることが嬉しく思います。私も人に必要とされるだけではなく、手本となる人になりたいと思いました。私も音楽でもっと成長できるようになりたいと思いました。頑張っている人を見ると、私の努力が小さいことが分かりました。今回はオリンピックで体操選手でした。長崎で活躍している体操選手以外の人も見たいです。(長崎・中学1年・女子)
  • 『スーパープレゼンテーション』(NHK Eテレ) この番組がおすすめ番組となっていてとても嬉しかったです。一つ一つの分野や自分の仕事に真剣に取り組んでいる人達は本当にかっこ良いと思います。また、高校生になった自分にとっては、将来の自分の道を見つける手段の一つです。新しくなって、字幕でも吹き替えでも見ることが出来るようになりました。この番組は有名ではないけれど、これからもたくさんの学生に見てほしい番組です。(高知・高校1年・女子)
  • 『週末ちぐまや家族』(テレビ山口)この番組は、スタジオや出演者がとてもアットホームな雰囲気です。スタジオには犬も歩きまわっています。このアットホームな雰囲気が長く番組が続く理由だと思います。私の視聴した回の「教えてやま珍」のコーナーでは、高校を訪問し、珍しいものを探していました。授業や部活の雰囲気などが良く分かりました。このコーナーでは、私たち山口県民の知らないことも多く出てくるので面白いです。他にも、様々な山口県のユニークな情報を多く知ることができるのでとても良い番組だと思います。ただ山口県のおすすめ番組は、過去にさかのぼっても、ほとんど「ちぐまや家族」だと思います。とても良い番組だと思うのですが、他の局の他の番組もおすすめしてほしいです。(山口・高校2年・男子)

調査研究について

2015年度から2017年度にかけての調査研究について、現状報告が菅原委員からありました。テーマは「青少年のテレビに対する行動・意識の形成とその関連要因に関する横断的検討」で、今年度中に調査票の作成と小学校5年生から高校3年生までを対象にした予備調査を検討しています。

今後の予定について

  • 8月3日に開催する「夏休み関東地区中高生モニター会議」の内容について確認しました。担当は最相副委員長です。
  • 9月12日に開催予定の意見交換会(広島)について、在広島局との事前打ち合わせを基に主要テーマについての話し合いをしました。担当は菅原委員です。
  • 10月14日に開催予定の留学生との意見交換会(立命館アジア太平洋大学)について、大学との事前打ち合わせを基に、主要テーマについての話し合いをしました。

その他

  • 8月の委員会は休会とします。

第182回 放送と青少年に関する委員会

第182回–2016年6月28日

視聴者意見を中心に意見交換…など

2016年6月28日に第182回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず、5月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見を中心に意見を交わしました。そのほか、6月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
次回は7月26日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2016年6月28日(火) 午後4時30分~午後6時40分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

  • 「迷惑観光バスを取り上げたニュースの中で、保護者の承諾を得ていない児童の顔出しインタビュー映像があった。問題ではないか。」という意見について、委員からは「特集の一部で貴重な発言だったので顔出しで短い時間使ったのだろう。保護者としての心配も理解できるが、子どもたちの人権にかかわるような映像でもなく、既に当事者間の話し合いもできているようなので、今回はこれ以上問題にしない」との意見がありました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした6月のテーマは、「最近見たドラマ・アニメ番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で28人から報告がありました。
「ドラマ・アニメ番組の感想」では、ドラマについて18人、アニメについては8人、その他の番組について2人から報告がありました。ドラマでは『99.9-刑事専門弁護士-』(TBSテレビ)に「社会派な内容を分かりやすく伝えている」など4人から、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ)、『トットてれび』(NHK総合)には3人、『真田丸』(NHK総合)には2人から報告がありました。アニメについては、「家族みんなで視聴できる」など、『サザエさん』(フジテレビ)に3人、『ドラえもん』(テレビ朝日)に2人から報告がありました。
「自由記述」では、「米軍属による女性殺害事件」「北海道男児行方不明事件」におけるメディアの姿勢・報道のあり方に疑問を呈した意見がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『究極の○×クイズSHOW!!超問!真実か?ウソか?』(日本テレビ)に、4人から報告がありました。

◆委員の感想◆

【最近見たドラマ・アニメ番組の感想について】

  • 過去2か月に比べ、文章力が格段にアップし、読み応えがあり、変化と成長に驚かされた。
  • 中高生になじみ深い「ドラマ・アニメ番組」がテーマだったためか、番組をじっくり見て分析している様子がうかがえ、リテラシーの潜在能力が発揮されていると感じた。
  • 『99.9-刑事専門弁護士-』(TBSテレビ)への感想が複数あったが、一見難しい社会派の内容をわかりやすく伝えているといった意見や、一話ごとに役者の行動に対する効果音が増えているという指摘など、制作者の立場に立った視点をもっていることに感心した。
  • 視聴率の低さが話題となったドラマを「心揺さぶられた番組」として挙げたモニターのリポートに「視聴率は内容と比例しない」と書かれていた。視聴率にとらわれない独自の物差しによる評価を頼もしく思った。
  • 『重版出来!』(TBSテレビ)について「普段知ることのない出版業界が見え、働く人のかっこ良さが伝わった」「自分が大人になった時もこんな風に仕事をしたいと思った」という素直な受け止めがうれしい。
  • 分析的視点に感心する一方で、「ドラマやアニメは無条件にのめりこんで見てほしい」との気持ちを持った。

【自由記述について】

  • 「舛添前東京都知事」に関するメディアのとらえ方や報道の在り方への批判が複数あったが、その視点が興味深い。
  • 「米軍属の女性殺害事件」の報道におけるメディアの姿勢に対する疑問と批判は、議論の余地がある部分への大切な気づきであり、鋭い指摘だった。
  • 「北海道男児行方不明事件」についての意見が少ないと感じる。あれだけ世間の耳目を集めた事件に対する反応としては、やや物足りない。
  • BSで放送されている通販番組について「流す内容がないなら放送しなくて良いと思う」という意見があったが、彼らには「内容が無いように見えている」ことが分かり、放送の作り手と中高生の感性のズレを感じさせられた。

◆モニターからの報告◆

【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】

  • 『トットてれび』(NHK総合) 私自身、黒柳徹子さんが好きで第1話からずっと見ている番組。魅力はなんといっても若い頃の黒柳さんを熱演する満島ひかりさん。黒柳さんの特徴(早口で話したり性格がとても天然なところ)を上手に演じていてつい笑ってしまいます。そして第5話では"向田邦子と徹子・友情の物語"という題で、作家向田邦子さん(1929~1981)との仲の良さが描かれています。ちょうど、たくさんあるテレビ局の中心に向田さんの家がありよく通い様々なお話をする、と語っていました。「毎日のように、いや毎日のようにではなく毎日彼女の家に行っていました」――この言葉(ナレーション)が番組で一番印象深かったです。(東京・中学1年・女子)
  • 『ドラえもん』(テレビ朝日/北海道テレビ) 昔から見ていた大好きな番組です。良いところは、アニメの内容が漫画の原作の内容に少し新しい内容を追加して放送しているところです。漫画で読んでいて話の内容が分かっていると思っても、思いもよらないことが追加されていて原作を読んでいる人にとっては、なおさら面白いと思います。次に良かったことは視聴者プレゼントがあるということです。視聴者への感謝の気持ちが伝わってきて大変うれしい気持ちになりました。さらに良かったことは、アニメとデータ放送が連動しているということ。コマーシャルが流れている時などにふとDボタンを押すと、ドラえもんの登場人物やミニゲームなど、視聴者を飽きさせないような仕掛けがあることが良いと思いました。(北海道・中学2年・男子)
  • 『99.9―刑事専門弁護士』(TBSテレビ)は、刑事事件専門の弁護士が主人公です。タイトルの「99.9」というのは、日本の刑事裁判での有罪率で、起訴されたらほぼ100%に近い確率で有罪になってしまうことを意味します。僕はそのことを今まで知りませんでした。主人公は残りの0.1%にこだわり、何度も検証して諦めずに難事件を解決していきます。刑事事件を扱うため、殺人や横領といった重い事件ばかりですが、主人公がダジャレ好きで会話にも多く出てきたり、居酒屋のメニューが歴史をもじっている点などが面白いです。「生類憐みの冷麺」や「おののいも煮」などのメニューが並び、値段が年号になっていて、「大阪夏の陣ジャーエール」は1,615円でした。ちょうど学校で歴史を学んでいるので余計に興味深く、録画して一時停止しながら見直す楽しみがあることが面白いと思います。(東京・中学2年・男子)
  • 『ゆとりですがなにか』(日本テレビ) 私は最初このドラマを見てゆとり教育で育った人に失礼なのではないかと思った。なぜなら主人公やその周りのゆとり教育で育ったとされる人たちはみんなどこか抜けているところがあったり、暴力的だったりと人のあまり良くない部分が誇張されているように感じたからだ。しかし、ゆとり教育で育ったことを武器に社会で戦っていく主人公たちの良いところ強みなどが伝わり、この表現は、一見すると悪いところしか強調してなくてゆとり教育を否定的にあらわしているようにみえてしまうが、本当はゆとり教育だったからこそ社会で学べることの大きさなどが鮮明に描かれていて、ゆとり教育を肯定的なとらえかたをしているともいえる。人は完璧ではなくまだまだ学べることがたくさんある、というメッセージも込められているのかなと感じた。(東京・中学3年・女子)
  • 『ラヴソング』(フジテレビ) 春には、なぜか心が温まるドラマが見たくなった。それは、クラス替えがあったので、新しい友人との「距離感」がなかなか掴めなかったからだと思う。ヒロインが「弾き語り」をするギターの弦の響きが、なぜか心に響きました。難しい恋愛ドラマより、彼女の弾き語りが、ドラマのある種の切なさをヒシヒシと伝えていました。学校の友人も、弾き語りのシーンで、涙したと言っていました。僕らは、情報社会にいるので、このドラマの視聴率の低さがニュースになっていますが、殺人を題材とする「刑事ドラマ」より、僕にとっては、このドラマの方が、断然心が揺さぶられました。視聴率は内容と比例しないと思いました。これからも、自分の価値観を大切にしたいと思いました。(東京・中学3年・男子)
  • 『サザエさん』(フジテレビ/関西テレビ) 家族で見られるアニメで、どんな人が見ても面白いすごい番組だと思います。非常に長く続いている番組で、親が幼いころから見ていたということで本当に日本人に愛されている番組だと思います。話の内容もごくごく普通の日常を描いたもので不適切な表現(暴力的な表現や卑猥な表現、差別的な表現など)は一切見られず、共感できる部分も多く、安心して見ることができる番組のひとつです。(兵庫・中学3年・男子)
  • 『サザエさん』(フジテレビ) テレビ放送が始まってから45年が経っていることにすごく驚きます。サザエさんが作り出す雰囲気だったり空気感がとっても心温まるし、サザエとカツオのケンカも毎度同じだけど、無いと逆に寂しさを感じてしまいます。今では少なくなっている「3世代で生活する」という設定もまた羨ましく、素敵だなと感じます。(東京・高校1年・女子)
  • 『重版出来!』(TBSテレビ/テレビ高知) 週刊コミック誌の編集部を舞台とした編集者や作家、そしてその仕事を支える人たちの物語です。興味を持った一番の理由は、このドラマからは、普段あまり知ることのない漫画を作る側や売る側の世界を知ることが出来るからです。また、働く人のかっこ良さが伝わってきます。漫画を描くことにすべてをかける漫画家、それを支える編集者。どの人も漫画を読者に売りたい、楽しんで読んでもらいたいという思いをもとに懸命に働いています。その様子は、本当にかっこ良いなと思うし、キラキラ輝いているように感じました。自分が大人になった時にもこんな風に仕事をしたいとも思いました。ドラマは、普段知らない世界であったり、現実ではありえない世界が映像化されています。だからこそ見る側の人にこの世界が目の前にあるように感じられるような番組を作ってほしいです。(高知・高校1年・女子)
  • 『真田丸』(NHK総合) 非常に面白い。コミカルな脚本と、魅力的な登場人物の数々にぐいぐい引き込まれるドラマだ。歴史ファンでなくても十分に楽しめる。毎週日曜の夜が待ち遠しくなったし、家族や友人との会話の種にもなった。大河ドラマでは、今後も良い脚本家を起用してほしいと切に願う。(神奈川・高校2年・女子)
  • 『Re:ゼロから始める異世界生活』(テレビ東京) 人間は一人で行動した方が楽だ。なぜなら他人に気を遣わなくてよいからだ。しかし、一人で行動していてもつまらないのも事実である。また、一人では乗り切れないことが必ず生じる。でも、他人と協力すれば乗り切れるのではないだろうか? 私は、この放送でいろいろと気づかされた。なんでも一人で解決しようとせず、できないことがあれば他人に聞いてみる。そうすれば、違った考えを知り新たな興味が増えるのではないかと思った。(群馬・高校3年・男子)

【自由記述】

  • 東京都知事の舛添氏の政治資金問題の報道について、確かに舛添氏が不透明な支出をして説明責任を果たさないから追及されるのはしょうがないと思いますが、朝から晩まで限られた数の同じコメンテーターの人たちがいろいろな番組に出ていて、同じことを繰り返し話しているので、視聴者は限られた意見にしか触れられず、その論調に流されてしまうのではないかと思います。あまり偏りすぎないように報道することも必要なのではと思いました。(宮城・中学1年・男子)
  • 米軍属に女の人が殺された事件のニュースで、遺族が林道にひざをついて号泣している映像を見ました。私は、いたたまれない気持ちになりました。大切な人が失われて、遺族の方の悲しみは計り知れないものだと思います。それを平気で報道する映像は見たくないと思いました。(岡山・中学2年・女子)
  • 北海道で起こった男児行方不明事件の報道について気になった。男児が保護された際、行方不明になった経緯を鑑みると、決してほめられた話ではないのに、劇的な生還を遂げたことだけを取り上げて「すごい」とか「(この男の子は)ちゃんとしている」とか安易な賞賛の言葉が出回っていることに疑問を覚えた。(京都・高校1年・男子)
  • 最近の特番は似たようなクイズ番組ばかりやっているので、何か新しい発想で企画を考えてほしいです。また、そういったクイズ番組でも、その時、はやっている同じような芸人ばかり出てくるので、「新しいことを考えよう」というテレビ局側の意欲があまり感じられません。(北海道・中学2年・男子)
  • 芸人さんが体張った番組(脱いだり、キスしたり)はあんまり興味がない。多くの人に見てもらう為に過剰な演出も仕方ないのかもしれないけれど、とても不愉快になる番組が多い。それで家では、テレビ東京かNHKをみる機会が多い。理由はクイズ番組や旅行番組など家族で見られる番組が多いから。ゴールデンタイムは家族皆で見られる番組を増やしてほしいです。(神奈川・中学3年・女子)
  • CMについてなのですが「貞子VS伽椰子」みたいなホラー映画などの予告をCMでやるのはやめてほしいと思います。宣伝したいのは分かりますが、やっぱり怖いです。番組としてやるのは見ないようにすれば良いだけなのですが、CMでやられるといやでも見ることになるので勘弁してほしいです。(千葉・中学3年・女子)
  • テレビについて、流す内容が無い場合は、流さなくてもいいと思います。BSとかひどいのですが、化粧品か健康食品の通販ばかりです。テロップに「個人の意見」ですと記載をすれば、何を流しても良いというのはおかしいと家族で話題になりました。(東京・中学3年・男子)

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『究極の○×クイズSHOW!超問!真実かウソか?2時間スペシャル』(日本テレビ)解答者は、京大や東大などの名門校を卒業した人ばかりだったので、こんなに頭の良い人達が、だまされるわけがないと思っていました。しかし「ペットフード会社には、ペットフードを試食する人がいる」や「出生届は、名前が決まっていなかったら空欄のまま出してもよい」等、聞いたことのない、○か×かわからないような問題ばかりで、頭の良い人達でもプレゼンター2人の主張に惑わされていました。言葉巧みにもっともな主張をするプレゼンターがすごくて楽しみながら学ぶことができるので、これからもまた見たいと思いました。(東京・中学2年・男子)
  • 『響けブラボー!NAGASAKIブラス&マーチングフェスティバル』(長崎放送) 私も歌とピアノを習っています。演奏しながら意識して行進をして、きれいな形にするのはとても大変だと思います。私の通っている学校も出ていました。吹奏楽部は、朝も放課後も一生懸命練習しています。その結果が、この素晴らしい演奏につながるんだと思いました。どの学校もかっこ良かったです。幼稚園の子どもたちもマーチングをしていたのを見て、私も幼稚園の時にしてみたかったと思いました。(長崎・中学1年・女子)
  • 『こうちeye』(高知放送) 高知で親しまれているニュース番組です。新聞とコラボしている番組は珍しいし、テレビを見て新聞を読んでみようという気になる人も多と思います。新聞に対して苦手意識を持つ人が多い中で、このような番組を見て興味を持つことは大事なことだと感じました。また、この番組からは自分の住む地域の情報を知ることが出来ます。自分の地元について知ることも私たちのような学生にとって必要なことだと思います。(高知・高校1年・女子)

今後の予定について

  • 8月3日に開催する「夏休み関東地区中高生モニター会議」の内容について話し合いました。TBSテレビの協力による社内見学の後、"ドラマ制作者との意見交換"や"子どもが関わる事件の取り扱い""ドッキリ企画をどう考えるか"などについて委員と中高生が意見を交わすことにしました。
  • 9月12日に開催予定の意見交換会(広島)について、事務局から進捗状況の報告がありました。担当は菅原委員に決まりました。
  • 10月14日に開催予定の留学生との意見交換会(立命館アジア太平洋大学)について、事務局から進捗状況の報告がありました。

その他

  • 6月8日に開催した意見交換会(新潟)について事務局から報告がありました。
    詳細はこちら

第181回 放送と青少年に関する委員会

第181回–2016年5月24日

視聴者意見を中心に意見交換…など

2016年5月24日に第181回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず、4月16日から5月15日までに寄せられた視聴者意見を中心に意見を交わしました。そのほか、5月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
次回は6月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2016年5月24日(火) 午後4時30分~午後7時20分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

  • 「出演者が、"ミニトマトをつぶさずに何個まで口に入れられるか"というゲームをしていた。危険だし、子どもが真似をしたらどうするのか」という視聴者意見について、委員からは「無理に食べさせられたのではなく、自分のペースで口に入れていた。息が苦しくなることも無く、子どもが真似をすることも無いだろう。どちらかというと無邪気に楽しんでいる雰囲気だった。問題は無いだろう」との意見がありました。

  • 「『イブアイしずおか』(静岡放送)で毎週木曜日に放送されている"3丁目の昭和"は、県内各地に残る歴史遺産や職人技、老舗、アナウンサーと地元住民との交流を通じて楽しみながら郷土の歴史を学ぶことができ、子どもたちの勉強にもなる素晴らしいコーナーだと思う」という視聴者意見があり、参考のために静岡放送の協力を得て、2015年10月15日放送分を視聴し、意見交換しました。委員からは、「地元局のアナウンサーが、昭和の面影を探しながらそこに住む人たちとふれあうというローカル局ならではの良さがあった。昭和の歌謡曲を流しているのは雰囲気が出ていた」「地元の人でも知らないことを紹介するのは面白いと思った。少し冗長に感じたが、そのゆるさが良いのかもしれない」「アナウンサーが"いつも見ているよ~"と声をかけてもらっていた。地域に愛されている番組なのだなと思った。でも紹介していたシャッター商店街は悲しい感じがした」「子どもたちにもためになる情報がたくさんあった。再編集して子どもたちが見られる時間帯に放送してはどうか」「古いものを探しているだけで、昭和に対する熱意が足りないと感じた。昭和から何が見たいのか曖昧になっていて作る側の意図が見えてこない。制作費など厳しい条件は理解できるが、そこは情熱で"発見の喜び"を表現してほしい」などの意見が出ました。汐見委員長は「地方局で、お金や人が足りない中で、昔の良いものを探して町の再発見をする企画としてなかなかうまく出来ていると思った。今後の頑張りに期待したい」と感想を述べました。

中高生モニター報告について

32人の中高生モニターにお願いした5月のテーマは、「最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」でした。また「熊本地震に関する報道について」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。29人から報告がありました。
「報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」では、複数の番組について書いたモニターや、ジャンル分けの難しい番組への報告もありますが、おおよそ報道番組について6人、情報番組について10人、ドキュメンタリー番組について13人、その他の番組について3人から報告がありました。取り上げたテーマは違うものの、『NHKスペシャル』(NHK総合)には5人から、『報道ステーション』(テレビ朝日)と『ドキュメント72時間』(NHK総合)には、それぞれ3人から報告がありました。NHKの番組を取り上げたのは13人、BS放送の番組は4人から、ラジオ番組では『JAM THE WORLD』(J-WAVE)について1人から報告がありました。地元局制作の番組では、九州の話題を取り上げる『なるほど 実感報道ドドド!』(NHK総合)、北海道の情報番組『いちおし!モーニング』(北海道テレビ)、広島の夕方の情報番組『テレビ派』(広島テレビ)についての意見がありました。
「熊本地震に関する報道について」では、迅速な報道について評価する一方、被災者への取材のあり方に疑問を投げかける報告が多く見られました。「被害報道」と「注意喚起」のバランスが不十分という意見や、支援物資の状況やボランティアについての情報が少ないこと、取材ヘリコプターの騒音について、取材する側のマナーの問題などについての指摘がありました。
「青少年へのおすすめ番組について」では、『はじめてのおつかいSP』(日本テレビ)、『日曜ファミリア戦闘中』(フジテレビ)にそれぞれ2人から報告がありました。

◆委員の感想◆

【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想について】

  • 視聴者としての意見だけではなく、制作者の考えを意識してリポートを書いている人が複数いた。モニターになったばかりなのに鋭い視点だなと驚く一方、素直に番組を見てほしいとの気持ちも持った。

  • がんと闘いながらプロ棋士を目指した青年を追った『ザ・ノンフィクション 生きて~天野貴元30歳~』(フジテレビ/東海テレビ)のリポートがあった。報告内容も詳細で、番組を視聴した後に、自らインターネットなどを使って主人公について調べ上げるなど、番組の選択を含めて興味深いリポートだった。

  • 難関校を受験する小学生に密着した番組や、一流の指導者が子どもたちにレッスンする番組など、モニターと同世代の人たちに関する番組について、「見ているうちに、頑張れ!合格してほしい!という気持ちになった」「私たちだけではなく、親世代にも見てほしい」など素直な感想が寄せられた。

  • 観光バスの事故について取り上げた『NHKスペシャル』(NHK総合)についての報告では、番組内容を自ら分析し、原因や対応策の必要性など、社会に対しての問題提起にまで踏み込んでいて感心した。

  • 報道番組についての報告では、放送における公平・公正を誤解しているかのような意見もあった。インターネットサイトでの意見などを鵜呑みにしている面があるのかもしれない。政治的公平性と報道の自由については、青少年にも理解できるよう、放送局側が努力し、丁寧に説明していく必要があろう。

  • 番組の内容だけではなく、字幕の大きさやモザイクなどの映像処理、番組中に画面で流されるツイートの表示の仕方などに言及した報告もあった。具体的な指摘がされており、放送局にも参考になるのではないか。

【熊本地震に関する報道について】

  • 被災地からの情報を全国に流すだけではなく、被災地に向けて、被災地が元気になるような番組や被災地の人に役立つ番組を放送してはどうかとの意見があった。これからは、技術的にもそうしたことが可能になってくると思われる。新鮮な良い指摘だ。

  • SNSの情報によって一部の避難所に救援物資が集中してしまった現実を踏まえ、放送を通じて現状を伝え、そのギャップを埋めることはできないのかとの指摘があった。

  • 報道自体についての感想ではなく、インターネットやSNSで入手した情報を基に放送局を非難している面も見られた。

  • 取材体制や方法などについては、放送局側もしっかりと検証する必要があろう。その上で、報道する必要性などについて、あらためて視聴者に理解を求めていかなくてはならない。

◆モニターからの報告◆

【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想について】

  • 『ボクんちの中学受験奮闘記~超難関校を目指せ!笑いと涙の200日』(BS日本)難関校を目指す小学生に密着してその努力の様子を撮影した番組でした。家庭での勉強の様子や塾での先生とのやり取りまで放送されていて、受験は勉強だけでなく、自分の弱さや欠点に気づき、それを克服して人間として成長していくものだと気づかされ、見ごたえがありました。いろいろなタイプの受験生がいて、心の葛藤も感じられ、見ているうちに頑張れ!合格してほしいと応援する気持ちになりました。受験するしないにかかわらず、同世代の目標にむかって頑張っている人を見ることで、自分も頑張ろうとやる気をもらえる番組なので、ぜひいろいろな人に見てもらいたいと思いました。(宮城・中学1年・男子)

  • 『NHKスペシャル そしてバスは暴走した』(NHK総合)バス運行会社イーエスピーは、適性検査で「死亡事故を起こしかねない」という判定が出ていた運転手を採用したのはおかしいと思う。運行管理者は契約書を使用しないで交渉などをしていただけでもびっくりなのに「そういうのをやるべきなんだよね、普通は」だなんて他人事すぎるなーと正直思う。番組の編集については、字幕がていねいに分かりやすく詳細につけられていたため良かったと思う。顔に大きめにモザイクがかかっていたのは、一人一人のプライバシーを尊重する気持ちが表れており、たいへん良い。更に、変声が加わるともっと良いと思った。新聞記事(雑誌などでも)を番組内に取り入れると信憑性が増し、視聴者の脳裏により鮮明に物事を焼き付けられるとともに事故の重大さを伝えることができるのではないだろうか。タイトルも「これ見たい!」というように見る人を引き付けられるベストのタイトルだと思う。(石川・中学2年・女子)

  • 『奇跡のレッスン』(NHKBS1)は、元トップアスリートや、トップアスリートを育てる人が出演しています。私ははじめ、その人たちの教え方は厳しいのではないかと思っていました。でも実際に見てみると、トップアスリートでなくても取り組めるようなことがたくさんありました。番組の中で、自分のプレーに自信の持てない子がいました。そのコーチは、プレーの上手なやり方を教えるのではなく、その子に基礎を徹底することや、自分を信じること、強い心で戦う姿勢について教えていました。そのコーチの言葉は、その子だけでなく、私たちが何かをするとき、どんな分野であっても大切なことだと思います。学校の先生や、私たち中高生のみならず、私たちの親世代の大人など、もっとたくさんの人にこの番組を知って、見てもらいたいと思います。(岡山・中学2年・女子)

  • 『JAM THE WORLD』(J-WAVE)学校から帰宅するとテレビのニュース番組を見る機会がないので、月曜日から金曜日の20時からということもあり宿題にとりかかりながら、この番組を聴いています。番組の初めに今日起きた主要なニュースがあり、曜日ごとに異なるパーソナリティーが、ニュースに対して簡単にコメントをしたり、話題のニュースを掘り下げたりするコーナーが幾つかあるのですが、その中でも私が好きなのは、番組の最後に、テレビでは取り上げられることが限りなく少なくなった東日本大震災での被災者や被災地で支援活動をしている人に生電話する"HEART TO HEART WE ARE ONE"という企画です。私は横浜育ちで、阪神淡路大震災も新潟中越地震・東日本大震災それから先日の熊本地震が起きても、そんなに影響なく学校へ行けています。知ることのない現在の状況を現地の人や支援する人たちの声を毎日聞ける貴重な企画だなと思いました。(神奈川・中学3年・女子)

  • 『ザ・ノンフィクション 生きて~天野貴元30歳~』(フジテレビ/東海テレビ)この番組を僕は途中から見たのですが、生きていることについて考えさせられました。この番組の主人公は天野貴元さんという方です。天野さんは将棋がとても大好きな方です。天野さんは人生の途中で舌ガンが見つかります。そして番組の最後ではお亡くなりになります。天野さんはガンと闘いながらも大好きな将棋の大会などに出たりしますが、どんどん痩せて弱っていく天野さんを見るのが僕は辛かったです。天野さんの一日一日にカメラマン一人で密着取材していました。普通の番組のようにナレーションが入るわけでもなく、音楽が流れるわけでもない生々しい天野さんの生活にリアルさがあり、なんだか不思議な感じでした。世の中にはとてもたくさんの人がいて、みんながみんなそれぞれの違う人生を送りますが、僕がいつも通りに生きていたら天野さんのような方には出会わないだろうと思うと、この番組を見てこんな生き方もあると知ることができて良かったと思います。僕はそのあとも天野さんのことが気になり少し調べました。そしたら、天野さんのSNSが出てきました。そのSNSの投稿は亡くなる数日前で止まったままでした。なんだかとても悲しくなりました。最後の投稿はとても天野さんらしい強い心を持った文章でした。そのSNSにはドキュメンタリーを見た方々の感想がたくさん送られていました。この番組を見て何か感じた人がたくさんいて嬉しかったです。愛知県では夜遅くに放送していましたがもっと早い時間に放送してたくさんの方に見てほしいと思いました。特に見る予定もなく途中からにも関わらずチャンネルを止めて見入ってしまうほどこの番組には何か感じるものがあると思いました。(愛知・中学3年・男子)

  • 『報道ステーション』(テレビ朝日/朝日放送)で取り上げられるニュースの内容は良く、基本的には事実に基づいて報道されているように感じるが、問題も感じる。一つは、朝日新聞の論調が色濃く反映されている点である。テレビ(特に地上波)は誰もが自由に見られるものであるにもかかわらず、非常に偏った報道をしているように感じる。例えば普天間基地問題。基本的には基地建設反対派の意見しか取り上げない。賛成派を取り上げたとしても、微々たるものである。このような偏った主張ばかり取り上げていると、いま社会問題について勉強をしている我々中高生がその主張に洗脳されてしまうことを危惧している。報道番組の意義、中立な報道とは何なのか。再確認が必要だと感じている。(兵庫・中学3年・男子)

  • 『ニュース7』(NHK総合)今日はこのようなニュースがあったというのが、途中から見ても一目でわかるのが良い。また最近は、難解ではあるけれども重要なニュース用語について、小欄で解説を加えてあることもあり、今後こういった解説が増えてくると、視聴者にとって距離の近いニュース番組になると思う。敢えて注文をするならば、番組の冒頭に、「ラグビー日本代表 歴史的勝利」と大きく見出しをつけ、「お、今日はこれがトップニュースか」と思わせておきながら、最初のニュースは「荒れた天気 大雨」みたいなことがしばしばある。トップニュースは、何がどうであれ最初にやる、とメリハリをつけた方が良いような気がする。30分という時間の中で、必要なことを必要なだけ伝えるという姿勢は見事。日本唯一の年中無休のニュース番組として、大いに期待している。(京都・高校1年・男子)

  • 『テレビ派』(広島テレビ)広島県を中心とした情報番組で、私が毎日見ている好きな番組です。月~金にかけ数多くのコーナーを放送していて、毎日見てもあきない番組だと思います。頭の体操や視聴者参加型の企画、また、カープ情報や最新の健康法など、これこそまさに"情報番組"だなと思える番組です。この番組の場合、毎回の放送で必ず生中継のクイズ"街かど脳トレ"を街中でやっていて、『テレビ派』と言えば"脳トレ"だよねと言えるような代表的なコーナーを持っていることが多くの人に認知してもらえる理由だと思います。ローカル番組ならではだが、地域の話題にもとても素早く注目していて、視聴者の意見や情報と上手につきあっていることが、見ていて安心できる番組になるのではないかと思います。ここ最近の情報番組や報道番組などは、堅苦しく、ニュースや情報だけを伝えていては視聴者は見ないので、各番組が試行錯誤を繰り返しているのだなぁと常日頃思うところです。(広島・高校2年・女子)

  • 『ドキュメント72時間』(NHK総合)この番組は、1つの場所を72時間連続で撮影・取材し、その中で見えてくる人間模様を観察する番組です。いままであまり見たことのない斬新な手法で、放送時間も約30分と長すぎず、とても見やすい番組です。今回私が視聴した5月6日の放送では、東日本大震災から5年となる3月10日~3月12日の3日間、仙台にある食堂の様子を取材していました。「震災から5年、食堂を訪れる人はなにを思うのか?」というテーマでした。地元の人や会社の営業マンはもちろん復興工事の作業員も多く利用していました。そんな中でたくさんの人間模様がみえてきました。食堂ということで、食べることに焦点がおかれていました。ある女性は「震災直後は、家にあるお菓子などしか食べられず、3日後にやっとおにぎりを食べ、米ってこんなにおいしかったのかと感じた」という言葉はとても印象的でした。私たちは「食べる」ことをあたりまえのように感じていますが、「食べる」ことは決してあたりまえではないことを強く感じました。また、その女性は「こんなことがあったけれどもそんな気持ちは忘れてしまった」とも言っていました。5年という月日は短いようで長いのです。しかし、「地震・津波の怖さ」「食べるありがたさ」など忘れてはいけないことはたくさんあると思います。3月11日、この食堂にはいつもと変わらない光景が流れていました。復興も進み、日常生活を取り戻している今、何を考えて生きていけばよいのかをこの番組で感じることができたと思います。(山口・高校2年・男子)

  • 『とくダネ!』(フジテレビ)僕はこの番組を学校に行く前の最初の5分間しか見られないのだが、初めの時間帯に「思わず笑ってしまうニュース」を取り上げることがある。この時間の他の番組のトップニュースや他の時間帯の番組では、最初に暗いニュースを取り上げることが多くなっているが、この番組は「どうでもいい」ようなニュースを取り上げてくれるため、学校に行く前に暗い気持ちにならず、明るい気持ちになれるので良いと思う。(東京・高校3年・男子)

【熊本地震に関する報道について】

  • 地震が起き2週間が過ぎ、問題になっていることがあります。それは、ボランティアに参加希望している方々が、申し込みをせずに勝手に来てしまい混乱を招いていることです。しかし、テレビは、このことばかり取り上げ、頑張って命懸けでボランティア活動をしている方々の努力を紹介していません。ただ、自分も被災しているのに食料や寝具の配給を手伝っている小学生・中学生・高校生の頑張りをよく報道しています。このようなことは被災者も、同じ日本国民も安心することができる素晴らしい情報だと思います。(東京・中学1年・女子)

  • 避難所によって支援物資の量が違い、ある所ではたくさんのおにぎりが廃棄されているのに、別の避難所ではわずかな物資しか配られないというニュースを見て、被災者全員が同じように食事ができるよう、きちんと状況を把握して対応するにはどうしたらいいのだろうと考えさせられました。せっかくボランティアをやりたくて訪れたのに、やることがなくて帰るしかない人が多い状況が発生しているので、行く前に募集人数や締め切り状況などをリアルタイムで共有できるようなシステムがあればいいのではないかと思いました。(東京・中学2年・男子)

  • 私自身、広島の土砂災害を体験したが、報道関係の人たちは正直言って大変迷惑だったのを覚えています。救助隊の人たちが生存者を探しているにも関わらず、ヘリコプターの音で声は全然聞こえてこないし、道は取材の人たちで一杯だし、救助隊の人たちも「ヘリの音で生存者の声がいっさい聞こえない。これでは救助の邪魔だ」と言っていたのを思い出します。どのような対応がいいのかは分かりにくい問題ですが、災害時の報道には気を配ったほうが良いと思いました。(広島・高校2年・女子)

  • アイドルグループ「嵐」が熊本の民放4局から一斉にメッセージを送ったことについて、普段はライバルである4局が協力して今回の地震からの復興に当たっているのだと強く感じました。(埼玉・高校2年・男子)

  • 熊本の様子を伝えるのは大事だと思いますが、あんなにたくさんの記者の人たちが行く必要があるのかなと思いました。私は震度5強の地震を体験しました。とても怖かったですが、テレビでよく報道されるのは熊本ばかりでそれ以外はあまり報道をしないのは違うんじゃないかと思います。(大分・高校3年・女子)

  • "生放送中に男性が乱入し放送を妨害する"というツイートが話題になったが、その男性は「(テレビ局の)車が邪魔で道路をふさいでいる」などと主張していたという。この例に限らず、「被災地に来る記者の態度・行動が悪い」といったことはよくあげられている。せっかく「現在の状況・現場を即座に全国に伝えられる」という利点があるのに、被災者の感情を害してまで「被災者はかわいそう」という視点で報道するのはおかしいと思う。ただ「悲惨・かわいそう」な様子に注目させるのではなく、正しく現場を伝え全国の人が被災地について考えるきっかけにしてほしい。(東京・高校3年・女子)

【おすすめ番組について】

  • 『はじめてのおつかい』(日本テレビ)毎回、とても楽しみにしています。いつも見ていて、知らない子なのにいろいろ心配してしまいます。今回見たのでは、子どもが生まれてからの1,515日をすべてビデオに撮っていた家族がいて、とてもすごいと思いました。(東京・中学1年・男子)

  • 『戦闘中2016 ~アスリート天下統一戦~』(フジテレビ/北海道文化放送)久しぶりにこの番組が放送されていたように感じます。今までの『戦闘中』は、バトルロイヤル形式で広いエリアの中だったのですが、今回は「アスリート天下統一戦」。小さいお題を何個かクリアするだけでした。個人的には、TBSテレビの『SASUKE』に似たところがあるかなと思いました。「クロノス社」のストーリーが全く入っておらず次回の予定などもなかったので「いつやるのか」が分からず次回を見逃してしまいそうで心配です。ストーリーをもっとからめるともっと面白くなると思いました。(北海道・中学2年・男子)

  • 僕は5月4日放送の『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)を視聴しました。今回の番組の中では、渡辺直美が人喰いザメとのツーショット写真を撮ったり、トレンディーエンジェルが危険な場所で漫才をするなど、色々な芸人が様々な挑戦をしていました。その中で一番印象に残ったのは、ジャングルポケット斎藤の「実験少年」で、有名ステーキ店の大食いチャレンジメニューをアフリカのサバンナに置いたら、動物が勝手に食べてクリアできるのではないか?というチャレンジでした。実際に撮影している檻の間近で、野生のライオンが大きなステーキ肉3枚をあっという間にたいらげる姿は本当に迫力がありました。野生のライオンが檻の中の人間に興味を示して檻の周りをグルグル歩き回る様子を見て、やはりライオンは肉食動物なのだなと改めて思い知らされました。(東京・中学2年・男子)

青少年へのおすすめ番組について

4月の中高生モニターで、テレビ局が薦める「青少年へのおすすめ番組」についての報告を求めたところ、『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK教育)に対して「放送時間は約30分と、忙しい月曜日の夜には適した放送時間だと思いました。放送内容は、新しい勉強法ということで"動画"と組み合わせるというのは、中高生には「見ていて面白い」内容だったと思いました。橋本環奈さんや、大関れいかさんなど、出演者は中高生にはウケが良いでしょう」など好意的な意見が多かったため、NHKの協力を得て、委員全員で4月4日放送の番組を視聴し、意見交換をしました。

『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK教育)
中・高校生向け勉強番組『テストの花道』がリニューアル。勉強法のノウハウをユニークな動画にまとめて、新しい(ニュー)勉強法(ベン)=「ニューベン」として提示。【出演】城島茂(TOKIO)・橋本環奈 ほか(BPOウェブサイトより)

委員からは「今の中高生は、こういう形で勉強しているのだろうか。私は内容が頭に残らなかったが、ネット情報などをうまく使って記憶を定着させていく方法は、すごく新鮮に感じた」「勉強の新しいやり方を紹介するコンセプトは面白い。同世代のタレントも出演しているので、中高生を引き付けるのだろう」「面白く見させてもらった。ただ"6秒動画"で英語の新しい勉強法を紹介していたが、私の世代になるとなかなかついていけなかった。イケメンが古文でささやく動画はよく分かって好意的に見た。女子高校生が双子ダンスで生物を取り上げていたが、今の流行なんでしょうね。でもあれで勉強と言われると難しいものがあるが、こんな勉強法がやがて広がっていくのかもしれませんね」「自分が受験生だった頃には勉強はつらいものでしかなかったが、こんな風に勉強を楽しんでやれるのは羨ましい」などの意見が出ました。

今後の予定について

  • 6月8日に新潟で開催するNHKを含む在新潟テレビ・ラジオ7局との意見交換会について、事務局から事前アンケートの内容報告などがありました。
  • 9月12日に広島で開催予定の意見交換会について、事務局から進行状況の報告がありました。
  • 「夏休み関東地区中高生モニター会議」について話し合いました。年度末に予定している「中高生モニター会議」以外に、中高生モニターから直接意見を聞く場として、夏休みにモニター会議を開催できないかとの提案があり、8月3日に関東地区の中高生モニターを対象にした「夏休み関東地区中高生モニター会議」を開催することにしました。担当は最相副委員長で、内容を検討していくことにしました。
  • 調査研究について、お茶の水女子大学と2年間の受託研究契約を締結したとの報告が事務局からありました。

第180回 放送と青少年に関する委員会

第180回–2016年4月26日

視聴者意見を中心に意見交換…など

2016年4月26日に第180回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。新しく就任した中橋雄委員をはじめ、7人の委員全員が出席し、まず、3月1日から4月15日までに寄せられた視聴者意見を中心に意見を交わしました。そのほか、4月の中高生モニター報告、調査研究、今後の予定について話し合いました。
次回は5月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2016年4月26日(火) 午後4時30分~午後7時10分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

  • 女子中学生が誘拐監禁されていた事件の報道に対し寄せられた、「被害者が早く社会に戻って友だちと楽しい人生を送ってほしいと思うので、もう騒がないでほしい」「被害者に対して"窓が2つもあるのになぜ助けを求めなかったのか"など、コメンテーターの発言に疑問を感じた」「心理学者などが被害者の当時の心理状況を分析していたが、どれも憶測に過ぎない。デリケートな事件なので被害者に対して十分な配慮が必要だ」などの視聴者意見について話し合いました。委員からは、「被害者の心の中にまで踏み込んだ発言の場合は、話して良い限界があるだろう。節度を保つことが必要だ」「コメンテーターの発言に対してフォローはあったのだろうか。番組として意見のバランスを取る必要があるのではないか」「専門家としての発言は、より慎重にならなければいけない」「コメンテーターの発言を番組ではどの程度把握しているのか、また放送局としての責任はどうなっているのか」などの意見が出ました。また、容疑者が逮捕された時に被害者の実名が一部の番組で表示されたことについて、委員からは「公開捜査していた過去の映像を使った編集上のミスなのだろうが、被害者のことを思えば、慎重に対応する必要があった」との意見がありました。しかし一連の報道に関しては「各局の対応は、それなりに配慮が感じられたものであった」としました。

  • 「"盗んだバイクで走りだす。行先も分からぬまま、暗い夜のとばりの中へ・・・"という歌詞を口ずさむCMは青少年に悪影響がある」という視聴者意見について、委員からは「犯罪の誘発に繋がることは無いだろうし、青春時代の心の葛藤を歌った名曲でもあり、問題は無い」との意見が出ました。

中高生モニター報告について

2016年度中高生モニター制度は、19都道府県から、男女16人ずつ、中学生16人、新しく3年生も加えた高校生16人の合計32人にモニターを依頼しました。
4月にお願いしたテーマは、「好きなテレビかラジオの番組を1つあげて、その番組の好きなところ、良いと思うところを具体的に報告してください」でした。また「自由記述欄」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。28人から報告がありました。
「好きなテレビかラジオの番組について」は、テレビについての報告は25人から、ラジオについては3人からありました。複数の意見があった番組は、3人から「中学生でも安心して見ることができる」などの報告があった『ZIP!』(日本テレビ)だけで、あとはすべて別々の番組でした。ジャンル別ではニュース・情報・クイズも含めて、知識を深める教養系の番組が最も多く、バラエティー系は6番組、ドラマは映画・アニメを含めても4番組でした。
「自由記述欄」では、ラジオへの想いを語った報告が複数ありました。また放送の現状に対して「バラエティー番組での過剰な演出は視聴者の疑惑や反感を買う」など問題点の指摘や、「ニュースの分かりにくい言葉はデータ放送に説明を載せてほしい」などの要望もありました。
「おすすめ番組」では、『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK教育)について「授業や勉強の取り組みのためになった」など、7人が報告してくれました。また、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)、『林修の今でしょ!講座3時間SP』(テレビ朝日)など、知識を深めてくれる番組についても報告がありました。

◆委員の感想◆

  • 皆さん初めての報告ということで、どう書いたら良いのかずいぶん悩んだのだろう。この中高生が、1年間でどう成長していくのか楽しみだ。

  • 「最近の民放のニュース番組は少し偏った放送になっている」という意見があった。政治的なことを積極的に考えていこうという姿勢を感じた。また、テレビにおける公平性とはいったいどういうことかと改めて考えさせられた。

  • 『スーパープレゼンテーション』(NHK)を面白く見ているという、とてもしっかりした意見に感心した。

  • 時代に合わせてSNSをうまく使った『NEWS WEB』(NHK)についての報告があったが、これからのテレビの方向性を見据えている意見だった。

  • 「家族みんなで見ながら笑える番組」に好感を持つモニターが何人かいた。子どもからお年寄りまで家族みんなで見られる番組は大切だと思った。

  • ニュースで使われる分かりにくい単語の説明をデータ放送でしてほしいという意見があったが、なるほどと思った。

  • 「個人のSNSの情報をテレビで使っているが、プライバシーの侵害に思えてならない」という意見があったが、確かに今後、大きな問題になる可能性があるだろう。

  • 昔見たアニメを再放送で見て「こんなに面白かったのか」と感動したという報告があった。小さいころに見たテレビ番組を大きくなって再び見てどんなふうに感じるのか、テレビのもう一つの楽しみ方を発見できて良かった。

  • アニメ『ちはやふる』(日本テレビ/東京MXテレビ)は深夜帯の放送なので見られない。ゴールデンタイムのドラマでは、殺人事件で死体が普通に放送されている。深夜帯のアニメとゴールデンタイムの死体とどちらが健全なのか、死生観が軽視されている、という意見には考えさせられた。

  • 「ラジオにはテレビと違う独特の距離感の近さを感じる」など、ラジオについての積極的な意見があり、嬉しかった。

  • 知識について強い関心があることがうかがえる。表面的な知識はネットから、本当の知識はテレビから得ようとする姿勢を感じた。

  • はやりの芸人さんやモデルさんなどいつも同じ人ばかり見かけるので、飽きてしまう時があるという指摘があった。

  • おすすめ番組については『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK教育)への意見が多かった。中高生にとって等身大の番組なのだろう。好意的な意見も多かったが、動画を使うことによって肝心の内容が頭に残らないという指摘があった。

◆モニターからの報告◆

【好きなテレビ・ラジオの番組について】

  • 『モニタリング』(TBSテレビ/長崎放送)この番組の好きなところは、家族みんなで見ながら笑えるところです。それから、友達も見ているから学校で話題にできるからです。『モニタリング』は、毎回一般の人や芸能人を隠れてモニタリングします。今回の放送からユッキーナの髪形や色が変わっていて別人みたいでした。だけど可愛いです。今回の放送で一番面白かったのは、フジモン&ユッキーナのカラオケの相席をお願いされたらです。カラオケ店に突然来たらびっくり、嬉しいです。私の学校にも来てほしいです。一緒に歌を歌えるなんてすごい。だけど、放送されたら恥ずかしい。笑いが止まりません。テレビってすごいです。予測がつかないのが『モニタリング』。普段の生活ではありえないのに何で騙されちゃうんだろうと思いながら見ています。(長崎・中学1年・女子)

  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)この番組は世間で話題になっているニュースの核心に迫り、池上彰さんが詳しく説明してくださる番組です。ネットなどでは情報の多さに惑わされ正しい情報を見抜くのが困難な時がありますが、正確な情報を選んでから説明してくださるので良いと思います。(千葉・中学1年・女子)

  • 私が最近興味を持って見た番組は『Rの法則』(NHK教育)です。『Rの法則』は最近流行っている事柄を取り上げて、同世代の人たちが議論したり、実際に色々なことを体験したりする番組です。私が好きなところは、最近同世代の女子の間で流行っていることや、それに対する色々な意見を聞くことができて、新しい発見がたくさんあるところです。インターネットをあまり利用しない私でも友達と最近の話題で盛り上がることができるので、こういう番組はとても有難いと思います。(岡山・中学2年・女子)

  • 『芸能人格付けチェック 一流芸能人に常識は有るのか!?』(朝日放送/北海道テレビ) 僕がこの番組を見て、良いと思ったところは、芸能人たちが様々なジャンルのお題をこなしていくうちに、僕たち視聴者もその豆知識をたくさん知ることができることです。次に良いと思ったことは、ほかの番組のように一つのお題ばかりではなく、様々なジャンルがあることです。色々なことに挑戦しているので、視聴者を飽きさせないと思います。あと一つ良いと思ったことがあります。それは、出てくる常識の数々がとても身近なことだということです。身近なことで様々なジャンルのお題をやり続けることで僕たち視聴者側にも良いことがあり、テレビ局側も視聴率が上がって良いと思います。(北海道・中学2年・男子)

  • 『基礎英語』(NHKラジオ第2放送)は学校で自主学習として勧められ、中学1年生のころから聞き始めました。毎日英語に触れられるし、外国の先生も講師をやっているので学校では聞けないような本物の英語に接することができとても新鮮です。親に聞くと、『基礎英語』は昔からあったけれどあまり面白くなかったと言っていたのですが、今は自分と同じくらいの子が主人公のストーリーになっているので共感できるし、また、口語的な英語や日本語とは違う表現(笑い方とか泣き方とか)を知ることができるので面白いです。教科書だと英語って難しいイメージがあるけど、『基礎英語』を聞いているともっと楽しく勉強できるなと思いました。ただ、飽きて聞かなくなってしまうことがあったので、例えば放送中にキーワードを言って1か月分まとめて送るとイベントに参加できるとか、景品が貰えるとかすれば、もっと積極的に聞くかなと思います。(千葉・中学3年・女子)

  • 『ZIP!』(日本テレビ)番組の好きなところは、中学生が安心して見ることができる内容であることです。例えば、朝の忙しい時間に、今朝知っておきたい「ニュース」と「流行」を知ることが可能です。また、桝アナウンサーが、判りやすく内容を掘り下げてくれます。得意な「自然科学」については、中学生にも分かりやすい「視点」で説明してくれることで、中学校の友達で話題になることが多いです。コメンテーターが、新聞社等出身の「オジサマ」でないことに好感が持てます。構成が10分程度にまとめてあるので、朝食をとりながら頭の準備運動としては、最高です。今後は、経済ニュースについても関心を持って、18歳からの選挙権を有効に果たして行きたいと思います。(東京・中学3年・男子)

  • 『スーパープレゼンテーション』(NHK)この番組では、TEDカンファレンスという場で、さまざまな分野の人がスピーチをする様子を放送しています。そこには思想、医療、芸術など様々な分野で、魅力的なアイデアや考え方を持った人がたくさんいます。私は番組を見るたびに読んだことのない本を読んだような気分になります。この番組を見るようになったのは、母にこの番組面白そうだよと勧められたことがきっかけでした。これまで、経営の話や旗のデザインの話など、興味を持てる話がたくさんありました。私は、この番組を見ることによって、将来の自分にポイントが1つずつプラスされていくと思っています。自分が誰かに考えを伝えたり、どのような行動をすればよいか迷ったりしたときに、この番組で感じたり考えたりしたことを生かせるからです。(高知・高校1年・女子)

  • 『クイズやさしいね』(フジテレビ/関西テレビ)いわゆるクイズ番組では、高学歴のインテリ芸能人が出演し、その博識を披露するのがお決まりである。しかし、この番組にはそのような芸能人が出演していないこともあり、知識量、学力に関わらず誰でも参加できるクイズ番組という印象を与え、新鮮さを感じる。また、「優しい人」を評価する番組のコンセプトは、正解、不正解に縛られない"緩さ"を示すもので、これもクイズ番組としては画期的だと思う。ただ、「ネタ切れ」が少し心配。このようなチャレンジ精神のある番組がもっと増えることを期待している。(京都・高校1年・男子)

  • 『忍たま乱太郎』(NHK教育)まず何より、子どもから大人まで楽しめる。私自身、幼稚園から小学校低学年の頃まで見ていたがその後見なくなったのを、高校に入って再び見始め、「こんなに面白かったのか」と感動したのである。1話10分と短いが、その10分は非常に密度があり、鋭いギャグを飛ばしてくることもあれば、心温まる話に感動させられることもある。作画や声優の演技も安定しており、非常に質の高いアニメだと思う。また、たくさん登場人物がいるが、登場時には毎回「○○○の○○○じゃないか」などと、名前とともに人物紹介がセリフに挟み込まれるので、途中から見ても問題なく楽しめるのも良いところだと思う。(神奈川・高校2年・女子)

  • 『SCHOOL OF LOCK』(FM東京/FM山口)この番組は、主に中高生を対象としたラジオ番組です。パーソナリティー2人を中心に進められ、リスナーに電話をして話を聞いたり、ゲストとトークをしています。私は「掲示板逆電」というコーナーが好きです。リスナーが、公式サイトの掲示板に書き込んだ内容をパーソナリティーが見て電話し、話を聞いていくコーナーです。書き込みは明るいものばかりではなく、悩みを書いているものも多数あります。パーソナリティーの2人はいつも親身になって考え、時には怒ったり、泣いたりし、リスナーと気持ちを通わせています。そして必ず少しでも良い方向に進むように助言しています。このコーナーを聴くと、テレビとは違うラジオ独特のリスナーとの距離感の近さを感じることができるので、私はこのコーナー、そしてこの番組が好きです。(山口・高校2年・男子)

  • 私の好きなテレビ番組は、放送終了してしまいましたが、『NEWS WEB』(NHK)です。なぜ、この番組を選んだかというと理由が3つあげられます。1つ目は時代に合わせたTwitterを取り入れ視聴者の意見で番組を作っていたところです。2つ目は、番組に呼ぶゲストを曜日ごとに変えて放送していたことです。毎日同一人物のゲストだと意見や物の見方に偏りが出てくる恐れがあります。3つ目は、画面の右端に表示されていた、Twitterカウンターです。この番組をどれくらいの人が見ているのか、また、リアルタイムでカウントしていくので、視聴者がどの話題・コーナーに興味があるのかが一目で分かります。
    視聴者が番組、特にニュースを見ていく上で一番重要視することは、
    ● ニュースの内容をいかに映像や画像、音声を駆使して分かりやすく伝わるか?
    ● 出演しているキャスターやゲストが行う、番組の進行・話の間・話し方
    ● 番組で取り上げる話題性やその取り上げ方
    これらをいち早く番組側が察知し、番組に反映できたかが最終的に視聴率が上がることに繋がっていくと思います。(福岡・高校3年・男子)

【自由記述欄】

  • 最近私がニュースを見ていて思ったことは、青少年がニュースを見る上で、分かりにくい単語などが出てくると、そのニュースを理解するのが難しいということです。最近デジタル化が進んでいるので、データ放送に言葉の説明を載せると、ニュースをもっと分かりやすく見ることができて良いと思います。(岡山・中学2年・女子)

  • 『ガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ/札幌テレビ)の絶対に笑ってはいけないシリーズが全国の母親に評判が悪いという噂を耳にするのですが、僕たち子ども目線でいうと学校などでその話で盛り上がることができたりするので、放送中止というのは避けて頂きたいです。(北海道・中学2年・男子)

  • 最近のテレビの情報番組で、個人のSNS画面を出したり、LINEのトーク画面を公表したりと個人情報を公表しているように思います。こういうものは、プライバシーの侵害に思えてなりません。また、家族でテレビを見るときもよく親が「くだらない番組が多い」と言っているように、もう少し各放送局がテレビの内容を見直していくのが良いと思います。そして、番組の司会の方の発言がたまに騒がれることがありますがそういう発言は控えた方が良いと思います。(埼玉・中学2年・男子)

  • お母さんは子どもが見てもいい内容なら、子どもが起きている時間帯に放送されるのでは?というけれど、今放送していて映画化もされた『ちはやふる』(日本テレビ/東京MXテレビ)が真夜中に放送されていて見られないのが残念です。一方で、ゴールデンではサスペンスやミステリーのドラマが多く、いきなり殺人現場から始まります。アニメが深夜でゴールデンに死体を見ることになるのとどちらが健全なのかなって思う。死生観が軽視されている気がしました。(神奈川・中学3年・女子)

  • はやりの芸人さんやモデルさん、俳優さんがその時々でたくさん出ていて、いつも同じ人ばかり見かけることがあり、またあの人かと飽きてしまうときがある。(東京・中学3年・女子)

  • 最近のバラエティー番組を見ていて、一般の人を使った企画が多くて面白いと感じるものが増えた。だが一方で、これは制作者側が操っているのかと思ってしまう番組が少々見られる。番組の過剰な演出はときとして視聴者から疑惑や反感を買う恐れがあると思う。(東京・高校1年・女子)

  • 最近の民放のニュース番組は少し偏った報道になっているような気がする。例えば集団的自衛権。どの番組も反対派についての報道に重きを置いており、賛成派については反対派に比べてあまり報道されず公平な報道ができていないような気がしてならない。民放ということで背後にスポンサーがいることが影響しているのかもしれないが、報道番組はスポンサーや収益よりも公共の電波を使い収益を得ている以上、公平である必要があると思う。さらに先日の誘拐事件では少し被害者に対する配慮が欠けていたように感じた。もう少し民放における報道番組のあり方を考えるべきなのかもしれない。(兵庫・中学3年・男子)

  • 最近ラジオを聴く人がどんどん減っているように感じています。その理由はラジオに興味がないということではなく、学生がラジオを聴く手段や時間がないことだと思います。家にラジオがあったとしても、災害用として準備されているだけで、普段の生活のなかで聴いている人は少ないでしょう。また、ラジオを聴くよりは好きな音楽を聴いたほうがいいと思う学生も少なくないと思います。(高知・高校1年・女子)

  • 一つの問題や話題をどこの放送局も同じように何度も何度も取り上げるので、チャンネルがたくさんあっても意味が無いなとたまに思う。(福岡・高校1年・男子)

【おすすめ番組について】

  • 『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK教育)みんなが苦手なところの勉強の仕方を分かりやすく、具体的な方法をVTRで流しているので自分もやってみたいと思えるので、勉強する良いキッカケになると思いました。司会者の後ろに学生の人が座っているのですが、その人たちにも意見を聞くと良いなと思いました。(宮城・中学1年・女子)

  • 『世界一受けたい授業スペシャル』(日本テレビ)を見た。画家の特集は、あまり知らないことが多く、とても面白かった。(神奈川・高校2年・女子)

  • 『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK教育)放送時間は約30分と、忙しい月曜日の夜には適した放送時間だと思いました。放送内容は、新しい勉強法ということで"動画"と組み合わせるというのは、中高生には「見ていて面白い」内容だったと思いました。橋本環奈さんや、大関れいかさんなど、出演者は中高生にはウケが良いでしょう。"まこみな"さんたちが双子ダンスと生物の歌にトライしていたが、"双子ダンス"というのが中心にあるため、では生物に関して何か分かったのかと聞かれても何も無かった。動画と結び合わせる=視覚的な情報が多くなるということを、もう一度考え直してもらいたい。(広島・高校2年・女子)

  • 『林修の今でしょ!講座3時間SP』(テレビ朝日)普段の生活に役立つ正確な知識を身に着けることができる。問題提起から結論までの過程が面白い。なにより、今まで知らなかったことを知ることができて、それが私たちの好奇心をかきたてたり、新たな発見をすることに繋がる。(東京・高校2年・男子)

今後の予定について

  • 6月8日に新潟で開催するNHKを含む在新潟テレビ・ラジオ7局との意見交換会について、事務局から事前打ち合わせの報告があり、テーマなどについて話し合いました。

  • 9月12日に広島で開催予定の意見交換会について、事務局から進行状況の報告がありました。

  • 10月14日に大分で開催予定の留学生との意見交換会について、事務局から進行状況の報告がありました。

  • 2015年10月30日の立命館守山高校での意見交換会のときに行った、高校1・2年生267名を対象にした「メディアと高校生の考え方に関するアンケート調査」は、6月の委員会をめどにまとめるという報告が菅原委員からありました。