第94回 放送と青少年に関する委員会

第94回 – 2008年10月

「回答のお願い」に対する「回答」について

視聴者意見について …など

10月28日に開催した今年度第6回青少年委員会(通算94回)では、2社4番組に出した「回答のお願い」に対する「回答」ついて審議したほか、9月11日~10月20日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー1本、ドラマ3本(海外ドラマ含む)、報道番組2本のVTRを視聴のうえ審議した結果、バラエティーと報道各1番組に関して当該局に「回答のお願い」を出すことを決めた。また、中学生モニター報告について審議したほか、中学生フォーラムについて検討した。

議事の詳細

日時
2008 (平成20) 年10 月28 日(火) 午後4時30分~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

「回答のお願い」に対する「回答」について

番組の審議内容に関しては、前回の議事概要を参照してください
TBS 『リンカーン』  *[A]、[B]は放送日が異なる

[A] 司会の男性が女性芸人の胸を揉むシーン

[B] ” ゴムパッチン” のコーナー

【青少年委員会からの「回答のお願い」】

(1)このコーナーの企画意図、(2)子どもへの配慮はあったのか、特に”ゴムパッチン”については、子どもが真似をする可能性、また危険性について考慮したのか、(3)青少年委員会では2000年11月に『バラエティー系番組に対する見解』を、さらに2007年10月に『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』を公表しており、「出演者に加えられる暴力」と「性的表現」に関して検討するよう要望を出しているが、これらの見解をどう受け止めて制作したのか。

【TBSからの回答】

[A]に関して

当該番組は、男女のお笑いタレントを多数集めて運動会を行いながら、折々に即興のお笑いや芸を織り込もうという企画でした。
ご指摘のシーンにつきまして、制作担当者は、気心の知れた芸人同士が、お互いの信頼関係の中で双方了解のうえで行った『演技』であるという認識の下で放送いたしました。また、過去に何度も他局でも放送されていることから、ある種「芸人の持ちネタ」であり、視聴者からのご指摘にあるような「上下関係があるため反発することができなかった」という状況で行なわれた行為ではないと判断いたしました。
しかし、放送後すぐに、社内の各セクションの委員からなる「放送倫理小委員会」(「放送倫理委員会」の専門部会)が、制作局長および番組制作責任者に対し、このシーンの放送について「番組自体がこのような行為を助長、もしくは容認していると受け止められてもやむを得ず、家族での視聴もあるこの番組として、不適切であった。」と注意喚起を行いました。これを受け、テレビ編成制作本部長が制作局長に対し、厳重注意をいたしました。制作現場では、年少者の視聴も多い夏休みという時期や、頂いたご意見のように感じる方がいらっしゃることに対し配慮が足りなかったことを反省し、視聴者からのご意見やご指摘を真摯に受けとめ今後の番組作りに生かしてまいることを、改めて確認いたしました。

[B]に関して

口にくわえたゴムを伸ばして手を離す、通称「ゴムパッチン」は、昔から演芸番組や舞台ではよく見られる伝統的なお笑い芸です。今回の企画は「そのゴムパッチンのゴムは一体どこまで伸びるのか?」という素朴な疑問から生まれてきた企画です。
今回の撮影にあたって、演出サイドは出演者の安全を充分配慮し、ケガの心配が無い事を確認した上で撮影に臨みました。場面の中で出演者が痛がっている様子は、もちろん大げさに強調した演技ですし、現場で実際にケガ等は発生しておりません。
しかしながら、この場面を視聴した子どもたちが模倣をする可能性に関する配慮が欠けておりました。今後、より慎重な番組作りを心がけてまいります。

『バラエティー系番組に対する見解』『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』に関して

貴委員会から示された2000年11月の『バラエティー系番組に対する見解』、ならびに2007年10月23日の『出演者の心身に加えられる暴力』につきましては、当社でも周知を図っており、バラエティー番組担当者らも認識しておりました。しかしながら、今回、結果的に青少年に対して配慮を欠いた放送となってしまったことについて、制作現場に対しては、反省の上に立って「番組の受け止められ方」への配慮を促すと共に、放送の公共性やバラエティー番組が青少年に与える影響について、弊社「放送倫理委員会」等での議論を通して、さらに認識を深めてまいる所存です。
また、当社へ寄せられた視聴者からのご意見ご指摘や、貴委員会への視聴者からのご意見は制作現場にフィードバックするとともに真摯にうけとめ、今後の番組作りに生かしてまいります。

【「回答」に対する委員の主な意見】

[A] 司会の男性が女性芸人の胸を揉むシーン

  • 子どもに与える影響についてどう考えているのかというリアクションが乏しい。子どもへの配慮については、もっと踏み込んだ回答がほしかった。
  • 青少年委員会が公表した「見解」の中で指摘している「性的表現」について、社内や制作会社に周知されているのか知りたい。
  • 回答には制作局長および番組制作責任者に厳重注意したと書いているが、現場でどんな内容の議論がされたのか、そこが見えてこない。やはり議論の中身をきちんと公開していくことが大事だ。
  • 視聴者からの意見や委員会からの指摘を受けとめ、今後の番組作りに生かしたいと書いてあるが具体的にどう生かしていくのか知りたい。

[B] “ゴムパッチン” のコーナー

  • “ゴムパッチン”は、制作サイドでケガの心配がないことを確認したと書いてあるが、子どもが真似するなど予想外のことが起こることについて、どれだけ想像力を働かせて考えていたのか疑問だ。
  • 委員会が公表した『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』について、どう考え、どう番組作りに生かすのか、といった具体的な今後のプロセスをあきらかにしてほしい。

フジテレビ『カスペ~地上最大のTV動物園』の「赤ちゃんVSコブラ」のコーナー

【青少年委員会の「回答のお願い」】

(1)このコーナーの企画意図、(2)「とりわけ児童の視聴に十分、配慮する」時間帯に放送されているが、視聴者、特に子どもたちに不安を与えるのではないか、という危惧はなかったのか、(3)毒や牙を抜いてあったのか?抜いてあったとすれば、それを明言しなかったのはなぜか?

【フジテレビからの「回答」】

(1)について
「カスペ~地上最大のTV動物園」は愛らしい動物映像や、驚きの特技を持つ動物映像、人間と動物の触れ合う映像など様々な動物映像をお見せし、動物の魅力を伝える事を目的として企画されました。ご指摘戴きましたコーナーは滅多に見られない貴重な動物の映像をお見せする「プレミアゾーン」というコーナーで、このコーナーの意図は、世界中の珍しい動物や、人間と動物たちのふれ合いをお伝えするのが主旨となっております。

(2)、(3)について

(2)(3)のご質問は関連がございますので総括して答えさせて頂きます。本企画は世界中の動物を紹介する事によって、その土地の人々や多種多様な生活文化をあわせて視聴者へお伝えしたいという意図でございました。その一例として放送したのがご指摘の映像でございました。
この映像はヘビつかいファミリー内のパフォーマンスを関係者が撮影したものを購入しました。映像をプレビューチェックした際に当該シーンの赤ちゃんが怖がっている様子もなく、その他の素材映像に映っている人たちの雰囲気からも、撮影時の状況は危険なシチュエーションではなかったと判断しました。(尚、映像元に情報確認を致しました所、昨年5月に撮影されたもので、この赤ちゃんは2歳になり現在も元気に過ごしているとの事です。)
そして放送に際し視聴者に対して不安を感じさせないと判断した根拠は次の通りです。
第一に、関係者の話でもヘビつかいは毒や牙を抜いてあるのが一般的であり、視聴者にいたずらに不安や恐怖を与えるような映像ではないと判断致しました。
第二に、演出上も元の映像をそのまま使用せず、スタジオの歓声やタレントの笑顔のリアクションを入れる事によって、この時間帯の子ども達を含む視聴者に不安感を与えることのないような演出を施しました。これらのことを総合的に判断し、放送に至りました。 また、この「カスペ~地上最大のTV動物園」には放送時に多くの視聴者から好意的なご支持を頂きました。

  • 「久し振りに家族みんなで、リラックスして楽しめ、そして感動した」40代主婦
  • 「小5の息子は無条件に笑って喜んでいた」40代主婦
  • 「家族で楽しむ事ができました。とてもおもしろかったです」40代主婦
  • 「終始ビックリ、笑い、癒される2時間でした」30代主婦
  • 「子供からお年寄りまで、家族そろって見られる番組だと思いました」40代 アルバイト

以上のような好意的な反響も頂きましたが、今回のご指摘にあるようなご意見を頂戴した事につきましては真摯に受け止め、改めて今後の番組制作に反映させて参りたいと思います。

【「回答」に対する委員の主な意見】

  • 視聴者意見の中に、「局に問い合わせをしたところ”コブラの毒は抜いてある”と答えられたが、なぜ番組内でそのことを説明しなかったのか」とあったが、そのことについては「回答」に書かれていない。もう少し踏み込んだ答えがほしい。
  • 「回答」を読む限り、今回の指摘を受けてから映像元に情報確認をしているので、放送時には何も考えていないことが分かる。番組を見ている視聴者のことを考えて放送してほしい。

フジテレビ『FNS27時間テレビ』の「車のペンキ塗り」のコーナー

【青少年委員会の「回答のお願い」】

(1)このコーナーの企画意図、(2)「とりわけ児童の視聴に十分、配慮する」時間帯に放送されているが、子どもへの配慮はあったのか、(3)エコ活動の精神に反していないか、(4)車は2人のタレントの私物なのか?そうだとすれば了解はとったのか?

【フジテレビからの「回答」】

(1)について
今回の「FNS27時間テレビ」のテーマは「笑顔」。80年代のバラエティと、現代のバラエティとの融合を目指し、総合司会の明石家さんまさんが、27時間日本中に「笑顔」を提供しようという意図で放送致しました。その中でこのコーナーは80年代のリメイク版として企画されました。

(2)について
今回の「FNS27時間テレビ」は前述のように「笑顔」をテーマに全体が構成されています。このコーナーに限らず、番組全体を通して子どもから大人まで家族揃って楽しめるように配慮しておりました。また放送終了後には毎年「FNS27時間テレビ」の総括反省会が行われており、その中でもご指摘された同様の意見が出て、社内でも議論を致しました。当該箇所も安全面に関しては、充分に考慮しておりました。
しかしながら一部の視聴者より内容が過激ではというご意見を頂いたことに関しては、真摯に受け止めて、改めて今後の番組作りに反映させていきたいと思っております。

(3)について
内容に関しては、バラエティの演出の範疇と認識しておりましたが、今回エコロジー的観点からのご意見を戴いた事に関しては、貴重な意見として受け止めて、上記のご質問の回答同様今後の番組作りに反映させて参りたいと考えております。

(4)について
1台は私物であり、番組終了後、企画意図を理解され、了承していただきました。もう1台はタレント所有の同型の車を局が用意したものですが、当該タレントは放送終了までその事実を知りませんでした。

【「回答」に対する委員の主な意見】

  • 視聴者に対し「想像力やメディアリテラシーを発揮してくれれば制作意図が分かってもらえるだろう」といったところが見える。
  • 総括反省会で同様の意見が指摘され、社内でも議論したと書いてあるが、議論の内容を公開していく必要があるのではないか。
  • 車を使われたタレントが番組終了後に、企画意図を理解し了承したと書いてあるが、何をもって了承したのか分からない。

以上の2社4番組の「回答」については、各委員の意見を記載した審議内容を当該社に報告し、今後も類似番組を見守った上で、必要があれば「見解」あるいは「要望」といった形で公表していくことになった。

視聴者意見について

1.日本テレビ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』

番組内で新しい罰ゲームを考え試しているバラエティーについて、「”テレビ業界初!©罰ゲームを考える”は何を考えて放送しているのか、判断できない子ども達が真似をするのではないか。見ていて心が苦しくなる」といった視聴者意見が寄せられた。

<委員の主な意見>

  • 罰ゲームの内容が笑いをとるというより、どれも過激で実際に怪我をするのではないかと思われる危険な内容を含んでいる。
  • 「事前にスタッフが安全を確認した」とテロップを入れているゲームもあるが、安全性が確認されれば放送できるというのは、論理的に無理がある。むしろテロップで表示することが必要と判断されるほど危険に見えることを予見し、視聴者に恐怖や不安を感じさせることは、制作側で織り込み済みであったと考えられる。
  • 青少年委員会が2007年の10月に『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』を公表しているにも関わらず、罰ゲームの創造性を競うような内容となっており、これまで罰ゲームの再考と検討を促している委員会見解への挑戦とも受け取れる。

以上の審議の結果、(1)この番組の企画意図は何か、(2)罰ゲームの具体的内容は、誰が、いつ、どのような経過を経て考案し、放映の是非が決定されたのか、(3)「罰ゲーム」をどのように考えているのか、(4)制作するにあたり、2000年11月『バラエティー系番組に対する見解』と2007年10月『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』についてどのように受け止め、配慮・検討はされたのか―について回答を求めることになった。

2.フジテレビ『スーパーニュース』内での保育園児へのインタビュー

千葉5歳女児死体遺棄事件の報道について「同じ保育所に通っている子どもにインタビューをしていたが、そういうことをする必要性はあるのか。学齢未満の子どもにインタビューする神経に疑問を持つ」といった視聴者意見が寄せられた。

<委員の主な意見>

  • 子どもへのインタビューは絶対に慎むべきとは言わないが、このインタビューの内容を見ても事件の真相を伝えるために必要不可欠な声とは思えない。どういう意味があるのか疑問だ。
  • 事件の悲しみを、同じ保育所の園児を通して表現したいのであれば、直接のインタビューではなく、他に描き方があるのではないか。
  • この事件では女児が着衣のない状態で発見されたことも大きく報道され、子どもを失った家族への配慮を欠く取り上げ方がされている中で、園児のインタビューが使用されている。友達を失った園児や被害者家族の心理状態についてもっと配慮すべきではないか。

以上の審議の結果、青少年委員会では、2002年3月に『「衝撃的な事件・事故報道の子どもへの配慮」についての提言』、2005年12月に『「児童殺傷事件等の報道」についての要望』を公表しているが、今回、委員会が特に検討を求めたい事項は「被害児童の家族・友人に対する取材に関して」で、特に、児童へのインタビューには慎重に期すよう要望を行っている点である。
(1)貴社及びニュース制作担当者は、上記の『見解』『要望』をどのように理解しているのか、(2)5歳児へのインタビューに関して、1)どのような判断と基準で実施したのか、2)何人ぐらいの子どもに、どのような取材を行ったのか?その中から、当該児童へのインタビューを放映した理由は何か?、3)死体遺棄の状態を繰り返し、センセーショナルに報道しているが、被害者家族への配慮についてどのような議論が行われたのか?―について回答を求めることになった。

3.その他

(1) 昼間放送の海外ドラマについて
昼間の時間帯に放送された人身売買を取り締まる捜査官が主人公の海外ドラマについて、「すさまじい内容で、子どもが見る可能性がある時間帯に放送するのは極めて不適切だ」という視聴者意見が寄せられ、審議した結果、子どもが見る可能性のある昼間の時間帯での暴力シーンや性的描写の多い映画やサスペンスドラマの再放送などについても、”配慮してほしい”との視聴者意見が寄せられているので、今後、編成などの問題についても考えていくことになった。

(2) パチンコCMについて
小田桐委員から「今月もパチンコCMについての視聴者意見が寄せられている。最近は子どもが見ている時間帯で、パチンコ機器メーカーの新機種のCMをよく目にするし、地方に行くとパチンコ店の新規オープンのCMも多い。青少年への影響を考え、委員会として各社のパチンコCMに関する現状をアンケート調査してはどうか」との発言があり、検討した結果、今後も継続して視聴者意見の動向を注視しながら、放送時間帯の配慮などについて議論を深めていくことになった。

中学生モニター報告について

2008年度後期中学生モニターの初めての報告について、委員から次のような意見が出された。

  • 『行列のできる法律相談所』の番組のコンセプトとズレてきているという意見や、一般視聴者から批判意見が多い『ブラッディ・マンデイ』が面白いという意見は、普通の中学生らしい感想で親しみが持てる。
  • 番組の選択と意見の中身にも多様性が出てきている。『オールスター感謝祭』で前年にけが人が出ているのに、かえって危険になっているという意見や、5歳幼児殺人事件のニュースでもっと遺族に配慮する必要があるという意見、『開運!なんでも鑑定団』の物に秘められた人生や歴史が分かるのが面白いという意見などは、しっかりテレビを見ている意見で感心する。
  • 純真な子が素直な意見を書いてくれていると思う。アナウンサーがよくかむし、服装が派手などという意見は、今さら言うまでもないと思い勝ちだが、的確な意見だと思う。
  • もっと肩の力を抜いた、くだけた意見でよいと思う。意見には正しい・間違いということはないのだから、自由に何でも書いてほしい。

    *中学生モニター報告は下記に掲載

中学生フォーラムについて

第8回中学生フォーラムは、12月26日(金)に「激論! ニュース番組」(仮)をテーマに、中学生モニター15人と在京テレビ6局のニュース報道系番組の制作担当者が参加し、東京・千代田区のルポール麹町で開催することになった。また、コーディネーター・橋元副委員長、司会・木場弘子氏(キャスター)のほか、ゲストに日本のビデオジャーナリストの先駆けである神保哲生氏(ビデオニュース・ドットコム代表、立命館大学教授)を招き、ニュースなど報道系番組の課題と期待について問題提起をしてもらうことを決めた。
なお、同フォーラムは、NHK教育テレビ『日曜フォーラム』で放送する予定。

■中学生モニター報告■

10月は、31人の2008年度後期モニターのうち30人から、34件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。
このひと月ほどの間に見た番組についての意見を自由に書いてもらったが、分野別に見ると、バラエティー番組が最も多く18件、ドラマが10件、報道・情報系番組が4件、スポーツ番組と音楽番組が1件ずつだった。 局別では、TBS系が8件、日本テレビ系とフジテレビ系が7件ずつ、NHKとテレビ朝日系が3件ずつ、テレビ東京系が2件、またテレビ全般への意見が4件あった。

・バラエティー番組

バラエティーでは2件意見があったのは『行列のできる法律相談所』だけで、あとは1件ずつ別の番組などへの意見だった。  『行列のできる法律相談所』への意見は、「出演者全員で旅行に出かけ遊んで帰るという企画だった。何か法律に関係のある旅行や企画ならまだしも、番組のコンセプトとあまりにもかけ離れていて、チャンネルを変えた」、「なんだか前よりもトークの時間の方が多い気がするのです。視聴者の相談が、あまり取り上げられていないように私には見えます」などで、2件とも批判意見だった。
他に批判意見は6件で、『誰だって波瀾爆笑』に「正直私は元の『いつみても波瀾万丈』の方が良かったと思います」、『オールスター感謝祭超豪華!クイズ決定戦』に「前回けが人が出ているのに改善するどころかかえって危険になっていると思いました」、『クイズヘキサゴンII』に「クラスメイトの中には”おバカブーム”の悪影響として勉強しないという人が増えてきています。すべてとは言えませんが、一つの原因として”おバカブーム”があると思います」、『爆笑レッドカーペット』にも「スペシャル番組でたまにやってるのはおもしろかったけど、毎週やっているとだんだんあきてくる。それと東京と大阪では笑いのツボが違って、MCの人やゲストさんが大笑いしていてもまったくおもしろくない」、などの意見が寄せられた。また『バラエティー全般』について「”リアクション芸”などが増え、笑いの質の低下が起こっている」、そして『大食い・早食い番組』については、最近の事件を予測するかのように「食べ物を粗末にしているし、小さい子供がマネをしてしまい、事故がおきてしまう」、という意見もあった。
好評意見は5件で、『東京カワイイTV』には「NHKにしては、気軽、タイムリーで流行を分かりやすく教えてくれます」、『世界一受けたい授業』には「他のバラエティーと違ういい所があると思います。司会者の話よりも講師の話が長く、またその内容が濃いということです」、『青春アカペラ甲子園 ハモネプリーグ』には「皆で1つのものに向かっていく学生達の絆、笑い、涙がたくさんつまっていて、同世代の私にとっては、見ていてとても熱くなれる番組だった」、『開運!なんでも鑑定団』には「物の価値だけでなく物に秘められた人生や歴史がわかるところがおもしろいです」、『パネルクイズアタック25』にも「現在一般視聴者が参加できる唯一のクイズ番組だということを知りました。私個人としてはこちらの方が親しみやすさを感じます」、などの意見が寄せられた。

・ドラマ番組

ドラマ番組では『流星の絆』に3件、『ブラッディ・マンデイ』に2件意見があった。 『流星の絆』は「両親が殺されて、犯人に復習することを誓った兄弟の絆をシリアス で少し重い感じで描くのかなと予想していたけれど、どちらかといえばコミカルで、話の所々に面白さが散りばめられていて、笑って見ることができました」などと好評だが、「テーマがよく分からず、どういうジャンルなのか、全く分かりません」という指摘もあった。 『ブラッディ・マンデイ』も「誰もが信用できず、1人1人の行動に興味を持って見ていると、みんな怪しく見えてきました。だからこそ、私ははまったのです」などと好評だが、「ただ原作のマンガを読んだ人からすれば少し原作と役の雰囲気が違う役があったので、マンガの原作にもう少し合った人を選んで欲しかった」という要望もあった。 また『花ざかりの君たちへ』に「昨年の夏に放送していたドラマのスペシャル編でした。登場人物の設定の説明がほとんど無かったため、初めて見る人には分かりにくいドラマでした。また、見ていても一年前のことなど忘れていたので、説明をしないのは視聴者のことを考えなさすぎだと思いました」という意見が寄せられた。

・その他の番組

ニュース全般への批判意見が2件あり、「ロス事件の三浦さんが自殺した事件が気になりました。なぜ、日本で無罪になったのに年月が経って裁判のやり直しをしていたのかわかりません。ワイドショ-などは、筋道だてて教えてくれないのが不満です」、「最近、とても気になることがあります。番組のアナウンサーがニュースを読んでいる途中、よく、かむことです。あと、お化粧や服装がすごく派手で、ニュースよりも、そのことが気になる人もいます」、という内容だった。
NHKスペシャル『病の起源』には「すごく分かりやすく解説していたりしてストレスから腰痛がくることなどがよく分かりました。でももう少しバラエティーのようにおもしろいと、もっと見ていて楽しいと思います」という意見が、また『カウントダウンTVスペシャル』には「普段私達がなかなか見られない夜中の番組を、ゴールデンにやってくれるような、ステキな企画を、TV局のみなさんに考えてもらえたら、と思います」という意見が寄せられた。

11月のモニター報告は、テーマをニュースやワイドショーなどを中心にした報道系の番組(ドキュメンタリー番組も含む)とし、意見を聞く。

第140回 放送と人権等権利に関する委員会

第140回 – 2008年10月

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理

審理要請案件「元祖いちご大福報道をめぐる名誉・信用毀損」の訴え ……など

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案について、「委員会決定」起草案の検討、協議が行われた。 また、「元祖いちご大福報道」をめぐる審理要請案件は、討議の結果、審理対象外となった。

議事の詳細

日時
2008 (平成20) 年 10月21 日(火) 午後4時~7時半
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
竹田委員長、堀野委員長代行、五代委員長代行、右崎委員、崔委員、武田委員、
中沢委員、三宅委員、山田委員

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の審理

1997年の広島県知事選挙に絡んで裏金を受け取ったとの疑いを持たれ、中国放送(RCC)のニュース番組で実名報道された元県議3名が、『事実無根の報道により大きな被害を受けた』として、名誉権の侵害を訴えた「広島県知事選裏金疑惑報道」について、先月に引き続き審理が行われた。
本事案については先月、起草委員会が発足し「委員会決定」をとりまとめるための作業が進められてきたが、今月の委員会では、委員会決定起草案についての検討、協議が行われた。その結果、起草案の内容をさらに吟味したうえ、来月の委員会で改めて検討することとなった。
本件審理では、RCCが上記テレビ報道の内容を文字情報として自社ホームページ上に掲載し、申立人らがこれによる被害の継続を訴えているところから、「文字情報による配信行為を、テレビ報道と同視し得るかどうか」を審理の対象として、これまで長時間にわたり熱心な議論が交わされてきた。

審理要請案件「元祖いちご大福報道をめぐる名誉・信用毀損」の訴え

『元祖いちご大福』報道に関する案件について、2回にわたって審議を行った結果、当案件を審理対象外と決定した。この案件は、「いちご大福」の考案者を自認する人とその人が経営する東京の和菓子屋が申立人となり大阪のテレビ局を訴えているもの。申立人は、「2008年3月放送のバラエティー番組で、”いちご大福の元祖は三重県の和菓子屋”と紹介されたため、考案者としての名誉・信用を著しく害された。また、元祖の店としての信用・営業権を侵害された」と主張し、訂正・謝罪放送を要求していた。
委員会では、双方から提出された文書・資料をもとに討議したが、多数の和菓子業者が元祖を名乗っている現状の中で、限られた資料に基づいて誰がいちご大福の元祖であるかを認定するのは困難であり、このような事案について当委員会が審理し、人権侵害の有無を判断することは相当ではないなどとして、審理の対象とはしないことを決定した。

「喫茶店廃業報道」事案の申立人が起した裁判の高裁判決報告

「喫茶店廃業報道」事案の申立人が、毎日放送を相手取って損害賠償を求めた裁判の控訴審判決(大阪高裁9月10日)について、事務局から報告した。
二審では、名誉毀損は認めなかったものの、隠しマイク・カメラによる取材で「みだりに自己の容貌・容態を撮影・公表されない自由と発言を録音・公表されない人格的利益」を侵害されたと認め、10万円の支払いを命じた。
一審では、名誉毀損を認め、人格的利益の侵害も認めており、40万円の支払いを命じていた。なお、放送人権委員会は、2005年10月「名誉毀損には当たらないが、隠しカメラ・隠しマイクの使用が不可欠とは認められない」として、放送倫理違反の見解を出している。(委員会決定第26号をご参照下さい)

9月の苦情概要

9月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・83件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • TBS報道現場視察と番組スタッフとの意見交換会
    放送人権委員会では去る10月14日(火)、TBSの夕方の報道番組「イブニング5」(16:52~18:55放送)の放送現場や報道局内を視察するとともに、番組終了後、委員と番組スタッフとの意見交換会を行った。
    意見交換会では、放送倫理や人権に関わる問題などが活発に話し合われたが、中でも、最近インタビューなどで、いわゆる匿名映像(顔なしやぼかしなど)が多い点について局側から、「取材される側がそうした要望を出すことが多く、これに対し取材者が粘り強く交渉しないまま妥協してしまっている面もある。何とかしなくてはいけないがジレンマを感じている」との声もあった。
  • 次回委員会は11月18日(火)に開かれることとなった。

以上

2008年9月に視聴者から寄せられた意見

2008年9月に視聴者から寄せられた意見

福田首相(当時)辞任発表以降、自民党総裁選や組閣に向けた一連の報道で「公平・公正・中立」に係わる意見が多く寄せられた。また汚染米(事故米)関連する意見などが寄せられた。

2008年9月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は924件で、8月と比較し33件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール54%、電話39%、ファクシミリ3%、郵送ほか4%。 男女別は男性69%、女性24%、不明6%で、世代別では30歳代25%、40歳代19%、20歳代18%、60歳代10%、50歳代9%、10歳代2%の順となっている。

2008年9月に視聴者から寄せられた意見 924件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年9月件数 年度累計
人権等に関する意見 4 件 35 件
放送と青少年に関する意見 74 件 [ 意見内容 ] 893 件
放送番組全般にわたる意見 530 件 [ 意見内容 ] 3,613 件
BPOに関する意見・問い合わせ 41 件 415 件
その他(放送関連以外) 275 件 2,172 件
意見件数 計 924 件 7,128 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月通知数は379件(39放送局)であった。
またこの他に、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し47件を全加盟社・局に送信している

意見概要

人権等に関する苦情

9月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 83件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【情報ワイド・バラエティー番組】関連1,093件(全体の118%)前月比180件の増加
意見の傾向 “指摘事項”(件数、全体の比率)

“不適切な内容、不適格な出演者”(683件:74%)
“低俗・下品な番組” (279件:30%)
“倫理観欠如、局の責任”など(131件:14%)

【報道・情報番組】関連644件(全体の70%)前月比263件の増加

“取材・報道のあり方・批判”(416件:45%))
“放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(128件:14%)
“報道の公平・公正性と内容批判”(100件:11%)

*【情報ワイド・バラエティー番組】の意見合計数が意見総数を超えているが、これは1件の意見に複数の指摘項目が含まれているためである。

9月は1日の福田首相(当時)辞任発表以降、自民党総裁選や組閣に向けた一連の報道で「公平・公正・中立」に係わる意見が多く寄せられ、前月の38件から2.6倍の100件に急増。「取材・報道のあり方」についても前月比1.7倍の416件、「不適切な表現・不適格な出演者」に関する批判は1.3倍の683件と増加した。従来、出演者批判の多くはバラエティー番組の司会者・出演者に集中していたが、9月は総裁選・組閣関連での情報ワイドショーや、一部の報道番組へのキャスター・司会者・コメンテーター批判が増えて196件を数えた。この他には大相撲大麻問題に関する意見[ドーピング検査の最終結果を待たずに大麻吸引疑惑力士をクロと報じたことへの批判や冤罪危惧]22件、汚染米(事故米)関連意見[農水省の検査姿勢への批判や問題の本質を追及する報道への期待]14件、中山農水相(当時)発言関連[中山発言に関する報道のあり方]12件、パラリンピックの中継への要望7件などとなっている。
【放送局の電話応対や局の姿勢】に関する苦情・抗議129件(前月比12件の減少)
【CM関係】「不適切な表現・内容」などの指摘 61件(前月比12件の増加)

青少年に関する意見

9月にBPOに寄せられた意見のうち、放送と青少年に関するものは74件と、今年度5ヶ月間の月平均164件に比べ半数以下に減った。
今月もバラエティー系番組に対する批判は26件と相変わらず多かったが、ドラマや報道・情報系番組に関する意見が減っている。

BPOに関する意見

41件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見12件、問い合せ29件であった。

番組全般

【特記事項(政治報道関連)】

  • 福田総理辞職をとり上げた報道・情報番組全てに対しての意見。予想通りの放送のされ方だった。ついこの間まで「辞めろ」という発言をしていた人達が「辞める」と言ったとたんに「無責任だ」と言い出すとは、どっちが無責任なのかと感じる。無党派層を取り込もうとする報道の仕方はやめてもらいたい。
  • 自民党の総裁選報道でメディアは20人の推薦人を確保していない”立候補表明者”を、推薦人を確保した”立候補表明者”と同等に扱い報道しているが、そうすべきではない。推薦人未確保の”立候補表明者”は、推薦人確保が無理なのを承知の上で、国民や選挙民に向けた売名目的の立候補も否定できない。
  • 自民党の総裁選に関して、各局とも自民党の宣伝の片棒を担いでいる様で、他党の状況を殆ど報道しないのは著しく不公平ではないか。私は特に支持する政党はないが、その白紙の気持ちで見ても、特に衆議院の解散総選挙が近い情勢の中で、自民党の様子ばかりをこのように宣伝するのはいかがなものかと思う。国民は自民党の政策は勿論であるが、他党の主義主張もじっくり知りたいと思っている。このように自民党オンリーの報道では国民の知る権利さえ無視されているのではないかと感じる。
  • 昨今の自民党総裁選挙報道を見ていると、メディア全体が「自民党の政権維持」を求めているのが感じられる。それぞれが違う政策、違う主義主張をもっている5人の候補者が、同じバスの上から投票権を持っていない一般国民に演説しているのはまさに茶番だが、それを無批判に長時間報道しているテレビ局に呆れている。忘れては困るが、今はまだ福田政権なのだ。農水省は汚染米について、外務省は北朝鮮の金主席の動向を、防衛省は国籍不明の潜水艦の問題を、経済・財務の各省はアメリカの証券会社の破産の影響を、そして厚生労働省は医療・年金問題をと、取り組むべき問題が山積している。勿論メディアもそれらを一番に報道すべきである。しかしメディアは福田政権の停滞を追及せず、総裁選挙を一番に報道している。メディアが日本を歪めているといっても過言ではない。
  • 最近、マスコミは衆議院解散総選挙について躍起になって報道しているが、そのことで国民生活が良くなると思っているのだろうか。よく考えていただきたい。3年前の郵政解散の際、マスコミが「小泉劇場」と称して当時の小泉首相や小泉チルドレンと呼ばれる候補者を連日のように報道番組だけでなくワイドショーで取り上げた結果、投票率は向上し政権与党が大勝した。その後、与党は数の力でさまざまな法案を通したが、その結果、国民生活は悪くなったのではないか。後期高齢者医療制度についても、その選挙の結果で決まったのではないか。これは3年前のマスコミでの取り上げ方に原因があるのではないかと思う。今回も「○○劇場」などと称して選挙戦を報道すると思うが、マスコミは公平・中立な立場で選挙戦を報道すべきである。
  • 25日(木)夕方の民放の情報番組で、解説員が「今度の総選挙は政権選択選挙だから民主党に投票すべきだ」と発言。放送法の「公正」の規定や本来メディアは中立性が求められる点からいえば、この発言は放送法違反ではないか。同局の視聴者センターに抗議をしたら窓口の担当者は謝っていた。BPOとしてこの問題を調査し然るべき処置をすべきではないか。
  • 関西の放送局のアナウンサーで毎日午後に放送するワイド番組の司会者の政治的偏向ぶりは目に余る。すでに公職選挙法違反で起訴されて然るべきだ。いくら自民党が嫌いとはいえ、一国の総理大臣の身体的特徴を揶揄し、市民から集めた罵倒の言葉を紹介しながら嘲笑するなど、市民に情報を提供する報道としてあるまじき行いだ。一体、何の目的があってこのような中傷や偏向報道を繰り返しているのかは分からないが、公共の電波を使う報道機関が、公人の総理大臣に対する人権侵害とも受け取れる行為は即刻やめるべきだ。BPOからも注意してください。
  • 某キー局の水曜日の朝のワイドショーで内閣の支持率に関しての報道があった。「インターネットで無作為に選んだ結果、1000件と多くの回答が得られた」という発言があったが、電話なら無作為に放送局側から選ぶ事は出来るがインターネットで無作為に選ぶ事は不可能だ。「何人中何人が答えた結果、回答率は○○%」と言うのなら正確な数字として見ることが出来るが、調査法に疑問を感じる。このような根拠のない数字を”世論調査”と公表するのは公平さに欠け、公正ではない。局に電話をして番組担当者と話し「インターネットで無作為に何人を選んだのか?」等の細かい質問をすると「番組で報道した以外は答えられない」と言われた。世論誘導をするような報道は止めるべきだ。

【取材・報道のあり方】

  • 先日の東海豪雨でのことだが、水のあふれた交差点の真ん中で車が動かなくなり、たまたま名古屋のテレビ局の取材スタッフが近くにいたので助けを求めたが、「今仕事中だから助けられない」と断わられた。その後、まわりにいた一般の方の協力で車を移動することができ被害に遭わずに済んだ。翌日、多くの知人からメールや電話で「大丈夫?」という問合せがあったので、何のことかと尋ねると「テレビのニュースで水害の状況が放送されていたから心配で電話をした」と言われた。私は見ていなかったのでニュースの内容を聞くと、8月29日の東京キー局の夜の報道番組で、車が水没し途方にくれている私が映ったとのことだった。災害のニュースなので映されることは仕方がないと思うが、助けを求めたにも拘わらず救助もせずに、困っている状況を勝手に映し放送するのはどう考えても納得が出来ない。無事だったからいいが、もし水没して死んでいたら人道上問題になるのではないか?このような場合、どのように局と話したらいいのか教えて欲しい。
  • 多くの民放のニュース番組やワイドショーでの問題だが、千葉5歳女児死体遺棄事件について、全裸という遺体の状況や、次女なのに母親と二人暮らしという続柄を報じる必要があるのかと思った。「遺体は何も身に着けていませんでした」や「遺体は○○市○○町の○○ちゃんと判明しました。○○ちゃんは母親と二人暮らしで…」と報じれば良いのではないのだろうか。センセーショナルや興味本位に走らずに、死者の人権と私的領域に配慮した報道を望む。
  • この日は自民党総裁選の公示日で、候補者5人が出演していた。興味があったので視聴したが、あまりの内容のひどさにあきれた。画面の右上には常に【もう逃げませんか】の文字。そして紹介された視聴者からのメールは全て自民党への批判と「総裁選挙なんて興味が無い」「くだらない」といった内容ばかりだった。そのメールに対する候補者の反論は一切なく、キャスターとの質疑応答、討論で終わった。確かに批判的な意見もあっただろうが、激励のメールもあったはずだ。最近は、とりわけ新総裁の麻生氏に対するネガティブキャンペーンが目に余る。偏向報道が甚だしく、何としてでも政権交代をさせようと世論の誘導を図っているとしか思えない。この放送局は報道機関としてふさわしくない。
  • 政治的なニュースの時の夜の報道番組キャスターのコメントはある特定の政党の主張をそのまま代弁しているように聞こえる。公共の電波を通して放送されているのだから、偏ったコメントは止めていただきたい。見ていて不愉快だし不特定多数の視聴者へ誤解を与えかねないコメントが多すぎる。公共の電波をこのキャスターが私物化していると思う。人権侵害がなければ、人に不快な思いをさせる報道をしていいのか?私には言論の自由を振りかざした、大きな影響力を持つ放送によるいじめが行われているようにしか見えない。彼が批判する政府と政治家を支持する庶民もいる。その人たちの心は傷つけてもいいのか?このような報道番組が野放しにされているのがとても悔しい。
  • 実名報道について。「地下鉄駅員が不正乗車の女子高生を駅の休憩室に連れ込み、ベッドに押し倒したということで警察に逮捕された。容疑者は身に覚えが無いと言っている」という報道があった。駅員の実名も報道された。逮捕されたとはいえ、容疑者本人が認めていない状態で実名報道するのはいかがなものか。駅員は容疑を否認しているし、駅員が声をかけたのは女子高生が子供料金の切符で改札を通過したためだという。報道した時点では、冤罪という可能性も十分に考えられるはずである。一方が被害を訴えただけで逮捕された場合の報道は慎重であるべきだ。この件に限ったことではない。子供や女性は法的にも保護されているし、世間の常識的にも弱い存在、守られなければならない存在として保護する意識が働いているが、残念なことにその守られた立場を利用し、大人や男性を陥れようとする輩は確実に存在する。もはや周知の事実だ。それは重大な犯罪行為であり、安易に実名報道することで、マスコミがその犯罪に加担し、被害を深刻化させるようなことはあってはならない。容疑者本人が認めた場合のみ、実名を報道すればよいのではないか。
  • 私は神奈川県横浜市で24時間年中無休のコンビニを経営しているが、周辺は田んぼ・畑・梨畑・住宅街だ。7時~24時までの営業にし、深夜営業を自粛したいと本部に要請しているが、「契約だから」とまともに交渉に応じてもらえない。そんな中、関西のテレビで「コンビニの80%以上が『24時間営業に肯定的だ』という調査結果が出た」という報道がされたと聞いた。調査対象はどのような地域の店舗なのか?繁華街や歓楽街の店舗だけをピックアップした調査ではないのか?偏った報道で「コンビニ24時間営業は当たり前」との論調を作り出しはしないかと心配だ。コンビニ24時間経営で潤っているのは本部だけだ。多くの加盟店は、家庭崩壊・夫婦すれ違い生活・長時間労働などの問題を抱えながら24時間年中無休の状態を続けているのだ。これは本当に妥当な報道だったのか?BPOによる調査究明を願いたい。
  • 富山県の医薬品の配置販売を行っていますが、私共が取り扱う某製薬会社製造の熊の胆を使った薬に汚染米の混入したでんぷんが使われたという疑いが持たれ、念のため95万錠が回収され、そのことが番組でも報道された。しかし9月22日「その後の調べで汚染米の混じったでんぷんは使われていないことが判明した」との報告がでんぷんの製造業者から製薬会社や各関係者に届き、一同胸を撫で下ろし製品を再び出荷することになった。しかし一度疑わしいと報道された薬の信用を取り戻すには安全性を消費者に知ってもらう以外にない。そこで今朝、東京キー局に電話をして「番組の中での安全性が確認されたと伝えて欲しい」と要望したが、応対者によると「放送するか否かは担当者の判断による」とのことだった。BPOからもこのテレビ局に伝えてほしい。
  • 菓子製造販売の会社だが、9月19日に他社より取り寄せた中国産のあんこを試食した当社の従業員2名が嘔吐や手足のしびれを訴え病院に行った。病院での尿と血液の検査結果が出ていなく何が原因かもわからない時点で、多くのテレビ局や新聞社が押し寄せ「コメントをしてもらわなければ帰らない」と脅すようなことを言われた。周りには多くの住宅があるので迷惑になると思い社長が取材に応じた。保健所の簡易検査でも毒物の検出なし、従業員の検査結果でも毒物は検出されなかった。ところが同19日20時台の全国ニュースで【毒入りか?】という見出しで店名も出され報道された。20時台には「毒物検出なし」という結果も出ていたのに、なぜこのような報道がされたのか?翌日、取引先から納品のストップがかかり、全国から心無いメールや電話も多く寄せられた。19日の報道で店名を出す必要があったのか?保健所と警察の発表を待てなかったのか?”中国産”という言葉に過剰反応していないか?テレビの影響は大きく、今もまだ商品の納品がままならない状態で、今後どうしていけばいいのか困惑している。これはマスコミによる風評被害と言えるのではないか?
  • 各局とも「汚染米(事故米)」について、「関係の業者が汚染米であることを隠して販売していた」や「どこの食品加工業者にわたった」「それがどうなったか」等と報道している。視聴者も、もしそのような米が使われた食品があればそれを買わないし食べないようにしなければならないから、それは当然であろう。しかし、その元凶となったのは農水省の立入検査の甘さにあるのではないか?報道によれば、96回も立ち入り検査をしても、それが分からなかったということである。いったい農水省はどのような仕事をしていたのかと驚く。米の取り扱い業者に農水省からの天下りがいたのか、農水省の立ち入り検査の職員が賄賂を受け取っていたのか、よほどの馴れ合いがなければ96回もの立ち入り検査がいい加減な事になる訳はない。農水省が「今後再発のないような仕組みをこれから考える」と言い、関係業者も「申し訳ありません」と謝る等で済む問題ではない。農水大臣や次官達は他人事のように言っているが、農水省の仕事の仕組みはどうなっているのか、その責任はどうなのかについて、メディアはそこまで掘り下げて取材・報道をするべきだろう。
  • 各局の大相撲大麻問題の報道について。ネット情報を鵜呑みにするわけではないが、今回の精密検査ではカンナビノイド《*大麻に含まれる化学物質の総称》が陽性で、カンナビノイドの成分が検出されただけであって、それだけで大麻を吸ったとは警察でも認定できないのではないか。勿論、これだけでは法的にも逮捕できないと思う。法的に逮捕できないということは、犯罪認定できないということだ。大麻検査と違い、ドーピング検査の場合は、栄養ドリンクは論外のこと風邪薬すら飲めないと認識している。それくらい厳しい決まりのあるドーピング違反で、しかも違反者は解雇するという規定があるのであれば納得いくが、大相撲の場合はそうではないと認識している。本当に大麻を吸っているのであれば現在の処分も納得できるが、本人たちが否認していて吸引の事実を確定できない状態の中で、「カンナビノイド陽性=大麻吸引」と確定報道してよいのか。ドーピング検査での陽性と今回の大麻検査での陽性の違いが認識出来ていたのか。サリン報道のような誤報にならないよう願う。
  • 8月はオリンピック放送一色であったがこの時期にグルジアから分離独立を目指す南オセチヤ自治州紛争が勃発した。地上波テレビはこの紛争を放送したものの、断片的報道でその経過が分かりずらかった。CSのBBC・CNNはオリンピック放送もしたがロシアの次席参謀総長の記者会見なども詳細に放送した。放送は社会に対する貢献を役割とし、知る権利を充足させる義務がある。特に誰でも見られる地上波はバランスのある報道をすべきだ。CSに比べ、地上波テレビの報道レベルが低いと感じた。姿勢を正して貰いたい。
  • ここ数年、ニュースの中に占める殺人事件の件数が多い。社会的にどんな位置づけでニュースを選ぶべきか、もっと考えて欲しいし、事件の追跡がくど過ぎる。そのため模倣と思われる殺人事件が後を絶たない。殺人事件の増加にテレビ報道は手を貸しているといえる。食品の安全に関する報道では、科学的・論理的側面があまりにもお粗末だ。今日のニュースでメラミンとメラミン樹脂を同一物のように扱う報道があったが、エチレンとポリエチレンでは全く物性が違うように、モノマーとポリマー(樹脂)では生理学的性質も化学的性質も異質であることくらいは、大学教育を受けた報道人ならば知っておくべきだ。お粗末過ぎる。
  • 東京キー局の夜の報道番組を筆頭として報道番組全般に言えることだが、何か大きな事件が起こると民放各局は堰を切ったようにコメンテーターと称する著名人や有識者をスタジオに招き、視聴者の不安を煽るような刺激的な話をさせることで視聴率稼ぎに走っている。この現状はメディアのあるべき姿なのか?人々に大きな影響力を持つテレビ放送で、コメンテーター達の同じ切り口の悲観論を朝から晩まで聞かされ続ける視聴者は、不安を抱き悲観的になっていく。その結果として負の循環が加速し、少なからず、それが経済の低迷へと繋がっていくのは当然ではないか。「言論・報道の自由」「情報をどの様に受け止めるかは、受ける側の問題」というのは論理の上では理解できるが、過熱した報道を全ての視聴者が冷静に受け止められる訳ではない。メディアが持つ影響力の大きさを十二分に認識した上で節度ある番組作りを切望する。
  • 事故等で死傷者がでた場合、「死傷者は10名」などと報道するが、いったい何人の方が亡くなって何人が怪我をしているのかわからない。「1名死亡9名が怪我」でも「10名が死傷」で、その逆でも同じだ。重要なことなのでしっかり伝えてもらいたい。
  • 事件報道ではなぜ大企業に勤めていた容疑者だけ会社名を言うのか理解できない。「有名な会社に勤めていても、こんな事件を起こすんだぞ」と言いたいのか。それとも「中小零細企業は名前を出しても分からない」から言わないだけなのか。いずれにしろ、その会社内で起きた事件ならまだしも、まったく関係のないところで起きた殺人・窃盗・痴漢行為などで会社名を出す必要はないと思う。その会社に勤めている真っ当な他の社員に失礼だ。
  • 中山国土交通相が辞任したが、原因となった問題発言について、彼がそのような発言をするに至った経緯を掘り下げて報道して欲しい。例えば中山氏は「日教組は日本のがん」と発言したそうだが、日教組のどのような点を批判したものなのかをもっと具体的に解説して欲しい。解説したからと言ってメディアによる「日教組攻撃」や「中山氏擁護」には当たらないはずだ。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 関西地区のテレビ局で毎日午後3時からのワイド番組司会者のアナウンサーは「新閣僚が落選するのを見たい」「政権交代してぐちゃぐちゃになり政界再編すべきが持論」と発言した。ローカル番組とはいえ、こんな事をテレビで言うなんて信じられない。「選挙が始まったら言えなくなるから」だそうだ。確信犯ではないか。「自民党以外の総理大臣を自分たちの手で選ぼう」と呼びかけ、「民主党が総選挙で勝てば衆参のねじれも解消する」と話していた。自民党と麻生氏のネガティブキャンペーンがひどいのは知っていたが、ここまであからさまに堂々と民主党寄りの偏向報道をするとは本当にあきれる。報道機関として、ふさわしくないと断言できる。世論の誘導を平然と行うこの局にきちんと指導して下さい。
  • 火曜日11時からのワイド番組で麻生総理の所信表明演説を取り上げていたが、所信の内容を取り上げるわけではなく、「何回『私の内閣』と言った」等、くだらないことで総理をけなしていた。それだけでは飽きたらず、コメンテーター全員で麻生総理を馬鹿にし、政治について偏った報道をしていた。一番酷いと感じたのは、最後の方で司会が「犬の世界では何と言うんでしたっけ?こういうのを・・・ああ、弱い犬ほど良く吠えると言いますよね」と総理を馬鹿にする発言をしたことだ。いったい元民放アナウンサーのこの男は何様のつもりなのか?「これから頑張る」という意志を前面に出している総理を小馬鹿にする、日本人とは思えない発言だ。見ている人に大きな影響を与えるテレビでこういった人を馬鹿にする発言や内容は許されるのか?私は今までこういった抗議をしたことはないが、今回は抗議せずにはいられなかった。あまりの酷い番組内容に体が震え、涙まで出てきた。厳正なる処分をして欲しい。この局の偏った放送はこの番組だけではないが、この番組が一番酷い。
  • 麻生総理の所信表明演説について「弱い犬ほどよく吠える」とか「マンガにするのには捕えどころのない顔だ」など、若者の私が呆れるくらいの暴言を吐き笑っていた。番組を見ていて気分が悪くなり、不快感で胸がいっぱいになった。昨日の放送でも中山国土交通大臣の人格を取り上げ、彼の妻や息子のことまでを話題にしていたが、大臣辞任と関係があるのかと疑問に思った。テレビというメディアがすでに衰えているのは周知のことだが、残念ながら鵜呑みにする人はまだまだいるようだ。このような不真面目な作り方の番組は止めていただきたい。
  • 早朝のワイド番組で民主党の山岡国会対策委員長が「秋葉原で人気が出てくると、これはある意味では戦前のドイツ・日本の現象に回帰しており極めて危険で、そうするとこのリーダーは非常に大切なんですよね」と、麻生支持者の若者をナチスに例えていた。別に若者はナチスではないのに、この発言の後もナチスという言葉を多用している。見ていて非常に不快になった。主義主張が異なることは分かるが、仮にも国会議員がテレビで自分の主張と違う有権者をナチス呼ばわりするのはいかがなものか?民主主義を否定するのか?甚だ疑問に感じた番組だった。
  • 日曜夜の番組で「夏休み”家出サイト”にはまる少女と男たちの言い分」という特集があった。そこで「複数の家出少女と性行為をしている」と告白していた男性は明らかに仕込みではないか。顔にモザイクがかかっていたが音声はそのままだった。もし知人が見れば確実に特定されるはず。少女との性行為という、社会から糾弾される行為をしているのにこのようなインタビューを堂々と受けるはずがないし、受け答えも明らかに不自然で用意された台本を読んでいるのが伺えた。このような、視聴者を欺き愚弄する行為を情報番組が堂々と行うことは容認できない。責任追及をBPOにお願いしたい。
  • 闇サイト殺人の深夜の報道を見た。東京キー局は放送の際、殺人を犯すまでの過程について、被告人から直接取材を通して知った内容を具体的な表現で放送していた。これは報道の暴力ではないだろうか?R指定の番組なら見る側の選択も出来るがテレビでは出来ない。一般的なニュース番組であそこまで具体的に表現する事が必要だろうか?しかも被害者は何の罪もない女性である。遺族の方がこの番組を見ているかもしれない。報道番組としてのモラルをもって、報道する内容をもっと吟味して欲しいと思う。センセーショナルにするために必要以上に犯行の詳細を報道するのはいわば表現の暴力で、無抵抗な視聴者を死に至らしめていることになり、殺人を行った被告たちと同じこと考える。
  • 火曜日夜10時の番組では2日から芸人を博士に見立てた「実験コーナー」がスタートしたが、内容は実験というより公開の場での虐待である。司会をしている芸人が他人をいたぶる性格であるのは以前から知られていることなので、今更それを直せと叫ぶのは無駄なことだが、レギュラーメンバーの芸人達をロボトミー化して実験させるという企画は人道上問題がある。番組の終わり頃に企画公募の告知をしているから続行するつもりなのだろうが、続けるのならば本人が自ら体を張って実験するか、もしくはロボトミー化されたメンバーと一緒に体を張って実験するという内容に修正すべきである。かつて漫才コンビで映画監督のタレントはウルトラクイズで、他の芸人が生死をさまようほど体を張っている所を見てあざ笑い非難を受けたが、その後、自らの体を張る企画に挑戦することにより信頼をかち得て、現在の地位を得るに至っている。この男もその芸人を見習うべきだ。
  • 東京キー局の日曜夜の番組のお尻にコマを刺す罰ゲームで、普通のコマだけでなくコマの軸の先を金属ねじにしたドリルゴマをお尻に刺していた。【安全はスタッフが確認しています】というテロップが出ていたが、高速で回っている金属ねじをお尻に刺すのはあきらかに危険であり、テレビで放送するレベルを超えている。さらに出演者全員がそれらを肯定して罰ゲームとして採用するのは論外だ。昨年東京の某局で放送された、大阪の飲食店で尻に歯ブラシを入れた番組を思い出しゾッとした。構成作家の倫理観のなさは勿論だが、そのような常軌を逸した企画でも通してしまう関西の大手プロダクションの芸人に対して、番組スタッフがストップをかけられないのはどうかと思う。
  • 寝ている女性タレントに対するいたずらで、最初はパイを顔にぶつけたが反応がなかったので、次に濡れタオルを顔にかぶせて押さえつけ、目覚めたタレントが苦しがるのを見て出演者やスタッフが笑うというシーンがあった。間違えば人の死にもつながりかねないこんな危険ないたずらで笑いをとろうなんて許せない。倫理的にも問題だ。視聴者センターに抗議をしたら「伝えておきます」のたったひと言。「抗議に対する局の見解を…」と要求するや電話を切られてしまった。この局は視聴者を完全に無視している。
  • 日曜午前中の情報番組のゲストに大相撲の大麻問題を担当する弁護士を呼び力士の大麻吸引について話題にした。出演者全員で袋叩きのようにこの弁護士を批判した。問題点を話し合うのはよいが、弁護士の人間性を批判するのはテレビとして問題ではないか。具体例として「あんたいくらもらっているんだよ。出演料ももらっているんだろ」や「おれはあんたのことを信用しない。嫌いだ」など、ゲストとして呼んでおきながら、説明をしようとする弁護士の話を何度も遮って批判した。代理人が依頼者のために仕事をするのは当然のことだし、それによって報酬を得たりテレビ番組に出て出演料をもらうのも当然のことだ。それを睨みつけながら上記のように批判をするとはどういう番組なんだ。司会者やアナウンサーも人間性の批判を容認し、何のフォローもしなかった。大麻問題に対して批判するのはいいが、出演の弁護士の人間性について誹謗中傷するのはとんでもない番組としか言いようがない。
  • 早朝の情報ワイド番組の新聞記事を読み上げるコーナーで、人材派遣企業の業務停止問題を取り上げていた。それを受けてくだんの司会者が「(同社の)社員に問題がある。短期で働きたいということは若者のわがままなのだから、短期労働を希望しているなら(違法であっても)提示された仕事に文句を言うな。若者は転職が多すぎるし、正社員になるのを嫌がっている」と発言した。しかし、現状は企業が人件費削減のために社員化を減らし、”ワーキングプア”という状況になっているのであって、若者だけを責めるべき問題ではないと思う。もっと全体を見て批判をするべきではないか?以前からこの男の発言に関して局にも苦情を伝えているが、一向に変わる気配はない。
  • 関西のテレビ局の木曜夜のこの番組は本当に悪質です。大阪のコーナーでは一般の大阪の人間でさえ知らないような事柄を、嘘をついてまで「大阪の常識」と言っています。全国向けの放送で歪曲・捏造・誇張の三点セットを延々と繰り返しています。各都道府県の代表もどきの芸能人を集めていますが、何故か大阪だけは大手プロダクションの芸人オンリーで固められます。大阪の人間すべてがこのプロダクションの芸人を好きだとでも思っているのでしょうか?何度か局にもクレームを出したのですが、そうすると翌週はとってつけたかのように大学教授を出し、「大阪は商人の街だから下に見られて笑われるのが文化だ」などと、とても納得できないような言い訳を並べていました。大阪を代表する場所としては新世界・道頓堀に固執し、インタビューを受ける人も日常では殆ど見かけないような人を厳選する念の入れようです。東京でいえば、毎週、山谷とか歌舞伎町周辺でインタビューをする感じです。新世界・道頓堀に大阪の民意が出ているとは思えません。BPOによる放送局への抗議と番組の改善を求めて下さい。
  • ブラジルの預言者の予言という形で、いくつかの日本に関する未来の事象が発言された。彼曰く「夢で未来の事象を見て、それが実現することで予言となっている」そうだ。しかし、科学的根拠のない「夢」を元とした予言で、例えば「9月13日に巨大地震が名古屋地方で発生する」などの不用意な発言で不安を煽った行為は遺憾である。番組では、どの地方で地震があるとは言及していなかったかも知れないが、彼の著書に詳細が記載されていることから、紹介されれば詳細の内容が把握されて不安が煽られることは容易に想像できたはずだ。番組では過去の事例を取り出し、あたかもかなりの高確率で予言が的中しており、9月13日の事も含め全てがほぼ100%で的中するかのように放送された。しかし、著書にある記述等を読むと、実際にはかなりの確率で予言は外れているようだ。少なくとも50%以上の信頼性がなければ「予言」とは言えないのではないか。科学的根拠のない内容は控えるべきである、このような放送は視聴者がパニックになる危険性もはらんでいるのだから、放送倫理上に問題があるのではないか。
  • 毎週金曜場の午前のラジオワイド番組に出演する毒舌タレントは「ジジイ、ババアは早く死ね」とか「なんまんだ、なんまんだ(南無阿弥陀仏)」など年配者が耳にすると大変気に障る言葉をよく使う。年配者を馬鹿にしているので止めさせて貰いたい。
  • 16日火曜日に放送された「世界を喰う」で、最高級料理を全て食べたら1泊80万円のスイートルームの宿泊料金が無料になるという内容を放送していた。貧しくてご飯を食べられない人もいるのに、意味もなく一般の人が食べられない高級料理を食べ続けることに不快を感じた。また、80万円の宿泊費を無料にするというのがとても嘘臭く感じた。きっとテレビ側がお金を払っている「ヤラセ」ではないか?他にも「タイキック10回につき、エッグタルト2個食べて先にダウンした方が負け」という内容もあった。合計60個も食べていたが、いくらおいしそうに食べている映像だからといっても食べ物を粗末にしているとしか言いようがない。更に、野菜炒めや卵焼きを大量に食べ、高いタワーの上で料理を食べきったら・・という内容も放送していたが、明らかに食べ物を粗末に扱う不見識な番組だ。
  • 金曜夜のスペシャル番組でダイエットの特集を放送していたが、「バナナダイエット」を放送したことで、現在、バナナが手に入らない状態だ。朝にバナナを食べ、水を飲んだだけで簡単にダイエットができるはずがない。視聴者を操る放送の仕方に憤りを感じる。ダイエット企画については、以前の関西のテレビ局の納豆ダイエットの捏造など様々な問題がある。ダイエット関連の番組は根絶すべきだ。
  • 9/17に富山の民放局が商業施設から生放送をしていたが、その際、中継車が歩道の上に駐車していた。それも点字ブロックの上にだ。駐車については公安委員会より特別に許可をもらっているのかもしれないが、点字ブロックの上に駐車するというのは正当な行為であるとは思えない。この局は某テレビ系列であり、夏の長時間チャリティー番組にも当然参加しているし、募金活動も行っている。番組で身障者援助を扱っているのに、一方ではこういうことをするのはおかしいのではないか?「自分たち放送局は特権階級である」といううぬぼれでもあるのではなかろうか?
  • アメリカの大手証券会社リーマンブラザーズの破綻について、日曜日午前中のワイド番組で経済評論家と称する女性が、なぜか水着を着た状態でボードを使って破綻までの経緯を解説したが、不謹慎な感じがして大変不愉快だった。リーマンブラザーズは日本にも支社を持ち、多くの社員の方が今後に多大な不安を感じていることだろう。他人の不幸に関わるニュースをそのような形で報道していいものか。ことの重大さを正しく理解しているのであれば、きちんと服を着て出てくるはずだ。スタジオの司会者やコメンテーターも、水着の女性を見てニヤ二ヤするだけで、その見識を疑う。また日曜日の朝は子ども達が視聴する時間帯であるということを考えても、この報道の仕方には問題点がたくさんあるように思えた。
  • 東京キー局のオールスターと称してタレントを集めた放送で、芸人達がバレーボール女子の代表選手とバレーボール対決をした。芸人チームの床だけに滑りやすいローションが塗られていた。はたして芸人チームの床にローションを塗る必要があったのか。前回の放送では同様のローションゲームで骨折者が出たというのに、余計問題を広げようとしている気がしてならなかった。しかも出場した芸人は全員バレーボールの経験がない素人である。結局、やったことはとても試合とは呼べず、単なるおふざけにしかならなかった。
  • 「芸能界超常識王決定戦」と称した番組を見たが、くだらないクイズが多すぎる。芸能人を売る企画ばかりで面白くない。教養とは何なのか、テレビ局にはもう一度考えて欲しい。娯楽にもなっていない番組が多すぎる。
  • 字幕に石原裕次郎が出演した「西部警察」の「西部」が「西武」と誤って記されていたので岐阜の視聴者センターに抗議をし、訂正して謝罪するよう求めた。すると窓口の女性は「私はセイブ警察なんて知らないから本社に電話して!」と真に冷淡な態度。そこで彼女に教えられたた番号に電話すると「そんなことは、こちらで受け付けるべきことじゃない」と怒鳴られるなど、けんもほろろの応対をされた。この局は一体どうなっているんだ。
  • テレビの天気予報はなんとかなりませんか。天気予報が当たらないために迷惑している人はとても多いと思います。特に「週間天気予報」などは放送する度に予報が違っています。加えてゲリラ的な大雨の情報は役に立っていません。予報を見ながら仕事をする人たち、例えば食料品関係の業界、学校行事、レクリエーション関係、観光業界などは、 ゲリラ的な大雨などの天気予報が当たらない、遅れる、伝達されないために迷惑を被り、中には生命の危険さえ感じているのです。テレビ局は、そういった当たらない、コロコロと変わる予報を一日中何回も放送するばかりか、当たらなくても、前の予報と違っても平然としている。中には天気予報のときに小さな子供を集合させて人気取りの様な演出をしている番組もある。こんな天気予報なら、雲の写真と気圧配置の図だけ放送して天気の判断は視聴者に任せた方がまだましだ。気象予報士の制度が出来てから、気象庁と気象予報士、放映するテレビ局など責任の所在があいまいになっている。この精度の低い天気予報、災害防止に役立たない天気予報の元凶を探って、なんとかすることを考えないと天気予報は少しも進歩しないと思う。
  • ものの言い方も知らず、ろくに字も書けない女子アナが何で多いのか。最近のクイズ番組は解答を字で書かせるケースが多いのでそれがよく分かる。無知なタレントは色々いるとしても、女子アナが字を知らないのにはびっくりさせられる。今更教育でもないかもしれないが、字を知らなくてもアナウンサーの就職試験は通ってしまうのですね。

【番組全般、その他】

  • BPOがホームページ上で出した【光市母子殺害事件の差戻控訴審に関する放送についての意見】に対する東京キー局の回答で、【被害を受けた者が存在するから「犯罪」になったわけで、今回のような場合、極論すれば被害にあった側の立場に依って何が悪いのか?バランスとは何なのか?今回の事件では被害者の側の気持ちに立つのが正しいバランスではないか】という答えがあった。この局では裁判は放送局自らが管轄しているとでも考えているのか?視聴者はありのままの情報を伝えて欲しいと望んでいる。そこに放送局の主観はいらない。「あなたの主観を押し付けないで」と言っていることが分かっていない。殺人事件に違和感を覚えない人はいない。特別な感情が沸き立つのも当然だ。その上で判断するのは裁判所であり、国民が理解した上で、その判決がおかしいなら、憲法79条の国民審査により罷免されれば良い。放送局が世論を形成する動きがおかしいと指摘しているのが分からないのか。どこからも拘束されず、自分のやりたいように報道し、批判されても無反省では放送局は終わりだ。また別のテレビ局は【今回は、33の具体的な番組名を列挙しながら、番組名や番組内容を特定しない】という意見があった。それなら個別の番組の意見を質問に充ててほしい。これでは納得いかない。
  • 9月1日は防災の日であったが、民放のラジオ各局の放送には国民の防災意識を高めるような企画や演出がほとんど見られなかった。「そういったことはNHKに任せておけばよい」とでも思っているのか?いざという時NHKだけではカバーしきれない細かい部分を補うのが地元に密着したローカルラジオ局だと思うが、防災の日ですらこのような状態では実際に災害が起きた時には全く頼りにならないだろう。
  • 私は46歳の視覚障害者。高齢の母親を介護しながら生活をしている。私の障害者年金と母の高齢者年金を合わせても生活はギリギリのレベルだ。独身を貫いているが決して独身主義ということではなく、「視覚障害」「低収入」「高齢者介護」を乗り越えて結婚してくれる人がいないだけ。こういう状況で生活していると、今のテレビに出演している人たちがいかに差別意識を持ち、いかに多くの差別発言をしているかがよく分かる。差別といっても多種多様だが、一番身近な話でも、異性経験のない男性を、それが悪いことかのように茶化して言ったり、「仕事」というのは、社会に出て元気に働くものだと決めつけて、「働かざる者、食うべからず」などと平気で発言する。恐らく健常者で裕福な生活を送っている人は「差別」とも思わないだろうが、テレビからこういう発言が飛び出すと胸に刺さる思いがする。今の世の中、不倫相手と付き合うのはさほど問題にされないのに、付き合っている女性が一人もいないと「何かおかしいんじゃないの?」と言われてしまう。これはおかしくないか。そしてテレビから止めを刺すように同様の事を言われるのが一番辛い。決して劣等感からくる愚痴ではない。テレビ関係者の人たちに言いたい。テレビは色々な環境で、色々な状況の人が見ていることを忘れないでほしい。「年収4千万円以上ない人とは結婚しない!」などと発言する女医のことを笑って見ていられる人ばかりが視聴者ではない。
  • テレビ放送に対する視覚障害者からのお願い。NHKの場合、アナウンサーや出演者はゆっくりしたテンポではっきりと話すので問題ないが、民放の場合はCMを含め全般的に早口なので理解できないことがある。もう少しゆっくりしたテンポで話して欲しい。民放のニュースやワイドショーではナレーションやトークのバックに音楽などの余計な音が流れることが多い。しかも、概して音量が大きい。聴取の障害になるので控えて欲しい。トーク番組の中によく笑い声が入る。それも、作り笑いめいた笑いが多い。あれは非常に不快だ。とにかく笑い声は話を聴く上で邪魔になるから必要ない。
  • 三笠フーズによる「汚染米の食用転売事件」が原因で、焼酎等の加工製品を店頭から回収する騒ぎになっている。それを伝える女性アナウンサーが「米焼酎は要注意ですね」と発言した。「芋焼酎などは安心」という意味で言ったのだが、これは焼酎の製造方法を知らない者の誤解による発言である。全ての種類の焼酎製造は共通して「一次仕込み」ではコメを使用し、「二次仕込み」で種類に応じてサツマイモや麦、あるいは再びコメが使われる。つまり「焼酎」と名の付くものは全てコメが使われており、汚染米による危険性を検証する必要がある。キー局に電話をし視聴者に誤解を与える情報を提供したことを指摘したが、9月9日の放送では訂正の言葉はなかった。健康に直結する食品の安全性に関することなので今からでもきちんと訂正すべきだと思う。
  • 私は素潜り漁師をやっている者です。この番組内で芸能人が「素潜り漁」を体験しています。こういった番組を見て「自分も素潜り漁をやってみたくなった」という方が相当おられるようです。木曜日夜の番組では海中の撮影もしていて、どういう場所に魚介がいるかを公開しています。こういう海関連の番組が増え、密漁が急激に増加しています。最近になり、使用する漁具・漁場・魚介の生息している場所及び海中での魚介の撮影など素潜り漁について過剰なまでに一般に公開しています。この番組が悪いという根拠はありません。しかしながら、この番組内で素潜り漁を取り上げるようになった頃から密漁者が急増しているのです。番組を見て魚介が獲りたくなったという方も少なくは無いでしょう。しかし、我々漁民から言うと、非常に迷惑な番組で放送による被害といえます。この番組は「漁業権の侵害」にあたると思いますがどうでしょうか?
  • 事実と異なる内容の放送に物申したくご連絡いたしました。私は東京キー局の報道特集で紹介された「風船爆弾」の放流に当時従事した元兵士ですが、放流は番組で放送された合成映像の様な威風堂々たるものではありません。合成映像では水素ガスを満々と充填した気球が次々と夕焼けの空に浮上しておりましたが、実際は水素ガス不足と紙製気球の強度不足のため、容量の半分程度のガス量という半球状態で放流しておりました。泥にまみれた紙製の半球が、爆弾を吊り下げて空にそろり浮いていったというのが本当の光景です。それは紙でできた亡霊の様な姿で、同番組の合成映像とはまったく違います。そんな中途半端な浮力の気球に爆弾を吊り下げたため、放流作業の失敗で多くの仲間が負傷者となったり命を落としました。なぜ番組でこうした事実に触れないのか怒りを禁じ得ません。また、風船爆弾は「361発がアメリカに着弾した」と同番組は報道していましたが、私は「270発あまりがアメリカで回収された」としか聞いておりません。なぜあのような恥ずべき過去を、テレビ番組で合成映像によって美化して後世に伝えるのか、私には理解しかねます。
  • 最近のテレビは、早朝やお昼など時間に関係なく悲惨な事件報道の詳細をトップニュースとしてセンセーショナルに放送している。抑止するための報道ならいいが、見ていて犯罪を煽るような内容の報道が非常に多い。私は海外生活も経験し、つい海外のテレビと比較してしまうが日本のテレビの低俗さに呆れる。また、その低俗番組のスポンサーになる企業にも疑問を持つ。昔のテレビは尊敬すべきことや目標となり得ること等、子ども達が夢を抱けるような内容だったと記憶するが、今のテレビはタイトルに「最悪の出来事」のように悪い事や嫌な事を平気で放送している。こんなものを見せられた子ども達はどうして未来を輝かしいものと考えることが出来るのか。将来を悲観して当たり前だ。再三局には抗議しているがNHK以外の民放は全く改善の兆しが見えない。何とか出来ないものかとたまたまBPOの存在を知り電話をした。
  • 血液型による占いや運勢をテレビで放送する根拠が知りたいです。私は今日たまたま血液型選手権を見たのですが、家人によると「ずっと前からやっている」とのこと。最近も血液型の本が話題になっていたのを批判していたのですが、この番組も気になりました。ランドシュタイナーがABOの血液型を発見するまでは、多くの医師が人命救済のために輸血に取り組み、結果として失敗し、殺人の罪にまで問われた血液型の歴史の重みをテレビ局は知らないのでしょうか?どんなことでもバラエティーにすればOKで済ませられる今のテレビにはがっかりしていますし、日本人の教養の低下を憂えてもいます。「世の中には遊びにしてはならにものがある」という謙虚さを失うと、その影響は多くの人に及びます。血液型番組を中止してください。
  • 「親が子供に就かせたい仕事」をテーマとした番組は、仕事の中身を紹介するという意味では番組構成も良いとは思うが、年収を紹介する方法が毎度気に入らない。心の隅には「年収なんか紹介するな!」という気持ちも無いわけではないが、せめて、同じ職業でも年収の幅があるのだから○○○~○○○万円と併記する、とか年収額が手取りなのか税込みなのかを表示して欲しい。最後にお断りで「個人の例です」と出ると思ったがそれでは不足だ。また、これらの金額が番組に出演した人の年収だということが判る人ばかりが見ている訳ではなく、年寄りや子供はそれが標準と思ってしまう。仕事は収入を得るためだけのものと思っている人と、仕事が生活そのものという人とでは、職種や世代によっても考えが異なっていることがある。大人同士であっても、親子で見ていると不快になることがある。自分と同じ職業の年収が紹介された時、年収が違うことを周りから質問されて傷つくこともあるだろう。年収額の強調はしないで欲しい。
  • 在京の民放各局の報道番組で「税金の使い道」を批判するために、無駄な公共工事の数々をよく紹介している。対象は空港であったり道路であったり様々だがその殆どは地方の工事である。それらを見ていると、東京に住み東京の放送局に勤める人達の目線で語られているような気がしてならない。東京の目線で「無駄」と言われても、その地方の人にとっては必要な工事であることも少なくない。逆に地元の人達には「不要だ」とされる工事が、番組では一向に取り上げられない。もっと丁寧に取材し、地方の実情を把握した上で的確な報道をしてほしい。
  • 今年もチャリティーをうたい文句にした長時間番組が放送されましたが、前から疑問に感じていることがあります。それは「無駄遣いが多い」ということです。なぜあれだけたくさんのTシャツを製作しなければならないのでしょうか?出演者の衣装を統一させる意味があるのでしょうか?色・サイズなど、それを全国のスタッフ向けに製作するとなれば、それこそ莫大なお金がかかったと思います。それは募金とは関係なくスポンサーからの広告収入でまかなっているのでしょうが、そんな不必要なことに使うお金があるのなら、そのお金も丸々募金にまわすべきだと思います。番組の趣旨とは大きく矛盾していることに怒りさえ感じます。
  • スポーツ中継が芸能番組化しており、スポーツそのものを純粋に楽しめる内容ではなくなっている。ゴルフ中継では横峯さくら、石川遼らの有名選手はスコアが悪くても追いかける。そのため、そのゲームで好スコアを出している選手の露出が少なくなる。また、オリンピック中継では何でスポーツを何も分かっていない芸能人ばかりをゲストに呼ぶのか。ただ「ワーワー」騒ぐだけで競技の解説は何もない。視聴率稼ぎが狙いなのだろうが、それではスポーツの醍醐味は味わえない。アナウンサーも勉強不足のため、一層しらけてしまう。アナウンサーも折角オリンピック中継に起用されたのだから、シッカリ勉強して視聴者に競技の面白さを伝えて欲しい。放送局もスポーツ中継のアナウンサー教育を徹底して欲しい。
  • 金曜午後7時の番組でタレントが京都の名水を求め、自転車で京都市内を走り回るという内容だった。道路交通法で自転車は基本的に車道を走行することが義務付けられているにも拘らず、番組では歩道ばかりを走っていた。それもかなりのスピードで疾走する場面も少なくなかった。たとえ警察の許可を得た上での歩道走行であったとしても、道義的には大きな疑問が残る。歩道上をフルスピードで自転車走行する映像を見た子ども達が真似をするかも知れない。自転車の違法走行による人身事故の多発が大きな社会問題となり報道番組でしばしば取り上げられるというのに、このように法律上・道義上問題のある内容を「感動の結末」などという賛美の言葉でくるみ肯定的に流さないで欲しい。
  • 昼前のワイド番組の放送を見て思ったのですが、「子供」か「子ども」で、その表現・使い方が曖昧です。どうしても平仮名を使うのなら「こども」「おとな」と書き、漢字を使うなら「子供」「大人」という書き方で統一するべきでしょう。私が思いつく最善策といえば、必ず漢字を使い、読み仮名をつけることです。出来れば「改竄(かいざん)」の「竄(ざん)」の字みたいに、余程難しい漢字でなければ必ず漢字を使っていただきたいです。特に対義語なら、平仮名か漢字かのどちらかに統一した方がよいでしょう。「良い」を「よい」と平仮名で書いて、「悪い」を漢字で書くなどの例も目立っています。「悪い」と漢字で書くのなら「良い」も漢字で書いた方が見栄えも良いでしょう。表現ひとつで視聴者の印象も違ってくるはずです。

【CM】

  • 公共広告機構のCMは見ていて心地よく、好感が持てる。社会のモラル・マナーの向上や環境改善などに大いに役立っているはずだ。今の世の中、非常識人間ばかりだからどんどん放送してくれ。
  • ビデオ宅配レンタルのCMは、先生と呼ばれる男性がアシスタントの女性の身体に触れようとする度に手を叩かれるという動作を繰り返す。初めて見たときはゾッとし、それからも見る度に不愉快な気分になる。これはセクハラを受けたことのある女性でないと分からないと思う。CMではただのおふざけの様に演出されているが本当に憂鬱になる。早くこのCMが流されない様にしてほしい。

【BPOへの意見】

•秋葉原通り魔殺人事件に関する取材現場での報道陣の傍若無人な振る舞いはメディア自身が問題提起しない以上は一般市民に問題として認識されづらい事である。このような野蛮な振る舞いで、市民の心を傷付ける事も多いと噂で聞く。禁煙地域でタバコをふかし、市民に携帯カメラを向けられると怒り出す報道関係者。いつもは自分たちが勝手にカメラを向けているのにである。報道の自由は報道関係者の専売特許とでも思っているような態度である。ではこのようなことは誰によって問題提起されるのか。メディア自身か?いや、彼らは波風を立てないようにと提起はしない。では誰か他の立場の人が提起するか?一般人のそれは声が小さくて届かない、もしくは手酷い反撃をメディアに受けそうだ。そう考えた時、BPOのような倫理是正機関に問題提起してもらい、是正に向けた取り組みを行って頂くしかない。でなければ「報道の自由」の名の下に報道陣の野蛮な行為が許される。報道の自主性を貫くうえからも、BPOの取り組みで報道関係者が現場で紳士的に振る舞い、市民の信頼を得るようにして貰いたい。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • バラエティー番組。Tバック姿の3人のお笑い芸人とお互いに口にくわえたゴムひもの引っ張り合いをした司会者が、途中で口にくわえたゴムを放し相手の顔にパチンと叩きつけるというバカふざけをやっていた。尻を出した芸人の格好もさることながら、この企画の低俗な発想に腹が立った。子どもの教育上、全くよろしくない。こういうことは子どもたちがすぐに真似をし、必ず弱い子がゴムを顔に叩きつけられるんだ。弱い子へのいじめを助長するこんな番組を放送した責任を局はどうとってくれるんだ。
  • バラエティー番組。”新しい罰ゲームを考える”というコーナーは何を考えて放送しているのか?自分で判断できない子ども達はこの番組を見て真似をするのではないか?見ていて心が苦しくなる。もう一度放送内容を考えていただきたい。
  • バラエティー番組。男性お笑い芸人が「パンツ一丁」と言いながらズボンを下ろし、下半身を露出させていました。露出した本人が自らやった訳ではなく別の男性芸人がしでかした事ではあったが、そもそもこのような”放送事故”に相当するような場合はその場面はカットして放送すべきであろうし、お笑い芸人たちも番組の放送時間を考慮してあの様な行為をすべきではなかったのではないでしょうか。家族で見ていましたが、あんな場面を目にして思わず不愉快になりました。もし公共の場であの様な行為をすれば、有無をいわさず「猥せつ物陳列罪」で逮捕されます。いくら有名人だからといって、視聴率を取れるからといって、あの様な場面の放送をこのような時間帯に放送するこを許していいものでしょうか?青少年に与える影響も、明らかにいいものとは思えません。強く抗議します。
  • クイズ番組が異様に多い。それはいいとして、バカな回答をするタレントは必要ない。あきらかに小学生でも分かる問題を平気でわけのわからない答えを言いヘラヘラしている。このような人間達を不特定多数が見るメディアを通して放送していることが信じられない。ただでさえ学力低下といわれている時に”バカ”を助長して一体何になるというのか。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • 民放の最近のCM挿入の仕方が乱暴で思考を中断させられるのがはなはだしく、子どもへの影響が心配だ。たとえばニュースではタイトルが出てすぐCMが挿入されるが、タイトルの際に映された映像とトップニュースとが全然違っていたりする。またバラエティーなどでCMが挿入されると、前に映された映像を再度登場させて話を繋ぐ手法がとられている。乱暴なCM挿入で子どもの論理的な思考がなくなるのではないか。それが一番心配だ。
  • 消費者金融CMの放送自粛時間以外の時間帯だが、消費者金融CMが放送されるケースがしばしばあり、私にはどうも不満です。未成年に消費者金融CMを見せないよう、消費者金融CMの自粛時間を拡大して頂きたいのです。私はずっと以前から消費者金融CMの終日自粛を望んでおります。BPOの青少年に関する委員会で検討して下さい。
  • テレビでCMが流れる企業や商品は国がお墨付きを与えたかのごとく、公益性や信頼性があるものと思って安心して購入してきた。しかし昨今長年にわたり、実質の賭博場「パチンコ店」のパチンコ台・スロットマシーンを製造するメーカーのCMがかなりの頻度で放送されている。この関連のCMは打ち切るべきである。未来ある子ども達の幸せのためパチンコ・スロットマシーン等のCMや番組はやめてください。
  • •R-15またはR-18指定映画のCMが放送されているのには我慢ならない。殆どはCMの最後に、漫才のオチの如く「R-15」「R-18」のマークを流しており、それを見ると怒りが込み上げてくる。R-15またはR-18指定映画のCMは、たとえ放送時間が深夜でも煙草のCMと同様に全面禁止にすべきである。

【報道・情報に関する意見】

  • ニュース番組。千葉5歳女児死体遺棄事件の報道で、同じ保育所に通っている子どもにインタビューをしていたが、そういうことをする必要性はあるのか?学齢未満の子どもにインタビューをする神経に疑問を持つ。

【いじめや虐待を助長する】

  • ニュース系番組の特集。不登校や不良の子どもを更生させる施設でのドキュメンタリーだった。15歳の少女は大声で説教をされ、同年代の女の子から顔にビンタを数発され、煙草をくわえた和尚と父親が少女を殴っていた。少女を更生させるための愛のムチだとしても暴力を肯定した表現である。このような行為は集団暴行に当たるのではないのか。その後、施設の男性が、「(明るくなってきたのは)父親に殴られたのが嬉しかったんだろう」と、暴力・虐待を肯定するコメントをしていた。いくらなんでも祝日の夕方6時半に虐待映像を放送するのは止めて欲しい。「教育なら何をしてもいい」「実の親なら殴ってもいい」というわけではないと思う。暴力で更生したかのような演出には倫理感が欠けていると思った。

【暴力・殺人シーンについて】

  • ドラマ番組。少年刑務所の内部を描写していたが、収監された少年に対し刑務官が特殊警棒で殴る等の暴行を加えていた。特殊警棒は一般名詞としては「金属製警棒」または「伸縮警棒」であり、金属製であることに変りはない。少年刑務所は少年受刑者を成人受刑者から分離して拘禁し、特別な教育的処遇を行うことを目的とした施設である。つまり更生施設であり、刑務官が暴力を振るうとは想像もつかない。私自身は高校教師で小学高学年の息子と見ていたが、少年達に恐怖感を与えるストーリーに驚いた。たとえ、青少年に犯罪を抑止させるための目的であったとしても行き過ぎた描写である。

【犯罪を助長する】

  • 千葉県で某芸人のネタ「欧米か!」を真似て車椅子の男性に暴力を振るった中学3年の男子生徒2人が逮捕されたというニュースがあったが、今回の事件のように、善悪の判断をつけられずにテレビのバラエティー番組を真似ていじめや差別行為をする子ども達が存在する以上、もういじめや差別を煽るバラエティー番組を打ち切りにしてください。もちろん、バラエティー番組の中には目標や夢に向かって努力する人たちを応援する企画を取り入れた良心的な番組も存在することは承知しているが、民放局には今回の事件を真剣に考えていただきたい。
  • ラジオ番組。パーソナリティーが、夏休みの楽しい思い出で「室内で花火をして遊んだ」という事を話していた。マンションかアパートの室内という事だった。あとで付け加えるように「真似しないでね」と言っていたが、少し非常識ではないかと思った。若い世代の方が聴いたら真似をしそうだ。

【動物に関する意見】

  • 情報バラエティー。這い這いする赤ちゃんをコブラと闘わせるインドの映像が放送された。突然のショックと恐怖に、思わず画面から目をそらせてしまった。闘いの結果がどうなったかは判らないが、家族団らんのこの時間帯にこのようなショッキング映像は極めて不適切だ。こんなことは誰にだって分かるはずだ。番組制作者の常識のなさに驚き、呆れた。

【食べ物に関する意見】

  • バラエティー番組。子どもに人気の番組で大食いを競う企画をしているが、食べ物を粗末にしているので大変不愉快。無理に詰め込むのを競うのは、体に悪く食材も無駄で食べ物を粗末にする子どもが増え、悪影響を与えるだろう。誰も得しない。以前「早食い大食い」が流行し、真似をした中学生が死亡し、番組もブームも終わった。それなのに「エコ、エコ」と言いながら、またまた大食い番組を企画している。世界には食料難で苦しみ餓死する子どもが数えられないほどいるのに、日本はこれでいいのか。食事は必要な量を感謝して美味しく頂けばそれで充分だ。

【推奨意見】

  • ドラマ番組。近年、大人たちは年齢制限の線引きを厳格化して生徒児童に過剰な性愛禁止を押し付けている。性愛教育が不十分なまま高校卒業と同時に背徳的な男と女の歓楽街に足を踏み込めば狂って当然だ。本来、性意識は肉体と同様に18歳になって突然大人になるものではなく、年齢に沿って少しずつ成長するものだが、それは教育機関では教えない面も多い。テレビドラマは日常の再現の中で、学校では教えてくれないが成長に必要な性教育を教えられる術を持っている。このドラマには、久々にそれを感じた。これからは夜の歓楽街に憧れさせるような番組は禁止して、子どもたち自身の性愛や恋愛に参考になる番組を見せてあげてください。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 今月も青少年に関する意見には「子どもが見ている時間なのに、こんな内容のものを放送するとは何事か」という意見が圧倒的だった。しかしその番組を楽しみに見ている人も多いし、その番組で癒される人もいる。子供に見せたくない、子どもが見たら困ると思うのなら、子どもがいる時間はテレビのコンセントを外すか、いっそ自宅からテレビを無くしてはどうか。今月の「視聴者意見への反論・同意」でも指摘されていたが、番組には制作者の伝えたいメッセージがあるはずだ。その反論者は「子どもに番組の善悪の判断をさせず、ただ自分の好き嫌いだけで乱暴な判断をすることこそ「子どもに悪影響」だと思う」と仰っていたが、その通りだと思う。「子ども、子ども」と意見する人は、実は自分が気に入らないのを「子どもに悪い」という理由で正当化しているのではないか。自分の偏った見方を他人に押し付けるのは止めてほしい。

第18回 放送倫理検証委員会

第18回 – 2008年10月

継続事案の検討

新しい事案の検討 …など

第18回放送倫理検証委員会は10月10日に開催され、報道番組内における大食い企画と公取委から排除命令が出されたテレショップ番組について、各当該局からの回答を検討した結果、委員会として了承した。次に関係者から内容が不当に改変されたと指摘があったノンフィクション番組の事案が継続討議されたが、結論は次回以降に持ち越された。動物保護団体および宗教団体から抗議があった2つの事案については、討議の結果取り上げないこととした。事務局からは、2冊のブックレットの刊行についての説明があった。

議事の詳細

日時
2008(平成20)年10月10日(金)午後5時~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、上滝委員長代行、小町谷委員長代行、石井委員、市川委員、里中委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

継続事案の検討

  • 報道番組内での大食い企画

    前回の委員会決定として、当該局に対してこの企画は報道番組として放送したのかの確認あるいは制作費に関する問題など4項目の質問書を出した。
    これに対して当該局から、報道番組であるとした上で、今後報道番組での大食い企画を自粛すること、また、取材先のレストランに対しては取材経費を支払っている旨の回答があった。討議の結果、回答書に述べられた当該局の対応を了承した。
    委員の主な意見は次の通り。

    大食い企画自体、道徳に反するし食糧問題もあるのだからやめるべきだ。報道番組で扱わないだけでよいのか。

    報道番組で扱わなければよい。しかし、これに限らず、報道番組としてふさわしくないカテゴリーの企画が見受けられる。

    食糧問題が問われているときにこういう企画をやるのはセンスが悪い。テレビはばかばかしいことをやってもよいところもあるが、ワイドニュース内で枠企画をどのように位置付けているのか。

    当該局は「報道番組の原点に立ち返りたい」をきちんと示して欲しい。

  • 公取委から排除命令が出たテレショップ番組

    テレビ局系列の通販会社に対して公取委が景品表示法違反(優良誤認)に基づく排除命令を出した。当委員会は、このテレショップ番組を放送した局に対して、排除命令を受けたあと公示や処置がどのように行われたかを問い合わせた。その結果、適切な対応が行われたと理解できる回答が得られたので、当委員会として了承した。

  • 戦時性暴力を扱った番組について

    戦争と裁判をメインテーマに、戦時下における性暴力を扱った7年前のノンフィクション番組で、その制作過程において内容が不当に改変されたと関係者が主張している事案。番組を視聴し関係資料等を読んだ上で、取上げるか否かを再度討議した。議論は多方面に及んだが、論点の整理を行った上で継続して検討することになった。

  • 内容が虚偽ではないかと抗議があった科学番組

    チベット高原でナキウサギが異常発生して草原の砂漠化が進み、その結果、日本に異常気象をもたらしたと説明した番組に対して「非科学的あるいは虚偽ではないか」と抗議があった。映像を視聴した上で討議したが、学術論争はともかく当該局は中国の研究者の監修の下に番組を制作しており、虚偽であるとの抗議は当たらないと判断し取り上げないこととした。

新しい事案の検討

・隠し撮り映像によるニュース報道について

宗教団体から、隠し撮りされた映像がニュース番組で放送されたことは放送倫理違反であると抗議があった。映像を視聴し討議した結果、この事案では、住居侵入の疑いや信教の自由を阻害しかねない点を考慮したとしても、当該宗教団体を取材する目的に公共性・公益性が認められ、挑発的な取材とも思えずなおかつ他に取材方法が見出し難かったと考えられる。また、放送に際してはモザイクをかけて肖像権や人格権にも配慮されている。正当な取材および放送の範囲内であると判断し、取り上げないこととした。

その他

・ブックレットの刊行について

放送倫理検証委員会ブックレット第1号として「光市事件と裁判報道」が9月下旬に刊行され、続いて第2号の「事件報道と開かれた司法」は10月中旬に刊行されることになった。

以上