第255回放送と人権等権利に関する委員会

第255回 – 2018年2月

沖縄基地反対運動特集事案の審理、審理要請案件…など

沖縄基地反対運動特集事案の「委員会決定」案を検討し、了承した。命のビザ出生地特集事案を審理要請案件として検討し、審理入りを決定した。

議事の詳細

日時
2018年2月20日(火)午後4時~10時55分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

坂井委員長、奥委員長代行、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、曽我部委員、中島委員、二関委員、水野委員

1.「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」事案の審理

対象となった番組は、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が2017年1月2日と9日に放送した情報バラエティ―番組『ニュ―ス女子』。2日の番組では、沖縄県東村高江地区の米軍ヘリパッド建設反対運動を特集し、軍事ジャ―ナリストが現地で取材したVTRを放送するとともに、スタジオで出演者によるト―クを展開、翌週9日の同番組の冒頭、この特集に対するネット上の反響等について出演者が議論した。
この放送に対し、番組内で取り上げられた人権団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉氏が申立書を委員会に提出、「本番組はヘリパッド建設に反対する人たちを誹謗中傷するものであり、その前提となる事実が、虚偽のものであることが明らか」としたうえで、申立人についてあたかも「テロリストの黒幕」等として基地反対運動に資金を供与しているかのような情報を摘示し、また、申立人が、外国人であることがことさらに強調されるなど人種差別を扇動するものであり、申立人の名誉を毀損する内容であると訴えた。
これに対しTOKYO MXは、「申立人の主張は本番組の内容を独自に解釈し、自己の名誉を毀損するものであると主張するものであり、理由がないことは明らか」との立場を示し、また、虚偽・不公正であるとの申立人の主張については、「制作会社において必要な取材を尽くしたうえでの事実ないし合理的な根拠に基づく放送であって、何ら偽造ではない。申立人が主張するその他の事項についても同様であり、本番組の放送は虚偽ではなく不公正な報道にも該当しない」と述べている。
今月の委員会では、2月に入って2回開かれた起草委員会を経て修正された「委員会決定」案を審理、読み合わせをしながら表現、字句等を修正したうえで大筋で了承され、委員長一任となった。その結果、3月上旬に通知・公表を行うことになった。

2.審理要請案件:「命のビザ出生地特集に対する申立て」

上記申立てについて審理入りを決定した。
対象となったのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れた多くのユダヤ人を救った外交官・杉原千畝の出生地について、CBCテレビが2016年7月12日から2017年6月16日までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。番組では、岐阜県八百津町が千畝の手記などいわゆる「杉原リスト」をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したのを受けて、千畝が「八百津町で出生」という通説に一部で疑念が生じているとして、千畝の子供で唯一存命の四男・伸生氏(ベルギー在住)が取り寄せた戸籍謄本には、千畝が八百津町ではなく、「武儀郡上有知町」(現在の美濃市)で出生したと表記されていたことや、千畝の手記(下書き原稿)を入手して調べたところ、出生地が「武儀郡上有知町」が二重線で消され、「加茂郡八百津町」に書き直され、伸生さんは書き直した文字は「父の筆跡ではない」と話し、筆跡鑑定士も「千畝のものと違う」と鑑定した等と放送した。
この放送に対し、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」およびその理事である杉原千弘氏と杉原まどか氏、平岡洋氏の3氏が委員会に名誉毀損を訴える申立書を提出。この中で、番組ではユネスコに提出された本件各手記を「杉原千畝命のビザ」が保管していることを杉原まどか氏と平岡洋氏に確認させ、直後に「鑑定士」2人が本件各手記は偽造文書であると決めつける発言をそのまま放送したことから、「一般の視聴者は、本件各手記は偽造されたものとの印象を受けた」と主張した。
さらに、杉原まどか氏及び平岡洋氏が本件各手記の真正を述べるインタビューを放送した直後に、「違うよ、こんなの」だとか、「裁判所からの鑑定だったら、完全に違う、と言う。」と、「鑑定士」が両氏のインタビュー内容を徹底的に否定してみせたことにより、「かかる構成からすると、杉原まどか及び平岡洋が偽造者であるとの事実を摘示している」と述べた。
申立書は、「私文書偽造は犯罪であり、しかもそれをユネスコに提出して偽造私文書を行使したというのだから、本件放送が杉原まどか及び平岡洋の社会的評価を低下させることは明らか」で、また本件各手記の保管者である「杉原千畝命のビザ」の社会的評価も低下させ、「本件各手記の真実の保管者は杉原千弘であること、同人は杉原千畝命のビザの理事であることから、杉原千弘の社会的評価も低下させる」と主張した。
申立書は放送による具体的被害として、それまで半年間に十数件あった申立人らへの講演依頼が、放送後はほとんどなくなった点等を挙げ、CBCテレビに対し、「本件各手記はいずれも杉原千畝が書いた真正なものである」との趣旨の訂正を番組内で放送するよう求めている。
申立人とCBCテレビは、委員会事務局の要請に応じて面会し、話し合いによる解決を模索したが、双方の主張は折り合わず、不調に終わった。
これを受けてCBCテレビは2018年1月30日付で「経緯と見解」書面を提出、「申立人が主張する『杉原千畝の手記とされる文書を、偽造文書と決め付けるような放送』は、行っていない。従って、申立人が求めている訂正を、放送する考えはない」と述べた。
同局は、八百津町が町内に設置した「杉原千畝生家跡」との看板を後に「実家跡」に書き換えたことをきっかけに取材を始め、番組は世界記憶遺産登録申請の「活動の根幹(根拠)となる『八百津町で出生』という通説が揺らいでいることを報じたもので、この"霧"を晴らすことが地元メディアの役割であり、真っ当な世界遺産登録への道と考えた。正確性、真正性が厳格に問われるユネスコの審査に、疑義を残したままで大丈夫なのか。登録申請者である八百津町の姿勢に警鐘を鳴らすとともに、世界に胸を張って杉原千畝の業績の顕彰を進めるため、この機会に、地元や研究者の間にくすぶる千畝の出生地の疑問、及びその根拠を再検証する必要があると考え、一連の報道を行った」と説明した。
また「一連の取材でキーになったのが、千畝の子どもで唯一存命の四男・伸生氏へのインタビューと、彼が入手した千畝の戸籍謄本などの一次資料」とし、出生地に関する手記の書き直しが、伸生氏が指摘するように別人によるものかその可能性を探るため「利害関係のない専門家」に筆跡鑑定を依頼したところ、「下書き原稿の出生地書き直しは、千畝とは別人の筆跡である可能性が高い。」という結果が出たと指摘。ただ、「筆跡鑑定は絶対ではなく、あくまで判断材料の一つ」として、「放送は、手記が真正か、偽造されたものかという判断には踏み込んではいない。但し、下書き原稿の出生地の書き直しに限っては、筆跡鑑定の結果を含めた総合的な判断として、不自然さが残ることを指摘した。申立人が指摘する『手記は偽造文書だ』という旨の放送は、行っていない。また、申立人が指摘する『杉原まどか氏および平岡洋氏が手記を偽造したという印象』を、この放送を視聴された一般の方が抱くとは思えない」と主張した。

委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らし、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し、審理入りすることを決めた。
次回委員会より実質審理に入る。

3.その他

  • 3月13日に開催される2017年度BPO年次報告会について事務局長が説明した。

以上

2018年2月20日

「命のビザ出生地特集に対する申立て」審理入り決定

放送人権委員会は2月20日の第255回委員会で、上記申立てについて審理入りを決定した。
対象となったのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れた多くのユダヤ人を救った外交官・杉原千畝の出生地について、CBCテレビが2016年7月12日から2017年6月16日までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。番組では、岐阜県八百津町が千畝の手記などいわゆる「杉原リスト」をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したのを受けて、千畝が「八百津町で出生」という通説に一部で疑念が生じているとして、千畝の子供で唯一存命の四男・伸生氏(ベルギー在住)が取り寄せた戸籍謄本には、千畝が八百津町ではなく、「武儀郡上有知町」(現在の美濃市)で出生したと表記されていたことや、千畝の手記(下書き原稿)を入手して調べたところ、出生地が「武儀郡上有知町」が二重線で消され、「加茂郡八百津町」に書き直され、伸生さんは書き直した文字は「父の筆跡ではない」と話し、筆跡鑑定士も「千畝のものと違う」と鑑定した等と放送した。
この放送に対し、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」およびその理事である杉原千弘氏と杉原まどか氏、平岡洋氏の3氏が委員会に名誉毀損を訴える申立書を提出。この中で、番組ではユネスコに提出された本件各手記を「杉原千畝命のビザ」が保管していることを杉原まどか氏と平岡洋氏に確認させ、直後に「鑑定士」2人が本件各手記は偽造文書であると決めつける発言をそのまま放送したことから、「一般の視聴者は、本件各手記は偽造されたものとの印象を受けた」と主張した。
さらに、杉原まどか氏及び平岡洋氏が本件各手記の真正を述べるインタビューを放送した直後に、「違うよ、こんなの」だとか、「裁判所からの鑑定だったら、完全に違う、と言う。」と、「鑑定士」が両氏のインタビュー内容を徹底的に否定してみせたことにより、「かかる構成からすると、杉原まどか及び平岡洋が偽造者であるとの事実を摘示している」と述べた。
申立書は、「私文書偽造は犯罪であり、しかもそれをユネスコに提出して偽造私文書を行使したというのだから、本件放送が杉原まどか及び平岡洋の社会的評価を低下させることは明らか」で、また本件各手記の保管者である「杉原千畝命のビザ」の社会的評価も低下させ、「本件各手記の真実の保管者は杉原千弘であること、同人は杉原千畝命のビザの理事であることから、杉原千弘の社会的評価も低下させる」と主張した。
申立書は放送による具体的被害として、それまで半年間に十数件あった申立人らへの講演依頼が、放送後はほとんどなくなった点等を挙げ、CBCテレビに対し、「本件各手記はいずれも杉原千畝が書いた真正なものである」との趣旨の訂正を番組内で放送するよう求めている。
申立人とCBCテレビは、委員会事務局の要請に応じて面会し、話し合いによる解決を模索したが、双方の主張は折り合わず、不調に終わった。
これを受けてCBCテレビは2018年1月30日付で「経緯と見解」書面を提出、「申立人が主張する『杉原千畝の手記とされる文書を、偽造文書と決め付けるような放送』は、行っていない。従って、申立人が求めている訂正を、放送する考えはない」と述べた。
同局は、八百津町が町内に設置した「杉原千畝生家跡」との看板を後に「実家跡」に書き換えたことをきっかけに取材を始め、番組は世界記憶遺産登録申請の「活動の根幹(根拠)となる『八百津町で出生』という通説が揺らいでいることを報じたもので、この“霧”を晴らすことが地元メディアの役割であり、真っ当な世界遺産登録への道と考えた。正確性、真正性が厳格に問われるユネスコの審査に、疑義を残したままで大丈夫なのか。登録申請者である八百津町の姿勢に警鐘を鳴らすとともに、世界に胸を張って杉原千畝の業績の顕彰を進めるため、この機会に、地元や研究者の間にくすぶる千畝の出生地の疑問、及びその根拠を再検証する必要があると考え、一連の報道を行った」と説明した。
また「一連の取材でキーになったのが、千畝の子どもで唯一存命の伸生氏(四男・ベルギー在住)へのインタビューと、彼が入手した千畝の戸籍謄本などの一次資料」とし、出生地に関する手記の書き直しが、伸生氏が指摘するように別人によるものかその可能性を探るため「利害関係のない専門家」に筆跡鑑定を依頼したところ、「下書き原稿の出生地書き直しは、千畝とは別人の筆跡である可能性が高い。」という結果が出たと指摘。ただ、「筆跡鑑定は絶対ではなく、あくまで判断材料の一つ」として、「放送は、手記が真正か、偽造されたものかという判断には踏み込んではいない。但し、下書き原稿の出生地の書き直しに限っては、筆跡鑑定の結果を含めた総合的な判断として、不自然さが残ることを指摘した。申立人が指摘する『手記は偽造文書だ』という旨の放送は、行っていない。また、申立人が指摘する『杉原まどか氏および平岡洋氏が手記を偽造したという印象』を、この放送を視聴された一般の方が抱くとは思えない」と主張した。

委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らし、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し、審理入りすることを決めた。
次回委員会より実質審理に入る。

放送人権委員会の審理入りとは?

「放送によって人権を侵害された」などと申し立てられた苦情が、審理要件(*)を満たしていると判断したとき「審理入り」します。
ただし、「審理入り」したことがただちに、申立ての対象となった番組内容に問題があると委員会が判断したことを意味するものではありません。

* 委員会審理に必要な要件については、同委員会「運営規則 第5条」をご覧ください。

2018年2月8日

フジテレビ『とくダネ!』
2つの刑事事件の特集に関する意見の通知・公表

上記の委員会決定の通知は、2月8日午後1時30分から、千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。委員会から川端和治委員長、升味佐江子委員長代行、神田安積委員の3人が出席し、フジテレビからは専務取締役(報道局・情報制作局担当)ら5人が出席した。
まず川端委員長が、「7月の映像の取り違えは、多くの人が関与しながら誰もチェックできなかったことが問題だ。また8月の放送は、当初、担当者たちは『警察に確認する必要がある』という正しい認識を持っていたのに、時間的に追い込まれて間違いが放送されてしまったわけで、必要な人員や時間が確保されているのかが課題。フジテレビに対しては9月に委員長談話を出したばかりで、会社の文化として事実の確認を取るというジャーナリズムの基本がおろそかになっているのではないかという危惧を感じる。きちんと事実を伝えないと、社会からメディアに与えられている使命を果たせないということを、全社的に考える雰囲気を醸成してほしい」と要請した。
升味委員長代行は、「聴き取りをした社員やスタッフはまじめで熱心な方々なのに、放送倫理違反があったという結果になったことは残念だ。その理由として、分業体制の中で、この番組は自分たちが作る番組だという『熱さ』が、現場に欠けてきているのではないかと懸念する」と述べた。
神田委員は、「7月の放送では誤って全く別の人のインタビューを使ったことが問題となったが、その発言内容が、放送したいテーマと関連があったのか疑問に感じた。同一人物かどうかの確認の問題とは別に、その内容のインタビューを使うことの是非について、誰も声を上げておらず、また、この点について検証した様子がみられないことも問題だ」と指摘した。
これに対してフジテレビは、「今回の決定を重く、真摯に受け止めている。今後の番組制作にいかして、会社として、再発防止に継続的に努めていきたい」と述べた。

その後、午後2時30分から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には、26社52人が出席した。
はじめに川端委員長が、刑事事件の容疑者の情報という、確認にとりわけ慎重さが求められるセンシティブな事実の報道に際し、裏付けをきちんと取っていなかったため、同じ番組で1か月の間に2件の間違いが続いて視聴者に誤った情報を伝えたと、放送倫理違反があったと判断した理由を説明した。そして「裏付けを取るべき相手にきちんと裏付けを取っていれば、こういう間違いは起きなかった。チームで取材するときに、役割分担の思いが強すぎると、その隙間に、確認するという手順が陥ってしまいかねないことを明らかにした事案だ」と述べ、フジテレビに限らず、なぜ事実の確認が必要なのかを現場の人が理解してほしいと話した。さらに、テレビはきちんとした裏付けがある情報を伝えるメディアだという認識を視聴者が持たなければ、ネットに対してテレビの優位性は保てないと、意見書に込めた気持ちを明らかにした。
升味委員長代行は、「誰かがもう一声あげていれば、防げたミスだ。分業体制が進んで自分に割り当てられた仕事ではない、他の人に任された仕事だという気持ちになり周囲に遠慮しているのかもしれないが、テレビがネットと違うためには、そこを乗り越えなければいけない」と、同じ番組を作る者として感じた疑問点を放置しない情熱を現場に求めた。また、「情報番組は人や事柄のエピソードの面白さを追求するので、裏付けの必要性についての厳しい意識が欠けていたのではないかと危惧する」と述べ、先輩が現場の若い制作者を指導し、経験を伝承する必要性を強調した。
神田委員は、「正確な報道と裏付け取材が必要だということは十分に理解されていたが、理解していることと実践できていることとは違うので、裏付け取材が不十分なまま誤った放送がされてしまうことがある」と指摘した。そのうえで、どのようなプロセスを経て間違った結果を招いてしまったのか、再発を防ぐためにはどうすればいいのかについて、「個別のケースについての意見書ではあるが、ほかの放送局にも共有していただき、今後の番組作りにいかしてほしい」と、制作現場によびかけた。

記者との主な質疑応答は以下のとおり。

Q: 間違いが1件だけなら審議入りしなかったのか?
A: 容疑者の映像の取り違えはこれまでにもあったが、静止画の場合が多かった。今回はインタビューを含めて映像を長い時間放送してしまい、しかもそのミスをキー局がおかしたということが問題。そのうえ、同じ番組での事実確認のミスが重なったので審議した。(川端委員長)
   
Q: 『とくダネ!』は、けさの放送でも存命の方を亡くなっていると紹介してしまうミスがあったようだが?
A: 放送局として、事実の確認を取った上で放送するという文化を育ててほしいと強く思っている。そのために、事実の確認は譲れないという気構えをみんなが持つような方策を考えて、全社的に取り組んでほしい。(川端委員長)

以上

第123回 放送倫理検証委員会

第123回–2018年2月

毎日放送『教えてもらう前と後』皇后陛下の肖像写真の説明とエピソードを誤って放送した特集を討議など

2月8日に、当該局への通知と公表の記者会見を行ったフジテレビの『とくダネ!』2つの刑事事件の特集に関する意見について、出席した委員長と担当委員から当日の様子が報告された。
皇后陛下の肖像写真の撮影時期や撮影のエピソードに誤りがあったとして訂正放送を行った毎日放送のバラエティー番組『教えてもらう前と後』について、1月の番組と訂正放送を改めて視聴し、当該放送局の報告書をもとに討議した。その結果、当該放送局に、誤った情報の"ネタ元"とされる資料の提供を求めるとともに追加質問を行い、次回の委員会でさらに討議することとなった。
1月25日、沖縄地区の各放送局と委員会との意見交換会が、那覇市内で開催された。

議事の詳細

日時
2018年2月9日(金)午後5時00分~6時50分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、是枝委員長代行、升味委員長代行、神田委員、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1. フジテレビ『とくダネ!』2つの刑事事件の特集に関する意見の通知・公表

フジテレビの『とくダネ!』2つの刑事事件の特集に関する意見(委員会決定第28号)の当該放送局への通知と公表の記者会見が、2月8日に実施された。2017年7月、医師法違反事件で逮捕された容疑者として別人の映像を放送したのに続いて、翌8月にも、放送時点では書類送検されていなかった京都府議会議員について「書類送検された」などと放送し、刑事事件の容疑者に関する最もセンシティブな情報に関して、同じ番組で間違いが続いたことは大きな問題だとして、10月の委員会で審議入りしていた。
委員会は、事実に反する報道で誤った情報を視聴者に伝えた2つの特集は、放送倫理基本綱領や日本民間放送連盟放送基準に抵触し、放送倫理違反があったと判断した。そのうえで、2つの特集の制作過程においては、何度も誤りに気づいて修正するチャンスがあったにもかかわらず見逃されてしまったことを指摘、放送現場に、改めて刑事事件報道の原則を再確認するとともに、番組スタッフの連携の力をさらに高めるよう求めた。
委員会では、委員会決定を伝えたフジテレビのニュースと当該番組を視聴し、委員長や担当委員から、通知の際のやりとりや記者会見の内容などが報告された。

2. 毎日放送『教えてもらう前と後』皇后陛下の肖像写真の説明とエピソードを誤って放送した特集を討議

毎日放送のバラエティー番組『教えてもらう前と後』は、1月9日に放送した皇后陛下の肖像写真の撮影時期や天皇陛下がご成婚前に撮影されたと伝えたエピソードなどに誤りがあったとして、1月23日に訂正放送を行うとともに、番組ホームページでも訂正と謝罪を行った。
当該放送局の報告書によると、番組では、写真は陛下が皇太子時代の昭和32年に撮影され、「女ともだち」と題して「宮内庁職員組合文化祭美術展」に出品されたなどと紹介したが、実際に撮影されたのはご成婚後の昭和38年で、写真撮影と美術展出品をめぐるエピソードも根拠がないものだった。放送中に視聴者から指摘があり、事実確認を行った結果、誤りが判明したという。
毎日放送は宮内庁に謝罪するとともに、総務省近畿総合通信局に報告し、1月23日の同番組で訂正放送を行った。
委員会では、「写真に添えられたキャプションを見れば時系列的に矛盾していることがわかったはず」「写真の撮影時期の誤りよりも、ご成婚前の撮影を前提としてありえないエピソードを伝え、それにコメントを加えたことが問題だ」「訂正放送の内容や番組ホームページに掲載された謝罪文では、視聴者に何が問題だったのか全く伝わっていないのではないか」など、厳しい意見が相次いだ。
委員会では、訂正放送のあり方や制作の経緯について詳しく調べる必要があるとして、当該放送局に追加の質問を行うとともに、誤った情報の"ネタ元"とされる書籍など関連資料の提出を求め、次回委員会で引き続き討議することになった。

【委員の主な意見】

  • 写真撮影の時期と経緯が正しいものであることを確認した上で作られなければならない番組であるのに、肝腎の写真の入手がスタジオ収録の前日までできないまま制作が進められていたというのには驚く。
  • 誤った撮影時期を伝えたという点では単純なミスだが、そのミスをもとに、ご婚約前に承諾を得て撮影したとか、「女ともだち」というタイトルで美術展に出品したというフィクションを放送してコメントを加えている。
  • 写真の誤使用よりも、伝えた事実に誤りがあったことが問題だ。
  • エピソードが間違っていたことについて、間違った箇所を明示しての訂正やお詫びがないのは問題だ。

3. 沖縄地区の各放送局と放送倫理検証委員会との意見交換会開催

1月25日(木)沖縄地区の放送局と放送倫理検証委員会との意見交換会が、那覇市内で開催された。委員会が沖縄地区の放送局と意見交換会を開催したのは今回が初めてである。意見交換会には琉球放送、琉球朝日放送、沖縄テレビ、ラジオ沖縄、FM沖縄、NHK沖縄放送局の6局から24人が出席した。委員会からは川端和治委員長、岸本葉子委員、中野剛委員、藤田真文委員が出席、BPOの濱田純一理事長が同席した。なお意見交換会は、双方が率直な意見を述べることにより、相互の理解を深めるという趣旨から、非公開で行われている。
意見交換会の前半は、昨年12月14日に委員会が公表した東京メトロポリタンテレビジョンの『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見書について、後半は、基地問題に関連してインターネット空間で出回っている沖縄ヘイトやデマ情報に地元の放送局がどう向き合っているのかをテーマに活発に意見が交わされた。
意見交換会では、『ニュース女子』の意見書ついて、まず川端委員長から委員会決定のポイントの解説が行われたあと質疑に移った。特に、委員会が独自に行った現地調査について各局から質問や意見が相次ぎ、調査に赴いた担当委員を中心に詳しく説明するとともに活発な議論が展開された。また、米軍ヘリから小学校や保育園に部品が落下した問題をめぐり、学校や教育委員会に誹謗中傷の電話が相次いだことについて、各局とも複雑な県民感情を慮って放送するか否か迷ったり悩んだりしていることが具体的に報告され、参加した委員からは沖縄の放送現場の葛藤が聞けて非常に有意義な意見交換になったと感想が述べられた。この他、高速道路で起きた玉突き事故に絡んで、米軍兵士が日本人を救助したのに沖縄のマスコミはこの美談を無視して報じないと一部全国紙が非難した件について、当時のニュース映像を視聴した。「継続取材をしているが、そんな事実は確認できない」「県警も否定している」など現場の報告や意見が相次いだ。予定の時間をオーバーして活発な意見交換会となった。

以上

第28号

フジテレビ『とくダネ!』2つの刑事事件の特集に関する意見

2018年2月8日 放送局:フジテレビ

フジテレビの情報番組『とくダネ!』は、2017年7月、医師法違反事件の容疑者として全く別の男性の映像をインタビューも含めて放送し、また翌8月には放送時点では書類送検されていなかった男性を「書類送検された」などと放送した。委員会では、刑事事件の容疑者の映像と刑事手続きの進捗状況という最もセンシティブな情報について、同じ番組で誤りが続いたことは大きな問題だとして審議入りしていた。
委員会は、事実に反する報道で誤った情報を視聴者に伝えた2つの特集は、放送倫理基本綱領や日本民間放送連盟放送基準に抵触し、放送倫理違反があったと判断した。そして、いずれの特集でも、その制作過程で誤りに気づいて修正するチャンスがあったにもかかわらず見逃されてしまったことから、刑事事件報道の原則を再確認するとともに、番組スタッフの連携の力をさらに高めるよう求めた。その上で、玉石混交の情報が溢れる時代では、テレビが持つ優位性は情報の正確さと取材の深さにあるとして、取材は徹底的に、裏付けは慎重に、しかし、放送は果敢にと、現場のスタッフに呼びかけた。

2018年2月8日 第28号委員会決定

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目 次

2018年2月8日 決定の通知と公表の記者会見

通知は、2月8日午後1時30分から、千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。また、午後2時30分から記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には26社52人が出席した。
詳細はこちら。

2018年5月11日【委員会決定を受けてのフジテレビの対応】

標記事案の委員会決定(2018年2月8日)を受けて、当該のフジテレビは、対応と取り組み状況をまとめた報告書を当委員会に提出した。
5月11日に開催された委員会において、報告書の内容が検討され、了承された。

フジテレビの対応

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目 次

  • 1.委員会決定に伴う放送対応
  • 2.委員会決定内容の社内での周知
  • 3.再発防止に向けた取り組み

2018年1月に視聴者から寄せられた意見

2018年1月に視聴者から寄せられた意見

全国各地の大雪による被害のニュースや、成人式の取材に関する報道のあり方への意見。年末年始の長時間スペシャル番組への意見など。

2018年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,589件で、先月と比較して437件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性34%、不明1%で、世代別では30歳代26%、40歳代25%、50歳代20%、20歳代17%、60歳以上9%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は923件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新年を迎え、全国各地の大雪による被害のニュースや、成人式の取材に関する報道のあり方への意見が寄せられた。また、年末年始の長時間スペシャル番組への意見も多かった。
ラジオに関する意見は30件、CMについては25件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は120件で、前月から10件増加した。
今月は「表現・演出」が34件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が21件、「暴力・殺人・残虐シーン」が15件、と続いた。
「低俗・モラルに反する」では、バラエティー番組で裸芸の芸人の出演について意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、バラエティー番組での女性タレントの扱いについて意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 首都圏でおよそ4年ぶりの大雪が降った。夕方のニュースで過去の映像を流していたが、左上に年月日のテロップが出ているだけで、現在の状況と混同してしまう。特に、駅の運行情報などは、今起こっている事象と勘違いしてしまいそうだ。過去の映像を流す場合は、枠を付けるなど、今の状況ではないことをもっと強調するようにしないと、情報を誤認する恐れがある。

  • 毎年、福岡・北九州の成人式を扱う意図はどこにあるのか。「日本一盛大な」と言っていたが、何を根拠にしているのか。全国各地の成人式を取材したわけでもなく、初めからここだけを特集しようと決めて、ごく一部の着飾りが派手な若者を取り上げ、ばかにするつもりだったに違いない。基本的なマナーはきちんと守っているのに、全体的にガラが悪いかのように報じるのは偏見を植え付けるだけだ。一生に一度のめでたい日を、不愉快な日にするのはやめてほしい。

  • プロ野球元監督の訃報の中で、すい臓がんの余命について報じていたが、治療している人たちにとって希望をなくすものだった。私の父もすい臓がんで闘病中で、治るのではないか、少しでも長生きできるのではないかと日々辛い治療を続けている。その状況のなか「余命○○以内」とテレビで告げられると、絶望に追いこまれ、治療への意欲を削がれてしまう。病気を知ることは大切だが、余命までは報道すべきでない。余命は人それぞれである。治療を受け戦っている人たちへの配慮を欠いた報道に抗議する。

  • 人気女優の兄、酒気帯び運転容疑で逮捕について。女優の家族というだけで、大々的に名前、年齢、職業などがさらされるのはどうなのか。ましてや「○○の兄」という表記は、女優本人にも問題があるような印象を受ける。彼女は何もしていない。まるで容疑に関係したかのような報道のあり方は問題ではないか。

  • ここ最近の芸能ニュースは、芸能人を強く傷つける内容が多い。一視聴者として、見ていても辛くなるようなことがある。芸能人も一個人だ。特に家庭の問題、不倫などは視聴者には何の関係もない。しかしながら、最近はCMやドラマの降板や引退にまで追い込まれる傾向にある。イメージダウンを助長させているのは本人達ではなくマスコミだ。私は、歌手であるなら歌っている姿、俳優なら演じている姿が好きなのだ。不倫は良くないことだが、夫婦間の問題であり、罪を犯したわけではない。ワイドショーでは暗い話題はなるべく扱わないでほしい。芸能人は、テレビや舞台で視聴者やファンを楽しませるために活動しているのだから。

【番組全般・その他】

  • 大みそかの番組で、格闘家が熊と対決するコーナーがあった。強固で透明なパネルを挟んで押し合い、力比べをするというものだったが、パネルが外れ、格闘家が退避する顛末になった。問題と思われるのは安全性の軽視。現に装置が破壊されていた。動物愛護の精神への逆行も問題だ。格闘家の退避が間に合わない場合、おそらく熊は射殺されていただろう。熊を意図的に興奮させる手法も疑問だ。ローマ時代のコロッセオでもあるまいし、放送倫理を疑う内容だった。

  • 昼の番組で、音楽プロデューサーの不倫問題を取り上げていた。自身のこと、家族のことについて率直に語っていたが、「あそこまでプライバシーを人に披露するのは…」というコメンテーターの苦言に驚いた。言葉を濁すと批判し、説明責任を追及し、プライバシーを暴こうとするマスコミ側の人間が、彼の苦渋の吐露を批判する立場にあるのだろうか。勝手に私事を報道され会見を開いたのに、これではひど過ぎる。

  • マナー講師を出演させ、お祝いのお返しに贈っていいもの・いけないもの、二者択一のクイズ形式の番組があった。「緑茶と紅茶のうち、お祝い返しに贈ってはいけない物はどっち?」の出題に対し、正解は「緑茶」。正解を示す演出として、画面に緑茶と紅茶の画像をあらかじめ表示し、緑茶の画の上に「贈ってはいけない」という文字をオーバーラップさせた。マナー講師が監修しているとの印象を視聴者に与えた状態で、「緑茶を贈ってはいけない」ことがマナーの正解との印象を視聴者に与え、さらに「お葬式を連想し縁起が悪い」ととどめを刺した。一方、緑茶は縁起が良いものとしてお祝い返しに贈る方もたくさんいる。実際に九州では結納茶という文化が残っている。この番組は、意見の分かれる風習やしきたりのようなものを比較し優劣を付け、一方を正解であるかのように表現し、他方を支持する人達を傷つけたことになる。さらには緑茶の商品価値を落としてしまっている。

  • インドネシアのスマトラ島でクワガタとカブトムシを探すという企画のなかで、島で捕獲したというコーカサスオオカブトとオウゴンオニクワガタを映した。しかし、テレビに映ったその2種はジャワ島の固有種であり、スマトラ島にはいない。番組では「スマトラで捕獲した」としていたが、誤りではないか。私はカブトムシやクワガタを商っており、年に何度もインドネシアに出かけていて、これらの虫のことはよく知っている。小学生でも昆虫に詳しければ気付くことだ。また、ジャワ島で捕獲したはずのこれらの虫を、再び島に返したかどうかという点も気になる。生態系を守ることにも言及してほしかった。

  • 私は、アメリカに17年間居住して帰国したが、日本のお笑いの質の低さ、黒塗りの顔や女性への暴力を平気で流す意識の低さ、そしてモラルのなさに驚きと怒りを感じる。日本人は人権意識が低いと言いはやしているようなものだ。そもそも放送局には、自局の番組がモラルに抵触しないかのチェック機能があるはずだ。視聴率が取れるから、何でも流していいと思っている姿勢が垣間見える。いじめや暴力を受け、泣き顔になっている人を笑うという図式は、放送倫理に反しないのか。

  • 「関東地方で地震」との第一報があり、続いて報道フロアからの臨時ニュースが入った。そのなかでアナウンサーが「先ほどの情報に誤りがあった」と正したが、具体的にどう間違っていたのかの説明がない。そこで局に電話をして説明を求めたが、電話対応者は「誤りがあったとの文言はなかった」と言う。私が「どこにどう確認したのか」と尋ねると、はっきりと答えなかった。納得がいかないので「そんなことでは信用できない」と告げたところ、「どのように受け取られても構わない」と開き直るようなことを言われた。何のための報道であり、何のための視聴者対応なのか。どちらもその役割を果たしていない。

  • 関西地方の夕方の番組で、派遣労働者の2018年問題を取り上げていた。この法律の影響で雇い止めになった人の声や、派遣社員の制度の紹介や現状がわかりやすく紹介され、この問題に取り組む団体のホームページの紹介もあり、早速アクセスしアンケートに参加させてもらった。私も派遣で働いているため、他人ごとではないとの思いで見ていたが、現在の日本の企業がこのような働かせ方を平気でしていることに対して、日頃から怒りを感じており、よくぞ報道してくれたと思った。今後もこのような生活に密着した重要な話題を多く取り上げてほしい。

【ラジオ】

  • 土曜昼の番組は、生放送を偽装しているようでがっかりした。オープニングは普段の生放送と変わらぬ喋り出しだったが、番組名物の世相や芸能に関するトークは無く、音楽をかけ、雑談で番組終了。ラジオはテレビに比べ、出演者がより身近に感じられ好きな媒体だが、この日は、生放送の雰囲気を出しつつも、メールなどの受け答えはしないという形で、リスナーを少しばかにしているような放送に見受けられた。昨今、食品偽装や工業製品のデータ改ざんが社会問題になっている。番組が生放送を装っていながら、実は録音というのは、表示に偽り有りと感じざるを得ない。ラジオ番組に求められているのは、イミテーションではなく、速報性、実直さ、身近感だと思う。近頃、暗い話題ばかりで、気晴らしにラジオをつけたらこの状態。余計にモヤモヤした。

【CM】

  • 最近、仮想通貨のCMが増えているが、CMの最後に表示されている注意喚起の表示が、短すぎて全部読めない。

青少年に関する意見

【「低俗、モラルの反する」との意見】

  • 生放送のバラエティー番組で、裸芸の芸人が股間を隠す芸に失敗した。放送時間は、青少年の視聴も想定される時間であり、大変不適切である。リスクの高い裸芸を地上波で放送することに対する規制を望む。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、女性タレントが格闘家から蹴りを入れられて痛がるのを、男性芸人が笑うというシーンがあった。お茶の間で子どもの目に触れてよいはずがない。いじめやリンチの助長となる可能性もある。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • バラエティー番組で、男性芸人が顔を黒塗りにして登場していたが、面白かったら人種差別的なことをしてよいのか。子どもたちに影響の大きい番組なので、放送内容に配慮してほしい。番組から悪影響を受けているようで心配だ。

【「編成」に関する意見】

  • ゴールデンタイムのドラマを子どもたちと見ていたら、深夜の新番組のドラマの番組宣伝が放送され、ベッドシーンが出てきた。このような番組宣伝は、子どもたちの見る時間帯にふさわしくない。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • ドッキリ番組について、「人の不幸を笑いものにするのは許せない」「どう考えてもいじめと思う」「子どもがまねをする」などの批判が寄せられているが、私はそうは思わない。このような番組は、単純にストレス解消のために見ている人がほとんどであり、直ちにいじめや非行の原因になるとは考えにくい。なんでもかんでもいじめ、非行の元凶と決めつける短絡的な考え方こそ問題である。

第199回 放送と青少年に関する委員会

第199回-2018年1月23日

視聴者からの意見について…など

2018年1月23日、第199回委員会を午後4時30分からBPO第1会議室で開催、7人の委員全員が出席しました。
委員会ではまず、2017年12月1日から2018年1月16日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。その結果、いずれの番組も討論など次の段階に進むまではないとなりましたが、全裸でお盆などを使って股間を隠す芸人が芸に失敗した生放送のバラエティー番組と、出演者が顔を黒く塗るメークを施して登場した別のバラエティー番組に対して、放送局に留意してほしい点があるとして以下のような意見が出されました。
お盆芸の失敗があった番組については、当該放送局から自主的に企画意図と見解を記した文書が提出されました。それによると、「入念なリハーサルを経たうえで、さらに万が一失敗したとしても局部が露出することは起こらない工夫を施してお盆芸を披露…」などと説明されていました。委員からは、「そのようなことであれば、公然わいせつということにはならないのではないか。そのような視点で問題にするという考えはない」としたうえで、「生放送でこの芸を放送した場合、あとで言い訳が立たないようになった可能性もあった」「生放送で失敗したときに、言い訳をしなければならないのであれば、芸として確立しているとは言えないのではないか」などの意見が出されました。
出演者が顔面を黒く塗るメークをしていたことに対して多くの視聴者から「黒人差別を助長するのではないか」などの意見があった番組については、「黒人差別などの意図があってやったのではないと受け止めている」としながらも、「これだけ外国人が増えてきて、以前のように外国人の視聴者がいることを考えないで番組を作っていた時代とは違っているということも意識しなければいけない」など、社会の変化を敏感に読み取るよう求める声が上がりました。
1月度の中高生モニターのリポートのテーマは「冬休みに見た番組の感想」で、年末年始の特番などについて書かれた中高生モニターのリポートを基に委員が議論しました。
調査研究については、委員会開催の直前に行った放送局との意見交換会で出された意見を、発表の際にどのように生かすかなどについて意見が交わされました。
次回は2月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年1月23日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

生放送のバラエティー番組で、裸芸の芸人が芸に失敗し、一瞬股間が見えたように放送されたことについて、「青少年の視聴が想定される時間帯であり、大変不適切である。リスクの高い裸芸を地上波で放送することに対して規制を強く望む」「子どもや社会への影響が大きい。電波上の公然なわいせつ行為は、電車内の痴漢行為や街中を露出して歩く行為と同等な不愉快さを感じる。彼自身の芸への意識や倫理観の欠如と思われる」などの意見が寄せられました。これに対し、当該放送局から自主的に提出された報告書によると、「生放送にあたり、この芸人は番組制作スタッフの協力のもと入念なリハーサルを経たうえで、さらに万が一失敗したとしても局部が露出することが起こらない工夫を施してお盆芸を披露、放送いたしました」と説明されていました。委員からは、「生放送でこの芸を放送した場合、あとで言い訳が立たないようになった可能性もあった。番組制作にあたっては、そのような事態が起こらないよう十分に配慮しなければならない」「生放送で失敗したときに、言い訳をしなければならないのであれば、芸として確立しているとは言えないのではないか」などの意見が出されました。この件については、これ以上、話し合う必要はないとなりました。
バラエティー番組で、出演者の一人が顔面を黒く塗って登場したことについて、「人種差別を笑いの対象にし、子どもも見る時間帯に放送している。個人的な不快感というだけでなく、倫理的に許されないことではないか」「日本の倫理規定は分からないが、アメリカなど先進国では人種差別ととられるものだ」「人権意識の低さとモラルのなさに驚きと怒りを感じる。放送局にはチェック機能があるはずだが、視聴率が取れれば何でも流していいと思っている姿勢が垣間見える」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「黒人差別という意図で放送したのではないと受け止めているが、今、日本でもこれだけ外国人が増えてきて、以前のように外国人の視聴者がいることを考えないで番組を作っていた時代とは社会情勢が変化しているということも意識しなければいけない」などの意見が出されました。この件については、これ以上、話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした1月のテーマは、「冬休みに見た番組の感想」です。また、「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で30人から報告がありました。
「冬休みに見た番組の感想」と「自由記述」をあわせると、『第68回NHK紅白歌合戦 夢を歌おう』(NHK 総合)に9人、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ)に4人、『第94回箱根駅伝』(日本テレビ)に2人から報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『歌唱王~歌唱力日本一決定戦』(日本テレビ)、『アラスカへの憧憬~亡き父・星野道夫を追って』(NHK BS1)をそれぞれ2人のモニターが取り上げました。

◆委員の感想◆

  • 【冬休みに見た番組の感想】について

    • 今回の報告は特別番組が多く寄せられているので、年末年始に家族で見て楽しむことができるような番組を好んで見てくれていたという印象を持った。

    • 年末に家族や親戚がそろって『紅白歌合戦』(NHK総合)を見て、年始には『箱根駅伝』(日本テレビ)をまたみんなで見て声援を送るというモニターが何人かいたが、このような年末年始のステレオタイプが今も昔も変わらずあるということはいいことだと思う。

    • 『夢対決2018 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!5時間スペシャル』(テレビ朝日)を見て、「勝負の途中はいろいろな暴言を浴びせたりするシーンがあったが、試合後には互いをたたえあい握手をしていて素晴らしいと思い感動した」という感想があった。「熱血」や「真面目」と「お笑い」というものはかなり接近しているということに気が付いたのだろう。

    • ドラマ『anone』(日本テレビ)について、「(この脚本家が描く)家族の愛情は本当に悲しくて現実的で美しい」「私たちが日常で感じる不平等感、欲の醜さ、社会のゆがみへの怒りはこの作品に昇華されている」という報告があったが、文学作品を評価するような視点で、大人っぽいと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【冬休みに見た番組の感想】について

    • 『第94回箱根駅伝』(日本テレビ) お正月、父方・母方の親戚それぞれに集まった際にずっとテレビで見ていたのが箱根駅伝の中継(元旦は実業団のニューイヤー駅伝)でした。ずっと集中して見ているわけではないのですがスタートからゴールまでずっとテレビがついていて、その都度、親戚の誰かが見ていました。1区間20キロ近い距離を走っていくのですが、飽きることなく見ていました。何が魅力的なんだろう?と思うのですが、選手の損得なしのひたむきさと結果が分からないこと、また放送中に実況されるさまざまな情報(選手のエピソードやコースの説明など)に引き込まれるのだと思いました。(千葉・中学2年・女子)

    • 『第68回NHK紅白歌合戦 夢を歌おう』(NHK 総合) 親戚が集まって、みんなで食事をしながら番組を観た。プロの歌手の歌唱力は素晴らしく、テレビ越しでも十分に伝わってきた。平井堅さんの「ノンフィクション」を初めて聴き、その歌詞の奥深さを感じた。その後、他の番組の中で「自殺した友人へ送った歌」ということを知り、この歌詞の重みを知った。特に、生きることの難しさを踊りで表現していた片足のダンサーが曲の内容をより分かりやすくしていた。もう一人、メッセージとして強く印象に残った歌が、竹原ピストルさんの「よー、そこの若いの」である。力強い歌声と、だれにでも伝わるメッセージ歌詞に勇気がもらえるような感じがした。特に、「君だけの花の咲かせ方で、君だけの花を咲かせたらいいさ」という歌詞が印象に残った。こういった曲のように、その年を代表してヒットしている曲で、心に残るメッセージのある曲を選定してほしいと思う。(東京・中学2年・男子)

    • 『SCHOOL OF LOCK』(エフエム秋田/エフエム東京) この番組は受験生になってから聴きはじめました。毎回有名な方がゲストで登場し、講師となって10代の私たちのために授業を行い熱いメッセージを送ってくれるので、聴いているだけで「今は頑張ろう」と思うことができます。この日は成人の日で大人とは何かを考えさせられるコーナーがありました。元気な内容と受験生に向けての応援の言葉が心に響いて、少し泣けてしまいました。この番組を聞くと元気が出ます。10代を応援してくれる番組は少ないのでもっと増えてほしいと思います。(秋田・中学3年・女子)

    • 『内村カメラ』(日本テレビ) 町中にカメラを設置して、一般の人に本音を言ってもらったりするこの番組は、芸能人ではなく一般人にスポットライトをあてていて面白いと思いました。また、審査員となるゲストが「いいじゃん」ボタンを押して評価していき、最後にそのコーナーで一番面白かった人に3万円の賞金を差し上げていて、見ていてとても面白いです。私は今回初めてこの番組を見ましたが、母と二人で笑い転げていました。しかし、カメラを銭湯に設置し「見えないように踊ってください」というコーナーは不適切なのではないかと感じました。実際、これに挑戦した人は見えないように踊れていなくて、モザイクによって修正されていました。たしかに見ていて、踊っている人が滑稽で面白いのですが、番組としてこれを要求するのは問題だと思います。ちなみに、このコーナーは人気だったそうで復刻したようです。このようなくだらないものを好む風潮があることを興味深いと感じました。(東京・高校1年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 毎年、家族で楽しみにしている番組です。学校でも、ガキ使派か紅白派かで別れるほど年末年始を代表する番組だと思います。ただ、近年はテレビの規制が厳しくなり、この番組も引っかからないだろうかと心配です。というのも、面白さゆえに倫理的にギリギリの企画がほとんどだからです。今年は、冒頭で出演者が黒塗りメークをしたことで、人種差別ではないかとの批判が相次ぎました。私は該当シーンを見ていましたが、そのようには感じませんでした。番組自体がふざけているし、人種差別を思わせるような発言はなかったからです。しかしながら、このニュースを見てから、自分の考えや感じ方の甘さを痛感しました。制作側は、肌の色で笑わせようという意図ではなくモノマネで笑わせようと思ったという趣旨の返答をしています。同じ黒人の方でも「お笑い番組だから、失礼でもなかったし全く気にならなかった。番組は見たけど嫌な気はしなかった。番組全体が馬鹿げたおふざけな感じだったから、人種差別だとは思わなかった」と言っている方もいます。しかし、グローバル化が進み、2020年には東京オリンピックが開催され、より国際化が求められる日本は、もっと視野を世界に広げるべきなのだとこの一件に関しても思いました。日本に住んでいたら、人種差別を意図すると感じられないものでも、国が違えば、それを意図する行為に受け取られるかもしれません。だからと言って、規制をかけ過ぎて番組自体がつまらなくなっては本末転倒というか、面白ければどんな企画でもしていいというわけでもありませんが、規制に縛られ過ぎて番組の質が、どんどん低下するのは視聴者として嫌です。(埼玉・高校1年・女子)

    • 『夢対決2018 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!5時間スペシャル』(テレビ朝日)さまざまなスポーツのプロ選手ととんねるずの2人が対決するという番組。テニスで登場した松岡修三さんとの対決で、とんねるずのタカさんが途中暴言を吐いたり、助っ人を呼び込んで6対2で対決したりするのだが、とんねるずの2人と松岡さんの仲だからこそ成立しているように見えた。ゲーム終了後もしっかりと握手をしていて、スポーツ選手としてとても素晴らしいと思った。(静岡・高校2年・男子)

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 毎年恒例、男子中高生の7割は見ていそうな番組だと思う。今年は「黒人差別ではないか」と批判されたシーンがあったようだ。かつて『ポケットモンスター』で、あるポケモンが次回予告に登場した際、「黒人差別だ」と訴えられて放送ができなくなったことがあったことを思い出した。(東京・高校2年・男子)

    • 『年末5時間SP延長戦 アメトーーク!』(テレビ朝日) 年末年始のテレビ番組は、全体的に一年の総集編というイメージがあります。話題になった番組の再放送、人気の芸能人などなど「あぁ、こんな年だった」と感じさせてくれます。 それに、普段部活や学校でテレビを見ないような子も同じ番組を見ていたりと、新学期は会話が弾みました。趣味があうと仲良くなるとよく言われます。そう考えるとテレビって素晴らしいなと思いました。テレビは多くの家庭にあり、たくさんの情報をどんな家庭にも届けてくれます。だから、友達同士やクラスメイトと感想を言い合ったり、同じ思いや出来事が違う場所で生活していても分かり合えてより仲良くできるのだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 毎年大晦日楽しみにしている番組です。今年も面白かったです。リアルタイムと録画視聴になっているのは、妹たちが、途中見たいアーティストのときだけ紅白に変えたので、再度録画でも見ました。思わず吹き出してしまう、視聴しているこちらは笑ってみることができ、一年を締めくくるのにとっておきな内容です。今年はタイキック祭りかのようなタイキックの多さ。まさかベッキーまでタイキックをされてしまうとは。この企画を考える方も毎年いろいろなアイテムを用意して、予算はどのくらいなのかと思いました。一夜限りにしては勿体ない。それにしても、おしりは痛そうだ。(長崎・高校2年・男子)

    • 『anone』(日本テレビ) (脚本家の)坂元さんの描く「家族との愛情」は本当に悲しくて、現実的で、美しいものだと思います。また、私たちが日常で感じる不平等感、欲の醜さ、社会の歪みへの怒りがこの作品に昇華されていると感じました。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ) 初めてフルで見ることができました。前年までは小学生にはまだ早いと10時以降の内容のものは見せてもらえませんでした。そのときは友達みんな見ているしと思っていたのですが、今回見てみて、たしかに親があまり見てほしくないのだろうなと理解はできました。でも、見ることができてよかったし、爆笑でした。(神奈川・中学1年・男子)
    • 大晦日は家族で『紅白歌合戦』(NHK 総合)を見るのを楽しみにしています。今年はオープニングがVTRになっていてアカデミー賞みたいで良かったです。司会の3人も良かったと思います。それでも終わってみると、視聴率が3番目に悪いとネットニュースになっていて悲しくなります。昔と比べると番組の数も増えているし、テレビを見なくても楽しめる場所(遅い時間もやっているカラオケ、ゲーセン、ファミレス等)も増えていると思うので、視聴率だけでいろいろ言うのはおかしいのでは?と思ってしまいます。(鹿児島・中学2年・女子)
    • 『あけまして、ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ) 元旦、年が明けてすぐにこの番組を見ました。(家族が皆寝てしまったので)少年院入所者や薬物中毒者の経験を赤裸々に人形が語る番組で、見てはいけないものを見たような、大人の世界を覗き見たようで楽しかったです。なかなか夜通しテレビを見ることがないので、お正月気分+大人の気分を味わえました。(千葉・中学2年・女子)
    • お正月は時間があるせいか、TVがつきっぱなしのせいか、うっかり見てしまう。うっかりこたつに座ってしまう。そして面白い。お正月といういつもとは違った空気のせいか、恐るべしお正月。三が日。(長崎・高校2年・男子)
  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『アラスカへの憧憬~亡き父・星野道夫を追って』(NHK BS1) 星野さんの文章は受験の際によく問題文になっていたので気になっていました。とてもとても良かったです。道夫さんの息子に会った現地の人々がみな感動していて、その映像にジーンと感動しました。アラスカの人々が「ミチオミチオ」と口にする響きは大切な魔法の言葉のようで、アラスカの風景が絵本のようであり、出ている人がみな物静かで力強く温かく、ドキュメンタリーなのに、まるでファンタジーを見ているようでした。(千葉・中学2年・女子)
    • 『歌唱王~歌唱力日本一決定戦』(日本テレビ) 年齢・職業もさまざまななか「歌」という一つのことで暑い戦いが繰り広げられるのはすごいことだと思いました。歌一つでも歌い方次第で雰囲気や歌い手の思いまで伝わってきて感動しました。歌は人と人をつないでくれるものなのかもしれないと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

調査研究について

委員会開催の直前(同日午後1時30分~4時15分)に調査研究に関する意見交換会を行いました。この意見交換会には委員全員と在京の民放キー局5局とNHKの担当者21名が参加しました。担当委員がこの度まとまった「青少年のメディア利用に関する調査」の結果に分析を加えたものを説明し、それに対する放送局側の意見を聞き、疑問に答えました。
この意見交換会は調査研究の一環として位置づけており、今後行われる発表会(3月13日実施予定)での公表内容や報告書に反映することにしています。

今後の予定について

2月24日(土)に千代田放送会館会議室にて学校の先生方との意見交換会を開催します。