FNS27時間テレビ「ハッピー筋斗雲」に関する意見
2008年1月21日 放送局:フジテレビ
フジテレビは、27時間テレビのコーナー企画「ハッピー筋斗雲」で、素晴らしい活動を行っている人として地震の被災者やいじめ問題で苦しんでいる学校関係者に亡き父の名を冠したりんごを送って励ましている一般の人を紹介。その際、"ドッキリ企画"として、その人にスピリチュアルカウンセラーのカウンセリングを受けさせたところ、のちに、本人から「善意の放送の形をとりながら、結果的に自分や周囲の人たちが傷つけられた」と、抗議が寄せられた。
委員会は、放送基準が慎重な扱いを求める「スピリチュアル・カウンセリング」なるものを、「おもしろく」見せるために、出演者の生活に関わるマイナス情報を十分な裏付けを取らずに放送したことについて、取材・構成・演出上、放送倫理違反があると判断した。
2008年1月21日 第02号委員会決定
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2008年3月27日 【委員会決定を受けてのフジテレビの対応】
標記事案の委員会決定(1月21日)を受けて、当該局のフジテレビは社内で議論・検討した結果を、「『ハッピー筋斗雲』に関する報告書」にまとめ、3月27日に当委員会に提出した。この報告書は、民放連の「放送倫理・番組向上機構への対応に関する申し合わせ」(2003年6月19日)第2条によるものである。
4月1日に開催された委員会において、この報告書が委員会の意見を踏まえた改善策となっているかどうかが討議された。フジテレビは、バラエティ制作センター所属の全プロデューサーに対する社内アンケートを実施し、これをもとに番組プロデューサー28名を集めて勉強会を開催した。それをうけて編成局、バラエティ制作担当者、コンプライアンス担当者が検討会議を開催して、一般人出演企画における出演者の人権への配慮を自社の「番組制作ハンドブック」の一項目に加え、この改善策に対する外部有識者のコメントも得ていた。委員会では、霊能者に関する考察が不十分であるという指摘はあったものの、委員会の指摘についてバラエティ番組制作の全プロデューサーの意見を聞くなど、制作現場の自覚を促す改善策の取り組みがなされたことについては、委員会として高く評価することとした。
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- 1. 弊社の対応経緯
- 2. 番組プロデューサー・アンケートの実施
- 3. 番組プロデューサー勉強会の実施
- 4. 一般人に番組に出演していただく際の留意点について
- 5. 留意点の社内外の徹底について
- 6. 外部有識者からいただいたご意見