2017年度 中高生モニター会議

2017年度「中高生モニター会議」

◆概要◆

7月25日、2017年度中高生モニター会議を開催しました。例年は年度末の3月に行っている会議ですが、今年度はモニター任期の半ばで中高生モニターと委員が顔を合わせ、交流を深め、その後のモニター活動をより意義のあるものにしたいとの考えから、夏休み期間中の開催としました。
NHKで行われた会議には、全国から集まった25人のモニターと、汐見稔幸青少年委員会委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員が出席しました。また、NHKから『プロフェッショナル 仕事の流儀』の池田由紀チーフプロデューサーが参加してくださいました。

第1部では、NHK放送センター114スタジオで、『あさイチ 解決!ごはん』のカメラリハーサルの様子を見学しました。翌日の放送に向けて、出演者やカメラマン、ディレクターらスタッフが、真剣に内容の確認を行う様子を間近で見ることができました。また数名のモニターは、出演者の役で、リハーサルに参加しました。出演者の駒村多恵さんに本番さながらに質問をされ、臨機応変に受け答えを楽しんでいました。リハーサル終了後は、スタジオフロアで番組プロデューサーによる質疑応答の時間も設けられました。また、副調整室も見学し、テクニカルディレクターによる副調整室の機能の紹介や機材の解説などに神妙に聞き入り、また活発に質問するモニターの姿も見られました。

第2部の前半は、『プロフェッショナル 仕事の流儀』を題材に、池田由紀チーフプロデューサーを交え、中橋委員が聞き手となって「番組の制作体制と制作期間」「企画の採択基準」や「取材対象者との関係性」「ドキュメンタリーとは何か?」、さらには「伝える工夫と行き過ぎた演出」などついてのディスカッションやモニターとの質疑応答を行いました。
後半は、『“10代に見せたい”プロフェッショナル』の企画会議をモニターが5つのグループに分かれるグループワークの形式で行いました。事前に考えてきた自分の企画をプレゼンテーションしあい、討議を経てグループ代表となる企画を決定し、発表するというワークショップでは、熱のこもった話し合いが繰り広げられました。模造紙にグループ代表の企画をまとめる頃には、どのグループも初対面とは思えない息の合った作業で、チームワークの良さを見せていました。その後のプレゼンテーションでは「ギャンブラー」や「ディズニーリゾートのアトラクション企画者」「公立中学校教師」「給食甲子園優勝者の栄養教諭」「ユーチューバー」といった10代ならではのねらいと視点が光る企画が発表されました。グループワークの最後には、池田チーフプロデューサーから「給食甲子園優勝者」の企画にグランプリが送られ、それぞれの企画への講評が述べられました。
最後には、汐見委員長から以下のような総括の言葉がありました。

≪汐見稔幸委員長まとめ≫

きょうは、「プロフェッショナル」という番組をつくっている方のプロ性というものを体験してもらったように思う。実際に一人の人間を紹介するというのは物すごく難しいことだ。生きて活動している人の何をつなぎ合わせていくのかといったときに、どの場面を紹介すれば本当のその人が出てくるかというのは、なかなかわからない。出演者と一緒になって「この場面を撮ってくれ」「こんなシーンはどうだろう」とやると、それは一つの物語にはなるけれども、結局、その人を見せるのではなくて、その人と一緒につくった物語を見せただけということが起こりかねない。そういうことを深く考えていかないと、本当のことは伝わらないかもしれないという難しさがある。
もう一つは、番組を作り放送することによって「日本人の中に何を残すことができたのだろう」、「何を伝えたことになるのだろう」ということを客観的に考えなければいけないということ。番組は、日本人の考え方だとか生き方だとか、結果としていろんなものに影響を与える。だから、そのことをしっかり考えないと番組はつくれない。それらを全部考えて、みんなで議論しながら一つの作品にしていくという作業が番組制作に携わる人たちがやっていることで、そこには深いプロフェッショナル性というのがあるということを、僕は改めて、きょう、感じた。皆さんもきょうは、日常ではできない経験ができたのではないかと思う。

以上

第125回 放送倫理検証委員会

第125回–2018年4月

TOKYO MXの『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見への対応報告書に追加質問を検討など

本年度最初の委員会の開催となり、冒頭、神田委員長が委員長代行に是枝委員と升味委員を指名し、継続している討議を再開した。
裁判所に入る被告の映像を取り違えて、別人の映像を被告として4回にわたって放送した毎日放送のニュースを巡り、当該放送局からその後の経緯について追加報告を受け討議した結果、十分な再発防止策が取られているとして討議を終了した。
覆面座談会の出演者を一部モザイク未処理のまま放送した東海テレビ『みんなのニュースOne』の企画について、当該放送局から詳細な映像編集プロセスの説明や番組審議会の議事概要などが追加報告書として提出された。討議の結果、委員会は、番組審議会や第三者機関が機能して自主・自律の対応がなされているとして討議を終了した。
東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)『ニュース女子』沖縄の基地問題に関する特集について、去年12月に委員会が意見書を通知公表した後の取り組み状況について当該放送局から報告書が提出されたが、報告の内容が不十分であるとして、追加の質問をすることになった。

議事の詳細

日時
2018年4月13日(金)午後5時~8時10分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

神田委員長、是枝委員長代行、升味委員長代行、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1. 裁判の被告として別人の映像を4回にわたって放送した毎日放送の『ニュース』を討議

毎日放送は、元神戸市議会議員の政務活動費詐欺事件の裁判を報道する際、3人の被告のうちの1人の被告の映像を通行人とみられる別人の映像と取り違え、去年12月の初公判から今年2月の判決公判のニュースまで4回にわたって放送した。
毎日放送は、誤って放送された人を見つけて謝罪するため、撮影した時刻と同じ時間帯に、同じ場所を中心に通行人を目視で確認する作業を続けていることから、委員会は、この推移を見守ることとし、討議を継続することとなった。当該放送局の追加報告書によると、この人物の特定はまだできていないものの(2018年4月13日現在)、映像のチェックシステムの強化など再発防止に向けて十分な対策が取られているとして、委員会は討議を終了した。

2. 覆面座談会の出演者を一部モザイク未処理のまま放送した
東海テレビの『みんなのニュースOne』を討議

東海テレビのニュース番組『みんなのニュースOne』は2月23日、「働き方改革」をテーマに中小企業経営者や医師ら5人による座談会の模様を放送した。5人は、顔にモザイクをかけるなどして個人が特定されないことを条件に出演したが、2か所でモザイクがかかっていない映像が放送された。前回の委員会では、モザイクが一部未処理のまま放送に至った経緯の報告を求め、番組審議会などでの議論を見守りたいとして、討議を継続することとなった。
新たに提出された報告書では、編集機の操作のミスからモザイクの未処理が起きたこと、編集済み素材が適切にチェックできなかったプロセスなどが詳細に説明されるとともに、番組審議会や第三者機関「オンブズ東海」で厳しい意見が相次いだことが報告された。また、再発防止策として、完パケ作業の一日前倒し、モザイクなど放送に配慮が必要な場合はスタッフ全員で情報を共有する、チェックできていない企画は放送しない、などを定めたことが報告されている。これに対し委員会では、「さまざまな指摘を今後に生かす取り組みに着手するなど、番組審議会が十分に機能している」などの意見があり、問題は社内全体で共有され、自主・自律の対応がなされているとして討議を終了した。

3. 東京メトロポリタンテレビジョン『ニュース女子』沖縄の基地問題に関する特集についての意見への対応報告書を検討

東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』沖縄の基地問題に関する特集について、委員会は去年12月、重大な放送倫理違反があったとする意見書を通知公表し、TOKYO MXからその後の取り組み状況について報告書が提出された。
この報告について委員会では、「TOKYO MXは、委員会が意見書を通知する前の去年2月、番組は放送基準に沿った内容だったとする『当社見解』を公表したが、意見書通知後、この見解の内容について、改めて社内で検証をしたのだろうか」などの意見が出された。その結果、この報告書では、報告の内容が不十分であるとして、TOKYO MXに対して追加の質問をすることになり、その内容について担当委員を中心に検討することになった。

以上

第257回放送と人権等権利に関する委員会

第257回 – 2018年4月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

奥委員長が就任して初めての委員会で、まず、奥委員長が2名の委員長代行に市川委員と曽我部委員を指名した。このあと、報道機関による撮影が行われた。

議事の詳細

日時
2018年4月17日(火)午後3時~5時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理

対象となったのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人を救った外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などいわゆる「杉原リスト」をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが委員会に申立書を提出し、番組は、手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させると名誉毀損を訴えた。これに対し、CBCテレビは委員会に提出した「経緯と見解」書面において、一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えないと主張した。
前回の委員会後、申立人から「反論書」が、被申立人からそれに対する「再答弁書」が提出され、所定の書面が出揃った。今回の委員会では、事務局がそれら双方の主張を取りまとめた資料を説明し、それを基に委員が意見を交わした。今後、論点を整理するため起草担当委員が集まって協議することとなった。

2.『判断ガイド2018』の検討

新しい『判断ガイド2018』をこの夏をめどに刊行することになり、内容や構成を検討した。版型は、掲載する決定件数が大きく増えることなどから、現行の『判断ガイド2014』のA5版よりひと回り大きいB5版とすることになった。

3.その他

  • 次回委員会は5月15日に開かれる。

以上

2018年2月24日

学校の先生方との意見交換会の概要

◆概要◆

青少年委員会は、「視聴者と放送事業者を結ぶ回路としての機能」を果たすための活動の一環として、各地で様々な形の意見交換会を開催しています。今回は、2月24日、18時から21時、東京で学校の先生方と青少年委員会委員との意見交換会を開催しました。このような形での意見交換会は、初めてのことでした。
BPOからは、汐見稔幸 青少年委員会委員長、最相葉月 副委員長、稲増龍夫 委員、中橋雄 委員、緑川由香 委員が参加しました。先生方は、東京、神奈川、岐阜、京都、沖縄の小学校、中学校、高校、特別支援学校の先生12人が参加しました。

【青少年委員会の目的】(汐見委員長)

冒頭、汐見委員長が、開会の挨拶として、青少年委員会の目的について次のように述べました。
「私も本当にテレビ少年であり、テレビ番組が様々な夢を育んでくれた。青少年にとってテレビから与えられるものは、とても大きい。一つの国のマスコミの言論の自由は、徹底して守らなければ、民主社会はないと私は考えている。BPOは、政治権力から様々なクレームをつけられるような番組を作ることに対して、自主的にしっかりと襟を正していくことが必要だということで作られている組織である。その中で、青少年委員会はこれからの日本あるいは世界を担う若者たちが、どんなテレビを見ているのか、彼らが本当に求めているテレビ番組は何なのか、などを視聴者とのパイプ役となって放送局に伝えることが主な役割である。
今回の意見交換会は、子どもたちのテレビ視聴や、マスコミのリテラシー、また、テレビ番組をどう教育に生かしていくかをいつも考えて教育していらっしゃる先生方が、今、青少年の現状とマスコミとの関係について、どのように考えているのか、意見交換をする初めての試みで、これから私たちの活動の糧にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします」

【テレビ番組を教育現場でどのように活用しているか】

まず、テレビ番組を教育現場でどのよう活用しているか、先生方から次のような報告がありました。
「特別支援学級を担任しているが、読み書きが苦手な子どもも多いので、視覚的なところからの情報は教育面ではとても有効だと思う。『こういったことをやるよ』ということを、番組を一緒に見ながら理解したうえで、それに実際に取り組んでみるとか、番組を見た後で、そのストーリーの中で何が大事なのか意見を交わしていくという教育がとても効果を上げている」
「小学校1年生を担任しているので、文字がまだ読めない子どもたちに対して、読書活動の一環として放送番組の『おはなしのくに』を見せている。お話の楽しさを味わって、その後、心に残った場面を絵に表したり、ペープサートで表現して友達と交流することも行っている」
「以前、病院の院内学級にいたが、子どもたちは、基本的に外で元気よく活動できないので、映像による間接体験が多くなる。しかし、道徳の授業で、こんなこともあった。道徳ドキュメントで脳死をどう思うかみたいな番組があった。その生徒の中には、臓器移植の子どもはいなかったが、骨髄移植をした子どもはたくさんいた。彼らにとっては、移植はありか、なしかという問題ではなく、移植しなければ生きていけない。ただ、生きていることに感謝するというようなことは指導できるが、脳死がありか、なしかという番組は見せることができなかった。道徳の授業では、明日の希望につながるような内容のものしか実際は見せられなかった」

【テレビに何を期待しているか】

次に、「テレビに何を期待しているか」という問いに対して、先生方からは次のような発言がありました。
「テレビは、子どもたちが、情報を知るきっかけや手段としてあったらいいと思う。今、テレビを見ていると、大筋のターゲットに対してのアプローチが大きい気がする。大人向けに作られた番組も、もしかしたらこの世代の子どもたちも見ているかもしれないという伏線は大事だと思う」
「最近、テレビ番組で素晴らしいと思うのは、『仕事』を扱った番組である。高校生は直に職業や仕事に関係してくる。『本当に仕事は楽しい。でも、苦しい。それでも、みんなで協力してやっている』ということを描いた番組が好きである。例えば、誇りを持って、『この野菜は俺が作ったんだ。うまいだろう』という生産者の目の輝きに子どもたちはすごく感動すると思う」
これに対し、委員からは次のような発言がありました。
(稲増委員)「近年、テレビの視聴傾向は、非常に多様化している。先ほど、ターゲットの話も出たが、誰に向けて作るのかという点では、作る側もみんなに向けて作っても無駄だと思っている。これは若者、これは高齢者など、ある程度ターゲットを絞って、傾向も絞って作らざるを得ない。それは、商業主義だが、テレビの宿命として仕方がないことだと思う。このテレビの構造的な問題の背景には、国民の価値観やライフスタイルの多様化があると思う」

【バラエティーやドラマなど娯楽番組について】

第1部のテーマは、「子どもが真似したら危険だ」「性的表現が子どもの教育上よくない」「いじめにつながる」「暴力・殺人・残虐シーンが子どもに悪影響を与える」「低俗だ」などの視聴者意見が寄せられる「バラエティー、ドラマなど娯楽番組について」でした。

まず、様々な意見が寄せられた裸芸の芸人について、先生方からは次のような発言がありました。
「5年生の自然教室でお風呂に入っていた男子生徒が風呂桶で裸芸を真似していた。教室でズボンを脱がせて裸にさせるというのであれば問題になると思うが、裸芸は一時的な流行であり、楽しめるときにちょっと楽しんでおいていいのかなと思う。あまり生徒を難しく縛りすぎると何もできなくなってしまうのではないか」
「テレビの中は、エンターテインメントで、お約束事の世界だ。あれをリアルの世界でやると話は違うぞ、という前提が昔はあった。あれをやったらまずいよな、ということがどこかで働いていた。しかし、今、それをリアルでやってしまう時の判断基準が少しずれてきている。個人的には、テレビでやることは、別にかまわないと思うが、見る側の姿勢が重要である。家庭、学校、地域で、『これはエンターテインメント、要するにうその世界だよ』という形の話をする機会が必要ではないか」
これに対して、委員からは次のような発言がありました。
(緑川委員)「子どもの教育を考える時に大切なことは、大人になっていろいろな社会の難しいところに一人で立ち向かっていけるよう、子どもが自立できるように教育することだと思う。子ども時代の、周りに先生がいたり、保護者がいたり、大人がいたりして、適切なサポートを受けられる時に、テレビで下品といわれるようなことや社会の大変なことを見るのも一つの経験として良いといえる場合があるのではないかと思っている。それは教育のチャンスというか、『それをしちゃいけない』と子どもにきちんと教えてあげるきっかけにテレビがなることがある、という温かい目でテレビを見てほしい」

次に、「いじめにつながる」などの視聴者意見について意見交換しました。
先生方からは、次のような発言がありました。
「いじめについては、バラエティーの中でいじった、いじられた、突っ込みとぼけなどがいじめにつながるという意見に対しては、あれはルールの中でやっているということを大人が諭してあげる、つまり、我々の教育力が求められている。テレビ側の立場で大衆に受けるものをつくるという前提はあってもよい、と思う。しかし、実際のいじめ自殺の報道は、個人的には心が痛む。それを子どもが見て、いじめは絶対にいけないと思うのか、いじめが助長されるのかはわからないが、デリケートに扱ってほしい」
「今はいじめた意識があるかないかではなく、いじめられたと思った人がいたかいないかというほうが大きいと生徒に話した。そこで心を痛めている人がいるということは、やはりよくない、という点は、高校生でもなかなかわからないようであった」

ここで、最相副委員長から、次のような疑問が提起されました。
(最相副委員長)「今の子どもたちは、録画をして見るケースが非常に多く、これまでは17時から21時までは、ファミリーが見る時間なので、あまり過激な番組は作らないように、それ以降だったら多少はめをはずしてもよいという形で捉えられていたが、最近はそういうことを言っていられない。制作現場の方も非常に悩んでいる。そのような夜中の番組を見過ぎて悪影響をこうむっているような子ども、あるいは、テレビ番組も動画サイトにそのまま載ったりするが、リアルタイムでなくても、ぎりぎりのラインをいっているような番組を見過ぎることによって、日中の生活態度に影響が出ているケースはあるのか、知りたい」
これに対して、先生方からは、次のような報告がありました。
「中学校で不登校の生徒がいるが、家庭訪問をすると、昼夜完全に逆転になり、夜8時ぐらいに訪ねたが、まだ寝ていた。夜9時ころ起き始めて動画サイトでアニメを見たり、録画したアニメを見たりという生活であった。深夜のアニメは男の子より女の子が好む傾向があり、男の子はゲームに向かうほうが多いと思う」
「私の小学校では、動画サイトが大きな問題になっている。不登校で夜中ずっと動画サイトを見ている子どももいる。そこの歯止めがかからないことが問題であり、夜中に見ていると脳が刺激されて眠れなくなってしまうという健康面の影響もある。また、課題が大きいと思うのは、言葉使いがすごく悪くなってきているということである。暴力的な言葉や性的な言葉だ。小学生がそんな言葉知っているんだというのが、会話の随所に出てきて、いちいち指導はするが、自分たちの知っているところは氷山の一角かなと思うところがある」
「貧困問題にも関連するが、母親が夜も仕事をしている家庭では、子どもにスマートフォンを持たせていることが多い。しかも、フィルタリングもしていないことがある。家には誰もいないし、さみしさを紛らわすために外出する。何か悪いことをしているわけではないが、深夜までおしゃべりしたりして、眠れないという生活をしている子どももいる」
これらの報告に対して、委員会らは次のような発言がありました。
(中橋委員)「動画サイト、特にスマートフォンの普及による変化は大きく、親や他人が入っていけない、パーソナルな空間の中での出来事が子どもたちにどう影響しているかということは考え直していく必要がある。教育現場でも指導が必要な場面も増えてくると思う。
一方、テレビ文化は、これまで先人たちが積み上げてきた素晴らしい文化である。新しいことを知ったり、生き方を考えることができたり、娯楽としても楽しめる、人間の生活を豊かにする非常に重要な文化である。そのテレビをもっとよくしていくためにはどうしたらいいだろうかということを建設的に考えていく場として、教育現場では、テレビの影の面だけでなく、良い面をいかに伸ばしていけるか、子ども達にしっかり教えていくことが大事だと思う」

次に、テレビでの「性的表現」について意見交換しました。
先生方からは、次のような発言がありました。
「思春期を迎えている中学生を担任しているが、表立ってテレビの性的表現によるいじめや指導が必要なことがあったかといわれると、ほぼなかったと思う。その番組が今の中学生に何か影響があったのかというと、ほぼない。やはり、ネットのほうが情報源はたくさんあると思う。ただ、最近、LGBTの問題は気になる。学校には、その傾向が見受けられる生徒もいる。『オネエ』という言葉がテレビでよく使われるが、『なんか、あいつオネエみたい』というような言葉が実際に学校で使われた時には、どういう意味で使ったのか指導したことはある」
「性的表現は、テレビの深夜番組にはよくあると思う。深夜番組は、ほとんど録画して見ている子どももいる。その子どもたちがそれを見る時間はいつだと考えると、多くの時間を奪われているのだろうと思う。情報をしっかり読み取る力が身についていればいいが、そうとは限らない。たぶん、いろいろなものを失っている部分があるだろうと思うので、その点を学校や家庭で教育していかなければならない」
「中学2年生くらいになると、性的なことは人前で話してはいけないということはなんとなくわかってくる。しかし、言葉の端々から、テレビやネットで得た知識で、にやにやしながら話しているのが聞こえてくることもあるので、そこはきちんと教えなければいけないと感じている。全く性的なものに触れないまま大人になるのも心配ではあるが、変に偏った情報が子どもに入らなければいいなと思う」

【報道・情報系番組について】

第2部のテーマは、「報道・情報系番組について」でした。
「子どもたちが関連する事件・事故の取材」、「子どもへのインタビュー」、「被害少年の実名報道」などに様々な意見が寄せられる報道・情報系番組について、また、学校や先生自体が事件・事故の当事者となったり、影響を受けてしまったりするケースについて意見交換しました。

まず、先生方からは、次のような発言がありました。
「4年前、河川敷で中学生が複数の高校生らに殺害される、という事件が発生したが、この事件をきっかけに、不登校傾向にある児童が休んだ場合、電話連絡、家庭訪問、児童支援チームの立ち上げなどのマニュアルが各学校に配布されている」
「小学校であったが、この河川敷での事件の報道を受け、子どもたちに『命はひとつしかない、大切だよね』という話はした。それにいじめの話とつなげて『本人は軽い気持ちで言っても、死ぬほど嫌な気持ちになって、複数で逆らえない、ものの言えない子がいじめにつながるんだよ。いじめというのは命を即なくすことにつながるんだよ』と話した。同じようなことが起こるたびに、毎週の学年会では、このことを話している」
「原発事故で避難した子どもがいじめを受けたという報道を受けて、各学校で『いじめ対策防止委員会』を開くようにということで、今、取り組んでいる。また、以前、ある生徒の父親が、薬物関連で逮捕され、家にマスコミが来たということがあった。子どもは、そのとき、母親の実家に引っ越していて、インタビューや取材を受けるようなことはなかった。報道側の立場もわかるが、何の罪もない子どもが心理的につらい思いをして大好きだった学校を離れていくのは、担任としては非常に心苦しかった。」
「この『原発いじめ問題』では、個人情報に関わることが非常に多かったので、公式にメディアに対して発信できない部分がたくさんあったと思う。そのことで、あの子どもが犯人だとして実名が出てしまったり、別の先生の名前が出てしまったりと、かなり情報が錯そうし、それによって被害をこうむった人たちも多かったという印象を受けた。この事件をきっかけに、学校では、いじめアンケートを取り、その中で、自分は嫌な思いをしているという回答があった子どもには、個別に対応したり、聞き取りをしたりしている。また、『いじめ』の場面を見かけたことがある、と答えた子どもについては、個別に『どういった場面だったの?』と丁寧に洗い出しながら、子どもに寄り添って対応することを、ここ何年か続けている」
「私の学校でも、いじめアンケートがあり、悩みを書いた子どもを呼んで話を聞くという取り組みを続けている。しかし、中学生になると、悩みを書くと先生に呼ばれて話を聞かれるというところに敏感になってくる。逆にもう書かなくなる。教師としては、悩みが書いてないから何もないとは思わないようにしている。
以前、若い男が小学生を殺害する事件が発生し、学校の近くの団地に逃亡したことがあった。その際は、校門にカメラや記者が待ち構えていた。その後、生徒が取材に応じないよう、学校では、半年以上にわたって、必ず誰かが校門に立ち、マスコミ対応をしたことがある。さらに、ある担任の先生が逮捕されるという事件があり、報道もされた。その時の子どもたちの動揺は本当に計り知れないものがあった。報道で知ることは、子どもたちにはすごく影響があると思う」

次に、最相副委員長から、先生方に対して、次のような質問が投げかけられました。
(最相副委員長)「私たちは放送局の現場の方々と意見交換をしているが、近年、学校の取材が全然できないという声が出てくる。季節の話題として、卒業式や入学式が行われました、というときも、カメラが学校に入れない、と聞く。これは、皆様方の学校では、どうなっているのか」
この質問に対して、先生方からは、次のような発言がありました。
「子どもの顔がテレビに出るのは、たぶん管理職が了解しないと思う。個人情報は、かなり慎重に取り扱われている」
「私の学校の自治体では、年度の頭に、保護者に対して、どこまで情報を出していいですか、という確認を全校一斉にとる。顔までとか、名前も大丈夫とかいう確認を年度ごとにとり、それ以外のメディア対応は、その都度、改めて保護者に確認をとらなければいけないルールになっている。入学式では、まだその確認をとっていない状況であり、卒業式では、『だめです』と書いている保護者全員に一つ一つ確認を取ったうえで、取材を受け入れるという手続きをとることになるので、前日とかに取材を申し込まれても確認を取る時間がないので、結局、断ることになる」
「生徒の顔については、ホームページはもちろん、学校通信、学年通信でも保護者の許可をとっている。誰がNGなのかは、学校側はしっかり把握しているので、その子は除いて載せる。たとえ承諾がもらえていても、顔がわかるものでなく、後姿や遠目のものを載せるよう配慮している」
また、委員からは、次のような質問も出されました。
(稲増委員)「教育問題、いじめ問題などをメディアで扱う際、取材する側から出てくるのは、学校や教育委員会には隠蔽体質があるのではないか、ということである。学校側が『いじめはなかった』と言っても、取材する側は、『いや、いじめは絶対あったはずだ』というステレオタイプで見る傾向がある。その見方は、本当なのか、それとも過剰なステレオタイプなのか、何か実感していることがあったら聞きたい」
これに対して、先生方からは次のような発言がありました。
「私が勤めていた学校で、卒業生と在校生が、オレオレ詐欺の関係で逮捕されるということがあった。その際、とにかく報道機関からの問い合わせがすごく、学校側は、とにかく答えるな、教育委員会を通すようにということであったが、何か隠しているのだろうという感じで電話をしてきた。個人的には、どこどこの学校に通っていたことから派生して、通学途中の子どもをつかまえてインタビューされたりという事態を考えると、隠蔽しようということではなく、ほかの子どもへの影響を考え、報道機関への対応は慎重になると思う」

また、スマートフォンが子どもたちにも普及したことの影響について、最相副委員長から次のような問題提起がありました。
「数年前にキス動画というのが話題になり、それを引用したテレビ番組もあった。一時的な熱でキスして、その画像をネットにアップしてしまうということで、危険があるし、未来のことを考えていない。これは、かなり大きな問題だと思った。個人情報保護には慎重すぎるほどなのにプライバシーを自ら公開することは割と平気でやってしまう。頻繁に起こっていることだと思うが、どうだろうか」
これに対して、先生方からは次のような発言がありました。
「先生と生徒の距離があまりに近すぎるのかわからないが、例えば、妻と自分が歩いているのを勝手に写真に撮ってSNSに載せられるということがあった。その時、生徒には、『君たちと先生は仲がいいかもしれないが、私たちにも肖像権がある』と注意した。『他人の写真を実際にアップして、全世界に広まり、もし訴えられたら大変なことになる』というようなことを教えなければいけないと思う」
さらに委員からは次のような発言がありました。
(中橋委員)「報道する側が取材される側への理解をより深めていくという場は必要であるが、これからは子どもたち自身もそういうことを考えていかなければならないと思う。自分たちが取材して、それを発信する側に立つことがあるのと同時に、友達から撮られて、それがアップされるような報道される側に立つ場合もある。さらに、それは、ソーシャルメディアだけでなく、マスメディアでも大きく取り上げられることもある。
学校現場においては、ドラマは作り物の世界だが、報道は事実を伝えていて、正確に中立公正に伝えるのがニュースだという価値観がある。しかし、ニュースの中にも『演出』があったり、意見が多分に含まれているものもある。それを読み間違えると、勝手に受け手の側が深読みをして、間違った方向に読まれてしまうことが起こりうる、ということを教師の側が認識したうえで、子どもたちに伝えていく必要があると思う」
(緑川委員)「今、個人情報に対して、特に保護者の意識は非常に高く、誰もが自分の情報を自分でコントロールしていくという意識が高くなっているのではないかと思う。他方、SNSなどで自分のプライバシーを簡単に出してしまっている。全く矛盾した行動を私たちはとっている。ネットでプライバシーを侵害された、名誉棄損されたという相談を受けることがあるが、一度ネットに出てしまった情報は完全に消すことはできない。小学生からスマートフォンを持っている時代であり、先生方には、小学生のうちから自分の情報をきちんと自分でコントロールするという意識、ネットにそれを出すことがどのくらい危険かということを是非教えてあげてほしい」

今回の議論を受けて、先生方の代表者から次のような意見が出ました。
「我々教員として、テレビの影の部分と楽しい部分、良い部分をちゃんと伝えていかなければならない。また、テレビだけでなく、SNSやスマートフォンについても、発信者として、受け手として、子どもたちにしっかり理解したうえで使えるように指導していくことが教育現場では必要であるし、家庭に伝えてしておくことも必要だ、と改めて感じた」
最後に、最相副委員長と汐見委員長が次のように総括しました。
(最相副委員長)「今日、報道の問題がたくさん出てきたが、これまで、報道・制作現場の人たちの話を伺ってきた印象として、ほとんどが誠実な人たちだった。どのような形で報道のトラブル、学校現場とのトラブルが起こるのかは、いろいろな理由があると思うが、現場の先生方もぜひ報道に携わっている『人』を見ていただきたい。個人個人ですばらしい仕事をしている記者の方々はたくさんいる。テレビだからだめというのではなく、彼らがどういう目的でそのテーマを追いかけ、何をやろうとしているかを正面から受け止めていただければ、それが世の中を変える力になるかもしれない」
(汐見委員長)「情報がどんな形でも流れてしまって、残ってしまうという社会になってきたということで、その社会におけるモラルや自分を守る技術についての模索が懸命に行われているという感じを受けた。実際は、メディアの発達のほうが早くて、その後を私たちが必死になって追いかけている感じがする。放っておいたら、あらゆるところにコンピューター、AIが組み込まれていくことが進む。プライバシーなども全くないような社会になっていく可能性がある。そのような社会を望んでいるかとは別に、それが大事だというふうになっているのが『文明』である。私たちが予測していないような事態が『文明』によって起こってしまうことがある。そういう中で、人々の尊厳を守る、人権を守るということが、どうしたら可能なのかという大変な難題に私たちは挑まなければならない。私たちは、たぶん、その入り口にいるのだと思う。それをやらないと、楽で快適でというだけで人間は幸せにはなれない。私たちは知恵を一つずつ出して、『文明』がもたらす問題を解決していくしかないわけであり、先生方のメディアリテラシーは、これから本当に大事になっていくと思う。その努力が、少しずつ世間の知恵になっていくことを願っているし、私たちも私たちなりの立場でそれに参画していきたいと改めて思った」
以上のような活発な議論が行われ、3時間以上に及んだ意見交換会は終了しました。

今回の意見交換会終了後、参加者からは、以下のような感想が寄せられました。

  • テレビが生徒に与える影響について、こんなに意見交流したことは初めてでした。
    今回の経験をもとに、日々の学校生活においても、生徒たちがどのようにテレビと接しているのか、テレビが与える影響がどのようなものかを意識しながら考えたいと思いました。今は、テレビの影響より、ネットやスマホ・SNSといった新しいメディアが生徒たちに大きな影響を与えていると思います。ただ、テレビについては、ネットやスマホとは違い、家族で観るメディアであることも考えると、保護者や生徒にどのような影響があるのかを考えていきたいと思います。

  • なぜ学校は、情報を公開しようとしないのか。学校側と情報を発信していこうとするメディア側の温度差がある点について、学校側は、良いことは発信していきたいが、発信できない現実的な問題もある。もっと楽になればと思いますが、なかなか難しいです。

  • 弁護士の緑川先生の、テレビを見て間違ったことをしてしまう子どもの話になった際、「今のうち(家族がいて教員がいて、失敗したことをサポートしてもらえるうち)に経験して、大きくなったときに間違わない材料にしてほしい」という内容の発言が印象に残りました。テレビの内容を白か黒かで判断するのではなく、成長過程にいる児童にとって教育できる機会にもなるという幅をもって、活用していきたいと思いました。

以上

2018年3月に視聴者から寄せられた意見

2018年3月に視聴者から寄せられた意見

各局の情報番組で、大相撲や女子レスリングの問題を取り上げる際の司会者や出演タレントのコメントが公平性に欠けるといった批判や、オリンピックに引き続いて開かれた平昌パラリンピックに関する放送のあり方への意見など。

2018年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,580件で、先月と比較して719件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール73%、電話25%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性63%、女性35%、不明2%で、世代別では40歳代25%、30歳代24%、50歳代20%、20歳代18%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は768件【45局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

各局の情報番組で、大相撲や女子レスリングの問題を取り上げる際の、司会者や出演タレントの公平性に欠けるコメントへの批判が多く寄せられた。また、オリンピックに引き続いて開かれた、平昌パラリンピックに関する放送のあり方への意見も多かった。
ラジオに関する意見は38件、CMについては30件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は65件で、前月から30件減少した。
今月は「表現・演出」が27件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が9件と続いた。
「表現・演出」では、教養番組で痴漢を扱った論文を紹介する企画について意見が寄せられた。「危険行為」では、バラエティー番組の罰ゲームで顔に透明テープを巻きつける演出に対して意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 都内中央線沿線にある、人気の天ぷら屋に並んでいたところ、番組のロケ隊がやって来た。そこで若い女性ADらしき人物が勝手極まりなく、撮影ありきで食事中の取材を申し込んできた。取材してほしくないことと、カメラがあると食事中の気分が害されることで撤退を願ったが、「映っても、顔はわからないようにするから…」の一点張りで聞き入れてもらえなかった。それに加えてADは、このやり取りをカメラマンに報告した際、嘲笑していてとても心外であった。行列時の取材許可や店内での撮影を拒む人への対応に配慮するべきで、番組制作者としての義務を怠っていたと思う。結果として、わざわざ時間と交通費をかけて店まで行ったのに、食事は諦めた。このような精神的苦痛を受けたことは悔しいし腹が立つ。メディアの権力を振りかざし、当然のように撮影を行う姿勢は許されることではない。

  • 最近のニュース番組を見ていると、一方の意見に偏った報道がされているように感じる。両方の言い分を報道していかなければ、情報の取捨選択、および、その事象に対して正しい判断をすることができない。また、インターネットを情報源に報道しているものが多すぎる。これでは、きちんと取材された情報が提供されるという、テレビの長所がなくなってしまう。この先もテレビが生き残っていくために、一考してもらいたい。

【番組全般・その他】

  • 最近、オリンピックだけでなく、パラリンピックも面白いと思うようになってきた。今回は放送時間も大幅に増え、いろんな競技を見ることができた。ただ、開会式と閉会式にタレントを起用するのはどうなのか。完全にトーク番組の雰囲気で、無駄な会話が多く、実況というより雑談のように感じた。視聴者はあくまでも開会式そのものを楽しみたい。それに邪魔にならないような喋りにしてほしかった。一方、ユニバーサル放送(障害のある人もない人もみんな楽しめる放送)は、落語家とアナウンサーの息がピッタリで素晴らしかった。

  • パラリンピックの放送を、地上波とBSを使い効果的に行っていた局の姿勢は、評価に値すると思う。しかし、それ以外の局はひどい。オリンピックは一斉に放送していたのに、パラリンピックはほとんど無し。視聴率至上主義の現状も分からないわけではないが、スポンサーである企業側にも問題があるのではないか。カーリングのように中継によって注目を集める競技もある。障害者スポーツ発展のため、企業の社会的責任をアピールするなら、パラリンピック中継にも資金を提供し、放送を促してはどうだろうか。

  • スピードスケートの世界スプリント選手権は、"緊急中継"として、ライブ放送を思わせるような作りになっていたが、実際は録画だった。オリンピックの金メダリストが体調不良で棄権したことは、既にネット上などで広まっていたが、それを隠し続け、放送開始から1時間以上過ぎて、ようやく伝えていた。視聴者を欺くような番組作りにうんざりした。

  • 女子レスリング選手が、陰湿なパワハラを受けていたとされる問題で、コメンテーターが「指導ではよくあること」と発言していたが、加害者を擁護するようで公平性に欠けるのではないか。被害者は精神的苦痛を感じていたかも知れないし、取材スタッフなどが、実際のパワハラ行為の内容を、双方から聞き取り調査したわけでもない。推測だけで軽はずみな発言をするべきではないと思う。

  • 大相撲では元横綱の親方、女子レスリングでは指導者が批判の的になっているようだが、テレビが無責任に騒ぐことはよくない。それぞれ第一線で成果を挙げてきた人たちだ。ここまで来るには、一般の人たちには想像できない努力や苦労があったことと思う。それら全てを否定するようなバッシングはやめたほうがいい。事実がはっきりしてから冷静に伝えれば済むことだ。今のワイドショーは、どんな話題でも、芸能ゴシップと同じレベルで騒ぎ立てているように感じる。

  • 伊豆諸島の島で、島から出たことのない孤独な老人を執拗に追い詰めて取材するという企画を見た。いきなり番組スタッフに近寄られた老人は、身の危険を感じ、金づちやカマで威嚇した。そのうち興奮のあまり鼻血まで出していた。自分の意思で仙人のような生活を送っている人だ。前触れもなくテレビカメラが押しかけるなど言語道断だ。また、老人の怒りや怯えた様子をスタジオでは大笑いしていたが、これも許せない。ついに老人は諦めたのか、抵抗をやめてスタッフに身の上話をし始めた。スタジオの出演者たちは「いい話だ…」などと聞き入っていた。そういうことなら、最初から彼の心を和らげるように、穏やかにアプローチすればよかったのだ。番組として面白いものを求めようとするあまり、孤独な老人を追い詰めるような真似をしたことに強い憤りを覚えた。

  • "成人年齢18歳"の動きの中で、テレビの討論番組などの出演者も、若者たちにシフトしてはどうだろうか。それによって政治に興味を持ち、将来の日本を担う自覚につながると思う。今後に多くを望めない老年層の専門家たちが、テレビでいくら議論したところで、何の解決にもならないのではないか。私もシニア世代になり、今のテレビ番組をすっかり見なくなってしまった。

  • このところ、どの番組も代わり映えせず、芸能人やその関係者が私物化しているように見える。取り上げる話題も、どのような基準で決められているのかと思うときがある。芸能ネタも、大きな事務所のタレントの不利益になることには触れず、扱いやすいものばかり伝えているようだ。誰のためのものなのか、なぜ同じ人ばかりテレビに出るのか、疑問だらけだ。芸能人の「そんなに嫌なら見なければいい」という言葉にも抵抗がある。見ている側に避ける努力をしろと言っているようだ。人を傷つけるようなことをしておいて、それが嫌ならテレビを消せと言うのはおかしい。今のテレビはつまらないものが多い。なぜこんなふうなってしまったのか、一度考えてみてはどうか。

【ラジオ】

  • 花見でにぎわう中継先での、男性アナウンサーの行為について。花見客として偶然隣り合った見知らぬ男女に、一本のチョコレート菓子をそれぞれ両側からくわえさせ、食べさせるというもの。放送を聞く限りでは、指示された男女は、かなり困惑しつつ対処しているように感じた。番組を知るリスナーであれば許容範囲かとも思うが、それを知らない、たまたまその場にいた一般の人たちに対しての行為であれば、相当不愉快なものであったと思う。番組自体は大変楽しいものであるだけに、中継コーナーで度々行われる強引さが、本当に残念でならない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 教養番組で、「痴漢」に関する論文を扱っていたが、痴漢の被害者の中には大人だけでなく、中学生や高校生など未成年の子どもも含まれており、被害者に対する配慮が欠けた内容であった。痴漢は性犯罪であり、被害者も多く、さらに被害にあった人はその後の人生が変化してしまうこともある。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で、バレーボールを取りそこなった人の顔に透明テープを巻きつけていた。鼻はつぶれ、口は半分程度しか開いていなかった。命の危険がある行為であり、いじめの助長になりかねない。

第201回 放送と青少年に関する委員会

第201回-2018年3月27日

視聴者からの意見について…など

2018年3月27日、第201回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催、7人の委員全員が出席しました。
委員会ではまず、2月16日から3月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
委員からは、情報番組で東京・銀座の公立小学校でアルマーニの制服が採用された話題について取り上げた際、一定の価値観で放送されていたのが、気になった、という意見などが出されました。
3月の中高生モニターのリポートのテーマは「モニターとしての1年間を振り返って」で、27人から報告がありました。モニターからは、「考えてテレビを見ることができたのは良い経験だった」「テレビに対する視野が広がった」などの感想が寄せられ、それについて議論しました。
調査研究については、調査研究報告会が3月13日に開催されましたが、担当の菅原委員から委員に対して調査結果について改めて説明がありました。
次回は4月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年3月27日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

東京・銀座の公立小学校でアルマーニデザインの制服が採用されたことの報道について、委員からは「情報番組全体の感想として、ある一定の価値観で構成されていたのが気になった。『全部そろえると何万円』ということで、コメンテーターは、かなり否定的にコメントしていたが、現実には、そうではないと思っている人もいるはずである。保護者にどう説明しているのかなど、違った角度からの掘り下げ方も必要だったのでないか」という発言が出されました。
これ以上、議論する必要のある案件はありませんでした。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした3月のテーマは、「モニターとしての1年間を振り返って」です。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で27人から報告がありました。
任期当初に感じたリポートを書く難しさ、テレビやラジオ番組への向き合い方の変化など、それぞれのモニターが率直につづっています。
「自由記述」では、『ピョンチャンオリンピック・パラリンピック関連』の放送について、3人のモニターが取り上げています。普段は中高生のテレビ・ラジオ離れを実感しているが、オリンピックの期間中には「テレビの話題で持ちきりになった」「とても心に残った」との感想の一方、「オリンピックは特集が組まれ、放送時間も拡大されていたが、パラリンピックは中継がほとんどなく」残念に思ったという意見もありました。
「青少年へのおすすめ番組」は、『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)に2人、『R-1ぐらんぷり2018』(関西テレビ)に3人が感想を寄せています。

◆委員の感想◆

  • 【モニターとしての1年間を振り返って】について

    • 番組を作り手の側の視点から見るということ、深く考えながらテレビを見るという経験からの学びについて、多くのモニターが実感していることがわかる。

    • 「テレビを俯瞰していろいろ考えながら視聴するようになり、自分の好みも再確認した」という報告があるが、テレビを映し鏡のようにしながら成長した自分を自覚しているのだな、と思った。

    • 自覚的にテレビを視聴し、映像から情報を得ることがたくさんの学びを与えてくれるということに、多くのモニターが気づいてくれたことをうれしく思う。

    • 以前よりも考えて、テレビやラジオを視聴・聴取するようになり、今までは漠然としていた自分の考えについても考えるようになったことで「自分自身を前よりも理解することができた」という感想は、テレビやラジオと青少年との関わりの可能性を示唆しているようにも思われる。

◆モニターからの報告◆

  • 【モニターとしての1年間を振り返って】について
    • この一年間、テレビ番組のレポートを提出するというミッションをいただいて、僕なりにいつもよりはもう一歩深く考えることができたような気がします。例えば、番組の良くなかった点を挙げるのは簡単ですが、では、それを良くするにはどうしたらよいのか、ただ単に無くすのではなく、継続し楽しく視聴するにはどうしたらいいのか、前向きに考えていくことなのだと気づきました。SNSなどで少数意見も取り上げられる中、性別、年齢、生い立ち、それぞれ違う人たち万人に受け入れられるような番組制作は無理なのかもしれませんが、そういう意見もあるのだと知ることこそが、次に繋がっていくのだと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • この一年間、特に印象深いのは、渋谷での会議のときに見学したスタジオの裏側です。普段何気なく観ているテレビ番組が、視聴者の見えないところにいるたくさんのスタッフや様々な機械などによって支えられていることを知り、とても驚きました。また実際に放送されるまでに、不適切な表現はないか、不確かな情報はないかなど、たくさんのチェックを重ねて放送されることを知って、ただ企画や内容を考えただけでは簡単に放送することはできないのだなと思いました。これからはモニターを通じて知ることができた、情報を発信することの大変さ・喜び・重要性を、友達やその他の身近な人などに、伝えていきたいと思います。(東京・中学2年・男子)

    • テレビからいろんなことを学べました。それに、今までは(面白いなぁ)と心の中で思っているだけだったことも 具体的にどこが面白かったのか、逆に、どこを改善したらよいのか、などを考えるようになりました。自分の考えを言葉にする時に、語彙力の無さを痛感しました…。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 1年間での変化は「テレビを俯瞰して視聴するようになった」ということです。今までは番組の作り手の意図や演出方法について思いをめぐらすことはありませんでしたが、モニターをすることで「こういう視聴者を想定しているのかな?」「中立的な立場を取って放送しているのかな?」「このニュースを掘り下げているのはここの局だけだな」などいろいろ考えながら見るクセがつきました。報道番組をそういった視点で見ることで学校の社会の授業の話がおもしろくなったりもしました。以前から好きだった番組(ポケモンや料理を扱った時代劇など)の具体的にどういう点を自分が好きだったのかがわかり、自分の好みも再確認しました。(千葉・中学2年・女子)

    • 毎月『考えてテレビを見る』ということができたのは良い経験でした。それは、普段ならあまり自分から見ないようなドキュメンタリー番組を、最初から最後まで早送りなどしないで見たことがとくにそうです。「面白い」というのは「笑える」ということばかりでなくて、「こんなことがあったんだ」と知識が増えることも「面白く」感じました。ラジオの番組も、モニターになるまでは、ただ流れているくらいだったのですが、話している内容を意識するようになり、ラジオは見えない分テレビよりも言葉の選び方を大切にしているということにも気がつきました。自分で番組の企画を一から考えたときには、ワクワクした気持ちと、もし自分の番組が本当にテレビで流れたらと勝手に想像して緊張した作業でした。一から自分の思い通りにできることが逆に難しく感じました。でも、いろんなテレビ局の方に企画を見てもらい、感想を書いていただけてうれしかったです。(富山・中学2年・男子)

    • テレビ番組ひとつとっても、一分一秒にかける人たちの熱量の高さはすごく高いと思いました。インターネットが生活の一部となっている現代だからこそ、確かな情報を手に入れるためにはテレビやラジオは大切な手段のひとつだし、その信頼性を高めることは大切だと思いました。(秋田・中学3年・女子)

    • テレビに対する視野が広がったと思います。普段テレビやラジオ聴くとき見るときに、私自身は視聴者と言う立場ですが、この中高生モニターを通して制作する側の気持ちになってみたり、実際に自分が番組を作ると言う企画を考えたりすることで、視聴者だけの立場ではなく逆の立場でもテレビやラジオを聴いたり見たりすることができるようになりました。そうすることによって、番組の新しい、今までは視聴者としてみるだけでは気付けなかった面白さ、逆に、ここは苦労したのではないか…という点から注目するところ、見方も楽しみ方も変わりました。時代に合わせながら、ニーズに合わせながら作る製作者は日々やりがいを感じ、とても達成感に満ち溢れた仕事であるのだろうなと思います。(埼玉・高校1年・女子)

    • 私はモニターを経験して、報道の捉え方に深みが増したと思う。リポートを書きながら、何度も倫理について考えた。何が倫理的なのか。報道が視聴者に与える倫理観は何なのか。一つわかったことがあるとするなら、それは世界各国で価値観が違うことだ。欧米諸国の観点で日本のバラエティー番組をみるともしかしたら、人種差別的、性差別的、他にもいくつかの問題を含んでいるように受け取られているかもしれない。総じて、この一年は報道と倫理について考える一年となった。それもリポートのおかげで、報道の影響力を改めて私の中で見直すきっかけを与えていただいた。(東京・高校1年・女子)

    • 「考える」ことにこんなにも入れ込んでしまうとは思いもしませんでした。モニター経験で学んだことは「批判と非難は違う」ということです。公平な立場から見つめるということがいかに大変かを痛感しました。また、自分の伝えたいことを的確に伝えられる言葉を選ぶことに何度も苦労しました。少し違うだけでニュアンスが異なって、うまく伝えられない歯がゆさを覚えることが多々あり、言葉の力を知ることができたと思います。言葉の影響力は大きいので、公共の電波であるテレビやラジオには言葉を大切にしてほしいです。この1年を通して、以前よりも考えてテレビやラジオを視聴するようになりました。またレポートを書くことで今まであった漠然とした自分の考えを言語化することができ、自分自身を前よりも理解することができたと思います。しかし、それでもまだ表面的なところしか見られていないと思うので、もっと深く味わえる大人になれるよう、この情報溢れる現代で、能動的に考え、行動していきます。(青森・高校2年・女子)

    • この1年間は、テレビなどのマスコミの報道について考えさせられることが、ここ数年の中で1番多かった時だと思います。芸能界、相撲の暴行問題、政治の問題など、これはマスコミが公平に扱えているのかなと思う時が何度もありました。テレビの見方も変わりました。中高生モニターをする前は番組をただ見ているだけということが多かったのですが、モニターをしているうちに自分なりに、番組やニュースについて色々な意見を持つようになりました。また、ラジオもよく聴くようになりました。リポートを送るときに気をつけていたのは、読む相手に伝わる文章になっているかどうかでした。正しい文章になっているのか、特定の人を傷つける文章になっていないかなど…、1文の表現に何分もかけたこともありました。相手に自分の伝えたいことを表現することの難しさを学びました。(愛媛・高校2年・男子)

    • この一年間、モニターの活動を通して、様々なことを「想像しながら」テレビを見るようになりました。まず、"この映像はどんな思いでつくられたのか"。実際に現場を見学したことで、製作する人達の情熱を知ることができました。一方で、理想と現実の間に立ちはだかる壁の存在も知りました。そして、これを見た"あの人やこの人は何を思い、感じるのか"。私たちは推し量ることしかできないけれど、頭の中で色々な人の立場に立って、その喜びや痛みを想像することは本当に大切なことだと感じました。想像以上に、いまのテレビにはその行為が欠けていることも実感しました。まっすぐ向き合って見ると、もやもやしたり不快な気持ちになったりすることがあり疲れました。それでもやはり、テレビは色々な出会いをもたらしてくれるし、新しい世界を見せてくれるし、私はテレビが好きです。だからこそ、誰も傷つけないようになってほしいと思います。また、リアルタイムでたくさんの人の元に届く力は大きいと感じました。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 日頃は中高生のテレビ・ラジオ離れを実感していますが、一時期、私の学校ではテレビの話題で持ちきりになったことがありました。「ピョンチャンオリンピック」の期間です。試合などをテレビで見ている人が多く、その感想を次の日に教室で話すのは楽しかったです。(秋田・中学3年・女子)

    • テレビを見ると新しい情報を知ることができるだけでなく,友達とのおしゃべりの話題や気晴らし,リラックスと本当にわたしたちの生活をゆたかにしてくれるのだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 先月、平昌オリンピックが開催され、日本の選手をはじめ、多くの選手が活躍していたのをテレビ中継で見ました。その時にはテレビのニュースでもオリンピックの特集コーナーが組まれ、放送時間を拡大した番組もありました。しかし、その後に行われるパラリンピックでは中継がほとんどなく、出場した選手が活躍してもテレビであまり大きく取り上げられていないように思います。昨年自分の住んでいる県で行われた国民体育大会(以下国体)・障害者スポーツ大会でも似たようなことがありました。国体では開会式の様子を県内の民放全局とNHKで放送していましたが、障害者スポーツ大会の開会式を放送していたのはNHKだけでした。開会式の中継の扱いの違いを知って残念な気持ちになったのを覚えています。東京オリンピックでは開催国なのでどちらの大会も同じくらい扱われるのではないかと思っていますが、2022年の冬季オリンピック、2024年の夏季オリンピックの時にはパラリンピックの方も同じくらい取り上げてほしいと思いました。また、そのためには民放の場合スポンサーとなる企業や、社会全体が障害者スポーツ・パラリンピックについて正しく知る・理解することが大事だと思いました。(愛媛・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ/関西テレビ)応募者3795人の中から一人芸日本一になったのは、なんと、盲目の芸人濱田祐太郎さんでした。目がほとんど見えないという障害をあえて笑いのネタにする人がいるなんてこと、今まで考えたこともなかったので衝撃的でした。漫談はとてもテンポもよく、聞きやすく、面白おかしくて笑ってしまう内容でしたが、一方で、この話で健常者の僕たちが笑っていいのか、盲目の方からみると不快に思わないのだろうかと考えてしまう自分がいました。でも、考え直しました。きっと障害さえも笑いに変えてしまい、前向きにおしゃべりの上手な自分を全面に出す濱田さんの生き方を僕たちがリスペクトしていれば、何の問題もないのかなと思えたのです。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『ミライ☆モンスター』(関西テレビ/フジテレビ)同い年の人が頑張っている姿をみて勇気をもらえました。日曜日の観やすい時間帯なのでまた観ようと思います。(滋賀・中学2年・女子)

    • 『R-1ぐらんぷり』(関西テレビ)事前に予選で選出された芸人さんのレベルの高い戦いが見られるだけあって私も毎回楽しく視聴しています。ただ、下品な内容がやや多く感じられ、少し残念に思いました。(兵庫・高校2年・女子)

調査研究について

3月13日、BPO加盟社と各報道機関を対象に、調査研究の報告会が開催されました。委員会では、担当の菅原委員から、調査結果について、改めて説明がありました。
委員からは、
「テレビを見ない子どもの要因として、ゲーム、外にいる時間が長い、という調査結果が出たが、親との関係も関連しているのではないか。親がテレビを見ないと習慣として子どもも見なくなり、親がテレビに肯定的な家庭では、子どもも時間があれば、見ているのではないか」
「バラエティー番組の"危うさ"に対する意見として、『自分は不快に思わないが、不快に思う人がいるだろうと思うシーンがある』と答えた人は、50%以上に上ったが『自分が不快に感じるシーンがある』と答えた人は、圧倒的に少なかった。このギャップが興味深かった」
「テレビの効用感に関する調査で、『テレビの話題で友だちと盛り上がる』『家族との会話に役立つ』などの数値が高かったが、他者との関係性の中でテレビを見るという視聴態度は、いつころから始まったのか。かつては、テレビは『夢の箱』と呼ばれ、現実にはできない経験や物語を味わうことが大きな魅力だったと思う。テレビが、人間関係の潤滑油として捉えられていることに違和感をもった」
などの意見が出されました。

委員退任について

汐見稔幸委員長と最相葉月副委員長が、3月末で任期満了となり、退任することになりました。汐見委員長は3期9年、最相副委員長は2期6年それぞれ務められました。

以上

2018年3月8日

「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」通知・公表の概要

[通知]
3月8日(木)午後1時からBPO会議室で坂井眞委員長と、起草担当の中島徹委員と白波瀬佐和子委員が出席して本件事案の委員会決定の通知を行った。申立人は代理人弁護士2人とともに、被申立人の東京メトロポリタンテレビジョンは常務取締役ら5人が出席した。
坂井委員長が決定文に沿って説明し、結論について「委員会は、TOKYO MXによる本件放送が申立人の名誉を毀損したと判断した。そして、その原因のひとつに放送対象者に対する取材を行わなかったことがあり、その問題点について容易に考査で指摘できたにもかかわらずこれを怠り、『特段の問題が無かった』としたこと、および、人種や民族を取り扱う際に必要な配慮を欠く放送内容について考査において問題としなかった点は、番組が『放送倫理基本綱領』や『日本民間放送連盟 放送基準』に適合するかどうかの検討を考査において十分に行わないまま放送したものと言わざるを得ないこと、この2点についていずれも放送倫理上の問題があると判断した。TOKYO MXは、『持込番組』についても放送責任があることを申立て当初から認め、その後、新たな考査体制も整備しつつあるということではあるが、委員会は、TOKYO MXに対し、本決定を真摯に受け止めた上で、人権に関する『放送倫理基本綱領』や『日本民間放送連盟 放送基準』の規定を順守し、考査を含めた放送のあり方について局内で十分に検討し、再発防止に一層の努力を重ねるよう勧告する」と述べた。
通知を受けた申立人は、「本当にありがとうございました。自分の出自が使われて人が叩かれるということがどういうことなのかは、うまく言葉になりません。また、安心して放送を見られる時代が来たらいいなと思っています」と述べた。申立人代理人は「この決定を評価する。人種や民族を取り扱う際に必要な配慮ということにもきちんと触れて頂いたことについて敬意を表したい」と述べた。
一方、東京メトロポリタンテレビジョンは「委員会決定を真摯に受け止め、再発防止に努める。今後、より良い番組作りに邁進していきたい」と述べた。

[公表]
午後2時30分から都市センターホテル6階会議室で記者会見をして、委員会決定を公表した。34社67人が取材した。テレビの映像取材は、代表としてNHKが行ったが、当該局のTOKYO MXも行った。
まず、坂井委員長が、委員会の判断部分を中心に「勧告」となった委員会決定を説明した。質疑応答の概要は以下の通りである。

(質問)
この勧告が出て、今後どうなるかという確認だ。最後のところに本決定の主旨をまず、放送するようにという勧告、これはもうMXの義務ということになるのか?
(坂井委員長)
民放各局は、BPOの構成員だから、規則に従って当然それに応じて頂けると思う。

(質問)
それ以外にMX側にまた、例えば何か報告を求めるとか、そういったことはあるのか?
(坂井委員長)
こういう決定が出た場合に3か月以内に対応策、または報告書をだしてもらう。その報告書を出す前に放送人権委員会が、MXに出向いて当該局研修という意見交換をする。

(質問)
申立人、被申立人、双方に対するヒアリングだが、それぞれどれくらい時間をかけたのか? 
(坂井委員長)
確認の上事務局から後ほどお答えする(会見後に広報通じて、申立人:1時間45分、被申立人:2時間48分と回答)。

(質問)
MX側から出席したのは考査担当者か、制作担当者か。それから制作会社の出席、同席はあったのか?
(坂井委員長)
MX側としては局の考査担当、BPOとの関係の責任者、それから代理人弁護士。
制作会社はヒアリングには参加していない。MXに対して希望は伝えた。しかし、BPOというのは、NHKと民放連と民放各局の組織なので制作会社に直接要求するという立場にはないので、希望を伝えたが参加しなかったということだ。

(質問)
結論のところでも、あるいは、その前段にもあった。「人種や民族の取り扱いへの配慮を怠った」、「配慮を欠いた」という表現がある。これ、明確に差別であるということを表現に盛り込むということは検討しなかったのか?
(坂井委員長)
私個人の理解としては、最初に伝えたように決定の一番はじめに書いてあるとおり、委員会運営規則第5条で、申立人の人権侵害、それに係る放送倫理上の問題を委員会は審理する。名誉毀損の関係で出てくるのは、差別という文脈では出てこない。そういう事実摘示ないし放送内容との関係で、民放連の放送基準が求めている配慮を欠いたという指摘なので、そこは筋が違うということかと思う。

(質問)
MXの考査担当者は、(ヒアリングに)2人出席したということか?それと、制作会社側が参加しなかったことについて何か理由は示しているのか?
(坂井委員長)
考査担当は1人だけだった。出席者は、直接の考査担当者と考査部門の上司も出席した。当時と今の組織が違うということはご存知のとおりだと思うが、本件に関しMXは勿論考査はしていた。理由は特に聞いていない。

(質問)
この決定を伝えて申立人と被申立人の反応を紹介していただきたい。
(坂井委員長)
申立人側については、この委員会の判断については「評価します」ということと、委員会の委員に対しても「敬意を表します」ということが総括的な意見としてあった。申立人ご本人からは、「自分の出自が使われて、人が叩かれるということがどういうことかを分かっていただきたい」という趣旨のことも述べられた。それで「安心して放送がみられる時代が来たらいいなと思っています」とも仰っていた。MXは「決定について真摯に受け止めます。再発防止の努力をして今後のより良い番組作りに邁進していきたい」と述べた。

(質問)
放送倫理検証委員会が先(去年12月)に結論を出しているが、その結論を受けて多少
MX側の対応が、変わったりしているのか?
(坂井委員長)
基本的にそれはない。放送倫理検証委員会が結論を公表したのは去年の12月だったが、我々は既にヒアリングも終えて、審理に入っている段階であり、その後、何かMX側がアクションを起こす機会もない。ご存知のとおり、扱う対象が違うので、どちらも考査の問題として決定を出しているが、放送倫理検証委員会の結論があったから、何かが変わるという話ではないということだ。

(質問)
考査については元々、持込だということでMXは考査をしてなかったわけで、その上で、やはり内容には問題ないと主張していると思う。そこは委員会なり、委員長としてどう見ているのか?
(坂井委員長)
考査をしていないというのは、必ずしも正確ではなくて、独立した考査部門はなかったけれどもいわゆる考査としての作業はした。ヒアリングに直接(考査の)担当者とその上司が来て、持込番組についてちゃんとチェックしたけれど、問題ないと思いましたという主張だった。それについて、いやいや、こういう問題があるんじゃないですかという指摘をしたということだ。考査がなかったということではない。

(質問)
この名誉毀損の認定というのが、今までどれくらいあったのか?今までの事例の流れの中で、今回の問題の位置づけはどのように考えているか教えて欲しい。
(坂井委員長)
これまで申し立てられた事案、これは何十件かあるわけだが、委員になってから半分くらいに関わってきた。どの事案が重いとか、軽いとかという意識はもたない。申立人の方はどの事案でも、やはり本当に重たいものとして申立てをして来られて、われわれが「問題なし」と言う時も「人権侵害あり」という時も、申立人ご本人として重い気持ちで申立てられるわけなので、「この事案はより重い」というようなことは全然考えてない。「勧告」の中で「人権侵害あり」という結論が9件あったということだ。

(質問)
1月9日にMXが放送した『ニュース女子』、これは他の地方局で放送されているのか?
(坂井委員長)
それは我々の対象ではないので、正確な情報はわからない。我々の審理対象は申し立てられたMXだけなので。

(質問)
確認だが、「人権侵害」が「放送倫理上、重大な問題あり」よりも重いということでよいか?
(坂井委員長)
人権侵害があったと書いてあるので、一般的にはそのように見えるかもしれない。しかし、枠組みとしては「勧告」の中に2種類あるという意識だ。人権侵害と言えないが、非常に重たい放送倫理上の問題があるケースも存在すると思われるので、委員会としてはあえてそこは上下関係をつけることはしていない。ただ、一般的には人権侵害ありとなった方が、重さとしては分かりやすいということはあるかもしれない。しかし、そういうレベルの話だと個人的には理解している。

(質問)
委員会決定21ページに「TOKYO MXの対応は、考査の責任は言うに及ばず、放送局全体の『持込番組』の対応という観点からも放送倫理上の問題があった」という部分があるが、その問題点は、読めば分かるのかもしれないが、まず、一点目が「その取材に行ったというだけで、番組の内容に裏付けがあると信じたという理由に至っては考査の責任放棄と言わざるをえない」と。まず、一つ目にその点があるということか?
(坂井委員長)
そうではなくて、TOKYO MXは本件放送について考査を通した理由として、20ページのところで、一つ目は「別の機会で取材していればいい」っていうことと「制作に関与していないから」という話と、最後に「珍しく現地取材に行っているので」ということが書いてあり、その順番に対応した形で、後ろの委員会判断も書いているということだ。

(質問)
それを踏まえての質問だが、このTOKYO MXの対応は、放送倫理上の問題があったという部分で、単に考査部門だけに止まらず、放送局全体として問題があったという理解でよいか?
(坂井委員長)
局の体制というよりも、まずは、今回の考査の問題だったということになろうかと思うが、今回については、そもそも考査の体制がしっかりできていないという問題もあった。持込番組については、放送責任は局が負うのが当然のことだと思うが、そういう前提を取りながら、その考査の対応として、先ほど述べたこういう3つの理由で通しましたと。しかも考査の対象は、まだ出来上がる前のもので、実は今日少し細かすぎるくらい説明したが、それにテロップやナレーションが入ることによって名誉毀損に関わる内容になってきているわけだ。そこを見ないまま通したということでは、たまたまこの件についての考査の問題にとどまるものとは言えなくて、考査に対する局の姿勢の問題ということに関わるのではないかという趣旨だ。

(質問)
この『ニュース女子』については放送倫理検証委員会の判断が去年12月に出ていて、今日は「勧告」となっているが、同じ番組で、BPOの2つの委員会から見解が出るというのは、今までにもあったのか?
(坂井委員長)
今回で2件目だと思う。2015年12月11日委員会決定57号 NHKの『クローズアップ現代』の出家詐欺事案。「放送倫理上重大な問題あり」で勧告という事案だったが、これは両方の委員会が扱った。

(質問)
BPOの人権委員会というのは人権が侵害されたとかそういうことを、一般の、市井の人とか、そういう人が申し立てた時、救済するというようなシステムかなと理解していた。ところが、前にも府議、政治家とかの申立てがあり、今回は著述家であり、自分で情報発信できる人のケースだ。そのような人から申立てを受けて審理することになっている。今後も政治家であるとか、著名な著述家、オピニオンリーダー的な人の申立ても取り上げていくことになるのか。一部では「いかがなものか」という意見もあるというふうに聞いているが、その辺の見解を聞かせいただきたい。
(坂井委員長)
まず、いわば形式的な答えをすると、最初に書いたように委員会運営規則第5条というところで、我々が審理するのは何かということが書いてあり、それは、放送によって名誉なりプライバシーを侵害された方の申立てを受ける、そして、それに関わる放送倫理上の問題について取り上げるとされている。申立てができるのは原則として個人で、団体は受けないが、例外で「団体を受ける場合もある」とされている。そこには、「政治家は除く」とか「著名な人は除く」ということは書かれてない。なので、規則がある以上、それに則った申立ては基本的に受けるという事になろうかと思う。これは個人的な意見として聞いて欲しいのだが、ご指摘の趣旨は、私は理解できる部分はある。ただ、そこは扱いを分けるというシステムではないし、もしそういうことになれば、どう分けるかだって簡単ではないことだと思う。

(質問)
ヘイトスピーチ解消法は「国民はヘイトスピーチもない社会の実現に努めなければならない」とあって、企業も責務を負っていると。とりわけメディアは、その責務が重く課せられていると思うが、今回の判断の中でそういう観点から検討されたのか、この放送がヘイトスピーチに当たるのかどうか、見解を聞かせていただきたい。
(坂井委員長)
ヘイトスピーチかどうかということ、そういうアプローチは基本的にしていない。
我々が審理するのは何か、決定文6ページの最初のところに書いている。申立人の人権侵害にあたるのか、それに関わる放送倫理上の問題があったのかという観点から判断している。ヘイトスピーチというのは、もちろん個人に対する攻撃であると同時にヘイトスピーチということはあるかもしれないが、基本的には、そのような文脈には収まらない。規則に書いてある審理対象の範囲で人権侵害と放送倫理上の問題を取り上げるということだ。なので、基本的には放送内容がヘイトスピーチかどうかを独立して取り上げ、判断をする立場にはないということだ。
(中島委員)
(委員会の中で)当然議論になっている。全く無関心であったわけではない。ただ、委員長も先程来言っているように、私たちの職責というのは、個人からの申立てを受けて、その申立人の人権が侵害されたかどうかということを確定することにある。ヘイトスピーチ規制の主眼は、特定のカテゴリーに属する表現を一般的に事前に禁止する点にある。このような権限を政府に認めてよいかは、議論の余地がある。これに対し、名誉毀損は、個別事案についての事後的な評価である点で、政府に表現を事前に規制する権限を認めるわけではない。ただし、個別事案の判断とはいえ、以後、同様のケースでは同じ様な判断がなされるだろうという点では、名誉毀損という判断でも、ヘイトスピーチに対する抑止効果を持ちうるので、今回の決定がヘイトスピーチを念頭に置いていないということにはならないのではないか。

(質問)
影響力のあるメディアとして人権侵害を起こさないためにも、その番組で、ヘイトスピーチを流すようなことがあってはならないという意味では、メディアがきちんと判断する仕組みなり、判断する作業を、避けるのではなく、きちんとそういうことをやっていかなければ、いけないと思うが。
(坂井委員長)
質問の意味が理解できないわけではないが、我々の役目は何かということだ。我々は、この表現がヘイトスピーチかどうかということを判断する立場にない。なので、明らかにこれは問題だということについて、それが申立人の名誉毀損との問題に関わってくるのであれば、その限りで触れるかもしれないが、今回は、そういう事案ではない。なので、一般論としてそのような判断をする立場にない我々はそういう判断はしないということになる。

(質問)
先ほど委員長は、今回の事案も他の事案と変わらず、それぞれ重大なものを重大だと判断して、一つずつ判断してきたとがと答えたが、僕は戦後のメディア史に残るような事件ではないかとも思う。起草担当の中島委員は、そういう観点からどのように思っているか?
(中島委員)
個人的にどう考えていたかと言えば、勿論こんな重大な事件を私が起草していいのだろうか、という本当に身の引き締まる思いで取り組んだことは間違いない。だから、そういう意味で言えば、重大事件である。けれど、同時に、どんな事件だって、実は申立人にとっては重大で、深刻な事件だから、その事件の内容によっては向き合い方を変えるということはない。どれも重大な案件として捉えて取り組んでいるとしか答えられない。
(坂井委員長)
まず、起草委員がすべてを執筆する訳でなく、委員会の議論を前提に様々な意見を取り入れて決定文が書かれるということをご理解いただきたい。申立人が言っていたのは、もともとインターネットで流されていた番組が、放送局で流されたということの重大性だ。その意味で、MXの罪は重いということを言っていた。最近のいろいろな動きの中で、様々な問題について沸点が下がってきて、たくさんの問題が起きていると。本件放送の問題に関して言うと、そのような様々な反応を起こす扉を開いたのがMXなんだと。ネットでのコンテンツに社会的なお墨付きを与えたんだということを述べていた。それは個人的には理解できるが、だからといって判断を書くときに、他の事案と取り組み方を変えようということにはならない。こういう姿勢は恐らく私共ふたりが共通して言っていることだと思う。

以上

青少年のメディア利用に関する調査

「青少年のメディア利用に関する調査」

多様なメディアに囲まれた環境で育つ現代の青少年の日常的なメディア利用の実態を把握するとともに、テレビ視聴行動や報道・番組に対する意識の形成に関連する要因について検討することを目的に、調査票・日記表による調査を行った。調査は、全国の中学1年~高校3年の6学年の子どもを持つ世帯を対象に、2017年9月~11月に実施された。

調査内容

青少年のテレビ・ラジオに対する行動・意識の関連要因に関する横断的検討
-『青少年のメディア利用に関する調査』-【全文PDF】pdf

◆項目別PDF◆pdf

調査研究報告会

「青少年のメディア利用に関する調査」

年次報告会に先立って3年間にわたりおこなった調査研究結果を、中心となってまとめた菅原委員が説明した後、汐見委員長がコメントを述べ、引き続き参加者からの質疑応答をおこなった。

pdf当日使用されたパワーポイントデータ(PDF)

日 時: 2018(平成30)年3月13日(火) 午後0時30分~2時
場 所: 千代田放送会館 2階ホール

■報告者:
菅原 ますみ(すがわら ますみ)
【青少年委員会委員 お茶の水女子大学教授】
1958年生まれ。文学博士(専門:発達心理学)。国立精神・神経センター精神保健研究所 地域・家族研究室長を経て、2002年よりお茶の水女子大学助教授、2006年より現職。日本学術会議連携会会員(心理学・教育学)。著書に、「個性はどう育つか」「子ども期の養育環境とQOL」など。2002年から乳児期からのメディア視聴に関する長期追跡研究"子供に良い放送"プロジェクトに参加。

2018年4月1日

放送人権委員会 新委員長に奥武則委員

放送人権委員会は、新しい委員長に奥武則委員を4月1日付で選任した。任期は3年。奥氏は、元法政大学社会学部教授で近現代日本のジャーナリズム史が専門。現在、毎日新聞客員編集委員。2012年4月に放送人権委員会の委員に就任し、これまで2期6年委員長代行を務めてきた。坂井眞前委員長は任期を終え3月末で退任した。
同じく4月1日付で、新委員に弁護士の廣田智子氏が就任した。中島徹委員は任期を終え3月末で退任した。