2007年8月に視聴者から寄せられた意見

2007年8月に視聴者から寄せられた意見

8月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,459件で、7月との比較では10件の減となった。

意見のアクセス方法の割合は、Eメール61%、電話32%、ファクシミリ5%、郵送ほか2%である。(*Eメール数には同一人の多数意見を含む)

男女別は男性75%、女性21%、不明4%で、世代別では30歳代(37%)、20歳代(16%)、40歳代(12%)、50歳代(11%)、60歳以上(8%)、10歳代(4%)の順となっている。

2007年8月に視聴者から寄せられた意見 1,459件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2007年8月件数 年度累計
人権等に関する意見 14 件 83 件
放送と青少年に関する意見 151 件 [ 意見内容 ] 802 件
放送番組全般にわたる意見 616 件 [ 意見内容 ] 2,876 件
BPOに関する意見・問い合わせ 158 件 569 件
その他(放送関連以外) 520 件 3,033 件
意見件数 計 1,459 件 7,363 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定されたものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は476件(43放送局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

8月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

人権関連の苦情[14件]

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 10件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 4件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

8月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,459件)のうち【情報ワイド番組・バラエティー番組】に関する意見は787件(全体の54%)で、その内容は”不適切な内容や発言・表現、不適格な出演者”(456件:全体の31%)、”モラル・倫理観の欠如”(227件:16%)、”低俗・下品な番組”(104件:7%)である。
次いで【報道番組】に関した意見が736件(全体の50%)で、”放送の公共性と影響力、メディアの規制、言論・報道の自由”など(345件:24%)、”取材・報道のあり方”(306件:21%)、”政治的公平・公正”(85件:6%)となっている。

特に8月は”洋菓子メーカー報道”に関する放送局・司会者への批判として251件が寄せられ、これに係わるBPO放送倫理検証委員会の審理結果への意見は110件であった。

そのほかに”政治関連意見(参院選報道、政策、政党、議員関連など)”124件、”横綱朝青龍問題”に114件が寄せられたが、これとは別に朝青龍関連報道に対して”過熱報道・メディアスクラム”(30件)、”精神的障害に関する報道のあり方”を問う意見(29件)も目立った。

なお、放送人権委員会への相談・意見(14件)とは別に、放送番組全般の意見の中で「人権問題やいじめ・差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念は7月の123件から284件へと大幅に増加した。
【放送局の電話対応や応対の姿勢】に関する苦情・抗議は133件で前月と比較して75件の減少となった。
【CM関係】「不適切な表現・内容」との指摘を中心に49件の意見があった。

青少年に関する意見

8月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは151件と先月に比べ14件増えた。
内容に関しては、今月も高校を舞台にいじめをテーマにしたドラマに対し23件あり、ほとんどが批判意見だったが、「現状への警鐘だ」という肯定意見もあった。
ジャンル別ではニュース・情報番組に対する意見がもっとも多く31件あり、横綱朝青龍への報道はいじめにつながり青少年に悪影響だと言う意見が9件あった。
また、「夏休み期間中だということを考慮すべきだ」という時期的な問題に触れる意見が12件あった。

BPOに関する意見

158件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見は放送倫理検証委員会決定に関する意見(110件)を含め129件、問い合せは29件であった。

番組全般

【特記事項】(「取材・報道のあり方」「局の姿勢」などから抜粋)

【取材・報道のあり方】

  • イラク問題はイラク特措法が採決され、これからテロ特措法が外交問題の要の一つとなる。関連報道が少なく実態が分からない現状で、イラク人ジャーナリストが撮影したイラク国内を伝えた関西準キー局の夕方の情報番組は素晴らしい取り組みだと思う。このような取り組みは頑張って報道して欲しい。民放はこのようなドキュメンタリーを取り上げる機会が少なく、取り上げても深夜の放送が多い。深夜ではなく夕方の時間帯で取り上げたのは評価できるし、このような取り組みは応援したい。特にテロ特措法の話題などをゴールデンタイムの視聴者が多い時間で取り上げてくれれば、これからの政治・外交問題に一石を投じることができるのではないか? NHKがイラク問題でレバノンを取り上げた番組同様、多くの人に見てもらうべき内容だと感じた。民放もNHKだけに任せず、自ら問題提起をして社会に問い掛ける番組を制作してもらいたい。
  • 広島原爆投下の日にトップニュースで扱っていたのはNHKだけだった。戦争を風化させているのは、メディアではないか? 視聴率重視で大切なことを放送しないのはどういうことか? 戦争のことをキチンと放送しているのはNHKしかないように思う。憲法9条の改定や核容認論が出るのは、メディアが戦争の虚しさや残酷さを放送しないせいでもある。最近の放送業界に失望を感じる。
  • メディアは戦争を取り上げる際に、決まって「事実の風化」という言葉を用いるが、風化の要因のひとつはメディアにある。沖縄戦没者慰霊式典の行われる6月23日、広島原爆の日8月6日、長崎原爆の8月9日、高校野球でも試合を中断し犠牲者に対し黙祷を捧げるが、8月15日の終戦記念日に関連した番組を放送するのは地元の放送局かNHKだけではないか。しかも、民放はレギュラーのバラエティー番組を通常通りに放送しているが、制作者はもう少し自覚すべきではないか。
  • ヒロシマに住んでいる20代の男です。毎年、疑問に思うのが日本で「平和学習(教育)」が少なくなっていると聞きますが、マスコミも同じだと思います。8月6日は「原爆投下の日」です。ニュースではありません。真実があったのです。政府や教育委員会,マスコミがこのことを少しでも軽く見たら、前防衛大臣みたいな発言がどんどん出るでしょう。また、それは悪気があって言うのではなく「無知」だから言うのでしょう。日本には60年前の戦争で傷ついた,傷つかれた方が大勢いますし、その子孫達も数多くいます。「賠償」とかを言っているのではなく、その「真実」を後世に語り続け、二度とあのような事を繰り返さないためにも、一日だけでも黙祷できる世論構築を指導して欲しいです。
  • 中越沖地震の柏崎刈羽原発の事故でのニュース報道について。「放射能漏れ」とのテロップを右上に出し続け建物外での変圧器の火事の映像を流していたが、まるで原子炉が破損して燃えているような画像だった。日本語の良くわからない人や話を良く聞かない人にとってはチェルノブイリの事故と同じに見える。担当者は事実を報道しているつもりなのだろうが、正確に伝わるレベルにないと考える。
  • 先日、宮城県の女児刺傷事件で精神科に通院歴のある男が逮捕された事件の報道に際して、深夜の報道番組のキャスターが「近所にこのような人が住んでいることは非常に怖いことですね」と発言した。この発言は、精神障害者をはじめ、精神科に通院している人がすべて同じような人という印象を与えかねない。これは、報道機関による人権侵害とも受け取れる内容である。ましてその報道番組では以前から、日本では年々心の病を持つ人が増加しているということで、精神科病院の入院患者、通院患者やそこに働くスタッフの様子、そして入院施設のある精神病院が少ないという現状などを詳しく放送していた。にもかかわらず、その番組のキャスターの不用意な発言は許しがたい。現在精神科に入通院をしている患者本人、患者を抱える家族の人たち、そして精神科の病院で働いている人たちはどんな思いをしているのか分かっているのか。そのことをもっと報道すべきではないか。報道機関として公正・中立を謳うのであれば、なぜこのような事件が頻発し、そのような事件を防ぐにはどうすればいいのかという視点で物事を考えるべきではないか。
  • 境界性人格障害の人が起こした殺人事件を取り上げていたが、この障害の説明抜きに放送していたので同障害をもっている人は誰でも事件を起こすように誤解されかねない。たまたま起きた稀なケースなのだからそうした丁寧な説明を次回の同じ番組の時にしてほしい。身内にそうした障害をもつ人間を抱えているだけに切実にそう思う。そうした説明抜きだと、同障害への偏見が大きくなるだけだ。差別を助長するような愚は避けて欲しい。
  • 防衛省の人事問題で、テレビは「揉め事がおきている」「とんでもない」等とクローズアップしてなじるばかりで見ていてうんざりする。問題が起きたら起きたで、なぜ防衛大臣はその人物が次官のポストに就くことを強く望んでいたのか、そしてなぜそれを官僚の側が嫌がり別の人物を推していたのか等、お互いの言い分を調べて冷静に報道してくれればいいのだ。テレビは「また揉めやがった」と悪意の固まりのようなまとめ方でしか報道せず、結局問題の本質は視聴者に分からずじまいだ。
  • 北九州市で起きた生活保護を打ち切られた男性の孤独死を扱ったコーナーで「行政による人殺し」とのテロップが出た。この言葉は一方的かつ行き過ぎ。他メディアや他局の報道によると、同市は暴力団員による生活保護の不正受給問題に長年苦慮しており、受給認可に関して厳しくせざるを得ない状況にあるという。この点を東京キー局の同番組では伝えていなかった。こういった背景も含め、あらゆる角度から事件の検証を徹底し、偏向のない報道をして欲しかった。
  • かつて某新聞が選挙において「自民党を負けさせるための報道をせよ」と上層部からの命令があったことが選挙後明らかになったようだが、今回もそれを彷彿とさせる。特に全国紙2紙系列のメディアのキャスター・コメンテーター等の高飛車で感情的に煽り立てるようなののしり方には異常さを感じた。年金問題なら労働組合を支持母体に抱えた民主党にも過去における責任はあると思うし、それをふまえた上で今後どうしていくかを自民党と同じように考えることを促す報道ならまだしも、正邪を色分けしたような報道には恣意的なものを感じ不快感を覚えた。それに操られる国民にも原因はあるけれど。
  • 8月6日のニュース番組で、ホームレス襲撃の報道があった。そのこと自体は人権という点では同感だし、正しい報道であると聞いていた。しかし最後に「公園等ではベンチなどのデザインを工夫してホームレスが眠れないようにしている。こういうことも人権侵害の背景にある」とのコメントがあった。夜な夜なホームレスが公園で宴会し、通りかかる女性や塾帰りの子ども達に集団で卑猥な言葉をあびせ、また不必要に触ってくることがあることも事実だ。地域は行政(市)と相談して市は注意を行った。しかし、後ろから水や酒をかけられたり脅されることが跡を絶たず解決しない。警察では加害者が特定できないと言われ、地域と市は地域住民を守るため公園の改修の検討・ベンチの改修をした。公園は市民の税金で地域のコミュニティーの施設として設置されたもので、決して周辺の人にとっての迷惑施設ではない。地域の地域力を人権侵害とする報道は許せない。
  • 連日の朝青龍関の病気報道についてはその加熱ぶりと共にゲストによる無責任なコメントの多さが目に余る。この病気には決まった検査項目が無いため医師によって診断が異なることも多い。それが横綱の病気の真偽に関して憶測を呼ぶことにも繋がってしまう。しかし、ここでは朝青龍関ではなく一人の患者として治療に専念させてあげないと取り返しのつかないことになる。テレビで騒ぐなどもってのほか。また、高砂親方も画面で見たところストレス障害になってもおかしくない様子だ。私の患者たちは、番組を通して病気に対する世間の理解のなさを思い知らされ、非常に気落ちする人も多い。誰のためにもならない無責任な報道は今すぐ止めるべきだ。
  • 7年来闘病しているPTSD(心的外傷後ストレス症候群)患者だが、連日の朝青龍関の病気に関する心ない報道により心身ともに非常に辛い状態に陥っている。角界からのゲストや元親方夫人でさえ、「横綱らしく土俵で治せ」「稽古を休むと病気も悪化する」「強くなれ」等朝青龍関を辛く追い込むようなコメントばかりで、横綱をかばう発言はほとんど聞かれない。テレビはできるだけ見ないようにしたいが、気休めで見るうちにどうしてもこの話題に遭遇してしまう。せめて心の病の専門家達の意見をもっと織り交ぜて偏向の無い番組にして欲しい。
  • 横綱・朝青龍が、全治6週間の診断書を提出して夏巡業を休み帰国中のモンゴルでサッカーに興じていた問題で、日本相撲協会が厳しい処分を下した。その結果、朝青龍が「急性ストレス障害」と診断されたことが明らかになり、東京都内の自宅マンションで謹慎中と伝えられているが、ストレス障害と診断されたにも関わらず、記者、カメラマンが連日のように押しかける報道姿勢は行き過ぎである。
  • 毎朝、昼に報道されるニュースの中身は新聞の紙面を鵜呑みにした報道内容に聞こえる。新聞記事の裏づけをとっている局はあるのだろうか? 番組では映像を何回も使い、その他は関連映像で予測したりイメージ映像を多用する。茶の間の視聴者は多少疑っても確信がないから鵜呑みにする。この状況は個人や法人を問わず風評被害を簡単に誘導しているといえる。些細なことでも掘り下げ追跡取材をするなら素晴しい記事になるが、やらせやパクリ記事では娯楽番組の制作と同じでニュース番組とはいえないのでないか?
  • 「ネットカフェ難民」という差別語の使用を控えて下さい。8月28日厚生労働省が【住居喪失不安定就労者の実態に関する調査報告】を発表、それを受けて一部の報道機関が「ネットカフェ難民、厚労省が初の調査」等の表現で報道を始めています。確かに24時間営業の複合カフェには終電を逃したサラリーマンや深夜働いている飲食店勤務者など、様々な立場のお客様がいます。中には定職につくことが難しい方もいると思います。しかし、私どもにとっては皆さん大事なお客様であり、決して”難民”とは考えていないし、そのようには呼びません。そもそも”難民”とは「戦禍・政難を避けて流浪する亡命者」(広辞苑より)と定義されているように、国際社会における深刻な人権問題として位置付けられています。それを一般社会と隔たりがあるケースにおいて”○○難民”と安易に定義付ける傾向を危惧します。あたかも浮浪者風情の人が夜な夜なネットカフェに集まっているかのような報道が、多くのお客様の足を遠のけています。このままでは大変な風評被害が発生することが予想されます。今後「ネットカフェ難民」という差別造語を使用しないで頂きたい。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 新聞のテレビ欄を見て番組を決めていた時代が懐かしい。今、活字から伺えるのは「いかにもくだらない番組を作っています」ということのみ。女占い師、プロ野球監督夫人、元某国大統領夫人などを画面に出し、何を言わすかと思えば殆どが他人への罵詈雑言、自画自賛、そして徹底的な相手への攻撃。そんなキャラクターで成り立つ番組などまともなわけがない。また、これらの出演者を擁護するかのごとく弱々しいコメントをする今はフリーのベテランアナウンサー。どの番組もお粗末な人選と、あまりにも低レベルの内容で組み立てられており、これが一流大学卒の人たちが制作したものとは到底思えない。ひどすぎるテレビ番組を打ち切りにするために署名運動でもしたいものだ。とにかく、女占い師をテレビ界からはずしてほしい。存在そのものが有害だ。
  • 事故で子供を亡くした親族を集め、霊能者が亡くなった子供の言葉を遺族に伝えるという内容だった。 放送局が単なるフィクション・バラエティーと考えているのならば、明らかに遺族に対する冒涜であり、人権的問題である。放送局が事実だとして放送しているのならば、明らかに民放連放送基準(第8章 表現上の配慮 54条)に違反した行為である。
  • 番組の冒頭で自称霊能者を何の科学的検証もなく「天国にいる人と話が出来る、不可能を可能にする男」と紹介するだけでなく、何らかの理由をつけて「死んだ人は成仏していない」とまず遺族の不安をあおる構成になっており非常に悪質である。日本民間放送連盟放送基準、第8章、46、53、54条に違反している。この番組では犯罪や事件の遺族を引きずり出し見世物にし、人の悲しみにつけ込んで嘘を信じ込ますことで遺族の心を弄んでいる許しがたい偽善番組である。将来的に遺族の心に大きな傷を残す可能性が大きく、作り手やTV局のモラルが厳しく問われる必要がある。昨年はこの自称霊能者の別番組を見た中学生が、生まれ変わりを信じて自殺する事件も起きているが、いまだにこの自称霊能者を公共の放送に登場させていること自体、放送業界には自浄作用がないとしか言えない。他局も含めて心霊に関して放送基準自体が形骸化しており、自浄作用も働かず遵守されないのであれば罰則規定を設けるべきだ。
  • 関西の情報番組で「新潟中越沖地震で仮設住宅への入居開始」のニュースに対するメインキャスターのコメントを聞いて非常に腹立たしく感じた。そのキャスターは、「なぜ、仮設住宅の建設に1ヵ月もかかるのか。3日くらいでできないのか」とか「阪神大震災以降まったく手が打たれていない」という発言をしていた。なぜ、このような非常識な発言をするのか。災害現場ではすぐにでも着工し復興に向けて取り組もうとしているが、仮設住宅の資材や人員がすぐに確保できるとは限らないし、資材を保管する場所についても確保するのに苦慮していると思う。最近の報道は現場の苦労や問題点を調べようともせず、全体を見ずに一方向だけしか見ていないような気がしてならない。公平な報道をして下さい。
  • バスによる乗用車への追突事故で死亡した母子を取り上げた昼の番組のコーナーで、事故の模様を伝えた後、男性司会者が「そう言う訳で亡くなっちゃったんですよねえ」と言ってゲストにコメントを求めた。この「○○しちゃった」は事の重大さや深刻さを伝えるのには全くそぐわない。失われた人命を軽んじているような印象を与える。厳格で配慮を欠くことのない言葉遣いこそアナウンスの基本ではないか。
  • 陸上競技の中継で出場選手、とりわけ外国人選手に称号(?)のつもりかどうか知らないが不適切な表現を使っている。ロシアの中長距離女性選手の年長者に『○○のお局(おつぼね)』とか、アフリカの黒人選手を『○○の侵略者』などと称している。これはニックネームでも何でもない。ただのアナウンサーの悪ふざけか浅知恵でしかない。こんな呼び方をするとは自ら放送を違った方向に向けていると言わざるを得ない。こんな調子で連日長時間放送されたら聞いていて不愉快になるだけだ。もっとまともな感覚で放送してください。
  • 名古屋地区のテレビ局の番組での工具で殴りつけるシーンはあまりに生々しい。見ていて気分が悪くなった。以前からこの局は倫理観がなく前作もリアルな流血シーンや衣類にスプレーでの落書き等があり不愉快になったことが度々あった。娯楽でそういうシーンを流すのは考えものである。
  • 番組中、暴行事件を起こした大阪芸人の司会者が年下と思われる芸人に「セメント詰めにして埋めたろか」と発言。このような殺人等法律違反の行為を、法律をテーマにした番組でお笑いネタに使うのは言語道断。BBCの放送コードと同じくらいきちんとしたものを作り、各放送局が厳守するようにBPOが指導してほしい。
  • 恒例の長時間番組でタレントにマラソンを行わせる企画があるが次の見解を知らせる。66才のヘビースモーカーに猛暑の中、70kmを走らせることは医学的に見て非常識である。全国民に感動と勇気を与えたいというタレントの気持ちは理解できるが、それを”ウルトラマラソン”という形で表すことは先の理由により不適切である。自らが禁煙することでタレントの気持ちは十分に生かすことができる。タレントがこれからも元気で長生きし全国民に夢を届ける活動ができるようこの機会に禁煙を実行することを強く望む。
  • 今年も長時間番組が終わり、多額のチャリティー募金が集まったようだ。その募金は障害者施設に寄付されるというが、どういう基準で施設を選んでいるのか、毎年不明朗さを感じている。また、この寄付行為に関する税務処理が正しく行われているか甚だ疑問である。私はパーキンソン病で障害者認定を受けているが、在宅のためチャリティーの恩恵を受けたことがない。テレビ局は、施設入所の障害者と在宅障害者の差別を生んでいるのに気づいていないのではないか。地元の行政に聞いても、テレビ局のチャリティーのことは分からないと言われてしまう。番組の中できちんと報告してほしい。
  • 長時間番組で2人組のコメディアンが教育指導の先生役と生徒役を演じていた。その中で「おまえ、学校でいじめられているんだろう」「いじめられているなら自殺した方がいいよ」「遺書に先生にいじめられたと書くんじゃないよ」等、非常に残念な発言があった。それを言われたコメディアンは「生放送でこんなこと言っていいの?」と言っていたが、見ていて非常に不愉快だった。
  • お水着姿の女性タレントを熱湯風呂に入れ、どのくらい耐えられるかを見る長時間番組の企画があった。傍に氷水の水槽を用意してのことで、何十年も前の他の番組と同様の、低俗の一言に尽きる趣向。このような企画のせいで番組を貫くはずのチャリティー色も褪せて見えた。
  • 出演者2名がいわゆる裏ビデオを鑑賞しながらその内容をこと細かく中継しつつ番組を進行する。ビデオ映像をテレビ画面に映さないのをよいことに、実に卑猥でリアルな実況ぶり。こんな低俗な放送が許されるのだろうか。
  • 相手に謝るときや依頼するときに使う「済みません」という言葉、各局の字幕を見るとほとんどが「すいません」となっている。正しくは「すみません」だ。その影響か、わが社の若い社員たちはメモや会話のなかで平気で「すいません」と書き、しゃべっている。テレビは影響力が強いのだから言葉は正しく表記し、発音してもらいたい。
  • バラエティー番組の字幕で、感嘆文で「あ゛ー」「え゛ー」という表現がされるが、それらの文字を放送基準で使えないようにすべきだ。なぜならば、濁点のつかない字に濁点をつけるのはおかしい「う゛」は、外来語のVのつく単語の音訳で使われており感嘆文でも使ってかまわないが、「あ゛ー」から「わー・うわー・うぁー」、「え゛ーっ」から「えーっ・うぇーっ」といった表現にすべきだ。それらの問題のある表記「あ゛ー」をローマ字で表記すれば、「Va」となり、極端に言えば外来語「silver・シルバー」を「しるあ゛ー」、「cover・カバー」を「かあ゛ー」、「advance・アドバンス」を「あどあ゛んす」と表現するのと同じだ。
  • 最近のニュース番組、情報番組等で、アナウンサーやリポーターが会話の最中にまるで友人との会話のような言葉遣いを平気でしているのが気になる。例えば「○○だよね?」や「あのね?」や「○○ね」など挙げたらきりが無い。せめて「です」くらい使えないのかと思う。

【その他、番組全般】

  • 洋菓子メーカーの捏造問題で、司会者が「反省すべきことはたくさんある。素直にお詫び申しあげたい」とコメントしていたが、何を反省しているのか分からなかった。後日、番組宛に「チョコ再利用の報道が誤りであったということか?」と問い合わせると、「証言の信憑性は高いと思っている」との回答だった。全く反省をしていないのに「一応謝っておこうか?」的な誤魔化しはどんなもんだろうかと思う。
  • 先の洋菓子メーカー問題についての検証結果を受けた後の放送では謝罪をした様だが、司会者も不在で反省が見られない。また、それ以外の部分でも相変わらず容疑者を犯人という断定表現を用いたりしている。元々この番組では凶悪事件等の取材VTR中、司会者の怒りの表情等が小画面で映し出されるたり、場面転換時の大袈裟なアタック音等、メディアリテラシーの低い視聴者への多大な影響が指摘されてきた。かつて同社の朝の番組が低迷を重ねていたことにより、過激な番組作りへシフトしていったという事情はわかるが、当局の介入等により放送の信頼性自体が揺らいでしまうことは絶対に許されない。同社の自浄作用は乏しいので、今後更なるチェックが必要だと考えられる。それと共に、情報番組化した報道のあり方をもう一度問い直すということも課題ではないか。
  • 芸能人やタレントが、時にはキャスターや報道機関の解説委員までもが、何の知識もなく思いこみと独断と偏見だけで無責任な発言をし、間違っていた場合でも最後にお詫びの言葉を述べるくらいで、特に責任を問われたということも聞いたことがない。他人の言動には、揚げ足取りと思うくらい執拗に批判するくせに、自分たちテレビ局や出演者の間違いはなあなあで済ませ、反省しようともしない態度は全く不愉快だ。「報道の自由」の名の下に、何を言っても構わないというのは大きな勘違い。傲慢さの現れだ。
  • クイズ番組とか仮装大賞とか、出演者に高額の賞金がでる番組が多いが、お金を渡すのは止めたほうがよい。長時間番組などでは視聴者から募金を呼びかけておきながら、番組では高額なお金を渡しているのは矛盾しているのではないか。番組提供会社の品物を賞品として出すのならまだ分かるが、金を渡すのは間違っている。日本が金、金の世の中になって、子供たちまでもが金、金になっていくのを憂える。
  • 中越沖地震被災者支援としてアニメ主人公の名を冠した「募金」を行っている折、現地で新潟ガスの復興に関わっていた主人から被災者の悲惨な話を聞き、番組に表示されている募金電話番号にかけたが、IP電話からは募金できなかった。「携帯電話・PHS・IP電話・公衆電話」は利用できないと番組で正確に表示すべきである。BPOに連絡した電話代も、本来は義援金として被災者に届けられたお金だと思うと残念でならない。
  • 長時間番組で大阪のお笑い芸人の十種競技に関して、1500mなどで日本新記録という放送がありました。しかし、十種競技というのは、十種目の競技結果全てを得点化してその総合点を競う競技であり、一つひとつの競技に日本記録は存在しないのではないでしょうか。それを知りながら日本新記録と放送することは、視聴者を欺く行為といわざるをえません。
  • 最近の公共放送の番組、特に生活情報とバラエティー番組の中には民放番組と見紛うものが増加し、憤懣を通り越して呆れている。この局は唯一良質番組の多い局だけに残念至極。こんな質の低下の著しい番組を増やすために受信料を払っているつもりはない。番組の企画そのものに原因があるとも思えるが、民放の低俗な番組に登場しているタレント、歌手、芸人の起用という出演者の人選、彼らの芸にもならないアクションやキャラクターによる気恥ずかしくなるような内容、局アナ達の芸能人気取りと軽薄な乗りを見ると、画面に出ないディレクター達の悦に入った顔が浮かんでくる。番組のサブタイトル “ガムテープ標識”のガムテープは商品名であるし、熱血と謳った「○○塾」の愚劣さ、関門海峡を挟んだ花火中継の民放と同じ演出等など嘆かわしい。
  • 「作法の極意」のコーナーでマナーにかなった魚の食べ方を紹介する際、出演者の「左利きの人はどうすれば良いですか」との質問に対し、講師は「問題外です。左利きを直してください」と答えた。無理して直すことによる弊害等から、最近では「自然のままがよい」という見方が大勢を占めている。この講師の発言は古い考え方によるものであり時代にそぐわない。
  • 番組宣伝が視聴者を煽るかのように派手で大袈裟。男子マラソンは「午前6時スタート」と繰り返し宣伝されていたが、実際には6時とは番組のスタート時間であり競技開始は7時であった。また、男子100メートル走については「世界記録必至」との前宣伝だったが実現しなかった。根拠のない期待であり、当然の結果である。スポーツ中継番組であるから、過度の演出や煽りは無用。もっと実際の競技の程度に見合った盛り上げ方を研究して欲しい。

【推奨意見】

  • 10日と11日に在京民放テレビ局が原爆をテーマにしたドラマを放送した。また、公共放送局も今月、水木しげる氏の戦争体験を基にしたドラマを放送した。こういった戦争の悲惨さ、無意味さ、愚かさを伝える真摯な番組を放送していただけることをとてもありがたいと思っている。これからもこういった戦争について学べる番組作りを期待している。私は日ごろテレビ番組を批判的に見ている。それはテレビ局がやらせや捏造など、ルール無視で視聴率至上主義の番組作りをしているからだ。超自然現象を客観的、批判的な視点を加えずにあたかも真実として放送する番組が多い。その一方で、前述のような良質な番組も作られている。これからはテレビ局がルールを遵守し良心的な番組を作ってくださることを期待している。
  • このところ、毎日出勤前に朝の連続ドラマを見ていますが、このドラマのヒロインに癒されると同時に生きる希望や夢を持つことの大切さを教えてもらっています。とかく朝の連続ドラマは「ワンパターン」等と不評を買うことが多いですが、夢も希望もない番組が多くなった現在、このようなドラマは貴重だと思います。

【CM】

  • 「普通の人が普通に働いて普通に家を建てられる、これが普通だと思う」と件の司会者が語りかける”○○ホーム”のCMは格差社会という現実を無視した(無知なのか)CMで、企業や制作者はどういう感覚なんだろうかと呆れている。いま、普通の人が簡単に家を建てられると思っているのだろうか。それとも、普通に家を建てられない人は普通の人じゃない、と言いたいのか。時代感覚といい、弱者差別を暗示するメッセージ内容といい問題のあるCMだ。
  • 不動産業のCMは、有名な芸能人を起用しているが、見るとオペラ調で会社の名前を歌うだけで何の会社か分からない。検索の画面表示も無く、調べると中古マンションの会社と分かったが、この会社は15秒間では何の宣伝か分からない上に、見ている視聴者に意味不明なCMと認知されるだけだ。このようなCMは放映中止にしてもらいたい。視聴者をバカにしているにも程がある。
  • テレビ・ラジオ共、番組本編に比べCMの音量が異常に大きくなるが、これは放送法で認められているのか。視聴者、消費者の立場から見てCM効果という点でも首を傾けざるを得ない。

【BPOへの意見】

  • 不二家の問題でBPOが出した見解はTBSに対して何か拘束力があるのか。責任の所在はどこにありどういう形で責任をとるべきか、それをチェック機関であるBPOが指摘できない限り、結局、加害者の側の自覚に依ってしまうことになり、これでは加害者に対して何も啓蒙的意味合いを持たない。この問題はいまだ終わってはいない。これからもBPOは同番組に対して「国民の声があるからではなく」自らチェックをすべきであり、そうでなくては視聴者への放送倫理を遵守しようとするBPOの存在意義はないと思うがいかがか。
  • TBS『みのもんたの朝ズバッ!』不二家関連の2番組に関する見解について。「取材や編集の手法、事後の対応などで重大な放送、倫理上の問題があった」のに、TBSへのBPOとしての処分なし。重大な問題とは何なのか、重大な問題を起こすとどういうペナルティーが課せられるのか、重大な問題を二度と起こさないようにどうするのかが全くない。
  • 今回の見解は詰めが甘かったと言うのが感想。BPOこそ最後の砦と思っていたがこれでは信頼できない。関西テレビと同じようにとは言わないが、TBSはいろいろ問題のあった局なのに、それらは全部不問に付してあたかも免罪するような見解だ。自浄能力がいわれるが、今回のようなことだとそんな機能は全く感じられない。今後放送への行政の介入を避ける意味でももっと頑張って欲しい。
  • 不二家を扱った放送についての見解が示されましたが、不十分なものと言わざるを得ません。まずインタビューで述べられたものを「混同し」とありますが、あの放送から受ける印象は「悪意を持って」「意図的に」「誤用した」ものであり、不注意の結果なされた「混同」とは明らかに異なるものです。また「不十分ながらも謝罪がなされ」と言う部分にも違和感があります。一般的に不十分な謝罪には何の意味もありません。私は、放送は権力から独立しその影響を受けるべきではないと考えますが、BPOに救済機関としての存在理由を見出せない以上、公権力による救済も止むを得ないのかもしれません。

青少年に関する意見

【高校を舞台にした連続ドラマに対する意見】

  • リアルないじめを題材にしたドラマだ。いじめに立ち向う勇気を若者に訴えたいのだろうが、逆に社会的な悪影響、つまりいじめがエスカレートして事件が起きるのではないか?現に若者達による異常な事件は最近急増している。このドラマだけが原因とは言わないが、この異常な時期にさらに刺激するようなドラマを放送することが疑問であり、見ていて非常に不愉快。漫画が原作のようだが、視聴率ほしさにドラマ化したのであれば即刻打ち切ってもらいたい。世の中の状況を踏まえた番組を放送してほしい。
  • いじめと暴力をテーマに過激なシーンが多く、あまりのひどさに見るに耐えない。同じ局での前の番組を見て、中1の子供も感銘を受けていたのに、いきなりこの様な番組が放送され驚いた。特に夏休み期間でもあり子供の情操に悪影響であると感じ、この様な番組制作と放送に抗議する。何を目的としてこの番組を制作したのか制作者の意図を知りたい。
  • BPOのHPには「連続ドラマの場合、途中の描き方に問題があっても最終的には視聴者が納得できる結末で終わるように作られていることが多いので、過剰に反応する必要はないのではないか」との文章が書いてあるが、たとえ最後はいい展開になったとしても、こんな番組を最後まで見せる親がいると思うか? 途中で見た嫌ないじめシーンが記憶に残るだけだ。何かあってからでは遅い。世間一般にいじめはあるにせよ、この番組ほど酷いいじめは少ない。こんないじめが普通にされては困る。意味なくいじめを助長する番組は即刻中止すべき。もっと命を大切に思う番組作りをしてほしい。
  • このドラマは主人公の少女が陰湿ないじめに遭いながらもいじめに立ち向かっていくというストーリーで、毎回陰湿ないじめシーンが出てくる。一部の意見を見ると「ひどいから(放送を)やめるべきだ」や「いじめを助長する」等あるが、果たしてそうだろうか? いじめを受けたことのある者としては、このドラマの放送する意義が理解できる。なぜならこのドラマが今のいじめの現状であるということの警鐘そのものだからである。

【報道・情報に関する意見】

  • 報道番組。准教授セクハラのニュースの中で、准教授の自宅を取材し、不在の准教授に代わり未成年と思われる長男が対応しているインタビューがありましたが、長男がインタビューされていることが、見ていてなんとも心苦しく感じた。また淡々とインタビューしているリポーターや周囲のスタッフの方たちは、何も感じずに仕事をしているのかと思うと情けない気持ちになりました。そのインタビューについて、スタジオでは父親の事を信じている長男に同情するような意見も出ていましたが、それ以上に本来関係のない家族に大人たちが寄ってたかって意見を強要しているようにしか見えませんでした。
  • 連日の朝青龍の報道は一種のいじめではないか。いい加減にしてほしい。夏休みでテレビを見る機会の多い子ども達に非常に悪い影響を与える。現に息子は「これはいじめなの?」と言っていた。「いじめはいけない」と言っているテレビがいじめの見本を放送してどうするのか?また、モンゴルにまで行き取材を続けているが、それを見たモンゴル人は日本人をどう思うか?日本の恥さらしだ。各局に電話をしているが一向に改まらない。
  • 報道番組の中で、事件等の演出として音楽や効果音を流すが止めてほしい。聞いているだけで心の変化を及ぼすような音楽はイメージと画像とを結び付けてしまい、実際の事件の全容を伝わりにくくさせる。良い人か悪い人か分からない人がいたとして不安な気持ちにさせる音楽をBGMとして流せば、その人のイメージは悪い印象になるしその逆もある。音楽を流すというのは、編集する側の意図を大きく含んでいると思う。その他、映像の演出なども、実際のイメージから大きくかけ離れてしまうような編集を意図的にやっていると思われることもある。NHKの様に淡々としたニュースを各局はやるべきだと思う。事件をどのように捉えるかという事、それ以上は個人の判断に任せるべきだ。
  • 報道番組。アナウンサーが山口県の”祖父殺害事件”の事実を淡々と伝えた。最近のこの種の凶悪事件と同様の伝え方だ。この時間帯のニュースは全国放送で若い人達も見ている。ニュースは事実の伝達だとは思うが、人命尊重という面からみると無味乾燥なことで若い人に対する影響があると思う。人命尊重というニュアンスがニュースに加味できないだろうか。極端なことを云えば、若年者への影響を考えて殺人事件は報道しないほうが良い。

【低俗、モラルに反する】

  • バラエティー番組。あるタレントが、女性タレントの楽屋に入り、その女性タレントの私物の歯ブラシや使った箸を舐めたりするシーンがあった。視聴率を上げるつもりかも知れないが、視聴者から見れば気持ち悪いので止めてほしい。
  • ラジオ番組。子供達の夏休み期間中に「放送コードぎりぎりの内容」「お子様達には聞かせないよう注意してください」と、逆に子供達の興味を引くような番組宣伝を繰り返し放送している。このような内容自体が倫理違反ではないのか。
  • バラエティー番組。ハンカチで拭いた汗をしぼって飲むシーンがあったが、とても気持ち悪かった。視聴者が食事をしているような時間帯に、このような映像を流すのはおかしいと感じた。お笑い番組といえども放送時間帯のことも考えてほしい。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • ラジオ局の番組で最近頻繁に流されるようになったCM。アットホームでほのぼのとした内容で、スーパーマーケットか何かの開店告知かと思ったが、実際はパチンコ店のCMだった。CMを聴いた限りではパチンコを思わせる言葉は一切登場せずパチンコ店であるとは全く分からない作風になっているので、リスナー(特に子ども)に誤解を与える恐れがあるのではないか。強く憂慮せざるを得ない。
  • 映画の宣伝が時折流されるが、ホラー映画のスポットCMは、ホラー嫌いの息子が「夢に出てきた」と言っている。見ると確かに気持ち悪く、CM作成スタッフのセンスの悪さ、常識のなさ、配慮に欠ける内容を指摘したい。ホラー映画は怖いものだが、不快でただ気持ち悪いだけのものとしか受け取れない人もいることをまったく無視し、番組内のスポットCMという視聴者が選択できる余地がないところで放映するなど無神経さにも程がある。

【推奨意見】

  • ドキュメンタリー番組。この番組は定時制高校の入学から卒業までの約1400日を追ったドキュメンタリーだが、10代の生徒の葛藤やそれを乗り越えて成長する姿がありのままに伝わってきて良い番組だと思った。彼らには色々な事情はあるが、それを排除するのではなく認め合い、クラスが一つになっていく様子に共感した。現在いじめや学校裏サイトなど学校に関する問題が後を絶たない。そんな中で10代の中高生は揺れている。皮肉なことに彼らの気持ちが分からない大人が増えているのも事実である。そんな時代だからこそ青少年や大人に見ていただきたい番組だと思った。いじめを助長するようなくだらないバラエティーよりも、こういった内容の番組ももっと放送してほしい。
  • ドラマ番組。何気なく見ていたらドラマに引き込まれて最後まで見た。秀逸なドラマ(実話)だ。人間の都合で動物園の猛獣が殺された戦争の現実。学校教育に是非活用して頂きたい。無理なら再放送を望む。興奮し寝付けず寝不足になった。それ程インパクトの強いドラマだった。
  • アニメ番組。近未来的であるが、どこか懐かしく、どこか忘れてはいけない物が表現されている。全体的に友達の大切さを描かれていて、青少年に友達の大切さを訴えている。大人も鑑賞できる内容や質はアニメ大国日本を感じさせる。青少年、子ども、大人に是非見て貰いたい番組だ。
  • 情報バラエティー。青少年に見せたい番組として紹介する。この番組はタイトルの通り「学校では教えてくれないような知識や教養」を楽しく学べて青少年に有益だ。しかし日本民間放送連盟の「青少年に見てもらいたい番組」に推薦されていない。この番組を日本民間放送連盟の「青少年に見てもらいたい番組」に推薦するように局に要望する。

【マナーについて】

  • 露天風呂を紹介する番組で、よくタオルを巻いて入浴するシーンがあるが不自然だ。我が家の子がそれを真似して学校の宿泊合宿でタオルを巻いて入浴したら、先生に叱られたそうだ。テレビで間違ったことを放送するのは公共の放送としては如何と思う。
  • 情報番組。女子マラソン選手の特集で、ご主人の映像が流れた。場面は電車の中で、乗車中にご主人が携帯電話で通話をしているところであった。これはマナー違反ではないのか? 道徳上、また子どもの教育上良くないと思うので番組内での謝罪を望む。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「出演者の箸の持ち方がおかしく、子どもに悪影響」という批判があったが、箸の持ち方を教えるのは親の役目であり、子どもは別にテレビを見てそれを覚えるのではない。以前から似たり寄ったりの意見が多いが、自分のしつけのなってなさをテレビに責任転嫁するのはいい加減やめたらどうか。
  • 視聴者から寄せられた意見の中に、刺青に関して「放送で刺青をしている人を出演させるべきではないと思う」という意見があった。確かに日本では”刺青=暴力団関係”というイメージも未だにあり銭湯やプールで断られてしまうという現実があるが、個人的にはそれ自体が差別的だと感じる。色々な人が見る番組だからこそ、外見で判断するようなことをしてほしくないと思った。ファッションや趣味趣向などについて、番組内で偏った見方や、出演者の方が過剰な驚き方をしたりしているのを見ると嫌な気持ちになる。

【その他】

  • 長時間番組。子どもの夢を叶え、皆で感動を分かち合おうと言う主旨で、5歳の聴覚障害児の描いたハチドリの絵を基に、地上絵で有名なペルーのナスカに、世界遺産である本物を模した巨大な地上絵を造るというものがあった。そのために莫大な制作費をかけ、後で元に戻すとは言え、ブルドーザー等を使った大掛かりな企画。このようにお金と機械の力によって実現した地上絵がどれほど当の子どものためになるのか甚だ疑わしい。一時的な感動を与えるにしても、ここまで派手にやらなければいけないのか。多額の募金が集まるようだが、同じ番組の一方でこのように浪費しているのは大きな矛盾。放送局の倫理観に疑問を感ずる。
  • 幼児番組。最近は映像にCG等の手法がよく使われているが、派手で目を引くだけで、幼い心にゆったりと語りかけはしないと思う。むしろ従来の素朴で簡素な画像のほうが幼児番組にはふさわしいし、親も安心して見せられる。
  • 定時制高校をテーマにしたドキュメンタリー番組。定時制に通っている子がみんな、この番組に出てるように見られてしまう。うちの子は3人定時制だが、いたって普通の高校です。茶髪も妊娠出産もない。世間の人は見たものだけを信じる。あれでは今通っている子が全員そうみたいに見られてしまう。娘は「やめてほしい」と言っている。私もそう思う。視聴率稼ぎに何をやってもいいなんて許せない。TV側はいいものを放送していると勘違いしている。昼働き、夜学校と必死に頑張っている健気な子ども達の人権を侵害していると言っても過言ではない。
  • 子供と一緒に実験をするためのロケ番組。子供たちを夜まで拘束しているようだが労働基準法に違反していないか? 以前もキャンプの放送があったが、これも時間的に長時間子供を働かせたことになるのではないか? テレビでは移動の様子も放送しているが、テレビの仕事は移動中も仕事に入ると思う。長時間働かせていることは違法だ。
  • 最近のテレビはバラエティー番組の規制などで、つまらなくなったから、ストレスがたまり、ストレスを発散さすために、いじめなどがたくさんおこっている。規制などを廃止する事で、視聴者がテレビを見て腹から笑える番組を制作することによって、ストレスが発散できて、いじめがなくなる社会になると大半の視聴者が思っています。

第126回 放送と人権等権利に関する委員会

第126回 – 2007年8月

「部落解放同盟大阪府連幹部からの訴え」事案の審理

「広島ドッグパーク関連報道」事案の総括…など

「部落解放同盟大阪府連幹部からの訴え」事案の審理

本事案は、部落解放同盟大阪府連書記長ら2人が「大阪市の民間福祉施設への補助金問題に関する毎日放送の報道は、特定の法人だけが補助金を受給してきたような誤解を視聴者に与える内容で、解放同盟やそのリーダーである個人の名誉権を著しく侵害している」と訴えているもの。

8月の委員会では、申立人から提出された「反論書」とそれに対する毎日放送からの「再答弁書」それに事務局でまとめた「論点対比」などを基に審理を行った。

この中では「当該番組で放送された部落解放同盟幹部の肩書きで、個人名が視聴者に特定されるか」「番組は、解放同盟関係の法人と償還金補助とのかかわりを伝えていて、法人幹部の個人を対象にしていないのではないか」「それなら肩書きを放送する理由はないのではないか」「肩書きによって個人が特定されるか否かは番組が放送された地域との相関関係で捉える必要がある」「大阪市側の手続きの遅れから2年分の補助金が一度に支給されたのを2倍支給されていたと表現した点は妥当だったか」「肩書きまで放送しながら直接取材しなかった点に問題はなかったか」等の意見が交わされた。

放送人権委員会では、更に審理を続ける一方、9月の委員会では申立人と被申立人をそれぞれ個別に招いてヒアリングを行うことを決めた。

「広島ドッグパーク関連報道」事案の総括

上記事案については、8月3日に「委員会決定」を通知・公表した。

8月委員会では、大阪市に出向いて申立人の動物愛護団体代表に「決定」内容を通知した模様を担当調査役から報告した。

また、「委員会決定」の放送対応では、在京キー局の5社が「決定」内容を伝え、新聞3社が翌日の朝刊で記事を掲載したことが報告された。

委員会では、この後、被申立人の朝日放送が「委員会決定」の主旨を伝えたニュースのVTRを視聴した。

「”グリーンピア南紀”再生事業の報道」事案の審理

本事案は、和歌山県那智勝浦町にある”グリーンピア南紀”の再生事業を請け負った香港ボアオのオーナーが「読売テレビの朝の報道番組(5月26日、6月2日放送)で事実と異なる報道がなされた結果、自分の名誉が著しく傷つけられ、また、取材・放送によりプライバシーが侵害された」と申し立てたもので、当該局は、「取材した事実と公的な資料に基づいて公正な報道をしており、名誉権を侵害していないし、プライバシーの侵害もしていない」と反論している。

8月委員会では、申立人から提出された「申立書」、「反論書」、被申立人から提出された「答弁書」、「再答弁書」に基づき、双方の主張を整理して審理を進めた。

次回9月委員会でも引き続き審理を進め、10月委員会で双方から直接事情を聞くヒアリングを行うことを決めた。

苦情概要

7月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次の通り。

◆人権関連の苦情[28件]

  • 審理・斡旋に関する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・12件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・16件

その他

放送人権委員会設立10周年記念イベントについて

1997年にスタートした放送人権委員会は、今年で設立10周年を迎えた。その記念イベント2件が8月の委員会で了承された。

1.「BPO放送法研究会」

総務省が放送法に行政処分条項を新設する動きを見せる一方、総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が”放送・通信の法体系の一本化を目指すべき”との中間とりまとめを発表するなど、放送法を巡る動きが顕在化してきたことから、放送活動を包括的に規定している放送法の今日的諸問題を考察・論考していこうとBPOの各委員会の委員有志を核に企画したもので、第1回研究会を9月25日に千代田区紀尾井町の千代田放送会館で開くことになった。事務局としては1~2か月に1回程度の割合で講師を招くなどして研究会を開き、その成果を適当な時期に取りまとめて刊行物にすることなどを考えている。

2.「放送人権委員会フォーラム」

12月上旬を目途に「放送による人権侵害と放送倫理」(仮題)をテーマに、全国の放送局の考査・危機管理担当者や制作・報道担当者等300人を対象にフォーラムを開催する。基調講演とパネルディスカッションを予定していて、パネリストには放送人権委員会委員や放送局側の代表、ジャーナリスト等から人選する考え。

新委員の山田健太氏が初参加となる次回委員会を、9月18日に行うことを決めて、8月委員会は閉会した。

以上

休会

休会 – 2007年8月

中学生モニターについて

中学生モニターについて

8月は、6月以前と同様ひと月ほどの間に見た番組の感想・批判・期待することがテーマで、25人から43件のモニター報告が寄せられた。 分野別ではドラマが一番多く21件、続いてバラエティーに関する意見が16件、あとはぐっと減ってアニメ4件、情報番組が2件となっている。

局別ではフジテレビ系が19件、日本テレビ系が12件、TBS系6件、NHK・テレビ朝日系・テレビ東京系が2件ずつだった。

  • ドラマでは、2週にわたって放送され命の大切さを訴えた「“千の風になって”ドラマスペシャル」への関心が高く、4人から意見が寄せられた。『家族へのラブレター』には、「公募で寄せられたエピソードをもとに映像化され、決して“遠い世界の話”ではないような内容なので、とても泣けました」。『ゾウの花子』には「お父さんがこの話悲しいよ、と言っていたので見ることにしました。本当に悲しい話で、戦争は本当に残酷なんだなぁと思った」。『はだしのゲン』には「たった一つの爆弾のせいで、平和で楽しかったゲンの家庭はひきさかれてしまったのです。核兵器はこの世から廃絶すべきです」、「ご飯や食べ物がない中で、生きていくというのはとても厳しいです。僕もこれからは食べ物を残さずきれいに、文句を言わずに食べたいです」の2件。いずれの番組も好評だった。
    3件意見があったのは3番組で『花ざかりの君たちへ』は「すべてが楽しくて、批判するところとか全然ありません。友達との会話のたねにもなるし、親とも楽しんでいます」などと好評だった。『探偵学園Q』は「私はいつもどんなトリックなんだろうとワクワクして見ている」など謎解きが楽しいと好評だったが、「死体がそのまま出たりして怖いです」という指摘もあった。『パパとムスメの7日間』は「ほかのドラマとは別の印象を1話目から受けて、とても楽しかったです。今ではしっかり毎週見ています!」などと概ね好評だった。
    また2件意見があったのは『ファースト・キス』と『ライフ』で、前者は「内容がすごく見てみたいと思ったし、見てからは物事をハッキリ言うところがイイと思いました」「期待してみたが、期待はずれ。2話目からは見なかった」と意見が分かれた。後者は、いずれも男子からだったが、「イジメについてマジメに考えている良いドラマだと思います」「最近クラスで話題の番組で、人気があると思います」と肯定的な評価だった。しかし1人は「僕が番組を見て思ったことはいじめをする側はやりすぎているということです」と書き加えている。
  • バラエティー分野で目立ったのは『24時間テレビ』で、4件意見が寄せられた。「1つ1つの内容が、前回よりパワーアップしていて感動でき、面白い内容も盛りだくさんでした」、またマラソンも「欽ちゃんが頑張っている姿に感動しました」と概ね好評だったが、「普段は別にお金を寄付したりしてない人でも、この番組に出るとすごくいい人みたいになっている」「例年通りなら100km以上走っているのに、今年は70kmだった」などの注文もあった。そして裏番組の『脳内エステ IQサプリ』と『めちゃ2イケてるッ!』が、「芸人の立ち位置が変わる瞬間」・「24時間対抗テレビ」などとパロディーを放送したことについて、「ここまですると日テレで一生懸命がんばっている人たちにも失礼だと思いました」という批判意見が寄せられた。
    また『あいのり』には「内容はとても面白かったが、台湾に親日派の人が多いのは何故というコーナーで、さも日本が行った同化政策が正しく、台湾に利益をもたらしたかのような放送を行っていた」という意見があった。
  • その他、アニメでは『ハヤテのごとく』に「良いパロディーが詰まってる」、『コードギアス 反逆のルルーシュ』に「2期を楽しみに待ちたい」などの意見があった。
    情報番組では『王様のブランチ』が、「さまざまなジャンルの旬な情報を教えてくれるローカル番組だ。ローカル番組なのがもったいないと思う」と好評だった。