2021年8月24日

「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」が審議対象に

青少年委員会は8月24日開催の第237回委員会で、上記テーマを審議対象とすることを決定した。対象となったのは在京キー局等で放送された「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」についてというテーマ自体であり、個別の番組を対象とするものではない。視聴者やBPOの中高生モニターから、出演者に痛みを伴う行為を仕掛け、それをみんなで笑うような、苦痛を笑いのネタにする各番組は、「不快に思う」、「いじめを助長する」などの意見が継続的に寄せられてきていること等を踏まえ、委員会で視聴者意見が寄せられた複数の番組を視聴した上で討論した。その結果、委員会として、青少年に与える影響の重大性に鑑み、このテーマの審議入りを決めた。次回委員会から実質審議に入る予定である。

第295回放送と人権等権利に関する委員会

第295回 – 2021年8月

「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」ヒアリング実施を決定…など

議事の詳細

日時
2021年8月17日(火)午後4時~午後5時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」第1会議室(オンライン開催)
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、二関委員長代行、國森委員、斉藤委員、
丹羽委員、野村委員、水野委員

1. 「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」審理

NHK宮崎放送局は、2020年11月20日午後6時10分からの『イブニング宮崎』(宮崎県内で放送)の中で、同年3月26日に宮崎市内で男性2人が死亡した民家火災の続報を放送した。そこでは、この火災は放火殺人事件の疑いが濃くなり、容疑者がガソリンをまいて火をつけ被害者(申立人の兄)を殺害し自分も死亡した可能性があり、その原因として「何らかの金銭的なトラブル」が死亡した2人の間にあったかのように伝えられた。
この放送に対して申立人(被害者の弟)が、「2人の間に何らかの金銭的なトラブルがあった」と報じられたことで、「兄にも原因の一端があったのではないか」との印象を抱かせるものであり、事件被害者である兄の尊厳を傷つけたとして、NHKに対して謝罪を求めてBPO放送人権委員会に申立てを行った。
これに対してNHKは、「事件当事者の2人が亡くなっている中でも、当時の取材で知り得た情報を基に『被害者』と『加害者』を明確に分ける形で客観的な事実を伝えており、申立人の主張する指摘は当たらない」と反論した。
今回の委員会では、双方から所定の書面すべてが提出されたのを受けて、論点を整理し、ヒアリングのための質問項目を絞り込み、次回委員会でヒアリングすることを決めた。

2.  その他

事務局から現時点での申立て状況を報告した。

以上

第236回 放送と青少年に関する委員会

第236回-2021年7月

視聴者からの意見について…など

2021年7月27日、第236回青少年委員会を千代田放送会館会議室およびオンラインで開催し、7人の委員全員が出席しました。
千葉県八街市の児童5人死傷事故の取材での被害児童の同級生へのインタビューを放送した番組に対し、「同級生死亡のショックで心理的ダメージを受けている児童への配慮がなさすぎる」「PTSDの配慮に欠けたマスコミの自分勝手な取材に憤りを感じる」という意見が寄せられました。また、子ども向けアニメ番組で、「女性武闘家の戦闘シーンでタイツの股間が大映しになった、卑わいだ」「タイツ推しや下着を見せるなど子どもの性癖を歪めるような描写は止めて欲しい」との意見が寄せられました。
委員会でこれらの視聴者意見について議論した結果、八街市児童死傷事故の被害児童同級生へのインタビューを放送した番組について、次回、引き続き「討論」することになりました。
7月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たバラエティー番組について」でした。
モニターからは、芸能人自ら提唱する「説」をプレゼン&検証していくバラエティー番組で、「ケンカしているふりをしたマネージャーを仲裁しようとした芸能人がマネージャー2人からいきなりダメ出しされ、なぜか仲立ちした側だけが不快になって終わるという構図は、人の善意を踏みにじるようでただただ不快だった。」などの意見や、人生の様々な場面をオムニバスで展開するコント番組で、座ったら瞬く間に眠ってしまう国会議員の椅子を紹介するテレショップのコントについて、「私は、コントの本質はこのように世間を風刺するところにあると思います。コントはおかしいと思ったことを主張する一つの方法になっていると思います」という意見があり、同じくコント中心のお笑いバラエティー番組で、「私はお笑い番組が大好きです。(中略)毎日疲れることや辛いこともたくさんあって、そんな毎日にこういった現実をつい忘れさせてくれるような、笑って疲れを吹き飛ばしてくれるような、番組が寄り添ってくれると、明日を生きる大きなエネルギーになると思います」といった内容のリポートが寄せられました。
委員会ではこれらの意見について議論しました。
次回は、8月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2021年7月27日(火)午後4時30分~午後7時00分
場所
千代田放送会館会議室およびオンラインで開催
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」についての討論
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、佐々木輝美委員、沢井佳子委員、
髙橋聡美委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

まず、6月後半から7月前半に寄せられた視聴者意見について議論しました。
千葉県八街市の児童5人死傷事故の取材での被害児童の同級生へのインタビューを放送した番組に対し、「同級生死亡のショックで心理的ダメージを受けている児童への配慮がなさすぎる」「PTSDの配慮に欠けたマスコミの自分勝手な取材に憤りを感じる」という意見が寄せられました。
委員からは、「2005年に青少年委員会から『被害児童の家族、友人に対する取材の注意喚起』が求められており、2012年の東日本大震災でも子どもへの配慮が要望された。現場にきちんと共有されているのか」「保護者、親権者の同意を得たとしても、子どもに与える影響とか心理的な影響を十分に考えた上での取材なのか」「もし周囲にいる大人にこのインタビューが子どもにとって心理的侵襲が大きいという知識がなかったら、PTSD 等のハイリスクに曝される可能性が高く、基本的にやってはいけないことだと思う」との意見が出され、次回も引き続き「討論」することになりました。
子ども向けアニメ番組で、「女性武闘家の戦闘シーンでタイツの股間が大映しになった、卑わいだ」「タイツ推しや下着を見せるなど子どもの性癖を歪めるような描写は止めて欲しい」との意見が寄せられました。
風呂場でシャンプーをそそぎ続けるドッキリ番組について、「びっくりして転倒して頭を打つなどしたら危険だ」との意見が寄せられました。
これについては、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」についての「討論」でまとめて話し合いました。

中高生モニター報告について

35人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティー番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の欄も設けました。全員から報告がありました。
「最近見たバラエティー番組について」では、全部で29番組についてのリポートが寄せられました。中でも、複数のモニターが記述したのは4番組で、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)に4人から、『LIFE! 夏』(NHK総合)と『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)、『有吉の壁』(日本テレビ)に2人から報告がありました。
「自由記述」では、オリンピック・パラリンピックに関する記述が最も多く、「オリンピック開催には賛否両論あるが、開催されるからには大いに楽しみたい」「オリンピックだけでなくパラリンピックにも注目したい」という意見がある一方で、オリンピックによる特別な番組編成によっていつも楽しみにしている番組が見られなくなることを残念がる声がありました。その他、災害報道のあり方についての意見も複数寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『音楽の日』(TBSテレビ)を9人が、『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ)を7人が、『社会実験ドキュメント サビ抜きで。』(NHK Eテレ)と『BS1スペシャル「マイケル・サンデルの白熱教室 エリートたちよ 君の成功は努力の結果?それとも運?」』(NHK‐BS1)、『発進!ミライクリエイター』(テレビ朝日)をそれぞれ3人が、『ロコだけが知っている』(NHK総合)を2人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティー番組について】

    • 「家族で話し合いながら見ることができる番組が良い」というモニターからの意見を読んで、家族が一緒に楽しめる番組が求められていると強く感じた。

    • バラエティー番組の良さについて、テーマや内容に共感できるか、危険な行為を伴っていないか、俳優や芸人といった出演者が何をどう演じているのか、美術セットのリアリティーはどうか、などについて細かく分析的に考えているモニターがいて感心した。

    • モニターの中には、美術セットなど、番組そのものよりも、それ以外の部分に目を配りながら番組を視聴し、楽しんでいる人が多いと感じている。

    • 疲れることや辛いこともある毎日に、現実を忘れて爽やかな笑いをもたらしてくれるような良質のコントやお笑い番組を支持する声があった。爽やかな笑いを提供するのは難しいことであり、制作者は視聴者の意見に耳を傾けて番組の向上に臨んでほしい。

    • 「青少年へのおすすめ番組」も含め、SDGsについて考えたという感想が寄せられていた。今どきの子どもたちは、いかにサステーナブルな環境を整えていくかということに関心があるのだということを改めて感じた。

    • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)モニターが、ナレーションの解説が面白いという点を指摘していたことが興味深かった。映像と組み合わせる絶妙な言葉選びや言い方について評価してくれたことを制作者にも伝えたい。

    • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)「クイズ番組でよくある正解発表前にCMを入れず、同じ映像を繰り返して流さないという演出のおかげで、ストレスなく番組を楽しめた」という感想があった。制作者側が効果的と考えていることが必ずしも視聴者にはそのように受け取られていないという貴重な感想だと思う。是非、制作者に伝えたいと思った。

    • 『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日)「あざとい」という日常でよく耳にする言葉や現象に着目して映像で伝えるという挑戦が、今までになく新しいと評価されていた。このような評価は、制作者もうれしいのではないか。

    • 『ウワサのお客さま』(フジテレビ)大食い番組が大好きだというモニターがいた。大食いをしている姿を見ると、心が満たされ、癒やされるのだという。このような感想は初めて読んだが、「なるほど」と思い、新鮮な気持ちになった。一方で、このモニターは、違う種類の軍艦巻を一緒に食べるという場面を見て、「大食いといっても食べ物を大切に扱っていないようなときは不快である」と記述している。大食い番組を、視聴者に不快感を与えないようなものに仕上げるには工夫が必要だと思う。モニターからの指摘を大事にしてほしいし、注意しながら番組を制作してほしいと思う。

  • 【自由記述について】

    • ドラマのロケの仕方やスタジオ番組などでの出演者同士の距離の取り方など、コロナ対策が番組によって違っているのが気になるというモニターがいた。しばしばこのような意見が寄せられているが、これは、この2年間で定着した新しいテレビの見方なのだろうと思う。

    • 多くのリポーターが現場の状況を伝えるために被害の出ている場所に殺到し、中継でリポートするということに対して、モニターの中に、「本当に現場に行くことが必要か」という疑問を書いた人がいた。災害や事故現場などでの取材報道では、映像を使って状況を広く伝えることの意義という観点から、その都度、必要かどうかという難しい判断を迫られると考えている。モニターからこのような指摘があったことを報道に携わる人たちにはぜひとも伝えたいし、この問題についてしっかりと考えてほしい。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティー番組について】

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)バラエティー番組の中では一番、二番を争うくらい好きです。今のご時世、海外には行けないと思いますが、それでも楽しく見ています。ですが、やはり海外に行ってロケを行うほうが言葉の壁などあって面白おかしくなるので好きです。毎週楽しみです。(東京・中学2年・男子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)この番組の最大の魅力は、テロップ入れとナレーションだと思います。例えば今回だと、新しい出演者が加わったので、昔からいた出演者をあおるようなテロップやナレーションがありました。それらは私的には不快に思うようなことがほとんどなく、魅力だと感じています。また、出演者の良いところを引き出す力も持っていると思います。例えば、若い世代でも大変に思うアクティビティーを80代の人にさせて成功させることにより、その人の丈夫さや弱音をはかない真面目なところを見られました。そこは制作陣のすごいところだと思います。(奈良・中学3年・女子)

    • 『LIFE! 夏』(NHK総合)この番組は、「人生」を題材にして作られていることもあるからか、日常生活や社会の中、といったところがコントの舞台であることがまず魅力だと思う。今回のコントでは「テレビショッピング」や「回転寿司」などがネタになっていた。二つ目の魅力は、なんといっても出演している俳優・芸人さんの演技が本当に素晴らしいところだ。三つ目の魅力は、セットのリアルさである。四つ目の魅力は、誰かが体を傷つけて笑いをとるところがないことである。すべて「演技」だけで笑いをとるから、見る側がほっこりできるのだと考える。(静岡・中学3年・男子)

    • 『LIFE! 夏』(NHK総合)私が興味を持ったのは「テレビショッピング」を題材にしたコントでした。ぐっすり眠れないと話す人たちのために紹介したのは、国会議員が座っている椅子。「この椅子に座ったら瞬く間に眠ってしまうんです」とよくNHKの国会中継で見られる国会議員の居眠りをやゆするような内容でした。さらに、その椅子を購入した人には「新幹線乗り放題のバッチ型パスをプレゼントします」と議員バッチをかたどったようなものを紹介します。そこでゲストが一言。「じゃあ仕事でもプライベートでも使いまくらなきゃね!」私は、コントの本質はこのように世間を風刺するところにあると思います。コントはおかしいと思ったことを主張する一つの方法になっていると思います。ただ流して見てしまえば面白いだけかもしれませんが、面白おかしく仕立て上げられていても確実にメッセージが込められていることに驚きました。(東京・高校1年・女子)

    • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)ふだんバラエティーをあまり見ない自分ですらもその名を聞いたことのある超有名番組だが、放送時間が深夜なこともあり、きちんと番組を見たのは今回が初めてだった。特に問題に思われたのは1本目の企画だった。ケンカしているふりをしたマネージャーを仲裁しようとした芸能人がマネージャー2人からいきなりダメ出しされ、なぜか仲立ちした側だけが不快になって終わるという構図は、人の善意を踏みにじるようでただただ不快だった。20年間連れ添った夫が妻に対して暴言を吐くというのも、仕掛けられた当の本人がネタばらし後に笑えるようなら良かったが、実際はそうはならずに戸惑ったままだったので全く笑えず、むしろ同情する気持ちが強かった。2本目の企画は、ゲストが問題を間違えるとアジャコングさんがセット裏から登場し、一斗缶を頭に叩きつけるというシーンがあったが、クイズを間違えたうえでの罰ゲームなので、理不尽さも先の企画に比べれば少なく、またゲストが涙を流すほど痛そうだというわけでもなかったので、笑いとして消化できる範囲に収まっていたと思う。3本目の企画は、暴力的な面はなく、企画自体も面白かったので存分に楽しむことができた。(高校1年・男子・東京)

    • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)この番組は、ちょうど1週間の真ん中の水曜日に放送されるため、疲れがピークになりつつある水曜日の夜に、この番組でリフレッシュして、1週間の残りの日々を乗り越えるという貴重な存在です。この番組の面白い点は、ダウンタウンの2人の掛け合いはもちろんのこと、ナレーションでの解説に使われる言葉が絶妙で面白いのです。画面に映し出されている場面に対して、補足的に説明をしてくれるのですが、その説明する言葉一つを取っても、またナレーションの入るタイミングを見ても、全てにおいて視聴者目線で笑いを誘ってくれるというなかなかの影の立役者です。(高校3年・男子・長崎)

    • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)クイズ番組でよくある正解発表前にCMを入れたり、それによって同じ映像が繰り返されたりがなかったので、ストレスフリーでクイズを楽しむことができました。ナレーションやBGMも最低限に抑えられていて、邪魔な演出がないように感じました。30分で長すぎず短すぎず、ちょうどよくまとめられていて充実していました。(高校2年・女子・神奈川)

    • 『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBSテレビ)率直にとても面白かったと感じたため、印象に残っている。この番組では、顔マネや声マネ、歌マネなど、さまざまな分野のモノマネをテンポよく紹介し、披露していたのでとても楽しく、そして疲れずに見ることができた。また、トークが混ざりながらの内容だったので、トークの中でモノマネ芸人たちの良い雰囲気が感じられて、見ていて良い気持ちになった。特に良かったと思う点は、お互いを罵ったり比べたりすることがなかったところと、幅広い層が楽しめる内容だったところだ。最近のモノマネ番組は、モノマネ対決をして、どちらが上手いかを決めるような内容のものが多い。しかし、私はどのモノマネもとても面白いと感じるので、そこで出た結果に納得がいかないことがある。そんな中、この番組ではハイクオリティーなモノマネばかりを比べることなく、モノマネ芸人同士もお互い褒め合いながらモノマネを披露していたので、全部をとても楽しんで見られた。(高校1年・女子・埼玉)

    • 『有吉の壁』(日本テレビ)有吉さんの優しさがよく感じられ、とても大好きな番組である。以前から、「コロナ対策とよくバランスのとれた、度が行き過ぎていない番組だな」と感じている。さらに、あまり知名度のない芸人さんが出ているときにも、ほぼ全員が、どの位置にいても出演を手に入れられる工夫があり、そこにも温かさを感じる。(中学2年・女子・埼玉)

    • 『7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート』(TBSテレビ)新型コロナウイルスが蔓延し、気軽に外出しなくなってから旅行気分を味わうために頻繁に見るようになった。この番組は海外に住んでいるローカルの人がロケをしているため、海外での撮影も可能になっている。ローカルの人が紹介すると、ありきたりなところだけでなくいろいろなところを見られるし、標識などの意味や挨拶など海外の人の生活が垣間見えるため、日本人が旅行に行って紹介しているものよりも現地の魅力が分かる。新型コロナウイルスについての現地の情報も詳しく分かるので、今の日本の状況と比較できて嬉しい。唯一違和感を覚えた点は、MCをいじるところだ。おそらく現地のリポーターにはある程度台本が渡されていて、番組が考えた内輪のノリで、容姿や年齢をいじるのを見て、少し嫌な気持ちになった。(高校2年・女子・東京)

    • 『ニンゲン観察バラエティ「モニタリング」』(TBSテレビ)一つ一つのコーナーの入り方や、途中の視聴者が飽きないようなクイズが面白いと思った。番組自体はてきぱきと進んでいるのに、出演者の方々の和やかなトークやちょっとした裏話・素顔も知ることができて、家族全員で楽しめる内容だった。モニタリングされる人の行動や心情がそのまま放送されるので共感が得られやすく、「私だったらこうする」と自分と比較できるのも面白い。ただ、右下のずっと回っているバーがあると画面が見づらく、番組に集中できない。(中学2年・女子・千葉)

    • 『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)私はこの番組をよく見ます。家族全員で見ることもよくあります。自分が知っていることや好きなものがでてきたときは嬉しいし、知らないことが出てきても興味を持つことができます。ふだん、知らないものが情報番組で特集されていても、興味を持ちづらいのですが、この番組だと、マツコさんが、毎回ゲストが話しやすいようコメントを引き出し、面白くトークを進めていきます。ゲストがどんな人でも、分け隔てなく、突っ込むところはとても面白いです。また、私はマツコさんと世代が違うため、「昔はこうだった」という話が出てくるのもとても興味深く、それについて家族と話をすることもよくあります。(中学1年・女子・東京)

    • 『1億3000万人のSHOWチャンネル』(日本テレビ)出演者4人の生クリーム愛を語る企画がすごく面白かったです。4人の止まらない生クリームの愛やオススメの生クリームスイーツなど、それぞれの生クリームの好みがあって、同じ趣味でもここまで好みが違うのがとても興味深かったです。(高校3年・女子・福岡)

    • 『うわっ!ダマされた大賞』(日本テレビ)テレビでしかできないような爆破ドッキリや手の込んだセットなど、派手な演出で、たくさんの人が楽しんでいたのが、SNSのコメントからわかりました。しかし、私は、このようなドッキリ番組の欠点にばかり目がいってしまいます。コロナ禍であるのにも関わらず、全国あちこちに出かけていることや子役をこのような番組に出演させていること、田舎の一般の人を巻き込んだドッキリが多くあり、見ていて疑問や不安が大きかったです。また出演していた一般人が「こんなにいい人をドッキリにかけたくないね」と言っていて、1人でも嫌な気持ちになる番組は、良くないと思いました。(高校3年・女子・静岡)

    • 『しゃべくり007』(日本テレビ)好きな番組なので時間があるときによく見ているが、俳優、アーティスト、YouTuber、芸人など、たくさんのジャンルのゲストが出演していて、あまり知らなかった人のことも楽しみながら深く知ることができるのが、この番組の良さだと思う。ゲストのことをよりよく知ってもらいたいという制作者の思いが伝わった。(中学3年・女子・富山)

    • 『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日)タブーだとされがちで普段はあまり触れられない言動を遠慮なく取り上げ、出演者たちが話し合っているのが面白い。また、エピソードをミニドラマ化することで具体的な場面が分かり、楽しい。30分間の番組であるということも、ちょうど良い時間だと思う。(高校3年・男子・山形)

    • 『テレビ千鳥』(テレビ朝日)回によって企画が全く異なり、飽きることなく視聴できます。今回の放送では、たくさんあるバイキングの料理の中から食べたい料理を選んで見栄え良く盛り付けるのは大変難しく、多くのゲストが苦戦していました。誘惑に負けて、後先考えず、バイキングの最初に並んでいる料理をたくさん取ってしまうゲストもいれば、最初は我慢してメインからデザートまで均等に選ぶゲストもいて、その人の隠れた人間性が垣間見え、面白かったです。出演者がみな楽しんで企画に挑戦している様子が伝わってきます。体を張ることで笑いを取る番組も多いですが、出演者自身が楽しんでいる姿が伝わる番組は視聴者も温かい気持ちで見ることができ、出演者と視聴者の双方が気持ち良く番組に関わることができると思います。(高校1年・女子・東京)

    • 『新しいカギ』(フジテレビ)私はお笑い番組が大好きです。その中でも、コントが好きで、わざと面白いことを言おうとしている雰囲気がなく、何気ない日常のシーンを再現して、ところどころクスっと笑いながら話が進んでいく、あの感じがとても好きです。コントをメインにする番組はあまり多くないですし、何より出演者の芸人がとても豪華で、実力のある方々ばかりなので、最初から最後までノンストップで面白かったです。毎日疲れることや辛いこともたくさんあって、そんな毎日にこういった現実をつい忘れさせてくれるような、笑って疲れを吹き飛ばしてくれるような、番組が寄り添ってくれると、明日を生きる大きなエネルギーになると思います。(高校2年・女子・埼玉)

    • 『ウワサのお客さま』(フジテレビ)大食いをしている姿を見て、いつも癒されています。「こんなに食べてみたいな」「おいしそう」「食べたくなる」と幸せな気持ちになり、見ている方までお腹いっぱいになります。食べている姿で本当に私の心が満たされます。しかし、不快に感じた場面がありました。種類の違う軍艦が乗っている3艦盛りのお寿司をひと口で食べてしまっていたところです。それを見たときに、「違う種類なのに、いっぺんに食べてしまったらせっかくの味が分からなくなってしまい、味わうことができない」と残念に思いました。(高校2年・女子・静岡))

    • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)僕はドッキリをかけられている人がどんな反応をするか予想しながら見ることが好きであり、また実際にその反応が面白いので、ドッキリ系の番組は好きである。この番組は、もともと好きな番組であり、ドッキリにかかったことのある芸能人が考えたドッキリなので楽しみにしていた。中でも面白かったのは、野球のドッキリで3塁ベースに向かって走っている芸能人が3塁ベースに近づいたときに3塁ベースが爆破するというものだった。僕は野球部に所属しているので身近なシチュエーションでもあり、3塁ベースを目指して一生懸命に走っている姿と、ドッキリにかけられてからの反応にギャップがあってとても面白かった。この番組は、ただドッキリを仕掛けて面白がるというだけでなく、ドッキリに行きつくまでのストーリーが面白いと思う。(中学2年・男子・神奈川)

    • 『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ)今回は、盗撮についてでしたが、今まで「盗撮」と聞いても、「特別なもの」「自分には関係のないもの」だと思っていました。しかし、盗撮は悪用されるだけではなく、親が自分の子どもが一人暮らしをするにあたって心配して設置する場合もあることが分かりました。私は、この番組を何回も見たことがありますが、芸能人がVTRで演じることで、今まで腑に落ちなかったことも理解することができます。この番組のように、ふだん生活していて知ることのできないことを知らせてくれる番組があることはいいと思います。(中学3年・女子・宮崎)

    • 『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ)女優さんや俳優さん、歌手など、さまざまな人の素顔や生い立ちを知ることができて、毎回、ワクワクドキドキ、時々ウルウルしながら見ています。芸能人の一般的なところを見たり、自分と似ていたりすると、同じ人間なんだなぁって感じます(笑)。(中学3年・女子・千葉)

    • 『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦スペシャル』(テレビ東京)自分の知っている身近な川に自分の知らない生物が生息していることを知ることができました。家で飼えなくなった外来種を近くの川に流してしまうのではなく、全国の川の近くに別に置いておける施設を設置すれば川から外来種が減ると思いました。(高校1年・男子・東京)

    • 『相席食堂』(朝日放送テレビ)ロケ地は毎回自分の知らない場所です。この番組を通して「日本にはこんな場所があるんだ。きれいだなぁ。行ってみたい」と思うことがあります。またその地域の人々とロケをする芸能人との会話など、ほっこりする場面もあります。これだけだと普通の旅番組ですが、『相席食堂』は違います。スタジオで見ている千鳥の2人のツッコミが面白いのです。毎回ツッコミが面白くて、放送時間があっという間に感じられます。(高校1年・男子・群馬)

  • 【自由記述】

    • オリンピックだけが大きく報道され、パラリンピックが結果だけの放送になるのはとてもさみしい。今回は東京での開催でもあるので、ぜひともパラリンピックも大きく取り上げてほしい。(中学3年・女子・宮崎)

    • オリンピックが世間では大きな話題となってもいいはずであるのに、思っていたよりも盛り上がりに欠けていて悲しい。オリンピックの開催に賛否両論はあるものの、ここまで来たら中止はほぼあり得ることではない。そうであるならば、いっそ国民全体としてコロナ感染の拡大が起こらないように願いつつ楽しむしかないのではないか…と思う。またその反オリンピックについてマスコミが助長しているように感じた。(高校2年・男子・神奈川)

    • なんだか、なし崩し的に開催される東京オリンピックに対して、どれだけの人が心待ちにしているのだろうか、と思ったりします。そして、そのオリンピックの様子を放送するテレビ局は、どんなスタンスで実況放送するのだろうか、とも思いをはせてしまいます。テレビだからこそ、きっと好意的に放送をするであろうことは安易に予想されますが、国民の大多数が開催に反対している中、国民一人ひとりに寄り添った放送は、難しいのだろうなとも感じたりしています。緊急事態宣言が発出されている中での東京オリンピック。こんな矛盾がまかり通ってしまうのも、やはり最終的には、お金が絡んでいるのだろうと邪推をしてしまう今日この頃です。(高校3年・男子・長崎)

    • ニュースを見て思ったことを書きます。被害が出ている場所にわざわざアナウンサーや記者の方が行って、中継でリポートをする必要はないと思います。そもそもとても危険だし、現場に行くリスクに対して伝えられることが少ないと感じたからです。(高校2年・女子・神奈川)

    • 先月長崎に行ってきた。その際に、雲仙大噴火が起きたときに多くのマスコミが避難せずに巻き込まれた地点に行った。近年起こる多くの自然災害の際、多くのリポーターが危険な目に遭ってまで、現場の状況を伝えようとすること。自分たちの利益にはつながるかもしれないが、人命を最優先と考えるべきであると思った。(高校2年・女子・東京)

    • 新型コロナウイルスの感染のリスクがまだまだある中で、番組によって対策がかなり大きく異なっていることがとても気になった。テレビに映っている人たちの距離などを「今のご時世だ」と捉えている視聴者も多いと思うので、しっかりと対策をして放送してもらいたいなと感じた。(高校1年・女子・京都)

    • 最近テレビ番組もネットが進んでいると思います。番組をTVerやAmazon Primeビデオなどで見ることも多くなったと感じます。ネットだと、いつでもどこでも見逃した番組を見られるので便利だと思います。また、関西など放送地域以外でも見ることができるので、これもまた良いなと思いました。(高校1年・男子・群馬)

    • 夏休みに入り、普段は視聴することのできない時間に放送している番組を見る機会ができました。高校生になって以前より勉強や部活動が忙しくなったこともあり、テレビを見る頻度が減っていましたが、夏休みを利用していつもは見ることのない分野の番組も積極的に視聴し、視野を広げていきたいと思います。(高校1年・女子・東京)

    • この時期は、音楽番組が多く放送されて私の好きなグループが出ると欠かさず見ています。番組によってテーマが違うため、どの音楽番組でも飽きずに楽しめます。生放送のため、画面越しでも緊張感が伝わってきます。それもまた魅力の一つです。放送された次の日は必ず友だちと感想を言い合っています。それも、楽しみです。(高校2年・女子・静岡)

    • 私たちはテレビやラジオを見る、もしくは聞くかどうかを選ぶことができる。不適切だ、教育に良くない、とエンタメを切り捨てていくことは不可能ではないが、エンタメの持つ影響力は良くも悪くもとても大きなものである。極端に言えば、人の生きる糧にもなるし、死ぬ理由にもなり得る。だからこそ、もし作り手側に番組に不快感を持つ人がいるならば、その人が意見を出せて改善につなげられる環境作りが求められる。そして視聴者側は「嫌だから見ない」も「嫌だから意見する」も自由である。ただ、もしかしたら誰かが意見しなければ悪化する一方かもしれない。または誰かの意見で誰かが一生懸命作ったもの、誰かが楽しく見ているものが壊されるかもしれない。私たちは必ずしもどちらかにいるわけではなく、人から強制されるべきでもない。(高校3年・女子・東京)

    • 『青天を衝け』(NHK総合)来週からはオリンピックの影響で放送が延期されるそうでとても残念に感じた。とはいえ、公共放送としてNHKがオリンピックを放送しなければならない立場にあるのは分っているので、『青天を衝け』に代わる新しい楽しみを見つけたい。(高校1年・男子・東京)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)日曜日の夜はこの番組を見るためにお風呂は番組が始まるまでに入ります。そして、家族で夕食を囲みながら見るのがいつもの日曜日の夜の過ごし方です。特番などで放送がないときはとても寂しいです。(中学3年・女子・奈良)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)コロナの中、音楽にたくさん触れられる番組があることはとてもうれしいです。過去の放送を振り返るコーナーもあり、多くのアーティストの映像が流れ、親しみやすかったです。(中学2年・男子・長崎)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)自分が好きなジャンル以外のアーティストにも出会えるのが良い。テーマが「Wa!」で今つながりが少なくなってしまっているから「輪」の大切さに気づかされるし、音楽の力で励まされた。(中学3年・女子・京都)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)夏になると長時間にわたる音楽番組が多く放送されるため、音楽好きの私はどの音楽番組もとても楽しみにしていた。『音楽の日』もそのうちの一つだったので、もちろんほぼ全部を視聴した!昼間から夜までいろんなジャンルに富んだ音楽を堪能できてとても良かった。また、音楽の日では各地から花火を打ち上げるという企画があり、音楽だけでなく、夏も感じることができた!(高校1年・女子・埼玉)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)こんなときだからこそ、やはり音楽は私たちを元気づけてくれるものだなと感じたし、家族でそれぞれの時代の曲をおススメし合ったりもして、とてもいい時間になりました。(高校2年・女子・埼玉)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)長い放送時間で、さまざまなアーティストのパフォーマンスや過去の映像、全国からの中継、またパフォーマンスだけでなく、なかなか見ることのできない綺麗な景色や壮大な演出などで、ストレスに感じているニュースから少し離れて、非日常感を味わうことができました。(高校3年・女子・静岡)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)放送後にYouTubeに『音楽の日』のチャンネルが開設されていて、見逃し配信のような形で映像が上げられていました。多くの人がスマホなどでYouTubeを使うことを考えたうえでのことだと思います。例えばTwitterなどでは、好きなアーティストの出ている部分を切り取って載せているところを見かけることがあります。そのようなことを防ぐ意図もあるのかなと思いました。(高校1年・女子・東京)

    • 『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ)新米の警察官と元エース刑事がタッグを組んで事件を解決するところがとてもかっこよかったです。また、コメディー要素もあり、笑いあり、涙あり、のとても面白いドラマでした。次回が楽しみです!!(中学3年・女子・富山)

    • 『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ)あまりドラマで見ない交番が舞台で、コメディーな部分がとても笑えて面白いドラマだった。登場人物に同情できる部分も多くあり、「言うことは言う」正直なところもリアルで、新ジャンルのドラマだと思う。(高校1年・女子・京都)

    • 『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ)とてもかわいい警察官で見ていてほっこりしました。面白いだけでなく、警察官の苦労や現状などのギャップもあり、最後まで楽しく見ることができました。2話以降も見ます。(高校2年・女子・静岡)

    • 『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ)小ネタが多いためずっと笑っていました。考察したりせず、何も考えないで楽しめるところが良かったです。水曜の夜は1週間の真ん中で疲れも出てくるところですが、このドラマを見れば少し元気になれると思います。(高校2年・女子・神奈川)

    • 『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ)私たちの知らない交番の仕事が、現実味を帯びた形で描かれていると感じた。思わず「なんで?」と言いたくなってしまう人に出会ったことはあるだろうか。人はそれぞれ異なる価値観や、生活習慣や、自分ルールや、感覚を持っている。またそれがこの世の誰かと合致することはほとんどない、と気付くのは特に難しい。主人公の一人、川合にとって交番はそんな「なんで?」な人と出会う場所だった。実際の交番をよく知っているわけではなくても、いろんな人が自分の経験に置き換えて同意しやすいのがこのドラマのいいところだと思った。(高校3年・女子・東京)

    • 『社会実験ドキュメント サビ抜きで。』(NHK Eテレ)何か物事を考えるとき、いつも追加することだけを考えていたけれど、ときには引いてみるといったことを試すことが大切だと考えた。引くことで何か新しいことが考えられそうだなと思った。(高校1年・男子・群馬)

    • 『社会実験ドキュメント サビ抜きで。』(NHK Eテレ)ツッコミあり、ツッコミなしの反応を、最新機械を使って脳波を見て科学的に分析するのは新しく、興味深い。これから漫才を見る目が変わると思う。(高校2年・男子・愛知)

    • 『BS1スペシャル「マイケル・サンデルの白熱教室 エリートたちよ 君の成功は努力の結果?それとも運?」』(NHK‐BS1)東京大学やハーバード大学、清華大学の学生が、「ワクチン接種の強制」や「仕事の価値」「難関大学に入学できたのは努力のおかげか」など、さまざまなことについて話し合っているのを見て、今の世界はどうなっているのか読み取ることができ、少し難しい番組でしたが、よく考えさせられる内容で良いと思いました。(中学1年・男子・岩手)

    • 『BS1スペシャル「マイケル・サンデルの白熱教室 エリートたちよ 君の成功は努力の結果?それとも運?」』(NHK‐BS1)ロックダウンやワクチンといった、“現在”の問題から始まり、エッセンシャルワーカーや学歴による賃金格差のような、より大きな視点から見たときの“現代”の問題へと移っていくという授業全体の流れが圧巻で、内容が頭に入りやすかった。また、日本、中国、米国の3か国の学生の意見の違いなどは見ていてとても興味深かった。特に、日本の東大生6人全員が、自分の成功は努力よりも家庭環境などの持って生まれた運の要素が大きいと答えたのは驚きだった(単に謙遜しているだけだとは思うが)。ただ、名門校の大学生の意見も参考になったとはいえ、欲を言えば、自分は、やはりマイケル・サンデル氏の自説を聞いてみたかった。この番組を見て氏の遍歴について興味を持ったので機会があれば氏の著書を読んでみようと思う。(高校1年・男子・東京)

    • 『発進!ミライクリエイター』(テレビ朝日)「こんなことを実現しようと
      しているのか」という若いクリエイターの活動を知り、今の世界を知ることができるので、興味深い番組だと思いました。SDGsの観点も入っているように感じました。(中学3年・男子・静岡)

    • 『発進!ミライクリエイター』(テレビ朝日)世界からテロをなくすことを目標としているミライクリエイターと、洋服のゴミゼロを目指すミライクリエイターが登場しました。何故そこに着目したのかということから、現在の活動を通して将来の目標が明確で、私も自分にできることは何かを考えさせられる番組でした。お二人ともゆくゆくは法の整備をしたいと話されていました。私は将来法学部に進みたいと考えているので、ますます法について学びたいと感じ刺激をもらいました。(高校1年・女子・東京)

    • 『ロコだけが知っている』(NHK総合)この番組は、地元愛にあふれる人たち(ロコ)が地元の魅力を紹介するもので、地方の文化や風習を知ることができるため、定期的に見たい番組である。今はコロナ禍で旅行ができないので、こういう番組を通して地域の文化やそこに住む人たちの熱い思いを知ることができるのは楽しいと思った。(中学2年・男子・神奈川)

    • 『ロコだけが知っている』(NHK総合)自分の中では、七夕が特別と思うことはあまりありませんでした。だからこそ、その土地その土地にいろいろな七夕の文化があるのを再確認することができ、面白かったです。(中学2年・女子・大分)

  • (参考) 「ドッキリ系」「芸人が相手の苦痛を笑いのネタにする」バラエティー番組についての中高生モニターの感想(抜粋)

    • 自分は相手にけがをさせたり、嫌な気持ちにさせてしまうドッキリは許容できないと考えています。(群馬・高校1年・男子)

    • 人を傷つけるような内容はよくないと思います。難しいのは、傷つけるつもりではなくても、とらえかたは人それぞれなので、相手のことをよくわかったうえで考える必要があると思います。(東京・中学1年・女子)

    • 身体的・精神的に追いつめるような行為を、いくら芸人という人を笑わせるのが仕事の人にも、してはいけないと思うし、人権を守ることはテレビが大切にしなければならないことの1つだと思う。ただ、ドッキリ番組の中でも心温まるものはいいと思う。(京都・高校1年・女子)

    • 実生活で番組に出てくるドッキリや苦痛を笑う行為はされたくありません。TVは影響力が強いと思うので、もう少し、みんなが笑えるような番組づくりを心がけていただきたく思っています。 (長崎・中学2年・男子)

    • とつ然大好きな芸能人があらわれたり、1000円でとても有名な歌手が歌を歌ってくれたりと得するようなドッキリは好きですが、だれかをだましたりこわがらせたりするドッキリは大きらいです。(奈良・中学3年・女子)

    • 視聴率を取るために過激なドッキリやバラエティー番組をしているようにも思えるが、それをすることはむしろ逆効果だと思う。(神奈川・中学2年・男子)

    • 何気なく見ているテレビでも、「相手が苦痛に思っているものを自分たちは楽しんで見ている」そう思うと少し嫌な気分になりました。だからといってそういったリアクションを楽しむようなものが無くなるのはさみしく、やっぱり見ている側からすると面白いし、笑ってしまうので複雑な感じです。(大分・中学2年・女子)

    • 芸人が相手の苦痛を笑いのネタにして、それを放送するのは、全く問題ない。ただ、あくまでも、これらの行為は、テレビの中の世界のみであり、実生活でそのような行為はない方がよい。(山形・高校3年・男子)

    • ドッキリにかけられた芸能人が本当にドッキリが苦痛で、嫌でたまらないと思っているのならば、もっと本気で怒ると思うのと、NGを出すと思う。私たちが勝手に「苦痛」だと決めつけるのは、あまり良くないと感じた。(千葉・中学2年・女子)

    • 自分自身は昨今のバラエティー番組において苦言を呈する点はそこまでないと考えている。問題とされている相手の苦痛を笑いのネタにするという行為も需要があるからこそ供給をしているわけであり、そのネタによって気持ちが好転するということもしばしばある。(神奈川・高校2年・男子)

    • 私が思う、バラエティーでの行為の許容範囲は、大事な私物が破損しない、その人が怪我を負わない。その2つが、許容範囲かな!と思います。ですが、これら2つをきっちり守っている番組はほとんど無いし、きっちり守ると、おもしろさが減少してしまうな。と感じました。とても難しい所です。(埼玉・中学2年・女子)

    • ドッキリ自体は悪くはないと思っていますが、その内容が問題点なのではと感じました。(奈良・高校2年・女子)

「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」についての討論

  • 「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」についての討論では委員から様々な意見が出されました。その結果、引き続き「討論」を継続することになりました。

以上

2021年7月に視聴者から寄せられた意見

2021年7月に視聴者から寄せられた意見

開会式の音楽担当者の過去のいじめ問題、情報番組出演者の競技「蔑視」コメント、フェンシング中継での選手写真の取り違えなど、オリンピックに関する意見が多かった。

2021年7月にBPOに寄せられた意見は1,419件で、先月と比較して136件増加した。
7月は東京都が緊急事態宣言下にあった12日以降、電話による意見の受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール93%、電話5%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性49%、女性18%で、世代別では40歳代28%、30歳代25%、50歳代20%、60歳以上13%、20歳代12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は642件【48事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から24件を抜粋し、全会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

五輪開会式の音楽担当者の過去のいじめ問題、情報番組での有名タレントの「水球女子、だれが見るんでしょうか」という発言、五輪フェンシング中継番組で金メダルの日本選手の写真として韓国選手の写真を放送した事案など、五輪に関する番組、内容への意見が多かった。ラジオに関する意見は38件、CMについては12件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から5件増加した。
今月は「報道・情報」が14件、「表現・演出」が10件、「低俗、モラルに反する」が10件、「人権」が9件、「いじめ・虐待」が9件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 熱海の土石流のニュースで、SNSに投稿された映像を何十回も繰り返して放送していた。重要な情報であることは分かるが、あまりにもショッキング。同じ映像を何十回も繰り返す必要はないと思う。最新の気象情報を知るためニュースは見ざるを得ないが、何度もこの映像を見なければならないのは辛い。

  • 記録的大雨で災害が発生している熱海の情報を生放送で伝えていた時、現地の人に電話でインタビューしていた女性アナウンサーが、相手から「消防から避難したほうがいいと言われた」と聞くと「すぐに避難してください」と伝えて即座にインタビューを終了させた。当然のことかもしれないが良い判断だと思った。

  • 五輪開会式の音楽担当を辞任した小山田氏の少年期の行為には、知的障害者への暴力を伴った差別の側面がうかがわれる。「やまゆり園」の犠牲者がいまだに実名フルネームでは報道されないという一事にも、わたしたちの社会にある知的障害者への差別の根深さが示されている。多くの人が関心を持ったこの一件は、ふだんは見えにくい問題をあらためて考える契機になりうるはずであり、そこにはマスメディアが果たせる役割があるはず。小山田氏の排除で「決着」となるなら極めて残念。

  • 各報道番組がオリパラ開会式作曲担当の小山田圭吾氏のいじめ問題を取り上げているが、しつこく不愉快。メディアが小山田氏を袋叩きにしていじめているようにしか感じられない。数十年前の記事の内容について、今の世の中の価値観で話をするのはいかがなものか。

  • オリンピックの要人歓迎会について、街頭でインタビューした数名とコメンテーターの全員が否定的な意見。国際的なイベントだから歓迎会も礼儀として最低限のものは必要だろうと思う。肯定的な意見はひとつもなかったのだろうか。街頭インタビューの中には歓迎会を一般人の飲み会と同レベルに考えている人もいた。歓迎会を催すに至った理由も報じない。何十人かに聞いて「〇人が否定的でした」ならまだ分かるがマイナスの部分ばかり切り取っていて気味が悪い。

  • テレビが若者の(外出理由)「政府が」、「五輪が」、「自粛慣れ」という声ばかり伝えていたら、一体誰がこのコロナ禍を心配するのか。人のせいにばかりして危機感なしの国民にテレビ局がしているのではないのか。テレビ局はコメンテーターの発言やVTRの中身を、コロナを減らすという気持ちで伝えてほしい。

  • 情報番組でお笑いタレントのコメンテーターが「感染者数が意図的に少なく発表されていると思う」という主旨の発言をしていたが、根拠がない。ワイドショーでは芸能人コメンテーターが印象操作をそれと気づかずにするおそれがある。コメンテーター制度はやめるべき。

  • Twitterを利用して視聴者の声を画面に表示しているが、放送内容と反対の立場の意見はほとんどピックアップされない。放送内容があたかも「多数意見」であるかのように報道するのはおかしい。恣意的な情報操作が可能なこうした手法は禁止する必要があると感じる。

【番組全般・その他】

  • 特定の地名から人が何をイメージするかを当てる「○○(地名)といえば ランキング」というコーナーで、問題「インドといえば」の答えの3位が「新型ウイルスの変異株」であった。インドの方々が苦しんでいる中、これを国のイメージとして放送するのは全く配慮に欠け、差別を助長しかねない。見ていて非常に不愉快だった。

  • 「夏休み特別企画 大人気テーマパーク徹底攻略SP」と題して一週間、ユニバーサルスタジオや富士急ハイランドなどを特集。緊急事態宣言中なのにメディアが外出を煽っているように思う。

  • アナウンサー、演者などマスクをしていない人が感染防止対策を呼びかけてもムダ。

  • タレントがマスクを着用すれば視聴者を啓発できる。収録や生放送でのマスク着用を望む。

  • 各局のオリンピック中継。あれだけ中止を訴えておきながら手のひらを返したような放送に辟易する。もっと一貫性をもって番組作りや放送をすべきだと思う。

  • オリンピックは自宅で観戦、不要不急の外出はしないで、というニュースの後、選手の地元や母校で人々が集まって応援している様子を報道。オリンピック観戦の為なら集まってもいいのか、外出してもいいのか、全く納得できない。

  • 「フェンシング男子エペ団体決勝」。金メダルの日本選手の写真を取り違え、放送終了直前にアナウンサーが「先ほど、スタジオで皆様にお見せした写真の一部に誤りがありました。大変失礼いたしました」と言っていたが、どこを間違えたのかきちんと言うべき。選手に失礼だ。

  • 「フェンシング男子エペ団体決勝」。日本が金メダルという歴史的快挙をなし遂げたが、表彰式、選手インタビューなどメモリアルな瞬間が放映されず大変残念。コロナ禍で会場に行けなかった選手関係者の気持ちを思うと心が痛む。

  • 有名タレントが五輪開会式について「恥ずかしくて外国に行けない」、「(ドローンは)コンピュータに入れているだけ」、競技について「女子の水球、だれが見るんでしょうか」。選手の努力や大会関係者の苦労をバカにする発言は聞くに堪えない。ドローンのコメントは無知。そのプログラミングがどれだけ難しく大変か、事前に調べて発言できない。時代についていけていない。ファンだったので残念。

  • スポーツ番組全般で画面隅の表示やアナウンサーの言葉でよく「このあと」とあるが、「このあと」が長すぎる。「すぐ」がついて「この後すぐ」なら今見ている試合の次かと思えば、ぜんぜん後だったりする。「このあと」の使い方を適切にしてほしい。

  • オリンピックの番組が番組表通りに放送されず録画ができない場合があった。NHK総合だった番組がEテレやサブチャンネルに切り替わっていた。リアルタイムで見られない人はニュースやハイライトで見るしかない。改善をお願いしたい。

  • 各局の大型音楽特番はコロナ禍の現在は不要不急の番組と言わざるを得ない。出演者も制作スタッフも多く、大人数のアーティストがスタジオでマスクをせずに歌うような長時間の特番は、人流の抑制という要請に逆行している。

  • メジャーリーグの大谷選手を取り上げる中で、アメリカのキャスターの間違った日本語や意味不明な日本語を、字幕を付けて面白おかしく扱っている放送をよく見る。悪意を感じることはないが、アメリカ人の友人はこのような放送を各社が繰り返すことに驚いていた。「オオタニサーン」というアメリカ人キャスターの発音を日本人が繰り返しまねる。世界が注目する選手の情報には世界中の人がアクセスする。放送する側に悪意がなくてもこのような放送を人種差別的と捉える人もいることを意識した方がいい。

  • 災害や貧困で食事にも困っている人がいる中、芸能人の大食い・激辛企画。フードロス削減という社会の要請に逆行している。こんな番組を放送しておいて「SDGsと向き合う」とは呆れたものだ。

  • 仕掛け人であるマネージャーがターゲットであるタレントに対して本人を侮辱する暴言を浴びせて怒らせる、というドッキリに非常に不快感を抱いた。激昂したターゲットが仕掛け人に手をあげる寸前だった。傷害事件になりかねない。制作者や放送局の常識を疑う。

  • 番組全編を通じて、占いという非科学的なものを非常に好意的に、かつ権威あるものとして扱っており、視聴者が信じ込んでしまうような演出になっている。かつてカルト教団を好意的に扱い信者の獲得に寄与してしまった過去を繰り返す萌芽になりうると考える。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 千葉県八街市の児童5人死傷事件の取材で、友だちが亡くなったばかりの同級生に「どう思う?」など苦しみを蒸し返すような質問ばかり浴びせており、倫理観を疑う。自分たちのネタになるなら子どもたちの心のケアは二の次か。こんな低レベルの倫理観で報道番組を名乗っているかと思うと絶望する。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組の企画で、他のタレントに自腹で買ってやるという演出だが、実際にはテレビ局が支払いをしているとしたなら、視聴者を欺く視聴率稼ぎのための演出で問題だ。テレビのそうした小さな嘘でも子どもたちへの影響を危惧せざるを得ない。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 川柳ネタで、女子生徒の縦笛を舐めるという性的いやかせらせをテーマとして取り上げていた。司会の芸人と女優が「男子のこのような行為は当たり前だ」といった芸人のコメントを擁護・美化するコメントがされていた。傷ついた人が多くいるのではないか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • あるタレントが、東京オリンピックの音楽担当を辞退したアーティストの過去の障害者への虐待について「昔はこういうのを許容する価値観があった」などと発言していた。こんなのを子どもたちが見て影響を受けたら正直たまらない。間違いだったと訂正していただきたい。

【「人権」に関する意見】

  • 東京オリンピック開会式の生放送で、23時過ぎに未成年者の高校生を合唱で出演させていた。労働基準法第61条に抵触、放送法違反では?

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • ドラマやアニメ等、創作物での暴力描写への規制が最近は厳しすぎる気がする。面白半分でそういう表現を入れているのならまだしも、そういった部分をきちんと描くからこそ伝えられる事もあると思う。綺麗事で取り繕った上辺の部分だけでなく、汚い部分をしっかりと映す事も放送の役割ではないのか。子どもへの影響を危惧する声が多いが、本来教育はテレビの役割ではなく親の役割。教育を投げた人間の声にテレビが迎合しすぎて、放送できるものの枠が狭まりどんどんとテレビ番組はつまらなくなっている。放送や表現を規制するのではなく、伝えたい事をきちんと伝える事に重きを置いて、コンプライアンスが厳しいから、視聴者がうるさいからと丸投げにせず、信念を持った番組作りをお願いしたい。