2023年4月に視聴者から寄せられた意見
首相襲撃事件の報道で爆弾の作り方や殺傷能力の高め方が分かるような内容があったこと、芸能事務所の創業者による性加害問題が国内でほとんど報じられていないことなどに意見が寄せられました。
2023年4月にBPOに寄せられた意見は 1,565件で、先月から 163 件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 82% 電話 17% 郵便・FAX 計1%
男女別(任意回答)は、男性42% 女性17% で、世代別では 30歳代 25% 40歳代 23% 50歳代 22%
60歳以上 15% 20歳代 11% 10歳代 1%
視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、4月の送付件数は676件、45事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。
意見概要
番組全般にわたる意見
岸田首相襲撃事件の報道で、爆弾の作り方や殺傷能力の高め方が分かるような内容があったこと、芸能事務所創業者による性加害問題が国内ではほとんど報じられていないことなどに意見が寄せられました。ラジオに関する意見は24件、CMについては12件でした。
青少年に関する意見
4月中に青少年委員会に寄せられた意見は136件で、前月から8件減少しました。
今月は「表現・演出」が50件、「報道・情報」が28件、「要望・提言」が15件、それに「性的表現」が14件と続きました。
意見抜粋
番組全般
【報道・情報】
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岸田首相襲撃事件に関して、容疑者が選挙制度への不満を発信したとみられるSNS投稿の内容が繰り返し報じられているが、ニュースが犯人の主張を広める役割を果たしてしまうことで、過激な思想を持つ人間が「テロを起こせば自分の主張を伝えることができる」と考える可能性がある。かつてニュージーランド首相が「犯人の名前を口にしないことで『悪名をとどろかせる』という犯人の目的を達成させない」と表明した。テロリストに対してはこれくらい厳しい姿勢で臨んだ方がいいのではないだろうか。
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番組内で爆発物の構造、製造方法の解説があった。材料の入手、製造とも比較的容易なので模倣犯が出るおそれがある。
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芸能事務所創業者による性加害について。被害者自身の勇気ある告発を日本中のテレビ局が無視するということがあっていいのか。
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20年ほど前の裁判で芸能事務所創業者による性加害が認定された際に報道していたら、被害者は減っていたのではないのか。放送界の不誠実な報道姿勢にも責任があると思う。
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「女性障害者が男性から入浴や排泄介助を受けることは性犯罪被害に遭っているのと感覚は変わらない」という意見を、番組の宣伝として番組Twitterで発信している。男性介護士への不当で差別的な発信。
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宿泊施設で「手の常在菌を使って夏みかんを発酵させた」という飲み物が提供されている様子を「健康づくり」という文脈の中で紹介していた。黄色ブドウ球菌による食中毒などが起こりうる。危険。
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政見放送で、芸能事務所創業者による性加害の「被害者」として3人の現役タレントの実名が挙げられていた。3人が被害者であってもなくてもやってはいけない行為だ。放送には候補者が一切現れず、政見も語られず政見放送とも呼べない。その内容がいま動画サイトなどで拡散されている。
【バラエティー・教養】
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「高血圧を防ぐために減塩するのはムダ」という評論家の見解を紹介していた。厚生労働省、日本高血圧学会、WHOが減塩を呼び掛けている中でこうした情報を放送することで、視聴者の健康が損なわれる可能性はないのか。
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番組の街頭インタビューで、数人の有名人の顔写真を見せられて、いずれも何をする人なのかは分かるが名前は思い出せないという人が登場し、障害があるのではないかと感じた。司会の有名タレントの名前も「分からない」という回答に、その司会者が「なんやこいつ」などと発言していて不快だった。
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視聴者参加の番組に、一定の状況下でうまく話せなくなる人が出演していた。障がいがある可能性が高いと思われるが、司会者らがその症状を笑いの対象にし、さらには負担になるようなトークをしていた。配慮に欠ける。
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番組で「何もないはずの海面に異様な光」「UFOの基地ではないか」と衛星写真を紹介していたが、明らかに海ではなく、よく知られている場所だ。
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いわゆるドッキリで、「何者かに拉致され、山奥で危害を加えられようとしている」と思い込まされたタレントが、嘔吐するなどパニック障害の発作を起こしているように見えた。視聴者が求めるから番組が応えていると考える人もいるが、これは度が過ぎている。いつも面白く笑わせてもらっている番組なだけに残念だ。
【ドラマ・アニメ】
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特撮ヒーローもので胴上げを急にやめて人を地面に落とす描写があった。骨折などにつながる危険な行為だ。子どもたちが見ている番組で放送していいのか。
【ラジオ】
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統一地方選の告示1週間前の放送で、パーソナリティーが唐突に数分間、現職市長を称賛する話をした。特定の政党・候補者を支持するようリスナーに働きかける意図があったのではないのか。
青少年に関する意見
【「表現・演出」に関する意見】
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バラエティー番組で、「探偵」にふんした男性芸人が一般人の男性の足の裏や乳首をなめる映像が流されたが、気持ち悪くなった。子どもの教育上も問題があるのではないか。
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特撮ドラマで幼い娘が誘拐され殺されるという設定の事件が生々しく描かれた。日曜の朝からぞっとさせられ、嫌悪感を抱いた。子ども向け番組で、そんな題材を取り上げるのは不適切だ。
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朝のバラエティー番組で、芸人コンビの片方が鳴っている防犯ブザーを口に含み、頭からポリ袋や段ボール箱をかぶせてその音を消すというネタを披露。子どもがまねしたり、模倣する犯罪が起きたりすることは否めないのではないか。
【「報道・情報」に関する意見】
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朝の情報番組に「バズった」ワードのランキング・コーナーがあり、著名な音楽家の死去が「1位になった」と紹介された。人の死をこのような形で順位付けするのは、倫理観の欠如であり、違和感と嫌悪感しか覚えない。
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朝の情報番組の首相襲撃事件報道の中で、容疑者が使用したパイプ爆弾の作り方を紹介した。今後、模倣する犯罪者が作ったり、子どもがいたずらで作ったりしたらどうするつもりなのか。
【「要望・提言」】
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東大生をフィーチャーしたバラエティー番組。わざわざ東大の良さをテレビで取り扱う必要はないだろう。学歴差別を肯定するような内容に、あきれた。東大正門前で少年の事件も起きている。子どもたちへの悪影響があることがわかっていて、こういう番組を放送するのはどうかと思う。
【「性的表現」に関する意見】
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子どもたちと朝食をとりながらテレビを見ていたら、ドラマの番組宣伝スポットが流れた。濃厚なキスシーンで困惑した。朝からあのような場面は放送しないでほしい。
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バラエティー番組の「19歳の娘にたいする愛情が深すぎる父に、彼氏を会わせる」企画で、父親が家庭内で娘の太ももを触る、尻をなでるなど性的虐待と見える映像を、愛情表現として放送。この放送内容は、現在、父親から性被害を受けている子どもが被害を認識できず、愛情だととらえてしまう危険性をはらむと思う。