第201回 放送と青少年に関する委員会

第201回-2018年3月27日

視聴者からの意見について…など

2018年3月27日、第201回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催、7人の委員全員が出席しました。
委員会ではまず、2月16日から3月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
委員からは、情報番組で東京・銀座の公立小学校でアルマーニの制服が採用された話題について取り上げた際、一定の価値観で放送されていたのが、気になった、という意見などが出されました。
3月の中高生モニターのリポートのテーマは「モニターとしての1年間を振り返って」で、27人から報告がありました。モニターからは、「考えてテレビを見ることができたのは良い経験だった」「テレビに対する視野が広がった」などの感想が寄せられ、それについて議論しました。
調査研究については、調査研究報告会が3月13日に開催されましたが、担当の菅原委員から委員に対して調査結果について改めて説明がありました。
次回は4月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年3月27日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

東京・銀座の公立小学校でアルマーニデザインの制服が採用されたことの報道について、委員からは「情報番組全体の感想として、ある一定の価値観で構成されていたのが気になった。『全部そろえると何万円』ということで、コメンテーターは、かなり否定的にコメントしていたが、現実には、そうではないと思っている人もいるはずである。保護者にどう説明しているのかなど、違った角度からの掘り下げ方も必要だったのでないか」という発言が出されました。
これ以上、議論する必要のある案件はありませんでした。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした3月のテーマは、「モニターとしての1年間を振り返って」です。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で27人から報告がありました。
任期当初に感じたリポートを書く難しさ、テレビやラジオ番組への向き合い方の変化など、それぞれのモニターが率直につづっています。
「自由記述」では、『ピョンチャンオリンピック・パラリンピック関連』の放送について、3人のモニターが取り上げています。普段は中高生のテレビ・ラジオ離れを実感しているが、オリンピックの期間中には「テレビの話題で持ちきりになった」「とても心に残った」との感想の一方、「オリンピックは特集が組まれ、放送時間も拡大されていたが、パラリンピックは中継がほとんどなく」残念に思ったという意見もありました。
「青少年へのおすすめ番組」は、『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)に2人、『R-1ぐらんぷり2018』(関西テレビ)に3人が感想を寄せています。

◆委員の感想◆

  • 【モニターとしての1年間を振り返って】について

    • 番組を作り手の側の視点から見るということ、深く考えながらテレビを見るという経験からの学びについて、多くのモニターが実感していることがわかる。

    • 「テレビを俯瞰していろいろ考えながら視聴するようになり、自分の好みも再確認した」という報告があるが、テレビを映し鏡のようにしながら成長した自分を自覚しているのだな、と思った。

    • 自覚的にテレビを視聴し、映像から情報を得ることがたくさんの学びを与えてくれるということに、多くのモニターが気づいてくれたことをうれしく思う。

    • 以前よりも考えて、テレビやラジオを視聴・聴取するようになり、今までは漠然としていた自分の考えについても考えるようになったことで「自分自身を前よりも理解することができた」という感想は、テレビやラジオと青少年との関わりの可能性を示唆しているようにも思われる。

◆モニターからの報告◆

  • 【モニターとしての1年間を振り返って】について
    • この一年間、テレビ番組のレポートを提出するというミッションをいただいて、僕なりにいつもよりはもう一歩深く考えることができたような気がします。例えば、番組の良くなかった点を挙げるのは簡単ですが、では、それを良くするにはどうしたらよいのか、ただ単に無くすのではなく、継続し楽しく視聴するにはどうしたらいいのか、前向きに考えていくことなのだと気づきました。SNSなどで少数意見も取り上げられる中、性別、年齢、生い立ち、それぞれ違う人たち万人に受け入れられるような番組制作は無理なのかもしれませんが、そういう意見もあるのだと知ることこそが、次に繋がっていくのだと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • この一年間、特に印象深いのは、渋谷での会議のときに見学したスタジオの裏側です。普段何気なく観ているテレビ番組が、視聴者の見えないところにいるたくさんのスタッフや様々な機械などによって支えられていることを知り、とても驚きました。また実際に放送されるまでに、不適切な表現はないか、不確かな情報はないかなど、たくさんのチェックを重ねて放送されることを知って、ただ企画や内容を考えただけでは簡単に放送することはできないのだなと思いました。これからはモニターを通じて知ることができた、情報を発信することの大変さ・喜び・重要性を、友達やその他の身近な人などに、伝えていきたいと思います。(東京・中学2年・男子)

    • テレビからいろんなことを学べました。それに、今までは(面白いなぁ)と心の中で思っているだけだったことも 具体的にどこが面白かったのか、逆に、どこを改善したらよいのか、などを考えるようになりました。自分の考えを言葉にする時に、語彙力の無さを痛感しました…。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 1年間での変化は「テレビを俯瞰して視聴するようになった」ということです。今までは番組の作り手の意図や演出方法について思いをめぐらすことはありませんでしたが、モニターをすることで「こういう視聴者を想定しているのかな?」「中立的な立場を取って放送しているのかな?」「このニュースを掘り下げているのはここの局だけだな」などいろいろ考えながら見るクセがつきました。報道番組をそういった視点で見ることで学校の社会の授業の話がおもしろくなったりもしました。以前から好きだった番組(ポケモンや料理を扱った時代劇など)の具体的にどういう点を自分が好きだったのかがわかり、自分の好みも再確認しました。(千葉・中学2年・女子)

    • 毎月『考えてテレビを見る』ということができたのは良い経験でした。それは、普段ならあまり自分から見ないようなドキュメンタリー番組を、最初から最後まで早送りなどしないで見たことがとくにそうです。「面白い」というのは「笑える」ということばかりでなくて、「こんなことがあったんだ」と知識が増えることも「面白く」感じました。ラジオの番組も、モニターになるまでは、ただ流れているくらいだったのですが、話している内容を意識するようになり、ラジオは見えない分テレビよりも言葉の選び方を大切にしているということにも気がつきました。自分で番組の企画を一から考えたときには、ワクワクした気持ちと、もし自分の番組が本当にテレビで流れたらと勝手に想像して緊張した作業でした。一から自分の思い通りにできることが逆に難しく感じました。でも、いろんなテレビ局の方に企画を見てもらい、感想を書いていただけてうれしかったです。(富山・中学2年・男子)

    • テレビ番組ひとつとっても、一分一秒にかける人たちの熱量の高さはすごく高いと思いました。インターネットが生活の一部となっている現代だからこそ、確かな情報を手に入れるためにはテレビやラジオは大切な手段のひとつだし、その信頼性を高めることは大切だと思いました。(秋田・中学3年・女子)

    • テレビに対する視野が広がったと思います。普段テレビやラジオ聴くとき見るときに、私自身は視聴者と言う立場ですが、この中高生モニターを通して制作する側の気持ちになってみたり、実際に自分が番組を作ると言う企画を考えたりすることで、視聴者だけの立場ではなく逆の立場でもテレビやラジオを聴いたり見たりすることができるようになりました。そうすることによって、番組の新しい、今までは視聴者としてみるだけでは気付けなかった面白さ、逆に、ここは苦労したのではないか…という点から注目するところ、見方も楽しみ方も変わりました。時代に合わせながら、ニーズに合わせながら作る製作者は日々やりがいを感じ、とても達成感に満ち溢れた仕事であるのだろうなと思います。(埼玉・高校1年・女子)

    • 私はモニターを経験して、報道の捉え方に深みが増したと思う。リポートを書きながら、何度も倫理について考えた。何が倫理的なのか。報道が視聴者に与える倫理観は何なのか。一つわかったことがあるとするなら、それは世界各国で価値観が違うことだ。欧米諸国の観点で日本のバラエティー番組をみるともしかしたら、人種差別的、性差別的、他にもいくつかの問題を含んでいるように受け取られているかもしれない。総じて、この一年は報道と倫理について考える一年となった。それもリポートのおかげで、報道の影響力を改めて私の中で見直すきっかけを与えていただいた。(東京・高校1年・女子)

    • 「考える」ことにこんなにも入れ込んでしまうとは思いもしませんでした。モニター経験で学んだことは「批判と非難は違う」ということです。公平な立場から見つめるということがいかに大変かを痛感しました。また、自分の伝えたいことを的確に伝えられる言葉を選ぶことに何度も苦労しました。少し違うだけでニュアンスが異なって、うまく伝えられない歯がゆさを覚えることが多々あり、言葉の力を知ることができたと思います。言葉の影響力は大きいので、公共の電波であるテレビやラジオには言葉を大切にしてほしいです。この1年を通して、以前よりも考えてテレビやラジオを視聴するようになりました。またレポートを書くことで今まであった漠然とした自分の考えを言語化することができ、自分自身を前よりも理解することができたと思います。しかし、それでもまだ表面的なところしか見られていないと思うので、もっと深く味わえる大人になれるよう、この情報溢れる現代で、能動的に考え、行動していきます。(青森・高校2年・女子)

    • この1年間は、テレビなどのマスコミの報道について考えさせられることが、ここ数年の中で1番多かった時だと思います。芸能界、相撲の暴行問題、政治の問題など、これはマスコミが公平に扱えているのかなと思う時が何度もありました。テレビの見方も変わりました。中高生モニターをする前は番組をただ見ているだけということが多かったのですが、モニターをしているうちに自分なりに、番組やニュースについて色々な意見を持つようになりました。また、ラジオもよく聴くようになりました。リポートを送るときに気をつけていたのは、読む相手に伝わる文章になっているかどうかでした。正しい文章になっているのか、特定の人を傷つける文章になっていないかなど…、1文の表現に何分もかけたこともありました。相手に自分の伝えたいことを表現することの難しさを学びました。(愛媛・高校2年・男子)

    • この一年間、モニターの活動を通して、様々なことを「想像しながら」テレビを見るようになりました。まず、"この映像はどんな思いでつくられたのか"。実際に現場を見学したことで、製作する人達の情熱を知ることができました。一方で、理想と現実の間に立ちはだかる壁の存在も知りました。そして、これを見た"あの人やこの人は何を思い、感じるのか"。私たちは推し量ることしかできないけれど、頭の中で色々な人の立場に立って、その喜びや痛みを想像することは本当に大切なことだと感じました。想像以上に、いまのテレビにはその行為が欠けていることも実感しました。まっすぐ向き合って見ると、もやもやしたり不快な気持ちになったりすることがあり疲れました。それでもやはり、テレビは色々な出会いをもたらしてくれるし、新しい世界を見せてくれるし、私はテレビが好きです。だからこそ、誰も傷つけないようになってほしいと思います。また、リアルタイムでたくさんの人の元に届く力は大きいと感じました。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 日頃は中高生のテレビ・ラジオ離れを実感していますが、一時期、私の学校ではテレビの話題で持ちきりになったことがありました。「ピョンチャンオリンピック」の期間です。試合などをテレビで見ている人が多く、その感想を次の日に教室で話すのは楽しかったです。(秋田・中学3年・女子)

    • テレビを見ると新しい情報を知ることができるだけでなく,友達とのおしゃべりの話題や気晴らし,リラックスと本当にわたしたちの生活をゆたかにしてくれるのだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 先月、平昌オリンピックが開催され、日本の選手をはじめ、多くの選手が活躍していたのをテレビ中継で見ました。その時にはテレビのニュースでもオリンピックの特集コーナーが組まれ、放送時間を拡大した番組もありました。しかし、その後に行われるパラリンピックでは中継がほとんどなく、出場した選手が活躍してもテレビであまり大きく取り上げられていないように思います。昨年自分の住んでいる県で行われた国民体育大会(以下国体)・障害者スポーツ大会でも似たようなことがありました。国体では開会式の様子を県内の民放全局とNHKで放送していましたが、障害者スポーツ大会の開会式を放送していたのはNHKだけでした。開会式の中継の扱いの違いを知って残念な気持ちになったのを覚えています。東京オリンピックでは開催国なのでどちらの大会も同じくらい扱われるのではないかと思っていますが、2022年の冬季オリンピック、2024年の夏季オリンピックの時にはパラリンピックの方も同じくらい取り上げてほしいと思いました。また、そのためには民放の場合スポンサーとなる企業や、社会全体が障害者スポーツ・パラリンピックについて正しく知る・理解することが大事だと思いました。(愛媛・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ/関西テレビ)応募者3795人の中から一人芸日本一になったのは、なんと、盲目の芸人濱田祐太郎さんでした。目がほとんど見えないという障害をあえて笑いのネタにする人がいるなんてこと、今まで考えたこともなかったので衝撃的でした。漫談はとてもテンポもよく、聞きやすく、面白おかしくて笑ってしまう内容でしたが、一方で、この話で健常者の僕たちが笑っていいのか、盲目の方からみると不快に思わないのだろうかと考えてしまう自分がいました。でも、考え直しました。きっと障害さえも笑いに変えてしまい、前向きにおしゃべりの上手な自分を全面に出す濱田さんの生き方を僕たちがリスペクトしていれば、何の問題もないのかなと思えたのです。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『ミライ☆モンスター』(関西テレビ/フジテレビ)同い年の人が頑張っている姿をみて勇気をもらえました。日曜日の観やすい時間帯なのでまた観ようと思います。(滋賀・中学2年・女子)

    • 『R-1ぐらんぷり』(関西テレビ)事前に予選で選出された芸人さんのレベルの高い戦いが見られるだけあって私も毎回楽しく視聴しています。ただ、下品な内容がやや多く感じられ、少し残念に思いました。(兵庫・高校2年・女子)

調査研究について

3月13日、BPO加盟社と各報道機関を対象に、調査研究の報告会が開催されました。委員会では、担当の菅原委員から、調査結果について、改めて説明がありました。
委員からは、
「テレビを見ない子どもの要因として、ゲーム、外にいる時間が長い、という調査結果が出たが、親との関係も関連しているのではないか。親がテレビを見ないと習慣として子どもも見なくなり、親がテレビに肯定的な家庭では、子どもも時間があれば、見ているのではないか」
「バラエティー番組の"危うさ"に対する意見として、『自分は不快に思わないが、不快に思う人がいるだろうと思うシーンがある』と答えた人は、50%以上に上ったが『自分が不快に感じるシーンがある』と答えた人は、圧倒的に少なかった。このギャップが興味深かった」
「テレビの効用感に関する調査で、『テレビの話題で友だちと盛り上がる』『家族との会話に役立つ』などの数値が高かったが、他者との関係性の中でテレビを見るという視聴態度は、いつころから始まったのか。かつては、テレビは『夢の箱』と呼ばれ、現実にはできない経験や物語を味わうことが大きな魅力だったと思う。テレビが、人間関係の潤滑油として捉えられていることに違和感をもった」
などの意見が出されました。

委員退任について

汐見稔幸委員長と最相葉月副委員長が、3月末で任期満了となり、退任することになりました。汐見委員長は3期9年、最相副委員長は2期6年それぞれ務められました。

以上

第200回 放送と青少年に関する委員会

第200回-2018年2月27日

視聴者からの意見について…など

2018年2月27日、第200回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催、6人の委員が出席しました(1人は所用のため欠席)。
委員会ではまず、1月16日から2月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
アニメ番組に残酷なシーンがあるとの視聴者意見が寄せられたことについて、委員から、「アニメでは、多少大げさな表現をするものだ、という考え方もあるが、普段あまりアニメに親しんでいない人にとっては、それが強い印象を与えてしまう。このことに放送局側がどう配慮するのか、今後議論する必要があるだろう」などの意見が出されました。
ほかに、犬の訓練士が凶暴化した犬を叩いて訓練する様子を紹介したドキュメンタリー番組に対して、「動物虐待ではないか」といった意見が寄せられたことについて、委員からは、「虐待という印象はなかった。番組では、叩くという行為への批判があることも、両論併記的に紹介していて、全体として十分配慮はできていたと思う」などの意見が出されました。
議論の結果、いずれの番組も討論など次の段階に進む必要はない、となりました。
2月度の中高生モニターのリポートのテーマは「テレビ・ラジオ番組の企画を考えよう」で、テレビ28番組、ラジオ3番組の企画が提出されました。また、青少年委員会からの依頼に応えてくれた在京放送局の番組制作担当者から、中高生モニターが考えた番組企画に対する丁寧な講評が寄せられました。
委員会では、中高生モニターが考えた番組企画から垣間見ることができる今の中高生たちの関心事などを読み取るとともに、制作者の講評から伺われる番組に対する思いなどについて議論されました。
調査研究については、委員会に先立って開かれた調査研究報告会に関する小委員会で話し合った内容を担当委員が報告しました。調査研究報告会は3月13日に開催される予定です。
次回は3月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年2月27日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

休日の早朝に放送されたアニメ番組での暴力・残虐シーンについて、「子どもが見る時間帯に、あんな残酷なアニメを放送する気がしれない」「どれだけ青少年に影響があるのか考えていただきたい」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「アニメでは、多少大げさな表現をするものだ、という考え方もあるが、普段あまりアニメに親しんでいない人にとっては、それが強い印象を与えてしまう。このことに放送局側はどう配慮するのか、今後議論する必要があるだろう」「同じアニメということで、放送を単純に時間帯で区切ることについては、考えなければならない」などアニメについて議論を深める機会を持ちたいとの意見も出されましたが、当面、討論等に進む必要はないということになりました。
ドキュメンタリー番組で、犬の訓練士が凶暴化した犬を叩いて訓練するシーンについて、「訓練とはいいがたい暴力を使った虐待であり、犬ならば許されるというものではない」「しつけのためなら暴力も許されるという誤った価値観を拡散しかねない」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「虐待という印象はなかった。番組では、叩くという行為への批判があることも、両論併記的に紹介していて、全体として十分配慮はできていたと思う」などの意見が出されました。この件については、これ以上、話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした2月のテーマは、「テレビ・ラジオ番組の企画を考えよう」です。全部で27人から31本の企画が報告されました。
人気タレントを起用したバラエティー番組や、ドラマ、音楽・紀行などの教養番組、骨太なドキュメンタリー番組まで、10代らしい視点の企画が集まりました。テレビ・ラジオの内訳は、テレビの企画が28番組、ラジオが3番組でした。また、在京放送局の番組制作担当者がモニターの企画の一つひとつに目を通し、温かく細やかな講評をしてくださっています。

◆委員の感想◆

  • 【テレビ・ラジオ番組の企画を考えよう】について

    • 今回、「星を見上げる」など星をテーマにした企画がいくつかあった。今の子どもたちはいろいろな刺激があり過ぎる社会の中で、自分をじっくり見つめる時間をなかなか得られないという実感があるのかもしれないと思った。もう一度、自分ときちんと向き合うために、空を見るのだろうか?うまく番組にできるかどうかは別として、今の若者たちが求めているものが少し感じられて、興味深かった。
    • 大人の常識や当たり前の日常を疑い、若者の小さな疑問や反感を取り上げたいという企画があった。足元の疑問から大きな問題を見つけていくことは大切で、若い世代らしい良い発想だと感じた。
    • 「被爆遺構」を通して平和を考えたいという企画を長崎に住む高校生が考えていた。毎月9日の11時2分になると流される音楽やゼノ神父の存在など、彼の暮らしの近いところに多くの物語があって、日々それらに触れながら丁寧に生きている大勢の子どもや大人たちが彼の周りにはいるのだろうと感じた。企画自体も、とても丁寧に考えられていた。
    • 放送局の方からの講評に、「戦争や被爆については高校生の目線がほしい」と書かれたものがあり、制作者たちは若い世代の年齢に応じた視点というものを必要としているのかもしれないと感じた。

◆モニターの企画を講評してくださった番組制作者の紹介◆

  • 【NHK】 青少年・教育番組部チーフプロデューサー
  • 【日本テレビ】チーフプロデューサー
    • 『踊るさんま御殿』『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』を統括
  • 【TBSテレビ】マネージメントプロデューサー
    • 『東大王』『ピラミッドダービー』『ペコジャニ』などを担当
  • 【テレビ朝日】
    • 『マツコ&有吉 かりそめ天国』
    • 『ごはんジャパン』『題名のない音楽会』『スマートフォンデュ』
    • 『chouchou』『お願い!ランキング』
    • 『林修の今でしょ!講座』
    • 『今夜、誕生!音楽チャンプ』
    • 『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』
    • 『くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』 7人の各番組担当者
  • 【フジテレビ】 編成部アニメ担当
    • 『ノイタミナ』『サザエさん』など担当
  • 【テレビ東京】 制作局CP制作チーム
    • 『THEカラオケバトル』『おしゃべりオジサンと怒れる女』など担当

◇番組制作者の総評◇

  • 日本テレビ チーフプロデューサー/『踊るさんま御殿』『笑ってコラえて』などを統括
    大変心のこもった、しっかり構成された企画が多く感心しました。また、企画書の中に「私たちはテレビ局を信用している」という表現がありましたが、テレビ制作に携わる者として、とてもありがたく、気が引き締まる言葉でした。また、様々なコンプライアンスに配慮した様子は時代を感じさせます。YouTubeなど、ショートコンテンツが全盛の時代となっていますが、テレビ番組やラジオ番組が負けないような、斬新なアイデアを今後も期待しています。
  • TBSテレビ マネージメントプロデューサー/『東大王』『ペコジャニ∞!』などを担当
    大変楽しく拝見させて頂きました。企画提出、有難うございました。更に皆さんの【視点の鋭さ】がテレビ制作を生業としている者として、大変勉強になり、今すぐにでも番組として見てみたい企画が多数ありました。また中・高校生の皆様が【将来】や【仕事】に対し、強く興味を持っている印象を受け、なんとか【テレビの力】で若い世代の不安を払拭できるよう、制作者として襟を正して番組制作にあたらなければ…と思いました。メディア利用形態の多様化が進む昨今ですが、まだまだテレビへの期待の高さを感じられる企画が多かったのも幸いでした。皆様、お疲れ様でした!
  • フジテレビ 編成部アニメ担当/『ノイタミナ』『サザエさん』などを担当
    等身大の中高生を描くことに、デジタルネイティブ世代らしい、昭和世代にない番組を作っていくパワーを感じました。また、タイトルのつけ方が上手いことに感心しました。タイトルが番組を想像できることがテレビは大切です。ぜひ、この感性を磨いて行って欲しいと思います。ただ、タイトル負けして番組の内容に工夫がない企画もありました。ぜひタイトルやコンセンプトから、番組の中身のイメージも膨らませていく力がつくと、企画力はぐーんとあがります。

◇モニターの企画書と番組制作者からの講評◇

  • ● 神奈川・中学1年男子
    [番組名]:「ANZEN漫才みやぞんのぽじてぃばー」
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:金曜 午後7時~7時30分
    [出演者]:みやぞん・悩み迷う中学生
    [ねらい]:みやぞんの一番の魅力である彼の笑顔と笑い声から醸し出る人の良さやポジティブシンキングで、今悩んでいたり壁にぶち当たっている中学生に寄り添い、一緒の時間を過ごしてもらうことによって、少しでもこじれた心を救ってもらう。ひいては同じような悩みを持っているテレビの視聴者も癒す。
    [内容]:(ケース1) 友人関係の悩み・・・みやぞんに聞いてもらう
    (ケース2) 部活動で上達しない・・・みやぞんに一緒に練習してもらう
    (ケース3) 学校に行きたくない・・・みやぞんにアドバイスをもらう
    (ケース4) 将来への不安・・・みやぞんが芸人になった経緯など語る
    (ケース5) 親とのけんか・・・普段の生活を録画し客観的にみてみる
    みやぞんと関わった後、中学生がポジティブに考えられるようになればよいと思います。

≪企画の講評≫

  • 【日本テレビ】
    シンプルな王道の企画ですが、旬の「みやぞん」をキャスティングすることで中学生にも、大人にも身近な内容になりそうです。内容のケース案も、非常に具体的にシミュレーション出来ていて、素晴らしいです。内面的な、深い「お悩み」の際、みやぞんが、どうさばいていくのか、見てみたくなりました。
  • 【TBSテレビ】
    【中学生の悩み】とポジティブ芸人の【みやぞんさん】の掛け算。面白い着眼点だと思います。まさに中学生ならではの発想で、実際放送しても同世代の若者は感情移入して見てくれるでしょうし、その世代を子に持つ親世代も気になる番組となるでしょう!
  • 【テレビ東京】
    「番組を通して悩んでいる視聴者も癒してあげたい」という企画意図はほほえましく、人気芸人のみやぞんと、悩みを抱えている中学生との交流を想像するとほっこりしました。みやぞんに「悩みを聞いてもらう」「一緒に練習してもらう」などだけではなく、それぞれの企画にゴールがあるとテレビとしては見やすいのではないかと思います。
  • 【フジテレビ】
    等身大の中学生のホンネを掘り下げるとても良いコンセプトの企画と思います。寄り添うための演出方法に工夫があれば可能性がありそうです。ぽじてぃばーというタイトルが秀逸です。

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  • ● 東京・中学2年男子
    [番組名]:「カズレーザーの本読みガチ勢」
    [放送媒体]:ラジオ
    [放送日時]:土曜 午後10時~10時30分
    [出演者]:カズレーザー・芦田愛菜・みやぞん
    [ねらい]:最近問題になっている「活字離れ」を食いとめるべく、楽しくわかりやすく本の魅力を紹介する。
    [内容]:本の面白さを若年層の人にも分かりやすく伝える、教養とバラエティを織り交ぜた番組。
    みやぞんに毎回課題図書を出す。本のタイトルから受ける印象を歌にしてもらい、読後に感想文を書いてもらう
    カズレーザーのおすすめ本の紹介
    カズレーザーが石川啄木や森鴎外などの昔の作家にインタビューをし、意外なエピソードなどを聞き出す(作家は役者や芸人が演じる)
    芦田愛菜が作家の部屋を訪ねて、書斎や本棚の本などをレポートする作家本人と本について語る。
    「AIは名作を生み出せるか!?」をテーマに、人工知能で小説を作ってみる

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    番組のねらいがハッキリしていて良いと思います。あとは「活字の魅力」を音声でどのように伝えるか、その演出の工夫が番組の成否を決めることになるでしょう。ストレートインタビューばかりだと視聴者は番組に飽きてしまいます。人工知能が書く小説はラジオで聴いても面白いかもしれません。
  • 【日本テレビ】
    活字離れが叫ばれていますが、AIの作る名作、や「森鴎外」にインタビューなど、斬新な企画で活字離れを止めたいという大きな目的に向かう点は大変素晴らしいと思います。どう映像で表現するのか、踏み込んで考えるのもいいのではないでしょうか?
  • 【テレビ東京】
    「本の面白さ」だけに焦点をあてた切り口は大胆で、具体的なキャスティングも、企画趣旨に合ったものだと思います。既に亡くなっている作家にインタビューする、という形でその作家の人物像を掘り起こすという企画は、これまで世に知られていないような新しい、興味深い情報があれば、面白くなりそうだと思いました。
  • 【テレビ朝日】
    この企画は、出演者のカズレーザーと芦田愛菜の特性をよく活かせていると思います。二人が本に対して強い思いがあるので、リポーターとして説得力のあるコメントをしてくれると思います。あとは、本に対して興味の無い視聴者がどうしたら観てくれるのか、その工夫の仕方がポイントだと思います。

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  • ● 千葉・中学2年女子
    [番組名]:
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:夜遅い時間の30分
    [出演者]:高校生か中学生の女の子
    (毎日の生活を楽しみつつも、友人たちのインスタやツイッターに反応したりしないといけないことに、頑張らなくてはいけない気がするが、頑張れなくて落ち込んだりする)
    司書の人(出来れば光浦靖子さん)
    ネコ
    [ねらい]:中学生の私は学校の外でもSNS等で常に友人たちと繋がっていて、それが楽しくもあり、息苦しくもあります。(とは言ってもその繋がりは楽しいし断ち切る勇気もありません)友人に「いいね」したり、されたり、時々すごく頑張らないといけない気がします。
    そんな時ふらりと学校や地域の図書館に一人で行くと、一人でボッーと居てもいいような気がして落ち着きます。私にとって安心して孤立できる場所=図書館です。
    学校の中でも、図書館は教室と違う空気があり、時間の流れがあります。図書館から別の世界に(本を通して)タイムトリップして、また新たな気持ちで生活に戻っていくような、背中を押してくれるゆるい哲学的番組があればいいなと思います。
    [内容]:30分程度のミニドラマ。
    主人公は気分が落ち込んだり、モヤモヤすることがあると図書館に行く。
    ボーっと座っていると、司書が一冊の本を持ってきて無造作に置いていく。何気なく本を開くことで、主人公が本の世界にトリップしていく。
    最後にその日の本を紹介するのはネコ。
    本1)「本日はお日柄もよく」原田マハ著
    友人が生徒会選挙に立候補をし、主人公が手伝いを依頼される。

    選挙の応援演説、また立候補の演説も一緒に考えてと頼まれ、断れず何となく依頼を受ける。「支えてくれる周りに感謝します」的な友人のスピーチに心の中でウンザリした主人公(どこでも、メディアでもスポーツでもこうしたことを言い過ぎると感じている)は何だかなと一人図書館に行く。
    不愛想な司書の人が一冊の本「本日はお日柄もよく」(原田 マハ著)を置いていく。主人公がそのページを開くと……。

    本の中のいくつかの場面がドラマ仕立てで再現され、主人公がそれを少し引いた視点から俯瞰してみている。本を通して「言葉の力」を感じた主人公は友人の生徒会選挙を新たな気持ちで手伝おうとする。

    ネコが最後に取り上げた本の紹介をする。
    本2)「ユルスナールの靴」須賀敦子著
    年1回の三者面談。

    明確な進路希望があるわけでない主人公。親や先生からのアドバイスもあまり響かず、かと言って自分で決めるほどの勇気も指針もない状態でいる。

    司書が差し出した本は「ユルスナールの靴」(須賀敦子著)
    本の中の「きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ」を目にする。そこから須賀さんのエッセイの回想…

    自分の靴は?自問しながらも親の希望や偏差値に拘らないことが決まりすっきりする主人公。

    ネコによる本の紹介(終わり)

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    上品な雰囲気の素敵な番組だと思いました。須賀敦子さんのような方の著書を、いまの中高生が手に取るきっかけになればよいと強く感じました。このあとは、実際にどのような脚本を書くことができるか、ということになると思います。
  • 【日本テレビ】
    SNS時代を謳歌しながらも、どこか疲れを感じるという、今の若者の価値観が反映された素敵な企画だと思います。30分のミニドラマの入り口が図書館になっているのは、とても理にかなった設定です。
  • 【TBSテレビ】
    哲学的番組…それをミニドラマで…なかなか斬新な着眼点でユニークな企画だと感じました。今の若者の『悩み』などを本の世界に入り込み解決していく設定が、深夜ドラマ枠で今の若者にササリそうですね。ラストでの本の紹介も突然【ネコ】なのにビックリしました。【ネコ】が大好きなのでしょうか?
  • 【フジテレビ】
    SNSに疲れた少女が図書館で本に救われるコンセプトはとても良いと思います。等身大のストーリー設定にも、大人にはわからないハードル3者面談を迎える憂鬱など、とても可能性を感じます。ぜひ脚本まで仕上げて欲しいです。
  • 【テレビ朝日】
    独特の世界観のある企画だと感じました。一見、ドラマなのですが、主人公の悩みの解決に必要な書籍の情報が得られるなど、「物語」と「情報」の二つが当時に楽しめる番組になると思います。しかし、逆に「物語」と「情報」の相反するものを同時に伝えるのは難易度が高いので、その伝え方の工夫をより深く考えないといけないのかもしれません。

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  • ● 富山・中学2年男子
    [番組名]:ドラマ「空で星が光っている」
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:月曜から金曜 午後9時55分~9時59分
    [出演者]:女子中学生:藤嶋花音(ふじしまかのん)
    男子中学生:藤本 哉汰(ふじもとかなた)
    星ナビゲーター:中嶋朋子
    [ねらい]:夜空の星を見ていると、ちっぽけなことは全部吸い込まれていく気分になる。それにロマンチックだ。街の光が強い所では星空はなかなか見られない。阿智村の中学に通う中学生同士の淡い恋と美しい星空を高精細の4Kの映像で届ける番組。
    [内容]:『星は輝きによってお互いを知ることができる。同じように、人も光を与え合うことで星のように輝くことができる。(凰宮天恵)』
    日本一星の美しい場所と言われる長野県の阿智村を舞台に、季節ごとに変わる星座にまつわる話や星や月にまつわる名言を、高校生の2人のドラマ仕立てで紹介する4Kの5分間の番組。番組中では日本各地の美しい星空スポットや、プラネタリウムなども紹介する。

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    美しい映像がたくさん見られそうな楽しい番組です。番組のねらいはよくわかるので、実際に5分間をどのように構成するか、具体的に考えてみてください。
  • 【TBSテレビ】
    【夜空の星を見ていると、ちっぽけなことは全部吸い込まれていく気分になる…】なんともロマンチックな書き出しで始まる企画書だ。【星空】をテーマに高校生の男女を見ていくドラマにホンワカさせられるだろう。この高校生の男女に恋愛的発展はあるのだろうか?
  • 【テレビ東京】
    4Kという、まさに“これからのテレビ”の企画。美しい映像と、中学生の淡い恋、星にまつわる名言と見るところが盛りだくさんですが、うまく構成出来れば素敵な番組になりそうです。
  • 【テレビ朝日】
    美しい映像や感動的なストーリーは、ドラマだけでなくバラエティーでも視聴者を惹きつける魅力的なファクターになりますが、5分という短い放送尺の番組だからこそ、視聴者が「ぜひ見たい!」と思えるものでないとなかなか見てもらえないと思います。そういう意味では、阿智村という特定の一か所で星座の話や名言を紹介するドラマというのではいささか弱いかと思います。毎回ドラマ仕立てで日本中の星空スポットを紹介していくなどの方が、より訴求力があるのではないでしょうか。

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  • ● 秋田・中学3年女子
    [番組名]:「大喜利×未来大予想!!」
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:
    [出演者]:様々な分野の専門家・芸人・タレント
    [ねらい]:バラエティーとして未来予想をすることで多くの人に今、日本にある問題を考えてもらい、若者や子どもたちのニュースへの関心を高める
    [内容]:専門家チームとタレントチームの対決
    2100年を舞台に「日米関係は?」「AI技術は?」「大人気歌手は誰?」など様々なジャンルのお題について大喜利で回答
    回答をもとにそれぞれのチームで2100年の東京を作り上げ、最後に子ども審査員がジャッジ!「未来っぽい街」が優勝

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    未来を予想するという発想は面白いと思います。ただ、予想すること自体は誰にでもできます。その上、当然ですが番組内で未来を確認することもできないため、「言いっぱなし」にならないような工夫が必要でしょう。
  • 【日本テレビ】
    2100年の未来を考える、というとても夢のある企画です。最後の2100年の「東京」を作るというゴールは、是非視聴者として見てみたいと思いました。未来はを語るのは楽しいですが、映像にするには難しいジャンルです。映像化をしっかり考えることが必要です。
  • 【フジテレビ】
    2100年となっていますが、2022年ぐらいの5年先ぐらいの予想の方が、現実味があって面白そうな気がします。
  • 【テレビ朝日】
    若者や子供たちのニュースの関心を高めるという狙いは非常に良いと思います。ただ、その方法が「審査されて優勝」とゲーム性が強くなった場合、ウケ狙いの発言や子ども審査員に気に入られようとする発言・発想ばかりになり、本当に2100年の東京を作れるかどうか、今日本にある問題を考えてもらえるかどうかを今一度精査する必要があるかと思います。番組のねらいは本当に魅力的だと思うので、ぜひ遊びだけで終わらない方法を考えてみてください。

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  • ● 東京・中学3年女子
    [番組名]:
    [放送媒体]:
    [放送日時]:
    [出演者]:
    [ねらい]:
    [内容]:私たちはいずれ社会に出て働くことになります。この先の進学で、どんな学校がいいのか?その学校でどんなことができるのか?という情報を知りたいです。そして、実際の仕事や職業とどうつながっていくのかも気になります。若い人たちの将来につながる情報をリアルに教えてくれる、そんな番組があればいいと思います。バラエティー形式でクイズのように職業を解説しわかりやすくするのもいいと思います。私たちはテレビ局を信用しているので、テレビ局がしっかり取材し、ためになる情報をもっと教えてほしいです。

≪企画の講評≫

  • 【日本テレビ】
    若者にとって「役立つ」バラエティのコンセプトの提案ですが、文中に「私たちはテレビ局を信用している」という言葉がありました。制作者としては、とても励みになる言葉です。
  • 【TBSテレビ】
    この企画書から今時の中学生の『将来への不安』『将来への希望』が見え隠れしました。また【私達はテレビ局を信用している】という言葉にドキっとさせられました。テレビ番組作りというのは、それだけ責任感のある仕事だと…改めて考えさせられました!
  • 【フジテレビ】
    子供達の未来に必要な情報を今の放送局は放送できていません。反省しました。
  • 【テレビ朝日】
    世の中の仕事内容や施設、企業の中を見せる番組はすでにたくさんあります。その中でいかに視聴者が分かりやすく、楽しく知ることのできるオリジナリティ溢れる番組をどうすれば作れるかをぜひ考えていただき、意見を発信していっていただきたいと思います。また、大学などは非常に数が多く、一部の学校だけを紹介するのは公平ではないので、その中からどうすれば公平に視聴者が求める情報に絞っていけるのか、その方法も考えてみてください。

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  • ● 埼玉・高校1年女子
    [番組名]:極み~あらゆるもののトップとは~
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:土曜 午前10時~11時
    [出演者]:その業界で日本国内ナンバーワンの人、ものなど。
    例)個人資産を1番持っている人
    今まで1番借金を作った人
    持っている敷地の面積が1番多い人
    バッティングセンターで使ったお金が1番多い人(自称でも良い)今まで1番浪人したことがある人
    1番たくさんの資格を持っている人など、
    1番がある人ならどんな人でも。
    芸能人だと売名行為などがあるのでできる限り一般人。
    [ねらい]:何かを極めてその頂点に立つと言うのはとても難しいことであり、1つを極めるだけでもとても大変です。人生の中で何かを極めると言う経験をすることがない人もいるかもしれません。1度しか経験できない人生だから、できることが無限にあるわけではなく、だからこそ自分の経験することがない他の人の人生も見てみたいです。
    テレビを通してでも擬似的に体験できるというのは人生を2つ味わえるようで自分の世界観も広がります。今も話題になっていますが卓球やテニスやフィギアスケートで1になる事はとても素晴らしいと思うし、メディアでも取り上げられることが多いです。しかし、不名誉なことであったとしても何かを極めたりするのは、裏には隠されたドラマやその人の人生があると思います。そういうのをテレビで流すことで、高いハードルに望まなくてもいいんだと思えることで気持ちが楽になる人もいると思うのです。
    グローバル化が進む中で、国や性別や年齢宗教が違えば様々な考え方を持った人持った人に出会うことが多くなり、そうするとお互いを認め合い尊重することが大切で、今後求められていくと思います。この番組を通して、今までスポットライトが当たってこなかった人も取り上げて紹介することでそれらの認め合いや尊重することにつながると思います。
    [内容]:駅や人の多い所で何かこれだけは日本で1番だと確信を持って言える人を探しその人に密着取材をします。またはインターネットや電話を通じて身近にそういう人が居ると言うのを視聴者の方に情報提供いただいて、取材交渉をして密着取材をする。または、視聴者からこんなものの頂点にいる人を調べてほしい、といった要望を募り、スタッフが調査して、取材交渉をする。その中で見つけたその人ならではの暮らし方や考え方や常識をテレビで放送する。ドキュメンタリー番組です。

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    ナンバーワンを紹介するという番組のねらいはシンプルで良いと思います。ただ、個性的な「一般人」を紹介する番組は現在もさまざまあるので、この番組ならではの魅力をさらに深めて考えると良いでしょう。
  • 【テレビ東京】
    「あらゆるもののトップ」が、「業界ナンバー1」から「日本一と確信してる人(自己申告?)」「不名誉な事でも一番を極めた人」とさまざまで、料理の仕方(演出)にかなりの腕が必要だなぁと思いました。ただ、本当に何かを極めた人の話は興味深く、得るものも多いので、そちらをメインにしたものは見たいとおもいます。
  • 【フジテレビ】
    極めた人は何かをもっているはず。素晴らしいコンセプトです。ドキュメンタリーっぽい作りもありですが、バラエティー的に少し斜めに見る切り口もありではと思います。
  • 【テレビ朝日】
    なにかしらのナンバー1である人を取り上げる番組は、これまでもありました。問題は、いま、その人を取材した場合、我々は、その結果しか見ることができません。密着取材の中で語られることを再現VTRにするなど手法はありますが、ありきたりになってしまいます。インタビュー以外で、その人が、どんな苦労や経験をしてきたのかを「映像」にするアイデアが必要だと思います。書籍ではなく、テレビは「映像」が命なので。

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  • ● 東京・高校1年女子
    [番組名]:13歳のハローワーク ~仕事とは~
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:日曜 午後10時~11時
    [出演者]:そのときそのときに応じて取り上げる職業に従事している人
    [ねらい]:ドキュメンタリー番組で現実に視聴者の目を向けてもらう。
    仕事の良いことだけでなく、あまり美しくない面も見せる。
    中高生が将来の職業選択の参考になるような番組を作る。
    (簡単に言ってしまえば、本『13歳のハローワーク』のテレビバージョン)
    [内容]:『プロフェッショナル』に似ているが、収入やその仕事に就くにあたって必要なスキルや試験も取り上げる
    存在すら知らなかった仕事や、意外と何をやっているのか知らない仕事を取り上げる。最近、インターネットの普及で様々な職種が誕生しているので興味深いと私は思う。したがって、なるべくよく知られていない職業が望ましい。個人的に世界を飛び回る人など特に関心がある。例えば、エンジニアだけでもプログラマー、データベースエンジニア、ネットワークエンジニア、フロントエンジニアなどがある。さらに、番組の裏側で制作において欠かせないカメラマンはどのように他のカメラマンと違のか、など細かいところで、実は少し予想と違う仕事の実情も良いと思う。

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    番組のねらいはハッキリしており良いと思います。ひとつ気になったのは、タイトルに「13歳」と付けることで視聴者を限定してしまう可能性があることです。実際には誰に向けて番組を作りたいのか、あらためてターゲットについて考えてみてください。
  • 【TBSテレビ】
    高校1年生からの企画提出にも『将来(仕事)』への興味が強い事がうかがえます。しかもディープな職業紹介ドキュメンタリーという事で幅広い視聴者層に見て頂けるのではないでしょうか…更にガチの体験ロケなど広がりもアリな企画でしょう!
  • 【テレビ東京】
    すでにいろいろなメディアにある「13歳のハローワーク」を、テレビバラエティーでやるためにどう立体化するか、掘り下げて考えてみて欲しいです。
    これからの日本を担う学生さんたちに有意義なテレビになると良いですね。
  • 【テレビ朝日】
    中高生が将来を見据え、様々な職業について興味を持つきっかけになる良い企画だと思います。ただ興味のある仕事とは十人十色で個人差があるので、TV番組にする時に何の職業を取り上げるか判断が難しいなと感じました。現在は本やネットで職業についての情報は簡単に調べる事が出来るので、TV番組にする意義、例えば映像で仕事ぶりをみたい職業とは何か?を考えてみるのも良いかもしれませんね。

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  • ● 青森・高校2年女子
    [番組名]:明日天気になあれ
    [放送媒体]:ラジオ
    [放送日時]:毎日 午後10時~10時10分
    [出演者]:優しく語りかけるような声・話し方を得意とする人
    [ねらい]:「明日を生きよう」を伝える
    [内容]:オープニング→明日の天気・見える星の紹介
    →明日の年中行事やイベント紹介→エンディング
    今日が楽しかった人は明日も晴れやかな気持ちに、イマイチだった人は明日が楽しみになるような番組を作りたいと思い、企画を考えました。天気コーナーに星の紹介を入れたのは、この番組を聴いた人の心が軽くなればいいと思ったからです。星を見るには必然的に上を向くことになるので、嫌なことがあった日でもラジオを思い出し、夜空を見上げれば星に癒され、心が軽くなるかもしれません。年中行事やイベントを紹介する理由は、明日が楽しみになるスパイスのひとつにと考えたからです。この番組は「明日」にだけ特化するように作りたいと思いました。

≪企画の講評≫

  • 【日本テレビ】
    ラジオで表現された星を、実際に見上げてみるとは、とてもロマンチックですね。映像が無い状況から、想像し、それを実際目にするというプロセスは、テレビのような直接的、刺激的なものでないため、ソフトで、生活に潤いが感じられるに違いありません。
  • 【TBSテレビ】
    ラジオの企画書。【明日を生きよう】というポジティブキーワードは視聴者から共感を得ると思います。素敵なコンセプトですね。またラジオで星の紹介をする事で夜空を見させる狙いは抜群ではないでしょうか…テレビでもこんな番組があるとイイですね!
  • 【フジテレビ】
    ミニ番組にぴったりのコンセプトですね。明日を楽しみにする仕掛けが行事やイベント以外にもたくさんありそうな気がします。明日のイベントや新発売の商品とか?明日のエッセンスが広がればありな企画と思います。
  • 【テレビ朝日】
    「明日が楽しみになる」という番組の狙いは素晴らしいと思います。番組で扱う内容が、明日の天気や年中行事、見える星の紹介などということですが、インターネットなどで簡単に手に入る情報をわざわざラジオで聞きたいと思わせるオリジナリティが必要だと思います。「明日の天気によって伝えるDJが変わる」など、番組ならではの工夫があると楽しいかもしれません。

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  • ● 愛知・高校2年女子
    [番組名]:当たり前の先にあること
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:日曜 午前8時~8時30分
    [出演者]:小さな疑問の発案者・調査解決役
    [ねらい]:日々の生活で浮かぶ、ふとした疑問。それは他人にとっては当たり前のことかもしれない。しかし発想力や見方を変えることによって同じ事柄でも違うことが見えてくる。当たり前のことが大発見の糸口になると証明する。
    [内容]:大人になると気にならなくなることってありませんか。
    高校生の私が言うのもなんですが,私たち学生は他人にとってはくだらないことでも自分にはすごく重大なことに感じたり,当たり前のことに反感を持つことがあります。大人は言います。多感な時期だから,経験が足りないからだと。
    本当にそうなのでしょうか。
    くだらない疑問って、ホントにくだらないことなのでしょうか。常識は正しいことなのでしょうか。ニュートンだってくだらないことに疑問をもって重力を見つけたのです。ならば、ふとした疑問には今学んでいる英語や数学にも負けない大切なことが隠れているかもしれません。
    全力でくだらないことを掘り下げて調べてみましょう!追及するまでもないと思えるほど身近な疑問を様々な角度から考察・調査する。

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    「ふとした疑問」にフォーカスするという番組のねらいはよいと思いました。このあとは、番組の具体的な映像を思い浮かべてみてください。ロケなのかスタジオなのか、誰が何をしているようすを放送するのか。具体化することが大事です。
  • 【日本テレビ】
    くだらない疑問の具体例があると、とてもイメージしやすくなると思います。疑問解決バラエティーの新しいスタイルを是非創造してみてください。
  • 【TBSテレビ】
    【当たり前のこと】が果たして本当なのか?を切り口に選んだ興味深い企画。高校2年生ならではの具体的な【当たり前のこと】が書面で分かれば、更に企画のイメージがしやすかったでしょう。【当たり前のこと】を掘り下げて大発見、見つけたいですね!
  • 【テレビ東京】
    「学生にしか重要性が分からない、くだらない事」にフォーカスをあてて調べてみるのはとても楽しそうです。確かに大人になったら忘れてしまう、若い時にしか分からない大切なことがあるかもしれません。「あなたたち大人は全部忘れちゃったんでしょ」と言われているようでドキっとしました。
    ただ「高校生が重大に感じるくだらない事」というのが具体的には何なのか、どんな「くだらない事」を調べたいのかが分からないので番組がイメージできなかったのが残念です。
  • 【テレビ朝日】
    どういう素朴な疑問をどう掘り下げるか、そこを具体的に考えるのが番組を作る上で一番大事かもしれません。「小学生の疑問を街での聞き込みだけで掘り下げる」「ギャル高校生が本人たちの疑問を自分たちだけでリサーチ」など、答えが出るまでの過程を楽しめる工夫を考えると、視聴者を飽きさせない番組になると思います。

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  • ● 長崎・高校2年男子
    [番組名]:被爆遺構の今。復興への道筋。
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:8月9日 午後7時~9時
    [出演者]:福山雅治、草野仁
    当時を知る方・長崎だけでなく、他県の学生。
    [ねらい]:この番組を通して、戦争で多くの人が苦しみ悲しんだことを学ぶ。
    原爆を投下されてから復興までの歩み。被爆遺構の現在の姿を通して、改めて平和について考えるものにしたい。平和でいるためには、その陰で努力している人がいる。例えば、広島、長崎、沖縄で平和活動をしている人たち。もっと多くいるでしょうが。そうでなければ、戦争のことは忘れられていたかもしれない。都合よく書き換えられていたかもしれない。戦争のことを話題にすることは大切です。
    [内容]:自分にとって当たり前の戦争のことが、身近でない人がいる。長崎では毎月9日の11時2分に音楽が流れます。新聞には毎日戦争に関連した記事が載っています。これは長崎だからなのだと思うようになりました。平和である今を続けるためには、戦争の恐ろしさを知ることが大事です。戦争が実際に起こって、多くの人が悲しみ苦しんだこと。被爆遺構にはそれらの記憶があります。戦争をしないためにも忘れない。
    この番組で、今ある被爆遺構を多くの人に知ってもらいたい。自分にとって身近な遺構が、それすらも知らない同世代の人がいる。それが平和ということかも知れないが、その先の未来に不安を思う。
    防空壕や原爆で被害にあった場所や木の現在の姿。当時の姿が残る小学校や新しい建物で塞がれてしまった、当時のトンネル。家の近所にトンネルがあります。普段は公開されていませんが、定期的に入り口だけ入ることができます。その奥がどうなっているのか、TVカメラに入ってもらいたい。普段私たちが立ち入ることのできない、被爆遺構の今、その奥を伝えてほしい。そして、戦争の悲しみを伝えてほしい。
    私はこの夏、ゼノ神父の本を読み感想を書きました。今の長崎では多くの人が忘れてしまった人です。ゼノ神父の当時の姿も取材してほしいです。隠れキリシタンや26聖人などは多くで取り上げられていますが、戦後の長崎を支えた人の姿も伝えてほしい。私が通っている学校のすぐそばにも、戦後バラックがたてられていたようですが、その記憶は消されてしまっています。私が習わなかった戦後を知りたいと思い企画しました。ゼノ神父のドラマ仕立ての物も入れてほしい。ただ、けがの具合などの演出は映像を控えたい。昨年、まる焦げの子供の遺体が何度もニュースで扱われましたが、やけどの映像など、見ることがつらいと思う方もいるだろうから。多くの人に見てもらいたいので。

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    番組のねらいはよく伝わります。「身近な遺構」という視点もとても興味深いと思います。ぜひ、平和や戦争について多く人々が考えるきっかけになるよう、この番組の演出をさらに考えてみてください。
  • 【日本テレビ】
    戦争の悲劇を繰り返さないように、次世代へメッセージをいかに送るか。我々大人の大切な義務ですが、企画者のような若い方にも熱い思いを持っている方が沢山いるはずです。同年代より下の世代へ向けて、どう伝えるのが良いのか、どうすれば沢山の若者に見てもらえるのか、若者ならではの工夫を是非考えてみてください。
  • 【TBSテレビ】
    被爆機構のドキュメント企画は是非見てみたい番組です。戦後72年たち『語り部』の方々も減ってきた今だからこそ伝える必要があるでしょう。日本国内の人々は勿論だが、できれば世界中の人々(世界には今も戦争は無くなっていません)にも配信して見て頂きたい企画だと思います。
  • 【テレビ東京】
    長崎に住んでいる高校生だからこその企画提案だと思います。
    住んでいる地域に色濃く残る「戦争」の爪痕を単に紹介するだけでなく、高校生の目線で「戦争」を切り取るような番組になると、この企画の意味がもっと出てくると思います。
  • 【テレビ朝日】
    戦争の記憶が風化される今、長崎の被爆遺構や知られざる戦争秘話を広く視聴者に伝えること、それこそテレビが担う大切な使命であり意義も大きいと思います。是非とも成立していただきたい企画です。ドキュメント番組は企画者、取材者の熱意で深みも迫力も変わります。熱い気持ちを持ち続け、これからも研究してください。

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  • ● 東京・高校3年女子
    [番組名]:Hit The Stage
    [放送媒体]:テレビ
    [放送日時]:土曜 午後10時~11時
    [出演者]:司会、演者
    [ねらい]:土曜の夜にテレビの前でリラックスしながら、ライブに来ているような感覚を味わってもらう。
    本気のエンターテイメントをつくりあげ、提供する。
    新しい音楽、芸術との出会いを生み出す。
    [内容]:毎週土曜の夜に1時間、ライブショーを生放送する。トークやつなぎの時間は極力少なくし、最大限時間を使って様々な演目を放送する。
    主な内容は音楽で、ジャンルを問わず様々なアーティストに出演してもらう。大衆音楽以外を多く取り上げ、クラシックやR&BやHip-Hopなど幅広く放送する。また、アンダーグラウンドで活躍するアーティストや、海外のアーティストなどにも出演してもらう。
    音楽とともに、ダンサーや芸術家、パフォーマーともコラボレーションし、その一瞬でしか味わえないショーをつくり上げる。

≪企画の講評≫

  • 【NHK】
    「本気のエンターテインメント」を作りたいというねらいはよくわかりました。どのような演出をすれば、多くの人々が音楽を楽しんでくれるかを検討してみてください。一般的に視聴者は、馴染みのない音楽をあまり聴いてくれません。そこをどのような工夫で乗り切るか、そこがポイントです。
  • 【日本テレビ】
    こういったストロングスタイルの音楽番組が少なくなりましたので、是非見てみたいと思います。ただ、音楽番組が少なくなった背景には、嗜好の多様化があります。できるだけ多くの人に見てもらう工夫をする必要があるかもしれません。
  • 【TBSテレビ】
    土曜日の夜の音楽番組といえば『THE夜もヒッパレ』。若者に大人気番組であったように、この時間帯での音楽番組には魅力があると思う。更に高校3年生の感性で、これからのミュージック界を牽引するかもしれないアーティストを教えて欲しい!
  • 【テレビ東京】
    土曜の夜に良質なライブショーの生放送、というのはいいと思います。「じゃあ、どんな番組なの?」というのが見えてこないので、コンセプトや出演者、演出などもう少し掘り下げて考えるといいと思います。
    MTVの「アンプラグド」のような、アコースティックを基調としたものなのか、シルク・ドゥ・ソレイユのようなパフォーマンスメインのものにするのか…FNS歌謡祭のような「コラボ」を売りにしたものなのか、既存の物でも実は様々な切り口がありますので、この番組ならではの新しい何かを見つけてもらいたいです。
  • 【テレビ朝日】
    個人的には非常に興味がありますが、アンダーグラウンドで活躍する人たちを地上波の22時に放送するにはやはりショーだけではなく、その人の人となりをしっかり紹介しなくては、なかなか視聴者はついてきてくれないと思います。特に日本人はなかなかこの手のエンターテインメントへのアレルギーがあるので、大衆向けでない場合はここで紹介披露する意味を丁寧に描かないといけないかと。そうすると他と大差がなくなるので、オリジナリティがさらに必要か思います。

調査研究について

2月23日に調査研究に関する小委員会を開催、委員会ではそこで交わされた議論を担当委員が報告しました。
小委員会には菅原委員と中橋委員が出席し、1月23日に行った在京局の担当者らと行った意見交換会で出された意見などをどのように報告に反映するかなどについて話し合い、分かりにくいとされた表現を改めることや、誤解を招きかねないデータの扱いを精査するなどの修正を加えました。
調査研究報告会は、3月13日午後に開催する予定です。

第199回 放送と青少年に関する委員会

第199回-2018年1月23日

視聴者からの意見について…など

2018年1月23日、第199回委員会を午後4時30分からBPO第1会議室で開催、7人の委員全員が出席しました。
委員会ではまず、2017年12月1日から2018年1月16日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。その結果、いずれの番組も討論など次の段階に進むまではないとなりましたが、全裸でお盆などを使って股間を隠す芸人が芸に失敗した生放送のバラエティー番組と、出演者が顔を黒く塗るメークを施して登場した別のバラエティー番組に対して、放送局に留意してほしい点があるとして以下のような意見が出されました。
お盆芸の失敗があった番組については、当該放送局から自主的に企画意図と見解を記した文書が提出されました。それによると、「入念なリハーサルを経たうえで、さらに万が一失敗したとしても局部が露出することは起こらない工夫を施してお盆芸を披露…」などと説明されていました。委員からは、「そのようなことであれば、公然わいせつということにはならないのではないか。そのような視点で問題にするという考えはない」としたうえで、「生放送でこの芸を放送した場合、あとで言い訳が立たないようになった可能性もあった」「生放送で失敗したときに、言い訳をしなければならないのであれば、芸として確立しているとは言えないのではないか」などの意見が出されました。
出演者が顔面を黒く塗るメークをしていたことに対して多くの視聴者から「黒人差別を助長するのではないか」などの意見があった番組については、「黒人差別などの意図があってやったのではないと受け止めている」としながらも、「これだけ外国人が増えてきて、以前のように外国人の視聴者がいることを考えないで番組を作っていた時代とは違っているということも意識しなければいけない」など、社会の変化を敏感に読み取るよう求める声が上がりました。
1月度の中高生モニターのリポートのテーマは「冬休みに見た番組の感想」で、年末年始の特番などについて書かれた中高生モニターのリポートを基に委員が議論しました。
調査研究については、委員会開催の直前に行った放送局との意見交換会で出された意見を、発表の際にどのように生かすかなどについて意見が交わされました。
次回は2月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年1月23日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

生放送のバラエティー番組で、裸芸の芸人が芸に失敗し、一瞬股間が見えたように放送されたことについて、「青少年の視聴が想定される時間帯であり、大変不適切である。リスクの高い裸芸を地上波で放送することに対して規制を強く望む」「子どもや社会への影響が大きい。電波上の公然なわいせつ行為は、電車内の痴漢行為や街中を露出して歩く行為と同等な不愉快さを感じる。彼自身の芸への意識や倫理観の欠如と思われる」などの意見が寄せられました。これに対し、当該放送局から自主的に提出された報告書によると、「生放送にあたり、この芸人は番組制作スタッフの協力のもと入念なリハーサルを経たうえで、さらに万が一失敗したとしても局部が露出することが起こらない工夫を施してお盆芸を披露、放送いたしました」と説明されていました。委員からは、「生放送でこの芸を放送した場合、あとで言い訳が立たないようになった可能性もあった。番組制作にあたっては、そのような事態が起こらないよう十分に配慮しなければならない」「生放送で失敗したときに、言い訳をしなければならないのであれば、芸として確立しているとは言えないのではないか」などの意見が出されました。この件については、これ以上、話し合う必要はないとなりました。
バラエティー番組で、出演者の一人が顔面を黒く塗って登場したことについて、「人種差別を笑いの対象にし、子どもも見る時間帯に放送している。個人的な不快感というだけでなく、倫理的に許されないことではないか」「日本の倫理規定は分からないが、アメリカなど先進国では人種差別ととられるものだ」「人権意識の低さとモラルのなさに驚きと怒りを感じる。放送局にはチェック機能があるはずだが、視聴率が取れれば何でも流していいと思っている姿勢が垣間見える」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「黒人差別という意図で放送したのではないと受け止めているが、今、日本でもこれだけ外国人が増えてきて、以前のように外国人の視聴者がいることを考えないで番組を作っていた時代とは社会情勢が変化しているということも意識しなければいけない」などの意見が出されました。この件については、これ以上、話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした1月のテーマは、「冬休みに見た番組の感想」です。また、「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で30人から報告がありました。
「冬休みに見た番組の感想」と「自由記述」をあわせると、『第68回NHK紅白歌合戦 夢を歌おう』(NHK 総合)に9人、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ)に4人、『第94回箱根駅伝』(日本テレビ)に2人から報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『歌唱王~歌唱力日本一決定戦』(日本テレビ)、『アラスカへの憧憬~亡き父・星野道夫を追って』(NHK BS1)をそれぞれ2人のモニターが取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【冬休みに見た番組の感想】について

    • 今回の報告は特別番組が多く寄せられているので、年末年始に家族で見て楽しむことができるような番組を好んで見てくれていたという印象を持った。

    • 年末に家族や親戚がそろって『紅白歌合戦』(NHK総合)を見て、年始には『箱根駅伝』(日本テレビ)をまたみんなで見て声援を送るというモニターが何人かいたが、このような年末年始のステレオタイプが今も昔も変わらずあるということはいいことだと思う。

    • 『夢対決2018 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!5時間スペシャル』(テレビ朝日)を見て、「勝負の途中はいろいろな暴言を浴びせたりするシーンがあったが、試合後には互いをたたえあい握手をしていて素晴らしいと思い感動した」という感想があった。「熱血」や「真面目」と「お笑い」というものはかなり接近しているということに気が付いたのだろう。

    • ドラマ『anone』(日本テレビ)について、「(この脚本家が描く)家族の愛情は本当に悲しくて現実的で美しい」「私たちが日常で感じる不平等感、欲の醜さ、社会のゆがみへの怒りはこの作品に昇華されている」という報告があったが、文学作品を評価するような視点で、大人っぽいと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【冬休みに見た番組の感想】について

    • 『第94回箱根駅伝』(日本テレビ) お正月、父方・母方の親戚それぞれに集まった際にずっとテレビで見ていたのが箱根駅伝の中継(元旦は実業団のニューイヤー駅伝)でした。ずっと集中して見ているわけではないのですがスタートからゴールまでずっとテレビがついていて、その都度、親戚の誰かが見ていました。1区間20キロ近い距離を走っていくのですが、飽きることなく見ていました。何が魅力的なんだろう?と思うのですが、選手の損得なしのひたむきさと結果が分からないこと、また放送中に実況されるさまざまな情報(選手のエピソードやコースの説明など)に引き込まれるのだと思いました。(千葉・中学2年・女子)

    • 『第68回NHK紅白歌合戦 夢を歌おう』(NHK 総合) 親戚が集まって、みんなで食事をしながら番組を観た。プロの歌手の歌唱力は素晴らしく、テレビ越しでも十分に伝わってきた。平井堅さんの「ノンフィクション」を初めて聴き、その歌詞の奥深さを感じた。その後、他の番組の中で「自殺した友人へ送った歌」ということを知り、この歌詞の重みを知った。特に、生きることの難しさを踊りで表現していた片足のダンサーが曲の内容をより分かりやすくしていた。もう一人、メッセージとして強く印象に残った歌が、竹原ピストルさんの「よー、そこの若いの」である。力強い歌声と、だれにでも伝わるメッセージ歌詞に勇気がもらえるような感じがした。特に、「君だけの花の咲かせ方で、君だけの花を咲かせたらいいさ」という歌詞が印象に残った。こういった曲のように、その年を代表してヒットしている曲で、心に残るメッセージのある曲を選定してほしいと思う。(東京・中学2年・男子)

    • 『SCHOOL OF LOCK』(エフエム秋田/エフエム東京) この番組は受験生になってから聴きはじめました。毎回有名な方がゲストで登場し、講師となって10代の私たちのために授業を行い熱いメッセージを送ってくれるので、聴いているだけで「今は頑張ろう」と思うことができます。この日は成人の日で大人とは何かを考えさせられるコーナーがありました。元気な内容と受験生に向けての応援の言葉が心に響いて、少し泣けてしまいました。この番組を聞くと元気が出ます。10代を応援してくれる番組は少ないのでもっと増えてほしいと思います。(秋田・中学3年・女子)

    • 『内村カメラ』(日本テレビ) 町中にカメラを設置して、一般の人に本音を言ってもらったりするこの番組は、芸能人ではなく一般人にスポットライトをあてていて面白いと思いました。また、審査員となるゲストが「いいじゃん」ボタンを押して評価していき、最後にそのコーナーで一番面白かった人に3万円の賞金を差し上げていて、見ていてとても面白いです。私は今回初めてこの番組を見ましたが、母と二人で笑い転げていました。しかし、カメラを銭湯に設置し「見えないように踊ってください」というコーナーは不適切なのではないかと感じました。実際、これに挑戦した人は見えないように踊れていなくて、モザイクによって修正されていました。たしかに見ていて、踊っている人が滑稽で面白いのですが、番組としてこれを要求するのは問題だと思います。ちなみに、このコーナーは人気だったそうで復刻したようです。このようなくだらないものを好む風潮があることを興味深いと感じました。(東京・高校1年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 毎年、家族で楽しみにしている番組です。学校でも、ガキ使派か紅白派かで別れるほど年末年始を代表する番組だと思います。ただ、近年はテレビの規制が厳しくなり、この番組も引っかからないだろうかと心配です。というのも、面白さゆえに倫理的にギリギリの企画がほとんどだからです。今年は、冒頭で出演者が黒塗りメークをしたことで、人種差別ではないかとの批判が相次ぎました。私は該当シーンを見ていましたが、そのようには感じませんでした。番組自体がふざけているし、人種差別を思わせるような発言はなかったからです。しかしながら、このニュースを見てから、自分の考えや感じ方の甘さを痛感しました。制作側は、肌の色で笑わせようという意図ではなくモノマネで笑わせようと思ったという趣旨の返答をしています。同じ黒人の方でも「お笑い番組だから、失礼でもなかったし全く気にならなかった。番組は見たけど嫌な気はしなかった。番組全体が馬鹿げたおふざけな感じだったから、人種差別だとは思わなかった」と言っている方もいます。しかし、グローバル化が進み、2020年には東京オリンピックが開催され、より国際化が求められる日本は、もっと視野を世界に広げるべきなのだとこの一件に関しても思いました。日本に住んでいたら、人種差別を意図すると感じられないものでも、国が違えば、それを意図する行為に受け取られるかもしれません。だからと言って、規制をかけ過ぎて番組自体がつまらなくなっては本末転倒というか、面白ければどんな企画でもしていいというわけでもありませんが、規制に縛られ過ぎて番組の質が、どんどん低下するのは視聴者として嫌です。(埼玉・高校1年・女子)

    • 『夢対決2018 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!5時間スペシャル』(テレビ朝日)さまざまなスポーツのプロ選手ととんねるずの2人が対決するという番組。テニスで登場した松岡修三さんとの対決で、とんねるずのタカさんが途中暴言を吐いたり、助っ人を呼び込んで6対2で対決したりするのだが、とんねるずの2人と松岡さんの仲だからこそ成立しているように見えた。ゲーム終了後もしっかりと握手をしていて、スポーツ選手としてとても素晴らしいと思った。(静岡・高校2年・男子)

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 毎年恒例、男子中高生の7割は見ていそうな番組だと思う。今年は「黒人差別ではないか」と批判されたシーンがあったようだ。かつて『ポケットモンスター』で、あるポケモンが次回予告に登場した際、「黒人差別だ」と訴えられて放送ができなくなったことがあったことを思い出した。(東京・高校2年・男子)

    • 『年末5時間SP延長戦 アメトーーク!』(テレビ朝日) 年末年始のテレビ番組は、全体的に一年の総集編というイメージがあります。話題になった番組の再放送、人気の芸能人などなど「あぁ、こんな年だった」と感じさせてくれます。 それに、普段部活や学校でテレビを見ないような子も同じ番組を見ていたりと、新学期は会話が弾みました。趣味があうと仲良くなるとよく言われます。そう考えるとテレビって素晴らしいなと思いました。テレビは多くの家庭にあり、たくさんの情報をどんな家庭にも届けてくれます。だから、友達同士やクラスメイトと感想を言い合ったり、同じ思いや出来事が違う場所で生活していても分かり合えてより仲良くできるのだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 毎年大晦日楽しみにしている番組です。今年も面白かったです。リアルタイムと録画視聴になっているのは、妹たちが、途中見たいアーティストのときだけ紅白に変えたので、再度録画でも見ました。思わず吹き出してしまう、視聴しているこちらは笑ってみることができ、一年を締めくくるのにとっておきな内容です。今年はタイキック祭りかのようなタイキックの多さ。まさかベッキーまでタイキックをされてしまうとは。この企画を考える方も毎年いろいろなアイテムを用意して、予算はどのくらいなのかと思いました。一夜限りにしては勿体ない。それにしても、おしりは痛そうだ。(長崎・高校2年・男子)

    • 『anone』(日本テレビ) (脚本家の)坂元さんの描く「家族との愛情」は本当に悲しくて、現実的で、美しいものだと思います。また、私たちが日常で感じる不平等感、欲の醜さ、社会の歪みへの怒りがこの作品に昇華されていると感じました。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 初めてフルで見ることができました。前年までは小学生にはまだ早いと10時以降の内容のものは見せてもらえませんでした。そのときは友達みんな見ているしと思っていたのですが、今回見てみて、たしかに親があまり見てほしくないのだろうなと理解はできました。でも、見ることができてよかったし、爆笑でした。(神奈川・中学1年・男子)
    • 大晦日は家族で『紅白歌合戦』(NHK 総合)を見るのを楽しみにしています。今年はオープニングがVTRになっていてアカデミー賞みたいで良かったです。司会の3人も良かったと思います。それでも終わってみると、視聴率が3番目に悪いとネットニュースになっていて悲しくなります。昔と比べると番組の数も増えているし、テレビを見なくても楽しめる場所(遅い時間もやっているカラオケ、ゲーセン、ファミレス等)も増えていると思うので、視聴率だけでいろいろ言うのはおかしいのでは?と思ってしまいます。(鹿児島・中学2年・女子)
    • 『あけまして、ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ) 元旦、年が明けてすぐにこの番組を見ました。(家族が皆寝てしまったので)少年院入所者や薬物中毒者の経験を赤裸々に人形が語る番組で、見てはいけないものを見たような、大人の世界を覗き見たようで楽しかったです。なかなか夜通しテレビを見ることがないので、お正月気分+大人の気分を味わえました。(千葉・中学2年・女子)
    • お正月は時間があるせいか、TVがつきっぱなしのせいか、うっかり見てしまう。うっかりこたつに座ってしまう。そして面白い。お正月といういつもとは違った空気のせいか、恐るべしお正月。三が日。(長崎・高校2年・男子)
  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『アラスカへの憧憬~亡き父・星野道夫を追って』(NHK BS1) 星野さんの文章は受験の際によく問題文になっていたので気になっていました。とてもとても良かったです。道夫さんの息子に会った現地の人々がみな感動していて、その映像にジーンと感動しました。アラスカの人々が「ミチオミチオ」と口にする響きは大切な魔法の言葉のようで、アラスカの風景が絵本のようであり、出ている人がみな物静かで力強く温かく、ドキュメンタリーなのに、まるでファンタジーを見ているようでした。(千葉・中学2年・女子)
    • 『歌唱王~歌唱力日本一決定戦』(日本テレビ) 年齢・職業もさまざまななか「歌」という一つのことで暑い戦いが繰り広げられるのはすごいことだと思いました。歌一つでも歌い方次第で雰囲気や歌い手の思いまで伝わってきて感動しました。歌は人と人をつないでくれるものなのかもしれないと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

調査研究について

委員会開催の直前(同日午後1時30分~4時15分)に調査研究に関する意見交換会を行いました。この意見交換会には委員全員と在京の民放キー局5局とNHKの担当者21名が参加しました。担当委員がこの度まとまった「青少年のメディア利用に関する調査」の結果に分析を加えたものを説明し、それに対する放送局側の意見を聞き、疑問に答えました。
この意見交換会は調査研究の一環として位置づけており、今後行われる発表会(3月13日実施予定)での公表内容や報告書に反映することにしています。

今後の予定について

2月24日(土)に千代田放送会館会議室にて学校の先生方との意見交換会を開催します。

第198回 放送と青少年に関する委員会

第198回-2017年12月18日

視聴者からの意見について…など

2017年12月18日、第198回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催、7人の委員全員が出席しました。
開会に先立ち、初代の青少年委員会委員長、原寿雄氏が11月30日に逝去されたことに対し全員で黙祷を捧げ、ご冥福を祈りました。
委員会ではまず、11月16日から30日までに寄せられた視聴者意見について議論されました。「元横綱による暴行問題」の報道について、視聴者から「マスコミのいじめにしか見えない」などの意見が寄せられていることなどに対して委員からは「指摘されたような問題点はないと思う」などの見解が示され、これ以上議論しないことになりました。
11月度の中高生モニターのリポートのテーマは「テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見」で、中高生モニターから寄せられたリポートや一部の質問に対する放送局からの回答をもとに意見が交わされました。
調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」について担当委員から現状と今後の流れ等について報告されました。また、1月23日に開催する調査研究に関する意見交換会の内容や進行についても説明されました。
次回は年明けの1月23日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年12月18日(月) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

情報番組等での「元横綱による暴行問題」の報道について、「暴行によって引退に追い込まれた日馬富士を擁護していた。いじめの助長につながる」「確かに暴力はいけないが、どの番組でもしつこく取り上げ、人を追い込むような内容に嫌気がさす。マスコミのいじめにしか見えない」などの意見が寄せられました。委員からは、「この問題は、視聴者の関心が非常に高く様々な意見が寄せられているが、この報道について、指摘されたような問題点はないと思う」などの意見が出されました。この件については、これ以上、話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした12月のテーマは、「テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見」です。24人のモニターから報告がありました。モニターの疑問や質問の一部については、在京放送局に送付し回答を寄せていただきました。
「自由記述」では、大相撲の「元横綱による暴行問題」について意見を寄せたモニターが複数いました。また長い期間放送されていたバラエティー番組の終了が続けて発表されたことを受けて「果たして、僕が今見ているテレビ番組に20年30年と続くものがあるのだろうか」との疑問の声もありました。

◆モニターの疑問・意見と放送局からの回答(一部抜粋)◆

モニターの疑問のうち、YouTubeなどインターネット上の動画や情報の取捨選択などに関するものやスポーツ中継の延長に関するもの、また、いわゆるCMマタギに関するものなどについて在京放送局から以下のような回答が寄せられました。

  • テレビの番組で、YouTubeの動画を紹介するなど何かとインターネットの情報を流す機会が増えたように思います。しかし、インターネットの情報は不正確だったり不適切なものも存在します。インターネット上の動画や情報を放送する際に取捨選択の方法や基準はどのようになっているのか、知りたいです。
    (民放D局)
    放送するには、放送倫理基本綱領、日本民間放送連盟放送基準、児童・青少年への配慮に関する諸規定など様々な規定を順守します。そして、その情報が正しいのか、誤解を生じないかを専門家などにも確認した上で、放送しています。
    (民放B局)
    まず、映像を撮影した人と連絡を取って、放送で使っていいかどうか許可をもらいます。許可がいただけない場合は使いません。連絡が取れたら、映像を撮影した時の状況や様子についても詳しく聞きます。別の人が撮影したものだったりウソの映像だったりしたら、使いません。次に、その映像の出来事が、本当にその時間に、その場所で起きていたかどうか、警察や消防などで必ず確認します。同じような映像が他にもアップされていないか探します。映像が本物かどうか、はっきりわからなければ使いません。できる限り、記者やカメラマンがその現場に行って確かめ、事故や被害などの様子を見ていた人などを探して、直接話を聞きます。現場に行くと、映像に映っている様子が本当にその場所で起きた出来事かどうか、はっきり確認できます。撮影した人と直接会って話をきくこともあります。たとえ映像が本物であっても、見る人たちがいやな気持ちになったり、恐ろしい気持ちになったり、人を傷つけるような映像など、放送にふさわしくないと判断したら使いません。また、映像が法律違反や危ない行為を撮影した映像だった場合も放送しないことがあります。立ち入り禁止の場所で撮影したり、交通違反や危ない行為をしながら撮影している映像も同じです。映像に、人の姿や場所など個人情報が映っている場合も、そのまま放送しないことがあります。いくら「おもしろい映像」や衝撃的で目立つ映像だからといって、放送するとは限りません。
    (民放E局)
    インターネットの情報は、番組制作のヒントになることもありますが、ほとんどが不正確ですので必ず一次情報を探して裏付けなどしたうえで放送します。動画も同様で、撮影者や制作者と直接交渉しオリジナルを入手したうえで放送基準に照らして放送しています。

  • スポーツ中継で試合の延長などで番組の放送時間が繰り下がることがあります。2時間近く繰り下がると次の番組の放送終了時間が深夜になってしまいますが、放送時間の優先順位は何を基準に誰が決定しているのですか?
    (民放A局)
    中継しているその試合(の意味や価値判断)と、以降の番組(の意味や価値判断、コンテンツとしての性格、視聴対象等々)が何かによって、基準はケースバイケースです。決定自体は「編成部」という部署がしています。
    (民放C局)
    視聴者の関心度などを総合的に判断して、タイムテーブルを作成している編成部の責任者である編成部長が決定しています。
    (民放D局)
    スポーツ中継の競技や、次の番組のジャンルなどにもよりますが、視聴者のニーズ・番組スポンサー・出演者の裏局出演かぶりなどを総合的に判断して、延長時間の幅も含め、最適の放送枠を決定しています。
    (民放E局)
    試合などの展開を見つつ、その都度、スポーツ局と編成局が協議して決めています。

  • スポーツ中継が延長されることがよくありますが、なぜ民放局はサブチャンネルを活用しないのでしょうか?NHKのように中継はサブチャンネルに移行して、次の番組を予定通りに放送してほしいです。
    (民放A局)
    サブチャンネルを開けばメインチャンネルの視聴者が一部そちらへ流れることになります。NHKと違って民放はCMで成り立っているので、予定の番組を提供していただいているスポンサーへの配慮も当然必要になります。
    (民放C局)
    サブチャンネルの活用は、デジタル放送の特徴を生かした新しいサービスとして注目しています。しかしながら、2チャンネルに分割して放送した場合には、画質が低下するなど、解決しなければならない技術的な課題もあり、現在は実施していません。
    (民放E局)
    サブチャンネルとは違いますがBS放送やCS放送を使った対応はプロ野球中継などで行っています。

  • テレビの字幕(文字放送)が、日本語だけで外国語に対応していないのはなぜでしょうか?グローバル化が進み、外国からの観光客も急増し、また2020年にはオリンピックも控えているという状況のなか、英語による文字放送があればその恩恵を受けられる人は多いのではないでしょうか?また地震などの災害時にも、日本語以外を母語とする人のために文字放送が役立つことがあると思います。
    (NHK)
    字幕放送については、現在のシステムでは日本語字幕と英語字幕の双方を出すことができません。しかし、国際放送「NHK WORLD」では、海外向けのテレビ・ラジオ放送を、国内でもネット経由で視聴できます。24時間英語放送しており、毎正時に「NHK NEWSLINE」を放送し、重要な情報は英語で画面に表示しています。訪日外国人も意識してニュースを伝え、台風の際には、毎正時のニュースで台風関連の情報を厚く伝えます。大地震や津波警報が出た時などは、ニュースを拡大または特設してお伝えすることもあります。
    また「NHK WORLD・オンライン」では、英語のニュースのテキスト版を掲載しており、常に新たなニュースを出しています。
    外国の方に向けた放送として、とりわけ緊急度の高い「大津波警報・津波警報」の際は、危険が多くの人にわかりやすく伝わるよう、「にげて」とひらがなで大きく表示すると同時に、「TSUNAMI SUB CHANNEL」と表示して、テレビの副音声やラジオ第2放送で実施する「緊急多言語放送」に誘導し、英語も含め、様々な言語で情報をお伝えしています。
    また、NHKでは、1978年度から総合テレビで午後7時のニュースを副音声を用いて英語で伝えており、現在は「ニュースウオッチ9」でも実施しています。ニュース・報道番組以外では、外国人に人気の大相撲中継も一部(主に午後4・5時台)英語による2か国語放送を実施しています。今年10月から総合テレビで放送中の海外連続ドラマ「THIS IS US 36歳、これから」など、2か国語放送を随時実施しています。NHKでは、日本語以外を母語とする人にも、大事な情報が伝わるように、様々な形で工夫しています。
    (民放A局)
    外国語字幕のニーズが多少増えても、日本の放送である以上日本語字幕のそれの方が比べものにならないほど大きく、不特定多数の視聴者を対象とする「マスメディア」の役割として、まずは日本語の字幕放送をしっかり行うのが「使命」となります。あとは技術、労力、費用の各面で「物理的に」どこまでできるか。マス対象ではないネットメディアとの「役割分担」が有効な分野のような気もします。
    (民放C局)
    番組の字幕については、公共の福祉の観点から、聴覚障害者へのサービスを優先するという総務省の指針のものと、聴覚障害者向けの字幕の拡充に努めています。字幕放送は現状1種類しか放送できないことから、ご指摘の外国語字幕には現在対応しておりません。次世代のテレビである、インターネットに結線されたハイブリットキャスト対応テレビが普及すれば、将来は複数の外国語字幕に対応できる可能性があり、研究開発に努めています。
    (民放E局)
    外国語字幕に対応することで放送局の責務をより一層果たせることとなりますが、まずは日本語字幕をすべての時間帯でカバーすることが視聴者の皆さんに対して優先すべきサービスと考えています。

  • 「続きはCMの後で!」といういわゆるCMマタギがとても不愉快です。視聴率に影響するという理由かもしれませんが、視聴者は置いてきぼりにされている気がします。このような批判の声は少なくないと思いますが、なぜこの手法を続けるのですか?
    (民放A局)
    確かにかつて行き過ぎた面はありましたし、今も全くないとはもちろん言いませんが、ただ、ちゃんと見ていただければ、そういった手法が徐々にではあっても確実に減っているのを分かっていただけると思います。視聴者の支持を得られない手法や表現は、自然に淘汰されていくことになります。
    (民放B局)
    いわゆるひっぱりの表現が視聴者に反感を持たれている事はわかっていますので、そういう表現は少なくなって来ています。しかし、どうしてもそういう番組構成になってしまうのは、「ぜひ続きを見て欲しい」という作り手の強い思いの現れだと思います。今はマーケティングが発達してきていますので、視聴者のそうした意見が反映されるシステムもできてきています。CMと共にあるのが民間放送のあり方ですので、なんとか最後まで番組を見ていただく為に、色々工夫、トライをしているところです。
    (民放D局)
    番組を最後まで視聴していただくための手法の一つではありますが、逆に何も説明せずにCMに入った場合には、「唐突すぎて不親切だ」という意見も寄せられます。様々な意見を参考にしながら番組制作を行っています。
    (民放E局)
    弊社のバラエティー番組では、ご指摘のような手法は"視聴者ファースト"の観点から濫用しないよう心掛けています。また、サイドスーパーで「このあと登場」と告知しながら、長時間出演しないような手法も禁じています。

◆委員の感想◆

  • 【テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見】について

    • 大好きなバラエティー番組だが、テーマや演出によっては「あれはないのではないか?と不快な気持ちになってしまうことがある」という意見があった。好きな番組だから、なんでも受け入れるということではなく、取り上げ方によっては、批判的な視点も持っていることがわかる。

    • 「なぜ沖縄のことを内地ではあまり放送しないのか?」という疑問がある一方で、別のモニターは「自分の県でも、東京の番組を見られるようにしてほしい」という意見を寄せている。ローカリティーの裏表の問題だろうと思うが、若い世代はどのように考えているのか興味深い。

    • 「高校生向けの番組はあるのに中学生に向けた番組が少ない」という意見があったが、視聴者のターゲットをどこに向けて番組が作られているのか一度整理してみても面白いのではないか?

◆モニターからの報告◆

  • 【テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見】について

    • 『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ)は、家族みんなで大笑いしながら見ることが出来る数少ない番組の中の一つです。しかし、先日の放送で、出演者が参加した「ポルチーニ選手権」について、優勝者がズルをしているに違いないと疑いの目を向けたことをかなり強調していたことを不快に感じました。本来この番組は明るく、頑張って、満点の結果が出ずとも、前向きに笑い飛ばすようなイメージなので、優勝者がズルをしたか、していないかという黒い気持ちになるような内容で終わって欲しくありませんでした。軽くスルーしてほしかったです。(神奈川・中学1年・男子)

    • 最近は、日馬富士の暴行事件や藤井聡太さんの将棋の話題を大きな時間を割いて放送していますが、他の事件や事故に比べてそれほど意味があるとは思えません。(富山・中学1年・女子)

    • 沖縄の基地問題は、沖縄のテレビでは放送されることが多いですが、内地ではあまり放送されないのはなぜかな?と思います。(沖縄・中学2年・女子)

    • 僕が不満に思っているのは、テレビがインターネットの情報に頼り過ぎている、という点だ。例えば、YouTubeの動画を取り上げるコーナーがあったり、流行のネットスラングを紹介したりと、何かとネットの情報を流している気がするのだ。ネットの情報はすべてが正確なわけではないし、本当は不適切であるものも存在する。実際に、違法アップロードされた動画を「面白動画」として取り上げた事例があると聞いた。テレビ番組の良さとして、個人が軽い気持ちで上げたネットの情報より正確である、という点があげられる。しかし、このネットの情報に頼り過ぎることで、その正確さが損なわれてしまうと思うし、テレビ独自の面白さが失われてしまうのではないかと思う。(東京都・中学2年・男子)

    • 高校生向けの番組はあるけれど中学生が対象の番組があまりないような気がするので、もう少し考えてみてほしい。(東京都・中学2年・男子)

    • バラエティー番組で、「ハハハハハ!!」という笑い声の音を入れるのがなんだかイヤだなぁと思います。スタジオならまだわかりますが、ロケ番組でたいしておもしろくないのに笑い声がきこえると、「え?今のおもしろかった??」と気になり、声を入れているのかと思うと、しらけてしまう時があります。またバラエティー番組で特定の女性出演者だけ外で撮影しているのかな?と思うくらい周りが明るくて違和感がありました。あててますよ!!とスタッフの悪意を感じてしまいました。もう少し自然にキレイにみせてあげて欲しいです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 滋賀県でも関東でやっている番組が見たい。意外と見られないことが多い。ユーチューブにテレビ番組をあげるのはいけないけれど、あげている人が多い。それはテレビ局のアプリで見られる期限が限られているからだと思う。ユーチューブのように期限がなければ、そういった悪用もなくなると思う。(滋賀・中学2年・女子)

    • スポーツ中継の際に、次の番組の時間が繰り下げになる。2時間近く繰り下がると、放送終了が次の日を超えてしまう番組とかが増えるのですが、優先順位はどこにあるのか?ネットと連携するのは、リアルタイムな情報も流れるけれど不確かな情報が流れることもあるのではないか?YouTubeの動画などをそのまま流す番組が作られているけれど、僕らは見たことがあるものばかりで面白くない。(富山・中学2年・男子)

    • 報道番組に関してなのですが、事件が起こった時に、被告・被害者の方や事件の現場や状況などについて、詳細に、場合によっては何日も放送されることがありますが、裁判の結果やその後などは全く放送がないように思います。あったとしても、簡単にあっさりです。また、例えば、森友問題や加計問題について、問題が解決していないのにもかかわらず、報道がなくなりつつあるように感じます。進展がないだけなのか、それともテレビの見過ぎかもしれませんが、何かしらの圧がかかっているのか、どうなのでしょうか?政治に関する不祥事に関しては、問題が解決してないまま沈静化し、世間からその存在が薄れていくというパターンが多いのではないかと感じます。(埼玉・高校1年・女子)

    • クイズ番組などで「正解はCMの後」と結果を先延ばしにしたり、過剰なあおりでたきつけることなどが、ネットで批判されているのを多く見かけるのですが、なかなか改善されないのはなぜなのか?気になります。(青森・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 親世代が好きなバラエティー番組が続々終了になっているようですが、果たして、僕が今見ているテレビ番組が20年30年と続くものがあるのかなと思います。(神奈川・中学1年・男子)

    • 横綱の暴行事件についてのニュースが目立ちます。まだはっきりとしたことがわかっていないのに、推測で各局が取り上げているので混乱しているのではないか。(埼玉・中学2年・女子)

    • 大相撲の暴行事件について、どのテレビ局も取り上げていましたが、長すぎる印象を受けました。あまり事態も進展していないのにほとんど毎日トップニュースで扱っていて、相撲にそこまで興味がない自分は「3番目くらいのニュースでいいのではないか」と思うことがありました。暴行もあったので、真実を追及しなければいけないニュースだとは思いますが、地上波の場合どのチャンネルを見てもほぼ同じだったので、扱う長さを少し考えてほしいと思いました。(愛媛・高校2年・男子)

調査研究について

「青少年のメディア利用に関する調査」への回答に関する解析の進捗状況や結果の発表に至る今後の流れについて担当委員から報告されました。また、この調査をテーマに放送局の関係者を対象に開催する意見交換会(1月23日実施予定)の内容や進行について説明、了承されました。
調査結果を3月13日に公表することを確認するとともに、より幅広く大勢の人たちに調査研究の成果を知ってもらうための方策等についても話し合われました。

今後の予定について

今後の日程を次のとおり確認しました。上記の調査研究に関するもの以外に、来年2月24日にBPO会議室にて教師たちとの意見交換会を開催します。

第197回 放送と青少年に関する委員会

第197回-2017年11月28日

視聴者からの意見について…など

2017年11月28日、第197回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催しました。所用のために欠席した1名を除き、6人の委員が出席しました。
視聴者意見については、10月16日から11月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。視聴者から「見ていて残虐で不快だった」などの声が寄せられた深夜放送のアニメ番組について、委員から「現実ではありえない描写からフィクションと現実世界を混同する可能性は低く、暴力を肯定している内容でもない」などの意見が出され、この番組についてはこれ以上議論する必要はないとされました。
また、神奈川県座間市のアパートから9人の遺体が見つかり、男が殺人容疑などで逮捕された「座間9人遺体事件」の報道に関し、「未成年者の被害者を特定するような報道はやめていただきたい」など、被害者の実名や顔写真の報道に対して意見が寄せられたことについて議論しました。被害者の氏名判明後の各局のニュースでの実名・顔写真の扱い状況などを踏まえ、今後の報道を注目していくことになりました。
10月度の中高生モニターのリポートのテーマは「指定するドキュメンタリー番組の感想」で、中高生モニターから寄せられたリポートを基に意見が交わされました。
委員からは、「戦争に関わるような番組上のリアルな表現について、『怖いから見たくない』や『嫌だから知りたくない』などの感想が述べられることがある。戦争をどう伝えていくか、ということの難しさを感じる」「モニターの世代は戦争そのものへの先入観があまりないように思われる。これからの若い世代は、対立する双方の言い分を公平に受け止め、対等に聞きながら戦争の是非や意味を考えていくのだろうと、そういう時代に入ったのだなということを感じた」などの意見が出されました。
調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」の調査票の回収を締め切り、回収数やその内容がおおむね妥当なものであるとの文書が担当委員から提出されました。
次回は12月18日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年11月28日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

深夜のアニメ番組で、知らない家に侵入して、家族を殺害するシーンについて、「見ていて残虐で不快なシーンだった。深夜の時間帯といえども、子どもたちが見てしまうと悪影響を及ぼすのではないかと心配だ」「アニメ自体は否定しないが、有料チャンネルやインターネットで放送してほしい」などの意見が寄せられました。委員からは「この不快感・恐怖感を与える描写は、作品のストーリー上必要なものだと考えることができる」「現実ではありえないような描写であり、特に暴力を肯定しているような内容ではなかった。倫理的に問題にはならないだろう」などの意見が出されました。この番組ついては、これ以上、話し合う必要はないとなりました。
「座間9人遺体事件」の報道について、「登校前の小学生が見て、気分が悪くなった。子どもが見る時間に長時間、具体的な報道は、心理的に悪影響がある」「被害者の写真、実名を放送する必要を感じない。まして、未成年の被害者まで出すのは、放送局の倫理を疑う」などの意見が寄せられました。委員からは、「本人に自殺願望があった可能性があるということで、子どもを失ったという悲しみに加えて自責の念を親が強めていく。二重三重に遺族が苦しむということでは普通の殺人事件とは違うと思う」「社会的に大きな問題となる事件は、それを実名で報道する必要性を否定できない。しかし、報道される側の人権とのバランスの上で、実名報道でなければ本当に事件の迫真性を伝えることができないのかは、しっかり考えていかなければならない」などの意見が出されました。この事件の報道については、引き続き注目していく、ということになりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした11月のテーマは、「指定するドキュメンタリー番組の感想」で、課題番組は日本民間放送連盟賞テレビ教養番組部門最優秀賞受賞作品「NNNドキュメント’16 知られざる被爆米兵~ヒロシマの墓標は語る~」(広島テレビ放送制作)でした。
この番組は、日本でもアメリカでも知られていない「被爆米兵」の事実を、40年以上にわたり丹念に調べてきた一人の被爆者・森重昭さんを追ったドキュメンタリーです。アメリカでも森さんと被爆米兵に関する映画が制作されるなど、光が当たり始めていることを紹介する一方で、遺族が「戦勝国民」と「被害者」の狭間で複雑な思いを抱えることにも迫り、戦争や原爆の苦悩をあらためて描き出した番組です。
32人のモニターからから報告があり、普段は自分からすすんでドキュメンタリー番組を視聴することはないというモニターも複数いましたが、それぞれに感じたことや考えたことなどを、自分なりの言葉で真摯にリポートしています。
「自由記述」では、座間市で起きた殺人事件の報道やその演出などについて2人のモニターが意見を寄せました。
「青少年へのおすすめ番組」では3番組に複数の報告が寄せられました。『ビートたけしのスポーツ大将』(テレビ朝日)を4人、『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!~』(TBSテレビ)を3人、『ETV特集 こいのぼりとしゃぼん玉~悲しみでつながる遺族たち~』(NHK Eテレ)を2人のモニターが取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【指定するドキュメンタリー番組の感想】について

    • 今回の課題番組でなければ、モニターの子どもたちはこのドキュメンタリーを視聴することがなかったのではないかと思う。モニターたちは、いい経験ができたのではないだろうか。

    • 戦争に関わるような番組上のリアルな表現について、「怖いから見たくない」や「嫌だから知りたくない」などの感想が述べられることがあるが、そのような率直な受け止めをどのように考えればいいのか、とずっと悩んでいる。戦争をどう伝えていくか、ということの難しさを感じる。

    • 戦争のにおいの残る時代に育った我々とは違い、モニターの世代は戦争そのものへの先入観があまりないように思われる。これからの若い世代は、対立する双方の言い分を公平に受け止め、対等に聞きながら戦争の是非や意味を考えていくのだろうと、そういう時代に入ったのだなということを感じた。

    • 「この番組を見て、また一つテレビの良さを知ることができた」というリポートで、インターネットとテレビの違いを感じたとあった。インターネットで戦争や原爆に関する情報を知ろうと思うと断片的な情報がたくさん入ってくるが、一つのテーマで深く取材された番組から情報を得ることができるということがテレビの良さだと感じてくれている。

    • 指定番組の感想を、学校で聞いた「国境なき医師団」の講話と絡めてくれているリポートがあった。モニターは最終的に「人に命があることは、人種、宗教、国籍に関わらず平等だ。そのことを忘れてはならない」と書いている。非常にきちんと書かれた、センスを感じさせるリポートだと思う。

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 宮城県のモニターが『ETV特集 こいのぼりとしゃぼん玉~悲しみでつながる遺族たち~』(NHK Eテレ)を見て感想を書いている。「震災から7年がたち、自分の家の周りも仮設住宅がなくなり復興が進んでいる。月日とともに忘れていくこともあるが、忘れてはいけないことをあらためて実感した」とあり、「地元の子どもでさえ、そうなのだ」と感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【指定するドキュメンタリー番組の感想】について

    • 2016年5月27日、当時現職アメリカ大統領バラク・オバマが、広島平和記念公園で17分という長いスピーチをしたことをよく覚えています。オバマ大統領は「私たちは、10万人を超える日本の男性、女性、そして子ども、数多くの朝鮮の人々、12人のアメリカ人捕虜を含む死者を悼むため、ここにやって来ました」と言っていました。僕はこの時初めて12人のアメリカ人の被爆者がいることを知りました。自分の国の捕虜がいることを知っていて原爆を投下したという事実に言葉が出ませんでした。式典に参列していた被爆者でもある森重昭さんがどんな人生を送ってきたのか、この番組を見てよく伝わりました。自分も遺族としての感情を重ねて、12人全員の名前を調べあげ、アメリカで「行方不明」と言われていた遺族に連絡をとってあげました。どれだけの労力がかかったか想像もつきません。また、被爆者名簿にアメリカ兵の名前を載せることもしてあげました。広島の被爆者もアメリカ兵の被爆者も戦争と核兵器の犠牲になった、家族のいる同じ人間なので、その行為は正しかったと思います。そんな森さんの心がオバマ大統領の広島訪問という歴史的出来事につながったように感じます。森さんとオバマ大統領のハグを見て、お互いの国の人を思い敬うことが平和へつながるのではないかと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 番組が始まった時の映像が怖かった。普通に見ていたら怖くて見るのをやめるかも。アメリカ人も被爆していたことを初めて知って驚いた。番組を見てあらためて戦争は起こってほしくないと思った。戦争について知ることができてよかったけれど、話が難しく、普通には見たいと思わない。(岐阜・中学2年・男子)

    • 今まで、小学校の授業やテレビなどで、様々な「第二次世界大戦」や「原爆」の映像を見たことがあったが、実際に被爆された方の関係者が現在どんな暮らしをしているのか、ということは知らなかった。また、日本で被爆した米兵の存在には驚かされた。日本は被害者、アメリカは加害者というイメージが強かったが、アメリカも原爆による被害を受けていることを知り、複雑な気持ちになった。「原爆を投下したのはアメリカですが、どう思いますか」と聞かれて、「原爆は正解だった。あれが戦争に終止符を打ったんだ」と答える人がいれば、ノーコメントと答える人もいる。様々な思いを抱える人がいるということがよく分かった。これは、平和を考えていく上でとても大切なことだと思う。(東京・中学2年・男子)

    • この番組を見て、初めて「被爆米兵」という存在を知りました。オバマ大統領が広島訪問したニュース映像の記憶はありましたが、その映像と森さんの存在がつながっていませんでした。番組を見ての感想をうまく言い表せません。事実の衝撃と国、当事者、遺族の複雑な立場、事情の重々しさ。その苦悩の中にある人間の良心についてなど、いろいろなことが頭の中をぐるぐる巡りまとめることが難しいです。それぞれの立場、思い、考えがあり、何がいいとか悪いとは簡単には判断できないです。「戦争に勝者も敗者もない」ことをあらためて感じました。ただ苦しみ、悩み続けながらも平和を願う気持ちには過去の敵も味方もないのだと思いました。自らも被爆者である森さんは、なぜ被爆米兵についてこれほど調べ、遺族への連絡に尽力したのでしょうか。彼を突き動かした思いは何なのか、考えさせられます。被爆米兵の遺族の方が「ノーコメント」としか言えない未だ続く深い悲しみには胸を締め付けられる思いがしました。
      広島への原爆投下について、私は何も知らないのだと実感しました。教科書に書いてあることとして何となく理解していた気がしていましたが、その背景や今につながっている問題については何も理解していませんでした。今月トランプ大統領が来日し、防衛装備品の購入を促し、日本政府もその意に添うととれる報道を目にしました。そんなことを頭に置きつつ、この番組を見ると現実は険しいのだと思います。オバマ大統領は歴史的な広島訪問をし、核軍縮のメッセージを世界に向け発信しました。ただ言葉だけでは核兵器はなくなりません。このメッセージや森さんの思いを忘れずに胸に留めていかなければならないのだと思います。
      私は来年修学旅行で広島に行く予定です。この番組を見ることができ良かったと思いました。(千葉・中学2年・女子)

    • 出だしがかなり暗い感じで、少し怖い感じもしたので、指定番組でなければきっと見なかったと思う。でも、とてもいい勉強になった。広島には小学校の修学旅行で行きました。その時にもいろんな資料を見て怖いと感じたことは多かったけれど、そういうことを知らないとまた戦争をしてしまうかもしれない。知ることは大切だなと思いました。(滋賀・中学2年・女子)

    • この前、トランプ大統領が日本に来た。トランプ大統領はすぐ煽るようなツイートをして、北朝鮮が核兵器を飛ばす飛ばさないという嫌なニュースが止まらない。平和な世界に生まれたと思っていた僕たちなのに、すぐそこで戦争が起きるんじゃないかと最近は怖さを感じている。そのせいか、戦争は起きてほしくないと思っていることと、もしも戦争が起きたらと思う不安感で、ドキュメンタリーを見始める気持ちになかなかならなかった。
      原爆の話というと、やっぱり日本人のことが語られるけれど、アメリカが日本を破壊しようと生み出した原爆が、自分の国の人間を傷つけていたということは知らなかったし、捕虜として被爆した米軍兵士のことを思うと心が痛かった。米軍兵士の遺族が、その人の弔われた墓の写真を見た時にカメラに向かって「日本の人たちに感謝したい」と言っていた。きちんと弔ってくれてありがとうということだった。そんなふうに思えるなんてビックリした。どうしてそんな心になれるのか、最後まで見てもあまりわからなかった。なぜなら、僕は日本がいつまでも戦争をやめなかったから原爆が落とされたと思うから、日本人が悪いんじゃないかと感じてしまったからだ。
      僕たち戦争を知らない世代は、国内だけじゃなくもっと世界の戦争の歴史について知るべきだと思った。なぜそうなったのかを知れば、戦争が起きないような考え方を出せると思う。来年修学旅行で生まれて初めて広島に行く。あの原爆公園に行ったら、僕なりの視点で世界平和や戦争について考えてきたい。(富山・中学2年・男子)

    • 戦争(原爆)による悲劇の歴史は、繰り返してはいけないし、決して忘れてはいけないと思った。番組の途中で、気持ちが重くなり、見るのもつらくなったが、戦争を知らないからこそ最後まで見て事実を知った方がよいと思って最後まで見た。その中で、原爆を落としたアメリカ兵が捕虜になっていた時に被爆し、19歳という若さで苦しみながら非業の死を遂げたという事実を初めて知り、驚いた。被爆兵の死を調べて家族に連絡した人がいるその様子に、敵国であったにも関わらず分け隔てなく対応していることに、国を超えて人間であることへの尊重やその被爆兵にも被爆兵を大事に思う家族がいるんだということを気づかされた。(東京・中学2年・男子)

    • 12名の被爆米兵がいたことは、初めて知りました。被爆米兵の妹のアメリカ人の80代の人にインタビュアーが、「原爆を作ったのはアメリカですが?」と質問すると、そのアメリカ人の妹の人は「何もコメントしません」と言ったのがちょっと残念に思いました。実は僕も、ずっと「原爆を作ったのはアメリカだ、攻撃のために作ったんだから(その結果、誰かが死ぬのは当然。自国民だけ死なない兵器などない)」と思っていました。なぜ何もコメントしないかという点を、少しでも引き出してほしかったです。それがないと、結局、和解できないという感じに思いました。(石川・中学3年・男子)

    • 民放では、このような番組を見ることがあまりありませんが、本当に放送するべき番組はこのような番組であるのだろうと思います。何かを報道する時は一方からの視点で描くこともありますが、今回は日本人、そしてアメリカ人、両方から偏りなく戦争を描いていました。この番組を見るまで、原爆により亡くなったのは日本人だけでなくアメリカ兵の方もいたのだということを知りませんでした。中高生モニターでなかったらきっとこの番組には出合えていなかったはずです。地方局の制作番組となると、そうなるのは当たり前のことなのかもしれませんが、高く評価され、多くの人に見てほしいとされるこのような番組は、評されるだけで終わりでなく、たくさんの人に届けることこそがその賞の意義であると思うし、放送界の責務だと思います。(埼玉・高校1年・女子)

    • 広島の原爆投下で被爆したアメリカ人がいたことにただただ驚きました。「アメリカは加害者である」と今まで私の持っていた概念的なものが崩れました。このドキュメンタリーでは、実際アメリカ軍兵の遺族にもインタビューを行い、彼らの辛い経験も取り上げているので、平等な描き方だと感じました。日本の悲惨な体験だけでなく「加害者」とされたアメリカの苦しみも取り上げられたドキュメンタリーを見るのはこれが初めてでした。平和とは何か。原爆は落とされて正解だったのか。答えのないこの問いに違う切り口で迫ったこのドキュメンタリーは、今まで取り上げられることのなかったアメリカ人被爆者たちの存在を伝えてくれました。(東京・高校1年・女子)

    • 被爆米兵の妹に「原爆はアメリカが開発したものだが、どう思うか?」というインタビューは不必要だったと思います。なぜあのインタビューをしたのかわかりません。どのようなコメントを期待してあの質問をしたのか、全く理解できませんでした。(岡山・高校2年・男子)

    • この番組を見て、また一つテレビの良さを知ることができました。私は広島の原爆について授業でしか触れたことがなく、今回の番組で広島について新しいことを学ぶことができました。インターネットで調べようとすると情報が膨大、しかも自分が求めていることだけを見つけるので見識が狭くなってしまうこともありますが、テレビでは要点がまとめられているので、そこがテレビの良いところだと思いました。「インターネットでも調べてみよう」と意欲をかきたてられるような好奇心を高めてくれる番組や、視聴者に問いを投げかけてくれるような能動的な行動に結びつく番組が増えてほしいと思います。(青森・高校2年・女子)

    • 面白い番組は好きだけどシリアスなドキュメンタリー番組や歴史の勉強のような番組は重苦しくってつまらないという印象が強く、自分から進んで見たことがありませんでした。ですから、今回送られてきた原爆のドキュメンタリー番組も正直指定されなければ見ないだろうと思っていましたし、あまり気が進みませんでした。しかし、この番組を見終わった後では、シリアスなドキュメンタリーはつまらないなんて考えはなくなりました。この番組にすごく引き付けられたのです。当時の映像やインタビューの様子に目が離せなかったです。インタビューを受けている人が一人ひとり真剣に偽りのない自分の気持ちを話しているのが伝わり見ているこちらがつらい気持ちになりました。英語に字幕をつけたインタビューは字幕を見ないと意味が分からなくて吹き替えの方が好きだったのですが、生の声だと話し手の声音や抑揚で言葉を超えて感情が伝わってくるのだと思いました。ドキュメンタリー番組は戦争や原爆の悲惨さを教えてくれます。しかしそれは,教科書とは全く違うものです。教科書でも悲惨さや危険を知ることはできます。でも教科書は知識として知ることしかできません。どこか他人事で教科書を読んで涙する人はまずいないでしょう。ドキュメンタリー番組は違います。戦争の辛さを、苦しさを、切なさをたくさんの思いを教えてくれるのです。私はこのドキュメントをみて何度も泣けてきました。日本人の被害者が多いから被害者の少ないアメリカが悪い。日本はかわいそうだ。そういう話ではないと思います。たった一人でも大切な人がいなくなれば苦しくて辛いのです。命は一つひとつが大切で、それを足し算したり掛け算したりして悲しみが決まるわけではないと思いました。戦争に善も悪もあるのでしょうか。この番組もたくさんのことを伝え考えさせてくれました。(愛知・高校2年・男子)

    • 私は長崎に生まれ育ったので、毎年夏になると、学校で平和学習があります。毎回平和学習で学ぶことは、原爆の悲惨さ、平和の尊さです。しかし、そこで主にテーマとなるのは、「犠牲」になった日本人の被爆者のことです。今回の番組を見て、被爆米兵の存在を初めて知りました。アメリカでこのような原爆についての教育を行う時、この事実を知るべきだと私は思います。原爆の是非の考え方を変えるというのではなく、この事実は知っておくべきことだと思いました。原爆は72年前の夏、広島と長崎に落とされましたが、核兵器によって、たくさんの命を奪うという行為は二度と起こってはならないことです。広島だけではなく、長崎にも被爆米兵はいるのだと思いました。この番組を通して、当時の日本、またアメリカの考え方の悲惨さを学びました。この前、学校の人権週間で、国境なき医師団の先生の講話を聞きました。医療の話だけではなく、派遣される国の状況についても聞くことができました。国境なき医師団はけがを負った人々なら、たとえテロリストであれ、治療を行うとおっしゃっていました。人に命があることは、人種、宗教、国にかかわらず、みんな平等です。そのことを忘れてはならないと思います。(長崎・高校2年・男子)

    • 昨年の広島の平和祈念式典のニュースで流れていた、オバマ大統領と森さんが抱き合う映像がとても強く印象に残っていました。そしてこの番組を見て初めて、森さんが長年被曝米兵のことを研究している方だと知りました。この番組は俯瞰して眺めた戦争ではなく、その中に生きた一人ひとりの人生を見つめています。個人的な物語ですが、だからこそ多くの人の心に届くのだと思います。いつの時代も戦争は起こるけれど、命の重みは変わらないし、大切な人を想う気持ちも変わらない、ということを感じました。番組の最後の方では、核兵器のなくならない現実も伝えていて、胸に刺さりました。どうすれば核なき世界が実現できるのか、本当に難しい課題だと思います。原爆の事実に心を痛め、核兵器を廃絶すべきであると感じている人が多くいる一方で、世界の現実は変わっていません。でも、決して諦めず、この番組のように“過ちは繰り返してはいけない”という声を絶やさないことが大切であると思います。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 最近あまりテレビを観ていない。いろいろと忙しいということもあるが、自分にとってどうしても観たいと思える番組がないからというのも理由だと思う。両親が小さい頃は家族でチャンネル争いをしていたという話だが、昔の番組はそんなに面白かったのか、それともパソコンのようなものがなかったからなのか、などと思っている。(東京・中学2年・男子)

    • 座間市の事件がありましたが、それについて、ニュースの中で被害者の方々の幼少期の映像や写真、知人へのインタビューなどが、人権侵害に関わるのではないか、と学校の先生が話してくださいました。(今回の事件に関しては)私は先生からその話を聞くまではそのように思いませんでした。自分の無慈悲さを感じましたが、見方を変えれば、被害者の方のそのような情報が報道されるから、人はその被害者の方に思いを馳せることができると思うし、これから二度と同じようなことを起こさぬようにと思えるようになるのだと思います。さいたま市の高校生の方もこの事件で亡くなったそうで、新聞・テレビ記者の方がツイッターでその高校の同級生に情報提供を呼びかけているという話を同級生から聞きました。顔が分からず、本当にその被害者の方と同じ高校に通う人か確信を持てないツイッターで情報提供を呼びかけるというのは、危ないと感じました。(埼玉・高校1年・女子)

    • 最近、どの情報番組を見ても角界の暴行問題がトップで取り上げられている。関心が高い事案ではあるが、情報が錯そうしている中でほぼ同じ情報が繰り返されているだけのように感じる。このような報道の仕方は、視聴者の混乱を招きかねないのではないか。(青森・高校1年・男子)

    • お昼のワイドショーや夕方のニュースなどで、座間市の事件について過剰に取り上げているように感じました。事件の凄惨さや被害者のエピソードを繰り返し放送し、ドラマティックにしているところに違和感を覚えました。エンターテインメント化するのではなく、今後このような事件が起きないようにするための議論を重視すべきだと思います。また、他の様々な問題にも光を当てるべきだと考えます。ワイドショーや夕方のニュースは長い時間を有しているのに、みな同じような内容を繰り返し伝えているように感じます。その内容も、視聴者があまり考えずに見られる、芸能人の話や今回のような衝撃的な事件などに偏っていて、未来性がないと思います。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『ETV特集 こいのぼりとしゃぼん玉~悲しみでつながる遺族たち~』(NHK Eテレ) 震災から7年がたち、家の周りも仮設住宅がなくなり復興はかなり進んでいます。月日とともに忘れていくこともありますが、この番組を見てあらためて忘れてはならない出来事だと実感できました。(宮城・中学3年・男子)

    • 『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!~』(TBSテレビ) 世間で噂されていること、気になることを、そこで働く人が答えるというのは信憑性が高いし、信用できるので、この番組はいいと思います。ただ、そこで働いて、色々知っている人がいるからこそ、もっと掘り下げたことを聞きたいと思う時もあります。(埼玉・高校1年・女子)

    • 「青少年へのおすすめ番組」には、スポーツ番組やバラエティー番組は多いけれど報道番組が少ないと思った。もっと若者が興味を持てるようなニュース番組を制作してほしい。(長野・高校1年・男子)

    • 『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!~』(TBSテレビ) 一番印象に残っているのは、国会議員が自身の仕事についてぶっちゃけていたシーンです。政治界の裏金の有無について暴露しているのがギリギリまで迫っているように感じられて面白かったです。私たち高校生は進路について考える時に見る資料には、職業の良い点について多く書かれていますが、このように裏側にまで迫る教育番組があれば将来についてもっと真剣に考えられると思いました。(青森・高校2年・女子)

    • 『ビートたけしのスポーツ大将』(テレビ朝日) 同世代の人があんなに走るのが早かったりするのを見るとすごいなと思うし刺激になる。自分の無力感を強く感じる。(東京・高校2年・男子)

調査研究について

「青少年のメディア利用に関する調査」は、11月中旬に調査票の回収を締め切りました。担当委員からは、「515件(25.7%)の回答を得た。回答数は、郵送調査の場合の一般的な回答率(20%~30%)の範疇にあり、暫定集計の結果、サンプル集団は地域分布、年齢/中高分布、性比に大きなバイアスは観測されておらず、おおむね妥当と考えられる」など、暫定集計の結果を報告する書面が提出されました。
次回委員会で、集計結果の概要やこの調査に関して行う放送局の関係者との意見交換会(1月23日実施予定)の内容等について議論することになりました。

今後の予定について

今後の日程を次のとおり確認しました。上記の調査研究に関するもの以外に、来年2月24日にBPO会議室にて教師たちと委員との意見交換会を開催します。

第196回 放送と青少年に関する委員会

第196回-2017年10月24日

視聴者からの意見について…など

2017年10月24日、第196回青少年委員会を午前10時30分から静岡朝日テレビ会議室で開催しました。この日は午後に静岡地区での意見交換会が予定されていたため、それに先だって同じ会場での開催としました。7人の委員全員が出席しました。
視聴者意見については、8月に放送された長時間番組について議論されました。この番組は、実の母親でないことを幼い子どもに告白する様子を放送したもので、前回の委員会で「極めてプライベートでセンシティブなことをテレビで公開している。どのようなことに配慮して放送に至ったかを知りたい」などの委員からの意見を受けて当該放送局に報告を求めたものです。提出された報告書によると、テレビで放送することのマイナス面も含めて当事者らに丁寧に説明、実の両親の了解も得たうえで放送し、放送後もスタッフが自宅を訪ねて様子を確認するなどのフォローもしているということでした。
今回の委員会では、「当の子どもが、その後どう思っているのか調べられていないのが気になった」などの意見も出されましたが、「放送局としてできる配慮はこれが最大限だろう」として、これ以上の議論は必要ないという結論となりました。
次に、9月16日から10月15日までに寄せられた視聴者意見について議論され、同性愛者を思わせる、かつて人気のあったキャラクターを登場させたバラエティー番組について、「不快に思う人を想像できなかったのは、制作者の感覚のずれを感じる」などの意見が出されましたが、「ホームページで謝罪し、何が問題だったのかも明確になっている」などとして、これ以上、話し合う必要はないとなりました。
10月度の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たドラマ・アニメ番組の感想」で、中高生モニターから寄せられたリポートを基に意見が交わされました。
委員からは、「本当に『いいドラマ』に子どもたちがつながっていないのではないか?という思いがある。青少年向けというわけではなくても、少し背伸びをしてでも見てほしい良質のドラマに、子どもたちをどうつなげることができるかを考えたい」「ドラマや小説などの物語の中に身を投じることが、一般になくなってきた。『主人公のように生きていきたい』というような、自分の人生の下敷きになるようなドラマの見方があったと思うが、今はそういうことがなくなったように感じる」など様々な意見が出され、今後テレビドラマについての議論を深めていくことになりました。
調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」の調査票の返送状況などが担当委員から報告されました。
次回は11月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年10月24日(火) 午前10時30分~午後0時30分
場所
静岡朝日テレビ301会議室
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

8月に放送された長時間番組で、育ての母親が5歳の子どもに自分が本当の母親ではないことを告白する企画について、「子どもがかわいそうだ」「デリケートな問題を放送していいかどうかは疑問だ」などの意見が寄せられました。当該放送局からこの企画の制作の経緯について報告書が提出され、委員会ではそれを基に議論しました。委員からは、「放送局としてできる配慮はこれが最大限だろう。母親としても子どもの将来や心の変節についてこれ以上は想像できないだろう」「放送局は、放送にあたって誠心誠意、リサーチを行っていたと思う。しかし、テレビでプライバシーを放送することへの疑問については、もっと掘り下げて考えてほしかった」「当の子どもが、その後どう思っているのか調べられていなのかが気になった」などの意見が出されました。議論の結果、この番組については、放送局の報告書をもって、これ以上、話し合う必要はないとなりました。
バラエティー番組で、出演者が同性愛者を思わせる、かつて人気のあったキャラクターに扮した演出に対して、視聴者から「多感な子どもが見たら"ゲイは気持ちの悪いものだ"という刷り込みが生じるのではないか」「子どもにLGBT当事者への差別や偏見を助長させる」などの意見が寄せられました。委員からは、「過去のトラウマが刺激されたのだと思う。不快に思う人を想像できなかったのは、制作者の感覚のずれを感じるが、これが、子どもにとって差別や偏見を助長するとまでは言えないだろう。今回、社会的な議論が行われたことは、子どもたちが自分の頭で考えるきっかけになったと思う」「番組はホームページで謝罪し、何が問題だったのかも明確になっている」などの意見が出され、この番組については、これ以上、話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした10月のテーマは、「最近見たドラマ・アニメ番組の感想」です。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」欄にも多くの意見が寄せられました。全部で30人から報告がありました。
「ドラマ・アニメ番組の感想」では、複数の番組についてリポートを書いてくれたモニターがいたこともあり、ドラマについて13人、アニメについて16人、その他2人から報告がありました。
『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)に最多の4人から、『名探偵コナン』(読売テレビ)に3人から報告がありました。
自由記述では、報道番組での"吹き替えにおける役割語"について、「テレビ局側の意図的な吹き替えは印象操作に繋がりかねない」という意見を寄せたモニターがいました。
「青少年へのおすすめ番組」で複数の報告が寄せられたのは2番組です。『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)を4人が、『キングオブコント2017』(TBSテレビ)を3人のモニターが取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】について

    • 全体に『ドラえもん』『名探偵コナン』『ちびまる子ちゃん』など、小さいときから見ているアニメを見続けているということがわかる。高校生のモニターでも「ちびまる子ちゃん」を取り上げている。一般的には大人っぽいアニメに移行する子もいるのだろうと思うが、小さいときから見続けているものを、また大きくなって見て、成長したなりの深め方をしているのかなと思った。

    • ドラマを見て、母親から自立しようとしている主人公を心の中で応援しているという報告があった。モニター本人も、思春期に入って親からの自立を模索している中で、主人公に自分自身を重ねているのだろうと思いながらリポートを読んだ。

    • 『ポケットモンスター』を家族でずっと見ているという報告を、とても感心しながら読んだ。ポケモンのキャラクターに多様性があって「こうあるべきだ」「これが正しい」というわけじゃないところがおもしろいという意見と視点をモニターが持っており、さらに家族全体で共有されているということ。つまり、家族全体がみんなで見て共有できるような番組がどれだけあるのかと考えたとき、この番組が一つの例になり得るということを教えてもらった気がする。

    • 「戦争を題材にしたアニメを最近よく見るが、それは平和への関心がこれまでより深くなっているからなのだろうか。それとも、戦争というものに刺激を求めているからなのだろうか」と疑問を呈する報告があった。そういう題材を深夜にアニメーションとしてやっているということは、興味深い。深夜アニメというと、よくある意見としては、「エロが行き過ぎている」「残酷過ぎる」というものが多いが、こういうアニメが深夜に放送されているということがわかり、非常に参考になった。

    • 連続ドラマの結末を有料の動画配信サイトに委ねた番組について、視聴者を置き去りにしたと批判するリポートがあった。連続ドラマの続きを映画や有料配信で見せることは、一つのビジネスモデルではあるが、今回の番組については、モニターの意見ももっともだと思う。

    • ドラマやアニメの視聴については、中学生の初めの頃はリアルタイムで見ているモニターもいるが、学年が上がるにつれて、全員が録画視聴になっているのだとわかった。

    • 本当に「いいドラマ」に子どもたちがつながっていないのではないか?という思いがある。青少年向けというわけではなくても、少し背伸びをしてでも見てほしい良質のドラマに、子どもたちをどうつなげることができるかを考えたい。

    • ドラマや小説などの物語の中に身を投じることが、一般になくなってきた。かつては、「主人公のように生きていきたい」というような、自分の人生の下敷きになるようなドラマの見方があったと思うが、今はそういうことがなくなったように感じる。

  • 【自由記述】について

    • 「最近『東大生〇〇』のようなタイトルのクイズ番組やトーク番組を目にすることが多い気がします。この分かりやすいタイトルに何となく気持ちの悪いものを感じます」という意見があった。この感性は、とても鋭い。現代社会は、新身分制社会とでもいうような、何か差別化をしなければメリハリがきかないような感覚があるが、そういうものに対して「安易に乗るべきではない」という批判だと受け取った。

    • 「(トランプ米大統領の発言など)外国語の吹きかえの演出に悪意の意図が感じられる」という話を学校の先生から聞き、自分も気にしてテレビを見るようになった、という報告はなかなか興味深い。それまでは気付いていなかったことを意識して見ることによって、情報を自分で読み解いていく必要があるという気付きに行き着いている。基本的にテレビの情報は視聴者が読み解くことが重要だが、制作者ともコミュニケーションをとって、「行き過ぎた演出ではないか」などということを伝えることも大切だと思う。

    • 「テレビをたまにつけたときに、偶然目にした番組がとても面白いことがある。こういうとき、小さなお宝を見つけたようなちょっと得した気分になる。何となくテレビをつけておくことも、たまにはいいのではないか」という意見は、ちょっと貴重な気がした。偶然流れていたものに出会わせてくれるテレビに残された機能を教えてくれているように思う。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】について

    • 『ドラえもん』(テレビ朝日) 気になったのは「バイバイン」という秘密道具です。液体をかけると5分おきに倍に増やしてくれるという道具です。のび太は一つしかない栗饅頭をもっと食べたいという、ちょっとした軽い気持ちで増やしてしまいます。お腹いっぱいで食べきれなくなり、案の定、栗饅頭は家から溢れるほどに増えてしまいました。どうオチがつくのかと思いきや、特大の風呂敷に包み宇宙に廃棄してしまうという終わり方でした。今自分の手元にある一つの食べ物を美味しく食べようというメッセージとともに、自分の家から離れてしまえばごみを廃棄してもよいという捉え方もされかねないと思いました。また、地球上には食べ物を毎日食べることのできない恵まれない地域もあるので、食べることのできる栗饅頭を宇宙に捨てるというオチには違和感がありました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『過保護のカホコ』(北日本放送/日本テレビ) 主人公のカホコが母からどんどん離れ、自立しようとしているところが、自分もテレビに向かって応援したくなるようなとても面白い話でした。(富山・中学1年・女子)

    • 『世にも奇妙な物語 ’17秋の特別編』(フジテレビ) 毎回楽しみにしている。怖い話の番組は他にもあるけれど、この番組は人間の心理などの現象を扱うことが多いので、怖いし考えさせられることが多い。最初の「寺島」は、画面が暗く、登場人物が少なくて淡々と進んでいくのがホラーっぽくて何となく恐かった。また単なるサスペンスというだけではなく、いじめが題材になっていた。僕の学校で大きないじめがあるわけではないが、小さい頃にいじめで受けた心の傷が、大人になってこんな凄惨な結果を招くかもしれないと思うと、身近な恐怖に感じられた。中高生にもとても人気のある番組だから、いじめについて考えさせられる内容の話を取り上げるのは、意味があるのではないかと思った。(東京都・中学2年・男子)

    • 『ポケットモンスター サン&ムーン』(テレビ東京) 私が幼稚園生の頃から、10年近く見続けています。私に続き、妹がはまり、今は幼稚園生の弟が大好きで、毎週欠かさず視聴しています。こんなに長い間見ていて飽きないのは、ポケモンのキャラクターの豊富さと変わらない話の設定(ポケモンを探してバトルする。主人公は常に自由でいたい!と実現している)の安定感だと思います。新しいポケモンが出てくると、その技や格闘タイプを覚えたくなり、その進化キャラクターまで確認したくなります。それらを家族で共有して話題にできるので楽しいです。中学生の私と小学生の妹、幼稚園生の弟と全シリーズを見続けている母とで、それぞれポケモンの知識を話したりします。ポケモンに関することは弟も対等に話ができるので良いです。ポケモンは我が家のコミュニケーションに欠かせません。(千葉・中学2年・女子)

    • 『少女週末旅行』(BS11) 番組を見て、戦争が私たちに本当に必要だったのか?戦争から何を学ぶとよいのだろうか?と考えました。このアニメは、文明が終わりを迎え崩壊した世界で食べ物と燃料を探して旅をする2人の少女の物語です。彼女たちは絶望的な世界でも楽しそうに自由に生きています。私がとても印象深いと思うシーンがあります。元戦場を探索していた時です。「昔の人も食糧不足だったんだよね。なぜ武器ばかり作ったの?武器じゃなく、保存食をたくさん作ってくれたら私たちも楽できたのに…」と少女が言います。「確かにそうだ」と思う半面、「ではなぜ武器ばかりを作ったのか?」という疑問が生まれました。(秋田・中学3年・女子)

    • 『名探偵コナン』(日本テレビ/読売テレビ) 名探偵コナンは視聴者の年齢層が比較的広いと思いますが、この話では溺死体が登場し、肌の色や表情の描写が少し不気味だと感じました。初期の名探偵コナンの作品は血や死体の描写がリアルで、画面の色彩が暗いのでグロテスクだと思います。小さな子どもが見ても大丈夫なのか疑問です。しかし、最近の話では殺人事件は少し減ったと思います。(東京・高校1年・女子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ) ある女性が訪ねて来た。その女性はまる子のおばあちゃんの友人の娘で、幼少から知っており、出産をしたので、乳児を連れてやってきた。近くに来たから寄ったということだった。親類以外でも気軽に訪問することに新鮮な感じがした。アニメの設定が1970年代半ばの清水市という背景も影響しているのだろうが、関係が希薄といわれる都会で現代においては珍しい光景に思った。私がその女性の立場になった場合、よほど親しい間柄でないと同じことをすることに躊躇してしまう。「迷惑かな」と考えてしまうので。(東京・高校2年・女子)

    • 『愛してたって、秘密はある。』(青森放送・日本テレビ) ただの恋愛ストーリーではなくミステリー要素も入っていて、事件の真相に迫っていく緊張感や2人の恋の様子を見てドキドキしたり、様々な感情を味わうことができました。しかし、最終回終了後に「完結編」が動画配信サイトで配信されると発表され、最後の最後に拍子抜けしたような気分になりました。結局はお金だということが露骨に表れたようで悲しい気持ちになりました。(青森・高校2年・女子)

    • 『先に生まれただけの僕』(日本テレビ) 今までの学園ドラマとの違いを感じ、次回も見たくなりました。劇中の「教育はビジネスです!」という台詞に深く共感しました。私も学校に通っていて、お金の動きや大人の事情、イメージや広報に気を遣う雰囲気を感じています。理想論ではどうにもならない、教育の現場のリアルを描いているところが面白いと感じました。土曜日の夜に、家族で楽しく見られるドラマですが、一方で学校は何のためにあるのか、何を目指しているのかを考えさせる作品だと思います。しかし、心から面白いとは思えませんでした。演出や流れに視聴者を楽しませる工夫が感じられず、出演者の人気に頼っているようにも感じました。同年代で、テレビドラマはポピュラーではなくなっているように感じます。私の周りではNetflixのドラマや韓流ドラマなど海外の作品のほうが人気です。ネットで海外の作品が手軽に視聴できる時代になり、今後さらに若年層の日本のテレビドラマへの関心が低下する可能性があると思います。私は日本のドラマが大好きだったので、もっと魅力が伝わってほしいなと思います。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • NHKの『LIFE』というコント番組で「オモえもん」というパロディーコントがあり、中学生になった僕には笑いの中にリアリティがあるように思います。人を助けてあげることは、見返りを求めてはいけないのだと考えさせられます。(神奈川・中学1年・男子)

    • 番組のクイズコーナーで答えがわかっているのに、わざとボケたり、わざと間違えたりするのをよく見ます。生放送で時間があまってしまったり、ボケ自体が面白い場合はまだいいですが、どちらでもないものは不快に感じてしまいます。ある番組のスペシャル版でフランスとアメリカに行っていました。いつもわざとらしいですが、海外に住んでいる日本の芸能人なんて私でもすぐわかるのに、ずっと誰だかわからない体でやっているのが見ていて嫌になりました。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 最近「東大生〇〇」のようなタイトルのクイズ番組やトーク番組を目にすることが多い気がします。同じように「天才小学生」や「名門高校生」なども。このわかりやすいタイトルに何となく気持ちの悪いものを感じます。確かに、出ている人はとても優秀で、博学で努力家ですごいと思います。ですが、まだ何者でもない(と私は感じてしまうのです)人たちが、興味をひくわかりやすい看板を下げてテレビに出ているのを見ると、何とも言えない気持ちになります。出ている人がその役回りを更に過剰に演じているようにも見えてしまいます。そう誘導する司会者や番組の制作意図も「何だかなぁ」と思います。嫉妬や羨望というより、「いいのかな」というモヤモヤ感情に近い気持ちがします。(千葉・中学2年・女子)

    • 最近のアニメでは、戦争にフォーカスするものも多いです。このようなものに需要があるのは、平和への関心が深くなっているからなのか、戦争に刺激を求めているからなのか、疑問に思います。実際、私も派手なアクションアニメは大好きですが、それは異世界のものだと割り切っているからです。だから、「戦争の事実を忠実に再現したアニメはどうなのかな」と考えました。(秋田・中学3年・女子)

    • 現代社会の先生が興味深いことを話されました。北朝鮮の核ミサイルなどで、トランプ米大統領の発言がニュースなどで取り上げられることが多いです。テレビ局のほとんどが、日本語の吹き替えをつけていますが、その声がわざと乱暴なものであったりすることに対して、テレビ局の悪意を感じるというものです。声や話し方によってその人の印象はかなり変わります。私は今まで、ニュースを見ていてもそのようなことを気にしたことがありませんでしたが、先生の話を伺ってから気にして見るようにしています。テレビ局側の意図的な吹き替えは印象操作に繋がりかねません。なかには関西弁での吹き替えをつけたりして、事実とかなりかけ離れているはずです。ニュースであるのなら、面白さよりも忠実さを優先してほしいです。(埼玉・高校1年・女子)

    • 録画して見る番組ではなく、たまたま暇でテレビをつけたときにやっていた番組がとても面白いと思うことがあります。こういうとき、小さなお宝を見つけたようなラッキーでちょっと得をした気分になります。用もないけど、なんとなくテレビをつけておくこともたまにはいいのではないかと思います。(愛知・高校2年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『キングオブコント2017』(TBSテレビ) すごく面白かったです。「お笑い」で人に夢を与えるということは素晴らしいことだと思いました。ツッコミでたたくということは、よくないのではないかと最初は思いましたが、体を張って人を笑わせることやその精神がすごいと思いました。お笑いって、メンタルが強い人でないとできないのではないでしょうか。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『キングオブコント2017』(チューリップテレビ/TBSテレビ) テストが近いので録画で見た。こんな番組を録画で見たらだめだと思った。でも生で見なかったから、冷静に審査員の人を見た。ちょっと勢いで点数が入るなと感じた。(富山・中学2年・男子)

調査研究について

調査研究については、9月中旬に発送した「青少年のメディア利用に関する調査」の調査票の返送状況などが担当委員から報告されました。当初の想定よりも返送率が低いことから、あらためて催促状を出すことや締切日を伸ばすなどして対応することになりました。
また、調査結果に関して放送局の関係者と意見交換する会を来年1月23日に開くことや、結果の発表会を3月13日に開催することなどを確認しました。

今後の予定について

今後の日程を次のとおり確認しました。上記の調査研究に関するもの以外に、来年2月24日、BPO会議室にて教師たちとの意見交換会を開催します。

第195回 放送と青少年に関する委員会

第195回-2017年9月26日

視聴者からの意見について…など

2017年9月26日、第195回青少年委員会をBPO会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず7月16日から9月15日までの2か月間に寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
視聴者意見に関しては、「暴力を助長する」などの視聴者意見を受けて前回委員会で討論した結果、「連続ドラマの初回であり、今後の放送も見守りたい」と判断したドラマについて今回の委員会で確認したところ、改めて検討し直す必要はないと結論し、これ以上討論しないこととなりました。
また、小学生が伝統行事の遠泳に挑むにあたって厳しい指導を受ける姿を追った情報バラエティー番組の企画に対して「虐待以外の何ものでもない」などの視聴者意見が寄せられましたが、委員からは「虐待という指摘は当てはまらないと思う」などの意見が出されました。ただ、その番組宣伝に対しては、「激しいシーンばかりを切り取っており、制作者が番組自体に込めた思いとの間にずれを感じた」と、工夫を求める声も上がりました。
中高生モニターについては7月に開催された中高生モニター会議の模様を紹介したNHKの番組を視聴した後、モニターから寄せられた8月9月の2か月分のリポートについて意見が交わされました。
調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」の調査票を全国50地点から抽出した2000人に対して発送したことが報告されました。
次回は10月24日に静岡市で定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年9月26日(火) 午後4時30分~午後7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

高校を舞台にした連続ドラマで、高校生同士の「殴り合い」のシーンなどが放送されたことに対し、「暴力を助長しているようで、不愉快だ」「子どものいじめを助長するような残酷シーンがあり、気分が悪くなった」「高校生が起きている時間帯に放送することは考え直してほしい」などの視聴者意見が多数寄せられ、前回の委員会では、委員がこの番組を視聴したうえで討論しました。その結果、委員会としては、連続ドラマの初回であり、今後の放送を見守りたいということになりました。それを受けて、今回の委員会では、討論が継続されましたが、委員からは「その後の放送では、暴力的なシーンもあったが、演出上の工夫ができていたと思う」「視聴者意見の件数も収束している」などの意見が出され、これ以上、討論する必要はないということになりました。
情報バラエティー番組で、ある小学校の遠泳の伝統行事に挑む子どもたちと指導する教師を描いたドキュメント企画について、「体罰やパワハラともとれるような行為を美化している」「小学生への度を超えた暴力的な指導を放送していた」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「全体として一つひとつの行動に対して教育的配慮が行き届いていたので、虐待という指摘は全く当てはまらないと思う。むしろ感動的なドキュメンタリーであった」「番組宣伝では、断片的に厳しいシーンだけが切り取られていて、番組とは、ちょっとずれているかなという感じもした」などの意見が出されました。この番組については、これ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

今回は8月分と9月分の中高生モニター報告が議論されました。

【8月分】
まず8月分ですが、34人の中高生モニターにお願いしたテーマは、「夏休みに見た番組の感想」です。他に「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄にも多くの意見が寄せられました。8月には全部で32人から報告がありました。
『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)、『コード・ブルー』(フジテレビ)にそれぞれ3人から、戦争関連の『NHKスペシャル』(NHK総合)に4人から報告がありました。
戦争関連の番組について「戦争の醜さと恐ろしさを感じた」「事実を知ることが大事だと思った」「過去・歴史を忘れぬよう、このような特集・ドキュメンタリーを増やしてほしい」という感想や意見が寄せられました。
あるバラエティー番組について「『色白VS色黒SP』と題し、出演者たちが肌の色をネタに笑っていました。私はその光景を見て本当に2017年なのか?と感じました」などと指摘したリポートに対し、委員からは「鋭い視点だと思った。知らないうちに差別してしまっていることがあるかもしれないという気づきを与えてくれている」という感想が述べられました。
また自由記述では、低視聴率がインターネットなどで話題になっているドラマについて「(このドラマを)毎週楽しみに見ている。今は何でもすぐネットで騒がれるので、出演者や制作者も大変だと思う」との考察がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『1942年のプレイボール』(NHK総合)について「戦争や当時の日本兵、国民の様子について改めて考えさせられた」「"お国のために"という考えがよく分からない」など、3人が取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【夏休みに見た番組の感想】について

    • 戦争をテーマにした番組を視聴したモニターが複数いた。番組を見たモニターたちが、戦争について深く考えていることが分かり、よかった。

    • 『ココがズレてる健常者2 障害者100人がモノ申す』(NHK Eテレ)を見て、とても高い評価をしている報告があった。障害者を取り上げるということに関しては、誤解や偏見が生じる可能性もあって、制作者も悩んでいると思う。このリポートを寄せたモニターは、障害のある人について、新しい物の見方とか考え方を身につけることができたようでよかったと思う。

    • 『NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン』(NHK総合)を見て「地学っておもしろい!と感じた」というモニターがいた。知的好奇心を刺激してくれる番組の良さを伝えてくれている。

    • 『真夏のお笑い夜通しフェスどぅっかん!どぅっかん!』(NHK総合)について「長い休みの時にこんな放送をやってもらえると嬉しい。夜更かしをしても寝坊をしても、あまり罪の意識がないから」という感想があった。夏休みならではの楽しみだと感じた。

    • 『昭和vs平成 アニメ&特撮&マンガ ヒーロー・ヒロイントップ20』(フジテレビ)を家族みんなで一緒に見て、「一家団欒!」を楽しんだという報告は、家族で話題を共有できる番組の良さを述べてくれていると思う。

    • 『部活応援プロジェクト しゃかりき』(テレビ神奈川)を旅先の神奈川で偶然見て、「自分が住んでいる県のテレビ局にも、部活動を応援する番組を制作してほしい」という感想を述べた報告があった。さりげない意見ではあるが、中高生の関心事が番組のテーマになることが、実は少なかったということに気づかせてくれる。ちょっと考えさせられる視点があるような気がする。

  • 【自由記述】について

    • 「山の日に県内の2つの放送局が同じように立山から中継をしていた。どちらも同じような作りで、(立山の魅力を放送するのならば)もっと他県に向けて放送できる方がよいと思う」という意見を「確かにそうだな」と思いながら読んだ。ローカル局は地域に暮らす人のために放送しているわけだが、外に向けての放送という役割を考えると、できることはまだまだあるのかもしれないという気もして、ローカル局の役割の可能性を指摘した良い視点だったと思った。

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)について「24時間通しの生放送はブラック労働ではないか?」という意見があった。番組が始まった当初は、24時間通しで放送することがひとつの感動だったが、今の時代は「ブラック」と言われてしまう。しかしこれが今の子どもたちの感覚なのかなということを感じた。

    • バラエティー番組で「色白VS色黒SP」ということで肌の色をネタに笑っていたことに怒りを覚えたという報告を読んで、今の社会の中で外見の違いなどをネタに安易に笑いあうことへの疑問を呈した鋭い視点だと思った。知らないうちに差別してしまっていることがあるかもしれないという気づきを与えてくれている。

◆モニターからの報告◆

  • 【夏休みに見た番組の感想】について

    • 『NHKスペシャル 戦慄の記録インパール』(NHK総合) 戦争の残酷さ、悲惨さがよく分かりました。実際にインパール作戦に従事した人が答える生々しいインタビューにショックを受けました。(兵庫・中学2年・男子)

    • 『ココがズレてる健常者2 障害者100人がモノ申す』(NHK総合) この番組はたまたま見た番組だったが、見て良かったと思える番組でした。聴覚障害者の方がもっと話したい!と手話で訴えていたり、視覚障害者の方がやっぱりイケメンがいい!と楽しそうに話していたり、障害者も健常者も本音で話していてとても興味深かったです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 『NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン』(NHK総合) この番組を見て地学っておもしろい!と感じた。地学はこんなにワクワクする教科だったのだと嬉しくなった。今までどちらかというと地学は退屈で苦手だったので、この番組を見ることができてよかった。いつか自分で和歌山の一枚岩を見に行きたいと思った。(千葉・中学2年・女子)

    • 『真夏のお笑い夜通しフェスどぅっかん!どぅっかん!』(NHK総合) 長い休みの時に、こんな生放送のお笑いの番組をやってもらえると嬉しい。夜更かしをしても寝坊をしても、あんまり罪の意識がないから。登場している芸人さんたちも、僕が名前を聞いたことのないような若手の人から安心して見られるベテランの人まで幅広くて良かった。NHKは固い番組のイメージがどうしても強かったけれど、この番組はスタジオの雰囲気もタイトルも、POPな色とデザインだった。(富山・中学2年・男子)

    • 『コード・ブルー ドクターヘリ救命救急』(フジテレビ) 若いフェローが成長していく姿や治療・手術のシーンのリアルな描写がこのドラマらしさだと思います。今作から脚本家が変わったこともあってか、要らない恋愛要素が増えた気がします。またずいぶん前の話の患者をだらだらと登場させている所も、らしくないと思いました。感情面や恋愛面の主張が強すぎると、本来のコード・ブルーらしさが消えてしまうのではないかと思います。(東京・中学3年・女子)

    • 『NHKスペシャル 731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』(NHK総合) 戦争の醜さと恐ろしさを感じた。人体実験の証言を聞いていて、正直気持ち悪くなった。戦争により、人々は人間らしさ、思いやりを忘れて、同じ人間をなんとも惨い方法で傷つけることを知り、おぞましいと思った。また、人の命を救うためにいる医者が人を苦しめ、殺していたことに驚いた。(東京・高校1年・女子)

    • 『昭和vs平成 アニメ&特撮&マンガ ヒーロー・ヒロイントップ20』(東海テレビ/フジテレビ) 番組の進行は昭和、平成世代別に統計をとったヒーローとヒロインのランキングが交互に発表されていくものでした。この番組を家族みんなで見ながら楽しくおしゃべりをしました。まさに一家団欒!の言葉がふさわしいなと思いました。テレビは番組を見て面白いと感じたり、新しい発見をして楽しむ娯楽や情報収集の手段として活躍するだけではないのだと思います。テレビが提供する話題をもとに交流が深まり、人と人との絆を深めてくれるものだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 『部活応援プロジェクト しゃかりき』(テレビ神奈川) この番組は旅行先で見ました。部活動をしている神奈川県の中高生を応援する番組です。今回は、テレビをつけてEPG(電子番組表)を見ていた時に偶然この番組を見つけ、興味を持ったので見ました。高校のアーチェリー部を取材していました。自分の学校にはアーチェリー部が無いので「どんな活動をするのだろう」と思いながら見ました。所々で解説が入っているので、その部活動を知らない人でも分かりやすいと思いました。取材をするスタッフさんの質問が上手く、取材される高校生の自然な感じを引き出していると思い、お互い良い関係が築けているとも思いました。自分が住んでいる県ではこのような番組を毎週放送しているテレビ局はないので「自分が住んでいる県のテレビ局にも、部活動生を応援する番組を制作してほしい」と思いました。(愛媛・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 『セシルのもくろみ』(鹿児島テレビ/フジテレビ)を毎週楽しみに見ています。キャストも良いし、ストーリーも面白いし、カメラアングルやファッションやエンディングもいいなと思います。でも「視聴率が悪い」というネットニュースが出ていて、今は何でもすぐにネットで騒がれるので、出演者や制作スタッフさんも大変だろうなぁと思います。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 富山県では、「山の日」に2つのテレビ局が同じように立山から中継をしていた。山の日だし、富山には素晴らしい立山連峰があるので放送するのは分かるけれど、どちらも似たような作りで、また、富山県民に向けてだけじゃなくて、もっと他県に向けて放送できる方が良いと思った。(富山・中学2年・男子)

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ) 過労死とか、ライフワークバランスなどが今、真剣に論議されている中で、24時間ぶっ通しの放送というのは、まさに過労ではないかと思いますが、24時間ぶっ通す必要性はあるのでしょうか。12時間ずつ2日連続での合計24時間とか、あるいは、24時間というフレーズは、合言葉的に残すとしても、実際24時間という時間数をずっと放送にあてる必要性がいまいち分かりません。休み時間というか、バイタルタイムを置くことで、視聴者も休めるし、番組内容について 視聴者各自が自分の中の課題などと照らしあわせる時間、そして睡眠時間にあてたらどうでしょうか。(石川・中学3年・男子)

    • 『ナカイの窓』で「色白VS色黒SP」と題し出演者たちが肌の色をネタに笑っていました。私はその光景を見て本当に2017年なのか?と感じ、呆れと怒りを覚えました。もしかしたら、テレビ制作者は、純粋に面白いと思って作り、視聴者は日本に住む人だから肌の色を笑いにしても大丈夫と思ったのかもしれません。彼らは、この放送を見て傷ついたり不愉快になったりする視聴者のことを考える力はなかったのでしょうか。彼らの考える視聴者とは誰でしょうか。確かに日本は他国に比べ移民も少なく、社会の多様性という観点では認識が足りないと言えます。しかし、その固定化された価値観を変えていくことがマスメディアの一つの役割だと考えます。グローバル化の流れの中で、オリンピックも控えているのに、テレビがこの状況であることが残念です。視野を広げて、想像力を働かせて、思いやる心を持ってほしいです。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『池上彰の戦争を考えるSP第9弾「特攻」とはなんだったのか』(テレビ東京) 特攻で戦死していった若い人たちの個人名と笑顔の写真とともに手紙を紹介していました。検閲された手紙にはお国の為に喜んでと書いてありましたが、実際は、軍人である前に一人の人間として家族を愛しながら死を覚悟していく様子を感じました。戦争がいかに悲惨であるか、戦争を知らない僕たちはもっと知って、後世に伝えていかなくてはならないと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『第72回全国花火大会実況中継』(岐阜放送) 花火師さんの思いを知ることができて、また岐阜の歴史を伝えてくれていて良かった。毎年、身近に見ている花火がこんなにも多くの人が思いを込めて作ってくれている大きな花火大会だと知ることができて良かった(岐阜・中学2年・男子)

    • 『1942年のプレイボール』(NHK総合) 「お国のために」という考え方がよく分かりません。戦争のない今の時代が、ずっと続いてほしいです。(宮城・中学3年・男子)

【9月分】
9月分として34人の中高生モニターにお願いしたテーマは、「最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」です。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄にも多くのリポートが寄せられました。9月には全部で27人から報告がありました。
「報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」では、複数の番組についてリポートを書いてくれたモニターがいたこともあり、報道番組について13人、情報番組については4人、ドキュメンタリー番組について11人から報告がありました。北朝鮮のミサイル発射やJアラートについて5人が報告しています。また『グッド!モーニング』(テレビ朝日)について報告してくれたモニターが2人いましたが、ともに林修先生の「ことば検定」のコーナーにふれています。『NNNドキュメント"なぜアメリカ人はヒロシマに?核の脅威高まる中で"』(日本テレビ)についての報告も2件あり「戦争の悲惨さや恐ろしさが後世に伝わるのはとてもよいこと」「番組を見て、真珠湾と広島をしっかり見たいと思った」という感想が寄せられました。その他、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)を3人、『ドキュメント72時間』(NHK総合)を2人が報告しています。
また自由記述では、生放送のバラエティー番組でインタビューの内容が取り違えられていた原因を「制作側の連係ミス」と後日謝罪したことについて、「(制作側の連係ミスによる誤放送が)テレビ局の信頼を失うことにつながる」と指摘したモニターがいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち~』(NHK Eテレ)について3人が、『第37回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)と『サザエさん』(フジテレビ)については2人が取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】について

    • 津波の教訓を伝える石碑についての番組を見た感想があった。モニターが、番組から教訓を得ている様子が伝わった。番組が防災意識の向上に非常に大きな役割を果たしている。折々に警鐘を鳴らす、このような番組の必要性が分かる。

    • 報道番組を見て「ひとつひとつのことを簡単に説明して、大事なことは後で詳しく解説するのがいい」と評価しているモニターは、情報が多すぎる現代社会の中で、情報に踊らせられないことの大切さに気付いていると感じた。

    • ニュース番組でのテロップやナレーションなどの演出について「先導するようなやり方はやめてほしい」という意見があった。テロップなどでの演出の好き嫌いは彼らにもあり、ワイドショー的なものへの嫌悪感があるようだと感じる。

    • ヒロシマについてのドキュメンタリーを見て「真珠湾と広島をしっかり見てみたくなった」との思いを報告してくれたモニターがいた。行動につながるような知識や感動を、番組から得ることができたのだと思った。

    • 海外を取材したドキュメンタリーについての報告が目に付いたように思う。中高生の国際的な事柄への関心の高さを伺うことができた。また、海外への興味を持っているので、自分が暮らす日本を相対的に見る視点も育っているようだ。

    • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)を見て、「このような深く追求する番組があることをこれまで知らなかった」という報告があったが、オーソドックスなニュースを見てモニターが驚いていることに、衝撃を受けた。このモニターにとっては朝の情報番組などの方がスタンダードになっていて、こんなふうにニュースを取り上げる番組があることに驚いているわけだ。世の中が本当に変わってきているのかもしれないという気がして、時代の変化やニュースの役割の変化というものに自分が無自覚だったことを思い知らされた。

  • 【自由記述】について

    • 鹿児島のモニターが紹介してくれているラジオ番組『椋鳩十の世界』は、ちょっと聴いてみたくなった。

    • 不倫報道の多さを指摘するリポートがいくつかあった。「もっと他に報道することがあるだろう」という意見は、全くその通りとしか言いようがない。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】について

    • 『ナビゲーション 石碑は警告する~南海トラフ大津波 先人たちの記録~』(NHK名古屋) この番組を見て、津波の恐ろしさを改めて感じました。三重県には津波について書かれた石碑が300もあるそうです。それは過去の津波被害の教訓が込められた石碑です。いろいろな災害に備えて、日頃から意識し、防災グッズなどを用意しておきたいです。(富山・中学1年・女子)

    • 『みんなのニュースONE』(東海テレビ)ひとつひとつのことを簡単に説明して、大事なことは後で詳しく解説するのがいい。(岐阜・中学2年・男子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日) テニスの伊達公子選手の引退報道についてです。いつもは溢れるほどの熱量でリポートする松岡修造さんが、気持ちを抑えたトーンでコメントするのが印象的で、感動しました。「僕は人をうらやましいと思ったことはなかったが、伊達さんだけには嫉妬していた。(2度の現役生活を終えたことに)あらためてうらやましいと心の底から思います。」と話していた。これほど伊達選手のすごさを伝え、その偉大さを感じさせてくれるコメントはないのではないだろうか。最近よく耳にするありがちで通り一遍の上滑りしがちなコメントではなく、松岡さんだけにしか言えない言葉だなと感じました。報道番組ではたくさんの解説者やコメンテーターがいますが、その人にしか言えないコメント、その人の考えが見えてくるようなコメントには、ハッとさせられます。番組の奥行きを深くするし、視聴者に疑問を投げかけたり、考えさせたり、感動させたりするのでその役割は大きいと思います。(千葉・中学2年・女子)

    • 『ニュース7』(NHK総合) 一日に起きた日本と世界の出来事を知る時に、夜9時のニュースは塾で見られないことが多いので、7時のニュースを見ることが多い。(ニュースだから当然だと思うけれど)過大な表現をしたりしないのでNHKのニュースが一番好きだ。この日のニュースで、大切な部分だけ赤い文字になっていた。学校のノートも、たくさんの蛍光ペンを使って線を引いたり文字を書いたりすると、何が大事な部分か分かりづらくなる。同じように、テロップやナレーションで事件や事故、政治のニュースを演出するのは、ワイドショーみたいなので苦手だ。見にくい。起きていることをどう考えるかは僕たちが決めればいいと思うので、先導するようなやり方はやめてほしいといつも思う。(富山・中学2年・男子)

    • 『NNNドキュメント"なぜアメリカ人はヒロシマに?核の脅威高まる中で"』(秋田放送/日本テレビ) 1945年におこった悲劇は、私たちにとって忘れてはいけないものだと幼いころから教わってきました。自分が見る原爆と、外国の人が見る原爆は違って見えるだろうと思っていましたが、平和を願う人々の考えは国が違っても同じなのだと思いました。この番組を見て私は、真珠湾と広島をしっかり見てみたくなりました。(秋田・中学3年・女子)

    • 『BS世界のドキュメンタリー 死の海からの脱出』(NHK BS1) ヨーロッパに押し寄せる難民についてのドキュメンタリーだった。日本に住んでいると難民問題を身近に感じることはないし、他人事にしか感じていなかった。しかし、ヨーロッパの放送局が制作したこの番組では、真剣にこの番組を考えている人々を追い、実際に難民にインタビューしているので、事の重大さが分かった気がする。日本でも多くの人に考えて欲しい問題だと感じた。(長野・高校1年・男子)

    • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)およそ1時間という構成の夜の報道番組を見るのは初めてでした。私が朝、登校前に見る民放の報道番組は、扱うニュースの数は多いですが、この番組は数よりも内容追及に重点を置いているように感じました。また特集する内容も多岐に渡っていて、今まで興味がなかった分野にも関心が持てました。このような深く追求する番組があることを今まで知らなかったので、それぞれの報道番組の形態や種類や特色を知ることができればいいと感じました。(青森・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 父の運転する車で出かけるときに、車内ではよくラジオを聴いています。『ラジオ朗読劇 椋鳩十の世界』(南日本放送)というラジオ番組があって、椋鳩十のお話を朗読しています。15分くらいの短い番組ですが「早く続きが聞きたい!」と次回が楽しみになる番組です。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 最近は北朝鮮のICBMや水爆実験の話題が多く、つい先日もミサイルが早朝に発射されるなど、私自身も恐怖を感じることが多くなりました。学校でもそのような話題が出るようになり、ニュース番組の影響を感じました。(秋田・中学3年・女子)

    • 生放送の番組で、インタビューの内容が組み替えられておりアナウンサーが謝罪する場面を見ました。その時にアナウンサーが間違えた理由を制作側の連携ミスだと言うふうにしましたがその理由はどうなのだろうかと思います。制作側の連携ミスや連絡ミスで間違った内容を放送する事は、そのテレビ局に対する視聴者の信頼を失うことにつながります。(埼玉・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『第37回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ) 最近、東大生が超難問に答える番組が多かったので、それと比べて、知識だけでなく、チームメートと力を合わせてクリアしていく姿は親近感がわいたし、僕が答えることが出来る問題もあったりしたので、家族で楽しめました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち~』(NHK Eテレ) 監督と一緒にやってきたロシア人の女の子の身体能力の高さに驚いた。「思い切りの良さ、図々しさ、強気なところに欠ける日本人」と言っていたが、同感だ。(宮城・中学3年・男子)

調査研究について

調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」の調査票を9月19日に全国50地点から抽出した2000人に対して発送したことや、BPOのホームページに調査の概要を掲示したことなどが報告されました。
また、調査結果に関して放送局の関係者から意見聴取する会を開くことを決定し、日程を調整しました。

今後の予定について

今後の日程を次のとおり確認しました。10月24日、静岡市にて意見交換会(静岡地区)及び10月度の委員会。2018年2月24日、BPO会議室にて教師たちとの意見交換会。

その他

8月8日、東海テレビ(名古屋市)が開催したメディアリテラシー企画『夏休み!みんなのテレビスクール』に講師として参加した中橋雄委員からその模様が報告されました。

第194回 放送と青少年に関する委員会

第194回-2017年7月25日

視聴者からの意見について…など

2017年7月25日、第194回青少年委員会をNHK放送センターで開催しました。この日は午前中から同センターで中高生モニター会議を行ったため、委員会も引き続き同じ場所で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
視聴者意見に関しては、高校を舞台とした連続ドラマに対して「暴力を助長しているようで、不愉快だ」など主に暴力的な表現を問題とする意見が多数寄せられました。委員会ではこの番組について討論することとして、委員全員が番組を視聴したうえで意見を出し合いました。その結果、委員会としては、「連続ドラマの初回であり、今後の放送も見守りたい」として、現段階では審議などに進む必要はないとの結論となりました。
また、いわゆるドッキリ企画で芸能人を万引き犯に仕立てるという設定をしたバラエティー番組に関して、「冤罪は、人生をだめにするという意味ではしゃれにならないことである。企画をたてるときには、そういう点も考えてもらいたい」などの意見が出されました。
そのあと、6月の中高生モニター報告に続いて、6月30日に開催された意見交換会(山陰地区)の模様が報告されました。
8月は休会とすることを確認、次回は9月26日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年7月25日(火) 午後4時45分~午後7時00分
場所
NHK放送センター 474会議室
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

高校を舞台にした連続ドラマで、高校生同士の「殴り合い」のシーンなどが放送されたことに対し、「暴力を助長しているようで、不愉快だ」「子どものいじめを助長するような残酷シーンがあり、気分が悪くなった」「高校生が起きている時間帯に放送することは考え直してほしい」などの視聴者意見が多数寄せられました。この番組ついては、全委員が視聴し、委員会で討論しました。委員からは、「暴力をふるうシーン自体は多くはないが、追いつめられる恐怖感などが視聴者に嫌悪感を与えたのではないか。また、高校生が喫煙をするシーンも必ずしも否定的に描いていないように見えた」「作品としてはとても力が入っていておもしろかった」「自分の高校時代を思い出した。不良高校生に対する不安、恐怖はこうだったという感じもあり、あまりいやな印象はなかった」などの意見が出されました。委員会としては、連続ドラマの初回であり、今後の放送を見守りたいということになりました。
バラエティー番組で、芸能人を万引き犯に仕立てて、だますという「ドッキリ企画」を放送したことについて、「ドッキリをかけられた芸能人への人権侵害になり、視聴者、特に子どもへも悪影響だ」「子どものいじめにつながると思う。悪ふざけにも程がある」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「センスが良いとは思わないが、あれを見て、青少年がまねをするとは思わない」「痴漢の冤罪を思い出した。冤罪は、人生をだめにするという意味ではしゃれにならないことである。企画をたてるときには、そういう点も考えてもらいたい」などの意見が出されました。この番組については、現段階ではこれ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で32人から報告がありました。
「バラエティー・クイズ・音楽番組の感想」では、バラエティー番組について25人、クイズ番組について1人、音楽番組について6人から報告がありました。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)には最多の5人から、『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』(日本テレビ)には3人から感想が寄せられました。
バラエティー番組の「口にピンポン球を複数入れる」演出について疑問や意見を呈したモニターが2人いました。
また自由記述で〈ドッキリ企画の設定〉について「善意を利用して人をだますことになってしまったと感じる。“驚かす”ということが過剰になっているのではないか」という意見や〈東京都議会議員選挙開票速報〉について「スポーツ中継を見ているかのようなライブ感を楽しんだ」という感想がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)について「(中高生の)私たちは何かしら悩みの心の荷物を抱えている。そんなとき誰かが頑張っている姿を見るということは自分を勇気づけ、刺激し、奮い立たせてくれる」という感想を寄せるなど、2人のモニターが番組を取り上げていました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想】について

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)の海外で現地の人たちと共に色々なことに挑戦するコーナーについて、「笑いに国境はない」と感じたというリポートがあった。文化の違いを感じつつも、一方で笑いはいいものだなという感覚をテレビから受けているのは意味のあることだと思う。

    • 『日本ソダテル検定』(テレビ朝日)について、父親やコーチに厳しい言葉を浴びせられてもひたすらトレーニングを続ける卓球に取り組む少年を、「私は(親に)反発してしまいできないので尊敬する」というリポートを書いてきたモニターがいた。この番組については「虐待まがいじゃないか」といった視聴者意見が何件かあったが、このモニターは頑張っている少年の立場で番組を見ていたのだろう。面白いと思った。

    • 『ミュージックフェア』(フジテレビ)について「番組の歴史を感じることができました」という報告があった。この番組は一人の人物・歌手を丁寧に紹介するものだが、丁寧に音楽を聞き、その歌詞を知ってもらいたいという趣旨を理解して、番組を楽しんでくれたことはうれしいことだと思った。

  • 【自由記述】について

    • 女優がYouTubeにアップした夫らを非難する動画を番組で流すことについて、「YouTubeの映像をそのまま何回も流すのはどうなんだろう。興味がある人は自分で検索してみればいい」という意見があった。本当にその通りだと思う。

    • 豪雨やヒアリのニュースに関して「事実よりも視聴者を扇動するような内容しか放送していないと思った」という意見があったが、これは冷静に考える必要があるかもしれない。あまり不安を煽ることより、もう少し冷静に事実を報告してほしいということは確かに当たっている。

    • ラジオに関して対比的な意見が2つあった。一つは「ラジオに足りないのは『華やかさ』だ。有名な芸能人の方がラジオに出演すれば立ち位置も変わってくるのではないか」というもの。もう一つは「テレビにはないラジオならではの距離感で友達の話を聞いているようなリラックスした気分にしてくれます。ラジオは私たち学生に向いているメディアではないでしょうか」というものだ。2つの意見は、突っ込んでいけばそれほど違ったことを言っているのではないかもしれないが、ラジオについて両方とも関心を持っていることを示している。もう少しラジオについては議論しなければいけないのではないかと感じた。

    • ネット炎上を「桃太郎」で描いたCMが賛否両論を巻き起こしたことについて「少数の人が不快に思い問題にするとそれに加勢する形で規制してほしいと世の中が動き出してしまう怖さがある」という意見があった。社会の構造を分析的に読み解き、一定の表現の自由を守るために委員会が必要なのだという見方をしているところは、中学生にしてはなかなか深いと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想】について

    • 『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』(北日本放送/日本テレビ)1年間で最も楽しみにしていた番組だったので夢中になってみました。たくさんの夢のある歌をきいて、願いが叶う夏が来そうな気がしました(富山・中学1年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ)明日から学校で嫌だな。憂鬱だなあという日曜夜の気持ちを解決してくれるように感じます。 飽きないのは、私の日常で考えることのできる考えの外側がふいに画面に出てきてハッとすることがあるからだと思います。素朴な疑問からスタートして見たことのない景色やお祭り、行事、出演者のふいの表情に惹きつけられます。ハッと感動する時とあまり考えずゆるゆる見ている時との配分バランスがいいのだと思います。(千葉・中学2年・女子)

    • 『日本ソダテル検定』(テレビ朝日)世界で活躍する子供がたくさん取り上げられ、感心するばかりだった。スポーツから音楽、英語までの分野に渡り、その道を極めている同年代、あるいは私よりも若い人たちがみんな誇れるものがあって羨ましいということと、私にはそういう特技がないという焦りを感じた。どの親子にも共通することは、親が子供の幼い頃から練習をさせ、それを習慣化させていることだ。親子の絆がとても強いと感じた。私は親に教わるということがどうしても反発してしまい出来ないので尊敬する。(東京・高校1年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ』(讀賣テレビ/日本テレビ)この番組では誰もが本気を出している様子が見られ、とても爽快でした。しかし、違和感を感じたところもありました。今回はプロのマジシャンで口の中にピンポン球を4個入れる方が登場しました。それに挑戦した出演者が無理をして、明らかに顔色がおかしくなっていました。限度を超えたチャレンジは危険だと感じました。私の大好きな番組だけに少し心配になりました。(兵庫・高校2年・女子)

    • 『GROOVER‘S DIVE』(ZIP-FM)学生を対象に制作されていて、自分と同じ年の子の最近起こったことや思ったことをリアルタイムで知ることができ、自分の経験と重ねて共感したりして、とても身近に感じます。テレビにはないラジオならではの距離感で友達の話を聞いているようなリラックスした気分にしてくれます。テレビでは画面を見て音を聴いて迫力満点の番組が放送されています。一方ラジオでは映像がなく音だけの番組でテレビよりも地味な印象を受けます。だからこそ,逆にラジオは私たち学生にむいているメディアなのではないでしょうか。ラジオ番組は学校への登下校のときや勉強しているときなど「○○しながら」聞くことが出来ます。ラジオ番組はテレビ番組に負けないくらい面白いものなんだとラジオを聴かない人に知ってほしいと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 『MUSIC FAIR』(テレビ愛媛/フジテレビ)この番組は、ほとんどの曲が生演奏をバックに歌っていて、CDとは違った演奏で聞くことが出来ます。セットも美しく、好きです。たまに昔の映像だけ放送する回もあり、昔の映像が好きな自分としては、それも楽しみです。VTRで石川さんが番組に初出演した時の映像が流れていて、代表曲である「津軽海峡冬景色」が1977年に発表された歴史のある曲であることを知り、石川さんがその曲を歌ったのが19歳の時であると知り驚きました。そんな昔の映像が同じ番組で見られるのも、この番組が長年続いてきたからであり、改めて番組の歴史を感じることができました。落ち着いて見ることができる番組だと思います。(愛媛・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 最近賛否両論となったACジャパンの桃太郎のCMですが、ネット炎上だけでなく、テレビ放送にも少し関係があると思いました。少数の人が不快と思い問題にすると、それに加勢する形で、規制してほしいと世の中が動き出してしまう怖さがあるような気がします。一定の表現の自由を守るために、放送倫理委員会が必要なのだなと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 最近、ある女優の動画がよく流れているが、YouTubeの映像をそのまま何回も流すのはどうなんだろう、と思った。興味がある人は自分で検索して観ればいいので、朝の情報番組などで毎日のように取り上げなくてもいいのではないかと思った。(東京・中学2年・男子)

    • 自分より少し年上の人たちが頑張っていて、励みになりました。音楽以外でも中学生棋士や卓球など幅広い分野で中学生が活躍していることを最近のテレビやニュースでたくさん知ることができるのは、とてもうれしいです。(滋賀・中学2年・女子)

    • 最近のバラエティー番組はあまり面白くないと私は感じます。それと同時に、友達とテレビの話をしなくなったと思います。このふたつのことは、とても関係が深くさびしいと思いました。(秋田・中学3年・女子)

    • 「ドッキリ」が人の善意を利用して、人をだますことになってしまったと感じます。「驚かす」という意味が、どんどん過剰になっていると思います。今の番組を見ていると、そこが少し心配です。(東京・中学3年・女子)

    • 東京都議選の開票速報番組をいくつか見ました。社会的に注目を集めている選挙であるということで、見たいと思いました。小さい頃はつまらないと思っていましたが、今ではスポーツ中継を見ているかのようなライブ感を楽しめました。(長野・高校1年・男子)

    • バラエティーは特にあると思うが、視聴者の感情をある程度コントロールする編集をしていたりするので少し批判的に見たりする必要がある。効果音、アナウンス、音楽など視聴者のムードを左右する仕掛けがあちこちにばらまかれている。大体どこの番組もどの芸能人が悪いという印象を与えないようにしている。しかし、町でのインタビューは編集され、一つの意見が多かったように錯覚させることが可能なので全て鵜呑みにはできないと思って私は見ている。バラエティー番組はあくまでエンターテインメントで楽しいことが第一なのでそういうことはしょうがないと思う。そしてそういう工夫もあるからこそわかりやすい。(東京・高校1年・女子)

    • 九州の大雨やヒアリの話題で、ニュース番組は事実よりも視聴者を扇動するような内容しか放送していないと思った。(東京・高校2年・男子)

    • ラジオは音だけなので聴く人の想像力が大切になりますが、テレビは簡単に華やかな世界が見られるところが魅力だと思います。ラジオに足りないのは「華やかさ」ではないかと思いました。有名な芸能人の方がラジオに出演すれば、ラジオの立ち位置が変わってくるのではないかと考えます。(青森・高校2年・女子)

    • 今回の九州の大雨災害で多くの方が犠牲になりました。その中で、九州の豪雨とそれに伴う土砂災害の危険を警告する報道が胸に迫りました。特にNHKのアナウンサーの方たちの迫真の報道が印象的でした。東日本大震災の時を思い起こすような、切実な訴えが届きました。伝える人たちの「命を守りたい」という想いが感じられました。もしもの時、人々の命を救うことも報道の重要な責務であると思いました。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)自分が詳しく知らない競技の選手を取材した番組であっても興味を持って見ることができます。30分という短い時間の中で、見ごたえのあるノンフィクション番組を見れるのも魅力の1つだと思います。中学生や高校生の私たちは、進路や友人関係や何かしらの悩みの心の荷物を抱えていると思います。そんな時、自分とは面識のない、全く知らない人であっても、誰かが頑張っている姿を見るということは自分を勇気付け、刺激し、奮い立たせてくれるものだと思います。特に、それが同年代ともなるとより一層です。だから、この番組を見ていると、自分より頑張っている人がいる、わたしも頑張らないと!と思うことが出来ます。(埼玉・高校1年・女子)

    • 『究極の○×クイズSHOW!! 超問!真実か?ウソか?』(日本テレビ)このクイズ番組はあまり好きではない。プレゼンターの主張が弱く葛藤して答えをみちびくというよりは勘で答えを決めるみたいな問題になっていて特徴が生かせておらず、一般には絶対にわからない問題を勘で答える番組になってしまっていると思う。(東京・高校2年・男子)

◇中高生モニター会議について◇

7月25日午前11時からNHK放送センターで中高生モニター会議を実施しました。全国から集まった25人の中高生モニターと委員7人、それにNHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』を担当している池田由紀チーフ・プロデューサーが参加しました。
会議は午前11時から午後4時過ぎまでの間、スタジオ等の見学、池田チーフ・プロデューサーとのドキュメンタリー番組を巡る議論、番組企画のグループワークなどを行いました。中高生モニターたちは放送局の仕組みや番組作りなどについての知識を深め、委員は中高生の放送への考え方や感覚を実感したようです。この会議の詳細は後日BPOウェブサイトに掲載する予定です。

調査研究について

調査業者を決定し調査の基礎となるサンプリングの作業を始めたことが担当委員から報告されました。調査は9月中旬に実施し、年内にはその結果がまとめられます。その後、調査結果に関して放送局の関係者から意見聴取することなどを検討していることが説明されました。

今後の予定について

  • 今後の日程を次のとおり確認しました。8月8日、東海テレビ(名古屋市)が開催するメディアリテラシー企画『夏休み!みんなのテレビスクール』に中橋雄委員を講師派遣。10月24日、静岡市にて意見交換会(静岡地区)。これには濱田理事長も参加。

第193回 放送と青少年に関する委員会

第193回-2017年6月27日

視聴者からの意見について…など

2017年6月27日、第193回青少年委員会をBPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず5月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
視聴者意見に関しては、広島県のスポーツセンターで男子中学生が2階から女児を投げ落とした、として逮捕された事件で、加害者の男子生徒が特別支援学級に通っていたと報じられたことについて、一人の委員から、少年法が禁じている容疑者を推知させる情報になる懸念を指摘するとともに、特別支援学級に通っていたことと事件との関連が分からない時点でそれを報じることは慎重にしたほうがいい、という意見が出されました。
そのあと、6月の中高生モニター報告に続いて、7月25日に開催する中高生モニター会議の企画を担当委員らが報告し了承されました。調査研究については、前回委員会で大筋了承された調査票の最終版が委員会に提出され、内容が確定しました。
次回は7月25日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年6月27日(火) 午後4時30分~午後7時00分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

午前の情報バラエティー番組で、中学生棋士の連勝の話題を取り上げた際、スタジオのお笑いタレントが「彼が童貞でなくなった時、絶対に変わると思う」という内容の発言をしたことに対し、「朝から中学生に対して、下品なセクハラを放送するのは信じられない」「大人が少年に対し性的発言をする行為は、立派なセクハラだ」という視聴者意見が多数寄せられました。これに関し委員からは、「発言者本人もこういう言い方は言葉が悪いかもしれないが、という趣旨の断りをした上での発言であり、性的発言、セクハラという印象はなかった」「言葉狩りに近くなるようなことはする必要がない」などの意見が出されました。
広島県のスポーツセンターで男子中学生が女児を2階から投げ落とした事件を伝える際、一部の報道番組で「少年が特別支援学級に通っていた」と伝えたことに対し、「特別支援学級を特別視することにつながり、差別感を生む」「容易に加害者の少年が特定されてしまう」などの視聴者意見が寄せられました。
これに関し委員からは、「少年法で推知報道は禁じられているが、特別支援学級に通っていると報じることにより、人口が少ない町で人物特定につながるのではないかと懸念される」「特別支援学級に通っていることと事件との因果関係が客観的に分からない状況で、そのような加害者の付随情報を出すことは相当慎重にしたほうがいい」などの意見が出されました。現段階ではいずれもこれ以上話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした6月のテーマは、「最近見たドラマ・アニメ番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で33人から報告がありました。
「ドラマ・アニメ番組の感想」では、ドラマについて17人、アニメについては16人から報告がありました。最多の4人のモニターが報告を寄せた番組は、『ドラえもん』(テレビ朝日)でした。
「自由記述」には、「ニュースなどで取り上げられる同世代の活躍ぶりをうれしく思う。彼らの今後に注目したい」という意見や「ほかの中高生モニターの意見を読み、共感した」という報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、「ピコ太郎」をプロデュースした芸人・古坂大魔王とジャーナリストの田原総一朗が出演した『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ)に、4人から報告がありました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】について

    • 『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ)を見て、ヒーローの特性・資質の考察をした報告に「ヒーローとしての資質とは、たとえそれが自分にとって不利益になるとしても、人の為になりふり構わず立ち向かっていくことなのだと感じた」とあった。きちんとした考察に感心した。

    • 『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』(ともにフジテレビ)について、「展開が支離滅裂である」「現実離れした話が多く、おかしなことが多い」というリポートがあった。このモニターの判断基準は「論理破綻がないか」「倫理的であるか」「現実と比べてどうか」ということであり、そこに沿わないものは批判されてしまうのだと思う。いろんな感想、いろんな見方があっていいが、フィクションを楽しむ魅力にも気付いてほしい。

    • 『サザエさん』(フジテレビ)の『タラちゃん空気を読む』という話を見て、「空気を読む」ことについて考えたというモニターがいた。「サザエさんはただ日常を描くだけでなく日常に隠れている言葉の不思議について考える機会を与えてくれる」と報告している。また『サザエさん』を好きな理由として「多様性があること」だと述べ、「三世代構成の家族であったり、近所の人たちや様々な立場の人たちの意見を知ることができる。時代錯誤と言われることもあるが、時代に合わないと言ってはねのけるのではなく、現代とは違うスタイルであるからこそ私たちは受け入れるべき。」と書かれている。とても深い考察だと思った。

    • 『ひよっこ』(NHK総合)を見て、「人生は一度きりだけど、ドラマを通じて時を越え、空間を越え、主人公の人生を生きることができる」とドラマの魅力を伝える報告があった。テレビを見て、分析的に批評することに積極的だと感じさせるリポートだった。

  • 【自由記述】について

    • 高校野球の話題で「特定の選手ばかりを取り上げる」ことにより、かえって「その選手が苦手になったり嫌いになったりする人が出てしまうのではないか」という指摘には、同世代だからこその意見で「なるほど」と思った。

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ)の「古坂大魔王対田原総一朗」の回は、私の周りでも話題になった番組だったが、中高生も興味を持つ番組だということに少し驚いた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】について

    • 『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ) ヒーローとしての資質とは、たとえそれが自分にとって不利益になるとしても、人の為になりふり構わず立ち向かっていくことなのだと感じました。僕はアメコミと言われるヒーローものの映画も好きなのですが、このアニメ番組は少し雰囲気が似ています。自由と個性が認められる中で、真のヒーローに成長していく主人公をこれからも見たいです。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『あなたのことはそれほど』(TBSテレビ) ネットニュースで視聴率が上昇していると知りました。不倫ドラマが主婦層に人気なのは、自分が出来ないことをテレビの画面を通して疑似体験し、自分と重ねられることにあると思います。女子高生に学園の恋愛ドラマなどキュンキュンするのが人気なのは、それが現実世界では体験できない世界を映しているからだと思います。不倫を内容とするドラマは不倫を助長させる、不倫に一種の憧れを持たせてしまう、などの懸念がされていることを聞きましたが、それは心配に至らないと思います。主婦層は現実世界から少し離れて夢を見られるような世界を画面越しに望んでいるのだと思います。(埼玉・高校1年・女子)

    • 『サザエさん』(フジテレビ) 「タラちゃん空気を読む」というお話を見て「空気を読む」ということについて考えさせられました。『サザエさん』は、ただ日常を描くだけでなく日常に隠れている言葉の不思議について考える機会を与えてくれます。それが私が『サザエさん』を好きな理由のひとつです。二つ目は、多様性があるところです。最近(主人公一家が)三世代構成というところが「時代錯誤だ」と言われたり視聴率が低迷しているというニュースを見ましたが、現代と違うスタイルであるからこそ、私たちはそれを受け入れるべきだと思います。時代に合わないと言ってはねのけるのではなく、だからこそ積極的に取り入れた方が良いと思います。(青森・高校2年・女子)

    • 『ひよっこ』(NHK総合) 今の私と同い年であるみね子が力強く自立して生き抜く姿には、応援する気持ちとともに背筋を正される思いがします。みね子達の時代の苦労も笑顔に変えて力強く生きる人々の姿が、私たちにたくさんの反省と勇気を与えてくれます。また時代を越えて変わってしまったもの、変わらないものが心に響きます。他人を思いやる心、誰かのために努力する幸せ、親への尊敬と感謝、他人とまっすぐ向き合う姿勢、どれも今の私には足りないと感じます。ドラマは、いろいろな人生を少しずつ経験できるのが魅力だと思います。人生は一回きりだけど、ドラマを通じて時を越え、空間を越え、主人公の人生を生きることができるからです。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 今期のドラマでは 『小さな巨人』(南日本放送/TBSテレビ)が 、セリフがいちいちカメラ目線だったりしてカメラの撮り方が面白いです。見ている人が喋りかけられているような感じで、迫力があります!『CRISIS(クライシス) 公安機動捜査隊特捜班』(鹿児島テレビ/関西テレビ)は 逆にカメラをカットしないで撮影していて こちらも面白いです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 家族で必ず見ているアニメは『名探偵コナン』(鹿児島讀賣テレビ/讀賣テレビ)です。毎週 ドキドキしながら見ています。コナンではよく、昔のアニメを普通に再放送していますが、昔の物の方が映像が生々しくて怖かったりして面白いです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 『サタデーらじらー!』(NHKラジオ第1)8時台が放送100回目を迎えました。100回もの放送ができたこの番組はすごいなと思いました。時に親身に、そして面白く、私は大好きです。(山口・中学2年・女子)

    • 高校野球の話題で、ある選手の取り上げ方に違和感を覚えることがあります。ニュースを見ているとその選手は確かに優秀な成績を挙げていますが、そのチームの他の選手も活躍している場面があるのに、放送ではほとんどその選手だけが取り上げられていました。注目するのはいいのですが、やりすぎると「またか」となり、その選手が苦手、または嫌いになる人が出てしまうのではないかと思いました。(愛媛・高校2年・男子)

    • 他のモニターの意見を読み、「朝のニュースと同じ時間帯に、若者向けにニュースの背景や意図の解説を交えたニュースをやると、年齢を問わず朝にある程度時間がある人に人気が出るのでは」という意見に共感しました。朝の情報番組は学校でも話題になるので、議論のタネを蒔き、問題提起をすることは若者の意識を喚起する機会となると思います。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ) 一時期一世を風靡したピコ太郎に、こんな下積み時代があったとは知らなかった。田原総一朗×古坂大魔王という意外な組み合わせでの「音楽とお笑い」についての議論では、田原が古坂大魔王の「かっこいい音楽」と「かっこ悪いことをするお笑い」の定義を聞き出していて興味深かった。(東京・中学2年・男子)

    • 『ライオンのグータッチ』(関西テレビ/フジテレビ) バトミントンをしていた男の子は、出された宿題をしっかりこなし、2回目の練習で成長していたのがすごいなと思いました。努力すればできるようになると改めて思いました。でも、MCの人たちのコメントが当たり前のことしかなかったのが残念でした。(滋賀・中学2年・女子)

    • 『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ愛知/テレビ東京) 出川さんの面白さとまわりの人のやさしさが伝わって、見るのが楽しいです。この番組を見ていると、見ているこっちの元気が充電される、そんな気がします。(愛知・高校2年・女子)

    • 『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ) ジャーナリストの田原総一朗さんと古坂大魔王の対談は本当に面白く、学ぶことが多くありました。「世の中には中立は無いのだから自分の立場は明解にしていい」「欠席裁判はしない。批判は面前でする」「ドキュメンタリーは相撲と同じ。土俵を徹底的につくり、あとは本番。本番に手を加えたらそれはやらせ」などの言葉が印象的でした。「一分間でも世界の人々の笑顔をつくることで平和に貢献したい」という古坂さんの言葉も胸に響きました。(東京・高校3年・女子)

◇中高生モニター会議について◇

7月25日に開催予定の中高生モニター会議について、会の流れや議論するテーマなどを担当委員らが説明し了承されました。

調査研究について

前回委員会で大筋了承された「青少年のメディア利用に関する調査票」の最終版が委員会に提出され、若干の修正について担当委員から説明があり、内容が確定しました。今後、9月の調査実施に向けて諸手続きを進めることとなりました。

今後の予定について

  • 今後の日程を次のとおり確認しました。6月30日、松江市にて意見交換会(山陰地区)。10月24日、静岡市にて意見交換会(静岡地区)。

第192回 放送と青少年に関する委員会

第192回-2017年5月23日

視聴者からの意見について…など

2017年5月23日、第192回青少年委員会をBPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず4月16日から5月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。そのあと、5月の中高生モニター報告や調査研究の調査票の検討、今後の予定などについて話し合いました。
中高生モニターに関しては、委員とモニターの中高生とのコミュニケーションを密にしてより深い感想等を引き出す試みとして、委員から一人ひとりに「お便り」を届けることを新たに始めました。概ね好評で、「頑張ってリポート書こうと思いました」などの感想が寄せられました。
次回は6月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年5月23日(火) 午後4時30分~午後7時00分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

海外の出来事を紹介するバラエティー番組で、「複数回の美容整形手術に失敗した女性の映像が瞬間的に出たのでテレビを消して回避する余裕がなかった。幼い娘も怖がって泣きじゃくっている」という視聴者意見に対して、委員からは、「人によって感じ方はいろいろではないか」という意見が出されました。また、全裸でお盆を使って股間を隠す芸人の出演に対して「子どもが真似をして大変不快だ」「テレビの影響力を考え、このような芸人は出さないでほしい」などの視聴者意見に対しては、委員からは、「一つの芸に対する考え方は人それぞれあるだろう」「芸として成立している」「子どもに悪影響を与えるかという点では、特に問題だとは思わない」などの意見が出されました。現段階ではいずれもこれ以上話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした5月のテーマは、「最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で33人から報告がありました。
「報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想」では、報道番組について11人、情報番組については12人、ドキュメンタリー番組について10人から報告がありました。複数のモニターが報告を寄せた番組もあり、『報道ステーション』(テレビ朝日)、『めざましテレビ』(フジテレビ)、『情熱大陸』(TBS)にそれぞれ3人から、『サンデーモーニング』(TBSテレビ)と『逆・転・人・生』(NHK総合)には2人から報告がありました。
「自由記述」では、バラエティー番組での効果音の使い方が気になるという意見や、自分が暮らす県内で起きた殺人事件に関する報道をきっかけに情報やメディアについて考えた、という報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『すイエんサー』(NHKEテレ)に5人から、『VS嵐』(フジテレビ)と『ダウントンアビー6 華麗なる英国貴族の館』(NHK総合)にそれぞれ2人から報告がありました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】について

    • 『目撃!にっぽん~高校生ワーキングプア 旅立ちの春~』(NHK総合)を見ていろいろなことを感じ、苦しくなったという感想を書いたモニターが、視聴後にTwitterで番組の感想を検索するなど、自分の感じたことについて考えようとする姿勢に感心した。

    • 去年11月22日に起きた福島沖地震の津波の速報に関するリポートを書いたモニターがいた。「最近見た番組の感想」ではなく、去年の報道について書いてくるということは、よほど強い印象があり、何とかこの感想を吐き出したかったのだという気持ちが伝わってきた。

    • 『報道ステーション』(青森朝日放送/テレビ朝日)に関して取り上げたリポートで「報道番組は常に中立であってほしい」という意見があった。これに対して、「中立とは何か?」ということを考えることはもちろんだが、メディアの特性として「わかりやすく伝えるために強調する」ということもあるので、視聴者が読み解いていく必要があるということもわかってほしいと思う。

    • 『めざましテレビ』(フジテレビ)を見るとさわやかな気持ちになるし「一日がんばろう!と思うことができる」というモニターが、リポートの最後に「ニュースに比べ芸能の割合が増えているように感じる。もっと政治や科学など、目を向けられにくいことも報道すべき」だと書いていて、冷静に見ていると感じた。

  • 【自由記述】について

    • 自分の暮らす県で発生した殺人事件の容疑者が自殺したという報道に衝撃を受けたというモニターが、その報道を機に、「報道と人権」などについて考えを巡らせたという報告を「なるほど」と思いながら読んだ。

    • 「この数年間で、報道番組で政府の批判を見かけることが少なくなった気がする。公平は重要だが、そのことで自粛しているのならばそれはメディアとして正しい形ではない」という意見を読んで、「公平とメディアの本来的な意義」についての鋭い視点を感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見た報道・情報・ドキュメンタリー番組の感想】について

    • 『目撃!にっぽん~高校生ワーキングプア 旅立ちの春~』(NHK総合)  家庭の状況で働かざるを得ない高校生を追ったドキュメンタリーでした。何気なく見ていたのですが、途中から目が離せなくなりました。いろいろなことを感じさせ、苦しくなる番組でした。出てくる高校生は家族や進学のため、前向きに働き、夢を追っていました。すべてに圧倒された気持ちになりました。なぜこの状況が改善されないのか、周りのサポートはどうなっているのだろうかと疑問もわきました。番組を見た後、Twitterで感想を検索してみました。好意的な意見もある一方で、批判的な意見もありました。(千葉・中学2年・女子)

    • 『関口宏のサンデーモーニング』(TBSテレビ) 今、起きている様々なニュースや事件、政治について、難しい言葉をわかりやすく説明してくれているから見ています。国会で取り上げられている内容や北朝鮮との関係についてなど、実際の映像や絵にしたものに図表や数字を入れて解説してくれるので、全体の流れがつかみやすいです。ときには難しい言葉を丁寧に文字にしてくれているので、聞き流さずに言葉の理解もできます。特にいま北朝鮮のミサイルなど世界の様子が気になっているので、つい見てしまいます。ただし、コメンテーターの言っていることがよくわかりません。(東京・中学2年・男子)

    • 『臨時ニュース』(NHK総合) 去年11月に福島県沖で地震が発生し、津波警報が発表された。警報発表直後に緊急放送を開始しアナウンサーが避難を呼びかけた。とても緊迫感のあるアナウンスで危機感が伝わってきた。また赤字に白い文字で「つなみ!にげて!」などと表示され、子どもなどにもわかりやすく伝えられていた。ただ時間とともに画面上の情報量が増え、正直どこを見ればいいかわからなくなってきた。情報を並べるのではなく、目立つ情報は最小限にすべきだ。(青森・高校1年・男子)

  • 【自由記述】

    • ネット番組と違ってテレビ番組のいいところは、家族の誰かと一緒に見ることができ、共有した情報でコミュニケーションを取りやすくなることだと思います。(神奈川・中学1年・男子)

    • 最近、テレビで気になるのが、あまり面白くないことでも、笑い声を入れることです。それで、なんとなく面白いのかなぁという雰囲気をつくるのがいやです。スタジオで出演者や観客がVTRを観ているならまだ分かるのですが、そうではないのに、不自然に「ハハハ」と笑い声や、「おぉ~」などの声が入っているのが気になります。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 自分の住んでいる県で、殺人事件の容疑者が自殺しました。どのテレビ局もこの事件を扱っていたので自分はかなり気になっていました。そのぶん、速報で「容疑者自殺」というニュースを見たときは衝撃を受けました。この事件では「容疑者が自殺したのは某局の朝の番組が事細かに放送したからでは?」というような意見を見ました。その放送を見ていないので詳しいことは分かりませんが、全国のニュースで扱うということはそれだけ関心があったということであり、事細かに放送するのはしょうがないのではないかと自分は思いましたが、逮捕していない人の自宅の位置を公開するのはやりすぎな気はしました。一方で、テレビなどのメディアがないと自分たちはなかなか情報を知ることができません。情報を知らないと不安なこともあります。メディアというものは難しいものだと、考えさせられる事件になりました。(愛媛・高校2年・男子)

    • ここ数年間で報道番組の中で政府の批判を見かけることが少なくなった気がする。政治的に公平であることは重要であるが、そのことによって批判を自粛しているのであれば、それはメディアとして正しい形ではないと感じる。個人的に報道番組で「何が起きているか」だけでなく「何が問題なのか」ということが知りたいと思っている。(神奈川・高校3年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『ダウントンアビー6 華麗なる英国貴族の館』(NHK総合) いつも母が見ています。私は最初から見ているわけではないので、話はよくわからないのですが、建物や洋服、髪型、食器や料理を見るだけでもテンションが上がります。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 『世界ルーツ探検隊』(テレビ朝日) 普段の生活ではあえて気にすることのないことを、あえて気にしてその原点が何かを探る番組だった。お風呂の原点がギリシャだというのは映画「テルマエロマエ」で見たが、なぜお風呂が必要だったのかが、病気を治すためだというのは知らなかった。お風呂の他に、眼鏡のルーツや行った国でルーツを見つけるというのもあって、雑学をたくさん知ることができた。説明に再現ドラマやアニメがあって面白かった。(富山・中学2年・男子)

    • 『すイエんサー』(NHKEテレ) 普段は気にもとめない身近な疑問の解決方法を知ることができます。遠回りをしつつ全力で解決していく姿が見ていて楽しく、疑問の解決方法を知ることはもちろん解決していく「すイエんサーガールズ」たちの努力していく過程が見どころだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

◇中高生モニター会議について◇

7月に開催予定の中高生モニター会議について、内容などを確認しました。

調査研究について

「青少年のメディア利用に関する調査票」案が委員会に提出され、担当委員から説明がありました。調査票案は大筋で了承され、今後最終的な字句の修正などを加え、6月初旬までに文案を確定し、9月の調査実施に向けて諸手続きを進めることとなりました。

今後の予定について

  • 6月30日に開催する意見交換会(山陰地区)について、事務局が地元放送局と行った準備会議の結果を報告、テーマ等についての実施案が了承されました。

第191回 放送と青少年に関する委員会

第191回–2017年4月25日

「中高生モニターに関する小委員会」について…など

2017年4月25日、第191回青少年委員会をBPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず3月16日から4月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。そのあと、4月の中高生モニター報告や今後の予定について話し合いました。
また、委員会に先立って4月5日に「中高生モニターに関する小委員会」を、4月10日に「調査研究に関する小委員会」を開催し、その報告をもとにそれぞれの課題について意見を交わしました。
次回は5月23日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年4月25日(火) 午後4時30分~午後7時00分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

「千葉・小3女児殺害事件の報道で同級生へのインタビューが子どもへの配慮に欠けていた。PTSDの発症要因にもなりうる」という視聴者意見に対して、委員からは、同級生へのインタビューは顔を映さないことやボカシ処理などで映像的な配慮がなされていたので問題はなかった、という意見が出されました。また「森友学園問題に関する報道で幼稚園児をあざけるような扱いがあった。園児の心を思うと胸が痛む」という視聴者意見に対しては、「幼稚園児を直接取材するようなケースは見当たらなかったが、園児の扱いには細心の注意が必要である。またメディアスクラム(集団的過熱取材)がなかったのかも気になった」という意見が出されました。現段階ではいずれもこれ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

2017年度は、全国から男女17人ずつ(中学生17人、高校生17人)の合計34人にモニターを依頼しました。4月のテーマは「好きなテレビ・ラジオ番組の感想」と「あなたの視聴・聴取行動を教えてください」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。34人全員から報告がありました。
「好きなテレビ・ラジオ番組の感想」では、ラジオ番組に3人、テレビ番組では、バラエティー番組に11人、報道・情報番組に9人、ドキュメンタリー番組に4人、スポーツ中継と音楽番組にそれぞれ1人ずつから報告がありました。
複数の意見が寄せられたのは『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ)と『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)にそれぞれ2人から、『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)には、自由記述も含めると5人から報告がありました。
「視聴・聴取行動を教えてください」には27人から報告がありました。
「テレビやラジオの番組を視聴・聴取・録画するとき、番組の情報をどこで得ていますか?」(選択肢あり・複数回答)という質問の答えは「インターネット」(15人)と「友人の口コミ」(15人)が同数最多でした。その他、回答が多かった項目は、「新聞のラジオテレビ欄」(14人)、「家族の勧め」(14人)という結果でした。また、自分が見る番組の録画視聴動向についての設問では、「1. 全く録画しない」「2. 時々録画している」「3. ほとんど録画視聴である」の3つの選択肢を提示しました。(2)の「時々録画」(17人)と、(3)の「ほとんど録画視聴」(8人)を併せると90%を超えるモニターが録画視聴を利用していることが分かりました。最後は、リアルタイムで視聴するときにFacebookやtwitterなどのSNSに感想を投稿したり他者の意見を閲覧したりする「ソーシャルビューイング」についての設問です。モニター全体の33%(9人)、高校生だけを見ると50%(7人)がソーシャルビューイングをしたことがあると回答しました。「視聴して感じたことを誰かとディベートしたくなる」「多様な意見を知りたい」「自分と似ている考えの人をみつけて共感したい」「友人たちと番組の感想を楽しく言い合う」など、インターネット上でのつながりを活用している様子がうかがえます。
「自由記述」では、「深夜のアニメには確かにグロテスクな描写もあるが、ストーリーの奥に隠されているメッセージを読み取ろうと考えながら見ている。過度に制限をかけすぎないでほしい」という声や、「ニュースの悲劇的な映像を見るたびに報道の大切さを感じる。報道されなければ知ることもできずその事実は私にとって存在しないも同然」と報道の本質を問いかける意見がありました。
「青少年へのおすすめ番組について」は、『所さん お届けモノです!』(毎日放送)と『#ジューダイ』(NHKEテレ)に、それぞれ2人から感想が寄せられました。

問1.テレビやラジオの番組を視聴・聴取・録画するとき、番組の情報をどこで得ていますか? (複数回答)

 
中学生
高校生
全体

1.新聞のテレビラジオ欄

9
5
14

2.インターネット

7
8
15

3.友人の口コミ

9
6
15

4.FacebookやtwitterなどのSNS

3
6
9

5.家族の勧め

10
4
14

6.その他

3
2
5

問2.あなたはテレビを録画視聴することはありますか?

 
中学生
高校生
全体

1.自分が見る番組については全く録画していない

1
1
2

2.自分が見る番組は時々録画している

9
8
17

3.自分が見る番組のほとんどは録画視聴である

3
5
8
13
14
27

問3.リアルタイムで視聴するとき、FacebookやTwitterなどのSNSに感想を投稿したり、他人の意見を閲覧したりするいわゆる「ソーシャルビューイング」をすることはありますか?

 
中学生
高校生
全体

1.ソーシャルビューイングをしたことがない

11
7
18

2.ソーシャルビューイングをしたことがある

2
7
9
13
14
27

◆委員の感想◆

  • 【好きなテレビ・ラジオ番組の感想】について

    • 『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)、『ライオンのグータッチ』(フジテレビ)についてのリポートが複数名からあった。子どもたちにとって、同世代の活躍を見ることが刺激的なのだと思った。

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(FM東京)や『らじらー!』(NHKラジオ第1)などラジオについて触れている人がいた。若者のラジオ離れが進んでいると言われるが、リポートにあるような今の若い人たちの感性をすくいあげる番組もあることを、もっと知ってほしい。

    • 深夜のアニメ番組を挙げて、「グロテスクな表現もあるけれど、ストーリーの奥にあるメッセージを読み取ろうとしている。だから過度に制限をかけないでほしい」というリポートがあった。制限をかけている人がいるということを意識したうえで、色々と考えているのだろう。

    • これまで報道や番組は、社会的なある種のコモンセンスを前提として放送されてきたが、中高生たちはそのコモンセンスを共有していない場合が多い。しかし、18歳で選挙権を与えられて判断を迫られる世代でもあって、一方だけの主張を放送されることに違和感があるのではないだろうか。どちらの主張も一度、全て聞いてみたいと思う指向性が強くなってきていると感じる。制作する側にとっては、大変なことではあるが、色々な意見をバランスよく伝えていかないと若い人たちが判断しづらいという時代になってきているのかもしれない。

  • 【視聴・聴取行動】について

    • 今回も、ソーシャルビューイングをしている人たちが一定程度いることが確認できた。やはり中高生にとって、テレビは誰かと見るもので、感想を分かち合いたいと思っていることが見えてきた。

    • かつてテレビは、ずっとスイッチが入っていて、流れている番組を見ていたが、ほとんどの人が録画を活用し、コンテンツを集中して見ているようだ。自分が今まで考えてきたテレビの枠組みというものを考え直させられるような気がしている。

    • ソーシャルビューイングをする理由で「多様な価値観の意見を聞くことができる」という意見のある一方で「自分と同じ意見に共感したい」という対局の意見もあった。元々は、多様な意見を聞くことができ、様々な主張ができることがSNSの利点と言われていたが、多様意見を求めるというニーズに応える一方で、他を切り捨てて自分の好きな意見だけ知りたいという思いも増幅させているのかもしれない。

  • 【自由記述】について

    • 北朝鮮のミサイル問題を取り上げた人が複数いた。日々、報道されている国際的な問題などへの中高生の関心の高さがうかがえる。

    • 「遠い地域の内戦や紛争に今まであまり関心が持てなかったが、中学生になって報道の大切さを感じ、もっと知りたいと思うようになった」と知ることの大切さを伝えるリポートを読んで、テレビに「真実の報道」を期待しているということがわかる。

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 地元の番組についての報告が多く見られ、ローカル放送にも興味を持っていることが分かった。

    • 『所さん お届けモノです!』(毎日放送)について「猫がかわいく描かれている番組を見て、触りたくなるぐらい引き込まれた」と高く評価している報告があった。ぜひ番組制作者に伝えたいと思うようなコメントを自分なりの表現でしてくれているいい感想だと思った。

◆モニターからの報告◆

  • 【好きなテレビ・ラジオ番組の感想】について

    • 今まで見てきた番組の中で『世界の果てまでイッテQ!』(北日本放送・日本テレビ)が一番好きです。タレントが世界のあちこちに行き、体をはって生きものや食べ物、文化や生活習慣などを紹介してくれます。イモトさんの登山に挑戦する姿には感動し、勇気をもらっています。(富山・中学1年・女子)

    • 『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ) 家族揃ってみていました。本当は同じ時間に放送されている『精霊の守り人』が見たかったけど、妹が楽しみにしていたので仕方なくチャンネルを譲りました。でも、見ているうちに何だか元気をもらえ、ファンになってしまいました。5歳の弟も「面白い」と言っていたので、5歳児でも面白いと感じるドラマはすごいと思いました。ドラマを作るとき、どうすれば家族みんなが楽しむことができるのか。どんなことをヒントに制作しているのか興味がわきました。(千葉・中学2年・女子)

    • 『ニュース シブ5時』(NHK総合) 季節や時期に合ったニュースや情報を、中学生の私にも分かりやすく解説してくれるので、家にいるときはよく見ます。難しい言葉をあまり使わなくて、分かりやすい良い番組だと思います。(滋賀・中学2年・女子)

    • 『ライオンのグータッチ』(フジテレビ) 毎回必ず見ています。ちょうど私と同じくらいの年代の子たちが努力しているのを見て「私もがんばらなくちゃ。」と思います。夢を追いかける中で大きな壁にぶつかったり、なかなか花開かなかったり、そんな困難に立ち向かっていく姿を見ていると、勇気、やる気をもらえます。(東京・中学2年・女子)

    • 私はラジオをよく聴きます。何か他のことをしながら聴くことができるのがラジオの魅力だと思います。(山口・中学2年・女子)

    • 『ひよっこ』(NHK総合) 茨城県民なので、とても親近感があり毎日楽しみにしています。しかしながらあまりにもなまりが強すぎて気になっています。それでも、茨城が世の中に広まって、「いいところだな」と思ってもらえる機会が増えてうれしく思っています。(茨城・高校1年・女子)

    • 『ワールドスポーツMLB』(NHKBS1) 大リーグ中継の多くは2か国語なので、現地の言葉を聞くと「ベースボール」という感じがしてとても好きです。そんな大リーグ中継をもっと面白くしてくれるのがこの番組です。(長野・高校1年・男子)

    • 『大科学実験』(NHKEテレ) 普段何気なく目にしている現象を、スケールを大きくして、失敗を交えながらコストと時間と労力をかけて実験するところが面白いです。映像に迫力があって、次回も見るのが楽しみです。(兵庫・高校2年・女子)

    • 『ザ!世界仰天ニュース』(長崎国際テレビ・日本テレビ) 今回は、皮膚の一部が変異して硬くなり飛び出してくるツリーマンと言われる男性が取り上げられていました。食事中に見たくないと家族に言われました。たまに手術映像や奇病の特集のときにチャンネルを変えたいと言われます。病気の人に失礼だと思います。テレビで伝えられ多くの人に知ってもらうことが、理解につながると思うので、番組の内容には共感できます。(長崎・高校2年・男子)

    • 『とんねるずのみなさんのおかげでした』(テレビ愛媛・フジテレビ) この日の企画は「全落」でした。自分が好きな企画のひとつで、毎回楽しみにしています。いろんな人が落とされて、たまにハラハラするときもありますが、見ていてとても楽しいです。これからも続いてほしい企画です。(愛媛・高校2年・男子)

    • 『ミライ☆モンスター』(フジテレビ) 今までのスポーツ系ではなく、数学をテーマにしていてよかった。これまではスポーツばかりでスポ魂!っていう感じが嫌いだったが、今回はとても面白く見られた。このままルービックキューブ界とかマジック界とかにも放送内容を膨らませると知的な好奇心が刺激される面白い番組になると思う。また同世代が主役の番組なので、青少年にとっては見ていて「自分を責めたくなる気持ち」と「発奮する気持ち」の両方を湧き立たせる良い刺激となる番組なのではないだろうか。(東京・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 僕はアニメ番組を見ることが多いです。深夜に放送しているアニメ番組も録画視聴します。中学1年生には不適切だと大人は思うかもしれません。確かにグロテスクな描写もありますが、ストーリーの奥に隠されている友情や勇気や希望などメッセージを読み取ろうと考えながら見ているつもりです。過度に制限をかけすぎないことを願います。(神奈川・中学1年・男子)

    • 私はバラエティー番組をよく観ています。番組の中でVTRが流れているとき、出演者の顔を映すワイプを観るのが、とても好きなのです。なので「ワイプをもっと大きくしてほしいなぁ」と思います。前室での話とか、ウラ話とかも好きなのでどんどん話してほしいです!!(鹿児島・中学2年・女子)

    • 番組とは関係ないのですが、最近 テレビに出る人が同じ顔になってきたなぁと感じています。ボトックス?とか ヒアルロン酸?とかなのかなぁ??少し前は40代、50代の女優さんがされていたみたいですが、最近では20代のタレントさんや渋さが売りの男優さんもやっているみたいで みんな同じ丸顔でツヤツヤのほっぺで 個性がなくなってしまっているような気がします。ドラマやCMの設定で、お嫁さんと姑さんとか、新人OLとベテラン上司とかの設定も、どちらの女優さんも同じくらいの年齢に見えてしまって、少し違和感を持ってしまいます。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 遠い地域の内戦や紛争、事件に今まであまり関心が持てませんでした。わざわざ危険な紛争地に向かうジャーナリストがいることが不思議でした。しかし中学生になり、報道することの大切さを感じ、もっと知りたいと思いました。報道されなければそれらは知ることなく、その事実は私にとって存在しないも同然です。報道することで存在が世界に知られ初めて救援策が取られたりすることを知りました。遠い地域の紛争は私の足元の生活とつながっていることを実感し、知ることの大切さ、(仮に編集された映像だとしても)報道することの必要性を感じています。(千葉・中学2年・女子)

    • 最近気になるのが「番宣」。ドラマに出演する俳優たちが、クイズ番組や情報番組にでてきて、興ざめしてしまう。「なんでこの人がゲストにいるのかな」と思うと必ず番宣になり、ときには、不愉快な気持になってしまう。(東京・中学2年・男子)

    • たまに音楽を聴くときしかラジオは聞きません。そして今ではいろんなスマホのアプリがあり、好きな曲を自分で選んで好きなだけ聞けるので、正直ラジオは不便に感じます。(東京・高校1年・女子)

    • 最近のニュースを見ていると、コメンテーターと言われる人たちがいることがほとんど当たり前になってきているが、コメントの質が落ちていて悪口にしか聞こえないときがある。(静岡・高校2年・男子)

    • テレビやラジオが誰でもどこでも視聴できるようになり「個別化」が進んでいる現代では、個人と個人をつなぐ番組が求められていると思います。私の家ではクイズ番組になると家族みんなで発言しあい、とてもにぎやかに家族の絆が深まっていると考えます。家族の会話を増やすような番組がもっと増えてほしいと思います。(青森・高校2年・女子)

    • 最近の高校生はラジオをあまり聴いていないように感じます。ラジオはスマホで簡単に聴くこともできるのに、なぜどんどんすたれているのでしょうか。少なからず疑問に思います。(愛知・高校2年・女子)

    • 朝のニュースと同じ時間帯に高校生・大学生向けにニュースの背景や意図の解説を交えたニュースをやっていると、年齢を問わず朝にある程度時間のある人に人気が出るのではと思った。(東京・高校2年・男子)

    • 北朝鮮の核実験やミサイル問題を多くの番組で取り上げていました。事態の緊張感が高まる中、ネットやSNSには情報源もわからない様々な情報が溢れており、信頼できる新聞とテレビの報道の重要性を実感しました。しかし、多くの人が観る情報番組で視聴者の不安を煽るような内容や笑いのネタのように扱っていると感じられるものもありました。いかに視聴者をパニックにさせずに、あらゆる備えるべき可能性を伝えるかが問われていると感じました。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『所さん お届けモノです!』(毎日放送) を見て、僕は猫アレルギーで猫と触れ合うことはできないけれど、猫がとてもかわいく触りたくなるぐらい番組に引き込まれました。猫が苦手な僕でも猫が欲しくなりました。(岐阜・中学2年・男子)

    • 『#ジューダイ』(NHKEテレ) 普段ぺえさんがテレビに出演している姿を見ていると、少しおちゃらけた印象を受けます。今回はそんなぺえさんがお悩み相談室を開くという内容でしたが、恋の悩みや進路についての相談にしっかりと回答をしていて、正直驚きました。むしろ、彼(彼女?)にしか相談できないというジューダイの方々もたくさんいるのでしょう。この放送では、そんな十代の人とぺえさんの関わりを知ることができた気がしました。少し残念だったのは、ぺえさんが目立ち過ぎて、十代の人たちにしっかりスポットライトを当てられていなかったことです。(東京・中学2年・男子)

    • 『ぷらナビ+』(鹿児島放送) 鹿児島の情報をいろいろと知ることができるし「出演者の皆さんが仲が良いんだろうなぁ」という感じが伝わるような番組で 私は好きです。『ぷらナビ+』だけに限らず 鹿児島の番組は鹿児島市のお店を紹介するものが多いと思います。鹿児島は独特な形をしていて私の住む大隅半島から鹿児島市に行くにはフェリーを使う事が多いのですが、これだと時間もお金もかかってしまって、そんなにしょっちゅう行けるものではありません。大隅半島では数十年前に鉄道も廃止されているので、移動手段は車だけなので、大隅半島のおすすめスポットも、もっと紹介してもらいたいなぁと思います。(鹿児島・中学2年・女子)

◇「中高生モニターに関する小委員会」について◇

中高生モニター制度の点検のため4月5日に「中高生モニターに関する小委員会」を開催しました。メンバーは最相副委員長、稲増委員、中橋委員の3人で、中高生モニターと委員との関わりをより密にしていきたいという委員会の希望を踏まえ、今後の制度運用のあり方について議論し、いくつかの具体策を委員会に提案し了承されました。
また、これまで3月に行っていた「中高生モニター会議」を今年度は夏休みにあたる7月下旬に開催することを委員会に提案し了承されました。

調査研究について

調査研究の具体的な推進のため4月10日に「調査研究に関する小委員会」を開催しました。メンバーは菅原委員、中橋委員の2人で、調査実施までのスケジュールと調査内容についていくつかの案を検討、大筋の方向を委員会に提案し了承されました。

今後の予定について

  • 6月30日に行う意見交換会(山陰地区)の参加委員の確定と意見交換会の内容について、話し合いを行いました。