2006年5月に視聴者から寄せられた意見

2006年5月に視聴者から寄せられた意見

東京キー局アナウンサーの迷惑防止条例違反(盗撮)容疑に関し「放送局の姿勢と報道のあり方」について非難・抗議が集中した。 また、秋田県で発生した小学生児童死亡事件における憶測報道および“メディアの取材方法(メディアスクラム)や、架空請求問題で犯人グループと接触・取材しながら警察への連絡をしない放送局の取材手法について、多くの意見が寄せられた。

2006年5月の1ヶ月間に、電話・ファクシミリ・郵便・BPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた視聴者の意見は824件で、4月と比較し150件減少した。

意見のアクセス方法は、Eメール48%、電話43%、ファクシミリ7%、郵送ほか2%の割合となっている。

男女別では、男性75%、女性21%、不明4%であった。

世代別では30歳代43%、40歳代27%、20歳代26%となっている。

2006年5月に視聴者から寄せられた意見 824件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2006年5月件数
人権等に関する意見 29 件
放送と青少年に関する意見 154 件 [ 意見内容 ]
放送番組全般にわたる意見 352 件 [ 意見内容 ]
BPOに関する意見・問い合わせ 54 件
その他(放送関連以外) 235 件
意見件数 計 824 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は344件(20放送局)であった

番組全般

全体的には2006年5月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(824件)の61%にあたる503件が【報道・情報系番組関連】意見。次いで【バラエティー・ドラマ・アニメ関連など】(456件、55%)となっている。(複数意見を含む)

【報道・情報系番組関連】では「取材・報道のあり方」に関する意見(213件)が多く、以下「公平・公正・中立(“内容が偏向”との指摘を含む)」(67件)、「放送の影響力」(56件)、「匿名・実名報道」(51件)、「放送の公共性、公共の電波」(40件)の順である。

特に、“東京キー局アナウンサーの迷惑防止条例違反(盗撮)容疑”に関し「放送局の姿勢と報道のあり方」について非難・抗議(78件)が集中した。

また、秋田県で発生した小学生児童死亡事件における“憶測報道”および“メディアの取材方法(メディアスクラム)”や、“架空請求問題で犯人グループと接触・取材しながら警察への連絡をしない”放送局の取材手法と防犯意識を問う意見や、“JR新大久保駅での人命救出関連”、“ワールドカップ・サッカー強化試合日本vsドイツ戦衛星中継の編成と中継表示”への意見・批判・抗議が多く寄せられた。

一方、政治問題関連意見では、「偏った報道」などの意見(35件)、「近隣諸国関連」(韓国関連32件、中国関連13件)、「選挙関連(総裁選を含む)」(13件)となっている。

【バラエティー・ドラマ・アニメ関連】では、「不適切な表現・発言や内容」への意見(114件)が多く、「モラル・倫理を問う」(43件)、「低俗・下品・悪影響など」(35件)の批判が寄せられた。

これらの意見を、個別の番組やテーマ別にみると、“バラエティー番組での危険な行為や悪質な言動”、“白隠元豆ダイエット”、“焼きそば2,400食・完食”や“食料品を粗末に扱う番組”などに対する批判・抗議をはじめ、“消費者金融のCM”、“アダルトゲーム・コミックを性犯罪と結びつけたコメンテーターの発言”および“性的少数者(同性愛者)への中傷発言”、“女性占い師などの発言”についての意見が目立った。

【放送局の対応】についての苦情・抗議は148件と前月(64件)と比較し大幅に増加した。(*アナウンサーの盗撮事件関連によるもの)

【CM関係】では前月(55件)とほぼ同じ傾向にあり、5月(59件)の意見のうち、業務停止処分を受けた消費者金融の報道を機に消費者金融・生保などのCMに対する批判は前月に引き続き寄せられており、次いで“不適切な表現・内容のCM”とする意見が目立つ。

なお、「放送と人権等権利に関する委員会」への相談・意見(29件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたるのではないか」との提起や懸念等は105件で、前月(128件)より減少した。

概要

【特記事項】(「取材・報道のあり方」「局の姿勢」などから抜粋)

  • 某局アナウンサーが盗撮をしたという報道があったが、私的領域擁護を理由に匿名にするのはおかしいのではないか。他局では痴漢(広島)、万引・盗撮(東北)、強姦(大阪)、児童買春(広島)、飲酒運転・重傷轢き逃げ(広島)、放火(大津)というように不祥事を起こした社員・職員は全て実名で報道され、その大多数が懲戒免職になったが、同局には隠蔽体質があるように思えてならない。
  • アナウンサーが神奈川県迷惑防止条例違反容疑で書類送検された件に関して、同社総合広報部が『プライバシーにかかわることなのでコメントできない』とのニュースを見た。この局に限った事ではないが、自社のスキャンダルは隠そうとし他者のスキャンダルは必要以上に報道する。個人情報保護の法案が出た時や事件報道の匿名発表に関してはマスコミは揃って反対していた。それなのに自社の問題は『個人が特定出来るため名前は言えない』とする。このようなことが許されていいのか?
  • 男性アナウンサーの盗撮事件が発覚したが、その局に対して、何を根拠に今まで一切報道しなかったのか?犯罪報道の有無の基準は何か?社会的地位で決めるのか?なぜ、自社の犯罪を隠すのか?以上3点に関して19日午後4時頃質問の電話を入れた。局側は、何を言っても『答えない』あるいは『答えられない』だけで横柄な口調で全く答えてくれない。放送局は報道する立場として社会的責任があるから、視聴者に対して答える義務があると思う。このようなことがあると、マスコミに対する不信感ばかりが募り疑心暗鬼になる。

【取材・報道のあり方】

  • 4月に秋田県藤里町で小4年女児が死体で発見され、今回同じ町営団地に住む小1年男児が殺害された報道で『少女が最後に会ったのが男児だ』とコメントしていた。もし少女が死体で発見された時点でこのような発言があったとすれば、犯人が男の子を殺害する動機になった可能性がある。この局は以前から殺人事件などの報道で、犯行の手口を再現ビデオなどで余りにも詳細に伝えているので疑念を抱いた。
  • 民主党新代表が就任した際、テレビは“強面”“豪腕”などイメージ面ばかりを報道していたが、どうして政策の話を取り上げないのか?かつて、政治改革が問題となった時、各局はこぞって“政策の議論に基づいた選挙”を実現するために『選挙制度改革が必要なのだ』という論陣を張っていた。しかし、例えば新代表が靖国参拝について明確に反対の論理と立場を表明したにも関わらず、この問題を取り上げて首相の参拝の論理と比較し、公平に分析するような報道にはお目にかかれない。単に『チルドレンだ』『自転車行脚だ』など、政策とは無関係のことばかりで、どうして“政策の議論に基づく選挙”ができるのか。パフォーマンスを取り上げないと視聴率が取れないというならば、ワイドショーは政治報道に首を突っ込まないでもらいたい。
  • 最近、「格差社会」という言葉がよく使われるが、能力の有無、都会と地方などを取り上げてもそれを単純に「格差」で表現していいのか大変疑問だ。取り上げる場合はもっと突っ込んでほしい。政治を分かりやすくした点で首相の取組みは評価できると思っているが、マスコミはそうした評価抜きに首相をあげつらう内容が目立つ。マスコミの最近の報道は時流にのること、あるいは時流をつくることに一生懸命だ。もっと正確に突っ込んだ報道を心がけてほしい。
  • NHKニュースを朝昼夕欠かさず見ているが、ヤンキース松井負傷のニュースは、当日と翌日朝のニュースを含めて4回続けてトップ扱いしたのには腹がたった。松井がナイスガイなのは認めるが、米国のオールスターにも選ばれていない選手だ。連続試合出場にしても、大リーグの場合は選手の休養を考えて積極的に休ませると聞いており、連続出場は必ずしも「美徳」ではない。NHKはBSで大リーグ中継をやっているため、そのPRも兼ねているのかもしれないが、公共放送の使命を忘れたニュースの扱いだ。総務省の研究会で、原則、今のNHKを存続させる方向が出て良かったと思っていた矢先の「松井トップニュース」は問題だ。
  • 韓国人留学生がホームに落ちた女性を助けたというニュースで、『数年前に同じ事をして亡くなった留学生の魂を受け継いだ』と取り上げていた。留学生の行動は立派だとは思うし、ニュースを見た時は感動したが、女性キャスターが『周りの日本人が手を貸さなかったのは恥ずかしい』と話しているのを聞き引っ掛かるものを感じた。『駅に落ちた人がいたらまず駅員を呼ぶか緊急のボタンを押す』ことが周知されている。人助けをする事は立派だとは思うが、正しい対処の方法を広める事のほうが重要だと思う。それなのに『恥を知れ』と言われているようで不愉快に感じた。
  • 「電話詐欺集団を撮った初スクープ」の中で、記者が一味のアジト前でのリポートの際、建物の窓越しに一味の動きも見えていた。アジトを押さえたのだから詐欺集団は一網打尽と思っていたら、なんと逮捕されたのは一人で、残りの40人近くは逃亡したのだという。この局は警察に適切に連絡をしたのだろうか。同局の不手際が犯罪集団を逃がしたのではないか。局の防犯意識(警察への対応)や姿勢に疑問を感じた。
  • 録画放送なのに生放送のごとく視聴者を欺き、視聴率の事しか考えず、W杯強化試合日×独戦の中継をした放送局にサッカー中継をする資格はない。“最低の実況”という視聴者の声が多いアナウンサーも不愉快、解説も同様だ。「衛星中継」として視聴者を衛星“生”中継と誤解させる表示。 ちゃんと“録画”と表示しないのは公正取引法違反だ。
  • 在阪キー放送局と名乗る女性と男性カメラマンの2人組が『人材派遣の現状について取材させて欲しい』と突然当社に訪れた。上司も不在だったので『内容を確認してから取材に応じるかどうか決めたいのでお引取り下さい』と伝えると、『普通、取材ってこんなだよ』のようなことを言われた。この件で同放送局に確認をすると、訪れたのは報道局関係のスタッフとの事だが、電話に出た男性も『あ~聞いとくわ』という対応で、こちらの連絡先も聞かずに電話を切り問題を解決しようという態度ではなかった。放送局の取材というのはいつもこんなに横暴な態度でおこなわれるのか?非常識にも程がある。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 人殺しの手口を教えるようなドラマやサスペンスもの、スリラーが多すぎる。そんなテレビが最近の犯罪増加を招いているのではないか。ワイドショーにしても、事件・事故の追及を詳しく取り上げすぎる。これも犯罪手口を教えているようなものだ。もっと番組が健全化すれば犯罪も減少するはずだ。
  • コメンテーターの元警視庁捜査第一課長が平塚5遺体発見事件について『当分使えるネタじゃないですか』と発言した。大変痛ましい事件について、このような発言は不適切であり、元警視監として警察への信頼を損ねるものでもある。この他の事件についても軽はずみな発言を繰り返している。元警察官として恥じないよう人権に配慮した発言をしてほしい。
  • 秋田小1男児殺害事件の現場を、コメンテーターが取材する報道番組があったが、BGMやナレーションで視聴者の恐怖心を煽る中、コメンテーターが現場を歩きながら得意げに自身の推理を披露するという、まるで実在の事件を利用した推理ショーだった。事件をおもちゃにしたような映像が報道番組で流れた事に強い怒りを覚える。報道や言論の自由は守られて当然だが、報道の名を借りた人の死をもてあそぶ姿勢は断じて許されない。
  • もともと同性愛者に対する良い情報が少ない中、偏見に満ちた形で放送することは、私たち同性愛者を怪しい存在として強調させるものと思われる。性的指向による差別は日本でも人権問題として法務省も認知し改善すべきこととなっている。まだまだ社会的に認められず偏見にさらされている私たちをさらに貶める番組を作ってなんとも思わないのか?番宣と新聞ラ・テ欄では「真夜中の新宿2丁目・禁断の同性愛の楽園・潜入レズビアンナイト愛の修羅場」などとひどい扱いだ。
  • 農薬の問題を取り上げた民放の番組で「ほうれん草、じゃがいも、りんごには280種類の農薬が使われている」と言っていた。視聴者センターに問い合わせたら280種類の《成分》と訂正した。農薬と表現されたら消費者は野菜など買う気をなくしてしまい農家にとっては大問題だ。かつて所沢の《ダイオキシン被害に関する“葉もの(お茶葉)”を“ほうれん草”と連想させ各方面に影響を及ぼした》報道と同じ問題なので、局に「訂正」を申し入れたが、局では電話にも出ないという対応だ。是非ニュースで訂正をしてほしい。
  • 番組で紹介した白隠元豆のダイエット料理を試したら激しい嘔吐と下痢に襲われ入院を余儀なくされた。全国で700人もが同じ症状を訴えているという。当該キー局は、総務省の指導で放送から4日経った11日の午前中に1分程度の放送をしたが、この程度では済まされない。当該局に抗議したら「5月末までに原因を調べる」という答えだった。普通の企業なら「営業停止」になるところなのに、放送局はほとんど何の咎めもないのはおかしい。
  • 世界には食料不足で困っている人が多数いるにもかかわらず、料理ができない出演者に高級食材を用意し料理を作らせ、まずくて食べられず吐く出演者もいる。料理人が料理を教えるのならまだいいが、作れない人に作らせ面白おかしく見せようとする番組の企画は不謹慎であり、製作費の無駄だ。
  • インスタント麺焼きそば計2,400食をまるでおもちゃのように扱っていた。とてもスタッフ全員で食べきれたとは思えない。【完食】のテロップさえ出せばいいのか?世の中には食事もままならない人々がたくさんいるのに不謹慎だ。局としても報道機関としての立場上、責任を持って少しは番組作りの勉強をしたらどうか。こんな話題で視聴者を笑わせる考え方が全く理解できない。食べ物を粗末にする映像を公共の場で流すなど最悪だ。
  • 視聴者の実体験という形で夫が突然失踪。それは癌と診断された夫が誰にも知らせずに青年海外協力隊に参加し、派遣されたアフリカで死亡。その国の大使館から連絡があって初めて妻がその事実を知るというものだった。私は協力隊OBだがこれは虚偽ではないかと思う。協力隊参加時に健康診断書を提出しなければならないし、派遣前訓練中にも健康チェックがある。また妻への連絡は協力隊事務局から行なわれるはず。番組に対して事実を確認したか否かの質問をメールで送ったが返事はない。税金で運営されている組織の活動に誤解を与える内容には疑問を覚える。
  • 言葉遣いや礼儀のなってない某プロボクサーを、女性評論家が批判していた。私も同意見だ。なぜあのような品格や対戦相手に思いやりのない人間をテレビ局は持ち上げてまつり上げるのか?その批判意見に対して、他の出演者は沈黙するのみだった。特にその直前までそのボクサーをべた褒めしていた2人の野球評論家はかなり気まずそうだった。テレビとは真っ当な意見が黙殺されてしまう世界なのか?見ていて悲しくなった。

【その他、番組全般】

  • “こころの豊かさ”を追求する番組で見た福岡正信氏の『草木の生えない砂漠にも畑は作れる』という話は本当に素晴しかった。このような地球環境を考える福岡氏の出演番組をNHKだけではなく民放各局でも制作して欲しいと思う。
  • 現職の国会議員、弁護士などが3兆円の在日米軍移転費用について話していた。国民の血税を使うにも関わらず日本政府は世界にも類例のないこの費用負担の説明責任を果たしていない。また、ほとんどの報道機関でこの移転費用についての討論番組もない。このような問題を検証も出来ないお笑いタレントなどが、おもしろ・おかしく扱うテーマではない。公共の電波を使い放送するべきではない。
  • 裁判中の犯罪について、ニュースやワイドショーでコメンテーターが「極刑にすべき」などと声高に言うのは、いくら報道の自由とはいえ、行き過ぎではないか。また、今日は、ワイドショーで新人議員を追い掛け回していたが、国会議員を芸能人のように追い掛け回すのはおかしい。
  • 【緊急中継・母親独占告白。犯人疑惑に徹底反論。事故死ではない根拠】というタイトルで、秋田県女児の母が生出演した。サングラスの芸人が『なんで引越ししないんですか?』『収入の方はどうなってるんですか?苦しいでしょ?』『(亡くなった娘と間違えて名前を呼ぶ)ねえ、○○さん?○○さん?』と言い、お笑い芸人は『犯人だと疑われている原因は?』と発言した。このような決め付け報道は人権侵害ではないか?
  • 2名の出演者が『死者の霊と会話ができる』と言っているが、非常に疑問だ。もし死者と会話ができるなら、未解決の重大犯罪を解決してみてはどうか。客観的な検証をせず、霊媒や交霊といった超自然現象をさも事実であるかのごとく伝える非科学的番組の放送は、報道機関としてあるべき姿ではない。公序良俗に反する上に放送に対する信頼を失わせることになる。放送が国民に与える影響力の大きさを考え、批判に耐える番組作りをすべきだ。
  • 若い人たちの素行の悪さが目に余る。殴られそうだから注意もできない。そこで要望だが、各放送局で若者に対して公衆道徳やマナーを守れと呼びかけるキャンペーンをやってほしい。

【CM】

  • サラ金のCMは何とかならないか。自粛するといいながら、相変わらず昼間から流している。サラ金は、言ってみれば高利貸しである。高利貸しのCMを公共の電波を使ってやっている民放のテレビ局は、いったいどうなっているのか。業者にもテレビ局にも、節度があるならば、昼間や夕方、夜の時間帯は避けて深夜だけにすべきである。
  • 某薬品会社の目薬のCMは、電車の中で化粧をしている女性に『アイメイクだけで綺麗になれますか』という内容だが、電車の中でメイクしている映像を使う必要はないと思う。公衆の場でのメイクはもはや当たり前のような扱いの感じがして不快で、なおかつ迷惑行為だと思う。
  • 小松左京氏原作で映画化された「日本沈没」のワンシーンを使った英会話スクールのCMで、「日本が沈没する前に英語を…の日記」編が放送されている。原作では関東地方に未曾有の大地震が発生、日本が沈没するという最悪の事態になっていくが、当時と異なり現在は地球温暖化により、永久凍土や、氷河が解けるという要因が事態をより深刻化している。現実に起こる可能性のある問題を、たとえパロディーだとしてもCMで放送すべきではない。

青少年に関する意見

意見分類 2006年5月件数
E-mailによるもの 107 件
電話によるもの 40 件
郵便によるもの 2 件
FAXによるもの 5 件
意見件数 計 154 件

(男性100件、女性51件、不明3件)

【意見の概要】

  • 5月にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送と青少年に関するものは先月とほぼ同数の154件だった。アクセス方法は先月と変わらずEメールによるものが70%だったが、男女別では女性からの意見が33%(先月28%)と多少増えている。
    内容別では、今月も複数のバラエティー番組のコントに対し「いじめにつながる」「テロップを入れればいいというものではない」という批判が多く、サスペンスドラマに対する「犯罪を助長する」「昼間の再放送はやめるべき」という批判意見が目立った。
    また少数ではあるが、男児だからと裸を映したり、少女の水着姿を出すのは児童ポルノ禁止法に触れるのではないかという疑問が寄せられている。

【意見の抜粋】

{お断り}

放送と青少年に関して、電話やホームページ、FAX、郵便でいただいたご意見の中から、代表的な意見を抜粋して掲載させて頂きます。
ただし、意味不明なもの、個人攻撃や誹謗中傷にあたるもの、不快感を与える表現などは非掲載とさせて頂いています。
また、いただいたご意見は事実関係などを確認できない場合もあるため、放送局名、番組名、出演者名は原則削除させて頂き、あまり長い文章は要約、類似意見は代表的なものを掲載させて頂いています。

[内容分類]  [E]はEメール

低俗、モラルに反する(32件)
受付 内容 方法 地方
5/1 情報番組。この番組はもともと夕方から移動したが、朝にはふさわしくないコーナーが多数あり、同局の青少年を軽視する態度に非常に憤りを感じる。これならば、3月末まで放送していた関西発の芸能ワイドショーを放送するほうがまだよいと思う。7月か10月の改編で同番組を即刻打ち切るか元の夕方か深夜に移動して、関西発の芸能ワイドショーを復活してほしい。 E 39 東京
5/1 バラエティー番組。複数の家庭内にカメラを設置し、各家族とスタジオを結んでやりとりをする企画がある。このコーナーで各家庭の子どもの頭に女性用のストッキングを被せ、誰がいちばん早く脱げるか、そして脱ぐ過程で誰がいちばん面白い顔をするかを競わせるゲームをやった。下記の三つの理由で極めて不適切なゲームであり、強く抗議する。?首を絞める恐れがあり非常に危険。?見ている子どもがこの危険な遊びを真似する可能性が高い。?面白い顔を競わせ子どもを笑いものにした。 電話 30代 新潟
5/8 ドキュメンタリー番組。男児がホテルで裸でいるところを映したシーンがあった。子どもだから裸位はいいのかもしれないが、女児には配慮し男児は見世物であるかのように軽視されていることは首を傾げたくなる。(同様意見1件) E 26 東京
5/9 特にバラエティーやCMで、胸をあけた洋服を平気で着用している女性タレントを使い、青少年の性が低年齢化している中、男性の興味を扇いで視聴率を取るのははいかがなものか?もっと品位のある番組制作をして欲しい。(同様意見1件) FAX 51 神奈川
5/16 電車の中で男子高校生が訳もなく笑いながら後輩の頭を30秒おきに叩いている光景を見かけた。周りの乗客は皆不愉快な思いをさせられた。テレビの影響を受けやすい年頃だから仕方ないでは済まされない。テレビはまるで『今の時代は非常識に振舞っても構わない、むしろその方が受ける』とでも言っているように感じる。テレビが日本人のモラルの低下に大きく影響していることをもっともっと感じてほしい。 E 31 神奈川
5/22 バラエティー番組。男女二人の出演者が全身にローションを塗り、ほぼ半裸で絡み合う(特に男性は局部を女性の顔に押し付けていた)。そのあとラップを顔全体にしばらく押し付けていた(子どもが真似たら確実に窒息する)。高視聴率の番組で、子どもが多く視聴するであろう時間帯に、このような内容を放送するのは問題が多い。局の社内基準も逸脱している。制作側だけでなく社内審査体制にも問題あり。(同様意見2件) E 47 東京
5/24 朝の情報番組なのに、小学生のグラビアアイドルが紹介されていた。その際、水着姿の少女が胸を強調するようなポーズの画像を大きく掲載したスポーツ記事も紹介されていた。これは児童ポルノに該当するのではないか?2分程度の短い紹介だが、朝の番組で放送すること自体、少女の性を売り物にする事に何の躊躇もない事が伺える。番組スタッフの神経を疑う。(同様意見1件) E 31 東京
5/30 情報番組。一般女性がアルバイトで風俗業界に入って行くという番組。業界の上っ面だけを描くので、18、9歳の女性の気をそそるような内容となり、業界にひそむ危険性が欠落していた。テレビの影響力で社会的に認知されたことになりかねない。今後注意してもらいたい。(同様意見3件) 電話 30代 福岡
5/30 この映画は暴走族の女の子と普通の女の子の友情物語だが、ヤクザや偽ブランド、パチンコ屋、不倫などがストーリに組み込まれていて、若年層が見るにはどうかと思う内容だった。いくらコメディータッチにしてあっても子どもには見せられない。この時間帯に放送する局が理解出来ない。 E 39 滋賀
5/30 音楽番組。最近の歌番組は、お笑い芸人が司会でトーク中心の番組が多くなり、芸人の言葉遣いや番組の質も良くなって来たと思うが、この番組に関しては下品な言葉遣いが多く、弱い者いじめを助長する様な発言が多い。また、グロテスクな発言や、気持ち悪いCGを使った場面が度々放映され、食事時なのに吐き気がする事がある。大人たちがゴールデンタイムで低俗な発言をしたりグロテスクな発言をしていいのだろうか? E 14 東京
いじめや虐待を助長する(13件)
受付 内容 方法 地方
5/15 音楽番組。水槽に顔や足を入れ、皮膚の古い角質を“ドクターフィッシュ”に食べさせていた。ひとりが呼吸用のパイプをくわえ水槽に顔を入れていた時、他の出演者が着色した液体をパイプに注入した。本人が呼吸困難になり、あわてて水槽から顔を出した。画面には「危険なので真似をしないで下さい」とテロップが数秒間表示された。しかし、子供が見ている時間帯に、このような危険な行為を何故放送するのか。テロップ表示さえすればどのような行為でも放送出来るのか。納得出来ない。 電話 60代 千葉
5/22 バラエティー番組。ゲームをして、ビンタや蹴りを入れるなどの暴力を是認していた。子どもが見る番組であり決して許すべきではない。このような番組をなくすように全局が頑張っている中、以前もいじめを是正する事で注意を受けているのに、このような番組自体やめるべきではないか。 E 41 奈良
5/25 バラエティー番組。水槽に顔を入れて上から水を注ぐというコント。何を考えているのか!『真似をしないでください』とテロップを流せば何でも許されるのか。もともと大人向けの番組というわけでもなく、小さい子どもの視聴者を集めて、あげくにこんな虐待性のあるものを放送するなど、まったく人間性が感じられない。人権や食べ物を粗末にするなど、いろいろ問題はあるが今回は生死に関わる事だ。注意するようお願いする。(同様意見5件) E 29 大阪
5/29 バラエティー番組。算数問題で答えられなかったら水槽に落とされるのは、子どもの教育にとって最低である。この番組ではいじめ企画が多いと問題になっているのになぜやめないのか。 E 33 神奈川
犯罪を助長する(12件)
受付 内容 方法 地方
5/1 サスペンスドラマが数多く放送されている同じ放送局で、毎日事件報道があるが、このような殺人ドラマが青少年の犯罪にも少なからず影響を与えている。テレビ放送が始まった初期は、一家で茶の間で見ていた為か、サスペンスドラマは少なかったし、視聴者もテレビ上で演じていることとと、社会生活とは切り離して見ていた。しかし、現在では青少年が見ている時間帯に配慮もなく、鮮血が飛び散る殺人の予告編・再放送も含めて毎日昼間から放送されている。消費者金融のCMは視聴者からの激しい抗議で放送時間帯に配慮しているが、自局が制作した番組は一切配慮していない。(同様意見3件) 電話 80代 福岡
5/2 報道番組。高校生がゲームソフトをアルミ箔に包んで万引きするシーンを放送していた。多くの店では、万引きした場合にはセキュリティーをかけてピーとなるしかけにしているが、アルミ箔で包むと、これが効かなくなる。こんなシーンが放送されると、高校生などが真似する。万引きの手口を教えるような内容は放送しないでほしい。(同様意見2件) 電話 50代 神奈川
5/8 サスペンスドラマ。この番組は若い人間のモラルを破壊する。若者が駅で酒を散々飲みその缶を跨線橋から捨てる。そして注意した人を突き落とす。あまりにふざけた内容。電車や駅でのマナー悪化はJR・私鉄を問わず問題になっており鉄道会社でもマナー向上キャンペーンを実施している。実際に電車や駅でのトラブルが絶えないのにこの局のやっていることは火に油を注ぎこむようなものだ。それでいて未成年者や若者が事件を起こすと凄まじい勢いでバッシングを始める。あまりのひどさに開いた口がふさがらない。アニメやバラエティーばかりが叩かれているが、この手の番組のほうが未成年者、特に子どもには危険だ。(同様意見1件) E 31 千葉
5/17 特撮ドラマ。主人公の二人の女子が、悪者をやっつけるために機関銃を乱射する場面があった。このようなシーンを繰り返し見ているうちに、子どもたちは銃による殺しに不感症になってしまうのではないかと心配している。このような番組を放送していると、やがて日本でも、アメリカのような銃による青少年の凶悪犯罪が発生するのでは…と危惧している。 電話 47 栃木
5/25 サスペンスドラマ。【犯人を目撃した子どもが食物アレルギーだった為、犯人はその子にアナフィラキシーを起こさせ殺そうとする】という内容だった。私の娘も重度の食物アレルギーがあり、原因物をほんの少量口にしただけで命を失うだろう。この番組は、あまりにも配慮に欠け無神経ではないか。模倣犯が出たらどうするのか?メディアが視聴者に与える影響について再考し謝罪をしてもらいたい。(同様意見1件) FAX 愛知
CMへの意見(10件)
受付 内容 方法 地方
5/8 17時28分頃に銀行のカードローンのCMが放映されたが一体どういうことなのか?理解に苦しむ。与謝野金融担当大臣がサラ金のCMに不快感を表明しているのは無理はない。カードローンのCMもサラ金並みに規制すべきである。(同様意見1件) E 34 神奈川
5/8 サラ金のCMについては、相当前から『中止すべき』との意見が視聴者から出ていたと思うが、民放各局はこれらの意見を無視する形でCMの放送を続けて来た。今でも懲りずに、アイフル以外のサラ金のCMは放送されている。業界全体の悪徳振りが表面化した現時点で、視聴者の多数意見を蔑ろにした事に関して民放各局はどう説明するつもりなのか問いたい。(同様意見1件) E 40 埼玉
5/9 連休中にテレビを見ていたら、子供が視聴している昼間からアルコール飲料のCMを流していた。高校生の飲酒が問題になったりしているのだから、アメリカや韓国に見習って、アルコール飲料のCMを昼間は禁止するなどの規制をかけるべきだ。 電話 28 東京
5/23 最近は本当に、各局でパチンコのCMが目立っている。この日は午前7時台の放送もあった。パチンコなどのギャンブル関係のCMは朝から流すべきではない。パチンコのCMも消費者金融並みに規制するべきだ。(同様意見1件) E 18 栃木
言葉遣いについて(10件)
受付 内容 方法 地方
5/8 最近のテレビ番組やCMでは“いやらしい言葉”“乱暴な言葉”など不適切な言葉をよく使っている。子どもが真似をして困るので注意してもらいたい。 電話 50代 沖縄
5/8 放送における言葉の影響は学校教育以上のものがある。特に、『~くない?』というようなアクセントの平板活用、形容詞の活用語尾を取る“ダサ”“キモ”などの言葉は、たとえ流行を反映する番組であっても、やはり正しい言葉遣いにすべきだろう。アナウンサーの世界が正しい日本語について厳しいのかどうかはわからないが、俳優など他の芸能人に関しても厳しくてよいはず。テレビに子どもの相手をさせている親もいるのも問題だがテレビの影響の大きさは考えるべきである。 E 37 千葉
5/8 最近“号泣”という言葉を使いすぎている。号泣とは大声で泣き叫ぶことなのに涙ぐんだだけでも号泣と言っている。そのほかにも“激怒”“爆笑”“衝撃”などと大げさなテロップを書きたてている。見せるために必死なのは分かるが嘘は書いてはいけない。子どもも間違った使い方をするようになってしまう。 E 29 神奈川
5/10 10代の若いボクサーが、テレビ取材に対して“タメ口”で答えていて大変気分が悪かった。彼と同世代で活躍するプロスポーツ選手は、取材に対してきちんと敬語を使っているのだから、単に『若いから』で許されるわけではない。番組関係者を含む周囲の大人は、ボクサーとして育てる前にまず社会の最低限のマナーを教えるべきではなかろうか。ボクシングのテクニックを優先させるあまり、“言葉遣い”という対外的に最も基本的な素養があの年齢で備わっていないのは問題と言わざるを得ない。(同様意見2件) E 21 大分
5/11 “キレる子ども”をテーマにした番組だったが、ゲストが『脳の部品が・』と発言した。この番組に限らず、昨今は人間を物扱いした『○○君が壊れた』などという表現が増えている。このような表現は命の尊厳が損なわれ軽んじられてしまうことにつながると思う。まるで人の命をサイボーグ化している。 電話 40代 大阪
5/22 女性占い師が外国人俳優に対し、『結婚しないと命を落とす』と発言をしていたが、脅迫まがいと捉えられてもおかしくない様な物の言い方だった。そんな無責任な発言をするのは文化人やTVマンとして如何な物かと思う。大袈裟かも知れないが下手をすれば国際問題に発展してもおかしくない話だ。 E 18 東京
5/25 特撮ドラマ。主人公が属している特殊部隊の隊員の言葉遣いが悪すぎる。ふてくされたような態度も見ていてかなり不快だ。子ども向けの番組なのだからその辺りの配慮はして欲しい。 E 27 東京
報道に関するもの(10件)
受付 内容 方法 地方
5/2 大阪の姉妹殺人事件について、殺人犯の心理をあまりにも克明に報道しすぎである。たとえば、少年が「母親を殺害したとき、苦しむのを見て快感を覚えた」というような発言まで、報道する必要はない。こうした異常心理まで報道することによって、おかしな人間の心に、火に油を注ぐようなことになるのではないか。 電話 81 千葉
5/8 ひとつの事件があると、ほとんど全局で同じような内容で何日も繰り返し放送される。ゴールデンウィーク中で子どもたちも見ているのに、テレビをつけると事件ニュースばかりだ。原因究明などならまだしも事件内容の繰り返し報道は必要ないと思う。 電話 75 東京
5/8 架空請求で犯人グループと思われる団体と接触し、拠点も確認しておきながら警察へ連絡せず被害者の感情を逆なでするヤラセ番組を報道した。本当の事ならすぐに警察へ連絡するべき。視聴率を取りたいが為にヤラセ番組を作成したとしか取れない内容になっている。今後このような番組が放送されない事を願う。 E 17 千葉
5/15 近頃のNHK含む民放各局で“オーバーラン”について過剰な報道が多すぎる。オーバーランは、報道されていないもの(1m前後)を含めると数え切れないくらいあるはずで、それを大袈裟に報道し、余計な心配を利用者に与えかねない。鉄道の知識の無い人物(コメンテーター等)は勝手に意見を言わないで欲しい。 E 16 神奈川
5/24 未だに少年犯罪が増えているという捏造放送を繰り返すのはいかがなものか?過去10年だけのデータを出し、あたかも昭和30年代付近の異常な犯罪数を隠すグラフ。このようなことが繰り返されている。“少年犯罪者データベース”では、少年犯罪は確実に減っている。あとはゲーム脳やニート。まともな定義もデータもない主観的な意見で構成された仮想科学で『子どもが影響を受ける』という意見も子どもの目線ではなく、ただの大人に都合の悪いものを責任転嫁しているように思える。 E 16 兵庫
5/25 情報番組。仙台市の事件に関連して、亡くなった子供と同じ身長の子供を起用して、ベランダによじ登れるかどうか、番組中で実験していた。現在進行形の事件で、子供を使って実験することは許されるのか。こんなことは警察がやればいいことだ。これは、民放連放送基準【第3章・児童および青少年への配慮。(21)児童を出演させる場合には、児童としてふさわしくないことはさせない】に違反しないか。 電話 55 千葉
5/26 最近ニュースを見るのがイヤになってきた。青少年にかかわる殺伐とした事件を詳しく、繰り返し伝えているからだ。青少年が一緒になって劇に取り組んだり、自分たちの手で成人式をやったなど、伝えてほしい「良い」ニュースも一杯あるが、そうしたニュースはほとんど登場しない。少年犯罪が起きた当座はセンセーショナルに報道する。テレビでは、背景などを掘り下げた内容は伝えようとしない。報道機関は、そうした背景を調査・報道することに力をいれるべきだ。 電話 60代 神奈川
5/31 情報番組。ゲストの女性音楽家が、韓国の男性タレントの除隊のニュースを受けてのコメントで、『日本の若者はたるんでるから、日本も徴兵制度を取り入れるべきだ』と発言した。日本は憲法で軍隊を持たないと決められている。憲法9条を馬鹿にしたような発言をした女性およびテレビ局は視聴者へ謝罪すべきだ。 E 18 三重
差別や偏見を助長する(9件)
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5/2 報道番組。統計上、昭和30年代、40年代といったポルノ系メディアのない時代の方が性犯罪の発生率は圧倒的に高く、今でもポルノ系メディアを厳しく規制している国々の方が高い。韓国は日本の20倍、カナダは60倍にもありエロ表現は逮捕対象だ。日本も規制すればこうなる可能性が大きい。適当にガス抜きをさせないと溜まったストレスはいつか爆発する。アメリカの禁酒法と同じだ。ポルノ規制が緩い国ほど性犯罪の発生率は低いのは常識。実際ヨーロッパ諸国ではポルノ解禁後、性犯罪の発生率は下がっている。それらの情報を報道せず一方的にオタク叩きとも取れる片寄った報道をするのはいかがなものか?(同様意見1件) E 31 愛媛
5/8 ニュース番組等で“ニート”について取り上げられる際の説明や解説を変更して欲しい。現在は、ほとんどの局や番組で、ニートのことを『働く意欲もなく学校にも行かない人たち』のように説明しているが、これでは大学浪人生(特に予備校に行く費用がなく自宅で学習している「宅浪生」)との区別がなく周囲に誤解されてしまう。働いても学校へも行っていないが、これから社会に出る準備をしている人たちにもう少し配慮が欲しいと思い意見を送った。(同様意見1件) E 19 神奈川
5/18 バラエティー番組。この番組は酷過ぎる。一番酷いのが【スタジオ観覧は18歳~30歳までの女性限定】という部分。お笑いとは老若男女国籍問わずに楽しめるものであってほしいのに、これだと男性は邪魔者扱いされているようで気分が悪い。しかもそのせいで、“女性に人気=人気芸人”“女性に不人気=売れない芸人”のような勘違いが起きる事も考えられる。また、どれだけ面白くネタの質が良くても『不細工だからと』いう理由で人気の出ない芸人が増えてしまう事もありえる。 E 16 埼玉
5/19 バラエティー番組。レギュラー出演しているペルー人の女が毎回、日本人男性に対して人種差別的発言を繰り返すので腹が立つ。「日本人男性は女性を大事にしないから付き合わないほうがいい」「南米の男性は女性と食事をしたときなど日本の男のように割り勘などにはしない」「日本はなんでこんなに男を甘やかしやがるんだ」…等々、とにかく毎週、南米男性がいかに素晴らしいかを喧伝し、日本男性をボロクソにけなしている。これに、他の外国人ゲストたちが同調するから更に問題が大きくなるんだ。こんな女性はテレビに出すべきではない。 電話 10代 東京
5/25 バラエティー番組。ニートを題材にしたコントを見たが、弱者イジメにしか受け取れない内容だった。ニートと家族の本当の苦しみはわからないが、あまりにも人の気持ちへの配慮が無さ過ぎる。ニートの人やその家族、今は立ち直った人がどんな気持ちになるのか少しも考えなかったのか。多感な年頃の子ども達も喜んでみている番組だ。偏見が生まれないとも限らない。 E 42 愛知
放送局の姿勢、責任を問う(8件)
受付 内容 方法 地方
5/2 バラエティー番組。未成年にお酒を飲ませたアナウンサーが出ていた。ニュースを読む立場の人が刑事犯罪を犯して時間が経てば同じ仕事を普通にできるなんて、子どもに『犯罪を犯しても時間が経てば許される』と教えているようなものだ。今の少年犯罪を考えれば出演は控えるべき事だと思う。公共の電波でテレビに出て注目されているという立場を考えて、もうテレビには出ないでほしい! E 23 東京
5/8 報道番組。GWで3時間生放送SPだったが、“こどもの日”を意識した放送内容ではなかった。特に10時頃、リポーターが廃墟を取材したVTRが紹介され、壁に女性の下半身が描かれた落書きがあったが、ボカシやモザイクなどの編集処理もなく、無修正のまま放送された。GWで会社関係の子供が泊まりにきていたが、『アレな~に』と聴かれ返答に窮した。なぜ“こどもの日”に配慮した放送をしないのか。性犯罪が発生するとテレビは必ず、他のメディアの影響と報道するが、家族共々居間で見るテレビの影響の方がはるかに大きい。 E 39 京都
5/17 バラエティー番組。窃盗を告白したタレントが相変わらずゴールデンの番組に出演していた。事件から1年たてば忘れてるだろうと思い込んでいるのかもしれない。タレントは反省の余地もない。もう犯罪者をテレビに出さないでほしい。 E 23 愛知
5/22 地方では放送局が少ないので他の系列局が制作した番組を休日のお昼時間などに放送している。放送されている番組の中には、本来は午後の9時以降に放送すべき番組が青少年が簡単に視聴できる時間に放送されている。何とかならないか? E 20 富山
5/29 アニメ番組。前の週の予告で『来週は・・』と予告があったにも関わらず、5月24日当日は野球の交流戦が放送されていた。ネットで東京など他の地域では予定通り放送されていたことが判明し、大変な憤りを覚えた。代替放送を用意すべきだ。親戚の子どもに録画を頼まれていたのだ。結局、大泣きするほどガッカリしていた。本当に迷惑な話。 E 35 広島
視聴者意見への反論・同意(8件)
受付 内容 方法 地方
5/8 腰を振る芸人について色々な批判があったが、私は賛成派だ。腰を振るのは1つのパフォーマンスであり、またそれを自粛させるという事は、その人の“芸”を潰すという事になる。そもそも彼がテレビに出始めた時は批判はほとんど無かっただろうし興味本位で見ていたと思う。それをメディアで沢山見かける様になってから批判が増えた事自体がおかしい。暴言を吐いたり他人を暴露ばかりする芸能人の方が青少年に与える影響は大きいと思う。ずーっと子ども達がその芸をやるわけがない。子どもが真似をする“芸”は時代とともに変わっていくのではないか? E 25 東京
5/8 『アニメは非現実的で子どもの教育に悪い。子どもが現実と虚構の区別がつかなくなる』などとあるが、むしろここでアニメやバラエティーを批判してる方々が「現実」と「虚構」の区別ができていないのではないか?自分はアニメをよくみるが、あなた達が考えているような感情を抱いたことはない。「現実」と「虚構」の区別がちゃんと出来るからだ。これは特別難しい事ではなく常識的なことだ。幼い子どもも普通に育てれば大方は理解できるだろう。(同様意見1件) E 16 広島
5/11 最近のテレビ、特にバラエティー番組を見て思うが、視聴者からの苦情を気にしてか番組全体の表現が手ぬるいものが多い。バラエティーとは楽しむ物で、苦情や抗議を恐れているかのような制作姿勢は見る側にとってつまらない。また、『教育上良くない』『子どもに見せたくない』と槍玉にあがる番組があるが、それはテレビではなくテレビで悪影響を受ける人の問題ではないか。 E 21 岩手
5/25 『ドラマの題名に“ブス”と言う言葉を使うのは侮辱罪だ』という意見があったが、こういうのを“言葉狩り”と言う。このドラマは、人も羨む美人モデルを彼女に持つ男性が、その女性の高慢さより外見は“ブス”だが“性格美人”であった主人公に惹かれ、遂にゴールインという実話を元にした作品だ。実際、所謂“ブス”である主人公の生き方や態度には嫌味がなく、むしろ純真であり、演じているタレントも非常に良い味を出している。これを見て、単なる“ブス”という単語だけを取り上げて苦情を言うのは筋違いだ。 E 40 埼玉
5/26 『TV番組を批判ばかりするのなら見なければいい』という意見があったが、物事を全く理解していない。それなら低俗番組を垂れ流しにしていいというのか?差別的で卑猥な番組を垂れ流しにしていいのか?『気に入らなければ見るな』で済まされる問題ではない。節度を保ってこそ“表現の自由・言論の自由”は守られるのだ。最近“自由”と“好き勝手”の区別が出来ない愚か者が多い。 E 44 北海道
5/29 最近の意見で、『子どもに7時以降はテレビを見せるな』、『最近食べ物を口に入れて喋るタレントが多い』、『喫煙のシーンは流すな!』や『お笑い芸人の言葉遣いは悪い』という意見が非常に多いが、その人らはテレビの何を見て話しているのだろうか?特に、タレントが食事をしている時に一言も発しないと仕事にはならないと思うし、それが嫌なら見なければいい。 E 18 大阪
暴力・殺傷シーンへの批判(5件)
受付 内容 方法 地方
5/8 特撮ヒーローものは子どもに夢を与えてくれるが暴力シーンが多すぎる。第3のヒーローが主人公に襲いかかるシーンが多かった。もっと内容を柔らかくして欲しい。 E 19 大阪
5/22 アニメ番組。3歳と5歳の親。夕方の特撮ドラマを楽しみにしていて、本日も見たあとチャンネルをそのままにしていた。するといきなり何人もの人が撃たれ、首から血が吹き出るという映像が現れ、驚いてチャンネルを変えた。見たものを何でもそのまま受け入れてしまう小さな子どもには、とても見せられない残酷でショッキングなシーンだった。テレビというのはチャンネルをそのままにしていることが多いので(この時間帯は夕食の準備の時間帯で親が近くにいないことも多い)、このような時間帯や番組の後に、いきなりこのような映像で始まるような番組はふさわしくないと強く抗議させていただく。(同様意見3件) E 40 千葉
編成に関するもの(5件)
受付 内容 方法 地方
5/2 サスペンス再放送。暴力や殺人が堂々とまかり通っている番組が、子供が見られる昼の時間帯に放送されるのはどうしても許せない。外国では、もっと規制があると聞いている。「親がしっかりする」とよく言われるが、社会全体で守っていく必要がある。NHKは安心して見られるが、民放は毎日ぐらいにサスペンスを放送している。(同様意見1件) 電話 30代 千葉
推奨意見(4件)
受付 内容 方法 地方
5/8 リサーチ会社のアンケートで“子供にみせたい番組”の第2位に輝いたのが伝統や昔話を放送するアニメだった。既存の長寿アニメや多くの最近のアニメを一挙に追い抜き、去年秋からの復活にも係わらず堂々の第2位とは驚くばかり。これからも長く放送されるべき番組。(同様意見2件) E 35 東京
5/29 情報バラエティー。内容は『バットでゴルフはできるか?』や『星の砂は生きているのか』など、視聴者から寄せられた疑問を解決する番組で関東にはない面白さがある。しかも最近良く見られる過剰なテロップやBGM、タレントだけが楽しんでいる様子などがなくホームビデオ感覚で楽しむことができる。 E 16 神奈川
要望(4件)
受付 内容 方法 地方
5/16 国の法律を用いて、週末の特に視聴者が多いと思われる土曜日の19時から21時等にかけて、道徳番組を公平に全局で放送するようにできないか?テレビメディアの与える影響は非常に大きく、近年の未成年の犯罪の残虐化はそれによるものも大きいと考えられる。 E 18
5/22 深夜に放送されるアニメは大人向けやいわゆるオタク向けのアニメだが、中には子ども向けや子どもに良い影響を与えそうな作品、子どもにも見せたいと思うような作品がある。このようなアニメを夕方や休日の朝などに放送する事はできないのか。 E 19 京都
マナーに関して(2件)
受付 内容 方法 地方
5/15 よくドラマで喫煙シーンがある。特に最近人気のアイドルがタバコを吸うシーンは、未成年のファンに影響が出ると思う。『○○が吸っていて、格好いいから私も』と考える人がいるだろう。だから特に人気のある人の喫煙シーンは辞めた方いいと思う。 E 16 埼玉
5/22 情報番組。未成年の喫煙について話し合いをしていた時、出演していたタレントが『煙草位、みな吸っているからいいじゃん』等、未成年の喫煙を容認し、日本国民全員が未成年で喫煙しているがごとき発言をし、まともな謝罪をしないまま未だに同番組に出演し続けている。どう考えても社会倫理上、許されることではない。 E 44 愛知
人権・プライバシーの侵害(2件)
受付 内容 方法 地方
5/8 報道番組。『秋葉原で違法な児童ポルノが密買されている』と報道されたが調べた所、?VTRに映った店舗は一般の店舗で商品も違法ではない。?児童ポルノ販売店が警察の摘発により関連店舗自体無い。?“秋葉原”と強調した事で、一般の買い物客すら犯罪者扱いし激しく人権を侵害した内容であった。などの点が挙げられ、完全に人権を無視した内容であった。早急に謝罪、並びに訂正報道を行なうべきである。 E 48 東京
性表現について(2件)
受付 内容 方法 地方
5/22 アニメ番組。性行為を連想させる表現があった。時間帯として非常に不適切。また、同じ時間帯に以前も同じ問題が発生しているにも関わらず、まったく改善されていない。番組制作者及び放送局担当者の見識を疑う。アニメーションに対する偏見を助長させかねない。 E 26 大阪
食べ物の扱いについて(2件)
受付 内容 方法 地方
5/29 料理の腕前をバトルする番組だが、実際の内容はどれが美味しいかではない。いい食材を使い、毎回粗末な食べ物を作る。不味さを笑いのネタにし、作った本人は笑いが取れた事に満更でもない様子だ。世界的に飢えている国がある中で、今以上に日本の残飯が増える危険性がある事に関して恥じるべきである。また、食材も限りがある資源である事を忘れさせる内容だ。食に対する意識の低下にも繋がるのではないだろうか。食べ物を粗末にしてはいけない。日本が築き上げてきた食文化を粗末にしてはいけない。基本的な事ではないだろうか。 E 19 青森
動物の扱いについて(1件)
受付 内容 方法 地方
5/17 情報バラエティー。タレントが室内でパンダやオランウータンなどを飼うコーナーがあるが、動物を虐待しているようにしか見えない。日常生活で飼育することが不可能な動物をタレントが楽しそうに世話しているのをテレビで見て、子どもたちは動物とのかかわり方を正しく理解するだろうか。 E 30 北海道
非科学的事柄を扱う番組への批判(1件)
受付 内容 方法 地方
5/11 某局はオカルト的な番組が多い。こうした番組を放送するのは、子供などにも悪影響を及ぼすのでやめるべきである。 電話 30代 東京
その他(14件)
受付 内容 方法 地方
5/15 アニメ番組。「青少年に薦めたい番組」に選ばれた作品なので作品制作は慎重にやってもらいたい。今回は『飼っていたペットが病気で死んでしまったので、タイムマシンを使用して過去に戻り病気を治す』という内容だった。これは『ゲームをリセットすれば生き返る』と本気で思っている現代の子どもには見せたくない内容だ。原作は今から30年以上前で、当時は夢のある話だったのだろうが、もう少し時代の流れを汲んで制作に取り掛かって欲しいと思った。(同様意見1件) E 27 兵庫
5/22 『昔暴走族に属していた』などの非行歴があるが今は立ち直って立派に社会人となっているコメンテーターやタレントがいろいろなテレビに出演しているが、あまり好意的には見ていない。というのも本人はそれでいいかもしれないが、周りにいた方々はどれほどの苦労を強いられたか考えたことはあるのか。見ず知らずの人でもその人たちのせいで今も心身に後遺症をお持ちの方や生活が大きく崩されたままの方もいらっしゃると思う。若者が『大人になって直ればそれでいい』なんて思うこともあるのではないか。若者の気持ちがよくわかるだろうなんて持ち上げられて子どもの非行問題に対して評論家気取りをされてしまうことに憤りを感じている。レッテルを貼って、這い上がれないようにしてほしいということではないが、もう少し地道な活動などで社会への恩返しをしてほしい。 E 41 埼玉
5/22 テレビで写真にモザイクをかけたり、声を変えるのはどうかと思う。どうしてもプライバシーに関わるのであれば別として。過剰に使うのは良くない。 E 16 東京
5/29 子どもに見せられない内容のアニメが多すぎる。アニメを見る大人が増え、視聴者の高齢化を意識してのことなのだろうが、子ども番組で大人の視聴を意識して、子どもに見せられなくなるのは本末転倒だ。中には明らかに子どもの視聴を視野に入れていない大人向けアニメもある。アニメは本来子どものものだということを製作側は忘れないで欲しい。大人の世界に子どもが踏み入ってはならないように、子どもの世界に大人が踏み入ってはならない。 E 25 長崎

第68回 放送と青少年に関する委員会

第68回 – 2006年5月

青少年に関する視聴者意見について審議

中学生モニターについて …など

青少年に関する視聴者意見について審議

視聴者から寄せられた意見を基に審議に入った。

冒頭、委員から中津川女子中学生殺害事件の報道について、「亡くなった中学生の友人が泣いているにも関わらず、執拗にインタビューをして、多感な時期の中学生に心の傷を深める取材を平気で行っている、との視聴者からの意見があるが、これが本当ならば”またか”と言わざるを得ない」と発言があった。この視聴者からの意見に関して事務局が放送した当該局に確認をしたところ、「取材は系列局が行ったが、放送する際にはモザイクをかけて生徒の顔は映していない。報道の公益性からみて妥当ではないかと考えている」との説明があった旨を報告した。委員からは「モザイクをかけさえすれば”配慮していることになる”と考えているのではないか」と意見が述べられた。

次に、脳をテーマにした情報番組で「脳の部品が…」と人間を物扱いにし、命の尊厳が損なわれ軽んじられていたとの視聴者からの意見について、次のような意見が出された。

  • 最先端の科学情報を取り上げるときは、視聴者に分かりやすく放送するのはメディアの責任だが、情報を発信していくうえでどのような人間観になるのかを考えながら作っていく必要がある。
  • 臓器移植のニュースでも、人間をパーツの集合体のように扱っているが、一つの命の存在を解体しているような報道をする傾向があることを把握しておく必要がある。
  • “脳”をキーワードにすることがはやりのようだが、脳の仕組みを取り上げるにしても、特に子どもの問題として”キレる子ども”といった極端な切り口だけで番組を作っているのではないか。
  • 最先端科学を知りたいという問題意識とは別に、一般視聴者の番組ニーズとしては、脳科学の一部分を見て”うちの子はおかしいのでは”と思ってしまうような番組が視聴率を取れるので、作り手も落としどころがわかっている。個々の番組というより方向として大きな問題である。

また、番組の中で男児の裸を映したシーンや幼児番組のコーナーで、下着姿でパジャマに着替えさせることについて、児童ポルノとの関連を危惧する視聴者からの意見に対して次のような意見があった。

  • 視聴者から、小さな子どもの裸であっても問題だという意見がきているということは、児童ポルノについて日本人の感覚も変わってきているので、テレビ局もその辺を意識して作ったほうがいい。
  • 日本には小さい子どもの裸姿を普通に”かわいい”と受け入れる文化がある。こういった表現すべてが児童ポルノの要因になるから問題だと制限が加えられるようになるのはおかしいが、こころに止めておく必要はある。
  • 児童買春、児童ポルノ禁止法ができるまでは、日本は児童ポルノの発信国として世界一だった。その背景には子どもの裸はかわいいと温かく見る庶民文化があるが、欧米先進国においてはそれが悪用されたときには児童ポルノ禁止的な目線で、たとえ子どもであっても性器は出すべきでないという規制の高さがある。国際水準を維持する観点からすると日本の庶民感覚だからいいというわけにはいかない。

このほか、「ニュース番組の中で、ゲームソフトをアルミ箔で包むと万引きの時セキュリティーが作動しないと放送していたが、万引きの手口を教えるようなものだ」との視聴者からの抗議について、委員から「最近の万引きが悪質化していることを報道したのだろうが、テレビで放送するとやり方を広めることになる」「かえってマネをするのではないか」との意見があった。

また、深夜帯に放送されるアニメには、セックス描写や女性の下着姿など肌の露出するものが多いとの批判に対して、委員からは「子どもが見る時間帯ではないから放送していいというものではない。今後、注視していく必要がある」との意見が述べられた。

中学生モニターについて

今月は36人から、51件(一人で複数件の報告有)意見が寄せられた。報告テーマは、前回のモニター報告後5月中旬までに見た番組についての感想・批判・期待することなど。

報告の全体概要は、ドラマとバラエティーが同数で14件、その他情報・教養・ドキュメント等が23件である。2件以上意見が寄せられた番組について紹介する。

  • ドラマでは『クロサギ』に4件で、主人公の詐欺師が詐欺師をだますというストーリーが新鮮という意見が2件、主人公を演じる山下智久の演技をほめる意見が1件、『野ブタ。をプロデュース』の主役2人を系統の違うドラマで使ったため原作の不思議な面白さが十分伝わらないという注文意見が1件。また『純情きらり』の3件、『ギャルサー』の2件はおおむね好評だった。
  • バラエティーでは、一番多く3件意見が寄せられたのは『エンタの神様』。1件は下ネタが少なくテロップが入っていて分かりやすいという賛同意見。2件はたまに驚くほどつまらない芸人が出演する・全然芸をしない女性2人組は見たくない、という注文だった。また『平成教育委員会』のスペシャル番組に2件。今回は出演者が豪華だし問題を一緒に考えられるのが良い。特別授業(正解するとおいしい物が食べられる)も皆が本気で頑張るので面白いと好評だった。
  • その他の分野では、『ぴーかんバディ』で紹介され問題になったダイエットについて科学検証をしてから放送するべきだ等、注文が2件。『日本人の好きな100人の偉人』にも、様々な人物の知らない素顔が分かったという好評意見とスタジオでのゲストの話がほとんど無駄だったという注文意見の2件が寄せられた。

委員からは次のような意見が出された

  • 一般視聴者から『ギャルサー』について青少年への悪影響が心配だという意見が寄せられているが、中学生たちは「ギャルは他人のことを平気で傷つけることばかりやる、でもどんな人たちよりも、友だちのことは大切にするし仲間を裏切ったりしない」というように冷静に番組を見ている。中学生の意見があると偏りなく考えられる。
  • 『日本人が好きな100人の偉人』の報告が2通あり、『NHKスペシャル』や『人間ドキュメント』の報告もあった。いろいろな番組を見ている事がわかり、番組の担当者が読めば随分励まされるだろう。
  • 『もののけ姫』を最初に見てから3年後に見直したら中身が良く分かったという意見があった。再放送をする意味はこんな所にもあるのだろう。

さらに中学生モニターの報告のうち、委員が共感して取り上げた意見を列挙する。

  • 『笑いの金メダル』で芸人が危険でくだらないことをやるのは、やめた方が良い。
  • 『世界一受けたい授業』でスタジオにいる芸能人が多すぎる。ボケッと聞いているアイドルに出演料を払うくらいなら実験などをより豪華にし、お金をかけて欲しい。
  • 『クイズ ミリオネア』の出場者は有名人が多いが、一般人が出場し賞金をもらったほうが喜びが大きいのではないか。
  • 『クレヨンしんちゃん』は、親が子どもに見せたくないアニメランキング1位で、『ドラえもん』が、子どもに夢をあたえるアニメランキング1位だそうだが、のび太は、自立しようともせずに、ピンチのときはドラえもんにすがりついてしまう。そういうのび太を毎回あまやかし、楽をさせるばかりの番組はよくないと思う。『クレヨンしんちゃん』は、確かに下品なところもあるが、実際にありそうな家庭で家のローンに苦しんだりする両親の苦労が面白おかしく描かれている。親子で楽しく見てほしい。
  • 世界卓球の放送で、福原愛ばかり注目しすぎている。第2の福原愛まで登場させているのにはあきれる。
  • 「人を殺したあと首を切った」というニュースが、進展がなくても何日も同じ様に報道されていた。もっと伝えることが他にないのか。
  • 離婚についての番組で、どうすれば妻が夫と有利に別れられるかという説明があり不快だった。テレビの影響力の大きさを真剣に考えて欲しい。

以上のような意見をもとに委員会審議を進める一環として、中学生モニター会議を夏休みに入ってすぐの7月27日(木)に開催することに決定した。

調査・研究活動について

前回の委員会で、橋元・是永両委員が中心となって調査に関する具体案を企画することが決まり、これを受け調査企画チームが設置された。橋元委員から同チームの概要について下記のとおり報告があった。

◎調査企画チーム等について

  • 橋元委員、是永委員のほか、4人の協力メンバーで構成。
  • すでに2回会合を開き、テレビの影響調査などの先行調査を基に検討した。
  • テレビの影響に関しては、アンケートのような量的な調査をしても明確な影響関係を見出すことは難しい。別なかたちの調査をしたい。
  • 調査方法は、グループインタビューまたは個別インタビュー(深層面接)を考えている。
  • 調査対象は、小学校高学年から中学生を中心に実施したい。
  • 調査意図や調査の具体的方法については今後さらに検討を重ねるが、ほかの委員からの意見も参考に進めて行く。

上記の報告を受け、委員から次のような意見が出された。

  • 調査の対象としてヘビービュアーの子どもも必要だが、テレビをあまり見ない子どもたちの調査もしてはどうか。
  • 暴力シーンやセックスシーンについては、子どもの捉え方、大人の捉え方が違うので対比できるものが必要ではないか。
  • インタビュー方式を採用するには、対象者と長く接触して研究することが望ましい。中学生モニターと連動していくことも考えられる。
  • テレビは子どもに役に立っているのか、貢献しているのかも知りたい。60年代のテレビはかなり子どもにとって強い意味合いを持っていた。

第112回 放送と人権等権利に関する委員会

第112回 – 2006年5月

「若手政治家志望者からの訴え」事案

「放送の公平・公正」の扱いについて協議…など

「若手政治家志望者からの訴え」事案

本件事案は、若手政治家志望者から「日本テレビが05年11月22日に放送した報道番組で、我々が作った政党と個人の活動について誤解を与える表現と作為的な編集、演出が行われ、名誉が傷つけられた」と申し立てがあったもので、06年4月の委員会で審理入りが決まった。

5月の委員会では、反論書や再答弁書など出揃った提出書類に加えて、事務局作成の論点対比表をもとに本格的審理を行った。この中では、「当該放送によって申立人側の社会的評価が低下したか」「政党についての部分を放送人権委員会として判断するかしないか」「苦情に対する当該局の放送後の対応についてはどうか」等について意見が交わされた。

委員会では、双方の意見を更に聴く必要があるとして、次回6月の委員会に申立人・被申立人を個別に招いてヒアリングを行うことを決めた。

「放送の公平・公正」の扱いについて協議

放送人権委員会は、設立10年目に入り、その存在と活動は視聴者・市民に広く認知されてきている。それとともに、第三者機関としての役割も社会的にますます重要視されるようになってきた。

このような状況のもと、4月に委員2人が交代、新委員長に竹田稔委員が選任されて放送人権委員会は新体制になったが、これを機に苦情の取り扱い基準を見直して審理対象をさらに広げるかどうか、特に「放送における公平・公正」を中心に議論することになった。

5月の委員会では、「<政治的に公平であること>等を定めた放送法3条の2については倫理規範的規定であるとみるのが通説だが、実際にはこの法に基づいて”行政指導”が行われている。第三者機関としての放送人権委員会は、今後とも人権・放送倫理の問題に限ってやっていくのか、それとも番組編集への公権力の介入を避ける意味においても、あらたにもう少し審理対象の間口を広げるべきか否か、今一度検討することが求められている」旨の委員長発言を中心に、活発に意見が交換された。

放送の公平・公正、特に政治的公平の問題は、表現の自由・編集の自由などとの兼ね合いや取り扱い基準作りが難しいため、6月以降も具体的な苦情事案の審理に並行して長期的・多角的に議論を重ねていくことになっている。

苦情対応状況[4月]

2006年4月の1か月間に寄せられた放送人権委員会関連の苦情の内訳は、次のとおり。

◆人権関連の苦情(21件)

  • 斡旋・審理に関連する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・4件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・17件

その他

次回委員会は、6月19日(火)に、事案のヒアリングがあるため、通常より1時間早め午後3時から開くことを決め、閉会した。

以上