第283回放送と人権等権利に関する委員会

第283回 – 2020年8月

「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案のヒアリングを開催…など

議事の詳細

日時
2020年8月18日(火)午後1時~6時
場所
北海道新千歳空港ターミナル内会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「一時金申請に関する取材・報道に対する申立て」事案のヒアリングと審理

今事案は、昨年6月に申立てがあり、審理入り後今年3月にヒアリングを行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛要請等の影響で開催が再三延期されてきた。感染が再び拡大する状況での開催に関する申立人からの要請を検討した結果、委員会は、高齢の申立人に配慮するとともに、審理のこれ以上の遅延回避とヒアリングへの全委員出席の原則を踏まえ、異例の措置として申立人の居住地に出向いて行うことを決め、北海道新千歳空港内会議室において開催した。
今事案の対象となったのは、札幌テレビが2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づいて一時金の申請を行った男性に関する報道で、男性が自宅で申請書類に記入をし、北海道庁で申請手続きをする様子等の場面を放送した。この放送に対して取材された男性が、記者が申請のための請求書を取り寄せ、必要な書類の準備を指示するなど、「一時金申請を希望していなかったのに、記者が申請するよう働きかけた」と主張して、放送内容の訂正と謝罪を求めて申立書を提出した。これに対して札幌テレビは、記者との信頼関係があったからこそ可能となった取材であり、「検証の結果、報道の内容は公正で、取材手続きも適正である」と反論している。
ヒアリングでは、双方に対して、申請を行った経過やその際の記者とのやり取りなどをとくに詳しく聴いた。申立人には代理人が同席し、申請による影響等を申立人に代わって説明した。委員会は、ヒアリングを受けて審理を行い、決定の方向性を固め決定文の起草に入ることを決めた。

2.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案、審理

フジテレビは2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに、周辺住民から苦情が出て、行政が規制したことを紹介したもので、周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性が、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており、「捏造には該当しない」などと反論している。
今委員会では担当委員から決定文の原案が示され、委員の間で意見交換を行った。申立人が主張する権利の扱いや一般的な街録と違う申立人と近隣関係への影響、街録一般のトラブル回避策等について意見が出され、改めて起草委員会を開き修正を加えることとなった。

3. 審理要請案件、「裁判和解の見通し報道に対する申立て」

地方自治体を退職した元職員が自治体を相手に起こした訴訟で和解が成立する見通しだと報道した今年1月に放送されたニュースに対する申立て。裁判は、放送の3日後に和解した。元職員は、放送は自治体側の取材だけで報道しており自分に意見を言わせなかったのは人権侵害だとしてBPOに申し立てた。その後申立人は、協議を求める当該局の再三の電話に出ず、事務局からの連絡にも出ない等の状況が続いたため、審理要請案件として検討した前回(第282回)委員会は、申立て継続の意思が確認できなければ取り下げとみなすと判断し、その旨申立人に通知した。しかし申立人から期日までに返答はなく、今委員会で申立ては取り下げられたものとみなすことを正式に決定した。

4. その他

  • 新規申立て等に関して報告と意見交換が行われた。

以上

2020年6月30日

「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」に関する
委員会決定の通知・公表の概要

[通知]
2020年6月30日午後1時からBPO会議室において、奥武則委員長と、担当した曽我部真裕委員長代行、松田美佐委員が委員会決定を通知した。
申立人本人と代理人弁護士、フジテレビから本件番組の責任者らが出席した。
はじめに奥委員長が「ヒアリングなどを通じて申立人の心情は理解したが、委員会は、あくまで放送番組によって人権が侵害されたのか、それに関連して放送倫理上の問題があったのかどうかを判断する立場であることを理解して欲しい」と述べた。
そして結論として「本件番組に人権侵害の問題や放送倫理上の問題は認められない」と述べ、委員会の判断を説明した。
まず、本件番組の意義として、戦後犯罪史上屈指の重大事件の首謀者らの死刑が執行されるという極めて公共性の高い出来事を、公益を図る目的によって放送したものであると、判断の前提となる考え方を示した。
そして、シール貼付などの手法については、迅速・正確に最新情報を伝える現実的な手法として必要性・相当性が認められることや、出演した弁護士の発言は、表現として不相当とは言えないこと。また事実関係の間違いのほとんどは実質的に修正されていて、いずれも人権侵害は認められないと説明した。
さらに、極めて公共性の高い出来事を公益目的で放送したものであり、死刑執行をショーのように扱っているとは言えず、放送倫理上の問題もないと判断した、と説明した。
そのうえで3人の委員が補足意見を述べており、死刑執行をリアルタイムで報じる状況において配慮すべき点について付言していることを紹介した。
曽我部代行は、名誉感情の侵害という主張については、裁判と同じように、故人に対する申立人の敬愛追慕の情が許容限度を超えて侵害されたかどうかで判断した、と補足した。
松田委員は「申立人がどのような気持ちでこの番組を見たかを想像して判断した」と述べた。

[公表]
午後2時から千代田放送会館ホールで、奥委員長、曽我部代行、松田委員が記者会見を行った。取材したのは29社36人。

(奥委員長)
結論として人権侵害も放送倫理上の問題も認められない。

(曽我部代行)
名誉感情の侵害という主張については、故人に対する申立人の敬愛追慕の情が許容限度を超えて侵害されたかどうかで判断した。

(松田委員)
例のない犯罪に関した例を見ない報道番組であり、議論も難しいものがあった。補足意見にあるように、番組はさまざまな立場の人に色々なことを想起させたと思われ、こうした状況での報道の在り方を考えていく必要を感じた。

質疑応答の概要は以下のとおり。

(質問)
シール貼付という手法の必要性・相当性を判断するうえで、ネット上で意見があった視聴者の違和感などについてどのような議論があったか。

(奥委員長)
そうした意見が多数意見だったのかどうかは分からないが、申立人からも関連する資料が提出されたので検討した。
シールを貼る場面については、放送ではそれ自体を強調してはおらず、色々な配慮もしていたことから問題は認められないとの結論になった。

(質問)
ほかの放送局も特番を放送していたが、申立人はこの番組だけを見たということか。

(奥委員長)
申立人はヒアリングでは、ほかの番組にも問題はあると述べていた。

(質問)
「生きているだけで悪影響」という弁護士の発言は強いことばだと思うが、
問題ないとの結論に至った経緯は。

(奥委員長、曽我部代行)
被害対策弁護団の一員、被害者・遺族との関係といった弁護士の立場から述べた発言であり、度を超えたものとまでは言えないと判断した。敬愛追慕の情は、生きている人に対する批判より許容範囲は広いであろうということ、この事件の特異さもある中で、表現として不相当とは言えないという結論になった。

以上

第151回 放送倫理検証委員会

第151回–2020年8月

データの一部が架空入力された世論調査結果を放送したフジテレビの一連のニュース番組が審議入り

第151回放送倫理検証委員会は8月7日に開催された。
委員会が8月4日に通知・公表したTBSテレビのバラエティー番組『クレイジージャーニー』「爬虫類ハンター」企画に関する意見について、出席した委員長と担当委員から当日の様子が報告された。
出場者の人数が不足した場合、解答権のないエキストラを番組に参加させて欠員補填したとして、5月の委員会で審議入りしたフジテレビのクイズバラエティー番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』について、担当委員から意見書の骨子案が示され、意見交換を行った。
秋田放送又は山口放送がそれぞれ制作した弁護士法人一社提供のローカル単発番組について、前回の委員会後の経過報告を踏まえて討議を行い、さらに討議を継続することとした。
フジテレビと産経新聞が合同で行った世論調査のデータの一部に架空入力があり、それを基にしたニュースが合計18回放送されたことについて、当該放送局から提出された追加報告書に基づいて前回の委員会に引き続き討議を行い、誤った世論調査の結果が合計18回にわたり報道されたこと、再委託の経緯自体を把握していなかったチェック体制の不備などを踏まえ、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。
抗議デモの解説に使用したアニメ動画の描写が人種差別的であり、偏見があると批判されたNHKの報道番組『これでわかった!世界のいま』について、当該放送局から提供された報告書、追加報告書及び同録DVDを基に討議した。
その結果、当該アニメ動画部分は放送倫理に照らして問題があるが、番組全体としては抗議デモの問題を適時適切に取り上げた番組であると評価しうること、当該局の別の番組が、改めて様々な立場から本番組の問題点を取り上げて制作・放送した姿勢は高く評価できる、当該局による迅速なお詫びや自主的・自律的な再発防止策が取られ、今後その徹底を図るとされていること等を踏まえ、一層の注意喚起を促す意見が出たことを議事概要に掲載した上で、今回で討議を終了し、審議の対象としないこととした。

1. TBSテレビ『クレイジージャーニー』「爬虫類ハンター」企画に関する意見の通知・公表について報告

TBSテレビが2019年8月14日に放送したバラエティー番組『クレイジージャーニー』「爬虫類ハンター」企画について、委員会はハンターが自力で希少動物を探し出したものと信じたであろう多くの視聴者との約束を裏切るもので放送倫理違反があったと判断し、8月4日に通知と公表の記者会見を行った。この日の委員会では、通知・公表に出席した委員長と担当委員が会見での質疑応答などを報告した。
通知と公表の概要は、こちら。

2. 解答権のないエキストラで欠員補填していたフジテレビのクイズバラエティー番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』を審議

フジテレビは4月3日、クイズバラエティー番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』について、100人の出場者を集めて収録すべきところ、人数が不足した場合、解答権のないエキストラで欠員補填して番組に参加させ、「番組が標榜している『1人対99人』というコンセプトを逸脱し、視聴者の信頼を損なう形となっていた」として、番組ホームページ上で事実関係を公表するとともに謝罪した。
5月の委員会において、レギュラー番組として放送された第1回(2018年10月20日放送)から第25回(2019年10月26日放送)までについて、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。
今回の委員会では6月末から7月上旬にかけて当該放送局の関係者に対して実施したヒアリング等に基づき担当委員が作成した意見書の骨子案が示され、意見交換を行った。

3. データの一部が架空入力された世論調査結果を放送したフジテレビの一連のニュース番組が審議入り

フジテレビと産経新聞は、6月19日、昨年5月から今年5月までの14回にわたり合同で行った世論調査「FNN(フジニュースネットワーク)・産経新聞 合同世論調査」のデータの一部に架空入力があったため、調査結果と関連する合計18回の放送及び記事をすべて取り消し、世論調査は確実な調査方法が確認できるまで休止すると発表した。
フジテレビの報告書によれば、調査を委託した会社の再委託先の会社の社員が、全サンプルの約17%に当たる約2500サンプルについて、実際には電話をしていないのにもかかわらず、架電済サンプルの属性と回答内容の一部を変えて架空データを作成しデータを作成していたとしている。
7月の委員会では、当該放送局から提出された報告書と同録DVDを基に討議を行ったが、委員からは厳しい意見が相次ぎ、局からの再発防止策等についての追加報告を待ち、併せて管理体制、納品されたデータのチェック方法などについてもさらに報告を求める必要があるとして、討議を継続することとした。
今回の委員会では、7月委員会で出された意見に加え、新たに提出された追加報告書を基に討議した。その結果、誤った世論調査の結果が合計18回にわたり放送されたこと、再委託の経緯自体を把握していなかったなどのチェック体制の不備等を踏まえ、上記の合計18回の放送について放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。委員会は今後、当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。

4. 視聴者に広告放送と誤解される疑いのある内容だった秋田放送と山口放送のローカル単発番組を討議

秋田放送は2019年10月26日に『そこが知りたい!過払い金Q&A』と題した30分のローカル単発番組を制作放送した。この番組を見た視聴者から「CMの延長のような番組作りは許されるのか」という意見がBPOに寄せられ、併せて「山口県で放送されたものと同じ内容の番組も1週間前に流している」との指摘もなされた。秋田放送では同年10月19日に、山口放送が制作した『“見ねれば”損!損?過払い金びっくり講座!PART2』を番組販売で購入し放送していた。
山口放送は、『“見ねれば”損!損?過払い金びっくり講座!』を2018年6月2日などに、また、『“見ねれば”損!損?過払い金びっくり講座!PART2』を2019年5月25日などに制作放送していた。
委員会は5月、両局から提出された報告書を基に討議し、いずれの番組も、取り上げている特定法人の事業の紹介が広告放送であると誤解されかねない内容になっており、放送倫理違反の疑いがあるのではないかといった意見が多く出されたが、上記番組のうち他の複数の放送局に番組販売され放送されている番組があることがわかったため、それらの放送局からも報告書の提出を求めることとした。6月開催の委員会では、当該他の局とは別に、同じ法人が提供する番組を制作・放送し又は番組を購入して放送した複数の局からも報告を求めることとし、7月開催の委員会では、その経過報告を踏まえ、討議を継続していた。
今回の委員会では、その後の経過報告を踏まえて討議を行い、さらに討議を継続することとした。

5. 抗議デモの解説に使用したアニメ動画の描写が人種差別的であり、偏見があると批判されたNHKの報道番組『これでわかった!世界のいま』を討議

NHKは6月7日、報道番組『これでわかった! 世界のいま~拡大する抗議デモ アメリカでいま何が~』で、米国の人種差別抗議デモを取り上げ、その解説に使用したアニメーション動画を放送した。
番組は黒人の男性が警察官に押さえつけられて死亡した事件を紹介し、それをきっかけに人種差別に抗議するデモが全米に拡大していることを伝え、また、アニメ動画において、黒人がおかれた経済的な格差を描き、この格差が黒人の「怒り」の背景であると解説した。しかし、アニメ動画は、屈強な黒人の男性キャラクターなどが経済への不満から暴れているかのように描かれるなど、黒人に対する差別と偏見を助長するもので、実際に行われた人種を越えた平和的なデモとはかけ離れた表現だとして内外から批判が寄せられた。これを受けて当該局は、速やかにホームページやニュースなどで謝罪するとともに、翌週の同番組の冒頭で、番組責任者が経緯を説明するとともに、お詫びと再発防止に向けた取り組みを伝えた。
委員会は、当該局から提出された報告書と同録DVD及び追加報告書を基に討議した。その結果、当該アニメ動画部分は放送倫理に照らして問題があり、そのような放送がなされるに至ったことは残念であるなどの厳しい意見が出された一方で、番組全体としては抗議デモの問題を適時適切に取り上げた番組であると評価しうること、当該局の他の番組において、改めて様々な立場から本番組の問題点を取り上げて制作・放送した姿勢は高く評価できること、当該局による迅速なお詫びがなされ、また、人種問題等を取り扱う際の配慮や認識、動画をツイッターに掲載する際の注意点などについて局内で検討が行われ、国際的に扱いが難しい問題については外国籍や専門家などを活用した多様な視点でのチェックの実施、人種差別やアメリカの法律・メディア、SNSに詳しい専門家を招いた研修の実施などの自主的・自律的な再発防止策が取られ、今後その徹底を図るとされていること等を踏まえ、一層の注意喚起を促す意見が出たことを議事概要に掲載した上で、今回で討議を終了し、審議の対象としないこととした。

【委員の主な意見】

  • アニメ動画の内容については、放送倫理に照らして問題があるといわざるを得ず、また、表情の描き方、口調、声色などいずれにおいてもステレオタイプの表現であって、仮に差別意識や悪意はなかったとしても、そのこと自体、人種差別への問題意識が鈍感になっていることを物語るものであり、むしろ深刻に受け止めざるを得ない。

  • この番組で従前から使い続けている動画キャラクターを今回もそのまま使ったため、そこに慣れや油断があったのではないか。

  • 国際的な人権感覚やアメリカにおける人種差別の実態を知っているはずの国際部担当者が制作の過程を見ていたのに、放送が承認されてしまったことはとても残念である。

  • 約1分20秒のアニメ動画部分に問題があるとしても、約26分にわたる番組全体としては抗議デモの問題やトランプ政権の対応やそれに対する批判を適時適切に取り上げた番組であり、その点ではとても評価できる内容であった。

  • 番組の中で、デモに参加している黒人の女性を丁寧に取材している点が良かった。

  • 7月23日放送のEテレ「バリバラ」が抗議デモと人種差別の問題を取り上げ、その中で、日本にも人種差別の実態があるにもかかわらず、日本のメディアが人種差別の問題に向き合わず、むしろ助長してきた例があること、そして本番組について言及し、その問題点として、アニメ動画の内容が黒人のステレオタイプな暴力的描写であったこと、本番組の解説者が白人警察の立場に立って解説をしたことなどを取り上げていたが、当該局の他の番組において、改めて様々な立場から本番組の問題点を取り上げて制作・放送した姿勢は高く評価できる。

  • 再発防止策の徹底を図るという局の自主的・自律的な対応を評価し、今後の取り組みを期待して見守りたい。

以上

2020年8月4日

TBSテレビ『クレイジージャーニー』「爬虫類ハンター」企画に関する意見の通知・公表

上記委員会決定の通知は、8月4日午後1時30分から、千代田放送会館7階の会館会議室で行われた。委員会からは神田安積委員長、長嶋甲兵委員、中野剛委員の3人が出席し、TBSテレビからは4人が出席した。
委員会決定について神田委員長はまず、本件番組について放送倫理違反があったと判断したと述べた。NHKと日本民間放送連盟が1996年に定めた「放送倫理基本綱領」には、「放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」との規定がある。「爬虫類ハンター」は、局自身が認めるように、X氏が「希少動物を発見・捕獲する様子をカメラが追うドキュメンタリー性が本企画の根幹」であった。本件放送が、その核心である希少動物に、あらかじめ協力者から借り受けた動物、または別の場所で捕獲した動物を用いたことは、制作過程の重要な部分を制作者側が十分に把握していなかった点で、その過程が適正に保たれていなかったと言うべきであり、また、X氏が「確かな知識と野性の勘」を駆使して自力で希少動物を探し出したものと信じたであろう多くの視聴者との約束を裏切るものであったというほかない。これらのことを踏まえて、放送倫理違反があったという評価をしたと説明した。
続いて長嶋委員は、ヒアリングの際にベテラン関係者が口にした「作り方改革」「話し合い不足」という言葉を意見書に引用した。これから頑張ってやっていただきたいとコメントした。また中野委員は、委員会決定第24号TBSテレビ『ピラミッド・ダービー』を担当した立場からすると既視感のある事案で、今回もプロデューサーの番組管理という観点から考えた。全体会議もない中で、身軽な、機動的な番組作りだったのかもしれない。それが面白さの源泉だった面はあるだろうが、それがアクセルだとするとブレーキ役は存在したのか、改めて考えていただきたいとコメントした。
これに対してTBSテレビは、「約束を自ら破った。信頼を失ったと認識して番組を終了した。大きく反省している」「今後も、番組制作についての改革を進め、視聴者の皆様の信頼回復に努めていきたい」と述べた。
続いて、午後2時30分から千代田放送会館2階の大ホールで記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には24社37人が出席した。
はじめに神田委員長が、「放送倫理基本綱領」には、「放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」との規定がある。「爬虫類ハンター」は、X氏が「希少動物を発見・捕獲する様子をカメラが追うドキュメンタリー性が本企画の根幹」であった。本件放送が、その核心である希少動物に、あらかじめ協力者から借り受けた動物、または別の場所で捕獲した動物を用いたことは、制作過程の重要な部分を制作者側が十分に把握していなかった点で、その過程が適正に保たれていなかったと評価した。併せて、X氏が「確かな知識と野性の勘」を駆使して自力で希少動物を探し出したものと信じたであろう多くの視聴者との約束を裏切るものであったという評価もした。その上で、「NHK・民放 番組倫理委員会」が1993年に出した「放送番組の倫理の向上について」と題する提言をも踏まえて、委員会としては、本件放送には放送倫理違反があったという結論に至ったと述べ、意見書の構成に沿ってその概要を説明した。
続いて長嶋委員は、この番組のある種の試み、実験精神というものを放送全体が失わないで前に進んでほしいという思いを込めて意見書を書いた。それを読み取っていただきたいと述べた。また中野委員は、視聴者の普通の見方からすれば、真剣に探して捕まえているとみるだろう。局自身も捕獲する様子をカメラが追うドキュメンタリー性が企画の根幹であると言っているので、視聴者との約束を裏切るものであったという認定になったと述べた。
その後、神田委員長が2点、補足説明した。まず、「本件放送のロケは、わずか現地滞在4泊5日という短期間で行われた」との指摘をしているが、これだけの希少動物を何種類も見つけ捕獲するシーンの撮影を4泊5日という短い日程の中で行うこと自体に限界、無理があるのではないか。これができなければ番組が成り立たないとすれば、逆にどこかで無理を強いることにならないか。そして、このような懸念を組織の中の誰かが感じなかったのか。そのような思いを、「番組の『作り方』そのものに内在していたと言えよう」という指摘に込めている。もう1つは、バラエティー番組を扱う際の演出論について、意見書に引用している『ほこ×たて』事案の意見書には、「どこまでが演出として可能なのか、許容されるのか、という個別事例における境界線の設定は、局の自主的・自律的な判断に委ねてきたのである」と書いている。この問題意識を共有し、また前提としながら意見書を作ったつもりであり、その中で、最大限、皆さんの制作の自由を確保しながら、それでも許されない演出があるとすれば、どういうことなのだろうかと考えるときに、これまで委員会が考えてきた1つの基準がそれぞれの番組における「視聴者との約束」ということになる。本件放送では、「視聴者との約束」をどこに見て取るか、この点については、「『爬虫類ハンター』は、局自身が認めるように、X氏が『希少動物を発見・捕獲する様子をカメラが追うドキュメンタリー性が本企画の根幹』であった」ということであり、本件放送が、あらかじめ協力者から借り受けた動物、または別の場所で捕獲した動物を、撮影直前に撮影現場に移したことは「本企画の根幹」、ないしは「視聴者との約束」を裏切るものであり、その点で放送倫理違反があったということになる。その点は、あくまで本件放送限りの評価であり、直ちにこの手法をあらゆる番組において否定することを意味するものではない。

記者会見での主な質疑応答は以下のとおりである。

Q: ADはロケに同行したのか。ADやコーディネーターが、動物が逃げないように体を弱らせるようなことをしていたのか。
A: 現場にADは同行していないし、私たちが調べた限りでは動かないようにしたということはない。(長嶋委員)
A: 現地にはディレクター、コーディネーター、更には現地の協力者がいた。(中野委員)
   
Q: Bディレクターも手法としてはCディレクターと似たようなことをしていたということか。
A: 本件放送では、動物をあらかじめ協力者から借り受け、または別の場所で捕獲して、撮影直前に現場に置いている。過去10回の放送では、現地の協力者に対して、事前に目的の動物を発見したらその場所を連絡するよう要請し、また、その際に目的の動物を捕獲してしまった場合は、捕獲したのと同じ場所に、前日か当日に放ってもらったものであり、他の場所から持ってくることはしていない点という点で異なっている。過去10回の放送については審議の対象としておらず、また、演出論には踏み込むことを控えるという姿勢を踏まえて、「自主自律的にその限界を議論することが求められよう」という問題提起にとどめたものである。(神田委員長)
   
Q: 判断の1つの基準として、「視聴者との約束」を裏切るものは放送倫理違反ということか。
A: その番組が視聴者とどういう「約束」をしているのかという認定は非常にセンシティブであり、制作、編集の自由を不当に制限しないように、映像の視聴やヒアリングなどを経て、慎重に検討する必要がある。また、仮に「約束」を裏切ったとしても、その程度や自主的自律的な事後対応次第にて、討議入りしない、又は討議にて終了するものもあれば、仮に審議入りしてもその評価が分かれることもあり得る。したがって、個々の番組を離れて、「約束」違反をもって、直ちに一律に放送倫理違反になるとまでは言えない。(神田委員長)
   

以上

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見や、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見が多く寄せられた。

2020年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,734件で、先月と比較して225件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性56%、女性24%で、世代別では40歳代27%、50歳代22%、30歳代22%、60歳以上14%、20歳代13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は延べ949件【67局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見が多く寄せられた。また、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は64件、CMについては47件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は97件で、前月から20件増加した。
今月は「表現・演出」が27件、「要望・提言」が11件、「いじめ・虐待」が10件、「報道・情報」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの感染が収まらない中で、陽性者や重症者など様々なデータが出ているが、仮定に基づく話題を報じることに不信を覚える。統計では、前提や規則の定め方で、データをどのようにも解釈することができる。意味のない解釈で不安をあおったり、危険を過小評価するのはやめてほしい。

  • 東京新宿歌舞伎町の一番街付近にある居酒屋で働いている。連日の新型コロナ感染報道で、店の売り上げが激減し、迷惑している。歌舞伎町は広い歓楽街で、ホストクラブやキャバクラは一番街付近にはない。また、近辺の同業者に感染者は出ていない。一番街の入り口のアーチばかり放送で映さないで欲しい。この付近全体に感染が広がっているような報道により、店の売上が生活に直結し、困っている。

  • 人気俳優の自殺を受けて、あちこちのワイドショーなどで詳しく取り上げているが、自殺防止の観点から、場所や方法を詳しく報道しないなどのメディア関係者へのガイドラインがあるはずだ。それを周知しているのだろうか。

  • 中国の長江流域で長期的大雨が続いており、世界最大のダム三峡ダムの決壊が懸念され、そればかりか上下流とも大洪水で、1,200万人以上が避難対象となる異常事態が起きている。そのことを日本のマスコミはほとんど報道しない。長江流域には大都市が多く、日本人も数十万人規模で住んでいる。その人たちの親族に対し、何の情報も流さないのは、報道機関としてどうないか。一方、インターネットでは、連日詳細にこの情報が提供されている。このことから見ても、今の地上波、新聞を中心としたオールドメディアは、もはやその役割を果たせていないのではないかと感じている。

【番組全般・その他】

  • 日曜昼の番組を見た。緊急事態宣言が解除された後のロケと思われるが、出演者が移動車の中ではマスクをしていたが、ロケをしている店の中や屋外ではマスクを外して店の人たちと大声で会話をしていた。メディアでは、「新しい生活様式の中で…」などと、しきりに叫んでいるのに、このようなロケを見せられては全く説得力がない。

  • 長時間の歌番組を見た。アーティストと司会の距離が近すぎ、2mも離れていなかった。また、大人数の女性アイドルグループがスタジオで歌を披露したが、それは、いわゆる“密”状態。どのような感染防止対策のもとで放送しているのか。危機感がなさ過ぎる。

  • 北関東に住んでいる。高校野球中継の映像と音声がひどい。中継内容もよく分からない。放送免許を持ったテレビ局が出すレベルとは思えない。ホームビデオをたれ流している感じで、テレビを見ていて酔ってしまう。

  • 世界中のいろんな人と、テレビ電話で各国をめぐる番組を見た。今、新型コロナで外出自粛が長引く中、新たな方法で人と人をつないでいるところがとても良く、司会者のコメントも素晴らしかった。外出ができない中、それを見て元気になった人も多いと思う。今後もこのような番組を作ってもらいたい。

  • 土曜日の夜の番組を見た。久しぶりにいい番組だった。日本の子どもたちの成長を見せてもらい、ありがとうと言いたい。このような番組が次々に放送されるようになるといい。

  • 岩手県に住んでいる。アナウンサーがアポなしで県内の集落を訪れる番組を見た。その土地の人や文化、飲食店が紹介され、普段は気にかけない風土の良さに気づくことができた。派手な演出はないが、郷土を愛する心を育てる良い番組だと思う。地方局は、キー局制作の、東京の飲食店や名所ばかり紹介する番組をそのまま放送することが多いが、このような番組が増えれば、テレビの価値が上がり、東京一極集中にも歯止めがかかるのではないか。番組制作者には頭が下がる思いだ。他の地方局も見習ってほしい。

  • 放送局のツイッターによる防災情報は助かる。携帯電話の電波状況、避難所の開設情報、避難すべきエリアの詳細、各種支援情報など、とても分かりやすい。

  • ニュース番組の豪雨災害や地震情報で、英語による災害情報を放送している局がないように感じる。万が一、来年の東京オリンピック開催期間中に大規模な災害が発生した場合の備えが必要だと思う。以前、BSでは、地震速報を英語でも流したチャンネルがあった。日本語が分からない人たちのために、英語による災害情報を放送した方がいいと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 迷惑ユーチューバーの逮捕を伝えていたが、本来は削除すべき動画を公共の電波で見せる行為はどうなのか。子どもも見ており、逮捕された悪い人だよと捕捉しなければいけなかった。何も考えず動画を流すのでなく、してはいけないことをしたと分かるように伝える努力をしてほしい。

  • 有名人の自殺に関する報道は、子どもや若者の自殺を誘引する危険性があるため、自殺対策の専門家はWHOのガイドラインに従って報道するよう呼び掛けている。自殺を助長しかねない安直な報道に警告を発したい。

【「要望・提言」に関する意見】

  • 子どももテレビを見ている時間に恐怖心をあおるようなホラー映画のCMは流してほしくない。CMは予告なく突然流れるので、対応するにも限度がある。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で我慢比べ対決と称して50度前後の熱湯に芸人を入浴させていた。今は動画をネットにアップする子どもも多いので、真似しかねない大変危険な行為である。

【「言葉」に関する意見】

  • 出演者が「ら」抜き言葉で話したときにテロップでは「ら」が足されている。なぜ発していない言葉をテロップに入れるのか。こんなにも多くのテレビで「ら」抜き言葉が流されている現在では、新しい言葉として認めてはどうか。

2020年8月7日

データの一部が架空入力された世論調査結果を放送したフジテレビの一連のニュース番組について審議入り

放送倫理検証委員会は8月7日、データの一部が架空入力された世論調査結果を放送したフジテレビの一連のニュース番組について、審議入りすることを決めた。

フジテレビと産経新聞は、6月19日、2019年5月から今年5月までの14回にわたり合同で行った世論調査「FNN(フジニュースネットワーク)・産経新聞 合同世論調査」のデータの一部に架空入力があったため、調査結果と関連する合計18回の放送及び記事をすべて取り消し、世論調査は確実な調査方法が確認できるまで休止すると発表した。

フジテレビの報告書によれば、調査を委託した会社の再委託先の会社の社員が、全サンプルの約17%に当たる約2,500サンプルについて、実際には電話をしていないにもかかわらず、架電済サンプルの属性と回答内容の一部を変えて架空データを作成しデータを作成していたとしている。

7月の委員会では、「社会の意見分布を知る一番の手掛かりは世論調査だ。不正な世論調査結果に基づいて18回ものニュースが放送されたことは、その時々の世論に影響を及ぼした可能性を否定できない」「世論調査は国民にとって重要な判断材料であり、不正の有無についてチェックされることなく放送されていたことは深刻な問題だ」「放送、新聞が行うすべての世論調査の信頼性を揺るがす由々しき事態だ」などの厳しい意見が相次ぎ、「民放連放送基準『(32)ニュースは事実に基づいて報道し公正でなければならない』に抵触する疑いがあるのではないか」との意見も出された。

委員会は、フジテレビに報告書と同録DVDの提出を求めたうえで討議し、局からの再発防止策についての追加報告を待ち、併せて管理体制、納品されたデータのチェック方法などについてさらに報告を求める必要があるとして、討議を継続。フジテレビから追加報告書が提出されたため、その報告書について意見交換した結果、放送倫理違反の疑いがあり、報道内容からして放送倫理違反の程度は軽いとは言えないとして審議入りを決めた。

委員会は今後、当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。

第225回 放送と青少年に関する委員会

第225回-2020年7月

視聴者からの意見について…など

2020年7月28日、第225回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
恐怖心をあおるようなホラー映画のCMに対し、「番組と違ってCMは視聴を選択できない。子どもがいるので放送時間帯を考慮してほしい」などの意見が寄せられました。これについて、委員からは、「何万という人が見たとき、ごく小さい割合でもかなりの人数になってしまう。その人たちが怖いからやめてくれ、と言い出した時に、それを放っておいていいのか。ただそれを全部取り上げていると何も成り立たなくなってしまう」などの意見が出されました。
7月の中高生モニターのリポートのテーマは、「最近見たバラエティー番組について」でした。29人から報告がありました。
モニターからは、冒険をテーマにしたバラエティー番組について、「何よりもよいと思ったのは企画に挑戦する一人一人の色がとても出ていることです。また、企画、お題、スタッフによるコメントの質が良いことも大きいと思います。おそらく、企画やお題のみを決め、あとのことは挑戦者に任せ、スタッフがあまり関与しないところが良いのだと思います」、日本国内や外国で起きた出来事に対して、どのようにしてその困難を突破していったか、というクイズ形式の番組について、「特に印象に残ったのは、自転車の迷惑駐輪の撃退方法です。どのような行動をしたら、迷惑駐輪が止まったのか、というクイズが出されました。その時に、スタジオにいるタレントが面白おかしく回答するのですが、結局答えは『自転車捨て場』という立て札を立てることによって、迷惑駐輪が止まったということでした。そこに駐輪すると捨てられてしまうという心理を利用したもので、ちょっとしたひとひねりで、問題を解決できるのだなと感心しました。全体を通して思ったことは、スタジオのタレントの回答時間が長すぎるということです。もっと短めにして、他の出来事の紹介を増やしてほしいと感じました」、人気アイドルグループとゲストチームが、いろいろなゲームをして得点を競うバラエティー番組について、「数人がスタジオに集まり、アクリル板で隔てるなどソーシャルディスタンスを保つ工夫をしながらゲームを行っていました。完全に以前通りとはいきませんが、ゲームの形態も今までの形に戻ってきたことをうれしく感じました。嵐5人やゲストが距離を隔てながらも集まっているのを見るには久しぶりで、皆が、中継ではなく実際にコミュニケーションを取り合う姿が見られました。リモートもよいのですが、人と人とのコミュニケーションは実際に会って会話するなかで生まれることを痛感しました」、などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
8月は休会とし、次回は9月29日に定例の委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年7月28日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
放送倫理・番組向上機構[BPO]第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

6月後半から7月前半に寄せられた視聴者意見について議論しました。
委員からは、次のような意見が出されました。
「今回青少年委員会として問題にするような番組は特になかったが、今後問題になってくるのではないかと示唆されるものがあった。
バラエティー番組において、情報番組のリモート出演を模した設定で、タレントの自室に、突然黄色い通学帽をかぶりランドセルを背負った水着姿の女性が現れ、タレントがうろたえるという演出に対して、『女性蔑視で、児童の性的対象化にあたるのではないか』といった意見が寄せられた。これが、子どもの性的対象化になると理解されることは少ないと思うが、広い意味でのセクハラということで、世の中がセンシティブになってくると大きな問題になるかもしれない」
また、恐怖心をあおるようなホラー映画のコマーシャルに対して、「番組と違ってCMは視聴を選択できない。子どもがいるので放送時間帯を考慮してほしい」「子どもが見て夜寝られなくなった」「視聴者には敏感な人や子どももいる」などといった配慮を求める意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「このCMを見て平気な人も多いだろうが、これは受け止め方の振幅が広い話題なので配慮も必要なのではないか」「何万という人が見たとき、ごく小さい割合でもかなりの人数になってしまう。その人たちが怖いからやめてくれ、と言い出した時に、それを放っておいていいのか。ただそれを全部取り上げていると何も成り立たなくなってしまう、難しい問題だと思う」といった意見が出されました。

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティー番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「最近見たバラエティー番組について」で複数のモニターから意見が寄せられたのは5番組でした。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)に3人から、『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)と『THE 突破ファイル』(日本テレビ)、『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)にそれぞれ2人から報告がありました。それ以外は別々の番組を取り上げており、全部で23番組について感想が寄せられました。「毎週(毎回)見ている」という記述が随所に見られ、特定の番組を視聴する習慣があることが伺えました。
「自由記述」では、新作ドラマの放送やリモートでないスタジオ番組の放送を喜ぶ声、その一方で、新型コロナウイルス第2波への不安が複数寄せられました。また、コロナ禍での災害報道の在り方について記述したモニターもいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)を10人が、『坂上&指原のつぶれない店』(TBSテレビ)を3人が、『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)と『BS1スペシャル レバノンからのSOS~コロナ禍追いつめられるシリア難民~』(NHK-BS1)、『池上彰の人類vsコロナ危機~徹底検証!あの時何が起きたのか~』(テレビ東京)、『タカアンドトシの今夜、宿ナシ二人旅SP 北海道ぐるり1700キロ』(北海道文化放送)をそれぞれ2人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティー番組について】

    • モニター報告から、若い世代は単に笑えるというだけでなく、知的な要素もバラエティー番組に求めているのだと思った。「笑える」「知的」の両方がそろったものを評価するというのが今どきの傾向のように感じている。

    • 『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(日本テレビ)「違法転載されるくらいなら、テレビ局が公式にユーチューブで映像配信を行えばいいのではないか。もっと攻めの姿勢でユーチューブを利用したらどうか」というモニターがいた。テレビの力で、面白い映像を制作し、ユーチューブで番組を宣伝するというのは良い提案だと思う。

  • 【自由記述】

    • 番組の再放送が中高生に好評のようだ。再放送ではあるが、この世代にとっては初めて視聴するものばかりで興味を持って受け入れられている。これは、新型コロナウイルスで番組制作を自粛せざるを得なかった期間に明らかになった重要な事実だと思う。

    • 数人のモニターが、芸人などコンビで活動する人たちがスタジオ収録時にどのような距離で出演しているかを気にしていた。「コンビだと一緒に住んでいたり移動の時には近くにいることが多かったりするはずなのに、番組の時だけつい立てで隔てられているのをどう理解したらいいのか」という感想や、逆に、「ほかの出演者が距離をとって座る中、コンビ芸人は隣同士で座っている。距離を取るならきちんと取ってほしい」という意見もあり、興味深かった。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)CGが丁寧に作りこまれていて、中高生にもしっかりと内容が伝わっていた。いい番組だったと思う。

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)新型コロナウイルスの感染拡大によって当たり前が当たり前ではなくなってしまった現実を描写した部分に、モニターがとても共感していた。10代の本音を描いたこのような番組は、やはり青少年にとって身近で重要なのだと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティー番組について】

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)海外ロケを行っているイッテQは、コロナの影響を最も受けている番組なのではないかと感じます。その中で、国内で何とか試行錯誤してロケを行い、いつもと変わらない面白い番組を作っているのは本当に素晴らしいなと改めてイッテQの凄さを感じています。(東京・高校1年・女子)

    • 『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)何よりも良いと思ったのは企画に挑戦する一人一人の色がとても出ていることです。また、企画、お題、スタッフさんによるコメントの質が良いことも大きいと思いました。おそらく、企画やお題のみを決め、あとのことは挑戦者に任せ、スタッフさんがあまり関与しないところが良いのだと思います。(千葉・中学1年・男子)

    • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)私はこの番組が大好きで、必ず毎週見ています。今回はスペシャルだったので、見ごたえがありました。特に印象に残ったのは、自転車の迷惑駐輪の撃退方法です。どのような行動をしたら、迷惑駐輪が止まったか、というクイズが出されました。その時に、スタジオにいるタレントが、面白おかしく回答をするのですが、結局答えは「自転車捨て場」という立て札を立てることによって、迷惑駐輪が止まったということでした。そこに駐輪すると捨てられてしまうという心理を利用したもので、ちょっとしたひとひねりで、問題を解決できるのだなと感心しました。全体を通しは、スタジオのタレントの回答時間が長すぎると思いました。もっと短めにして、他の出来事の紹介を増やしてほしいと感じました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)知識と機転の良さがいざという時に光るものだと感じた。知恵を学べて良い番組だと思う。(東京・中学3年・女子)

    • 『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)世界の様々なことを取り上げているからこそ面白いところもありますが、日本のことを絡ませても面白くなるのではないかとも思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『世界一受けたい授業』(日本テレビ)この日は3本立てで、全体を通じて、1つのテーマにかける時間がちょうど良く、ジャンルの違うものを並べることで最後まで飽きずに見ることができました。また、その道の専門家ではなく俳優さん、タレントさんが説明してくださることでより親近感を感じながら見ることができました。直した方が良い点として気になったのは「トーク」と「VTR」のバランスです。VTRが若干多いなと感じました。スタジオでのトークも芸人さんがいることで面白く感じたので、どちらをメインに取るか、どのような形式で番組を放送していくのか、もっとしっかりした骨組みを考えた方が良いと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 『有田プレビュールーム』(TBSテレビ)普段演出される側のタレントたちが自らプロデュースした企画を放送する点が面白かったです。次はどんなタレントのどんな企画が見られるのかと楽しみです。テレビを作る人・出る人たちがどんな思いでいるのかを垣間見た気持ちになれました。ゲストのコメントや演出の意図をもう少し聞きたいと思いました。(宮城・高校3年・女子)

    • 『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(日本テレビ)この番組はユーチューブでも公式チャンネルで短い動画が配信されていて、深夜枠でもいろんな人に知ってもらえる機会があり、うまい活用をしていると思います。私はユーチューブをよく開くので、違法転載されるくらいなら公式のテレビ局から、しかし、ユーチューブでも未公開映像などをもっと配信してほしいと思います。ユーチューブとの違いを出してほしいので、テレビの立派なスタジオを活かした企画や、想像しなかった人同士の組み合わせが生まれる機会をつくる企画など、テレビの大きな力で面白い番組を作ってほしいです。(千葉・高校1年・女子)

    • 『クイズプレゼンバラエティー Qさま‼』(東日本放送/テレビ朝日)「〇〇大卒業」と書かれているが、それをなくしてほしいです。こういうのが学歴社会を生み出してしまっているのかなと考えました。(宮城・中学1年・女子)

    • 『マツコ&有吉 かりそめ天国』(名古屋テレビ/テレビ朝日)視聴者の投稿から話されるので、どちらかというとラジオに近いかもしれません。ただ、テレビということを活かして時々絵が入ったり、検証してほしいというものに対しての検証結果の映像が流れたりなど両方のメディアの良いとこ取りをしているように感じました。また、トークが面白いお二方だからこそ成り立つ番組だなと毎回思います。1つの投稿からどんどん話題が膨らみ、「あるあるー」というものから、「えっ」と驚かされるエピソードまで毎回面白い方向へ展開されていき、声を出して笑いながら見ています。(愛知・高校1年・女子)

    • 『痛快TVスカッとジャパン』(フジテレビ)以前から視聴してきました。もう少し身近なものを集めてくれたらもっと楽しく視聴できると思いました。(東京・中学2年・男子)

    • 『VS嵐』(フジテレビ)数人がスタジオに集まり、アクリル板で隔てるなどソーシャルディスタンスを保つ工夫をしながらゲームを行っていました。完全に以前通りとはいきませんが、ゲームの形態も今までの形に戻ってきたことが嬉しく感じました。嵐5人やゲストが距離を隔てながらも集まっているのを見るのは久しぶりで、皆が、中継ではなく実際にコミュニケーションを取り合う姿が見られました。リモートも良いのですが、人と人とのコミュニケーションは実際に会って会話する中で生まれることを痛感しました。(長野・高校1年・女子)

  • 【自由記述】

    • いろいろと新たな撮影がされ始めました。こんな日常が、とっても嬉しいです。でも、第2波が来ているので心配です。テレビは、世の中の状況から影響を受けて、すぐに反映するんだなと、今回のコロナ騒動で感じました。いつも通りの放送がずっと続いてほしいです。(長崎・中学1年・女子)

    • 芸能人のコンビの人は、一緒に住んでいたり、移動の時など近くにいることも多いのに、番組の時だけ「ついたて」があるのは違和感がある。(岡山・中学2年・女子)

    • スタジオ収録で出演者同士の距離をとって撮影している番組が多いが、コンビの芸人さんだとやはり距離が近い番組が多く、仕方がない部分もあるとは思うが距離をとるならきちんと取ってほしいなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 今、日本は自然災害やコロナの影響が大きく出ているのでもっと注意喚起をする番組が増えてもいいと思った。(中学3年・沖縄・男子)

    • 7月の豪雨災害は、私の地元熊本でかなりの被害がありました。今年は新型コロナの影響で、遠方からの一般ボランティアがなかなか入れず、行政・マスコミ関係の応援でしか現地入りできない状況です。また、今までの災害よりは東京キー局はじめ各地の応援が少ない状況もあってか、豪雨関連報道が少なく感じてしまいます。コロナ流行後初めての災害であったため、各局も報道の仕方について手探り中だと思います。ウィズコロナ時代の新しい災害報道に期待しています。(熊本・高校2年・男子)

    • 新しく撮影した番組が増えて嬉しく思います。ですが、再放送があまりされてこなかった番組をコロナ期間中に見ることができたので、再放送の番組を見たい気持ちもあります。(長崎・高校2年・男子)

    • 昔のドラマの再放送が始まり、当時リアルタイムで見ていた母と初めて見る私で視聴して楽しんでいます。これからも昔の面白いドラマをどんどん地上波で再放送してほしいです。(千葉・高校2年・女子)

    • 三浦春馬さんの自死についてどの報道番組でも取り上げられているが、本人にしか分からないことを他の誰かが憶測で語っていたのが不快だった。そっとしておくべきだ。(東京・高校2年・女子)

    • 虐待死のニュースを見ました。命が失われてしまうことはあってはならないことで、二度と起こらないよう行政や保護者、周囲の人の責任を問うことも必要だとは思います。しかし、せっかく大きな影響力を持っているメディアなのだから、画面の向こうの同じことをしてしまいそうな人(今回だと虐待してしまいそうな人)のために、相談できる施設や窓口などを紹介してみても良いのではないかと感じました。いじめや自殺のニュースも同様に思います。(宮城・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)新型コロナウイルスが感染した時に体内で起きていることをCGを使って映像にして説明していたのでとても分かりやすく、さらに世界の研究を紹介していて、ニュースだけでは知れないことが多く、興味深かった。(東京・高校1年・男子)

    • 『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)と『日曜ビッグバラエティ 池上彰の人類vsコロナ危機~徹底検証!あの時何が起きたのか~』(テレビ東京)新型コロナウイルスがどんな形なのか知らなかったので、ニュースで報道されている1日の感染者数や緊急事態宣言だけでなく、ウイルスそのものがどんな形で、どうやって増殖していき、何が怖いのか、今まで知っていたようで知らなかったことを知る良い機会になりました。もっとウイルスの本質を見つめ直す番組を制作してほしいと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 『坂上&指原のつぶれない店』(TBSテレビ)初めてこの番組を見たのですが、とても面白く、これから毎週見たいと思いました。お店の方の人柄やそのお店を始めた思いなどもくみ取ることができ、ただ面白いだけでなく、優しい気持ちにもなれました。(東京・高校1年・女子)

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)国境を越えて世界の様々な10代の人たちがビデオを通して、自分たちの置かれている環境や世界に対する課題を語り合っていて、ニュースでは知ることのできないような10代の思いを知ることができました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)「外出したり、友人と会ったりそんな日常が僕の元気の源だったんだ」という言葉が印象的でした。確かに、当たり前が当たり前じゃなくなってしまった。しかし、コロナが終息し、また友人と再会した時、その当たり前がどれだけ素晴らしいものなのか考えさせられる、いい経験だと感じています。(高知・高校2年・男子)

    • 『BS1スペシャル レバノンからのSOS~コロナ禍追いつめられるシリア難民~』(NHK-BS1)私には何ができるのか考えさせられたが、服をあげること以外に何も思いつかなかった。平和な世の中しか知らなかった、私は世界を少しもちゃんと見られていなかったのだと思い知らされた。これから少しずつ難民への理解を深めていきたいと思う。(東京・中学3年・女子)

    • 『タカアンドトシの今夜、宿ナシ二人旅SP 北海道ぐるり1700キロ』(北海道文化放送)新型コロナウイルスの影響で今は旅には行けませんが、コロナがおさまったらこんな旅に行きたいです。(秋田・中学2年・男子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(「青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関して、進捗状況について報告がありました。

以上

第37号

TBSテレビ『クレイジージャーニー』「爬虫類ハンター」企画に関する意見

2020年8月4日 放送局:TBSテレビ

TBSテレビは2019年8月14日に放送したバラエティー番組『クレイジージャーニー』における企画「爬虫類ハンター」を放送した際、番組スタッフが事前に準備した動物を、あたかもその場で発見して捕獲したかのように見せる不適切な演出を行ったと発表した。
委員会は、日本民間放送連盟の放送基準に抵触している疑いがあり、制作過程を検証してこの内容が放送されるに至った経緯を解明する必要があるとして審議入りを決め、議論を続けてきた。
NHKと日本民間放送連盟が1996年に定めた「放送倫理基本綱領」には、「放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」との規定がある。「爬虫類ハンター」は、X氏が特異な能力を発揮し次々と希少動物を発見し捕獲するシーンを核とする企画であった。その核心である希少動物に、あらかじめ協力者から借り受けた動物、または別の場所で捕獲した動物を用いたことは、制作過程の重要な部分を制作者側が十分に把握していなかった点で、その過程が適正に保たれていなかったと言うべきであり、また、X氏が「確かな知識と野性の勘」を駆使して自力で希少動物を探し出したものと信じたであろう多くの視聴者との了解や約束を裏切るものであったというほかない。
よって、委員会は、本件放送には放送倫理違反があったと判断した。

2020年8月4日 第37号委員会決定

全文はこちら(PDF)pdf

目 次

2020年8月4日 決定の通知と公表

通知は、2020年8月4日午後1時30分から、千代田放送会館7階の会館会議室で行われ、午後2時30分から千代田放送会館2階の大ホールで記者会見が行われた。記者会見には24社37人が出席した。
詳細はこちら。

2020年11月13日【委員会決定に対するTBSテレビの対応と取り組み】

委員会決定 第37号に対して、TBSテレビから対応と取り組みをまとめた報告書が2020年11月5日付で提出され、委員会はこれを了承した。

TBSテレビの対応

全文pdf

目 次

  • 1. 委員会決定に伴う放送対応
  • 2. コンテンツ制作局内での取り組み
  • 3.「放送倫理委員会」での取り組み
  • 4. BPO放送倫理検証委員会の委員を招いて意見交換会を実施
  • 5. 番組審議会への報告
  • 6.「放送と人権」特別委員会での議論
  • 7. 再発防止への取り組み
  • 8. 総括