第296回放送と人権等権利に関する委員会

第296回 – 2021年9月

「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」ヒアリングを実施…など

議事の詳細

日時
2021年9月21日(火)午後3時~午後7時20分
場所
千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、二関委員長代行、國森委員、斉藤委員、
野村委員、廣田委員、水野委員

1. 「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」ヒアリング及び審理

NHK宮崎放送局は、2020年11月20日午後6時10分からの『イブニング宮崎』(宮崎県内で放送)の中で、同年3月26日に宮崎市内で男性2人が死亡した住宅火災の続報を放送した。そこでは、この火災は放火殺人事件の疑いが濃くなり、容疑者がガソリンをまいて火をつけ被害者(申立人の兄)を殺害し自分も死亡した可能性があり、その原因として「何らかの金銭的なトラブル」が死亡した2人の間にあったかのように伝えられた。
この放送に対して申立人(被害者の弟)が、「2人の間に何らかの金銭的なトラブルがあった」と報じられたことで、「兄にも原因の一端があったのではないか」との印象を抱かせるものであり、事件被害者である兄の尊厳を傷つけたとして、NHKに対して謝罪を求めてBPO放送人権委員会に申立てを行った。
これに対してNHKは、「事件当事者の2人が亡くなっている中でも、当時の取材で知り得た情報を基に『被害者』と『加害者』を明確に分ける形で客観的な事実を伝えており、申立人の主張する指摘は当たらない」と反論した。
今回の委員会では、申立人・被申立人双方からのヒアリングを実施した。特に「金銭的なトラブル」という表現について、両者の意見を聞いた。その後、審理に移り決定の方向性について意見を交わし、その議論を基に担当委員が起草に入ることを決めた。

2.  その他

事務局から現時点での申立て状況を報告した。

以上

第163回 放送倫理検証委員会

第163回–2021年9月

日本テレビ『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表について報告

第163回放送倫理検証委員会は9月10日にオンライン会議形式で開催された。
今回の委員会より大村恵実委員が加わり、また委員会の冒頭、小町谷委員長が委員長代行に高田昌幸委員を指名した。
委員会が7月21日に行った日本テレビの情報番組『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表について、出席した委員長と担当委員から当日の様子が報告された。

議事の詳細

日時
2021年9月10日(金)午後5時~午後6時15分
場所
オンライン
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、大石委員、
大村委員、長嶋委員、西土委員、巻委員、米倉委員

1. 日本テレビ『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表について報告

日本テレビは3月12日に放送した情報番組『スッキリ』のコーナー『週末オススメHuluッス』で、アイヌ民族の女性を描いたドキュメンタリー作品を紹介した際、出演したタレントが「この作品とかけまして、動物を見つけた時ととく。その心は、あ、犬」という謎かけのコメントをした。
委員会は、本件放送はアイヌ民族に対する明らかな差別表現を含んだもので、オンエアに至った背景には、収録動画の最終チェック体制が極めて甘く、アイヌ民族やその差別問題に関する基本的知識がスタッフ間で決定的に不足していた点があったことを指摘し、日本民間放送連盟の「放送基準」の「(5)人種・性別・職業・境遇・信条などによって取り扱いを差別しない」「(10)人種・民族・国民に関することを取り扱う時は、その感情を尊重しなければならない」などに反しているとして、放送倫理違反があったと判断した。
当該局に対する通知および公表の記者会見は、7月21日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言下であることからオンライン会議システムを使用して行った。
この日の委員会では、通知・公表に関する当該局の報道と、その後当該番組内で放送された検証コーナー、ならびに当該局の検証番組を視聴したうえで、委員長と担当委員が通知・公表の詳細について報告した。
通知と公表の概要は、こちら

以上

2021年7月21日

日本テレビ『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は、7月21日午後5時40分から、オンライン会議システムを使用して行われた。委員会から小町谷育子委員長、高田昌幸委員、井桁大介委員、米倉律委員の4人が出席し、日本テレビからは取締役専務執行役員ら3人が出席した。
まず、小町谷委員長から委員会決定について、本件放送にはアイヌ民族に対する明らかな差別表現が含まれており放送倫理違反があると判断したことを伝えた。その背景として「収録動画の最終チェック体制が極めて甘かったことや、紹介作品をスタッフの中で1人しか見ていないなど自らの制作番組に対するこだわりが薄かったこと、番組で取り上げたアイヌ民族やその差別問題に関する基本的知識が決定的に不足していたことが挙げられる」と説明した。そして「ヒアリングを受けた制作スタッフは口々に差別をする意図はなかったと語っているが、意図がなくても差別発言が容認されるわけではない」と指摘した。また、スタッフの1人が、当該コーナーで紹介した作品は差別される側の問題を伝える内容なので、番組で片方の意見だけを伝えることになるのではないかと考えたことについて「バランスをとって伝えるということが誤って放送現場に定着している可能性がある。研修等を通じて改める必要がある」と述べた。
続いて高田昌幸委員が「日本テレビでは、かつて、バラエティー番組内でお笑いタレントが「イヨマンテの夜」の曲を流しながら踊ってみせた際、アイヌ民族の尊厳を著しく貶め差別を助長したという問題が起きた。その教訓が全く生かされておらず継承もされていない。我々が常識だと思っていたことが、若い世代にとってはそうではなく、そこにこの問題の一筋縄ではいかない難しさがある」と述べた。そのうえで「幹部や上席の人は、現場を信頼して任せることと、任せっきりにすることは違うと自覚し、細やかな目配りや手当てをしてほしい」と指摘した。
これに対して日本テレビ側は「委員会決定を真摯に受け止め、今後の番組制作に生かし再発防止に努めたい。社員、スタッフの人権意識や感度の低さに光をあて、不断の努力を重ねて、正しい情報を視聴者に伝えていきたい」と述べた。

続いて、午後6時15分からオンラインによる記者会見を開き決定内容を公表した。小町谷育子委員長、高田昌幸委員、井桁大介委員、米倉律委員の4人が出席し、132アカウントからの参加があった。
はじめに、小町谷委員長が委員会の判断について「チェック体制が隙だらけだった。また、制作番組に対するこだわりが薄く、担当のディレクター以外誰も紹介作品を視聴していなかった。差別に関する知識に乏しく放送人としての感度にも問題があった」と説明し、差別の意図がなくても差別表現をした放送が容認されるわけではないと指摘した。
続いて高田委員が「差別をしてはいけないという当たり前のことが世代間で継承されていない。番組のチェックがきわめて簡略に行われていた背景には、当該コーナーがグループ会社の配信映画を紹介するいわば番組宣伝だとして、制作する側が軽く見てしまった側面もあるのではないか」と指摘した。
記者からは「どういうところで放送人の感度が欠けていると感じたのか」という質問があり、これに対して高田委員は「感度とは、人を動物にたとえたときに、これでいいのかなと一瞬立ち止まることができるかどうかということだ。今回、番組を制作する上で、それはできたのではないか」と説明した。
井桁委員は「現在もなお差別はさまざまな形で続いている。一般常識を持っていればそれに気づき、立ち止まって議論できたのではないか。その最初の引っかかりがなかったこと自体に感度の低さを感じている」と答えた。
米倉委員は「チェック体制が緩いという以前に、一つ一つの制作プロセスにおいて、現場のスタッフの間で本当にいいのかの一声がなかなか出ない。出たとしても十分に議論された形跡がない。その点こそが放送人の感度に関わる部分ではないか」と述べた。

以上

2021年8月に視聴者から寄せられた意見

2021年8月に視聴者から寄せられた意見

東京オリンピックに関連し、ボクシング女子選手を揶揄したような出演者のコメント、テレビ局のスタッフが打ち上げの宴会を開いてけが人を出したことなどへの意見が多かった。

2021年8月にBPOに寄せられた意見は1,930件で、先月と比較して511件増加した。
8月は東京都が緊急事態宣言下にあり、電話による意見の受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性44%、女性18%で、世代別では40歳代31%、30歳代24%、50歳代19%、20歳代14%、60歳代9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は869件【56事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から24件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

五輪に関する意見が引き続き多く寄せられた。なかでも、ボクシング女子の選手の金メダルについて出演者が「女性でも殴り合い、好きな人がいるんだね」などとコメントした番組や、五輪番組スタッフが打ち上げで未明までカラオケ店で飲酒して転落し救急搬送されたことについては多くの批判が寄せられた。ドッキリで驚かせ、催眠術で忘れさせる、これを同じ人に8回繰り返した「実験」企画には、倫理、健康両面から疑問の声が多かった。タレントが無人島を探査、木になっていたレモンをかじるなどした企画に、島の地権者の1人が「承諾した覚えがない」とツイートし、これが短時間に拡散。この地権者は翌朝「言葉足らずだった」と発信内容を事実上撤回したが、撤回の方はほとんど拡散せず、BPOにはこの番組を批判する意見が相次いだ。
また、BPO青少年委員会が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」を審議対象としたことに対しても多くの意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は47件、CMについては14件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は123件で、前月から35件増加した。
今月は「いじめ・虐待」が27件、「低俗、モラルに反する」が18件、「表現・演出」が17件、「危険行為」が12件、「差別・偏見」が8件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 五輪閉会式に急に台風情報が割り込んで録画できなかったのは納得いかない。臨時の台風情報をサブチャンネルで流せばよかったのでは?録画トラブルが出ているのだから、十分気をつけてほしい。

  • 五輪閉会式を中継していたメインチャンネルを途中で台風情報に切り替えた。人命重視や防災の意識を持っている放送局だと思う。賛否両論あるだろうが是非続けて欲しいと思う。

  • ボクシング女子金メダルに「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技、好きな人いるんだ」。謝罪は女性出演者。かつて五輪組織委・森喜朗前会長の女性蔑視発言として番組で批判していた「わきまえる女性」を、自分達がそのまま再現するとは。発言よりも、その構造の方が恐ろしかった。

  • 「ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかった。言葉が足りなかった」という説明は、放送と照らし合わせれば納得できるものではなかった。大御所だから、ご意見番だからという理由で、明らかな性差別を容認する時代は、もう終わりにすべきではないだろうか。

  • 東京五輪の番組制作担当スポーツ局女性社員の飲酒と2階からの転落事故について。当該カラオケ店はHPで緊急事態宣言中の営業は夜8時までと案内している。何故その店で朝4時まで酒が提供されていたのか。さらにHPでは、このテレビ局のニュース番組で「コロナ対策をきちんと行っている店として紹介された」と宣伝していた。こういった点について視聴者に何も説明がされていない。

  • 名古屋市長が金メダルをかんだニュース。謝った市長に対して「謝り方が悪い」、「反省していない」、「辞める気はないのか」。報道は自由とはいえ、一回の失敗であれだけたたきつぶすような報道はいかがなものか。やったことは確かに悪いが、名古屋市長の職、調子に乗って金メダルをかんだくらいで失う、軽い職か。マスコミのハラスメントではないか。

【番組全般・その他】

  • 民放はパラリンピックをなぜ放送しないのか。都合のいいときだけ障がい者を利用するのはひどすぎると思う。自国開催で障がいのことをより理解できる機会をマスコミが潰している。スポンサーなどの都合もあるかもしれないが、放送することで得られるものがたくさんあると思う。

  • 恒例の大型特番は障がい者を支援しているような内容なのに、いざパラリンピックが始まると中継がほとんどないのは矛盾していないだろうか。

  • 恒例の大型特番で「医療従事者に感謝とエールを」と女性グループがマスクもせず密集して歌っていた。医療従事者である私の家族は「だったら集まって歌うな。こういう自分勝手な連中のために頑張りたくない」と憤っていた。医療従事者を都合よく利用するのはやめてもらいたい。

  • ワイドショーでコロナの切迫した状況を伝え、出演者たちから「外出を自粛すべき」の声。その同じ番組の中で司会者たちがテーマパークに遊びに行って新アトラクションを紹介している状況は理解できない。

  • バラエティーのアウトドア企画。10人くらいのキャストが、ろくに距離も取らずマスクもせず騒ぎまくっている。視聴者は芸能人のマスクなしの顔を見たいのではなく、きちんと感染対策をした上での芸能を求めている。やるべきことをやって楽しませるのがプロ。国民への影響を考えて。

  • 何人ものタレントが一室に集まってトーク。この番組は、マスクも無しでいわゆる3密。もうやめてください。お願いだからマスクして。マスクしないなら、しゃべらないで…本当にお願い。コロナに対応している私たち看護師を殺す気ですか。本当にお願いします。

  • 巨大ソフトクリーム店を紹介する際「この番組を見て来た」という他県からの来店者のコメントが積極的に取り上げられていた。私はエッセンシャルワーカー。仕事で非常に神経をすり減らす中、このような感染拡大を助長するような場面を楽しげに取り扱われるのは、非常に不愉快であり不安。健康や生活をおびやかす番組が放送されることに強い怒りを感じる。

  • 「つり革につかまらず立っていられるか」という企画は極めて危険。大けがの恐れがあり私たち乗務員も責任を問われる。決して面白半分で扱う題材ではない。明日以降、乗客が面白がってまねをして重大事故につながらないか戦々恐々。強く抗議する。

  • 「目覚めたら無人島」企画。タレントに高さ30メートルの崖を命綱なしで登らせていた。ありえない。この番組はせめているので好きだがこれはやり過ぎ。引いた。

  • 男性出演者の服が溶けて全裸になるドッキリ。LGBTの権利尊重や男女共同参画が進む中、「(女性に対しては許されないが)男性に対するセクハラや性犯罪は笑いものにしてよい」という時代錯誤の認識のもとに行われている差別的行為で極めて不適切。

  • 激辛料理の飲食を競わせる番組について。いわゆる激辛料理は、食道、消化器系の粘膜を損傷する。この損傷は避けられないもので「辛さに強い、弱い」とは無関係。粘膜の損傷は長期的にがんの発生確率を増加させる場合もある。こんなリスクを出演者に負わせて競わせる番組内容には違和感を覚える。出演者の自主的判断もあるのだろうが「仕事」として無理をする方もいると思われる。体内を損傷するという面において、暴力との違いがあまり見いだせない。また、辛がる様子を見て笑っているような状況もよくないのではないか。

  • 落とし穴、落ち舞台演出について。立ち位置が合っていても、落ちる瞬間に手を伸ばしたり前のめりになったりするだけで骨折、死亡事故につながる。大事故になる前にすぐにやめていただきたい。

  • 母親がDVに遭い、面前DVがトラウマになっている娘に対して、占い師が「今この場でお父さんに電話して、全て許しなさい」と強く勧める。DVをした父親は暴力について「覚えてないよ、そんなん」の一点張り。「全部許せてすっきりした」というような美談になっていたが、福祉の観点から見て、これは大変まずい。DVは犯罪。まして、安全確保のために別居している親子に対して、電話での連絡を勧め、さらに「許せ」というなどというのは、テレビを見ている人たちに間違ったメッセージを伝えかねない。

  • 出演者にホールケーキを5等分させ、うまくできなかったら「非常識」とばかにし嘲笑していた。しかし、うまく切れない背景に発達障がいが隠れていることがある。これは決して常識・非常識の問題ではなく、ましてやばかにされ嘲笑されるべきものでもない。「ケーキの切れない非行少年たち」という本などで社会的な認知が進んだがまだ不十分。テレビという影響力の強いメディアで「ケーキを5等分できない=常識がなくばかにされるべきこと」と放送するのは、同じような問題を抱えて苦しんでいる人をますます苦しめ、追い詰めるようなもの。

  • 盗撮犯を検挙する場面で、被疑者を「害虫」、「虫」と呼び、「虫は駆除」などと表現したナレーションが繰り返されていた。犯罪者も人間である。人権意識を欠いている。

青少年に関する意見

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • ドッキリ企画で、芸人に催眠術をかけて記憶を消し、何度も同じドッキリを仕掛けて皆で大笑いしていた。人の記憶を操作するなど倫理的に許されない。子どもに悪影響を与える。いじめやパワハラは仕掛ける側が「いじめじゃないよ」と言い逃れすれば、一日中どころか一生ループが止まらない。

【「低俗、モラルに反する」】

  • “大浴場の風呂場から脱衣所に戻った際に、男湯と女湯が切り替わる瀬戸際でコインロッカーの鍵が開かなかったら”という企画をやっていた。ドッキリをかけられて裸のまま困って慌てた男性の様子をモニターで見て、皆で笑うという光景が、いじめではないかと感じた。また、そのピンチに女性2人組が浴場を生配信するという設定も公序良俗に反するのでは。肖像権侵害かつ盗撮だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • オリンピック報道のすべてを見ているわけではないが、映像や解説が余りにも日本中心であることに驚き、残念に思った。金銀銅の外国選手はそっちのけで、日本選手の表情、インタビューを放送し、誰が勝者なのかすぐには分からないような報道もあった。視聴する日本の子ども達に対し自国中心主義、過度のナショナリズムを植え付けてしまうのではないかと心配。東京大会の理念である多様性に反し、教育的効果を阻害し、ひいてはヘイトクライムの温床になるのではないかと懸念するのは杞憂だろうか。

【「危険行為」に関する意見】

  • バスの中で吊り革に捕まったり手すりに接触したらポイントが減点という企画は、頭はヘルメットをつけてはいるが、ぶつかったり転倒したり見ていて痛々しい場面ばかりだった。息子も見ていて「俺できるかな」と言うので「危ないからダメだよ」と諭した。健全な番組ではない。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • ダイエット&整形番組で、ブスとか怪物とか人の容姿をばかにする事を肯定するような当番組のあり方に異を唱えたい。イジメに繋がるといった想像力は無いのか。あのように容姿を化け物などと揶揄するのは「女性は容姿のみ」とする女性差別どころか、彼女達に似た人物が同じ酷い言葉に晒され、心を傷つけられ、最悪は自殺も考えられる。心が未熟な若い世代には影響が大きい。

第237回 放送と青少年に関する委員会

第237回-2021年8月

「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」の審議入り…など

2021年8月24日、第237回青少年委員会を千代田放送会館会議室およびオンラインで開催し、6人の委員が出席しました。
2件の討論案件のうち、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」については、視聴者やBPOの中高生モニターから、出演者に痛みを伴う行為を仕掛け、それをみんなで笑うような、苦痛を笑いのネタにする各番組は、「不快に思う」、「いじめを助長する」などの意見が継続的に寄せられてきていること等を踏まえ、委員会で視聴者意見が寄せられた複数の番組を視聴した上で討論しました。その結果、青少年に与える影響の重大性に鑑み、このテーマの審議入りを決めました。
一方、千葉県八街市の飲酒運転による児童5人死傷事故の取材で、被害者の同級生へのインタビューを放送した番組については、委員会で複数の放送局に対し、取材の目的・保護者等への許諾の取り方・チェック体制・2005年の「『児童殺傷事件等の報道』についての要望」の認識状況、などを文書にて問い合わせをし、その報告メモを基に討論を進めました。その結果、子どもに与える影響という観点から取材や放送時に留意すべき点について、討論を継続することになりました。
7月後半から8月前半までに視聴者から、高校生が深夜に出演した東京オリンピック開会式や、バスの中で吊革や手すりにつかまらないことにチャレンジするバラエティー、大浴場の脱衣所で男性芸人が全裸状態のままピンチを迎えるドッキリ系バラエティーなどについて、批判的な意見が寄せられました。委員会ではこれらの視聴者意見について議論しました。
8月の中高生モニターのリポートのテーマは「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。太平洋戦争末期の米軍捕虜を実験体にした生体解剖事件を描いたドラマについて、「私たちは、ある程度自由に意見を言うことのできる時代に生きています。それは幸せなことだと感じました」などのリポートがありました。委員会ではモニターからの意見について議論しました。
最後に今後の予定について話し合いました。
次回は、9月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2021年8月24日(火)午後4時30分~午後7時00分
場所
千代田放送会館会議室およびオンラインで開催
議題
討論案件2件
① 八街市児童5人死傷事故報道における同級生へのインタビューについて
②「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」について
視聴者からの意見について
中高生モニターについて
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、佐々木輝美委員、沢井佳子委員、
髙橋聡美委員、中橋雄委員

「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」の審議入り

BPOに寄せられる視聴者の声や中高生モニターの自由記載に、出演者に痛みを伴う行為を仕掛け、それをみんなで笑うような「苦痛を笑いのネタにする番組」について、「不快に思う」「いじめを助長する」という意見が継続的に寄せられていること等を踏まえ、青少年委員会では視聴者意見が寄せられた複数の番組を視聴した上で討論を行ってきました。
委員会では、青少年、特に児童に与える影響を考えると放送局の制作現場に配慮を求めることを検討する必要があるとして、審議入りすることとなりました。
委員からは、概要、以下のような意見が出されました。

  • 当委員会から2000年と2007年の2回、上記について見解を出し、あるいは2009年に放送倫理検証委員会でバラエティー番組の在り方についての具体的な意見が出されたが、その後も継続的に視聴者意見が寄せられている。特に痛みを伴う…肉体的のみでなく精神的なものも含め…今まで視聴したように、ある程度作り込んだものではなくて、明らかに本人が痛がっていると思われる、苦しんでいると思われるものを放送することの意味合いについて、今回改めて検討する必要があろう。
  • 2009年に放送倫理検証委員会が出した「最近のテレビ・バラエティーに関する意見」で触れられた「バラエティーが『嫌われる』5つの瞬間」をまとめた報告書は優れたものである。これは、おおよそ大人を相手にした、大人が見るバラエティーにということを前提にバラエティー制作者に向けたものだったと理解したが、青少年委員会としては、視聴者意見や中高生モニターの意見を踏まえ、子どもの発達と認知の仕方への配慮という視点が重要であろう。
  • 映像で代理罰…「こういうことはしていけない、なぜならば、そういう悪いことをした人は映像の中でこっぴどく叱られる」ということで、罰を映像で見せることが本人の行動を抑制するのに効くかという点に関しては、これは心理学で分かっていることであるが、全くそうではない。「よい子はマネしないでね」という注意喚起を出してもマネをする。
  • 人が痛みを感じている、それもリアリティーがあるような形で痛みを感じているのを皆で見ながら嘲笑する、冷たい笑い…冷笑をするということが青少年、とりわけ子どもの内面や子どもの社会にどういう影響を与えるのかを検討する必要がある。
  • 視聴した番組の中には工夫されていると思われるものもあったと思う。中には、ネタで人を痛めているとか、意地悪しているように見えても、他のところでフォローする、尊厳までは傷つけない…というような演出に持っていくように気をつけていると受け取れる番組もあった。
  • 安全性の面などにおいて、それなりにマイルドになってきているところがあると思う。それでも、年齢の低い青少年、特に子ども(=児童)に与える影響や気をつけなければいけないポイントについて、外部の専門家の意見も参考にして反映させるべきだ。
  • 検討にあたっては、子ども達に対して、どのように、どのような心理的な影響を与えるのかについて番組制作者側と意思疎通を図り、理解を得ることが重要だと思う。

討論の結果、次回委員会から実質的な審議に入ることにしました。

八街市児童5人死傷事故報道における同級生へのインタビューを放送した番組の討論

千葉県八街市の飲酒運転による児童5人死傷事故の取材で、被害者の同級生へのインタビューがPTSD等の配慮に欠けた無神経なもので、モザイクもなく中には回答を誘導するようなものもあったとの意見が寄せられました。
委員会では、複数の放送局に対し、取材の目的・保護者等への許諾の取り方・チェック体制・2005年の「『児童殺傷事件等の報道』についての要望」の認識状況、などを文書にて問い合わせをし、その報告メモを基に討論を進めました。
委員からは、概要、以下のような意見が出されました。

  • テレビ局からの回答により、放送するにあたって協議が行われたことが分かったが、一方で内容を見ると、顔出しの意味がどれだけあったのか疑問だ。
  • 誘導かどうかの判断は難しい。放送に際しては、今の時代画像が保存・拡散され、証言をしてくれた子が周りからどのように言われるか配慮が必要と考える。
  • 取材に際して、将来フラッシュバックのような心理的リスクもあることを提示して保護者に許諾を取ったのか、すなわち、保護者がその危険性・問題点を認識できるような許諾の採り方をしていたかが気になる。
  • 児童への被害者に関する「人となり」取材は、事件・事故には欠かせない公共性・公益性が高い要素であると回答されているが、親が承諾した、この言葉が取れたから…という、やはり「画・音」が欲しいという考えが優先し、子どもに与える影響に対する検討が不十分になってしまっていなかったか懸念がある。
  • 2005年の「『児童殺傷事件等の報道』についての要望」は各局認識していると回答があったが、改めてその趣旨を確認することは重要だと思う。
  • 今回のような事件での子どもに対する取材報道では、第一に、事件直後に被害者の周辺にいてショックを受けている子ども達にこうした取材をすることによって、子どもにどういう心理的な影響を与えるものなのかを、慎重に判断してほしい。

以上のような意見を受けて、子どもの取材やインタビューの放送時に留意すべきと考える点について次回継続して討論を行い、「委員長コメント」を公表する方向で進めることになりました。

視聴者からの意見について

7月後半から8月前半に寄せられた視聴者意見について議論しました。
オリンピックの開会式に未成年者の高校生を合唱で出演させていた件について、「労働基準法第61条に抵触するのでは」「児童福祉法第違反では」等の意見が寄せられました。
委員からは、「対価を得ての労働とは違うので、1988年に労働省(当時)が出した『芸能タレント通達』に照らし合わせても、法律違反とは言えない」との意見が出されました。
バスの中で吊革に掴まらず手すりにも接触しないことにチャレンジするバラエティー番組に対して、「ヘルメット等の着用、倒れた時用の緩衝材等の対策は取られていたが、非常に危険だ」「私はバスの運転手だが、子どもが真似をすると非常に危険。せめて絶対にマネしないでと注意喚起するテロップは流せなかったものか」という意見が寄せられました。
委員からは、「安全確認をしていれば許容されるものであろう」「マネしないように、という注意喚起は必要だろう」との意見が出されました。
大浴場の脱衣所で男性芸人のロッカーが開かなくなり全裸状態のまま男湯と女湯がチェンジする時間となり、そこへ生動画配信の女性が入って来るという「全裸ピンチ」ドッキリ番組に対して、「その様子をモニターで見て皆で笑う光景はイジメだ」「男性を犯罪者に仕立て上げ警察を呼び、それを皆で笑うのは男性蔑視で不快」との意見が寄せられました。
委員からは、「出演者も承知のシチュエーションコントとして楽しむものとは思うが、痛めつけて周りが笑うというその構図自体が不愉快なのだろう」「やはり男性の裸は女性に比べて軽々しく扱われている、男女が逆ならありえない」との意見が出されました。

中高生モニター報告について

35人の中高生モニターにお願いした8月のテーマは、「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の欄も設けました。全部で32人から報告がありました。
「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」では、複数のモニターから意見が寄せられたのは6番組でした。『NHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」』(NHK総合)に6人から、『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)に5人から(「青少年へのおすすめ番組」と合わせると12人から)、『NHKスペシャル 選「原爆投下・10秒の衝撃」』(NHK総合)と『ドラマ×マンガ「特攻兵の幸福食堂」』(NHK‐BSプレミアム)、『池上彰のニュースそうだったのか‼ 戦争のこと 改めて考えてみようSP』(テレビ朝日)にそれぞれ3人から、『終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」』(NHK総合)に2人から報告がありました。それ以外のモニターは別々のものを取り上げており、全部で16番組について報告がありました。
「自由記述」では、オリンピックに関連して記述したモニターが最も多く、「東京オリンピックが無事開催できて良かった」「選手の活躍に感動した」という内容が複数件ずつ寄せられました。一方で、放送局がオリンピック選手に行うインタビューについて、「競技終了直後の息切れで苦しそうな選手に、そのタイミングでインタビューする必要が本当にあるのか」という意見も複数上がっていました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)と『1億人の大質問!?笑ってコラえて!2時間SP』(日本テレビ)にそれぞれ6人が、『ボクらの時代』(フジテレビ)に4人が、『サマーウォーズ』(BS12 トゥエルビ)に2人が感想を寄せました。

◆委員の感想◆

  • 【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

    • モニターリポートから、皆が一様に戦争の怖さや悲惨さ、戦争を起こしてはいけないということを強く感じ取っていることが読み取れた。番組を通して戦争の歴史を伝えることには、やはり大きな意義がある。

    • モニターの多くが終戦関連番組を見て戦争は良くないことだと考え、1年を通して戦争について知る機会がほしいと記述していた。震災なども同様のことが言えると思うが、放送局には、時期を限定して集中的に番組を放送するのではなく、年中放送するということも検討してほしいと思った。

    • 戦争関連の番組は再放送も活用して、何度でも繰り返して放送されることが望ましいと考える。

    • アニメーションを用いることで内容が分かりやすくなり良かったという評価がいくつも寄せられていた。戦争に関する番組の中でアニメを使うという手法が有効なのだと再認識した。

    • 『ドラマ×マンガ「特攻兵の幸福食堂」』(NHK‐BSプレミアム)「特攻隊について知りたい、伝えたいと思った主人公と同じように、自分も知らない人に伝える行動を起こすことが大事だと思った」と書いたモニターがいた。おそらく、制作者はそのように感じてもらいたいと思って表現を工夫したのだと思う。意図がしっかり伝わったということを制作者に伝えたい。

    • 『終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」』(NHK総合)人の感情を多く描くことで理解しやすいものになっていたという感想があった。是非制作者に伝えたいと思った。

    • 『NHKスペシャル 選「原爆の絵」』(NHK総合)もし自分がその場にいたならどうしただろうとかというような感情移入をしながら見たという。戦争に対する迫り方として原爆の絵を使いながら描いていくという切り口や表現の工夫が、ある意味、新鮮に映ったのだろうと考える。

    • 『沼にハマってきいてみた』(NHK Eテレ)ゲーム制作という方法をとることによって次の世代に語り継ぐための工夫を凝らした番組だと思った、という感想があった。過去の戦争の記憶を風化させず、また、世界を見れば現在の問題でもあるということを伝えるために、これからも放送局には時代に合った手法で戦争と平和に関する番組を制作してほしい。

  • 【自由記述について】

    • オリンピックでの選手へのインタビューのタイミングについて、「競技直後など選手が疲れているときではかわいそうだ」というコメントがあり、同感だと思った。

    • 「オリンピックがあったからか、戦争に関する番組が少ないと感じた」というモニターがいた。日本は原爆を投下されたただ1つの国だし、オリンピックは平和の祭典でもあるのだから、なおさら、オリンピックと戦争に関連する番組の数のバランスをもう少し考えて放送してほしかったという意見に共感した。

    • モニターからの意見の中に、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえて、感染対策のしっかりした番組制作が必要だというものがあった。放送局に改めて伝えたいと思う。

    • 東大、京大、有名私大出身という肩書が番組で使われることが多い気がする、という感想があった。なるほどと思うと同時に、このような肩書が受けなくなる時代が来ているのだと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

    • 『NHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」』(NHK総合)このような隠蔽は、今の世の中でも多くあると思う。中学校でも、先生に怒られたくないから、友だちに仲間外れにされたくないから、とちょっとした事件(人がケガしたとかではないです)では名乗り出ないことがあるので、通ずるものもあると思う。戦争のこととは関係がないかもしれないが、政治家もよく不祥事を問われると逆切れしたり、無視をしたりと自分の行動に責任感がない。僕は、責任感を持って、生活していきたいと思った。(中学2年・男子・神奈川)

    • 『NHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」』(NHK総合)中学校の歴史では、原爆が落とされ、たくさんの被害があったことしか教えられませんでした。この番組でより深く原爆について知れて良かったと思います。(高校1年・男子・群馬)

    • 『NHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」』(NHK総合)初めて自分から意識的に戦争についてのドキュメンタリー番組を視聴しました。恥ずかしい話ではありますが、私は戦争ものの番組や本などからつい逃げがちになっていました。でも、被爆者の高齢化がどんどん進んでしまっている現実があります。今回の番組でも、体験をお話ししてくださった方々は皆さんご年配でした。これから語り継いで後世に残していくためには、私たち高校生など若者が、当時のことについて知る必要があるのだと強く感じました。(高校2年・女子・埼玉)

    • 『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)長いものから短いものまで、食べ物の話や恋の話、幼いころに必死になって生き延びた話、オシャレの話など、いろいろなジャンルがあり、飽きることがありませんでした。その話がイラストとともにアニメになって話されており、とても分かりやすく、イラストもかわいかったです。(中学2年・女子・大分)

    • 『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)興味がなかったわけではないのですが、暗い気持ちになってしまうことを恐れて戦争を扱った番組をなるべく見ないようにしていました。しかしこの番組は、「#(ハッシュタグ)」を使った現代風なタイトルで、また、バラエティーでよく活躍されている人たちが出演されているということもあり、親しみやすさを感じました。戦争体験談は次世代につなげていくべきだというのを聞いて、祖父母に話を聞きたいと思いました。(高校2年・女子・神奈川)

    • 『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)ただ怖さを表すのではなく、若い世代にどのように伝えていくべきなのかを考え、情報を提供してくれた人のためにも当時の状況をネットのように偏ったものでなく、さまざまな視点で発信していくことがテレビ・ラジオにしかできない役割なのではないかと感じた。そのことを踏まえてこの番組を見ると、老若男女にとって見やすく、情報を提供してくれた人にとってもとてもいい番組だなと思った。(高校2年・女子・東京)

    • 『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)衣食住や恋愛をするという点は今と変わっていないと気づき、そのしかたの、今と昔の違いを感じながら視聴するとより感慨深かった。(高校1年・女子・埼玉)

    • 『NHKスペシャル 選「原爆投下・10秒の衝撃」』(NHK総合)原子爆弾が落ちる前は私たちと同じように家族と温かい生活をしていたのに、爆弾1つでこんなにも尊い命が失われてしまうのだなと、とても強く感じました。(中学3年・女子・奈良)

    • 『ドラマ×マンガ「特攻兵の幸福食堂」』(NHK‐BSプレミアム)特攻兵について知りたい、伝えたいと思った主人公の漫画家のように、このことを知らない人にも知ってもらうために行動を起こすということは大切なことだなと思いました。私もこのドラマで特攻隊や戦争について知ることができました。(中学1年・女子・東京)

    • 『ドラマ×マンガ「特攻兵の幸福食堂」』(NHK‐BSプレミアム)ドラマ×マンガという新しいスタイルによって抵抗なく見られるので、若者も戦争を知る1つのきっかけになり、とても良い試みだと感じた。キャラクターの表情や白黒の世界で、映像にするとあまりに残酷なシーンもカモフラージュできて新しい伝え方だと思った。「現実」とは少し離れてしまうかもしれないが、「怖い」という抵抗だけが生まれてしまうことが少なく、戦争で起こった「事実」が的確に伝わってきた。(高校1年・女子・京都)

    • 『ドラマ×マンガ「特攻兵の幸福食堂」』(NHK‐BSプレミアム)死ぬことが名誉とされ、もし生きて帰ってくれば「貴様はなんで死ななかったんだ!」とどなりつけられる。そんなシーンは想像もできませんでした。送り出すほうも送り出されるほうも苦しい思いでいたのだと知り、平和で気楽に暮らす今の私は、そういう時代があったことを忘れずに暮らさなければいけないと改めて思います。(高校1年・女子・東京)

    • 『池上彰のニュースそうだったのか‼ 戦争のこと 改めて考えてみようSP』(テレビ朝日)解説がとても分かりやすかった。番組ではまず、「戦争で生まれた身近なもの」を具体的に取り上げていた。カーディガンが軍服だったことには驚いた。ただ一方で、戦争のことは多く取り上げていたが、平和の大切さについてあまり触れていないようにも思った。そこにもう少し触れてほしかった。「平和は大切なんだよ」というメッセージを一緒に伝えてほしかった。(中学2年・男子・長崎)

    • 『終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」』(NHK総合)小学6年生の時に修学旅行で行った鹿児島の知覧の若き特攻隊兵のことも思い出してしまいました。自分の考えではないところで、戦争という時代が動いている悲しさを感じました。もしかしたら、戦争の時代の中で、自分の思いを言えずに葛藤していた人がいたのかもしれません。私たちは、ある程度自由に意見を言うことのできる時代に生きています。それは幸せなことだと感じました。偉い人や上の人が言うことがすべて正しいと思わずに、自分の考えと比べて正しいと思えば従い、違うと思えば意見を言える人になりたいと思いました。(中学3年・女子・宮崎)

    • 『終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」』(NHK総合)人の感情を多く描くことで理解のしやすいものになっていたと感じる。生体解剖事件を扱うことで、戦争というものがどれだけ恐ろしい時代を作っていたかにも触れることができた。戦争と終戦については、学校の授業で全てを知ることは難しい。先生によっては授業にプラスして知識をつけてくれる人もいるが、教科書をそのまま進めていたら知らないことだらけだろう。知らなくても生きていけるかもしれないが、知ろうとすることを大切にしたい。(高校3年・女子・東京)

    • 『NHKスペシャル 選「原爆投下・10秒の衝撃」』(NHK総合)日本とアメリカの科学者が広島に集まり、さまざまな実験のもと考えるという番組内容が面白いと思いました。深夜に放送するだけではなく、年中いつでも放送ができるようにして、戦争を知らない若者たちにも伝えていけるようにすれば、さらに良いのだと思います。(中学1年・男子・岩手)

    • 『NHKスペシャル 選「原爆投下・10秒の衝撃」』(NHK総合)原爆の破壊力がCGで再現されていて、現代の私たちも恐ろしさがよく分かる。さらに、バイオリンの音楽によって、その恐ろしい印象をより一層強めていた。原爆について知ってもらうために、みんなが起きている時間に番組を流し、知ってもらうべきだと思う。(中学2年・女子・千葉)

    • 『NHKスペシャル 選「原爆の絵」』(NHK総合)私がいちばん印象に残っているのは、がれきに挟まれて身動きが取れない男の子たちを何とか助けようとするが、最終的には焼け死んでしまうという絵です。語ってくれた人は泣きながら話していました。今考えてみれば引っ張り出す以外にも方法はもっとたくさんあったと言っていましたが、もし、私がその場にいたとしても、頭が真っ白で引っ張ることしか考えられなかったと思います。(中学1年・女子・千葉)

    • 『沼にハマってきいてみた』(NHK Eテレ)若い世代に戦争を伝えるという手段でゲームを作るということは新たな発想だと思いました。ゲームを使うということで批判があるかもしれない。でも若い世代にも伝えていきたいという熱意が伝わりました。(高校3年・福岡・女子)

    • 『にっぽん!歴史鑑定』(BS-TBS)昨今、戦争についての体験を1人称で語ることができる人が減っている状況で、このような番組はとても貴重だと思う。今回もかつての再放送だったようだが、ことあるごとに再放送すべき内容の番組だと思う。(高校3年・男子・山形)

  • 【自由記述】

    • すべてのアスリートたちがオリンピックのために努力を続けてきたことにとても感動した。世界にはたくさんの賛否両論があると思うが、私は「オリンピックが開催され、無事に終了することができて良かった(オリンピックができて良かった)」と思った。(中学2年・女子・埼玉)

    • なかなか外に出られないご時世ですが、画面越しに選手たちの熱いプレーを見て、ある意味、忘れられない夏になったように思います。開催については賛否両論ありますが、とりあえず、無事に東京オリンピックが開催できて本当に良かったなと思います。(高校2年・女子・埼玉)

    • 選手たちの活躍を見てとても元気づけられました。オリンピックが開催されて良かったと思いました。しかし、オリンピックの話題が情報番組で多く取り上げられている一方、コロナの状況や終戦関連の話題があまり取り上げられていなかったのは少し残念に思いました。(高校2年・女子・奈良)

    • 東京オリンピックを見て、どの競技も感動しました。私は卓球をやっているので卓球は全部の試合を最初から最後まで応援していました。本気で競技に挑んでいる選手の姿は輝いていてかっこ良かったです。選手が本気でプレーしている姿に何度も涙を流しました。でも、競技が終わってすぐに選手がインタビューに答えていてマスクを急いでつけているのを見て、そんなにすぐにインタビューしなきゃいけないのかと思いました。試合が終わったばかりで大変だと思います。(高校2年・女子・静岡)

    • 競技直後のインタビューは選手が苦しそう。コロナ対策もあってか、マスクをしながらで息切れが激しく、苦しそうな表情を見せることがよくあった。少し時間を空け、落ち着いて話す準備が整ってからのほうが良いと思った。また、その翌日に放送局から生中継する朝のインタビューも、競技を行った次の日の朝早くにする必要はないと思った。選手の疲労回復も大切にしてほしい。(中学2年・女子・千葉)

    • オリンピックの期間中、テレビでの放送はほとんどがオリンピックでした。私のようにオリンピックへの興味がない人もいるのではないかと思います。なので、オリンピック期間中、何か少しでもバラエティー番組などの再放送でもいいので放送して頂きたいと感じました。(中学2年・女子・大分)

    • オリンピックのメダルを取った情報が「ニュース速報」でたくさん流されていましたが、「災害情報か?」と一瞬ドキッとすることがありました。「ニュース速報」だけでなく、最初にオリンピックのニュースと分かるようにしてほしかったです。(中学1年・女子・東京)

    • オリンピックについて賛否評論があったものの、いざ始まってみると、どこの放送局も何事もなかったように、好意的に放送したことに違和感を持ちました。「平和の祭典」とも言われるオリンピックが国民を二分してしまい、その理念さえも揺らぐ中で、オリンピックの開催の意義があったのだろうかと思わず自問自答してしまうほどでした。出場することを目標に掲げ、努力を重ねてきたアスリートの存在を思えば開催に越したことはないのですが、そのせいでコロナ感染が拡大したとなれば、平和の理念からはほど遠く、本末転倒のように思えます。(高校3年・男子・長崎)

    • 今年は戦争に関する番組が少なかったように思いました。自分はオリンピックが関係していると思います。日本は原爆を落とされたたった1つの国なので、平和の祭典であるオリンピックと戦争に関する番組をバランスよく放送してほしいと思いました。(高校1年・男子・群馬)

    • 両親が小学生のころは終戦記念日にあたる8/15は登校日だったそうです。朝、全校生徒で黙とうをし、戦争に関する映画を見る。年によっては経験者の話を聞くことがあったそうです。戦争経験者が少なくなった現代こそ、こういった教育がないと戦争の恐ろしさが薄れてしまうのではないかと感じます。(高校1年・女子・東京)

    • 海外のテレビ局で、長時間にわたる焚き火や暖炉の映像の視聴率が過去最高を記録したり、YouTubeでも焚き火やソロキャンの映像が人気だったりするので、視聴していて安心するものが求められていると考えます。SNSでは芸能人のコロナウイルスの感染を心配したり、テレビ番組の撮影の感染対策の不十分さを指摘したりする声が多くあります。なので、ソロキャンプのように出演者が少なく、感染対策がしっかりされている番組を作るべきで、私自身もそのような番組がほしいと思っています。(高校3年・女子・静岡)

    • 最近、東大生、京大生、有名私大出身というような肩書きが多い気がする。確かに東大や京大は偉大な大学だが、全て完璧ではないし、ほかの大学をバカにしているように感じる。(高校3年・女子・福岡)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)戦争に対して、重くてマイナスなイメージを持っていたので、いつもなら見るのを躊躇していたが、アニメーションを用いることで見やすくなっており、より深く戦争について考えることができた。(中学3年・女子・富山)

    • 『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)戦争中はとても辛いことばかりだと思っていたけれど、小さな幸せが人々を支えていたのかなと思った。自分も一度、広島や長崎に行ってみたいと思った。(高校1年・男子・群馬)

    • 『特集番組「#あちこちのすずさん2021~教えてください あなたの戦争~』(NHK総合)リモートで全国各地の高校生や大学生が番組収録に参加しており、番組内で同世代の声を聞けることが良かったです。家族で視聴したのですが、今では考えられないような大恋愛の話にはみんなでリアクションしてしまいました。(高校1年・女子・東京)

    • 『1億人の大質問!?笑ってコラえて!2時間SP』(日本テレビ)毎回始めにある、ゲストを当てるクイズとスペシャルヒントは見ていて楽しい。「高そうな犬を連れている人はきっとセレブに違いないの旅」について、犬を使う企画はとても癒される。一般の人にインタビューをするのはディレクターで、質問するのが上手いと思う。「愛をこめて花束を、の旅」について、こんなにいい企画はないと思う。道行く人に花束を渡し、渡された人が渡したい人にその花束をあげるのに密着する企画。やっている側、見ている側、双方がいい気持ちになる。幸せの連鎖だと思う。(高校2年・男子・愛知)

    • 『ボクらの時代』(フジテレビ)編集がとてもシンプルで必要最低限のテロップしかないので、出演者のトークに集中できていたので良かったです。(中学3年・女子・奈良)

    • 『ボクらの時代』(フジテレビ)去年見た戦争のドラマ『太陽の子』のキャストが集う会で、なかなか見ることのできない組み合わせの3人のトークだったので面白そうで見ることにした。あえてゲスト3人だけというスタンスが、俳優さんのありのままの姿を見られて新しいと思った。よくあるバラエティーと少し違って落ち着いて見られるので、日曜の朝にぴったりだと思う。(高校1年・女子・京都)

    • 『サマーウォーズ』(BS12 トゥエルビ)昔、テレビで放映されたのを見たときに、その当時はネットで起こった問題を解決する主人公がかっこいいと感じ、楽しく視聴できました。しかし今見返すと、インターネットの怖さが身に染み、今の社会のもろさが身に染みました。(高校3年・女子・静岡)

以上