2011年3月に視聴者から寄せられた意見

2011年3月に視聴者から寄せられた意見

東日本大震災についての意見が大半を占めた。放送各社は地震発生直後から厳しい状況下、取材に取り組み被災情報を伝えた。視聴者からは、騒音を出すヘリコプター取材を抑制しろ、生存者の救出の妨害になる、被災者に心ないインタビューをするのは許せない、津波映像の繰り返しばかりでなく安否情報が欲しいなどの批判が多数寄せられた。

3月にEメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は3,655件で、2月と比較して1,848件増加した。これにより2010年度の意見総数は20,419件となった。意見のアクセス方法の割合は、Eメール79%、電話18%、FAX2%、手紙ほか1%。
男女別では男性69%、女性29%、不明2%。
世代別では30歳代32%、40歳代23%、20歳代22%、50歳代10%、60歳以上8%、10歳代5%。

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は1,172件〔42局〕であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、74件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

3月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 7件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

3月の視聴者意見は東日本大震災についての意見が大半を占めた。2月より倍増の、3,655件だった。
地震による津波は太平洋岸の複数の街、地域をのみこみ、東京電力福島第一原発の放射性物質漏洩事故を引き起こした。死者・不明者が、およそ3万人にのぼる未曾有の大災害となった。放送各社は地震発生直後から厳しい状況下、取材に取り組み被災情報を伝えた。視聴者からは、騒音を出すヘリコプター取材を抑制しろ、生存者の救出の妨害になる。被災者に心ないインタビューをするのは許せない、津波映像の繰り返しばかりでなく安否情報が欲しいなどの批判が多数寄せられた。
首相記者会見時の中継音声や、スタジオと現地中継の切り替え時に不適切な声が紛れ込んだことなど、放送事故に対しても不謹慎であるという批判があった。
16年前の阪神・淡路大震災時の反省が生かされていないという意見もあり、災害時の報道・取材のあり方をあらためて問う声が多かった。また、CMの差し替えとして使用されたACジャパンの公共広告についても、放送頻度の高さや内容について、多数のクレームがあった。
時間の経過とともに意見数は収束したが、11日の地震発生以来の震災報道に関する意見は2,088件にのぼった。
なお、地震の影響でBPOのオフィスも被災し、システム障害により視聴者意見対応の機能を一時休止せざるを得なかった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は126件で、前月より25件減少した。
今月は、報道に関する意見が23件、視聴者意見への反論・同意が21件、低俗・モラルに反するとの意見および性的表現に関する意見が19件ずつとなった。
報道に関する意見については、東日本大震災の報道と、大学入試問題のネット流出事件の報道への批判がほぼ同数寄せられた。視聴者意見への反論・同意については、深夜アニメに対する批判への反論が多数寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ヘリコプターでの被災地の中継をやめてほしい。倒壊した建物の下敷きになっている人の声が、かき消されて聞こえなくなる。これは阪神大震災の時、実際に起こった。
  • 警察のヘリコプターが被災者を救助する状況を、テレビ局のヘリコプターから実況中継していた。ヘリから発せられる風や騒音は、救助の邪魔になる。人命が関わる現場を、邪魔をしてまで報道する必要はあるのか。
  • 孤立した橋の上で助けを求めている人を映すだけで、「報道ヘリなので助けることは出来ません」などと自己弁護していた。被災者をぬか喜びさせ、手を振ったり叫ばせたりで体力を奪うような行為はどうかと思う。
  • 津波や、建物の被害状況などの映像が多く、被災地でこれを見ている人には、心理的負担が大きすぎる。視聴者が欲しい情報は、現地の食料、水等がどうなっているかや安否の確認などだ。通信手段も現地にはないので、避難所の様子を放送し、少しでも全国の人が安否不明者を発見できればと思う。
  • 菅首相の記者会見を放送していたが、男性の声で「ふざけんなよ。どうせまた、原発の話だろ」という声が入った。その後、女性の声で、微かな笑い声が聞こえ、「笑えてきた」というような会話があった。被災した方々は、家や家族を失い、情報が乏しい中で、知り合いの安否を心配し、つらい思いをしている。この不謹慎なテレビ局スタッフの発言は何事か。
  • 東京電力の、計画停電や原発事故などに関する会見で、記者の態度、言動がひどい。確かに説明がわかりづらかったり、情報が不足していたりするが、だからといって、記者がため口、暴言で攻め立てたりしてよいことにはならない。もはや東京電力の発表よりも、記者が不愉快で仕方ない。しかも記者が聞くことと言ったら、「今回の資料で初めてお詫びの言葉が入った」というような、重箱の隅のどうでもいいような事。マスコミは、情報を伝えるという本来の使命を忘れ、いじめる対象を見つけ、ここぞとばかり、叩くことを仕事としている。
  • 被災者に無理なインタビューをするのは傷つけるだけだ。「今どんな気持ちですか」とは、どういう神経なのか。家族を探している被災者に向かって「誰を探していますか」とは。あなたは考える頭はないのですか。嫌な顔をしているじゃないですか。
  • 衝撃的な津波映像が一日に何十回も繰り返し流されているが、そろそろ、こうした映像は自粛すべきではないか。ほとんどの日本人は、今回の災害の凄まじさを十分に理解したはずだ。避難所でもテレビが見られるところが増えているようだが、恐怖の津波体験から命からがら逃げてきた被災者の方に、こうした映像は「恐怖」を思い出させるだけで、トラウマになる。
  • 各局リポーターは競って被災地や避難所へ赴き、現状を伝え、人々にインタビューをしている。たしかに、我々一般視聴者からすると悲惨な状況をタイムリーに知ることができる。しかし、被災者の中には両親とはぐれた子供や家族の行方がわからない老人が多数いる。そのような方々からすれば、肉親や知人へ現在の自分の避難場所等を報告したいはずだ。どうして、もっと被災者の為に安否確認用のVTRを撮り、放送しないのか。
  • 被災者に対して「家がなくなってどうですか」「家族が亡くなってどういう気持ちですか」、また中学生くらいの被災者に対し「被災したときはどう思いましたか」など、被災者の気持ちや感情を無視した興味本位の質問をするのはやめてほしい。つらい経験をしている方々に、思い出させるような質問は見ていて不愉快だ。
  • 今一番必要なのは安否の確認情報だ。しかし残念ながらテレビはどこの局も同じようなドキュメントを流したり、悲しみを増幅するような報道ばかりで、必要な情報を十分に流していない。各局がばらばらに伝えるのではなく、それぞれが協力して無駄のない報道をするようBPOから促すことはできないか。
  • 民放各局がバラエティー番組を放送しはじめた。各家庭では計画停電や節電などで不自由をしている。テレビ局は節電などの取り組みはしないのか。せめて深夜放送の自粛などするべきではないか。
  • 母親を探す少年と、その祖父と叔母らを映していた。倒れた車の中で母親を発見したところでCMに入った。そしてCMをまたいで「残念ながら死亡していました」と言っていた。クイズやバラエティー番組のように、このような演出をすることは許せない。とても不愉快になった。
  • 家族を失い泣き叫ぶ人々を執拗にカメラで追いかけ、幼い子ども達の悲鳴を間近で撮影し、しまいには遺体安置所にまで足を踏み入れていた。番組制作スタッフの人間性を疑う。神戸の震災で報道による2次被害が多かったので、「子どもにマイクを向けないで」と、医療関係の団体が先日発表しているにもかかわらず、あの内容だ。大切な誰かを失った人々の、気持ちを踏みにじらないでほしい。
  • 昨日救出された16歳と80歳の方の報道についてだが、低体温症との報道があった。翌日にもうすでにカメラが、病室に入るというのは如何なものか。再会の場面を映してお涙頂戴だろうか。もっとそっとしてあげるべきだ。
  • 被災者の方々の大変さがテレビを通して伝わり、心を痛めている。何もできない自分に憤慨しているが、その中で、テレビの情報を大変貴重に感じる。テレビの情報の中に、子供を亡くされた方への取材が放送されていたが、遺族の心痛を思うと、そのこと自体を放送する意味があるのか疑問に感じる。情報とワイドショーの境界がつかず、何でも放送すれば良いという姿勢について、TV局にも倫理が求められるのではないか。
  • 福島第一原発で命懸けの作業にあたっている作業員をもっと応援してほしい。現場の方々は必死で事態を収拾させようと頑張っている。彼らにも家族がいて、逃げ出したい気持ちもあるはずだ。しかし報道されるのは現場での対応に対する批判ばかりで、実際に身をささげて作業している方が報われない。今出来ることは「国全体で現場の作業員を信じて応援すること」だと思う。
  • ACのCMがあまりにも多い。内容はいいとして、ニュースを見ている限り、どこの番組でも何度も何度も連発で「えーしー」「えーしー」と耳障りだ。中越地震の被災者だが、当時はこういう嫌がらせのような何度も何度も連発しての不快なCMはなかった。
  • ACジャパンのCMが「しつこい」「不快」などのクレームが発生していることを知った。私もこれらのCMをよく目にしたが、不適切な内容とは思わなかった。これが営利企業のCMなら自粛したらと思うが、内容はマナー向上や病気予防を訴えるものだ。クレームは大人げない人による八つ当たりだ。
  • 私の住む地域はどんどん停電時間が長くなっている。電車も満足に通っておらず、通勤がとても辛い。普段やっていることをかなり制限して、停電時間外も薄暗い中生活している。これだけ苦労しているのにテレビ局は明かりを煌々とつけ、薄着のアナウンサーが「節電を」と言っているのを見ると腹が立つ。
  • 食料品やガソリン不足が深刻になっているが、その原因を作っているのはマスコミではないのか。被災地や東京都内のスーパーやガソリンスタンドに行列している様子を繰り返し放送し、物不足を煽っているようにしか見えない。牛乳や野菜から放射性物質が検出されたという報道も、過去に起きたダイオキシンに汚染された、ほうれん草のことを思い出させる。真実を報道するどころか、国民を煽って不安にさせているだけだ。
  • 放射線の影響説明は、医師にさせるべきだ。原発事故での放射線の人体への影響説明を、工業系大学の方がよくしているが、人体の影響は医師がすべきではないか。医学的知識が充分とは言えない方が、「人体に影響が無い」と発言するのは、原発推進側の発言ととられても仕方がない。
  • 原発事故から発生した放射線騒動を煽っているのは、報道だ。昨日東京都が「乳児に水道水を与えないで」と言っていたが、これをかなりセンセーショナルに伝え、国民の不安を煽っていた。専門知識がないのに難しいことを伝えなければならないのだから、多少混乱することはわかる。マスコミの本当の役割は国から出た情報を、国民に分かりやすく伝え不安を取り除くべきなのに、国を批判し、不安を煽るばかりだ。
  • 報道に携わる者には、一般人以上のモラルと常識が求められる。記者会見場でのリポーターの発言や、被災地からの中継での発言を見ていると、呆れるばかりだ。大手マスコミは特権を持っているかのような立ち居振る舞いを改めるべきだ。また、東京電力管内では計画停電が実施されているのに、在京キー局が電波を出し続けていることにもいら立ちを感じる。停電によって操業できない企業があることを考えると不公平だ。
  • 地震に関する報道番組で、不謹慎な発言をするアナウンサーや、報道フロア内での不適切な発言が目立っている状況は、テレビ報道における資質の低下ではないだろうか。地震発生直後から各種番組を見ていたが、ほとんどのアナウンサーが被災に遭われた方に対し、「今のお気持ちは」などと不適切極まりない質問しかしておらず、腹ただしく思える。
  • 報道機関の役目は事実を報道することが当然だが、その報道によって視聴者に与える影響も考慮されたものでなくてはならない。常に自己反省を忘れず、報道機関こそが高潔な良識の府としての役割を果たされるよう期待する。

青少年に関する意見

【報道に関する意見】

  • 入試問題のネット流出事件に関する報道について、いくら何でもここまで大ごとにすることなのか。未成年に対してこれほどの仕打ちはひどい。カンニングが悪であることは事実だが、このような未成年を正しく導くようにするのが社会のありようだ。良識ある報道を期待する。
  • 入試問題のネットへの投稿は犯罪としては軽微だ。また、当該受験者が未成年であるにもかかわらず、各社が過剰に報道し、個人の特定が可能な情報を電波に乗せることは、当該受験者の人権を侵害し、未来ある若者の可能性を奪うものである。報道機関として望ましくないのではないか。このような瑣末な問題より、報道すべき重要な問題があると思う。
  • 大震災発足から始まった民放各局の報道に憤りを感じる。パニック状態の中の被災者にマイクを向けて感情を煽ることは、人を人とも思わぬ非情な行いだ。いま必要な報道は、被災者の利益になる客観的な情報ではないか?子どもにマイクを向けることのリスクや、心理的に被災者がどれほど不安定なのかを知るべきだ。
  • 今回の震災報道は、報道番組での不謹慎な態度や発言、子どもへの不用意なインタビューなど目に余る。阪神大震災の教訓が全く活かされていない。子どもや未成年者に「恐かった?友達は無事?」などと聞くことは、不要な恐怖心を煽る恐れがある。「報道の自由」を盾にした傍若無人ぶりに視聴者は怒っている。

【性的表現に関する意見】

  • 人気アイドルグループ主演のドラマだが、「高校生が妊娠」「高校生らしからぬ性的な会話」など、非常に過激な内容である。今人気のアイドルが、ドラマとはいえ低俗な発言をすることはいかがなものか。子どもにも認知度が高いため、子どもが録画して見る可能性がある。いくら深夜でも、多くの人を不快にしたり誤った知識を植え付けてしまう恐れがあるように思える。
  • アニメで、襖が開いた瞬間、和服の女性が着物を脱いで裸で男性の上に覆いかぶさっているシーンがあった。明らかに性行為を連想させるシーンだった。幼稚園児の子どもと見ていたので急いでチャンネルを変えたが、子どもも見ている時間帯にこんな映像は相応しくない。制作者はもっと常識を持つべきだ。
  • 夕刊紙の記事紹介コーナーで、AV嬢がどうのこうのなどと紹介していた。小学生の子どもと見ていて、慌ててテレビを消した。日頃は仕事でこの時間帯は一緒にテレビを見ることが稀なので、非常に考えさせられた。真面目な内容ばかりを求めるわけではないが、学校から帰った子どもが普通に見る時間にわざわざ放送する内容ではないと思う。

【低俗、モラルに反する】

  • 子が見る時間帯に、殺人事件を題材にしたドラマなど倫理上最低な番組を放送してほしくない。申し訳程度のテロップを表示しただけでは解決しない問題だ。CMも最近は借金問題がどうのなどと話にならない。子どもが良くない言葉ばかり覚えてしまい、教育上問題なのでもう少し考えて放送してほしい。
  • 若者の間に無精ひげが流行っているが、非常に見苦しい。これはテレビなどの芸能人に影響されたものではないか。若者はテレビに影響されやすいのだから、芸能人には良い意味での手本であってもらわなければ困る。

【要望・提案】

  • 裸で意味のないことを言ったり、人をバカにしたり、肉体的欠陥を笑いにするような番組は青少年に悪影響だ。もっと道徳的な番組を放送してほしい。道徳的といっても、ドラマやバラエティーでもいい。他人を敬い家族を大切にするよう教えるものを作ってほしい。
  • 地震の映像を何度も繰り返し流し放題ではないか。子どもの心に与える影響を考えてほしい。不安を煽る様な放送はやめてほしい。

【いじめに関する意見】

  • 私は薄毛で、小学生の息子も薄毛で悩んでいる。バラエティー番組で、カツラの毛を飛ばされないようにスピードを競うレースを息子と一緒に見た。息子は黙り込んでしまった。今までも髪のことでいじめがあったようだが、放送で更にエスカレートしないか心配だ。子どもに人気の番組で、いじめを助長するような、肉体的欠陥を笑う放送は問題だ。
  • 子ども向けのバラエティー番組で、大人のあだ名を子どもの出演者が当てるコーナーがある。ところが、デブやブスなど、人の特徴をバカにするようなあだ名ばかり言っていた。こういう番組が子どものいじめを助長しているのではないのか。

【言葉に関する意見】

  • テレビの影響で若い人は日本語が乱れている。「すげぇ」「うめぇ」「マジ」など、粗雑な言葉が氾濫している。テレビの持つ大きな影響力を正しく使えば青少年の育成に役立つのに、負の力ばかり行使している現状は「もったいない」の一言に尽きる。教育上テレビの担う役割について、放送業界には今一度考えていただきたい。

【危険行為推奨番組に関する意見】

  • バラエティー番組の宣伝で放送されているアイドルへのいたずらについて。椅子に座るとその椅子が壊れて尻餅をつくという内容だが、問題だ。危険性が高いし、子どもでもできるため、このいたずらを真似してしまう危険がある。このような内容は放送されるべきではないと思う。

【犯罪助長に関する意見】

  • 最近の事件報道は詳細を伝えすぎだ。かつては淡々と事件の概要だけを伝えていたが、最近では犯罪の手口から凶器の販売先、容疑者の逃走経路までこと細かに伝えている。これらの報道を見て育つ青少年は、いとも簡単に犯罪手口を学んでしまうだろう。このような報道のあり方をBPOでなんとかできないのか。このままでは青少年の犯罪が増えるのではないかと危惧している。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 深夜でもアニメは子どものものと思っている親が多いようだ。深夜アニメに対し「不健全」などの意見があるが、アニメの暴力描写や性的描写に対して苦情を寄せることには疑問だ。アニメにも伝えたいことがあるからこそ過激な表現をしているのであり、無意味ではないはずだ。その点を理解し、子どもに見せたくないのであればしっかりと説明したうえで、意見をしてもらいたい。

【CMに関する意見】

  • ローカル放送でパチンコCMがきわめて多い。昼夜を問わずパチンコ店のCMばかりだ。子どもも見る時間帯にも当たり前のように放送されるので、放送局にはもう少し考えてもらいたい。

2011年2月に視聴者から寄せられた意見

2011年2月に視聴者から寄せられた意見

ニュージーランドの地震で、救出された被災者へのインタビューのあり方や、災害時の行き過ぎた報道などについて多くの意見が寄せられた。大相撲野球賭博事件の捜査の過程で八百長問題が明るみに出た。相次ぐ不祥事に春場所の中止が決まったが、改革の道はいぜん見えない。テレビ界と大相撲の関係を批判する意見もあった。

2月にEメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1807件で、1月と比較して386件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール73%、電話24%、FAX1%、手紙ほか2%。
男女別では男性70%、女性27%、不明3%。
世代別では30歳代33%、40歳代24%、20歳代20%、50歳代10%、60歳以上8%、10歳代5%。

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は868件[34社]であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、30件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

2月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 15件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

2月の視聴者意見は1807件と先月より386件増えた。取材の仕方、報道のあり方を問う意見が多かった。
ニュージーランドの地震は死者不明が220人を超える大惨事となった。被害の大きかったクライストチャーチには日本からの語学留学生らが滞在しており、28人が不明となった。救出された人も大怪我を負った。視聴者からは、救出された被災者へのインタビューのあり方や、災害時の行き過ぎた報道などについて多くの意見が寄せられた。目黒区の夫婦殺傷事件では、福島県の容疑者の自宅前から生中継し、家屋や家族の使う乗用車などを映し出したため、報道は何をやっても許されるのかと批判が多かった。
大相撲野球賭博事件の捜査の過程で八百長問題が明るみに出た。相次ぐ不祥事に春場所の中止が決まったが、改革の道はいぜん見えない。テレビ界と大相撲の関係を批判する意見もあった。プロ野球では、ひとりの新人投手ばかりを追いかけすぎだ。スター扱いするのは本人のためにもよくないとの声が多かった。
携帯サイトで視聴者3万人の投票が集まらなければ番組を打ち切るというスポンサー企画に抗議が集まった。アイドルの窮地を材料に、むりやり有料サイトに誘導しようという悪徳商法のようなものだとの非難が多かった。
7月の完全地デジ化のお知らせ表示について、すでにデジタル化しているテレビにまで表示を入れるのは不愉快だという声が多かった。
ラジオについての意見は37件、CMについては34件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は151件で、前月より約30件減少した。今月は、低俗・モラルに反するとの意見が53件、次いで性的表現に関する意見が30件、視聴者意見への反論・同意が22件、いじめに関する意見が14件と続いた。低俗・モラルについては、人気アイドルが出演する深夜のバラエティー番組に対し、「番組スポンサーの運営する有料携帯サイトに誘導する仕組みになっており、ファン心理に付け込んだ悪質な内容だ」といった批判意見が寄せられた。性的表現については、番組を特定していない全般的なものも含め、主にアニメに対し「アダルト向けとしか思えない内容のものが放送されている。深夜だから何を放送してもよいわけではない」などの意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ニュージーランドの地震で被災者にインタビューしていた。救助されて間もない女性にインタビューするのもどうかと思うが、その女性と同じ階にいたと思われる被災者の生死の経過を話していた。直後に彼女が泣き出したことは無理もない。なぜこんなにデリカシーのない報道が出来るのか。いい加減にしてほしい。思い上がらないでほしい。
  • ニュージーランドの地震取材だが、日本人記者の非常識な行動が目に余る。病院に侵入したり、被災者の気持ちも考えずにマイクを向けたりする様子を見るたびに、非常に嫌な気分になる。日本人の安否情報が気にかかるが、現地の方や他の国の方も被災された。全ての方が、同じようにショックを受けている状況に、もっと気を配るべきではないか。
  • 大学入試で、ヤフーのサイトに試験問題が送られて解答があったという事件を扱っていたが、まるで、こうすればできると、ノウハウをテレビで教えているようなものだった。腕時計型の携帯メールが読めるものはさぞ売れたであろう。取り上げ方が同じで、低俗さを嘆きたくなる。
  • 目黒区夫婦殺傷事件の報道で、福島県の容疑者宅前から中継していた。社会的に関心の高い事件かもしれないが、容疑者は家族と同居している。モザイク等の画像処理もなく、場所を特定できる中継画像だった。家族が使用している車や、ナンバープレートにもモザイクは入っていなかった。報道は何をやっても良いのか。加害者の家族にも人権がある。
  • ある国会議員が「こういう発言をした」という内容の報道が目立つ。発言したなら名を出して良いのではないか。本当に発言したかどうかわからないような報道は意味があるのか。報道とは真実であることが重要で、発言者の真意が正確に伝わらなければ誤解を招く。報道は真実を伝えることに専念してほしい。現在の報道は煽りたてる内容が目立ちすぎる。
  • なぜニュースの時間に韓国人アイドルグループの解散騒動をあんなに大量に放送するのか。ワイドショーや芸能コーナーならまだしも昼や夕方のニュース番組で、さも重要な話題であるかのように放送する必要があるのか、理解できない。
  • 大相撲の八百長が明らかになったが、NHKはそれを知りながら放送を続けてきたのではないか。そうだとすると、「スポーツ」とは名ばかりの虚偽放送をし、視聴者を欺いてきたことになる。受信料を払う視聴者としては許せない。
  • 相撲の八百長問題は、これまでにも盛んに週刊誌などで報じられていたのに、テレビはろくに調べもせず、八百長をシロと断じていた。また、テレビと角界の「癒着」も疑われていた事実もある。それなのに八百長メールが発覚した途端、偉そうに八百長を論じる資格はテレビにあるのか。
  • 新人野球選手の話題ばかりでうんざりだ。まだデビューもしていないのにスター扱いで、いかにも人気があるようにあつかう番組の持ち上げ方が異常すぎる。移動するたびにその選手を追いかけ、その選手とファンの話題ばかりだ。選手本人も練習に集中出来ずに気の毒だし、チームメイトの選手たちも迷惑していると思う。
  • 「憲法改正」がテーマだったが、出演者全員が改正論者だった。「憲法問題」は意見が分かれるはずなのに、全員一致で「改正しよう」とはおかしい。出演者が偏りすぎていることの表れだ。こうした問題がテーマの場合には、出来るだけ多くの意見を取り上げることが求められているはずだ。この番組は過去にも同様のことを繰り返しており、関西では悪い意味で有名だ。今回の放送内容も民放連の放送基準を逸脱していると思う。

【番組全般・その他】

  • スポンサーである携帯コンテンツにアクセスし、有料の投票で3万票いくかどうかで番組の存続を決めるという企画に、強い不快感を覚える。有料投票という形で番組と有料コンテンツをここまでリンクさせることはどうかと思う。このままエスカレートしていったら、民放が有料放送のお試し無料視聴という媒体になってしまう。そこまでいったら、公共性なんかどこにもない。どこかで線を引いて、ルールや基準を作らないといけないと思う。テレビ局やプロダクションがどんな言い訳をしようが、こんなやり方はおかしい。
  • 「中国人はすぐに謝らない」を検証するとしていた。中国人のうち一人は、すぐに中国語で謝罪の言葉を発していたにもかかわらず、謝らなかったとして放送していた。その後番組HPにはお詫びの記事が出たが、文字が小さすぎてよく見えない。これでお詫びのつもりなのかと疑問が残る。中国人の実態はこれだと、はじめから意図的に制作したとしか思えないが、番組側は「翻訳と編集の連携ミス」の一点張りだ。公共の放送としての自覚が感じられない。
  • 女装した男性が若手漫才師のシャツを脱がし、胸を触っている映像が堂々と放送された。家族で食事をしながら見る時間帯に、こういう映像を放送するのは許しがたい。同性愛者の方や女装する方を差別しているわけではないが、こういう映像が最近他の番組でも多すぎる。この番組自体は色々な国に行ってその国で珍しい物を食べたり、色々な体験をしたりで、とても楽しみにしている番組だけに残念だ。
  • 色々な世代に「どんな種類の鍋が好きか」というアンケートをとり、それを出演者が当てるというコーナーがあった。どの年代でも一位がキムチ鍋だった。会場も出演者も「ウソッ」という感じでざわついていた。私の知る限り、お年寄りや子供はキムチ鍋を好まない。50代や60代でも一位がキムチ鍋なんてあり得ない。どこからアンケートをとったのか、どこの場所でとったのか、何も説明がない。
  • バラエティー番組や情報番組で街頭調査をよく実施しているが、調査場所が「都内」に偏っており、人数も100人程度など、参考にならない少人数であることが多い。それを街頭調査の結果として放送するのは無理がある。特に地方の視聴者にとっては全く参考にならない。全国ネットの番組でこのようないい加減な情報を流すのはやめるべきだ。
  • コマーシャルを自動的にスキップするビデオデッキの販売を中止させた記事を見た。確かに、コマーシャルにより民放が成り立っていることは承知しているが、現在どのように放送されているのか理解した上でのことなのか疑問に感じる。実際の番組よりもコマーシャルが多いと感じる番組構成。必ずといっていいほど、コマーシャルの直後は、コマーシャルに入る直前のシーンをもう一度見せられる。以前よりもコマーシャルの回数、提供会社の数は増えている。番組の内容はくだらない。
  • 電子番組表が組み込まれているブルーレイレコーダーで番組を予約するのだが、複数の番組を合体しているせいで、電子番組表の区切りがない。何時から見たい番組がはじまり、終わるのかをわからなくして放送している。あきらかに自分の局の番組を連続してひとつの番組としてレコーダーに予約させようという魂胆だ。
  • 番組の冒頭、隅に地デジに関するテロップが入る。地デジで視聴している場合にも、なぜ「地デジの準備が済んでいるか」と入れるのか理解に苦しむ。地デジ対応テレビをいわば強引に買わせたのに、どこまで宣伝すれば気が済むのか、放送局は何を考えているのか。アナログ放送で流せば済む話だろう。
  • 「2011年地デジ化」によって、テレビの放送をラジオで聞くことができなくなる。テレビを見ることのできない寝たきりの高齢者や障害者にとっては、ラジオでテレビの音を聞くことが唯一の楽しみである。彼らはテレビが地デジ化することは知っていても、ラジオで聞けなくなることを知らない人が大半だ。高齢者とのかかわりの中でこの事を説明すると驚かれることが多い。”地デジ化の後、テレビの音声をラジオで聞くことができなくなる”ことについて、もっと広く告知してもらいたい。

【ラジオ】

  • 歌手などのパーソナリティーが飲酒しながら番組を進行することがよくある。「ほろ酔い加減でリラックスした雰囲気を」という狙いはわからなくもないが、酒を飲みリラックスして番組を楽しむのはリスナーのほうであって、パーソナリティーではないはずだ。まるで立場があべこべだ。最近目立つ飲酒しながらの番組進行には強い抵抗を覚える。

【CM】

  • 携帯ゲームのCMで、電車内で携帯ゲームをやっている場面がある。携帯電話を触らないことが電車内のマナーであるはずなのに、触っていることは倫理的にどうなのか。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • バラエティー番組内で、番組存続アンケートを携帯サイトで行うという企画があった。番組内では明示されていないが、投票するために有料の会員登録が必要というのは問題だ。このような商法は放送倫理的に問題ないのか。また、この番組はアイドル番組であり、視聴者は未成年、もしかすると中高生が多いかもしれない。ファン心理につけこんだあからさまな集金システムは、テレビ番組として倫理規定を逸脱しているのではないか。
  • 深夜アニメだが、同番組サイトには可愛いらしい少女のイラストなどが載っている。これを見る限り、実際の放送での残酷かつ刺激的なシーンなどを思い浮かべる人はいないと思う。放送ではサイトとの落差が大きく、エロチック、グロテスクな表現が多い。「放送するな」とまでは言わないが、せめて番組冒頭で刺激的な表現に関する注意書きなどを表示するべきだ。
  • スポーツ情報番組。休日の午後という時間帯でありながら、ミニスカートをはいた女性の脚などを映す演出はいかがわしく問題だ。このような番組を制作している放送局並びにスタッフの意識に問題があると感じる。子どもが自由に見ることのできる地上波で、しかも昼間に許されるべき性質のものではないと考える。

【性的表現に関する意見】

  • 小学生の子どもとアニメ番組を見ていたところ、番組の最後で突然女の子が脱ぐシーンがあった。子どもに「何であの人は裸になるの?」と聞かれ困った。子どもは深い意味まではわからない半面、興味を持ってしまった可能性もある。極力変な番組は見せないようにしているが、突然のことには対処できないし、子どもが視聴する時間帯に好ましくないものを放送する必要性も感じない。むやみに女性を裸にさせること自体、女性軽視だ。
  • アニメで無理に裸を出すことはやめてほしい。子どもが見てショックを受けたようだ。「そんなもの見せるな」という方もいるが、現状では規制が機能していないので無理な話だ。忙しいのにわざわざ親がどういうアニメなのかを調べる時間はない。せめて見せたくない人向けに成人指定マークなどを付けることが最低限のマナーでありモラルだと思う。
  • 女性の出演者の服装で、胸元やミニスカートから下着が見えそうだったりすることは子どもの教育上よろしくない。何度言っても改善されない。このような人たちは、子ども達がテレビを見る時間帯には出演させるべきではない。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組で、お笑いタレントが後輩の芸人を外に連れ出し、高級時計店や洋服店に入っていずれも100万円以上の高価な商品を無理やり購入させるコーナーがあった。見ていてとても不愉快だった。子どもが真似をして、不要なものを無理に買わせるいじめに走らないか心配だ。
  • 異常な行動の人物を描き出すバラエティー番組のコーナーで、実在の特定の苗字を用いている。これはその名前の人にとって非常に不快である。私の名前も番組で使われているものと同じで、子どもが学校でいじめられていた。学校や教育委員会にも報告したところ、我が家だけのことではないらしい。テレビ局に抗議の電話をしたが、応対者はまともに対応しなかった。

【報道に関する意見】

  • ニュージーランドの地震被災者に対する取材を規制すべきだ。被災でショックを受けたばかりの子どもに当時のことを思い出させたり、怪我をした子どもに感想を求めたりするなど、こうした取材は暴力だ。旅行先の外国の地で守ってくれる大人がいない子どもたちを守るために、情けないことだが規制が必要だ。

【編成に関する意見】

  • お笑い芸人の出演時間帯について。子ども達が男女問わず、タレントのネタを真似しており不適切だ。寝転がって両足を開く動作のネタなどは、とても子ども、特に女の子に良い影響とは言えない。どうか出演時間を子どもの目に触れない時間帯に規制してほしい。青少年育成に影響があると思う。

【マナーに関する意見】

  • 情報番組などで、コメントをする際に腕を組んでいるジャーナリストや評論家などを多く見かける。人としてマナー違反で恥ずかしいことだと思う。こうした態度を見せるのは子どもの教育上もよくないのではないか。

【犯罪助長に関する意見】

  • 海外で起きた誘拐事件の内容を実際の映像などをまじえ放送していたバラエティー番組だが、内容は誘拐から身を守る方法を紹介するというより、誘拐方法などを細かく伝えるだけだった。防犯に関しても商品の宣伝しか行っていない。倫理的に大変問題のある内容であった。犯罪を助長するような内容を公共の電波で放送してよいのか。

【推奨番組に関する意見】

  • 深夜アニメだが、ファンタジックな作品世界ながら人間関係や社会の暗部をうまく描写していて秀逸だ。表現については凄惨な部分もあるが、作品が主張する考え方を表現するために必要ならば許容されるべきではないか。番組表現への批判のみを指摘し、青少年に悪影響という理由で優れた作品を深夜でしか放送できないことこそ、青少年の健全な育成を阻害すると思う。

【視聴者意見への反論・同意】

  • アニメやバラエティー番組の性的や暴力的な描写、パチンコCMへの苦情が多い。これらの番組などが不快ならば、「子どもが見る時間帯に放送するな」と言う前に、テレビを切ることだってできるはず。テレビなど、四六時中つけていなければならない規則はない。不快ならば受け手側で遮断してもよい。視聴者が減れば番組制作者やCMを出す企業の態度も変わるだろうし、悪質な番組やCMなど自然と淘汰されるはずだ。
  • BPOへの視聴者意見を読むと、あまりにも「子どものため」という言葉が多く唖然とする。私にも子どもがいるが、アニメやバラエティー番組を見ても悪影響を受けたとは思えない。「親子の会話」「子どもと共に考え親も成長する」という根本が欠けている親の責任を差し置き、テレビのせいにしている。責任転嫁もここまできたかと情けなく思う。

【CMに関する意見】

  • 最近、不況のせいかパチンコ関係のCMが目に余る。子どもが見ている時間帯に、パチンコ関係のCMが連続的に放送されていることに違和感を感じないのか。アニメとパチンコのコラボレーションなども見受けられるが、頻繁に放送されると子どもへの刷り込み効果が一切ないとは言い切れないと思う。

2011年1月に視聴者から寄せられた意見

2011年1月に視聴者から寄せられた意見

九州霧島では数百年ぶりに新燃岳が爆発噴火するなど不安な年明けとなった。年末年始番組への意見は例年に比べ少なかったが、特番が長時間化したことや制作手法がいつも同じでマンネリ化しているといった批判が多かった。

1月にEメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,421件で、昨年12月と比較して25件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール69%、電話27%、FAX2%、手紙ほか2%。
男女別では男性72%、女性24%、不明4%。
世代別では30歳代32%、40歳代24%、20歳代19%、50歳代10%、60歳以上10%、10歳代5%。

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は658件[36社]であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、37件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

1月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

1月の視聴者意見は1421件と12月より25件の増加だった。
日本海側を中心に大雪による被害が相次いだ。一方、九州霧島では数百年ぶりに新燃岳が爆発噴火するなど不安な年明けとなった。内閣改造、通常国会も始まったが、月末には小沢元代表が強制起訴され政治は波乱含み、鳥インフルエンザの感染も広がった。
年末年始番組への意見は例年に比べ少なかったが、特番が長時間化したことや制作手法がいつも同じでマンネリ化しているといった批判が多かった。
全国各地でタイガーマスクを名乗る人物からランドセルなどを施設の子どもたちに寄付することが伝えられ話題となったが、取材や報道の仕方などに批判意見もあった。サッカーアジアカップは日本代表が優勝したが、準決勝韓国戦の後日の報道で、旭日旗の映像を誤って放送し、視聴者から多くの批判意見があった。
箱根駅伝の中継放送では、解説者のコメントがひとつの大学に偏りすぎていて不公平だとの声が多かった。
バラエティー番組では、食べ放題の元をとるという内容で、子どもたちが食べ散らかし、しつけ、マナーがなっていない、見ていて不愉快だなどの意見が寄せられた。風水師を装った芸人がタレント所蔵の本を勝手に売り飛ばしたと、抗議する意見があった。
ラジオに関する意見は35件、CMに関するものは28件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は182件で、前月より約40件増加した。
今月は、低俗・モラルに反するとの意見が47件、次いで報道に関する意見が32件、性的表現に関する意見が20件と続いた。低俗・モラルについては、ドラマ、バラエティー、アニメ、情報番組などを対象に多岐にわたる意見が寄せられた。報道については、昨年12月に成立した東京都の青少年健全育成条例の改正に関連し、石原慎太郎・東京都知事が出演した番組に対して「視聴者に誤解を与える内容だ」などの批判が寄せられた。性的表現については、教師と高校生との関係を描いた1月からのドラマに対して「子どもも見る時間に相応しくない」などの批判が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 「タイガーマスク」が児童施設にランドセルなどの贈り物をしていることが話題になっている。各局ともタイガーマスクの似顔絵を描いてみたり、追いかけてマスクを剥がそうとしたりと、正体を暴こうとする放送が増えてきた。制作者のモラルの無さがうかがえる。なぜ犯人探しみたいなことをするのか。善意でしている人の好意を無視するのか。全く理解できない。倫理観を持った番組作りを心がけてほしい。
  • 「埼玉県の小学校の教師が、理不尽な要求をし続ける保護者を訴えた」というニュースがあった。「正しい教師」対「モンスターペアレンツ」というイメージが浮かぶが、実際のところは双方の言い分を聞かなければ分からない。どうしても訴えた側の言い分のみがクローズアップされがちなので、現時点で伝えることは危険だ。特に、当事者である子どもについては、今後の学校生活に支障が出ることも予想され胸が痛む。他の子どもたちにしても影響があるだろう。今回の訴訟そのものは起こるべくして起きたのかも知れないが、過剰に報道することは反対だ。
  • ある政党の議員ばかりが出演して、自分たちの都合のいい発言を繰り返していた。政府の放漫財政を批判した際は「自分たちにやらせてくれればすぐ出来る」と、言いたい放題だった。進行役も同じ党の議員で、他党はもちろん第三者もいなかった。こんな偏った番組が放送されていいのだろうか。
  • 昼のニュースで、死亡ひき逃げ事件の報道の際、現場でカラスがつつく場面と、どう見ても人の遺体の一部にしか見えない肉片を数十秒間映していた。モザイクも無く、驚いた。被害者や遺族の気持ちを全く考慮しておらず、ひどすぎる。
  • アジアカップ日韓戦で、韓国代表の選手が猿真似をして日本を侮辱したとの報道の際、旭日旗が日本側の応援席にあった映像をパネルで使用していたが、実際にはその映像はサッカーワールドカップ・日本対オランダの試合のものだった。明らかに異なる試合の映像を用いて作為的に事実を捻じ曲げて放送したことは倫理に反するのではないか。
  • 市橋被告が本を出版するというニュースを民放各局で報道していた。市橋被告は殺人犯だ。英雄でもあるまいし、逃亡していた当時の生活の様子までテレビで詳細に取り上げる必要などない。テレビが犯罪者の本の宣伝に利用されているようで腹立たしい。
  • 報道番組や情報番組で、凶悪事件が起こると、犯人の学生時代のアルバム写真や、文集などが、参考資料として取り上げられるが、犯人が事件を起こした現在と、学生時代に何が関係あるのだろうか。単に興味本位で取り沙汰しているようにしか思えない。
  • 最近のテレビは、ちょっとしたことでモザイクを使う。たとえば公園や公道など誰もが通る場所を映す時でさえ、一般人の顔の部分にモザイクをかけることがある。安易にモザイク処理を行うことで映像の持つ意味や価値がどんどん薄れる。”個人情報”という言葉が独り歩きしていると言われるが、モザイク乱用にもそのことが表われている。テレビならではの生き生きとした映像を復活させるために、モザイクの使用を最低限に絞るよう検討してほしい。

【番組全般・その他】

  • 韓国アイドルKARAのゴタゴタや、沢尻エリカについて長々と放送する前に、もっと伝えるべきことがある。くだらない芸能ニュースばかりに時間を割くのはやめてほしい。国会も始まり、報道すべきことはたくさんある。各局横並びの番組内容だが、何のために多数の放送局があるのか。
  • お笑い芸人に風水師を名乗らせ、他人の家のものをただ同然の値段で処分し、本人の許可なくその金額で物を購入するというコーナーがあった。本人は、査定金額に納得していない不愉快な企画である。謝罪するつもりはないと司会者は言ったようだが、これはやらせではないのか。
  • ニュース番組が動画サイトに投稿されており、ローカル局のニュースも全国で見ることができる。一方、著作権上の理由でこれらの動画はすぐ削除される。アニメやドラマであれば後にDVDを発売するなど、その後の売り上げに影響があるので削除することは分かるが、ニュース等の報道番組を削除する理由が分からない。そもそも多くの人に知ってもらいたいこと、考えてほしいことがあるから報道するのではないのか。
  • やらせがひどい。大ウナギを釣るシーンがあったが、仕掛けをして一晩置いておくものだった。三匹釣ったが、三匹ともキレイに針が口に刺さっていた。噛めば口に刺さるが、うなぎは間違いなく針ごとエサを飲み込んでいる。おそらくスタッフが仕込んだものだ。一人が、ザックを作ってきてメンバーにプレゼントしていた。それに、スッポン、ゴミ、ウナギを入れていた。ふつうなら手作りのプレゼントをそんなふうに扱わない。番組が用意した物だろう。視聴者を騙すような内容は、いくらバラエティーでも許せない。
  • 箱根駅伝での解説者のコメントがあまりに一方の大学に偏り過ぎている。母校をつい応援したくなるのだろうが、仮にも解説を任された者が全国放送で行うべきではない。他の大学に対しても大変失礼だ。
  • 最近のドラマは、やたらにインターホン(呼び鈴)の音を多用している。本能で見てしまうことを利用しているのだと思うが、高齢の両親は音が鳴る度に足腰が悪いのに玄関まで見に行く。わざとインターホン音を目立たせるような使い方も多く、迷惑している。

【ラジオ】

  • 息子が夜ラジオを聞いているので何を聞いているのか聞いたら、アダルトゲームを特集する番組で、驚いてすぐにやめさせた。普通に聞けるラジオではなく、地上波デジタル放送のようだが、それにしても内容がひどすぎる。パソコンアダルトゲームの卑猥な内容をそのまま語り、購買意欲をあおっている。せっかくのデジタルをアダルトにしか生かせない放送局に免許を出す意味があるのかと思う。

【CM】

  • CMまたぎは、番組スポンサーへの嫌悪感を覚えるので、手法としては逆効果だ。なぜ制作者はそれに気づかないのか。昨今は番組を録画して視聴する機会が多いが、CMまたぎをするとCMは録画機の機能で完全に飛ばしているので、結果スポンサー情報などは全く情報として入らない。そもそも番組の内容がよければCMまたぎをする必要などない筈だ。
  • 私は持病があるため、食事制限をしている。ダイエットサプリのCMで、「いっぱい食べる君が好き」という歌と共に、思い切り食べる映像が次々と流され、歌で「がまんしないでおかわりしなよ」と言っているが、このCMを見ることが非常に苦痛である。この会社は病気や経済的事情により満足に食べられない人間の気持ちを無視するのか。即刻打ち切りにしてほしい。

【BPOへの意見】

  • 定年退職して、テレビを見る機会が増えた。いわゆるCMまたぎは、視聴者を小馬鹿にしているようで不愉快だ。BPOが先頭に立って、民放各局に自粛を呼びかけることは考えられないだろうか。また、番組の中のCM時間率は決められていると思うが、本当に守られているのか。昼間に再放送されるドラマのCM時間率は夜の放送より多いような気がする。抜き打ち検査をすべきだ。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • キャバクラで働いていた人が教師になるという設定のドラマ。茶髪でタバコを持ち歩く学生をとがめず、庇うのはおかしい。だらしない制服で校長に生意気な口をきく場面では情けなくなった。水商売の人間や不良学生が「正義」で、規則に厳しい校長が「悪」という描き方では、10代の若者への悪影響が心配だ。
  • 最近、男性芸能人に抱きついたり、キスを迫ったりする男性芸能人が増えているように思う。このような行為は見ていて非常に不愉快だ。テレビは面白ければ何をしてもいいというものではない。最近のバラエティーは配慮が欠けているように思う。このままでは、バラエティーどころかテレビそのものが駄目になるような気がする。
  • ギャンブルを題材にしたアニメが放送されていて不愉快だ。製作にパチスロメーカーが加わっており、青少年にパチスロがアニメの延長線上にあるというような認識をされる恐れがある。
  • バラエティー番組だが、浮気に関するテーマの取り扱い方が下品だった。青少年が見る時間帯であることを差し引いたとしても、何を目的に放送しているのか疑問だ。男性の不貞を正当化する反面、30代の女性が独身でいることを蔑視する司会者の発言は、差別的である。

【報道に関する意見】

  • 東京都の青少年健全育成条例の改正についての石原都知事へのインタビューだが、あれほど問題となった事案であるのに、都知事という一方からの意見だけを取り上げることはいかがなものか。賛否両論があり、特に大きな批判もあった問題であるので、両論を紹介するべきではないか。
  • 「伊達直人現象」で騒いでいるが、子どもへのインタビューは非常識だ。児童養護施設の子どもに対して 「こういうプレゼントについてどう思うか?」などとインタビューしていることには驚いた。ましてや顔を映している。本人にはどうしようもない事情で施設に入所しているであろう子どもの気持ちを考えもせず、人権を踏みにじる行為だ。全放送局に猛省を促したい。

【性的表現に関する意見】

  • 堂々と不倫が描かれているドラマ。さらに、その不倫相手は主人公の教え子である女生徒だ。このような内容を、深夜帯ではなく21時という「ゴールデンタイム」で放送することは問題だと思う。このドラマを見て子どもがこのようなことに憧れ、真似でもしたら由々しき事態だ。
  • 深夜帯のアニメだが、近親相姦を主題にしている。性的な目的でわざと下着を見せたり、衣服の上から体に接触するなどのシーンが頻繁に放送されている。内容的には成人マンガと変わらないのではないか。年齢制限のないテレビでの放送としては不適切だと思う。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組で、司会のタレントが別のタレントを便器に見立て大便をするふりをしていた。人を便器扱いし、それもテレビで放送するなど非常識だ。子どもが見ていて真似をしたらいじめにつながる。好きな番組だけに、改善をお願いしたい。

【言葉に関する意見】

  • 今夜放送のバラエティー番組の宣伝を見た。お笑い芸人が誰かを指差し「殺すぞ」などと怒鳴っているところが流れた。お笑い番組であっても、人を指差してそのような発言をすることは許されない。21時では子どもたちも見ている。不適切な発言は放送しないでほしい。

【暴力・残虐シーンに関する意見】

  • とにかく青少年には見せたくないドラマだ。初回を視聴したが、殺人や児童虐待の描写がすさまじく見ていて非常に不快に感じた。また、「子ども時代に受けた虐待経験が引き金となって成長後に無差別殺人を起こす」というストーリーは刺激がありすぎ、危険だと思った。
  • 深夜アニメだが、怪物が少女の首を食いちぎるシーンが放送された。脚本家は、「これから毎週やらかしていく」などと残酷描写を売り物にするようなことを公言している。深夜とはいえ、テレビで残酷描写を確信犯的に売り物にする番組を放送するのはいかがなものか。
  • ある殺人事件を扱った報道番組で、CGを使用した殺害シーンの映像があった。人物を青と赤で表していたが、子どもも見ている時間帯なので、その必要性自体に疑問を感じた。

【虐待に関する意見】

  • 食べ放題の店で一家が元を取るという企画。子どもが肉以外を食べようとすると、元レスラーの母親が
    「肉だけ食べろ」と頭ごなしに怒鳴りつけていた。子どもに親が偏食を強要する児童虐待ともとれる内容で不愉快だった。親の仕事のために子どもが被害を受けるのは見るに堪えない。

【マナーに関する意見】

  • バラエティー番組のゲームコーナーで、司会者が子どもに「今日は誰を倒したいですか」と尋ねると、お笑い芸人を呼び捨てて名指しする子どもがいた。芸人であっても目上の人間だ。呼び捨ては良くない。番組を見た子どもたちが「目上の人を呼び捨てにしても良い」と勘違いしてしまうではないか。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「子どもに悪影響」という意見が目立つが、その根拠は何か。私の子ども時代も「そんな番組を見ていると物を粗末にするようになる」などと言われていたが、そうした番組を視聴していた世代が社会人になり、環境問題などを考えるようになっている。裏づけもなく「悪影響がある」と主張する視聴者が多いことに驚く。人の感性は十人十色なのに、自分の感性と違うからと非難の的にすることはおかしい。
  • アニメを子どものものと思い込んでいる親が多く、「子どもが見ると困る」という意見を送る親の無知が目立つ。子どもに見せたくないのなら、子どもと話し合い家庭内でゾーニングをすることも親の義務だ。「不健全だから規制しろ」とすぐ権力に頼る情けない姿勢を子どもは見ている。批判する前に、子どもになぜ駄目なのか、その根拠や正当性を提示し理解させるべきだ。

【CMに関する意見】

  • 教育関連の企業のCMで、机の上で制服を着た学生が踊る場面を見て唖然とした。学校でも家庭でも、机の上には座ったり立ったりするものではないと教えるものだ。合成である、という問題でもないし、まして教育企業のコマーシャルだ。このような企画はおかしい。

2010年12月に視聴者から寄せられた意見

2010年12月に視聴者から寄せられた意見

歌舞伎役者の市川海老蔵が負傷した事件について、視聴者から様々な意見が寄せられた。批判の多くは、事実が明らかでないのに噂や憶測でコメントしているなどというものだが、入院中の海老蔵夫妻の様子を上空から撮影した取材には、盗撮ではないかとの抗議があった。

12月にEメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,396件で、11月と比較して332件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール71%、電話26%、FAX2%、手紙ほか1%。
男女別では男性67%、女性30%、不明3%。
世代別では30歳代31%、40歳代24%、20歳代20%、50歳代11%、60歳以上10%、10歳代4%。

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は647件[33社]であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、39件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

12月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 0件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

12月の視聴者意見は1396件と先月より332件多かった。メールでの意見が増えたため。
歌舞伎役者の市川海老蔵が深夜の六本木で殴られて負傷した事件について、視聴者から様々な意見が寄せられた。酔ってけんかしたぐらいで大騒ぎするなとの批判もあったが、殴った容疑者が何日も出頭しなかったことや、相手側からも海老蔵に暴行を受けたという主張が流れたりして、報道も過熱した。批判の多くは、事実が明らかでないのに噂や憶測でコメントしているなどというものだが、入院中の海老蔵夫妻の様子を上空から撮影した取材には、盗撮ではないかとの抗議があった。
国会は仙谷官房長官の失言や尖閣ビデオ流出問題などから官房長官ら2閣僚の問責決議案が先月末可決され、与野党の攻防が続いた。年内最終盤には小沢元幹事長の政治倫理審査会への招致をめぐって菅首相と小沢氏の会談が開かれたが物別れに終わった。視聴者からは、国民の暮らしを忘れ政局に明け暮れるのは、報道する側にも問題があるのではとの声が寄せられた。
茨城県取手駅前のバス乗客刺傷事件では、犯人の高校時代の卒業文集の内容が報道され波紋が広がった。テレビドラマの影響を懸念する意見もあった。
人気アイドルグループのクリスマス特番で、下ネタやピー音の連発にひんしゅくだとの声が多かった。大阪道頓堀のたこ焼き屋が市の公有地を不法占拠し続けてきた問題で、ワイドショーの司会者らが擁護するような発言をしたため多くの批判があった。全日本フィギュアスケート選手権の番組ではクイズバラエティーのようなことをせずに、選手の演技をちゃんと見せてほしいとの意見が多数寄せられた。女性タレントがツイッターで暴露した不倫騒動についても、司会者やコメンテーターらの無責任な発言に批判が集中した。
ラジオに関する意見は39件、CMに関する意見は54件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は145件で、前月より約40件増加した。
今月は、低俗・モラルに反するとの意見が39件、報道に関する意見が27件、性的表現に関する意見が15件と続いた。低俗・モラルについては、年末のバラエティー特番に対して、卑猥な質問や下品な行為ばかりの内容で極めて低俗だとの批判が7件寄せられた。報道については、12月に成立した東京都の青少年健全育成条例の改正に関し、報道内容が不十分・不適切との批判が複数の番組に対して寄せられた。性的表現については、放送開始前のものも含めアニメに対する批判が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 市川海老蔵の入院中の映像が放送された。いくら相手が芸能人だとはいえ、ここまでする必要があるのか疑問を感じる。報道の自由があるとはいえ、それを盾にして何をやっても良いのか。屋上とはいえ病院内であり、この映像に関しては盗撮のように思えてならない。芸能人であっても一人の人間だ。取材が過熱することもわかるが、一線を守って取材すべきだ。不特定多数の一般人がいる病院という施設で、このような取材は間違っている。
  • 再現VTRと街頭インタビューなどを使って、市川海老蔵を「極悪人」のように印象付けていた。実際にその場にいた人物でもなく、新聞情報や友達の知り合いから聞いた話などで構成し、「極悪人」にでっち上げていた。事実がわからない段階で、いいかげんな放送はしないでほしい。
  • コメンテーターや芸能記者たちが、まるで市川海老蔵が加害者であるかのように、スポーツ新聞などの情報をもとに連日批判を続けている。警察からの情報はごくわずかで、ほとんどは芸能記者のかき集めた情報だ。記者会見はまるで被疑者に対する検察官のようで、激痛に耐えながら会見に臨む海老蔵に難しい質問を繰り返している。
  • 海老蔵に対するマスコミの報道があまりにもひどい。酒を飲んでトラブルに巻き込まれた海老蔵を擁護する気はないが、なぜ出頭して真実を話そうとしない加害者を擁護するのか。近所の人の意見を聞いたら、「いい子だった」と言うに決まっている。こんなことをやっているから、加害者が調子に乗り、いつまでも出頭しないのではないか。
  • 市川海老蔵の暴行報道に関して「元暴走族リーダー」という表現や放送があるが、たとえ現在無職だとしても「元暴走族…」という表現はいかがなものか。暴走族は商売ではないし、それも「元」とは。たとえば無職の二十歳の人を「元××高校生」とは書かないだろう。昔、暴走族だったからといって、俳優に「元暴走族の××さん」とは言わないだろう。悪意を感じてしまうのは私だけだろうか。
  • 「取手市無差別刺傷事件」を取り上げていた。番組では犯人の同級生へのインタビューを放送していた。 「昔からクラスの中で気持ち悪い人間だった」「何をしでかすか、わからないような人間だった」「クラスで一番根暗だった」等、犯人がいかにも犯罪者の素質があったかのような作り方だった。犯罪は犯罪だが、最初から犯人の人間性を否定するような作り方には疑問を感じた。あれでは学生時代暗かった人間が全て犯罪者になるように見えてしまう。
  • 罪を犯した芸能人の早期復帰を助長するような報道はやめてもらえないか。視聴率を取って点数稼ぎをしたいテレビ局と、罪を犯してもテレビを利用して早く復帰しようとする犯罪者の「利害一致」の仕組みだ。こんな馬鹿なことをやるから、アウトローの人間は罪を犯しても反省せず、異常な行動をたびたび起こす。
  • 事件が起こると犯人の家族およびそこ住む人に取材をするが、それは倫理上許されるのか。犯罪を起こした人は悪いが、その家族に責任はない。その人達の生活権を奪う行為は本当に許されるのか。それは報道の暴力ではないか。BPOでいつも取り上げられるが、解決できないのであればこんな組織はいらないと思う。「倫理」という言葉の意味をよく考えてほしい。
  • 鉄道ニュースの取材で列車に向けストロボを発光しているが、運転士の目の保護の為にストロボを発光しないことは一般のマニアでは当たり前のモラルだ。プロである取材カメラマンはどうしてストロボ等を発光するのか。一般のマニアより技術も優れ、機材も高級な物を使っているはずだ。鉄道会社側の了承をとっているならともかく、脚立や三脚も使わないことがモラルだ。プロの取材カメラマンの撮影モラルを疑わざるを得ない。今度は九州新幹線やはやぶさの営業開始が3月にあるので、業界での申し合わせを期待する。

【番組全般・その他】

  • 生中継できる時間帯にもかかわらず、最初の1時間はクイズバラエティーの形をとった編成で、後半1時間に6人の選手のみ放送した。フィギュアスケートの基礎知識を紹介するための構成だと思うが、放送時間の半分以上を「説明」に割き、視聴者に生の情報を発信しないということは、スポーツ番組として正しい姿なのだろうか。ファンはもちろん、普通にフィギュアスケートを楽しみにしている視聴者にも、不適切な番組構成ではなかっただろうか。
  • 大阪道頓堀のたこ焼き屋台店舗が撤去されることになったことについて特集していたが、その内容があたかも不法占拠を擁護、また市民の声という形で賛美しているように見えた。結局は役所批判につなげていたが、犯罪行為を擁護することは問題なのではないか。放送局はたとえそれがバラエティー色の強いワイドショーであっても、一方に偏ることは良いことではない。
  • 出演者の家に勝手に上がり込み、汚したり壁を傷つけたりしているのを見て嫌悪感を覚えた。この番組に限らず、お笑い番組では出演者の私物を勝手に持ち出したり、壊したりする事が多い。本人たちが面白がっているだけだと思う。自分がされたら嫌な事を、笑ってやっている姿は、とても笑えない。
  • 特にバラエティーで、ピー音を入れた放送はやめてほしい。番組はいったい誰のためのものか。公にはできないことを身内だけで楽しんでいる。それなら最初からその部分を編集でカットすればいい。身内だけの「ここだけ話」なら楽屋でやれ。この番組は生放送にもかかわらず、視聴者には分からないように発言を加工する、いわゆる「かぶせ音」を用意していた。視聴者を馬鹿にするのもいいかげんにしろ。
  • 現在の食文化を駄目にした根源はメディアにある。「視聴率だけ追求」では、日本の食文化が破壊される。私は米を作っているが、箸の持ち方や食べ方も出来ない連中に、物の味が分かるものかと思う。食べ物に関する番組に出演させるなら躾をしてから出してほしい。最低でも箸の躾が出来ていれば良い。

【ラジオ】

  • 小学生のリスナーが失敗談を発表しているのを聞いて驚いた。この番組は下ネタが満載だ。真面目な「テーマ」も下ネタに持って行くし、下ネタばかりが採用される傾向がある。リスナーの子供たちに悪影響だ。時間帯を考慮して、子供が聞いてもいい健全な放送にしてほしい。
  • ニュースのコーナーで、「だめ総理」や「ここまでだめだとは思わなかった」等、やたら上から目線の記事を紹介していたが、あまりにも礼を欠いていると感じた。常識あるラジオ局ならああいった失礼な記事は紹介しないと思う。批判するにしても社会人としての常識をわきまえるべきだ。
  • パーソナリティーの「昔の曲はいいけど、今の曲はわからない」や「いい曲が無い」「詩がわからない」等の発言が多すぎる。ただの懐古趣味のおじいさんだ。今の曲がいいと思っている人がいるから売れるのだ。理解できない自分を恥じるのではなく、自分達の若いころは良かったというのは、傲慢以外の何ものでもない。いい加減にしてほしい。ラジオは全世代のものだ。

【CM】

  • 携帯ゲームの会社が盛んに宣伝をしている。それらのCMは「一部コンテンツは有料」としながらも、執拗に「無料です」と強調している。しかし実際に無料で遊べるのは「ごく一部」のコンテンツに限られ、アイテム、例えば釣りゲームでは釣り具、その他道具を手に入れる際には、課金されるシステムである。CM上の表記を「無料で遊べるのは一部コンテンツです」という表記に変更することを考えてほしい。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 有名グループが出演するので楽しみにしていた特番だが最低だった。男性同士がキスをしたり「クズだと思った芸能人は?」など他人の悪いところを言わせてみたり、とんでもない内容だ。子どもが見ている時間帯の番組に何故こんな番組を作るのか理解できない。バラエティー番組からかけ離れた放送だったと思う。
  • 日付は失念したが「サンタさんは実はパパなんだよ」という発言があった。私は放送を見ていないが、子どもが見ていた。小さな頃から夢を壊さないよう「サンタさんは本当にいるんだよ」と信じさせてきたが、子どもが「テレビで『サンタさんはパパだ』と言っていた。パパとママは嘘つきだね」と言った。なぜ子ども向けの番組で夢を壊すようなことを放送するのか?

【報道に関する意見】

  • 東京都青少年健全育成条例の改正に関する報道だが、不正確で視聴者に誤った知識を与える可能性が高いものが多い。改正内容を正しく伝えていないうえ、漫画家の反対声明の一部のみを恣意的に使用している。今後各局でも報道があると予測されるが、この問題を初めて知る人、詳しくない人に対して、不十分な情報のみを伝えることになれば客観的な報道とは言えず、世論操作になりかねない。
  • ニュース番組で東京都青少年健全育成条例について報道していた。既に出版業界で自主規制しゾーニングされている成人向け漫画が、さも全年齢向けの漫画と隣接して売っているなどと間違った報道をしていた。条例が規制対象としているのは成年向け漫画に留まらず一般の漫画にまで及ぶ。それに気づかず報道することにより、漫画への風当たりや規制を求める声が強まり、漫画文化の衰退へとつながる恐れがある。適切な報道をお願いしたい。

【性的表現に関する意見】

  • 深夜にテレビをつけたところ、偶然アニメで性的なシーンが映り大変驚いた。深夜だからといって、このようなシーンを誰でも見られる地上波で放送していいのか。とても気分が悪くなった。深夜にアニメが多く放送されていることは知っていたが、こんな過激なシーンを許しているのか。子どもはアニメというだけで絵に惹かれがちだ。地上波でこのような内容は許さないでいただきたい。
  • 語学番組で、発音を学ぶシーンで学習とは関係のないダンス風景を挟んでいた。衣装を着た場面ならまだしも、なぜ女性が集団でヌードになるショーのシーンを使う必要があるのか理解できない。どうしても必要なのであれば、映像処理をしてから放送すべきではないか。未成年者への悪影響やダンスショーに対する間違った認識を与えかねない。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組。人気飲食店の上位メニューをひたすら食べるコーナーで、3人組の芸人のメンバーの1人に対する残り2人の仕打ちがもはや公開いじめで不快だった。いい加減、「いじめといじるは違う」とかいう言い訳はやめるべきではないか?いじめまがいのいじりで笑いを取ろうという低レベルな芸人が増えるのは由々しきことだ。

【暴力・残虐シーンに関する意見】

  • これから放送されるアニメの番組宣伝で、暴力的な場面が強調されていて腹立たしい。子どもが見ている時間帯にも流されているので悪影響も懸念される。一般の番組と違い、番組宣伝はいつ放送されるかわからないので避けようがない。過激なシーンを放送するのであれば、深夜の時間帯にするなど考慮するべきだ。
  • バラエティー番組で、ある歴史上の人物が600人もの女性を殺し、その生き血で若返ろうとした話が実際に殺害に使用された道具などを交えて紹介されていた。あまりにも残虐な話で、背筋が冷たくなった。ちょうど夕食後の時間だったので娘と見ていたが、怖かったようで泣き出してしまい、その後も思い出しては泣いていた。あのような残虐な内容を子どもも見ている時間帯に放送するのはやめてもらいたい。

【危険行為に関する意見】

  • バラエティー番組の予告編で、壁と壁の間に立つ出演者が両方から迫ってくる壁に押しつぶされるシーンがあった。現在、図書館の書架が同じような構造なので、子どもが真似をして遊ぶ可能性が大きい。子どもたちの間で「書架の間に児童を立たせ、両方から書架を接近させて押しつぶす」という危険な遊びが流行ったらどうするのか。予告編で見ただけでぞっとするシーンだった。

【表現・演出に関する意見】

  • 近頃はギャグアニメでさえ、パンチラシーン等に不自然な光による規制が入っている。余りにも過剰な反応で子どもへの説明に困る。パンツは、光で隠すようなテレビで放送出来ないわいせつな表現なのか?見ていて不自然だ。子どもに見せるか見せないかは保護者が決める。過剰な規制は不要だ。

【推奨番組に関する意見】

  • 深夜に連続で放送されたドラマ。タイムスリップした祖父とその息子、孫が生活していくストーリーだが、現代の人間との感覚のズレを楽しく笑ったり涙ぐんだり、考えさせてくれる大変面白い番組だった。昨今忘れかけている「家族愛」を嫌味なく、現代風に上手く映像化していた。深夜ではなく子どもや年配の方々が見る時間帯に放送してほしかった。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 魚を銛で突く行為が「可哀想だ」との意見があった。子どもから見れば可哀想という意見しかないかもしれないが、それを「放送するな」と局に訴えるよりもっと番組の伝えたいことを知るべきではないか。あるいは、かつて人間が自然の中で生きのびる手段の一つとして大昔から行ってきた狩猟であることを、親が子どもに説明することの方が大切ではないか。この番組に限らず、子どもが不快感を示したというだけで番組に難癖をつけることはいかがなものかと思う。
  • 「ドラマが残虐」などの意見について。あくまでドラマはドラマであり、放送前後に「架空の…」などの表示もある。深夜に放送すべきという意見もあるが、番組が深夜枠に移ったら「深夜であっても放送すべきではない」などと意見されるのではないか。何でもテレビのせい、他人のせいにしてしまう考えを改めるべきではないか。
  • 「子どもに有害だと思うなら見せるな」という意見が多いことに驚く。そういう方は低俗な番組が多いことを何とも思わないのか。バラエティー番組がすべて悪いと言っているわけではないし、子どもに限った問題ではない。もちろん笑って楽しめるバラエティー番組は必要だが、いじめや悪口、騒ぐだけの番組などはやはり「見なければ・見せなければよい」という理論では済まされないと思う。

【CMに関する意見】

  • パチンコのCMが多過ぎる。一日中朝から晩までパチンコ台やホールのCMが流れている。パチンコはギャンブル性が高く、風紀もよくない。一日中流されると青少年が興味を持ってしまう。
  • ここ最近パチンコのCMが増えた。面白く可愛い、楽しいCMが多い。18歳以下がやってはいけない遊戯のCMは昼間ではなく夜に放送するべきではないか。子どもが興味を持つアニメなどで構成されているCMを小さな子どもが見入ることに、とても不快感を覚える。

2010年11月に視聴者から寄せられた意見

2010年11月に視聴者から寄せられた意見

尖閣ビデオ流出問題や北朝鮮による韓国延坪島砲撃など国内外の重要ニュースが相次いだ。衝突事件のビデオがインターネット上に流出し、数日後、海上保安庁職員が漏えいさせたことを名乗り出た件では、職員の行動に賛否両論あった。報道のありかたについても、「センセーショナルに扱いすぎる」「英雄視することはまずい」など様々な意見が寄せられた。

11月に電話・FAX・郵便・EメールでBPOに寄せられた意見は1,064件で、10月と比較して395件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール64%、電話32%、FAX2%、手紙ほか2%。
男女別では男性69%、女性28%、不明3%。
世代別では30歳代31%、40歳代25%、20歳代20%、50歳代12%、60歳以上9%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は398件[34社]であった。
このほか放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、36件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

11月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 1件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

11月の視聴者意見は1,064件と先月より395件少なかった。
尖閣ビデオ流出問題や北朝鮮による韓国延坪島砲撃など国内外の重要ニュースが相次いだ。国会での補正予算案審議をめぐる菅内閣の行き詰まり感など、政治・報道に関する意見や批判が多かった。衝突事件のビデオがインターネット上に流出し、数日後、海上保安庁職員が漏えいさせたことを名乗り出た件では、職員の行動に賛否両論あった。報道のありかたについても、「センセーショナルに扱いすぎる」「英雄視することはまずい」など様々な意見が100件近く寄せられた。国会は補正予算案の審議がすすめられたが、小沢氏招致問題や柳田法務大臣の失言による辞任、さらには仙谷官房長官らの参院での問責決議案可決などもあり、各種世論調査で菅内閣の支持率が大きく下がった。
耳かき店員ら2人殺害事件の裁判員裁判の報道では、裁判員に心理的影響を与えかねない発言があったなどの批判や、被害者の生前の映像を何度もテレビで出すのは好ましくないとの意見があった。
人気俳優の夫人が自殺した件で、テレビの取材陣が執拗に追いかけ回してインタビューしようというのはあまりにも不謹慎だという苦情意見が多かった。このほか占い師のやらせ疑惑や、「太った女性特集」「魔女」「セレブ」などという女性を貶める言葉や過剰な演出などにも批判があった。
ラジオに関する意見は41件、CMに関する意見は49件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は107件で、前月より約30件減少した。
今月は、低俗・モラルに反するとの意見が20件、性的表現に関する意見が19件と並び、次いで残虐シーンに関する意見が10件、いじめに関する意見が9件と続いた。「低俗・モラルに反する」および
「性的表現」については、いずれもバラエティーとアニメに対する批判的な意見が目立った。残虐シーンについては、夜9時放送の単発ドラマの番組宣伝スポットに対し、死体描写などが残虐で子どもの視聴する時間に相応しくないとの意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 中国漁船衝突事件のビデオ流出問題だが、国民の感情は別にして、ユーチューブに流出したこと自体は違法だと思う。それをそのままテレビで放送することも違法取材ではないか。「既にネットでオープンになっている」ということは関係ないと思う。いずれにしても今回の告発がネットであるということは、現在の新聞・テレビへの国民の不信感を表していると感じる。テレビ報道のありかたを真剣に考えるべきではないか。
  • 衝突の映像を漏えいさせた者を「英雄視」するような報道が目立つ。こうした姿勢は非常に危険である。政府決定が気に入らなければ、あるいは国民が望んでいれば、政府の決定を無視し、覆すような行動をとっても許されるべきだという報道だ。政府の対応が気に入らないことと、公務員が政府の決定に従わないこととはまったく別次元の話だ。「国民の後押しがあれば政府決定を待たずに行動したり、無視したりしてもかまわない」といったメッセージを公務員に与えてはいけない。
  • 尖閣ビデオ流出事件の報道で、各局とも共通して「国民の知る権利」に応えてくれたとして、流出させた行為を評価していた。しかし、それを言うならなぜ放送局はビデオ非公開について、理由を明かすよう政治家に迫らなかったのか。自分たちは何もせず、海上保安庁の一職員の行為を正当化するのはおかしい。
  • 尖閣ビデオ流出で海保職員が名乗り出たが、まだ容疑者の段階なのに、住まいに捜査員がなだれ込むように入り、カメラは家の中まで映していた。まだ犯人ではないし罪を問われているわけでもない。もし罪に問われない場合はどうやって責任をとるのか。視聴率をとるための過剰な報道だと思う。
  • マスコミがこぞって世論調査を実施し、それを材料に政府批判を行っている。「小沢招致」「尖閣」「北朝鮮砲撃」などの世論調査結果を民意だと取り上げ、政府を批判している。国民の最大の関心事は、国民生活の安定だ。マスコミ権力が、偏向した世論調査で民意をねじ曲げ、国政を混乱させている。
  • ワイドショーなどの情報番組で、世論をミスリードするような危うい報道が多い。例えば「政策に関する街頭アンケート」を実施しているが、この結果はあまり信用できない。通行人がわざわざ立ち止まってアンケートに応じるのは、もともと政治に不満があるからだ。逆に現政権に特に不満がないなら、立ち止まったりしないだろう。つまり、アンケートから得られる結果など大体予測できるものだ。回答者数が高々50人程度であることも合わせると、「街頭アンケート」をまるで世論調査結果のように大げさに扱うことは危険だ。
  • 耳かき店店員殺害事件の裁判で、「無期懲役は納得できない」という遺族の主張を報道していた。裁判員が下した「無期懲役」は、議論を尽くした上でのもの。遺族に対する一連の取材を過度に報道することで、裁判員を傷つけることになるのではないか。視聴者に一方的な印象を与えたように思う。裁判員裁判の報道について慎重を期すようお願いしたい。
  • 耳かき店の店員殺人事件について、被害者の生前のビデオを何度も流して視聴者の悲しみを煽ることはやめてほしい。許しがたい殺人事件であり、痛ましいことであるのに、何の必要があって生前の映像を流すのか。どの事件や事故の報道にも言えることだが、見ている側としてはいたたまれない気持ちになる。遺族の気持ちを考えているのか。
  • 各局とも松平健さんの妻が亡くなったことについて報道していた。松平健さんに「奥様が亡くなられたことについてどう思われますか」「もうご対面なさったのですか」などとインタビューしていたが、彼の立場に立ってみればこのインタビューがどれほど下品なものかわかるだろう。家族を亡くした人の気持ちなど、わざわざ聞く必要はない。
  • 民放各局で、「トラブルで重傷を負った市川海老蔵」の父・市川團十郎の緊急会見をこぞって放送している。32歳の大人が飲酒して殴られただけの事件だ。わざわざ父親が出て来て記者会見をする必要もなければ、テレビ局が騒ぐ必要もない。
  • 他人の不幸は蜜の味。日本のメディア、特にテレビでは、政治、芸能、スポーツあらゆる分野の根底に、この”他人の不幸は蜜の味”的な考え方があるのではないか。何か不祥事や揉め事が起こると、水を得た魚のように追いかけ回し、コメンテーターなどは専門分野でないにもかかわらず、「世論では」や「世間では」といかにも大衆の意見として自説を披露している。きちんと精査して公平性を担保した情報を流してほしい。

【番組全般・その他】

  • 開始時刻を定時ではなく、5分ほど早めてある番組がある。これが非常に不便だ。例えば7時台はこの局、8時台は別の局のこの番組などと、局をまたいで「予約」しようとすると、たった数分オーバーラップしているだけで、「すでに予約されている番組があるので予約を取り消しますか」などと拒否されてしまう。せっかくデジタル放送で便利になったのに、視聴者の利便性をまったく無視しており、時代に逆行している。これは一つの放送局だけでは解決できない問題だと思う。是非、放送界全体で話し合って解決していただきたい。
  • 完全地デジ化に向けて、視聴者は高額のテレビを買わされている。しかし、地デジになって情報量が増え高画質になったのに、放送される番組はお粗末なバラエティー番組ばかりだ。いくら高画質になっても、お笑い芸人や不細工タレントばかりが出演しているのでは意味がない。視聴者に高額の出費を強要したのなら、それに見合う番組作りをすべきだ。
  • 話し方がとても「早口」になっている。昔のアナウンサーは、男女とも美しく話す方が多く、そのような発声、発話技術を持つ方だけが、アナウンサーになれるものだと思っていた。ところが、最近の番組では、ニュースからバラエティー、スポーツ解説などに至るまで、ひどい早口で、滑舌も悪く、言葉を聞き取れないことが多い。文法的に間違えている日本語や文脈に沿わない日本語の使い方も多く、日本語がこのまま衰退していくのかと思うと残念だ。正しい日本語で落ち着いて話してほしい。
  • バレーボールや野球など、スポーツ番組を延長する場合があるが、デジタル放送になったので延長部分はサブチャンネルで放送するべきだ。そのためのデジタル放送だと思う。バレーボールでいろいろと延長があり、録画などに苦労した。
  • ニュースなどでよく耳にするが「イノシシやクマが畑などを荒らすので困る」という。しかしよく考えてもらいたい。動物たちが山から降りてくるのは、我々人間たちが勝手に動物たちの住み家を壊しているからではないのか。クマたちだって、できれば山を降りたくはないはずだ。彼らも食べていかないといけない。それなのに、勝手な人間は「クマだ!イノシシだ!」と大騒ぎした挙句、殺している。少しは動物たちのことを考えてほしい。

【ラジオ】

  • 私は緑内障で片目が見えないのでラジオが貴重な情報源になっている。最近、私が聞いている放送では「近畿地方イコール関西」という意味で使われることが多く、「『逢坂の関』より西を関西」とする本来の意味とは違うと思い放送局に電話をした。すると電話口に出た担当者に「そんなことどうでもいいのだ」と非常に失礼な態度で怒鳴りつけられた。これほどまでに横柄な態度をとることが許されて良いのか。非常に腹立たしい。
  • 夕方の早い時間からエロをテーマに放送している。卑猥な内容を連呼していて聴くに堪えない。許せないことは「おっぱい検定」といって、女性の胸のサイズを延々と話していた。女性をモノ扱いされているようで大変不快だった。放送局に苦情を入れようと思ったが、個人情報を登録しないと意見を送れない。

【CM】

  • 本編が始まった後で、スポンサー名を画面中央に表示し、同時に提供クレジットも流している。時間にして17秒ほどだが、その間もドラマは進行する。スポンサー名のアナウンスに隠れて、せりふが非常に聞き取りにくい。ストーリーそのものへの影響は小さいのかも知れないが、しっかり見たい人には大変迷惑だ。他の番組でも本編の間、画面の隅に予告編やCMなどを表示することがよくあるが、この番組の場合は明らかに行き過ぎだ。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • バラエティー番組で、ある芸人が「小学生にお金を渡して少年誌を買いに行かせる」と話していた。知らない大人に話しかけられても無視するように子どもに教育しているのに、「お金をあげるから」と言われていうことを聞いてしまう話をされると教育上困る。芸人だから面白く話すことはよくあるだろうが、子どもの好奇心をいたずらに煽ることはいかがなものか。
  • 子ども向け番組で、おませな小中学生のファッション事情として高価なブーツなどの派手なファッションを紹介していた。これを見た地方の子どもが「東京の女の子はこんなにかわいい格好をしている。私もそうなりたい」と思い、過度に高価なものを欲しがっては困る。このようなくだらない企画はやめてほしい。

【性的表現に関する意見】

  • 深夜のアニメで、過激な性描写が多く見られる。原作は18禁アダルトゲームのようだが、今後のストーリー展開では主人公が実の妹と恋愛関係になる近親相姦の話のようだ。このような番組を放送するのは問題ではないか。
  • 夕方のアニメ番組だが、放送時間上内容を再考すべきだ。不必要なキスシーンや性的表現に結び付けるような内容が多々あり、子どもが見る時間に放送するのはいかがなものか。同局の過去の同時間帯の作品は人気の高い物が多いが、どれも性的表現が含まれている。このような状況はあまり良いとは思えない。放送局は問題を軽視しているのではないか。

【残虐シーンに関する意見】

  • これから放送されるドラマの番組宣伝を見た。バットを振り回す殺人シーンや無抵抗な人間を殴るシーンなど、暴力的な場面が強調されており不愉快だ。子どもが帰って来る時間帯にも流されているので悪影響も懸念される。番組と違い、番組宣伝はいつ放送されるかわからないので避けようがない。過激なシーンを放送するのであれば、深夜の時間帯にするなど考慮するべきだ。

【いじめに関する意見】

  • 芸人が大勢でその場にいないタレントの悪口をクイズにして笑うという内容で、気分が悪くなった。番組に関係のない人を勝手に巻き込み、しかも馬鹿にするのは許せない。いじめ以外の何ものでもない。子どもに「いじめをするな」と言いながら、大人が平気で人の悪口を言っていじめる。これでは世の中からいじめがなくなるわけがない。
  • お年寄りの言動を笑い物にするバラエティー番組。面白くも何ともなくただ不快だ。他には面白い企画もあるので大変残念である。同局は別の番組でも同様にお年寄りにクイズを出し、的外れな回答を笑い物にしている。人を傷つけても笑いさえ取れればそれでいいのか。子どもはこういう内容を見て人をいじめることを覚えるのだろう。

【動物に関する意見 】

  • ペットランキングの紹介コーナーで、モモンガが威嚇する姿がかわいいということでわざと何度も脅して威嚇させていた。その他にも、安易に珍しいペットをすすめており大変憤りを感じた。子どもにも悪影響だ。動物のことを扱うなら、出演者は動物に関してもっと勉強するべきではないか。見ていて本当に動物が可哀想だった。
  • バラエティー番組で、生き物を殺したり食べたりするなど非常に凄惨な内容だった。うつぼを槍で突き刺しゲラゲラ笑っている場面で、私の娘は「かわいそうだ」と泣き怯えていた。魚などを獲っては「とったどー!」等と満足げに話しているが、もっと生き物を大事に扱うべきではないか。テレビ局にとっては視聴率アップが狙いなのだろうが、視聴者の立場に立った内容で番組を制作してほしい。

【報道に関する意見 】

  • 自殺報道、特に子どもの自殺に関する報道はやめるべきだ。自殺が多くなっているのは、報道によって連鎖が発生しているからだと思う。放送局は受け手に何を期待しているのか。報じるのであれば、少なくとも全国放送ではなくローカルで十分である。報道は自殺を誘発しかねないこととその責任を自覚すべきである。

【推奨番組に関する意見】

  • アメリカの同性愛事情について取り上げていた。私も同性愛者だが、世界の状況を知る機会があまりないのでこのような番組はありがたい。番組中に「君たちは一人じゃない」という言葉が出てきた。同性愛者は自分が周りと違うと気付いた時から誰にも相談できずにいることが多いため、このような言葉は救いになる。「性に関する番組=青少年に不適切」ではなく、悩んでいる人に対して情報発信することも大事だ。

【言葉に関する意見】

  • 平仮名を漢字に直すクイズで、問題は「うちゅう人」だった。回答者が「宇宙人」と答え、書き順は違っていたが正解とされた。小学生の子どもから「書き順が違うのにどうして正解なのか」と問われ説明に困った。ちょうど学校で漢字の書き順を習っているところだ。細かいことだが、こういう点は補足コメントを入れるなどして配慮してほしい。

【危険行為に関する意見】

  • タレントが足の指の間にダーツを落とすという危険行為をしており、それを見た他のタレントは「すごい」とほめたたえていた。その後、家で子どもが真似しようとしてびっくりして止めた。何気なくつけていた番組だったので今後は見ないよう気をつけるが、多くの人が見る時間帯に放送されている以上、このような内容は困る。笑いは何でもありではない。お笑いは好きなので、今後こういうことがないよう注意していただきたい。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「子どもに悪影響」という意見が目につくが、自分たちも子ども時代があったはず。昔はもっときわどい描写が蔓延していたが、そうした番組を見て大人になり、犯罪者にもなっていない方々が意見を述べているのではないか。もっと自分や周りの子どもたちを信じてほしい。それでも心配ならば、子どもの見るテレビ番組をきちんと管理し、家族団らんの時はテレビをつけないなどの努力をしたらいかがか。
  • 何か事件があるたびにメディアを有害とする風潮が目立つが、昔のテレビは現在では放送できないものが多かった。「子どもに悪影響だからやめろ」といった意見により放送内容が変わることがあるが、子どもに影響があるならその番組を見せないという判断はできないのだろうか。子どもが見た時は、「これは悪いことだ。普通の人は真似してはいけない」と注意した方が子どもの判断の教育にもなる。

【CMに関する意見】

  • 「ゲームが無料」と謳っているSNSのサイトのCMが多い。実際に性被害や詐欺、騙しなども起きており、実質的には出会い系サイトだ。知らない人同士の連絡についてCMで注意を促している訳でもない。CMで紹介しているゲームの内容も、恋愛ゲームやタレントを起用しての関係のない話などで、見ていて不愉快極まりない。こういったCMをかなりの回数放送していること自体が問題だ。

2010年10月に視聴者から寄せられた意見

2010年10月に視聴者から寄せられた意見

秋の改編にともなう拡大特番への苦情や、ニュースに関連した報道への意見などが多く寄せられた。チリの鉱山落盤事故のカプセルによる奇跡の救出劇は日本でも生中継され、多くの人々に感動を与えたが、報道の仕方が過剰ではないかとの意見もあった。

10月に電話・FAX・郵便・EメールでBPOに寄せられた意見は1,459件で、9月と比較して106件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール68%、電話28%、FAX2%、手紙ほか2%。
男女別では男性73%、女性24%、不明3%。
世代別では30歳代30%、40歳代28%、20歳代16%、50歳代13%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は680件[43社]であった。
このほか放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、39件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

10月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 1件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

10月の視聴者意見は1,459件と先月より106件多かった。秋の改編にともなう拡大特番への苦情や、ニュースに関連した報道への意見などが多く寄せられた。
チリの鉱山落盤事故は、発生から69日ぶりに33人の鉱夫全員が救出された。カプセルによる奇跡の救出劇は日本でも生中継され、多くの人々に感動を与えたが、報道の仕方が過剰ではないかとの意見もあった。
尖閣諸島問題では、中国がレアアースの輸出を一時停止したことや、中国内陸部でのデモが暴徒化するなど緊張状態が続いた。報道をめぐっては、日本国内のデモをメディアが取り上げないなど偏向しているとの意見も多かった。検察審査会が小沢一郎議員への「強制起訴」を決めたが、政治と金についてのキャスターやコメンテーターの発言をめぐり、視聴者から厳しい意見が寄せられた。検事による証拠のフロッピーディスク改ざん問題は、上司の特捜部幹部の逮捕へとすすんだが、視聴者からはあわせて報道の責任を問う声も多かった。先月、大相撲テレビ中継が再開したばかりだが、相撲担当記者が家宅捜索の情報を相撲協会の幹部に教えていたことが発覚し、報道のモラルが厳しく問われることとなった。
スポーツ関連では韓国で行われたサッカー日本代表の親善試合で、対韓国戦を「韓日戦」と表記、アナウンスしたことについて、おかしいのではないか、違和感があるとの意見があった。プロ野球日本シリーズのテレビ中継が地上波で一部放送されないことへの苦情もあった。
バラエティー番組では、ダイエット企画でさんざん興味と関心をひきつけておいて、「この続きは来週」と強引に引っ張る手法に視聴者の抗議が集中した。このほか今月からU局などで始まった新作アニメについて、作中の役柄設定がおかしいなどの意見があった。
ラジオに関する意見は56件、CMに関する意見は35件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は143件で、前月より約30件増加した。
今月は、低俗・モラルに反するとの意見が64件、次いで性的表現に関する意見が30件に上った。前者については、複数の放送局で深夜に放送されているアニメに対し、主人公の趣味に関する設定が反社会的で倫理的に問題があるとの意見が多数寄せられた。後者については、バラエティー、アニメ、番組宣伝に対する批判的な意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • チリの鉱山落盤事故の救出の模様を生放送しているが、朝から各局ともこの作戦をまるで見世物のように扱い、はやし立てている。ある番組では作業員の一人一人を写真入りで紹介していた。それも名前と年齢くらいならともかく、家族状況や愛人問題を暴くなど、プライバシーも何も無いような取り上げ方だった。33人の命が助かるかどうかの瀬戸際なのに、芸能ネタ同様に興味本位で伝えるのは不謹慎だ。
  • 厚労省不正問題で村木局長が無罪になったが、あの事件が発覚したとき、NHKを含めすべてのマスコミは、検察のリーク情報に便乗し、舌鋒鋭く非難していた。しかし、それが間違いだったのだから、潔く国民に謝罪するべきではないか。マスコミはいつでも、自分のことはさておき、他者を批判する。評論家と同じだ、卑怯だ。もっとプライドを持ってほしい。
  • NHKの相撲記者による「捜査情報漏えい」という犯罪行為。これはNHKだけの問題ではなく、報道関係者すべての問題だが、民放は鬼の首を取ったようにNHK批判をやっている。漏えいした記者だけが悪者になっているが、組織全体に問題はないのか。報道に携わるものとしてあってはならないことだが、記者への教育などはどうなっているのか。報道の自由を掲げる前に、まず義務を果たすべきだ。
  • 「尖閣諸島問題」に対するデモ行進があった。海外ではCNNやウォール・ストリート・ジャーナル、AFP通信社などが詳しく報道しているのに、日本のマスコミが全く報道しないのはどういうことなのか。国民の”知る権利”が脅かされている。きちんと報道するよう各放送局に伝えてもらいたい。
  • 「サッカー国際親善試合韓国VS日本」だが、何故日本で放送するのに「日本VS韓国」ではなく「韓国VS日本」と韓国が先なのか。他のラジオ等で流れていたのはちゃんと「日本VS韓国」と日本冠だった。日本のテレビ局なのだろうか。何か特定の理由があるのか?
  • 神戸の男子高校生が刺殺された事件について、各報道、ワイドショー番組が、亡くなった方のブログを公開することに怒りを覚える。亡くなった方にはプライバシーはないのか。残された家族や友人(彼女)の気持ちは考えないのか。最近のメディアは視聴率さえとれれば何でもよいという風潮がある。
  • 政治の報道をするときに匿名の関係者の発言を引用することがよくある。取材の難しさや、テーマによっては仕方のない場合もあるだろうが、信頼性などからみると好ましくない手法だ。例えば、放送局や制作者が意図的に世論誘導する時に、匿名発言によりそれが可能になる。匿名発言は他人の足を引っ張ろうとしている人間の影の発言、たくらみを助長しているだけで、報道として健全ではない。
  • なぜクマが出没して猟友会が殺処分しているニュースばかりなのか。人間の命も大事だし、襲われてケガをした人も気の毒だが、クマはちょっと人里に下りてきただけで、なぜ殺されなければいけないのか。中でもツキノワグマは絶滅種のはず。一時的に眠らせてエサの豊富な山に放すくらいの思いやりがないのか。山にエサがなくなっている現状、クマだって生きるか死ぬかの大事な冬眠前に仕方なくおなか一杯になりたいだけなのにひどすぎる。命は命で、動物も人間も同じだ。
  • 日本シリーズの中継について第1戦、第2戦、第5戦を地上波で中継しないことはおかしい。どこの球団のファンも注目する試合であるにもかかわらず、くだらないバラエティー番組を流すことは視聴者の意見を無視している。もっと視聴者に目を向けて番組作りをしてほしい。
  • ニュースなどで、取材現場にはない効果音や音楽をミックスして放送している。視聴者の受ける精神的効果を誘導して、視聴者の正常な認識、判断を麻痺させている。取材収録した素材を編集するのは構わないが、効果音、効果音楽の挿入はやめてほしい。

【番組全般・その他】

  • 視聴者詐欺ではないか。ダイエットという人々の関心事を取り上げ、しかも今までずっと追いかけてきた190キロの女性の「ダイエット今夜完結!」と散々煽り、結局次週に持ち越すなんてひどすぎる。それまでもCMまたぎでは同じような内容ばかりを流していた。視聴者を馬鹿にしている。CMまたぎや次週に引っ張る手法は、この番組以外にも山のようにあるが、この番組のやり方は汚い。こんなことで視聴率を稼ごうなんて最低だ。もう二度と見ない。
  • 秋の改編期にあたって、多くの「スペシャル番組」が放送されている。「衝撃映像」「びっくり映像」などと称して、インターネット上で相当前に話題になった動画を垂れ流している番組を多く見かける。特に、10月第二週には、各局が順番に似たような内容で放送していた。事故瞬間の映像や残酷で目を覆いたくなるようなシーンもある。放送局は自分たちで番組を作る能力をなくしてしまったのか。
  • 私は「家電量販店」に勤めている。最近、いかに安く買うか、「値切り術」のような技を紹介する番組が多い。家電に関しては店をハシゴし、値切り交渉すれば安くなることは事実だ。しかし、私が担当する国内ブランド時計は、定価の3割までしか値引くことができない。しかし客はテレビで紹介されたことを鵜呑みにし、強引に値切ってくる。値引きの限界を説明するのだが、納得してもらえない。「ふざけんなてめえ」「テレビは嘘なのか」「詐欺野郎」など罵声を浴びせられる。売り場の者はたまらない。
  • プロ野球で優勝すると、各球団は”ビールかけ”をしてドンチャン騒ぎをする。頑張った選手への褒美としてやるのだろうが、あくまで球団内のお祭り騒ぎであって、テレビで生中継までする必要はない。私は低収入の年金生活者なのでビールを飲むことさえままならず、”ビールかけ”の映像が流れるたびに悔しさがこみ上げてくる。どうか”ビールかけ”の映像をテレビで放送しないでほしい。
  • バラエティー番組やCMの中で、緊急地震速報や気象警報発令時に発せられる音に似た電子音を使用するケースが多い。注目させるためと思われるが、あまり恒常化すると、こういった音への反応が鈍り、本当の警報が出た場合に対応が遅れ、状況によっては命にかかわることになる。電子音の使用には、一定の規制が必要ではないか。
  • 同居する両親は補聴器を常時使っている。テレビ番組を視聴中、両親を困らせるのが「ニュースのBGMの大音量」だ。健常者にはそれほどでもないのだが、補聴器を通すとビートの効いた「ドカスカドカスカ」という音が異常な音量に増幅されて耳をつんざき、肝心のニュースが聞こえないという。テレビを楽しみにしている補聴器使用者は少なくない。せめてニュース番組やニュースコーナーだけでもBGMをやめてほしい。
  • 事件を起こした人をテレビやラジオに出すことをやめてもらいたい。テレビ業界は事件に対しての罰が軽すぎる。物損事故等の軽微なものならいいが、大麻や暴力で怪我を負わせたといったものに対しては厳しく罰すべきだ。具体的にはテレビ業界からの追放。一般人なら職を失い、新たな職にもつけない。それなのに、テレビ業界は時間が経つとうやむやにし、テレビに出演させている。
  • ロケ中の出来事だが、くわえたばこのスタッフが下品な言葉遣いや荒々しい態度で見物人に注意をしていた。制作スタッフの態度の悪さに驚いた。住宅地の中の一角、そこに住んでいる人々も大変迷惑をしていた。路上喫煙禁止区域なので、マナーを守ってロケを行っていただきたい。放送を楽しみにしていただけに、あまりのスタッフのひどさに唖然とした。

【ラジオ】

  • 土曜日お昼の時間帯なのに、平然とわいせつなトークや覚せい剤、性行為を連想させる曲を頻繁に流している。番組中、視聴者から寄せられた苦情もトークのネタにして笑いものにしている。改善が見られないし、このような状態が恒常化している。ラジオ放送なら許されるとでもいうのか。 ・深夜に枕元でラジオを聞いていると、アナウンサーの息継ぎが聞き苦しい。中には息継ぎが聞こえない上手なアナウンサーもいるが、若手の女性アナウンサーの多くは息継ぎが多くうるさい。本人は自分の放送を静かな部屋で聞いたことがあるのか。一度聞いて改善してほしい。無理なら息継ぎ音を機械で消してほしい。
  • ホームランクイズなどに応募すること100回以上、しかし一度も当選したことがない。公式には応募に条件はないが、若者のプロ野球ファン獲得のために、若い人だけを当選させているのではないか。私は62歳だから選ばれないのではないかと邪推してしまう。公平な抽選が行われているか調査してほしい。

【CM】

  • CMの流れる時間が多くなった。再放送番組は特にひどく、CMのほうが長いのではないかというくらいよくやる。朝のワイドショーなどでもそうだ。見たいものを待っていたら、CMが流されて見たいものはほんの少しだった。最近ではHDDに録画し、後で見ている。
  • 「タンスから旦那さんのニオイがする。だから防臭しましょう」といった歌詞を軽いメロディーに乗せて流す防臭剤の宣伝がある。「男性は臭いもの」と決め付け、それを視聴者の脳に刷り込むような内容に反感を覚える。そうしたCMを放送で流すことは非常識だ。制作者の意図を理解しかねる。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • アニメの中で、未成年がアダルトゲームなどを大量に購入しているという設定・表現が極めて不適切だ。また、作中に出てくる実在のアダルトゲームのメーカーがこの作品に対して公式に協力しており、未成年に対する配慮を軽視している。深夜番組とはいえ、インターネットの動画サイトでも配信されている。未成年がこの作品に触発され、アダルトコンテンツに安易に手を出す恐れもある。
  • 子ども向け番組で不快なコーナーがある。楽器を乱暴に扱うことを笑いにしたり、子どもにずるがしこい考えを植え付けるような表現がみられる。ダンスやドロケイなど、子どもの遊びが広がる良いコーナーもあるのに残念だ。作る側は大人としての倫理観を持つべき。でないと「見せない」という選択肢を選ばざるを得ない。
  • ドッキリ企画として、お金の貸し借りの金額で人間性をはかっていた。理由も聞かずに大金を貸してくれる人は優れていて、小額しか貸してくれない人は「ケチ」と馬鹿にされていた。この番組は人気があるので影響力も大きいだろうし、子どもも見ていると思う。このような内容は放送するべきではない。

【性的表現に関する意見】

  • 落語家が司会を務めている番組だと思ってみていたら、AV女優と思われる女性が水着になってベッドに寝るなど過激な表現が多いうえ、アダルトビデオそのものの画像を流し宣伝していた。例えば「お酒は20歳から」というように、番組の放送前に断りを入れるなどして対策はできないものだろうか。
  • 夕方帰宅して見るニュースの後に、夜のドラマの番宣で濃厚なキスシーンが流れる。違和感があるのでやめてほしい。晩ご飯の時間で我が家にとって唯一テレビを見る時間帯であり、子どもも一緒に見ている。
  • 深夜のアニメだが、18歳以下の視聴を制限しなければいけないような過激な性描写が見られる。問題のシーンは不自然な光源や黒枠などで若干の規制をかけてはあるものの、激しい男女の絡みがあることは確実に分かる。あえて過激な描写を入れることを売りにしているようだが、制作者は成人指定の意味と必要性を理解していただきたい。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組内の街頭インタビューで、「口が臭そうなのは」「生まれ変わりたくないのは」など芸人のイメージ調査を行っていた。芸人は1位に選ばれても笑いに変えられるが、一般人にとってはいじめ以外の何ものでもない。いじめにつながるようなテーマは教育上良くない。
  • タレントが格付けし合う企画は、人権を無視し放送倫理に違反する行為だと考える。人を見かけや容姿で判断し順位付ける行為を放送で流すのは非常に不愉快だ。学校でのいじめやさまざまなトラブルにつながりかねない。子どもが視聴可能な時間帯に放送することは問題だ。

【危険行為に関する意見】

  • 断崖絶壁で芸人にホッピングをやらせていた。芸人は嫌と言えない。あまりにひどい番組だと思う。あのような場面を子どもがまねしたらどうするのか。もっと影響の大きさを考えるべきではないか。また、人の命の尊さを制作者は考えるべきだ。

【言葉に関する意見】

  • ドラマだが、出演者の女性の言葉遣いが悪い。「てめえ」「この野郎」などと発言している。この作品に限らず、全体的に女性の出演者が男言葉を使っているのでとても気になる。テレビを見た子どもがまねをして汚い言葉遣いをするので、各局とも番組制作の際には気をつけてもらいたい。

【動物に関する意見】

  • 民家に現れた親子熊の射殺のニュースで、射殺された子熊が流血して倒れている写真が映されていたが、家族全員が不愉快な思いをした。子どもも見ているかもしれないニュースで、このような映像は如何なものかと思った。動物を簡単に殺してよいという認識を与えかねない映像だ。

【差別に関する意見】

  • 子ども向け番組に、知的障害の子のような演出の女性のキャラクターが出演している。差別をテレビで煽っているように見える。このような子どもたちと関わったことがあるので胸が痛む。他の子ども向け番組で、これほどあからさまな誤解を生むような出演者を見たことがない。子どもたちがこんな出演者で喜んでいるとでも思うのだろうか?

【食べ物に関する意見】

  • メニューをひたすら食べ尽くすような、食べ物を粗末に扱う企画は止めてほしい。ニュースでは、日本の食料自給率の低さや貧しい国々の食料事情などを取り上げている。せっかくのそうした教育的内容が、相反する主旨のバラエティー番組で台無しになっている。

【要望・提案】

  • 子どもと一緒に刑事物ドラマを見ていて気付いたが、テレビ番組にも映画同様にR15などの指定が必要ではないか。そのドラマでは、不倫や殺害、克明な犯行状況の映像など、子どもに見せられる内容ではなかった。基本的には家庭の責任だと思うが、せめてラ・テ欄での制限指定表示等は必要なのではないか。

【視聴者意見への反論・同意】

  • ちょっとしたことで「放送するな」「規制しろ」「悪影響だ」といった意見が多い。確かに見ていて不快な番組はあるが、過剰反応する人が多すぎる。何を見て影響されようと行動と決断をするのは自分自身だ。例え子どもでも例外ではない。子どもに悪影響だと思うなら保護者がしっかりと助言、指導すればいいのではないか。
  • 毎月「視聴者からの意見」を読んでいるが、放送倫理や、権利侵害、名誉棄損など、BPOが取り組むべき事案とは関係のない意見が多い。「画面のワイプが目障り」「芸人の関西弁が不快」などといったことで、誰かの権利が侵害されたり名誉が傷つけられているのか。これらが子どもに悪影響を与えるとは到底思えない。こうした意見は受け付けるべきではないのではないか。

【CMに関する意見】

  • 日曜昼の時間帯に数本のパチンコCMが流れていた。子どもへの影響などは考慮されていないのか。賭博に類するCMが、子どもが見る時間に平気で流れることに嫌悪感がある。ゲーム、漫画などの規制も必要だと思うが、あまりにもパチンコに関しては制限がなさすぎる。
  • 消臭剤のCMで、「夫のクローゼットは臭い」といった内容。実態以上に男性に対する侮辱だと思う。家庭内における父親の居場所をなくすうえ、子どもに対しても父親の地位低下をきたす恐れがある。また、食事時に流すのはいかがなものか。「臭い臭い」などと聞かされながらの食事は気持ちのいいものではない。
  • アニメ番組の放送中に宝くじのCMがあった。人気番組で幅広い視聴者層があることは分かるが、未就学児も見るような番組で、射幸心を煽るCMを放送することは問題ではないのか。

2010年9月に視聴者から寄せられた意見

2010年9月に視聴者から寄せられた意見

尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視艇の衝突、船長の逮捕と突然の釈放。中国の繰り出す強硬姿勢に、日本外交の弱腰を指摘する意見や、報道のあり方についての批判などが多く寄せられた。秋の改編がらみでは、スペシャル番組に関しての意見があった。

9月に電話・FAX・郵便・EメールでBPOに寄せられた意見は1,353件で、8月と比較して110件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール63%、電話33%、FAX3%、手紙ほか2%。
男女別では男性74%、女性22%、不明4%。
世代別では30歳代30%、40歳代23%、20歳代15%、50歳代15%、60歳以上13%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は545件[41社]であった。
このほか放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、36件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

9月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

9月の視聴者意見は、内外のニュースに反応した報道関連の意見が通常より多かった。民主党代表選で菅首相が小沢一郎氏を破り、菅改造内閣がスタートしたが、その出鼻をくじくかのように問題が相次いだ。尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視艇の衝突、船長の逮捕と突然の釈放。中国の繰り出す強硬姿勢に、日本外交の弱腰を指摘する意見や、報道のあり方についての批判などが多く寄せられた。
障害者団体を詐称する「凛の会」をめぐる文書偽造事件で、厚生労働省元局長に無罪判決が出たが、主任検事が証拠のフロッピーディスクの内容を改ざんしていたことが明るみに出て、主任検事のほか上司の特捜部幹部2人も逮捕されるなど、検察の信頼を大きく揺るがすこととなった。視聴者からは併せて報道の責任を問う声も多かった。
元俳優の保護責任者遺棄致死容疑の判決報道については、「あまりにも赤裸々に表現しすぎだ」「そこまであからさまにする必要があるのか」などと、裁判の詳細を再現するシーンを疑問視する意見があった。
秋の改編がらみでは、スペシャル番組がだらだらと長い。お笑い芸人の面白くもない話を、どの放送局もやりすぎだとの声や、バラエティー番組で、ヒグマとタレントを闘わせたりしているが、ひとつ間違ったら生命にかかわることだなどの批判があった。
地デジ化促進のための告知スーパーの「常時表示」を今月から各地で開始したことで、アナログ受信の視聴者から抗議の意見が急増した。
番組出演者に関する意見は「不適切な発言」で37件、「不適格な出演者」で49件あった。
ラジオに関する意見は34件、CMに関する意見は63件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は108件で、前月より微増した。今月も、バラエティー番組を中心に低俗・モラルに反するとの意見が44件と最も多く寄せられた。特定の番組への集中はみられず、全体的に分散傾向にあるが、複数の子ども向け番組への批判意見が若干目立った。次いで、性的表現に関する意見が23件寄せられたが、バラエティー、報道、ラジオ番組など対象番組は多岐にわたった。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 尖閣諸島沖での中国の漁船船長逮捕、釈放問題は、日本の領土に関する中国による侵略であり、きわめて重大な問題である。それにもかかわらず、放送局が特番を組むわけでもなく、バラエティー番組を垂れ流す姿勢にはあきれる。ことの重大性を理解していないのか、それとも、中国からの圧力があって放送しないのか分からないが、国民が一番関心を寄せている問題なのだから、放送局はオピニオンリーダーとして、この問題をすばやく取り上げて国民に情報を提供し、積極的にアピールするべきではないか。
  • 今回の領海侵犯事件の報道で、領海侵犯をまるで領土侵犯として報道している。領土問題と領海問題は明らかに異なる。領海を考える時は、大陸棚問題も関係してくる。日中国交回復時、田中・周恩来の両首脳間で、「尖閣問題は避ける」ことを双方が暗黙のうちに了解してきた。放送局はこの事に全く触れずに、領土や領海の違いを区別せず報道している。マスコミの皆さんが歴史の事実や言葉の意味を考えもせず、国民を扇動するような状態に危機感を覚える。
  • 厚生労働省元局長の文書偽造事件の裁判で無罪判決が出たが、検察の意見を一方的に信じ、情報を垂れ流したマスコミの責任をどう考えるのか。元局長の人権はどうなるのか。検察という権力とマスコミという権力が双方から一人の人間をいじめたといっても過言ではない。偏見を世論に植え付けることはやめていただきたい。マスコミ各社は自己批判できるくらいの度量をもつべきだ。自らの身を削り、地を這うような取材で情報を伝えることを忘れた結果であろうか。
  • 元俳優の薬物に関する事件の報道について、各局の報道の仕方は明らかに問題がある。被害者女性との性描写を必要以上に強調しており、興味本位の視点だ。遺族の気持ちを考えると痛ましくて見ていられない。性交渉を何回持ったなどということを報道する必要があるのか。性描写をいたずらに強調しすぎだ。当該事件は保護責任者遺棄致死が争点だ。有名人初の裁判員裁判という旗印のもとに面白く報道しているだけじゃないだろうか。
  • チリの鉱山落盤事故の報道で、地下に閉じ込められた作業員らの様子が毎日のように映し出されている。元気そうに見えても、実際には彼らは想像を超える精神的・身体的な苦しみを味わっていると思う。そんな様子をまるで「ショー」のように茶の間で見られることに強い違和感を持つ。今後、状況がますます過酷になれば、配信される映像もそのまま放送出来ないようなものが出てくるかと思う。間違っても「地球の裏側の惨事」が我々の「娯楽」にならないよう、報道の仕方に配慮してほしい。
  • チリの鉱山落盤事故で地下に閉じ込められた作業員達の様子が連日伝えられている。今朝のテレビ番組で、スポーツ紙に載った関連記事をそのまま紹介していた。それによると、作業員のうちの一人の派手な女性関係」を具体的に説明する内容だったそうだ。生死の境目にいる作業員を励ますどころか女性関係を暴いて追いつめる外国メディアにもあきれるが、無責任にそれを垂れ流す日本の放送局も放送局だ。
  • 民主党代表選最中のこの時期、本人に確認もしないで、候補者がツイッターをはじめたということを報道した。しかしそのツイッターは偽者であることがわかった。マスコミのモラルの低下だ。事実を確認もせず、自分たちの都合のいいように報道するようになってしまったマスコミ。謝罪すればすむ問題ではない。
  • 朝からワイドショーで「民主党代表選挙」を取り上げているがどの番組も偏りすぎである。口では「政策で戦ってもらいたい」と言いながら、両氏が政策を論じている場面は短くカットし、コメンテーターも司会者もほとんど触れていない。大切な問題をうわべだけの話で済ませて、”バトル”としての面白さだけを追求しているように見える。民主党の代表を選ぶ選挙であっても、日本の総理大臣を選ぶ選挙でもある。公平・公正な放送ができないのであれば、余計な取り上げ方はするべきではない。

【番組全般・その他】

  • 最近のクイズ番組は、視聴者が楽しめない。レベルの高いクイズも、難関高校の生徒や特定の高学歴芸能人など知識のある者が能力を自慢しているだけで、視聴者が入る余地がない。昔は視聴者が一緒になって考え楽しんだものだが、今の番組は知識自慢や早押し競争ばかりで、クイズではなく回答者を「凄い」と絶賛するだけになっている。中には問題を、たった数文字読み上げただけで回答者がすばやく答えてしまうパターンもあり、見ている側としては興ざめする。クイズは本来、学歴や知識量に関係なく皆が楽しめるものではないだろうか。
  • “世界各地から3千歩でローマに向かう”という企画で、坂道や駅のホームをキャスター付きのスーツケースに乗って滑ったり、エスカレーターの手すりを滑り降りるなど、周囲に迷惑で危険な場面が多く見られた。公共のマナーをあまりにも軽んじており、日本人として恥ずかしい。周囲の人が呆れ顔で見る様子も放送するなど、それらの行為を面白おかしく演出している点も不快である。ゴール地点のトレヴィの泉は非常に混雑しており、数十メートルも離れた場所からコインを投げることは危険である。バラエティー番組でも公共の場で撮影する以上は、マナーを守ることが当然だ。
  • 9月から10月にかけての民放のゴールデンタイムの長時間特番はなんとかならないか。3~4時間以上の特番が多いが、その影響でスポーツニュースや深夜の番組が繰り下げになる日があり困る。テレビ局に金やアイデアがないのか知らないが、内容が薄い。しかも同じ芸能人を使うことは如何なものか。最近は主に番組改編のある春と秋は勿論、番組改編ではない時でも長時間の特番があり、うんざりする。
  • タレントを熊と闘わせ、体を噛まれたにもかかわらず、熊に体や顔を舐めさせていた。それを笑いにしていることに憤りを覚えた。ひとつ間違ったら命にかかわることだ。人の命は大切にしてもらいたい。子供の教育上も問題がある。テレビ局に問い合せたところ、「飼育している熊だから安全だ」という答えだった。しかしどう見ても安全だとは思えない。
  • 芸能界では過去に薬物使用で罪を犯しても、時間が経てば平気でテレビに出演したりしている。薬物汚染の根本にメスを入れるなら、今後、薬物使用した芸能人やスポーツ選手などは一切テレビには出演させない取り決めなどが必要だ。「罪を償ったのだから良いだろう」との認識のようだが、一般人は罪を犯したら二度と元の職場には戻れない。薬をやればテレビには出演できなくなるという強い危機意識を持たせなければいけない。
  • バス釣りを特集していた。スポーツフィッシングではリリースすることが基本と伝えており、実際に堂々とブラックバスをリリースしていたことには驚いた。確かに外来生物法ではリリース禁止とはなっていないが、ブラックバスは外来魚であり、釣り上げた場合は持ち帰って処分するのがマナーである。一部の県では条例でリリース自体を禁止している中、なぜこのような放送をしたのか疑問に思う。
  • 出演者や放送局が「告知」と称して、出演者のイベントや同局の他番組などの宣伝を行っているが、貴重な放送時間を勝手に私物化しているのではないのか。バラエティー番組などでは日常茶飯事、ひどい場合にはニュース番組でもこういったことが見受けられる。
  • 最近、過去の作品の再放送が目に付く。都会のテレビ局では、放送を開始したばかりにもかかわらず新ドラマの”早出し再放送”までするようになった。私はこの手法に憤りを感じる。やめてほしい。
  • 先日から始まったアナログ放送終了告知の「常時表示」が目障りだ。局によっては文字がチラチラするところもあって番組に集中できない。物事を伝えるプロのやることとは思えない。プロなら視聴者に不快感を与えない上手な伝え方があるのではないか。表示は各CM明け60秒だけで十分だ。
  • 「この後は大物ゲストが登場!」という期待させるナレーションと映像にCM明けを待っていると、それは来週の予告にすぎずガッカリさせられることがよくある。以前は、このような視聴者をだます手法はなかったはずだが、最近では各局がそろって取り入れているようだ。どんなに素晴らしい内容の番組も台無しになってしまうと思うが、そうまでして視聴率が欲しいのだろうか。放送局に不信感が募る。
  • 番組名は忘れたが、深夜ドラマや時代劇を見ていると、どこの局もBGMの音が大き過ぎて、肝心の役者の台詞が聞き取りにくい。加齢のせいかもしれないが、高齢者にも優しい放送を心がけてほしい。

【ラジオ】

  • 視聴者と電話で話すコーナーがある。その際、視聴者は「季節の食べ物」として地域の名産品を送っているらしく「××を送りました」「ありがとう、美味しかったです」との会話が多い。ファンとして品物を送ろうと自由だが、わざわざ出演者が番組内で礼を言う必要などない。芸能人特権を主張して物を請求しているように感じられ、不愉快極まりない。

【CM】

  • 高速道路全面工事の告知CMに、なぜ子供タレントを起用するのか。可愛いからか。逆効果だと思う。大切な説明部分がもぞもぞしていて聞き取れない。子供を使わずにきちんとした告知が見たい。間違っていないか。
  • 最近のCMはペットの出演があまりにも多過ぎて、何のCMなのか分からないものばかりだ。ペットが苦手な人もいる。その事を考慮しないで、ペットを出演させる演出は不快だ。ペットの出演する演出は自重すべきではないか。
  • 動脈硬化を警告するCMが気味悪い。特に音楽が不安を掻き立てる。警告する目的なのだろうが、逆に企業のイメージダウンにつながると思う。朝からあんな音楽を流されるのは不快だ。周りの人間に聞いてみても気味が悪いとの意見が圧倒的だ。早めに中止してほしい。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 子ども向け番組だが、企業の宣伝のような内容になっている。CDランキングなどもやり、なぜかジャニーズのタレントばかり宣伝している。学校への取材VTRなどはその合間に申し訳程度に放送されている。こんな番組に公立の小学校が取材に応じるのは問題ではないか?子どもたちが宣伝目的に利用されているように見えてしまう。
  • 子ども向け番組だが、あるコーナーでお笑い芸人が10代の女子モデルに対して、目をつむらせた上で触るという痴漢的なことをした。大人の芸人が「10代の子に触りたい」という発言も気持ち悪い。演出であっても過剰で、この番組の視聴者層から判断しても適切なものではないと思う。このような常識をわきまえない芸人はテレビに出さないほうがいい。
  • 近年、報道番組において字幕の誤字や脱字が多く見苦しい。間違えても、後でキャスターが事務的に謝罪や訂正をするだけになっている。テレビ局は間違いの影響力を考えたことがあるのか。特に知識が乏しい子どもなどはそれが間違いと気づくことなく覚えてしまう。人為的ミスの発生を極力抑止するべきだ。
  • パーソナリティの喋り方が人を小ばかにしたような感じで不愉快だ。内容も「聴取者の投稿の中で、どれがよりばかばかしいか」と競うようなもので、子どもたちに聞かせたくない。

【性的表現に関する意見】

  • 最近子どもが夕方のニュースを見るようになった。良い傾向だが、ここ数日芸能人の薬物事件が大きく取り上げられており、露骨な性表現に親として困惑している。子どもたちも見る時間なのだから、もう少し表現を工夫できないものか。あるいは親がチャンネルを替えるなどして対処すべきなのだろうか。
  • バラエティー番組の特番で、子どもも見る時間帯にもかかわらず女性のお尻のアップが放送されていた。セクハラや性暴力を連想させる行為、卑猥な表現もコント内で行われていた。このような行為をお笑いにするということは、笑いにさえすればセクハラは許されるという間違った風潮を世間や子どもに浸透させかねない。
  • AV女優が出演し、下着丸見えの姿でカルタ取りをしていた。また、お笑い芸人らはパンツ一枚でAV女優の股間に鼻をつけるなどしていた。読み上げたカルタの内容も卑猥で、放送に値しない低俗な番組だった。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組などで「デブ」「ブス」「チビ」「ハゲ」など、肉体的欠陥を指摘し、笑い物にしている場面を目にする。お笑いタレントはそれを「売り」や「個性」にできるが、一般人は傷つくし障害者の場合もある。いじめの原因や差別、偏見の助長につながる。やめさせてほしい。

【差別に関する意見】

  • テレビでの身体障害者への侮蔑や差別のような表現は最近はだいぶ減ったと思うが、この子ども向け番組には差別にとられかねないキャラクターが出演している。まるで障害者をからかったような感じでとても不快だった。差別につながるような放送を平気でしている神経がわからない。

【言葉に関する意見】

  • あるタレントのコーナーで、「くそばばあ」「くたばりぞこない」「うるせーなー、このガキ」など、しゃれを超えた言葉を連発しており不愉快である。特に「うるせーなー、このガキ」と言われた子どもは冗談と取らず、トラウマを与える言葉である。将来まで影響を与える恐れがある。このコーナーを止めさせるべきだ。

【表現・演出に関する意見】

  • 動物が歩いたり食べ物を食べる場面などに、いちいち変な効果音がつけられていて大変耳障りだ。動物のあらゆる動きにしつこいくらい音が付けられている。子を持つ母親から聞いたが、動物はあんな音がするものだと子どもが思い込んでおり、動物園へ連れて行くと「音がしない」と混乱状態になり説明に追われるそうだ。

【非科学的な事柄に関する意見】

  • パーソナリティーが「僕はA型、△△はO型。A型は細かくてO型はおおざっぱな性格をしている」と断言していた。さらにゲストの血液型に関しても同様の発言をしていた。血液型からの性格判断は科学的根拠がないものであり、それを公共の電波で発言することは人権侵害に当たる。公共の電波の影響力をもっとまじめに考えてほしい。BPOから血液型に関する意見が出されているにもかかわらず、放送局は全く変わっていない。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 今のバラエティーはくだらなすぎる。視聴者の苦情に臆病になり制作者が萎縮しているのではないか。「子どものため」と言うが、子どもに見せないようにすればいいだけで、深夜番組にまでクレームを言うことはナンセンスだ。見せたくないと思うということは親自身は見ているということだ。親のせいで今のバラエティー全般がつまらなくなってきていることは否めない。
  • 7月の意見で「全てを視聴者に任せるのは危険だ」とあったがその通りだ。例えば子どもに殺人シーンを見せたくなければテレビを消せばよい。しかし、子どもが友人宅でそうした番組を見たとして、相手の親に「こういう番組を見せないようにしてほしい」と言えるか?放送の影響力は非常に大きい。だからこそ放送局は自ら襟を正し、公序良俗を守る社会的責任を負っている。責任を放棄して表現の自由を振りかざすなら、仮に規制を受けても反対する資格はない。

【CMに関する意見】

  • 携帯ゲームサイトのCMが多過ぎる。数社あるので違いがわからないし、どれもこれもゲーム内容を前に出すばかりだが、実際はそういったサイトのゲーム以外のコンテンツを使って性被害に遭う子どもが急増している。悪い点をわざわざ宣伝することはないと思うが、青少年に有害ではないか。

2010年8月に視聴者から寄せられた意見

2010年8月に視聴者から寄せられた意見

大阪の母親による2児放置殺人という痛ましい事件に多くの意見が寄せられた。登山者の救出で出動したヘリコプターが墜落したが、取材で現場に向かったテレビ局カメラマンら2人も遭難し、取材に無理があったのではないかとの、厳しい批判意見があった。

8月に電話・FAX・郵便・でBPOに寄せられた意見は1,463件で、7月と比較して63件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール62%、電話33%、 FAX3%、手紙ほか1%。
男女別では男性74%、女性22%、不明4%。
世代別では30歳代30%、40歳代27%、20歳代16%、50歳代14%、60歳以上8%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は680件[35局]であった。このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、36件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

8月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 3件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

8月の視聴者意見は1,463件と先月より63件少なかった。記録的な猛暑となった日本列島だが、事件事故も相次いだ。東京都内の民家で、生きているはずの高齢者の白骨遺体が見つかった。その後、全国各地で所在不明の高齢者の実態が明らかとなった。大阪の母親による2児放置殺人という痛ましい事件にも多くの意見が寄せられた。登山者の救出で出動したヘリコプターが墜落したが、取材で現場に向かったテレビ局カメラマンら2人も遭難し、取材に無理があったのではないかとの厳しい批判意見があった。
広島の平和記念式典に初めて国連の潘基文事務総長やルース米国大使が出席したが、潘事務総長の演説のところで、生中継を通常番組のドラマに切り替えたため、多くの抗議があった。民主党代表選挙は告示日直前まで混乱したが、菅首相、小沢前幹事長の一騎打ちとなった。報道が面白おかしく対決を煽っている、安易な支持率調査が多すぎるなどの批判意見があった。
バラエティー番組のゲーム収録中に芸人が3人も相次いで負傷したことで、テレビ局の安全管理上の問題指摘や、危険なことをやらせすぎだとの批判があった。このほか取材の仕方などについても、繁華街周辺でのテレビ取材クルーのわがもの顔のロケや、事件報道での成人加害者の母親への執拗な取材などにも厳しい苦情や批判が寄せられた。
番組出演者に関する意見は「不適切な発言」で53件、「不適格な出演者」で61件あった。
ラジオに関する意見は33件、CMに関する意見は53件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は102件で、前月より約20件減少した。
今月も、バラエティー番組を中心に低俗・モラルに反するとの意見が36件と最も多く寄せられた。美容整形を扱ったバラエティー番組に対しては、「子どもが安易に整形に走る」「ただの宣伝ではないか」などの意見が4件寄せられたが、全体的に分散傾向にある。以下、性的表現に関する意見11件、いじめに関する意見7件などが続いたが、これらでも特定の番組への意見の集中はみられなかった。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 杉並区に住んでいるとされる都内最高齢113歳の女性の存在が確認できないということで、79歳の娘さんにインタビューしているニュースを各局で放送している。芸能人でもない一般の方を、住まいも分かるような形で全国放送することは、娘さんの今後の生活に悪影響を与えるのではないかと心配している。また、区の職員が、一般家庭の内情をあのようにペラペラとテレビで話すことはいかがなものか。
  • 全国各地で高齢者の所在不明が問題となっている。各自治体が発表した100歳以上の所在不明者について報じていた。その際、女性キャスターは日本地図に置かれた丸印(印1個が所在不明者1人を表す)を指して「1個、2個、3個。○○県では3人が所在未確認です」と説明していた。人を示す印を数えるのに「1個、2個」は失礼だ。やはり「1人、2人」と言うものだ。
  • 「広島平和記念式典」を見た。今年は潘基文国連事務総長が初めて出席する歴史的な式典だ。ところが、潘事務総長のあいさつの前に放送が終了しドラマが始まった。私は潘事務総長がどのような表情で、どんなあいさつをするか生放送で見たかった。歴史的瞬間は全世界に生放送すべきだ。
  • 駅のホームで起きた転落死事件の報道について、ワイドショーは容疑者の母親にまで取材しているが、このような「罪は九族へ及ぶ」的な時代錯誤な報道は控えるべきではないか。未成年の起こした事件ならば監督責任が問われることもあるだろうが、成人の起こした事件で、その事件に何ら関わっていない両親を糾弾するような報道には疑問を感じる。
  • 埼玉県秩父市のヘリコプター墜落事故の取材で入山したテレビ局の記者とカメラマンが遭難した。報道自粛がかかっていたにもかかわらず、無理に取材を強行している。各社のニュースでは、「報道だから許される」というような表現があり、あまりに腹立たしい。また沢のぼりをバカにした装備なのに、まるで彼らが「不慮の事故」に遭ったような扱いをしている報道もある。
  • 本人の意思が不明確であっても家族の同意で臓器提供ができるようになった。移植手術により人命が助かるのはとても良いことだが、報道の仕方が冷静さを欠いており、「臓器提供」を崇高な行為として美化し過ぎているような気がしてならない。初の手術がこうも華々しく伝えられると、「提供したくない」という意思の存在自体が隅に追いやられる。それは危険なことだと思う。「提供する・しない」のそれぞれの意思の重みは等しいという認識が、改めて国民に浸透するよう報道してほしい。
  • 不同意堕胎罪で逮捕された医者の報道で、「イケメン」という言葉を使っているニュース番組が多かったが、犯罪者に対してなぜこのような言葉を使うのだろうか。例えば強姦容疑で捕まった男がいるとして、その男に対して「イケメン強姦魔」と報道されていたら、被害者はいい気がしないはずである。
  • ニュースで複数の人達を指して「○○ら」と表現することがあるが、この「ら」に違和感を覚えることが多い。「ら」はどちらかというとぞんざいに聞こえ、特にニュース原稿に使うと当事者を見下しているような印象を与える。私だけがそう感じているのかも知れないので念のため辞書で調べると、やはり多少「蔑み」を含む表現だということが分かった。報道においては犯罪容疑者などの例外を除き、複数の人達をまとめて表す際は「達」を使うようにすべきだ。
  • 人通りの多い公道で勝手にロケをしておきながら、通行人に「近づくな」といった指示を出すことは傲慢だと思う。特にお笑い芸人が「綺麗な女性を探す」という企画はひどすぎる。いきなり声をかけて髪や体に触り、失礼極まりない。それ以外の通行人に興味がない時は「カメラに近づくな」と指示することはおかしい。気を使うべきはテレビ局の方ではないのか。

【番組全般・その他】

  • 「見た目は汚いが美味しい店をまわる」というコーナーは気分が悪い。飲食店を探すのに「汚い」という言葉をつけて、お店の方にとって気分はよくないはずだ。内容も出演しているタレントたちが外見をみて、「きったね~な~」や「もしかしてあの店?信じられない」などの罵詈雑言だ。店内でもやりたい放題、メニューを見て注文するが、勝手に「こうしたら、もっとうまいぜ」と言い、それぞれが選んだ食事を混ぜてみたりと、見るに堪えない。
  • 室内ホッケーゲームのコーナーで、天井から大量の千羽鶴がばら撒かれ、床中が千羽鶴に覆い尽くされた。そのため、タレントが動くたびに床の千羽鶴は踏まれてしまっていた。8月9日は長崎の原爆投下の日である。この日長崎市では、「子ども達が折った千羽鶴を犠牲者に捧げ平和を祈る」という行事が行われている。その日に「同じ千羽鶴を踏みにじる」という行為を放送するとはどういうことか。一緒に見ていた私の両親は「情けない」と言って悔し涙を流していた。
  • お笑い芸人が収録中に骨折する事故が相次いでいる。今日3例目の負傷者が出た。このまま放っておくと、死亡事故などの重大事故が発生するかもしれない。かなり危険だと思えるゲームを罰ゲームのように強制し、無理をさせることから起きている。テレビ局で番組を作っている人間には常識というものがないのか。
  • ダイエットや減量を扱った番組ですが、食生活や摂取量が極端におかしい人にスポットを当てている事がよくある。バラエティー番組だから見た目のインパクトが欲しいのかもしれないが、わざわざそういう人を見つけて題材にする番組作りはどうかと思う。普通の食生活を送っている者としては、単に食事を変えただけでは劇的に痩せることはできない。サウナや岩盤浴を1回やっただけで減量できるわけがない。ダイエットに関する誤った認識を与えかねない。
  • テレビ番組は、太っていることは「間違い」と決めつけ、時には「罪悪」のように扱っています。毎日のように放送される「何ヵ月で何キロ痩せてきれいになった」という体験談は、「痩せていなければ美しくない」と言っているようなものです。その影響で、近所の人にお節介なアドバイスを受けることもあります。私は太りたくて太っているわけでなく、持病の薬の副作用です。痩せたくても痩せられない人の気持ちに配慮した番組作りをして下さい。
  • テレビをつけていると、昼間の時間は必ずどこかの局で韓国発のドラマ・歌・グルメが放送されている。いくら何でも多過ぎだ。特に韓国ドラマを際限なく輸入している現状を見ると、これまで何十年もかけて培われた日本ならではのテレビドラマがいともあっさり隅に追いやられたような印象さえ受ける。もしも番組の輸出入を「文化交流の一環」と位置づけるのであれば、日本からもテレビ番組をどんどん輸出すべきだ。受け入れる一方であれば、日本の放送文化は衰退するのではないだろうか。
  • 民放の女性アナウンサーは容姿も話し方もちゃらちゃらしていて、まるで芸能人と変わりない。女子アナの婚約・結婚の話題をまるで芸能トピックさながらに華々しく伝えることはおかしい。男性については、NHKの人気ベテランアナウンサーが脂の乗り切った時期にフリーになる例が後を絶たず、残念な気がする。野心家の男性アナウンサーにとって、NHKは思うような仕事が出来る環境ではないのだろうか。
  • 夏になると、テレビでも街中でも「浴衣」を身につけた老若男女を多く見かけます。夏の訪れを感じさせ、見ていてもほほえましいのですが、着付けがしっかりしていない状態を見ると情けなく思います。これはどの季節の、どの和装にも言えます。着こなしと所作はその人となりが表れるので、その芸能人やアナウンサーの魅力が損なわれないよう、しっかり着付けてあげるなりアドバイスしてほしい。
  • 最近、特に腹立たしいことが、出演者の言葉に効果音(爆発音やマシンガンの音)をかぶせて消していることだ。放送局が制作する番組はスタジオで観覧している人が主なのか、視聴者が主なのか分からない。編集の時点で効果音を入れているのだろうが、そのような編集をするならカットするべきではないだろうか。視聴者を蔑ろにしているようで腹立たしい。

【ラジオ】

  • 野球試合の延長が長すぎ、後続の番組がつぶれてしまいます。他社でも横並びで放送しているのに、試合終了まで中継する意味が分かりません。野球中継以外の番組を楽しみに待っているリスナーのことも考えていただきたい。
  • 「お色気大賞」のコーナーが苦痛でたまらない。私が聞きたいコーナーは「お色気大賞」の後に放送されるものだから、結局「お色気大賞」も聞いてしまうことになる。こんないやらしいコーナーはもうやめてほしい。

【CM】

  • 最近のCMはひどすぎる。「個人の感想です」という注意書きだけ付けて、怪しい個人ユーザーに企業の言いたい効能を代弁させているとしか思えない。自分達で効能を謳うとクレームが怖いのか、法にひっかかるのかは知らないが、CMを見て購入してしまうお年寄りの方もいるはずです。自分達は何のリスクも負わないやり方は、視聴者を騙そうとしているようにしか見えない。本当に自信がある商品ならば自分達で効能を謳えるはずだ。
  • カリスマ的ロックバンドの楽曲とお客さんの喜ぶ姿が映り、びっくりした。もしかして再結成かと思っていたら、そのバンドのライブの映像後に、某大手パチンコメーカーのマークが映り、パチンコのCMだとわかった。「パチンコ」の一言も出ない。女性向けに「ちょっと一息」「ちょっとの楽しみ」といった言葉を並べ、30代から50代くらいの女性3人が、ニコニコしながら散歩している様子が流れ、「女性にも楽しみを…」と言っている。姑息な手段でパチンコのCMを放送しないでほしい。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 容姿の悪い女性を笑い物にし、番組を盛り上げるために不快ないじめエピソードを演出したうえ、視聴者に無責任に整形を推奨するバラエティー番組だ。美容業界と放送局の金儲け以外の何ものでもない。整形手術は希望する人間が自費でやるべきことだ。子どもや若者に悪影響だ。
  • 不快なキャラクターが出てきて生理的に受け付けられない。子ども向け番組なのにどぎつすぎる。夜のバラエティーではなく、朝の食事時間の放送で子どもが見ていることを配慮すべきだ。ブサイクな女性を笑う風潮を特に子ども向け番組で作ることはとても倫理に反している。
  • 出演者に刺青をした人がいた。テレビは不特定多数の人が見ており子どもも見ている。堂々と刺青をしている人間を出演させることはやめた方が良い。まだ世間のことが分からない少年少女が見ていたら、刺青をしていてもおかしくないと思わせてしまい、悪の道への一歩を安易に踏み出してしまう。どうしてもそのタレントを出演させたいなら、刺青が見えないようにして出演させるべきだ。
  • 家族団欒の時間帯に、変態行為を長時間にわたって放送していた。信じられない。お笑い芸人におもしろおかしく再現させていたが、冗談半分でマネをする人間が出るのを助長するだけで、青少年への影響は大きいと思う。われわれ大人が見ていても不愉快に感じる番組だった。

【性的表現に関する意見】

  • バラエティー番組で、タレントが性的な話題について10分程度語っていた。夏休みの21時台という時間帯では小中学生の視聴もあるはずで、現に我が家でも中学生が見ていたが、あまりの内容に親としてチャンネルを替えざるを得なかった。このような放送をこういう時間帯に流すことはテレビ局の見識を疑う。規制をかけるべきだと思う。
  • アイドルのプロモーションビデオが昼間に放送されていたが、下着姿で歌っている。小学生の子どもたちの目に偶然入ってしまい、親としてひどく憤慨している。下着姿である以上、深夜の放送にしてもらいたい。あまりにも非常識ではないか。
  • テレビにお色気番組は必要ない。今やネットでいくらでもアダルト動画が見られる時代だ。携帯電話や携帯ゲーム機の発達により、もはや保護者の目など届かない。大人が楽しむものとしてのお色気番組は今や崩壊しているも同然だ。

【いじめに関する意見】

  • お笑い芸人につらい課題を与えてクリアさせ、その状況を複数で確認するという内容だった。芸人にタバスコや唐辛子が多量に入った食べ物を食べさせ、苦痛にもだえる顔を楽しんだりして見るに耐えない内容だった。いじめを体験した私の子どもも「こんな番組見ないで、いじめられている芸人さんがかわいそう」と言っていた。
  • タレントたちがかくれんぼをする番組。見つけられた人が檻に入れられ、タランチュラを放り込む、大量の粉を噴射する、大量の泥水をかけるなどのおしおきを受けていた。それを檻の周りで見ている出演者達が大爆笑している。台本があるとしても、子ども達も見ている時間帯に悪質ないじめ方を教えているようなものだ。

【危険行為に関する意見】

  • ゴルフ場で何も知らない芸人を落とし穴に落とすという内容。何人も落としてそのリアクションを競っているような感じだった。恐らく落ちてもけがをしないような工夫がされているとは思うが、うちどころが悪くてということも考えられる。こんな危険なことをして笑っている出演者は大人として配慮が欠けている。見ていてとても気分が悪くなった。真似をする子もいるかもしれない。

【殺人シーンに関する意見】

  • 番組冒頭で、女子高生が街中で刺殺されるシーンがあった。いかなる設定にせよ、類似犯罪を助長するようなシーンを子どもが見る時間帯に放送するとはいかがなものか。ワイドショーやニュースでこの種の犯罪を取り上げ、被害者に同情し容疑者を憎むような報道姿勢は欺瞞としか言いようがない。各局の良識を望む。

【推奨番組に関する意見】

  • 第二次世界大戦に関するドキュメンタリーを見たが、とてもよくできた番組だと思う。今の若者は戦争を知らない者も多く大変嘆かわしい。「日本ってアメリカと戦争したんですか」「勝ったのですか、負けたのですか」と言う若者までいる。このような良質な番組は、終戦記念日あたりだけ放送するのではなく、普段から若者が見る時間に繰り返し放送すべきだ。

【編成に関する意見】

  • 深夜アニメであるにもかかわらず、小中学生の弟たちが毎週見ている。内容がとても良いので弟が楽しみにするのも分かるが、ゴールデンタイムに放送してはどうか。この番組を見るために夜更かししている子どもの視聴者も多数いると思われる。

【報道に関する意見】

  • 死刑の刑場を公開するというニュースがあったが、夏休み中のこの期間に報道しなくてもよいのではないか。大人の私でも非常にショックを受けたのだから、子どもが映像を見た時の衝撃は想像を絶する。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「青少年に有害な番組やCMは放送を中止すべき」「不快なのでBPOから指摘してほしい」などの意見が多いが、このような意見をお持ちの方はどのような取り組みをしているのか。情報が溢れる現代ではメディアリテラシーが求められている。放送する側には、正確でより良い情報の提供や情操教育への貢献などが求められ、有害・悪質な内容は流さないという義務がある一方、視聴者にも、正確で安全な情報を選び取る義務があることも忘れてはならないだろう。
  • 「子どもに悪影響を与える」などと言うが、現代より放送の規制が緩かった時代を生きていた大人が何を言っているのか。そんなに今の大人は悪い人間ばかりなのか?問題はテレビではなく、それを受け取る側の心の持ちようだと思う。子どもに良くない内容だと思ったら、大人がしっかりと「駄目だよ」と言ってあげればいい。

【CMに関する意見CMに関する意見】

  • 携帯電話用のゲームのCM。泥棒をネタにしたゲームで「盗め、盗め」と訴えている。いくらゲームでも、盗みが楽しいことであるかのような宣伝はモラルが欠けているのではないか。ゲームの中だけなら良いが、現実でも盗みを楽しむようになる子どもが増えることになるのではないか。
  • 未成年者の飲酒防止の観点から、アルコール飲料のCMが野放しになっていることは問題だ。人気俳優やタレントを使用し、真っ昼間から「うまい」「最高」などと連呼させている。これでは未成年者に飲酒を勧めているようなものだ。

2010年7月に視聴者から寄せられた意見

2010年7月に視聴者から寄せられた意見

大相撲名古屋場所のテレビ中継中止の是非をめぐり、賛否両論多くの意見が寄せられた。その後も角界をめぐる暴力団がらみの不祥事が報道されるたびに、厳しい批判が相次いだ。参院選挙は民主党が大敗したが、選挙に関する意見では、情報番組のキャスターやコメンテーターの見解が強く前に出すぎていて、世論を誘導しているとの批判があった。

7月にEメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,526件で、6月と同数であった。意見のアクセス方法の割合は、Eメール63%、電話33%、FAX2%、手紙ほか2%。
男女別では男性73%、女性23%、不明4%。
世代別では30歳代32%、40歳代25%、20歳代18%、50歳代11%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は742件(46局)であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、42件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

7月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 0件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

7月の視聴者意見は1,526件と、先月と同数であった。
大相撲名古屋場所のテレビ中継中止の是非をめぐり、賛否両論多くの意見が寄せられた。相撲中継の中止、ダイジェスト版による放送ということになったが、その後も角界をめぐる暴力団がらみの不祥事が報道されるたびに、視聴者から厳しい批判が相次いだ。
参院選挙は民主党が大敗し、衆参ねじれ国会となった。選挙に関する意見では、情報番組のキャスターや評論家、コメンテーターの見解が強く前に出すぎていて、世論を誘導しているとの批判や、候補者の取り上げ方も一部公平性に欠けるものがあるなどの指摘があった。政治報道については、内閣支持率など世論調査を頻繁に報道することへの疑問も出された。
バラエティー番組では、長時間にわたって続けられたスペシャル番組で、炎天下倒れるまでタレントを走らせていたなどの批判や、回転する椅子に座らせた芸人を倒れるまで執拗にいじめたなどの意見が寄せられた。ドラマでは、子どもを殺すなど残虐なシーンが多すぎるとの意見があった。
来年7月の完全地上デジタル放送に向けて地デジ化テストが行われ、アナログ放送がレターボックスでの放送に移行したが、受像機をまだ買い替えていない人や、受信環境が整っていない人などから、視聴者への配慮が欠けているなどの苦情が寄せられた。
番組出演者に関する意見は、「不適切な発言」の検索で34件、「不適格な出演者」で48件あった。ラジオについての意見は40件、CMについては54件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は123件で、前月と同数だった。
今月も、バラエティー番組を中心に低俗・モラルに反するとの意見が37件と最も多く寄せられた。次いで、ドラマ番組での子どもの殺害シーンなどに対して「残虐だ」「見るに堪えない」などの批判意見が集中的に寄せられた(25件)。また、特定のジャンルに限らず、「性的表現」に関する意見も幅広く寄せられた(13件)。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • NHKは「大相撲名古屋場所の生中継はやめるが、録画のダイジェストを放送する」と発表した。しかし、相撲放送中の客席に暴力団組員がいてテレビで放送された問題は、何の対処方法も検討されていない。これでは再び、同じようなことが起きる可能性があり、放送が暴力団に悪用されることを放置しているとしか思えない。当面、大相撲番組は中止して、有効な対処方法を検討するように指導していただきたい。
  • 暴力団がかかわる、野球賭博に汚染された大相撲の中継をやめるべきです。NHKは国民の受信料でなりたっているのですから、当然国民の大多数の意見を尊重すべきです。
  • 生中継中止を残念に思っています。いまだに放送中止が納得できません。野球賭博に関係のない力士の方が多いのに、力士たちが気の毒です。今のダイジェスト放送では、大相撲の醍醐味は伝わりません。
  • 本当に悪いのは賭博を設定した暴力団の存在だろう。そこにメスを入れないマスコミの弱腰こそが問われているのではないか。本当の悪に目をつぶり真っ正直に生きてきた力士ばかりに焦点を当てることはどうなのか。厳然として存在する暴力団の存在をどうとらえるのか。社会の必要悪とのとらえ方は否定しなければならない。
  • 参院選挙の「開票速報」を見た。速報の臨場感を出すために、注目選挙区や注目候補の「当確」が出ると、全国の開票速報の途中にもかかわらず、万歳などのVTRを入れてくる。VTR後に開票の続きを放送すればいいが、注目候補の速報になったりしてめちゃくちゃだ。また、出口調査を過信し「当確」を早く出し過ぎている。早く「当確」が出ても下位で当選した人もいた。
  • 参院選挙で民主党が大敗したが、これは菅総理の消費税発言を大きく取り上げ、世論調査の支持率低下など、民主党に不利な報道をしたからだ。選挙期間中は有権者への影響を考慮し、世論を誘導するような報道はすべきではない。また、選挙特番にアイドルやお笑いタレントを出演させ、バラエティー番組のような扱いをしている放送局もあった。政治に対する真面目な取り組み方が感じられない。 内閣および政党支持率の世論調査の回数を減らしてほしい。国民は世論調査に影響される。世論が支持しているから、または世論が支持していないからと影響されているように思う。特に内閣支持率は支持率が低下し始めると雪崩のように下がる。これはマスメディアの悪影響ではないか。
  • 民放の情報番組を見ていると、政治に関する情報は国民主体ではなく、テレビ局本位の批判報道のようで苦々しく思う。重箱の隅をつつくような番組が多い。国会で何が審議され何が決まったかより、誰が失言したか、誰々が悪いとか、野党よりひどいことを政府に質問している。政治評論家と称して出演している中には、我々一般国民より幼稚な解説をしている者もいる。我々に何を伝えたいのかさっぱり分からない。
  • メディアが競って政権や政党の支持率を発表しているが、何の目的で行っているのか。ワイドショーのネタ探しとしか思えない。ある局の朝からの生番組などは、司会者がヘラヘラ薄笑いを浮かべ、ゲスト議員を小ばかにしたような内容を放送している。「報道の自由」とは、内容がどうあれ、自由に放送出来るということなのか。メディアの考えを押し付けられるのは、余計なお世話だ。
  • 大韓航空機爆破事件の元死刑囚キム・ヒョンヒが来日したことを放送していた。移動中、ヘリで追いかけ、その様子を細部に至るまで伝えていた。移動先の敷地の建物の見取り図までフリップを使って説明していたが、行き過ぎではないか。警察が厳戒態勢を敷いて警備している中、ここまで詳細に放送してしまっては警察の努力が水の泡だ。拉致問題や国の外交問題にもかかわる内容を芸能ネタと同様に扱ってはならない。
  • 福岡の民放各局は、大雨・水害・交通情報などをテロップで流していますが、CMになるとテロップが消えてしまいます。番組が始まると、また最初からの情報が流れ、最後の情報にはなかなかたどりつきません。CMが終わるまで我慢していても、さっき見た情報からまた始められるとイライラします。3月のチリ地震の津波警報のように、CM中もずっと情報を流し続けてほしい。福岡県民にとっては津波以上に大雨情報は即時性を要するのです。
  • 韓国俳優の自殺についてです。現地の配信に委ねずに、各テレビ局は独自取材のために韓国まで出向いたのだろうか。マスコミの対応が理解できない。結果として、マスコミに乗せられた一部の日本のファンまでも現地に出向き、情けなかった。そっとしておいてあげることが、人間としての道理ではなかろうか。

【番組全般・その他】

  • 出演者に危険なゲームばかりさせていて、怪我人が出るのではないかとハラハラした。後半の、椅子を執拗に回すシーンは不快以外の何ものでもなかった。いい大人が公開いじめをするさまを放送していた。顔面蒼白の出演者に「死後硬直」とスーパーを載せるとは制作者の神経を疑う。番組の制作者の中に誰一人として疑問を持つ人間がいなかったのかと呆れて物も言えない。悪質にも程がある。不快極まりない。
  • ダウンタウンの浜田に「止めて!」と訴えても、執拗にイスを回され、顔色が青くなった様をまわりの同じ芸人やスタッフが笑っていることが不快きわまりなかった。舞鶴で手足を縛られ重りをつけられた状態で海に蹴り落とされ亡くなった少年の事件がすぐに頭に浮かびました。ゲームでも何でもありません。番組をやめてほしいです。
  • 問題だらけの番組でした。熱中症などによる脱水症状で倒れてしまった人がいる中で、三輪車レースをやり続けたことは問題です。テレビという影響力の強いメディアが熱中症でも頑張る姿を放送することで、熱中症への認識が甘くなります。また、タレントが駅伝で熱中症になりました。しかし、それでも企画を続け、タレントに200mですが走らせました。命にかかわることなのに、認識が甘いと思います。
  • テレビを見てこんなに不快になったのは初めてです。いくら作り話とはいえ、子供がいたぶられながら殺されるシーンはあまりにもひどい。身が震えるほどに不快で、犯人にではなく制作者に強い怒りを感じました。いくら話題を作り視聴率をとりたいからといって、やっていい限度を超えています。あのシーンは必ず模倣犯を生みます。テレビはどうなってしまうのだろうと不快で情けなく、ただただ涙が出ました。
  • アナログテレビで見ているが、今日から突然、画面が小さくなった。今までは上下に黒い帯が入って横長の画面だったが、今日からはそれに加え左右にも黒い帯が入った。小さなテレビなのでさらに一回り小さくなり非常に見づらい。総務省に電話をすると「地デジ対応テレビの購入を促すためにテレビ局と協力して、わざと小さい画面表示にしている」と言われた。テレビを買えない貧乏人に対する嫌がらせだ。
  • 1年後に地デジへ完全移行することは、十分に理解している。しかし、各家庭に経済的な事情があるため、地デジ化していないだけである。これは、国を挙げてのアナログ弱者いじめではないか。バラエティー番組がいじめにつながると言って規制ばかりしているが、こちらの方がよっぽど問題だ。
  • 最近のテレビ番組は略語が多過ぎて理解できないことがよくある。例えば情報番組で「デパチカ」という言葉が出ていたが、「何のことだろう」とあれこれ考えているうちに分からないまま番組が終わってしまった。後で孫に聞いて知ったのだが、「デパートの地下売り場」の略称だという。若い子同士の会話で使うならともかく、そうしたおかしな造語をテレビ番組で堂々と使うのはやめていただきたい。
  • スポーツ新聞や週刊誌の記事を題材にした放送が多い。放送するからには内容についてはしっかり責任をとってほしい。テレビを通して聞いたニュースは確かな報道のような勘違いを起こしやすい。スポーツ新聞や週刊誌はいい加減な報道をするものと思っていましたし、面白おかしければよいと考えていました。テレビで流れると、思わず信じてしまいそうになります。真実かどうか確認してから報道する義務があると考えます。
  • 最近、YouTubeやニコニコ動画等で閲覧できる映像を利用し、ナレーションや字幕などとともに芸人や役者の顔窓やコメントを利用している番組が多い。各局で放送しているので、同じ内容を何度も見たりする。YouTubeなど動画サイトや動画製作、投稿者にきちんと許可をとっているのだろうか。以前知人が投稿した動画がテレビで放送されたので、知人に連絡すると本人が驚いていたので権利の所在など確認を怠っていると思われる。個人の権利はどうでもよいのだろうか。
  • 投稿動画だけで構成されたスペシャル番組が多い。どの局もこぞって放送しているが、金がないのか、それとも番組を自分たちで作ろうという気がないのだろうか。インターネット上にあるものだから、視聴者の中にも見たことのある人は大勢いるだろう。なぜ素人の投稿動画だけを使って番組を構成するのか。海外の素人の動画や動物の動画をスタジオにいるタレントが笑って見ているだけだ。手を抜いているとしか思えない。

【ラジオ】

  • 民放連のラジオCMで、子供が「温暖化すると砂漠の中を通学することになるかも」と言っていた。いくらなんでも、人為的要因の温暖化で、砂漠の中を通学することになるとは思えないし、そんな意見をどの研究者からも聞いたことがない。間違った考えを世に流布するものだ。

【CM】

  • 今月は選挙があったが、「ソフトバンク」の白戸次郎が選挙に出馬するCMが気になった。放送の法律がどういう仕組みかはわからないが、選挙期間中にかかわらず、そんな嘘話を放送して大丈夫なのだろうか?

【BPOへの意見】

  • ラジオでBPOの告知を聞いたが、「××していないよね?」という言い方は、いじめをしている人が言うような言い回しで、聞いていて不愉快になる。今後、告知を作るときには「××していませんか?」にしてはどうか。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 司会者が出演者に「こいつ脳死だ」などと言っていたが大変不快に感じた。あってはならない発言だ。実際に脳死の方々にも失礼であり、テレビ番組で人に言って良い言葉とは到底思えない。番組を見ていた子どもが真似したりでもしたら問題ではないか。
  • ゲストのお笑い芸人が出版した絵本や色紙などを出演者らが蹴飛ばしたり踏み付けたりした。何故そんなことをしたのかは分らないが、理由はどうであれ大切な作品を傷めたり汚したりするとはひどい。芸能人がそのような行為をしていては子どもの手本にならない。
  • お笑い芸人が地方に行き、女子高生をスカウトし、男性誌でグラビアデビューさせるという企画があるが、いかがなものか。街中で声をかけ、親の承諾を得るために家を訪ねるという内容だが、承諾する親が多いことにも驚く。危険なこの時勢、犯罪や事件に発展するということも考えないといけない。安易に承諾する親の気も知れないが、こういうコーナーは必要ないと思う。
  • 子ども番組でのお笑い芸人の歌が小学生にはふさわしくない。この歌は「女子だって、気に入らない男子がいたら我慢しないでパンチをしてよい」という内容だ。暴力を肯定する歌は放送してほしくない。

【暴力・殺人シーンに関する意見】

  • 子どもを惨殺した犯人に主人公が復讐するというドラマだが、残酷なシーンが多く見るに堪えない。恐怖でおしっこを漏らしてしまった子どもを犯人が面白がるシーンは明らかに常軌を逸しており、ドラマとしても一線を越えている。21時台だと子どもも見る可能性が十分にある時間帯だ。痛ましすぎて気分が悪くなり途中で見ることをやめてしまった。

【いじめに関する意見】

  • 女性芸人に痴漢行為をする男性芸人を笑って許す場面や、いすに座って何回転もさせられ顔色が悪くなっている芸人を司会者がどなりつけて無理やり再度いすに座らせ回転させる場面は、力の強い者による弱い者いじめ以外の何ものでもなくセクハラ・パワハラでもある。人が嫌がったり、苦しむ様子を見て笑いをとろうとする番組作りは最低だ。
  • 芸人が後輩の頭をバリカンで勝手に剃るという行為をしていたが、立場を利用してのいじめに繋がる場面で不快に感じた。一般社会では絶対許されない行為ではないか。その後も、ゲストの家で裸になりゲストの妻と布団に入る、生きた魚をテーブルや床で跳ねさせるなど、自分の家にこのようなことが起きたらと思うとゾッとする場面ばかりで、良識がないのかと思わせる内容だった。子どもの成長に有害だと感じる。

【性的表現に関する意見】

  • “新番組”ということで子どもと楽しみにしていた。ところが、番組が始まってすぐに子どもの殺害シーンや過激な性描写があり驚いた。21時台の番組は子どもを含めた家族で見る時間帯でもある。キスシーンくらいならともかく、露骨な性描写まで放送するのは行き過ぎではないか。映画であればR指定などで見るかどうかの判断も可能だが、テレビでは内容が確かめられないまま子どもでも見る可能性がある。配慮が必要だ。
  • 小中学生が帰宅する時間帯の夕方の情報バラエティー番組で、性の記事や話題を特集するのはいかがなものか。ゲストコメンテーターまで自身の性的な体験談などを語る始末だ。いき過ぎた内容を一刻も早く改善すべきではないか。
  • 深夜のバラエティー番組だが、深夜とはいえ子どもが見るかもしれない。パジャマを脱がしあい、その下に着ている水着姿になり、その様子を股間や胸などに迫って映す行為は不適切すぎる。そもそも水着姿ばかり映す番組がなぜ成り立つのか。なぜやめさせないのか。もう少しモラルをもって番組を管理してもらえないか。

【危険行為に関する意見】

  • クイズ番組で、限界に挑戦させようと狭い部屋の天井を徐々に下げて圧迫したり、密封された中に水を放水して首まで水につからせたり、水の中に答えを取りに潜らせたり、どう考えてもやりすぎではないか?水の圧力の恐ろしさがわかっているのだろうか?制作者が過激な番組を作らなくてはいけないように追い詰められている感じを受ける。事故などが起きないうちに再考を求める。

【動物に関する意見】

  • 狼犬に人を噛み殺させるというきわめて悪質なドラマだ。国内でも土佐犬など大型犬に噛まれて大怪我をしたり亡くなる人が出ている。動物を凶器に使うなど最低である。こういった番組は子どもたちの健全な育成に大きな影響がある。愛犬家から見ていても許せない番組だ。

【推奨番組に関する意見】

  • 差別されがちなサブカルチャーやネット文化をちゃんと評価し上手く扱った良い番組で、なかなか面白かった。マニアックな内容や独特な表現で正直わからないところもあったが、そこもまた良いところなのだろう。放送局には、サブカルチャーを学術的に評価したり、言論・表現の自由や内心の自由の意味や意義をどう考えるか、科学的・論理的に扱った番組を作ってほしい。

【残虐シーンに関する意見】

  • 子どもが見る時間帯のアニメであるにもかかわらず、戦闘で血が飛び散るシーンがある。少し見て気分が悪くなった。このアニメには配慮がなく、殺すことが格好良いように表現されていて問題だ。深夜夕方を問わずこういった残虐アニメが増えている気がする。売り上げや視聴率を求めることは仕方ないが、最低限のルールを作らないとモラルが崩壊する。

【CMに関する意見】

  • 使用無料を全面に出しているゲームの広告だが、有料部分をわかりやすくして無料部分と合わせて広告しないと詐欺に値すると思う。また、「盗む」というキーワードでゲームのツールを盗むことに引っ掛け、人の”彼”を盗む行為を演出している。道徳的に悪影響を与えることは必至である。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「人を馬鹿にしたり、下品なことを言う番組」について、テレビからこれらを取り除くことで世の中が良くなるのだろうか。テレビの環境浄化で良い子が育つのなら学校は不要だ。また、BPOはテレビの警察でもなければ、視聴者の不満や愚痴の捌け口でもない。その点を履き違えている意見が多すぎる。
  • 最近のBPOの視聴者意見は言葉の表現や方言、それにバラエティーへの批判が多すぎる。「方言を直せ、分かりづらい」などの言葉の批判は方言への差別に値する。また、バラエティー番組は笑えて人生を楽しくするものだ。「殺すぞ」などの言葉については制限してもいいと思うが、細かい表現にいちいちつっかかっていたら自由に発言できなくなる。今の放送は取り除かなくてもいいものまで取り除いていると思う。
  • ドラマでの暴力・殺人シーンについて「子どもに悪影響」との意見に賛成だ。映画にはR指定などがあり、過激な暴力や性表現などを扱った作品では子どもは入場できないが、テレビはどの年齢でも見ることができてしまう。親子で話し合うことも重要だが、すべて視聴者に任せることは危険だと思う。

2010年6月に視聴者から寄せられた意見

2010年6月に視聴者から寄せられた意見

小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還したが、どこの放送局も生中継しなかったため、「報道の役割を放棄したものだ」との厳しい批判が寄せられた。大相撲の野球賭博問題が明るみに出たが、予定されていた大相撲名古屋場所をテレビ中継するべきかなど、大きな問題が視聴者から提起された。

6月に電話・FAX・郵便・EメールでBPOに寄せられた意見は1,526件で、5月と比較して69件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール61%、電話34%、FAX2%、手紙ほか3%。
男女別は男性72%、女性24%、不明4%で、世代別では30歳代29%、40歳代26%、20歳代18%、50歳代14%、60歳以上11%、10歳代2%の順となっている。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は683件(39局)であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、43件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

6月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

6月の視聴者意見は前月とほぼ同数で、政治、スポーツ、バラエティーなどテーマは多岐にわたった。
鳩山首相の突然の辞任を受けて、菅新内閣がスタートした。”小沢ばなれ”効果もあり内閣支持率は急上昇し、いっきに参院選挙に向かうこととなった。選挙の争点として「消費税の引き上げ」がクローズアップされたこともあり、視聴者の意見も政治関連で172件となった。
小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還した。多くの困難やトラブルを乗り越えての生還に、多くの人々が感動した。深夜のニュースであったが、どこの放送局も生中継しなかったため視聴者から、「報道の役割を放棄したものだ」との厳しい批判が寄せられた。
相撲界を大きく揺るがす野球賭博問題が明るみに出た。大関琴光喜への恐喝事件がきっかけとなり、賭博に関わっていた力士や親方の処分、さらには予定されていた大相撲名古屋場所を開催すべきか、テレビ中継をすべきかなどメディアにとっても大きな問題が視聴者から提起された。
サッカーワールドカップ南アフリカ大会が行われ、日本代表は惜しくもベスト8進出はならなかったものの、前評判を覆して大健闘し、多くのファン、視聴者から「感動した、ありがとう」の声が意見でも寄せられた。中継放送では、「ブブゼラの音がうるさくて」実況のアナウンスが聞き取れないなどの注文が出された。
東京都青少年健全育成条例の改正案は否決されたが、いわゆる「アニメ規制」「児童ポルノ問題」をめぐり、多くの意見が寄せられたほか、バラエティー番組での芸人の発言が不穏当で品位に欠けるとの指摘もあった。
報道関連意見は146件、バラエティー番組への意見は198件あった。番組出演者に関する意見は「不適切な発言」検索で58件、不適格な出演者検索では48件あった。ラジオに関する意見は56件、CMに関する意見は76件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は123件で、前月とほぼ同数だった。
今月はここ数カ月の傾向と同じく、低俗・モラルに反するとの意見(35件)および性的表現に関する意見(30件)が多数寄せられた。前者については、特定の番組への集中はみられないが、子ども向け番組への批判意見が比較的目立った。後者については、有識者らが特定のテーマについて持論を解説する2つの番組で、児童ポルノ規制問題を取り上げた回に対し、「内容に偏りがある」「データが不正確だ」などの批判意見が合計19件寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • テレビは鳩山総理を叩き、民主党の支持率下落を嘲笑するような報道をしていたのに、菅総理に替わった途端、今度は新総理や新閣僚らを持ち上げるようなことばかり言っている。新内閣は始まって3日目である。まだ何の実績もないのだから、好意的に華々しく取り上げる根拠もない。ここ数日の内閣交代によるお祭り騒ぎは、テレビ独特の節操の無さの産物だ。軽薄で無責任そのものの報道を「改めよう」という声は内部から起こらないのだろうか。
  • ニュースや報道番組のあり方について疑問がある。景気の停滞や下降の原因は政府の方針もあるが、テレビの影響も大きいのではないか。政府を追及していく姿勢は結構だと思うが、どうも偏り過ぎている。良い政策や国民に有利なことも、もっと取り上げて褒めてもいいのではないか。国民が消費意欲を出し景気が上向く。政府のやっている行動を理解し、頑張ろうと意欲が出ることもあるのではないか。ある番組ではメインキャスターの主観が前面に押し出され、国民が政府や現在の日本に対して誤解を生むのではないかと思える発言をしている。表現の自由とは、かけ離れた行為だ。
  • 世界にとって歴史的な1日でした。「はやぶさ」の帰還です。海外でも生中継で放送されました。しかしながら、日本の地上波テレビ局は生放送しませんでした。NHKでさえ放送しませんでした。くだらないバラエティー番組や、いつでも放送できるワールドカップの特集を延々と続けました。一体この国のテレビ局は何を考えているのでしょうか。
  • 「はやぶさの地球帰還」という世界に誇るべき偉業が達成されたのに、報道が控えめなことに驚いている。しかも「はやぶさ」の予算が事業仕分けにより大幅に減額されたと知ってびっくりした。こうしたニュースはテレビではほとんど伝えられなかったため、私はネットニュースで知った。放送界が「はやぶさの仕分け」をした与党に遠慮したからかとの憶測さえ流れた。「はやぶさ」の件で色々考えさせられた。公平な報道を心から望む。
  • サッカーワールドカップの報道が過剰だ。地上波放送で連日W杯関連の番組を大量に放送し、衛星放送でも放送している。同じ番組を何回も放送している。民放各局もワイドショーや報道番組でW杯を過剰に煽っている。高額な放送権料を払っているからだろうが、興味のない者からすればただの押し付けで、迷惑でしかない。
  • ワールドカップの試合前のパフォーマンスだと思って聞いていたが、試合中もずっとブブゼラの音が流れていた。気持ち悪く頭痛がする。ブブゼラを止めさせてください。解説も判定のホイッスルも聞こえない。
  • すべての番組に言えることだが、選挙間近に政治報道をあつかう場合、キャスター、コメンテーターに意見や感想を主張させることは問題がある。特定政党を非難する意見が相次いだりして、視聴者の投票行動に影響を与える可能性がある。この時期には客観的事実のみを報道し、キャスターやコメンテーターの意見や感想を加えることは抑制したほうがよいのではないか。
  • 政治に関しての街角インタビューだが、これほど危ない報道手法はないのではないか。意図的な操作が容易で、なおかつ市民の意見ということで、局は責任を持たなくてもよい。やらせではなくても都合の良い意見を拾うことはできるし、少数意見でも多数意見のようにみせることができる。最近の世論形成の流れを危惧する。実際の私の周辺の政治に関する意見】と、マスコミが伝える世論の実態に乖離を覚えるからだ。
  • ニュースや報道番組で、異常なまでのモザイク処理があり、不愉快でなりません。個人情報保護の行き過ぎではないでしょうか。個人情報保護の趣旨をテレビ局は曲解していませんか。テレビの最大の武器は映像です。曖昧な映像で放送されては、何らテレビの意味がありません。もう一度、「個人情報保護」を見直してはいかがでしょうか。
  • 芸能人が学生時代などの過去の写真をテレビ上に公表する時、一緒に写っている一般人のモザイク処理がされていないケースが見られます。もっとしっかり処理をお願いします。特に集合写真やスナップ写真などは一般人の顔を絶対に映さないようにしてください。その写真をもとにインターネットで誹謗中傷などが起きたら大変です。
  • ニュースで「食肉に”宮崎県産ではないので安心して下さい”と表示しているスーパーがある」と放送しました。これは「宮崎県産は安心して食べられない」と言っているようなものです。市場に出回っている宮崎県産の食肉は安全なはずです。こんな放送をすると、”宮崎県産ではない”ことを表示する業者が増えてしまいます。風評被害を増やさないためにも、こうした放送は控えて下さい。
  • 放送時間の表現が間違っていることを改めてほしい。ワールドカップの放送時間は「木曜深夜3時」と言っているが、実際は「金曜の深夜3時」が正しい。分かりにくく迷惑だ。テレビ局は25時や27時などの表現も用いるが、そんな時間は存在しない。

【番組全般・その他】

  • ペットを通じての出会いや交流は、心の優しさやあたたかさが伝わり、命の大切さを感じた。家族で見てほしい番組だ。ペットの愛情や素顔を間近で見られるシーンが楽しみで、毎週欠かさず見ている。バラエティー番組に見られる出演者同士の罵倒や紛糾、内輪話や下ネタで、心を平気で傷つける番組よりも、こうした心温まる番組が長く続くことを期待したい。
  • 民放には、大人が見る番組がない。バラエティーでも、つまらない芸人の内輪話ではなく、大人の鑑賞に堪える「しっかり作った」ものを放送してほしい。ファミリーレストランで無茶食いをしたり、内輪ウケのトークばかりでは大人は楽しめない。子供や若者に媚びない、大人が楽しめる番組作りをしてほしい。
  • 相撲はタニマチにもヤクザが多いと聞く。今回の問題が済んでも解決にはならないだろう。分かっていて放送する側に問題がある。放送局が強く暴力団の排斥を言えば効果があるのに、なぜしなかったのか。他のスポーツでも暴力団との関係が指摘されている。芸能界を含めて対処してもらいたい。
  • 相撲界の不祥事が取りざたされているが、全ての力士が事件に絡んでいるわけではない。真面目に稽古をしている力士もいるはずだ。コメントを取りたい取材者の気持ちもわかるが、無関係な力士たちへの執拗な取材は控えるべきである。
  • テレビをつければ関西弁の放送ばかりだ。関西出身のタレントが関西弁で喋りまくる。せめて、東京キー局制作の番組は標準語放送にしてほしい。「俺がしゃべるのが標準語じゃ」と言わんばかりに、関西弁を直そうとしないタレントにはうんざりする。かつて、地方の人間はテレビ放送で標準語や共通語を学んだが、今の放送ではそれができない。
  • おもしろ映像やびっくり映像を取り上げる番組では必ずといってよいほど、テレビ画面の左上にスタジオゲストの表情を映しているが、本編が見たい視聴者にとって邪魔以外の何ものでもない。特に録画して保存したい場合は非常に邪魔に感じる。そこで提案なのだが、各局でワイプについて視聴者がどう思っているのかモニタリングをしてもらいたい。

【ラジオ】

  • 「大相撲の野球賭博と暴力団」について、元力士をゲストに迎えてトークしていた。元力士は「暴力団は悪い人ではない、いい人が多い」「ずっと付き合っているが、立派な人が多い」など、暴力団を肯定する発言ばかりしていた。これらの発言に対して、司会者は全く否定せず、アナウンサーは沈黙したままだった。生放送中の発言とはいえ、司会者やアナウンサーが否定するチャンスはあった。違法なことやモラルに反することには、きちんと物を言わなければならないはずだ。何かこの番組のスタッフも含め、勘違いをしているとしか思えない。
  • あるラジオ局に点字一覧表を同封し点字で投稿したところ、断られた。私は視覚障害があるので点字でしかラジオ番組に参加できない。私のような人々の気持ちを理解してほしい。点字で手紙を出せないことはつらい。全国のラジオ局で点字での手紙を受け付けるようにお願いしたい。
  • パーソナリティーが、著作権法を犯し漫画をネット上に公開した少年に対しての感想で、「悪いとは思えない、時代の流れ」などと自説を展開し、ネット上に歌、漫画などを無断で公開することを推奨、容認するような発言を繰り返した。非常に問題だと思う。

【CM】

  • 注意を引くためか、携帯電話の呼び出し音を紛れこませたり、インターホンの音を微妙に忍びこませているコマーシャルがある。私自身は片耳難聴で、どこから音が来ているのか方向性がわからず、本当に呼び出されたかと思い驚く。世の中には、電話やインターホンの音にストレスを感じ、電話恐怖症の人もいるだろう。不必要にこのようなことをしてほしくない。
  • サプリメント・健康器具・化粧品など、通信販売のCMに見られる「あくまで個人の感想です」「効果には個人差があります」などの表現は、消費者に対する逃げの言葉だ。出演者もセミプロのようなエキストラタレントで、当然出演料が発生しているはずだ。仮に素人だとしても「ギャラ」は発生していると思う。これでは「何日で効果が現れた」と、効果を説明されても信用できない。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 司会者が出演者について「死んでしまった」などと発言した。人の生死を軽々しく語ったこの発言は非常に不愉快だった。この発言に対する問題の認識と反省を求めるとともに、当該発言をそのまま放送した放送局に対し憤りを感じる。こういった発言が青少年に与える影響の大きさを認識していただきたい。
  • 芸人と子どもが出演するコントで、深夜とはいえ子ども相手に「高飛車な女の落とし方」などを教えていた。このシリーズは、いくら子役といっても子どもに教える内容ではないし、意味が分かっていなくても子どもにさせる質問内容ではないと思う。もう少し品や常識のある内容にしてほしい。
  • 公共の電波を利用して、内輪のじゃれあい番組を放送することはいかがなものか。また「バカ」などの言葉も同様で、公共の電波でこのような単語を連呼することも見ていて不快感を覚える。この時間帯は小さな子どももテレビを見ていると思う。
  • 自局のドラマの番組宣伝のために、出演者の6歳の子役が早朝のニュース番組に出ていた。法的には問題ないのかもしれないが、6歳の子どもを朝早い番組に出演させることは問題だ。このような放送局の姿勢は改めるべきだ。

【性的表現に関する意見】

  • 児童ポルノ規制問題について、規制推進派に都合の良いデータばかりだった。このような問題の場合、賛否についての問題提起が重要なはずだ。賛成・反対どちらの意見があってもいいと思うが、片方だけの意見を過度に宣伝するような番組作りは問題である。「マンガやアニメもポルノ規制の対象」と印象付けるような発言もあったが、放送内容は公平なものであるべきだ。
  • 番組の後半で必ず”お色気ネタ”を出してくる。ゴールデンタイムで、視聴者の多くが小学生や園児を含む子どもやその家族であるのに、なぜ女性が下着姿になる場面が必要なのか。非常に楽しくよくできたコントで子どもはどうしても見てしまうのに、最後に出てくるお色気シーンはあさましい視聴率稼ぎとしか思えない。
  • 人気グループの悩み相談にレギュラー陣が応えるコーナーで、芸人が男性の下半身の名称を連呼しながら腰を振っていた。一度だけでなく何度も繰り返していた。子どもも見ているので過激な下ネタはやめて欲しい。

【いじめに関する意見】

  • 外国の学生によるいたずらの動画だが、どう見てもいじめに見える。この時間帯は多くの子どもも見ている。楽しそうに放送されると、このくらいはいいと思ってしまうかもしれない。被害者はたぶん怪我をしていると思う。このような放送はやめていただきたい。

【暴力・殺人シーンに関する意見】

  • 子どもが見る時間帯なのに暴力シーンが多すぎる。逃げまどう相手を執拗に殴りつけるなど、恐ろしくなるシーンばかりだ。このようなドラマが放送されると教育現場が荒れる。現場の教師は体をはって学校内の秩序を保っているのに、放送のおかげで多大な迷惑をかけられている。教員も心の底から傷つけられ、憤り、悔しい思いをしていることをどうか考えてほしい。
  • 登場人物を串刺しにして殺害することを暗示する場面があった。我が家では、小学3、5年生の子どもが視聴しているが、大人の私でも眼を背ける表現であり、極めて不適切であると思う。この他の部分についても、暴力表現についてリアリティーを追求する姿勢が優先されており、子ども向け番組としての配慮がなさ過ぎる。表現方法を検討するか、子どもが視聴できない深夜の時間帯に移すなどの対策が必要と考える。

【言葉に関する意見】

  • 民放各局のバラエティー番組での言葉使いが汚い。「てめえ」「バカ野郎」「この野郎」など、本当にひどい。子どもには「こういう言葉使いをしてはいけない」と常々教育しているが、これだけテレビで放送されていては子どもたちが真似するのも無理はないだろう。

【喫煙に関する意見】

  • 息子が毎週楽しみに見ているドラマだが、親の目から見ると主演の俳優の喫煙シーンが多過ぎる。かなりの頻度で煙草を吸っているが、私には喫煙の必然性が全く感じられない。まるで、演技力のなさを小道具で補っているように思われる。しかし、子どもにはその喫煙場面は格好よく映っているようで、青少年の喫煙に対する興味を助長しかねない。喫煙シーンをやめてほしい。

【報道に関する意見】

  • 中学生が先輩からのいじめで裸の動画を撮られた事件で、被害者の通う学校と思われる映像が何回も使用されていた。被害者への配慮がなさ過ぎる。動画を撮られた生徒の心境にもっと配慮するべきだし、学校の映像を使う必要があったのかも疑問だ。一旦世に出た動画は回収が難しく、それを更に拡散させるような報道は慎むべきだ。

【犯罪助長に関する意見】

  • 模倣犯罪を誘発するおそれのある殺人ドラマが多過ぎる。ドラマに影響されて犯罪に走る視聴者など実際にはほとんどいないだろうが、中には現実とフィクションの境界があいまいになり軽い気持ちで犯罪に走る者や、ドラマをヒントとして犯罪に利用する者も出るかもしれない。特に若い人への悪影響が心配だ。

【動物に関する意見】

  • 特番で「ウツボ対タコではどちらが強いか」を試すコーナーがあった。実験のため狭い水槽に入れられた両者はたちまち格闘を始め、ウツボの歯がタコの足に食い込むと表面は傷だらけになった。こうした残酷な行為は動物愛護の精神に反するものであり到底許されない。バラエティー番組なら動物虐待が許されるのか?子どもがこれに刺激されて動物をいじめたりすると問題だ。

【CMに関する意見】

  • 携帯用ゲームのCMで、「盗みまくれ」などと連呼し、盗みを煽動しているように聞こえる。最新のCMでは、友達の彼氏まで「盗んじゃおうかな」と言っており、青少年に悪影響だ。放送中止を要望する。
  • CMの放送について、テレビ局の姿勢に疑問を感じる。映画のCMで「ぶっ殺したろか」などの台詞が流れたが、子どもへの悪影響が懸念されるために作品はR-15指定なのではないか。CMは見ようと思わなくても見てしまう点で、映画を観るより問題であると思う。
  • パチンコのCMに対する苦情が多いにもかかわらず、いまだにパチンコのCMが垂れ流しなのは何故か?折角視聴者が苦情をBPOに伝えても、BPOからの各局への注意が聞き届けられないのであれば、BPOの存在価値とは何なのか?CMを無くすことは無理だとしても、子どもが見ない深夜枠に追いやるべきではないか。アニメなどで子どもの興味を引くようなパチンコCMは有害だ。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 毎月のように「子どもに悪影響」との意見があり、それを受けて実際に放送が打ち切りになった番組もある。しかしそれが本当に子どもたちのためになっているのだろうか。テレビは教育機関ではないし、子どもに気を使って規制・自粛することが本来の仕事ではない。テレビが子どもにとって有害と思えるなら、家庭でテレビをつけない日を決めたり、親子でテレビについて話し合うなどすべきだ。

2010年5月に視聴者から寄せられた意見

2010年5月に視聴者から寄せられた意見

宮崎県で発生した口蹄疫に関する報道や番組内容についての意見が多かった。政府の初動が遅れたことや、報道が十分にされなかったのではないかなどの疑問の声が多かった。感染拡大への対応や、種牛の処分、現地での取材のあり方などについても意見が寄せられた。

5月に電話・FAX・郵便・EメールでBPOに寄せられた意見は1,595件で、4月と比較して559件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール65%、電話30%、FAX3%、手紙ほか2%。
男女別は男性73%、女性23%、不明4%で、世代別では30歳代32%、40歳代26%、20歳代15%、50歳代13%、60歳以上11%、10歳代3%の順となっている。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は667件(43局)であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、48件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

5月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

5月の視聴者意見は、宮崎県で発生した口蹄疫に関する報道や番組内容についての意見が多かった。牛や豚の感染が、連休をはさんで爆発的に拡大していく中、政府の初動が遅れたことや、報道が十分にされなかったのではないかなどの疑問の声が多かった。感染拡大への対応や、種牛の処分、現地での取材のあり方などについても意見が寄せられた。
さらに、沖縄の普天間基地移設問題について、鳩山首相(当時)が約束を違えたなどの批判意見があった。「辺野古」への移設に反対した社民党福島党首の閣僚罷免、社民党の連立離脱などへの意見もあった。また採決をめぐるトラブルで民主党の三宅雪子議員が負傷し、「突き飛ばされた」、「いや自作自演だ」など賛否両論多くの意見が寄せられた。政治に関する意見は400件近くに上った。
バラエティー番組への意見は前月とほぼ同じの132件、お笑い芸人の言葉の使い方や、食べ方が下品だなどの批判が多かった。若い女性グループの売り出し方などをめぐる意見も多かった。番組出演者に関する意見は「不適切な発言」の検索で52件、「不適格な出演者」で78件あった。ラジオに関する意見は55件、CMについては、パチンコCMが多いことや、山場でCMを挟むことなどへの批判が多かった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は124件で、前月を5件下回った。
今月は先月に引き続き、低俗・モラルに反するとの意見が24件、性的表現に関する意見が23件とほぼ並んだ。後者については、子ども向けアニメ番組のラ・テ欄表記に対し、「子どもに聞かれたら困る表記であり不適切だ」との批判意見が5件寄せられた。また、今月は複数のドラマ番組における喫煙シーンに対する批判意見が、通常より多く6件寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • どうして口蹄疫の報道が一切されないのか。初動の遅れは政府・農水省の怠慢だ。感染経路がはっきりしないのにGWで人の大移動が起きたことにより、南九州のみで収まらない可能性がある。それにもかかわらずマスコミが報道しないことは、いかなる理由があるのか。これで、他県へ被害が拡大した場合は、マスコミは責任が取れるのか。これは明らかに”人災”だ。
  • 口蹄疫の感染拡大について、ワイドショーなどが報道している。予備知識のない取材陣が大量に現地に押しかけているようだ。人間にはうつらないが、衣服に付着して感染が拡大する可能性がある。取材は現地に任せておいたらどうだ。
  • 宮崎県の口蹄疫はなお拡大傾向にある。必死の防疫作業にもかかわらず、南下拡大している。発生から1カ月になろうとする中で、ようやくマスコミも注目し始めたようだが、政治が動かなければ既にどうしようもないところまで来ている。原因は購入飼料か、人為的なものか、いまだ不明だ。空気感染するウイルスだから、原因究明と防疫は徹底する必要がある。畜産農家の窮状と地域経済へ及ぼす影響など、時期を逸することなく情報を伝えていただきたい。
  • 宮崎県の種雄牛49頭の「延命措置」を知事が要望している件で、それを擁護するような報道がある。全頭殺処分というのは「家畜伝染病予防法」という法律で決められている。当然、この種雄牛も殺処分されなければならない。いずれの農家にとっても、家畜は何十年にわたり築きあげてきた大切な財産だ。それを法律で決められているといって、すべて処分せざるを得ない中で、農家を指導する立場の行政がそれを拒んで、特例を求めている現状はおかしい。県の対応を問いただすのが報道機関としての姿ではないか。私の実家は20kmの搬出制限区域内で養豚を営んでいる。農家としては、このような報道はやり切れない。恥ずかしくない報道を望む。
  • 公務員制度改革法案強行採決の際の三宅議員の転倒シーン。実際の転倒シーンをそのまま放送していれば、甘利議員が押していないことが分かるはずなのに、あえてその疑惑のシーンは右にカメラをずらして見えないようにしている。仮にたまたまカメラを右側に向ける際に起こった突然の出来事だったとしても、いろんな角度から撮っているわけだから、きちんと検証して事実を報道するべきだ。
  • 民主党の強行採決による会場での騒ぎが話題となっているが、肝心の強行採決しようとしていた法案は何なのか、中身はどういったものなのか、まったく報道されていない。視聴者が知りたいことは、自分たちの生活に直結する法案の中身だ。まったく知らされないまま、決まっていくことに恐ろしさを感じる。
  • 東京都条例改正に伴うコミック表現規制問題について報道する際、「2次元児童ポルノ」または「漫画児童ポルノ」の規制と表現され、「コミック表現規制問題」に反対している漫画家について、「児童ポルノ作家」というような表現をされることが多い。扇情的な表現を改め、適切な表現で報道するよう望む。
  • 大型連休の各地の様子を伝えるニュースで、大凧あげの事故を放送していた。事故のニュースという扱いではなく、バラエティー番組の扱いでした。たこが墜落するシーンから「現場にいる人の安否は?」というような煽りのスーパーを入れ、CMで引っ張った後、CM明けにけがをした人がいたことを伝えていた。事故を伝えるニュース番組としては、あまりに不謹慎だ。
  • 報道・情報番組で、「ボードに貼った新聞記事の読み上げ」が当たり前のように行われているが、テレビが新聞記事をそのまま流してどうするのか。テレビ独自の報道に自信も責任も持てないということの表れか。
  • 最近のテレビニュースは本当に「たちが悪い」。「死亡した被害者」の顔写真を平然と大写しにし、繰り返し放送している。「加害者」に対しては容疑者としての配慮から「顔の映像部分にモザイクを掛け、名前は伏せる」という丁重な扱いをする。この無神経な癖は直らないものだろうか。ちなみに、新聞紙面も昔は同様であったが、現在は新聞社の協定で被害者の顔写真を載せることなどなくなった。背景には遺族の猛烈な抗議があった。
  • 私は土木技術者である。東京湾アクアライン建設などにも携わり、子供には「公共事業」に従事していることを教えて来た。最近「公共事業の仕分け問題」がいろいろな番組で取り上げられる機会が増えたが、すべての公共事業をひとくくりにして「無駄」と表現されることが多くなった。そのせいで子供が学校でいじめられているようだ。父親として非常に心が痛む。公共事業にもいろいろある。安易に「公共事業=無駄」と受け取れるような放送をしないでほしい。

【番組全般・その他】

  • くだらない番組が多い。お笑い番組、食い物番組。特に食い物番組は最後まで食べもしない。料理を作った者の身にもなって欲しい。昔テレビが普及した時代に評論家の大宅壮一氏が「一億総白痴化する」と断言していたが、正に現代はその時代になっている。子供の教育レベルの低下は放送局に責任がある。
  • バラエティー番組では言葉の使い方が悪い。流行かも知れないが、聞いていて気分が悪い。本来の日本語はどこにあるのか。公共の放送なのに、タレントに注意しないのか。自分たちの儲けしか頭にないのか。最近では近所の子どもたちも、流行語しか頭にないようだ。もう少し標準語の放送ができないだろうか。将来を懸念している。
  • 「猫に餌をあげる」「花に水をあげる」など、各局のアナウンサーが言葉の使い方を誤っている。こんなことは小学生で得る知識ではないのか。日本語は正しく使ってほしいので、各局にぜひ伝えてほしい。
  • 外科手術のシーンをモザイク無しで放送するのはいかがなものか。手術をしている血まみれの手元だけならまだしも、切除した内臓が映ることは、ドラマの暴力シーンの比ではない。しばらく前はモザイクやボカシがかかっていたのに、どうしてわざわざ外すようなことをするのか。
  • 情報番組などで、各地の観光スポットや風光明媚な場所が紹介されるが、その名所のある「県名」を言わないために、地理的な見当が付かないことがよくある。先日もある番組で「たかおさん」という山を紹介していたが、県名を言わなかったためピンと来なかった。後で調べたところ、東京の「高尾山」と京都の「高雄山」という少なくとも2つの「たかおさん」があり、結局どちらなのか分からずじまいだった。せっかくの名所案内なのだから、どの地方の人が見ても分かるように「県名」を省略せずに紹介してもらいたい。
  • 楽しくテレビを見ていると、画面の中にワイプで出演している人がVTRを見ながら賑やかしている。見ることを邪魔されていると感じる。内容には興味があるのに、ワイプ画面や、それを見てうるさく意見を発している状態は、見る気が失せる。バラエティー番組しかり、ワイドショーでも報道の内容を伝えたいのか、出演者の表情を放送したいのか、イライラすることがある。
  • 「買い物難民」というテーマで、私の住む団地の自治会に取材依頼があった。すぐそばにあるショッピングセンターを住民がよく利用していたのだが、そこが現在は4店舗しか残っておらずシャッター街のようになっている。私たちを「買い物難民」として放送したいようだ。しかし、徒歩5分くらいの場所にスーパーもあるし100円ショップもあるので、実際は買い物に困っている人はいない。団地の住民に「買い物難民がどのような暮らしをしているか」についてのアンケートが実施されたが、困っていないので答えようがない。企画として不適切ではないか。

【ラジオ】

  • 司会者が「宮崎県で口蹄疫が問題になっています…。食べても大丈夫だそうですが心配ですねー」と、風評被害につながりかねないコメントをしていた。かつてBSE問題の時も、いわゆる”へたれ牛”の映像を流して、放送局は視聴者に誤解を与えた。この時も、畜産農家や食肉業界は大変な経営不振に陥った。放送局は聴取者に正しい情報を伝えることが使命ではないのか。
  • 点字で手紙を投稿した者です。ラジオ番組に点字でリクエストを出すのですが、放送局や担当者によって対応が違う。ある局では点字を受け付けてくれるが、他の局では「点字は難しいので困る」と断られた。点字でリクエストを出したい人は私以外にもいると思う。ぜひ多くの放送局で、点字でのリクエストを受け入れていただけないでしょうか。
  • 食品の通信販売のコーナーがあるが、パーソナリティーが食べながら紹介するので聞き苦しい。箸をカチャカチャ動かす音や、クチャクチャ噛んでいる音が耳障りだ。その上「おいしい」を連発し、食べることに夢中になって、本来のコメントがおろそかになっている。ラジオの場合、食べながら紹介することは不適切だ。
  • ラジオ局のホームページには、「NOW ON AIR」なる、現在放送されている音楽のタイトルとアーティスト名を表示する便利な機能がある。私も気になる曲があったときには、よく使う。しかし、この「NOW ON AIR」が、曲に合わせて更新されないことが往々にしてある。折角の機能なのだから、曲が流れると同時にきちんと情報が更新されるように改善してほしい。

【CM】

  • 番組の大事なところでCMが入ってしまうことが不愉快だ。何回もこうして「おあずけ」のようなことをされていると、イライラする。また、CMは総放送時間の18%以内と決まっているはずだが、守られていない。通販番組そのものや、番組内で食べ物や品物を紹介することは「CM」に当たらないとしているからだ。
  • バラエティー番組全般に言えるのだが、「CMの後は」と告知しておきながら、CMが明けてみると、来週の予告だったりする。あたかもCM明けにやるような告知なので、詐欺のようなものだ。どこの局も当たり前のようにやっているので、なんとかしてほしい。
  • 最近はノンアルコールビールのCMが増え、飲酒運転をなくそうというキャッチコピーまで出るようになった。この国も少しは良くなっている部分があり、悲観ばかりすることはないと思った。今後は適正飲酒を守る運動が徹底的に広がれば良いと思う。お酒の問題を社会全体で考えて行くことはこれからも必要だ。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 雑誌グラビアに水着で登場する女子高生をスカウトするというコーナーがあった。未成年である素人の女子高生を、誰が見るともわからない雑誌で水着にするという行為に、制作者は大人としての罪悪感を覚えないのか。節度のある番組作りを望む。
  • タレントの誕生日パーティーでケーキが爆発するドッキリがあったが、主役ではない人がケーキを顔面にあびて喧嘩になり、それをクイズにしてみんなで笑い合うという悪質な内容があった。その人はコンタクトレンズをしていたが、目の中で割れたら大変なことになる。また、別のタレントが喧嘩を始めて非常に汚い言葉でののしっていたが、子どもが真似をしたらどうするのか。
  • 子ども番組だが、子役に合コンのようなことをさせて互いの悪口を言わせたり、大人が失敗したところを子どもにバカにさせる場面があったり、マラソンでズルをしてタクシーに乗りゴールしたり、寝転んでダラダラと食べ物を食べたり、教育上あまり良い内容ではない。問題があるコーナーはやめてもらいたい。

【性的表現に関する意見】

  • 小さな子ども向けのアニメ番組でありながら、ラ・テ欄に「ドM」などと信じがたい言葉が使用されていた。子どもに意味を尋ねられたが教えられなかった。当日の放送のサブタイトルは新聞のラ・テ欄と異なっていて、話題作りのためだったのかと不快感を覚えた。
  • 小学生の子役が先生に扮した芸人に質問をするコーナーで、子役に「オススメのデートスポットは?」という質問をさせて、先生役の芸人が「国道沿いのラブホテル」と答えていた。また、「熟女を確実に落とす方法は?」という質問もさせていた。子役にこのような性的な質問をさせることは不適切で、配慮が欠けている。
  • ドラマの番組宣伝に卑猥な言葉が出てきた。とても信じられない。息子に言葉の意味を聞かれ、怒りを感じている。何を考えてこのような宣伝を流しているのか理解できない。何とか対処していただきたい。
  • 以前からこの放送局のわいせつな番組に疑問を持っていた。ラブホテルやAVのCMを流すなど、明らかに青少年に対して害でしかない。今年に入ってこうした番組がなくなり安心していたが、また新たに曜日と時間帯を変えて放送されるようになった。非常に腹立たしく思っている。

【暴力・殺人シーンに関する意見】

  • 最近、性的表現や残酷な殺人シーンがあるアニメが実に多い。一部はゲームソフトにもなっており、子どもでも容易に手に入れられる。視聴率が取れるからといって、安易にこのようなアニメを誰でも見られる地上波で放送しないでほしい。
  • 「子どもに見せたい番組、見せたくない番組」の調査が発表されているが、子どもに何の影響があるのか分からない。「子どもに見せたくない場面」として暴力シーンなどが挙げられるが、見ると必ず暴力行為に走るのか。血を見せたり、殴られることなどは良いことではないが、本物っぽさを見せるのは時には必要だ。映像という疑似体験で学ぶことは多いと思う。

【いじめに関する意見】

  • 子どもがジャニーズファンなので一緒に見る機会があるが、見終わって後味の悪さが残る。司会者に対し進行を断ち切るようなコメントを言ったり、その人の性格を悪く言ったり、一緒に番組を盛り上げる気持ちが感じられず、大勢でいじめをしているのではないか。遅い時間帯の番組だが、ジャニーズの出演者がいると子どもも見ている。いじめを推奨する番組は要らない。

【喫煙に関する意見】

  • ドラマでの高校生の喫煙シーンはやめてほしい。なぜこんなシーンが許容されているのか不思議だ。喫煙をしたことのない子どもが主人公と自分を重ねて「喫煙はかっこいい」と思い込みかねない。不良高校生がいろいろな体験を経て成長していくシナリオ自体は良いが、不良のイメージに基づく”たばこ”という小道具に頼らない番組制作をしてほしい。

【言葉に関する意見】

  • 芸人と子どもがゲームで対決するコーナーで、芸人が「やべー」「やばい」という言葉を使うが、うちの子どもも真似をして「やべー」「やばい」と言う。放送局に「その部分を削除してほしい」と電話したが、毎週その言葉が放送されている。小さい子どもが多く見るので、言葉には注意してほしい。
  • タレントが「てめえ」「この野郎」「殺してやるぞ」などと暴言を吐いていた。いくら悪態をつくキャラクターといっても、これらの暴言・悪態の数々は度が過ぎる。4歳になる息子が真似して困る。BPOから放送局に指導してほしい。

【動物に関する意見】

  • タレントがふざけながら外来蟻と日本蟻を対決させる放送があった。蟻といえども生き物を粗末に扱うべきではない。もし生物学的に検証する必要があるなら、もっと厳粛な環境で実施すべきだ。「蟻程度の生命なら笑いながら見てもいい」と誤解する子どもを育ててしまったら大変危険だ。このような誤解は、人を大切にすること、動物を愛する心を持つことを妨げると思う。

【BPOへの意見】

  • 最近のBPOはバラエティー番組に対する批判が多すぎる。BPOのHPのおすすめ番組を見ても、学習的な内容ばかりでがっかりした。バラエティー番組は、笑えて、人生を楽しくするものだと思う。バラエティー番組の批判ばかり載せることは止めてほしい。

【犯罪の助長に関する意見】

  • 万引きの特集が放送された。この種の特集でいつも気になることは、万引きの罪について全く触れないことだ。青少年が鞄に品物を入れる瞬間の映像に重点を置き過ぎ、万引きが犯罪であるという印象を受けなかった。万引きすれば罪に問われることを明確に放送してほしい。

【危険行為に関する意見】

  • タレントらが路上を歩いている途中、団地敷地内で野球を始めた。ボールもバットも玩具ではあるが打てばそれなりに飛ぶし、当たれば危険でもある。打ったボールが団地の向かいの工事現場に行き来するトラックに当たる場面もあった。こうした大人の振る舞いを子どもが真似ると大きな事故にもつながりかねない。

【CMに関する意見】

  • 最近、このまま温暖化すると「近い将来、砂漠化する」「水中通勤しなければならなくなる」「ロボットに乗って買い物に行くことになる」などの荒唐無稽なCMが頻繁に流れているが、このような科学的根拠が薄い内容の放送を一体誰に向けて何のために行うのかわからない。特に幼い世代に悪影響があるので、内容を修正してほしい。
  • 4人程の女性が、胸とお尻がぎりぎり見えない程度でほとんどヌードになって、「ブラがいらない服」などと宣伝していた。夜でも子どもは起きているし、視聴者に迫ってくるような様子は、あまりに過激ではないかと疑問に感じた。
  • パチンコのCMが多過ぎる。青少年に悪影響だ。テレビ局も営業的に困難だろうから「放送するな」とは言わないが、放送するなら「18歳未満は法律で禁止されている」などと画面に表示し、注意を促す配慮が必要だ。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「番組が子どもに悪影響を与えるか」で意見が分かれている。「番組作りが萎縮しないか」という意見もある。しかし、子どもに対する影響云々ではなく、人を馬鹿にしたり、下品なことを言う番組や出演者が本当に必要なのか。ぜひこのような場ではないところで一度議論してほしい。
  • 「下品だから子どもに見せたくない」「自分が不快だから見せるな」といったクレームに近い意見がある。「下品」や「不快」なら、見ないという方法がある。子どもにも同様の手法を使えばいいし、不快と感じる放送について子どもと話し合うことも必要なはず。見たい人もいるのに一方的な私情に流されるのは良くない。また、視聴者も自分の感情に任せた意見は慎むべきだ。

2010年4月に視聴者から寄せられた意見

2010年4月に視聴者から寄せられた意見

春の編成替えの特番について、「出演者も内容も似たり寄ったりで、ウンザリする」という意見が多かった。また、練習中にくも膜下出血で倒れたプロ野球巨人軍コーチについて、誤って「急死」のテロップを出してしまったことなどへの批判が数多く寄せられた。

2010年4月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は2,154件で、3月と比較し59件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール68%、電話28%、FAX2%、手紙ほか2%。
男女別は男性60%、女性37%、不明3%で、世代別では30代32%、40代24%、20代22%、50代10%、60歳以上8%、10代4% の順となっている。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は1,194件(42局)であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、47件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

4月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

4月の視聴者意見は、春の編成替えで各局が放送する長時間の特番について、「出演者も内容も似たり寄ったりで、ウンザリする」という意見が多かった。また、先月に引き続き、女子フィギュアスケートに関する意見が多いのが特徴的であった。特にトリノで開かれた世界選手権大会の表彰式後のインタビュー映像で、不適切な編集がおこなわれていたことへの抗議の意見や、練習中にくも膜下出血で倒れたプロ野球巨人軍コーチについて、誤って「急死」のテロップを出してしまったことなどへの批判が数多く寄せられた。さらに東京都青少年健全育成条例の改正、いわゆる「アニメ規制」をめぐる討論番組での猪瀬副知事の発言に事実誤認があり、漫画家の作品や人権を貶めているとの抗議の意見が多くあった。
報道関連意見は238件、そのうち報道姿勢を指摘した「不適切な報道」が143件、「報道のあり方」を論じた意見は82件であった。政治関連では、普天間基地移設問題や、「立ち上がれ日本」など新党関連、ゆとり教育問題などに意見が多かった。落選中の前議員を妻の現議員とともに番組に出演させ選挙区を明示したテロップを出した上、司会者が激励したとして、不謹慎さを指摘する意見もあった。
バラエティー番組への意見は3月より減って125件であった。情報バラエティー番組で「薬の説明を断ると90円得する」「献血するとタダで検査ができる」などと表現したことに対し、医療従事者などから批判意見が相次いだ。
番組出演者に関する意見は「不適切な発言」検索で44件、不適格な出演者検索で113件であった。
ラジオに関する意見は78件、CMに関する意見は62件であった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は129件で、前月を10件ほど上回った。
今月はバラエティー、ドラマ、アニメ、ラジオ番組など幅広い番組に対し、低俗・モラルに反するとの意見が26件に上った。次いで、バラエティー番組で小学生の女児がダンスを披露したコーナーに対し、性的に過激だとする批判意見が4件寄せられたのを含め、複数の番組について性的表現の過剰さ・不適切さを指摘する批判意見が24件寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 「お薬手帳」を理解しないまま番組を作っていたことが伺える。「薬の説明書を毎回もらっていたら90円の損」という内容で、薬の説明書と「お薬手帳」を間違えて放送していた。
    「お薬手帳」によって、同じ薬を別の病院でもらっていることが判ったり災害時に今まで飲んでいた薬履歴が判るなどのメリットがあるのに、「断わらなければ損をする」という事実誤認を誘導している内容に怒りを覚える。
  • 宇宙飛行士の山崎直子さんについて、「ママさん」と強調する報道が目立つ。一人の宇宙飛行士としてよりも、「ママ」を強調することは、「結婚した女は家に入ることが当たり前で、それ以上のことをしているからすごい」というのが、いまだにマスコミの考え方なのだろう。「ママ」であるかないかなど関係ない。一人の宇宙飛行士としての能力を評価するべきだ。頑張っている女性に対して失礼だ。
  • 読売巨人軍の木村拓也コーチが練習中に倒れたという報道で、”意識不明”であったにもかかわらず、”急死”というテロップを出していた。そうなった場合に備えて、いち早く報道するためにテロップを用意していたのでしょうか?それではあまりにも不謹慎です。人を思う気持ちが少しでもあれば、このような準備はしなかったはずです。謝罪して済む話ではありません。
  • 「東京都青少年健全育成条例改正案」については、著名な漫画家や出版社等、多くの関係者が反対を表明している。だが、テレビではそのことをほとんど報道していない。「都の条例」にならって全国の他の自治体が同様の条例を制定することも十分に考えられる。このままでは漫画文化そのものを差別するような事態になりかねない。「表現の自由」を守るために、メディアがもっとこの問題を取り上げるべきだ。
  • 高等学校で講師をしているものです。確かに学力が下がったのは、「ゆとり教育」が一因だというのはわかりますが、なぜ「ゆとり教育」を導入したのかという点が抜けています。「ゆとり教育」は自ら考え自ら学び、主体的に行動できる人間を生み出すことを目指したものだったはずです。
  • 政治や事件などの報道に対して、一方的な内容が多く公平性に欠けるのではないかと思う。コメンテーターが何人かいても、常に片方に意見が偏っている。事実かどうかわからない内容までが報道され、視聴者に一方的に意見を押し付けている印象が強い。中立性を保った放送ができないのであればワイドショー的な番組はやらない方が良いのではないか。
  • 目上の人に対する言葉が敬語になっていない。特に民放のアナウンサーの質が落ちているような気がする。イントネーションや敬語の使い方を新人研修で指導しないのだろうか。せめてアナウンサー、キャスターはきちんとした日本語を話すようにしないと、言葉がどんどんおかしくなっていく。現に街角インタビューなどで受け答えをする人たちの言葉が、おかしな敬語を使う芸人と同じになっている。
  • メーカーなどは「不良品に関する告知」をホームページに掲載している。例えば、トヨタ、パナソニック、日清食品などはトップページに置き、消費者に広く知らせている。放送局もこのような姿勢が必要なのではないだろうか。事実と違う内容を放送した場合や不誠実な放送があった場合は、番組内で訂正やお詫びをするのはもちろんのことだが、一瞬にして過ぎてしまう放送だけで終わらせるのではなく、責任ある企業としてホームページ内のわかりやすい場所に訂正専用のページを設置し、そこで一定期間の告知をするべきだ。

【番組全般・その他】

  • どこのチャンネルでも、ここ数週間「特番」ばかりだ。出演者も内容も似たりよったりの番組にはもうウンザリだ。芸人を集めて騒げば良いというものではない。とにかくつまらない。このままではテレビ離れがもっと進んでしまう。原点に帰って、テレビにしかできない、内容ある番組を作ってほしい。
  • テレビが楽しみで、親から「見ていい」と言われてワクワクした時代は、もう昔なのですね。今は見せる側と見る側のどちらに主体があるのか。食事の時間もわきまえず、遠慮のない残酷な映像や、人気があるだけの芸人が新人芸人の人格までも痛めつける番組ばかり。見たくなければ見るなと言うのか。テレビ離れは、パソコンが普及したという理由だけでは決してない。それはテレビ側の言い訳だ。「面白い」感覚が、視聴者と制作者と違うようになっているのだ。笑いの根本が分かっていない。
  • 「サスペンスドラマ」や「刑事ドラマ」が多い。その上、この春から新たに刑事ドラマが始まる。現実で殺人事件が増加しているのに、ドラマは殺人の隠蔽方法まで教えている。「殺人」がなければ成立しないような「サスペンスドラマ」や「刑事ドラマ」は放送するべきではない。もっと心温まるドラマを放送して欲しい。ドラマもバラエティーも後々まで心に残る番組を作って欲しい。
  • テレビの情報番組でリポーターやスタジオ出演者らがモノを食べるシーンがよく出てくる。彼らが「おいしい」などと満面の笑みを浮かべて舌鼓を打っているのを見て、我々視聴者はテレビの前でよだれを垂らしているだけである。出演者の飲食シーンを排除することはできないのか?
  • 各局とも、テロップが非常に多い。速報が入った時に、もともとあるテロップと速報が重なって見づらいので改善してほしい。速報用のスペースを常に空けておくと良いのではないか。また、出演者がカンニングペーパーを見ながら話していることが丸わかりでみっともない。あんなことをするくらいなら、手元に持った原稿に時々目を落として話したほうが良いと思う。
  • 「血液検査を兼ねて献血をするとタダで各種の検査ができるので得である」と言っていた。とんでもない話だ。献血は検査目当てにするものではない。健康な人間が、不足している血液を補うために「協力する」のだ。もっとテレビの影響力が大きいことを考えて番組を作るべきだ。「損か得か」という安易な発想だけで番組を作ることは危険である。
  • タイトルはさまざまだが「全国警察24時」というような、警察や警察官に密着した番組がある。この中には「暴走族」を追いかけるシーンが必ずある。暴走族が逃走して、カーチェイスの末に逮捕されるというものだ。しかし、カーチェイスだけ見せても何もならない。逆に「××県警はゆるい」などと、弱点が露呈するよう場合もある。今のままの放送は暴走行為の歯止めにはならない。
  • 最近、占いを肯定的に取り扱う番組が増えているように思う。オウム真理教の事件後、オカルトに対する反省から心霊や占いなどを扱うことを避けていたはずだが、なし崩し的に占い礼賛傾向が強まっていて、若年者の「占い信仰」が目に付くようになった。占いを肯定的に扱う危険性や、検証を行わない無責任な言いっ放しを放置しておいて良いのか。
  • 最近のテレビ番組は、自局のドラマ、映画やバラエティー番組などの「宣伝」が非常に多い。宣伝するなとは言わないが、同じ俳優やタレントばかりを見せられる視聴者の身にもなってほしい。出演する俳優たちも芝居に集中したいだろうし、以前よりバラエティー出演などの仕事が増えて、いくら視聴率のためとはいえ、大変だろうと同情してしまう。
  • 画面の隅に小窓のような別画面をよく見かける。事件報道などを真剣に見たい時でも、小窓に男女のキャスターらが映ることで気が散って映像に集中できない。視聴者の中には、小窓のキャスターの表情に引き込まれて行くうちに、彼らの思いに同調してしまう者もいるのではないだろうか。少なくとも報道・情報系のコーナーでは「小窓」表示はやめるべきだ。

【ラジオ】

  • 「メッセージやリクエストをどんどんお寄せください!」と盛んに呼びかけている割には、紹介される投稿の数が少ないように思う。呼びかけに応じて投稿しているのだから、できる限りの時間を割いてたくさん読み上げるべきだ。
  • とんでもなく卑猥な放送をしているので驚いた。アダルトのコーナーでは、女性のあえぎ声を流すなどしており、明らかに放送番組の限界を超えている。昔と違い、今は子どもも自室で自由に夜更かしをする時代である。子どもがそのような番組を見つけ、毎週聞くようになったらどうするのか?
  • パーソナリティーのアシスタントやリポーターへの過度のパワハラ言動が目立ちます。仕事をしながら聴いていますが、哀しい気持ちになります。番組にもメールを送ったのですが改善が見られません。
  • 番組中にかかる音楽が”今風”なものばかりだ。国民歌謡もぜひ放送するべきだ。確実に増えている高齢者が楽しめるような曲をどんどん放送して欲しい。

【CM】

  • 番組からCMへ切り替わった際の音量を統一して欲しい。番組内の音量が、突然大きな音になることがあるので驚いてしまいます。寝付いた子どもが起きてしまったりして困ります。
  • 健康食品や健康器具等のCMで「あくまでも個人の感想です」と但し書きをしているが、良い意見だけ一方的に放送して何が個人の感想だ。「個人の意見です」と表記すれば何でも放送できるような体制はおかしい。

【BPOへの意見】

  • TBSに対し、郵便物開封の問題についてBPOの意見が出たことをニュースで知りました。納得がいきません。TBS側はいつものように「以後は注意します」とコメントしました。すべての局に言えることですが、報道における捏造や非常識な取材、偏った報道が多すぎると思います。その度にBPOから見解が出され、局は「反省する」という声明を出しますが、数年前から全く変わっていないように感じます。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • クイズ番組は本来クイズに正解することを目指して番組が進行するが、この番組は問題を間違えたタレントをからかって笑っている。タレントはそれで笑いがとれて満足かもしれないが、たとえば子どもが学校で出された問題に正解できなかった友達をからかうようにならないか。少なくとも、司会者は人をバカにし過ぎだ。この番組ほど子どもに悪影響を与える番組はない。
  • 中学生の大麻所持のニュースが報道された。最近は麻薬などと青少年の関わりが増えているらしい。これは、昨年の芸能人の薬物騒動の時に薬物の怖さをきちんと伝えなかったことが原因の一つとも言えるのではないか。制作者の方には、テレビの影響力が大きいことを再認識してほしい。
  • 学園をテーマにしたドラマは、不良が更正したり美化されるような内容が多いと感じている。不良を美化することにより、見ている子どもたちは「かっこいい」と受けとり、行動や服装を真似て風紀が乱れてしまう。同じ学園物でも不良を主役にするのではなく、スポーツなどをテーマにしてもいいのではないか。もっとさわやかな、子どもの心の成長になるような番組を放送して欲しい。
  • 毎日のように競艇場から中継している。そこで子どもにレースの着順を予想させ、正解すると商品をプレゼントしている。競艇場に子どもを連れてくる親も親だが、ギャンブルを教える放送局はおかしいのではないか。子どもに着順を予想させることもそうだが、この時間は多くの子どもがラジオを聴いている。このような放送はすぐにでも止めてほしい。

【性的表現に関する意見】

  • 小学生の女の子のグループが出ていたが、音楽に合わせてビキニスタイルになるまで、洋服を一枚ずつ脱ぎながら踊る様子はストリッパーのようだった。大人のいやらしい視線にさらされている自覚がない子どもたちに、このようなダンスをさせる親も親だ。それを公共の放送で披露させる放送局の倫理観も疑われる。もっと放送内容を精査するべきだ。
  • 近頃のアニメは性的な表現や言葉が多い。不特定多数の人が見るということは、当然ながら子どもも見ている。バラエティーでも下品な表現があるが、アニメもひどくなっている。もちろん良いアニメもあるが、通常の番組と同様に厳しく管理と監視をすべきだ。子どもたちや良いアニメを望む人たちのためにも考慮してほしい。
  • 深夜帯の番組は性表現をもう少し開放させるべきではないか。「青少年に悪影響を与える」という意見があるが、録画させないようにし、家庭や学校で教育すればいいのではないか。過剰な規制は番組作りの萎縮を招きかねない。昔はもっと性表現が含まれるテレビ番組が多かったが、その結果青少年に悪影響があったのかと問いたい。

【いじめに関する意見】

  • お笑い芸人がゲームの結果賞品を獲得したが、後半のコーナーで別の芸人がその芸人から賞品を無理矢理奪い取ってしまった。嫌がる人から力ずくで物を取ってしまう行為は笑えるものではない。子どもも見ているのに悪影響だ。イジメや恐喝につながるので、このような行為が横行しないようにしてほしい。
  • 司会者の絶妙なトークや芸人とのやりとりが好きで毎週見ている。唯一不愉快な点が、ひな壇芸人に対するいじめ的な発言である。この日の放送でも、タレントに対し「お前はしゃべるな」といった発言があり、いじめに近いものを感じた。「いじる」と「いじめ」の区別が付かない子どもにとっては、よくないいじり方であると思う。

【危険行為に関する意見】

  • 出演者が底なし沼に沈むゲームがある。発砲スチロールで作られているので出演者には問題ないと思うが、以前から砂場で小学生らが窒息死する事故が発生している。子どもは顔を出していれば平気だと思っているが、胸部圧迫で呼吸が出来ずに死んだ例もある。真似をしないようにというレベルで済む問題ではないと思う。
  • 夕方の子ども向けの番組で、バンドが激しく頭を振ってパンク風の歌を歌うシーンがあった。歌詞は子どもらしい内容の替え歌で問題ないが、頭を振る行為を子どもが真似ることがあってはいけないと思う。「揺さぶられ症候群」など、頭を振る行為は脳にダメージを与えることがあり危険だ。パンクバンドは子ども番組には相応しくないので出演を止めさせてほしい。

【暴力・殺人シーンに関する意見】

  • 暴力的な描写が非常に多く驚いた。具体的には、主人公らの適性を見極めるためのテストとして、残酷な拷問を課すシーンが4~5分にわたって描かれていた。そのリアルさは大人の私でさえ気分が悪くなったほどだ。このようなドラマは遅い時間に放送されるべきだ。比較的早い時間帯で放送しては子どもの目に触れてしまい、教育上非常に問題があると思う。
  • 民放各局が放送しているアニメは過激に戦うシーンが多い。血を流して殺し合っても「生き返る」「死なない」など、再生できてしまうものが多い。これでは子どもたちの死や暴力に対する意識が鈍感になってしまう。深夜に放送されているアニメはもっと過激だ。アニメに何らかの規制をかけるべきだ。

【推奨番組に関する意見】

  • 若者が主人公のドキュメンタリー番組。とてもいい番組だったが終了してしまい残念だ。「最近の若者は」などとよく言うが、この番組に出てくる若者たちは何事にも一所懸命で、見知らぬ土地でがんばっている姿がすがすがしかった。子どもたちに色々な職業を知って貰ういい機会でもあったと思う。またこのような素晴らしい番組を見たい。

【食べ物に関する意見】

  • 食べ尽くしや大食い系の番組は不快だ。無理をして食べることに腹が立つ。子どもの教育に良くないことは明白だ。暴力や罰ゲームよりもひどい。そんなにたくさん食べないと生きていけないのか?

【要望・提言】

  • 子ども番組に関して保護者からの意見が多いようだが、子どもと大人の好みは根本から異なる。アニメ等に興味のない大人の視聴者の意見を鵜呑みにせず、本当に子どもに対して害があるのか、本当に是正せねばならないものなのか、吟味することを切に願う。ユーモアやコメディーは些細なことなら笑って許せる広い心を育む一要素になり得る。BPOは、そうした要素も視野に入れた上で指導を行うべきだ。

【CMに関する意見】

  • 最近、パチンコや消費者金融のCMをやたらと見る。少なくとも子どもの見ている時間帯に流すのはやめてもらいたい。パチンコに魅力を感じたり、お金は簡単に借りられるものだと思ってしまうのではないか。
  • 1日に何度も見る携帯ゲームのCMだが、このCMを見ていた子どもが「店の物もこんな簡単に盗めたら良いのに」と、犯罪に興味を持ったようなことを言った。このゲームは「他人から物を盗む」という内容であり、子どもに大変な悪影響を及ぼすのではないか。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「子どもに低俗番組を見るなとは言えない」「低俗番組は子どもに悪影響なので早く終了させろ」といった親の監督放棄に近い意見や、一般的に子どもが視聴できない平日の深夜帯の番組に対する苦情が目立つが、BPOは放送倫理に関する議論を求める機関であり、各々の個人的な私情をぶちまける場所ではない。視聴者ももう少し考えて意見するべきではないか。