2018年度 中高生モニター会議

2018年度「中高生モニター会議」

◆概要◆

2006年から始まった「モニター制度」も、13年目を迎えました。その間、若い世代のさまざまな意見が委員会に寄せられ、放送局に届けられました。「中高生モニター会議」は、中高生の意見を委員や放送局に直接伝えるとともに、放送局の見学や放送体験、放送に関する討論を通してメディアリテラシーを涵養する場にもなっています。
今年度は、フジテレビの協力のもと7月28日に中高生モニター会議を開催しました。昨年度と同様に、モニター任期の半ばで中高生モニターと委員が顔を合わせ、交流を深め、その後のモニター活動をより意義のあるものにしたいとの考えから、夏休み期間中の開催となりました。

会議には、全国から中高生モニター25人が集まりました。フジテレビからは『めざましテレビ』渡邊貴チーフプロデューサーがディスカッションとグループワークに、西山喜久恵・宮澤智 両アナウンサーがスタジオ見学の案内役として加わってくださいました。またオブザーバーとして塚越裕爾編成局長、現王園佳正編成センター室長、久保木準一編成センター局次長、田信癸危機管理担当役、大野貢制作担当局長、岩村真理子情報制作センター部長、編成部から江花松樹さん、加藤亜利沙さん、前田泰成さん、佐々木萌さんがご参加くださいました。BPOからは、榊原洋一青少年委員会委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員が出席しました。

午前11時、フジテレビに集合しオリエンテーションを終えたモニターと委員ら参加者は、まずフジテレビ社屋内V8スタジオを見学しました。スタジオでは、『めざましどようび』の放送を終えた西山、宮澤両アナウンサーが出迎え、スタジオセットの説明や生放送ならでは工夫や苦労などをお話しくださいました。その後は、スタジオカメラの仕組みを解説してもらい、実際にカメラを操作したり、副調整室ではVE(ビデオエンジニア)・SW(スイッチャー)・SE(音響効果)・TK(タイムキーパー)などの役割について説明を受けたのち、放送卓に座ってスイッチングやお天気カメラの操作を体験したりするなど、プロの仕事に触れる機会を得ました。

その後、会議室に戻り稲増委員が進行役となって『めざましテレビ』をテーマとしたディスカッションを行いました。ここからは渡邊チーフプロデューサーが議論に加わり、『めざましテレビ』の制作には全体で200人ものスタッフが関わっていることや、「家族で見られる朝」をコンセプトに、多世代の人に視聴してほしいという思いで制作していることなど、意図や番組への思いなどをお話しくださいました。
モニターたちも「『めざましテレビ』と他局情報番組との違い」や「朝の情報番組に求めること」についてなど、率直な意見を述べ合いました。「『めざましテレビ』は番組のリズムがちょうどよく、決まりを持って朝の時間を過ごすことができる」、「番組テーマカラーのオレンジ色に新鮮味が感じられなくなってきて、今は青がテーマカラーの他局番組を見ている」や「朝、すごく知りたい情報はその日の天気なので、朝の情報番組にとって天気予報は結構重要だ」といった中高生らしい発言がありました。
後半は、『めざましテレビのコーナー企画を考えよう』をテーマにモニターが5班に分かれるグループワークでした。事前に考えてきた自分の企画をプレゼンテーションしあい、討議を経てグループ代表となる企画を決定し、発表するというワークショップでは、熱のこもった話し合いが繰り広げられました。模造紙にグループごとの企画をまとめる頃には、どのグループも初対面とは思えない息の合った作業で、チームワークの良さを発揮していました。その後のプレゼンテーションでは“朝の番組”であることや“時間帯ごとの視聴者層”などを意識したオリジナリティーあふれる10代ならではの発想の企画が次々と発表され渡邊チーフプロデューサーから講評が述べられました。

☆1班「休日何してる?」:世界各国の学生が休日の過ごし方を自撮り動画で紹介する
☆2班「めざましENGLISH!」:曜日ごとにテーマを変え、使える外国語のフレーズを紹介する
☆3班「私の元泉」:著名人が自分の「元気の源」となった映画や本、音楽などを紹介する
☆4班「めざましアニメ」:相反する事柄について2つの視点を取り上げ、視聴者に考えさせる
☆5班「10代が探す!地方の星」:地域の特産・絶景・グルメなどを地方の10代が紹介する

最後にはプレゼンテーションされた5本の企画の中から「企画の実現性の計算と情報番組にとって一番大切な“今”が伝えられる企画であること」、また「番組ホームページに動画を投稿してもらうという企画のオペレーションまで提示し、どんどん垣根がなくなる世界の日常、しかも若者の日常を伝える企画の新しさがある」ことが評価され、1班の「休日何してる?」に渡邊チーフプロデューサーから≪めざましテレビ大賞≫が送られました。

会議の締めくくりとして、榊原 委員長から以下のような言葉がありました。

≪委員長まとめ≫

私は皆さんの何倍も生きていますけれども、こういう新しいアイデアというのが皆さんの中にあるのだなと、生まれてからまだ十何年しか生きてないのに、よくこんなことを考え付くことができるな、と驚きで見ていました。例えば、テレビ離れのディスカッションでも、私たちの世代の人間にとっては、テレビというのは新しいことを知るツールだった。ところが、今は、家族の団らんとか、家族がみんなで一緒に見られることがテレビの意味になってきたんだなということも学べました。
最後の企画も、今日、初めて会った人たちが、短い時間で、これだけおもしろいテーマをつくられたということです。渡邊チーフプロデューサーも「これはもしかすると番組になるかもしれない」ということをおっしゃっています。
皆さんは、今はまだ若いわけですけれども、今から20年、30年たつと社会の中心になっていく。そういう世代なわけです。こういう若い世代が、いろいろな新しい考えを持っていくということで、私のように年とった者も、未来は若い人に任せてもいいのかなと、そういういい思いを持つことができる機会になりました。皆さん、本当に最後までありがとうございました。

以上

2018年7月に視聴者から寄せられた意見

2018年7月に視聴者から寄せられた意見

西日本の豪雨被害に関する報道取材のあり方への意見や、民放各局における災害時の番組編成への批判。ロシアで開かれたサッカー・ワールドカップの放送への意見など。

2018年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,218件で、先月と比較して417件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール70%、電話29%、郵便 0.6%、FAX 0.4%。
男女別は男性71%、女性27%、不明2%で、世代別では30歳代26%、40歳代25%、50歳代23%、60歳以上12%、20歳代12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は延べ573件【49局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

西日本の記録的な豪雨で大きな被害が出たが、それに関する報道取材のあり方への意見や、民放各局における災害時の番組編成への批判が多く寄せられた。また、ロシアで開かれたサッカー・ワールドカップの放送への意見も多かった。
ラジオに関する意見は43件、CMについては33件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は67件で、前月から97件減少した。
今月は「表現・演出」が21件、「性的表現」が9件、「報道・情報」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 西日本の豪雨が多くの被害をもたらせた当日、民放各局では、歌のスペシャル番組やバラエティー番組を通常通りに編成していた。甚大な被害なのにどうしてなのか。被災地域でも放送していて、番組を見られる状況ではなかったはずだ。被災地域においては、ニュースの時間だけでなく、予定を変更してでも報道特番を組むべきではなかったか。被災した方々は、情報が錯綜して不安だったと思う。民放は、各局とも、広範囲にわたる大きな災害を、軽く考えていたのではないだろうか。

  • 豪雨災害の被災地に住んでいるが、週末のせいか、地元の放送局はニュース番組が少なく、東京キー局の娯楽番組を放送しており、ほとんど情報が入って来ない。命の危険がある大災害なので、どの地域が危険なのか、どこに避難所があるのか、食料や医薬品は足りているのかなど、被災者のために必要な情報を伝えてもらいたい。

  • 西日本豪雨被害で多くの方が犠牲になったが、マスコミの人たちには、このような自然災害が起きると必ず、行政の対応を問題視するような風潮がある。近年の自然災害は、過去に例のない想定外なことも起きている。その状況下において、行政だけでは対応しきれない現実もあることを認識するべきで、行政批判をしたところで何の解決にもならない。そもそも、マスコミの人たちの、災害時の報道姿勢に問題があるのではないか。現状を知らせるという義務を正当化し、捜索や復旧作業の妨げになっている。取材と称して勝手に避難所を撮影し、家族が行方不明だと探しているのに手を貸すこともしない。目の前の命よりも報道することを優先する彼らに、他の組織をとやかく言う資格があるのかと思う。

  • 報道は、起こった事柄をできるだけ正確に伝えることに主たる目的があるはずだ。しかし、自然災害を伝える場面では、必要以上に不安を煽り、現状を伝えることより、先の予測に主眼が置かれている番組ばかりだ。また、事件や事故を伝える場面では、客観的な報道はほとんどなく、伝える側の意見ばかりが目に付き、その意見は、その道の専門家ならいざ知らず、芸能人の意見が多い。政治の報道では、コメンテーターの意見や分析ばかりが目に付き、その意見が偏っている場合が多い。放送局は、自らの意見などを挟まない、客観報道に徹するべきではないか。

【番組全般・その他】

  • 日曜夜の番組で、男性が、川の中を流される軽自動車から、高齢者を助ける映像を放送していた。その男性は一人では助けられず、「手伝ってくれ」と叫んでいたが、取材スタッフは撮影し続けていた。このような場合、人道的に考えて、助けることを優先するべきではないか。翌日、同局の朝の番組でもこの映像を使用していたが、叫んでいるシーンはなかった。視聴者からの非難を警戒してカットしたのだろうか。このことも納得できなかった。

  • 7月6日金曜日に、西日本各地で大雨特別警報が発表された。事前に気象庁が注意喚起していたが、民放各局では、速報をテロップで表示するだけで、危機感を伝えるには弱すぎるように思えた。特に、警報発令直後の夜の報道番組は、サッカー・ワールドカップの試合後のインタビューを流し続けていた。昨年の九州北部豪雨以降、特別警報に対する危機感が問題になっているが、これを解決していくには、地上波の報道で伝えていくことが不可欠である。もっと危険性を伝えられる報道ができないものか、再考してもらいたい。

  • 民放各局のワールドカップ中継は、番組が始まって1時間以上、司会者とゲストのくだらない話に終始し、試合の放送をしない。CM前に「この後すぐ試合開始」と言いながら、さらに1時間も無駄話を続けていた。ただうるさいだけで見るのも飽きてくるし、何より時間がもったいない。もっと効率よくスポーツ中継をしてもらいたいと思う。

  • 深夜番組の、新居を探す人々の人間模様を映し出す企画は、60歳代の高齢男性が不当に差別され、入居をことごとく断られている様子を、タレントが笑いながら眺めていて不愉快だった。高齢者の住宅難は、ニュースでも取り上げられるほど深刻な問題なのに、社会問題に無関心であろう彼らは、高みの見物とばかりに人の苦境を冷笑していた。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • ドキュメンタリー番組で美容整形手術を受ける女性を取り上げていたが、病院とのタイアップ番組のようだった。手術にはリスクもあり、トラブルも起こる微妙なものだ。子どもや中高生が安易に整形したいと思うようになってしまう。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 幼い子どもが初めて一人で買い物に出かけていくのを追ったバラエティー番組について、幼い子を一人で買い物に行かせること自体が虐待にあたるのではないか。発達が未熟な子どもを見て笑ったり感動したり、と大人が楽しむものであり、子どもの望むことではない。

【「性的表現」に関する意見】

  • 若者たちの性に対する本音を扱った報道番組について、性をタブー視する感覚を変えたいという狙いもあるのだろうが、アダルトグッズを紹介したり、露骨な性的表現の連呼はいかがなものか。青少年も見る可能性のある時間帯に放送するべき内容ではない。家族で見ている家もあることを考慮してもらいたい。

【「推奨番組」に関する意見】

  • チアリーダー部を舞台にしたドラマについて、思春期の子どもたちに勇気とやる気を与える作品だ。絶対に不可能と言われた目標を達成した実話で小学生から高齢者まで推薦できる番組だ。

第205回 放送と青少年に関する委員会

第205回-2018年7月24日

視聴者からの意見について…など

2018年7月24日、第205回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
報道番組で、大阪北部地震のニュースを伝える際、亡くなった小学生の同級生のインタビューを放送したことについて、「子どもに対する配慮に欠ける」「気持ちの整理がついていない子どもに追い討ちをかける取材は言語道断である」などの意見が寄せられました。これについて、委員からは、「災害報道での子どもへの取材としては問題なかったと思う。しかし、視聴者の中には、このような意見を持つ人がいることを取材者も意識してほしい」などの意見が出されました。
7月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たバラエティーについて」で、27人から報告がありました。モニターからは、アイドルグループがゲームで対決するバラエティー番組について「家族で集まって見ていて楽しいのは良い。チームを決めて応援し、スポーツ観戦をしているような感じだ」、演芸のバラエティー番組について「亡くなった歌丸師匠の特集であったが、大喜利をして、悲しむだけでなく、笑えたことがうれしかった。若者にもわかる言葉で古典落語をすると若い層にもっと見てもらえると思う」などの意見が寄せられました。また、「自由記述」では、「好きだったドラマが、視聴率が悪くて途中で打ち切りになってしまった。ネットなどでは盛り上がっていたので、残念だった。視聴率だけではなく、ほかの指標も参考にしてほしい」などの意見も寄せられ、それらの意見について議論しました。
8月は休会とし、次回は9月25日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年7月24日(火) 午後4時30分~午後7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

報道番組で大阪北部地震のニュースを伝える際に、地震で亡くなった小学生の友達のインタビューを放送したことについて、「気持ちの整理がついていない子どもに追い打ちをかけるような取材は言語道断だ」「教師が子どもたちの心のケアに取り組んでいるときに無配慮なインタビューをすることに倫理観を疑う」「同級生を亡くしたばかりの被害児童の心情をおもんぱかってインタビューするべきだ」との意見が寄せられました。これに対し委員からは「災害報道での子どもへの取材方法としては問題はないだろう。しかし、視聴者の中にはこのような感想を持つ人もいるということを取材者は意識してほしい」「見た人がどのような気持ちになるのか、報道する側は意識する必要があるのかもしれない」との意見が出されました。
夜のアニメ番組において残忍な殺人鬼に少女が追われるシーンについて、「残酷な殺人をするアニメで子どもに見せたくない」「中高生がこのアニメを視聴して影響を受ける」との意見が寄せられました。これに対し委員からは「これは放送時間帯的に大人を対象としたアニメ番組だと思う」「コミックをアニメーション化し放送する際には、様々課題もあるだろう」との意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティーについて」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で27人から報告がありました。
「バラエティーについて」では、ひとりで2番組について報告してくれたモニターもおり、全部で25番組についてのリポートが寄せられました。複数のモニターが取り上げた番組は2つあり、『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ)に3人から、『VS嵐』(フジテレビ)に2人から報告がありました。
「自由記述」では、オウム真理教についての一連の報道に対し3人が、西日本豪雨についての災害報道に関して2人が関心を持ち、意見を寄せています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『関口宏の東京フレンドパーク2018 7月ドラマ大集合SP!!』(TBSテレビ)を5人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティーついて】
    • 今月は、全体的にしっかりと具体的なところまで踏み込んで書かれているリポートが多かったと感じられ、やはり子どもたちはバラエティーが好きで、よく見ているのだということが伝わってきた。

    • ある番組で「たくさんの出演者が一度に発言するので、よく聞きとることができない。そこにさらにMCの大御所芸人が入ってきて騒ぐので余計にわからなかった」という意見があったが、みんなでワイワイと楽しくやりたいという放送局の思惑が、中学生にとっては裏目にでることがあることを制作者は知っておくといいのではないか、と思った。

    • 『LIFE!人生に捧げるコント』(NHK総合)について、「誰かを傷つけず共感でき笑えるコントになっている」ところを評価するリポートがあったが、これはつまりよくあるバラエティー番組では、笑いを取るために乱暴したり、誰かを傷つけたり、笑いものにすることで笑いを取りに行く風潮があるなかで、そういうことが一切ないところが良さとして挙げられていることは、良いことなのではないかと思う。

    • 『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)で「クイズの答えがわかるまでコマーシャルが入らないので、テンポよく見られることがこの番組の魅力だ」と分析した報告があった。これはNHKの強みだとは思うが、逆に言うと、民放では常に"CMまたぎ"で引っ張るという演出に対する批判も込めてあるのかな、という感じがする。

    • 『VS嵐』(フジテレビ)を「7年前から、いつも家族揃って見ている。この番組のおかげで家族が一緒に盛り上がることができる」という感想があったが、もしかすると近年はバラエティーの制作において、"みんなで見る"という視点がかなりなくなってきてしまい、割と刺激性の高いものが増えていることの裏返しなのではないか、と思った。やはり、"みんなで見る"ことができる番組があれば、「家族一緒に見よう」というような流れもまた生まれるのではないだろうかという気がする。

    • 今回のリポートを読んでいると番組のセレクトも多岐に渡っており、「バラエティー」の定義とはなかなか難しいなと、感じた。だた、今の子どもたちはバラエティー番組を入口に、多くのことを学んでいくのではないかとも思う。多くの子どもたちにとって、世の中のいろいろな出来事を知る入口なのかもしれない。もしかすると将来の大人の視聴者をテレビにつなぎとめておくときに、バラエティーというコンテンツは結構大きな役割を果たしているのかな、という印象を持った。

  • 【自由記述】について

    • 「サッカーW杯の中継で、試合後のインタビューが的を射ていない上に、疲労のたまっている選手に難しい質問を投げかけるのはどうかと思う」という意見があったが、本当に同感だ。インタビュアーの聞く力は、やはり大変重要なので、その力は磨いていただきたいと感じる。

    • 「出演者たちが視聴者には聞こえないように、芸能人だけがわかる話をしていることがあるが、何を言っているのかわからなくて気分がよくない」という感想は、ぜひ制作者に伝えたい。私も番組を視聴していて感じることがあるが、内輪では楽しいかもしれないが見ているほうは全く楽しくもなく、これを公共の電波に乗せる意味がどこにあるのだろうと、常々思っていた。

    • 「大雨による災害時の報道のために、ヘリコプターや取材者の多さが、救助の妨げになっているのではないかと心配になる」という指摘があった。これは、結構大切な指摘だと思う。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティーについて】
    • 『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)MCの岡村隆史さんが、5歳のチコちゃんに叱られているときのリアクションが面白くてくせになります。答えが出るまでCMが入らないので、テンポよく見られるのがこの番組の魅力だと思います。(新潟・中学1年・女子)

    • 『VS嵐』(フジテレビ)一番思ったことは、家族で集まって見ていて楽しい番組は良いということです。私の家族はどちらチームを応援するか決めて、スポーツ観戦をしているように見ています。7年前からこの番組を見ていますが、7年たった今も、家族と一緒にテレビを見る時間を作ってくれるというのは、このように一緒に盛り上がることのできる番組のおかげだと思います。(東京・中学2年・女子)

    • 『イッテンモノ』(名古屋テレビ/テレビ朝日)知識人と芸人がトークバトルをする回でした。「興味深い」と「笑える」の2つの意味で面白かったです。同じテーマでトークをしても、分野や人によって全く違う面白さだったので、「おもしろい」はひとつじゃないと思いました。(岐阜・中学2年・女子)

    • 『ホンマでっか!?TV』(仙台放送/フジテレビ)お悩み相談をしたゲストに対し、たくさんの専門家たちがしゃべるのですが、ひとりひとりの声が混ざって聞こえにくかったです。そこにMCのさんまさんの声も混ざって、よりうるさいです。(宮城・中学2年・女子)

    • 『笑点』(福岡放送/日本テレビ)7月2日に亡くなった歌丸師匠に向けた「歌丸師匠 ありがとうSP」だった。前半は歌丸師匠の昔の様子をプレイバックしたり、笑点メンバーとの裏話が聞けたりと僕たち若者も楽しかった。後半はいつもの大喜利をして、悲しむだけでなく笑えたことが長年この番組を見ている私にとっては、とてもうれしかった。(福岡・中学2年・男子)

    • 『JUNKバナナマンのバナナムーンGOLD』(TBSラジオ)何も決まっていない自由な形で進行していくにも関わらず、まるで準備をしていたような完成度の高い笑いがあった。さらにバナナマンの2人には、リスナーからのメールから"無限の笑い"を生み出していく面白さがある。近年、企画でガチガチに固めたバラエティーが多い中、このように0から作り出していくお笑いはとても貴重であると感じました。(東京・中学3年・男子)

    • 『直撃!シンソウ坂上』(テレビ宮崎/フジテレビ)私たちの年代は、オウム真理教が行ったことや、その根源となるものをあまり知りません。だからこのように再現VTRで詳しく説明してくれる番組は必要だと思います。「オウム真理教」や「戦争」など、若者が実際にあまり知らなくて、絶対に起こしてはならないことについての番組で、若者向けのものがあると良いと思います。(宮崎・高校1年・女子)

    • 『ぴったんこカン・カン』(琉球放送・TBSテレビ)スペシャルで2時間番組が続き、内容は面白かったのだが少し長く感じた。後半の名家部のコーナーは、正直あまり歴史に興味はないのであまり面白くなかった。しかし、『西郷どん』(NHK総合)を見ていることもあり見応えはあった。バラエティーというより歴史番組を見ているようで、見たいものと微妙にズレている感じはした。(沖縄・高校1年・男子)

    • 『月曜から夜ふかし』(札幌テレビ・日本テレビ)ほかの番組では、番宣のために同じような芸能人が出演したりしますが、この番組はそういうことがほぼないので、毎週見ていて全く飽きません。全国を回って方言の特集をしたり、高齢の方にインタビューをしたりと身近なことに焦点を当てて、面白く伝えるのはとても良いと思いました。(北海道・高校2年・女子)

    • 『LIFE!人生に捧げるコント』(NHK総合)家族全員が大好きなバラエティーである。「人生」をテーマに、生きていくうえでのおかしさを笑いに取り込み、誰かを傷つけることなく、かつ共感でき、クスリと笑えるコントのスタイルは、全シリーズ一貫している。(東京・高校2年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)日曜日の夜に家族で笑ってみることができ、明日からまた頑張ると、元気を与えてくれる番組のひとつです。ハードな撮影をこなし良い素材を生み出す芸人さん、それをより良く面白く編集するディレクターさんの関係が素敵だなと思いました。このような信頼関係で番組は作られていると知り、ますますこの番組を、テレビを好きになりました。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 大雨による災害時のヘリコプターや取材者の多さで、救助の邪魔にならないかと心配になりました。もちろんテレビで状況を伝えることは大事だと思いますが、ほどほどにしておいたほうがいいと思いました。(新潟・中学1年・女子)

    • 最近、バラエティーで体を張りすぎている企画が多いと思うので、もう少し考えたほうがいいと思う。(新潟・中学2年・男子)

    • 6月のモニター報告に『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)について書かれており、私もその意見に共感しました。中高生向けのラジオって、これ以外にないし、勉強しながらでも聴くことができるラジオっていいなと思っています。(東京・中学3年・女子)

    • サッカーのロシアW杯で、試合後のインタビューが的を射ていないうえ、疲労のたまっている選手に酷な難しい質問を投げかけるのはどうかと思う。(東京・中学3年・男子)

    • 最近「オウム真理教」関連のニュースをよく見る。そしてそれに関する過去の事件について解説している番組もよく見る。私は当時生まれていなかったので、詳しいことはわからないが、この報道の多さはこの事件がどれほど世間の人々にとって衝撃的だったかということがわかる。オウム真理教が起こした一連の事件が、こうして今でも私たちに伝えられているということは、この事件がそれほど最悪だったということでもあると思う。(沖縄・高校1年・男子)

    • 私の大好きなドラマがあったのですが、その番組は視聴率悪くて途中で打ち切りになってしまいました。ネットなどでは、盛り上がっていたと思うのですが、打ち切りはとても残念でした。視聴率だけではなく、他の指標も参考にしてほしいと思います。また、別の番組で、芸能人が視聴者には聞こえないように芸能人だけが分かる話をしていて、何を言っているか分からなかったし、あまり気分がよくありませんでした。(福井・高校1年・女子

    • 最近は、TVerなどテレビで番組を見られない時や家族と見たい番組が違う時などに便利なスマホで見る番組が増えている気がします。それが現代の形でもあるけれど、ひとつのテレビを家族で囲んで見るということにテレビの楽しさがあることを忘れないでいきたいと感じました。(山梨・高校2年・女子)

    • 今はテレビよりもネットが流行を作る時代だと思う。ドラマなどもSNSによって広まり流行していると思う。でもそれは流行の指標がネットでの反響だからなのだ。テレビがネットを追いかけるような流れになっていることが少し悲しい。このような状況だからこそ、テレビの役割が問われると思う。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『関口宏の東京フレンドパーク2018 7月ドラマ大集合SP!!』(TBSテレビ)幼稚園の時に毎週やっていた番組で大好きだったので、レギュラー番組ではなくなった今でも見ることができとてもうれしいです。(東京・中学3年・女子)

    • 『関口宏の東京フレンドパーク2018 7月ドラマ大集合SP!!』(TBSテレビ)以前、レギュラー番組でやっていたものをスペシャルで見られるのはとてもよかったです。(山梨・高校2年・女子)

◇中高生モニター会議について◇

  • 7月28日に開催する中高生モニター会議について、会の流れや議論するテーマを確認しました。

今後の予定について

  • 10月2日、熊本市にて開催する意見交換会のテーマ案について確認しました。また、11月19日、盛岡市にて岩手地区の放送局との意見交換会を開催することを確認しました。

以上