第339回

第339回 – 2025年5月

審理の手続きなどについて意見交換…など

議事の詳細

日時
2025年5月20日(火)午後4時~午後7時30分
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明し議論した。

2. その他

委員会の審理の手続きなどについて、事務局から検討すべき内容を説明し意見交換した。

以上

2025年4月24日

毎日放送『ゼニガメ』 偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は4月24日午後2時からBPOで行われた。委員会からは小町谷委員長、岸本委員長代行、米倉委員の3人が、毎日放送からは北野弘制作担当取締役ら4人が出席した。BPO側から放送倫理違反があったと判断するに至った経緯を説明したあと、毎日放送の北野取締役が「意見書について真摯に受け止めたい。現在、再発防止を行っているが、いただいた意見を参考に、引き続き再発防止に努めたい。スタッフ間のコミュニケーション、情報共有をもっと多くして、視聴者に信頼される番組作りをしていきたい」などと述べた。

続いて午後3時から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、委員会決定を公表した。会見には新聞・テレビなど18社29人が出席した。
小町谷委員長は問題となった3放送回のうち、1回目と2回目は国家資格者である司法書士が土地建物の取引現場に同席しており、放送局が依頼者が本人であると信用する相当の理由があったと考えられることを説明した。一方、3回目については依頼者が「本物」であることの担保がなく、取材対象者からの紹介により業者の利害関係人であることにともなるリスクも加えると、通常以上に慎重な事実確認が必要だったと指摘した。
続いて米倉委員は今回の事案について、取材対象者による手の込んだ仕込みや偽装があったという認識を示した。さらに相手が悪意を持って本気でだまそうとするならば、(番組側がこれを)完全に防ぐことは非常に難しく、この事案においても、番組側が相手の意図を見抜くために、「これをしていれば見抜けたという決定的な何かがあるわけではない」と述べた。とはいえ、取材での複数のプロセスにおいて事実確認を積み重ねることが重要であることを強調し、また取材中に「番組が面白くなりそうだと感じるときがあるが、そういうときこそ冷静になって事実関係を確認してほしい」と述べた。
岸本委員長代行は、まずBPOの審議の姿勢として「問題があったと分かった後で、あのとき、ああすれば良かったという立場をとらない。制作した時点に立って、あのとき何ができたか、また、すべきだったかを考える」と説明した。そのうえで、倫理違反とされた3回目の放送については「一言で言えば無防備に過ぎた」「お金やビジネスを扱う番組のテーマからすると、(テレビを利用しようとする人が紛れ込むという)予見できるリスクがあった」と指摘した。

この後の質疑応答では「司法書士だからといって偽装を疑わないという確認の仕方に問題はなかったか」という趣旨の質問があった。これに対してBPO側からは、司法書士は、法令上の義務を負っており、それを超えて番組側が偽装を見抜くことは困難であったであろうし、今回の司法書士の行動は法務大臣による懲戒に値する可能性があるものであったという説明があった。
また「騙した社長は、(番組ディレクターからの)期待に沿ってあげよう、テレビってこんなもんやろうと考えた、というふうに意見書に書いてあるが、もう少し深くききたい」という要望があった。これに対してBPO側からは、業者の本意を知ることはできないが、社長から事情を直接聴いた毎日放送によると、宣伝効果を狙ったか、ある種の自己顕示欲を発露したかったか、ということが考えられると説明があった。
最後に、金の延べ棒が見つかった家と「偽の依頼人」は、どのような関係なのかという質問があった。これに対してBPO側からは、分かっていることは不動産登記上のことに限られる。本当は誰の、どういう家なのかについては、偽の依頼人が放送局からの電話連絡にいっさい出なくなってしまったので不明だ、との回答があった。

以上

第206回

第206回–2025年5月

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』について審議

第206回放送倫理検証委員会は、5月9日に千代田放送会館で開催された。
委員会が4月24日に公表した、委員会決定第47号 毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見について、担当委員から当日の様子などが報告された。
TBSテレビは、2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルで、インテリア小売業大手「ニトリ」を特集した。放送後、視聴者からBPOに「番組の全編でニトリの商品を紹介していた。価格や商品名も入っていた。番組の提供にも入り、本編からCMに移ってもニトリのCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。委員会は、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして2025年1月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員から意見書の修正案が提示され議論した。
日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。委員会で議論した結果、このインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、制作過程に放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、担当委員から当該放送局の関係者にヒアリングした途中経過が報告された。
4月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年5月9日(金)午後4時~午後6時40分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 毎日放送『ゼニガメ』偽の買取現場への「密着コーナー」に関する意見の通知・公表について報告

毎日放送の情報バラエティー番組『ゼニガメ』は、2023年11月29日、2024年5月8日、同年7月17日の3放送回において、家屋清掃と出張買取を一度に行う業者を密着取材し、放送したが、全ての回において業者による“偽装”や“仕込み”のあったことが分かり、2024年9月の委員会で審議入りした。
委員会は「事実と異なる放送を三度に渡って放送したことは、視聴者の信頼を大きく裏切るもの」と指摘したが、1回目と2回目の取材は、国家資格者である司法書士が立ち会ったうえで、偽の不動産売買契約等が行われていたこと等から、放送局側に放送倫理違反があったとまでは言えないと判断した。他方、3回目の放送では、古い家屋から見つかった金の延べ棒や、業者から紹介された「偽の依頼人」に対する基本的な事実確認が不十分だったとして放送局側に放送倫理違反があったと判断した。
2025年4月24日に委員会は当該放送局へ委員会決定を通知し、引き続き記者会見を開いて意見書を公表した。この日の委員会では、委員会決定を伝えた毎日放送のニュース番組の録画を視聴し、担当委員から当日の様子等について報告があった。委員のひとりからは、審議の途中で分かったことであるが、テレビ局が取材対象から、「テレビって、こんなもんだろう」と、半ばいい加減な存在のように思われているふしがあり、そうであるならばテレビ局の側から「自分たちはそんないい加減なことはしない」と意識的かつ積極的に示すことが必要であることを会見で訴えたと報告があった。別の委員からは、意見交換がなされた当該放送局への「通知」と比較すると、記者会見を設けた「公表」ではあまり活発な意見が出されることがなかったと報告があった。理由としては、本事案に3回の放送が含まれており、問題となった番組を見ることなく、意見書の記述だけをもとにどのような放送だったかを理解するのには苦労があったのかもしれないという指摘があった。
通知と公表の概要は、こちら。

2. TBSテレビ『熱狂マニアさん!』について審議

TBSテレビは2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルで、「ニトリマニア集結!1万点からベスト3…名もなき家事が今夜消滅!」と題し、インテリア小売業大手ニトリの商品を使った時短料理や収納テクニックなどを放送した。
放送後、視聴者からBPOに「番組の全編でニトリの商品を紹介していた。価格や商品名も入っていた。番組の提供にも入り、本編からCMに移ってもニトリのCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。この番組は2024年の1月13日と6月1日にニトリを放送しており、今回が3回目であることが判明したため、委員会は当該放送局に番組DVDと報告書の提出を求めることにした。
TBSテレビの報告書によると、番組は特定のジャンルに並外れた熱意や愛情を注いでいるマニアが熱狂していることや好きなものを紹介するバラエティー。コロナ禍の巣ごもりでコンビニやスーパー、大手日用雑貨店への興味や関心がファミリー層などで高まったことを受け、時短料理や清掃・収納など人気有名企業の商品活用法に詳しいマニアを番組が発掘し、単なる商品紹介ではなく、衣食住にまつわる生活の知恵を幅広い視聴者に届けてきたという。
委員会は、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして2025年1月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、これまでの議論を踏まえ担当委員から示された意見書の修正案について意見が交わされ、意見書の内容をさらに深めていくことになった。

3. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議

日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。
委員会は当該放送局に報告書と番組DVDを求めそれらを踏まえて協議した結果、問題となっているインタビューは、女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決めた。
今回の委員会では、担当委員から当該放送局の関係者にヒアリングした結果が報告された。委員からは「カラスの肉を中国では食べるという事をなぜ面白いと思うのか。そこには中国人を冷笑する差別意識が底流にあったのではないか」といった意見や「今の中国の体制下では、テレビに出て少しでも批判的なことを言うと、身に危険が及んだり家族に累が及んだりするという恐怖心を抱いている人が多い。その点についての意識が低いように感じる。バラエティー番組とはいえ、もう少し国際感覚を磨くべきではないか」といった意見が出た。
これらの意見を踏まえて担当委員は引き続き当該放送局のヒアリングを続ける。

4. 4月の視聴者・聴取者意見を報告

4月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、元タレントと女性とのトラブルを巡る一連の問題に関する番組への批判が数多く寄せられた。また、クルド人を特集したドキュメンタリー番組について、あたかも日本人が差別をしているかのような偏向報道であった、クルド人ならびに彼らの関係者側の意見に偏っていたなどの批判が寄せられたことなどが事務局から報告された。

以上

2025年4月に視聴者から寄せられた意見

2025年4月に視聴者から寄せられた意見

テレビ局の対応をめぐる第三者委員会の結論を報じた番組に多くの意見が寄せられました。

2025年4月にBPOに寄せられた意見の総数は、2,058件で、先月から90件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 84.2% 電話 14.4% 郵便・FAX 1.4%
男女別は、男性 48.4% 女性 26.0% 無回答 25.6%で、世代別では10代 1.4% 20代 9.6% 30代 18.6% 40代 24.4% 50代 18.9% 60代 11.6% 70歳以上 2.4%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。4月の個別送付先は33局で、意見数は651件でした。放送全般に対する意見は122件で、その中から11件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

元タレントと女性のトラブルに関するテレビ局の対応などを調査した第三者委員会の報告が公表され、その内容を報じた番組に意見が寄せられました。ラジオに関する意見は64件、CMについては12件でした。

青少年に関する意見

2025年4月中に青少年委員会に寄せられた意見は62件で、前月から8件増加しました。
今月は「表現・演出」が26件と最も多く、次いで「要望・提言」が18件で、以下「言葉」や「報道・情報」などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 第三者委員会の報告を読むとテレビ局内の人権意識に問題があることがわかる。それは当該の局にとどまらないのではないかとも思えてくる。いじめやハラスメントを想起させるバラエティー番組の演出はそうした人権意識の低さに原因があるのではないか。

  • 第三者委員会の記者会見以降各社とも元タレントの性暴力と断定的に報じているが、加害者とされる側は守秘義務に従い詳細を語っていない。第三者委員会が性暴力と認定した根拠について詳しく解説してほしいと思った。

  • 第三者委員会の報告をめぐるスタジオトークの中で、被害者とされる人に対するセカンドレイプとも受けとれるようなやり取りがあった。

  • 兵庫県知事をめぐるさまざまな事象を追いかける報道番組。番組内容を批判する立場の人の意見をもっと詳しく紹介してもよいのではないかと思った。

  • タレントをレギュラー出演者として起用するニュース・情報番組が多すぎると思う。視聴者は各分野の専門家から正確な情報を聞きたいのだ。タレントのコメントが必要なのかどうか、番組を作る人に改めて考えてほしい。

  • タレントのスキャンダルやテレビ局の不祥事の話題を取り上げる時間が長すぎる。政治と経済、国際関係など重要なニュースをもっと詳しく伝えてほしい。

  • SNSやYouTubeなどネット上にテレビ局の報道内容を批判する声が多数ある。テレビ局側はこれに対して反論や説明をせず放置しているが、それが放送に対する信頼の低下を招いているのではないかと思う。ネット上の意見に向き合う姿勢があってもよいのではないか。

  • トーク番組とアニメ番組、全くつながりのない2つの番組がEPG上で1つの番組としてくくられていて録画の際に支障が出る。

  • 前世の記憶を持つという少年を取り上げた番組。事実と断定できないことをあたかも事実であるかのように放送するのはいかがなものか。

  • 人気俳優2人の不倫報道について。各社の取り上げ方が比較的落ち着いていると感じるが、2人の事務所がともに否定していることが理由なのだろうか。もし事務所に対して局が忖度しているのであればがっかりだ。

  • テレビはゴールデンタイムと呼ばれる時間帯の番組に多くの制作費を使っていると聞くが、その時間帯にリアルタイム視聴できない人も少なくない。配信などを使った視聴が増えているのだからゴールデン以外の時間帯の番組にもお金をかけていいと思う。

  • 間に合わないとかチケットが売れていないとか開幕前は批判一色のように見えた万博の報道だが、始まってみれば各社とも手のひらを返したかのように見どころを楽しそうに紹介している。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ヒーロードラマで、図書館を舞台に暴れまわり、蔵書を銃で撃ちぬく描写があった。図書館は静かに利用するというルールを守らず、ヒーローが蔵書を毀損するのはひどいと思う。子どもに悪影響があるだろう。

  • バラエティー番組で、抱きついてきた着ぐるみのクマの口から突然、緑色の大量の液体を浴びせられるドッキリがあった。(ターゲットの)芸人は「溺れる、死ぬ」と苦しがっているのにかけ続けるのは、全く笑えないし度を越している。子どもが見たら面白がって、いじめにつながるだろう。

【「要望・提言」】

  • 深夜の恋愛ドラマ。フィクションとはいえ不倫することが純愛であるかのように描くのは、一般的な倫理観とはかけ離れている。見ていて気分が非常に悪くなった。子どもが見る放送時間帯ではないが、高校生などの倫理観には大きな影響があるのではないか。

  • 子ども向け特撮ヒーロードラマで、大統領の肩書を持つ人物が卑劣な悪役として登場した。子どもに「政治家は皆、極悪人だ」と印象付けるような描写はやめてほしい。

【「言葉」に関する意見】

  • 情報バラエティー番組で、芸人の女性司会者が、元タレントについて「クズやな」と評する発言をした。公共の電波を使った侮辱だ。「クズやな」という言葉を子どもが真似して友だちに言っているのを見て驚いた。発言を訂正してほしい。

【「編成」に関する意見】

  • 子ども向けの人気アニメの放送時間が深夜帯に変更されたが、これはよくない。低年齢の子どもが、寝ているはずの深夜に見るのは好ましくないだろう。元の午前帯に戻してほしい。

第278回

第278回-2025年4月22日

新委員長の互選と副委員長の指名…など

2025年4月22日、第278回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子新委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
会議の冒頭、榊原洋一委員長の退任に伴う新委員長の互選により、吉永みち子副委員長が新委員長に選任されました。引き続いて、吉永委員長が新たな副委員長に飯田豊委員を指名しました。
3月後半から4月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について、担当の委員から報告がありました。
4月の中高生モニター報告のテーマは「最近視聴したバラエティー番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年4月22日(火)午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
新委員長の互選と副委員長の指名
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

新委員長の互選と副委員長の指名

榊原洋一委員長の退任を受けて会議の冒頭、BPO規約第35条第2項前段に基づき委員の互選により、吉永みち子副委員長が新委員長に選任されました。引き続いて同条第2項後段の規定により吉永みち子委員長が飯田豊委員を副委員長に指名しました。

視聴者からの意見について

3月後半から4月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
アニメ番組の妖精キャラクターが、主人公が歌う様子などの動画を撮って無断でSNSにアップロードする行為をした際、主人公がそれをきちんと注意しなかったことに批判的な視聴者意見が寄せられました。担当委員は「ある程度『お仕置き』はあって、手放しで無断アップが賞賛されたわけではない」としたうえで、「『してはいけない』という教育的なファクトを強調すると(番組自体が)つまらなくなると思う」と説明しました。
ある委員は「この無断アップの結果、主人公がアイドルとして認知されるという展開なので、ストーリーの『キー(鍵)』になる要素だ。無断アップが社会的な問題になっているので、批判する視聴者がいるのは理解できるが、ここだけで一線を越えているとは思えない」との見方を示しました。
男女の不倫関係がテーマとなる深夜の恋愛ドラマに、ドラマのタイトルを含めて批判的な意見があったことについて、担当委員は「男女のあえぎ声など性的なシーンが多少気になったが、放送時間は深夜遅くで、こちらは(青少年への)配慮があった。ただし、放送後はいつでも、当該局のアプリを介してや、TVerで視聴できる。従来は放送時間を考慮することが青少年への配慮だったが、将来的には別途検討が必要になるのではないか」と述べました。
これを受けて別の委員は「ネット配信会社のコンテンツは(青少年の視聴年齢層を示す)レーティングが付いているのが当たり前だが、テレビに準じるからという理由でTVerにはそれがない。これまでの放送時間(を遅くすること)でゾーニングする慣習に関係しているからだが、今後は個別の番組を起点にするのではなく、もう少し包括的に議論する機会を持つべきではないだろうか」と問題提起しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

今年度の新しい中高生モニターは30人(中学生13人・高校生17人)です。
4月最初のテーマは「最近視聴したバラエティー番組について」で、モニター全員から合わせて24番組への報告がありました。
複数のモニターが取り上げた番組は『マツコの知らない世界』、『今夜復活!8時だョ!全員集合 ドリフ伝説コント20連発』、『オールスター感謝祭』(いずれもTBSテレビ)、『上田と女が吠える夜』(日本テレビ)、『プレバト!!』(毎日放送)でした。視聴方法の仕方はリアルタイムが14人、録画が10人、その他(見逃し配信などを利用)が6人でした。
「自由記述」ではバラエティー番組のほか、別のジャンルの番組に関しても意見が集まりました。また昨今のテレビ業界について、ラジオについて、また地方の放送局についての声も寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では『わたしの日々が、言葉になるまで』(NHK Eテレ)、『カズレーザーと学ぶ。「新生活×人間関係改善SP」』(日本テレビ)、『帰れマンデーpresents 全国大衆食堂グランプリ』(テレビ朝日)、『サザエさん』(フジテレビ)にそれぞれ複数のモニターが感想を寄せています。

◆モニター報告より◆

【最近視聴したバラエティー番組について】

  • 『オールスター感謝祭』(TBSテレビ)
    • 年に2回しか放送しないので楽しみにしています。アーチェリーの企画では、ドラマの制作者と出演者との掛け合いが面白かったです。ただMCの今田耕司さんのツッコミやボケは少し古い感じがあり、周りが気を遣っている感じがたまに見えてしまってしんどいです。オープニングの“眉毛いじり”は「これって本当に面白いのか…?」と思いました。(高校2年・女子・東京)
    • ネットで話題になった江頭2:50さんの件については、自分の仕事を貫いた江頭さんも、恐怖を感じて対応できなかった永野芽郁さんも、どちらが悪いという話ではないと思いました。今回はある程度の打ち合わせが必要だったのだと思いますが、視聴者が心地よい気持ちで番組を見ることができればそれだけでいいと私は思います。(高校2年・女子・熊本)

  • 『今夜復活!8時だョ!全員集合 ドリフ伝説コント20連発』(TBSテレビ)
    • 昭和の体当たりコントのすごさに言葉を失いました。宙づりや放水、セットの破壊など、屋内ステージとは思えない暴れっぷりに笑うことを忘れてただただびっくりしました。メンバー同士の喧嘩ネタもプロレス的で私は好きです。(中学3年・男子・北海道)
    • 両親から話を聞いてテレビでも話題になっていたので楽しみにしていました。着替えやセットチェンジを放送中に行う番組は新鮮でした。特に生放送ならではのトラブルでは、出演者はもちろん裏方はもっと大変だったと思いますが、それが面白さにつながったのだと思います。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)
    "説"の検証から結果までテンポが良く、飽きずに楽しく視聴することができた。最後の"説" は何を検証するのかを伏せてVTRから始まり「何?何?」と思いながら視聴できたので、構成にも工夫がありとても良かった。(高校2年・女子・東京)

  • 『それSnow Manにやらせて下さい「東京フレンドパーク3時間SP」』(TBSテレビ)
    3時間の放送なので2日に分けて視聴し、家族みんなで楽しめました。『関口宏の東京フレンドパーク』は両親が子どもの頃に視聴していた番組だったので、それが一緒に楽しめた要因だと思います。全体的に出演者の言葉が優しくてとげがなく、耳と心によかったです。Snow Manがゲストを持ち上げる発言は好感が持てます。兼近大樹さんがダーツをメルカリで売ると言ったのが聞こえましたが、冗談でも笑えませんでした。(高校3年・女子・長崎)

  • 『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)
    • 前半のテーマは「給食」で親しみやすかった。家族で視聴したが父母と自分と弟でジェネレーションギャップがあって面白かった。(中学2年・男子・群馬)
    • 1つのテーマを1時間扱うと集中力が途切れて飽きてしまうのですが、2本立て構成なので見やすかったです。「いちごの世界/大葉の世界」の放送では、日本地図のボードを使って一目でわかるように説明していて、知らない品種がたくさんあって興味が湧きました。マツコさんが食べているのを見て、おいしそうでお腹が空きました。(中学3年・男子・東京)

  • 『有吉の壁』(日本テレビ)
    番組の最後の企画で、カットされている部分が多いのかいつの間にか料理をもらっている人がいたので、できるだけどんなネタだったのかを見せてほしい。(中学1年・男子・福島)

  • 『上田と女が吠える夜』(日本テレビ)
    • おもしろい時とつまらない時の差が激しいので、今回のようなスペシャルは前もって好きな内容かどうかを確認してから見るようにしている。上田晋也さんのツッコミは嫌味に思える言葉が多いので絡み方によっては不快に思う。ただ大人のリアルなトークが聞けて面白い。(中学1年・女子・東京)
    • 女性出演者のボケにMCの上田晋也さんが適切なツッコミをしていて、気分も悪くならず面白かった。20代のゲストがいてくれて良かった。もう少しインタビューやアンケートをとって討論すると、さらに多くの人が共感して視聴する人が増えるのではないかと思った。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ)
    私はシミが気になるので最新研究報告が面白いと思った。ネットにはいろいろな情報が混在していて間違った情報もあるかもしれないが、この番組は情報のリソースが事実に基づいているので信頼できる。しかし検査結果の悪かった男性芸人を専門家やゲストが馬鹿にするような発言やシーンは、番組を盛り上げるという意味では一定程度理解できるが不快に思った。(中学2年・男子・東京)

  • 『行列のできる相談所』(日本テレビ)
    2008年から続く“カンボジアプロジェクト”の軌跡を辿っていましたが、社会貢献する番組は『24時間テレビ』しか見たことがなかったので感動しました。この活動は子供たちの未来を変えた素敵な活動だと思います。“社会貢献”と“バラエティー”を融合させた番組は面白くはないですが、一人でも多く意識を向けてくれると思うのでもっと制作してほしいです。(中学3年・女子・山梨)

  • 『ぐるナイ2時間SP』(日本テレビ)
    「ライアーゴチ」を視聴するために録画したけれど、その前に放送した「料理ハンデマッチ」の企画が良かったです。プロの時短テクニックは料理に興味がある自分にとってとてもためになりました。また凡人シェフ3人もそれぞれ違った面白さがあってよかったです。「ライアーゴチ」では矢部浩之さんの言葉でだいたい予想がついてしまい、面白みが減ってしまったところが残念でした。(高校1年・女子・愛知)

  • 『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ)
    「頂き女子りりちゃん」の事件をニュースで見たことはありますが、改めて被害の深刻さを知りました。出演者が驚きや疑問を素直に表現していて、共感しながら視聴できました。ドキュメントバラエティーとして面白く社会的意義のある番組でした。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)
    「ひらめきトッパーマン」のコーナーが良かったです。日々のちょっとした困りごとにいつも役立っています。毎回楽しく視聴していますが、犯人の手口を教えることで悪い人が真似をしないかヒヤヒヤします。(高校3年・女子・広島)

  • 『しゃべくり007』(日本テレビ)
    前の話題と次の話題を関連付けているのが面白かったです。MCが上田晋也さんでボケとツッコミが成り立つのも、この番組の良さだと思います。(中学1年・女子・東京)

  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    面白い編集や辛辣なナレーション、タレントやモデルがいじられる姿などに毎回注目している。手越祐也さんと宮川大輔さんとのやり取りを久しぶりに見ることができて面白かった。温泉同好会の大正琴の練習では、もう少し厳しくて辛辣な先生の方がよいと思う。(高校1年・女子・岡山)

  • 『アメトーーク!「マンガ大好き芸人2025」』(テレビ朝日)
    私は大のアニメ好きで、紙媒体も電子書籍もどちらも読みます。番組では芸人のイチオシマンガをたくさん知ることができるし、ジャンルも様々で見ていて飽きません。運命の一冊が見つかるかもしれないので、ぜひ多くの人に視聴してももらいたいです。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日)
    大人向けの番組だと思うが日頃から視聴している。演者の仲の良さが伝わってきて、芸人の悪口などもあったが安心して見ていられた。後半にクロちゃんのプールの話(下ネタを含む)があったが、高校1年生女子からするとこの話は気持ち悪く不快だった。簡潔な背景セットは見やすかった。(高校1年・女子・秋田)

  • 『10万円でできるかな「特別編」』(テレビ朝日)
    旅行したことのある温泉地が何位に入るか、家族で予想しながら楽しむことができた。いろいろな外国人にインタビューしていたが、何を見て(SNS、旅行雑誌、テレビ、ホームページ等)日本に旅行することを決めたのか知りたかった。(中学2年・女子・千葉)

  • 『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)
    毎回視聴していますが、企画がパターン化していて新しい視聴者を獲得しても維持するのは少し厳しいと思います。安定のネタ(都道府県のグルメなど)を起用しすぎて番組の個性が伝わらないと感じました。スタジオトークが魅力の一つなので、もっとトークを増やして視聴者との距離を近くするのがいいと思います。(高校3年・男子・福島)

  • 『実録!金の事件簿』(フジテレビ)
    チャンネルを変えてたまたま視聴しましたが、吸い込まれるように見入ってしまいました。議会中の政治家を激撮する企画では「授業中の小中学生か」と呆れてしまいました。政治家に証拠を突きつけてズバズバ聞くスタッフに、視聴者の総意を代弁してもらっているかのような爽快さを感じました。知らない世界のお金の流れを紹介する番組はもっと増えてほしいです。(高校1年・女子・熊本)

  • 『なんでも鑑定団』(テレビ東京)
    3時間スペシャルで高額鑑定も多く、中島誠之助先生の鑑定と解説が特に面白かったです。ただ鑑定前の本物のお宝の解説が長いので、そこを短くして鑑定する数を増やすとより楽しめると思います。また本物のお宝だったらいくらするのかも分かると良いと思います。(中学3年・男子・東京)

  • 『○○界隈!のぞき見&分析!~東京メトロの裏側をのぞき見SP』(テレビ東京)
    街頭インタビューや東京メトロ従業員の密着取材、発車メロディーの作曲者インタビューなど、「テレビだからこそ」制作できるVTRで非常に質が良かった。動画一つが数秒~数分のSNSに対し、長時間の枠で1つのコンテンツを掘り下げる番組は差別化できていて良いと思った。ワイプでコメントするタレントの盛り上がりをもう少し期待したい。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『プレバト!!』(毎日放送)
    • 一番面白かった企画は黒板アートです。ぼくだったら何を描こうかなと考えながら視聴しました。先生が、ダメな点を指摘した後にお手本として書き直してくれたので、とても分かりやすく参考になりました。(中学1年・男子・大分)
    • 視聴者と芸能人とが競うようにすると、もっと面白くなると感じた。俳句は国語の授業で俳句を作るときの参考になり勉強になる。(高校3年・女子・徳島)

  • 『伊集院光の偏愛博物館』(BS-TBS)
    「絶滅メディア博物館」を訪れていた。元々は興味も馴染みもなかった分野だが、伊集院光さんの豊富な知識と巧みなトークスキルにより引き込まれた。私設博物館の魅力が十分伝わり私自身も行ってみたいと思った。そしてこのような独自の番組が今後も増えてほしいと思った。全六回の番組の放送時間が不定期で分かりにくいが、配信で視聴できて良かった。(高校3年・男子・岡山)

【自由記述】

《番組の演出について》

  • 今年も大谷選手のニュースが多いなと思いました。ヒットを打っていなくても、盗塁しただけでもニュースになります。ここは日本なんだから日本のプロ野球を優先してほしいし、他のスポーツもたくさんニュースにしてほしいです。(中学1年・男子・大分)

  • 朝・夕食時に、事件現場の血や公衆トイレの便器の中などを画面いっぱいに映す必要があるのでしょうか。(高校1年・女子・熊本)

  • 政治討論番組はもっとバラエティーっぽく分かりやすくしてほしい。(高校1年・女子・岡山)

  • テレビの生放送番組のあり方について疑問がある。ニュースやスポーツなどでは生放送は必要だと思うが、出演者の会話やパフォーマンスの段取りが悪いと結果的に全体のクオリティーが下がると思う。コメント機能など視聴者と出演者とがリアルタイムで繋がる双方向性を取り入れることで、新たな魅力が生まれるのではないか。(高校2年・女子・神奈川)

  • あらゆる番組において女性や障がいのある人の出演者の割合が少ないと感じる。どの番組でも日頃から普通に出演して良いと思う。(高校1年・女子・秋田)

《個別の番組について》

  • 『誰でも考えたくなる「正解の無いクイズ」』(テレビ東京)はテーマが想像しやすく、解答までの時間を出していて分かりやすかったです。15分で短いと感じましたがちょうど飽きなくてよかったです。問題を出す時の音楽が不快で耳がキーンとして痛くなりました。後ろの背景も気持ち悪かったです。(中学1年・女子・東京)

  • 私の周囲の人が言っていますが、「やらせ」は視聴者に対する「騙し」です。たとえば『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)では絶対わかって騙されていると呆れています。ドラマではないので演技なんぞ不要です。とにかく生のリアクションを見せてください。(中学3年・女子・山梨)

《ラジオについて》

  • 自宅では普段ラジオをかけっぱなしにしています。主に聴くのは地元のAMラジオですが、最近ショッピング番組が多すぎて辟易しています。最近はNHKラジオ第1を聴く時間が長くなりました。民放ラジオの行く末が心配です。(中学3年・男子・北海道)

  • 私は常に何かの音があると落ち着くタイプなので、気軽に流すことができて耳だけで最新の情報を得ることができるラジオは一石二鳥で、これからも日常にいてほしい存在だと感じています。ただ周りの友達にはラジオを聴いている人が少なく話題に出すのも躊躇してしまうので、もっとラジオの良さを知ってほしいです。(高校3年・女子・広島)

《地域の放送局について》

  • 地元のニュース番組では、以前にも放送した特集やニュースが週に何回も流れている印象がある。(高校3年・女子・徳島)

  • 地方局のニュースと全国ニュースでは、なぜ分かりやすさが違うのでしょうか。地方局はスタジオにも広がりがないように感じます。長崎発の番組も増えてほしいです。(高校3年・女子・長崎)

《放送業界について》

  • テレビは信頼できるコンテンツだと思っていたので、昨今のフジテレビの不祥事は大変遺憾に思う。古い考えの根強く残る経営陣が運営するテレビ局のせいで、私の大好きな『サザエさん』がけがされたと思う。一刻も早い経営刷新を望んでいる。『サザエさん』に早くスポンサーが戻ってくることを祈っている。(中学2年・男子・東京)

  • 最近インターネットなどで「テレビは偏向報道がある」と言われますが、少なくともインターネットよりは正確な情報を伝えていると思います。フジテレビの不祥事などで放送業界に追い風が吹いている状況ではないですが、より正確で楽しい放送を続けるために頑張ってほしいです。(中学3年・男子・東京)

  • YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスでコンテンツを選ぶときはサムネイルを見て選ぶことが多いです。一方、テレビの番組表やradikoのタイムテーブルはタイトルとサブタイトルだけで情報量が少なく、インパクトがない印象です。普段視聴しない人にも積極的に情報発信しないと、視聴する人は減っていくと思います。(中学3年・男子・東京)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『激突メシあがれ~自作グルメ頂上決戦~』(NHK総合)
    予告を見たときは時間とお金をかけたラーメンが紹介されるのだと思っていたが、実際にはそれに加えて、それぞれのラーメンにかける思いが詰まっていて感動した。料理も面白かったのでまた見たいと思った。(中学2年・男子・群馬)

  • 『わたしの日々が、言葉になるまで』(NHK Eテレ)
    • SNSで友達に感動を伝えたいとき、ぴったり合う言葉が見つからずモヤモヤすることが多いです。感動した時に自分の身体がどうなったか?というアドバイスはとても分かりやすかったです。春休みの読書感想文の宿題にもかなり役立ちました。(中学3年・男子・大分)
    • 言語化の大切さは理解できますが「言語化=善」というメッセージは違うと思います。言葉にできない感情や気持ちを想像し、相手に寄り添う姿勢がなければ、世の中がギクシャクして人間関係が構築されません。口達者だけが得する世の中は生きづらく、賛成できません。(中学3年・男子・北海道)

    • 言葉選びに正解や不正解はないと改めて気づかされました。いつかゲストにバカリズムさんと又吉直樹さんを呼んでほしいです。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『カズレーザーと学ぶ。「新生活×人間関係改善SP」』(日本テレビ)
    • 初めて視聴しました。特に興味深いと思ったのは「痩せやすい呼吸法」です。専門家や教授が根拠を持って説明し、何も知らない私でもわかりやすかったです。難しい言葉がたくさん出てきて分からないところもありましたが、大意は把握できるように制作されていて感心しました。(中学2年・女子・東京)
    • 最新科学情報についてユーモアを交えて知ることができた。またカズレーザーさんの話は教養を感じられてとても感じがいい。(高校3年・男子・岡山)

  • 『サザエさん』(フジテレビ)
    家族の絆や日常のちょっとした出来事が心温まると思いました。また家族とのコミュニケーションは大切だと思いました。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『若っ人ランド』(テレビ熊本)
    高校生向けの番組で「夢を叶えるコーナー」が好きです。早く自分の高校に取材にきてほしいです。今回のロケでは、大好きな“おがっち”が15分ワンカットで食レポをしていて、自分の言葉で美味しさを楽しく伝えていました。これからも熊本のアイドルでいてください!(高校2年・女子・熊本)

  • 『銀シャリ橋本の〇〇WORLD』(BSよしもと)
    「出汁」をテーマに、具体的な人名を用いた歴史や出汁の種類の説明があり、丁寧で分かりやすく教養として良かった。全体的にVTRが多く、銀シャリ橋本さんの楽しい話をもっと聞きたいと思った。(高校1年・女子・秋田)

◆委員のコメント◆

【最近視聴したバラエティー番組について】

  • 『プレバト!!』(毎日放送)や『わたしの日々が、言葉になるまで』(NHK Eテレ)について、「視聴した後に自分でやってみたくなる」といった報告が共通して多かった。そう思わせる番組は好印象で記憶に残るのだと思った。

  • 中学3年生のモニターから「1つのテーマの番組を1時間視聴すると集中力が途切れて飽きてしまう」とあったが、現代の中高生は「スマホでXを見ながらテレビを視聴する」といったように複数の情報を同時に見たりするので、集中力が切れやすいようだ。1時間の番組も、テーマをいくつかに分けたりテロップで分かりやすく説明したりすることはとても大切だと感じた。

  • 『オールスター感謝祭』(TBSテレビ)に関する高校2年生の報告は、若者の“ネット離れ”を象徴している。中学3年生からの報告にも「テレビは少なくともインターネットよりは正確な情報を伝えていると思う」とあったが、こういった受け止め方はここ数年広がってきていると感じる。ネットネイティブな若い世代が、インターネットの良いところもダメなところも冷静に見ていることの表れだと思う。

【自由記述について】

  • 『サザエさん』(フジテレビ)が大好きな中学2年生のモニターから「フジテレビの不祥事は大変遺憾に思う」とあったが、放送局の経営の背景を考えたりスポンサーの動きを心配したりしていて、こういった視点は素晴らしいと思う。

  • 若者のテレビ離れについて触れた高校2年生のモニターが、「最近の番組は同じような内容ばかりでつまらない」と厳しく指摘する一方で、地元ローカル番組『若っ人ランド』(テレビ熊本)の“食レポ”のコーナーを好意的に報告していた。“食レポ”は「同じような内容」に含まれる気がするが、その“微妙な違い”をきちんと読み解くのが大切なのだろう。

  • テレビ番組に関して全体的にネガティブな報告をした高校2年生が、「将来はテレビ局や出版社に就職して、情報を伝える裏方をやりたい」と書いていた。最近の大学生の就職活動においても、テレビやラジオへの愛着よりも「自分が好きなコンテンツや文化を多くの人に知ってもらう手段」として、放送局の魅力を感じているようだ。

  • 中高生モニターには「放送関係の仕事に就きたい」という人がそれなりにいるが、一方で全く違う道を目指している中高生も多くいる。さまざまな人が意見を寄せてくれることはとてもありがたい。

今後の予定について

次回は2025年5月27日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上