2024年3月に視聴者から寄せられた意見

2024年3月に視聴者から寄せられた意見

“二刀流”メジャーリーガーの一挙手一投足に注目が集まり、結婚や元通訳の賭博をめぐる報道に多くの意見が寄せられました。

3月にBPOに寄せられた意見数は1,768 件で先月から 540 件減少しました。
意見のアクセス方法は、 ウェブ 87.6% 電話 11.4% 郵便・FAX計 1.0%
男女別(任意回答)は、男性 56.2% 女性 26.1% で、世代別では40歳代 24.2% 50歳代 20.1% 30歳代 23.0% 20歳代 11.5% 60歳代 10.4% 70歳以上 3.7% 10歳代 0.7%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各局に送付、3月の送付件数は669件、47事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から16件を選び、会員社すべてに送りました。。

意見概要

番組全般にわたる意見

“二刀流”メジャーリーガーの活躍と、結婚、元通訳の賭博問題などを報道する各社番組に対して多くの意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は37件、CMについては20件でした。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は72件で、前月から31件減少しました。
今月は「表現・演出」が29件と最も多く、次いで「要望・提言」が26件、「言葉」が5件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • “二刀流”メジャーリーガーの活躍は素晴らしいし、多くの人が関心を持っていることも分かる。しかし、どのチャンネルでも繰り返し時間を割いて報道しているのを見ると、それ以外の伝えるべきニュースが報道されていないのではないかと心配になってくる。

  • “二刀流”メジャーリーガーの元通訳の賭博問題について、情報番組の司会やコメンテーターが、確かな情報が少ないのに憶測による発言を続けていて、無責任ではないかと思った。

  • 元通訳の親の自宅に取材に行きインタビューを試みたのは行き過ぎた取材ではないかと感じた。

  • ニュースなどで、「政府関係者」や「〇〇党関係者」などというクレジットでコメントが紹介される。本当にそのような発言があったかのどうか、フェイクかもしれないのに真偽を検証する手段が無い。匿名性を守る必要があるのも分かるが、こうした表現方法には検討の余地があるのではないだろうか。

  • ニュースの冒頭でアナウンサーが「今起きていることをすべてお伝えします」と言っていた。それは無理だろう。報道番組で誇張はよくないと感じた。

  • 犯罪の悪質さや重大性にかかわらず、容疑者が画像付き、実名で報道されることに違和感がある。政治家の汚職や大企業の不正、殺人など重大な事件ではそれも妥当だと考えるが、執行猶予や罰金刑が確実視されるケースまで、画像付き実名で報道する必要があるのだろうか。いわゆるデジタルタトゥーを消せない時代の報道のあり方を議論すべきかと思う。

  • 放火事件や窃盗事件、器物損壊事件などの報道で、防犯カメラ映像がよく使われるが、必ずモザイクがかけられていることにいら立ちを覚える。

  • 大物お笑いタレントの性加害疑惑をめぐり、ネット等には週刊誌記事の内容に疑問を投げかける証言が出ているにもかかわらず、テレビの情報番組などでの扱い方が小さいと感じる。

  • 「日本人のガザ地域への関心は薄れている」と、あるコメンテーターが話していたが、それは日本のニュース番組での報道が少ないからではないか。

  • 情報番組のコメンテーターは自分の専門外のことについては発言を慎重にした方がいいと思う。テレビでの発言は、「~だとしたら、」というような仮定を付け加えたとしても、どうしても断定的に聞こえるし、確かな事実として受け止められてしまうこともあるだろう。SNS等で個人の見解を発信するのとは重みが違うということを認識してほしい。

【バラエティー・ドラマ】

  • 薬剤師の業務や責任を軽視して、笑いのネタにしている場面を見た。編集で当該場面をカットしなかった放送局にも責任があると感じる。

  • 牛乳の早飲み競争を装って、チューブをつなぎ途切れることなく牛乳や水を飲ませるドッキリ。吐き出す場面が汚らしく不快だし、食品・飲料を粗末に扱うことに抵抗を感じないのか。制作者の良識を疑う。

  • 激辛チャレンジや大食い競争の参加者を見ていると、さまざまな事情により望まないのに参加させられているのではないかと心配になってくる。パワハラのように見えて素直に笑えない。

  • 2週にわたって同じ内容を放送したバラエティー。申し訳程度に数か所の変更を加えて、“間違い探し”してほしいと呼びかけていたが、毎週番組の視聴を楽しみにしている視聴者を軽く見ているのではないかと腹が立った。

  • 紫式部の人生を描いた歴史ドラマ。登場人物のほとんどが同じ姓なので見ていて混乱する。登場する場面ごとに名前のスーパーを入れていただけないものか。

【その他全般】

  • 午後の国会中継だが、国会の審議が終わらないうちに、あとの番組(ニュースなど)に切り替わってしまい、少数政党の質疑が放送されないことがある。深夜に再放送があるというが起きているのは大変だし、何とかならないものだろうか。

  • 旅番組グルメ番組などで上半身裸の男性の入浴シーンが放送される。気にしすぎだという声があるかもしれないが、番組制作者はジェンダー問題に対して敏感であってほしいと思う。

  • NHKでは手話通訳を付けているニュースをよく見るが民放ではまだまだ少ない。少しずつ拡充してほしいと思う。

  • 放送局が視聴者意見をどのように受け止めて活用しているか、もう少し見えるようになるといいと思う。番組や放送がよりよくなるようにと意見を送っているので、放送局側からフィードバックする機会が少しでも増えればいいと思う。

  • CMの入れ方について。昔はだいたい15分に1回くらいで節度があった。今は番組をチラッと見せたらまたCM。番組を切り刻みすぎだと感じる。なんとかならないものだろうか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 情報バラエティー番組の中継コーナーで「背負い餅」を模した「背負い肉」という赤ちゃん企画があった。番組では赤ちゃんが泣き続け、背負った牛肉の重さで仰向けに倒れる場面もあった。児童虐待にしか見えず、危険で不適切な放送だった。

  • バラエティー番組の「昭和の常識・令和の非常識」というコーナーで、昭和時代の団地の浴室によく装備された「バランス釜」を特集。令和の若者の視点で「古いし今は見ない」「(浴槽が小さくて)風呂に入る意味がない」と音声が流れた。今でも住まいで使用している人がいるのに、ばかにされたような気分で最悪だった。

【「要望・提言」】

  • 車を運転中、路線バスを使った旅番組の撮影に遭遇した。田舎の狭い道を何列にもなって歩いている。車で横を走り抜けようとすると、急に飛び出したり、マイクの付いた長い棒が飛び出たりする。ロケの際には社会的なモラルを守った行動をしてほしい。

【「言葉」に関する意見】

  • 午前の情報バラエティー番組で、若い女性タレントが居酒屋で、酎ハイなどを続けて3杯飲むシーンがあった。朝の番組で流す映像としてはいかがなものか。20歳未満の者の飲酒を誘発したり、アルコール依存症の人などを刺激したりする内容だと思う。

【「食べ物」に関する意見】

  • バラエティー番組のグルメコーナーに出演するタレントたちの食べ方が下手で汚い。そばやうどんをきちんとすすれないし、逆にすすってはいけないパスタをすする人がいる。子どもが模倣するので、出演者にはテーブルマナーを教え込んでほしい。

2024年2月に視聴者から寄せられた意見

2024年2月に視聴者から寄せられた意見

ドラマ原作者が急死した件の調査は第三者機関が行うべき、裏金のことを自民党の発表通り「還付金」と報道するのはよくない、などの意見が寄せられました。

2月にBPOに寄せられた意見数は2,308 件で先月から 102 件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 88.8% 電話 9.9% 郵便・FAX計 1.3%
男女別(任意回答)は、男性37.1% 女性25.7 % で、世代別では40歳代 29.7% 50歳代 21.5% 30歳代 21.1% 20歳代 11.7% 60歳代 7.6% 70歳以上 3.0% 10歳代 1.2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、2月の送付件数は1,186件、43事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

テレビドラマの原作者が急死した件の調査は第三者機関が行うべき、ニュースで裏金のことを自民党の発表通り「還付金」と表現するのはよくない、などの意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は19件、CMについては14件でした。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は103件で、前月から26件増加しました。
今月は「表現・演出」が40件と最も多く、次いで「要望・提言」が25件、「いじめ・虐待」が10件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 4歳児が薬物中毒で死亡した事件のニュースで、薬剤の名前、致死量、錠剤の場合の個数などを医師が詳細に説明していた。服用中の患者などに自殺の方法を教えることにならないだろうか。

  • ニュースで自民党議員による裏金・キックバックのことを、自民党の発表どおり「還付金」と表現している。自民党側の言い分だけを垂れ流すべきではない。

  • タレントが性的行為を強要した疑惑について、コメンテーターが「(相手が)怖い思いをしたと言っているんだったらシンプルに謝ればいいのではないか」などとコメントしたが、これから裁判で争う内容であって現段階では真偽は不明ではないのか。

  • 火災のニュースで私の父親の名前が「行方不明者」として報じられた。テレビ局に対して実名を伏せるよう要請したところ「報道には火災の被害を防ぐ啓蒙の意味合いも込めている」との回答だったが、家族感情を超越するほどの理由なのだろうか。

  • 多くの男性が締め込み姿で参加する伝統的な祭を生中継した際、スタジオの出演者が「ポロリの可能性ありますね」などと祭りを茶化すような発言をしていた。祭りの関係者や地元の人々を貶めているように感じた。

  • ニュース番組で人が亡くなっている事件の冒頭部分を伝え、「何があったのか」と内容を伏せることでCMを見せるやり方は不謹慎だと思う。

【教養・バラエティー】

  • トークバラエティーの「イライラする時間」ランキングで、出演タレントが調剤薬局で薬剤師に話しかけられる時間を挙げ、「薬剤師に症状を説明しても薬は変わらない」「医師への憧れがあるのではないか」などと発言して笑っていた。患者とのコミュニケーションは薬剤師の重要な業務。放送による影響を考えてほしい。

  • 「小6図工時間いたずら」と題し、ゲームで負けたタレントの親指と人差し指を瞬間接着剤で接着していた。相撲界の暴力問題で「暴行内容」に挙げられている行為だ。夕方、子どもと見たが、悪質な行為でまったく笑えないし、子どもの視聴への配慮も感じられなかった。

  • いわゆる「レアハンバーグ」を出す店を紹介し、赤い部分が残っている状態で食するシーンを放送していた。(病原体は主に肉の表面に付着していて、ひき肉にすると全体にまぶされるため)厚労省も「ひき肉を使った製品は中心部までの加熱が必要です」と呼びかけている。肉の生食を取り上げる場合は注意してほしい。

  • 男性に水に溶ける水着を着せ、性器を露出させて笑いものにする、あるいは男性が大浴場に入浴中にロッカーを改造して開かなくし、全裸のまま動揺する様子を笑うなどの企画。学校では男女を問わず「プライベートゾーンを大切にする」と教育しているのに、テレビは男性を差別している。

  • タレントが自然の中で調理する企画。「山」としか明らかにされていないが、クマの生息が確認されていないエリアなのか説明してほしい。クマがおびき寄せられ、人里に降りてくる原因になったりしないのか。

  • 番組プレゼントの応募方法が、番組指定のキーワード「#(タレント名)干そう」をSNSで拡散するというもので、結果、特定の個人を排除するような言葉がトレンドワードになった。番組の関係者や視聴者以外のSNS利用者から見れば中傷だと思う。

  • 20トンクラスのパワーショベルを用いてワイングラスを積み重ねるという企画で、挑戦するタレントの「特別教育修了証」が紹介されたが、この資格で操縦できるのは3トン未満の機械。誤解が生じるおそれがある。

  • 私たちのイベントの開催間近にテレビ局から生中継したいと要請があった。イベントスタッフの担務など多方面の調整をして対応したが、直前に中止すると連絡があり、放送を見たら別のイベントを生中継していた。

  • 出演者が路線バスで温泉に向かう道中を撮影している車両に偶然乗り合わせた。機材が私の荷物に倒れかかったり、ケーブルが乗客の頭に引っ掛かったりしたが、スタッフからは謝罪がなくマナーが悪いと感じた。

  • 番組の最後の10分間を出演者への予告なしに生放送に切り替え、出演者が自宅に隠された100万円を探す固定カメラの映像を放送。斬新だし、生放送の特性を活かしていてすごいと思った。

  • 「吃音も個性としてがんばりたい」という芸人の思いと「差別を助長する」と危惧する吃音協会の危惧のいずれも否定せず、バラエティーとして笑いもあるすばらしい番組だったが、「お笑いはハンディも武器にできる素晴らしい職業だ」という出演者の意見を多くの人に理解してもらうのは難しいのではないか。

  • 男性として生まれ、現在の自己紹介は「性別はない」。モデルやタレントとして活躍するこの人物をドキュメンタリーで取り上げていた。ジェンダーレスについて差別やヘイトがある中、いい番組だったと思う。

  • 出演者たちが「BPO “ハゲ漫才”について議論」というニュースを受けて議論していた。プロ芸人は自身の身体的特徴を武器に闘っている。「当事者が傷つく」という指摘は的外れではないのか。

  • テレビでいわゆる「ハゲネタ」を見るたびに、嫌な気分になる。番組制作者にはさまざま理由で薄毛になった人がいることを知ってほしい。

  • 私は現在、薄毛の進行にコンプレックスを感じ治療中だが、いわゆる「ハゲ」を「触れてはいけないこと」とされると窮屈に感じると思う。「笑い」を生み出すために「ハゲ」を活用していることは自分のふるまい方の参考にもできると考えている。

【ドラマ】

  • フラット35は投資目的での利用が禁じられているが、不正に利益を得る方法をドラマ内で「裏技」としてかなり詳細に説明していた。まねをする人が出てくるのではないか。

【その他】

  • ドラマの原作者である漫画家が急死した件は、原作者に対する権利侵害やドラマ化による過剰な負担がなかったのかなど、第三者の目で検証してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組の400m競走のコーナーで、負けて脱落した芸人が別の芸人に向かって、短距離走用のスパイクシューズの突起がある側を押し付けた。けがをさせるし、それだけでは済まない。子どもがやっていいことだと誤解する。

  • バラエティー番組の罰ゲームとして、出演者の手の指を瞬間接着剤で接着するのを放送した。いたずらの域を超えて暴行だ。青少年による同様の行為を助長するおそれがある。

【「要望・提言」】

  • 情報番組で結婚を話題にするとき、女性出演者が男性側に厳しい条件を付けることがよくある。今の若者は繊細だから「俺には結婚は無理」となる。テレビ出演者らは、若者、とくに男性の夢を壊さないように気を付けるべきだ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、芸人8人に「鼻フック」をかけて500mlのペットボトルの負荷に何本まで耐えられるかを競わせた。苦悶の表情を見せる芸人たちを見て笑っている司会の芸人らが、いじめをしているようで不快だった。

【「言葉」に関する意見】

  • バラエティー番組で、頭髪の薄い芸人を茶化して「ハゲ」と何度も言う場面があった。子どもが脱毛症で悩んでいて、親子で傷ついた。小学生もよく見る番組で、容姿をおとしめるハゲという言葉はやめてほしかった。

2024年1月に視聴者から寄せられた意見

2024年1月に視聴者から寄せられた意見

テレビドラマの原作者が指摘した制作上のトラブルについて放送局は説明すべきではないのか、沖縄出身のタレントに方言を禁じる企画は不幸な歴史を想起させるのでよくない、といった意見が寄せられました。

2024年1月にBPOに寄せられた意見数は2,410 件で先月から 576 件増加しました。
意見のアクセス方法は、メール 88.8% 電話 10.2% 郵便・FAX計 1.0%
男女別(任意回答)は、男性35.2% 女性20.9 % で、世代別では 30歳代 25.5% 40歳代 25.0% 50歳代 21.0% 20歳代 12.9% 60歳代 8.6% 70歳以上 3.3% 10歳代 1.7%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、1月の送付件数は1,308件、54事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から21件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

テレビドラマの原作者が指摘した制作上のトラブルについて放送局は説明すべきではないのか、沖縄出身のタレントに方言を禁じる企画は不幸な歴史を想起させるのでよくない、といった意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は30件、CMについては11件でした。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から3件増加しました。
今月は「表現・演出」が28件と最も多く、次いで「要望・提言」が26件、「言葉」が6件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 能登半島地震の際に強い口調で避難を呼びかけたアナウンスは切羽詰まった緊迫感が伝わった(富山県で視聴)。

  • 強い口調で避難を呼びかけたアナウンスによって命を守る重要さが強く伝わったが、80歳代の母親は「呼びかけで怖くなり、動けなくなってしまうのではないか」と感じたという。世代による受け止め方の違いも考えてほしい(被災地以外で視聴)。

  • 能登半島地震後に起きた輪島市の大規模火災について、火元が1か所であったことを示した上で、延焼を招いたさまざまな要因を検証していた。その際、火元周辺の精細な衛星写真が示されたが、関係者への誹謗中傷などを生む恐れがあるのではないか。

  • 女性に性的行為を強要したと週刊誌で報じられた男性芸能人が所属する事務所は、主要株主が在京、在阪の民放キー局だ。この事案は客観的かつ第三者的な観点から報道されているのだろうか。

  • ドラマの原作者である漫画家が急死した件のニュース。放送局がトラブルの一方当事者であることがうかがわれる状況で、自社の見解のみを報じることは公平性を欠いていないか。
    (以下、上記の件について)

     情報番組で扱っていたが、漫画家サイドの出演者がおらず、テレビ局の事情を
     くむような発言が目立ち、一方的だと感じた。

     複数の漫画家から「原作と乖離した改変が嫌だと思いつつも、多くの人に
     届けたいので受け入れざるを得ない」という声が聞かれる。原作の重要な部分の
     改変がテレビ局側の論理において正当化されることがまかり通っているのなら
     是正すべきだ。

     テレビ局はドラマの原作者の「許諾をいただけた」というが、原作者は局側に
     示した条件が守られなかったと発信している。局側には視聴者に説明する責任が
     あるのではないだろうか。

  • 特定少年に対する死刑判決のニュース速報をテレビで見た瞬間の、母親と未成年の兄弟の様子をモザイク入りで報道していた。家族への死刑判決というセンシティブな状況で、未成年者を撮影するのは児童の人権への配慮が足りないと思った。

  • 横断中の歩行者がトラックにひかれて死亡した事故のニュース。過失運転致死の疑いで逮捕された運転手の顔を鮮明に捉えた映像が放送された。「原因を調べる」という段階で、運転手の将来を考えると残念。

  • 飲酒運転取り締まりの特集で、飲食店から出てきてフラフラしている男性を警察がマークし、乗車後しばらく運転させてから検挙していた。もしこの男性が事故などを起こしたらどうするのか。警察の手法に不信感を禁じ得ない。テレビ局は何も疑問を持たなかったのか。

  • 改造車の取り締まりで警察から注意を受けた。その際に撮影され、警察の記録用かと思っていたが、放送を見てテレビ番組の取材だったと知った。私の顔やナンバーはボカされていたが、車の特徴からネット上で特定され、脅迫的な不穏な書き込みなどがある。物理的な被害こそないが不安だ。

  • 朝の情報番組で地元出身のお笑い芸人がまじめに現役高校生の相談に乗るコーナーがすばらしい。学校教育でも、個人個人に向き合う時間を少しずつでも増やして、さまざまな問題の解決につなげてほしいと感じる。

  • 朝の情報番組で「速報」として、ハリウッドに手形足形が刻まれることが決まっていた日本人ミュージシャンが、その完成お披露目のセレモニーに出席したという情報が伝えられた。緊急性がなく本来の速報という意味や言葉の重みが薄らいでしまうと思う。

  • 全国で唯一、女性議員が半数を占める地方議会のエピソードとして、子育て支援の制度変更が取り上げられた。ある住民が新人女性議員に要望を伝えたところ、2週間後には区議会で女性区長が実施を表明、1か月後には新制度が施行されたと紹介されていたが、実際には複数の議員が何年も活動して実現したこと。事実と違う。

  • プロ野球選手の移籍に関して、地元ローカル局が結論だけではなく経緯について取材した内容も併せて報じた結果、ルールをまげた球団の動きが明らかになった。賞賛に値する報道だと思う。

【教養・バラエティー】

  • 漫才で人力車引きが客に対して「重い」と不平を言う場面で「デブ」「兄ちゃん、糖尿病か?」。(糖尿病を理解せず)患者を著しくおとしめる発言だ。

  • バラエティー番組で「最先端の虫歯治療」というテーマでレーザーを紹介した際、出演した歯科医が「健康保険は使えない」と説明していたが、実際には保険治療が認められている。視聴者に誤解を与える。

  • お笑い芸人が商店街を訪ね歩く企画で、1人が「光を浴びて健康になる」という43万円の装置をその場で現金で購入する様子をビデオで紹介し、スタジオにもその装置を出してトークしていた。視聴者に迷信への入り口を与えかねないと思う。

  • 「世界のまぬけな犯罪」として、店に入ってきて机の飲み物を勝手に飲んで出て行く男性の様子を捉えた監視カメラ映像が紹介された。「めちゃめちゃキモい」などと笑っていたが、飲みたいという衝動をすぐに行動に移す、勝手に「問題がない」と判断する、うつむき加減などの傾向が見られる。自閉症など障害がある可能性も考慮してほしい。

  • 沖縄出身の俳優に沖縄の方言で話しかけ、つられて方言で答えたら「アウト」という企画。皇民化政策や「方言札」を思い起こさせ、沖縄の歴史を踏まえると安易に笑いにしてはならない内容だと思う。

  • 3年ほど前、70歳代の母親がゴールデン帯の番組で紹介された体操を試し、翌朝、背骨に痛みを感じた。受診したところ背骨の損傷が見つかり、現在も身体的な不自由さが残っている。

  • ノンフィクション番組で、食費を節約するために20時以降に半額になるのを待ってスーパーで買い物をしている家族を取材。半額シールがまだ貼られていない商品を手にした取材対象者が店員に「(シールを)貼ってください」という要請し、店員が応じていた。近所の店なので私も同様に店員に頼んだところ「一度かごに入れた商品には貼れない。テレビ局には番組の演出であることが分かるようにテロップなどで説明するよう要請していたが、実行されなかった」とのこと。やらせにならないのか。

  • 「テレビ局の警備員に聞いた感じの悪い芸能人」だというタレントのエピソードを紹介した上で、スタジオ出演者にその名前を示して驚く様子を放送し、視聴者には「清楚(せいそ)系女性タレント」というテロップだけが表示された。無用の憶測を呼び、無関係のタレントへの誹謗中傷につながらないか。

  • 地震の被災者のことを思えば、この時期に大食い対決を見せられることには抵抗がある。被災地が落ち着きを取り戻してから再開してはどうか。

  • タレントが街中の飲食店の外観などから「過去にテレビの取材を受けたことがあるか」推測してから店主に確認、「取材なし」が連続して見つかるまで続けるという企画。タレントが店頭で「取材なし」を大声で喜んだりしていたが、店側がどう思うか考えてほしい。テレビなら構わないというおごりがないか。

【その他】

  • 自然災害の時に全局が同じ内容の報道になってしまうのは仕方がないのだろうか。視聴者が選択して見られるよう、サブチャンネルを活用するなど方法がないだろうか。

  • 大きな災害に直面している状況でバラエティー番組を放送する意味はあるのか。各局の報道姿勢に疑問を感じる。

  • タレントがさまざまな街を歩く番組を視聴したが、放送時間の半分以上が番組表の記載内容とは異なる通販番組だった。

【ラジオ】

  • 「男性だけのコスプレ撮影会」の特集。これまでコスプレに対して持っていた「性的」などあまり良くないイメージが変わった。コスプレイヤーたちが持ち込むエアガンの安全対策を担当する専門家への取材などもあり、リサーチや構成、取材したパーソナリティーの質問などもよかった。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 平日昼のバラエティー番組で、ゲストの男性芸人が笑いを取るため、司会の芸人や着ぐるみマスコットに飛び掛かって倒し暴行した。子どもが真似したら困るので、こうした演出には配慮がほしい。

  • ローカル情報番組のバイク・ツーリング企画で、出演者らが道の駅でじゃんけんをして、負けたら軽食の代金を払わせ、負けた当人は食べられなかった。少額とはいえ、公共の放送で賭け事を堂々とやることが理解できない。

【「要望・提言」】

  • 宗教問題を正面から取り上げた教養番組で、進行役のタレントが、大手芸能事務所のアイドルグループのファンをカルト宗教の信者になぞらえるコメントをした。大好きなグループを楽しそうに応援する私の娘も信者扱いなのか。こうした見解には閉口してしまう。

  • 能登半島地震が発生して津波情報を放送してくれたのはよいが、画面を子どもや外国人にもわかりやすく、ユニバーサルデザインにして表現してほしいと思った。

【「言葉」に関する意見】

  • 報道番組のニュースでアナウンサーが、原稿にある「YouTuber(ユーチューバー)」という単語をそのまま読んでいたが、これは正式な職業名とは言えない。わかりやすく「動画配信者」と報じるべきではないだろうか。

【「マナー・服装」に関する意見】

  • バラエティー番組の出演者に、食べ方が汚い芸能人が目立つ。とくに、スパゲティを食べるときに音を立てる芸人がいる。マナーに反する行為だし、子どもが真似するおそれがある。

2023年12月に視聴者から寄せられた意見

2023年12月に視聴者から寄せられた意見

音楽番組で特定の出演者だけ紹介時間が短く残念、政党支持率が拮抗している2党のうち1党しか表示しないのは公平ではない、などの意見が寄せられました。

2023年12月にBPOに寄せられた意見数は1,834 件で先月から 668 件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 90.2% 電話 8.7% 郵便・FAX計 1.1%
男女別(任意回答)は、男性32.6% 女性23.8 % で、世代別では 50歳代 26% 
40歳代 25% 30歳代 21% 20歳代 10% 60歳代 10% 70歳以上 3% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、12月の送付件数は824件、50事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から13件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

音楽番組で特定の出演者だけ紹介時間が短くがっかりした、政党支持率の表で拮抗している2党のうち1党しか表示しないのは公平ではない、などの意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は31件、CMについては12件でした。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は74件で、前月から28件減少しました。
今月は「表現・演出」が32件と最も多く、次いで「要望・提言」が30件、「報道・情報」が4件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • アニメ制作に生成AIを活用する企業をニュースで紹介していたが、画像を無断で使用されたイラストレーターたちの訴訟など、生成AIの負の側面をまったく報じなかったのは不適切ではないか。

  • テレビの放送内容がネット上にデジタルタトゥーとして残ってしまう時代。誤報は訂正しても取り返しがつかない。また、微罪の容疑者の顔写真や実名を報道すると、社会的に受ける罰はかつてより大きいと思うし、逮捕後に不起訴となり匿名報道に切り替わっても検索したら以前報道された内容がすぐに出てくる。報道の仕方を考えるべきではないか。

  • ニュースで政党支持率を伝えていたが、一覧表に示されたのは「国民民主党 2.1%」までで「れいわ新選組 2.0%」は省略されていた。ウェブサイトでは各政党の支持率が掲載されている。テレビで省略するのは不公平ではないのか。

【教養・バラエティー】

  • タレントが大量の「激辛」料理の完食にチャレンジする企画。辛みの取り過ぎは消化器官にダメージを与えるリスクがあることを説明すべきではないか。

  • DIYのコーナーで、高速で刃物が動く切断工具をタレントが保護メガネなしで扱っていた。ケガをしたらどうするのか。出演者の安全対策が徹底されないのは不安。

  • 「がん治療の新しい選択肢」という特集で、水素治療、温熱療法、抗がん剤の低用量使用といった内容が、標準治療ではない旨の説明もないまま紹介されていた。わらにもすがる思いの患者もいる。この番組を見て標準治療へのアクセスを失ったりしないか心配だ。

  • アメ横特集で飲食店などが店の前の歩道部分にまでテーブルを出して営業していた。違法ではないのだろうか。報道機関でもあるテレビがそうした店にランキングをつけて好意的に紹介することに疑問を覚える。

  • 原始人のような衣装で町を歩いている一般の人にインタビュー取材。その人物は問いかけには一切応じず無言で去って行った。本人の了承を得ているようには見えなかったが放送していいのか。

  • 「100万円払えば人気バラエティー番組に出演できる」と無名のタレントをだます企画。番組中で「この企画は注意喚起になる」という趣旨のコメントがあったが、(人の弱みにつけ込む)模倣犯を誘発しかねず危険だと思う。

  • お年寄りを解答者にしたクイズ番組で彼らの意味不明な解答を笑いにしている。同じ世代として見るに堪えない。

  • 生活情報番組の年末大掃除特集で「達人」が水回りの掃除方法を説明していたが、ある洗剤の効果を実演で見せた直後、番組自体がその商品の通販番組に切り替わった。情報番組として見ていたのにだまされたと感じた。

  • 近く公開される米大手アニメ制作会社の新作の日本語版で主役の声を担当するタレントが、アメリカのスタジオを訪問し取材。随所で新作の内容や音楽が紹介されるなど、広告としての目的・機能が強いと感じた。公共放送としてよくないと思う。

  • ある男性アイドルグループが音楽番組に「出演」すると予告があったが、実際の放送は1分足らずだった上、前半部分には司会者たちのトークがかぶっていた。ほかの出演者たちのパフォーマンスはきちんと放送されていたのに意味が分からない。楽しみにしていたのに裏切られたと感じた。

  • 番組名に「国民1万人が投票」とあるが、「アンケート調査」はいつ、どのような方法でしたのか、番組内や番組サイトでは説明がない。「人気」と紹介された各商品の得票数なども不明。本当に「1万人が投票」したのか。

  • 「文明が開けていない」という意味を持つ「未開」という言葉を番組名に使っていて、番組で取り上げる国や土地が野蛮であるかのような印象を受ける。世界中の人たちへの敬意が伝わるような言葉選びをしてほしい。

  • 番組のクリスマスプレゼントの応募方法が「各プレゼントに割り当てられた番号に電話をかける」「当選者には後日スタッフから連絡」というものだった。私には聴覚障がいがあり、電話以外の応募方法を探したが見当たらなかった。障害者差別解消法の趣旨を尊重してほしい。

  • 過去の放送回について「誤った内容を特定の研究者の見解として放送してしまった」という「お詫び」があったが、放送された内容は研究者の見解とはまったく異なっている。「誤った理解」がどのような経緯で発生したのか、なぜそのまま放送に至ってしまったのかを説明してほしい。

【ラジオ】

  • 「軽自動車の購入を考えてみたい」という投稿に対してパーソナリティが「(燃料が)軽油なのでおサイフに優しい」とコメントしていた。ガソリンエンジンの車に軽油を入れると正常に動かなくなる。危険。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、出演者が男性芸人の遺影のような写真を使ってネタを出しながら歌を歌っていた。かつて問題になった「葬式ごっこ」を連想させるもので不快。子どもが見たら真似しかねないだろう。

  • 勝ち抜きの漫才番組で、あるコンビが頭髪が薄かったりなくなったりしたことを貶めるようなネタで笑いを取っていた。生まれつきや本人の体質上仕方のないことで笑いを取るのをよしとするのは道徳上、非常に問題がある。

【「要望・提言」】

  • 長時間の音楽番組に若手アイドルグループが出演すると事前告知されていたが、番組内では1分程度の枠で本人たちが映ったのは30秒程度。番組がアーティストと音楽を大切にしていないことに驚いた。これでは子どもたちのテレビ離れは止められないだろう。

  • バラエティー番組で「愛する母校の自慢集め」との企画。いくつかの学校の生徒が自転車通学時にノーヘルだった。2023年4月から自転車乗車時にはヘルメット着用が努力義務になった。番組のロケ収録が4月以降なら、生徒たちに着用を促すべきだったと思う。

【「報道・情報」に関する意見】

  • トーク・バラエティー番組で、ある歌劇団の団員が自殺した問題をめぐる団員ヒアリングについて、出演者が「(対象者が)60人以上いて誰もうそをつかないわけがない。私ならうそをつく」と発言したが、いかがなものか。影響力のある出演者が言うことでも、テレビで放送していいわけではない。

2023年11月に視聴者から寄せられた意見

2023年11月に視聴者から寄せられた意見

性加害問題をめぐる各局の検証番組や所属タレント起用の是非などへの意見、「フェイク画像」という紹介が誤っていたことなどへの意見が寄せられました。

2023年11月にBPOに寄せられた意見数はほぼ平常ペースの2,502件で先月からほぼ半減、 2,648 件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 90.2% 電話 8.7% 郵便・FAX計 1.1%
男女別(任意回答)は、男性25% 女性24 % で、世代別では 30歳代 24% 40歳代 22% 
50歳代 20% 20歳代 18% 60歳代 8% 70歳以上 3% 10歳代 3%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、11月の送付件数は697件、56事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から15件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

芸能事務所創業者の性加害問題をめぐる各局の検証番組、当該事務所の所属タレント起用の是非などについて意見が寄せられました。また、イスラエルが主張の根拠としている画像を番組が「フェイク」と説明したことなどへの意見もありました。
ラジオに関する意見は25件、CMについては18件でした。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は102件で、前月から86件減少しました。
今月は「要望・提言」が54件と最も多く、次いで「表現・演出」が21件、「編成」が7件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 「生成AIによるフェイク」の危険性を考える企画で、イスラエル側が主張の根拠としている画像を「フェイク」と説明していたが、実際は本物の写真だった。ネット上の情報に惑わされる人が多い中で、テレビまでこういうことをすると収拾がつかなくなる。

  • 死体遺棄事件の容疑者として無関係の人の顔写真を何度も放送した。テレビで放送してしまった以上、ネット上の画像を完全に消し去ることはできない。まったくの濡れ衣(ぬれぎぬ)で人生が変わる可能性があることを考えると市民として恐ろしい。

【教養・バラエティー】

  • 昆布だし500mlを2週間飲み続ける味覚改善法や「昆布・ワカメを毎日たくさん食べている」というタレントのコメントを紹介していたが、昆布は食べ過ぎによる甲状腺機能低下などのデメリットも知られている。番組で注意を呼びかけるべきだったと思う。

  • 「豆腐を食べ続けるとやせるのか太るのか」、タレントに実際に食べさせて「検証」というが、わずか3日間で検証などできるはずがない。また3,000kcalすべてを豆腐で取るためにタレントが無理して大量に食べていて心配になった。

  • タレントがチェーンソーでの立木伐採を体験するシーン。指導者が立ち会っていたが、かかり木の元玉切りなど厚生労働省が注意を呼びかけている危険な行為があった。切断された瞬間は編集でカットされていたが現場ではヒヤっとしたのではないか。出演者を危険にさらしただけでなく、視聴者にも死傷する可能性のある危険な方法を拡散していた。

  • クイズで負けたら40メートル上に飛ばされる罰ゲーム。もし金具がはずれたら、と考えると怖い。落とし穴に落ちたタレントがケガをしたこともある。危険な罰ゲームはやめてほしい。

  • 性加害問題のあった事務所所属のタレントが年末恒例の音楽番組に1組も選ばれなかった。「出演者の人権を尊重する」とのことだが、所属タレントたちが人権侵害をしているわけではなく、理不尽だと感じる。

  • 問題の深刻さと照らし合わせれば、当該事務所所属のタレントを選ばなかったのは当然のことだと思う。

  • 人気アイドルが街中で市民を撮った写真に短いタイトルをつけて楽しむコーナー。大変面白く、撮影者の感性にひかれる場面が多かったが、昨今、SNSで肖像権を無視して人を笑い者にするような風潮もあり、ストリートスナップについての注意喚起をしたほうがいいと感じた。

  • 家庭のシンクに取り付けるディスポーザー(生ごみ粉砕処理機)を紹介していたが、水道局に照会したところ、設置に法的な規制はないものの、集合住宅の場合は敷地内に下水処理設備がないと下水道に負荷がかかり、耐久性を損なうなどの問題があるとのこと。こうした点も明確に示すべきだったと思う。

  • 過積載が疑われる解体業者のトラックを芸人たちが追跡するという企画だった。面白くするためか出演者たちはトラック置き場を「アジト」呼ばわり。過積載か否かの判定は「見た目」。確定もできないのに「逃げた」「まかれた」。VTRを見たスタジオでも「悪いことしているという意識はありますよね」など犯罪者扱い。本当に犯罪なのか確認した上で放送してほしい。

  • 緊張するとトイレに行きたくなるのはなぜか、あるタレントを被験者にして検証。偽の番組収録に呼び出し、被験者が「恐れている」という先輩が対談相手であることを告知。到着した先輩が「いつにもまして不機嫌」という演技…。楽屋で被験者が動揺していく様子はとても気の毒だった。

  • ショッピング番組で価格を示した後に「それを半額で」などと大幅に値引きしたように表示しているが、最初から実際の販売価格を示すべきではないのか。

  • 若いころ保育の仕事がきっかけで部落差別問題を知り、気に留めてきた。このドキュメンタリー番組はできるだけ多くの人に見てもらいたいと思う内容だった。

【その他】

  • 子どもへの性加害がなぜ数十年にもわたって放置され続けたのか、各局の検証番組は到底その構造的な問題を明らかにできるものではなかった。このままでは新たな人権侵害や虐待が起こったときに、各局が適切に報道できないのではないかと懸念する。視聴率や利益のために人権侵害を見て見ぬふりをする報道機関では意味がない。第三者機関による網羅的な調査によって二度と被害者が生まれないようにしてほしい。

  • 各局の検証番組は「男性への性加害について認識が薄かった」というが、何百人もの児童が芸能事務所やテレビ局の金儲けのために性加害を受ける環境に置かれてきたという重大性が正しく認識されているのか疑問だ。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 芸能事務所創業者による性加害問題をめぐるテレビ各局の検証番組は、男性同士の性加害を軽くみてしまったというだけで、問題の本質をまったく検証しない不十分なものだった。この問題の本質に迫るためには、テレビ局自身に任せて調査することには限界があると実感した。

  • 性加害の被害者はトラウマを抱えながら命がけで告白している。影響力を持つ放送局は被害者に寄り添い、しかるべき対応を早めに取るべきだった。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 紀行バラエティー番組の女性リポーターが取材先の外国で、番組スタッフと、楽器代わりのビーチサンダルで頭をはたき合う演出があった。子どもが真似して友だちの頭をたたく原因にもなるので、はたき合いで笑いを取ることはやめてほしい。

  • バラエティー番組で、芸能人をジップラインで滑らせて、池の上でロープを切るというドッキリ企画が放送されたが、とても笑えない。仕事とはいえ、一歩間違えれば重傷を負うかもしれない。なぜスタジオのMCたちが笑っているのか、子どもに説明できない。

【「編成」に関する意見】

  • サスペンスドラマの再放送を平日の日中に放送しているが、殺人などの凶悪シーンもある。夜の時間帯に放送すべき内容だ。子どもが見られる時間に放送するのはとんでもないことだ。

【「性的・表現」に関する意見】

  • 深夜のバラエティー番組で、番組MCの芸人らがひとりの若手芸人をつるし上げて、下着を脱ぐよう強要する演出があった。「早く脱げ!」と迫り、下着を下ろすと股間をのぞき込んで「脱毛しているのか!」と笑い転げた。子どもたちがいじめで真似するおそれがある。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 大麻グミ問題のニュース。報道の中で成分を含め「現在も購入可能」などと紹介していたが、その存在を知らなかった人も興味を持って、インターネット購入する可能性がある。中高生がとくに興味を持つだろう。報道の仕方を再考してほしい。

2023年10月に視聴者から寄せられた意見

2023年10月に視聴者から寄せられた意見

性加害問題についての芸能事務所記者会見の報道や在京キー局の自己検証番組への意見、放送事業者のあり方に関する意見などが寄せられました。

2023年10月にBPOに寄せられた意見は 5,150件で、先月からほぼ倍増、2,647件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 92.9% 電話 6.6% 郵便・FAX計 0.5%
男女別(任意回答)は、男性18% 女性34 % で、世代別では 30歳代 25% 
40歳代 24% 50歳代 24% 20歳代 14% 60歳代 8% 70歳以上 2% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、10月の送付件数は2,971件、41事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から19件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

創業者(故人)による性加害問題をめぐって芸能事務所が2回目の記者会見を行うなどの動きがあり、10月も多くの番組でこの問題が取り上げられました。また、前月のNHKに続いて民放各局がこの問題に関する自己検証番組を放送しました。こうした報道や検証番組などへの意見、放送事業者のあり方に関する意見などが寄せられました。
ラジオに関する意見は25件、CMについては15件でした。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は188件で、前月から102件増加しました。
今月は「要望・提言」が102件と最も多く、次いで「報道・情報」が28件、「表現・演出」が27件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • アメリカ連邦議会議事堂でユダヤ人団体がイスラエルに抗議している映像を流し、「パレスチナ人が座り込み」「生活に不満」などと説明していた。在米ユダヤ人の中にも反イスラエルの動きがあることを示す映像を使って真逆のことを報じており、パレスチナ人に対する偏見をあおっていると受け取られかねない。

  • パレスチナとイスラエルに関する報道で、日本赤軍の元最高幹部の娘を単なる「ジャーナリスト」として出演させたことは妥当だったのか。母親の罪とは無関係だとしても、彼女の立場・背景について番組内で全く触れないのは問題があるように思う。

  • (日本赤軍の元最高幹部の娘かどうかとは関係なく)彼女の出演によってパレスチナとイスラエルの問題を双方の見方から知ることができた。今回のできごとについて彼女の話で初めて知った一面もあるなど、とても興味深く参考になった。

  • ニュースで、不祥事を起こした企業のトップがパニック障害を理由に記者会見を欠席したことについて関係者が「そんな甘えた話があるか」と発言したビデオが放送された。これをカットせず放送したということはそのテレビ局も同じ認識だということ。パニック障害や他のメンタルの疾患の人への差別や偏見を助長すると思う。

  • メディアは性加害問題に関して連日、芸能事務所を批判しているが、メディア自身を批判しないことが理解できない。さまざまな場面で沈黙、忖度(そんたく)することをなぜ改めないのか。日本のメディアがどう変わるか、視聴者はいつも見ている。

  • 男が女性のスカートの中を盗撮しようとした現場に記者が居合わせたとして、容疑者が追跡・逮捕される様子をその顔、実名とともに伝えていた。容疑者は否認、スマホには写真・動画がひとつも残っていなかったという。顔と実名をテレビで全国に拡散された人の人生に責任を負えるのか。

  • 番組スタッフからX上で「商業施設でのライトアップの画像を使わせてほしい」と連絡があり、快くOKしたが、実際の放送では「ハロウィーンでマナー違反」とマイナスのイメージで使われていた。

  • 立てこもり現場の報道ヘリの騒音で、昼間は警戒を呼びかける市の防災無線が聞き取れず、夜は22時を過ぎても飛んでいて眠れないほど。協定などで制限すべきではないのか。

【教養・バラエティー】

  • ゲスト出演した京都大学准教授の「オミクロン株は何者かが人工的に改変し、ばらまいたもの」といった主張を紹介。番組内でそれを否定したり、注意を呼びかけたりすることもなかった。公衆衛生・医療に関する情報は人命に関わる。慎重に扱ってほしい。

  • 「安いスーパー」を特集、業者が開店前に商品に「半額」のシールを貼り、販売する様子を紹介していた。これでは「半額」は値引きの結果ではなく、最初に設定した価格であり、景品表示法にふれるのではないのか。

  • 地元の食堂が紹介されたが、この店には駐車場が4台分しかなく、放送後は路上駐車で渋滞が発生し、住民はとても困っている。駐車場の小さい店を紹介する時は臨時駐車場を用意するなど放送後のことまで考えてほしい。

  • ドッキリを仕掛けられたタレントが痛がる様子を笑う。テレビでは「仕事」だが、実社会ではいじめの構図だ。テレビ局はこうした番組を放送する一方、報道番組ではいじめを厳しく批判していておかしい。

  • 男性芸人が「人間体重計」と称して女性芸人の全身を持ち上げ、性行為を思わせる動きをして笑いにしていた。女性芸人が後輩であること、番組収録中であることなど断りづらい状況がある。芸人自身はもちろん、“面白いシーン”としてそのまま放送したテレビ局も感覚を改めてほしい。

  • レギュラー出演者が交代したが、後任は同じ芸能事務所の後輩だ。こういった「○○(事務所名)枠」の継続は忖度につながらないか。他事務所のタレントには平等なチャンスを与えず、特定の事務所のタレントの露出を増やしてスターを作り上げていく。このようなことが繰り返されてきたことが性加害の黙認という結果にまでつながったのではないか。

  • 先日亡くなったタレントのパートナーが対談番組に出演。故人の人となり、偏見・誹謗中傷との闘い、多様性についての考え方などを深く掘り下げていて良かった。普段の放送でもディープな内容を増やしてほしい。

  • 「性について真面目に語る」とうたいながら、アダルトグッズを紹介したりポルノを肯定する発言を取り上げたりしていた。未成年者に誤解させる危険がある。

  • 性に関する情報、世界の性教育事情などを明るく楽しく知ることができた。人間は生きる上で性の問題と無縁ではいられない。10代の頃にこの番組を見たかったと心底思った。教育現場にも生かしてほしい。

【ドラマ】

  • 自衛隊の「陰の組織」とテロ組織との闘いを描いたドラマ。ダイナミックな演出が毎週楽しみだった。このような大規模な番組が、ドラマに限らずバラエティーからも出てくるといいなと思う。

【スポーツ】

  • バレーボールの国際試合の中継中に、天井に張ったカメラ用のワイヤーが切れて試合が中断。ボールがどこに飛ぶか分からない競技で、必須ではない天井カメラを使うという選択はどうだったのか。

  • ラグビーW杯日本戦の中継当日の報道番組で画面右上に「決戦まであと○分」と表示されていたが、実際には「試合直前スペシャル」という特別番組が始まるまでの時間だった。「決戦まで」と表示されれば試合開始までの時間だと思ってしまう。問題ではないか。

【その他】

  • 性加害問題に関する放送局の自己検証番組では「芸能事務所側の圧力はなくテレビ局側が忖度した」というが、テレビ局は過去、同様の説明をした政権・政府を厳しく批判しており、矛盾を感じる。また今回のようにメディアが「忖度=報道しない」選択をした場合、視聴者側には打つ手がない。メディアを監視する仕組みが必要ではないか。

  • 芸能事務所との関係についてテレビ局が「社内調査の結果」を伝えていたが、自身による調査では信ぴょう性に欠ける。調査は芸能事務所と同様、第三者に委ねるべきではないか。

  • 性被害に対する補償は当該芸能事務所だけではなく、創業者の行為を結果的に容認してきたマスコミ各社も行う必要があるのではないか。

  • 人気男性アイドルグループの「公開謝罪」は所属事務所によるパワハラであった可能性はないのか。タレント本人の人権を軽視する事務所とテレビ局の姿勢が、性被害拡大の背景にもあるのではないか。また性加害問題を皆が「うわさ」と受け流したことが被害拡大の大きな要因になったことを考えれば、多くの人が違和感を持った「公開謝罪」問題を何の検証もなく終わらせるべきではないと思う。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 芸能事務所の創業者(故人)の性加害が本当であれば許されることではないが、事務所は被害者への補償を進め、新事務所を立ち上げると前向きだ。これにテレビで毎日のように批判を繰り返すのはただのいじめにしか見えない。

  • 問題の芸能事務所の若いタレントが出演する番組の観覧募集に当選していたが、4日前に突然、収録中止のメールが来た。新幹線やホテルをキャンセルしなければならない。もう少し早めの連絡がほしかったし、なにより才能ある若者たちの活躍の場を奪わないでほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 情報番組やバラエティー番組の中で、週刊誌が報じた芸能事務所の性加害問題の記事をなぞるだけの報道が多い。(番組自身で)検証した内容でなかったり、記事の一部だけを切り取ったりしたものだ。人権侵害にならないのだろうか。

  • 大学運動部の大麻事件報道で、逮捕された特定の容疑者の扱いが大きい。氏名はもちろん、顔写真も毎回大きく映される。他大学でも類似の事件が報じられるが顔写真は出ない。なぜ特定の容疑者だけが「標的」になるのか。まだ21歳だ。メディアによる制裁はもう十分ではないか。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、回転寿司チェーン店の寿司をアレンジしての食べ方を紹介。お茶の中に海苔で巻かれた寿司を入れ、かき混ぜて食べていたが、見ていて不快になった。子どもが真似してほしくない。

  • バラエティー番組で、男性芸人が「人間体重計」と称して、女性芸人を抱きかかえて体ごと上下させた。性行為の体位を連想させるもので、子どもも視聴する番組でやるべきではなかった。

【「言葉」に関する意見】

  • ニュースの中で、特定の政治家を「増税メガネ」と表現していた。見た目を揶揄(やゆ)する表現は侮辱だと感じる。私の子どもも視力が弱くてメガネをかけているが、「〇〇メガネ」とあだ名を付けられる可能性があって、教育的によくない。報道番組ではなおさら問題だろう。

2023年9月に視聴者から寄せられた意見

2023年9月に視聴者から寄せられた意見

芸能事務所創業者による性加害問題をめぐって、報道内容、放送事業者の責任など
さまざまな観点から意見が寄せられました。

2023年9月にBPOに寄せられた意見は 2,503件で、先月から 388件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 87% 電話 12% 郵便・FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性31% 女性26 % で、世代別では 40歳代 24% 30歳代 23%
50歳代 22% 20歳代 12% 60歳代 11% 70歳以上 3% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、9月の送付件数は1,175件、49事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から18件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

9月も芸能事務所創業者による性加害問題をめぐって、報道内容、出演者の起用、放送事業者と芸能事務所との関係、放送事業者自身の責任などさまざまな観点から意見が寄せられました。ラジオに関する意見は30件、CMについては17件でした。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は86件で、前月から38件減少しました。
今月は「要望・提言」が39件と最も多く、次いで「表現・演出」が23件、「報道・情報」が14件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 電動キックボードによるひき逃げの疑いで20代の女が逮捕されたニュースで、警察車両内の容疑者の顔を何度も繰り返して放送していた。一般人でもあり、事案からみてもやり過ぎではないか。

  • 芸能事務所での性被害問題で、情報番組の出演者が、当該事務所の所属タレントのテレビ出演について「今までのように見られない人もいると思う」などと発言。彼らが世間の好奇の目にさらされることを助長しないか。

  • 芸能事務所の性加害問題に関する当該事務所の会見について、その所属タレントがMCを務める情報番組はその直後の放送回で一切触れなかった。放送すべき責任があるのではないのか。

【教養・バラエティー】

  • カセットガスコンロにホットサンドメーカーを乗せて調理、さらに上からガストーチであぶっていた。両面を加熱することで時間短縮を図ったようだ。出演者は安全に配慮していたようだが、危険が潜む行為を放送する際はテロップで注意喚起するなど、より一層慎重であってほしい。

  • 取材対象の家族が、軽トラックの荷台に子どもらを乗せて走行していたシーンは道路交通法違反ではないか。事故につながりかねない。

  • 番組で発表されるキーワードをX(旧twitter)でつぶやくとプレゼントが当たるという企画のキーワードが「#○○(タレント名)逮捕」だったため、番組を視聴していないXユーザーは「○○が逮捕されたのか」と惑わされた。フェイクニュースが問題視されるなか、不適切だ。

  • イタリアで13歳の少女が殺害された事件の顛末(てんまつ)を描きながら、いくつかのポイントをクイズにしていた。人が死んでいる事件の内容をクイズにし、出演者がふざけて笑ったりしているのは不適切だ。

  • 最近、バラエティー番組やワイドショーで、特定のスーパーや量販店の商品ランキング、オススメ商品紹介といった内容がとても多いと感じる。番組そのものがCMのような放送はいかがなものか。

  • 素朴な疑問を、その道のプロの協力を得て本気で実験・検証する番組。「こうしたら?ああしたら?」と思考が自然に番組に向かい夢中で見た。大人から子どもまで楽しく見られ、とてもいい番組だと思う。世の中、まだまだやってみないとわからないことが沢山あると思えた。「四角い花火」など今後もいろんな実験にチャレンジしてほしい。

  • タレントの人権を尊重すべきなのはもちろんだが、性加害問題に揺れる事務所のタレントをモヤモヤしながら見続けるのは苦痛。大好きだった番組も楽しく見られない。

【その他】

  • 芸能事務所創業者による性加害問題について、日本の報道機関はなぜ取材・調査しなかったのかなど、具体的に説明してほしい。海外の報道機関が調査できたのに国内の報道機関がなぜ真摯(しんし)に取り組まなかったのか疑問に思う。

  • 調査した再発防止特別チームは被害拡大の一因として「マスメディアの沈黙」を指摘している。報道機関はCM契約など他企業の動向を伝えるだけでなく、一当事者として経緯を検証し、明らかにしていく責務があるのではないか。

  • タレントの起用を継続すれば児童虐待や人権侵害をした組織への金銭の支払いが発生することになる。放送局はそうした組織をサポートすると理解されてもいいのか。

  • 視聴者プレゼント当選の連絡の電話が番号非通知で発信されるため、それを受けられる設定をするよう求める番組があるが、私たち高齢者世帯には詐欺被害等を防ぐため番号非通知の電話を受けない設定が推奨されている。ほかの連絡方法にしてほしい。

【ラジオ】

  • 紹介したリスナーからのメールが「スズメの巣をカラスが狙っているのでエアガンで追い払っている」という内容だった。鳥獣保護法でそのような行為はできないはず。リスナーの法律違反はともかく、それを公共の電波で放送し、アドバイスまでしている。スタッフ、出演者、誰もおかしいとは思わなかったのか。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 性加害の問題を起こした芸能事務所所属のタレントが出演する番組を止めてほしい。海外でこの問題は報道され続け、日本社会全体が未成年者への性加害に寛容だと思われている。

  • 芸能事務所の性加害問題をめぐって、各企業がCM契約の終了や番組スポンサーの降板などを表明しているが、故人の犯罪から矛先が事務所批判になり、現に活躍するタレントたちが仕事を失う事態になっている。これはタレント個人に対する権利侵害になるのではないかと感じる。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 出演者が捕まらないように逃げ回るバラエティー番組で、横浜中華街での逃走が放送されたが、通行する車両や一般人が映りこんでいた。飲食店街での全力疾走であり、それをカメラマンが追いかける。出演者の安全以上に、通行人らが負傷する危険が伴うだろう。

  • 路線バスを利用した旅番組で、出演者が出くわした女子生徒に「マスク、取れる?」「お小遣い、いる?」などとしつこく話しかけていた。もし自分の娘がそんな言葉をかけられたら、警察に通報するレベルだ。その出演者や番組の神経を疑う。

【「報道・情報」に関する意見】

  • プロ野球セ・リーグの優勝報道で、大阪・道頓堀を映すのをやめてほしい。熱狂したファンによる迷惑行為がなくならないのは、メディア報道のせいだと思う。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • 評判の飲食店を紹介するバラエティー番組で、従業員が店内で喫煙している飲食店に、20歳未満の客が入るシーンが映ることがある。喫煙可能な飲食店には、20歳未満は立ち入れないはずだ。こうした店を番組で取り上げることに問題があるだろう。


2023年8月に視聴者から寄せられた意見

2023年8月に視聴者から寄せられた意見

芸能事務所創業者による性加害問題について、外部の専門家による調査結果の公表などがあり、さまざまな意見が多数寄せられました。

2023年8月にBPOに寄せられた意見は 2,115件で、先月から 508件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 86% 電話 13% 郵便・FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性33% 女性28 % で、世代別では 40歳代 26% 50歳代 24% 
30歳代 21% 60歳以上 15% 20歳代 11% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、8月の送付件数は1,109件、61事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から20件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

芸能事務所創業者による性加害問題について、国連ビジネスと人権の作業部会の記者会見と、当該事務所の「外部の専門家による再発防止特別チーム」の調査結果公表があり、さまざまな意見が多数寄せられました。8月の意見のうち3分の1以上がこの問題に関するものでした。ラジオに関する意見は43件、CMについては24件でした。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は124件で、前月から6件増加しました。
今月は「表現・演出」と「要望・提言」が44件ずつと最も多く、「報道・情報」が10件、「性的表現」と「言葉」が7件ずつと続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 芸能事務所の再発防止特別チームが指摘した、“マスメディアの沈黙”について、当該事務所の所属タレントを起用して番組を制作するなど関係の深かったメディアは、“忖度”の有無などを検証し結果を公表してほしい。

  • 芸能事務所の性加害問題で、国連ビジネスと人権の作業部会の会見の後、メディア各社の報道やSNSの投稿が再び増えた。創業者や事務所に対する批判にとどまらず、現在事務所に所属するタレントを好奇の目で見るような投稿が存在するという。所属タレントが精神的に追いつめられないか心配だ。

  • 国連作業部会の会見後、性加害問題「当事者の会」が、テレビやネットメディアなどの報道関係者と“慰労会”を行い、その費用は報道側が負担したと、「当事者の会」幹部がSNSに投稿し、その後削除した。削除された投稿の内容が事実であるとすれば、報道内容が偏ったものになりはしないかと心配。

  • 強い風雨の中、記者がヘルメットを被っただけの姿で路上に立ち、「安全を確保してお届けしています」などと中継しているが、映像を見る限り“安全を確保している”というのは無理があるように感じる。

  • 高校野球夏の甲子園大会。決勝に進出した2校のうち1校だけをクローズアップする情報番組などが目立った。取り上げ方をすべて平等にしろというわけではないが、マスコミがこぞって一方だけを応援しているようで違和感を覚えた。

【バラエティー・教養】

  • 毎年恒例のチャリティー番組のマラソン企画。今年は特に暑さが厳しく、猛暑日や熱帯夜が続いたので、出演者やスタッフの健康が心配になった。

  • 収録中にミスをしたスタッフの頭髪を丸刈りにして謝罪させるという設定のバラエティー番組の企画。実際に丸刈りにされたスタッフ役の出演者たちは、丸刈りになることを了承した若手芸人やエキストラだと断りを入れていたが、なかには番組の要望を断りにくい立場の人もいるのではないかと気になった。笑えなかった。

  • 男性タレントの服が溶けて裸になる、ズボンを下ろして下着を見せるなどのドッキリは不適切。男性が相手ならば仕掛けていいということではない。男女を問わず、こうしたドッキリ企画はありえないと思う。

  • バラエティー番組や情報番組で、頻繁に使われている、「え~」という人工的な相づちの音声が耳ざわりだ。使い古された演出を漫然と繰り返す番組制作者が、テレビ離れを促していると思う。

  • ここ数年バラエティー番組が面白くなくなったと感じる。コンプライアンスなどを意識しすぎて個々の出演者が委縮してしまい、自由な発言や表現が出来なくなっているのではないか。もっと面白い笑いを期待したい。テレビ局に自由な番組作りを望みたい。

【その他】

  • 東京では21時00分まで番組が続いているのに、地方によっては途中の20時54分で終わってしまうことがある。楽しみにしていた番組を最後まですべて見たいので、何とか改善してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、(細いベルト状のラインの上でバランスを楽しむスポーツ)スラックラインの女子高校生にスカートをはかせて競技させた。太ももやお尻が見えそうでとてもかわいそうだった。女性へのセクハラになると思う。

  • バラエティー番組の「えっちな野菜を取りたい」という企画。畑から二股や三つまたに育った大根やニンジンを引き抜いては人間に見立てて女性の下着をはかせたり、性行為のポーズをさせたりした。深夜の放送でも夏休み期間では子どもの目に簡単に触れてしまうし、そもそもテレビで放送すべきではない。

【「要望・提言」】

  • 毎年恒例のチャリティー番組に、創業者による性加害が明らかになった芸能事務所所属のアイドルグループがメインパーソナリティーとして起用されるという。海外にも知れ渡ったこの問題の当事者の名前を冠する事務所のタレントを多数出演させることは、その性加害を日本社会が認めていると思われるだろう。

  • 路線バスを利用した旅番組で、出演者が道路の左側を歩くシーンが放送された。学校では歩行者は右側通行と教えられた。道路交通法でも(歩道や路側帯のない車道では)歩行者は右側通行となっている。子どもも見る番組なので、出演者には右側通行を徹底してほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 情報番組で伝統行事「赤ちゃんの土俵入り」を紹介。このなかで、男児の性器を映像処理せずに大きく映した。SNSに放送画像が投稿された場合、削除依頼ができず、画像が残り続けてしまうおそれがある。

【「言葉」に関する意見】

  • 字幕放送で、謝礼や謝罪の言葉「すみません」がしばしば「すいません」と表示される。子どもが間違えて覚えてしまうので、字幕作成の担当者は正しい表記を徹底してほしい。

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

古代メキシコ文明に親しもうという子ども向け番組の歌の歌詞に、子どもに聞かせたくない表現がある、などの意見が寄せられました。

2023年7月にBPOに寄せられた意見は 1,607件で、先月から 166件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 83% 電話 15% 郵便 1% FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性41% 女性19 % で、世代別では 40歳代 26% 50歳代 22% 
30歳代 20% 60歳以上 15% 20歳代 13% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、7月の送付件数は635件、53事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から15件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

コメンテーターが福島第一原発の「汚染水の放出」と繰り返し発言したが「処理水の~」であるべき、古代メキシコ文明に親しもうという歌の歌詞が「しゅうだんいけにえ200人」といったもので子どもに聞かせたくない、などの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は42件、CMについては16件でした。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は118件で、前月から48件増加しました。
今月は「表現・演出」と「言葉」が34件ずつと最も多く、「報道・情報」が17件、「要望・提言」が10件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 4歳女児虐待死のニュースで、現場となった自宅アパートが特定できる映像が使われている。きょうだいは近くの小学校に通っているのですぐに特定されてしまう。配慮が必要ではないだろうか。

  • タレントの自殺の扱いかたを朝の番組で見比べたところ「今から10分ほど伝える。気分がすぐれないという方は10分ほど後にテレビの前に戻ってきてほしい」と断ってから始めるなど配慮を感じる番組もあれば、センセーショナルと感じる番組もあった。命の問題。ガイドラインを遵守してほしい。

  • 福島第一原発の話題でコメンテーターが繰り返し「汚染水の放出」と表現した。国際的な安全基準を満たしていると科学的に判断されている「処理水」の海洋放出が、さも危険であるかのように視聴者に誤認させるおそれがある。

  • 虐待の疑いで母親が逮捕された事件の報道で、被害児童の同級生に「やせ細っていなかったか」などと質問していた。事件の細部を同級生が知ることで被害児童の生活への影響が増大するのではないだろうか。

  • 番組で「危険な暑さ」「熱中症に厳重な警戒を」など呼びかけながら自社の屋外イベントを紹介している。矛盾している。

【バラエティー・教養】

  • 「河川で溺れた本人よりも救助者のほうの死亡率が高い」というデータを紹介していたが、あわせて示された出典を確認したところ、「二次被害が発生した場合」という前提条件がついていた。視聴者に誤解を与える。

  • 声を変えて他人になりすますことが可能な「AIボイスチェンジャー」という装置を、出演者に使わせて楽しんでいた。すでに犯罪に利用されている技術だ。生成AIに対する規制が議論されている現在、その一面だけを安易に紹介するのは危険だ。

  • 変装したアイドルグループのメンバーたちに「買い物」など街中でのミッションを課し、視聴者にはSNSなどで彼らを探すよう呼びかけた「かくれんぼ」企画。出演者が見破られまいと猛然と走って逃げるなど危険だと感じる場面があった。もう少し安全面に配慮して撮影してほしい。

  • 「7月28日は自由研究の日」の中で、ドライアイスを風船に入れてぬるま湯を注ぎ、破裂させるという実験をスタジオで実演していた。「たいへん危険なので家庭でまねしないでください」というテロップと説明があったが、危険なものをわざわざ紹介する必要があったのか疑問。

  • 日本語を理解できない外国人に、男性器を想起させるひらがなをプリントしたTシャツを着せて笑いにしていた。他国の人々を侮辱し、おとしめる企画で非常に不快。

  • いわゆるドッキリで、わんこそばの途中に酢入りの椀(わん)を出し、むせる様子を笑っていた。気管に入ったりすると危ない。

  • 全裸でいることを余儀なくされた男性の前に仕掛け人の女性が現れ、あわてふためく男性の様子を笑うドッキリ企画。「LGBT理解推進法によって心は女だと言えば男が女湯に入れる」などのヘイトスピーチが激化している状況下、あり得ないと思う。

  • 安倍元首相銃撃を機に霊感商法の危険性が再認識されたが、テレビは毎年夏になると心霊番組を放送し霊感商法を助長していると感じる。メディアは「心霊番組と霊感商法」の関係について議論してほしい。

  • 番組のサブタイトルが前週放送のスペシャル番組の「裏側に完全密着」。大々的な予告もあって楽しみにしていたが、この内容が放送されたのはわずか10分ほどで「裏側」もなし。本当にガッカリだ。

【ドラマ・アニメ】

  • ドラマで子どもが戸棚に隠れていたシーンをコミカルに描いていた。子どもがまねをすると危険。熱中症で亡くなった事例もある。

【その他】

  • 日々、相撲中継でたまり席の同じ女性がたびたび映る。手にしたうちわに大書された文字をネットで検索すると、女性は飲食店の経営者でうちわの文字は本人の源氏名だという。本人のSNSには過去、自分が映ったテレビ画面の画像。放送が宣伝に使われているような状況はいかがなものか。

【ラジオ】

  • 安倍元首相襲撃から1年というニュースで現在の警備体制、旧統一教会に対する質問権の行使状況などを伝えたが、批判が高まっていた「政治家と教団との関係」にはまったく触れなかった。不自然な報道だと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 紀行バラエティー番組。ロシアのある民族に関するVTRで、動物の血などを映像処理せず見せた。非常に生々しく気分を悪くした。その民族には日常の光景だろうが、そのまま放送するのはおかしい。子どもが見たら、悪影響があるかもしれない。

  • バラエティー番組で、男性芸人が温泉宿で入浴中にロッカーの暗証番号を変えたうえ、男湯を女湯に入れ替えるドッキリがあった。女性入浴客が徐々に迫ってきて、全裸の男性芸人を困惑させた。男性の尊厳を無視し、その性的プライバシーを軽視するものだ。

【「言葉」に関する意見】

  • 最近の犯罪報道で「闇バイト」という言葉をよく聞く。なんとなく響きが軽く、実態がうまく伝わらない。これに加担する若者が後を絶たないのも、言葉の持つ軽さが一因かもしれない。凶悪犯罪につながることを適切に表現する言葉を使うべきだ。

  • 子ども向けミニ枠番組のなかの体操の歌に「集団生け贄200人!」「天国行きたきゃ…心臓どくどく捧げよう!」などの歌詞があった。非常にグロテスクな表現で、子ども向け番組には不適切だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 自殺したとみられる若手タレントの元妻の女性タレントが、5歳の息子を連れて帰京した際、空港でテレビカメラが向けられた。幼児がいる場の対応としてはあまりにおかしい。そもそも遺族への取材は不要だと思う。

  • 小学校の校庭に軽トラックが侵入して児童がはねられた事件で、複数の報道・情報番組が目撃者である子どものインタビューを放送。子どもが精神的、心理的に不安定になっている状況でマイクを向け、当時の様子を思い出させる行為は容認できない。とても気分が悪くなった。

【「要望・提言」】

  • 近ごろは子ども向けアニメ番組が減っている。ゴールデンタイムにアニメが放送されなくなって寂しい思いだ。子ども向けアニメの放送枠を増やし、子どもに夢と希望を与えてほしい。

【「低俗、モラル」に反する】

  • 深夜のバラエティー番組で、女性の下着を数メートルの高い位置から落として、芸人が口でキャッチしたり、凍らせた下着をブーメランのように投げて飛距離を競ったりしていた。セクハラまがいの内容で、女性が見たら、さぞかし不愉快だろう。

2023年6月に視聴者から寄せられた意見

2023年6月に視聴者から寄せられた意見

芸能人の不倫の話題を伝える際に、その私信とされるものの文面が詳しく紹介されたことなどに意見が寄せられました。

2023年6月にBPOに寄せられた意見は 1,773件で、先月から 808件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 83% 電話 16% 郵便・FAX 計1%
男女別(任意回答)は、男性35% 女性24% で、世代別では 40歳代 24% 50歳代 23% 
30歳代 21% 60歳以上 15% 20歳代 13% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、6月の送付件数は746件、38事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

芸能人の不倫の話題を伝える際に、その私信とされるものの文面が詳しく紹介されたことなどに意見が寄せられました。ラジオに関する意見は27件、CMについては5件でした。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は70件で、前月から6件減少しました。
今月は「表現・演出」が26件、「報道・情報」が17件、「要望・提言」が8件、それに「性的表現」と「危険行為」がそれぞれ4件ずつと続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 横浜市の路上殺人事件について「犯行直前に被害者宅近くで不審な人物が目撃されていた」ことを伝える際、被害者宅や事件現場の位置関係を示す衛星写真が使われた。被害者宅が特定できる大きさで町名も示されていた。行き過ぎだと思う。

  • 暴力団組員がマンション内で逮捕されたニュースで、逮捕の端緒となった通報をした住民の住戸と、組員らが使用していた住戸との位置関係が分かる表現があった。通報者が報復されたらどう責任を取るつもりなのか。

  • 子どもの虐待に関するニュースで「亡くなった子どもが首輪をされ、つながれているのを見た」という近隣の人のインタビューがあった。自殺に関するニュースで相談機関を案内するように、子どもの虐待に関するニュースでこどもの人権110番のような相談先や通報先を案内してはどうか。心当たりのある人がアクションを起こすことで救える命があるのではないだろうか。

  • 陸自射撃場内での銃撃のニュースで、献花に訪れた近隣の小学生くらいの子どもの「自衛官は手を振ったら振り返してくれる(親しみを感じる)」という声を伝えていた。このケースで子どもにインタビューする必要はあったのか。

  • 芸能人の不倫の話題で、当事者がノートなどでやりとりしていた私信とされるものの文面を具体的に紹介していた。本人の承諾なく公表していいのか。家族の人生もある。子どもたちがからかわれたりいじめを受けたりしないかも心配だ。

  • 夕方のローカル情報番組に「謎の人」が「乱入」し、気象情報が放送されなかった。キー局のバラエティー番組の企画で「謎の人」はその出演者だった。地元では先日、浸水被害があったばかり。こういう企画は非常に迷惑だ。いわゆるドッキリのために多くの視聴者を巻き込まないでほしい。

  • テレビの情報番組で紹介された「新タマネギの糖度」が、実際には砂糖水の糖度だったことを新聞報道で知った。放送局の情報はインターネットよりも信頼できると思っていただけに驚きを通り越して、そんな放送局なのかと呆れた。

  • ニュースをランキング形式で扱うことについて。災害に遭った人、事故で亡くなった人、殺された人がいる、そういったニュースにまで順位が付けられるのは心が痛む。

【バラエティー・教養】

  • お笑い芸人がブロワーの風を至近距離で相方の口に当てながらクイズのヒントを言わせていた。落ち葉や塵(ちり)を空気で吹き飛ばすための器具であり、取り扱い説明書には「人に向けない。事故の原因になる」とある。危険だと思う。

  • 視聴者プレゼントの応募に必要なキーワードが「#もうホタテ食べません」で、一時Twitterのトレンドキーワードになっていた。ネガティブキャンペーンにもなり得るのでよく考えて放送してほしい。

  • 北海道で「幸せを呼ぶ白い動物」白いエゾシカを探す企画。「縁起がいい」という理由として「鹿島神宮の祭神が白鹿に乗っていた」という言い伝えを紹介していたが、アイヌ文化にはアイヌ文化のエゾシカの位置づけがある。無理に日本文化とこじつけて「幸運の生き物」と紹介していたのは問題だと思う。

  • いわゆるドッキリで、コンビ芸人の一方に「相方が倒れて意識が戻らない。命の危険がある」とウソを伝え、動揺して泣いたりする様子を隠し撮り。親しい人の生死を心配する感情を娯楽にするのはいかがなものかと思う。

  • 番組内で野生のノビルを食べていた。ノビルはヒガンバナやスイセンなど毒のある植物と混生していることがある。このリスクも伝えてほしかった。

  • 2時間番組のサブタイトルが「○○(大手外食チェーン名)SP!絶対食べるべき○○メニュー」。一企業の宣伝のような番組が多いと感じる。

【ラジオ】

  • パーソナリティーはマーケティングセミナーの主宰者、ゲストは受講者。ゲストが「受講した結果、2週間で2,000万円を売り上げることができた」など受講を勧めるような内容だった。ラジオ番組としてどうなのか。

  • ラジオ番組のパーソナリティーが人的被害の出た大雨に触れ、「(前回までの放送で)『見に行くな』って言ったのに…流されちゃったおじいちゃん、いたし」などと笑いながらコメント。心ない発言だと思う。

  • 18:55に大きな地震があった。震源地、地震の規模、津波の有無などが知りたくて地元局をつけっぱなしにしていたが、地震情報が始まったのは19:12ごろだった。最大震度5弱の地震でこの姿勢はさすがにないと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • オムニバスドラマのなかで、自宅をテーマパークにし、父母と長女が拘束した長男(若手サラリーマン)を、訪れた客にチェーンソーで傷つけさせる猟奇的なアトラクションの設定があった。子どもが見るゴールデン帯の番組としては非常識なものだ。大人の私でさえ気分が悪くなった。

  • バラエティー番組で、マジシャンが口に入れた小さい飴を左目から出す手品を披露した。子どもが真似たら危険だろう。「真似をしないで」というテロップを入れるべきだと思った。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 芸能人の不倫の話題を取り上げた午後のワイドショーで、週刊誌が報じたという交際相手との「交換日記」の内容を読み上げていた。地上波の番組で日記の内容を公表する必要があるのか。番組がいじめに加担しているようで不快だった。

  • 夜の報道番組の不登校特集で、発達障害の児童が実名で紹介された。この子の将来を考えたとき、たとえ保護者の同意があったとしても、実名や顔を報じるのは不適切だと思う。

【「要望・提言」】

  • バラエティー番組に東京大学の学生だけが出演。東大だけがよいと思わせるもので、一部の家庭で「教育虐待」につながらないか心配だ。どの大学にも価値はあるというメッセージを同時に打ち出してほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • ドキュメンタリー番組が相撲に取り組む高校生の兄弟に密着。自宅での入浴シーンがあったが、男児への性的配慮に欠ける。男の裸だけを軽んじて放送するのはいかがなものか。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で、プロの女子バレーボール選手が、自陣の前衛にいる男性タレントの背中にサーブの球を当てるドッキリがあった。手加減していただろうが、危険なことだ。誤って後頭部にも当てていたが、本当に危ないと思う。子どもが学校で真似たら、取り返しのつかない事故になる。

2023年5月に視聴者から寄せられた意見

2023年5月に視聴者から寄せられた意見

ワクチン接種後に死亡した人の家族に取材しながらそのことに一切触れない編集がなされたこと、芸能事務所創業者の性加害問題をめぐって当該事務所と放送局との関係、報道のあり方などについて意見が寄せられました。

2023年5月にBPOに寄せられた意見は 2,581件で、先月から 1,016 件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 88% 電話 11% 郵便・FAX 計1%
男女別(任意回答)は、男性33% 女性23% で、世代別では 40歳代 25% 30歳代 24% 
50歳代 23% 60歳以上 13% 20歳代 11% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、5月の送付件数は1,541件、55事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

ワクチン接種後に死亡した人の家族に取材しながらそのことに一切触れない編集がなされたこと、総理大臣がバラエティー番組に「講師」として出演したことなどに意見が寄せられました。また芸能事務所創業者の性加害問題をめぐって、当該事務所と放送事業者との関係を疑問視する意見、その報道のあり方についての意見などが寄せられました。ラジオに関する意見は33件、CMについては4件でした。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は76件で、前月から60件減少しました。
今月は「要望・提言」が23件、「表現・演出」が20件、「報道・情報」が10件、それに「いじめ・虐待」と「言葉」がそれぞれ4件ずつと続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 新型コロナワクチン接種直後に死亡した人の遺族に取材しておきながら、そのことには一切触れず、まるでコロナ感染症で死亡したかのようにインタビューが切り取られていてとても怖いと感じた。
  • これが許されるなら放送局は事実を都合良く「編集」していくらでも嘘を放送できてしまうことになり、信用できなくなる。
  • 謝罪はあったが、なぜこのような編集をしたのか説明がなかった。他にもこのようなことが行われているのかと疑ってしまう。

  • 芸能事務所創業者の性加害問題について、同事務所に所属する情報番組の司会者が「最年長の私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちに(発言を)極力待ってもらった」。当事者である事務所や事務所所属の出演者の意向で当該局や他局の報道内容が左右されるのはおかしい。
  • 土日、朝から夜までこの芸能事務所のタレントに頼り切った番組がずらりと並んでいる局があり、その局は性加害問題を正面から伝えていない。報道する側としての矜持はどこに消えたのか。

  • 強盗殺人事件の防犯カメラ映像で、殺害された瞬間のものと思われる被害者の悲鳴が字幕付きで放送された。あまりにもショッキングな音声で怖い。事件の残酷さを伝えるにしても過剰なように感じる。

  • 風俗店で従業員女性が刺殺された事件で、被害女性の名前と年齢が報じられていた。実名報道により、顔写真と本名と風俗店で働いていたという事実がネットで拡散されている。遺族の苦痛は計り知れない。

  • 生成AIを使って自分の作品を盗用され、著作権を侵害されたと訴える画像クリエーターを取材していたが、「偽物の方が好き」という街頭インタビューが並び、コメンテーターは「コピーされる前提で作るしかない」などと発言。世界中でAIによる著作権侵害が問題視され議論されている中でこのような内容を報道番組で流すことに疑問を感じる。

【バラエティー・教養】

  • 密着取材した男性の作業の要領の悪さや言動に他の出演者が大笑いしていた。私は発達障害の当事者と関わる立場にあり、こうした放送は同じようなことに生きづらさを感じている人を傷つけるのではないかと思う。見ていてとても心が痛かった。

  • タレントに簡単な割り算をさせ、できないことを笑いにしていた。「おバカタレント」というカテゴライズ自体が好ましくない。

  • 認知症を発症してテレビ出演から遠ざかっている漫画家と、彼と親交の深い番組MCが触れ合うシリーズ企画。2人で絵を描いた今回は、漫画家の脳の活性化にも役立ったようで、かつてのタッチが戻ってきていた。いい企画だと感じた。

  • 韓国取材。陳列された大皿から店員がカップに取り分けて販売する形態の惣菜店で、タレントが自分の使っている爪楊枝で大皿からじかにつまみ食い。両腕で大きな×印を作って制止する店員に対して、笑いながら番組名を繰り返していた。ネットの迷惑行為動画とかわらないものをテレビで堂々と流すことが信じられないし、日本人として恥ずかしい。

  • 博物館が収蔵している古いゲームカセットの元の持ち主を探そうと生放送で呼びかけた企画。「自分のものではないか」と電話をかけてきた視聴者に、カセットに書かれている名前や発売年などと照らし合わせるためにフルネームと生年月日を言わせていた。個人情報の取り扱いとして大丈夫なのだろうか。

  • 旅客機の元パイロットが飛行中に「迫りくる巨大な謎物体」を目撃したというエピソードを扱っていたが、日時などからこれはソ連の偵察衛星コスモスの墜落だ。あたかもUFOであるかのような表現は不適切。

  • 首相が「広島サミットへの思い」などのテーマでバラエティー番組に出演。「きっといい人であろう」といった好印象を、政治的実績とは関係なく視聴者に与える可能性があり、放送法が目的とする「健全な民主主義の発達」に逆行する。

  • 大喜利の「お題」が「『おでんツンツン』『醤油ペロペロ』の彼らをも忘れさせるほどの悪行」。彼らの行為は犯罪だ。それをお題にすることで「笑ってもらえることなんだ、悪いことではないんだ」と思う人が出てくるのではないのか。

  • 逃げたペットを捜す話題で、鳥の場合の情報募集ポスターを例示し、出演者が(個体の識別が難しく発見は)「無理じゃん」などと話してスタッフとともに笑う場面があった。飼い主が必死に捜すことは笑われることなのか。非常に不快だ。

【ドラマ・アニメ】

  • アニメで、恋愛リアリティーショーに出演した女性キャラクターが誹謗中傷を受けて自殺を図るというエピソードがあった。実際にあった出来事を想起させるもので、その出来事で自殺した女性の遺族がネット上で不快感を示したところ、一部の番組ファンから激しい誹謗中傷を受けている。制作会社や放送局は一個人が攻撃される要因を作ってしまっているのだから、何らかのアナウンスを行う必要があるのではないだろうか。

【その他】

  • マイナンバーカード関連の特典の申込期間が9月末までに延長されたが、番組が「明日まで」と古い情報を伝えていたので、混乱を招くと思い、当該局に電話で知らせた。視聴者対応窓口の開始前だったので代表電話に「番組に伝えてほしい」と要請したところ、対応者は「ここからは現場に伝えることはできない」と頑として譲らなかった。結局、番組の最後で正しい情報を伝えていたが、何と融通の利かない対応なのかと呆れてしまった。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 芸能事務所創業者による未成年の所属タレントに対する性加害問題をテレビ業界は直視し、伝えるべきだ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組のリポーターが、エジプトのピラミッドのシーンで騒ぎ立てていた。お墓であり、神聖な場所であることを軽んじて騒ぎ立てる演出はいけないと思う。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 報道番組で中学校教師が殺人容疑で逮捕された事件の続報として、殺害されたときの被害者とみられるうめき声が放送された。あまりにむごい。大人のわたしでも胸が痛くなり、体調が悪くなった。子どもたちが聞いたらと思うと、放送を控えるべきだった。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で「運動神経悪い芸人」というコーナーがあり、苦手な芸人に実際にスポーツをやらせてうまくできないのを笑いにする。学校の体育の時間に運動がうまくできない子どもを嘲笑したり、いじめたりすることにつながるのではないだろうか。

【「言葉」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ドラマで「うんこ」という言葉を意味もなく連呼していて非常に不快だ。このほか、登場人物のせりふが汚くて、子どもを持つ親の立場としてたいへん困惑する。

2023年4月に視聴者から寄せられた意見

2023年4月に視聴者から寄せられた意見

首相襲撃事件の報道で爆弾の作り方や殺傷能力の高め方が分かるような内容があったこと、芸能事務所の創業者による性加害問題が国内でほとんど報じられていないことなどに意見が寄せられました。

2023年4月にBPOに寄せられた意見は 1,565件で、先月から 163 件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 82% 電話 17% 郵便・FAX 計1%
男女別(任意回答)は、男性42% 女性17% で、世代別では 30歳代 25% 40歳代 23% 50歳代 22%
60歳以上 15% 20歳代 11% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、4月の送付件数は676件、45事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

岸田首相襲撃事件の報道で、爆弾の作り方や殺傷能力の高め方が分かるような内容があったこと、芸能事務所創業者による性加害問題が国内ではほとんど報じられていないことなどに意見が寄せられました。ラジオに関する意見は24件、CMについては12件でした。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は136件で、前月から8件減少しました。
今月は「表現・演出」が50件、「報道・情報」が28件、「要望・提言」が15件、それに「性的表現」が14件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 岸田首相襲撃事件に関して、容疑者が選挙制度への不満を発信したとみられるSNS投稿の内容が繰り返し報じられているが、ニュースが犯人の主張を広める役割を果たしてしまうことで、過激な思想を持つ人間が「テロを起こせば自分の主張を伝えることができる」と考える可能性がある。かつてニュージーランド首相が「犯人の名前を口にしないことで『悪名をとどろかせる』という犯人の目的を達成させない」と表明した。テロリストに対してはこれくらい厳しい姿勢で臨んだ方がいいのではないだろうか。

  • 番組内で爆発物の構造、製造方法の解説があった。材料の入手、製造とも比較的容易なので模倣犯が出るおそれがある。

  • 芸能事務所創業者による性加害について。被害者自身の勇気ある告発を日本中のテレビ局が無視するということがあっていいのか。

  • 20年ほど前の裁判で芸能事務所創業者による性加害が認定された際に報道していたら、被害者は減っていたのではないのか。放送界の不誠実な報道姿勢にも責任があると思う。

  • 「女性障害者が男性から入浴や排泄介助を受けることは性犯罪被害に遭っているのと感覚は変わらない」という意見を、番組の宣伝として番組Twitterで発信している。男性介護士への不当で差別的な発信。

  • 宿泊施設で「手の常在菌を使って夏みかんを発酵させた」という飲み物が提供されている様子を「健康づくり」という文脈の中で紹介していた。黄色ブドウ球菌による食中毒などが起こりうる。危険。

  • 政見放送で、芸能事務所創業者による性加害の「被害者」として3人の現役タレントの実名が挙げられていた。3人が被害者であってもなくてもやってはいけない行為だ。放送には候補者が一切現れず、政見も語られず政見放送とも呼べない。その内容がいま動画サイトなどで拡散されている。

【バラエティー・教養】

  • 「高血圧を防ぐために減塩するのはムダ」という評論家の見解を紹介していた。厚生労働省、日本高血圧学会、WHOが減塩を呼び掛けている中でこうした情報を放送することで、視聴者の健康が損なわれる可能性はないのか。

  • 番組の街頭インタビューで、数人の有名人の顔写真を見せられて、いずれも何をする人なのかは分かるが名前は思い出せないという人が登場し、障害があるのではないかと感じた。司会の有名タレントの名前も「分からない」という回答に、その司会者が「なんやこいつ」などと発言していて不快だった。

  • 視聴者参加の番組に、一定の状況下でうまく話せなくなる人が出演していた。障がいがある可能性が高いと思われるが、司会者らがその症状を笑いの対象にし、さらには負担になるようなトークをしていた。配慮に欠ける。

  • 番組で「何もないはずの海面に異様な光」「UFOの基地ではないか」と衛星写真を紹介していたが、明らかに海ではなく、よく知られている場所だ。

  • いわゆるドッキリで、「何者かに拉致され、山奥で危害を加えられようとしている」と思い込まされたタレントが、嘔吐するなどパニック障害の発作を起こしているように見えた。視聴者が求めるから番組が応えていると考える人もいるが、これは度が過ぎている。いつも面白く笑わせてもらっている番組なだけに残念だ。

【ドラマ・アニメ】

  • 特撮ヒーローもので胴上げを急にやめて人を地面に落とす描写があった。骨折などにつながる危険な行為だ。子どもたちが見ている番組で放送していいのか。

【ラジオ】

  • 統一地方選の告示1週間前の放送で、パーソナリティーが唐突に数分間、現職市長を称賛する話をした。特定の政党・候補者を支持するようリスナーに働きかける意図があったのではないのか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、「探偵」にふんした男性芸人が一般人の男性の足の裏や乳首をなめる映像が流されたが、気持ち悪くなった。子どもの教育上も問題があるのではないか。

  • 特撮ドラマで幼い娘が誘拐され殺されるという設定の事件が生々しく描かれた。日曜の朝からぞっとさせられ、嫌悪感を抱いた。子ども向け番組で、そんな題材を取り上げるのは不適切だ。

  • 朝のバラエティー番組で、芸人コンビの片方が鳴っている防犯ブザーを口に含み、頭からポリ袋や段ボール箱をかぶせてその音を消すというネタを披露。子どもがまねしたり、模倣する犯罪が起きたりすることは否めないのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 朝の情報番組に「バズった」ワードのランキング・コーナーがあり、著名な音楽家の死去が「1位になった」と紹介された。人の死をこのような形で順位付けするのは、倫理観の欠如であり、違和感と嫌悪感しか覚えない。

  • 朝の情報番組の首相襲撃事件報道の中で、容疑者が使用したパイプ爆弾の作り方を紹介した。今後、模倣する犯罪者が作ったり、子どもがいたずらで作ったりしたらどうするつもりなのか。

【「要望・提言」】

  • 東大生をフィーチャーしたバラエティー番組。わざわざ東大の良さをテレビで取り扱う必要はないだろう。学歴差別を肯定するような内容に、あきれた。東大正門前で少年の事件も起きている。子どもたちへの悪影響があることがわかっていて、こういう番組を放送するのはどうかと思う。

【「性的表現」に関する意見】

  • 子どもたちと朝食をとりながらテレビを見ていたら、ドラマの番組宣伝スポットが流れた。濃厚なキスシーンで困惑した。朝からあのような場面は放送しないでほしい。

  • バラエティー番組の「19歳の娘にたいする愛情が深すぎる父に、彼氏を会わせる」企画で、父親が家庭内で娘の太ももを触る、尻をなでるなど性的虐待と見える映像を、愛情表現として放送。この放送内容は、現在、父親から性被害を受けている子どもが被害を認識できず、愛情だととらえてしまう危険性をはらむと思う。