第290回放送と人権等権利に関する委員会

第290回 – 2021年3月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」決定を了承…など

議事の詳細

日時
2021年3月16日(火)午後3時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」事案の審理

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、番組において「女性を暴力的に描いていない」などと主張するとともに、社内調査の結果を基に、「人権侵害は認められない」と反論している。
委員会は、これまでの審理をもとにまとめた決定文の最終案が起草委員から示され議論を行った。前回の委員会で残されたインターネットでの配信後の経緯において放送を行ったことや、同意書兼誓約書の存在などを人権侵害や放送倫理上の問題としてどのように判断するかといった論点などについても、改めて議論を行い、最終的に文案の一部に修正を加えたうえで、委員会決定として了承した。これを受けて委員会は、できるだけ早い機会に、申立人、被申立人に対して通知し、委員会決定を公表することを確認した。

2. その他

今年度で退任する委員から挨拶があった。

以上

第289回放送と人権等権利に関する委員会

第289回 – 2021年2月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2021年2月16日(火)午後3時~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」第1会議室(オンライン開催)
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」事案の審理

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、番組において「女性を暴力的に描いていない」などと主張するとともに、社内調査の結果を示して、「人権侵害は認められない」と反論している。
委員会は、前回委員会の審理をもとに修正した決定文の修正案が起草委員から示され議論を行った。その結果、リアリティ番組の特性、番組における演出、放送とSNSにおける誹謗中傷の関係などの論点については、概ね意見がまとまった。インターネットでの配信後の経緯において放送を行ったことや同意書兼誓約書の存在などを人権侵害や放送倫理上の問題としてどのように判断するかという論点については、委員会全体の結論には至らなかった。次回委員会で最終決定に向けて審理を尽くすことを確認した。

2. その他

今後の委員会の予定について、事務局より報告があった。

なお、感染症拡大防止の緊急事態宣言延長にともない、今委員会も全委員とオンラインで結んで開催された。

以上

第288回放送と人権等権利に関する委員会

第288回 – 2021年1月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2021年1月19日(火)午後3時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」第1会議室(オンライン開催)
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」事案の審理

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019 - 2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、社内調査によって「人権侵害は認められない」と反論している。
委員会は、前回(第287回)委員会でのヒアリングと審理の結果を受け、起草委員が年末年始の間にまとめた決定文の原案が委員に示され審理を行った。議論は、委員会がヒアリング前に定めた論点に沿う形で進められ、リアリティ番組の特性、番組における演出、同意書兼誓約書の存在、放送とSNSにおける誹謗中傷の関係、インターネットでの配信後の経緯において放送を行ったことなど様々な問題点に分けて、それぞれ詳しく検討した。そのうえで、放送による人権侵害や放送倫理上の問題の有無について委員の間で意見を交わした。その結果、委員会は、決定文の原案に修正を加えるとともに、決定内容について次回委員会でさらに議論することとした。
なお、今委員会は、感染症拡大による緊急事態宣言にともない、全委員とオンラインで結んで開催した。

以上

第287回放送と人権等権利に関する委員会

第287回 – 2020年12月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」ヒアリングを実施…など

議事の詳細

日時
2020年12月15日(火)午後3時~9時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」ヒアリングと審理

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019 - 2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、社内調査によって「人権侵害は認められない」と反論している。
今委員会ではヒアリングを実施した。通常のヒアリングは、申立人、被申立人に対して行われるが、今回は、女性が亡くなっているため番組制作当時や放送前後の様子を知る女性の知人らからも事情を聴いた。また被申立人側も、フジテレビの担当者に加え制作会社関係者からもヒアリングを行った。ヒアリングは全体で5時間に及び、母親は、SNS上で誹謗中傷が集中したあと女性が自傷行為を行ったことは、「SOSを出していたのであり、フジテレビが適切に対応していれば娘が命を落とすことはなかった」などと訴えた。また、女性の知人は当時の様子について、女性とのやり取りから制作スタッフに不信を抱いていたようだと感じたなどと述べた。一方フジテレビ側は、番組に過剰な演出はなく女性を暴力的に描いたことはないとして「人権侵害も放送倫理に反することもない」などと改めて主張した。
委員会は、ヒアリング後に審理を行い決定の方向性について意見を交わし、その議論を基に担当委員が起草に入ることを決めた。

以上

第286回放送と人権等権利に関する委員会

第286回 – 2020年11月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」審理、ヒアリング実施を決定…など

議事の詳細

日時
2020年11月17日(火)午後4時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」審理

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019 - 2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、社内調査によって「人権侵害は認められない」と反論している。
今委員会では、双方から所定の書面がすべて提出されたのを受けて、論点を整理し、ヒアリングのための質問項目を絞り込み、次回委員会の際にヒアリングを行うことを決めた。ただ、当事者の女性が亡くなっているため、番組制作時の様子や放送前後の女性の状況を知る人物にも直接事情を聴くことができるよう、申立人、被申立人に協力を要請することになった。

2. その他

  • 委員会決定第75号「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」に関して、11月16日に行った通知公表について報告があった。

以上

第285回放送と人権等権利に関する委員会

第285回 – 2020年10月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」審理開始…など

議事の詳細

日時
2020年10月20日(火)午後4時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案、審理

今事案の対象となったのは、札幌テレビが2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」に基づいて一時金の申請を行った男性に関する報道で、男性が自宅で申請書類に記入をし、北海道庁で申請手続きをする様子等の場面を放送した。この放送に対して取材された男性が、記者が申請のための請求書を取り寄せ、必要な書類の準備を指示するなど、「一時金申請を希望していなかったのに、記者が申請するよう働きかけた」と主張して、放送内容の訂正と謝罪を求めて申立書を提出した。これに対して札幌テレビは、記者との信頼関係があったからこそ可能となった取材であり、「検証の結果、報道の内容は公正で、取材手続きも適正である」と反論している。
今委員会では、担当委員から決定文の修正案が示され、前回委員会で指摘のあった取材する側と取材される側の関係について更に議論が交わされた。そのうえで委員会は決定を了承し、次回委員会までに通知公表を行うことになった。
今事案は、第276回委員会で審理入りを決め審理を進めてきたが、新型コロナウイルス対策によって審理に遅延があった。

2.「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」審理

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019 - 2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、社内調査によって「人権侵害は認められない」と反論している。委員会は、第284回委員会で、運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして審理入りの要件を満たしていると判断し、審理を始めることを決めた。今委員会では、これまでに双方から提出されている書面を基に、論点の整理を始め、それに伴い審理を進めるうえで必要な資料の提出を当該局に求めることを決めた。今後、所定の書面がすべて整ったあと、委員会で論点を絞り込む予定。

3. その他

  • 委員会決定第74号「大縄跳び禁止報道に対する申立て」に関して、10月14日に行った通知公表について報告があった。

  • 申立て状況について事務局から報告があり、委員の間で意見が交わされた。

以上

第284回放送と人権等権利に関する委員会

第284回 – 2020年9月

「大縄跳び禁止報道に対する申立て」委員会決定を通知・公表へ

議事の詳細

日時
2020年9月15日(火)午後3時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案、審理

今事案の対象となったのは、札幌テレビが2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づいて一時金の申請を行った男性に関する報道で、男性が自宅で申請書類に記入をし、北海道庁で申請手続きをする様子等の場面を放送した。この放送に対して取材された男性が、記者が申請のための請求書を取り寄せ、必要な書類の準備を指示するなど、「一時金申請を希望していなかったのに、記者が申請するよう働きかけた」と主張して、放送内容の訂正と謝罪を求めて申立書を提出した。これに対して札幌テレビは、記者との信頼関係があったからこそ可能となった取材であり、「検証の結果、報道の内容は公正で、取材手続きも適正である」と反論している。
前委員会でのヒアリングを受けて、今委員会では担当委員から決定文の原案が示された。委員の間で意見交換が行なわれ、大きな方向性についての異論はなかったが、取材する側と取材される側の関係についてどう表現するかなどの意見が交わされた。これを受けて、次回委員会までに担当委員の間でさらに検討を加えることになった。

2.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案、審理

フジテレビは2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに、周辺住民から苦情が出て、行政が規制したことを紹介したもので、周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性が、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており、「捏造には該当しない」などと反論している。
委員会では、担当委員から決定文の修正案が示され、委員の間で意見交換を行った。その結果、決定内容について大筋で合意され、細かな文言の修正について委員長一任とし、次回委員会までに通知公表を行うことが決まった。

3. 審理要請案件「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」審理入り決定

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019 - 2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘は番組内の「過剰な演出」がきっかけで、SNS上に批判が殺到し「自らの命を絶った」と訴え、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、社内調査を基に「人権侵害は認められない」と反論している。委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして、本件申立ては審理入りの要件を満たしていると判断し、審理を始めることを決めた。(詳細;委員会トピックス9月15日参照)

4. その他

  • 今年度これまでの新規申立て状況を事務局から報告した。

以上

第283回放送と人権等権利に関する委員会

第283回 – 2020年8月

「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案のヒアリングを開催…など

議事の詳細

日時
2020年8月18日(火)午後1時~6時
場所
北海道新千歳空港ターミナル内会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案のヒアリングと審理

今事案は、昨年6月に申立てがあり、審理入り後今年3月にヒアリングを行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛要請等の影響で開催が再三延期されてきた。感染が再び拡大する状況での開催に関する申立人からの要請を検討した結果、委員会は、高齢の申立人に配慮するとともに、審理のこれ以上の遅延回避とヒアリングへの全委員出席の原則を踏まえ、異例の措置として申立人の居住地に出向いて行うことを決め、北海道新千歳空港内会議室において開催した。
今事案の対象となったのは、札幌テレビが2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づいて一時金の申請を行った男性に関する報道で、男性が自宅で申請書類に記入をし、北海道庁で申請手続きをする様子等の場面を放送した。この放送に対して取材された男性が、記者が申請のための請求書を取り寄せ、必要な書類の準備を指示するなど、「一時金申請を希望していなかったのに、記者が申請するよう働きかけた」と主張して、放送内容の訂正と謝罪を求めて申立書を提出した。これに対して札幌テレビは、記者との信頼関係があったからこそ可能となった取材であり、「検証の結果、報道の内容は公正で、取材手続きも適正である」と反論している。
ヒアリングでは、双方に対して、申請を行った経過やその際の記者とのやり取りなどをとくに詳しく聴いた。申立人には代理人が同席し、申請による影響等を申立人に代わって説明した。委員会は、ヒアリングを受けて審理を行い、決定の方向性を固め決定文の起草に入ることを決めた。

2.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案、審理

フジテレビは2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに、周辺住民から苦情が出て、行政が規制したことを紹介したもので、周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性が、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており、「捏造には該当しない」などと反論している。
今委員会では担当委員から決定文の原案が示され、委員の間で意見交換を行った。申立人が主張する権利の扱いや一般的な街録と違う申立人と近隣関係への影響、街録一般のトラブル回避策等について意見が出され、改めて起草委員会を開き修正を加えることとなった。

3. 審理要請案件、「裁判和解の見通し報道に対する申立て」

地方自治体を退職した元職員が自治体を相手に起こした訴訟で和解が成立する見通しだと報道した今年1月に放送されたニュースに対する申立て。裁判は、放送の3日後に和解した。元職員は、放送は自治体側の取材だけで報道しており自分に意見を言わせなかったのは人権侵害だとしてBPOに申し立てた。その後申立人は、協議を求める当該局の再三の電話に出ず、事務局からの連絡にも出ない等の状況が続いたため、審理要請案件として検討した前回(第282回)委員会は、申立て継続の意思が確認できなければ取り下げとみなすと判断し、その旨申立人に通知した。しかし申立人から期日までに返答はなく、今委員会で申立ては取り下げられたものとみなすことを正式に決定した。

4. その他

  • 新規申立て等に関して報告と意見交換が行われた。

以上

第282回放送と人権等権利に関する委員会

第282回 – 2020年7月

「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案のヒアリングと審理…など

議事の詳細

日時
2020年7月21日(火)午後3時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」 千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案、ヒアリングと審理

フジテレビは、2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに周辺住民から苦情が出て、行政が規制を始めたことを紹介したもので、周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性が、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており、「捏造には該当しない」などと反論している。
今委員会では、申立人とフジテレビに対するヒアリングが行われ、双方に対して、とくに取材時の過程を詳しく聞いた。ヒアリングを受けて委員会は審理を行い決定の方向性を固め、決定文の起草に入ることを決めた。

2.「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案の審理

札幌テレビは、2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づく一時金申請に関する報道を行った。これに対して一時金を申請した男性が申立てた事案。
委員会は、すでに論点整理とヒアリングにおける質問項目を決定しているが、ヒアリングの時期については、新型コロナウイルス感染拡大防止の自粛要請のため、日程の決定を保留してきた。今委員会では、事態の状況と審理の遅延を勘案し、次回委員会で全委員出席のもとヒアリングを行うことを確認した。

3. その他

  • 6月30日に行われた委員会決定第73号「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」の通知公表について報告されたほか、新規申立てについて事務局より報告があり、意見が交わされた。

以上

第281回放送と人権等権利に関する委員会

第281回 – 2020年6月

「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」事案の審理
委員会決定を6月に通知・公表へ…など

議事の詳細

日時
2020年6月16日(火)午後4時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」 千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」 事案の審理

フジテレビは、2018年7月6日、オウム真理教の松本智津夫元死刑囚らの死刑執行について特別番組で報じた。これに対して松本元死刑囚の三女である松本麗華氏が、死刑執行をショーのように扱っており、父親の死が利用されて名誉感情を傷つけられたなどと申し立てた。
フジテレビは、生放送の制約の中で複数の執行情報等を分かりやすく伝えたもので、人権侵害には当たらないなどと反論している。
今委員会では、担当委員から示された決定文の修正案について、最終的な議論を行ったうえで委員会決定を了承した。通知公表は月内に行う予定。

2.「一時金申請に関する取材・報道に関する申立て」事案の審理

札幌テレビが2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで行った「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づく一時金申請に関する報道に対して、一時金申請をした男性が「記者に働きかけられた」として申立てた事案。
前回委員会で、論点整理とヒアリングにおける質問項目を決めており、今委員会では新たな議論は行わず、ヒアリングの時期について、新型コロナウイルス感染拡大防止の自粛要請が一部継続していることから、状況の改善を待って決定する方針を確認した。

3.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案の審理

フジテレビは、2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに、周辺住民から苦情が出て、行政が規制を始めたことを紹介したもので、番組では周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性から、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに、誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。
これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており「捏造には該当しない」などと反論している。
今委員会では、起草担当委員から論点とヒアリング時の質問項目の原案が示され、審理の結果、次回委員会で双方からのヒアリングを実施することになった。

4.その他

  • 6月12日に行われたテレビ埼玉に対する委員会決定第72号「訴訟報道に関する元市議からの申立て」の通知公表について報告された。

以上

第280回放送と人権等権利に関する委員会

第280回 – 2020年5月

「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2020年5月19日(火)午後4時~6時30分
場所
新型コロナウイルス対策のためオンラインにて開催
(主会場):「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
(主会場):奥委員長
(参加者):市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」事案の審理

フジテレビは、2018年7月6日、オウム真理教の松本智津夫元死刑囚らの死刑執行について特別番組で報じた。これに対して松本元死刑囚の三女である松本麗華氏が、死刑執行をショーのように扱っており、父親の死が利用されて名誉感情を傷つけられたなどと申し立てた。
フジテレビは、生放送の制約の中で複数の執行情報等を分かりやすく伝えたもので、人権侵害には当たらないなどと反論している。
今委員会では、担当委員から決定文の修正案が示され、意見交換を行った。この中では、各論点での人権侵害の有無に加え、放送全体を踏まえた放送倫理上の問題についての検討をめぐり活発な議論が交わされた。
今回の議論をもとに再度決定文案の修正を行い、次回委員会で引き続き審理することとなった。

2.「一時金申請に関する取材・報道に関する申立て」事案の審理

 札幌テレビは、2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づいて一時金の申請を行った男性について報道した。番組では、男性が家で申請書類を記入し、北海道庁で申請手続きをする様子などを放送した。この放送に対して取材の対象となった男性が、記者が申請のための請求書を取り寄せるなど、「一時金申請を希望していなかった申立人に対して、申請するよう働きかけた」と主張して、放送内容の訂正と謝罪を求めて申立書を提出した。
申立てに対して札幌テレビは、放送と取材は記者との信頼関係があったからこそ可能となったものであり、「検証の結果、報道の内容は公正で、取材手続きも適正である」と反論している。
今委員会では、ヒアリング開催に向けた論点と質問項目について起草担当委員から案が示され、委員会の議論をへて決定した。ただ、実施時期については、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が継続しており、今後の状況を見極めて決めることを確認した。

3.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案の審理

フジテレビは、2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに、周辺住民から苦情が出て、行政が規制を始めたことを紹介したもので、番組では周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性が、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに、誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。
これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており「捏造には該当しない」などと反論している。
今委員会では必要な書面が整ったことを確認し、実質的な審理を始めるため、起草担当委員が論点の整理を行うことになった。

4.その他

  • テレビ埼玉が2019年4月11日『NEWS545』で放送した損害賠償訴訟のニュースを巡り、元市議が申し立てた「訴訟報道に関する元市議からの申立て」に関する委員会決定は、前回委員会(3月)で了承された。ただ、通知公表は、新型コロナウイルスの影響でまだ行われておらず、緊急事態宣言解除後速やかに行う方針を確認した。

以上