2024年12月25日
年末年始のBPOの業務について
BPOでは、2024年度年末年始の業務対応を次のとおりといたします。
- 業務は、年内は12月26日(木)まで、新年は1月6日(月)からです。
- 12月27日(金)~1月5日(日)は、視聴者応対電話を休止します。休止期間中、投稿フォーム・ファクスの受信は行いますが、対応は1月6日(月)の業務再開後となります。
- 放送人権委員会のお問い合わせ電話は、年内は12月27日(金)まで、新年は1月6日(月)からです。
2024年12月25日
BPOでは、2024年度年末年始の業務対応を次のとおりといたします。
第334回 – 2024年12月
申立ての対象となったのは、テレビ東京が2023年3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』で、人気漫画・アニメのキャラクターを連想させる商品に関する不正競争防止法違反事件を取り上げ、警察の捜査の模様や2021年7月28日に執行された会社役員ら4人の逮捕場面などを放送した。
これに対し、番組で取り上げられた会社役員らは、番組の放送時点で逮捕された4人のうち3人が不起訴処分になっているにもかかわらず、その事実に言及せず、また「人気キャラクターに便乗して荒稼ぎ」「被害者面」「逆ギレ」といった過度なナレーションやテロップを付けて放送するなど、4人の名誉を著しく傷つけたなどとして申立てを行った。さらに、捜査員同士の会話や会議の様子は事後に撮影されたものであるのに、捜査の時系列に沿っているかのように番組内で構成されており、視聴者を混乱させ、許容される演出の範囲を大きく逸脱しているなどと主張している。
被申立人のテレビ東京は、不適切な放送内容が複数あったとして、お詫び放送やウェブサイトでのお詫び文掲載のほか、警察密着番組の制作中止や関係者の処分を行った。さらに再発防止策として番組チェック体制の強化や社内教育・研修の拡充などを進めていくとしている。
申立人側は、お詫び放送等の対応に一定の評価をしているものの、警察署内での事後撮影をめぐる見解の相違やテレビ東京が番組制作過程を明らかにしなかったことに納得せず、双方の交渉は不調に終わり、6月の委員会で審理入りすることが決まった。
今回の委員会では、起草委員作成の委員会決定案について、議論を行った。
申立ての対象となったのは、サンテレビが2023年9月26・27日に放送した夕方ニュース番組『キャッチ+』(キャッチプラス)で、ふるさと納税PR事業のために兵庫県下の地方自治体が出店したアンテナショップで、この自治体の元課長が現職時代に不正行為をはたらいていたという内容の調査報道ニュースを放送した。申立人は元課長で、放送内容は虚偽であり名誉を毀損されたと主張している。
9月26日放送の前編では、アンテナショップ元店長たちの内部告発をもとに、元課長が代金を支払わずに商品を飲食していたと報道した。9月27日放送の後編では、情報公開で得た資料と元店長たちの証言などをもとに、元課長の指示により、家族や知人に公金で高級牛肉などが送られていたと伝えた。
申立人の元課長は、放送などでの謝罪、インターネット上での当該ニュース動画の削除などを求めている。
被申立人のサンテレビは、元課長は電話取材に対し全てを否定したが、発言に具体的根拠はなく、元店長らの証言や伝票のコピーなどの物証からみて、放送内容は真実であり、少なくとも真実であると信じるに足る相当の理由があるとしている。また、地方自治体の管理職の地位にある公務員が、公金が投入されたアンテナショップで行った不正行為を放送したもので、公共性があり、公益を図る目的で放送したと主張している。
今回の委員会では、起草委員作成の委員会決定案について、読み合わせをしながら議論を行った。
事務局から最新の申立て状況について説明した。
来年2月に開催予定の近畿地区意見交換会に関して、事務局から開催概要と検討しているテーマについて説明を行った。
以上
第201回–2024年12月
第201回放送倫理検証委員会は、12月13日に千代田放送会館で開催された。
7月の委員会で審議入りしたテレビ東京の『激録・警察密着24時!!』について、11月の委員会で意見書の修正案に関する議論は終了しており合意が得られたため、来月にも当該放送局へ通知して公表することになった。
9月の委員会で審議入りした毎日放送の『ゼニガメ』については、先月の委員会で意見書の骨子案が提出されたのに続き、今回は担当委員から意見書の原案が提出された。原案に関する詳細な説明のあとに議論した結果、次回の委員会までに修正案を作成することになった。
11月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、毛利委員、米倉委員
毎日放送は、2024年7月17日に放送したローカルバラエティー番組『ゼニガメ』で、出張買取業者に密着取材する企画を放送したが、翌7月18日に番組に事実と異なる放送があったことを公表し謝罪した。さらに、2023年11月と2024年5月の放送分でも事実と異なる内容があったことが判明し、9月4日に「一部事実と異なる内容があった」とする調査結果を発表し謝罪した。委員会は9月に審議入りし、10月の委員会で意見書の骨子案が提出されたのに続き、今月の委員会では担当委員が作成した意見書の原案が提出された。担当委員から原案に関する詳細な説明があり、他の委員からは複数の質問や意見が出された。
今後は担当委員が来年1月の委員会に向けてさらなる検討を進め、修正案を作成する。
11月に寄せられた視聴者・聴取者の意見としては、第一に、11月17日に投開票された兵庫県知事選に関するものが約540件あったことを事務局から報告した。具体的には「斎藤知事の問題をテレビ各局が報道していたが、インターネットによってウソだと分かった」「選挙期間中、テレビで選挙の報道があまりされていないことが選挙結果を左右した。SNSを利用する人と、テレビなど既存メディアを利用する人の間で、格差が生まれたのではないか」などの意見が寄せられた。第二に、11月27日に東京都文京区で発生した火災で、炎を背景にした人のシルエットがうつる映像を放送した局があったことについて「非常にショッキングであり配慮すべきだ」など批判的意見が約250件寄せられたことを事務局から報告した。
以上
BPO・放送と青少年に関する委員会[青少年委員会]では、2025年度「中高生モニター」を下記の要領で募集します。モニターには、毎月1回、様々なジャンル(バラエティー・ニュース報道・ドラマなど)の番組をテーマに、率直な意見や感想を送ってもらいます。報告は、青少年委員会の議論の参考となり、各放送局にも送られます。任期は1年です。
【任期】 2025年4月~2026年3月
【応募条件】
(1) 上記の任期中、中学1年生から、高校3年生までであること
(2) 保護者の同意を得ていること
(3) テレビやラジオに関心があり、月1回放送に関する意見を報告できること
※上記に加えて、青少年委員会が実施するアンケート調査等に協力していただく場合があります
【募集人員】 30人程度
専用の応募用紙に氏名・住所・年齢・学校名・電話番号・メールアドレス(ある方)・「モニター応募の理由」など必要事項をお書きいただき、必ず保護者が署名および押印を行ったうえで、以下の宛先までご郵送ください。
応募用紙(PDF形式)は、ここをクリックしてプリントアウトしてください。
※いただいた個人情報は、モニター申込みに関する受付確認やモニター運営業務のために利用いたします。ご本人の同意なく目的外で利用したり、第三者に開示したりすることはありません。
【応募締切】 2025年1月24日(金) ※当日消印有効
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館7階
BPO・青少年委員会 中高生モニター係
【採用決定】
採否については、2025年3月下旬までにご連絡します。
【報告への謝礼】
月々のリポート提出者には、毎月図書カード1000円分をお送りします。
【報告の公表】
毎月送っていただくモニター報告は、BPO会員の各放送局に送られるとともに、BPOウェブサイト等に概要を公表します。
以上
放送倫理・番組向上機構[BPO]の放送と青少年に関する委員会[青少年委員会]では、青少年の育成に資する放送の在り方について、一般視聴者から寄せられる意見などをもとに話し合いをしています。しかし、一般視聴者から寄せられる意見を年代別に分類すると、青少年からの意見が大変少ないのが現状です。そこで、青少年のテレビ・ラジオに関する考え方や、番組に対する意見を知り、より良い番組作りにつなげるため、2006年4月「中高生モニター制度」を設けました。
毎年、全国の中高生30人前後をモニターに選出し、月に一度、様々なジャンル(バラエティー・ニュース報道・ドラマなど)の番組について、率直な意見や感想を報告してもらっています。中高生モニターのみなさんの「声」は、概要をBPOウェブサイト等に掲載するほか、当該放送局にもお送りし、制作現場に伝えられ、番組作りの参考にしています。
※メールアドレスをお持ちでない方はBPOに電話でお問い合わせください。なお、お問い合わせの際は「2025年度中高生モニター応募の件です」とお話いただくとスムーズです。
(03-5212-7333/受付時間は平日10~12時・13時~17時/12月27日~1月5日は休止)
青森・秋田・岩手3県のテレビ局・ラジオ局と放送倫理検証委員会との意見交換会が、10月30日に盛岡市で開催された。テレビ局・ラジオ局の参加者は16局41人で、委員会からは小町谷育子委員長、岸本葉子委員長代行、高田昌幸委員長代行、井桁大介委員、大石裕委員、長嶋甲兵委員の6人が出席した。放送倫理検証委員会はこれまでに全国各地で意見交換会を開催してきたが、青森・秋田・岩手の3県での開催は今回が初めてのことである。
冒頭にBPO放送倫理検証委員会の小町谷育子委員長が開会の挨拶を行い「放送倫理検証委員会は2007年に番組のねつ造が批判を浴びた際、国会に提出された放送法の改正案に抗して放送の自由を守るべく、BPOの活動強化のために発足した委員会です。ただ、発足から17年が経ち、当時のことをリアルに覚えておられる方は少なくなり、みなさまにとってBPOは少し遠い存在になってしまっているのではないかと感じています。本日はみなさまと率直な意見交換を行うことでその距離をぐっと縮め、日頃の業務でお悩みの事柄を一緒に考える機会にしたいと存じます」と述べた。
最初のパート『LGBTQ・ジェンダー問題 対応の視点 今日からでもできそうなこと』では、エッセイストの岸本葉子委員長代行が表現者として日頃気を付けていることを紹介した。
視聴者に情報を伝える場合、「2人組の男が逃走中」といった性別が不可欠なことを伝えるときは例外として、必要がない限り性別には言及せず「女優」「女流作家」といった肩書は本人が望まないと使わないと述べた。恋愛や結婚相手の呼称は異性であることを前提とせず「付き合っている人」「パートナー」「お連れ合い様」といった呼び方をしてみてはどうかと紹介した。また「女性レジ係」とは言わず「付けまつげの濃いレジ係」などと描写で情報を補うことで性別の代わりにしたり、「おばあちゃんの知恵」や「女子会のノリ」といった少しリスキーな表現の前に「いわゆる」と一言振ったりすることを提案した。その上で、世の中の感覚や受け取られ方に常にアンテナを張って、自分の考え方のバイアスやスレスレの表現に気づく感覚を養うことが大切だと述べた。
参加者からは「いいか悪いかは別として、ギリギリの所を攻める知恵を働かせるのが制作者のテクニックなのではないか。若い制作者の胸中には表現の自由と配慮とがせめぎ合っているように感じる」という意見が出た。これを受けてラジオ局の番組審議会委員長を務めた経験のある慶應義塾大学名誉教授の大石裕委員が「報道は非常に広範囲の視聴者を対象とするため表現への配慮のハードルを上げざるを得ないが、そうした規準を番組ごとに幾つか設けて、視聴者と対話しながらその場その場でどうするかを決定せざるを得ないのではないか」と述べた。岸本委員長代行は「こういう話をすると『じゃあ何を守ればセーフなんですか』とルールを求める傾向があるが、世間の受け取り方を肌感覚としてキャッチしつつ、自分が表現したいことを成立させる方法を探ることこそ制作者の醍醐味ではないか」と述べた。
次のパート『委員会決定42号を読み解く 視聴者質問の作り上げについての考察』では、この事案を担当した東京都市大学教授の高田昌幸委員長代行が解説した。
ある人気長寿番組が生放送で視聴者からの質問に答えるコーナーを設けていたが、番組のテーマにしっくりくる質問がないと、制作チームのトップがスタッフに質問の作り上げを命じ、自作自演を繰り返していたと経緯を説明した。その背景には、これぐらいは大丈夫じゃないか、他でもやっているだろうという意識があったと指摘。問題発覚後、番組には視聴者から「いつか読んでもらえるんじゃないかと期待して質問を送り続けていたが全部嘘だったんですね」といったメールが多数届いたと紹介した。その上で「SNS全盛時代の昨今、ちょっとでも変なことがあるとすぐ広まりとんでもない落とし穴にはまってしまう。これぐらいいいじゃないかといった業界内の古い常識や視聴者を無視したやり方は、今は全く通用しない」と述べた。
参加者から「自作自演までしてなぜそのコーナーを維持しなければならなかったのか。質問が来ないなら別のコンセプトのコーナーを作るということに何故ならなかったのか」という質問が出た。高田委員長代行は「局内でこの質問コーナーの評判は良く、どんどんやってくれと言われていた。そうしたなかで制作者は、この路線で完璧な番組を作ろうという呪縛から抜け出せなくなったのではないか」と答えた。別の参加者からは「自社のニュース番組にも視聴者の疑問に答えるコーナーがある。毎週質問が来るという状況ではないので、来ないときはディレクターが自分の疑問に基づいた取材をして番組作りをするようにしている。番組の双方向性に過剰に力点を置き、視聴者とつながっていなきゃいけないと思い込んでしまうと問題をはらんでしまうのではないか」と述べた。
意見交換会後半の最初のパート『一般人の映り込み、実名報道における人権・プライバシー保護の在り方について』では、弁護士の井桁大介委員がプライバシー侵害と表現の自由の兼ね合いについて解説した。
日本の法律にはプライバシーの定義がない。裁判例もプライバシーという用語を正面から用いることを避ける傾向にある。プライバシーとは何かについて過去の判例から説明すると▼一般人であれば公開を欲しないであろうこと、▼欲しない他者には開示されたくないことという抽象的な基準となる。状況や文脈で変わってくるため、事前の予測が難しい。例えば裁判例の中には、公道で歩いていたところを無断で撮影された場合にプライバシー侵害を認めた事例や、教育関連業者の委託先が利用者の氏名・性別・生年月日・郵便番号・住所などを漏洩した場合にプライバシー侵害を認めた事例などがあると述べた。また、メディアの撮影の違法性が問われたケースは、▼プライバシー保護の必要性と表現の自由の必要性とを比較考慮し限度を超えているかどうかで判断されており、具体的には、▼相手方の社会的地位や活動内容・場所・目的・対応・必要性等を総合考慮して、一般人基準でこの程度までは我慢すべきだという範囲を超えているかどうかで考えられていると説明した。
実名報道については、実名で報じたから即座に違法ということにはならない。ただ、個人的には、無罪推定の問題も絡んでくることから、罰金もつかないと思われる軽微な事件で実名報道されているケースを目にすると、プライバシー侵害にあたると言われてもおかしくないのではないかと指摘した。その上で、表現や報道は誰かを傷付けることからは避けられないが、誰かを傷付けてでもその放送をする必要があるのかどうかを常に問われており、そのことを意識してほしいと述べた。
参加者から「ヘルメットを被らず自転車に乗っている人の映像を放送するかどうか迷った際、放送したことでその人が誹謗中傷の対象になると、何かしらの責任を問われることになりかねないと懸念を抱き断念した。この判断は正しかったと思うか」という質問が出た。井桁委員は「放送自体に違法性がない場合に、放送がきっかけで誰かが誹謗中傷の被害を受けたとしても、原則としてその責任を放送局が負うことはない」としたうえで、「実際にそういうことがあると寝覚めが悪く悩ましいと思うが、一方で、制作側が少数の抗議する人の意見を想像で先回りして自粛し始めると、行きつくところまで行ってしまうのではないかと危惧する」と答えた。その上で「プライバシーの問題は弁護士10人に聞いたら答えがばらけてしまう程、簡単には結論の出せない問題だ。適正な取材で、公共的な空間における撮影で、社会的に相当な対応で行っている場合は、プライバシー保護より放送、報道の自由の方が勝つと考えていいのではないか。抗議を受けるかどうかではなく、社会的意義のある放送かどうかを自問することが大事だと思う」と述べた。
別の参加者が「一人暮らしのお年寄りが自宅の火災で亡くなったニュースをネットで報じた後、親族から実名報道を取り下げるよう苦情がきた。応じなかったがひと揉めした」と体験談を紹介した。井桁委員は「これも大変難しい問題だと思う。ただ、災害・事件・事故が発生した際、個人情報保護を重視しすぎる社会というのはよろしくないのではないかと私は考えている。社会で情報を共有することが公共圏の維持につながり最終的には公益に資すると考えているからだ」と述べた。小町谷委員長は「アメリカに滞在中、殺人事件を報じたニュースが被害者の名前を伝えていないことがあった。報道の自由が重んじられる国なのにおかしいなとそのときは思ったが、後で被害者の遺族に連絡がついていない段階での自制的な報道だったことを知った。遺族にとって、自分で親族の死を確認する前に、メディアの報道でその死を知るということは辛いことなのではないか。報じるタイミングが遺族感情に影響することはあると思う」と述べた。
高田委員長代行が「京都アニメーション事件で、警察は当初被害者の家族は実名報道を望んでいないとして被害者の氏名を一切明らかにしなかった。ところが地元新聞社が独自に取材を進めた結果、実名で書いてほしいと望む家族が現れた。実名報道の判断を当局に任せきりにするのはよくない」と述べた。また「加害者側の氏名を警察が匿名で発表するケースも増えている。そういう場合は『警察はこの容疑者の氏名を匿名で発表しています』と放送し、実名を公表していないことをきちんと伝えてみてはどうか」と提案した。そして「冤罪もあるので、ニュースで逮捕を報じたら起訴、判決と最後まで報じるべきだ。そうしないと逮捕のときの実名報道で容疑者に極悪人のイメージが定着してしまう」と述べた。これを受けて井桁委員が「身に覚えがないのに逮捕され実名報道されて困っている人はたくさんいる。このことをみなさんが真剣に考えてくれると嬉しい」と述べた。
最後のパート『番組か広告かの見極めについて』では、演出家やテレビ番組のプロデューサーを務める長嶋甲兵委員が解説した。
日本民間放送連盟「番組内で商品・サービスなどを取り扱う場合の考査上の留意事項」は、特定の商品・サービスを取り上げる場合、取り上げ方や演出方法によって番組が広告放送だと誤解を招く場合があるとして、▼番組で取り扱う理由・目的が明確となっているか、▼視聴者への有益な情報提供であり、かつ視聴者に対してフェアな内容となっているか、▼特定の企業・団体などから番組制作上、特別な協力を受けた場合にはその旨を番組内で明らかにしているか、以上3点を特に留意すべき事項として例示し、これらのことを総合的に判断する必要があるとしている。
そうは言っても、具体的に何をどうすれば良いのかは示されておらず、対応策は制作現場ごとにそれぞれ考えていかなければならない。工夫の一例として、昨年キー局で放送された番組を例に挙げたい。この番組は、同業界のライバル会社同士が相手の商品やサービスを互いに褒め合う内容で、ライバルだからこそ分かる商品やサービスの凄さを伝えることは視聴者にとって有益な情報になっており面白かった。そういう工夫を色々な形で考え出して番組制作にあたればいいとヒントをもらえるという内容だった。
キー局と地方局とでは置かれている状況が全く違い、例えばキー局だと2つのファミレスを取り上げることができるが、地方局にはそういう余地がないなど、番組の在り方の前提に格差がある。それでもなぜこういう創意工夫を凝らさなければならないかについて、制作者の立場から説明したい。独立した立場で色んな企業を説得し、お金を出してもらって自分たちの作りたい番組を作るというのが放送局のあるべき健全な姿だ。きれいごとだと言われる方もいると思うが、その原則は忘れずに守ってほしい。スポンサーや代理店に対して私はその原則を持ち出し、こういう原則があるからそれは受け入れられないと主張して、独立性を守り制作にあたってきた。今は、お金を出しているところの言うことを聞くのは当たり前だと疑問すら感じていない人が制作現場に増えてきているように感じる。それは、政府の公式見解をそのまま伝えることが当たり前だと思うことと同様に、非常に危険なことだと述べた。
参加者からは「ショッピング情報のコーナーで自局のアナウンサーが商品の使用感を述べる際、できるだけ客観的に感想を述べようとしているが、本数が多くて丁寧にやっていくのは大変だ」といったことや「開店のタイミングに合わせて店の経営者を密着取材した持ち込み番組の考査にあたり、売名行為に近いものを感じたため、編成・総務・営業・報道の社内横断的な考査検証委員会を開催して判断することにした」といった体験談が紹介された。
これを受けて高田委員長代行が「番組か広告放送かの問題で放送倫理違反を問われたある局では、持ち込み番組が放送間際に届いたため考査の担当者が番組を放送前に見ておらず、後日そのことを非常に悔いたケースがあった。私は、番組か広告放送かの問題は、ひとえに考査がきちんと機能しているかどうかに尽きると思っている」と述べた。また、大石委員は「ローカル局の場合、地元の経済界や産業界、様々なところとの結びつきが強いだけにご苦労は多いと思うが、スポンサー側と信頼関係を持ちつつも、信頼関係があるからこそこちらとしてはこの内容で放送したいとご理解いただく努力を、絶え間なく続けざるを得ないのではないか」と述べた。
意見交換会の最後に、地元局の幹事社を務めた岩手めんこいテレビのコンテンツ推進局編成業務部 兼 番組審議室の岩渕博美編成担当部長が閉会の挨拶を行い「今回の意見交換会のテーマは日々悩み向き合っている課題に応えていた。社会が変化し視聴者のニュースや番組に向ける視線は厳しくなっており、少しのことでも騒がれてどうしたものかと悩むケースが増えている。だからと言って委縮してしまっては視聴者の期待に応える番組は作れないと思う。認識をアップデートしてバランスを取りながらより良い放送が届けられるように今後も努力していきたい。有意義な時間だった」と結んだ。
以上
第273回-2024年11月26日
2024年11月26日、第273回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ7人の委員が出席しました。吉永みち子副委員長は欠席でした。
10月後半から11月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
11月の中高生モニター報告のテーマは「最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。
10月後半から11月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
バラエティー番組の企画で、ピンポン球を上半身はだかの男性芸人に高速で打ち付け、どこまで痛みに耐えられるかを検証したところ、視聴者から「(芸人は)かなり痛がっていて、いじめやリンチを彷彿させる」との意見がありました。また別の企画では、理髪店の洗面台に水を張り「水攻め」と称して、ターゲットの男性芸人の顔を水面に押し付けるドッキリがあり、「子どもが真似したら死につながる」などの意見が寄せられました。
担当委員は「前者の企画は打ち付けた球が弾け散って芸人が悲鳴を上げ、しゃがみこんだところで検証が終わっているが、スタジオゲストのタレントが『(もっと高速で打ち付け当該芸人が)砕け散るのを見たかった』と言って笑い、それを受けた進行役の芸人らも同意して笑う、という流れだった」と述べ、委員会が2022年4月に公表した「『痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー』に関する見解」で問題を指摘したとおりの展開だとしました。また「後者の企画は実際に拷問や殺人に用いられるような方法であって、子どもの模倣を誘発する懸念がある」と指摘しました。
ある委員は「模倣という観点からはどちらも可能性がある。前者のピンポン球をたとえばゴルフボールに換えれば危険度は一気に上がる。後者の『水攻め』は大人の宴会芸にあるような印象で、どれだけ顔をつけていられるか、ぎりぎりまで耐えるということを問題と見るかどうかだろう」と述べました。
別の委員は「前者は(球を受ける)芸人が覚悟を決めてやっているのが(視聴者に)分かるが、後者の場合、ターゲットの芸人本人はおそらく事前に了解していると思われるが、視聴者にはそう映らず、不意打ちされたように見えるため残酷に感じられたのではないか」としました。
さらに別の委員は「(番組制作者には)コンプライアンスに挑戦しているところがある。裏返して言えば、制作者は視聴者に対してある種の信頼感を持って、分かる視聴者には分かってもらえるという前提で制作しているが、そこに認識のずれがあるのではないか。(バラエティーを見るうえでの)『お約束がありますよね』という前提で制作者は番組を作っているものの、そこはどうも(多くの視聴者とは)共有されていない気がする」と説明しました。
議論の結果、この番組の問題については引き続き「討論」を進めることになりました。このほかに大きな議論になる番組はありませんでした。
11月のテーマは「最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について」で、合わせて24番組への報告がありました。
複数のモニターが取り上げた番組は『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』『あしたが変わるトリセツショー』(いずれもNHK総合)、『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ)、『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)です。
また「自由記述」には今月のテーマに関する意見のほか、選挙関連番組についての意見も寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『ブラタモリ』(NHK総合)と『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)に6人から、『年に1度 自慢デキる家!絶景&グルメが年イチだけ楽しめる家SP』(テレビ東京)に3人から感想が届いています。
【最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について】
お金の話は固くなりがちだけれど、ゲストの「最近何にお金を使ったのか」についてのトークは身近に感じられて好きだ。(中学3年・男子・東京)
模型を使った説明、実験、専門家へのインタビューを取り入れていて、また全体的に丁寧なスピード感で説明しているのでわかりやすかった。ゲストが説明映像を見てコメントをするという形は、視聴者もゲストと一緒に説明を聞いているような気持ちで見ることができると思った。(中学3年・女子・長崎)
『ワルイコあつまれ』(NHK総合)
一番印象に残っているのは「モーツアルトの歴史」です。モーツアルトは幼いころから「神童」と呼ばれていたので莫大な財を残して死んだのだと思っていましたが、モーツアルトの音楽は当時の貴族達にはあまり好かれず最期は貧困の末に35歳で亡くなったという、彼の過去を学ぶことができました。(高校2年・男子・神奈川)
『ブラタモリ』(NHK総合)
タモリさんは豊かな知識がある方なので、どんどん情報が加えられていくのがよい。また案内人がクイズを出してもタモリさんがすぐに答えてしまうので、他の番組にはないリズム感でよい。羊羹は伏見から全国に広がった名物グルメだと紹介があった。食の歴史を学ぶのは楽しいので、さらに集中して番組を視聴してしまう。(高校2年・女子・青森)
『ダーウィンが来た!』(NHK総合)
都会で生きる動物を取り上げていて、特に良かったのはペンギンの話題でした。1970年代に船の事故が多発し、重油が漏れ出してペンギンの住処がなくなったというニュースを聞いてむしろ環境問題に興味を持ちました。ペンギンたちを見ながら別の問題にも目を向けられるようになっていて、すごくいい教育番組だと思いました。(高校3年・女子・奈良)
『3か月でマスターするピアノ』(NHK Eテレ)
初心者と経験者の出演者がいて、バランスが良かったです。また鍵盤と指番号、どこを弾いているのかの印が分かりやすかったです。強弱記号や発想記号(音の表現方法を指示する記号)の意味を解説したあと、アナウンサーの寺田理恵子さんが弾いていましたが、表示通りに弾いている感じが伝わってきませんでした。意味を解説するならしっかりと弾いてお手本を見せてほしいです。(中学1年・男子・山梨)
『サイエンスZERO』(NHK Eテレ)
深刻化する海洋プラスチック汚染の話題だった。調査のたびに使う技術を紹介していて、結果を予想しながら視聴することができたし、これからの調査に興味がわいた。市民科学(シチズン・サイエンス)がこれからの研究のキーワードになると紹介されていて、忘れないようにしたい。(中学1年・女子・鹿児島)
『姫とボクはわからないっ』(NHK Eテレ)
ネットをついつい使いすぎてしまうという“あるある”をドラマで勉強できるところがいいなと思いました。勉強ばかりではなくドラマの要素もしっかりあるため楽しく視聴できました。(中学1年・女子・神奈川)
『クラシックTV』(NHK Eテレ)
ゲストのセルゲイ・ナカリャコフさんのトランペットは古く、とても大切に使っていることが伝わりました。ゲストの趣味や人柄が伝わるような質問があれば良かったです。また司会の清塚信也さんが明るく楽しい進行をしていて、クラシックの堅苦しいイメージを変えていました。司会者は重要だと思いました。(中学2年・女子・秋田)
『NHK高校講座 世界史探求』(NHK Eテレ)
出演者の感想が「歴史を学ぶことは大切だと思いました」などといったありきたりなものが多いと感じました。歴史好きな出演者もいる方が刺激になるし面白みも増すと思います。また出演者全員が女性だとジェンダーバランスの観点からも良くないと思いますし、男の子が視聴しにくい(親の前で見るのは恥ずかしいなど)のではないかと思います。(中学3年・女子・東京)
『最後の講義 選「生物学者 福岡伸一」』(NHK Eテレ)
博士の著書『動的平衡』は昔読んだことがあったが、より新しい動的平衡観を知ることが出来た。我々は「生命の始まり」についても明確な定義をもっておらず、人類全体がこれらを総括して、人生の長さを縮めている傾向があるという議論は衝撃的だった。(高校1年・男子・兵庫)
『#バズ英語 ~SNSで世界を見よう~』(NHK Eテレ)
堅苦しい英文法ではなく本場の生きた英語やスラングを学べるのでとても面白いです。英語に対する苦手意識が減って英語を使ってみたいと思い、多くの外国人の方とメッセージで話すようになりました。おかげでテストなどの長文読解に手を付けやすくなりました。(高校3年・男子・埼玉)
一番興味を持ったのは「立ちながらダイエット」で、運動する時間がない人やあまり運動できない人でも生活の中に取り込みやすいと思いました。新しい気づきを発見するきっかけになるような番組はとてもいいと思います。(高校2年・女子・愛媛)
『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)
毎週楽しみに見ています。「蜂」がテーマの放送回で特に印象に残ったのは、国分太一さんの「しょうがない」という言葉で、長らく育ててきた巣に蜂が住まなくなったのを見ての言葉でした。あえて自然に近いやり方で対策し、失敗したら潔く諦めるといった国分さんの自然との向き合い方は、環境問題とともに生きる若い人たちにぜひ知ってほしいです。(中学3年・男子・千葉)
『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日)
専門家がデータを並べて話すよりも、この番組のようにクイズ形式で楽しく話してくれたほうが頭に入ってきます。バラエティー番組でありながら雑学を学べる構成がいいと思います。祖母も一緒に三世代で楽しめました。食事の時間も自然と会話が弾むクイズ番組は、ゴールデンタイムにぴったりです。(中学1年・男子・山形)
学校の「公共」の授業でいま政治について勉強している。学習した内容と結び付けながら番組を視聴できたし、親と一緒に議論する良いきっかけにもなった。政治分野に関しては人それぞれ考え方が違うと思うので、池上彰さんとは異なる考え方の人に1~2人出演してもらい、両方の意見を聞いたり討論したりを放送してもおもしろいと思う。(高校2年・女子・東京)
『Live選挙サンデー 超速報SP』(フジテレビ)
チャンネルを変えながら衆議院選挙関連番組を主に3つ視聴しましたが、石破茂氏のインタビューを他局よりも早く放送すると宣伝していたフジテレビをメインに視聴しました。裏金問題があった議員に“○裏”マークを付けていて、悪いことをした人が相手だとしても悪意を感じました。国の未来や選挙に関心を持てる番組内容にしてほしいです。(中学2年・女子・東京)
『つたえたい~僕たちは感染症時代を生きている~』(フジテレビ)
新型コロナウイルスや感染症について、私たちが知っていたことの裏側や、この4年間どうなっていたのかなどを知ることができて良かったと思いました。目黒蓮さんが取材した免疫講座は免疫の大切さがよく分かりました。(中学3年・女子・神奈川)
『令和県民教育大学~そうだったのか!学べる県民学~』(フジテレビ)
バラエティー番組の側面もありちょうどいい教育番組で、みんな自分の住んでいるところが好きなんだと感じた。MCがIPadに追加情報を書き込む手法はいまどきだと思ったが、他の出演者が違う追加情報を望んでもMCが思ったことを書き込むので、情報には各自の主観が入るのだと感じた。(高校3年・男子・東京)
『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京)
情報がコンパクトにまとめてあり分かりやすかったです。舞台は建設中の高度140mほどのビルでした。工事現場には所々にカメラがあり、赤と白の大きなクレーンはどんな意味で設置してあるのかなど、関心を持ちながら学ぶことができました。(高校3年・女子・熊本)
『堀潤激論サミット』(TOKYO MX)
最近の自転車ルールの罰則強化は日常生活でとても感じています。特に驚いたのは、高校生の友人がイヤホンをつけて自転車を運転していたところ警察に呼び止められ罰金を受けたことです。身近なところまで罰則が厳しくなっており、恐ろしく感じます。(高校2年・男子・山口)
【自由記述】
NHKはよく視聴しますが、平日に高校生向けの講座番組を放送していることを今まで知らなかったので、もっと多くの人に知ってもらうことが大切だと思いました。(高校1年・女子・愛知)
先日衆議院選挙が行われたが、テレビで関連番組が少なかったと感じた。8月に参加した「高校生モニター会議」で、候補者を平等に扱うことを定めた放送法に委員が言及していたが、世間の衆議院選挙への関心の低さは放送法が足かせになっているのではないかと思った。(高校1年・男子・兵庫)
10/27の夜、テレビでは選挙特番か野球しか放送していなかった。正直、特番はNHKが放送して、民放ではニュース速報を画面上に流せばいいのにと思った。このような日こそ、いつもと同じようにバラエティー番組を放送すれば視聴率を取ることができるのではないか。(高校2年・女子・東京)
最近はニュース番組を見ていても番組の意向が加えられているように感じられ、学びたくても学びにくい感じがする。詳しくニュースを解説する教養番組なども活用して物事への理解度を深めたい。(高校2年・女子・東京)
最近のスポーツ番組は大谷選手の話題に片寄っていると思います。野球の魅力をもっと伝えるには日本シリーズの話題がぴったりだったのですが、どこの放送局もワールドシリーズばかりやっていたので、日本のスポーツをもっと発信していくべきだと思います。(中学2年・男子・東京)
『年下彼氏2』(朝日放送テレビ)にハマっているのですが、一話15分のオムニバス形式で簡単に見ることができるし毎話面白いので大好きです。もし『3』があったら全国ネットで放送してほしいです。(中学3年・女子・神奈川)
年末は特番が増えるので楽しみです。『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への旧大手芸能事務所のアーティスト出演が問題視されていますが、その穴埋めとして韓国アイドルグループが出演するのは間違っていると思います。日本の番組なので、もっと日本人歌手を出演させるべきだと思います。(高校3年・女子・栃木)
「マスゴミ」はネットで時々目にする言葉ですが、そもそもなぜマスメディアがこれほど嫌われているのか疑問に思い原因を調べましたが、はっきりとした理由は分かりませんでした。こうした「不確実な情報」から身を守り「確実な情報」を手に入れるためのマスメディアが「不確実な情報」に批判されている。さらに不可解なのは「メディアは何を求められているのか」がわからないことです。変な言葉が蔓延する現代こそ、メディアの質と信頼が求められていると思います。(中学3年・男子・千葉)
青森県と岩手県の放送局には「テレビ局が薦める青少年へのおすすめ番組」をもっと増やしてほしい。地元局が何を薦めているのか知りたいし番組を視聴したい。(高校2年・女子・青森)
【青少年へのおすすめ番組】
『ブラタモリ』(NHK総合)
数年ぶりに視聴しました。タモリさんが「三差路だ。大好き」とすごく興奮していたのですが、なぜそんなに三差路が大好きなのか理由が分かりませんでした。タモリさんは僕にはわからない様々なものに興味があり、素敵なことだと思いました。(中学1年・男子・山梨)
森永卓郎さんが好きで毎週録画している。またMCの加藤浩次さんの、視聴者プレゼントの数を増やすための社長とのやり取りが特に好き。年上の社長を嫌な気持ちにさせず「増やしたい」と思わせる言い方がすごい。(高校3年・男子・東京)
『年に1度 自慢デキる家!絶景&グルメが年イチだけ楽しめる家SP』(テレビ東京)
初めて知る切り口の番組でよかった。“自慢”というと悪口のような意味に感じるが、本来は違うのかもしれないし誇りに思うのはいいことだと思った。住んでいる地域を誇りに思うことが、番組のタイトルに表現されているのだとわかった。タイトルは制作者からのメッセージだと認識したうえで、これからは番組を選ぼうと思う。(中学3年・男子・東京)
『サポドリ Support Your Dreams』(青森テレビ)
三沢商業高校の女子バレー部の一生懸命な様子に勇気をもらえた。青春の一ページを垣間みることが出来た。またそろばん音頭を踊りながらスタジオにいるよゐこの有吉晋哉さんと竹内夕己美さんにクイズを出していて面白かった。(高校2年・女子・青森)
『スパイス!!』(日本海テレビ放送)
「映画の裏側を楽しむ」という特集は、映画を観る前でも後でも楽しめると思いました。「この映画は鳥取県内の本当に色々な場所で撮影されているんです」と紹介した時に、どこで撮影されたのかが分かるマップも一緒にあると良いと思いました。(中学2年・女子・鳥取)
『新 窓をあけて九州「みんなちがって、みんないい」』(長崎放送)
自分に自信が持てず苦しんだ時期を乗り越えるためにブレイキンから元気をもらう姿を見て、自分も元気が出た。この気持ちを次世代に受け継いでいこうという思いや、より多くの人に楽しんでもらおうという考えに胸が熱くなった。(高校1年・男子・長崎)
『ナマ・イキVOICE』(鹿児島テレビ)
さつま町の「神の湯 紫尾温泉」が地元で愛されていることがよく分かった。また学校や郵便局がお店や地域の人々が集まる場に生まれ変わっていて、人とのつながりを大切にしていることが伝わってきた。(中学1年・女子・鹿児島)
『KICK OFF!KAGOSHIMA』(鹿児島放送)
地域のサッカークラブや高校サッカーなどを取り上げて、地域密着のサッカー番組だと感じました。プロチームのハイライトでは、だれが見ても分かりやすいように一つ一つ解説しておりとても見やすかったです。これからもサッカーを盛り上げてほしいです。(高校2年・男子・山口)
【最近見た教育番組(役に立った、勉強になった番組など)について】
「エデュテインメント」という言葉があるが、総じて中高生は「教育番組は面白さがないといけない」と注目しているような感想を持った。
選挙関連番組についての報告もいくつかあったが、選挙関連番組は親と一緒に視聴している中高生が多いと感じた。
高校2年生のモニターから「最近の自転車ルールの罰則強化を恐ろしく感じる」と報告があったが、続けて「自転車を運転中は暇なので、学生にとってイヤホンを使えないのはとてもしんどい」とあった。イヤホンを装着しながらの運転は本当に危ないと思う。一方で、今の子どもたちはタイパを重視したり一つの刺激では満足できなかったりして、いろいろなことを“ながら”でやるのが習慣になっているのだと感じた。
『令和県民教育大学~そうだったのか!学べる県民学~』(フジテレビ)は個人的にとても好きな番組だ。他県の人から勝手なイメージを聞いてそれぞれの県の地図に落とし込むという演出があったが、そもそもその“県(あるいは地域)のイメージ”は結局メディアから得ているものだという点に気づくプロセスには学びの機会がある。また地方局の制作者たちも、キー局からのオーダーに応えていることで地元のイメージを自ら作りあげている面もあり、そこに気づくことにも学びの機会がある。番組を通じていかに学びの機会がつくれるかということで言えば、こういうのも一つのヒントになるし非常にいい番組だと思う。
次回は2024年12月16日(月)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。
以上
兵庫県知事選をめぐる各社の報道、情報番組に多数の意見が寄せられました。
2024年11月にBPOに寄せられた意見の総数は2,426件で、先月から101件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 85.6% 電話 13.7% 郵便・FAX 0.7%
男女別は、男性51.6% 女性29.7% 無回答18.6%で、世代別では10代1.7% 20代9.2% 30代20.4% 40代23.2% 50代23.9% 60代10.4% 70歳以上3.1%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。11月の個別送付先は25局で、意見数は866件でした。放送全般に対する意見は301件で、その中から18件を選び、会員社すべてに送りました。
不信任決議案採択、知事失職を経て11月17日に行われた兵庫県知事選を報じる情報番組、報道番組に対して多くの意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は46件、CMについては13件でした。
2024年11月中に青少年委員会に寄せられた意見は60件で、前月から4件減少しました。
今月は「要望・提言」が27件と最も多く、次いで「表現・演出」が18件で、以下、「報道・情報」などが続きました。
17日に行われる兵庫県知事選についての各社の番組。前知事ひとりを集中的に批判していて公平性を欠いていると感じる。個人攻撃、ネガティブキャンペーンのように見える。
17日の兵庫県知事選をめぐるマスコミ各社の報道とネットのサイトやSNS上の情報との隔たりが大きすぎて、何を信じたらいいのか分からなくなってしまう。
兵庫県知事選に向けての新聞・テレビ各社の報道が一方的ではないかと感じている。記者クラブ制度による既得権益を守りたいがためではないかと勘ぐってしまう。
兵庫県知事選の結果を伝える番組。通常の当選報道と比べテンションが低いと感じられる番組がいくつかあった。大手メディアの敗北などという発言もあったが、メディアはいったい何と戦っていたのだろうか。
兵庫県知事選が終わったが、パワハラ疑惑や公益通報の問題についての結論はまだ出ていない。百条委員会も続いている。引き続き詳細な取材と報道を続けてほしい。
兵庫県知事選報道で公益通報制度をめぐる議論があるが、事実関係を整理して問題があるとすればどの点なのかなどを、冷静に客観的に伝えてほしいと思う。また、スタジオの専門家やゲストには異なる意見を述べる人を選びバランスを取ってほしい。
兵庫県知事選をはじめ政治問題についてはキャスターやコメンテーターは発言の真意がきちんと伝わるよう言葉を選んで丁寧に説明してほしいと思う。
アメリカ大統領選報道。多くの番組で民主党の候補に勝たせたいかのようなコメントや解説が目立つ。日本全体で応援しているかのように誤解されないかと心配だ。
強盗事件の報道で被害に遭った住宅を上空から撮影したり侵入経路である割れた窓などを映したりするのは必要なことだろうか。再度の被害を招く危険性に注意を払ってほしいと思った。
参議院議員の自宅の火災を撮影した視聴者映像。逃げ遅れた人と思われる姿が映っていてショックだった。ご家族の心情を思うと言葉もない。あの映像を使う必要性が本当にあったのか、もう一度考えてほしい。
参議院議員の自宅の火災。炎のそばで動いている人の映像を使ったことに強い違和感をもった。当事者への配慮がまったく無いし、映像を見た視聴者の心も傷ついたと思う。映像を使用するという判断は軽率だったのではないか。
大物お笑いタレントが裁判を終結させたが、まるで週刊誌記事が事実であったと認めているかのような報じ方をしている番組が多く偏っていると感じた。
性加害報道があった大物タレントが訴訟を取り下げたが、彼を画面で観ることにはまだ抵抗がある。
メジャーリーグや兵庫県知事選の話題も結構だが、ほかにも知るべきニュースがたくさんあるはずだ。報道番組、情報番組の構成を再点検してほしい。
世界の衝撃映像やアニマル映像といった、借りものの映像だけに頼ったバラエティーが多すぎると思う。異なる番組で何度も放送された映像も多い。面白くない。
子どもや若年層が楽しめる番組を充実させてほしい。どこの局も特定の層に向けた番組ばかりの印象だが、それ以外の人も楽しめるようにしてほしい。放送局が積極的に新規層を開拓するべきだ。
高校生をメインに取り上げた番組で、「好きな人に告白」という内容があり、不快感を覚えた。高校生カップルが成立すると手をつなぐ、ハグするという場面が放送された。自分はそのような光景を見るのが苦手なので、多くの人が見る時間帯での放送は避けてほしい。