第160回 放送と青少年に関する委員会

第160回–2014年7月22日

青少年委員会の「審議プロセス」の確認…など

第160回青少年委員会を、7月22日に7人の委員全員が出席してBPO第1会議室で開催しました。まず、青少年委員会の「審議プロセス」の確認を行い、次に6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見を中心に、2つの案件について討論しました。その他、7月の中高生モニター報告、9月9日に仙台で行う予定の委員会及び意見交換会の現状報告、調査研究などについて話し合いました。
次回は9月9日に定例委員会を仙台で開催します。

議事の詳細

日時
2014年7月22日(火) 午後4時30分~午後6時40分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

青少年委員会の「審議プロセス」の確認

青少年委員会の活動について話し合い、改めて事務局が『放送倫理・番組向上機構 規約』『「放送と青少年に関する委員会」運営規則』(いずれもBPOホームページ「規約と運営規則」参照)の文言と意味を説明しました。また、2012年10月から、新たに「討論」という運用上のプロセスを設け、現在は以下のような「審議プロセス」になっていることを再確認しました。

    1. まず、視聴者意見を参考にしたり、委員が指摘した番組・テーマについて、担当委員が委員会で「討論」する必要が有るか否かを判断します。「討論」では、全委員が番組を視聴し、当該放送局に提出の協力をお願いした関連資料などを参考に、委員間で自由な議論を行います。
    2. 「討論」の結果、「審議」が必要と判断した番組・テーマについては、当該放送局に放送局としての考えなどの文書回答を求めたり、関係者との意見交換を行い、ケースによって"委員会の考え"を公表します。
    3. さらに委員の3分の2以上の賛成があれば「見解」などを公表し、全放送局に自主的対応を要請します。

なお、「審議プロセス」のあり方などについては、年度内をめどにさらに検討することにしました。

視聴者意見について

  • 「海外取材で、日本の女性芸人がTバックを着ておしりを突き出し、ドラム代わりに叩かれていた。いくら"お笑い"とはいえ女性芸人いじめではないか」という視聴者意見や、女性蔑視ではないかという委員の意見があり、全委員が視聴した上で討論しました。委員からは、「あのシーンを見て女性蔑視と感じる人もいるだろう。配慮が必要だ」「過去に同じ女性芸人を、裸の上半身にボディーペイントを施し走らせたことがあった。今回も、テレビが男性目線で作られていることが垣間見える」などの意見がありましたが、「実際に海外でイベントとして行われているのであれば、文化を紹介する意味でも問題はない」「過去のボディーペイントの時も今回も、アートとして受け止めた。その部分だけを見るとわいせつな感じを受けたが、事前告知していることや、女性芸人のキャラクターもあり問題はない」などの意見があり、審議入りしないことにしました。ただ、他のバラエティー番組などでも"男の大人目線での番組作り"を感じることがあり、引き続きこのテーマについて関心を持って行くことを確認しました。

  • 小学校の校長が覚せい剤所持容疑で逮捕された事件で、卒業生(中学生)の顔出しインタビューが情報系の番組で放送され、放送後、保護者から今後インタビュー映像を使用しないでほしいとの要望があった案件について、当該局に改めて報告を求め、前回に引き続き討論しました。報告では、「自社で採用している『報道・取材ガイドライン』の子どもへのインタビューについて、取材記者が"小学生へのインタビュー取材には親の同意などが必要だが、中学生以上であれば本人の同意があればいい"との誤った認識で、保護者の了解を得ていなかった。今後再発防止に向け社内の勉強会など、全社で意識の共有を図っていく」としています。委員からは、「子どもたちの取材に際しては、取材者にとってリスキーなこともあることを、特に若い記者に対して教育することが必要ではないか」「今回は、社内の調べで、原因も分かり、そのあとのフォローもするということなので、これ以上問題にすることは無い」などの意見があり、審議入りしないことにしました。

中高生モニター報告について

■中高生モニター報告 概要

7月の中高生モニターは、「この1か月程の間に見た番組の感想(バラエティー・クイズ・音楽)」というテーマで書いてもらいました。
今回は18人から報告がありました。いくつかのバラエティー番組を強く支持する意見が複数寄せられました。「私は『逃走中』(フジテレビ)が好きで、よく見ます。この番組の好きなところは、(1)ミッションのハラハラ感、(2)裏ストーリーのおもしろさ、(3)逃走者から伝わるドキドキ感、です。逃走成功者はお金をもらえる、という視聴者には何の得にもならないバラエティーですが、1度見ると、あのおもしろさのとりこになってしまいました」(東京・中学2年女子)。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)については、「私がこの番組を好きな理由は、私たちが普段の生活では得られない情報を得ることができるからです。この番組は、出ている芸能人が、私たちが見ていて疑問に思ったことをきちんと質問してくれるので、見ていて、もやもやしなくて楽しく視聴できます」(宮崎・高校2年女子)。
音楽番組では、『ミュージックステーション』(テレビ朝日)など長寿番組がいくつかあげられました。「最近の音楽に関してこの番組だけ見ていれば学校の話題について行けるのでいいです。また、放送される金曜日は週の終わりで、疲れている体をリフレッシュすることができます」(大分・中学3年女子)。
クイズ番組については、「クイズ番組は自分で考えたり学ぶことができるので好きです。特に『伝えてピカッチ』(NHK)は30分の中にたくさんの種類のクイズが盛り込まれていてテンポよく進みます。土曜日午後7時半からというのも家族で見るのにちょうどよい時間帯と長さです」(東京・中学2年女子)。
自由記述欄は、「ラジオ・テレビについて思ったことを自由に書いてください」というテーマを設定しました。辛口の意見が寄せられました。「W杯の中継やそれに関する番組は、いくらなんでもやり過ぎだと思います。視聴者全員が注目していると思ったら大間違いです」(埼玉・中学3年男子)。「"昨日の○○(テレビ番組)見た~?"と話題にならないのが寂しく思える。最近は長寿番組の打ち切りが相次ぎ、改善の努力は見られるが、後番組を見ていると果たして打ち切りにしたことが良かったのだろうかと、問いたくなる」(宮城・高校1年女子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

●【委員の感想】バラエティーにおける『笑い』のあり方を中高生モニターもしっかり理解している。やはり、誰もが違和感なく笑えることが良いと思っているようだ。

●【委員の感想】バラエティーの長寿番組の中には、一種の風格を備え、世界観を視聴者と共有できているものがあるようだ。視聴者との共通理解を作っていくことが何より、制作者側に必要なことでは。

  • (佐賀・中学1年女子)『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ/福岡放送)出演者が挑戦する姿が好きです。知らないことを知ることができて発見ができて興味が湧きます。世界中の国々の詳細を紹介しているし一生懸命だけれどおもしろく笑いもとりながら進んでいくので、あっという間の1時間です。人を悪い言葉でいじめて笑いをとったり、たたいたりして盛り上がったりしないので、とてもいいと思います。

●【委員の感想】地方在住のモニターから、もっと地域の情報を伝えてほしいという意見があった。地方をおきざりにしているのではないかという視聴者の気持ちにはテレビ局もしっかり向き合うべきだと思った。

  • (広島・中学2年女子)朝のニュース番組は全国放送でなく、地方のニュースもやってほしいと思います。地域のニュース、特に学校や防災、防犯などについてのニュースを、10分ほどでも朝7時ごろやってくれればいいかなと思います。

●【委員の感想】バラエティー番組の評価が全般に低いような印象を受けた。また、やはり録画視聴が現実的には多くなっているようだ。

  • (東京・中学2年女子)『Qさま!!』(テレビ朝日)は好きでじっくり見たいのですが、長すぎて、ずっと見ているとほかのことができなくなってしまいます。そのため、母から録画して早送りで見なさい、と言われるので、たいてい途中から録画して、後日早送りで見ています。

●【委員の感想】作為的なCMの入れ方への批判が数件寄せられた。

  • (宮城・中学2年男子)最近のテレビ番組では「その真相は!!」「この後奇跡が起きる!!」などのナレーションの後CMに入ることが多い。その日の放送のうちにやってくれればいいのだが、CMが終わるとナレーションの内容は次回予告だったということがあり、とてもイライラする。
  • (大分・中学3年女子)今から歌うゲストの紹介ビデオなど見せて、さあ歌うぞ、と思ったらCMが入ります。すごくイラッとくるし、CMのせいで見る気がしなくなるということもあると思います。

●【委員の感想】私が大好きでいつも見ている番組を熱烈に褒めているモニターの意見があり、とても嬉しく思った。

  • (宮城・高校1年女子)『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ/宮城テレビ)この番組には多数の企画が存在するが、そのすべてにおいて演者が真剣に取り組む姿勢には毎回感心する。「バカみたいなことを本気でやる」ような、少年心をくすぐる内容が憂鬱な日曜の夜にはぴったりだと思う。

●【委員の感想】深夜のアニメ番組の放送時間帯に対する意見が印象に残った。中高生の間では、アニメ番組のオンデマンド化への欲求が高いようだ。

  • (滋賀・中学1年女子)テレビでアニメなどが深夜に放送されていて嫌です。次の日に皆でワイワイとそれについて話したいのですが、録画で見るので、見た人と見てない人がいて話せません。深夜番組を減らすことはできないんですか。

青少年委員会活動について

  • 9月9日(火)に開催予定の仙台での意見交換会について準備状況が報告され、事前アンケートの内容が承認されました。

  • 調査研究について現在までの準備状況が報告され、9月に中高生に調査を行う予定であることを確認しました。

  • 在京局との意見交換会・勉強会を11月25日(火)に行う方向で調整に入ることを決めました。

第84回 放送倫理検証委員会

第84回–2014年7月

“全聾の作曲家”佐村河内守氏の7番組審理入り…など

第84回放送倫理検証委員会は7月11日に開催された。
委員会が4月に通知・公表した、フジテレビの『ほこ×たて』「ラジコンカー対決」に関する意見に対して、当該局から提出された対応報告書を了承し、公表することにした。
“全聾の作曲家”と多くの番組で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼して自己の作品として発表していたことが発覚した問題について、委員会は、企画から取材・放送に至る経緯を調査しながら討議を継続してきたが、虚偽の疑いのある番組が放送されたことにより視聴者に著しい誤解を与えたのは明らかであることから、5局の7番組を審理の対象とすることを決めた。
テレビ西日本の報道番組で、福岡市の「待機児童ゼロ宣言」をめぐる特集企画を4月に放送し、保育所までの通園時間を検証して「ゼロ宣言」に疑問を投げかけたが、6月になって、取材が不十分だったとしてお詫び放送をおこなった。この事案について討議した結果、当該局からの報告には、不明確であいまいな点が多いとして、次回の委員会までに詳細な報告を求めて討議を継続することになった。

議事の詳細

日時
2014年7月11日(金)午後5時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、小町谷委員長代行、是枝委員長代行、香山委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、藤田委員、升味委員、森委員

1.フジテレビ『ほこ×たて』「ラジコンカー対決」に関する意見への対応報告書を了承

4月1日に委員会が通知・公表した、フジテレビ『ほこ×たて』「ラジコンカー対決」に関する意見(委員会決定第20号)への対応報告書が、6月下旬、当該局から委員会に提出された。
報告書によれば、問題発覚後、社内横断的に設置された「不適切演出の検証・再発防止委員会」が、あらゆるジャンルの番組について、適切・不適切の境界線上にあるような演出事例を収集し、検証する作業を行ったという。その結果、番組ジャンル別のガイドラインを作ることは難しいと結論付けたが、今後も「演出の境界線」を議論していく常設の機関を設置することになった。また、「時制の変更(操作)」「視聴者の感情の逆なで」「出演者との合意形成不全」など、留意すべき8つのポイントをあげて注意を喚起するとともに、外部プロダクションによる制作番組の対応策も具体的に明記されている。
委員会は、この報告書を了承し、公表することとした。

2.「全聾の作曲家」と称していた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼して自己の作品として発表していたことが発覚した問題で、5局7番組を対象に審理入り

全聾でありながら『交響曲第1番HIROSHIMA』などを作曲したとして、多くのドキュメンタリー番組等で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼して自己の作品として公表していたことが発覚した問題について、委員会は、討議を継続しつつ事実関係の把握のための調査を行ってきた。5局の7番組について、企画から取材・放送に至る経緯についての報告書が提出されたが、さらにヒアリングへの任意の協力を要請し、承諾が得られた2局2番組については既に実施した。しかし、残る3局からは、協力を得られなかったり、議論の行方を見守るため保留したいとの意向が示されたりしたため、委員会では、今後の対応策を議論・検討し、以下のとおり決定した。
もともとこの事案は、虚偽の内容の番組が放送されたことにより視聴者に著しい誤解を与えたのであるから運営規則第5条第1項にいう審理対象事案であることは明らかであったが、虚偽を見抜けなかったことについて相応の理由があるのではないかと考えられたことから、委員会は、まず任意の協力による調査を先行させて、その結果を踏まえて最終方針を決定しようと考えていた。各局がそろって誤った番組を制作して社会に大きな影響を与え、特に、番組に善意で協力した人々の心を傷つける結果になった事実を踏まえれば、委員会として何らかの形での意見表明が必要であることは疑いがない。「全聾の作曲家」と信じて番組を制作したこと自体について放送倫理違反を問うことはできなくても、視聴者に著しい誤解を与えた事実がある以上、与えた誤解を解消するために、番組のどこがどう誤っていたのか、そのような誤りをもたらした原因はなにかについて真摯な反省に基づく調査を自主的に行ない、その結果について視聴者に対して説明する責任があるだろう。その責任は果たされているのか、今後このような過ちを繰り返さないための対策はできているのかといった点も含めて、運営規則に基づく調査が必要である。従って5局7番組を審理の対象とする。
委員会は、同規則第6条第3項に基づいて、番組の企画から取材・放送に至る経緯はもちろん、放送後の対応についても詳細に把握する作業を続ける。

審理の対象となった7番組は、以下のとおりである。(放送順)

  • TBSテレビ『NEWS23』「音をなくした作曲家 その”闇”と”旋律”」(2008年9月15日)
  • テレビ新広島『いま、ヒロシマが聴こえる・・・』(2009年8月6日)
    <フジテレビを含む多くの系列局が日時を変更して放送>
  • テレビ朝日『ワイド!スクランブル』「被爆二世・全聾の天才作曲家」(2010年8月11日)
  • NHK総合『情報LIVE ただイマ!』「奇跡の作曲家」(2012年11月9日)
  • NHK総合『NHKスペシャル』「魂の旋律~音を失った作曲家~」(2013年3月31日)
  • TBSテレビ『中居正広の金曜日のスマたちへ』「音を失った作曲家 佐村河内守の音楽人生とは」(2013年4月26日)
  • 日本テレビ『news every.』「被災地への鎮魂 作曲家・佐村河内守」(2013年6月13日)

[委員の主な意見]

  • 任意でのヒアリングへの協力要請であったので、応じないと言われれば、各局の報告書の内容以外にも確認したい点がある以上、今後は運営規則に則った方法で進めるしかないのではないか。

  • 佐村河内氏が「全聾の作曲家」であることについて事実と信じるに足る相応の理由や根拠が存在した可能性もあるので、審議・審理入り等の決定をする前にヒアリングへの任意協力を求めたことが、理解してもらえなかったとすれば残念だ。

  • 各局と取り交わしている「放送倫理検証委員会に関する合意書」の第7条に、「甲(加盟各局)は、前6条に定めるほか、委員会の審議、審理等の活動に必要な最大限の協力をする」とある。この趣旨からしても協力が得られると考えたのだが。

  • この事案が本来、運営規則第5条第1項の審理の対象にぴったり当てはまることは明白である。審理入りを決定し、運営規則第6条第3項に則ってヒアリングを要請して調査活動を続けるべきである。

  • 現在に至っても、佐村河内氏が作曲していなかったと言う点について訂正とお詫びがなされただけで、各番組のどこが本当でどこが虚偽だったのか、明らかにされていない。虚偽放送をしたことは避けられなかったとしても、視聴者に著しい誤解を与えている以上、その誤解を解消するに足りるだけの説明をする責任がある。検証結果を放送した局もあるが、視聴者に対する説明責任という観点からは十分とは言えないと感じた。こうした点からしても審理は必要だろう。

3.福岡市の「待機児童」問題の特集で、取材が不十分だったとお詫び放送したテレビ西日本の報道番組について討議

テレビ西日本の報道番組『土曜NEWSファイルCUBE』(2014年4月12日放送)で、「待機児童ゼロ宣言」をしている福岡市に1000人を超える「未入所児童」がいる問題を特集企画として伝えた。
その中で、わが子が未入所児童に分類された家族を取材し、市から紹介された保育所までの所要時間を、女性キャスターが実際にバスを乗り継いで検証した。未入所児童というのは、「自宅から30分以内に入所可能な保育所があるのに、私的な理由で待機している場合」との基準があるが、市から紹介された保育所まで約1時間かかったことを指摘して、「待機児童ゼロ宣言」に疑問を投げかけた。
福岡市から抗議を受けて、当該局は社内調査を実施した結果、6月21日の同番組内で「事前取材が不十分で、結果として一方的な内容となった」、バスの検証取材についても「複数回実施するなど、より慎重な取材が求められるべきだった」などとする「お詫び放送」を行った。
委員会では、「行政機関に問題提起する姿勢は評価できるだけに、脇の甘い取材になったのはとても残念」「取材不足だけでなく、行政への対応やお詫び放送にも問題があるのではないか」など、さまざまな意見が出されたが、当該局からの報告書には不明確であいまいな点も多いとして、委員会からの質問書を作成し詳細な報告を求めたうえで、討議を継続することになった。

[委員の主な意見]

  • 特集企画の問題意識や実際に検証する姿勢は積極的に評価するが、あまりにも脇の甘い取材だったといわざるを得ない。調査報道とまではいえないにしろ、行政に疑問を投げかける内容を放送する以上、もっと脇を締めて取材に当たるべきだったのではないか。

  • 行政機関の施策に問題提起をするのはメディアの重要な役割だ。それだけに、メディア側が取材に抑制的にならないよう、支援する姿勢も必要ではないだろうか。

  • 市側への取材不足だけでなく、取材対象者への事前取材もあまりに不十分ではなかったか。行政機関に突っ込まれないよう、事実関係をきちんと押さえた、深みのある取材ができなかったのだろうか。

  • 市側から抗議がきて、お詫び放送に至るまでなぜ2か月もかかってしまったのだろうか。局側の対応に疑問が残る。

  • お詫び放送では、どのような点の取材が不十分であったかなどの説明がない。視聴者不在のまま、市側にだけお詫びしているようにも感じられる。

  • 取材不足をお詫びするだけでなく、再度の検証や別の視点からの検証も行うなどして、当初の問題意識をより深めていくようなお詫び放送も考えられたのではないだろうか。

以上

2014年7月28日

2014年7月28日

2013年度BPO年次報告について

BPOの2013年度の活動を年次報告書としてまとめました。放送倫理検証委員会、放送と人権等権利に関する委員会[放送人権委員会]、放送と青少年に関する委員会[青少年委員会]のBPO3委員会の活動状況を中心に、視聴者意見の推移、BPO全体の活動概要を取りまとめています

第211回放送と人権等権利に関する委員会

第211回 – 2014年7月

デモ行進報道への申立て
放送人権委員会 判断ガイド2014…など

「デモ行進報道への申立て」を審理要請案件として検討し、審理対象外と判断した。
2014年度中に刊行予定の「放送人権委員会 判断ガイド2014」について、編集方針等をめぐり各委員がさらに意見を交わした。

議事の詳細

日時
2014年7月15日(火)午後4時~6時15分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、
小山委員、曽我部委員、林委員 (田中委員は欠席)

1.審理要請案件: デモ行進報道への申立て

デモ行進をめぐる報道に対し市民団体代表から提出された申立書について、審理要請案件として検討し、以下のとおり審理対象外と判断した。
申立ての対象となったのは、A社が2014年3月に放送したローカルニュース番組。申立ては、申立人が会長を務める市民団体が2月に行われたデモ行進について、主催でも共催団体でもないにもかかわらず、あたかもこの市民団体がデモ行進を主催したかのように本番組で報道され、団体会員らの名誉を著しく傷つけたなどとして、番組内での訂正と謝罪等を求めた。また番組はそのデモ行進の中で「ヘイトスピーチ」を行ったと、事実に反する報道をして、会員に対する著しい人権侵害になっていると主張した。
これに対し局側は、委員会に提出した「経緯と局の見解」書面の中で、「本件放送はヘイトスピーチという社会問題を幅広く視聴者に理解してもらう材料を提供するという専ら公益を図る目的で企画・放送したもの」と説明。同社の取材活動は正当に行われ、「本件放送は名誉毀損または人権侵害の余地はない」と述べた。
この日の委員会では、本件申立ての審理入りの可否について、委員会運営規則第5条の苦情の取り扱い基準に照らして、慎重に検討した。
申立ては、申立人の個人名で提出されている。しかしながら、番組では申立人個人を具体的に取り上げておらず、同個人の名誉等人権侵害に関わる内容は含まれていない。また、申立ての中でも、本件放送が同団体の「会員の名誉を著しく傷つけた」等と書かれており、本件申立ては、団体の会長として、団体を代表して提出されたと受け取ることができる。
委員会は、放送により権利の侵害を受けた個人からの苦情申立てを原則としている。団体からの苦情申立てについては、例外的に「団体の規模、組織、社会的性格等に鑑み、救済の必要性が高いなど相当と認めるとき」は取り扱うことができることになっている。
同団体のウェブページによると、この団体は明確な会則のもと、1万4,500人余りの会員を擁し、さらに相当程度の情報発信力も備えているものと認められる。こうした団体としての規模、組織、社会的性格等に鑑み、上記運営規則に照らして、本件申立ては、委員会が例外的に救済する必要性が高い事案とは認められないとの判断に至った。
このため委員会では、本件申立てについては、委員会の審理対象外と判断した。

委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)1.(6)において、「苦情を申し立てることができる者は、その放送により権利の侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人を原則とする。ただし、団体からの申立てについては、委員会において、団体の規模、組織、社会的性格等に鑑み、救済の必要性が高いなど相当と認めるときは、取り扱うことができる。」と定めています。

2.『放送人権委員会 判断ガイド2014』について

2014年度中に刊行予定の『放送人権委員会 判断ガイド2014』について、事務局からゲラが配布され、それを基に目次、全体の構成、デザイン・レイアウト、各項目の内容・表現等について各委員がさらに意見を述べた。

3.その他

判断のグラデーションについて、放送人権委員会は、従前「放送倫理違反」と「放送倫理上問題あり」の違いが分かりにくいという声があったため、2012年5月の第183回委員会において、放送倫理に関する判断を「放送倫理上問題あり」、「放送倫理上重大な問題あり」に一本化し、判断のグラデーションを表にして公表した。また、BPOホームページにおいては、この表にグラデーションの説明を加えたものを掲載してきた。
この日の委員会で検討の結果、これらグラデーションの表記を以下のとおり統一することを決めた。

「勧告」 人権侵害(名誉毀損、プライバシー侵害、肖像権侵害等)
放送倫理上重大な問題あり
「見解」 放送倫理上問題あり
「見解」 要望(放送表現、放送後の対応等について局に要望)
問題なし
  • 10月7日に名古屋で開催予定の地区別意見交換会(中部地区)について、事務局から主な議題等概要を説明した。

  • 8月の委員会は休会とし、次回委員会は9月16日に開かれる。

以上

2014年7月11日

「"全聾の作曲家" 佐村河内守氏を取り上げた7番組」審理入り決定

放送倫理検証委員会は7月11日の第84回委員会で、"全聾の作曲家"と多くの番組で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼して自己の作品として発表していたことが発覚した問題について、5局の7番組を対象に審理入りを決めた。
審理入りの理由について、川端和治委員長は「虚偽の疑いのある番組が放送されたことにより、視聴者に著しい誤解を与えたのは明らか。問題の発覚後、放送局は誤解を解くという十分な対応をしていないのではないか。各局がそろって間違えたのは重大で、障がい者や被災者が虚偽の放送に巻き込まれ傷ついたことは放置できない」と述べた。

審理の対象となった7番組と放送日は、以下のとおり(放送順)である。

  • (1)TBSテレビ『NEWS23』「音をなくした作曲家 その"闇"と"旋律"」(2008年9月15日)

  • (2)テレビ新広島『いま、ヒロシマが聴こえる・・・』(2009年8月6日)
      <フジテレビを含む系列局の多くが時間を変更して放送>

  • (3)テレビ朝日『ワイド!スクランブル』「被爆二世・全聾の天才作曲家」(2010年8月11日)

  • (4)NHK総合『情報LIVE ただイマ!』「奇跡の作曲家」(2012年11月9日)

  • (5)NHK総合『NHKスペシャル』「魂の旋律~音を失った作曲家~」(2013年3月31日)

  • (6)TBSテレビ『中居正広の金曜日のスマたちへ』「音を失った作曲家 佐村河内守の音楽人生とは」(2013年4月26日)

  • (7)日本テレビ『news every.』「被災地への鎮魂 作曲家・佐村河内守」(2013年6月13日)

2014年6月に視聴者から寄せられた意見

2014年6月に視聴者から寄せられた意見

集団的自衛権の問題に対し、論点を明らかにし、客観的かつ公平な報道をしてほしいといった意見。都議会の女性議員に対するセクハラまがいの野次の問題について、謝罪会見の議員を一方的に攻め立てていたが、もっと根本的なことを議論してほしいといった意見など。

2014年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,336件で、先月と比較して105件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール69%、電話28%、FAX2%、手紙ほか1%。
男女別は男性71%、女性25%、不明4%で、世代別では30歳代26%、40歳代27%、20歳代17%、50歳代16%、60歳以上10%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は582件【43局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

先月に引き続き、集団的自衛権の問題を取り扱ったニュース番組に対して、多くの角度から論点を明らかにし、客観的かつ公平な報道をしてほしいといった意見が寄せられた。
都議会の女性議員に対するセクハラまがいの野次の問題について、謝罪会見に臨んだ議員を執拗に攻め立てていたが、もっと根本的なことを議論してほしいといった意見があった。
サッカーのワールドカップが開催されたが、放送が過剰すぎるといった意見や、あまり興味を示さない人たちを揶揄する番組企画に対し、批判の声などが寄せられた。
人気女子アイドルグループの選抜総選挙が行われたが、それを長時間生放送する事や、報道番組で扱うことに対し、疑義が呈された。
ラジオに関する意見は30件、CMについては51件あった。

青少年に関する意見

青少年委員会に寄せられた意見は142件で、前月より35件増加した。
今月は、「表現・演出」に関する意見が52件と最も多く、次に「性的表現」に関する意見が21件、「低俗・モラルに反する」との意見が17件、「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見が16件と続いた。
「表現・演出」に関する意見では、日曜日の昼間の時間帯に放送されている番組で、子どもたちが出演者の車に落書きなどをしたことに関する意見が目立った。「性的表現」に関する意見については、女性タレントの臀部を"お尻パーカッション"と称して叩いたシーンや、子ども向けアニメ番組のキャラクターの台詞について、複数の意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 集団的自衛権に反対するために全く関係のない湾岸戦争の特集をし、集団的自衛権を認めれば戦争に参加するのではないのかというニュアンスの放送をしている。これはあきらかに国民をミスリードする報道である。こんないい加減な報道を許していては、国民が正しい情報を知ることができない。

  • どの局も集団的自衛権行使の報道は、「今国会で決議する」や「公明党は難しいと言っている」と報じるばかりで、その詳細を説明する番組が少ない。マスコミは政府への批判精神を忘れず、国民の目線で報道してほしい。

  • 拉致問題を取り上げた。安倍首相が以前からこの問題に力を注いできたと強調していた。安倍政権を称えるような番組内容で、政権の危うさを指摘する人はいなかった。まさに偏向報道である。公正中立であるべき公共の放送にあってはならない。

  • 「ワールドカップ」が話題になり、各局で取り上げている。そのために、集団的自衛権についての放送が少ない。安倍総理は「日本の国民を守るために自衛隊が出ていく」と良いことばかり言っている。しかし相手国があるので、戦争になる可能性がある。集団的自衛権について、国民が良く理解できる番組をもっとテレビで放送してほしい。

  • 都議会にて女性議員に対し、セクハラととらえかねない野次を飛ばした議員の謝罪会見には違和感を覚えた。議員の一連の発言は許せないが、他の野次を飛ばした議員もいるはずで、当の議員だけを一方的に責め立てるのはいかがか。テレビは肝心の晩婚化、少子化問題をもっと大いに議論するべきだ。

  • 東京都議会での野次発言問題を各局で大きく取り上げている。議員がセクハラ発言をしたことが問題なのか、セクハラ発言自体が問題なのか分からないが、都議会でのセクハラ発言を問題視するならば、各局のバラエティー番組でのセクハラ発言も問題にするべきではないか。放送局と関係のないところで起きた事柄については大騒ぎするのに、放送絡みになると全く触れないのは、笑止千万だ。

  • 阪神・淡路大震災の時から、聴覚障害者・外国人に必要な情報が届かず困ったと言われているにもかかわらず、何の改善もされないのはなぜか。緊急災害時にはアナウンサーの隣に手話通訳者を、字幕テロップで英語をと、テレビ局に再三にわたり要求しているが、予算がない・瞬時に正確な英語放送を出来ない・手話ができる人材確保ができない等といった言い訳ばかりだ。阪神・淡路大震災の時点で官民一体で動いていれば、東日本の時には何人もの人命が救われていたはずだ。人の命に関わることを分かっていながら放置することは人災に他ならない。

  • 栃木の女子児童殺害事件について報道していたが、番組の構成に強い違和感を覚えた。在日外国人による犯罪は他にもあると思うのだが、容疑者が台湾出身であることを強調していた。ビデオの中で、容疑者が幼少期に書いた文集についても触れていたが、文字の書き間違いや誤用を指摘しており、不快だ。あたかも日本語が不自由だったので周囲から孤立していたかのような報道だった。

  • 新国立競技場の問題提起については非常に分りやすくて良かった。この問題については話題になっていたが、どこの局も詳細に報道しなかった。オリンピックの巨大利権に伴うスポンサーや広告代理店の意向を忖度していると思っていたが、この番組はそうでないことを示してくれた。オリンピックで東京が生まれ変わるような、光の面だけを報道することはいい加減にやめてもらいたい。

  • ワイドショーなどで、事件や事故を報じる際に流す音楽が気になる。殺人事件が起きたときは恐ろしさを増長させる音楽だ。音楽で事件の印象も操作される。現実に起こっていることは映画ではない。サウンドトラックはいらない。音楽で事件や事故に対する事実を装飾することはやめてほしい。

  • 記者会見で、質問者である記者の顔が映らないことが多いが、公の場で質問をしているのだから、記者の顔と名前、報道機関名、会社名は放送されるべきだ。また私見のような質問をすることも考えものだし、質問される側への失礼な攻撃的質問も多々見受けられる。責任ある言動が求められる。

  • 「日本企業が海外での防衛装備の展示会に初めて出典した」というニュースだったが、"防衛装備品の販売=死の商人"と言わんばかりの放送だった。取材に対して顔出しを拒んだ社員に対し、「(顔出しをしないのは)お父さんは武器を売っていると子どもが言われるからか」という趣旨の質問を記者がしていたが、まるで脅しではないのか。

  • サッカーワールドカップ日本戦のあとの渋谷スクランブル交差点でのサポーターの大騒ぎについてだが、公道上でのあのような行為は危険で迷惑な不法行為であるにもかかわらず、各社の報じ方を見ると、逆に騒ぎを助長しているのではないのか。幼稚な若者が騒ぎ立てることは仕方がない面もあるが、危険で迷惑な行為であることを伝えずに、煽るばかりの姿勢は極めて問題だ。万一大きな怪我や混乱が生じた場合、その責任は軽くない。

  • 脱法ハーブという呼び名は、何となく「法に触れていないのではないのか」という印象を与える。また、食品などに使われる安全なハーブと混同されてしまうので、ハーブを使う方々に嫌な思いをさせている。「依存性植物」や「幻覚性植物乾燥粉」など、何か違う言い方を考えてほしい。

【番組全般・その他】

  • ここ数日、「ワールドカップ開幕まであと○日」という内容が目立っている。ニュースでもトップで紹介し、番組表を見てもサッカー中継が多い。日本人が出ていない試合も生中継するようだ。これはやりすぎではないか。すべての国民がサッカーに興味があるわけではない。

  • サッカーワールドカップの話題ばかりで辟易する。特に、放映権を持っている局のワールドカップへの肩入れは呆れるほどだ。情報番組・報道番組までも総動員してワールドカップというコンテンツの番宣をし、視聴率を稼ぎたいという欲望が透け見える。大会前は予選リーグを「全勝できる」と言い、初戦を負けると「ギリシャには勝てる」などと、無理矢理に大会を盛り上げている。

  • 「サッカーワールドカップ」で盛り上がる日本列島を特集していたが、その中でサッカーを見ずに趣味や習い事などをしている人たちを取り上げて「なんでサッカー見ないんですか?」ときいていた。国民全体の関心が高い出来事であることは確かだが、全員が全員サッカーに興味があるわけではない。なんだか"サッカー中継を見ていない=変わった人、おかしい人"とでも決めつけるようで、心地のいい特集ではなかった。

  • 番組表でのタイトルは「直前スペシャル」となっているが、他の番組内の番宣では、5時50分からギリシャ戦の放送が始まるようにアナウンスしていた。それでは6時から試合開始と勘違いする人がいる。私はその一人である。5時50分からは「直前スペシャル」であることをもっと明示するべきだ。試合だけを見たい視聴者に勘違いさせる表現は控えるべきだ。スポーツ番組全般での改善を要望する。

  • 人気女性アイドルグループの選抜総選挙やメンバーの卒業式などを地上波で放送することはいかがなものか。有料放送であれば視聴者の選択になるが、地上波で無理やりに見せられることは不愉快だ。世の中の人すべてがグループのファンではない。また先月、メンバーの襲撃事件が繰り返し放送された。その影響で別のアイドルグループのイベントが中止になった。しかし、どの局もそのことは取り上げない。人気女子アイドルグループ中心の放送は明らかに度を越えている。

  • 報道番組でありながら、人気女性アイドルグループのことを、他の事柄と同様な扱いにしていることに違和感を覚える。「集団的自衛権」や「環太平洋パートナーシップ」、「住民税の増税」のことが気がかりでテレビを見ているのに、やたらと芸能的なことをキャスターやアナウンサーがあれこれ言うことに嫌悪感を覚える。硬派な報道番組であってほしい。

  • 元サッカー選手をコメンテーターとして座らせ、どう考えても専門外の憲法とか安全保障のコメントをさせているが、単なる素人発言であり見るに耐えない。視聴者をバカにしているし、元サッカー選手も気の毒だ。

  • 日本の人口減少問題で、移民の受け入れについて言及していた。オーストラリアの移民政策を例示し、成功したと言っていたが、移民のメリットのみを伝えデメリットを一切伝えていない。欧州各国では、移民受け入れによる急激な犯罪の増加や治安の悪化、貧富の差の拡大等が発生しており、政策は失敗であったとも言われている。このような負の部分を放送しないことに疑問を感じる。できるだけ多くの角度から論点を明らかにすべきではないか。

  • 「レンタル彼女」が大きく取り扱われていた。今週は「レンタル彼氏」も登場した。人間を商品に見立ててレンタルと呼ぶことは、極めて非人間的で差別的だ。また、「レンタル彼女」という言葉は、女性を性の商品として扱うことを示唆する。刺激的であり、悪影響が大きいことは明らかだ。

  • 番組出演者の出ているドラマの宣伝を無理やり入れている情報番組が目立つ。解説者等にも失礼だし、番組出演者にも良いイメージを与えない。宣伝はその番組のエンディングで流せば良いことだ。他の番組や出版物の宣伝を無理やり入れたところで、見ない人は見ない。不愉快になるばかりではなく、スポンサーにも失礼だ。

  • この番組では「気象」について取り上げる際、模型を使いながら解説している。視聴者へ"わかりやすく解説しよう"という姿勢は評価できる。しかしそれも状況次第だ。今、四国や九州では、大雨のために避難する深刻な事態になっている。このような時に、おもちゃのようなパネルが「動いた、動かない」と、出演者皆ではしゃぎながら番組を進めることは、不謹慎ではないのか。

  • カウンセリングの権威と称される人が、病院で"前世療法"なるものを行っていた。その患者は、驚くべきことに前世の記憶が蘇り、「前世の名を名乗り、エジプト人男性だ」と語っていた。日本の医療現場でそのようなことが行われていること自体が驚きだが、あれは本当なのか。そもそも、前世などというものがあるなど、何の根拠もないことではないのか。

  • バラエティー番組に対しての風当たりが強すぎる。ごく一部のクレームで、純粋にバラエティー番組を見たい人はテレビをつまらなく感じている。自分たちの教育不足から目を背けている親が「罰ゲーム等で起きたことがイジメや虐待につながる」とテレビのせいにしている。悪い意見がちょっとでもあれば謝罪や放送中止となるのでは、番組を楽しみにしているファンとしてはたまらない。ビビらないで面白い番組を制作し、放送してほしい。

  • 頑張っている人やその道のプロに対する芸能人の接し方が目に余る。そもそも己の芸が中途半端でありながら、「芸人」と名乗る輩どもに何が言えるというのか。謙虚な姿勢がまるでなく、他人様に意見するなどもってのほかだ。昔のようにインタビューでその人の魅力を引き出すことができる人が少なくなった。チャラチャラと現場に土足で踏み込む暇があったら、己の技量を磨けと声を大にして言いたい。

  • タレントと番組ディレクターが、あるスポーツバーに行き「W杯で日本が勝ったら」と言っていた。その際ディレクターは"妻と離婚"という条件を出し、離婚届にサインまでしていた。ふざけた話だ。更に「スポーツバーはナンパし放題、新しい妻がすぐにみつかる。離婚、離婚」等と笑っていた。私は500人規模のサッカーサポーターの団体に所属している。私達の団体では、他人に迷惑をかけるような行為は慎むよう声を掛け合い、真面目に日本代表を応援している。この番組のように軽く取り上げられては不愉快だ。

  • 関西の女性に対する差別的な内容だった。十把一からげに関西女性についてタレントが口々に悪口を言っており、偏見でしかない。女性差別が問題になっている昨今、テレビ番組での女性差別をやめるべきだ。ましてや女性タレントが嬉々として関西女性への悪口を繰り広げる様は異常でしかない。また関西女(かんさいおんな)という表現も気になった。関西女性ではないのか。

  • 元警察官が数名出演し、実際に経験した事例などを面白おかしく語っていた。そのエピソードの中で、"管轄の境界線を流れる川に水死体が流れてきた場合、所轄の仕事を減らすために遺体が他の管轄に流れていくよう棒を使って川の流れを操作した"というものがあった。番組を盛り上げようという演出の可能性もあるが、本当の話であれば警察官の職業倫理に抵触するような行為である。この遺体のご遺族の気持ちを考えるととても許される内容ではない。まるでご遺体がモノ扱いである。不愉快極まりない。

【ラジオ】

  • 「おもしろ外国人」と称して、キャスターが変なアクセントをつけて外国人の不十分な日本語をまねをして笑っている。また、そのような事例の紹介を視聴者から募集している。たとえ外国人であっても、しゃべる言葉が変だからといって笑いの対象にすることは、如何なものか。

  • ゲストの歌手が、ダメ夫大賞の企画で、「奥さんのタンス預金をギャンブルに注ぎ込み使い果たしたこと」を自慢げに話し、笑いながら「女房の金は俺の物」と発言した。"女房の金は俺の物"はDVの一種だと感じる。世間一般に誤解を招く放送だ。

【CM】

  • 携帯電話会社のCMだが、他社を意識し過ぎた内容にうんざりする。また攻撃的な文言が目立つ。あまりにも対抗心むき出しのCMは如何なものか。またここ最近のCMは、商品名やキャッチフレーズを何度も繰り返し流して、うるさい。商品の良さをアピールする方法は他にもあるのではないか。

  • 美容外科のCMが目につく。また"ビフォーアフター"を見せては、テロップ等で「必ずしも効果を補償するものではありません」としながらも、結局は宣伝している。放送各局は公共の電波を使っていることにもっと留意するべきだ。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 日曜日の昼間に放送されたバラエティー番組で、子どもに出演者の愛車に落書きをさせていた。出演者本人の了承は得ていないようであり、パワーハラスメントやいじめのように感じた。子どもがまねするおそれもあり、教育上よくない。

【「性的表現」に関する意見】

  • 海外の男性打楽器奏者が、露出度の高い下着を履いた女性タレントの臀部を"お尻パーカッション"と称して叩くシーンがあった。打楽器奏者は"芸術"であると主張していたが、とてもそうは見えない。子どもが視聴する時間帯の放送でもあり、配慮が必要であろう。また、女性蔑視、女性への暴力を肯定しているようにも感じる。

  • 子ども向けアニメ番組で、臀部を刀で刺されたキャラクターが喜ぶシーンがあった。ギャグ要素が盛り込まれている番組であることは理解しているが、今回のシーンは過激な下ネタであり不快だ。普段は家族一緒に楽しめる番組内容なので、極めて残念だ。

  • 深夜帯の放送ではあったが、出演者に女子中学生がいるにもかかわらず、番組内で放送したVTRで性的な発言があった。このようなVTRを少女に見せるべきではない。放送時間帯だけではなく、出演者の年齢も考えた番組構成にすべきではないか。

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • 出演者に重い樽を壁越しに投げさせ、その樽が人にあたったかのように見せて、出演者の驚いた反応を見る、いわゆる"どっきり企画"があった。生死にかかわることを"楽しむ"かのような企画は、倫理上も子どもの教育上もよくない。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 日曜日午前の情報番組で、中国のテロに関する報道があり、人が車にはねられるシーンが何度も繰り返し放送されていた。ショッキングな映像であり、気分が悪くなった。子どもも見ている時間帯であり、配慮を求めたい。事前にショッキングな映像が流れる旨を表示してくれれば、チャンネルを変えることもできたと思う。

第159回 放送と青少年に関する委員会

第159回–2014年6月24日

事件報道で子どもの顔出しインタビューを取材・放送した案件は継続討論に。
子どもたちに車に落書きさせたバラエティー番組や小児エイズで亡くなった赤ちゃんの映像を取り上げた番組などを視聴した上で討論、審議入りせず。…など

第159回青少年委員会を、6月24日に7人の委員全員が出席してBPO第1会議室で開催しました。5月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見を基に、子どもが関わる事件・事故報道における配慮など4つの案件について討論しました。その他、6月の中高生モニター報告、6月6日に沖縄で行われた意見交換会の報告、調査研究などについて話し合いました。
次回は7月22日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2014年6月24日(火) 午後4時30分~午後7時20分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

  • 「出演者の同意なく本人の車に子どもたちに落書きさせたうえ、車内に犬を放し汚していた。"いじめ"や"パワハラ"ではないか」という視聴者意見があったバラエティー番組について、全委員が視聴した上で討論しました。委員からは、「出演者のキャラクターを考えたときに許容範囲かとは思うが、子どもに"バカ"と書かせる演出に品のなさや不愉快さを感じる」「制作者には、視聴者との感覚のずれがあることを認識してほしい」などの意見が出ましたが、局内で議論し制作者は反省しているとの報告もあり、審議入りしないことにしました。

  • 「世界の歴史が動いた瞬間を捉えた番組でルーマニア民主革命を取り上げていたが、小児エイズで亡くなった赤ちゃんの映像は非常に鮮明で大変驚き、気分を害した。事前に説明があればよかった」という視聴者意見があった番組について、全委員が視聴した上で討論しました。委員からは「日曜日の夜という時間帯が重たい」「子どもが受けるインパクトへの配慮があってもよかった」という意見もありましたが、「見た後に複雑な余韻が残り、心がざわつく。興味本位で遺体を扱ってはいない」「制作者側がどれだけ信念を持って放送しているかが問われる。この映像により独裁者の行為の悲惨さが伝わってきた。これを見た子どもたちも受け止めることができるはずだ」「歴史の中での人間の行いの悲惨さを隠す必要はない。遺体であっても事実を伝える必要性を考えれば問題はない」などの意見があり、審議入りしないことにしました。

  • 2005年に殺害された被害児童の同級生の顔出しインタビューが情報系の番組で放送されたことについて「配慮が足りないのではないか」などの視聴者意見や、事件の説明について配慮を求める委員からの意見もあり、全委員が視聴した上で当該局からの報告を基に討論しました。委員からは、「高校生になった被害児童の同級生のインタビューを見て、これだけ月日が経過したことを視覚的に感じられた。顔出しが一概にダメだとは思わない」「事件の説明についてもリアリティーを出すための充分な検討がなされている」として審議入りしないことにしました。

  • また、小学校の校長が覚せい剤所持容疑で逮捕された事件で、卒業生(中学生)の顔出しインタビューが情報系の番組で放送された件についても、全委員が視聴した上で当該局からの報告を基に討論しました。委員からは「放送後に保護者から今後インタビュー映像を使用しないでほしいとの要望があったようだが、理由を知りたい。その理由の積み重ねで取材者が様々なリスクを考えながら次の取材に立ち向かうことができるのではないか」などの意見が出て、当該局に再度報告を求めることにし、次回も引き続き討論することにしました。

中高生モニター報告

■中高生モニター報告 概要

6月の中高生モニター報告は、「この1か月程の間に見た番組の感想(ドラマ・アニメ)」というテーマで書いてもらいました。
今回は31人から報告がありました。人気のドラマ番組に対する意見が複数寄せられました。『弱くても勝てます』(日本テレビ)に関して「青春を感じる学園もので、自分と重ね合わせながら、とても楽しんで見ることができます。特に主演の二宮さん演じる野球部監督の言葉は一言一言が胸にしみます」(岡山・高校1年女子)などと賛辞が多く見られました。『軍師官兵衛』(NHK)については、「このドラマは面白くて、なおかつ1年かけて歴史の学習ができます。番組の終わりにある官兵衛ゆかりの地を紹介するコーナーも父が大好きで、ここに行ってみたいとか、ここには行ったことがあって、とか話してくれるので会話が広がります」(大分・中学3年女子)、「映像に迫力がある。特に戦闘の場面にリアリティーがあるのが好きだ。本や教科書よりも歴史がよく分かる」(東京・中学2年女子)。『花子とアン』(NHK)に関しては「主人公が夢に向かって頑張る姿はとても素敵だ。花子の言葉に感動したり考えさせられることも多い。これからもこのドラマを見て自分の人生といろいろ向き合っていけたらなと思う」(宮崎・高校2年女子)。
アニメに関しても熱い意見がありました。『名探偵コナン』(読売テレビ) 「この番組は小学生のころから欠かさず見ています。面白い要素を分析すると (1)推理 (2)設定 (3)顔のアップを多用、という3点です。リアルな感じでハラハラします」(東京・中学2年男子)。『ピンポン(ノイタミナ)』(フジテレビ) 「とにかく面白いです。話の構成が上手なのと画面の割り方が漫画のようなところがいいです」(東京・中学3年男子)。
自由記述欄は、「ラジオ・テレビについて思ったことを自由に書いてください」というテーマを設定しました。辛口の意見や要望などが寄せられました。「最近のアニメは不調になっています。本数が多すぎます。質を保つためにも減らしていいと思います。また誤解を招く表現も控えてほしいです」(埼玉・中学3年男子)、「面白くてかつ、為になる番組は今の私にとってはありません。頭を使って一緒に考える時間を共有できるような番組が有ってほしいです」(秋田・中学2年女子)、「今、テレビに必要なのは、どうなるんだろうという視聴者をワクワクさせる気持ちだと思います」(佐賀・中学1年女子)、「テレビとラジオはインターネットに喰われかけていると思います。インターネットの爆発的な普及で<1億総リポーター時代>になったうえ、娯楽がテレビやラジオだけではなくなって、つらいと思いますが頑張ってください」(東京・中学3年男子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

●【委員の感想】ドラマ・アニメのジャンルは積極的に見やすいのか、ほとんどが大変熱心に書かれたリポートで、テレビ局の参考になる意見が多かった。その中でも「番組をじっくり見る暇がないので、コンパクトにまとめられ、スピード感のある内容のものがよい」という意見が目立った。時間を埋めるために内容を引き延ばしているような番組は、飽きられるようだ。

  • (佐賀・中学1年女子)NHKの朝ドラは15分なのですぐ終わるところがいいです。短い時間で気軽に見ることができるのと、もうちょっと見たいなあと思う所が良い点だと思います。

  • (大阪・中学2年女子)『ファースト・クラス』(フジテレビ/関西テレビ) ドロドロしているところにハマりました。今までのドロドロ系のドラマにはないスリル感や展開の速さなどがあり、大変よいと思います。従来のドラマの中には、1回分の展開が少ないにもかかわらず、大きな変化を次週まで引き延ばすものが多く、視聴者としては見ていて憂鬱になります。

●【委員の感想】見方の変化として録画視聴などが一般的になっているようだ。また、BSやCSなど地上波以外の番組をマニアックな見方で見ている中高生が多い。

  • (滋賀・中学1年女子)『メカクシティアクターズ』(BS11) 小説がアニメ版になったもので、原作が好きな人にはたまりません。深夜番組ですが、録画するので見られます。すごく面白いのでいつも楽しみにしています。

  • (東京・中学2年女子)オンタイムで見るより、動画サイトや録画で見ることが多くなってきた。過去に話題になったドラマをまとめて見ることができるので嬉しい。『花より男子』(TBSテレビ)などを見た。
  • (神奈川・高校1年女子)最近BS放送が面白いなとよく思います。地上波の番組に比べると地味ですが、色々な種類の番組をやっていてよく見ています。

●【委員の感想】興味をひく番組が少なく、時代を映し出すような番組もない、というリポートには全く同感した。

  • (宮城・高校1年男子)最近はどの番組でも同じようなものをバラエティー番組で取り上げたりするので、独自の放送局の個性が失われているのではないか。自分が大人になってこの時代を振り返ったときに、代表するテレビ番組がないというのはとても悲しいことだなと思う。

●【委員の感想】アニメ番組の熱烈なファンが多いようだ。大変よく書けたリポート内容に感心すると同時に考えさせられた。

  • (東京・高校2年女子)今回はあえて往年の名作である『天才バカボン』(テレビ埼玉)を視聴してみた。日常の枠から外れすぎずなおかつドタバタとした喜劇を作り上げることができたのは、当時の制作スタッフの能力の高さとアニメへの情熱、ひいては視聴者の期待によるものだろう。近年、アニメは飽和状態にある。新アニメは季節ごとに何十本も放送を開始する。私たちがアニメを消費し続ける中、アニメーターたちは激務を重ね、アニメ会社も疲弊しきっていると聞く。『天才バカボン』がなぜ面白いか、その理由の一つに制作者側が楽しんで作っていることが見ていて伝わってくるということだ。こういう日本のアニメ文化を絶やしてはいけない。

●【委員の感想】アナウンサーが若者言葉を使うことへの批判があった。

  • (宮城・中学2年男子)何気なくNHKを見ていたらアナウンサーが「…的な」という言葉を使っていました。時代が変化するにつれて言葉が変わっていくのは分かりますが、NHKが、私たち中高生が使っている言葉を使ってしまっては、違和感があります。学校の先生からも、「バラエティーもいいけれど、NHKでニュースを見なさい」と言われている中、そのような言葉を使っては手本になれないと思います。

●【委員の感想】学校や家庭で共通の話題になりうるのは、「嵐」のメンバーが出演しているドラマか、NHKの大河ドラマ、朝ドラのようだ。

  • (佐賀・中学1年女子)NHKの朝ドラは学校でも話題になります。ドラマの内容で会話が弾むのは朝ドラが一番です。家族でも盛り上がるので年代を超えて楽しめます。また、学校では『弱くても勝てます』(日本テレビ/福岡放送)を見ている人が多いです。人気の理由は、ドラマに出ている人の人気だと思います。

●【委員の感想】好きなドラマの続編が、課金されるチャンネルでしか放送されないのは不公平だと書いているモニターがいたが、もっともだと思った。

  • (愛媛・高校2年男子)『MOZU』(TBSテレビ/あいテレビ) このドラマは、今期のドラマは面白そうなものが無いと思っていた自分が、唯一興味を持てたドラマです。しかし残念なのは、シーズン2が地上波では見られないということです。WOWOWとTBSテレビの共同制作であるために、シーズン1は全員見られて、続きのシーズン2だけ、加入している人しか見られないというのは不公平だと思います。加入しないと続きが見られないようなドラマは作ってはいけないと思います。

その他

  • 沖縄で開催した「意見交換会」の報告がありました。概略は以下のとおりです。
    2014年6月6日、琉球放送内RBC4階ホールで、汐見稔幸委員長、小田桐誠委員、川端裕人委員と、NHK・琉球放送・沖縄テレビ・ラジオ沖縄・FM沖縄・琉球朝日放送の番組関係者など36人による「意見交換会(沖縄)」を開催しました。
    川端委員の司会で、まず沖縄の抱える諸問題について話し合いました。「基地問題では沖縄と全国とのギヤップがあり、意見がかみ合わない」「基地の近くの小学校で、オスプレイを"かっこいい"という子どもと"かっこいいと言ったらダメだ"という子どもが喧嘩していた」「基地問題はイデオロギーとともに生活の問題でもある」「荒れる成人式の取材は地元の局では取材したくないがキー局からの要請がある」「地元言葉(ウチナーグチ)でのラジオ放送が沖縄の特徴だ」などの話が出ました。また、青少年委員会で最近話し合った案件として、男児性器の映像問題や、北海道暴風雪の少女の件のような顔出しインタビューについて意見交換しました。
    汐見委員長は、「沖縄における学力問題は貧困問題の克服とリンクしている。青少年委員会は、未来を担う子どもたちをどうやって励まし続けることができるかを考えている委員会だ」とまとめて意見交換会を終えました。

  • 調査研究の進行状況の報告がありました。

  • 9月9日に仙台で開催予定の「意見交換会」について、準備状況の報告がありました。