2007年12月に視聴者から寄せられた意見

2007年12月に視聴者から寄せられた意見

2007年12月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,089件で、11月と比較し22件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、Eメール61%、電話33%、ファクシミリ5%、郵送ほか1%である。(*Eメール数には同一人の多数意見を含む)
男女別は男性73%、女性24%、不明2%で、世代別では30歳代(26%)、20歳代(20%)、40歳代(16%)、50歳代と10歳代(10%)、60歳以上(8%)の順となっている。

2007年12月に視聴者から寄せられた意見 1,089件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2007年12月件数 年度累計
人権等に関する意見 11件 116件
放送と青少年に関する意見 149 件 [ 意見内容 ] 1,755 件
放送番組全般にわたる意見 447 件 [ 意見内容 ] 5,532 件
BPOに関する意見・問い合わせ 57 件 837 件
その他(放送関連以外) 425 件 4,940 件
意見件数 計 1,089 件 13,180 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は355件(31放送局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

12月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

人権関連の苦情[11件]

  • 審理・斡旋に関連する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連苦情)・・・・・・・ 6件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情 )・・・・・・・ 5件

番組全般にわたる意見

12月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,089件)のうち【情報ワイド番組・バラエティー番組】に関する意見が678件(全体の62%)で、前月の1,007件から大幅に減少した。その内訳は”不適切な内容や発言・表現、不適格な出演者”(371件:全体の34%)、”モラル・倫理観の欠如や局の責任・処分など”(156件:14%)、 “低俗・下品な番組”(151件:14%)である。
次いで【報道番組】に関した意見が430件(全体の39%)で、”取材・報道のあり方、放送のあり方”(206件:19%)、”放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(168件:15%)、”公平・公正な報道への要望、偏った内容批判”など(56件:5%)で、いずれも前月との比較では減少傾向にある。
12月の意見の特長としては、香川県祖母孫姉妹殺害事件報道に際し、被害者の父親を犯人視しているとして情報ワイド番組の司会者・コメンテーターへの多くの批判や、ハンバーガーチェーン店の調理日改ざん報道で現在も従業員であると誤解させる服装で出演させたキー局の報道姿勢、佐世保銃乱射事件における死亡した犯人の過去の履歴書の報道など、『不適切な内容、報道のあり方』を問う意見が多く寄せられた。また、”大食い番組”やバラエティー番組の低俗さを指摘する意見も引き続き数多く寄せられている。
なお、「放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)」への苦情(11件)とは別に、放送番組全般の意見の中で「人権問題や報道被害ではないか」との提起や批判が108件寄せられた。
【放送局の電話対応や応対の姿勢】に関する苦情・抗議は142件で前月より減少している。
【CM関係】パチンコのCMをはじめとした「不適切な表現・内容」などの批判が39件あった。

青少年に関する意見

12月にBPOに寄せられた意見のうち放送と青少年に関するものは149件と先月に比べ25件減った。アクセス方法では電話によるものが34%と先月より12%増えた。
ジャンル別では、バラエティー番組に関する意見が圧倒的に多く36%を占めており、なかでも海水パンツの芸人に対する批判意見が14件あり、それに対する反論が4件あった。

BPOに関する意見

57件の意見・問い合せのうち、BPOへの意見は29件、問い合せは28件であった。

番組全般

【特記事項】

  • 香川県祖母孫姉妹殺人事件で、早朝の情報番組の中で司会者が被害者姉妹の父親が犯人と決めつけたような発言をした。確証もなしに一方的な思いこみで発言するのは、不二家に次いでこの番組は二回目だろう。結局、BPOが行った不二家の捏造問題への検証や放送局に対する見解には、何の効果もなかったということが証明されたわけだ。ここまで問題を起こす番組は正直言って打ち切った方がいいと個人的には思うし、この局に関しても今年に入ってこんなに問題を起こしているのだから、総務省でもBPOでもどちらからでもいいので、かつて捏造問題で処分された関西テレビより厳しい処分を受けるべきだ。
  • 香川県坂出市の祖母と孫の遺体が11月28日に発見された事件。最も深い悲しみの中にいるであろう姉妹の父親を犯人扱いしていると容易にとれる番組構成、司会の発言。このあからさまな歪曲報道を一部の報道機関(週刊誌等)しか報道せず、問題提起をしない現状に失望した。またマスコミの過剰な取材や誤った報道がされた際の自浄能力の低さに幻滅した。ただでさえ被害者、遺族が法によって保護されることのない現状に加え、このような報道がなされた遺族の心情を思うと胸が痛い。このようなことならば司会者の適格性をはじめ、誇大報道を規制し被害者、遺族に二重の苦しみを負わせることのないような法律の制定を望む。
  • 年末に「香川県祖母孫姉妹殺人事件の報道を振り返って」という内容を報道していたが、司会者の発言が許せない。映像ではえん罪の疑いをかけられ、子供を失った父親がメディアに思うことをちゃんと伝えたのに、司会者が「報道を振り返ってどうでしたか?これらは当時編集を行い、当時は映さなかった映像もありましたが、その配慮を知っても考えは変わりませんか?」と言っていた。父親は傷ついたに決まっているだろう。それは変えることの出来ない普遍の事実だ。えん罪の疑い自体も悪いし、何度振り返っても被害者の父親は腹が立つだろうし憤りを拭い去れないだろう。義母も子も殺され、えん罪の疑いをかけられたのに、年末のこんな番組で鞭を打つなんてひどすぎる。人権への配慮なんて全然ない。放送倫理を疑ってしまう。非常に腹が立ちました。

【取材・報道のあり方】

  • 北九州市の「生活保護」問題を取上げていたが、こうした問題の現場を何も知らない人達が勝手に論評して正義感を振りかざすのは止めてほしい。自分は厚生省でケースワーカーを指導する立場にいたが、多くのケースワーカーの人達は大変優秀で誠実に仕事をしている。「生活保護」を受ける人達は各自いろいろ事情が違い性格も違う。自殺して捨て台詞の遺書を残した人は高学歴で一番てこずる類の人だが担当の課長はシッカリ応対していた。おそらく担当したケースワーカーはいたたまれない気持だろうし悩んでいるだろう。問題の所在と現場を一切知らないコメンテーターが勝手にもの云いするのは大変な放送公害だ。「生活保護」問題は今後一切取上げないで欲しい。
  • 殺人事件の報道が過熱していく昨今、報道番組のあり方が問われているが、佐世保銃乱射殺人事件の死亡した犯人の過去の履歴書がテレビに映された。これは見ていていかがなものかと思った。犯人がどうこうではなく、それをメディアに流す企業があるということが問題だ。そして報道のされ方も職歴、職業、資格、志望動機まで画面に映されている。転職回数が多ければ信用は低くなるかもしれない。しかし、それがあたかも犯罪をする人間かのように報道するのはいかがなものだろうか。景気のよいご時世ならまだしも、いま、仕事を探している一般の人々に影響を与えないといえるのか。軽々しい報道があまりにも多いのではないか。本当に最近は毎日テレビを見ていて驚かされる報道ばかりである。報道の自由、公平性、そういったものを報道機関全体でもう一度見直さなければいけない時代になっているのではないかと思う。
  • 最近のニュース番組は、報道関係者のモラルを疑うような内容が多い。例えば、家族を殺害された被害者家族の家に何度も各局が押しかけ、何度も何度も同じようなことを聞き、被害者家族の心を傷つけている。また、被害者側だけに限ったことではなく、罪を犯したとされる容疑者の家族などへの取材もひどい。容疑者家族が住んでいる家まで数十人の報道関係者が押しかけ、道路を占領し、罪のない家族に罪があるかのような質問というよりは尋問に近い口調で迫ってるように見える報道が多々ある。日本の法律上は裁判中であっても推定無罪という観念の下で行われるので、今の報道のあり方に疑問を持つ。報道関係者は自分たちの責任の重さを自覚すべきである。
  • 火曜日夕方の報道特集は以前から理不尽極まりない社会問題に真剣に立ち向かう番組だと思っていましたが、どうしてこのような真剣に社会問題に取り組もうとする番組にまでタレントをしゃしゃり出させてバラエティー化するのですか?この番組だけでなく民放全体に言えることですが、いい加減、報道とバラエティーを混在させるのはやめて下さい。
  • 「マイクロバスのドアが開き転落した小5男児が後続のトラックにひかれて死亡した事故で、バスの運転手とトラック運転手が逮捕された」というニュースの中で、トラック運転手の顔写真と名前が報道された。逮捕されたとはいえ、まだ25歳という若者の将来を思えば、果たしてそこまでする必要があったのかという疑問を感じた。
  • 最近の事件報道のあり方だが犯人を悪し様に罵倒するのに一生懸命で犯人が何故犯罪に走ったか、どうすればそうした犯罪をなくせるのかの冷静な視点が全く無い。自分も大変な逆境に育ったので犯人たちの気持がよく分かる。最近は貧富の差が拡大しているので誰でも犯罪に走る可能性がある。被害者の立場に立った報道は一見正しいようにみえるが、報道機関であればもっと冷静に客観的に取上げて欲しい。
  • 北京オリンピック開催のための強制立ち退きなど、中国での驚くべき人権侵害がニュースで伝えられているにもかかわらず、同じニュース番組の中で、北京五輪出場を目指す日本の選手やチームの特集などを明るく伝えている。その放送のあり方に違和感を覚える。明日の糧や住むところを無理矢理奪われる人々を数多く出してまでオリンピックを開催する意味はあるのか。五輪出場あるいはメダルを目指してひたむきに頑張る選手の姿も美しいが、「中国当局は人民にこんなひどいことをしている」ということを伝える矛盾の中で、オリンピック放送による視聴率のアップとそれによるスポンサーの獲得だけをめざす放送局のやり方には激しい怒りを覚える。これまでは4年ごとに楽しみにしていたオリンピックだが、北京五輪はおそらく見ないだろう。
  • 放送人権委員会10周年記念フォーラムの内容を紹介する新聞記事を読んだ。その中の討論会のパネリストによる「モザイク使用を最小限に抑えるべき」との発言に賛同する。「取り敢えず処理さえしておけば、後で何かあっても安心」という報道側の安易な気持ちがモザイクの使用過多に拍車をかけているのだろう。是非、その点を改め責任ある報道姿勢を立て直して欲しい。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 私は林業に従事するものです。バラエティー番組に定評のあるテレビ局で例年行われる「新春かくし芸大会」の宣伝を見ると、来年正月分においてチェンソーを使ったものがあるそうです。しかし、その内容が、タレントにチェンソーを使った危険な芸に挑戦させるもので、人の頭の上にリンゴを乗せてチェンソーで切るとか、口に加えた鉛筆を切るなど、極めて愚劣にして危険極まりない行為を行っている様子で、日頃、チェンソーを使い仕事をする者として、また普段より従業員などがチェンソーを安全に取り扱う事に腐心する者として憤りに耐えません。我々、林業従事者の仕事の道具をオモチャにされる事でも許せぬものがありますが、それ以上に許せないのが、チェンソーに対してあまり知識に無い人が、この放送を見て安易に真似をするような事があれば、それこそ大惨事になりかねぬ事です。そうなってから非難にさらされるのがこの局だけなら構わないのですが、普段、真面目にチェンソーを取り扱う者までが非難にさらされるような事があってはならないと思います。どうか、この番組のチェンソーの部分に対して中止をしていただくよう強くお願いします。
  • 関西出身のタレント司会者がゲストに「死んでほしい者を5人挙げよ」と言い、死んでほしい者を銃で撃ち殺すという場面が放送された。さらにこの男はローラースケートを履きお笑い芸人の体の上を滑っていた。テロップで【まねしないでください】とは出ていたが、どんな事でも告知すれば許されるというものではない。命の軽視とよく言われる時代だが、そうしたアクションを平気でする司会者と、それを演出する制作者、さらにそうした内容を平然と放送するテレビ局の品性を問いたい。
  • 地球上の森羅万象、あらゆる謎を解明するために結成されたチームを中心に実写VTR+アニメで調査・検証の模様を描く番組だが内容はお笑いに近い。私がたまたま見たこの回は、バッティングセンターで撮影した実験だった。胸にライターをテープで貼り付けた上半身裸の番組ADを打席に立たせ、その胸のライターをマシーンから放たれる120km/hの速球の標的とし、苦痛に耐えられるかというもの。実際に120km/hの球だったかは極めて疑わしいが、胸に球を受けた当人は「痛い!」と言っていた。このようなことが許されるのか?テロップで「バッティングセンターの了解を得た上での撮影。真似をするな」との注意は出たが、そもそも撮影自体があまりに危険ではないか。速球がまともに胸に当たれば命にかかわる。若いADが危険を知りながら断れなかったのであれば大変なことだ。テレビ局に抗議したが応対者は「見ていないので分からない。意見は担当者に伝える」との実に頼りない応対振りだった。
  • 各局への要望。興奮するからと女性の下着を身につけた後、民家に投げ捨てる行為を繰り返していた変態男逮捕のニュースをテレビ朝日の昼の番組で放送した。その際、投げ捨てられた下着がクローズアップで画面に出たが、下着の映像など放送しないでほしい。気持ちが悪くなるから。いまのテレビは大画面だから一段とショックが大きい。下着泥棒のニュースのとき、警察に押収された盗んだ下着のクローズアップが必ず映し出される。同じ理由で、今後はこれも止めてほしい。下着の映像なしでも下着泥棒のニュースは伝えられるはずだ。
  • 愛知と味噌のことを紹介していたが、「愛知の人はいつも味噌ボトルを携帯し、パンや刺身にも味噌をつけて食べる」という内容だった。これは明らかに捏造ヤラセだ。いくら味噌が好きだからと言え、10人中10人が味噌ボトルを携帯する事も、刺身に味噌をつけて食べる事もありえない。紹介されていた味噌メーカーのHPでも担当者が番組に対して苦言を呈していた。地域の文化を面白おかしく、さらに嫌味に紹介する番組はどうかと思う。
  • サッカーのクラブ選手権の前夜祭番組で女性の中継リポーターが不謹慎な発言をしていた。敬虔なクリスチャンで、将来は牧師になる人物のACミランのスーパースター・カカ選手に対し、彼女は「日本での愛人にして欲しい」「イタリアに持ち帰って下さい」等と、彼が結婚している事を知っていながらプロテスタントを冒涜する発言をしていた。もはや、日本の放送局に純粋なスポーツ番組を求める事は無理なことなのか。生放送であるにも関わらず最後まで謝罪の言葉は聞かれなかった。
  • 野球が北京五輪の切符を手にしたのは大変喜ばしく思います。東京キー局の中継も興奮して見ていました。対韓国戦では「アジア枠は一つしかないから、日本が韓国に敗れれば韓国に決まってしまう」と繰り返してアナウンスしており、韓国に負けたら五輪に出場できないんだと思い、危機感を持って見ていました。対台湾戦も同様の思いでみていました。来年の3月に台湾で最終予選があって韓国と台湾が出場すると初めて知ったのは4日の新聞ででした。ええっ、という思いでした。職場で同僚の何人かに尋ねましたが、全員が「韓国戦で敗れればその時点で五輪にはいけないものだと思っていた」と言います。この局は来年の3月の最終予選のことには意図的に触れずに、ほぼすべての人に「負けたら終わり」と誤解させ、必要以上に興奮させて視聴率を稼ごうとしたのではないかと思います。詐欺です。こういうのは捏造と同様に放送倫理上問題があると思います、倫理的に問題があるのか、だまされた視聴者が悪いのかはっきりさせていただきたく思います。
  • 午前中に放送される”ラジオ感覚のワイド番組”の司会者や男性出演者による、女性アナウンサーや女性出演者に対するセクシャルハラスメントが著しい。女性の胸のサイズをあらかさまに生放送で尋ねたり、下着の付着物を話題にするなど不快極まりない。特に下着の色を番組内で問うなど毎日のように行われており、女性の人権侵害にあたる。通常の企業であれば、暗に行われたとしても即刻退社処分にされるような内容を公共の電波で流し続けることは許されない。民事罰にあたる内容であり、局や番組は責任を免れない。民放連の放送基準には、出演者および関係者のプライバシーを侵してはならない、不快な感じを与えてはならないなどの条文があるが、これに明らかに違反する内容である。
  • フグ料理の誤った調理法の放送について厚生労働省から行政指導を受けているが、謝罪釈明が自局番組HPのバックナンバーのさらに隅っこにしかない。番組トップページやテレビ局ホームページの冒頭に全文を掲載し謝罪釈明すべきではないか?全く反省の色なし。
  • ヤクザ映画「極道の妻たち2」が、ゴールデンタイムで全国放映された。今年は全国各地で無差別発砲事件が多かった一年で、今月14日に長崎県佐世保市のスポーツジムで無差別発砲乱射事件が起きたばかりなのに、予定通り放送されたのはとても許せない!この映画はピストルでの人殺しのシーンの多いので別の作品映画を差し替えて放送して欲しかった。局の編成部は無差別乱射事件の被害者や事件現場の周辺住民への配慮が足りない。
  • 東京の某キー局は局に批判的な質問をされると取材拒否をするそうだ。反省や今後に生かす気持ちのないような返事だ。批判されるのはわかっていて公正じゃない放送をする放送局。これがテレビ局の現状ではないか。質問されると返答拒否をするテレビ局が企業や役人の不祥事には「説明責任」と「情報公開」を公共の電波で訴える。自分達は批判的な取材をされると「今後は情報は出さない」、「批判されるのは分かっていてやっている」。この態度は一般社会ではあり得ない。テレビってそんなに偉いのか。「我々には権力を監視する義務がある」というようなことを某キャスターが言っていた。考えてほしい。テレビ自身が権力ではないのか?人を批判したいのならまず自分達の襟を正してほしい。
  • ここ数年間で、入社した20歳代のアナウンサー(特に女子アナ)の言葉遣いがあまりにもひどい。”ら”抜きは当たり前、「です・ます」が全然使えない。テレビなのに友達同士で話しているようだ。例として「~あるので」や「~思うので」、「~するので」、「~なので」等。放送局はトレーニングや指導はしないのだろうか?

【その他、番組全般】

  • (推奨番組)NHKのテレビで「ワーキングプア」について取り上げていた。いろいろな理由でそうなってしまった人達についてのリポートを拝見した。番組の中で、リポーターの「貧困は本当に個人の努力が足りないからなのか」という発言もしっかり聞かせていただいた。このような番組を制作、放送してくれたことに感謝の意を称したい。このような番組が増えてくれることを願う。
  • テレビで放送される明治・昭和初期のドラマや時代劇のデタラメな時代考証に辟易して、最近はラジオを聞いている。NHKラジオ第一放送を聴いて最初に驚いたのが、視覚障害者の人たちがラジオを楽しんでいる事だった。多くのリスナーが番組に点字で便りを送りアナウンサーが読み上げるなど、リスナーとの接し方がとても優しかった。長年テレビを見てきたが、テレビでは信じられない応対をしていた。
  • 一日の中で、テレビの放送時間の削減を検討しても良いのではないかと思う。24時間垂れ流しに近い現在の放送では様々な弊害が起きている。推測の話を無理やり膨らませたり、些細なことでもしつこく放送してみたりとすることで、実害も起きている。放送時間が長いために、無理やり時間を埋めるために行われているものもあるように感じる。放送時間を短縮することで、必要な情報のみを扱うようになればと思う。
  • 関西では人気の番組だが、各局のドラマやバラエティーなどの視聴率を公表して分析するというコーナーは問題だ。自局のことはあまり批判しないで、他局のことは容赦ないほど批判する。番組名にもその名がついているこのタレントの関西での影響はとてもすさまじく、彼のこの番組での意見で、批判された番組の視聴率も影響を受けるというほどだ。それでも、自局の番組も容赦なく批判するというならばまだ納得できるが、関西のテレビは意図的に、彼に自局や系列キー局の番組の批判はさせないようにしている。私は番組を制作してスポンサーを集める厳しさを知っているからこそ、他局に対する異常な批判を許せない。他局の新番組が始まる前から「あれは視聴率が取れない」と断言する。彼の暴走を止めることなく、むしろ利用しているこのテレビ局は、やはりテレビ局としては失格といえるだろう。一番あきれたのは、「あるある大事典」の問題を起こした時には何も触れなかったことだ。これを解決するには番組の強制終了とテレビ局に対する厳しい処分以外にないと思う。
  • 私は医師だが、番組のパーソナリティーが医療について間違った事を言っている。アメリカ大リーグのドーピング問題についての話の中で、ステロイド剤について「私も耳鳴りの治療などで使っているが・・・」などと、問題ないような発言をしているが、これは今ドーピングで問題となっている筋肉増強ホルモン剤である「蛋白同化ステロイド」と、一般治療用の軟膏などに使われる「副腎皮質ステロイド」を混同しているのだ。このような事実と違う医療情報を放送されると、医療の現場で患者さんと医師との間で混乱が起きる。副腎皮質ステロイドの入った薬剤を処方すると、身体に良くない物ですよねと拒否されたりする。医療情報を放送する際は素人知識で放送しないでほしい。
  • ワイドショーでのコメンテーターの発言に責任を持たせてほしい。事件や事故報道で勝手な推理や思い込みを発言し、後で全く結果が違っていても訂正の報道や謝罪のひとつもない。公共の電波ですよ。バラエティーで嘘やネタを喋るのは構わないが、報道がからんでいる番組だ。情報には細心の注意、そして出演者も発言に責任を持って欲しい。先日、報道番組でキャスターが佐世保の銃乱射事件に関して「犯人はアメリカ兵ではないか」と受け取れるようなことを何の根拠もなく言っていた。報道番組で犯人を予想する発言は無責任すぎないか?少し前の香川殺害事件でも報道番組で父親を疑う姿勢や発言が当たり前のように垂れ流されていた。もちろん間違っていても謝罪も訂正も一切ない。報道やワイドショーでのコメンテーターや出演者の発言にも責任を負わせてもらいたい。食品会社の人間の失言などの揚げ足取りを徹底的に行っているテレビは自分達に無責任でいいのか?業界の馴れ合いで誰からも批判されないのをいいことに好き勝手にやりすぎではないか?
  • パラリンピック等、障害者を取り上げた番組を見て一人の障害者として思う事がある。スポーツは好きなので見て応援もするが、自分も勇気付けられる反面、彼らを羨ましく思い落ち込むこともある。障害者自身の努力する姿は素晴らしいが、それが出来る前提として、家族や金銭面など周りの環境や理解、協力が必要で、それらがあって初めて障害者は”努力”が出来るのだと思う。例えば、乙武洋匡さんはものすごく努力しているのだろうが、やはり努力できる環境があったのだと思う。このように一人の障害者の努力を取り上げる放送に疑問を持つ。同じような障害を持つ者にとっては差別と感じることさえある。自分を取り上げて欲しいという事ではなく、これらが障害者の中にも格差を作るのではないかと思う。色々な立場の人々が見るテレビだから、色々な感じ方をする人がいるということを前提に番組制作をしていただきたい。
  • 環境問題に対して、一方的な視点からの、根拠が十分示されていない意見を放送するのは放送局の中立性を疑う。番組の中で「噂だから」と言い訳を続けていたが、それならば根拠を検証してから放送すべきではないか。せめて反対の意見を持つコメンテーターも同席させ、賛否両面からの意見を放送して欲しい。気になった発言としては、「ダイオキシンは微量なら無害」は、微量な有害物質が食物連鎖により広範囲な健康被害に至る場合があることは、水俣の有機水銀公害の実例で証明されている。また「ゴミはまとめて燃やしたら臭い」もひどい。またペットボトルが中国へ資源として輸出されている事実がある。もちろん中国から望まれてである。また電子機器製品からは金など有益な資源が回収されている。けっしてリサイクルはムダではない。金属資源は近い未来に枯渇が予測されており、廃棄物からの回収が望まれている。「ゴア元米国副大統領の著書には、根拠が不十分な記載が多数ある」という発言では、ゴア氏に反論の機会を与えず、一方的に中傷するのは在京キー局のように影響力の大きなメディアがすることではない。
  • 毎週全国の都道府県の秘密を紹介すると称して府民・県民のありもしない特徴を放送しているが、全く馬鹿げた番組だ。特に大阪人を「豹柄の服を着た女性ばかり」とか「大阪の人間はパンと手を叩くと一斉に倒れる」など、あまりにも事実とかけ離れたことを紹介し全国に広めるのは許せない。これは単なる笑い話づくりとは違い、全くの出鱈目話しを作り上げているのであり、捏造に他ならないのではないか。とかく話題の多い司会者や女性お笑い芸人の発言は腹立たしい限りで、いかにお笑い番組といえどもこんなに程度の低い内容を放送という公器で流すことは電波の無駄遣いだ。関西のテレビに電話をしても「ハイ、ハイ、ハイ・・・伝えておきますよ」と答えて電話を切られてしまう。放送局、番組担当者、出演者がアホだとこんな番組しか作られへんのやろか。
  • 最近の民放のお笑い番組やバラエティー番組のレベルの低下は目に余るが、笑いの質がお粗末で下品としか言いようがない。批判されるべき番組や見直すべき番組は多々あるが、NHKも含めて”お笑い仕立て”の馬鹿馬鹿しい番組が多すぎる。何とかならないのか。
  • 朝の情報番組は、新聞記事にラインを引いて読んでいるだけで、それも芸能ネタを2~30分も放送している。テレビ局は独自に適切な取材をしているのかと云いたい。CM収入の減収により視聴率を取るためなんだろうが、視聴者をなめているようで腹立たしい。まさに一億総白痴化である。財政再建、教育面での学力低下、家庭教育、教員増、環境などの問題が山積している。局はこの諸問題の本質を追究し主張すべきだ。くだらない番組を放送するなら電波を止めて、省エネによる温暖化防止に協力すべきだ。
  • 神の名を冠した某企業の霊感商法が報道されているが、そもそもこの事件の原因は、科学的検証の出来ない事を平気で放送する局とその放送に規制をかけないBPOにある。今まで散々BPOや各局、総務省に抗議を続けてきたが一向に放送は改まらない。いいかげん、処分を下して欲しい。
  • 霊感商法についての報道がされているが、事実が伝えられていない。私達一家はそれぞれに奇跡をいただいている。良い結果も報道していただきたい。
  • 「優勝賞金4億円!世界最大カジキ釣り大会!」で、カジキのいい絵が撮れなかったからといって、資料映像をあたかもタレントが釣ったカジキのように放送し、逃げたカジキは大きかったように思わせ、スタジオにいる人に歓声を上げさせているのは視聴者を騙していることにならないのか?違う場面のはずが同じカジキの映像が流れたり、画質も天気もまったく異なり、不自然で興ざめした。撮影が難しいのは分かるが、やらせと同じだ。腕のなさを嘘でごまかして恥ずかしくないのか。3回リピートする手法の多用にもいいかげん飽き飽きする。
  • サッカーのクラブ選手権の総集編を見てイライラした。なぜ中継しているテレビ局は優勝チームを映さないのか?サッカーの試合後なのに、なぜ質問するのが芸人なのか?解説者に質問させろと思った。なぜお笑い芸人が必要なのか?この局は名の通った芸人の頼みは断れないのか?選手に握手するばかりで、視聴者を無視し、自分のことしか考えていない素人よりもひどい言動だった。これを見て不愉快になった視聴者は大勢いただろう。最悪の中継だった。
  • 最近、大画面テレビの普及によって、テレビ番組の字幕が小さくなっています。茶の間の29インチテレビでも読みにくく、自室の21型では、読めない字幕が多すぎます。今でも14型くらいのテレビを大事に使っている家庭もあると思います。どうか字幕を読めるようにしてください。

【CM】

  • タバコとお酒のテレビCMは、時間で制限されているが、パチンコには制限を聞かない。パチンコ依存症が社会問題になっているにも関わらず、テレビで時間帯を問わず流している。パチンコは借金をしてまで遊戯する依存症を作り出しているにも拘わらず、CMではその危険性を指摘していない。刑法上もグレーであるものをテレビで流すのは倫理以前の問題ではないか。最低限パチンコ依存になる危険性を視聴者に伝えるのは、消費者金融のCMを見ている限り当然ではないか。大きな影響力を持つテレビなのだから、危険性があることをCMに組み込むように要請したい。
  • 「全日本フィギュアスケート選手権」を二日続けて見ているのだが、なぜ番組中のCMにパチンコやパチスロの広告が流れるのか?パチンコは未成年者は禁止である。しかしこの時間はゴールデン帯だから子どもも見ている。タバコのCMなどが全面的に放映を自粛している中、なぜこのような『博打』の広告が堂々と流れるのか理解に苦しむ。放送されるパチンコ自体に年齢制限があるのならば、CMにも年齢規制があってしかるべきではないか?せめて子どもがテレビを視聴していると考えられる時間帯に放送して良いCMと、そうでないものを区別するべきではないか?検討を願います。
  • ラジオをつけて家事をしていると毎夕決まって5時ころ「ねぇ~、早くしてぇ~」という切ない女性の声が流れる。ぎょっとするがコンドームのCMである。ここまで過剰な演出をしなくともメッセージは十分消費者には伝わるでしょうに、と思う。毎日うんざりする。

【BPOへの意見】

  • 放送法が改正され偽装報道や捏造報道を行っても行政処分を受けなくなったそうだが本当か?これはどれだけ嘘の放送をしてもOKってことか?誰からも処分を受けないテレビ業界は危険だと思う。BPOとして「これ以上の捏造報道をやったらアウト」のような規制や罰則を作ったらどうか?そうでなければ本当に日本のマスメディア、特にテレビは時代遅れになりますよ。偽装や捏造をいくらやっても罰せられないテレビ業界。一般人がこの事実を知るようになったら誰もテレビを信頼しなくなる。行政の介入がなくなったのはいいことだと思うが、だから今こそ業界自ら自分達に厳しい罰則のガイドラインを作ってほしい。ただでさえ某キー局は捏造まがいの放送を指導後も繰り返しているのだから。
  • あれだけ食品偽装や他業界の不祥事の報道を日頃、重箱の隅を突っつくように報道しているテレビマスコミが、同業者の不適切な表現については一切報道しない。やはりテレビ業界は身内の不祥事に甘いと言わざるを得ないのではないか?テレビは情報という名の商品を視聴者に提供しているわけで誤った情報を流したのなら謝罪して済むものではないと思う。ハンバーガーチェーン店の調理日改ざんに関する報道で、元テレビ局の女性を登場させて証言させたいわばやらせの如き一件は司会者が頭を下げて終わりにできる話ではない。なぜこうなったのか、今後このようなことが起きないためにどうするのか、担当者は誰なのかなどの責任追及をきちんとやってもらいたい。馴れ合いで甘やかされたテレビ業界と違い、普通の一般企業ならこのくらいの事後報告は行われると思う。とにかくBPOの指導力に期待したい。これで何も変わらないのならテレビ業界が必死に行政の介入を拒んでいるが介入されても仕方がない。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 今年の流行語大賞のトップテンに「そんなの関係ねぇ」が選ばれたが、子どもたちが今まで以上に真似るのではないかと心配している。海水パンツをはいただけの全裸に近い状態でテレビに出演しているが、賞を獲得したことにより今まで以上に出演回数が増え、子どもたちが見る機会も多くなるのではないのかと心配している。彼の前には股間を振るタレントが頻繁に出演していた。放送関係者は倫理観を持つべきである。
  • 情報番組。ニュースを読み上げるコーナーの画面に海パン姿の芸人が登場していた。バラエティー番組ならまだしも、ニュースコーナーでこのような服装は許せない。公共の道路でこのような格好をしたら公然わいせつ罪なのに、公共のテレビでは問題がないことに疑問を持つ。”芸”だと言われれば仕方がないのかもしれないが、何とかしていただきたい。制作者は自分の子どもに見せられる番組を作っていただきたい。
  • 公共放送であるNHKが”現在最もアツい作品や作家を取り上げ「どこが凄いのか?」「どこが面白いのか?」を分かりやすく的確に紹介する”というふれこみの番組で、この日は漫画を取り上げていた。胸の大きな女性に関心がある主人公はいいとしても「巨乳見てちんこたちすぎ 」などの表現を放送していた。これがこの漫画のポイントの部分なら、どうしてこのような漫画を取り上げるのか。また、そこがポイントでないなら、このような部分をあえて放送するのは不適切ではないか。
  • バラエティー番組。癖毛の芸能人に対して、「アンダーヘア」「わいせつ物陳列罪」「人前に出してはいけない」などと馬鹿にした表現と行動が放送された。私が少年の頃は、癖毛の人は馬鹿にされる象徴的存在だった。しかし、現代でもそれは変わらない様で、学校などで癖毛を馬鹿にされ、嫌がらせをうける子どもがいる。私自身「わいせつ物陳列罪」という表現には不快感でいっぱいだ。この番組だけではないが、子ども達に影響を与えやすい番組だからこそ、番組の内容と表現には細心の注意を払って頂きたい。
  • 昼間からふんどし一つのタレントが出演していた。やたら股間を振るお笑い芸人に続き、ふんどし姿でサングラスをかけた裸同然のお笑い芸人が出演している。一人前の男がこのような姿で大衆の全面に出る事は公序良俗に反している。「公然わいせつ罪」に相当した行為で逮捕されても不思議ではないタレントを、なぜ子どもたちが見ている時間帯に出演させているのか。放送関係者には倫理観がないのか。
  • テレビの番組である芸人が女子高校生に性器や臀部をこすりつけていた。これは未成年者に対する立派な強制わいせつ罪だ!これだけ犯罪が増え、苦しめられている女性がいるのにもかかわらず、性犯罪をネタにして笑いをとる芸人をなぜテレビ局は使うのか?これは、もはやテレビ局に強制わいせつ罪の教唆が成立するのではないのか?未成年者に対するわいせつ行為の教唆ではないのか?テレビは、面白ければ何をやってもいいのか!日本人のモラルの低下の一因は間違いなく、こういった犯罪じみた行為を行う芸人にあると思う。

【報道・情報に関する意見】

  • ニュースで謝罪会見が毎週毎週放送されている。最近では責任者がカメラの前で謝罪し、一斉にフラッシュがたかれる場面が必ず放送されるが、その映像は必要なのか?毎週あのような映像を見せられる子どもたちは健全に育つのだろうか?世の中が良い方向に向くのか?以前からとても気になっている。テレビでの報道は日本人の心に大きく影響する。そのことを考えてほしいと思う。
  • 東京都目黒区の医師方で、銃が暴発し次男が死亡した事件で、警視庁は一緒にいた幼稚園児の長男がライフル銃をいじっているうちに暴発したとみて、銃の管理に問題がなかったか調べているという報道があった。しかし、次のような問題点があると思う。1、長男が誰なのか特定しやすいような報道であること。2、警視庁は原因を調査中であり、長男が原因とは断定していないのに、長男を疑っているように報道している。3、この家には他にもライフルがあることを報道してしまった。銃を狙う犯罪者に狙われてしまう。この報道は少年法の趣旨に反する上に、新たな犯罪を呼ぶ。そこで、1、警察が調査中の場合は報道しない。2、未成年者を特定できる報道はしない。3、銃器がある家を特定する報道はしない、として下さい。
  • 長崎・佐世保のスポーツクラブ「ルネサンス」で発生した散弾銃乱射事件の報道について。確かに子どもを含む8人の死傷者が出た悲惨な事件であるが、銃を持っている人間全てが悪人であるかのような報道は止めるべきである。私自身クレー射撃の免許を取得して銃を所持しているが、最近小学4年の息子が”いじめ”を受けた。学校に確認した結果、テレビを見ていた3~4人の同級生から「お前のお父さんは銃を持っている悪いやつだ」と、私が銃を持っていることにより”いじめ”を受けていたことが判明した。事件を伝えることは報道機関の使命であるが、判断力のつかない子どもたちに配慮した報道を要望する。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • パチンコ機種のCMで、「あなたと合体したい」「気持ちいい」という台詞を一日中流しているが、性行為を連想させるので不愉快です。子どもが安易に台詞を真似したりして教育にもよくない。ぜひ放送を中止していただきたい。
  • ラジオでのCM。とてつもない数の信者と莫大な金を動かす宗教団体が一年中朝から晩まで「きちんと挨拶しよう~」「みんな仲良く~」と言う具合に子どもにもわかるような標語を用い、さりげなく長期間にわたりじわりじわりと洗脳するような手法で宗教団体の名を浸透させて行くのが不気味だ。

【「見解」に関する意見】

  • バラエティーの罰ゲームがやけに批判されていることに疑問を感じます。まず、罰ゲームが直接「いじめ」につながるとは考えられません。私は学生ですが、番組の罰ゲームを誰かにやってみようとか、他人をいじめたいという気持ちになったことはありません。家庭の教育だったり、生活環境のほうがよっぽど「いじめ」にかかわってくると思います。第一、バラエティーが子どもに悪影響を及ぼすというなら、そう言っている親が子どもに文句を言うなり、注意するなりすればいいのです。あるラジオで「いじめられていたが、バラエティーに救われた。」という意見もありました。これ以上バラエティーが規制されては困ります。番組の内容を知っている、あるいはそれを否定するっていうことは、その人はその番組を見ているんですよね?もし自分が見たくないと思うならばチャンネルを変えるなり、テレビを消すなりすればいいのです。それをしないで、一方的に否定して、見たいと思っている人の権利を奪うのは間違っています。青少年を守るためというのはありがたいです。しかし、このような守り方は悲しいです。
  • なぜ、バラエティー番組だけ規制されるのか理解に苦しむと言う人達が沢山いる。サスペンスや時代劇やドラマの方が殺害するシーンがあり、よっぽどの犯罪だ。ああいう番組を規制するべきだ。BPOはバラエティー番組をいじめすぎている。

【推奨意見】

  • 深夜アニメ。この作品はとある高校の剣道部を舞台に、女子部員を中心に目標に向かって頑張る日々を描いた物語。ギャグを交えた物語だが、複雑でドロドロとした人間関係もなく未成年の不健全な描写も少なく爽やかである。劇中に時々剣道の用語などが出てくるので番組を通して剣道への興味が湧いてくる。良いアニメであるが深夜放送なのが残念である。
  • 深夜アニメ。このアニメはいいと思う。最近まで放送されていた話は感動的だった。自らの運命を知りながらも必死の姉の結婚のために奮闘する姿、そしてそれを全力でサポートする主人公。アニメを批判する人たちにも見ていただきたい。
  • 深夜アニメ。登場人物の一人がクラスで集団無視されたり下駄箱の靴を隠されるなどのいじめを受けるが、それに怯まず真っ正面に立ち向かうストーリーでとても良かった。ただ、放送時間が真夜中だったので残念だった。ぜひ夕方などに再放送してほしいと思う。

【食べ物の扱いについて】

  • 環境への配慮や資源の無駄遣いの削減が呼びかけられている中で、タレントに大食いさせる番組が放送されているが、全く品位も配慮も感じられない。世界には飢えで亡くなる子どもたちも大勢いて、環境の変化や人口増加で食料に対しての意識が変わっていく中で、全く逆行するような番組内容に不快感を持つ。
  • バラエティー番組。太った医者が恐ろしい程の甘いものを食べたり、ゲストにそれを強要したりするコントは度が越えている。食べきれずに食べ物を粗末にしているし食べ方も汚い。見ていて気持ちが悪い。せめてこの時間枠でのコントはやめてほしい。子どもたちに悪影響だ。

【マナーに関する意見】

  • 温泉番組がかなり多く放送されているがどの番組も出演者が体も洗わずにいきなり浴槽に入るシーンばかり。そのため子どもたちもそれにならっていきなり浴槽に入る子が多い。注意すると「テレビでやっている」と言われる。テロップで「体を洗ってから入りましょう」といった注意書きなどを放送できないのか。
  • ラジオ番組。番組のコーナーでリスナーに電話をかけたのだが、リスナーは丁度電車の中であった。パーソナリティーは「ま、いっか」と言って電話で話し始めた。電車内での通話はマナー違反であるし、もし優先席の近くだったらどうするのか。「ま、いっか」で済むことではない。青少年がよく聴くラジオでマナー違反を推奨するとは何事だ。

【性表現について】

  • 「おしりかじり虫」の歌をよく放送しているが、歌詞をよく聴くと「おしりをかじってかじって~かじられちゃって超いい感じ」という表現があり、ぎょっとする。近頃は児童に性的な興味を持つ倒錯者も多く、警戒心を持たない子どもたちにこの歌を歌いながら近づき性的な害を及ぼすやからが出るのではないかと心配になる。

【非科学的なことに関する意見】

  • バラエティー番組。霊視、守護霊など現実に存在し得ないことをあたかも真実であるかのように語り、人心を惑わす詐欺的な内容を堂々と放送している。最も心配なのは子どもたちが「来世」「輪廻転生」を信じ、いじめ等で絶望したときに人生をリセットしようと自殺をしてしまうことだ。実際今年そのような痛ましい事件が起きている。この種の番組はすぐにでも排除してくれるよう局に意見をしたが、真摯に受け止める態度が感じられなかった。

【表現や演出に関する意見】

  • アニメ番組。小さい子どもが食い入って見るような作品で、よく見られるCGなどによる激しい動きを無意味に多用するのを止めてほしい。先日流れた映画の予告を見て、CGのあまりの激しさに気分を悪くして嘔吐したことのあるうちの子どもがかわいそうでならない。過去のポケモン事件の経験を生かし、CGなどの乱用も子どもの体のことを考えた優しいものにしてほしい。

【動物の扱いについて】

  • バラエティー番組。大きく育った動物を捕まえて殺していくシーンが延々と流れます。残酷です。あんなふうにたった一人のために「あれ程の大きさまで育った動物をゲームのように捕まえて殺して食べてもいいんだよ」というメッセージを子どもに見せるべきではないと思います。「伝説」のためなら何を殺しても良いという勝手に作ったルールで動物を殺していくのはやりすぎなんじゃないでしょうか。見つけた動物を気分次第で殺している所を、スタジオにいる出演者が皆で喜んでいる映像も残酷です。

【視聴者意見への反論・同意】

  • BPOのHPを見ると、青少年委員会・放送倫理検証委員会双方に「そんなのかんけぇねぇ」の芸人に対する批判意見があった。「幼児が真似して困る」とあるが、子どもはそのような間違いをして怒られて成長していくものだと思う。幼児がそのようなことを行わないようにしつけるのが親の責任ではないか。また、双方の意見共に、番組の向上のための批判ではなくほとんど個人的に嫌いだからただバッシングしているようにしか見えない。
  • 「小学6年生の勉強合宿に密着取材という特集で、男子の入浴現場を放送していた。(中略)そもそも男の子の羞恥心やプライバシーを無視して浴場でカメラを回すのは問題だと思う」という意見に同意。100%ダメだとは言わないが、必要最小限にしていただきたいと思う。
  • 最近「深夜アニメが子どもの犯罪を助長する」という論調が広まっていますが、そもそも子どもが深夜まで起きていること自体異常ではないでしょうか?子どもが深夜まで起きているのを認める親の側の責任の方が、テレビ局の責任より大きいと思います。子どもにとって不健康だし、そもそも深夜番組は子どのが見ないことを前提に作られています。犯罪の原因を安易にテレビ番組に求めてしまう昨今の風潮はおかしいと思います。

【その他】

  • ドラマ番組。サンタクロースからのプレゼントの話しだったので息子と一緒に見ていたが、子どもの夢と思い出を奪う内容だった。クリスマスが近づきママとパパが子供にプレゼントして欲しい物を聞き、パパとママが子どもが寝ている間にそのプレゼントを置くシーンが放送された。息子も驚いて「サンタクロースはパパとママなんだ」と叫び、子どもの夢が打ち砕かれてしまった。今朝同年代の子どもを持つ親たちの話題になったが、まさかこの時期にこのような内容が放送されるとは誰も思わなかった。

第130回 放送と人権等権利に関する委員会

第130回 – 2007年12月

メディア・スクラム苦情の対応について意見交換

放送人権委員会10周年フォーラムの報告…など

メディア・スクラム苦情の対応について意見交換

放送人権委員会では、本年7月、運営規則に「集団的過熱取材(メディア・スクラム)」に対応する条項を明文化し、また、このところ事件渦中の人物やその家族から過熱取材による被害の救済を求めてくる例が増えてきているため、12月の委員会にテレビ朝日取締役で民放連報道小委員長の渡辺興二郎氏とNHK報道局社会部長の柳辰哉氏を招き、メディア・スクラムへの対応策等について意見を交換した。

まず渡辺氏が「2001年初頭に集団的過熱取材への批判が急速に強まり、民放連会員各社は、過熱取材による被害防止のために各社共通の留意点を現場取材者に徹底させるなどの対応を取るべきであるとの認識に達し、放送局の枠を超えて解決策を取ってきた」と述べ、在京キー5局が持ち回りで幹事を務める等の対応体制を具体的に説明した。

続いてNHKの柳氏が、取り囲み取材や通夜・葬儀、静穏が求められる場所での取材等についてまとめられた新聞協会編集委員会の見解を説明、また、「メディア・スクラム対応は、しっかり取材するためのものである。人々の信頼を失うと取材がしにくくなるからだ」との考えを示したうえで、対応策として「1.早めの対応、2.現場を見る、3.社会人としてのマナーを守れ、を徹底しようとしている」と述べた。

これに対し委員側からは、「メディア・スクラム発生の可能性にどう対応するか」「公人の場合は対応を区別して考えるとしているが、具体的にはどう区別するのか」等の質問があり、渡辺・柳両氏から「この6年間メディア・スクラム対応をやってきて、今は相当迅速に動けるようになった」「公人は違うというだけで区別するのは危険だと思う」「BPO・放送人権委員会に寄せられる情報をできるだけいただき、それを現場取材に生かしていきたい」等々の発言があった。

放送人権委員会事務局からは、最近の例として、守屋防衛省前次官の家族から「集団的過熱取材による報道被害の訴え」があったことは民放連の対応幹事社とNHKに伝えたが、委員会として善処を要望する事態までには至らなかったことを報告した。

放送人権委員会10周年フォーラムの報告

放送人権委員会事務局から、去る12月5日(水)に開催された「放送人権委員会10周年フォーラム」の概要、反応、アンケート結果などについて報告した。

フォーラムには、民放120名、NHK31名など239名が参加、コンプライアンス担当や編成担当を中心に、報道・情報の制作現場の人も集まった。なお取材のテレビカメラは、5社・6台。

竹田稔放送人権委員会委員長による基調講演「放送による人格権侵害と放送倫理」に続き、三宅弘放送人権委員会委員のコーディネートで「放送倫理」をメインテーマにパネルディスカッションが行われた。ジャーナリストの江川紹子さん、読売新聞の鈴木嘉一さんらをパネリストとし、これまで放送人権委員会が審理して来た事例を中心に、取材・編集・OAのそれぞれの段階での問題を討議、会場からの声もたくさん出され、活発な意見交換が行われた。その中では、取材における隠しカメラ・隠しマイク、編集・OAでのモザイク・顔を映さないインタビューの多用などについて、その妥当性や問題点が指摘され、参加者の関心も高かった。

参加者のアンケート結果では、「具体的な事例をベースにしたフォーラムで、分かりやすく有益だった」と言う声が多く、この種のフォーラムを年に1度は開いて欲しいという要望が多く寄せられた。

なおこの日の委員会で放送人権委員会委員から、「内容的にも充実していて良かった」という声と共に、「視聴者・市民と放送局の間に立つ第三者機関のBPOであるので、フォーラムにも市民が参加しても良かったのではないか」という意見もあった。

「グリーンピア南紀再生事業の報道」事案の通知・公表報告

和歌山県那智勝浦町にあるグリーンピア南紀の再生事業を請け負った香港ボアオのオーナーが、読売テレビの報道番組で事実と異なる報道をされ名誉を毀損され、プライバシーを侵害されたと権利侵害を申立てていた事案で、委員会は「名誉毀損にもプライバシー侵害にもあたらない」という判断を下した。12月4日、その「決定」を申立人、被申立人双方に対し通知し、マスコミに公表した。その模様とその後の放送対応について事務局から下記報告を行った。

  • 通知・公表には、竹田委員長と起草委員を務めた五代委員長代行、三宅委員が出席、記者会見にはメディア側からは24社41人が集まり、テレビカメラ6台が入った。
  • 決定通知を受けた申立人の代理人は「人権尊重の観点からの問題提起に何の配慮もなされていない」と決定に不満を表明する見解を出した。一方、読売テレビは「極めて妥当な見解である」とのコメントを発表した。

また、委員会は、当該局読売テレビの、この決定についての当日夕方のニュースを視聴した。
2007年度に、委員会が「決定」を出した事案はこれで5件で、過去最多となっている。

仲介・斡旋解決事案と苦情概要

●「松茸の産地偽装疑惑報道」事案の仲介・斡旋解決

11月、ある地方の松茸販売業者から「当店は、この地方でただ一店、産地表示して松茸を売っているのに、朝早くからアポイントもなく押しかけてきた記者に最初から結論ありきの態度で長時間取材され、中国・韓国産の松茸をあたかも当地方産と偽装して販売しているように報道された。当該局に抗議すると『間違った放送はしていない』の一点張りだった」と苦情を申し立ててきた。

放送人権委員会事務局では、当該局に対し「申立人は、地元商工会や観光協会との関係を一番問題にしている」と伝えた。

これを受けて局の番組責任者が申立人を訪れて話しあった。その結果、「産地偽装についてはそれぞれ言い分があったが、”アポなし長時間取材”等についてはお詫びした。申立人は当方の誠意を認めて和解に応じ、解決書を取り交わした」との報告があった。

また申立人に確認すると「局の責任者が商工会・観光協会にも事情を説明してくれた。お陰で円満に解決することができた」ということであった。(放送11月 解決12月)

●人権等に関する苦情

11月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

◆人権関連の苦情[11件]

  • 審理・斡旋に関する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・7件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・4件

放送法改正案について

12月11日衆院本会議を通過した放送法改正案について、審議経過などを事務局が報告した。

この中で、12月4日の衆院総務委員会にはBPOの飽戸弘理事長が民放連会長やNHK会長らとともに参考人として招かれ質疑が行われたこと、また13日にはBPOの放送倫理検証委員会の川端和治委員長が参院総務委員会に招致されたことが紹介された。

また、放送法改正案が衆院を通過した際には、BPOに関連して「放送の不偏不党、真実及び自律が十分確保されるよう、BPOの効果的な活動等関係者の不断の取り組みに期待するとともに、政府においては、関係者の意向も踏まえつつ、その取り組みに資する環境の整備について検討を行うこと」という付帯決議が行われているが、この点に関してBPOとして何らかの意思表示をすべきではないかと言う意見があった。

しかし、当面は、参院での審議の成り行きを見守ることになった。

次回委員会を、1月15日に開くことを決め、閉会した。

以上

第8回 放送倫理検証委員会

第8回 – 2007年12月

フジテレビ 『27時間テレビ・ハッピー筋斗雲』審議

事務局からの報告 …など

フジテレビ 『27時間テレビ・ハッピー筋斗雲』審議

「善意の放送の形をとりながら、結果的に自分や周囲の人たちが傷つけられた」と、出演させられた一般の人から抗議が寄せられた番組について、前回委員会後にフジテレビへ詳細な質問を行った。その回答をもとに、「審理」か「審議」かを巡って議論が行われた。その結果、「審議」事案として、番組の作り方についての放送倫理上の問題を指摘し自省を促す提言を行うことにした。そして、これまでの議論を踏まえて、虚偽の設定や、構成上に作為があったことなどについて、担当委員が委員会の意見をまとめ、次回委員会で最終結論を出し、その後公表することになった。

なお、委員会では、「審理」だから重い、「審議」だから軽いという考えはとらない。より良い番組作りのために役立ててほしいので、放送局はそのことを理解してほしい。また、公正さを保つために慎重に時間をかけざるを得ないことを周知しようということになった。

事務局からの報告

事務局から以下の件について報告し、委員会はその扱いを協議した。

1.「奈良・放火殺人事件をめぐる調書漏洩事件」報道・・・読売テレビ報告書。

  • 「奈良地検が秘密漏示容疑で令状に基づいて京都大学教授の自宅と大学の研究室を家宅捜索した。その日の昼のニュースと夕方のニュースで、”関係者によりますと(中略)調書から○○教授の指紋も検出されたということです”と、教授が一連の事件に関与していた可能性が強いことを示す内容で、実名を映像入りで報道した。しかし、捜査の結果、教授の指紋は検出されず、奈良地検は当該教授に対する立件を見送った。読売テレビは、捜査当局が最終処分で教授が事件と関わりがないとの判断を下した際に、その事実を伝えることにより教授の名誉回復を行う報道を怠った。このため番組担当者らの社内処分を実施し、教授あてにお詫びの文書を提出した。また、年末の番組内で、その事件を振り返る中で、名誉回復措置を取ることを考えている」

以上の報告内容について委員会では、どういう裏付けを取って報道したのかが不明であること、これから行われる名誉回復措置がどういうものであったのか、次回までに最終報告書の提出を要請、検討して公表することにした。また、今後、犯罪報道の問題について委員会が検討する場合、ケースのひとつとして取り上げることも考えたほうがいいかもしれないなどの意見が出た。

2.『報道ステーション』マクドナルド元従業員制服証言報道・・・テレビ朝日報告書

  • マクドナルドのフランチャイズ店で調理日の偽装があった問題で、直営店でも調理日改ざんがあったと元店長代理が制服を着て告発発言した。しかし、「やめた人が制服を着ているのはおかしい」、「制服は現在の制服ではない」など視聴者からの指摘が多く寄せられた。テレビ朝日は、番組で演出方法に誤りがあったと放送し、委員会宛に説明文書を提出した。

委員会では、元従業員の制服姿の告発発言と、お詫びの両方の録画を視聴して、議論。

  • なぜ、制服を着せる演出をしたのかの説明がなされていない
  • 当委員会の『朝ズバッ!』に対する見解を踏まえて、内部告発の扱い方を学習しているとは思えない。

などの意見が多く出された。検討の結果、委員会からテレビ朝日に質問書を出し回答を求め、その内容を公表するという方針を決めた。

3.香川・坂出市事件の犯人視報道(祖母と二人の孫が殺された事件)

  • 殺された子供の父親が、警察へ通報したのがなぜ遅かったのかとの疑問がコメンテーターと司会者の間で出た番組に対し、視聴者から「犯人視している」との抗議が多数寄せられた。他の局では、一部報道で発見から通報までの時間の経過が疑問視されていることを父親に質問して、その疑問に怒った父親の姿を何度も繰り返し放送した。また、別の番組ではコメンテーターが共犯について息子さんしかいないと発言。さらにある番組では、コメンテーターが「殺された祖母が孫を盾にしたのではないか」と憶測を述べた。容疑者逮捕後も犯人視した番組で謝罪がなされていないなどの視聴者意見が多く寄せられた。事件の捜査段階での報道のありかたについて、大きな問題が多く含まれている。

委員長から「参院総務委員会でも、オウムの事件のとき以来、まったくテレビは学習していないではないかという意見を述べられた議員がいて、この問題については次の放送倫理検証委員会で議論の対象としますと申し上げた。この委員会で扱うとすると、犯罪の捜査段階の報道のあり方という視点からで取り上げることになると思うが、どうするのか議論していただきたい」と発言があり、議論した。

  • 程度の問題だが、犯罪の捜査過程において、犯人の推理等を延々とやること、繰り返しの映像で印象づけるということはいかがなものかと思う。しかし、これは一切やってはいけないという具合にもいかない。
  • 結論から言えば、こんなことをやっていると、犯罪報道にどんどん規制がかかってきますよということ。
  • 変なことになると、犯罪報道全部が萎縮してしまう結果を招きかねない。いけないのは犯人視報道と憶測報道だ。
  • 委員会として犯罪報道の問題をテーマにシンポジウムを開いたり、各社の代表を全部集めて議論をぶつけ合わせるというようなことをしてはどうか。一定の結論を出そうということは考えないで、この問題をいっしょに考えようというシンポジウム的なことをやるなど、もっと違うやり方、対応もあるのではないか。
  • 個別に一つ一つ取り上げていくよりは、もっと大きい影響を与える可能性があるということでは、いいやり方かもしれない。

4.光市事件裁判報道

  • 「光市事件」の報道を検証する会から、「光市事件の差し戻し審報道では、あまりにも弁護団へのバッシングがひどく、事実関係についても間違いや歪曲がある。また、制作姿勢としての作為や、いわゆる演出過剰、再現映像でも事実に反した部分もあって非常に誤解を与えている。当該局には、質問書を出したが、いずれも門前払いのような回答で、真剣に考えてくれない。裁判員制度導入を間近に控えて、こういう裁判報道のありかたについて、6局18番組を取り上げて、委員会で検証して欲しい」と申し入れがあった。

委員からは、

  • 小委員会を作ってやっていかないと、できないのではないかと思う。
  • 公正な論評やコメントの範囲にとどまっているのかどうか。そこを逸脱して、ほんとに問題が番組の中にあるのであれば、それは取り上げないといけないと思う。
  • 裁判報道一般のあり方のようなテーマを入れると、手に余るのかなという気もする。

最後に、委員長が、当該局は基準にまったく反していないと言っているが、委員会として「具体的にこの点についてはどうして基準に反していないと思うのか」と質問すべきと思われるところを抽出することから始めようと提案し、その作業を委員長代行に要請。その上で、どうするか、次回委員会で検討することにした。

委員会では、これまで提出された資料、当該局から提供された18番組の放送録画を配布し、次回委員会までに視聴してもらうことにした。

視聴者意見の検討

一ヵ月間の視聴者意見の概要を事務局が報告した。

香川・坂出市事件についての意見が多く寄せられ、また言葉の問題、メディアスクラムなどについての意見が特徴的だった。

以上

第85回 放送と青少年に関する委員会

第85回 – 2007年12月

視聴者意見について

中学生フォーラムについて …など

12月11日に開催した今年度第8回青少年委員会(通算85回)では、11月20日~11月30日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に審議したほか、中学生フォーラムと調査・研究について検討した。

議事の詳細

日時
2007年12月11日(火)
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題

視聴者意見について

1.『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』について

先月に引き続き、視聴者から「バラエティーの罰ゲームが本当に青少年に悪影響を与えるのか」という『見解』に対する反論意見が寄せられたことについて、是永論委員から『テレビが視聴者の現実認識に与える影響―ワイドショー等、番組タイプ別の培養分析―』(中村功、1998年)が紹介され、「テレビの暴力シーンが、見る頻度によって暴力に対する意識の持ち方に影響するという培養効果に関する研究の中で、バラエティーの視聴頻度の高い人に関して、暴力に対する社会観や認識に対するテレビ視聴の効果が、他の番組に比べて強いという結果が出ている。議論の余地はあると思うが、『見解』の反論に対する科学的な根拠のひとつとして参考になると思う」と説明があり、委員から「ワイドショーやバラエティー、刑事ドラマの視聴頻度が高い人ほど、実際の犯罪件数は減少しているにもかかわらず、世の中に暴力が溢れているという認識が強く、中でもバラエティーを見ている人に効果が強く出ているということなので、『見解』への反論に対し、根拠のひとつとなるのではないか」という意見が出された。

また、「この調査は、バラエティーの内容分析まで踏み込んでいないので、バラエティーに絞った調査研究を行うと罰ゲームの影響が実証できるかもしれない」という意見も出され、調査・研究のテーマとして検討することになった。

2.男児の裸について

田舎暮らしを始めた家族を紹介する番組の中で、小学生の少年を含む幼い兄弟が風呂に入るときに全裸が映ったことに対し、「児童の人権、児童ポルノ法の観点から見て不適切だ」「女児の裸は大騒ぎするが、男児はいいのか」等といった視聴者意見が寄せられ、当該局からビデオ提供を受け、委員会で視聴のうえ審議した。各委員の意見は次のとおり。

  • 制作者としては、大自然の中で暮らすことと子どもの裸が調和するという意図で作ったのだろう。全体の流れで見ると全く問題ない。しかし、男児の裸でも撮る時はバストショットにするなりカメラワークを考えて撮ったほうがよかったのではないか。
  • 番組自体はほほえましい映像で、子どもの裸についても悪気なく映してしまったのだろうが、悪気のある人が見る可能性もあり、慎重にならなくてはいけないのではないか。今は人権に対する社会のレベルが上がってきているので、制作者も意識するべきだ。
  • 子どもの裸に関しては、制作者は番組の構成に必要かどうかを考えるより、機械的に全裸は映さないと判断して作るべきではないか。
  • 制作者に対し、いきなり児童ポルノの関係で男児の裸は映してはいけないという警告をするより、児童ポルノに利用されるという認識なく作っていることが問題なので、そのことを委員会として知らしめていくことが大事だ。
  • 男児の児童ポルノに関する取り扱いについては、各社のガイドラインの見直しの際に検討するよう求めたい。

以上の審議の結果、児童ポルノに関しては継続審議になっているが、特に男児に関して今後も上記と同様の問題が出てくることが予想されるので、できれば次回委員会に専門家を招き、勉強することにした。

3.アニメ番組について

京都父親殺人事件に関連して、2つのアニメ番組が放送中止・休止になり、それ以後も深夜に放送されていたアニメが打ち切りになったことなどに対し、「深夜アニメが問題というならば、視聴年齢制限制度をつくるべきだ」「影響があるからと打ち切りにするより、青少年が安全に視聴できるよう映画のPG指定相当の区分を導入してほしい」といった視聴者意見が寄せられ、委員から次のような発言があった。

  • 深夜帯に放送しているアニメは、大人向けの内容でもタイトルだけでは分からないものもあるので、番組のタイトルに”何歳以上”といった注意書きがあったほうがいいのではないか。
  • 視聴年齢制限制度を導入すれば、見せたくない保護者は自主的に制限がかけられるのでこれも選択肢の一つと考えられるのではないか。
  • 年齢制限制度をつけてしまうと、かえって子ども達に見たい気を起こさせてしまうのではないか。

以上の審議の結果、深夜帯のアニメについては、今後も注視していくことになった。

4.パチンコCMについて

アニメゲームを基にしたパチンコ台のCMについて、「性的なことを連想させる表現が出ているので、子どもが見る時間帯での放送は自粛してほしい」といった意見が視聴者から寄せられ、委員から次の意見が述べられた。

  • 子どもが見る時間帯のCMについては、過度の性的表現などは注意して放送してほしい。
  • 視聴者が指摘しているパチンコCMは、だんだん表現がエスカレートしているようだ。局の考査はどう判断しているのか疑問がある。
  • 番組はチャンネルを替えるなどで選択できるが、CMはいつどんな内容のCMが流れてくるか分からないので、視聴者には選べないということを放送局は考えてほしい。

以上の審議の結果、パチンコCMの放送状況を調査したうえで、さらに議論していくことになった。

そのほかに、「バラエティー番組で、お笑い芸人たちが身体に攻撃を加える芸は、あくまでもテレビの中だけのものと一般視聴者には分かっていても、特別支援を受けている子どもたちは健常者と違い判断することができず、マネをしてしまうことが多いので、視聴者の中には現実と非現実の区別がつかず受け入れてしまう人たちがいることを忘れてほしくない」という視聴者意見が寄せられ、委員から次のような発言があった。

  • 今までは、青少年という枠で影響の有無を問題にしてきたが、一歩踏み込んで対象とする範囲を広げ、特別支援を受けている知的障害者も含めたうえで、委員会としての活動をしていかなくてはいけないと感じた。
  • 特別支援には知的障害だけではなく、軽度の発達障害の人達も含まれ、特定少数の人達とは言えない。また、虐待を受けた子ども達がいる養護施設での再虐待なども問題となっていることを考えれば、バラエティーでの罰ゲームなどがどう影響してくるのか、大きな問題となってくるのではないか。

以上の意見を受け、バラエティーの罰ゲームについては、青少年だけでなくこうした障害者への影響についても議論を広げていくことになった。

中学生フォーラムについて

事務局から第1~6回までの内容説明と今後の取り組みについて提案があり、次のような意見が各委員から出された。

  • 日本のテレビ番組のことだけでなく、世界の悲惨な状況にいる子ども達の存在を中学生モニターに知ってもらいたいが、フォーラムの中で放送とどう結びつけていくかが難しいところだ。
  • 制作者が学校に行き、番組作りの裏側を教える”出前授業”のようなものや海外のテレビ番組を見せ日本の番組と比較させるといったメディアリテラシー的なことをテーマにしてはどうか。
  • PTAの調査で子どもに見せたくないと言われている番組について、親と子ども達の考え方の違いを議論させることも必要と思うので、そういった場にできないか。
  • 舞台の上で、制作者と子ども達が話し合うといった構成では、双方ともなかなか本音が出ないので、もっと会場にいる人も参加できるワークショップ的なものにするといいではないか。

以上の意見を踏まえ、小田桐誠委員を中心に企画・構成を詰めていくことになった。

調査・研究について

来年度の調査・研究について検討し、各委員から次のような意見が出された。

  • イギリスでは、近年、子ども番組が減少しているようだが、日本と海外の子ども番組の比較研究をして、青少年向け番組のあり方を考えてはどうか。
  • 是永論委員から紹介のあった『テレビが視聴者の現実認識に与える影響―ワイドショー等、番組タイプ別の培養分析―』を参考に、バラエティーに絞った内容分析を行い、罰ゲームが青少年に与える影響について調査研究ができるとよい。
  • メディアリテラシー的なプログラムを組み、その成果を定期的に収集していくかたちでの研究のほうが委員会に活用できるし、また、フォーラムの企画としても組み込めるのではないか。

以上、調査・研究のテーマについては、今後も継続して検討することになった。

中学生モニター報告〔12月分〕

12月はこれまでと異なり、委員会から「バラエティー番組の罰ゲームをどう思うか」という課題を提出した。報告は32人のモニターから寄せられ、青少年委員には委員会終了後のため郵送された。報告の概要を紹介する。

  • 「罰ゲームは絶対止めるべき」(6件)・「罰ゲームは必要不可欠だ」(1件)という両極の意見は少なく、「必要だが、ひどいものは規制」「反対だが楽しいものなら良い」という意見が大多数の25件を占めた。
  • 肯定的な意見は、「私は、罰ゲームをやることで番組がおもしろくなる、と考えます。本来、暴力をふるうことは悪いと思いますが、芸人、芸能人はそういうことをやってお金をもらっている。それが仕事なんだと思います」、「罰ゲームが無くなったら面白味が無くなってしまう。罰ゲームは我々中学生にあまり影響が無いように感じます。僕の学級では普通の会話にバラエティー番組の話題などはほとんど出てきません」などであった。
  • 罰ゲームに反対する意見で目立ったのは「食べ物を粗末にするのはダメ」というもので9件あった。
    また反対する理由として「一歩間違うと怪我をしたり、死んだりするような罰ゲームは絶対にやめた方がいいと思う。中学生や小学生でも簡単に真似することが出来るものは特にだ」、「罰ゲームが、学校で遊びとして使われていたことがある。内容は、あまりひどくはなかったが、やられていた子は、とても痛そうで、その罰ゲームの放送に疑問を持った」、「中・高生の手本ともなるテレビで大人がイジメに近いことを堂々とやるのはよくないと思います。罰ゲームをやるにしても、もう少しソフトな罰ゲームを考えてもらいたいです」などであった。
  • 批判意見が多く寄せられたのは、『はねるのトびら』(9件)と『めちゃ2イケてるッ!』(4件)の2番組。『「ぷっ」すま』と『とんねるずのみなさんのおかげでした』には2件ずつ、「罰ゲームのモノマネで笑え、勝った人にごほうびをあげるなど、見ている方も気持ち良い」などの好評意見があった。
    また「どの番組の罰ゲームもワンパターンで面白味がない。出演者も視聴者もナニが起こるか分からないような罰ゲームにした方が良い。最近はウケ狙いのために大げさなリアクションをとる人が目立つ」という厳しい批判もあった。

青少年委員からは、中学生モニターへ以下のお便りが送られた。

  • 中学生モニターの皆さんが真剣に考えて下さったことを、いつもながらとても嬉しく拝見しました。罰ゲームに賛成の人も反対の人も、自分なりの根拠をしっかり提示して書いています。
    私たちが日々、直面する問題には、どちらが絶対に正しいとか、間違っているとか、簡単には是非をつけられない問題が少なくありません。バラエティー番組の罰ゲームもその一つかも知れません。送付される12月分の中学生モニター報告のまとめを、どうか「違い」に関心をもって読んでみてください。自分とは異なる意見を表明したモニターの意見が見つかったら、それをあなたの意見を見直すチャンスにしていただければと思います。
  • 特に具体的な提案があるのがいいですね。なるほどと、ついつい頷いています。
    バラエティー番組が好き・嫌い、罰ゲームここまでなら許せる・絶対許せない。いろんな感想、意見があるのは自然なことですし、とても大切なことです。自分の意見とは違っても、他の人が自由に発言する権利はみんなで守っていかなければなりません。ともすれば異なる意見を、力や数で排除しがちですが、それでは双方向のコミュニケーションは成り立ちません。自分の思いをうまく、わかりやすく、適確に表現して伝えることは大事ですが、それ以上に相手の言うことに耳を傾ける習慣を身に付けていくことが重要だと思います。是非聞き上手になってください。

1月のモニター報告は「年末年始の特別番組について」の感想を聞く事になった。