2022年3月に視聴者から寄せられた意見

2022年3月に視聴者から寄せられた意見

深夜のバラエティー番組出演者の発言について「セクハラ」や「差別」を指摘する意見が多かった。また、ウクライナ人ゲストへのラジオ番組出演者の発言に対して「配慮を欠く」などの意見が寄せられた

2022年3月にBPOに寄せられた意見は1,717件で、先月と比較して213件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール 82%、電話 16%、 郵便・FAX各 1%
男女別は、男性40%、女性22%で、世代別では40歳代 27% 、30歳代 21%、 50歳代 20% 20歳代 14%、 60歳以上 12% 、10歳代 2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は922件【55事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から23件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

深夜のバラエティー番組出演者の発言について「セクハラ」、「差別」と指摘する意見が多かった。また、ラジオ番組出演者のウクライナ人ゲストへの発言に対して「配慮を欠く」などの意見が寄せられた。ラジオに関する意見は87件、CMについては27件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は104件で、前月から12件増加した。
今月は「低俗、モラルに反する」が23件、「いじめ・虐待」が18件、「表現・演出」が14件、「差別・偏見」が12件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 電話出演したウクライナ人ゲストに対し、スタジオ出演者が「ウクライナが抵抗を続けることで死者が増えている」「『無駄死に』させたくない」などと発言、ゲストが取り乱すまでに至った。発言のもとになっているのが、ウクライナの人々の命を心配する気持ちであることは分かるが、心配していることを表現するに留めるべきであったと思う。

  • 有名タレントの名を冠した「緊急生放送」番組。「ゼレンスキー、プーチン両大統領の素顔に○○(タレント名)が迫る」などと予告していた。ウクライナ情勢について専門家の意見は他の番組で聞いていたので、より視聴者に近い彼の意見が聞きたいと思って番組を見た。ところが彼の発言はほとんどなく詐欺にあったような心持ちだった。番組タイトルは視聴率を取るためのものだったのか。

  • 2月に新型コロナに感染し復帰した情報番組の司会者が「『しばらくは抗体価が高いのでワクチンは今だと打ち損になる』などと聞いたので3回目はまだ接種していない」と発言した際、コメンテーターの一人が強い口調で「打ってないの?番組の代表であるMCが3回目打ってない」と非難した。テレビでワクチン接種を推奨することを悪いとは思わないが、未接種者を責めるような内容を放送するのはいかがなものか。

  • 学校でのいじめの問題を取り上げていた。27分間の番組で全てを表現するのは難しいとは思うが、いじめが犯罪であることが強調されなかったことに危機感を覚えた。やはりこのことが社会的に認知されていかないといじめ、自殺者は減らないと思う。でも放送することは非常に良いこと。次回はもっと良いものになることを願っている。

  • 子宮頸がんワクチンの積極的接種が始まるという特集が放送されたが、約9年前、何の医学的根拠もなく副反応の不安をあおる報道がなされた。生命を守るための国の政策であるにもかかわらず、当時の報道にはそれを中止させようという意図があったはず。放送局は毎年子宮頸がんで亡くなる人の数字をどう見ていたのだろうか。今回、メディアとして反省がはっきりと示されなかったことに憤りを覚えた。

  • 成人式会場周辺で暴走行為をした疑いで逮捕された新成人が「日本一派手な成人式にしたかった。捕まったのは残念だがテレビに映って日本一なので満足している」と供述。暴走行為を放送するテレビ局は「彼の愚行を誘ったのは自分たち」という自覚を持つべきだ。

  • ニュース番組の「野菜泥棒」「さい銭泥棒」の取材方法、放送内容について。無人野菜売り場や神社にカメラを仕掛け、スタッフがまるで探偵のような行動をとって盗んだ人物に詰め寄り、警察に現行犯で逮捕させる。犯罪者を作り上げているようなやり方だ。泥棒が絶対にいけないのは当然だが、人権はどうなるのか。テレビ局、報道というものはここまで許容されるのか。

  • 私は視覚障害者。ニュース番組の外国人のインタビューが、音声は原語のまま、日本語訳は字幕のみというケースがあり困っている。ロシアの戦争の情勢を知りたいと思っても、緊迫している雰囲気は想像できるが発言の中身が分からないので、ただただ不安を煽られているように感じることも多い。「吹き替えではニュアンスが変わってしまう」という意見も聞くが、聴覚に頼る人のためにぜひ吹き替えをつけてほしい。

  • 外国人のインタビューの日本語訳は、吹き替えではなく字幕で示してほしい。視覚障害者向けの吹き替えは副音声に入れてほしい。吹き替えでは話し手の元の発言が聞き取れず、誤訳、改ざんの可能性も否定できなくなる。

  • この報道・情報番組に出演しているのは、MCもコメンテーターも皆同じ考えを持つ人ばかり。反対意見を持つ人を出演させて番組内で議論するのなら理解できるが、これでは一方向に誘導されているように感じてしまう。

【番組全般・その他】

  • スタジオに水着姿の女性を並べて「品定め」。尻の大きな女性を例えて「ホッテントット」。「胸の張りで生理の前か後か分かる」には背筋がゾッとした。共演の男性タレントにも自慰の頻度を言わせるなど屈辱的なセクハラ。出演者とスタッフによる公開セクハラ、人権侵害だ。

  • スタジオに水着姿の女性を並べて「品定め」。さまざまなハラスメントがあった非常に不快な内容だった。「お色気」がよくないのではなく、異性や他者への敬意に著しく欠け、その尊厳を傷つけていて、大きな問題があると感じた。

  • タレントたちにニュースを解説する番組の「日韓関係SP」。全編が韓国を蔑視する論調で見るに堪えないものだった。こんな差別的な番組を放送していいわけがない。

  • タレントたちにニュースを解説する番組の「日韓関係SP」。日本の公式の立場を全く考慮せず、韓国側の主張に基づいて解説している。

  • 何らかの理由で歯が少ない一般の人をスタジオに集め、タレントたちが滑舌などを手掛かりにして歯の本数を当てるというゲーム。人の身体的欠損を笑う悪趣味な企画だった。気分が良くないし倫理的にどうかと思う。

  • 教員をしていて、東京大学をあがめるような番組の影響を子どもたちが少なからず受けている気がする。難関校に行きたがるが「将来自分が何になりたいか、何を学びたいか」については深く考えていない。「学歴ではなく何を学ぶかが大事」と諭すと、「学歴が悪いと馬鹿にされる」と答える生徒までいた。テレビで過度に学歴を誇張すると、それが社会に広まっていったり、子供たちの視野を狭めたりするのかなと感じた。

  • 何十年と放送が続く人気アニメでは、母親はみな専業主婦、父親は会社員。性別によって役割を決めつけ、そのイメージを子どもたちに洗脳のように植えつけている。ジェンダーギャップで日本が世界から取り残される下地になっていると思う。子どもたちに「ジェンダーギャップを助長するからこの番組は見ないで」とは言えない。何かを変えていかないと世界との溝は埋まらない。

  • サッカーW杯アジア最終予選。日本が勝てばW杯出場が決まるという試合なのに、地上波で放送する局が一つもない。がっかり。

  • 飲食店を紹介する番組を見て店に行った。放送では「一人前2,800円」だったが実際には1人1万円。ほかの客たちも皆同額だったので仕方なく支払った。制作している局にメールで事情を知らせたが何の返答もなく、この店はその後も何度か紹介されている。いくらバラエティー番組であっても情報は正しく伝えてほしい。他の店の情報も嘘っぱちなんだろうと思ってしまう。

  • 出演者がある場所の写真を渡され、写真から読み取れる情報をスマホで検索しながら、いかに早くその場所にたどり着くかを競うゲーム。約45分間のこの企画のかなりの部分が「歩きスマホ」で目的地に向かう出演者の姿で、強い違和感を覚えた。歩きスマホの女性が踏切で亡くなった、あの悲惨な事故を思い出した。

  • タレントが旋盤で「寸胴なべ」製作にチャレンジ、手袋を着けたまま回転部に手を近づけたり、回転する寸胴に触ったりしていた。一歩間違えば指や腕を失う非常に危険な行為。製造業に携わる者からすれば放送できるレベルではない。視聴者が参考にしたら危ない。

  • 大学院で脳の病気について研究している。番組でタレントがフィギュアスケートに挑戦、転んでリンク氷面で頭を強打した。「30分後、復活」と練習を再開していたが、この対応は非常にまずい。たとえヘルメットを付けていても危険な場合がある。タレント本人の健康を考えるとすぐに病院に行って検査を受けるべきだった。

  • 一部の放送局が視聴者意見の電話を、「0570」で始まる有料サービスでしか受け付けなくなった。公共の電波を使って放送事業を行う者が、視聴者からの意見に料金を課すというのは良くない。視聴者の意見に耳を傾けないという姿勢を取っているかのようだ。従来の番号に戻してほしい。

青少年に関する意見

【「低俗、モラルに反する」】

  • グラビアアイドルを集めて女性の体のことを揶揄、その女の子達に対する利きおっぱい、生理は匂いでわかるなどの際どいセクハラ発言。また男性МCに月に何回自慰をするのか聞くなど、男女双方にセクハラを感じた。「この時代において、尖ったことをやろう」というテーマなのだろうが「尖ったこと」とは女性軽視なのか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 「人の普通の行動、クセを許せるかどうか」の基準を作るという企画、意見の不一致があれば階段を落とされ熱湯に入れられるという罰ゲーム。人の生まれながらの笑い方について笑い、怖い、許せない、気持ち悪いなどの悪口を平気で言う。笑い方が似ている娘はショックでトラウマになりそうと言っている。人のちょっと変わった特徴を笑うだけでなく、蔑み、許せるかどうかの基準を作るのはいじめにつながる。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 占い企画で、「29日生まれは嫌われる、人に好かれない」という発言。自ら鑑定を望んだ人に対してはいいと思うが、学生はちょっとしたことでイジメや揉め事、派閥が生じるデリケートな時なのに、いくら占いとはいえ、無神経に倫理観を欠いた発言と番組作りだ。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • あるドラマの内容…主人公が住むアパートに越してきた青年には「連続幼児殺人事件の犯人・元少年A」とのウワサがあり、そのウワサをSNSに流していたのは、わが子を犯罪で失った過去のある管理人だった。犯罪を憎むあまりの過激な行為だが、ドラマの結末は「誤解も解け、全てを水に流してめでたしめでたし」となっていた。だが管理人の行為は反省すれば許される程度のことではない。「SNS上での人権侵害行為には懲役刑も適用され得る」と法律の改正案が決定されたばかりだ。いくらドラマでもあまりにも安易な終わり方だ。小学生の孫たちは「面白かった!」と見終わった後で言っていた。「人権を侵害する行為は決して許されず、厳しく罰せられる」ということで結んでほしかった

【「言葉」に関する意見】

  • 外来語など横文字の言葉のイントネーションがおかしくなっている。語尾を上げる「アクセントの平板化」が横行している。タレントは仕方ないにしても、最近はアナウンサーまでこの傾向が強い。国際社会に出てゆく子どもに正しい日本語を教育しなくては日本が恥をかくことになる。少なくともアナウンサーが正しい日本語を話すように、指導を徹底してほしい。

2022年2月に視聴者から寄せられた意見

2022年2月に視聴者から寄せられた意見

特定の政党の関係者が番組にレギュラー出演していることについて「バランスを欠く」などの意見が多かった。

2022年2月にBPOに寄せられた意見は1,504件で、先月と比較して539件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール86%、電話13%、郵便・FAX 1%。
男女別は男性41%、女性19%で、世代別では40歳代27%、50歳代23%、30歳代23%、20歳代12%、60歳以上11%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は806件【49事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から17件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

特定の政党の関係者が番組にレギュラー出演していることについて「バランスを欠く」などの意見が多かった。
ラジオに関する意見は47件、CMについては26件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は92件で、前月から42件減少した。
今月は「表現・演出」が21件、「低俗、モラルに反する」が18件、「いじめ・虐待」が8件、「報道・情報」が8件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 政党の創設者である人物を「一般人、私人」の扱いで多くのテレビ番組に出演させるのはその政党に利益を供与していることに他ならない。特定の政党を利するような番組作りをするのは問題だ。

  • 北京冬季五輪での羽生結弦選手のジャンプについて「国際スケート連盟(ISU)が初めて4回転アクセルと認定した」などと報じられているが、これは正しい情報なのだろうか。ISU は通信社AFP の Fact Check に対して「羽生の4回転アクセルは成功しなかった」と回答している。

  • 養鶏業者を紹介する中で「エサは遺伝子組み換えを行っていない安全なものにこだわっている」と説明していた。「遺伝子組み換えは安全ではない」という主張は公的かつ科学的に検証された知見とは異なり、遺伝子組み換え作物を生産・販売する者を不当に貶(おとし)め、不利益を与えるおそれがある。報道するならその業者独自の見解であることが分かるように強調すべき。あたかも一般論として「遺伝子組み換えが安全ではない」という前提が存在するかのような印象を視聴者に与え不適切だ。

  • 児童虐待の報道は必要ではあるが、ただただ悲惨なストーリーを放送する「エンターテインメント」番組になっている。事件を伝えるだけでなく、虐待を防ぐためにどうするべきか、どれだけ重い罰が科されるかなど次の被害者を出さないための内容が必要だと思う。また、自殺のニュースの後に相談窓口を紹介するように、「『虐待かも』と思ったらこちらへ」と通報先を紹介して視聴者の協力を仰ぐなどすべき。

  • 政治討論番組で元首相と特定政党の関係者が、対立意見のない場で「核シェアリング」の有用性を説明。これまでにも特定政党寄りの発言があるなど公平さに疑念を持っていたが、今回は「危険」。

  • メディアが特定政党の一方的なアナウンサーとなっている。情報番組で地域のコロナ対応や死者の多さという問題を提起していたが、出演した知事の弁明を番組が肯定するなどひどい有様だった。不偏不党、公平な報道がなされるよう厳しくチェックすべきだと感じる。

【番組全般・その他】

  • 「車でのドライブを楽しむ犬猫」というテーマで座席やダッシュボードでくつろぐ犬猫の動画を紹介していたが、車に乗せる際はケージなどに入れるべきではないだろうか。動物が予期せぬ動きをして運転の支障になることは十分ありうる。「助手席のインコに気を取られて」という死亡事故があったばかり。

  • 放送局が社の方針としてSDGsを標榜しながら、大食い企画で食材を無駄にする矛盾。視聴者をばかにしているとしか思えない。恵まれない人たちやその支援に奔走する人たちに胸を張って番組を見せられるのか。

  • ロケ中の店内の商品が盗品ではないかと心配になり始めた出演者が、共演者に店の住所を質問し、教えられた地名を心配そうに反すう。このロケ映像を見ていたスタジオ出演者らが大笑いして「○○(地名)は関係ある?」「よくないよ」「いらんこと言うな」とはやす。そこに住んでいる人を犯罪者扱いする内容。カットすればいいだけなのに、あえてその地域を笑いものにしている。

  • 出演者から悩みを相談された共演者が「もう遅い」という意味で「ステージ4になってから来るんだもん」「手遅れ、末期ですね」と発言、スタジオが笑いに包まれる様子がテロップ付きで放送されていた。がん闘病中の身内がいる者としてはブラックジョークの範ちゅうを超えている。

  • 罰ゲームで鼻にフックをかけられて痛がる芸人の顔を、共演者が「『ゲルニカ』っぽい」と表現、テロップでも「ピカソの名作」と説明していた。これはスペインのゲルニカ地方への無差別爆撃をテーマにした作品。たとえとしてふさわしくないと思う。

  • ギャンブル好きの芸人が自分たちの体験をこじつけで解釈し、ギャンブル依存を肯定的に表現して笑いにしている。依存症患者の家族の苦しみに全く配慮していない。

  • 同じスタジオでトークする出演者たちが相次いで新型コロナに感染。そろそろテレビ業界も出演者にマスクを着用させてはどうか。視聴者から称賛されたり話題になったりしてむしろ良いのでは。もうアクリル板だけでは無理なことが明らかなのではないのか。

  • バラエティー番組で自衛隊の武器や装備を楽しげに紹介している。国民を守るために必要なことは理解できるが、これらは敵を殺すための殺人装置でもある。たとえ敵でも家族がいる同じ人間だ。見ている子どもたちに何を伝えようとしているのか。戦車や戦闘機や銃やミサイルなど、少なくとも楽しく紹介するような性質のものではないと思う。ロシアがウクライナに侵攻して多くの犠牲者が出ており、多くの方が悲しい思いをしているのに、一体どういう目的でこのような番組を放送しているのか、全く理解に苦しむ。

  • 財布のテレビショッピングについて。占いが特技というタレントが出演して「お金に愛される財布を開発中」「ついに完成 究極の金運財布」などと紹介しているが、科学的な根拠が希薄でテレビで放送することに疑問を感じる。

  • 番組への要望があり放送局に電話をして伝えたところ、担当者が「ここに寄せられるのは視聴者からの文句ばかり。そんな電話をかけてこないでほしい」などと言った。驚いて「そうした態度はよくない」と諫(いさ)めると「どこに通報してもいいですよ。クビにされてもいい」と開き直った。虫の居所が悪かったとしても、それを見ず知らずの視聴者にぶつけるとはあまりにお粗末。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 中高生に人気のある俳優とタレントが出演する番組で、スクラッチくじを大量に削る企画があった。ただ削るだけではなく絵柄の出方を解説していた。これは明らかに賭博を指南している。子どもがやりたいと言い出すと困る。深夜放送ではなく子どもがふだん見る時間帯なので、もう少し考えてもらいたい。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 世界の事故やハプニング映像を流してゲストが驚きや笑いをこらえる内容の番組があった。人が死にそうになっている事故を見せて笑わせようとする倫理感覚が信じられない。死ななければ放送して良いのか。これを見た子どもが、死にそうな人を見て「笑ってもよい」と思うと心配だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • “自分の物を他人が身に付けていたら気付くか”という企画で、自宅にある物を全て持ち出してリサイクルショップに陳列させて、気付くかどうかなどをやっていた。後から返すといっても事務所やマネージャーに許可を取るだけで本人に話していないなら、胸糞の悪くなるただのいじめだ。やるなら有料放送でどうぞ。子どもの目には触れさせないようにして下さい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 毎日のように児童虐待のニュースを報じているが、虐待の手口を事細かに報道する必要はない。模倣犯や愉快犯も出てくる。自殺のニュースの後に自殺相談ホットラインの電話番号を紹介するように、必ず「『虐待かも』と思ったらこちらに連絡を」という通報先を紹介したり、虐待を防ぐための協力を視聴者に仰ぐなどしないと、ニュース番組はそれをあおってエンタメのネタとして楽しんでいるだけにしか見えない。

【「性的表現」に関する意見】

  • 朝の情報番組で、おニャン子クラブの「セーラー服を脱がさないで」を歌っていた。今では到底許されない気持ち悪く虐待的な児童への性搾取的な歌詞を、嫌がるスタジオ出演者に強要して歌わせていた。この歌は当時においても10代や現役高校生の歌い手に対するセクハラであり、時代が違うから懐メロだからといって許される行為ではない。性暴力をあおっていると言われても仕方がない行為であり堕落的な倫理観である。

2022年1月に視聴者から寄せられた意見

2022年1月に視聴者から寄せられた意見

東京五輪の公式記録映画の制作過程を追ったドキュメンタリー番組について、放送局が「字幕に不確かな内容があった」と説明。番組やこの説明にに対して多くの意見が寄せられた。

2022年1月にBPOに寄せられた意見は2,043件で、先月と比較して391件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール86%、電話13%、郵便・FAX1%。
男女別は男性46%、女性18%で、世代別では40歳代25%、30歳代24%、50歳代19%、20歳代14%、60歳以上13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は1,225件【50事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から22件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京五輪の公式記録映画の制作過程を追ったドキュメンタリー番組について、放送局が「字幕に不確かな内容の字幕があった」と説明。番組やこの説明に対して「デモ参加者をおとしめた」「字幕を付けた意図の説明がない」など多くの意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は43件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は134件で、前月から50件増加した。
今月は「表現・演出」が46件、「いじめ・虐待」が32件、「低俗、モラルに反する」が14件、「暴力・殺人・残虐シーン」が7件、「性的表現」が5件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 菅直人元首相の「ヒトラー」発言について出演者が「フランス、ドイツでは処罰の対象となる可能性が高い」と解説した際、「ヘイトスピーチ」を「憎悪に基づいて相手を侮辱する表現」と説明した。この説明には日本や諸外国で一般的に共有されている「人種・国籍など個人の努力では変えることの出来ない社会的属性を理由に」という部分がなく、不正確な理解を広めている。

  • 政府の「歴史戦チーム」についてニュースで無批判どころか肯定的に取り上げていた。このチームは「政権の歴史認識に基づいて」事実を集めるという。自国の政治的現状に都合が良かろうが悪かろうが事実は事実として研究する歴史学とは真っ向対立する組織であると言える。これを公共放送が何らの批判も論評も加えずに肯定的に放送することは許されない。

  • ある情報番組が特定政党の幹部や関係者を繰り返し出演させ、実質的にその政党の宣伝・周知を行っていて、放送に求められる政治的中立性・公平性を著しく欠いている。放送局だけでなく報道機関全体の信頼を揺るがす。

  • 情報番組の正月特番で、特定政党の幹部や関係者をお笑い芸人がヨイショしていて気持ち悪かった。政治を監視することがジャーナリズムの一翼を担う放送局の務めのはず。

  • 生後2か月の乳児を冷蔵庫に閉じ込めた事件について。テレビは虐待する親を「悪人」として非難するだけ。ペアレントトレーニングや虐待を受けて育った人向けのカウンセリングを行っている医療機関を紹介するなどの内容が必要。

【番組全般・その他】

  • 東京五輪の公式記録映画の制作過程を追ったドキュメンタリー番組について、放送局が「字幕に不確かな内容があった」と説明、「映画製作の関係者、視聴者」に謝罪したが、一番に謝るべき相手は五輪反対デモに参加された方々ではないだろうか。放送局は一度訂正・謝罪すれば終わりかもしれないが、当該場面はキャプチャされてインターネット上に残ってしまう。また、番組を見た人が訂正も見るとは限らないので「五輪反対デモの参加者はお金をもらっていた」という誤解は完全には消えない。このようなことが二度と起こらないよう、真摯(しんし)な対応を願う。

  • 「五輪反対デモはお金で動員されている」という事実上のデマを視聴者に広め、参加者を侮辱し、その尊厳を踏みにじった。絶対にあってはならないフェイク放送だ。

  • 五輪反対デモに「お金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕は、誰がどういう意図で付けたのか。これをうやむやにしては民主主義における正当な権利が毀損(きそん)されるのではないかと非常に危惧している。

  • 電車内での喫煙を注意した高校生が暴行を受けた事件のニュースで、「周囲の大人は助けなかった」という部分を強調した伝え方はたいへん危険。電車内でトラブルに巻き込まれた際の対処法について鉄道各社は、乗客自身が対処するのではなくSOSボタンなどで「乗務員に知らせてほしい」としている。

  • ベテランお笑い芸人が「5歳からワクチン打たせようなんて、もう狂気の沙汰ですよ」と断言していた。他のことならともかく、命に関わることについて専門的な知識のないいわば素人の認識を、さも正しいかのように放送することは是正すべきではないのか。せめてきちんとした専門家を同席させるべきではないのか。

  • 出演者がマスクをしたからと言って私たち視聴者が見なくなるわけではない。それよりも、マスクをしないことで濃厚接触者になり出演できなくなることの方がつまらない。出演者はぜひマスクをしてほしい。

  • ニュース番組が紹介した「人気の飲食店」は、かつて緊急事態宣言下、酒を提供していた。法律違反ではないが新型コロナへの姿勢がわかる。感染対策がきちんとしているお店を紹介するべきだ。

  • ウイルス感染症の患者が急増する病院を舞台にした連続ドラマについて。中心的な役割のスタッフがSNSで新型コロナウイルスに関する陰謀論やデマを拡散している。当該ドラマの内容もそうした思想を色濃く反映している。公衆衛生上の危機の真っただ中においてこれを放送するのは極めて不適切に感じる。

  • 大食い企画で芸人が食べきれず嘔吐(おうと)。吐しゃ物の部分をキラキラと加工してその様子を放送していたが、テレビで流すものではないと思う。不愉快。面白いと思って放送しているのだろうか。ダイエットや山登りなどチャレンジ企画が楽しみで見ているが、やっていいことと悪いことがあると思う。

  • 番組でコンビニ商品を酷評したシェフに対する誹謗中傷がネット上で起こり、同姓のシェフが巻き込まれた。表現の自由があり、企画自体に問題があるとは思わない(嫌なら見なければいい)が、誹謗中傷を行う者に対し番組側はもっと声を上げ、意思をはっきり表明するべきだ。

  • 大手企業の料理・商品などを詳細に扱う番組がその企業の宣伝と化している気がして心配。忖度が生じて過労死、パワハラ、セクハラ、低賃金、長時間労働などの問題を報道しにくくなるのではないか。

  • ドラマの宣伝に「飯テロドラマ」というフレーズが多用されているが、メディアが「テロ」という言葉を娯楽番組の宣伝に軽々しく使うのは鈍感すぎるのではないかと感じた。「◯◯難民」なども同様。

  • 東大生タレントを売りにしている番組を見ることで「東大がすべて」と錯覚してしまう可能性があると思う。この番組は学歴を前面に押し出すことで学歴差別を「生産」している。私は現在大学生で、学歴によって将来が決められると考えると危機感さえ覚える。

  • タレントが無人島から「自力」で脱出する企画。別にスタッフが手伝おうが何をしようがかまわないが、番組を見ていると「1人で船を作って脱出した」ように見える。そのように見せている。情報をねじ曲げて放送することは危険だと思う。「専門家と協力していかだを作り脱出に挑戦」で良いと思う。あまりにも不誠実。

  • 無人島からの脱出は裏でスタッフが手伝っていたということを知って、今まで「すごい」と感動していた芸人に対する気持ちも冷めてしまった。

  • バラエティー番組で「ラクして稼げる」と紹介していた職業に消防官などが含まれていた。危険を冒して社会を支える職業に対して敬意を著しく欠いていると感じた。視聴者に誤解を与えかねずメディアとしての責任にも欠ける。

  • 出演者がお酒を飲みながら番組を進行していた。学生のコンパのような状況で、泥酔とまではいかないが非常に酔っている状況が伝わってきて内容もぐちゃぐちゃになっていた。このコロナ禍のなか自制が効かないほど飲んでいるのはいかがなものか。翌週は番組を差し替えて放送していた。ラジオが好きで楽しく聞いているので、とても残念に思う。

  • 1か月かけてターゲットに「年末ジャンボ10億円」が当たったと信じ込ませるドッキリ。借金があるターゲットの気持ちをバカにしたような内容で見ていて不快だった。本当に困っている人をあざ笑う企画はやめるべき。一般的な人間の感情があればストップをかけると思う。

  • 10才の娘がいるが「痛みを伴う」バラエティー番組を毎週親子で楽しく見ている。嫌なことがあってもこの番組を見ると忘れられる。現実でやっていいことダメなことは子どもにもちゃんと分かる。今の子どももそんなにバカじゃない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 受験シーズンのさなか、東大刺傷事件が起きた。民放各局の学歴をあおるクイズ番組の垂れ流しは、閉鎖的で狭い社会環境の中でしか自分の価値を判断できない未成年の若者にとっては、高学歴であることこそ唯一価値ある人間の条件であると思い込んでしまうのではないだろうか。今回の事件の原因を作っているのは、このような放送をし続けるテレビ局にもあると思う。

  • 無人島から脱出する企画で、裏で複数のスタッフがやっているのに度重なる重労働を力技でやってのける演出や、たった一人でこんなに作業ができると誤って認識させることは、小さい子どもに限らず一般的な成人男性が持つ体力を誤って認識させて、自然の危険を軽んじることに繋がる。その悪影響により、冬山での遭難者、死者が出ているかもしれない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 芸人の一発ネタ番組で「人間を自転車で轢く」ことをやっていた。テレビ局に抗議したところ「十分に安全対策を取っている」との答えだった。そんなことは当たり前だ。問題は、子どもが真似をしたらどうするのかということだ。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 男子高校生が四つん這いになり、お尻の毛を芸人と母親に抜いてもらっている映像が映った。局部などは見えていなかったが、局部さえ隠れていればいいのか、いくら本人の依頼だったとはいえ、甚だ疑問だ。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 宇都宮での列車内暴行事件のニュースについて、暴行現場を撮影した動画をそのまま放送していたが、見ていて非常に不快。なぜこのようなショッキングな動画をそのまま放送するのか。子どもがこのような動画を見てPTSDになるケースをもっと深刻に考慮してほしい。またこれを模倣して暴力をふるう人が出てこないか、こちらも非常に心配。

【「性的表現」に関する意見】

  • 金曜の深夜、高校生の息子が親に隠れて見ていたアニメに驚いた。民放で放送する内容ではない。未来に奇病が流行して男が何万人も亡くなり、生き残った男性が5人で、残りは女性しかいない。政府がその5人と残った女性と性行為をさせ、妊娠させ、子どもを将来的に増やす。性交・無避妊・受精・はらませ…女性は産む機械ではない。女性軽視だ。全裸シーンはセル画が黒で塗りつぶされているが、気持ちが悪い。

2021年12月に視聴者から寄せられた意見

2021年12月に視聴者から寄せられた意見

大阪ビル放火殺人事件について、取材や報道のあり方を問う意見が多数寄せられた。

2021年12月にBPOに寄せられた意見は1,652件で、先月と比較して702件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便・FAX 各1%。
男女別は男性45%、女性26%で、世代別では40歳代25%、30歳代23%、20歳代18%、50歳以上16%、60歳代9%、10歳代5%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は837件【51事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から19件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

女優の急死や大阪のクリニック放火殺人事件について、取材・報道のあり方を問う意見が多かった。また、いわゆる「ドッキリ」でタレントに心理的な負担を与えるような企画にも多くの意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は53件、CMについては5件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は84件で、前月から68件減少した。
今月は「いじめ・虐待」が26件、「表現・演出」が16件、「低俗、モラルに反する」が8件、「暴力・殺人・残虐シーン」が6件、「性的表現」「編成」が4件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 大阪ビル放火殺人事件で亡くなられた方々の名前、年齢、職業、住所の一部までも放送した。被害者の多くは心療内科の患者だ。ここまで詳しく報道しないといけない理由は何なのか。

  • 女優が急死した件の報道。お骨を抱いたままご両親が涙ながらに会見されたのは娘を荼毘に付した直後だ。そこまで追いかけなければならないのか。

  • 女優が急死した件の報道で、メディア各社が悩みの相談窓口を紹介している。私はうつ病の経験があり、ほとんど全ての相談窓口に電話をかけたことがあるが、つながらないし24時間相談を受け付けているところはない。一方で自殺衝動は24時間いつ起こるか分からない。今回の件は報道すべきでなかった。報道によって気持ちが揺らぎ相談窓口に電話をかけた人は、つながらないことでさらに絶望してしまうと思う。

  • コロナ重症患者の取材企画。長期入院することになったという患者について伝えたが、ワクチンを接種していたのか?マスクは?基礎疾患の有無は?などの要因については一切説明がなく、ひたすら「大変だった」、「後遺症が重い」と恐怖感をあおるばかり。あまりにもひどい番組だ。年老いた家族がひどくおびえ、「もう家から出ない」と言い出した。

  • 民放の在東京のキー局は関東1都6県をカバーするはずなのに、新型コロナウイルスの新規感染者数はいつも東京都の分だけを報じていて、ほかの6県の分は全く扱わない。自分のように東京都以外の関東6県に住んでいる人はインターネットやNHK、独立U局でしか新規感染者数の情報を得られず、不便で不公平だと感じる。

  • イベントのアルバイトスタッフの話。アルバイト先経由で依頼を受けて「後ろから撮影」という条件でコロナ対策のニュースの取材に応じた。カメラが正面からも撮影していたが、首から下を撮影したものと思っていた。しかしその日の夕方、知人からの連絡で、代表で撮影した局とは別の局のニュースに自分の顔が出ていたことを知った。画像はSNSでも拡散。県を通じて抗議した結果、「映像は削除した」と伝えられたが、SNSはそのまま。

  • いわゆる「撮り鉄」の迷惑行為を報じるニュースで、撮影する撮り鉄たちの映像に「ここは私有地、ここからの無許可撮影は禁止されている」というナレーションがついていた。私はその場所で撮影した経験が数回あるが、地元の方から「みなさんゴミは持ち帰ってくださいね」という呼び掛けを一度聞いた程度。その場所で撮影された写真がTwitterに載せられて鉄道事業者の「いいね」がついたこともあり、何の問題もない場所と認識していた。私もマナーの悪い撮り鉄がいることを憂えているが、せっかくの批判も正しく行われなければ説得力を失ってしまう。

  • 回転寿司店でコンベア上の小皿が何かに引っかかって止まり、後続の皿が渋滞して、数皿がレーン外に落下したという出来事を全国ニュースとして伝えていた。映像はSNSにアップロードされた動画。こんなこと、一々ニュースで取り上げるようなことなのか。マスメディアの職場放棄でしかない。

【番組全般・その他】

  • 東京五輪の公式記録映画の制作過程を追ったドキュメンタリー番組で、男性の映像とともにテロップで「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と伝えた。テレビ局が団体名、金額、経緯など重要な情報をほとんど何も提示せずに、特定の主張を放送することが許されるならば、デマを生みかねない。

  • メインパーソナリティーが番組内で「70年以上にわたってこの国に浸透してきた、いわゆる『アカ』、共産党系の思想やら行動やらをずっと支援しているグループがこの国には何万人といる。それが皆、活動している。そいつらに巻き込まれて日本がまた悲惨な運命をたどらないように僕は祈っている。皆さんもそれは忘れないでください」と発言。"アカ"というレッテルを貼り、その人たちの人権をないがしろにしていた時代を思い起こさせるようで恐ろしい気がした。

  • 情報番組で皇族の結婚を取り上げた際、結婚相手の「身体検査」についてスタジオでトークしていた。「昔は一般の人たちの結婚でも近所への聞き合わせがあった」という話題も出て、視聴者に「皇室に限らず自分の子どもが結婚する時には『身体検査』が必要」と思わせかねないという印象を受けた。身元調査を肯定するような内容が放送されとても不愉快。差別を助長するようなことはやめてほしい。

  • 情報番組で衆院選での自民党の「裏金」問題を扱った際、コメンテーターとして出演していたお笑い芸人が「対立候補はいくら(裏金を)払ったのか知りたい」と言っていた。許される発言ではない。

  • 視聴者が投票によって出演タレントの行動を決める企画。投票の選択肢は、目上の共演者にふざけた態度で接するなど相手をさらに怒らせるものばかり。出演タレントも見ているわれわれ視聴者も、みんなが嫌な気持ちになる企画だった。

  • バラエティー番組で極端な過食をしても太らない人たちと、その体の特性などを紹介した。今、摂食障害に苦しんでいる人の行動に悪影響を及ぼしたり、健康な人が摂食障害を患うきっかけになったりする可能性がある。自分が摂食障害だった当時の辛い思い出がよみがえる内容だった。このような特集は誰にも良い影響を与えないと思う。

  • 数人の高齢者による早押しクイズ。老人の認知能力の低下、いわゆる「ボケ」を笑いの対象にしており不快。

  • 芸人が自分の実家の墓所に仲間を招き、「クリスマスパーティ」と称してプレゼント交換をしたり、全員で太鼓を叩きながら踊ったりする様子を放送していた。われわれの先祖も眠る墓地でよくもまあやってくれたと憤りを感じる。たしかに沖縄には親戚が墓所に集まって飲食する習慣があるが、それを面白おかしく笑いに変えて放送するのは不謹慎で迷惑行為だと思った。

  • 動物番組の内容が「かわいい」だけでは安易なペット購入を招き飼育放棄などにつながる。動物番組内で「飼うならきちんと面倒を見られるかよく考えてから」などと表示するというルールを作ってもいいと思う。テレビ局は社会的責任を負っている。外来種問題など、負の側面についても報道すべき。

  • 「秩父で寿司探し旅」とうたっておきながら、実際に訪れていた場所は秩父地方とは全く無縁だった。このようなやり方はよくないと思う。

  • 母親と高校生の息子の連続ドラマを毎回泣き笑いしながら見た。こんな風に子どもと向きあって子育てができていれば、もっと子どもたちを豊かにできただろうという反省や後悔もあった。家族でこのようなドラマを見る時間こそが今の時代に必要なのだと思う。若者たちが直面する課題も毎回織り込まれていた。SNSで若い方の評価も高く、「感動して号泣した」などの意見も多い。良いドラマは世代を超えて愛されるのだと安心した。愛と笑いに満ちたドラマを今後も期待する。

青少年に関する意見

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • たまたま娘がテレビを点けた時に見たのだが、アイドルが怒られるドッキリの対応を生放送中にスマホ投票で決められる企画で、まだ若い男の子たちにパワハラかモラハラか、というドッキリの内容、見ていてとても心が痛み、辛くなった。他のメンバーの顔が青ざめて行く様子は可哀想で、現在ハラスメントや倫理が重視される令和の時代にこのような企画を生放送で通してしまう番組制作者の方々に疑問を抱いた。モノの消費のように、アイドルの子たちを扱ってはいけないと思う。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 無人島でお金をかけずに自給自足の生活をするという企画といっていながら、大量の物資を持ち込んでいるのは大嘘もいいところではないか。子どもにも嘘をついてもいいと誤解を与えるのでやめてもらいたい。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 女優が亡くなった時の両親の記者会見のニュースについて。骨壷を持ち、涙を流しながらも頭を下げる両親にフラッシュがたかれる映像は非常にショッキングであり、夕方のニュースという子どもも映像を目にする機会のある時間帯の番組で、配慮のない放送の仕方だったのではないか。心身ともに疲弊している両親への無遠慮な質問、非常に不快であった。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 19時台に、ナレーションで「これからショッキングな映像が流れます」と一言。すぐに女性の顔のドアップ。その女性はすでに顔に赤い血液や亀裂が入っており、その後すぐに目から下の皮膚が剥がれ落ちて中の筋組織が見えるといった映像が流れた。フェイクだとしても子ども達も見るような時間帯に流す映像ではなかった。21時より前は全年齢が見られるような映像にすべきではないか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 頑張る子ども達に密着し、その姿を紹介してくれる素晴らしい番組なのだが、小学生が入浴しているところに入り、インタビューする映像が流れた。はたして、プライベートな空間にまで密着する必要があったのか。児童を狙った犯罪が多く発生している昨今、配慮が足りない。

【「編成」に関する意見】

  • 深夜に放送している低俗・下品な番組を日曜日の真っ昼間に関西で再放送している。内容と共に放送時間帯を考慮するべきだと思う。

2021年11月に視聴者から寄せられた意見

2021年11月に視聴者から寄せられた意見

バラエティー番組で芸人を巨大な落とし穴に置き去りにして「観察」する企画への批判や、電車内での事件が続いたことと報道との関係を懸念する意見などが多かった。

2021年11月にBPOに寄せられた意見は2,354件で、先月と比較して628件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール85%、電話14%、郵便・FAX1%。
男女別は男性47%、女性26%で、世代別では40歳代27%、30歳代25%、50歳代20%、20歳以上14%、60歳代9%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は1,459件【53事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から21件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

自力ではほぼ脱出できない深い穴に芸人を落として6時間以上放置し、その芸人の反応を観察するバラエティー番組の企画に対して非常に多くの批判が寄せられた。また、京王線の車両内で乗客をナイフで刺した男が「過去の事件を参考にした」と供述したことを受けて、「報道のあり方を考えるべき」といった意見も目立った。
ラジオに関する意見は44件、CMについては9件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は152件で、前月から63件増加した。
今月は「いじめ・虐待」が74件、「表現・演出」が18件、「暴力・殺人・残虐シーン」が9件、「報道・情報」が9件、「人権」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 電車内で乗客をナイフで刺し、放火した容疑者が「8月の事件を参考に、サラダ油ではなくライターオイルを使用した」と供述しているそうだ。こういう情報を伝えることが、さらに次の犯罪に加担するようで恐ろしい。国民の知る権利は大事だが犯罪の参考になるような微細な部分まで報道する必要があるのだろうか。

  • 各局の衆院選開票特番で20時に発表した議席予測と最終結果が著しく違った。番組では「自民は大幅議席減、立憲は健闘」という誤った予測に基づいて、党首インタビューやさまざまな解説がなされ、結果として誤った事実を視聴者に伝えた。各局はこの誤りを検証し、結果を放送で示すべきだ。

  • 衆院選公示直前の討論番組で、日本維新の会の幹部が「すでに幼稚園、中学、私立高校も大阪では完全に無償…」と発言したが、大阪府のウェブサイトによると「所得制限がある」とのことなので、訂正を希望する。この発言は、さまざまな番組の内容を抄録・公開するウェブサイトにも「(日本維新の会の改革が)私立高校無償化などに繋がってきた」と掲載されている。

  • 大阪狭山市で高齢者が運転する車が暴走した死傷事故について、情報番組が「運転者がナンバープレートを隠して走行していた」と憶測で報じ、ネットニュースやSNSでさも事実であるかのように拡散された。他の報道機関が築いてきた信頼を失墜させる行為だ。

  • 未成年者が集団で男性に暴行を加え現金25万円を奪った事件を、見出しテロップ、ナレーションなどで繰り返し「おやじ狩り」と表現していた。「おやじ狩り」というから敷居が下がり犯罪を誘発する。強盗傷害事件なのだから軽く表現すべきでない。

  • コロナで入国できず中断していた技能実習生の受け入れが再開されるというニュースの内容が「いちご農家の人手不足が解消できる」というものだった。実態として技能実習生を労働力として当てにしている現状をテレビが無神経に肯定している。

  • ニュースやワイドショーでカタカナ語を使いすぎ。クラスター、ブレイクスルー、オーバーシュート、ロックダウン、ソーシャルディスタンス、バブル方式、カクテル療法などなど。日本語で説明してほしい。

  • 俳優の不祥事後の復帰舞台について情報番組が「満席にならない」、「入り待ちが少ない」、「人気に陰り」などと報じていた。私は実際に見に行ったが「関係者」の張り紙のある席以外は満席。「入り待ちが少ない」のは主催者側がコロナ対策のために公式サイトなどで自粛を求めたから。取材すれば分かること。

  • いわゆる「ゴミ屋敷」の住人を責めるような特集だったが、精神障害の可能性があり、その場合はむしろ医師や行政が治療を呼びかけるべきだと思う。発達障害で片付けが苦手だったり、物へのこだわりが強かったりという人もいる。そういう面からの番組作りを期待している。

【番組全般・その他】

  • サッカーW杯アジア最終予選のアウェー戦が有料の動画配信サイトでしか視聴できないとのこと。ありえない。

  • プロ野球中日の立浪新監督が選手に対して長髪、茶髪、ひげ禁止令。少年野球チームの指導者にまねする者が間違いなく出てくるだろうが、子ども達の人権を踏みにじることに直結する危険な思想だ。それを批判せず持ち上げているメディアの姿勢に絶望している。

  • 自力ではほぼ脱出できない深さ3メートル超の穴に芸人を落とし、食料、トイレのない状況に6時間以上置いてその様子を隠しカメラで観察する企画。著しく人の尊厳を踏みにじっていると感じた。

  • 芸人を落とし穴に監禁して6時間後、ネタをばらすスタッフが芸人に「トイレは今すぐ行きたいですか?」。スタジオの出演者が、芸人の困惑ぶりを笑うような構成で倫理的に問題があるように思った。

  • 「宇宙ステーションで体が浮くのはなぜ?」という問題で、「重力と遠心力が釣り合っているから」という解答を不正解としていた。物理的にはこれで説明でき、不正解ではないはず。

  • 情報番組で「SNSで話題の激カワ動物たち」としてエキゾチックアニマルをペットとして飼っている人たちを紹介。一般の人の飼育には適さない種が多く、絶滅の危機に瀕している種もあった。ペットとして高額で取引されることが乱獲、密輸を助長する面もあることを認識すべきだ。「かわいい」だけでなく、その種が置かれている状況、ペット化による悪影響こそしっかりと放送してほしい。

  • バラエティー番組で「北海道民は焼肉のタレを飲む」。札幌に住む私の親類は「見たこともない」。こうした情報で人権が侵害されることはないだろう。しかし、誰も困らないから嘘でもいいという番組があると地域文化が誤解されたり、ひいては歴史の歪曲につながったりはしないか。

  • 「スペシャル番組」と称して過去の放送分を編集してつなげたものばかり。せめて「再放送」などと表示すべきではないか。見ている方はだまされた感じがする。

  • 番組名が大手食品メーカーの文化施設名、このメーカーの1社提供、本編ではこのメーカーをほめてばかり、視聴者プレゼントもこのメーカーの商品。番組全体が広告になっていないか。

  • 「昔のテレビは面白かった。うるさい視聴者のせいでつまらなくなった」という意見があるが、お笑いとしても興味深さでも今のテレビの方が断然面白くなっていると思う。昔の方が過激だったかもしれないが「過激=面白い」ではない。アイデア出しの方法論では制限があった方がむしろ面白いものが作れると言われている。視聴者の要望・意見によって、むしろテレビは面白いものに成長してきたのだと思う。モラル面での一層の配慮を願う。その方が面白い番組になる。

  • 「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」について。度が過ぎているものを規制するのはよいと思うが、テレビ局が過剰反応してこれまで放送されていたような普通のバラエティーまで見られなくなるのではないかと心配。バラエティーの面白さをなくすような規制はやめてほしい。

青少年に関する意見

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 落とし穴ドッキリに見せかけて、落とし穴に落とし、ほぼ水や食料も無い状況で6~7時間放置して様子を見るという企画は、ひどすぎて全く笑えないし、これを考えた番組スタッフ、テレビ局、笑いながら見ていた出演者やゲストは、あり得ないと思った。これは監禁だし、これを見て同じようなイジメが起こる可能性もあると思う。芸人の仕事だからと言う人もいるだろうが、今の時代のお笑いではない。

  • 犬は大好物のお肉を前に3分間「待て」が出来るのか?という企画だが、犬は好物や餌を前に待たされるとストレスがたまるそうだ。飼い主の子は犬を猛烈に睨みつけたり、舌打ちをしたりして、強制的に餌を食べさせないように仕向けていた。ミッション失敗の時に、飼い主に怒られたり、殴るふりをされたり、動物虐待のような番組で見ていて不快だった。

【「表現・演出」】

  • ニュース等で注射の映像を流すのを控えて頂けないか。のんびりテレビを見ている時に突然注射針を腕に突き刺す映像が流れ、とても不快。目を背ける時間もない。先端恐怖症には痛みを伴い、また子ども達の不安と恐怖を煽る。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 京王線の事件で、乗客の撮影した映像がテレビで放送されているが、あれを見て子どもが学校に電車に乗って行きたくないと言う。ツイッターで見るのならいざ知らず、テレビであのような恐ろしい映像を流すのは疑問。今回の事件は小田急線の事件の模倣犯だと聞いたが、何でもかんでも映像を流すことが報道の自由なのか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • JR福島駅前殺傷事件が起きた。現場に居合わせたという女子高生に「当時の状況は?」、「どんな風に思ったか?」等、しつこくインタビューする映像が各局で流された。泣いている女子高生にさらにマイクを向けて、色々と聞くという事は配慮に欠けるのではないか?

【「人権」に関する意見】

  • 愛知県中学生刺殺事件で、まだ14歳の被害者の写真を公開して放送したことにマスコミの配慮欠如を感じた。この事件のようなイジメが関係している場合、SNS上の不特定多数の人からバッシングを受ける可能性があることを考えていない。死者や残された家族に対する配慮が足りない。

2021年10月に視聴者から寄せられた意見

2021年10月に視聴者から寄せられた意見

衆院選開票特番について、中継先の候補者に対する出演タレントの発言、態度が侮蔑的などの批判や、小室さんと眞子さんに関する話題の取り上げ方などへの意見が多かった。

2021年10月にBPOに寄せられた意見は1,726件で、先月と比較して860件減少した。
10月1日、電話による意見受け付けを再開した。月間を通じて電話で意見を受け付けたのは去年12月以来。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話15%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性48%、女性24%で、世代別では40歳代27%、50歳代24%、30歳代21%、60歳以上16%、20歳代10%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は851件【64事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から23件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

特定の局の衆院選開票特番について、中継先の候補者に対する出演タレントの発言、態度が侮蔑的などの批判が多かった。また、小室さんと眞子さんに関する話題の取り上げ方や、取り上げること自体についての意見も多かった。
ラジオに関する意見は55件、CMについては17件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は89件で、前月から19件減少した。
今月は「表現・演出」が18件、「低俗・モラルに反する」が17件、「暴力・殺人・残虐シーン」が11件、「いじめ・虐待」が9件、「性的表現」と「マナー・服装」がともに5件と続いた

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 総選挙を前にテレビのキャスターやコメンテーターたちは「成長戦略が必要」としきりに言っているが、成長戦略とは何かの説明もない。選挙があるのだから改革至上主義、成長戦略ばかり主張する人だけではなく、さまざまな意見を持つコメンテーターを出演させ、国民の選択肢を広げてほしい。

  • 生放送の討論番組で与党幹部が「スマホは日本人の発明」、「消費税の使途は社会保障費のみ」などと発言。事実ではないのに番組内で訂正やフォローはされず、言いっ放しになったことは問題。

  • 週1回のラジオ番組の「DJ」はある政党の参議院議員。番組の内容はその党の衆院選の選挙公約や議員の活動報告など、党の宣伝とも受け取れる話ばかりだ。特定の政党の話だけを番組として30分間も放送することに違和感を覚える。

  • 森友・加計問題や辺野古問題などの特集は衆院選投票日の前日に取り上げる内容ではないと感じた。むしろ政治的主張を強く感じた。

  • 衆院選開票番組でお笑いタレントが、落選が濃厚になった自民党幹事長にインタビューし、笑いながら「ご愁傷様でした」。あまりに失礼ではないか。礼を欠きすぎていて不快。

  • 開票特番の出演者が候補者に「ご愁傷様」。その候補者に一票を投じた有権者をも嘲笑する態度で、芸人であれば許容される、といった類の言説ではないと思う。制作側の見識も疑わざるをえない。

  • 眞子さんは結婚して一般人なのに結婚後も追いかけられ、司法試験の結果まで放送されてかわいそう。2人の気持ちを察すると見ているこちらが心苦しくなる。

  • 眞子さまと小室氏の結婚報道で「速報です。小室氏が記者会見のために自宅を出ました」。この情報のどこに「速報」で流す必要があるのか全く理解できない。

  • 小室さんの親がしたことについて本人に責任を取らせるような風潮に疑問を感じる。子どもは親を選べないし管理できないのに、親のしたことにまで報道が過熱するというのはおかしい。

  • 小室圭さんの学費の借金問題、弁護士資格などについて正しい情報を調べて伝えてほしい。NHKも民放も良いことしか伝えないが、視聴者としては単純に正確な情報を知りたい。

  • 組閣の速報テロップがうるさい。そもそも報道番組の最中に速報テロップを出す意味が分からない。知らないと生命に関わる、など速報を出す基準を明確にしたほうがいいのではないのか。こういう速報の合間にもし地震など自然災害の速報が流れたら「またか」と見逃す人が出てくるのではないのか。それこそ命の危機だろう。

  • 「視聴者からの質問に答えるコーナー」の質問が「創作」だった。毎日楽しみに見ていたのに、だまされたという思いで力が抜ける。ほかの情報番組でもLINEなどを使って視聴者意見を集めているが、本当に意見を受け付けているか疑問に思ってしまう。ウソ偽りのない視聴者意見募集のあり方、検証可能な手法を編み出してほしい。

  • 民放各社の警察密着特番は「社会に開かれた警察」などの観点からは非常に良いと思うが、犯罪者=悪い人というステレオタイプが目立つ。研究が進み、犯罪者の中には人格障害、ADHD、幼少時の虐待などの精神医学的な背景があるような社会的弱者もいることが分かってきた。刑罰を与えるよりも精神科病院で治療した方がいいのではないかという議論もある。テレビ局も犯罪者は悪い人だと決めつける報道より、犯罪を減らすにはどうしたらいいか、議論のきっかけを与える報道をしてほしい。

  • 押収された覚せい剤のアップ映像がニュースで流れた。私は職業柄、治療中の覚せい剤中毒者と関わることがよくある。ほんのささいなことでも彼らには刺激となり、再び覚せい剤に手を出すきっかけとなる。映像を流すことは絶対に避けてほしかった。

  • 緊急事態宣言の解除にともなう飲食店での酒類提供について特集していた。報道が必要な内容であるが、ビールを美味しそうに注いだり、それを美味しそうに飲んだりするシーンがことさら強調されていて、それを見たことで非常に強いアルコールへの欲求が呼び起こされた。私は持病によりアルコールの摂取を制限されている。料理番組やバラエティー番組であれば見ないことで対応できるが、ニュース番組は社会一般の情報を入手するため視聴が必要。喫煙シーンが議論されたように飲酒シーンについても一考をお願いしたい。

  • 番組で放送される視聴者投稿の映像の中には、明らかに危険な場所で撮影されたと思われるものがある。それに対して注意をすることもない。「このような映像を撮るとテレビで放送される」と期待して危険な場所で撮影する人が増えるのではないかと危惧している。

  • ワイドショーでしばしば「コロナで一番苦しんでいるのが飲食店」などの表現が使われているが、飲食店は自治体から長期間、高額の支援を受けている。確かに一部は厳しい状況だと思うが、協力金バブルで左うちわの店もある。番組は両方の情報を発信してほしい。

  • 水泳女子100mバタフライのニュース。見出しテロップは「池江璃花子選手 2位」、ナレーションの主語も池江選手。優勝した飯塚選手はテロップ表示だけで名前も読んでもらえないのはおかしくないだろうか。正当な評価をするのが普通だと思う。私は飯塚選手の関係者ではないが、悲しい気持ちになった。

  • 民放の朝、夕のワイドショー、ニュース等を楽しく見ている。最近、番組改編時期にアナウンサーが交代や結婚、出産で番組を離れるに際して、ことさらに時間を長く取って離任を紹介したり泣いたり騒いだりと、視聴している側にとっては不快なシーンが多くなった。あいさつや告知はもちろんいいと思うが、何か身内による宴席での盛り上がりにしか見えないノリが多い。

【番組全般・その他】

  • コントのネタが統合失調症の方を揶揄した内容で不快に思った。「自我がない」など気になるセリフがあった。統合失調症の方本人、ご家族、友人が見ていたと思うと胸が痛む。

  • 大トロを食べるために野良ネコがどれくらいジャンプするか、人工の谷を徐々に広げながら試していた。失敗すればけがをしかねない危険な企画で、虐待ではないかと感じた。残酷でとてもバラエティーとして笑える内容ではなかった。

  • 私は登山経験者。バラエティー番組の冒険企画でタレントが山中で「沢下り」、「滝飛び込み」、「崖下り」。十分な装備と技術なしに行うにはあまりに危険な行為が、楽しそうに、勇気があれば誰にでもできるような演出で放送されていた。番組は事前に下調べをして安全性に問題ないことを確認してやっているのだと思うが、山の知識のない視聴者はそうした危険性には気がつかないと思う。登山は無知で臨むと死に至る可能性があることを認識した上で放送すべきだし、せめて「危険なのでマネしないで」の一言を入れるのが適切だと思う。

  • おにぎり早食い競争は危険だと思うので放送してほしくなかった。過去には死亡事故もあった。どうしてこのようなものを番組で取り上げるのかと思う。

  • 人気スポットのランキングで、13位としてある企業のショールームと商品が紹介された直後に、そのショールームとその商品のCMが流れた。流行を紹介する番組でこういうことがあると、どこまでが広告でどこからが事実なのかわからなくなる。好きな番組だっただけに非常にガッカリした。

  • ラジオ各局でサプリメントの通販番組が増えた。一番よく聴く局は早朝の番組を10分カットして通販番組に置き換えてしまった。毎日同じ内容の番組にうんざり。各放送局の「独自性」が失われつつあるように思う。

  • 90代の母親がテレビの通販番組にしばしば「引っかかり」、カタログと商品が山のように送られ溜まっている。活字媒体と違ってテレビからは映像音声が流れ、高齢者はじっくり考えずに「買わされて」しまう。何を買ったかも分からなくなったころに、督促状、回収業者、裁判と、売った側が高齢者を脅す。高齢者は「恥だから」と子どもには黙っている。こうした事態を招いていることを認識して、テレビ通販番組のあり方、モラルを考えてほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 20時台に「マッチングアプリで夫が浮気…マンガにもなった妻の痛快リベンジ」という内容の放送があった。小さな子どもも見ている時間であるのに、マッチングアプリの相手と会うために「おしゃれなパンツをはく」「ホテルで待ち合わせ」「私激しいかも」のような内容があり、問題を感じた。今後こういった内容を含む番組は時間を考えていただきたい。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 県のマスコットキャラクターを主人公にしたアニメの中で、競輪で賭博するおじさんの話が出てきたが、この番組は早朝の子ども向けだというのに、賭博のやり方を指南するシーンがあった。子どもが賭け事をやりたいと言い出したら困るし、かけ方を教えるということは賭け事しろということと同等だ。競輪のシーンを出すくらいはいいと思うが、深夜アニメではないのだから、もう少し考えてもらいたい。これが知事の企画するアニメというのだからビックリ。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 朝の時間帯で、ラスボスによって敵の首領の首をはねるシーンは刺激が強すぎる。子ども向けの番組には相応しくない過激な残酷映写は良くないと思う。残酷な場面を規制するべきだ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 芸人同士の鮎取り対決の場面で、芸人Aが芸人Bを掴んで無理矢理水の中に沈めようとし、それを見ている周囲の人間が、笑っている場面があった。子ども達も見る可能性の高い日曜日のゴールデンタイムに、あのような様子を放送することは、子ども達に悪影響を及ぼすものであり不適切。

【「性的表現」に関する意見】

  • 12歳の少女の裸を連想するシーンが多かったり、それを覗くシーンがあったりした。アニメだが、対象キャラが少女だし大丈夫なのか。

【「マナー・服装」に関する意見】

  • アニメの主人公がまだ高校生のはずなのに、ピアスをしてタバコを吸い夜遊びの朝帰りをしている。いつからこの日本は高校生の喫煙を容認したのか。深夜番組とはいえ、こんな番組の放送を黙認していいのか。

2021年9月に視聴者から寄せられた意見

2021年9月に視聴者から寄せられた意見

特定政党を中傷するような情報番組コメンテーターの発言、患者が自身の判断で医師処方の薬の使用を中止した危険なケースを肯定的に取り上げた特集などへの意見が多かった。

2021年9月にBPOに寄せられた意見は2,586件で、先月と比較して656件増加した。
9月は東京都が緊急事態宣言下にあり、電話による意見の受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性38%、女性28%で、世代別では40歳代27%、30歳代26%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は1,343件【48事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から23件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

特定政党を中傷するような情報番組コメンテーターの発言、医師が処方した薬の使用を、患者が自身の判断で中止した危険なエピソードを肯定的に取り上げた番組などへの意見が多かった。自民党総裁選や眞子さま結婚関連の報道にも意見が集まった。また、BPO会員事業者の放送番組ではないが、会員事業者が出資するネットテレビの特定の番組について多くの意見が寄せられたケースがあった。
BPO青少年委員会が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」を審議対象としたことに対しても引き続き多くの意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は68件、CMについては13件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は108件で、前月から15件減少した。
今月は「暴力・殺人・残虐シーン」が24件、「いじめ・虐待」が9件、「性的表現」が9件、「動物」が8件、「差別・偏見」が7件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 情報番組コメンテーターが、共産党に関する自身の誤った発言について「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものだった」と釈明した。閣議決定が事実だとしても、閣議決定自体に時の権力者にとって都合良く扱われやすいという側面がある。閣議決定だからと政府の見解を無批判に述べるようではジャーナリズムが死んだと批判されるのも無理はないと思う。視聴者の多い昼のワイドショーでもあり、制作陣に一層のジャーナリズムが求められてしかるべき。番組がこのような謝罪を容認したことがとても残念。

  • 「共産党は暴力的な…」発言について「政府見解に基づいたもの」との釈明。衆議院選挙が迫る中、公には問題とされていない、党の負の側面を伝えたことで野党共闘にどれだけダメージを与えたか。放送法「政治的に公平であること」に抵触していないか。

  • 小室さんと眞子さまの結婚についてテレビが祝福ムードに持っていこうとしているが、さまざまな疑惑について本人に問いただすのもマスコミの役割で、国民の知る権利の対象だと思う。祝福ムードは控えてほしい。

  • 小室さんと眞子さまは帰国後に記者会見を開くそうなので国民の「知る権利」を振りかざしてさらし者にする必要性は存在しない。小室さんは道を歩いただけでその様子を一方的に切り取られて放送され、「髪が長い」、「態度が悪い」などの批判にさらされてしまった。一連の放送は極めて悪質だと思う。

  • 自民党総裁選の候補者は党内のことに限らず今後の日本についても語り、テレビもそれが当然であるかのごとく放送している。他の党はテレビで取り上げられることもない。自民党だけ衆院選の選挙運動をテレビを使ってやっているようで不公平だと感じる。

  • コロナ感染症から復帰したタレントが情報番組で「もっと早く菅首相には辞めていただきたかった」、「生死の境をさまよった人間として言わせてもらう」、「(亡くなった人たちが)この政治のおかげで命を失っていることを絶対に忘れないでほしい」。この発言は公共の電波で発信されるべきものを逸脱している印象を受けた。「政府のコロナ対策がもっと厳しくてもよかった」という意見はあったとしても、自身のコロナ感染を政権批判の材料にするのは公平性に欠けると思う。

  • 「運転中にあおられた」という視聴者投稿動画によるニュース。あおられる前に投稿者側が迷惑運転をしていたことが分かる動画が広がり、ニュースはウェブサイトから削除された。迷惑運転の部分をカットして、あたかもあおり運転をした側が一方的に悪いかのように編集し放送する事は正しいことなのか。一部のみを切り取る加工はねつ造ではないのか。

  • 情報番組で「鼻出しマスク市議」を取り上げていたが、出演者が誰一人マスクを着用していないテレビ局が、どの面下げて他人のマスクのつけ方を批判できるのか。

【番組全般・その他】

  • 番組は、現在ステロイドを使用している人たち(私も含めて)にすさまじい不安や恐怖を抱かせた。番組の公式サイトを見にいくと「患者が自らの判断で薬の使用を中止すると症状が悪化することがあります。治療については、医師の指導に従ってください」。そういう大事なことは番組内など、より多くの人の目に触れるように発信していくべきではないのか。(9月10日の投稿)

  • ステロイドの件について番組内でしっかりと時間を取り、しっかり説明と謝罪をしていた。問題に真摯に向き合っていると感じた。この先も長く愛される番組であることを期待する。(9月15日の投稿)

  • 「かわいい男子大好きな男性芸人」企画の「自分が女子だったら付き合いたい男芸人ランキング」が画期的でとても良かった。自分のセクシャリティと重なる部分もあり、とても面白く見ることができた。今後もこのようなスタンスの番組が増えればいいなと思っている。

  • 「かわいい男子大好きな男性芸人」企画で出演者が「(自分の好きな男子を)恋愛対象として見てはいない」と強調。本人にネガティブな意図はないとは思うが、まるで「同性愛はおかしい」というような言い方だ。こうした発言はこの社会をさらに生きにくくしているだけだ。自分のちょっとした発言にも社会的影響力があるということを、出演者、そして制作者の間でもっと意識していく必要があると思う。

  • 私には小学生の時にいじめられていた時期があった。そんな辛い時期に少しだけ救われる思いになれたのが、おそらくBPOが審議しようとしている「バラエティー番組」だった。規制は視聴者の救いを奪う事にもなりかねないということを心に留めて審議してもらえれば幸いだ。

  • 子どもが旺盛な食欲で毎食、通常よりかなり多い量の食事をとる様子を楽しく紹介していたが、非常に危険。幼少期から必要以上のカロリー、塩分を摂取していると推測される。「子どもはいくら食べても大丈夫」というのは幻想であり、小児糖尿病患者もいることを忘れてはならない。このような放送は一種の暴走を引き起こしかねず医師として看過できない。

  • 大食いさせられたり激辛料理を食べさせられたりしているのを見ると悲しい気持ちになる。なんで悲しくなる企画をテレビで見せられなくてはいけないのか。テレビは皆がハッピーになる番組を流してほしい。

  • テレビで旅行やレストランなどの情報を放送している。放送の自由はわかるが、国民が死んでいるのは事実だ。1人でもコロナ感染を減らすために番組内容を考えるべき。私たちが店を閉めてコロナ感染を減らそうとしている中、テレビ局は感染者を増やしているとしか思えない。お店や観光地の紹介は今は控えて、映画やドラマなど家に居られる番組を放送してほしい。

  • タレントがスタジオに集まって酒を飲みながらトークする番組。みんなが感染対策をしたり飲み会を自粛したりしている中で、あのような番組を普通に流すのはどうかと思った。

  • 「何か」をするとカウンターが作動する住居のセット内で、解答者がその「何か」を見つけ、制限時間内にカウンターを100にすれば勝ち抜けという問題の正解が「金魚の入った水槽を左→右→左→右…と往復移動させ続けること」。命をないがしろにしなくても済む番組作りはできないものか。生き物の命をおもちゃにすることを禁止するガイドラインは作れないのか。

  • ペットのウサギに風船を与えて遊ばせ、それが割れて慌てふためく様子に「ぜんまい仕掛けのおもちゃ」などの字幕をつけてオモシロ動画として放送。たいへん危険な行為でウサギは音のストレスに弱く死に至る場合もある。「いいね!」欲しさに過激な動画をアップする飼い主が後を絶たない。このような動画を放送すれば、テレビに取り上げてもらおうとまねをする人間が必ず出る。

  • ドラマ番組名の一部が「白杖ガール」。啓蒙したいのかもしれないが不愉快なネーミング。原作コミックの題名ではあるが、コミックはお金を払い手に入れるもの、テレビドラマは公に発信するもの。「白杖」は障害があるゆえにそれがなくては生活がままならない、体の一部。それに「ガール」と付け加えれば、暗くなりがちな障害者の話もポップになる、とでも考えているのだろうか。普通「あなた義足ガールですよね」、「あなたのお子さん、アスペルガーキッズなんですね」などと口にするだろうか?

青少年に関する意見

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 劇場版「映画」PG12指定のアニメが19時から放送されたが、首が生々しい効果音と飛沫の描写付きで飛ぶなど刺激の強い残虐なシーンがあるのに、事前の注意喚起もなく放送したことに怒りを覚える。民放連・放送基準の第18条にも抵触しているのでは。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • アニメ作品で、人の容姿について憎らしいから暴行を働くような内容をやっていたが、これはいじめを助長しているのではないか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 女子高生の下着姿や全裸で入浴する描写のあるアニメ作品は、児童を性的に表現していると思う。

【「動物」に関する意見】

  • クイズ番組で、生きている金魚の入った水槽を揺らし続けて課題を解決する問いがあった。多くの生徒も見ている番組で、生き物にストレスを与えるような行為と、金魚に対してひどく可哀想と思える行為を高校生にさせて、放送したことに、とても心を痛めた。生き物は番組の道具ではないと思う。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • 「スイカ割り」企画が事前予告され、放送された。あまり目くじらを立てることではないかもしれないが、「スイカ割り」は、健常者が目の不自由な状況をわざわざ作ってはやしたて、「成功」、「失敗」を笑う遊びだ。もしも自分や我が子、身内に目の不自由な方がおられたらどんな気持ちになるだろうか。今日はパラリンピックの最終日。全盲のマラソンランナー道下さんが金メダルを獲得し、とても感動した。毎度だが、少しくらい想像力を働かせることはできなかったのか。パラリンピックの日本開催の期間にわざわざやることについて、大勢のスタッフの誰も何も思わなかったとすれば疑問だ。

2021年8月に視聴者から寄せられた意見

2021年8月に視聴者から寄せられた意見

東京オリンピックに関連し、ボクシング女子選手を揶揄したような出演者のコメント、テレビ局のスタッフが打ち上げの宴会を開いてけが人を出したことなどへの意見が多かった。

2021年8月にBPOに寄せられた意見は1,930件で、先月と比較して511件増加した。
8月は東京都が緊急事態宣言下にあり、電話による意見の受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性44%、女性18%で、世代別では40歳代31%、30歳代24%、50歳代19%、20歳代14%、60歳代9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は869件【56事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から24件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

五輪に関する意見が引き続き多く寄せられた。なかでも、ボクシング女子の選手の金メダルについて出演者が「女性でも殴り合い、好きな人がいるんだね」などとコメントした番組や、五輪番組スタッフが打ち上げで未明までカラオケ店で飲酒して転落し救急搬送されたことについては多くの批判が寄せられた。ドッキリで驚かせ、催眠術で忘れさせる、これを同じ人に8回繰り返した「実験」企画には、倫理、健康両面から疑問の声が多かった。タレントが無人島を探査、木になっていたレモンをかじるなどした企画に、島の地権者の1人が「承諾した覚えがない」とツイートし、これが短時間に拡散。この地権者は翌朝「言葉足らずだった」と発信内容を事実上撤回したが、撤回の方はほとんど拡散せず、BPOにはこの番組を批判する意見が相次いだ。
また、BPO青少年委員会が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」を審議対象としたことに対しても多くの意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は47件、CMについては14件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は123件で、前月から35件増加した。
今月は「いじめ・虐待」が27件、「低俗、モラルに反する」が18件、「表現・演出」が17件、「危険行為」が12件、「差別・偏見」が8件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 五輪閉会式に急に台風情報が割り込んで録画できなかったのは納得いかない。臨時の台風情報をサブチャンネルで流せばよかったのでは?録画トラブルが出ているのだから、十分気をつけてほしい。

  • 五輪閉会式を中継していたメインチャンネルを途中で台風情報に切り替えた。人命重視や防災の意識を持っている放送局だと思う。賛否両論あるだろうが是非続けて欲しいと思う。

  • ボクシング女子金メダルに「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技、好きな人いるんだ」。謝罪は女性出演者。かつて五輪組織委・森喜朗前会長の女性蔑視発言として番組で批判していた「わきまえる女性」を、自分達がそのまま再現するとは。発言よりも、その構造の方が恐ろしかった。

  • 「ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかった。言葉が足りなかった」という説明は、放送と照らし合わせれば納得できるものではなかった。大御所だから、ご意見番だからという理由で、明らかな性差別を容認する時代は、もう終わりにすべきではないだろうか。

  • 東京五輪の番組制作担当スポーツ局女性社員の飲酒と2階からの転落事故について。当該カラオケ店はHPで緊急事態宣言中の営業は夜8時までと案内している。何故その店で朝4時まで酒が提供されていたのか。さらにHPでは、このテレビ局のニュース番組で「コロナ対策をきちんと行っている店として紹介された」と宣伝していた。こういった点について視聴者に何も説明がされていない。

  • 名古屋市長が金メダルをかんだニュース。謝った市長に対して「謝り方が悪い」、「反省していない」、「辞める気はないのか」。報道は自由とはいえ、一回の失敗であれだけたたきつぶすような報道はいかがなものか。やったことは確かに悪いが、名古屋市長の職、調子に乗って金メダルをかんだくらいで失う、軽い職か。マスコミのハラスメントではないか。

【番組全般・その他】

  • 民放はパラリンピックをなぜ放送しないのか。都合のいいときだけ障がい者を利用するのはひどすぎると思う。自国開催で障がいのことをより理解できる機会をマスコミが潰している。スポンサーなどの都合もあるかもしれないが、放送することで得られるものがたくさんあると思う。

  • 恒例の大型特番は障がい者を支援しているような内容なのに、いざパラリンピックが始まると中継がほとんどないのは矛盾していないだろうか。

  • 恒例の大型特番で「医療従事者に感謝とエールを」と女性グループがマスクもせず密集して歌っていた。医療従事者である私の家族は「だったら集まって歌うな。こういう自分勝手な連中のために頑張りたくない」と憤っていた。医療従事者を都合よく利用するのはやめてもらいたい。

  • ワイドショーでコロナの切迫した状況を伝え、出演者たちから「外出を自粛すべき」の声。その同じ番組の中で司会者たちがテーマパークに遊びに行って新アトラクションを紹介している状況は理解できない。

  • バラエティーのアウトドア企画。10人くらいのキャストが、ろくに距離も取らずマスクもせず騒ぎまくっている。視聴者は芸能人のマスクなしの顔を見たいのではなく、きちんと感染対策をした上での芸能を求めている。やるべきことをやって楽しませるのがプロ。国民への影響を考えて。

  • 何人ものタレントが一室に集まってトーク。この番組は、マスクも無しでいわゆる3密。もうやめてください。お願いだからマスクして。マスクしないなら、しゃべらないで…本当にお願い。コロナに対応している私たち看護師を殺す気ですか。本当にお願いします。

  • 巨大ソフトクリーム店を紹介する際「この番組を見て来た」という他県からの来店者のコメントが積極的に取り上げられていた。私はエッセンシャルワーカー。仕事で非常に神経をすり減らす中、このような感染拡大を助長するような場面を楽しげに取り扱われるのは、非常に不愉快であり不安。健康や生活をおびやかす番組が放送されることに強い怒りを感じる。

  • 「つり革につかまらず立っていられるか」という企画は極めて危険。大けがの恐れがあり私たち乗務員も責任を問われる。決して面白半分で扱う題材ではない。明日以降、乗客が面白がってまねをして重大事故につながらないか戦々恐々。強く抗議する。

  • 「目覚めたら無人島」企画。タレントに高さ30メートルの崖を命綱なしで登らせていた。ありえない。この番組はせめているので好きだがこれはやり過ぎ。引いた。

  • 男性出演者の服が溶けて全裸になるドッキリ。LGBTの権利尊重や男女共同参画が進む中、「(女性に対しては許されないが)男性に対するセクハラや性犯罪は笑いものにしてよい」という時代錯誤の認識のもとに行われている差別的行為で極めて不適切。

  • 激辛料理の飲食を競わせる番組について。いわゆる激辛料理は、食道、消化器系の粘膜を損傷する。この損傷は避けられないもので「辛さに強い、弱い」とは無関係。粘膜の損傷は長期的にがんの発生確率を増加させる場合もある。こんなリスクを出演者に負わせて競わせる番組内容には違和感を覚える。出演者の自主的判断もあるのだろうが「仕事」として無理をする方もいると思われる。体内を損傷するという面において、暴力との違いがあまり見いだせない。また、辛がる様子を見て笑っているような状況もよくないのではないか。

  • 落とし穴、落ち舞台演出について。立ち位置が合っていても、落ちる瞬間に手を伸ばしたり前のめりになったりするだけで骨折、死亡事故につながる。大事故になる前にすぐにやめていただきたい。

  • 母親がDVに遭い、面前DVがトラウマになっている娘に対して、占い師が「今この場でお父さんに電話して、全て許しなさい」と強く勧める。DVをした父親は暴力について「覚えてないよ、そんなん」の一点張り。「全部許せてすっきりした」というような美談になっていたが、福祉の観点から見て、これは大変まずい。DVは犯罪。まして、安全確保のために別居している親子に対して、電話での連絡を勧め、さらに「許せ」というなどというのは、テレビを見ている人たちに間違ったメッセージを伝えかねない。

  • 出演者にホールケーキを5等分させ、うまくできなかったら「非常識」とばかにし嘲笑していた。しかし、うまく切れない背景に発達障がいが隠れていることがある。これは決して常識・非常識の問題ではなく、ましてやばかにされ嘲笑されるべきものでもない。「ケーキの切れない非行少年たち」という本などで社会的な認知が進んだがまだ不十分。テレビという影響力の強いメディアで「ケーキを5等分できない=常識がなくばかにされるべきこと」と放送するのは、同じような問題を抱えて苦しんでいる人をますます苦しめ、追い詰めるようなもの。

  • 盗撮犯を検挙する場面で、被疑者を「害虫」、「虫」と呼び、「虫は駆除」などと表現したナレーションが繰り返されていた。犯罪者も人間である。人権意識を欠いている。

青少年に関する意見

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • ドッキリ企画で、芸人に催眠術をかけて記憶を消し、何度も同じドッキリを仕掛けて皆で大笑いしていた。人の記憶を操作するなど倫理的に許されない。子どもに悪影響を与える。いじめやパワハラは仕掛ける側が「いじめじゃないよ」と言い逃れすれば、一日中どころか一生ループが止まらない。

【「低俗、モラルに反する」】

  • “大浴場の風呂場から脱衣所に戻った際に、男湯と女湯が切り替わる瀬戸際でコインロッカーの鍵が開かなかったら”という企画をやっていた。ドッキリをかけられて裸のまま困って慌てた男性の様子をモニターで見て、皆で笑うという光景が、いじめではないかと感じた。また、そのピンチに女性2人組が浴場を生配信するという設定も公序良俗に反するのでは。肖像権侵害かつ盗撮だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • オリンピック報道のすべてを見ているわけではないが、映像や解説が余りにも日本中心であることに驚き、残念に思った。金銀銅の外国選手はそっちのけで、日本選手の表情、インタビューを放送し、誰が勝者なのかすぐには分からないような報道もあった。視聴する日本の子ども達に対し自国中心主義、過度のナショナリズムを植え付けてしまうのではないかと心配。東京大会の理念である多様性に反し、教育的効果を阻害し、ひいてはヘイトクライムの温床になるのではないかと懸念するのは杞憂だろうか。

【「危険行為」に関する意見】

  • バスの中で吊り革に捕まったり手すりに接触したらポイントが減点という企画は、頭はヘルメットをつけてはいるが、ぶつかったり転倒したり見ていて痛々しい場面ばかりだった。息子も見ていて「俺できるかな」と言うので「危ないからダメだよ」と諭した。健全な番組ではない。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • ダイエット&整形番組で、ブスとか怪物とか人の容姿をばかにする事を肯定するような当番組のあり方に異を唱えたい。イジメに繋がるといった想像力は無いのか。あのように容姿を化け物などと揶揄するのは「女性は容姿のみ」とする女性差別どころか、彼女達に似た人物が同じ酷い言葉に晒され、心を傷つけられ、最悪は自殺も考えられる。心が未熟な若い世代には影響が大きい。

2021年7月に視聴者から寄せられた意見

2021年7月に視聴者から寄せられた意見

開会式の音楽担当者の過去のいじめ問題、情報番組出演者の競技「蔑視」コメント、フェンシング中継での選手写真の取り違えなど、オリンピックに関する意見が多かった。

2021年7月にBPOに寄せられた意見は1,419件で、先月と比較して136件増加した。
7月は東京都が緊急事態宣言下にあった12日以降、電話による意見の受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール93%、電話5%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性49%、女性18%で、世代別では40歳代28%、30歳代25%、50歳代20%、60歳以上13%、20歳代12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は642件【48事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から24件を抜粋し、全会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

五輪開会式の音楽担当者の過去のいじめ問題、情報番組での有名タレントの「水球女子、だれが見るんでしょうか」という発言、五輪フェンシング中継番組で金メダルの日本選手の写真として韓国選手の写真を放送した事案など、五輪に関する番組、内容への意見が多かった。ラジオに関する意見は38件、CMについては12件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から5件増加した。
今月は「報道・情報」が14件、「表現・演出」が10件、「低俗、モラルに反する」が10件、「人権」が9件、「いじめ・虐待」が9件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 熱海の土石流のニュースで、SNSに投稿された映像を何十回も繰り返して放送していた。重要な情報であることは分かるが、あまりにもショッキング。同じ映像を何十回も繰り返す必要はないと思う。最新の気象情報を知るためニュースは見ざるを得ないが、何度もこの映像を見なければならないのは辛い。

  • 記録的大雨で災害が発生している熱海の情報を生放送で伝えていた時、現地の人に電話でインタビューしていた女性アナウンサーが、相手から「消防から避難したほうがいいと言われた」と聞くと「すぐに避難してください」と伝えて即座にインタビューを終了させた。当然のことかもしれないが良い判断だと思った。

  • 五輪開会式の音楽担当を辞任した小山田氏の少年期の行為には、知的障害者への暴力を伴った差別の側面がうかがわれる。「やまゆり園」の犠牲者がいまだに実名フルネームでは報道されないという一事にも、わたしたちの社会にある知的障害者への差別の根深さが示されている。多くの人が関心を持ったこの一件は、ふだんは見えにくい問題をあらためて考える契機になりうるはずであり、そこにはマスメディアが果たせる役割があるはず。小山田氏の排除で「決着」となるなら極めて残念。

  • 各報道番組がオリパラ開会式作曲担当の小山田圭吾氏のいじめ問題を取り上げているが、しつこく不愉快。メディアが小山田氏を袋叩きにしていじめているようにしか感じられない。数十年前の記事の内容について、今の世の中の価値観で話をするのはいかがなものか。

  • オリンピックの要人歓迎会について、街頭でインタビューした数名とコメンテーターの全員が否定的な意見。国際的なイベントだから歓迎会も礼儀として最低限のものは必要だろうと思う。肯定的な意見はひとつもなかったのだろうか。街頭インタビューの中には歓迎会を一般人の飲み会と同レベルに考えている人もいた。歓迎会を催すに至った理由も報じない。何十人かに聞いて「〇人が否定的でした」ならまだ分かるがマイナスの部分ばかり切り取っていて気味が悪い。

  • テレビが若者の(外出理由)「政府が」、「五輪が」、「自粛慣れ」という声ばかり伝えていたら、一体誰がこのコロナ禍を心配するのか。人のせいにばかりして危機感なしの国民にテレビ局がしているのではないのか。テレビ局はコメンテーターの発言やVTRの中身を、コロナを減らすという気持ちで伝えてほしい。

  • 情報番組でお笑いタレントのコメンテーターが「感染者数が意図的に少なく発表されていると思う」という主旨の発言をしていたが、根拠がない。ワイドショーでは芸能人コメンテーターが印象操作をそれと気づかずにするおそれがある。コメンテーター制度はやめるべき。

  • Twitterを利用して視聴者の声を画面に表示しているが、放送内容と反対の立場の意見はほとんどピックアップされない。放送内容があたかも「多数意見」であるかのように報道するのはおかしい。恣意的な情報操作が可能なこうした手法は禁止する必要があると感じる。

【番組全般・その他】

  • 特定の地名から人が何をイメージするかを当てる「○○(地名)といえば ランキング」というコーナーで、問題「インドといえば」の答えの3位が「新型ウイルスの変異株」であった。インドの方々が苦しんでいる中、これを国のイメージとして放送するのは全く配慮に欠け、差別を助長しかねない。見ていて非常に不愉快だった。

  • 「夏休み特別企画 大人気テーマパーク徹底攻略SP」と題して一週間、ユニバーサルスタジオや富士急ハイランドなどを特集。緊急事態宣言中なのにメディアが外出を煽っているように思う。

  • アナウンサー、演者などマスクをしていない人が感染防止対策を呼びかけてもムダ。

  • タレントがマスクを着用すれば視聴者を啓発できる。収録や生放送でのマスク着用を望む。

  • 各局のオリンピック中継。あれだけ中止を訴えておきながら手のひらを返したような放送に辟易する。もっと一貫性をもって番組作りや放送をすべきだと思う。

  • オリンピックは自宅で観戦、不要不急の外出はしないで、というニュースの後、選手の地元や母校で人々が集まって応援している様子を報道。オリンピック観戦の為なら集まってもいいのか、外出してもいいのか、全く納得できない。

  • 「フェンシング男子エペ団体決勝」。金メダルの日本選手の写真を取り違え、放送終了直前にアナウンサーが「先ほど、スタジオで皆様にお見せした写真の一部に誤りがありました。大変失礼いたしました」と言っていたが、どこを間違えたのかきちんと言うべき。選手に失礼だ。

  • 「フェンシング男子エペ団体決勝」。日本が金メダルという歴史的快挙をなし遂げたが、表彰式、選手インタビューなどメモリアルな瞬間が放映されず大変残念。コロナ禍で会場に行けなかった選手関係者の気持ちを思うと心が痛む。

  • 有名タレントが五輪開会式について「恥ずかしくて外国に行けない」、「(ドローンは)コンピュータに入れているだけ」、競技について「女子の水球、だれが見るんでしょうか」。選手の努力や大会関係者の苦労をバカにする発言は聞くに堪えない。ドローンのコメントは無知。そのプログラミングがどれだけ難しく大変か、事前に調べて発言できない。時代についていけていない。ファンだったので残念。

  • スポーツ番組全般で画面隅の表示やアナウンサーの言葉でよく「このあと」とあるが、「このあと」が長すぎる。「すぐ」がついて「この後すぐ」なら今見ている試合の次かと思えば、ぜんぜん後だったりする。「このあと」の使い方を適切にしてほしい。

  • オリンピックの番組が番組表通りに放送されず録画ができない場合があった。NHK総合だった番組がEテレやサブチャンネルに切り替わっていた。リアルタイムで見られない人はニュースやハイライトで見るしかない。改善をお願いしたい。

  • 各局の大型音楽特番はコロナ禍の現在は不要不急の番組と言わざるを得ない。出演者も制作スタッフも多く、大人数のアーティストがスタジオでマスクをせずに歌うような長時間の特番は、人流の抑制という要請に逆行している。

  • メジャーリーグの大谷選手を取り上げる中で、アメリカのキャスターの間違った日本語や意味不明な日本語を、字幕を付けて面白おかしく扱っている放送をよく見る。悪意を感じることはないが、アメリカ人の友人はこのような放送を各社が繰り返すことに驚いていた。「オオタニサーン」というアメリカ人キャスターの発音を日本人が繰り返しまねる。世界が注目する選手の情報には世界中の人がアクセスする。放送する側に悪意がなくてもこのような放送を人種差別的と捉える人もいることを意識した方がいい。

  • 災害や貧困で食事にも困っている人がいる中、芸能人の大食い・激辛企画。フードロス削減という社会の要請に逆行している。こんな番組を放送しておいて「SDGsと向き合う」とは呆れたものだ。

  • 仕掛け人であるマネージャーがターゲットであるタレントに対して本人を侮辱する暴言を浴びせて怒らせる、というドッキリに非常に不快感を抱いた。激昂したターゲットが仕掛け人に手をあげる寸前だった。傷害事件になりかねない。制作者や放送局の常識を疑う。

  • 番組全編を通じて、占いという非科学的なものを非常に好意的に、かつ権威あるものとして扱っており、視聴者が信じ込んでしまうような演出になっている。かつてカルト教団を好意的に扱い信者の獲得に寄与してしまった過去を繰り返す萌芽になりうると考える。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 千葉県八街市の児童5人死傷事件の取材で、友だちが亡くなったばかりの同級生に「どう思う?」など苦しみを蒸し返すような質問ばかり浴びせており、倫理観を疑う。自分たちのネタになるなら子どもたちの心のケアは二の次か。こんな低レベルの倫理観で報道番組を名乗っているかと思うと絶望する。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組の企画で、他のタレントに自腹で買ってやるという演出だが、実際にはテレビ局が支払いをしているとしたなら、視聴者を欺く視聴率稼ぎのための演出で問題だ。テレビのそうした小さな嘘でも子どもたちへの影響を危惧せざるを得ない。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 川柳ネタで、女子生徒の縦笛を舐めるという性的いやかせらせをテーマとして取り上げていた。司会の芸人と女優が「男子のこのような行為は当たり前だ」といった芸人のコメントを擁護・美化するコメントがされていた。傷ついた人が多くいるのではないか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • あるタレントが、東京オリンピックの音楽担当を辞退したアーティストの過去の障害者への虐待について「昔はこういうのを許容する価値観があった」などと発言していた。こんなのを子どもたちが見て影響を受けたら正直たまらない。間違いだったと訂正していただきたい。

【「人権」に関する意見】

  • 東京オリンピック開会式の生放送で、23時過ぎに未成年者の高校生を合唱で出演させていた。労働基準法第61条に抵触、放送法違反では?

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • ドラマやアニメ等、創作物での暴力描写への規制が最近は厳しすぎる気がする。面白半分でそういう表現を入れているのならまだしも、そういった部分をきちんと描くからこそ伝えられる事もあると思う。綺麗事で取り繕った上辺の部分だけでなく、汚い部分をしっかりと映す事も放送の役割ではないのか。子どもへの影響を危惧する声が多いが、本来教育はテレビの役割ではなく親の役割。教育を投げた人間の声にテレビが迎合しすぎて、放送できるものの枠が狭まりどんどんとテレビ番組はつまらなくなっている。放送や表現を規制するのではなく、伝えたい事をきちんと伝える事に重きを置いて、コンプライアンスが厳しいから、視聴者がうるさいからと丸投げにせず、信念を持った番組作りをお願いしたい。

2021年6月に視聴者から寄せられた意見

2021年6月に視聴者から寄せられた意見

札幌市内で人がヒグマに襲われた事案の取材手法、公園で行われたコスプレイベントを扱った際のプライバシー保護のあり方などへの意見が多かった。

2021年6月にBPOに寄せられた意見は1,283件で、先月と比較して119件増加した。
6月は1日から20日まで緊急事態宣言下にあり、この間、電話による受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール91%、電話7%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性50%、女性23%で、世代別では40歳代30%、30歳代24%、50歳代22%、20歳代13%、60歳以上10%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は646件【47事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から18件を抜粋し、全会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

札幌市内で人がヒグマに襲われた事案で、テレビの取材車両がクマを追尾しながら撮影した映像を放送した事業者に対する「この追尾取材がクマを興奮させたのではないか」という意見や、公園で行われたコスプレイベントの参加者を公道から撮影し、顔をぼかして放送した番組に対する「顔をぼかしても衣装で個人が特定されるので不安」などの意見が多かった。
ラジオに関する意見は43件、CMについては13件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は83件で、前月から10件増加した。
今月は「報道・情報」が20件、「マナー・服装」が13件、「表現・演出」が18件、「低俗、モラルに反する」が11件、「性的表現」が4件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • かつて国設鳥獣保護区管理員をしていた。札幌にヒグマが出没し4人が負傷した事件のニュース映像で、取材の記者たちがヒグマを車で追い回している様子が映っている。ヒグマは車を振り返りながら興奮して走り、自衛隊員を負傷させた。本来ヒグマは人を避けて隠れて行動するものだが、興奮させると予測できない行動を起こす。ヒグマを車であおるなど絶対にしてはいけない行動で、ましてや住宅街でやるとは言語道断。ヒグマがいたら興奮させないように遠くから静かに観察し、速やかに位置情報を警察に伝えるべき。

  • ニュースの最後のアナウンサーたちのトーク。「若い人たちがワクチンを接種したがらないようですね」「自分だけではなく、周りを守るっていう意味でも接種していただきたいですね」。ワクチン接種は任意。ワクチンハラスメントを助長するような発言をアナウンサーがしてもよいのか。個人的にはとても問題のある発言だと思う。

【番組全般・その他】

  • 若者のワクチン接種を促すような、接種を肯定する意見ばかりが報道されている。デメリットも伝えて視聴者自身の判断に委ねるべきものではないのか。厚労省が開示しているワクチン接種後の死亡例など客観的なリスクとベネフィットを報道してほしい。

  • 新型コロナワクチンについて、副反応によるものかどうか分からない死者の数を、あたかもワクチン接種によって死亡したかのように報じ、人数についても割合でいえばごく少数なのに実数しか報道しない。報道する側は責任を持って、冷静に事実のみを伝えるべき。

  • コロナワクチンに関して医療の専門家でないコメンテーターが「ワクチン格差によってウイルスの変異が進み、集団免疫の獲得はできないと思う」と述べていた。番組を見た視聴者がワクチン接種を躊躇(ちゅうちょ)する可能性があり、感染者の減少を阻害する要因となるおそれがある。公に発信する放送として正しいとは思えない。

  • 尾身会長の「パンデミックの中での五輪開催は普通ではない」という発言に対して、「自民幹部は『言葉が過ぎる』と不快感を示した」と報じられたが、この「自民幹部」は実名で報じるべきではないのか。政治と科学者の問題を考える上でも極めて重要な発言。政治報道には同様の匿名表現が少なくない。慣行になっているのだとしたら見直しを検討すべきだと思う。

  • 公園で行われたコスプレのイベントに参加しているところを撮影され、コロナ感染リバウンドを懸念するニュースの一部として情報番組で放送された。テレビ局は「モザイクを入れて参加者のプライバシーに配慮した」と説明しているが、当日そのキャラクターのコスプレをしていたのは私だけ。私はツイッターで当日の写真をあげており、顔にモザイクをかけたくらいでは少し検索をすればアカウントを特定できる。現在、誹謗中傷などを未然に防ぐためアカウントを非公開にしていて再公開のめどもたたない。コスプレはキャラクターの姿を借りる趣味だ。このような報道に無断でキャラクターや私の衣装が使われたことが本当に悲しいし悔しい。

  • 立川ホテル男女殺傷事件で、被害者の職業を「派遣型風俗店勤務」と紹介しながら氏名を公表していた。被害にあわれた女性の家族は心を痛めていると推察する。死後にまで被害者を辱めるようなやり方は報道機関として正しい姿なのか。

  • 弁当店で店員に硬貨を投げつけるなどした迷惑客の監視カメラ映像について、店側はツイッターで客の顔を公開していたため、放送を見た人がこの店の名前を検索することで客の顔が拡散される状態になっていた。客に問題があったとはいえ、店側のネット私刑に多くの報道番組が加担した形になっていた。

  • 7名の村職員の退職はすべて村長のパワハラによるものであったかのような報道があったが、7名の中には私の知り合いもおり、1人は結婚して結婚相手の居住地に引っ越すために退職、別の1人は「新しい世界に挑戦したい」と転職した。報道は不適切だと感じた。

  • 「笑わせ合いサバイバル」という企画で、男性タレントがその場で自分の肛門のインスタント写真を撮って他の出演者に見せる場面があった。写真は放送ではモザイク加工されたが、しゃがみこんで写真を取る過程が放送され、気分が悪くなった。身近な地域で性器の写真が拡散されていじめに遭った中学生が自殺する事件があったので、過剰に反応してしまったのかもしれないが、放送倫理とは何なのか考えさせられた。価値観は人それぞれであり、面白いテレビ作りは続けていただきたいが、子どもと見ていて自分が笑ってしまうと、その行為を認めたことになるのではないかと困った。

  • 占い師がゲストのタレントを占って「セックスめちゃくちゃうまい」、「キスとか舐めるのが好き」。こうした発言をテレビで放送するのはおかしいと思う。収録だから編集で放送しないことだってできたはずである。それを放送すると判断したテレビ局の考えも疑う。面白ければ何でも良いという姿勢が(視聴者としてはこれっぽっちも面白くないが)不快。占いの真偽やテレビで扱うことへの是非は問わないが、番組の中で不快にさせる発言、時代にそぐわない発言、占われるタレントをけなす発言などは厳しくチェックしてほしい。

  • 芸人夫婦の妻側が仕掛け人となって離婚を切り出すいわゆる「ドッキリ」で、夫が号泣していた。いくら「ドッキリ」でも度が過ぎる。番組スタッフに人権を尊重する意識が欠けているのではないか。

  • バラエティー番組で北軽井沢(群馬県)について「軽井沢(長野県)を堂々と名乗っている」と表現。北軽井沢を見下し、在住している者にとって非常に不愉快な番組だった。

  • 出演者が室内に大勢集まり、延々しゃべったり歩きまわったりするトーク番組。「家飲みなら安全」「新型コロナ対策は不要」というような誤ったイメージを視聴者に与えかねない。番組冒頭で「新型コロナ対策をしています」とテロップが出る割には申し訳程度のアクリル板や入室前の手指のアルコール消毒がされているだけ。視聴者としては対策のゆるさにびっくりする。家庭や職場での感染が拡大し、芸能界からも多数の陽性者がでているなか、テレビ局はこんな番組を放送しないような配慮が必要だと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 千葉県八街市の児童5人死傷事件の取材で、事故前まで一緒に遊んでいたという子どもにインタビューをし、顔まで放送するのは非常識すぎる。配慮がなさすぎるし、視聴者は望んでいない。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 女子中学生が男性教諭に憧れてタオルに変身し、先生の家での生活を覗き見るというドラマがあった。覗きは人権侵害に値する行為であり犯罪行為を助長するような内容を放送している。テレビがその表現を肯定することにより、性犯罪を許容するメッセージを与え、性犯罪に及ぶハードルを下げる一端を担うことにならないか。

【「マナー・服装」に関する意見】

  • 子ども向けアニメ内で、オタクが喜ぶようなタイツ推しや下着を見せるような子どもの性癖を歪めるような描写は止めてほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組において、誘拐されて拘束された女性が全裸にされて石化させられるシーンがあった。他にも緊縛された女性に対して電流を流すシーンがあり、いくらアニメとはいえども女性に対する性暴力を助長するシーンは青少年に悪影響を与える恐れがあるのではないか。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 笑わせ合いサバイバルという企画で、男性タレントが、自分の肛門のインスタント写真を撮って見せる場面があった。写真はモザイク加工されたが、しゃがみこんで写真を取る過程が放送され、気分が悪くなった。あまりにも下品だ。

【その他】

  • 10代から20代の男の子たちがデビューに向けてレッスンを受け11人枠をかけて戦うサバイバルオーディション番組の合宿生活が盗撮盗聴され、ツイッターやLINEなどのSNSで流出している。番組に参加しているといえども彼らはまだ一般人であり、放送上には乗らない音声や動画が出回ることがあっていいのか。番組に問い合わせを送っているが対応がない。

2021年5月に視聴者から寄せられた意見

2021年5月に視聴者から寄せられた意見

ワクチン接種の本格化に伴って「注射針を刺す映像が不快」という意見が再び増えた。取材・制作時、放送時の感染対策に対する疑問の声が依然多い。

2021年5月にBPOに寄せられた意見は1,164件で、先月と比較して184件減少した。
5月は全期間が緊急事態宣言下にあり、電話による受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性49%、女性18%で、世代別では40歳代27%、30歳代24%、50歳代22%、60歳以上13%、20歳代12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は565件【53局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般への意見の中から24件を抜粋し、全会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

ワクチン接種の本格化に伴って「注射針を刺す映像が不快」という意見が再び増えた。取材・制作時、放送時の感染対策に対する疑問の声が依然多い。複数の社で、SDGsへの取り組みのアピールといわゆる「大食い」企画が近接・並存。このことへの批判の声も寄せられた。
ラジオに関する意見は37件、CMについては26件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は73件で、前月から1件減少した。
今月は「表現・演出」20件、「危険行為」が9件、「低俗、モラルに反する」が8件、「犯罪の助長」が7件、「編成」と「性的表現」が5件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ニュース、ワイドショーでは街頭などで本人の承諾なく撮影した人物を、顔をぼかして放送しているが、服装、持ち物、体型など知人が見れば個人を特定するに十分な特徴が公開されている。これではその人物のプライバシーに対して十分な配慮がなされているとは思えない。特に、「〇〇警察」と呼ばれる風潮をまん延させたと思われる取材方法には大きな問題があるように思う。個人が特定されるリスクを冒してまで、その行動を一方的に評価して悪いと決めつけ放送する必要があるのかどうか、放送業界全体で検討してほしい。

  • 神社のさい銭泥棒を通報した勇気ある女性を紹介していたが、報道はこの女性の安全への配慮を欠いていた。実名、顔出し、自宅の場所が特定可能な映像などには恐怖しか感じない。たとえ本人が承諾したとしても報道のプロが通報者の安全を守る観点に立ち、内容に工夫をこらさなければならないのではないか。

【番組全般・その他】

  • 「地球を笑顔にするWEEK」と銘打ち局をあげてSDGsの大キャンペーン。「フードロスをなくそう」ということもいわれていた。にもかかわらずキャンペーンが終わったすぐ翌日、手のひらを返すように大食い番組を放送している。視聴者を欺く行為である。

  • ニュースでは帰省を我慢しろ、外出を控えろと散々訴えているくせに、19時からはグルメやロケ番組。これでは緊急事態宣言などといってもなんの説得力もない。私は病院勤務をしているが、ただただ不快だ。頑張って働いているのがバカみたいだ。

  • 訪問介護のコント。効果音を使ってサービスが一つ一つ細かく課金されるというイメージが作られ、見ていて非常に気分の悪くなるものだった。私自身、介護の仕事に携わっている。コントは、毎日コロナウイルスの心配やさまざまな心労のある仕事に対するリスペクトのない内容だ。介護の仕事をお金儲けの手段として演じておられたのが悲しい。このようなコントを面白いと感じる感性が許せないと思う。表現の自由だと言われればそうなのかもしれないが、見ていて不快に思う気持ちが抑えられなかった。

  • 私はダイエットがきっかけで摂食障害(過食症)を患っている。好きなバラエティー番組で投稿者たちの間違ったダイエット法や大食いを面白おかしく取り上げる回があり、放送が摂食障害の人を増やしてしまうのではないかと懸念している。摂食障害は一度かかるとドツボにはまってしまい、なかなか治らない病気だ。放送するなら過剰な表現をせず、注意書き等をしていただきたい。

  • ACジャパンの「1日1億個のおむすびが捨てられる」というCMのすぐあとの週1レギュラー番組。大盛り料理を食べることを競う企画で、毎週必ず料理が残るのをみて子供たちがなにを思うか。TV業界は面白ければよいのか。情けない。

  • ワクチンのニュースで毎回のように注射を打っている映像を流しているが、注射恐怖症の者からすると苦痛でしかない。肌に注射針を刺す場面をアップで流す必要はないはず。ニュースは「嫌なら見なければいい」で済む番組ではない。

  • 法に触れない範囲でテレビ局の好きなように番組を作って表現やメッセージを伝えてほしい。たとえそれが低俗、過激、お色気満載であっても、それはテレビという非現実的な空間で起こる表現の自由である。見た視聴者がやり過ぎであると思うならば各々で考えて学べるだろう。それがテレビの魅力ではないかと思う。昔のように元気なテレビになってほしい。それは自分がテレビのおかげで色々ことを教えてもらえたからだ。

  • ニュース全般に、容疑者が連行される時の映像をあまりにも多用し過ぎているように感じる。殺人や重大事件なら逮捕映像の公開も仕方ないが、軽い犯罪の者までが屈辱的な姿をテレビで公開されてしまうのは倫理的にどうなのか。軽い犯罪の者は名前だけの公開とした方が良いのではないか。

  • バラエティー番組でコンビニに芸人が現れ、客にネタを披露するサプライズ。「表情が見たい」と番組側が客の二人組にマスクを外させ、何ら感染防止策なし。感染防止を訴えるテレビ局が公共の電波でいったい何がしたいのか。

  • 「ランキング」を掲げるコーナーで、特定一社の商品を比べてランクをつけている。批判は一切せず、若手お笑い芸人たちが「すっごーい」とはやし立てるだけ。他社製品を含めての順位づけなら消費者にとってメリットもあるが、これでは広告と変わらない。まるで特定一社へのゴマすりランキングだ。こんなものを公共の電波に乗せていいのか。

  • ドラマで、離婚を望む人物が子を連れて家を出て、その行動について弁護士から「子と同居していたほうが離婚協議において親権取得で有利」とアドバイスされ安堵するというシーンがあった。これは昨今問題になっている「子の連れ去り」そのものではないか。ドラマはあくまでフィクションだが、問題視されている不法行為を肯定するような描写が視聴者に良い影響を与えるとは思えない。

  • 殺人事件の容疑者が親と同居する自宅の外から中継し、その外観を映していた。周囲の景観にモザイクもかけておらずプライバシーへの配慮がまったくない。そもそも現段階では容疑者であり、冤罪や無罪判決の可能性もある。放送局は何の権限があって容疑者の自宅を映し、それを全国に放送したのか。その必然性や合理的な理由が全く見当たらない。野次馬根性、あるいは視聴者の下品な興味関心への迎合といったような無責任な態度で容疑者の家族をさらし者にしてよいはずがない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • クイズ番組で、パチンコ・パチスロの演出に似た映像を流していて、射幸心を煽る内容だった。賭け事は禁止されてはいないが、地上波では青年や子ども達が見て悪影響が出ないか心配だ。

【「危険行為」に関する意見】

  • 数年で大変身を遂げた一般人を取材する企画で、過激なダイエットをした人が好意的に取り上げられていた。炭水化物を抜いたという人がいて、番組を見た中高生が真似をしないか心配だ。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • 子ども向けアニメ番組で、ウンチネタが多い。しかもウンチが口に当たりそうなシーンがとても不愉快。教育上悪い。

【「犯罪を助長する」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、家出中の女子高生をたまたま見つけたサラリーマンが自宅へ住ませるという内容で、家出少女に事情があり性的関係にならずにいればギリギリ犯罪にならないかのような表現がされている。人の温もりや優しさ、少女が家出にいたる背景、家出のリスクなどを描く作品である事は理解するが、どれだけ親切心からの行為でそれで救われる人がいようとどんな事情があろうと犯罪としてハッキリさせていない。良い話でまとめているのは犯罪教唆に当たる行為であり是正が必要だと感じた。

【「編成」に関する意見】

  • 過去の名作の再放送で、ジェンダー教育が遅れている日本において、主に女性が男性に性暴力を受けるシーンが娯楽として扱われている。女の性を男の欲望のために消費したいが故の不要なエンターテイメント、セクハラやレイプシーンなど不快そのものだ。もし表現の自由として放送するのであれば深夜にする、22時以前はカットするなどの何かしらの配慮をしてほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 人形劇で、勃起した男性器のような像が使用された。前回は扇子を持っていたので、明確な意図があって変更されているように思う。幼児番組でこのような内容を放送することが信じられない。児童虐待ではないか。

2021年4月に視聴者から寄せられた意見

2021年4月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス感染防止対策の観点から番組の内容、形態、制作手法などが厳しい目で見られている。「大食い」企画に対しても依然、意見が多い。

2021年4月にメール・電話・郵便・FAXでBPOに寄せられた意見は1,348件で、先月と比較して60件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話15%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性57%、女性23%で、世代別では40歳代26%、50歳代23%、30歳代21%、60歳以上15%、20歳11%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ652件【53局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般への意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

引き続き、番組の内容、形態、制作手法などさまざまな側面が、新型コロナ感染防止対策の観点から厳しい目で見られている。また、いわゆる「大食い」企画に対して食糧問題・SDGs、コロナ、貧困、生産者感情など幅広い視点から意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は48件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は74件で、前月から5件減少した。
今月は「表現・演出」15件、「犯罪の助長」が9件、「危険行為」が7件、「編成」が5件、「低俗、モラル」が4件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • コロナ報道は国民にとって極めて重要な情報だが、3密防止を言葉で呼び掛けるばかりではなく、日常行動の中での飛沫の飛散・付着のし方などの映像を幼児から高齢者まで多くの人の脳裏に焼き付けて、国民が自主的に防衛行動をとるような社会にすべきではないかと思う。対面での飛沫の飛び方、相手の顔や料理への付着、飛沫がドアノブ、水栓のレバー、エスカレーター・階段の手すり、様々な押しボタン等に付着している現実、マスクの有効性と限界、フェイスシールドやアクリル板の有効性と欠点などを視覚化して報道し、国民の意識を更に高めるための報道の仕方について考えてほしい。

  • 4都府県に緊急事態宣言が発出され、テレビは東京都の知事会見や外出自粛、休業等に関する情報を繰り返し報道しているが、日本は東京だけでできているわけではなく、国民の大半は地方に住んでいる。東京のキー局スタッフにとっては身近な話題なのだろうが、東京の話ばかりで情報番組やニュースを埋められるのは良い傾向ではない。もう少しバランスの取れた内容にしてほしい。またコロナ以外の海外の情報や話題が少なすぎる。

【番組全般・その他】

  • 情報番組のコメンテーター達が横にアクリル板を立てているのみでマスクもせず感染防止を訴えているのは、あまりに無意味に見えて不快なうえ説得力がなさすぎる。見ていて大丈夫なのかと不安にもなる。政治家の会食よりもテレビの出演者達がマスクもせずに大きな声でしゃべり続ける映像の方が感染防止の妨げになる。新規感染者数を毎日速報まで使って流すより、まず画面に出る側の人々が手本を示すべきではないか。注意喚起をしたいのであれば常にマスクを付けるとかアクリル板の枚数を増やして囲むくらいの事をしてほしい。

  • ワイドショーなどは新型コロナウイルスについて伝える際、「外に出るな」と盛んに呼びかけている。しかし次のコーナーになると飲食店やテーマパーク等の紹介をしている。あまりに矛盾している。見れば行きたくなるのが自然ではないか。今の危機的状況下でなぜ店の紹介をするのか。このようなテレビの矛盾が「外へ行きたい」視聴者の気持ちを煽っているとも言える。もう少し視聴者目線で放送をするべきだ。

  • 室内でタレント6人がトーク。企画は楽しいが、狭い部屋で6人が大きな声でしゃべりながら映像を鑑賞したりゲー厶をしたりと、今の世の中の状況にまったくそぐわない番組。体温測定器などを使っていたが、アクリル板もなければマスクもなし。向かい合ってしゃべり続けている映像は大変不快。これでは視聴者にも集まって良いと思わせてしまう。

  • 新型コロナワクチンのニュースで注射の映像がそのまま流される。流れる都度に目を背ける。注射嫌いや先端恐怖症の人も見ている。せめて次に流れる映像を強制的に見なければいけない状態を避けたい。予告の手間をかけてほしい。

  • 大食い、激辛企画がたびたび放送されているが、コロナの影響で職を失ったり収入が激減したりして食費を含め切り詰めた生活を送っている方が多い中、必要以上の食べ物を無理矢理詰め込んだり大量に残したりと、画面から受ける印象は大変不快。学校で食育を広げている中、この番組で何を得れば良いのか。実際に我が子の友人でも親が職を失い、毎日の食事にさえ苦労している方が複数いる。食べたくても食べることが出来ない人達が多い今、この大食いや激辛企画は必要なのか。今一度、社会情勢などを顧みて番組を企画していただきたいと切に願っている。

  • 逮捕された容疑者があたかも犯人であるかのように決めつけて報道するのはおかしいと思う。また、テレビが勝手に人物像を作ることにも違和感がある。公平な報道を心がけて欲しい。

  • 韓国人元BC級戦犯の方が亡くなったという特集でその方の葬式のシーンがあった。何の予告もなく遺体の映像(棺の中の顔までアップ)が放送され、大変不快に感じた。必要性は否定しないが週末の食事時という時間帯は適切なのか。また、事前にそのような映像を映すという告知が必要ではないのか。

  • 下着の窃盗未遂による逮捕のニュースで押収品の下着類が映されていた。自分が被害者だったら自分の下着がテレビ放送されるのは非常に不快である。見ていて気持ちの良いものではない。事件を取り扱うこと自体は否定しないが、下着の場合は他の盗難品よりもプライバシーへの配慮が必要だ。押収品でなければ通常は使用中・使用済みの下着は映さないように配慮するだろう。なぜ押収品ならいいのか。しかも放送されるのは窃盗という被害に遭った人のもの。実物を放送することによるメリットもあまり考えられない。押収品の下着を放送するのはやめてほしい。

  • 野球中継でありながら試合を実況せず、タレントによる雑談に終始。その顔がワイプで表示され、プレーをじっくり見入ることができなかった。SNS上にはテレビの音声を消してラジオをつけたという人の声もあった。スポーツ中継の本質は競技者やチームへのフォーカスで、両チームに対しても大変失礼な放送だった。タレントの出演、プレゼントなどの企画は創意工夫であり自由だが、テレビはスポーツに対する敬意を忘れず、その魅力を最大限に伝えてほしい。

  • 番組出演者がペットや幼児に対して「いらっしゃる」などの敬語を使っている場面を見かけることが増えている。皆に対して平等にという意識が強くなっているのかもしれないが、ペットや幼児にまで敬語を使うのは行き過ぎだ。敬語の使い方を再度考えて放送してほしい。

  • タレントのアゴを長く見せるメイクを施して、MCがいつそれに気づくかを当てるというお笑いの企画があった。生まれつきアゴが長くて悩んでいる人がたくさんいる。身体的な特徴で笑いを取るのは不愉快だ。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 夕方の報道番組で、亡くなった韓国人の元BC級戦犯が補償を求め続けた過酷な人生を紹介する内容だったが、遺体の顔のアップがモザイクも無しに映された。子どもには衝撃的な映像であり、しかも夕食時である、もっと配慮すべきだ。

【「犯罪を助長する」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、20代のサラリーマンが家出少女を警察にも両親にも連絡せず自宅に匿う設定のストーリーだった。主人公が少女の安全確保を目的と考えているらしいこの行為は、未成年略取とも見て取れ犯罪とも言える。また、女子高生が泊めてもらう代償に性行為を申し出る発言は、主人公がこれを諫めたが、売春を想起させるものであり、刺激が強い。全体として美談仕立てであり、悪質ではないか。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • ある男女コンビのお笑い芸人が、「女性がシャワーを浴びていると、カーテンを開けたくなる」というコントで笑いを取っていた。これは性的嫌がらせ、性暴力であり、これを笑って見過ごすことは子どもを含めた男性に誤った認識を広めることになる。

【「編成」に関する意見】

  • 在京キー局の深夜番組が地方で日曜日のお昼に放送されている。この深夜番組は大人向けなので、一部子どもには見せられない下ネタや下品な言動が目に付く。放送する時間帯を変えるよう地元のテレビ局に要望を送ったが、一向に状況は変わらない。

【「危険行為」に関する意見】

  • ”ダジャレを実現”「ブルーをかぶ~る」と称して青い液体を芸人の顔に浴びせ続けるドッキリ企画を放送していた。芸人は息もできないほど苦しんでいるのにスタッフは浴びせ続け、周りのものは笑っていた。子どもたちが真似したら大きな問題になりかねない。人を傷つけて笑いを起こそうとするのは止めて欲しい。

  • どっきり企画で、男性芸人の下着にハッカ液をぬり悶え苦しむ姿を面白おかしく放送していたが、この上もなく不愉快な気持ちになった。子どもがマネをし、いじめに繋がる可能性もある。