2003年8月

『27時間テレビみんなのうた』フジテレビ

『27時間テレビみんなのうた』(6月28日・29日放送)に関するフジテレビからの回答

意見の要旨

  • タレントが酒を飲みすぎて、本番中に男性器を晒してしまうという椿事があった。彼は飲むとそのクセありと評判の人らしく、それを知っている共演者やスタッフが酒を飲ませて煽り、やらせたのではないかと思う。番組演出上の悪乗りはほどほどにすべきだ。

    (男性 20歳 東京)

  • 酔っ払ったタレントが下半身を丸出しにするというハプニングに対して、局は「お咎めなし」だという。一般人がやるとわいせつ物陳列罪で処罰の対象になるのに、テレビ番組やタレントなら許されるのはおかしいと思う。

    (男性 30歳 東京)

局の回答

番組中のご指摘の部分につきましては、予想できないハプニングでしたが、視聴者に不快な映像が流れてしまい、心からおわびします。

笑福亭鶴瓶さんは番組のテーマ「再開」を求めて、長崎県・飛島を訪れていました。当日、鶴瓶さんは島民との交流会で酒を飲んでいましたが、スタッフの予想以上に酔いがまわっていたようです。スタッフには飲ませて酔わそうという演出上の意図はありませんでした。

問題のシーンは生放送中の深夜26時18分におきました。暑いのでパンツ1枚で熟睡している鶴瓶さんにスタジオのコーナー司会者が「起きて!」と呼びかけたため、鶴瓶さんは目を覚ましたものの、寝ぼけて急に立ちあがった拍子に掛け布団と一緒にパンツがずり落ちてしまいました。

カメラマンも予想外の出来事にとっさに対応ができず、画面が切り換わるまでの約1秒間露出した映像が流れてしまいました。

このアクシデントに対し、放送直後でコーナー司会者がバラエティーコーナーの範囲内でのフォローコメントを発しましたが、さらにメインスタジオの司会進行の立場である高島彩アナから27時37分に「FNS27時間テレビ・みんなのうたでは、さきほど中継の中でお見苦しい点がありましたことをおわび申し上げます」とコメントで謝罪しました。

この件につきましては番組審議会、メディア検討委員会、メディア検討小委員会、考査会議、広報視聴者対応会議そして制作のプロデューサー会議で議題としてとりあげて深く反省すると共に、今後の生放送のやり方について、さらなる注意が必要であることを指導徹底いたしました。

2003年8月

『水10!ワンナイR&R』フジテレビ

『水10!ワンナイR&R』に関するフジテレビからの回答

意見の要旨

  • 王監督の顔を便器に見立てて、口から飛び出した水で尻を洗う商品を紹介するというコントがあったが、王監督をバカにしており非常識もはなはだしい。やっと良い事と悪い事の判断ができないような放送局は、言論の自由、表現の自由などを言うことはできない。

    (男性 41歳 北海道)

  • ジョークとは程遠く、ただ有名人を愚弄しただけの下らないコント。あまりに無節操だ。

    (男性 30歳 栃木)

  • 王監督の顔を便器に見立てたコントは、世界のホームラン王であり国民栄誉賞をもらった人に対して、あまりに失礼ではないか。視聴率をとれば良い、人の耳目を集めれば良いというテレビ業界の姿勢がこのようなことを生むのではないか。

    (男性 56歳 東京)

局の回答

問題の「ジャパネットはかた」のコーナーは、テレビ通販番組「ジャパネットたかた」をパロディ化したもので、不定期に放送しているものです。

今回のパロディは、手法・表現として行きすぎたものであり、局として、これを充分にチェックできずに放送してしまったことを深く反省しております。

この件につきましては、ただちに王貞治監督ならびに福岡ダイエーホークス球団に直接おわびするとともに、8月20日放送の番組冒頭、須田哲夫アナウンサーの顔出しで「先週のワンナイR&Rの中で、福岡ダイエーホークスの王監督ならびに球団・関係者の方々に不快の念を与え、ご迷惑をおかけしましたことを深くおわびいたします。」とコメント謝罪いたしました。

さらに8月30日放送の「週刊フジテレビ批評」で、広報部長が視聴者の皆様への事情説明を行うとともに、王監督ならびにダイエー球団・関係者の方々におわびいたしました。

今回の事態を受けて、弊社の社内組織であるテレビメディア検討委員会、テレビメディア検討小委員会、考査会議、広報視聴者対応会議、そして制作プロデューサー会議等において、番組のチェック機能のさらなる強化策について検討するとともに、スタッフの放送倫理意識について改めて自覚を促しました。

9月10日の番組審議会でも議題として取り上げます。

社内での検討の結果、今後の番組のチェック体制につきましては、企画段階での編成・制作上長による事前チェックを行い問題発生を未然に防ぐとともに、従来より番組の納品を早めることによってチェック時間を十分に取るなど、編成・制作のダブルチェック体制を更に強化することにいたしました。

2003年10月

『水10!ワンナイR&R』 フジテレビ(再回答)

『水10!ワンナイR&R』に関するフジテレビからの回答

意見の要旨

BPO第03-24号
2003年9月16日

(株)フジテレビジョン殿

『水10!ワンナイR&R』再回答のお願い

放送と青少年に関する委員会
委員長 原 寿雄

1.当委員会では、チェック体制はもちろんですが、制作現場であのような内容の番組が制作されることについても疑問を持っています。制作現場スタッフの意識については、どのようにお考えですか。
2.貴局の回答(9月5日)で述べられている社内組織の「テレビメディア検討小委員会、考査会議、広報視聴者対応会議、制作プロデューサー会議等」で「番組のチェック機能のさらなる強化策を図る」とありますが、その具体策をお知らせください。
以上の点について、10月6日(月)まで、文書で再回答されるようお願いします。

局の回答

貴委員会よりいただいた再回答のご要請について、お答え申しあげます。

  • 「制作現場のスタッフの意識」について
    フジテレビでは、番組や会社組織を活性化させるため、バラエティー番組のスタッフの若返りを図り、それが効を奏して、視聴者の皆様には好評をもって受け入れられていると考えております。若手プロデューサーやディレクターも、視聴者の反応に手ごたえを感じて、制作現場は活気にあふれるようになっています。

    こうしたスタッフの間では、どのような笑いを作っていくか、日々議論を重ねながら番組を制作しており、また、時事的なホットな笑いを取り入れるため、なるべく放送日に近いところで収録を行いたいという意欲を持って取り組んでおります。

    しかし今回の「水10!ワンナイR&R」の場合は、若手スタッフの意欲が空回りする結果となってしまいました。局として、若手スタッフの意欲をコントロールできず、番組内容を充分にチェックできなかったことを深く反省しております。

    今回の反省から、後述のようにチェック体制を強化するとともに、若手制作スタッフの意識を高めるための勉強会を随時開いて、特定個人や特定企業等の名誉を傷つけずに成立する笑いの開発を進めるよう、徹底を図ります。

    なお「水10!」は、10月からは登場キャラクターを一新するなど、番組内容を全体的に改めることにしております。

  • 「番組チェック機能の強化策」の具体案について
    まず、問題の発生を未然に防ぐため、企画段階における素案を制作・編成の上長に提出させ、収録前のチェックを強化いたします。

    一方、番組に対するチェックが充分に行き届かないことの要因として、番組の完成・納品が遅いということが挙げられます。これは先述したように、ホットな話題を番組に取り入れたいというスタッフの熱意の表れでもあるのですが、その一方で、問題の箇所が見つかっても直すための時間的な余裕がないという場合もあるのです。

    これを防ぐため、前回の回答の中でも述べました通り、まず番組の納品を早めることを実践いたします。これは、問題となった「水10!」だけに限らず、バラエティー番組全般において早期納品を徹底させていく方針です。

    さらに、完成後のチェックにつきましては、制作現場プロデューサーや制作上長のチェックはもちろんのこと、放送責任を負う編成部においても、番組担当者のみならず、編成部員全員がチェックシートを共有する体制を作りました。これにより、複数の眼で番組をチェックすることが徹底できるものと考えております。