2008年1月に視聴者から寄せられた意見

2008年1月に視聴者から寄せられた意見

2008年1月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,352件で、12月と比較し240件程増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール64%、電話31%、ファクシミリ4%、郵送ほか2%で、前月との比較ではEメールが3%増加し、電話は2%の減少であった。(*Eメール数には同一人の多数意見を含む)
 男女別は男性72%、女性26%、不明2%で、世代別では30歳代(28%)、20歳代(19%)、40歳代(16%)、60歳以上(9%)、50歳代(8%)、10歳代(7%)の順となっている。

2008年1月に視聴者から寄せられた意見 1,352件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年1月件数 年度累計
人権等に関する意見 10 件 126 件
放送と青少年に関する意見 162 件 [ 意見内容 ] 1,917 件
放送番組全般にわたる意見 692 件 [ 意見内容 ] 6,224 件
BPOに関する意見・問い合わせ 66 件 903 件
その他(放送関連以外) 422 件 5,362 件
意見件数 計 1,352 件 14,532 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は584件(41放送局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

1月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

人権関連の苦情[11件]

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 6件
  • (個人又は直接の関係人からの要請)人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 5件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

1月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,352件)のうち【情報ワイド番組・バラエティー番組】を中心とした意見が918件(全体の68%)で、前月の678件から240件の増となった。内容としては”不適切な内容や発言・表現、不適格な出演者”(596件:全体の44%)、”低俗・下品な番組”(227件:17%)、”モラル・倫理観の欠如や局の責任・処分”など(95件:7%)である。

次いで【報道・情報番組】に関した意見が509件(全体の38%)で、”取材・報道のあり方、放送のあり方”(252件:19%)、”放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(190件:14%)、”公平・公正な報道への要望、偏った内容批判”など(67件:5%)で、いずれも前月の430件から増加した。

1月の意見の特徴としてはスピリチュアル・霊能・占い番組に関する意見が139件(そのうちBPO放送倫理検証委員会決定「委員会意見」に関するものは53件)、中国製餃子事件に関するキャスター発言批判が37件、「大食い番組」批判32件、県民性を扱った番組批判29件などが目立った。

なお、「放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)」への苦情(10件)とは別に、放送番組全般の意見の中で「人権問題や報道被害ではないか」との提起や批判が166件寄せられている。
【放送局の電話対応や応対の姿勢】に関する苦情・抗議は176件で前月と比較し34件増加した。
【CM関係】「不適切な表現・内容」などの指摘を中心に67件の意見があった。

青少年に関する意見

1月にBPOに寄せられた意見のうち放送と青少年に関するものは162件と先月に比べ13件増えた。年代別で、今年度平均27%あった10代からの意見が今月は8%と激減したのが目立つ。ラジオ番組に対する意見が6件と増えてきている。

BPOに関する意見

66件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見は31件、問い合せは35件であった。

番組全般

  • 民放連が裁判員制度に関連して「報道指針」を発表し、その中で「社会的制裁を与えない」と言っているが、最近のワイドショーは被疑者の容疑が固まらない段階でも「社会的制裁」を十分与えている。酷いのは香川県坂出市の祖母孫の殺人事件でメディアが犯人でもない遺族を犯人に仕立て上げることまでしている。そんなメディアが「社会的制裁を与えない」と言っても信用できるわけがない。放送基準や報道指針にしてもいいことが書いてあるが、現場でどの程度守られているかになると首をかしげたくなる。大体放送に関わる者は何が書いてあるか知っているのか。今、放送は危機的状況にある。BPOは頑張って欲しい。
  • 平成21年5月までに「裁判員制度」が開始される予定であるが、NHK以外では殆ど報道されていない。広く国民参加を求める制度として「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立・公布されたが、裁判員がどのような裁判に加わり審理するのか、一審だけではなく控訴審まで参加するのか、難しい法律用語や専門知識をどのような方法で習得するのか、強制的な呼び出しにより裁判員に選ばれた人はどのような場合に辞退出来るのか(法務省は辞退理由を検討し6項目の政令案をまとめているが、その項目の内容について)など知らないことが多い。特に「思想信条」は辞退理由になるのかなど、報道機関として国民に伝える義務があると思う。
  • 中国産の毒物混入餃子についての報道で、ニュースキャスターとコメンテーターの「中国にとっては痛手ですね」「包装過程で薬物が入った可能性もある」「食品を輸入に頼る日本は如何なものでしょうか」「(日本人が)浮かれた生活をしていた」という発言は許しがたい。この餃子を食し重篤になっている女児が浮かれていたとでもいうのか?間接的な人権侵害だ。
  • 「生活保護」についての解説の際、生活保護を受ける場合「クーラーは駄目」と番組では言っていたが、最高裁でこれは憲法25条の生存権にかかるから駄目としてはいけないという判決(堀木訴訟や藤木訴訟が有名)が既に出ている。クーラーは付けていても保護の対象に当てはまる。また「貯金はできません」と番組で解説していたが、積み立ては出来るはずだ。去年、学費資金を積み立てて保護打ち切りになったのは不当だという判例が出ている。また番組では、生活保護を受けている人の家の映像が放送されたが、明らかに何も置いてない部屋で、保護を受けるとこういう生活になると言わんばかりの映像に何か悪意を感じた。あれでは5年前の保護基準の映像だ。更に「ホームレスの人はもらえません」と言っていたが、市町村権限で住民票がなくても保護の給付はできる。このように明らかに間違っていることを報道する番組の姿勢に非常に疑問を持った。
  • 香川の祖母と孫殺害事件を取り上げていましたが呆れた内容でした。被害者の家に加害者の20代の娘・息子たちを呼びつけて、「今後俺はお前たちに何をするか分からん」「どこまでも凄いことしていくで」などと脅しをかけて謝罪させるというものでした。事件の被害者は気の毒ですが、加害者の子供には何の罪もありません。それなのに、脅迫してそれを放送するなんて人権無視であり、倫理にも大きく反する内容です。嫌なことをされたら何をやっても良いと番組で言っているのと同じです。テレビ局に引きずり出された子供たちが本当に気の毒です。
  • 民放テレビの報道は一体どうなっているんだ。給油法の報道にしても、一体自衛艦がインド洋でどんな国際貢献をしているのかの内容は一切報道されず、表層的な報道にとどまっている。朝青龍報道には群がるくせに、インド洋に取材陣を派遣しているという話はない。ガソリンの暫定税率の問題にしても、新しい道路をどこにつくるのか、どの道路を止めるのかなどの報道は一切ない。北海道にはほとんど車が通らない道路もある。また政治もメディアも財政破綻についての危機感が皆無に等しい。諸外国に比べ議員の数が多すぎるが、そんな点も報道では取り上げられない。このままではメディアは自己崩壊する。大体イラクなどにも、大企業メディアは現地に取材陣を派遣せず、フリージャーナリストの力を借りている。局の女子アナは芸能人化しており、およそジャーナリストの雰囲気が感じられない。記者会見にしてもシャープな質問が出来ない。経営者には報道に対するジャーナリズムとしての認識がないので、社内体制も作れないし人材も育成できない。今のままでは民放の2つや3つ潰れても我々視聴者にとっては痛くも痒くもない。
  • 事件や火災の報道を見て思うことがある。発生直後、明らかに現場が混乱している時間帯に消防署や警察署に電話をかけて取材をしているがいかがなものか。もちろんできるだけ詳しい情報を得たいのは分かるが、各局がそれぞれに取材するのはどうかと思う。取材する側としてはジレンマがあるだろうが、記者会見での発表を待つべきではないのか?取材の応対を優先して公共機関が麻痺したらどうなるか?マスコミはこういった論題を自ら提起し考えることすらできないのか?
  • あるキー局の日曜・朝の情報番組で「近年、犯罪が増加し検挙率が落ちた」とする虚偽を報道した。犯罪数の増加は警察庁の方針転換により1998年より原則的に申告された犯罪を受け付ける様にした為であり、検挙率の低下は元々の検挙率が上述のように対応困難な犯罪を”受け付けなかった”ために犯罪数を見かけ上、少なくすることで維持されていたものであることが既に確認されている。事実、隠蔽が困難な殺人の数は増加も減少もしておらず、検挙率も変化していない。同局はこうした虚偽報道を繰り返す確信犯的な放送局であり、その姿勢は批判本すら発行されているほどである。BPOによる強い対応が必要なのではないか。
  • 「宅配業者が婦女暴行のニュース」は、詳しく手口を報道すればするだけ模倣犯罪をも助長する。ニュースで詳しい手口の”紹介”が必要なのか。模倣を完全に叩き潰すほどの意思と実行力がなければ、興味本位で見る者をなくすことはできない。中途半端な手口の紹介はすべきではない。「伝える」なら「伝えた後」にまで配慮して伝えるべきである。模倣犯罪が起きてからでは遅い。
  • 養護学校の教員をしていた関係で関わってきた18歳の娘さんから「テレビの殺人事件の報道を見ていたら自分も誰でもいいから殺人をしたらスキッとすると思った」という電話がかかってきた。前から詳しい殺人報道が気になってはいたが身近な人からそんな話を聞くと「やはりそうか」と思う。前に妹が姉を徹底していじめるというドラマをその娘が見て「妹がいじめるのをみてスキッとする」という感想を言っていた。性格的に危険なものを持っているのだろうけど、殺人事件報道がそうした面を助長しているとしたらやはりワイドショーなどでの詳細な殺人事件報道は控えて欲しい。
  • ニュースで、「誰が事故で死んだ」「どこで殺しがあった」と報道する必要があるのか?そんな事は誰も知りたくないと思う。事故や事件の報道をするのであれば「なぜ起きたのか」「どうしたら防げるか」といった注意点を伝えるべきではないか?まともなニュースはスポーツニュースのみ。芸能人を追っかける暇とお金があるのなら、政治家1人1人を24時間体制で追っかけ不正をあばき改善させる。それだけの力がTVにはあると思うが?元旦に郵便局員が配達に出かける映像で多くのカメラマンが映っていたが、あれを撮る為に、一体いくら使っているんだろう?必要な報道なのかと思った。日本の社会の番人として、もっと日本にとって有益な事を報道してほしい。
  • 最近、やたらとメディアで公務員の所得についての批判的な番組が増えている。確かに一部の国家公務員や官僚が納得しがたい所得を得ている事実はあるが、それを公務員全般に当てはめて放送するのはやめてほしい。私の親は地方公務員だが、親の年収は実は大して変動していない。バブルのころも崩壊後も変わっていない。バブルのころは他と比べれば薄給で「公務員のような貧乏人とは結婚するな」とまで言われていた。ところがバブル崩壊後は「税金泥棒」としてメディアが率先して取り上げるようになった。メディアによって国民の民意が作り上げられるという事実を各関係者の方々には自覚していただきたいものだ。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 「霊感商法に騙されない方法」の紹介で、女性占い師は霊感商法を批判する中で「人間には神は宿らない」と言っておきながら、後の方では「神様が人の身体を使って話してくれる」という矛盾した説明をした。霊感商法の一つに、神の代弁者として人を騙す方法があり、「神様が人の身体を使って話してくれる」とはまさにその方法だ。霊感商法を行っていないならそれなりの説明が必要だが、あのようないい加減な矛盾した説明では、彼女自身が霊感商法を行っているのではないかと考えるのが自然だ。視聴者を惑わせることになるので、テレビ局は霊感商法を行っている者に霊感商法批判をさせないで欲しい。
  • “今世紀最大の予言者”を見た。新聞などを見て事件のあらましを知ってから書類を偽造して、その事件の文書を発表して「その事件を予知していた」と言っているだけの外国人のことを予言者というのも噴飯物ものだが、番組内でも見逃せない印象操作が行われていた。あきらかに事件後に登録した文書をまるで事件前に登録していたかのようにみせかけていた。これは番組制作者による明らかな捏造工作の加担行為であり、たとえバラエティーの枠内での番組とはいえ許してはいけないことだ。
  • 医療費も払えず餓死していく老人が多くいる中で、なぜ芸能人と有名人のみが簡単なゲームに成功するだけで短時間に一般ではありえない高額な賞金や賞品を手にする事ができるのか。時給計算で1,000円位が一般の普通ではないか?地位、権力を持った者のみが得をする今の日本の社会がそのままTV界に反映している。充分に食べられない人は今の日本にいっぱいいるのに大食いさせるとは馬鹿げている。テレビは社会の番人ではないのか?面白さより日本の社会に役立つ事をしてくれ。
  • チェーンソーを使用した企画が放送された。チェーンソーの目的外使用は警告の対象であり極めて危険であるにもかかわらず、芸能人に口にくわえた鉛筆を切断させるなど論外である。チェーンソーの目的外使用の危険性をテロップで流しておきながら目的外使用し、さらに出演者に防具をつけさせずに作業させたことは、番組制作者が演出を優先して出演者を危険にさらしたということで見逃せない。防護メガネをしないことで木の切片が目に刺さったり、それが原因で手元が狂う可能性があることや、脳梗塞や脳出血、緊張によるふるえ等で同じ様に手元が狂うことは想定されることであり、今回の企画は安全の観点から決して実行してはいけなかったものである。出演者の安全を確保する番組制作ルールについては、全社的なコンプライアンスの観点からも是非見直しをお願いしたい。
  • M1グランプリ優勝の芸人がゲスト。彼らが永年憧れていた女子局アナと握手させるといって目隠しをされたが、女子アナに会わせず、握手と言って男性芸人の男性器をつかませるという、非常に不愉快極まることをした。いくら深夜枠で出演者が芸人とはいえ、男性器を晒したうえ、掴ませるという行為はひどすぎる。また、女子アナに憧れた気持ちをネタにされ非常に腹立たしかった。
  • お笑い芸人と元アナウンサーによる「2007年総決算」という番組。環境問題、地球温暖化問題を取上げ「国が1兆円を超える予算を温暖化対策につぎ込むのは馬鹿げている」「ゴアの言っていることは嘘ばかり」「ダイオキシンの害なんていうのは大騒ぎするほどのことはなく微々たるものだ」などの出演者の発言は暴言としか言いようがない。こんな発言を何でPDが許したのか。局に良識はあるのか。BPOとして発言を精査し必要な処罰をして欲しい。
  • 女性歌手が放送中に「35歳を過ぎたら羊水が腐ってくるんやて、マジやって」「35過ぎたら赤ちゃん産みたくないわぁ」といった発言をしていた。これは明らかな差別発言だ。一時期問題になった某大臣の「産む機械」発言よりもひどいレベルなのではないか。こんな下品で失礼極まりない発言を公共の電波で平然と言ってのける人間が歌姫だなんて笑わせる。すごく不快な気分になった。
  • 大阪の番組の伝統なのかも知れないが、出演者の発言内容が非常に過激で、視聴していて傷つく人も少なくないと思う。例えば「精神障害者?そんなもん、みんなまとめて大阪府が面倒見たらええやんか」等。性に関して特殊な人や、精神に障害を持っている人を話題にする時などは特にデリカシーに欠ける発言が目につく。タイトルどおり、あくの強さが身上の番組と言ってしまえばそれまでで、厭なら見なきゃ良いんですけどね。
  • 某市長が公費を使って温泉の「裸のサービス」を利用したことが番組で放送された。当事者である市長の行動は責められて然るべきだが、その現場として名指しされた当方の温泉地に配慮する気持ちはなかったのか?あるならば、わずか半年の間に3回もその内容を”名指し”で放送するはずがないだろう。その放送がある度に「今度、家族・子供連れで行こうと思っていたのに」とか「今は離れてしまったけど故郷の名前がそのように出されるのは悔しいです」という電話が入る。また「コンパニオン付きのオモロイ宿を教えてくれる所と違うの?」といったひやかしの電話が観光窓口に急増。これは都市部の風俗街ならまだしも”田舎の温泉”にはマイナスだ。しかも観光に携わる任意団体までもがそれを奨励しているかのように全国の不特定多数の人々に刷り込まれてしまったのだ。観光の仕事に携わる我々は決してメディアを敵に廻したくはないが、せめてイメージダウンになりそうな所だけでもボカスくらいの配慮はないのだろうか。
  • 「笑っていけない病院」という企画の中で、女医でタレントの出演者が「麻酔をかけた患者は何をしても起きません」と言って患者役の人物をスリッパで思い切り叩いたり、鼻をクワガタ虫に鋏ませたりと、見るに耐えない行動をしていた。通常の芸人ならまだしも、本来人の病気を治し、命を救うべきである医師が、麻酔をかければ何をしても大丈夫といわんばかりに患者役を痛みつける姿はいかにお笑い番組とはいえ、世の医師の信頼・名誉を失墜させ患者の恐怖心をあおり、医療への不信感を高めるなど遺憾なもので、それを放送した局のメディアとしての存在意義を疑う。私は医師ではありませんし彼女のような医師は例外とは承知しておりますが、社会への影響力の大きいテレビを通じてあのような光景が無秩序に流されるのは、倫理・社会通念上許されないと信じている。
  • 昨年の東京キー局早朝の情報番組における「香川県坂出市」の事件報道は誰が見ても被害者家族に対する名誉毀損や人権侵害であるにも関わらず、該当局は犯人逮捕後も司会者の発言そのものに触れさせる事を故意に避け、視聴者の抗議も完全無視。未だに被害者に対し一片の謝罪も訂正放送もなし。しかも番組そのものは、視聴率が高いと言う局側の都合のいい理由だけで司会の降板もなし。局側は過去の不祥事を「都合の悪い案件」として省みようとしないのか。それでいて他局の揚げ足取りばかりするのは非常識ではないのか。
  • フィギュアスケートの女子シングルに摂食障害を乗り越えた素晴らしい選手が出場した。実況のアナウンサーは、しつこくその病名を繰り返して、さらに演技の曲が映画「タイタニック」だったのでその内容にこじつけて彼女の克服した病気を茶化すような発言をした。同選手は同じ病気で苦しむ人たちの励みになればと病名を公開している。それは心ない言葉で茶化されるためではない。
  • 私は白杖を使用する視覚障害者である。このドラマは視覚障害者を装って心を寄せる青年に近づく女性が主人公。視覚障害者にとって一歩外に出たら命の次に大切な白杖がそのような演出の道具に使われることが残念で仕方がない。障害者仲間も今後、障害者を装っているのではないかと周囲から誤解されることを心配している。ドラマ中止が無理ならせめて白杖を小道具とするのを止めて欲しい。
  • 正月恒例の大喜利番組の中で、日米対抗大食いバトルの企画ではこれでもかと大食い振りを見せている。番組を企画制作している番組のトップの人たちは「今、世界中に餓えている子ども達が如何に多いか」とか「そのために善意の基金を集めて少しでも助けになれば」というような事を考えたことは無いのでしょうか。単にバラエティーだからでは済まされない問題だと思います。私共はそのような愚劣な番組は見ませんが、大喜利が見たくて時々チャンネルを変えて見てしまいました。
  • 県民性を扱う番組は、日本の一部地域に偏見を植え付けるひどい差別番組だ。しかも、テレビ局からすれば「演出」の範囲内かも知れないが、ヤラセ番組だと思う。血液型性格診断の番組は問題にしたのに、県民性の番組は問題にしないのか。
  • 話題の多いキー局の真夜中の番組で若手芸人にドッキリを仕掛け、無理矢理全裸で街を歩かせたり、大勢の観客の前で全裸で芸をさせていた。私は罰ゲームや芸などについて全てがイジメにつながるとは思わない。つながる可能性があっても許容範囲のものもあると思っている。しかし、ここまでくるともはや許容できるものではないと思う。服を脱がされて自殺するというケースはいじめでは多く報告されている。その上、公然猥褻、強要罪、場合によっては強制猥褻に相当する違法行為を行っている。こういった違法行為を堂々と放映することがなぜ許されるのか。放送局は悪質ないじめにつながる性犯罪行為をどのような理屈で正当化しているのか。
  • 深夜配送便の仕事中、午前3時からのラジオ番組に仰天した。パーソナリティーが聴取者の女性との電話会話の中で男性の性器をストレートに表現し、それを女性に「押し付ける」「口にくわえさせる」などとセックスの話しを極めてリアルに喋っていたのである。いくら深夜の放送とはいえ余りの露骨さに驚き猛烈に腹が立った。
  • 職員による”インサイダー取引疑惑”報道について。総務相が「職員全員(報道関係者)をきちんと調べるほうが国民もすっきりする」と職員の株取引を急速に調査し、結果を公表するよう求めているが、この種の問題はNHKに限らず民放でも起こり得る可能性がある。「氷山の一角」等と騒がれる前に民放各社も調査委員会を設けて公表するべきである。
  • 紅白司会者の芸人が、本番中に男性コーラスグループの楽屋を訪れ卑猥な行為をしていた。落語家芸人が頭髪が薄くなったキーボード担当の頭を自分の股に挟んで睾丸を表現していた。そもそも過去に度々自分の下半身を丸出しにしたことのあるこの男を、何故紅白の司会者に選んだのか理解出来ない。この日12時過ぎに放送された紅白関連番組でも、彼はジーパンの上に赤褌をぶら下げ何かを予感させていた。昨年の裸パフォーマンスの件や今回の放送もカメラを別の映像に切り替えさえすれば済む事である。そのまま放送したことは、意図的な演出があったとしか考えられない。また今回の件について、1月3日に他局で放送された「新春スペシャル(生放送)」の中では、この芸人は「紅白出演者のメンバーには宣言していたんや」「オレの意思表示や」と得意げに話していた。
  • 番組内での芸能ニュースのコーナーで性犯罪の事件を扱っていましたが、その事件は他局では「自動車教習所の教官が外での実習中に実習を受けている女性に対してラブホテルの方向に行くように指示し、その後女性を脅して性的暴行をした」という内容でニュースとして報道されていました。しかし番組では司会の男とレギュラー出演者が笑いながら事件を紹介していました。犯人の手口に対して「考えましたね」とコメントし別の出演者は「何でついて行ったんでしょうね」とコメントしていました。タレント達は事件の内容を正確に把握していたのでしょうか。被害者の立場を無視したあまりにいい加減な発言です。また性犯罪事件を芸能ニュースと一緒に紹介する番組側も性犯罪事件を軽く見すぎていないでしょうか。この様な事件はバラエティー番組では取り上げるべきでないと思います。
  • 株安問題を話しあうコーナーで、ある漫才師が昨年起こった<特急列車内のレイプ事件>を例えに話し笑いをとった。出演者はみな大笑いをしていたが人の不幸をネタにして笑いをとるなど非常識もはなはだしくけしからん。こんな芸人は番組に出すな。最近これほど怒りを覚えたことはない。
  • 悪いことをして捕まった学生が警察官に「そんなの関係ね~」と開き直ったというニュースをラジオで聴いた。これを聴いて「テレビの影響力は強い、だからテレビに出る人はその言動に気をつけなければならない」ということを実感した。局の人はこのことを認識しているのだろうか。
  • 問題の司会者は、報道なんかやめてバラエティーやお笑い番組をやっていればいいんだよ。あんなド素人が報道をやっても、無神経で非常識で勉強していないのがよく分かる。一般市民からも訴えられ、自分が社長の水道会社には談合疑惑があるらしい。「すげえ!」や「はい次行こう!」などというアナウンサー出身らしくない発言と、あの暑苦しい顔つきは辟易。

【その他、番組全般】

  • (推奨意見)元旦にテレビ東京で放映された「仲間由紀恵の蒼い地球」は地球温暖化による環境破壊問題について考えさせられる良質のドキュメンタリー番組でした。正直言ってこの局については大食い大会を復活させたことで軽蔑の気持ちを抱いていたのですが、バカ騒ぎばかりで内容のない正月番組が多い中で、家族みんなで考えさせられるテーマを扱った番組を放送したことは大いに評価したいです。今回の番組のような”家族みんなで考えさせられる”環境問題や社会問題を扱った番組を少しでも放送していただきたいと思う。
  • ラジオを聴くことが多いので民放ラジオ各社も緊急地震速報を早く実用化して欲しい。また、ラジオでよく「聴取率調査週間」としてむやみに多くのプレゼント企画を出したり多彩なゲストを呼んだりしているがそれでは正しい数字が出ないのではないか。また、テレビ同様ラジオも昔に比べてCMが多くなった気がする。CM時間総量の上限を守っているのか?そのうえ深夜テレビ番組はあまりに下らない内容ばかり。こんな程度のものを放送するくらいならエネルギー節約の為に深夜の放送は休むようにしてはどうか。
  • 最近のNHKを見ていると叱咤激励をする気持ちよりも嘆かわしい思いだ。23日夜10時台の放送中に流した「トヨタ、GMを抜いて世界1位・・」という「ニュース速報」の誤報(実は2位と、翌朝の「おはよう日本」で断り)。大体こんな情報をニュース速報で出す報道現場の神経が理解不能。単なる企業の提灯記事。番組にも最近は馬鹿馬鹿しいものが多い。21日の落語家芸人を使った番組の紹介は「(女性タレント)ノリ漁でナマ着替え」だと。いつから民放になったのか。紅白も司会に低レベルのタレントを起用する制作姿勢。楽しみの一つの美術番組もクイズ仕立てで、本来の美の楽しみは味わえず。その他むやみに増えたバラエティー化した番組。なお、インサイダーに関して強引な発言をし始めた経営委員長や各委員をはじめ、新会長達が所属する企業や組織について、社員の株取引に関する社員規定の存在の有無、NHK職員と同じように勤務中に株取引をしている社員の有無を是非とも調査すべきだと提案したい。
  • 地球温暖化問題の原因、現状から今後どう立ち向かうべきかを、学者達の提言を中心に展開する特集番組をBS用に拡大したロングバージョン。その中でアフリカのスーダン北部のダルフールで起こっている民族紛争は気象の温暖化による生態学的危機が原因であるとしていたが、これは誤りである。実際は中国政府がこの地の石油を買い、代わりにスーダンに武器を輸出しており、武器はスーダン政府の支援のもと、民兵による市民攻撃に使用されている。つまり中国政府が自らの利権を確保するための道具としてダルフールの民族紛争を利用し拡大しているようなものなのだ。この番組に限らずNHKは中国のこととなると腫れ物に触るような扱いをしている。
  • 昨今、民放におけるプライムタイムの番組はどれも品位が下がっていると言わざるを得ない。バラエティーにおいては単なる雑談、視聴者無視の内輪話、共演者の罵倒、大食いなどが多く見られ、ドラマにおいても「未成年の母」や「性同一性障害」「できちゃった婚」など過激な設定が多く見られる。出演者の顔触れも芸のないお笑いタレントばかりが出演している。見なければいいという問題ではない。我が国において多くの人がテレビを見ている時間帯にこのようなくだらない番組を垂れ流していることが恥ずかしくてならない。いろいろ不祥事はあったが我が国において今のところ安心してテレビが見られる放送局はNHKだけである。
  • 公共放送の職員によるインサイダー事件が広く報じられていますが、放送メディアのネット利用の危険は、もっと身近な所にもあるのではないでしょうか。ネット掲示板でよく見かける、特定の番組名などを挙げて「視聴を止めろ」というような書きこみ。特に調査会社などの視聴率調査装置がついている家庭の人に対して具体的に呼びかけたりもしています。中にはBPOへの通報を薦めている熱心な人も。単に、一般視聴者が正義感に突き動かされて書いているなら仕方が無いのですが、仮にある組織や放送メディアが視聴率操作や番組作りのために匿名掲示板を利用しようと思えば簡単に出来てしまいます。実際行われているなら、視聴者を欺く悪質な「やらせ行為」でしょう。おそらく誰でも考えつく手法だとは思うが、派手に悪事が行われても発覚しにくいのが匿名社会の難しさです。この問題については証拠がなくとも危険性だけは確実に存在します。個人的には事実の発覚を気長に待つのではなく、危険回避のため放送メディアと匿名ネットの関わりについてルール作りをして頂きたいと思います。

【CM】

  • 最近、父親の権威失墜が言われているが、犬に父親役をやらせる携帯電話のCMは、父親の権威失墜を助長させている。このメーカーのCMは反感を覚えさせるCMが多い。私の周囲の父親たちも腹を立てているのが多い。
  • テレビをつけて食事をしていると、突然CMで「尿もれ」や「痔で注入」、「おしっこ」、「頻尿」等々が大きな音で放送される。いくらCM料が高く取れるからと言って、食事時間にふさわしくない内容は避けるのが常識ではないか?

【BPOへの意見】

  • 今や社会はテレビが動かしていると言っても過言ではない。連日、政界では金銭腐敗、企業では食品偽造、若年層の犯罪多発。企業や組織に○○倫理、××審査などの部門や部署があるが、その役割を果たしていない結果だと思う。また、BPOは各局の番組に関する問題点を戒めるための組織かと思うが、昨今の大食い番組に対して適切に対応してほしい。多くの国の飢餓を世界の問題にしている事は周知のはずだから、大食い番組を放送したり裸を見せるだけのお笑い芸人や視聴率アップだけの番組は、編集担当者も誇らしげに制作していないと思うので、BPOとしての役割を徹底していただきたい。
  • BPOのホームページでも批判の多い女性占い師は、本人が「充電期間に入る」としてようやくこの春の改編を契機に番組を降板する事が明らかになった。しかし降板のタイミングはこれまでいつでもあったはずだし、むしろ遅過ぎた感じさえする。ブラウン管を通じあれだけ自由気ままに身勝手な発言や行動、振る舞いを繰り返し、名誉毀損や人権侵害に値する発言、更にはゲストや相談者を侮辱したり脅迫するような発言を相次いでしていたにも関わらず、高視聴率を盾に番組を継続させてきた局の責任と放置したBPOの責任は重大ではないのか。
  • BPO議事録を読んだ。ハンバーガーチェーンの元従業員制服証言報道について早急に行動した事は評価する。【当該局に質問書を出し回答を求め、その内容を公表するという方針を決めた】とあったので、局に電話をして「BPOにいつ頃回答を出す予定か?」と訊ねると、「視聴者に答える必要はない」と言われた。視聴者に対してこのような態度を取るとは考えられない。BPOはこのような対応についてもきちんと局を指導していただきたい。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • バラエティー番組。”大晦日SP”を親戚の子どもたちと一緒に見ていた。罰ゲームでお尻を叩いたり、強制的に男同士でキスをさせたりとひどい内容だった。子どもたちはこのような内容を見てお尻を叩く事は面白い事だと思いかねない。あまりにもひどかったのでBPOに電話した。
  • バラエティー番組。クイズ番組にもかかわらず、回答者のアホさを競うような番組だ。小学校程度の問題も分からない回答者が多く、デタラメな回答をしたほうがテレビに映る率が高いように思われる。世の中にはテレビに出たいとか芸能人になりたいとか思っている人もたくさんいるだろう。その中でこの番組は「アホな方がいい」といったような、学習離れを助長するような低俗な番組である。近年子どもたちの学習能力が諸外国と比べ低下してきているにもかかわらず、このような番組が放送されているのは子どもを持つ親としては遺憾に思う。
  • 情報番組。「おっぱい」や「欲情」という言葉を連発している。また、なまはげが浴場に乱入した場面を再現したりと、やりたい放題だ。子どもたちもよく見る番組なのにひどい内容だ。
  • アニメ番組。続編のようだが、相変わらずエログロで見るに耐えない。女子高生のパンティーを見せたり、未成年のキャラクターをアダルトビデオのように描いている。このような低俗なアニメは放送するべきではない。
  • バラエティー番組。不適切な表現があった。同じ10代の友人たちも見ていたが、『彼女に言われたくない』言葉のアンケート調査で『Hがうまくない』との回答を求めていた。今日学校でも話題になったが、大人たちが見ている深夜の放送であれば許されるとしても、青少年が見ている時間帯には相応しくない表現である。
  • 教養番組。テーマは”わたしの財テク術”で女性出演者が10代の頃、節約のために「ジャージを先輩からもらった」と話すと、ゲストが「あなたのジャージなら買う人がいっぱいいる」と言っていた。他のゲストも一緒になって「買いたい」などと発言した。援助交際や下着の売買など、10代少女が自ら性を売買することが問題になって久しく、大人はそのことを止めなければいけないのに、商品として買う対象になるというようなメッセージを発することは冗談でも青少年対象の番組ですべきではないと感じた。
  • アニメ番組。小学生の女の子が好きな男性教師に性的誘惑行為をする内容だった。一体どこの世界に性的誘惑行為をする小学生がいると言うのか?子どもへの性犯罪者行為を誘発するアニメにしか見えなかった!!いったい何故にこの様なものが放送を許されてしまったのか?
  • ドラマ番組。簡単に借金をして自己破産をする人、家族を巻き込んで返済地獄に陥る人、果ては借金苦で何万人もの人が自殺をしているというのに、借金をネタに面白おかしくドラマを作る姿勢は許しがたい。番組を見た子どもたちが将来、安易に借金をすることを助長しているようで恐ろしい。このドラマをネタにいじめられっ子に借金をさせ、それを巻き上げるいじめっ子も必ず現れると思う。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • この頃、民放から足が遠のいている。なぜなら、結論や興味の結果の発表の直前に突然CMに変わるからだ。そしてCMの後、前の終わりの部分をまた延々と放送し(時間の水増しとしか受け取れない)、じらしてやっとその結末を見せるという手法に嫌気がさす。それを許しているスポンサーにも疑問を持つ。子どもの集中力のなさやいじめの多発。これらも現在のテレビの内容と上記のようなスタイルが影響しているのではないか?
  • 朝の情報番組の合間に、近日公開される映画の予告CMを流していたが、その中に主人公と思しき男女のベッドシーンがあった。あまりにも過激なシーンだったので、思わずチャンネルを変えてしまった。児童生徒が朝食をとっている時間帯に、この露骨な性描写を含んだ映画の予告を流すとは言語道断である。もし流さざるを得ないとしても深夜に流すべきだ。
  • 「あなたと合体したい」「気持ちいいーー」というパチンコのCMは、完全に性的な連想を誘う道徳観のカケラもないCMである。こんなCMを子どもがテレビを見るような時間に堂々と流しているこの国はおかしい。即刻中止させてほしい。
  • 競馬のCMを一日中流していいのか?お正月の夕方の時間帯に放送されていたSP番組やゴールデンタイムの時間帯でも放送された。競馬はれっきとしたギャンブルなのにそういうCMを夕方の時間帯に流すべきではない。毎年、有名なタレントを起用して競馬CMを放送しているが、これは青少年に賭け事を教えているのと同じだ。競馬・パチンコ等、ギャンブル関係のCMは消費者金融と同様に規制して欲しい。
  • 朝や夕方の時間帯に、小学生の子どもとテレビを楽しんでいるが、最近、特にパチンコ台のCMがたくさん流れる。確かに、パチンコ屋自体のCMではなく、パチンコ台メーカーのCMだが、明らかにパチンコを連想させるものであり、子どもたちもたくさん見ている時間帯にはふさわしくないと思う。子どもたちがDSやPSPなどのゲームソフトと同じようなものと誤解するのではないか、パチンコという存在が子どもたちに馴染みのあるものになってしまうのではないかと不安になる。健全な子どもたちの成長にはふさわしくない。出来れば、子どもたちが見る可能性がある時間帯は避けるといった措置をとっていただきたい。

【報道・情報に関する意見】

  • 青森県での母子殺害事件のような青少年による凶悪犯罪が起きる度に事件の背景あるいは遠因としてアニメやゲームが槍玉に挙げられているが、あまりにも安易な関連付けではないか。むしろテレビ局が毎日のように放送するサスペンスドラマの殺人シーンのほうが生々しくショッキングであり、青少年に与える悪影響は深刻だと思う。自分達のことは棚に上げて、他業種を攻撃するような報道姿勢は正してもらいたい。
  • 殺人事件を現場から伝える際、生々しい血痕を映すことがよくあるが、そこまでする必要があるのか。重大さとか恐ろしさを伝えたいという担当者の気持ちはわかるが、とにかく気持ち悪い。第一亡くなった方に失礼ではないか。
  • 「15年近く前に小学1年生が風船につけて飛ばした手紙が銚子市で水揚げされたカレイにくっついていた」というニュースが大変好意的に放送されていた。本人たちにとっては嬉しい事だと思う。しかし、最近では環境問題が深刻になっているから、身近なことにも環境に配慮して生活しようという流れになっているのは周知のとおり。イベントで飛ばす風船にも環境への配慮が必要になっている。分解されないゴミを集団で飛ばすといった、このご時勢に憚られる行為について、そうした但し書きはまったくなく、ただ「美談」として放送したメディアのはしゃぎように違和感を覚えた。
  • 報道番組。包丁を持った10代の少年が街路で人に危害を与えた報道で、少年は精神科の通院歴があると報じた。精神科に通院している人にとっては、犯罪行為に走るのではと思われる気がするので”精神科に通院”というような報道は止めて貰いたい。軽いうつ病の人も通院しているのが現状です。

【暴力・殺人シーンに関する意見】

  • ドラマ番組。お正月早々、何と酷い殺し方を考え、胸の悪くなるような映像を次々と見せ付けるのか?この映像の世間に及ぼす影響、特に成長期の子どもたちへの影響を考えているのか?日本の良識を狂わせた元凶はこのような最低のテレビ番組にあることをきちんと認識し、良識ある番組制作をしていただきたい。即刻の放送中止を提言する。
  • 情報番組。1966年にアメリカのテキサス大学キャンパスで起きた銃乱射事件の再現映像が放送された。新聞の番組欄には「頭痛で凶悪に?」とあるだけだったので気軽に見ていたのだが、それは残酷で悲惨な映像であった。犯人の男性が突然に大学スタッフを鈍器で殴打するシーンから始まり、残虐なシーンが延々と放送された。テレビでこのような映像を放送してよいのだろうか。私は放送すべきでないと思う。テレビでこのような映像が放送されることで、若者たちが残酷さに鈍感になっていくのが怖い。「人間は真似から入る生き物」だと思う。模倣犯罪が起きないうちに、局は番組の存続を真剣に考えてほしい。
  • ドラマ番組。ストーリー上必要なプロットとしての殺人なら仕方ないが、2時間の話の中で不必要なものも含めて次々と殺人事件が起こり、人の命を軽んじる風潮を煽っているように感じる。派手に殺人シーンを盛り込むことで貧弱なストーリーをカバーしようというのがよく分かる。人命を粗末に扱ってみせる典型のようなドラマ。子どもへの悪影響が心配だ。

【食べ物の扱いについて】

  • 大食い番組が非常に多いが必要量以上食べることに何の意味があるのか。食料自給率が先進国中最低のわが国の将来を思い、また現在貧困にあえぐ国々の人たちを少しでも思いやる気持ちがあればこのような低俗な企画など通らないはずだ。社会への配慮を失った番組作りがまかり通るようでは子どもたちへの示しがつかない。
  • バラエティー番組。タレントが”ケーキを作り売る”というコーナーを子どもと見ていた。タレントが奇妙な風体でケーキを作り、そのケーキに大量のシナモンを振りかけた。子どもたちは困惑した顔をしていた。このような番組は教育上よくない。視聴率のためだけでなく知識、知恵をつけ、品格のある番組を放送して貰いたい。ドイツ人、フランス人の友人は日本のテレビ番組はばかばかしいと云っている。

【いじめや虐待を助長する】

  • バラエティー番組。県民性という分類はいじめにつながる。子どもが大阪出身というだけでいじめられている。番組を中止して下さい。主人も私も大阪出身だが、番組で取り上げるような誇張した大阪というのはなかった。東京の小学校では大阪出身の小学生が大阪出身というだけでいじめられ、はやし立てられる。ちゃんとした大阪像を放送して下さい。面白おかしく描くだけでそれができないのなら放送をしないで下さい。
  • 昨年、岐阜県の中学校で女子生徒が同級生の女子生徒の服を脱がすといういじめが発覚した。一部報道されたので、ご存知の方も多いと思う。他にも男子生徒が下腹部を露出させられ、それを苦に自殺するという事件もあった。これほど痛ましい事件が多発しているのにもかかわらず、服を脱いで笑いをとる、服を脱がせて笑いをとる等、そういったお笑いがテレビで横行しているのは問題だと思う。確かに何でもいじめに結びつけるのは問題があると思う。しかし、お笑い芸人が平然と公然猥褻をし、それを放送局がテレビで堂々と放送する。これは性犯罪ではないのか?お笑いは大人と異なり、子どもたちから罪の意識を奪っていく。だからこそ深刻な事態になりやすい。そのことも考慮に入れるべきだ。

【差別や偏見を助長する】

  • 「血ハラ」という言葉が生まれてきました。「血液型ハラスメント」です。近年テレビ番組で、血液型診断の番組が放送されてきました。その影響で「~型は嫌い」「~型の採用はしない」というような、明らかな血液型差別が生まれています。大人の趣味程度ならまだしも、もし小さい子供が「~型は嫌いと言われた」と言ってきたらどうでしょうか?これだけ血液型診断がブームとなってしまった中で、今こそ「他人の血液型を聞いたり、血液型で判断するのは差別を生むからやめよう」ということを取りあげるべきではないでしょうか!
  • タレントのプロフィールを紹介する際、血液型まで紹介することはおかしい。いまでは血液型ハラスメントの偏見で悩んでいる人がいるのに、それをまたさらに悪い方に助長する。純粋な子どもたちには血液型で差別される苦しみを味わって欲しくない。放送関係者も芸能関係者も血液型による差別主義者なのかと思ってしまう。血液型関係の事柄の放送を直ちにやめてほしい。

【性表現について】

  • 温泉の紹介番組で男性入浴客の全裸姿を映し、尻も丸出しだった。女性客に対してはこんな扱いをしないのに、男性客の裸なら放送していいという考えは差別的だ。男性の裸を流すことに関しても配慮が必要だと思う。たとえ本人の許可を取っていたとしても放送に関してはもっと慎重になるべきだ。
  • 教養番組。”裸婦”の絵が紹介されたが、下半身が克明に描かれているのがハッキリと映っていた。解説では心が和むとされていたが、子どもには刺激が強すぎるのではないか。公共のテレビメディアとしてもっと慎重な配慮が必要ではないか。
  • ドラマ番組。女子大学生の主人公を演じる女優は実際にはまだ中学生。それなのに先日、キスシーンがあった。ストーリー上大切なシーンなのであろうが、近くから実写しなくともカメラを引いた遠景でその場面を表現するなど工夫できたはず。まだ非常に若い人なのでもっと配慮すべきだった。

【言葉に関する意見】

  • ラジオ・テレビの業界用語に”いじる”という言葉が使われているが、放送禁止用語にするべきだ。”いじる”は関西系のお笑い芸人がよく口にする言葉で、国語辞典で検索すると「弄(もてあそ)ぶ」「嬲(なぶ)る」等、他人を誹謗中傷する言葉として説明されている。放送業界には、いじられ役の男女のタレントが複数名いると聞いているが、子どもたちのいじめに繋がる恐れのある表現を放送するべきではない。

【非科学的なことに関する意見】

  • 男性霊能者による霊視番組や女性占い師による占い番組が民放各局で放送されているが、これらの番組に共通していることはなんら根拠のないことをさも真実であるかのごとく放送していることだ。しかもそれがゴールデンタイムに放送されている。大人は単なる占いの範疇だと判断しても子供は真実のことだと思うだろう。こういう誤解を招くような内容の番組はゴールデンタイムに放送すべき内容ではない。

【編成に関する意見】

  • 本来、夜の時間帯に放送されていたものが昼間の時間帯に再放送されることがある。過激な性描写や暴力シーンなどは夜の時間帯だからということで規制が緩やかだったのかもしれないが、再放送の昼間の時間帯にタレ流しなのは問題だと思う。この時間帯は学校や幼稚園から帰った子どもが家にいることが多い。近所の子どもが殺人のシーンやリストカットの真似をして笑っているのを見てぞっとした。親に聞いたところ「夜は見せていないので昼間にこっそり見ているのではないか」ということで困った顔をしていた。もう少し配慮のある放送は出来ないのか?

【人権に関する意見】

  • バラエティー番組でよく芸能人の住まいや家族などの私生活を紹介するコーナーがあるが、中には低年齢の子どももいる。芸能人の子に生まれたために自分で判断できない年齢のうちから否応なくテレビ等でプライバシーを流されるのは気の毒に思う。賢い親であるならば芸能人とて家族をむやみに露出させないものだろう。出演者・制作者双方が、子どもたちに対しもっと配慮すべきだ。

【動物の扱いについて】

  • バラエティー番組。あるコーナーで、料理経験のないお笑い芸人の方々が用意された食材で料理をするのですが、毎回生きた魚をさばきます。さばく時に魚に包丁を突き刺したままだったり、魚がもがくのをテロップや芸人さんのコメントでお笑いにするのは、食材とはいえ生命への感謝のないあまりにもひどい行為だと思います。この光景を見ている子どもたちに悪影響はないか、それをテレビで娯楽として放送することに問題がないか、是非ご検討していただきたいです。

【推奨意見】

  • 情報番組。世界の子供が苦しんでいるという内容を見た。日本にいる自分たちは、こうして幸せに暮らしている一方、こうした世界の子ども達がこうした事で苦しんでいるという事に凄く衝撃を受けて心打たれた内容だった。こうした世界で苦しんでいる人々もいるのに、日本のテレビではよく大食いだ、店を全部食べ尽くす、というバラエティーでやり玉に挙げられている。この内容を今すぐにでも他のバラエティー番組の現場に見せてやりたい。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 育児番組で赤ちゃんのおちんちんが少しばかり映っただけで、苦情が出されていた様だが、実際に見ている視聴者は、幼い子どもを持つ人か、子育てに興味のある人しか見ないのだし、おちんちんといっても、中学生くらいのものを露出させているのなら問題かも知れないが、実際は物心も付いていない赤ちゃんのもので、何らワイセツな表現にも当たらないので問題ないと思う。その筋の性癖を持った人の犯罪の助長になるとの事だが、それはただの問題のすり替えだと思う。それならば、子だくさんの番組などでの子どもの入浴シーンなどで、子供がそう言うものを露出したコマには全てモザイクをかけなければいけなくなり、おかしいと思う。
  • BPOホームページで、成人向け映画のCMをテレビで流すことへの視聴者からの批判意見を目にした。しかしPG12、R15、R18等の指定映画であっても芸術的、文芸的に優れた作品も多く、これらの映画のCMをすべて排除するのはせっかくの良い作品までも大衆から遠ざけてしまいかねず、良案とは思えない。指定があることをよりはっきりと表示した上で優れた作品は積極的に宣伝してはどうか。逆にホラー映画はCMの映像自体が過激に作ってあり、テレビで流すべきものではないと思う。テレビで宣伝するかどうかは作品の内容によるべきだ。
  • 先月のBPO掲載意見を拝見いたしますと、最近の時代劇の時代考証が出鱈目だという意見が寄せられているようですが、時代劇の中には全くの架空の話もあるのでそれはそれでよいのではないでしょうか。あらを指摘するのではなくお話のテンポを我々は楽しめばよい。時代考証がしっかりとした作品とは別個に考えて、それはそれとして楽しんだほうが気が楽です。いわば、そのような時代劇はスーパー時代劇とでも言うべきもので、あらを気にしたらしょうがないと思います。

第86回 放送と青少年に関する委員会

第86回 – 2008年1月

子どもポルノに関する状況について

中学生モニターについて …など

1月22日に開催した今年度第9回青少年委員会(通算86回)では、継続審議となっている子どもポルノについて、ECPAT(エクパット)/ストップ子ども買春の会共同代表・宮本潤子氏を招き、子どもポルノ、特に男児ポルノに対する世界の潮流や日本の現状についてレクチャーを受けた後、質疑応答を行った。また、1月分の中学生モニター報告を基に審議したほか、中学生フォーラムと調査・研究について検討した。

議事の詳細

日時
2008年1月22日(火)
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題

ECPATについて

ECPATは、1990年にタイのチェンマイで開催された「現代奴隷制の中の子ども達」という国際協議会の決議に基づき、アジア観光における子ども買春根絶国際キャンペーン=ECPAT(End Child Prostitution in Asian Tourism)としてスタートした。その後、国際ECPAT(End Child Prostitution,Child Pornography And Trafficking in Children for Sexual Purposes 国際事務局:バンコク)が設立され、現在は国連NGOとしてアジアや欧米諸国を中心に世界的な活動を展開している。ECPAT/ストップ子ども買春の会は、ECPATの日本での活動を担う公式関連団体として1992年に発足し、子ども買春・子どもポルノ根絶の活動を行っている。

今委員会では、宮本潤子氏に子どもポルノ、特に男児ポルノに対する世界の潮流や日本の現状について話を聞いた。

子どもポルノに関する状況について

(宮本潤子氏レクチャー概要)

子どもに対する性的暴力については、1990年のチェンマイ会議から20年近い活動の中で、国際世論も高まり、子どもの権利条約が発効されるなど改善された部分はあるが、インターネットの発達や各国の事情によりさらに悪化している状況である。

日本でも、子どものポルノグラフィーは昔からあったが、インターネットの発達で最悪な状況を作り出している。インターネット上の子どもポルノに関するサイトがどのくらいあるのか、正確な数字を出すことは難しいが、いくつかの調査からも近年増えていることは確かである。

子どもポルノの状況が年々悪化していることの最も大きな理由は、子どもポルノに対する法整備が世界的に遅れていることである。ここ数年の日本におけるインターネット上の子どもポルノの特徴の1つは、出会い系サイトを利用した児童買春による性的虐待を撮った画像が多く出回っていることである。一旦インターネット上に出てしまった画像は、どんどん複製され増え続けていく。最近ではIT業界も協力的で、削除するなどしているが全く追いつかない状態である。

また、子どもを盗撮したものが野放し状態になっていて、これも深刻な問題になっている。盗撮された側が訴えれば何らかの動きができるが、自分の子どもが盗撮されていること自体知らず、盗撮物がどんどん出回ってしまっている。

(男児ポルノの画像等がどの程度流通しているのか、また男児が被害者となる事件はどの程度起きているのか)

日本の子どもポルノの場合、ほとんどの被害者が女の子だったが、最近の新聞等の報道をみると男の子の被害も増えてきている。

現在、日本の子どもポルノの全検挙件数のうち、男女別の被害件数、被害者の数は出されていない。

ただ、日本のインターネットホットラインセンターに寄せられた通報によれば2割弱が男児ポルノである。また、英国の子どもポルノに焦点を絞ったインターネットのホットラインでも、男女の割合は2:8という数字が出ている。

昨年の7月、男児ポルノサイトとしては国内最大級のものと思われるサイトが神奈川県警に摘発され、3年間で684万件のアクセスがあったことが分かった。このアクセス数の多さを見ても、男児が子どもポルノの被害者となるケースが増加傾向にあることが分かる。

(男児ポルノの被害とテレビ、アニメ、DVD、インターネット等との因果関係はあるのか)

はっきり断定することは難しいと思うが、臨床心理学者のエセル・クエール氏は講演の中で、「子どもを性的対象とするような犯罪傾向がある人やこういった行動に関心のある人の場合、子どもポルノの写真等を見ることによってその傾向を増長させることは、イギリスの関係者の研究でも裏付けることができる」と発言している。つまり、直接の原因ではないが画像を見ることによってその種の犯罪を犯す可能性が増大することは確かであると言っておられる。

子どもポルノを見ることと実際に接触犯罪を犯すこととの間には、すぐの因果関係は必ずしも出てこないが、受動的に見続け習慣化することで犯罪に至る可能性が増すということである。

また、子どもポルノ、子ども買春といった子どもに対する性的虐待を行っている人の大多数は、医学的な意味での小児性愛者ではない。”状況的性搾取者”という、いわゆる普通の性的指向を持った人達が子どもポルノを求め所持しているわけだが、このことを問題にすべきと考えている。

(子どもポルノに関して、日本は世界と比較してどのような位置にあるのか)

日本ではインターネットを通して簡単に子どもポルノを購入・入手し所持することができるため、ほかの先進諸国からは、日本は子どもポルノの製造を禁止しながら、消費を禁止していないとして、規制が求められている。

また、インターネットでの子どもポルノは、コンピュータに取り込んだ写真を画像処理して変形させた”モーフィング”画像と呼ばれるものが多く出回っている。最近ではコンピュータ技術が進んで、部分的に非常に精巧に変えられるので、どこがモーフィングされているのか分からないものも多い。

こういったモーフィングされたものには、現行の児童買春・児童ポルノ禁止法の定義の狭さや弱さゆえに適用にならないことがあるが、明らかに子どもに対する人権侵害だと思われるものについては、ECPATとしてプロバイダーや業界に対して削除をするなどの要望をしている。

ドイツでは、単に子どもポルノを禁止するだけではなく、子どもを守るための青少年保護法という法律があり、その一つに、未成年の子どもを不自然に性的なポジションで撮影して見せることに対し、誰かに渡す、売る、プロモートする、などを禁止して子どもの性的搾取を防ぐ努力をしている。アメリカも子どもの性的虐待に対しては、連邦と州のレベルで次々と法律を改正しているようで、日本とは法整備の速さが違うという印象を受けた。

日本の子どもポルノに関する対応について、ほかの先進諸国からの要請として、インターネット悪用への規制が強く求められている。この機会に子どもポルノの現状を広く知ってもらいたい。

【質疑応答】(▽委員、▼宮本氏の発言)

▽日本の社会の中で、男児ポルノの実態は一般的に知られていることなのか。
▼男児ポルノについては、特に知らない人が多いのではないか。日本の場合、1999年に「児童買春・児童ポルノ禁止法」ができ、”児童ポルノ”という法律用語は子どもへの性的虐待を意味しているが、それ以前はポルノ=わいせつ性の問題というふうに思われていた。また、子どもの虐待画像は商業目的だけで売買されているわけではなく、お金にかかわらずやり取りする者もいる。
▽子どもポルノの危機的状況について、日本のメディアに望むことは。
▼日本のメディアは、この社会が以前のように子どもの裸を自然でかわいいと言っているだけの社会ではなくなってきていることを自覚しなくてはならない。また、特にテレビには影響力があるので、そのことも自覚してほしい。テレビは比較的長い歴史の中で、改革するシステムを持ってきているので、事態を変えることはできると思う。特に思春期以前の子どもを出演させるときには、法律云々以前に、年少者への配慮を徹底してほしい。不自然に性的な写され方をすることで、子ども達は傷つくし、子ども自身そのことを感じていることを分かってほしい。番組の制作者は、メディアの中で「子どもの性」が商品として使われている現実を認識するべきだ。
▽青少年委員会としては、女児だけでなく男児の裸の扱いについて提言を行うことも考えているが、どこに基準を置けばいいのか。
▼テレビの制作者はその道のプロ達であり、いろいろな表現方法を選択できるはずである。工夫し、子どもの性的な尊厳を冒さない作り方を考えてほしい。テレビ局の自主的な取り組みとして、番組の趣旨に応じて、子どもに配慮するべき点を具体的に提示していくこともひとつではないか。

中学生モニターについて

今月は33人から、「年末年始の特別番組について」50件(1人で複数件の報告有)の報告が寄せられた。分野別ではバラエティーが断然多く26件、続いてドラマが9件、そして音楽番組が7件、情報・討論番組とラジオ番組が3件などと続いた。

局別では、フジテレビ系16件、日本テレビ系13件、NHK7件、テレビ朝日系6件、TBS系とテレビ東京系と東海ラジオが2件ずつ、福岡放送とCBCラジオが1件ずつだった。

・バラエティー番組について

バラエティーで一番多く3件報告が寄せられたのは『ガキの使いやあらへんで!!』だった。「この番組は本当に笑いました。有名な芸能人がやってきて、出演者を笑わせる番組で、笑いをこらえようとしても、どうしても笑ってしまいました」などと概ね好評だったが、罰ゲームについては意見が分かれ「麻酔をかけたという設定で、何をしても動かないようにして、スリッパでその人の顔をおもいっきりたたいたり・・・、こういう暴力のようなものは、もう少しひかえた方がいいのではないか」、「メンバーが笑うとおしりをいきおいよくたたかれるのが痛々しい。それくらいの罰ゲームは特に影響は無いが、おもしろい流れがとまるのは、あまりよくない」など否定的意見が2件、「この番組は特に罰ゲームが番組を面白くしていると思うので、必要だと思う」という肯定的な意見が1件だった。

2件報告があった3番組も概ね好評で『全日本仮装大賞』には「楽しんで見られる仮装の裏にはたくさんの努力があるのだと考えると、すごいなぁとつい感動してしまう」などの意見が、『超「ぷっ」すま』にも「普段は見られない、SMAP草薙剛さんたちの素顔が包み隠さず他のゲストたちによって引き剥がされていきます。これからもこんな面白くて、罰ゲームを気分良く感じられる番組は続けていってほしい」という意見が寄せられた。ただ『志村&所の戦うお正月2008』には1件、「大きな車でわざとせまい山道や駐車場を走行させ、何かわざと破壊している感じがして見ていてとても不愉快でした。おもしろい企画も結構ですが、もう少し世論や社会に与える影響を考えて欲しい」という批判があった。

また17番組に1件ずつ報告があったが、6番組が大好評だった。『ぐるナイ最後の結果発表』は「家族みんなで楽しみながら見ていました。やらせではなく本当にガチンコでやっているという感じがしっかりと伝わってきて、見ている方がドキドキしました」、『ゴールドラッシュ2008』は「1分間という短い時間で、ネタが繰り出されるのでそのスリル感にも目がいってしまう。さらに、お笑いのジャンル(一発ギャグ、モノマネetc)が、ステージによって変わっているので、芸人のいろんな芸が見られる」、『はねるのトびら』は「私がマネしたいと思ったのは”回転SUSHI”の中でお笑い芸人が言っていたギャグだ。めでたいお正月くらいは幸せになれてマネしたくなる放送内容を放送してほしいものだ」、『小学校教科書クイズ』は「久々に真面目で楽しめた番組だった。現役小学生にとっては、”予習”としても使えたのではないでしょうか」、『これこそ!わが町 元気魂』は「やっていることが『出没!アド街ック天国』の最後のところ(その地域のCMを放送している)に似ていて、それのスペシャルのようだったのですが、見ごたえがあり最後まであきずに楽しく見ることができました」、『秘密のケンミンSHOW』は「47都道府県出身の芸能人が勢ぞろいして、その県ならではの方言や食文化、生産№1の物などを発表するという面白い方針です。同じ日本でも、まったく異なった面がたくさんあるんだなぁと思うと、とても不思議でおもしろいなぁと思います」などだった。

批判意見は4番組に寄せられた。『めちゃ2イケてるッ!』には「”シンクロナイズドテイスティング”というコーナーで氷と冷水のプールに落下した後、お湯に飛び込んでいる出演者を観客やその他の出演者は笑っています。そんな姿を見るととても辛くなります」、『愛のエプロン』には「魚や肉、野菜など農家の方たちが大切に育てたものを、あんな風にするのはどうかと思います。あのような料理を見ながら食事をするのは気持ちが悪いです」、『志村けんのバカ殿様』には「私はこの番組を見て、これこそテレビでは流さないほうがいい暴力シーン、性的表現なのではと疑問をもちました」、『理由ある太郎』には「テレビ欄を見て面白そうだなぁと思って楽しみにしていたけど、内容は少しくだらなく期待はずれなものだった」、などの批判だった。

・ドラマ番組

ドラマでは『のだめカンタービレinヨーロッパ』に4件、『あんみつ姫』に3件報告があり、いずれも好評だった。『のだめ・・・』には「舞台をヨーロッパにしたため、新しいキャラクター等も出てきて、新鮮で良かった。そもそもこのドラマの登場人物自体、個性的なのでパンチが効いててとても笑えたし飽きなかった」など、『あんみつ姫』には「展開が速く、あきさせないストーリー作りも良かったです。そして着物も少しくずしてあったり、現代版になっていて私たち若者世代でも楽しめるようになっていました。普通の連続ドラマでは見られないとても素敵なドラマでした」などの意見が寄せられた。

・その他の番組

その他で複数意見が寄せられたのは『NHK紅白歌合戦』5件、『ジャニーズ・カウントダウン』2件だった。『紅白歌合戦』は「約4時間、歌だけをながすことで改めて歌の力を教えてくれたことに、とても感動しました」などと概ね好評だったが、「つるべえさんは下品な言葉が多くイライラしました」という意見もあった。『ジャニーズ・・・』は2件とも「この番組を見ながら年を越すと1年が楽しく過ごせる気がします」などと好評だった。

2月のモニター報告は、2月中旬までひと月ほどの間に見た番組についての感想・批判・期待など。

中学生フォーラムについて

3月26日(水)に千代田放送会館で開催する第7回中学生フォーラムについて、小田桐委員から下記のとおり構成案などについて報告があった。

  • 第7回中学生フォーラムのテーマは、”バラエティー”に絞る。
  • 出演者は、中学生モニター15人、制作者側4~5人。司会は、木場弘子さん(キャスター・千葉大学特命教授)にお願いする。また、制作者のOBの出演も考えている。議論の展開によっては会場の保護者からも発言を求める。
  • モニターvs制作者といった構図ではなく、様々な議論を展開し、結論が出なくてもいいのではないかと考えている。
  • バラエティーの罰ゲームや笑いについて、お笑いタレントや制作者にインタビューを行い、当日、映像で流すこともひとつの案として出ている。
  • 会場のレイアウトは、出演者を真ん中にして、両側に参加者を配置する方法を考えている。
  • 出演者などの詳細な点については、次回委員会で報告を行うこととする。

調査・研究について

来年度の調査・研究については、橋元副委員長を中心に検討することとなった。

第131回 放送と人権等権利に関する委員会

第131回 – 2008年1月

新たな申立て案件

判断基準・改訂版の編集進捗状況…など

新たな申立て案件

1月15日、東北地方の会社社長から事件報道に関して苦情の申立てがあった件について、事務局から報告。

申立人は、ニュース報道で、取材を拒否したにもかかわらず、隠しカメラで撮られた映像や音声が使用され 、権利を侵害されたと訴えている。

委員会では、当該局に事実関係と見解を問い合わせたうえ、次回委員会で本案件を審理事案とするか否 か協議することになった。

人権等に関する苦情

12月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

● 人権関連の苦情[11件]

  • 審理・斡旋に関する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・・・・・ 6件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・・・・・ 5件

判断基準・改訂版の編集進捗状況

事務局から「判断基準2008」の編集作業の進捗状況について、中間報告を行った。「判断基準2005」発行以 来の約3年間に新たに決定が下された10事案の委員会判断からポイントとなる判断部分を抜き出して一覧 にした資料を提出した。政治報道の論評の自由、バラエティー番組における名誉毀損、ラ・テ欄表記の適切 な表現などが新しい判断基準として追加される。

「放送人権委員会判断基準2008」は、1997年の放送人権委員会発足以来の11年間に下された26事案35件の決定で打ち出された 判断を総まとめしたものとなり、取材・編集・放送などのカテゴリー別に分類・整理された判断基準は、あわせ て90項目ほどになると見られる。4月を目途に発刊の予定。

放送人権委員会の運営等について意見交換

委員会運営の問題点や新年度に向けての課題等について意見交換を行った。
まず、事務局から次のような現状と運営上の問題点を提示した。

  • 放送人権委員会が設立されて10年経つが、BPOと放送人権委員会の関係も多くの人は理解していないと思われる。放送人権委員会という名称が分かりづらいという声もある。
  • 委員会決定における人格権侵害に関わる法律的な判断基準は明確でも、放送倫理上の問題に対する判断基準はわかり難いという意見もある。
  • 書面提出を中心とした現在の苦情申立て審理の手続きは、弁護士など代理人を立てない個人の申立人には難しすぎる面がある。

これに対し委員からは、1の現状については

・「たとえば”映倫”の名前は、何をしているかはよく解らなくても、すぐ覚えられるが<放送と人権等権利に関する委員会>では、なかなか覚えられない。放送人権委員会というアルファベットの略称もなんとかならないか」等の意見が出た。

また2の問題については

・「名誉侵害は”救済の論理”であり、放送倫理は”放送のあり方”の問題である。救済の論理と放送のあり方は次元を異にするが、我々はその両方にまたがって議論している。

・「裁判所は権利侵害で終わり。放送人権委員会にもほとんどの人が権利救済を求めてくるが、我々は放送のあり方としてどうかということも考え、局に言うべきことは言わなければならない」等の考えが示された。

さらに3については

・「放送人権委員会の敷居が高いのではないかという問題には、できるだけ苦情申立ての手続きを簡単にするべきではないか」等の考えが出された。

今後も、引き続いて放送人権委員会の運営上改善すべきところ等について議論を続けることになった。

次回委員会を、2月19日に開くことを決め、閉会した。

以上

第9回 放送倫理検証委員会

第9回 – 2008年1月

フジテレビ「27時間テレビ『ハッピー筋斗雲』」について

テレビ朝日『報道ステーション』マクドナルド元従業員の制服着用告発証言報道 …など

フジテレビ「27時間テレビ『ハッピー筋斗雲』」について

3回の審議を経て、担当委員がまとめた「意見」案をベースにして議論した。

  • 経営困難という断定、強調を繰り返し、その繰り返しが江原氏にスポットを当てるためのものであった。
  • 江原氏を見せることで、本来の趣旨である励ますということがまったくなくなってしまった。こういう出演のさせられ方をしたら傷ついてあたりまえだ。
  • フォロー企画に何のタイトルもクレジットも冠しないで放送したことについても、言及したほうが良い。Aさんとフジテレビとの間では解決されたにしても、視聴者にはなんの説明もない。あのやり方は姑息だということを指摘しておいたほうがいい。
  • この番組の作り方に、明らかに虚偽の部分というのはあったと思う。「お父さん、実は後ろにいらっしゃっているの」というのは、虚偽以外の何ものでもない。放送番組基準の中にはこのようなものはやるべきではないという基準がはっきり書かれており、それに照らしたら、あの番組だけでなく、類似の番組も基本的におかしい。この委員会が、そういうものをバラエティー番組だから何でもありみたいな角度で認めてしまったら、まずいのではないか。
  • 類似の番組についても言及すべきかどうかだが、具体的にある特定部分が明らかにおかしくて、しかもそれを問題にする人がいたときには、そこを議論するというのがわれわれの役目であって、全体としてこうだからという話に解消させると、すごくまずいことになると思う。
  • われわれが意見を述べるとすれば、放送基準の54条、占い、運勢判断及びこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしないという、これしかない。もろにこれに触れているわけではない。断定したり、無理に信じさせようとしているわけではないので。ただ、非常に肯定的に扱っているという意味では、少なくとも放送基準の解説とはやや違う。

委員の意見の中から、取り入れるものは取り入れて「意見」を最終的に取りまとめることを、担当委員と委員長に一任し、本件の審議を終えた。(フジテレビへの通知と記者会見は1月21日に行った)

テレビ朝日『報道ステーション』マクドナルド元従業員の制服着用告発証言報道

前回、委員会に提出されたテレビ朝日の報告書に対して、委員会として問題点などについて回答要請し、回答を得た。委員会では、回答内容について次のような意見が出た。

  • この回答を公表するとしても何かつけないと、この木で鼻をくくったような回答をそのまま認めた形になってしまう。
  • コメントをつけるべきだと思う。この回答を踏まえた委員会の意見を、こういう点はやっぱり問題がある、反省してほしいという意見をつけるべきだと思う。
  • 結局、これも「わかりやすく」とか「映像がほしい」ということだ。こうでなければニュースは伝えられないというふうに思ったら、映像のないニュースなんて何も伝えられないということになってしまう。それがニュースに接する態度かということだ。
  • やっぱりおもしろさ、わかりやすさと、結論先にありき、それを何度も注意していかないといけない。
  • 問いかけの趣旨というものに正面から答えられていないことに対しては、遺憾だという意見を示しておきたい。

委員会では、コメントをまとめる委員を決め、各委員の了解を得て質問書と回答書の内容、そして委員会のコメントを公表することになった。

光市事件裁判報道

18番組をチェックして、問題点を抽出した委員長代行のリポートをもとにして審議した。

  • 視聴者の知る権利を侵害しているのではないか。つまりほんとは裁判でいろいろなことがあるのに、自分たちが番組を作るために都合のよい部分だけをピックアップして視聴者に伝えているということが一番大きい問題なのではないか。
  • 確かにこの事件はセンセーショナルな事件、難しい事件でもあるが、そもそも論として裁判というものをどう考えているのかということを放送局に問いたいと思った。
  • 弁護活動に対する無理解。弁護士は何のためにいるのかということ、それはすごく疑問に感じるところが多々あった。
  • 被害者遺族の発言の取り扱いで、放送局からすれば、遺族がこういうことを言ったんだということを放送しているということかもしれないが、長々と時間を取ってやるということは、放送局がこの被害者遺族の言っていることに共感しているというような意味合いを持ってこないのか、非常に気になった。
  • この問題は、そもそも刑事裁判制度が日本のメディアにまったく理解されていないという、そこに問題がある。もともと日本で法教育を全然やっていないから、専門家だけの世界になってしまって、専門家の間では当然、近代的な訴訟制度はこうあるべきだと思われていることが、まったく世間に共有されていないことがよくわかった。そこに根源的な問題がある。
  • 番組の作り方で困ったなと思うのは、ワイドショーとか生ワイド等は、昔はある程度は裏づけを取った情報に関して1人か2人にコメントしてもらったのが、最近、情報の検証みたいなことをほとんどやらないでコメントに全部頼るという作り方が常識になってしまった。この辺で一度、警鐘を鳴らしておかなければいけないという作り方だ。
  • この問題を考えていくキーワードとして、弁護団に対する誤解と公平性とフェアコメントというか、論評が問題なんだろうと思う。
  • 全体として、いわゆる死刑廃止論者を少数派、異端者という線は全番組にほぼあると思う。その少数意見に対する耳を傾けようという姿勢がほとんどない。そういう意味では、ほんとに誤解を視聴者に与えるだけじゃなくて、ある意味じゃ世論を誘導しているみたいなものがある。知る権利、つまり視聴者に対してまったく何も伝えていない、片方の意見を。そういう意味で、すごく偏向報道という、そして極刑礼賛というか、極刑を待っているという状況が何か作られていくなという、危惧を感じる。

この案件は作業量も多く時間がかかるため、小委員会を作り検討することになった。

坂出市事件報道

坂出市事件の報道問題をどのように扱うかについて、議論した。その結果、捜査段階の報道のあり方は、裁判員制度にも絡んでくる大きな問題であり、放送現場の人たちと一緒に考えていきたい。検証委員会が発足して1年になる5月をめどにシンポジウムを企画することになった。

報告事項

  • 読売テレビ「奈良・放火殺人事件を巡る調書漏洩事件」報道の再報告
    前回の報告では、なぜ誤報を出したのかなどに触れられていなかったため、再報告を求めた。1月9日付けで再度提出を受け、委員会はこの報告を了承した。
    読売テレビの報告内容はこちら
  • フグ肝入り釜飯をタレントが作って食べた番組に厚生労働省が行政指導
    昨年12月13日に放送されたバラエティー番組で、タレントが、宮崎県内でシロサバフグ(地元ではキンフグと呼ばれる)をもらい、毒のない肝も入れて釜飯を作って食べた内容が放送され、ホームページでも調理方法を紹介した。これに対して厚生労働省は「番組を視聴した一般国民が、安易に調理行為を真似た場合、死亡事故につながりかねず、フグ毒の知識を持たない一般国民がフグを調理することを助長するものであったことは、きわめて遺憾」として、健康被害の発生防止について対策を講じるよう指導した。
    これを受けて、当該局はHP上で注意を呼びかけ、翌週の番組終了後にも注意を呼びかけた。

    以上の報告に対して委員から、「本来は当該局が、当社はこういう指導を受けたことに対して、こういうことをしましたとホームページに公開すべきだ。テレビ局が自分たちがどう対応したかということを公表する責任はないのかなと思う」との意見が出た。

  • 三宅島観光協会事務局長公募選考を追ったニュース企画について
    三宅島観光協会の事務局長公募選考を伝えたニュース企画について「女性応募者が面接で泣いたシーンは、あたかも面接者が不当な質問をしたような印象を与えた」と、観光協会から文書が届いた。事務局で番組を視聴した結果、泣いた本人も面接会場から出てきて、泣いてしまったと明るく言っており、面接者が不当な質問をしたから泣いたという誤解は視聴者に与えてはいないと判断したことを報告し、委員会は了承した。

以上

読売テレビ「奈良・放火殺人事件を巡る調書漏洩事件」報道の再報告

《報道の内容》

当該ニュースは、昨年9月28日奈良地検が秘密漏示容疑で令状に基づいて京大教授の自宅と大学の研究室を家宅捜索したことを受け、当日の昼ニュース及び夕方ニュース(いずれも関西ローカル)内で放送したもので、「関係者によりますと(中略)調書から○○教授の指紋も検出されたということです」などと、教授が一連の事件に関与していた可能性が強いことを示唆する内容となっており、実名で報道したものです。

《報道にいたる経緯》

「調書から○○教授の指紋も検出された」という情報については、取材の過程で9月27日に、入手したものです。この情報に基づき、弊社報道部は、28日早朝から、当該教授の自宅に取材班を派遣しました。当日、奈良地検の家宅捜索が行われた際に現場に居合わせた報道機関は、テレビ局は弊社のみで新聞は2社でした。当日午後には大学研究室の捜索も行われ、これは全社が取材したものと見られます。

捜索が実際に行われたことを受けて、前述の通り弊社は当日の昼と夕方のニュースで報道いたしました。この際、「教授の指紋検出」については、捜索が行われた事実に引きずられ、情報の真実性について確認が取れないまま、報道に及んだものです。

《謝罪に至る経緯》

11月2日に奈良地検が事件の最終処分を発表し、教授が事実上事件との関わりはないとされたにも関わらず、当日のニュースの中で教授について全く触れず、名誉回復を怠る事態を招きました。

また、「指紋の検出情報」については、その後も引き続き取材を進めましたが、その存在を裏付ける情報は得られず、11月13日に教授代理人に対して、弊社の一連の報道に不備があったことを伝えました。

弊社では、前回の報告書に記載の通り、今回の事案は報道機関としての責任・役割を十分に果たしていなかったとの認識のもと、12月10日付けで5名の社内処分を実施し、翌11日に教授宛に取締役報道局長名での「お詫び」文を提出しました。

《名誉回復措置》

弊社が「お詫び」文を提出した12月11日、教授代理人の弁護士が記者会見を開き、提出文書を公表しました。この記者会見について弊社は、当日夕方のニュース(関西ローカル)で取り上げ、名誉回復措置の一環として報道しました。

また12月18日の夕方ニュース(関西ローカル)において、「調書漏洩事件」全体を振り返る年末特集の中で、自宅が家宅捜索を受けた教授について、指紋は検出されず事件に関わりが無かったこと、弊社がお詫びしたことを改めて伝えました。この措置については、単に謝罪の放送をするより名誉回復の効果が高いと判断し、実施したものです。

以上