視聴者からのご意見

2023年8月に視聴者から寄せられた意見

2023年8月に視聴者から寄せられた意見

芸能事務所創業者による性加害問題について、外部の専門家による調査結果の公表などがあり、さまざまな意見が多数寄せられました。

2023年8月にBPOに寄せられた意見は 2,115件で、先月から 508件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 86% 電話 13% 郵便・FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性33% 女性28 % で、世代別では 40歳代 26% 50歳代 24% 
30歳代 21% 60歳以上 15% 20歳代 11% 10歳代 1%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、8月の送付件数は1,109件、61事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から20件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

芸能事務所創業者による性加害問題について、国連ビジネスと人権の作業部会の記者会見と、当該事務所の「外部の専門家による再発防止特別チーム」の調査結果公表があり、さまざまな意見が多数寄せられました。8月の意見のうち3分の1以上がこの問題に関するものでした。ラジオに関する意見は43件、CMについては24件でした。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は124件で、前月から6件増加しました。
今月は「表現・演出」と「要望・提言」が44件ずつと最も多く、「報道・情報」が10件、「性的表現」と「言葉」が7件ずつと続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 芸能事務所の再発防止特別チームが指摘した、“マスメディアの沈黙”について、当該事務所の所属タレントを起用して番組を制作するなど関係の深かったメディアは、“忖度”の有無などを検証し結果を公表してほしい。

  • 芸能事務所の性加害問題で、国連ビジネスと人権の作業部会の会見の後、メディア各社の報道やSNSの投稿が再び増えた。創業者や事務所に対する批判にとどまらず、現在事務所に所属するタレントを好奇の目で見るような投稿が存在するという。所属タレントが精神的に追いつめられないか心配だ。

  • 国連作業部会の会見後、性加害問題「当事者の会」が、テレビやネットメディアなどの報道関係者と“慰労会”を行い、その費用は報道側が負担したと、「当事者の会」幹部がSNSに投稿し、その後削除した。削除された投稿の内容が事実であるとすれば、報道内容が偏ったものになりはしないかと心配。

  • 強い風雨の中、記者がヘルメットを被っただけの姿で路上に立ち、「安全を確保してお届けしています」などと中継しているが、映像を見る限り“安全を確保している”というのは無理があるように感じる。

  • 高校野球夏の甲子園大会。決勝に進出した2校のうち1校だけをクローズアップする情報番組などが目立った。取り上げ方をすべて平等にしろというわけではないが、マスコミがこぞって一方だけを応援しているようで違和感を覚えた。

【バラエティー・教養】

  • 毎年恒例のチャリティー番組のマラソン企画。今年は特に暑さが厳しく、猛暑日や熱帯夜が続いたので、出演者やスタッフの健康が心配になった。

  • 収録中にミスをしたスタッフの頭髪を丸刈りにして謝罪させるという設定のバラエティー番組の企画。実際に丸刈りにされたスタッフ役の出演者たちは、丸刈りになることを了承した若手芸人やエキストラだと断りを入れていたが、なかには番組の要望を断りにくい立場の人もいるのではないかと気になった。笑えなかった。

  • 男性タレントの服が溶けて裸になる、ズボンを下ろして下着を見せるなどのドッキリは不適切。男性が相手ならば仕掛けていいということではない。男女を問わず、こうしたドッキリ企画はありえないと思う。

  • バラエティー番組や情報番組で、頻繁に使われている、「え~」という人工的な相づちの音声が耳ざわりだ。使い古された演出を漫然と繰り返す番組制作者が、テレビ離れを促していると思う。

  • ここ数年バラエティー番組が面白くなくなったと感じる。コンプライアンスなどを意識しすぎて個々の出演者が委縮してしまい、自由な発言や表現が出来なくなっているのではないか。もっと面白い笑いを期待したい。テレビ局に自由な番組作りを望みたい。

【その他】

  • 東京では21時00分まで番組が続いているのに、地方によっては途中の20時54分で終わってしまうことがある。楽しみにしていた番組を最後まですべて見たいので、何とか改善してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、(細いベルト状のラインの上でバランスを楽しむスポーツ)スラックラインの女子高校生にスカートをはかせて競技させた。太ももやお尻が見えそうでとてもかわいそうだった。女性へのセクハラになると思う。

  • バラエティー番組の「えっちな野菜を取りたい」という企画。畑から二股や三つまたに育った大根やニンジンを引き抜いては人間に見立てて女性の下着をはかせたり、性行為のポーズをさせたりした。深夜の放送でも夏休み期間では子どもの目に簡単に触れてしまうし、そもそもテレビで放送すべきではない。

【「要望・提言」】

  • 毎年恒例のチャリティー番組に、創業者による性加害が明らかになった芸能事務所所属のアイドルグループがメインパーソナリティーとして起用されるという。海外にも知れ渡ったこの問題の当事者の名前を冠する事務所のタレントを多数出演させることは、その性加害を日本社会が認めていると思われるだろう。

  • 路線バスを利用した旅番組で、出演者が道路の左側を歩くシーンが放送された。学校では歩行者は右側通行と教えられた。道路交通法でも(歩道や路側帯のない車道では)歩行者は右側通行となっている。子どもも見る番組なので、出演者には右側通行を徹底してほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 情報番組で伝統行事「赤ちゃんの土俵入り」を紹介。このなかで、男児の性器を映像処理せずに大きく映した。SNSに放送画像が投稿された場合、削除依頼ができず、画像が残り続けてしまうおそれがある。

【「言葉」に関する意見】

  • 字幕放送で、謝礼や謝罪の言葉「すみません」がしばしば「すいません」と表示される。子どもが間違えて覚えてしまうので、字幕作成の担当者は正しい表記を徹底してほしい。