視聴者からのご意見

2024年1月に視聴者から寄せられた意見

2024年1月に視聴者から寄せられた意見

テレビドラマの原作者が指摘した制作上のトラブルについて放送局は説明すべきではないのか、沖縄出身のタレントに方言を禁じる企画は不幸な歴史を想起させるのでよくない、といった意見が寄せられました。

2024年1月にBPOに寄せられた意見数は2,410 件で先月から 576 件増加しました。
意見のアクセス方法は、メール 88.8% 電話 10.2% 郵便・FAX計 1.0%
男女別(任意回答)は、男性35.2% 女性20.9 % で、世代別では 30歳代 25.5% 40歳代 25.0% 50歳代 21.0% 20歳代 12.9% 60歳代 8.6% 70歳以上 3.3% 10歳代 1.7%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、1月の送付件数は1,308件、54事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から21件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

テレビドラマの原作者が指摘した制作上のトラブルについて放送局は説明すべきではないのか、沖縄出身のタレントに方言を禁じる企画は不幸な歴史を想起させるのでよくない、といった意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は30件、CMについては11件でした。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から3件増加しました。
今月は「表現・演出」が28件と最も多く、次いで「要望・提言」が26件、「言葉」が6件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 能登半島地震の際に強い口調で避難を呼びかけたアナウンスは切羽詰まった緊迫感が伝わった(富山県で視聴)。

  • 強い口調で避難を呼びかけたアナウンスによって命を守る重要さが強く伝わったが、80歳代の母親は「呼びかけで怖くなり、動けなくなってしまうのではないか」と感じたという。世代による受け止め方の違いも考えてほしい(被災地以外で視聴)。

  • 能登半島地震後に起きた輪島市の大規模火災について、火元が1か所であったことを示した上で、延焼を招いたさまざまな要因を検証していた。その際、火元周辺の精細な衛星写真が示されたが、関係者への誹謗中傷などを生む恐れがあるのではないか。

  • 女性に性的行為を強要したと週刊誌で報じられた男性芸能人が所属する事務所は、主要株主が在京、在阪の民放キー局だ。この事案は客観的かつ第三者的な観点から報道されているのだろうか。

  • ドラマの原作者である漫画家が急死した件のニュース。放送局がトラブルの一方当事者であることがうかがわれる状況で、自社の見解のみを報じることは公平性を欠いていないか。
    (以下、上記の件について)

     情報番組で扱っていたが、漫画家サイドの出演者がおらず、テレビ局の事情を
     くむような発言が目立ち、一方的だと感じた。

     複数の漫画家から「原作と乖離した改変が嫌だと思いつつも、多くの人に
     届けたいので受け入れざるを得ない」という声が聞かれる。原作の重要な部分の
     改変がテレビ局側の論理において正当化されることがまかり通っているのなら
     是正すべきだ。

     テレビ局はドラマの原作者の「許諾をいただけた」というが、原作者は局側に
     示した条件が守られなかったと発信している。局側には視聴者に説明する責任が
     あるのではないだろうか。

  • 特定少年に対する死刑判決のニュース速報をテレビで見た瞬間の、母親と未成年の兄弟の様子をモザイク入りで報道していた。家族への死刑判決というセンシティブな状況で、未成年者を撮影するのは児童の人権への配慮が足りないと思った。

  • 横断中の歩行者がトラックにひかれて死亡した事故のニュース。過失運転致死の疑いで逮捕された運転手の顔を鮮明に捉えた映像が放送された。「原因を調べる」という段階で、運転手の将来を考えると残念。

  • 飲酒運転取り締まりの特集で、飲食店から出てきてフラフラしている男性を警察がマークし、乗車後しばらく運転させてから検挙していた。もしこの男性が事故などを起こしたらどうするのか。警察の手法に不信感を禁じ得ない。テレビ局は何も疑問を持たなかったのか。

  • 改造車の取り締まりで警察から注意を受けた。その際に撮影され、警察の記録用かと思っていたが、放送を見てテレビ番組の取材だったと知った。私の顔やナンバーはボカされていたが、車の特徴からネット上で特定され、脅迫的な不穏な書き込みなどがある。物理的な被害こそないが不安だ。

  • 朝の情報番組で地元出身のお笑い芸人がまじめに現役高校生の相談に乗るコーナーがすばらしい。学校教育でも、個人個人に向き合う時間を少しずつでも増やして、さまざまな問題の解決につなげてほしいと感じる。

  • 朝の情報番組で「速報」として、ハリウッドに手形足形が刻まれることが決まっていた日本人ミュージシャンが、その完成お披露目のセレモニーに出席したという情報が伝えられた。緊急性がなく本来の速報という意味や言葉の重みが薄らいでしまうと思う。

  • 全国で唯一、女性議員が半数を占める地方議会のエピソードとして、子育て支援の制度変更が取り上げられた。ある住民が新人女性議員に要望を伝えたところ、2週間後には区議会で女性区長が実施を表明、1か月後には新制度が施行されたと紹介されていたが、実際には複数の議員が何年も活動して実現したこと。事実と違う。

  • プロ野球選手の移籍に関して、地元ローカル局が結論だけではなく経緯について取材した内容も併せて報じた結果、ルールをまげた球団の動きが明らかになった。賞賛に値する報道だと思う。

【教養・バラエティー】

  • 漫才で人力車引きが客に対して「重い」と不平を言う場面で「デブ」「兄ちゃん、糖尿病か?」。(糖尿病を理解せず)患者を著しくおとしめる発言だ。

  • バラエティー番組で「最先端の虫歯治療」というテーマでレーザーを紹介した際、出演した歯科医が「健康保険は使えない」と説明していたが、実際には保険治療が認められている。視聴者に誤解を与える。

  • お笑い芸人が商店街を訪ね歩く企画で、1人が「光を浴びて健康になる」という43万円の装置をその場で現金で購入する様子をビデオで紹介し、スタジオにもその装置を出してトークしていた。視聴者に迷信への入り口を与えかねないと思う。

  • 「世界のまぬけな犯罪」として、店に入ってきて机の飲み物を勝手に飲んで出て行く男性の様子を捉えた監視カメラ映像が紹介された。「めちゃめちゃキモい」などと笑っていたが、飲みたいという衝動をすぐに行動に移す、勝手に「問題がない」と判断する、うつむき加減などの傾向が見られる。自閉症など障害がある可能性も考慮してほしい。

  • 沖縄出身の俳優に沖縄の方言で話しかけ、つられて方言で答えたら「アウト」という企画。皇民化政策や「方言札」を思い起こさせ、沖縄の歴史を踏まえると安易に笑いにしてはならない内容だと思う。

  • 3年ほど前、70歳代の母親がゴールデン帯の番組で紹介された体操を試し、翌朝、背骨に痛みを感じた。受診したところ背骨の損傷が見つかり、現在も身体的な不自由さが残っている。

  • ノンフィクション番組で、食費を節約するために20時以降に半額になるのを待ってスーパーで買い物をしている家族を取材。半額シールがまだ貼られていない商品を手にした取材対象者が店員に「(シールを)貼ってください」という要請し、店員が応じていた。近所の店なので私も同様に店員に頼んだところ「一度かごに入れた商品には貼れない。テレビ局には番組の演出であることが分かるようにテロップなどで説明するよう要請していたが、実行されなかった」とのこと。やらせにならないのか。

  • 「テレビ局の警備員に聞いた感じの悪い芸能人」だというタレントのエピソードを紹介した上で、スタジオ出演者にその名前を示して驚く様子を放送し、視聴者には「清楚(せいそ)系女性タレント」というテロップだけが表示された。無用の憶測を呼び、無関係のタレントへの誹謗中傷につながらないか。

  • 地震の被災者のことを思えば、この時期に大食い対決を見せられることには抵抗がある。被災地が落ち着きを取り戻してから再開してはどうか。

  • タレントが街中の飲食店の外観などから「過去にテレビの取材を受けたことがあるか」推測してから店主に確認、「取材なし」が連続して見つかるまで続けるという企画。タレントが店頭で「取材なし」を大声で喜んだりしていたが、店側がどう思うか考えてほしい。テレビなら構わないというおごりがないか。

【その他】

  • 自然災害の時に全局が同じ内容の報道になってしまうのは仕方がないのだろうか。視聴者が選択して見られるよう、サブチャンネルを活用するなど方法がないだろうか。

  • 大きな災害に直面している状況でバラエティー番組を放送する意味はあるのか。各局の報道姿勢に疑問を感じる。

  • タレントがさまざまな街を歩く番組を視聴したが、放送時間の半分以上が番組表の記載内容とは異なる通販番組だった。

【ラジオ】

  • 「男性だけのコスプレ撮影会」の特集。これまでコスプレに対して持っていた「性的」などあまり良くないイメージが変わった。コスプレイヤーたちが持ち込むエアガンの安全対策を担当する専門家への取材などもあり、リサーチや構成、取材したパーソナリティーの質問などもよかった。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 平日昼のバラエティー番組で、ゲストの男性芸人が笑いを取るため、司会の芸人や着ぐるみマスコットに飛び掛かって倒し暴行した。子どもが真似したら困るので、こうした演出には配慮がほしい。

  • ローカル情報番組のバイク・ツーリング企画で、出演者らが道の駅でじゃんけんをして、負けたら軽食の代金を払わせ、負けた当人は食べられなかった。少額とはいえ、公共の放送で賭け事を堂々とやることが理解できない。

【「要望・提言」】

  • 宗教問題を正面から取り上げた教養番組で、進行役のタレントが、大手芸能事務所のアイドルグループのファンをカルト宗教の信者になぞらえるコメントをした。大好きなグループを楽しそうに応援する私の娘も信者扱いなのか。こうした見解には閉口してしまう。

  • 能登半島地震が発生して津波情報を放送してくれたのはよいが、画面を子どもや外国人にもわかりやすく、ユニバーサルデザインにして表現してほしいと思った。

【「言葉」に関する意見】

  • 報道番組のニュースでアナウンサーが、原稿にある「YouTuber(ユーチューバー)」という単語をそのまま読んでいたが、これは正式な職業名とは言えない。わかりやすく「動画配信者」と報じるべきではないだろうか。

【「マナー・服装」に関する意見】

  • バラエティー番組の出演者に、食べ方が汚い芸能人が目立つ。とくに、スパゲティを食べるときに音を立てる芸人がいる。マナーに反する行為だし、子どもが真似するおそれがある。