第79回 放送倫理検証委員会

第79回–2014年2月

鹿児島テレビの「他局取材音声の無断使用」に関する意見の
通知・公表

弁護士から詐欺事件の被害者として紹介された人物が実は被害者ではなかった、日本テレビの『スッキリ!!』についての審議

「対決内容が編集で偽造された」ことが判明したフジテレビの『ほこ×たて 2時間スペシャル』についての審議

第79回放送倫理検証委員会は2月14日に開催された。
2月10日に意見を通知・公表した鹿児島テレビの「他局取材音声の無断使用」事案について、記者会見での質疑や当日の報道などが報告され、意見交換を行った。
ネット詐欺の被害者として放送された人物が、実はネット詐欺専門の弁護士から紹介された、当時の所属事務所の事務員だったことが問題になった日本テレビの『スッキリ!!』について、担当委員から最終的な「意見書案」が提出された。意見交換の結果、全員の一致が得られたため、3月上旬に当該局への通知と公表の記者会見を行うことになった。
「対決内容が編集で偽造された」と出演者が告発し、番組が打ち切られたフジテレビのバラエティー番組『ほこ×たて 2時間スペシャル』(2013年10月20日放送など3本)について、関係者へのヒアリングを踏まえた意見書の原案が、担当委員から提出された。
毎日放送の情報番組『せやねん!』で紹介したダイヤモンド詐欺が、2日前に讀賣テレビの報道番組で放送された特集の内容の一部を、無断で引用したものと判明した。他社の取材成果を無断で使うのは問題だが、映像や音声をそのまま使用したわけではないこと、当該局がすみやかに謝罪・お詫び放送を行い、相手局側も謝罪を受け入れていることなどから、審議の対象としないことになった。
“全聾で被爆2世の作曲家”とされている佐村河内守氏の作品が、別人の作品だったことが発覚した問題について意見を交換した。その結果、まず各局でどんな番組が放送されていたかを把握するため、NHKおよび在京民放キー局に佐村河内氏を扱った番組のデータを求めるとともに、NHKに対しては、去年3月に放送されたNHKスペシャルの映像提供と放送に至る経緯の報告を要請することになった。

1.鹿児島テレビの「他局取材音声の無断使用」に関する意見を通知・公表

鹿児島テレビは、夕方の情報番組『ゆうテレ』(2013年6月19日、8月7日放送)と週末の番組『チャンネル8』(同6月29日放送)で、高校総体に出場した鹿児島市内の高校の男子新体操部の活躍ぶりを、選手を激励する監督の声を交えて放送したが、監督の声は他局の取材音声を無断で受信・録音したものだったという事案。
2月10日、当該局に対して、委員会決定第18号の意見を通知し、続いて公表の記者会見を行った。当日夜のテレビニュースの報道などを視聴したあと、委員長や担当委員から記者会見での質疑などが報告され、意見交換が行われた。

2.弁護士から詐欺事件の被害者として紹介された人物が、実は被害者ではなかった日本テレビの『スッキリ!!』についての審議

日本テレビの朝の情報番組『スッキリ!!』で、インターネット詐欺の被害者として出演した男女2人が実は被害者ではなく、同じ番組に出演したネット詐欺専門の弁護士から紹介された当時の所属法律事務所の事務員だったことが判明し、裏付け取材が不十分だったとして審議入りした事案(2012年の2月29日と6月1日放送)。
担当委員から、最終的な「意見書案」が提出され、さらなる意見交換を行った。その結果、放送倫理違反とまでは言えないという判断を意見として公表することで、全員の一致が得られ、表現の細部の修正は委員長に一任された。当該局への通知と公表の記者会見は、3月5日に行われる予定。

3.「対決内容が編集で偽造された」ことが明らかになったフジテレビの『ほこ×たて 2時間スペシャル』についての審議

フジテレビのバラエティー番組『ほこ×たて 2時間スペシャル』(10月20日放送)に出演していたラジコンカーの操作者が、「対決内容を偽造して編集したものが放送された」と告発したことから問題が発覚、当該局は社内調査の結果ほぼ指摘どおりであるとして、番組を打ち切った事案。
上記番組のほか、同じような問題があったと当該局が認めた2011年10月16日と2012年10月21日放送の『ほこ×たて スペシャル』についても審議の対象とすることになり、1月中旬には関係者に対するヒアリングが行われた。
委員会では、ヒアリングを踏まえて、担当委員から意見書の原案が示され、取材・制作の過程で何が起きたのか、その背景にはどんな課題や問題点が潜んでいたのかなどについて、説明も行われた。意見交換の結果、ほぼ論点は整理できたとして、担当委員が委員会の審議をふまえて意見書の修正案を作成し、次回委員会での意見の集約を目指すことになった。

4.他局番組の内容の一部を無断で引用していた毎日放送の『せやねん!』についての討議

毎日放送の情報番組『せやねん!』(2013年12月7日放送)は、「今週の気になるお金」のコーナーで最近被害が急増している特殊な詐欺について特集した。その中で取り上げたダイヤモンド詐欺は、2日前に讀賣テレビの報道番組『かんさい情報ねっとten.』で放送された特集「モクゲキ~ダイヤモンド劇場型詐欺」の詐欺手口や被害金額などの情報を、無断で引用していたことが判明した。
担当した構成作家やチーフ・ディレクターは、讀賣テレビの特集がすでに多くのメディアで報道された「周知のもの」と思い込み、またチェック役のチーフ・プロデューサーらも、その情報源を確認していなかった。
鹿児島テレビの「他局取材音声の無断使用」事案との比較検討を含めて、意見が交わされたが、他局が取材した映像や音声をそのまま放送したわけではないこと、当該局は速やかに相手局とその取材協力者に謝罪してお詫び放送を行い、その了解を得ていること、さらにチェック体制の見直しや研修会の開催などの再発防止策を講じていることなどから、委員会は、この事案は審議の対象としないと決めた。

[委員の主な意見]

  • 相当に具体的で詳細な情報であるのに、これが広く知られている周知の事実だと思い込んで、問題意識もなくそのまま使ったという弁明は、成り立たないのではないか。

  • 他局の取材成果を無断で使ったという点では、鹿児島テレビの事案に似ているが、映像や音声そのものを使用したわけではないことや、電波法違反という公法違反ではないので、無断で使われた局が謝罪を受け入れて問題にしないとしていることの法的な意味が違うことは、考慮するべきである。

  • 最近の情報番組では、スタジオ内のボードなどに、どこまで裏付け取材ができているか分からない情報やアイデアが、安易に使われたり引用されたりしているように感じる。この問題の根底や背景には、そのような現実があるのではないか。

  • 審議入りの必要はないと思うが、他局の取材成果を無断で使うケースが相次いで起きたことはホームページやBPO報告に記載して、放送局に警鐘を鳴らすべきだろう。

5.「全聾で被爆2世の作曲家」とされている佐村河内守氏の作品が別人の作品と判明した問題の放送責任などについて討議

全聾で被爆2世の作曲家とされている佐村河内守氏の作品が、別人の作品だったことが発覚した問題について、関連する報道なども参考にしながら佐村河内氏を取り上げた番組の放送責任について議論した。その結果、番組を見ないまま議論をしても具体性に欠けるため、まずNHKおよび在京民放キー局に、佐村河内氏を扱った番組のデータの提出を求めることを決めた。
そのうえで、NHKに対しては、NHKスペシャル『魂の旋律~音を失った作曲家』(2013年3月31日放送)の映像の提供と、放送に至る経緯の報告を要請することになった。

以上

第206回 放送と人権等権利に関する委員会

第206回 – 2014年2月

大阪市長選関連報道事案の対応報告
児童養護施設関連ドラマ…など

「大阪市長選関連報道への申立て」事案で、朝日放送から提出された対応報告を改めて検討した。児童養護施設関連ドラマに対する申立書について、審理事案とする要件を満たしているかどうかなどを検討した。

議事の詳細

日時
2014年2月18日(火)午後4時~7時50分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、
小山委員、曽我部委員、田中委員、林委員

1.「大阪市長選関連報道への申立て」対応報告について

本事案で、「勧告」として「放送倫理上重大な問題あり」の決定を受けた朝日放送から提出された報告「放送人権委員会決定後の取り組みについて」(2013年12月24日付)を、前回の委員会に引き続いて検討した。
その結果、朝日放送が決定の通知を受けて発表した「広報コメント」の内容やその後の取り組み等に関する考えを委員会の「意見」として取りまとめ、民放連の「放送倫理・番組向上機構への対応に関する申し合わせ」(2003年6月19日付)に基いて、これを付して報告を公表することになった。(局の報告と委員会の意見はこちらから

2.児童養護施設関連ドラマ

児童養護施設を舞台にしたドラマに対する申立書について、委員会運営規則に照らして審理事案とする要件を満たしているかどうかなどを検討した。放送人権委員会としては、本ドラマについて審議入りするかどうか討論を続けていく青少年委員会の動きを見守りつつ、次回委員会で引き続き申立書の内容を検討する。

3.「匿名インタビュー、モザイク処理の在り方」

報道・情報番組における匿名インタビューやモザイク処理について、事務局が調査結果を報告し、それを踏まえて各委員が意見を述べた。調査結果をさらに分析し、次回委員会で議論を継続することになった。

4.その他

  • 1月21日に行われた「宗教団体会員からの申立て」事案の通知・公表について、「委員会決定」の内容を伝える当該局テレビ東京のニュース番組の同録DVDを視聴した。

  • 1月30日に開催した鹿児島県内加盟放送局との意見交換会について、その模様を伝える地元局のニュース番組の同録DVDを視聴しながら事務局が報告した。

  • 次回委員会は3月18日に開かれる。

以上

2014年2月10日

鹿児島テレビ「他局取材音声の無断使用」に関する意見の
通知・公表

委員会決定第18号の通知は、2月10日午後1時から千代田放送会館7階のBPO第一会議室で行われた。委員会から川端和治委員長、斎藤貴男委員、升味佐江子委員の3人が出席し、鹿児島テレビからは取締役ら2人が出席した。
まず川端委員長が、この問題についてはすでに総務省から、電波法59条違反で行政処分が出されているが、それが即放送倫理違反になると判断したのではないと指摘し、それを含めて取材・制作の過程が適正でなかったことが、放送倫理違反と判断した理由であると次のように説明した。「国民の知る権利にとって非常に重大な事案で他に方法がないときに、電波を傍受してスクープとして使うことはありうると思う。今回の事案はそうではなく、他局の取材成果を自局の放送に使ってはいけないという常識的なことをディレクターが認識しておらず、離れた場所の映像なのになぜクリアな音声がとれたのかという疑問が社内チェックで問題にされることもなかった」。
これに対して鹿児島テレビ側は「なぜこんなことになったのか、なぜ事前に気づかなかったのか、背後にどんな問題点があったのかを、社をあげて考え続けてきた。視聴者に向き合う仕事をしているという誇りを全員が共有して、再生をはかりたい」と述べた。

この後、午後1時45分から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には26社50人が出席し、テレビカメラ7台が入った。
初めに川端委員長が意見書の概要を紹介した。このなかで川端委員長は、放送倫理に違反すると判断した理由について「電波法59条に違反していると同時に、適正な取材・放送ではなかった」と説明した。そして、総務省の判断を優先して視聴者への説明が遅れたことについても、問題がなかったわけではないと述べた。
続いて斎藤委員が「同じ高校で新体操をしていた女性リポーターがいるのだから、どうして独自の切り口で番組をつくろうとしなかったのか、もったいないと感じた。放送局は、発表などに頼らない独自取材をもっと大切にしてほしい」と述べた。
また升味委員は「番組は、制作者が面白がってつくり、放送を見て周囲とあれこれ言い合うものであってほしい。1年契約を10年も20年も更新してきた派遣スタッフに制作の現場が委ねられ、そのような体制がモチベーションを低下させ番組への関心の希薄化につながったようにもみえた。このような状況が改善されるよう、鹿児島テレビには"放送人養成プロジェクト"を成功させてほしい」と述べた。
記者との質疑応答では「取材クルーが正社員ではなく派遣スタッフだから、放送倫理に対する認識が不足しているとか、モチベーションがあがらないというような書きぶりになっていると感じられる」との質問に対して、川端委員長が「ダイレクトな因果関係として書いたつもりはない。委員会はこれまでの意見書でも、社員だけしか対象にしていない社内研修を改善することなどを要望してきたが、この事案を契機に鹿児島テレビは、処遇の区別をしない新しい取り組みを始めている。クリエーターとしての誇りを持って、いい番組をつくってほしいと期待している」と答えた。
また、聴き取りをした派遣スタッフらから、待遇への不満や仕事への意欲がわかないという声が聞かれたのかと質問されると、斎藤委員が「ディテールを申し上げるのは差し控えるが、私は、派遣のしくみが十分に機能しておらず、仕事に対する執着が薄らいでいるように感じた」と答えた。升味委員は「取材の際に一歩踏み込んだ取材をしてみよう、いい番組にするためにあれこれ議論しようという気持ちになれないということは、聴き取りから伝わってきた」と答えた。

第18号

鹿児島テレビ「他局取材音声の無断使用」に関する意見

2014年2月10日 放送局:鹿児島テレビ

鹿児島テレビは、夕方のローカル情報番組『ゆうテレ』と週末の昼前の番組『チャンネル8』で、全国高校総体に出場した高校の男子新体操部を2013年6月と8月にあわせて3回紹介した。その際、選手を激励する監督の声を10か所で約2分間放送したが、これはワイヤレスピンマイクを使って、他局の取材音声を無断で受信・録音したものだった。電波法59条は、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受して窃用することを禁じている。
委員会は、取材クルーが認識していなかったとは言え、電波法違反があったことは明白なうえに、「取材・制作の過程を適正に保つようつとめる」と定めた放送倫理基本綱領の規定にも反しているなどとして、放送倫理に違反していると判断した。そのうえで、編集過程で音声の無断使用をチェックすることができなかった制作体制にも問題があったなどと指摘した。

2014年2月10日 決定の通知と公表の記者会見

通知は、2月10日午後1時から千代田放送会館7階のBPO第一会議室で行われた。
また、午後1時45分から同2階ホールで決定内容を公表した。記者会見には26社50人が出席し、テレビカメラ7台が入った。
詳細はこちら。

2014年5月9日【委員会決定を受けての鹿児島テレビの対応】

標記事案の委員会決定(2014年2月10日)を受けて、当該の鹿児島テレビは、対応と取り組み状況をまとめた報告書を当委員会に提出した。
5月9日に開催された委員会において、報告書の内容が検討され、了承された。

鹿児島テレビの対応

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目 次

  • 1.委員会決定に関する報道
  • 2.社内での報告と周知
  • 3.番組審議会への報告
  • 4.再発防止に向けた取り組みについて
  • 5.BPO研修会
  • 6.終わりに

2014年1月に視聴者から寄せられた意見

2014年1月に視聴者から寄せられた意見

児童擁護施設を舞台にしたドラマで、人権を踏みにじるものだ、という意見の一方、現代の問題を捉えていて考えさせられると、賛否両論。また、大晦日のバラエティー番組で、お尻から他人の顔に粉を吹きかけるなどのいくつかのシーンに批判の意見が多数あった。

2014年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,309件で、先月と比較して991件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話21%、FAX1%、手紙ほか2%。
男女別は男性62%、女性35%、不明3%で、世代別では30歳代29%、40歳代28%、20歳代18%、50歳代16%、60歳以上7%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は1,467件【45局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、18件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京都知事選挙が告示されたが、特定の候補者ばかり取り上げ、他の候補をないがしろにしているといった声や、ある政策ばかり俎上にのせるのは偏っているのではないかといった批判が寄せられた。
自衛隊の輸送艦と釣り船との海難事故が発生したが、まだよく分らない状況で輸送艦に落ち度があるかのように決めつける論調は、如何なものかといった声が寄せられた。
児童養護施設を舞台にしたドラマに対し、施設で実際に生活している子ども達の人権を踏みにじるものだといった意見がある一方、フィクションなのだし、ドラマのなかの言葉尻を捉えるのではなく、もっと大きな視点でみるべきだといった意見も寄せられた。賛否両論、多くの声が寄せられた。
早朝の子ども番組の出演者の衣服に卑猥な英語表記があったことに対し、批判が殺到した。
ラジオに関する意見は57件、CMについては48件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は368件で、前月より267件増加した。これは、「子ども番組の出演者の衣装に英語で性的な言葉が書かれていたこと」「児童養護施設(グループホーム)を舞台にしたドラマ」へ多くの意見が寄せられたことが主な理由となっている。
今月は、「性的表現に関する意見」が96件、「表現・演出に関する意見」が62件、次いで「要望・提言」が46件、「いじめ・虐待に関する意見」が39件と続いた。
「性的表現に関する意見」では、前述の出演者の衣装の件のほか、22時台に放送されているアニメの表現が過激だとの意見が多く寄せられている。「表現・演出に関する意見」では、年末のバラエティー特番の中で、お尻から他人の顔に粉を吹きかけるシーンなどに多数の意見が寄せられた。
そのほか、前述のドラマに関して、賛否両論、多くの意見が寄せられている。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 東京都知事選について、特定の候補予定者ばかり扱っていた。なかには、他にまともな候補予定者がいないかのような印象を与える発言を行ったコメンテーターもいた。全体を通し一貫して特定の候補者を持ち上げ、他の候補予定者の印象を損なう放送が流された。

  • 都知事選について取り上げていた。その内容が明らかに元総理の立候補を批判し、原発即時ゼロの公約が非現実的であると結論付け、また、原発問題というシングルイッシューで立候補することがけしからんという内容であった。一方、自民党が支援する元大臣が正統な候補者であることをことさら印象付け、原発即廃止という政策を批判する同氏の主張に時間を割き、同氏が離党した政権党から支援を受けることに対して何ら問題点も指摘しなかった。

  • 海上自衛隊の輸送艦と釣り船が衝突した事故について報道していたが、まだ事件の詳細がわからないにもかかわらず、キャスターはまるで輸送艦側に大きな責任があるかのように同席した専門家に対して問いただしていた。専門家は「どちらにも落ち度がある」と返答していたが、キャスターは輸送艦に非があると専門家に発言させようと誘導しているかのようだった。放送法の「中立性」に反するのではないか。

  • 冷凍食品から農薬が検出された問題で、商品の回収について、司会の男性が「輸送費をかけて送るのは面倒くさい」と発言した。コメンテーターも「私も捨てちゃう」と同調した。商品回収は「安全確保」や「返金」だけが目的ではなく、農薬混入の手がかりになる情報収集の意味もある。発言は「情報提供は面倒だからしなくていい」と言っているようなものだ。報道機関なら逆に積極的に返品を呼び掛けるべきだ。

  • 農薬混入問題に関するニュースの中で工場に勤める人のインタビューが流れた。仕事を終え自転車で帰宅する人を走って追いかけて取材していたため、自転車に乗っている人は柵がある方へ追い込まれ、怪我をする可能性があるほど危険な状態であった。取材を受ける側がけがをするかも知れない状況で取材を強行するのは、問題があるのではないだろうか。

  • 「安倍首相の靖国参拝支持率の電話アンケート」をとっていたが、支持が多かったと発表されると、司会をはじめ皆で「同じ人が何度も電話しているに違いない」「こんな調査は統計的に意味がない」と言い出した。自分たちでアンケートをお願いしておきながら、望んだ結果とは違ったから、それを否定するとは、視聴者を馬鹿にしているのではないのか。それに、1人で何度も投票できたのならば、それは不支持の集計にもいえることなのではないか。始めから答えありきならば、わざわざアンケートを取る必要はない。

  • 安倍総理の靖国参拝について、各メディアは「日本は世界から孤立した」などと報道している。しかし実際に批判しているのは、中国と韓国の2カ国だ。韓国は前大統領が竹島に不法上陸している上、中国も防空識別圏を勝手に設定したりと、やりたい放題だ。

  • 静岡でのことだった。テレビ局の車が3台ほど路肩に停車し、撮影していた。救急車がサイレンを鳴らして走って来たが、関係者は車を移動させることなく撮影を続けていた。そのため救急車がしばらくその場で立ち往生していた。1分の遅れが命取りになるような緊急事態だというのに、いつまでも撮影を続けている関係者の常識のなさにはあきれた。スクープ映像を撮るためなら人命救助を妨害しても良いと思っているのか。

  • 高齢の夫がこれまた高齢の妻に暴行を加え亡くなる事件があった。妻は長年にわたり認知症を患っており、夫が介護をしていた。この日のニュースでは、その事件現場の自宅が大きく映し出されていた。いかなることがあっても、人が人の命を奪うことは絶対に許されない。しかし、高齢の老人が1人で介護し、愛すべき妻を自ら殺害してしまう状況は、社会のひずみのように思える。夫も精神的に追い詰められていたのではないのか。事実を放送することは当然だが、わざわざ自宅のアップまで放送する必要があるのか。

  • 特集コーナーで、わいせつな成人向けビデオに出演していたことで有名な女性が美化されて取り上げられていた。病気の特集ではあるが、この女性の活躍ぶりや健闘ぶりなどが美化されて放送していたため、見ている一般的な女性の性道徳に悪影響が出る恐れがある。病気の特集は評価出来るが、出来るならば一般的な女性を取り上げるようにしてほしい。

  • 強盗・強姦の容疑者の逃走事件があった近所の者だが、昨日も今日も複数機のヘリコプターが上空を飛び大きな騒音に迷惑している。事件発生当初ならいざ知らず、翌日の空撮など意味がない。近くには病院もある。報道機関のヘリコプターの騒音をもっと真剣に考えるべきだ。

  • NHKの新会長の発言は、視聴者として看過できない。戦前は、軍人や政治家が国民を扇動する風潮が日本を席巻していた。そして、マスコミがこぞって戦意を高揚し、若者を戦場へ送り込む手足となった。そういった国を復活させたいのだろうか。記者の質問の仕方を問題視する向きもあるようだが、何だか報道機関が政権の意向に迎合しているようで、日本の将来に危惧の念を抱かざるを得ない。

  • 「警察24時」などと称して、警察が犯人を逮捕する瞬間を放送しているが、テレビなどのマスコミは、「警察がいきすぎた捜査をしていないか」など、権力を監視して報道することが役目ではないのか。警察を一方的に持ち上げることはおかしい。きちんと批評する番組も放送するべきだ。

  • 気象予報と併せてPM2.5と黄砂の拡散状況を随時流してもらいたい。公共の電波の趣旨と国民の命を守る観点からお願いしたい。刻々と状況は変化するので、きめ細かに報道してほしい。

  • 成人式の時期になると、「いつから若者は成人式で暴れるようになったのか?」といった話題をどこの局でも報道するが、元をたどれば、マスコミが取り上げ始めた十数年前からではないのか。更に「このような行為をする子は、逆に社会で成功するタイプだから」などと、ボケたことを言うコメンテーターもいる。

  • 神奈川県での行方不明女児が無事保護されたというニュースが放送された。行方がわからなくなったポイントをスタートとし、発見・保護された市の交番までの道程をグーグルアースを使い再現していたが、スタート地点である場所の映像は明らかに「女児の家」を含む数件に絞った表示のされ方だった。グーグルアースはインターネット環境があれば誰でも利用できるため、該当位置を容易に調べることが出来てしまう。プライバシー侵害に繋がるのではないか。

  • 女子児童がわいせつ被害を受けた事件について、被害者に対する配慮を欠く報道があった。NPO職員の男が、学童保育の送迎車の中で小学生の女児の下半身に触るなどのワイセツ行為を働き、逮捕された事件だ。学校の特徴のある窓の映像とともに「小学5年生の女子児童」「知的障害がある」などと、本人が特定されやすい情報を明らかにした。さらに、容疑についても「下着の中に携帯電話を入れて撮影した」ことまで詳細に報じていた。本人や家族のことを思うと、せめて「小学高校学年の女子児童」などと、ぼかして伝えるなどの配慮をすべきだし、犯行内容もここまで明らかにするべきではない。

【番組全般・その他】

  • 年末の長時間バラエティーを見た。出演者の汗から塩を取り出し、大福に混ぜ合わせて食べさせるという、見ていて不愉快なことをやっていた。笑いのために食べ物を粗末にするということは多々あるが、今回の件はその範囲を明らかに超えている。

  • 年始のバラエティー番組だった。芸人がゲームを行う段階で、数名の芸人の母親が出てきて息子(芸人)のために(息子に100万円を払うとウソをつき)ゲームを行うという企画だったが、内容があまりにもひどかった。芸人の母親にワサビを食べさせたり、顔に落書きをさせたり、最後には鼻にフックをかけ鼻がちぎれそうになるまで引っ張ったりしていた。母親たちは「息子のためにがんばる」と半泣きになりながらゲームを行っていた。初老の母親にあんなことまでさせるのは、笑いどころか不快感しか残らない。これは問題ではないか。配慮のかけらもなく、出演後の母親たちの体調に問題はなかったのか。

  • 児童養護施設に入っている子たちを馬鹿にした、差別的ドラマだと感じた。これは明らかに、児童養護施設のことすら知らない作家や局側が、あからさまに養護施設の子ども達を偏見の目で見たうえでのドラマだと思う。おそらく今後、学校などでドラマの主人公のあだ名を使って、いじめなどが起きるだろう。そもそも養護施設には、本当に訳ありで入所している子たちがいるわけで、その子たちがこのドラマをみたらどんなに悲しむだろうか。

  • 番宣を見た当初から不快だった。母も同様に不快だと言っていた。私の地区には身寄りのない子どもが通う児童施設があり、私の友人も多数そこに住んでいた。彼らは児童施設の職員の方々を「兄さん、姉さん」と言って慕っていた。様々な事情で預けられ辛いはずなのに、逞しく生きる彼らを私は尊敬し、応援していた。この番組はそんな彼らに対する冒とくだ。まだ考えの浅い、若い世代にこんな番組を見せたら、いじめを助長し彼らが生きづらい世になってしまう。今回の題材だけは許すことができない。

  • 1回目の放送から差別や偏見を生むと中止を求める騒ぎに発展しているが、私や周りの母親たちの1話を見ての感想は違うものだ。物語の初めでの施設や施設長の描き方は少し極端ではあったが、愛情が全く感じられないというものでもない。誰か特定の人を指してさげすんだり偏見をもたせるものというよりは、多くの人々に問題提起をしている秀逸なドラマだ。辛い立場に今いる子ども達には、きっと励ましや勇気を与える展開になってくれるものと信じて、最後まで見たい。

  • 番組の放送中止に対して反対する。私には娘がいる。子育てに苦悩することもある。第1話を見て、私は子どもとはなんなのか、考えさせられた。「人権侵害」という意見も分かるが、厳しいことを言わせてもらえばそれが現実だと思う。何度も何度も繰り返して見た。親として人間として教えられることが多いドラマだと思う。子ども目線からの世界や大人の身勝手さがきちんと出ている。現代の問題をこのドラマは伝えている。この番組を楽しみにしている人もいる。

  • 養護施設のドラマを放送することで、関係者の人権が傷つけられるというが、ドラマの表現に極端な意見を出すということは、如何なものか。人は誰もが"いい人"とは限らないし、暴言を吐くことも人格の一つだ。悪い意味でドラマと現実が一緒になってしまう人をこそ、問題視すべきだ。これでドラマが打ち切りになることがあれば、抗議をした人達は「一つの側からでしか見ることができない人」と見られ、支援もされなくなるだろう。だから、昔の番組はある意味良かったのだ。一部の側の人間の意見を聞くことなく番組を作れた。今の番組は周囲に流され過ぎている。今の番組をつまらなくしたのは、こういう意見を平気でいう視聴者だと思う。

  • 子ども番組の出演者の衣装に、卑猥な意味の不適切な英語が書かれていた。着用は一度ではなく、数回にわたっているようだ。誰かが意図的に選んだのなら悪質だし、まったくの不注意ならば、番組を制作する資格がない。子どもを対象にした番組だけに、責任は重い。改善を強く希望する。

  • 年末恒例の音楽番組で、アイドル女子グループのメンバーの1人が突然、「グループを卒業する」と発表した。そのような発表は、自分たちのライブやイベントですればいいことだ。公共の電波で放送されている番組を私物化すべきではない。個人的な発表に過ぎないことを報告するために番組を利用するなど、非常識極まりない。売名行為と捉えられても仕方がない。

  • 芸人の寝起きに、逆バンジーを仕掛けるという企画をやっていた。人間が寝ている状態では循環機能が低下しており、意識も消えている。この状態で逆バンジーをすると、心停止などの危険性が考えられる。また、就寝中の芸人のベッドにバンジー装置を仕掛けるために、「普段飲めないお酒を飲ませ、無理やり寝かせていること」が2番目の問題点だ。飲めないお酒を飲んで就寝し、横になったままの寝起きで逆バンジー。大丈夫と考えたのかもしれないが、人間は驚くと何が起こってもおかしくない。事故があったらどうするのか。

  • グラビアアイドルのマッサージのシーンが最悪だった。彼女が悪いというより、時間帯も考えず演出をした制作スタッフが悪いと思うが、それにしてもいやらしい表現が不快だ。ゴールデンタイムにふさわしくない。

  • 年始のバラエティー番組だったが、家族で楽しめる内容でとても良かった。特に冒頭のアイドルグループの寝起きドッキリは、メンバーが用意された仮設の小屋に宿泊し、翌朝に小屋の壁が倒れ小屋の前で待機しているファンの前でコンサートをするという内容だったが、正月のだんらんの場にふさわしい、グループのメンバーにも好印象を与える、いい番組だと思った。来年も期待したい。

  • 12月30日は、地上波が年末特番の編成の時期だが、あるBS局は、夜9時から11時まで通常放送だった。そのおかげで、好きなレギュラー番組を見ることができた。地上波の民放テレビ局も通常編成の良さを見直してほしい。

  • 最近話題の女性テレントの背中の大きな刺青を、子ども達が見ている時間帯に放送した。「タトゥ」と言っていたが、普通の人は、反社会的な組織を連想する。話題作りなのかもしれないが、放送対象にすることはおかしい。刺青を見たことのない多くの純粋に育った子どもがいるという事実も考えてほしい。子どもに見せたくない番組を新春早々流された。子どもが家族と見ている時間帯に反社会的組織を連想させる画像は流さないでほしい。

  • "世の中の要らない人間"を取り上げるコーナーがあり、「4人競技のボブスレーの真ん中の2人の選手や、オーケストラの指揮者が要らない」などと言っていた。深夜帯のバラエティー番組だとしても、その分野に携わる人間の必要性を否定する放送は、問題だ。各分野のプロを目指す人間にとっては、生きがいにしている方々もいるだろう。

  • 「エベレスト登頂プロジェクト始動」を見た。素人のエベレス挑戦は危険すぎる。この挑戦は、仕事を選べない女性のタレントの弱みにつけ込んだ一種のパワハラだ。お笑い芸人が気の毒であると同時に、登山を愛する者として「世界最高峰」を甘く見ないでほしい。やらせで登りきるということもあるのかもしれないが、それこそ一般の人達が簡単にエベレストに登れると誤解も生み、危険なのではないか。芸人の「エベレスト挑戦」はバラエティーのレベルを超え、登山家を侮辱することにもつながる。挑戦を中止すべきだ。けが人や死者が出てからでは遅い。

  • 番組のなかで中卒をバカにしていた。私と妻は共に団塊世代で、妻はこの歳になってもいまだにコンプレックスを感じている、妻の同期の友人(中卒)も同じで、そのような話題になると顔が暗くなる。中卒はバカなのか。出世出来ないのか。私は高卒だが、今では妻のおかげで幸せに暮らしている。普段愚痴も言わない妻が、一言「ヒドイ」と寂しそうに呟いた。今の日本を築いた団塊世代のなかには高校にいけない人達もいた。その心情を察していただきたい。

  • 途中まで楽しく見ていたが、男性タレントの話で一変した。何の脈略もなく怖い話をした。怖い話の番組はもちろん、お化け屋敷、ホラー映画、CMですら、子どもの頃から苦手なので、ホラーは一切見ない。しかし不意に話を始めたので聞いてしまった。いまでも頭から離れない。なぜあの話をあのタイミングでオンエアしたのか。テロップで注意喚起したり、「CMの後」などの予告をすることができたはずだ。あの話を誰が喜ぶのか。記憶を消すことはもちろんできず、この先一生つきまとうだろう。

  • 俳優の「実子騒動」は放送しないでほしい。世の中には養子縁組の親子もいる。テレビで「実子」「DNA鑑定」「親子関係不存在」などといった言葉が飛び交ってはいい気はしないだろう。知らない方がいい場合もある。また、当事者はまだ未成年だ。海外にいるとはいえ、未成年者を巻き込んだ泥沼騒動は放送するべきではない。

  • 1週間のうちに何度も訂正が入る。今日もあったが、同じ週に数回「先程の○○は××でした」と訂正が入る。あまりにも多過ぎる。訂正を流せばいいという適当な姿勢が見て取れる。苦情を言っても「担当部署に伝えます」の一言で、改善される気配がない。

  • 「新幹線の中で泣く子に対し、舌打ちをするのはどうか」というテーマの企画があった。その議論には疑問もあったものの、考え方は人それぞれで別に構わない。問題は男性アナが「子どもがいる人といない人では考え方が違う」と発言したことだ。私は子が出来ない体だが、小児のいる親の気持ちは理解できるつもりだ。放送のプロである局アナの差別的発言、見識の低さに憤りを禁じ得ない。

  • 放送のなかで「勝ち組」「負け組」という表現がよく出てくるが、もし、稼げる人間が「人生に勝った」、そうでない人間が「人生に負けた」という意味なら、これは差別用語に当たる。簡単に「勝った」「負けた」などという言葉は使わない方が良い。同じように、人生の「成功者」という表現も、何をもって「成功」と言うのか、意味不明だ。これも主観的な言葉であり、差別用語に当たるのではないのか。

  • 番組の中でスポーツ新聞の記事を取り上げた。外国の女子高生の「処女権」がオークションにかけられたというものだった。過去には高額で落札されたこともあったという。女性を差別する内容であり、子どもにも有害である。この番組の不適切な内容は他にもある。以前には、アメリカで麻薬が合法化されたということが放送された。放送の時間帯も、放送の内容も問題が多い。改善してほしい。

  • この番組を毎週見ている。見ていて気分が和む。ただ、字幕放送に対応しておらず、聴覚障害など耳の不自由な方には会話の内容が確認できない。この番組に限らず、BSでの字幕放送対応番組が少ないと思う。BSの字幕放送の充実を望む。

  • 地方都市を舞台にしているアニメで、キャラクターの制服は実在の学校などの制服をモデルにしている。地元の人間が見たらすぐにそれと分かるデザインだ。その制服で、スカートをまくりあげ、下着を見せて踊るシーンがあった。私はモデルになった学校の卒業生だが、母校らしい制服が下品な演出に使われていて、不快になった。また、実際に同じ制服を着て通う後輩たちがいる。アニメのせいで彼女たちが変な目で見られてしまうのではないかと心配だ。

【ラジオ】

  • 正月の帰省渋滞中のドライバーに向けて、「オンエア曲に合わせてクラクションを鳴らす」ことを促すような発言が数回あった。みだりに警笛を鳴らすことは道路交通法で禁じられている。仮に、出演者が道路交通法を知らなかったとしても、実際に一部のドライバーがこのようなことを行えば、周囲に対して迷惑や交通上の異変と誤解を与えるなど混乱を招く。良識を欠いた放送だ。

  • 音楽を紹介する番組のいくつかで、唐突に彼らの政治的思想を一方的に述べる場面があり、違和感を覚える。とくに最近は政権に対する批判的な主張が繰り返されて、聞くに堪えない。音楽番組を装いながら一般のリスナーに向けて特定の政治主張を吹き込むことは不適切ではないのか。

  • パーソナリティーが「バスに乗ったとき、停車ボタンを押しても知らんぷりをして降りないという"軽いいたずら"をしてみてはいかが」と楽しそうに話していた。とんでもない話だ。私のような地方の高齢者にとって、バスは大切な移動手段なのだ。こんないたずらなどされては迷惑だ。公共放送が、なぜこのような内容を放送するのか。断固抗議する。

  • びっくりした出来事を投稿するコーナーの中で、「自販機でジュースを買ったら、買った金額以上のお釣りが出てきた」という投稿が採用されていた。投稿者は、この行為を何度も繰り返したという。警察に届けるわけでもなく、お金を取得したらしい。これは自販機の故障に乗じた「つり銭詐欺」であり、刑法の詐欺罪に該当する。お金を儲けたと自慢するかのようなこの投稿に対して、出演者の一人は「こういうことをやっちゃだめ」と軽く注意していたが、それならはじめからこの投稿を紹介するべきではない。

【CM】

  • 冷凍食品やインスタント食品や酒類のCMで、わざとらしく音を立てて食べたり飲んだりすることが不快だ。逆に食欲がなくなってしまう。和食で音を出しても良いものは、うどんや蕎麦などの麺だけだ。食品などのCMでこのような過剰な演出は必要ない。

  • 近頃の携帯ゲームのCMは「スマートフォン限定」ばかりだ。PHSなどを利用する人も多く存在するのに悪意を感じる。また、ある携帯ゲームのCMでは、歩きながらスマートフォンを操作する場面があった。「歩きスマホ」といわれるこの行為は非常に危険であるにもかかわらず、当たり前のように放送することは法令を無視している。

青少年に関する意見

【性的表現に関する意見】

  • 出演者の衣装に視聴者を不快にさせる英語が描かれていた。子ども向けの番組でこのようなことはあってはならない。

  • 高校生のラブコメディーアニメかと思っていたら、下着姿の女子高生にアダルトグッズ(のような物)をつけさせたり、いわゆるアダルト描写が多い"大人のアニメ"のようだった。22時半からの放送ということもあり、我が家の子ども(中学生)は、普通のアニメくらいのつもりでチャンネルを合わせてしまったようだが、過激な内容に驚いていた。何も知らない子ども達への悪影響を考えてほしい。

  • 小3の息子と見ていたバラエティー番組の間に、恋愛ドラマの番宣が流れた。その中に、ベッドシーンや子どもに聞かせたくないようなセリフ、キスシーンがあった。これは、多くの子どもが見ている21時前の時間帯に流すべき内容の宣伝ではない。このドラマ以外にも最近のドラマ番宣は子どもに見せたくないようなものばかりだ。もっと配慮ある編成を強く希望する。

【表現・演出に関する意見】

  • このバラエティー番組は全体的に下品極まりない。大晦日は子どもも遅くまで起きてテレビを見ている。常識のある番組づくりをしてほしい。某漫画家の汗から精製した塩を大福餅に混ぜ他人に食べさせたり、芸人の顔に向けてお尻から粉を噴出させていた。不快極まりなくチャンネルを替えた。最近は下品ネタやいじめに繋がりかねないネタが多い。

  • ドラマの役名は、養護施設で育った子どもにとって大変心の傷になる。ドラマの内容に対して関連機関が抗議を出したことも当たり前のことだし、それに対する放送局の対応は的を射ていない。「最後まで見てほしい」とは宣伝効果をねらって発言しているようにしか思えない。子どもを産む、育てるとはどういうことなのかを訴えるドラマかもしれないが、養護施設で過ごしている子ども達に対する配慮がなさすぎる。

  • ドラマの過剰演出に違和感を覚えた。おそらく第1話ということも加味した演出であり、回が進むにつれてドラマの雰囲気も良くなるだろうという予測は、大人であれば可能だ。しかし、子どもには無理だろう。社会的影響の大きいテレビ放送で、なぜ子どもの成長を阻害することをするのか理解に苦しむ。

【いじめ・虐待に関する意見】

  • 暗いところが嫌な人を閉じ込めて、最後は泣き叫んでドアを蹴破るほど立腹するという内容だったが、スタジオでビデオを見ている人達が心配をせずに、むしろ悪口を言っていた。これでは、イジメビデオではないか。中に入れられた人が演技ならいいというものではない。

【要望・提言】

  • このドラマは最後まで是非放送してほしい。その後に、親の責任、社会のあり方、放送、報道のあり方、視聴者としてのドラマの見方など、各自の立場から考えること多くあると思う。ある意味、今回のドラマは「ドラマなどでは人権をどう配慮すべきか」を考え話し合ういい機会ではないだろうか。ドラマの途中ではなく、最後まで視聴した上で、良し悪しを議論するべきだ。大人の都合で犠牲になった子ども達を受け入れる機会と感じている。

  • 子ども達の愛を伝えていくドラマだ。絶対に中止しないでほしい。最後まで放送していただきたい。中止しては、すべてのドラマが、事実に基づいたものでなければならなくなる。このドラマはフィクションだ。

【低俗、モラルに反する意見】

  • 女性タレントが背中のタトゥーを公開した。これはファッションなどのレベルではない。刺青である。子どもも見る時間帯に公共の電波で公開するような内容ではない。また、彼女は頑張っているシングルマザーとして、番組にも出演したことがあり、その影響は大きい。タトゥーをファッション感覚でいれる若い人が増えていることを考えると、今回のタトゥー公開はいかがなものか。

【人権に関する意見】

  • 私は児童養護施設職員だ。あまりにもひどい内容に絶句した。ドラマだから誇張されているだろうとは思うが、誤解を与える内容だ。職員が暴力をふるうのか。子どもをペット扱いするのか。とても傷ついた。もっと児童養護施設や子どものことに関心を持ってもらいたいとは思うが、この作品は子ども達や私たち職員の気持ち、人権をあまりにも考えていない。改善していただきたい。

【差別・偏見に関する意見】

  • ドラマで児童養護施設の職員が子ども達に罵声を浴びせたりペット扱いしたりと、事実と異なる内容に怒りを覚えた。私は、訳あって子どもを施設に預けている身なので、今後子どもが学校で差別に遭うのではないかと心配だ。

【委員会に関する意見】

  • 審議入りしたアニメについて、放送内容自体は、視聴者が分別をわきまえて視聴できる大人に限定される深夜帯で放送していれば、特に問題がなかったと感じている。今回の件は青少年向けでない内容を早い時間に流してしまうという、放送局のあまりの配慮のなさに問題があったのではないか。放送局側も、既に放送時間を改めて反省している。アニメ制作側の責任が問われ、制作の際に萎縮してしまい表現の自由や創作意欲が失われることがないように配慮願いたい。

第153回 放送と青少年に関する委員会

第153回–2014年1月

『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!』審議入り
日本テレビ2013年12月31日放送

アニメ『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』
審議入り 東京メトロポリタンテレビ、サンテレビ

第153回青少年委員会を1月28日、7人の委員全員が出席してBPO第1会議室で開催しました。今回、討論の対象となったのは5番組で、そのうち2番組について審議に入ることにしました。その他、12月9日から1月15日までに寄せられた視聴者意見を中心に話し合いました。
青少年委員会では「討論」という委員の自由な議論の場を設け、該当番組やテーマが「審議」の対象になるかどうかを判断しています。「討論」の対象になった番組やテーマが、すべて問題があると判断されるわけではありません
この他、1月の中高生モニター報告、また、3月開催予定の中高生モニター会議、調査・研究、来年度の活動計画などについて話し合いました。
次回委員会は2月25日に開催します。

議事の詳細

日時
2014年1月28日(火) 午後4時30分~午後7時25分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

    2番組が審議入り

  • 1月4日から始まった、毎週土曜日午後10時30分から放送のアニメ番組『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』(東京MXテレビ・サンテレビ)に対し、「女子高生に貞操帯をつけたり自慰のシーンを放送するなど、午後10時台に放送するような内容ではない」「未成年の女性がお漏らしをしたり、女性同士のみだらな場面や、あえぎ声など、性表現が過激すぎて、青少年に悪影響を及ぼしかねない」などの視聴者意見があり、委員全員が第1話、第2話を視聴した上で討論しました。委員の主な意見は以下のとおりです。

    • この漫画は以前から知っていたが、この内容をアニメで表現するのは問題があると思う。内容と放送時間帯が問題だ。

    • この内容でわざわざ放送したのは何故だろうか。放送責任に関わってくる。

    • テレビは公共の放送であることを考える必要がある。

    • アニメは、誰でも見られる時間帯に放送されるものと、限られた人たちが見る深夜の時間帯に放送されるものとがある。深夜帯の放送であれば、この番組は黒に近いグレーゾーンだが、この時間ではアウトだと思う。

    • この時間帯で放送したのはなぜなのだろうか。社内でどういう議論がなされたのか聞いてみたい。

    討論の結果、審議に入ることを決めました。なお審議の対象は、"視聴者意見があり""放送時間が午後10時30分から"の東京MXテレビとサンテレビの2局です。

  • 2013年大晦日の午後6時30分から翌日午前0時30分まで放送された『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!』(日本テレビ)に対し、「お尻に白い粉を浣腸したあとほかの人の顔におならをかけるなど、品の無い内容で、子どもに悪影響を与える」「男性芸人らしき人がオムツ換えのシーンで局部を丸出しにしていた。局部は映らないようにしていたが、あってはならない光景だ」「股間で改良型のロケット花火を受け止めるというシーンがあった。"改良した花火で安全に配慮し行っています。マネをしないでください"とテロップを出していたが、書けばなんでも許されるわけではない」などの視聴者意見があり、委員全員がそれぞれのシーンを視聴した上で討論しました。委員の主な意見は以下のとおりです。

    • お尻の穴から白い粉を出し顔で受けるのはテレビで放送するにはふさわしくない内容だ。

    • 外国では、放送でお尻の穴に言及することには大変厳しく対処している。全体に下品で気持ち悪い。

    • ネタが無くなってきたのか。日本人はこんなことで笑うのかと外国人は思ってしまう。

    • おしめを換えるという赤ちゃんプレーは風俗を連想させる。下品で不快な表現だ。

    • 白い粉をお尻から出したタレントさんは納得の上だろうが、人間の尊厳を剥奪された芸が当たり前のように放送されるのは良くない。

    • あまりに下品だ。下半身を笑いのネタにするのは止めてほしい。制作者はなんとも思わないのだろうか。

    • 女性の視聴者が男性の裸を見せつけられるというのは、逆セクハラでしかない。

    討論の結果、審議に入ることを決めました。対象は、視聴者意見があった中で、"お尻の穴に白い粉を詰めてオナラとともに顔に吹きかけるシーン""股間でロケット花火を受け止めるシーン""赤ちゃんに扮した男性のオムツ換えのシーン"です。

  • その他討論した3番組について

  • 「女性タレントに番組内で離婚届を書かせる内容があった。離婚を軽く扱うことにより子どもへの影響は考えなかったのか」などの視聴者意見があったバラエティー番組について、全委員が番組を視聴した上で討論しました。「放送局側に、タレントの私的な問題を安易に題材として取り上げる傾向があり、タレントの人権を考えた時に問題がある」という意見も出ましたが、「スポーツ紙で噂が取り上げられていた。演出だとわかるので問題にする必要はない」などの意見があり、審議入りしないことにしました。

  • 「背中の刺青を消したいと、女性タレントが子どもの見る時間帯にテレビで刺青を入れた体を公開していた。普通の人はあれほどの刺青は反社会的な組織を連想する」「未就学児童のいるタレントが背中の刺青を見せていた。子ども達がいじめの対象になるのではないかと心配だ」などの視聴者意見があったバラエティー番組について、全委員が番組を視聴した上で討論しました。「親が刺青を入れていることを公表した子どもへの影響を想像して番組を制作したのだろうか」という意見も出ましたが、「刺青を入れたことによる生きていく上での困難さを表現していた」「コメンテーターも含めて、不寛容な心が日本を悪くしてしまうのではないか」などの意見があり、審議入りしないことにしました。

  • 1月15日以降に数多く視聴者意見が寄せられた番組についても討論しました。「子ども達を過激なあだ名で呼んだり、ペットショップの犬に例えて表現したりするのはおかしい。ドラマとはいえ放送内容はやりすぎだ」「社会的な擁護を必要とする子ども達の心の傷や精神的な苦痛を無視する内容だ。子ども達が救われない」「私は施設の職員だ。あまりにひどい内容に絶句した。ドラマだから誇張されているのだろうが、子ども達や私たち職員の気持ち、人権をあまりにも考えていない」などの視聴者意見があった、子どもが主人公のドラマについて、全委員が第1話、第2話を視聴した上で討論しました。青少年委員会では、今後のドラマの展開も含めて注視しながら引き続き討論を続けていくことにしました。

中高生モニター報告

1月の中高生モニターは、「年末年始で印象に残った番組」というテーマで書いてもらいました。今回は24人から報告がありました。
10人のモニターが『紅白歌合戦』(NHK)を見たと書いています。ほとんどが肯定的な意見で、「年末久しぶりにみんなでこたつを囲んでテレビ番組を見ました。この番組はみんなで楽しく見ることができました。私も将来の子どもと一緒に楽しく見たいです」「あまり若者受けしない演歌などの曲の時は、アイドルグループなどとのコラボレーションが見られるなど、知らない曲でも楽しんで見ることができました」「構成が工夫されていてとても引き付けられました」「内容が盛りだくさんで本当に充実していました」などの意見が寄せられました。一方、「綾瀬さんの司会がたどたどしくてひやひやしました」「今の時代、いろんな世代・ジャンルの歌手が一堂に会して歌番組を放送することに無理があると思います」など批判の声もありました。
バラエティーの人気番組にも好意的な意見が寄せられました。『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!』(日本テレビ)には、「マンネリ化しているかなとは思うけどやはり面白いです」「この番組は、勉強からのストレスを発散してくれます。笑いを我慢するという設定がかえって楽しいと思います」。『めちゃ×2イケてるッ!600回記念』(フジテレビジョン)に関しては「僕は、岡村さんがとても好きです。笑いにこだわるその姿勢が好きです。タカッシーのダンスやビッグダディのパロディーもよく似ています」という意見がありました。『探偵!ナイトスクープ 年末スペシャル!!』には、「涙を流してまで大笑いする時もあれば、少し感動する場面もあるので、そういうのを見ていると、温かく優しい気持ちになります。このように、視聴者に目を向け、何かを一緒にするという体験型の番組がもう少し増えるといいのかなと個人的には思います」など、バラエティーの人気番組を根強く支持する意見もありました。
自由記述欄は、「1日何時間くらいソ―シャルメディアやインターネットに接していますか。その良い面(こんなところが便利あるいは面白いとか)と悪い面を含めて記述してください」というテーマを設定しました。
多くのモニターが「1日30分から1時間くらいに時間を限って使っている」と自己規制しつつ使用しているようでしたが、なかには1日2時間とか、5時間使っているという人もいました。使用しているツールとしてはipad、携帯電話、スマートフォン、インターネット、SNS、ラインなどが挙げられました。良い面としては「非常に便利な道具。いろんな情報をタイムリーに知ることができる」「インターネットでゲーム、買い物ができて、生活に必須のものになっている」「趣味が同じ友人・知人を介してすぐに知りたい情報を手にいれることができる」「アプリなどを使い、自分の好きな音楽などを、すぐに聞くことができる」が挙げられました。悪い面としては「家族との会話が減る」「時間が経つのが早く、勉強時間が削られる」「あふれている情報の真偽が見分けにくい」「個人情報が流出しやすい」「友達に勉強よりもラインやゲームにはまってしまって、学校も休みがちになっている人がいる」「携帯でのラインのやめ時がわからない。やり取りが続くとあまりにしつこくうっとうしくなることがある」「ソーシャルメディアが犯罪やいじめの温床になる可能性がある」などいろいろな欠点が挙げられました。
「インターネットやソーシャルメディアには良い面、悪い面の両方がありますが、これらのメディアをいいものにするか悪いものにするかは、使い手のマナー次第だと思います。インターネットの問題では、"メディアリテラシー"、ソーシャルメディアの問題では"ネチケット"がカギになるのではないでしょうか」という冷静な意見を書いてくれたモニターもいました。

◆中高生モニターと委員の主な意見

●【委員の感想】『紅白歌合戦』に関する意見が多く見られた。いろんな世代で一緒に見るという想定の番組というのは今の時代は無理ではないかという意見があったり、逆に、親子で楽しく見ることができた、という意見があった。やはり視聴者の意見に何らかの共通項を見出すことが難しくなっているということなのかと感じた。また、年末年始の番組に同じタレントばかりが出ていてつまらないという意見には同感した。

  • (徳島・中学1年女子)『紅白歌合戦』には、おじいちゃん、お父さんの知っている歌手、今年の話題番組からの歌などいろいろな年代の歌手が出ていて、みんなで楽しく見ることができました。衣装が豪華だったり、その年の話題が取り上げられたり、家族で見ながら会話がはずみました。

  • (福岡・高校1年女子)『紅白歌合戦』について。みんな書くでしょうが、今の時代、いろんな世代・ジャンルの歌が一堂に会して歌番組を放送することに無理があると思います。

  • (千葉・中学2年男子)お正月はどの番組を見ても、同じタレントが出ていてはっきり言って、つまらないです。

●【委員の感想】『紅白歌合戦』は、家族一緒に楽しく見ることができてとても良い番組だった、という肯定的な意見が多いのが目立った。ただ、『あまちゃん』コーナーが長かったことに関して、『あまちゃん』を見ていないモニターが不満をもらしていた。また、綾瀬はるかの司会に関しても賛否両論の意見があった。同じ番組でも中学生、高校生など年代によって受け止め方が大いに違うのだなと思った。

  • (愛媛・中学1年女子)『紅白歌合戦』は、今年初めて家族で最後まで見ました。嵐の司会が気になったし、好きな歌手も出ていたし、毎年、父、特に母がよく見ていたので、何がそんなに魅力なのか気になっていたからです。司会の綾瀬さんが、「花は咲く」を歌われた時に泣いたのにはびっくりしました。紅白という番組が国民的番組で大女優の綾瀬さんをここまで緊張させるのかと感じました。

  • (徳島・中学1年女子)『紅白歌合戦』は、衣装が豪華だったり、その年の話題がとりあげられたり、家族で見ながら会話がはずみました。

  • (秋田・中学2年女子)『紅白歌合戦』では「あまちゃん」のオリジナルストーリーが展開されたのですが、私は見ていないので、話の内容があまりわからず、長いな、と思いました。「あまちゃん」を見ていない人の立場も考えて、内容を作ってほしいです。

  • (埼玉・高校1年女子)『紅白歌合戦』は、私の祖父母も楽しんで視聴しているようでした。小学生の従弟たちはあまり面白そうではありませんでしたが、ゆるキャラたちが登場したときはとても楽しそうでした。

●【委員の感想】 『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!』が面白いという肯定的な意見も来ていた。大人とこどもの感じ方は違うのだと思った。また、いくつかのドキュメンタリーを含む番組に関しては、何人か、番組を見て希望や夢を持てた、と書いている。中高生はこういうテレビ番組に素直に感動するのだなと思った。SNSなどのツールを5時間以上使うという人が何人かいた。かなり長い時間、インターネットやソーシャルメディアに接しているのだと思う。

  • (福岡・高校1年女子)『世界に誇る50人の日本人 成功の遺伝子』(日本テレビ/福岡放送)すっごくすっごく感動しました。私たち若い学生が見て、頑張ろう!やってみよう!と思える希望の持てる番組だと思います。父は、きれいな部分ばかりを見せているきらいもあると言っていましたが、それでも、すごくいい番組だと思います。日本人にはたくさんの尊敬すべき人物がいるのだなあと再確認させられました。

  • (岐阜・高校2年女子)ソーシャルメディアとの接触は、学校の時間を省けば、ほぼ1日中だと思います。〈先生が生徒に関心のない授業をしているときは、授業中も携帯を見ています〉

  • (愛媛・中学1年女子/東京・中学3年男子)平日は1日2時間、休日は4~5時間しています。

●【委員の感想】 ソーシャルメディアへの接触が大変多く、もはやテレビの時代ではないのだろうかと感じた。中学1年生でも最先端のソーシャルメディアを抵抗なく使っている。こういう状況の中で、中高生のテレビ離れをどう防ぐかは、放送界全体の課題だ。ドキュメンタリーを見て熱く感動した気持ちを書いてくれた人もいる。バラエティーだけでなく、若者の心に火をつけるような番組を制作していくことも重要なことであろう。地方で放送されているアニメで非常に素晴らしい制作意図を感じるものに関して書いてくれたモニターもいた。また、ソーシャルメディアの長所短所について、「メディアリテラシー」や「ネチケット」などの用語を使って、大変優れた意見を書いてくれた人もいた。

  • (宮城県・高校2年男子)『Wake Up Girls!』(テレビ東京/仙台放送)は仙台を舞台にしたアニメ番組です。主人公の中高生7人がそれぞれ悩みや苦しみを抱えてそれでも前へ進んで行こうという姿がアニメから伝わってきて、その姿が今復興へ向け進んでいる被災地の姿と重なると感じさせられました。

  • (島根県・高校2年男子)良い面の1点は、遠方の友人と会話を少ないタイムラグでできることです。2点目は膨大な量の情報にアクセスできることです。悪い点は、インターネット上の信頼性の低い情報を信用してしまい、間違った知識を得てしまう可能性があることです。

今年度の青少年委員会活動について

  • 3月16日に開催予定の中高生モニター会議の詳細と、来年度の中高生モニター募集が始まったことの報告がありました。

  • 来年度実施予定の調査・研究について、2月に予備調査に入ることを決めました。

その他

  • 2013年12月19日に行われた、在京BPO連絡責任者との意見交換会の報告がありました。