第94回 放送と人権等権利に関する委員会

第094回 – 2004年11月

「警察官ストーカー被害者報道」事案の審理

放送人権委員会審理に関連する苦情の検討…など

「警察官ストーカー被害者報道」事案の審理

10月の委員会で実施した申立人・被申立人に対するヒアリングを受けて起草委員会がまとめた「委員会決定案」を基に、最終の審理を行った。

協議の結果、原案に微修正を加えて「委員会決定」がまとまり、12月10日に双方へ通知、その後、記者会見で公表することを決めた。

なお、本件事案の性格を踏まえ、公表にあたっては、申立人を匿名にすることも併せて了承した。

放送人権委員会審理に関連する苦情の検討

事務局から以下の3件の苦情案件について、その後の経緯を報告した。

  • 「文化財遺跡発掘関連報道」案件
    8月に大阪府の男性から、「取材に対応した内容と放送された内容が違っていて、事件屋扱いされた」との苦情が寄せられた案件。当該放送局との間で話し合いが続けられていたが、なお双方の主張には隔たりがあったため、申立書の提出を求めることにしていた。
    11月の放送人権委員会では、11月9日付で提出された「申立書」を基に協議したが、当該放送局に対する具体的な要求が記されていないなど記載内容に不備があることから、申立書の補足を要請することにした。
  • 「セミナー運営団体立ち入り調査報道」案件
    「児童虐待があったかのように報道され、人権や名誉を傷つけられた」とする、栃木県のセミナー運営団体関係者からの苦情案件。
    事務局から、その後の状況として、「当該放送局は『いつでも話し合う用意がある』としているが、代理人からはその後、全く動きがない」旨を報告した。
  • 「ヘリコプター・オーナーから名誉毀損」との苦情案件
    「虚偽の内容を放送され、名誉・信用を毀損された」として大阪府のヘリコプター・オーナーが苦情を申し立てている案件。
    事務局から、その後の動きとして、「10月末に双方の話し合いが行われ、申立人は当該放送局に対し、『大掛かりな謝罪は要求しない。(自分の親族や関係者がいる)地方の放送局か新聞で謝罪してくれればいい。期限はつけない、ゆっくり考えてくれ』と求めたと聞いている」と報告した。

人権に関する苦情対応状況(10月)

2004年10月中にBPOへ寄せられた、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

◆人権関連の苦情〔22件〕

  • 斡旋・審理に関連する苦情(関係人からの人権関連の苦情で,氏名・連絡先や番組名などが明らかなもの)・・・15件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない視聴者からの苦情)・・・7件

「地方局・BPO連絡責任者と放送人権委員会委員との意見交換会」の開催について

在京局と放送人権委員会委員との意見交換会(本日)に続いて、「地方局・BPO連絡責任者と放送人権委員会委員との意見交換会」を開催することとし、2005年2~3月の広島市開催を目指し、委員のスケジュール等を確認した。

次回の委員会を12月21日(火)午後4時から開催することを確認し、閉会した。

以上