2023年8月に視聴者から寄せられた意見

2023年8月に視聴者から寄せられた意見

芸能事務所創立者による性加害問題について、外部の専門家による調査結果の公表などがあり、さまざまな意見が多数寄せられました。

2023年8月にBPOに寄せられた意見は 2,115件で、先月から 508件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 86% 電話 13% 郵便・FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性33% 女性28 % で、世代別では 40歳代 26% 50歳代 24% 
30歳代 21% 60歳以上 15% 20歳代 11% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、8月の送付件数は1,109件、61事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から20件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

芸能事務所創立者による性加害問題について、国連ビジネスと人権の作業部会の記者会見と、当該事務所の「外部の専門家による再発防止特別チーム」の調査結果公表があり、さまざまな意見が多数寄せられました。8月の意見のうち3分の1以上がこの問題に関するものでした。ラジオに関する意見は43件、CMについては24件でした。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は124件で、前月から6件増加しました。
今月は「表現・演出」と「要望・提言」が44件ずつと最も多く、「報道・情報」が10件、「性的表現」と「言葉」が7件ずつと続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 芸能事務所の再発防止特別チームが指摘した、“マスメディアの沈黙”について、当該事務所の所属タレントを起用して番組を制作するなど関係の深かったメディアは、“忖度”の有無などを検証し結果を公表してほしい。

  • 芸能事務所の性加害問題で、国連ビジネスと人権の作業部会の会見の後、メディア各社の報道やSNSの投稿が再び増えた。創立者や事務所に対する批判にとどまらず、現在事務所に所属するタレントを好奇の目で見るような投稿が存在するという。所属タレントが精神的に追いつめられないか心配だ。

  • 国連作業部会の会見後、性加害問題「当事者の会」が、テレビやネットメディアなどの報道関係者と“慰労会”を行い、その費用は報道側が負担したと、「当事者の会」幹部がSNSに投稿し、その後削除した。削除された投稿の内容が事実であるとすれば、報道内容が偏ったものになりはしないかと心配。

  • 強い風雨の中、記者がヘルメットを被っただけの姿で路上に立ち、「安全を確保してお届けしています」などと中継しているが、映像を見る限り“安全を確保している”というのは無理があるように感じる。

  • 高校野球夏の甲子園大会。決勝に進出した2校のうち1校だけをクローズアップする情報番組などが目立った。取り上げ方をすべて平等にしろというわけではないが、マスコミがこぞって一方だけを応援しているようで違和感を覚えた。

【バラエティー・教養】

  • 毎年恒例のチャリティー番組のマラソン企画。今年は特に暑さが厳しく、猛暑日や熱帯夜が続いたので、出演者やスタッフの健康が心配になった。

  • 収録中にミスをしたスタッフの頭髪を丸刈りにして謝罪させるという設定のバラエティー番組の企画。実際に丸刈りにされたスタッフ役の出演者たちは、丸刈りになることを了承した若手芸人やエキストラだと断りを入れていたが、中には番組の要望を断りにくい立場の人もいるのではないかと気になった。笑えなかった。

  • 男性タレントの服が溶けて裸になる、ズボンを下ろして下着を見せるなどのドッキリは不適切。男性が相手ならば仕掛けていいということではない。男女を問わず、こうしたドッキリ企画はありえないと思う。

  • バラエティー番組や情報番組で、頻繁に使われている、「え~」という人工的な相づちの音声が耳ざわりだ。使い古された演出を漫然と繰り返す番組制作者が、テレビ離れを促していると思う。

  • ここ数年バラエティー番組が面白くなくなったと感じる。コンプライアンスなどを意識しすぎて個々の出演者が委縮してしまい、自由な発言や表現が出来なくなっているのではないか。もっと面白い笑いを期待したい。テレビ局に自由な番組作りを望みたい。

【その他】

  • 東京では21時00分まで番組が続いているのに、地方によっては途中の20時54分で終わってしまうことがある。楽しみにしていた番組を最後まですべて見たいので、何とか改善してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、(細いベルト状のラインの上でバランスを楽しむスポーツ)スラックラインの女子高校生にスカートをはかせて競技させた。太腿やお尻が見えそうでとてもかわいそうだった。女性へのセクハラになると思う。

  • バラエティー番組の「えっちな野菜を取りたい」という企画。畑から二股や三つまたに育った大根やニンジンを引き抜いては人間に見立てて女性の下着をはかせたり、性行為のポーズをさせたりした。深夜の放送でも夏休み期間では子どもの目に簡単に触れてしまうし、そもそもテレビで放送すべきではない。

【「要望・提言」】

  • 毎年恒例のチャリティー番組に、創立者による性加害が明らかになった芸能事務所所属のアイドルグループがメインパーソナリティーとして起用されるという。海外にも知れ渡ったこの問題の当事者の名前を冠する事務所のタレントを多数出演させることは、その性加害を日本社会が認めていると思われるだろう。

  • 路線バスを利用した旅番組で、出演者が道路の左側を歩くシーンが放送された。学校では歩行者は右側通行と教えられた。道路交通法でも(歩道や路側帯のない車道では)歩行者は右側通行となっている。子どもも見る番組なので、出演者には右側通行を徹底してほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 情報番組で伝統行事「赤ちゃんの土俵入り」を紹介。このなかで、男児の性器を映像処理せずに大きく映した。SNSに放送画像が投稿された場合、削除依頼ができず、画像が残り続けてしまうおそれがある。

【「言葉」に関する意見】

  • 字幕放送で、謝礼や謝罪の言葉「すみません」がしばしば、「すいません」を表示される。子どもが間違えて覚えてしまうので、字幕作成の担当者は正しい表記を徹底してほしい。

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

古代メキシコ文明に親しもうという子ども向け番組の歌の歌詞に、子どもに聞かせたくない表現がある、などの意見が寄せられました。

2023年7月にBPOに寄せられた意見は 1,607件で、先月から 166件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 83% 電話 15% 郵便 1% FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性41% 女性19 % で、世代別では 40歳代 26% 50歳代 22% 
30歳代 20% 60歳以上 15% 20歳代 13% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、7月の送付件数は635件、53事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から15件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

コメンテーターが福島第一原発の「汚染水の放出」と繰り返し発言したが「処理水の~」であるべき、古代メキシコ文明に親しもうという歌の歌詞が「しゅうだんいけにえ200人」といったもので子どもに聞かせたくない、などの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は42件、CMについては16件でした。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は118件で、前月から48件増加しました。
今月は「表現・演出」と「言葉」が34件ずつと最も多く、「報道・情報」が17件、「要望・提言」が10件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 4歳女児虐待死のニュースで、現場となった自宅アパートが特定できる映像が使われている。きょうだいは近くの小学校に通っているのですぐに特定されてしまう。配慮が必要ではないだろうか。

  • タレントの自殺の扱いかたを朝の番組で見比べたところ「今から10分ほど伝える。気分がすぐれないという方は10分ほど後にテレビの前に戻ってきてほしい」と断ってから始めるなど配慮を感じる番組もあれば、センセーショナルと感じる番組もあった。命の問題。ガイドラインを遵守してほしい。

  • 福島第一原発の話題でコメンテーターが繰り返し「汚染水の放出」と表現した。国際的な安全基準を満たしていると科学的に判断されている「処理水」の海洋放出が、さも危険であるかのように視聴者に誤認させるおそれがある。

  • 虐待の疑いで母親が逮捕された事件の報道で、被害児童の同級生に「やせ細っていなかったか」などと質問していた。事件の細部を同級生が知ることで被害児童の生活への影響が増大するのではないだろうか。

  • 番組で「危険な暑さ」「熱中症に厳重な警戒を」など呼びかけながら自社の屋外イベントを紹介している。矛盾している。

【バラエティー・教養】

  • 「河川で溺れた本人よりも救助者のほうの死亡率が高い」というデータを紹介していたが、あわせて示された出典を確認したところ、「二次被害が発生した場合」という前提条件がついていた。視聴者に誤解を与える。

  • 声を変えて他人になりすますことが可能な「AIボイスチェンジャー」という装置を、出演者に使わせて楽しんでいた。すでに犯罪に利用されている技術だ。生成AIに対する規制が議論されている現在、その一面だけを安易に紹介するのは危険だ。

  • 変装したアイドルグループのメンバーたちに「買い物」など街中でのミッションを課し、視聴者にはSNSなどで彼らを探すよう呼びかけた「かくれんぼ」企画。出演者が見破られまいと猛然と走って逃げるなど危険だと感じる場面があった。もう少し安全面に配慮して撮影してほしい。

  • 「7月28日は自由研究の日」の中で、ドライアイスを風船に入れてぬるま湯を注ぎ、破裂させるという実験をスタジオで実演していた。「たいへん危険なので家庭でまねしないでください」というテロップと説明があったが、危険なものをわざわざ紹介する必要があったのか疑問。

  • 日本語を理解できない外国人に、男性器を想起させるひらがなをプリントしたTシャツを着せて笑いにしていた。他国の人々を侮辱し、おとしめる企画で非常に不快。

  • いわゆるドッキリで、わんこそばの途中に酢入りの椀(わん)を出し、むせる様子を笑っていた。気管に入ったりすると危ない。

  • 全裸でいることを余儀なくされた男性の前に仕掛け人の女性が現れ、あわてふためく男性の様子を笑うドッキリ企画。「LGBT理解推進法によって心は女だと言えば男が女湯に入れる」などのヘイトスピーチが激化している状況下、あり得ないと思う。

  • 安倍元首相銃撃を機に霊感商法の危険性が再認識されたが、テレビは毎年夏になると心霊番組を放送し霊感商法を助長していると感じる。メディアは「心霊番組と霊感商法」の関係について議論してほしい。

  • 番組のサブタイトルが前週放送のスペシャル番組の「裏側に完全密着」。大々的な予告もあって楽しみにしていたが、この内容が放送されたのはわずか10分ほどで「裏側」もなし。本当にガッカリだ。

【ドラマ・アニメ】

  • ドラマで子どもが戸棚に隠れていたシーンをコミカルに描いていた。子どもがまねをすると危険。熱中症で亡くなった事例もある。

【その他】

  • 日々、相撲中継でたまり席の同じ女性がたびたび映る。手にしたうちわに大書された文字をネットで検索すると、女性は飲食店の経営者でうちわの文字は本人の源氏名だという。本人のSNSには過去、自分が映ったテレビ画面の画像。放送が宣伝に使われているような状況はいかがなものか。

【ラジオ】

  • 安倍元首相襲撃から1年というニュースで現在の警備体制、旧統一教会に対する質問権の行使状況などを伝えたが、批判が高まっていた「政治家と教団との関係」にはまったく触れなかった。不自然な報道だと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 紀行バラエティー番組。ロシアのある民族に関するVTRで、動物の血などを映像処理せず見せた。非常に生々しく気分を悪くした。その民族には日常の光景だろうが、そのまま放送するのはおかしい。子どもが見たら、悪影響があるかもしれない。

  • バラエティー番組で、男性芸人が温泉宿で入浴中にロッカーの暗証番号を変えたうえ、男湯を女湯に入れ替えるドッキリがあった。女性入浴客が徐々に迫ってきて、全裸の男性芸人を困惑させた。男性の尊厳を無視し、その性的プライバシーを軽視するものだ。

【「言葉」に関する意見】

  • 最近の犯罪報道で「闇バイト」という言葉をよく聞く。なんとなく響きが軽く、実態がうまく伝わらない。これに加担する若者が後を絶たないのも、言葉の持つ軽さが一因かもしれない。凶悪犯罪につながることを適切に表現する言葉を使うべきだ。

  • 子ども向けミニ枠番組のなかの体操の歌に「集団生け贄200人!」「天国行きたきゃ…心臓どくどく捧げよう!」などの歌詞があった。非常にグロテスクな表現で、子ども向け番組には不適切だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 自殺したとみられる若手タレントの元妻の女性タレントが、5歳の息子を連れて帰京した際、空港でテレビカメラが向けられた。幼児がいる場の対応としてはあまりにおかしい。そもそも遺族への取材は不要だと思う。

  • 小学校の校庭に軽トラックが侵入して児童がはねられた事件で、複数の報道・情報番組が目撃者である子どものインタビューを放送。子どもが精神的、心理的に不安定になっている状況でマイクを向け、当時の様子を思い出させる行為は容認できない。とても気分が悪くなった。

【「要望・提言」】

  • 近ごろは子ども向けアニメ番組が減っている。ゴールデンタイムにアニメが放送されなくなって寂しい思いだ。子ども向けアニメの放送枠を増やし、子どもに夢と希望を与えてほしい。

【「低俗、モラル」に反する】

  • 深夜のバラエティー番組で、女性の下着を数メートルの高い位置から落として、芸人が口でキャッチしたり、凍らせた下着をブーメランのように投げて飛距離を競ったりしていた。セクハラまがいの内容で、女性が見たら、さぞかし不愉快だろう。

2023年6月に視聴者から寄せられた意見

2023年6月に視聴者から寄せられた意見

芸能人の不倫の話題を伝える際に、その私信とされるものの文面が詳しく紹介されたことなどに意見が寄せられました。

2023年6月にBPOに寄せられた意見は 1,773件で、先月から 808件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 83% 電話 16% 郵便・FAX 計1%
男女別(任意回答)は、男性35% 女性24% で、世代別では 40歳代 24% 50歳代 23% 
30歳代 21% 60歳以上 15% 20歳代 13% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、6月の送付件数は746件、38事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

芸能人の不倫の話題を伝える際に、その私信とされるものの文面が詳しく紹介されたことなどに意見が寄せられました。ラジオに関する意見は27件、CMについては5件でした。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は70件で、前月から6件減少しました。
今月は「表現・演出」が26件、「報道・情報」が17件、「要望・提言」が8件、それに「性的表現」と「危険行為」がそれぞれ4件ずつと続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 横浜市の路上殺人事件について「犯行直前に被害者宅近くで不審な人物が目撃されていた」ことを伝える際、被害者宅や事件現場の位置関係を示す衛星写真が使われた。被害者宅が特定できる大きさで町名も示されていた。行き過ぎだと思う。

  • 暴力団組員がマンション内で逮捕されたニュースで、逮捕の端緒となった通報をした住民の住戸と、組員らが使用していた住戸との位置関係が分かる表現があった。通報者が報復されたらどう責任を取るつもりなのか。

  • 子どもの虐待に関するニュースで「亡くなった子どもが首輪をされ、つながれているのを見た」という近隣の人のインタビューがあった。自殺に関するニュースで相談機関を案内するように、子どもの虐待に関するニュースでこどもの人権110番のような相談先や通報先を案内してはどうか。心当たりのある人がアクションを起こすことで救える命があるのではないだろうか。

  • 陸自射撃場内での銃撃のニュースで、献花に訪れた近隣の小学生くらいの子どもの「自衛官は手を振ったら振り返してくれる(親しみを感じる)」という声を伝えていた。このケースで子どもにインタビューする必要はあったのか。

  • 芸能人の不倫の話題で、当事者がノートなどでやりとりしていた私信とされるものの文面を具体的に紹介していた。本人の承諾なく公表していいのか。家族の人生もある。子どもたちがからかわれたりいじめを受けたりしないかも心配だ。

  • 夕方のローカル情報番組に「謎の人」が「乱入」し、気象情報が放送されなかった。キー局のバラエティー番組の企画で「謎の人」はその出演者だった。地元では先日、浸水被害があったばかり。こういう企画は非常に迷惑だ。いわゆるドッキリのために多くの視聴者を巻き込まないでほしい。

  • テレビの情報番組で紹介された「新タマネギの糖度」が、実際には砂糖水の糖度だったことを新聞報道で知った。放送局の情報はインターネットよりも信頼できると思っていただけに驚きを通り越して、そんな放送局なのかと呆れた。

  • ニュースをランキング形式で扱うことについて。災害に遭った人、事故で亡くなった人、殺された人がいる、そういったニュースにまで順位が付けられるのは心が痛む。

【バラエティー・教養】

  • お笑い芸人がブロワーの風を至近距離で相方の口に当てながらクイズのヒントを言わせていた。落ち葉や塵(ちり)を空気で吹き飛ばすための器具であり、取り扱い説明書には「人に向けない。事故の原因になる」とある。危険だと思う。

  • 視聴者プレゼントの応募に必要なキーワードが「#もうホタテ食べません」で、一時Twitterのトレンドキーワードになっていた。ネガティブキャンペーンにもなり得るのでよく考えて放送してほしい。

  • 北海道で「幸せを呼ぶ白い動物」白いエゾシカを探す企画。「縁起がいい」という理由として「鹿島神宮の祭神が白鹿に乗っていた」という言い伝えを紹介していたが、アイヌ文化にはアイヌ文化のエゾシカの位置づけがある。無理に日本文化とこじつけて「幸運の生き物」と紹介していたのは問題だと思う。

  • いわゆるドッキリで、コンビ芸人の一方に「相方が倒れて意識が戻らない。命の危険がある」とウソを伝え、動揺して泣いたりする様子を隠し撮り。親しい人の生死を心配する感情を娯楽にするのはいかがなものかと思う。

  • 番組内で野生のノビルを食べていた。ノビルはヒガンバナやスイセンなど毒のある植物と混生していることがある。このリスクも伝えてほしかった。

  • 2時間番組のサブタイトルが「○○(大手外食チェーン名)SP!絶対食べるべき○○メニュー」。一企業の宣伝のような番組が多いと感じる。

【ラジオ】

  • パーソナリティーはマーケティングセミナーの主宰者、ゲストは受講者。ゲストが「受講した結果、2週間で2,000万円を売り上げることができた」など受講を勧めるような内容だった。ラジオ番組としてどうなのか。

  • ラジオ番組のパーソナリティーが人的被害の出た大雨に触れ、「(前回までの放送で)『見に行くな』って言ったのに…流されちゃったおじいちゃん、いたし」などと笑いながらコメント。心ない発言だと思う。

  • 18:55に大きな地震があった。震源地、地震の規模、津波の有無などが知りたくて地元局をつけっぱなしにしていたが、地震情報が始まったのは19:12ごろだった。最大震度5弱の地震でこの姿勢はさすがにないと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • オムニバスドラマのなかで、自宅をテーマパークにし、父母と長女が拘束した長男(若手サラリーマン)を、訪れた客にチェーンソーで傷つけさせる猟奇的なアトラクションの設定があった。子どもが見るゴールデン帯の番組としては非常識なものだ。大人の私でさえ気分が悪くなった。

  • バラエティー番組で、マジシャンが口に入れた小さい飴を左目から出す手品を披露した。子どもが真似たら危険だろう。「真似をしないで」というテロップを入れるべきだと思った。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 芸能人の不倫の話題を取り上げた午後のワイドショーで、週刊誌が報じたという交際相手との「交換日記」の内容を読み上げていた。地上波の番組で日記の内容を公表する必要があるのか。番組がいじめに加担しているようで不快だった。

  • 夜の報道番組の不登校特集で、発達障害の児童が実名で紹介された。この子の将来を考えたとき、たとえ保護者の同意があったとしても、実名や顔を報じるのは不適切だと思う。

【「要望・提言」】

  • バラエティー番組に東京大学の学生だけが出演。東大だけがよいと思わせるもので、一部の家庭で「教育虐待」につながらないか心配だ。どの大学にも価値はあるというメッセージを同時に打ち出してほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • ドキュメンタリー番組が相撲に取り組む高校生の兄弟に密着。自宅での入浴シーンがあったが、男児への性的配慮に欠ける。男の裸だけを軽んじて放送するのはいかがなものか。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で、プロの女子バレーボール選手が、自陣の前衛にいる男性タレントの背中にサーブの球を当てるドッキリがあった。手加減していただろうが、危険なことだ。誤って後頭部にも当てていたが、本当に危ないと思う。子どもが学校で真似たら、取り返しのつかない事故になる。

2023年5月に視聴者から寄せられた意見

2023年5月に視聴者から寄せられた意見

ワクチン接種後に死亡した人の家族に取材しながらそのことに一切触れない編集がなされたこと、芸能事務所創立者の性加害問題をめぐって当該事務所と放送局との関係、報道のあり方などについて意見が寄せられました。

2023年5月にBPOに寄せられた意見は 2,581件で、先月から 1,016 件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 88% 電話 11% 郵便・FAX 計1%
男女別(任意回答)は、男性33% 女性23% で、世代別では 40歳代 25% 30歳代 24% 
50歳代 23% 60歳以上 13% 20歳代 11% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、5月の送付件数は1,541件、55事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

ワクチン接種後に死亡した人の家族に取材しながらそのことに一切触れない編集がなされたこと、総理大臣がバラエティー番組に「講師」として出演したことなどに意見が寄せられました。また芸能事務所創立者の性加害問題をめぐって、当該事務所と放送事業者との関係を疑問視する意見、その報道のあり方についての意見などが寄せられました。ラジオに関する意見は33件、CMについては4件でした。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は76件で、前月から60件減少しました。
今月は「要望・提言」が23件、「表現・演出」が20件、「報道・情報」が10件、それに「いじめ・虐待」と「言葉」がそれぞれ4件ずつと続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 新型コロナワクチン接種直後に死亡した人の遺族に取材しておきながら、そのことには一切触れず、まるでコロナ感染症で死亡したかのようにインタビューが切り取られていてとても怖いと感じた。
  • これが許されるなら放送局は事実を都合良く「編集」していくらでも嘘を放送できてしまうことになり、信用できなくなる。
  • 謝罪はあったが、なぜこのような編集をしたのか説明がなかった。他にもこのようなことが行われているのかと疑ってしまう。

  • 芸能事務所創立者の性加害問題について、同事務所に所属する情報番組の司会者が「最年長の私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちに(発言を)極力待ってもらった」。当事者である事務所や事務所所属の出演者の意向で当該局や他局の報道内容が左右されるのはおかしい。
  • 土日、朝から夜までこの芸能事務所のタレントに頼り切った番組がずらりと並んでいる局があり、その局は性加害問題を正面から伝えていない。報道する側としての矜持はどこに消えたのか。

  • 強盗殺人事件の防犯カメラ映像で、殺害された瞬間のものと思われる被害者の悲鳴が字幕付きで放送された。あまりにもショッキングな音声で怖い。事件の残酷さを伝えるにしても過剰なように感じる。

  • 風俗店で従業員女性が刺殺された事件で、被害女性の名前と年齢が報じられていた。実名報道により、顔写真と本名と風俗店で働いていたという事実がネットで拡散されている。遺族の苦痛は計り知れない。

  • 生成AIを使って自分の作品を盗用され、著作権を侵害されたと訴える画像クリエーターを取材していたが、「偽物の方が好き」という街頭インタビューが並び、コメンテーターは「コピーされる前提で作るしかない」などと発言。世界中でAIによる著作権侵害が問題視され議論されている中でこのような内容を報道番組で流すことに疑問を感じる。

【バラエティー・教養】

  • 密着取材した男性の作業の要領の悪さや言動に他の出演者が大笑いしていた。私は発達障害の当事者と関わる立場にあり、こうした放送は同じようなことに生きづらさを感じている人を傷つけるのではないかと思う。見ていてとても心が痛かった。

  • タレントに簡単な割り算をさせ、できないことを笑いにしていた。「おバカタレント」というカテゴライズ自体が好ましくない。

  • 認知症を発症してテレビ出演から遠ざかっている漫画家と、彼と親交の深い番組MCが触れ合うシリーズ企画。2人で絵を描いた今回は、漫画家の脳の活性化にも役立ったようで、かつてのタッチが戻ってきていた。いい企画だと感じた。

  • 韓国取材。陳列された大皿から店員がカップに取り分けて販売する形態の惣菜店で、タレントが自分の使っている爪楊枝で大皿からじかにつまみ食い。両腕で大きな×印を作って制止する店員に対して、笑いながら番組名を繰り返していた。ネットの迷惑行為動画とかわらないものをテレビで堂々と流すことが信じられないし、日本人として恥ずかしい。

  • 博物館が収蔵している古いゲームカセットの元の持ち主を探そうと生放送で呼びかけた企画。「自分のものではないか」と電話をかけてきた視聴者に、カセットに書かれている名前や発売年などと照らし合わせるためにフルネームと生年月日を言わせていた。個人情報の取り扱いとして大丈夫なのだろうか。

  • 旅客機の元パイロットが飛行中に「迫りくる巨大な謎物体」を目撃したというエピソードを扱っていたが、日時などからこれはソ連の偵察衛星コスモスの墜落だ。あたかもUFOであるかのような表現は不適切。

  • 首相が「広島サミットへの思い」などのテーマでバラエティー番組に出演。「きっといい人であろう」といった好印象を、政治的実績とは関係なく視聴者に与える可能性があり、放送法が目的とする「健全な民主主義の発達」に逆行する。

  • 大喜利の「お題」が「『おでんツンツン』『醤油ペロペロ』の彼らをも忘れさせるほどの悪行」。彼らの行為は犯罪だ。それをお題にすることで「笑ってもらえることなんだ、悪いことではないんだ」と思う人が出てくるのではないのか。

  • 逃げたペットを捜す話題で、鳥の場合の情報募集ポスターを例示し、出演者が(個体の識別が難しく発見は)「無理じゃん」などと話してスタッフとともに笑う場面があった。飼い主が必死に捜すことは笑われることなのか。非常に不快だ。

【ドラマ・アニメ】

  • アニメで、恋愛リアリティーショーに出演した女性キャラクターが誹謗中傷を受けて自殺を図るというエピソードがあった。実際にあった出来事を想起させるもので、その出来事で自殺した女性の遺族がネット上で不快感を示したところ、一部の番組ファンから激しい誹謗中傷を受けている。制作会社や放送局は一個人が攻撃される要因を作ってしまっているのだから、何らかのアナウンスを行う必要があるのではないだろうか。

【その他】

  • マイナンバーカード関連の特典の申込期間が9月末までに延長されたが、番組が「明日まで」と古い情報を伝えていたので、混乱を招くと思い、当該局に電話で知らせた。視聴者対応窓口の開始前だったので代表電話に「番組に伝えてほしい」と要請したところ、対応者は「ここからは現場に伝えることはできない」と頑として譲らなかった。結局、番組の最後で正しい情報を伝えていたが、何と融通の利かない対応なのかと呆れてしまった。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 芸能事務所創立者による未成年の所属タレントに対する性加害問題をテレビ業界は直視し、伝えるべきだ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組のリポーターが、エジプトのピラミッドのシーンで騒ぎ立てていた。お墓であり、神聖な場所であることを軽んじて騒ぎ立てる演出はいけないと思う。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 報道番組で中学校教師が殺人容疑で逮捕された事件の続報として、殺害されたときの被害者とみられるうめき声が放送された。あまりにむごい。大人のわたしでも胸が痛くなり、体調が悪くなった。子どもたちが聞いたらと思うと、放送を控えるべきだった。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で「運動神経悪い芸人」というコーナーがあり、苦手な芸人に実際にスポーツをやらせてうまくできないのを笑いにする。学校の体育の時間に運動がうまくできない子どもを嘲笑したり、いじめたりすることにつながるのではないだろうか。

【「言葉」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ドラマで「うんこ」という言葉を意味もなく連呼していて非常に不快だ。このほか、登場人物のせりふが汚くて、子どもを持つ親の立場としてたいへん困惑する。

2023年4月に視聴者から寄せられた意見

2023年4月に視聴者から寄せられた意見

首相襲撃事件の報道で爆弾の作り方や殺傷能力の高め方が分かるような内容があったこと、芸能事務所の創立者による性加害問題が国内でほとんど報じられていないことなどに意見が寄せられました。

2023年4月にBPOに寄せられた意見は 1,565件で、先月から 163 件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 82% 電話 17% 郵便・FAX 計1%
男女別(任意回答)は、男性42% 女性17% で、世代別では 30歳代 25% 40歳代 23% 50歳代 22%
60歳以上 15% 20歳代 11% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、4月の送付件数は676件、45事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

岸田首相襲撃事件の報道で、爆弾の作り方や殺傷能力の高め方が分かるような内容があったこと、芸能事務所創立者による性加害問題が国内ではほとんど報じられていないことなどに意見が寄せられました。ラジオに関する意見は24件、CMについては12件でした。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は136件で、前月から8件減少しました。
今月は「表現・演出」が50件、「報道・情報」が28件、「要望・提言」が15件、それに「性的表現」が14件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 岸田首相襲撃事件に関して、容疑者が選挙制度への不満を発信したとみられるSNS投稿の内容が繰り返し報じられているが、ニュースが犯人の主張を広める役割を果たしてしまうことで、過激な思想を持つ人間が「テロを起こせば自分の主張を伝えることができる」と考える可能性がある。かつてニュージーランド首相が「犯人の名前を口にしないことで『悪名をとどろかせる』という犯人の目的を達成させない」と表明した。テロリストに対してはこれくらい厳しい姿勢で臨んだ方がいいのではないだろうか。

  • 番組内で爆発物の構造、製造方法の解説があった。材料の入手、製造とも比較的容易なので模倣犯が出るおそれがある。

  • 芸能事務所創立者による性加害について。被害者自身の勇気ある告発を日本中のテレビ局が無視するということがあっていいのか。

  • 20年ほど前の裁判で芸能事務所創立者による性加害が認定された際に報道していたら、被害者は減っていたのではないのか。放送界の不誠実な報道姿勢にも責任があると思う。

  • 「女性障害者が男性から入浴や排泄介助を受けることは性犯罪被害に遭っているのと感覚は変わらない」という意見を、番組の宣伝として番組Twitterで発信している。男性介護士への不当で差別的な発信。

  • 宿泊施設で「手の常在菌を使って夏みかんを発酵させた」という飲み物が提供されている様子を「健康づくり」という文脈の中で紹介していた。黄色ブドウ球菌による食中毒などが起こりうる。危険。

  • 政見放送で、芸能事務所創立者による性加害の「被害者」として3人の現役タレントの実名が挙げられていた。3人が被害者であってもなくてもやってはいけない行為だ。放送には候補者が一切現れず、政見も語られず政見放送とも呼べない。その内容がいま動画サイトなどで拡散されている。

【バラエティー・教養】

  • 「高血圧を防ぐために減塩するのはムダ」という評論家の見解を紹介していた。厚生労働省、日本高血圧学会、WHOが減塩を呼び掛けている中でこうした情報を放送することで、視聴者の健康が損なわれる可能性はないのか。

  • 番組の街頭インタビューで、数人の有名人の顔写真を見せられて、いずれも何をする人なのかは分かるが名前は思い出せないという人が登場し、障害があるのではないかと感じた。司会の有名タレントの名前も「分からない」という回答に、その司会者が「なんやこいつ」などと発言していて不快だった。

  • 視聴者参加の番組に、一定の状況下でうまく話せなくなる人が出演していた。障がいがある可能性が高いと思われるが、司会者らがその症状を笑いの対象にし、さらには負担になるようなトークをしていた。配慮に欠ける。

  • 番組で「何もないはずの海面に異様な光」「UFOの基地ではないか」と衛星写真を紹介していたが、明らかに海ではなく、よく知られている場所だ。

  • いわゆるドッキリで、「何者かに拉致され、山奥で危害を加えられようとしている」と思い込まされたタレントが、嘔吐するなどパニック障害の発作を起こしているように見えた。視聴者が求めるから番組が応えていると考える人もいるが、これは度が過ぎている。いつも面白く笑わせてもらっている番組なだけに残念だ。

【ドラマ・アニメ】

  • 特撮ヒーローもので胴上げを急にやめて人を地面に落とす描写があった。骨折などにつながる危険な行為だ。子どもたちが見ている番組で放送していいのか。

【ラジオ】

  • 統一地方選の告示1週間前の放送で、パーソナリティーが唐突に数分間、現職市長を称賛する話をした。特定の政党・候補者を支持するようリスナーに働きかける意図があったのではないのか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、「探偵」にふんした男性芸人が一般人の男性の足の裏や乳首をなめる映像が流されたが、気持ち悪くなった。子どもの教育上も問題があるのではないか。

  • 特撮ドラマで幼い娘が誘拐され殺されるという設定の事件が生々しく描かれた。日曜の朝からぞっとさせられ、嫌悪感を抱いた。子ども向け番組で、そんな題材を取り上げるのは不適切だ。

  • 朝のバラエティー番組で、芸人コンビの片方が鳴っている防犯ブザーを口に含み、頭からポリ袋や段ボール箱をかぶせてその音を消すというネタを披露。子どもがまねしたり、模倣する犯罪が起きたりすることは否めないのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 朝の情報番組に「バズった」ワードのランキング・コーナーがあり、著名な音楽家の死去が「1位になった」と紹介された。人の死をこのような形で順位付けするのは、倫理観の欠如であり、違和感と嫌悪感しか覚えない。

  • 朝の情報番組の首相襲撃事件報道の中で、容疑者が使用したパイプ爆弾の作り方を紹介した。今後、模倣する犯罪者が作ったり、子どもがいたずらで作ったりしたらどうするつもりなのか。

【「要望・提言」】

  • 東大生をフィーチャーしたバラエティー番組。わざわざ東大の良さをテレビで取り扱う必要はないだろう。学歴差別を肯定するような内容に、あきれた。東大正門前で少年の事件も起きている。子どもたちへの悪影響があることがわかっていて、こういう番組を放送するのはどうかと思う。

【「性的表現」に関する意見】

  • 子どもたちと朝食をとりながらテレビを見ていたら、ドラマの番組宣伝スポットが流れた。濃厚なキスシーンで困惑した。朝からあのような場面は放送しないでほしい。

  • バラエティー番組の「19歳の娘にたいする愛情が深すぎる父に、彼氏を会わせる」企画で、父親が家庭内で娘の太ももを触る、尻をなでるなど性的虐待と見える映像を、愛情表現として放送。この放送内容は、現在、父親から性被害を受けている子どもが被害を認識できず、愛情だととらえてしまう危険性をはらむと思う。