2003年3月

『らいむいろ戦奇譚』サンテレビジョン

『らいむいろ戦奇譚』に関するサンテレビジョンからの回答

意見の要旨

2003年3月17日

(株)サンテレビジョン
青少年委員会連絡責任者 様

「アニメ らいむいろ戦奇譚」について再度のお尋ね

「アニメ らいむいろ戦奇譚」について、貴社の見解をお送りいただきありがとうございました。貴社の見解は、3月12日に開かれた「放送と青少年に関する委員会」で、ご報告しました。

多くの委員から「番組が3月で終了するにしても、他局が深夜の時間帯に放送しているのに、サンテレビジョンだけは、午後6時に放送しているが、この理由を当該放送局にぜひ聞いてほしい」という結論となりました。

お忙しいところ誠に恐縮ですが、当委員会の疑問について、次回の委員会(4月9日)までにご回答をいただきたくお願い申し上げます。

放送番組向上協議会
青少年委員会事務局

局の回答

まずは先の見解で充分なご説明ができなかったことをお詫びいたします。

あらためまして「他局が深夜放送しているのに、サンテレビジョンだけは、午後6時に放送している」経過、理由についてご報告いたします。

当該番組は、昨年秋、代理店を通じて、当社東京支社を経由し、1月から放送希望が伝えられました。企画書などの内容を勘案し、深夜帯での放送が適当であろうという判断を編成はしました。しかし、この時点では1月以降の編成作業は既に終了し、深夜に放送枠はありませんでした。一旦はスタート時期を変更するなど、深夜帯に放送枠が設定できるまで放送を見合わせるという検討もしましたが、営業から強い要請に応じるかたちで、午後6時台での放送に至ってしまいました。その結果として、貴委員会へ寄せられたご意見のような反響を呼び、視聴者に配慮を欠く結果となってしまいました。

今後は、視聴者の生活時間帯と青少年への影響を配慮し、当然のことながら番組編成にあたっては、その内容と放送時間帯について充分検討した上で決定し、二度とこのようなことがないようにしていきたいと考えています。

以上

2003年1月

『機動戦士ガンダムSEED』毎日放送

『機動戦士ガンダムSEED』に関する毎日放送からの回答

意見の要旨

  • 番組中、未成年者の性行為を思わせる描写があった。行為自体はないものの、密室で女の子が裸体にシーツをまとっているシーン。キャラクターの設定が15歳という点も問題だし、夕方の時間帯に子ども向けに放送するものとしては不適切だったのではないか。

    (男性 20歳 東京 1/20メール受)

  • 夕方6時という放送時間にもかかわらず過度な性描写があり、家族で見ていて気まずい思いをした人も多いのではないか。仮にあの描写(性行為後の様子)が物語の展開上必要なものであったとしても、ああもダイレクトな絵を見せることなくそのことをにおわせるような表現はできたはずではないか。激しい憤りと落胆を覚えた。あくまで子どもの見る番組であるということを忘れてほしくない。

    (男性 22歳 東京 1/20メール受)

  • 子どもの見る時間帯の子どもの見る番組に性行為を連想させるシーンを入れるのはどうかと思う。しかもその表現は、目的を達成するためなら愛情なき体の関係を容認しているようにとれ、子どもの援助交際を後押ししかねない。このようなシーンを放映した局の見解を聞きたい。

    (男性 32歳 茨城 1/20メール受)

局の回答

ご指摘のシーンは、敵の攻撃を受けた主人公の少年キラ・ヤマトが反撃のために戦闘態勢に入るというシーンで、キラと15歳の少女フレイ・アルスターの2人が関係を持ったことを暗示する映像になっています。放送のなかで、父親を目の前で敵に殺されたフレイは、復讐するために、戦いの無意味さに悩むキラを何とか敵との戦いに向かわせようとしますが、その過程で、フレイの中で大切なものがどんどんと壊れていくようすを描きました。このように、フレイは「戦争が人々を破壊していく極限状況のもとでは、人は如何にもろい存在なのか」ということを表現するのに必要なキャラクターであります。

今回のシリーズに制作者が込めた思いは、「戦争そのものがいけないんだ。戦うことがいかに不毛で虚しいか」ということであります。そして、番組をご覧の若い世代の人たちが登場人物に対して痛みを感じてもらうことで、「戦争は対岸の火事なんかではない」、「差別や憎しみが対立を生み出し、終いには戦争という異常な事態にまで発展してしまうことの悲惨さ」を伝えたいと思っています。

とはいえ、このような制作側の意図は別にして、今回視聴者の皆様から寄せられた「フレイの行動を表現するにあたっては、もっと映像に配慮があってしかるべきではないか」というご意見につきましては、まさにご指摘どおりであります。

今後は、低年齢の多くのこどもたちがテレビの前にいる時間帯の放送であることを十分念頭において、ご意見を、これからのストーリー展開に反映させる とともに、映像に関しての充分な配慮をする考えです。

最後に、制作意図を視聴者の皆様にきちんと汲み取っていただけるように、今後作画などに鋭意努力していく所存なので、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。

以上

2003年2月

『らいむいろ戦奇譚』サンテレビジョン

『らいむいろ戦奇譚』に関するサンテレビジョンからの回答

意見の要旨

  • 18禁のゲームソフトを題材にした過激なアニメを放送していいのか。局の姿勢に疑問を感じる。

    (男性 22歳 大阪 1/29メール受)

  • 夕方の時間帯のアニメなのに、全裸の少女が出てきたり、キスやセックスを思わせるような行為までする。もともと18禁のゲームソフトが原作のアニメであるし、深夜ならともかく、18時からの放送にはふさわしくない。

    (男性 21歳 大阪 1/14メール受)

  • 18禁のゲームソフトが元となっているアニメ。他局では深夜枠で放送されているのに、週末の夕方に放送するのはおかしい。時間帯に配慮すべきだ。

    (男性 20歳 大阪  1/7メール受)

局の回答

この番組は、今年1月から放送しています。寄せられたご意見を真摯に受け止めるとともに、同番組の放送を3月末で終了する予定です。

今後も、視聴者の生活時間帯と青少年への影響に配慮し、番組編成にあたってはその内容と放送時間帯について充分検討していきたいと考えています。

以上

2002年12月

『とんでるワイド大田黒浩一のきょうも元気!』熊本放送

『とんでるワイド大田黒浩一のきょうも元気!』に関する熊本放送からの回答

意見の要旨

上記ラジオ番組の1コーナー“よかばいばなし”に対して、2002年12月20日に、男性視聴者から「あまりに性的過ぎる」という主旨の意見が寄せられました。委員会から特に回答を求めたわけではありませんが、その件について、熊本放送の番組担当者から見解が届きましたので掲載します。

局の回答

このご意見について、熊本放送としての見解を述べさせて頂きます。

ご指摘の件は、タレントの大田黒浩一と局の女性アナウンサー(社員)で進行している、朝の生ワイド番組で、月曜日から金曜日まで、「お笑い丼」として放送しているコーナーのうち火曜、水曜、木曜の週3回放送している「よかばいばなし」の部分です。

このコーナーは夫婦間、もしくは夫婦が若かった頃の性生活が話題の中心となっており、聴取者から寄せられたFAX、手紙、ハガキ、メールを素材としています。当然注意しなければならない内容だけに、事前に担当ディレクターが充分にチェックしています。また、相方としての局の女性アナウンサーもチェック機能の役目を充分に果たしています。また、大田黒浩一は地元で1、2位を争う名パーソナリティで、自らも劇団(肥後にわか的劇団)を主宰、話術にも長けており、さりげなく、明るく、そして品を落とさず、不快感を与えないようなしゃべりで進行しています。さらに、放送時間帯は子どもが在宅していない午前11時ごろで、春、夏、冬の各休み期間と祝日には休止、内容を変更して放送しており青少年に対しては充分に配慮しています。

番組が、当ラジオの看板番組で、その中の一番の名物コーナーでもあり、女性リスナーからも、厭味がなく面白いと評価を受けていると自負しています。

従いまして、チェックは更に厳しくしますが、このコーナーは継続してまいります。

(2003年1月20日 株式会社熊本放送)

2002年11月

『緊急指令!これマジ!世界のふしぎと戦うぞスペシャル!』テレビ朝日

『緊急指令!これマジ!世界のふしぎと戦うぞスペシャル!』(10月12日放送)に関するテレビ朝日からの回答

意見の要旨

  • 月面着陸の疑惑を放送していたが、科学的な検証がまったくなく、反論できる人が一人も出演しておらず、いたずらに誤解させるような内容だった。多角的に情報を紹介する、という放送の原則に反しているのでは。

    (男性 49歳 東京 10/15メール受)

  • 衝撃的な取り扱いは科学に疎い人間や子どもを信じさせるに十分な内容だった。文科省や大学機関のHPでは疑惑を科学的に解明しているにも関わらず、そのことに少しも触れないのはおかしい。

    (女性 39歳 静岡 10/15メール受)

  • 子どもの見る時間帯の番組なのだから、うわさはうわさ、という前提をきちんと説明しないと、混乱を招く。

    (女性 53歳 石川 10/4ファクス受)

局の回答

『これマジ!?』という番組は、世の中のありとあらゆる不思議ネタを紹介するという狙いの番組です。今回、指摘されている企画内容も、もともと、「人類は月に降り立ったのか?」というタイトルのテレビ番組がアメリカで放送され、話題になりましたものを今年1月に、『これマジ!?』が紹介したのが発端です。この話題はイギリスにも広がり、同様の番組が、「月で何が起こったのか?」というタイトルで放送されました。

『これマジ!?』では、これら「アポロ疑惑」について制作されたアメリカとイギリスのテレビ番組を翻訳・再編集し、過去3回に分けて紹介する形をとってきました。しかし、今回の放送では、私たちがこれまで抱いてきた疑問に対して、初めて、アポロ元宇宙飛行士に反論を聞きに行くと言う番組初の検証を試みました。結果的には、アポロ16号元宇宙飛行士チャールズ・デューク氏とアポロ11号元宇宙飛行士バズ・オールドリン氏の2人のインタビューがとれ、それぞれの見解を番組で放送いたしました。

過去3回の放送が、海外のテレビ局が制作した番組を紹介し「あなたはこの番組を見てどう思いますか?」という問いかけだったのに対して、今回は、元宇宙飛行士のインタビューを入れることで、一歩踏み込んだ形で、あらためて視聴者に問いかけた放送内容になっています。

このVTRを見終わった後のスタジオでは、ゲストの黒沢年雄さんは「アポロは月面着陸していないと思う」という意見。実際に元宇宙飛行士のところにインタビューに行ったデヴィ夫人は、「アポロは月面着陸に成功していると思う」という意見を述べています。そして、最後は、デヴィ夫人がMCや他のゲストたちに「月の土地」をプレゼントすることで、いつか自分の目で確かめに行ってくださいという締めくくりになっています。

以上、番組では、視聴者の方からいただきましたご意見にあるような、「アポロ月面着陸疑惑」の一方的な情報紹介をしたつもりはありません。元宇宙飛行士のインタビューを入れることで、疑惑に対する反論も盛り込んだつもりです。また、スタジオでの出演者の意見も肯定・否定の双方を取り上げると同じに、番組的な結論までは出していません。しかし、視聴者からのご意見にありましたような、文部省や大学機関のHPまで紹介しなかったのは、番組の構成上の問題です。

今後、『これマジ!?』は、レギュラーでの放送はなく、年に1~2回の特別番組として放送される可能性はあります。ただし、「アポロ疑惑」について放送するかは未定ですが、今回いただきました視聴者からのご意見を真摯に受けとめ、今後の番組制作に生かしていきたいと思います。

2003年3月

『ハロー!モーニング。』テレビ東京

『ハロー!モーニング。』に関するテレビ東京からの回答

意見の要旨

  • 普段の番組内容は子ども向けにできていて楽しく見ている。しかし、2月23日の放送で、モーニング娘。の新メンバーが、DVD撮影をしている映像が流れてびっくりした。まだ中学生の少女たちが、水着やブルマーを着て床に寝転ぶ様子が生々しく映されていたからだ。世間では水着やブルマーは“イヤらしいもの”の対象になっているし、現在学校教育の場ではブルマーは使用されていない。見ているほうも不快だし、出演している少女たちもかわいそうだ。

    (女性 東京)

  • 中学1~2年生の女の子にブルマーなどはかせてマット運動をさせるなど、露骨な性的とも取れる描写が目に余った。セクハラではないのか。ファン層や放送時間帯を考えると、幼い子どもも多く見ていると思われる。それなのに、あの放送内容はあまりに配慮が足りない。

    (女性 17歳 東京)

  • ビデオ・DVDの撮影の様子を紹介するのを見て不快に思った。文句が言えない新人のアイドルの子にブルマーや水着を着せ、マット運動などをさせる。なぜそんな必要があるのか。あのようないかがわしい映像をテレビで流さないでほしい。まるで児童ポルノのようだ。今時ブルマーなど、風俗関係の人しかはいていないではないか。

    (女性 26歳 東京)

など、主に20・30代の女性から意見が寄せられています。

局の回答

『ハロー!モーニング。』は、モーニング娘。のメンバーを中心とした若いアイドルたちが、歌・踊り・コント・ゲームなどを繰り広げ、日曜昼に若者たちを中心に楽しんでもらうバラエティー番組です。あふれる若さと、さわやかさを多くの若者に感じてもらおうというコンセプトで制作しています。

番組内のモーニング娘。新メンバーの「DVD撮影」の模様の中で、「水着姿」「ブルマー姿」のシーンがありましたが、決して興味本位なものではないと考えます。視聴者の方から「水着・ブルマー姿」に対してご批判を受けましたが、映像内容はむしろ健康的な姿を描いており、「いやらしさ」を感じさせるものではありません。

しかし、放送と青少年に関する委員会に批判が寄せられたことは真摯に受け止め、今後も番組内容、映像表現には細心の注意を払っていく所存です。

また、制作スタッフも常に議論を重ね、十代のアイドルが出演するという性格もあり、映像表現が青少年に与える影響を念頭におきながら制作しています。今回の視聴者からのご指摘を受け、制作スタッフもより一層、視聴者、特に児童・青少年とテレビ表現に関して考えて参りたいと存じます。

以上

2002年5月

『のりノリ天国』サンテレビジョン

『のりノリ天国』に関するサンテレビジョンからの回答

意見の要旨

  • 深夜番組とはいえ、23時台では未成年も起きている。アダルトビデオの紹介をし、セックスシーンも出てくるのは明らかにやりすぎ。

    (女性 30歳 兵庫 4/11電話受)

  • 下ネタばかりの話題で、女性蔑視を助長している。テレビ番組というのは、気軽に見ることができ、社会への影響も大きい。スポンサーも(ラブ)ホテルや消費者金融などで、間に入るCMものぞましくない。もっと公共の電波を使っている自覚を持ってほしい。

    (男性 50歳 兵庫 4/12電話受)

  • まったく品のない、えげつない番組だ。子どももじゅうぶん起きている時間帯。局に電話しても、聞く耳を持たない。すぐにでもやめてほしい。

    (男性 61歳 大阪 4/30電話受)

局の回答

この番組は、大人向けの深夜バラエティー番組として、その時代の社会環境に応じ、番組内容、出演者、放送時間などについて、変更や手直しをしながら、19年間放送しています。今回ご指摘の内容に関しても、過去に幾度か見直しを図っていますが、過激な作品の紹介は避ける、また、女性蔑視と誤解されるおそれがある表現手法をとらないなど、更に善処したいと考えております。

今後も、視聴者の生活時間帯と青少年への影響を配慮し、放送時間の変更も含め、番組内容や出演者について更に検討を加えていきたいと考えています。

2002年5月

『とくばん』 TBS(再回答)

『とくばん』 (3月28日放送)に関するTBSからの回答

意見の要旨

(株)東京放送殿

放送と青少年に関する委員会
委員長  原 寿雄

「とくばん」再回答のお願い

「とくばん」の視聴者の意見に対する貴局の回答(4月28日)について委員会で議論しました。その結果、いくつかの点で意見や疑問が出てきました。

そこで、以下の項目を含め、貴局の見解や具体的な対応を再度回答下さるようお願いします。

なお回答は、6月7日までにいただければ幸いです。

  • 回答文では、司会者が出演者にセクハラ発言をしたことに対し、言われた側の出演者の精神的被害については、何も触れられていません。
    出演者が未成年であるだけに、発達を阻害する怖れはないでしょうか。それとも出演者はタレントだからそのような配慮は必要ないということでしょうか。
    また、こうした放送を見た子どもたちが“この程度のセクハラ発言は社会的に許される普通のこと”と受け止めることも考えられます。視聴者である子どもたちの規範意識への影響についてどのように認識されていますか。
  • 視聴者の意見が司会者にどのように伝わり、さらに司会者がどのように受け止めたかが明らかになっていません。司会者がこのような発言を繰り返さないためにも、番組責任者と司会者の話し合いは重要と考えますし、場合によっては、次の回の放送で、司会者が自分の反省点を述べるという方法もあったと思います。司会者に対する放送局の対応はどうなっているのでしょうか。
  • 回答文では、「新たな対策」を考えたいとありますが、すでに取られた対策、あるいは今後検討される対策について具体的にお知らせください。特に、収録時にこうした場面が収録されないようにする方法はないでしょうか。

以上

局の回答

「とくばん」に関するご意見について、改めてご報告いたします。

  • について
    発言を受けたZONEのメンバーの精神的な被害について、収録終了後そして放送終了後の2回にわたり、レコード会社を通じて調査いたしました。(通常、「うたばん」のキャスティングおよびアーティストの諸連絡には、レコード会社が間に入り調整します。またZONEは北海道の居住し学校に通い活動しているため、今回もレコード会社を通じての連絡となりました)

    それに対し「ZONEのメンバーは、(発言に)傷ついている様子はない」との答えをもらいました。さらに再回答に当たり5月下旬に改めて貴委員会の指摘を説明し、レコード会社を通じて、メンバーの様子を尋ねました。彼女たちの身の回りを常に取り仕切っている女性マネージャーの答えとして、今回も「本人たちもほとんど気にしていません。むしろMIZUHO(本人)も、『今後石橋さんと話しづらくなるのが心配です。』と話しています。事実、収録後に石橋さんはZONEの楽屋を訪れ、声をかけてくださいました。メンバーと番組はいい関係を続けたいと思っています。」との返事を受けています。

    しかしながら、タレントであるとはいえ彼女は15歳の少女であり、同世代の普通の少女が、同様の発言を受けた場合感じるであろう痛みに私たちの思いが至っていなかった、といわざるを得ません。また、番組の視聴者には多くの同世代の子どもたちがいます。その子どもたちがどう受け止めどう反応するか、をも勘案しなければなりません。

    テレビの影響力の大きさを考えれば、さらに細心の注意が必要なことは、言うまでもありません。スタッフ一同、これまで以上に認識を新たにしなければいけないと感じております。

  • について
    今回の問題については、「とくばん」放送後および5月中旬にプロデューサーから司会者に対し、視聴者からの意見および一連の発言がセクハラに当たるのだという点を、説明しました。司会者の二人とも、この件に関し十分に理解してもらいました。今後の収録については、同じような問題を起こすことのないよう、番組司会者と番組スタッフが協力しあう点を確認しました。

    ただ「うたばん」は、台本があるとはいえ、番組司会者とゲストのフリートークによりゲストの個性を発揮させる番組です。収録された内容に不適切な表現や問題となるような部分があった場合、番組の責任において削除または修正して放送しています。生放送ではなく編集して放送する番組の最終的な責任は、それを放送する番組およびテレビ局にある、と私たちは考えます。

  • について
    番組収録に際し、事前に必ず司会者とプロデューサー・担当ディレクターが打ち合わせを行っています。進行の流れを説明し、気を付けたい点を司会者に伝えます。この打ち合わせで、子ども達に悪い影響を与えたり、いじめやセクハラにつながるような内容や演出は避ける、という点が再確認されました。

    一つ一つの企画についても、「この企画はいじめや差別やセクハラにつながらないか?収録中にそのような流れのトークになる危険性はないか?」検討しています。

    また、セクハラなどの意識を高めるため、前回回答から一歩進め、アシスタントプロデューサーやディレクターに、新たに女性スタッフを2名増やしました。さらに女性スタッフだけの会議を開いています。そこで収録内容や企画について、男性の気付かない視点からの意見を伝えてもらい、番組づくりに反映させています。

    さらに、疑問の出た発言や部分については、スタッフだけで判断せずに社内の関係各所に相談しています。

以上

2002年4月

『とくばん』TBS

『とくばん』(3月28日放送)に関するTBSからの回答

意見の要旨

  • ZONEに対する、石橋貴明氏のあだ名付けは明らかにセクハラだ。本人の抗議にも関わらず、笑い者にしている構図を心なくも放送するTBSは社会的責任を果たしていない。もし自分の子どもがこのような扱いをされていたらという思い、また、それを放送することによる人権侵害に心及ばない放送関係者の人格を疑う。報告を求めたい

    (3/29メール受 男性 43歳 長崎)

  • 年端もゆかない少女達が、顔を「男性器そのものだ」と揶揄されている光景は痛々しくて正視できなかった。子ども達がよく見る番組なのだから、その影響というものについて、放送局は十分配慮すべきではないか。あのようなセクハラ・いじめ行為をそのまま放送するということは、放送局がその行為を認め、助長することになる。

    (4/4ファクス受 女性 53歳 石川)

局の回答

「とくばん」に関するご意見についての回答

ご指摘の、歌手グループ・ZONEのメンバーへのニックネームの件は、あきらかにセクハラにあたり、いじめにもつながりかねない行為でした。番組スタッフ一同、ZONEのメンバーおよび視聴者の皆様に対して深くおわびいたします。

以下、どうしてこの部分が放送されるに至ったか、経過をご説明します。

「とくばん」は、音楽バラエティー番組「うたばん」の2時間スペシャル版です。この「うたばん」は、アーティストの曲を紹介すると同時に、アーティストと番組司会者のトークによりそのアーティストの個性を引き出しキャラクター付けする番組として、視聴者に親しまれています。番組の恒例としてアーティストのキャラクター付けのため、番組に登場する新人アーティストには、番組の司会者が即興でニックネームを付けています。このニックネーム付けは視聴者からもご好評をいただいており、番組の目玉企画と考えています。

3月28日放送の「とくばん」には、ゲストとしてZONEの皆さんにご出演いただきました。

それまでZONEには、「うたばん」に2回出演していただいていましたが、メンバー一人一人のキャラクター付けが、番組上不十分であると考えていました。そこで番組の司会者に、番組の恒例通り、収録において即興でZONEのメンバーの一人一人にニックネームをつけてもらい、彼女たちをフィーチャーしようと、企画いたしました。

そして、収録の際メンバーの一人に対し付けられたニックネームは「××××の先」(××××は男性性器の幼児表現)というものでした。

収録後、この発言がテレビで放送されること、および発言を受けたメンバーの気持ちを考慮し、番組スタッフが対応を検討し、所属レコード会社および所属事務所とも相談の上、以下のように処置することにいたしました。

  • その後のトーク部分において、そのニックネームが出続けたため、すべてのトークを削除する事は番組上できず、かつ不自然な流れでの放送を避けるため、そのニックネームについての発言を最小限にとどめる。
  • 放送においては発言の声は消し別の音に差し替え、発言をフォローするスーパーにはイラストで加工を施す。(仏具の鉦と木魚のイラストを使い、音は鉦と木魚の出す音を使用)

しかしながら、この処置では不十分であったため、結果として、ZONEのメンバーおよび視聴者の皆様に不快感を与えてしまったわけです。これは、私ども番組スタッフのセクハラに対する状況認識不足、世間的常識の不足といわざるをえません。誠に申し訳なく思っています。

今後は、このようなことを起こすことのないよう、より一層、番組制作について考えて行きたいと思っています。そのために、以下のような対策を検討しています。

  • 「うたばん」以外の番組のプロデューサーやディレクターとも、倫理上問題がありそうな部分の放送について、積極的に意見を交換しあう。
  • 収録後の編集およびVTRチェック作業において、番組スタッフだけではなく社内の他のスタッフからの意見を取り入れる。
  • 発言および演出について女性スタッフから見た意見を集め、番組制作に反映させる。
  • 疑問の出た発言および演出については、番組スタッフだけで判断することなく、関連部署の判断をあおぐ。
  • 番組スタッフを、放送倫理問題などの勉強会に積極的に参加させる。

これからも更に会議を重ね、新たな対策を考えていきたいと思います。