第282回放送と人権等権利に関する委員会

第282回 – 2020年7月

「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案のヒアリングと審理…など

議事の詳細

日時
2020年7月21日(火)午後3時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」 千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案、ヒアリングと審理

フジテレビは、2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに周辺住民から苦情が出て、行政が規制を始めたことを紹介したもので、周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性が、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており、「捏造には該当しない」などと反論している。
今委員会では、申立人とフジテレビに対するヒアリングが行われ、双方に対して、とくに取材時の過程を詳しく聞いた。ヒアリングを受けて委員会は審理を行い決定の方向性を固め、決定文の起草に入ることを決めた。

2.「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案の審理

札幌テレビは、2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づく一時金申請に関する報道を行った。これに対して一時金を申請した男性が申立てた事案。
委員会は、すでに論点整理とヒアリングにおける質問項目を決定しているが、ヒアリングの時期については、新型コロナウイルス感染拡大防止の自粛要請のため、日程の決定を保留してきた。今委員会では、事態の状況と審理の遅延を勘案し、次回委員会で全委員出席のもとヒアリングを行うことを確認した。

3. その他

  • 6月30日に行われた委員会決定第73号「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」の通知公表について報告されたほか、新規申立てについて事務局より報告があり、意見が交わされた。

以上

第150回 放送倫理検証委員会

第150回–2020年7月

テレビ朝日『スーパーJチャンネル』を審議
8月下旬以降に委員会決定を通知・公表へ

第150回放送倫理検証委員会は7月10日に開催された。
委員会が6月30日に通知・公表した琉球朝日放送と北日本放送の単発番組に関する意見について、出席した委員長と担当委員から当日の様子が報告された。
2月13日に通知・公表したTBSテレビの『消えた天才』映像早回しに関する意見について、当該放送局から委員会に対し、具体的な改善策を含む取り組み状況などの対応報告が書面で提出され、その内容を検討した結果、報告を了承して公表することにした。
委員会が3月31日に通知・公表したNHK国際放送の『Inside Lens』「レンタル家族」企画に関する意見への対応報告が当該放送局から書面で提出され、その内容を検討した結果、報告を了承し公表することにした。
スーパーマーケットで偶然出会ったように放送した買い物客が取材ディレクターの知人という不適切な演出をしたとして審議中のテレビ朝日のニュース番組『スーパーJチャンネル』について、担当委員から意見書の再修正案が提出された。意見交換の結果、大筋で了解が得られたため、8月下旬以降に当該放送局への通知と公表を行うことになった。
出場者の人数が不足した場合、解答権のないエキストラを番組に参加させて欠員補填したとして、5月の委員会で審議入りしたフジテレビのクイズバラエティー番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』について、当該放送局の関係者に対して実施したヒアリングの概要が報告された。
秋田放送又は山口放送がそれぞれ制作した弁護士法人一社提供のローカル単発番組について、同番組を購入して放送した複数の局から提出された報告書及び当該他の局とは別に、同じ法人が提供する番組を制作・放送し又は番組を購入して放送した複数の局からも順次報告を求めることとしたが、その経過報告を踏まえて議論を行い、討議を継続することとした。
フジテレビと産経新聞が合同で行った世論調査のデータの一部に架空入力があり、それを基にしたニュースが合計18回放送されたことについて、当該放送局に報告書と同録DVDの提出を求めて討議を行った。委員からは厳しい意見が相次ぎ、再発防止策についての追加報告を待ち、併せてチェック体制などについてさらに報告を求める必要があるとして、討議を継続することとした。

議事の詳細

日時
2020年7月10日(金)午後2時30分~午後6時40分
場所
千代田放送会館会議室およびオンライン
議題
 
出席者

神田委員長、鈴木委員長代行、升味委員長代行、大石委員、岸本委員、高田委員、長嶋委員、中野委員、西土委員、巻委員

1. 「琉球朝日放送と北日本放送の単発番組に関する意見」の通知・公表について報告

琉球朝日放送が2019年9月21日に放送した『島に“セブン-イレブン”がやって来た〜沖縄進出の軌跡と挑戦〜』と、北日本放送が同年10月13日に放送した『人生100年時代を楽しもう!~自分に合った資産形成を考える~』の2つのローカル単発番組について、委員会はいずれの番組も視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められ放送倫理違反があったと判断し、6月30日に通知と公表の記者会見を行った。この日の委員会では、通知・公表に出席した委員長と担当委員が会見での質疑応答などを報告した。
通知と公表の概要は、こちら

2. TBSテレビ『消えた天才』映像早回しに関する意見への対応報告を了承

2月13日に通知・公表した、TBSテレビの『消えた天才』映像早回し加工に関する意見への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。
報告書には、委員会決定の社内周知や6月にBPO委員を招いてリモート形式で実施された研修会の状況等に加え、再発防止への取り組みとして、「放送倫理の向上を図るため、定期的に社内勉強会を行う」「素材段階でのチェックを強化する」「“密室”でのVTRチェックを禁止する」「スタッフを孤立させない組織作りを行う」などが記されている。
担当委員からは、上記研修会の様子や、研修の内容が受け止められて再発防止への取り組みが行われていることなどが報告され、適切な対応が行われているとして、当該報告を了承して公表することにした。
TBSテレビの対応報告書は、こちら(PDFファイル)

3. NHK国際放送『Inside Lens』「レンタル家族」企画に関する意見への対応報告を了承

3月31日に通知・公表した、NHK国際放送『Inside Lens』「レンタル家族」企画に関する意見(委員会決定第34号)への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。
報告書には、今回の問題を受けて2019年6月6日に公表した再発防止策の徹底を、放送に関わる全職員およびNHKの放送系の関連団体に改めて求め、経営委員会・国際放送番組審議会に報告したことが記されている。また、委員会決定を受けた新たな再発防止策として、取材した内容の真実性や利害関係者かどうかの確認などについて、出演者側の承認を取る内容になっている「出演等承諾書」を導入したことなどが記されている。
委員からは、「委員会決定を受けた後の局としての方策についての記載が乏しく、局として意見書を具体的にどう生かそうとしているのか分からなかった」という意見が出された一方、「番組制作に直接関わった人たちが、委員会決定をどう受け止めたのかについて、とても詳しく書かれていることは評価できる」「放送現場では意識や対応の変化が出てきていると書かれている。意見書の内容が伝わり、現場が受け止めているのであれば評価できる」「新型コロナウイルスの流行が本当に落ち着いた時点で、意見交換の機会が持てることを望みたい」などの意見が出され、概ね適切な対応がなされているとして、報告を了承して公表することにした。
NHKの対応報告書は、こちら(PDFファイル)

4. スーパーマーケットで偶然出会ったように放送した買い物客が取材ディレクターの知人だった『スーパーJチャンネル』について審議

テレビ朝日は2019年3月15日、ニュース番組『スーパーJチャンネル』で、スーパーの買い物客に密着する企画を放送したが、この企画に登場した主要な客4人が取材ディレクターの知人だったとして、記者会見を開き謝罪した。11月の委員会で、放送倫理違反の疑いがあり、放送に至った経緯を詳しく検証する必要があるとして審議入りした。今回の委員会では、前回までの議論を受けて担当委員から示された意見書の再修正案について意見交換が行われ、大筋で合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、8月下旬以降に当該放送局へ通知して公表することになった。

5. 解答権のないエキストラで欠員補填していたフジテレビのクイズバラエティー番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』を審議

フジテレビは4月3日、クイズバラエティー番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』について、100人の出場者を集めて収録すべきところ、人数が不足した場合、解答権のないエキストラで欠員補填して番組に参加させ、「番組が標榜している『1人対99人』というコンセプトを逸脱し、視聴者の信頼を損なう形となっていた」として、番組ホームページ上で事実関係を公表するとともに謝罪した。
5月の委員会において、レギュラー番組として放送された第1回(2018年10月20日放送)から第25回(2019年10月26日放送)までについて、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。今回の委員会では6月末から7月上旬にかけて当該放送局の関係者に対して実施したヒアリングの概要が担当委員から報告された。次回委員会では意見書の骨子案が提出される見込みである。

6. 視聴者に広告放送と誤解される疑いのある内容だった秋田放送と山口放送のローカル単発番組を討議

秋田放送は2019年10月26日に『そこが知りたい!過払い金Q&A』と題した30分のローカル単発番組を制作放送した。この番組を見た視聴者から「CMの延長のような番組作りは許されるのか」という意見がBPOに寄せられ、併せて「山口県で放送されたものと同じ内容の番組も1週間前に流している」との指摘もなされた。秋田放送では同年10月19日に、山口放送が制作した『“見ねれば”損!損?過払い金びっくり講座!PART2』を番組販売で購入し放送していた。
山口放送は、『“見ねれば”損!損?過払い金びっくり講座!』を2018年6月2日などに、また、『“見ねれば”損!損?過払い金びっくり講座!PART2』を2019年5月25日などに制作放送していた。
委員会は5月、両局から提出された報告書を基に討議し、いずれの番組も、取り上げている特定法人の事業の紹介が広告放送であると誤解されかねない内容になっており、放送倫理違反の疑いがあるのではないかといった意見が多く出されたが、上記番組のうち他の複数の放送局に番組販売され放送されている番組があることがわかったため、それらの放送局からも報告書の提出を求めることとした。6月開催の委員会では、当該他の局とは別に、同じ法人が提供する番組を制作・放送し又は番組を購入して放送した複数の局からも報告を求めることとして、討議を継続していた。
今回の委員会では、その経過報告を踏まえ、さらに討議を継続することとした。

7. データの一部が架空入力された世論調査結果を放送したフジテレビの一連のニュース番組について討議

フジテレビと産経新聞は、6月19日、昨年5月から今年5月までの14回にわたり合同で行った世論調査「FNN(フジニュースネットワーク)・産経新聞 合同世論調査」のデータの一部に架空入力があったため、調査結果と関連する合計18回の放送及び記事をすべて取り消し、世論調査は確実な調査方法が確認できるまで休止すると発表した。
フジテレビの報告書によれば、調査を委託した会社の再委託先の会社の社員が、全サンプルの約17%に当たる約2500サンプルについて、実際には電話をしていないのにもかかわらず、架電済サンプルの属性と回答内容の一部を変えて架空データを作成しデータを作成していたとしている。
委員会では、「社会の意見分布を知る一番の手掛かりは世論調査だ。不正な世論調査結果に基づいて18回ものニュースが放送されたことは、その時々の世論に影響を及ぼした可能性を否定できない」「世論調査は国民にとって重要な判断材料であり、不正の有無についてチェックされることなく放送されていたことは深刻な問題だ」「放送、新聞が行うすべての世論調査の信頼性を揺るがす由々しき事態だ」などの厳しい意見が相次ぎ、「民放連放送基準『(32)ニュースは事実に基づいて報道し公正でなければならない』に抵触する疑いがあるのではないか」との意見も出された。そのうえで、局からの再発防止策についての追加報告を待ち、併せて管理体制、納品されたデータのチェック方法などについてさらに報告を求める必要があるとして、討議を継続することとした。

以上

2020年6月30日

琉球朝日放送と北日本放送の単発番組に関する意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は、6月30日午後2時30分から、千代田放送会館7階の会館会議室で行われた。委員会からは神田安積委員長、鈴木嘉一委員長代行、西土彰一郎委員の3人が出席し、琉球朝日放送と北日本放送からは7人が出席した。
委員会決定について神田委員長はまず、両局の番組についていずれも放送倫理違反があったと判断したと述べた。琉球朝日放送の番組は、民放連の「留意事項」に盛り込まれた「視聴者に『広告放送』であると誤解されないよう、特に留意すべき事項」に照らして総合的に判断すれば、視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められるので、放送倫理違反があったと判断したと説明した。また、北日本放送の番組は、民放連放送基準の「(92)広告放送はコマーシャルによって、広告放送であることを明らかにしなければならない」や、民放連の「留意事項」に盛り込まれた「視聴者に『広告放送』であると誤解されないよう、特に留意すべき事項」に照らして総合的に判断すれば、視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められるので、放送倫理違反があったと判断したと説明した。
続いて鈴木委員長代行は「当該局による自主的・自律的な事後対応とその成果を期待している。正直、厳しい表現の下りもあるが、『自主・自律』を促すための苦言だと受け取っていただければありがたい」とコメントした。また西土委員は、番組と広告の境目を常に意識して番組を制作してほしい。そうした実践の積み重ねにより、自分のものにした留意事項、各局の実践的なルールこそが重要であると考えるとコメントした。
これに対して琉球朝日放送は、「放送倫理違反があったと判断されたことを何よりも重く受け止めている。今回の意見を踏まえて今後の番組作りに生かしていきたい」と述べた。北日本放送は、「委員会決定を本当に深く受け止めている。これからは考査体制を強化して、本当に視聴者から信頼される番組作りを、改めてどんな番組が信頼されるのかということを全社員で考えて、真摯に取り組んでいきたい」と述べた。
続いて、午後3時30分から千代田放送会館2階の大ホールで記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には50社67人が出席した。
はじめに神田委員長が、琉球朝日放送の番組は、番組の中身や表示の問題点から、視聴者が広告放送であるとの疑いや誤解を抱くのは無理もない。民放連の「留意事項」に照らして総合的に判断すれば、視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められるという判断をした。北日本放送の番組は、北日本放送が自ら「中途半端なPR色」を認めるように、特に番組の後半部分は視聴者が広告放送であるとの疑いや誤解を抱くのは無理もない。民放連放送基準の92や民放連の「留意事項」に盛り込まれた特に留意すべき事項に照らして総合的に判断すれば、この番組も視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められるという判断をしたと述べ、意見書の構成に沿ってその概要を説明した。
続いて鈴木委員長代行は「広告をめぐる意見書は2件目だ。意見書は通常、当該局に向けてものを言うものだが、今回は『民放連や民放各局の自主的・自律的な精神と姿勢で検討されるよう望みたい』と民放連を名指しして対応を促している。我々のメッセージがそこに込められていることを読みとっていただけるとありがたい」と述べた。また西土委員は、営業、編成、様々な職責の方がコミュニケーションをとって実践していく中でルールが具体的に決まってくるものだと思う。そういう観点から意見書を執筆したと述べた。

記者会見での主な質疑応答は以下のとおりである。

Q: 意見書には放送法第12条が出てこない。民放連放送基準で言及できるので、12条を持ち出すまでもないということか。
A: 当委員会は放送倫理に照らして倫理違反があるのかを判断する機関であることを踏まえ、放送倫理違反に関する判断をすることをもって必要十分であると考えている。(神田委員長)
   
Q: 琉球朝日放送の番組がセブンの提供でないことは、いつ分かったのか。また、番組は局の自主制作か。
A: 1月のヒアリング時に分かった。ビックリした。番組は琉球朝日放送の自主制作だ。
(鈴木委員長代行)
   
Q: セブン出店で沖縄ではお祭り騒ぎになったことは1つの情報であり、ニュースだと思う。PR色と情報性は表裏一体だと思うが。
A: 民放連の「留意事項」において、番組で特定の商品・サービスを取り扱うことは、視聴者に対して具体的で有益な情報提供となることが指摘されている。当委員会においても、その意義を損なうことのないよう十分に意識して議論、判断をしている。同時に、番組で取り上げた情報が広告放送であるとの誤解や疑念を持たれることは、民放の信頼やメディア価値の根幹にも関わることとなるとの指摘もされているところであり、その「境目」の判断については、「留意事項」に書かれているとおり、3つの視点はあくまで例示であり、総合的に判断する必要があると考えている。ご質問の点については、本件においてその点だけを踏まえて判断したものではなく、番組全体について総合的に判断したものであるが、その判断に関しては詳細な記載は控えている。詳細に記載するときは、個別事案を離れて基準であるかのような誤解を与え、かえってその意義を損なう可能性があると考えている。民放連放送基準審議会においても、「演出や構成などには大いに工夫の余地があるのではないでしょうか」と呼びかけている。私たちも各局に「大いに工夫の余地がある」ことを狭めることがないようにしたいと考えており、意見書にも記載したとおり、各局に自主的・自律的に検討していただきたい。(神田委員長)
   
Q: 広告会社の方がプロデューサーとして表示されていたことについて、委員会はどんな議論をしたのか。
A: その部分は倫理違反の判断とは直接関係ないが、表示は正確であってほしい。(鈴木委員長代行)

以上

第224回 放送と青少年に関する委員会

第224回-2020年6月

視聴者からの意見について…など

2020年6月23日、第224回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず3月16日から6月15日までの3か月間に寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
新型コロナウイルスを取り上げた、報道・情報番組について「子どもが家にいるのに政府の対応への批判を垂れ流している」「感染者の出た学校名を挙げて報道している。これは気持ちが弱っている子どもに追い打ちをかけているようだ」などの意見が寄せられました。これについて委員からは、「政府の政策判断についての批判という視点で番組を構成すること自体は悪いとは思わないが、その前提として“事実の報道”の上での評価ということがあると思う。そのあたりが視聴者に伝わりにくいこともあって、このような意見が出てきたのではないか」などの意見が出されました。
中高生モニターについても、3か月分のリポートについて議論しました。
4月の中高生モニターのリポートのテーマは「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」でした。32人から報告がありました。
モニターからは、老舗足袋メーカーがランニングシューズの開発に挑む姿を描いたドラマについて、「このドラマから、どんなに苦難があっても神様がほほ笑むのは目標に向かってただ走り続けるだけだ、ということを学んだ。そして、その神様は人間だ。目標に向けて走り続ける者を見て、同情や憧れを感じて仲間になってくれたり、助けてくれたりする。そんな人間は必ずどこかにいる。そんなことを学んだ」、フェイクニュースをテーマにしたドキュメンタリ―番組について、「強烈に印象に残っているのは、メキシコで無実の男性2人が、フェイクニュースによって市民に殺害された事件です。市民が、ネットの情報がフェイクであるかを確かめる前に騒ぎを大きくし、人々の正義心を利用して、殺害は躊躇なく実行されました。フェイクニュースが『殺人』というところまで人々を動かせたという実例はあまりに衝撃的であった。…フェイクニュースは真面目なものから滑稽なものまで日々の生活にあふれているので、例えばTwitterのフェイクニュースの紹介と注意を促すような、情報番組のひとコーナーなど、若者に寄り添ったコーナーがあったら面白いなと思いました」などの意見が寄せられました。
5月のテーマは「最近見たニュース・報道番組について」でした。32人から報告がありました。
モニターからは、夜のニュース番組について、「この番組を見て、特に二つの良い点を思いつきました。一つ目は、国内のことから海外のことという放送順であったことです。コロナウイルスの内容が主でしたが、国内のことを伝え、その後、海外でどのような動きがあるかを伝えていたことにより、視点をスムーズに切り替えることができ、理解しやすかったです。二つ目は明るい内容を取り上げていたことです。コロナウイルスの影響により、ロボットの開発が進んでいるというものです。世の中が暗くなっている中、未来を見据えたロボットの進化というニュースは、世の中に少し光を差してくれたような気がします。一つ気になった点は、都市のインタビューばかりで地方の様子があまり分からないことです。地方はどのように考えているのか、東京都との影響の差はどのくらいあるのかなど、都市部と地方の比較した情報がもう少しあると良いと考えました」、別の夜のニュース番組について、「(新型コロナ関連のニュースで)公園で遊んでいる子どもに対してのインタビューが放送されていたが、インタビュアーが『コロナの影響で学校に行けないのは悲しいですか?』『早く学校に行きたいよね』のような答えが聞かずともわかるものであり、有意義なインタビューに感じられなかった。休校期間中、家での自粛で気が滅入る中、せっかく気晴らしのために外で遊んでいる子どもに対して現実を再認識させるようなこのインタビューは必要だったのか?」、新型コロナウイルス関連のニュース全般について、「いつもニュースをつけると感染者が増えた減った、接触は8割減などいつ見ても毎日同じことの繰り返しだったような気がします。家にいる時間が長くなると見る時間も増えるのですが、テレビを見ても気が張ってしまって疲れる感じもありました。コロナ鬱と報道されることも増えましたが、それは共感して気持ちが楽になることと同時に気持ちを煽る可能性も感じました。…最近はコロナウイルスについてどうすべきかの議論が盛んになっていますが、私は議論する側に熱が入りすぎて怒り口調になりすぎてしまうのが苦手に感じます。…テレビでの話し合いは小さい子も含め多くの人の目に入るので、自分の意見をぶつけるだけでなく互いの話を聞き入れながら解決策を探るなど、話し合いも有意義だと思えるような、手本になるようなものを心がけてほしいと思います」などの意見が寄せられました。
また、6月のテーマは「最近見たドラマについて」でした。30人から報告がありました。
モニターからは、家政夫を主人公にしたドラマについて、「(この日の放送は)再放送ではなく、新しい話のドラマが作られていました。それだけでもびっくりしたのに、さらにドラマは一人一人がテレビ会議みたいな感じで、画面の中の画面で演技していて、今の自粛が続いている現状にピッタリなドラマに仕上がっていました。…そして、このドラマが大好きなもう一つの理由は、毎週毎週、何らかの『家事テク』が紹介されることです。…この『家事テク』が大好きで、いつも母に教えてあげています。…さらに、もう一つこのドラマが好きな理由は、必ず、最後に主人公が、意味深というか、なるほどと思うセリフを言う点です。…『ほんの少し工夫をしてやり直すだけで改善される』という言葉もありましたが、この言葉は、大人の夫婦の世界の話だけでなく、中学生である自分の生活を振り返ってみても同じことが言えるかも、と思いました」、2002年に放送された学園ドラマの再放送について、「学園ドラマというジャンルのドラマは今でも多いが、10年以上前の作品が今でも人気があるのはすごいなと思いました。…主人公に対して生徒たちが反発しながらも少しずつ距離を縮めていくところが学園ドラマらしく、見ごたえのあるものだと思いました。…学校が徐々に再開してきているタイミングでの放送だったので、学校で先生に会うのがとても楽しみになるなと思いました」などの意見が寄せられました。
次回は7月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年6月23日(火)午後4時30分~午後7時15分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

3月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
新型コロナウイルスを取り上げた報道・情報番組に対して「子どもが家にいるのに政府の対応に対する批判や悪口を垂れ流している。教育上良くない」「感染者の出た学校名を挙げて報道している。これは気持ちが弱っている子どもに追い打ちをかけているようだ」などの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「報道や情報番組で、政府の政策判断についての批判など、そういった視点を持った番組構成自体が悪いとは思わないが、批判をする前提として“事実の報道”をした上で評価をしていると思う。そのあたりの工夫が視聴者に伝わりにくいこともあって、このような意見が出てくるのではないか」などの意見が出されました。
バラエティー番組でコロナ自粛生活の家庭での悩みを相談するコーナーに電話で出演した女性音楽家が、思春期を迎えた息子について「変な臭いがしてきた」「アニメの女性キャラクターの胸の画像を重点的に見ている」などと発言したことに対して、「学校でいじめられる可能性がある」「性癖を暴露しているようで、子どもの虐待と同じレベルだ」などとの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「スタジオ出演者とのやり取りは息子を笑い物にしたり、深刻にとらえたものでなく、思春期の男の子では特別なことではないという感じでやっている」「音楽家自身もオープンな感じを売りにしているので、問題ないのではないか」などの意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

今月は、4月、5月、6月のモニター報告について話し合いました。
2020年度になり、新たにモニターを依頼した33人に初めてお願いした4月のテーマは「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設け、全部で32人のモニターから報告がありました。
「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」では、テレビ番組について29人が、ラジオ番組について3人が記述していました。複数の意見が寄せられたのは、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)で2人から、その他はそれぞれが別々の番組を取り上げていました。テレビ番組のジャンル別では、バラエティーに12人、ニュース・報道・ドキュメンタリーに8人、ドラマに4人、音楽番組とアニメにそれぞれ2人ずつ、教育番組に1人から報告がありました。
「自由記述」では、新型コロナウイルスに関連して記述したモニターが15人いました。各局のニュース番組の報道内容についてかぶり感があるという不満、ウェブ会議ツールを活用した情報番組や無観客のバラエティー番組への感想などが目立ちました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)に7人が、『音楽チャンプ~5か月で全国3000人を調査!歌うま日本一決定戦~』(テレビ朝日)に5人が、『世界にいいね!つぶやき英語』(NHK Eテレ)に2人が感想を寄せています。
今回のレポートでは、新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさんが出演した番組を視聴し、「笑い」や「優しさ」について考察を深めたというモニターが多かったのも印象的でした。

◆委員の感想◆

  • 【これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について】

    • 番組を、自分の興味や進路などに結び付けて考えながら視聴しているモニターが多く、興味深かった。

    • 『NHKスペシャル デジタルvsリアル 第1回フェイクに奪われる“私”』(NHK 総合)「特集のような形もよいけど、日常的にそういうフェイクニュースの注意とか紹介とかをするような番組のコーナーとかあったらいいのではないか」という提案があったが、ぜひ制作者に伝えたいと思った。

    • 『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)について書いたモニターが、3年間天気を担当した気象予報士が番組を卒業するということでスタジオにいた人たちの拍手がとても大きくて驚き、単にスタッフの数が多いというだけではない番組の温かさを感じたという。こういうちょっとしたところを見られているのだと改めて感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について】

    • 『NHKスペシャル デジタルvsリアル 第1回フェイクに奪われる“私”』(NHK 総合)コロナウイルスによって生活が振り回されている中で、何の情報が正しいのか疑問に思うことがあり、関連してフェイクニュースについても知りたいと思い、見てみました。強烈に印象に残っているのは、メキシコで無実の男性2人が、フェイクニュースによって市民に殺害された事件です。市民が、ネット情報がフェイクであるかを確かめる前に騒ぎを大きくし、人々の正義の心を利用して殺害は躊躇なく実行されました。フェイクニュースが「殺人」というところまで人々を動かせたという実例はあまりにも衝撃的でした。今回のような特集の形もよいですが、フェイクニュースは真面目なものから滑稽なものまで日々の生活に溢れているので、例えば、情報番組のひとコーナーなどで、フェイクニュースの紹介と注意を促すような、若者に寄り添ったコーナーがあったら面白いなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『逆転人生「母は強し!連続雪崩から奇跡の生還」』(NHK 総合)一年ほど前に見た番組ですが、再現のドラマがとてもリアルで、はっきりと憶えています。どんなに苦しく大変な状況でも、生き延びるために頑張っていた姿に勇気をもらいました。主人公の主観的な視野から見ている再現もあって、実際に自分が体験したかのように思えました。(長野・中学2年・男子)

    • 『超入門!落語 THE MOVIE』(NHK 総合)落語と一緒に実写の映像を流すため、理解が深まり面白かったです。落語では、子どもには分かりにくい言語や、難しい言葉がありよく分からない場面がありますが、この番組ではそれが少なかったように感じられました。分かりにくいオチも、映像があると安易にわかるため、落語って面白いんだなって初めて感じられたきっかけでした。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『中居正広のキンスマスペシャル』(TBSテレビ)この番組で志村けんさんは、いかりや長介さんとの思い出を語っていますが、ここから、志村さんがいかりやさんのことをずっととても大切に思っていることが分かり、志村さんの優しさが僕にはうかがえました。再現VTRがとても良くできていて見やすかったです。また、たんに1年前の放送を再放送するのではなく、再編集がされていて、いいと思いました。(東京・中学2年・男子)

    • 『陸王』(TBSテレビ)「どんな苦難があっても神様がほほ笑むのは目標に向かってただ走り続けたものだけだ。」ということを学んだ。そして、その神様は人間だ。目標に向けて走り続ける者を見て、同情や憧れを感じて仲間になってくれたり、助けてくれたりする。そんな人間は必ずどこかにいる。そんなことを学んだ。(群馬・中学3年・男子)

    • 『アンナチュラル』(TBSテレビ)このような普段生活している上であまり注目されることのない職業・職種にフォーカスを当てたドラマが増えたら、学生などの将来の職業選択の幅にも良い影響を与えるのではないだろうか。(千葉・高校2年・女子)

    • 『ライオンスペシャル 第39回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)「地頭力」というテーマがよかった。これからAIが普及していくにあたって人間にはAIにはない地頭力が求められると思われる。ひらめき問題が出るため、子どもも大人も誰にでも正解する可能性があり、自分も参加したくなった。(千葉・中学1年・男子)

    • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)番組関係者の子どものように興奮したり感動する姿を見て、人間らしさにあふれているなと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)毎週欠かさずに見ているのですが、出川哲朗さんの「はじめてのおつかい」のコーナーが特に大好きです。毎回笑いが止まりません。「出川イングリッシュ」と呼ばれるほど、ネイティブの方が話す英語とは程遠い英語で、お茶の間を笑わせてくれます。それに加え、スタッフの方の編集により、面白いフレーズに黒い背景で白い文字の字幕が出ることによって、さらに面白さが増します。出川イングリッシュは単に面白いだけでなく、外国の方とコミュニケーションをとる方法を教えてくれます。毎回、あの英語でゴールまでたどり着けるのは、出川さんのコミュニケーション力にあると思います。ただ笑わせてくれるだけでなく、得られるものがあると考えます。(東京・高校1年・女子)

    • 『俺のスカート、どこいった?』(日本テレビ)この番組を見てLGBTの人たちへの見方が変わったように感じる。以前はよく知らず、偏見もあったが、彼らも同じ人間で同じように悩み、生きている人だと気づくことができた。この先、このドラマのような番組が増えて、偏見などがなくなっていけば良いな、と思った。(長野・高校1年・女子)

    • 『マツコ“毒舌”観察!!50日間で女性の顔は変わるのか!?』(日本テレビ)生活環境を変えるのは自力ではなかなかお金もかかるし踏ん切りもつかないので難しく、テレビ番組だからこそできる企画だなと思います。人が変わっていくのを見ていると、皆がどこかに抱えているであろう自分を変えてみたい、変わってみたいと思っている気持ちが刺激されて、私も自分の可能性が広がった気になって、前向きにさえなれたような気がしました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)連日あまりにも新型コロナウイルスの話題が多すぎると思う。私は報道番組は新しいことを伝えるためにあるのだと思う。しかし最近は、この番組だけに関わらず、報道番組全てが同じ情報を伝えているように思えてしまう。もっと番組の特色を生かして、思い切って新型コロナウイルスとは全く関係ないことを放送するなど、その番組にしかできないコーナーを見たい。この番組では、この日、3年間お天気を担当した気象予報士さんが番組を卒業される日で、番組最後にはその気象予報士がコメントを言っていたが、その後の拍手があまりにも大きくて驚いた。単純にスタッフの人数が多いだけでなく、番組の温かさが感じられた。(愛知・中学2年・女子)

    • 『EXI怒』(テレビ朝日)私が印象に残ったのは出演者が全員高校生だったことです。年齢は同じでも、思考や生活の中で重点を置いているものが全く違うことが、私にとっては新鮮で興味深いものでした。(宮城・高校3年・女子)

    • 『題名のない音楽会』(テレビ朝日)楽器作りのほぼすべての工程が手作業だと知った時、1つの楽器に多くの人の手間や技術がかかっているんだなと驚嘆したと共に楽器を今まで以上に大切に扱おうと思いました。高校卒業後の進路として、このような職を目指してみてもいいのかなと思いました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『志村けんさん追悼特別番組 46年間笑いをありがとう』(フジテレビ)流行りのその時面白いと思ったものでもその流行が終わった後に見返してみると「あー懐かしい」や「何がそんなに面白かったのだろうか」と感じることが多い。それに対してドリフターズや志村さんたちのコントはいつ見ても新鮮で面白くて、これが十何年以上も前のものだとは思えない。何度見てもその先の展開が分かっても絶対に笑ってしまう。わかっているのに本当にそうなったとき笑ってしまう。それはとてもすごいことなのだと思った。(東京・高校1年・女子)

    • 『民放同時放送!一緒にやろう2020 大発表スペシャル』(民放各局)「どのチャンネルにしても同じ番組」という近年ではなかなかなかった状態に、出演のアナウンサーの方々も興奮しているのが画面上からも伝わったのがとても印象に残りましたし、視聴者側の自分自身とてもワクワクしました。各局の色をもっと出してほしいとも思いました。細かく見ると、生中継の技術面はフジテレビ、VTRは日本テレビが担当していましたが、普通の視聴者はただ「同じ番組をやっている」としか印象付けないと思います。例えば、各局のスタジオを中継で結ぶとか、この時間はこの局が主導で制作する(各局の番組のフォーマットでやる)など、民放コラボを全面的に演出してみるのも面白いかなと思います。(熊本・高校2年・男子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)エンディングの最後に、「負けるなー」と感情をこめて言っていたことが印象に残った。本当につらいこの世の中で、エールを送ってもらえると元気が出る。(宮城・中学1年・女子)

  • 【自由記述】

    • コロナが流行していて、テレビからの情報はとっても大切だとしみじみ思いました。4月7日の午後7時からは、安倍首相の「緊急事態宣言」のニュースがあり、NHKの教育テレビ以外は、全局、会見をそのまま生放送していて、どのチャンネルもみんな同じ場面だったので、こんなことがあるのか、とビックリしました。でも、そのような放送をすることで、事の重大さが分かって、テレビというものは情報ばかりでなく、深刻度も感じさせてくれる、大きな影響を与えるものなのだと感じました。コロナの情報は、これからも、もっともっと必要になるので、テレビの情報を見逃さないようにしたいと思います。(長崎・中学1年・女子)

    • テレビ番組がどうなるのか不安に思います。(秋田・中学2年・女子)

    • 様々なバラエティー番組や音楽番組が観覧のお客さんを入れずに出演者の方たちだけで収録を行っているのをよく目にします。普段はあまり感じないけれど、このような状況にいざなってみると、観覧できている一般の人も番組を盛り上げるのに大きく貢献しているのだなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 報道番組では番組進行に必要な人、専門家の方、コメンテーターさんというようにスタジオにいる人数が多い番組もあり、見ていて怖いです。また、人数が少ない番組でも喋るには距離が近い番組があるので、もう少し配慮をしてほしいと感じています。(愛知・高校1年・女子)

    • 多くの番組で席を離したり、テレビ電話での出演になっていたりする。なんだか違和感を覚えるし、1日も早く終息するといいなと思う。(東京・高校1年・女子)

    • 一概に、全ての番組が…、というわけではないが、不必要に演者が多すぎる番組作りが増えたような気がする。(千葉・高校2年・女子)

    • ラジオ番組でツイッターを使って番組を盛り上げるものも多く、SNSが発展した時代だからこその盛り上げ方だなと思いました。しかしツイッター内でしか見られないものもあり、ツイッターが使えない人でも使えるもので番組を盛り上げてほしいと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 最近ラジオを聴くようになったのですが、局を変えたときに今何の番組をしているのかパッと分からないのがテレビと違って仕方がないけれど不便だなぁと思います。でも聞いている側がリスナーとして参加できるのが楽しいし、生放送が多いので面白いです。(千葉・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)志村園長の共演者、観客、スタッフ、動物たちに対する優しい心が全体に表れている、とてもいい番組だと思った。(岡山・中学2年・女子)

    • 『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)志村さんの昔の映像を見ていると、パンくんと仲良くいろんな事をしていて、笑いながら胸がしめつけられました。(長崎・高校2年・男子)

    • 『音楽チャンプ~5か月で全国3000人を調査!歌うま日本一決定戦~』(テレビ朝日)一般人が出演して歌うところが良かった。他のカラオケ番組にはない“課題曲”の制度は審査をフェアにできるし、同じ曲でも歌う人によって表現が変わることを楽しめるし良いと思う。(東京・高校2年・女子)

    • 『音楽チャンプ~5か月で全国3000人を調査!歌うま日本一決定戦~』(テレビ朝日)私と同い年の子や1、2歳しか変わらない子が多くて、私も何か頑張れるものを身につけようと思わされました。(神奈川・高校2年・女子)

    • 『たけしのその時カメラは回っていた』(NHK 総合)1964年の東京オリンピックに向けて、日本はいろいろな準備をしていた中、たくさんの「困った」があふれていたというのには、驚きました。2020年の東京オリンピックが、来年に延期されましたが、この番組で紹介された1964年の東京オリンピック前のように、今も日本のどこかに、オリンピックに向けて、見えない場所で一人ひとりの職人の人々の苦労があるのかもしれないなと思いました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『ローカル魂 寅ちゃんと6年1組農業部』(テレビユー山形)「農業」は1週間でたくさんはえる雑草の処理や水やりなどとても大変な仕事だということを改めて知ることができました。さらに、農業部が、一生懸命雑草をぬいたり、野菜をうれしそうに収穫していたりするのを見て、がんばっているなぁとうれしくなりました。(山形・中学1年・女子)

5月のテーマは、「最近見たニュース・報道番組について」でした。全部で32人から報告がありました。1人で複数の番組を取り上げたモニターもおり、全部で27番組(ラジオ番組を4番組含む)について報告がありました。中でも、『NHKニュース7』(NHK 総合)については5人が、『NEWS every.』(日本テレビ)と『報道ステーション』(テレビ朝日)についてはそれぞれ4人ずつが、『新・情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)と『日曜報道THE PRIME』(フジテレビ)にはそれぞれ3人ずつが、『Nスタ』と『NEWS23』(いずれもTBSテレビ)、『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ/TBSテレビ)にはそれぞれ2人ずつが、感想を寄せていました。
「自由記述」では、12人のモニターが新型コロナウイルス関連の内容を記述していました。中でも、コロナの影響により番組制作の仕方や番組編成が変更を余儀なくされていることについての感想を述べたモニターが7人と目立ちました。
「青少年へのおすすめ番組」では、11番組について感想が寄せられました。『林修の今でしょ!講座 2時間スペシャル』(テレビ朝日)は5人、『ノーサイド・ゲーム特別編』(TBSテレビ)と『NHKスペシャル“わたしをあきらめない”~5年1組 子どもたちと先生の一年~』(NHK 総合)はそれぞれ3人ずつ、『ETV特集「義男さんと憲法誕生」』(NHK Eテレ)と『池上彰×松井秀喜 in キューバ』(テレビ東京)、『サタデーウォッチン!』(TBC東北放送)はそれぞれ2人ずつと、複数のモニターが取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 新型コロナウイルスの報道に関する内容が多かったが、特に、「オンライン授業」や「9月入学」の話題などについて、自分たちの身近な問題として捉えている。子どもたちはこのようなニュースを視聴した時に、自分とニュースの関係が今までと少し違って感じ取れるのではないかと思う。

    • モニターの感想の中に、「連日番組に出演している専門家が疲れて見える」など出演者を気遣うようなものがあり、興味深く感じた。

    • コロナウイルスの報道には視聴者が共感して気持ちが楽になるような内容もあるが、それと同時に、気持ちを煽ってしまうものもあるという意見は鋭い。

    • コロナと関係のないニュースを取り入れてほしいという意見が少なくなかった。みんなが一斉に同じものを放送するのではなく、選択肢の多様性を持ったほうがいいのではないかと多くのモニターが感じているようだ。

    • インタビューについて、答えありきで取材をするということが本当に必要かという内容を書いたモニターが少なからずいた。公園にいる子どもには「学校に行けないのはどういう気持ち?」という質問などに対して、「答えが分かっているようなことをなぜわざわざ聞くのか」「インタビューの意味が分からない」という批判が結構出ていた。その辺が、番組の作り方や番組の選択肢の多様性ということに関連してくるのではないかと感じた。

    • 『首都圏ニュース845』(NHK 総合)埼玉に住んでいるモニターから「東京都がメインの話題になっているので、首都圏と言うからには埼玉や神奈川、千葉のことも、もっと全体的に取り上げてほしい」という意見があった。制作者に伝えたいと思う。

    • 『スッキリ』(日本テレビ)について書いたモニターが、スタジオが一瞬沈黙したということを取り上げ、「生放送は大変なんだな」と感じたと記述していた。リモートだと、どうしても何か会話の間に空白が出てしまう。全体的な流れが分からなくて、みんながどこでしゃべっていいのか分からなくて、指されるのを待っている、みたいな感じがしてしまい、一瞬みんなが遠慮した時に空白が起こる。そういうことは初めての経験であり、モニターから楽しまれている部分もあるのかなと感じた。

◆モニターからの報告

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 『NHKニュース7』(NHK 総合)1日のまとめとして見ています。この日は、首相が「緊急事態宣言」を解除するのか、延長するのか、国民みんなが気になっていた日で、いつもは30分間の『ニュース7』が、この日は1時間45分も放送されていました。たくさんの専門家の意見が紹介されていました。最近は、感染者数ばかりでなく、「回復者数」という数値も示してくれる番組が増えてきたように思えます。そのことで、感染者数は、どんどん累積されて増えていく一方ではあるけれども、その一方で、この数値の裏には、これだけの回復者数も含まれていると思うと、今、実際に闘病している数値を推測出来て、コロナ感染の状況を正確に把握できて、不安も少しでも抑えられる気がしました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『NHKニュース7』(NHK 総合)この番組を見て、特に2つの良い点を思いつきました。1つ目は、国内のことから海外のことという放送順であったことです。コロナウイルスの内容が主でしたが、国内のことを伝え、その後、海外でどのような動きがあるかを伝えていたことにより、視点をスムーズに切り替えることができ、理解しやすかったです。2つ目は明るい内容を取り上げていたことです。コロナウイルスの影響により、ロボットの開発が進んでいるというものです。世の中が暗くなっている中、未来を見据えたロボットの進化というニュースは、世の中に少し光を差してくれたような気がします。1つ気になった点は、都市のインタビューばかりで地方の様子があまり分からないことです。地方はどのように考えているのか、東京都との影響の差はどのくらいあるのかなど、都市部と地方で比較した情報がもう少しあると良いのではないかと考えました。(東京・高校1年・女子)

    • 『NEWS every.』(テレビ信州/日本テレビ)私は毎日ニュース番組を見ています。その中でこの番組は、全国と地域どちらのニュースも取り上げられているので面白いと思ってみています。今、新型コロナウイルスの影響で、様々な番組で「お家時間」について取り上げられています。この番組の地域のニュースでは番組おわりに視聴者から集めた家での過ごし方を報道しており、私も家族とみています。スマートフォンのニュースでは、ひとりでしか楽しめないけれど、テレビでは家族みんなで楽しむことが出来るのでいいなと思ってみています。(長野・高校1年・女子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)番組キャスター・スタッフの新型コロナ感染が発覚した件について。入院中の療養生活、症状の進行状況のほか、発覚までの番組制作時の状況についても、詳しく報じていました。他番組では治療薬の効果・承認について良いイメージを全面に取り上げられていますが、投与しても効果がないケースについても取り上げられていて、その情報がとても印象に残りました。この番組では制作スタッフが当事者の体験談として、今の新型コロナの真実を報道する力強い姿勢が見えました。(熊本・高校2年・男子)

    • 『新・情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)アメリカの放送局が報道番組内で行っている「ブレイクタイム(コロナ関連ニュースの合間に全く関係のない話題を入れる)」をおそらく日本で初めて取り入れ、視聴者の心理的な配慮が見られました。視聴者によっては、コロナ関連の情報を見続けることにより心理的に大きな負担がかかる場合もあるが、これまでは見ないという選択肢しか無かったが、放送局側がこのような配慮を行う手段も、これから他の番組で導入するのもいいとは思うが、逆に硬派な報道番組(NHKの定時放送など)では、情報だけを得たい視聴者もいると思うので、視聴者が選べるような仕組みが出来上がれば良いなと思います。(熊本・高校2年・男子)

    • 『日曜報道 THE PRIME』(岡山放送/フジテレビ)同時双方向のオンライン授業をしている学校が全国で5%しかないことがわかりました。少ないと思いました。私の学校は同時双方向のオンライン授業も動画の配信もありません。なので、ほかの学校がインターネットで授業をしていると、自分たちの学校は授業がちゃんと終わるのか不安になりました。(岡山・中学2年・女子)

    • 『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)9月入学について取り上げていました。他の報道番組では、この事例を専門家のインタビュー等でまとめ、キャスターが伝えるのがほとんどですが、この番組では発言力がある2人(橋下徹、萩生田文科相)がリアルタイムで討論をしていて、受験生である僕はとても魅かれる番組でした。9月入学について、他の報道番組では、専門家の意見や一方の意見しかきけませんが、この番組では、Twitter を通して番組をみている人の意見もみせており、いいと思いました。Twitterがあることで、笑える意見や考えさせられる意見がいっぱいあっておもしろかったです。ニュースや報道番組では、様々な人の意見を聞ける演出を増やして欲しいと思いました。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『Nスタ』(TBSテレビ)アメリカのコロナウイルス対策を取り上げていてとても良いと思った。ほかの国の対策を知ることができ、日本の対策の悪い点や新しい対策の方法を取り入れることができる。(宮城・中学1年・女子)

    • 『NEWS23』(TBSテレビ)放送日がこどもの日だったということも要因なのか、公園で遊んでいる子どもに対してのインタビューが放送されていた。が、インタビュアーの子どもに対する質問が「コロナの影響で学校に行けないのは悲しいですか?」「早く学校に行きたいよね」などといった、正直答えが聞かずとも分かるようなものであり、有意義なインタビューには感じられなかった。休校期間中家の中での自粛で気が滅入る中、せっかく気晴らしのために外で遊んでいる子どもたちに対して、現実を再確認させるようなこのインタビューは本当に必要だったのか。わざわざ公園まで出向いてインタビューを行う必要はないのではないかと思った。(千葉・高校2年・女子)

    • 『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ/TBSテレビ)視聴していて、子どもも見るような時間に放送される報道番組は、博識な方がメインになるよりは、一般人に近い深い知識をもっていない方のほうが適任だと思いました。逆に子供が見ないような時間の番組は、難しい話題にどんどん切り込んでいくと思うので博識な方がメインでやった方がいいと思いました。あと、取り上げ方とは違うと思うのですが、ニュース映像が流れているときにワイプが映っているのが気になりました。ニュースに対しての反応を見たいわけじゃないし、ワイプが別の人に切り替わるたびに気が取られてしまうので、肝心のニュースに集中できなかったです。(愛知・高校1年・女子)

    • 『首都圏ニュース845』(NHK 総合)首都圏のニュース番組なので、首都圏の様々な地域を取り上げているが、東京都がメインなのでほかの県ももっと全体的に取り上げてほしいと思った。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『あさチャン!』(TBSテレビ)学校があって朝早く家を出なければいけない日も、6時台に短くニュースをまとめてくれるコーナーで大きなニュースを確認することができて便利だと思います。ただ、報道のためとはいえ、団体で動かなければいけない取材が今の状況で本当に必要なのかと制作するスタッフのことが心配になりました。(宮城・高校3年・女子)

    • 『スッキリ』(日本テレビ)動物が町中に現れたという紹介が心が和んで面白かった。その中で一瞬、スタジオが沈黙する場面が見られ、生放送の大変さを感じた。臨機応変に物事に対応するのは難しいなと感じた。(東京・中学3年・女子)

    • 『サタデーステーション』(テレビ朝日)コロナウイルスのPCR検査の実態で、検査体制が十分に整っている病院と整っていない病院があり、その両者について特集をし、多角的な視点でこのニュースを取り上げているように、様々なニュースに対し様々な視点からの意見を取り上げて報道しており、自分の物事に対する見方を考え直すことができて良いと思った。(東京・中学2年・男子)

    • 『めざましテレビ』『とくダネ!』(どちらもフジテレビ)コロナ関係のニュースの中で一番自分が参考になった情報は手作りマスクの作り方を紹介していたことで親もそのニュースを見てマスクを作って自分の家にある使い捨てマスクの使用量を減らすことができました。また、ほかのいい点としては最近のニュース番組ではSNS上の情報も調べてニュースにしていることもあり、一般の人たちの生の声がそのままニュースに反映されていてとても良いと思います。逆に、ニュースの情報で少しわかりづらいなと思った点は、まだ不確定な情報がニュース速報として流れてきてそのたびに振り回された点です。ただ新しいニュースをいち早く知らせることはテレビ会社の使命でもあると思うのでその点はしょうがないのかなと今の時点ではそう思うようにしています。(茨城・高校3年・男子)

    • 『NHKニュース7』(NHK 総合)他、複数の番組について。いつもニュースをつけると感染者が増えた減った、接触は八割減、などいつみても毎日同じことの繰り返しだったような気がします。家にいる時間が長くなるとテレビを見る時間も増えるのですが、テレビを見ても気が張ってしまって疲れると感じる時もありました。コロナ鬱と報道されることも増えましたが、それは共感して気持ちが楽になることと同時に気持ちを煽る可能性も感じました。事実、母はコロナ鬱と称して隙あらば家事をサボろうとします。最近はコロナウイルスについてどうすべきかの議論が盛んになっていますが、私は議論する側に熱が入りすぎてしまって怒り口調になりすぎてしまうのが苦手に感じます。今はただでさえ家にこもっているだけの時に、自分まで怒られているような気分になります…テレビでの話し合いは小さい子も含め多くの人の目に入ると思うので、自分の意見をぶつけるだけでなく互いの話を聞き入れながら解決策を探るなど、話し合いも有意義だと思えるような、手本になるようなものを心がけてほしいなと思います。(千葉・高校1年・女子)

  • 【自由記述】

    • いつから学校が始まるのか気になり、今まで以上にニュースを見るようになりました。すると、あることに気付きました。4月は、どのニュースも全部コロナ関連の話しばかりでしたが、5月になると、長崎の地元のニュース番組では、コロナ以外の明るいニュースも増えてきたのです。つまり、ニュース番組というのは、その時その時の情勢を伝えていて、ニュース番組を見れば、リアルタイムにその情勢が分かるのだと知りました。集団生活が始まると、感染の可能性が高くなるので、また休校になるかもしれませんが、ニュースをよく見て、その時その時の状態を読み取って、冷静に行動したいと思います。そういう意味からも、テレビの情報は、日常生活と切っても切り離せない貴重な情報源だということを改めて感じました。(長崎・中学1年・女子)

    • 最近、コロナの影響により、ドラマの撮影が間に合わず、ドラマの放送が延期になったり、バラエティー番組のロケやスタジオ撮影を取りやめなければいけなくなったりして、昔の番組の再放送が行われているのをよく目にします。新番組を見たいという気持ちはもちろんあるけれど、久しぶりに好きなドラマの再放送を見ることができて、休校が延長され悲しい気持ちが明るくなりました。(東京・高校1年・女子)

    • 最近はドラマの再放送が多く行われています。テレビ局によって1つのドラマを放送するか、複数のドラマを総集編という形で放送するかに分かれていて違いが面白いと思います。ただ、テレビ局は次のドラマのつなぎくらいに考えているかもしれませんが、視聴者にとっては今期のドラマとして見ているので、できれば1つのドラマを最後まで放送する形がいいなと思います。(愛知・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『林修の今でしょ!講座 2時間SP』(テレビ朝日)出演者の方々が別々の場所で撮影されていたが、普通のスタジオでの時と同様にやり取り含めとても面白かった。(千葉・高校2年・女子)

    • 『林修の今でしょ!講座 2時間SP』(テレビ朝日)殺伐としたニュースが多く気分が沈んでしまっていたので、何も考えず笑えてよかったです。(長野・高校1年・女子)

    • 『ノーサイド・ゲーム特別編』(TBS)前回の放送の時も見ていたが、未放送カットや大泉さんのナレーションが入ったことによって、前回とは雰囲気が変わっていたため、とても見て面白い内容だった。(東京・中学2年・男子)

    • 『NHKスペシャル“わたしをあきらめない”~5年1組 子どもたちと先生の一年~』(NHK 総合)1年密着し、子供たちへのインタビューもされていて、子供たちの考え方の成長が感じられ面白かったです。また、子供たちと一緒に自分でも考えることができて、思考が深くなったように思います。ただ、テレビカメラが入ると普段とは違う良い格好をしてしまうと思うので、本当に素の姿だったのか疑問に思いました。そういうところに配慮した撮影であったかどうかの説明が欲しかったです。(愛知・高校1年・女子)

    • 『ETV特集「義男さんと憲法誕生」』(NHK Eテレ)今の憲法の生存権や国家賠償請求権を作った人がこんな尽力した人だと驚いた。憲法の加筆・修正を行う前に、海外視察や大学の教授、弁護士を歴任して平和の大切さや司法を学んで、それを憲法に反映させたところが自分の経験を無駄にせず、国のために尽くしているように思い感動した。(東京・高校1年・男子)

    • 『池上彰×松井秀喜 in キューバ』(テレビ東京)まずいちばんに、キューバのおしゃれな街並みと池上彰さんの詳しい解説で、画面に目が釘付けになりました。そして、キューバの外交についての解説では、キューバはアメリカに翻弄され、野球界にも影響が出ていることが分かりました。それで良いのかと今一度考えさせられました。(東京・高校2年・女子)

    • 『サタデーウォッチン!』(東北放送)最近始まった「みんな、おうちで何してる?」というコーナーが好きです。ほかの人がいろいろな工夫をしておうち時間を楽しんでいるのを見ると、ずっと暗い気持ちでいても良くないな、と思いました。(宮城・中学1年・女子)

6月のテーマは、「最近見たドラマについて」でした。全部で30人から報告がありました。複数のモニターが感想を寄せた番組は8番組ありました。『エール』(NHK 総合)を4人が、『麒麟がくる』(NHK 総合)と『家政夫のミタゾノ 特別編』(テレビ朝日)をそれぞれ3人ずつが、『いいね!光源氏くん』(NHK 総合)と『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ)、『ごくせん2002 特別編』(日本テレビ)、『警視庁・捜査一課長 2020年特別バージョン』(テレビ朝日)、『ドラマホリック!「レンタルなんもしない人」』(テレビ東京)をそれぞれ2人ずつが取り上げています。
「自由記述」では、放送局への期待や要望が多く寄せられました。ドラマの撮
影やスタジオ収録が徐々に再開していることについて、「新作が楽しみ」「スタジオに出演者が一堂に会する番組は反応やテンポが良いと感じる。普段の放送のありがたみを感じた」という声、その一方で、新型コロナウイルスの影響で再放送が増えていたことについては、「家族で昔のことを思い出しながら見たり話したりする機会になって良かった」「当時を経験できなかった自分は新鮮な気持ちで見られた」「再放送の試みを続けてほしい」など、再放送に肯定的な感想もありました。そのほか、最近のニュースに関する意見も寄せられていました。
「青少年へのおすすめ番組」については、『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?スペシャル』(日本テレビ)を6人が、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)を4人が、『こころの時代セレクション「砂浜に咲く薔薇のように~女優 サヘル・ローズ~」』(NHK Eテレ)と『BS1スペシャル「ヒグマを叱る男 10年の記録」』(NHK-BS1)をそれぞれ3人ずつが取り上げていました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 再放送のドラマが多い中、過去の放送をそのまま流すのではなく、リモートで撮影した現在の映像で再放送の映像を挟んでいたという工夫が評価されていた。多かれ少なかれ加工を施し、「特別編」という形で、一度見た視聴者も飽きさせない努力が恐らく魅力になっていると思う。多くのモニターがこの状況下における放送局の試みを感じ取ってくれている。そのことを制作者にも伝えたいと思った。

    • 再放送が良かった、嬉しかったという声が多く挙がっている。新型コロナウイルスで新作の撮影が進まずに再放送をしていたこの期間、テレビ業界としては再放送を有効に使うという大きな意味のある実験ができたという気がしている。

    • 「久しぶりに好きなドラマの再放送を見ることができて、休校が発表されて悲しい気持ちが明るくなった」というモニターがいた。いい感想だと思ったが、他のモニターからは、「再放送の連ドラを楽しんで見ていたら、途中で打ち切られてしまって気分が壊れた」というものも寄せられた。放送局は再放送をする時に、もう少し視聴者のことに配慮しなければいけないという気がした。

    • 『エール』(NHK 総合)週末に放送されている1週間の振り返りについて何人かが書いていて、評判がいいのだなと感じた。

    • 『99.9』(TBSテレビ)「大変このドラマを気に入ったので、小説も読んでみました」というモニターが、やはりドラマのほうが入りやすかったと記述していた。せっかく本を読んでくれたのにとも思ったが、やはり映像には強みがあるのだろう。

  • 【自由記述】

    • コロナに関連した取材で、レポーターが厳戒態勢を敷いている介護の現場の取材する意味を問うたモニターがいた。高齢者の家族は面会もできないのに、取材に来ている記者やカメラマンは高齢者に接触しているということに疑問を感じ、接触して大丈夫なのかというのと同時に、なぜ報道関係者は面会できるのに家族が面会できないのかという気持ちが書かれていて印象に残った。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)「まる子は性格がひねくれているようで、実は優しい女の子だと思う」というモニターからの意見について、『ちびまる子ちゃん』は視聴者意見で「子どもに悪い影響を与える」というものが届くが、このモニターのように、実は子どもの側は優しい女の子だということを分かって楽しんでいる。改めて、子どもに悪い影響は与えていないと思ったし、子どもの頃に見るアニメには意味があるのだとも考えさせられた。

    • 新型コロナウイルスの感染による自粛モードがこのまま続くのだとすれば、アニメなど、何か子どもが楽しめるような番組が、もう少し多く放送されてもよいと思う。そういうことも配慮する必要があると感じている。

    • 幼い頃に見たアニメなどに回帰するという現象は、もしかしたらコロナへのストレスと関係しているのかもしれない。放送局には、今回のリポートから子どもたちの思いをうまく拾って今後の制作にいかしてもらいたい。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『エール』(NHK 総合)一週間の振り返りの日があると、忙しくて毎日は見られない人たちにとってはとてもありがたくて良いことなのだろう思った。私はこれまでドラマを見たことがなかったが、週に1度見るのならある程度続けられそうだ。次回の朝ドラでも一週間の振り返りの日を作ったほうが良いと思う。(千葉・中学1年・男子)

    • 『エール』(NHK 総合)笑える場面が多く、とても楽しく見ることができて嬉しい。また、今作から月〜金曜日の放送に変わったが、土曜日の放送は無くなるのではなく、一週間のまとめを放送してくれるので、1週間の復習ができてありがたい。(長野・中学2年・男子)

    • 『麒麟がくる』(NHK 総合)今まで大河ドラマは見たことがなかったのですが、親が面白いと毎週見ていて、つられて見ているうちに僕もはまってしまいました。歴史はあまり興味がなかったのですが、ドラマの中で地図が出たり、地名の説明もあってとても分かりやすいと思います。織田信長の桶狭間の戦いをテーマにしていましたが信長軍と今川軍との戦いのシーンがすごい迫力で、どんどん物語に引き込まれていきました。社会の歴史の教科書では桶狭間の戦いについてあまり詳しくは出てこなかったので、今度、詳しく調べてみたいと思いました。(秋田・中学2年・男子)

    • 『麒麟がくる』(NHK 総合)大河ドラマを毎年見ています。明智光秀といえば織田信長の家臣として有名で、本能寺の変を起こしたという印象しかありませんでした。ドラマでは、光秀という一人の人物を通して、本能寺の変までにあった出来事や事件のことが描かれていて、歴史そのものに興味がわいてきます。登場人物の「こま」は自分に近い感覚で、物語に自分を引き込んでくれる存在です。(岡山・中学2年・女子)

    • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)なんと、再放送ではなく、新しい話のドラマが作られていました。それだけでもびっくりしたのに、ドラマは、1人1人がテレビ会議みたいな感じで、画面の中の画面で演技していて、今の自粛が続いている現状にピッタリなドラマに仕上がっていました。とっても面白くて、今までに見たことがない新鮮さを感じて、画期的でした。私がこのドラマが大好きな理由は、主人公のミタゾノさんが紹介する「家事テク」があるからです。毎週毎週、必ず何らかの「家事テク」の紹介があって、いつも母に教えてあげています。このドラマのおかげで、沢山の「家事テク」を知ることできました。さらにもう一つの理由は、必ず、最後のミタゾノさんのセリフが、意味深というか、なるほどと思うからです。例えば、この日は夫婦が不倫していたという話でしたが、「近い距離にあれば傷つけあうことが起こる」「適度に距離を保ち、風通しをよくする」という言葉を言い、それは、玉ねぎの保存方法について説明しているかのように思えるのですが、実は、夫婦関係においても言えることを言っているのです。他にも、「ほんの少し工夫をしてやり直すだけで改善される」という言葉もありましたが、この言葉は、大人の夫婦間の世界の話しだけでなく、中学生である自分の生活を振り返ってみても同じことが言えるかも、と思いました。私にとって『家政夫のミタゾノ』は単なるドラマではなく、いろいろな要素を含んだ大切な番組で、これからも毎週見たいと思います。(長崎・中学1年・女子)

    • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)ミタゾノがすべて物語を動かしているのが面白いです。ドラマの前と後にミタゾノが視聴者に向けて話しかけているところを入れているのが良いと思います。できればですが、ミタゾノのモーニングルーティーンやドラマの裏側を見てみたいです。(山形・中学1年・女子)

    • 『いいね!光源氏くん』(NHK総合)タイムスリップ系のドラマで面白かったです。平安時代からのタイムスリップということで、仕草や服装から昔見ていた「おじゃる丸」を連想しました。話し方や着ているもの、考え方が現代とあまりにかけ離れていて面白かったです。昔の人にスマホを持たせたらこんな風になりそうなどの想像で作られた部分も現実味があって面白かったです。それをツッコミながらも受け入れて同居する主人公の悩みっぷりもおかしくて楽しく見られました。この番組の欠点は、放送時間が遅く、録画でしか見られないのが残念でした。もっと早い時間で放送してほしいです。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『いいね!光源氏くん』(NHK総合)設定がとても面白く、30分というちょうどいい長さで終わるという所もとても良かったです。意地悪な役も出てこないし、光君(光源氏)と沙織(ヒロイン)のかけあいもクスッと笑えるような要素が多くて1週間の疲れを癒してくれました。(東京・高校2年・女子)

    • 『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ)初めの頃は一話完結(犯人を捕まえて事件解決!)というストーリーにならないことにモヤモヤが募っていましたが、個性的なキャラクターたちや登場人物の関係性の変化で引きこまれ、今では毎週楽しみにしています。(宮城・高校3年・女子)

    • 『ごくせん2002 特別編』(日本テレビ)学園ドラマというジャンルのドラマは今でも多いが、10年以上前の作品が今でも人気があるのはとてもすごいなと思いました。今を時めく人気芸能人が出演していて、今とは違う雰囲気を感じることができ、新鮮だなと思うところが多くありました。学校が徐々に再開してきているタイミングでの放送だったので、学校で先生に会うのがとても楽しみになるなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『警視庁・捜査一課長 2020年特別バージョン』(テレビ朝日)単に過去の放送を流すだけではなく、ドラマの前後にリモート撮影した映像を挟んでいたました。さらに、第1話放送前の4月4日には制作発表会の代わりに出演者によるビデオ配信や主演俳優の誕生日には、レギュラー出演者がそれぞれメッセージを公開するなど、コロナ禍のピンチをチャンスに変えて放送しているように感じました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『レンタルなんもしない人』(テレビ東京)実際にいる人の話をもとにしていて、なんもしないことを商売にしている人だと知って驚いた。レンタルさんに依頼する人は人それぞれ何か抱えていて、依頼人の心情もだんだんと表れていて、内容が深く、ところどころ自分に似たところもあって共感しやすかった。(東京・高校1年・男子)

    • 『99.9』(TBSテレビ)有罪から無罪を勝ち取り冤罪を防ごうとする内容はとても心惹かれました。また、所々にダジャレやコメディー的な要素を含んでいるところがあり、一見難しそうなドラマかなと思ったのですが、子どもでも見やすい場面がたくさんあるため良かったです。大変気に入って小説も読んでみました。内容も小説に書かれている箇所がほとんどで、やはりドラマのほうが頭に入りやすかったです。(高知・高校2年・男子)

    • 『野ブタ。をプロデュース 特別編』(日本テレビ)名前は知っていましたが見るのは初めてでした。少し前のドラマを見るとその当時の景色、最先端の技術、流行や「当たり前」がみえてとても新鮮な気持ちになります。例えば、現在ではすごく身近な存在であるスマートフォンも十年前のドラマではあまり登場しません。ドラマはその瞬間を記録する資料になるのかも知れないなとおもいました。(神奈川・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 家族みんなで昔のことを思い出しながら見たり話したりする機会になるし、再放送の存在もこの期間を通してまた評価されるようになったのではないかなと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 最近、お笑い番組の再放送が多くて楽しいです。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、気が抜けず、コロナ疲れがたまるので笑ってストレス解消できます!とても助かっています。(宮城・中学1年・女子)

    • 再放送の試みはとてもいいなと思いました。テレビ番組はどんなに面白くとも、テレビ局が再放送しない限りもう一度流れないので、再放送は続けてほしいと思いました。(東京・高校2年・女子)

    • リモートでも番組はできていたし、再放送も楽しかったのですが、やはり面と向かって放送する普段のスタイルだと、ダイレクトに相手に伝わるので反応が面白くテンポ感も段違いによくなるので、普段の放送のありがたみを感じました。(愛知・高校1年・女子)

    • 新型コロナウイルスの影響でドラマなどが再放送になっているので早く元に戻ってほしいです。(秋田・中学2年・男子)

    • ドラマや映画のメイキングをTV放送してほしい。どのように作成されているのか気になる。(東京・中学3年・女子)

    • 朝ドラを見ていて、ここ最近の朝ドラでは嫁ぎ先の姑とそりが合わない、仲が悪いという演出が見られないと思った。時代的に仲がいいほうにニーズがあるからなのだろうか。(東京・高校1年・女子)

    • 各テレビ局のリポーターが厳戒態勢をしいている施設の介護現場に取材している場面ですが、そこに住んでいる高齢者の家族は面会制限が設けられているのに、取材に来ている記者やカメラマンの方は短時間だとは思いますが高齢者の方に接触していますが大丈夫なんですか。(高知・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?スペシャル』(日本テレビ)大人でも案外知らない問題ばかりで、また、小学5年生という絶妙な難易度の問題が見ていてとても面白く、一緒に考えながら楽しむことができます。(東京・高校1年・女子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)小学生の時によく見ていたが、今回久しぶりに見ました。番組の中のまる子は、性格がひねくれているようで実は優しい女の子だと思います。家族の中のおじいちゃんやお姉ちゃん、お母さん、お父さんなどの皆が個性が強く、でもちょうどよくまとまっていて見ていて面白いです。(秋田・中学2年・男子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)中学生になったあたりから見ていなかったのですが、今見たら見方が変わるかもしれないという考えで視聴してみました。見てみるとキャラクターの声が懐かしいなーという気持ちとともに今ニュースなどで流れている混乱の世の中とは違った平和な世界の物語が描かれていてとてもリラックスできる作品でした。(茨城・高校3年・男子)

    • 『こころの時代セレクション「砂浜に咲く薔薇のように~女優 サヘル・ローズ~」』(NHK Eテレ)弱い立場の人を社会でどう支えるか、貧困の家庭は多くあるはずなので、私たちも意識を高めて考えるべきだと思いました。サヘルさんの親子で支えあい自分の生きる意味を探りながら懸命に生きてきた人生に、私も大変なことがあっても自分らしく生きて、自分の生きる意味を見つけていけたらと思いました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日)様々なニュースを基本から分かりやすく解説していたため、とても内容を理解しやすく、旬のニュースをおさえることができて良かった。(東京・中学2年・男子)

以上

2020年6月に視聴者から寄せられた意見

2020年6月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス禍における番組制作のあり方への意見や、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見など。

2020年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,509件で、先月と比較して1,089件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性61%、女性37%、不明2%で、世代別では40歳代24%、30歳代22%、50歳代19%、20歳17%、60歳以上15%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は延べ856件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナウイルス禍における、番組制作のあり方への意見が多く寄せられた。また、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は60件、CMについては13件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から19件減少した。
今月は「表現・演出」が15件、「低俗、モラル」が14件、「報道・情報」が11件、「犯罪の助長」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの影響で、東京在住の人たちが施設などへの立ち入りを断られている事例を報じていたが、人の出入りを制限している施設は、ただリスクマネジメントをしているだけではないのかと疑問を持った。以前のトイレットペーパーなどの買いだめ騒動の時もそうだが、心配のいらない事象を大げさに報道し、視聴者の不安をあおっているように感じた。

【番組全般・その他】

  • 昼の番組を見た。放送を見る限り、新型コロナ対策を取っているとは思えない。アナウンサーは透明のマスクをしていたが、MCとゲストは何ら対策もなく、ずっと会話と試食をしていた。何人も集まって会話をするのはどうなのか。それぞれの間隔も空いているようには見えなかった。密集、密接、マスクなど、国民がコロナ対策をしているのに、放送だからいいのか。報道機関だからこそ見本を見せる、率先してマスクをつける、人と人との間隔を取る、そんな姿を紹介するべきではないか。ソーシャルディスタンスは必要ないのだろうか。

  • 東海地方の番組で、新型コロナ禍でのライブハウスの取り組みを伝えていた。ライブに出ていたのは東京から来たグループ。これを録画したのは13日だ。首都圏からの他県への移動を自粛している中、自分勝手に行動しているグループや、それを分かった上で出演させるライブハウスに対し、好意的で宣伝になるような放送をするのは如何なものか。それに加え、このグループが東京から来ていた事や、録画日が県間移動の自粛要請が解除される前である事には触れていない。それにも問題があると思う。

  • 夕方の番組で、給付金の10万円で焼肉店に繰り出した人たちを紹介していた。「ちょっとした贅沢を満喫」という趣旨の使い道だ。これを見て、ここしばらくほとんど収入のない飲食店従業員の私は、ため息が出た。私にとってはぎりぎり急場をしのぐための生命線の10万円である。大切に使う予定で、焼肉店に出かけるなど到底考えられない。お金の使い方が自由であるのは百も承知だが、余裕のある人たちの映像を見せられ、気落ちしてしまった。私のような境遇の人たちにもう少し配慮できなかったのだろうか。

  • 日曜日の番組を見た。この番組には以前から問題があると思っている。おそらく、海外で起きていることを分かりやすく伝えようとするコンセプトで制作されているのだと理解しているが、最近は、ただ面白ければいいという姿勢に見える。今、アメリカで起きているデモや、香港での市民による抗議活動について、人の命や人権を軽んじている印象がある。人々が命をかけて行っている活動に、漫画キャラクターを使ってほしくなかった。

  • 黒人奴隷を題材とした映画が深夜に流された。アメリカで黒人への差別が問題視され、デモが激化している状況下において、この作品を放送するのは不適切だと思う。

  • 深夜番組で、酔っ払って正体不明状態の人のインタビューを流しながら大爆笑している。オンエアに当たり、酔いもさめ、正常な判断ができた時に許可を取ったのか疑問。その後のコーナーでも、新型コロナを真面目に祈祷するおばさんを笑っていた。世間的な枠から外れ、自分なりの特異な主張や意見や行動を、ただ笑いのために使っていいのか。

  • 不倫や離婚について、あった事実を報じることはいいと思うが、そのことについて、論評、批判して不特定多数の人に伝えるのは問題だと思う。個人の領域や倫理観に踏み込むことや、その個人を放送から追放するのも疑問だ。世間の思惑で、個人に責任を取らせ、賠償させるようなシステムはおかしい。人格者を要件とするならば、それを選別、起用する方に責任がある。

  • ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材は、普段何気なく使っている輸入品のありがたみを感じられるだけでなく、迫力ある映像は、エンターテイメントとしてとても見ごたえのあるものだった。世界的な新型コロナ禍の中で、いつ日本に戻れるのかも分からない不安の中で任務につく船員の方々と番組スタッフに敬意を表したい。医療従事者以外にも、人知れず働くヒーローが数多くいることを子ども達に伝えられる放送だった。

  • ニュースの内容によって、アナウンサーの性別を替えるのはおかしい。微笑ましいニュース、ちょっといい話、子どもや動物関連のニュースなどは、決まって女性アナウンサーや女性ナレーターの優しい声で伝える。その時点で、ニュースの格が下であることが分かる。日常の軽い話題などは女性の優しい声で伝えればいいという、テレビ局の性別役割分担意識が露骨に出ている。声というのはとても重要で、あの優しい声が聞こえてきたとたん、なぜか見ている方も思考が停止してしまう。こういう意図的な使い分けは旧態依然の放送だと思う。

  • テレビでは、常用漢字でない文字が、ひらがなで表記されるが、最近は、普通に漢字で書き表しても違和感がないような言葉までひらがなになっていて、やり過ぎだと感じる。ある番組のテレビ欄やサブタイトルでも、「誹謗中傷」の「誹謗」の部分にひらがなが使われていて、言葉の深刻性が感じにくくなっていた。視聴者に分かりやすくしたつもりでも、余計に分かりにくくなるようでは、本末転倒ではないか。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • ある芸能人のスキャンダルについて、朝のワイドショーから夜の番組まで子どもの耳に入れたくない性的な詳細を伝え、コメントしている。小・中学生のいる我が家としては大変不安になる。視聴者には子どもたちがいる事を考えて、時間帯や表現についてよく検討してから放送してほしい。

【「食べ物」に関する意見】

  • 児童が見る時間帯に大食い、激辛の無理なメニューは問題だ。お金を払って残すのはどうなのか、激辛も度を超えている。この頑張りは違うと思う。出演者が美味しそうに食べているから食べに行こうと思えるメニューに戻してはどうか。

【「推奨番組」】

  • ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材番組は、迫力ある映像で見ごたえがあった。世界的なコロナ禍の中、いつ日本に戻れるか分からない不安の中で、任務に就く船員と番組スタッフに敬意を表する。医療従事者以外にも人知れず働くヒーロー、ヒロインが数多くいることを子どもに伝えられるものだった。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • BS放送について、通販番組やサスペンスドラマの再放送などに偏っているという意見があった。確かにそれらの番組は疑問に思うが、一方で質の高いドキュメンタリー、子どもたちに見せるべき番組も多い。一緒くたにBSの番組を否定するべきではないと思う。